(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】減衰装置及び折り畳み式梯子のための減衰装置に配置されるように適合された非対称減衰ブロック、折り畳み式梯子及び減衰装置を折り畳み式梯子に配置するための方法
(51)【国際特許分類】
E06C 7/06 20060101AFI20241108BHJP
E06C 1/12 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
E06C7/06
E06C1/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532719
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 SE2022050720
(87)【国際公開番号】W WO2023101584
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511158351
【氏名又は名称】テレステップス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】マットソン リカルド
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA01
2E044BA01
2E044CA05
2E044CB03
2E044CC01
2E044DB01
(57)【要約】
折り畳み式梯子(1)用の減衰装置(120;220;320;420)が提供される。折り畳み式梯子は、内側梯子管セクション(40a)と、内側側壁(44b)を有する外側梯子管セクション(40b)とを備え、内側梯子管セクション(40a)は、外側梯子管セクション(40b)とともに摺動可能に配置される。減衰装置(120;220;320;420)は、内側梯子管セクション(40a)内に少なくとも部分的に配置されるように適合された頂部部分を有する主本体(121)と、少なくとも1つの取付手段(122;422)と、取付手段(122;422)内に配置されるように適合された非対称減衰ブロック(140;550;550’;550”)と、を備え、非対称減衰ブロックは、折り畳み式梯子内に配置されたときに、外側梯子管セクション(40b)の内側側壁(44b)に摺動可能に当接する少なくとも1つの表面(142)を備える。
【選択図】
図4a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側梯子管セクション(40a)と、内側側壁(44b)を有する外側梯子管セクション(40b)とを備える折り畳み式梯子(1)用の減衰装置(120;220;320;420)であって、前記内側梯子管セクション(40a)が前記外側梯子管セクション(40b)と共に摺動可能に配置され、前記減衰装置(120;220;320;420)が、
前記内側梯子管セクション(40a)内に少なくとも部分的に配置されるように適合された頂部部分を有する主本体(121)と、少なくとも1つの取付手段(122;422)と、
少なくとも1つの取付手段(122;422)に配置されるように適合された非対称減衰ブロック(140;550;550’;550”)であって、前記非対称減衰ブロック(140;550;5501;550”)は、前記折り畳み式梯子内に配置されたときに、前記外側梯子管セクション(40b)の前記内側側壁(44b)に摺動可能に当接する少なくとも1つの表面(142)を備える、非対称減衰ブロック(140;550;550’;550”)と、
を備える、減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項2】
前記非対称減衰ブロック(140;550;5501;550”)は、前記梯子管セクション(40a~b)の内側の中心点(C)から前記梯子管セクション(40a~b)の外側に向かって水平に伸びる中心軸に対して非対称である、請求項1に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項3】
前記非対称減衰ブロック(140;550;5501;550”)は、前記取付手段(122;422)内に配置されたとき、前記梯子管セクション(40a~b)のための少なくとも2つの異なる減衰挙動のうちの1つを引き起こすように配置される、請求項1又は2に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項4】
前記内側側壁(44b)に対する前記非対称減衰ブロック(140;550;5501;550”)の配向は、少なくとも2つの異なる減衰挙動のうちの前記1つを引き起こす、請求項3に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項5】
前記非対称減衰ブロック(140)の位置は、前記受容部分(123)内に配置されたとき、少なくとも2つの異なる減衰挙動のうちの前記1つを引き起こす、請求項3又は4に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項6】
各減衰挙動は、第一の効果及び第二の効果を含み、前記第一の効果と前記第二の効果とは、互いに異なる、請求項3~5のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項7】
前記非対称減衰ブロック(140)の第一の配向又は位置は、前記梯子管セクション(40a~b)の第一の減衰挙動を引き起こし、
前記非対称減衰ブロック(140)の第二の配向又は位置は、前記梯子管セクション(40a~b)の第二の減衰挙動を引き起こす、請求項3~6のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項8】
前記外側梯子管セクション(40b)に対する前記内側梯子管セクション(40a)の内側への後退は、第二の効果を引き起こし、前記第二の効果は、前記非対称減衰ブロック(140)を強制的に移動させ、前記梯子管セクション(40a~b)に減衰効果を引き起こし、
前記外側梯子管セクション(40b)に対する前記内側梯子管セクション(40a)の外側への拡張は、第一の効果を引き起こし、前記第一の効果は、前記非対称減衰ブロック(140)によって引き起こされる前記減衰効果を解放する、請求項7に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項9】
前記第二の減衰挙動において、
前記外側梯子管セクション(40b)に対する前記内側梯子管セクション(40a)の内側への後退は、第一の効果を引き起こし、前記第一の効果は、前記非対称減衰ブロック(140)によって引き起こされる前記減衰効果を解放し、
前記外側梯子管セクション(40b)に対する前記内側梯子管セクション(40a)の外側への延張は、第二の効果を引き起こし、前記第二の効果は、前記非対称減衰ブロック(140)を強制的に移動させ、前記梯子管セクション(40a~b)に前記減衰効果を引き起こす、請求項7又は8に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの取付手段(122;422)は、前記内側側壁(44b)に面する空洞を備え、前記非対称減衰ブロック(140)は、前記空洞内に少なくとも部分的に嵌合するように適合される、請求項1~9のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項11】
前記減衰装置は、それぞれが空洞を有する2つの取付手段(122;422)と、2つの減衰ブロック(140)とを備え、それぞれの前記空洞は、前記内側側壁(44b)の周りの異なる周方向位置に面し、前記非対称減衰ブロック(140)は、それぞれ、各それぞれの前記空洞内に少なくとも部分的に嵌合するように適合される、請求項10に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項12】
前記非対称減衰ブロック(140)は、締め付けによって前記空洞内に嵌合するように適合される、請求項10又は11に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項13】
前記非対称減衰ブロック(140)は、単一の一体化された事前成形ブロックである、請求項1~12のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項14】
前記非対称減衰ブロック(140)は、可撓性の均質な材料からなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項15】
前記減衰装置(120;220;320;420)は、前記内側梯子管セクション(40a)の内側に少なくとも部分的に配置される、請求項1~14のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項16】
前記減衰装置(120;220;320;420)の一部分(125、128)は、前記内側梯子管セクション(40a)の外側に配置され、前記減衰装置(120)を前記内側梯子管セクション(40a)にさらに固定する、請求項1~15のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)。
【請求項17】
複数の梯子セクション(6、5a~j)を備える折り畳み式梯子(1)であって、各梯子セクションは、互いに平行に配置され、ラング(20a~k、21)によって相互接続されてそれぞれの前記梯子セクションを形成する2つの梯子管(10、12)を備え、各梯子管(10、12)は、下位セクションの梯子管(10、12)内に入れ子式に挿入されて、前記折り畳み式梯子(1)を形成し、各梯子セクション(6、6a~j)は、請求項1~16のいずれか一項に記載の減衰装置(120;220;320;420)を備える、折り畳み式梯子(1)。
