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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】自動コンテナローダ
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/03 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B65G57/03 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531701
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2022083540
(87)【国際公開番号】W WO2023094672
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】2117215.0
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェストウッド、ポール
【テーマコード(参考)】
3F029
【Fターム(参考)】
3F029BA01
3F029CA12
3F029DA21
(57)【要約】
より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に積み込むための自動コンテナローダである。ローダは、より大きい保管コンテナを受け取るためのコンテナ支持体と、より大きい保管コンテナの上方でより小さい保管コンテナを受け取り、より小さい保管コンテナがより大きい保管コンテナ中に重力下で降下することを可能にするようにより小さい保管コンテナを解放するように構成されたコンテナ積み込みアセンブリとを含む。コンテナ積み込みアセンブリはまた、重力下のより小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間により小さい保管コンテナと係合するように構成された複数の係合面を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に積み込むための自動コンテナローダであって、
より大きい保管コンテナを受け取るためのコンテナ支持体と、
前記より大きい保管コンテナの上方でより小さい保管コンテナを受け取り、前記より小さい保管コンテナが前記より大きい保管コンテナ中に重力下で降下することを可能にするように前記より小さい保管コンテナを解放するように構成されたコンテナ積み込みアセンブリと
を備え、前記コンテナ積み込みアセンブリは、重力下の前記より小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと係合するように構成された複数の係合面を備える、自動コンテナローダ。
【請求項2】
前記コンテナ積み込みアセンブリは、
少なくとも2つのドアパネルを備えるトラップドアと、ここで、各ドアパネルは、複数の前記係合面のうちの1つを画定し、各ドアパネルは、それぞれの水平枢動軸を中心とした回転のために枢動可能に据え付けられ、ここにおいて、前記ドアパネルは、前記より大きい保管コンテナの上方で前記より小さい保管コンテナを受け取るための実質的に水平な初期位置から、前記より小さい保管コンテナが重力下で前記より大きい保管コンテナ中に前記水平枢動軸間を降下することを可能にするための最終位置に向かって下向きに枢動回転可能であり、
重力下で前記より小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、前記ドアパネルが前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと摩擦係合するように、前記初期位置と前記最終位置との間で前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成されたコントローラを備える制御システムと
を備える、請求項1に記載の自動コンテナローダ。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ドアパネルが前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と摩擦係合するように、前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成される、請求項2に記載の自動コンテナローダ。
【請求項4】
前記ドアパネルは、前記初期位置と前記最終位置との間の少なくとも1つの中間角度位置において停止可能である、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項5】
前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の前記一部分の間に前記より小さい保管コンテナの鉛直変位を測定するように構成された少なくとも1つの変位センサを更に備え、前記コントローラは、少なくとも1つの前記変位センサからの変位測定値に基づいて前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、請求項2~4のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項6】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記変位センサからの測定値に基づいて前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を最大速度及び/又は加速度閾値よりも下に保つように前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、請求項5に記載の自動コンテナローダ。
【請求項7】
前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度が前記最大速度及び/又は加速度閾値を上回るときに上向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように構成される、請求項6に記載の自動コンテナローダ。
【請求項8】
前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度が最小速度及び/又は加速度閾値を下回るときに下向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように更に構成される、請求項7に記載の自動コンテナローダ。
【請求項9】
前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え、前記コントローラは、複数の前記変位センサからの測定値に基づいて水平面に対する前記より小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナが所定の程度だけ前記水平面から離れて傾いていると前記コントローラが判断した場合に前記ドアパネルの枢動回転を中断させるように構成される、請求項2~8のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項10】
前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え、前記コントローラは、複数の前記変位センサからの測定値に基づいて水平面に対する前記より小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの向きを実質的に水平に保つように各ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、請求項2~8のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項11】
前記コントローラは、所定のモーションプロファイルに従って前記初期位置と前記最終位置との間で前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように構成される、請求項2~4のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項12】
前記コントローラは、最終降下位置の上方の中間降下位置において前記より小さい保管コンテナの降下を停止するように前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成され、前記コンテナ積み込みアセンブリは、前記より小さい保管コンテナを所定の速さで前記中間降下位置から前記最終降下位置まで下向きに押し込むように構成された押し込みデバイスを更に備える、請求項2~11のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項13】
前記ドアパネルは、弾性的に撓み可能である、請求項2~12のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項14】
各ドアパネルは、第1のドアパネル部分及び第2のドアパネル部分を画定するように前記水平枢動軸に対して垂直な方向に沿って分割される、請求項2~13のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項15】
各ドアパネルは、前記ドアパネルが枢動可能に据え付けられる据え付け端と、前記据え付け端の反対側の自由端とを備え、各自由端は、キャスタレーション形状を有し、前記ドアパネルは、前記ドアパネルが水平な前記初期位置にあるときに前記自由端のキャスタレーションが互いに噛み合うように配置される、請求項2~14のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項16】
前記ドアパネルは、揃って枢動可能に回転するように構成される、請求項2~15のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項17】
前記ドアパネルは、互いとは独立して枢動可能に回転可能であり、前記コントローラは、互いとは独立して前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、請求項2~15のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項18】
前記コンテナ積み込みアセンブリは、前記トラップドアの上方に案内部材を更に備え、前記案内部材は、前記より小さい保管コンテナを前記ドアパネル上の対称位置に案内し、及び/又は前記より小さい保管コンテナの前記より大きい保管コンテナ中への降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナを鉛直の向きに維持するのを助けるように、前記より小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と係合するように構成される、請求項2~17のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項19】
前記コンテナ支持体及び前記トラップドアは、前記初期位置から前記最終位置までの前記ドアパネルの枢動回転が前記ドアパネルを前記より大きい保管コンテナ中に回転させる相対位置に前記より大きい保管コンテナ及び前記ドアパネルが移動させられることを可能にするように、互いに対して鉛直に移動可能である、請求項2~18のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
【請求項20】
より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に自動化された形で積み込むための方法であって、前記方法は、
より大きい保管コンテナの上方のトラップドア上でより小さい保管コンテナを受け取るステップと、前記トラップドアは、前記より小さい保管コンテナを受け取るための水平な初期位置に少なくとも2つの枢動可能に据え付けられたドアパネルを備え、
前記より小さい保管コンテナが重力下で前記より大きい保管コンテナ中に前記ドアパネル間を降下することを可能にするように、下向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるステップと、
前記ドアパネルが前記降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと摩擦係合するように、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記ドアパネルの枢動回転を制御するステップと
