IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特表2024-542711中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生物品
<>
  • 特表-中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生物品 図1
  • 特表-中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生物品 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241108BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20241108BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A24D1/20
A24B15/16
A24B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532560
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2022084390
(87)【国際公開番号】W WO2023104706
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21212574.4
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BB12
4B043BC03
4B043BC20
4B045AA50
4B045AB06
4B045AB16
(57)【要約】
エアロゾル発生物品(10)(110)は、長軸方向の気流チャネル(44)(144)を画成する多層周壁(42)を有する中空の管状基体要素(40)(140)を備えるエアロゾル発生基体(12)であって、周壁(42)が均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層で形成され、長軸方向の気流チャネル(44)(144)が少なくとも3ミリメートルの直径を有する、エアロゾル発生基体、ならびに当該エアロゾル発生基体(12)の下流に提供される下流セクション(14)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
長軸方向の気流チャネルを画成する多層周壁を有する中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生基体であって、前記周壁が均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層で形成され、前記長軸方向の気流チャネルが少なくとも3ミリメートルの直径を有する、エアロゾル発生基体と、
前記エアロゾル発生基体の下流に提供された下流セクションと、を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記中空の管状基体要素の前記周壁が、少なくとも0.3の断面空隙率を有する、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記周壁が、第一の均質化したたばこ材料の一つ以上の層と、前記第一の均質化したたばこ材料とは異なる組成を有する第二の均質化したたばこ材料の一つ以上の層と、を含む、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記第一の均質化したたばこ材料と前記第二の均質化したたばこ材料が、互いに異なる空隙率を有する、請求項3記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記均質化したたばこ材料の複数の層が、前記中空の管状基体要素の長軸方向軸の周りに螺旋状に巻かれる、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記中空の管状基体要素の周壁が、立方センチメートル当たり少なくとも200ミリグラムの密度を有する、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記中空の管状基体要素の周壁が、前記中空の管状基体要素の1センチメートル当たり少なくとも150ミリグラムの均質化したたばこ材料を提供する、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記エアロゾル発生物品が、サセプタ要素をさらに備える、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記中空の管状基体要素の少なくとも一つの表面の上に管状サセプタ要素を備える、請求項8記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記中空の管状基体要素の外表面が、前記エアロゾル発生物品の外表面上に少なくとも部分的に露出される、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記中空の管状基体要素が、少なくとも15ミリメートルの長さを有する、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記中空の管状基体要素の長さと前記物品の全長との比が、少なくとも0.15である、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記下流セクションが、少なくとも一つの中空の管状要素を備える、請求項1記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記中空の管状基体要素の長さと前記下流セクションの中空の管状要素の長さとの比が、0.25~1.25である、請求項13記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記下流セクションが、前記物品の下流端にマウスピース要素をさらに備える、請求項13記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するように適合される、エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼ではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当技術分野で周知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体又は材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体又は材料は熱源と接触して、又は熱源内に、又は熱源の周囲に、又は熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷却されるにつれて凝縮して、エアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書では、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置が開示される。このような装置としては、例えば、エアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。例えば、エアロゾル発生基体に挿入されるように適合される内部ヒーターブレードを備える、電気加熱式のエアロゾル発生装置が提案されている。エアロゾル発生物品を、外部加熱システムと組み合わせて使用することも公知である。例えば、国際出願第WO-A-2020/115151号には、エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生装置の空洞内に受容される場合、エアロゾル発生物品の周辺の周りに配置された、一つ以上の発熱体の提供が記載されている。代替として、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体内に配設されたサセプタと、を含む、誘導性発熱性エアロゾル発生物品は、国際出願第WO-A-2015/176898号によって提案されている。
【0004】
一般に、エアロゾル発生基体の効率的な加熱を、基体のロッド全体にわたって提供することは、困難であり得る。発熱体に最近の基体の部分が、必然的に最も効果的に加熱される一方、熱伝達が基体を通して不完全であれば、発熱体から最遠の基体の部分が、効果的に加熱されない場合があることを意味する。従って、効果的に加熱されない基体のこれらの部分からのエアロゾルの発生は、最適ではなく、一部の事例では、基体の部分は、使用中に、エアロゾルを発生させるための十分に高い温度に全く達しない場合がある。例えば、外部発熱体が、上述のように、エアロゾル発生基体のロッドを加熱するために使用される場合、エアロゾル発生基体のロッドの中央部分は、ロッドの外側部分ほど多くのエアロゾルを発生させる可能性が低く、一部の事例では、いかなるエアロゾルも発生させない場合がある。したがって、全体として、エアロゾル発生ロッドからのエアロゾルの発生は、非効率である可能性があり、エアロゾル発生基体の一部分が、潜在的に無駄になる。
【0005】
したがって、エアロゾル発生基体のより効率的なエアロゾル化を提供するように適合され、たばこなどの基体材料の無駄を低減する、エアロゾル発生基体を有するエアロゾル発生物品を提供することが望ましい。このような物品を、それが費用対効果の高い方法で製造され得、既存の製品設計に組み込まれ得るように、比較的単純な設計で提供することは、特に望ましいであろう。容易に適合され得るこのような物品を、それが誘導加熱装置及び抵抗加熱装置を含む様々な種類の加熱装置で加熱され得るように、提供することは、さらに望ましいことであろう。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、エアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生基体を備え得る。中空の管状基体要素は、長軸方向の気流チャネルを画成する多層周壁を有し得る。周壁は、均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層で形成され得る。長軸方向の気流チャネルは、少なくとも3ミリメートルの直径を有し得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流に設けられた下流セクションをさらに含み得る。
【0007】
本発明によれば、長軸方向の気流チャネルを画成する多層周壁を有する中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生基体であって、周壁が均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層で形成され、長軸方向の気流チャネルが少なくとも3ミリメートルの直径を有する、エアロゾル発生基体、ならびに当該エアロゾル発生基体の下流に提供される下流セクションを備える、エアロゾル発生物品が提供される。
【0008】
本明細書で使用する用語「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを生成するための加熱された物品を指し、物品は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、加熱又は燃焼されることが好適であってそのように意図されるエアロゾル発生基体を備える。このような物品は、非燃焼の加熱式物品と一般的に称される。従来の紙巻たばこは、ユーザーが炎を紙巻たばこの一方の端に当て、空気をもう一方の端を通って引き出す場合に着火される。炎及び紙巻たばこを通って引き出された空気中の酸素によって提供された局在化した熱により、紙巻たばこの端部が着火して、その結果生じる燃焼により、吸入可能な煙が発生する。これに反して、「加熱式エアロゾル発生物品」では、エアロゾルは、エアロゾル発生基体を燃焼によってではなく、エアロゾル発生基体を加熱することによって発生される。周知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば、電気加熱式のエアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素又は熱源から、物理的に分離されたエアロゾル発生基体への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品と、が挙げられる。
