(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】複数面の生検針チップならびに同様のものを包含する針、針セットおよびデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A61B10/02 110J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532778
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 US2022080633
(87)【国際公開番号】W WO2023102410
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ, イー
(72)【発明者】
【氏名】ブロズナリス, ピーター
(57)【要約】
三つの遠位平面状切断エッジを備える複数面軟組織貫通要素であって、三つの遠位平面状切断エッジは、組織貫通要素の鋭い遠位点を形成するように合流する。各遠位切断エッジは、組織貫通要素の中心長手軸に対して第一の角度を形成する。組織貫通要素は、三つの近位平面状切断エッジも備える。各近位切断エッジは、三つの遠位平面状切断エッジのうちのそれぞれ一つから近位に延びる。各近位切断エッジは、組織貫通要素の中心長手軸に対して第二の角度を形成する。第二の角度は、第一の角度より大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と遠位端との間に延びる細長い本体であって、前記細長い本体は中心長手軸を有する、細長い本体と、
前記細長い本体の前記遠位端にある組織貫通チップと
を含む、軟組織を貫くための生検針であって、前記組織貫通チップは、
三つの第一の面と三つの第一の切断エッジとによって画定される第一のファセットの組であって、各第一の切断エッジは、前記三つの第一の面のうちの隣接する面によって形成されていて、各第一の切断エッジは、前記中心長手軸に対して第一の角度を形成する、第一のファセットの組と、
前記第一のファセットの組の遠位に位置する第二のファセットの組であって、前記第二のファセットの組は、三つの第二の面と三つの第二の切断エッジとによって画定され、各第二の切断エッジは、前記三つの第二の面のうちの隣接する面によって形成されていて、各第二の切断エッジは、前記中心長手軸に対して第二の角度を形成し、前記第二の角度は、前記第一の角度より小さく、前記三つの第二の切断エッジは、前記生検針の遠位端点を形成するように合流する、第二のファセットの組と
を含む、生検針。
【請求項2】
前記生検針は、9-ゲージ(9-G)針である、請求項1に記載の生検針。
【請求項3】
前記生検針は、7-ゲージ(7-G)針である、請求項1~請求項2のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項4】
前記第一の角度は、前記中心長手軸に対して約17度と約23度との間の範囲にある、請求項3に記載の生検針。
【請求項5】
前記第二の角度は、前記中心長手軸に対して約9度と約15度との間の範囲にある、請求項3~請求項4のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項6】
前記細長い本体の直径が、前記組織貫通チップの直径より大きい、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項7】
前記細長い本体は、管腔を画定する側壁を備える、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項8】
前記細長い本体は、前記側壁の中に組織受け取り開口部を備え、前記組織受け取り開口部は、前記細長い本体の前記遠位端の中の前記組織貫通チップに隣接して位置する、請求項7に記載の生検針。
【請求項9】
前記遠位端点と前記組織受け取り開口部との間の距離が、デッドスペースを画定し、前記デッドスペースは、約8mmから約11mmに及ぶ、請求項8に記載の生検針。
【請求項10】
前記第一の角度は約20度であり、前記第二の角度は約9度であり、前記デッドスペースは約8.4mmである、請求項9に記載の生検針。
【請求項11】
前記第一の角度は約20度であり、前記第二の角度は約12度であり、前記デッドスペースは約8.4mmである、請求項9~請求項10のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項12】
前記第一の角度は約20度であり、前記第二の角度は約15度であり、前記デッドスペースは約8.4mmである、請求項9~請求項11のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項13】
前記三つの第一の面は全て、互いに対称であり、前記三つの第一の切断エッジは全て、互いに対称である、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項14】
前記三つの第二の面は全て、互いに対称であり、前記三つの第二の切断エッジは全て、互いに対称である、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項15】
前記組織貫通チップは、一つ以上の起伏部を含む、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載の生検針。
【請求項16】
前記組織貫通チップは、前記中心長手軸に沿って延びる三つの起伏部を含み、前記起伏部のそれぞれは、第一および第二のファセットのそれぞれのペアによって形成されている前記組織貫通チップのそれぞれのファセット面に沿って延びる、請求項15に記載の生検針。
【請求項17】
前記起伏部のそれぞれは、前記切断エッジの間の前記ファセット面に沿って延びる凹面を形成し、前記凹面は、曲率半径および横方向の長さによって定義されている、請求項16に記載の生検針。
【請求項18】
前記曲率半径は、約1.9mmから約3.7mmの間であり、前記横方向の長さは、約6.4mmと約8.3mmとの間である、請求項17に記載の生検針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願の相互参照
この出願は、2021年12月1日に出願された米国仮出願第63/284,820号に対する優先権を主張し、その内容の全体が、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、軟組織サンプリングおよび採取の分野に概して関連する。本開示はさらに具体的に、軟組織をサンプリングができる生検針、針セット、および/またはデバイスのための針チップデザインに関連する。
【背景技術】
【0003】
導入
ここで使用されるセクション見出しは、ただ構成的な目的だけのためにあって、いかなる方法によっても記載された主題を限定するとしてみなされてはならない。
【0004】
診断医療の実施においてしばしば、医療評価のために生検を実行することまたは選択された組織を生きている患者からサンプリングすることが、必要であるかまたは望ましい。その後、細胞学的および組織学的な生検サンプルの研究が、病気の診断および治療の支援として実行されることができる。生検は、様々な形式のがんを診断することおよび治療することに役立つことができ、様々な形式のがんは、例えば、乳がん、および病気に冒された組織の局在領域が識別されることができる他の病気を含む。
【0005】
