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▶ コリア アドバンスド インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロジィの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】超弾性材質の柔軟な成長ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 18/02 20060101AFI20241108BHJP
   B25J 18/06 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B25J18/02
B25J18/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532267
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2022019535
(87)【国際公開番号】W WO2023101520
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/541,729
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514260642
【氏名又は名称】コリア アドバンスド インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロジィ
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, ジ ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ナム ギュン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CU02
3C707CU07
3C707HS21
(57)【要約】
本発明は、空圧により前方に延長可能に形成され、バルジング(bulging)により小さい体積の材料で大きいボディを形成することができる超弾性材質の柔軟な成長ロボットに関し、本発明の柔軟な成長ロボットは、ケースの一側面に一端が固定される外周部と、前記外周部の他端から延長形成されるチップ部を含み、前記外周部、チップ部および内周部によって先端空間が形成されるバインと、前記バインのチップ部と連結され、前記バインの一部を収容して、前記バインの長さを調節するフィーダと、前記バインの成長方向を制御する操向手段とを含み、前記チップ部の直径が前記外周部の直径より小さく形成され、前記チップ部と外周部との間が折り曲げられて前記内周部に加えられるテール張力の影響を低減し、且つバインを超弾性材質で構成することで操向手段により調節される方向に対して形状が固定されて成長することができ、精緻な制御が可能な柔軟な成長ロボットに関する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が開口されたケースと、
前記ケースの一側面に一端が固定される外周部、前記外周部の他端から延長形成されるチップ部および前記外周部とチップ部によって形成される先端空間を含むバインと、
前記バインのチップ部と連結され、前記バインの長さを調節するフィーダと、
前記バインの成長方向を制御する操向手段と、を含み、
前記チップ部の直径は、前記外周部の直径より小さく形成され、
前記チップ部と外周部との間は、折り曲げられて形成されることを特徴とする、柔軟な成長ロボット。
【請求項2】
前記先端空間の圧力を調節する圧力調節器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項3】
前記バインは、超弾性材質で形成されることを特徴とする、請求項2に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項4】
前記バインは、成長時に、先端空間を第1圧力で形成した後、前記第1圧力より低い第2圧力で成長状態を制御することを特徴とする、請求項3に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項5】
前記バインは、前記チップ部と外周部との間にストレッチング領域(Stretching Region)を含み、
前記バインが成長すると、前記ストレッチング領域が減少することを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項6】
前記バインが成長すると、前記チップ部またはストレッチング領域がバルジング(Bulging)して外周部が拡張するか、または、前記バインが成長すると、前記チップ部が配置されたエバーティング領域が減少する、ことを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項7】
前記操向手段は、
前記バインの動きを制限する一つ以上の固定部と、
前記チップ部の内側に形成された先端空間に挿入され、前記バインの端部が挿入される貫通孔が形成されたマウントと、を含み、
前記マウントに前記固定部の一端が連結され、前記固定部の他端が前記バインに接触して固定することを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項8】
前記チップ部と外周部との間に折り曲げられた折り曲げ部が形成され、
前記固定部の他端が、前記外周部または前記折り曲げ部に接触することを特徴とする、請求項7に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項9】
前記固定部は、前記バインの内面および外面のうち少なくともいずれか一つの面以上に接触して前記バインの膨張を制御することを特徴とする、請求項7に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項10】
前記バインの外周面を包むように配置されるカバーをさらに含み、
前記バインが成長すると、折り畳み状態で配置された前記カバーが展開することを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項11】