【0009】
また、エアロゾル形成体をエアロゾル発生物品に供給するエアロゾル発生システムで使用されるように適合されるエアロゾル発生物品も周知である。このようなシステムでは、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体は、動作中に、エアロゾルを形成するために使用される実質的にすべてのエアロゾル形成体を担持及び提供するエアロゾル発生基体に対して、実質的により少ないエアロゾル形成体を含有する。
【0010】
本明細書で使用する用語「エアロゾル発生基体」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物の加熱時に放出する能力を有する基体を指す。本明細書に記載のエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、可視又は不可視であり得、ベイパー(例えば、室温で通常は液体又は固体である物質が気体状態にあるその微粒子)ならびに凝縮されたベイパーの気体及び液体の液滴を含み得る。
【0011】
本明細書で使用する用語「均質化した植物材料」は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本発明のエアロゾル発生基体のための均質化されたたばこ材料のシート又はウェブは、植物材料及び任意選択的に、タバコ葉ラミナ及びタバコ葉茎のうちの一つ以上をすり潰す、粉砕する、又は細分することによって取得されたたばこ材料の粒子を凝集することによって形成され得る。均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、又は当業界で知られている他の任意の適切なプロセスによって生成されてもよい。
【0012】
上記で定義されるように、本発明は、中空の管状基体要素の形態である新規のエアロゾル発生基体を有するエアロゾル発生物品を提供する。中空の管状基体要素は、中空の管状基体要素の周壁を形成するように組み合わされた、均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層で形成される。中空管状基体の「周」壁は、管状構造を画成する主壁に対応する。好ましくは、中空の管状基体要素は、周壁のみから構成される。したがって、周壁は、エアロゾル発生基体の加熱に伴いエアロゾルを発生させる均質化したたばこ材料の全てを含有する。
【0013】
中空の管状基体要素の周壁は、長軸方向の気流チャネルを画成し、用語「長軸方向」は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に関する。長軸方向の気流チャネルは、少なくとも約3ミリメートルの直径を有する。長軸方向の気流チャネルは、中空の管状基体要素を通る空気及びエアロゾルの流れを潜在的に妨げ得るものがチャネル内に存在しないように、実質的に空であることが好ましい。特に、長軸方向の気流チャネルは、たばこ材料を実質的に含まない。
【0014】
管状形態のエアロゾル発生基体を提供することで、有利なことに、エアロゾル発生基体中のたばこ材料の量が最適化され得、その結果、エアロゾルは、加熱に伴いエアロゾル発生基体から効率的に発生され得る。さらに管状の形態により、特に、外部加熱手段を備えるエアロゾル発生装置において、外側部分ほど効果的に加熱されない可能性がある均質化したたばこ材料の中央部分が除去される。したがって、全体として、たばこ材料の量は、均質化したたばこ材料の従来の固体プラグと比較して、著しく低減され得、たばこ廃棄物を低減することができる。例えば、本発明に係るエアロゾル発生物品の中空の管状基体要素で使用されるたばこ材料の量が、従来のエアロゾル発生物品の基体の固体プラグで使用されるたばこ材料の量と比較して、最大40パーセント低減され得る一方、エアロゾルの消費者への同様の送達を保持できることが見出された。
【0015】
基体内に提供されるたばこ材料の量は、周壁の密度及び壁厚などの中空の管状基体要素のパラメータを制御することによって、容易に適合され得る。このようにして、中空の管状基体要素を、それが、関連付けられたエアロゾル発生装置の加熱ゾーンと一致するように、適合させることは可能である。したがって、エアロゾル発生に必要な温度に加熱され得るエアロゾル発生基体の割合は、エアロゾル発生基体からのエアロゾルの発生が最適化されるように、最大化される。
【0016】
中空の管状基体要素は、均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層によって形成される。均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層は、隣接する層が中間層なしで相互に直接接触するように、相互に直接重なることが好ましい。均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層は、有利なことに、隣接する層の間に複数の空隙を画定するように配設され得る。結果として、周壁は典型的に、多孔性構造を有する。以下でより詳細に説明するように、均質化したたばこ材料の隣接した層の間に画定される空隙は、エアロゾル発生基体の加熱に伴い発生されたエアロゾルが長軸方向の気流チャネル内に効果的に放出され、チャネルを通って外部空気と混合されて流れるように、横断方向及び長軸方向の両方の空隙率を有利に提供することができ、エアロゾルは、消費者による吸煙に伴い物品を通して引き込まれる。
【0017】
層の多層配設はさらに、長軸方向の気流チャネル内の担体層又は内部支持部材などのいかなる追加的な支持体を必要とせずに、エアロゾル発生物品内にエアロゾル発生基体を提供するのに十分な構造剛性を有する比較的高密度の構造を提供する。
【0018】
少なくとも約3ミリメートルの直径を有する長軸方向の気流チャネルが提供されることにより、また有利なことに、エアロゾル発生物品を通した気流管理のより大きな制御がもたらされる。
【0019】
中空の管状基体要素は、既存の装置を使用して、単純かつコスト効果の高い方法で製造され得る比較的単純な構造を有する。その後、中空の管状基体要素は、公知の組立方法及び装置を使用して、他の構成要素を有するエアロゾル発生物品に組み込まれ得る。
【0020】
有利なことに、望ましい場合、中空の管状基体要素は、外側ラッパーなしで、エアロゾル発生物品の中に直接組み込まれ得る。これは、エアロゾル発生基体の外表面に特徴的な外観及びテクスチャを提供する。
【0021】
上述のように、本発明に係るエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体を形成する中空の管状基体要素は、均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層で形成される。層は、多層構造を提供するために、横断方向に相互に重なる。
【0022】
中空の管状基体要素は、少なくとも約2つの均質化したたばこ材料の重なり合う層を含むことが好ましく、少なくとも約3つの均質化したたばこ材料の重なり合う層を含むことがより好ましい。
【0023】
中空の管状基体要素は、好ましくは、最大約10の均質化したたばこ材料の重なり合う層、より好ましくは、最大約5つの均質化したたばこ材料の重なり合う層を含む。例えば、中空の管状基体要素は、約2つ~約10の均質化したたばこ材料の重なり合う層、又は約3つ~約5つの均質化したたばこ材料の重なり合う層を含み得る。
【0024】
上述のように、中空の管状基体要素の周壁は、均質化したたばこ材料の重なり合う層間に形成された空隙の結果として、多孔性構造を有することが好ましい。周壁は、横断方向及び長軸方向の両方で多孔性であることが好ましい。
【0025】
中空の管状基体要素の周壁は、少なくとも約0.3の断面空隙率を有することが好ましく、少なくとも約0.35の断面空隙率を有することがより好ましく、少なくとも約0.4の断面空隙率を有することが最も好ましい。
【0026】
好ましくは、周壁は、最大約0.7、より好ましくは最大約0.65、最も好ましくは最大約0.6の断面空隙率を有する。
【0027】
例えば、周壁の断面空隙率は、約0.3~約0.7、又は約0.35~約0.65、又は約0.4~約0.6であり得る。
【0028】
本明細書で使用する用語「空隙率」は、通気性又は多孔性の本体内の空隙空間の割合を指す。具体的には、本発明の文脈において、用語「断面空隙率」は、中空の管状基体要素の周壁の断面積における空隙空間の割合を指す。断面空隙率は、周壁の横断断面積における空隙空間の面積率である。周壁の横断断面積は、中空の管状基体要素の長軸方向軸と直角をなす平面における周壁の面積である。
【0029】
周壁の断面空隙率により、エアロゾルは、長軸方向の気流チャネル内に、かつそれを通って引き込まれ得るように、周壁を通って横断方向に通過可能である。
【0030】
多孔性又は空気透過性の本体内の断面空隙率の測定に関するさらなる詳細は、本出願人名義での国際特許出願第WO-A-2016/023965号の刊行物に見出すことができる。
【0031】
有利なことに、横断断面空隙率は、デジタル画像処理プロセスを使用して決定され得る。中空管状基体の横断断面の画像を取得することができ、閾値を適用して、エアロゾル形成基体を表すピクセルを、空隙を表すピクセルと区別することができる。横断断面空隙率は、次の式に従い計算され:Po=Nvoid/Ntot。式中、Poは、横断断面の全体的な空隙率であり、Nvoidは、横断断面内の空隙を表すピクセル数であり、Ntotは、横断断面内の合計ピクセル数である。
【0032】
デジタル画像の取得は、適切な任意の方法により、例えば、デジタルカメラ又はコンピュータ断層撮影を使用することにより実施し得ることが注記される。画像は、適切な任意の画像形式で、完全RGB(赤・緑・青)色、グレースケール、又はバイナリー(白黒)で表現し得る。画像処理中の背景の検出及び除去を促進するために、任意の画像で背景は均一であることが好ましい。画像の解像度は、中空管状基体の形態を正確に解像するのに十分な高さでなければならない。
【0033】
好ましくは、中空の管状基体要素の周壁は、立方センチメートル当たり少なくとも約200ミリグラム、より好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも約300ミリグラム、より好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも約400ミリグラム、より好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも約500ミリグラム、より好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも約600ミリグラム、より好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも約700ミリグラム、より好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも約800ミリグラムの密度を有する。
【0034】
中空の管状基体要素の周壁は、立方センチメートル当たり約1グラム未満の密度を有することが好ましい。
【0035】
本発明の文脈では、「密度」は、個々の層の密度ではなく、重なり合う層を含む周壁のかさ密度を指す。周壁の比較的高い密度は、エアロゾル発生基体の所与の長さに対して提供され得るたばこ材料の量を最大化し、その結果、中空の管状基体要素から生成されるエアロゾルの量を最大化できる。
【0036】
好ましくは、周壁は、中空管状基体の長さ1センチメートル当たり少なくとも約150ミリグラムの均質化したたばこ材料、より好ましくは、長さ1センチメートル当たり少なくとも約200ミリグラムの均質化したたばこ材料、より好ましくは、長さ1センチメートル当たり少なくとも約300ミリグラムの均質化したたばこ材料、より好ましくは、長さ1センチメートル当たり少なくとも約400ミリグラムの均質化したたばこ材料、より好ましくは、長さ1センチメートル当たり少なくとも約500ミリグラムの均質化したたばこ材料、より好ましくは、長さ1センチメートル当たり少なくとも約600ミリグラムの均質化したたばこ材料、より好ましくは、長さ1センチメートル当たり少なくとも約700ミリグラムの均質化したたばこ材料、より好ましくは、長さ1センチメートル当たり少なくとも約800ミリグラムの均質化したたばこ材料を提供する。これは、摂氏22.5度、湿度60パーセントで測定された測定値に基づく。
