IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デントスプリー シロナ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-歯科修復材パラメータの提案 図1
  • 特表-歯科修復材パラメータの提案 図2
  • 特表-歯科修復材パラメータの提案 図3
  • 特表-歯科修復材パラメータの提案 図4
  • 特表-歯科修復材パラメータの提案 図5
  • 特表-歯科修復材パラメータの提案 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】歯科修復材パラメータの提案
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/27 20200101AFI20241108BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20241108BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20241108BHJP
   A61C 13/08 20060101ALI20241108BHJP
   G06F 113/10 20200101ALN20241108BHJP
【FI】
G06F30/27
G06F30/10 100
A61C19/04 Z
A61C13/08 Z
G06F113:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532731
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 US2022050742
(87)【国際公開番号】W WO2023101868
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/539,285
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517264281
【氏名又は名称】デンツプライ シロナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】デルザフ,エヴゲニー
(72)【発明者】
【氏名】ベルサー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】レシュホルン,サンドロ
【テーマコード(参考)】
4C052
5B146
【Fターム(参考)】
4C052NN03
4C052NN04
4C052NN15
4C052NN16
5B146DC03
5B146DE12
5B146EA02
5B146EA15
(57)【要約】
パラメータ推奨モジュールを使用して歯科修復材パラメータの推奨が提案される。この推奨は、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値が提案されるように、下にある残根の色及び修復固定材の色などの最終的な歯色の影響因子を考慮に入れている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信するステップと、
入力リソースによって、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別するステップと、
前記識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出するステップと、
トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを使用して、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案するステップと、
を含む方法であって、
前記最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表し、前記観察される色は、前記少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子による影響を受け、
前記トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、機械学習エンジンとして動作する、
方法。
【請求項2】
前記入力データにおける少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子は、修復ブロック又は修復材の1つ又は複数の部分の物理的特徴、口腔の1つ又は複数の部分の物理的特徴、スキャナの特性、顧客の色の好み、及び利用可能な製作デバイス、からなるリストから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入力データは、セグメンテーションプロセスから得られた歯のセグメントを表すように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記入力は、最終的な歯色に影響を及ぼさない少なくとも1つの他の因子をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
口腔内スキャナによって患者の口腔をスキャンして入力データの少なくとも一部を取得することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
修復ブロックの3D画像又は修復ブロックの3Dモデルで提供される定義済みの層により、修復ブロックの様々な層の形状又は色が得られる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記定義済みの層は、直線境界又は曲線境界によって示される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ固有の歯色は、修復物の複数の歯層の色を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの出力修復特徴値は、修復ブロック内の修復物の最適な位置決めの提案を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの出力修復特徴値は、修復ブロックの最適な色の提案を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの出力修復特徴値は、修復ブロックの少なくとも1つの内部構造の提案を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの出力修復特徴値は、最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの製作プロセスの提案を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの出力修復特徴値は、最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な3Dプリンタに必要な材料の3Dボリュームの少なくとも1つの色の提案を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを強化するべく、提案の精度を示す、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのためのフィードバックを提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
トレーニング入力画像及び/又はシェードを含むトレーニング入力データセットと、複数の最終的なユーザ固有のトレーニング歯色をもたらす特性を有するように選択された複数のトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料から得られる保存された対応するトレーニング出力修復特徴値を使用して、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールの未トレーニングバージョンのコンポーネント機械学習モデルをトレーニングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記トレーニングは、
複数のトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料を用意することと、
前記複数のトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料を使用して複数の対応する修復物を製作することと、
前記製作した複数の対応する修復物を対応する物理モデル又は口腔に設置することと、
前記物理モデル又は口腔をスキャンして、トレーニング入力データセットの一部として使用するための対応する画像及び/又はシェードを取得することと、
前記トレーニング入力データセットを機械学習モデルへの入力として提供することと、
前記機械学習モデルから対応する出力修復特徴値を取得することと、
前記対応する出力修復特徴値を、保存された対応するトレーニング出力修復特徴値と比較することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記特性は、修復ブロックの所望の内部構造及び/又は3Dプリンタ材料の所望の色を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記出力修復特徴値は確率値である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記入力データにおける少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子は、患者の口腔の3Dカラースキャンである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信するステップと、
