(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】伸縮ジブの少なくとも1つの伸縮プッシュアームの伸長長さを間接的に決定するための方法
(51)【国際特許分類】
B66C 13/46 20060101AFI20241108BHJP
B66C 23/693 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B66C13/46 Z
B66C23/693 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532858
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 AT2022060405
(87)【国際公開番号】W WO2023097348
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】GM50240/2021
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518129329
【氏名又は名称】パルフィンガー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】PALFINGER AG
【住所又は居所原語表記】Lamprechtshausener Bundesstrasse 8, 5101 Bergheim bei Salzburg, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー マイアドアファー-シンドラウアー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ダイマー
【テーマコード(参考)】
3F204
3F205
【Fターム(参考)】
3F204AA04
3F204BA02
3F204CA07
3F204GA04
3F205AA08
3F205CA03
3F205CA07
3F205CB02
3F205CB05
3F205CB20
(57)【要約】
本発明は、吊上げ装置(5)の伸縮ジブ(3)の少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)の伸長長さ(1)を、伸縮ジブ(3)の、特に伸縮ジブ(3)の少なくとも一部のさらなる伸縮プッシュアーム(4)またはメインアーム(20)に対して間接的に決定するための方法であって、ここで、以下の方法ステップ:
-場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサ(6)が、少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または伸縮ジブ(3)の少なくとも1つの第1のパラメータを特に時間間隔にわたって求め、ここで、少なくとも1つの第1のパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、第1の仮想伸長長さ(7)が決定および/または計算されるステップと、
-場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサ(6)および/または少なくとも1つのさらなるセンサ(8)は、少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または伸縮ジブ(3)の少なくとも1つのさらなるパラメータを特に時間間隔にわたって求め、ここで、少なくとも1つのさらなるパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)が決定および/または計算されるステップと、
-少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)または伸縮ジブ(3)の伸長長さ(1)は、第1の仮想伸長長さ(7)および少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)によって決定および/または計算されるステップとが実施される、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊上げ装置(5)の伸縮ジブ(3)の少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)の伸長長さ(1)を、前記伸縮ジブ(3)の、特に前記伸縮ジブ(3)の少なくとも一部のさらなる伸縮プッシュアーム(4)またはメインアーム(20)に対して間接的に決定するための方法において、以下の方法ステップ:
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサ(6)が、前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の少なくとも1つの第1のパラメータを特に時間間隔にわたって求め、前記少なくとも1つの第1のパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、第1の仮想伸長長さ(7)が決定および/または計算されるステップと、
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)および/または少なくとも1つのさらなるセンサ(8)は、前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の少なくとも1つのさらなるパラメータを特に時間間隔にわたって求め、前記少なくとも1つのさらなるパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)が決定および/または計算されるステップと、
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)または前記伸縮ジブ(3)の前記伸長長さ(1)は、前記第1の仮想伸長長さ(7)および前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)によって決定および/または計算されるステップとが実施されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は、重み付けされ、好適には、前記重み付けは、
予め定義された静的な重み付け値の形態で存在し、かつ/または
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の履歴を介して決定および/または計算され、かつ/または
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の統計的評価によって決定および/または計算され、かつ/または
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の品質クラスおよび/または品質値に依存して決定および/または計算され、かつ/または
予め定義されたかつ/または定義可能な重み付けパラメータに依存して決定および/または計算される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記重み付けの際に、以下の基準:吊上げ装置のタイプ、前記伸縮ジブ(3)の実施形態、前記伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の数、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)および/または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)のタイプ、少なくとも1つの第1のパラメータおよび/または少なくとも1つのさらなるパラメータのタイプ、使用されるパラメータの数、前記伸縮ジブ(3)の現下の動作位置、前記伸長長さ(1)への要件、前記伸長長さ(1)の使用目的、吊上げ装置(5)の動作パラメータ、のうち少なくとも1つが考慮される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記重み付けは、前記吊上げ装置(5)、好適には前記伸縮ジブ(3)の動作中に、かつ/または好適にはモバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)の各走査サイクルにおいて動的に適合化される、請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は、好適には品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、好適には、前記伸長長さ(1)の品質クラスおよび/または品質値が決定および/または計算されることが想定される、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記品質クラスおよび/または前記品質値は、前記吊上げ装置(5)、好適には前記伸縮ジブ(3)の動作中に、かつ/または好適にはモバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)の各走査サイクルにおいて動的に適合化され、好適には、
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の品質クラスおよび/または品質値は、以下の基準:前記伸縮ジブ(3)の動作位置、場合によっては存在する重み付け、吊上げ装置運動の履歴、伸縮運動の持続時間、さらなる吊上げ装置運動、前記吊上げ装置(5)の動作パラメータのうちの少なくとも1つに依存して適合化され、かつ/または
前記伸長長さ(1)の品質クラスおよび/または品質値は、前記第1の仮想伸長長さ(7)の好適には品質クラスおよび/または品質値に依存して、かつ/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の好適には品質クラスおよび/または品質値に依存して適合化されることが想定される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの誤差範囲が、好適には、場合によっては存在する重み付けを考慮して、前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)について、決定および/または計算される、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)は、好適には少なくとも1つの場合によっては存在する誤差範囲と共に、視覚化装置(11)を介して視覚化される、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)は、実質的に時間連続的または時間離散的に決定および/または計算される、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記伸長長さ(1)は、前記吊上げ装置(5)のどの作業サイクルにおいても、かつ/またはどの時点においても、専ら前記第1の仮想伸長長さ(7)を介して決定および/または計算されることはない、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)は、少なくとも1つの付加的パラメータ、好適には以下の付加的パラメータ:伸縮ジブ幾何形状、吊上げ装置幾何形状、前記伸縮ジブ(3)の動作位置、前記伸縮ジブ(3)に配置された負荷質量、前記吊上げ装置(5)の動作パラメータ、吊上げ装置運動の履歴、現下の吊上げ装置運動、前記吊上げ装置(5)の液圧負荷の動作状態、伸縮運動の持続時間、のうちの少なくとも1つを考慮して決定および/または計算される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、少なくとも1つのオリフィス(13)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つのオリフィス(13)は、液圧駆動ユニット(12)内の作動油流量を制御するための複数のオリフィス位置を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが現下のオリフィス位置の形態で求められ、前記少なくとも1つのパラメータによって、好適には物理モデルを介して前記液圧駆動ユニット(12)内の体積流量が推論される、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、少なくとも1つの位置依存性のオリフィス(13)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、該液圧駆動ユニット(12)内の作動油流量が、前記少なくとも1つのオリフィス(13)を介して制御可能であり、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記少なくとも1つのオリフィス(13)の位置および/または前記少なくとも1つのオリフィス(13)における圧力差の形態で求められ、前記少なくとも1つのパラメータによって、好適には物理モデルを介して前記液圧駆動ユニット(12)内の体積流量が推論される、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