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特表2024-542656イソシアネート組成物およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】イソシアネート組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 265/14 20060101AFI20241108BHJP
   C08G 18/71 20060101ALI20241108BHJP
   C07C 263/18 20060101ALI20241108BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
C07C265/14
C08G18/71 050
C07C263/18
G02B1/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532301
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2022019182
(87)【国際公開番号】W WO2023101404
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0169322
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501014658
【氏名又は名称】ハンワ ソリューションズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HANWHA SOLUTIONS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジ・ウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ユジン・シム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン・パク
【テーマコード(参考)】
4H006
4J034
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB46
4H006AD40
4J034CA32
4J034CB03
4J034CB04
4J034CB05
4J034CB07
4J034CC03
4J034CC09
4J034CC10
4J034CD06
4J034CD08
4J034HA01
4J034HA04
4J034HA07
4J034HB03
4J034HB11
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC22
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034JA01
4J034JA32
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD25
4J034KE02
4J034QA03
4J034QB08
4J034QB13
4J034QD03
4J034RA13
(57)【要約】
本発明は、変色および白濁の発生が抑制され、製品への適用時に透明性を向上させることができるイソシアネート組成物およびその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート化合物のモノマー、ダイマー、トリマーおよび繰り返し単位が4~200のオリゴマーからなる群より選択される1つ以上の化合物を含むイソシアネート系混合物;フェノール;およびパラトルエンスルホニルイソシアネート;を含み、
下記の数式1を満足する、イソシアネート組成物:
0<A/50+B/3<1 ・・・ 数式1
Aは、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)であり、
Bは、イソシアネート系混合物の総重量に対するオリゴマー含有量の数値である。
【請求項2】
前記Aは、0以上50未満であり、
前記Bは、0超過1.6未満である、
請求項1に記載のイソシアネート組成物。
【請求項3】
前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、イソシアネート化合物とは異なる、
請求項1に記載のイソシアネート組成物。
【請求項4】
前記フェノールは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、50~1,500ppm含まれ、
前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、10~3,000ppm含まれる、
請求項1に記載のイソシアネート組成物。
【請求項5】
前記オリゴマーは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、1.6重量%未満で含まれる、
請求項1に記載のイソシアネート組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート化合物は、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロへキシレンジイソシアネート、1,4-シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネートおよびo-キシリレンジイソシアネートからなる群より選択される1種以上である、
