(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】シート要素を受けるためのチャイルドシートベース
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B60N2/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532552
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2022083775
(87)【国際公開番号】W WO2023099524
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202021106522.2
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コーネルセン キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】カトカール ナイルシュ
(72)【発明者】
【氏名】スタッテレッカー ルーカス
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
(57)【要約】
チャイルドシートシステムにおけるシート要素(100)を受け、および自動車に取り付けるためのチャイルドシートベース(10)であって、シート要素(100)をチャイルドシートベース(10)に固定するための複数の固定装置(11、12)、特にロック要素を備え、固定装置(11、12)は、ロック位置から解除位置にもたらされることができ、ここで固定装置の少なくとも第1の固定装置(11)は、回転可能性および/またはロック可能性および/または形状および/または材料の選択に関して、固定装置(11、12)の少なくとも第2の固定装置(12)とは異なるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドシートシステムにおけるシート要素(100)を受け、および自動車に取り付けるためのチャイルドシートベース(10)であって、前記シート要素(100)を前記チャイルドシートベース(10)に固定するための複数の固定装置(11、12)、特にロック要素を備え、前記固定装置(11、12)は、ロック位置から解除位置にもたらされることができ、ここで前記固定装置の少なくとも第1の固定装置(11)は、回転可能性および/またはロック可能性および/または形状および/または材料の選択に関して、前記固定装置の少なくとも第2の固定装置(12)とは異なるように構成される、
チャイルドシートベース(10)。
【請求項2】
前記固定装置(11、12)の少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)は、少なくとも1つのロック装置によって当該ロック位置でロック可能であり、またはロックされており、および前記固定装置(11、12)の少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)は、当該ロック位置でロックされていない、
ことを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項3】
少なくとも1つの、特に第1の、全てではないが、前記固定装置(11、12)は、フックを備え、好ましくは少なくとも1つの、特に前記第2の固定装置(12)は、ピンを備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)は回転可能であり、および/または少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)は、並進移動可能であることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)は、少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)よりも更に後方に配置されることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項6】
少なくとも1つの表示装置が設けられ、少なくとも1つの前記表示装置は、少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)が当該ロック位置にあるか無いかを示すように構成されることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース。
【請求項7】
複数の前記第1の固定装置(11)は互いに相互作用し、好ましくは、前記第1の固定装置(11)が全てロック位置にもたらされた場合にのみロック位置に留まるように相互作用し、および/または、
複数の前記第2の固定装置(12)は互いに連結されており、および/または、
複数の前記固定装置(11、12)は、少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)および少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)を含み、好ましくは、少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)の当該ロック位置への移動が、少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)の当該ロック位置への移動によって可能になるように互いに相互作用することを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項8】
複数の前記第1の固定装置(11)は制御装置(15)を介して互いに相互作用し、ここで、前記制御装置(15)を、好ましくは、少なくとも1つの第1の位置および少なくとも1つの第2の位置に、特に回転によって、移動することができ、ここで、前記制御装置(15)は、更に好ましくは、前記第1の位置でのみ前記第1の固定装置(11)の前記ロック位置をロックし、および/または、複数の前記第1の固定装置(11)がロック位置にある場合にのみ前記第1の位置に移動可能であり、および/または、複数の前記第1の固定装置(11)が解除位置にある場合にロック位置から更に離れることを防止することを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項9】
複数の前記固定装置(11、12)が設けられ、ここで、複数の前記固定装置(11、12)は、少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)および少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)を備え、ここで、前記固定装置(11、12)は、少なくとも部分的に接続装置(16)を介して互いに接続され、ここで、前記接続装置(16)は:
好ましくは、少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)の当該ロック位置への移動が、少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)の当該ロック位置への移動によって可能になるように構成され、および/または、
前記接続装置(16)は、前記制御装置(15)に接続され、および/または、
前記接続装置(16)は、柔軟性のあるように設計され、および/または、
前記接続装置(16)は、バンドとして設計される、または当該バンドを含み、および/または、
前記接続装置(16)は、好ましくは、少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)にしっかりと接続され、特に、少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)と一体型ユニットを形成することを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項10】
作動装置(27)が設けられ、ここで前記作動装置(27)の作動により、少なくとも1つ、または複数または全ての前記固定装置(11、12)は、解除位置に移動可能であることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項11】
少なくとも1つの第1のスプリング装置が設けられ、前記第1のスプリング装置は、好ましくは少なくとも1つの前記固定装置(11、12)、さらに好ましくは少なくとも1つの前記第1の固定装置(11)を、解除位置の方向に付勢し、および/または少なくとも1つの第2のスプリング装置が設けられ、前記第2のスプリング装置は、好ましくは少なくとも1つの前記固定装置(11、12)、さらに好ましくは少なくとも1つの前記第2の固定装置(12)を、ロック位置の方向に付勢することを特徴とする、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項12】
少なくとも1つの前記固定装置(11、12)の状態を示すために表示装置が設けられ、ここで、前記表示装置は、好ましくは前記制御装置(15)の位置に結合されていることを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項13】
少なくとも1つの前記第2の固定装置の当該ロック位置への移動が可能になっている、および/または行われている場合にのみ、少なくとも1つの前記第1の固定装置における前記ロック位置の適用が表示されるように前記表示装置が設計され、および/または、
少なくとも1つの前記第1固定装置におけるロック位置の表示が前記表示装置によってもはや行わない場合に、少なくとも1つの前記第1の固定装置が当該解除位置に移動されるように前記作動装置が設計されることを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)。
【請求項14】
チャイルドシートシステムにおけるシート要素(100)を受け、および自動車に取り付けるための、好ましくは、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)であって、
前記シート要素(100)を前記チャイルドシートベース(10)に固定するための複数の前記固定装置(12)、特にロック要素を備え、前記固定装置(12)は、ロック位置から解除位置にもたらされることができ、
ここで、作動装置(27)が設けられ、ここで、前記作動装置(27)の作動によって、少なくとも1つ、または複数、または全ての前記固定装置(12)は解除位置に移動可能であり、
ここで、前記固定装置(12)は、少なくとも部分的に、前記接続装置(16)を介して互いに、および/または前記作動装置に接続され、ここで、前記接続装置(16)は、柔軟であり、および/またはバンドの形状であり、または当該バンドを含み、および/または好ましくは、特に射出成形部品としてプラスチックで作られている、
チャイルドシートベース(10)。
【請求項15】
シート要素(100)、および請求項1~請求項14のいずれか1項に記載のチャイルドシートベース(10)を備える、自動車に取り付けるためのチャイルドシートシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、自動車に取り付けるためのチャイルドシートシステムにおけるシート要素を受けるためのチャイルドシートベース、および対応するチャイルドシートシステムに関する。
【0002】
チャイルドシートシステムは通常、事故の場合に子供を重傷から守るために自動車において使用される。一般的には、チャイルドシートシステムは、子供を収容するための実際のチャイルドシート(シート要素)、および更に支持ベース(チャイルドシートベース)を備え、チャイルドシートシステムは、車両シートに取り付けられることができ、およびチャイルドシート用の支持ベースを形成する。支持ベースを他のチャイルドシートで使用することができるように、および/またはチャイルドシートをより簡単に運ぶことができるようにするために、支持ベースは、チャイルドシートを取り外し可能に固定するための機構を有することが多い。しかしながら、チャイルドシートを支持ベースにしっかりと、および容易に固定するために、適切な固定機構が必要である。
【0003】
例示的なシステムは、EP2210768A2およびEP1369295A1から知られている。EP2210768A2において、フックとして設計された4つの固定装置が提案されている。EP1369295A1において、ピンとして設計された固定装置が提案されている。
【0004】
一般的には、支持ベースにチャイルドシートを便利に、および安全に取り付けたり取り外したりできるチャイルドシートシステムが必要である。この点において、従来技術の解決策は依然として改善を必要としていると考えられる。さらに、これらの解決策の設計の複雑さは特に比較的高いと考えられる。
【0005】
本発明の目的は、自動車に取り付けるためのチャイルドシートシステムにおけるシート要素を受けるためのチャイルドシートベース、および対応するチャイルドシートシステムを提案することであり、ここで、シート要素の取り付けに関して、比較的簡単で、および費用対効果の高い方法で高いレベルの安全性が達成されることになる。
【0006】
この目的は、特に請求項1の特徴によって解決される。
【0007】
