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特表2024-542678バッテリーパラメータ推定装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】バッテリーパラメータ推定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/389 20190101AFI20241108BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20241108BHJP
   G01R 27/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G01R31/389
G01R31/367
G01R27/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532396
(86)(22)【出願日】2023-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 KR2023008210
(87)【国際公開番号】W WO2023244019
(87)【国際公開日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0072101
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨー、ソル-ジ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヒェオン-ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ-ヒュン
【テーマコード(参考)】
2G028
2G216
【Fターム(参考)】
2G028BE04
2G028CG08
2G028DH11
2G216BA54
2G216BA56
2G216CB12
2G216CB13
2G216CB15
2G216CB51
(57)【要約】
本発明の一実施形態によるバッテリーパラメータ推定装置は、バッテリーに複数の交流電流を出力し、前記複数の交流電流に対応するように、前記バッテリーに対する複数のインピーダンス値を測定するように構成されたインピーダンス測定部と、前記複数のインピーダンス値をフィッティングして第1プロファイルを生成し、前記第1プロファイルに基づいて前記複数のインピーダンス値を補正し、複数のインピーダンス補正値に基づいて複数の基準値を決定し、決定された複数の基準値をフィッティングして第2プロファイルを生成し、前記複数のインピーダンス補正値と前記第2プロファイルとを比較し、比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定するように構成された制御部と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーに複数の交流電流を出力し、前記複数の交流電流に対応するように、前記バッテリーに対する複数のインピーダンス値を測定するインピーダンス測定部と、
前記複数のインピーダンス値をフィッティングして第1プロファイルを生成し、前記第1プロファイルに基づいて前記複数のインピーダンス値を補正し、複数のインピーダンス補正値に基づいて複数の基準値を決定し、決定された複数の基準値をフィッティングして第2プロファイルを生成し、前記複数のインピーダンス補正値と前記第2プロファイルとを比較し、比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定する制御部と、を含む、バッテリーパラメータ推定装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記複数のインピーダンス値のそれぞれと前記第1プロファイルとの間の第1誤差率を算出し、算出された複数の第1誤差率と予め設定された第1閾値とを比較し、比較結果に基づいて前記複数のインピーダンス値を補正する、請求項1に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記複数のインピーダンス値のうちで対応する前記第1誤差率が前記第1閾値以上であるインピーダンス値を削除する、請求項2に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記複数のインピーダンス補正値と前記第2プロファイルとの間の第2誤差率を算出し、算出された第2誤差率と予め設定された第2閾値とを比較する、請求項1に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2誤差率が前記第2閾値未満である場合、前記複数の基準値を前記バッテリーパラメータとして設定する、請求項4に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第2誤差率が前記第2閾値以上である場合、前記複数のインピーダンス補正値をフィッティングして前記第1プロファイルを再生成し、再生成された第1プロファイルと前記複数のインピーダンス補正値に基づいて前記バッテリーパラメータを設定するか否かを決定する、請求項4に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2誤差率が前記第2閾値未満になるまで、前記第1プロファイルを再生成する、請求項6に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記複数のインピーダンス補正値のそれぞれと前記第2プロファイルとの誤差率を算出し、算出された複数の誤差率に対する平均を前記第2誤差率として算出する、請求項4に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記複数のインピーダンス補正値に基づいて前記バッテリーのオーム抵抗値、電荷移動抵抗値及び二重層キャパシタンス値を前記複数の基準値として決定する、請求項1に記載のバッテリーパラメータ推定装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーパラメータ推定装置を含む、バッテリーパック。
【請求項11】
