(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】網膜眼底画像および/または測定結果の特徴位置特定技術
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20241108BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241108BHJP
【FI】
A61B3/10 100
G06T7/00 612
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532675
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2022051460
(87)【国際公開番号】W WO2023102081
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518293446
【氏名又は名称】テッセラクト ヘルス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TESSERACT HEALTH,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イルディズ、ムハメド ヴェイシ
(72)【発明者】
【氏名】ラルストン、タイラー エス.
(72)【発明者】
【氏名】アリエンツォ、マウリツィオ
【テーマコード(参考)】
4C316
5L096
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AA10
4C316AA24
4C316AB02
4C316AB07
4C316AB11
4C316AB16
4C316FB21
4C316FB26
5L096AA06
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA02
5L096DA02
(57)【要約】
本開示の記載は、被験者の網膜眼底を含む被験者の眼を撮像および/または測定するための技術である。いくつかの実施形態において、画像および/または測定結果(例えば、光コヒーレンストモグラフィ画像および/または測定結果)から、その画像および/または測定結果内の特徴の位置を特定するのに有用であり得るグラフを生成するために1つまたは複数のプロセッサが使用され得る。例えば、画像および/または測定結果は被験者の網膜眼底を含み得る。特徴は、画像および/または測定結果における被験者の網膜眼底の1つまたは複数の層および/または層間の境界を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果からグラフを生成することを備え、前記グラフを生成することは、少なくとも1つのプロセッサが、
前記画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数のノード、ならびに前記複数のノードを接続する複数のエッジと、
少なくとも1つの補助ノードと、
前記補助ノードを前記複数のノードのうちの第1のノードに接続する補助エッジと、を生成することを含む、方法。
【請求項2】
前記補助エッジが第1の補助エッジであり、
前記グラフを生成することは、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの補助ノードを前記複数のノードのうちの第2のノードに接続する第2の補助エッジを生成することをさらに含み、
前記第1および第2のノードが、前記画像および/または測定結果の第1の列内のそれぞれ第1および第2の画素に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの補助ノードが、前記グラフの開始ノードである第1の補助ノードと、前記グラフの終了ノードである第2の補助ノードとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記補助エッジが第1の補助エッジであり、前記第1のノードが前記画像および/または測定結果の第1の列内の複数の画素のうちの第1の画素に対応し、
前記グラフを生成することは、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記第1の補助ノードを、前記第1の列内の複数の画素のうちの第2の画素に対応する前記複数のノードのうちの第2のノードに接続する第2の補助エッジと、
前記第2の補助ノードを、前記画像および/または測定結果の第2の列内の複数の画素のうちの第3の画素に対応する前記複数のノードのうちの第3のノードに接続する第3の補助エッジと、
前記第2の補助ノードを、前記第2の列内の複数の画素のうちの第4の画素に対応する前記複数のノードのうちの第4のノードに接続する第4の補助エッジと、
を生成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記グラフを使用して、前記画像および/または測定結果における前記被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界の位置を特定することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの補助ノードが前記グラフの開始ノードおよび/または終了ノードを含み、
前記境界の位置を特定することが、前記開始ノードから前記少なくとも1つの補助ノードまでのおよび/または前記少なくとも1つの補助ノードから前記終了ノードまでの複数の経路を決定して前記複数の経路の中から経路を選択することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記グラフを生成することが、前記複数のノードおよび/またはエッジのうちの少なくともいくつかに重み付け値を割り当てることをさらに含み、
前記補助エッジを生成することが、前記補助ノードおよび/またはエッジに、予め設定された重み付け値を割り当てることを含み、
前記複数の経路の中から前記経路を選択することが、前記重み付け値および前記予め設定された重み付け値を使用してコスト関数を実行すること、および前記経路が前記複数の経路の中で最低コストを有するおよび/または共有すると決定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記重み付け値が、前記複数のノードに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のノードに割り当てられる、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのうちの複数のペアに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のエッジに割り当てられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記重み付け値が、前記複数のノードに対応する複数の画素の周波数および/または位相に基づいて前記複数のノードに割り当てられる、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのうちの複数のペアに対応する複数の画素の周波数および/または位相に基づいて前記複数のエッジに割り当てられる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記コスト関数を実行することが、前記複数の経路の各々に対するコストを決定することを含み、各経路の前記コストが、各経路におけるノードおよび/またはエッジに割り当てられた前記重み付け値および/または予め設定された重み付け値に少なくとも部分的に基づいている、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記予め設定された重み付け値が最小コストを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記グラフを生成する前に前記画像および/または測定結果の1つまたは複数の画素を互いにシフトさせることをさらに備え、前記1つまたは複数の画素が前記画像および/または測定結果の特徴に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記画像および/または測定結果が、行および列に配置された複数の画素を含み、
前記方法は、前記グラフを生成する前に前記画像および/または測定結果を修正することをさらに備え、前記修正することが、
前記複数の画素のうち前記画像および/または測定結果の特徴に対応する画素を識別すること、および、
前記識別された画素が前記画像および/または測定結果の同じ行または同じ列に沿って配置されるように、前記識別された画素のうちの1つまたは複数の画素をシフトさせること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記画像および/または測定結果の前記特徴が曲線を含み、前記1つまたは複数の画素をシフトさせることが前記曲線を直線に変換することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記画像および/または測定結果の前記特徴が前記被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記被験者の網膜眼底の前記第1の層と前記第2の層との間の前記境界が網膜色素上皮(RPE)層を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記被験者の網膜眼底の前記画像および/または測定結果から前記グラフを生成することが、前記修正された画像および/または測定結果から前記グラフを生成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
方法であって、
被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果からグラフを生成することを備え、前記グラフを生成することは、少なくとも1つのプロセッサが、
前記画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数のノード、ならびに前記複数のノードを接続する複数のエッジを生成すること、
前記複数のノードから前記グラフの開始ノードおよび/または終了ノードを選択すること、および、
前記開始ノードおよび/または前記終了ノードを前記複数のノードのうちの第1のノードに接続する少なくとも1つの補助エッジを生成すること、
を含む、方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数のノードおよび/または複数のエッジのうちの少なくともいくつかに重み付け値を割り当てるとともに、前記少なくとも1つの補助エッジおよび/または開始ノードおよび/または終了ノードに予め設定された重み付け値を割り当てることをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記重み付け値が、前記複数のノードに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のノードに割り当てられる、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのうちの複数のペアに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のエッジに割り当てられる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記重み付け値が、前記複数のノードに対応する導関数に基づいて前記複数のノードに割り当てられる、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのうちの複数のペアに対応する複数の画素の導関数に基づいて前記複数のエッジに割り当てられる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記開始ノードが前記画像および/または測定結果の第1の角部画素に対応するように選択され、前記終了ノードが前記画像および/または測定結果の第2の角部画素に対応するように選択され、前記第1および第2の角部画素が前記画像および/または測定結果の異なる列内に位置する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの補助エッジを生成することが、
前記複数のノードのうち前記画像および/または測定結果の第1の列の複数の画素に対応する第1の複数の外周ノードのそれぞれに前記開始ノードを接続する第1の複数の補助エッジを生成すること、および
前記複数のノードのうち前記画像および/または測定結果の第2の列の複数の画素に対応する第2の複数の外周ノードのそれぞれに前記終了ノードを接続する第2の複数の補助エッジを生成すること、
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記グラフを使用して、前記画像および/または測定結果における前記被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界の位置を特定することをさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記境界の位置を特定することが、前記補助エッジを介した前記開始ノードから前記終了ノードまでの複数の経路を決定して前記複数の経路の中から経路を選択することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記経路を選択することが、前記重み付け値および前記予め設定された重み付け値に基づいてコスト関数を実行すること、および前記経路が前記複数の経路の中で最小コストを有するおよび/または共有すると決定することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記予め設定された重み付け値が最小コストを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記コスト関数を実行することが前記コスト関数を最小化することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記グラフを生成する前に前記画像および/または測定結果の1つまたは複数の画素を互いにシフトさせることをさらに備え、前記1つまたは複数の画素が前記画像および/または測定結果の特徴に対応する、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記画像および/または測定結果が、行および列に配置された複数の画素を含み、前記方法が、
前記グラフを生成する前に前記画像および/または測定結果を修正することをさらに備え、前記修正することが、
前記複数の画素のうち前記画像および/または測定結果の特徴に対応する画素を識別すること、および、
前記識別された画素が前記画像および/または測定結果の同じ行または同じ列に沿って配置されるように、前記識別された画素のうちの1つまたは複数の画素をシフトさせること、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記画像および/または測定結果の前記特徴が曲線を含み、前記1つまたは複数の画素をシフトさせることが前記曲線を直線に変換することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記画像および/または測定結果の前記特徴が前記被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記被験者の網膜眼底の前記第1の層と前記第2の層との間の前記境界が網膜色素上皮(RPE)層を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記被験者の網膜眼底の前記画像および/または測定結果から前記グラフを生成することが、前記修正された画像および/または測定結果から前記グラフを生成することを含む、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被験者の網膜眼底を含む被験者の眼を撮像および/または測定する技術に関する。本出願は、2021年12月1日に出願された「FEATURE LOCATION TECHNIQUES FOR RETINA FUNDUS IMAGES AND/OR MEASUREMENTS」を名称とする米国仮出願第63/284,791号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
被験者の眼を撮像および/または測定するための技術には改善の余地がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示のいくつかの態様は、被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果からグラフを生成することを備える方法に関し、前記グラフを生成することは、少なくとも1つのプロセッサが、前記画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数のノードならびに前記複数のノードを接続する複数のエッジと、少なくとも1つの補助ノードと、前記補助ノードを前記複数のノードのうちの第1のノードに接続する補助エッジとを生成することを含む。