入力リソースによって、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別するステップと、
前記識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出するステップと、
トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを使用して、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案するステップと、
を実行するように構成されたプロセッサを含むコンピュータシステムであって、
前記最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表し、前記観察される色は、前記少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子による影響を受け、
前記トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、機械学習エンジンとして動作する、
コンピュータシステム。
【請求項21】
コンピュータシステムによって実行されると、
患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信するステップと、
入力リソースによって、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別するステップと、
前記識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出するステップと、
トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを使用して、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案するステップと、
を含む手順を前記コンピュータシステムに実行させるプログラムを記憶する一時的でないコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表し、前記観察される色は、前記少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子による影響を受け、
前記トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、機械学習エンジンとして動作する、
一時的でないコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この特許出願は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる、2021年12月1日に出願された米国特許出願第17/539,285号の利益及び優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に、歯科修復材のパラメータを提案するための方法、システム、及びコンピュータプログラム製品に関する。より具体的には、本発明は、定義された観察可能な色を達成するべく修復物の色及び構造の選択を自動提案するための方法、システム、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、修復物を設計し、その製作を支援するための技術が存在する。例えば、歯科専門家からの入力を使用して修復物を製作するために歯科用ソフトウェアが慣例的に用いられることがある。このプロセスには、単歯修復、ブリッジ修復、及びインプラントなどの修復物のタイプが患者のために選択されるアドミニストレーションフェーズが含まれる。次いで、修復する歯式、修復材、及び修復材の色が選択される。アドミニストレーションの後に、取得フェーズで、歯科用スキャナで患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンが得られる。次のフェーズで、患者の咬合の頬側レジストレーションが得られ、修復物がデジタルに設計される。設計後に、選択された製作プロセスに基づいてデジタル修復物が製作される。
【発明の概要】
【0004】
例示的な実施形態は、歯科修復材パラメータを提案するための方法、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。本明細書の一態様では、コンピュータで実施される方法が開示される。コンピュータで実施される方法は、患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信するステップと、入力リソースによって、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別するステップと、識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出するステップと、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを使用して、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案するステップを含む。最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表し、前記観察される色は、前記少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子による影響を受ける。さらに、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、機械学習エンジンとして動作し得る。
【0005】
入力データにおける少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を選択する方法は、修復ブロック又は修復材の1つ又は複数の部分の物理的特徴、口腔の1つ又は複数の部分の物理的特徴、スキャナの特性、顧客の色の好み、及び利用可能な製作デバイス、からなるリストから選択される。
【0006】
この方法はまた、複数の最終的なユーザ固有のトレーニング歯色をもたらす特性を有するように選択された複数のトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料から得られるトレーニング入力画像及び/又はシェードを含むトレーニング入力データセットと、保存された対応するトレーニング出力修復特徴値を使用して、その後にトレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールの未トレーニングバージョンのコンポーネント機械学習モデルをトレーニングすることを含み得る。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者には容易にわかるであろう。
【0007】
別の態様では、コンピュータシステムが開示される。コンピュータシステムは、患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信するステップと、入力リソースによって、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別するステップと、識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出するステップと、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを使用して、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案するステップを実行するように構成されたプロセッサを含み得る。最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表し、前記観察される色は、前記少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子による影響を受ける。
【0008】
また別の態様では、一時的でないコンピュータ可読記憶媒体が開示される。一時的でないコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータシステムによって実行されると、患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信するステップと、入力リソースによって、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別するステップと、識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出するステップと、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを使用して、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案するステップを含む手順をコンピュータシステムに実行させるプログラムを記憶することができ、最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表す。
【0009】