【請求項18】
減衰装置(120;220;320;420)を折り畳み式梯子(1)に配置するための方法(1500)であって、
減衰装置(120;220;320;420)を第一の梯子管セクション(40a)に配置するステップ(1510)であって、前記減衰装置(120;220;320;420)は、少なくとも1つの取付手段(122;422)を備える、ステップと、
少なくとも1つの非対称減衰ブロック(140)を前記少なくとも1つの取付手段(122;422)に配置するステップ(1520)と、
第二の梯子管セクション(40b)の中に前記第一の梯子管セクション(40a)を摺動可能に挿入するステップ(1530)であって、その結果、前記非対称減衰ブロック(140)の少なくとも1つの表面(142)が、前記第二の梯子管セクション(40b)の内側側壁(44b)に摺動可能に当接し、梯子セクション(6、5a~j)の第一のパーツを形成する、ステップと、
を含む、方法(1500)。
【請求項19】
折り畳み式梯子用の減衰装置(120;220;320;420)内に配置されるように適合された非対称減衰ブロック(140)であって、前記減衰装置(120;220;320;420)が取付手段(122;422)を備え、
前記非対称減衰ブロック(140)が前記取付手段(122;422)内に配置されるように適合される、非対称減衰ブロック(140)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、折り畳み式梯子に関する。より具体的には、本発明は、折り畳み式梯子に使用するための減衰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式梯子の当業者にはよく知られているように、そのような梯子は、通常、互いに入れ子式に挿入可能な様々な直径を有するいくつかの管部分を含む。いずれかの管部分の上端部は全て、梯子段又はラングの一端部に固定され、梯子段の他端部は、同じ直径を有する管部分の上端部に固定される。2つの管部分及び梯子段は、梯子セクションを形成し、その管セクションは、より大きい直径を有する管部分を含む隣接する梯子セクションに挿入可能である。
【0003】
結果として得られる梯子は、それに応じて、より高い梯子セクションをより低い梯子セクションに挿入することによって折り畳まれ得る。梯子は、対応して、下側梯子セクションから上側梯子セクションを伸ばすことによって伸ばすことができる。2つの隣接する管部分の外壁の穴を通って伸びるピンは、管部分をロックして、伸びる梯子が潰れるのを防ぐことができる。折り畳み可能かつ拡張可能な梯子セクションを有する梯子は、例えば、梯子をより容易に保管及び/又は輸送できるように、梯子をより小さくするために使用される。
【0004】
概して、梯子のより容易な管理を達成するために、梯子管が急速に降下及び折り畳まれる場合が有益である。しかしながら、降下が速すぎる場合、ユーザが梯子に対して不適切に位置付けられる場合、ユーザの指又は他の身体部分が締め付けられるか、又は圧潰され得るリスクがある。例えば、家の屋根裏に到達するために使用される他の梯子では、梯子の重力及び重量によって、梯子が急速に伸びて、したがって、その伸びによって、床を傷つけること、又はユーザが怪我をすることがある。従来技術の解決策は、その結果として、折り畳み式梯子を管理する際にユーザ及び周囲に安全性を提供するために、減衰解決策を適用してきた。
【0005】
しかしながら、先行技術の減衰解決策は、いくつかの態様において限定的である。
現在の解決策の欠点は、例えば、いくつか例を挙げると、異なるタイプの折り畳み式梯子への適合性が乏しいこと、折り畳み式梯子の減衰効果を調整するのが困難であること、複雑な及び/又は高価な構造、不利な解決策を含む。
【0006】
したがって、本発明の目的は、折り畳み式梯子のための改良された減衰装置を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、減衰装置、非対称減衰ブロック、折り畳み式梯子、及び折り畳み式梯子を配置するための方法を提供することであり、これらは、上記の背景技術の項で特定された問題又は欠点のうちの1つ以上を解決するか、又は少なくとも緩和する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様では、折り畳み式梯子用の減衰装置が提供される。折り畳み式梯子は、内側梯子管セクションと、内側側壁を有する外側梯子管セクションとを備え、内側梯子管セクションは、外側梯子管セクションと共に摺動可能に配置され、減衰装置は、内側梯子管セクション内に少なくとも部分的に配置されるように適合された頂部部分を有する主本体と、少なくとも1つの取付手段と、少なくとも1つの取付手段に配置されるように適合された非対称減衰ブロックであって、前記非対称減衰ブロックは、折り畳み式梯子内に配置されたときに、外側梯子管セクションの内側側壁に摺動可能に当接する少なくとも1つの表面を備える、非対称減衰ブロックと、を備える。
【0009】
減衰装置は、いくつかの利点を提供する。取付手段によって、異なる種類の締結手段などのさらなる構成要素を必要とすることなく、減衰ブロックをその中に配置することが可能になる。これにより、時間効率が向上し、材料が節約され、コストと環境への影響が軽減される。
【0010】
さらに、減衰ブロックは、梯子管の形状及び/又は寸法に依存しないため、異なる種類の梯子管に使用することができる。これは、異なる公差にあまり敏感でないロバストな解決策を提供する。
【0011】
1つ以上の実施形態では、受容部分に配置される非対称減衰ブロックは、梯子管セクションの内側から梯子管セクションの外側に向かって、中心点から水平に伸びる中心軸に対して非対称である。
【0012】
1つ以上の実施形態では、非対称減衰ブロックは、梯子管セクションのための少なくとも2つの異なる減衰挙動のうちの1つを引き起こすように配置される。
【0013】
1つ以上の実施形態では、非対称減衰ブロックは、梯子管セクションのための少なくとも2つの異なる減衰挙動のうちの1つを引き起こすように配置される。
【0014】
1つ以上の実施形態では、内側側壁に対する取付手段に配置された非対称減衰ブロックの配向、位置及び/又はサイズは、少なくとも2つの異なる減衰挙動のうちの前記1つを引き起こす。
【0015】
1つ以上の実施形態では、各減衰挙動は、第一の効果及び第二の効果を含み、第一の効果と第二の効果とは、互いに異なる。
【0016】
1つ以上の実施形態では、非対称減衰ブロックの第一の配向、位置、及び/又はサイズは、梯子管セクションの第一の減衰挙動を引き起こし、非対称減衰ブロックの第二の配向、位置、及び/又はサイズは、梯子管セクションの第二の減衰挙動を引き起こす。
【0017】
1つ以上の実施形態では、第一の減衰挙動において、外側梯子管セクションに対する内側梯子管セクションの内側への後退(inwards retraction)は、第二の効果を引き起こし、第二の効果は、非対称減衰ブロックを強制的に移動させ、梯子管セクションに減衰効果を引き起こし、外側梯子管セクションに対する内側梯子管セクションの外側への拡張(outwards extension)は、第一の効果を引き起こし、第一の効果は、非対称減衰ブロックによって引き起こされる減衰効果を解放する。
【0018】
1つ以上の実施形態では、第二の減衰挙動において、外側梯子管セクションに対する内側梯子管セクションの内側への後退は、第一の効果を引き起こし、第一の効果は、非対称減衰ブロックによって引き起こされる減衰効果を解放し、外側梯子管セクションに対する内側梯子管セクションの外側への拡張は、第二の効果を引き起こし、第二の効果は、非対称減衰ブロックを強制的に移動させ、梯子管セクションに減衰効果を引き起こす。
【0019】
一実施形態では、第一の減衰挙動は、下方向に引き起こされる減衰効果を含み、第二の減衰挙動は、上方向に引き起こされる減衰効果を含む。
【0020】
1つ以上の実施形態では、少なくとも1つの取付手段は、内側側壁に面する空洞又はスロットを備え、非対称減衰ブロックは、空洞内に少なくとも部分的に嵌合するように適合される。
【0021】
1つ以上の実施形態では、減衰装置は、それぞれが空洞を有する2つの取付手段と、2つの減衰ブロックとを備え、それぞれの空洞は、内側側壁の周りの異なる周方向位置に面し、非対称減衰ブロックは、それぞれ、各それぞれの空洞内に少なくとも部分的に嵌合するように適合される。
【0022】
1つ以上の実施形態では、非対称減衰ブロックは、締め付けによって空洞内に嵌合するように適合される。
【0023】
1つ以上の実施形態では、非対称減衰ブロックは、単一の一体化された事前成形ブロックである。
【0024】
1つ以上の実施形態では、非対称減衰ブロックは、可撓性の均質な材料からなる。
【0025】
1つ以上の実施形態では、減衰装置は、内側梯子管セクションの内側に少なくとも部分的に配置される。
【0026】
第二の態様では、折り畳み式梯子が提供される。折り畳み式梯子は、複数の梯子セクションを備え、各梯子セクションは、互いに対して平行に配置され、それぞれの梯子セクションを形成するためにラングによって相互接続された2つの梯子管を備え、各梯子管は、折り畳み式梯子を形成するために下位セクションの梯子管内に入れ子式に挿入される。各梯子セクションは、第一の態様又はそれに従属する実施形態のいずれかによる減衰装置を備える。
【0027】
第三の態様では、折り畳み式梯子用の減衰装置に配置されるように適合された非対称減衰ブロックが提供される。折り畳み式梯子は、内側梯子管セクションと、内側側壁を有する外側梯子管セクションとを備え、内側梯子管セクションは、外側梯子管セクションと共に摺動可能に配置され、減衰装置は、少なくとも1つの取付手段を備える。非対称減衰ブロックは、少なくとも1つの取付手段内に配置されるように適合され、非対称減衰ブロックは、内側側壁に摺動可能に当接する少なくとも1つの表面を備え、梯子管セクションのための少なくとも2つの異なる減衰挙動のうちの1つを引き起こす。
