(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】環化2-アミノ-3-シアノチオフェンを含むKRA分解化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 413/14 20060101AFI20241108BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20241108BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20241108BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20241108BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241108BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241108BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20241108BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20241108BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20241108BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20241108BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20241108BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20241108BHJP
A61P 11/04 20060101ALI20241108BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20241108BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20241108BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
C07D413/14
C07D417/14 CSP
A61K31/551
A61K45/00
A61P35/00
A61P1/18
A61P11/00
A61P1/04
A61P1/16
A61P35/02
A61P17/00
A61P15/00
A61P5/14
A61P13/10
A61P13/02
A61P1/02
A61P11/02
A61P11/04
A61P43/00 105
A61P13/08
A61P13/12
A61P25/00
A61P21/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532456
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2022083950
(87)【国際公開番号】W WO2023099620
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(71)【出願人】
【識別番号】511183973
【氏名又は名称】ヴァンダービルト ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】VANDERBILT UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】305 Kirkland Hall,2201 West End Avenue,Nashville, Tennessee 37240, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ブロカー,ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】アボット,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】シウリ,アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,ジェンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ディールス,エメリネ
(72)【発明者】
【氏名】ファーナビー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】フェシク,スティーヴン・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ゴウルナー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】グッドウィン-ティンダール,ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】ホッジズ,ティム
(72)【発明者】
【氏名】コフィンク,クリスティアーネ
(72)【発明者】
【氏名】リトル,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】マントゥリディス,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】マクレナン,ロス
(72)【発明者】
【氏名】ポポウ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】サルカール,ドルバ
(72)【発明者】
【氏名】シュミーデル,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】スメスルスト,クリスティアン・アラン・パウル
(72)【発明者】
【氏名】トレイナー,ニコール
(72)【発明者】
【氏名】ウォーターソン,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインスタブル,ハーラルト
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,シーイン
(72)【発明者】
【氏名】ゾルマン,デーヴィッド
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA011
4C084ZA341
4C084ZA591
4C084ZA661
4C084ZA671
4C084ZA751
4C084ZA811
4C084ZA891
4C084ZA941
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZB271
4C084ZC061
4C084ZC411
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC71
4C086BC82
4C086GA03
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA34
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC06
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、KRASをターゲットとし、ガン疾患を治療し及び/又は予防するための薬剤として有用である場合がある、式(I)で示される化合物及び誘導体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化153】
[式中、
R
1a及びR
1bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され、
R
2a及びR
2bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され及び/又は
場合により、R
1a又はR
1bのうちの1つ及びR
2a又はR
2bのうちの1つは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環を形成しており、
Zは、-(CR
3aR
3b)
n-であり、
各R
3a及びR
3bは、独立して、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され又は
R
3a及びR
3bは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環を形成しており、
nは、0、1及び2からなる群より選択され、
R
4は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロアルコキシ、シアノ-C
1-6アルキル、ハロゲン、-OH、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、-CN、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され、
環Aは、5員のヘテロアリーレンであり、
R
5が存在する場合、各R
5は、独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロアルコキシ、シアノ-C
1-6アルキル、ハロゲン、-OH、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、-CN、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され、
mは、0、1、2及び3からなる群より選択され、
Wは、窒素(-N=)又は-CH=であり、
Vは、窒素(-N=)又は-CH=であり、
Uは、窒素(-N=)又は-C(R
11)=であり、
R
11は、水素、ハロゲン及びC
1-4アルコキシから選択され、
環Bは、1つ以上の同一又は異なるC
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ又は5~6員のヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている3~11員のヘテロシクロアルキレンであり、ここで、C
1-6アルキルは、シクロプロピルにより場合により置換されており、
Lは、結合、C
1-8アルキレン、C
2-8アルケニレン、C
2-8アルキニレン及びC
1-8アルコキシレンからなる群より選択され、
Xは、-(CH
2)-又は-O-であり、
Yは、5員のヘテロアリーレン又は-C(O)(NR
12)-であり、ここで、前記5員のヘテロアリーレンは、少なくとも1つの窒素原子を含み、ここで、前記-C(O)(NR
12)-は、C原子を介してXに連結しており、
R
9は、C
1-4アルキルであり、
R
10は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、-C(O)R
12及び-C(O)OR
12からなる群より選択され、ここで、前記C
1-6アルキルは、-OH又は-OP(O)(OH)
2により場合により置換されており、
各R
12は、独立して、水素又はC
1-4アルキルであり、
qは、0、1及び2からなる群より選択され、
R
6が存在する場合、各R
6は、それぞれ独立して、ハロゲン又はC
1-3アルキルであり、
R
7は、ハロゲン、C
1-3アルキル、-CN及び5員のヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、前記5員のヘテロアリールは、少なくとも1つの窒素原子を含み、R
8により場合により置換されており、
R
8は、C
1-3アルキル又はC
1-3ヒドロキシアルキルである]
で示される化合物又はその塩。
【請求項2】
mが、0である、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項3】
式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****):
【化154】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6及びR
7は、請求項1又は2で定義されたとおりである]
で示される、請求項1又は2記載の化合物又は塩。
【請求項4】
環Aが、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール及びトリアゾールからなる群より選択される、請求項1~3のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項5】
環Aが、イソオキサゾール、イソチアゾール及びオキサジアゾールからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項6】
式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie):
【化155】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学が、請求項1~4のいずれか一項で定義されたとおりである]
で示される、請求項1~5のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項7】
-Xが、-(CH
2)-であり、Yが、5員のヘテロアリーレン又は-C(O)(NR
12)-であり、ここで、前記5員のヘテロアリーレンが、少なくとも1つの窒素原子を含み、ここで、前記-C(O)(NR
12)-が、C原子を介してXに連結しているか又は
-Xが、-O-であり、Yが、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンである、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項8】
Yが、イソオキサゾール又はトリアゾールである、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項9】
式(If):
【化156】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学が、請求項1~8のいずれか一項に定義されたとおりである]
で示される、請求項1~8のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項10】
式(Ig):
【化157】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学が、請求項1~8のいずれか一項に定義されたとおりである]
で示される、請求項1~8のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項11】
式(Ih):
【化158】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学が、請求項1~7のいずれか一項に定義されたとおりである]
で示される、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項12】
Xが、-(CH
2)-である、請求項9又は10記載の化合物又は塩。
【請求項13】
Xが、-O-である、請求項9又は10記載の化合物又は塩。
【請求項14】
R
1a、R
1b、R
2a及びR
2bが、水素であり、Zが、-CH
2-である、請求項1~13のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項15】
R
4が、メチルである、請求項1~14のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項16】
V又はWのうちの少なくとも1つが、=N-である、請求項1~15のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項17】
環Bが、
【化159】
[式中、
rが、0、1又は2であり、
sが、0、1又は2であり、
R
13が、C
1-3アルキルであり、
各R
14が、それぞれ独立に、同じか又は異なるC
1-3アルキルであり、
(C)及び(L)が、環Bが結合している式(I)の原子又は置換基を示す]
である、請求項1~16のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項18】
Lが、C
1-6アルキレン、C
2-6アルケニレン及びC
1-6アルコキシレンからなる群より選択される、請求項1~17のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項19】
R
9が、イソプロピルであり及び/又はR
9が結合している炭素原子が、(S)配置である、請求項1~18のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項20】
R
10が、水素、C
1-6アルキル及び-C(O)OR
12からなる群より選択され、前記C
1-6アルキルが、-OH又は-OP(O)(OH)
2により場合により置換されている、請求項1~19のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項21】
R
10が、水素である、請求項1~20のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項22】
R
7が、塩素、臭素、イソプロピル、-CN、
【化160】
からなる群より選択される、請求項1~21のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項23】
以下:
【化161】
【化162】
又はその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、請求項1~22のいずれか一項記載の化合物又は塩。
【請求項24】
以下:
【化163】
又はその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、
化合物。
【請求項25】
医薬として使用するための、請求項1~24のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項26】
ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するための、請求項1~24のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項27】
前記化合物又は塩が、1種以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与される、請求項26記載の使用のための、化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項28】
ガンが、膵臓ガン、肺ガン、大腸ガン、胆管ガン、虫垂ガン、多発性骨髄腫、メラノーマ、子宮ガン、子宮内膜ガン、甲状腺ガン、急性骨髄性白血病、膀胱ガン、尿路上皮ガン、胃ガン、子宮頸ガン、頭頸部扁平上皮ガン、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道ガン、胃食道ガン、慢性リンパ性白血病、肝細胞ガン、乳ガン、卵巣ガン、前立腺ガン、神経膠芽腫、腎臓ガン及び肉腫からなる群より選択される、請求項26又は27記載の使用のための、化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項29】
ガンが、KRAS突然変異又はKRAS野生型の増幅を有する腫瘍細胞を含む、請求項26~28のいずれか一項記載の使用のための、化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項30】
KRAS突然変異が、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V及びKRAS G13Dからなる群より選択される、請求項29記載の使用のための、化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項31】
請求項1~24のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤とを含む、
医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、式(I):
【化1】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6及びR
7は、特許請求の範囲及び明細書で与えられた意味を有する]
で示される化合物及び誘導体、KRASの分解剤としてのその使用、それを含む医薬組成物並びにその医学的使用、特に、腫瘍疾患を治療し及び/又は予防するための薬剤としての使用に関する。
【0002】
発明の背景
V-Ki-ras2 Kirstenラット肉腫ウイルス腫瘍遺伝子ホモログ(KRAS)は、Rasファミリーの低分子GTPaseであり、このタンパク質は、細胞内ではGTP結合状態又はGDP結合状態のいずれかで存在する(McCormick et al., J. Mol. Med. (Berl)., 2016, 94(3):253-8;Nimnual et al., Sci. STKE., 2002, 2002(145):pe36)。GTPase活性化タンパク質(GAP)、例えば、NF1の結合により、Rasファミリータンパク質のGTPase活性が向上する。グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)、例えば、SOS1(Son of Sevenless1)の結合により、Rasファミリータンパク質からのGDPの遊離が促進され、GTPの結合が可能となる(Chardin et al., Science, 1993, 260(5112):1338-43)。GTP結合状態にある場合、Rasファミリータンパク質は活性であり、C-RAF及びホスホイノシチド 3-キナーゼ(PI3K)を含むエフェクタータンパク質と関与して、RAF/マイトジェン又は細胞外シグナルレギュレーションキナーゼ(MEK/ERK)経路、PI3K/AKT/ほ乳類ラパマイシンターゲット(mTOR)経路及びRalGDS(Ralグアニンヌクレオチド解離刺激因子)経路を促進する(McCormick et al., J. Mol. Med. (Berl)., 2016, 94(3):253-8;Rodriguez-Viciana et al., Cancer Cell. 2005, 7(3):205-6)。これらの経路は、多様な細胞プロセス、例えば、増殖、生存、代謝、運動、血管新生、免疫及び成長に影響を及ぼす(Young et al., Adv. Cancer Res., 2009, 102:1-17;Rodriguez-Viciana et al., Cancer Cell. 2005, 7(3):205-6)。
【0003】
Rasファミリータンパク質におけるガン関連突然変異により、その内因性GTPase活性及びGAP誘引性GTPase活性がサプレッションされ、GTPに結合した/活性な突然変異型Rasファミリータンパク質の集団が増加する(McCormick et al., Expert Opin. Ther. Targets., 2015, 19(4):451-4;Hunter et al., Mol. Cancer Res., 2015, 13(9):1325-35)。次に、これにより、突然変異型Rasファミリータンパク質の下流にあるエフェクター経路(例えば、RAF/MEK/ERK、PI3K/AKT/mTOR、RalGDS経路)が持続的に活性化される。
【0004】
KRAS突然変異(例えば、アミノ酸G12、G13、Q61、A146)は、肺ガン、大腸ガン及び膵臓ガンを含む各種のヒトのガンに見出される(Cox et al., Nat. Rev. Drug Discov., 2014, 13(11):828-51)。また、Rasファミリータンパク質/Ras遺伝子の変化(例えば、突然変異、過剰発現、遺伝子増幅)は、抗ガン剤、例えば、EGFR抗体であるセツキシマブ及びパニツムマブ(Leto et al., J. Mol. Med. (Berl). 2014 Jul;92(7):709-22)並びにEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるオシメルチニブ/AZD9291(Ortiz-Cuaran et al., Clin. Cancer Res., 2016, 22(19):4837-47;Eberlein et al., Cancer Res., 2015, 7 5(12):2489-500)に対する抵抗性メカニズムとしても報告されている。
【0005】
腫瘍の適応症、例えば、胃ガン、胃食道接合部ガン及び食道ガンのサブセットでは、野生型(WT)KRASガン原遺伝子の著しい増幅が、駆動(driver)変化として機能し、この遺伝子型を有する腫瘍モデルは、in vitro及びin vivoにおいて、KRAS中毒(addicted)になる(Wong et al. Nat Med., 2018, 24(7):968-977)。対照的に、KRASが増幅されていないWT細胞系統は、KRASの活性化を間接的に引き起こす遺伝子における二次的変化を有さない限り、KRAS非依存性である(Meyers et al., Nat Genet., 2017, 49:1779-1784)。これらのデータに基づいて、KRAS WTをターゲットとする活性を有するKRASターゲット剤には、治療ウィンドウが期待される。
【0006】
例えば、KRASのコドン12に影響を及ぼす遺伝子変化により、この位置に本来存在するグリシン残基は、異なるアミノ酸、例えば、アスパラギン酸(G12D突然変異又はKRAS G12D)、システイン(G12C突然変異又はKRAS G12C)、バリン(G12V突然変異又はKRAS G12V)等に置き換えられる。同様に、KRASのコドン13、61及び146内の突然変異は、KRAS遺伝子において一般的に見出される。KRAS突然変異は、肺ガンの35%、大腸ガンの45%、膵臓ガンの最大90%で検出可能である(Herdeis et al., Curr Opin Struct Biol., 2021, 71:136-147)。
【0007】
タンパク質分解ターゲティングキメラ(PROTAC)は、タンパク質に結合し、そのユビキチン化を誘引することにより分解を引き起こす。PROTACは、分解されるタンパク質に結合する部分、E3ユビキチンリガーゼに結合し、これを人工的にリクルートすることができる第2の部分及び2つの部分を繋ぐリンカーからなる三分子又は異種二機能性分子である。ターゲットタンパク質、PROTAC及びリガーゼからなる三量体複合体が形成されると、リガーゼがターゲットに近接することにより、ターゲットタンパク質がユビキチン化される。ユビキチン化は、タンパク質の翻訳後修飾として機能し、特に、プロテアソームへのリクルートが引き起こされ、タンパク質分解性分解がもたらされる。ついで、ターゲットタンパク質上のマルチユビキチン鎖は、プロテアソームにより認識され、ターゲットタンパク質は分解される(Collins, I. et al., Biochem J., 2017, 474, 1127-1147;Hughes, S.J. and Ciulli, A, Essays Biochem., 2017, 61, 505-516;Toure, M. and Crews, C.M., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 2016, 55, 1966-1973)。
【0008】
古典的な低分子薬剤とは対照的に、PROTAC駆動分解は化学量論以下の性質で機能するため、有効性を達成するためには、全身への曝露量を少なくする必要がある(Bondeson, D.P. et al., Nat. Chem. Bio., 2015, 11, 611;Winter, G.E. et al., Science, 2015, 348, 1376-1381)。PROTACは、形成される三元複合体のタンパク質-タンパク質相互作用界面における相補性の違いにより、タンパク質分解性について、ターゲットリガンド自体より高い程度の選択性を示すことが示されている(Bondeson, D.P. et al., Cell Chemical Biology, 2018, 25, 78-87.e75;Gadd, M.S. et al. (2017), Nature Chemical Biology, 13, 514-521;Nowak, R.P. et al. (2018), Nat. Chem. Bio., 14(7):706-714;Zengerle, M. et al., ACS Chemical Biology, 2015, 10, 1770-1777)。加えて、PROTACは、分解が疾患の原因となるタンパク質ドメインに機能的に限定されないため、新薬開発に繋がるプロテオームを拡大することが期待される。難易度の高いマルチドメインタンパク質の場合、伝統的には、新薬開発が困難なターゲットとみなされてきたが、最もリガンドに結合可能なドメインをその機能性又は低分子遮断に対する脆弱性とは無関係に、分解のターゲットとすることができる(Gechijian, L.N. et al., Nat. Chem. Bio., 2018, 14, 405-412)。
【0009】
本来は不可逆的であるが、E3ユビキチンリガーゼのリクルートによるKRASの誘引分解は、不可逆的阻害と同等の細胞効果を誘引すると予想される。さらに、突然変異型KRASは、依然としてGEF/GAPにより誘引されるGTP結合活性状態とGDP結合不活性状態との間の循環に従うと予想されるため、GDP結合状態に関与するPROTACによる突然変異型KRASの誘引分解により、細胞内のKRASプール全体の大部分が徐々に分解される可能性がある。したがって、ガン原性KRAS突然変異体の分解により、腫瘍の下流シグナル伝達が阻害され、KRAS阻害について記載されているように、抗ガン効果がもたらされる可能性がある。不可逆的にターゲットが分解されると、下流のシグナル伝達活性の回復は、(例えば、クリアランスによる)処置対象からの薬剤の除去に依存するだけでなく、リボソームによるターゲットタンパク質のde novo再合成によってもさらに制限される。不可逆的阻害は、これまでのところ、KRAS G12Cタンパク質に限定されており、これは、KRAS突然変異腫瘍全体のほんの一部に過ぎない。対照的に、KRASの誘引分解は、異種二機能性分解分子が結合できるのであれば、腫瘍成長を促進する残りのほとんどのKRAS突然変異/変化に対して、KRASシグナル伝達の不可逆的阻害が可能となる可能性を有する。
【0010】
まとめると、野生型(例えば、増幅型又は過剰発現型)又は突然変異型KRAS(例えば、G12C、G12D、G12V、G13D)の分解剤により、抗ガン作用がもたらされると期待される。
【0011】
したがって、その野生型又は突然変異型のKRASを分解可能な新規な化合物に対する必要性が残っており、前記化合物は、理想的には、タンパク質の形態のパネル全体にわたって有効である。このような化合物は、KRAS、特に、12位もしくは13位において突然変異したKRASに依存しもしくはこれにより媒介されるガン及び/又は野生型増幅KRAS媒介性ガンの処置に有用であろう。また、前記化合物は、代謝安定性、血漿タンパク質結合性、溶解性及び浸透性を含む(が、これらに限定されない)所望の薬理学的特性も有する。
【0012】
発明の詳細な説明
化合物
現在、驚くべきことに、本発明の化合物は、更なる利点を有することが見出されている。特に、本明細書で定義された式(I)で示される化合物は、KRASの分解剤として作用することができる。驚くべきことに、本明細書に記載された化合物は、抗腫瘍活性を有することが見出されている。有利には、本発明の化合物は、野生型(例えば、増幅型又は過剰発現型)及び突然変異型KRAS、例えば、G12C、G12D、G12V、G13Dに対して有効である。特に、本発明の化合物は、KRAS突然変異型のパネルに対して有効である場合がある。このため、本発明の化合物を例えば、KRASにより媒介され及び/又は過剰もしくは異常な細胞増殖を特徴とする疾患の処置に使用することができる。
【0013】
加えて、本発明の化合物は、有利には、代謝安定性、血漿タンパク質結合性、溶解性及び浸透性を含む(が、これらに限定されない)所望の薬理学的特性を有する。
【0014】
したがって、本発明の目的は、式(I):
【化2】
[式中、
R
1a及びR
1bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され、
R
2a及びR
2bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され及び/又は
場合により、R
1a又はR
1bのうちの1つ及びR
2a又はR
2bのうちの1つは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環を形成しており、
Zは、-(CR
3aR
3b)
n-であり、
各R
3a及びR
3bは、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され又は
R
3a及びR
3bは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環を形成しており、
nは、0、1及び2からなる群より選択され、
R
4は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロアルコキシ、シアノ-C
1-6アルキル、ハロゲン、-OH、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、-CN、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され、
環Aは、5員のヘテロアリーレンであり、
R
5が存在する場合、各R
5は、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロアルコキシ、シアノ-C
1-6アルキル、ハロゲン、-OH、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、-CN、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
mは、0、1、2及び3からなる群より選択され、
Wは、窒素(-N=)又は-CH=であり、
Vは、窒素(-N=)又は-CH=であり、
Uは、窒素(-N=)又は-C(R
11)=であり、
R
11は、水素、ハロゲン及びC
1-4アルコキシから選択され、
環Bは、1つ以上の同一又は異なるC
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ又は5~6員のヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている3~11員のヘテロシクロアルキレンであり、ここで、C
1-6アルキルは、シクロプロピルにより場合により置換されており、
Lは、結合、C
1-8アルキレン、C
2-8アルケニレン、C
2-8アルキニレン及びC
1-8アルコキシレンからなる群より選択され、
Xは、-(CH
2)-又は-O-であり、
Yは、5員のヘテロアリーレン又は-C(O)(NR
12)-であり、ここで、前記5員のヘテロアリーレンは、少なくとも1つの窒素原子を含み、ここで、前記-C(O)(NR
12)-は、C原子を介してXに連結しており、
R
9は、C
1-4アルキルであり、
R
10は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、-C(O)R
12及び-C(O)OR
12からなる群より選択され、ここで、前記C
1-6アルキルは、-OH又は-OP(O)(OH)
2により場合により置換されており、
各R
12は、独立して、水素又はC
1-4アルキルであり、
qは、0、1及び2からなる群より選択され、
R
6が存在する場合、各R
6は、それぞれ独立して、ハロゲン又はC
1-3アルキルであり、
R
7は、ハロゲン、C
1-3アルキル、-CN及び5員のヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、前記5員のヘテロアリールは、少なくとも1つの窒素原子を含み、R
8により場合により置換されており、
R
8は、C
1-3アルキル又はC
1-3ヒドロキシアルキルである]
で示される化合物又はその塩である。
【0015】
一態様では、式(I)で示される化合物又は塩は、式(I
*):
【化3】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0016】
別の態様では、式(I)で示される化合物又は塩は、式(I
**):
【化4】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0017】
別の態様では、式(I)で示される化合物又は塩は、式(I
***):
【化5】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0018】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(I
****):
【化6】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0019】
式(I*)、(I**)、(I***)及び(I****)において示された不斉炭素原子における配置を以下で定義される態様及び/又は好ましい実施態様のうちのいずれか1つ以上に適用することができると理解されたい。
【0020】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(Ia):
【化7】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(Ia)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0021】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(Ib):
【化8】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(Ib)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0022】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(Ic):