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管及び取り出しシステムにおいて、より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に積み込むための自動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商業的及び産業的活動の中には、多数の異なる製品の保管及び取り出しを可能にするシステムを必要とするものがある。WO2015019055A1は、保管コンテナのスタックがグリッド保管構造内に配置される保管及び取り出しシステムについて説明している。保管コンテナは、グリッド保管構造の頂部に位置するレール又はトラック上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスによって上方からアクセスされる。
【0003】
グリッド保管構造に入る前に、保管コンテナは、保管のためのアイテムを積み込まれる。いくつかの製品(特に生鮮製品及びチルド製品)については、アイテムは、供給業者によって、クレート、例えば、IFCO Systems GmbHによって製造及び供給されるものなどの再利用可能なプラスチッククレート/コンテナ(RPC)で配送され得る。アイテムをRPCから保管コンテナに移送し、空のRPCを供給業者に戻すことができるまで保管する時間及び空間コストを回避するために、RPC及びそのアイテムを保管コンテナ中に直接積み込むことができる。組み合わせられたRPC及び保管コンテナは、次いで、保管構造中に保管することができる。
【0004】
RPCは、典型的には、手で保管コンテナ中に積み込まれる。効率を改善するために、積み込みプロセスを自動化することが望ましい。しかしながら、積み込みプロセスが確実且つ効率的に自動化されることを可能にするために克服すべきいくつかの課題がある。
【0005】
これらの課題は、以下を含む:
・RPCは、RPCの内側のアイテムを損傷することなく、保管コンテナ中に積み込まれる必要がある。
・各RPCのサイズ、重量、及び重心は、RPC中のアイテム及びRPC内のアイテムの分布に応じて変化し得る。自動システムは、理想的には、各RPCが安定した信頼性の高い形で積み込まれるように、これらの変数の異なる変動に対応するであろう。
・RPCの寸法と保管コンテナの寸法とは、RPCの側壁と保管コンテナの側壁との間に小さい隙間(例えば、数ミリメートル)しかないように、類似であり得る。これは、コンテナ取り扱い機構に利用可能な空間を制限する。
・保管コンテナの開口部又は空洞のサイズは、元々同じサイズであるように製造された保管コンテナ間でさえ、一貫していない場合がある。これは、保管コンテナの側壁が時間と共に反る(例えば、内向きに曲がる)可能性があるためである。反った側壁は、側壁がRPCの保管コンテナ中への挿入を妨げるほど十分に保管コンテナの開口部又は空洞のサイズを減少させ得る。
・RPCの外部特徴(例えば、突出部、凹部、開口部、等)は、製造業者及び製品ラインに応じて変化する。自動システムは、理想的には、信頼性の高い再現可能な形で異なる外部特徴を有するRPCを取り扱うであろう。
【0006】
従って、より小さいコンテナ(RPCなど)内のアイテムを損傷するリスクを最小限に抑えながら、より小さいコンテナをより大きい保管コンテナ中に効率的で信頼性が高く再現可能な形で積み込むことを自動化することができる装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、添付の特許請求の範囲に規定されている。
【0008】
自動コンテナローダ
より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に積み込むための自動コンテナローダが提供される。自動コンテナローダは、
より大きい保管コンテナを受け取るためのコンテナ支持体と、
より大きい保管コンテナの上方でより小さい保管コンテナを受け取り、より小さい保管コンテナがより大きい保管コンテナ中に重力下で降下することを可能にするようにより小さい保管コンテナを解放するように構成されたコンテナ積み込みアセンブリと
を備え、コンテナ積み込みアセンブリは、重力下のより小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間により小さい保管コンテナと係合するように構成された複数の係合面を備える。
【0009】
より大きい保管コンテナ中へのより小さい保管コンテナの降下の間により小さい保管コンテナと係合する係合面を設けることによって、より小さい保管コンテナの降下速度を低減することができ、それによって、より小さい保管コンテナの降下の終わりに、より小さい保管コンテナとより大きい保管コンテナとの間の衝撃力を低減することができる。これは、より小さい保管コンテナとより大きい保管コンテナとの間の衝撃力が高すぎる場合に破損し得る壊れやすい商品をより小さい保管コンテナが保持する状況において特に有用である。
【0010】
コンテナ積み込みアセンブリは、少なくとも2つのドアパネルを備えるトラップドアを備え得る。各ドアパネルは、複数の係合面のうちの1つを画定し得る。各ドアパネルは、それぞれの水平枢動軸を中心とした回転のために枢動可能に据え付けられ得る。ドアパネルは、より大きい保管コンテナの上方でより小さい保管コンテナを受け取るための実質的に水平な初期位置から、より小さい保管コンテナが重力下でより大きい保管コンテナ中に枢動軸間を降下することを可能にするための最終位置に向かって下向きに枢動可能に回転可能であり得る。コンテナ積み込みアセンブリは、重力下でより小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、ドアパネルがより小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間により小さい保管コンテナと摩擦係合するように、初期位置と最終位置との間でドアパネルの枢動回転を制御するように構成されたコントローラを備える制御システムを更に備え得る。
【0011】
トラップドアは、それぞれの枢動軸が互いに対して平行に配置され、同じ水平面にある2つのドアパネルを有し得る。枢動軸は、ドアパネルが衝突することなく互いに擦れ違って回転することができるように離間され得る。各枢動軸は、回転可能なシャフトの長手方向軸によって画定され得る。各ドアパネルは、それぞれの回転可能なシャフトに堅固に据え付けられ得る。
【0012】
コントローラは、ドアパネルがより小さい保管コンテナの降下の一部分の間により小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と(摺動接触を介して)摩擦係合するように、ドアパネルの枢動回転を制御するように構成され得る。
【0013】
ドアパネルは、初期位置と最終位置との間の少なくとも1つの中間角度位置において停止可能であり得る。ドアパネルは、初期位置と最終位置との間の複数の中間角度位置のうちの任意の1つで停止可能であり得る。ドアパネルは、複数の中間角度位置のうちの1つから複数の中間角度位置のうちの別の1つまで上向きに枢動可能に回転可能であり得る。このようにして、ドアパネルの角度位置は、より小さい保管コンテナの降下の間に微調整されて、ドアパネルとより小さい保管コンテナとの間の摩擦係合を増加又は減少させることができ、それは、より小さい保管コンテナの降下速度をそれぞれ減少又は増加させるであろう。
【0014】
コントローラは、より小さい保管コンテナの降下の一部分の間に閉ループ制御を使用し得る。制御システムは、より小さい保管コンテナの降下の一部分の間により小さい保管コンテナの鉛直変位を測定するように構成された少なくとも1つの変位センサを更に備え得る。変位センサは、トラップドアの上方に位置し得る。コントローラは、少なくとも1つの変位センサからの変位測定値に基づいてドアパネルの角度位置を制御するように構成され得る。
【0015】
例えば、コントローラは、少なくとも1つの変位センサからの測定値に基づいてより小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を決定するように構成され得る。コントローラは、より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を最大速度及び/又は加速度閾値よりも下に保つようにドアパネルの角度位置を制御するように構成され得る。最大降下加速度閾値は、約9.8m/s2の重力加速度であり得る。
【0016】
コントローラは、より小さい保管コンテナの降下速度が所定の最大速度及び/又は加速度閾値を上回るときに上向きにドアパネルを枢動可能に回転させるように構成され得る。上向きにドアパネルを回転させることによって、ドアパネルとより小さい保管コンテナとの間の摩擦係合を増加させることができ、それによって、降下速度及び/又は加速度を最大速度及び/又は加速度閾値よりも下に低減することができる。
【0017】
コントローラは、より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度が最小速度及び/又は加速度閾値を下回るときに下向きにドアパネルを枢動可能に回転させるように更に構成され得る。下向きにドアパネルを回転させることによって、ドアパネルとより小さい保管コンテナとの間の摩擦係合を減少させることができ、それによって、降下速度及び/又は加速度を最小速度及び/又は加速度閾値よりも上に増加させることができる。
【0018】
制御システムは、より小さい保管コンテナの降下の間により小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え得る。複数の変位センサは、トラップドアの上方に位置し得る。複数の変位センサは、例えば、より小さい保管コンテナの各角部の鉛直変位を測定するためにトラップドアの上方に配置され得る。コントローラは、複数の変位センサからの測定値に基づいて水平面に対するより小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され得る。コントローラは、より小さい保管コンテナが所定の程度だけ水平面から離れて傾いているとコントローラが判断した場合にドアパネルの枢動回転を中断させるように構成さ得る。
【0019】
制御システムは、より小さい保管コンテナの降下の間により小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え得る。複数の変位センサは、トラップドアの上方に位置し得る。複数の変位センサは、例えば、より小さい保管コンテナの各角部の鉛直変位を測定するためにトラップドアの上方に配置され得る。コントローラは、複数の変位センサからの測定値に基づいて水平面に対するより小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され得る。コントローラは、より小さい保管コンテナの降下の間により小さい保管コンテナの向きを実質的に水平に保つために各ドアパネルの角度位置を制御するように構成され得る。
【0020】
コントローラは、より小さい保管コンテナの降下の一部分の間に開ループ制御を使用し得る。コントローラは、所定のモーションプロファイルに従って初期位置と最終位置との間でドアパネルを枢動可能に回転させるように構成され得る。所定のモーションプロファイルは、ドアパネルがより小さい保管コンテナの降下の一部分の間により小さい保管コンテナと摩擦係合するような速さでドアパネルが下向きに回転させられるように選ばれ得る。
【0021】
コントローラは、最終降下位置の上方の中間降下位置においてより小さい保管コンテナの降下を停止させるようにドアパネルの枢動回転を制御するように構成され得る。コンテナ積み込みアセンブリは、より小さい保管コンテナを所定の速さで中間降下位置から最終降下位置まで下向きに押し込むように構成された押し込みデバイスを更に備え得る。
【0022】
ドアパネルは、弾性的に撓み可能であり得る。言い換えれば、ドアパネルは、より小さい保管コンテナからの荷重下にあるとき(特に、ドアパネルがより小さい保管コンテナの側壁と摩擦係合しているとき)に撓み、荷重が除去されるとそれらの撓む前の状態に戻り得る。これは、ドアパネルとより小さい保管コンテナとの間の表面積接触を増加させ得、それは、ドアパネルとより小さい保管コンテナとの間のより信頼性の高い摩擦係合をもたらし、また、より大きい表面積にわたってドアパネル上の摩耗を拡散させ得る。
【0023】
各ドアパネルは、第1のドアパネル部分及び第2のドアパネル部分を画定するように水平枢動軸に対して垂直な方向に沿って分割され得る。第1及び第2のドアパネル部分は、それらのそれぞれのドアパネルの枢動軸を中心として揃って枢動可能に回転可能であり得る。第1のドアパネル部分及び第2のドアパネル部分は、独立して弾性的に撓み可能であり得る。そのような分割ドアパネル構成は、異なるサイズ及び/又は重量を有する第1のより小さい保管コンテナ及び第2のより小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に並べて積み込むために使用され得る。コントローラは、最も速く降下しているより小さい保管コンテナに従ってドアパネルの角度位置を制御するように構成され得る。代替として、各ドアパネル部分は、第1及び第2のより小さい保管コンテナの降下速度を独立して制御するために、それらのそれぞれのドアパネルの枢動軸を中心として独立して枢動可能に回転可能であり得る。