特に、この目的は、チャイルドシートシステムのシート要素(チャイルドシート)を受けるためのチャイルドシートベースによって解決され、ここで、チャイルドシートベース、またはチャイルドシートシステムは、自動車に取り付けるために構成され、ここで、チャイルドシートベースは、チャイルドシートベースにシート要素を固定するための複数の固定装置(固定要素、特にロック要素)を備え、固定装置はロック位置から解除位置(およびその逆)にもたらされることができ、ここで、少なくとも第1の固定装置は、少なくとも第2の固定装置と異なって構成される。逸脱(deviating)構成は、好ましくは、回転可能性(それぞれの固定装置における、ここで、好ましくは少なくとも1つの第1の固定装置は回転可能であり、および少なくとも1つの第2の固定装置は回転不可能であり、またはその逆)および/またはロック可能性(それぞれの固定装置における、好ましくはそれぞれの固定装置のロック位置における、特に少なくとも1つの第1の固定装置はロック可能であり、または特に当該ロック位置でロックされ、および固定装置の少なくとも1つの第2の固定装置はロック不可能であり、またはその逆となるように)および/または形状(それぞれの固定装置における、特に少なくとも1つの第1の固定装置のみが、周囲に届く構造、好ましくはフックを備える、または形成するが、少なくとも1つの第2の固定装置はそうではないとなるように)および/または材料の選択(特に少なくとも1つの第1の固定装置は少なくとも部分的に金属から作られ、特に主に金属から作られ、および少なくとも1つの第2の固定装置は少なくとも部分的に、特に主にプラスチックから作られるように)、および/または表示装置への影響(特に、それぞれの固定装置の状態を示すためのものであり、例えば、表示装置が、少なくとも1つの第1の固定装置のロック位置を特に直接的に示すが、少なくとも1つの第2の固定装置のロック位置を少なくとも直接的に示さないというように)に関する。
【0008】
本発明の1つのアイデアは、異なる方法で構成された固定装置を意図的に提供することである。このことにより、例えば、少なくとも本質的に同一の複数の固定装置に存在する可能性がある(おそらく認識されない)弱点が悪影響を及ぼすということが達成されることができる。さらに、このことは、それらの(特に安全関連の)適合性に応じて、複雑な(またはおそらくより複雑でない)方法で個々の固定点を設計することを可能にする。
【0009】
固定装置は、例えば、固定要素(おそらく1つのピースである、または一貫したコンポーネントとして設計されている)を意味すると理解されることができる。固定要素は、モノリシックであり、および/または他のコンポーネント、例えば接続装置上に成形されることができる。
【0010】
ロック位置は、シート要素がチャイルドシートベースに(適切に)位置されている場合に、それぞれの固定装置によって保持される、それぞれの固定装置の位置として理解される。それに応じて、解除位置は、シート要素をチャイルドシートベースから(それぞれの固定装置との関連で)解除できる位置として理解されるべきである。シート要素がチャイルドシートベースに(適切に)位置されている場合、シート要素の完全な解除は、好ましくは、全ての(または1つを除く全ての)固定装置が解除位置にある場合にのみ発生することができる。
【0011】
チャイルドシートシステムは、子供を収容するためのチャイルドシート(シート要素)、およびチャイルドシートの支持を提供するための支持ベース(チャイルドシートベース)を備え、ここで、チャイルドシートは支持ベースに取り外し可能に取り付けられることができる。
【0012】
チャイルドシートベースは、シート要素を固定することができるシェル本体を有することができる。シェル本体は、上部シェル部分および下部シェル部分を有することができ、および/または少なくとも部分的に中空の内部を有することができる。チャイルドシートベースのシェル本体は、シート要素を受けるのに適している上側を有することができる。例えば、シート要素の下側は、シート要素の左側から右側に延びる前部、および/または好ましくは後部領域(該当する場合、いずれか)にロッドを有してもよく、一方、シェル本体の上側は、シート要素がチャイルドシートベース上に置かれる場合に(それぞれの)バーを少なくとも部分的に収容するための1つ以上の凹部を有してもよい。
【0013】
代替的にまたは付加的に、シート要素の下側は、好ましくは、前部および/または後部領域に、少なくともほぼ横方向に延びる少なくとも1つの凹部、または横方向に互いに間隔を置いた2つの凹部を有してもよい。係合要素は、チャイルドシートベースの上側に設けられてもよく、係合要素は、これらの凹部に少なくとも部分的に係合してもよく、および/またはシート要素における対応する係合要素と協働してもよい。
【0014】
チャイルドシートベースは、シート要素をチャイルドシートベースに固定し、および当該取り外しのためにチャイルドシートベースからシート要素を解除することを管理する固定機構を有することができる。固定機構は、複数の固定装置(固定要素)を有することができる。
【0015】
2つの固定装置は、特に、一方の固定装置が回転可能であり、特に所定の軸を中心に回転可能であり、他方が回転可能ではない場合(例えば、並進移動のみ可能である、および/または変形のみ可能である)、固定装置の回転可能性が異なるべきである。しかしながら、固定装置の一方が他方の固定装置と比較して、より大きな角度(例えば、少なくとも1.5倍、または少なくとも2.5倍大きい角度)で回転可能である場合も含まれ得る。特に、回転方向に関する(単なる)違いは、回転可能性に関する違いとみなされないべきである。
【0016】
2つの固定装置は、特に一方の固定装置がロック可能であり、および他方がロック可能でない場合、またはロックの種類(たとえば、一方はポジティブフィットによる場合、他方は摩擦接続による場合)が異なる場合、固定装置のロック可能性に関して異なるべきである。特に、固定装置は、ロックされた状態で動かない場合(または少なくともロック位置と解除位置との間で変更できないほどわずかにしか動かない場合)、ロックされている、または対応するロック可能であると見なされるべきである。この意味でのロック可能性は、例えば、対応する固定装置が外部からのみアクセスできない場合、したがって、例えば、手によって動かすことができないと見なされるべきではない。
【0017】
特定の材料が「主に」存在する場合、これは特に「少なくとも50重量%」(対応する装置または対応する要素の総重量に基づく)を意味する。
【0018】
したがって、一般的には、固定装置を異なる方法で形成することができる。
【0019】
好ましくは、少なくとも第1の固定装置の1つは、少なくとも1つのロック装置によって当該ロック位置にロック可能であり、またはロックされ、ここで、少なくとも1つの第2の固定装置の1つは、当該ロック位置で移動可能である。ここでも、「移動可能」とは、対応する固定装置が外側から(手によって)移動可能であることを必ずしも意味しないが、(単に)当該自体の(おそらく想像上でのみ)動きに対してブロックされないことを意味する。特に(上記のように)、ロック位置から解除位置へ、またはその逆へ移行する場合に、適切な使用中に一般的に起こる可能性がある動きのみを考慮するべきである。
【0020】
少なくとも1つの(特に第1の)、しかし、好ましくは全てではない固定装置は、フックを備えてもよい。代替的に、または付加的に、少なくとも1つの(特に第2の)固定装置は、ピンを備えてもよい(しかし、特にフックではない)。実施形態において、複数または全ての第1の固定装置はフックを備えてもよく(またはフックとして形成されてもよい)、および複数または全ての第2の固定装置はピンを備えてもよい(またはピンとして形成されてもよい)。具体的に、フック(特に後部領域)とピン(特に前部領域)との組み合わせにより、可変の、および安全な固定システムが有利な方法で達成される。