【0028】
第四の態様では、減衰装置を折り畳み式梯子に配置するための方法が提供される。この方法は、減衰装置を第一の梯子管セクションに配置するステップ(1510)であって、減衰装置は、少なくとも1つの取付手段を備える、ステップと、少なくとも1つの非対称減衰ブロックを少なくとも1つの取付手段に配置するステップと、第二の梯子管セクションの中に第一の梯子管セクションを摺動可能に挿入するステップであって、その結果、非対称減衰ブロックの少なくとも1つの表面が、第二の梯子管セクションの内側側壁に摺動可能に当接し、梯子セクションの第一のパーツを形成する、ステップと、を含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、「備える/備えている」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を特定するように解釈されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことを強調すべきである。特許請求の範囲において使用される全ての用語は、本明細書において別段の明示的な定義がない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの/その[要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなど]」への全ての言及は、特に明記しない限り、要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの事例を指すものとしてオープンに解釈されるべきである。本明細書に開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられていない限り、開示される正確な順序で行われる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
上述の内容は、添付の図面に示されているように、例示的な実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになる。図面において、同じ参照文字は、様々な図にわたって同じパーツを示す。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、例示的な実施形態を示すことに重点が置かれている。
【0031】
【
図1a】一実施形態による拡張された梯子の正面図を示す。
【
図1b】一実施形態による最大に折り畳んだ梯子の正面図を示す。
【
図3a】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図3b】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図3c】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図3d】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図3e】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図3f】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図3g】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図3h】一実施形態による折り畳み式梯子用の減衰装置の概略図である。
【
図4a】一実施形態による異なる配向に配置された減衰装置の概略図である。
【
図4b】一実施形態による異なる配向に配置された減衰装置の概略図である。
【
図5a】一実施形態による第一の減衰挙動を引き起こす減衰装置の概略図である。
【
図5b】一実施形態による第一の減衰挙動を引き起こす減衰装置の概略図である。
【
図6a】一実施形態による第二の減衰挙動を引き起こす減衰装置の概略図である。
【
図6b】一実施形態による第二の減衰挙動を引き起こす減衰装置の概略図である。
【
図7a】異なる実施形態による非対称減衰ブロックの等角図である。
【
図7b】異なる実施形態による非対称減衰ブロックの等角図である。
【
図7c】異なる実施形態による非対称減衰ブロックの等角図である。
【
図8a】異なる実施形態による梯子管の等角図である。
【
図8b】異なる実施形態による梯子管の等角図である。
【
図8c】異なる実施形態による梯子管の等角図である。
【
図10a】一実施形態による減衰装置の等角図である。
【
図10b】一実施形態による減衰装置の等角図である。
【
図11a】一実施形態による減衰装置の等角図である。
【
図11b】一実施形態による減衰装置の等角図である。
【
図12】一実施形態による折り畳み式梯子に減衰装置を配置する方法を示す概略フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下で、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付の図面に示される特定の実施形態の詳細な説明において使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面において、同様の番号は、同様の要素を指す。
【0033】
本発明の目的は、折り畳み式梯子の梯子セクションで使用するための減衰装置を提供することであり、これは、減衰装置の複雑さを低減し、部品点数を減らすことによって製造プロセスを改善した。したがって、より費用効果の高い減衰装置が提供される。より具体的には、新規な減衰装置は、ねじ又は同様の取付手段の必要性を低減する。これは、処理ステップを減らした製造プロセスを増やして、コストを削減することによる利益と、環境上の利益との両方を提供する。さらに、本明細書に開示される減衰ブロックの非対称特性は、異なる減衰要件に関連する異なるタイプの梯子に対する適応性及び汎用性に関して特に有利である。
【0034】
本発明の別の目的は、任意のタイプの折り畳み式梯子に適用可能な減衰装置を提供することである。減衰装置に配置された非対称減衰ブロックの配向に応じて、減衰装置の減衰挙動を調整することができる。したがって、所望の減衰効果は、折り畳み式梯子を伸ばすときと折り畳むときの両方で達成することができる。したがって、減衰装置は、多目的減衰装置である。例えば、家屋の屋根裏に到達するように配置された折り畳み式梯子の場合、梯子は、例えば、天井ハッチを開くと、自動的に伸びることが望ましい。そのような梯子を使用すると、梯子が、例えば、ユーザの頭に当たったり、家の中の床又は他の物体を傷つけたりしないように、その伸長時に、減衰効果が生じることが望ましい。他の折り畳み式梯子の場合、減衰効果が、代わりに、その折り畳み時に生じて、その結果、ユーザが例えば指を挟まれるなどの危険がないようにすることが望ましい。
【0035】
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な開示、添付の特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。本発明は、特徴の全ての可能な組み合わせに関することに留意されたい。
【0036】
図1aでは、折り畳み式梯子1が完全に伸ばされた状態で示されている。折り畳み式梯子1は、いくつかの梯子セクション5a~jを備え、各梯子セクション5a~jは、2つの梯子管10、12と1つのラング20a~kとを備える。梯子セクション5a~jは、U字形であり、2つの梯子管10、12は、互いに平行に配置され、一端が1つのラング20a~kによって相互接続される。ラング20a~kは、垂直に配置された梯子管10、12の間に水平に配置され、すなわち、梯子管10、12に対して実質的に垂直である。梯子管10、12は、梯子管セクション40a~jに分割され、これらは互いに伸縮する。別の梯子管セクション40a~jよりも高く配置された梯子管セクション40a~j、例えば、セクション40bよりも高く配置されたセクション40aは、下位セクション40bの内径よりも小さい外径を有する。これにより、上位セクション40aは、下位セクション40bの内側で伸長状態と折り畳み状態又は後退状態との間で伸縮することができる。
【0037】
各梯子管セクション40a~kは、異なる材料で構成することができ、例えば、押出アルミニウムプロファイルとして形成することができる。梯子管セクション40a~kの適切な長さは、国家規格及び梯子1の設計に応じて変わり得る。梯子管セクション40a~kの長さは、ラング20a~k間の所望の距離に依存してもよい。ラング20a~k間の距離は、異なる規格によって制御されてもよく、例えば、欧州規格による推奨されるラング間の距離は、250~300mmである。
【0038】
最大に折り畳まれた梯子1が
図1bに示されている。この状態では、梯子1は、場所間で容易に運搬可能であるか、あるいは適切に保管可能である。最下の梯子セクション6は、梯子の底部に設けられた固定ラング21を備え、固定ラング21は、足支持を追加し、最下の梯子セクション6をより安定にするように設計されている。
図1bに見られるように、最下の梯子セクション6は、静止しており、他のセクション5a~jに入れ子式に入れることができない。これにより、梯子1の運搬が容易になる。最下の梯子セクション6は、2つのラング、すなわち、固定ラング21とラング20kとを備えてもよい。
【0039】
梯子管10、12は、梯子が立つ端部分13を備えてもよい。したがって、端部分13は、梯子管10、12の最下部に配置される。端部分13は、高摩擦の材料で用意されてもよく、したがって、使用中に梯子1が動く危険性を低減する。
【0040】
梯子1を入れ子式に折り畳み、拡張するために、ロック又は保持機構が提供されてもよい。