バッテリーに複数の交流電流を出力し、前記複数の交流電流に対応するように、前記バッテリーに対する複数のインピーダンス値を測定するインピーダンス値測定ステップと、
前記複数のインピーダンス値をフィッティングして第1プロファイルを生成する第1プロファイル生成ステップと、
前記第1プロファイルに基づいて前記複数のインピーダンス値を補正するインピーダンス値補正ステップと、
複数のインピーダンス補正値に基づいて複数の基準値を決定する基準値決定ステップと、
決定された複数の基準値をフィッティングして第2プロファイルを生成する第2プロファイル生成ステップと、
前記複数のインピーダンス補正値と前記第2プロファイルとを比較するインピーダンス補正値と第2プロファイルとの比較ステップと、
比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定するバッテリーパラメータの設定可否決定ステップと、を含む、バッテリーパラメータ推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年06月14日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0072101に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーパラメータ推定装置及び方法に関し、より詳しくは、電気化学的インピーダンス分光法(EIS、electrochemical impedance spectroscopy)によりバッテリーのパラメータを推定する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯型電子製品の需要が急激に増加し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化されることによって、繰り返し充放電が可能な高性能バッテリーに関する研究が活発に行われている。
【0004】
現在商用化されているバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、これらのうちでもリチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点から脚光を浴びている。
【0005】
一般に、様々なバッテリーのパラメータのうち、Ro(Ohmic resistance)、Rct(Charge transfer resistance)及びCdl(double layer capacitance)は、等価回路モデル(ECM、equivalent circuit model)及びEISにより推定することができる。ここで、Roはバッテリーのオーム抵抗値であり、Rctはバッテリーの電荷移動抵抗値である。また、Cdlは、等価回路モデルに含まれたキャパシタのキャパシタンス値であり、電極で電荷が分離されるために二重層(double layer)に求められる二重層キャパシタンス値であり得る。
【0006】
図1は、バッテリーの等価回路モデルを概略的に示す図である。図2は、EISにより得られたナイキスト線図(Nyquist plot)を概略的に示す図である。
【0007】
ここで、ナイキスト線図は、EISにより測定された複数のデータをカーブフィッティングして得られるものであり、実数部(Zre)と虚数部(Zim)に分けられる。Roは、周波数が最大値の実数部値を用いて算出することができる。Rctは、カーブフィッティングにより導き出されるアーク(Ark)とRoを用いて算出することができる。Cdlは、アークの虚数部の値が最大の地点における角周波数(angular frequency)とRctに基づいて算出することができる。例えば、図2において、Cdlは「1÷(w×Rct)」の式によって算出することができる。
【0008】
ただし、ナイキスト線図により推定されるバッテリーパラメータは、測定過程及び/又は算出過程におけるノイズを含むことがある。非特許文献ではLin-kk(linear kramers kronig)方法を用いてEISにより測定された値とカーブフィッティング値との間の誤差を算出する方法を開示している。
【0009】
EISにより推定されるバッテリーパラメータは、バッテリーの内部抵抗を推定するために用いることができ、このような内部抵抗は、バッテリーのSOH(State of health)を推定するために用いることができる。よって、バッテリーパラメータをより正確に推定できる技術の開発が必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】A Method for Improving the Robustness of linear Kramers-Kronig Validity Tests、Electrochimica Acta、2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、バッテリーパラメータをより正確に推定できるバッテリーパラメータ推定装置及び方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び利点は下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかになるであろう。また、本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示された手段及びこれらの組み合わせによって実現可能であることを容易に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によるバッテリーパラメータ推定装置は、バッテリーに複数の交流電流を出力し、前記複数の交流電流に対応するように、前記バッテリーに対する複数のインピーダンス値を測定するように構成されたインピーダンス測定部と、前記複数のインピーダンス値をフィッティングして第1プロファイルを生成し、前記第1プロファイルに基づいて前記複数のインピーダンス値を補正し、複数のインピーダンス補正値に基づいて複数の基準値を決定し、決定された複数の基準値をフィッティングして第2プロファイルを生成し、前記複数のインピーダンス補正値と前記第2プロファイルとを比較し、比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定するように構成された制御部と、を含むことができる。