、前記液圧駆動ユニット(12)に作動油を供給するための作動油タンク(14)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記作動油タンク(14)の充填レベルの形態で求められ、好適には、前記作動油タンク(14)と接続されたさらなる液圧駆動ユニット(12)が、好適には物理モデルを介して考慮されることが想定される、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ピストンシリンダユニット(15)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ピストンシリンダユニット(15)における前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の固有振動数の形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ピストンシリンダユニット(15)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ピストンシリンダユニット(15)における前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の振動振幅の形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ピストンシリンダユニット(15)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ピストンシリンダユニット(15)内の圧力の極値の形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、リフティングトルクの形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ケーブルガイドドラム(16)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ケーブルガイドドラム(16)の回転数の形態で求められる、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
複数の仮想伸長長さ(7,9)から手動または自動で、好適には少なくとも1つの仮想伸長長さ(7,9)の履歴に基づいて、少なくとも1つの、好適には正確に1つの仮想伸長長さ(7,9)が選択され、第1の仮想伸長長さ(7)として、または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)として使用される、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は重み付けされ、前記選択された仮想伸長長さ(7,9)は、それぞれ最も高い重み付けを有するものであり、かつ/または前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は、品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、前記選択された仮想伸長長さ(7,9)は、それぞれ最も高い品質クラスおよび/または最も高い品質値を有するものである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
複数の仮想伸長長さ(7,9)が、伸長長さ(1)の算出のために、好適には場合によっては存在する誤差範囲の最小化のために組み合わされ、好適には、前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)が重み付けされ、前記複数の仮想伸長長さ(7,9)がそれぞれの重み付けを考慮して組み合わされ、かつ/または前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)が品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、前記複数の仮想伸長長さ(7,9)がそれぞれの品質クラスおよび/または品質値を考慮して組み合わされることが想定される、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記伸長長さ(1)の、好適には既知の伸長長さ(1)の、かつ/または付加的センサ(17)によって間接的もしくは直接的に求められた伸長長さ(1)の少なくとも1つの基準値が設けられ、これにより、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)が、好適には時間離散的または時間連続的に、少なくとも1つの基準値によって置き換えられるか、または少なくとも1つの基準値に近似され、好適には、前記少なくとも1つの基準値が、前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の端部位置によって与えられることが想定される、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの基準値は、前記仮想伸長長さ(7,9)の形態で存在し、前記仮想伸長長さ(7,9)は、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって時間離散的に求められる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)は時間離散的に求められ、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は時間連続的に求められ、あるいはその逆であり、好適には時間連続的または時間離散的に、前記2つの仮想伸長長さ(7,9)の間の差分が計算され、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)のバッファに格納される、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記方法では、
前記差分は、好適には、場合によっては存在する品質クラス、品質値、および/または前記2つの仮想伸長長さ(7,9)の重み付けを介して重み付けされ、かつ/または
前記時間連続的および/または時間離散的に求められた仮想伸長長さ(7,9)は、バッファまたはバッファの一部により、好適には制限的パラメータおよび/または前記バッファを考慮して修正される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)の伸長長さ(1)により、前記伸縮ジブ(3)の一部の伸長長さ(1)または前記伸縮ジブ(3)の伸長長さ(1)が決定および/または求められる、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
コンピュータプログラム製品であって、計算ユニット(18)によって実行されるときに、該計算ユニット(18)とデータ接続されるかまたはそのような接続にもたらすことができるメモリユニット(19)から当該計算ユニット(18)に、少なくとも請求項1から27までのいずれか1項記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項29】
吊上げ装置(5)であって、
少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または少なくとも1つの伸縮ジブ(3)と、
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサ(6)と、
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる場合によっては少なくとも1つのさらなるセンサ(8)と、
少なくとも1つの開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)とを含む、吊上げ装置(5)において、
前記開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)が、少なくとも請求項1から27までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする、吊上げ装置(5)。
【請求項30】
前記少なくとも1つの開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)とデータ接続されるかまたはそのような接続にもたらすことができる少なくとも1つのメモリユニット(19)が設けられており、
前記少なくとも1つのメモリユニット(19)には、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)および少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)に関する伸長長さ(1)の好適には時間離散的または時間連続的な決定および/または計算のための少なくとも1つのアルゴリズムが格納されており、
ここで好適には、
前記アルゴリズムにより、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)に、品質クラス、品質値、および/または重み付けを備えさせることができ、かつ/または
前記アルゴリズムにより、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)と前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)との差分を介してバッファが充填可能であり、前記バッファを介して、前記伸長長さ(1)および/または時間連続的な仮想伸長長さ(7,9)が基準値または時間離散的な仮想伸長長さ(7,9)によって適合化可能であり、かつ/または
少なくとも1つの視覚化装置(11)が設けられており、該視覚化装置(11)を介して、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)が視覚化可能であることが想定される、請求項29記載の吊上げ装置(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊上げ装置の伸縮ジブの少なくとも1つの伸縮プッシュアームの伸長長さを、伸縮ジブの、特に伸縮ジブの少なくとも一部のさらなる伸縮プッシュアームおよび/またはメインアームに対して間接的に決定するための方法に関する。さらに、本発明は、コンピュータプログラム製品に関する。さらに、本発明は、少なくとも1つの伸縮プッシュアームおよび/または少なくとも1つの伸縮ジブと、場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサと、場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる場合によっては少なくとも1つのさらなるセンサと、少なくとも1つの開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置とを含む吊上げ装置に関する。
【0002】
従来技術からの従来式吊上げ装置では、通常、伸縮ジブの伸長長さを直接的に決定するために測定ケーブルが使用されている。しかしながら、測定ケーブルのためのコストは著しいものであり、特に、伸縮プッシュアームにおける測定ケーブルの露出した位置に基づき、測定ケーブルは、天候などの環境の影響に晒され、これによって、測定ケーブルの耐用年数が制限され、特に測定ケーブルのケーブルガイドとつながっている設置作業および/またはメンテナンス作業には手間がかかる。その上さらに、測定ケーブルは、スペースの理由から吊上げ装置に統合できないことが多く、また、この種の伸長長さ決定形態では、測定ケーブルの破損および/またはケーブルガイドからの脱落の危険性も生じ、これによって、吊上げ装置の快適性機能部分が著しく制限される。その上さらに、測定ケーブルは、適切な動作のために永続的に予荷重される必要がある。
【0003】
伸長長さを間接的に決定するための方法は、独国特許出願公開第102019211880号明細書から既に公知であり、ここでは、液圧シリンダの圧力室に供給される液圧媒体または圧力室から排出される液圧媒体の媒体量に基づいて、現下のシリンダ容積値が求められ、ここでは、このシリンダ容積値に基づいて、伸長長さの現下の値が推論可能である。しかしながら、伸長長さを十分正確に求めることを保証できるようにするためには、液圧媒体の動きに基づく伸長長さの決定は、実際には不十分である。特に、伸長長さの決定の際には圧力、温度、粘度などの複数の影響量が含まれているため、これを例えば信頼性の高い計算のために吊上げ装置の快適性機能部分に供給できるようにするためには、現下で存在する伸長長さの高い精度尺度が必要である。さらに、絶対誤差はすぐに大きな偏差に累積される。なぜなら、不正確さが増分誤差として永続的に加算されるからである。
【0004】
それゆえ、本発明の客観的な技術的課題は、従来技術よりも改善された、伸長長さを間接的に決定するための方法、ならびに従来技術の欠点が少なくとも部分的に排除された吊上げ装置を提供することにあり、これらは、特に、限られた構造空間の吊上げ装置にも使用されてよく、ここで、複雑な快適性機能部分にも、測定ケーブルなどの必要性なしで、伸長長さの的確な値、あるいは信頼できる値を提供することができる点で優れている。