前記フィーダは、前記外周部の内側に離隔して、前記ケースの開口部分側に向かって前記チップ部の他端から所定の長さで延長形成される内周部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項12】
前記内周部は、端部が開放形成されて、前記先端空間と外部を連通することを特徴とする、請求項11に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項13】
前記バインの内周部によって形成された中心部に沿って延びるケーブルと、前記ケーブルと連結されて外部情報を取得するセンシングモジュールを含むデータ収集ユニットとをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項14】
前記フィーダは、
前記バインの他端に位置し、前記チップ部から延びる延長部が外面に嵌合されて、前記バインの所定の部分を収容するスタッカをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項15】
前記スタッカは、前記延長部を幾重に積層しながら前記バインを収容することを特徴とする、請求項14に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項16】
前記スタッカは、内部が通孔する円筒形状のツールで形成され、
前記スタッカの内部を通過してカメラが配置されることを特徴とする、請求項14に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項17】
前記操向手段は、
前記バインの表面の所定の部分に接着または所定の部分を吸着して前記バインの一部の表面積の成長を制限することで、前記バインの成長方向を制御することを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項18】
前記操向手段は、
前記バインに磁力を作用して、バインの成長方向を制御することを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項19】
前記操向手段は、
前記バインから所定距離離隔して配置される外部磁場発生装置を含むことを特徴とする、請求項18に記載の柔軟な成長ロボット。
【請求項20】
前記操向手段は、
バインの外部に位置する磁性体を含み、
前記バインの表面の所定の部分が前記磁性体と付着されて表面積の成長を制限することで、成長方向が制御されることを特徴とする、請求項1に記載の柔軟な成長ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超弾性材質の柔軟な成長ロボットに関し、より詳細には、空圧により前方に延長可能に形成され、且つバルジング(bulging)により小さい体積の材料で大きいボディを形成することができる超弾性材質の柔軟な成長ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
内部に中空が形成されたパイプまたは崩壊された建物の残骸の山など、人間が特定の目的地点まで到逹することができない状況で、人間の代わりに目的地点まで移動した後、様々な検査、メンテナンス作業または救命活動などを行うために、様々な形態の移動型ロボットが開発されている。従来の移動型ロボットは、無限軌道式クローラを備えた車体にカメラとメンテナンス作業用ツールなどを搭載した形態で形成されるか、長手方向に長く形成されたホースなどにシャクトリムシの動きを適用して進行が可能な形態などで形成される。ここで、無限軌道式クローラタイプのロボットは、平面ではスムーズに移動可能であるが、段が形成されているか、上下方向または傾斜方向への走行が難しい欠点がある。また、シャクトリムシの動きを適用したロボットは、曲部、T字、Y字形分岐部など、様々な屈曲状の経路で進むことが困難であり、活用に制限がある欠点がある。
【0003】
したがって、上述の欠点を補完するために、最近、米国特許出願公開第2021/0354289号明細書などの文献では、先端部が成長する方式のソフトロボット、いわゆるバインロボット(Vine Robot)が公開されている。前記バインロボットは、図1に図示されているように、バイン1、フィーダ2、ケース3および圧力調節器4を含んで構成される。ここで、前記バイン1は、内周部1aと外周部1bを有するが、前記内周部1aと外周部1bとの間の先端空間1cの圧力によって前進するか後退し、別のアクチュエータ手段により方向が旋回するように制御されることができる。
【0004】
前記バインロボットは、従来の技術に比べて、立体的な運用が可能である利点があり、最近、最も脚光を浴びる技術として注目されている。ただし、現在公開されているバインロボットは、内周部1aと外周部1bに対する運用だけで成長可能であるという限界があり、所定以上の長さに成長したバイン1が座屈(buckling)によって後退(Retraction)が生じる問題が引き起こされた。これとともに、バイン1の形状固定(Shape Locking)のために、他の手段を講ずる必要があり、バインロボットの作製が非常に難しくなる問題につながっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の従来技術の問題を解決するために導き出された発明であって、本発明は、外周部に比べて比較的小さい直径を有するチップ部が先端に形成されることで、内周部に加えられるテール張力(Tail Tension)の影響を最小化することができる超弾性材質の柔軟な成長ロボットを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、以下の記載から、当業者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一実施形態による柔軟な成長ロボットは、一部が開口されたケースと、前記ケースの一側面に一端が固定される外周部、前記外周部の他端から延長形成されるチップ部および前記外周部とチップ部によって形成される先端空間を含むバインと、前記バインのチップ部と連結され、前記バインの長さを調節するフィーダと、前記バインの成長方向を制御する操向手段とを含み、前記チップ部の直径は、前記外周部の直径より小さく形成され、前記チップ部と外周部との間は、折り曲げられて形成される。
【0008】
また、前記柔軟な成長ロボットは、前記先端空間の圧力を調節する圧力調節器をさらに含むことができる。