本発明の特色と考えられる特定の新規な特徴が添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明自体、並びに、その好ましい使用モード、さらなる目的及び利点は、添付の図面と併せて読むときに、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することで、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な実施形態が実施され得るデータ処理システムのネットワークのブロック図である。
図2】例示的な実施形態が実施され得るデータ処理システムのブロック図である。
図3】1つ又は複数の例示的な実施形態に係る、修復物及び機械加工のための歯科/ワークフローパラメータをインテリジェントに提案するための例示的な構成のブロック図である。
図4】1つ又は複数の例示的な実施形態に係る、修復ブロックを示す図である。
図5】1つ又は複数の例示的な実施形態に係る、機械学習ベースの推奨エンジンのための例示的なトレーニングアーキテクチャのブロック図である。
図6】1つ又は複数の例示的な実施形態に係る、方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態は、修復物の設計及び製作のための歯科用CAD/CAMソフトウェアのユーザは、修復物がどのような色を有するべきかを決める必要があることを認識している。ユーザは、他の製作因子及び物理的因子の影響を受けた後に観察できる最終的な色A1をもたらすべく色(例えば色A2)を使用することを選択するのに十分な経験をもっている必要がある。これは実質的に推測であり、かなりの専門的スキルと試行錯誤を必要とし、長期的な実践には適していない又は適切ではない場合がある。
【0012】
例として、歯科医は、歯科処置のために患者の顎をスキャンすると、ソフトウェアによって提示されたデフォルトのパラメータを修正することによって修復物パラメータ及び製作パラメータを手動で設定する。これは時間がかかり、間違いを起こしやすく、ユーザ固有のパラメータとそれらの依存関係に関する知識が欠如している可能性があるため、特定の患者にとって最適ではないことが多い。
【0013】
したがって、例示的な実施形態は、現在利用可能なツール又は方策が、最適化された修復物を適時に提供するために歯科ワークフローの構成のインテリジェントな管理を提供する必要性に対処していないことを認識している。本発明を説明するために用いられる例示的な実施形態は、一般に、機械学習エンジンを使用して、インテリジェントな推奨を通じて患者及び/又はユーザに固有の様態で歯科修復物パラメータを設定する。
【0014】
そのような設定は、隣接歯の色、下にある残根の色、患者の歯色の希望、修復ブロックの様々な層の形状、固定媒体(グルーなど)の色、修復物の厚さ、及びイメージングに使用されるカメラの較正を含むがこれらに限定されないいくつかの因子に基づいて修復物の最終的な観察可能な色を決定することを含み得る。これらの因子及びワークフローにおけるオブジェクトの半透明度、透明度、及び反射挙動などの他の因子を考慮に入れて、材料及び材料層の選択が決定され得る。さらに、製作に使用するデバイスも考慮に入れられ得る。例えば、ミリング又は研削デバイスを使用することにより、製作前に、修復ブロックの層及びそれらの色とブロックにおける設計修復物の位置決めが固定的にプリセットされ得る。3Dプリンタを使用すると、層の形状及び色をボクセルごとなどに正確に選択することができる。
【0015】
したがって、一実施形態では、他の「影響を与える」特性による影響を受けた後の最終的な所望の修復特性の観察を可能にする修復物の色及び修復物の層の構造の自動選択が示され得る。ディープニューラルネットワークを使用して、口腔内スキャナによって生成された画像に基づいて提案を生成することができ、前記画像は、例えば、隣接する修復物及び下にある残根の色及び/又は検出された歯のシェードを含む。そうすることで、他のデバイス又は人に頼ることなく修復物の色をより正確に決定することができ、コストを節約し、誤りを減らすことができる。
【0016】
一実施形態では、ベストフィットの単色カラーブロック、多色カラーブロック、又は効率的な結果に必要な完全な色及び材料構造の自動決定に基づいて、所望の修復特性の複雑さの増加が達成され得る。例えば、単色カラーブロックについて、ディープニューラルネットワークは、口腔内カメラ画像から取得したカラー値と、所望の結果を達成するために使用される材料の色との較正を実行し得る。そうすることで、ニューラルネットワークは、どの歯の部分が色の提案に影響するとより強く考えられるかを画像から学習し得る。隣接歯とプレパレーション部位付近の残りの歯の領域に解析を限定するために、前処理ステップで自動歯セグメンテーションが採用され得る。自動提案は、不正確な場合はユーザによって修正され、結果のバックプロパゲーションによってディープニューラルネットワークが次第に改善されていく。別の例では、多色ブロックについて、修復材の厚さ、修復材による光の屈折などの外部因子も考慮に入れた歯の外観を実現するべく、特定の多色ブロックにおけるデジタル修復物の位置決めに関する提案も生成され得る。さらに、修復ブロックは使用されない場合がある3Dプリンティングについて、ディープニューラルネットワークは、プリント又は焼結プロセスのための材料の構造及び色の提案を生成し得る。
【0017】
さらなる実施形態では、ディープニューラルネットワークは次のようにトレーニングされ得る。結果的な修復物構造の多数のトレーニング画像とモデルのスキャンが提供され得る。ここでは、異なる色及び材料の修復ブロック又は3Dプリント材料から作製された内部構造が提供され得る。対応する修復物が製作され、所望の隣接特性を有する対応するモデル又は対応する口腔に設置され得る。モデル又は口腔及び/又は設置された修復物のスキャンにより、出力トレーニングデータセットとして作用する可能性のある、前記内部構造の既知の特性に対応する入力トレーニングデータセットが提供され得る。例えばカラー値の形態の入力トレーニングデータセットを、それぞれの入力層及び/又は隠れノードで構成されたディープニューラルネットワークに提供することによって、所望の最終的な歯色を観察するのに必要なブロック/材料/内部構造の理想的な特性を示す得られた出力確率が出力トレーニングデータセットと比較され、ディープニューラルネットワーク内の重みが損失関数を最小にするべく最適化され得る。さらに、ディープニューラルネットワークからの出力提案の粒度に応じて、数千のそのようなトレーニングデータセットが必要になり得る。そのような多数のトレーニングデータセットを経済的に取得するには、多様なユーザの結果データを取得する必要があり、したがって、設置された修復物を再度スキャンする必要があり得る。再スキャンを歯科修復ワークフローに統合することで、トレーニングに使用するためにあらゆるユースケースからデータが戻され得る。
【0018】
トレーニング後に、アプリケーションフェーズで、修復する歯及び/又は隣接歯のスキャンが入力として用いられ、そこからディープニューラルネットワークが、最終的な観察可能な歯色などの最終的な観察可能な歯の特性を得るべく、製作する歯の内部構造を出力として提案し得る。本明細書では、「最終的な」という用語は、一般に、修復物の設置後に観察される特性値を指し、前記特性値は、他の因子の影響により元の値とは異なり得る。例えば、修復物は、単色又は多色の色A1をもつブロック又は3Dプリンタ材料を使用して製作され得るが、修復物の厚さが薄く、半透明であるために、設置された修復物の下の残根により、設置された修復物がA1とは異なる単色又は多色の色A2をもつように観察され得る。したがって、色A2が「最終的な」観察可能な色であり得る。
【0019】
さらに、ボリュームデータ及びそれらの特性が表面スキャンから取得されるため、すべての表面点について、単一カメラ画像のすべての寄与とそれらのイメージング方向が保存され、ディープニューラルネットワークに提供され得る。さらに、空気と象牙質及び/又はエナメルとの間の屈折を考慮に入れるために、表面法線からの異なるイメージング方向が同じ表面点について異なる色情報をもたらす可能性があるので、各画像点の表面法線が提供され得る。
【0020】
さらに、別の実施形態では、ディープニューラルネットワークの実装の実現ステップにおいて、提案できる数が制限され得る。したがって、入力-出力トレーニングデータセットを形成するために、内部構造/ブロック/材料及び適用されたスキャンの経験的に得られる意味のある特性をもつ限定数の(例えば、数十の)参照例が生成され得る。これは、可能な内部構造の解空間にわたる基本関数として作用し得る。それぞれのAI/ディープニューラルネットワーク/機械学習モデルは、明確に削減された数のトレーニング例で実現され得る基本関数のいくつかの重みを見つける。代替的に、基本関数の重みは、最適化アルゴリズムによって直接見つけられる。ここでは、さらなるトレーニング例は必要ないかもしれない。すべての歯の基本関数が同様になるように設計することで、隣接歯の解析から欠損歯又は重度の欠陥歯が結論付けられ得る。
【0021】
これらの設定、構成、パラメータ、特性などの例は、限定することを意図したものではない。この開示から、当業者は同様の目的に向けて適用可能な多くの他の態様を思いつくことができ、これらは例示的な実施形態の範囲内に含まれると考えられる。
【0022】
例示的な実施形態は、特定のタイプのデータ、関数、アルゴリズム、式、モデル構成、実施形態の位置、さらなるデータ、デバイス、データ処理システム、環境、コンポーネント、及びアプリケーションに関して単なる例として説明される。これらの及び他の同様のアーチファクトのどの特定の表現も、本発明を限定することを意図したものではない。これらの及び他の同様のアーチファクトの任意の適切な表現を、例示的な実施形態の範囲内で選択することができる。