一般的に、経皮的生検を伴う手術前診断は、外科的生検より好まれる。外科医は、実際の外科的切除術を行うこととは対照的に、経皮的生検では、皮膚を通して針セットで組織サンプルを取得する。一つの既知の針セットは、細長い外側カニューレ(針)と内側カニューレとを備え、細長い外側カニューレは、尖った組織貫通チップと、それの(組織貫通チップに隣接する)遠位端の近くに画定された受け取り開口部とを有し、内側カニューレは、環状の切断刃に囲まれた開口遠位端を有する。内側カニューレは、外側カニューレ内に摺動可能に配置され、これにより、それは組織受け取り開口部を閉めることができ、これによって切断組織が、組織受け取り開口部を通って外側カニューレ(針)の管腔へと逸脱する。
【0006】
経皮的画像ガイド下針生検は、例えば、スクリーニングによってまたは臨床的異常の評価の間に検出された疑わしい乳房病変の管理において、好ましい生検方法になっている。経皮的画像ガイド下針生検は、安全でコスト効率の良い手順として認識されており、正確な診断、正確な意思決定、および示されたときは正確な治療計画を立てることを可能にする。その結果、経皮的画像ガイド下針生検は、より長い病院滞在、より高いコスト、および起こり得る合併症に関連していた診断外科的切除術にほとんど完全に取って代わっていて、医療界の中での標準治療になっている。
【0007】
乳房組織サンプリングのための様々な技術的オプションもあり、技術的オプションは、例えば、ガイドのための様々なイメージング様式と併せて使用され得る細針サンプリング(FNS)、コア針生検(CNB)、および吸引式生検(VAB)を含む。これらの様々な技術は全て、触診可能乳房病変および触診不可能乳房病変を診断するために利用可能であり、それぞれは一般的に、異なる目的のために使用される。従って、異なる生検技術は、異なる大きさおよび長さの針を採用する。針の(開口)管腔の直径は、ゲージ数によって記述され、より小さいゲージ数は、より大きい針の直径を示す。通常適用される針は、例えば、約0.4mm(27ゲージ)から約4.6mm(7ゲージ)に及ぶ管腔直径を有する。
【0008】
VAB手順は一般的に、約12ゲージから約7ゲージに及ぶ比較的小さいゲージを有する針セットを要求する。さらに、乳房生検のための標準治療は、より小さいゲージの針を利用することに移行している。(より大きな管腔直径を伴う)より小さいゲージ針は、例えば、病理学者が診断を行うのに十分な組織を提供するために患者から針を除去する必要なしに、より多くの量の組織を摘出することと、複数のサンプルを連続的に収集することとのために望ましく、これにより、偽陰性結果または病気の過小評価のリスクを減少させる。しかし、(より小さなゲージを有する)より大きな針も、患者の安心の問題をもたらす。これは、そのような針で患者の皮膚を貫くことが、一般的により困難だからである。
【0009】
それゆえに、例えばデザインを有する小さいゲージ生検針および針セットを含む生検針および/または針セットのための針チップを提供することが望ましくあり得、デザインは、患者の皮膚をより容易に貫いて軟組織サンプルを収集することによって患者の体験を改善して患者の安心を促進し、他方で、商業的使用のために針および/または針セットの大規模製造を可能にもする。針が軟組織に入るときの減少した挿入圧力を、同時に針の長さを増大させることなしに可能にする生検針および/または針セットのための針チップを提供することが、さらに望ましくあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
要約
本開示は、上述の課題のうちの一つ以上に対処し、かつ/または上述の望ましい特徴のうちの一つ以上を達成する。他の特徴および/または利点は、次の説明から明らかになり得る。
【0011】
本開示の様々な例となる実施形態に従って、軟組織を貫くための生検針は、近位端と遠位端との間に延びる細長い本体を備える。細長い本体は、中心長手軸を有する。生検針は、細長い本体の遠位端に組織貫通チップも備える。組織貫通チップは、三つの第一の面と三つの第一の切断エッジとによって画定される第一のファセットの組を備える。各第一の切断エッジは、三つの第一の面のうちの隣接する面によって形成されて、各第一の切断エッジは、中心長手軸に対して第一の角度を形成する。組織貫通チップは、第一のファセットの組の遠位に位置する第二のファセットの組も有する。第二のファセットの組は、三つの第二の面と三つの第二の切断エッジとによって画定される。各第二の切断エッジは、三つの第二の面のうちの隣接する面によって形成されて、各第二の切断エッジは、中心長手軸に対して第二の角度を形成する。第二の角度は、第一の角度より小さい。三つの第二の切断エッジは、生検針の遠位端点を形成するように合流する。例において、生検針は、9-ゲージ(9-G)針である。別の例において、生検針は、7-ゲージ(7-G)針である。さらに別の例において、生検針の第一の角度は、中心長手軸に対して約17度と約23度との間の範囲にあり、第二の角度は、中心長手軸に対して約9度と約15度との間の範囲にある。
【0012】
別の例において、細長い本体の直径は、組織貫通チップの直径より大きい。別の例において、細長い本体は、管腔を画定する側壁を備える。さらに別の例において、細長い本体は、側壁の中に組織受け取り開口部を備え、組織受け取り開口部は、細長い本体の遠位端の組織貫通チップに隣接して位置する。なおも別の例において、遠位端点と組織受け取り開口部との間の距離が、デッドスペースを画定し、デッドスペースは、約8mmから約11mmに及ぶ。一つの例において、第一の角度は約20度であり、第二の角度は約9度であり、かつデッドスペースは約8.4mmである。第二の例において、第一の角度は約20度であり、第二の角度は約12度であり、かつデッドスペースは約8.4mmである。第三の例において、第一の角度は約20度であり、第二の角度は約15度であり、かつデッドスペースは約8.4mmである。
【0013】
さらなる例において、三つの第一の面は全て、互いに対称であり、三つの第一の切断エッジは全て、互いに対称である。追加の例において、三つの第二の面は全て、互いに対称であり、三つの第二の切断エッジは全て、互いに対称である。
【0014】
別の例において、組織貫通チップは、一つ以上の起伏部を含む。なおも別の例において、組織貫通チップは、中心長手軸に沿って延びる三つの起伏部を含み、起伏部のそれぞれは、第一および第二のファセットのそれぞれのペアによって形成されている組織貫通チップのそれぞれのファセット面に沿って延びる。さらに別の例において、起伏部のそれぞれは、切断エッジの間のファセット面に沿って延びる凹面を形成し、凹面は、曲率半径および横方向の長さによって定義される。さらに別の例において、曲率半径は、約1.9mmから約3.7mmの間であり、横方向の長さは、約6.4mmと約8.3mmとの間である。
【0015】
本開示の様々な追加の例となる実施形態に従って、軟組織を貫くための生検針セットは、近位端と遠位端との間に延びる外側カニューレを備える。外側カニューレは、長手軸に沿って延びる中心管を画定する。外側カニューレは、外側カニューレの遠位端に組織貫通チップを備え、組織貫通チップに隣接して組織受け取り開口部を備える。組織貫通チップは、三つの第一の面と三つの第一の切断エッジとによって画定される第一のファセットの組を備える。各第一の切断エッジは、三つの第一の面のうちの隣接する面によって形成され、各第一の切断エッジは、長手軸に対して第一の角度を形成する。組織貫通チップは、第一のファセットの組の遠位に位置する第二のファセットの組も備える。第二のファセットの組は、三つの第二の面と三つの第二の切断エッジとによって画定される。各第二の切断エッジは、三つの第二の面のうちの隣接する面によって形成され、各第二の切断エッジは、長手軸に対して第二の角度を形成する。第二の角度は、第一の角度より小さい。三つの第二の切断エッジは、外側カニューレの遠位端点を形成するように合流する。生検針セットは、外側カニューレの中心管腔内に配置された内側カニューレも備える。内側カニューレは、組織受け取り開口部を閉めるように外側カニューレに対して摺動するように構成されている。例において、第一の角度は、長手軸に対して約17度と約23度との間の範囲にある。別の例において、第二の角度は、長手軸に対して約9度と約15度との間の範囲にある。
