(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】細長外科器具の自動格納
(51)【国際特許分類】
A61B 50/30 20160101AFI20241108BHJP
【FI】
A61B50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531714
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 IL2022051233
(87)【国際公開番号】W WO2023095129
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518226710
【氏名又は名称】マイクロボット メディカル リミテッド
【住所又は居所原語表記】6 HaYozma Street, P.O.B 242, Yokneam Illit, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャロン シモン
(72)【発明者】
【氏名】ボーダー イダン
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン オレン
(57)【要約】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、細長外科器具を受容してその動きを駆動するように構成された自動ロボットデバイス用の1つ以上の細長外科器具用のストレージ区画に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットデバイスで使用される細長外科器具用のストレージであって、少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を備え、前記本体は前記ロボットデバイスに接続されるように構成された近位端を備え、前記接続によって前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの内部経路と連通し、それによって前記ストレージに格納された前記細長外科器具が前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で往復移動可能となる、前記ストレージ。
【請求項2】
前記中空本体を前記ロボットデバイスに可逆的に接続するコネクタをさらに備える、請求項1に記載のストレージ。
【請求項3】
前記コネクタは前記ストレージの一体型部分である、請求項2に記載のストレージ。
【請求項4】
前記コネクタが、前記ストレージ及び前記細長外科用デバイスに設けられている、請求項2に記載のストレージ。
【請求項5】
前記中空本体は、前記細長外科器具に加えて1つ以上の液体を格納する大きさ及び形状の内径を備える、請求項1に記載のストレージ。
【請求項6】
前記内径が約1mmから約6mmの範囲を含む、請求項3に記載のストレージ。
【請求項7】
前記中空本体は螺旋形状を有する、請求項1に記載のストレージ。
【請求項8】
前記中空本体は、前記細長外科器具が曲がる及び/または損傷することを回避しながら、前記細長外科器具を格納するように構成されている、請求項1に記載のストレージ。
【請求項9】
前記コネクタは、異なる外径を有するストレージを前記ロボットデバイスに接続できるように構成された1つ以上の接続要素を備える、請求項2に記載のストレージ。
【請求項10】
前記1つ以上の接続要素は、前記コネクタの内壁に沿って直径が狭くなる1つ以上の同心円状のステップを備える、請求項9に記載のストレージ。
【請求項11】
前記細長外科器具は、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、またはその両方を含む、請求項1に記載のストレージ。
【請求項12】
前記ストレージは、前記細長外科器具が備えられた元のパッケージを含む、請求項1に記載のストレージ。
【請求項13】
前記ストレージは袋/バッグを含む、請求項1に記載のストレージ。
【請求項14】
前記ストレージは、前記ロボットデバイスから前記細長外科器具を巻き取り、引き出すためのリールを備える、請求項1に記載のストレージ。
【請求項15】
前記ストレージのための機械的支持体をさらに備える、請求項1に記載のストレージ。
【請求項16】
前記機械的支持体は前記ストレージの一部である、請求項15に記載のストレージ。
【請求項17】
前記機械的支持体は前記ロボットデバイスの一部である、請求項15に記載のストレージ。
【請求項18】
前記ストレージの前記近位端と前記ロボットデバイスとの間に幾何学的位置合わせを設けるように構成されたブリッジ要素をさらに備える、請求項1に記載のストレージ。
【請求項19】
前記中空本体は前記細長外科器具と同じ長さである、請求項1に記載のストレージ。
【請求項20】
前記本体は、前記ロボットデバイスから重力によって垂れ下がるように構成され、前記細長外科器具の損傷を防止し、及び/または自由な動きを可能にするのに十分剛性である、請求項1に記載のストレージ。
【請求項21】
前記1つ以上の液体は、生理食塩水、水、油、及び潤滑剤のうちの1つ以上である、請求項5に記載のストレージ。
【請求項22】
ロボットデバイスで使用される細長外科器具用のストレージを使用する方法であって、
a.前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの内部経路と連通する、前記ストレージを前記ロボットデバイスに接続することと、
b.前記細長外科器具の端部を前記ロボットデバイス内に送り込むことと、
c.前記外科用デバイスを作動させて前記細長外科器具を移動させることと、を含む、前記方法。
【請求項23】
前記細長外科器具を前記ストレージから前記ロボットデバイスまで前後に駆動させ、またその逆を行うことをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記細長外科器具を第2の細長外科器具の内部の位置から前記ストレージ内に自動的に後退させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の細長外科器具の内側の前記位置に自動的に戻る、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記接続の前に、前記細長外科器具を元のパッケージから取り出し、前記細長外科器具を前記ストレージに挿入することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記接続の前に、前記細長外科器具を元のパッケージから取り出し、前記細長外科器具を前記ストレージに挿入する前に前記ロボットデバイスの中に挿入することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記接続は、前記細長外科器具の元のパッケージを前記ロボットデバイスに接続し、前記元のパッケージを前記ストレージとして利用することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
1つ以上の液体を前記ストレージに供給することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記ストレージによって前記細長外科用デバイスの湿度、清潔さ、及び無菌性の1つ以上を維持することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記外科用デバイスの前記作動中に前記細長外科器具を湿潤状態に保つことをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記送り込みが前記接続の前に実行される、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記作動中に前記ストレージ内に液体を供給し続けることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記送り込みは前記接続の前に実行される、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つの細長外科器具を操作するためのシステムであって、
a.前記少なくとも1つの細長外科器具を操作するように構成されたロボットデバイスと、
b.前記少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を備えるストレージと、を含む、前記システム。
【請求項36】
前記本体は、前記ロボットデバイスに接続されるように構成された近位端を備え、前記接続により、前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの内部経路と連通し、それによって、前記ストレージに格納された前記細長外科器具が、前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で前後に駆動され得る、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
少なくとも1つの細長外科器具を操作するためのロボットデバイスであって、
a.内部容積部を画定する壁を含むハウジングであって、
i.前記少なくとも1つの細長外科器具を受容するための少なくとも1つの細長チャネルであって、前記チャネルが、前記ハウジングに導き入れる、または前記ハウジングから導き出す、少なくとも1つの第1のアパーチャを有する、前記少なくとも1つの細長チャネルと、
ii.前記少なくとも1つの細長外科器具が前記チャネル内に受容されるときに、前記少なくとも1つの細長外科器具の直線移動及びロール移動の1つまたは両方を駆動するための駆動アセンブリと、を含む、前記ハウジングと、
b.前記チャネルと連通する少なくとも1つのコネクタであって、前記コネクタが、前記ハウジングの前記壁に、または前記壁を越えて外側に位置する第2のアパーチャを画定する分岐部を備え、前記第2のアパーチャが、前記チャネルの前記第1のアパーチャとは別個である、前記少なくとも1つのコネクタと、
c.少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を含むストレージであって、前記本体が、前記ロボットデバイスの前記チャネルの前記第1のアパーチャに接続されるように構成された遠位端を備え、前記接続によって、前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの前記チャネルと連通し、それによって、前記ストレージに格納された前記細長外科器具を前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で前後に駆動され得る、前記ストレージと、を含む、前記ロボットデバイス。
【請求項38】
前記中空本体を前記ロボットデバイスの前記チャネルの前記第1のアパーチャに可逆的に接続するコネクタをさらに備える、請求項37に記載のロボットデバイス。
【請求項39】
少なくとも1つの細長外科器具を操作するためのロボットデバイスであって、
a.内部容積部を画定する壁を含むハウジングであって、
i.前記少なくとも1つの細長外科器具を受容するための少なくとも1つの細長チャネルであって、前記チャネルが、前記ハウジングに導き入れる、または前記ハウジングから導き出す、少なくとも1つの第1のアパーチャを有する、前記少なくとも1つの細長チャネルと、
ii.前記少なくとも1つの細長外科器具が前記チャネル内に受容されるときに、前記少なくとも1つの細長外科器具の直線移動及びロール移動の1つまたは両方を駆動するための駆動アセンブリと、を含む、前記ハウジングと、
b.前記チャネルと連通する少なくとも1つのコネクタであって、前記コネクタが、前記ハウジングの前記壁に、または前記壁を越えて外側に位置する第2のアパーチャを画定する分岐部を備え、前記第2のアパーチャが、前記チャネルの前記第1のアパーチャとは別個である、前記少なくとも1つのコネクタと、
c.ロボットデバイスのチャネルの第1アパーチャにストレージを可逆的に接続するコネクタと、を含む、前記ロボットデバイス。
【請求項40】
前記ストレージが、前記少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を含み、前記本体が、前記ロボットデバイスの前記チャネルの前記第1のアパーチャに接続されるように構成された近位端を備え、前記接続によって、前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの前記チャネルと連通し、それによって、前記ストレージに格納された前記細長外科器具を前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で前後に駆動し得る、請求項39に記載のロボットデバイス。
【請求項41】
前記ストレージは、前記少なくとも1つの細長外科器具が格納される元のパッケージである、請求項39に記載のロボットデバイス。
【請求項42】
ストレージをロボットデバイスに接続するためのコネクタであって、
本体近位端と本体遠位端とを備える本体であって、前記本体近位端は、前記ストレージの遠位端を受容するように構成され、前記本体遠位端は、前記ロボットデバイスのアパーチャに接続されるように構成される、前記本体を含む、前記コネクタ。
【請求項43】
前記本体が、前記コネクタの内壁に沿って直径が狭くなる1つ以上の同心円状のステップを備える、請求項42に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年11月29日に出願された米国仮特許出願第63/283,628号の優先権の利益を主張するものであり、この米国仮特許出願の内容を参照により全体として本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、細長外科器具を操作するためのロボットデバイスで使用される細長外科器具の自動ストレージに関するものであり、より具体的には、ただしこれに限定されるわけではないが、細長外科器具を受容してその動きを駆動するように構成されたロボットデバイスによって使用される部品の自動ストレージに関するものである。