【0004】
いくつかの実施形態において、前記補助エッジは第1の補助エッジであり、前記グラフを生成することは、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの補助ノードを前記複数のノードのうちの第2のノードに接続する第2の補助エッジを生成することをさらに含み、前記第1および第2のノードは、前記画像および/または測定結果の第1の列内のそれぞれ第1および第2の画素に対応する。
【0005】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つの補助ノードは、前記グラフの開始ノードである第1の補助ノードと、前記グラフの終了ノードである第2の補助ノードとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記補助エッジは第1の補助エッジであり、前記第1のノードは前記画像および/または測定結果の第1の列内の複数の画素のうちの第1の画素に対応し、前記グラフを生成することは、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1の補助ノードを前記第1の列内の複数の画素のうちの第2の画素に対応する前記複数のノードのうちの第2のノードに接続する第2の補助エッジと、前記第2の補助ノードを前記画像および/または測定結果の第2の列内の複数の画素のうちの第3の画素に対応する前記複数のノードのうちの第3のノードに接続する第3の補助エッジと、前記第2の補助ノードを前記第2の列内の複数の画素のうちの第4の画素に対応する前記複数のノードのうちの第4のノードに接続する第4の補助エッジとを生成することをさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記グラフを使用して、前記画像および/または測定結果における前記被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界の位置を特定することを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つの補助ノードは前記グラフの開始ノードおよび/または終了ノードを含み、前記境界の位置を特定することは、前記開始ノードから前記少なくとも1つの補助ノードまでのおよび/または前記少なくとも1つの補助ノードから前記終了ノードまでの複数の経路を決定して前記複数の経路の中から経路を選択することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記グラフを生成することは、前記複数のノードおよび/またはエッジのうちの少なくともいくつかに重み付け値を割り当てることをさらに含み、補助エッジを生成することは、前記補助ノードおよび/またはエッジに、予め設定された重み付け値を割り当てることを含み、前記複数の経路の中から前記経路を選択することは、前記重み付け値と前記予め設定された重み付け値とを使用してコスト関数を実行すること、および前記経路が前記複数の経路の中で最低コストを有するおよび/または共有すると決定することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記重み付け値は、前記複数のノードに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のノードに割り当てられている、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのうちの複数のペアに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のエッジに割り当てられている。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記重み付け値は、前記複数のノードに対応する複数の画素の周波数および/または位相に基づいて前記複数のノードに割り当てられている、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのうちの複数のペアに対応する複数の画素の周波数および/または位相に基づいて前記複数のエッジに割り当てられている。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記コスト関数を実行することは、前記複数の経路の各々に対するコストを決定することを含み、各経路の前記コストは、各経路におけるノードおよび/またはエッジに割り当てられた前記重み付け値および/または予め設定された重み付け値に少なくとも部分的に基づいている。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記予め設定された重み付け値は最小コストを有する。
本開示のいくつかの態様は、被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果からグラフを生成することを備える方法に関し、前記グラフを生成することは、少なくとも1つのプロセッサが、前記画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数のノードならびに前記複数のノードを接続する複数のエッジを生成すること、前記複数のノードから前記グラフの開始ノードおよび/または終了ノードを選択すること、および、前記開始ノードおよび/または前記終了ノードを前記複数のノードのうちの第1のノードに接続する少なくとも1つの補助エッジを生成することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数のノードおよび/または複数のエッジのうちの少なくともいくつかに重み付け値を割り当てるとともに、前記少なくとも1つの補助エッジおよび/または開始ノードおよび/または終了ノードに予め設定された重み付け値を割り当てることを備え得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記重み付け値は、前記複数のノードに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のノードに割り当てられている、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのうちの複数のペアに対応する複数の画素の画素強度に基づいて前記複数のエッジに割り当てられている。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記重み付け値は、前記複数のノードに対応する導関数に基づいて前記複数のノードに割り当てられている、および/または前記複数のエッジによって接続された前記複数のノードのペアに対応する複数の画素の導関数に基づいて前記複数のエッジに割り当てられている。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記開始ノードは、前記画像および/または測定結果の第1の角部画素に対応するように選択され、前記終了ノードは、前記画像および/または測定結果の第2の角部画素に対応するように選択され、前記第1および第2の角部画素が前記画像および/または測定結果の異なる列内に位置する。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つの補助エッジを生成することは、前記複数のノードのうち前記画像および/または測定結果の第1の列の複数の画素に対応する第1の複数の外周ノードのそれぞれに前記開始ノードを接続する第1の複数の補助エッジを生成すること、および、前記複数のノードのうち前記画像および/または測定結果の第2の列の複数の画素に対応する第2の複数の外周ノードのそれぞれに前記終了ノードを接続する第2の複数の補助エッジを生成することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記グラフを使用して、前記画像および/または測定結果における前記被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界の位置を特定することを含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記境界の位置を特定することは、前記補助エッジを介した前記開始ノードから前記終了ノードまでの複数の経路を決定して前記複数の経路の中から経路を選択することを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記経路を選択することは、前記重み付け値および前記予め設定された重み付け値に基づいてコスト関数を実行すること、および前記経路が前記複数の経路の中で最小コストを有するおよび/または共有すると決定することを含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記予め設定された重み付け値は最小コストを有する。
いくつかの実施形態において、前記コスト関数を実行することは、前記コスト関数を最小化することを含む。
【0023】
上記の概要は、限定することを意図していない。本開示の態様は、種々の実施形態にしたがって、単独で、または他の態様と組み合わせて実装され得る。
添付の図面は、一定の縮尺で描かれることを意図していない。図面において、様々な図に示された各々同一のまたは略同一の構成要素は同様な数字で表されている。明確化の目的で、すべての構成要素がすべての図面においてラベル付けされているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本明細書に記載された技術のいくつかの実施形態による、画像を処理するためのクラウド接続システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、複数の画素を含む例示的な画像である。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による、
図2の画像の画素に対応するノードと、ノードを接続するエッジとを含む例示的なグラフである。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、
図2の画像の画素に対応するノードと、補助ノードのペアと、グラフのノードを接続するエッジとを含む例示的なグラフである。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、グラフを横断する経路が示された
図4Aのグラフである。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、
図2の画像の画素に対応するノードと、ノードを接続するエッジとを含む代替の例示的なグラフである。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態による、グラフの一部を横断する経路が示された
図5Aのグラフである。
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施形態による、画像の一部を横断する経路を有する
図2の例示的な画像である。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施形態による、画像内に示される画素の第1および第2のサブセットを有する
図2の例示的な画像である。
【
図6C】
図6Cは、いくつかの実施形態による、画像の一部をさらに横断する第2の経路を有する
図2の例示的な画像である。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の例示的な画像である。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による、
図7の画像を使用して生成され得る例示的な微分画像である。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の別の例示的な画像である。
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態による、
図9の画像の列内の画素をシフトすることによって生成され得る例示的な画像である。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底のさらに別の例示的な画像である。
【
図13】
図13は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の内境界膜(ILM)境界および内節外節(IS-OS)境界をそれぞれ移動する経路が示された
図11の画像である。
【
図15】
図15は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底のILM境界、IS-OS境界、およびブルッフ膜(BM)境界をそれぞれ移動する経路が示された
図11の画像である。
【
図16】
図16は、いくつかの実施形態による、閾値画素強度レベルを上回る画素のサブセットを示す
図11の画像である。
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の網膜神経線維層-神経節細胞層(RNFL-GCL)境界に対応する画素のサブセットを示す
図11の画像である。
【
図19】
図19は、いくつかの実施形態による、閾値画素強度レベルを下回る画素のサブセットを示す
図11の画像である。
【
図20】
図20は、いくつかの実施形態による、
図19に示された画素のサブセット内における
図11の画像の例示的な正の微分画像である。
【
図21】
図21は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の内顆粒層-外網状層(INL-OPL)境界を移動する経路が示された
図11の画像である。
【
図22】
図22は、いくつかの実施形態による、
図19に示された画素のサブセット内における
図11の画像の例示的な負の微分画像である。
【
図23】
図23は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の内網状層-内顆粒層(IPL-INL)境界および外網状層-外顆粒層(OPL-ONL)境界をそれぞれ移動する経路が示された
図11の画像である。
【
図24】
図24は、いくつかの実施形態による、画像および/または測定結果からグラフを生成する例示的な方法のフローチャートである。
【
図25】
図25は、いくつかの実施形態による、画像および/または測定結果からグラフを生成する代替の例示的な方法のフローチャートである。
【
図26】
図26は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果において被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴の位置を特定する例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[I.序論]
本発明者らは、被験者(例えば、人)の眼が、被験者が眼疾患を有するかどうかを決定するためだけでなく、被験者の全体的な健康を決定するためにも使用することができる身体への窓を提供することを認識および理解した。特に、眼底網膜は、様々な健康判定に使用するために、撮像を介して有益な情報を提供することができる。しかしながら、眼底の画像および/または測定結果を撮像、測定、および/または処理する従来のシステムは多くの点で制限されている。
【0026】
本発明者らは、従来の撮像および/または測定システムが、画像および/または測定結果内における被験者の網膜眼底の特定の特徴の位置を正確に特定しないことを認識した。例えば、撮像および/または測定システムは、網膜層間の境界の位置を正確に特定することができず、ましてや計算効率の良い方法でそれを行うことはできない。臨床の場では、画像および/または測定結果が得られると、臨床医は、各画像および/または測定結果を検査して、各画像におけるセグメンテーションによって網膜層間の境界などの特徴の位置を特定する必要が生じ得る。この処理は、時間がかかることに加えて、人間の視力の実用的な限界に起因して不完全であり、その結果、測定結果が不正確となり得る。これらの測定結果は、その後、被験者の健康状態を判定するために使用され得るが、不正確および/または誤りとなり得る。同様に、画像および/または測定結果において被験者の網膜眼底の特徴の位置を特定するための既存のシステムは、それを行うことにおいて正確ではなく、または計算効率の良いものではない。
【0027】
