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▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】脱毛装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 26/00 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A45D26/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532473
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2022083749
(87)【国際公開番号】W WO2023099509
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21211624.8
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ズワルト バルト‐ヤン
(72)【発明者】
【氏名】グラゼンブルグ ヨースト トマス
(57)【要約】
脱毛装置5は、脱毛本体10であって該脱毛本体10に対して長手方向Lに延びる回転軸Rの周りで回転可能な脱毛本体と、回転軸Rの周りでの脱毛本体10の回転運動の間において脱毛本体10の長手方向Lの圧縮及び伸長を生じさせるように該脱毛本体10に作用する作動機構30と、脱毛本体10を駆動すると共に作動機構30も駆動する駆動機構20とを有する。作動機構30は駆動機構20の駆動シャフト21に対して、例えば少なくとも1つの板バネ51を介して、弾性的に結合され、これは、脱毛装置5における摩擦及び雑音を最小限に抑えることに寄与すると共に、脱毛本体10の圧縮及び伸長のうちの一方も支援できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身に対して長手方向に延びる回転軸の周りで回転可能な脱毛本体であって、少なくとも1つの毛髪捕捉空間を備え、前記長手方向における該少なくとも1つの毛髪捕捉空間の寸法が前記長手方向の当該脱毛本体の圧縮及び伸長を介して可変である脱毛本体と、
前記脱毛本体に作用して、前記回転軸の周りでの該脱毛本体の回転運動の間において該脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じさせる作動機構と、
前記脱毛本体を前記回転軸の周りでの回転運動を行うように駆動する駆動機構であって、前記脱毛本体に回転運動を付与するために該脱毛本体に結合された回転可能な駆動シャフトを有し、前記脱毛本体の前記長手方向の圧縮及び伸長を生じさせるように前記作動機構も駆動する駆動機構と、
前記作動機構を前記駆動シャフトに弾性的に接続する少なくとも1つの弾性部材を備えた接続装置と
を有する、脱毛装置。
【請求項2】
前記弾性部材が少なくとも1つの板バネである、請求項1に記載の脱毛装置。
【請求項3】
前記弾性部材が、長方形状に一緒に結合された2つの板バネを含むバネ装置を備える、請求項2に記載の脱毛装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの板バネが前記作動機構及び前記駆動シャフトの両方に直接固定されている、請求項2又は3に記載の脱毛装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの板バネが、円形の外周を有すると共に中央孔及びスロットを備えたディスク状に成形されている、請求項2から4の何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項6】
前記接続装置が少なくとも1つの非弾性接続部材を更に有する、請求項2から5の何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項7】
前記非弾性接続部材は少なくとも2つの脚部を有し、各脚部の端部が前記板バネに該板バネの外周領域の位置において接続されている、請求項6に記載の脱毛装置。
【請求項8】
前記脱毛本体の一端は前記長手方向において固定位置を有する固定端である一方、該脱毛本体の他端は前記長手方向において可変位置を有する可動端であり、前記作動機構が前記脱毛本体に対し該脱毛本体の前記可動端の側において作用する、請求項1から7の何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項9】
カム及びカムフォロアを含む運動付与装置を有し、前記カム及びカムフォロアの一方は当該脱毛装置において固定位置を有し、前記カム及びカムフォロアの他方が前記作動機構及び前記接続装置のうちの一方に統合され又は固定されている、請求項1から8の何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項10】
前記作動機構は前記長手方向に圧縮可能及び伸長可能な力誘起部材を含み、該力誘起部材が、前記脱毛本体の前記少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉状態にある間において前記力誘起部材の前記長手方向の寸法が変化された場合に、前記作動機構により前記脱毛本体に対し前記長手方向に及ぼされる力のレベルを決定する、請求項1から9の何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項11】
前記作動機構は両方とも前記長手方向に移動可能な2つの作動部材を有し、前記作動部材のうちの第1のものは、これら作動部材のうちの第2のものより前記長手方向において前記脱毛本体に近い位置にあり、前記力誘起部材が前記作動部材を結合する位置にある、請求項10に記載の脱毛装置。
【請求項12】
前記力誘起部材はコイルバネを有し、該コイルバネは前記作動部材の支持面の間に前記長手方向に延在し、前記作動部材の支持面が前記長手方向に対し前記コイルバネのピッチ角にしたがって配向されている、請求項11に記載の脱毛装置。
【請求項13】
前記作動部材の前記回転軸の周りの方向における互いに対する回転を制限する回転制限機構を有する、請求項12に記載の脱毛装置。
【請求項14】
前記回転制限機構が、作動部材における停止面及び前記接続装置における停止面のうちの少なくとも一方を有する、請求項13に記載の脱毛装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脱毛本体、作動機構及び駆動機構を有する脱毛装置に関し、脱毛本体は該脱毛本体に対して長手方向に延びる回転軸の周りで回転可能であると共に少なくとも1つの毛髪捕捉空間を備え、該少なくとも1つの毛髪捕捉空間の長手方向の寸法は脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長により変化可能であり、作動機構は、回転軸の周りでの脱毛本体の回転運動の間において、脱毛本体に作用して該脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じさせるように構成され、駆動機構は脱毛本体を回転軸の周りでの回転運動を行うように駆動するよう構成され、該駆動機構は、脱毛本体に結合されて該脱毛本体に回転運動を生じさせる回転可能な駆動シャフトを有すると共に、脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じせるように作動機構も駆動するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
上述したような脱毛装置は、国際特許出願公開第2021/130385号から既知である。該既知の脱毛装置において、作動機構は、長手方向に圧縮可能かつ伸長可能な力誘起部材を含み、該力誘起部材は、脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉じられた状態にある間において力誘起部材の長手方向のサイズが変化された場合に、作動機構により脱毛本体に対して長手方向に加えられる力のレベルを決定するように構成される。該力誘起部材の具体的な例はバネである。作動機構内に力誘起部材が存在する結果として、毛髪クランプ力は、もはや脱毛本体の圧縮及び伸長の力対変位特性により決定されるのみならず、力誘起部材の圧縮及び伸長の力対変位特性によっても決定される。このことは、脱毛本体の設計を該脱毛本体の最適な毛髪捕捉機能を有するように適合できると共に、力誘起部材の設計も脱毛本体の最適な毛髪捕捉機能を有するように適合できるような構成が得られることを意味する。同時に、力誘起部材による力が毛髪をクランプして皮膚から引き抜くことができると共に過度の力により毛髪を切断しないような範囲内に留まりながら、許容可能で現実的な製造公差内で製造可能となるような脱毛装置の構成を有することが可能である。
【0003】
国際特許出願公開第2021/130385号から既知の脱毛装置の作動機構は、一実施形態において、共に長手方向に移動可能な2つの作動部材を有し、これら作動部材の第1のものは長手方向において、これら作動部材の第2のものより脱毛本体に近い位置にあり、力誘起部材は作動部材を互いに連結する位置にある。更に、作動部材の各々はブッシュ状であり、駆動シャフトの一部を取り囲む位置にある。駆動シャフトら作動部材の各々へのトルクの伝達を可能にすると同時に、作動部材の長手方向の移動も可能にするために、作動部材の各々は長手方向に延びる溝を備え、駆動シャフトには対応する溝に収容される各突出ピンが設けられる。
【0004】
国際特許出願公開第2021/130385号から既知の脱毛装置は、意図された脱毛機能を果たすように良好に機能するが、該脱毛装置の設計には改善の余地がある。上述した溝とピンとの組み合わせの使用は、摩擦力及びノイズの発生を伴い、溝とピンとの組み合わせは摩耗し易い。本発明の目的は、溝とピンとの組み合わせの使用による欠点が回避されるか、又は少なくとも軽減される新しいタイプの脱毛装置を提供することである。
【0005】
国際特許出願公開第WO94/14355号で既知の他の文献は、手持ち筐体から突出し、回転シャフト上に取り付けられた円筒状の螺旋状に巻回された条片により適合され、回転の間に複数の環状ギャップを開閉して皮膚毛を捕捉及び引き抜くように構成された露出型毛抜きヘッドを有する回転式毛抜き脱毛装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、溝とピンとの組み合わせの使用による欠点が回避されるか、又は少なくとも軽減される新しいタイプの脱毛装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
- 自身に対して長手方向に延びる回転軸の周りで回転可能な脱毛本体であって、少なくとも1つの毛髪捕捉空間を備え、長手方向における少なくとも1つの毛髪捕捉空間の寸法が長手方向の当該脱毛本体の圧縮及び伸長を介して可変である脱毛本体と;
- 脱毛本体に作用して、回転軸の周りでの脱毛本体の回転運動の間において脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じさせるように構成された作動機構と;
- 脱毛本体を回転軸の周りでの回転運動を行うように駆動するよう構成された駆動機構であって、脱毛本体に回転運動を付与するために脱毛本体に結合された回転可能な駆動シャフトを有し、脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じさせるように作動機構も駆動するように構成された駆動機構と;
- 作動機構を駆動シャフトに弾性的に接続するよう構成された接続装置と;
を有する脱毛装置を提供する。
【0008】
本発明によれば、駆動シャフトから作動機構へのトルク伝達は、脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じさせるのに必要な相対的な長手方向の運動も可能にしながら、駆動シャフトと作動機構との間の弾性特性を有する接続を介して行われる。既知の溝/ピン接続と比較して、該弾性接続は如何なる摩擦もほとんど伴わず、無摩擦と呼ぶことさえでき、低騒音特性で摩耗を殆ど受けにくいものである。スライド構成の部品を必要とすることがない一方、上記弾性接続は必要に応じたトルク伝達及び長手方向の運動の自由度が維持されるように設計することができるからである。実際の実施形態において、当該接続装置は少なくとも1つの弾性部材を有するようなものであり得る。例えば、該接続装置が少なくとも1つのベローズ又は少なくとも1つの板バネを有するのが実用的である。