【0014】
前記制御部は、前記複数のインピーダンス値のそれぞれと前記第1プロファイルとの間の第1誤差率を算出し、算出された複数の第1誤差率と予め設定された第1閾値とを比較し、比較結果に基づいて前記複数のインピーダンス値を補正するように構成され得る。
【0015】
前記制御部は、前記複数のインピーダンス値のうちで対応する前記第1誤差率が前記第1閾値以上であるインピーダンス値を削除するように構成され得る。
【0016】
前記制御部は、前記複数のインピーダンス補正値と前記第2プロファイルとの間の第2誤差率を算出し、算出された第2誤差率と予め設定された第2閾値とを比較するように構成され得る。
【0017】
前記制御部は、前記第2誤差率が前記第2閾値未満である場合、前記複数の基準値を前記バッテリーパラメータとして設定するように構成され得る。
【0018】
前記制御部は、前記第2誤差率が前記第2閾値以上である場合、前記複数のインピーダンス補正値をフィッティングして前記第1プロファイルを再生成し、再生成された第1プロファイルと前記複数のインピーダンス補正値に基づいて前記バッテリーパラメータを設定するか否かを決定するように構成され得る。
【0019】
前記制御部は、前記第2誤差率が前記第2閾値未満になるまで、前記第1プロファイルを再生成するように構成され得る。
【0020】
前記制御部は、前記複数のインピーダンス補正値のそれぞれと前記第2プロファイルとの誤差率を算出し、算出された複数の誤差率に対する平均を前記第2誤差率として算出するように構成され得る。
【0021】
前記制御部は、前記複数のインピーダンス補正値に基づいて前記バッテリーのオーム抵抗値、電荷移動抵抗値及び二重層キャパシタンス値を前記複数の基準値として決定するように構成され得る。
【0022】
本発明の他の態様によるバッテリーパックは、本発明の一態様によるバッテリーパラメータ推定装置を含むことができる。
【0023】
本発明のまた他の態様によるバッテリーパラメータ推定方法は、バッテリーに複数の交流電流を出力し、前記複数の交流電流に対応するように、前記バッテリーに対する複数のインピーダンス値を測定するインピーダンス値測定ステップと、前記複数のインピーダンス値をフィッティングして第1プロファイルを生成する第1プロファイル生成ステップと、前記第1プロファイルに基づいて前記複数のインピーダンス値を補正するインピーダンス値補正ステップと、複数のインピーダンス補正値に基づいて複数の基準値を決定する基準値決定ステップと、決定された複数の基準値をフィッティングして第2プロファイルを生成する第2プロファイル生成ステップと、前記複数のインピーダンス補正値と前記第2プロファイルとを比較するインピーダンス補正値と第2プロファイルとの比較ステップと、比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定するバッテリーパラメータの設定可否決定ステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によると、一次検証及び二次検証を経ることにより、精度及び信頼度の高いバッテリーパラメータを推定できるという利点がある。さらに、本発明によるバッテリーパラメータを用いて推定されるバッテリー状態の精度及び信頼度を向上させることもできるという利点がある。
【0025】
本発明の効果は以上で言及した効果に限定されず、言及されていない他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【0026】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】バッテリーの等価回路モデルを概略的に示す図。
図2】EISにより得られたナイキスト線図を概略的に示す図。
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーパラメータ推定装置を概略的に示す図。
図4】本発明の一実施形態による複数のインピーダンス値を概略的に示す図。
図5】本発明の一実施形態による第1プロファイルを概略的に示す図。
図6】本発明の一実施形態による複数のインピーダンス値と第1プロファイルとの間の第1誤差率を概略的に示す図。
図7】本発明の一実施形態による複数のインピーダンス補正値を概略的に示す図。
図8】本発明の一実施形態による第2プロファイルを概略的に示す図。
図9】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの例示的な構成を概略的に示す図。
図10】本発明のまた他の実施形態によるバッテリーパラメータ推定方法を概略的に示す図。
図11】本発明のまた他の実施形態によるバッテリーパラメータ推定方法をより具体的に示す図。
図12】本発明のまた他の実施形態によるバッテリーパラメータ推定方法をより具体的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0030】
また、本発明を説明するにあたって関連する公知構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0031】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素の1つを残りのものと区別する目的で使用されるものであり、そのような用語によって構成要素を限定するために使用するものではない。
【0032】
明細書全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
なお、明細書全体にわたって、ある部分が他の部分と「連結」されているというとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間に他の素子を介して「間接的に連結」されている場合も含む。
【0034】
以下では、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリーパラメータ推定装置100を概略的に示す図である。
【0036】
ここで、バッテリーは負極端子と正極端子を備え、物理的に分離可能な1つの独立したセルを意味する。一例として、リチウムイオン電池又はリチウムポリマー電池をバッテリーとして見なすことができる。また、バッテリーは、複数のセルが直列及び/又は並列に接続されたバッテリーモジュールを意味することもできる。以下では、説明の便宜上、バッテリーは1つの独立したセルを意味するものとして説明する。