【0005】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。
【0006】
したがって、本発明によれば、以下の方法ステップ:
-場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサが、少なくとも1つの伸縮プッシュアームおよび/または伸縮ジブの少なくとも1つの第1のパラメータを特に時間間隔にわたって求め、ここで、少なくとも1つの第1のパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、第1の仮想伸長長さが決定および/または計算されるステップと、
-場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサおよび/または少なくとも1つのさらなるセンサは、少なくとも1つの伸縮プッシュアームおよび/または伸縮ジブの少なくとも1つのさらなるパラメータを特に時間間隔にわたって求め、ここで、少なくとも1つのさらなるパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さが決定および/または計算されるステップと、
-少なくとも1つの伸縮プッシュアームまたは伸縮ジブの伸長長さは、第1の仮想伸長長さおよび少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さによって決定および/または計算されるステップとが実施されることが想定される。
【0007】
これにより、第1に、伸長長さを直接的に決定するためのセンサ系なしで、伸長長さを求めることができることが可能になる。これに加えて、伸長長さを非常に正確に決定することができるというプラスの特性が得られる。なぜなら、伸長長さは、(例えば、異なった基礎となる物理モデルの計算に基づく)少なくとも2つの仮想伸長長さを介して決定することができるからであり、ここで、本方法は、特に所要の構造空間を縮小するために、吊上げ装置の異なる構造的態様において柔軟に使用することができる。
【0008】
吊上げ装置は、例えば、作業バスケットを備えた伸縮可能な作業機器、あるいはコンテナをピックアップしたり、かつ/またはロードスリング手段を用いて荷物を移動したりするための伸縮可能な作業機器であり得る。特に好適には、吊上げ装置は、例えば、クレーン、高所作業台、またはクレーンアームなどの機械である。
【0009】
センサによって求められるパラメータは、例えば、センサ信号かまたはそこから派生変数であり得る。ここで、派生変数は、好適には、計算されたり、かつ/または物理モデルを使用して決定されたりする。パラメータは、一般に、時間離散的または時間連続的に求めることができ、ここでは、伸長長さもまた、特に、関与するセンサおよび/または物理モデルに依存して時間離散的または時間連続的に求めることができる。
【0010】
例えば、座標制御部は、吊上げ装置のための快適性機能部分であり、これは、伸縮ジブの正確な垂直もしくは水平ストロークをユーザーフレンドリーに制御できるようにするために、そのような方法を用いて実行することができる。その上さらに、本方法は、状態安全性および/または過負荷安全性構想においても適用可能であり、この場合、特に安全面に関する規範仕様を考慮することができる。しかしながら、特に、安全性指向ではない快適性機能部分(性能向上のための補助機能部分など)のためのコストが節約され、さらに物理モデルに基づいて伸長長さの算出を行うことができるため、取り付け作業ならびに保守作業が低減される。さらに、本発明は、幅広く多彩な吊上げ装置において柔軟に実装可能であり、一般に、吊上げ装置の構造的再設計を必要とすることなく、吊上げ装置に既存のセンサ系を使用することができる。
【0011】
少なくとも1つの第1のセンサおよび少なくとも1つのさらなるセンサは、センサ信号および/またはそこからの派生変数の継続処理のためのそれぞれ相互に異なる基礎となる物理モデルを考慮に入れて、伸長長さの捕捉に関する仮想センサとみなすことができ、これらは、伸長長さを直接的に決定するための直接的な伸長長さセンサとは異なっている。この種の直接的な伸長長さセンサの例として、この文脈では、GPS、レーザー、ライダー、レーダー、カメラ、測定ケーブル、電位差計、磁気テープコーディング、誘導型または磁気抵抗型の長さ測定センサ系などを挙げることができ、この場合、少なくとも1つの第1のセンサおよび少なくとも1つのさらなるセンサは、それぞれ、間接的に伸長長さを逆推論することができる。
【0012】
仮想伸長長さとの関係において関連付けられる第1の伸縮プッシュアームは、最内奥または最外奥の伸縮プッシュアームに限定されるのではなく、伸縮ジブのあらゆる伸縮プッシュアームであり得る。伸長長さは、伸縮プッシュアームの伸長された長さ、伸縮ジブの一部領域の伸長された長さ、または伸縮ジブの伸長された長さ(特に、現下で存在する長さまたは予め定義された値からの累積された長さ)として定義される。メインアームは、この文脈において、クレーン支柱に最も近い、好適には伸縮可能でない伸縮ジブの伸縮プッシュアームであることに基づいて定義され、この場合、メインアームからは伸縮ジブに最も近い伸縮プッシュアームが伸縮可能である。
【0013】
メインアームは、屈曲アームまたは特に伸縮可能でないクレーンアームとして識別することができ、この場合、一般に、屈曲アームまたは伸縮可能な伸縮ジブの上流側のクレーンアーム、例えば、クレーン支柱またはクレーン支柱に最も近いクレーンアームの形態も、メインアームとして定義することができ、この場合、伸縮ジブの仮想伸長長さは、任意の基準点から求めることができる。
【0014】
冒頭で述べたように、計算ユニットによって実行されるときに、該計算ユニットとデータ接続されるかまたはそのような接続にもたらすことができるメモリユニットから、当該計算ユニットに、先行する請求項の少なくとも1つによる方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品についての保護も求められている。
【0015】
計算ユニットおよび/またはメモリユニットは、例えば、吊上げ装置の、例えばモジュールの形態の開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置を含んでいてもよいし、あるいはそれと信号導通接続され得る。開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置は、例えばアルゴリズムを介して、物理モデルを用いて伸長長さの計算を実行することができる。
【0016】
冒頭で述べたように、少なくとも1つの伸縮プッシュアームおよび/または少なくとも1つの伸縮ジブと、場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つのセンサと、場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる場合によっては少なくとも1つのさらなるセンサと、少なくとも1つの開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置とを含み、ここで、該開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置は、そのような方法を実行するように構成されている、吊上げ装置についての保護も求められている。
【0017】
本方法は、クレーンなどの複数の吊上げ装置においても適用可能であり、ここでは、共通の運動シーケンスを調整するために、個々のクレーンの伸縮ジブの求められた伸長長さが相互に比較される。特に、本方法を用いることにより、複数のクレーンによるタンデムリフトを特に有利に行うことができる。吊上げ装置における複数の相互に異なる伸縮ジブのための動作も、本方法を介して、特に有利に、好適には同時に実施可能であり、ここでは、特に異なる物理モデル、可変の品質クラスまたは値および/または算出のための異なる重み付けを仮想伸長長さの算出のために利用することができる。
【0018】
本発明の好適な実施形態は、従属請求項に定義される。
【0019】
本発明の好適な態様によれば、第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さが重み付けされ、好適には、ここで、重み付けは、
-予め定義された静的な重み付け値の形態で存在し、かつ/または
-第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さの履歴を介して決定および/または計算され、かつ/または
-第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さの統計的評価によって決定および/または計算され、かつ/または
-第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さの品質クラスおよび/または品質値に依存して決定および/または計算され、および/または
-予め定義されたかつ/または定義可能な重み付けパラメータに依存して決定および/または計算されることが想定される。
【0020】
重み付けは、一般に、少なくとも1つのセンサおよび/または少なくとも1つのさらなるセンサを介して記録された異なる物理モデルおよび/または異なる基礎となるパラメータを考慮して求められる仮想伸長長さについて異なる。しかしながら、重み付けは、例えば、仮想伸長長さの計算に影響を及ぼす吊上げ装置の動作パラメータが変化したときに、仮想伸長長さについても変化し得る。重み付けパラメータについての例は、とりわけ、品質クラス、品質値、吊上げ装置のタイプ、吊上げ装置の構造型式、伸縮ジブおよび/または伸縮プッシュアームの数、伸縮ジブあたりの伸縮プッシュアームの数、センサおよび/またはパラメータのタイプ、用いられる物理モデルの、数および/または仮想伸長長さ、伸長長さの要件(例えば、精度、動特性、誤差などに関して)および/または使用目的、品質クラス/品質値の変更、仮想伸長長さ間の差分などであり得る。
【0021】
例えば、固定された、あるいは予め定義された重み付けパラメータが仮想伸長長さの計算のために利用でき、ここでは、一般に、仮想伸長長さの算出は、定義可能な重み付け、または予め定義可能な重み付けパラメータを介して決定された重み付けに基づいて行うこともできる。重み付けには、吊上げ装置の実施形態、構成など、および/またはさらなる影響因子などの様々なパラメータを含めることができる。
【0022】
品質クラスは、例えば、仮想伸長長さの精度および/または信頼性に関する分類であり得る。品質値は、例えば、仮想伸長長さの精度および/または信頼性に関する数値であり得る。これにより、仮想伸長長さの品質の分類は、それぞれ基礎となる物理モデルに依存して実現することができ、ここで、例えば、好適には現下の誤差確率、それぞれの物理モデルの既知の不確実性などを含めることができる。品質クラスおよび品質値は、代替的に、または伸長長さの決定における補足において利用することができる。
【0023】
履歴は、一般に、吊上げ装置の先行する運動および/または先行する伸長長さおよび/または仮想伸長長さのデジタル記録を含み得る。
【0024】
他の重み付け係数は、一般に、吊上げ装置における要件および/または吊上げ装置の適用領域に応じて、補足案および/または代替案として可能であり、ここで、これらの重み付け係数は、伸長長さの所望の精度に依存して適合化させることもできる。
【0025】
特に好適には、品質クラス/品質値は、重み付けと相互作用を形成し、ここでは、例えば、フィードバック機構に従って、変更された品質クラスが重み付けにフィードバック作用し、それを適合化させる。
【0026】
好適には、重み付けの際に以下の基準:吊上げ装置のタイプ、伸縮ジブの実施形態、伸縮プッシュアームおよび/または伸縮ジブの数、少なくとも1つの第1のセンサのタイプおよび/または少なくとも1つのさらなるセンサのタイプ、少なくとも1つの第1のパラメータのタイプおよび/または少なくとも1つのさらなるパラメータのタイプ、使用されるパラメータの数、伸縮ジブの現下の動作位置、伸長長さへの要件、伸長長さの使用目的、吊上げ装置の動作パラメータ、のうちの少なくとも1つが考慮されることが想定される。
【0027】
重み付けは、一般に、伸張長さの動的な計算だけでなく、静的な計算や統計的な計算にも用いることができる。動作パラメータは、例えば、現下で存在する温度または現下で存在する圧力などであり得る。
【0028】
パラメータのタイプとは、パラメータが、(場合によってはセンサ信号または派生変数として)例えば、周波数もしくは振幅などの振動パラメータ、圧力パラメータ、充填レベル値、体積流量、オリフィス位置もしくは制御スライダ位置などの位置、回転数、および/または複数のパラメータの組み合わせの形態で存在することができることを意味するものと理解され、さらに伸長長さの決定のための基礎となる物理モデルは、複雑さおよび/または精度において異なることができ、ここで、存在するパラメータに依存してこの事実を考慮した仮想伸長長さの重み付けを行うことができる。パラメータは、一般に、派生変数としても存在可能であり、ここで、例えば、振動は、周波数をパラメータとして逆推論することができるセンサによって記録される。一般に、これらのパラメータは、圧力、温度、吊上げ装置の傾斜、幾何形状などの影響量と組み合わせることも可能である。