【0023】
さらに、例示的な実施形態は、任意のタイプのデータ、データソース、又はデータネットワークを介したデータソースへのアクセスに関して実施され得る。任意のタイプのデータ記憶装置が、本発明の範囲内で、データ処理システムでローカルに、又はデータネットワークを介して、本発明の実施形態にデータを提供し得る。
【0024】
例示的な実施形態は、単なる例として特定のコード、設計、アーキテクチャ、プロトコル、レイアウト、概略図、及びツールを使用して説明され、例示的な実施形態に限定するものではない。さらに、例示的な実施形態は、説明を明確にするために単なる例として特定のソフトウェア、ツール、及びデータ処理環境を使用して説明される場合がある。例示的な実施形態は、他の同等の又は同様の目的の構造、システム、アプリケーション、又はアーキテクチャと併せて用いられ得る。例えば、他の歯科システム、構造、アプリケーション、又はそのアーキテクチャが、本発明の範囲内で本発明のそのような実施形態と併せて用いられ得る。例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実施され得る。
【0025】
本開示での例は、説明を明確にするためにのみ用いられ、例示的な実施形態に限定するものではない。この開示からさらなるデータ、動作、アクション、タスク、アクティビティ、及び操作が考えられ、これらは例示的な実施形態の範囲内に含まれると考えられる。
【0026】
ここに挙げた利点は単なる例であり、例示的な実施形態に限定することを意図したものではない。さらなる又は異なる利点が、特定の例示的な実施形態によって実現され得る。さらに、特定の例示的な実施形態は、上に挙げた利点の一部を有する場合がある、すべてを有する場合がある、又はまったく有しない場合がある。
【0027】
図面を参照すると、特に図1及び図2を参照すると、これらの図は、例示的な実施形態が実施され得るデータ処理環境の例示的な図である。図1及び図2は、単なる例であり、異なる実施形態が実施され得る環境に関して、いかなる制限を主張又は黙示することも意図していない。特定の実装では、以下の説明に基づいて、図示の環境に多くの変更が加えられ得る。
【0028】
図1は、例示的な実施形態が実施され得るデータ処理システムのネットワークのブロック図である。データ処理環境は、例示的な実施形態が実施され得るコンピュータのネットワークである。データ処理環境100は、ネットワーク/通信インフラストラクチャ102を含む。ネットワーク/通信インフラストラクチャ102は、データ処理環境100内で一緒に接続された様々なデバイス、データベース、及びコンピュータ間に通信リンクを提供するために用いられる媒体である。ネットワーク/通信インフラストラクチャ102は、有線、無線通信リンク、又は光ファイバケーブルなどの接続を含み得る。
【0029】
クライアント又はサーバは、ネットワーク/通信インフラストラクチャ102に接続された特定のデータ処理システムの役割の単なる例であり、これらのデータ処理システムの他の構成又は役割を排除することを意図したものではない。サーバ104及びサーバ106は、ストレージユニット108とともに、ネットワーク/通信インフラストラクチャ102に結合される。ソフトウェアアプリケーションは、データ処理環境100内の任意のコンピュータで実行することができる。クライアント110、クライアント112、クライアント114も、ネットワーク/通信インフラストラクチャ102に結合される。クライアント110は、ディスプレイを備えた歯科収集ユニットであり得る。サーバ104又はサーバ106、又はクライアント(クライアント110、クライアント112、クライアント114)などのデータ処理システムは、データを格納することができ、そこで実行するソフトウェアアプリケーション又はソフトウェアツールを有し得る。
【0030】
単なる例として、そのようなアーキテクチャへのいかなる制限も示唆するのではなく、図1は、一実施形態の例示的な実装において使用可能な特定のコンポーネントを示している。例えば、サーバ及びクライアンは単なる例であり、クライアント-サーバアーキテクチャへの限定を示唆しない。別の例として、一実施形態は、図のようにいくつかのデータ処理システム及びデータネットワークにわたって分散させることができるが、別の実施形態は、例示的な実施形態の範囲内で単一のデータ処理システムで実施することができる。データ処理システム(サーバ104、サーバ106、クライアント110、クライアント112、クライアント114)はまた、一実施形態を実施するのに適したクラスタ、パーティション、及び他の構成での例示的なノードを表す。
【0031】
歯科用スキャナ122は、投影を通じて複数の画像を取得し、それらの投影を組み合わせて三次元(3D)画像を得ることによって歯の幾何学的形状及び/又は色を測定する1つ又は複数のセンサを含む。一例では、歯科用スキャナ122は、数千回/秒の頻度でデータポイントを取り込み、各歯のサイズ及び形状を自動的に登録する。このデータは、接続されたコンピュータのソフトウェアに継続的に送られ、患者の口腔の3D印象が構築される。
【0032】
最も広く用いられているデジタルフォーマットは、STL(Standard Tessellation Language)フォーマットである。このフォーマットは、各トライアングルが3つの点と面法線によって画定される、一連の三角面を記述する。STLファイルは、色、テクスチャ、又は他のCADモデル属性をまったく表現せずに、三次元オブジェクトの表面ジオメトリのみを記述し得る。しかしながら、歯組織の色、透明度、又はテクスチャを記録するために他のファイルフォーマット(ポリゴンファイルフォーマット、PLYファイルなど)が開発されており、使用される場合もある。使用されるイメージング技術のタイプに関係なく、スキャナ又はカメラが光を投影し、それが個々の画像として記録され、POI(points of interest)の認識後にソフトウェアによってコンパイルされる。例えば、画像上の各点の2つの座標(x及びy)が評価され、次いで、スキャナからの距離に応じて第3の座標(z)が計算される。
【0033】
クライアントアプリケーション120又は任意の他のアプリケーション116が、本明細書で説明される実施形態を実施する。クライアントアプリケーション120は、歯科用スキャナ122からのデータを使用して、最終的なユーザ固有の歯色/構造を達成するのに必要な修復材パラメータを生成することができる。クライアントアプリケーション120はまた、修復材パラメータの提案に使用するために、入力リソースモジュール324から入力データを自動的に導出することができる。クライアントアプリケーション120は、ミリング/研削マシン126のための修復ブロック132のパラメータ、又は3Dプリンタ124のための3Dプリンタ材料128(例えば、樹脂)のパラメータを提案し得る。次いで、前記提案されたパラメータが、ユーザ固有の修復物130を製作するために使用され得る。
【0034】
クライアントアプリケーション120はまた、データ処理システム(サーバ104又はサーバ106、クライアント110、クライアント112、クライアント114)のいずれか、例えばサーバ104内のクライアントアプリケーション116などで実行することができ、クライアント110と同じシステムで実行する必要はない。
【0035】
サーバ104、サーバ106、ストレージユニット108、クライアント110、クライアント112、クライアント114は、有線接続、無線通信プロトコル、又は他の適切なデータ接続を使用して、ネットワーク/通信インフラストラクチャ102に結合することができる。クライアント110、クライアント112、及びクライアント114は、例えば、パーソナルコンピュータ又はネットワークコンピュータであり得る。
【0036】
図示の例では、サーバ104は、ブートファイル、オペレーティングシステムイメージ、及びアプリケーションなどのデータをクライアント110、クライアント112、及びクライアント114に提供し得る。クライアント110、クライアント112、及びクライアント114は、この例ではサーバ104に対するクライアントであり得る。クライアント110、クライアント112、及びクライアント114、又はそれらの何らかの組み合わせは、独自のデータ、ブートファイル、オペレーティングシステムイメージ、及びアプリケーションを含み得る。データ処理環境100は、図示されていないさらなるサーバ、クライアント、及び他のデバイスを含み得る。サーバ104は、1つ又は複数の実施形態に係るライブ制御ビューを表示するために本明細書で説明される機能のうちの1つ又は複数を実装するように構成され得るアプリケーション116を含む。
【0037】
サーバ106は、種々の実施形態に関して本明細書で説明されるように、オペレータからの要求に応答して、画像、患者の3Dモデル、及び歯科診療所のプリファレンスなどの保存されたファイルを検索するように構成された検索エンジンを含み得る。
【0038】
図示の例では、データ処理環境100はインターネットであり得る。ネットワーク/通信インフラストラクチャ102は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)及び他のプロトコルを使用して互いに通信するネットワーク及びゲートウェイの集合体を表し得る。インターネットの中核には、データ及びメッセージをルーティングする数千の歯科診療所、商業、政府、教育機関、及び他のコンピュータシステムを含む、主要なノード又はホストコンピュータ間のデータ通信リンクのバックボーンがある。もちろん、データ処理環境100はまた、例えば、イントラネット、LAN(ローカルエリアネットワーク)、又はWAN(ワイドエリアネットワーク)などのいくつかの異なるタイプのネットワークとして実装され得る。図1は、一例を意図したものであって、様々な例示的な実施形態に対するアーキテクチャの制限を意図したものではない。