【0037】
図3を参照すると、バッテリーパラメータ推定装置100は、インピーダンス測定部110及び制御部120を含むことができる。
【0038】
インピーダンス測定部110は、バッテリーに複数の交流電流を出力するように構成され得る。
【0039】
具体的に、インピーダンス測定部110は、EIS法によりバッテリーのインピーダンス値を測定するために、バッテリーに複数の交流電流を出力することができる。
【0040】
例えば、制御部120からインピーダンス測定信号を受信すると、交流電流の周波数を変更してバッテリーに交流電流を出力することができる。すなわち、インピーダンス測定部110が出力する複数の交流電流は互いに異なる周波数を有することができる。
【0041】
また、インピーダンス測定部110は、複数の交流電流に対応するようにバッテリーに対する複数のインピーダンス値を測定するように構成され得る。
【0042】
具体的に、インピーダンス測定部110は、複数の交流電流のそれぞれに対してバッテリーのインピーダンス値を測定することができる。よって、インピーダンス測定部110によって測定されるインピーダンス値は複数存在し得る。すなわち、複数の交流電流のそれぞれがバッテリーに印加されると、印加された交流電流に対応するインピーダンス値をそれぞれ測定することができる。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態による複数のインピーダンス値を概略的に示す図である。
【0044】
図4を参照すると、複数の交流電流のそれぞれに対応する複数のインピーダンス値を測定することができる。また、実数部(Zre)をX軸、虚数部(Zim)をY軸とする複素平面に複数のインピーダンス値を表すことができる。
【0045】
制御部120は、複数のインピーダンス値をフィッティングして第1プロファイル(p1)を生成するように構成され得る。
【0046】
具体的に、制御部120は、複数のインピーダンス値にフィッティングアルゴリズムを適用することで、第1プロファイル(p1)を生成するように構成され得る。好ましくは、制御部120は、複数のインピーダンス値に対応する曲線又は近似関数を導出できるカーブフィッティングアルゴリズムを用いて第1プロファイル(p1)を生成することができる。例えば、制御部120は、Lin-KK(Linear kramers kronig algorithm)を用いて、複数のインピーダンス値に対応する第1プロファイル(p1)を生成することができる。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態による第1プロファイル(p1)を概略的に示す図である。具体的に、図5の第1プロファイル(p1)は、制御部120がLin-KKを用いて複数のインピーダンス値に対して生成したEISプロファイルであり得る。
【0048】
制御部120は第1プロファイル(p1)に基づいて複数のインピーダンス値を補正するように構成され得る。
【0049】
複数のインピーダンス値は、インピーダンス測定部110によって測定された実測値である一方、第1プロファイル(p1)は、複数のインピーダンス値に基づいて生成された近似関数であり得る。よって、複数のインピーダンス値と第1プロファイル(p1)との間には、ある程度の誤差がある可能性があり、制御部120は、このような誤差に基づいて複数のインピーダンス値を補正することができる。
【0050】
まず、制御部120は、複数のインピーダンス値のそれぞれと第1プロファイル(p1)との間の第1誤差率を算出するように構成され得る。具体的に、制御部120は、第1プロファイル(p1)で複数のインピーダンス値のそれぞれに対応する第1参照値を決定することができる。例えば、制御部120は、複数のインピーダンス値のそれぞれの周波数を考慮して、第1プロファイル(p1)で当該周波数に対応する第1参照値を決定することができる。すなわち、対応するインピーダンス値と第1参照値は互いに同一の周波数に基づく値であり得る。
【0051】
次いで、制御部120は、複数のインピーダンス値のそれぞれと対応する第1参照値との間の第1誤差率を算出することができる。具体的に、制御部120は、インピーダンス値に対する第1参照値の割合を計算することで、複数のインピーダンス値のそれぞれに対する第1誤差率を算出することができる。例えば、制御部120は「(インピーダンス値-第1参照値)÷インピーダンス値」の式を計算することで、複数のインピーダンス値のそれぞれに対する第1誤差率を算出することができる。
【0052】
一実施形態において、制御部120は、実数値と虚数値のそれぞれに対して第1誤差率を算出することができる。図6は、本発明の一実施形態による複数のインピーダンス値と第1プロファイル(p1)との間の第1誤差率を概略的に示す図である。具体的に、図6は、実数誤差率△Reと虚数誤差率△imを示す図である。ここで、第1誤差率には、実数誤差率△Reと虚数値に対する虚数誤差率△imが含まれ得る。すなわち、制御部120は、複数のインピーダンス値に含まれたノイズの影響を最小化するために、実数値と虚数値のそれぞれに対する誤差率を算出することができる。
【0053】
次いで、制御部120は、算出された複数の第1誤差率と予め設定された第1閾値とを比較するように構成され得る。ここで、第1閾値は、複数のインピーダンス値を補正するために予め設定された値であり得る。例えば、第1閾値は、5%以下の値に設定され得る。好ましくは、第1誤差率は負数に算出されることもあるため、制御部120は、算出された複数の第1誤差率の大きさ(すなわち、第1誤差率の絶対値)と第1閾値とを比較することができる。
【0054】
最後に、制御部120は、比較結果に基づいて複数のインピーダンス値を補正するように構成され得る。
【0055】
具体的に、制御部120は、第1誤差率が第1閾値以上のインピーダンス値を変更又は削除することで、複数のインピーダンス値を補正することができる。
【0056】