上記の問題を解決するために、本発明者らは、1つまたは複数のプロセッサによって画像および/または測定結果(例えば、光コヒーレンストモグラフィ画像および/または測定結果)からグラフを生成するための改良された技術および方法であって、画像および/または測定結果において特徴の位置を特定するのに有用となり得る技術および方法を開発した。例えば、画像および/または測定結果は、被験者の網膜眼底を含み得る。特徴は、画像および/または測定結果における被験者の網膜眼底の1つまたは複数の層および/または層間の境界を含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、グラフを生成することは、画像および/または測定結果の画素に対応するノードと、ノードを接続するエッジとを生成することを含み得る。例えば、ノードは、画像および/または測定結果の一部または全ての画素について生成され得る。いくつかの実施形態において、グラフを生成することは、少なくとも1つの補助ノードを生成することをさらに含み得る。例えば、補助ノードは、画像および/または測定結果の画素に対応するグラフのノードに加えて生成され得る。補助ノードは、グラフの開始ノードおよび/または終了ノードとすることができる。いくつかの実施形態において、グラフを生成することは、第1の補助ノードをグラフの第1のノードに接続する補助エッジを生成することをさらに含み得る。例えば、画素に対応するグラフのノードを接続するように生成された任意のエッジに加えて、補助エッジが生成され得る。
【0029】
本発明者らは、補助ノード(1つまたは複数)および/または補助エッジ(1つまたは複数)を生成することにより、グラフを使用して特徴の位置を特定する計算効率を高めることができることを認識した。例えば、本明細書に記載される特徴位置特定技術は、グラフのノードおよびエッジを横断する1つまたは複数の経路を決定することを含み得る。補助ノードおよび/またはエッジを使用することにより、特徴位置を(例えば、コスト関数を使用して)特定するための適切な経路の選択を計算効率良く行うことが可能となる。この例では、補助ノードおよび/またはエッジを使用することにより、画像および/または測定結果の1つまたは複数の画素に対応するどのノードが、選択された経路内の第2のノードおよび/または最後の一つ手前のノードであるべきかをより効率的に決定することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の補助ノードが開始ノードとして生成され得るとともに、第2の補助ノードが終了ノードとして生成され得る。本発明者らは、補助ノードが開始ノードまたは終了ノードである場合、経路決定をより計算効率良く行えることをさらに認識した。いくつかの実施形態では、周辺の列などのグラフの同じ列内の画素に対応する一部または全てのノードに補助ノード(1つまたは複数)を接続する補助エッジが生成され得る。例えば、外周列内の画素に対応するノードのうちの1つは、画像および/または測定結果の外周列側で開始または終了する、経路内の第2のノードまたは最後の一つ手前のノードであり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、重み付け値がグラフのノードおよび/またはエッジに割り当てられ得るとともに、最小値などの予め設定された重み付け値が補助ノードおよび/またはエッジに割り当てられ得る。例えば、グラフを使用して網膜眼底特徴の位置を特定することは、重み付け値および/または予め設定された重み付け値に基づいてコスト関数を実行することを含み得る。本発明者らは、最小値(例えば、局所的最小値および/または大域的最小値)などの予め設定された重み付け値を使用することにより、特徴の位置を示す経路の選択をより計算的にかつ効率的に行うことができることを認識した。
【0032】
いくつかの例では、コスト関数を実行することは、コスト関数を最小化することを含み得るとともに、経路を選択することは、最小コストを有する接続ノードおよび/またはエッジの経路を選択することを含み得る。いくつかの例において、(例えば、反転またはネゲートされたコスト関数が使用される場合に)コスト関数を実行することは、経路探索することが最大コストを有する接続ノードおよびエッジの経路を探索することを含み得るようにコスト関数を最大化することを含み得る。
【0033】
本発明者らはさらに、グラフの開始ノードおよび/または終了ノードが画像および/または測定結果内の画素に対応する場合、1つまたは複数の補助エッジを生成することが、生成されたグラフを使用する特徴位置特定をより計算効率よく行うことができることを認識した。本明細書で説明する他の技術によれば、いくつかの実施形態において、グラフを生成することは、画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数のノードと、複数のノードを接続する複数のエッジとを生成することと、複数のノードの中からグラフの開始ノードおよび/または終了ノードを選択することと、開始ノードおよび/または終了ノードをグラフの別のノードに接続する少なくとも1つの補助エッジを生成することとを含み得る。例えば、開始ノードおよび/または終了ノードは、画像および/または測定結果の角部画素に対応するノードとして選択され得る。この例では、補助エッジ(1つまたは複数)は、角部画素(1つまたは複数)を、角部画素を含む外周列などの、画像および/または測定結果の同じ列内の他の画素に対応するノードに接続し得る。いくつかの実施形態において、開始ノードと終了ノードは、画像および/または測定結果の対向する角部画素に対応し得る。
【0034】
画像および/または測定結果内の網膜眼底特徴の位置を特定するための本明細書に記載される技術は、これまでの技術よりも計算効率の良いものである。例えば、本明細書に記載される技術は、画像および/または測定結果のグラフを生成する場合により少ないエッジを必要とするものであり、これより、特徴に対応するグラフを横断する経路を決定および/または選択する効率を高めることができる。
【0035】
本発明者らはさらに、画像および/または測定結果内の被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴の位置を特定する精度および計算効率をより高めるために、単独で、または上述した技術と組み合わせて使用することができる本明細書にさらに記載される他の技術を開発した。このような技術は、例えば、最初に、画像および/または測定結果内の被験者の網膜眼底の第1の特徴(例えば、第1の網膜層境界)の位置を特定し、次いで、第1の特徴の位置を使用して、同一の画像および/または測定結果内の被験者の網膜眼底の第2の特徴の位置を、その画像および/または測定結果の導関数(derivative)においておよび/またはその画像および/または測定結果の画素のサブセットにおいて特定することを含み得る。本発明者らは、いくつかの場合には、第1および第2の特徴が既知の並置(例えば、一方が他方の上にあることが予期される、またはその逆)を有し得る、および/または、第1の特徴の位置を特定した後に第2の特徴の位置をより効率良くおよび/またはより正確に有利に特定することができる相対的画素強度レベルを画像および/または測定結果内に有し得ることを認識した。
【0036】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される技術は、通信ネットワークを経由して画像および/または測定結果を受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを備えるシステムを使用して実施され得る。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される技術は基板実装(オンボード)により、および/あるいは撮像装置および/または測定装置によって取得された画像および/または測定結果に対して実装され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される撮像装置および/または測定装置は、提供者、臨床医、または技術者による補助の有無にかかわらず、被験者による使用に好適であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される撮像装置および/または測定装置、ならびに/もしくは関連システムは、取得された画像および/または測定結果に基づいて被験者の健康状態を判定するように構成され得る。
【0037】
本明細書に記載される技術は、単独で、または本明細書に記載される任意の他の技術と組み合わせて実装することができる。また、その時々で本明細書では画像のみを参照し得るが、本明細書に記載される実施形態はそのように限定されるものでなく、画像について本明細書で説明する態様は測定結果にも適用され得る。
【0038】
[II.網膜の画像からグラフを生成するための例示的なシステム]
上記したように、本発明者らは、網膜の画像からグラフを生成するための技術を開発した。いくつかの実施形態において、そのような技術は本明細書に記載される例示的なシステムを使用して実装され得る。以下では画像を参照するが、本明細書に記載される実施形態はそのように限定されるものでなく、画像について本明細書で説明する態様は測定結果にも適用される。
【0039】
図1は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜の画像および/または測定結果からグラフを生成するための例示的なシステム100のブロック図である。
図1には、通信ネットワーク160を介して互いに結合され得る撮像装置130とコンピュータ140とを含むシステム100が示されている。いくつかの実施形態において、撮像装置130は、被験者の網膜の画像を捕捉し、その画像をコンピュータ140に通信ネットワーク160を介して提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ140は、画像を受信してその画像からグラフを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、撮像装置130が、代替的にまたは追加的に、画像からグラフを生成するように構成され得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、撮像装置130は、被験者の網膜の画像を捕捉し、その画像をコンピュータ140に通信ネットワーク160を介して提供するように構成され得る。
図1に示されるように、撮像装置130は、撮像素子132と、プロセッサ134と、メモリ136とを含み得る。いくつかの実施形態において、撮像素子132は、被験者の網膜眼底などの被験者の眼の画像を捕捉するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、撮像素子132は、被験者の眼を照射するように構成された照射源構成要素と、照射光を被験者の眼に集束および/または中継するように構成されたサンプル構成要素と、照射に応答して被験者の眼から反射および/または放出された光を捕捉するように構成された検出構成要素とを含み得る。いくつかの実施形態において、撮像素子132は、被験者の眼を所望の位置および/または配向に誘導するように被験者の眼上に固視標を表示するように構成された固視構成要素を含み得る。種々の実施形態によれば、撮像素子132は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)デバイス、白色光デバイス、蛍光デバイス、または赤外線(IR)デバイスとすることができる。いくつかの実施形態において、撮像装置130は、上述した撮像素子のうちのいずれかまたは各々など、複数の撮像素子132を含み得るが、本明細書に記載される実施形態はそのように限定されるものではない。
【0041】
いくつかの実施形態において、プロセッサ134は、代替的にまたは追加的に、通信ネットワーク160を経由してコンピュータ140に捕捉された画像を伝送するように構成され得る。いくつかの実施形態において、撮像装置130は、通信ネットワーク160を介して通信するように構成されたスタンドアロンネットワークコントローラを含み得る。代替的に、ネットワークコントローラは、プロセッサ134と統合され得る。いくつかの実施形態において、撮像装置130は、ディスプレイ上に表示されるユーザインターフェースを介して、撮像装置130のユーザに情報を提供するための1つまたは複数のディスプレイを含み得る。いくつかの実施形態において、撮像装置130は、携帯型であり得る。例えば、撮像装置130は、充電式バッテリに蓄積された電力を使用して眼の撮像を行うように構成され得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、コンピュータ140は、撮像装置130から被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果を取得し、その画像および/または測定結果からグラフを生成するように構成され得る。例えば、コンピュータ150は、グラフを使用して、被検者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界などの被検者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴の位置を特定するように構成され得る。
図1に示すように、コンピュータ140は、記憶媒体142およびプロセッサ144を含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果からグラフを生成するように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数のノードを生成するように構成され得る。この例では、プロセッサ144は、画像および/または測定結果の各画素について、もしくは画像および/または測定結果のサブセットのみについて、ノードを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、複数のノードを接続する複数のエッジを生成するように構成され得る。例えば、エッジによって接続されると、プロセッサ144は、エッジに沿ってグラフのノードを横断するように構成され得る。この例では、プロセッサ144は、各ノードまたは生成されたノードのサブセットのみを接続するエッジを生成するように構成され得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、グラフの開始ノードおよび/または終了ノードとして補助ノードを生成し、その補助ノードからグラフの第2のノードへの第1のエッジを生成するように構成され得る。例えば、第2のノードは、画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数の生成されたノードの中に含まれ得る。また、プロセッサ144は、画像および/または測定結果の複数の画素に対応する複数の生成されたノードに加えて、補助ノードを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、開始ノードおよび/または終了ノードからグラフの第3のノードへの第2のエッジをさらに生成するように構成され得る。例えば、グラフの第2および第3のノードは、画像および/または測定結果の同一列内などの、画像および/または測定結果の外周に沿った画素に対応する外周ノードとすることができる。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、補助ノードの生成を伴いつつあるいは伴うことなく、画像および/または測定結果の画素に対応するノードから開始および/または終了ノードを選択することによって画像からグラフを生成するように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、開始ノードおよび/または終了ノードを、画像および/または測定結果の画素に対応する別のノードに接続する補助エッジを生成するように構成され得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、グラフを使用して画像および/または測定結果内の被験者の網膜眼底の少なくとも1つの特徴の位置を特定するように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界の位置を特定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、グラフの開始ノードから終了ノードまでの複数の経路を決定するように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、グラフの1つまたは複数の他のノードを含む異なる経路を介して、開始ノードから終了ノードまでグラフを横断するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、コスト関数に基づいて各経路にコストを割り当てるように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、経路に含まれるノードの導関数に基づいて(例えば、ノードの導関数の違いに基づいて)コストを割り当てるように構成され得る。代替的にまたは追加的に、プロセッサ144は、より長い経路(例えば、他の経路よりも多くのノードを横断する経路)に対してより高いコストを割り当てるように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、複数の経路の中から1つの経路を選択するように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、複数の経路のうちから、最低コストを有するおよび/または共有する経路を選択するように構成され得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、コンピュータ140はさらに、被験者の網膜眼底の特徴の位置を特定するために画像および/または測定結果を予め調整するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、画像および/または測定結果の導関数を生成し、その画像および/または測定結果の導関数を使用してグラフを生成するように構成され得る。例えば、コンピュータ140のプロセッサ144は、画像および/または測定結果にフィルタを適用することで、その導関数をグラフを生成する前に生成するように構成され得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、プロセッサ144は、グラフを生成する前に、画像および/または測定結果の列内の画素をシフトするように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、画像および/または測定結果の特徴に対応する1つまたは複数の画素が、画素の少なくとも1つの行内で(例えば、画素の1つまたは2つの行のみに含まれる特徴と)位置合わせされるように画素をシフトするように構成され得る。さらに、代替的にまたは追加的に、プロセッサ144は、被験者の網膜眼底の特徴(1つまたは複数)の位置を特定する画像および/または測定結果の画素のサブセットを選択するように構成され得る。例えば、プロセッサ144は、画素強度閾値などの画素特性閾値を画像および/または測定結果に適用して、その閾値を上回る(または下回る)画素のサブセットのみにおいて特徴を特定するように構成され得る。代替的にまたは追加的に、プロセッサ144は、画像および/または測定結果内の1つまたは複数の特徴の以前に判定された位置に基づいて特徴(1つまたは複数)の位置を特定する画素のサブセットを選択するように構成され得る。
