(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】フル・ボトム・アイソレーションを伴うナノシート・エピタキシ
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20241108BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20241108BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20241108BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241108BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H01L29/78 618C
H01L27/092 C
H01L27/088 331E
H01L29/78 617K
H01L29/78 616T
H01L29/78 616J
H01L29/58 G
H01L29/78 301G
H01L29/78 301R
H01L29/78 301Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531604
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2022082962
(87)【国際公開番号】W WO2023099305
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】フロウギアー、ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】グリーン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ラン
(72)【発明者】
【氏名】モンタニーニ、ピエトロ
【テーマコード(参考)】
4M104
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5F140
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
半導体チャネル層の周りを包むゲート・スタック材料によって分離された、垂直に一列に並べられ積み重ねられた半導体チャネル層、半導体チャネル層に隣接した高濃度にドープされたp型電界効果トランジスタ(p-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域であって、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、非ドープ・シリコン・エピタキシの水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたp-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域。垂直に一列に並べられ積み重ねられた犠牲チャネルと半導体チャネルとの交代層をそれぞれ含む、基板上のナノシート層の第1のスタック、第2のスタック、および第3のスタックを形成すること、第1のスタックにわたる第1の犠牲ゲート、第2のスタックにわたる第2の犠牲ゲート、および第3のスタックにわたる第3の犠牲ゲートを形成すること、第1のスタックと第2のスタックとの間、および第2のスタックと第3のスタックとの間に非ドープ・シリコン・エピタキシを形成すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ゲートオールアラウンド・デバイスであって、
垂直に一列に並べられ積み重ねられた半導体チャネル層であって、前記半導体チャネル層の周りを包むゲート・スタック材料によって互いに分離された、半導体チャネル層と、
前記半導体チャネル層に隣接した高濃度にドープされたp型電界効果トランジスタ(p-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域であって、前記p-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、非ドープ・シリコン・エピタキシの水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたp-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域と
を含む、半導体ゲートオールアラウンド・デバイス。
【請求項2】
前記非ドープ・シリコン・エピタキシの下および前記半導体チャネル層の下に一列に並べられたボトム・アイソレーション領域
をさらに備える、請求項1に記載の半導体ゲートオールアラウンド・デバイス。
【請求項3】
半導体チャネル層の第2のセットに隣接した高濃度にドープされたn型電界効果トランジスタ(n-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ・ドープ領域であって、前記n-FETソース-ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、前記非ドープ・シリコン・エピタキシの前記水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたn型電界効果トランジスタ(n-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ・ドープ領域
をさらに備える、請求項1に記載の半導体ゲートオールアラウンド・デバイス。
【請求項4】
前記非ドープ・シリコン・エピタキシの上の方の水平面が、前記半導体チャネル層の最下部のチャネル層の下の方の水平面より下にある、
請求項1に記載の半導体ゲートオールアラウンド・デバイス。
【請求項5】
前記ゲート・スタック材料を囲むインナー・スペーサであって、前記ゲート・スタック材料が、前記半導体チャネル層の周りを包み、前記高濃度にドープされたソース・ドレイン・エピタキシ領域に隣接した、インナー・スペーサ
をさらに備える、請求項1に記載の半導体ゲートオールアラウンド・デバイス。
【請求項6】
半導体チャネル層のそれぞれが、各半導体チャネル層の外側部分に沿って広くなる高さ、および各チャネル層の中心部分に沿って薄くなる高さを有し、前記中心部分が、前記ゲート・スタック材料と一列に並べられる、
請求項1に記載の半導体ゲートオールアラウンド・デバイス。
【請求項7】
半導体デバイスであって、
垂直に一列に並べられ積み重ねられた半導体チャネル層の第1のセットと
半導体チャネル層の前記第1のセットに隣接した高濃度にドープされたp型電界効果トランジスタ(p-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域であって、前記p-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、非ドープ・シリコン・エピタキシの水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたp-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域と、
半導体チャネル層の第2のセットに隣接した高濃度にドープされたn型電界効果トランジスタ(n-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ・ドープ領域であって、前記n-FETソース-ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、前記非ドープ・シリコン・エピタキシの前記水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたn-FETソース・ドレイン・エピタキシ・ドープ領域と
を備える、半導体デバイス。
【請求項8】
前記非ドープ・シリコン・エピタキシの下および前記半導体チャネル層の下に一列に並べられたボトム・アイソレーション領域
をさらに備える、請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記非ドープ・シリコン・エピタキシの上の方の水平面が、前記半導体チャネル層の最下部のチャネル層の下の方の水平面より下にある、
請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
ゲート・スタック材料を囲むインナー・スペーサであって、前記ゲート・スタック材料が、前記半導体チャネル層の周りを包み、前記高濃度にドープされたp-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域に隣接した、インナー・スペーサ
をさらに備える、請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
半導体チャネル層のそれぞれが、各半導体チャネル層の外側部分に沿って広くなる高さ、および各チャネル層の中心部分に沿って薄くなる高さを有し、前記中心部分が、前記ゲート・スタック材料と一列に並べられる、
請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
伝導性トレンチ接点の下面が、前記ソース・ドレイン・エピタキシ領域の一部分の上面に隣接した、
請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
方法であって、
基板上のナノシート層の第1のスタック、前記基板上のナノシート層の第2のスタック、および前記基板上のナノシート層の第3のスタックを形成することであって、ナノシート層の前記第1のスタック、前記第2のスタック、および前記第3のスタックが、垂直に一列に並べられ積み重ねられた犠牲チャネルと半導体チャネルとの交代層をそれぞれ含む、形成することと、
ナノシート層の前記第1のスタックにわたる第1の犠牲ゲート、ナノシート層の前記第2のスタックにわたる第2の犠牲ゲート、およびナノシート層の前記第3のスタックにわたる第3の犠牲ゲートを形成することと、
ナノシート層の前記第1のスタックと前記第2のスタックとの間、およびナノシート層の前記第2のスタックと前記第3のスタックとの間に非ドープ・シリコン・エピタキシを形成することと
を含む、方法。
【請求項14】
ナノシート層の前記第1のスタックと前記第2のスタックとの間、およびナノシート層の前記第2のスタックと前記第3のスタックとの間に前記非ドープ・シリコン・エピタキシを形成した後、
ナノシート層の前記第1のスタック、第2のスタック、および第3のスタックの下、ならびに前記非ドープ・シリコン・エピタキシの下の犠牲エピタキシャル層を、連続的なボトム・ジエレクトリック・アイソレーションと置き換えること
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ナノシート層の前記第1のスタックと前記第2のスタックとの間の前記非ドープ・シリコン・エピタキシの一部分を、高濃度にドープされたp型電界効果トランジスタ(p-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域と置き換えることと、
ナノシート層の前記第2のスタックと前記第3のスタックとの間の前記非ドープ・シリコン・エピタキシの一部分を、高濃度にドープされたn型電界効果トランジスタ(n-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域と置き換えることと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1、第2、および第3の犠牲ゲートを、第1、第2、および第3のゲート・スタックと置き換えること
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
ナノシート層の前記第1のスタックと前記第2のスタックとの間、およびナノシート層の前記第2のスタックと前記第3のスタックとの間に前記非ドープ・シリコン・エピタキシを形成した後、