【化9】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(Ic)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0023】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(Id):
【化10】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(Id)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0024】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(Ie):
【化11】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、環B、L、X、Y、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(Ie)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0025】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(If):
【化12】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(If)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0026】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(Ig):
【化13】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(Ig)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0027】
別の態様では、式(I)で示される化合物は、式(Ih):
【化14】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、環B、L、X、R
9、R
10、q、R
6、R
7及び立体化学は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。好ましくは、式(Ih)におけるキラル中心の立体化学は、式(I
*)、(I
**)、(I
***)又は(I
****)のいずれか1つにおいて定義されたとおりである。
【0028】
式(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物はそれぞれ、式(I)で示される化合物のサブセットであると理解されたい。式(I)で示される化合物への何らか言及は、特に断らない限り、式(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)及び(Ih)で示される化合物それぞれも言及し、これらの化合物にも含まれることを意味する。式(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)及び(Ih)は、単独で又はまとまって、式(I)の「部分式(subformula)」又は「部分式(subformulas)」と呼ばれる場合がある。
【0029】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の一態様では、R1a又はR1bのうちの一方は、水素である。
【0030】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a及びR1bは、水素である。
【0031】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R2a又はR2bのうちの一方は、水素である。
【0032】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R2a及びR2bは、水素である。
【0033】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素である。
【0034】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R3a又はR3bのうちの一方は、水素である。
【0035】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R3a及びR3bは、水素である。
【0036】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a及びR3bは、水素である。
【0037】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、nは、1である。
【0038】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Zは、-CH2-である。
【0039】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-である。
【0040】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0041】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R4は、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、シアノ-C1-3アルキル、ハロゲン、-OH、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-CN、C3-4シクロアルキル及び3~4員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。
【0042】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R4は、C1-6アルキルである。
【0043】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R4は、C1-3アルキルである。
【0044】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R4は、メチルである。
【0045】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルである。
【0046】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0047】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Aは、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール及びトリアゾールからなる群より選択される。
【0048】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Aは、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール及びチアジアゾールからなる群より選択される。
【0049】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Aは、イソオキサゾール、イソチアゾール及びオキサジアゾールからなる群より選択される。
【0050】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Aは、
【化15】
からなる群より選択される。
【0051】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Aは、
【化16】
からなる群より選択される。
【0052】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、任意の出現において、オキサジアジオールは、
【化17】
からなる群より選択される。
【0053】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、任意の出現において、オキサジアジオールは、
【化18】
である。
【0054】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、任意の出現において、イソオキサゾールは、
【化19】
である。
【0055】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、任意の出現において、イソチアゾールは、
【化20】
である。
【0056】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、mは、0である。
【0057】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R11は、水素である。
【0058】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、U、V及びWは、それぞれ独立して、=N-又は=C(H)-である。
【0059】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、V又はWのうちの少なくとも1つは、=N-である。
【0060】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、V又はWのうちの1つは、=N-である。
【0061】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、V及びWは両方とも、=N-である。
【0062】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Wは、=N-である。
【0063】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Uは、=N-であり、Vは、=C(H)-であり、Wは、=N-である。
【0064】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Uは、=C(H)-であり、Vは、=N-であり、Wは、=N-である。
【0065】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Wは、=N-である。
【0066】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Wは、=Nであり、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0067】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Uは、=N-であり、Vは、=C(H)-であり、Wは、=N-である。
【0068】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Uは、=C(H)-であり、Vは、=N-であり、Wは、=N-である。
【0069】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Uは、=N-であり、Vは、=C(H)-であり、Wは、=N-であり、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0070】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Uは、=C(H)-であり、Vは、=N-であり、Wは、=N-であり、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0071】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、少なくとも1つの窒素原子を含む。
【0072】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、2つの窒素原子を含む。
【0073】
(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、1つのC1-6アルキルにより置換されており、場合により、1つ以上の同一又は異なるC1-6アルキル、C1-6アルコキシ又は5~6員のヘテロシクロアルクリルによりさらに置換されている3~11員のヘテロシクロアルキレンであり、ここで、C1-6アルキルのいずれかは、場合によりかつ独立して、シクロプロピルにより置換されており、好ましくは、ここで、前記3~11員のヘテロシクロアルキレンは、少なくとも1つの窒素原子を含むか又はここで、前記3~11員のヘテロシクロアルキレンは、2つの窒素原子を含む。
【0074】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、1つ以上の同一又は異なるC1-3アルキル、C1-3アルコキシ又は5~6員のヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている5~8員のヘテロシクロアルキレンであり、ここで、C1-3アルキルは、シクロプロピルにより場合により置換されており、好ましくは、ここで、前記5~8員のヘテロシクロアルキレンは、少なくとも1つの窒素原子を含むか又はここで、前記5~8員のヘテロシクロアルキレンは、2つの窒素原子を含む。
【0075】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、1つのC1-3アルキルにより置換されており、場合により、1つ以上の同一又は異なるC1-3アルキル、C1-3アルコキシ又は5~6員のヘテロシクロアルキルによりさらに置換されている5~8員ヘテロシクロアルキレンであり、好ましくは、ここで、前記5~8員のヘテロシクロアルキレンは、少なくとも1つの窒素原子を含むか又はここで、前記5~8員のヘテロシクロアルキレンは、2つの窒素原子を含む。
【0076】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、
【化21】
[式中、rは、0、1又は2であり、sは、0、1、2、3又は4であり、R
13は、C
1-6アルキルであり、各R
14は、それぞれ独立して、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ又は5~6員のヘテロシクロアルキルであり、C
1-6アルキルのいずれかは、シクロプロピルにより場合により置換されている]
である。
【0077】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、
【化22】
[式中、rは、0、1又は2であり、sは、0、1、2、3又は4であり、R
13は、C
1-3アルキルであり、各R
14は、それぞれ独立して、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ又は5~6員のヘテロシクロアルキルである]
である。
【0078】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、
【化23】
[式中、rは、0、1又は2であり、sは、0、1又は2であり、R
13は、C
1-3アルキルであり、各R
14は、それぞれ独立して、同じか又は異なるC
1-3アルキルである]
である。
【0079】
好ましくは、R13が結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0080】
好ましくは、rは、0又は1である。好ましくは、rは、0である。好ましくは、rは、1である。
【0081】
好ましくは、sは、0、1又は2である。好ましくは、sは、0であり、好ましくは、sは、1である。好ましくは、sは、2である。
【0082】
好ましくは、R13は、メチルである。
【0083】
好ましくは、R14が存在する場合、R14は、メチルである。
【0084】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、
【化24】
[式中、pは、0、1、2及び3からなる群より選択される]
である。
【0085】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、
【化25】
[式中、pは、1又は2であり、キラル炭素原子は、(S)配置である]
である。
【0086】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、
【化26】
からなる群より選択される。
【0087】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、環Bは、
【化27】
からなる群より選択される。
【0088】
「(C)」及び「(L)」は、環Bが結合している式(I)の原子又は置換基を示すと理解されたい。
【0089】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Lは、C1-8アルキレン、C2-8アルケニレン及びC1-8アルコキシレンからなる群より選択される。
【0090】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Lは、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン及びC1-6アルコキシレンからなる群より選択される。
【0091】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Lは、-(CH
2)
2-、-(CH
2)
3-、-(CH
2)
4-、-(CH
2)
6-、
【化28】
からなる群より選択される。
【0092】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Lは、-(CH
2)
2-、-(CH
2)
3-、-(CH
2)
4-、-(CH
2)
6-、
【化29】
からなる群より選択される。
【0093】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Lは、-(CH
2)
2-、-(CH
2)
3-、-(CH
2)
4-、-(CH
2)
6-、
【化30】
からなる群より選択される。
【0094】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Lは、-(CH
2)
2-、-(CH
2)
3-、-(CH
2)
4-、-(CH
2)
6-、
【化31】
からなる群より選択される。
【0095】
「(B)」及び「(Y)」は、Lが結合している式(I)の置換基を示すと理解されたい。
【0096】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-である。
【0097】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-である。
【0098】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、5員のヘテロアリーレン又は-C(O)(NH)-であり、ここで、前記5員のヘテロアリーレンは、少なくとも1つの窒素原子を含み、ここで、前記-C(O)(NH)-は、C原子を介してXに連結している。
【0099】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール及び-C(O)(NR12)-からなる群より選択され、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結しており、好ましくは、ここで、R12は、水素である。
【0100】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール及びトリアゾールからなる群より選択される。
【0101】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、イソオキサゾール、トリアゾール又は-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0102】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、イソオキサゾール、トリアゾール又は-C(O)(NH)-であり、ここで、前記-C(O)(NH)-は、C原子を介してXに連結している。
【0103】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、-C(O)(NH)-であり、ここで、前記-C(O)(NH)-は、C原子を介してXに連結している。
【0104】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、イソオキサゾール又はトリアゾールである。
【0105】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、イソオキサゾールである。
【0106】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、トリアゾールである。
【0107】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、
【化32】
からなる群より選択される。
【0108】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、
【化33】
からなる群より選択される。
【0109】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、
【化34】
からなる群より選択される。
【0110】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、
【化35】
である。
【0111】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Yは、
【化36】
である。
【0112】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、任意の出現において、トリアゾールは、
【化37】
からなる群より選択される。
【0113】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、Yが-C(O)(NR12)-である場合、Xは、-(CH2)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0114】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、-C(O)(NR12)-であるか又はXは、-(CH2)-もしくは-O-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンであり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0115】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0116】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結しており、Lは、C1-8アルキレン又はC1-8アルコキシレンである。
【0117】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結しており、Lは、C1-6アルキレン又はC1-4アルコキシレンである。
【0118】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-又は-O-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンである。
【0119】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンである。
【0120】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンであり、Lは、C1-8アルキレンである。
【0121】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンである。
【0122】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールからなる群より選択される。
【0123】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールからなる群より選択され、Lは、C1-8アルキレンである。
【0124】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-であり、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールからなる群より選択される。
【0125】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、イソオキサゾール又はトリアゾールである。
【0126】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、イソオキサゾール又はトリアゾールであり、Lは、C1-8アルキレンである。
【0127】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、トリアゾールである。
【0128】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、トリアゾールであり、Lは、C1-8アルキレンである。
【0129】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、トリアゾールであり、Lは、C1-6アルキレンである。
【0130】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-であり、Yは、イソオキサゾール又はトリアゾールである。
【0131】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-であり、Yは、イソオキサゾールである。
【0132】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-であり、Yは、トリアゾールである。
【0133】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH
2)-であり、Yは、
【化38】
からなる群より選択される。
【0134】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH
2)-であり、Yは、
【化39】
からなる群より選択され、Lは、C
1-8アルキレンである。
【0135】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-であり、Yは、
【化40】
からなる群より選択される。
【0136】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH
2)-であり、Yは、
【化41】
からなる群より選択される。
【0137】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH
2)-であり、Yは、
【化42】
からなる群より選択され、Lは、C
1-8アルキレンである。
【0138】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-O-であり、Yは、
【化43】
からなる群より選択される。
【0139】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、5員のヘテロアリーレン又は-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記5員のヘテロアリーレンは、少なくとも1つの窒素原子を含み、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結しているか又はXは、-O-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンである。
【0140】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレン又は-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0141】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレン又は-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結しており、Lは、C1-8アルキレンである。
【0142】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール及び-C(O)(NR12)-からなる群より選択されるか又はXは、-O-であり、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールからなる群より選択され、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0143】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール及び-C(O)(NR12)-からなる群より選択され、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0144】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、トリアゾールもしくは-C(O)(NR12)-であるか又はXは、-O-であり、Yは、トリアゾールもしくはイソオキサゾールであり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0145】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、トリアゾール又は-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0146】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、Xは、-(CH2)-であり、Yは、トリアゾール又は-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結しており、Lは、C1-8アルキレンである。
【0147】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、(B)-L-X-Y-(C)は、
【化44】
からなる群より選択される。
【0148】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、(B)-L-X-Y-(C)は、
【化45】
からなる群より選択される。
【0149】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R9は、分岐鎖C1-4アルキルである。
【0150】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R9は、イソプロピル又はtert-ブチルである。
【0151】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R9は、イソプロピルである。
【0152】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R9は、イソプロピルであり、Yは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンである。
【0153】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R9は、イソプロピルであり、Yは、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール及び-C(O)(NR12)-からなる群より選択され、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結しており、好ましくは、ここで、R12は、水素である。
【0154】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R9は、イソプロピルであり、Yは、イソオキサゾール又はトリアゾールである。
【0155】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R
9は、イソプロピルであり、Yは、
【化46】
からなる群より選択される。
【0156】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R
9は、イソプロピルであり、Yは、
【化47】
からなる群より選択される。
【0157】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R9は、tert-ブチルである。
【0158】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R9は、tert-ブチルであり、Yは、-C(O)(NR12)-であり、ここで、前記-C(O)(NR12)-は、C原子を介してXに連結している。
【0159】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で示される化合物の別の態様では、R9は、tert-ブチルであり、Yは、-C(O)(NH)-であり、ここで、前記-C(O)(NH)-は、C原子を介してXに連結している。
【0160】
式(I)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R9が結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0161】
式(I)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R9が結合している炭素原子は、(R)配置である。
【0162】
式(I)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R9は、イソプロピルであり、R9が結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0163】
式(I)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R9は、イソプロピルであり、R9が結合している炭素原子は、(R)配置である。
【0164】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Wは、=N-であり、R9は、イソプロピルである。
【0165】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Wは、=N-であり、R9は、イソプロピルであり、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置にあり、R9が結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0166】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R10は、水素、C1-6アルキル及び-C(O)OR12からなる群より選択され、ここで、前記C1-6アルキルは、-OH又は-OP(O)(OH)2により場合により置換されている。
【0167】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R10は、水素である。
【0168】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R10は、C1-6アルキル及び-C(O)OR12からなる群より選択され、ここで、前記C1-6アルキルは、-OH又は-OP(O)(OH)2により場合により置換されている。
【0169】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R10は、水素、C1-4アルキル及び-C(O)OR12からなる群より選択され、ここで、前記C1-4アルキルは、-OH又は-OP(O)(OH)2により場合により置換されている。
【0170】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R10は、水素、C1-4アルキル及び-C(O)OR12からなる群より選択され、ここで、前記C1-4アルキルは、-OHにより場合により置換されている。
【0171】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R10は、水素ではなく、R10が結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0172】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R10は、水素ではなく、R10が結合している炭素原子は、(R)配置である。
【0173】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R
10は、水素、メチル、-CH
2OH、-CH
2CH
2OH、
【化48】
、-CH
2CH
2OP(O)(OH)
2、-C(O)OCH
3及び-C(O)OHからなる群より選択される。
【0174】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R12は、水素又はメチルである。
【0175】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R12は、水素である。
【0176】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R12は、メチルである。
【0177】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、qは、0である。qが0である場合、R6は、水素であると理解されたい。