【0016】
別の例において、内側カニューレは、環状の切断刃に囲まれた開口遠位端を備える。なおも別の例において、外側カニューレは、組織受け取り開口部より遠位の位置にある中心管腔の中に配置された切断板を備え、切断板は、内側カニューレが切断板に接触しているときに内側カニューレの開口遠位端を封止するように構成されている。さらに別の例において、組織貫通チップは、一つ以上の起伏部を含む。さらに別の例において、組織貫通チップは、長手軸に沿って延びる三つの起伏部を含み、起伏部のそれぞれは、第一および第二のファセットのそれぞれのペアによって形成されている組織貫通チップのそれぞれのファセット面に沿って延びる。さらに別の例において、起伏部のそれぞれは、切断エッジの間のファセット面に沿って延びる凹面を形成し、凹面は、曲率半径および横方向の長さによって定義される。曲率半径は、例えば、約1.9mmから約3.7mmの間であり、横方向の長さは、例えば、約6.4mmと約8.3mmとの間である。
【0017】
例において、生検デバイスは、本体部を含み、上記のような生検針セットが本体部に取り付けられ、本体部は、生検針セットの外側カニューレおよび内側カニューレの動きを駆動するように構成されている駆動アセンブリを備える。別の例において、生検針セットは、使い捨てである。なおも別の例において、第一の角度は、長手軸に対して約17度と約23度との間の範囲であり、第二の角度は、長手軸に対して約9度と約15度との間の範囲にある。
【0018】
本開示の様々なさらなる例となる実施形態に従って、複数面軟組織貫通要素は、組織貫通要素の鋭い遠位点を形成するように合流する三つの遠位平面状切断エッジを備える。各遠位切断エッジは、組織貫通要素の中心長手軸に対して第一の角度を形成する。組織貫通要素は、三つの近位平面状切断エッジも備える。各近位切断エッジは、三つの遠位平面状切断エッジのうちのそれぞれ一つから近位に延びる。各近位切断エッジは、組織貫通要素の長手軸に対して第二の角度を形成する。第二の角度は、第一の角度より大きい。例において、第一の角度は、約9度と約15度との間の範囲にある。追加の例において、第二の角度は、約17度と約23度との間の範囲にある。
【0019】
別の例において、複数面組織貫通要素の最大直径は、7-ゲージ(7-G)針以下である。なおも別の例において、三つの近位平面状切断エッジは、生検針またはトロカールの本体から遠位に延びる。さらに別の例において、複数面組織貫通要素は、三つの遠位面をさらに含み、各面は、組織貫通要素の遠位ピラミッドを形成するように、三つの遠位平面状切断エッジのうちの二つの間に位置する。さらに別の例において、複数面組織貫通要素は、三つの起伏部をさらに含み、各起伏部は、三つの遠位平面状切断エッジのうちの二つの間に位置する。
【0020】
追加の目標および利点は、一部が次の記載の中で説明されて、一部がその記載から明白であるか、または本教示の実施によって知られ得る。少なくとも本開示の目標および利点のうちのいくつかは、添付された特許請求の範囲の中で特に指摘される要素および組み合わせの手段によって実現および達成され得る。
【0021】
前述の一般的な説明と次の詳細な説明との両方が、ただ例示的かつ説明的なだけであり、かつ本開示および特許請求の範囲(同等のものを含む)を制限するものでないということは、理解されなければならない。本開示および特許請求の範囲は、それらの最も広い意味において、これらの例示的な側面および実施形態のうちの一つ以上の特徴を有することなしに実施されることができるということは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
この明細書の一部に組み込まれてこの明細書の一部を構成する付属の図面は、本開示のいくつかの例示的な実施形態を図示し、かつ説明と一緒にある原理を説明するために役立つ。これらの図面は、開示された発明の典型的な実施形態のみを描写し、かつ従ってそれの範囲を限定するとみなされてはならない。図面において、
【0023】
【
図1】
図1は、本開示に従って形成された遠位チップ部を有する針の例示的な実施形態の部分的な等角図であり、
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【
図5】
図5は、本開示に従う針の別の例示的な実施形態の部分的な側面図であり、
【0028】
【
図6】
図6は、本開示に従う針のさらに別の例示的な実施形態の部分的な側面図であり、
【0029】
【
図7】
図7は、針の遠位チップ部の角度と、針の対応するデッドスペースとの間の関係を図示し、
【0030】
【
図8】
図8は、
図1の針の遠位チップ部の代替となる例示的な実施形態の部分的な底面図であり、遠位チップ部が本開示に従う起伏部を備え、
【0031】
【0032】
【0033】
【
図11】
図11は、
図1の針を備える針セットの例示的な実施形態を援用する生検デバイスの実施形態の透視図であり、かつ、
【0034】
【発明を実施するための形態】
【0035】
例示される実施形態の詳細な説明
上記のように、より大きな管腔直径を有する小さいゲージの針は、乳房生検のための標準治療になっている。より小さいゲージ針は、例えば、患者から針を除去する必要なしにより多くの量の組織を摘出して複数のサンプルを連続的に収集し得る。それゆえに、そのような生検技術は、(言い換えると、生検の間に要求される針刺しの回数を減少させることによって)患者の体験を改善し、その一方で、(言い換えると、より多くの組織が生検手順の間に収集され得ることにより)偽陰性結果または病気の過小評価のリスクも減少させる。しかし、そのような針で患者の皮膚を貫くことは、一般的により困難である。針を挿入するために要求される貫く力も、針の大きさ(言い換えると、直径)と共に増大するからである。従って、生検デバイスの機能性を改善することと、患者の体験を改善することとのために、生検針デザインおよび特に、小さいゲージの生検針デザインが、針を患者の軟組織に挿入するために要求される力を最小化する(言い換えると、軟組織への比較的小さい挿入力を有するようにデザインされている)ことが望ましい。一般的により鋭い針はより小さい挿入力を有し、そのため、本開示の例示的な実施形態は、鋭い針をもたらす針チップデザインを企図し、かつ針チップデザインは、小さいゲージ針と大きいゲージ針との両方と共に使用され得る。
【0036】