【0009】
また、前記バインは、超弾性材質で形成されることができる。
【0010】
また、前記バインは、成長時に、先端空間を第1圧力で形成した後、前記第1圧力より低い第2圧力で成長状態を制御することができる。
【0011】
また、前記バインは、前記チップ部と外周部との間に折り曲げられたストレッチング領域(Stretching Region)を含み、前記バインが成長すると、前記ストレッチング領域が減少することができる。
【0012】
また、本発明による柔軟な成長ロボットは、前記バインが成長すると、前記チップ部またはストレッチング領域がバルジング(Bulging)して外周部が拡張することができる。
【0013】
また、本発明による柔軟な成長ロボットは、前記バインが成長すると、前記チップ部が配置されたエバーティング領域が減少することができる。
【0014】
また、前記操向手段は、前記バインの特定部分の膨張を制限する一つ以上の固定部を含むことができる。
【0015】
また、前記操向手段は、前記チップ部の内側に形成された先端空間に挿入され、前記バインの端部が挿入される貫通孔が形成されたマウントを含み、前記マウントに固定部の一端が連結され、前記固定部の他端が前記バインに接触して固定することができる。
【0016】
また、前記チップ部と外周部との間に折り曲げられた折り曲げ部が形成され、前記固定部の他端が、前記外周部または前記折り曲げ部に接触することができる。
【0017】
また、前記固定部は、前記バインの内面および外面のうち少なくともいずれか一つの面以上に接触して前記バインの膨張を制御することができる。
【0018】
また、前記バインの外周面を包むように配置されるカバーをさらに含み、前記バインが成長すると、折り畳み状態で配置された前記カバーが展開することができる。
【0019】
また、前記フィーダは、前記外周部の内側に離隔して、前記ケースの開口部分側に向かって前記チップ部の他端から所定の長さで延長形成される内周部を含むことができる。
【0020】
また、前記内周部は、端部が開放形成されて、前記先端空間と外部を連通することができる。
【0021】
また、前記バインの内周部によって形成された中心部に沿って延びるケーブルと、前記ケーブルと連結されて外部情報を取得するセンシングモジュールを含むデータ収集ユニットとをさらに含むことができる。
【0022】
また、前記フィーダは、前記バインの他端に位置し、前記チップ部から延びる延長部が外面に嵌合されて、前記バインの所定の部分を収容するスタッカをさらに含むことができる。
【0023】
また、前記スタッカは、前記延長部を幾重に積層しながら前記バインを収容することができる。
【0024】
また、前記スタッカは、内部が通孔する円筒形状のツールで形成され、前記スタッカの内部を通過してカメラが配置されることができる。
【0025】
また、前記バインの表面の所定の部分に接着または所定の部分を吸着して前記バインの一部の表面積の成長を制限することで、前記バインの成長方向を制御することを特徴とする。
【0026】
また、前記操向手段は、前記バインに磁力を作用して、バインの成長方向を制御することを特徴とする。
【0027】
また、前記操向手段は、前記バインから所定距離離隔して配置される外部磁場発生装置を含むことを特徴とする。
【0028】
また、前記操向手段は、バインの外部に位置する磁性体を含み、前記バインの表面の所定の部分が前記磁性体と付着されて表面積の成長を制限することで、成長方向が制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
上述の構成による本発明による超弾性材質の柔軟な成長ロボットは、バルジングが発生することにより、小さい体積の材料で非常に大きいボディを形成することができる利点がある。これは、成長長さの増加に伴い、固定特性(Locking Characteristic)が付与されて形状固定が可能になる効果につながることができる。
【0030】
なお、本発明による超弾性材質の柔軟な成長ロボットは、テール張力の影響が著しく低減して座屈によって発生する問題を予め防止することができ、作製がより容易に、且つより様々な産業群で活用することができる効果につながることができる。
【0031】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、請求の範囲の記載から、当業者が明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来のバインロボットの構造を図示した図である。
図2】本発明による柔軟な成長ロボットの構造を図示した図である。
図3】本発明によるバインの構造を図示した図である。
図4】本発明によるバインの成長を図示した図である。
図5】本発明によるバインの成長を図示した図である。
図6】本発明による超弾性材質の特性を図示したグラフである。
図7】本発明によるバインの膨張を概略的に図示した図である。
図8】本発明によるバインに加えられる張力を図示した図である。
図9】本発明によるバインの後退(Retraction)を図示した図である。
図10】本発明によるバインの後退(Retraction)を図示した図である。
図11】本発明によるバインの固定特性を図示した図である。
図12】本発明の第1実施形態による剛性調節器タイプの操向手段を図示した図である。
図13】本発明の第2実施形態による腱タイプの操向手段を図示した図である。
図14】本発明の第3実施形態によるマウントタイプの操向手段を図示した図である。
図15】従来技術によるバインの中心部を図示した図である。
図16】本発明によるバインの中心部を図示した図である。
図17】本発明の第4実施形態による展開タイプのカバーを図示した図である。
図18】本発明の第5実施形態によるエバーティング(Everting)タイプのカバーを図示した図である。
図19】本発明の第6実施形態による同伴成長タイプのカバーを図示した図である。
図20】本発明の第7実施形態による所定長さの内周部を含むバインの構造を図示した図である。
図21】本発明の第8実施形態によるスタッカのフィーダを用いたバインの収容方法を図示した図である。
図22】本発明の第8実施形態によるスタッカのフィーダを用いたバインの収容方法を図示した図である。
図23】本発明の第8実施形態によるスタッカのフィーダを用いたバインの収容方法を図示した図である。