【0029】
重み付けは、吊上げ装置、好適には伸縮ジブの動作中に、かつ/または好適にはモバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置の各走査サイクルにおいて動的に適合化されることが有利であることが判明している。
【0030】
これにより、伸長長さの使用および/または視覚化を特に高い時間分解能で正確に保証することが可能となる。例えば、品質値/品質クラスも、伸長長さの算出のために動的に適合化させることができる。動作パラメータは、一般に、吊上げ装置の、特に伸縮ジブの伸長長さに直接関係しないで接続形成されるアクチュエータもしくはさらなるアクチュエータの操作の際に変更することができ、この場合、仮想伸長長さは、伸縮ジブ自体が目下アクティブに伸縮していない場合であっても、連続的に適合化可能である。本方法の結果としての伸長長さの変化は、伸縮ジブのための目標値によって監視、制限、可能化および/または中断することができる。
【0031】
以下の態様:
-品質値および/または品質クラスの変更、
-伸長長さと仮想伸長長さとの間の差分、この場合、特に変更された品質値/品質クラスにおける偏差は、品質クラス/品質値と、仮想伸長長さと伸長長さとの間の偏差との間の関係を引き起こす、
-特に、計算における不一致の可能性および/または不所望な動作状態を検出するための特定の物理モデル/パラメータの仮想伸長長さの顕著な傾向は、重み付けの持続的な変更の際に考慮することができる。
【0032】
本発明の好適な実施形態によれば、第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さは、好適には品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類されることが想定され、ここで、好適には、伸長長さの品質クラスおよび/または品質値が決定および/または計算されることが想定される。
【0033】
例えば、基礎となる物理モデルの特定の誤差の可能性、構成部品の許容誤差、測定不正確さ、および/またはそれぞれの用途における動作パラメータに基づいて、仮想伸長長さの品質は、差別化されたパラメータに基づく仮想伸長長さおよび/または使用される物理モデルの決定のための仮想伸長長さとは異なる可能性がある。品質クラスおよび/または品質値に関する分類は、例えば、仮想伸長長さを異なって重み付けするために、かつ/または、仮想伸長長さを特に高い精度を有する伸長長さの計算に用いるために用いることができる。
【0034】
品質クラスにおける、かつ/または品質値による仮想伸長長さの分類には、物理モデルの品質および/または仮想伸長長さの決定のためのセンサのパラメータの品質を含めることができ、ここで、特に好適には、誤差確率、既知の不確実性などが考慮される。
【0035】
品質クラスおよび/または品質値は、吊上げ装置、好適には伸縮ジブの動作中に、かつ/または好適にはモバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置の各走査サイクルにおいて動的に適合化され、ここで、好適には、
-第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さの品質クラスおよび/または品質値は、以下の基準:伸縮ジブの動作位置、場合によっては存在する重み付け、吊上げ装置運動の履歴、伸縮運動の持続時間、さらなる吊上げ装置運動、吊上げ装置の動作パラメータのうちの少なくとも1つに依存して適合化され、かつ/または
-伸長長さの品質クラスおよび/または品質値は、第1の仮想伸長長さの好適には品質クラスおよび/または品質値に依存して、かつ/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さの好適には品質クラスおよび/または品質値に依存して適合化されることが想定されることが有利であることが判明している。
【0036】
さらなる吊上げ装置運動とは、ここでは、幾何形状変化および/または屈曲運動などの、伸縮運動とは区別すべき吊上げ装置の運動として理解されたい。動作パラメータによれば、例えば、温度、圧力、作動油の粘度、幾何形状変化による傾斜の変化、伸縮ジブ幾何形状の変化、吊上げ装置幾何形状の変化、伸縮ジブの動作位置の変化、伸縮ジブに配置された吊上げ装置に関する負荷質量などが含まれる。
【0037】
特に好適には、品質クラスおよび/または品質値に対する影響量は、仮想伸長長さの誤差範囲および/または少なくとも2つの仮想伸長長さ間の差分のバッファ値である。
【0038】
好適な変形形態は、少なくとも1つの誤差範囲が、好適には、場合によっては存在する重み付けを考慮して、第1の仮想伸長長さ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ、および/または伸長長さについて、決定および/または計算されることにある。
【0039】
これにより、ユーザーおよび/または開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置は、伸長長さがどの程度適正に決定されたか、あるいは信頼できるかを特に有利に推定することができる。
【0040】
誤差範囲は、仮想伸長長さの重み付けおよび/または仮想伸長長さの品質クラスもしくは品質値を定義するために利用することができる。誤差範囲は、一般に、基礎となる物理モデルから生じ得るものであり、かつ/または例えば、仮想伸長長さの決定における許容誤差値からガウス誤差伝播を用いて計算することができる。仮想伸長長さの差分は、仮想伸長長さを越えて逐次的にバッファを調和させ、かつ/またはより低い品質クラスおよび/または品質値もしくは伸長長さの仮想伸長長さを逐次的/連続的に適合化するために、バッファを介して考慮することができる。
【0041】
本方法によって求められた伸長長さは、連続的な変数を表すことができ(そして特にさらなる処理のためにそうすべきであり)、ここで、仮想伸長長さの決定のための離散的な物理モデルも、バッファを介して連続的な伸長長さおよび/または仮想伸長長さに変換することができる。しかしながら、伸長長さおよび/または仮想伸長長さの連続性は、必ずしもバッファによって生成される必要はない。
【0042】
特に好適には、第1の仮想伸長長さ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ、および/または伸長長さは、好適には、場合によっては存在する少なくとも1つの誤差範囲と共に、視覚化装置を介して視覚化される。
【0043】
これにより、吊上げ装置の操作者は、基礎となる直接的な測定手法および/または複雑な相互作用の所要の追体験なしで、現下に存在する伸長長さを一目で認識することができる。
【0044】
本発明の一実施例では、第1の仮想伸長長さ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ、および/または伸長長さは、実質的に時間連続的または時間離散的に決定および/または計算されることが想定される。
【0045】
時間連続的および時間離散的な決定の組み合わせも考えられ、その場合、本方法は、吊上げ装置の所与条件および/または吊上げ装置における要件に柔軟に対応調整することができる。
【0046】
補足案または代替案として、仮想伸長長さおよび/または伸長長さは、例えば、吊上げ装置の快適性機能部分に関する計算において、かつ/または快適性機能部分の実行の際に使用するために、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置において、さらなる利用のために用いることができる。
【0047】
本発明の好適な実施例によれば、伸長長さは、吊上げ装置のどの作業サイクルにおいても、かつ/またはどの時点においても、専ら第1の仮想伸長長さを介して決定および/または計算されることはないことが想定される。
【0048】
伸長長さは、少なくとも2つの仮想伸長長さを介して求められるため、個々の仮想伸長長さの変動が補償され、伸長長さの精度は、誤差の低減によって高い尺度で保証することができる。
【0049】
作業サイクルとして、例えば、少なくとも1つの伸縮プッシュアームの伸長および/または収縮を定義することができる。
【0050】
第1の仮想伸長長さ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ、および/または伸長長さは、少なくとも1つの付加的パラメータ、好適には以下の付加的パラメータ:
伸縮ジブ幾何形状、
吊上げ装置幾何形状、
伸縮ジブの動作位置、
伸縮ジブに配置された負荷質量、
吊上げ装置の動作パラメータ、
吊上げ装置運動の履歴、
現下の吊上げ装置運動、
吊上げ装置の液圧負荷の動作状態、
伸縮運動の持続時間、
のうちの少なくとも1つを考慮して決定および/または計算されることが有利であることが判明している。
【0051】
特に好適には、伸長長さの決定の際に、仮想伸長長さの品質クラスおよび/または品質値、誤差範囲および/またはバッファ値が考慮される。
【0052】
伸張長さの計算のためのアルゴリズムは、吊上げ装置の構造的改造を必要とすることなく、さらなる基準および/またはさらなるパラメータの追加によって、特に有利に拡張することができる。
【0053】
さらに、好適には、少なくとも1つの伸縮プッシュアームは、少なくとも1つのオリフィスを有する液圧駆動ユニットを含み、ここで、少なくとも1つのオリフィスは、液圧駆動ユニット内の作動油流量を制御するための複数のオリフィス位置を含み、ここで、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが現下のオリフィス位置の形態で求められ、ここで、少なくとも1つのパラメータによって、好適には物理モデルを介して液圧駆動ユニット内の体積流量が推論されることが想定される。
【0054】
センサ信号もしくはセンサ信号に基づいて派生変数から仮想伸長長さへの移行は、一般に、物理モデルを介して行われる。
【0055】
オリフィスは、この文脈において、例えば、制御スライダロッドまたは負荷保持バルブを介して実現することができる。現下のバルブ位置は、例えば位置センサを介して測定することができ、ここでは、時間間隔にわたる体積流量の累積によって、液圧シリンダ内の総体積、ひいてはシリンダストロークを逆推論することができる。場合によってはさらなる物理モデルを介して適合化可能である体積流量特性マップを用いることも同様に可能であり、ここでは、圧力差は、一般に、一定であると想定することができる。さらに、例えば、追従制御されるシリンダと追従制御されないシリンダとの区別あるいは体積流量モデルの再初期化を、他の仮想延長長さに関する測定結果および/または物理モデルの結果に基づいて考慮することも可能である。
【0056】
この物理モデルに基づく計算には、仮想伸長長さの計算を時間連続的に行うことができ、伸縮プッシュアーム速度の変化などの動的過程を正確に写像することができるという利点がある。その上さらに、1つの機器において、複数の伸縮システムの仮想伸長長さの決定が可能である。
【0057】
仮想伸長長さを決定するためのこのプロセスの品質値/品質クラスは、作動油の温度、伸縮ジブの角度位置、観察される伸縮プッシュアームの速度、周囲温度、伸縮ジブに配置された負荷質量、バルブ位置、時間間隔、追従制御機構などに依存するものであってよい。特に、速度は、観察される伸縮プッシュアームの目標速度、あるいは吊上げ装置の操作者によって予め設定された(例えば伸縮プッシュアームの)速度であり得る。なぜなら、伸縮プッシュアームの速度実際値は、一般に、未知なものだからである。
【0058】
さらに、好適には、少なくとも1つの伸縮プッシュアームは、少なくとも1つの位置依存性のオリフィスを有する液圧駆動ユニットを含み、ここで、該液圧駆動ユニット内の作動油流量が、少なくとも1つのオリフィスを介して制御可能であり、ここで、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが、少なくとも1つのオリフィスの位置および/または少なくとも1つのオリフィスにおける圧力差の形態で求められ、ここで、少なくとも1つのパラメータによって、好適には物理モデルを介して液圧駆動ユニット内の体積流量が推論されることが想定される。
【0059】
位置依存性のオリフィスは、例えば、制御スライダの制御スライダロッドとして実行されてよく、ここでは、各位置、各圧力差、および/または作動油の各密度係数に対して体積流量値を計算することができる。密度係数は、とりわけ温度センサや圧力センサを介して決定可能であり、ここでも吊上げ装置の動作パラメータに依存している。単位時間当たりの体積流量の積分により、仮想伸長長さを逆推論することができ、ここでは、体積流量値の較正が、例えば、圧力変化、温度変化の際に実施することができ、または伸縮プッシュアームの終端位置の識別の際にも実施することができる。
【0060】
この物理モデルに基づく計算には、時間連続的な計算、伸縮プッシュアームの速度変化の正確な写像、高負荷圧力での正確な計算、複数の伸縮システムでの使用が可能という利点がある。品質値/品質クラスは、例えば、位置依存性のオリフィスにおける圧力差および/または温度値に依存して選択することができる。
【0061】
