(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】中心でピークに達する表面輝度を有するLEDダイ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20241108BHJP
H01L 33/36 20100101ALI20241108BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532679
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022050248
(87)【国際公開番号】W WO2023101825
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ユィ-チェン
(72)【発明者】
【氏名】ディマリア,ジェフリー ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】モネスティエ,フローレント グレゴワール
(72)【発明者】
【氏名】ロペス ジュリア,アントニオ
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241CA02
5F241CA03
5F241CA13
5F241CA74
5F241CA76
5F241CA92
5F241CA93
5F241CB21
5F241FF11
(57)【要約】
発光ダイオードダイ(LEDダイ)は、pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を含むことができる。LEDダイは、pn接合に給電することができるビアを含むことができる。ビアは、任意で互いに並列に電気的に接続することができる。コントローラは、LEDダイに給電するために、ビアに電流を供給することができる。ビアは、LEDダイの中心又はその近傍でピーク密度となり、ピーク密度から離れるにつれて減少する密度で分布させることができ、したがって、複数のビアが給電されると、LEDダイは、LEDダイの中心又はその近傍でピーク表面輝度となり、ピーク表面輝度からの距離が増加するにつれて減少する表面輝度を有する光を放出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明システムであって、
pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を含む発光ダイオードダイ(LEDダイ)を備え、
前記LEDダイは、pn接合に給電するように構成された複数のビアを含み、
前記複数のビアは、前記LEDダイの中心又はその近傍でピーク密度となり、前記ピーク密度からの距離が増加するにつれて減少する密度で分布しており、したがって、前記複数のビアが給電されると、前記LEDダイは、前記LEDダイの中心又はその近傍でピーク表面輝度となり、前記ピーク表面輝度からの距離が増加するにつれて減少する表面輝度を有する光を放出する、
照明システム。
【請求項2】
前記複数のビアのうちのビアは、互いに並列に電気的に接続されている、
請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記複数のビアのうちのビアは、等辺三角形パターンで前記LEDダイの表面エリアにわたって分布している、
請求項1記載の照明システム。
【請求項4】
前記複数のビアのうちのビアは、隣接するビア間のセパレーションが、最小のビアセパレーション値の15%以上の値だけLEDダイ全体で変化するように、前記LEDダイの表面エリアにわたって分布している、
請求項1記載の照明システム。
【請求項5】
前記LEDダイは、前記LEDダイの中心に近接して配置される中心コンタクトパッドを含み、
前記中心コンタクトパッドは、前記複数のビアのうちのビアに電流を供給し、前記LEDダイから遠ざけるように熱を方向付けるように構成されている、
請求項1記載の照明システム。
【請求項6】
前記LEDダイの表面エリアにわたって少なくとも部分的に延在する導電層であって、前記複数のビアが給電されると、前記導電層と前記複数のビアとの間のpn接合を介して電流が流れるように配置された導電層をさらに含む、
請求項1記載の照明システム。
【請求項7】
前記複数のビアは、前記nドープ半導体材料に電気的にコンタクトする第1の複数のビアであり、
前記照明システムは、
前記pドープ半導体材料に電気的にコンタクトする第2の複数のビアをさらに含み、したがって、前記複数のビアが給電されると、前記第1の複数のビアと前記第2の複数のビアとの間のpn接合を介して電流が流れる、
請求項1記載の照明システム。
【請求項8】