ナノシート層の前記第1のスタックおよび第2のスタックの下、ならびにナノシート層の前記第1のスタックと前記第2のスタックとの間の前記非ドープ・シリコン・エピタキシの下にある犠牲エピタキシャル層を、第1の連続的なボトム・ジエレクトリック・アイソレーションと置き換えることと、
ナノシート層の前記第3のスタックの下、およびナノシート層の前記第2のスタックと前記第3のスタックとの間の前記非ドープ・シリコン・エピタキシの下にある犠牲エピタキシャル層を、第2の連続的なボトム・ジエレクトリック・アイソレーションと置き換えることと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ナノシート層の前記第1のスタックと前記第2のスタックとの間の前記非ドープ・シリコン・エピタキシを、高濃度にドープされたp型電界効果トランジスタ(p-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域と置き換えることと、
ナノシート層の前記第2のスタックと前記第3のスタックとの間の前記非ドープ・シリコン・エピタキシの一部分を、高濃度にドープされたn型電界効果トランジスタ(n-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域と置き換えることと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記非ドープ・シリコン・エピタキシの上の方の水平面が、ナノシート層の前記第1のスタックの最下部のチャネル層の下の方の水平面より下にある、
請求項13に記載の方法。
【請求項20】
ゲート・スタック材料を囲むインナー・スペーサであって、前記ゲート・スタック材料が、ナノシート層の前記第1のスタックの前記半導体チャネル層の周りを包み、前記高濃度にドープされたp-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域に隣接した、インナー・スペーサ
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体製造の分野に関し、より詳細には、改善されたナノシート・エピタキシおよびフル・ボトム・アイソレーションを伴うゲートオールアラウンド・ナノシート電界効果トランジスタの製作に関する。
【背景技術】
【0002】
中央処理ユニット(以下「CPU:central processing unit」)、メモリ、ストレージ・デバイスなど、先進的な集積回路(以下「IC:integrated circuit」)の一部としての電界効果トランジスタ(以下「FET:field effect transistor」)のために、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術が一般に使用される。トランジスタ・デバイスの寸法を低減させるという需要が続くと同時に、FETデバイスの性能を維持しつつ、低減されたFETデバイスのフットプリントを達成するのにナノシートFETが役立つ。ナノシートFETは、2つのソース・ドレイン・エピタキシャル領域の間に広がる複数のナノシートを含む。デバイスは、ゲートがナノシート・チャネルの少なくとも一部分を囲むゲートオールアラウンド・トランジスタでもよい。
【0003】
ゲート長が12ナノメートル以下に近づくにつれて、最適な電気的性能のために、基板からのソースおよびドレイン・エピタキシのボトム・ジエレクトリック・アイソレーションが要求される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様によれば、ゲートオールアラウンド・デバイスが提供される。ゲートオールアラウンド・デバイスは、垂直に一列に並べられ積み重ねられた半導体チャネル層であって、半導体チャネル層の周りを包むゲート・スタック材料によって互いに分離された、半導体チャネル層と、半導体チャネル層に隣接した高濃度にドープされたp型電界効果トランジスタ(p-FET:p-type field effect transistor)ソース・ドレイン・エピタキシ領域であって、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、非ドープ・シリコン・エピタキシの水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたp-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域とを含む。
【0005】
本発明の別の態様によれば、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、垂直に一列に並べられ積み重ねられた半導体チャネル層の第1のセットと、半導体チャネル層の第1のセットに隣接した高濃度にドープされたp型電界効果トランジスタ(p-FET)ソース・ドレイン・エピタキシ領域であって、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、非ドープ・シリコン・エピタキシの水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたp-FETソース・ドレイン・エピタキシ領域と、半導体チャネル層の第2のセットに隣接した高濃度にドープされたn型電界効果トランジスタ(n-FET:n-type field effect transistor)ソース・ドレイン・エピタキシ・ドープ領域であって、n-FETソース-ドレイン・エピタキシ領域の水平な下の方の表面が、非ドープ・シリコン・エピタキシの水平な上の方の表面に隣接した、高濃度にドープされたn-FETソース・ドレイン・エピタキシ・ドープ領域とを含む。
【0006】
本発明の別の態様によれば、方法が提供される。方法は、基板上のナノシート層の第1のスタック、基板上のナノシート層の第2のスタック、および基板上のナノシート層の第3のスタックを形成することであって、ナノシート層の第1のスタック、第2のスタック、および第3のスタックが、垂直に一列に並べられ積み重ねられた犠牲チャネルと半導体チャネルとの交代層をそれぞれ含む、形成することと、ナノシート層の第1のスタックにわたる第1の犠牲ゲート、ナノシート層の第2のスタックにわたる第2の犠牲ゲート、およびナノシート層の第3のスタックにわたる第3の犠牲ゲートを形成することと、ナノシート層の第1のスタックと第2のスタックとの間、およびナノシート層の第2のスタックと第3のスタックとの間に非ドープ・シリコン・エピタキシを形成することとを含む。
【0007】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図面と共に読まれるべきである本発明の例証的実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。例証は、当業者が詳細な説明と併用して本発明を理解しやすくする際に明瞭にするためのものであるので、図面の様々な特徴は一定の比率ではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示的実施形態による、製作の中間段階における半導体構造の上面図である。
【
図2】例示的実施形態による、
図2と
図3とが互いに平行で、
図4が
図2および
図3と直角をなす、切断線X1-X1に沿った
図1の半導体構造の断面図である。
【
図3】例示的実施形態による、
図2と
図3とが互いに平行で、
図4が
図2および
図3と直角をなす、切断線X2-X2に沿った
図1の半導体構造の断面図である。
【
図4】例示的実施形態による、
図2と
図3とが互いに平行で、
図4が
図2および
図3と直角をなす、切断線Y-Yに沿った
図1の半導体構造の断面図である。
【
図5】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、ならびにナノシート・スタック、シャロー・トレンチ・アイソレーション、および犠牲ゲートの形成の図である。
【
図6】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、ならびにナノシート・スタック、シャロー・トレンチ・アイソレーション、および犠牲ゲートの形成の図である。
【
図7】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、ならびにナノシート・スタック、シャロー・トレンチ・アイソレーション、および犠牲ゲートの形成の図である。
【
図8】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびスペーサの形成の図である。
【
図9】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびスペーサの形成の図である。
【
図10】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびスペーサの形成の図である。
【
図11】切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびナノシート・スタック内のソース・ドレイン・トレンチの形成の図である。
【
図12】切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびナノシート・スタック内のソース・ドレイン・トレンチの形成の図である。
【
図13】切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびナノシート・スタック内のソース・ドレイン・トレンチの形成の図である。
【
図14】切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびインナー・スペーサの形成の図である。
【
図15】切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびインナー・スペーサの形成の図である。
【
図16】切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびインナー・スペーサの形成の図である。
【
図17】切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、および非ドープ・シリコン・エピタキシの形成の図である。
【
図18】切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、および非ドープ・シリコン・エピタキシの形成の図である。
【
図19】切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、および非ドープ・シリコン・エピタキシの形成の図である。
【
図20】切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびシャロー・トレンチ・アイソレーション領域をくぼませた図である。
【
図21】切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびシャロー・トレンチ・アイソレーション領域をくぼませた図である。
【
図22】切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびシャロー・トレンチ・アイソレーション領域をくぼませた図である。
【
図23】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、および犠牲エピタキシャル層の除去の図である。
【
図24】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、および犠牲エピタキシャル層の除去の図である。
【
図25】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、および犠牲エピタキシャル層の除去の図である。
【
図26】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびボトム・ジエレクトリック・アイソレーションの形成の図である。
【