【0047】
種々の実施形態によれば、通信ネットワーク160は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、携帯電話ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、インターネット、または任意の他のネットワークであり得る。例えば、コンピュータ140は、撮像装置130とは別の部屋など、撮像装置130に対して離れた場所に配置され得るとともに、通信ネットワーク160はLANであり得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ140は、撮像装置130とは異なる地理的領域に配置され得るとともに、インターネットを経由して通信し得る。
【0048】
種々の実施形態によれば、撮像装置130に代えて、またはそれに加えて、複数のデバイスが含まれ得る。例えば、撮像装置130とコンピュータ140との間で通信するために、中間デバイスがシステム100に含まれ得る。代替的または追加的に、本明細書に記載されたコンピュータ140に起因する様々なタスクを実行するために、コンピュータ140に代えて、またはそれに加えて、複数のコンピュータが含まれ得る。
【0049】
なお、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムは、本明細書に記載される少なくともいくつかの技術が、他のシステムから取得された画像および/または測定結果を使用して行われ得るため、撮像装置および/または測定装置を含まない場合があり得る。
【0050】
[III.画像内の網膜眼底特徴の位置を特定するための例示的な技術]
本明細書に記載されるように、本発明者らは、被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果からグラフを生成し、その生成されたグラフを使用して被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴の位置を特定するための技術を開発した。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される技術は、撮像装置および/またはコンピュータの1つまたは複数のプロセッサを使用するなど、
図1のシステムを使用して実装され得る。
【0051】
図2は、いくつかの実施形態による、複数の画素を含む例示的な画像200であり、複数の画素のうち画素201,202に符号が付されている。いくつかの実施形態において、撮像装置130のプロセッサ134および/またはコンピュータ140のプロセッサ144などのシステム100の1つまたは複数のプロセッサは、画像200を使用してグラフを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、画像200は、撮像装置130の撮像素子132などの撮像素子を使用して捕捉され得る。例えば、画像200は、OCT画像、白色光画像、蛍光画像、またはIR画像であり得る。いくつかの実施形態において、画像200は、被験者の網膜眼底を含み得る。例えば、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像200内の被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴の位置を特定するように構成され得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、画像200の複数の画素は、画素の輝度を制御可能な画素強度値(例えば、0~255の範囲)を有し得る。例えば、
図2において、画素202は画素201よりも高い輝度を有するように示されているとき、画素202は画素201よりも低い画素強度値を有し得る。いくつかの実施形態において、画像200の画素の画素強度値は、画像200に示される1つまたは複数の網膜眼底特徴の存在を示し得る。例えば、網膜眼底画像の画素強度値は、画像200を捕捉した撮像素子で受信される後方散乱光の強度に対応し得るとともに、後方散乱光の強度は撮像されている特徴に応じて変動し得る。
【0053】
図3は、いくつかの実施形態による、画像200の複数の画素に対応する複数のノードと、複数のノードを接続する複数のエッジとを含む例示的なグラフ300である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像200の一部または全部の画素に対応するノードを生成することなどによって、画像200を使用してグラフ300を生成するように構成され得る。例えば、
図3において、グラフ300のノード301は画像200の画素201に対応し得るとともに、グラフ300のノード302は画像200の画素202に対応し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)はさらに、グラフ300の一部または全部のノードを接続するエッジを生成するように構成され得る。例えば、
図3には、ノード301,302を接続するエッジ311が示されている。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、ノードおよびエッジを含むグラフ300を、コンピュータ140の記憶媒体142などの記憶媒体に記憶するように構成され得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、ノードが対応する画素の画素強度値などに基づいて、グラフ300の一部または全部のノードに関連する値を(例えば、記憶媒体に)記憶するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、ノード301に関連付けて画素201の画素強度値を記憶するように構成され得る。代替的にまたは追加的に、プロセッサは、ノード301に関連付けて画素201における画像200の画素強度の導関数を記憶するように構成され得る。いずれの例においても、プロセッサ(1つまたは複数)は、各ノードに関連付けられた記憶された値を使用して、グラフ300を通る1つまたは複数の経路を移動することに関連するコストを計算するように構成され得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、それぞれのエッジによって接続されたノードに対応する画素の画素強度値などに基づいて、グラフ300のいくつかまたはすべてのエッジに関連付けられた値を記憶するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、エッジ311に関連付けて各画素201,202における画像200の画素強度の導関数に基づく値を記憶するように構成され得る。この例においては、プロセッサ(1つまたは複数)は、各エッジに関連付けられた記憶された値を使用して、グラフ300を通る1つまたは複数の経路を移動することに関連するコストを計算するように構成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、各ノードおよび/またはノードのペアを接続するエッジに関連付けられた記憶された値が重み付けされ得る。いくつかの例では、各エッジに関連付けられた記憶された値は、エッジを形成するノードの値に基づくコスト関数の算出値であり得る。例えば、コスト関数は、2-(ga+gb)+Wminとすることができ、プロセッサは、このコスト関数2-(ga+gb)+Wminの値に等しい重み付け値Wabをエッジ311に関連付けて記憶するように構成され得る。ここで、ga,gbは、エッジによって接続されたノードに対応する画素a,bにおける画素強度の導関数であり、Wminは、予め設定された値の重みであり得る。例えば、予め設定された値は、エッジによって接続された2つのノードに対応する画素の特定の画素強度値に基づくものではなく、画像200の画素強度値に基づいて予め決定および/または算出され得る。この例では、予め設定された値は、他の全てのエッジの最小値であってもよいし、またはそれより小さくてもよい。
【0056】
図4Aは、いくつかの実施形態による、画像200の複数の画素に対応する複数のノードと、一対の補助ノード401,402と、それら補助ノードを画像200に対応するノードに接続する補助エッジとを含む例示的なグラフ400である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、補助ノード401,402と、補助ノード401,402をグラフの外周上の少なくともいくつかのノードに接続する複数のエッジとを生成することによって、グラフ300を使用してグラフ400を生成するように構成され得る。例えば、
図4Aに示されるように、補助ノード401は、補助エッジ405,406を介してグラフの外周列403内のノード303,304にそれぞれ接続されており、補助ノード402は、補助エッジ407,408を介してグラフの外周列404内のノード301,302にそれぞれ接続されている。
【0057】
いくつかの実施形態において、補助ノード401および/または補助ノード402は、グラフ400の開始ノードおよび/または終了ノードであり得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、補助ノード401および/または補助ノード402において開始および/または終了するグラフ400のノードおよびエッジを移動する1つまたは複数の経路を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、経路によって移動される各エッジおよび/またはノードに関連付けられたコストなどに基づいて各経路のコストを計算するように構成され得る。例えば、各エッジおよび/またはノードに関連付けられたコストは、それぞれのエッジおよび/またはノードにおける画素強度および/または画素強度の導関数に基づくことができ、これにより、最小および/または最大コスト経路が画像200内の1つまたは複数の網膜眼底特徴の位置を示すようにすることができる。いくつかの実施形態において、補助ノード401および/または補助ノード402をグラフ400の他のノードに接続する補助エッジは、最小値などの同じ予め設定された値で重み付けされ得る。例えば、最小値は、各補助エッジを移動するための最小コストを与え得る。種々の実施形態によれば、最小コストは(例えば、画素の特定のサブセットに対応する)局所ノードに関する大域的最小値および/または局所的最小値であり得る。
【0058】
図4Bは、いくつかの実施形態による、グラフ400を横断する表示経路450を有するグラフ400である。
図4Bに示されるように、表示経路450は、グラフ400のノード303,305,306,307,308,309を横断し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、補助ノード401および/または補助ノード402において開始し、補助ノード401,402のうちの他方に到達するまでグラフ400のノードを横断することによって経路450を決定するように構成され得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、グラフ400を横断する複数の経路を決定し、複数の経路の中から経路450を選択するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、それぞれの経路によりどのノードおよび/またはエッジが横断されるかに基づいて各経路のコストを計算し、経路450が最小コストを有するおよび/または共有すると判定するように構成され得る。
図4Bの例では、プロセッサ(1つまたは複数)は、補助ノード401において開始し、(例えば最小コストにおける)補助エッジ405を介してノード303に継続することによって経路450を決定するように構成され得る。プロセッサ(1つまたは複数)は、単一のエッジによってノード303に接続されたすべてのノードのうちノード305が最も低い画素強度値を有することなどに基づいて、ノード303からノード305への継続が、単一のエッジによってノード303に接続されたすべてのノードのうち最も低いコストを有すると判定するように構成され得る。同様に、プロセッサ(1つまたは複数)は、ノード305からノード306への継続が、単一のエッジによってノード305に接続されたすべてのノード(例えば、ノード303を除く)のうち最も低いコストを有すると判定するように構成され得る。プロセッサ(1つまたは複数)がノード309に到達すると、プロセッサは、(例えば、補助ノード401,402に接続された補助エッジは最小コストを有し得るので)補助エッジ408を介して補助ノード402に継続することが、単一のエッジによってノード309に接続されたすべてのノードのうち最も低いコストを有すると判定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサは、ダイクストラ法、ベルマンフォード法、ワーシャルフロイド法、A
*アルゴリズム、および/またはジョンソン法などのアルゴリズムを使用して経路450を選択するように構成され得る。
【0060】
図5Aは、いくつかの実施形態による、画像200の複数の画素に対応する複数のノードと、複数のノードを接続する複数のエッジとを含む代替の例示的なグラフ500である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、グラフ500の開始ノードおよび/または終了ノードとして角部ノード303,309を選択し、ノード303を外周列403内の各ノードに接続する複数の補助エッジと、ノード309を外周列404内の各ノードに接続する複数の補助エッジとを生成することなどによって、グラフ300を使用してグラフ500を生成するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、グラフ400について本明細書に記載されるように、グラフ500を横断する複数の経路を決定するための開始ノードおよび/または終了ノードとして角部ノード303および/または角部ノード309を選択するように構成され得る。
図5Aにおいては、ノード309をノード301に接続する補助エッジ505が示されるとともに、ノード309をノード302に接続する補助エッジ506が示されている。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、本明細書においてグラフ400の補助エッジについて記載されるように、予め設定された重み付け値(例えば、最小値)を補助エッジ505,506に割り当てるように構成され得る。
【0061】
種々の実施形態によれば、複数の経路を決定するための開始ノードおよび/または終了ノードとして、グラフ300の任意の角部ノードが選択され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、本明細書においてグラフ400について記載される方法で、ノード303とノード309との間でグラフ500を横断する1つまたは複数の経路を決定するように構成され得る。