【0037】
好ましくは、TAPPI試験方法T494 om-01 2006に従って測定される中空の管状基体要素の長軸方向の引張強度は、11kニュートン/メートル~14kニュートン/メートルである。
【0038】
好ましくは、ASTM D695-15(2018年)に記述される試験方法に従って測定される中空の管状基体要素の軸方向の圧縮強度は、7MPa~9MPaである。
【0039】
好ましくは、ASTM D2412-11(2018年)に記述される試験方法に従って測定される中空の管状基体要素の半径方向の圧縮強度は、7MPa~9MPaである。
【0040】
中空の管状基体要素は、好ましくは、少なくとも約10ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約12ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約15ミリメートルの長さを有する。
【0041】
中空の管状基体要素は、好ましくは、最大約40ミリメートル、より好ましくは、最大約37ミリメートル、より好ましくは、最大約35ミリメートルの長さを有する。
【0042】
例えば、中空の管状基体要素は、約10ミリメートル~約40ミリメートル、又は約12ミリメートル~約37ミリメートル、又は約15ミリメートル~約35ミリメートルの長さを有し得る。
【0043】
上述のように、中空の管状基体要素の長さは、有利なことに、エアロゾル発生物品を加熱するために使用される対応するエアロゾル発生装置内の発熱体の長軸方向の寸法と合致され得る。このようにして、生成され得るエアロゾルの量を最適化し、たばこ廃棄物の量を低減するために、エアロゾル発生基体を可能な限り多量に、使用中に加熱することができる。
【0044】
好ましくは、中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.15であり得る。より好ましくは、中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.25であり得る。より好ましくは、中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.4であり得る。
【0045】
好ましくは、中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、最大約0.6であり得る。より好ましくは、中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、最大約0.55であり得る。より好ましくは、中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、最大約0.5であり得る。
【0046】
例えば、中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との比は、約0.15~約0.6、より好ましくは、約0.25~約0.55、より好ましくは、約0.4~約0.5であり得る。
【0047】
好ましくは、中空の管状基体要素は、少なくとも約4ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約4.25ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約4.5ミリメートルの外径を有する。
【0048】
好ましくは、中空の管状基体要素は、最大約9ミリメートル、より好ましくは、最大約8ミリメートル、より好ましくは、最大約7.5ミリメートルの外径を有する。
【0049】
例えば、中空の管状基体要素は、約4ミリメートル~約9ミリメートル、又は約4.25ミリメートル~約8ミリメートル、又は約4.5ミリメートル~約7.5ミリメートルの外径を有してもよい。
【0050】
好ましくは、中空の管状基体要素の外径は、エアロゾル発生物品の外径と実質的に同一である。
【0051】
上述のように、中空の管状基体要素は、周壁によって画成される長軸方向の気流チャネルを提供する。長軸方向の気流チャネルは、中空の管状基体要素の両端の間に延び、好ましくは、上流端と下流端の両方で開放されている。開放された上流端は、消費者が物品を吸煙する時に、エアロゾル発生物品を通して空気を吸い込むための主空気吸込み口を提供する。長軸方向の気流チャネルは、したがって、空気及びエアロゾルの流れが物品を通るための主通路を提供する。
【0052】
好ましくは、中空の管状基体要素は、無制限の流れチャネルを提供する。これは、中空の管状基体要素が、無視できるレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供することを意味する。用語「無視できるレベルのRTD」は、中空の管状要素の長さ10ミリメートル当たり1mmH2O未満のRTD、好ましくは、中空の管状要素の長さ10ミリメートル当たり0.4mmH2O未満、より好ましくは、中空の管状要素の長さ10ミリメートル当たり0.1mmH2O未満のRTDを表すために使用される。
【0053】
長軸方向の気流チャネルは、少なくとも3ミリメートルの直径を有する。これは、中空の管状基体要素の内径に対応する。好ましくは、長軸方向の気流チャネルは、少なくとも約3.25ミリメートルの直径、より好ましくは、少なくとも約3.5ミリメートルの直径を有する。
【0054】
好ましくは、長軸方向の気流チャネルは、最大約7ミリメートルの直径、より好ましくは、最大約6ミリメートルの直径、より好ましくは、最大約5.5ミリメートルの直径を有する。
【0055】
例えば、長軸方向の気流チャネルは、約3ミリメートル~約7ミリメートル、又は約3.25ミリメートル~約6ミリメートル、又は約3.5ミリメートル~約5.5ミリメートルの直径を有してもよい。
【0056】
3ミリメートルの最小直径を有する気流チャネルを提供することで、チャネルの容量が、所望のレベルの気流を提供するのに十分に大きくなり得る一方で、十分な壁厚も保持可能になる。これは、中空の管状基体要素内に十分な量のたばこ材料が提供されるように、かつ中空の管状基体要素が自己支持性であり得るほど十分に高い剛性を有するような仕様のために必要である。
【0057】
長軸方向の気流チャネルは、中空の管状基体要素の長さに沿って一定の直径を有し得る。しかしながら、長軸方向の気流チャネルの直径は、中空の管状基体要素の長さに沿って変化し得る。
【0058】
長軸方向の気流チャネルは、実質的に円形の横断断面を有することが好ましい。あるいは、長軸方向の気流チャネルは、実質的に楕円形の横断断面を有し得る。
【0059】
好ましくは、中空の管状基体要素の内径と外径との比は、少なくとも約0.4、より好ましくは、少なくとも約0.45、より好ましくは、少なくとも約0.5である。
【0060】
好ましくは、中空の管状基体要素の外径及び長軸方向の気流チャネルの直径は、周壁に対して所望の壁厚を提供するように適合される。好ましくは、周壁は、少なくとも約1ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約1.25ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約1.5ミリメートルの壁厚を有する。
【0061】
好ましくは、周壁は、最大約2.25ミリメートル、より好ましくは、最大約2ミリメートル、より好ましくは、最大約1.8ミリメートルの壁厚を有する。
【0062】
例えば、周壁は、1ミリメートル~約2.25ミリメートル、又は約1.25ミリメートル~約2ミリメートル、又は約1.5ミリメートル~約1.8ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0063】
均質化したたばこ材料の重なり合う層は、周壁に対して所望の壁厚及び空隙率を提供するために、任意の好適な方法で配設され得る。均質化したたばこ材料の各層は、典型的に、中空の管状基体要素の周りに少なくとも一回延び、好ましくは、均質化したたばこ材料の各層は、中空の管状基体要素の周りに複数回延びて、周壁の構造を構築する。
【0064】
好ましくは、均質化したたばこ材料の複数の層は、中空の管状基体要素の長軸方向軸の周りに螺旋状に巻かれる。これにより、従来の紙ひもの層状構造に類似する螺旋状に巻かれた構造が提供される。本発明で使用するための層の螺旋状の配設を組み込む中空の管状基体要素は、Hauni Maschinenbau GmbH社製のHauni Straw Maker(HSM)などの既存のストロー作製装置を使用して、製造され得る。
【0065】
螺旋状に巻かれた構造を使用することで、中空の管状基体要素に対して最適な構造強度が提供され、単純な長軸方向の包装を有する類似の構造と比較して、機械的強度がすべての方向で増大する。さらに、螺旋状に巻かれた配設により、より高密度の均質化したたばこ材料が周壁で得られる。層の螺旋状の配設を作り出すために使用される製造方法は、外径及び内径の変動が最小限になるように、中空の管状基体要素の寸法に対するより大きな制御がさらに提供される。これにより、製品間のより高い一貫性が提供される。
【0066】
中空の管状基体要素は、任意選択で、隣接する層を相互に封止するための接着剤を含んでもよい。好適な接着剤は、当業者には公知であろう。好ましくは、接着剤は、水性接着剤、例えば、水性デンプン接着剤又はポリビニルアルコール(PVOH)接着剤である。
【0067】
本発明の特定の実施形態では、エアロゾル発生基体は、中空の管状基体要素の上流端を覆う封止要素を、中空の管状基体要素の上流端にさらに備え得る。こうした実施形態では、中空の管状基体要素の開放された上流端は、したがって封止要素によって覆われ、かつ封止され、その結果、空気は長軸方向の気流チャネル内に引き込まれない。封止要素は、したがって、中空の管状基体要素の上流端を開放して長軸方向の気流チャネルに空気を入れるために、使用前に除去又はそれを貫通することができるように適合される必要がある。
【0068】
均質化したたばこ材料の重なり合う層で形成される中空の管状基体要素の周壁は、好ましくは、中空の管状基体要素の外表面上に少なくとも部分的に露出される。中空の管状基体要素は、したがって、その長さの少なくとも一部に沿って包まれていないことが好ましい。周壁の外表面は、エアロゾル発生物品の外部を形成するために、許容可能な表面を提供するべきであり、層状構造は、特徴的な外観及びテクスチャを提供し得る。
【0069】
あるいは、中空の管状基体要素は、少なくとも一つのラッパーで覆われ得る。例えば、中空の管状基体要素は、従来の紙ラッパーで覆われ得る。中空の管状基体要素は、たばこ紙ラッパーなどのたばこ含有ラッパーで覆われ得る。
【0070】
中空の管状基体要素は、均質化したたばこ材料の複数の層で形成され、これは、シート形態であることが好ましい。本発明に関して本明細書で使用する用語「シート」は、その厚さよりもかなり大きい幅及び長さを有する薄層状の要素を表す。
【0071】
シートは、各々個別に、100マイクロメートル~600マイクロメートル、好ましくは、150マイクロメートル~300マイクロメートル、最も好ましくは、200マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さを有し得る。
【0072】
均質化したたばこ材料は、たばこ粒子を含む。本発明で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準で、少なくとも約40重量パーセント、より好ましくは、乾燥重量基準で、少なくとも約50重量パーセント、より好ましくは、乾燥重量基準で、少なくとも約70重量パーセント、最も好ましくは、乾燥重量基準で、少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有する。
【0073】
本発明に関して、用語「たばこ粒子」は、Nicotiana種の任意の植物の構成要素の粒子を指す。用語「たばこ粒子」は、たばこの処理、取り扱い、及び発送中に形成された粉砕又は粉末のたばこ葉ラミナ、粉砕又は粉末のたばこ葉茎、たばこダスト、たばこの微粉、及びその他の粒子状たばこ副生成物を包含する。好ましい実施形態では、たばこ粒子は、実質的にすべてがたばこ葉ラミナに由来する。対照的に、単離ニコチン及びニコチン塩は、たばこに由来する化合物であるが、本発明の目的上、たばこ粒子とは見なされず、粒子状植物材料の割合には含まれない。
【0074】