前記複数のビアのうちのビアは、前記nドープ半導体材料に電気的にコンタクトするnビアである、
請求項1記載の照明システム。
【請求項9】
前記LEDダイの周辺部にはビアがない、
請求項1記載の照明システム。
【請求項10】
前記LEDダイの高輝度エリアは、表面輝度がピークの表面輝度の80%以上であるLEDダイのエリアとして画定され、
前記高輝度エリアは、前記LEDダイの表面エリアの半分以下である、
請求項1記載の照明システム。
【請求項11】
前記LEDダイの高輝度エリアは、表面輝度がピークの表面輝度の80%以上である前記LEDダイのエリアとして画定され、
前記高輝度エリアは周辺部を有し、
前記ピーク表面輝度を通過する線に沿って延在する、前記周辺部と前記LEDダイのエッジとの間の半径方向セパレーションは、前記高輝度エリアの前記周辺部における半径方向セパレーションの平均値の20%未満で変化する、
請求項1記載の照明システム。
【請求項12】
前記LEDダイの表面エリアは、正六角形である、
請求項1記載の照明システム。
【請求項13】
前記LEDダイの表面エリアにわたって不均一に変化する表面輝度を有する光を生成するために、前記複数のビアを介してpn接合を横切って電流を流すように構成されたコントローラと、
前記光をコリメートするように構成されたレンズと、をさらに備える、
請求項1記載の照明システム。
【請求項14】
前記LEDダイ及び前記レンズは、車両用ヘッドライト、スポットライト、懐中電灯のいずれかとして構成されている、
請求項13記載の照明システム。
【請求項15】
照明システムであって:
発光ダイオードダイ(LEDダイ)であって、前記LEDダイの表面エリアにわたって変化する表面輝度を有する光を放出するように構成されており、前記表面輝度が、前記LEDダイの中心又はその近傍でピーク表面輝度となり、前記ピーク表面輝度からの距離が増加するにつれて減少する、LEDダイと、
前記表面輝度が前記ピーク表面輝度の80%以上である前記LEDダイのエリアとして画定される前記LEDダイの高輝度エリアであって、前記高輝度エリアは前記LEDダイの表面エリアの半分以下であり、前記高輝度エリアは周辺部を有する、高輝度エリアと、
前記ピーク表面輝度を通過する線に沿って延在する、前記周辺部と前記LEDダイのエッジとの間の半径方向セパレーションであって、前記高輝度エリアの前記周辺部の周りの半径方向セパレーションの平均値の20%未満だけ変化する、半径方向セパレーションと、
を備える、照明システム。
【請求項16】
前記LEDダイの前記表面エリアは正六角形として形成されている、
請求項15記載の照明システム。
【請求項17】
前記LEDダイは、pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を備え、
前記LEDダイは、pn接合に給電するように構成された複数のビアを含み、
前記複数のビアは、前記LEDダイの表面エリアにわたって、前記LEDダイの中心又はその近傍でピーク密度となり、前記ピーク密度からの距離が増加するにつれて減少する密度で分布している、
請求項15記載の照明システム。
【請求項18】
照明システムであって:
pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を含む発光ダイオードダイ(LEDダイ)であって、前記LEDダイは、互いに電気的に並列に接続された、pn接合に電力を供給するように構成された複数のビアを含み、前記複数のビアは、前記LEDダイの表面エリアにわたって、前記LEDダイの中心又はその近傍でピーク密度となり、前記ピーク密度からの距離が増加するにつれて減少する密度で不均一に分布しており、したがって、前記複数のビアが給電されると、前記LEDダイは、前記LEDダイの中心又はその近傍でピーク表面輝度となり、前記ピーク表面輝度からの距離が増加するにつれて減少する表面輝度を有する光を放出する、LEDダイと、
前記表面輝度が前記ピーク表面輝度の80%以上である前記LEDダイのエリアとして画定される前記LEDダイの高輝度エリアであって、前記高輝度エリアは前記LEDダイの前記表面エリアの半分以下であり、前記高輝度エリアは周辺部を有する、高輝度エリアと、
前記ピーク表面輝度を通過する線に沿って延在する、前記周辺部と前記LEDダイのエッジとの間の半径方向セパレーションであって、前記高輝度エリアの前記周辺部の周りの半径方向セパレーションの平均値の20%未満だけ変化する、半径方向セパレーションと、
を備える、照明システム。
【請求項19】
前記LEDダイの前記表面エリアは、正六角形である、
請求項18記載の照明システム。
【請求項20】
前記LEDダイの前記表面エリアにわたって少なくとも部分的に延在する導電層であって、前記複数のビアが給電されると、前記導電層と前記複数のビアとの間のpn接合を介して電流が流れるように配置された導電層をさらに含む、