例えば、制御部120は、複数のインピーダンス値のうちで対応する第1誤差率が第1閾値以上のインピーダンス値(以下、ターゲットインピーダンス値)を削除するように構成され得る。すなわち、制御部120は、ノイズが多く含まれたインピーダンス値を削除することで、バッテリーパラメータを推定するための基盤データ(Basis data)である複数のインピーダンス値の信頼性を向上させることができる。
【0057】
他の例として、制御部120は、ターゲットインピーダンス値を対応する第1参照値に変更することができる。すなわち、制御部120は、ターゲットインピーダンス値を削除せずに変更することで、当該周波数(ターゲットインピーダンス値に対応する周波数)に関する基盤データを確保することができる。
【0058】
図5及び図6の実施形態において、第1閾値が2.5%に予め設定されたと仮定する。第1インピーダンス値d1に対応する周波数は第1周波数fd1であり得る。制御部120は、第1インピーダンス値d1と第1プロファイル(p1)で第1周波数fd1に対応する第1参照値との間の第1誤差率(具体的に、実数誤差率△Reと虚数誤差率△im)を算出することができる。算出された実数誤差率△Reと虚数誤差率△imの大きさが第1閾値以上であるため、制御部120は、第1インピーダンス値d1を削除することができる。
【0059】
また、図5及び図6の実施形態において、第2インピーダンス値d2に対応する周波数は第2周波数fd2であり得る。制御部120は、第2インピーダンス値d2と第1プロファイル(p1)で第2周波数fd2に対応する第1参照値との間の第1誤差率(具体的に、実数誤差率△Reと虚数誤差率△im)を算出することができる。算出された実数誤差率△Reの大きさが第1閾値以上であるため、制御部120は、第2インピーダンス値d2を削除することができる。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態による複数のインピーダンス補正値を概略的に示す図である。図5図7を比較すると、制御部120によって第1インピーダンス値d1及び第2インピーダンス値d2を削除して補正することができる。
【0061】
制御部120は、複数のインピーダンス補正値に基づいて複数の基準値を決定するように構成され得る。
【0062】
具体的に、制御部120は、複数のインピーダンス補正値に基づいてバッテリーに対する等価回路モデルのパラメータを決定することができる。
【0063】
例えば、制御部120は、複数のインピーダンス補正値に基づいて、バッテリーのオーム抵抗値Ro、電荷移動抵抗値Rct及び二重層キャパシタンス値Cdlを複数の基準値として決定するように構成され得る。
【0064】
制御部120は、複数のインピーダンス補正値のうちで周波数が最大値の実数値をオーム抵抗値Roとして決定することができる。例えば、図7の実施形態において、制御部120は、複数のインピーダンス補正値のうちで周波数が最大の第1インピーダンス補正値r1を選択することができる。また、制御部120は、第1インピーダンス補正値r1の実数値R1をオーム抵抗値Roとして決定することができる。
【0065】
また、図7の実施形態において、制御部120は、複数のインピーダンス補正値のうちでボード線図(Bode plot)が最小になる周波数に対応する第2インピーダンス補正値r2を選択することができる。また、制御部120は、第2インピーダンス補正値r2の実数値R2から第1インピーダンス補正値r1の実数値R1を引いた値を電荷移動抵抗値Rctとして決定することができる。
【0066】
また、図7の実施形態において、制御部120は、第1インピーダンス補正値r1と第2インピーダンス補正値r2との間で虚数値が最大の第3インピーダンス補正値r3を選択することができる。制御部120は、第3インピーダンス補正値r3に対応する周波数(又は角周波数)と第3インピーダンス補正値r3の実数値R3に基づいて二重層キャパシタンス値Cdlを算出することができる。例えば、制御部120は「1÷(2×π×f3×R3)」の式を計算して二重層キャパシタンス値Cdlを算出することができる。ここで、f3は、第3インピーダンス補正値r3に対応する周波数であり、「2×π×f3」は、第3インピーダンス補正値r3に対する角周波数wに置換することができる。
【0067】
制御部120は、決定された複数の基準値をフィッティングして第2プロファイル(p2)を生成するように構成され得る。
【0068】
具体的に、制御部120は、複数の基準値にフィッティングアルゴリズムを適用することで、第2プロファイル(p2)を生成するように構成され得る。好ましくは、制御部120は、複数の基準値に対応する曲線又は近似関数を導出できるカーブフィッティングアルゴリズムを用いて第2プロファイル(p2)を生成することができる。
【0069】
第1プロファイル(p1)は、複数のインピーダンス値に基づいて生成され、第2プロファイル(p2)は、複数の基準値(これにはインピーダンス値でなくキャパシタンス値も含まれる)に基づいて生成されるため、制御部120が第1プロファイル(p1)と第2プロファイル(p2)を生成するために用いるフィッティングアルゴリズムは互いに異なることがある。例えば、制御部120は、SciPyのカーブフィット(Curve fit)を用いて、複数の基準値に対応する第2プロファイル(p2)を生成することができる。
【0070】
図8は、本発明の一実施形態による第2プロファイル(p2)を概略的に示す図である。具体的に、図8の第2プロファイル(p2)は、制御部120がSciPyのカーブフィット(Curve fit)を用いて複数の基準値に対して生成したEISプロファイルであり得る。
【0071】
制御部120は、複数のインピーダンス補正値と第2プロファイル(p2)とを比較するように構成され得る。
【0072】
具体的に、制御部120は、複数のインピーダンス補正値と第2プロファイル(p2)との間の第2誤差率を算出し、算出された第2誤差率と予め設定された第2閾値とを比較するように構成され得る。
【0073】
まず、制御部120は、複数のインピーダンス補正値のそれぞれと第2プロファイル(p2)との間の誤差率を算出するように構成され得る。例えば、制御部120は、複数のインピーダンス補正値のそれぞれの周波数を考慮して、第2プロファイル(p2)で当該周波数に対応する第2参照値を決定することができる。すなわち、対応するインピーダンス補正値と第2参照値は、互いに同一の周波数に基づく値であり得る。また、制御部120は、複数のインピーダンス補正値と対応する第2参照値との間の誤差率を算出することができる。具体的に、制御部120は、インピーダンス補正値に対する第2参照値の割合を計算することで、複数のインピーダンス補正値のそれぞれに対する誤差率を算出することができる。例えば、制御部120は、「(インピーダンス補正値-第2参照値)÷インピーダンス補正値」の式を計算して、複数のインピーダンス補正値のそれぞれに対する誤差率を算出することができる。