図1a~bに示す実施形態では、保持機構は、それぞれのセクション5a~jを解放するために、それぞれの個々のラング20a~k上に配置された複数のアクチュエータ30を備える。保持機構は、ばね式ロックピン(図示せず)を備え、ロックピンは、梯子管10、12のロック穴に挿入されることによって、梯子セクション5aを別の隣接する梯子セクション5bに対してロックする。各セクション5a~jは、ラング20a~kの両側に配置されたアクチュエータ30(回転ボタン又はスライドボタンなど)を使用することによって、個別に解放される。アクチュエータ30を使用することによって、例えば、スライドボタンを互いに向かってスライドさせることによって、ロックピンは、梯子管10、12のそれぞれのロック穴から引き抜かれる。
【0041】
一実施形態では、梯子1は、一対のアクチュエータ30のみを備える。一対のアクチュエータ30は、第二の最下段のラング20kの前側に配置されてもよい。一対のアクチュエータ30は、依然として、梯子1全体を折り畳むことができる。あるいは、梯子1は、第二の最上段のラング20bに配置された第一の対のアクチュエータ30と、第二の最上段のラング20bと第二の最下段のラング20kとの間に位置するラング20b~jに配置された第二の対のアクチュエータ30とを備える。第二の対のアクチュエータ30は、折り畳み式梯子1の下部の下降を可能にし、第一の対のアクチュエータ30は、折り畳み式梯子1の上部の下降を可能にする。このようなアクチュエータ30は、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第1728966号に記載されている。
【0042】
さらなる実施形態では、最下部の梯子セクション6のピンは、梯子1を使用してユーザの足によって操作されるように配置及び配備された足制御部を操作することによって、隣接する梯子セクション5jの管のそれぞれの穴との相互作用から引き抜かれ得る。
【0043】
いくつかのタイプのロック/保持機構のみが本明細書で言及されるが、折り畳み式梯子を折り畳み、拡張するために好適な任意のタイプの機構が使用され得ることに留意されたい。
【0044】
図2は、ラング20の実施形態を示す。ラング20は、主要セクション22と、第一のブラケットセクション24aと、第二のブラケットセクション24bとを備える。第一及び第二のブラケットセクション24a~bは、それぞれの梯子管10、12を受け入れるように、ラング20の各端部に配置される。各ブラケットセクション24a~bは、対応する梯子管10、12の断面形状と同じ形状を有する開口部26a~bと共に配置される。梯子管10、12の断面形状は、特徴的な形状を有してもよい。
図2の開口部26a~bの断面形状は、三角形である。ラング20の開口部26a~bの形状は、梯子管10、12の断面形状に対応するものとする。
【0045】
他の実施形態では、梯子管10、12が異なる断面形状を有する場合、開口部26a~bの形状は、異なり得る。例えば、一実施形態では、各開口部26a~bは、合計で6つのセクションを備え、それらは、直線セクション及び凸形状の5つの追加セクションである。
【0046】
ラング20は、単一の一体ユニットとして提供されてもよく、主要セクション22、第一のブラケットセクション24a、及び第二のブラケットセクション24bは、単一の部品である。主要セクション22と第一及び第二のブラケット部24a~bとは、同じ材料で形成されていてもよい。材料は、例えば、ポリアミド(ナイロン)などの熱可塑性材料であってもよい。材料は、ガラス繊維の組成物を添加することによって強化してもよい。別の実施形態では、第一のブラケットセクション24a及び第二のブラケットセクション24bは、例えば、圧入によって、ラング20の主要セクション22に取り付けられた別個のユニットとして提供される。
【0047】
図1a~bには示されていないが、梯子管10、12、したがって梯子管セクション40a~kは、任意の数の取付穴を備えてもよい。穴は、例えば、パンチング、ドリル加工、フライス加工又は放電加工を用いて製造されてもよい。各取付穴は、ラング20の各ブラケットセクション24a、24bに配置されたラング突起に対応し、取付穴とラング突起との間の協働によって、梯子管10、12上にラング20を確実に配置することが可能になる。また、管10、12は、より多くの穴を備えてもよく、例えば、梯子が偶発的に引き離されるのを防止するデバイス用の締結穴、又は安定化システムを接続するために使用されるブラケットセクション用の締結穴を備えてもよいことにも留意されたい。
【0048】
減衰装置及びそれが梯子管セクション40a~kにどのように配置されるかを、
図3~
図12の異なる実施形態を参照してここで詳細に説明する。簡潔にするために、いくつかの一般的な例示的な抽象化が考慮される。明示的に視覚化されていないが、当業者は、本明細書で定義される実施形態が、決して本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解するであろう。例えば、減衰装置は、対応する外側梯子管セクションに対して内側梯子管セクションに配置されるという条件で、任意の梯子管セクションに配置されてもよい。さらに、受容手段、取付手段、受容部分、及び非対称減衰ブロックは、それぞれ2つのユニットを含むものとして示されている。しかしながら、本発明の概念は、これらのユニットのうちの1つ以上に等しく適用可能である。
【0049】
ここで、減衰装置120の第一の実施形態を、
図3~
図6を参照して説明する。
図3a~hは、減衰装置120と共に配置された梯子管セクション40a~bの等角図を示す。減衰装置120は、例えば
図3gに示すように、折り畳み式梯子1の梯子管セクション40a、40bの間に概ね配置される。より具体的には、減衰装置120は、内側梯子管セクション40aと外側梯子管セクション40bとの間に配置され、内側梯子管セクション40aは、外側梯子管セクション40b内に(伸縮自在に挿入可能で)摺動可能に配置される。内側梯子管セクション40aは、外側梯子管セクション40bの内側に部分的に配置されている。簡潔にするために、本明細書で説明する減衰装置120の例は、主に、内側及び外側梯子管セクション40a~bの間に配置された単一の減衰装置120を対象とする。しかしながら、当業者は、当然ながら、梯子管セクション40a~kの各々に減衰効果を生じさせるために、減衰装置120が、
図1aを参照して説明したように、1つ以上の梯子管セクション40a~kの間に配置されてもよいことを理解するであろう。最下の梯子管セクション40kは、場合によっては減衰装置120なしで配置される。好ましい実施形態では、それぞれの減衰装置120は、梯子管セクション40a~kの全てに対して減衰効果を達成するために、複数の梯子管セクション40a~kのそれぞれに配置される。
【0050】
図4a~bに最もよく示されるように、内側梯子管セクション40aは、細長い部分として伸びる本体と、内側側壁44aと、上端部分(図示せず)と、下端部分43aとを有する。上端部分は、下端部分43aと対向して配置されている。一実施形態では、減衰装置120は、下端部分43aに取り付けられるように適合される。
【0051】
内側梯子管セクション40aと同様に、外側梯子管セクション40bは、細長い部分として伸びる本体を有する。上述のように、本体の直径は、主本体の直径よりもわずかに大きい。外側梯子管セクション40bは、内側側壁44bを有する。梯子管セクション40a、40bが梯子の中に配置されると、外側梯子管セクション40bの内側側壁44bは、内側梯子管セクション40aを部分的に囲むように、内側梯子管セクション40aの外側に摺動可能に配置される。
【0052】
いくつかの実施形態では、内側梯子管セクション40aは、少なくとも1つの受容手段42aと共に配置される。受容手段42aは、閉鎖開口部の形状であってもよい。一実施形態では、受容手段42aは、減衰装置140をさらに締結するための締結手段を受容するように構成された穴である。好ましくは、受容手段は、内側梯子管セクション40aの一方の端部の近くに配置される。梯子管セクション40aは、2つの受容手段を有してもよい。
【0053】
図3a~hに最もよく見られるように、減衰装置120は、非対称減衰ブロック140を受容するように適合された少なくとも1つの取付手段122を備える。取付手段122は、空洞123を備えてもよい。非対称減衰ブロック140は、その少なくとも1つの表面142a~bが外側梯子管セクション40bの内側側壁44bの周方向位置の周りで摺動可能に当接するように取付手段に配置されるように適合される。「当接」、「接触」、及び「係合」という用語は、本明細書では、この設定において、互換的に使用される。
【0054】
1つ以上の取付手段122の位置は、梯子管10、12の断面形状に依存する。
図3aに示すように、三角形の断面では、2つの取付手段122が存在し、これは、取付手段122が三角形の縁部の2つに配置されると、有益である。好ましい実施形態では、2つの取付手段122は、互いに離間するように配置される。このようにして、梯子管セクション40a~b上で、十分な減衰を達成する。
【0055】
取付手段122は、外側梯子管セクション40bの内側側壁44bに面するスロットを備えてもよい。スロットは、任意の周方向位置の周りで内側側壁44bに面してもよい。スロットは、空洞を備え、非対称減衰ブロック140は、空洞内に嵌合するように適合される。空洞を説明する異なる方法は、空洞が取付手段122内に配置されるか、又は取付手段の一部を形成することである。
【0056】
取付手段122は、外側梯子管セクション40bの内側側壁44bの周りの異なる周方向位置に面する2つ以上のスロット又は空洞123を備えてもよい。各スロット123は、非対称減衰ブロック140を受容するように適合されてもよい。あるいは、2つ以上の別個の非対称減衰ブロック140を単一のスロットに嵌合することができる。追加の非対称減衰ブロック140は、典型的には、梯子管セクション40a~bに対して、より高い摩擦力を生成する。したがって、減衰効果は、減衰装置120内の非対称減衰ブロック140a~b及びスロットの数を調整することによって、異なるタイプの梯子に合わせて調整することができる。