【0009】
当該接続装置が、長方形に一緒の連結された2つの板バネを含むバネ装置を有するなら特に有利であり得る。この構成は当該弾性接続の堅牢さを増加させ得、該弾性接続における過度の曲げ及び傾斜の影響を、ストッパ(停止部)等の他の運動制限対策をとる必要なく、回避できるからである。
【0010】
当該弾性接続の基本設計では、作動機構及び駆動シャフトの両方に直接固定される少なくとも1つの板バネが適用され、その場合、トルク伝達は最小限の損失で実現できる。
【0011】
本発明のコンテキストにおいて、当該接続装置が少なくとも1つの板バネを備える場合、少なくとも1つの板バネの多くの設計が実現可能である。実際的な可能性によれば、少なくとも1つの板バネは、駆動シャフトの一部又は作動機構の構成要素の一部を取り囲むように配置される。その場合、少なくとも1つの板バネが円形の外周を有するディスク状に成形されるなら特に有利であり、その場合、更に、少なくとも1つの板バネには、駆動シャフト又は作動機構の構成要素が貫通するのを可能にするための中心孔、及び実現されるべきトルク伝達及び当該脱毛装置の意図された動作に伴う考えられる他の要件を考慮して適切な弾性/可撓性を有するようにするためのスロットが設けられ得る。
【0012】
当該接続装置が少なくとも1つの弾性部材を含む実際の場合、該接続装置が少なくとも1つの非弾性接続部材を更に含む可能性が存在する。もっとも、前述したように、作動機構及び駆動シャフトの両方に直接固定された少なくとも1つの板バネを使用することが実用的であろう。少なくとも1つの板バネが使用され、該少なくとも1つの板バネが円形の外周を有するディスク状に成形されている場合、少なくとも2つの脚部を備える一種の非弾性接続部材が使用されることが実用的であり得、その場合、各脚部の端部は板バネの外周領域の位置において該板バネに接続される。
【0013】
脱毛装置における脱毛本体の配置は、脱毛本体の一端が長手方向において及び、好ましくは、回転軸の周りの方向においても固定位置を有する固定端である一方、該脱毛本体の他端が長手方向において可変位置を有する可動端であるようなものであり得、その場合、作動機構は脱毛本体に対して該脱毛本体の可動端の側で作用するように構成される。脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉じられており、作動機構が脱毛本体に該脱毛本体の圧縮に関連する方向の力を加えるように作用する場合、脱毛本体は定位置に固定され、毛髪クランプ力が効果的に増大される。更に、脱毛本体の固定部分を有することにより、脱毛動作を受けるべき皮膚に対して脱毛本体を位置決めすることが容易になる。
【0014】
本発明の前後関係においては、脱毛本体の長手方向における圧縮及び伸長を生じさせる機能と、脱毛本体を機械的に回転させる機能との間のリンクを実現することが可能である。例えば、当該脱毛装置がカム及びカムフォロアを含む運動付与装置を有するなら有利であり得、その場合、カム及びカムフォロアの一方は脱毛装置において固定位置を有し、カム及びカムフォロアの他方は作動機構及び接続装置の一方に統合又は固定される。このような構成において、作動機構の少なくとも1つの構成要素の長手方向の運動は、駆動シャフトが回転すると、カム及びカムフォロアの設計に従った所定の態様で自動的に誘起される。当該運動付与装置の設計は、脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間を閉じる速度(該速度は、良好な毛髪捕捉結果を達成し、その結果良好な脱毛結果を達成するほど十分に高く、脱毛装置において大きな(ピーク)力を招かないほど十分に低い)を実現するように選択できる。
【0015】
脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じさせる機能と脱毛本体を回転させる機能との間の上述したリンクは、固定のもの又は調整可能なものとすることができる。後者の場合、該運動付与装置は、適切なアクチュエータと、脱毛装置のユーザが該脱毛本体の回転の間において該脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間を開閉する瞬間を調整できるようにする機構とを含み得る。
【0016】
国際特許出願公開第2021/130385号から既知の事項によれば、当該作動機構が、長手方向に圧縮可能かつ伸長可能であると共に、脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉状態にある間において力誘起部材の長手方向の寸法が変化される場合に作動機構により脱毛本体に対して長手方向に及ぼされる力のレベルを決定するように構成された力誘起部材を含むと有利である。
【0017】
先に説明したように、作動機構に力誘起部材を有することにより、毛髪クランプ力が、脱毛本体の圧縮及び伸長の力対変位特性によって決定されるだけでなく、力誘起部材の圧縮及び伸長の力対変位特性によっても決定されるようになり、その結果、脱毛本体の設計を該脱毛本体の最適な毛髪捕捉機能を有するように適合させることができると共に、力誘起部材の設計も脱毛本体の最適な毛髪クランプ機能を有するように適合させることができる構成が得られる。その事実は、力誘起部材を有することが、脱毛本体における毛髪クランプ力を主に作動機構の力誘起部材により決定されるようにする可能性を提供し、したがって、毛髪クランプ力は脱毛本体に捕捉された毛髪の量により実質的に影響を受けなくなる。毛髪クランプ力が脱毛本体自体の構成により決定される従来の場合、毛髪クランプ力は脱毛本体内の毛髪の数とともに増加する。このような効果は、作動機構が力誘起部材を備える場合に打ち消すことができる。なぜなら、その場合、毛髪クランプ力が、毛髪が脱毛本体内に存在する位置で直接決定される必要性が、もはや存在しないからである。その代わりに、力誘起部材を使用して、脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉状態にある間において力誘起部材の長手方向の寸法が変化された場合に作動機構により脱毛本体に対し長手方向に及ぼされる力のレベルを決定することが可能であり、該力が上述した条件下で毛髪クランプ力を生じる。更に、作動機構の力誘起部材が脱毛本体における毛髪クランプ力のレベルを設定するために頼りとされる場合、確かに、許容誤差による脱毛本体の寸法の変動は補償され、その結果、毛髪クランプ力の所定のレベルが常に実際に実現される。このように、本発明に基づけば、脱毛装置が量産される場合、性能の一貫性が向上される。力誘起部材の設計は、既知の実証済みの製造技術により製造されるべき部品に対して十分な許容差の広がりを有するように適合できる。
【0018】
本明細書のコンテキストにおいて、圧縮及び伸長の力対変位特性は、物体に発生される力のレベルと、物体の伸長又は圧縮の形での物体の変位のレベルとの間の関係を示す物体の特性として理解されるべきであり、又は逆に言えば、物体の伸長又は圧縮の形で物体の特定の変位を生成するために物体に及ぼされるべき力のレベルを示す物体の特性として理解されるべきである。物体の圧縮及び伸長の力対変位特性は、物体が弾性の/弾力性の/可撓性の特性を有するタイプのものである場合、物体の剛性とも呼ばれる。
【0019】
毛髪クランプ力が、脱毛本体の圧縮及び伸長の力対変位特性ではなく、オプションとしての力誘起部材の圧縮及び伸長の力対変位特性により主に決定されるという有利な効果は、力誘起部材の圧縮及び伸長の力対変位特性が脱毛本体の圧縮及び伸長の力対変位特性よりも大幅に強い場合に特に得られる。その事実は、このような場合において、作動機構が脱毛本体を圧縮するように作用する場合、これは、脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉じられるまで、実質的に力を伴わないで行われる。その時点以降ら、脱毛本体の位置において長手方向に作用する力のレベルは、力誘起部材により該力誘起部材の圧縮及び伸長の力対変位特性に基づいて決定され、その場合において、脱毛本体の圧縮及び伸長の力対変位特性が上記力のレベルに与える影響は極僅かである。このことは、脱毛本体において長手方向に作用する力に影響を与え、これにより、毛髪を掴んで、少なくとも1つの毛髪捕捉スペースから毛髪が擦り抜けないようにする可能性に影響する。より強い力対変位特性とは、同一の変位に対して一層大きな力を関係付ける力対変位特性を意味することに留意されたい。
【0020】
当該脱毛装置の作動機構に力誘起部材を適用する他の注目すべき利点は、これが、該脱毛装置の動作を実際の状況に適応させる可能性を含むことである。例えば、皮膚上に油脂が存在する場合、このような場合に生じる摩擦力の低下を補償するために、毛髪クランプ力を増大させることが望ましい。本発明のコンテキストにおいて、このことは、力誘起部材が長手方向の圧縮及び伸長の調整可能な力対変位特性を有するタイプである場合に実行できる。このように、作動機構に、このようなタイプの力誘起部材を装備することが実用的である。毛髪クランプ力を増大させる必要がある例を参照すると、これは、圧縮及び伸長の力対変位特性を、特定の変位がより高いレベルの力を伴うように調整することを含む。
【0021】
当該力誘起部材は、任意の好適なタイプのものとすることができる。1番目に、当該力誘起部材は、受動型の力誘起部材とすることができ、弾性、伸縮性及び/又は可撓性と一般的に呼ばれるタイプのものであり得ることに留意されたい。その場合、該力誘起部材は、例えばゴム等の弾性/伸縮性材料の部品、又はバネを有し得る。バネを有する力誘起部材のオプションに関して、該バネは、常閉又は常開のコイルバネ等の、任意の適切なタイプのものとすることができ、力誘起部材の圧縮及び伸長の力対変位特性を調整するオプションは、当該脱毛装置が該バネのバネ定数を調整するように構成された調整機構を有することを含み得る。他の有利なオプションによれば、当該脱毛装置はバネの予備張力を調整するように構成された調整機構を有し得る。2番目に、当該力誘起部材は、活性化されエネルギが付与された状態で力誘導機能を果たすように設計された能動型の力誘起部材とすることができ、例えばソレノイドを有し得る。
【0022】
本発明による脱毛装置の実際的な実施形態において、作動機構は共に長手方向に移動可能な2つの作動部材を備え、これら作動部材の第1のものは、これら作動部材の第2のものよりも長手方向において脱毛本体に近い位置にあり、その場合において、前記力誘起部材は、これら作動部材を互いに結合する位置にある。このような構成において、第1の作動部材は、脱毛本体に直接接触するように配置することができる。また、これら作動部材は力誘起部材に比べて好ましくは剛性であり、その場合、作動部材と力誘起部材との組み合わせの圧縮及び伸長の力対変位特性は、力誘起部材の圧縮及び伸長の力対変位特性により決定される。更に、作動機構が上述したように2つの作動部材を備える場合、これら作動部材の各々がブッシュ状であり、駆動シャフトの一部を取り囲む位置にあると実用的であり得る。脱毛本体の2つの異なる運動、すなわち回転運動及び長手方向の圧縮/伸長運動を別々の部品により誘起させることは、脱毛装置の全体的な精度に貢献する。
【0023】
脱毛本体は、任意の適切な設計とすることができる。実際的な例は、線形コイルバネ及びディスクの線形配置である。脱毛本体の長手方向の寸法は自由に選択でき、毛髪捕捉空間の数も同様である。コイルバネの例示的なケースにおいて、巻回数は、どのような場合であれ、2だけ又は適切なそれ以上の数となるように選択できる。当該脱毛装置が顔の脱毛装置として使用されることが意図されている場合、少ない巻回数が実用的であり得る。特に、そのような場合には、脱毛本体による視界の妨害を可能な限り防止することが望ましく、脱毛装置が一度に1本の毛髪のみ又はそれ以上多くはない毛髪を脱毛できることが適切であり得るからである。更に、コイルバネの例では、バネのワイヤが通常の円形断面を有することが可能であるが、脱毛本体により捕捉されるべき毛髪の長さの範囲を増加させるために、正方形又は長方形の断面等の他の断面を有することも可能である。本発明は、作動機構がコイルバネを能動的に圧縮するように作用するような常開型のコイルバネのオプション、及び作動機構がコイルバネを能動的に伸長するように作用する常閉型のコイルバネのオプションの両方をカバーする。