【0039】
他の用途の中でも、データ処理環境100は、例示的な実施形態が実施され得るクライアント-サーバ環境を実装するために用いられ得る。クライアント-サーバ環境は、クライアントデータ処理システムとサーバデータ処理システムとの間のインタラクティビティを利用することでアプリケーションが機能するように、ソフトウェアアプリケーション及びデータをネットワークにわたって分散させることを可能にする。データ処理環境100はまた、ネットワークにわたって分散された相互運用可能なソフトウェアコンポーネントを一貫したビジネスアプリケーションとしてパッケージ化することができる、サービス指向アーキテクチャを採用することもできる。データ処理環境100はまた、最小限の管理労力又はサービスプロバイダとの対話で迅速にプロビジョニング及びリリースすることができる構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、及びサービス)の共有プールへの便利なオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするために、クラウドの形態をとっていてもよく、サービス配信のクラウドコンピューティングモデルを採用することもできる。
【0040】
図2を参照すると、この図は、例示的な実施形態が実施され得るデータ処理システムのブロック図を示している。データ処理システム200は、図1のクライアント110、クライアント112、クライアント114、又はサーバ104、サーバ106などのコンピュータ、又は例示的な実施形態ではプロセスを実施するコンピュータで使用可能なプログラムコード又は命令が配置され得る別のタイプのデバイスの一例である。
【0041】
データ処理システム200は、単なる例としてコンピュータとして説明されているが、これに限定されない。図1の他のデバイスの形態の実装は、本明細書で説明されるデータ処理システム200の動作及び機能の概要から逸脱することなく、タッチインターフェースの追加などによりデータ処理システム200を変更することができ、さらには、データ処理システム200から特定の図示されたコンポーネントを削除することができる。
【0042】
図示の例では、データ処理システム200は、NB/MCH(ノースブリッジ/メモリコントローラハブ)202及びSB/ICH(サウスブリッジ/入力/出力(I/O)コントローラハブ)204を含むハブアーキテクチャを採用している。処理ユニット206、メインメモリ208、及びグラフィックスプロセッサ210は、NB/MCH(ノースブリッジ/メモリコントローラハブ)202に結合される。処理ユニット206は、1つ又は複数のプロセッサを含むことができ、1つ又は複数の異種プロセッサシステムを使用して実装され得る。処理ユニット206はマルチコアプロセッサであり得る。グラフィックスプロセッサ210は、特定の実装では、AGP(アクセラレーテッド・グラフィックス・ポート)を通じてNB/MCH(ノースブリッジ/メモリコントローラハブ)202に結合され得る。
【0043】
図示の例では、LAN(ローカルエリアネットワーク)アダプタ212は、SB/ICH(サウスブリッジ/入力/出力(I/O)コントローラハブ)204に結合される。オーディオアダプタ216、キーボード及びマウスアダプタ220、モデム222、ROM(リードオンリーメモリ)224、USB(ユニバーサルシリアルバス)及び他のポート232、及びPCI/PCIeデバイス234は、バス218を通じてSB/ICH(サウスブリッジ/入力/出力(I/O)コントローラハブ)204に結合される。HDD(ハードディスクドライブ)又はSSD(ソリッドステートドライブ)226a及びCD-ROM230は、バス228を通じてSB/ICH(サウスブリッジ/入力/出力(I/O)コントローラハブ)204に結合される。PCI/PCIeデバイス234は、例えば、イーサネットアダプタ、アドインカード、及びノートブックコンピュータ用のPCカードを含み得る。PCIはカードバスコントローラを使用するが、PCIeはカードバスコントローラを使用しない。ROM(リードオンリーメモリ)224は、例えば、BIOS(フラッシュバイナリ入力/出力システム)であり得る。HDD(ハードディスクドライブ)又はSSD(ソリッドステートドライブ)226a及びCD-ROM230は、例えば、IDE(インテグレーテッド・ドライブ・エレクトロニクス)、SATA(シリアル・アドバンスト・テクノロジー・アタッチメント)インターフェース、又はeSATA(external-SATA)及びmSATA(micro-SATA)などの変形を使用し得る。SIO(スーパーI/O)デバイス236は、バス218を通じてSB/ICH(サウスブリッジ/入力/出力(I/O)コントローラハブ)204に結合され得る。
【0044】
メインメモリ208、ROM(リードオンリーメモリ)224、又はフラッシュメモリ(図示せず)などのメモリは、コンピュータで使用可能な記憶装置のいくつかの例である。HDD(ハードディスクドライブ)又はSSD(ソリッドステートドライブ)226a、CD-ROM230、及び他の同様に使用可能なデバイスは、コンピュータで使用可能な記憶媒体を含むコンピュータで使用可能な記憶装置のいくつかの例である。
【0045】
オペレーティングシステムは処理ユニット206で動作する。オペレーティングシステムは、図2のデータ処理システム200内の様々なコンポーネントをコーディネートし、それらの制御を提供する。オペレーティングシステムは、サーバシステム、パーソナルコンピュータ、及びモバイルデバイスを含むがこれらに限定されない、任意のタイプのコンピューティングラットフォームのための市販のオペレーティングシステムであり得る。オブジェクト指向又は他のタイプのプログラミングシステムが、オペレーティングシステムと連携して動作し、データ処理システム200上で実行するプログラム又はアプリケーションからオペレーティングシステムへの呼び出しを提供し得る。
【0046】
オペレーティングシステム、オブジェクト指向プログラミングシステム、及び図1のアプリケーション116及びクライアントアプリケーション120などのアプリケーション又はプログラムのための命令は、HDD(ハードディスクドライブ)又はSSD(ソリッドステートドライブ)226a上のコード226bなどの形態で記憶装置上に配置され、処理ユニット206による実行のために、メインメモリ208などの1つ以上のメモリのうちの少なくとも1つにロードされ得る。例示的な実施形態のプロセスは、例えば、メインメモリ208、ROM(リードオンリーメモリ)224などのメモリに又は1つ又は複数の周辺装置に配置され得るコンピュータで実施される命令を使用して処理ユニット206によって実行され得る。
【0047】
さらに、或るケースでは、コード226bはネットワーク214a経由でリモートシステム214bからダウンロードされ、同様のコード214cが記憶装置214dに記憶され、別のケースでは、コード226bはネットワーク214a経由でリモートシステム214bにダウンロードされ、ダウンロードされたコード214cは記憶装置214dに記憶され得る。
【0048】
図1及び図2のハードウェアは実装に応じて異なり得る。図1及び図2に示されているハードウェアに加えて又はその代わりに、フラッシュメモリ、同等の不揮発性メモリ、又は光ディスクドライブなどの他の内部ハードウェア又は周辺装置を使用することができる。さらに、例示的な実施形態のプロセスは、マルチプロセッサデータ処理システムに適用することができる。
【0049】
いくつかの具体例では、データ処理システム200は、オペレーティングシステムファイル及び/又はユーザにより生成されたデータを記憶するための不揮発性メモリを提供するために一般にフラッシュメモリと共に構成されるPDA(パーソナルデジタルアシスタント)であり得る。バスシステムは、システムバス、I/Oバス、及びPCIバスなどの1つ又は複数のバスを含み得る。もちろん、バスシステムは、ファブリック又はアーキテクチャに接続された異なるコンポーネント又はデバイス間でのデータの転送を提供する任意のタイプの通信ファブリック又はアーキテクチャを使用して実装され得る。
【0050】
通信ユニットは、モデム又はネットワークアダプタなどの、データの送受信に用いられる1つ又は複数のデバイスを含み得る。メモリは、例えば、メインメモリ208であってもよく、又はNB/MCH(ノースブリッジ/メモリコントローラハブ)202で見られるキャッシュなどのキャッシュであってもよい。処理ユニットは、1つ又は複数のプロセッサ又はCPUを含み得る。
【0051】
図1及び図2に示されている例及び前述の例は、アーキテクチャの限定を示唆するものではない。例えば、データ処理システム200はまた、モバイル又はウェアラブルデバイスの形態をとることに加えて、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は電話デバイスであってもよい。
【0052】