図3a~bの実施形態は、2つのスロット又は空洞123a~bを示す。
【0057】
空洞内に非対称減衰ブロック140を嵌合することは、梯子1及び/又は減衰デバイス120の製造中に容易に自動化され得る。さらに、そのような解決策によって、減衰装置120は、特定のねじ及び対応するアパーチャにも、他の同様の固定構造にも依存しなくなるので、複数の異なるタイプの梯子管モジュールに設置可能になる。
【0058】
非対称減衰ブロック140が取付手段122内にどのように配置されるかに応じて、異なる減衰挙動を達成することができる。これによって、どのタイプの梯子1がどの目的のために使用されるかに応じて、減衰挙動を調整することが可能になるので、特に有用である。いくつかの実施形態では、非対称減衰ブロック140は、減衰挙動調整を可能にする搭載手段122内に移動可能に配置されてもよく、その結果、梯子1における減衰が所望される任意の状況を達成できる。一般的な解釈として、減衰挙動は、内側梯子管セクション40aが外側梯子管セクション40bに対して、外側に伸長又は内側に後退している際に、非対称減衰ブロック140が内側側壁44bに接触する際にどのように作用するかに対応する。別の言い方をすれば、非対称減衰ブロック140の減衰挙動は、少なくとも2つの表面、この場合は非対称減衰ブロック140の少なくとも1つの表面142a~bと外側梯子管セクション40bの内側側壁44bとの間に生じる摺動可能な接触時に生じる特定の摩擦力に対応する。特定の摩擦力は、非対称減衰ブロック140の定義された形状に基づいて予め決定されてもよい。減衰挙動については、
図5a~b及び
図6a~bを参照してさらに説明する。
【0059】
減衰ブロックの一実施形態を
図3cに示す。非対称減衰ブロック140の主本体141は、少なくとも2つの減衰面142a~bを含む。2つの減衰面142a~bは、互いに異なる方向を向いていてもよい。減衰面142a~bは、好ましくはそれぞれ少なくとも2つの表面部分144a、144bを備える。
図3cに示す実施形態では、第一の減衰面142aは4つの表面部分144aを備え、第二の減衰面142bは4つの表面部分144bを備える。理解されるように、異なる数の表面部分も可能であり、本発明の範囲内である。表面部分144a、144bは、互いに異なる高さに配置されてもよい。
【0060】
減衰装置140は、同じ装置でオプションの減衰方向を生成するための代替手段を提供するので、利点を有する。これによって、2種類の製造ツール又は2種類の異なる構成要素の保管を有する必要がないので、製造プロセス及び倉庫取扱いに関するコストが節約できる。
【0061】
非対称減衰ブロック140は、少なくとも2つの減衰面142a~bを接続する第一の屈曲部分148を含む。第一の屈曲部分148は、非対称減衰ブロック140が減衰装置120内に配置され、減衰装置120が内側梯子管セクション40a内に配置されると、外側梯子管セクション40bの内壁44bに向かって配置されてもよい。
【0062】
主本体141は、上面141a及び底面141bをさらに備える。底面141bは、上面141の反対側に配置されている。減衰ブロックをひとたび回転すると、上面が地面に面し、底面が地面に面し得ることに留意されたい。したがって、上面及び底面は、互いに対向して配置された第一及び第二の表面と見なされるべきである。
【0063】
主本体141は、端部分149をさらに備える。端部分149は、屈曲部分148に対向して配置されている。端部分149は、減衰面142a~bに対向して配置される。端部分149は、減衰装置120の取付手段122内に配置されるように構成される。これは、
図3dに示されている。
【0064】
非対称減衰ブロック140の表面142a~bが内側側壁44bに摺動可能に当接すると、非対称減衰ブロック140の表面と内側側壁44bとの間に摩擦力が発生し、それによって、梯子管セクション40a~bに対する減衰効果が生じる。非対称減衰ブロック140は、取付手段122に取り外し可能に挿入されて、同じ非対称減衰ブロック140を使用して減衰効果の調整を達成してもよい。
【0065】
非対称減衰ブロック140は、可撓性の均質な材料、例えば、プラスチック及び/又はゴム組成物からなっていてもよい。材料は、例えば、エラストマー又はポリマー材料であってもよい。非対称減衰ブロック140は、単一の一体化された事前成形ブロックであってもよい。
【0066】
予備成形されたブロックは、空洞123内に配置することができるように、ねじ、ボルト、ノブなどの任意の固定手段及び関連するアパーチャにも依存しない。そのため、非対称減衰ブロック140、したがって、減衰装置120の製造手順が簡略化される。さらに、非対称減衰ブロック140は、梯子管セクション40a~bの特定の寸法に依存しないので、許容可能な減衰解決策である。
【0067】
図3a~bに戻って、減衰装置120のさらなるパーツを説明する。
【0068】
減衰装置は、主本体121を備える。主本体121は、好ましくは、配置すべき梯子管セクション40aの断面形状に対応した形状を有する。減衰装置120は、傾斜面又は面取り面130をさらに備えてもよい。傾斜面又は面取り面130は、空洞123の配列と同じ方向に伸びる。言い換えれば、傾斜面又は面取り面130は、外側梯子管40bに面する方向に拡張部を有する。
【0069】
梯子セクション40aがロックピンに到達すると、減衰装置220の傾斜面又は面取り面130は、ロックピンが押されるように、ロックピンと相互作用する。これにより、梯子セクションがロックピンを通過することができる。また、ロックピンの面取りされた端部のみがバーセクションを所定の位置に維持しており、梯子セクションの重量によってロックピンが管セクションからさらに遠ざかるように押されるので、保持機構及びロックピンによって保持される下側梯子セクションのロックを無効にする。
【0070】
減衰装置120は、内側梯子管40aと係合するように構成された係合面125をさらに備えてもよい。図示の実施形態では、減衰装置140は、2つの係合面125、125を備える。係合面125、125は、それぞれの空洞123a、123bの上方に配置される。係合面125は、主本体121と比較して空洞123の配置と反対の方向に伸びている。係合面125は、存在する場合、傾斜面又は面取り面130と反対方向に配置される。言い換えれば、係合面125は、内側梯子管40aに面する方向に伸びている。
【0071】
係合面125は、係合手段128と共に配置されている。係合手段128は、内側梯子管セクション40aの開口部又は受容手段42aに係合するように適合された任意の種類の突起であってもよい。係合面125は、内側梯子管セクション40aに配置されると、内側梯子管40aの外側に配置される。これは、
図3d~eに示されている。
【0072】
減衰装置120は、取付突起129をさらに備えてもよい。取付突起129は、例えば、主本体121から突出するピッグ又は他の同様の構造とすることができる。取付突起129は、減衰装置120を内側梯子管40a内に固定するのを助けるように構成されている。取付突起129は、内側梯子管40aの内側に締め付けられている。
【0073】
減衰装置120は、好ましくは、1つ以上の突出部124a~iを備える。突出部124は、主本体121から伸びて減衰装置120の頂部部分の一部を構成する。突出部124a~iは、好ましくは、内側管40aと接触するように配置されている。突出部124a~iは、内側管40aの内面の内側に締め付けられるように配置されている。
図3bに示す実施形態では、複数の突出部124a~iが減衰装置120に配置される。突出部124a~iの数は、変動しもよく、例えば、9つであってもよい。
図3a~hに示すように、梯子管が矩形形状である場合、減衰装置120は、各側に3つの突起を有し、したがって、9つまでの突起を追加することができる。しかし、当然のことながら、他の個数及び構成の突起も可能である。
【0074】
一実施形態では、突出部122は、主本体121上に配置された隆起支持構造121a上に配置される。存在する場合、隆起支持構造121aは、内側梯子管40aと直接接触していない。しかしながら、上述のように、支持構造121aが突出部122と共に配置されると、これらは、内側梯子管40aと接触することになる。
【0075】
減衰装置120は、案内手段をさらに備えてもよい案内手段は、内側梯子管40a及びその減衰装置120を外側梯子管40b内に案内するように配置することができる。案内手段は、突出部分であってもよい。案内手段は、フラップとすることができる。減衰装置120が2つの取付手段122a~bを備える場合、案内手段は、好ましくは、2つの取付手段122a~bの間に配置される。案内手段の長さは、好ましくは、案内手段の長さと同じである。
【0076】
減衰装置120の主本体121は、貫通穴126をさらに備えてもよい。貫通穴126は、好ましくは、主本体の中央に配置される。好ましい実施形態では、貫通穴126は、穴126の円周に沿って伸びる突起と共に配置される。穴126は、減衰装置120の製造中及び/又は取付中に使用されてもよい。
【0077】
図3a、
図3d、
図3e及び
図3gは、減衰装置120を梯子に配置する方法を更に示している。
図3aにおいて、内側梯子管セクション40a及び減衰装置120が設けられる。減衰装置120は、減衰ブロック140を受容するように適合された取付手段122a~bを備える。取付手段122a~bは、少なくとも1つの空洞123a~bを有する。
図3a~gに示す実施形態では、減衰装置120は、2つの取付手段122a~bを備え、各取付手段122a~bは、空洞123a~bを備える。各空洞は、それぞれの非対称減衰装置140a~bを少なくとも部分的に囲むように配置される。
【0078】