請求項18記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年12月1日に出願された米国仮出願第63/284,982号の利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本開示は、発光ダイオード(LED)ダイ、及びそのようなダイを使用する照明システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
照明システムは、LEDを使用してシーンに光を供給することができる。
【発明の概要】
【0003】
無駄な光を減らし及び/又は照明システムの構成部品の光学材料を減らすなど、照明システムを改善するための努力が続けられている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、いくつかの実施例による照明システムの一例の例示的側面図を示す図である。
【0005】
【
図2】
図2は、いくつかの実施例による照明システムの一例の例示的側面図を示す図である。
【0006】
【
図3】
図3は、いくつかの実施例による、
図1及び
図2のLEDダイの正面図を示す図である。
【0007】
【
図4】
図4は、いくつかの実施例による、照明を提供する方法の一例のフローチャートを示す図である。
【0008】
対応する参照符号は、いくつかの図面の全体にわたって対応する部品を示す。図面中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。図面に示される構成は、実施例に過ぎず、いかなる方法でも制限するものとして解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一部の光学系、例えば、車両用ヘッドライトなどの自動車用光学系では、正方形又は矩形のLEDダイの角から出る光は、光学系の性能指数に大きく寄与しない場合があることが分かっている。(性能指数とは、二乗平均平方根スポットサイズ、特定の空間周波数における変調伝達、検出器信号、ストレール比など、光学系の設計段階で最大化又は最小化される量である)。例えば、車両用ヘッドライトの場合、LEDダイの角からの光は、車両用ヘッドライトの目標位置から離れた場所に到達する可能性があります。その結果、正方形又は矩形のLEDダイの角を利用すると、光学材料(例えば、LEDダイの角を形成する半導体材料)と電力(例えば、LEDダイの角を通過し、LEDダイの角で光を発生させる電流による)を浪費する可能性がある。
【0010】
無駄な光学材料と電力を削減するために、LEDダイは、正方形又は矩形の角に対応する表面積を削減又は除去する形状であることができる。LEDダイは、スクライビング、スコアリング、ブレーキング、ダイシング、レーザーアブレーション、及び/又は直線を含むことができる別の適切なステップを含むことができる単一化プロセス又はダイシングプロセスによってウェハレベルで製造することができるため、製造プロセスは多角形のLEDダイ形状に適している。例えば、LEDダイは、五角形、七角形、八角形、九角形、十角形、又は別のn辺の多角形(nは5以上)の形状にすることができる。
【0011】
いくつかの例では、正六角形LEDダイ(例えば、六角形が等辺及び等角の両方である六角形LEDダイ)などの六角形LEDダイは、同等の正方形又は長方形LEDダイよりも少ない光学材料を使用でき、同等の正方形又は矩形のLEDダイよりも少ない電力で動作できることが見出された。さらに、正六角形は、ウェハの面積などの平面の面積を効率的に埋めるためにタイル状にすることができるため、LEDを正六角形に成形することで、材料の無駄(例えば、LEDダイをn辺の多角形に成形した場合にLEDダイに含まれない材料、ここで、nは5以上7以下である)を避けることができる。
【0012】
LEDダイを特定の方法で成形することに加えて、LEDダイの電気的接続は、表面輝度が、LEDダイの中心又はその近傍などでピークを形成し、ピークから離れるにつれて減少するように、調整されることができる。LEDダイの全表面エリア又はほぼ全表面エリアにわたって延在してLEDダイの表面エリアにわたって概ね均一な表面輝度を生成することができるLEDダイコンタクトと比較して、LEDダイは、LEDダイの表面エリアにわたって不均一に分布することができる複数のビアを含むことができる。LEDダイの中心などのピーク表面輝度を生成するために、ビアは、LEDダイの中心などのピーク位置でより高い密度を有し、ピーク位置から離れた位置でより低い密度を有するように分布することができる。
【0013】