コンピュータ又はデータ処理システムが仮想マシン、仮想デバイス、又は仮想コンポーネントとして説明される場合、仮想マシン、仮想デバイス、又は仮想コンポーネントは、データ処理システム200で示されているいくつか又はすべてのコンポーネントの仮想表現を用いてデータ処理システム200の様態で動作する。例えば、仮想マシン、仮想デバイス、又は仮想コンポーネントでは、処理ユニット206は、ホストデータ処理システムで利用可能なすべての又はいくつかの数のハードウェア処理ユニット206の仮想インスタンスとして表現され、メインメモリ208は、ホストデータ処理システムで利用可能なメインメモリ208のすべての又は一部の仮想インスタンスとして表現され、HDD(ハードディスクドライブ)又はSSD(ソリッドステートドライブ)226aは、ホストデータ処理システムで利用可能なHDD(ハードディスクドライブ)又はSSD(ソリッドステートドライブ)226aのすべての又は一部の仮想インスタンスとして表現される。このような場合のホストデータ処理システムは、データ処理システム200によって表される。
【0053】
図3を参照すると、この図は、例示的な実施形態に係る、修復物及び歯科修復材パラメータをインテリジェントに提案するための例示的な構成のブロック図を示している。アプリケーション304は、特定の実装に応じて、図1のサーバアプリケーション116又はクライアントアプリケーション120のいずれかの例である。
【0054】
一態様では、アプリケーション304は、患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信し、入力リソースモジュール324によって、少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別し得る。入力データは、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための入力として用いられ、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出し得る。次いで、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案し得る。本明細書では、例えば、最初の色は前述の少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子による影響を受けるため、最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表し得る。さらに、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、機械学習エンジンとして動作し得る。
【0055】
入力リソースモジュール324は、歯科用スキャナ122及び/又は他のソースから入力データ302を取得及び/又は準備する歯科用ソフトウェアコンポーネントであり得る。入力データ302は、修復ブロック又は修復材の1つ又は複数の部分の物理的特徴(例えば、修復ブロックの様々な層の形状又は色、固定媒体(例えばグルー)の色、修復物の厚さ、修復ブロック又は修復材の半透明度、透明度、及び反射挙動など)、口腔の1つ又は複数の部分の物理的特徴(例えば、下にある残根の色、隣接歯の色)、スキャナの特性(例えば、カラーマッピングなどのカメラ色較正、照明条件など)、顧客の色の好み、利用可能な製作デバイス(例えば、ミリング又は研削デバイス又は3Dプリンタ)などの少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を表し得る。これらの特性の知識により、提案の精度が向上し得る。例えば、ベニアの厚さ及び材料のタイプを考慮しないと、薄いベニアを通って輝く光により最終的に観察される色が元の選択した色と異なる可能性があり、又は下にある残根の色を考慮しないと、下にある濃い黄色の残根によって修復物又はベニアの外観が変わる可能性がある。具体的な例では、歯科用スキャナ122から得られるカラー入力は、歯科用スキャナ122に基づいて得られる3D画像又はセグメント化された3D画像内の3D点のカラー値のアレイ(カラーマッピングなど)又はテクスチャである。さらに、入力データは、口腔内のプレパレーション部位の位置などの最終的な歯色に影響を及ぼさない他の因子を含み得る。
【0056】
入力リソースモジュール324は、例えば画像解析によって、画像内のドリル窩洞又はプレパレーション部位を自動検出し、歯又は口腔の部分を自動的にセグメント化して、本明細書で説明されるディープニューラルネットワークによって、その後の解析を隣接歯及び/又は残根などのプレパレーション部位の部分に限定することができる。したがって、入力データは、セグメンテーションプロセスから得られた歯のセグメントを表すように選択され得る、すなわち、入力データは、口腔の1つ又は複数の部分の物理的特徴を含み、口腔の1つ又は複数の部分は、セグメンテーションプロセスによって得られた歯のセグメント化された部分を含み、セグメント化された部分に基づいて少なくとも1つの出力修復特徴値が提案され得る。
【0057】
さらに、入力リソースモジュール324は、例えば、患者プロフィール、医師プロフィール、グループプロフィール、接続されたデバイスなどから得られたプリファレンス322から検出し得る。患者プロフィールから、修復物130の特定の色が好まれる場合がある。歯科用スキャナ122から直接得られる入力データ302は、本明細書では一般にCAD/CAM入力データ320、及び、例えば本明細書では一般に依存関係326と呼ばれる場合がある特定の利用可能なデバイスのタイプに基づく出力提案の適切性に関する入力データ302と呼ばれる場合がある。さらに、入力データ302の個々の部分は、提案の対応する変化をもたらすべく重み付け又は優先順位付けされ得る。これらの依存関係は複雑な場合があり、手動で選択するときには高度なスキルが必要となる場合があり、最終的なユーザ固有の歯色に対するそれらの重要性がすべてのユーザに常に明確に理解されるというわけではない。したがって、前記依存関係を考慮に入れていなければ、結果的に、修復結果、プロセス、及びコストが最適には及ばなくなる可能性がある。
【0058】
一実施形態では、特徴量抽出コンポーネント314は、すべての異なる利用可能な特徴量(例えば、CAD/CAM入力データ320、プリファレンス322)からのデータに基づいて、提案のための関連する特徴量を生成するように構成される。この実施形態では、特徴量抽出コンポーネント314は、ディープニューラルネットワーク/m/lモデル306(機械学習モデル)を含み得る修復材パラメータ推奨モジュール316の一部であり得る。他の実施形態では、特徴量抽出コンポーネント314は、特徴量選択コンポーネントであり、修復材パラメータ推奨モジュール316とは別のものであり得る。一実施形態では、特徴量抽出コンポーネント314は、ディープニューラルネットワークの外部にある特徴量選択コンポーネントであり、アプリケーション304から少なくとも必要とされる推奨/提案タイプの識別を含む要求(例えば、修復物を製作し、ユーザXに設置するのに必要な修復材パラメータを提案する要求であり、前記設置された修復物は最終的な色XC1を有する)を受信し得る。特徴量抽出コンポーネント314は、必要とされる要求又は提案に関連するCAD/CAM入力データ320の組み合わせを処理又は使用し得る。この実施形態では、特徴量抽出コンポーネント314は、優先順位付け又は依存関係の定義済みアルゴリズムを使用して、修復材パラメータ推奨モジュール316のための入力として特徴量を生成し得る。別の実施形態では、特徴量抽出コンポーネント314は修復材パラメータ推奨モジュール316の一部であり、したがって、入力データ302が修復材パラメータ推奨モジュール316に提供され、前記最終的なユーザ固有の歯色を得るために使用される修復材の1つ又は複数の特徴を表す確率値のマトリクスであり得る出力修復特徴値312の提案が得られる。出力修復特徴値312は、修復物の異なるセクションごとに所望の観察される色を達成するための、デジタル修復ブロック402内の修復物の最適な位置決め410の提案を含み得る。これは、修復物の製作にミリング/研削マシン126のみが利用可能である場合に理想的であり得る。出力修復特徴値312はまた、所望の観察される最終的な色を達成するのに必要な修復ブロックの最適な最初の色又は修復ブロックの内部構造の提案を含み得る。さらに、出力修復特徴値312は、最終的な修復物の異なるセクションごとに所望の観察される色を達成するのに必要な修復ブロックの少なくとも1つの内部構造の提案を含み得る。出力修復特徴値312はまた、最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの製作プロセスの提案(例えば、最良の最終的な色を達成するために、ユーザは、ミリング/研削マシン126の代わりに3Dプリンタ124を使用できるという提案)を含み得る。出力修復特徴値はまた、最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な3Dプリンタに必要な材料の3Dボリュームの少なくとも1つの色の提案を含み得る(例えば、3Dプリンタ124の場合、3Dプリンタ124によるプリンティングのために修復物の各ボクセルの色を決定可能であるため、ユーザは、最終的なユーザ固有の歯色をより細かく制御することができる)。さらにまた、修復材、デジタル修復ブロック402におけるデジタル修復物の位置決め、及び対応する使用する製作デバイスなどの修復物パラメータに関する一連の出力提案オプション、並びに、一連の各部材について、口腔内の修復物の設置後の最終的なユーザ固有の歯色を上手く達成する確率も生成され得る。これは、様々な信頼度/パーセンテージ値又はインターバルのオプションとしてユーザが理解できる様態で提示されるようにさらに処理されるマトリクスであり得る。
【0059】
