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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】車両座席システム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20241108BHJP
   A47C 27/12 20060101ALI20241108BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20241108BHJP
   B68G 7/052 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B60N2/90
A47C27/12
A47C31/02 H
B68G7/052 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532843
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022051316
(87)【国際公開番号】W WO2023101995
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/540,547
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599094510
【氏名又は名称】リア・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Lear Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ウェブスター,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】アブデラ,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ハロック,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ブレア サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】カールセン,パトリック ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3B087
3B096
【Fターム(参考)】
3B087DE03
3B087DE05
3B096BA01
(57)【要約】
車両着座システムおよび車両着座システムを製造するための方法は、少なくとも部分的にストランドメッシュ材料から作製され、着座した乗員を支持するように構成されたクッションを含むことができる。また、クッションを支持するように構成された支持構造と、ストランドメッシュ材料の少なくとも一部分の上に配置されるように構成されたトリムカバー材料とが含まれてもよい。撚りメッシュ材料は、トリムカバー材料を撚りメッシュ材料に固定するための締結構成を受け入れるように構成された統合された取り付け構成を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的にストランドメッシュ材から作製され、第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを有し、着座した乗員を支持するように構成されたクッションと、
前記クッションを支持するように構成された支持構造部と、
前記ストランドメッシュ材の少なくとも一部上に配置されるように構成されたトリムカバー材と、を備え、
前記ストランドメッシュ材は、前記トリムカバー材を前記ストランドメッシュ材に固定するための締結装置を受け入れるように構成された一体化された取り付け構造部を含む、車両座席システム。
【請求項2】
前記ストランドメッシュ材は、統合された複数のポリマーストランドを有するポリマーメッシュから少なくとも部分的に作製される、請求項1に記載の車両座席システム。
【請求項3】
前記第1の表面または前記第2の表面の少なくとも一方は、実質的に閉じた表面である、請求項2に記載の車両座席システム。
【請求項4】
前記実質的に閉じた表面は、前記統合されたポリマーストランドの少なくとも一部から形成される、請求項3に記載の車両座席システム。
【請求項5】
前記第1の表面または前記第2の表面の他方は、実質的に開いた表面である、請求項3に記載の車両座席システム。
【請求項6】
前記一体化された取り付け構造部は、前記ストランドメッシュ材の厚さを貫通し、かつ前記第1の表面および前記第2の表面を貫通して配置された開口部を含む、請求項1に記載の車両座席システム。
【請求項7】
前記開口部は、前記第1の表面または前記第2の表面の一方に取り付けられ、前記ストランドメッシュ材の厚さ内に突出するトリムクリップを含む、請求項6に記載の車両座席システム。
【請求項8】
前記トリムクリップは、前記第1の表面及び前記第2の表面の他方の下に配置されている、請求項7に記載の車両座席システム。
【請求項9】
前記締結装置は、前記トリムカバー材に縫い付けられた締結具を含む、請求項1に記載の車両座席システム。
【請求項10】
車両座席システムであって、
着座した乗員を支持するように構成されたクッションを形成するストランドメッシュ材であって、一体化された取り付け構造部を含み、第1の表面および第2の表面によって境界付けられた厚さを有するストランドメッシュ材と、
前記クッションを支持するように構成された支持構造部と、
前記クッションの少なくとも一部分の上に配置されるように構成されたトリムカバー材と、を備え、