【0024】
各ドアパネルは、ドアパネルが枢動可能に据え付けられる据え付け端と、据え付け端の反対側の自由端とを備え得る。各自由端は、キャスタレーション形状を有し得る。ドアパネルは、ドアパネルが水平な初期位置にあるときに自由端のキャスタレーションが互いに噛み合うように配置され得る。このようにして、各ドアパネルの幅(据え付け端と自由端との間の距離)は、互いに噛み合うキャスタレーションがない場合に可能であるよりも更に拡張され得、それは、各ドアパネルが、より小さい保管コンテナの降下の間により大きい距離にわたってより小さい保管コンテナと摩擦係合したままとなることを可能にする。
【0025】
ドアパネルは、揃って枢動可能に回転するように構成され得る。コンテナ積み込みアセンブリは、揃ってドアパネルを枢動可能に回転させるように構成される単一のアクチュエータを備え得る。アクチュエータは、ドアパネルの角度位置を制御するためにコントローラによって制御され得る。例えば、ドアパネルは、鉛直案内部に沿って上下に移動するように配置された共通の案内部付きキャリッジに機械的に連結され得る。案内部付きキャリッジは、ドアパネルが揃って上向き又は下向き枢動可能に回転させられるように、鉛直案内部に沿ってアクチュエータによって駆動され得る。
【0026】
ドアパネルは、互いに独立して枢動可能に回転可能であり得る。コントローラは、ドアパネルの角度位置を互いに独立して制御するように構成され得る。例えば、各ドアパネルは、別個のアクチュエータによって枢動可能に回転させられ得る。
【0027】
コンテナ積み込みアセンブリは、トラップドアの上方に案内部材を更に備え得る。案内部材は、より小さい保管コンテナをドアパネル上の対称位置に案内するためにより小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と係合するように構成され得る。代替として又は追加として、案内部材は、より小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下の少なくとも一部分の間により小さい保管コンテナを鉛直の向きに維持するのを助けるように、より小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と係合し得る。
【0028】
コンテナ支持体及びトラップドアは、初期位置から最終位置までのドアパネルの枢動回転がドアパネルをより大きい保管コンテナ中に回転させる相対位置により大きい保管コンテナ及びドアパネルが移動させられることを可能にするように、互いに対して鉛直に移動可能であり得る。コンテナ支持体は、トラップドアに対して鉛直に移動可能であり得るか、又はトラップドアは、コンテナ支持体に対して鉛直に移動可能であり得る。これは、より小さい保管コンテナがより大きい保管コンテナの基部に到達する前に自由落下する時間の量を最小化又は排除し、それは、より小さい保管コンテナとより大きい保管コンテナとの間の衝撃力を低減するのを助ける。更に、より大きい保管コンテナの側壁のうちのいずれかが(摩耗、等に起因して)内向きに曲がった場合、より大きい保管コンテナの側壁に対するドアパネルの枢動回転運動を使用して、曲がった側壁を外向きに押し出すことができ、それによって、より小さい保管コンテナがより容易に降下することを可能にする。
【0029】
方法
より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に自動化された形で積み込むための方法が提供される。本方法は、
より大きい保管コンテナの上方のトラップドア上でより小さい保管コンテナを受け取るステップと、トラップドアは、より小さい保管コンテナを受け取るための水平な初期位置に少なくとも2つの枢動可能に据え付けられたドアパネルを備え、
より小さい保管コンテナが重力下でより大きい保管コンテナ中にドアパネル間を降下することを可能にするように、下向きにドアパネルを枢動可能に回転させるステップと、
ドアパネルが降下の少なくとも一部分の間により小さい保管コンテナと摩擦係合するように、より小さい保管コンテナの降下の間にドアパネルの枢動回転を制御するステップと
を備える。
【0030】
ドアパネルの枢動回転は、ドアパネルが降下の一部分の間により小さい保管コンテナのそれぞれの側壁に摩擦係合するように制御され得る。
【0031】
ドアパネルの枢動回転は、ドアパネルがより小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下全体を通してより小さい保管コンテナと接触するように制御され得る。
【0032】
本方法は、
より小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下の間により小さい保管コンテナの鉛直変位を測定するステップと、
鉛直変位測定値に基づいてより小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を計算するステップと、
より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を最大速度閾値よりも下に保つように、より小さい保管コンテナの降下の間にドアパネルの角度位置を制御するステップと
を更に備え得る。
【0033】
次に、本発明を、添付の図面を参照して例としてのみ説明し、添付図面では、同様の参照番号が同様の特徴に対して使用される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】コンテナ積み込みアセンブリ及びコンテナ支持体にそれぞれ接近するより小さい保管コンテナ及びより大きい保管コンテナを示す、自動コンテナローダの斜視図である。
図2図1に示すコンテナ積み込みアセンブリの斜視図である。
図3】コンテナ積み込み装置上のより小さい保管コンテナとコンテナ支持体上のより大きい保管コンテナとを示す、図1の自動コンテナローダの斜視図である。
図4】コンテナ支持体がより大きい保管コンテナをコンテナ積み込みアセンブリに向かって上昇させた、図3に続く状態の自動コンテナローダの斜視図である。
図5】コンテナ積み込みアセンブリがより小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に落下させた、図4に続く状態の自動コンテナローダの斜視図である。
図6】コンテナ支持体が、積み込まれたより大きい保管コンテナをコンテナ積み込みアセンブリから離れるように下降させた、図5に続く状態の自動コンテナローダの斜視図である。
図7】積み込まれたより大きい保管コンテナが自動コンテナローダを離れている、図6に続く状態の自動コンテナローダの斜視図である。
図8A】コンテナ積み込みアセンブリを使用するより小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下を示す、図1の自動コンテナローダの一連の側断面図である。
図8B】コンテナ積み込みアセンブリを使用するより小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下を示す、図1の自動コンテナローダの一連の側断面図である。
図8C】コンテナ積み込みアセンブリを使用するより小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下を示す、図1の自動コンテナローダの一連の側断面図である。
図8D】コンテナ積み込みアセンブリを使用するより小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下を示す、図1の自動コンテナローダの一連の側断面図である。
図8E】コンテナ積み込みアセンブリを使用するより小さい保管コンテナのより大きい保管コンテナ中への降下を示す、図1の自動コンテナローダの一連の側断面図である。
図9A】より小さい保管コンテナがより大きい保管コンテナ中に積み込まれているときの、時間に対するコンテナ積み込みアセンブリのドアパネルの角度位置を示すグラフである。
図9B】より小さい保管コンテナがコンテナ積み込みアセンブリを使用してより大きい保管コンテナ中に積み込まれているときの、より小さい保管コンテナの鉛直変位対時間を示すグラフである。
図10】コンテナ積み込みアセンブリのドアパネルを制御するための制御システムの概略ブロック図である。
図11】押し込みデバイスを備えるコンテナ積み込みアセンブリの斜視図である。
図12】並んで配置された2つのより小さい保管コンテナを受け取ったコンテナ積み込みアセンブリの斜視図である。
図13】トラップドアのドアパネルの各々が2つの部分に分割されたトラップドアの斜視図である。
図14】トラップドアのドアパネルが互いに噛み合うキャスタレーションを備えるトラップドアと、キャスタレーションを有しないトラップドアとを比較する上面図を示す。
図15】保管コンテナ中に延在する鉛直位置にあるときの図14のキャスタレーション付きトラップドアとキャスタレーションなしトラップドアとを比較する側断面図を示す。
図16】グリッド保管構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、より小さい保管コンテナ80をより大きい保管コンテナ90中に積み込むための自動コンテナローダ100を示す。自動コンテナローダ100は、より大きい保管コンテナ90が後の取り出しのためにアイテムを保管するために使用される保管及び取り出しシステムの一部であり得る。上記の背景技術のセクションで説明したように、自動コンテナローダ100によって積み込まれるより小さい保管コンテナ80は、IFCO Systems GmbHによって製造及び供給されるものなどの再使用可能なプラスチックコンテナ(RPC)の形態であり得る。自動コンテナローダ100の目的は、より大きい保管コンテナ90が保管及び取り出しシステムの保管エリアに搬送される前に、より大きい保管コンテナ90中に直接積み込まれた1つ以上のより小さい保管コンテナ80を積み込むことである。
【0036】
より小さい保管コンテナ80及びより大きい保管コンテナ90は、両方とも、4つの側壁82、92が基部から延在して頂部に開口部を画定する矩形の基部を有する。より小さい保管コンテナ80は、より小さい保管コンテナ80をより大きい保管コンテナ90の頂部開口部を通ってより大きい保管コンテナ90中に配置及び収容することができるように、より大きい保管コンテナ90よりも小さい水平寸法を有する。より小さい及びより大きい保管コンテナ80、90のうちのいずれか又は両方は、折り畳み可能であり得、例えば、1つ以上の側壁82、92は、基部に対して折り曲げ可能であり得る。
【0037】
自動コンテナローダ100は、より小さい保管コンテナ80を受け取るように構成されたコンテナ積み込みアセンブリ110を備える。より小さい保管コンテナ80は、コンベヤユニット101を介してコンテナ積み込みアセンブリ110に到達するが、他の自動又は手動搬送手段を介して到達することもできる。コンテナ積み込みアセンブリ110及びコンベヤユニット101は、フレーム(明確にするために図示せず)上に据え付けられ得る。
【0038】
コンテナ積み込みアセンブリは、図2に分離して示している。コンテナ積み込みアセンブリ110は、トラップドア111を備える。トラップドア111は、2つの矩形のドアパネル112を備え、各々は、据え付け端113と、据え付け端113の反対側の自由端114とを有する。各ドアパネル112の据え付け端113は、その長手方向軸121を中心として回転可能なそれぞれの水平シャフト120に堅固に据え付けられる。従って、各ドアパネル112は、そのそれぞれのシャフト120の長手方向軸121に対応する水平枢動軸121を中心として回転可能である。シャフト120は、互いに対して平行に配置され、同じ水平面にある。シャフト120はまた、ドアパネルの自由端114が衝突することなく互いに擦れ違って回転することが可能となるように離間される。
【0039】
図1及び2は、ドアパネルが水平な初期位置にあり、自由端114が互いの方に向いている、閉じられた構成のトラップドア111を示す。共に、ドアパネルは、より小さい保管コンテナ80を受け取るための実質的に水平な上向きに面する表面を形成する。図3は、トラップドア111の上向きに面する表面上に受け取られたより小さい保管コンテナ80を示す。トラップドア111が閉じられた構成にあるときにドアパネルの自由端114間に隙間が存在し得るので、上向きに面する表面は接触している必要はない。ドアパネル112の幅(据え付け端113と自由端114との間の距離として定義される)は、ドアパネルが2つの枢動軸121間に平行に走る中心線を中心として対称的に配置されるように、実質的に同じである。