【0062】
図5Bは、いくつかの実施形態による、グラフ500の一部を横断する表示経路450を有するグラフ500である。
図5Bに示すように、プロセッサは、補助開始ノードおよび補助終了ノードを有する
図4Aおよび
図4Bの例のように、ノード303,309を開始ノードおよび終了ノードとして使用して、同じ経路450を決定および/または選択するように構成され得る。図示の例では、プロセッサは、ノード303に接続された列403(
図5A)内の他のノードを、予め設定された値を有する補助エッジを介して移動することが、経路450を移動するコストを超えると決定したことに基づいて、経路450を選択するように構成され得る。他の例示的な画像の場合、プロセッサは、ノード303から列403内のノードまで1つまたは複数の補助エッジを横断する経路を選択するように構成され得る。
【0063】
図6Aは、いくつかの実施形態による、画像200の一部を横断する経路601を有する画像200である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像200からのグラフ(例えば、グラフ300、グラフ400、またはグラフ500)を使用して経路601を決定および/または選択したことに応答して、経路601を示す画像200のバージョンを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、経路601は、被験者の網膜眼底の第1の層と被験者の網膜眼底の第2の層との間の境界などの、画像200内の1つまたは複数の網膜眼底特徴の位置を示し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、複数の経路を決定および/または選択して各経路を示す画像200のバージョンを生成するように構成され得る。例えば、画像200に示された被験者の網膜眼底の特徴には様々な経路が対応し得る。
【0064】
図6Bは、いくつかの実施形態による、画像200内に示された画素の第1および第2のサブセット600a,600bを有する画像200である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像200を、
図6Bに示されるサブセット600a,600bなどのような、画素の複数のサブセットに分割するように構成され得る。例えば、画素のサブセット600A,600Bのうちの1つまたは各々は、1つまたは複数の網膜眼底特徴に対応する画素を含み得る。
図6Bにおいては、第1のサブセット600aがそのサブセット600aの画素を横断する経路601とともに示されており、第1のサブセット600aは、画像200に示された人の眼底の第1の特徴に対応し得る。いくつかの実施形態において、第2のサブセット600Bの少なくともいくつかの画素は、人の網膜眼底の第2の特徴に対応し得る。本発明者らは、画像内の少なくともいくつかの特徴の位置を特定する前に画像の画素をサブセットに分割することが、画像の異なるエリア内の特徴の位置特定を容易にし得ることを認識した。
【0065】
いくつかの実施形態では、プロセッサ(1つまたは複数)は、経路601によって示された画像200の特徴の位置を特定した後に、画像200の画素をサブセット600a,600bに分割するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、経路601によって横断された画素を、経路601の一方側においてその横断された画素に隣接する画素とともにサブセット600aにソートするように構成され得る。この例では、プロセッサ(1つまたは複数)は、経路601の他方側における画素をサブセット600bにソートするように構成され得る。この例では、画像200全体を処理することでサブセット600a内において第1の特徴の位置が特定されて経路601が取得されているので、サブセット600aとサブセット600bとの間で画像を分割することにより、サブセット600b内における画像200のさらなる処理に焦点をあてて追加の特徴の位置を特定することができる。
【0066】
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、プロセッサは、画素強度、周波数、および/または位相などの画素の特性に基づいて、画像200の画素をサブセット600a,600bに分割するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、閾値画素強度レベルを上回る隣接画素、および/または互いの閾値画素強度レベル内にある隣接画素を各サブセットにソートするように構成され得る。この例では、画素特性に基づいて画像を画素のサブセットに分割することにより、互いに対して予想される位置にて特徴の位置を決定すること(例えば、網膜眼底画像内の隣接する網膜層境界の位置を決定すること)、および/またはサブセットの相対的特性(例えば、相対的な画素強度)に基づいて異なるサブセット内に位置する特徴を区別することを容易にすることができる。例えば、プロセッサは、1つまたは複数のベクトル量子化技術(例えば、K平均法(KMeans)クラスタリング)を適用することで複数のクラスタを取得し、より高い(またはより低い)クラスタ平均(例えば、画素強度値に対応する)を有するクラスタを選択するように構成され得る。その後、プロセッサは、多項式フィットを適用することで、選択されたクラスタ内の1つまたは複数の特徴(例えば、網膜色素上皮および/または網膜神経線維層)の位置を特定するように構成され得る。
【0067】
図6Cは、いくつかの実施形態による、画像200の一部をさらに横断する第2の表示経路602を有する例示的な画像200である。例えば、第2の経路602は、本明細書において経路601について説明したグラフ生成および経路決定方法を使用して位置特定された第2の特徴に対応し得る。この例では、プロセッサ(1つまたは複数)は、第2の経路602を決定するためにサブセット600bの画素を使用してグラフを生成するように構成され得る。
図7は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の例示的な画像700である。いくつかの実施形態において、画像700は、本明細書に記載される撮像素子(例えば、撮像素子132)を使用して捕捉され得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、画像700は、被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴を示し得る。例えば、
図7では、画像700は、被験者の網膜眼底の層701~714、ならびに層701に隣接する硝子体液715の領域および層714に隣接する被験者の強膜716を示す。いくつかの実施形態において、層701は、被験者の内境界膜(ILM)層であってよく、層702は、被験者の網膜神経線維層(RNFL)であってよく、層703は、被験者の神経節細胞層(GCL)であってよく、層704は、被験者の内網状層(IPL)であってよく、層705は、被験者の内顆粒層(INL)であってよく、層706は、被験者の外網状層(OPL)であってよく、層707は、被験者の外顆粒層(ONL)であってよく、層708は、被験者の外境界膜(ELM)層であってよく、層709は、被験者の光受容体(PR)層の外節(OS)であってよく、層710は、被験者のPR層の内節(IS)であってよく、層711は、被験者の網膜色素上皮(RPE)層であってもよく、層712は、被験者のブルッフ膜(BM)層であってよく、層713は、被験者の脈絡毛細管板(CC)層であってよく、および/または層714は、被験者の脈絡膜間質(CS)層であってよい。種々の実施形態によれば、画像700は、被験者の眼底網膜の任意の層または各層を示し得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像700に示された被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴の位置を特定するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、本明細書においてグラフ300、グラフ400、および/またはグラフ500について記載されるように画像700からグラフを生成し、グラフを横断する1つまたは複数の経路(例えば、経路450)を決定するように構成され得る。この例では、プロセッサ(1つまたは複数)は、1つまたは複数の経路を選択し、特徴(1つまたは複数)の位置(1つまたは複数)を示し得る、画像700を横断する経路(1つまたは複数)を示す画像700のバージョンを生成するように構成され得る。
図7の例では、プロセッサ(1つまたは複数)は、層701~714のいずれかまたは各々などの特徴の位置、および/または層701~716のいずれかまたは各々の間の境界などの特徴の位置を特定するように構成され得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像700の導関数を生成し、その画像700の導関数を使用してグラフを生成するように構成され得る。
【0071】
図8は、いくつかの実施形態による、画像700を使用して生成され得る例示的な微分画像(derivative image)800である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像700を使用して微分画像800を生成するように構成され得る。例えば、プロセッサは、画像700にフィルタを適用することによって微分画像800を生成するように構成され得る。例えば、フィルタは、画像700のいくつかの画素または各画素について、それぞれの画素における画像700の画素強度の導関数を出力するように構成され得る。
図8の例では、微分画像800は、画像800の画素の画素強度が、方向803において、画像700の対応する画素の画素強度が増加している部分を示すので、正の微分画像である。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、ソーベル(Sobel)、ラプラシアン(Laplacian)、プレヴィット(Prewitt)、およびロバーツ(Roberts)演算子を使用するなど、畳み込みフィルタを使用して微分画像800を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、微分画像800からグラフを生成するように構成され得る。
【0072】
本発明者らは、被験者の網膜眼底の画像の微分が、画像内の被験者の網膜眼底の特定の特徴の位置を強調し得ることを認識した。例えば、微分画像800において、画像700に示された層701,708に対応し得る微分画像800の部分801,802は、画像700のものよりも高い画素強度値を有する。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、微分画像800などの正の微分画像からグラフを生成し、グラフを横断する1つまたは複数の経路を決定して、画像700内において、被験者のILMとそのILMに隣接する硝子体液の領域との間の境界、および/またはIS-OS境界の位置を特定するように構成され得る。例えば、ILM層と硝子体液領域との間の網膜眼底画像の部分および/またはIS-OS境界は、網膜眼底画像のものよりも微分画像においてより顕著であり得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、代替的にまたは追加的に、画像700の負の微分画像を生成し、その負の微分画像からグラフを生成して、画像700内におけるBM層の位置を特定するなどのために、グラフを横断する1つまたは複数の経路を決定するように構成され得る。例えば、網膜眼底画像の負の微分画像は、BM層をより顕著にすることができる。
【0073】
図9は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の別の例示的な画像900である。いくつかの実施形態において、画像900(例えば、OCT画像)は、被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴を示し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、
図2~
図8に関連して本明細書で説明される方法などを使用して、画像900内における1つまたは複数の網膜眼底特徴の位置を特定するように構成され得る。
図9において、曲線901は、被験者の眼底網膜の特徴の位置を示す。例えば、曲線901は、被験者のRPE層を示し得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、画像900内の少なくとも1つの特徴の位置を特定した後に、画像900の列内で画像900の画素をシフトさせるように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、曲線901によって示される特徴の位置を特定し、曲線901が画像900の画素の1つまたは複数の行を横切る線を形成するまで、画像900の列内の画素をシフトさせるように構成され得る。本発明者らは、網膜眼底特徴(例えば、RPE層)の位置を特定した後に画像の画素をシフトさせることにより、特徴の位置特定のために画像の画素をより良好に位置決めすることができることを認識した。
【0075】
図10は、いくつかの実施形態による、画像900の列内の画素をシフトさせることによって生成され得る例示的な画像1000である。
図10に示されるように、画像1000の列内の画素は、曲線901を示す画素が実質的に平坦な線902を示す1つまたは複数の行を形成するように画像900に対してシフトされる。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、本明細書に記載される方法を使用して画像1000の1つまたは複数の特徴の位置を特定するように構成され得る。
【0076】
また、本発明者らは、上述した方法を有利に組み合わせることで、画像中の網膜眼底特徴の位置を特定することができることを認識した。上述した複数の方法を組み込む1つの例示的な処理が、
図11~
図19に関連して本明細書で説明される。
【0077】
図11は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底のさらに別の例示的な画像1100である。
図11に示されるように、画像1100(例えば、OCT画像)は、被験者の網膜眼底の特徴1101~1109,1111~1112を示し得る。例えば、特徴1101は硝子体液の領域であってよく、特徴1102は被験者のILMであってよく、特徴1103は被験者のRNFLであってよく、特徴1104は被験者のGCLであってよく、特徴1105は被験者のIPLであってよく、特徴1106は被験者のINLであってよく、特徴1107は被験者のOPLであってよく、特徴1108は被験者のONLであってよく、層1109は被験者のOS光受容体層であってよく、特徴1110は被験者のIS光受容体層であってよく、特徴1111は被験者のRPEであってよく、特徴1112は被験者のBMであってよい。いくつかの実施形態において、
図11に示されるような画像1100の画素は、
図9および
図10に関連して本明細書で説明されるように画像1100の列内でシフトされてもよい。
【0078】
図12は、いくつかの実施形態による、画像1100から生成され得る正の微分画像1200である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、微分画像1200を生成して、特徴1101と特徴1102との間の境界1201(例えば、ILM-硝子体境界)および/または特徴1109と特徴1110との間の境界1202(例えば、IS-OS境界)に対応する画素の画素強度値を増加させるように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、
図7および
図8に関連するものとともに本明細書で説明されるように、正の微分画像1200から1つまたは複数のグラフを生成し(例えば、1つまたは複数の補助ノードを生成することを含む)、境界1201および/または境界1202の位置を特定するためにグラフを横断する1つまたは複数の経路を決定するように構成され得る。
【0079】
図13は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の特徴1101と特徴1102との間の境界1201および特徴1109と特徴1110との間の境界1202をそれぞれ移動する示された経路1121,1122を有する画像1100である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、本明細書で説明する方法を使用して、微分画像1200から経路1121および/または経路1122を決定するように構成され得る。例えば、プロセッサは、
図6A~