均質化したたばこ材料は、一つ以上のエアロゾル形成体を更に含み得る。揮発に伴い、エアロゾル形成体は、エアロゾル中のニコチン及び風味剤などの、加熱時にエアロゾル発生基体から放出される他の気化した化合物を搬送することができる。均質化された植物材料に含めるのに好適なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール及びグリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-又はトリアセテート)、及びモノ-、ジ-又はポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸及びテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0075】
均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセント(乾燥重量基準で約10重量パーセント~約25重量パーセント、又は乾燥重量基準で約15重量パーセント~約20重量パーセントなど)のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成体は、均質化したたばこ材料中で湿潤剤として作用してもよい。
【0076】
中空の管状基体要素の周壁を形成する二つ以上の均質化したたばこ材料の重なり合う層は、すべて同一の均質化したたばこ材料で形成され得る。あるいは、周壁は、第一の均質化したたばこ材料の一つ以上の層と、第一の均質化したたばこ材料とは異なる一つ以上の第二の均質化したたばこ材料の一つ以上の層と、を含む。周壁は、したがって、少なくとも二つの異なる均質化したたばこ材料の組み合わせから形成される。第一の均質化したたばこ材料及び第二の均質化したたばこ材料は、組成が互いに異なり得る。例えば、第一及び第二の均質化したたばこ材料は、相互に異なるたばこ含有量、又は異なるエアロゾル形成体含有量、又はその両方を有し得る。代替的は、又は追加的に、第一及び第二の均質化したたばこ材料は、風味プロファイルを提供するために、異なるレベルの風味剤が提供され得る。代替的は、又は追加的に、第一の均質化したたばこ材料及び第二の均質化したたばこ材料は、密度、空隙率、又は厚さを含むがこれに限定されない、一つ以上の物理的パラメータが互いに異なり得る。
【0077】
中空の管状基体要素内で異なる均質化したたばこ材料を使用することにより、加熱に伴うエアロゾルの送達に対するより大きな柔軟性がもたらされる。例えば、第一及び第二の均質化したたばこ材料の組成は、異なる時間又は異なる速度で、エアロゾルの送達を提供するように適合され得る。異なる均質化したたばこ材料を使用することでまた、例えば、潜在的に不適合な構成要素の組み合わせを回避することによって、改善された安定性が提供され得る。
【0078】
好ましくは、均質化したたばこ材料の複数の層は、キャストリーフの一つ以上のシートを含む。
【0079】
好ましくは、キャストリーフは、摂氏25度で約20~約60パーセント、より好ましくは、約30パーセント~約50パーセント、より好ましくは、約35パーセント~約45パーセントの空隙率を有する。
【0080】
キャストリーフの一つ以上のシートに対して代替的、又は追加的に、均質化したたばこ材料の複数の層は、一つ以上の層のシガリロ紙を含み得る。
【0081】
好ましくは、シガリロ紙は、摂氏25度で約30パーセント~約80パーセント、より好ましくは、約40パーセント~約70パーセント、より好ましくは、約50パーセント~約60パーセントの空隙率を有する。
【0082】
周壁は、キャストリーフとシガリロ紙の交互の層で形成され得る。
【0083】
本発明に係るエアロゾル発生物品の中空の管状基体要素は、好ましくは、使用中、均質化した植物材料の誘導加熱のために、周壁に接触して位置する一つ以上のサセプタ要素を備える。
【0084】
本明細書で使用される「サセプタ要素」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を含む要素を指す。サセプタ要素が交流電磁場内に位置しているときに、サセプタは加熱される。サセプタ要素の加熱は、サセプタ材料の電気的特性及び磁性に依存して、サセプタ内で誘発されるヒステリシス損失及び渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。
【0085】
サセプタ要素は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に受容される場合、インダクタコイルによって発生した振動電磁場がサセプタ要素内に電流を誘発し、サセプタ要素を加熱するように、配設され得る。これらの実施形態では、エアロゾル発生装置は、1~5キロアンペア/メートル(kA/m)、好ましくは、2~3kA/m、例えば、約2.5kA/mの磁界強度(H場の強度)を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、1~30MHz、例えば、1~10MHz、例えば、5~7MHzの周波数を有する変動電磁場を発生する能力を有することが好ましい。
【0086】
サセプタ要素は、任意の好適な材料を含み得る。サセプタ要素は、エアロゾル発生基体から揮発性化合物を放出するのに十分な温度に誘導加熱され得る任意の材料から形成され得る。細長いサセプタ要素に好適な材料には、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、及び金属材料の複合体が含まれる。いくつかのサセプタ要素は、金属又は炭素を含む。有利なことに、サセプタ要素は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼又はステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、及びフェライトなどの強磁性材料を含む、又はその強磁性材料からなり得る。適切なサセプタ要素はアルミニウムであるか、又はアルミニウムを含み得る。サセプタ要素は好ましくは、約5パーセント超、好ましくは約20パーセント超、より好ましくは約50パーセント超若しくは約90パーセント超の強磁性材料又は常磁性材料を含む。いくつかの細長いサセプタ要素は、摂氏約250度を超える温度に加熱され得る。
【0087】
サセプタ要素は、非金属コア上に配列された金属層を有する非金属コアを備え得る。例えば、サセプタ要素は、セラミックコア又は基体の外表面上に形成された金属トラックを含み得る。
【0088】
中空の管状基体要素は、周壁の表面上に一つ以上のサセプタ要素を備えることが好ましい。中空の管状基体要素は、長軸方向の気流チャネル内の周壁の内面上に一つ以上のサセプタ要素を備え得る。あるいは、又は追加的に、中空の管状基体要素は、周壁の外表面上に一つ以上のサセプタ要素を備えてもよい。
【0089】
中空の管状基体要素は、周壁の少なくとも一つの表面の上に設置された管状サセプタ要素を備えることが好ましい。管状サセプタ要素は、中空の管状基体要素を内部から加熱するために、周壁の内表面の上に設置され得る。あるいは、管状サセプタ要素は、中空の管状基体要素を外部から加熱するために、中空の管状基体要素の外表面上に設置され得る。
【0090】
管状サセプタ要素を使用することにより、有利なことに、サセプタ要素が均質化したたばこ材料の比較的大きな表面積に接触するため、周壁内の均質化したたばこ材料の加熱が最適化される。中空の管状基体要素の管状形態に起因して、基体の厚さは、比較的小さく、その結果、管状サセプタ要素が位置する側から周壁を通って効率的に熱を伝達することができる。
【0091】
上記で定義されるように、本発明のエアロゾル発生物品では、中空の管状基体要素で形成されたエアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の下流に位置する下流セクションと組み合わされる。下流セクションは、エアロゾル発生基体のすぐ下流に位置することが好ましい。エアロゾル発生物品の下流セクションは、好ましくは、エアロゾル発生基体とエアロゾル発生物品の下流端との間に延びる。下流セクションは、一つ以上の要素を備え得、その各々は、本開示内でより詳細に記述される。
【0092】
下流セクションは、少なくとも一つの中空の管状要素を備えることが好ましい。中空の管状要素は、エアロゾル発生基体のすぐ下流に設置され得る。言い換えれば、中空の管状要素は、エアロゾル発生基体の下流端に当接し得る。この配設により、中空の管状基体要素の長軸方向の気流チャネルから下流セクション内に、及びエアロゾル発生物品を通るエアロゾルの流れが最適化される。
【0093】
エアロゾル発生物品の下流セクションは、単一の中空の管状要素を備えることが好ましい。言い換えれば、エアロゾル発生物品の下流セクションは、一つの中空の管状要素のみを備え得る。
【0094】
本開示を通して使用する用語「中空の管状要素」は、一般的に、その長軸方向軸に沿った内腔又は気流通路を画定する細長い要素を意味する。特に、用語「管状」は、以下において、実質的に円筒形の断面を有し、かつ管状要素の上流端と管状要素の下流端との間に途切れることのない流体連通を確立する少なくとも一つの気流導管を画定する、管状要素に関して使用される。しかし、当然のことながら、管状要素の代替の形状(例えば、代替の断面形状)が可能である場合がある。中空の管状要素は、定義された長さ及び厚さを有する、エアロゾル発生物品の個々の別個の要素であり得る。
【0095】
本発明の文脈において、下流セクションの中空の管状要素は、気流通路を通る無制限の流れチャネルを提供する。これは、中空の管状要素が、上記で定義するように、無視できるレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供することを意味する。したがって、気流通路は、長軸方向の空気の流れを妨害するであろういかなる構成要素も含むべきではない。好ましくは、気流通路は、実質的に空である。
【0096】
下流セクションの中空の管状要素は、エアロゾル発生基体の下流に空の空洞を提供し、これにより、エアロゾル発生基体によって発生されたエアロゾル粒子の冷却及び核形成が改善される。したがって、下流セクションの中空の管状要素は、エアロゾル冷却要素として機能する。
【0097】
中空の管状要素の長さは、少なくとも約12mmであり得る。中空の管状要素の長さは、少なくとも約15mmであり得る。中空の管状要素の長さは、少なくとも約20mmであり得る。
【0098】
下流セクションの中空の管状要素の長さは、約50mm以下であり得る。中空の管状要素の長さは、約45mm以下であり得る。中空の管状要素の長さは、約40mm以下であり得る。
【0099】
例えば、下流セクションの中空の管状要素の長さは、約12mm~50mmであり得る。中空の管状要素の長さは、約15mm~45mmであり得る。中空の管状要素の長さは、約20mm~約40mmであり得る。中空の管状要素の長さは、約30mmであり得る。
【0100】
比較的長い中空の管状要素は、エアロゾル発生物品の下流セクション内で、比較的長い内部空洞を提供し、画定する。比較的長い空洞を提供することで、上述の核形成の利点が最大化され、それによって、エアロゾル形成及び冷却を改善する。
【0101】
中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比は、約1.25以下であってもよい。好ましくは、中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比は、約1以下であってもよい。より好ましくは、中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比は、約0.75以下であってもよい。
【0102】
中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.25であってもよい。好ましくは、中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.30であってもよい。より好ましくは、中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.40であってもよい。
【0103】
例えば、中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比は、約0.25~約1.25、又は約0.3~約1、又は約0.4~約0.75であってもよい。
【0104】