【0024】
作動機構が2つの作動部材を有し、力誘起部材がコイルバネを有する場合、コイルバネが作動部材の支持面の間を長手方向に延びるのが実用的である。長手方向の力の伝達は、コイルバネの最初及び最後のコイルの端点を介して行われてもよいが、このことは中心から外れた力につながるので、作動部材の支持面が長手方向に対してコイルバネのピッチ角に従って配向される(傾斜される)のが有利である。この対策が適用される場合、回転軸の周りの方向における作動部材の互いに対する回転を制限するように構成された回転制限機構が当該脱毛装置に含まれるのが更に有利である。このようにして、作動部材の支持面が互いに対して目立つ程度に回転され得ることが回避される(このことは、それ以外では、作動部材の少なくとも1つが脱毛装置の外部からアクセス可能である脱毛装置の設計を仮定した場合、脱毛装置のユーザが作動部材の少なくとも1つを捕まえ保持することにより実行できる)。その事実は、作動部材の支持面が長手方向に対してコイルバネのピッチ角にしたがって配向される結果として、支持面の互いに対する回転が、支持面の相対的な変位、及びこれによる脱毛装置の長手方向の設定及びこれに関連する長手方向の力(毛髪クランプ力を含む)の乱れにつながり得るということである。また、少なくとも1つの毛髪捕捉空間の長手方向の寸法が減少され得、このことは、皮膚から引き抜かれるべき毛髪を捕らえる可能性の低下を伴う。
【0025】
実用的な実施形態において、当該回転制限機構は、接続装置における停止面及び作動部材における停止面のうちの少なくとも一方を有する。通常の動作中に摩擦を生じさせないために、回転制限機構は、通常動作の間において停止面が互いに接触しないように設計されるのが有利である。このことは、回転制限機構を、該回転制限機構のデフォルト/休止位置において、回転軸の周りの方向において互いに向かって及び互いから離れるように移動され得るように配置される作動部材の停止面と接続装置の停止面との間に空間が存在するように設計することにより達成される。
【0026】
作動部材の支持面が長手方向に対してコイルバネのピッチ角にしたがって配向されるという概念は、脱毛装置が作動機構を駆動シャフトに弾性的に接続するように構成された接続装置を備えるという概念とは独立して実施することができる。これを考慮して、本発明は、脱毛本体に対して長手方向に延びる回転軸の周りで回転可能であると共に少なくとも1つの毛髪捕捉空間が設けられた脱毛本体であって、少なくとも1つの毛髪捕捉空間の長手方向の寸法が脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を介して可変である脱毛本体と、回転軸の周りでの脱毛本体の回転運動の間において脱毛本体の長手方向における圧縮及び伸長を生じさせるように脱毛本体に作用するよう構成された作動機構とを備えた脱毛装置にも関し、上記作動機構は、長手方向に圧縮可能及び伸長可能である力誘起部材であって、脱毛本体の少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉じた状態にある間に該力誘起部材の長手方向の寸法が変化される場合に、作動機構により脱毛本体に対し長手方向に及ぼされる力のレベルを決定するように構成された力誘起部材を含み、該作動機構は、両方とも長手方向に移動可能である2つの作動部材を有し、第1の作動部材は第2の作動部材よりも長手方向において脱毛本体に近い位置にあり、上記力誘起部材は作動部材を互いに結合する位置にあり、該力誘起部材はコイルバネを備え、該コイルバネは作動部材の支持面の間において長手方向で延び、これら作動部材の支持面は長手方向に対して該コイルバネのピッチ角に従って配向される。とりわけ、回転制限機構を備える上記オプションは、この定義による脱毛装置にも等しく適用可能である。
【0027】
本発明の上述した及び他の態様は、脱毛本体と、脱毛装置の動作の間において脱毛本体に作用して該脱毛本体の毛髪捕捉空間を連続的に開閉させるように構成された作動機構とを備える脱毛装置の様々な実施形態の以下の詳細な記載から明らかとなり、斯かる記載を参照して解明されるであろう。
【0028】
本発明及び関連する背景技術の態様は、図面を参照してより詳細に説明されるが、これら図面において等しい又は同様の部分は同一の参照符号により示される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、国際特許出願公開第2021/130385号から既知の脱毛装置の一例の構成要素のアセンブリの概略断面図である。
図2図2は、第1の代替実施形態による脱毛装置の構成要素のアセンブリの概略断面図である。
図3図3は、第1の代替実施形態による脱毛装置の一部である板バネ及び該板バネの中心孔を通って延びる駆動シャフトの断面図を概略的に示す。
図4図4は、板バネ、駆動シャフトの一部及び板バネに取り付けられたカムフォロアの斜視図を概略的に示す。
図5図5は、駆動シャフトに対するカムフォロアの傾斜された向きを示す。
図6図6は、駆動シャフトの一部、駆動シャフトの周囲に配置されたカム及びカムのトラック上を転動するカムフォロアの車輪の断面図を概略的に示す。
図7図7は、第2の代替実施形態による脱毛装置の構成要素のアセンブリの概略断面図である。
図8図8は、第2の代替実施形態による脱毛装置の一部であるバネ装置を概略的に示す。
図9図9は、バネ装置及び該バネ装置により保持される車輪の斜視図を概略的に示す。
図10図10は、バネ装置、車輪及び該車輪がガイドされるトラックを有するカムの斜視図を概略的に示す。
図11図11は、当該脱毛装置に運動付与装置として適用できる回動レバー機構の或る外観を概略的に示す。
図12図12は、当該脱毛装置に運動付与装置として適用できる回動レバー機構の別の外観を概略的に示す。
図13図13は、第3の代替実施形態による脱毛装置の構成要素のアセンブリの概略断面図である。
図14図14は、第3の代替実施形態による脱毛装置の磁気駆動系の一部である磁石の断面を概略的に示す。
図15図15は、脱毛装置の脱毛本体として使用することを意図したコイルバネの代替的外形の或る例を概略的に示す。
図16図16は、脱毛装置の脱毛本体として使用することを意図したコイルバネの代替的外形の別の例を概略的に示す。
図17図17は、脱毛装置の脱毛本体として使用することを意図したコイルバネの代替的外形の別の例を概略的に示す。
図18図18は、脱毛装置の脱毛本体として使用することを意図したコイルバネの代替的外形の別の概略的に示す。
図19図19は、脱毛装置の脱毛本体として使用することを意図したコイルバネの代替的外形の別の例を概略的に示す。
図20図20は、脱毛装置の脱毛本体として使用するのに適したウェーブスプリングの斜視図を概略的に示す。
図21図21は、脱毛装置の脱毛本体として使用されるべきコイルバネにおける開いた及び閉じた巻線の代替的分布の或る例を概略的に示す。
図22図22は、脱毛装置の脱毛本体として使用されるべきコイルバネにおける開いた及び閉じた巻線の代替的分布の別の例を概略的に示す。
図23図23は、脱毛装置の脱毛本体として使用されるべきコイルバネにおける開いた及び閉じた巻線の代替的分布の別の例を概略的に示す。
図24】コイルバネの端部の斜視図を概略的に示す。
図25図25は、脱毛装置の脱毛本体として使用されるべきコイルバネの端部に接触するよう構成されたエレメントの一部の斜視図を概略的に示す。
図26図26は、図25に示すエレメントの部分及び該エレメントにより接触されたコイルバネの部分断面図を概略的に示す。
図27図27は、脱毛装置の脱毛本体として使用されるべきコイルバネの斜視図及び全コイルに対して外側コイルが何処で終了するかを示すための基準面を概略的に示す。
図28図28は、押圧ブッシュの一部、脱毛本体、中心シャフト、皮膚の輪郭、及び毛髪を概略的に示す。
図29図29は、凹部が設けられた中心シャフトの図を概略的に示す。
図30図30は、凹部が設けられた中心シャフトの図を概略的に示す。
図31図31は、凹部が設けられた中心シャフト及び該中心シャフト上に取り付けられた脱毛本体の斜視図を概略的に示す。
図32図32は、凹部を備えた中央シャフトの設計の複数の可能な代替例を示す。
図33図33は、第4の代替実施形態による脱毛装置の一実施形態における構成要素のアセンブリの概略斜視図である。
図34図34は、第4の代替実施形態による脱毛装置の一実施形態における構成要素のアセンブリの概略断面図である。
図35図35は、第4の代替実施形態による脱毛装置の一部である作動機構に含まれるコイルバネの支持面の設計を、コイルバネの設計にどの様に適合させることができるかを示す。
図36図36は、第4の代替実施形態による脱毛装置の一部である回転制限機構の態様を示す。
図37図37は、第4の代替実施形態による脱毛装置の一部である回転制限機構の態様を示す。
図38図38は、第4の代替実施形態による脱毛装置の一部である回転制限機構の態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、国際特許出願公開第2021/130385号から既知の脱毛装置1の一例を示す。この例による脱毛装置1は、該装置の多くの構成要素を収容するためのハウジング100を含む手持ち式装置である。ハウジング100は、図1では点線の長方形として概略的に示されている。脱毛装置1は、例えば、顔面脱毛装置1として使用することを目的とするものであり得る。
【0031】
脱毛装置1は、皮膚上で毛髪除去動作を実行する目的で用いられるように構成されている。これに鑑み、脱毛装置1は、皮膚から引き抜かれるべき毛髪と実際に作用し合うことを意図した脱毛本体10を備える。毛髪を捕捉してクランプ(固定)する目的で、脱毛本体10には少なくとも1つの毛髪捕捉空間11が設けられている。脱毛本体10は、長手方向Lに圧縮可能かつ伸長可能となるように設計されており、例えばコイルバネを有し得る。長手方向Lは、図1では双頭矢印により示されている。更に、脱毛本体10は、脱毛装置1内において、長手方向Lに延びる回転軸Rの周りで回転可能である。
【0032】
脱毛装置1は、脱毛本体10のほかに駆動機構20を備え、該駆動機構は、脱毛装置1の動作の間において、上記脱毛本体を駆動して回転軸Rの周りでの回転運動を実際に行うように構成されている。図示の例において、駆動機構20は、これも回転軸Rの周りで回転可能な駆動シャフト21及び該駆動シャフト21を駆動するための電気モータ22を備える一方、脱毛本体10は駆動シャフト21上の該駆動シャフト21の端部の位置に配置されて、駆動シャフト21が電気モータ22により駆動された場合に脱毛本体20が駆動シャフト21と共に回転するようにする。
【0033】
更に、脱毛装置1は作動機構30を備え、該作動機構は、脱毛本体10に作用して、回転軸Rの周りでの該脱毛本体10の回転運動の間において該脱毛本体10の長手方向Lの寸法を変化させるように構成されている。図示の例において、脱毛本体10の一端は駆動シャフト21に固定的に接続され、その結果として長手方向Lにおいて固定位置を有する。この構成において、駆動機構30は、脱毛本体10の他端を駆動シャフト21に対して長手方向Lに変位させる目的で、該脱毛本体10の他端と作用し合うように配されている。以下において、脱毛本体10の最初に言及した端部は該脱毛本体10の固定端と称され、脱毛本体10の他端は該脱毛本体10の可動端と称されるであろう。
【0034】
作動機構30は第1の作動部材31を備え、該第1の作動部材は長手方向Lに延びるブッシュ状の形状であると共に、駆動シャフト21における脱毛本体10を支持する端部に隣接する部分を取り囲むように配置されている。この場合、第1の作動部材31は駆動シャフト21上を長手方向Lに滑動可能であり、脱毛本体10の可動端に接触するように配置されている。更に、作動機構30は第2の作動部材32を備え、該第2の作動部材は、長手方向Lに延びるブッシュ状の形状であると共に、駆動シャフト21における第1の作動部材31により取り囲まれた部分よりも脱毛本体10から長手方向Lに更に離れた部分を取り囲むように配置されている。この場合、第2の作動部材32も駆動シャフト21上を長手方向Lに滑動可能に配置されている。更に、作動機構30は力誘起部材33を有し、該力誘起部材は作動部材31、32を互いに連結する位置、すなわち長手方向Lにおける作動部材31、32の間の位置にある。図示の例において、力誘起部材33は駆動シャフト21を取り囲むように配置されたコイルバネを有し、該コイルバネは常閉コイルバネ又は常開コイルバネであり得る。力誘起部材33は、力誘起部材33を取り囲むと共に駆動部材31、32の端部とも重なり合う円筒状カバー34により覆われており、該円筒状カバー34は第2の作動部材32に接続されている。