【0003】
米国特許第8,480,618号は、「ロボットカテーテルシステムが提供される。ロボットカテーテルシステムは、ハウジングと、ハウジングに結合された駆動アセンブリとを含む。駆動アセンブリは、カテーテルデバイスに動きをもたらすように構成されている。カテーテルシステムには、患者からカテーテルデバイスを取り外すことなく、ドライブアセンブリをハウジングから切り離して取り外すことができるリリース構造が含まれている」と開示している。
【発明の概要】
【0004】
以下は、本発明の実施形態のいくつかの例を含む非排他的なリストである。本発明はまた、以下に明示的に列挙されない場合でも、一例の全てよりも少ない特徴を含む実施形態、及び複数の例からの特徴を使用する実施形態も含む。
【0005】
例1.ロボットデバイスで使用される細長外科器具用のストレージであって、少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を備え、前記本体は前記ロボットデバイスに接続されるように構成された近位端を備え、前記接続によって前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの内部経路と連通し、それによって前記ストレージに格納された前記細長外科器具が前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で往復移動可能となる、前記ストレージ。
【0006】
例2.前記中空本体を前記ロボットデバイスに可逆的に接続する任意選択のコネクタをさらに備える、例1に記載のストレージ。
【0007】
例3.前記コネクタは前記ストレージの一体型部分である、例2に記載のストレージ。
【0008】
例4.前記任意選択のコネクタが、前記ストレージ及び前記細長外科用デバイスに設けられている、例2に記載のストレージ。
【0009】
例5.前記中空本体は、前記細長外科器具に加えて1つ以上の液体を格納する大きさ及び形状の内径を備える、例1から4のいずれか1つに記載のストレージ。
【0010】
例6.前記内径が約1mmから約6mmの範囲である、例3に記載のストレージ。
【0011】
例7.前記中空本体は螺旋形状を有する、例1から6のいずれか1つに記載のストレージ。
【0012】
例8.前記中空本体は、前記細長外科器具が曲がる及び/または損傷することを回避しながら、前記細長外科器具を格納するように構成されている、例1~7のいずれか1つに記載のストレージ。
【0013】
例9.前記任意選択のコネクタは、異なる外径を有するストレージを前記ロボットデバイスに接続できるように構成された1つ以上の接続要素を備える、例2に記載のストレージ。
【0014】
例10.前記1つ以上の接続要素は、前記任意選択のコネクタの内壁に沿って直径が狭くなる1つ以上の同心円状のステップを備える、例9に記載のストレージ。
【0015】
例11.前記細長外科器具は、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、またはその両方を含む、例1~10のいずれか1つに記載のストレージデバイス。
【0016】
例12.前記ストレージは、前記細長外科器具が備えられた元のパッケージを含む、例1~11のいずれか1つに記載のストレージ。
【0017】
例13.前記ストレージは袋/バッグを含む、例1~12のいずれか1つに記載のストレージ。
【0018】
例14.前記ストレージは、前記ロボットデバイスから前記細長外科器具を巻き取り、引き出すためのリールを備える、例1~13のいずれか1つに記載のストレージ。
【0019】
例15.前記ストレージのための機械的支持体をさらに備える、例1~14のいずれか1つに記載のストレージ。
【0020】
例16.前記機械的支持体は前記ストレージの一部である、例15に記載のストレージ。
【0021】
例17.前記機械的支持体は前記ロボットデバイスの一部である、例15に記載のストレージ。
【0022】
例18.前記ストレージの前記近位端と前記ロボットデバイスとの間に幾何学的位置合わせを設けるように構成されたブリッジ要素をさらに備える、例1~17のいずれか1つに記載のストレージ
【0023】
例19.前記中空本体は前記細長外科器具と同じ長さである、例1~18のいずれか1つに記載のストレージ。
【0024】
例20.前記本体は、前記ロボットデバイスから重力によって垂れ下がるように構成され、前記細長外科器具の損傷を防止し、及び/または自由な動きを可能にするのに十分剛性である、例1~19のいずれか1つに記載のストレージ。
【0025】
例21.前記1つ以上の液体は、生理食塩水、水、油、及び潤滑剤のうちの1つ以上である、例5に記載のストレージ。
【0026】
例22.ロボットデバイスで使用される細長外科器具用のストレージを使用する方法であって、
a.前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの内部経路と連通する、前記ストレージを前記ロボットデバイスに接続することと、
b.前記細長外科器具の端部を前記ロボットデバイス内に送り込むことと、
c.前記外科用デバイスを作動させて前記細長外科器具を移動させることと、を含む、前記方法。
【0027】
例23.前記細長外科器具を前記ストレージから前記ロボットデバイスまで前後に駆動させ、またその逆を行うことをさらに含む、例22に記載の方法。
【0028】
例24.前記細長外科器具を第2の細長外科器具の内部の位置から前記ストレージ内に自動的に後退させることをさらに含む、例22または例23に記載の方法。
【0029】
例25.前記第2の細長外科器具内側の前記位置に自動的に戻る、例24に記載の方法。
【0030】
例26.前記接続の前に、前記細長外科器具を元のパッケージから取り出し、前記細長外科器具を前記ストレージに挿入することをさらに含む、例22~25のいずれか1つに記載の方法。
【0031】
例27.前記接続の前に、前記細長外科器具を元のパッケージから取り出し、前記細長外科器具を前記ストレージに挿入する前に前記ロボットデバイスの中に挿入することをさらに含む、例22~26のいずれか1つに記載の方法。
【0032】
例28.前記接続は、前記細長外科器具の元のパッケージを前記ロボットデバイスに接続し、前記元のパッケージを前記ストレージとして利用することを含む、例22~27のいずれか1つに記載の方法。
【0033】
例29.1つ以上の液体を前記ストレージに供給することをさらに含む、例22~28のいずれか1つに記載の方法。
【0034】
例30.前記ストレージによって前記細長外科用デバイスの湿度、清潔さ、及び無菌性の1つ以上を維持することをさらに含む、例22~29のいずれか1つに記載の方法。
【0035】
例31.前記外科用デバイスの前記作動中に前記細長外科器具を湿潤状態に保つことをさらに含む、例22~30のいずれか1つに記載の方法。
【0036】
例32.前記送り込みは前記接続の前に実行される、例22~31のいずれか1つに記載の方法。
【0037】
例33.前記作動中に前記ストレージ内に液体を供給し続けることをさらに含む、例22~32のいずれか1つに記載の方法。
【0038】
例34.前記送り込みは前記接続の前に実行される、例22~33のいずれか1つに記載の方法。
【0039】
例35.少なくとも1つの細長外科器具を操作するためのシステムであって、
a.前記少なくとも1つの細長外科器具を操作するように構成されたロボットデバイスと、
b.前記少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を備えるストレージと、を含む、前記システム。
【0040】
例36.前記本体は、前記ロボットデバイスに接続されるように構成された近位端を備え、前記接続により、前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの内部経路と連通し、それによって、前記ストレージに格納された前記細長外科器具が、前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で前後に駆動され得る、例35に記載のシステム。
【0041】
例37.少なくとも1つの細長外科器具を操作するためのロボットデバイスであって、
a.内部容積部を画定する壁を含むハウジングであって、
i.前記少なくとも1つの細長外科器具を受容するための少なくとも1つの細長チャネルであって、前記チャネルが、前記ハウジングに導き入れる、または前記ハウジングから導き出す、少なくとも1つの第1のアパーチャを有する、前記少なくとも1つの細長チャネルと、
ii.前記少なくとも1つの細長外科器具が前記チャネル内に受容されるときに、前記少なくとも1つの細長外科器具の直線移動及びロール移動の1つまたは両方を駆動するための駆動アセンブリと、を含む、前記ハウジングと、
b.前記チャネルと連通する少なくとも1つのコネクタであって、前記コネクタが、前記ハウジングの前記壁に、または前記壁を越えて外側に位置する第2のアパーチャを画定する分岐部を備え、前記第2のアパーチャが、前記チャネルの前記第1のアパーチャとは別個である、前記少なくとも1つのコネクタと、
c.少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を含むストレージであって、前記本体が、前記ロボットデバイスの前記チャネルの前記第1のアパーチャに接続されるように構成された遠位端を備え、前記接続によって、前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの前記チャネルと連通し、それによって、前記ストレージに格納された前記細長外科器具を前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で前後に駆動され得る、前記ストレージと、を含む、前記ロボットデバイス。
【0042】
例38.前記中空本体を前記ロボットデバイスの前記チャネルの前記第1のアパーチャに可逆的に接続する任意選択のコネクタをさらに備える、例37に記載のロボットデバイス。
【0043】
例39.少なくとも1つの細長外科器具を操作するためのロボットデバイスであって、
a.内部容積部を画定する壁を含むハウジングであって、
i.前記少なくとも1つの細長外科器具を受容するための少なくとも1つの細長チャネルであって、前記チャネルが、前記ハウジングに導き入れる、または前記ハウジングから導き出す、少なくとも1つの第1のアパーチャを有する、前記少なくとも1つの細長チャネルと、
ii.前記少なくとも1つの細長外科器具が前記チャネル内に受容されるときに、前記少なくとも1つの細長外科器具の直線移動及びロール移動の1つまたは両方を駆動するための駆動アセンブリと、を含む、前記ハウジングと、
b.前記チャネルと連通する少なくとも1つのコネクタであって、前記コネクタが、前記ハウジングの前記壁に、または前記壁を越えて外側に位置する第2のアパーチャを画定する分岐部を備え、前記第2のアパーチャが、前記チャネルの前記第1のアパーチャとは別個である、前記少なくとも1つのコネクタと、
c.ロボットデバイスのチャネルの第1アパーチャにストレージを可逆的に接続するコネクタと、を含む、前記ロボットデバイス。
【0044】
例40.前記ストレージが、前記少なくとも1つの細長外科器具を内部に格納する大きさ及び形状の中空本体を含み、前記本体が、前記ロボットデバイスの前記チャネルの前記第1のアパーチャに接続されるように構成された近位端を備え、前記接続によって、前記ストレージの内部空間が前記ロボットデバイスの前記チャネルと連通し、それによって、前記ストレージに格納された前記細長外科器具を前記ストレージと前記ロボットデバイスとの間で前後に駆動し得る、例39に記載のロボットデバイス。
【0045】
例41.前記ストレージは、前記少なくとも1つの細長外科器具が格納される元のパッケージである、例39に記載のロボットデバイス。
【0046】
例42.ストレージをロボットデバイスに接続するためのコネクタであって、
本体近位端と本体遠位端とを備える本体であって、前記本体近位端は、前記ストレージの遠位端を受容するように構成され、前記本体遠位端は、前記ロボットデバイスのアパーチャに接続されるように構成される、前記本体を含む、前記コネクタ。
【0047】
例43.前記本体が、前記コネクタの内壁に沿って直径が狭くなる1つ以上の同心円状のステップを備える、例42に記載のコネクタ。
【0048】
別段の定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法及び材料が、本発明の実施形態の実施または試験において使用され得るものの、例示的な方法及び/または材料は以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、及び例は例示的にすぎず、必ずしも限定することは意図されていない。
【0049】
本発明の実施形態の方法及び/またはシステムの実施には、選択されたタスクを手動で、自動で、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含めることができる。さらに、本発明の方法及び/またはシステムの実施形態の実際の計装及び機器によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、もしくはファームウェアによって、またはそれらの組み合わせによって、オペレーティングシステムを使用して実施することができる。