下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比は、約1以下であってもよい。好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比は、約0.90以下であってもよい。より好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比は、約0.85以下であってもよい。
【0105】
下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比は、少なくとも約0.35であってもよい。好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比は、少なくとも約0.45であってもよい。より好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比は、少なくとも約0.50であってもよい。
【0106】
例えば、下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比は、約0.35~約1、又は約0.45~約0.9、又は約0.5~約0.85であってもよい。
【0107】
下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.80以下であってもよい。好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.70以下であってもよい。より好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.60以下であってもよい。
【0108】
下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.25であってもよい。好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.30であってもよい。より好ましくは、下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.40であってもよい。
【0109】
例えば、下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.25~約0.8、又は約0.3~約0.7、又は約0.4~約0.6であってもよい。
【0110】
下流セクションの中空の管状要素の壁厚は、少なくとも約100マイクロメートルであってもよい。下流セクションの中空の管状要素の壁厚は、少なくとも約150マイクロメートルであってもよい。下流セクションの中空の管状要素の壁厚は、少なくとも約200マイクロメートル、好ましくは、少なくとも約250マイクロメートル、さらにより好ましくは、少なくとも約500マイクロメートル(又は0.5mm)であってもよい。
【0111】
下流セクションの中空の管状要素の壁厚は、約2ミリメートル以下、好ましくは、約1.5ミリメートル以下、さらにより好ましくは、約1.25mm以下であってもよい。下流セクションの中空の管状要素の壁厚は、約1ミリメートル以下であってもよい。下流セクションの中空の管状要素の壁厚は、約500マイクロメートル以下であってもよい。
【0112】
下流セクションの中空の管状要素の壁厚は、約100マイクロメートル~約2ミリメートル、好ましくは、約150マイクロメートル~約1.5ミリメートル、さらにより好ましくは、約200マイクロメートル~約1.25ミリメートルであり得る。
【0113】
下流セクションの中空の管状要素の壁厚を比較的小さく保つことで、中空の管状要素の全体的な内部容量(これは、エアロゾル構成要素がエアロゾル発生基体を離れるとすぐにエアロゾルが核形成プロセスを開始するために利用可能であるようにされる)と、中空の管状要素の長軸方向の気流チャネルの断面表面積とが効果的に最大化されていることが確実になる一方で、同時に、中空の管状要素が、エアロゾル発生物品の崩壊を防止するためだけでなく、エアロゾル発生基体のロッドに対してある程度の支持を提供するために必要な構造的強度を有すること、及び中空の管状要素のRTDが最小化されることが確実になる。中空の管状要素の空洞の断面表面積のより大きい値は、エアロゾル発生物品に沿って進むエアロゾルの流れの低減した速さと関連付けられると理解され、これは、エアロゾルの核形成にも好都合であると予想される。さらに、比較的小さい厚さを有する中空の管状要素を利用することによって、通気空気がエアロゾルの流れに接触し、かつ混合する前に、通気空気の拡散を実質的に防止可能であると思われ得、これはまた、核形成現象にさらに好都合であると理解される。実際に、揮発した種の流れのより制御可能に局在化された冷却を提供することによって、新しいエアロゾル粒子の形成に対する冷却効果を高めることが可能である。
【0114】
下流セクションの中空の管状要素は、エアロゾル発生基体の外径及びエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0115】
中空の管状要素は、5ミリメートル~12ミリメートル、例えば、5ミリメートル~10ミリメートル、又は6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましくは、中空の管状要素は、7.2ミリメートル±10パーセントの外径を有する。
【0116】
下流セクションの中空の管状要素は、中空の管状要素の長さに沿って一定の内径を有し得る。しかしながら、中空の管状要素の内径は、中空の管状要素の長さに沿って変化し得る。
【0117】
下流セクションの中空の管状要素は、少なくとも約2ミリメートルの内径を有してもよい。例えば、中空の管状要素は、少なくとも約2.5ミリメートル、少なくとも約3ミリメートル、又は少なくとも約3.5ミリメートルの内径を有してもよい。上記に提示した通りの内径を有する中空の管状要素を設置することで、有利なことに、中空の管状要素に十分な剛直さ及び強度が提供され得る。
【0118】
下流セクションの中空の管状要素は、約10ミリメートル以下の内径を有し得る。例えば、中空の管状要素は、約9ミリメートル以下、約8ミリメートル以下、又は約7.5ミリメートル以下の内径を有し得る。上記に提示した通りの内径を有する中空の管状要素の提供は有利なことに、中空の管状要素の引き出し抵抗を低減する場合がある。
【0119】
例えば、下流セクションの中空の管状要素は、約2ミリメートル~約10ミリメートル、約2.5ミリメートル~約9ミリメートル、約3ミリメートル~約8ミリメートル、又は3.5ミリメートル~約7.5ミリメートルの内径を有し得る。
【0120】
中空の管状基体要素の内径と下流セクションの中空の管状要素の内径との比は、好ましくは約0.8~約1.2、より好ましくは約0.9~約1.1、最も好ましくは約1である。
【0121】
特に好ましくは、中空の管状基体要素の内径は、下流セクションの中空の管状要素の内径と実質的に等しい。
【0122】
下流セクションの中空の管状要素は、紙系の材料を含み得る。中空の管状要素は、少なくとも一つの紙の層を含み得る。紙は、非常に硬質な紙であり得る。紙は、捲縮耐熱紙又は捲縮硫酸紙などの捲縮した紙であり得る。
【0123】
好ましくは、中空の管状要素は厚紙を含み得る。中空の管状要素は、厚紙の管であり得る。中空の管状要素は厚紙から形成され得る。有利には、厚紙は、エアロゾル発生装置の中への物品の挿入の容易さを提供するために変形可能であることと、装置の内部との物品の適切な係合を提供するために十分に堅いこととの間のバランスを提供する、コスト効果の高い材料である。したがって、厚紙の管は、使用中に、変形又は圧縮に対して好適な抵抗を提供し得る。
【0124】
中空の管状要素は、紙管であり得る。中空の管状要素は、螺旋状に巻かれた紙から形成された管であり得る。中空の管状要素は、複数の紙の層から形成され得る。紙は、約50グラム毎平方メートル、少なくとも約60グラム毎平方メートル、少なくとも約70グラム毎平方メートル、又は少なくとも約90グラム毎平方メートルの坪量を有し得る。
【0125】
下流セクションの中空の管状要素は、高分子材料を含み得る。例えば、中空の管状要素は、高分子フィルムを含み得る。高分子フィルムは、セルロースフィルムを含み得る。中空の管状要素は、低密度ポリエチレン(LDPE)又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維を含み得る。中空管は、セルロースアセテートトウを含み得る。
【0126】
中空の管状要素がセルロースアセテートトウを含む場合、セルロースアセテートトウは、フィラメント当たり約2~約4のデニール、及びフィラメント当たり約25~約40の総デニールを有し得る。
【0127】
一部の実施形態において、本発明によるエアロゾル発生物品は、下流セクションに沿った場所にて通気ゾーンを含み得る。より詳細に、下流セクションが中空の管状要素を備えるそれらの実施形態では、通気ゾーンは、中空の管状要素に沿った位置に提供され得る。
【0128】
したがって、通気された空洞は、エアロゾル発生基体のロッドの下流に設置される。これにより、エアロゾルの特に効率的な冷却が提供され、エアロゾル粒子の核生成の改善が促進される。
【0129】
通気ゾーンは、典型的に、中空の管状要素の周壁を通る複数の穿孔を含み得る。通気ゾーンは、少なくとも一つの円周方向の列の穿孔を含むことが好ましい。一部の実施形態において、通気ゾーンは、二つの円周方向の列の穿孔を含み得る。例えば、穿孔は、エアロゾル発生物品の製造中に、オンラインで形成され得る。好ましくは、各周方向列の穿孔は、8~30個の穿孔を含む。
【0130】
下流セクションは、マウスピース要素をさらに備え得る。マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の下流端に位置し得る。マウスピース要素は、好ましくは、上述されている、下流セクションの中空の管状要素の下流に位置する。マウスピース要素は、下流セクションの中空の管状要素とエアロゾル発生物品の下流端との間に延び得る。
【0131】
本発明によるエアロゾル発生物品の下流端にマウスピース要素を設けることにより、消費者にとって魅力的な外観及び口当たりがもたらされる。
【0132】
マウスピース要素は、繊維質の濾過材料で形成された少なくとも一つのマウスピースフィルターセグメントを備え得る。マウスピース要素全体に関して記述されたパラメータ又は特性は、マウスピース要素のマウスピースフィルターセグメントに等しく適用され得る。
【0133】
繊維質の濾過材料は、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルを濾過するためのものであり得る。好適な繊維質の濾過材料は、当業者に公知であろう。特に好ましくは、少なくとも一つのマウスピースフィルターセグメントは、セルロースアセテートトウから形成されるセルロースアセテートフィルタセグメントを含む。
【0134】
マウスピース要素は、単一のマウスピースフィルターセグメントから構成され得る。マウスピース要素は、相互に端と端とを接する関係で当接して軸方向に整列した二つ以上のマウスピースフィルターセグメントを含み得る。
【0135】
下流セクションは、上述の通りのマウスピース要素の下流の下流端に口側端空洞を備え得る。口側端空洞は、マウスピース要素の下流端において提供される更なる中空の管状要素によって画成され得る。口側端空洞は、エアロゾル発生物品の外側ラッパーによって画成され得、外側ラッパーは、マウスピース要素から(又はマウスピース要素を通り過ぎて)下流方向に延びる。
【0136】
マウスピース要素は、任意の好適な形態で提供され得る風味剤を任意選択的に含み得る。例えば、マウスピース要素は、風味剤の一つ以上のカプセル、ビーズ、もしくは顆粒、又は風味を装填した一つ以上のスレッドもしくはフィラメントを備え得る。
【0137】
好ましくは、マウスピース要素、又はそのマウスピースフィルターセグメントは、低い粒子濾過効率を有する。
【0138】
好ましくは、マウスピース要素は、プラグラップによって囲まれている。好ましくは、マウスピース要素は、空気がマウスピース要素に沿ってエアロゾル発生物品に入らないように通気されない。
【0139】
マウスピース要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。マウスピース要素(又はマウスピースフィルタセグメント)の直径は、中空の管状要素の外径と実質的に同じであり得る。本開示で述べられている通り、中空の管状要素の外径は、約7.2mmプラス又はマイナス10パーセントであり得る。