【0040】
トラップドア111を開くために、ドアパネルは、水平位置から鉛直最終位置に向かって下向きに枢動可能に回転させられる。これは、より小さい保管コンテナ80がシャフト120間をトラップドア111を通って降下することを可能にする次第に広くなる開口部をより小さい保管コンテナ80の下方に作成する。
【0041】
ドアパネルの両方とも、リンケージアーム124及びジョイント125を介して、トラップドア111の一端において枢動軸121に対して中心に位置決めされた共通の案内部付きキャリッジ123に機械的に連結される。案内部付きキャリッジ123は、鉛直案内部122に沿って上下に移動するように配置される。リンケージアーム124及びジョイント125は、案内部付きキャリッジ123が鉛直案内部122を上に移動するときに、ドアパネルが揃って上向きに枢動可能に回転し、案内部付きキャリッジ123が鉛直案内部122を下に移動するときに、ドアパネルが揃って下向きに枢動可能に回転するように構成される。鉛直案内部122に沿った案内部付きキャリッジ123の鉛直位置は、滑りねじアクチュエータなどの電気リニアアクチュエータ126によって制御される。リニアアクチュエータ126は、案内部付きキャリッジ123が鉛直案内部122に沿って複数の位置のうちの任意の1つに移動して停止することを可能にし、そのため、ドアパネルは、初期位置と最終位置との間の複数の中間角度位置のうちの任意の1つまで枢動可能に回転して停止することができる。
【0042】
コンテナ積み込みアセンブリ110は、ドアパネルの上方に位置する側部案内部119を更に備える。側部案内部119は、水平方向に互いに対向する2つの鉛直パネルの形態であり、より小さい保管コンテナ80がトラップドア111上に移動する方向に対して平行に位置合わせされる。側部案内部119の1つの目的は、より小さい保管コンテナ80がドアパネル上に対称的に配設されるように、より小さい保管コンテナ80を閉じられたトラップドア111上の中心に置くのを助けることである。側部案内部119の別の目的は、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90中に降下するときにより小さい保管コンテナ80を鉛直の向きに維持するのを助けることである(即ち、側部案内部119は、より小さい保管コンテナ80が降下の間に一方の側に傾くのを防止するのを助ける)。一例では、側部案内部119は、より小さい保管コンテナ80の位置が側部案内部119によってトラップドア111上の中心位置に向かって調整されるように、より小さい保管コンテナ80がトラップドア111上に受け取られると、互いに向かって移動するように構成され得る。これはまた、コンテナ積み込みアセンブリ110が異なる幅のより小さい保管コンテナ80のために使用されることを可能にするであろう。別の例では、側部案内部119は、トラップドア111の中心線を中心として対称的に固定され得、各側部案内部119は、より小さい保管コンテナ80がトラップドア111上に移動されるときに、より小さい保管コンテナ80を側部案内部119間の正しい位置に案内するための先細の開口部を形成するための先細の部分を備え得る。
【0043】
より小さい保管コンテナ80は、任意の適切な移送機構を使用してコンベヤユニット101からトラップドア111に移送することができる。例えば、自動コンテナローダ100は、コンベヤユニット101からトラップドア111上により小さい保管コンテナ80を水平に押し出す押出部材、又はコンベヤユニット101上のより小さい保管コンテナ80を把持し、トラップドア111上により小さい保管コンテナ80を水平に移動させ、次いでそれを解放する把持デバイスを備え得る。
【0044】
自動コンテナローダ100は、図3に示すように、コンテナ落下アセンブリのトラップドア111の直下でより大きい保管コンテナ90を受け取るためのコンテナ支持体130を更に備える。より大きい保管コンテナ90は、コンベヤユニット102又は他の搬送手段を介してコンテナ支持体130に到達する。コンテナ支持体130は、より大きい保管コンテナ90を受け取るためのプラットフォーム132を備える。コンテナ積み込みアセンブリ110と同様に、コンテナ支持体130は、より大きい保管コンテナをプラットフォーム132上の特定の位置に位置付けるための側部案内部は他の位置付け手段を備え得る。プラットフォーム132は、プラットフォーム132上での及びプラットフォーム132から離れるより大きい保管コンテナ90の移動を容易にするために別のコンベヤユニットの形態であり得るか、又は(コンベヤユニット101及びトラップドア111に関して)上記で説明した移送機構と類似の移送機構が、プラットフォーム132上で及びプラットフォーム132からより大きい保管コンテナ90を移送するために提供され得る。図4に示すように、コンテナ支持体130は、プラットフォーム132を上昇及び下降させて、より大きい保管コンテナ90をトラップドア111に向かって及びトラップドアから離れてそれぞれ鉛直に移動させるように構成された持ち上げ機構134を更に備える。特に、持ち上げ機構134は、下降解放位置(図3に示す位置)と上昇積み込み位置(図4に示す位置)との間でより大きい保管コンテナ90を鉛直に移動させるように構成される。
【0045】
図5は、トラップドア111が開いた状態で上昇積み込み位置にあるより大きい保管コンテナ90を示す。上昇積み込み位置では、より大きい保管コンテナ90は、トラップドア111がより大きい保管コンテナ90中に開くように、即ち、ドアパネルが水平位置から下向きに枢動可能に回転させられるときに各ドアパネル112の少なくとも一部分がより大きい保管コンテナ90の(基部及び側壁92によって画定される)空洞に入るように、トラップドア111に対して鉛直に位置決めされる。積み込み位置は、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90中に積み込まれているときに使用される。これは、以下の利点を有する。第1に、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90内にある間に、より小さい保管コンテナ80の降下は、ドアパネルによって制御することができる。これは、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90の基部に到達する前に自由落下する時間の量を最小化又は排除し、それは、より小さい保管コンテナ80とより大きい保管コンテナ90との間の衝撃力を低減するのを助ける。第2に、より大きい保管コンテナ90の側壁92は、最初に製造されたときには、一般に実質的に鉛直であるが、連続使用を通して、1つ以上の側壁が、摩耗に起因して内向きに曲がってしまい得る。内向きに曲がった側壁は、より大きい保管コンテナ90の内部寸法を減少させ得、そのため、より小さい保管コンテナ80は、より小さい保管コンテナ80に下向きの力が加えられない限り、より大きい保管コンテナ90に完全に入ることを妨げられる。トラップドア111をより大きい保管コンテナ90中に開かせることによって、ドアパネルは、任意の内向きに曲がった側壁を外向きに押し出し得、そのため、より小さい保管コンテナ80は、押し込まれる必要なく重力下でより大きい保管コンテナ90に入ることができる。
【0046】
トラップドア111が開いている状態でより大きい保管コンテナ90が積み込み位置にあり、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90中に完全に積み込まれているとき、ドアパネルは、より小さい保管コンテナ80の側壁82とより大きい保管コンテナ90の側壁92との間の空間中に位置する。この配置は、積み込まれたより大きい保管コンテナ90が、自動コンテナローダ100から水平方向に離れることを阻止し、トラップドア111が次のより小さい保管コンテナ80を受け取るために閉じることを阻止する。従って、より大きい保管コンテナ90がより小さい保管コンテナ80を積み込まれた後、より大きい保管コンテナ90は、解放位置まで下降させられる。
【0047】
図6は、トラップドア111が開いた状態で下降解放位置にある積み込まれたより大きい保管コンテナ90を示す。下降解放位置では、より大きい保管コンテナ90は、ドアパネルから鉛直に離れており、それは、ドアパネルからの妨害を受けることなく、コンベヤユニット103又は他の搬送手段を介して、積み込まれたより大きい保管コンテナ90がコンテナ支持体130から離れて自動コンテナローダ100から離れるように搬送されることを可能にする。図7は、コンテナ支持体130を離れた後のコンベヤユニット103上の積み込まれたより大きい保管コンテナ90を示す。解放位置はまた、ドアパネルが水平位置に戻るように回転して、より小さい及びより大きい保管コンテナ80、90の新しいセットを用いて積み込みプロセスを繰り返すことを可能にする。
【0048】
図3に戻って参照すると、コンテナ支持体130は、コンベヤユニット102から空のより大きい保管コンテナ90を受け取るときに解放位置にあることが分かる。しかしながら、積み込み位置又は解放位置のうちのいずれかが、空のより大きい保管コンテナ90を受け取るために使用され得(コンベヤユニット102の位置に対する適切な調整を伴って)、コンテナ支持体130は、動作中に必要に応じて他の位置に移動する。
【0049】
図8A~8Eは、ドアパネル112の枢動軸121を通って垂直に延在し、鉛直案内部122に向かって切断面に沿った自動コンテナローダ100の一連の断面図である。図8A~8Eは、より小さい保管コンテナ80をより大きい保管コンテナ90中に積み込むプロセス中の様々な段階における、より小さい保管コンテナ80、ドアパネル、及びより大きい保管コンテナ90の相対位置を示す。
【0050】
図8Aは、ドアパネル112が水平位置にある状態で閉じられたトラップドア111を示す。より小さい保管コンテナ80は、ドアパネルの頂部に対称的に位置決めされ、そのため、より小さい保管コンテナ80は、2つの枢動軸121間の中心線をまたぎ、両方のドアパネル112によって下方から支持される。より大きい保管コンテナ90は、コンテナ支持体プラットフォーム132上に着座しており、トラップドア111の直下の積み込み位置にある。
【0051】
図8Bでは、ドアパネル112は、トラップドア111が部分的に開くように下向きに枢動可能に回転し始めている。この時点で、より小さい保管コンテナ80の鉛直方向の変位は、より小さい保管コンテナ80の底縁部がドアパネル112の枢動軸121に近い部分によって依然として支持されているので、無視できる。
【0052】
図8Cでは、ドアパネル112は、図8Bの位置から更に下向きに回転している。この時点で、ドアパネル112間の開口部は、より小さい保管コンテナ80がドアパネル112によって下方からもはや支持されないほど十分に幅が広い。しかしながら、ドアパネル112間の開口部は、ドアパネル112の「上向き」に面する表面(ドアパネル112が水平位置にあったときに、より小さい保管コンテナ80を以前に受け取った)がより小さい保管コンテナ80の両側のそれぞれの側壁82の外面と摩擦係合する(即ち、それに対して摺動する)ように、より小さい保管コンテナ80の幅よりも依然として僅かに幅が狭い。ドアパネルとより小さい保管コンテナ80の側壁82との間の摩擦力は、より小さい保管コンテナ80に作用する重力に対抗して、より大きい保管コンテナ90中への重力下でのより小さい保管コンテナ80の降下を遅くする。
【0053】
図8Dでは、より小さい保管コンテナ80は、より大きい保管コンテナ90の基部と接触することによって、その降下を終了している。より小さい保管コンテナ80は、今やより大きい保管コンテナ90中に積み込まれている。この時点で、ドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80と依然として接触している。
【0054】
図8Eでは、ドアパネル112は、鉛直位置(水平位置から下向きに90度)まで回転している。この位置では、ドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80の側壁82から係合解除され、そのため、ドアパネル112がより小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナから引き離す可能性なしに、積み込まれたより大きい保管コンテナ90を解放位置まで下降させることができる。
【0055】