減衰装置120が内側梯子管40aに押し込まれると、係合面125及びそのそれぞれの係合手段128は、内側梯子管セクション40aの受容手段42aと係合する。さらに、取付突起129は、減衰装置を内側梯子管40a内にさらに固定している。また、突出部124a~iは、内側梯子管40aの内面44aに接触する。
【0079】
図3dでは、2つの非対称減衰ブロック140a~bが設けられている。非対称減衰ブロック140a~bは、例えば、締め付けによって空洞123a~b内に配置されるように適合される。非対称減衰ブロック140a~bは、有利には、様々な配向及び様々なサイズを有する、空洞内の様々な位置に配置されてもよい。これについては、
図4~
図5を参照してさらに説明する。
【0080】
図3e及び
図3fは、減衰装置120の空洞123a~b内に配置された2つの非対称減衰ブロック140a~bを示し、この減衰ブロックは、内側梯子管セクション40a内に、又は内側梯子管セクションに配置される。図に示すように、非対称減衰ブロック140a~bの少なくとも1つの表面142a~bは、減衰装置120の空洞から少なくとも部分的に突出している。これらの表面は、対応するステップにおける減衰挙動を可能にするために、外側梯子管セクション40bに摺動可能に当接すべきである。
【0081】
図3g及び
図3hでは、内側梯子管セクション40aは、外側梯子管セクション40bに摺動可能に挿入されている。
【0082】
非対称減衰ブロック140は、取付手段122a~bの空洞123a、123b内に少なくとも2つの異なる配向で配置することができる。減衰ブロックの異なる配向は、異なる減衰挙動を引き起こす。
【0083】
図4a~bは、減衰ブロック140の2つの異なる配向を示す。
図4aでは、減衰ブロック140は第一の配向に配置され、
図4bでは、減衰ブロック140は第二の配向に配置される。第二の配向は、第一の配向と比較して、減衰ブロックの約180°の回転に対応してもよい。
【0084】
減衰ブロック140a~bは、複数の表面142a~iを備える。その少なくとも1つの面、この場合には142aは、外側梯子管セクション40bの内側側壁44bの異なる2つの周方向位置の周りで摺動可能に当接している。
【0085】
非対称減衰ブロック140a~bは、梯子管セクション40a~bの内側から外側に向かって、中心点Cから水平に伸びる中心軸に対して非対称である。いくつかの実施形態では、非対称減衰ブロック140a~bは、垂直に伸びる中心軸に対して非対称であってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、減衰挙動は、梯子1及び/又は減衰装置120の製造時に決定される。特定のサイズ、配向、及び特定の位置を有する非対称減衰ブロック140を挿入することによって、所望の減衰挙動が得られる。内側梯子管セクション40aの異なる減衰挙動は、異なる実施形態では、空洞123a~b内に配置された非対称減衰ブロック140a~bの配向、位置及び/又はサイズに依存してもよい。
【0087】
ここで、減衰ブロック140によって引き起こされる減衰挙動及び減衰効果について、
図4~
図6を参照して説明する。要約すると、減衰ブロック140は、
図4a~bに示すように、少なくとも2つの異なる配向に配置することができる。異なる配向は、
図5及び
図6にそれぞれ示すように、少なくとも2つの減衰挙動を引き起こす。各減衰挙動は、
図5a~bに示すような第一の減衰挙動と、
図6a~bに示すような第二の減衰挙動との少なくとも2つの効果を有する。効果は、梯子管に減衰を与えること、又は減衰を与えないことのいずれかであり得る。
【0088】
図4aでは、非対称減衰ブロック140a~bの第一の配向は、梯子管セクション40a~bの第一の減衰挙動を引き起こす。この挙動は、
図5a~bに示す挙動に対応し得る。
図4bでは、非対称減衰ブロック140a~bの第二の配向は、梯子管セクション40a~bの第二の減衰挙動を引き起こす。この挙動は、
図6a~bに示す挙動に対応し得る。
【0089】
図4a~bの図に示すように、少なくとも表面142aは、両方の場合において、内壁44bに摺動可能に当接している。減衰装置120が
図4aに示されるような配向に配置されると、外側梯子管セクション40bと減衰ブロック140との間に空間127が形成される。減衰ブロックが強制的に移動すると、減衰ブロックは、空間127内に移動する。移動又は回転は、梯子管に減衰効果を生じさせる。減衰ブロック140が静止して配置されるとき、梯子管に減衰力は生成されない。
図5a~bは第一の減衰挙動を示し、
図6a~bは第二の減衰挙動を示す。図中の矢印は、梯子管セクション40a~bの互いに対する進行中の移動を示す。上向きの矢印は、外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの外側への拡張に対応する。下向きの矢印は、外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの内側への後退(又は圧潰)に対応する。
【0090】
取付手段122に配置された非対称減衰ブロック140は、所与の状況において予測可能な減衰挙動を引き起こす。各減衰挙動は、それぞれ第一及び第二の効果を含む。これらの効果は、減衰ブロックの相互作用と梯子管セクション40a~bの相対運動、すなわち拡張又は後退とによって引き起こされる。第一及び第二の効果は、典型的には、減衰あり及び減衰なしなどの反対の効果であり、すぐに、さらに説明する。
【0091】
図5a~bは、第一の配向(又は位置)にある減衰ブロックを示す。
図5aは、外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの外側への拡張を示す。外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの外側への拡張は、非対称減衰ブロック140によって引き起こされる減衰効果を解放する。言い換えれば、非対称減衰ブロック140による減衰効果が解除される。これを第一の効果と呼ぶ。
【0092】
図5bにおいて、外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの内側への後退は、非対称減衰ブロック140を強制的に外側梯子管セクション40bの内側側壁と接触させる。したがって、非対称減衰ブロック140は、非対称減衰ブロック140によって生成される摩擦力が増大されるように、ますます移動する。移動は、随意に、減衰ブロック140のわずかな変形を伴ってもよい。これを第二の効果と呼ぶ。
【0093】
図6a~bは、第二の配向(又は位置)にある減衰ブロックを示す。
図6aは、外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの外側への拡張を示す。外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの外側への拡張は、非対称減衰ブロック140を強制的に移動させ、梯子管セクション40a~bに減衰効果を引き起こす。これを第二の効果と呼ぶ。
【0094】
図6bは、外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの内側への後退を示す。外側梯子管セクション40bに対する内側梯子管セクション40aの内側への後退は、非対称減衰ブロック140によって引き起こされる減衰効果を解放する。これを第一の効果と呼ぶ。
【0095】
当業者によって留意されるべきであるように、非対称減衰ブロック140a~bが空洞123内にどのように配置されるかに応じて、梯子管セクション40a~bの同じ運動に対して異なる減衰挙動が示される可能性がある。
【0096】
前述のように、非対称減衰ブロック140a~bは、それらのそれぞれの配向に応じて複数の異なる減衰挙動を引き起こし得る。例えば、各45°は、特定の減衰挙動、すなわち45°、90°、135°及び180°に対応し得る。他の非対称特性を有する非対称減衰ブロック140a~bについて、他の挙動が実現され得る。
【0097】
1つ以上の実施形態では、取付手段122に配置された非対称減衰ブロック140のサイズは、減衰挙動を引き起こす。非対称減衰ブロック140のサイズは、そのより大きい又はより小さい部分を外側梯子管セクション40a~bに接触させ、それによって、生成される摩擦力を増加又は減少させるであろう。非対称減衰ブロック140のサイズ調整は、前述のもの等の可撓性均質材料を含む非対称減衰ブロック140を提供することによって達成されてもよい。あるいは、非対称減衰ブロック140は、完全に可撓性の均質な材料からなっていてもよい。可撓性材料は、取付手段122内に非対称減衰ブロック140を配置するために、寸法が一時的に小さくなるように力が加えられると撓むことができる。他の実施形態では、減衰装置120は、寸法を一時的に小さくすることを可能にするばねベースのシステムを使用することができる。あるいは、可撓性材料は、優勢な温度、又は場合によっては湿度が、非対称減衰ブロック140のサイズを一時的に減少又は増加させるように、温度感受性であってもよい。
【0098】
図3~
図6を参照して説明した減衰ブロック140に加えて、他の実施形態も可能である。
図7a~cは、追加の実施形態550;550’;550”を示す。
図7a~cの非対称減衰ブロック550;550’;550”は、それぞれ主本体551を備える。非対称減衰ブロック550;550’の主本体551は、少なくとも2つの第一の減衰面552a~bを備える。2つの第一の減衰面552a~bは、互いに異なる方向を向いていてもよい。非対称減衰ブロック550;550’;550”は、少なくとも1つの二次減衰面554をさらに備えてもよい。各二次減衰面554は、そのそれぞれの第一の減衰面552a~bの下に配置される。第一の減衰面552a~bは、第二の減衰面554a~bよりも主本体551から離れて伸びる。
【0099】