図24】本発明の第9実施形態による吸着方法の操向手段を図示した図である。
図25】本発明の第9実施形態による吸着方法の操向手段を図示した図である。
図26】本発明の第10実施形態による磁力法の操向手段を図示した図である。
図27】本発明の第11実施形態による磁気法の操向手段を図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明の様々な実施形態による柔軟な成長ロボットを含む成長型ソフトロボットについて詳細に説明する。以下に紹介する図面は、当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために例として提供される。したがって、本発明は、以下提示される図面に限定されず、他の形態に具体化することもできる。また、明細書の全般にわたり同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
【0034】
このときに使用される技術用語および科学用語において他の定義がなければ、この発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常理解している意味を有し、下記の説明および添付の図面において本発明の要旨を不明瞭にし得る公知の機能および構成に関する説明は省略する。
【0035】
図2図5は、本発明による柔軟な成長ロボットに関し、図2は、柔軟な成長ロボットの構造を示した図を、図3は、バインの構造を示した図を、図4および図5は、バインの成長を示した図をそれぞれ示す。
【0036】
図2を参照すると、本発明による柔軟な成長ロボット10は、ケース100、バイン200、圧力調節器300、フィーダ400および操向手段500を含んで構成されることができる。ここで、前記ケース100は、一部が開口されたハウジング100であり、前記バイン200の一端が前記ハウジング100の一側面に固定される。ここで、前記バイン200が固定される前記ハウジング100の一側面は、開口された部分側であることができ、これにより、前記ケースの内部空間と前記バインの内部空間が連結されることができる。前記バイン200は、一端が前記ケース100に固定され、他端が他側方向に成長することができる。また、前記バイン200は、長さの一部が前記フィーダ400と連結されることができる。ここで、前記フィーダ400は、図示されているように、巻き取られたフィーディングドラム形態であるか、折り畳み式、円筒状のツールなどの他の形態で構成されてもよく、前記フィーダ400は、前記バイン200の長さを増加させるか減少させる様々な装置形態で構成されることができる。前記フィーダ400の形状特徴に応じて、前記ケース100の内部および外部に選択されて配置されることができ、前記ケース100の内部に位置する場合、前記ピーター400の一端が前記ケース100の内部の前記ピーター400と連結されるように延びる形態であることができる。また、前記圧力調節器300は、コンプレッシャなどの手段で構成されることができ、前記圧力調節器300を介して圧力が高くなると、前記バイン200が成長し、前記圧力調節器300を介して圧力が減少すると、前記バイン200が後退することができる。以下、後述する内容では、図示されているケース100、圧力調節器300、フィーダ400および操向手段500を参照して、前記バイン200についてより詳細に説明する。
【0037】
図3を参照すると、前記バイン200は、前記ケース100の一側面に一端が固定される外周部210と、前記外周部210の他端から延長形成されるチップ部230とを含み、前記外周部210、およびチップ部230により形成された先端空間240をさらに含むことができる。また、前記外周部210とチップ部230とが互いに異なる直径で形成されることから、前記バイン200は、前記外周部210とチップ部230とを連結する折り曲げ部250をさらに含むことができる。また、前記バイン200は、前記外周部210の内側に離隔して、前記ケース100側である一方向に延びる内周部220をさらに含むことができる。前記内周部220は、前記外周部210の内側に配置され、前記チップ部230から前記ケース100の開口部分側に向かって延長形成されることができる。前記内周部220は、必要に応じて、長さが選択されて形成されることができ、前記ケース100の内部に前記フィーダ400が配置されると、前記内周部220は、前記ケース100の内部まで長さが延びて、前記フィーダ400と連結されることができる。また、前記内周部220は、所定の長さで形成されることができ、前記内周部220の他末端が開放形成されて、前記先端空間240と外部を連通することができる。これについて、他の実施形態として以下でより詳細に説明する。
【0038】
前記バイン200は、超弾性材質で形成されることもできる。これにより、前記バイン200の外周部210はバルジング領域(Bulging Region)に、前記折り曲げ部250はストレッチング領域(Streching Region)に、前記チップ部230はエバーティング領域(Everting Region)にそれぞれ構成されることもできる。ここで、前記エバーティングは、前記先端空間240の圧力によって誘導される力により前記チップ部230で本体を裏返しにする動作であり、前記バルジングは、超弾性材質が前記先端空間240の圧力により膨張する動作である。前記バイン200が成長する方向に制御される場合には、前記ストレッチング領域またはエバーティング領域が減少して前記バルジング領域が拡大することができる。ここで、前記チップ部230のエバーティングと前記外周部210および折り曲げ部250の膨張伝播(Bulging propagation)は、互いに独立して行われることが可能であり、前記バイン200が成長する場合には、前記エバーティングおよびバルジングの両方を使用することができる。また、前記バイン200は、エバーティングが先に発生した後にバルジングされるか、エバーティングおよびバルジングが同時に発生するように構成されてもよい。
【0039】