請求項1に記載のイソシアネート組成物。
【請求項7】
溶媒中にアミン化合物をホスゲンと反応させてイソシアネート系混合物を得る段階;および
前記混合物にフェノールおよびパラトルエンスルホニルイソシアネートを添加する段階;を含み、
前記混合物は、イソシアネート化合物のモノマー、ダイマー、トリマーおよび繰り返し単位が4~200のオリゴマーからなる群より選択される1つ以上の化合物を含み、
下記の数式1を満足する、イソシアネート組成物の製造方法:
0<A/50+B/3<1 ・・・ 数式1
Aは、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)であり、
Bは、イソシアネート系混合物の総重量に対するオリゴマー含有量の数値である。
【請求項8】
前記Aは、0以上50未満であり、
前記Bは、0超過1.6未満である、
請求項7に記載のイソシアネート組成物の製造方法。
【請求項9】
前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、イソシアネート化合物とは異なる、
請求項7に記載のイソシアネート組成物の製造方法。
【請求項10】
前記フェノールは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、50~1,500ppm含まれ、
前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、10~3,000ppm含まれる、
請求項7に記載のイソシアネート組成物の製造方法。
【請求項11】
前記オリゴマーは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、1.6重量%未満で含まれる、
請求項7に記載のイソシアネート組成物の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載のイソシアネート組成物と多価チオールとの重合反応によって形成されたポリイソシアネートを含む、ポリイソシアネート組成物。
【請求項13】
請求項12に記載のポリイソシアネート組成物を含む、光学物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月30日付の韓国特許出願第10-2021-0169322号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、変色および白濁の発生が抑制され、製品への適用時に透明性を向上させることができるイソシアネート組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イソシアネートはポリウレタンの原料であって、コーティング、粘・接着剤、塗料、フォーム、および光学材料などに多様に用いられ、優れた外観特性が要求される分野、特に透明性が要求される光学分野に使用されるポリウレタンの場合、変色が少ないことが要求される。このためには、ポリウレタン化反応で変色しないだけでなく、原料であるイソシアネート、特に二官能性以上の多価イソシアネート自体も変色が発生しないことが重要である。
【0003】
しかし、イソシアネートは反応性が高いため、保存過程で空気中の酸素などによって酸化したり、自己重合体を形成して変質または変色したりしやすく、これを適用したウレタンレンズなどの光学製品でも変色または白濁が発生する。また、ジイソシアネートの重合によるポリイソシアネート、具体的には、ジイソシアネートと多価アルコールとのウレタン化反応によるポリウレタンの製造時にも、重合反応に使用される触媒または溶媒によって重合体が変色しやすい。
【0004】
これについて、イソシアネート、ポリイソシアネートおよびこれを用いて製造した製品での変色を抑制する方法として、窒素ガスでシール(seal)することで空気と遮断して製造し保管する方法や、紫外線吸収剤などの添加剤を投入して保管する方法などの多様な方法が研究、提案された。
【0005】
日本国特開平2-228317号には、淡色のポリウレタンラッカー用ポリイソシアネートの製造時、イソシアネートを変性させた後、過酸化物で処理する方法が開示されており、日本国特開平8-291129号には、変色しているイソシアネートをオゾン含有ガスと接触させて、変色が低減されたイソシアネートを製造する方法が開示されている。また、日本国特表2012-506465号には、変色しているイソシアネートに200~600nmの波長の光を照射することによって、変色が低減されたイソシアネートを製造する方法が開示されている。
【0006】
しかし、前記の方法では十分に低減された変色効果を実現できなかった。
さらに他の方法として、重合反応に関与しない化合物をイソシアネートと混合して保管する方法が提案されたが、添加した化合物が後の製品製造時に変色の原因になる問題があった。
【0007】
そこで、イソシアネートの合成工程、保存工程および一歩進んで製品加工工程時にも変色や変性への恐れがない、ポリイソシアネート組成物に関する研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、変色および白濁の発生が抑制され、製品への適用時に透明性を向上させることができるイソシアネート組成物およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、イソシアネート化合物のモノマー、ダイマー、トリマーおよび繰り返し単位が4~200のオリゴマーからなる群より選択される1つ以上の化合物を含むイソシアネート系混合物;フェノール;およびパラトルエンスルホニルイソシアネート;を含み、