非対称減衰ブロック550;550’は、少なくとも2つの第一の減衰面552a~bを接続する第一の屈曲部分558を備える。第一の屈曲部分558は、非対称減衰ブロック550;550’が減衰装置120内に配置され、減衰装置120が内側梯子管セクション40a内に配置されると、外側梯子管セクション40bの内壁44bに向かって配置されてもよい。
【0100】
図7bに示す実施形態は、
図7aの実施形態に類似しており、主に、より多くの減衰面を備える点で異なる。非対称減衰ブロック550’は、4つの第一の減衰面552a~bと、第一の屈曲部分558の両側に2つ配置された4つの第二の減衰面554とを備える。
【0101】
図7cに示す実施形態は、1つの第一の減衰面552aを備える非対称減衰ブロック550”を示す。非対称減衰ブロック550”は、1つの二次減衰面554をさらに備えてもよい。この実施形態では、非対称減衰ブロック550”は、いかなる屈曲部分558も有さない。
【0102】
図7a~
図7cに示す非対称減衰ブロック550、550’、550”は、定義された減衰装置120と共に使用することも、
図8~
図12を参照して後述する減衰装置120;220;320;420のいずれかと共に使用することもできる。
【0103】
減衰装置のさらなる実施形態に目を向ける前に、内側梯子管セクション40aの2つのさらなる実施形態について、
図8a~cを参照して説明する。いくつかの実施形態では、内側梯子管セクション40aは、減衰装置120を受容するように配置された受容手段42を備える。一実施形態では、
図8aに示すように、内側梯子管セクション40aは、2つの受容手段42a、42bを備え、その両方とも閉鎖開口部の形状である。受容手段42a、42bの開口部は、減衰装置120の対応する取付手段122a、122bよりもわずかに大きい寸法を有する。
図8aに示す実施形態では、受容手段42a、42bは、矩形形状である。しかしながら、受容手段42a、42bは、減衰装置120の形状及び梯子管セクション40a~bの断面形状に応じて他の形状を有してもよい。
【0104】
図8bに示すように、内側梯子管セクション40a’は、凹部などの非閉鎖開口部を形成する受容手段42a’~b’を有してもよい。さらに別の実施形態を
図8cに示す。
【0105】
好ましくは、受容手段42a~bは、内側梯子管セクション40aの一方の端部の近くに配置される。受容手段122a~bが閉鎖開口部である実施形態では、開口部の頂部と内側梯子管セクション40aの端部分43a~bの1つとの間の距離は、約0.5~6mm、好ましくは1~4mm、さらにより好ましくは2~3mmである。しかしながら、他の実施形態で説明したように、受容手段42a~bは、凹部などの非閉鎖開口部であってもよい。
【0106】
2つの受容手段42a~bの位置は、梯子管10、12の断面形状に依存する。三角形の断面では、
図8aに示すように、2つの受容手段42a~bが三角形の縁部の2つに配置されると、有益である。好ましい実施形態では、2つの受容手段42a~bは、互いに離間するように配置される。このようにして、梯子管セクション40a~b上で、十分な減衰を達成する。
【0107】
内側梯子管セクション40aは、傾斜面又は面取り面を受容するための凹部46をさらに備えることができる。凹部46は、好ましくは、2つの受容手段42a~bの間に配置される。
【0108】
次に、
図9~
図11を参照して、減衰装置の異なる実施形態を説明する。
【0109】
1つ以上の実施形態では、減衰装置の一部分は、内側梯子管セクションの1つの縁部の上方に、内側側壁を越えて伸びるように配置される。1つ以上の実施形態では、減衰装置は、内側梯子管セクションに嵌合するためにその寸法を一時的に小さくすることができるように配置される。1つ以上の実施形態では、減衰装置は、可撓性材料を含む。1つ以上の実施形態では、減衰装置は、力が加えられたときに寸法を変更することを可能にするばねベースの機構を備える。1つ以上の実施形態では、減衰装置は、減衰装置の寸法又はサイズの一時的な変化を可能にする少なくとも1つの枢動点を備える。1つ以上の実施形態では、少なくとも1つの枢動点は、可動アームであり、減衰装置を内側梯子管セクションに圧入すること又は締め付けることを可能にする。1つ以上の実施形態では、受容手段は、閉鎖開口部、部分的閉鎖開口部、又は凹部である。1つ以上の実施形態では、減衰装置は、受容手段に取り付けるための複数の突出部分を備える。
【0110】
図9a~dは、減衰装置220の実施形態を示す。減衰装置220は、それが配置される梯子管セクション40aの断面形状に対応する形状を有する主取付本体221を備える。減衰装置220は、任意の種類の適切なプラスチック材料で構成することができる。
【0111】
図9aに見られるように、減衰装置220は、2つの取付手段122a、122b(122aは、片側のみを示す等角図のために不明瞭である)を備える。減衰装置220が内側梯子管セクション40aに配置されると、2つの取付手段122a、122bは、内側梯子管セクション40dの受容手段42a、42bと共に配置される。取付手段222の数は、典型的には、梯子管セクションの受容手段42の数に対応する。
【0112】
取付手段222a~bは、本明細書で説明されているように、それぞれの非対称減衰ブロックを受容するように配置された主本体221内に窪み又は凹部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、取付手段222a~bは、窪み又は凹部の代わりに貫通穴を備えてもよい。
【0113】
取付手段222a~bは、上部突起224a及び下部突起224bと共に配置されてもよい。これらの突起は、梯子管の伸長/後退の方向において取付手段222a~bの開口部の反対側に配置される。突起224a~bは、減衰装置220を梯子管セクション40a内の適所に維持するのを助けることができる。
【0114】
下部突起224a及び上部突起224bは、主本体221と共に突出面226を形成する。突出面226及び取付手段222a、222bは、それぞれの非対称減衰ブロック(図示せず)を受容するように構成される。
【0115】
図9bは、
図9aに示す実施形態の上面図である。主本体は、第一の部分228a及び第二の部分228bを有する可動アーム228を備える。アーム228の第一の部分228aは、好ましくは枢動点(図示せず)によって主本体221に接続される。したがって、第一の部分228aは、枢動点として配置され、その周りでアーム228が枢動する。第二の部分228bは、
図9bに示す第一の位置P1と
図9cに示す第二の位置P2との間で枢動可能である。枢動点は、アーム2128が第一の位置P1に配置されるときに主本体221の直径を小さくするのに役立つ。
【0116】
第一の位置P1において、アーム228は、減衰装置220の内側に向かって枢動される。アーム228のこの位置によって、減衰装置220をその正しい位置に配置するために梯子管セクション40a~kの内部で移動できるように、寸法を小さくすることが可能になる。したがって、この位置は、減衰装置220の取り付け及び取り外し中にのみ使用される。
【0117】
第二の位置P2において、アーム228は、それが配置される内側梯子管セクション40aに向かって外側に枢動される。この位置において、減衰装置220は、締め付けによって内側梯子管セクション40a内にロックされる。アーム228が第二の位置P2に移動されるとき、減衰装置220の寸法は、内側梯子管セクション40aの内壁に向かって締め付けられるような寸法であり、すなわち、減衰装置220の幅は、内側梯子管セクション40aの幅よりもわずかに小さい。
【0118】
主本体221は、少なくとも1つの枢動点225と共に配置される。
図9a~dに示す実施形態では、主本体221は、2つの枢動点と共に配置されており、中心枢動点225及び2つのアーム部分228a~bの間の枢動点がある。中心枢動点225は、アーム228が第一の位置P1に配置されたときに、主本体221の直径をさらに小さくするのに役立つ。
【0119】
上記では枢動アーム228を用いて説明してきたが、減衰装置220は、装置のサイズを小さくすることのできる他のタイプの特徴を有することができることに留意されたい。減衰装置220は、例えば、力が加えられると撓む可撓性材料を含むことができ、その結果、減衰装置220を梯子管セクション40a~kに取り付けるために寸法が一時的に小さくなる。他の実施形態では、減衰装置220は、寸法を一時的に小さくすることのできるばねベースのシステムを使用することができる。
【0120】
再び
図9a~dを参照すると、主本体221は、主本体221の異なる部分を接続するための1つ以上の内側凹部227をさらに備えることができる。
【0121】
図9a~bにさらに見られるように、減衰装置220は、傾斜面又は面取り面230と共に配置されてもよい。梯子セクション40aがロックピンに到達すると、減衰装置220の傾斜面又は面取り面230は、ロックピンが押されるように、ロックピンと相互作用する。これにより、梯子セクションがロックピンを通過することができる。また、ロックピンの面取りされた端部のみがバーセクションを所定の位置に維持しており、梯子セクションの重量によってロックピンが管セクションからさらに遠ざかるように押されるので、保持機構及びロックピンによって保持される下側梯子セクションのロックを無効にする。
【0122】
減衰装置2120は、内側梯子管セクション40aの内側に配置されてもよい。
図9eに示すように、減衰装置220は、それぞれの非対称減衰ブロック140a~bを受容した2つの取付手段2122a~bを備える。
図9eでは、2つの非対称減衰ブロック40a~bは、それらのそれぞれの減衰位置に配置され、したがって、内側梯子管セクション40aは、外側梯子管セクション(図示せず)を受容する準備ができている。非対称減衰ブロック140a~bは、減衰装置220がその内側梯子管セクション40aに配置されると、減衰装置220に取り付けられる。上述のように、取り付けは、締め付けによって行われてもよい。したがって、ねじ又は他の固定締結機構は必要ない。