本開示の実施形態は、例えば複数面組織貫通要素を有する遠位針チップ部を企図し、複数面組織貫通要素は、鋭い遠位点を形成するように合流している三つの遠位平面状切断エッジと、三つの遠位平面状切断エッジのうちのそれぞれ一つから近位に延びる三つの近位平面状切断エッジとを伴う。遠位切断エッジのそれぞれは、組織貫通要素の中心長手軸に対して第一の角度を形成し得、各近位切断エッジは、組織貫通要素の中心長手軸に対して第二の角度を形成し得、第二の角度は、第一の角度より大きい。この様式において、本開示に従って形成される遠位チップ部を有する生検針は複数面組織貫通(貫き)チップを有し、これにより、生検針の断面が遠位チップにおいて最小化される。様々な例示的な実施形態に従って、本開示は、本明細書に記載される遠位チップ部が例えば生検針、トロカール、および針セットなどに使用され得ることを企図し、それぞれは、第一の移行ファセットと第二の貫通ファセットとを備える遠位組織貫通(貫き)チップを有し、移行ファセットの角度(第一の角度)は、貫通ファセットの角度(第二の角度)より大きい。さらに、遠位チップは、複数(または一組)の移行ファセットおよび複数(または一組)の貫通ファセットを備え得、複数の移行ファセットは、複数の貫通ファセットのすぐ隣に位置し、貫通ファセットは、生検針の遠位チップの遠位端点を形成して患者の皮膚の組織を貫通する(貫く)ように構成されている。本明細書に記載の遠位針チップは、乳房組織を含む(が、それに限定されない)軟組織を貫通するかまたは貫くために使用される任意の大きさ(言い換えると、任意のゲージ)および任意の形態の(例えば、任意の探り針、内側カニューレ、外側カニューレ、またはトロカールで貫きチップとして使用されることができる)生検針で使用されることができる。
【0037】
一つの実施形態において、企図された複数面針チップは、針として機能する細長い外側カニューレまたはトロカールと、外側カニューレ内に摺動可能に配置された内側カニューレとを備える針セットと組み合わせて使用され得る。上記のように、細長い外側カニューレは、遠位端に組織貫通チップおよび組織受け取り開口部を有し、内側カニューレは、環状切断刃によって囲まれた開口遠位端を有する。この様式において、医師は、(1)外側カニューレの組織貫通チップで患者の皮膚を貫通することと、(2)収集のための組織が開口部へと逸脱するように外側カニューレの受け取り開口部を位置づけることと、(3)組織受け取り開口部を閉めるように外側カニューレ内で内側カニューレを摺動させ、これにより内側カニューレの環状切断刃で逸脱する組織を切断することとによって組織サンプルを収集し得る。例えば、”自動生検パラメータ調節を伴う生検デバイス”と題されて2016年10月4日に登録された米国特許第9,456,808号、および”生検デバイス”と題されて2018年7月17日に登録された米国特許第10,022,110号、および”外科的デバイスおよび同じものを使用する方法”と題されて2014年8月19日に登録された米国特許第8,808,200号などの(それぞれの内容全体が参照によって本出願に援用される)様々な既知の生検デバイスが、そのような針セットを利用し得る。
【0038】
図11は、本開示の一つの実施形態に従う生検デバイス10を図示する。生検デバイス10は、再使用可能な本体部12および使い捨ての針セット14を備える。本体部は、針セット14を使用して針生検を実行するように構成されている構成要素を備える。これらの構成要素は、例えば、針セット14の構成要素の動きを駆動するように構成されている駆動アセンブリを備え得る。例となる駆動システムは、”生検デバイス”と題されて2018年7月17日に登録された米国特許第10,022,110号および”生検デバイス”と題された2021年6月29日付けの米国特許第11,045,172号(それぞれの内容全体が参照によって本出願に援用される)に記載されている。駆動アセンブリは、その分野において既知の一つ以上のモータ(例えば、電動、空気圧、または液圧モータを含む)を備えることができる。本体部12は、ドライブアセンブリの中のモータをコントロールし、それにより針セット14の構成要素の動きをコントロールするように構成されているコントローラ(例えば、コンピュータプロセッサ)も備え得る。
【0039】
図12および
図13は、針セット14のそれぞれの遠位部を図示する。針セット14は、本教示に従って形成された遠位組織貫通チップ18を有する外側カニューレまたはトロカール16と、環状切断刃30によって囲まれた開口遠位端28を有する内側カニューレ26とを備える。外側カニューレ16は、外側カニューレ管腔24と、遠位組織貫通チップ18に隣接して、外側カニューレ管腔24と連通する組織受け取り開口部20とを画定する。内側カニューレ26は、外側カニューレ管腔24内に摺動可能に配置され、これにより、内側カニューレ26が外側カニューレ管腔24の中でそれの最も遠位の位置にあるとき、内側カニューレ26は、外側カニューレ16の組織受け取り開口部20を閉める。この様式において、生検手順の間に、内側カニューレ26は、受け取り開口部20内に延びる任意の組織を、環状切断刃30を介して切断することと、内側カニューレ26が外側カニューレ16の組織受け取り開口部20を閉めるにつれて開口遠位端28へと切断された組織を収集することとを行うように構成されている。
【0040】
(明瞭のために内側カニューレ26が示されない)
図13に示されるように、例となる様々な実施形態において、切断板22も、組織受け取り開口部20より遠位の位置に外側カニューレ管腔24の中で配置され得る。切断板22は、内側カニューレ26が切断板22に接触している時に内側カニューレ26の開口遠位端28を封止するように構成されている。この封止は、外側カニューレ管腔24へと導入された流体が開口遠位端28および内側カニューレ管腔32を通して吸引されて生検サイトを迂回することを妨げる。代わりに、その流体は、外側カニューレ管腔24および組織受け取り開口部20を通って生検サイトに送達される。
【0041】
例となる生検デバイスの他の側面が、”生検デバイスアーミングメカニズム”と題された2017年3月7日付けの米国特許第9,585,639号、米国特許第10,022,110号、米国特許第9,456,808号、米国特許第8,808,200号、および”吸引バルブを伴う生検デバイス”と題された2017年12月19日付けの米国特許第9,844,363号に記載されている。以上に参照された特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、本明細書によってその内容全体が、本明細書で完全に説明されるかのように参照によって援用される。
【0042】
当業者は、
図11~
図13に図示された上述の本体部12および針セット14を含む生検デバイス10が、ただ例となるだけであること、ならびに本開示の複数面トロカール、針チップ、および針が、本開示および特許請求の範囲の範囲から離れることなしに、乳房生検を含む(が、それに限定されない)様々なタイプの応用のために様々な設定で使用される様々なタイプおよび形態の手術器具、生検デバイス、本体部/スリーブ、探り針、針、および針セットと併せて使用され得るということを理解するだろう。当業者は、開示された針チップ(例えば、遠位組織貫通チップ)が針セットの外側カニューレの遠位端および/または針セットの内側カニューレの遠位端を形成し得るということも理解するだろう。さらに、当業者は、外側カニューレまたはトロカール(例えば、外側カニューレ16)および内側カニューレ(例えば、内側カニューレ26)を備える開示された針(例えば、切断要素)および針セット(例えば、針セット14)は、サージカルグレードステンレス鋼、MP35N(非磁性ニッケルコバルト合金)、他のコバルトクロム合金、NiTi合金、セラミック、ガラス、高強度高分子材料、および/またはそれらの組み合わせを含む(が、それらに限定されない)様々な高強度材料から作られ得るということを理解するだろう。
【0043】
標準的な実施に従って、当業者によって理解されるように、本開示の実施形態は、本開示の針チップ(例えば、トロカール、探り針、カニューレ)が、様々な大きさおよび形状(言い換えると、ゲージおよび断面形状)を有する様々な針と併せて使用され得るということを企図し、例えば様々な針は、7-ゲージ針から12-ゲージ針までに対応する寸法(例えば、幅および高さ)を有する針を含む。