【0035】
本説明は、力誘起部材33がコイルバネは有さないが、長手方向Lに圧縮可能及び伸長可能となるように設計された他の構成要素又は構成要素の組み合わせを有する場合にも等しく適用可能である。作動部材31、32及び力誘起部材33は、一緒に結合された3つの別個の構成要素として設けることができるが、このことは、作動部材31、32及び力誘起部材33が異なるゾーンを有する単一の一体的全体の一部であるようなオプション等の他のオプションも同様に可能であるという事実を変えるものではなく、該オプションにおいて、中間ゾーンは該中間ゾーンの各側部における他の2つのゾーンとは異なる圧縮及び伸長の力対変位特性を有し得るか、又は異なる可撓性の2つのゾーンのみが存在する。後者の場合、第1の作動部材31は可撓性である一方、第2の作動部材32は(より)剛性であり、その場合において、作動部材31、32は連結され、力誘起部材33が、謂わば、第1の作動部材31内に統合されたものとなるのが、特に実用的である。
【0036】
当該脱毛装置1内には、第2の作動部材32における力誘起部材33に関連する端部とは異なる他方の端部の位置に、カム41及びカムフォロア42を含む運動付与装置40が存在する。運動付与装置40は、駆動シャフト21が回転する場合に第2の作動部材32に長手方向Lの運動を付与するように構成されている。この目的のために、カム41及びカムフォロア42のうちの一方は脱毛装置1内で固定位置を有し、これらカム41及びカムフォロア42のうちの他方は第2の作動部材32に取り付けられる。図示の例において、カムフォロア42は脱毛装置1内で固定位置を有する一方、カム41は第2の作動部材32に取り付けられている。図1は、第1の作動部材31及び第2の作動部材32の位置を長手方向Lにおいて各々制限するための、駆動シャフト21上の係止部23、24の適用も示している。係止部23、24は作動部材31、32の対応する長手方向の溝内に収容された突出ピンである。このようにして、係止部23、24は、駆動シャフト21から各作動部材31、32へのトルクの伝達を可能にすると同時に、作動部材31、32の長手方向Lの運動も可能にするように機能する。
【0037】
脱毛本体10の長さは、脱毛装置1の意図する使用に応じて自由に選択できる。脱毛本体10がコイルバネを有する場合、該コイルバネの巻き数は自由に選択でき、該バネのワイヤの断面の形状も自由に選択できる。更に、脱毛本体10の材料は処理された材料(機械的処理、化学的処理又は熱処理等の処理が施された材料)とすることができ、毛髪に対する脱毛本体10の定められた/改善されたグリップ力(把持力)を有するようにする。脱毛本体10は、脱毛装置1が脱毛作用を受けるべき皮膚に対して任意の位置で有効となるように、回転対称とすることができる。駆動シャフト21は、電気モータ22に対し直接的に又は例えば適切なギアボックスシステムを介して接続され得る。
【0038】
脱毛装置1の設計面に関する上記説明を参照して、次に、脱毛装置1の種々の構成要素がどの様に機能して、該脱毛装置1がその動作中に脱毛動作を実行できるようにするかを説明する。脱毛装置1の動作は電気モータ22の作動を伴い、その結果、駆動シャフト21が駆動されて回転軸Rの周りで回転する。駆動シャフト21の回転運動は、回転軸Rの周りでの脱毛本体10の回転運動及び長手方向Lにおける脱毛本体10の寸法の周期的変化の両方を生じさせる。回転軸Rの周りでの脱毛本体10の回転運動は、駆動シャフト21上の脱毛本体10の配置から直接生じる。長手方向Lにおける脱毛本体10の圧縮及び伸長を交互に生じさせる過程は、運動付与装置40が第2の作動部材32の長手方向Lの位置を規定することから生じる。その事実は、駆動シャフト21が回転軸Rの周りを回転するにつれて、運動付与装置40のカム41の長手方向Lの位置がカムフォロア42との接触の影響下で変化され、従って、第2の作動部材32の長手方向Lの位置も変化されるというものである。
【0039】
脱毛本体10の少なくとも1つの毛髪捕捉空間11が閉状態でない限り、第2の作動部材32の位置の変化は、力誘起部材33を介して、第1の作動部材31の位置の同様の変化を生じさせる。第1の作動部材31は脱毛本体10に対して作用するという事実に基づいて、回転軸Rの周りでの駆動シャフト21の回転は、回転軸Rの周りでの脱毛本体10の回転に加えて、最終的に脱毛本体10の可動端の長手方向Lの位置の変化も生じさせる。この過程において脱毛本体10の可動端が辿る移動経路は、運動付与装置40の設計により決定され、したがって、回転当たりに脱毛本体10が圧縮及び伸長される回数の間の関係により決定される。脱毛本体10の上記少なくとも1つの毛髪捕捉空間11が閉じられた場合、脱毛本体10の可動端の位置及び第1の作動部材31の位置の変化はもはや許されず、第2の作動部材32は第1の作動部材31に対して長手方向Lの運動を行うことになるが、この相対移動は作動機構30における力誘起部材33の存在により許容されるものである。この過程において、作動機構30により脱毛本体10に対し長手方向Lに及ぼされる力は、力誘起部材33の構成、特に力誘起部材33の圧縮及び伸長の力対変位特性により決定され、この力が、毛髪捕捉空間11の位置での毛髪クランプ力を決定する。
【0040】
脱毛本体10を長手方向Lに圧縮及び伸長させるサイクルの結果として、該脱毛本体10における少なくとも1つの毛髪捕捉空間11の大きさが長手方向Lに交互に縮小及び増加され、毛髪捕捉空間11が上述した閉状態及び開状態に交互にされるようになる。脱毛本体10が毛髪が突出する皮膚に近い位置に保持されると、これら毛髪は、毛髪捕捉空間11の状態が開状態から閉位置に変化する期間において毛髪捕捉空間11内に捕捉される。毛髪捕捉空間11が閉位置にある場合、上記毛髪は、これら毛髪に長手方向Lに作用するクランプ力の影響下で毛髪捕捉空間11内に固定される。該毛髪クランプ力が皮膚の位置で当該毛髪に及ぼされる保持力よりも大きいと仮定すると、これら毛髪は脱毛本体10の回転運動の結果として皮膚から引き抜かれる。脱毛装置1の作動機構30における力誘起部材33の存在に基づいて、全ての状況下で正確に規定された毛髪クランプ力を得ることが可能となると共に、脱毛本体10の製造公差を補償する一方、脱毛本体10の設計を最適な毛髪捕捉を達成するように選択することもできる。
【0041】
脱毛本体10の製造公差を補償する態様は、以下の理由により有利である。脱毛装置1に力誘起部材33が存在しないとしたら、毛髪捕捉空間11が既に閉位置に到達していたとしても、運動付与装置40が依然として少なくとも1つの毛髪捕捉空間11を閉位置に移行させるように作用することが起こり得、その場合、脱毛装置1に作用する力が予期しない高レベルにまで増加し、又は、毛髪捕捉空間11が未だ完全に閉じられていないにもかかわらず、運動付与装置40が既に脱毛本体10を圧縮するための最大位置になってしまうことが起こり得、その場合、脱毛本体10は脱毛機能を効果的に果たすことができない。
【0042】
全ての状況下で正確に定義された毛髪クランプ力を有することを可能にする態様は、特に、力誘起部材33の圧縮及び伸長の力対変位特性が脱毛本体10の圧縮及び伸長の力対変位特性よりも大幅に強い場合に得られる。実際に、図示の例においては、脱毛本体10が作動機構30の構成要素を押し戻すことができるような脱毛本体10の圧縮及び伸長の力対変位特性があれば、運動付与配置40がそうするためのスペースを提供する場合には、十分である。
【0043】
脱毛装置1に関連して存在する有利なオプションは、力誘起部材33を調整するオプション、すなわち力誘起部材33の圧縮及び伸長の力対変位特性を調整するオプションである。このようなオプションは脱毛装置1が異なるモードを有することを可能にし、これらモードのうちの適切なものを油脂による皮膚の汚れ等の環境条件に応じて設定できるからである。また、力誘起部材33の予張力を適切な値に設定することも可能となる。
【0044】
国際特許出願公開第2021/130385号から既知の脱毛装置1の注目すべき態様が、以下に要約される。脱毛装置1は脱毛本体10を有し、この脱毛本体は、該脱毛本体10に対して長手方向Lに延びる回転軸Rの周りに回転可能であると共に、少なくとも1つの毛髪捕捉空間11を備える。脱毛装置1は作動機構30を更に有し、該作動機構は、脱毛本体10に作用して、回転軸Rの周りでの脱毛本体10の回転運動の間において該脱毛本体10の長手方向Lの圧縮及び伸長を生じさせることにより、脱毛本体10の少なくとも1つの毛髪捕捉空間11の長手方向Lの寸法を変化させるように構成され、該作動機構30は、長手方向Lに圧縮可能かつ伸長可能であると共に、脱毛本体10における毛髪クランプ力のレベルを決定する機能を有した力誘起部材31を含む。
【0045】
上記では、脱毛本体10を長手方向Lに圧縮伸長させる機能と、脱毛本体10を回転させる機能との間の連動を機械的に実現することが可能であると説明した。この点に関して、脱毛装置1が脱毛本体10に結合された回転可能な駆動シャフト21及び該駆動シャフト21の対応する部分を取り囲むブッシュ状の作動部材31、32を備える上述した既知のケースにおいては、脱毛装置1が、カム41及びカムフォロア42を含む運動付与装置40を備え、カム41及びカムフォロア42の一方が脱毛装置1内で固定位置を有し、カム41及びカムフォロア42の他方が第2の作動部材32に取り付けられる場合に有益であり得ることが示された。更に、このような構成では、駆動シャフト21が回転するにつれ、作動部材31、32の長手方向Lの運動が、カム41及びカムフォロア42の設計に従う予め定まった態様で自動的に誘起されることが示された。
【0046】
第1の他の概念は、カム41及びカムフォロア42を含む運動付与装置40の可能な細部に関するものである。一般的に、このような装置40を如何なる更なる対策もなしで使用することは欠点を伴う。その事実は、全体の構造が、各々全て自身の許容誤差を有する幾つかの構成部品を含むということである。カム41の高さ許容誤差と、作動部材31、32の長さ許容誤差との組み合わせにより、作動部材31、32の往復運動を誘起させるために機械的カム駆動原理を使用すると同時に、作動部材31、32の回転運動を有する結果、脱毛本体10の位置において開状態から閉状態へのより多い又は少ない行程が生じる。また、脱毛本体10の少なくとも1つの毛髪捕捉空間11が閉状態にある場合に、脱毛本体10に対するより大きな又は小さな力がもたらされる。脱毛本体10がコイルバネを有すると仮定すると、力が強すぎると、該バネのコイルは当該毛髪毛を引き抜こうとする前に「切断」するであろう。力が弱すぎると、毛髪を皮膚から効果的に引き抜くためには、バネのコイルと毛髪との間に十分な摩擦が存在しない。国際特許出願公開第2021/130385号から既知の脱毛装置1で具体化された概念は、第1の作動部材31と第2の作動部材32との間に配置された力誘起部材33の形態の力制御解決手段を含んでいる。ここで、図2図6を参照して、力誘起部材33としてコイルバネを使用することに対する実用的代替例の詳細を説明する。
【0047】
図2図6は第1の代替実施形態による脱毛装置2に関するもので、該実施形態において、力誘起部材33は板バネ51を備える一方、作動機構30は板バネ51から脱毛本体10まで延びる押圧ブッシュ35を備えている。図2において、カム駆動系の形態の運動付与装置40は板バネ51を介して脱毛本体10に結合され、毛髪を切断することなく掴むために要する力を付与することが分かる。板バネ51の付加的機能は駆動シャフト21に伴う押圧ブッシュ35の回転を可能にすることであり、これにより、板バネ51は作動機構30を駆動シャフト21に弾性的に結合するよう構成された接続装置50の一部とみなすことができる。板バネ51のこの付加的機能は、他の方法で実現することもできる。この目的のために、駆動シャフト21は、図3に見られるように、少なくとも板バネ51により囲まれた或る長さに沿って、平坦な凹状平面部分25を有している。