【0050】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを行うためのハードウェアは、チップまたは回路として実施することができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態に従って選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピューターによって実行されている複数のソフトウェア命令として実施できる。本発明の典型的な実施形態において、本明細書に記載する方法及び/またはシステムの典型的な実施形態による1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するための計算プラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択的に、データプロセッサには、命令及び/またはデータを記憶するための揮発性メモリ、及び/または命令及び/またはデータを記憶するための不揮発性記憶装置、例えば、磁気ハードディスク及び/またはリムーバブルメディアが含まれる。任意選択的に、ネットワーク接続も設けられる。ディスプレイ、及び/またはキーボードまたはマウスなどのユーザ入力デバイスも任意選択的に設けられる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を、本明細書では、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明する。ここで図面を詳細にわたって具体的に参照するが、図示されている細部は例示として本発明の実施形態を説明的に考察することを目的としたものであることを強調しておく。これに関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実践され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、2つ以上の細長外科器具を操作するように構成されたロボットデバイスの概略的なブロック図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、テレスコピック配列するように構成された2つ以上の細長外科器具を操作するための例示的なロボットデバイスの概略的な表現である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具(複数可)を小型ロボットデバイスに装填する例示的な方法のフローチャートである。
【
図4a】本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの専用ストレージを含む2つ以上の細長外科器具を操作するように構成されたロボットデバイスの概略的なブロック図である。
【
図4b】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な螺旋ストレージを備えたロボットデバイスの概略的な表現である。
【
図4c】本発明のいくつかの実施形態による、螺旋状のストレージを備えた例示的なロボットデバイスの概略的な断面の表現であり、ガイドワイヤが挿入されていることを示す。
【
図4d】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な可逆的に取り外し可能な螺旋ストレージを備えたロボットデバイスの概略的な表現である。
【
図4e】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なアダプタ/コネクタの概略的な表現を示す。
【
図4f】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な注入デバイスの概略的な表現である。
【
図4g】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なストレージの概略的な表現である。
【
図4h】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なストレージの概略的な表現である。
【
図4i】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なストレージの概略的な表現である。
【
図4j】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なストレージの概略的な表現である。
【
図4k】本発明のいくつかの実施形態による、任意選択のダイバータの概略的な表現である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による例示的な方法のフローチャートである。
【
図6a】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6b】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6c】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6d】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6e】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6f】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6g】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6h】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図6i】本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための例示的な駆動ホイールアセンブリの概略図である。
【
図7】a~cは、本発明のいくつかの実施形態による、ロボットデバイスの指定されたチャネルの細長い器具の基準位置を設定する方法のフローチャート、及び本発明のいくつかの実施形態による、第1のポジション及び第2のポジションにある器具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、細長外科器具を操作するためのロボットデバイスの自動ストレージに関するものであり、より具体的には、ただしこれに限定されるわけではないが、細長外科器具を受容してその動きを駆動するように構成されたロボットデバイスによって使用される部品の自動ストレージに関するものである。
【0054】
概要
本発明のいくつかの実施形態の態様は、細長外科器具を受容してその動きを駆動するように構成されたロボットデバイス用の1つ以上の細長外科器具用のストレージ区画に関する。いくつかの実施形態では、ストレージは、細長外科器具の完全性を保護しながら、1つ以上の細長外科器具を内部に収容するように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の細長外科器具を格納することは、細長外科器具を損傷せず、及び/または曲げないことを含む。いくつかの実施形態では、ストレージは、例えばロボットデバイスの外側にあるときに細長外科器具が絡まるのを回避することによって、細長外科器具をストレージから簡単に取り外し、ストレージに再挿入できるように構成され、それによってロボットデバイスに挿入し、ロボットデバイスから取り出すことができる。いくつかの実施形態では、絡まりを回避することは、ストレージに剛体を設けることによって実行される。いくつかの実施形態では、絡まりを回避することは、細長外科器具を保護するのに十分な剛性を有する柔軟な本体をストレージに設けることによって実行される。いくつかの実施形態では、ロボットデバイスの操作中に細長外科器具が挿入されるリールを設けることによって、絡まりを回避することが実行される。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、細長外科器具を受容してその動きを駆動するように構成されたロボットデバイス用の1つ以上の細長外科器具用のストレージ区画に関するものであり、このストレージは、ロボットデバイスの作動中に細長外科器具を湿潤状態に保つように構成されている。いくつかの実施形態では、ストレージは、ストレージに接続された専用の液体供給デバイスを備える。いくつかの実施形態では、液体供給デバイスは、ストレージ内の1つ以上の液体のレベルを感知するように構成され、さらに、必要な場合及び/またはストレージ内の液体の特定の量及び/またはレベルに達した場合に追加の液体を供給するように構成された自動液体送り込みデバイスである。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、細長外科器具を格納するのに適したストレージ区画に接続するように大きさ及び形状が決められた任意選択のコネクタを備えたロボットデバイスに関する。いくつかの実施形態では、任意選択のコネクタは、ロボットデバイスの内部経路への入口ポートに配置される。いくつかの実施形態では、ロボットデバイスの内部経路は、ロボットデバイスハウジングの反対側にある入口ポートと出口ポートとの間に画定される。いくつかの実施形態では、内部経路は、細長外科器具の少なくとも一部が通過できるように大きさ及び形状が決められている。いくつかの実施形態では、内部経路は、細長外科器具を入口ポートにわたって直線に駆動し、それによって細長外科器具をストレージ区画から患者の体内に前進させるか、または細長器具を患者の体からストレージ区画に後退させるための作動アセンブリ、例えば駆動輪及びモータを含む。いくつかの実施形態では、任意選択のコネクタがない場合、ストレージ区画はロボットデバイスの近くに配置することができ、任意選択的に、処置中に患者が位置するベッドに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ストレージ区画は、処置中に患者が位置するベッドに取り付けることができ、ストレージ区画は、任意選択のコネクタの有無に関わらず、追加のアクセサリを任意選択的に使用してロボットデバイスに間接的に接続される。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、ロボットデバイスの近位側から出てくる細長器具を、潜在的にユーザまたは患者のいずれをもかき乱さない所望の方向に向けるように構成された任意選択のダイバータを含むロボットデバイスに関する。いくつかの実施形態では、ダイバータは、操作及び/または曲げられるように構成され、また、操作及び/または曲げられたポジションに留まるように構成される。
【0058】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載される、及び/または図面及び/または例に示される構成要素及び/または方法の構成及び配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0059】
細長外科器具の動きを受容し、駆動するように構成された例示的なロボットデバイス
これより
図1を参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、2つ以上の細長外科器具を操作するように構成されたロボットデバイスの概略的なブロック図を示す。
【0060】
いくつかの実施形態では、ロボットデバイス100のハウジング102の壁は、細長外科器具用の106、108などの少なくとも2つの別個の通路(チャネル)が画定された内部容積部104を画定する。いくつかの実施形態では、通路は、内部容積部を横切って、例えば、壁110及び壁112などのハウジングの2つの対向する壁の間を延在している。任意選択的に、ハウジングは、例えば実質的に矩形の断面プロファイルを有する細長い形状に成形されており、通路は、ハウジングの長さに沿って延びている。
【0061】
いくつかの実施形態では、各通路は、ハウジングの壁に形成された入口アパーチャと、ハウジングの対向する壁に形成された出口アパーチャとの間に延びている。図示の例では、通路106は、壁110に形成された入口アパーチャ114と、壁112に形成された出口アパーチャ116との間に延びており、通路108は、壁112に形成された入口アパーチャ118と、壁110に形成された出口アパーチャ120との間に延びている。
【0062】
いくつかの実施形態では、ハウジングの壁に形成されたアパーチャは、このアパーチャを通過する外科器具に応じて、成形され及び/または大きさ決めされる。例えば丸みを帯びた(例えば円形の)アパーチャは、例えばガイドワイヤまたはマイクロカテーテルなどの円筒状の器具を嵌め込むために大きさ決めされており、この場合、アパーチャ直径は、任意選択的に、器具の直径よりも、5%以下、10%以下、25%以下、または中間の割合、より大きいもしくはより小さい割合だけ大きい。いくつかの実施形態では、アパーチャは、2つ以上の器具を通過させるための大きさを有する。任意選択的に、アパーチャプロファイルは、楕円形(例えば、楕円体)、長方形、スロット形状及び/または他の形状である。いくつかの実施形態では、1つの細長いスロットが、両方の内部通路のためのアパーチャとして機能する。
【0063】
いくつかの実施形態では、単一の器具が入口アパーチャを通ってハウジングの内部容積部内に入り、それぞれの出口アパーチャを通ってハウジングから出る。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、テレスコピック配列された複数の器具(例えばマイクロカテーテルの内部内腔内に設けられたガイドワイヤなどの2つの器具)が、同じ入口アパーチャを共に通過し、それぞれの出口アパーチャを通って共にハウジングから出る。したがって、このような例においては、第1の器具は、第1の内部通路を通過し、ハウジングから出て第2の器具の内腔内へ入り、両器具のテレスコピックアセンブリは、第2の内部通路を通過する。いくつかの実施形態では、器具のテレスコピック配列は、例えば、各ガイドワイヤ及び迅速交換カテーテルが、独立して、内部通路内に位置しているそれぞれの作動アセンブリを通過した後に、ガイドワイヤと接合することができる迅速交換カテーテルの場合、両方の器具がその内部通路を通過した後に、ハウジングの外側で行われる。
【0064】
いくつかの実施形態では、通路は、同様の平面に延在し、例えば、同様の水平面、同様の垂直面、ハウジングの壁の間を対角線方向に延在する同様の平面に延在する。いくつかの実施形態では、通路は平行な軸に沿って延在している。平行軸間の距離122は、例えば、3~12cm、2~10cm、5~9cm、または中間の距離、より長いもしくはより短い距離の範囲にあってよい。