下記の数式1を満足する、イソシアネート組成物を提供する:
0<A/50+B/3<1 ・・・ 数式1
【0010】
Aは、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)であり、
Bは、イソシアネート系混合物の総重量に対するオリゴマー含有量の数値である。
本発明の他の実施形態によれば、溶媒中にアミン化合物をホスゲンと反応させてイソシアネート系混合物を得る段階;および
前記混合物にフェノールおよびパラトルエンスルホニルイソシアネートを添加する段階;を含み、
前記混合物は、イソシアネート化合物のモノマー、ダイマー、トリマーおよび繰り返し単位が4~200のオリゴマーからなる群より選択される1つ以上の化合物を含み、
下記の数式1を満足する、イソシアネート組成物の製造方法を提供する:
【0011】
0<A/50+B/3<1 ・・・ 数式1
Aは、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)であり、
Bは、イソシアネート系混合物の総重量に対するオリゴマー含有量の数値である。
また、本発明の一実施形態によれば、前述したイソシアネート組成物と多価アルコールとの重合反応によって形成されたポリイソシアネートを含む、ポリイソシアネート組成物が提供される。
【0012】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前述したポリイソシアネート組成物を含む、光学物品が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるイソシアネート組成物は、組成物中にオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を考慮した新規のパラメータを制御することによって、イソシアネート組成物の合成工程、保存工程および一歩進んで製品加工工程で変色および白濁の発生を抑制させて製品の透明性を向上させることができる。
【0014】
これによって、本発明によるイソシアネート組成物が重合されたポリイソシアネート組成物は、光学物品への適用時に優れた透明性を示し、特に、光学レンズへの適用時に優れた品質を示すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で使用される用語は単に例示的な実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0016】
本発明は多様な変更が加えられて様々な形態を有することができるが、特定の実施例を例示して下記に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むことが理解されなければならない。
【0017】
イソシアネート化合物は、高い反応性により保存過程で空気中の酸素などによって酸化したり、自己重合体を形成して変質または変色したりしやすく、これを適用した光学物品の透明度が低下する問題が発生した。
【0018】
本発明者らは、このような問題点を解決するために、イソシアネート組成物の組成に関する研究を行っており、黄変が発生したイソシアネート組成物でレンズを製造する場合にも、一部の製品に不良が発生しないことを確認した。製品の透明度は組成物の黄変現象以外に白濁現象が影響を及ぼし、組成物中に含まれるイソシアネート化合物のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を特定の範囲に制御する場合、黄変と白濁が適正範囲に調節されて、最終製品の透明度を向上させることができることを見出して、本発明を完成した。
【0019】
具体的には、イソシアネート組成物は、組成物中に含まれるイソシアネート化合物のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を変数とする新規のパラメータを制御することによって、光学物品、特に、光学レンズに適用されて優れた品質を実現できることを確認した。特に、前記新規のパラメータは、イソシアネート系混合物にフェノールとパラトルエンスルホニルイソシアネートを適切に添加して実現可能になる。
【0020】
<イソシアネート組成物>
発明の一実施形態による、イソシアネート組成物は、イソシアネート化合物のモノマー、ダイマー、トリマーおよび繰り返し単位が4~200のオリゴマーからなる群より選択される1つ以上の化合物を含むイソシアネート系混合物;フェノール;およびパラトルエンスルホニルイソシアネート;を含む。
【0021】
ここで、イソシアネート系混合物は、イソシアネート化合物それ自体のモノマー(monomer)以外に、2個のイソシアネート化合物が結合したダイマー(dimer)、3個のイソシアネート化合物が結合したトリマー(trimer)および繰り返し単位が4~200のオリゴマーを含むことができる。前記オリゴマーは、4個~200個のイソシアネート化合物が結合したものを意味する。
【0022】