図27】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびボトム・ジエレクトリック・アイソレーションの形成の図である。
【
図28】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびボトム・ジエレクトリック・アイソレーションの形成の図である。
【
図29】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびエッチング・ストップ・ライナの形成の図である。
【
図30】例示的実施形態による、切断線X2-X2沿った半導体構造の断面図、およびエッチング・ストップ・ライナの形成の図である。
【
図31】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびエッチング・ストップ・ライナの形成の図である。
【
図32】例示的実施形態による、半導体の断面図、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、および第1の有機平坦化層の形成の図である。
【
図33】例示的実施形態による、半導体の断面図、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、および第1の有機平坦化層の形成の図である。
【
図34】例示的実施形態による、半導体の断面図、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、および第1の有機平坦化層の形成の図である。
【
図35】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびp-FETソース・ドレイン・トレンチの形成の図である。
【
図36】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびp-FETソース・ドレイン・トレンチの形成の図である。
【
図37】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびp-FETソース・ドレイン・トレンチの形成の図である。
【
図38】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびp-FETソース・ドレイン・エピタキシの形成の図である。
【
図39】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびp-FETソース・ドレイン・エピタキシの形成の図である。
【
図40】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびp-FETソース・ドレイン・エピタキシの形成の図である。
【
図41】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびn-FETソース・ドレイン・エピタキシの形成の図である。
【
図42】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、およびn-FETソース・ドレイン・エピタキシの形成の図である。
【
図43】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびn-FETソース・ドレイン・エピタキシの形成の図である。
【
図44】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、ならびに、層間絶縁膜の形成、ならびにゲート・ハード・マスク、犠牲ゲート、および犠牲サスペンション層(sacrificial suspension layer)の除去の図である。
【
図45】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、ならびに、層間絶縁膜の形成、ならびにゲート・ハード・マスク、犠牲ゲート、および犠牲サスペンション層の除去の図である。
【
図46】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、ならびに、層間絶縁膜の形成、ならびにゲート・ハード・マスク、犠牲ゲート、および犠牲サスペンション層の除去の図である。
【
図47】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、および選択エッチングの図である。
【
図48】例示的実施形態による、切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、および選択エッチングの図である。
【
図49】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、および選択エッチングの図である。
【
図50】例示的実施形態による、切断線X1-X1に沿った半導体構造の断面図、およびゲート・スタックの形成の図である。
【
図51】例示的実施形態による、切断線X2-X2沿った半導体構造の断面図、およびゲート・スタックの形成の図である。
【
図52】例示的実施形態による、切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、およびゲート・スタックの形成の図である。
【
図53】切断線X1-X1、に沿った半導体構造の断面図、および代替実施形態の図である。
【
図54】切断線X2-X2に沿った半導体構造の断面図、および代替実施形態の図である。
【
図55】切断線Y-Yに沿った半導体構造の断面図、および代替実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例証の簡潔さおよび明瞭さのために、図に示された要素は、必ずしも一定の比率で描かれているわけではないことが理解されよう。例えば、要素のうちのいくつかの寸法は、明瞭さのために他の要素に対して誇張されることがある。さらに、適切と考えられる場合、参照番号は、対応するまたは類似の特徴を指示するために、図の間で繰り返されることがある。
【0010】
特許請求される構造および方法の詳細な実施形態が本明細書で開示されるが、開示の実施形態は、様々な形式で具体化され得る特許請求される構造および方法の例証にすぎないと理解されてもよい。しかし、本発明は、多くの異なる形式で具体化されてもよく、本明細書で説明される例示的実施形態に限定されるような意味にとられるべきではない。本説明では、よく知られた特徴および技法の詳細は、提示の実施形態を不必要に不明瞭にしないように、省略されることもある。
【0011】
「1つの実施形態(one embodiment)」、「1つの実施形態(an embodiment)」、「1つの例の実施形態(an example embodiment)」等への本明細書における言及は、記載の実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含んでもよいが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含まなくてもよいことを指示する。その上、このような句は、同じ実施形態のことを必ずしも指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態と共に説明されるとき、明示的に記載されていてもいなくても、他の実施形態と共にこのような特徴、構造、または特性に影響することを当業者は知っていると考えられる。
【0012】
層、領域、または基板のような要素が、別の要素の「上(on)」または「上(over)」にあると言及されたとき、要素が、直接的に他の要素の上にあることが可能であるか、介在要素がさらに存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が、別の要素の「直接的に上(on)」または「直接的に上(over)」にあると言及されたとき、介在要素は存在しない。要素が、別の要素に「接続されている」または「連結されている」と言及されたとき、要素は、他の要素に直接的に接続または連結されていることが可能であるか、介在要素が存在し得ることも理解されよう。対照的に、要素が、別の要素に「直接的に接続されている」または「直接的に連結されている」と言及されたとき、介在要素は存在しない。
【0013】
本発明の実施形態の提示を不明瞭にしないために、以下の詳細な説明では、当技術分野で知られたいくつかの処理ステップまたは動作が、提示および例証のために一緒に組み合わされていることがあり、いくつかの事例では、詳細に説明されていないこともある。他の事例では、当技術分野で知られたいくつかの処理ステップまたは動作は、全く説明されていないこともある。以下の説明は、むしろ、本発明の様々な実施形態の明確に区別可能な特徴または要素に焦点を合わされることを理解されたい。
【0014】
ナノシート電界効果トランジスタ(以下「FET」)は、チャネル層と呼ばれるシリコンと、犠牲サスペンション層と呼ばれるシリコン・ゲルマニウムとの交代層から形成されてもよく、これらの層は、その後、ナノシートに形成される。ゲートオールアラウンド構造が、ナノシートのセクションの全ての垂直面および水平な上の方の表面に形成されてもよい。ソース-ドレイン・エピタキシ構造が、ナノシート構造の向かい合う両端に形成されてもよい。
【0015】
本発明は、一般に、半導体製造の分野に関し、より詳細には、フル・ボトム・アイソレーションを伴うナノシート電界効果トランジスタの製作に関する。
【0016】
バルク基板上のナノシートFETデバイスの場合、ソース・ドレイン・エピタキシは、ナノシート・デバイスのシリコン・チャネル層の側面から、およびまた、基板から、成長する。これは、ナノシートFETデバイスのゲート領域の下にあるシート下領域を通じたソースからドレインへの寄生漏出(parasitic source-to-drain leakage)を生じることがあり、これには、寄生漏出の増加など、ナノシートFET性能への悪影響がある。
【0017】
基板を通じたソースおよびドレイン・エピタキシ接点の間の、ソースからドレインへの寄生漏出を低減させるために、ソース-ドレイン・エピタキシを基板から絶縁するボトム・ジエレクトリック・アイソレーション(BDI:bottom dielectric isolation)が、特に有効ゲート・スタック長12nm以下での最適な電気的性能のために要求される。有効ゲート・スタック長は、電流輸送の方向のゲート・スタックの物理距離として定義される(ゲート誘電体の厚さを考慮しない)。例えば、ゲート長15nmが、有効ゲート長12nmを有することがある。
【0018】
これは、ソース・ドレイン・エピタキシがチャネル層からのみ成長し、基板から同様に成長するという利点がないという結果になり、チャネル領域、またはナノシートのチャネル層上のひずみ(strain)を生成するのを難しくする。
【0019】
典型的には、応力は、基板からのボトムアップ核生成および成長成分を有することによって、ソース・ドレイン・エピタキシ内に生成されることが可能である。しかし、BDI層の追加は、このボトムアップ核生成および成長成分を除去し、完全に緩んだソース-ドレイン・エピタキシを生じ、これにより、デバイス性能を低減させることがある。ここで、発明者は、BDI層を使用しながらソース・ドレイン・エピタキシに応力を導入する新しい方法を提案する。
【0020】
半導体チャネル層に対する応力は、チャネル内にひずみを生成することによってナノシートFETの性能を改善して、チャネル内のキャリア移動度を改善し、これにより、デバイス性能を向上させる。ひずみ工学(strain engineering)は、キャリアの有効質量、およびしたがって、チャネル領域内の輸送中のキャリア移動度に影響する、チャネル領域内の帯域構造の局所的な修正を可能にする。
【0021】
本発明の1つの実施形態では、非ドープ・シリコン・エピタキシが、スタックされたナノシートの間に形成され、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーションが、スタックされたナノシートと、非ドープ・シリコン・エピタキシと、基板との間に形成される。非ドープ・シリコン・エピタキシの一部分が除去され、非ドープ・シリコン・エピタキシの残りの部分が、スタックされたナノシートのチャネル領域と共に、ソース・ドレイン・エピタキシを成長させるために使用される。