【0048】
図2は、板バネ51が、長手方向Lにおけるカム駆動系40と押圧ブッシュ35との間の位置において、駆動シャフト21の一部を取り囲むように配置されていることを示している。図3は、長手方向Lで見た板バネ51を示すと共に、該板バネ51の中心孔を貫通して延びる駆動シャフト21の断面も更に示している。一般的に言って、板バネ51は、円形の外周を有すると共に適切なスロット及び孔が設けられた円盤(ディスク)状に形成されている。図示の例において、板バネ51は、駆動シャフト21の平坦な凹状平面部25に接触し、これにより駆動シャフト21から板バネ51へのトルクの伝達を可能にする2つのタブ52、53を有している。更に、図示の例において、板バネ51は2つの相対的に細いアーム54、55を備え、これらアームは該板バネ51の中心部分56、すなわち中心孔及びタブ52、53を含む部分を該板バネ51の外側リング57に接続するように機能する。外側リング57の位置において、板バネ51には孔58が設けられている。これらの孔58のうちの或る数のものは、板バネ51と押圧ブッシュ35とを相互接続すると共に板バネ51から押圧ブッシュ35へのトルクの伝達を可能にするためのネジ等を受け入れるためのものである。図3に示された図においては、アーム54、55の構造に基づいて、特にアーム54、55の座屈を回避するために、意図した回転方向は反時計方向である。
【0049】
所要の毛髪クランプ力を脱毛本体10に印加する機能は、板バネ51の外側リング57に位置する他の数の孔58の位置において該板バネ51にネジ止めされる追加の部品により達成される。この部品は図4に示されており、カムフォロア42の一部であって、これもカムフォロア42の一部であると共にカム41上を転動するように構成された車輪44を保持するよう構成された車輪ホルダ43である。当該脱毛装置2の組み立ての間において、板バネ51には僅かに予備張力が掛けられる。板バネ51の適用の結果として、脱毛本体10及び当該系の残りの部分に作用する力は、該脱毛本体10の圧縮の間において線形のままとはならない。その事実は、当該系が脱毛本体10に毛髪クランプ力を付与する位置にある場合、板バネ51が非対称に変形して、車輪44が傾斜するということである。このようにして得られる車輪44の傾斜された向きの一例が図5に示されている。車輪44の傾斜された向きにより、車輪44から車輪ホルダ43に作用する横方向の力が誘起される。このことは望ましくない余分な摩擦につながる。このような効果を補償すると共に、横方向の力の発生を回避するために、カム41に横傾斜されたトラック45を設けること、すなわち、図6に示されるようにカム41のトラック45が傾斜した向きを有することが提案される。
【0050】
図6には、車輪44が、カム41における脱毛本体10の少なくとも1つの毛髪捕捉空間11の開状態に関連する側上の位置で示されている。車輪44が該位置にある場合、板バネ51の予備張力は小さく、変形も少ない。しかしながら、車輪44がカム41の反対の側にある場合、十分なレベルの毛髪クランプ力が得られる程度に脱毛本体10に予備張力を掛けるための予備張力が存在することになる。その場合、板バネ51は一層大きな力を伝達する必要があり、したがって一層多く変形する。結果として、車輪ホルダ43及び車輪44は更に多く傾き、それを考慮して、カム41のトラック45はカム41の該反対の側では更に多く傾斜される。
【0051】
以上のことから、該第1の他の概念によれば、力誘起部材33は板バネ51を含み、カムフォロア42は板バネ51に取り付けられることが分かる。そうでなければ板バネ51の変形及びそれに伴う車輪ホルダ43及びカムフォロア42の車輪44の傾斜した向きから生じる摩擦力を防止するために、カム41のトラック45は回転軸Rに対して垂直な向きではなく傾斜した向きを有し、この傾斜した向きは回転軸Rの周りの方向で変化して、前述したように、回転軸Rの周りの方向の異なる位置における板バネ51の種々の変形程度に適合され得る。このようにして、車輪44の位置においてカム41のトラック45に対して作用する力は、常にトラック45に対して垂直となり得る。有益な効果として、摩擦による駆動系のパワー損失を最小限に抑えることができ、車輪44の外周面及び車輪ホルダ43における対向面の摩耗も最小限に抑えることができ、したがって、車輪44の長手方向Lの行程及び、これにより、毛髪クランプ力のレベルは脱毛装置2の寿命全体にわたって維持される。
【0052】
本開示は、板バネ51におけるネジ孔58の数に関する変形例等の、当業者により容易に想到できる板バネ51の変形例を含むことに注意されたい。傾斜されたトラック45を有するカム41の概念は、カム駆動系が使用され、カムフォロア42が傾斜の影響を受け得るような如何なる状況にも適用することができる。
【0053】
第2の他の概念は、脱毛装置に概ねディスク状の板バネ1を使用すると共にカム41に傾斜トラック45を設けることの代替案に関するものである。この点に関し、第2の代替実施形態による脱毛装置3の関連する細部を、ここで図7図10を参照して説明する。第2の代替実施形態による脱毛装置3と第1の代替実施形態による脱毛装置2との間の注目すべき相違は、脱毛装置2の接続装置50の設計に関するもので、第1の代替実施形態による脱毛装置2の板バネ51が、一緒に長方形状に結合された2つの板バネ61、62を含むバネ装置60により置換されているという事実にある。カム駆動系40の動作に関して言えば、バネ装置60は車輪44をカム41のトラック45上へと付勢する予備負荷が掛けられたバネとして機能し、これにより車輪44がトラックとの接触を喪失することが防止されることに留意されたい。以下から明らかとなるように、バネ装置60は、車輪44をカム41のトラック45に対して保持するのみならず、車輪44をトラック45に対して平行に保持するようにも構成されている。
【0054】
バネ装置60は図8に概略的に示され、該バネ装置60の2つの板バネ61、62が長方形状の1つの角の位置において結合されると共に、脱毛装置3の場合では押圧ブッシュ35である支持構造にも結合されることを図示している。車輪44は、対角的に反対側の角に取り付けられている。2つのバネ61、62の断面は、これらバネ61、62が角の領域内で又は角の領域の近傍で主に曲がり、図8に両頭矢印により示されるように車輪44の平行移動を実現するようなものである。
【0055】
図9及び図10は、バネ装置60及び該バネ装置60により保持される車輪44の斜視図を示すものであり、図10はカム41も示すと共に、どの様にして車輪44がカム41のトラック45上を転動するかを示している。バネ装置60がクランプ領域63の位置でクランプされる場合、2つのバネ61、62は平行四辺形として作用し、上記クランプ領域63にはバネ装置60がネジにより押圧ブッシュ35に接続できるようにネジ孔64が設けられている。板バネ61、62の一方の座屈及び/又は2つの板バネ61、62の一緒の曲がりを回避するために、板バネ61、62は、一方の側ではクランプ領域63に近く、他方の側では車輪44に近い指定された部分においてのみ曲がりが生じるように設計される。これらの指定された部分は仮想のピボット点として作用し、その結果として、車輪44の大よその向きはカム41のトラック45上の全周にわたって維持される。
【0056】
上記から、該第2の他の概念によれば、カムフォロア42の車輪44は、平行四辺形構成で相互接続された2つの板バネ61、62を含むバネ装置60により保持されることが分かる。特に、該バネ装置60は車輪44の傾斜が回避されるように設計されており、カム41のトラック45の通常の非傾斜設計が可能である。バネ装置60が、単一の曲げ板バネのみが存在する単一の部品として設計された実施形態を含む、バネ装置60の種々の実施形態が実現可能である。
【0057】
第3の他の概念は、押圧ブッシュ35の長手方向Lの運動を指示するためのカム駆動系の代替例に関するものである。供給されるべきカムフォロア42の車輪44とカム41のトラック45との間に加えられる力は、脱毛本体10における所要の毛髪クランプ力と関連している。更に、他の駆動要素からの力は克服されねばならない。特に、毛髪クランプ力との関連により、車輪44を介する長手方向Lのカム負荷及びピークトルク要求が、脱毛装置の寿命にわたって過度の摩耗が発生される程高くなる状況が生じ得る。これを考慮して、摩擦を低減することにより摩耗を減少させるために全体的カム力を減少させることを特定の目標とする他の駆動系が提供される。更に、少ない摩擦、したがって少ないトルクしか必要とされない場合、音の発生を低減できる。
【0058】
図11図12を参照して、本駆動系は、必要とされる毛髪クランプ力及び必要とされる長手方向Lの運動を、或る比率で半径方向の力(すなわち、長手方向Lに垂直な方向の力)及び長手方向Lの運動に変換するように構成された蝶番運動するレバー機構70を有することに留意されたい。この目的のために、蝶番運動レバー機構70は、駆動シャフト部分71及び該駆動シャフト部分71上に配置されたラジアルカム72を備える。駆動シャフト部分71は2つの離隔されたスリーブエレメント73、74にわたって延在し、該駆動シャフト部分71は両スリーブエレメント73、74内で回転可能である。この場合、離隔されたスリーブエレメント73、74の一方、すなわち、図11、12の上側に示され、蝶番運動レバー機構70の脱毛本体側にあり、軸方向ベアリング等を介して押圧ブッシュ35に接続可能な出力スリーブエレメント73は、駆動シャフト部分71上を長手方向Lに摺動可能である。他方のスリーブエレメント74は、入力スリーブエレメント74と呼ばれ、該入力スリーブエレメント74に出力スリーブエレメント73に向かって長手方向に作用する力を受けさせるように作用する予備張力を掛けられたバネ33の影響下にある。2つのスリーブエレメント73、74は、互いに蝶番運動可能に接続された2つのレバーアーム76、77を備えるレバーシステム75を介して相互接続されている。該レバーシステム75はローラエレメント78を支持する。ローラエレメント78は、該ローラエレメントに長手方向Lに対して垂直な方向に力を及ぼすように構成された適切な機構によりラジアルカム72に押圧され、該機構は、例えば図示されたような板バネ79を有し得る。
【0059】
蝶番運動レバー機構70の上記配置に基づけば、駆動シャフト部分71が回転するにつれ、ローラエレメント78の長手方向Lに対して垂直な方向の運動が、ラジアルカム72の外形により決まる態様で誘起されるようになる。この過程において、レバーシステム75は図11に示されるような最も伸長された構造と図12に示されるような最も曲げられた構造との間で移動され、出力スリーブエレメント73は、交互に、入力スリーブエレメント74に向かって引かれ及び入力スリーブエレメント74から押し離される。レバーシステム75の最も伸長された構造は脱毛本体10の少なくとも1つの毛髪捕捉空間11の閉鎖状態に関連付けられる一方、レバーシステム75の最も曲げられた構造は脱毛本体10の少なくとも1つの毛髪捕捉空間11の開状態に関連付けられる。レバーシステム75の最も曲げられた構造において、脱毛本体側からレバーシステム75に作用するものは、脱毛本体10からの予備負荷力である。レバーシステム75が最も曲げられた構造から最も伸長された構造へ移動させられるにつれ、毛髪クランプ力が或る時点で追加され、最も伸長された構造に実際に到達するまで増加する。
【0060】
蝶番運動レバー機構70が、必要とされる毛髪クランプ力及び必要とされる長手方向Lの動きを半径方向の力及び長手方向Lの動きに変換する上述した比率は、レバーアーム76、77の長さ及びラジアルカム72の変化する直径の設計に依存する。必要に応じて毛髪クランプ力を生成するために使用される力を提供するものは、入力スリーブエレメント74に作用する予備張力が掛けられたバネである。この予備張力が掛けられたバネ及びローラエレメント78をラジアルカム72に押し付ける板バネ79の両方のバネ特性は、適切な力学及び機能が得られるように選択できる。
【0061】