前記一体化された取り付け構造部は、前記トリムカバー材を前記ストランドメッシュ材に固定するための締結装置を受け入れるように構成されている、車両座席システム。
【請求項11】
前記ストランドメッシュ材は、複数の統合されたポリマーストランドを含み、前記第1の表面または前記第2の表面の少なくとも一方は、前記統合されたポリマーストランドの少なくとも一部から形成された実質的に閉じた表面である、請求項10に記載の車両座席システム。
【請求項12】
前記第1の表面または前記第2の表面の他方は、実質的に開いた表面である、請求項11に記載の車両座席システム。
【請求項13】
前記一体化された取り付け構造部は、前記ストランドメッシュ材の厚さを貫通し、かつ前記第1の表面および前記第2の表面を貫通して配置された開口部を含む、請求項10に記載の車両座席システム。
【請求項14】
前記開口部は、前記第1の表面または前記第2の表面の一方に取り付けられ、前記ストランドメッシュ材の厚さ内に突出するトリムクリップを含む、請求項13に記載の車両座席システム。
【請求項15】
前記トリムクリップは、前記第1の表面または前記第2の表面の他方の下に配置される、請求項14に記載の車両座席システム。
【請求項16】
前記締結装置は、前記トリムカバー材に縫い付けられた締結具を含む、請求項10に記載の車両座席システム。
【請求項17】
車両用座席システムを製造する方法であって、
着座した乗員を支持するように構成されたクッションを提供することであって、前記クッションは、複数の統合されたポリマーストランドを有するストランドメッシュ材から少なくとも部分的に形成されている、クッションを提供することと、
前記ストランドメッシュ材内に取り付け構造部を一体化することと、を含み、
前記一体化された取り付け構造部は、トリムカバー材を前記ストランドメッシュ材に固定するための締結装置を受け入れるように構成されている、車両用座席システムの製造方法。
【請求項18】
前記統合されたポリマーストランドの少なくとも一部を溶融することによって、前記ストランドメッシュ材上に実質的に閉じた表面を形成することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ストランドメッシュ材の厚さを貫通し、前記締結装置を受け入れるように構成された開口部を形成することをさらに含み、前記厚さは、第1の表面および第2の表面によって境界付けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
トリムクリップを前記開口部内に位置決めすることと、前記トリムクリップを前記第1の表面又は前記第2の表面の一方に取り付けること、とをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年12月2日に出願された米国特許出願17/540,547に対する優先権を主張し、その開示は、引用によりその全体が本明細書に補充される。
【0002】
本発明は、車両用座席システム及び車両用座席システムの製造方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
車両座席システムは、例えば、フレームと、1つ以上のクッションと、カバー材料とのアセンブリである、比較的単純な構造であり得る。逆に、それらは、可能な特徴のいくつかを挙げると、電気機械式または空気式背もたれ支持体、占有センサ、シートベルトセンサ、および無数の異なるタイプの精巧な換気システムを含む、極めて複雑なシステムであり得る。これらの座席システムのほとんどに共通する1つの構成要素は、クッションであり、多くの場合、着座した乗員を支持し、快適さを提供するためのいくつかの異なるクッションである。これらのクッションの多くは、射出成形ポリエチレンなどの発泡材料から作製される。射出成形ポリマー発泡体は、異なる特性を有する座席システムに適合するように構成することができる。例えば、発泡体の密度は、着座した乗員に所望の量の支持を提供し、換気システムなどの様々な補助システムに適合するように設計することができる。
【0004】
この構成の1つの不具合は、発泡体の密度が増加すると、シートクッションの重量が著しく増加してしまうことである。この不具合に対処するために、代替材料が車両座席クッションにかなり使用されている。例えば、シートクッションの少なくとも一部を形成するためにストランドメッシュ材(網材)を使用することができ、使用される材料およびメッシュを形成するためにストランドをどのように統合させるかに応じて、比較的低密度のストランドメッシュ材は、はるかに高密度の射出成形発泡材料と同じまたは同様の支持を提供することができる。シートクッションにストランドメッシュ材を使用することの1つの不具合としては、トリムカバーをこの材料に取り付けることが困難であるということである。たるみや垂れ下がることを回避するために、トリムカバーは、通常、シートクッションの内側のいくつかの場所に固定される。また、比較的高密度の射出成形発泡体とは異なり、トリムカバー締結具をストランドのメッシュ材に統合させることは困難である。したがって、ストランドメッシュ材の座席クッションにおける不具合を克服するためのシステムおよび方法が必要とされている。
【0005】
本明細書に記載の実施形態は、少なくとも部分的にストランドメッシュ材(網材)から作製され、着席した乗員を支持するように構成されたクッションを有する車両座席システムを含む。座席システムはまた、クッションを支持するように構成された支持構造部と、ストランドメッシュ材の少なくとも一部上に配置されるように構成されたトリムカバー材とを含む。ストランドメッシュ材は、トリムカバー材をストランドメッシュ材料に固定するための締結装置を受け入れるように構成された一体化された取り付け構造部を含むことができる。