図9eに見られるように、減衰装置120は、内側梯子管セクション40aの内側に取り付けられる。減衰装置120は、内側梯子管セクション40aと軸方向にロックされる。非対称減衰ブロック140a~bは、外側から取付手段222a~b内に取り付けられる。取付手段222a~bは、例えば、それぞれの空洞を有する減衰装置の主本体221のスロットであってもよい。非対称減衰ブロック140a~bは、取付手段222a~bにおいて軸方向及び半径方向の両方に固定される。一実施形態では、非対称減衰ブロック140a~bは、主本体121内の貫通穴であり得る取付手段222a~b内に取り付けられる。減衰ブロックの配置に関する上記の節は、本明細書に開示される減衰装置120、220、320、420の全ての実施形態に当てはまる。
【0123】
減衰装置220は、上部突起及び下部突起に配置された複数のロック肩部229をさらに備えてもよい。これは、
図9dに示されている。ロック肩部229は、減衰装置220を内側梯子管セクション40a’に固定するのに役立つ。減衰装置220のこの実施形態は、内側梯子管セクション40a’が凹部などの非閉鎖開口部を形成する受容手段42a’~b’を有する場合に、特に有益である。各凹部は、下端48と、互いに対向して配置された2つの側面45とによって形成される。下端48の反対側には、2つの拡張要素47が配置され、2つの拡張要素47は、凹部を部分的に囲む。減衰装置220のロック肩部229は、2つの拡張要素47と接続するように配置される。
【0124】
図10a~bは、減衰装置320の第三の実施形態を示す。減衰装置320は、好ましくは、
図8cに示す内側梯子管セクション40a”内に配置される。減衰装置320の第三の実施形態は、減衰装置220の第二の実施形態と同様であるが、主本体が可動アームを欠いている点が異なる。代わりに、減衰装置320は、ねじ、釘、又は受容手段42a”~b”(ここでは、非閉鎖開口部を形成する凹部の形態である)に取り付けられていない別の部材によって内側梯子管セクション40a”に接続される。
【0125】
図11a~bは、減衰装置420のさらなる1つの実施形態を示す。この減衰装置420は、例えば、
図8aに見られるように、内側梯子管セクション40aに配置することができる。減衰装置420は、主本体421を備え、主本体421は、それが配置される梯子管セクション40aの断面形状に対応する形状を有する。減衰装置420は、2つの取付手段422a~bを備える。取付手段422a~bは、上部突起424a及び下部突起424bと共に配置される。これらは、梯子管拡張部の方向において取付手段422a~bの各開口部の反対側に配置される。これらの突起424a~bは、減衰装置420を梯子管セクション40a内の適所に維持するのを助けることができる。突起424a~bは、主本体421と共に、それぞれの突出面426を形成する。突出面426及び取付手段422a~bは、それぞれの非対称減衰ブロック140a~bを受容するように構成される。主本体421は、第一の垂直端部422a及び第二の垂直端部422bを有する。主本体421は、好ましくは、少なくとも部分的に可撓性の材料で構成され、したがって、減衰装置420を梯子管セクション40aに嵌合することが可能になる。
【0126】
減衰装置420は、
図9a~eに関連して説明したのと同じ機能を有する傾斜面又は面取り面430と共に配置されてもよい。この実施形態では、傾斜面430は、減衰装置420の主本体421の上面に配置され、その結果、減衰装置420の上端の上方に伸び、減衰装置120が取り付けられる内側梯子管セクション40aの端部の上方に伸びる。
【0127】
図11aに示す減衰装置420は、減衰装置420の上面に配置された傾斜面430を有するので、梯子管セクション40aに凹部を設ける必要がない。
【0128】
図11bは、減衰装置420が減衰装置420の上部の上方に伸びる傾斜面430を有する状況を示す。
【0129】
図12は、一実施形態による折り畳み式梯子1内に減衰装置を配置するための方法1500の概略フローチャート図を示す。この方法1500では、1つの梯子セクション5a~j、6が一度に配置され、各後続の梯子セクション5a~j、6が前の梯子セクション5a~j、6の下に配置される。方法1500は、本開示全体にわたって説明されているように、実施形態のうちの1つ以上をさらに含んでもよい。
【0130】
方法1500は、減衰装置120;220;320;420を第一の梯子管セクション40aに配置する第一のステップ1510を含み、減衰装置120は、少なくとも1つの取付手段122を備える。
【0131】
方法1500は、取付手段122内に少なくとも1つの非対称減衰ブロック140を配置する次のステップ1520を含む。
【0132】
方法1500は、第一の梯子管セクション40aを第二の梯子管セクション40bに摺動可能に挿入して、非対称減衰ブロックの少なくとも1つの表面142が第二の梯子管セクション40bの内側側壁44bに摺動可能に当接するようにする次のステップを含む。こうして、梯子セクション6、5a~jの第一のパーツを形成する。
【0133】
その後、方法ステップ1510,1520,及び1530を繰り返して、梯子セクション6、5a~jの第二のパーツを形成する。
【0134】
梯子セクション6、5a~jの第一及び第二のパーツを形成すると、1550において、これらのパーツをラング20a~k、21によって相互接続して、梯子セクション6、5a~jを組み立てる。
【0135】
次いで、完成した折り畳み式梯子1のサイズによって定義されるように、複数の追加の梯子セクション6、5a~jが組み立てられるまで、ステップ1510,1520,1530,1540,及び1550の全てを繰り返す1560。相違点は、ステップ1510における各次の減衰装置120;220;320;420が、代わりに、第一の梯子管セクション40aの代わりに、最下(すなわち、第二の)梯子管セクション40bに配置されることである。
【0136】
代替の配置方法では、梯子管10、12全体が、1つずつ個別に配置され、次いで、ラング20a~k、21によって相互接続される。当業者なら、減衰装置120;220;320;420が本明細書に開示される主題に従って配置される代替的な製造手順を実現し得る。
【0137】
ここで、本開示のさらなる代替態様を要約する。内側梯子管セクションと外側梯子管セクションとを備える伸縮式梯子用の減衰装置が提供され、内側梯子管セクションは、内側外側管セクションと共に摺動可能に配置され、減衰装置は、少なくとも1つの取付手段を有する取付部材を備え、少なくとも1つの取付手段は、それぞれの減衰ブロックを受容するように構成される。
【0138】
伸縮式梯子用の減衰装置が提供される。減衰装置は、内側梯子管セクションと、内側側壁を有する外側梯子管セクションとを備え、内側梯子管セクションは、内側外側管セクションとともに摺動可能に配置され、内側梯子管セクションは、少なくとも1つの受容手段と共に配置され、減衰装置は、少なくとも1つの装着手段を有する取付部材を備える。少なくとも1つの取付手段は、内側梯子管の少なくとも1つの受容手段に配置されるように構成され、少なくとも1つの取付手段は、少なくとも1つの減衰面を有するそれぞれの減衰ブロックを受容するように構成される。
【0139】
減衰ブロックが提供される。減衰ブロックは、内側梯子管セクションと外側梯子管セクションとを備える伸縮式梯子用の減衰装置のためのものであり、内側梯子管セクションは、内側外側管セクションと共に摺動可能に配置され、減衰ブロックは、内側梯子管セクションと外側梯子管セクションとの間の移動を減衰するように構成される。
【0140】
減衰ブロックは、非対称である。減衰ブロックは、上下を逆にして減衰効果を変えることができる。減衰ブロックの減衰面は、梯子管セクションが摺動可能に配置されたときに、減衰面が外側梯子管セクションの内側側壁に当接するように配置される。
【0141】
減衰装置は、それぞれが1つの減衰ブロックを受容するように構成された2つの取付手段を備えてもよい。内側梯子管セクションは、それぞれが減衰装置のそれぞれの取付手段を受容するように構成された2つの受容手段と共に配置されてもよい。
【0142】
減衰装置は、梯子管セクションの内側に少なくとも部分的に配置されてもよい。一実施形態では、減衰装置全体は、梯子管セクションの内側に配置される。代替の実施形態では、減衰装置の一部分は、梯子管セクションの縁部の1つの上に配置され、梯子管の内壁を越えて伸びるようになる。
【0143】
減衰装置は、好ましくは、その寸法が一時的に小さくなって、梯子管セクションに嵌合できるように配置される。これは、多くの方法で、例えば、減衰装置のための可撓性材料を使用すること、及び/又は力を加えると、寸法の変更が可能になるばねベースの機構を使用することによって、達成されてもよい。追加又は代替として、減衰装置は、減衰装置の寸法又はサイズの一時的な変化を可能にする少なくとも1つの枢動点を備えてもよい。枢動点は、枢動可能アームの形態であってもよい。枢動点によって、減衰装置を内側梯子管セクションに圧入すること又は締め付けることが可能になる。
【0144】
梯子管の受容手段は、閉鎖開口部、部分的閉鎖開口部又は凹部であってもよい。
【0145】
減衰装置の取付手段は、主本体に凹部を備えてもよい。
【0146】
減衰装置は、受容手段への取り付けを容易にするために、複数の突出部分を備えてもよい。
【0147】
本発明は、主に、いくつかの実施形態を参照して上記で説明してきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上記で開示されるもの以外の他の実施形態も、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で等しく可能である。
【国際調査報告】