上記のことから、該第3の他の概念によれば、蝶番運動レバー機構70が、押圧ブッシュ35に長手方向Lの運動を付与するように構成された運動付与装置として適用されることが分かる。この種の運動付与配置を有することにより、長手方向に作用するカム力を伴うカム駆動系と比較して摩耗挙動が改善され得る。回転しないレバーアーム76、77及び回転するカム72の上述した構成が反転され得る可能性、特にレバーアーム76が回転する一方、シャフト71が「負の」カムプロファイル(すなわち、シャフト71を取り囲むように配置されたリングエレメントの内側表面に設けられたカムプロファイル)の内側に延在する可能性を含む、蝶番運動レバー機構70を適用する様々な可能性が実現可能である。
【0062】
第4の他の概念は、脱毛本体10の圧縮及び伸長を可能にし、脱毛本体10の圧縮状態で必要とされる毛髪クランプ力を実現することにより、脱毛本体10の意図された動作を実現する代替方法に関するものである。この点に関して、第3の代替実施形態による脱毛装置4の関連する詳細を、図13を参照して説明する。該第3の代替実施形態による脱毛装置4の設計は、装置4内で使用される部品の数を削減し、図1に示された脱毛装置よりも複雑でない構成を有することを目的としている。該第3の代替実施形態による脱毛装置4は、図1に示された脱毛装置1との違いの1つを挙げると、カム駆動系を備えておらず、したがって、動作中における相当に高いレベルの吸収エネルギ及び音、並びに相当に高いレベルの摩耗等の、このようなタイプの駆動系を適用する欠点を軽減することができる。
【0063】
当該第3の代替実施形態による脱毛装置4では、図13に示され、以下で更に説明されるように、カム駆動系が特定の構成のために永久磁石に置換される。図13の右側には、脱毛装置4のハウジング部分101が示されている。このハウジング部分101は脱毛装置4の脱毛ヘッド102と該脱毛装置4のハンドルとの境界部に位置するように構成されており、モータ、ギア、電池、電子回路等の構成部品が該ハウジング部分101及び/又はハンドル内に配置される。駆動シャフト21は、ハウジング部分101に収容された連結部26を介してハンドルの出力軸により駆動される。第3の代替実施形態による脱毛装置4の作動機構30は押圧ブッシュ35を備える一方、脱毛装置4の接続装置50はベローズ36を有し、該ベローズ36のハンドル側の一端は駆動シャフト21に固定され、脱毛本体側の他端は押圧ブッシュ35に固定されている。該ベローズ36は、押圧ブッシュ35の軸方向の運動自由度を実現しながら、駆動シャフト21のトルクを押圧ブッシュ35に伝達するように機能する。
【0064】
押圧ブッシュ35は、駆動シャフト21と一緒に回転可能であると共に、駆動シャフト21上でスライド可能でもある。スライド運動の間において、押圧ブッシュ35は脱毛本体10を圧縮及び解放するように作用する。押圧ブッシュ35をスライド運動を行うよう駆動するために、該第3の代替実施形態による脱毛装置4には磁石アセンブリ80が設けられている。図示の例において、磁石アセンブリ80はベローズ36を囲む押圧ブッシュ35の一部上に配置された管状磁石81を有する。特に、鋼製スリーブ82が上述した押圧ブッシュ35の一部上に配置され、管状磁石81は該鋼製スリーブ82上に配置されている。更に、当該磁石アセンブリ80は鋼製管状担体部83を有し、該管状担体部は、ハウジング部分101に固定されると共に、互いに並んで配置された2つの管状磁石84、85を担持する機能に加えて、磁場から環境を遮蔽する機能を有し得る。担体部83内の磁石84、85(以下では、外側磁石84、85と称される)の内径は、押圧ブッシュ35上の磁石81(以下では、内側磁石81と称される)の外径よりも僅かに大きく、したがって、外側磁石84、85と内側磁石81との間には小さな空隙が存在する。内側磁石81の長手方向Lの寸法は、外側磁石84、85の各々の長手方向Lの寸法と同程度である。
【0065】
駆動シャフト21が回転された場合、内側磁石81も回転されるが、外側磁石84、85は静止している。磁石81、84、85は全て単一の部品として設けられ、部品の半分はN極を有し、部品の他方の半分はS極を有する。磁石81、84、85の設計は図14に示されており、該図では内側磁石81及び外側磁石85のハンドル側における断面が示され、内側磁石81及び外側磁石85は互いに対して図13に示されるように配置されている。外側磁石84、85は180度回転された態様で配置され、したがって、異なる極性の半分が互いに並んで延在する。異なる極性は互いに引き付け合う一方、同じ極性を互いに向かって移動させると強い分離力を生じることは既知の事実である。この原理に基づいて、駆動シャフト21が回転される場合、長手方向Lにおける押圧ブッシュ35の往復運動が実現されるようになる。図13は押圧ブッシュ35の第1の極端な位置を示しており、この位置では、内側磁石81の北半部がハンドル側にある外側磁石85の南半部に完全に面する一方、内側磁石の南半部は外側磁石85の北半部に完全に面している。この第1の極端位置から開始して、内側磁石81が回転するにつれて、この第1の極端位置から、内側磁石81の180°回転に関連するものであって、内側磁石81の北半部が脱毛本体側にある外側磁石84の南半部に完全に面する一方、内側磁石81の南半部が該外側磁石84の北半部に完全に面し、外側磁石84、85の該特定の180度回転された配置、並びに内側磁石81及び外側磁石84、85の対応する北側半部と南側半部との間に作用する引力及び反発力の結果としての、第2の極端位置への移行がなされるようになる。内側磁石81が更に回転すると、第1の極端位置に戻る移行がなされる。駆動シャフト21が回転される限り、上記2つの極端位置の間での長手方向Lの内側磁石81の往復運動は連続して繰り返される。
【0066】
駆動シャフト21の回転の間において押圧ブッシュ35に長手方向Lに作用する力は、磁束により決定される。前述したように、押圧ブッシュ35は脱毛本体10に作用して、該脱毛本体10を圧縮及び解放し、毛髪クランプ力を供給する。磁石アセンブリ80を使用する利点は、機械的摩擦がないので、少ない駆動トルクしか必要とされないことにある。
【0067】
異なる極性の2つの半部を備える磁石81、84、85の設計は、交互となる極性のシーケンスが存在する限り、代替例が可能であるという意味で必須ではない。このように、磁石81、84、85が、例えば、N極性の2つの四半分及びS極性の2つの四半分を有することも可能であり、その場合、N極性の四半分の各々は、磁石81、84、85の周方向に見て、S極性の四半分の間に配置され、結果として、S極性の四半分の各々はN極性の四半分の間に配置される。
【0068】
磁石アセンブリ80を作動機構30が予想通りの態様で脱毛本体10に作用できるようにする手段として適用することは、上記で示唆したように、カム駆動系を適用することなく行うことができるが、このことは、本概念が磁気駆動系及びカム駆動系の両方を適用するオプションもカバーするという事実を変えるものではない。このようなオプションが実施される場合、対応する脱毛装置を、意図される脱毛本体10の動作のために必要とされる力が磁気駆動系により制御される一方、並進/変位の態様がカム駆動系により制御されるように設計することが有利である。その利点は、脱毛本体10の圧縮及び伸長の運動が、一層少ない(微小)振動で一層大きく制御されることである。
【0069】
第5の他の概念は、脱毛本体10に関するものである。上記では、脱毛本体10の実用的な例として、線形コイルバネ及びディスクの線形構成が言及された。例えば、図1からは、コイルバネが使用される場合、該コイルバネがバネの長さに沿って一定の直径を有して設計されれば確かに実用的であり得ることが分かる。しかしながら、このようなコイルバネを脱毛本体10として適用することに伴う問題は、斯かるコイルバネは脱毛作用を受けるべき皮膚に対して線接触をなすことが想定されているが、実際には、皮膚の不規則で平坦でない外形により、想定された線接触を実現することが困難になることである。これを考慮して、脱毛本体10の代替的設計が提案される。この点に関し、図15は円錐状コイルバネの斜視図を概略的に示し、図16は概ね蜂の巣箱形状のコイルバネを示し、ここで、該図ではバネの蜂の巣箱の輪郭が線により示され、図17は概ね樽状のコイルバネの斜視図を概略的に示し、そして、図18は凹状コイルバネの斜視図を概略的に示し、該バネに関して、外径はバネの長さの約半分のところで最小となり、バネの両端に向かう2方向で増加する。
【0070】
更に、当該コイルバネは必ずしも線形型である必要はないことに留意されたい。代わりに、コイルバネのピッチは、非線形型バネの一例が示された図19に図示されているように、バネの長さに沿って異なることも可能である。コイルバネが異なるピッチを有すると、該バネは相対的に太い毛髪及び相対的に細い毛髪の両方を捕らえてクランプするに適したものとなる。このことは、人の毛髪の太さが様々であるために関連性がある。コイルバネは、互いにべったり接するコイル、又はコイル間の距離が変化するコイルを有し得る。相対的に太い毛髪を捕らえる可能性は、相対的に大きなピッチで存在する相対的に大きな毛髪捕捉空間11の位置では一層高くなる一方、複数の相対的に細い毛髪を一度で捕らえる可能性は、相対的に小さなピッチで存在する相対的に小さな毛髪捕捉空間11の位置で一層高くなる。
【0071】
上記から、コイルバネが脱毛本体10として使用するために設けられる場合、該コイルバネはその外径が該バネの長さに沿って一定となるような設計を有する必要はなく、該コイルバネが線形型のものである必要もないことが分かる。
【0072】
図20は、ウェーブスプリング(波形バネ)の斜視図を概略的に示す。このようなバネを有するオプションも、本概念によりカバーされる。図示のように波形バネを使用すると、バネが完全に圧縮された状態にある場合に、該バネのクランプ面の間の毛髪クランプ力の均等な分布の制御が向上されるという利点が得られる。波形バネを使用する他の利点は、このようなバネがねじり重を伝達できることである。波形バネは図20に示されるようなコイルとして設けることができるが、波形バネが例えばピン及び孔の接続により又は溶接等を介して互いに機械的に接続される個別のディスクバネから組み立てられることも可能である。
【0073】
図15図20に示されたバネは脱毛本体10として使用されることを意図している観点から、これら図において当該バネは参照番号10により参照される。本概念は、図15図20に示されたもの以外の多数の他の任意選択的設計もカバーすることが理解されよう。
【0074】
第6の他の概念も、脱毛本体10に関する概念である。この点に関し、圧縮状態における脱毛本体10の最小長さと伸長状態における脱毛本体10の最大長さとの間の差(この差はストロークとも呼ばれる)は、該脱毛本体10が線形コイルバネを有する場合、小さくなければならないことに留意されたい。その事実は、毛髪が脱毛本体10のピンセット部(すなわち、脱毛本体10における毛髪捕捉空間11及び該毛髪捕捉空間11を画定する巻線部分を含む部分)内に捕捉される場合であって、該ピンセット部が当該コイルバネの可動端部の近くにある場合、これら両巻線は、当該バネが毛髪を掴んで引き抜く間に保持するために圧縮される際に、該コイルバネの固定端の方向に移動されるということである。上述された上方向の変位が例えば1.5mmである場合、これは、捕捉される毛髪よりも実際に長くなり得る。したがって、このような場合、ピンセット部が毛髪に毛髪クランプ力を加えることができる前に、該毛髪がピンセット部から離れ去ってしまうことが起こり得る。一般的に、ストロークが小さいほど、引き抜ける毛髪は短くなるのが事実である。更に、ストロークの長さは駆動機構の機械的側面により制限される。
【0075】
ストロークが長い程、コイルバネを圧縮及び伸長させるために一層大きな力が必要とされると共に、一層大きな振動が発生され、磨耗、短い電池寿命並びに手及び皮膚への振動による不快感を招く。これが、短いストロークを有することが有益である他の理由である。しかしながら、小さなストロークの結果は、例えば、約2mm程度の短い長さ等の、バネの完全に圧縮された状態でのコイルバネの非常に短い長さを含む、少数の巻線しか使用しなくなり得るということである。このことは、一般的に十分な長さの効果的な脱毛システムを望むユーザにとっては魅力的ではない。
【0076】