図6Cに関連して本明細書で説明されるように、1つの特徴(例えば、境界1201)の位置を特定し、画像1100および/または微分画像1200の画素を画素のサブセットに分割し、最初に位置特定された特徴を含むサブセットとは異なるサブセットにおいて他の特徴(例えば、境界1202)の位置を特定するように構成され得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるプロセッサ(1つまたは複数)は、代替的にまたは追加的に、画像1100の負の微分を生成することで、画像1100内の網膜眼底特徴の位置を特定するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、画像1100内の特徴1122の位置特定後に負の微分画像を生成するように構成され得る。特徴1122は、画像1100内の追加の特徴の位置特定を容易にするべく負の微分画像を分割するために使用され得る。
【0081】
図14は、画像1100から生成され得る負の微分画像1400である。
図14に示されるように、境界1412は、画像1100よりも高い(または低い)画素強度値を有し得る。いくつかの実施形態において、境界1412は、特徴1111と特徴1112との間の境界(例えば、RPE-BM境界)に対応し得る。
図14では、境界1202を示す
図13による経路1122が、負の微分画像1400上に重ね合わされている。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、負の微分画像1400の画素を経路1122の両側の画素のサブセットに分割するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、境界1412を含む経路1122の側方において画素のサブセットを選択し、負の微分画像1400からグラフを生成し、境界1412の位置を特定するためにグラフを横断する1つまたは複数の経路を決定するように構成され得る。
【0082】
図15は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の境界1412をさらに移動する表示経路1123を有する画像1100である。
図16は、いくつかの実施形態による、閾値画素強度レベルを上回る画素のサブセット1603,1610,1611をさらに示す画像1100である。
図16に示されるように、サブセット1603の画素は特徴1103に対応し得る。また、サブセット1610の画素は特徴1110に対応し得る。また、サブセット1611の画素は特徴1111に対応し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、閾値画素強度レベルを上回るものとして、連続する画素のサブセット1603,1610,および/または1611を識別するように構成され得る。
図16の実施例では、サブセット1603,1610,1611以外の画素のサブセットは、閾値を下回る画素強度レベルを有する画素を含み得る。種々の実施形態によれば、閾値画素強度レベルを有する画素は、閾値画素強度レベルを上回る画素および/または閾値画素強度レベルを下回る画素とグループ化され得るが、本明細書で説明する実施形態はそのように限定されるものではない。
【0083】
また、
図16に示されるように、境界1202を示す経路1122が画像1100上に重ね合わされている。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、境界1202の両側でサブセット1603,1610,1611をさらに分割するように構成され得る。
【0084】
図17は、いくつかの実施形態による、
図16の閾値画素強度レベルを上回る画素のサブセット1603のうちの1つを示す画像1100である。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、被験者の網膜眼底の特徴の位置を特定するために、画像1100から隣接画素のサブセット1603,1610,1611のうちの1つ以上を選択するように構成され得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、サブセット1603が境界1202の上側(例えば、深さ方向における被験者の網膜眼底の外側)にあることに基づいてサブセット1603を選択するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、選択された画素サブセット1603内の特徴1103と特徴1104との間の境界(例えば、RNFL-GCL境界)における特徴の位置を特定するように構成され得る。
【0085】
図18は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の特徴1103と特徴1104との間の境界を移動する表示経路1124を有する画像1100である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサは、サブセット1603の画素を使用してグラフを生成することにより経路1124を決定するように構成され得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、経路1124をサブセット1603の最下の(例えば、画像1100が捕捉された深さ方向における網膜眼底の最も内側の)境界として決定するように構成され得る。
【0086】
図19は、いくつかの実施形態による、閾値画素強度レベルを下回る画素のサブセット1905,1906,1907,1908を示す画像1100である。いくつかの実施形態において、サブセット1905,1906,1907,1908は、
図11の特徴1105,1106,1107,1108に対応し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、
図16におけるサブセット1603,1610,1611を取得するのと同じ画素強度閾値を適用してサブセット1905,1906,1907,1908を取得するように構成され得る。代替的にまたは追加的に、プロセッサ(1つまたは複数)は、異なる画素強度閾値を適用してサブセット1603,1610,1611を取得するように構成され得る。
【0087】
図20は、いくつかの実施形態による、
図19に示された画像1100内の画素のサブセット1905,1906,1907,1908を使用して生成され得る例示的な正の微分画像2000である。本発明者らは、画像の画素の1つまたは複数の選択されたサブセットのみを使用して微分画像を生成することにより、選択されたサブセット内の画像の部分をさらに強調できることを認識した。例えば、
図20において、特徴1105,1107に対応する領域2001は、正の微分画像1200におけるものよりもさらに強調され得る。また、
図20では、経路1124が微分画像2000を横断するように示されている。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、経路1124に基づいて特徴1106と特徴1107との間の境界の位置を特定するために、微分画像2000内の領域2001を選択するように構成され得る。例えば、経路1124は、微分画像2000内の特徴1105の位置を示し得る。プロセッサ(1つまたは複数)は、特徴1105の位置に基づいて領域2001を選択するように構成され得る。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、サブセットは、閾値画素強度レベルを上回るものを有する連続画素のサブセットであってよい。1つまたは複数のプロセッサは、連続する画素のセットが閾値画素強度レベルよりも高い画素強度レベルを有する画素を含むか否かを判定するように構成され得る。
【0089】
図21は、いくつかの実施形態による、特徴1106と特徴1107との間の境界を移動する表示経路1125を有する画像1100である。
図22は、いくつかの実施形態による、
図19に示された画像1100内の画素のサブセット1905,1906,1907,1908を使用して生成され得る例示的な負の微分画像2200である。
図22では、特徴1105と特徴1106との間の境界2201(例えば、IPL-INL境界)、および特徴1107と特徴1108との間の境界2202(例えば、OPL-ONL境界)が、負の微分画像1400のものよりもさらに強調され得る。また、
図22では、経路1125が微分画像2200を横断するように示されている。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、それぞれの選択されたサブセット内の境界2201,2202の位置を特定するために、経路1125の両側の微分画像2200の画素のサブセットを選択するように構成され得る。
【0090】
図23は、いくつかの実施形態による、特徴1105と特徴1106との間の境界2201、および特徴1107と特徴1108との間の境界2202を移動する表示経路1126,1127を有する画像1100である。
【0091】
図24は、いくつかの実施形態による、画像および/または測定結果からグラフを生成する例示的な方法2400のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法2400は、本明細書に記載されるシステム(例えば、システム100)の1つまたは複数のプロセッサを使用して実行され得る、および/または、非一時的記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときにプロセッサに方法2400を実行させる命令を記憶し得る。
【0092】
図24において、図示された方法2400は、ステップ2401において、画像および/または測定結果の複数の画素に対応するグラフの複数のノードおよび/または複数のエッジを生成すること、ステップ2402において、グラフの補助ノードを生成すること、ステップ2403において、補助ノードをグラフの1つまたは複数のノードに接続する補助エッジを生成することを含む。いくつかの実施形態において、画像および/または測定結果は、
図7、
図9、および
図11に関連して本明細書に記載されるように、被験者の眼底の画像および/または測定結果であり得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、ステップ2401においてグラフの複数のノードおよび/または複数のエッジを生成することは、
図3に関連して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)が画像および/または測定結果の一部または全ての画素のノードとそれらのノードを互いに接続する複数のエッジとを生成することを含み得る。例えば、ステップ2401で生成されたノードおよびエッジは、エッジによって互いに接続されたノードの少なくとも1つの列を含み得る。いくつかの実施形態において、方法2400はさらに、
図3に関連して本明細書に記載されるように、ステップ2401で生成された複数のエッジの一部または全部に重み付け値を割り当てることを含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、ステップ2402において補助ノードを生成することは、
図4Aに関連して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)が画像および/または測定結果の画素に対応するノードに対して補助ノードを追加することを含み得る。例えば、補助ノードは、画像および/または測定結果のいずれかの画素に対応していなくてもよく、グラフの開始ノードまたは終了ノードであってもよい。いくつかの実施形態において、ステップ2402は、プロセッサ(1つまたは複数)がグラフの開始ノードおよび終了ノードなどの複数の補助ノードを生成することを含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態において、ステップ2403において補助エッジを生成することは、
図4Aに関連して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)がステップ2401で生成されたグラフの少なくとも1つのノードに対して補助ノードを接続することを含み得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、画像および/または測定結果の一つの列内の画素に対応する複数のノードを含み得るグラフであって、そのグラフの1つまたは複数の隣接するノードに補助ノードを接続し得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、方法2400は、
図11~
図23に関連して本明細書に記載されるように、グラフを使用して被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界の位置を特定することをさらに含み得る。例えば、方法2400は、グラフを(例えば、開始ノードである補助ノードから終了ノードである補助ノードまで)横断する複数の経路を決定することと、複数の経路の中から経路を選択することとを含み得る。この例では、選択された経路は、画像および/または測定結果における被験者の網膜眼底の第1の層と第2の層との間の境界に対応し得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、方法2400は、ステップ2401においてグラフを生成する前に、画像および/または測定結果の列内の画素をシフトさせることをさらに含み得る。代替的または追加的に、グラフを生成するために使用される画像および/または測定結果の複数の画素は、方法2400を実行する前に画素の列内で予めシフトされていてもよいが、本明細書に記載される実施形態はそのように限定されるものではない。
【0098】
いくつかの実施形態において、方法2400は、
図9および
図10に関連して本明細書に記載されるように、画像および/または測定結果の導関数(例えば、正および/または負の微分)を生成することと、導関数を使用してグラフを生成することとをさらに含み得る。代替的または追加的に、グラフを生成するために使用される画像および/または測定結果は、方法2400を実行する前に生成された別の画像および/または測定結果の導関数であってもよいが、本明細書に記載される実施形態はそのように限定されるものではない。
【0099】
いくつかの実施形態において、方法2400はさらに、画像および/または測定結果の画素をサブセットに分割することと、ステップ2401においてグラフを生成するための画素のサブセットおよび/または
図16~
図23に関連して含む本明細書に記載されるようにグラフ内での被験者の網膜眼底の特徴(例えば、層間の境界)の位置を特定するための画素のサブセットを選択することを含み得る。
【0100】
図25は、いくつかの実施形態による、画像および/または測定結果からグラフを生成する代替の例示的な方法2500のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法2500は、方法2400に関して本明細書に記載される態様で実行され得る。例えば、方法2500は、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサを使用して実行され得る、および/または、非一時的記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときにプロセッサに方法2500を実行させる命令を記憶し得る。代替的または追加的に、画像および/または測定結果は、被験者の眼底の画像および/または測定結果であり得る。
【0101】
図25において、図示された方法2500は、ステップ2501において、画像および/または測定結果からグラフの複数のノードおよび複数のエッジを生成することと、ステップ2502において、グラフの複数のノードから開始ノードおよび/または終了ノードを選択することと、ステップ2503において、開始ノードまたは終了ノードをグラフの別のノードに接続する補助エッジを生成することとを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、ステップ2501において画像および/または測定結果からグラフを生成することは、方法2400のステップ2401に関して本明細書に記載される態様で実行され得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、ステップ2402においてグラフの複数のノードから開始ノードおよび/または終了ノードを選択することは、プロセッサ(1つまたは複数)が、開始ノードおよび/または終了ノードとして、画像および/または測定結果の角部画素に対応する角部ノードを選択することを含み得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、画像および/または測定結果の第1の列内の第1の角部画素に対応する第1のノードを開始ノードとして選択し、画像および/または測定結果の第2の列内の第2の角部画素に対応する第2のノードを終了ノードとして選択し得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、ステップ2503において開始ノードまたは終了ノードをグラフの別のノードに接続する補助エッジを生成することは、