【0074】
次いで、制御部120は、算出された複数の誤差率に対する平均を第2誤差率として算出するように構成され得る。例えば、制御部120は、算出された複数の誤差率の平均を計算し、計算された平均を第2誤差率として設定することができる。すなわち、第1誤差率は、複数のインピーダンス値のそれぞれに対する誤差率を意味するが、第2誤差率は、複数のインピーダンス補正値の平均誤差率を意味し得る。
【0075】
最後に、制御部120は、算出された第2誤差率と予め設定された第2閾値とを比較するように構成され得る。具体的に、制御部120は、算出された第2誤差率と第2閾値との大小を比較することができる。
【0076】
制御部120は、比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定するように構成され得る。
【0077】
例えば、制御部120は、第2誤差率が第2閾値未満である場合、複数の基準値をバッテリーパラメータとして設定するように構成され得る。反対に、制御部120は、第2誤差率が第2閾値以上である場合、バッテリーパラメータを設定しないこともある。
【0078】
一般に、バッテリーパラメータは、等価回路モデルを構成する重要な要素となり得るため、バッテリーのSOHなどの推定に用いることができる。よって、バッテリーパラメータに対する精度及び信頼度は、バッテリーのSOH推定に大きな影響を与えることができる。
【0079】
本発明の一実施形態によるバッテリーパラメータ推定装置100は、互いに異なるカーブフィッティングアルゴリズムを用いた一次検証及び二次検証を経た後にバッテリーパラメータを決定するため、バッテリーパラメータ推定装置100によって推定されるバッテリーパラメータは、精度及び信頼度が高いものとなり得る。さらに、このようなバッテリーパラメータに基づいてバッテリーのSOHが推定される場合、SOHの精度及び信頼度も高いものとなり得る。
【0080】
一方、バッテリーパラメータ推定装置100に備えられた制御部120は、本発明で行われる様々な制御ロジッグを行うために当業界に知られているプロセッサ、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含むことができる。また、前記制御ロジッグがソフトウェアで実現されるとき、前記制御部120はプログラムモジュールの集合として実現することができる。このとき、プログラムモジュールはメモリに記憶され、制御部120によって実行され得る。前記メモリは、制御部120の内部又は外部にあり、周知の様々な手段により制御部120と接続することができる。
【0081】
また、バッテリーパラメータ推定装置100は、記憶部130をさらに含むことができる。記憶部130は、バッテリーパラメータ推定装置100の各構成要素が動作及び機能を行うために必要なデータやプログラム又は動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを記憶することができる。記憶部130は、データを記録、消去、更新及び読出できると知られている公知の情報記憶手段であればその種類は特に限定されない。一例として、情報記憶手段には、RAM、フラッシュメモリ、ROM、EEPROM、レジスタなどが含まれ得る。また、記憶部130は、制御部120によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを記憶することができる。
【0082】
例えば、記憶部130は、制御部120によって用いられるカーブフィッティングアルゴリズムに対するライブラリを予め記憶することができる。制御部120は、記憶部130に記憶されたアルゴリズムを用いて第1プロファイル(p1)及び第2プロファイル(p2)を生成することができる。
【0083】
以下では、第2誤差率が第2閾値以上である場合について具体的に説明する。
【0084】
制御部120は、第2誤差率が第2閾値以上である場合、複数のインピーダンス補正値をフィッティングして第1プロファイル(p1)を再生成するように構成され得る。
【0085】
具体的に、制御部120は、第2誤差率が第2閾値以上であるのでバッテリーパラメータを設定できない場合、複数のインピーダンス補正値を複数のインピーダンス値として扱うことができる。また、制御部120は、複数のインピーダンス補正値にカーブフィッティングアルゴリズムを適用して第1プロファイル(p1)を再生成することができる。
【0086】
例えば、制御部120は、複数のインピーダンス補正値にLin-KKを適用して第1プロファイル(p1)を再生成することができる。すなわち、複数のインピーダンス値に基づく第1プロファイル(p1)と、複数のインピーダンス補正値に基づく第1プロファイル(p1)とは、入力されるデータが異なるため互いに異なるように生成され得る。
【0087】
図8の実施形態において、第2プロファイル(p2)と複数のインピーダンス補正値との間の第2誤差率が第2閾値以上である場合、制御部120は、複数のインピーダンス補正値に対して第1プロファイル(p1)を再生成することができる。
【0088】
制御部120は、再生成された第1プロファイル(p1)と複数のインピーダンス補正値に基づいて、バッテリーパラメータを設定するか否かを決定するように構成され得る。好ましくは、制御部120は、第2誤差率が第2閾値未満になるまで、第1プロファイル(p1)を再生成するように構成され得る。
【0089】
具体的に、制御部120は、再生成された第1プロファイル(p1)と複数のインピーダンス補正値とを比較し、比較結果に応じて複数のインピーダンス補正値を再度補正することができる。また、制御部120は、複数のインピーダンス再補正値に基づいて複数の基準値を新たに決定することができる。制御部120は、新たに決定された基準値によって第2プロファイル(p2)を生成することができる。最後に、制御部120は、生成された第2プロファイル(p2)と複数のインピーダンス再補正値とを比較し、比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定することができる。複数のインピーダンス再補正値の第2誤差率が第2閾値以上であれば、複数のインピーダンス再補正値に基づいて第1プロファイル(p1)が再び生成され得る。