脱毛本体10として線形コイルバネを使用する場合の他の考慮事項は、コイルバネの可動端に接触する作動部材の端部の直径が該可動端におけるバネの外径よりも幾らか大きい場合に実用的であり得るということである。しかしながら、このことは、コイルバネにより脱毛動作を受ける皮膚が、可動端に近い最初の1つ又は2つのコイルに直接触れることができず、したがって、該コイルバネは斯様なコイルの位置において(短い)毛髪を捕捉能力の点で余り効果的でないことを意味する。更に、コイルバネのワイヤの太さの実用的な値は約0.2から1mmの範囲であり得ることを考慮に入れると、これらコイルは互いに近接しており、おそらく人の皮膚の互いの毛髪よりも互いに近接している。このことは、2つのピンセットを正に隣接させることは、例えば1番目及び5番目のピンセットに依存するよりも余り効果的でないことを意味する。
【0077】
上記を考慮して、脱毛本体10が巻線毎又は巻線の組毎にピッチが異なるコイルバネを備えた脱毛本体10の実施形態が提案される。例えば、幾つかの巻線をワイヤの太さと同様のピッチで作成することが有益であり得る。この場合、コイルは互いにべったり接するが、コイルバネの他の位置ではピッチが大きくなる。この場合、ピンセットは、コイルバネの少なくとも一方の端部から更に離れて又は互いから更に離れて設定される。
【0078】
ピッチが巻線毎又は巻線の組毎に異なるコイルバネの第1の例が、図21に示されている。この例のコイルバネは、可動端となるべきバネの端部に閉じた巻線を有している。このようにして、皮膚が常に開いた巻線に接触することが保証される。更に、閉じた巻線を有することにより、有効断面積が一層大きく見え、従って、コイルバネの外観がユーザにより魅力的に認識され得るようになる。
【0079】
ピッチが巻線毎又は巻線の組毎に異なるコイルバネの第2の例が、図22に示される。この例のコイルバネはバネの全長にわたって分散された閉じた巻線を有し、したがって、皮膚上のより広い領域をカバーするためにピンセットは更に離れて設定されるようになる。閉じた巻線の分散は、図21に示された例のコイルバネとは異なるが、コイルバネの合計のコイルの開口は同じである。
【0080】
ピッチが巻線毎又は巻線セット毎に異なるコイルバネの第3の例が図23に示される。この例のコイルバネは、上述の2つの例のコイルバネの組み合わせであると考えることができる。すなわち、可動端となるべきバネの端部から固定端となるべき端部に向かって、ピンセット間の閉じた巻線の量が減少される。このようにして、固定端となるべき端部に近いコイルバネの部分は、ピンセットが互いに近接しているという意味で最も効果的となる。該コイルバネは、可動端となるべき端部に近い領域でも毛髪を引き抜くことができるが、この領域の位置では、固定端となるべき端部に近い領域の位置におけるよりも動作が余り有効でなく精度が低下することが予想される。
【0081】
図21図23に示されるバネが脱毛本体10として使用されることを意図しているという事実に鑑み、これら図では該バネは参照番号10により示されている。本概念は、図21図23に示されたもの以外の、多数の有効な/開いたピンセットを含む設計等の多くの他のオプション的なバネの設計もカバーすることが理解されるであろう。
【0082】
第7の他の概念も、脱毛本体10に関する概念である。前述したように、脱毛本体10は動作中に圧縮及び伸長される。脱毛本体10がコイルバネを圧縮すると仮定すると、その事実は、脱毛動作が適切に機能するために、毛髪クランプ力は当該バネの全周に沿って均等に分散される必要がある。そうであれば、確かに、互いに作用し合うコイルバネの各コイルの力は、該コイルバネの任意の角度位置で、すなわち回転軸Rの周りでの任意の位置で同一となる。
【0083】
一般的に、コイルバネは該コイルバネを得るように巻回されたワイヤから形成され、該ワイヤは2つの端部を有する。これら2つの端部の各々において、該コイルバネは、前述された毛髪クランプ力の均一な分散を実現するために望ましいように、外側コイル(すなわち、端部コイル、最初/最後のコイル)全体を介してではなく、外側コイルの端部のみを介して、長手方向Lに垂直な平面に接触することができる。ここで、この問題を軽減するための幾つかの対策が提案される。
【0084】
第1の可能な対策は、外側コイルに対し研削動作を実行して、外側コイルから材料を除去し、これにより外側コイルを当該コイルバネが外側コイル全体を介して長手方向Lに垂直な平面に接触できるように整形することを含む。この可能性が図24に示され、該図には、コイルバネの端部の元々の外観が右側に示され、研削後のコイルバネの端部の外観が左側に示されている。
【0085】
第2の考えられる対策は、コイルバネの端部に接触すべきエレメントの設計の適応化を含む。特に、このようなエレメントには、図25に示されるような、周方向に深さが増加する凹部を設けることができ、外側コイルの傾斜した向きに従うことにより、図26に示されるように、外側コイル全体に接触することができるように面配向されたコイルバネの外側コイルの支持面37が得られるようにする。図26には、圧縮されたコイルバネ10及び押圧ブッシュ35の一部の部分断面図が示されている。実際に、上述した凹部の深さは、ゼロから当該バネのワイヤの厚さまで増加している。図示の例において、コイルバネの一端に接触するためのエレメントの一方は押圧ブッシュ35であり、該コイルバネの他端に位置するコイルキャップが、これらエレメントの他方のものとなる。
【0086】
第3の考えられる対策は、コイルバネを製造するためにバネのワイヤを巻回する過程で特定の要件を考慮に入れることを含む。本概念の前後関係において、コイルバネの可撓性及び該コイルの長手方向Lの力の影響下で互いに僅かに変位するという関連する特性に基づいて、バネは、外側コイルの約半分に沿って、すなわち、外側コイルが完全なコイルの60%から90%までの範囲内、好ましくは完全なコイルの70%から80%までの範囲内にある場合に、長手方向に垂直な平面に接触させられ得ることが分かった。これが図27に示されており、該図においてコイルバネは部分的外側コイルの基準面及び完全なコイルであろうものの基準面を伴って示されている。実際の場合、外側コイルの最適なコイル割合は、コイルバネ内のコイルの総量、ワイヤの太さ、ワイヤ材料の特性、及び中心シャフト21に向かうコイル内部の遊びを含む幾つかの要因に依存する。外側コイルのコイル割合に関して適切な選択をするだけでコイルバネの全周に沿った毛髪クランプ力の均等な分布を実現することは、バネに研削動作を施す及び/又は接触エレメントの設計を適応させることよりも好ましいものとなり得る非常に興味深い可能性を構成することが理解されるであろう。
【0087】
図24図26及び図27に示されるバネは脱毛本体10として使用されることを意図していることに鑑み、これら図では当該バネは参照番号10により示されている。
【0088】
第8の他の概念は、脱毛本体10の位置における中心シャフト21の設計に関するものである。
【0089】
脱毛本体10が脱毛動作において皮膚に押圧された場合、皮膚により脱毛本体10に及ぼされる反力は、脱毛本体10内の中心シャフト21により対抗される。押圧ブッシュ35の一部、コイルバネの形態の脱毛本体10及び中心シャフト21が示されると共に右側に皮膚の輪郭が示された図28を参照すると、脱毛本体10の位置における中心シャフト21の存在が欠点を伴うことが分かる。
【0090】
第1に、毛髪200が図28に示されるように脱毛本体10の毛髪捕捉空間11内に位置する場合、毛200が脱毛本体10において内方に延びることができる程度は、中心シャフト21により制限される。ワイヤの太さの実際的値は0.3mmであり、中心シャフト21に向かうコイルの内側の遊びの実際的値は0.1mmである。したがって、実際には、毛髪200は脱毛本体10のコイル間を約0.4mmの距離入り込んだ場合に中心シャフト21に当たることになるであろう。結果として、幾つかの毛200は皮膚から引き抜くのに十分な程しっかりと掴まれ得ないか、又は、シャフトに当たった場合に、毛髪200は脱毛本体10の掴み範囲外の他の場所へと曲がることになるであろう。このように、引き抜きは毛髪200と中心シャフト21との相互作用により最適とはならない。
【0091】
第2に、引き抜かれた毛髪、皮膚から取り上げられた汚れ、皮膚から取り上げられた化粧等が中心シャフト21と脱毛本体10との間に蓄積し、そこに詰まり得る。中心シャフト21と脱毛本体10との間の狭い隙間が詰まるほど、毛髪200を除去することが困難になる。
【0092】
上記を考慮して、脱毛本体10の位置における中心シャフト21の設計を、特に図2及び図3に示されるように、中心シャフト21の各部分に凹部27を設けるように適合させることが提案される。凹部27は、図30に見られるように、中心シャフト21の脱毛本体10により覆われるべき全長に沿って長手方向Lに延びるように概ね長尺の形状を有し得る。凹部27の適切な数は3であるが、中心シャフト21が脱毛本体10を支持する機能を果たすことができる限り、他の数も可能である。図31は、脱毛本体10が凹部27を有する中心シャフト21上にどの様に取り付けられるかを示している。
【0093】
図32には、複数の代替的可能性が示されている。該図において、円は脱毛本体10を表し、中心のものは脱毛本体10の位置における中心シャフト21の断面を表している。脱毛本体10に対する中心シャフト21の接触線/面積が少ないほど、毛髪200が掴まれるために利用可能な空間が大きくなり、抜き取られた毛髪が蓄えられるのに利用可能な空間が大きくなる。
【0094】
中心軸(中心シャフト)21に凹部27を設けることにより、毛髪200が脱毛本体10のコイル間に更に入り込むことができるようになり、脱毛効果が高まる。凹部27内に捕らえられた抜き取られた毛髪200は、当該脱毛装置の使用後に、ユーザによりブラシ等を使って除去できる。
【0095】
第9の他の概念は、第1の作動部材31及び第2の作動部材32を有し、作動部材31、32を互いに結合する位置に力誘起部材33を備え、該力誘起部材33がコイルバネを有するオプションと組み合わされた、作動機構30のオプションに関するものである。この点に関し、第4の代替実施形態による脱毛装置5の関連する細部を、図33図38を参照して説明する。
【0096】
第4の代替実施形態による脱毛装置5において、力誘起部材33のコイルバネは、作動部材31、32の支持面38、39の間において長手方向Lに延在する。力誘起部材33は2つの機能、すなわち、脱毛装置5において回転トルクを伝達する機能、及び脱毛装置5において長手方向の力を伝達する機能を有する。これを考慮して、コイルバネの端点は、図33に第1の作動部材31の側に存在する端点に関して見られるように、タブを押すように配置される。結果として、コイルバネは研削された端部を有する筈はない。本発明の洞察によれば、支持面38、39が長手方向Lに対して垂直に配向されている場合、伝達される長手方向の力は中心から外れ、これにより脱毛装置5内に横方向の力が発生され、該力は駆動シャフト21及び該駆動シャフトのベアリング等の脱毛装置5の構成部品に作用する。その結果、上記横方向の力により脱毛装置5の可動部品間の摩擦が増加し、したがって、これらの部品を駆動するために必要なトルクが増加されねばならない。これにより、更なる磨耗及び電池寿命の減少等の不利な影響が生じる。このような影響を回避するために、支持面38、39は、図35に見られるように、コイルバネのピッチ角αに従って長手方向Lに対し配向される。
【0097】
支持面38、39の適応された配向に基づいて、線接触が、コイルバネの一端では該コイルバネと第1の作動部材31との間に得られ、コイルバネの他端では該コイルバネと第2の作動部材32との間に得られる。図35は、コイルバネが圧縮されておらず、したがって長手方向Lにそれほど力を生じていない状態のコイルバネを示している。しかしながら、脱毛本体10が圧縮された状態にある場合、コイルバネも一層圧縮され、支持面38、39はコイルバネの最初のコイル及び最後のコイル(の一部)に当接する。したがって、長手方向Lの力はより一層又は完全にさえ集中され、横方向の力から生じる摩擦は、コイルバネの端点のみが力を伝達するために使用される場合よりも小さくなる。
【0098】