LEDダイをこのように成形し、ダイの電気的接続をこのように形成することは、垂直薄膜(VTF)、埋め込みコンタクト垂直薄膜、チップ・スケール・パッケージ(CSP)、薄膜フリップ・チップ(TFFC)、又はその他の適切なダイ・タイプに使用できる。
【0014】
図1は、いくつかの実施例による照明システム100の例示的側面図である。
【0015】
照明システム100は、発光ダイオード(LED)ダイ102を含むことができる。LEDダイ102は、pドープ半導体材料106とnドープ半導体材料108との間のpn接合104を含むことができる。LEDダイ102は、pドープ半導体材料106に電気的に接触する複数のpビア110を含むことができる。LEDダイ102は、nドープ半導体材料108に電気的に接触する複数のnビア112を含むことができる。pn接合104は、サファイア基板などの基板上に形成することができるが、明瞭化のために
図1では省略している。
【0016】
複数のpビア110及び複数のnビア112は、LEDダイ102の表面エリアにわたって不均一に分布することができ、したがって、複数のpビア110及び複数のnビア112が給電されるとき、LEDダイ102は、LEDダイ102の表面エリアにわたって不均一に変化する表面輝度を有する光を放出することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、複数のpビア110のうちのpビア110及び複数のnビア112のうちのnビア112は、LEDダイ102の中心又はその近傍(例えば、LEDダイ102の直径の5%以内、LEDダイ102の直径の10%以内、又はLEDダイ102の直径の20%以内)にピークを有し、LEDダイ102のピークから離れるにつれて減少する密度で、LEDダイ102の表面エリアにわたって分布することができ、したがって、複数のpビア110及び複数のnビア112が給電されるとき、LEDダイ102は、LEDダイ102の中心又はその近傍で表面輝度114がピークとなり、表面輝度114のピークからの距離が増加するにつれて表面輝度114が減少する光を放出することができる。
【0018】
いくつかの実施例では、複数のpビア110のうちのpビア110及び複数のnビア112のうちのnビア112は、等辺三角形パターンでLEDダイ102の表面エリア上に分布することができる。
【0019】
いくつかの実施例では、複数のpビア110のうちのpビア110は、隣接するpビア110間のセパレーション(separation)が、最小のpビアセパレーション値の15%以上、最小のpビアセパレーション値の10%以上、又は最小のpビアセパレーション値の20%以上の値だけ、LEDダイ102全体で(across)変化するように、LEDダイ102の表面エリアにわたって(over)分布させることができる。LEDダイ102のシミュレーションは、15%(又は10%もしくは20%などの約15%)の値が、LEDダイ102の表面エリアを低減すること(したがって、材料及び電力を低減すること)と、LEDダイ102を使用する光学システムにおいて適切な高い性能指数を維持することとの間の妥当な妥協点を提供できることが示されている。
【0020】
いくつかの実施例では、複数のnビア112のうちのnビア112は、隣接するnビア112間のセパレーションが、最小のnビアセパレーション値の15%以上、最小のnビアセパレーション値の10%以上、又は最小のnビアセパレーション値の20%以上の値だけ、LEDダイ102全体で変化するように、LEDダイ102の表面エリアにわたって分布することができる。
【0021】
いくつかの実施例では、LEDダイ102の周辺部(perimeter)は、pビア110及び-ビア112などの電気的接続を欠くことができる。例えば、LEDダイ102の直径の1%、5%、又は10%以内の周辺部周りのエリア。
【0022】
いくつかの実施例では、複数のpビア110のpビア110は、互いに並列に電気的に接続され得る。LEDダイ102は、LEDダイ102の中心に近接して配置され(例えば、中心からLEDダイ102の直径の1%未満、5%未満、又は10%未満だけ離間され)、複数のpビア110のうちのpビア110に電流を供給することができる中心pコンタクトパッド116を含むことができる。いくつかの実施例では、中心のpコンタクトパッド116は、LEDダイ102から遠ざけるように熱を方向付けることができる。
【0023】
いくつかの実施例では、複数のnビア112のnビア112は、互いに並列に電気的に接続され得る。LEDダイ102は、LEDダイ102の中心に近接して位置し、複数のnビア112のうちのnビア112に電流を供給することができる中心nコンタクトパッド118を含むことができる。いくつかの実施例では、中心のnコンタクトパッド118は、LEDダイ102から遠ざけるように熱を方向付けることができる。
【0024】