【0178】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、qは、1である。qが1である場合、R6は、R7に対してメタ又はオルトにある場合がある。R6がR7に対してメタにある場合、それは、R6aとラベルされる。R6がR7に対してオルトにある場合、それは、R6bとラベルされる。
【0179】
qが1である場合、R6a及びR6bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン及びC1-3アルキルからなる群より選択される。qが1である場合、R6a又はR6bのうちの1つは、水素であると理解されたい。
【0180】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、qは、2である。qが2である場合、2つのR6が存在する。R7に対してメタにあるR6は、R6aとラベルされる。R7に対してオルトにあるR6は、R6bとラベルされる。
【0181】
qが2である場合、R6a及びR6bは、それぞれ独立して、ハロゲン又はC1-3アルキルである。
【0182】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、qは、0又は1である。
【0183】
好ましくは、R6aは、水素又はハロゲンである。
【0184】
好ましくは、R6aは、水素又はフッ素である。
【0185】
好ましくは、R6aは、水素である。
【0186】
好ましくは、R6aは、フッ素である。
【0187】
好ましくは、R6bは、水素、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0188】
好ましくは、R6aは、水素又はハロゲンであり、R6bは、水素、ハロゲン又はC1-3アルキルである。
【0189】
好ましくは、R6aは、水素であり、R6bは、水素、ハロゲン及びC1-3アルキルである。
【0190】
好ましくは、R6a及びR6bは、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0191】
好ましくは、R6aは、水素又はフッ素であり、R6bは、水素、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0192】
好ましくは、R6aは、水素であり、R6bは、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0193】
好ましくは、R6a及びR6bは、水素である。
【0194】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R7は、塩素、臭素、イソプロピル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾール、トリアゾール又はイミダゾールは、R8により場合により置換されている。
【0195】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R7は、ハロゲン、C1-3アルキル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾールは、R8により置換されている。
【0196】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R7は、ハロゲン、C1-3アルキル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾールは、メチル又は-CH2OHにより置換されている。
【0197】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R7は、塩素、臭素、イソプロピル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾールは、メチル又は-CH2OHにより置換されている。
【0198】
式(I)、(I
*)、(I
**)、(I
***)、(I
****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R
7は、塩素、臭素、イソプロピル、-CN、
【化49】
からなる群より選択される。
【0199】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R8は、メチル又は-CH2OHである。
【0200】
式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物の別の態様では、R8は、メチルである。
【0201】
式(I)で示される化合物の好ましい実施態様は、以下で定義される式I-1~I-48で示される化合物により表わされ、その任意の立体異性体を含む。
【0202】
式(I)又はその部分式で示される任意の2つ以上の態様及び/又は好ましい実施態様を、化学的に安定な構造をもたらす任意の方法で組み合わせて、式(I)又はその部分式で示される更なる態様及び/又は好ましい実施態様を得ることができると理解されたい。
【0203】
さらに、本発明は、式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)の水和物、溶媒和物、多形体、代謝物、誘導体、立体異性体及びプロドラッグに関する。
【0204】
例えば、エステル基を有する式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)は、生理的条件下でエステルが開裂される潜在的なプロドラッグであり、これも、本発明の一部である。
【0205】
さらに、本発明は、式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)又は(Ih)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0206】
本発明の更なる目的は、式(II):
【化50】
[式中、
R
1a及びR
1bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され、
R
2a及びR
2bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され及び/又は
場合により、R
1a又はR
1bのうちの1つ及びR
2a又はR
2bのうちの1つは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環を形成しており、
Zは、-(CR
3aR
3b)
n-であり、
各R
3a及びR
3bは、水素、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、ハロゲン、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され又は
R
3a及びR
3bは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環を形成しており、
nは、0、1及び2からなる群より選択され、
R
4は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロアルコキシ、シアノ-C
1-6アルキル、ハロゲン、-OH、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、-CN、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択され、
環Aは、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール及びトリアゾールからなる群より選択され、
R
5が存在する場合、各R
5は、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロアルコキシ、シアノ-C
1-6アルキル、ハロゲン、-OH、-NH
2、-NH(C
1-4アルキル)、-N(C
1-4アルキル)
2、-CN、C
3-5シクロアルキル及び3~5員のヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
mは、0、1、2及び3からなる群より選択され、
U、V及びWは、それぞれ独立して、=N-又は=C(H)-であり、
pは、0、1、2及び3からなる群より選択され、
Lは、結合、C
1-6アルキレン、C
2-6アルケニレン及びC
1-6アルコキシレンからなる群より選択され、
qは、0、1及び2からなる群より選択され、
R
6が存在する場合、各R
6は、それぞれ独立して、ハロゲン又はC
1-3アルキルであり、
R
7は、ハロゲン、C
1-3アルキル、-CN及び5員のヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、前記5員のヘテロアリールは、少なくとも1つの窒素原子を含み、R
8により場合により置換されており、
R
8は、C
1-3アルキル又はC
1-3ヒドロキシアルキルである]
で示される化合物又はその塩である。
【0207】
一態様では、式(II)で示される化合物又は塩は、式(II
*):
【化51】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0208】
別の態様では、式(II)で示される化合物又は塩は、式(II
**):
【化52】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0209】
別の態様では、式(II)で示される化合物又は塩は、式(II
***):
【化53】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0210】
別の態様では、式(II)で示される化合物は、式(II
****):
【化54】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0211】
式(II*)、(II**)、(II***)及び(II****)において示された不斉炭素原子における配置を以下で定義される態様及び/又は好ましい実施態様のうちのいずれか1つ以上に適用することができると理解されたい。
【0212】
一態様では、式(II)で示される化合物は、式(IIa):
【化55】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0213】
好ましくは、それは、式(II
*a):
【化56】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0214】
別の態様では、式(II)で示される化合物は、式(IIb):
【化57】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0215】
好ましくは、それは、式(II
*b):
【化58】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0216】
別の態様では、式(II)で示される化合物は、式(IIc):
【化59】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0217】
好ましくは、それは、式(II
*c):
【化60】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0218】
別の態様では、式(II)で示される化合物は、式(IId):
【化61】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0219】
好ましくは、それは、式(II
*d):
【化62】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0220】
別の態様では、式(II)で示される化合物は、式(IIe):
【化63】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0221】
好ましくは、それは、式(II
*e):
【化64】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、U、V、W、p、L、q、R
6及びR
7は、本明細書で定義されたとおりである]
で示されるものである。
【0222】
式(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物はそれぞれ、式(II)で示される化合物のサブセットであり、式(II)で示される化合物への何らか言及は、特に断らない限り、化合物(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)及び(IIf)も言及し、これらの化合物にも含まれることを意味すると理解されたい。式(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)及び(IIf)は、式(II)の「部分式」と呼ばれる場合がある。
【0223】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の一態様では、R1a又はR1bのうちの1つは、水素である。
【0224】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a及びR1bは、水素である。
【0225】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R2a又はR2bのうちの1つは、水素である。
【0226】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R2a及びR2bは、水素である。
【0227】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a、R2bは、水素である。
【0228】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R3a又はR3bのうちの1つは、水素である。
【0229】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R3a及びR3bは、水素である。
【0230】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a及びR3bは、水素である。
【0231】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、nは、1である。
【0232】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Zは、-CH2-である。
【0233】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-である。
【0234】
式(II)、(II***)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0235】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R4は、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、シアノ-C1-3アルキル、ハロゲン、-OH、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-CN、C3-4シクロアルキル及び3~4員のヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。
【0236】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R4は、C1-6アルキルである。
【0237】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R4は、C1-3アルキルである。
【0238】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R4は、メチルである。
【0239】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルである。
【0240】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、R4及び環Aが結合している炭素原子は、(S)配置である。
【0241】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、環Aは、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール及びチアジアゾールからなる群より選択される。
【0242】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、環Aは、イソオキサゾール、イソチアゾール及びオキサジアゾールからなる群より選択される。
【0243】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、環Aは、
【化65】
からなる群より選択される。
【0244】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Aは、
【化66】
からなる群より選択される。
【0245】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、オキサジアジオールは、
【化67】
からなる群より選択される。
【0246】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、オキサジアジオールは、
【化68】
である。
【0247】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、イソオキサゾールは、
【化69】
である。
【0248】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、イソチアゾールは、
【化70】
である。
【0249】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、mは、0である。
【0250】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、V又はWのうちの少なくとも1つは、=N-である。
【0251】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、V又はWのうちの1つは、=N-である。
【0252】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、V及びWは両方とも、=N-である。
【0253】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Wは、=N-である。
【0254】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Uは、=N-であり、Vは、=C(H)-であり、Wは、=N-である。
【0255】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Uは、=C(H)-であり、Vは、=N-であり、Wは、=N-である。
【0256】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a、R1b、R2a及びR2bは、水素であり、Zは、-CH2-であり、R4は、メチルであり、Wは、=N-である。
【0257】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、pは、1又は2である。
【0258】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、pは、1である。
【0259】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、pは、2である。
【0260】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Lは、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン及びC1-6アルコキシレンからなる群より選択される。好ましくは、前記C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン及びC1-6アルコキシレンは直鎖である。
【0261】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Lは、結合、C1-4アルキレン、C2-4アルケニレン及びC1-4アルコキシレンからなる群より選択される。好ましくは、前記C1-4アルキレン、C2-4アルケニレン及びC1-4アルコキシレンは直鎖である。
【0262】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Lは、C1-4アルキレン、C2-4アルケニレン及びC1-4アルコキシレンからなる群より選択される。
【0263】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Lは、C1-5アルキレン、C3アルケニレン及びC3-4アルコキシレンからなる群より選択される。
【0264】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、Lは、-CH
2-、-(CH
2)
2-、-(CH
2)
3-、-(CH
2)
5-、
【化71】
からなる群より選択される。
【0265】
「(N)」及び「(C)」は、Lが結合している式(I)の原子を示すと理解されたい。
【0266】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6が存在する場合、各R6は、それぞれ独立して、ハロゲン又はC1-3アルキルである。
【0267】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、qは、0である。qが0である場合、R6は、水素であると理解されたい。
【0268】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、qは、1である。qが1である場合、R6は、R7に対してメタ又はオルトにある場合がある。R6がR7に対してメタにある場合、それは、R6aとラベルされる。R6がR7に対してオルトにある場合、それは、R6bとラベルされる。
【0269】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、qが1である場合、R6a及びR6bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン及びC1-3アルキルからなる群より選択される。qが1である場合、R6a又はR6bのうちの1つは、水素であると理解されたい。
【0270】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、qは、2である。qが2である場合、2つのR6が存在する。R7に対してメタにあるR6は、R6aとラベルされる。R7に対してオルトにあるR6は、R6bとラベルされる。
【0271】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、qが2である場合、R6a及びR6bは、それぞれ独立にハロゲン又はC1-3アルキルである。
【0272】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、qは、0又は1である。
【0273】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、pは、1又は2であり、qは、0又は1である。
【0274】
別の態様では、式(II)で示される化合物は、式(IIf)
【化72】
[式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、Z、R
4、環A、R
5、m、U、V、W、p、L及びR
7は、本明細書で定義されたとおりであり、R
6a及びR
6bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン及びC
1-3アルキルからなる群より選択される]
で示されるものである。
【0275】
式(IIf)で示される化合物の一態様では、R6aは、水素又はハロゲンである。
【0276】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6aは、水素又はフッ素である。
【0277】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6aは、水素である。
【0278】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6aは、フッ素である。
【0279】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6bは、水素、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0280】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6aは、水素又はハロゲンであり、R1bは、水素、ハロゲン又はC1-3アルキルである。
【0281】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6aは、水素であり、R6bは、水素、ハロゲン及びC1-3アルキルである。
【0282】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6a及びR6bは、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0283】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6aは、水素又はフッ素であり、R6bは、水素、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0284】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R6aは、水素であり、R6bは、フッ素、塩素及びメチルからなる群より選択される。
【0285】
式(IIf)で示される化合物の別の態様では、R1a及びR1bは、水素である。
【0286】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R7は、塩素、臭素、イソプロピル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾール、トリアゾール又はイミダゾールは、R8により場合により置換されている。
【0287】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R7は、ハロゲン、C1-3アルキル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾールは、R8により置換されている。
【0288】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R7は、ハロゲン、C1-3アルキル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾールは、メチル又は-CH2OHにより置換されている。
【0289】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R7は、塩素、臭素、イソプロピル、-CN、チアゾール、トリアゾール及びイミダゾールからなる群より選択され、ここで、前記チアゾールは、メチル又は-CH2OHにより置換されている。
【0290】
式(II)、(II
*)、(II
**)、(II
***)、(II
****)、(IIa)、(II
*a)、(IIb)、(II
*b)、(IIc)、(II
*c)、(IId)、(II
*d)、(IIe)、(II
*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R
7は、塩素、臭素、イソプロピル、-CN、
【化73】
からなる群より選択される。
【0291】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R8は、メチル又は-CH2OHである。
【0292】
式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物の別の態様では、R8は、メチルである。
【0293】
式(I)又は(II)で示される化合物の好ましい実施態様は、以下で定義される式I-1~I-27で示される化合物により表わされ、その任意の立体異性体を含む。
【0294】
また、本発明は、スキーム3又は4のプロセスにより、式(II)で示される化合物を製造する方法も指す。
【0295】
【0296】
【0297】
本発明の更なる目的は、以下:
【化76】
からなる群より選択される化合物又はその薬学的に許容し得る塩もしくは立体異性体である。
【0298】
本発明は、さらに、式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)の水和物、溶媒和物、多形体、代謝物、誘導体、立体異性体及びプロドラッグに関する。
【0299】
本発明は、さらに、式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)の水和物に関する。
【0300】
本発明は、さらに、式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)の溶媒和物に関する。
【0301】
例えば、エステル基を有する式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)は、生理的条件下でエステルが開裂される潜在的なプロドラッグであり、これも、本発明の一部である。
【0302】
本発明は、さらに、式(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)又は(IIf)で示される化合物(その全ての態様及び好ましい実施態様を含む)の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0303】
医療用途-処置方法
適応症-患者集団
本発明は、KRAS、好ましくは、残基12で突然変異したKRASを阻害し又は分解する化合物、例えば、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、KRAS G12A及びKRAS G12R阻害剤、好ましくは、KRAS G12C及び/もしくはKRAS G12Dの阻害剤又はKRAS G12Dに対して選択的な阻害剤並びにKRAS野生型、好ましくは、増幅型、残基13で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G13Dもしくは残基61で突然変異したKRAS、例えば、KRAS Q61Hを阻害する化合物を対象とする。特に、本発明の化合物は、KRAS、好ましくは、残基12で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、より好ましくは、G12D又はKRAS野生型の増幅又は残基13で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G13Dもしくは残基61で突然変異したKRAS、例えば、KRAS Q61Hに依存するか又はこれらにより媒介される疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防に有用である場合がある。
【0304】
このため、更なる態様では、本発明は、医薬として使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0305】
更なる態様では、本発明は、ヒト又は動物の身体の処置方法に使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0306】
更なる態様では、本発明は、KRASにより、好ましくは、残基12で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、より好ましくは、G12Dにより又はKRAS野生型の増幅により又は残基13で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G13Dにより媒介される疾患及び/又は状態を治療し及び/又は予防するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0307】
更なる態様では、本発明は、KRASにより、好ましくは、残基12で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、より好ましくは、G12Dにより又はKRAS野生型の増幅により又は残基13で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G13Dにより媒介される疾患及び/又は状態を治療し及び/又は予防するための医薬の製造における、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0308】
更なる態様では、本発明は、KRASにより、好ましくは、残基12で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、より好ましくは、G12Dにより又はKRAS野生型の増幅により又は残基13で突然変異したKRAS、例えば、KRAS G13Dにより媒介される疾患及び/又は状態を治療し及び/又は予防するための方法であって、治療上有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩をヒトに投与することを含む、方法に関する。
【0309】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0310】
更なる態様では、本発明は、ヒト又は動物の身体におけるガンを治療し及び/又は予防する方法において使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0311】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するための医薬の製造における、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0312】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するための方法であって、治療上有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩をヒトに投与することを含む、方法に関する。
【0313】
好ましくは、本明細書(上記又は下記)で定義されたガンは、KRAS突然変異を含む。特に、KRAS突然変異は、例えば、KRAS遺伝子及びKRASタンパク質の突然変異、例えば、KRASの過剰発現、KRASの増幅又はKRAS、残基12で突然変異したKRAS、残基13で突然変異したKRAS、残基61で突然変異したKRAS、残基146で突然変異したKRAS、特に、KRAS G12A、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、KRAS G12S、KRAS G13C、KRAS G13D、KRAS G13V、KRAS Q61H、KRAS Q61E、KRAS Q61P、KRAS A146P、KRAS A146T、KRAS A146Vを含む。KRASは、これらの突然変異/変化のうちの1つ以上を示す場合がある。
【0314】
好ましくは、本明細書(上記又は下記)で定義されたガンは、KRAS突然変異に加えて又は代替的に、BRAF突然変異を含む。前記BRAF突然変異は、特に、例えば、Z. Yao, Nature, 2017, 548, 234-238に定義されたクラスIII BRAF突然変異である。
【0315】
好ましくは、本明細書(上記又は下記)で定義されたガンは、KRAS突然変異に加えて又は代替的に、EGFR、MET及びERBB2突然変異を含むレセプターチロシンキナーゼ(RTK)における突然変異を含む。
【0316】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するためのものであり、ここで、該ガンがKRAS突然変異を含み、前記KRAS突然変異が好ましくは、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、KRAS G13D又はKRAS野生型の増幅、KRAS遺伝子の増幅もしくはKRASの過剰発現からなる群より選択される、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0317】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するための医薬の製造におけるものであり、ここで、該ガンがKRAS突然変異を含み、前記KRAS突然変異が好ましくは、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、KRAS G13D又はKRAS野生型の増幅、KRAS遺伝子の増幅もしくはKRASの過剰発現からなる群より選択される、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0318】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するための方法であって、治療上有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩をヒトに投与することを含み、ここで、該ガンがKRAS突然変異を含み、前記KRAS突然変異が好ましくは、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、KRAS G13D又はKRAS野生型の増幅、KRAS遺伝子の増幅もしくはKRASの過剰発現からなる群より選択される、方法に関する。