支持面38、39の適応された配向の結果、コイルバネの端点がタブに当接しない場合(これは、作動部材31、32の少なくとも1方が脱毛装置5の外部からアクセス可能であり、何らかの理由により又は偶然に脱毛装置5のユーザによりデフォルト/所定の位置から捻られた場合に起こり得る)、作動部材31、32は、コイルバネの端部が支持面38、39上をスライドする限りにおいて、互いに更に遠ざけられる。この作動部材31、32の相対的変位は、脱毛本体10の一層圧縮された伸長状態、及び脱毛本体10の圧縮状態における一層大きな長手方向の力をもたらす。その結果は、脱毛本体10の伸長位置におけるコイル間の小さな空間により毛髪を掴む可能性が減少すること、及び毛髪を掴む際のコイル間の過度に大きな力により毛髪を切断する可能性が増加することである。両結果は望ましくないので、支持面38、39の互いに対する回転を防止するための対策がとられる。特に、これらの対策は、回転軸Rの周りの方向における作動部材31、32の互いに対する回転を制限するように構成された回転制限機構90を設けることを含む。
【0099】
回転制限機構90の設計に関しては、多くの可能性が存在する。本例では、脱毛装置5の接続装置50が板バネ51と2つの脚部66、67を含む非弾性接続部材65との両方を備えるという事実が利用され、ここで、上記脚部66、67の各々の端部は板バネ51の外周領域の位置で板バネ51に接続されている。図37及び図38では明瞭化のために力誘起部材33のコイルバネが省略されている図36図38に示されるように、第1の作動部材31には2つの端部タブ91、92が設けられ、非弾性接続部材65にも2つの端部タブ93、94が設けられている。図38は、各端部タブ91、92、93、94のレベルにおいて長手方向Lに垂直な方向で切られた斜視断面図を示す。
【0100】
図36図38は回転制限機構90のデフォルト位置を示しており、該位置において、第1の作動部材31の端部タブ91、92及び非弾性接続部材65の端部タブ93、94は、回転軸Rの周りの方向において駆動シャフト21上の同じ高さにあるが、互いには接触していない。このようにして、回転制限機構90の存在が、脱毛装置5の動作中における第1の作動部材31及び非弾性接続部材65の互いに対する長手方向Lの運動の間において摩擦を増大させることが回避される。しかしながら、第1の作動部材31が回転軸Rの周りで回転するように捻られた場合、この運動は、第1の作動部材31の端部タブ91、92側の関連する停止面95が非弾性接続部材65の端部タブ93、94側の関連する停止面96に当接するやいなや阻止される。回転制限機構90を備えることの他の利点は、該回転制限機構90が、板バネ51が変形される程捻られ得、その結果として、損傷され又は破損さえされ得ることを回避するようにも機能することである。また、何らかの理由により板バネ51が破損した場合でも、当該脱毛装置 5は依然として機能することができる。該装置5の種々の構成部品の回転運動は、最適な態様ではないが、回転制限機構90の存在に基づいて維持されるからである。
【0101】
上述したように、脱毛装置5の接続装置50は、板バネ51と非弾性接続部材65との組み合わせを有する。該板バネ51の設計は、図3を参照して第1の代替実施形態による脱毛装置2に関連して説明した板バネ51の設計と同様である。板バネ51は第2の作動部材32上に配置され、非弾性接続部材65は、該板バネ51の外周領域を、脱毛本体10により近い位置で駆動シャフト21に結合する。長手方向Lにおいて、板バネ51は非弾性接続部材65と第2の作動部材32上の支持部との間に保持される。運動付与装置40の位置が、脱毛本体10が伸長状態にあるような位置にある場合、板バネ51は休止位置にある一方、運動付与装置40の位置が、脱毛本体10が圧縮状態にあるような位置である場合、板バネ51は或る程度変形される。板バネ51が休止位置に戻る傾斜が、脱毛本体10を圧縮状態から伸長状態へ移行させるプロセスをサポートする。一般的に、板バネ51を使用する利点は、摩擦が最小限であり、長手方向Lの移動の影響下で板バネ51を変形させる力しか必要とされないことである。
【0102】
本開示は、当業者により容易に想到され得る、上述した他の概念の任意の可能な組み合わせを含むものである。本開示は、以下のもの、すなわち、i)脱毛本体10に対して長手方向Lに延びる回転軸Rの周りで回転可能であり、少なくとも1つの毛髪捕捉空間11を備え、該少なくとも1つの毛髪捕捉空間11の長手方向Lの寸法が脱毛本体10の長手方向Lにおける圧縮及び伸長により可変である脱毛本体10、及びii)脱毛本体10に作用して回転軸Rの周りでの該脱毛本体10の回転運動の間に該脱毛本体10の長手方向Lの圧縮及び伸長を生じさせると共に、脱毛本体10の少なくとも1つの毛髪捕捉空間11が閉状態にある場合に該脱毛本体10に長手方向Lの毛髪クランプ力を実現するよう構成された作動機構30を含む、脱毛装置の一般的なコンテキストにおける上述した他の概念の1以上の任意の可能なアプリケーションを含むものである。
【0103】
当業者によれば、本発明の範囲は上述された例に限定されるものではなく、その幾つかの修正及び変形が添付請求項に定義される本発明の範囲から逸脱することなく可能であることは明らかであろう。本発明は、請求項の範囲又はその均等物の範囲内にある限りにおいて、このような全ての修正及び変形を含むものと見なされることが意図されている。本発明は図面及び記載において詳細に図示及び説明されたが、そのような図示及び説明は解説的又は例示的なものに過ぎず、限定するものではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。図面は概略的なものであり、本発明の理解に必要でない細部は省略されている場合があり、必ずしも縮尺通りではない。
【0104】
開示された実施形態に対する変形は、当業者によれば、請求項に記載された発明を実施するに際して、図面、本記載及び添付請求項の精査から理解し、実施することができる。尚、請求項において、「有する(含む)」という文言は他のステップ又は要素を排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。請求項における如何なる参照符号も、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0105】
特定の実施形態に関して又は関連して述べられた要素及び態様は、そうでないと明記されない限り、他の実施形態の要素及び態様と適切に組み合わせることができる。このように、特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【0106】
本明細書で使用されている「有する」及び「含む」という用語は、当業者であれば、「からなる」という用語を含むものと理解されるであろう。したがって、「有する」又は「含む」という用語は、実施形態に関しては「からなる」を意味し得るが、他の実施形態では「少なくとも定義されたもの及びオプションとして1以上の他のものを含む/有する/備える」を意味し得る。
【0107】
本発明の注目すべき態様は以下のように要約される。脱毛装置2、3、4、5は、脱毛本体10に対して長手方向Lに延びる回転軸Rの周りに回転可能な脱毛本体10と、脱毛本体10に作用して、回転軸Rの周りでの脱毛本体10の回転運動の間に脱毛本体10の長手方向Lの圧縮及び伸長を生じさせるように構成された作動機構30と、脱毛本体10を駆動すると共に作動機構30も駆動するように構成された駆動機構20と、を備える。作動機構30は駆動機構20の駆動シャフト21に、少なくとも1つの板バネ51、61、62を介して等のように、弾性的に接続されており、このことは、脱毛装置2、3、4における摩擦及び騒音を最小限に抑えることに寄与すると共に、脱毛本体10の圧縮及び伸長のうちの1つをサポートすることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図11
図12
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図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
図23
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図28
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図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身に対して長手方向に延びる回転軸の周りで回転可能な脱毛本体であって、少なくとも1つの毛髪捕捉空間を備え、前記長手方向における該少なくとも1つの毛髪捕捉空間の寸法が前記長手方向の当該脱毛本体の圧縮及び伸長を介して可変である脱毛本体と、
前記脱毛本体に作用して、前記回転軸の周りでの該脱毛本体の回転運動の間において該脱毛本体の長手方向の圧縮及び伸長を生じさせる作動機構と、
前記脱毛本体を前記回転軸の周りでの回転運動を行うように駆動する駆動機構であって、前記脱毛本体に回転運動を付与するために該脱毛本体に結合された回転可能な駆動シャフトを有し、前記作動機構及び前記駆動シャフトの相対的な長手方向の動きにより前記脱毛本体の前記長手方向の圧縮及び伸長を生じさせるように前記作動機構も駆動する駆動機構と、
前記作動機構及び前記駆動シャフトの前記相対的な長手方向の動き及び前記駆動シャフトから前記作動機構へのトルク伝達を可能にするように、前記作動機構を前記駆動シャフトに弾性的に接続する少なくとも1つのベローズ又は少なくとも1つの板バネを備えた接続装置と
を有する、脱毛装置。
【請求項2】
前記接続装置が、長方形状に一緒に結合された2つの板バネを含むバネ装置を備える、請求項に記載の脱毛装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの板バネが前記作動機構及び前記駆動シャフトの両方に直接固定されている、請求項又はに記載の脱毛装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの板バネが、円形の外周を有すると共に中央孔及びスロットを備えたディスク状に成形されている、請求項からの何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項5】
前記接続装置が少なくとも1つの非弾性接続部材を更に有する、請求項からの何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項6】
前記非弾性接続部材は少なくとも2つの脚部を有し、各脚部の端部が前記板バネに該板バネの外周領域の位置において接続されている、請求項に記載の脱毛装置。
【請求項7】
前記脱毛本体の一端は前記長手方向において固定位置を有する固定端である一方、該脱毛本体の他端は前記長手方向において可変位置を有する可動端であり、前記作動機構が前記脱毛本体に対し該脱毛本体の前記可動端の側において作用する、請求項1からの何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項8】
カム及びカムフォロアを含む運動付与装置を有し、前記カム及びカムフォロアの一方は当該脱毛装置において固定位置を有し、前記カム及びカムフォロアの他方が前記作動機構及び前記接続装置のうちの一方に統合され又は固定されている、請求項1からの何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項9】
前記作動機構は前記長手方向に圧縮可能及び伸長可能な力誘起部材を含み、該力誘起部材が、前記脱毛本体の前記少なくとも1つの毛髪捕捉空間が閉状態にある間において前記力誘起部材の前記長手方向の寸法が変化された場合に、前記作動機構により前記脱毛本体に対し前記長手方向に及ぼされる力のレベルを決定する、請求項1からの何れか一項に記載の脱毛装置。
【請求項10】
前記作動機構は両方とも前記長手方向に移動可能な2つの作動部材を有し、前記作動部材のうちの第1のものは、これら作動部材のうちの第2のものより前記長手方向において前記脱毛本体に近い位置にあり、前記力誘起部材が前記作動部材を結合する位置にある、請求項に記載の脱毛装置。
【請求項11】
前記力誘起部材はコイルバネを有し、該コイルバネは前記作動部材の支持面の間に前記長手方向に延在し、前記作動部材の支持面が前記長手方向に対し前記コイルバネのピッチ角にしたがって配向されている、請求項10に記載の脱毛装置。
【請求項12】
前記作動部材の前記回転軸の周りの方向における互いに対する回転を制限する回転制限機構を有する、請求項11に記載の脱毛装置。
【請求項13】
前記回転制限機構が、作動部材における停止面及び前記接続装置における停止面のうちの少なくとも一方を有する、請求項12に記載の脱毛装置。
【国際調査報告】