【0065】
代替的に、いくつかの実施形態では、通路は平行ではなく、例えば、1つの通路が反対側の壁の間に直接延在し、別の通路は斜めのまたは他の間接的なルートを取る。
【0066】
いくつかの実施形態では、アパーチャ位置を除いて、ハウジングは封止されている。任意選択的に、ハウジングは、取り外し可能または移動可能なカバーまたは蓋を含む。いくつかの実施形態では、ハウジングは、少なくとも部分的に開放しており、例えば、上面を有しないボックスとして成形されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、器具を操作し、及び/または器具の動きを駆動するように器具に係合する全ての構成要素は、ハウジングの内部容積部内に完全に包み込まれ、これらの構成要素の少なくとも一部は、器具のために画定された通路に沿って配置される。いくつかの実施形態では、これらの構成要素は、作動アセンブリ、例えば器具移動要素(例えば駆動ホイール)を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、図示のように、複数のモータ124、126は、作動アセンブリを駆動するように構成されており、例えば、各アセンブリの器具可動要素128(例えばホイール)を駆動するように構成されている。いくつかの実施形態では、モータ及び器具可動要素は、器具のために画定された通路に沿って配置されている。いくつかの実施形態では、2つの(またはより多くの)通路の作動アセンブリは、並列に整列されている。整列された作動アセンブリが並列に整列されている場合の潜在的な利点には、対向する壁132、134の間の短いまたは最小限の距離130(任意選択的にデバイスの幅または高さである)を可能にすることが含まれ得る。一例では、距離130は、15cm、12cm、10cm、または中間の距離、より長いもしくはより短い距離よりも小さい。
【0069】
いくつかの実施形態では、2つ以上の通路の作動アセンブリは、同様の軸方向範囲を有する(または特定の軸方向範囲を超えて延びない)。作動アセンブリが特定の軸方向範囲を超えて延在しないように、作動アセンブリが互いに関して配置され及び/または大きさ決めされていることの潜在的な利点には、壁110と壁112との間の距離136(任意選択的にデバイス長である)を、移動駆動構成要素を収めるために必要な最小限の軸方向範囲に維持することができることが含まれ得る。一例では、距離136は、10cm、7cm、12cm、または中間の距離、より長いもしくはより短い距離よりも小さい。いくつかの実施形態では、デバイスのコンパクト設計を容易にするために、複数のモータ124、126もまた、作動アセンブリの軸方向範囲内に、かつ作動アセンブリの近傍に配置される。いくつかの実施形態では、作動アセンブリに近接し、作動アセンブリの少なくとも一部と潜在的に接触するモータ(複数可)を配置する能力は、例えば、作動アセンブリ、モータ(複数可)、及び操作される外科器具の間にバリア(例えば、滅菌保護またはシールド)が必要とされないことにより提供される。
【0070】
いくつかの実施形態では、2つ以上の通路の作動アセンブリは、ハウジングの壁によって画定された同じ共有された内部容積部内に配置されている。いくつかの実施形態では、2つ以上の通路の移動駆動構成要素の間にバリア(例えば、内壁、シールド、ドレープなど)は存在しない。いくつかの実施形態では、作動アセンブリと、この作動アセンブリによって操作される器具との間にバリア(例えば内壁、シールド、ドレープなど)は存在しない。
【0071】
代替的に、いくつかの実施形態では、部分的な隔壁またはバリアが設けられている。例えば、デバイスハウジングは、内部容積部を完全には塞がない内壁または突起を有してもよく、これにより、通路の少なくともいくつかの領域を互いに連通させたままにする。
【0072】
いくつかの実施形態では、内部通路の作動アセンブリ(例えば、器具が受容されるシャフト及び/または器具の直線移動を駆動するホイールを含む作動アセンブリ)は、異なる内部通路、例えば、隣接する通路の作動アセンブリに露出される。
【0073】
いくつかの実施形態では、複数の通路の作動アセンブリは、シャーシ上に互いに配列され、保持されている。任意選択的に、シャーシは露出され、その周囲に開放され、例えばハウジングが設けられていない。
【0074】
いくつかの実施形態では、通路の作動アセンブリは、内部通路内での器具の移動を、例えば、通路内に受容された器具の横方向の移動を制限して、少なくとも部分的に制限する。例えば、細長い通路によって画定された概念的な限界からの器具の移動が制限される。いくつかの実施形態では、器具は、通路に向かわされ、例えば、細長いシャフトのスロット内に受容される。代替的または追加的に、通路は、対向するホイールの複数の対の間に生成された経路によって画定される。
【0075】
いくつかの実施形態では、通路を通って延びることに加え、器具は、1つ以上の追加的な固定位置(本明細書では「固定箇所」、「係合箇所」とも呼ばれる)においてデバイスに係合する。いくつかの実施形態では、固定位置は、ハウジングの外側、ハウジングの内側、または一部がハウジングの内側及び一部がハウジングの外側に配置されたホルダ(138、140など)を備える。いくつかの実施形態では、固定位置が器具をハウジング及び/または1つ以上の他の器具に結合する。例えば、固定位置140において、通路106(例えば、ガイドワイヤ)を通って延在する第1の細長外科器具142が、固定位置140でハウジングに連結された第2の細長外科器具144(例えば、マイクロカテーテル)の内部内腔に入る。いくつかの実施形態では、器具142の近位端部は、固定位置138においてハウジングに結合されている。
【0076】
いくつかの実施形態では、固定位置138は、器具142の近位ハンドル、例えば、曲げ及び/または剛性の観点から器具の遠位部分を操作するハンドルを収納するように成形され、構成されている。いくつかの実施形態では、付加的なモータ(図示せず)が、2つの位置を通って器具142を回転させるように構成されており、そのうちの一方は(例えば固定位置138における)器具のハンドルであり、他方は器具のより遠位の領域である。例えば、器具142の一部分に関連づけられた作動アセンブリを回転させることにより、器具142を回転させるように構成されたモータもまた、任意選択的にギアシステムを介して、器具のハンドルに動作可能なように接続されている。したがって、モータは、これら2つの別個の位置から器具を同時に回転させるように構成されている。器具に沿った2つの異なる位置において同じモータによるロール移動を開始するための利点には、器具に加えられるトルクを高めることと、作動アセンブリに見られる器具の把持位置における器具の滑りのリスクを排除することとが含まれ得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、(138などの)器具とハウジングとの固定位置及び(114などの)器具を内部容積部に導く入口アパーチャは、ハウジングの同じ壁に位置しており、そのため、ハウジングの外側にある器具のセクションが、曲線、例えばU字曲線を形成する。いくつかの実施形態では、U字型曲線の範囲は動的に調整可能である。任意選択的に、器具を(器具可動要素、例えばホイールなどを介して)直線的に移動させることにより、ハウジングの壁の外側に対するU字形曲線の範囲が変化する。
【0078】
いくつかの実施形態では、曲線は、デバイスハウジングの同じ壁からデバイスハウジングの同じ壁まで延びる経路に沿って画定されている。
【0079】
図示の例では、ハウジングは鋭角及び直線のエッジ壁を有しているが、例えば丸みを帯びたコーナー、湾曲した壁などを含む他の構成もまた企図される。
【0080】
いくつかの実施形態では、各通路の(例えばモータによる)作動アセンブリの作動は、コントローラ144によって制御される。いくつかの実施形態では、各通路の構成要素は、独立して、さらに同期するようにして制御される。
【0081】
いくつかの実施形態では、コントローラ144は外部のデバイスによってリモート制御され、例えば本明細書に記載されているようなリモートコントロールデバイスによってリモート制御される。
【0082】
これより
図2を参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、非限定的に、ガイドワイヤ及びマイクロカテーテルなど、テレスコピック配列するように構成された2つ以上の細長外科器具を操作するための例示的なロボットデバイスの概略的な表現を示しており、第1の細長器具が第2の細長器具の内腔内に少なくとも部分的に延在している。
【0083】
いくつかの実施形態では、ロボットデバイス200は、ハウジング202を含んでおり、このハウジングは、複数の壁で構成されており、これらの壁はそれらの間に内部容積部204を形成する。いくつかの実施形態では、2つ以上の内部通路は、内部容積部の内側に延びており、これにより、デバイス200によって受容され、操作される器具206、208は、少なくとも部分的に内部通路に沿って延びている。
【0084】
いくつかの実施形態では、各内部通路は、通路のポジションに配置された、例えば通路の少なくとも一部に沿って軸方向に延びる作動アセンブリを含む。いくつかの実施形態では、210、212などの作動アセンブリは、器具を直線移動させるように構成されており、例えば、器具を前進及び/または後退させるように構成された1つ以上のホイールである。代替的または追加的に、210などの作動アセンブリは、例えば、器具をその間に把持するホイールセットを回転させることによって、器具をロールさせるようにして移動させるように構成されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、作動アセンブリは、複数のモータ、例えばモータ214、216、218に動作可能なように結合されている。いくつかの実施形態では、モータは、内部に受容された器具の直線移動を生じさせるために作動アセンブリを動作させるように構成されている。代替的にまたは追加的に、モータは、受容された器具のロール移動を、任意選択的に、器具に関連する作動アセンブリ全体のロール移動を発生させることによって発生させるように構成されている。例えば、モータ218は、任意選択的にギアシステムを介して、直線移動機構212に動作可能なように接続され、直線移動機構212をモータ214と共に回転させ、それによって、直線移動機構212内に把持されるロール器具206を回転させるように構成されている。直線移動機構全体を器具と共に回転させることの潜在的な利点は、関連するギアシステムを簡素化することであり、直線移動とロール移動とを同時に操作することを可能にすることである。いくつかの実施形態では、モータと作動アセンブリとの間に無菌バリアが存在しないことにより、直線移動機構210と共にモータ214のロールが可能となる。
【0086】
図示された例では、第1の細長外科器具206(例えばガイドワイヤ)は、第1の内部通路に沿って、例えばハウジング内への入口アパーチャ220と、ハウジングからの出口アパーチャ222との間を延在する。
【0087】
いくつかの実施形態では、器具206の直線移動はモータ214によって駆動され、器具206のロールはモータ218によって駆動され、両方のモータは、(例えば内部容積部を横切る通路によって画定される概念的な軸に沿った)内部通路のポジションに配置されかつ構成されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、器具206のハウジングからの出口アパーチャ212において、器具206は、第2の細長外科器具208の内腔内、例えばマイクロカテーテル内にテレスコピックに受容される。器具208は、入口アパーチャ224でハウジングに入り、第2の内部通路に沿って出口アパーチャ226まで延びており、内部に器具206が延在している。
【0089】
いくつかの実施形態では、器具208の直線移動は作動アセンブリ212によって駆動される。
【0090】
いくつかの実施形態では、作動機構(複数可)及び複数のモータは全て同じ内部容積部を共有しており、それらの間にバリアまたは他の物理的分離は存在しない。
【0091】
小型ロボットデバイスに細長外科器具を装填する例示的な方法
これより
図3を参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具(複数可)を小型ロボットデバイスに装填する例示的な方法のフローチャートを示す。
【0092】
いくつかの実施形態では、外科的処置を実施するより前に、小型ロボットデバイスには1つ以上の細長外科器具が装填され、この器具はその後、デバイスによって操作される。
【0093】
以下の方法は、デバイスを装填するための例である。各ステップは手動で(例えば医師、外科医、看護師または他の臨床医によって)、またはいくつかの実施形態では自動的に行われ得ることに留意されたい。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の細長外科器具の一部が、デバイスの指定されたチャネル、例えば内部経路、例えばガイドワイヤの近位部分に、任意選択的に細長外科器具の近位端を先導することによって導入される(302)。いくつかの実施形態では、第1の細長外科器具のより遠位の部分、例えば任意選択的に第1の細長外科器具の遠位端が、第2の細長外科器具、例えばマイクロカテーテルの内腔に導入される(304)。次いで、第2の細長手術器具の近位端は、任意選択的に、例えばデバイスハウジングに配置されたルアーにおいて、または別の適切なコネクタを介してデバイスに結合される(306)。次に、第2の細長外科器具の一部が、デバイスの指定されたチャネルに導入される(308)。いくつかの実施形態では、第2の細長手術器具は、デバイスハウジングの外側において、例えばルアーに対する第2の細長手術器具の近位端の接続部と、マイクロカテーテルのより遠位部分の、指定されたチャネルへのエントリアパーチャとの間において、湾曲部を形成する。あるいは、第1の細長外科器具は、例えば迅速な交換システムにおいて、患者の体でのみ第2の外科用器具に導入される。