図4のエバーティング動作と、図5の膨張伝播動作をそれぞれ参照すると、前記バイン200は、前記外周部210が第1直径Dを有し、前記チップ部230が第2直径Dを有することができる。ここで、前記第1直径Dは、前記第2直径dより大きく形成されることができる。また、前記バイン200の厚さは、先端空間240に比べて非常に小さいことから、前記第1直径Dおよび第2直径dは、それぞれ、前記外周部210およびチップ部230の内径または外径のいずれか一つであることができ、内径で互いに比較することがより好ましい。気体が注入されるにつれて前記先端空間240に加えられる圧力が高くなると、エバーティング動作になる基準圧力であるエバーティング圧力(Everting Pressure、PE)および膨張伝播が発生する基準圧力である膨張伝播圧力(Bulging Propagation Pressure、PBP)に逹することができる。ここで、前記エバーティング圧力PEが膨張伝播圧力PBPの開始圧力(Initiation Pressure)より低いか、互いに同様に構成されてもよい。ここで、バイン200は、上述のように、超弾性材質で形成されることから、開始圧力の後には、より低い圧力で成長することができる。ここで、前記開始圧力は第1圧力P1に、成長時に加えられる圧力は第2圧力P2にそれぞれ定義する。
【0040】
図6図11は、本発明による柔軟な成長ロボットに関し、図6は、超弾性材質の特性を図示したグラフを、図7は、バインの膨張を概略的に図示した図を、図8は、バインに加えられる張力を図示した図を、図9および図10は、バインの後退を図示した図を、図11は、バインの固定特性を図示した図面をそれぞれ示す。
【0041】
図6および図7を参照すると、前記バイン200は、圧力-体積グラフのカーブが「S」字形状である超弾性材質で形成されることができる。これにより、前記バイン200は、開始圧力である第1圧力P1に逹すると、体積(Volume)が急激に膨張し、且つ前記第1圧力P1より低い圧力でも第1体積V1以上に体積を制御することができる。ここで、前記バイン200の成長体積を制御する第2圧力P2は、グラフ上で第2体積V2より大きい体積で形成されてバルジングが維持される最低圧力である第3圧力P3より高いことができる。ここで、前記第1圧力P1および第3圧力P3は、それぞれ、前記バイン200の急速成長(Sudden Expansion)または急速収縮(Sudden Contraction)を発生させる圧力であることができる。このように、本発明は、開始圧力(Initiation Pressure)である第1圧力P1の後に、膨張圧力(Propagation Pressure)である第2圧力P2を維持することによって成長する状態を定義し、前記バイン200の成長時間や形態などを制御することができる。
【0042】
図8を参照すると、前記バイン200は、超弾性材質による特性により前記内周部220に加えられるテール張力(Tail Tension、Ttail)を下げることで、ロボットに加えられる有害な影響を解消できる利点がある。より詳細には、折り曲げ部250で形成される弾性力が、内部圧力による軸力をほとんど相殺することにより、結果として、チップ部230で発生した軸力だけがテール張力に影響を及ぼすため、前記テール張力は、下記の式によってさらに大きい直径の外周部を有するにもかかわらず、既存のロボットよりも低くなる利点につながることができる。
【0043】
【数1】
【0044】
ここで、Pは、先端空間の圧力、dは、チップ部の直径、Dは、外周部の直径を意味する。
【0045】
一般的な成長ロボットは、多くの曲線を介して成長することから、成長曲線の角度が累積し、キャプスタン公式によってテールと本体との摩擦力が増加する。これにより、結局、ロボットは、臨界累積角度からそれ以上成長することができない問題がある。しかし、本発明による柔軟な成長ロボットは、上記の式のように、テール張力がチップ部230によって決定されることからテール張力が小さいため、ロボットは、高い臨界積算角を有することができ、前回成長した本体の曲率に関係なく成長しつづけることができる利点がある。このように、本発明による柔軟な成長ロボットは、材料の弾性力が内部圧力と平衡を維持することから非常に小量のテール張力だけ発生することにより、テール張力によって発生する不要な曲げモーメントを低減することができる。さらには、ロボットが曲率を有する時に、テール張力によって発生する摩擦力を減少させ、さらに高い曲率で長く成長することができる利点がある。
【0046】
図9および図10を参照すると、前記バイン200を後退させるためには、前記チップ部230に相当な大きさのテール張力を加えなければならない。しかし、チップ部230にハードウェアがないと、前記内周部220を介して加えられるテール張力が前記チップ部230に力が伝達される過程で、本体の全体にわたり影響を及ぼすようになる。また、座屈なしに後退するためには、チップ部に近い部分以外には前記バイン200の剛性を維持しなければならない。そのため、従来、剛性を部分的に変化させるために、別のメカニズムを必要としていた。本発明による前記バイン200は、上述のように、超弾性材質で形成されることにより、上記の問題を一度に解決することができる利点がある。先ず、本発明は、ロボット内部の先端空間240から空気を抜き出して、ロボット全体の圧力を徐々に解除することができる。これは、チップ部230において膨張収縮の臨界圧力につながる。また、収縮したチップ部230は、小さい直径によって大きい復元力が発生しないのに対し、外周部210は、内周部220が引っ張られる間に座屈を防止するために、直径と剛性が維持されることができる。これは、座屈の発生を防止できる利点につながることができる。
【0047】
柔軟な成長ロボットのペイロード(Payload)は、重い物体を持ち上げるか、独自の本体あるいはチップマウントを支持する上で非常に重要である。そして、これは、一般的に、曲げ剛性(Bending Stiffness)によって制限される。図11に図示されているように、超弾性材質のヒステリシス特性により、バイン200は、形状固定特性を有することができる。モーメントを受けた状態でバルジングして曲線に成長するバイン200は、互いに異なる部分で異なる歪み率を有するが、この際、曲線の内側の歪み率より曲線の外側の歪み率が大きくなる。その後、モーメントを除去すると、前記バイン200のヒステリシスの影響によってそれぞれ既存のローディング(loading)経路と異なるアンローディング(unloading)経路に沿って平衡応力に到達する。すなわち、各歪み率は、それぞれ異なる位置で耐圧による応力と平衡になることから、前記バイン200は、曲率を有する状態でも外力なしに平衡をなすことができる。これにより、前記バインが超弾性材質の形状固定特性は、圧力を維持した状態で外力なしに歪んだ形状を維持することができ、成長した形状が固定されるという利点につながる。これは、加えられたモーメントが除去されても、形態を維持することにより、様々な曲率で成長することができる利点につながることができる。