図11~
図13の実施形態に関して、例えば、針セット14の外側カニューレ16は、生検手順のための比較的小さいゲージを有し得る。本開示の一つの例示的な実施形態において、外側カニューレ16は、幅w(
図1を参照)を有する管腔を伴う7-ゲージから8-ゲージ針であり、直径は、例えば約4.5mmから約5.6mmに及ぶ。直径(幅)の範囲は、針の断面形状の変化だけでなく、針の内径と外径との間の変化も取り入れ得るということは、知られるべきである。別の例示的な実施形態において、外側カニューレ16は、約3.3mmから約4mmに及ぶ幅wを有する管腔を伴う9-ゲージから10-ゲージ針である。さらに別の例示的な実施形態において、外側カニューレ16は、約2.6mmから約3.0mmに及ぶ幅wを有する管腔を伴う11-ゲージから12-ゲージ針である。様々な例示的な実施形態において、針の断面形状は変化し得、例えば、それは円形または楕円形であり得る。しかし、当業者は、本開示に従う針(トロカール、探り針、カニューレ)および針セットが、本開示および特許請求の範囲の範囲から離れることなしに、様々なタイプの応用のために、例えば針の形状および製造者に基づいて、様々なタイプおよび形態の手術器具および生検デバイスと併せて使用されるために様々な対応する寸法を伴う様々なゲージを有し得るということをさらに理解するだろう。
【0044】
図1~
図4は、本開示に従う7-ゲージ外側カニューレまたはトロカール16の一つの実施形態を図示する。外側カニューレ16は、細長い本体17および組織貫通チップ18を備える。細長い本体17がカニューレ16の中心長手軸L(
図1および
図11を参照)を画定するように、細長い本体17は、外側カニューレ16の近位端34と遠位端36との間に延びる。細長い本体は、例えば、中心長手軸Lに沿って延びる管腔を画定する側壁13を備え、組織貫通チップ18は、細長い本体17の遠位端点19を画定する。様々な実施形態は、中心長手軸に沿って延びて、約8mmから約16mmに及ぶ長さl(
図11を参照)を有する外側カニューレを企図する。しかし、針(言い換えると、外側カニューレ)の長さlは、当業者に理解されるように、特定の製造者およびサンプリング場所(言い換えると、患者の病変の場所)との針の適合性に依存して変化し得る。図示されるように、例えば、外側カニューレまたはトロカール16の近位端34および遠位端36を参照する
図11において、用語「遠位」および「近位」は、外側カニューレまたはトロカール16が接続されたデバイスに対する構成要素の方向を指し示す。言い換えると、
図11に関して、近位は、記載された構成要素が別の構成要素よりも本体部12の近くに置かれているということを意味し、遠位は、記載された構成要素が別の構成要素よりも本体部12から離れて置かれているということを意味する。
【0045】
おそらく
図4の拡大図でもっともよく図示されるように、外側カニューレ16(針)の挿入力を減少させるために、外側カニューレ16の組織貫通チップ18は、複数面チップであり、これにより遠位チップ18は、1)三つの第一の面35と三つの第一の切断エッジ45とによって画定された第一のファセットの組25であって、隣接する面35が切断エッジ45によって互いに接続された、第一のファセットの組25と、2)三つの第二の面37と三つの第二の切断エッジ47とによって画定された、第一のファセットの組25より遠位の第二のファセットの組27であって、隣接する面37が切断エッジ47によって互いに接続される、第二のファセットの組27とを備える。この様式において、第一の切断エッジ45のそれぞれは、第一の三つの面35のうちの隣接する面35によって形成され、第二の切断エッジ47のそれぞれは、第二の三つの面37のうちの隣接する面37によって形成される。様々な実施形態にいて、
図4に示されるように、三つの第一の面35および三つの第二の面37は全て平面であり、これにより、以下にさらに記載されるように、第一の切断エッジ45および第二の切断エッジ47は全て、直線状(平面状)切断エッジである。追加の様々な実施形態において、三つの第一の面35および三つの第一の切断エッジ45は全て、互いに対称であり、三つの第二の面37および三つの第二の切断エッジ47は全て、互いに対称である。追加の様々な実施形態において、三つの第一の面35および三つの第一の切断エッジ45は全て、必ずしも互いに対称ではなく、三つの第二の面37および三つの第二の切断エッジ47は、必ずしも互いに対称ではなく、これにより、針チップは、切断エッジの両側に異なる大きさの面を有する。
【0046】
図4にさらに図示されるように、第一の切断エッジ45のそれぞれは、中心長手軸Lに対して第一の角度θ
1を形成する直線状(平面状)エッジであり(これにより第一の面35を作り、それぞれは第一の先細の面を有する)、第二の切断エッジ47のそれぞれは、中心長手軸Lに対して第二の角度θ
2を形成する直線状(平面状)エッジである(これにより第一の面37を作り、それぞれは第二の先細の面を有する)。第一の角度θ
1は、第二の角度θ
2より大きく、これにより、三つの第二の切断エッジ47がより鋭い点に(言い換えると、組織貫通チップ18の遠位端点19に)合流し、その後、第一の切断エッジ45は合流したであろう(言い換えると、チップ18が第二のファセットの組を備えないとき)。この様式において、外側カニューレ16の断面は、組織貫通チップ18で最小化される。言い換えると、組織貫通チップ18は、第一の移行ファセットの組25および第二の貫通ファセットの組27を備えるようにデザインされ、移行ファセット25の角度θ
1は貫通ファセット35の角度θ
2より大きく、これにより、貫通ファセット27は、移行ファセット25から遠位に延びるピラミッド型チップを形成する。約20度の第一の角度θ
1と約12度の第二の角度θ
2とを有する外側カニューレ16を示す
図1~
図4の実施形態に図示されるように、各第一の切断エッジ45は、中心長手軸Lに対して約17度と23度との間の範囲にある第一の角度θ
1を形成し(第一の角度θ
1の全範囲が、図示目的のために破線で示される)、各第二の切断エッジ47は、中心長手軸Lに対して約9度と約15度との間の範囲にある第二の角度θ
2を形成する(第二の角度θ
2の全範囲が、図示目的のために破線で示される)。
【0047】
当業者は、
図1~
図4に図示された上記の外側カニューレ16が、ただ例となるだけであるといううことと、本開示に従う外側カニューレ(トロカールまたは針)が、本開示および特許請求の範囲から離れることなしに、様々な組み合わせの第一の角度θ
1と第二の角度θ
2とで先細になる第一の移行ファセットの組と第二の貫通ファセットの組との様々な組み合わせを含む様々なデザインおよび形態を有し得るということとを理解するだろう。
図5および
図6は、例えば、本開示のいくつかの代替実施形態を企図して図示し、
図5は、
図1~
図4のカニューレ16と比較して(より急勾配なピラミッド型チップおよびより鋭い遠位端点119をもたらす)より小さい第二の角度θ
2を有する複数面外側カニューレ116を図示し、
図6は、
図1~
図4のカニューレ16と比較して(より鈍い遠位端点219をもたらす)より大きい第二の角度θ
2を有する複数面外側カニューレ216を図示する。外側カニューレ116は、第一の移行ファセットの組125(それぞれは、約20度の第一の角度θ
1で先細になる)と、第二の貫通ファセットの組127(それぞれは、約9度の第二の角度θ
2で先細になる)とを有する。一方で、外側カニューレ216は、第一の移行ファセットの組225(それぞれは、約20度の第一の角度θ
1で先細になる)と、第二の貫通ファセットの組227(それぞれは、約15度の第二の角度θ