【0319】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するためのものであり、ここで、該ガンがKRAS G12D突然変異を含む、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0320】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するためのものであり、ここで、該ガンがKRAS G12V突然変異を含む、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0321】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するためのものであり、ここで、該ガンがKRAS G13D突然変異を含む、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0322】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するためのものであり、ここで、該ガンがKRAS野生型の増幅を含む、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0323】
更なる態様では、本発明は、KRASを阻害し又は分解する方法に使用するためのものであり、ここで、KRASが本明細書で定義されたように、野生型、突然変異型又は増幅型である場合がある、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0324】
更なる態様では、本発明は、KRASを阻害し又は分解する方法に使用するための医薬の製造におけるものであり、ここで、KRASが本明細書で定義されたように、野生型、増幅型又は突然変異型である場合がある、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0325】
更なる態様では、本発明は、KRASを阻害し又は分解するための方法であって、KRASが本明細書で定義されたように、野生型、増幅型又は突然変異型である場合があり、治療上有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩をヒトに投与することを含む、方法に関する。
【0326】
更なる態様では、本発明は、KRASを分解し又はKRASの分解を誘引する方法に使用するためのものであり、ここで、KRASが本明細書で上記定義されたように、野生型、増幅型又は突然変異型である場合がある、本発明化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
【0327】
更なる態様では、本発明は、KRASを分解し又はKRASの分解を誘引する方法に使用するための医薬の製造におけるものであり、ここで、KRASが本明細書で定義されたように、野生型、増幅型又は突然変異型である場合がある、本発明化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0328】
更なる態様では、本発明は、KRASを分解し又はKRASの分解を誘引するための方法であって、KRASが本明細書で定義されたように、野生型、増幅型又は突然変異型である場合があり、治療上有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩をヒトに投与することを含む、方法に関する。
【0329】
別の態様は、患者のKRASの状態と、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩による処置に対する潜在的感受性との間の関連性を特定することに基づいている。ついで、KRAS阻害剤又は分解剤、例えば、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を有利には、他の治療に抵抗性である場合があるKRASに依存する疾患を有する患者を処置するのに使用することができる。したがって、これにより、本発明の化合物による処置のための患者、特に、ガン患者を選択するための機会、方法及びツールが提供される。この選択は、処置される腫瘍細胞が野生型、好ましくは、増幅型又は残基12で突然変異したKRAS、好ましくは、G12C、G12DもしくはG12V遺伝子又は残基13で突然変異したKRAS、好ましくは、G13D遺伝子を有するかどうかに基づいている。したがって、KRAS遺伝子の状態を本発明の化合物による処置を選択することが有利である場合があることを示すバイオマーカーとして使用することができる。
【0330】
一態様によれば、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩による処置のための患者を選択する方法が提供される。該方法は、
・患者からの腫瘍細胞含有サンプルを提供することと、
・患者の腫瘍細胞含有サンプル中のKRAS遺伝子が野生型(12位にグリシン)又は突然変異型(12位にシステイン、アスパラギン酸、バリン、アラニンもしくはアルギニン、13位にアスパラギン酸、増幅型及び/又は過剰発現型)のKRASタンパク質をコードしているかどうかを決定することと、
・それに基づいて、前記化合物による処置のための患者を選択することと
を含む。
【0331】
該方法は、実際の患者サンプルを単離する工程を含む場合があり又は除外する場合がある。
【0332】
一態様では、腫瘍細胞DNAが、突然変異型KRAS遺伝子を有する場合、該患者は、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩による処置のために選択される。
【0333】
別の態様によれば、KRAS突然変異又はKRAS野生型の増幅を有する腫瘍細胞を有するガンを処置するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
【0334】
別の態様によれば、G12C突然変異型、G12D突然変異型、G12V突然変異型もしくはG13D突然変異型KRAS遺伝子又はKRAS野生型の増幅を有する腫瘍細胞を有するガンを処置するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
【0335】
別の態様によれば、G12D突然変異型KRAS遺伝子を有する腫瘍細胞を有するガンを処置するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
【0336】
別の態様によれば、G12V突然変異型KRAS遺伝子を有する腫瘍細胞を有するガンを処置するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
【0337】
別の態様によれば、G13D突然変異型KRAS遺伝子を有する腫瘍細胞を有するガンを処置するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
【0338】
別の態様によれば、KRAS野生型の増幅又はKRASの過剰発現を有する腫瘍細胞を有するガンを処置するのに使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
【0339】
別の態様によれば、G12C突然変異型、G12D突然変異型、G12V突然変異型、G12A突然変異型、G13D突然変異型もしくはG12R突然変異型KRAS遺伝子又はKRAS野生型遺伝子の増幅を有する腫瘍細胞を有するガンを処置する方法であって、有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩をヒトに投与することを含む、方法が提供される。
【0340】
別の態様によれば、G12C突然変異型、G12D突然変異型、G12V突然変異型、G12A突然変異型、G13D突然変異型もしくはG12R突然変異型KRAS遺伝子又はKRAS野生型遺伝子の増幅を有する腫瘍細胞を有するガンを処置する方法であって、有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0341】
腫瘍又はガンがKRAS突然変異を含んでいるかどうかの決定を、KRASタンパク質をコードするヌクレオチド配列を評価することにより、KRASタンパク質のアミノ酸配列を評価することにより又は推定KRAS突然変異タンパク質の特徴を評価することにより行うことができる。野生型ヒトKRASの塩基配列は、当技術分野において公知である。KRASヌクレオチド配列における突然変異を検出するための方法は、当業者に公知である。これらの方法は、ポリメラーゼ連鎖反応-制限フラグメント長多型(PCR-RFLP)アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応-一本鎖コンホメーション多型(PCR-SSCP)アッセイ、リアルタイムPCRアッセイ、PCR配列決定、突然変異アレル特異的PCR増幅(MASA)アッセイ、直接配列決定、プライマー伸長反応、電気泳動、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、TaqManアッセイ、SNP遺伝子型決定アッセイ、高分解能融解アッセイ及びマイクロアレイ分析を含むが、これらに限定されない。一部の実施態様では、サンプルは、リアルタイムPCRにより、KRAS突然変異について評価される。リアルタイムPCRでは、KRAS突然変異に特異的な蛍光プローブを使用することができる。突然変異が存在すると、プローブが結合し、蛍光が検出される。一部の実施態様では、KRAS遺伝子における特定の領域(例えば、エクソン2及び/又はエクソン3)の直接配列決定法を使用して、KRAS突然変異が特定される。この技術により、配列決定された領域において可能性のある全ての突然変異が特定されるであろう。KRASタンパク質における突然変異を検出するための方法は、当業者に公知であり、ベースライン時の突然変異した/変化したKRASの存在を特定するのに適用される場合があるだけでなく、処置に対する反応、特に、腫瘍サンプルからのWT又は突然変異型KRASの処置に関連した枯渇をモニターするのにも適用される場合がある。これらの方法は、突然変異型タンパク質にも特異的である場合がある結合剤(例えば、抗体)を使用した突然変異型KRASの検出、タンパク質電気泳動、ウェスタンブロッティング、直接ペプチド配列決定、質量分光法ベースのアプローチによる野生型又は突然変異型KRASの検出を含むが、これらに限定されない。
【0342】
腫瘍又はガンがKRAS突然変異を含むかどうかを決定するための方法では、各種のサンプルを使用することができる。一部の実施態様では、サンプルは、腫瘍又はガンを有する対象から採取される。一部の実施態様では、サンプルは、新鮮な腫瘍/ガンのサンプルである。一部の実施態様では、サンプルは、凍結させた腫瘍/ガンのサンプルである。一部の実施態様では、サンプルは、ホルマリン固定パラフィン包埋サンプルである。一部の実施態様では、サンプルは、細胞ライゼートに処理される。一部の実施態様では、サンプルは、DNA又はRNAに処理される。一部の実施態様では、サンプルは、リキッドバイオプシーであり、検査は、血液サンプルに対して行われ、血液中を循環している腫瘍からのガン細胞を探すか又は血液中にある腫瘍細胞からのDNAの断片を探す。
【0343】
好ましくは、本明細書(上記及び下記)で定義され、開示された方法及び使用に従って、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩により治療される/予防される疾患/状態/ガン/腫瘍/ガン細胞は、膵臓ガン、肺ガン、大腸ガン、胆管ガン、虫垂ガン、多発性骨髄腫、メラノーマ、子宮ガン、子宮内膜ガン、甲状腺ガン、急性骨髄性白血病、膀胱ガン、尿路上皮ガン、胃ガン、食道ガン、胃食道ガン、子宮頸ガン、頭頸部扁平上皮ガン、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、肝細胞ガン、乳ガン、卵巣ガン、前立腺ガン、神経膠芽腫、腎ガン及び肉腫からなる群より選択される。
【0344】
好ましくは、本明細書(上記及び下記)で定義され、開示された方法及び使用に従って、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩により治療される/予防される疾患/状態/ガン/腫瘍/ガン細胞は、膵臓ガン、肺ガン、卵巣ガン、大腸ガン(CRC)、胃ガン、胃食道接合部ガン(GEJC)及び食道ガンからなる群より選択される。
【0345】
別の態様では、本明細書(上記及び下記)で定義され、開示された方法及び使用に従って、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩により治療される/予防される疾患/状態/ガン/腫瘍/ガン細胞は、膵臓ガン(好ましくは、膵管腺ガン(PDAC))、肺ガン(好ましくは、非小細胞肺ガン(NSCLC))、胃ガン、胆管ガン及び大腸ガン(好ましくは、大腸腺ガン)からなる群より選択される。好ましくは、前記膵臓ガン、肺ガン、胆管ガン、大腸ガン(CRC)、膵管腺ガン(PDAC)、非小細胞肺ガン(NSCLC)又は大腸腺ガンは、KRAS突然変異、特に、KRAS G12D又はKRAS G12V突然変異を含む。好ましくは(先の好ましい実施態様と代替的に又は組み合わせて)、前記非小細胞肺ガン(NSCLC)は、NF1遺伝子における突然変異(特に、機能喪失突然変異)を含む。
【0346】
別の態様では、本明細書(上記及び下記)で定義され、開示された方法及び使用に従って、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩により治療される/予防される疾患/状態/ガン/腫瘍/ガン細胞は、胃ガン、卵巣ガン又は食道ガンであり、前記胃ガン又は食道ガンは、好ましくは、胃腺ガン(GAC)、食道腺ガン(EAC)及び胃食道接合部ガン(GEJC)からなる群より選択される。好ましくは、前記胃ガン、卵巣ガン、食道ガン、胃腺ガン(GAC)、食道腺ガン(EAC)又は胃食道接合部ガン(GEJC)は、KRAS突然変異又は野生型KRASの増幅を含む。
【0347】
特に好ましくは、本明細書(上記及び下記)で定義され、開示された方法及び使用に従って、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩により治療される/予防されるガンは、
・少なくとも1種のKRAS突然変異、特に、KRAS野生型の増幅を有する肺腺ガン(好ましくは、非小細胞肺ガン(NSCLC))、
・少なくとも1種のKRAS突然変異、特に、KRAS野生型の増幅を有する大腸腺ガン、
・少なくとも1種のKRAS突然変異、特に、KRAS野生型の増幅を有する膵臓腺ガン(好ましくは、膵管腺ガン(PDAC))、
・少なくとも1種のKRAS突然変異、特に、KRAS野生型の増幅を有する胃ガン、
・少なくとも1種のKRAS突然変異、特に、KRAS野生型の増幅を有する食道ガン、
・少なくとも1種のKRAS突然変異、特に、KRAS野生型の増幅を有する胃食道接合部ガン
からなる群より選択される。
【0348】
好ましくは、本明細書(上記又は下記)で使用する場合、「ガン」は、薬剤抵抗性ガン及び1種以上の抗ガン剤による単剤療法又は併用療法が1ライン、2ライン又はそれ以上で失敗したガンを含む。特に、「ガン」(及びその任意の実施態様)は、KRAS G12C阻害剤による処置に抵抗性の任意のガン(特に、上記又は下記で定義されたガン種)を指す。
【0349】
種々の抵抗性メカニズムが既に報告されている。例えば、下記論文には、KRAS G12C阻害剤による処置後の患者における抵抗性が記載されている。(i)Awad MM, Liu S, Rybkin, II, Arbour KC, Dilly J, Zhu VW, et al. Acquired resistance to KRAS(G12C) inhibition in cancer. N Engl J Med 2021;384:2382-93及び(ii)Tanaka N, Lin JJ, Li C, Ryan MB, Zhang J, Kiedrowski LA, et al. Clinical acquired resistance to KRAS(G12C) inhibition through a novel KRAS switch-II pocket mutation and polyclonal alterations converging on RAS-MAPK reactivation. Cancer Discov 2021;11:1913-22。
【0350】
別の態様では、本明細書(上記及び下記)で定義され、開示された方法及び使用に従って、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩により治療される/予防される疾患/状態/ガン/腫瘍/ガン細胞は、好ましくは、神経線維腫症1型(NF1)、ヌーナン症候群(NS)、多発性黒子を伴うヌーナン症候群(NSML)(LEOPARD症候群とも呼ばれる)、毛細血管奇形-動静脈奇形症候群(CM-AVM)、コステロ症候群(CS)、心臓-顔面-皮膚症候群(CFC)、Legius症候群(NF1様症候群としても公知)及び遺伝性歯肉線維腫症からなる群より選択されるRAS症である。
【0351】
さらに、下記ガン、腫瘍及び他の増殖性疾患(それらに制限されない)を本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩により処置することができる。好ましくは、本明細書(上記及び下記)に開示された処置方法、方法、使用、使用のための化合物及び使用のための医薬組成物は、KRAS突然変異(12位におけるもの(好ましくは、G12C、G12D、G12V、G12A、G12R突然変異)又はKRAS野生型の増幅を含む)を有する、代替的には、本明細書に記載され及び/又は言及された12位におけるKRAS突然変異(好ましくは、G12C、G12D、G12V、G12A、G12R突然変異)又はKRAS野生型の増幅を有することが特定されている疾患/状態/ガン/腫瘍(すなわち、各細胞)の処置に適用される。
【0352】
頭頸部のガン/腫瘍/ガン腫:例えば、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、口腔(口唇、歯肉、歯槽堤、反回峰、口腔底、舌、硬口蓋、頬粘膜を含む)、中咽頭(舌底、扁桃、扁桃孔、軟口蓋、扁桃窩、咽頭壁を含む)、中耳、喉頭(声門上、声門、声門下、声帯を含む)、下咽頭、唾液腺(小唾液腺を含む)の腫瘍/ガン腫/ガン;
【0353】
肺のガン/腫瘍/ガン腫:例えば、非小細胞肺ガン(NSCLC)(扁平上皮ガン、紡錘細胞ガン、腺ガン、大細胞ガン、明細胞ガン、気管支肺胞)、小細胞肺ガン(SCLC)(燕麦細胞ガン、中間細胞ガン、混合型燕麦細胞ガン);
【0354】
縦隔の新生物:例えば、神経原性腫瘍(神経線維腫、神経鞘腫、悪性シュワン腫、神経肉腫、神経節神経芽細胞腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、傍神経節腫を含む)、胚細胞腫瘍(セミノーマ、奇形腫、非セミノーマを含む)、胸腺腫瘍(胸腺腫、胸腺脂肪腫、胸腺ガン腫、胸腺カルチノイドを含む)、間葉系腫瘍(線維腫、線維肉腫、脂肪腫、脂肪肉腫、粘液腫、中皮腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、黄色肉芽腫、間葉腫、血管腫、血管内皮腫、血管外皮腫、リンパ管腫、リンパ管外皮腫、リンパ管筋腫を含む);
【0355】
消化管(GI)のガン/腫瘍/ガン腫:例えば、食道の腫瘍/ガン腫/ガン(例えば、食道ガン、胃食道接合部ガン)、胃(胃ガン)、膵臓、肝臓及び胆道(肝細胞ガン(HCC)、例えば、小児性HCC、線維層状HCC、混合型HCC、紡錘細胞性HCC、明細胞性HCC、巨細胞性HCC、ガン肉腫性HCC、硬化性HCC、肝芽腫、胆管ガン、胆管細胞ガン、肝嚢胞腺ガン、血管肉腫、血管内皮腫、平滑筋肉腫、悪性シュワン腫、線維肉腫、クラツキン腫瘍を含む)、胆嚢、肝外胆管、小腸(十二指腸、空腸、回腸を含む)、大腸(盲腸、結腸、直腸、肛門を含む;大腸ガン、消化管間質腫瘍(GIST))、泌尿生殖器系(腎臓、例えば、腎盂を含む、腎細胞ガン(RCC)、腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)、腎上皮腫、グラウィッツ腫瘍、尿管、膀胱、例えば、尿膜ガン、尿路上皮ガン、尿道、例えば、遠位性、球膜性、前立腺性、前立腺(アンドロゲン依存性、アンドロゲン非依存性、去勢抵抗性、ホルモン非依存性、ホルモン不応性)、陰茎);
【0356】
精巣のガン/腫瘍/ガン腫:例えば、セミノーマ、非セミノーマ、
【0357】
婦人科のガン/腫瘍/ガン腫:例えば、卵巣、卵管、腹膜、子宮頸部、外陰部、膣、子宮体部(子宮内膜、子宮底を含む)の腫瘍/ガン腫/ガン;
【0358】
乳房のガン/腫瘍/ガン腫:例えば、乳ガン(浸潤性乳管ガン、コロイドガン、小葉浸潤ガン、管状ガン、腺嚢胞ガン、乳頭ガン、髄様ガン、粘液ガン)、ホルモンレセプター陽性乳ガン(エストロゲンレセプター陽性乳ガン、プロゲステロンレセプター陽性乳ガン)、Her2陽性乳ガン、トリプルネガティブ乳ガン、乳房のパジェット病;
【0359】
内分泌系のガン/腫瘍/ガン腫:例えば、内分泌腺の腫瘍/ガン腫/ガン、甲状腺(甲状腺のガン/腫瘍;乳頭状、濾胞状、退形成性、髄様)、副甲状腺(副甲状のガン腫/腫瘍)、副腎皮質(副腎皮質のガン腫/腫瘍)、下垂体(プロラクチノーマ、頭蓋咽頭腫を含む)、胸腺、副腎、松果体、頸動脈小体、膵島細胞腫瘍、傍神経節、膵内分泌腫瘍(PET;非機能性PET、PPoma、ガストリノーマ、インスリノーマ、VIPoma、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ、GRFoma、ACTHoma)、カルチノイド腫瘍;
【0360】
軟部組織の肉腫:例えば、線維肉腫、線維性組織球腫、脂肪肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、カポジ肉腫、グロムス腫瘍、血管外皮腫、滑膜肉腫、腱鞘の巨細胞腫瘍、胸膜及び腹膜の孤立性線維性腫瘍、びまん性中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、顆粒細胞腫瘍、明細胞肉腫、メラノサイト性シュワン腫、叢肉腫、神経芽細胞腫、神経節神経芽細胞腫、神経上皮腫、骨格外ユーイング肉腫、傍神経節腫、骨格外軟骨肉腫、骨格外骨肉腫、間葉腫、肺胞軟部肉腫、類上皮肉腫、腎外ラブドイド腫瘍、脱形成性小細胞腫瘍;
【0361】
骨の肉腫:例えば、骨髄腫、細網細胞肉腫、軟骨肉腫(中心性、末梢性、明細胞性、間葉性軟骨肉腫を含む)、骨肉腫(傍骨、骨膜、高悪性度表層、小細胞、放射線誘発骨肉腫、パジェット肉腫を含む)、ユーイング腫瘍、悪性巨細胞腫瘍、アダマンチノーマ、(線維性)組織球腫、線維肉腫、脊索腫、小円形細胞肉腫、血管内皮腫、血管外皮腫、骨軟骨腫、骨様骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、軟骨芽細胞腫;
【0362】
中皮腫:例えば、胸膜中皮腫、腹膜中皮腫;
【0363】
皮膚のガン:例えば、基底細胞ガン、扁平上皮ガン、メルケル細胞ガン、メラノーマ(皮膚、表在拡大型、悪性黒子型、尖圭黒子型、結節性、眼内メラノーマを含む)、光線性角化症、眼瞼ガン;
【0364】
中枢神経系及び脳の新生物:例えば、星細胞腫(大脳、小脳、びまん性、線維性、退形成性、毛様細胞性、原形質性、胚細胞性)、膠芽腫、神経膠腫、乏突起膠腫、乏突起星細胞腫、上衣腫、上衣芽細胞腫、脈絡叢腫瘍、髄芽腫、髄膜腫、シュワン腫、血管芽腫、血管腫、血管外皮腫、神経鞘腫、神経節腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経鞘腫(例えば、音響性)、脊髄軸腫瘍;
【0365】
リンパ腫及び白血病:例えば、B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)(小リンパ球性リンパ腫(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞リンパ腫(DLCL)、バーキットリンパ腫(BL)を含む)、T細胞非ホジキンリンパ腫(退形成性大細胞リンパ腫(ALCL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)を含む)、リンパ芽球性T細胞リンパ腫(T-LBL)、成人T細胞リンパ腫、リンパ芽球性B細胞リンパ腫(B-LBL)、免疫細胞腫、慢性B細胞リンパ球性白血病(B-CLL)、慢性T細胞リンパ球性白血病(T-CLL)、B細胞性小リンパ球性リンパ腫(B-SLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTLC)、原発性中枢神経系リンパ腫(PCNSL)、免疫芽細胞腫、ホジキン病(HD)(結節性リンパ球優位型HD(NLPHD)、結節性硬化型HD(NSHD)、混合細胞性HD(MCHD)、リンパ球優位型HD、リンパ球欠乏型HD(LDHD)を含む)、大顆粒リンパ球性白血病(LGL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性(myelogenous)/骨髄性(myeloid)白血病(AML)、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性/リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄性/骨髄性白血病(CML)、骨髄腫、形質細胞腫、多発性骨髄腫(MM)、形質細胞腫、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML);
【0366】
原発部位不明のガン(CUP);
【0367】
体内の特定の場所/起源を特徴とする上記言及された全てのガン/腫瘍/ガン腫は、原発性腫瘍と、それに由来する転移性腫瘍との両方を含むことを意味する。
【0368】
上記言及された全てのガン/腫瘍/ガン腫を病理組織学的分類によりさらに識別することができる。
【0369】
上皮性ガン、例えば、扁平上皮ガン(SCC)(in situガン、表在性浸潤ガン、いぼ状ガン、偽肉腫、退形成、移行細胞、リンパ上皮)、腺ガン(AC)(高分化、粘液性、乳頭、多形巨細胞、管状、小細胞、印環細胞、紡錘細胞、明細胞、燕麦細胞、コロイド、腺扁平上皮、粘表皮、腺様嚢胞性)、粘液性嚢胞腺ガン、針状細胞ガン、大細胞ガン、小細胞ガン、神経内分泌腫瘍(小細胞ガン、傍神経節腫、カルチノイド)、オンコサイトガン;
【0370】
非上皮ガン、例えば、肉腫(線維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、血管肉腫、巨細胞肉腫、リンパ肉腫、線維性組織球腫、脂肪肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、神経線維肉腫)、リンパ腫、メラノーマ、胚細胞腫瘍、血液新生物、混合及び未分化ガン。
【0371】
本発明の化合物を第1選択、第2選択又は任意の更なる選択処置に関する治療計画に使用することができる。
【0372】
本発明の化合物を上記言及された疾患/状態/ガン/腫瘍の予防、短期治療又は長期治療に使用することができ、場合により、放射線療法及び/又は外科手術と併用することもできる。
【0373】
本明細書(上記及び下記)に開示された処置方法、方法、使用及び使用のための化合物を本明細書に開示又は定義された任意の本発明の化合物及び本発明の化合物を含む任意の医薬組成物又はキットを使用して実施することができる。
【0374】
併用処置
また、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びこのような化合物もしくは塩を含む医薬組成物を他の薬理学的に活性な物質、例えば、他の抗新生物化合物(例えば、化学療法)と同時投与することもでき又は他の処置、例えば、放射線もしくは外科的介在と組み合わせて、手術前もしくは手術後のいずれかにおけるアジュバントとして使用することもできる。好ましくは、同時投与のための薬理学的に活性な物質は、抗新生物化合物である。
【0375】
このため、更なる態様では、本発明は、上記定義された使用のための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関し、ここで、前記化合物は、1種以上の他の薬理学的に活性な物質の前、後又はこれと共に投与される。
【0376】
更なる態様では、本発明は、上記定義された使用のための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関し、ここで、前記化合物は、1種以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与される。
【0377】
更なる態様では、本発明は、上記定義された本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用に関し、ここで、前記化合物は、1種以上の他の薬理学的に活性な物質の前、後又はこれと共に投与される。
【0378】
更なる態様では、本発明は、上記定義された方法(例えば、治療及び/又は予防のための方法)に関し、ここで、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、治療上有効量の1種以上の他の薬理学的に活性な物質の前、後又はこれと共に投与される。
【0379】
更なる態様では、本発明は、上記定義された方法(例えば、治療及び/又は予防のための方法)に関し、ここで、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、治療上有効量の1種以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与される。
【0380】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するための方法であって、該治療及び/又は予防を必要とする患者に、治療上有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及び治療上有効量の1種以上の他の薬理学的に活性な物質を投与することを含み、ここで、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が1種以上の他の薬理学的に活性な物質と同時(simultaneously)、同時(concurrently)、順次、連続、交互又は別々に投与される、方法に関する。
【0381】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するための方法であって、該治療及び/又は予防を必要とする患者に、治療上有効量の、残基12又は13で突然変異したKRASの阻害剤、例えば、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、KRAS G12A、KRAS G13D及び/もしくはKRAS G12R阻害剤、好ましくは、KRAS G12C、KRAS G12Dもしくは選択的KRAS G12D阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩並びに治療上有効量の1種以上の他の薬理学的に活性な物質を投与することを含み、ここで、該阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩が1種以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与される、方法に関する。
【0382】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するための方法であって、該治療及び/又は予防を必要とする患者に、治療上有効量のKRAS阻害剤又は分解剤(好ましくは、汎KRAS阻害剤又は分解剤)及び治療上有効量の1種以上の他の薬理学的に活性な物質を投与することを含み、ここで、該KRAS阻害剤又は分解剤(好ましくは、汎KRAS阻害剤又は分解剤)が1種以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与される、方法に関する。
【0383】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するためのものであり、ここで、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩が1種以上の他の薬理学的に活性な物質と同時、同時、順次、連続、交互又は別々に投与される、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関する。更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するための、KRAS阻害剤又は分解剤(好ましくは、汎KRAS阻害剤又は分解剤)であって、KRAS阻害剤又は分解剤(好ましくは、汎KRAS阻害剤又は分解剤)が1種以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与される、KRAS阻害剤又は分解剤に関する。
【0384】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するための、増幅又は過剰発現されたKRAS野生型の阻害剤もしくは分解剤又はその薬学的に許容し得る塩であって、該阻害剤もしくは分解剤又はその薬学的に許容し得る塩が1種以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与される、阻害剤又は分解剤に関する。
【0385】
更なる態様では、本発明は、ガンを治療し及び/又は予防するのに使用するための、
・本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及び場合により、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む第1の医薬組成物又は剤形と、
・別の薬理学的に活性な物質及び場合により、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む第2の医薬組成物又は剤形と
を含み、ここで、第1の医薬組成物が第2及び/又は追加の医薬組成物又は剤形と同時、同時、順次、連続、交互又は別々に投与される、キットに関する。
【0386】
一態様では、前記使用のためのこのようなキットは、さらに別の薬理学的に活性な物質及び場合により、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む第3の医薬組成物又は剤形を含む第3の医薬組成物又は剤形を含む。
【0387】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、キット、使用、方法の成分(すなわち、組み合わせパートナー)及び使用のための化合物は、同時に(simultaneously)投与される。
【0388】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、キット、使用、方法の成分(すなわち、組み合わせパートナー)及び使用のための化合物は、同時に(concurrently)投与される。
【0389】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、キット、使用、方法の成分(すなわち、組み合わせパートナー)及び使用のための化合物は、順次投与される。
【0390】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、キット、使用、方法の成分(すなわち、組み合わせパートナー)及び使用のための化合物は、連続で投与される。
【0391】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、キット、使用、方法の成分(すなわち、組み合わせパートナー)及び使用のための化合物は、交互に投与される。
【0392】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、キット、使用、方法の成分(すなわち、組み合わせパートナー)及び使用のための化合物は、別々に投与される。
【0393】
本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と共に/組み合わせて又は本明細書(上記及び下記)で定義された医療用途、使用、治療方法及び/もしくは予防方法、医薬組成物において使用される薬理学的に活性な物質を以下のうちのいずれか1種以上から選択することができる(好ましくは、これらの全ての実施態様において使用される1種又は2種の追加の薬理学的に活性な物質が存在する)。
【0394】
1.EGFR及び/もしくはErbB2(HER2)及び/もしくはErbB3(HER3)及び/もしくはErbB4(HER4)又はそれらの任意の突然変異体の阻害剤
a.不可逆的阻害剤:例えば、アファチニブ、ダコミチニブ、カナーチニブ、ネラチニブ、アビチニブ、ポジオチニブ、AV412、PF-6274484、HKI357、オルムチニブ、オシメルチニブ、アルモナーチニブ、ナザルチニブ、ラゼルチニブ、ペリチニブ;
b.可逆的阻害剤:例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イコチニブ、サピチニブ、ラパチニブ、バルリチニブ、バンデタニブ、TAK-285、AEE788、BMS599626/AC-480、GW583340;
c.抗EGFR抗体:例えば、ネシツムマブ、パニツムマブ、セツキシマブ、アミバンタマブ;
d.抗HER2抗体:例えば、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン;
e.突然変異型EGFRの阻害剤;
f.エクソン20突然変異を有するHER2の阻害剤;
g.好ましい不可逆的阻害剤であるアファチニブ;
h.好ましい抗EGFR抗体であるセツキシマブ。
【0395】
2.MEK及び/又はその突然変異体の阻害剤
a.例えば、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、リファメチニブ;
b.好ましくは、トラメチニブ
c.WO第2013/136249号に開示されているMEK阻害剤;
d.WO第2013/136254号に開示されているMEK阻害剤。
【0396】
3.SOS1及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤(すなわち、例えば、SOS1に結合し、SOS1と(突然変異型)Rasタンパク質、例えば、KRASとの間のタンパク質-タンパク質相互作用を妨げることにより、SOS1のGEF機能をモデュレーションする/阻害する化合物)
a.例えば、BAY-293;
b.WO第2018/115380号に開示されているSOS1阻害剤;