【0006】
本明細書に記載される実施形態は、着座した乗員を支持するように構成されたクッションを形成するストランドメッシュ材と、一体化された取り付け構造部とを含む車両座席システムを含み得る。車両座席システムはまた、クッションを支持するように構成された支持構造部と、クッションの少なくとも一部の上に配置されるように構成されたトリムカバー材とを含み得る。一体化された取り付け構造部は、トリムカバー材をストランドメッシュ材料に固定するための締結装置を受容するように構成され得る。
【0007】
本明細書に記載される実施形態は、着座した乗員を支持するように構成されたクッションを提供することを含む、車両座席システムを製造するための方法を含み得る。クッションは、複数の統合されたポリマーストランドを有するストランドメッシュ材から少なくとも部分的に形成され得る。当該方法はまた、ストランドメッシュ材内に取り付け構造部を一体化することを含み、一体化された取り付け構造部は、トリムカバー材をストランドメッシュ材に固定するための締結装置を受容するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書に記載の実施形態による車両座席システムの一部を示す。
図2図1に示す座席システムと共に使用することができるストランドメッシュ材を示す図である。
図3】本明細書に記載される実施形態による座席システムの一部としての一体化された取り付け構造部の断面図を示す。
図4A】本明細書に説明される実施形態による、トリムカバーをストランドメッシュ材に固定するための締結構成を示す。
図4B】本明細書に説明される実施形態による、トリムカバーをストランドメッシュ材に固定するための締結構成を示す。
図4C】本明細書に説明される実施形態による、トリムカバーをストランドメッシュ材に固定するための締結構成を示す。
図5】本明細書に記載される実施形態による座席システムの一部としての一体化された取り付け構造部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示する。しかしながら、開示される実施形態は、種々の代替形態で具現化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。図面は必ずしも縮尺通りではない。いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化され得る。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、本発明が様々に実施されることについて当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0010】
図1は、本明細書に記載の実施形態による車両座席システム10の一部を示す。より具体的には、図1は、クッション14と、クッション14を支持するように構成された座席フレーム16などの支持構造とを含むシートバック(座席の背凭れ)12を示す。図1に示される実施形態は、車両のシートバックに関して図示され、説明されるが、本明細書に説明される実施形態はまた、シートボトム(座席底部)にも適用され得ることを理解されたい。図1に示す実施形態では、クッション14は、ストランドメッシュ材18から形成されており、これは図2により詳細に示されている。図1に示すように、クッション14にはいくつかの開口部11、13、15がある。開口部11、13、15は、ストランドメッシュ材18内に配置された取り付け構造部へのアクセスを提供し、これは、図3図5に関連して以下でより詳細に説明されるように、トリムカバー材のための取付点を提供する。
【0011】
図2に示される実施形態では、ストランドメッシュ材18は、複数の統合されたポリマーストランド22を有するポリマーメッシュ材20から形成される。明確化のために、ストランド22の一部のみを示している。ストランドメッシュ材18は、第1の表面24と、第1の表面24の反対側に位置する第2の表面26とを含む。図2に示すように、第1の表面24は実質的に隙間がなく閉じており、第2の表面26は実質的に隙間があり開いている。実質的に閉じた表面24は、小さいまたはさらには微細な細孔を含んでもよいが、表面24の大部分は閉鎖され、下にあるポリマーメッシュ材20にアクセスするために貫通される必要がある。図2に示されるようなポリマーメッシュ材上に閉じた表面を生成するための1つの方法は、ストランド22の一部が互いに溶融して表面24が形成されるまで、熱および力を加えることである。
【0012】
図2に示す実施形態では、実質的に閉じた表面24を作り出すのには約20ポンドの力および約450°Fの温度で充分である。異なる高分子材料または他の材料から作製されるストランドメッシュ材のために、またはストランド22のような統合されたストランドの異なる密度および構成のために、異なる度合いの力および熱を使用することもできる。ストランドメッシュ材18を、例えば、線状の低密度ポリエチレン材料から作製することができるが、所望の特性および機能性を提供するために有効な他のポリマーおよび材料も考えられ得る。以下でより詳細に説明されるように、実質的に閉鎖された表面24は、例えば、液体およびガスの浸透を阻止すること、表面を気密にすること、およびトリムカバー材料の取り付けを容易にすることを含む、多くのことのために使用され得る、ストランドメッシュ材18のための基板を形成し得る。図2に示される実施形態は、実質的に閉鎖された表面および実質的に開放された表面を含むが、他の実施形態は、排他的にまたは組み合わせにより、任意の数の実質的に閉鎖されたまたは実質的に開放された表面を有してもよく、図2に示されるような上面および底面だけでなく、一つ以上の縁部表面をも含む。