2で先細になる)とを有する。
【0048】
上述のように、本開示によって企図される針チップが、上述の7-ゲージ針を含む(が、それに限定されない)様々なゲージを有する針と併せて使用され得るということも、当業者によって理解され、かつ例えば、8-ゲージから12ゲージ針までを伴うそのようなトロカールを使用することも企図する。一つの例示的な本開示の実施形態において、外側カニューレは、7-ゲージから8-ゲージ針であり、約4.4mmから約4.8mmに及ぶ幅W(
図4を参照)を有し、かつ約17度から約23度に及ぶ第一の角度θ
1と約9度から約15度の第二の角度θ
2とを有する貫通ファウセットを伴う。別の実施形態において、外側カニューレは、9-ゲージから10-ゲージ針であり、約3.1mmから約3.5mmに及ぶ幅Wを有し、かつ約16度から約22度に及ぶ第一の角度θ
1と約8度から約14度の第二の角度θ
2とを有する貫通ファウセットを伴う。さらに別の実施形態において、外側カニューレは、11-ゲージから12-ゲージ針であり、約2.2mmから約2.6mmに及ぶ幅Wを有し、約13度から約15度に及ぶ第一の角度θ
1と約8度から約10度の第二の角度θ
2とを有する貫通ファウセットを伴う。
【0049】
当業者は、外側カニューレまたはトロカールの組織貫通チップが、例えばサージカルステンレス鋼(例えば、17-4ステンレス鋼)を含む様々な材料から作られ得るということも理解するだろう。そして、移行ファセットおよび貫通ファセットは、例えば、(例えば砥石を用いて)研がれて組織貫通チップになることによるものを含む様々な既知の製造方法および/または製造技術を使用して組織貫通チップ上に形成され得る。様々な実施形態において、その後、ファセットの面は、切断エッジの鋭さを増大させるために電解研磨され得る。
【0050】
上述のように、より小さなゲージ針(より大きな幅/直径を伴う針)を使用することは、ある利益をもたらすが、一般的にそのような針で患者の皮膚を貫くことはより難しい。これは、針を挿入するために要求される貫き力が、針の大きさ(言い換えると、直径)と共に増大するからである。従って、針を患者の組織に挿入するために要求される力を最小化するために、組織貫通チップの第一の角度θ1および第二の角度θ2が比較的小さいことが望ましい。しかし、角度選択は、例えば組織貫通チップによって作られるデッドスペースDと組織貫通チップの壊れやすさとを含む他の検討事項および要因にも関わる。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、発明者は、(1)第一の角度θ1の上述の範囲は、第一の移行ファセットの組が、外側カニューレのデッドスペースDを過剰に増大させずに組織を貫通することを可能にするということを発見した。言い換えると、開示された範囲は、外側カニューレを挿入するために過剰な貫き力を発揮することをユーザに要求することなしに、(当業者によって理解され、かつ以下でさらに説明されるように)許容可能なデッドスペースDをもたらす外側カニューレの遠位チップの移行部を作り、かつ(2)第二の角度θ2の上述の範囲は、外側カニューレの遠位端点を過度に壊れやすくすることなく第二の貫通ファセットの組の組織を貫通する能力を最適化する。
【0051】
本明細書で使用されるように、用語「デッドスペース」は、外側カニューレ16、116、216の遠位端点19、119、219と組織受け取り開口部20、120、220の遠位エッジ21、121、221との間の距離Dを指し示す(
図2、
図5、および
図6を参照)。
図7に図示されるように、例えば胸壁の近くの(言い換えると、皮膚の表面に近い)組織へのアクセスを可能にするために、疑わしい乳房病変の生検を行うとき、デッドスペースDを最小化することは有利である。言い換えると、より小さなデッドスペースDは、より胸壁に近い組織へのアクセスを可能にする。デッドスペースDは、第一の角度θ
1の大きさと逆相間して、それゆえに、皮膚(例えば、胸壁)を貫くために要求される挿入力の量とも逆相関するということが、さらに見出された。従って、
図7に関して、(1)比較的小さい角度(角度1)は、比較的小さい挿入力F
1および比較的大きいデッドスペースD
1をもたらし、(2)比較的中程度の角度(角度2)は、比較的中程度の挿入力F
2および比較的中間のデッドスペースD
2をもたらし、かつ(3)比較的大きい角度(角度3)は、比較的大きい挿入力F
3および比較的大きいデッドスペースD
3をもたらす。
【0052】
図1から
図6の例示的な外側カニューレ(例となる目的のためにそれぞれが、約20度の第一の角度θ
1で先細になる第一の移行ファセットの組25、125、225を有する)はそれぞれ、約.33インチ(8.4mm)のデッドスペースDをもたらして、約.79インチ(20mm)の開口部長さAを有し得る。本開示、与えられた用途、およびサンプル場所(例えば、胸壁に近いこと)に基づいて、当業者は、許容可能なデッドスペースDを達成するように第二の角度θ
2を選択することができる。例えば、外側カニューレが7-ゲージから8-ゲージ針である本開示の例示的な実施形態において、許容可能な最小のデッドスペースDは、約9.5mmから約11mmであり得る。そして、外側カニューレが9-ゲージから12-ゲージ針である実施形態において、許容可能な最小のデッドスペースは、約8mmから約9mmであり得る。
【0053】
上述のように、当業者は、
図1~
図6および
図11~
図13に関して図示されて記載された実施形態が、ただ例となるだけであるということと、開示された生検デバイス、針チップ、針セット、探り針、ならびに内側カニューレおよび外側カニューレが、本開示および特許請求の範囲の範囲から離れることなしに修正されてかつ/または追加の特徴を備え得るということとを理解するだろう。例えば、針の挿入力は、針チップ(例えば、組織貫通チップ18)の断面積に関連するということも発見されている。従って、本開示の様々な追加の実施形態は、例えば、起伏部を備える複数面組織貫通チップ(言い換えると、針チップ)を伴う外側カニューレを企図する。
図8~
図10に図示されるように、一つの実施形態において、外側カニューレ16の組織貫通チップ18は、中心長手軸Lに沿って延びる一つ以上の起伏部50を備え得る(三つの起伏部50は、
図8~
図10の実施形態において示される(
図9参照))。一つの実施形態において、起伏部50のそれぞれは、移行ファセット25および貫通ファセット27のそれぞれのペアによって形成される、チップ18のファセット面29に沿って延びる。上述のように、各面29は二つの異なる角度の面(例えば、各移行ファセットは第一の角度θ
1で先細になり、各貫通ファセットは第二の角度θ
2で先細になる)によって作られ、各起伏部50は、平面状切断エッジ45および平面状切断エッジ47の間のファセット面29に沿って延びる凹面を作る。この様式において、各起伏部50は、組織貫通チップ18の断面積を減少させるために組織貫通チップ18の面から材料を除去する機能を果たし、かつこれにより、組織貫通チップ18の挿入のために要求される力を減少させる。
【0054】
図10の断面図において最もよく示されるように、様々な実施形態において、各起伏部50は、(中心長手軸Lに関する)横方向距離Sを伴う起伏部50をもたらす曲率半径Rを有し得る。