図9Aは、ドアパネル112のうちの1つの角度位置(θ)が時間(t)にわたってどのように変化するかの例を示すグラフである。この例では、ドアパネル112は、揃って回転し、従って、経時的な他方のドアパネル112の角度位置のグラフは、同様に見えるであろう。グラフは、ドアパネル112が水平位置(t=0においてθ=0)から始まり、鉛直位置(t=Tにおいてθ=-90°)で終わることを示す。図9Bは、閉じられたトラップドア111の頂部の位置(t=0においてx=0)から開始して、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90の底部にある状態(t=Tにおいてx=-D)で終了する、より小さい保管コンテナ80の鉛直変位(x)が図9Aのグラフと同じ時間期間にわたってどのように変化するかを示すグラフである。
【0056】
図10は、上記で説明したシーケンスの少なくとも一部の間にドアパネル112の角度位置を制御するための実例的な制御システムのブロック図を示す。制御システムは、コントローラ127と、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90中に降下するときのより小さい保管コンテナ80の鉛直変位を測定するための、トラップドア111の上方に位置する変位センサ128とを備える。変位センサ128は、任意の適切なタイプの変位センサ、例えば、光学、超音波、又はレーザ変位センサであり得る。コントローラ127は、変位センサ128からの測定値に応答してリニアアクチュエータ126を制御して、ドアパネル112の角度位置を制御する。
【0057】
コントローラ127は、図9A及び9Bに示すように、異なる時間期間で動作する3つの制御レジームC1、C2、及びC3に従ってリニアアクチュエータ126を制御する。第1の制御レジームC1(以下、「支持」制御レジームと呼ぶ)は、(例えば、図8Bに示すように)より小さい保管コンテナ80の底部がドアパネル112によって下方から依然として支持されている時間T1までの時間期間に動作する。第2の制御レジームC2(以下、「摩擦」制御レジームと呼ぶ)は、ドアパネル112がより小さい保管コンテナ80を下方からもはや支持しておらず、(例えば、図8Cに示すように)今やより小さい保管コンテナ80の側壁82と摩擦係合しているT1とT2との間の時間期間に動作する。第3の制御レジームC3(以下、「解放」制御レジームと呼ぶ)は、(例えば、図8Eに示すように)より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90中に完全に受け取られた後に、ドアパネル112をより小さい保管コンテナ80から係合解除するようにT2とT3との間の時間期間に動作する。
【0058】
支持制御レジームC1中に、より小さい保管コンテナ80の鉛直変位は、特にドアパネル112の枢動軸121間の距離がより小さい保管コンテナ80の幅と同様である場合、一般に小さいか又は無視できるであろう。これは、ドアパネル112のうち、より小さい保管コンテナ80の底縁部を支持する部分が枢動軸121に近いため、従って、ドアパネル112が水平位置から下向きに回転するときに支持部分が大きな鉛直変位を受けないためである。支持制御レジームは、摩擦制御レジームが始まるまでドアパネル112を所定の速さで下向きに回転させることができるので、開ループであり得る。
【0059】
摩擦制御レジームC2中に、より小さい保管コンテナ80は、重力下でドアパネル112間を鉛直に摺動しており、従って、より小さい保管コンテナ80の降下の速さは、より小さい保管コンテナ80の重量と、ドアパネル112とより小さい保管コンテナ80の側壁82との間の対抗する摩擦力とに依存する。摩擦制御レジームの場合、コントローラ127及び変位センサ128は、閉ループ制御システムの一部を形成する。特に、コントローラ127は、変位センサ128がより小さい保管コンテナ80の変位を測定する度に(変位センサ128のサンプリングレートに応じて、1秒に数回であり得る)、より小さい保管コンテナ80の下向きの速度及び/又は加速度を計算する。コントローラ127は、次いで、より小さい保管コンテナ80の速度及び/又は加速度を所定の最大速度及び/又は加速度閾値よりも下に保つように、それぞれの枢動軸121を中心としてドアパネル112の角度位置を調整する。特に、特定の時点におけるより小さい保管コンテナ80の速度及び/又は加速度が所定の最大速度及び/又は加速度閾値よりも大きい場合、コントローラ127は、より小さい保管コンテナ80の速度及び/又は加速度が最大速度及び/又は加速度閾値を下回るまで、ドアパネル112を上向きに枢動可能に回転させて、ドアパネル112とより小さい保管コンテナ80との間の摩擦力を増加させる。例証的な最大降下加速度閾値は、約9.8m/s2の重力加速度であり得る。コントローラ127はまた、ドアパネルを下向きに枢動可能に回転させて摩擦力を減少させ、より小さい保管コンテナ80の速度及び/又は加速度が所定の最小速度及び/又は加速度閾値を下回って減少する場合により小さい保管コンテナ80の速度及び/又は加速度が増加することを可能にし得る。
【0060】
支持レジームC1と摩擦レジームC2との間の移行点で、より小さい保管コンテナ80は、突然滑り始め得る。コントローラ127は、従って、より小さい保管コンテナ80の速度及び/又は加速度が所定の移行速度及び/又は加速度閾値をいつ上回るかを検出することによってC1-C2移行点を決定し得る。代替として、適切なC1-C2移行点は、自動コンテナローダ100が生産される前に実施される試行錯誤実験によって決定され得る。
【0061】
より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90の底部に到達した後、解放制御レジームC3中のコントローラ127は、ドアパネル112がより小さい保管コンテナ80ともはや接触しないように、ドアパネル112を摩擦制御レジームC2の終わりのそれらの位置から実質的に鉛直な位置まで下向きに枢動可能に回転させる。解放制御レジームは、より小さい保管コンテナ80の移動がなく、ドアパネル112が所定の角度位置(この場合、鉛直位置)に移動する必要があるだけであるので、開ループであり得る。
【0062】
コントローラ127は、変位センサからの測定値を介して、閉じられたトラップドア111上にあるときのより小さい保管コンテナ80の基部と積み込み位置にあるときのより大きい保管コンテナ90の基部との間の鉛直距離に対応する既知の鉛直距離だけ、いつより小さい保管コンテナ80が落下したのか検出することによって、摩擦レジームC2と解放レジームC3との間の移行点を決定することができる。代替として、より小さい保管コンテナ80の重量が既知である場合、C2-C3移行点は、コンテナ支持体130中に重量計を含め、いつより大きい保管コンテナ90の重量がより小さい保管コンテナ80の重量だけ増加したのかを検出することによって決定することができる。代替として、より大きい保管コンテナ90の基部に、又はその近くに設けられたセンサが使用され得るが、センサがより大きい保管コンテナ90の外部にある場合、これは、センサがより大きい保管コンテナ90の内側のより小さい保管コンテナ80の存在を検出することができるように、より大きい保管コンテナ90の側壁92を貫通してアパーチャが設けられることを必要とし得る。
【0063】
積み込み動作のサイクルタイムを短縮するために、各制御レジーム中で費やされる時間を最適化することができる。例えば、支持制御レジーム中により小さい保管コンテナが自由落下するリスクがないため、支持制御レジーム中で費やされる時間は、摩擦レジーム中で費やされる時間と比較して(ドアパネル112を比較的迅速に下向きに回転させることによって)比較的短くすることができる。同様に、解放レジーム中で費やされる時間もまた、より小さい保管コンテナ80が摩擦レジームC2の終わりにより大きい保管コンテナ90中に既に完全に積み込まれているので、摩擦レジーム中で費やされる時間と比較して比較的短くすることができる。
【0064】
上記で説明した閉ループ摩擦制御レジームは、より小さい保管コンテナ80のサイズ及び重量の事前知識なしに、コンテナ積み込みアセンブリ110が異なるサイズ及び重量のより小さい保管コンテナ80に適合することを可能にするので、有利である。更に、自動コンテナ積み込みのサイクルタイムは、開ループ制御システムと比較して、より大きな程度まで最適化することができる。しかしながら、自動コンテナローダ100が特定のサイズ及び/又は重量(又は特定のサイズ及び/又は重量範囲内)のより小さい保管コンテナ80を積み込むように設計されている場合、又は自動コンテナローダ100がトラップドア111上に受け取られる前により小さい保管コンテナ80のサイズ及び/又は重量を決定するように構成されている場合、コントローラ127は、代替として、開ループ制御摩擦制御レジームを使用し得る。例えば、コントローラ127は、所定のモーションプロファイルを使用して水平位置から鉛直位置まで下向きにドアパネル112を枢動可能に回転させるように構成され得る。所定のモーションプロファイルは、特定のサイズ及び/又は重量のより小さい保管コンテナ80で使用されるように設計された単一のモーションプロファイルであり得、そのため、それらは、降下の間に所定の最大速度及び/又は加速度閾値を上回らない。代替として、所定のモーションプロファイルは、より小さい保管コンテナ80のサイズ及び/又は重量に応じて選ばれる複数の所定のモーションプロファイルのうちの1つであり得る。所定のモーションプロファイルは、異なるサイズ及び重量のより小さい保管コンテナ80を用いて実施された以前の試験に基づいて作成されたものであり得る。より小さい保管コンテナ80のサイズ及び/又は重量は、より小さい保管コンテナ80がトラップドア111上に受け取られる前に、例えば、適切なセンサ/マシンビジョン及び重量計を使用して決定され得るか、又は各より小さい保管コンテナ80のサイズ及び重量は、コントローラ127と通信する適切なリーダによって自動コンテナローダ100において読み取られるより小さい保管コンテナ80上の一意の識別子(例えば、QRコード(登録商標)又はRFIDタグ)に関連付けられ得る。
【0065】
図8A~8Dは、プロセス全体を通して剛性のままであるドアパネル112を示すが、ドアパネル112は、特に摩擦レジーム中に、より小さい保管コンテナ80からの荷重下で自由端が据え付け端に対して弾性的に撓むように可撓性であり得る。これは、摩擦制御レジーム中にドアパネル112とより小さい保管コンテナ80の側壁82との間の接触面積の増加をもたらし得、それは、ドアパネル112上の摩耗をより大きい面積にわたって拡散させるのを助け得る。ドアパネル112の弾性変形に起因してより小さい保管コンテナ80に加えられる戻し力はまた、より小さい保管コンテナ80に作用する重力に抵抗するのを助け得る。
【0066】
より小さい保管コンテナ80と係合されるときにドアパネル112によって経験され得る高い荷重、及び使用中のドアパネル112とより小さい保管コンテナ80との間の頻繁な摺動接触を考慮すると、ドアパネル112は、好ましくは、金属(例えば、ステンレス鋼)又は複合材料(例えば、炭素繊維)などの高い降伏強度及び耐摩耗性を有する任意の適切な材料から作製される。
【0067】
図11は、トラップドア111の上方に据え付けられた押し付けデバイス140を更に備えるコンテナ積み込みアセンブリ110の例を示す。押し込みデバイス140は、より小さい保管コンテナ80の頂部と係合するのに十分に幅が広い水平に向けられた押し付け板142と、トラップドア111に対して押し付け板142を鉛直に移動させるためのリニアアクチュエータ144とを備える。この例では、より小さい保管コンテナ80は、重力の影響下だけではより大きい保管コンテナ90の底部に到達しない。その代わりに、ドアパネル112は、より大きい保管コンテナ90の基部の上方の位置により小さい保管コンテナ80がドアパネル112によって実質的に静止して保持されるような角度位置まで下向きに回転させられる。押し込みデバイス140は、次いで、押し付け板142を下向きに移動させて、より小さい保管コンテナ80を、より大きい保管コンテナ90の底部に達するまで、より大きい保管コンテナ90中に残りの部分を押し込む。ドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80がドアパネル112を越えて押し込まれるように、押し込みデバイス140が作動する間、同じ角度位置に留まる。この例は、従って、既に上記で説明したように、荷重下で弾性的に撓むことができるドアパネル112に特に適している。押し込みデバイス140は、より小さい保管コンテナ80とより大きい保管コンテナ90とが接触するときのそれらの間の衝撃力を最小限に抑えるために、より小さい保管コンテナ80が所定の最大速度及び/又は加速度閾値を上回らないように、所定の速さでより小さい保管コンテナ80を押し下げるように構成することができる。
【0068】