【0021】
少なくとも1つの第1の固定装置(場合によっては複数または全ての第1の固定装置)は、好ましくは回転可能(のみ)である(すなわち、並進移動可能ではない)。代替的に、または付加的に、少なくとも1つの第2の固定装置(または複数または全ての第2の固定装置)は、並進移動可能(のみ)である(すなわち、特に回転可能ではない)。さらに、それぞれの固定装置は、回転可能および並進移動可能(同時に、および/または連続的に)の両方であることも考えられる。基本動作に関するこの変化によって、安全性も向上させることができる。
【0022】
チャイルドシートベースは、サポートフットおよび/またはアイソフィックス(Isofix)固定装置を備えることができる。
【0023】
少なくとも1つの第1の固定装置(特に、複数または全ての固定装置)は、少なくとも1つの第2の固定装置(特に、複数または全ての第2の固定装置)よりも更に後方に配置される場合が特に好ましい。配置「更に後方」は、チャイルドシートベースの後端に近い配置であると理解されるべきである。チャイルドシートベースの後端は、チャイルドシートベースが適切に配置されている場合に自動車の背もたれに面している端部、および/またはアイソフィックスアンカレッジ(Isofix anchorage)に近い端部、および/またはサポートフットから更に遠い端部によって好ましくは定義される。実施形態において、それぞれの第1の固定装置は、少なくとも1つの第2の(または、複数または全ての第2の)固定装置よりも少なくとも5cm、または少なくとも15cm、または少なくとも20cm更に後方に配置されてもよい。具体的には、それぞれの第1の固定装置は、チャイルドシートベースの後部3分の1に配置されてもよく、および/またはそれぞれの第2の固定装置は、チャイルドシートベースの前部3分の1に配置されてもよい。
【0024】
特に、本開示における1つの考慮事項は、(それぞれの)後部固定装置を比較的複雑で、または安全であるように意図的に設計することでもある。(それぞれの)後部固定装置は、正面衝突の場合に特に重要であり、または、より高い確率での後部固定装置の故障が、前部固定装置の故障よりも深刻な結果をもたらすと考えられた。なぜなら、(正面衝突の場合に)前部固定装置のみがまだ保持されている場合、シート要素は、当該慣性により回転する、または前方に傾く傾向を有することになり、それ自体が子供にとって非常に問題であり、さらに(最初はまだ保持している)第2の固定装置に特に大きな力をもたらすことができ、したがって第2の固定装置も故障するからである。特に、チャイルドシートベースは、アイソフィックスアンカレッジ(後部に位置している)を介して、および/または後部、場合によっては底部に位置している別の固定構造を介して、自動車シートに固定される、または固定されることができる場合、(それぞれの)第1の、または後部の固定装置における比較的複雑な設計が特に有利である。
【0025】
実施形態において、複数または全ての第1の固定装置を「同じレベル」(後方から前方への方向に関して)で配置することができる。代替的に、または付加的に、同じことが複数または全ての第2の固定装置に当てはまる。具体的には、複数または全ての第1の固定装置、および/または複数または全ての第2の固定装置を、左右方向に沿って一列に互いに並べることができる。
【0026】
好ましくは、少なくとも1つの第1の固定装置が当該ロック位置にあるかどうかに関わりなく示すように構成された少なくとも1つの表示装置が提供される。代替的に、または付加的に、表示装置(または更なる表示装置)は、少なくとも1つの第2の固定装置がどの程度当該ロック位置にあるかどうかを示すために提供されてもよい。好ましくは、しかしながら、少なくとも1つの第1の固定装置が当該ロック位置にあるかどうかに関わりなく直接示されるだけである。特に、直接指示は、固定装置を指示された状態から逸脱する状態にすることができないように、表示装置が対応する固定装置に強制的に結合されることを意味する。したがって、間接指示は、対応する固定装置が、指示された状態から逸脱する状態にもたらされる可能性があることを意味するだけである(適切な使用中に、指示された状態の実際の状態からの当該逸脱が発生しない場合でも、その可能性がある)。
【0027】
全体として、このことにより、表示装置に関して、表示装置の制御または起動の複雑さは低減され、そのことは、それぞれの第1の固定装置と関連して正確な表示の可能性を上昇させる。
【0028】
固定装置(固定要素)を、異なるように設計することができる。一方で、固定装置(固定要素)は、特にフックとして、チャイルドシートのバーの周囲に少なくとも部分的に届くように設計されることができる。他方で、固定装置(固定要素)は、係合要素、特にピンとして設計されることができ、例えば、チャイルドシートの凹部に少なくとも部分的に係合することができる。
【0029】
特に、前側の固定要素は係合要素、特にピンとして設計されることができ、および使用時に車両シートの背もたれに近い後側の固定要素はフックとして設計されることができ、またはその逆も可能である。
【0030】
固定装置(固定要素)、特にフックの形態の固定装置を、凹部および/または係合ロッドに隣接して配置することができる。凹部を、例えば、シェル本体内に配置された支持ベース上に配置することができる。固定要素、特にフックを、支持ベース、特に支持ベースの凹部に、特にスプリングマウント、特にスプリングによって取り付けることができる。固定要素、特にフックは、スプリングによって、特に開放位置へ張力を前付与されることができる。
【0031】
実施形態によると、複数または全ての第1の固定装置は、互いに独立して移動することができる。任意に、複数または全ての第2の固定装置は、互いに独立して移動することもできる。しかしながら、複数または全ての第2の固定装置は、互いに接続されていることが好ましい(一体型でもよい)。
【0032】
複数の第1の固定装置は互いに相互作用することができ、好ましくは、複数の第1の固定装置が全てロック位置にもたらされたときにのみロック位置に留まるように相互作用することができる。
【0033】
代替的に、または付加的に、複数または全ての第2の固定装置は、互いに相互作用し、および/または結合することができ、特に、複数の第2の固定装置の動きが共通の駆動(押すおよび/または引く)装置(例えばベルト)によって可能になるように互いに相互作用し、および/または結合することができる。
【0034】
代替的に、または付加的に、複数の固定装置が存在してもよく、ここで、複数の固定装置は、少なくとも1つの第1の固定装置および少なくとも1つの第2の固定装置を備え、互いに相互作用し、好ましくは、少なくとも1つの第2の固定装置の当該ロック位置への移動は、少なくとも1つの第1の固定装置の当該ロック位置への移動によって(のみ)可能となり、および/または少なくとも1つの第2の固定装置の当該ロック位置への移動は、少なくとも1つの(または複数または全ての)第1の固定装置が、それらの解除位置にある限り不可能である。
【0035】