図5Aに関連して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)が、開始ノードをその開始ノードに対応する画素と同じ列内の画素に対応する別のノードに接続する補助エッジを生成することを含み得る。代替的にまたは追加的に、
図5Aに関連して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)は、終了ノードをその終了ノードに対応する画素と同じ列内の画素に対応する別のノードに接続する補助エッジを生成し得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、開始ノードをその開始ノードに対応する画素と同じ列内の画素に対応する一部または全てのノードに接続する1つまたは複数の補助エッジを生成し得る、および/または、終了ノードをその終了ノードに対応する画素と同じ列内の画素に対応する一部または全てのノードに接続する1つまたは複数の補助エッジを生成し得る。
【0105】
いくつかの実施形態において、方法2500はさらに、
図5Aおよび
図5Bに関連して本明細書に記載されるように、ステップ2501において生成された一部または全てのエッジに重み付け値を割り当てること、および/または、ステップ2503において生成された補助エッジに予め設定された重み付け値を割り当てることを含み得る。いくつかの実施形態において、方法2500はさらに、
図5Bに関連して本明細書に記載されるように、グラフのノードを横断する1つまたは複数の経路を決定および/または選択することなどによって、画像および/または測定結果内の被験者の網膜眼底の特徴の位置を特定することを含み得る。
【0106】
いくつかの実施形態において、方法2500はさらに、
図24に関連して本明細書に記載される方法2400の他のステップを含み得る。
図26は、いくつかの実施形態による、被験者の網膜眼底の画像および/または測定結果において被験者の網膜眼底の1つまたは複数の特徴の位置を特定する例示的な方法2600である。いくつかの実施形態において、方法2600は、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセッサを使用して実行され得る、および/または、非一時的コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときにプロセッサに方法2600を実行させる、符号化された命令を記憶し得る。
【0107】
図26に示されるように、方法2600は、ステップ2601において、画像および/または測定結果の1つまたは複数の列内の画素をシフトさせることと、ステップ2602において、1つまたは複数の第1の特徴の位置を特定するために画像および/または測定結果から第1の微分画像および/または測定結果を生成することと、ステップ2603において、1つまたは複数の第2の特徴の位置を特定するために画像および/または測定結果から第2の微分画像および/または測定結果を生成することと、ステップ2604において、1つまたは複数の第3の特徴の位置を特定するために画像および/または測定結果のサブセットを選択することと、を含み得る。
【0108】
いくつかの実施形態において、ステップ2601において画像および/または測定結果の1つまたは複数の列内の画素をシフトさせることは、プロセッサ(1つまたは複数)が、
図9および
図10に関連して本明細書に記載されるように、被験者の網膜眼底(例えば、RPE)の少なくとも1つの特徴に対応する画像および/または測定結果の画素が画像および/または測定結果の1つまたは複数の行に沿った線を形成するまで、画素をシフトさせることを含み得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、ステップ2602において第1の特徴の位置を特定するために画像および/または測定結果から第1の微分画像および/または測定結果を生成することは、
図7および
図8に関連して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)が正および/または負の微分画像を生成することを含み得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、画像および/または測定結果内の第1の特徴(例えば、ILM-硝子体境界および/またはIS-OS境界)をさらに強調する正の微分画像を生成し得る。いくつかの実施形態において、ステップ2602はさらに、方法2400および/または方法2500に関連して本明細書に記載されるように、第1の特徴の位置を特定することを含み得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、ステップ2603において第2の特徴の位置を特定するために画像および/または測定結果から第2の微分画像および/または測定結果を生成することは、ステップ2602に関して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)が正および/または負の微分画像を生成することを含み得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、画像および/または測定結果における第2の特徴(例えば、RPE-BM境界)をさらに強調する負の微分画像を生成し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ(1つまたは複数)は、
図14および
図15に関連して本明細書に記載されるように、ステップ2602において位置特定された第1の特徴(1つまたは複数)の位置(1つまたは複数)を使用して第2の特徴(1つまたは複数)の位置(1つまたは複数)を決定し得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、ステップ2604において第3の特徴の位置を特定するために画像および/または測定結果のサブセットを選択することは、
図16に関連して本明細書に記載されるように、プロセッサ(1つまたは複数)が、画像および/または測定結果の画素に閾値(例えば、画素強度閾値)を適用して、その閾値を上回るもしくは下回る、画像および/または測定結果の画素の1つまたは複数のサブセットを選択することを含み得る。例えば、閾値レベルにある画素は、種々の実施形態によれば、閾値レベルを上回るもしくは下回る画素とソートされ得る。いくつかの実施形態において、ステップ2604はさらに、
図17に関連して本明細書に記載されるように、選択されたサブセット(1つまたは複数)内の第3の特徴(1つまたは複数)(例えば、RNFL-GCL境界)の位置を特定することを含み得る。例えば、プロセッサ(1つまたは複数)は、
図17に関連して本明細書に記載されるように、第3の特徴の位置を特定するための画素のサブセットを選択するために、ステップ2602および/またはステップ2603において位置特定された第1および/または第2の特徴(例えば、IS-OS境界)の位置を使用し得る。
【0112】
いくつかの実施形態において、ステップ2604は、代替的にまたは追加的に、
図19~
図23に関連して本明細書に記載されるように、第3の特徴(例えば、INL-OPL、IPL-INL、および/またはOPL-ONL)の位置を特定するために、ステップ2602,2603に関して本明細書に記載されるように、同一または別の選択されたサブセット(1つまたは複数)の微分画像および/または測定結果を生成することを含み得る。
【0113】
いくつかの実施形態において、方法2600はさらに、
図24および
図24に関連して記載される方法2400および/または方法2500の一部または全てのステップを含み得る。
【0114】
[IV.用途]
本発明者らは、本明細書に記載の撮像装置を使用して実施することができる改善された撮像および測定技術を開発した。種々の実施形態によれば、そのような撮像および測定技術は、画像を処理するために使用され得る。
【0115】
本発明者らは、本明細書に記載される技術にしたがって捕捉された1つまたは複数の画像における人の網膜眼底の状況によって様々な健康状態が示され得ることを認識した。例えば、糖尿病性網膜症は、より細い血管の血管壁から突出した小さな膨らみまたは微小動脈瘤によって示され、体液および血液が網膜内に漏出することがある。また、より太い網膜血管は、拡張し始めて直径が不規則になり得る。網膜中の神経線維は、腫れ始めることもある。また、黄斑浮腫のように、網膜の中心部(黄斑部)が腫れ始めることもある。損傷した血管が閉鎖すると、網膜において新たな異常血管の成長を引き起こし得る。緑内障性視神経障害または緑内症は、軸索および二次的な網膜神経節細胞の喪失の結果として、傍乳頭網膜神経繊維層(RNFL)の菲薄化および視神経乳頭陥凹によって示され得る。RNFL層は、例えば、視神経乳頭周辺の異なる眼部における平均値として測定され得る。本発明者らは、例えばOCTによって示されるRNFL欠損が緑内障の最も初期の徴候の1つであることを認識した。また、加齢黄斑変性(AMD)は、黄斑の剥離および/または浮き上がり、黄斑色素沈着の障害(例えば、網膜中心領域における色素上皮層の下の黄色がかった物質)、および/またはドルーゼン(例えば、黄斑ドルーゼン、末梢ドルーゼン、および/または顆粒パターンドルーゼン)によって示され得る。また、AMDは、色素沈着過剰、貨幣状萎縮、および/または網膜下液の境界明瞭な円形領域などの地図状萎縮によって示され得る。
【0116】
スターガルト病は、網膜中心部における光受容体細胞の死滅によって示され得る。黄斑浮腫は、中心窩を囲む領域内の溝によって示され得る。黄斑円孔は、黄斑内の孔によって示され得る。糖尿病性黄斑浮腫(DME)は、損傷した血管漏出に起因する網膜における流体蓄積によって示され得る。眼球浮腫は、焦点の合っていない光路の不明瞭化によって示され得る。網膜剥離は、重度の視神経乳頭破壊、および/またはその下の色素上皮からの分離によって示され得る。網膜変性は、網膜の劣化によって示され得る。加齢黄斑変性(AMD)は、網膜全体、特にRPE層の菲薄化によって示され得る。また、湿性AMDは、網膜における漏出をもたらし得る。中心性漿液性網膜症(CSR)は、黄斑部における感覚網膜の隆起、および/または色素上皮からの局所的剥離によって示され得る。脈絡膜黒色腫は、脈絡膜で発生した色素細胞に由来する悪性腫瘍によって示され得る。白内障は、不透明な水晶体によって示され得るとともに、ぼやけた蛍光寿命および/または二次元網膜眼底画像を引き起こし得る。黄斑部毛細血管拡張症は、黄斑部の蛍光寿命が劇的に増加するリングや、中心窩およびその周囲で劣化する細い血管によって示され得る。アルツハイマー病およびパーキンソン病は、RNFLの菲薄化によって示され得る。糖尿病性網膜症、緑内障、およびその他のこのような疾患は、適切に検査および治療されない場合、失明または重篤な視覚障害をもたらし得る。別の実施例では、視神経障害、視神経萎縮、および/または脈絡膜襞は、本明細書に記載される技術を使用して捕捉された画像内に示され得る。視神経障害および/または視神経萎縮は、緑内障、視神経炎、および/または乳頭浮腫などの眼内の損傷や、腫瘍、神経変性障害、および/または外傷などの脳への視神経の経路に沿った損傷や、および/またはレーバー遺伝性視神経萎縮(LHOA)常染色体優性視神経萎縮(ADOA)などの先天性疾患によって引き起こされ得る。例えば、圧迫性視神経萎縮は、下垂体腺腫、頭蓋内髄膜腫、動脈瘤、頭蓋咽頭腫、粘液嚢胞、乳頭腫、および/または転移などの外的徴候、および/または、視神経膠腫、視神経鞘(ONS)髄膜腫、および/またはリンパ種などの外的徴候によって示され得るか、またはそれらに関連し得る。視神経萎縮は、中心窩の厚さが保たれた状態での黄斑菲薄化によって示され得る。血管性および/または虚血性視神経萎縮は、セクターディスク蒼白、非動脈炎性前部虚血性視神経障害(NAION)、動脈炎性虚血性視神経障害(AION)、グリオーシスを伴う重度の視神経萎縮、巨細胞性動脈炎、網膜中心動脈閉塞症(CRAO)、頚動脈閉塞、および/または糖尿病によって示され得るか、またはそれらに関連し得る。腫瘍性視神経萎縮は、リンパ腫、白血病、腫瘍、および/または神経膠腫によって示され得るか、それらに関連し得る。炎症性視神経萎縮は、サルコイド、全身性エリテマトーデス(SLE)、ベーチェット病、デビック病としても知られる多発性硬化症(MS)および/または視神経脊髄炎スペクトル障害(NMOSD)などの脱髄、アレルギー性血管炎(AN)、および/またはチャーグ・ストラウス症候群によって示され得る。伝染性視神経萎縮は、ウイルス、細菌、および/または真菌感染の存在によって示され得る。放射線視神経障害もまた示され得る。
【0117】
さらに、いくつかの実施形態において、撮像装置は、少なくとも部分的に、画像のシーケンスにわたって人の眼の移動を追跡することによって、脳震盪を検出するように構成され得る。例えば、本明細書に記載される虹彩センサ、白色光撮像構成要素、および/または他の撮像構成要素は、震盪の種々の指標のために人の眼の移動を追跡するように構成され得る。中毒性視神経萎縮および/または栄養性視神経萎縮は、エタンブトール、アミオダロン、メタノール、ビタミンB12欠乏症、および/または甲状腺眼症と関連して示され得る。代謝性視神経萎縮は、糖尿病によって示され得るか、またはそれに関連し得る。遺伝性視神経萎縮は、ADOAおよび/またはLHOAによって示され得るか、またはそれに関連し得る。外傷性視神経症は、視神経外傷、ONS血腫、および/または骨折によって示され得るか、またはそれらに関連し得る。
【0118】
したがって、いくつかの実施形態において、様々な医学的状態に対する人の素因は、本明細書に記載される技術にしたがって捕捉された人の網膜眼底の1つまたは複数の画像に基づいて決定され得る。例えば、特定の医学的状態(例えば、AMDの黄斑剥離および/または浮き上がり)の上述した兆候のうちの1つ以上が、捕捉された画像(1つまたは複数)内で検出された場合、その人は、その医学的状態の素因を有し得る。
【0119】
また、本発明者らは、いくつかの健康状態が、本明細書に記載される蛍光画像化技術を使用して検出され得ることを認識した。例えば、黄斑円孔は、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する被験者の眼の網膜色素上皮(RPE)および/または黄斑色素を励起するために340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。RPEからの蛍光は、主にRPEライソームからのリポフスチンに起因し得る。網膜動脈閉塞症は、445nmの励起波長を使用して、520~570nmの間の蛍光発光波長を有する被験者の眼の中のフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、RPE、および/またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を励起することによって検出され得る。ドルーゼンにおけるAMDは、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する被験者の眼におけるRPEを励起するために340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。地図状萎縮を含むAMDは、520~570nmの蛍光発光波長を有する被験者の眼におけるRPEおよびエラスチンを励起するために445nmの励起光波長を使用して検出され得る。血管新生型のAMDは、被験者の脈絡膜および/または網膜内層を励起することによって検出され得る。糖尿病性網膜症は、590~560nmの蛍光発光波長を有する被験者の眼においてFADを励起するために448nmの励起光波長を使用して検出され得る。中心性漿液性脈絡網膜症(CSCR)は、520~570nmの蛍光発光波長を有する被験者の眼におけるRPEおよびエラスチンを励起するために445nmの励起光波長を使用して検出され得る。シュタルガルト病は、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する被験者の眼におけるRPEを励起するために340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。コロイデレミアは、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する被験者の眼におけるRPEを励起するために340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。
【0120】
また、本発明者らは、人の様々な健康問題を診断するために人の網膜眼底の捕捉された画像を使用するための技術を開発した。例えば、いくつかの実施形態では、上述した健康状態のいずれかを診断することができる。
