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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】マルチオプションアクセス装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/32 20160101AFI20241108BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A61B34/32
A61B17/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532860
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 IB2022060879
(87)【国際公開番号】W WO2023099997
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/542,133
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リヒター・イェルン
(72)【発明者】
【氏名】ウェールリ・ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】クローマー・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブズ・サミュエル
【テーマコード(参考)】
4C130
4C160
【Fターム(参考)】
4C130AA34
4C130AB07
4C130AD05
4C160LL04
4C160LL24
4C160LL42
(57)【要約】
ロボットアームを含むロボット手術システムであって、システムは、ロボットアームに取り付けられており、アクセスガイドを保持するエンドエフェクタと、アクセスガイドに分離可能に接続された初期アクセスツールと、を備え、初期アクセスツールは、ハウジングと、アクセスガイドを通って、ハウジングから同軸に延在するシャフトと、シャフトに取り付けられており、エンドエフェクタの遠位のアクセスガイドの一部分から突出する遠位先端と、を備え、ハウジングは、アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、ロボット手術システムのためのシステム、方法、及び装置が開示される。いくつかの実施形態では、アクセスガイドは、初期アクセスツールと、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、又はタップ加工ツールのうちの1つ又は2つ以上とを保持するように適合されている。いくつかの実施形態では、初期アクセスツールは、シャフトの遠位端から離隔されたステップと、ステップの下でシャフトの上に配置するための剛性スリーブと、ステップの下でシャフトの上に配置するためのばねと、シャフトの遠位端と係合するための少なくとも1つの分離可能な先端と、を更に備え、ハウジングは、アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームを含むロボット手術システムであって、
前記ロボットアームに取り付けられており、アクセスガイドを保持するエンドエフェクタと、
前記アクセスガイドに分離可能に接続された初期アクセスツールと、を備え、前記初期アクセスツールは、
ハウジングと、
前記アクセスガイドを通って、前記ハウジングから同軸に延在するシャフトと、
前記シャフトに取り付けられており、前記エンドエフェクタの遠位の前記アクセスガイドの一部分から突出する遠位先端と、を備え、
前記ハウジングは、前記アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、ロボット手術システム。
【請求項2】
前記先端が、剛性の鈍い先端、後退可能な鈍い先端、中央インデックス点を有する剛性の概ね鈍い先端、剛性の鋭い先端、又は後退可能な鋭い先端である、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記アクセスガイドと係合するためのロックボタンを保持する、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項4】
前記ロックボタンが、前記ハウジングの開口部内に配設されている、請求項3に記載のロボット手術システム。
【請求項5】
前記アクセスガイドが、前記ロックボタンと係合するために、前記エンドエフェクタの近位の前記アクセスガイドの一部分に複数の窪みを有する、請求項3に記載のロボット手術システム。
【請求項6】