【0022】
本発明の1つの実施形態では、犠牲半導体材料と半導体チャネル材料との交代層のスタックされたナノシートが、ナノシート犠牲層の上の基板に形成される。スタックされたナノシートは、ナノシート・スタック、および、各ナノシート・スタックの間に形成されたシャロー・トレンチ・アイソレーションに形成される。犠牲ゲートおよびゲート・ハード・マスクが、ナノシート・スタックと直角をなす方向に形成される。スペーサが、犠牲ゲートおよびゲート・ハード・マスクの向かい合った両側、および犠牲ゲート間のナノシート・スタックの向かい合った両側に形成される。ソース・ドレイン・トレンチが、隣り合う犠牲ゲートと、ゲート・ハード・マスクと、スペーサとの間に形成される。ソース・ドレイン・トレンチは、ナノシート・スタックの垂直に一列に並べられた部分の除去によって形成される。記録のプロセス(process of record)では、ソース・ドレイン・トレンチは、ナノシート犠牲層を露出させることもある。このプロセスでは、新しい特徴として、ナノシート・スタックの一部分がソース・ドレイン・トレンチの下に残り、ナノシート犠牲層、最下部のチャネル層、および、最下部の犠牲半導体材料層の少なくとも一部分は除去されず、犠牲ゲートの間に残る。犠牲サスペンション層のそれぞれの部分はへこませてもよく、インナー・スペーサが、犠牲サスペンション層の両側に形成されてもよい。非ドープ・シリコン・エピタキシが、ナノシート・スタックの間、およびスペーサの間に形成されてもよい。非ドープ・シリコン・エピタキシは、新しい特徴である。シャロー・トレンチ・アイソレーションの一部分が除去され、犠牲エピタキシャル層を露出させてもよい。犠牲エピタキシャル層は、除去されてもよい。犠牲エピタキシャル層が除去された場所にボトム・ジエレクトリック・アイソレーションが形成されてもよい。これは一意の特徴であり、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーションは、非ドープ・シリコン・エピタキシの下にある。エッチング・ストップ・ライナが形成されてもよい。第1の有機平坦化層が、構造の一部分に形成され、パターニングされてもよい。エッチング・ストップ・ライナの一部分および非ドープ・エピタキシの一部分は、第1の有機平坦化層によって覆われていない場合、除去されてもよい。p-FETソース・ドレイン・エピタキシが、第1の有機平坦化層によって保護されていない犠牲ゲートの間に形成されてもよい。第1の有機平坦化層および残りのエッチング・ストップ・ライナは除去されてもよく、第1の有機平坦化層によって元々保護されていた犠牲ゲートの間にn-FETソース・ドレイン・エピタキシを形成するために、プロセス・ステップが繰り返される。p-FETソース・ドレイン・エピタキシおよびn-FETソース・ドレイン・エピタキシの両方が、非ドープ・シリコン・エピタキシおよびチャネル層の両方から成長されてもよい。層間絶縁膜が、隣り合う犠牲ゲートと、ゲート・ハード・マスクと、スペーサとの間に形成されてもよい。ゲート・ハード・マスク、犠牲ゲート、および犠牲サスペンション層は、除去されてもよい。選択エッチングが実施されてもよい。ゲート・スタックが、ゲート・ハード・マスク、犠牲ゲート、および犠牲サスペンション層が除去された場所に形成されてもよい。代替実施形態は、p-FETソース・ドレイン・エピタキシが第2のボトム・ジエレクトリック・アイソレーションに直接的に接触するという結果になる。
【0023】
本発明の実施形態は、例証的実施形態による、非ドープ・シリコン・エピタキシから、およびスタックされたナノシートのチャネル領域から形成されたソース・ドレイン・エピタキシを伴う、ゲートオールアラウンド・ナノシートを形成する構造および方法を開示し、添付の図面を参照することによって下記で詳細に説明される。
【0024】
ここで
図1を参照すると、例示的実施形態による、製作の中間段階における半導体構造100(以下「構造」)が示されている。
図1は、製作の中間段階における構造100の上面図である。
図1の構造100は形成されてもまたは提供されてもよい。
【0025】
図1の切断線Y-Yは、その後形成されるゲート・ラインと平行であり、ソース・ドレイン・エピタキシ領域内の隣り合うゲートの間の中央にある。
図1の切断線X1-X1および切断線X2-X2は互いに平行であり、構造100のフィンまたはナノシート・スタックの長さに沿った交差線であり、切断線Y-Yとそれぞれ直角をなしている。
【0026】
ここで
図2、
図3、および
図4を参照すると、例示的実施形態による構造10が示されている。
図2および
図3は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図4は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。
【0027】
構造100は、基板110を含んでもよい。基板110は、例えばバルク基板でもよく、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム合金、および化合物(例えば、III-VおよびII-VI)半導体材料など、いくつかの既知の半導体材料のいずれかから作られてもよい。化合物半導体材料の非限定的例は、ヒ化ガリウム、ヒ化インジウム、およびリン化インジウム、またはヒ化インジウム・ガリウムを含む。典型的には、基板110は、厚さおよそ数百ミクロンでもよいがこれらに限定されない。他の実施形態では、基板110は、埋められた絶縁体層が、ベース基板を一番上の半導体層から分離する、シリコン・オン・インシュレータまたはSiGeオン・インシュレータなどの層状半導体でもよい。
【0028】
積み重ねられた犠牲半導体材料と半導体チャネル材料との交代層のスタックされたナノシートが、基板110に形成されてもよい。限られた数の交代層が描写されているが、任意の数の交代層が形成されてもよいことに留意されたい。
【0029】
犠牲半導体材料と半導体チャネル材料との交代層は、半導体チャネル材料層116(以下「チャネル層」)で覆われた、犠牲中断半導体材料層114(以下「犠牲サスペンション層」)で覆われた、チャネル層116で覆われた、犠牲サスペンション層114で覆われた、チャネル層116で覆われた、犠牲サスペンション層114で覆われた、半導体シード材料層113(以下「シード層」)で覆われた、基板110上のナノシート犠牲エピタキシャル層112(以下「犠牲エピタキシャル層」)を含んでもよい。
【0030】
犠牲エピタキシャル層112は、例えば、ゲルマニウム濃度が45から70アトミック・パーセントまでのシリコン・ゲルマニウムでもよいが、70パーセントより大きいパーセンテージおよび45パーセントより小さいパーセンテージが、使用されてもよい。犠牲エピタキシャル層112は、下記に記載のように、既知の堆積技法またはエピタキシャル成長技法を使用して形成されることが可能である。犠牲エピタキシャル層112は、下記に記載のように、残りの交代層に対して選択的に、その後除去されることになる。
【0031】
各犠牲サスペンション層114は、少なくとも、基板110、チャネル層116、および犠牲エピタキシャル層112の上の部分とは構成物が異なる第1の半導体材料から構成される。1つの実施形態では、各犠牲サスペンション層114は、シリコン・ゲルマニウム半導体合金でもよく、50アトミック・パーセントより小さいゲルマニウム濃度を有してもよい。別の例では、各犠牲サスペンション層114は、約15アトミック・パーセントから約35アトミック・パーセントまでの範囲のゲルマニウム濃度を有してもよいが、35パーセントより大きパーセンテージおよび15パーセントより小さいパーセンテージが使用されてもよい。各犠牲サスペンション層114は、下記に記載のように、既知の堆積技法またはエピタキシャル成長技法を使用して形成されることが可能である。
【0032】
各チャネル層116は、少なくとも、基板110、犠牲サスペンション層114、および犠牲エピタキシャル層112の上の部分とは構成物が異なる、第2の半導体材料から構成される。各チャネル層116は、犠牲サスペンション層114の第1の半導体材料とは異なるエッチング速度を有し、犠牲エピタキシャル層112とは異なるエッチング速度を有する。犠牲サスペンション層114は、犠牲エピタキシャル層112とは異なるエッチング速度を有する。第2の半導体材料は、例えば、シリコンであることが可能である。第2の半導体材料は、チャネル層116毎に、上記に記載のように、既知の堆積技法またはエピタキシャル成長技法を使用して形成されることが可能である。
【0033】
1つの実施形態では、シード層113は、第2の半導体材料から構成されてもよい。
【0034】
1つの実施形態では、犠牲エピタキシャル層112は、犠牲サスペンション層114と同じ材料でもよく、互いに同じエッチング速度を有するはずである。
【0035】
犠牲エピタキシャル層112、シード層、および、犠牲サスペンション層114とチャネル層116との交代層は、犠牲エピタキシャル層材料、および、第1の半導体材料と第2の半導体材料との交代層の、連続したエピタキシャル成長によって形成されることが可能である。
【0036】
用語「エピタキシャルに成長すること、または堆積させること、あるいはその両方」および「エピタキシャルに成長される、または堆積される、あるいはその両方」は、半導体材料の堆積面上での半導体材料の成長を意味し、成長される半導体材料は、堆積面の半導体材料と同じ結晶特性を有する。エピタキシャル堆積技法では、ソース・ガスによって提供される化学反応体が制御され、システム・パラメータは、堆積させる原子が、表面で動き回るのに十分なエネルギーを有した状態で半導体基板の堆積面に到着し、堆積面の原子の結晶配列に向きを合わせるように、セットされる。したがって、エピタキシャル半導体材料は、エピタキシャル半導体材料が形成される堆積面と同じ結晶特性を有する。
【0037】
様々なエピタキシャル成長技法の例は、例えば、急速熱化学気相堆積(RTCVD)、低エネルギー・プラズマ堆積(LEPD)、超高真空化学気相堆積(UHVCVD)、低圧化学気相堆積(LPCVD)、気圧化学気相堆積(APCVD)、および分子線エピタキシ(MBE)を含む。エピタキシャル堆積のための温度は、典型的には、およそ550℃からおよそ900℃までの範囲である。典型的には、温度が高ければ高いほど堆積が速くなるが、堆積が速くなると、結晶の欠陥および膜の亀裂を生じることがある。犠牲エピタキシャル層112、犠牲サスペンション層114、およびチャネル層116をそれぞれ提供する第1および第2の半導体材料のエピタキシャル成長は、任意のよく知られた前駆体ガスまたはガス混合物を利用して実施されることが可能である。水素、窒素、ヘリウム、およびアルゴンのようなキャリア・ガスが使用されることが可能である。
【0038】
犠牲エピタキシャル層112は、約5nmから約15nmまでの範囲の厚さを有してもよい。シード層113は、約2nmから約5nmまでの範囲の厚さを有してもよい。犠牲サスペンション層114は、それぞれ、約5nmから約12nmまでの範囲の厚さを有してもよく、その一方で、チャネル層116は、それぞれ、約5nmから約12nmまでの範囲の厚さを有してもよい。各犠牲サスペンション層114は、各チャネル層116の厚さと同じ厚さを有してもまたは異なる厚さを有してもよい。1つの実施形態では、各犠牲サスペンション層114は、同一の厚さを有している。1つの実施形態では、各チャネル層116は、同一の厚さを有している。
【0039】
ここで
図5、
図6、および
図7を参照すると、例示的実施形態による構造10が示されている。
図5および
図6は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図7は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。スタックされたナノシートは、ナノシート・スタックに形成されてもよい。シャロー・トレンチ・アイソレーション領域(以下「STI:shallow trench isolation region」)120が、各ナノシート・スタックの間に形成されてもよい。犠牲ゲート122およびゲート・ハード・マスク124が形成されてもよい。