【0090】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリーパラメータ推定装置100は、設定されるバッテリーパラメータの精度及び信頼度が所定レベル以上になるまで、基盤データを更新して一次検証及び二次検証を繰り返して行うことができる。よって、バッテリーパラメータ推定装置100により推定されるバッテリーパラメータの精度及び信頼度は非常に高いものとなり得る。
【0091】
本発明によるバッテリーパラメータ推定装置100は、BMS(Battery Management System)に適用することができる。すなわち、本発明によるBMSは、上述したバッテリーパラメータ推定装置100を含むことができる。このような構成において、バッテリーパラメータ推定装置100の各構成要素のうちの少なくとも一部は、従来のBMSに含まれた構成の機能を補完及び追加することで実現することができる。例えば、バッテリーパラメータ推定装置100のインピーダンス測定部110、制御部120及び記憶部130は、BMSの構成要素として実現することができる。
【0092】
また、本発明によるバッテリーパラメータ推定装置100は、バッテリーパック10に備えられ得る。すなわち、本発明によるバッテリーパック10は、上述したバッテリーパラメータ推定装置100及び1つ以上のバッテリーセルBを含むことができる。また、バッテリーパック10は、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含むことができる。
【0093】
図9は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック10の例示的な構成を概略的に示す図である。
【0094】
図9を参照すると、インピーダンス測定部110は、バッテリーセルBの正極端子及び負極端子と接続することができる。インピーダンス測定部110は、制御部120からインピーダンス測定信号を受信すると、バッテリーセルBに交流電流を出力することができる。また、インピーダンス測定部110は、周波数が互いに異なる複数の交流電流をバッテリーセルBに出力し、それぞれの周波数に対応するバッテリーセルBのインピーダンスを測定することができる。インピーダンス測定部110は、測定された複数のインピーダンス値を制御部120に送信し、記憶部130に記憶することができる。
【0095】
図10は、本発明のまた他の実施形態によるバッテリーパラメータ推定方法を概略的に示す図である。図11及び図12は、本発明のまた他の実施形態によるバッテリーパラメータ推定方法をより具体的に示す図である。
【0096】
好ましくは、バッテリーパラメータ推定方法の各ステップは、バッテリーパラメータ推定装置100によって行うことができる。以下では、説明の便宜上、上述した内容と重複する内容は省略するか簡略に説明する。
【0097】
図10を参照すると、バッテリーパラメータ推定方法は、インピーダンス値測定ステップ(S100)、第1プロファイル生成ステップ(S200)、インピーダンス値補正ステップ(S300)、基準値決定ステップ(S400)、第2プロファイル生成ステップ(S500)、インピーダンス補正値と第2プロファイルとの比較ステップ(S600)、及びバッテリーパラメータの設定可否決定ステップ(S700)を含むことができる。
【0098】
インピーダンス値測定ステップ(S100)は、バッテリーに複数の交流電流を出力し、複数の交流電流に対応するようにバッテリーに対する複数のインピーダンス値を測定するステップであり、インピーダンス測定部110によって行うことができる。
【0099】
例えば、インピーダンス測定部110は、周波数が互いに異なる複数の交流電流をバッテリーに出力し、それぞれの周波数に対応するインピーダンス値を測定することができる。
【0100】
第1プロファイル生成ステップ(S200)は、複数のインピーダンス値をフィッティングして第1プロファイル(p1)を生成するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0101】
例えば、制御部120は、Lin-KKを用いて複数のインピーダンス値をフィッティングすることで第1プロファイル(p1)を生成することができる。
【0102】
インピーダンス値補正ステップ(S300)は、第1プロファイル(p1)に基づいて複数のインピーダンス値を補正するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0103】
例えば、制御部120は、第1プロファイル(p1)と複数のインピーダンス値のそれぞれの第1誤差率を算出することができる。また、制御部120は、第1誤差率と予め設定された第1閾値とを比較した結果に応じて、複数のインピーダンス値を補正することができる。
【0104】
図11を参照すると、インピーダンス値補正ステップ(S300)は、複数の第1誤差率算出ステップ(S310)、第1誤差率と第1閾値との比較ステップ(S320)及びインピーダンス値削除ステップ(S320)を含むことができる。
【0105】
複数の第1誤差率算出ステップ(S310)は、複数のインピーダンス値のそれぞれと第1プロファイル(p1)との間の第1誤差率を算出するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0106】
例えば、制御部120はそれぞれの周波数に対して、インピーダンス値と第1プロファイル(p1)上の第1参照値との間の第1誤差率を算出することができる。
【0107】
第1誤差率と第1閾値との比較ステップ(S320)は、複数の第1誤差率と予め設定された第1閾値とを比較するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0108】
例えば、制御部120は、複数の第1誤差率の大きさと第1閾値の大小を比較することができる。
【0109】