【0095】
いくつかの実施形態では、第3の細長外科器具、例えばガイドカテーテルが使用される場合、第2の細長外科器具(任意選択的に、そこにねじ込まれた第1の細長外科器具を含む)がガイドカテーテルの内腔の中に前進される(310)。任意選択的に、第3の細長外科器具は、患者の体内に導入されてから、器具を患者の体内の腔内へと前進させる。いくつかの実施形態では、第3の細長外科器具の近位端が、次いで、例えばデバイスハウジングに配置されたルアーにおいて、または別の適切なコネクタを介してデバイスに取り付けられる(312)。
【0096】
いくつかの実施形態では、デバイスの装填は、最初にデバイスアセンブリと接触させるように第1の細長外科器具を導入し、次いで、全ての器具のテレスコピック配列のためのバックボーンとして第1の細長外科器具を使用して追加の器具(例えば、第2の細長外科器具及びその後に任意選択的に第3の細長外科器具)を導入することを含む。いくつかの実施形態では、第1の細長外科器具は、追加の器具と共に、ロボットシステム内部の指定されたチャネルに導入される導入器として機能する。いくつかの実施形態では、
図1の例に詳述されているように、第1の細長外科器具は、最初にその指定されたチャネルに導入され、その後、追加の器具をそのチャネルに導くために使用される。代替として、第1の細長外科器具ワイヤは、先ず、その遠位端部を用いて追加の器具を導入するために使用され、その後でのみ、それは、その近位端部を通して、それ自体の指定されたスペース内に挿通される。
【0097】
いくつかの実施形態では、ユーザが、例えば、デバイスアセンブリによって駆動される器具の直線移動及び/または回転を制御することにより、デバイスに装填された器具の操作を制御する(314)。いくつかの実施形態では、制御は、例えば、リモートコントロール、コンソールなどを介して、遠隔で行われる。
【0098】
記載された装填方法は例としてのみ提供されており、記載されたステップは異なる順序で実行されてもよく、及び/または異なるステップが実行されるようになることに留意されたい。いくつかの実施形態では、ステップのうちのいくつかは手動で行われ、及び/またはユーザによって補助されるのに対し、所望のポジション及び/または向きへのステップのうちのいくつか(例えば器具を前進させる、後退させる及び/またはロールさせる)はデバイスによって自動的に行われる。
【0099】
細長外科器具の例示的なストレージ
いくつかの実施形態では、細長外科器具を受容し、その動きを駆動するように構成されたロボットデバイスは、医療処置中に細長外科器具を格納及び/または湿らせておくように構成された、細長外科器具、例えば、ガイドワイヤ専用のストレージを備える。
【0100】
これより
図4aを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの専用ストレージを備えた2つ以上の細長外科器具を操作するように構成されたロボットデバイスの概略的なブロック図である。いくつかの実施形態では、デバイス402は、上記で開示されたとおりであり、デバイスの一方の側、例えば側406から、細長外科器具、例えばガイドワイヤ404を受容するように構成されている。以下の段落では、「ガイドワイヤ」を使用して例示的な実施形態を説明する。代わりに他の細長外科器具を使用できること、またそれらも本発明の範囲の一部であることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ404はデバイス402内を走行し、反対側408から出て、すぐに第2の細長外科器具、例えばマイクロカテーテル410に入る。いくつかの実施形態では、上で開示したように、
図4aには示されていないが、
図1及び2に関連して説明されている複数の内部機構があり、これにより、概略矢印412に沿ってガイドワイヤ404をマイクロカテーテル410内外に前後に直線移動させることができる。いくつかの実施形態では、デバイス402は、例えば
図4aに示すように、ガイドワイヤ404専用のストレージ414を備えている。
【0101】
いくつかの実施形態では、ストレージ414は、ある程度の剛性を備えた細長いチューブであることを特徴とする。この剛性により、ガイドワイヤを収容しながら、容器の形状と、任意選択的にその中の液体とが維持される。いくつかの実施形態では、ストレージ414は、例えば
図4bに示すように、螺旋形状416を備える(同じ部分には同じ番号が使用されている)。いくつかの実施形態では、ストレージ414は、螺旋形状以外の形状を有することを特徴とする。非螺旋形状のストレージの例示的な実施形態については以下を参照されたい。いくつかの実施形態では、螺旋形状を有することの潜在的な利点は、ガイドワイヤの完全性を維持できる可能性があることである。いくつかの実施形態では、螺旋形状を有することの別の潜在的な利点は、ストレージの内部領域を潜在的に削減し、処置中にガイドワイヤを湿潤状態に保つために必要な液体の量を直接削減できることである(以下を参照)。
【0102】
いくつかの実施形態では、螺旋状ストレージ412は、使用されるガイドワイヤの外径よりもわずかに大きい内径を備える。例えば、ストレージの内径は、ガイドワイヤの外径よりも約0.1ミリメートル(mm)から約3mm大きくなる。任意選択的に、ガイドワイヤの外径より約0.01mm~約5mm大きい。任意選択的に、ガイドワイヤの外径より約0.01mm~約5mm大きい。いくつかの実施形態では、内径は約1mm~約6mmである。
図4cは、本発明のいくつかの実施形態による、ガイドワイヤ404が挿入された螺旋状のストレージ414を備えたデバイス402ガイドワイヤの概略的な断面の表現を示す。
図4cにも示されているように、いくつかの実施形態では、デバイス402は、複数の駆動輪を含む駆動輪アセンブリ438を備えており、これについては、
図6a~iで後にさらに説明する。いくつかの実施形態では、
図4dに例示されるように、ストレージ414は、ガイドワイヤの入口アパーチャ(例えば
図2の220を参照)の位置にある表面でデバイス402に可逆的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ストレージはデバイス402の専用部分であり、ユーザはガイドワイヤを元のパッケージから取り出してストレージに挿入する必要がある。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤが製造業者によって提供される元のパッケージが、デバイス402内のストレージ分として使用される。
【0103】
いくつかの実施形態では、細長外科器具よりも柔軟性が低く、細長外科器具の遠位端に取り付けられるように構成された専用の追加の挿入器を使用して、細長外科器具をデバイスに挿入及び/または送り込むことを容易にする。いくつかの実施形態では、挿入器を使用する潜在的な利点は、細長外科器具が非常に柔軟な遠位端を含み得るため、柔軟性の低い挿入器を追加することで、細長外科器具をデバイスに挿入しやすくなる潜在可能性があり得ることである。
【0104】
これより
図4eを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による例示的なアダプタ/コネクタ418の概略的な表現を示す。いくつかの実施形態では、デバイス402は、例えば
図4eに示すように、デバイス402のガイドワイヤ404の入口アパーチャ(例えば
図2の220を参照)に挿入されるように構成された任意選択の専用アダプタ/コネクタ418をさらに備える。いくつかの実施形態では、任意選択のアダプタ/コネクタは、本体よりも幅が広いヘッド422と、ストレージ414を収容するように構成されたオリフィス424とのうちの1つ以上を含む本体420を含む。いくつかの実施形態では、オリフィス424は、任意選択的に異なる直径を有するガイドワイヤにより、異なる外径を有するストレージをデバイス402に接続できるように構成された1つ以上のステップ426及び/またはくぼみを含む。いくつかの実施形態では、ステップは、任意選択のアダプタ/コネクタの内壁に沿って直径が狭くなる1つ以上の同心ステップである。
【0105】
いくつかの実施形態では、任意選択のコネクタの内壁には、さらに、細長外科器具がストレージまたはデバイスから前後に通過するときに細長外科器具を洗浄するように構成された細長外科器具用のクリーナーが含まれる。
【0106】
いくつかの実施形態では、任意選択のコネクタがない場合、ストレージ区画はロボットデバイスの近くに配置することができ、任意選択的に、処置中に患者が位置するベッドに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ストレージ区画は、処置中に患者が位置するベッドに取り付けることができ、ストレージ区画は、任意選択のコネクタの有無に関わらず、追加のアクセサリを使用してロボットデバイスに間接的に接続される。
【0107】
ストレージへの液体の例示的な供給
いくつかの実施形態では、前述のように、ストレージは、細長外科器具に加えて、処置中に細長外科器具を湿潤状態に保つための液体を格納するように構成されている。いくつかの実施形態では、液体は、ユーザによって、デバイスのストレージとしても使用される細長外科器具の元のパッケージに直接挿入される。いくつかの実施形態では、液体はパッケージ及び/またはストレージの遠位端から挿入され、液体は毛細管力により内部に留まる。
【0108】
いくつかの実施形態では、元のパッケージが使用されていない場合、ユーザは元のパッケージから細長外科器具を取り出し、それをロボットデバイスに直接挿入し、その後、デバイスの内部機構によって、液体を含むストレージデバイスに挿入する。あるいは、ユーザは、細長外科器具を元のパッケージから取り出し、内部に液体を含むストレージデバイスに直接挿入し、任意選択的にサポーターを使用して、器具の遠位端からロボットデバイスに導入する。
【0109】
いくつかの実施形態では、必要に応じて、ユーザは必要に応じて手動でさらに液体をストレージに追加することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、専用の自動液体注入デバイスが使用される。
【0111】
これより
図4fを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な注入デバイスの概略的な表現が示されている。いくつかの実施形態では、処置中にガイドワイヤを湿潤状態に保つために、液体がストレージ414内に挿入される。いくつかの実施形態では、液体は、生理食塩水、水、油、及び潤滑剤のうちの1つ以上であり得る。いくつかの実施形態では、処置中にマイクロカテーテル内でガイドワイヤを挿入、抜き取り、及び再挿入するために、ガイドワイヤを湿潤状態に保つことが必要である。いくつかの実施形態では、ストレージは、必要に応じてストレージ414の内部空間に液体を供給するように構成された専用の注入デバイス428を備える。いくつかの実施形態では、注入デバイス428は受動的な注入機構を備える。例えば、注入デバイス428は、負圧を利用して必要な液体を供給し、例えば、液体がストレージの内部から出ると、新しい液体が注入デバイス428からストレージ414に引き込まれる。いくつかの実施形態では、注入デバイス428は能動的な注入機構を備える。例えば、注入デバイス428は、モータ、センサ、エネルギー源、及び回路から構成される。いくつかの実施形態では、センサは、ストレージ414内の液体レベルを監視するように構成される。いくつかの実施形態では、ストレージ414内の液体のレベルが特定のレベル、任意選択に所定の液体レベルに達すると、モータが作動し、新しい液体が容器414内に注入される。いくつかの実施形態では、回路は、注入デバイス428の能動機構のコンポーネントを制御するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー源は、電池、充電式電池、及び/または電源に差し込まれるケーブルのうちの1つ以上であり得る。
【0112】
これより
図4g~jを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による例示的なストレージの概略的な表現を示す。いくつかの実施形態では、上述のように、ストレージ414は螺旋形以外の形状を備え、例えば、ストレージ414は、
図4gに示すように、デバイス402に取り付けられた袋/バッグ418であり得る。いくつかの実施形態では、袋は、柔らかいもの、半硬質のもの、または硬質のものであり得る。いくつかの実施形態では、ストレージ414は、例えば
図4hに示すように、デバイス402に取り付けられたボックス420の形状を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、ストレージ414は、例えば
図4iに示すように、デバイス402に取り付けられたリール434の形状を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、リールには、巻き取られたガイドワイヤが格納される内部格納領域が備えられ、格納領域には、処置中にガイドワイヤを湿潤状態に保つための液体が任意選択的に備えられる。いくつかの実施形態では、ストレージ及び/またはデバイスは、例えば
図4iに示すように、ストレージ用の機械的支持体435を備えている。いくつかの実施形態では、機械的支持体435はストレージの一部である。いくつかの実施形態では、機械的支持体435はデバイスの一部である。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスとストレージとの間の幾何学的位置合わせを設けるように構成されたブリッジ要素437を含む。いくつかの実施形態では、ストレージ414は、例えば