前記アクセスガイドが、前記エンドエフェクタの遠位の端に配設された複数の歯を有する、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項7】
前記アクセスガイドが、前記エンドエフェクタの遠位の端に配設された滑らかな面取り部を有する、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項8】
前記シャフトと前記アクセスガイドとの間に介在する第2のガイドを更に備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記アクセスガイドと係合し、かつ前記第2のガイドを前記ハウジングと前記アクセスガイドとの間に閉じ込めるためのロックボタンを保持する、請求項8に記載のロボット手術システム。
【請求項10】
前記ハウジングが、前記第2のガイドと係合し、かつ前記第2のガイドに対する回転を防止するためのロックボタンを保持する、請求項8に記載のロボット手術システム。
【請求項11】
前記第2のガイドが、前記ロックボタンと係合するために、前記エンドエフェクタの近位の前記第2のガイドの一部分に複数の窪みを有する、請求項10に記載のロボット手術システム。
【請求項12】
前記第2のガイドが、前記アクセスガイドのスロットと係合するためのピンを有し、それによって、前記ハウジングと、前記第2のガイドと、前記アクセスガイドとの間の回転を防止する、請求項10に記載のロボット手術システム。
【請求項13】
前記第2のガイドが、前記エンドエフェクタの遠位の端に配設された複数の歯を有する、請求項8に記載のロボット手術システム。
【請求項14】
前記エンドエフェクタに取り付けられた第1のアレイと、前記初期アクセスツールに取り付けられた第2のアレイと、を更に備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項15】
ロボット手術システムと共に使用するための器具セットであって、
アクセスガイドと、
ハウジングと、前記ハウジングから延在するシャフトと、を備え、かつ前記シャフトの遠位端から離隔されたステップを有する、初期アクセスツールと、
前記ステップの下で前記シャフトの上に配置するための剛性スリーブと、
前記ステップの下で前記シャフトの上に配置するためのばねと、
前記シャフトの前記遠位端と係合するための少なくとも1つの分離可能な先端と、を備え、
前記ハウジングは、前記アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、器具セット。
【請求項16】
鈍い分離可能な先端と、鋭い分離可能な先端と、を更に備える、請求項15に記載の器具セット。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記アクセスガイドの近位部分の複数の窪みと係合するためのロックボタンを保持する、請求項15に記載の器具セット。
【請求項18】
前記アクセスガイドが、遠位端に配設された複数の歯又は滑らかな面取り部を有する、請求項15に記載の器具セット。
【請求項19】
前記シャフトと前記アクセスガイドとの間に介在させるための第2のガイドを更に備える、請求項15に記載の器具セット。
【請求項20】
前記第2のガイドが、遠位端に配設された複数の歯を有する、請求項19に記載の器具セット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンピュータ支援手術システムは、ロボットアームと、コントローラと、ナビゲーションシステムとを含み得る。ロボット手術又はロボット支援手術は、特に手術ツール及び/又はインプラントの正確な配置に関して、多くの関連付けられた利点を有する。例えば、非限定的な例として、ドリル、タップ、及びねじ技法などの複数のステップが行われる手術では、所望の軌道を達成するために第1のツールの位置及び/又は向きを追跡し、その後、所望の軌道において第2のツールと同一の位置及び/又は向きに正確に戻るロボット手術システムの概念上の能力は、特に有利である。
【0002】
しかしながら、ロボットアームのためのエンドエフェクタを変更することなどによって、コンピュータ支援手術システムに導入される変更は、位置合わせ不良の機会を増加させるか、又は他の誤差源を導入することがある。非限定的な例として、誤差は、ドレープを損傷することによる滅菌性の喪失を含む、様々な不利益をもたらす可能性がある。