インピーダンス値削除ステップ(S320)は、比較結果に基づいて複数のインピーダンス値を補正するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0110】
例えば、制御部120は、複数のインピーダンス値のうちで第1誤差率が第1閾値以上のインピーダンス値を削除することができる。
【0111】
他の例として、制御部120は、複数のインピーダンス値のうちで第1誤差率が第1閾値以上のインピーダンス値を対応する第1参照値に変更することもできる。すなわち、本来のインピーダンス値は削除し、複数のインピーダンス値には第1参照値が含まれ得る。
【0112】
基準値決定ステップ(S400)は、複数のインピーダンス補正値に基づいて複数の基準値を決定するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0113】
例えば、制御部120は、複数のインピーダンス補正値に基づいてバッテリーのオーム抵抗値Ro、電荷移動抵抗値Rct及び二重層キャパシタンス値Cdlを複数の基準値として決定することができる。
【0114】
第2プロファイル生成ステップ(S500)は、決定された複数の基準値をフィッティングして第2プロファイル(p2)を生成するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0115】
例えば、制御部120は、SciPyのカーブフィットを用いて、複数の基準値に対応する第2プロファイル(p2)を生成することができる。
【0116】
インピーダンス補正値と第2プロファイルとの比較ステップ(S600)は、複数のインピーダンス補正値と第2プロファイル(p2)とを比較するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0117】
バッテリーパラメータ設定可否決定ステップ(S700)は、比較結果に応じてバッテリーパラメータを設定するか否かを決定するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0118】
例えば、制御部120は、第2プロファイル(p2)と複数のインピーダンス補正値との第2誤差率を算出することができる。また、制御部120は、第2誤差率と予め設定された第2閾値とを比較した結果に応じて、バッテリーを設定するか否かを決定することができる。
【0119】
図12を参照すると、インピーダンス補正値と第2プロファイルとの比較ステップ(S600)は、複数の誤差率算出ステップ(S610)、第2誤差率算出ステップ(S620)、及び第2誤差率と第2閾値との比較ステップ(S630)を含むことができる。バッテリーパラメータの設定可否決定ステップ(S700)は、比較ステップ(S710)及びバッテリーパラメータ設定ステップ(S720)を含むことができる。
【0120】
複数の誤差率算出ステップ(S610)は、複数のインピーダンス補正値のそれぞれと第2プロファイル(p2)との誤差率を算出するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0121】
例えば、制御部120は、複数のインピーダンス補正値のそれぞれと第2プロファイル(p2)上の第2参照値とを比較し、複数のインピーダンス補正値に対する誤差率を算出することができる。
【0122】
第2誤差率算出ステップ(S620)は、算出された複数の誤差率に対する平均を第2誤差率として算出するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0123】
例えば、制御部120は、複数の誤差率算出ステップ(S610)で算出された複数の誤差率の平均を計算して第2誤差率を算出することができる。
【0124】
第2誤差率と第2閾値との比較ステップ(S630)は、算出された第2誤差率と予め設定された第2閾値とを比較するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0125】
例えば、制御部120は、第2誤差率の大きさと第2閾値との間の大小を比較することができる。
【0126】
比較ステップ(S710)は、第2誤差率と第2閾値との大小を比較するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0127】
例えば、比較ステップ(S710)の結果がYesである場合にはバッテリーパラメータ設定ステップ(S720)が行われ、結果がNoである場合には第1プロファイル生成ステップ(S200)が行われ得る。すなわち、第2誤差率が第2閾値以上である場合、複数のインピーダンス補正値に基づいて第1プロファイル(p1)が再生成され得る。
【0128】
バッテリーパラメータ設定ステップ(S720)は、複数の基準値をバッテリーパラメータとして設定するステップであり、制御部120によって行うことができる。
【0129】
例えば、制御部120はオーム抵抗値Ro、電荷移動抵抗値Rct及び二重層キャパシタンス値Cdlをバッテリーパラメータとして設定することができる。
【0130】
以上で説明した本発明の実施形態は、装置及び方法によってのみ実施されるものでなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラム又はそのプログラムが記録された記録媒体によって実施することもでき、このような実施は、上述した実施形態の記載から本発明が属する技術分野における専門家にとって容易である。
【0131】
以上、本発明を限定された実施形態及び図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0132】
また、以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により本発明の技術的な思想から逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるのではなく、様々な変形がなされるように各実施形態の全部又は一部が選択的に組み合わせて構成することができる。
【符号の説明】
【0133】
10:バッテリーパック
100:バッテリーパラメータ推定装置
110:インピーダンス測定部
120:制御部
130:記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】