図4jに示すように、デバイス402に取り付けられた、ホースに似たルーズチューブ436の形状を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、チューブは柔軟であるためデバイスから「垂れ下がる」ことができるが、内部のガイドワイヤの完全性を保護するのに十分な剛性がある。いくつかの実施形態では、チューブの近位端はデバイスに接続され、チューブの遠位端は閉じられ得るか、または処置中にガイドワイヤを湿潤状態に保つための液体供給デバイスに接続できるように構成され得る。
【0113】
ストレージの例示的な潜在的な利点の例
いくつかの実施形態では、上で開示したように、デバイスは、例えば、細長外科器具を操作するために使用される。例えば、マイクロカテーテルと併用されるガイドワイヤなどがある。ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、及び/またはガイドワイヤを使用する医療処置中は、ガイドワイヤを複数回挿入及び後退させる必要があることが知られている。例えば、患者の体内の目的の位置に到達しようとする場合、ユーザは、マイクロカテーテルからガイドワイヤを後退させ、経路を視覚化するために造影剤を挿入し、その後、ガイドワイヤをマイクロカテーテルに再度挿入して、所望の位置に到達する処置を続行する必要がある場合がある。この例では、これらの後退/再挿入のステップが処置中に複数回繰り返される場合がある。これに関連して、ガイドワイヤを抜いた場合、体外の「緩んだ」ガイドワイヤを封じ込めて滅菌状態に保つ必要があり、さらに、ガイドワイヤを湿らせた状態にしてマイクロカテーテルにスムーズに再挿入できるようにする必要があることもわかっている。今日の解決策は、ある種の液体が入ったバケツを使用し、「緩んだ」ガイドワイヤを、再挿入されるまで保持しておくことである。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるストレージの潜在的な利点は、以下の1つ以上である。
【0115】
1.ガイドワイヤの完全性を維持する可能性:いくつかの実施形態では、ガイドワイヤに損傷及び/または曲がりを生じさせることなく、ガイドワイヤをストレージに挿入及び引き抜きできる潜在可能性。
【0116】
2.ガイドワイヤをマイクロカテーテルへの再挿入が可能な状態に維持できる潜在可能性:いくつかの実施形態では、ストレージは、ガイドワイヤに対して、マイクロカテーテルへの再挿入が可能な状態を維持する環境を潜在的に提供する。いくつかの実施形態では、これはガイドワイヤを湿潤状態に保つことによって行われ、これはガイドワイヤをストレージに格納しながら湿潤環境に保つことによって実行される。
【0117】
3.ガイドワイヤを再挿入可能な状態に維持する潜在可能性:いくつかの実施形態で、ストレージは、ガイドワイヤをマイクロカテーテルに再挿入するための容易なアクセスをもたらす潜在可能性がある。
【0118】
4.ガイドワイヤをユーザ及び/または患者から遠ざける潜在可能性:いくつかの実施形態では、ストレージは、外科的介入中及び/またはデバイスの操作中にガイドワイヤをユーザ及び/または患者から遠ざけるための安全な場所を潜在的に備える。
【0119】
5.器具の緩んだ近位端を管理し、処置中に器具が誤って非滅菌領域に到達するのを防ぐ潜在可能性。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明のストレージは、上述の潜在的な利点の1つ以上、好ましくはすべてを備える。
【0121】
ストレージ区画の例示的な感知機構
いくつかの実施形態では、ストレージ区画は、ガイドワイヤを監視するように構成された1つ以上のセンサを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサが、ガイドワイヤがどれだけストレージ区画から出たかを監視する。いくつかの実施形態では、その情報はユーザに提供され、ユーザはその情報を使用して手順を監視及び計画することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサがストレージコンテナに沿って分散され、ガイドワイヤの近位端が特定のセンサを通過すると、ガイドワイヤがロボットデバイスからどれだけ離れているか、ガイドワイヤがどれだけまだ使用可能であるかなどがユーザに通知される。
【0122】
例示的なダイバータ
これより
図4kを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、任意選択のダイバータの概略的な表現を示す。いくつかの実施形態では、ストレージ区画の代わりに、またはそれに加えて、ロボットデバイス402は、ロボットデバイス402の近位端に取り付けられ、ガイドワイヤが近位方向(後方)に移動されているときにガイドワイヤの近位端を方向付けるように構成されたダイバータ450を含む。いくつかの実施形態では、ダイバータ450は曲げることが可能であり、曲げられたポジションに留まるように構成されている。いくつかの実施形態では、ダイバータ450は、ダイバータ450に沿った複数の位置で曲げることができる。いくつかの実施形態では、ダイバータ450は任意の方向に曲げることができる。いくつかの実施形態では、ダイバータ450は、一方の側ではガイドワイヤがダイバータ450内で自由に移動できるようにし、他方の側ではダイバータ450をロボットデバイス402に接続できるようにするための任意の動作可能な半径を備え得る。いくつかの実施形態では、短い脚の長さは、約5cm~約15cm、任意選択的に約3cm~約30cm、任意選択的に約1cm~約60cmである。いくつかの実施形態では、ダイバータは60cmより長い長さを有する。いくつかの実施形態では、ダイバータは、ガイドワイヤの近位端を所定のトラックに導く複数の曲線を有する3D構造である。いくつかの実施形態では、ダイバータ450は、湾曲した開いた断面を特徴とする少なくとも一部を有する。いくつかの実施形態では、ダイバータ450は、円形の閉じた断面を特徴とする少なくとも一部を有する。
【0123】
ダイバータ450を備えることの潜在的な利点は、近位側から引き出されるガイドワイヤがユーザ及び/または患者がかき乱される事態を潜在的に回避できることである。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤが後方に移動されるときに移動する方向を方向付けることにより、潜在的な利点が得られる。
【0124】
例示的なガイドワイヤストッパー
いくつかの実施形態では、ロボットデバイスは、ガイドワイヤの近位端がロボットデバイスに完全に出入りするのを止めるように構成された機構を備えており、駆動機構から完全に展開されるとガイドワイヤの制御を完全に失わせ得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの近位端は、例えば、ストレージ区画が接続されているロボットデバイスの近位入口で停止される。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの近位端は、ロボットデバイスから出る前に、例えば、患者の体内に配置されたカテーテルがロボットデバイスに接続されているロボットデバイスの遠位入口で停止される。いくつかの実施形態では、近位入口または遠位入口のいずれかでガイドワイヤを停止する機構は、以下の1つ以上である。
【0125】
1.機械的なハグ機構:いくつかの実施形態では、ロボットデバイスは、電子的、磁気的、または空気圧的に作動可能なハガーを備え、これがいったん作動するとガイドワイヤをハグしてその動きを停止させる。いくつかの実施形態では、ハグ機構は、ガイドワイヤの近位端の存在を感知するように構成されたセンサによって、またはガイドワイヤの近位端に取り付けられた追加の要素によって作動される。追加要素がハグ機構に到達すると、機構が起動し、そのためガイドワイヤが停止する。あるいは、センサによって遠位端または近位端が検出されると、駆動機構の動きを停止するコマンドが生成され、それによってガイドワイヤの前進または後退が停止される。
【0126】
2.ガイドワイヤの近位端に停止要素を追加する:いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの近位端に停止要素が追加される。いくつかの実施形態では、停止要素は、停止要素がロボットデバイス内に進入できないような大きさを備える。したがって、停止要素がロボットデバイスに到達すると、ガイドワイヤは停止する。いくつかの実施形態では、ストレージ区画は、停止要素の大きさを考慮した内部大きさを備える。いくつかの実施形態では、停止要素は任意選択のコネクタで停止される。
【0127】
例示的な方法
これより
図5を参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な方法のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアクションの1つ以上を含む。
【0128】
1.任意選択的に、ガイドワイヤを元のパッケージから取り出してストレージに挿入する(502)か、または代わりにデバイスに挿入し、その後、デバイスの内部機構を使用してストレージに挿入する。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの元のパッケージが使用されておらず、及び/またはデバイスに取り付けられるように構成されていない場合、ユーザはガイドワイヤを元のパッケージから取り出し、それをデバイスのストレージ分に挿入するか、または代わりにデバイスに挿入してから、デバイスの内部機構を使用してストレージに挿入する。
【0129】
2.任意選択的に液体をストレージに供給する(504)。いくつかの実施形態では、ユーザは液体をストレージに供給する。いくつかの実施形態では、ストレージには、デバイスの動作中に使用される必要量の液体がすでに含まれる。いくつかの実施形態では、液体は、デバイスに接続する前に、ストレージまたは元のパッケージに追加される。
【0130】
3.ストレージをデバイスに接続する(506)。いくつかの実施形態では、ユーザはストレージをデバイスの専用の場所に接続する。いくつかの実施形態では、ユーザはガイドワイヤの元のパッケージをデバイスに接続する。いくつかの実施形態では、ユーザは専用のストレージの一部をデバイスに接続する。
【0131】
4.ガイドワイヤをデバイスに送り込む(508)。いくつかの実施形態では、ユーザはガイドワイヤをデバイス内に送り込み、任意選択的にガイドワイヤの近位端を先導し、ガイドワイヤの少なくとも一部をデバイスの内部経路に通す。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤをデバイスへ送り込むことは、ストレージをデバイスに接続する前に実行される。
【0132】
5.前記ガイドワイヤをマイクロカテーテル内に挿入及び/または後退させることによってデバイスを作動させる(510)。
【0133】
6.任意選択的に、前記作動中にストレージに液体を供給し続ける(512)。
【0134】
動作の順序は固定されておらず、順序を修正することは依然として本発明の範囲内であることを理解すべきである。
【0135】
例示的な器具操作アセンブリ
これより
図6aを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、細長外科器具を直線移動及び/または回転移動させるための駆動ホイールアセンブリの概略図を示す。
【0136】
いくつかの実施形態では、細長外科器具602(例えばガイドワイヤ、マイクロカテーテル)が、デバイスの指定されたチャネル604内に受容される。
【0137】
いくつかの実施形態では、駆動ホイールなどの複数の移動駆動要素がチャネルに隣接して配置される。いくつかの実施形態では、ホイールは対をなして配列されており、1つのホイールは、チャネルを挟んで位置する別のホイールに向かい合っている。いくつかの実施形態では、移動アセンブリはまさに2つの車輪を含み得る。いくつかの実施形態では、移動アセンブリは、例えば、2~40個のホイール、例えば、10~20個、8~16個、4~30個、12~38個、または中間の個数、よりも多いもしくはより少ない個数などのホイールを含み得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、チャネルの第1の側のホイール(ホイール606、608など)は、固定要素610(例えば、ハウジングの内壁、フレーム、ロッドなど)に結合されている。いくつかの実施形態では、チャネルの対向する第2の側のホイール(ホイール612、614など)は、バネ616などの弾性要素または変形可能要素に結合されている。
【0139】
いくつかの実施形態では、バネの静止状態において、ホイール612、614は、器具602が全てのホイールによって接触されるように、ホイール606、608にごく接近して、バネによって押される。ホイールの回転時に、器具はチャネルの長軸に沿って(ホイールの回転方向に応じて)前進または後退する。いくつかの実施形態では、ホイールの接近した状態では、各対の対向するホイールは、器具602の直径以下の距離、例えば、ガイドワイヤの直径以下、例えば、0.18~0.25mm、0.5~1.14mm、0.18~1.14mm、または中間の直径、より大きいまたはより小さい直径などの間のガイドワイヤの直径になる。いくつかの例では、器具がマイクロカテーテルである場合、ホイール間の距離は、マイクロカテーテルの直径以下であり、例えば2~3FRの間である。いくつかの例では、器具がガイドカテーテルである場合、ホイール間の距離は、ガイドカテーテルの直径以下であり、例えば309FRの間である。
【0140】
いくつかの実施形態では、全ホイールが同様の回転方向及び速度で回転する。いくつかの実施形態では、器具は、対向するホイール間にしっかりと把持され、それにより、例えば、アセンブリ全体を回転させると、器具が、その長軸の周りをロールする。
【0141】
いくつかの実施形態では、バネの圧縮状態で、ホイール612、614は、器具から離れて後退し、器具の保持を緩める。任意選択的に、ホイールが後退ポジションにあることで、器具の挿入及び/またはチャネルからの取り外しが容易になる。いくつかの実施形態では、バネの圧縮は、例えばハウジングの外部に構成された、ノブまたはボタンを介して作動させられる。例では、ノブの回転により、バネの張力が調整される。