【0040】
図7に示されているように、スタックされたナノシートは、ナノシート・スタックに形成されてもよい。ナノシート・スタックは、切断線Y-Yと直角、かつ切断線X1-X1およびX2-X2に平行の長さを有してもよい。ナノシート・スタックは、当技術分野で知られた方法で形成されてもよく、スタックされたナノシート上にナノシート・ハード・マスク(図示せず)を形成すること、ナノシート・ハード・マスク(図示せず)にパターニングすること、および、スタックされたナノシートの各層の一部分の除去による1つまたは複数のトレンチ118のその後の形成などのステップを含む。トレンチ118は、例えば、反応性イオン・エッチング(RIE)などの、異方性エッチング技法によって、および、各ナノシート・スタック間のSTI120のその後の形成のために基板110の一部分のエッチングを停止することによって、各ナノシート・スタックの間に形成されてもよい。ナノシート・ハード・マスク(図示せず)は、除去されてもよい。
【0041】
各ナノシート・スタックは、チャネル層116と犠牲サスペンション層114との交代層で覆われた、シード層113で覆われた、犠牲エピタキシャル層112を含んでもよい。本実施形態では、およびほんの一例として、ナノシート・スタックは、犠牲サスペンション層114の3つの層と交互になったチャネル層116の3つの層を含む。本発明の実施形態で採用されることが可能な材料スタックは、図で例示された特定の実施形態に限定されない。構造100上に任意の数のナノシート・スタックがあってもよい。
【0042】
ナノシート・スタックは、p-FETまたはn-FETデバイスのための垂直にスタックされた半導体チャネル材料ナノシートを含むゲートオールアラウンド・デバイスを生み出すために使用される。
【0043】
STI120は、トレンチ118の一部分に形成される。STI120は、隣り合うナノシート・スタックの間のトレンチ118の一部分における、隣り合うナノシート・スタックの間に形成されてもよい。STI120は誘電材料でもよく、隣り合うナノシート・スタックの間にあり、既知の堆積、平坦化、およびエッチング技法を使用して形成されてもよい。隣り合うナノシート・スタックが、STI120によって基板110内で互いに絶縁される。STI120の下の方の水平面および垂直側面の一部分が、基板110の下の方の水平面および垂直側面に隣接していてもよい。STI120の下の方の水平面は、スタック犠牲層112の下の方の水平面より下にあってもよい。STI120の上の方の水平面は、シード層113の上の方の水平面と同じレベルでも、またはシード層113の上の方の水平面より高くてもよい。
【0044】
犠牲ゲート122は、単一の犠牲材料、または、1つもしくは複数の犠牲材料のスタックを含んでもよい。少なくとも1つの犠牲材料は、材料(または様々な材料)のブランケット層(または複数のブランケット層)を形成し、次いで、リソグラフィおよびエッチングによって材料(または様々な材料)にパターニングすることによって形成されることが可能である。犠牲ゲート122は、例えば、多結晶シリコン、非結晶シリコン、またはその多層状の組合せを含む、任意の材料を含むことができる。犠牲ゲート122は、例えば、化学気相堆積(CVD)、物理気相成長(PVD)、高密度プラズマ(HDP)堆積、およびスピンオン技法を含む、任意の堆積技法を使用して形成されることが可能である。任意選択として、ゲート・ハード・マスク124は、既知の技法による、犠牲ゲート122の一部として形成されてもよい。
図5および
図6に示されているように、2つの犠牲ゲート122がある。1つの実施形態では、任意の数の犠牲ゲート122が形成されてもよい。
【0045】
1つの実施形態では、犠牲ゲート122は、隣り合うナノシート・スタック(図示せず)の間の空間を充填するか、またはおおむね充填し、ナノシート・スタックの最上部の犠牲チャネル層116の上面、および上面の露出した側面を覆うのに十分な厚さで堆積される。犠牲ゲート122は、犠牲エピタキシャル層112、チャネル層116、および犠牲サスペンション層114の垂直側面を含む、ナノシート・スタックの垂直側面に隣接していてもよい。犠牲ゲート122の高さは、基礎構造よりはるかに厚くてもよく、ナノシート・スタックより上の50nmから100nmまでの高さを有してもよい。
【0046】
ゲート・ハード・マスク124は、当技術分野で知られた方法で、犠牲ゲート122の水平な上の方の表面上に形成されてもよい。ゲート・ハード・マスク124は、犠牲ゲート122の垂直側面と一列に並んだ垂直側面を有してもよい。
【0047】
ここで
図8、
図9、および
図10を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図8および
図9は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図10は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。スペーサ130が形成されてもよい。
【0048】
スペーサ130は、犠牲ゲート122およびゲート・ハード・マスク124の両側、および各ナノシート・スタックの両側に形成されてもよい。スペーサ130は、
図10に示されているように、犠牲ゲート122の間のナノシート・スタックの向かい合った両側に形成されてもよい。
【0049】
スペーサ130は、例えば、誘電体を等角に堆積または成長させること、および異方性エッチング・プロセスを実施することなどを含む、いくつかのプロセスの後に形成されてもよい。スペーサ130は、材料の中でも特に、SiON、SiOCN、SiOC、およびSiBCNなどの低誘電率材料など、任意の誘電材料を含んでもよく、単一層を含んでもよく、または誘電材料の複数の層を含んでもよい。
【0050】
ここで
図11、
図12、および
図13を参照すると、例示的実施形態による構造10が示されている。
図11および
図12は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図13は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。ソース・ドレイン・トレンチ134が、ナノシート・スタックの垂直部分をくぼませることによって形成されてもよい。
【0051】
ソース・ドレイン・トレンチ134は、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)などの、異方性エッチング技法によって形成されてもよく、エッチングは、ナノシート・スタックの最下部の犠牲サスペンション層114の一部分が除去されるまで続く。トレンチ134の最下部の表面は、最下部の犠牲サスペンション層114の上面より下にあってもよい。異方性エッチングは、隣り合う犠牲ゲート122と、ゲート・ハード・マスク124と、スペーサ130との間のスタックされたナノシート・スタックの一列に並んだ垂直部分を除去してもよい。犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、およびスペーサ130は、ナノシート・スタックの残りの部分を保護してもよい。ナノシート・スタックより下にあるシード層113および犠牲エピタキシャル層112は、元のままでもよい。ナノシート・スタックの垂直部分は、ソース・ドレイン・トレンチ134内のソース・ドレイン・エピタキシのその後の形成のためにくぼませてもよい。ハード・マスク(図示せず)は、除去されてもよい。
【0052】
結果として生じた構造には、犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、およびスペーサ130の組み合わされた構造によって保護されるようにナノシート・スタックが残っており、これらの構造の間には、ナノシート・スタックのシード層113より上にある最下部の犠牲サスペンション層114、およびナノシート・スタックのシード層113より下にある犠牲エピタキシャル層112の、残りの部分が残っている。
【0053】
最下部の犠牲サスペンション層114の残りの部分の上の方の水平面が、ソース・ドレイン・トレンチ134の下の方の水平面を形成してもよい。2つの隣り合うスペーサ130の垂直側面が、ソース・ドレイン・トレンチ134の2つの向かい合った側壁を形成してもよい。ナノシート・スタックの交互になった犠牲サスペンション層114とチャネル層116の垂直側面が、ソース・ドレイン・トレンチ134の残りの2つの向かい合った側壁を形成してもよい。
【0054】
ここで
図14、
図15、および
図16を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図14および
図15は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図16は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。犠牲サスペンション層114のそれぞれの部分はへこませてもよく、インナー・スペーサ138が、犠牲サスペンション層114の両側に形成されてもよい。
【0055】
ナノシート・スタックの垂直部分をくぼませた場所の両側にある犠牲サスペンション層114のそれぞれの部分は、へこませてもよい。犠牲サスペンション層114のそれぞれの部分は、当技術分野で知られた方法を使用して、犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、スペーサ130、チャネル層116、犠牲エピタキシャル層112、およびSTI120に対して選択的にへこませてもよい。
【0056】
犠牲サスペンション層114のそれぞれの部分を除去しながら、隣り合うナノシート・スタックの間に残っていた最下部の犠牲サスペンション層114の残りの部分が除去されてもよく、その結果、シード層113の上面が露出する。
【0057】
インナー・スペーサ138は、犠牲サスペンション層114の両側に形成されてもよい。インナー・スペーサ138の外側の垂直面は、チャネル層116と垂直に一列に並んでもよく、インナー・スペーサ138の内側の垂直面は、犠牲サスペンション層114の残りの部分と垂直に一列に並んでもよい。
【0058】
インナー・スペーサ138は、例えば、誘電体を等角に堆積または成長させること、および同位体エッチング・プロセスを実施することなどを含む、いくつかのプロセスの後に形成されてもよい。インナー・スペーサ138は、窒化ケイ素など、任意の誘電材料を含んでもよく、単一層を含んでもよく、または誘電材料の複数の層を含んでもよい。
【0059】
ここで
図17、
図18、および
図19を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図17および
図18は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図19は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。非ドープ・シリコン・エピタキシ140が形成されてもよい。
【0060】
非ドープ・シリコン・エピタキシ140は、ソース・ドレイン・トレンチ134内の、各ナノシート・スタックの垂直部分が除去された場所に形成されてもよく、当技術分野で知られた方法を使用して、部分的にくぼませてもよい。
【0061】
非ドープ・シリコン・エピタキシ140は、ナノシート・スタックの垂直部分をくぼませた、隣り合う犠牲ゲート122と、ゲート・ハード・マスク124と、スペーサ130との間の領域内で、上記に記載のように、エピタキシャルに成長されてもよい。非ドープ・シリコン・エピタキシ140は、ナノシート・スタックのチャネル層116の終端部、および犠牲サスペンション層114を囲むインナー・スペーサ138の終端部と、直接接触していてもよい。非ドープ・シリコン・エピタキシ140は、ソース・ドレイン・トレンチ134の下面にあるシード層113から成長されてもよく、チャネル層116から成長されてもよい。
【0062】