自動コンテナローダ100はまた、複数のより小さい保管コンテナ80を単一のより大きい保管コンテナ90中に積み込むために使用され得る。図12に示すように、2つのより小さい保管コンテナ80は、それらが両方のドアパネル112によって下方から各々支持されるように、トラップドア111上に並んで受け取られ得る。図12に示すより小さい保管コンテナ80は、図1に示すより小さい保管コンテナ80の約半分のサイズである。特に、図1のより小さい保管コンテナ80の最短の水平縁部は、図12のより小さい保管コンテナ80の各々の最も長い水平縁部とほぼ同じ長さである。使用時には、図1のより小さい保管コンテナ80は、最短の水平縁部を先頭にしてトラップドア111上に積み込むことができ、図12のより小さい保管コンテナ80は、最長の水平縁部を先頭にしてトラップドア111上に積み込むことができる。このようにして、同じ幅のコンベヤを使用して、両方のサイズのより小さい保管コンテナ80をトラップドア111上に供給することができる。トラップドア111が開かれると、複数のより小さい保管コンテナ80は、単一のより小さい保管コンテナ80について上記で説明したのと同様の形で、より大きい保管コンテナ90中に降下する。
【0069】
より小さい保管コンテナ80のうちの1つが、枢動軸121に対して垂直な方向において他のものよりも小さい場合、又はより小さい保管コンテナ80が異なる重量を有する場合、図13に示すように、各ドアパネル112が2つの部分112a、112bを備えるように、枢動軸121に対して垂直な軸に沿って各々分割される弾性的に撓み可能なドアパネル112を使用することが有益であり得る。2つよりも多いより小さい保管コンテナ80が並んで積み込まれる場合、部分の数は、それに応じて増加し得る。各ドアパネル112の部分112a、112bは、図13では別個の部分として図示しているが、それらはまた、ドアパネル112の据え付け端において接合され得る。各ドアパネル112の両方の部分は、両方の部分112a、112bが揃って枢動可能に回転するが、各部分112a、112bが独立して撓むことができるように、同じシャフト120に接続される。この例では、コンテナ積み込みアセンブリ110は、各より小さい保管コンテナ80の降下の間のその鉛直変位を測定するための変位センサ128を各より小さい保管コンテナ80の上方に備え、コントローラ127は、摩擦制御レジーム中に閉ループ制御システムを使用して、いずれのより小さい保管コンテナ80が最も速く降下又は加速しているかに基づいてドアパネル112の角度位置を制御する。言い換えれば、ドアパネル112の角度位置は、最も速く降下するより小さい保管コンテナ80を所定の最大速度及び/又は加速度閾値よりも下に保つように制御される。このようにして、より小さい保管コンテナ80の両方が最大速度及び/又は加速度閾値を超えることなく降下することを確実にすることができる。代替として、各ドアパネル部分112a、112bは、各ドアパネル部分112a、112bの角度位置を個々に制御することができるように、独立して回転可能なシャフト120に堅固に固定することができる。代替として、上記で説明した押し出し器デバイス140を使用して、図11に関連して上記で説明した形で、同じ特定の速さでより小さい保管コンテナ80を押し下げることができる。
【0070】
複数のより小さい保管コンテナ80を単一のより大きい保管コンテナ90中に並べて積み込むことの代替として、複数のより小さい保管コンテナ80は、それらが単一のより大きい保管コンテナ90内に鉛直に積み重ねられるように、より大きい保管コンテナ90中に積み込まれ得る。これを行うために、第1のより小さい保管コンテナ80は、既に上記で説明した方法で第1の積み込み位置においてより大きい保管コンテナ90中に積み込むことができる。積み込まれたより大きい保管コンテナ90を次いで下降させ、そのため、ドアパネル112を水平位置に戻すように回転させることによってトラップドア111を閉じることができる。第2のより小さい保管コンテナ80を、次いで、同じ形でより大きい保管コンテナ90中に積み込むことができるが、ドアパネル112が下向きに枢動可能に回転させられるときに第1のより小さい保管コンテナ80に当たらないように、より大きい保管コンテナ90は第1の積み込み位置よりも低い第2の積み込み位置にある。
【0071】
複数のより小さい保管コンテナ80をより大きい保管コンテナ90中に積み込むための上記2つの方法はまた、より小さい保管コンテナが、並んで鉛直に積み重ねられた配置、例えば、第1の層中に2つの並んだより小さい保管コンテナ80を有し、第1の層の上方の第2の層中に別の2つの並んだより小さい保管コンテナ80を有する2×2配置で積み込まれるように組み合わせることができる。
【0072】
図14は、トラップドア111と共に使用するための代替のドアパネル212の上面図と、比較のための以前のドアパネル112の上面図とを示す。各ドアパネル112の自由端114が直線であったドアパネル112とは対照的に、各ドアパネル212の自由端214は、キャスタレーション形状、即ち、ドアパネル212の平面中に延在する一連の交互の突出部215及び凹部216を有する。更に、キャスタレーションは、ドアパネル212が水平位置にあるときに、一方のドアパネル212のキャスタレーションが他方のドアパネル212のキャスタレーションと互いに噛み合うように、即ち、ドアパネル212のうちの一方の突出部215が他方のドアパネル212の凹部216中に嵌合し、その逆も同様であるように配置される。図14に例示するように、この構成は、2つのドアパネル212が互いを妨げないように、各ドアパネル212の最大幅を、2つのドアパネル212間の中間点を越えて距離Xだけ効果的に拡張する。これは、最大幅が2つの枢動軸121間の距離の半分に制限されているトラップドア111のドアパネル112と比較して、より小さい保管コンテナ80の降下のより大きい部分にわたって、ドアパネルが212より小さい保管コンテナ80と接触したままとなることを可能にする。これは、図15に示す側断面図によって例示し、図15では、左側に示すキャスタレーションありドアパネル212は、右側に示すドアパネル112と比較して距離Xだけより大きい保管コンテナ90中に更に延在している。
【0073】
自動コンテナローダ100の上記で説明した実施形態は、従って、摩擦係合を使用して、より小さい保管コンテナ80をより大きい保管コンテナ90中に自動化且つ制御された形で積み込んで、より小さい保管コンテナ80内に収容されたアイテム(食料品アイテム又は壊れやすいアイテムなど)を損傷する可能性がある大きな落下衝撃を回避する。しかしながら、自動コンテナローダ100は、ある保管コンテナを別の保管コンテナ中に積み込むことに限定されない。一般に、自動コンテナローダ100は、物体への損傷を最小限にしようとする制御された形で、重力下で他の物体を落下させるために使用され得る。例えば、アイテムを収容するより小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナに積み込む代わりに、自動コンテナローダ100を使用して、アイテムが直接保管コンテナ中に又は別の表面上に積み込まれ得る。
【0074】
本発明は、上記で説明した正確な形態に限定されず、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正形態及び変形形態が可能である。いくつかの実例的な修正形態及び変形形態の非網羅的なリストを以下で説明する。
【0075】
2つのドアパネル112を有するトラップドア111の代わりに、トラップドアは、2つよりも多くのドアパネルを備え得る。例えば、トラップドアは、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のドアパネルを備え得る。ドアパネル及びそれらのそれぞれの枢動軸は、中心点を中心として対称的に配置され得る。ドアパネルは、三角形の形状であり、中心点に向かって内向きであり得る。
【0076】
図1及び3は、ドアパネル112の枢動軸121に対して平行な方向にトラップドア111上に移動するより小さい保管コンテナ80を示すが、より小さい保管コンテナ80はまた、枢動軸121に対して垂直な方向にトラップドア上に移動することができる。この場合、側部案内部119はまた、枢動軸121に対して垂直な方向に向けられ得る。同様に、より大きい保管コンテナ90は、枢動軸121に対して垂直な方向にコンテナ支持体130上に移動し、コンテナ支持体130から離れることができる。
【0077】
ドアパネル112の回転を駆動するために電気リニアアクチュエータ126を使用する代わりに、空気圧式又は液圧式アクチュエータなどの他のアクチュエータが代わりに使用され得る。2つの極端な位置間でのみ移動することができる(その間の位置で停止することが可能ではない)アクチュエータもまた、自動コンテナローダ100中で使用することができる。この場合、より小さい保管コンテナ80が所定の最大加速度閾値を上回らないように、ドアパネル112が所定のモーションプロファイルに従って枢動可能に回転させられる、開ループ制御システムが使用され得る。そのようなシステムは、所定のサイズ及び重量(又は所定のサイズ及び重量範囲内)のより小さい保管コンテナ80が積み込まれる状況に適し得る。
【0078】
ドアパネル112がリンケージアーム124及びジョイント125によって鉛直に案内されるキャリッジ123に機械的に連結される代わりに、異なる機構が、揃ってドアパネル112を枢動可能に回転させるために使用され得る。例えば、ドアパネル112の回転は、歯車構成体又は滑車構成体によって駆動され得る。例えば、ラックアンドピニオン歯車構成体が使用され得、ここで、共通のラック歯車が、各ドアパネル112上のピニオン歯車を駆動する。
【0079】
ドアパネル112が揃って回転するように構成される代わりに、ドアパネル112は、例えば、各ドアパネル112に対して別々に制御される回転アクチュエータを使用することによって、それらのそれぞれの枢動軸121を中心として独立して回転可能であり得る。この場合、コントローラ127は、(揃ってアクチュエータを制御することによって)揃ってドアパネル112を回転させるように依然として構成され得るか、又はコントローラ127は、より小さい保管コンテナ80の降下の間に一方のドアパネル112の角度位置を他方のドアパネルとは独立して調整し得る。
【0080】
制御システムは、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90中に降下するときに、より小さい保管コンテナ80の異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサ128を備え得る。例えば、変位センサ128は、より小さい保管コンテナ80の各角の鉛直変位を測定するように配置され得る。コントローラ127は、複数の変位センサ128からの測定値の平均を計算及び使用し得る。コントローラ127はまた、各変位センサ128からの測定値を使用して、より小さい保管コンテナ80が水平面に対して一方の側にいつ傾いているかを検出し得る。この場合、ドアパネルが独立して回転可能となるように構成される場合、コントローラ127は、より小さい保管コンテナ80を実質的に水平な位置に戻すために、各ドアパネルの角度位置を調整するように構成され得る。代替として、コントローラ127は、より小さい保管コンテナ80をトラップドアから手動で取り外すことができるように、ドアパネルの更なる枢動運動を中断させるように構成され得る。
【0081】
上記で説明した解放制御レジームC3では、ドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80から係合解除するために鉛直位置に移動することに限定されない。ドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80のサイズに応じて、鉛直位置の前で係合解除することができるか、又は、鉛直位置を過ぎて回転して係合解除することができる。更に、摩擦レジームの終わりに、ドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80が重力下でドアパネルを越えて摺動することを可能にする角度位置に依然としてあるので、解放制御レジームは、制御システムから完全に省略することができる。従って、より大きい保管コンテナが十分に遅い速さでトラップドア111から離れて下降させられるという条件で、より小さい保管コンテナ80は、より小さい保管コンテナ80がドアパネル112から鉛直に離れるまで、より大きい保管コンテナ90と共に降下するであろう。しかしながら、解放制御レジームC3は、経時的なドアパネル112上の摩耗(摺動接触によって引き起こされる)を低減するので、有利であり得る。
【0082】