【0142】
いくつかの実施形態では、複数のバネは、1つのユニットとしてまとめて作動させられ、これにより、全てのバネが一度に圧縮される(または減圧される)。
【0143】
これより
図6b~6dを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、器具を移動するための駆動アセンブリの異なる見え方を示す。
【0144】
いくつかの実施形態では、器具622(例えばガイドワイヤ)を移動させるための駆動ホイール620のアセンブリは、対向するホイールの複数の隣接する対を含む。いくつかの実施形態では、ホイール対は、互いに交差する異なる平面に交互に配列されており、したがって、例えば、第1のホイール対の列が第1の平面624に位置し、第2のホイール対の列が第2の平面626に位置し、両方のホイール対の列が互いに介在し合う。
【0145】
いくつかの実施形態では、隣接するホイール対は、例えば、互いに対して密接に配置される少なくとも2つのホイール対を、例えば、各2つの対の対向するホイール間に画定されたスペースが20mm、10mm、5mm、1mm、0.5mm以下、または中間の距離、より長いもしくは短い距離の軸方向距離であるように含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、平面624と平面626との間の角度は、60度、90度、11度などの30~120度、または中間の角度、より大きいまたはより小さい角度である。特定の例では、平面624と平面626とは垂直である(「+」形状配列を画定する)。
【0147】
いくつかの実施形態では、器具622は、複数の対の対向するホイールの間の小さなスペースによって画定された細長いチャネルに沿って延在している。
【0148】
互いに交差する異なる平面に交互に配列された駆動ホイールのアセンブリのいくつかの潜在的な利点には、器具の周りの容積を有効に利用することが挙げられ得、そのような配列は、任意選択的に、それでいて比較的小さい容積に多数の駆動ホイールを嵌め込むこと、器具の長さに沿った複数のポジションでホイール対を器具に係合させること(任意選択的に、例えば器具の長さに沿って測定した、ホイール対と器具との隣接する接触位置間の距離は、6mm、6mm、5mm未満、またはその中間の距離、より長いもしくはより短い距離である(任意選択的に、この距離は使用される駆動ホイールの直径に左右される))、(各対が異なる平面上にあるため)隣接する対のホイール間の空間的干渉が低減されること、隣接するホイール対の間に位置する器具のセグメントが(例えば、任意選択的で緊急事態または故障時に、器具を装填する、及び/または器具を取り外す、及び/または器具のポジションを手動で調整するために)器具へのアクセスを可能にすること、をもたらす。
【0149】
いくつかの実施形態では、例えば
図6dに示されるように、チャネルの少なくとも一方の側にある一連のホイールのそれぞれは、フレーム628に結合され、これは、バネが緊張させられたとき及び/または解放されたときにフレームに結合されたホイールを前進及び/または後退させるように構成されたバネ630を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、細長ロッド632が、複数のフレームを通過して、これらのフレームに接合する。いくつかの実施形態では、ロッド632はギア634(例えば、ロッドの一端)に動作可能なように取り付けられており、ギア634は、回転すると、ロッドをロールさせ、それによってバネ630の張力を変化させる(圧縮または減圧させる)。いくつかの実施形態では、(2つの列のうちの、それぞれ異なる平面に配列された)2つの細長ロッドが、例えば両方のロッドのギア634に連結されたノブギア636の回転によって同時にロールさせられ、その結果、ノブギア636が回転すると、ギア634も回転し、ロールするロッド632がバネの張力を変化させ、それによって、このバネがホイールをチャネルから後退させ、またはホイールをチャネルに向けて前進させる。ロッドの配列及びそれらの作動ギアの潜在的な利点には、例えば
図6dに示されたように、単一の構成要素を介して、例えばノブギアの回転によって、(チャネルに対して相対的な)両方の列のホイールのポジションを同時に設定することが挙げられ得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、駆動ホイール620の回転はモータ(図示せず)によって作動させられる。任意選択的に、複数のトランスミッションギア(図示せず)が、モータから駆動ホイールへトルクを伝達する。
【0152】
いくつかの実施形態では、各ホイール列(すなわち単一平面に位置するホイール対)は、例えば2~16個のホイールを含み、例えば1~8対として配列される。このような構造体では、(2つの列を含む)完全なアセンブリは、例えば合計4~32個のホイールを含み、例えば2~16対として配列される。
【0153】
いくつかの実施形態では、ホイールの総数は、例えば器具とそれぞれのホイールとの間に十分な数の接触位置を有することにより、十分なトラクションが提供されるように選択される。器具と各ホイールとの複数の接触位置のいくつかの潜在的な利点には、器具の滑りのリスクを低減すること、(各対の対向するホイールの間などの)器具の把持の改善、及び回転中にホイールをガイドワイヤの挟持要素として使用する能力が挙げられ得、各ホイール対によって器具に加えられる個々の挟持力を低減して、器具表面への衝撃を少なくしながらも器具の同じ総把持力を得ることが可能になる。
【0154】
付加的な駆動ホイールアセンブリが本明細書で想定されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、ホイール対は、複数の平面に、例えば3つ以上の平面に位置する場合がある。一例では、ホイール対は、螺旋構成においては長軸の周りに螺旋状に配列される。
【0155】
いくつかの実施形態では、隣接する対の対向するホイール間の複数のスペースによって画定されたチャネルは、直線状のまっすぐなチャネルである。代替として、チャネルは1つ以上の湾曲部を含む。
【0156】
これより
図6e~
図6fを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、器具を直線に移動及び/または回転させるための構造体を示す。
【0157】
図6e~
図6fは、いくつかの実施形態による、器具(例えばガイドワイヤ)を受容するように構成された構造体638の2つの異なる角度からの図である。いくつかの実施形態では、構造体は、例えば本明細書で説明されるようにロボットデバイスの上側部分内に収容されている。
【0158】
いくつかの実施形態では、構造体は、例えば
図6e~
図6gに記載されているような駆動ホイールのアセンブリを含み、これらは、構造体を通過する(駆動輪の間の、構造体の長さに沿った指定されたチャネル内を通過するなど)器具と接触するように配置される。いくつかの実施形態では、駆動ホイールアセンブリは、構造体全体に対して実質的に中心にある。
【0159】
いくつかの実施形態では、構造体は、1つ以上のモータを備えており、例えば駆動ホイールの回転を作動させるように構成されたモータ640を備えている。いくつかの実施形態では、モータ640は、構造体が回転させられるときに、この構造体を単一のユニットとして回転させるように構成されている。任意選択的に、モータ640は構造体に対して軸方向に整列されている。
【0160】
いくつかの実施形態では、別のモータ642が、モータ640及びモータ642自体の回転を含む、構造体全体の回転を作動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、モータ642は、構造体に形成されたスペース内に配置される。いくつかの実施形態では、モータ642は、構造体の縁部によって画定された外周を越えて延在することなく、このスペース内に配置されるように構成されている。
【0161】
いくつかの実施形態では、複数のトランスミッションギア644は、モータ642から、回転させられると構造体全体を回転させる大ギアホイール646へとトルクを伝達する。
【0162】
いくつかの実施形態では、構造体は複数のトランスミッションギア648を有しており、これは、モータ640から、器具を直線移動させる駆動ホイールへトルクを伝達する。任意選択的に、トランスミッションギアは、駆動ホイールに対して半径方向外側に位置している。任意選択的に、各駆動ホイールの回転が1つ以上のトランスミッションギアによって駆動される。いくつかの実施形態では、モータによって指示される回転速度を変更するために、トランスミッションギアの数及び/または形状及び/またはポジション及び/または大きさが選択される。例えば、トランスミッションギアはモータの速度を低下させる。いくつかの実施形態では、全ての駆動ホイールはトランスミッションギアによって同様の速度で駆動される。いくつかの実施形態では、少なくとも2、4、10、14、16、20、または中間の数、より多数もしくはより少数のトランスミッションギアが、駆動ホイールの各対の移動を駆動するように配置され、構成されている。
【0163】
いくつかの実施形態では、構造体はスリップリング650に結合され、これを介して1つ以上のモータに電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、スリップリング650は、構造体の全ての回転配向で電気的接触を確保するように構成されている。いくつかの実施形態では、スリップリング650は、構造体と軸方向で整列している。
【0164】
いくつかの実施形態では、使用時に、構造体内に受容された器具の直線移動(前進及び後退)は、次のようにして実施される。すなわち、モータ640がトランスミッションギア648の回転を駆動し、それが、順次任意選択的に、回転速度を調整し、モータから、器具に密着して保持されている駆動ホイール(図示せず)へトルクを伝達する。いくつかの実施形態では、器具のロール移動は、モータ642によりトランスミッション644を介して動作されるギア646の回転によって実施され、このギア646は、構造体全体を回転させて、駆動ホイールによって保持された器具を、その長軸の周りにロールさせる。
【0165】
さらに観察することができるように、いくつかの実施形態では、任意選択的にデバイスハウジングの外側にあるノブ652は、それぞれが細長ロッド(図示せず)に結合されているギア654の同時回転を駆動する。各ロッドが回転すると、各ロッドは、複数のバネ(図示せず)に加えられている張力を変化させて、対向する駆動ホイールからバネに結合された駆動ホイールのそれぞれを接近させるか、または引き離す。
【0166】
いくつかの実施形態では、構造体638は、その構成要素が制限された半径方向範囲内に維持され、例えば実質的に円筒形の構造体の断面における半径が3.5cm未満であるように、密に配列されている。任意選択的に、構造体の体積は、500cm^3より小さい。
【0167】
いくつかの実施形態では、構造体を形成する構成要素は、同様の長軸の周りに共中心に配列される。いくつかの実施形態では、ギア646及び/またはスリップリング650は、構造体の長軸に対して実質的に垂直な平面に位置するように配列されており、構造体によって画定された外周を越えて、5%超、10%超、15%超、または中間の割合、より大きいもしくはより小さい割合で突出しない。構造体の構成要素の密な共中心配列の潜在的な利点には、(器具のロールを発生させるためなど)単一のユニットとして回転させたときに、構造体の比較的短い回転半径を維持することが挙げられ得る。
【0168】
これより
図6A~6iを参照するが、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、器具を直線移動させるためのアセンブリを示す。
【0169】
いくつかの実施形態では、アセンブリ656は、ガイドワイヤ、マイクロカテーテルまたはガイドカテーテルなどの器具658を直線的に前進させること及び/または後退させることのために構成されている。
【0170】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、対向するホイールの各対が器具を受容するために、そのホイール間に経路を画定するように、任意選択的に2つの平行な並びに配置された複数の駆動ホイール660を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、アセンブリの並びのうちの少なくとも1つの並びのホイールは、バネ662などの弾性要素に結合されており、これは、張力の変化に応じてホイールを、器具658に向けて、または器具658から離すように移動させる。いくつかの実施形態では、各駆動ホイールはバネに結合されている。代替として、ある並びの複数の駆動ホイールと、任意選択的に、ある並びの全ての駆動ホイールとは、(図示されていない接続フレームまたはロッドを介して)同じバネに結合されている。いくつかの実施形態では、バネ662は区画664内部に入れられている。いくつかの実施形態では、バネの張力は、ノブ666の回転によって変更され、このノブは、全ての区画664を横切って軸方向に延びるロッド668を回転させ、回転するとバネを引っ張るか、または圧縮する。
【0172】
いくつかの実施形態では、複数のトランスミッションギア670は、駆動ホイール660と動作可能なように接触して配置されており、モータ(図示せず)からのトルクを伝達するように、及び/またはモータによって指示される作動速度を調整するように構成されている。
【0173】
いくつかの実施形態では、器具が通過するチャネルの入口位置及び/または出口位置にシール672が設けられている。いくつかの実施形態では、シールは、そこを通る器具の前進によって押し開けることができるアパーチャを含む。いくつかの実施形態では、シールは、開口部の周りで器具を気密的に取り囲んでおり、流体(例えば生理食塩水、血液、水)が駆動ホイール間のチャネルへ流入することを防止する。
【0174】