本発明では、非ドープ・シリコン・エピタキシ140は、基板110からナノシートFETを保護する犠牲エピタキシャル層112も有しつつ、性能の改善を可能にする、非ドープ・シリコン・エピタキシ140のより低い不完全性、より高いひずみ、および一様な成長を可能にする、シード層113およびチャネル層116から成長されてもよい。
【0063】
非ドープ・シリコン・エピタキシ140の上面は、隣り合う犠牲ゲート122と、ゲート・ハード・マスク124と、スペーサ130との間のナノシート・スタックより高いレベルにあってもよい。
【0064】
ここで
図20、
図21、および
図22を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図20および21は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図22は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。犠牲エピタキシャル層112の垂直側面を露出させるために、スペーサ130の一部分がくぼんでもよい。
【0065】
STI140の一部分は、当技術分野で知られた方法を使用して、非ドープ・シリコン・エピタキシ140、犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、スペーサ130、チャネル層116、インナー・スペーサ138、犠牲サスペンション層114、シード層113、犠牲エピタキシャル層112、およびSTI120に対して選択式に除去されてもよい。シード層113の垂直側面および下面は、STI140の一部分が除去されたとき、露出されてもよい。犠牲エピタキシャル層112の垂直側面は、STI140の一部分が除去されたとき、露出される。
【0066】
ここで
図23、
図24、および
図25を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図23および
図24は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図25は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。犠牲エピタキシャル層112は除去され、ギャップ144を形成してもよい。
【0067】
犠牲エピタキシャル層112は、シード層113、犠牲サスペンション層114、チャネル層116、基板110、STI120、犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、スペーサ130、および非ドープ・シリコン・エピタキシ140に対して選択式に除去されてもよい。例えば、蒸気相HClドライ・エッチングを使用するなどして、犠牲エピタキシャル層112を選択的に除去するために、例えば、ドライ・エッチング技法が使用されることが可能である。
【0068】
ここで
図26、
図27、および
図28を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図26および
図27は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図28は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146が、ギャップ144内に形成されてもよい。
【0069】
ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146は、犠牲エピタキシャル層112が除去された場所に形成されてもよい。ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146は、ナノシート・スタックのシード層113と、基板110との間に形成されてもよい。ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146の垂直側面は、スペーサ130の垂直側面と一列に並んでもよい。ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146の下の方の水平面は、STI120の一部分を覆ってもよい。
【0070】
ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146は、例えば、誘電体を等角に堆積または成長させること、および異方性エッチング・プロセスを実施することなどを含む、いくつかのプロセスの後に形成されてもよい。ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146は、窒化ケイ素など、任意の誘電材料を含んでもよく、単一層を含んでもよく、または誘電材料の複数の層を含んでもよい。
【0071】
ここで
図29、
図30、および
図31を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図29および
図30は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図31は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。エッチング・ストップ・ライナ150が、構造100上に形成されてもよい。
【0072】
エッチング・ストップ・ライナ150は、構造100上に等角に形成されてもよい。エッチング・ストップ・ライナ150は、非ドープ・シリコン・エピタキシ140の上面、スペーサ130の上面および外側の側面、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146の垂直側面、STI120の上面、およびゲート・ハード・マスク124の上面を覆ってもよい。エッチング・ストップ・ライナ150は、反応性イオン・エッチング(RIE)などの異方性垂直エッチング・プロセス、または任意の適切なエッチング・プロセスの前に、例えば、原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相成長(PVD)、高密度プラズマ(HDP)堆積、およびスピンオン技法など、典型的な堆積技法を使用して堆積されてもよい。1つの実施形態では、エッチング・ストップ・ライナ150は、1つまたは複数の層を含んでもよい。エッチング・ストップ・ライナ150は、窒化物、窒化ケイ素、および酸化物などの材料を含んでもよい。エッチング・ストップ・ライナ150は、コンタクト・エッチング・ストップ層(CESL)150と呼ばれてもよい。エッチング・ストップ・ライナ150は、厚さ4nmでもよい。
【0073】
ここで
図32、
図33、および
図34を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図32および
図33は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図34は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。第1の有機平坦化層(以下「第1のOPL:organic planarization layer」)152が、構造100上に形成されてもよい。
【0074】
第1のOPL152は、構造100上に堆積およびパターニングされてもよい。第1のOPL152は、犠牲ゲート122を選択的に保護してもよく、ゲート・ハード・マスク124、スペーサ130、非ドープ・シリコン・エピタキシ140、エッチング・ストップ・ライナ150、およびSTI120が、切断線X2-X2に沿って犠牲ゲート122を囲む。
【0075】
第1のOPL152は、例えばスピンオン・コーティングなど、典型的な堆積技法を使用したブランケット堆積によって形成されてもよい。第1のOPL152は、炭素、水素、酸素、ならびに任意選択として、窒素、フッ素、およびシリコンを含む、自己平坦化有機材料であることが可能である。第1のOPL152は、標準的なCxHyポリマーであることが可能である。材料の非限定的例は、Cheil Chemical Co., Ltd.から市販のCHM701B、JSR Corporationから市販のHM8006およびHM8014、ならびに、信越化学工業株式会社から市販のODL-102またはODL-401を含むがこれらに限定されない。
【0076】
第1のOPL152は、第1のトレンチ・コンタクト・パターニング・マスクと呼ばれてもよい。第1のOPL152は、第1のOPL152によって保護されていない切断線X1-X1に沿った犠牲ゲート122および周囲の材料のその後のパターニングのためのアクセスを提供してもよい。
【0077】
ここで
図35、
図36、および
図37を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図35および
図36は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図37は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。p-FETソース・ドレイン・トレンチ156を形成する、切断線X1-X1に沿った犠牲ゲート122の間の、エッチング・ストップ・ライナ150の一部分および非ドープ・シリコン・エピタキシ140の一部分が除去されてもよい。
【0078】
p-FETソース・ドレイン・トレンチ156は、非ドープ・シリコン・エピタキシ140の一部分を除去して、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)などの、異方性エッチング技法によって、切断線X1-X1に沿った各犠牲ゲート122およびゲート・ハード・マスク124を囲む各スペーサ130の間に形成されてもよく、非ドープ・シリコン・エピタキシ140の残りの部分は、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション36の上に残る。エッチング・ストップ・ライナ150の一部分および非ドープ・シリコン・エピタキシ140の一部分の除去は、チャネル層116、犠牲サスペンション層114、インナー・スペーサ138、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146、シード層113、およびSTI120に対して選択的なものである。垂直側面は、スペーサ130、チャネル層116、およびインナー・スペーサ138のそれぞれから露出されてもよい。STI120の上面の一部分が、露出されてもよい。
【0079】
p-FETソース・ドレイン・トレンチ156は、スペーサ130が、犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、チャネル層116、およびインナー・スペーサ138を保護するのに役立つので、自己整列型ソース・ドレイン・エピタキシ・カットと呼ばれてもよい。エッチング・ストップ・ライナ150のパターニングおよび除去は、インナー・スペーサ138にダメージを与えない。
【0080】
ここで
図38、
図39、および
図40を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図38および
図39は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図40は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160が形成されてもよい。第1のOPL152は、除去されてもよい。
【0081】
p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、p-FETソース・ドレイン・トレンチ156内の、隣り合う犠牲ゲート122と、ゲート・ハード・マスク124と、スペーサ130との間の領域内でエピタキシャルに成長されてもよい。p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、切断線X1-X1に沿った、ナノシート・スタックのチャネル層116の終端部、および犠牲層114を囲むインナー・スペーサ138の終端部と、直接接触していてもよい。p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、非ドープ・シリコン・エピタキシ140の上に形成されてもよい。p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、スペーサ130の2つの向かい合った側面を有してもよく、インナー・スペーサ138およびチャネル層116のナノシート・スタック側面の2つの追加の向かい合った側面を有してもよい。p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160の上の方の水平面は、ナノシート・スタックの最上部の層の上面より上にあってもよい。