図9の上面図に示されるように、この実施形態において、三つの起伏部50の除去は、三つの平面状切断エッジ面49(それぞれは切断エッジ45および切断エッジ47のそれぞれのペアによって形成される)を形成し、それぞれは、約.01インチ(.25mm)の幅wを有する。針チップの断面積の、その挿入力に対する開示された関係を考慮して、当業者は、特定の応用のために曲率半径R、横方向距離S、および切断エッジ幅wの適切な値を選択することができるだろう。例えば、より小さいSの値(例えば、.03インチしかない)であって、それに対応してより大きいR(例えば、最大1.0インチ)およびw(例えば、最大.05インチ)の値を伴う、より小さいSの値は、より小さい断面積の減少およびそれに対応してより小さい挿入力の減少をもたらす。例えば外側カニューレが7-ゲージ針から8-ゲージ針である本開示の実施形態において、曲率半径Rは、約3.5mmから約3.7mmに及び得、横方向距離Sは、約8.1mmから約8.3mmに及び得る。外側カニューレが9-ゲージ針から10-ゲージ針である実施形態において、曲率半径Rは、約2.5mmから約2.7mmに及び得、横方向距離Sは、約6.4mmから約6.6mmに及び得る。そして、外側カニューレが11-ゲージ針から12-ゲージ針である実施形態において、曲率半径Rは、約1.9mmから約2.1mmに及び得、横方向距離Sは、約6.4mmから約6.6mmに及び得る。しかし、当業者は、本開示によって企図された複数面組織貫通チップが、本開示および特許請求の範囲の範囲から離れることなしに様々な形態、位置、および/または寸法を伴う起伏部を備え得るということを理解するだろう。
【実施例】
【0055】
実施例
【0056】
本明細書に記載された針チップおよび針セットの例示的な実施例が、以下に提供される。本明細書に記載された針チップおよび針セットの実施形態は、以下に記載される節の任意の一つ以上および任意の組み合わせを含み得る。
【0057】
節1.軟組織を貫くための生検針セットであって、
近位端と遠位端との間に延びる外側カニューレであって、外側カニューレは、長手軸に沿って延びる中心管腔を画定し、外側カニューレは、外側カニューレの遠位端に組織貫通チップと、組織貫通チップに隣接して組織受け取り開口部とを備え、組織貫通チップは、
三つの第一の面と三つの第一の切断エッジとによって画定される第一のファセットの組であって、各第一の切断エッジは、三つの第一の面のうちの隣接する面によって形成されていて、各第一の切断エッジは、長手軸に対して第一の角度を形成する、第一のファセットの組と、
第一のファセットの組の遠位に位置する第二のファセットの組であって、第二のファセットの組は、三つの第二の面と三つの第二の切断エッジとによって画定され、各第二の切断エッジは、三つの第二の面のうちの隣接する面によって形成されていて、各第二の切断エッジは、長手軸に対して第二の角度を形成し、第二の角度は、第一の角度より小さく、三つの第二の切断エッジは、外側カニューレの遠位端点を形成するように合流する、第二のファセットの組と
を含む、外側カニューレと、
外側カニューレの中心管腔内に配置された内側カニューレであって、内側カニューレは、組織受け取り開口部を閉めるように外側カニューレに対して摺動するように構成されている、内側カニューレと
を含む、生検針セット。
【0058】
節2.第一の角度は、長手軸に対して約17度と23度との間の範囲にある、節1に記載の生検針セット。
【0059】
節3.第二の角度は、長手軸に対して約9度と約15度との間の範囲にある、節1~節2のいずれかに記載の生検針セット。
【0060】
節4.内側カニューレは、環状切断刃によって囲まれた開口遠位端を備える、節1~節3のいずれかに記載の生検針セット。
【0061】
節5.外側カニューレは、組織受け取り開口部より遠位の位置にある中心管腔の中に配置された切断板を備え、切断板は、内側カニューレが切断板に接触しているときに内側カニューレの開口遠位端を封止するように構成されている、節4に記載の生検針セット。
【0062】
節6.組織貫通チップは、一つ以上の起伏部を含む、節1~節5のいずれかに記載の生検針セット。
【0063】
節7.組織貫通チップは、長手軸に沿って延びる三つの起伏部を含み、起伏部のそれぞれは、第一および第二のファセットのそれぞれのぺアによって形成されている組織貫通チップのそれぞれのファセット面に沿って延びる、節6に記載の生検針セット。
【0064】
節8.起伏部のそれぞれは、切断エッジの間のファセット面に沿って延びる凹面を形成し、凹面は、曲率半径および横方向距離によって画定される、節7に記載の生検針セット。
【0065】
節9.曲率半径は、約1.9mmから約3.7mmの間であり、横方向距離は、約6.4mmと約8.3mmとの間である、節8に記載の生検針セット。
【0066】
節10.
本体部と、
本体部に取り付けられた節1~節9のいずれかに記載の生検針セットであって、本体部は、生検針セットの外側カニューレおよび内側カニューレの動きを駆動するように構成されている駆動アセンブリを備える、生検針セットと
を含む、生検デバイス。
【0067】
節11.生検針セットは、使い捨てである、節10に記載の生検デバイス。
【0068】
節12. 第一の角度は、長手軸に対して約17度と約23度との間の範囲にある、節10~節11のいずれかに記載の生検デバイス。
【0069】
節13.第二の角度は、長手軸に対して約9度と約15度との間の範囲にある、節12に記載の生検デバイス。
【0070】
節14.複数面軟組織貫通要素であって、
組織貫通要素の鋭い遠位点を形成するように合流する三つの遠位平面状切断エッジであって、各遠位切断エッジは、組織貫通要素の中心長手軸に対して第一の角度を形成する、三つの遠位平面状切断エッジと、
三つの近位平面状切断エッジであって、各近位切断エッジは、三つの遠位平面状切断エッジのうちのそれぞれ一つから近位に延び、各近位切断エッジは、組織貫通要素の中心長手軸に対して第二の角度を形成し、第二の角度は、第一の角度より大きい、三つの近位平面状切断エッジと
を含む、複数面軟組織貫通要素。
【0071】
節15.第一の角度は、約9度と約15度との間の範囲にある、節14に記載の複数面組織貫通要素。
【0072】
節16.第二の角度は、約17度と約23度との間の範囲にある、節14~節15のいずれかに記載の複数面組織貫通要素。
【0073】
節17. 複数面組織貫通要素の最大直径が、7-ゲージ(7-G)針以下である、節14~節16のいずれかに記載の複数面組織貫通要素。
【0074】
節18.三つの近位平面状切断エッジは、生検針またはトロカールの本体から遠位に延びる、節14~節17のいずれかに記載の複数面組織貫通要素。
【0075】
節19.三つの遠位面をさらに含み、各面は、組織貫通要素の遠位ピラミッドを形成するように三つの遠位平面状切断エッジのうちの二つの間に位置する、節14~節18のいずれかに記載の複数面組織貫通要素。
【0076】
節20.三つの起伏部をさらに含み、各起伏部は、三つの遠位平面状切断エッジのうちの二つの間に位置する、節14~節19のいずれかに記載の複数面組織貫通要素。
【0077】
節21.軟組織を貫くための生検針であって、
近位端と遠位端との間に延びる細長い本体であって、細長い本体は、中心長手軸を有する、細長い本体と、
細長い本体の遠位端にある組織貫通チップであって、組織貫通チップは、
三つの第一の面と三つの第一の切断エッジとによって画定される第一のファセットの組であって、各第一の切断エッジは、三つの第一の面のうちの隣接する面によって形成されていて、各第一の切断エッジは、中心長手軸に対して第一の角度を形成する、第一のファセットの組と、
第一のファセットの組の遠位に位置する第二のファセットの組であって、第二のファセットの組は、三つの第二の面と三つの第二の切断エッジとによって画定され、各第二の切断エッジは、三つの第二の面のうちの隣接する面によって形成されていて、各第二の切断エッジは、中心長手軸に対して第二の角度を形成し、第二の角度は、第一の角度より小さく、三つの第二の切断エッジは、生検針の遠位端点を形成するように合流する、第二のファセットの組と