c.WO第2019/122129号に開示されているSOS1阻害剤;
d.WO第2020/180768号、同第2020/180770号、同第2018/172250号及び同第2019/201848号に開示されるSOS1阻害剤。
【0397】
4.YAP1、WWTR1、TEAD1、TEAD2、TEAD3及び/又はTEAD4の阻害剤
a.TEAD転写因子の可逆的阻害剤(例えば、WO第2018/204532号に開示されているもの);
b.TEAD転写因子の不可逆的阻害剤(例えば、WO第2020/243423号に開示されているもの);
c.YAP/TAZ::TEAD相互作用のタンパク質-タンパク質相互作用阻害剤(例えば、WO第2021/186324号に開示されているもの);
d.TEADのパルミトイル化阻害剤。
【0398】
5.腫瘍溶解性ウイルス
【0399】
6.RASワクチン
a.例えば、TG02(Targovax)。
【0400】
7.細胞周期阻害剤
a.例えば、CDK4/6及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
i.例えば、パルボシクリブ、リボシクリブ、アベマシクリブ、トリラシクリブ、PF-06873600;
ii.好ましくは、パルボシクリブ及びアベマシクリブ;
iii.最も好ましくは、アベマシクリブ
b.例えば、ビンカアルカロイド
i.例えば、ビノレルビン
c.例えば、オーロラキナーゼ及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
i.例えば、アリセルチブ、バラセルチブ。
【0401】
8.PTK2(=FAK)及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、TAE226、BI853520。
【0402】
9.SHP2及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、SHP099、TNO155、RMC-4550、RMC-4630、IACS-13909。
【0403】
10.PI3キナーゼ(=PI3K)及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、PI3Kα及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
i.例えば、アルペリシブ、セラベリシブ、GDC-0077、HH-CYH33、AMG511、ブパリシブ、ダクトリシブ、ピクチリシブ、タセリシブ。
【0404】
11.FGFR1及び/もしくはFGFR2及び/もしくはFGFR3並びに/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、ポナチニブ、インフィグラチニブ、ニンテダニブ。
【0405】
12.AXL及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
【0406】
13.タキサン
a.例えば、パクリタキセル、ナブパクリタキセル、ドセタキセル;
b.好ましくは、パクリタキセル。
【0407】
14.白金含有化合物
a.例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン
b.好ましくは、オキサリプラチン。
【0408】
15.代謝拮抗剤
a.例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン、フロクスリジン、シタラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、トリフルリジンとチピラシルとの併用(=TAS102);
b.好ましくは、5-フルオロウラシル。
【0409】
16.免疫療法剤
a.例えば、免疫チェックポイント阻害剤
i.例えば、抗CTLA4 mAb、抗PD1 mAb、抗PD-L1 mAb、抗PD-L2 mAb、抗LAG3 mAb、抗TIM3 mAb;
ii.好ましくは、抗PD1 mAb;
iii.例えば、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、チスレリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ピジリズマブ、PDR-001(=スパルタリズマブ)、AMG-404、エザベンリマブ;
iv.好ましくは、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、エザベンリマブ及びPDR-001(=スパルタリズマブ);
v.最も好ましくは、エザベンリマブ、ペムブロリズマブ及びニボルマブ。
【0410】
17.トポイソメラーゼ阻害剤
a.例えば、イリノテカン、リポソームイリノテカン(nal-IRI)、トポテカン、エトポシド;
b.最も好ましくは、イリノテカン及びリポソームイリノテカン(nal-IRI)。
【0411】
18.A-Raf及び/もしくはB-Raf及び/もしくはC-Raf並びに/又はそれらの任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、PLX-8394、RAF-709(=WO第2014/151616号における実施例131)、L×H254、ソラフェニブ、LY-3009120(=WO第2013/134243号における実施例1)、リフィラフェニブ、TAK-632、アゲラフェニブ、CCT196969、RO5126766、RAF265。
【0412】
19.mTOR阻害剤
a.例えば、ラパマイシン、テムシロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、ゾタロリムス、サパニセルチブ、トーリン1、ダクトリシブ、GDC-0349、VS-5584、ビストセルチブ、AZD8055。
【0413】
20.エピジェネティックレギュレーター
a.例えば、BET阻害剤
i.例えば、JQ-1、GSK525762、OTX-015、CPI-0610、TEN-010、OTX-015、PLX51107、ABBV-075、ABBV-744、BMS986158、TGI-1601、CC-90010、AZD5153、I-BET151、BI894999。
【0414】
21.IGF1/2及び/もしくはIGF1-R並びに/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、キセンツズマブ(WO第2010/066868号における抗体60833)、MEDI-573(=デュシギツマブ)、リンシチニブ。
【0415】
22.Srcファミリーキナーゼ及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、SrcAサブファミリーのキナーゼ及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤、すなわち、Src、Yes、Fyn、Fgr及び/又はそれらの任意の突然変異体の阻害剤;
b.例えば、SrcBサブファミリーのキナーゼ及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤、すなわち、Lck、Hck、Blk、Lyn及び/又はそれらの任意の突然変異体の阻害剤;
c.例えば、Frkサブファミリーのキナーゼ及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤、すなわち、Frk及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤;
d.例えば、ダサチニブ、ポナチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、KX-01、サラカチニブ、KX2-391、SU6656、WH-4-023。
【0416】
23.アポトーシスレギュレーター
a.例えば、MDM2阻害剤、例えば、p53(好ましくは、機能的p53、最も好ましくは、wtp53)とMDM2及び/又はその任意の突然変異体との間の相互作用の阻害剤;
i.例えば、HDM-201、NVP-CGM097、RG-7112、MK-8242、RG-7388、SAR405838、AMG-232、DS-3032、RG-7775、APG-115;
ii.好ましくは、HDM-201、RG-7388及びAMG-232;
iii.WO第2015/155332号に開示されているMDM2阻害剤;
iv.WO第2016/001376号に開示されているMDM2阻害剤;
v.WO第2016/026937号に開示されているMDM2阻害剤;
vi.WO第2017/060431号に開示されているMDM2阻害剤;
b.例えば、PARP阻害剤;
c.例えば、MCL-1阻害剤;
i.例えば、AZD-5991、AMG-176、AMG-397、S64315、S63845、A-1210477。
【0417】
24.c-MET及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、サボリチニブ、カボザンチニブ、フォレチニブ;
b.MET抗体、例えば、エミベツズマブ、アミバンタマブ。
【0418】
25.ERK及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、ウリクセルチニブ、LTT462。
【0419】
26.ファルネシルトランスフェラーゼ及び/又はその任意の突然変異体の阻害剤
a.例えば、チピファルニブ。
【0420】
上記された(組み合わせた)使用及び方法(例えば、治療及び/又は予防のための方法)の更なる実施態様では、1種の他の薬理学的に活性な物質は、本発明の化合物の前、後又はこれと共に投与され、ここで、前記1種の他の薬理学的に活性な物質は、
・SOS1阻害剤又は
・MEK阻害剤又は
・トラメチニブ又は
・抗PD-1抗体又は
・エザベンリマブ又は
・セツキシマブ又は
・アファチニブ又は
・所定の適応症における標準治療(SoC)又は
・PI3キナーゼ阻害剤又は
・TEADパルミトイル化の阻害剤又は
・YAP/TAZ::TEAD阻害剤である。
【0421】
上記された(組み合わせた)使用及び方法(例えば、治療及び/又は予防のための方法)の更なる実施態様では、1種の他の薬理学的に活性な物質は、本発明の化合物又は薬学的に許容し得る塩と組み合わせて投与され、ここで、前記1種の他の薬理学的に活性な物質は、
・SOS1阻害剤又は
・MEK阻害剤又は
・トラメチニブ又は
・抗PD-1抗体又は
・エザベンリマブ又は
・セツキシマブ又は
・アファチニブ又は
・所定の適応症における標準治療(SoC)又は
・PI3キナーゼ阻害剤又は
・TEADパルミトイル化の阻害剤又は
・YAP/TAZ::TEAD阻害剤である。
【0422】
上記された(組み合わせた)使用及び方法(例えば、治療及び/又は予防のための方法)の更なる態様では、2種の他の薬理学的に活性な物質は、本発明の化合物の前、後又はこれと共に投与され、ここで、前記2種の他の薬理学的に活性な物質は、
・MEK阻害剤及びSOS1阻害剤又は
・トラメチニブ及びSOS1阻害剤又は
・抗PD-1抗体(好ましくは、エザベンリマブ)及び抗LAG-3抗体又は
・抗PD-1抗体(好ましくは、エザベンリマブ)及びSOS1阻害剤又は
・MEK阻害剤並びにEGFR阻害剤及び/もしくはErbB2(HER2)阻害剤及び/もしくはそれらの任意の突然変異体の阻害剤からなる群より選択される阻害剤又は
・SOS1阻害剤並びにEGFR阻害剤及び/もしくはErbB2(HER2)阻害剤及び/もしくはそれらの任意の突然変異体の阻害剤からなる群より選択される阻害剤又は
・MEK阻害剤及びアファチニブ又は
・MEK阻害剤及びセツキシマブ又は
・トラメチニブ及びアファチニブ又は
・トラメチニブ及びセツキシマブ又は
・SOS1阻害剤及びアファチニブ又は
・SOS1阻害剤及びセツキシマブ又は
・SOS1阻害剤及びTEADパルミトイル化の阻害剤又は
・SOS1阻害剤及びYAP/TAZ::TEAD阻害剤である。
【0423】
上記された(組み合わせた)使用及び方法(例えば、治療及び/又は予防のための方法)の更なる態様では、2種の他の薬理学的に活性な物質は、本発明の化合物と組み合わせて投与され、ここで、前記2種の他の薬理学的に活性な物質は、
・MEK阻害剤及びSOS1阻害剤又は
・トラメチニブ及びSOS1阻害剤又は
・抗PD-1抗体(好ましくは、エザベンリマブ)及び抗LAG-3抗体又は
・抗PD-1抗体(好ましくは、エザベンリマブ)及びSOS1阻害剤又は
・MEK阻害剤並びにEGFR阻害剤及び/もしくはErbB2(HER2)阻害剤及び/もしくはそれらの任意の突然変異体の阻害剤からなる群より選択される阻害剤又は
・SOS1阻害剤並びにEGFR阻害剤及び/もしくはErbB2(HER2)阻害剤及び/もしくはそれらの任意の突然変異体の阻害剤からなる群より選択される阻害剤又は
・MEK阻害剤及びアファチニブ又は
・MEK阻害剤及びセツキシマブ又は
・トラメチニブ及びアファチニブ又は
・トラメチニブ及びセツキシマブ又は
・SOS1阻害剤及びアファチニブ又は
・SOS1阻害剤及びTEADパルミトイル化の阻害剤又は
・SOS1阻害剤及びYAP/TAZ::TEAD阻害剤である。
【0424】
本発明の化合物もしくはその薬学的に許容し得る塩と共に/組み合わせて又は本明細書(上記及び下記)で定義された医療用途、使用、治療方法及び/もしくは予防方法、医薬組成物、キットにおいて使用することもできる追加の薬理学的に活性な物質は、ホルモン、ホルモンアナログ及び抗ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、リュープロリド)、成長因子及び/又はその対応するレセプター(成長因子、例えば、血小板由来成長因子(PDGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF)、ヒト上皮成長因子(HER、例えば、HER2、HER3、HER4)並びに肝細胞成長因子(HGF)及び/又はそれらの対応するレセプター等)の阻害剤(例えば、(抗)成長因子抗体、(抗)成長因子レセプター抗体及びチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、セツキシマブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、ニンテダニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ボスチニブ、ベバシズマブ及びトラスツズマブ等)、代謝拮抗剤(例えば、葉酸拮抗剤、例えば、メトトレキサート、ラルティトレキセド、ピリミジンアナログ、例えば、5-フルオロウラシル(5-FU)、リボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドアナログ、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシンアナログ、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン(araC)、フルダラビン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ドキシル(ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、マイオセット(非ペグ化リポソームドキソルビシン)、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン)、白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン)、アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ニトロソウレア、例えば、カルムスチン及びロムスチン、チオテパ等)、抗有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン等並びにタキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、血管新生阻害剤(例えば、タスキニモド)、チューブリン阻害剤、DNA合成阻害剤、PARP阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド及びエトポホス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン等)、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤(例えば、PDK1阻害剤、Raf阻害剤、A-Raf阻害剤、B-Raf阻害剤、C-Raf阻害剤、mTOR阻害剤、mTORC1/2阻害剤、PI3K阻害剤、PI3Kα阻害剤、二重mTOR/PI3K阻害剤、STK33阻害剤、AKT阻害剤、PLK1阻害剤、CDK阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、PTK2/FAK阻害剤)、タンパク質-タンパク質相互作用阻害剤(例えば、IAP阻害剤/SMAC模倣剤、Mcl-1、MDM2/MDMX)、MEK阻害剤、ERK阻害剤、FLT3阻害剤、BRD4阻害剤、IGF-1R阻害剤、TRAILR2アゴニスト、Bcl-xL阻害剤、Bcl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス)、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤、ErbBレセプター阻害剤、BCR-ABL阻害剤、ABL阻害剤、Src阻害剤、ラパマイシンアナログ(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス、シロリムス)、アンドロゲン合成阻害剤、アンドロゲンレセプター阻害剤、DNMT阻害剤、HDAC阻害剤、ANG1/2阻害剤、CYP17阻害剤、放射性医薬品、プロテアソーム阻害剤(例えば、カルフィルゾミブ)、免疫療法剤、例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、CTLA4、PD1、PD-L1、PD-L2、LAG3、TIM3結合分子/免疫グロブリン、例えば、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ等)、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)増強剤(例えば、抗CD33抗体、抗CD37抗体、抗CD20抗体)、T細胞エンゲイジャー(例えば、二重特異性T細胞エンゲイジャー(BiTE(登録商標)、例えば、CD3×BCMA、CD3×CD33、CD3×CD19、PSMA×CD3等)、腫瘍ワクチン、免疫モデュレーター、例えば、STINGアゴニスト並びに種々の化学療法剤、例えば、アミホスチン、アナグレリド、クロドロナット、フィルグラスチン、インターフェロン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、パミドロナート及びポルフィマーを含むが、これらに限定されない。
【0425】
本発明の組み合わせ、組成物、キット、方法、使用、使用のための医薬組成物又は化合物は、有効成分(ingredient)又は成分(component)の同時(simultaneous)、同時(concurrent)、順次、連続、交互又は別個の投与を想定することができると理解されたい。本発明の化合物及び1種以上の他の薬理学的に活性な物質を従属して又は従属せずのいずれかで配合されて投与することができる。例えば、本発明の化合物及び1種以上の他の薬理学的に活性な物質を同じ医薬組成物/剤形の一部として又は好ましくは、別々の医薬組成物/剤形のいずれかで投与することができると理解されるであろう。
【0426】
この文脈において、本発明の意味における「組み合わせ」又は「組み合わせられた」は、限定されるものではないが、2種以上の有効成分の混合又は組み合わせにより生じる製品を含み、固定及び非固定(例えば、自由)の組み合わせ(キットを含む)及び使用、例えば、該成分又は成分の同時、同時、順次、連続、交互又は別々の使用等の両方を含む。「固定の組み合わせ」という用語は、有効成分が単一の実体又は用量の形で、患者に同時に投与されることを意味する。「非固定の組み合わせ」という用語は、有効成分が同時、同時又は順次のいずれかで、別個の実体として、特定の時間制限なしに、患者に投与されることを意味する。ここで、このような投与により、患者の体内に治療上有効レベルの化合物が提供される。
【0427】
本発明の化合物及び1種以上の他の薬理学的に活性な物質の投与を、有効成分又は成分を同時投与することにより、例えば、単一又は2つ以上の別個の製剤又は剤形において、それらを同時又は同時に投与すること等により行うことができる。代替的には、本発明の化合物及び1種以上の他の薬理学的に活性な物質の投与を、有効成分又は成分を順次又は交互に、例えば、2つ以上の別個の製剤又は剤形で投与すること等により行うことができる。
【0428】
例えば、同時投与は、実質的に同時に投与することを含む。このような投与形態を「同時」投与と呼ぶこともできる。同時投与は、同じ一般的な期間内、例えば、同じ日に活性薬剤を投与することを含むが、必ずしも同時である必要はない。交互投与は、ある期間、例えば、数日又は1週間にわたって一方の薬剤を投与し、続けて、後続の期間、例えば、数日又は1週間にわたって他方の薬剤を投与し、ついで、このパターンを1サイクル以上繰り返すことを含む。順次投与又は連続投与は、1つ以上の用量を使用して第1の期間中に(例えば、数日又は1週間にわたって)一方の薬剤を投与し、続けて、1つ以上の用量を使用して第2及び/又は追加の期間中に(例えば、数日又は1週間にわたって)他方の薬剤の投与することを含む。重複スケジュールも利用することができ、これは、必ずしも規則的な順序に従う必要はなく、処置期間にわたって異なる日に活性薬剤を投与することを含む。例えば、使用される薬剤及び対象の状態に応じて、これらの一般的なガイドラインを変更して利用することもできる。
【0429】
医薬組成物-キット
本発明の更なる目的は、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤とを含む、医薬組成物である。
【0430】
一態様では、前記医薬組成物は、場合により、1種以上の他の薬理学的に活性な物質を含む。前記1種以上の他の薬理学的に活性な物質は、本明細書で定義された薬理学的に活性な物質又は組み合わせパートナーである場合がある。
【0431】
本発明の化合物を投与するのに適した医薬組成物は、当業者に明らかであろうし、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、液剤、懸濁剤、特に、液剤、懸濁剤又は非経口投与(s.c.、i.v.、i.m.等...)用の他の混合物及び注入剤(注射剤)、エリキシル剤、シロップ剤、サシェ剤、乳剤、吸入剤又は分散性散剤を含む。本発明の化合物の含量は、組成物全体に対して0.1~90wt%、好ましくは、0.5~50wt%の範囲、すなわち、以下で指定される用量範囲を達成するのに十分な量であるべきである。指定された用量を必要に応じて、1日に数回与えることができる。
【0432】
適切な錠剤を例えば、本発明の化合物を公知の薬学的に許容し得る賦形剤、例えば、不活性希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、バインダー及び/又は滑沢剤と混合することにより得ることができる。また、錠剤は、複数の層を含む場合もある。
【0433】
被覆錠剤は、錠剤と同様に製造されたコアを錠剤被覆に通常使用される賦形剤、例えば、コリドン又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖類で被覆することにより適宜調製することができる。遅延放出を達成し又は不適合を防止するために、コアも、多数の層からなる場合がある。同様に、錠剤被覆は、遅延放出を達成するために、多数の層からなる場合があり、錠剤用に上記言及された賦形剤を使用する場合がある。
【0434】
本発明の1種以上の化合物又は1種以上の他の薬学的に活性な物質との組み合わせを含有するシロップ剤又はエリキシル剤は、甘味剤、例えば、サッカリン、シクラマート、グリセロール又は糖類及び風味増強剤、例えば、香味剤、例えば、バニリン又はオレンジ抽出物等の賦形剤をさらに含有する場合がある。また、シロップ剤又はエリキシル剤は、懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物等又は保存剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾアート等の賦形剤も含有する場合がある。
【0435】
注射及び注入用の液剤は、例えば、等張化剤、保存剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾアート又は安定剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩等の賦形剤を加え、場合により、乳化剤及び/又は分散剤を使用し、希釈剤として水を使用する場合、例えば、有機溶媒を溶媒和剤又は溶解補助剤として場合により使用することができるという通常の方法で調製され、注射用バイアルもしくはアンプル又は注入ボトルに移される。
【0436】
本発明の1種以上の化合物又は1種以上の他の薬学的に活性な物質との組み合わせを含有するカプセル剤を例えば、該化合物/活性物質を不活性な賦形剤、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに充填することにより調製することができる。
【0437】
適切な坐剤を例えば、この目的のために提供される賦形剤、例えば、中性脂肪又はポリエチレングリコールもしくはその誘導体と混合することにより調製することができる。
【0438】
使用することができる賦形剤は、例えば、水、薬学的に許容し得る有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、単官能又は多官能アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高分散ケイ酸及びシリカート)等、糖類(例えば、ショ糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、使用済み亜硫酸液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)を含む。
【0439】
該医薬組成物は、通常の方法により、好ましくは、経口又は経皮経路により、最も好ましくは、経口経路により投与される。経口投与の場合、錠剤は、当然、上記言及された賦形剤とは別に、追加の賦形剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを種々の賦形剤、例えば、デンプン、好ましくは、ジャガイモデンプン、ゼラチン等と共に含有する場合がある。さらに、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクを打錠プロセスのために、同時に使用することができる。水性懸濁剤の場合、活性物質を上記言及された賦形剤に加えて、種々の風味増強剤又は着色剤と組み合わせることができる。
【0440】
非経口用途の場合、活性物質と適切な液体賦形剤との液剤を使用することができる。
【0441】
1日当たりに適用可能な本発明の化合物の用量範囲は、通常、1mg~2000mg、好ましくは、250mg~1250mgである。
【0442】
ただし、体重、年齢、投与経路、疾患の重症度、薬剤に対する個々の反応、その製剤の性質及び薬剤が投与されるタイミング又は間隔(1日当たりに1回又は複数回の投与による連続的又は断続的な処置)に応じて、指定された量から逸脱する必要がある場合もある。このため、一部の場合には、上記与えられた最少用量未満で使用するので十分な場合がある。一方、他の場合には、上限を超えなければならない場合がある。大量に投与する場合、それらを1日にわたって、何回かに分けて少量ずつ投与することが望ましい場合がある。
【0443】
このため、更なる態様では、本発明は、少なくとも1種の(好ましくは、1種の)本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
【0444】
本発明の化合物並びにこのような化合物及び塩を含む医薬組成物を他の薬理学的に活性な物質、例えば、他の抗新生物化合物(例えば、化学療法)と同時投与することもできる、すなわち、併用することもできる(上記併用処置をさらに参照のこと)。
【0445】
このような組み合わせの要素を当業者に慣用的な方法により、単剤療法で使用される場合、例えば、経口、経腸、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、経皮もしくは皮下注射又はインプラント)、鼻腔、膣、直腸又は局所投与経路により、(従属又は独立に関わらず)投与することができ、単独で又は共に、各投与経路に適した従来の非毒性の薬学的に許容し得る賦形剤を含有する適切な投与単位製剤に配合することができる。
【0446】
組み合わせを治療上有効な1日1回又は分割用量で投与することができる。組み合わせの有効成分を単剤療法において治療上有効な用量又は単剤療法で使用される用量より低用量であるが、組み合わせると所望の(共同した)治療上有効な量になるような用量で投与することができる。
【0447】
ただし、2種以上の活性物質又は原理の併用により相乗効果がもたらされる場合、所望の治療作用を依然として達成しながら、投与される物質又は原理のうちの1つ、それ以上又は全ての量を減らすことも可能である場合がある。これは、例えば、それらが通常の量で使用された場合、所望の薬理学的又は治療的効果を依然として得ながら、1種以上の物質又は原理の使用に関連する任意の望ましくない副作用を回避し、制限し又は低減するのに有用である場合がある。
【0448】
また、更なる態様では、本発明は、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、1種以上(好ましくは、1種又は2種、最も好ましくは、1種)の他の薬理学的に活性な物質とを含む、医薬調製物に関する。
【0449】
またこのため、更なる態様では、本発明は、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、1種以上(好ましくは、1種又は2種、最も好ましくは、1種)の他の薬理学的に活性な物質とを含む、医薬組成物に関する。
【0450】
同時投与され又は併用される医薬組成物をキットの形態で提供することもできる。
【0451】
またこのため、更なる態様では、本発明は、
・本発明の化合物及び場合により、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む第1の医薬組成物又は剤形と、
・別の薬理学的に活性な物質及び場合により、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む第2の医薬組成物又は剤形と
を含む、キットに関する。
【0452】
一態様では、このようなキットは、さらに別の薬理学的に活性な物質及び場合により、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む第3の医薬組成物又は剤形を含む。
【0453】
定義
本明細書において具体的に定義されていない用語は、本開示及び文脈に照らして、当業者によりそれらに与えられるであろう意味を与えられるべきである。ただし、本明細書で使用する場合、反対の指定がない限り、下記用語は、示された意味を有し、下記慣例が遵守される。
【0454】
接頭辞Cx-y(ここで、x及びyはそれぞれ、正の整数(x<y)を表わす)の使用は、直接関連して指定され、言及される鎖又は環構造が最大y個かつ最少x個の炭素原子からなる場合があることを表わす。
【0455】
1つ以上のヘテロ原子を含有する基(例えば、ヘテロシクロアルキル、環等)の員数表示は、全ての環員の原子数の合計又は全ての環員と炭素鎖員との合計に関する。
【0456】
HO、H2N、(O)S、(O)2S、NC(シアノ)、HOOC、F3C等の基において、当業者であれば、基自体の自由原子価から、分子への基の結合点が分かる場合がある。
【0457】
本明細書に記載された化合物が化学名と式で示されている場合、何らかの矛盾がある場合には、式が優先されるものとする。
【0458】
「本発明の化合物」という表現及びその文法的変形例は、式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)及び(IIf)で示される化合物並びに化合物I-49、I-50及びI-51を含み、本明細書で定義されたその全ての塩、態様及び好ましい実施態様を含む。本発明の化合物又は式(I)、(I*)、(I**)、(I***)、(I****)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(II)、(II*)、(II**)、(II***)、(II****)、(IIa)、(II*a)、(IIb)、(II*b)、(IIc)、(II*c)、(IId)、(II*d)、(IIe)、(II*e)及び(IIf)で示される化合物への何らかの言及は、それぞれの(サブ)態様及び実施態様への言及を含むことを意図している。
【0459】
破線
【化77】
又は波線
【化78】
を、定義されたコア分子に結合している原子又は結合を示すための部分式に使用することができる。特定の場合には、部分式が結合しているコア分子の置換基を特に、部分式の側とは反対側の破線又は波線の側に指定することができる。
【0460】
「C1-xアルキル」(式中、xは、2、3、4、5又は6、好ましくは、3、4又は6から選択される整数である)という用語は、単独で又は別の基と組み合わせてのいずれかで、1~x個のC原子を有する非環式、飽和、分岐鎖又は直鎖炭化水素基を示す。例えば、C1-6アルキルという用語は、H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH2CH3)-等の基を包含する。好ましくは、C1-xアルキルは、メチル、イソプロピル又はtert-ブチルを指す。
【0461】
「C1-xアルキレン」(式中、xは、2、3、4、5、6、7又は8、好ましくは、3、4又は6から選択される整数である)という用語は、単独で又は別の基と組み合わせてのいずれかで、1~x個のC原子を含有する非環式、飽和、分岐鎖又は直鎖で二価のアルキル基を示す。例えば、C1-4アルキレンという用語は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-C(CH3)2-、-CH(CH2CH3)-、-CH(CH3)-CH2-、-CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH(CH3)-、-CH(CH3)-CH2-CH2-、-CH2-CH(CH3)-CH2-、-CH2-C(CH3)2-、-C(CH3)2-CH2-、-CH(CH3)-CH(CH3)-、-CH2-CH(CH2CH3)-、-CH(CH2CH3)-CH2-、-CH(CH2CH2CH3)-、-CH(CH(CH3))2-、-C(CH3)(CH2CH3)-等を含む。
【0462】
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等の用語は、更に定義することなく、対応する炭素原子数を有する飽和炭化水素基を意味し、ここで、全ての異性体が含まれる。
【0463】
また、アルキルについての上記定義は、アルキルが別の(結合した)基の一部、例えば、シアノ-C1-6アルキルアミノ又はCx-yアルキルオキシ等である場合にも適用される。Cx-yアルキルオキシは、Cx-yアルコキシと略される場合もある。
【0464】
「アルコキシレン」という用語は、二価のアルコキシ基を示す。
【0465】
アルキルとは異なり、アルケニルは、少なくとも2つの炭素原子からなり、ここで、少なくとも2つの隣接する炭素原子同士は、C-C二重結合により結合しており、炭素原子は、1つのC-C二重結合の一部でしかない場合がある。少なくとも2つの炭素原子を有する上記定義されたアルキルにおいて、隣接する炭素原子上の2つの水素原子が形式的に除去され、自由原子価が飽和して、第2の結合を形成する場合、対応するアルケニルが形成される。
【0466】
アルケニルの例は、ビニル(エテニル)、プロパ-1-エニル、アリル(プロパ-2-エニル)、イソプロペニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、2-メチル-プロパ-2-エニル、2-メチル-プロパ-1-エニル、1-メチル-プロパ-2-エニル、1-メチル-プロパ-1-エニル、1-メチリデンプロピル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-2-エニル、ペンタ-3-エニル、ペンタ-4-エニル、3-メチル-ブタ-3-エニル、3-メチル-ブタ-2-エニル、3-メチル-ブタ-1-エニル、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-3-エニル、ヘキサ-4-エニル、ヘキサ-5-エニル、2,3-ジメチル-ブタ-3-エニル、2,3-ジメチル-ブタ-2-エニル、2-メチリデン-3-メチルブチル、2,3-ジメチル-ブタ-1-エニル、ヘキサ-1,3-ジエニル、ヘキサ-1,4-ジエニル、ペンタ-1,4-ジエニル、ペンタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,3-ジエニル、2,3-ジメチルブタ-1,3-ジエン等である。
【0467】
プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル等の総称は、更に定義することなく、対応する炭素原子数を有する、考えられる全ての異性体を意味する、すなわち、プロペニルは、プロパ-1-エニル及びプロパ-2-エニルを含み、ブテニルは、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、1-メチル-プロパ-1-エニル、1-メチル-プロパ-2-エニルを含む、等である。
【0468】
アルケニルは、場合により、二重結合に関して、cisもしくはtrans又はEもしくはZ配向で存在する場合がある。
【0469】
また、アルケニルについての上記定義は、アルケニルが別の(結合した)基の一部、例えば、Cx-yアルケニルアミノ又はCx-yアルケニルオキシ等である場合にも適用される。
【0470】
アルキレンとは異なり、アルケニレンは、少なくとも2つの炭素原子からなり、ここで、少なくとも2つの隣接する炭素原子同士は、C-C二重結合により結合しており、炭素原子は、1つのC-C二重結合の一部でしかない場合がある。少なくとも2つの炭素原子を有する上記定義されたアルキレンにおいて、隣接する炭素原子における2つの水素原子が形式的に除去され、自由原子価が飽和して、第2の結合を形成する場合、対応するアルケニレンが形成される。