特定の実施形態において、複数の第1の固定装置は、(チャイルドシートベースの)制御装置を介して互いに相互作用し、ここで、制御装置は、好ましくは、特に回転によって(代替的に、または付加的に並進によってもよい)少なくとも1つの第1の位置および少なくとも1つの第2の位置にもたらされることができる。更に好ましくは、制御装置(制御要素)は、第1の固定装置の(それぞれの)ロック位置を第1の位置でのみロックし、および/または、複数の第1の固定装置がそれらのロック位置にある場合に(のみ)第1の位置に移動することができる。
代替的に、または付加的に、制御装置(および/または追加の構造)は、複数の第1の固定装置が解除位置にある場合に、複数の第1の固定装置が解除位置がロック位置から更に離れることを防止してもよい。
【0036】
実施形態において、複数の固定装置が設けられてもよく、ここで、複数の固定装置は少なくとも1つの第1の固定装置、および少なくとも1つの第2の固定装置を備え、ここで、固定装置は、少なくとも部分的に、接続装置(接続要素)を介して互いに(機械的に)接続される。
【0037】
接続装置は、少なくとも1つの第2の固定装置の当該ロック位置への移動が、少なくとも1つの第1の固定装置を当該ロック位置への移動によって(のみ)可能となるように構成されることができる。
【0038】
代替的に、または付加的に、接続装置を、(直接的に、または間接的に)制御装置に接続することができる。
【0039】
代替的に、または付加的に、接続装置を、柔軟であるように(特に、少なくとも部分的に柔軟なバンドとして、および/または少なくとも部分的に柔軟なケーブルとして)設計することができる。接続装置は、張力だけでなくせん断力も伝達するのに適していることができる。さらに、接続装置を、例えば射出成形によってプラスチックで製造することができる。
【0040】
代替的に、または付加的に、接続装置は、チャイルドシートベースの長さの少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%にわたって伸びることができる。
【0041】
代替的に、または付加的に、接続装置は、少なくとも1つの第2の固定装置に(直接的に)接続されることができ、好ましくはしっかりと(または特に取り外し不可能に)接続されることができ、特に少なくとも1つの第2の固定装置と一体型ユニットを形成する。
【0042】
好ましくは、(少なくとも)1つの作動装置が設けられ、ここで、少なくとも1つの、または複数または全ての固定装置を、作動装置の作動によって解除位置に移動することができる。
【0043】
実施形態において、少なくとも1つの第1のスプリング装置が設けられ、第1のスプリング装置は、好ましくは少なくとも1つの固定装置、さらに好ましくは少なくとも1つの第1の固定装置を、解除位置の方向に付勢する。代替的に、または付加的に、少なくとも1つの第2のスプリング装置が設けられ、第2のスプリング装置は、好ましくは少なくとも1つの固定装置、さらに好ましくは少なくとも1つの前記第2の固定装置を、ロック位置の方向に付勢する。
【0044】
好ましくは、少なくとも1つの固定装置の状態を示すために(前記)表示装置が設けられ、ここで、表示装置は、好ましくは制御装置の位置に(特に直接的に)結合されている。
【0045】
好ましくは、少なくとも1つの第2の固定装置の当該ロック位置への移動が可能になっている、および/または行われている場合に(後に)のみ、少なくとも1つの第1の固定装置におけるロック位置の採用が表示されるように表示装置が設計される。
【0046】
代替的に、または付加的に、表示装置による少なくとも1つの第1の固定装置におけるロック位置の表示が、行われなくなる場合に(後に)、少なくとも1つの第1の固定装置が当該解除位置にのみ移動されるように作動装置を設計することができる。
【0047】
更なる(独立した、または追加的な)態様にしたがって、上記の目的は、特に、チャイルドシートシステムのシート要素を受けるための、および自動車に取り付けるためのチャイルドシートベースによって更に解決され、好ましくは上記および/または下記に記述される通りであり、ここで、少なくとも1つの第1の固定装置が少なくとも1つの第2の固定装置とは異なって構成されることは必ずしも必要ではない(しかし、異なって構成されてもよい)。更なる態様にしたがって、チャイルドシートベースは、シート要素をチャイルドシートベースに固定するための複数の固定装置、特にロック要素を備え、固定装置は、ロック位置から解除位置にもたらされることができ、ここで、(前記)作動装置が設けられ、ここで、作動装置の作動によって、少なくとも1つ、または複数、または全ての固定装置は解除位置に移動可能であり、ここで、固定装置は、少なくとも部分的に、(前記)接続装置を介して互いに、および/または作動装置に接続され、ここで、接続装置は、柔軟であり、および/またはバンドの形状であり、または当該バンドを含み、および/または好ましくは、特に射出成形部品としてプラスチックで作られている。
【0048】
上記の目的は、自動車に取り付けるための特にチャイルドシートシステムによって更に解決され、チャイルドシートシステムは、シート要素および上記のチャイルドシートベースを備える。
【0049】
特に、上記の目的は、シート要素をチャイルドシートベースに取り付ける方法によってさらに解決され、ここで、シート要素および/またはチャイルドシートベースにおける上記および/または以下の機能的特徴を、特定の方法ステップとして実行することができる。
【0050】
上記の目的は、特に、チャイルドシートシステムを自動車、特に好ましくは前方を向いた自動車シート上に、さらに好ましくはチャイルドシートシステムの後端で、および場合によっては下端で固定装置を介して、更に好ましくはアイソフィックスアンカレッジを介して配置する、特に固定する方法によってさらに解決され、ここで、上記および/または下記のシート要素および/またはチャイルドシートベースの機能的特徴を、特定の方法ステップとして実行することができる。
【0051】
上記の目的は、特に、車両、特に自動車において、上記および/または下記のチャイルドシートシステムが、車両内および/または車両上に(好ましくは、特に車両の前方を向いたシート上に)配置され、特に固定されることによって更に解決される。
【0052】
チャイルドシートベースまたはチャイルドシートシステムにおける更に任意の特徴および態様を、以下で説明する。
【0053】
第1の固定装置(固定要素)は、互いに相互作用することができる。特に、(少なくとも2つの)固定装置(固定要素)、特にフックは、両方のフックがロック位置にもたらされている場合にのみロックするように相互作用することができる。このことにより、意図的でなくかつ誤ったロックを防止することができる。
【0054】
第2の固定装置(係合要素)、特にピンは、第1の固定装置(フック)と相互作用することができる。第1の固定装置(係合要素)のロックを、両方のフックがロック位置にもたらされたときにのみロックが引き起こされるように引き起こすことができる。
【0055】