前記イソシアネート化合物のダイマー、トリマーおよびオリゴマーは、アミン化合物からイソシアネート化合物の合成中に副反応によって生成されたり、合成完了したイソシアネート化合物が高い反応性により自己重合体を形成した副生成物であってもよい。前記副生成物は、イソシアネート組成物自体の透明度、色度だけでなく、イソシアネート組成物が使用されたポリイソシアネート組成物の変色および白濁を起こしうるので、光学分野に使用されるイソシアネート組成物の場合、このような副生成物の含有量を低減させる必要がある。しかし、商業的工程で副生成物の含有量を極度に制御することは、工程効率および費用の面で困難がある。そこで、本発明では、適正な水準でイソシアネート組成物中のオリゴマーの含有量を制御して、工程の効率性を維持しながらも製品の透明性、色特性を向上させることができる。
【0023】
特に、前記イソシアネート組成物は、フェノールおよびパラトルエンスルホニルイソシアネートを含むことによって、イソシアネート系混合物中のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を適正範囲に制御することができ、これによって、新規の数式1で表されるパラメータを目的の範囲に調節することができる。ここで、前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、イソシアネート系化合物とは異なる成分である。
【0024】
前記フェノールは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、50~1,500ppm含まれ、好ましくは、100~1,000ppm含まれる。前記範囲で含まれることによって、混合物中のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を適正範囲に制御して、工程の効率性を維持しながらも製品の透明性、色特性を向上させることができる。
【0025】
前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、10~3,000ppm含まれ、好ましくは、50~2,000ppm含まれる。前記範囲で含まれることによって、混合物中のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を適正範囲に制御して、工程の効率性を維持しながらも製品の透明性、色特性を向上させることができる。
【0026】
前記イソシアネート化合物は、例えば、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロへキシレンジイソシアネート、1,4-シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネートおよびo-キシリレンジイソシアネートである。
【0027】
また、本発明の一実施形態によるイソシアネート組成物は、下記の数式1のパラメータを満足する。数式1は、組成物の黄変と白濁現象を制御する指標で、前記数式1を満足することによって、合成工程、保存工程および一歩進んで製品加工工程で変色および白濁の発生を抑制させて製品の透明性を向上させることができる。数式1は、具体的には、次の通りである:
【0028】
0<A/50+B/3<1 ・・・ 数式1
Aは、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)であり、
Bは、イソシアネート系混合物の総重量に対するオリゴマー含有量の数値である。
具体的には、イソシアネート系混合物の総重量に対して、前記オリゴマーの含有量は1.6重量%未満である。前記オリゴマーの含有量が1.6重量%未満で含まれて、組成物の黄変の発生を減少させることができ、同時に、前記数式1を満足することによって、製品への製造時に黄変と白濁の発生を効果的に制御することができる。
【0029】
一方、組成物が数式1の範囲を満足せず、1以上の値を示す場合、光学レンズへの適用時に透明度が顕著に低下し、緑色光を呈し、製品の品質を顕著に低下させる。
好ましくは、前記数式1を満足する範囲内で、前記数式1の変数Aのハーゼン色数(APHA)は、0超過50未満であり、前記数式1の変数Bのオリゴマー含有量の数値は、0超過1.6未満を満足する。前記範囲をそれぞれ満足することによって、光学レンズへの適用時に透明度およびその他の諸物性を顕著に改善することができる。
【0030】
前記数式1の変数Aのハーゼン色数(APHA)は、常温25±1℃でASTM D1003により測定され、具体的な測定方法については、実験例の内容でより詳細に説明する。
前記数式1の変数Bのオリゴマー含有量の数値は、前記オリゴマーの重量%において、単位は除いた数値だけを意味する。前記オリゴマーの含有量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析により測定され、具体的な測定方法については、実験例の内容でより詳細に説明する。
【0031】
<イソシアネート組成物の製造方法>
発明の一実施形態によるイソシアネート組成物の製造方法は、溶媒中にアミン化合物をホスゲンと反応させてイソシアネート系混合物を得る段階;および前記混合物にフェノールおよびパラトルエンスルホニルイソシアネートを添加する段階;を含み、これによって下記の数式1を満足する:
【0032】
0<A/50+B/3<1 ・・・ 数式1
Aは、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)であり、
Bは、イソシアネート系混合物の総重量に対するオリゴマー含有量の数値である。
【0033】