したがって、例えば、ナビゲーション精度に影響を及ぼすことなく、いくつかの異なるツール(例えば、処置で使用するための一連のツール)を取り外し可能に保持するように適合されるエンドエフェクタを開発することによって、コンピュータ支援手術システムを改善する、システム、装置、及び方法に対する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ロボットアームを含むロボット手術システムであって、システムは、ロボットアームに取り付けられており、アクセスガイドを保持するエンドエフェクタと、アクセスガイドに分離可能に接続された初期アクセスツールと、を備え、初期アクセスツールは、ハウジングと、アクセスガイドを通って、ハウジングから同軸に延在するシャフトと、シャフトに取り付けられており、エンドエフェクタの遠位のアクセスガイドの一部分から突出する遠位先端と、を備え、ハウジングは、アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、ロボット手術システムのためのシステム、方法、及び装置が記載される。いくつかの実施形態では、アクセスガイドは、初期アクセスツールと、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、又はタップ加工ツールのうちの1つ又は2つ以上とを保持するように適合されている。
【0004】
また、方法も記載され、方法は、ロボット手術システムを提供することであって、ロボット手術システムが、ロボットアームと、ロボットアームに取り付けられており、初期アクセスツールと、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、又はタップ加工ツールのうちの1つ又は2つ以上とを保持するように適合されているアクセスガイドを保持するエンドエフェクタと、エンドエフェクタに取り付けられたナビゲーションアレイと、エンドエフェクタを位置決めするためにロボットアームを動作させるように構成されたコントローラと、を備える、ことと、患者の骨表面にアクセスすることと、骨表面を初期アクセスツールと接触させることと、骨表面を、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、又はタップ加工ツールのうちの1つ又は2つ以上と接触させることと、を含む。
【0005】
また、ロボット手術システムと共に使用するための器具セットであって、セットは、アクセスガイドと、初期アクセスツールであって、ハウジングと、ハウジングから延在するシャフトと、を備え、かつシャフトの遠位端から離隔されたステップを有する、初期アクセスツールと、ステップの下でシャフトの上に配置するための剛性スリーブと、ステップの下でシャフトの上に配置するためのばねと、シャフトの遠位端と係合するための少なくとも1つの分離可能な先端と、を備え、ハウジングは、アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、器具セットも記載される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】手術ロボットアームとエンドエフェクタとを含むコンピュータ支援手術システムの概略図を示す。
図2】コンピュータ支援手術システムを用いる手術処置のワークフローを示す。
図3】例示的な手術ワークフローにおいて(例えば、連続的に)使用され得る、エンドエフェクタによって保持される複数のツールを示す。
図4A】詳細図を含む、一実施形態によるツール構成要素のグループを示す。
図4B図4Aのグループからの一対の代替サブアセンブリを示す。
図4C図4Aのグループの一部分から組み立てられたツールを示す。
図5A】別の実施形態によるツール構成要素のグループの遠位拡大図を示す。
図5B図5Aのグループの一部分から組み立てられたツールの分解図を示す。
図5C図5Bの組み立てられたツールを示す。
図6A】更に別の実施形態によるツール構成要素のグループの遠位拡大図を示す。
図6B】詳細図を含む、図6Aのグループの一部から組み立てられたツールの分解図を示す。
図6C図6Bの組み立てられたツールを示す。
図7A】更に別の実施形態によるツール構成要素のグループの分解図を示す。
図7B】ナビゲーションスリーブ内に配設された図7Aの組み立てられたツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、コンピュータ支援手術システム100の全体図を示す。手術ロボットベース102は、ロボットアーム104を支持する。ベース102は、可動ベースとして描画されているが、固定ベースも企図されている。ロボットアーム104は、回転可能な又は他の方法で関節運動するジョイントによって接続された複数のアームセグメントを含み、ジョイントの作動によって移動すること、適所にロックすることなどができる。ロボットアーム104は、外科処置中に6つの自由度全てで移動する。ロボットアーム104は、手術中に必要な精度を確保するために、(例えば、6つの自由度の各々において)増分を変更するように構成されてもよい。ロボットアーム104は、アームを患者(描画せず)に対して所望の位置に位置決めするために、ジョイントの周りを能動的に移動してもよく、又はロボットアームは、ある位置に設定及びロックされてもよい。例えば、本開示は、手術ロボットによるツールの使用、ある程度のロボット支援を伴うユーザによるツールの使用、及び(例えば、位置決めされ、ロックされると)手術ロボット又はロボット支援の関与を伴わないツールの使用を含むことが企図されている。