【0082】
p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、各チャネル層116の物理的に露出した側壁上の、および非ドープ・シリコン・エピタキシ140からの、エピタキシャル半導体材料の成長によって形成される。
【0083】
本発明の主要な利点は、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160が、各チャネル層116の露出した側壁、および非ドープ・シリコン・エピタキシ140の両方から成長可能であり、高品質{100}指向の結晶成長を可能にし、結果のp-FETのチャネル層116に対する圧縮ひずみの生成を可能にすることである。
【0084】
p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、基板102に関して上述された任意の半導体材料を含む。一部の実施形態では、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、チャネル層116と同じ半導体材料を含んでもよい。他の実施形態では、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、チャネル層116の半導体材料とは異なる半導体材料を含んでもよい。例えば、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、シリコン・ゲルマニウム合金を含んでもよく、その一方で、チャネル層116は、シリコンを含んでもよい。p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、さらにドープされてもよい。受け入れ可能なドーパントは、p型ドーパントまたはn型ドーパントを含んでもよい。用語「p型」は、価電子の欠損を作り出す、真性半導体への不純物の追加を指す。シリコン含有半導体材料では、p型ドーパントの例は、アルミニウム、ベリリウム、ホウ素、カドミウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、シリコン、および亜鉛を含むがこれらに限定されない。用語「n型」は、自由電子を真性半導体に与える不純物の追加を指す。シリコン含有半導体材料では、n型ドーパントの例は、アンチモン、ヒ素、ゲルマニウム、リン、セレン、シリコン、およびテルルを含むがこれらに限定されない。1つの実施形態では、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160は、X1-X1セクションに沿ってp型FET用のp型ドーパントでドープされた上述の任意の半導体材料を含む。
【0085】
1つの実施形態では、p型ドーパントは、5×1020atoms/cm3から1×1021atoms/cm3までのレベルで高濃度にドープされてもよいが、ドーパント・レベルは高くてもまたは低くてもよく、ドーパントとして使用される原子に依存する。1つの実施形態では、n型ドーパントは、1×1029atoms/cm3から2×1029atoms/cm3までのレベルで高濃度にドープされてもよいが、ドーパント・レベルは高くてもまたは低くてもよく、ドーパントとして使用される原子に依存する。1つの実施形態では、非ドープ・シリコン・エピタキシ140は、約1×1015cm3から1×1016atoms/cm3までのレベルでドープされてもよいが、ドーパント・レベルは高くてもまたは低くてもよく、ドーパントとして使用される原子に依存する。p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160のドーパント・レベルは、非ドープ・シリコン・エピタキシ140のドーパント・レベルより少なくとも1000倍高くてもよい。
【0086】
ここで
図41、
図42、および
図43を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図41および
図41は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図43は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164が形成されてもよい。
【0087】
上述のものに類似のいくつかのステップが実施されてもよい。別のエッチング・ストップ・ライナ(図示せず)が、エッチング・ストップ・ライナ150と同様に、構造100上に等角に形成されてもよい。第2のOPL(図示せず)が、第1のOPL152と同様に、X1-X1セクションに沿った構造100上に堆積およびパターニングされ、切断線X2-X2に沿って犠牲ゲート122および周囲の材料を囲んでもよく、したがって、犠牲ゲート122および周囲の材料は、切断線X1-X1に沿った第2のOPL(図示せず)で覆われない。別のエッチング・ストップ・ライナ(図示せず)の一部分および非ドープ・シリコン・エピタキシ140の一部分が、切断線X2-X2に沿った犠牲ゲート122の間で除去され、p-FETソース・ドレイン・トレンチ156と同様に、n-FETソース・ドレイン・トレンチ(図示せず)を形成してもよい。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160と同様に、n-FETソース・ドレイン・トレンチ(図示せず)内に形成されてもよい。第2のOPL(図示せず)は、除去されてもよい。
【0088】
n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、n-FETソース・ドレイン・トレンチ(図示せず)内の、隣り合う犠牲ゲート122と、ゲート・ハード・マスク124と、スペーサ130との間の領域内でエピタキシャルに成長されてもよい。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、切断線X2-X2に沿った、ナノシート・スタックのチャネル層116の終端部、および犠牲層114を囲むインナー・スペーサ138の終端部と、直接接触していてもよい。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、非ドープ・シリコン・エピタキシ140の上に形成されてもよい。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、スペーサ130の2つの向かい合った側面を有してもよく、インナー・スペーサ138およびチャネル層116のナノシート・スタック側面の2つの追加の向かい合った側面を有してもよい。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164の上の方の水平面は、ナノシート・スタックの最上部の層の上面より上にあってもよい。
【0089】
n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、各チャネル層116の物理的に露出した側壁上の、および非ドープ・シリコン・エピタキシ140からの、エピタキシャル半導体材料の成長によって形成される。
【0090】
本発明の主要な利点は、n-FETソース・ドレイン・エピタキシ160が、各チャネル層116の露出した側壁、および非ドープ・シリコン・エピタキシ140の両方から成長可能であり、高品質100結晶成長を可能にし、nFETナノシート・チャネル上の引っ張りひずみの生成を可能にすることである。
【0091】
n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、基板100に関して上述された任意の半導体材料を含む。一部の実施形態では、n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、チャネル層116の半導体材料と同じ半導体材料を含んでもよい。他の実施形態では、n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、チャネル層116の半導体材料とは異なる半導体材料を含んでもよい。例えば、n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、リンでドープされたSiCを含んでもよく、その一方で、チャネル層116は、シリコンを含んでもよい。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、さらに、ドープされてもよい。受け入れ可能なドーパントは、p型ドーパントまたはn型ドーパントを含んでもよい。用語「p型」は、価電子の欠損を作り出す、真性半導体への不純物の追加を指す。シリコン含有半導体材料では、p型ドーパントの例は、アルミニウム、ベリリウム、ホウ素、カドミウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、シリコン、および亜鉛を含むがこれらに限定されない。用語「n型」は、自由電子を真性半導体に与える不純物の追加を指す。シリコン含有半導体材料では、n型ドーパントの例は、アンチモン、ヒ素、ゲルマニウム、リン、セレン、シリコン、およびテルルを含むがこれらに限定されない。
【0092】
1つの実施形態では、n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164は、X2-X2セクションに沿ったn型FET用のn型ドーパントでドープされる。
【0093】
上記に記載のように、1つの実施形態では、n型ドーパントは、1×1029atoms/cm3から2×1029atoms/cm3までのレベルでドープされてもよいが、ドーパント・レベルは高くてもまたは低くてもよく、ドーパントとして使用される原子に依存する。1つの実施形態では、非ドープ・シリコン・エピタキシ140は、約1×1015cm3から1×1016atoms/cm3までのレベルでドープされてもよいが、ドーパント・レベルは高くてもまたは低くてもよく、ドーパントとして使用される原子に依存する。n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164のドーパント・レベルは、非ドープ・シリコン・エピタキシ140のドーパント・レベルより少なくとも1000倍高くてもよい。
【0094】
1つの実施形態では、p型FETは、切断線X1-X1に沿って作られ、n型FETは、切断線X2-X2に沿って作られる。p型FETとn型FETとのいずれかの組合せが、構造100上に作られてもよい。
【0095】
ここで
図44、
図45、および
図46を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図44および
図45は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図46は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。層間絶縁膜(「ILD:interlayer dielectric」)170が形成されてもよい。ゲート・ハード・マスク124および犠牲ゲート122は、除去されてもよい。犠牲サスペンション層114は、除去されてもよい。
【0096】