さらに、好適には、少なくとも1つの伸縮プッシュアームは、液圧駆動ユニットに作動油を供給するための作動油タンクを有する液圧駆動ユニットを含み、ここで、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが、作動油タンクの充填レベルの形態で求められることが想定され、ここで、好適には、作動油タンクと接続されたさらなる液圧駆動ユニットが、好適には物理モデルを介して考慮されることが想定される。
【0062】
液圧負荷のタンク充填レベルを介して、伸縮プッシュアームに関する充填のために利用される体積が計算可能であり、この体積からは仮想伸長長さを逆推論することができ、ここで、充填レベルの偏差は、(例えば傾斜センサ系によって)傾斜、液面動揺などの際に補償することができる。最後の(再)初期化からの体積の絶対計算が可能なため、累積誤差を阻止することができる。品質値/品質クラスは、作動油タンクの傾斜、温度変化などに依存して定義することができる。
【0063】
さらに、好適には、少なくとも1つの伸縮プッシュアームは、ピストンシリンダユニットを有する液圧駆動ユニットを含み、ここで、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが、少なくとも1つの伸縮プッシュアームおよび/またはピストンシリンダユニットにおける伸縮ジブの固有振動数の形態で、好適には物理モデルを介して求められることが想定される。
【0064】
ここでは、例えば、センサは、圧力振動をセンサ信号として測定し、このセンサ信号によって、物理モデルを介して固有振動数を求めるために、かつ/または派生変数として仮想伸長長さを決定するために固有振動数をパラメータとして求めることができる。
【0065】
伸縮過程により伸縮ジブにおいてインパルスが引き起こされ得ることにより、自由振動が生じ、この自由振動が伸縮プッシュアーム内で継続され、圧力センサを介して測定され得る。このインパルスは、測定を実施できるようにするために、人為的に生成されない。例えば、固有振動数、負荷質量、伸縮ジブの質量、および/または曲げ強度などの既知の所与条件によって、伸縮プッシュアームの絶対位置または伸縮プッシュアームの絶対位置の間の作用関係を逆推論することができる。固有振動数および全質量は、経験的に求められ、特性マップとして格納され、これは、仮想伸長長さの決定のために利用され得る。
【0066】
可変の剛性、固有振動数に対する負荷質量の影響、作動油の圧縮値などは、仮想伸長長さの計算の際にこの物理モデルに基づいて考慮することができ、ここで、複数の伸縮プッシュアームの使用の際にも全突出量を絶対的に求めることが可能であり、伸縮ジブの長手方向延在量が少ない場合に特に有利に適用可能である。品質値/品質クラスのための基準は、例えば、伸縮ジブの角度位置、既存の固有振動数、圧力振動の振幅、伸縮の過程で伸縮ジブに発生したインパルスのインパルス検出後のバルブの駆動制御などであり得る。動作中のインパルスが検出可能であり、そのため、伸長長さの算出のために利用することができる。重み付けはアナログ的観察において行うことができる。
【0067】
さらに好適には、少なくとも1つの伸縮プッシュアームは、ピストンシリンダユニットを有する液圧駆動ユニットを含み、ここで、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが、少なくとも1つの伸縮プッシュアームおよび/またはピストンシリンダユニットにおける伸縮ジブの振動振幅の形態で、好適には物理モデルを介して求められることが想定される。
【0068】
ここでは、センサは、例えば、現下の圧力値をセンサ信号として測定し、ここで、圧力経過と振動振幅とが派生変数の形態でパラメータとして物理モデルを介して評価される。圧力経過についての1つの原因は、例えば、バルブの開閉過程の際の圧力サージであってよい。
【0069】
伸長または収縮過程の場合、一般に、液圧バルブは液圧シリンダの移行の際に開放され、それによって(負の)液圧サージ/液圧補償が引き起こされ、これは伸縮ジブ内で継続され、最終的にバルブに戻るように反転される。好適には、液圧バルブは、追従制御伸縮ジブにおける追従制御バルブの形態で存在し、ここでは、一般に、比例バルブおよび/またはブラック/ホワイトバルブを用いることができる。圧力サージの圧力差を介することにより、伸長されていない伸縮ジブの残存長さを逆推論することができ、したがって、例えば伸縮プッシュアームの現下の位置を介して仮想伸長長さを逆推論することができる。特に、伸縮ジブの追従制御の場合、現下の位置は明らかである。圧力差、バルブの閉鎖/開放時間、作動油の密度/速度変化などの依存性は考慮することができる。圧力サージは、圧力センサを介して測定することができ、この場合、仮想伸長長さは、絶対値で特に有利に計算することができる。
【0070】
品質値/品質クラスならびに重み付けは、伸縮プッシュアーム内の作動油の速度および体積流量、追従制御機構の使用、作動油の温度および/または圧力に基づいて定義することができる。
【0071】
さらに、好適には、少なくとも1つの伸縮プッシュアームは、ピストンシリンダユニットを有する液圧駆動ユニットを含み、ここで、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが、ピストンシリンダユニット内の圧力の極値の形態で、好適には物理モデルを介して求められることが想定される。
【0072】
ここでは、センサは、例えば、現下で存在する圧力値をセンサ信号として測定し、ここで、極値は、パラメータの形態の派生変数の形態で物理モデルを介して求めることができる。ここでは、物理モデルを介して、圧力経過が不連続性に向けて、かつ/または圧力勾配に関連して検査可能であり、これらは、例えば、1つの伸縮プッシュアームからさらなる伸縮プッシュアームへの伸縮運動の移行の際に因果的に引き起こされる可能性がある。
【0073】
1つの伸縮プッシュアームから次の伸縮プッシュアームへの移行により、関与する伸縮プッシュアームの減速または加速が引き起こされ、ここで、例えば伸縮プッシュアームの供給管路において直接的に測定することができる慣性質量およびスロットルもしくは追従制御バルブの操作などの液圧効果に基づいて、短時間の典型的な圧力ピークおよび/または圧力低下が生じる。既存の圧力センサ系の利用も同様に考えられる。仮想伸長長さの決定のために非常に少ない数のパラメータしか必要でなく、なぜなら、例えば計算のための基準点を必要としないからである。品質クラス/品質値は、圧力経過の一義性、圧力勾配、作動油粘度、温度、過去の遷移回数、伸長速度などに依存していてよい。
【0074】
さらに、好適には、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが、リフティングトルクの形態で、好適には物理モデルを介して求められることが想定される。
【0075】
ここでは、センサは、例えば圧力を測定し、物理モデルを介してリフティングトルクが、パラメータとして(幾何形状依存性を介した)仮想伸長長さの計算のための派生変数の形態で決定され得る。
【0076】
固有トルクおよび/または負荷トルクの異なるトルク経過に基づいて、特に有利には、伸縮ジブの既知の角度位置において、仮想伸長長さを推論することができる。現下のリフティングトルクは、固有トルク分だけ清算することができる。特に好適には、負荷トルクが既知であり、かつ/または(例えば、吊上げ装置の撓みおよび/または吊上げ装置の少なくとも一部の撓みに基づく)例えば変形分析を介して決定されている場合に、リフティングトルクは固有トルク分だけ清算される。例えば、負荷トルクは、吊上げ装置の運動設定と組み合わせたリフティングトルク変化に基づき求めることができ(負荷質量の運動および操作の際の典型的な昇降過程の検出および/または典型的な作業サイクルの検出)、この場合、固有トルクは、伸長長さを固有トルクを介して仮想伸長長さによって間接的に決定するために、負荷トルク分だけのリフティングトルクの低減によって計算することができる。この物理モデルは、特に正確であり、吊上げ装置の動的な負荷の場合にも静的な負荷の場合にも使用することができ、付加的なセンサ系を必要とせず、吊上げ装置の異なる構造型式/実施形態において特に柔軟に適用することができ、ここで、品質値/品質クラスは、角度位置、撓み、負荷質量、ヒステリシスシーリング摩擦などに依存していてよい。
【0077】
さらに、好適には、少なくとも1つの伸縮プッシュアームは、ケーブルガイドドラムを含み、ここで、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって、少なくとも1つのパラメータが、ケーブルガイドドラムの回転数の形態で求められることが想定される。好適には、ケーブルドラム運動の間接的な決定は、ケーブルウインチ回転数の決定のために回転数発信器などの固有のセンサが使用できない場合に利用され、ここで、回転数発信器のケースでは、残留ケーブル長も求めることができ、これは、ケーブルウインチ回転数から(巻き戻し直径を介して)ケーブル長変化を推論することができるようにするために、ケーブルドラム上のケーブル層の数の決定に関連している。
【0078】
ドラムヘッドにはセンサ系が統合されていてよく、これは、ケーブルガイドドラムの回転運動を捕捉し、それによって長さ変化を換算することができる。センサ系は、増分発信器の形態で構成されていてよい。駆動制御が伸縮プッシュアームと平行して行われる場合、ケーブル長変化を補償する必要があり、ここでは、例えば、ケーブルウインチの液圧モータ用の体積流量モデルおよび/または制御スライダの制御特性マップを使用することができる。回転数発信器は、例えば残留ケーブル長を決定することができる。
【0079】
負荷ケーブルは、ここでは、ケーブルドラムの回転が補償され、伸長長さのための連続的な逆推論が効率的に供給できる限り、間接的な測定ケーブルとして転用される。ケーブルの弛み形成または伸縮運動との並行動作における不正確さなど、品質低下の影響は、重み付けおよび/または品質クラス/品質値において考慮することができる。
【0080】
本発明のさらなる実施形態では、複数の仮想伸長長さから手動または自動で、好適には少なくとも1つの仮想伸長長さの履歴に基づいて、少なくとも1つの、好適には正確に1つの仮想伸長長さが選択され、第1の仮想伸長長さとして、または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さとして使用されることが想定されていてよい。
【0081】
本発明の好適な態様によれば、第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さが重み付けされ、選択された仮想伸長長さは、それぞれ最も高い重み付けを有するものであり、かつ/または第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さは、品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、選択された仮想伸長長さは、それぞれ最も高い品質クラスおよび/または最も高い品質値を有するものであることが想定される。
【0082】
これにより、信頼性の高い仮想伸長長さによって伸長長さを求め、場合によっては重み付け、品質クラス、および/または品質値の比較的低い仮想伸長長さを省くかもしくは限定的に計算に含めることが可能になる。
【0083】
本発明の好適な実施形態によれば、複数の仮想伸長長さが、伸長長さの算出のために、好適には場合によっては存在する誤差範囲の最小化のために組み合わせることが想定され、ここで、好適には、第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さは重み付けされ、複数の仮想伸長長さがそれぞれの重み付けを考慮して組み合わされ、かつ/または第1の仮想伸長長さおよび/または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さが品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、複数の仮想伸長長さがそれぞれの品質クラスおよび/または品質値を考慮して組み合わされることが想定される。
【0084】
伸長長さの算出のために、使用される仮想伸長長さが多いほど、より正確に伸長長さを決定することができ、伸長長さの誤差範囲を統計的に減少させることができる。しかしながら、一般に、複数の仮想伸長長さからの選択を行うことも可能であり、ここで、好適には、より高い品質クラスおよび/または重み付けを有する当該の仮想伸長長さが、厳密に1つの伸長長さの計算のために用いられる。
【0085】
好適な変形形態は、伸長長さの、好適には既知の伸長長さの、かつ/または付加的センサによって間接的もしくは直接的に求められた伸長長さの少なくとも1つの基準値が設けられ、これにより、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ、および/または伸長長さが、好適には、時間離散的または時間連続的に、少なくとも1つの基準値によって置き換えられるか、または少なくとも1つの基準値に近似され、ここで、好適には、少なくとも1つの基準値が、少なくとも1つの伸縮プッシュアームおよび/または伸縮ジブの端部位置によって与えられることが想定されることから成る。
【0086】