【0008】
制御ユニット又はコントローラ106は、ロボットアーム104及び関連付けられたナビゲーションシステムを制御する。コントローラ106は、典型的には、電源、AC/DCコンバータ、各ジョイントにおける作動ユニットのモータに電力を供給するための運動コントローラ、ヒューズ、リアルタイムインターフェース回路、及びロボット手術システムに従来含まれる他の構成要素を含む。外部装置108は、コントローラ106と通信してもよい。装置108は、外科医又は他のユーザがデータをコントローラ106に直接入力することを可能にするように構成された、ディスプレイ、コンピューティング装置、遠隔サーバなどであってもよい。そのようなデータは、患者情報及び/又は手術処置情報を含んでもよい。装置108は、アラートなど、コントローラからの情報からの情報を表示してもよい。装置108とコントローラ106との間の通信は、無線又は有線であってもよい。
【0009】
システム100はまた、ナビゲーションシステムを備えることができ、ナビゲーションシステムは、複数のナビゲーションシステムナビゲーションアレイ(例えば、ナビゲーションアレイ112、ナビゲーションアレイ114、並びに任意選択のナビゲーションアレイ116(及び/又は他のナビゲーションアレイ))に取り付けられた基準の相対姿勢又は三次元位置及び向きがリアルタイムで追跡され、計画又は制御のためにコントローラ106に共有され得るように、追跡ユニット110を含む。追跡ユニット110は、既知の様式でナビゲーションアレイに結合された任意の及び全ての構成要素間の相対運動を測定してもよい。追跡は、例えば、立体視光学検出器118、超音波検出器、慣性測定ユニットから位置情報を受信するように構成されたセンサなどを使用して、いくつかの方式で実行されてもよい。リアルタイムでの追跡とは、いくつかの実施形態では、20ヘルツを超える高周波数、いくつかの実施形態では、低レイテンシで、100~500ヘルツの範囲、いくつかの実施形態では、5ミリ秒未満を意味する。どのように収集されるかにかかわらず、位置及び向きデータは、任意の好適な接続を介して、例えば、低レイテンシ転送プロトコルを使用して、有線又は無線で、構成要素間で(例えば、コントローラ106に)転送されてもよい。リアルタイムコントローラ106は、システム100の移動を調整するために、追加の低レイテンシで適度な高周波数でリアルタイム制御アルゴリズムを行い得る。追跡ユニットはまた、例えば、ロボットアーム104に取り付けられたエンドエフェクタの特性を検出するために、カメラを含むか、又は立体視光学検出器116を使用してもよい。
【0010】
ナビゲーションシステムの基準(描画せず)は、例えば、(例えば、ナビゲーションアレイ112の)複数の装着点112aを介して、ナビゲーションアレイ(例えば、ナビゲーションアレイ112、ナビゲーションアレイ114、及び/又は任意のナビゲーションアレイ116(及び/又は他のナビゲーションアレイ))に取り付けられ得る。基準は、互いに対して所定の位置及び向きで配置されてもよい。基準は、デカルト基準フレームの設定を可能にするように、既知の向きの平面(例えば、垂直平面など)内にあるように位置合わせされてもよい。基準は、ナビゲーションシステムの視野内に位置決めされ得、ナビゲーションシステムによってキャプチャされた画像内で識別されてもよい。基準は、単回使用反射ナビゲーションマーカーであってもよい。例示的な基準は、赤外線反射器、発行ダイオード(light emitting diode、LED)、球面反射マーカー、点滅LED、拡張現実マーカーなどを含む。ナビゲーションアレイは、慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、他のセンサ、又はこれらの組み合わせであり得るか、又はそれを含んでもよい。センサは、位置及び/又は向き情報をナビゲーションシステム、例えば、ナビゲーションシステムの処理ユニット、例えば、コントローラ106に送信してもよい。
【0011】