第1の固定装置(フック)の相互作用を、特に(上記の)制御装置(制御要素)を介して達成され得る。具体的には、制御要素は、少なくとも2つの位置にもたらされることができる。具体的には、制御要素は、特に回転軸を介して、好ましくは支持ベース上に回転可能に取り付けられ、この回転運動性を介して少なくとも2つの位置にもたらされることができるように制御要素を設計することができる。特に、制御要素を、角度のある(angular)ブラケット形状、または角(angled)ブラケット形状に設計することができ、その開放端は、好ましくは支持ベースの開口部に係合し、特に、フックの下の支持ベースに回転可能に可動で取り付けられる。制御要素における第1の位置、特にロック位置において、固定要素は、好ましくはロック位置にある。制御要素における第2の位置、特に開放位置において、固定要素は好ましくは開放位置にある(または少なくとも永久にロックされた位置にはない)。制御要素に、少なくとも1つのスプリング、特に可動スプリングによって、2つの位置のうちの1つの位置、特に開放位置に向かって張力を付与することができる。
【0056】
係合装置(係合要素)は、制御要素に(自由端で)取り付けられることができ、例えば少なくとも1つの係合アームを備える。少なくとも1つ、または少なくとも、もしくは正確には2つのラッチングポイントが、フック上に設けられることが好ましい。
【0057】
それぞれの係合装置は、それぞれの(第1の)固定装置(フック)のラッチポイントと係合してもたらされるように設計されることが好ましい。
【0058】
係合装置(係合アーム)が第1のラッチングポイント、特にロッキングポイントに係合する場合、それぞれの(第1の)固定装置(フック)は、好ましくはロッキング位置にある。係合装置(係合アーム)が第2のラッチングポイント、特に解除位置ポイントに係合する場合、それぞれの(第1の)固定装置(フック)は、好ましくは開位置にある。
【0059】
開位置において、それぞれの固定装置(固定要素)、特にフックは、例えばラッチングポイントの形状により遊びを有することができ、およびスプリング力に抗する外部作用によりロック位置にもたらされることができるが、スプリング力により開位置に戻る可能性がある。好ましくは、1つ、または全ての更なる固定装置(例えば第2のフック)もロック位置に回転された場合にのみ、制御要素は、スプリング力、特に可動スプリングのスプリング力により当該第2の位置に、特にロッキング位置に移動することができ、したがって、更なる固定装置の対応するラッチポイントへの係合装置(係合アーム)の係合により、更なる固定装置(例えば第2のフック)をロック位置にロックすることができる。複数の第1の固定装置(両方のフック)をロック位置に回転することにより、係合装置(係合アーム)は、対応する(第1の)ラッチポイント、特にロックポイントに係合することができ、このことにより、固定機構は最終的にロックされる。そうでなければ、係合装置(係合アーム)の(第1の)ラッチポイントへの移動が阻止され、機構はロック解除位置になる。
【0060】
制御装置(制御要素)に対して、(上記の)接続装置(接続要素)を、特に、取り外し可能に取り付けることができ、接続装置は、更に好ましくはロック機構全体と連結するために、第2の固定装置(係合要素、特にピン)に向かって好ましくは延びる。
【0061】
接続要素は、制御要素における第1の位置から第2の位置への(またはその逆の)移動によって駆動されるように、および/または制御要素における第1の位置から第2の位置への(またはその逆の)移動が接続要素の移動によって駆動されるように、制御要素に接続されてもよい。接続要素を、柔軟に形成することができる。接続要素を、チャイルドシートベースの本体に、特にシェル本体に、当該移動が本体(シェル本体)上で、特に本体(シェル本体)上のガイドによって導かれるように取り付けることができる。
【0062】
特に、制御要素における回転運動が並進運動に変換され、および/または接続要素における並進運動が制御要素における回転運動に変換されるように、接続要素を本体(シェル本体)に接続することができる。
【0063】
特に、接続要素を、第2の固定装置(係合要素、特にピン)と一体に形成することができる。
【0064】
特に、接続要素を、制御要素と一体に係合するが、それぞれの係合要素、特にピンに対して2つの部分で先細りになる(taper)ように設計することができる。
【0065】
特に、接続要素は、縦方向に移動されるが、この縦方向の動きが横方向(水平面内)に、特に2つの反対方向において横方向に先細りになるように設計または成形され、および/またはチャイルドシートベースの本体(シェル本体)に接続されることができる。
【0066】
制御要素の回転運動によって、接続要素は、好ましくは縦方向に並進駆動され、および(当該形状および/または少なくとも1つの傾斜溝などの偏向機構によって)第2の固定装置(係合要素、特にピン)を横方向に、特に解除位置へ駆動することができる。
【0067】
反対方向に駆動される係合要素、特にピンは、ベース本体(シェル本体)にスプリングマウントされることができるので、特に閉位置に向かって張力を付与される。スプリング、特に可動スプリングを、特に、接続要素および制御要素に支持方式で取り付けることができるので、開位置から閉位置への制御要素の移動は、少なくとも支持され、特に、接続要素を介してこれらのスプリングによって達成される。
【0068】
さらに、少なくとも1つのロック解除要素は、固定機構または固定要素をロック位置から開位置に戻すことができる作動装置として提供されることができる。特に、ロック解除要素は、ロック解除要素が作動されるとすぐに、制御要素と係合し、特に可動スプリングのスプリング力に抗して、制御要素をロック位置から開位置へ駆動するように配置されることができる。ロック解除要素を、特にレバーとして設計することができる。特に、ロック解除要素を、本体(シェル本体)、特に支持ベースに回転移動可能に取り付けることができる。特に、ロック解除要素を、バネ仕掛けの方法で支持ベースに取り付けることができる。
【0069】
ロック機構は、少なくとも1つの(特に上記の)表示装置(状態表示器)も備え、これにより、固定要素がロック位置にあるか、または開位置にあるかが示される。状態表示器を、本体(シェル本体)に可動式、特に回転式、特にバネ仕掛けの回転式で接続することができる。状態表示器は、制御要素の開位置からロック位置へ(またはその逆)の動きに依存することができ、特にこのことによって引き起こされることができる。状態表示器を、制御要素と直接接触させてもよく、特に制御要素に接続され、および/または特に制御要素上に載っていてもよい。
【0070】
表示装置が固定装置の1つだけの状態、またはいずれの場合も全てではない状態を表示する(インデックス付けする)場合、インデックス付き固定装置におけるロック位置の想定は、インデックスなし固定装置の当該ロック位置への移動が可能になった後、および/または行われた後にのみ行うように設けられてもよい。代替的に、または付加的に、インデックス付き固定装置におけるロック位置の表示が表示装置によって行われなくなった後にのみ、インデックス付き固定装置の解除位置への移動が行われるように設けられてもよい。
【0071】