伸長長さをさらに使用するためには、連続的な経過が不可欠であり得るので、この文脈における伸長長さに関する置き換えとは、伸長長さの補正として基準値の方向に連続的に移行することを意味する。
【0087】
少なくとも1つの基準値は、例えば、センサ(例えばすべての伸縮プッシュアームが収縮しているなどの動作状態の検出など)および/または暗黙の決定(例えば、幾何形状または搬送位置センサに基づく吊上げ装置の搬送位置の検出など)に基づいて定義することができる。少なくとも1つの基準値のさらなる例は、例えば、リフティングトルクを制限したり、増加させたり、あるいは特定の突出量を超えないことを保証したりするために、特定の伸縮プッシュアームを検出するスイッチング位置センサのスイッチング過程である。
【0088】
特に好適には、少なくとも1つの基準値は、仮想伸長長さの形態で存在し、ここで、仮想伸長長さは、少なくとも1つの第1のセンサまたは少なくとも1つのさらなるセンサによって時間離散的に求められる。
【0089】
本発明の一実施例では、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さは時間離散的に求められ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さは時間連続的に求められ、あるいはその逆であり、ここで、好適には、時間連続的または時間離散的に、2つの仮想伸長長さの間の差分が計算され、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置のバッファに格納されることが想定される。
【0090】
バッファおよび/または基準値は、吊上げ装置の動作における伸長長さの精度の向上に用いられる。
【0091】
本発明の好適な実施例によれば、以下のこと、すなわち、
-差分は、好適には、場合によっては存在する品質クラス、品質値、および/または2つの仮想伸長長さの重み付けに関して重み付けされ、かつ/または
-時間連続的および/または時間離散的に求められた仮想伸長長さは、バッファまたはバッファの一部により、好適には制限的パラメータおよび/またはバッファを考慮して修正されることが想定される。
【0092】
仮想伸長長さの補正は、特に好適には、連続的なやり方で行われ、それにより、伸長長さも同様に連続的に使用可能である。
【0093】
仮想伸長長さおよび/または伸長長さは、吊上げ装置、好適には伸縮ジブの動作中に、温度補償、粘度補償、および摩耗補正によって動的にかつ場合によってはバッファ値を考慮して適合化することができ、ここで、好適には、バッファ値は、0方向に逐次的に空にされる。好適には、伸縮運動が停止されるときに、バッファは空にされ、ここでは、新たな伸縮動作のときに空のバッファが存在するように、伸長長さおよび/または仮想伸長長さが最終的に適合化され、この空のバッファは、最終的に、複数の仮想伸長長さを考慮した連続的でかつ正確な信号が生成できるようにするために、仮想伸長長さの差分を介してバッファを新たに充填することができる。
【0094】
好適には、必ずしもバッファと接続形成されない較正を行うことができ、この場合、動作パラメータ、影響量、および/またはパラメータを、吊上げ装置の動作中に、適合化のために好適には動的に適合化させることができる。
【0095】
較正とは、例えば、設定過程、テスト過程などによって、好適には吊上げ装置の動作前に行うことができる。較正とは別個の適合化とは、例えば、特に永続的な摩耗補償のための、例えば、好適には吊上げ装置の動作中のパラメータおよび/または動作パラメータの好適には動的な適合化であり得る。これらの較正および適合化は、一般に、当該較正および/または適合化に結び付けることができるパラメータおよび/または動作パラメータを変更することができる。
【0096】
少なくとも1つの伸縮プッシュアームの伸長長さにより、伸縮ジブの一部の伸長長さまたは伸縮ジブの伸長長さを決定および/または求めることが有利であることが判明している。
【0097】
例えば、個々の伸縮プッシュアームの複数の伸長長さを、伸縮プッシュアームの全長に累積することができ、この場合、個々の伸縮プッシュアームの伸長長さが既に既知であることも考えられる。既知の伸長長さを有する機械式延在部は、吊上げ装置において例えば任意選択的に使用することができる。
【0098】
本発明の好適な態様によれば、少なくとも1つの開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置とデータ接続されるかまたはそのような接続にもたらすことができる、少なくとも1つのメモリユニットが設けられており、ここで、該少なくとも1つのメモリユニットには、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さおよび少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さに関する伸長長さの好適には時間離散的または時間連続的な決定および/または計算のための少なくとも1つのアルゴリズムが格納されていることが想定され、ここで、好適には、
-アルゴリズムにより、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ、および/または伸長長さに、品質クラス、品質値、および/または重みを備えさせることができ、かつ/または
-アルゴリズムにより、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さと少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さとの差分を介してバッファが充填可能であり、この場合、このバッファを介して、伸長長さおよび/または時間連続的な仮想伸長長さが基準値または時間離散的な仮想伸長長さによって適合化可能であり、かつ/または
-少なくとも1つの視覚化装置が設けられており、該視覚化装置を介して、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ、および/または伸長長さが視覚化可能であることが想定される。
【0099】
仮想伸長長さおよび/または伸長長さは、快適性機能部分などの吊上げ装置の機能部のためのさらなる計算および/または適用に関して継続使用することができる。
【0100】
方法クレームの特徴は、装置クレームに適用可能であり、その逆も可能である。
【0101】
以下では、本発明のさらなる詳細および利点を、図面の説明に基づき、これらの図面に示されている実施例を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【
図1】伸長長さを間接的に決定するための方法を実施するための好適な実施例による吊上げ装置を示す、側面から見た概略図である。
【
図2】伸長長さを間接的に決定するための方法によって求められた伸縮ジブの仮想伸長長さおよび伸長長さの説明のために示された吊上げ装置の概略図である。
【0103】
図1は、伸縮ジブ3の伸縮プッシュアーム2と、直接的な伸長長さセンサではない第1のセンサ6と、直接的な伸長長さセンサではないさらなるセンサ8とを含む吊上げ装置5を示し、この場合、さらなるセンサ8は、第1のセンサ6がセンサ信号を介して少なくとも2つの仮想伸長長さ7,9のためのパラメータを異なる物理モデルに基づいて可能にする限り、必ずしも必要ではない。ただし、異なる物理モデルは、例えば作動油の流動挙動や圧力挙動に関係し得る。第1のセンサ6およびさらなるセンサ8の位置特定および態様は、一般に任意である。
【0104】
吊上げ装置5は、吊上げ装置5とデータ伝送接続された開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置10を含んでおり、ここで、この接続は、ケーブル接続または無線信号伝送で形成されていてよい。
【0105】
開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置10は、伸長長さ1を間接的に決定するための方法を実施するように構成されている。この目的のために、コンピュータプログラム製品が使用され、該コンピュータプログラム製品は、計算ユニット18によって実行されるときに、該計算ユニット18とデータ接続されるかまたはそのような接続にもたらすことができるメモリユニット19から当該計算ユニット18に、本方法を実行させる命令を含んでいる。
【0106】
開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置10とデータ接続されるメモリユニット19には、第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9を介して伸長長さ1を時間離散的および/または時間連続的に決定するためのアルゴリズムが格納されており、ここで、さらなる仮想伸長長さ9の数は、一般に任意である。アルゴリズムにより、第1の仮想伸長長さ7、さらなる仮想伸長長さ9、および伸長長さ1は、品質クラス、品質値、および重み付けを備えることができる。アルゴリズムにより、バッファは、第1の仮想伸長長さ7とさらなる仮想伸長長さ9との間の差分を介して充填可能であり、ここでは、バッファを介して、伸長長さ1および時間連続的な仮想伸長長さ7,9は、基準値または時間離散的な仮想伸長長さ7,9によって適合化可能である。視覚化装置11が設けられており、この視覚化装置11を介して、第1の仮想伸長長さ7、さらなる仮想伸長長さ9、および伸長長さ1は視覚化可能である。
【0107】
伸縮ジブ3の伸縮プッシュアーム2の伸長長さ1を、伸縮ジブ3もしくは伸縮ジブ3の一部の、さらなる伸縮プッシュアーム4または屈曲アームもしくはクレーンアームとしてのメインアーム20に対して間接的に決定するための方法は、例示的に以下のように実施することができる:
-第1のセンサ6が、伸縮プッシュアーム2の第1のパラメータを時間間隔にわたって求め、ここで、第1のパラメータを介して第1の仮想伸長長さ7が物理モデルを介して計算され、
-さらなるセンサ8は、伸縮プッシュアーム2のさらなるパラメータを時間間隔にわたって求め、ここで、さらなるパラメータを介してさらなる仮想伸長長さ9が物理モデルを介して計算され、
-伸縮ジブ3の伸長長さ1が、第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9によって計算される。
【0108】
第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9が重み付けされ、ここで、重み付けは、
-予め定義された静的な重み付け値の形態で存在し、
-第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9の履歴を介して決定され、
-第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9の統計的評価によって計算することができ、ここでは、第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9の重み付けパラメータ、品質クラス、または品質値に依存して重み付けを変更することができる。
【0109】
重み付けの際に、このケースでは以下の基準:吊上げ装置のタイプ、伸縮ジブ3の実施形態、伸縮プッシュアーム2および伸縮ジブ3の数、第1のセンサ6およびさらなるセンサ8のタイプ、第1のパラメータおよびさらなるパラメータのタイプ、使用されるパラメータの数、伸縮ジブ3の現下の動作位置、伸長長さ1への要件、伸長長さ1の使用目的、吊上げ装置5の動作パラメータが考慮される。重み付けは、吊上げ装置5または伸縮ジブ3の動作中に、モバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置10の各走査サイクルにおいて動的に適合化される。
【0110】
第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9は、品質クラスにおいて、または品質値によって分類され、ここで、伸長長さ1の品質クラスおよび品質値が決定される。品質クラスおよび品質値は、吊上げ装置5または伸縮ジブ3の動作中に、モバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置10の各走査サイクルにおいて動的に適合化され、ここで、
-第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9の品質クラスおよび品質値は、以下の基準:伸縮ジブ3の動作位置、重み付け、吊上げ装置運動の履歴、伸縮運動の持続時間、さらなる吊上げ装置運動、吊上げ装置5の動作パラメータに依存して適合化され、
-伸縮長さ1の品質クラスおよび品質値は、第1の仮想伸長長さ7の品質クラスまたは品質値、およびさらなる仮想伸長長さ9の品質クラスまたは品質値に依存して適合化される。
【0111】
重み付けを考慮した誤差範囲は、第1の仮想伸長長さ7、さらなる仮想伸長長さ9、および伸長長さ1のために計算される。第1の仮想伸長長さ7、さらなる仮想伸長長さ9、および伸長長さ1は、誤差範囲と共に、視覚化装置11を介して視覚化される。第1の仮想伸長長さ7、さらなる仮想伸長長さ9、および伸長長さ1は、基礎となるパラメータもしくは物理モデルに依存して、時間連続的または時間離散的に決定され、ここで、伸長長さ1は、吊上げ装置5のどの作業サイクルにおいても、専ら第1の仮想伸長長さ7を介して計算されることはない。