ILD170は、例えば、誘電体を等角に堆積または成長させること、および異方性エッチング・プロセスを実施することなどを含む、いくつかのプロセスの後に形成されてもよい。ILD170は、窒化ケイ素など、任意の誘電材料を含んでもよく、単一層を含んでも、または誘電材料の複数の層を含んでもよい。ILD170は、それぞれ隣り合う犠牲ゲート122上にある、スペーサ130の間に形成されてもよい。ILD170は、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160およびn-FETソース・ドレイン・エピタキシ164上に形成されてもよい。ILD170は、スペーサ130の上面を覆ってもよい。ILD170は、スペーサ130およびボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146の垂直側面を有してもよい。ILD170は、STI120の露出部分の上に形成されてもよい。
【0097】
構造100は、ILD170およびゲート・ハード・マスク124を含む過剰な材料を除去し、構造100の上面を研磨するために、化学機械研磨(CMP)技法を受けてもよい。
【0098】
犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、および犠牲サスペンション層114は、当技術分野で知られた方法で除去されてもよく、1つまたは複数のステップで選択的に除去されてもまたは同時に除去されてもよい。例えば、蒸気相HClドライ・エッチングを使用することなど、ドライ・エッチング・プロセスが使用されることが可能である。1つの実施形態では、犠牲ゲート122の除去のために、アンモニア・ベースのエッチングNH3が使用されてもよく、ゲート・ハード・マスク124を除去するためにHFなどのフッ化水素ベースのエッチングが使用されてもよく、犠牲サスペンション層114を除去するために塩化水素HClベースのエッチングが使用されてもよい。犠牲ゲート122、ゲート・ハード・マスク124、および犠牲サスペンション層114は、スペーサ130、インナー・スペーサ138、チャネル層116、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160、n-FETソース・ドレイン・エピタキシ164、ILD170、および非ドープ・シリコン・エピタキシ140に対して選択的に除去されてもよい。
【0099】
ここで
図47、
図48、および
図49を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図47および
図48は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図49は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。チャネル層116の選択的同位体エッチングが実施されてもよく、シード層113の一部分が除去されてもよい。
【0100】
犠牲ゲート122およびゲート・ハード・マスク124が除去された場所より下のエリアで、ナノメートル未満のレベルの制御を行うウェットまたはドライ酸化プロセスによって、チャネル層116およびシード層113の露出部分の制御酸化が行われてもよい。インナー・スペーサ138の露出部分、およびチャネル層116は、制御酸化によって影響を受けなくてもよい。
【0101】
チャネル層116の露出部分の選択的同位体エッチングが行われてもよく、その結果、1ナノメートル未満の差でチャネル層116の酸化部分が薄くなる。この選択的同位体エッチングが、結果としてシード層113の露出部分を除去してもよい。シード層113は、インナー・スペーサ138の下、および非ドープ・エピタキシ140の下、ならびにボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146の上に残っていてもよい。
【0102】
ここで
図50、
図51、および
図52を参照すると、例示的実施形態による構造100が示されている。
図50および
図51は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図52は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。ゲート・スタック176が形成されてもよい。
【0103】
ゲート・スタック176は、ゲート・ハード・マスク124、犠牲ゲート122、および犠牲サスペンション層114が除去された隙間、およびシード層113の露出部分が除去された隙間に形成されてもよい。
【0104】
ゲート・スタック176は、例示的実施形態による、構造100上に等角に形成されてもよい。ゲート・スタック176は、ナノシート・スタック、およびチャネル層116の周囲のぶら下がった部分の、各空洞に形成される。ゲート・スタック176は、各チャネル層116まわりに巻き付けられてもよい。
【0105】
ゲート・スタック176は、ナノシート・スタックの露出部分を囲む層を形成する。ゲート・スタック176は、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146の露出部分と最下部のチャネル層116との間のSTI120の露出部分、インナー・スペーサ138の間の露出面、チャネル層116を囲む露出部分、およびナノシート・スタック上のスペーサ130の間の露出面を覆ってもよい。ゲート・スタック176は、犠牲サスペンション層114が除去され、シード層113の一部分が除去された残りの隙間を充填してもよい。ゲート・スタック176は、ナノシート・スタック上のスペーサ130の間の、犠牲ゲート122が除去された隙間を充填してもよい。
【0106】
1つの実施形態では、ゲート・スタック176の形成の前に、図示されていない高誘電率ライナが等角に形成されてもよく、ゲート・スタック176は、高誘電率ライナ上に形成される。図示されていない高誘電率ライナは、STI120の露出部分、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146の周囲の露出部分、インナー・スペーサ138の間の露出面、およびナノシート・スタック上のスペーサ130の間の露出面を覆ってもよい。図示されていない高誘電率ライナは、反応性イオン・エッチング(RIE)などの異方性垂直エッチング・プロセス、または任意の適切なエッチング・プロセスの前に、例えば、原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相成長(PVD)、高密度プラズマ(HDP)堆積、およびスピンオン技法など、典型的な堆積技法を使用して堆積されてもよい。1つの実施形態では、図示されていない高誘電率ライナは、1つまたは複数の層を含んでもよい。図示されていない高誘電率ライナは、HfO2、ZrO2、Al2O3、La2O3、TiO2、SrTiO3、LaAlO3、Y2O3、HfOxNy、ZrOxNy、La2OxNy、Al2OxNy、TiOxNy、SrTiOxNy、LaAlOxNy、Y2OxNy、SiON、SiNx、そのケイ酸塩、およびその合金などの材料を含んでもよい。図示されていない高誘電率ライナは、ゲート誘電体と呼ばれてもよく、厚さ2nmでもよい。図示されていない高誘電率ライナは、将来のゲート形成のためのゲート酸化物として機能してもよい。
【0107】
ゲート・スタック176は、例えば、原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)、および化学気相堆積(CVD)のような、典型的な堆積技法を使用して堆積されてもよい。ゲート・スタック176用に選ばれた材料、および図示されていない高誘電率ライナは、ゲート・スタック176がチャネル層116を囲んでいる場合、およびデバイスがp-FETであるかまたはn-FETであるかに関わらず、ナノシート・スタックの、上記に記載のような他の材料および性質と組み合わせて、所望の閾値電圧に基づいて選択されてもよい。1つの実施形態では、p-FETデバイスの仕事関数金属は、例えば、窒化チタンもしくは窒化タンタルなどの金属窒化物、炭化チタン、チタン・アルミニウム炭化物(titanium aluminum carbide)、または当技術分野で知られた他の適切な材料を含んでもよい。1つの実施形態では、n-FETデバイスの仕事関数金属は、例えば、チタン・アルミニウム炭化物、または当技術分野で知られた他の適切な材料を含んでもよい。1つの実施形態では、ゲート・スタック176は、所望のデバイス特性を実現するために1つまたは複数の層を含んでもよい。
【0108】
ゲート・スタック176を形成した後、ゲート・スタック176、スペーサ130、およびILD170の上の方の水平面が同一平面になるように、過剰な材料を除去し、構造100の上面を研磨するために、化学機械研磨(CMP)技法が使用されてもよい。
【0109】
結果として生じた構造には、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160およびn-FETソース・ドレイン・エピタキシ164が、ナノシート・スタックの非ドープ・シリコン・エピタキシ140およびチャネル層116両方のひずみで成長するという利点がある。
【0110】
完全に統合されたデバイスでは、誘電体が構造100を覆ってもよく、各ゲートに対して、ならびにp-FETソース・ドレイン・エピタキシ160およびn-FETソース・ドレイン・エピタキシ164のそれぞれに対して、接点が作られてもよい。
【0111】
ここで
図53、
図54、および
図55を参照すると、代替実施形態による構造100が示されている。
図53および
図54は、それぞれ、切断線X1-X1およびX2-X2それぞれに沿った構造100の断面図であり、互いに平行である。
図55は、切断線Y-Yに沿った構造100の断面図であり、切断線X1-X1およびX2-X2と直角をなしている。
【0112】
図53、
図54、および
図55と、
図50、
図51、および
図52とを比較すると、切断線X1-X1に沿って、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146は、第2のボトム・ジエレクトリック・アイソレーション180で置き換えられる。ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146は、切断線X2-X2に沿って残っている。追加として、切断線X1-X1に沿って、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160には、p-FETソース・ドレイン・エピタキシ160とボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146との間に非ドープ・シリコン・エピタキシ140があるのではなく、第2のボトム・ジエレクトリック・アイソレーション180の上面に沿った下の方の水平面がある。
【0113】
上述のプロセスの変更は、
図26、
図27、および
図28に記載のステップ中、ギャップ144に一様にボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146を形成するのではなく、切断線X1-X1とX2-X2とが別々に処理されるはずであり、ボトム・ジエレクトリック・アイソレーション146が切断線X2-X2に沿って形成され、第2のボトム・ジエレクトリック・アイソレーション180が切断線X1-X1に沿って形成されることを含む。さらに、
図35、
図36、
図37に記載のステップの場合、隣り合う犠牲ゲート122の間の非ドープ・シリコン・エピタキシ140の一部分を除去するのではなく、非ドープ・シリコン・エピタキシ140が完全に除去され、現在第2のボトム・ジエレクトリック・アイソレーション180であるものの上面を露出させてもよい。
【0114】
本実施形態では、第2のボトム・ジエレクトリック180は、スペーサ130と同じ材料から形成されてもよい。
【0115】
本発明の様々な実施形態の説明が例証のために提示されてきたが、網羅的であること、または、開示の実施形態に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変更形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される専門用語は、実施形態の原理、実用的用途、もしくは、市場で見つかる技術に対する技術的改善を最もうまく説明するように、または、本明細書で開示された実施形態を当業者が理解できるように、選ばれた。
【国際調査報告】