図1に示す構成のようないくつかの実施例では、LEDダイ102は、pドープ半導体材料106に電流を供給するためにpビア110を使用することができる。あるいは、LEDダイ102は、各pビアによってアクセスされ得るよりもpドープ半導体材料のより広いエリアに電流を供給するために、ビアよりも大きい1つ以上のコンタクトパッドを使用することができる。いくつかの実施例では、LEDダイ102は、pドープ半導体材料106全体に電流を供給するために、LEDダイ102の全表面エリア又はほぼ全表面エリアにわたって延在するような大きな電気コンタクトを使用することができる。
【0025】
図1に示す構成などのいくつかの例では、LEDダイ102は、nドープ半導体材料108に電流を供給するためにnビアを使用することができる。あるいは、LEDダイ102は、各nビアによってアクセスできるよりも大きなnドープ半導体材料108のエリアに電流を供給するために、ビアよりも大きい1つ以上のコンタクトパッドを使用することができる。いくつかの実施例では、LEDダイ102は、nドープ半導体材料108全体に電流を供給するために、LEDダイ102の全表面エリア又はほぼ全表面エリアにわたって延在するような大きな電気コンタクトを使用することができる。
【0026】
図2は、いくつかの実施例による照明システム200の例示的側面図である。
図1の照明システム100と比較して、照明システム200は、pビア110を、pドープ半導体材料106に電気的にコンタクトする導電層110Aに置き換える。導電層110Aは、複数のpビア110に電力が供給されると、導電層110Aと複数のnビア112との間のpn接合104を介して電流が流れるように、LEDダイ102の表面エリア上に少なくとも部分的に延在することができる。
【0027】
さらなる代替案として、導電層110Aがnドープ半導体材料108に電気的にコンタクトし、ビアがpドープ半導体材料106に電気的にコンタクトするpビアであり、光がpドープ半導体材料106からLEDダイ102を出るように、pドープ半導体材料106とnドープ半導体材料108との位置を入れ替えることができる。
【0028】
図3は、いくつかの実施例による、
図1及び
図2のLEDダイの正面図である。
【0029】
いくつかの実施例では、LEDダイ102の表面エリアは、正六角形、等辺六角形、等角六角形などの六角形であることができる。あるいは、n辺多角形、ここでnは5以上の整数である、を含む他の形状を使用することもできる。
【0030】
いくつかの実施例では、LEDダイの高輝度エリア302は、表面輝度114が、表面輝度114のピークの80%以上であるLEDダイ102のエリアとして画定されることができる。他の閾値、例えば50%、60%、70%、75%、85%、90%、95%、98%、又は99%が、使われることもできる。高輝度エリア302は、LEDダイ102の表面エリアの半分以下であることができる。
【0031】
高輝度エリア302は周辺部304を有する。表面輝度114のピークを通過する線に沿って延在する、周辺部304とLEDダイ102のエッジとの間の半径方向セパレーションは、高輝度エリア302の周辺部304周りの平均半径方向セパレーション値の20%などの閾値パーセンテージ未満だけ変化することができる。他の閾値、例えば40%、30%、25%、15%、10%、5%、2%、又は1%が、使われることもできる。
図3の実施例において、半径方向セパレーションは、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8、D9、D10、D11及びD12の値を有するとして示される。D1乃至D12の値は、値D1乃至D12の平均値(an average value or a mean value)の20%などの閾値パーセンテージ未満で変化し得る。これは一例であり、他の適切な構成を使用することもできる。
【0032】
照明システム100は、LEDダイ102の表面エリアにわたって不均一に変化する表面輝度114を有する光を生成するために、pn接合104を横切って電流を流すことができるコントローラ120を任意選択でさらに含むことができる。照明システム100は、オプションとして、指定された光分布124をターゲットに向けて方向付けるように光をコリメートすることができるレンズ122をさらに含むことができる。いくつかの実施例では、LEDダイ102及びレンズは、車両のヘッドライト、スポットライト、懐中電灯、又は方向ビーム(direction beam)を使用することができる他の適切なアプリケーションとして構成することができる。
【0033】