特に、前記イソシアネート組成物の製造段階で、反応の混合物にフェノールおよびパラトルエンスルホニルイソシアネートをさらに添加することによって、混合物中のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を適正範囲に制御することができ、これによって新規の数式1で表されるパラメータを目的の範囲に調節することができる。
前記数式1に関する内容は、先に説明した内容がすべて同一に適用可能である。
【0034】
以下、前記イソシアネート組成物の製造方法について各段階別に説明する。
まず、溶媒中にアミン化合物をホスゲンと反応させてイソシアネート化合物を含む反応混合物を得る段階を含む。
【0035】
前記ホスゲン化反応に使用される溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、1,4-ジクロロベンゼンなどの塩素化芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素など塩素化炭化水素溶媒などを使用することができ、これらの2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
前記ホスゲン化反応に使用されるアミン化合物は、例えば、ニトロ化合物を水素化して得られるアミン化合物またはその塩化物であってもよい。具体的には、前記アミン化合物は、1,4-テトラメチレンジアミン、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,3-シクロへキシレンジアミン、1,4-シクロへキシレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミン、メチレンジフェニルジアミン、メチレンジシクロヘキシルジアミン、トルエンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミンおよびo-キシリレンジアミン、およびその塩から構成される群より選択される1種以上であってもよく、好ましくは、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、o-キシリレンジアミン、またはその塩であってもよい。
【0037】
前記アミン化合物は、溶媒100重量部に対して、1~20重量部含まれる。アミン化合物の含有量が20重量部超過の場合、多量のアミン化合物が析出する恐れがある。好ましくは、1~15重量部または3~10重量部含まれる。
【0038】
具体的には、前記ホスゲン化反応は、アミン化合物をホスゲンと直接反応させる直接ホスゲン化方法(方法1);アミン化合物を無水塩酸と反応させてアミン-塩酸塩化合物を形成した後、形成された塩をホスゲンと反応させる方法(方法2);またはアミン化合物を炭酸と反応させて脂肪族アミン-炭酸塩化合物を形成し、形成された塩をホスゲンと反応させる方法(方法3)によって行われる。
【0039】
前記方法1の直接ホスゲン化方法は、アミン化合物とホスゲンとを前記有機溶媒中で反応させることによって行われる。この時、ホスゲンは、反応初期に一括投入されてもよく、反応初期に一部投入後、残部が反応の途中に分割投入されてもよい。
【0040】
一方、前記方法1は、ホスゲンの一部を前記溶媒に溶解した後、前記アミン化合物を投入する第1段階;および前記アミン化合物の投入完了後、残部のホスゲンを投入して反応させる第2段階によって行われる。この時、前記第1段階は、猛毒性ホスゲンの流出を防止し、また、アミン化合物の投入時の急激な発熱を防止できるように、-15℃~-10℃の温度で行われることが好ましく、また、前記第2段階でのホスゲン化反応は、アミン化合物の分解への恐れなしに適切な反応速度で反応が起こるように、120℃~140℃に調節される。
【0041】
前記方法2の場合、アミン化合物を有機溶媒中で塩酸と反応させてアミン-塩酸塩化合物を形成した後、ホスゲンを投入して反応させる段階によって行われる。前記アミン-塩酸塩化合物の形成は、30℃以下の温度、好ましくは、約23±5℃の温度で行われ、また、前記ホスゲン投入後の反応は、120℃~140℃に調節される。このような温度条件で行われる時、アミン-塩酸塩化合物の溶解度を増加させ、イソシアネートの熱分解を防止することによって、高純度のイソシアネート化合物を高収率で製造することができる。
【0042】
前記方法3の場合、アミン化合物を溶媒中で炭酸と反応させてアミン-炭酸塩化合物を形成した後、ホスゲンを投入して反応させる段階によって行われる。この時、前記アミン-炭酸塩化合物の形成は、30℃以下の温度、好ましくは、約23±5℃の温度で行われ、また、前記ホスゲン投入後の反応は、80℃~180℃に調節される。好ましくは、100℃以上、または120℃以上かつ、150℃以下、または140℃以下の範囲であってもよい。このような温度条件で行われる時、アミン-炭酸塩化合物の溶解度を増加させ、イソシアネートの熱分解を防止することによって、高純度のイソシアネート化合物を高収率で製造することができる。
【0043】
前記方法2によりイソシアネート化合物の製造反応を行うことが、ホスゲン化反応で製造されるイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、オリゴマーなどの副生成物の形成を適正範囲に制御し、組成物の色度も適正範囲に制御可能で、好ましい。これによって、組成物が数式1を満足させることができる。
【0044】