【0140】
マウスピース要素の直径は、約5mm~約10mmであり得る。マウスピース要素の直径は、約6mm~約8mmであり得る。マウスピース要素の直径は、約7mm~約8mmであり得る。マウスピース要素の直径は、約7.2mm±10パーセントであり得る。マウスピース要素の直径は、約7.25mm±10パーセントであり得る。
【0141】
別途指定のない限り、構成要素又はエアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)は、ISO6565-2015に従って測定される。RTDは、構成要素の全長を通して空気を強制するのに必要な圧力を指す。構成要素又は物品の「圧力降下」又は「引き出し抵抗(draw resistance)」という用語もまた、「引き出し抵抗(resistance to draw)」を指し得る。こうした用語は概して、ISO 6565-2015に従った測定が、摂氏約22度の温度、約101kPa(約760Torr)の圧力、及び約60%の相対湿度で、測定された構成要素の出力又は下流端にて約17.5ミリリットル毎秒の体積流量の試験下で正常に実行されることを指す。
【0142】
下流セクションの引き出し抵抗(RTD)は、少なくとも約0mmH2Oであり得る。下流セクションのRTDは、少なくとも約3mmH2Oであり得る。下流セクションのRTDは、少なくとも約6mmH2Oであり得る。
【0143】
下流セクションのRTDは、約12mmH2O以下であり得る。下流セクションのRTDは、約11mmH2O以下であり得る。下流セクションのRTDは、約10mmH2O以下であり得る。
【0144】
下流セクションの引き出し抵抗は、約0mmH2O以上、約12mmH2O未満であり得る。好ましくは、下流セクションの引き出し抵抗は、約3mmH2O以上、約12mmH2O未満であり得る。下流セクションの引き出し抵抗は、約0mmH2O以上、約11mmH2O未満であり得る。さらにより好ましくは、下流セクションの引き出し抵抗は、約3mmH2O以上、約11mmH2O未満であり得る。さらにより好ましくは、下流セクションの引き出し抵抗は、約6mmH2O以上、約10mmH2O未満であり得る。好ましくは、下流セクションの引き出し抵抗は、約8mmH2Oであり得る。
【0145】
下流セクションの引き出し抵抗(RTD)特性は、その全部又は大部分が、下流セクションのマウスピース要素のRTD特性に起因する場合がある。言い換えれば、下流セクションのマウスピース要素のRTDは、下流セクションのRTDを完全に規定する場合がある。
【0146】
マウスピース要素の引き出し抵抗(RTD)は、少なくとも約0mmH2Oであり得る。マウスピース要素のRTDは、少なくとも約3mmH2Oであり得る。マウスピース要素のRTDは、少なくとも約6mmH2Oであり得る。
【0147】
マウスピース要素のRTDは、約12mmH2O以下であり得る。マウスピース要素のRTDは、約11mmH2O以下であり得る。マウスピース要素のRTDは、約10mmH2O以下であり得る。
【0148】
マウスピース要素の引き出し抵抗は、約0mmH2O以上、約12mmH2O未満であり得る。好ましくは、マウスピース要素の引き出し抵抗は、約3mmH2O以上、約12mmH2O未満であり得る。マウスピース要素の引き出し抵抗は、約0mmH2O以上、約11mmH2O未満であり得る。さらにより好ましくは、マウスピース要素の引き出し抵抗は、約3mmH2O以上、約11mmH2O未満であり得る。さらにより好ましくは、マウスピース要素の引き出し抵抗は、約6mmH2O以上、約10mmH2O未満であり得る。好ましくは、マウスピース要素の引き出し抵抗は、約8mmH2Oであり得る。
【0149】
上述の通り、マウスピース要素又はマウスピースフィルターセグメントは、繊維質材料で形成され得る。マウスピース要素は、多孔性材料で形成され得る。マウスピース要素は、生分解性材料で形成され得る。マウスピース要素は、セルロースアセテートなどのセルロース材料で形成され得る。例えば、マウスピース要素は、約10~約15デニール/フィラメントを有するセルロースアセテート繊維の束から形成され得る。例えば、マウスピース要素は、フィラメント当たり約12デニールの繊維を含むセルロースアセテートトウなどの比較的に低密度のセルロースアセテートトウから形成されている。
【0150】
マウスピース要素は、ポリ乳酸系材料で形成され得る。マウスピース要素は、バイオプラスチック材料、好ましくは、デンプン系バイオプラスチック材料で形成され得る。マウスピース要素は、射出成形又は押出成形によって作製され得る。バイオプラスチック系材料は、適切なRTD特性を提供する、マウスピース要素の材料を通って延びる複数の比較的に大きい気流チャネルを備え得る、特定の、かつ複雑な断面プロファイルを有して製造するために、単純かつ安価なマウスピース要素の構造を提供することができるので、有利である。
【0151】
マウスピース要素は、複数の長軸方向に延びるチャネルを画成する要素へと捲縮され、ひだを付けられ、集合され、織られ、又は折り畳まれた適切な材料のシートから形成され得る。好適な材料のこうしたシートは、紙、厚紙、ポリ乳酸などのポリマー、又は任意の他のセルロース系、紙系材料もしくはバイオプラスチック系材料で形成され得る。こうしたマウスピース要素の断面プロファイルは、ランダムに向けられたチャネルを示す場合がある。
【0152】
マウスピース要素は、任意の他の適切な様式で形成され得る。例えば、マウスピース要素は、長軸方向に延びる管の束から形成され得る。長軸方向に延びる管は、ポリ乳酸から形成され得る。マウスピース要素は、好適な材料の押出成形、型成形、積層、射出成形、又はシュレッディングによって形成され得る。それ故に、マウスピース要素の上流端からマウスピース要素の下流端に至っては圧力降下(又はRTD)が低いことが好ましい。
【0153】
マウスピース要素の長さは、少なくとも約1.5mmであり得る。マウスピース要素の長さは、少なくとも約2mmであり得る。マウスピース要素の長さは、約7mm以下であり得る。マウスピース要素の長さは、約4mm以下であり得る。例えば、マウスピース要素の長さは、約1.5mm~約7mmであり得る。マウスピース要素の長さは、約2mm~約4mmであり得る。
【0154】
マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比は、約0.35以下であり得る。好ましくは、マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比は、約0.30以下であり得る。より好ましくは、マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比は、約0.25以下であり得る。
【0155】
マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比は、少なくとも約0.03であり得る。好ましくは、マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比は、少なくとも約0.05であり得る。より好ましくは、マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比は、少なくとも約0.1であり得る。
【0156】
例えば、マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比は、約0.03~約0.35、好ましくは、約0.05~約0.30、より好ましくは、約0.1~約0.25である。
【0157】
マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.20以下であり得る。好ましくは、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.15以下であり得る。より好ましくは、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.1以下であり得る。
【0158】
マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.01であり得る。好ましくは、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.02であり得る。より好ましくは、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.05であり得る。
【0159】
例えば、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.01~約0.2、好ましくは、約0.02~約0.15、より好ましくは、約0.05~約0.1である。
【0160】
下流セクションが中空の管状要素及びマウスピース要素を備える実施形態では、中空の管状要素の長さとマウスピース要素の長さとの比は、少なくとも約1.5であり得る。言い換えれば、中空の管状要素の長さは、マウスピースの長さの少なくとも約150%であり得る。中空の管状要素の長さとマウスピース要素の長さとの比は、少なくとも約5であり得る。中空の管状要素の長さとマウスピース要素の長さとの比は、少なくとも約7.5であり得る。
【0161】
中空の管状要素の長さとマウスピース要素の長さとの比は、約20以下であり得る。中空の管状要素の長さとマウスピース要素の長さとの比は、約15以下であり得る。中空の管状要素の長さとマウスピース要素の長さとの比は、約12.5以下であり得る。
【0162】
例えば、中空の管状要素の長さとマウスピース要素の長さとの比は、約1.5~約20、又は約5~約15、又は約7.5~約10であり得る。
【0163】
下流セクションの全長は、好ましくは、少なくとも約15ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約20ミリメートル、より好ましくは、少なくとも約25ミリメートルである。
【0164】
下流セクションの全長は、好ましくは、約50ミリメートル未満、より好ましくは、約45ミリメートル未満、より好ましくは、約40ミリメートル未満である。
【0165】
例えば、下流セクションは、約20ミリメートル~約50ミリメートル、より好ましくは、約25ミリメートル~約45ミリメートル、より好ましくは、約30ミリメートル~約40ミリメートルの全長を有し得る。
【0166】
下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.80以下であり得る。好ましくは、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.75以下であり得る。より好ましくは、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.70以下であり得る。さらにより好ましくは、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.65以下であり得る。
【0167】
下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.30であり得る。好ましくは、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.40であり得る。より好ましくは、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.50であり得る。さらにより好ましくは、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.60であり得る。
【0168】
好ましくは、本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約35ミリメートルである。より好ましくは、本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルである。さらにより好ましくは、本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約45ミリメートルである。さらにより好ましくは、本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約50ミリメートルである。
【0169】