コントローラ127は、上記で説明した3つの制御レジームC1~C3に従ってドアパネル112を制御することに限定されない。より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90中に積み込まれるときに、より小さい保管コンテナ80とより大きい保管コンテナ90との間の衝撃力を低減する効果を提供するために、任意の数の制御レジームが使用され得る。既に上記で説明したように、解放制御レジームC3は、省略することができる。別の例では、ドアパネルがより小さい保管コンテナ80の側壁82と接触する摩擦制御レジームは、2つの制御レジーム、即ち、既に上記で説明したように、ドアパネルが所定のモーションプロファイルを使用して所定の角度位置に移動させられる開ループ制御レジームと、その後に続く、ドアパネル112の角度位置が変位センサ128からのフィードバックに基づいて調整される閉ループ制御レジームとに分割することができる。摩擦制御レジームC2をこのように分割することは、摩擦制御レジームC2の開始時に、より小さい保管コンテナ80の降下が必ずしも微細に制御される必要がないので、サイクルタイムを短縮するのを助け得る。
【0083】
ドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80のより大きい保管コンテナ90中への降下全体を通して、より小さい保管コンテナ80と必ずしも接触したままである必要はない。例えば、ドアパネル112の幅が十分に広くない場合、摩擦制御レジームは、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90の基部に到達する前に終わり得る(即ち、ドアパネルは、より小さい保管コンテナ80と係合解除し得る)。これは、より小さい保管コンテナ80がより大きい保管コンテナ90の基部に到達したときに、より小さい保管コンテナ80の内側のどのアイテムも損傷を受けないほど十分に自由落下距離が短いという条件で、許容可能であり得る。
【0084】
上記で説明した積み込み位置と解放位置との間で、トラップドア111に対してより大きい保管コンテナ90を鉛直に移動させるための持ち上げ機構134を備えるコンテナ支持体130の代わりに、トラップドア111は、同じ効果を達成するために、即ち、ドアパネルがそれらの最終位置に向かって枢動可能に回転させられるときに各ドアパネル112の少なくとも一部分がより大きい保管コンテナに入る積み込み構成で、及びドアパネルがそれらの最終位置にあるときにより小さい保管コンテナ80がドアパネル112から鉛直に離れる解放構成で、トラップドア111及びより大きい保管コンテナ90を互いに対して鉛直に位置決めするために、より大きい保管コンテナ90に対してトラップドア111を鉛直に移動させるための持ち上げ機構を備え得る。
【0085】
コンテナ積み込みアセンブリ110は、重力下で下向き方向により小さい保管コンテナ80を積み込むために必ずしも使用される必要はない。一般に、トラップドア111のドアパネル112は、より小さい保管コンテナ80がドアパネル112間を通過するときのより小さい保管コンテナ80の速度を制御するように、ドアパネル112間のより小さい保管コンテナ80の移動に摩擦係合/抵抗する角度位置まで枢動可能に回転させることができる。トラップドア111の向きは、より小さい保管コンテナ80をより大きい保管コンテナ90中に任意の特定の方向、例えば水平方向又は上向き方向に積み込むように変更することができる。そのような例は、トラップドア111を通して所望の方向により小さい保管コンテナ80を押し込むために、上記で説明した押し込みデバイス140などの押し込みデバイスで使用される必要があるであろう。
【0086】
自動コンテナローダ100は、より大きい保管コンテナ90のスタックが3Dグリッド保管構造内に配置される保管及び取り出しシステムの一部であり得る。実例的なグリッド保管構造1は、図16に示す。グリッド保管構造1は、水平部材の第1のセット5及び第2のセット7を支持する直立部材3を備える。水平部材の第1のセット5及び第2のセット7は、互いに対して垂直に延在して、複数のグリッドセル14を画定するグリッドパターンを形成する。より大きい保管コンテナ90は、グリッドセル14の真下のスタック11中に配置され、グリッドセル毎により大きい保管コンテナの1つのスタックがある。より大きい保管コンテナ90は、グリッド保管構造の頂部に位置するトラック構造13上で動作可能な積み荷取り扱いデバイス31によって上方からアクセスされる。トラック構造13は、水平部材5、7の頂部に据え付けられたトラックを備え得るか、又はトラックは、水平部材5、7自体によって提供され得る(例えば、水平部材5、7の表面中又は表面上に形成される)。自動コンテナローダ100は、アイテム(例えば、食料品アイテム)を収容するより小さい保管コンテナ80が受け取られ、自動コンテナローダ100を使用して空のより大きい保管コンテナ90中に積み込まれる、保管及び取り出しシステムの入庫エリアに位置し得る。積み込まれたより大きい保管コンテナは、次いで、グリッド保管構造1内のスタック11中に保管するためにグリッド保管構造1に搬送され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に積み込むための自動コンテナローダであって、
より大きい保管コンテナを受け取るためのコンテナ支持体と、
前記より大きい保管コンテナの上方でより小さい保管コンテナを受け取り、前記より小さい保管コンテナが前記より大きい保管コンテナ中に重力下で降下することを可能にするように前記より小さい保管コンテナを解放するように構成されたコンテナ積み込みアセンブリと
を備え、前記コンテナ積み込みアセンブリは、重力下の前記より小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと係合するように構成された複数の係合面を備える、自動コンテナローダ。
【請求項2】
前記コンテナ積み込みアセンブリは、
少なくとも2つのドアパネルを備えるトラップドアと、ここで、各ドアパネルは、複数の前記係合面のうちの1つを画定し、各ドアパネルは、それぞれの水平枢動軸を中心とした回転のために枢動可能に据え付けられ、ここにおいて、前記ドアパネルは、前記より大きい保管コンテナの上方で前記より小さい保管コンテナを受け取るための実質的に水平な初期位置から、前記より小さい保管コンテナが重力下で前記より大きい保管コンテナ中に前記水平枢動軸間を降下することを可能にするための最終位置に向かって下向きに枢動回転可能であり、
重力下で前記より小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、前記ドアパネルが前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと摩擦係合するように、前記初期位置と前記最終位置との間で前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成されたコントローラを備える制御システムと
を備える、請求項1に記載の自動コンテナローダ。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ドアパネルが前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と摩擦係合するように、前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成され、及び/又は、前記ドアパネルは、前記初期位置と前記最終位置との間の少なくとも1つの中間角度位置において停止可能である、請求項2に記載の自動コンテナローダ。
【請求項4】
前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の前記一部分の間に前記より小さい保管コンテナの鉛直変位を測定するように構成された少なくとも1つの変位センサを更に備え、前記コントローラは、少なくとも1つの前記変位センサからの変位測定値に基づいて前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、請求項に記載の自動コンテナローダ。
【請求項5】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記変位センサからの測定値に基づいて前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を最大速度及び/又は加速度閾値よりも下に保つように前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成され、任意で、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度が前記最大速度及び/又は加速度閾値を上回るときに上向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように構成され、任意で、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度が最小速度及び/又は加速度閾値を下回るときに下向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように更に構成される、請求項に記載の自動コンテナローダ。
【請求項6】
前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え、前記コントローラは、複数の前記変位センサからの測定値に基づいて水平面に対する前記より小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナが所定の程度だけ前記水平面から離れて傾いていると前記コントローラが判断した場合に前記ドアパネルの枢動回転を中断させるように構成され、及び/又は、前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え、前記コントローラは、複数の前記変位センサからの測定値に基づいて水平面に対する前記より小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの向きを実質的に水平に保つように各ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、請求項3又は4に記載の自動コンテナローダ。
【請求項7】
前記コントローラは、所定のモーションプロファイルに従って前記初期位置と前記最終位置との間で前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように構成される、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項8】
前記コントローラは、最終降下位置の上方の中間降下位置において前記より小さい保管コンテナの降下を停止するように前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成され、前記コンテナ積み込みアセンブリは、前記より小さい保管コンテナを所定の速さで前記中間降下位置から前記最終降下位置まで下向きに押し込むように構成された押し込みデバイスを更に備える、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項9】
前記ドアパネルは、弾性的に撓み可能であり、及び/又は、各ドアパネルは、第1のドアパネル部分及び第2のドアパネル部分を画定するように前記水平枢動軸に対して垂直な方向に沿って分割される、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項10】
各ドアパネルは、前記ドアパネルが枢動可能に据え付けられる据え付け端と、前記据え付け端の反対側の自由端とを備え、各自由端は、キャスタレーション形状を有し、前記ドアパネルは、前記ドアパネルが水平な前記初期位置にあるときに前記自由端のキャスタレーションが互いに噛み合うように配置される、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項11】
前記ドアパネルは、揃って枢動可能に回転するように構成される、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項12】
前記ドアパネルは、互いとは独立して枢動可能に回転可能であり、前記コントローラは、互いとは独立して前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、請求項3又は4に記載の自動コンテナローダ。
【請求項13】
前記コンテナ積み込みアセンブリは、前記トラップドアの上方に案内部材を更に備え、前記案内部材は、前記より小さい保管コンテナを前記ドアパネル上の対称位置に案内し、及び/又は前記より小さい保管コンテナの前記より大きい保管コンテナ中への降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナを鉛直の向きに維持するのを助けるように、前記より小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と係合するように構成される、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項14】