【0112】
第1の仮想伸長長さ7、さらなる仮想伸長長さ9、および伸長長さ1は、以下の付加的パラメータ:伸縮ジブ幾何形状、吊上げ装置幾何形状、伸縮ジブ3の動作位置、伸縮ジブ3に配置された負荷質量、吊上げ装置5の動作パラメータ、吊上げ装置運動の履歴、現下の吊上げ装置運動、吊上げ装置5の液圧負荷の動作状態、伸縮運動の持続時間、を考慮して計算される。しかしながら、付加的パラメータの選択は、一般に任意である。
【0113】
伸縮プッシュアーム2は、制御スライダロッドとしてのオリフィス13を有する液圧駆動ユニット12を含み、ここで、オリフィス13は、液圧駆動ユニット12内の作動油流量を制御するための複数のオリフィス位置を含む。第1のセンサ6により(またはさらなるセンサ8、以下では第1のセンサ6に関してのみを取り上げる)、パラメータは、現下のオリフィス位置の形態で求めることができ、ここでは、パラメータにより、物理モデルを介して液圧駆動ユニット12内の体積流量を推論することができる。
【0114】
吊上げ装置は、位置依存性のオリフィス13を備えているので、液圧駆動ユニット12内の作動油流量は、オリフィス13を介して制御可能であり、ここで、第1のセンサ6によって、パラメータが、オリフィス13の位置およびオリフィス13における圧力差の形態で求められ、ここで、当該パラメータによって、物理モデルを介して液圧駆動ユニット12内の体積流量が第1の仮想伸長長さ7の計算のために推論される。
【0115】
液圧駆動ユニット12は、液圧駆動ユニット12に作動油を供給するための作動油タンク14を含み、ここで、第1のセンサ6によって、パラメータが、作動油タンク14の充填レベルの形態で求められる。作動油タンク14に接続されたさらなる液圧駆動ユニット12(図面では分かりやすくする理由から明らかでない)は、物理モデルを介して考慮することができる。通常、クレーン支柱の隣には、液圧システムの供給のために1つの作動油タンク14だけが配置され、ここで、ピストンシリンダユニット15に隣接する実施例の作動油タンク14は省くことができる。
【0116】
吊上げ装置5の液圧駆動ユニット12は、ピストンシリンダユニット15を有し、ここで、第1のセンサ6によって、パラメータが、ピストンシリンダユニット15における伸縮ジブ3の固有振動数の形態で、物理モデルを介して求められる。
【0117】
1つの第1のセンサ6によって、パラメータは、ピストンシリンダユニット15における伸縮ジブ3の振動振幅の形態で、物理モデルを介して求めることができる。第1のセンサ6は、一般に、複数のセンサモジュールを有することができる。センサ6,8の数は、一般に任意であり、求めるべき特定のパラメータに合わせてよい。
【0118】
第1のセンサ6を介して、パラメータは、ピストンシリンダユニット15内の圧力の極値の形態で、極値の決定のための基礎となる物理モデルを介して求められる。この物理モデルは、さらに、パラメータを考慮したさらなる仮想伸長長さ9の決定を可能にする。
【0119】
第1のセンサ6によって、パラメータは、リフティングトルクの形態で、伸長長さ1を決定するための負荷トルクおよび固有トルクの計算を伴う物理モデルを介して求められる。
【0120】
伸縮ジブ3は、ケーブルガイドドラム16を含んでおり、ここで、第1のセンサ6によって、パラメータは、ケーブルガイドドラム16の回転数の形態で求められ、ここで、回転数は、場合によって生じ得る伸縮運動に依存してさらなる仮想伸長長さ9の計算のために用いられる。
【0121】
図示された吊上げ装置5は、説明された全部で7つの基礎となる物理モデルを用いて仮想伸長長さ7,9を生成することができ、ここで、吊上げ装置5は、物理モデルの数またはタイプに制限されるものではない。例えば、吊上げ装置5は、2つの仮想伸長長さ7,9を介して間接的に伸長長さ1を求めるために、2つの物理モデルのみを利用することができ、ここでは、この目的のために使用されるセンサ系も、ここで用いられるこれらの仮想伸長長さ7,9に対してのみ設計するだけでよい。
【0122】
図2は、クレーンの形態の吊上げ装置5を示し、ここで、クレーンベースは、メインアーム20が屈曲アームもしくはクレーンアームとして配置された屈曲システムを含む。メインアーム20からは複数の伸縮プッシュアーム2,4が伸縮可能であり、ここで、伸長長さ1ならびに仮想伸長長さ7,9は、一般に、伸縮式ジブ3の部分領域に関連していてもよい。さらなる伸縮プッシュアーム4に対する情報が存在する限り、伸縮ジブ3の個々の伸縮プッシュアーム2の伸長長さ1によって、伸縮ジブ3の一部の伸長長さ1と伸縮ジブ3全体の伸長長さ1とを決定することができる。
【0123】
複数の仮想伸長長さ7,9から、仮想伸長長さ7,9の履歴に基づいて正確に1つの仮想伸長長さ7,9が自動的に選択され、第1の仮想伸長長さ7として使用される。第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9(図面では分かりやすくする理由からさらなる仮想伸長長さ9のみが明らかである)は、重み付けならびに分類され、最も高い重み付けまたは最も高い品質クラス/品質値を有する仮想伸長長さ7,9が選択される。この選択は、仮想伸長長さ7,9の部分領域にも適用可能である。誤差範囲を最小にするために、複数の仮想伸長長さ7,9が伸長長さ1の算出のために組み合わされ、ここで、第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9が重み付けされ、複数の仮想伸長長さ7,9がそれぞれの重み付けを考慮して組み合わされる。第1の仮想伸長長さ7およびさらなる仮想伸長長さ9は、品質クラスに分類され、品質値によって分類され、複数の仮想伸長長さ7,9は、それぞれの品質クラスおよび品質値を考慮して組み合わされる。
【0124】
基準値が、既知の伸長長さ1と付加的なセンサ17によって求められた伸長長さ1との伸長長さ1の形態で設けられ、これによって、第1の仮想伸長長さ7、さらなる仮想伸長長さ9、および伸長長さ1が、時間連続的に基準値に近似され、ここで、1つの基準値は、伸縮ジブ3の端部位置によって与えられる。1つの基準値は、仮想伸長長さ7の形態で存在し、ここで、この仮想伸長長さ7は、第1のセンサ6によって時間離散的に求められる。
【0125】
それに対して、さらなる仮想伸長長さ9は、時間連続的に求められ、ここで、2つの仮想伸長長さ7,9の間の差分が計算され、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置10のバッファに格納される。この差分は、2つの仮想伸長長さ7,9の品質クラス、品質値、および重み付けを介して重み付けすることができる。時間連続的に求められた仮想伸長長さ7,9は、バッファにより、最大速度変化、境界条件としての先行する伸縮運動の計算結果などの制限的パラメータを考慮して修正される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊上げ装置(5)の伸縮ジブ(3)の少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)の伸長長さ(1)を、前記伸縮ジブ(3)の、特に前記伸縮ジブ(3)の少なくとも一部のさらなる伸縮プッシュアーム(4)またはメインアーム(20)に対して間接的に決定するための方法において、以下の方法ステップ:
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサ(6)が、前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の少なくとも1つの第1のパラメータを特に時間間隔にわたって求め、前記少なくとも1つの第1のパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、第1の仮想伸長長さ(7)が決定および/または計算されるステップと、
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)および/または少なくとも1つのさらなるセンサ(8)は、前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の少なくとも1つのさらなるパラメータを特に時間間隔にわたって求め、前記少なくとも1つのさらなるパラメータを介して、好適には物理モデルを介して、少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)が決定および/または計算されるステップと、
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)または前記伸縮ジブ(3)の前記伸長長さ(1)は、前記第1の仮想伸長長さ(7)および前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)によって決定および/または計算されるステップとが実施されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は、重み付けされ、好適には、前記重み付けは、
予め定義された静的な重み付け値の形態で存在し、かつ/または
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の履歴を介して決定および/または計算され、かつ/または
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の統計的評価によって決定および/または計算され、かつ/または
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の品質クラスおよび/または品質値に依存して決定および/または計算され、かつ/または
予め定義されたかつ/または定義可能な重み付けパラメータに依存して決定および/または計算される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記重み付けの際に、以下の基準:吊上げ装置のタイプ、前記伸縮ジブ(3)の実施形態、前記伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の数、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)および/または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)のタイプ、少なくとも1つの第1のパラメータおよび/または少なくとも1つのさらなるパラメータのタイプ、使用されるパラメータの数、前記伸縮ジブ(3)の現下の動作位置、前記伸長長さ(1)への要件、前記伸長長さ(1)の使用目的、吊上げ装置(5)の動作パラメータ、のうち少なくとも1つが考慮される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記重み付けは、前記吊上げ装置(5)、好適には前記伸縮ジブ(3)の動作中に、かつ/または好適にはモバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)の各走査サイクルにおいて動的に適合化される、請求項
2記載の方法。
【請求項5】
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は、好適には品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、好適には、前記伸長長さ(1)の品質クラスおよび/または品質値が決定および/または計算されることが想定される、請求項
1記載の方法。
【請求項6】
前記品質クラスおよび/または前記品質値は、前記吊上げ装置(5)、好適には前記伸縮ジブ(3)の動作中に、かつ/または好適にはモバイル開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)の各走査サイクルにおいて動的に適合化され、好適には、
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の品質クラスおよび/または品質値は、以下の基準:前記伸縮ジブ(3)の動作位置、場合によっては存在する重み付け、吊上げ装置運動の履歴、伸縮運動の持続時間、さらなる吊上げ装置運動、前記吊上げ装置(5)の動作パラメータのうちの少なくとも1つに依存して適合化され、かつ/または
前記伸長長さ(1)の品質クラスおよび/または品質値は、前記第1の仮想伸長長さ(7)の好適には品質クラスおよび/または品質値に依存して、かつ/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)の好適には品質クラスおよび/または品質値に依存して適合化されることが想定される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの誤差範囲が、好適には、場合によっては存在する重み付けを考慮して、前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)について、決定および/または計算される、請求項
1記載の方法。
【請求項8】