【0048】
図12図14は、本発明による様々な実施形態による操向手段を図示した図であり、図12は、本発明の第1実施形態による剛性調節器タイプの操向手段を図示した図を、図13は、本発明の第2実施形態による腱タイプの操向手段を図示した図を、図14は、本発明の第3実施形態によるマウントタイプの操向手段を図示した図面をそれぞれ示す。本発明による柔軟な成長ロボットは、前記バイン200の方向を制御する様々な形態の操向手段500をさらに含むことができ、以下、後述する内容では、様々な形態の操向手段500を挙げて説明する。
【0049】
図12を参照すると、前記外周部210は、周方向に沿って第1外周部211および第2外周部212を含む複数個に分割されることができ、それぞれが、外壁と内壁、そして外壁と内壁との間に形成された中空部を含むことができる。ここで、前記第1外周部211は、第1外壁211a、第1内壁211bおよびその間に形成された第1中空部211cを含み、前記第2外周部212は、前記第2外壁212a、第2内壁212bおよびその間に形成された第2中空部212cを含むことができる。なお、前記操向手段500は、前記第1中空部211cおよび第2中空部212cを含む複数の中空部を互いに異なる圧力で調節する剛性調節器510を含むことができ、前記剛性調節器510は、各外周部210の剛性を調節するために提供されることができる。ここで、前記バイン200の先端空間240に気体が注入される場合に、複数の前記外周部210のうち比較的低い圧力で中空部が形成された外周部210に向かうように、方向が制御されることができる。また、前記第1中空部211cおよび第2中空部212cを含む複数の中空部は、互いの圧力差により成長角度も制御されることができる。
【0050】
図13を参照すると、前記操向手段500は、前記バイン200の外周部210に挿入される複数の腱520(Tendon)を含むことができる。ここで、複数の前記腱520は、前記外周部210の周方向に互いに離隔して配置されることができ、前記腱520がともに成長するようにするか、クランプ(Clamp)するか、後退させることで、前記バイン200の成長方向を調節することができる。すなわち、前記バイン200が成長する時に、複数の前記腱520の一部がクランプするか、後退すると、当該方向にバイン200の先端が歪むように調節することができる。
【0051】
図14を参照すると、前記操向手段500は、前記バイン200の先端空間240に配置されるマウント530を含むことができ、前記マウント530には、前記バイン200の内周部220が挿入される貫通孔531が形成されることができる。そして、前記マウント530には、固定部532の一端が連結されることができ、前記固定部532の他端が、前記バイン200のチップ部230、折り曲げ部250、外周部210のいずれか一つの内側面に接触することができ、より好ましくは、前記固定部532の他端が、ストレッチング領域である前記折り曲げ部250の内側面に接触して当該部分の成長を制限し、前記バイン200の方向が旋回するように制御することができる。前記固定部532は、前記マウント530とは別に使用されることもでき、マウント530にテーピング(Taping)されてもよい部材などで形成されて、前記バイン200の一側方向への成長を制限するように取り外しすることもできる。ここで、本発明の柔軟な成長ロボットは、前記固定部532を介して方向が旋回した後、固定部532が分離されても、超弾性材質の特性により形状固定(Shape Locking)可能である利点につながることができる。
【0052】
図15および図16は、それぞれ、従来技術および本発明によるバインの中心部を図示した概略図である。
【0053】
図15および図16を参照すると、本発明による柔軟な成長ロボット10のバイン200は、内周部220が超弾性材質の弾性力を有する特性により、円筒状の中心部221を有することができることを特徴とする。これは、従来の成長ロボット20のバイン21が、内周部22の形状が中心部23と先端空間24のそれぞれの圧力PIとPOが互いに同一でなければならないことによる歪んだ中心部23を有することに比べて、内部チャンネルをよりスムーズに確保できる利点につながることができる。これにより、本発明による柔軟な成長ロボット10は、ケーブル610とセンシングモジュール620で構成されたデータ収集ユニット600の配置や制御がよりスムーズに行われる利点につながることができる。ここで、前記センシングモジュール620は、前記ケーブル610と連結されて外部情報を取得するように構成されることができる。
【0054】
図17図19は、本発明による様々な実施形態によるカバーを図示した図であり、図17は、本発明の第4実施形態による展開タイプのカバーを図示した図を、図18は、本発明の第5実施形態によるエバーティングタイプのカバーを図示した図を、図19は、本発明の第6実施形態による同伴成長タイプのカバーを図示した図面をそれぞれ示す。本発明による柔軟な成長ロボットは、超弾性材質で構成された前記バイン200を含むことにより、周方向への応力による破裂(Burst)現象が発生し得る。そのため、本発明による柔軟な成長ロボットは、破裂現象を防止するために、様々な形態のカバー700をさらに含むことができ、以下、後述する内容では、様々な形態のカバー700を例に挙げて説明する。
【0055】
図17を参照すると、本発明によるカバー700は、折り畳み状態でスタックされ、前記バイン200の外周部210、チップ部230および折り曲げ部250を包むように形成されたカバー本体710を含むことができる。ここで、前記バイン200が成長すると、前記スタックされたカバー本体710が展開し、且つ所定の内径を有するように維持されて成長したバイン200を包み続けるように延びることができる。
【0056】
図18を参照すると、本発明によるカバー700は、内側に折り畳んだ状態でスタックされ、前記バイン200の外周部210、チップ部230および折り曲げ部250を包むように形成されたカバー本体710を含むことができる。また、前記バイン200が成長すると、前記スタックされたカバー本体710がエバーティング(Everting)されるように展開して成長したバイン200を包み続けるように構成されることができる。