を含む、生検針。
【0078】
節22.生検針は、9-ゲージ(9-G)針である、節21に記載の生検針。
【0079】
節23.生検針は、7-ゲージ(7-G)針である、節21~節22のいずれかに記載の生検針。
【0080】
節24.第一の角度は、中心長手軸に対して約17度と約23度との間の範囲にある、節23に記載の生検針。
【0081】
節25.第二の角度は、中心長手軸に対して約9度と約15度との間の範囲にある、節23~節24のいずれかに記載の生検針。
【0082】
節26.細長い本体の直径が、組織貫通チップの直径より大きい、節21~節25のいずれかに記載の生検針。
【0083】
節27.細長い本体は、管腔を画定する側壁を備える、節21~節26のいずれかに記載の生検針。
【0084】
節28.細長い本体は、側壁の中に組織受け取り開口部を備え、組織受け取り開口部は、細長い本体の遠位端の中の組織貫通チップに隣接して位置する、節27に記載の生検針。
【0085】
節29.遠位端点と組織受け取り開口部との間の距離が、デッドスペースを画定し、デッドスペースは、約8mmから約11mmに及ぶ、節28に記載の生検針。
【0086】
節30.第一の角度は約20度であり、第二の角度は約9度であり、デッドスペースは約8.4mmである、節29に記載の生検針。
【0087】
節31.第一の角度は約20度であり、第二の角度は約12度であり、デッドスペースは約8.4mmである、節29~節30のいずれかに記載の生検針。
【0088】
節32.第一の角度は約20度であり、第二の角度は約15度であり、デッドスペースは約8.4mmである、節29~節31のいずれかに記載の生検針。
【0089】
節33.三つの第一の面は全て、互いに対称であり、三つの第一の切断エッジは全て、互いに対称である、節21~節32のいずれかに記載の生検針。
【0090】
節34.三つの第二の面は全て、互いに対称であり、三つの第二の切断エッジは全て、互いに対称である、節21~節33のいずれかに記載の生検針。
【0091】
節35.組織貫通チップは、一つ以上の起伏部を含む、節21~節34のいずれかに記載の生検針。
【0092】
節36.組織貫通チップは、中心長手軸に沿って延びる三つの起伏部を含み、起伏部のそれぞれは、第一および第二のファセットのそれぞれのペアによって形成されている組織貫通チップのそれぞれのファセット面に沿って延びる、節35に記載の生検針。
【0093】
節37.起伏部のそれぞれは、切断エッジの間のファセット面に沿って延びる凹面を形成し、凹面は、曲率半径および横方向の長さによって定義されている、節36に記載の生検針。
【0094】
節38.曲率半径は、約1.9mmから約3.7mmの間であり、横方向の長さは、約6.4mmと約8.3mmとの間である、節37に記載の生検針。
【0095】
本開示は、可能な例のいくつかが示される添付の図面に関して本技術のいくつかの例を記載した。しかし、他の側面が、多くの異なる形式で実施されることができ、かつ本出願で説明された例に限定されるように解釈されるべきでない。むしろ、これらの例は、この開示が徹底的にかつ十分にかつ完全に当業者に可能な例の範囲を伝達されるように提供される。
【0096】
全ての数値は、本出願において、明示的に示されるかどうかに関わりなく、用語「約」によって修飾されるように推定される。用語「約」は一般的に、記載された値と同等であると当業者が考える(言い換えると、同じ機能または結果を有する)数の範囲を指し示す。多くの例において、用語「約」は、最も近い有効桁数に丸められた数を含み得る。
【0097】
端点による数の範囲の記載は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0098】
この説明と例示的な実施形態を図示する添付の図面とは、限定するものとみなされるべきでない。この説明および特許請求の範囲の範囲(同等物を含む)から離れることなしに、様々な機械的、組成的、構造的、電気的、および操作的な変更が行われ得る。いくつかの例において、周知の構造および技術は、開示を曖昧にしないために、詳細に示されて説明されていない。さらに、一つの実施形態に関して詳細に説明された、要素およびそれらの関連する特徴は、実用的な時はいつでも、それらが具体的に示されて説明されない他の実施形態に含まれ得る。例えば、要素が一つの実施形態に関して詳細に説明されてもう一つの実施形態に関して説明されないとき、それでもやはりその要素は、もう一つの実施形態に含まれ得る。
【0099】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」ならびに任意の単語の任意の単数使用は、明確かつ明快に一つの指示物に限定されない限り、複数指示物を含むということが知られている。本明細書で使用されるように、用語「備える」およびその文法的変形は、非限定的であるように意図され、これにより、リストの中のアイテムの記述が、そのリストアップされたアイテムに代替または追加されることができるその他の同様のアイテムの排除となってはならない。
【0100】
さらに、この説明の専門用語は、開示を限定するように意図しない。例えば、空間に関係する用語―例えば「の下に」「より下に」「下部の」「より上に」「上部の」「前方の」「前の」「後ろの」および同様のものなど―は、一つの要素または特徴の、別の要素または特徴に対する関係を図の方向の中で図示されるように説明するために使用され得る。空間に関係するこれらの用語は、図に示された位置および方向に加えて、使用中または操作中のデバイスの様々な位置および方向を包含するように意図される。例えば、他の要素または特徴「より下に」または「の下に」として説明された要素は、図のデバイスが反対にされたとき、その他の要素または特徴「より上に」または「の上に」あるはずである。よって、例示的な用語「より下に」は、より上とより下との両方の位置および方向を包含することができる。デバイスは、他の方向に向けられ(90度または他の方向に回転され)得て、本明細書で使用された空間に関係する記述語は、それに応じて解釈される。
【0101】
さらなる修正および代替実施形態が、本出願の開示を考慮して当業者にとって明白である。例えば、システムは、操作の明瞭のためにダイアグラムおよび説明から省略された追加の構成要素を備え得る。従って、この説明は、ただ例示的なだけであると解釈されるべきであり、かつ本開示のシステムおよび方法を実行する概括的な様式を当業者に教示することを目的とする。本出願で示されて説明された様々な実施形態が、例示とみなされるべきであるということは理解されるべきである。要素および材料ならびにそれらの要素および材料の配列は、本出願で図示されて説明されたものに代替され得、部分およびプロセスは、反転され得、かつ本教示のある特徴は、独立して利用され得る。これは、本出願の説明の利益を得た後に当業者にとって全てが明白であるからである。変更は、本開示の範囲から離れることなしに、本明細書で説明された要素において行われ得る。
【0102】
本明細書で説明された特定の実施例および実施形態は、非限定的であり、構造、寸法、材料、および方法論への修正が、本開示の範囲から離れることなしに行われ得るということが理解されるべきである。本開示に従う他の実施形態は、本明細書と本明細書で開示された発明の実施とを考慮すると当業者にとって明白である。明細書および実施例が、ただ例となるだけとしてみなされ、かつそれらの完全な広さの範囲(同等の物を含む)に権利を有するということが意図されている。
【国際調査報告】