前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)は、好適には少なくとも1つの場合によっては存在する誤差範囲と共に、視覚化装置(11)を介して視覚化される、請求項
1記載の方法。
【請求項9】
前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)は、実質的に時間連続的または時間離散的に決定および/または計算される、請求項
1記載の方法。
【請求項10】
前記伸長長さ(1)は、前記吊上げ装置(5)のどの作業サイクルにおいても、かつ/またはどの時点においても、専ら前記第1の仮想伸長長さ(7)を介して決定および/または計算されることはない、請求項
1記載の方法。
【請求項11】
前記第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)は、少なくとも1つの付加的パラメータ、好適には以下の付加的パラメータ:伸縮ジブ幾何形状、吊上げ装置幾何形状、前記伸縮ジブ(3)の動作位置、前記伸縮ジブ(3)に配置された負荷質量、前記吊上げ装置(5)の動作パラメータ、吊上げ装置運動の履歴、現下の吊上げ装置運動、前記吊上げ装置(5)の液圧負荷の動作状態、伸縮運動の持続時間、のうちの少なくとも1つを考慮して決定および/または計算される、請求項
1記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、少なくとも1つのオリフィス(13)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つのオリフィス(13)は、液圧駆動ユニット(12)内の作動油流量を制御するための複数のオリフィス位置を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが現下のオリフィス位置の形態で求められ、前記少なくとも1つのパラメータによって、好適には物理モデルを介して前記液圧駆動ユニット(12)内の体積流量が推論される、請求項
1記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、少なくとも1つの位置依存性のオリフィス(13)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、該液圧駆動ユニット(12)内の作動油流量が、前記少なくとも1つのオリフィス(13)を介して制御可能であり、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記少なくとも1つのオリフィス(13)の位置および/または前記少なくとも1つのオリフィス(13)における圧力差の形態で求められ、前記少なくとも1つのパラメータによって、好適には物理モデルを介して前記液圧駆動ユニット(12)内の体積流量が推論される、請求項
1記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、前記液圧駆動ユニット(12)に作動油を供給するための作動油タンク(14)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記作動油タンク(14)の充填レベルの形態で求められ、好適には、前記作動油タンク(14)と接続されたさらなる液圧駆動ユニット(12)が、好適には物理モデルを介して考慮されることが想定される、請求項
1記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ピストンシリンダユニット(15)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ピストンシリンダユニット(15)における前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の固有振動数の形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項
1記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ピストンシリンダユニット(15)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ピストンシリンダユニット(15)における前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の振動振幅の形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項
1記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ピストンシリンダユニット(15)を有する液圧駆動ユニット(12)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ピストンシリンダユニット(15)内の圧力の極値の形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項
1記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、リフティングトルクの形態で、好適には物理モデルを介して求められる、請求項
1記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)は、ケーブルガイドドラム(16)を含み、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって、少なくとも1つのパラメータが、前記ケーブルガイドドラム(16)の回転数の形態で求められる、請求項
1記載の方法。
【請求項20】
複数の仮想伸長長さ(7,9)から手動または自動で、好適には少なくとも1つの仮想伸長長さ(7,9)の履歴に基づいて、少なくとも1つの、好適には正確に1つの仮想伸長長さ(7,9)が選択され、第1の仮想伸長長さ(7)として、または少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)として使用される、請求項
1記載の方法。
【請求項21】
前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は重み付けされ、前記選択された仮想伸長長さ(7,9)は、それぞれ最も高い重み付けを有するものであり、かつ/または前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は、品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、前記選択された仮想伸長長さ(7,9)は、それぞれ最も高い品質クラスおよび/または最も高い品質値を有するものである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
複数の仮想伸長長さ(7,9)が、伸長長さ(1)の算出のために、好適には場合によっては存在する誤差範囲の最小化のために組み合わされ、好適には、前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)が重み付けされ、前記複数の仮想伸長長さ(7,9)がそれぞれの重み付けを考慮して組み合わされ、かつ/または前記第1の仮想伸長長さ(7)および/または前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)が品質クラスにおいて、かつ/または品質値によって分類され、前記複数の仮想伸長長さ(7,9)がそれぞれの品質クラスおよび/または品質値を考慮して組み合わされることが想定される、請求項
1記載の方法。
【請求項23】
前記伸長長さ(1)の、好適には既知の伸長長さ(1)の、かつ/または付加的センサ(17)によって間接的もしくは直接的に求められた伸長長さ(1)の少なくとも1つの基準値が設けられ、これにより、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)が、好適には時間離散的または時間連続的に、少なくとも1つの基準値によって置き換えられるか、または少なくとも1つの基準値に近似され、好適には、前記少なくとも1つの基準値が、前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または前記伸縮ジブ(3)の端部位置によって与えられることが想定される、請求項
1記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの基準値は、前記仮想伸長長さ(7,9)の形態で存在し、前記仮想伸長長さ(7,9)は、前記少なくとも1つの第1のセンサ(6)または前記少なくとも1つのさらなるセンサ(8)によって時間離散的に求められる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)は時間離散的に求められ、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)は時間連続的に求められ、あるいはその逆であり、好適には時間連続的または時間離散的に、前記2つの仮想伸長長さ(7,9)の間の差分が計算され、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)のバッファに格納される、請求項
1記載の方法。
【請求項26】
前記方法では、
前記差分は、好適には、場合によっては存在する品質クラス、品質値、および/または前記2つの仮想伸長長さ(7,9)の重み付けを介して重み付けされ、かつ/または
前記時間連続的および/または時間離散的に求められた仮想伸長長さ(7,9)は、バッファまたはバッファの一部により、好適には制限的パラメータおよび/または前記バッファを考慮して修正される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)の伸長長さ(1)により、前記伸縮ジブ(3)の一部の伸長長さ(1)または前記伸縮ジブ(3)の伸長長さ(1)が決定および/または求められる、請求項
1記載の方法。
【請求項28】
コンピュータプログラム製品であって、計算ユニット(18)によって実行されるときに、該計算ユニット(18)とデータ接続されるかまたはそのような接続にもたらすことができるメモリユニット(19)から当該計算ユニット(18)に、少なくとも請求項1から27までのいずれか1項記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項29】
吊上げ装置(5)であって、
少なくとも1つの伸縮プッシュアーム(2)および/または少なくとも1つの伸縮ジブ(3)と、
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる少なくとも1つの第1のセンサ(6)と、
場合によっては存在する直接的な伸長長さセンサとは異なる場合によっては少なくとも1つのさらなるセンサ(8)と、
少なくとも1つの開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)とを含む、吊上げ装置(5)において、
前記開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)が、少なくとも請求項1から27までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする、吊上げ装置(5)。
【請求項30】
前記少なくとも1つの開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置(10)とデータ接続されるかまたはそのような接続にもたらすことができる少なくとも1つのメモリユニット(19)が設けられており、
前記少なくとも1つのメモリユニット(19)には、少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)および少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)に関する伸長長さ(1)の好適には時間離散的または時間連続的な決定および/または計算のための少なくとも1つのアルゴリズムが格納されており、
ここで好適には、
前記アルゴリズムにより、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)に、品質クラス、品質値、および/または重み付けを備えさせることができ、かつ/または
前記アルゴリズムにより、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)と前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)との差分を介してバッファが充填可能であり、前記バッファを介して、前記伸長長さ(1)および/または時間連続的な仮想伸長長さ(7,9)が基準値または時間離散的な仮想伸長長さ(7,9)によって適合化可能であり、かつ/または
少なくとも1つの視覚化装置(11)が設けられており、該視覚化装置(11)を介して、前記少なくとも1つの第1の仮想伸長長さ(7)、前記少なくとも1つのさらなる仮想伸長長さ(9)、および/または前記伸長長さ(1)が視覚化可能であることが想定される、請求項29記載の吊上げ装置(5)。
【国際調査報告】