本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、110ミリメートル以下であることが好ましい。より好ましくは、本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、100ミリメートル以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、75ミリメートル以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、本発明に係るエアロゾル発生物品の全長は、70ミリメートル以下であることが好ましい。
【0170】
例えば、エアロゾル発生物品の全長は、約35ミリメートル~約110ミリメートル、又は約40ミリメートル~約100ミリメートル、又は約45ミリメートル~約75ミリメートル、又は約50ミリメートル~約70ミリメートルであってもよい。
【0171】
エアロゾル発生物品は、少なくとも4ミリメートルの外径を有することが好ましい。好ましくは、エアロゾル発生物品は、少なくとも4.5ミリメートルの外径を有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも5ミリメートルの外径を有することがより好ましい。
【0172】
エアロゾル発生物品は、約9ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約8ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約7ミリメートル以下の外径を有することがさらにより好ましい。
【0173】
例えば、エアロゾル発生物品は、約4ミリメートル~約9ミリメートル、又は約4.5ミリメートル~約8ミリメートル、又は約5ミリメートル~約7ミリメートルの外径を有し得る。
【0174】
エアロゾル発生物品の外径は、物品の全長にわたって実質的に一定であり得る。代替として、エアロゾル発生物品の異なる部分は、異なる外径を有し得る。
【0175】
本発明の特定の実施形態では、エアロゾル発生物品の構成要素のうちの一つ以上は、それら自身のラッパーによって個別に囲まれる。
【0176】
エアロゾル発生基体及び下流セクションは、チッピングラッパーなどの外側ラッパーと一緒に組み合わされることが好ましい。
【0177】
本発明に係るエアロゾル発生物品の構成要素は、生分解性材料から作製されることが好ましい。
【0178】
好ましくは、本明細書に記載の本発明に係るエアロゾル発生物品は、加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体が電気的な熱源により加熱される、電気的に作動するエアロゾル発生システムで使用するために適合される。
【0179】
このようなエアロゾル発生装置の発熱体は、熱を伝導するために、任意の適切な形態であり得る。エアロゾル発生基体の加熱は、内部から、外部から、又はその両方で達成され得る。発熱体は、好ましくは、基体が内側から加熱されるように、基体に挿入されるように適合されたヒーターブレード又はピンであり得る。発熱体は、基体を部分的又は完全に囲み、基体を外部から円周方向に加熱し得る。
【0180】
エアロゾル発生システムは、誘導加熱装置を備えた電気的に作動するエアロゾル発生システムであり得る。誘導加熱装置は、典型的には、サセプタに結合されるように構成される誘導源を含み、これは、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に記載のように、エアロゾル発生基体の外部へ、又はエアロゾル発生基体の内部へ提供され得る。誘導源により交流電磁場が発生し、これが、磁化又は渦電流をサセプタ内に誘起する。サセプタは、ヒステリシス損失又は誘起された渦電流の結果として加熱され得、これは、サセプタを、オーム加熱又は抵抗加熱により加熱する。
【0181】
誘導加熱装置を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムはまた、エアロゾル発生基体及びエアロゾル発生基体と熱的に近接するサセプタを有するエアロゾル発生物品を備え得る。典型的には、サセプタは、エアロゾル発生基体に直接接触し、熱が、主に伝導によってサセプタからエアロゾル発生基体に伝達される。誘導加熱装置及びサセプタを有するエアロゾル発生物品を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムの例は、国際出願第WO-A1-95/27411号及び国際出願第WO-A1-2015/177255号に記載されている。
【0182】
電気的に作動するエアロゾル発生システムは、一部の場合において、上記に定義されるエアロゾル発生物品と、エアロゾル形成体の供給源と、エアロゾル形成体を気化する手段と、好ましくは、発熱体と、を備え得る。エアロゾル形成体の供給源は、エアロゾル発生装置上に存在する、再充填可能又は交換可能であり得る貯蔵部とすることができる。貯蔵部が、エアロゾル発生物品から物理的に分離する一方、発生されるベイパーは、エアロゾル発生物品を通して方向付けられる。ベイパーは、エアロゾル発生基体に接触し、粒子状植物材料中のニコチン及び風味剤などの揮発性化合物を放出して、エアロゾルを形成する。任意選択で、エアロゾル発生基体内の化合物の揮発を支援するために、エアロゾル発生システムは、好ましくは、エアロゾル形成体と調整された様式で、エアロゾル発生基体を加熱するために、発熱体をさらに備え得る。しかしながら、特定の実施形態では、エアロゾル発生物品を加熱するために使用される発熱体は、エアロゾル形成体を加熱するヒーターから分離される。
【0183】
上述のように、本発明に係るエアロゾル発生物品の中空の管状基体要素は、有利なことに、長さが、エアロゾル発生物品を加熱するために使用されることが意図されているエアロゾル発生システムの発熱体の長軸方向の寸法と実質的に合致するように、適合され得る。これにより、中空の管状基体要素が実質的にその全長に沿って確実に加熱され、その結果、エアロゾル発生基体からのエアロゾルの発生は、最大化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0184】
図1図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
図2図2は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システムの概略側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0185】
具体的な実施形態を以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに記述する。
【0186】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12と、エアロゾル発生基体12の下流の位置にある下流セクション14と、を備える。したがって、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12の上流端と実質的に一致する上流又は遠位端16から、下流セクション14の下流端と一致する下流又は口側端18まで延びる。下流セクション14は、中空の管状要素20及びマウスピース要素50を備える。
【0187】
エアロゾル発生物品10は、約45ミリメートルの全長及び約7.2mmの外径を有する。
【0188】
エアロゾル発生基体12は、中空の管状基体要素40であって、中空の管状基体要素の長軸方向軸の周りに螺旋状に巻かれた均質化したたばこ材料の複数の層から形成された中空の管状基体要素40を備える。均質化したたばこ材料の層は、キャストリーフの複数の層とシガリロ紙の層を交互に含む。中空の管状基体要素40は、均質化したたばこ材料の重なり合う層で形成された周壁42を有する。周壁42は、中空の管状基体要素40を通って延びる中央の長軸方向の気流チャネル44を画成する。気流チャネル44の上流端は、使用中に空気がエアロゾル発生物品内に引き込まれ得る空気吸込み口を提供する。中空の管状基体要素40は、均質化したたばこ材料の層がエアロゾル発生物品の外表面上に見えるように、包まれていない。
【0189】
中空の管状基体要素40は、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与しない。したがって、中空の管状基体要素40のRTDは、約0mmH2Oである。
【0190】
下流セクション14の中空の管状要素20は、中空の管状基体要素40のすぐ下流に位置し、中空の管状要素20が、エアロゾル発生基体12と長軸方向に整列している。中空の管状要素20の上流端は、中空の管状基体要素40の下流端に当接する。
【0191】
中空の管状要素20は、酢酸セルローストウで作製された中空円筒状管の形態で提供される。中空の管状要素20は、中空の管状要素20の上流端から中空の管状要素20の下流端にずっと延びる内部空洞22を画成する。内部空洞22は、実質的に空であり、そのため、実質的に無制限の気流が、内部空洞22に沿って可能である。中空の管状要素20は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。したがって、中空の管状要素20のRTDは、約0mmH2Oである。
【0192】
図1に示すように、下流セクション14の中空の管状要素20の内径は、中空の管状基体要素40の内径と実質的に同一である。
【0193】
マウスピース要素50は、中空の管状要素20の下流端から、エアロゾル発生物品10の下流端又は口側端18まで延びる。マウスピース要素50は、低密度の酢酸セルロースフィルターセグメントを備える。マウスピース要素50は、プラグラップ(図示せず)によって、個別に包まれ得る。
【0194】
物品10は、中空の管状要素20及びマウスピース要素50を囲むチッピングラッパー52を備える。チッピングラッパー52はさらに、中空の管状基体要素40と下流セクション14を結合するために、中空の管状基体要素40の上流部分の上にある。
【0195】
エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12を外部から加熱する、外部加熱手段を備えるエアロゾル発生装置で使用するのに特に好適である。したがって、エアロゾル発生物品10は、使用中、中空の管状基体要素40の外面が空洞内の発熱体に近接して、エアロゾル発生装置の加熱用空洞に挿入されることが好ましい。中空の管状基体要素40を加熱すると、層状の均質化したたばこからエアロゾルが生成され、これは、消費者が物品を吸う際に、上流端で長軸方向の気流チャネル44に入る空気とともに、周壁42を通って、中空の管状基体要素40の長軸方向の気流チャネル44内に引き込まれる。組み合わせられた空気及びエアロゾルは、エアロゾル発生物品10を通って引き込まれ、エアロゾル発生物品10の下流端から消費者に送達される。
【0196】
図2は、本発明の第二の実施形態による、エアロゾル発生装置102及びエアロゾル発生物品110を備える、エアロゾル発生システム100を示す。エアロゾル発生物品110は、図1に示され、上述されたものと同様であり、同様の構成要素の配設を有する。しかしながら、エアロゾル発生物品110は、中空の管状基体要素140の長軸方向の気流チャネル144内に管状サセプタ要素160をさらに備える。管状サセプタ要素160は、長軸方向の気流チャネル144の内表面上に設けられる。
【0197】
図2に示すように、エアロゾル発生装置102は、エアロゾル発生物品110を受容するための長軸方向の加熱用空洞104を備える。加熱用空洞104は、閉鎖された遠位端と、開放された口側端と、を有する。気流入口106は、使用中に空気がエアロゾル発生物品110を通って引き込まれ得るように、空洞の遠位端に設置される。加熱用空洞104は、使用中に管状サセプタ要素160を誘導加熱するためのインダクタコイル108の配設を備える。
【0198】
エアロゾル発生装置102は、電力をインダクタコイル108に供給するための電源(図示せず)と、エアロゾル発生物品110が装置102内に受容される場合、使用中にエアロゾル発生物品110を制御可能に加熱するために、制御装置(図示せず)と、をさらに備える。
【実施例
【0199】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、又は態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0200】
実施例1.