図4は、いくつかの実施例による、照明を提供する方法400の一例のフローチャートを示す。方法400は、照明システム100、照明システム200、又は別の適切なシステムによって実行することができる。照明を提供するための方法400は、照明を提供するための一つの方法であり、他の適切な方法を使用することもできる。
【0034】
動作402において、発光ダイオード(LED)ダイが提供される。LEDダイは、pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を含むことができる。LEDダイは、pドープ半導体材料106に電気的にコンタクトする複数のpビアを含むことができる。LEDダイは、nドープ半導体材料に電気的にコンタクトする複数のnビアを含むことができる。複数のpビア及び複数のnビアは、LEDダイの表面エリアにわたって不均一に分布することができる。
【0035】
動作404において、複数のpビア及び複数のnビアは、LEDダイの表面エリアにわたって不均一に変化する表面輝度を有する光をLEDダイに放出させるように、給電されることができる。
【0036】
いくつかの実施例では、複数のpビアのうちのpビア及び複数のnビアのうちのnビアは、LEDダイの中心又はその近傍で密度がピークとなり、密度のピークから離れるにつれて減少する密度で、LEDダイの表面エリアにわたって分布することができ、したがって、複数のpビア及び複数のnビアが給電されると、LEDダイは、LEDダイの中心又はその近傍で、表面輝度がピークとなり、表面輝度のピークから離れるにつれて表面輝度が減少する光を放出する。いくつかの実施例では、LEDダイの高輝度エリアは、表面輝度がピーク表面輝度の80%以上であるLEDダイのエリアとして画定されることができる。高輝度エリアは、LEDダイの表面エリアの半分以下であることができる。高輝度エリアは、周辺部を有することができる。ピーク表面輝度を通過する線に沿って延在する、LEDダイの周辺部とエッジとの間の半径方向セパレーション(radial separation)は、高輝度エリアの周辺部周りの半径方向セパレーションの平均値の20%未満だけ変化することができる。いくつかの実施例では、LEDダイの表面エリアは、正六角形である。
【0037】
不均一な表面輝度を有する光を放出することができる、かかるLEDダイを製造する方法について説明する。六角形などの所定の多角形形状のダイを作成するために、ダイ及び基板を単一化又はダイシングすることができる。ダイの単一化の方法には、スクライブ&ブレイク、ステルスダイス(例えば、ブレードではなくレーザーを使用するダイス)&ブレイク、ブレードダイシング、レーザーアブレーションなどがある。ダイシングの方法によっては、ウェハを横切って互いに平行なカットを使用することができる。正六角形のダイの場合、スクライブ&ブレイクは、3つの異なるスクライブ軸を互いに120度の方向で使用することができる。ポリゴンによっては、ウェハ上の他のダイを介するスクライブを防止するために、追加の技術を使用することができる。
【0038】
製造技術の一例として、半導体活性領域(メサ)は、エピタキシャル材料の活性領域を所望の形状を介してドライエッチング(ICP、RIE)を用いて、画定されることができる(メサエッチング)。このようなドライエッチングにより、活性領域を六角形、八角形、その他のn角形などの特定の空間分布に成形することができる。第2エッチングは、メサ境界に適合し得るエピタキシャル材料の境界を画定する(トレンチエッチング)。基板が除去されたVTFダイやTFFCダイの場合、この技術を用いて任意の形状のダイを画定することができる。基板がデバイス上に残るCSPダイでは、ダイレベル又はウェハレベルでのレーザー切断やその他の技術により、余分な基板を除去することができる。この技術により、VTFダイやTFFCダイを三角形の格子状に並べることができ、ウェハの全領域を最も効率的に使用することができる。CSPダイも三角格子構成に配置することができ、基板のレーザーアブレーションによる単一化が可能です。レーザーアブレーションは、ステルススクライブ&ブレイク技術よりも高いレーザー出力とダイ間の広いストリート幅を使用できる。
【0039】
あるいは、単一化技術の別の例では、スクライブ/ブレイクは、他のダイの上にスクライブ/ブレイクしないように、平行なスクライブ/ブレイクラインをスキップすることができる。このアプローチでは、120度離れてオフセットされた3つのスクライブ軸を使用して、中心の六角形を形成するが、3つおきのスクライブ/ブレイクラインをスキップすることができる。3つおきのスクライブ/ブレイクラインをスキップすると、六角形ダイと、2つの追加のダイ形状(三角形とダイヤモンド)の境界とが生成され、これらは廃棄物として廃棄されるか、他のアプリケーションで使用されてウェハ全体を活用できる。
【0040】