ナビゲーションアレイ114は、ロボットアーム又はその遠位部分の位置(エンドエフェクタ位置を示すか、又はナビゲーションアレイ112の位置からの差を参照する)を判定するために、ロボットアーム104上に装着されてもよい。ナビゲーションアレイ114の構造及び動作は、使用されるナビゲーションシステムのタイプに応じて変化してもよい。いくつかの実施形態では、ナビゲーションマーカー114は、光ナビゲーションシステム、例えばロボットナビゲーションシステムと共に使用するための、1つ若しくは2つ以上の球体形状又は他の基準を含んでもよい。ナビゲーションシステムは、ナビゲーションアレイ114、ひいては、エンドエフェクタ120の位置及び/又は向き、並びに手術室内の他の物体、例えば、患者、外科医などに対するその相対距離の登録及び追跡を促進してもよい。
【0012】
エンドエフェクタ120は、例えばレバーによってロックされたエンドプレートを介してロボットアーム104に結合されてもよい。理解され得るように、エンドエフェクタ102とロボットアーム104との間に遊びがあるべきではない。システム100は、様々な形状、サイズ、及び機能性のエンドエフェクタを利用し得るが、描画されるエンドエフェクタは、ツール122を取り外し可能に保持するための開口部を有する。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ120は、ユニバーサルナビゲーションアダプタセット(Universal Navigation Adaptor Set、UNAS)の一部であり、ナビゲーションアレイ112は、エンドエフェクタに装着される。有利には、エンドエフェクタ120は、ツール122を含む一連のツール(例えば、図3に描画されるような特定の手術処置において使用される一連のツール)を保持するように適合されてもよい。
【0013】
ツール122は、エンドエフェクタ120のガイド(例えば、又は他の開口部)内に配置されてもよい。エンドエフェクタ120のロック機構は、ツール122を定位置に固定してもよい。ロック機構は、スライダロック機構又は他の特徴であってもよい。描画されたツール122は、拡張器であるが、ツールは、遠位端に、プローブ、拡張器先端(例えば、鋭利又は鈍い)、切断器具、タップ、ねじなどを有してもよいことが理解される。切断器具は、例えば、ドリル、鋸刃、バー、リーマ、ミル、メス刃、又は骨若しくは他の組織を切断することができ、所与の動作での使用に適切である任意の他の器具であってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、ナビゲーションアレイ112は、ロボットコネクタ(例えば、エンドエフェクタ120(ガイドチューブの外面など))に取り付けられ得、図3に関してより詳細に考察されるように、ロボットアレイ(Rアレイ)として説明されてもよい。相補的なスモールアレイ124(例えば、Sアレイ)は、Rアレイ(例えば、ナビゲーションアレイ112)及びツール122の両方に取り付けられる。Rアレイ(例えば、ナビゲーションアレイ112)は、基準及びSアレイ124のための複数の装着点112aを伴うユニバーサルフィット形状を有してもよい。Sアレイ124は、いくつかの実施形態では、複数の比較的小さいアレイのうちの1つであってもよく、各々は、関連付けられたツールのための適切な深さ又はいくつかの他の特性を達成するように、所定のツールと共に使用される特定の形状を有する。例えば、Rアレイは、高い精度を呈し、軌道を定義することができ、Sアレイは、比較的低い精度であり、(例えば、奥行き知覚のために)Rアレイの軌道上に投影される(器具の先端などの)単一の点を定義してもよい。いくつかの実施形態では、Rアレイは、カップリングに取り付けられる(図3)。個々のSアレイは、所定のツールのために(例えば、深度知覚のために(例えば、ドリル、タップ、ねじ処置に従って))構成されたそのような点において、器具に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、(ロボットアームに取り付けられた)Rアレイは、前の位置(コントローラ106によって判定される)に戻ってもよく、一方、様々なSアレイは、異なる位置、例えば、所定のツールに適切な位置にあってもよい。
【0015】
図2は、ロボットアーム、コントローラ、及びナビゲーションシステムを有するコンピュータ支援手術システム(例えば、図1のコンピュータ支援手術システムなど)と共に用いられ得る手術処置(例えば、治療計画に従う)のためのワークフロー200を示す。例えば、手術処置は、患者の椎骨の1つ又は2つ以上の椎弓根へのねじの配置など、患者の脊椎を伴うことがある。非限定的な例として、手術処置は、経椎間孔的腰椎椎体間固定術(transforaminal lumbar interbody fusion、TLIF)処置の一部として必要とされ得るような、ドリル、タップ、及びねじ技法を用い得る。一連のツールが、手術処置によって必要とされてもよい。処置の一例は、椎体間手技(例えば、ケージの配置)と一緒に実行されることが多い、後方安定化のための後方椎弓根ねじ配置である。