【0471】
アルケニレンの例は、エテニレン、プロペニレン、1-メチルエテニレン、ブテニレン、1-メチルプロペニレン、1,1-ジメチルエテニレン、1,2-ジメチルエテニレン、ペンテニレン、1,1-ジメチルプロペニレン、2,2-ジメチルプロペニレン、1,2-ジメチルプロペニレン、1,3-ジメチルプロペニレン、ヘキセニレン等である。
【0472】
プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン等の総称は、更に定義することなく、対応する炭素原子数を有する、考えられる全ての異性体を意味する、すなわち、プロペニレンは、1-メチルエテニレンを含み、ブテニレンは、1-メチルプロペニレン、2-メチルプロペニレン、1,1-ジメチルエテニレン及び1,2-ジメチルエテニレンを含む。
【0473】
アルケニレンは、場合により、二重結合に関して、cisもしくはtrans又はEもしくはZ配向で存在する場合がある。
【0474】
また、アルケニレンについての上記定義は、アルケニレンが別の(結合した)基の一部、例えば、HO-Cx-yアルケニレンアミノ又はH2N-Cx-yアルケニレンオキシである場合にも適用される。
【0475】
アルキルとは異なり、アルキニルは、少なくとも2つの炭素原子からなり、ここで、少なくとも2つの隣接する炭素原子同士は、C-C三重結合により結合しており、少なくとも2つの炭素原子を有する上記定義されたアルキルにおいて、隣接する炭素原子それぞれにおける2つの水素原子が形式的に除去され、自由原子価が飽和して、2つの更なる結合を形成する場合、対応するアルキニルが形成される。
【0476】
アルキニルの例は、エチニル、プロパ-1-イニル、プロパ-2-イニル、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、1-メチル-プロパ-2-イニル、ペンタ-1-イニル、ペンタ-2-イニル、ペンタ-3-イニル、ペンタ-4-イニル、3-メチル-ブタ-1-イニル、ヘキサ-1-イニル、ヘキサ-2-イニル、ヘキサ-3-イニル、ヘキサ-4-イニル、ヘキサ-5-イニル等である。
【0477】
プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等の総称は、更に定義することなく、対応する炭素原子数を有する、考えられる全ての異性体を意味する、すなわち、プロピニルは、プロパ-1-イニル及びプロパ-2-イニルを含み、ブチニルは、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、1-メチル-プロパ-1-イニル、1-メチル-プロパ-2-イニルを含む、等である。
【0478】
炭化水素鎖が、少なくとも1つの二重結合と少なくとも1つの三重結合との両方を有する場合、定義上、それは、アルキニルサブ基に属する。
【0479】
また、アルキニルについての上記定義は、アルキニルが別の(結合した)基の一部、例えば、Cx-yアルキニルアミノ又はCx-yアルキニルオキシである場合にも適用される。
【0480】
アルキレンとは異なり、アルキニレンは、少なくとも2つの炭素原子からなり、ここで、少なくとも2つの隣接する炭素原子同士は、C-C三重結合により結合している。少なくとも2つの炭素原子を有する上記定義されたアルキレンにおいて、隣接する炭素原子それぞれにおける2つの水素原子が形式的に除去され、自由原子価が飽和して、2つの更なる結合を形成する場合、対応するアルキニレンが形成される。
【0481】
アルキニレンの例は、エチニレン、プロピニレン、1-メチルエチニレン、ブチニレン、1-メチルプロピニレン、1,1-ジメチルエチニレン、1,2-ジメチルエチニレン、ペンチニレン、1,1-ジメチルプロピニレン、2,2-ジメチルプロピニレン、1,2-ジメチルプロピニレン、1,3-ジメチルプロピニレン、ヘキシニレン等である。
【0482】
プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン等の総称は、更に定義することなく、対応する炭素原子数を有する、考えられる全ての異性体を意味する、すなわち、プロピニレンは、1-メチルエチニレンを含み、ブチニレンは、1-メチルプロピニレン、2-メチルプロピニレン、1,1-ジメチルエチニレン及び1,2-ジメチルエチニレンを含む。
【0483】
また、アルキニレンについての上記定義は、アルキニレンが別の(結合した)基の一部、例えば、HO-Cx-yアルキニレンアミノ又はH2N-Cx-yアルキニレンオキシである場合にも適用される。
【0484】
ヘテロ原子は、酸素、窒素及び硫黄原子を意味する。
【0485】
ハロアルキルは、先に定義されたアルキルから、炭化水素鎖の1つ以上の水素原子をそれぞれ独立して、同一又は異なる場合があるハロゲン原子により置き換えることにより得られる。
【0486】
ハロアルキルの例は、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CF2CF3、-CHFCF3、-CH2CF3、-CF2CH3、-CHFCH3、-CF2CF2CF3、-CF2CH2CH3、-CF=CF2、-CCl=CH2、-CBr=CH2、-C≡C-CF3、-CHFCH2CH3、-CHFCH2CF3等である。
【0487】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を示す。
【0488】
C3-kシクロアルキル(式中、kは、4又は5である)は、単独で又は別の基と組み合わせて、3~k個のC原子を有する環状、飽和、非分枝鎖炭化水素基を示す。例えば、C3-5シクロアルキルという用語は、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルを含む。C3-kシクロアルキルは、環系のあらゆる適切な位置を介して、置換基として分子に連結している場合がある。
【0489】
また、シクロアルキルについての上記定義は、シクロアルキルが別の(結合した)基の一部、例えば、Cx-yシクロアルキルアミノ、Cx-yシクロアルキルオキシ又はCx-yシクロアルキルアルキルである場合にも適用される。
【0490】
ヘテロシクロアルキルは、場合により、芳香環を含み、N、O、S、SO又はSO2から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有し、指定された原子数からなる飽和又は不飽和の単環式又は多環式環系を意味する。ここで、ヘテロ原子は、芳香環(存在する場合)の一部ではない。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、可能性のある全ての異性体を含むことを意図している。
【0491】
不飽和は、当該環系に少なくとも1つの二重結合が存在するが、(ヘテロ)芳香族系は形成されていないことを意味する。
【0492】
ヘテロシクロアルキルが置換されている場合、その置換は、それぞれ独立して、それぞれ一置換又は多置換の形で、水素を担持する炭素原子及び/又は窒素原子の全てで生じる場合がある。ヘテロシクロアルキル自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して、置換基として分子に連結している場合がある。ヘテロシクロアルキル上の置換基は、ヘテロシクロアルキルの員数にはカウントされない。
【0493】
このため、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、下記例示的な構造を含む(適切な原子価が維持される限り、各形態は、場合により、任意の原子に共有結合を介して結合しているため、基としては示されていない)。
【0494】
【0495】
ヘテロシクロアルキレンという用語も、先に定義されたヘテロシクロアルキルから得られる。ヘテロシクロアルキレンは、ヘテロシクロアルキルとは異なり、二価であり、2つの結合パートナーを必要とする。形式的には、この二価は、ヘテロシクロアルキレンから水素原子を除去することにより得られる。対応する基は、例えば、ピペリジニル及び
【化80】
である。
【0496】
ヘテロアリールという用語は、少なくとも1つの芳香環を含み、N、O、S、SO又はSO2から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有し、5~14個の環原子からなる単環式又は多環式環系を意味する。ここで、ヘテロ原子のうちの少なくとも1つは、芳香環の一部である。「ヘテロアリール」という用語は、可能のある全ての異性体を含むことを意図している。
【0497】
このため、「ヘテロアリール」という用語は、下記例示的な構造を含む(適切な原子価が維持される限り、各形態は、場合により、任意の原子に共有結合を介して結合しているため、基としては示されていない)。
【0498】
【0499】
特に、ヘテロアリーレンは、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール及びトリアゾールを指し、これらは全て、可能性のある全ての異性体を含み、環系のあらゆる適切な位置を介して、置換基として分子に結合している場合がある。
【0500】
ヘテロアリーレンという用語も、先に定義されたヘテロアリールから得られる。ヘテロアリーレンは、ヘテロアリールとは異なり、二価であり、2つの結合パートナーを必要とする。形式的には、この二価は、ヘテロアリールから水素原子を除去することにより得られる。対応する基は、例えば、ピロール及び
【化82】
である。
【0501】
また、ヘテロアリーレンの上記定義は、ヘテロアリーレンが別の(結合した)基の一部、例えば、HO-ヘテロアリーレンアミノ又はH2N-ヘテロアリーレンオキシである場合にも適用される。
【0502】
本明細書で使用する場合、「置換されている」という用語は、指定された原子上の1つ以上の水素が指定された原子の通常の原子価を超えず、置換により安定な化合物が得られることを条件として、定義された置換基群から選択される基により置き換えられていることを意味する。同様に、「置換されている」という用語を例えば、「置換されているアルキル」等、単一の原子に代えて、化学部分に関連して使用することができる。
【0503】
特に断らない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体をとおして、所定の化学式又は名称は、互変異性体並びに全ての立体異性体、光学異性体及び幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体等...)及びそのラセミ体並びにこのような異性体及びエナンチオマーが存在する場合、別個のエナンチオマーの異なる割合での混合物、ジアステレオマーの混合物又は前述の形態のいずれかの混合物並びにその薬学的に許容し得る塩及びその溶媒和物、例えば、遊離化合物の溶媒和物及び水和物を含む水和物又は化合物の塩の溶媒和物及び水和物等を含む塩を包含するものとする。
【0504】
特に断らない限り、以下でより詳細に定義される「薬学的に許容し得る塩」は、その溶媒和物、例えば、水和物等も包含するものとする。
【0505】
一般的には、実質的に純粋な立体異性体を当業者に公知の合成原理に従って、例えば、対応する混合物の分離により、立体化学的に純粋な出発物質を使用することにより及び/又は立体選択的合成により得ることができる。光学活性体を調製する方法は、当技術分野において公知であり、例えば、ラセミ体の分離又は例えば、光学活性な出発物質から出発する合成及び/又はキラル試薬の使用による。
【0506】
本発明のエナンチオマー的に純粋な化合物又は中間体を例えば、公知の方法により(例えば、クロマトグラフィー分離又は結晶化により)分離することができる適切なジアステレオマー化合物又は中間体の調製及び後続の分離による及び/又はキラル試薬、例えば、キラル出発物質、キラル触媒又はキラル補助剤を使用することによる、不斉合成により調製することができる。
【0507】
さらに、対応するラセミ混合物からエナンチオマー的に純粋な化合物を調製する方法は、当業者に公知であり、例えば、キラル固定相上での対応するラセミ混合物のクロマトグラフィー分離(また、これは、立体異性体の他の混合物、例えば、ジアステレオマー、アトロピソマーの混合物等にも適用される)又は適切な分割剤を使用するラセミ混合物の分割、例えば、ラセミ化合物を光学活性な酸もしくは塩基でジアステレオマー塩を形成し、続けて、この塩を分割し、この塩から所望の化合物を放出する手段又は対応するラセミ化合物を光学活性なキラル補助試薬で誘導体化し、続けて、ジアステレオマーを分離し、キラル補助基を除去すること又はラセミ体の動的分割(例えば、酵素的分割による)、適切な条件下での鏡像結晶の集合体からのエナンチオ選択的結晶化又は光学活性キラル補助剤の存在下で適切な溶媒からの(部分)結晶化による。
【0508】
本明細書において、「薬学的に許容し得る」という語句は、健全な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題もしくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に見合った化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指すのに利用される。
【0509】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容し得る塩」は、親化合物がその酸塩又は塩基塩を形成することにより修飾されている、開示された化合物の誘導体を指す。薬学的に許容し得る塩の例は、塩基性残基、例えば、アミンの鉱酸塩又は有機酸塩、酸性残基、例えば、カルボン酸のアルカリ塩又は有機塩等を含むが、これらに限定されない。
【0510】
例えば、このような塩は、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチル-ベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸及び酒石酸からの塩を含む。
【0511】
更なる薬学的に許容し得る塩をアンモニア、L-アルギニン、カルシウム、2,2’-イミノビスエタノール、L-リシン、マグネシウム、N-メチル-D-グルカミン、カリウム、ナトリウム及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタンからのカチオンにより形成することができる。
【0512】
本発明の薬学的に許容し得る塩を塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法により合成することができる。一般的には、このような塩を、これらの化合物の遊離の酸又は塩基の形態を水中又は有機希釈剤、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールもしくはアセトニトリル中又はこれらの混合物中で、十分な量の適切な塩基又は酸と反応させることにより調製することができる。
【0513】
例えば、本発明の化合物の精製し又は単離するのに有用な上記言及されたもの以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部を構成する。
【0514】
例えば、
【化83】
等の表現では、文字Aは、例えば、当該環と他の環との結合をより容易に示すために、環指定の機能を有する。
【0515】
どの隣接基とどの価数で結合するかを決定するのに有用である場合がある二価の基について、明確化のために必要な場合には、下記表現:
【化84】
又は(R
2)-C(=O)NH-又は(R
2)-NHC(=O)-のように、対応する結合パートナーを破線の端部又は括弧内に示すことができる。
【0516】
このような明確化がない場合には、二価の基を両方向に結合させることができる。例えば、-C(=O)NH-は、-NHC(=O)-も含む(逆もまた同様)。
【0517】
基又は置換基は、多くの場合、対応する基指定(例えば、Ra、Rb等)を有する多数の代替基/置換基の中から選択される。このような基が、分子の異なる部分で、本発明の化合物を規定するのに繰り返し使用される場合、種々の使用は、互いに全く独立しているとみなされることが指摘される。
【0518】
本発明の目的で、治療上有効量は、病気の症状を回避し又はこれらの症状を予防しもしくは緩和し又は処置された患者の生存期間を延長することが可能な物質の量を意味する。
【0519】
実施例
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を例として例証する下記のより詳細な実施例から明らかになるであろう。
【0520】
【0521】
化学物質の例
特に断らない限り、全ての反応を、化学実験室で一般的に使用されている方法を使用して、商業的に入手可能な装置で行う。空気及び/又は湿気に敏感な出発物質を保護ガス下で保存し、それらについての対応する反応及び操作を保護ガス(窒素又はアルゴン)下で行う。
【0522】
化合物が構造式とその命名法との両方により表わされる場合、矛盾があれば、構造式が優先される。
【0523】
クロマトグラフィー
薄層クロマトグラフィーをMerck製の既製のガラス上シリカゲル60TLCプレート(蛍光インジケーターF-254付き)で行う。
【0524】
本発明の実施例化合物の分取高速クロマトグラフィー(RPHPLC)を、Waters製カラム(名称:SunFire(商標)Prep C18、OBD(商標)10μm、50×150mmもしくはSunFire(商標)Prep C18、OBD(商標)5μm、30×50mm又はXBridge(商標)Prep C18、OBD(商標)10μm、50×150mmもしくはXBridge(商標)Prep C18、OBD(商標)5μm、30×150mmもしくはXBridge(商標)Prep C18、OBD(商標)5μm、30×50mm)及びYMC製カラム(名称:Actus-Triart Prep C18、5μm、30×50mm)及びChiralpak IE(5μm、250×20mm)を備えたAgilent又はGilsonシステムで行う。
【0525】
化合物の溶出には、H2O/アセトニトリルの種々の勾配を使用し、一方、Agilentシステムでは、水に5%酸性調整剤(H2O/アセトニトリル(1/1) 1Lに対してHCOOH 20mL)を加える(酸性条件)。Gilsonシステムでは、0.1% HCOOHを加える。
【0526】
Agilentシステムについての塩基性条件下でのクロマトグラフィーには、H2O/アセトニトリル勾配も使用し、一方、5% 塩基性調整剤を加えることにより、水をアルカリ性にする(50g NH4HCO3+NH3(H2O中の25%) 50mLをH2Oと共に、1Lにする)。Gilsonシステムでは、下記のように水をアルカリ性にする:NH4HCO3溶液(H2O 1L中の158g)5mL及びNH3(H2O中の28%) 2mLをH2Oで1Lに補充する。Gilsonシステムを均一濃度条件下(60% EtOH/40% EtOH+0.1% DEA)でも使用した。
【0527】
本発明の中間体及び実施例化合物の超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を、Agilent 1260SFCシステム、JASCO SFCシステム又はSepiatec SFCシステム又はWaters Thar SFCシステムもしくはWaters UPC2-MSSFCシステムで行う。
【0528】
下記カラムを使用:Chiralcel OJ(250×20mm、5μm)、Chiralpak AD-H(21×250mm)、5μm、Chiralpak AD(250×20mm、5μm)、Chiralpak AS(250×20mm、5μm)、Chiralpak IC(250×20mm、5μm)、Chiralpak IA(250×20mm、5μm)、Chiralcel OJ(250×20mm、5μm)、Chiralcel OD(250×20mm、5μm)、Chiralcel OX-3(150×4.6mm、3μm)、Phenomenex Lux C2(250×20mm、5μm)。
【0529】
分析用SFC/UV分光法
SFC法:SFC-1
SFC Agilent1260(バイナリーポンプ)SFC
カラム Chiralpak AD-H(250×4,6mm)、5μm
流量 2mL/分
移動相 A:CO2+B:MeOH
ABPR 120Bar
Temp 37.5℃
UV 220nm
勾配 80% A+20% B(均一濃度)
停止時間 10分
【0530】
中間体及び最終化合物の分析用HPLC(反応制御)を、Waters製カラム(名称:XBridge(商標)C18、2.5μm、2.1×20mmもしくはXBridge(商標)C18、2.5μm、2.1×30mm又はAquity UPLC BEH C18、1.7μm、2.1×50mm)及びYMC製カラム(名称:Triart C18、3.0μm、2.0×30mm)及びPhenomenex製カラム(名称:Luna C18、5.0μm、2.0×30mm)を使用して行う。分析装置はそれぞれ、質量検出器も装備えている。
【0531】
HPLC-質量分光分析/UV分光法
本発明の実施例化合物を特徴決定するための保持時間/MS-ESI+を、HPLC-MS装置(質量検出器付き高速液体クロマトグラフィー)を使用して生成する。注入ピークで溶出する化合物には、保持時間tRet=0.00を与える。
【0532】
方法A
HPLC Agilent1100システム
MS 1200シリーズLC/MSD(API-ES +/-3000V、四重極、G6140)
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 120~1500m/z
検出信号 315nm(バンド幅170nm、リファレンスオフ)
スペクトル範囲 230~400nm
ピーク幅 <0.01分
カラム Waters、XBridge C18、2.5μm、2.1×20mmカラム
カラム温度 60℃
溶媒 A:20mM NH4HCO3/NH3水溶液 pH9
B:ACN HPLCグレード
流量 1.00mL/分
勾配 0.00~1.50分 10%から95% B
1.50~2.00分 95% B
2.00~2.10分 95%から10% B
【0533】
方法B
HPLC Agilent1260シリーズ
MS Agilent LC/MSD四重極
検出 MS:ポジティブ及びネガティブモード
質量範囲 100~1200m/z
カラム Waters X-Bridge BEH C18、2.5μm、2.1×30mm XP
カラム温度 45℃
溶媒 A:H2O中の20mM NH4HCO3/30mM NH3;B:ACN(HPLCグレード)
流量 1.40mL/分
勾配 0.00~1.00分:15% Bから95% B
1.00~1.30分:95% B
【0534】
方法C
HPLC Agilent1100/1200システム
MS 1200シリーズLC/MSD(MM-ES+APCI +/-3000V、四重極、G6130B)
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 150~750
検出信号 UV254nm、230nm、214nm(バンド幅8、リファレンスオフ)
スペクトル 範囲:190~400nm;スリット:4nm
ピーク幅 >0.0031分(応答時間0.063秒、80Hz)
カラム Waters、品番186003389、XBridge BEH C18、2.5μm、2.1×30mm)カラム
カラム温度 45℃
溶媒 A:H2O中の5mM NH4HCO3/18mM NH3(pH=9.2)
B:ACN(HPLCグレード)
流量 1.4mL/分
勾配 0.0~1.0分 15%から95% B
1.0~1.1分 95% B
停止時間:1.3分
【0535】
方法D
HPLC Agilent1100/1200システム
MS 1200シリーズLC/MSD(API-ES +/-3000/3500V、四重極、G6140A)
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 150~750
検出信号 UV254nm、230nm、214nm(バンド幅10、リファレンスオフ)
スペクトル 範囲:190~400nm;スリット:4nm
ピーク幅 >0.0031分(応答時間0.063秒、80Hz)
カラム YMC;品番TA12S03-0302WT;Triart C18、3μm、12nm;30×2.0mmカラム
カラム温度 45℃
溶媒 A:H2O+0.11% ギ酸
B:ACN+0.1% ギ酸(HPLCグレード)
流量 1.4mL/分
勾配 0.0~1.0分 15%から95% B
1.0~1.1分 95% B
停止時間 1.23分
【0536】
方法E
UPLC-MS Waters Acquity-UPLC-SQ検出器-2
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 100~1500
ソース電圧:キャピラリー電圧(kV) -3.50、コーン(V):50
ソースTemp:脱溶媒和Temp(℃):350
ソースガス流量:脱溶媒和(L/Hr):750、コーン(L/Hr):50
検出信号 ダイオードアレイ
スペクトル 範囲:200~400nm;分解能:1.2nm
サンプリングレート 10ポイント/秒
カラム AQUITY UPLC BEH C18 1.7μm、2.1×50mm
カラム温度 35℃
溶媒 A:ACN中の0.07% ギ酸
B:水中の0.07% ギ酸
流量 0.6mL/分
勾配 0.0~0.30分 97% B
0.30~2.20分 97%から2% B
2.20~3.30分 2% B
3.30~4.50分 2%から97%B
4.50~4.51分 97% B
【0537】
方法F
UPLC-MS Waters Acquity-バイナリソルベントマネージャ-UPLC-SQ検出器-2
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 100~1500
ソース電圧:キャピラリー電圧(kV) -3.50、コーン(V):50
ソースTemp:脱溶媒和Temp(℃):350
ソースガス流量:脱溶媒和(L/Hr):750、コーン(L/Hr):50
検出信号 ダイオードアレイ
スペクトル 範囲:200~400nm;分解能:1.2nm
サンプリングレート 10ポイント/秒
カラム AQUITY UPLC BEH C18 1.7μm、2.1×50mm
カラム温度 35℃
溶媒 A:ACN中の0.07% ギ酸
B:水中の0.07% ギ酸
流量 0.6mL/分
勾配 0.0~0.40分 97% B
0.40~2.50分 97%から2% B
2.50~3.40分 2% B
3.40~3.50分 2%から97%B
3.50~4.0分 97% B
【0538】
方法G
UPLC-MS フォトダイオードアレイ検出器付きShimadzuシリーズLC-MS2020システム
MSD信号設定 APCI及びESI ポジティブ/ネガティブ 100~1000m/z
検出信号 フォトダイオードアレイ
スペクトル 範囲200~400nm、検出波長254nm
サンプリングレート 40Hz
カラム Hypersil Goldカラム 粒径1.9μm、2.1×50mm
カラム温度 40℃
溶媒 A:H2O中の0.1% FA;B:MeCN中の0.1% FA
B:水中の0.07% ギ酸
流量 0.8mL/分
勾配 0.0~3.0分:5%から95% B
【0539】
方法H
HPLC Agilent1100/1200システム
MS 1200シリーズLC/MSD(MM-ES+APCI +/-3000V、四重極、G6130B)
MSD信号設定 スキャン ポジティブ 700~1350
カラム Waters、品番186003389、XBridge BEH C18、2.5μm、2.1×30mmカラム
溶出液 A:5mM NH4HCO3/18mM NH3(pH=9.2)
B:アセトニトリル(HPLCグレード)
検出信号 UV254nm、230nm、214nm(バンド幅8、リファレンスオフ)
スペクトル 範囲:190~400nm;スリット:4nm
ピーク幅 >0.0031分(応答時間0.063秒、80Hz)
注入 0,5μL標準注入
流量 1.4mL/分
カラム温度 45℃
勾配 0.0~1.0分 15%→95% B
1.0~1.1分 95% B
停止時間 1.3分
【0540】
HPLC/UV分光法
方法I
HPLC Agilent1100/1200システム
カラム Chiralpak;品番No.85394;IE、5μm;150×2.1mm
溶出液 A:n-ヘプタン
B:EtOH+0.1% DEA
検出信号 UV315nm(バンド幅170、リファレンスオフ)
スペクトル 範囲:190~400nm;スリット:4nm
ピーク幅 >0.0031分(応答時間0.063秒、80Hz)
注入 0,5μL標準注入
流量 1.2mL/分
カラム温度 45℃
均一濃度 70% B
停止時間 5分
【0541】
方法J
HPLC Agilent1100/1200システム
MS 1200シリーズLC/MSD(API-ES +/-3000/3500V、四重極、G6140A)
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 700~1350
検出信号 UV254nm、230nm、214nm(バンド幅10、リファレンスオフ)
スペクトル 範囲:190~400nm;スリット:4nm
ピーク幅 >0.0031分(応答時間0.063秒、80Hz)
カラム YMC;品番TA12S03-0302WT;Triart C18、3μm、12nm;30×2.0mmカラム
カラム温度 45℃
溶媒 A:H2O+0.11% ギ酸
B:ACN+0.1% ギ酸(HPLCグレード)
流量 1.4mL/分
勾配 0.0~1.0分 15%から95% B
1.0~1.1分 95% B
停止時間 1.23分
【0542】
方法K
UPLC-MS Waters Acquity-バイナリソルベントマネージャ-UPLC-SQ検出器-2
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 100~1500
ソース電圧:キャピラリー電圧(kV) -3.50、コーン(V):50
ソースTemp:脱溶媒和Temp(℃):350
ソースガス流量:脱溶媒和(L/Hr):700、コーン(L/Hr):50
検出信号 ダイオードアレイ
スペクトル範囲 200~400nm;分解能:1.2nm
サンプリングレート 10ポイント/秒
カラム AQUITY UPLC BEH C18 1.7μm、2.1×50mm
カラム温度 35℃
溶媒 A:ACN中の0.07% ギ酸
B:水中の0.07% ギ酸
流量 0.6mL/分
勾配 0.0~0.40分 97% B
0.40~2.50分 97%から2% B
2.50~3.40分 2% B
3.40~3.50分 2%から97%B
3.50~4.0分 97% B
【0543】
方法L
UPLC-MS Waters ZQ/3100/SQD2質量分析計を連結させたWaters Aquity H ClassLCシステム
MSD信号設定 スキャン ポジティブ/ネガティブ 100~1500
検出信号 ダイオードアレイ
スペクトル 範囲:190~400nm;分解能:1.2nm
カラム YMC triart C18カラム(3μm、33×2.1mm)
カラム温度 30℃
溶媒 A:水中の5mM 酢酸アンモニウム/水中の0.05% ギ酸
B:アセトニトリル:水(90:10)中の5mM 酢酸アンモニウム/水中の0.05% ギ酸
流量 1mL/分
勾配 0.0~0.75分 2% B
0.75~1.00分 2%から10% B
1.00~2.00分 10%から98% B
2.00~2.50分 98%B
2.50~2.90分 98%から2% B
2.90~3.00分 2% B
【0544】
方法M
HPLC-MS ダイオードアレイ検出器付きAgilent1200 HPLC;MS:Agilent 6130ESI質量分光計
MSD信号設定 ESI ポジティブ、100~1000m/z
カラム Waters XBridge C18カラム、2.1×50mm、粒径3.5μm
溶媒 A:水中の0.1% ギ酸、B:ACN中の0.1% ギ酸
検出信号 254nm、リファレンスオフ
スペクトル範囲 190~400nm
ピーク幅 <0.01分
注入 4.0μL標準注入
カラム温度 35℃
流量 0.7mL/分
勾配 5から95% B、3分法
【0545】
方法N
HPLC-MS Agilent 1100シリーズ;Bruker Microtof
MSD信号設定 ESI ポジティブ 100~1200m/z
カラム Waters XBridge C18カラム、2.1×50mm、粒径3.5μm
溶媒 A:水中の0.1% ギ酸、B:ACN中の0.1% ギ酸
検出信号 254nm、リファレンスオフ
スペクトル範囲 190~400nm
ピーク幅 <0.01分
注入 3.0μL標準注入
カラム温度 35℃
流量 0.6mL/分
勾配 5から95% B、8分法
【0546】
本発明の化合物及びその中間体を当業者に公知であり、有機合成の文献に記載されている合成方法を使用して得ることができる。好ましくは、該化合物は、以下により完全に説明される調製方法と類似の様式で得られる。同方法において、一般式の置換基は、上記与えられた意味を有する。これらの方法は、本発明の主題及び特許請求される化合物の範囲をこれらの実施例に限定することなく、本発明の例証であると意図される。一部の場合には、反応工程を行う順序を変えることができる。当業者には公知であるが、ここに詳細に記載されていない反応方法の変形例も使用することができる。
【0547】
出発化合物の調製が記載されていない場合、それらは、商業的に入手可能であるか又はそれらの合成が、先行技術に記載されているか又はそれらを本明細書に記載された公知の先行技術の化合物もしくは方法と同様に調製することができる、すなわち、これらの化合物を合成することは、有機化学者の技能の範囲内にある。文献に記載されている物質を公表されている合成方法に従って調製することができる。出発物質又は中間体中の任意の官能基を、従来の保護基を使用して保護することができる。これらの保護基を、当業者に馴染みのある方法を使用して、反応順序内の適切な段階で再度開裂させることができる。以下の化学構造が、例えば、不斉置換炭素原子の立体中心の正確な配置なしに示される場合には、両方の配置がこのような表現に含まれ、開示されているとみなされるものとする。ラセミ体における立体中心の表現は、常に、両方のエナンチオマー(他に定義された立体中心が存在しない場合)又は可能性のある他の全てのジアステレオマー及びエナンチオマー(定義された又は定義されていない立体中心が追加で存在する場合)を含み、開示しているものとみなすものとする。
【0548】
【0549】
K-1aの合成実験手順
【化87】
トルエン(1.03L)中のエチル 1-メチル-2-オキソシクロヘキサン-1-カルボキシラート(108.00g、586.2mmol)の溶液に、マロノニトリル(58.04g、879.3mmol、1.5eq.)を加え、続けて、酢酸アンモニウム(9.04g、117.2mmol、0.2eq.)及び酢酸(13.41mL、234.5mmol、0.4eq.)をrtで加える。この混合物を110℃で16時間撹拌する。変換完了後、この混合物をEtOAcで希釈し、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物K-1aを与える。この粗製材料をさらに精製することなく、次の工程に使用する(Naumann et al., Pharmazie 51 (1996), 4も参照のこと)。
【0550】
【0551】
K-2aの合成実験手順
【化88】
DMF(3.0L)中のK-1a(250.0g、1.1mol)の溶液に、硫黄(68.9g、2.2mol、2.0eq.)及びL-プロリン(24.8g、0.22mol、0.2eq.)を加え、得られた混合物を80℃で12時間撹拌する。変換完了後、この混合物をEtOAcと水との間で分配し、有機層を回収する。水層をさらにEtOAcで抽出し、合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を与える。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、K-2aを生成する。
【0552】
【0553】
K-3aの合成実験手順
【化89】
K-2a(78.0mg、0.3mmol、1.0eq)をEtOH(1.5mL)に溶解させ、水酸化カリウム(水中の4M、0.37mL、1.5mmol、5.0eq)を加える。この混合物を78℃で16時間撹拌する。変換完了後、水及びEtOAcをこの反応混合物に加え、水相のpHを、KHSO
4溶液(水中の10%)を使用して、pH4に設定し、生成物を、EtOAcを使用して抽出する。合わせた有機層を乾燥させ、ろ過し、濃縮する。粗生成物を酸性逆相クロマトグラフィー(勾配溶出:水中の20%から90% アセトニトリル)により精製して、K-3aを生成する。
【0554】
エナンチオマーを分取SFCクロマトグラフィーで分離することができる。例えば、K-3aをK-3b及びそのエナンチオマーに分離することができる(分析用SFC法 SFC-1:tret=K-3bについて4.9分、他のエナンチオマーについて7.9分)。
【0555】
【0556】
K-4aの合成実験手順
【化90】
THF(300mL)中のK-3b(22.00g、93.11mmol、1.0eq)の溶液に、CDI(17.12g、102.42mmol、1.1eq)を加え、この混合物を50℃で1時間撹拌する。この混合物をrtまで冷却し、水 5mLに懸濁させた水素化ホウ素ナトリウム(10.78g、279.32mmol、3.0eq)をこの反応混合物にゆっくり加える(発熱反応)。添加後、この混合物を1時間撹拌し、続けて、水(250mL)をゆっくり加えることによりクエンチする。THFを真空下で除去し、得られた混合物をEtOAc(3×120mL)で抽出する。合わせた有機層を水(3×100mL)で洗浄し、有機層をMgSO
4で乾燥させる。溶媒を真空下で除去し、粗生成物K-4aをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0557】
下記中間体K-4(表4)は、異なる中間体K-3から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-4を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0558】
【0559】
K-5aの合成実験手順
【化91】