別の手法では、GaNをサファイア基板までエッチングし、サファイアをステルスダイシングすることができる。サファイアのクラックが他のダイを介して延在するのを避けるため、多角形の角や点をステルスダイシングしてから、多角形の直線状のエッジをステルスダイシングする。この技術により、クラックが多角形の点を越えて広がるのを防ぐことができる。特に、六角形はハニカム構造にすることで、エピタキシャル材料の無駄を減らし、最小限に抑えることができる。
【0041】
本明細書に開示されるシステム及び関連方法をさらに説明するために、実施例の非限定的なリストを以下に提供する。以下の非限定的な実施例の各々は、それ自体で自立することができ、又は他の実施例のいずれか1つ以上と任意の順列又は組み合わせで組み合わせることができる。
【0042】
実施例1において、照明システムは:
pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を含む発光ダイオードダイ(LEDダイ)を含むことができ、
LEDダイは、pn接合に給電するように構成された複数のビアを含み、複数のビアは、LEDダイの中心又はその近傍でピーク密度となり、ピーク密度からの距離が増加するにつれて減少する密度で分布しており、したがって、複数のビアが給電されると、LEDダイは、LEDダイの中心又はその近傍で、ピーク表面輝度となり、ピーク表面輝度からの距離が増加するにつれて表面輝度が減少する光を放出する。
【0043】
実施例2では、実施例1の照明システムは、任意で次のように構成されることができ:複数のビアのビアは、互いに並列に電気的に接続されている。
【0044】
実施例3では、実施例1又は2のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:複数のビアのうちのビアは、等辺三角形パターンでLEDダイの表面エリアにわたって(over)分布している。
【0045】
実施例4では、実施例1乃至3のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:複数のビアのうちのビアは、隣接するビア間のセパレーションが、最小のビアセパレーション値の15%以上の値だけLEDダイ全体で(across the LED die)変化するように、LEDダイの表面エリアにわたって分布している。
【0046】
実施例5では、実施例1乃至4のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイは、LEDダイの中心に近接して配置される中心コンタクトパッドを含み、中心コンタクトパッドは、複数のビアのうちのビアに電流を供給し、LEDダイから遠ざけるように熱を方向付けるように構成されている。
【0047】
実施例6では、実施例1乃至13のいずれかの照明システムは、任意で:LEDダイの表面エリアにわたって少なくとも部分的に延在する導電層であって、複数のビアが給電されると、導電層と複数のビアとの間のpn接合を介して電流が流れるように配置された導電層をさらに含む。
【0048】
実施例7では、実施例1乃至6のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:複数のビアは、nドープ半導体材料に電気的にコンタクトする第1の複数のビアであり、照明システムは、pドープ半導体材料に電気的にコンタクトする第2の複数のビアをさらに含み、したがって、複数のビアが給電されると、第1の複数のビアと第2の複数のビアとの間のpn接合を介して電流が流れる。
【0049】
実施例8では、実施例1乃至7のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:複数のビアのうちのビアは、nドープ半導体材料に電気的にコンタクトするnビアである。
【0050】
実施例9では、実施例1乃至8のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイの周辺部にはビアがない。
【0051】
実施例10では、実施例1乃至9のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイの高輝度エリアは、表面輝度がピークの表面輝度の80%以上であるLEDダイのエリアとして画定され、高輝度エリアは、LEDダイの表面エリアの半分以下である。
【0052】
実施例11では、実施例1乃至10のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイの高輝度エリアは、表面輝度がピーク表面輝度の80%以上であるLEDダイのエリアとして画定され;高輝度エリアは周辺部を有し;ピーク表面輝度を通過する線に沿って延在する、周辺部とLEDダイのエッジとの間の半径方向セパレーションは、高輝度エリアの周辺部の周りの半径方向セパレーションの平均値の20%未満で変化する。