図4は、1つ又は複数の実施形態に係るデジタル修復ブロック402を示している。デジタル修復ブロック402は、第1の層404、第2の層406、及び第3の層408などの複数の層を有し得る。層は、直線境界又は曲線境界などの任意の形状の境界を有し得る。修復ブロックの3D画像又は修復ブロックの3Dモデルで提供される定義済みの層により、修復ブロックの様々な層の形状又は色が得られる。特定のデジタル修復ブロック402と、デジタル修復ブロック402内のデジタル修復物412の位置410を提案できることにより、最終的なユーザ固有の歯色を、修復材パラメータ推奨モジュール316によって高い信頼度で制御可能であり得る。したがって、修復ブロックが使用される実施形態では、出力修復特徴値312は、修復ブロックのタイプの決定と前記修復物の位置決めによって選択された歯色又は複数の歯色を含み得る。これにより、前記修復物が製作され、口腔内に設置された後の、対応する所望の最終的な歯色又は複数の最終的な歯色の観察が可能になり得る。
【0060】
修復材パラメータ推奨モジュール316は、例えば、限定を意味するものではないが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの人工機械学習ニューラルネットワークに基づくことができる。これはフィードフォワード人工ニューラルネットワークであり、古典的形態では、畳み込み層と、その後に続くプーリング層からなる。CNNは、層ごとの畳み込みカーネルの自由パラメータ又は分類器の学習と、次の層を計算するときのそれらの重み付けによって学習する。
【0061】
例示的な実施形態に係るm/lモデル306又は修復材パラメータ推奨モジュール316のトレーニングについては後述する。
【0062】
例示的な実施形態では、アプリケーション304の提示モジュール308は、修復材パラメータ推奨モジュール316から得られた提案を表示する。提示モジュール308は、例えば、3Dプリンタ材料128、3Dプリンタ124、修復ブロック132、又はミリング/研削マシン126の複数のオプション、並びに、対応する修復物の設置後に所望の色結果を達成する確率を表示し得る。適応モジュール310は、必要に応じて出力修復特徴値312を適応させるべく医師から入力を受信するように構成され得る。例えば、最終的なユーザ固有の歯色を変更すると、提示モジュール308による提示のために、提案される出力修復特徴値312が再計算され得る。
【0063】
提案されるオプションは、対応する確率に基づいて事前に選択され得る。
【0064】
特定の指示及び要件を有する新しいツール及び材料が歯科ワークフローに追加されると、修復材パラメータ推奨モジュール316が再トレーニングされ、最終的なユーザ固有の歯色への影響を医師が詳細に認識する必要性が顕著に低減し得る。フィードバックモジュール318は、随意的に、出力修復特徴値312の精度を示すユーザフィードバック322を収集する。一実施形態では、アプリケーション304は、推奨を提示するだけでなく、ユーザがフィードバックを入力するための方法も提供するように構成される。フィードバックモジュール318は、機械学習技術におけるフィードバックを依存関係326又はユーザプロフィールなどに適用して、修復材パラメータ推奨モジュール316で用いられるm/lモデル306を修正する。
【0065】
ニューラルネットワークm/lモデル306は、種々のタイプのトレーニングデータセットを使用してトレーニングされ得る。トレーニングは、トレーニング入力画像及び/又は対応するシェード/カラーマッピングを含むトレーニングデータセットと、複数の対応するトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料から得られる対応するトレーニング出力修復特徴値を使用することを含み得る。対応するトレーニング出力修復特徴値は、トレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料の特性を表し得る。
【0066】
より具体的には、トレーニングは、複数のトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料を用意し、前記複数のトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料を使用して、複数の対応する修復物を製作することを含み得る。複数のトレーニング修復ブロック及び/又は3Dプリンタ材料は、設置された修復物に、設置後に所望の色と一致する観察される色を提供する、特定の既知の特性を有するように専門家が選択することができ、そのような所望の色の例は隣接歯の色である。既知の特性は、保存された対応するトレーニング出力修復特徴値として格納され得る。製作された修復物は、対応する物理モデル又は口腔に設置され得る。前記対応する物理モデル又は口腔をスキャンして、トレーニング入力データセットの一部として使用するための対応する画像及び/又はシェードを得ることができる。トレーニング入力データセットは、機械学習モデルへの入力として用いられ、その対応する出力修復特徴値は、機械学習モデルから得ることができる。次いで、対応する出力修復特徴値が、保存された対応するトレーニング出力修復特徴値と比較され得る。
【0067】
図5は、例示的なトレーニングアーキテクチャ502を示している。一実施形態では、提案の提供要求を受信すると、アプリケーション304は、m/lモデル306の入力ニューロンに入力される値のアレイを作成して、推奨/出力修復特徴値312を含むアレイを生成する。例示的な実施形態に係る機械学習ベースの提案生成のための例示的なトレーニングアーキテクチャ502のブロック図を示している図5に示すように、プログラムコードは、ラベルLを有するトレーニングデータエントリでトレーニングデータ504から種々の特徴量/属性を抽出506する。特徴量は、プログラムコードが機械学習モデル508として使用する、予測関数H(x)又は仮説を立てるために使用される。トレーニングデータ504の種々の特徴量/属性を識別する際に、プログラムコードは、一実施形態において特徴量を識別するために用いることができる方法の例である相互情報量を含むがこれに限らない様々な技術を用いることができる。他の実施形態は、特徴量を選択するための主成分分析、拡散マッピング、ランダムフォレスト、及び/又は再帰的特徴除去(特徴量を選択するためのブルートフォース手法)を含むがこれらに限定されない、特徴量を選択するための様々な技術を用いることができる。「P」は、得ることができる出力(例えば、修復材パラメータ及び/又は確率)であり、これを受信すると、歯科システムは、機械加工プロセスの開始オプションを表示するなどの他のステップを実行するようにさらにトリガされ得る。プログラムコードは、機械学習モデル508を構成する予測関数に基づいてプログラムコードが様々な変更に優先順位をつけることができるように、機械学習アルゴリズム512を使用して機械学習モデル508をトレーニングすることができ、これは出力に重みを付けることを含む。出力は品質メトリック510によって評価することができる。
【0068】
トレーニングデータ504の様々なセットを選択することによって、プログラムコードは、患者、医師、歯科システムに接続されたデバイスなどの種々の属性を識別する及び重み付けするように機械学習モデル508をトレーニングする。機械学習モデル508を使用するために、プログラムコードは、入力データ又は特徴量を取得(又は導出)して、ニューラルネットワークの入力ニューロンに入力する値のアレイを生成する。これらの入力に応答して、ニューラルネットワークの出力ニューロンは、ディスプレイに同時に提示され得る出力修復特徴値312を含むアレイを生成する。
【0069】
さらに、別の実施形態では、提案できる数が制限され得る。ここでは、入力-出力トレーニングデータセットを形成するために、内部構造/ブロック/材料及び適用されたスキャンの経験的に得られる意味のある特性をもつ限定数の参照例が生成され得る。これは、可能な内部構造の解空間にわたる基本関数として作用し得る。次いで、機械学習モデルは、明確に削減された数のトレーニング例で実現され得る基本関数のいくつかの重みを見つける。代替的に、基本関数の重みは、最適化アルゴリズムによって直接見つけられる。ここでは、さらなるトレーニング例は必要ないかもしれない。すべての歯の基本関数が同様になるように設計することで、隣接歯の解析から欠損歯又は欠陥歯が結論付けられ得る。
【0070】
図6を参照すると、歯科修復材パラメータを提案するためのプロセス600が開示される。ステップ602において、プロセス600は、患者の歯の窩洞の三次元(3D)スキャンを受信し得る。ステップ604において、プロセス600は、入力リソースによって、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールのための少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子を含む入力データを識別し得る。ステップ606において、プロセス600は、識別に応答して、入力データから、修復物の設計及び/又は機械加工プロセスの完了要求を表す1つ又は複数の特徴量を抽出し得る。ステップ608において、プロセス600は、トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールを使用して、修復物の少なくとも1つの歯層について最終的なユーザ固有の歯色を達成するのに必要な少なくとも1つの出力修復特徴値を提案し得る。本明細書では、最終的なユーザ固有の歯色は、患者の口腔内に設置された後の修復物の観察される色を表し、観察される色は、下にある残根の色などの少なくとも1つの最終的な歯色の影響因子による影響を受ける。トレーニングされる修復材パラメータ推奨モジュールは、機械学習エンジンとして動作し得る。
【0071】
プロセス600は、口腔内スキャナによって患者の口腔をスキャンして入力データの少なくとも一部を取得することを含み得る。
【0072】