【0121】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される撮像技術は、健康状態判定のために使用され得る。この健康状態判定は、心臓の健康、心血管疾患および/または心血管リスク、貧血、網膜毒性、ボディマス指数、水分重量、水和状態、筋肉量、年齢、喫煙習慣、血中酸素レベル、心拍数、白血球数、赤血球数、および/または他のそのような健康属性に関する判定を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、少なくとも40nmの帯域幅を有する光源は、6μmの直径を有する赤血球および少なくとも15μmの直径を有する白血球を捕捉する十分な撮像分解能を伴って構成され得る。したがって、本明細書に記載される撮像技術は、赤血球および白血球の選別および計数、血液内のそれぞれの密度の推定、および/または他のそのような判定を促進するように構成され得る。
【0122】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される撮像技術は、血液細胞の移動の追跡を促進して血流速度を測定し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される撮像技術は、血管幅の追跡を促進して血圧変化および灌流の推定値を提供し得る。例えば、1μs以内に完了する2次元(2D)空間走査を使用して赤血球および白血球を分解するように構成された本明細書に記載される撮像装置は、1メートル/秒で血液細胞の移動を捕捉するように構成され得る。いくつかの実施形態において、スーパールミネッセントダイオード、LED、および/またはレーザなど、本明細書に記載される装置に含まれ得る光源は、画像が1マイクロ秒未満で捕捉され得るように、サブマイクロ秒光パルスを放出するように構成され得る。本明細書に記載されるスペクトル走査技術を使用することで、走査された線(例えば、横方向)対深度の断面全体がサブマイクロ秒で捕捉され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される2次元(2D)センサは、低速での内部または外部読み取りおよび後続分析のために、そのような画像を捕捉するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、3Dセンサが使用され得る。以下に記載される実施形態は、1マイクロ秒以内に複数の高品質スキャンを得るという課題を克服する。
【0123】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される撮像装置は、血管方向に沿って整合される線を走査するように構成され得る。例えば、走査は、被験者の網膜眼底の血管構成を識別し、観察のためにより大きい血管を選択した後に、回転および位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、選択された血管が単一の走査線内に収まるように、小さくて1つの細胞しか血管を順に通過できない血管が選択され得る。いくつかの実施形態では、標的撮像面積を被験者の眼のより小さい区分に限定することにより、撮像センサのための収集面積が低減し得る。いくつかの実施形態では、撮像センサの一部を使用することにより、撮像フレームレートを数十KHまで増加することが促進され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される撮像装置は、スペクトル拡散干渉を低減させながら、被験者の眼の小面積にわたって高速走査を行うように構成され得る。例えば、各走査線は、撮像センサアレイの異なる部分を使用し得る。したがって、複数の深度走査が同時に捕捉され得るとともに、各走査が撮像センサアレイの個別の部分によって捕捉される。いくつかの実施形態では、各走査は、各深度走査が独立して測定され得るように、分散スペクトルよりも広いなど、撮像センサアレイ上により広い間隔をもたらすように拡大され得る。
【0124】
本明細書に記載された技術のいくつかの態様および実施形態を説明したが、当業者であれば、様々な変更、変形、および改良が想到し得る。そのような変更、修正、および改良も本明細書に記載される技術の思想および範囲内であることが意図される。例えば、当業者であれば、本明細書に記載される機能を実施するため、その結果を得るため、および/または利点の1つ以上を得るための種々の他の手段および/または構造を容易に想定することができ、そのような変更および/または変形の各々も本明細書に記載される実施形態の範囲内であると見なされる。当業者は、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多くの等価物を認識し得るか、または慣用的な実験を使用してそれを確認し得る。したがって、上述した実施形態は、単に例示として提示されるものであり、本発明の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内において、具体的に記載されたものとは別の方法でも実施され得る。また、本明細書に記載される2つ以上の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0125】
上述した実施形態は、多くの方法のうちのいずれかで実施することができる。プロセスまたは方法の実行を含む本開示の1つまたは複数の態様および実施形態は、デバイス(例えば、コンピュータ、プロセッサ、または他のデバイス)によって実行可能なプログラム命令を利用して、プロセスまたは方法を実行するか、またはその実行を制御することができる。この点において、種々の発明概念は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されたときに、上記した種々の実施形態のうちの1つ以上を実現する方法を実行する、1つまたは複数のプログラムでエンコードされたコンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つまたは複数のフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイス内の回路構成、または他の有形コンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。1つまたは複数のコンピュータ可読媒体は、それに記憶された1つまたは複数のプログラムを1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサにロードして上記で説明した態様のうちの様々な態様を実装することができるように移送可能であり得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ可読媒体は、非一時的媒体であり得る。
【0126】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「画像」および「測定結果」という用語は、そうでないことが明確に示されない限り、画像および/または測定結果、すなわち、画像および測定結果、画像、または測定結果を意味する。「画像」および「測定結果」という用語は、画像および/または測定結果を意味する。
【0127】
上述した実施形態は、多くの方法のうちのいずれかで実施することができる。プロセスまたは方法の実行を含む本開示の1つまたは複数の態様および実施形態は、デバイス(例えば、コンピュータ、プロセッサ、または他のデバイス)によって実行可能なプログラム命令を利用して、プロセスまたは方法を実行するか、またはその実行を制御することができる。この点において、種々の発明概念は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されたときに、上記した種々の実施形態のうちの1つ以上を実現する方法を実行する、1つまたは複数のプログラムでエンコードされたコンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つまたは複数のフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイス内の回路構成、または他の有形コンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。1つまたは複数のコンピュータ可読媒体は、それに記憶された1つまたは複数のプログラムを1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサにロードして上記で説明した態様のうちの様々な態様を実装することができるように移送可能であり得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ可読媒体は、非一時的媒体であり得る。
【0128】
「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、本明細書では、上記で説明した様々な態様を実装するようにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために採用され得る任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指すために一般的な意味で使用される。また、一態様によれば、実行されたときに本開示の方法を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に存在する必要はなく、本開示の様々な態様を実装するためにいくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサの間でモジュール方式にて分散されてもよい。
【0129】
コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールなどの多くの形態であり得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において必要に応じて組み合わされてもよく、または分散されてもよい。
【0130】
また、データ構造は、任意の適切な形態でコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。説明を簡単にするために、データ構造は、データ構造内の位置を通じて関連付けられるフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ可読媒体内のロケーションをフィールドのためのストレージに割り当てることによって達成され得る。しかし、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他の機構の使用を介することを含めて、任意の適切な機構を使用して、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立することができる。
【0131】
ソフトウェアで実装されるとき、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータ内に提供されるか、または複数のコンピュータ間に分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサまたはプロセッサの集合上で実行され得る。
【0132】
さらに、コンピュータは、非限定的な例として、ラックマウント型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータなど、いくつかの形態のいずれかで具現化されてよい。また、コンピュータは、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、または任意の他の好適なポータブルもしくは固定型電子デバイスを含む、概して、コンピュータと見なされないが、好適な処理能力を伴うデバイス内に組み込まれてもよい。
【0133】
また、コンピュータは、1つまたは複数の入力および出力デバイスを有し得る。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザインターフェースを提示するために使用され得る。ユーザインターフェースを提供するために使用され得る出力デバイスの例としては、出力の視覚的提示のためのプリンタまたはディスプレイスクリーン、および出力の可聴提示のためのスピーカまたは他の音生成デバイスが挙げられる。ユーザインターフェースに使用され得る入力デバイスの例には、キーボード、ならびにマウス、タッチパッド、およびデジタイジングタブレットなどのポインティングデバイスが含まれる。別の例として、コンピュータは、音声認識を介して、または他の可聴フォーマットで入力情報を受信することができる。
【0134】
そのようなコンピュータは、企業ネットワークなどのローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク、およびインテリジェントネットワーク(IN)またはインターネットを含む、任意の適切な形態の1つまたは複数のネットワークによって相互接続され得る。そのようなネットワークは、任意の適切な技術に基づき得るとともに任意の適切なプロトコルに従って動作し得るものであり、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバネットワークを含み得る。
【0135】
方法の一部として実行される動作は、任意の適切な方法で順序付けられ得る。したがって、例示的な実施形態では連続した動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、図示されたものとは異なる順序で動作が実行される実施形態も構築され得る。
【0136】
本明細書で規定および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文献中の定義、および/または定義された用語の通常の意味を制する。
本明細書および特許請求の範囲において使用される「1つ」は、そうでないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味する。
【0137】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味する。「および/または」で列挙された複数の要素は、そのように結合された要素の「1つまたは複数」と同じように解釈される。「および/または」の語句によって具体的に特定された要素以外の他の要素も、具体的に特定されたそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「備える」などのオープンエンド言語と併せて使用される場合、一実施形態において、Aのみ(任意選択でB以外の要素を含む)、別の実施形態において、Bのみ(任意選択でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態において、AとBの両方(任意選択で他の要素を含む)などを指し得る。
【0138】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つまたは複数の要素のリストに関して「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の要素の任意の1つまたは複数のうちから選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に具体的に列挙されたありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを含むとは限らず、要素のリスト内の要素の任意の組合せを除外するとは限らない。また、この定義は、「少なくとも1つの」という語句が言及する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素も、具体的に特定されたそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態において、少なくとも1つの(任意選択で2つ以上の)Aを含み、Bが存在しない(および任意選択でB以外の要素を含む)ことを指すことができ、別の実施形態において、少なくとも1つの(任意選択で2つ以上の)Bを含み、Aが存在しない(および任意選択でA以外の要素を含む)ことを指すことができ、さらに別の実施形態において、少なくとも1つの(任意選択で2つ以上の)Aを含み、かつ、少なくとも1つの(任意選択で2つ以上の)Bを含む(および任意選択で他の要素を含む)ことなどを指すことができる。
【0139】
また、本明細書で使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定するものと見なされるべきではない。本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」、「含有する」、「伴う」、およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加の項目を包含することを意味する。
【0140】
特許請求の範囲、ならびに上記の明細書において、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」、「から構成される」などのすべての移行句はオープンエンドである、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味する。「からなる」および「から本質的になる」という移行句のみが、それぞれ限定的または半限定的な移行句であるものとする。
【国際調査報告】