更なる実施形態は従属請求項に示される。
【0072】
本発明は、実施形態の例を参照して以下に説明され、実施形態の例は、図を参照してより詳細に説明される。以下に示す:
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】本発明に係るチャイルドシートベースの概略図の斜位図
【
図2】第1の実例において
図1に係るチャイルドシートベースの概略内部図
【
図3】第1の状態において
図1に係るチャイルドシートベースの概略内部図
【
図5】
図1に係るチャイルドシートベースの断面における断面図
【
図7】
図1に係るチャイルドシートベースのためのシート要素の概略斜位図
【
図8】代替設計におけるいくつかの構成要素の非常に概略的な図
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下の図の説明において、同じ参照番号を、同一の部分および同一に作動する部分に使用する。
【0075】
図1は、チャイルドシートベース10を示し、チャイルドシートベース10は、複数(本実施形態の実施例において任意に4つ)の固定装置、すなわち複数(例えば、それぞれ2つ)の第1の固定装置11(
図5も参照)および第2の固定装置12(
図1において複数の第2の固定装置12のうちの1つのみ示されることができる)を備える。第1の固定装置11はフックを備える、または当該フックから形成される。第2の固定装置12はピンを備える(または当該ピンによって形成される)。したがって、第1の固定装置11は、シート要素100のロッド101と係合してもたらされることができる(
図7参照)。ピン12は、シート要素100の対応する凹部102(
図7も参照)と係合してもたらされることができる。
【0076】
ロッド101または凹部102を、他の固定装置(チャイルドシートベースの固定装置と相補的である)によって形成することもできる。例えば、ロッド101を、複数のロッドおよび/またはバーに置き換えることができる。凹部102を、例えば、ステップ、プロジェクション、および/またはアンダーカットによって形成することができる。
【0077】
特に好ましくは、第1の固定装置11は、シート要素における補完的な固定構造(例えば、ロッド)の周囲に、少なくとも部分的に、達するように設計される。第2の固定装置12は、シート要素における補完的なカウンター構造の周囲に達しないように設計されるのが好ましく、例えば、第2の固定装置12を対応する凹部にのみ挿入することができる。
【0078】
具体的には、チャイルドシートベース10は、1つ以上の(
図1に係る実施形態では2つ、
図2も参照)(特に細長い)凹部13を有することができ、凹部13を、例えば、1つ以上の対応する支持ベース14によって形成することができる。好ましくは、シート要素における補完的な固定構造(例えばロッドなど)を凹部13に配置する(arranged)、または位置する(positioned)ことができる。シート要素における固定装置(例えばバーなど)を、チャイルドシートベースにおける第1の固定装置(フック)11によって(特に、シート要素における固定装置を囲むことによって)保持することができる。第1の固定装置11は、次に、凹部13の領域に(少なくとも部分的に)配置される(少なくともロック位置で)。第1の固定装置11は、次に、制御装置15(制御要素)と作動的に接続され(
図3から
図6も参照)、制御装置15は、次に、接続装置(接続要素)16に接続される。
【0079】
実施形態に係る制御装置15は、中央部分17(横方向または左から右に延びる)、およびこの横方向部分から第1の接続装置11の方向に上向きに(例えば垂直に)延びる2つの部分18、19を有することができる。具体的には、固定装置は、少なくとも本質的にU字型を有することができる。
【0080】
具体的には、制御装置15を、当該(横方向に延びる)ベース部分17で接続装置16に(例えば中央に)接続することができる。
【0081】
次に、接続装置16は、好ましくは(少なくとも本質的に)Y字型(またはT字型)であり、具体的には、中央部分20、および中央部分20から分岐する2つのアーム21、22を有する。次に、アーム21、22の端部で、第2の固定装置(ピン)12が、好ましくは接続装置16の一体型コンポーネントとして位置される。
【0082】
具体的には、アームは少なくとも部分21、22で曲げることができるが、このことは必須ではない。
【0083】
接続装置16は、少なくとも部分において柔軟であると好ましく、特に少なくとも中央部分20における部分と少なくともアーム21、22の領域における部分との両方で柔軟である。このことにより、接続装置16の少なくとも実質的に並進移動中に、少なくとも中央部分20の部分と少なくともアーム21、22の領域の部分は、特に簡単な方法で(第2の固定装置12が一体型に接続されている場合でも)移動されてもよい(
図1に係る実施形態において、例えば、特にシート要素を解除するために内側に、または特にシート要素をチャイルドシートベースにロックするために外側に)。
【0084】
具体的には、接続装置16は、したがって、シート要素をロックする、または解除するという状況下において、一方では移動によって、および好ましくは部分的には変形によって(特にアーム21、22の湾曲部分の領域で)当該状態が変化するように構成されることができる。
【0085】
(それぞれの)第2の固定装置12および/またはシート要素100は、開始ベベル23を有することができ、好ましくは、シート要素100とベース10とを合わせると、(それぞれの)固定装置12は、ロック位置にある場合に一時的に押し戻されるような方法である(その後、組み立ての最後に、例えば、カチッとはまるようにロック位置に戻るようにする)。当該開始ベベル23(例えば、各ピンの上部)を、
図1に例示的に示すことができる。
【0086】
制御装置15は、次に軸(回転軸)24(例えば、
図3を参照)を中心に回転するように取り付けられることが好ましく、および(チャイルドシートベースに対して)純粋に並進的に移動できなくてもよい。制御装置15を、作動装置27の作動(例えば、手動)によって移動(特に、回転)することができ(
図2参照)、このことにより、例えば、シート要素をチャイルドシートベースから取り外すことができるようにロック位置を解除することができる。具体的には、作動装置27は、(軸を中心に)回転するように取り付けられ、および、例えばアーム28を介して制御装置15を駆動することができる。
【0087】
図3は、
図1に係るチャイルドシートベースを斜位断面図で示す。ここでは、固定装置11、12は、解除位置にある。
【0088】
図4は、固定装置11、12がロック位置にある状態に対応して示す。
【0089】
シート要素をロックするための機構を、以下でより詳細に説明する(特に
図5および
図6も参照)。
【0090】
図5は、第1の固定装置11が解除位置にあるチャイルドシートベースの部分を示す。
図6は、第1の固定装置がロック位置にある対応する部分を示す。第1の固定装置11を、凹部13と部分的に合わせ(例えば、突起、場合により湾曲した突起を形成することによって、