【0013】
図3は、クッション14の一部の断面図を示し、特に、図2に示すストランドメッシュ材18の断面を示す。第1および第2の表面24、26は、図2に示す向きとは逆である。実際には、第1の表面24は、上述のように、ある種の基板を形成し、図3に図示されるトリムクリップ28等の取り付け構造部のための支持部を提供することができる。トリムクリップ28は、熱および力によって、または接着剤によって、基板24に接合され得る。あるいは、トリムクリップは、確実な取り付けをもたらすのに効果的な任意の他の手段によって、ストランドメッシュ材に取り付けられ得る。トリムクリップ28は、一体化された取り付け構造部30の一部であり得、取り付け構造部はまたトリムクリップ28が位置付けられる開口11も含む。開口部11は、例として図3に示されているが、他の開口部13、15(図1参照)もまた、トリムカバー材を固定するためのトリムクリップまたは他の取り付け構造部を含んでもよい。
【0014】
図3に示すように、ストランドメッシュ材18の第2の表面26はA面であり、すなわち、トリムカバー材をその上に受け入れるように構成される。逆に言えば、基板24は、座席底部(シートボトム)で使用されるときには下側に、座席背部(シートバック)で使用されるときには背中側に位置するB面として構成される。図3に示される実施形態では、開口は、第1の表面24および第2の表面26を貫通することを含む、ストランドメッシュ材18の厚さ(T)を貫通して配置される。図3に示されるように、厚さ(T)は、第1の表面24および第2の表面26によって境界付けられる。上述のように、トリムクリップ28は、ストランドメッシュ材18の第1の表面24に取り付けられ、図3に示すように、トリムクリップ28は、第2の表面26の下方に配置され開口部内に伸張する。
【0015】
上述のように、本明細書に記載の実施形態は、トリムカバー材をストランドメッシュ材18に固定するための締結装置を含む。図4A~4Cは、使用され得るいくつかのタイプの締結装置を示す。より具体的には、図4Aは、縫い目40に沿ってトリムカバー材38に縫い付けられた矢印型タイダウン(留め具)36を含む締結装置34を示す。矢印型タイダウン36は、図3に示すトリムクリップ28に容易に取り付けることができる。同様に、締結装置42は、図4Bに示すタイダウン44を含む。それはまた、縫い目48に沿ってトリムカバー材46に縫い付けられる。タイダウン44は、その端部に矢じりを有するのではなく、図3に示されるトリムクリップ28などのトリムクリップにも好都合に取り付けられ得る丸みを帯びたビード50を含む。締結装置34、42は、矢じり49または丸みを帯びた頭部50をそれに固定することを可能にするT字形の取り付け機構などの他のタイプのトリムクリップまたは取り付け機構とともに使用され得る。最後に、図4Cは、縫い目56に沿ってトリムカバー材54にも取り付けられる別のタイプの締結装置52を示す。
【0016】
図4Cに示すように、締結装置52は、タイダウン36、44などの矢じりや丸みを帯びた頭部も有さないタイダウン58を含む。むしろ、このタイプの締結装置は、「ルーズT型」と呼ばれてもよく、トリムカバー材54を、図5に示すようなストランドメッシュ材62に組み込まれた取り付け構造部60に取り付けるのに有効であり得る。図5に示すように、ストランドメッシュ材62は、実質的に閉じた表面64と、表面64の反対側に配置された実質的に開いた表面66とを含む。この実施形態における取り付け構造部60は、表面64、66を貫通することを含み、ストランドメッシュ材料62の厚さを貫通して位置決めされた開口68のみを含む。上述のように、トリムカバー材54をストランドメッシュ材62に固定するために、図4Cに示す締結装置52を使用することができる。特に、締結具58の端部は、ストランドメッシュ材料52内の空間に挿入されることができ、これはトリムカバー材54を固定したままにする。
【0017】
上述の実施形態は、主に車両座席システムを対象とするが、実施形態はまた、そのような車両座席システムを製造するための方法も企図している。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、上記で図示および説明される材料18等のストランドメッシュ材から少なくとも部分的に形成されるクッションを提供することを含み得る。本方法はまた、それぞれ図3および図5に図示される取り付け構造部30、60等の取り付け構造部を一体化することを含み得る。本方法の実施形態はまた、統合されたポリマーストランドの少なくとも一部を溶融することによって、実質的に閉じた表面をストランドメッシュ材上に形成することを含み得る(例えば、図3の表面24参照)。開口は、図3に示される開口の如く、ストランドメッシュ材の厚さを貫通して形成され得る。上述のように、開口は、トリムクリップ28などの締結装置を受け入れるように構成される。最後に、本方法の実施形態は、トリムクリップを開口部内に位置付けることと、次いで、図3に図示され、上記で説明されるように、トリムクリップを実質的に閉じた表面に取り付けること、とを含み得る。
【0018】
例示的な実施形態を上記で説明しているが、これらの実施形態が本発明のすべての可能な形態を説明していることを意図するものではない。むしろ、本明細書で使用される用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得ることを理解されたい。さらに、様々な実施態様の特徴を組み合わせて、本発明のさらなる態様を形成することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一纏まりのストランドを備えたメッシュ部材から少なくとも部分的に作製されたクッションであって、前記メッシュ部材は、第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを有している、クッションと、