前記コンテナ支持体及び前記トラップドアは、前記初期位置から前記最終位置までの前記ドアパネルの枢動回転が前記ドアパネルを前記より大きい保管コンテナ中に回転させる相対位置に前記より大きい保管コンテナ及び前記ドアパネルが移動させられることを可能にするように、互いに対して鉛直に移動可能である、請求項2又は3に記載の自動コンテナローダ。
【請求項15】
より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に自動化された形で積み込むための方法であって、前記方法は、
より大きい保管コンテナの上方のトラップドア上でより小さい保管コンテナを受け取るステップと、前記トラップドアは、前記より小さい保管コンテナを受け取るための水平な初期位置に少なくとも2つの枢動可能に据え付けられたドアパネルを備え、
前記より小さい保管コンテナが重力下で前記より大きい保管コンテナ中に前記ドアパネル間を降下することを可能にするように、下向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるステップと、
前記ドアパネルが前記降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと摩擦係合するように、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記ドアパネルの枢動回転を制御するステップと
を備える、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
自動コンテナローダ100は、より大きい保管コンテナ90のスタックが3Dグリッド保管構造内に配置される保管及び取り出しシステムの一部であり得る。実例的なグリッド保管構造1は、図16に示す。グリッド保管構造1は、水平部材の第1のセット5及び第2のセット7を支持する直立部材3を備える。水平部材の第1のセット5及び第2のセット7は、互いに対して垂直に延在して、複数のグリッドセル14を画定するグリッドパターンを形成する。より大きい保管コンテナ90は、グリッドセル14の真下のスタック11中に配置され、グリッドセル毎により大きい保管コンテナの1つのスタックがある。より大きい保管コンテナ90は、グリッド保管構造の頂部に位置するトラック構造13上で動作可能な積み荷取り扱いデバイス31によって上方からアクセスされる。トラック構造13は、水平部材5、7の頂部に据え付けられたトラックを備え得るか、又はトラックは、水平部材5、7自体によって提供され得る(例えば、水平部材5、7の表面中又は表面上に形成される)。自動コンテナローダ100は、アイテム(例えば、食料品アイテム)を収容するより小さい保管コンテナ80が受け取られ、自動コンテナローダ100を使用して空のより大きい保管コンテナ90中に積み込まれる、保管及び取り出しシステムの入庫エリアに位置し得る。積み込まれたより大きい保管コンテナは、次いで、グリッド保管構造1内のスタック11中に保管するためにグリッド保管構造1に搬送され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に積み込むための自動コンテナローダであって、
より大きい保管コンテナを受け取るためのコンテナ支持体と、
前記より大きい保管コンテナの上方でより小さい保管コンテナを受け取り、前記より小さい保管コンテナが前記より大きい保管コンテナ中に重力下で降下することを可能にするように前記より小さい保管コンテナを解放するように構成されたコンテナ積み込みアセンブリと
を備え、前記コンテナ積み込みアセンブリは、重力下の前記より小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと係合するように構成された複数の係合面を備える、自動コンテナローダ。
[2] 前記コンテナ積み込みアセンブリは、
少なくとも2つのドアパネルを備えるトラップドアと、ここで、各ドアパネルは、複数の前記係合面のうちの1つを画定し、各ドアパネルは、それぞれの水平枢動軸を中心とした回転のために枢動可能に据え付けられ、ここにおいて、前記ドアパネルは、前記より大きい保管コンテナの上方で前記より小さい保管コンテナを受け取るための実質的に水平な初期位置から、前記より小さい保管コンテナが重力下で前記より大きい保管コンテナ中に前記水平枢動軸間を降下することを可能にするための最終位置に向かって下向きに枢動回転可能であり、
重力下で前記より小さい保管コンテナの降下速度を制御するために、前記ドアパネルが前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと摩擦係合するように、前記初期位置と前記最終位置との間で前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成されたコントローラを備える制御システムと
を備える、[1]に記載の自動コンテナローダ。
[3] 前記コントローラは、前記ドアパネルが前記より小さい保管コンテナの降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と摩擦係合するように、前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成される、[2]に記載の自動コンテナローダ。
[4] 前記ドアパネルは、前記初期位置と前記最終位置との間の少なくとも1つの中間角度位置において停止可能である、[2]又は[3]に記載の自動コンテナローダ。
[5] 前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の前記一部分の間に前記より小さい保管コンテナの鉛直変位を測定するように構成された少なくとも1つの変位センサを更に備え、前記コントローラは、少なくとも1つの前記変位センサからの変位測定値に基づいて前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、[2]~[4]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[6] 前記コントローラは、少なくとも1つの前記変位センサからの測定値に基づいて前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度を最大速度及び/又は加速度閾値よりも下に保つように前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、[5]に記載の自動コンテナローダ。
[7] 前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度が前記最大速度及び/又は加速度閾値を上回るときに上向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように構成される、[6]に記載の自動コンテナローダ。
[8] 前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下速度及び/又は加速度が最小速度及び/又は加速度閾値を下回るときに下向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように更に構成される、[7]に記載の自動コンテナローダ。
[9] 前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え、前記コントローラは、複数の前記変位センサからの測定値に基づいて水平面に対する前記より小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナが所定の程度だけ前記水平面から離れて傾いていると前記コントローラが判断した場合に前記ドアパネルの枢動回転を中断させるように構成される、[2]~[8]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[10] 前記制御システムは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの異なる部分の鉛直変位を測定するように構成された複数の変位センサを備え、前記コントローラは、複数の前記変位センサからの測定値に基づいて水平面に対する前記より小さい保管コンテナの向きを決定するように構成され、前記コントローラは、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記より小さい保管コンテナの向きを実質的に水平に保つように各ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、[2]~[8]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[11] 前記コントローラは、所定のモーションプロファイルに従って前記初期位置と前記最終位置との間で前記ドアパネルを枢動可能に回転させるように構成される、[2]~[4]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[12] 前記コントローラは、最終降下位置の上方の中間降下位置において前記より小さい保管コンテナの降下を停止するように前記ドアパネルの枢動回転を制御するように構成され、前記コンテナ積み込みアセンブリは、前記より小さい保管コンテナを所定の速さで前記中間降下位置から前記最終降下位置まで下向きに押し込むように構成された押し込みデバイスを更に備える、[2]~[11]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[13] 前記ドアパネルは、弾性的に撓み可能である、[2]~[12]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[14] 各ドアパネルは、第1のドアパネル部分及び第2のドアパネル部分を画定するように前記水平枢動軸に対して垂直な方向に沿って分割される、[2]~[13]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[15] 各ドアパネルは、前記ドアパネルが枢動可能に据え付けられる据え付け端と、前記据え付け端の反対側の自由端とを備え、各自由端は、キャスタレーション形状を有し、前記ドアパネルは、前記ドアパネルが水平な前記初期位置にあるときに前記自由端のキャスタレーションが互いに噛み合うように配置される、[2]~[14]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[16] 前記ドアパネルは、揃って枢動可能に回転するように構成される、[2]~[15]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[17] 前記ドアパネルは、互いとは独立して枢動可能に回転可能であり、前記コントローラは、互いとは独立して前記ドアパネルの前記中間角度位置を制御するように構成される、[2]~[15]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[18] 前記コンテナ積み込みアセンブリは、前記トラップドアの上方に案内部材を更に備え、前記案内部材は、前記より小さい保管コンテナを前記ドアパネル上の対称位置に案内し、及び/又は前記より小さい保管コンテナの前記より大きい保管コンテナ中への降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナを鉛直の向きに維持するのを助けるように、前記より小さい保管コンテナのそれぞれの側壁と係合するように構成される、[2]~[17]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[19] 前記コンテナ支持体及び前記トラップドアは、前記初期位置から前記最終位置までの前記ドアパネルの枢動回転が前記ドアパネルを前記より大きい保管コンテナ中に回転させる相対位置に前記より大きい保管コンテナ及び前記ドアパネルが移動させられることを可能にするように、互いに対して鉛直に移動可能である、[2]~[18]のいずれか1つに記載の自動コンテナローダ。
[20] より小さい保管コンテナをより大きい保管コンテナ中に自動化された形で積み込むための方法であって、前記方法は、
より大きい保管コンテナの上方のトラップドア上でより小さい保管コンテナを受け取るステップと、前記トラップドアは、前記より小さい保管コンテナを受け取るための水平な初期位置に少なくとも2つの枢動可能に据え付けられたドアパネルを備え、
前記より小さい保管コンテナが重力下で前記より大きい保管コンテナ中に前記ドアパネル間を降下することを可能にするように、下向きに前記ドアパネルを枢動可能に回転させるステップと、
前記ドアパネルが前記降下の少なくとも一部分の間に前記より小さい保管コンテナと摩擦係合するように、前記より小さい保管コンテナの降下の間に前記ドアパネルの枢動回転を制御するステップと
を備える、方法。
【国際調査報告】