それぞれの方法によりホスゲンとの反応を完了した後には、未反応のホスゲンと塩化水素ガスに対する窒素バブリングなどの除去工程および蒸留などによる溶媒除去工程が選択的にさらに行われてもよいし、これらの工程は通常の方法により行われてもよい。
【0045】
次に、前記反応混合物にフェノールとパラトルエンスルホニルイソシアネートを添加する段階を含む。前記成分の添加剤を入れる場合、ホスゲン化反応混合物中に含まれる成分のうちオリゴマーの含有量範囲を制御しやすく、同時に、組成物の色度を調節することができる。これによって、前述した数式1のパラメータを満足するイソシアネート組成物を製造可能になる。
【0046】
前記フェノールは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、50~1,500ppm添加され、好ましくは、100~1,000ppm添加される。前記範囲で添加されることによって、混合物中のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を適正範囲に制御して、工程の効率性を維持しながらも製品の透明性、色特性を向上させることができる。
【0047】
前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、前述したイソシアネート系混合物を得る段階で合成されたイソシアネート化合物とは異なる化合物である。ここで、前記パラトルエンスルホニルイソシアネートは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、10~3,000ppm添加され、好ましくは、50~2,000ppm添加される。前記範囲で添加されることによって、混合物中のオリゴマーの含有量と組成物のハーゼン色数を適正範囲に制御して、工程の効率性を維持しながらも製品の透明性、色特性を向上させることができる。
【0048】
前記フェノールとパラトルエンスルホニルイソシアネートの添加段階は、窒素充填下で進行できる。
【0049】
<ポリイソシアネート組成物>
発明の他の実施形態によれば、前記イソシアネート組成物と多価チオール(thiol)との重合反応によって形成されたポリイソシアネートを含む、ポリイソシアネート組成物が提供される。
【0050】
前記多価チオールは、1分子中にチオール基(-SH)を2個以上含む化合物であって、具体的には、分子中に2個以上、あるいは3個以上であり、8個以下、あるいは5個以下のチオール基を有する化合物であってもよい。
【0051】
前記多価チオール化合物は、例えば、1,9-ジメルカプト-3,7-ジチアノナン(1,9-dimercapto-3,7-dithianonane)、1,13-ジメルカプト-3,7,11-トリチアトリデカン(1,13-dimercapto-3,7,11-trithiatridecane)、グリコールジ(3-メルカプトプロピオネート)(glycol di(3-mercaptopropionate))、1,4-ジチアン-2,5-ジイルメタンチオール(1,4-Dithiane-2,5-diyldimethanethiol)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン(4-mercaptomethyl-1,8-dimercapto-3,6-dithiaoctane)、2-メルカプトメチル-1,5-ジメルカプト-3-チアペンタン(2-mercaptomethyl-1,5-dimercapto-3-thiapentane)、トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)(trimethylolpropane tri(3-mercaptopropionate))、4,8-ジ(メルカプトメチル)-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン(4,8-di(mercaptomethyl)-1,11-dimercapto-3,6,9-trithiaundecane)、5,9-ジ(メルカプトエチル)-1,12-ジメルカプト-3,7,10-トリチアドデカン(5,9-di(mercaptoethyl)-1,12-dimercapto-3,7,10-trithiadodecane)、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトプロピオネート)(pentaerythritol tetra(3-mercaptopropionate))、ペンタエリスリトールテトラ(メルカプトアセテート)(pentaerythritol tetra(mercaptoacetate))、3,6,9,12-テトラチアテトラデカン-1,14-ジチオール(3,6,9,12-Tetrathiatetradecane-1,14-dithiol)、3,6,10,13-テトラチアペンタエカン-1,8,15-トリチオール(3,6,10,13-Tetrathiapentadecane-1,8,15-trithiol)からなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0052】
前記重合反応は、イソシアネート組成物中のイソシアネート化合物と多価チオール中のチオール基との間のチオウレタン化反応で行われる。
【0053】