前記メッシュ部材の少なくとも一部上に配置されるように構成されたトリムカバーと、を備え、
前記メッシュ部材は、前記メッシュ部材の厚さを貫通して配置された開口部を備えた一体化された取り付け構造部を備え、前記開口部は、前記トリムカバーを前記メッシュ部材に固定するための締結装置を受け入れるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記メッシュ部材は、統合された複数のポリマーストランドを有するポリマーメッシュから少なくとも部分的に作製される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の表面及び前記第2の表面の少なくとも一方は、前記統合されたポリマーストランドの少なくとも一部から形成された実質的に閉じた表面である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記開口部は、前記メッシュ部材の前記厚さを貫通し、かつ前記第1の表面および前記第2の表面を貫通して配置されている、請求項1に記載のシステム
【請求項5】
前記一体化された取り付け構造部は、前記第1の表面または前記第2の表面の一方に取り付けられたトリムクリップを備え、前記トリムクリップは、前記メッシュ部材の前記厚さ内に突出するように前記開口部内に位置決めされている、請求項1に記載のシステム
【請求項6】
前記トリムクリップは、前記第1の表面及び前記第2の表面の他方の下に配置されている、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記締結装置は、前記トリムカバーに縫い付けられた締結具を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記トリムクリップは、力及び熱の印加又は接着剤により、前記第1の表面及び前記第2の表面の一方に接合されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記締結具は、矢印型タイダウン、丸みを帯びたビードを有するタイダウン、又はルーズT型タイダウンである、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
トリム部分と、
第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを有し、一体化された取り付け部を含むメッシュ部材によって画定されているクッションと、を備え、
前記一体化された取り付け部は、前記トリム部分を前記メッシュ部材に固定するための締結装置を受け入れるように構成されている開口部を備えている、座席システム。
【請求項11】
前記メッシュ部材は、複数の統合されたポリマーストランドを含み、前記第1の表面及び前記第2の表面の少なくとも一方は、前記統合されたポリマーストランドの少なくとも一部から形成された実質的に閉じた表面である、請求項10に記載の座席システム。
【請求項12】
前記第1の表面及び前記第2の表面の他方は、実質的に開いた表面である、請求項11に記載の座席システム。
【請求項13】
前記開口部は、前記メッシュ部材の厚さを貫通し、かつ前記第1の表面および前記第2の表面を貫通して配置されている、請求項10に記載の座席システム。
【請求項14】
前記一体化された取り付け部は、前記第1の表面または前記第2の表面の一方に取り付けられたトリムクリップを備え、前記トリムクリップは、前記メッシュ部材の厚さ内に突出するように前記開口部内に位置決めされている、請求項10に記載の座席システム。
【請求項15】
前記トリムクリップは、前記第1の表面及び前記第2の表面の他方の下に配置される、請求項14に記載の座席システム。
【請求項16】
前記締結装置は、前記トリム部分に縫い付けられた締結具を含む、請求項10に記載の座席システム。
【請求項17】
員を支持するように構成されたクッションを形成することであって、前記クッションは、メッシュ部材から少なくとも部分的に形成されている、クッションを形成することと、
前記メッシュ部材内に取り付け構造部を一体化することと、を含み、
前記一体化された取り付け構造部は、前記メッシュ部材を貫通して配置された開口部を備え、前記開口部は、トリムカバーを前記メッシュ部材に固定するための締結装置を受け入れるように構成されている、方法。
【請求項18】
複数の統合されたポリマーストランドを備えた前記メッシュ部材形成することと、
前記統合されたポリマーストランドの少なくとも一部溶融して実質的に閉じた表面を形成するまで熱及び力を印加することによって、前記メッシュ部材上に実質的に閉じた表面を形成することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記メッシュ部材は、第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを有し、前記メッシュ部材の厚さは、前記第1の表面および前記第2の表面によって境界付けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
トリムクリップを前記開口部内に位置決めすることと、前記トリムクリップを前記第1の表面又は前記第2の表面の一方に取り付けることと、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】