K-4a(21.10g、75.93mmol、純度80%、1.0eq)をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(57.6g、454.37mmol、純度94%、6.0eq)と混合し、この混合物が透明な溶液になるまで、超音波浴中で15分間照射する。水(200mL)を加え、この反応混合物を沈殿物が形成されるまで、rtで30分間撹拌する。沈殿物をろ過し、水(100mL)を加える。この混合物を超音波浴中で15分間照射し、沈殿物をろ過する。この沈殿物をイソプロパノール(25mL)で洗浄し、真空下、45℃で一晩乾燥させて、K-5aを与える。これをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0560】
下記中間体K-5(表4*)は、異なる中間体K-4から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-5を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0561】
【0562】
K-6aの合成実験手順
【化92】
DCM(120mL)中の塩化オキサリル(12.2mL、144.20mmol、2.5eq.)の溶液を-78℃に冷却する。DCM(60mL)中の無水DMSO(18.44mL、259.57mmol、4.5eq.)の溶液をこの反応混合物に滴加する(発熱反応)。この混合物を-78℃で30分間撹拌する。K-5a(16.00g、57.68mmol、1.0eq.)をこの反応混合物にゆっくり加える。この混合物を-78℃で30分間撹拌し、トリメチルアミン(71.96mL、519.32mmol、9.0eq.)を滴加する。この反応混合物をゆっくりrtまで温め、さらに2時間撹拌する。水及びDCMをこの混合物に加え、相を分離する。水層をDCMで2回抽出し、合わせた有機層を水で3回洗浄する。有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去して、粗中間体K-6aを与える。これをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0563】
下記中間体K-6(表5)は、異なる中間体K-5から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-6を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0564】
【0565】
K-7aの合成実験手順
【化93】
K-6a(15.90g、57.75mmol、1.0eq.)、Cs
2CO
3(22.58g、69.26mmol、1.2eq.)及びMeOH(120mL)の混合物を0℃に冷却し、MeOH(5mL)中のBestmann-Ohira試薬(ジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホナート;12.20g、63.52mmol、1.1eq.)の溶液をこの反応混合物に滴加する。0℃で3時間後、この反応混合物をゆっくりrtまで温める。完全な変換後、MeOHを真空下で除去し、水(500mL)及びEtOAc(500mL)をこの混合物に加える。相を分離し、水層をEtOAcで2回抽出する。合わせた有機層を水で3回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去する。残留物をジエチルエーテルと混合し、rtで30分間撹拌する。この混合物を0℃に冷却し、さらに30分間撹拌し、その後、ろ過し、少量の冷ジエチルエーテルで洗浄する。沈殿物を45℃、真空下で乾燥させて、中間体K-7aを与え、これをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0566】
下記中間体K-7(表6)は、異なる中間体K-6から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-7を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0567】
【0568】
K-20aの合成実験手順
【化94】
DCM(200mL)中の(2S)-2-{ベンジル[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロパン酸(24.00g、85.92mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(24.71g、128.88mmol、1.5eq.)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.74g、128.88mmol、1.5eq.)及びNEt
3(47.81mL、343,67mmol、4.0eq.)を加える。この反応混合物をrtで5分間撹拌する。3-アミノ-3-メチル-酪酸エチルエステル塩酸塩(23.41g、128.88mmol、1.5eq.)を加え、この反応混合物をrtで16時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄する。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、K-20aを得る。
【0569】
【0570】
K-21aの合成実験手順
【化95】
THF(40mL)及び水(20mL)中のK-20a(16.00g、39.36mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、水酸化リチウム(2.48g、59.04mmol、1.5eq.)を加え、この反応混合物をrtで16時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を水で希釈し、有機層を分離する。水層をEtOAcで洗浄する。水層をクエン酸で酸性化し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物K-21aをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0571】
【0572】
K-22aの合成実験手順
【化96】
DCM(100mL)中の中間体K-21a(20.00g、52.84mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、HCl(200mL、1,4ジオキサン中の4N)を加え、この反応混合物をrtで4時間撹拌する。変換完了後、揮発性物質を減圧下で除去して、粗生成物を得る。粗生成物をペンタンでトリチュレーションして、中間体K-22aを与える。これを、何ら他の精製をすることなく、次の工程に使用する。
【0573】
【0574】
K-23aの合成実験手順
【化97】
DCM(800mL)中のTBTU(25.95g、80.83mmol、1.5eq.)の撹拌懸濁液に、DCM(800mL)中の中間体K-22a(15.00g、53.89mmol、1.0eq.)及びDIPEA(28.73mL、161.67mmol、3.0eq.)の溶液を0℃でゆっくりと加え、この反応混合物をrtまで温め、16時間撹拌する。この反応混合物を水でクエンチする。有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。この粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体K-23aを与える。
【0575】
【0576】
K-24aの合成実験手順
【化98】
THF(50.00mL)中の中間体K-23a(9.00g、34.57mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、水素化アルミニウムリチウム溶液(5.26mL、138.28mmol、4.0eq、THF中の1M)を0℃で加え、この反応混合物をrtまで温め、rtで10分間撹拌する。この反応混合物を80℃まで加熱し、16時間撹拌する。この反応混合物を0℃まで冷却し、飽和Na
2SO
4溶液をゆっくり加えることにより、注意深くクエンチする。相を分離し、水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体K-24aを生成する。
【0577】
【0578】
K-25aの合成実験手順
【化99】
DCM(10mL)中の中間体K-24a(1.00g、4.13mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、NEt
3(3.43mL、24.78mmol、6.0eq.)及びBoc無水物(2.00g、9.08mmol、2.2eq.)を加える。この反応混合物をrtで16時間撹拌する。この反応混合物を減圧下で濃縮し、アセトニトリルに溶解させ、クロマトグラフィーにより精製して、中間体K-25aを生成する。
【0579】
【0580】
K-26aの合成実験手順
【化100】
水素化反応器におけるMeOH(40mL)中の中間体K-25a(846mg、2.545mmol、1.0eq)の溶液に、Pd/C(10%、150.00mg)を加える。この反応混合物を5barH
2の圧力下で3時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をろ過し、溶媒を減圧下で除去して、中間体K-26aを与える。
【0581】
【0582】
K-9aの合成実験手順
【化101】
DMSO(4ml、4,5V)中の(S)-tert-ブチル-3-メチル-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシラート(846.0mg、214.30mmol、1.0eq)及び2-クロロピリミジン-4-カルボニトリル(528.9mg、139.54mmol、1.0eq)の溶液に、TEA(1.1ml、101.19mmol、2.0eq)をrtで加える。この反応混合物を80℃で1時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をrtまで冷却し、水及びEtOAcを加える。相を分離する。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ついで、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。これをクロマトグラフィーにより精製して、K-9aを得る。
【0583】
下記中間体K-9(表14)は、異なるニトリル又はアミン、例えば、K-26aを使用して、K-9dを調製する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-9を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0584】
【0585】
K-10aの合成実験手順
【化102】
EtOH(270ml)中のK-9a(33.85g、106.65mmol、1.0eq)の溶液に、水中の50% ヒドロキシルアミン溶液(13.05mL、213.30mmol、2.0eq)をrtで加える。この反応混合物を60℃で1時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮して、K-10aを与える。これをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0586】
下記中間体K-10(表15)は、異なるニトリルK-9を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-10を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0587】
【0588】
K-11aの合成実験手順
【化103】
DMSO(10ml)中のK-3b(2.53g、10.70mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、TEA(2.17g、21.40mmol、2.0eq.)及びO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスファート(HATU、4.27g、11.24mmol、1.10eq.)をrtで加える。この混合物をrtで15分間撹拌する。K-10a(3.75g、10.70mmol、1.0eq)をrtで加え、一晩撹拌する。変換完了後、この反応混合物を水及びEtOAcで希釈する。相を分離する。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。この粗製材料をカラムクロマトグラフィーにより精製して、K-11aを与える。
【0589】
下記中間体K-11(表16)は、異なる中間体K-10を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-11を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0590】
【0591】
K-12aの合成実験手順
【化104】
THF(40mL)中のK-11a(2.00g、3.51mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、DBU(1.98mL、14.04mmol、4.0eq)をrtで加える。この反応混合物を70℃で一晩撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。この粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、K-12aを与える。
【0592】
下記中間体K-12(表17)は、異なる中間体K-11を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-12を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0593】
【0594】
K-13aの合成実験手順
【化105】
MeOH(350mL)中のK-12a(20.00g、34.52mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、濃HCl(32.88mL、345.21mmol、10.0eq.)をrtで加える。この反応混合物を50℃で2時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈する。水相をDCMで抽出する。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、K-13aを与える。これをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0595】
下記中間体K-13(表18)は、異なる中間体K-12を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-13を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0596】
【0597】
K-14aの合成実験手順
【化106】
EtOH(4.0ml)中のK-9a(534mg、1.68mmol、1.0eq.)の溶液に、水酸化ナトリウム(水中の4M、1.00ml、40.0mmol、2.4eq.)を加え、還流下で1時間撹拌する。この反応混合物をrtまで冷却し、クエン酸(水中の5%)で酸性化する。水及びEtOAcを加え、相を分離する。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物K-14a(表19)を得る。これをさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0598】
【0599】
K-15aの合成実験手順
【化107】
無水THF(3.0mL、7.5V)中のK-14a(481.0mg、1.43mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、DIPEA(1.27mL、7.15mmol、5.0eq)及びHATU(598mg、1.57mmol、1.1eq)を加え、rtで15分間撹拌する。N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(278.9mg、2.86mmol、2.0eq)を加え、rtで1時間撹拌する。完全な変換後、この反応混合物を水及びEtOAcで希釈し、相を分離する。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製のK-15aを得る(表20)。この粗製物をクロマトグラフィーにより精製する。
【0600】
【0601】
K-16aの合成実験手順
【化108】
THF(7mL)中のK-7a(230mg、0.85mmol、1.0eq.)及びK-15a(389.0mg、1.025mmol、1.2eq.)の溶液に、LiHMDS(3.39mL、3.39mmol、4.00eq.、THF中の1M)を-78℃で滴加し、-78℃で10分間撹拌する。変換完了後、この反応物をrtまで温め、水でクエンチし、EtOAcで希釈する。相を分離し、水層をEtOAcで3回抽出する。合わせた有機層を減圧下で濃縮する。残留物をアセトニトリル及び水に溶解させ、クロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物K-16aを与える(表21)。
【0602】
【0603】
K-17aの合成実験手順
【化109】
EtOH(1mL)中のK-16a(100mg、0.17mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(60.1mg、0.85mmol、5.0eq.)を加え、rtで2時間撹拌する。変換完了後、この反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、rtで2時間撹拌する。この混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、ろ過し、クロマトグラフィーにより精製して、所望の中間体K-17aを与える(表22)。
【0604】
【0605】
K-18aの合成実験手順
【化110】
ACN(0.5mL)中のK-16a(45mg、0.076mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン溶液(水中の50%、70.14μL、1.145mmol、15.0eq.)を加え、この反応混合物をrtで30分間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、ろ過し、クロマトグラフィーにより精製して、所望の中間体K-18aを与える(表23)。
【0606】
【0607】
K-17bの合成実験手順
【化111】
メタノール(2mL)中のK-16a(85.0mg、0.144mmol、1.0eq.)の溶液に、ヒドロキシルアミン-O-スルホン酸(32.6mg、0.288mmol、2.0eq.)を加える。この反応混合物を40分間撹拌する。炭酸水素ナトリウム(30.3mg、0.360mmol、2.5eq.)及び硫化水素ナトリウム(20.2mg、0.360mmol、2.5eq.)をこの反応混合物に加え、18時間撹拌する。追加の炭酸水素ナトリウム(36.3mg、0.432mmol、3.0eq.)及び硫化水素ナトリウム(24.2mg、0.432mmol、3.0eq.)を加え、この反応混合物を60℃で2時間撹拌する。この反応混合物をDCM及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈する。相を分離し、水層をDCM(5回)で抽出する。有機層を合わせ、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体K-17bを与える(表24)。
【0608】
【0609】
K-13dの合成実験手順
【化112】
THF(1mL)中のK-17a(114.0mg、0.19mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、HCl(水中の2M、0.94mL、1.89mmol、10.0eq.)をrtで加える。この反応混合物を65℃で2時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、水及びアセトニトリルで希釈し、2M NaOHを加えることにより、アルカリ性pHにする。それを、塩基性条件を使用した逆相クロマトグラフィーにより精製して、K-13dを生成する。
【0610】
下記中間体K-13(表25)は、異なる中間体K-17を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物K-17を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0611】
【0612】
K-13fの合成実験手順
【化113】
THF(0.5mL)中のK-18a(40.0mg、0.06mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、HCl(水中の2M、0.32mL、0.64mmol、10.0eq.)をrtで加える。この反応混合物を65℃で3時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、水及びアセトニトリルで希釈し、NaOH(水中の2M)を加えることにより塩基性化する。この混合物をクロマトグラフィーにより精製して、K-13fを生成する(表26)。
【0613】
【0614】
A-1aの合成実験手順
【化114】
N,N-ジメチルアセトアミド(1.00mL)中の4-ブロモ-3-フルオロベンゾニトリル(100mg、0.50mmol、1.0eq.)及び4-メチル-チアゾール(100mg、1.00mmol、2.0eq.)の撹拌溶液に、酢酸カリウム(99mg、1.00mmol、2.0eq.)及び酢酸パラジウム(II)(11mg、0.05mmol、0.1eq.)をrtで加え、この混合物をアルゴンで15分間パージする。この混合物を撹拌し、マイクロ波照射により150℃で30分間加熱する。変換完了後、この反応混合物を室温まで冷却し、水及びEtOAcで希釈し、15分間撹拌する。相を分離し、水層をEtOAc(3×)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、A-1aを得る。
【0615】
下記中間体A-1(表27)は、出発物質として他の対応する臭化物を使用することにより、類似の方法で入手可能である。粗生成物A-1を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0616】
【0617】
A-2aの合成実験手順
【化115】
無水THF(20.0mL)中のA-1a(530mg、2.43mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、水素化アルミニウムリチウム(THF中2M、3.64mL、7.29mmol、3.0eq)を0℃で滴加する。この反応混合物をゆっくりRTまで温め、一晩撹拌する。変換完了後、この反応混合物を0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、ついで、飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液で処理し、2時間撹拌する。NaOH水溶液(2M)及びEtOAcを加え、この混合物をceliteでろ過し、相を分離する。水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、A-2aを生成する。
【0618】
下記中間体A2(表28)は、異なる中間体A1から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物A2を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0619】
【0620】
A-2dの合成実験手順
【化116】
[4-({[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]ボロン酸(500mg、1.991mmol)、エチル 5-ブロモ-1,3-チアゾール-4-カルボキシラート(630mg、2.589mmol、1.3eq.)、炭酸ナトリウム(848mg、7.965mmol、4.0eq.)及びテトラキス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(232mg、0.199mmol、0.1eq.)をジメトキシルエタン(5mL)及び水(1.5mL)に溶解させる。この混合物をアルゴンでrtにおいて5分間フラッシュし、ついで、90℃で2時間撹拌する。水(0.5mL)をこの反応混合物に加え、それを90℃でさらに2時間撹拌する。この反応混合物をDCM及び水で希釈し、相を分離する。水層をDCMで2回抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮して乾燥させ、クロマトグラフィーにより精製して、エチル 5-[4-({[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシラートを与える(HPLC法A:t
ret=1.25分、[M+H]
+=363)。
【0621】
【化117】
無水THF(5.0mL)中の5-[4-({[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシラート(580mg、1.60mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、水素化ホウ素リチウム(THF中の2M、1.6mL、3.20mmol、2.0eq)を0℃で少しずつ加える。この反応混合物をrtで6時間撹拌した。変換完了後、この反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル N-({4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアゾール-5-イル]フェニル}メチル)カルバマートを与えた(HPLC法A:t
ret=1.09分、[M+H]
+=321)。
【0622】
【化118】
tert-ブチル N-({4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアゾール-5-イル]フェニル}メチル)カルバマート(32mg、0.1mmol、1.0eq.)をメタノール(0.32mL)に溶解させ、HCl(ジオキサン中の4M、0.12mL)を0℃で加える。この反応混合物をrtで2時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥させ、粗製のA-2dをHCl塩として得る(表29)。これをさらに精製することなく使用する。
【0623】
【0624】
A-5aの合成実験手順
【化119】
無水THF(10mL)中の4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンズアルデヒド(1.10g、5.41mmol、1.0eq.)及び(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(0.98g、8.12mmol、1.50eq.)の撹拌溶液に、Cs
2CO
3(4.41g、13.5mmol、2.50eq.)を加え、得られた混合物を50℃で3時間撹拌する。この反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(2×100mL)で抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して、中間体A-5aを与える(表30)。
【0625】
【0626】
A-6aの合成実験手順
【化120】
0℃のTHF(5mL)中の中間体A-5a(1.00g、3.263mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、臭化アリルマグネシウム(4.89mL、4.8945mmol、1.5eq.Et
2O中の1.0M)を加える。この反応物をrtまで温め、16時間撹拌する。この反応混合物を氷水(10mL)で希釈し、得られた沈殿物をろ過し、水で洗浄した。ろ液をDCM(2×10mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体A-6aを与える(表31)。
【0627】
【0628】
A-7aの合成実験手順
【化121】
SmI
2(THF中の0.1M、27.4mL、2.74mmol、3.0eq)の撹拌溶液を-78℃まで冷却し、無水tBuOH(171.5μL、1.83mmol、2.0eq)及び無水THF(11.0mL)中のA-5a(280mg、0.91mmol、1.0eq.)及びアセトアルデヒド10滴の溶液を-78℃で0.5時間かけて少しずつ加え、撹拌を-78℃で2時間続ける。この反応混合物を10% チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、DCMを加える。白色の沈殿物が形成され、これをCeliteでろ過する。相を分離し、水相をDCMで3回抽出する。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、主生成物としてA-7a(純度78%)を得る(表32)。これをキラルクロマトグラフィーにより98%に改善する。
【0629】
【0630】
A-8aの合成実験手順
【化122】
-78℃のMeOH(10mL)中の中間体A-6a(1.00g、2.869mmol、1.0eq.)の撹拌溶液をオゾンガスで30分間パージする。水素化ホウ素ナトリウム(0.370、10.042mmol、3.5eq.)を-78℃で加え、この混合物を一晩かけてrtまで温める。この反応混合物を氷冷水でクエンチし、DCMで抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体A-8aを与える(表33)。
【0631】
【0632】
A-9aの合成実験手順
【化123】
THF(1.2mL)中の中間体A-7a(105mg、0.298mmol、1.0eq.)の撹拌混合物に、HCl(0.6mL、H
2O中の2M)を加える。この混合物をrtで3時間撹拌する。この反応物をMeOHで希釈し、イオン交換カラムクロマトグラフィー(Isolute SPE 1gカラム、SCX-2)により精製して、中間体A-9aを与える。
【0633】
下記中間体A-9(表34)は、異なる中間体A-7又はA-8から開始する類似の方法で入手可能である。
【0634】
【0635】
A-10aの合成実験手順
【化124】
1,4ジオキサン(6mL)及びH
2O(6mL)中の中間体A-9b(600mg、2.11mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、NEt
3(1.5mL、10.5mmol、5.0eq.)及びBoc無水物(0.73mL、3.16mmol、1.50eq.)を加え、この混合物をrtで3時間撹拌する。この反応混合物を氷冷水でクエンチし、DCMで抽出する。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体A-10aを得る(表35)。
【0636】
【0637】
A-11aの合成実験手順
【化125】
無水THF(2mL)中の中間体A-10a(100mg、0.274mmol、1.0eq.)及びNEt
3(475μL、3.289mmol、12eq.)の撹拌溶液に、無水THF(1mL)中のホスホロキシクロリド(250μL、2.741mmol、10eq.)の溶液を0℃でゆっくり加える。この反応混合物を0℃で30分間撹拌する。この混合物を0℃において水でクエンチし、rtまで温める。この混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、ろ過し、逆相クロマトグラフィーにより精製して、中間体A-11aを得る(表36)。
【0638】
【0639】
A-2eの合成実験手順
【化126】
rtのMeOH(1mL)中の中間体A-11a(15mg、0.035mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、HCl(1mL、1,4ジオキサン中の4N)を加え、この混合物を1時間撹拌する。この反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製の中間体A-2e(表37)をさらに精製することなく、次の工程に使用する。
【0640】
【0641】
A-12aの合成実験手順
【化127】
THF(3.3mL)中のtert-ブチル N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニル]エチル]カルバマート(500mg、1.42mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(723mg、1.70mmol、1.2eq)をアルゴン雰囲気下で加え、rtで1時間撹拌して、中間体tert-ブチル N-[(1R)-1-[4-(4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニル]-2-オキソエチル]カルバマートを形成する。これは、単離されなかった。この反応混合物をろ過し、アルゴン下で-78℃まで冷却する。イソプロピル-臭化マグネシウム(THF中の0.8M、10.65mL、8.52mmol、6.0eq.)を1時間にわたって滴加する。この反応混合物を-78℃で1時間撹拌する。変換後、この反応混合物を水でクエンチし、DCMを加え、この混合物をろ過する。相を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体A-12aを与える(表38)。
【0642】
【0643】
A-2fの合成実験手順
【化128】
THF(0.8mL)中のA-12a(78mg、0.207mmol、1.0eq)の撹拌混合物に、HCl(259μL、1.04mmol、ジオキサン中の4.0M、5.0eq.)を加え、この混合物を60℃で2時間撹拌する。追加のHCl(259μL、1.04mmol、ジオキサン中の4.0M、5.0eq.)を加え、この混合物を60℃でさらに3時間撹拌する。この混合物をrtまで冷却し、rtで18時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をアセトニトリル及びH
2Oに溶解させ、凍結乾燥させる。粗生成物をイオン交換クロマトグラフィー(Isolute SPE 1gカラム、SCX-2)により精製して、中間体A-2fを与える(表39)。
【0644】
【0645】
A-2gの合成実験手順
【化129】
DME(2mL)及びH
2O(0.4mL)中のメチル (2R)-2-アミノ-2-(4-ブロモフェニル)アセタートヒドロクロリド(250mg、0.847mmol、1.0eq)、4-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3-チアゾール(397mg、1.693mmol、2.0eq.)、XPhos Pd G3(73mg、0.085mmol、0.1eq.)及び炭酸セシウム(1.3g、4.233mmol、5.0eq.)をマイクロ波照射下で80℃まで90分間加熱する。この反応混合物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体A-2gを得る(表40)。
【0646】
【0647】
A-3aの合成実験手順
【化130】
DMF(1mL)中のA-2a(85mg、0.382mol、1.0eq)の撹拌溶液に、(2S,4R)-メチル 4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシラート塩酸塩(100mg、0.421mmol、1.1eq)、HATU(163mg、0.4210mol、1.1eq)及びDIPEA(0.27mL、1.53mmol、4.0eq)をrtで加え、この混合物をrtで1時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をアセトニトリルで希釈し、ろ過し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、A-3aを生成する。
【0648】
下記中間体A3(表41)は、異なる中間体A2から開始する類似の方法で入手可能である。
【0649】
【0650】
A-4aの合成実験手順
【化131】
THF(1.5mL)中のA-3a(105mg、0.24mmol、1.0eq)の撹拌溶液にHCl(水中の2M、0.36mL、3.0mmol、3.0eq)を加え、65℃で1時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、ACNで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(2M)で注意深く中和する。この混合物をRP-クロマトグラフィーにより精製し、A-4aを得る。
【0651】
下記中間体A-4(表42)は、異なる中間体A-3から開始する類似の方法で入手可能である。
【0652】
【0653】
E-1aの合成実験手順
【化132】
DMF(75.0mL)中のメチル 2-(3-ヒドロキシ-1,2-オキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノアート(15.00g、0.08mol、1.0eq.)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(31.17g、0.23mol、3.0eq.)を0℃で加える。1,3-ジブロモプロパン(15.20g、0.08mol、1.0eq)を滴加し、この反応混合物を0℃で9時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出する。有機層を氷水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を与える。得られた粗製の化合物をクロマトグラフィーにより精製して、E-1aを生成する。
【0654】
下記中間体E-1(表43)は、類似の方法で入手可能である。粗生成物E-1を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0655】
【0656】
E-6aの合成実験手順
【化133】