具体的には、前記多価チオールは、イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対して多価チオール中のチオール基のモル比が0.8以上、あるいは0.9以上であり、1.1以下、あるいは1.0となるようにする量で投入される。前記モル比範囲を超えてイソシアネート基に対するチオール基のモル比が0.8未満であれば、過剰のイソシアネート基によって製造される重合体の粘度が低下し、これによって加工性が低下する恐れがある。また、イソシアネート基に対するチオール基のモル比が1.1超過の場合、過剰のチオール基によって変色防止効果が低下する恐れがある。
【0054】
前記重合反応は、常圧の条件および窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。
前記重合反応は、-15℃以上、あるいは0℃以上であり、20℃以下、あるいは15℃以下の温度範囲で行われることが、変色の発生に対する恐れなしに反応速度を容易に制御可能であり、反応効率も高めることが可能で、好ましい。
【0055】
前記重合反応は、無触媒の条件で行われてもよく、スズ系またはアミン系など通常ウレタン化反応を促進する触媒の存在下で行われてもよい。触媒の存在下で行われる場合、前記触媒は、イソシアネート系混合物に多価チオールを投入する段階で共に投入される。
【0056】
前記重合反応は、電位差滴定装置を用いたn-ジブチルアミン法で重合反応物中のイソシアネート基の濃度を測定するか、または屈折率を測定することによって進行程度を予想することができ、本発明では、重合反応物中のイソシアネート基の濃度が、多価チオールと反応した後、残存するイソシアネート基の計算値に到達するまで行うことができる。
【0057】
このような重合反応の結果として、ポリイソシアネート、具体的には、ポリチオウレタンが製造される。
【0058】
前記ポリイソシアネート組成物は、必要に応じて、内部離型剤、紫外線吸収剤、重合開始剤、熱安定剤、色補正剤、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、充填剤、感光剤などの添加剤をさらに含むことができ、その含有量は、組成物の変色および変色抑制特性を阻害しない範囲内で適切に決定可能である。
【0059】
前記ポリイソシアネート組成物は、優れた物性的特性により幅広い分野に利用可能であり、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プラスチックレンズ、プリズムなど、優れた外観特性、特に透明性が要求される光学材料として使用されてもよい。
【0060】
発明のさらに他の実施形態によれば、前記重合体組成物を含むか、または前記重合体組成物を用いて製造される物品が提供される。
【0061】
この時、前記物品は、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プラスチックレンズ、プリズムなどの光学物品であってもよい。
【0062】
以下、発明の具体的な実施例を通じて、発明の作用および効果をより詳述する。ただし、このような実施例は発明の例として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるのではない。
【0063】
[実施例および比較例]
実施例1-1
フラスコに、1,2-ジクロロベンゼン471gと純度99.4%のm-XDA32.5g、4-hydroxy TEMPO0.24gを入れて、常温(23±5℃)で無水塩酸を20g/hrの速度で注入して撹拌した。無水塩酸を注入して温度が50℃まで上昇した。4時間注入後に形成された塩を常温に冷却し、ホスゲン43gを反応器内に投入後、反応器の温度を130℃となるように加熱した。ホスゲンの投入時点から反応終了時点までドライアイス-アセトン冷却器でホスゲンが外部に流出しないようにした。反応器の温度が130℃到達後、反応溶液が透明になるように2時間反応器の温度を125~135℃に維持した。溶液が透明になった後、反応器の内部を80℃に冷却し、窒素を吹き込んで冷却した。ホスゲンが除去された反応溶液を真空蒸留により溶媒を除去し、生成物を160℃の高温で減圧下精製して、m-XDIを含む、イソシアネート系混合物を得た。
窒素の充填条件下、当該混合物に100ppmのフェノール、50ppmのパラトルエンスルホニルイソシアネートを添加してイソシアネート組成物を製造した。製造後、5℃の条件で180日間保管した。
【0064】
実施例1-2
実施例1-1においてフェノールの含有量を500ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0065】
実施例1-3
実施例1-1においてフェノールの含有量を1,000ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0066】
実施例1-4
実施例1-1においてパラトルエンスルホニルイソシアネートの含有量を1,000ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0067】
実施例1-5
実施例1-1においてパラトルエンスルホニルイソシアネートの含有量を2,000ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0068】
実施例1-6
実施例1-2においてパラトルエンスルホニルイソシアネートの含有量を1,000ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0069】
実施例1-7