器具の検出及びポジショニングの方法
いくつかの実施形態では、前述のように、駆動アセンブリが細長外科器具の移動を駆動し、この駆動アセンブリは、駆動ホイールなどの複数対の駆動要素を備え、この対のうちの少なくとも1つは、任意選択的に隣接する異なるホイール対が位置する少なくとも1つの他の平面とは異なる平面に位置する。いくつかの実施形態では、ホイール対は、少なくとも第1の平面及び第2の平面に配列されており、第1の平面は第2の平面と交差する。任意選択的に、第1の平面と第2の平面とは、互いに垂直である。任意選択的に、ホイール対は、第1の対のホイールが第1の平面に位置し、第2の対のホイールが第2の平面に位置し、第3の対のホイールが第1の平面に位置し、第4の対のホイールが第2の平面に位置するように介在的に配置される。いくつかの実施形態では、ホイールの各対はそれらの間にスペースを画定し、複数のホイール対は、同様の長軸の周りに配列され、それにより複数のスペースが、細長外科器具(例えばガイドワイヤ)を受容するための細長チャネルを形成する。細長外科器具がチャネル内に受容されると、駆動ホイールが器具の長さに沿った複数の位置で器具に接触するので、駆動ホイールが回転すると、器具は直線的に移動する(例えばチャネルに沿って前進または後退する)。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、器具のマニピュレータとして機能し、器具を移動させる、例えば、器具を前進させる及び/または後退させる、器具をロールさせるように構成されている。
【0175】
いくつかの実施形態では、追加的に、デバイスは、チャネルに沿った器具の基準位置を設定することによって、ロボットデバイスの指定されたチャネル内での器具の直線移動を制御する。いくつかの実施形態では、チャネルに沿って配置された光学センサなどの1つ以上のセンサを使用して、器具ポジションが少なくとも2回監視される。すなわち、器具が、センサによってその存在が検出されるポジションに達したとき(例えば、そのポジションまで前進したとき)に1回、器具が、センサによってその存在をそれ以上検出することができない第2のポジションに移動されるとき(例えば後退または前進するとき)に1回監視される。いくつかの実施形態では、第2のポジションは基準位置として用いられ、例えば、それに従って、器具の追加的な移動、任意選択的に自動化された移動が、較正目的のために基準位置を使用して行われる。いくつかの実施形態では、器具を第1のポジションと第2のポジションとの間で移動させるために必要とされるモータ回転数が、例えばエンコーダを介して計数され、その数は、例えば器具を2つのポジションの間で自動的に後退させるまたは前進させる場合の器具のさらなる制御に使用される。
【0176】
いくつかの実施形態では、前述のように、ガイドワイヤなどの器具の後退及び前進は、単一の処置中に何度でも行われ得るステップである。例えば、造影剤をマイクロカテーテルの内腔を通して注入する場合には、最初にガイドワイヤをマイクロカテーテルの内腔から後退させて、造影剤が通過するための空間を確保し、注入が完了したら処置を続けるためにガイドワイヤをマイクロカテーテルに再導入する場合がある。2つのポジションの間での器具の自動的な後退及び/または前進の潜在的な利点には、例えば、手動の前進/後退と比較して、これらの行動のために必要とされる時間の長さを減じることが挙げられ得る。定められた2つのポジションの間の器具の自動化された移動、または2つのポジションのうちの1つに対する所定の距離に沿った器具の自動化された移動などによって、全処置の時間、特に放射線照射の時間を(撮像が同時に行われることなどに起因して)潜在的に短縮し得る。このようなケースでは、手動での後退及び前進とは対照的に、自動化が、器具を所定のポジションに保持し、及び/または器具をポジション間で正確に移動させる。したがって、自動化を使用することで、極めて迅速に、かつ実質的に、例えば手動で動作させる移動と比較して、望ましくない移動のリスクなしに行うことができる。
【0177】
これより
図7aを参照するが、この図は、いくつかの実施形態による、ロボットデバイスのその指定されたチャネルにおける細長器具の基準ポジションを設定するための方法のフローチャートを示す。
【0178】
いくつかの実施形態では、ロボットデバイスは1つ以上のセンサ、例えば、デバイスに装填された器具の存在及び/または相対ポジションを検出するように構成されたセンサを備える。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、器具が受容されるチャネルに沿って配置されている。任意選択的に、複数のセンサ(例えば、光学センサ)は、チャネルに沿った複数の軸方向ポジション、及び/またはチャネルの複数の周方向ポジションに配置される。いくつかの実施形態では、例えば、容積が大きいチャネルの場合には、チャネルの総容積の異なる部分を覆うために、異なるセンサを設けることができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、器具の存在検知は較正のために実行され、例えばチャネルの長軸に対する器具の基準軸方向ポジションを設定するために実行される。
【0180】
いくつかの実施形態では、702において、細長器具がそのチャネル内に導入され、チャネル内の第1の軸方向ポジションへと(手動及び/または自動で)前進させられる。第1の軸方向ポジションでは、この器具(または器具の遠位端または近位端などの、器具の選択部分)の存在が、チャネルの1つ以上のセンサによって検出される。
【0181】
次いで、ステップ704では、器具は、器具がもはやセンサ(複数可)によって検出されない第2のポジションへ前進または後退させられる。いくつかの実施形態では、器具を第1のポジションから第2のポジションへ移動させるために必要とされるモータ回転数が、例えばモータのエンコーダによって計数される。
【0182】
ステップ706では、第2のポジションが器具の基準位置として設定され、ステップ708では、第2のポジションを基準として用いて、第1のポジションから第2のポジションへ器具を移動させるために必要とされる測定された作動に基づき、例えば計数されたモータ回転数に基づき、チャネル内の器具の直線移動を制御することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、器具の操作中に、器具を第1のポジションから第2のポジションへ移動させるために必要とされる、計数されたモータ回転数を使用して、基準位置からのまたは基準位置への器具の迅速な後退または前進が、計数された回転数を回転させるモータの自動作動によって行われ得る。例えばモータに、計数された回転数を回転させるように命令することによって行われる、器具の自動的な後退及び/または前進の潜在的な利点には、例えば手動で制御される前進または後退と比較して、より速い器具の移動が挙げられ得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、器具の自動前進が第2のポジションから第3のポジションにかけて実行され、第3のポジションが、第1のポジションの近位に位置していて、かつ第2のポジションから遠位に位置している。任意選択的に、器具の遠位端を第3のポジションへ至らせるために、例えば、器具を第1のポジションと第2のポジションとの間で移動させるのに必要とされる回転数の計数から所定の数を減らすことにより、モータに、計数された回転数未満で回転するように命令することによって、器具を自動的に前進させる。第1のポジションと第3のポジションとの間の距離は、例えば、1、2、3、4、6、8、または10cm、または中間の距離、より長いもしくは短い距離であってよい。元の第1のポジションに対して近位である第3のポジションへ器具を戻すことの潜在的な利点は、安全性を考慮することにある。例えば、器具は、第3のポジションまでは比較的高速で自動的に患者内に前進して戻るが、医師は、関心点により近く、より高感度の環境を含み得る第3のポジションを越えて前進する速度及び量を制御する。
【0185】
いくつかの実施形態では、器具の前進及び後退が任意選択のコネクタのポジションで行われる。一請求項では、ガイドワイヤは、マイクロカテーテルの内腔内への流体(例えば、造影剤)の注入を可能にするために後退され、注入に続いて、ガイドワイヤは、マイクロカテーテルの内腔内に再び前進する。そのような例示的な構成では、器具の自動的な後退及び前進により、注入プロセスが加速され、促進され得る。
【0186】
これより
図7bを参照するが、この図は、第1のポジションにある器具710を概略的に示しており、チャネル714の1つ以上のセンサ712によって検出される。
図7cは、第2のポジションにある器具710を概略的に示しており、それでは、1つ以上のセンサ712によってもはや検出されない。
【0187】
量または値に関して本明細書で使用される場合、「約」という用語は、「その±20%以内」を意味する。
【0188】
用語「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」及びそれらの同根語は、「~を含むが、これに限定されない」を意味する。
【0189】
用語「~からなる」語は、「を含み、それに限定される」を意味する。
【0190】
用語「本質的に~から成る(consisting essentially of)」は、組成物、方法または構造物が、追加の成分、ステップ及び/または部分を含み得ることを意味するが、追加の成分、ステップ及び/または部分が、特許請求された組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変えない場合に限る。
【0191】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段に示される場合を除き、複数の指示対象を含む。例えば、用語「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
【0192】
本出願を通して、本発明の実施形態は、範囲形式を参照して提示される場合がある範囲形式での説明は、単に便宜及び簡略のためであり、本発明の範囲に対する変更できない限定として解釈してはならないことを理解されたい。したがって、範囲の記述は、全ての可能な部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると、考えるべきである。例えば、「1~6」といった範囲の記述は、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などといったサブ範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、及び6とが具体的に開示されていると見なされるべきである。これは、範囲の広さに関係なく適用される。
【0193】
本明細書で数値の範囲が示されている場合(例えば、「10-15」、「10~15」、またはこれらの別のこのような範囲表示によって連結された任意の数値の対)は、文脈から明らかに別の指示がない限り、範囲の限界を含む、示された範囲の限界内の任意の数値(分数または整数)を含むことを意味する。第1の表示番号と第2の表示番号との「間の範囲(range/ranging/ranges between)」という句、及び第1の表示番号「から」第2の表示番号「まで(to)」、「まで(up to)」、「まで(until)」または「まで(through)」の「範囲(range/ranging/ranges from)」という句は、本明細書では互換的に使用され、第1の表示番号及び第2の表示番号と、それらの間の分数及び整数の数字の全てを含むことを意味する。
【0194】
別段の指示がない限り、本明細書で使用される数値及びそれに基づく任意の数値範囲は、当業者が理解する妥当な測定精度及び丸め誤差の範囲内での近似値である。
【0195】
明瞭にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特徴を、単一の実施形態において組み合わせて設けてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴は、また、別々に、もしくは任意の適切な副次的な組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において適切なものとしても提供され得る。種々の実施形態の文脈において説明されるある特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作不能である場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と考えてはならない。
【0196】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に含まれるそのような全ての代替形態、修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。
【0197】
出願人(複数可)の意図として、本明細書に言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個別の刊行物のそれぞれ、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが示されているときに、これが具体的及び個別に留意されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることがある。さらに、本願におけるいずれかの参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であるということの承認として解釈するべきではない。セクションの見出しが使用されている場合、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本願のいずれかの優先権書類(複数可)は、本明細書により、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】