THF(200ml)中の4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]ブタン-1-オール(20.00g、0.10mol、1.0eq.)の撹拌溶液に、水素化ナトリウム(2.81g、0.12mol、1.2eq.)を0℃で加え、rtで1時間撹拌する。この反応混合物を0℃まで冷却し、トリクロロエチレン(15.38g、0.12mol、1.2eq.)を0℃で加える。この反応混合物をrtまで温め、48時間撹拌する。この反応混合物を氷冷水でクエンチし、この水溶液をEtOAc(3回)で抽出する。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を与える。この粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、E-6aを生成する。
【0657】
下記中間体E-6(表44)は、出発物質として異なるアルコールを使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-6(表44)を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0658】
【表46】
*中間体E-6c及びE-6dは、ブタン-1,3-ジオールを出発物質として使用する場合、3.5:1の混合物として得られ、次の工程で混合物として使用される。
【0659】
E-7aの合成実験手順
【化134】
THF(800ml)中の中間体E-6a(40.00g、0.13mol、1.0eq.)の撹拌溶液に、n-ブチルリチウム溶液(13mL、0.33mol、2.5eq、ヘキサン中の2.5M)を-78℃で加え、-40℃で2時間撹拌する。変換完了後、この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、氷冷水で希釈する。この水溶液をEtOAc(3×)で抽出する。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を与える。この粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体E-7aを生成する。
【0660】
下記中間体E-7(表45)は、異なる中間体E-6を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-7を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0661】
【表47】
*中間体E-7c及びE-7dは、E-6cとE-6dとの混合物(3.5:1)を出発物質として使用する場合、3.5:1の混合物として得られ、次の工程で混合物として使用される。
【0662】
E-8aの合成実験手順
【化135】
DMF(20ml)及び水(20ml)中の中間体E-7a(5.81g、25.44mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、メチル (2R)-2-アジド-3-メチルブタノアート(4.00g、25.44mmol、1.0eq.)、L-アスコルビン酸ナトリウム(2.52g、12.73mmol、0.5eq)及び硫酸銅(II)五水和物(0.88g、2.54mmol、0.1eq)をrtで加える。この反応混合物を80℃まで加熱し、3時間撹拌する。この反応混合物を水に注ぎ、水層をEtOAc(3×)で抽出する。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を与える。この粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体E-8aを生成する。
【0663】
下記中間体E-8(表46)は、異なる中間体E-7及び/又はアジドを使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-8を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0664】
【表48】
*中間体E-8c及びE-8dは、E-7cとE-7dとの混合物(3.5:1)を出発物質として使用する場合、3.5:1の混合物として得られ、次の工程で混合物として使用される。
【0665】
E-9aの合成実験手順
【化136】
中間体E-8a(1.85g、4.70mmol、1.0eq.)をMeOH(18.5mL)に溶解させ、HCl(1.76mL、7.06mmol、1.5eq、1,4ジオキサン中の4N溶液)を加える。この反応混合物を45℃で30分間撹拌し、この反応混合物を濃縮して、乾燥させる。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体E-9aを生成する。
【0666】
下記中間体E-9(表47)は、異なる中間体E-8を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-9を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0667】
【0668】
E-9dの合成実験手順
【化137】
10℃のTHF中のE-8e(60.0g、129.96mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、HF-ピリジン(38.6g、389.88mmol、3.0eq.)を加え、この混合物を10~20℃で2時間撹拌する。この混合物に、NaHCO
3水溶液(1M、1.5L)を加え、pHをpH7~8に調整する。相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させる。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体E-9dを得る。
【0669】
【0670】
E-10a及びE-10bの合成実験手順
【化138】
DCM(0.5mL)中のE-8cとE-8dとの混合物(258mg、0.71mmol、1.0eq、3.5:1)の撹拌溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(302.7mg、0.71mmol、1.0eq)を加え、rtで1時間撹拌する。この反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体E-10a及びE-10bを得る。
【0671】
下記中間体E-10(表48)は、異なる中間体E-8又はE-9を使用する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-10を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0672】
【0673】
E-9cの合成実験手順
【化139】
0℃のDMSO(50mL)中のメチル 2-ブロモ-3-メチルブタノアート(5.00g、0.026mol、1.0eq.)の撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(1.666g、0.026mol、1.0eq.)を加える。この混合物をrtまで温め、16時間撹拌する。この混合物を0℃まで冷却し、水(100mL)、アスコルビン酸ナトリウム(0.51g、003mol、0.1eq.)、硫酸銅(II)五水和物(1.28g、0.225mol、0.2eq.)及びヘプタ-6-イン-1-オール(2.871g、0.026mmol、1.0eq.)を加える。この混合物をrtまで温め、16時間撹拌する。この反応混合物を水(500mL)に注ぎ、この混合物を酢酸エチル(3×400mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(2×200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、中間体E-9cを得る(表49)。
【0674】
【0675】
E-11aの合成実験手順
【化140】
ジクロロエタン(20.0mL)中のE-9a(1.95g、7.19mmol、1.0eq.)及びEt
3N(2.00mL、14.37mmol、2.0eq.)の撹拌溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.97mL、12.46mmol、1.70eq.)を0℃でゆっくり加え、この反応混合物をrtで20分間撹拌する。この反応混合物を水でクエンチし、DCMで希釈する。層を分離し、水層をDCMで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を与える。この粗製の化合物を、DCM及びMeOHを溶媒として使用するクロマトグラフィーにより精製して、E-11aを生成する。
【0676】
下記中間体E-11(表50)は、異なる中間体E-9から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-11を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0677】
【0678】
E-2aの合成実験手順
【化141】
アセトニトリル(45.0mL)中のK-13a(4.50g、9.99mmol、1.0eq.)及びE-1a(3.72g、11.03mmol、1.1eq.)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(2.76g、19.98mmol、2.0eq.)を加え、この混合物をアルゴン下、60℃で22時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をrtまで冷却し、ろ過し、固形物をアセトニトリルで洗浄する。合わせた溶液を減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して、E-2aを与える。
【0679】
下記中間体E-2(表51)は、異なる中間体K-13及びE-1又は代替となる臭化物から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-2を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0680】
【0681】
E-2mの合成実験手順
【化142】
アセトニトリル(45.0mL)中のK-13a(500mg、1.11mmol、1.0eq.)及びE-11a(659mg、1.89mmol、1.7eq.)の撹拌溶液に、DIPEA(0-97mL、5.55mmol、5.0eq)を加え、この混合物をアルゴン下、65℃で18時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をrtまで冷却し、水で希釈し、RPクロマトグラフィーにより精製して、E-2mを与える。
【0682】
下記中間体E-2(表52)は、異なる中間体K-13及びE-11から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-2を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0683】
【0684】
E-2pの合成実験手順
【化143】
RTのDMF(3mL)中のK-13a(200mg、0.444mmol、1.0eq.)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(235mg、1,110mmol、2.5eq.)の撹拌溶液に、DMF(1mL)中のE-10c(153mg、0.444mmol、1.0eq.)の溶液をゆっくり加える。この反応物を30分間撹拌し、その後、水を加えることによりクエンチする。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、E-2pを得る。
【0685】
下記中間体E-2(表53)は、異なる中間体K-13及びE-10から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-2を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0686】
【0687】
E-3aの合成実験手順
【化144】
メタノール(21.0mL)中のE-2a(4.26g、6.18mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、水酸化ナトリウム溶液(水中の2M、6.18mL、12.35mmol、2.0eq.)を加え、この反応混合物を45℃で1時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、E-3aを生成する。
【0688】
下記中間体E-3(表54)は、異なる中間体E-2から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-3を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0689】
【0690】
E-3pの合成実験手順
【化145】
水素化反応器におけるMeOH(25mL)中の中間体E-2p(1.33g、1.705mmol、1.0eq.)の溶液に、Pd/C(10%、350.00mg)を加える。この反応混合物を8barH
2の圧力下で8時間撹拌した。変換完了後、この反応混合物をろ過し、溶媒を減圧下で除去して、中間体E-3pを与える。
【0691】
下記中間体E-3(表55)は、異なる中間体E-2から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-3を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0692】
【0693】
E-4aの合成実験手順
【化146】
アセトニトリル(35mL)及びDMSO(9.00mL)中のE-3a(4.38g、6.48mmol、1.0eq.)及びメチル (2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシラート塩酸塩(1.61g、8.43mmol、1.3eq.)及びHATU(3.27mg、8.43mmol、1.3eq.)の撹拌溶液に、DIPEA(5.66mL、32.41mmol、5.0eq.)を加え、rtで30分間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を水及びEtOAcで希釈する。層を分離し、有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を与える。この粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、E-4aを生成する。
【0694】
下記中間体E-4(表56)は、異なる中間体E-3及び/又は異なる保護ピロリジンから開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-4を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0695】
【0696】
E-5aの合成実験手順
【化147】
メタノール(22.0mL)中のE-4a(4.47g、5.57mmol、1.0eq.)の撹拌溶液に、水酸化ナトリウム溶液(水中の2M、6.00mL、12.00mmol、2.2eq.)を加え、この反応混合物を45℃で1時間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を減圧下で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、E-5aを生成する。
【0697】
下記中間体E-5(表57)は、異なる中間体E-4から開始する類似の方法で入手可能である。粗生成物E-5を必要に応じてクロマトグラフィーにより精製する。
【0698】
【0699】
E-5eの合成実験手順
【化148】
水素化反応器におけるMeOH(2mL)中の中間体E-4e(66mg、0.074mmol、1.0eq.)の溶液に、Pd/C(10%、50.00mg)を加える。この反応混合物を8barH
2の圧力下で3時間撹拌した。変換完了後、この反応混合物をろ過し、溶媒を減圧下で除去して、中間体E-5eを与える(表58)。
【0700】
【0701】
I-1の合成実験手順
【化149】
DMF(1.0mL)中のE-3a(219mg、0.32mmol、1.0eq)、(2S,4R)-4-ヒドロキシ-N-{[4-(4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニル]メチル}ピロリジン-2-カルボキサミド(113mg、0.36mmol、1.1eq.)及びHATU(184mg、0.48mmol、1.3eq.)の撹拌溶液に、DIPEA(0.16mL、0.97mmol、3.0eq.)を加え、この反応混合物をrtで30分間撹拌する。変換完了後、この反応混合物を水でクエンチし、アセトニトリルで希釈し、クロマトグラフィーにより精製する。
【0702】
下記化合物I(表59)は、異なる中間体E-3及びA-4から開始する類似の方法で入手可能である。
【0703】
【0704】
I-17の合成実験手順
【化150】
DMSO(1.0mL)中のE-5b(25mg、0.032mmol、1.0eq.)、4-(アミノメチル)ベンゾニトリル塩酸塩(10mg、0.059mmol、1.8eq.)及びHATU(35mg、0.091mmol、2.8eq.)の撹拌溶液に、TEA(26μL、0.187mmol、5.8eq.)を加え、この反応混合物をrtで20分間撹拌する。変換完了後、この反応混合物をACNで希釈し、クロマトグラフにより精製して、I-16を生成する。
【0705】
下記化合物I(表60)は、異なる中間体E-5及びA-2から開始する類似の方法で入手可能である。
【0706】
【0707】
化合物Iのキラルカラムクロマトグラフィーによるキラル分離
化合物Iが、ジアステレオマーの混合物として得られた場合、それらをキラルクロマトグラフィーにより、単一の立体異性体に分離することができる。例えば、示されたように、I-1を分離して、I-24及びI-25を得た。I-3を分離して、I-26及びI-27を得た。I-35を分離して、I-40及びI-41を得た。I-36を分離して、I-42及びI-43を得た。I-37を分離して、I-44及びI-45を得た(表61)。
【0708】
【0709】
I-46の合成実験手順
【化151】
THF(1mL)中のI-33(25mg、0.024mmol、1.0eq)の撹拌溶液に、LiOH溶液(18μL、0.036、1.5eq.、H
2O中の2N)を加え、この反応混合物を48時間撹拌する。この反応混合物を2N HClで酸性化し、クロマトグラフィーにより精製して、I-46を得る(表62)。
【0710】
【0711】
I-47の合成実験手順
【化152】
THF(2.0mL)及び水(2mL)中のE-2s(43mg、0.073mmol、1.0eq)の溶液に、LiOH H
2O(15mg、0.36mmol)を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌する。この反応混合物を、水中の4M HClを使用して中和し、減圧下で濃縮する。粗製の酸中間体をDMF(2.0mL)に溶解させる。HATU(50mg、0.13mmol、1.8eq.)、HOAt(18mg、0.13mmol、1.8qe.)、(2S,4R)-1-[(2S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{[4-(4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニル]メチル}ピロリジン-2-カルボキサミド塩酸塩(43mg、0.073mmol、1.8eq.)及びDIPEA(35μL、0.21mmol、2.9eq.)を加える。この反応混合物を室温で一晩撹拌する。この反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、I-47を与える。
【0712】
下記化合物I(表63)は、異なる中間体E-2から開始する類似の方法で入手可能である。
【0713】
【0714】
また、本発明の化合物I-49、I-50及びI-51も本明細書に記載された手順に従って、対応する構築ブロックを使用して、同様に得ることができる。
【0715】
下記実施例は、本発明をこれらの実施例に限定することなく、本発明の化合物の生物学的活性を記載する。
【0716】
生物学的実施例
HiBit分解アッセイ
HiBitタンパク質検出タグ(アミノ酸配列VSGWRLFKKIS、配列番号:1)を、HiBitタグをコードするKRAS(G12D)突然変異体ドナー構築物を使用するCRISPRベースのゲノム操作により、GP5d細胞(ECACC Cat.No.95090715)の内在性KRASローカス(Ensembl遺伝子ID ENSG00000133703.7)の開始メチオニンコドンのすぐ下流に導入した。これにより、N末端にHiBitタグが付加されたバージョンのKRAS(G12D)がKRAS(WT)アレルにヘテロ接合的に導入された。KRASローカスの正しい修飾をPCRベースの遺伝子型決定及び単離されたPCR産物のサンガー配列決定により評価した。得られた細胞系統は、GP5d-HiBit-KRAS(G12D)と呼ばれる。
【0717】
KRAS(G12D)のPROTAC媒介性分解を評価するために、GP5d-HiBit-KRAS(G12D)細胞を、10% 牛胎児血清が補充されたダルベッコ改変イーグル培地(Sigma、cat.no.D6429) 100μLに、1ウェル当たりに25000個 細胞で、白底不透明96ウェルプレート(Perkin Elmer、cat.no.5680)に播種した。プレートを37℃、5% CO2、加湿インキュベーターで一晩インキュベーションし、細胞を接着させた。試験化合物(DMSO中の10mM ストック)を、HP Digital Dispenser D300(Tecan)を使用して対数用量系列で加え、加えられたDMSOに対して正規化した。プレートを37℃でさらに18時間インキュベーションした。インキュベーション後、キットの製造元の説明書に従って調製されたPromega Nano-Glo HiBit溶解検出試薬ミックス(Promega Nano-Glo HiBit Lytic Detection System #N3050)を1ウェル当たりに100μL加えた。細胞溶解を十分に行うために、プレートをオービタルシェーカーで15分間インキュベーションし、さらに室温で30分間インキュベーションした。細胞溶解完了後、発光を、96ウェルプレート用のUltrasensitive Luminescence Protocolを使用し、Envisionプレートリーダーを使用して測定した。発光レベルをDMSO処理サンプルで得られた値により正規化し、% DMSO対照としてプロットした。DC50値を、4パラメトリックロジスティックモデルを使用して計算した。Dmax値は、観察された分解の最大範囲を表わし、% 対照(% Ctrl.)処理として記載される。DC50及びDmaxを本発明の代表的な化合物について、表64に報告する。
【0718】
【0719】
HiBit KRAS4B突然変異体スペクトル分解アッセイ
治療に関連する突然変異型KRAS構築物(WT、G12C、G12D、G12V、G13D)を、KRAS4B WT cDNA構築物をテンプレートとして使用して、部位特異的突然変異誘発により得た。GP5d細胞(ECACC Cat.No.95090715)を、CMVプロモーターの制御下で突然変異型KRAS4B cDNAを発現するレンチウイルスベクターによりトランスダクションした。安定にトランスダクションされた細胞を、この構築物にコードされたネオマイシン選択マーカーを使用して選択した。
【0720】
種々のKRAS突然変異体のPROTAC媒介性分解を評価するために、上記されたKRAS4B構築物で安定にトランスダクションされたGP5d細胞を、10% 牛胎児血清が補充されたダルベッコ改変イーグル培地(Sigma、cat.no.D6429) 100μLに、1ウェル当たりに25000個 細胞で、白底不透明96ウェルプレート(Perkin Elmer、cat.no.5680)に播種した。プレートを37℃、5% CO2、加湿インキュベーターで一晩インキュベーションし、細胞を接着させた。試験化合物(DMSO中の10mM ストック)を、HP Digital Dispenser D300(Tecan)を使用して対数用量系列で加え、加えられたDMSOに対して正規化した。プレートを37℃でさらに18時間インキュベーションした。インキュベーション後、キットの製造元の説明書に従って調製されたPromega Nano-Glo HiBit溶解検出試薬ミックス(Promega Nano-Glo HiBit Lytic Detection System #N3050)を1ウェル当たりに100μL加えた。細胞溶解を十分に行うために、プレートをオービタルシェーカーで15分間インキュベーションし、さらに室温で30分間インキュベーションした。細胞溶解完了後、発光を、96ウェルプレート用のUltrasensitive Luminescence Protocolを使用し、Envisionプレートリーダーを使用して測定した。発光レベルをDMSO処理サンプルで得られた値により正規化し、% DMSO対照としてプロットした。DC50値を、4パラメトリックロジスティックモデルを使用して計算し、本発明の代表的な実施例(Ex.)化合物について表65にnM単位で報告する。Dmax値は、観察された分解の最大範囲を表わし、本発明の代表的な実施例(Ex.)化合物について、表66に% 対照(% Ctrl.)処理として記載される。
【0721】
【0722】
【0723】
突然変異型ガン細胞系統を使用した追加の増殖アッセイ
・NCI-H358 CTG増殖アッセイ(120時間)(NSCLC、G12C)
NCI-H358細胞(ATCC No.CRL-5807)を、RPMI-1640 ATCC-Formulation(Gibco #A10491)+10% FCS(牛胎児血清)(アッセイ1) 100μLに、1ウェル当たりに2000個 細胞の密度で、白底不透明96ウェルプレート(PerkinElmer cat no.5680)に又はRPMI-1640 ATCC-Formulation(Gibco #A10491)+10% FCS(牛胎児血清)(アッセイ2) 60μLに、1ウェル当たりに200個 細胞の密度で、平底透明の黒色384ウェルプレート(Greiner、PNr.781091)に分注する。細胞を37℃で、5% CO2での加湿組織培養インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。化合物(DMSO中の10mM ストック)を、DMSO対照を含めて、HP Digital Dispenser D300(Tecan)(アッセイ1)又はECHO acoustic liquid handler system(Beckman Coulter)(アッセイ2)を使用して対数用量系列で加え、加えられたDMSOに対して正規化する。T0時点の測定では、未処理細胞を化合物添加時に分析する。プレートを120時間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用した非線形回帰により、生存率の測定値から決定する。
【0724】
・AsPC-1 CTG増殖アッセイ(120時間)(膵臓ガン、G12D)
CTGアッセイを、CellTiter Glowアッセイキット(Promega G7571)を使用して、AsPC-1細胞(ATCCC RL-5985)の増殖を定量的に測定するように設計する。細胞を牛胎児血清(Life Technologies、Gibco BRL、Cat.No.10270-106)が補充されたRPMI培地(ATCC)中で増殖させる。「0日目」に、2000個 AsPC-1細胞を平底透明384ウェルプレート(Greiner、PNr.781091)中のRPMI ATCC+10% FCS+Penstrep 60μLに播種する。ついで、細胞をこのプレートにおいて、37℃で、CO2インキュベーター内で一晩インキュベーションする。1日目に、化合物(DMSO中の10mM ストック)を、DMSO対照を含めて、ECHO acoustic liquid handler system(Beckman Coulter)で加える。プレートを120時間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用した非線形回帰により、生存率の測定値から決定sうる。
【0725】
・GP2D増殖アッセイ(120時間)(大腸ガン、G12D)
GP2D細胞(ATCC No.CRL-5807)を、DMEM(Sigma、D6429)+1×GlutaMAX(Gibco、35050038)+10% FCS(牛胎児血清) 40μLに、1ウェル当たりに500個 細胞の密度で、白平底の白色384ウェルプレート(PerkinElmer、6007680)に分注する。細胞を37℃で、5% CO2での加湿組織培養インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。化合物(DMSO中の10mM ストック)を、DMSO対照を含めて、HP Digital Dispenser D300(Tecan)(アッセイ1)を使用して対数用量系列で加え、加えられたDMSOに対して正規化する。T0時点の測定では、未処理細胞を化合物添加時に分析する。プレートを120時間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用した非線形回帰により、生存率の測定値から決定する。
【0726】
・SAS CTG増殖アッセイ(120時間)(HNSCC、wt増幅型)
SAS細胞(JCRB0260)を、DMEM:F12(Gibco 31330-038)+10% 牛胎児血清(HycClone、PNr.:SH30084.03) 60μLに、1ウェル当たりに300個 細胞の密度で、平底透明384ウェルプレート(Greiner、PNr.781091)に分注し、37℃でCO2インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。翌日、化合物(DMSO中の10mM ストック)を、DMSO対照を含めて、ECHO acoustic liquid handler system(Beckman Coulter)で加える。プレートを120時間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用した非線形回帰により、生存率の測定値から決定する。
【0727】
・SK-CO-1 CTG増殖アッセイ(120時間)(CRC、G12V)
SK-CO-1細胞(ATCC HTB-39)を、EMEM(Sigma M5650)+10% 牛胎児血清(HycClone、PNr.:SH30084.03) 60μLに、1ウェル当たりに500個 細胞の密度で、平底透明384ウェルプレート(Greiner、PNr.781091)に分注し、37℃でCO2インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。翌日、化合物(DMSO中の10mM ストック)を、DMSO対照を含めて、ECHO acoustic liquid handler system(Beckman Coulter)で加える。プレートを120時間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用した非線形回帰により、生存率の測定値から決定する。
【0728】
・LOVO CTG増殖アッセイ(120時間)(CRC、G13D)
LOVO細胞(ATCC CCL-229)を、DMEM(Sigma D6429)+10% 牛胎児血清(HycClone、PNr.:SH30084.03) 60μLに、1ウェル当たりに1000個 細胞の密度で、平底透明384ウェルプレート(Greiner、PNr.781091)に分注し、37℃でCO2インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。翌日、化合物(DMSO中の10mM ストック)を、DMSO対照を含めて、ECHO acoustic liquid handler system(Beckman Coulter)で加える。プレートを120時間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用した非線形回帰により、生存率の測定値から決定する。
【0729】
・GP5d細胞増殖アッセイ(大腸ガン、G12D)
GP5d細胞(ECACC 95090715)を、10% FCSが補充されたDMEM(BioWhittaker、Cat# BE12-605F) 100μLに、1ウェル当たりに5000個 細胞の密度で、白底不透明96ウェルプレートに分注する。細胞を37℃で、5% CO2での加湿組織培養インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。化合物(DMSO中の10mM ストック)を、HP Digital Dispenser D300(Tecan)を使用して対数用量系列で加え、加えられたDMSOに対して正規化する。T0時点の測定では、未処理細胞を化合物添加時に分析する。プレートを5日間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターロジスティックモデルを使用して、相対生存率の値から計算した。
【0730】
・SW620細胞増殖アッセイ(大腸ガン、G12V)
SW620細胞(ATCC CCL-227)を、10% FCSが補充されたDMEM(BioWhittaker、Cat# BE12-605F) 100μLに、1ウェル当たりに2000個 細胞の密度で、白底不透明96ウェルプレートに分注する。細胞を37℃で、5% CO2での加湿組織培養インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。化合物(DMSO中の10mM ストック)を、HP Digital Dispenser D300(Tecan)を使用して対数用量系列で加え、加えられたDMSOに対して正規化する。T0時点の測定では、未処理細胞を化合物添加時に分析する。プレートを5日間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用して、相対生存率の値から計算する。
【0731】
・A375 CTG増殖アッセイ(120時間)(メラノーマ、wt、B-Raf突然変異型、陰性対照)
A375細胞(ATCC CRL-1619)をDMEM(Sigma D6429)+10% 牛胎児血清(HycClone、PNr.:SH30084.03) 60μLに、1ウェル当たりに300個 細胞の密度で、平底透明384ウェルプレート(Greiner、PNr.781091)に分注し、37℃でCO2インキュベーターにおいて、一晩インキュベーションする。翌日、化合物(DMSO中の10mM ストック)を、DMSO対照を含めて、HP Digital Dispenser D300(Tecan)を使用して対数用量系列で加える。プレートを120時間インキュベーションし、細胞生存率を、CellTiter-Glo発光細胞生存率試薬(Promega 製品コードG7570)を使用して測定する。生存率(% 対照として記載)を、各ウェルの相対発光単位RLUをDMSO対照の細胞のRLUで割ったものとして定義する。IC50値を、4パラメーターモデルを使用した非線形回帰により、生存率の測定値から決定する。
【0732】
示された細胞系統におけるこれらのアッセイにより測定された本発明の代表的な化合物のIC50値を表67に示す。
【0733】
【0734】
配合
以下の配合実施例により、本発明の範囲を限定することなく、本発明が例証される。
【0735】
医薬製剤の実施例
A)錠剤 錠剤当たり
式(I)で示される活性物質 100mg
ラクトース 140mg
コーンスターチ 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
【0736】
微粉砕された活性物質、ラクトース及びコーンスターチの一部同士を混合する。この混合物をふるい分けし、ついで、水中のポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させる。この顆粒、残りのコーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムをふるい分けし、これらを混合する。この混合物を圧縮して、適切な形状及びサイズの錠剤を製造する。
【0737】
B)錠剤 錠剤あたり
式(I)で示される活性物質 80mg
ラクトース 55mg
コーンスターチ 190mg
微結晶セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
カルボキシメチルデンプンナトリウム 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
【0738】
微粉砕された活性物質、コーンスターチの一部、ラクトース、微結晶セルロース及びポリビニルピロリドン同士を混合する。この混合物をふるい分けし、残りのコーンスターチ及び水を加えて、顆粒を形成する。この顆粒を乾燥させ、ふるい分けする。カルボキシメチルデンプンナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを加え、混合し、この混合物を圧縮して、適切なサイズの錠剤を形成する。
【0739】
C)錠剤 錠剤あたり
式(I)で示される活性物質 25mg
ラクトース 50mg
微結晶セルロース 24mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
100mg
【0740】
活性物質、ラクトース及びセルロース同士を混合する。この混合物をふるい分けし、ついで、水で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させるかもしくは乾式造粒するか又は直接ステアリン酸マグネシウムと最終ブレンドし、適切な形状及びサイズの錠剤に圧縮するかのいずれかをする。湿式造粒する場合、追加のラクトース又はセルロース及びステアリン酸マグネシウムを加え、この混合物を圧縮して、適切な形状及びサイズの錠剤を製造する。
【0741】
D)アンプル液
式(I)で示される活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用水 5mL
【0742】
活性物質をそれ自体のpH又は場合により、pH5.5~6.5の水に溶解させ、塩化ナトリウムを加えて、等張にする。得られた溶液を、発熱物質を含まないようにろ過し、ろ液を無菌条件下でアンプルに移す。ついで、このアンプルを滅菌し、融着により密封する。このアンプルは、5mg、25mg及び50mg 活性物質を含有する。
【国際調査報告】