実施例1-2においてパラトルエンスルホニルイソシアネートの含有量を2,000ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0070】
実施例1-8
実施例1-3においてパラトルエンスルホニルイソシアネートの含有量を1,000ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0071】
実施例1-9
実施例1-3においてパラトルエンスルホニルイソシアネートの含有量を2,000ppmに変更したことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0072】
比較例1-1
実施例1-1においてフェノールとパラトルエンスルホニルイソシアネートを添加しないことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0073】
比較例1-2
実施例1-1においてパラトルエンスルホニルイソシアネートを添加しないことを除けば、同様の方法でイソシアネート組成物を製造、保管した。
【0074】
[実験例1:イソシアネート組成物の分析]
(1)ハーゼン色数(APHA)の測定
前記実施例および比較例で製造したイソシアネート組成物に対して、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)を測定し、その結果を表1に示した。
具体的には、前記組成物を常温の条件下で色差分析する方法で、HunterlabのUltrascane装置のキセノンランプ光源を用いてハーゼン色数を測定した。
【0075】
(2)ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析
前記実施例および比較例で製造したイソシアネート組成物に対して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析を行い、これによって導出されたオリゴマーの含有量を表1に示した。
【0076】
<GPC分析条件>
使用機器:Waters2988
カラム:Shodex KF-801、KF-802、KF-803 300mm
試料濃度:1wt/vol%試料0.1mgを9.9mlのテトラヒドロフランに溶解して準備する)
キャリア:THF
検出方法:UV
流出量:1.0ml/分
カラム温度:40℃
検量線作成時の分子量1000~20,000g/molのポリスチレンを用いた。
【0077】
(3)数式1の値導出
前記実施例および比較例で製造したイソシアネート組成物に対して、下記の数式1の値を計算し、その結果を表1に示した。
0<A/50+B/3<1 ・・・ 数式1
Aは、ASTM D1003により測定されたハーゼン色数(APHA)であり、
Bは、イソシアネート系混合物の総重量に対して、オリゴマー含有量の数値である。
【0078】
【表1】
【0079】
[実施例2および比較例2]
実施例2-1:光学レンズの製造
前記実施例1-1で製造したイソシアネート組成物20.8g、zelec UN(Stepan社製)0.04g、biosorb583(Sakai Chemical industry Co.,Ltd社製)0.04gを、常温のフラスコで約20分間撹拌した。次に、dibutyltin chloride0.002gを追加的に入れて10分間撹拌し、前記混合物に2,3-bis(2-sulfanyl ethyl sulfanyl)propane-1-thiol19.2gを添加、5mbarで脱泡し、1時間撹拌して混合液を製造した。
【0080】
この混合液を1μm PTFEフィルタで濾過後、ガラスモールドとテープとからなるモールド型に注入した。このモールド型をオーブンに投入し、10℃から120℃まで徐々に昇温し、20時間重合反応を行った。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出して離型してプラスチックレンズを得た。前記得られたプラスチックレンズを120℃で6時間アニーリングして、最終光学レンズサンプルを製造した。
【0081】
実施例2-2~2-9および比較実施例2-1~2-2
前記実施例2-1において、実施例1-1のイソシアネート組成物の代わりに、実施例1-2~1-9および比較例1-1および1-2のイソシアネート組成物を用いたことを除けば、同様の方法で光学レンズを製造した。
【0082】
[実験例2:光学レンズ評価]
(1)色評価
前記実施例および比較例で製造された光学レンズに対して、肉眼で色を評価し、その結果を表2に示した。
【0083】
(2)透明度評価
前記実施例および比較例で製造された光学レンズに対して、多様な光源条件下にて肉眼で白濁現象の発生程度を下記の評価基準により評価し、その結果を表2に示した。
【0084】
<評価基準>
C(Clear):蛍光灯およびジルコニウムランプ下ですべて透明である
S.H(Slightly lamp Haze):蛍光灯下では透明であるが、ジルコニウムランプ下で一部濁っていることが観察される
L.H(Lamp Haze):蛍光灯下では透明であるが、ジルコニウムランプ下で濁っていることが観察される
V.H(Visual Haze):蛍光灯およびジルコニウムランプ下ですべて濁っていることが観察される
【0085】
【表2】
【0086】
前記表2から確認できるように、本願発明が限定した数式1のパラメータを満足する組成物を用いて製造された光学レンズは、比較例に比べて色度および透明性がすべて優れていることを確認することができた。
【国際調査報告】