【0053】
実施例12では、実施例1乃至11のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイの表面エリアは、正六角形である。
【0054】
実施例13では、実施例1乃至13のいずれかの照明システムは、任意でさらに次のものを備えることができ:LEDダイの表面エリアにわたって不均一に変化する表面輝度を有する光を生成するために、複数のビアを介してpn接合を横切って電流を流すように構成されたコントローラ、及び、光をコリメートするように構成されたレンズ。
【0055】
実施例14では、実施例1乃至13のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイ及びレンズは、車両用ヘッドライト、スポットライト、懐中電灯(flashlight)のいずれかとして構成されている。
【0056】
実施例15では、照明システムは:
発光ダイオードダイ(LEDダイ)であって、LEDダイの表面エリアにわたって変化する表面輝度を有する光を放出するように構成されており、表面輝度が、LEDダイの中心又はその近傍でピーク表面輝度となり、ピーク表面輝度からの距離が増加するにつれて減少する、LEDダイと、
表面輝度がピーク表面輝度の80%以上であるLEDダイのエリアとして画定される、LEDダイの高輝度エリアであって、LEDダイの高輝度エリアはLEDダイの表面エリアの半分以下であり、高輝度エリアは周辺部を有する、高輝度エリアと、
ピーク表面輝度を通過する線に沿って延在する、周辺部とLEDダイのエッジとの間の半径方向セパレーションであって、高輝度エリアの周辺部周りの半径方向セパレーションの平均値の20%未満だけ変化する半径方向セパレーションと、を含むことができる。
【0057】
実施例16では、実施例15の照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイの表面エリアは、正六角形として形成されている。
【0058】
実施例17では、実施例15乃至16のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイは、pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を備え;LEDダイは、pn接合に給電するように構成された複数のビアを含み;複数のビアは、LEDダイの表面エリアにわたって、LEDダイの中心又はその近傍でピーク密度となり、ピーク密度からの距離が増加するにつれて減少する密度で分布している。
【0059】
実施例18では、照明システムは:
pドープ半導体材料とnドープ半導体材料との間のpn接合を含む発光ダイオードダイ(LEDダイ)であって、LEDダイは、互いに電気的に並列に接続され、pn接合に電力を供給するように構成された複数のビアを含み、複数のビアは、LEDダイの表面エリアにわたって、LEDダイの中心又はその近傍でピーク密度となり、ピーク密度からの距離が増加するにつれて減少する密度で不均一に分布しており、したがって、複数のビアが給電されると、LEDダイは、LEDダイの中心又はその近傍でピーク表面輝度となり、ピーク表面輝度からの距離が増加するにつれて減少する表面輝度を有する光を放出する、LEDダイと、
表面輝度がピーク表面輝度の80%以上であるLEDダイのエリアとして画定される、LEDダイの高輝度エリアであって、高輝度エリアは、LEDダイの表面エリアの半分以下であり、高輝度エリアは周辺部を有する、高輝度エリアと、
ピーク表面輝度を通過する線に沿って延在する、周辺部とLEDダイのエッジとの間の半径方向セパレーションであって、高輝度エリアの周辺部周りの半径方向セパレーションの平均値の20%未満だけ変化する、半径方向セパレーションと、を含むことができる。
【0060】
実施例19では、実施例18の照明システムは、任意で次のように構成されることができ:LEDダイの表面エリアは、正六角形である。
【0061】
実施例20では、実施例18乃至19のいずれかの照明システムは、任意でさらに次のものを備えることができ:LEDダイの表面エリアにわたって少なくとも部分的に延在する導電層であって、複数のビアが給電されると、導電層と前記複数のビアとの間のpn接合を介して電流が流れるように配置された導電層。
【0062】
本明細書ではシステム及び方法の特定の特徴のみが図示され説明されているが、当業者であれば多くの修正及び変更が生じるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような修正や変更をすべて網羅することを意図していることを理解されたい。方法の動作は、実質的に同時に、又は異なる順序で実行することができる。
【国際調査報告】