したがって、コンピュータで実施される方法、システム、又は装置、及びコンピュータプログラム製品が、インテリジェントな提案及び他の関連する特徴、機能、又は動作の例示的な実施形態で提供される。実施形態又はその一部が、或るタイプのデバイスに関して説明される場合、コンピュータで実施される方法、システム、又は装置、コンピュータプログラム製品、又はその一部は、そのタイプのデバイスの適切な同等の表現で用いるために適応又は構成される。
【0073】
実施形態がアプリケーションで実施されるものとして説明される場合、SaaS(Software as a Service)モデルでのアプリケーションの配信が例示的な実施形態の範囲内で企図される。SaaSモデルでは、実施形態を実施するアプリケーションの機能は、クラウドインフラストラクチャのアプリケーションを実行することによってユーザに提供される。ユーザは、ウェブブラウザ又は他の軽量のクライアントアプリケーションなどのシンクライアントインターフェースを通じて、様々なクライアントデバイスを使用してアプリケーションにアクセスすることができる。ユーザは、クラウドインフラストラクチャのネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、又はストレージを含む、基盤となるクラウドインフラストラクチャを管理又は制御しない。場合によっては、ユーザは、SaaSアプリケーションの機能でさえも管理又は制御しなくてもよい。いくつかの他の場合には、アプリケーションのSaaS実装は、限られたユーザ固有のアプリケーション構成設定のあり得る例外を可能にし得る。
【0074】
本発明は、任意の可能な技術的詳細レベルが統合されたシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、本発明の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又はメディア)を含み得る。
【0075】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持及び記憶できる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁気記憶装置、半導体記憶装置、又は上記の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の網羅的でないリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、EPROM(消去可能でプログラム可能なリードオンリーメモリ)又はフラッシュメモリ、SRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)、CD-ROM(ポータブルコンパクトディスク・リードオンリーメモリ)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカード又は命令が記録されている溝内の隆起構造などの機械的にエンコードされたデバイス、及び上記の任意の適切な組み合わせを含む。本明細書で用いられる場合のコンピュータで読み取り可能な記憶装置を含むがこれに限定されないコンピュータ可読記憶媒体は、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波管又は他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)、又はワイヤを通じて送信される電気信号などの、それ自体が一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0076】
本明細書で説明されるコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又はネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/又は無線ネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含み得る。各コンピューティング/処理デバイスのネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイスのコンピュータ可読記憶媒体に記憶するべくコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を転送する。
【0077】
本発明の動作を実行するためのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、アセンブラ命令、ISA(命令セットアーキテクチャ)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の構成データ、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、全部がユーザのコンピュータで実行されてもよく、一部がスタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータで実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータで一部がリモートコンピュータで実行されてもよく、又は全部がリモートコンピュータ又はサーバで実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、LAN(ローカルエリアネットワーク)又はWAN(ワイドエリアネットワーク)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータになされてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又はPLA(プログラマブルロジックアレイ)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するべく電子回路をパーソナライズするためにコンピュータで読み取り可能なプログラム命令の状態情報を使用することによってコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を実行し得る。
【0078】
本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータで読み取り可能なプログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。
【0079】
これらのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令がフローチャート図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/動作を実施するための手段を生み出すようにマシンを作製するべく、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。これらのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令はまた、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体がフローチャート図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/動作の態様を実施する命令を有する製品を含むように、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、及び/又は他のデバイスを特定の様態で機能するように誘導することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0080】
コンピュータで読み取り可能なプログラム命令はまた、コンピュータ、又は他のプログラム可能な装置、又は他のデバイスで実行する命令がフローチャート図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/動作を実施するように、コンピュータで実装されるプロセスをもたらすべく、一連の動作ステップがコンピュータ、又は他のプログラム可能な装置、又は他のデバイスで行われるように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされ得る。
【0081】
図面におけるフローチャート図及びブロック図は、本発明の種々の実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を例示している。これに関して、フローチャート図又はブロック図の各ブロックは、特定の論理関数を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を備える命令のモジュール、セグメント、又は一部を表し得る。いくつかの代替的な実装では、ブロックで示される機能は、図面に示された順番以外で行われてもよい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてよく、又はブロックは、関係する機能に応じて、時には逆の順番で実行されてよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を行う又は特殊用途ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する特殊用途ハードウェアベースのシステムにより実施することができることも注目される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】