【0057】
図19を参照すると、本発明のよるカバー710は、前記バイン200の外周部210、チップ部230および折り曲げ部250を包むように形成されたカバー本体710と、前記バイン200の内周部220が形成した中心部221に配置された挿入部720とを含むことができる。これにより、前記バイン200の内周部220がエバーティングされると、前記挿入部720もともにエバーティングされることにより、成長したバイン200を包み続けるように構成されることができる。
【0058】
さらに、本発明の第7実施形態による本発明のフィーダ400は、バインのチップ部230と連結されて前記バイン200の一部を収容し、前記バイン200の長さを調節するものであり、前記フィーダ400は、前記バイン200の端部材料を収容するようにして、前記バイン200の成長に伴い使用される前記バイン200の端部を調節できる装置であることを特徴とする。前記フィーダ400は、前記バイン200の端部を収容できるものであれば、形態、材料、方法などの制限なく構成されることができる。図20を参照すると、他の実施形態として、本発明のフィーダ400は、外周部210の内側に離隔して、ケースの開口部分側に向かってチップ部230の他端から所定の長さLで延長形成される内周部220であることがある。より詳細に説明すると、前記フィーダ400は、前記外周部210から内側に形成され、前記チップ部230から延長形成され、この際、前記ケース側方向に所定の長さを有して形成される前記内周部220であることを特徴とする。ここで、前記内周部220は、端部が開放形成されたことを特徴とし、端部に形成された開放部分を介して前記バイン200内部の先端空間と前記バイン200外部の空間が連通することを特徴とする。すなわち、図2は、前記フィーダ400がケースの内側に配置されているから、前記内周部220が前記ケースの内側まで延びる長さで形成されるのに対し、図20は、前記フィーダ400が前記内周部220自体であり、ここで、前記内周部220は、所定の長さで形成されて前記内周部220の端部が前記外周部210の他側部分に位置し、前記内周部220は、前記ケースの外部に配置される。これにより、前記圧力調節器300により前記バイン200が他側に成長する時に、先端空間240の圧力によって前記内周部220が前記外周部210から外皮に本体を裏返しにして膨張することで前記バイン200が成長することができる。前記フィーダ400が前記内周部220で構成されることにより、本発明の別の他の構成なしに、バイン200の材料として構成されることができ、簡単な装置で構成されることができる利点がある。ここで、前記内周部220によって形成された中心部221に沿って延びるケーブル610と、前記ケーブルと連結されて外部情報を取得するセンシングモジュール620を含むデータ収集ユニット600を備えることができる。
【0059】
また、図21図23を参照すると、本発明の第8実施形態によるフィーダ400は、前記バイン200の他端に位置し、前記チップ部230から延びる延長部260が外面に嵌合されることで前記バイン200を収容するスタッカ410で構成されることができる。本発明のバイン200は、超弾性材質で形成されることから、材質の特性を用いて非常に小さい体積で収容されることができる。前記スタッカ410は、前記スタッカ410の外面に前記バイン200の材料を収容するように構成される装置であることで、前記スタッカ410は、所定の長さを有して形成されることが好ましく、前記スタッカ410に収容される前記延長部260の長さは、前記スタッカ410の長さよりも長く、前記延長部260が前記スタッカ410に折り畳まれて収容されることができる。前記スタッカ410は、前記チップ部230から延長形成される前記バイン200の一部である前記延長部260に対して収容可能な形態であれば、制限なく構成されることができ、内部が通孔して形成されると、通孔した部分を介して複数のセンサが通過することができる。ここで、前記スタッカ410は、内部が通孔する円筒形状のツールで形成されることができ、前記ロボットが備えられなければならないカメラ800や、位置感知センサなどの付属品が、前記スタッカ410の内部通孔を通過して前記ロボットに容易に取り付けられることができる。したがって、本発明は、前記スタッカ410で構成されることによって、有線カメラ800およびセンサなどの装置が容易に取り付けられることができ、バイン200自体が内部チャンネルとなり、バルジングの前の直径よりも広い直径で内部チャンネルを形成することができるという利点がある。
【0060】
図21図23は、前記スタッカ410が前記延長部260を収容する方法に関する図であり、図21および22を参照すると、前記延長部260が前記スタッカ410の外面で、前記スタッカ410の長手方向と垂直な方向に幾重にも層に積層されて収容されることができる。これにより、図22に図示されているように、前記先端空間240が膨張することによって積層された前記延長部260が一層ずつ解除されて成長することで前記バイン200の長さが調節されることができる。また、図23を参照すると、前記延長部260が前記スタッカ410の外面に単純に嵌合され収容されることができる。ここで、図23の(a)に図示されているように、前記スタッカ410は、前記外周面の外側に位置し、前記延長部260の端部が前記スタッカ410の他端に位置するように嵌合されることができ、また、図23の(b)に図示されているように、前記スタッカ410が前記外周面の内側に位置し、前記延長部260の端部が前記スタッカ410の一端に位置するように嵌合されることができる。
【0061】