図5を参照)、したがって、チャイルドシートの補完固定装置(例えば、ロッド)が、凹部13に挿入された(挿入された)場合に、第1の固定装置11の対応する部分に当接し、したがって、軸30を中心に回転を引き起こすことができる(
図5を参照)。
【0091】
当該回転中、第1の固定装置11は、シート要素のロッド(図示されていないが、任意に)がロックされるロック位置(
図6参照)に対応して移動される。全ての第1の固定装置11が
図6に係る位置にある場合にのみ、接続装置15も軸24を中心に回転することができ(
図6に示されるように)、そのことは、制御装置15の対応する係合装置(係合要素または係合アーム)も回転させることができるという事実をもたらす。
【0092】
図6において、係合装置31は、それぞれの第1の固定装置11における第1のラッチ領域32に配置され、および
図5において第2のラッチ領域33に配置されている。第1のラッチ領域32は、係合装置31と一緒に、第1の固定装置11をロック位置(
図6に従う)にロックすることを可能にする。具体的には、固定装置11は、ロック位置では回転に対して(両方向において)ブロックされる。
図5に係る位置において、対応する第1の固定装置11は、ロック位置から更に回転することが阻止されるだけであるが、(既に説明されたように)ロック位置の方向に回転することができる。しかしながら、このことは通常、スプリング装置37によって阻止される。しかしながら、対応するスプリング力を克服することによって、ロック位置への回転を行うことができる。具体的には、スプリング装置37は解除位置の方向に作用し、その結果、対応する第1の固定装置は、制御装置15によってロックされていない場合、自動的に解除位置にもたらされる。具体的には、スプリング装置37は、引張ばねであることもできる(代替的に、せん断ばね、または部分的に押す、および部分的に引っ張るばねであることもできる)。
【0093】
実施形態に従って、制御装置15は、
図5に係る位置から
図6に係る位置へ自動的に移動される。このことは、接続装置16が1つ以上のバネ装置34(
図3参照)によって作用されることによって可能となり、バネ装置34は、好ましくは、第2の固定装置12がロック位置に促されるように、接続装置15の移動を支持する。特に好ましくは、バネ装置34は、第2の固定装置12上に、または少なくともその近辺に(例えば、5cm未満または2cm未満の距離に)配置される。第2の固定装置12の近辺における当該(バネ)駆動は、その後、引っ張り動作を介して簡単な方法で制御装置15に伝達されることができ、その結果、次に制御装置15を移動させる(例えば、回転させる)ことができる。代替的に、または付加的に、接続装置16の他の部分に配置される、および/または制御装置15に配置される対応するスプリング装置を設けることも考えられ、これにより、例えば、動作の押し込み伝達(例えば、制御装置15から接続装置16へ)も行うことが可能である。
【0094】
全体として、第1の固定装置11を、したがって、(当該重量力が好ましくはすでに十分である)シート要素を配置することによって簡単な方法で移動(回転)することができ、その後、制御装置15、したがって更に接続装置16の対応する解除を介して、第2固定装置も(自動的に)ロック位置へ移動することをもたらす。しかしながら、このことは、第1の固定装置(両方)がロック位置に移動される場合にのみ可能であり、これにより、操作エラーを簡単な方法で防止する。
【0095】
図2において、表示装置35も示すことができ、表示装置35は、例えば、2つの異なる表面部分(異なる色、例えば、一方が赤で他方が緑)を有し、および制御装置15の動きを少なくとも部分的に追跡し、したがって、表示装置35は、対応する動き(例えば、制御装置の回転)と共に移動する。結果として、表示装置の異なる部分(例えば、赤色部分または緑色部分)を、チャイルドシートシェルの窓36に適切に表示することができるので(
図1参照)、固定装置のロック位置が係合されているかどうかについて、使用者に表示されるようにする。
【0096】
図8は、4つの固定要素(12)を非常に概略的に示し、4つの固定要素(12)は、接続装置(16)を介して互いに接続される。固定要素を、接続要素と一体に、および/または好ましくはピンとして形成することができる。接続装置は、(おそらく射出成形された)プラスチックバンドであることができ、接続装置は、シェル本体上でガイドされることができ(示されていない)、および/またはスライド方式でシェル本体に接続されることができる(特に、接続装置は、スライド中に接続装置の形状を変化することができ、または場合によっては「角を囲むように」スライドすることができる)。
【0097】
プラスチックバンドは、例えば、少なくとも1つの円形、および/または好ましくは少なくとも1つの角張った、好ましくは四角形、さらに好ましくは長方形の断面(特に、検討中の各断面の位置における長手方向の延長および/または移動方向、特にスライド方向に対して垂直)を有することができる。
【0098】
さらに、作動装置(27)が示され、作動装置(27)を、接続装置と一体に形成する、または接続装置とは別個に形成することができる。(図において)作動装置は、接続装置を介して固定装置を上下方向に駆動するために、左右方向に移動可能であるように設けられてもよい。接続装置は、更に(または代替的に)、例えば、固定装置を、さらに外側に位置する当該ロック位置からさらに内側に位置する解除位置へ挿入すると、接続要素を介して作動装置に伝達されるような方法で、推力を伝達するのに適してもよい(または、当該適性を有さなくてもよく、および/または張力伝達用にのみ設計されてもよい)。
【0099】
現時点で、上述された全ての部分または機能は、特に図面に示されている詳細を、単独で、および任意の組み合わせで考えると、本発明に不可欠であると主張されることに留意すべきである。それらの変更は、当業者にはよく知られている。
【0100】
さらに、可能な限り広い保護範囲が求められることが指摘される。この点において、請求項に含まれる開示は、更なる特徴と共に記述される特徴によっても特定されることができる(これらの更なる特徴が必ずしも含まれていない場合でも)。丸括弧および用語「特に」は、それぞれの文脈における特徴の任意性を強調することを意図していることを明確に指摘する(逆に、当該同定なしに、対応する文脈において特徴が必須であると見なされることを意味しない)。
参照符号
10 チャイルドシートベース
11 第1の固定装置
12 第2の固定装置
13 凹部
14 支持装置(支持ベース)
15 制御装置(制御要素)
16 接続装置(接続要素)
17 ベース部分(中央部分)
18 部分
19 部分
20 中央部分
21 アーム
22 アーム
23 開始ベベル(bevel)
24 軸
27 作動装置
28 アーム
30 軸
31 係合装置
32 第1のラッチ領域
33 第2のラッチ領域
34 スプリング装置(スプリング)
37 スプリング装置(スプリング)
35 表示装置
36 窓
100 シート要素
101 固定装置(ロッド)
102 固定装置(凹部)
【国際調査報告】