長軸方向の気流チャネルを画成する多層周壁を有する中空の管状基体要素を備えるエアロゾル発生基体であって、周壁が均質化したたばこ材料の複数の重なり合う層で形成される、エアロゾル発生基体、ならびに当該エアロゾル発生基体の下流に提供される下流セクションを備える、エアロゾル発生物品。
実施例2.
長軸方向の気流チャネルが、少なくとも3ミリメートルの直径を有する、実施例1に記載のエアロゾル発生物品。
実施例3.
中空の管状基体要素が、少なくとも2つの均質化したたばこ材料の重なり合う層を含む、実施例1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
実施例4.
中空の管状基体要素が、最大10の均質化したたばこ材料の重なり合う層を含む、実施例1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例5.
中空の管状基体要素の周壁が、少なくとも約0.3の断面空隙率を有する、実施例1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例6.
中空の管状基体要素の周壁が、少なくとも約0.7の断面空隙率を有する、実施例1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例7.
中空の管状基体要素の周壁が、立方センチメートル当たり少なくとも200ミリグラムの密度を有する、実施例1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例8.
中空の管状基体要素の周壁が、立方センチメートル当たり1グラム未満の密度を有する、実施例1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例9.
中空の管状基体要素の周壁が、中空の管状基体の長さ1センチメートル当たり少なくとも150ミリグラムの均質化したたばこ材料を提供する、実施例1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例10.
中空の管状基体要素の長軸方向の引張強度が、11kニュートン/メートル~14kニュートン/メートルである、実施例1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例11.
中空の管状基体要素の軸方向の圧縮強度が、7MPa~9MPaである、実施例1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例12.
中空の管状基体要素の半径方向の圧縮強度が、7MPa~9MPaである、実施例1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例13.
中空の管状基体要素が、最大40ミリメートルの長さを有する、実施例1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例14.
中空の管状基体要素が、少なくとも10ミリメートルの長さを有する、実施例1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例15.
中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比が、少なくとも0.15である、実施例1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例16.
中空の管状基体要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比が、最大0.6である、実施例1~15のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例17.
中空の管状基体要素が、少なくとも4ミリメートルの外径を有する、実施例1~16のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例18.
中空の管状基体要素が、最大9ミリメートルの外径を有する、実施例1~17のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例19.
中空の管状基体要素が、無制限の流れチャネルを提供する、実施例1~18のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例20.
中空の管状基体要素の長軸方向の気流チャネルが、最大7ミリメートルの直径を有する、実施例1~19のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例21.
中空の管状基体要素の内径と外径との比が、少なくとも0.4である、実施例1~20のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例22.
周壁が、少なくとも1ミリメートルの厚さを有する、実施例1~21のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例23.
周壁が、最大2.25ミリメートルの壁厚を有する、実施例1~22のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例24.
均質化したたばこ材料の複数の層が、中空の管状基体要素の長軸方向軸の周りに螺旋状に巻かれる、実施例1~23のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例25.
中空の管状基体要素が、隣接する層を互いに封止するための接着剤をさらに含む、実施例1~24のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例26.
エアロゾル発生基体が、中空の管状基体要素の上流端を覆う封止要素を、中空の管状基体要素の上流端にさらに備える、実施例1~25のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例27.
均質化した植物材料が、乾燥重量基準で、少なくとも40重量パーセントのたばこ含有量を有する、実施例1~26のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例28.
均質化したたばこ材料が、一つ以上のエアロゾル形成体をさらに備える、実施例1~27のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例29.
均質化したたばこ材料が、乾燥重量基準で、5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、実施例28に記載のエアロゾル発生物品。
実施例30.
周壁が、第一の均質化したたばこ材料の一つ以上の層と、第一の均質化したたばこ材料とは異なる一つ以上の第二の均質化したたばこ材料の一つ以上の層と、を含む、実施例1~29のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例31.
第一及び第二の均質化したたばこ材料が、互いに異なるたばこ含有量を有する、実施例30に記載のエアロゾル発生物品。
実施例32.
第一及び第二の均質化したたばこ材料が、互いに異なるエアロゾル形成体含有量を有する、実施例30又は31に記載のエアロゾル発生物品。
実施例33.
均質化したたばこ材料の複数の層が、一つ以上のキャストリーフのシートを含む、実施例1~32のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例34.
キャストリーフが、20パーセント~60パーセントの空隙率を有する、実施例33に記載のエアロゾル発生物品。
実施例35.
均質化したたばこ材料の複数の層が、一つ以上のシガリロ紙の層を含む、実施例1~34のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例36.
シガリロ紙が、30パーセント~80パーセントの空隙率を有する、実施例35に記載のエアロゾル発生物品。
実施例37.
中空の管状基体要素が、周壁に接触して位置する一つ以上のサセプタ要素を備える、実施例1~36のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例38.
中空の管状基体要素が、周壁の表面上に一つ以上のサセプタ要素を備える、実施例37に記載のエアロゾル発生物品。
実施例39.
中空の管状基体要素が、周壁の少なくとも一つの表面の上に設けられた管状サセプタ要素を備える、実施例38に記載のエアロゾル発生物品。
実施例40.
下流セクションが、中空の管状要素を備える、実施例1~39のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例41.
下流セクションの中空の管状要素の長さが、12mm~50mmである、実施例40に記載のエアロゾル発生物品。
実施例42.
中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比が、少なくとも0.25である、実施例40又は41に記載のエアロゾル発生物品。
実施例43.
中空の管状基体要素の長さと下流セクションの中空の管状要素の長さとの比が、1.25以下である、実施例40~42のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例44.
下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比が、少なくとも0.35である、実施例40~43のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例45.
下流セクションの中空の管状要素の長さと下流セクションの全長との比が、1以下である、実施例40~44のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例46.
下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比が、少なくとも0.25である、実施例40~45のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例47.
下流セクションの中空の管状要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比が、0.8以下である、実施例40~46のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例48.
下流セクションの中空の管状要素の壁厚が、少なくとも100マイクロメートルである、実施例40~47のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例49.
下流セクションの中空の管状要素の壁厚が、2ミリメートル以下である、実施例40~48のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例50.
下流セクションの中空の管状要素は、2ミリメートル~10ミリメートルの内径を有する、実施例40~49のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例51.
中空の管状基体要素の内径と下流セクションの中空の管状要素の内径との比が、0.8~1.2である、実施例40~50のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例52.
下流セクションが、マウスピース要素をさらに備える、実施例1~51のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例53.
マウスピース要素が、少なくとも一つの繊維質の濾過材料のセグメントを含む、実施例52に記載のエアロゾル発生物品。
実施例54.
下流セクションが、マウスピース要素の下流の下流端に口側端空洞を含む、実施例52又は53に記載のエアロゾル発生物品。
実施例55.
マウスピース要素の長さが、1.5mm~7mmである、実施例52~54のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例56.
マウスピース要素の長さと下流セクションの長さとの比が、0.35以下である、実施例52~55のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例57.
マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比が、0.20以下である、実施例52~56のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例58.
下流セクションのRTDが、12ミリメートルH2O以下である、実施例1~57のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例59.
下流セクションの長さが、20ミリメートル~50ミリメートルである、実施例1~58のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例60.
下流セクションの全長とエアロゾル発生物品の全長との比が、0.80以下である、実施例1~59のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例61.
エアロゾル発生物品の構成要素が、生分解性材料から作製される、実施例1~60のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
図1
図2
【国際調査報告】