図24および図25は、実施形態9による吸着方法の操向手段を図示した図を示し、実施形態9によって、本発明の操向手段は、バイン200の表面のある一部分を接着または吸着することで成長を制限し、方向を制御する操向手段540であることができる。前記操向手段540は、前記チップ部230の表面を吸着するものであり、前記操向手段540は、前記チップ部230の外面および内面のうち少なくともいずれか一つの面以上に付着されることができ、前記チップ部230の周縁のうち所定の面積を吸着することができる装置であれば、制限なく構成されることができる。一例として、前記操向手段540は、負圧や、電気接着(electroadhesion)およびテープなどの接着方法(Adbesion Method)の装置であることができ、またはゲッコーテープや外周面の内部で風船膨らましなどの摩擦変調方法(Friction Modulation Method)の装置であることができる。図24を参照すると、本発明の操向手段540が前記バイン200の外面に付着され、複数の翼を有する形態で、前記バイン200の端部で全体を包むように形成される吸着手段で形成され、操向しようとする方向側に配置された翼で吸着を発生させることで、前記バイン200が当該方向に成長が制限されて成長方向が変更されながら走行することができる。また、図25を参照すると、操向手段540は、前記バイン200の内面に付着され、摩擦変調方法の手段で形成され、操向しようとする方向の部分に摩擦変調を発生させることで、前記バイン200が当該方向への成長が制限されて方向が転換されることができる。
【0062】
図26は、実施形態5による磁力法の操向手段を図示した図を示し、実施形態10によって、本発明の操向手段550は、バイン200に磁力を作用して成長方向を制御することを特徴とする。実施形態10は、前記バイン200が成長する部分が磁力によって操向されるにつれて当該方向に成長方向が移動することによって操向されることを特徴とする。図26を参照すると、前記操向手段は、前記バイン200から所定距離離隔して配置される外部磁場発生装置550であることができる。前記外部磁場発生装置550は、ロボット10から独立して備えられる完全外部磁石であり、外部の空間で移動自在であることを特徴とする。ここで、前記バイン200の内部には、前記外部磁場発生装置550の磁力を感知する磁性体などの磁場感知手段をさらに含んでいることが好ましい。したがって、前記外部磁場発生装置550が磁場を発生しながら移動することに伴い、前記バイン200の内部に備えられる磁場感知手段が、前記外部磁場発生装置550が移動する方向に沿って移動することができ、これにより、前記バイン200の成長方向が制御されることを特徴とする。ここで、前記磁場感知手段は、磁性体材質で形成されるスタッカ410であることができ、前記スタッカ410が、前記外部磁場発生装置550が発生させる磁場の移動方向に沿って移動することで前記バイン200の成長方向が制御されることができることを特徴とする。
【0063】
また、図27は、実施形態11による磁気法の操向手段を図示した図を示し、実施形態11によって、本発明の操向手段560は、バイン200の外部に位置する磁性体561を含み、前記バイン200の表面の所定の部分が前記磁性体561と付着されて表面積の成長を制限することで成長方向が制御されることを特徴とする。ここで、前記バイン200の内部には、前記磁性体561と引力反応する磁性手段が備えられることができる。前記磁性体561は、前記バイン200の周縁に沿って自由に動くことができ、前記バイン200の表面積に付着された状態で外表面を移動することができる。ここで、バイン200の内側に備えられる前記磁性手段も前記バインの内部で移動自在であるように形成されることができる。前記磁性体561は、前記バイン200の一部面積が成長制限されるように、前記バイン200の表面積よりも小さい所定の大きさに形成されることが好ましい。一例として、前記磁性体560や前記磁性手段のいずれか一つ以上が永久磁石であることができ、これにより、前記バイン200がある一方向に成長する時に、二つのうちいずれか一つがバイン200の端部の周縁に沿って速く旋回しながら移動することができ、ある一部分で停止することによって、前記磁性体561が前記バイン200のある位置に付着されて当該部分の成長を制限し、前記バイン200の成長方向を制御することができる。また、前記操向手段560は、必要な瞬間に、外部から信号の提供を受けて磁力が提供される装置としても形成されることができる。
【0064】
本発明は、操向装置で構成されることにより、直線および曲線走行が可能であり、方向の転換をスムーズ且つ自由に実現することができ、超弾性材質の材料自体の形状固定特性により、ロボットが成長した部分の形状を維持することが容易になるという効果がある。
【0065】
以上、本発明では、具体的な構成要素などの特定の事項と限定された実施形態について図面により説明しているが、これは、本発明のより全般的な理解を容易にするために提供されたものであって、本発明は、上述のそれぞれの実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、上記の記載から様々な修正および変形が可能であり、様々な実施形態を混用するか各実施形態の一部構成を混合することもできる。
【0066】
したがって、本発明の思想は、上述の実施形態に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、本特許請求の範囲と均等もしくは等価的な変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属すると言える。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、成長型ロボットに関するものであり、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0068】
10 柔軟な成長ロボット
20 従来の成長ロボット
100 ケース
200 バイン
210 外周部
211 第1外周部
211a 第1外壁
211b 第1内壁
211c 第1中空部
212 第2外周部
212a 第2外壁
212b 第2内壁
212c 第2中空部
220 内周部
221 中心部
230 チップ部
240 先端空間
250 折り曲げ部
260 延長部
300 圧力調節器
400 フィーダ
410 スタッカ
500、540、550、560 操向手段
510 剛性調節器
511 第1剛性調節器
512 第2剛性調節器
520 腱
530 マウント
531 貫通孔
532 固定部
600 データ収集ユニット
610 ケーブル
620 センシングモジュール
700 カバー
710 カバー本体
720 挿入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23(a)】
図23(b)】
図24
図25
図26
図27
【国際調査報告】