【0016】
ステップ202では、複数のツール(例えば、異なるツールを連続して)を受容するように適合されている、例えば、コネクタ又はカプラを有する、エンドエフェクタが、コンピュータ支援手術システムのロボットアームに取り付けられるか、又は装着される。一例では、エンドエフェクタ(例えば、コネクタ)は、アクティブロボットアームに接続される。一例では、受動アームは、エンドエフェクタ(例えば、コネクタ)に接続される能動エンドエフェクタを受容する。エンドエフェクタは、例えば、レバーによってロックされたエンドプレートを介してロボットアームに結合されてもよい。エンドエフェクタは、ツールを取り外し可能に保持するための特徴を有してもよい。ツールは、エンドエフェクタのガイドチューブ又は他の特徴内に配置され、スライダなどのロック機構を介してエンドエフェクタ内にロックされてもよい。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、ユニバーサルナビゲーションアダプタセット(Universal Navigation Adaptor Set、UNAS)と共に使用されるように適合されている。基準を備えたRアレイは、エンドエフェクタに、例えば、ガイドチューブ上に画定された外側リング上に装着されてもよい。
【0017】
エンドエフェクタの位置合わせを確実にするために、コントローラ及び関連付けられたナビゲーションシステムを使用するナビゲーション評価が実行されてもよい。位置合わせステップは、エンドエフェクタ内にツールがない状態で、エンドエフェクタ内に参照ツールがある状態で、又はエンドエフェクタ内に手術処置の第1のツールがある状態で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、予め計画された軌道に対して(例えば、椎弓根ねじ挿入処置ごとに)一度だけ位置合わせされる。アーム及びエンドエフェクタに関して、装着は、1回だけ実行される必要があり得るが、手術処置におけるツール(例えば、手術処置における各ツール)に関して、装着及び位置合わせステップは、各ツール変更及び/又は遠位先端変更において繰り返されてもよい。再位置合わせのための一般的な理由は、ロボットシステムに加えられた力による計画された軌道からの検出された偏差である。
【0018】
ステップ204では、切断器具(例えば、メス刃など)を保持するツール(例えば、メスなど)が、エンドエフェクタ内に配置され、定位置にロックされる。後述するように、メスガイドは、メスホルダ(例えば、ブレードを有する)をガイドするためにコネクタ内に配置され得、したがって、位置合わせされた(事前計画に基づいて)コネクタによって与えられる正確な軌道で患者の開放を可能にする。任意選択で、ステップ202は、ツールの位置合わせに関して(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)実行されてもよい。ロボットアームは、開始位置(アクティブロボットアームを伴うシステム)にナビゲートしてもよく、又はユーザ(例えば、外科医)によって開始位置(能動エンドエフェクタを伴う受動アームを伴うシステム)にガイドされてもよい。ナビゲーションシステムは、位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。切断軌道は、患者の解剖学的構造などの撮像と共にディスプレイ上に表示されてもよい。切開は、作業部位にアクセスするために患者において行われる。切開は、外科医によって手動で行われてもよい。切開は、半自律的に行われ得、すなわち、少なくとも部分的なロボット制御(例えば、ロボットからの力補助、他の方法で手動制御を提供しながらある境界を越えた、又はある平面内の移動に対するロボット拘束、直線を維持することを判定する、深度制御など)を用いて制御されてもよい。切開は、完全に自律的に行われ得る(例えば、コントローラによって完全に制御される)。切開が完了すると、骨表面などの作業部位にアクセス可能になる。ナビゲーションシステムは、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、切開境界又は切開深さ判定を含んでもよい。ツールは、エンドエフェクタから取り外されてもよい。
【0019】
ステップ206では、切断器具(例えば、鋭利な拡張器先端など(又は、代替として、鈍い拡張器先端))を保持するツール(例えば、拡張器など)が、エンドエフェクタ内に配置され、定位置にロックされる。これにより、作業現場への初期アクセスが可能になる。任意選択で、ステップ202は、ツールの位置合わせに関して(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)実行されてもよい。例えば、ロボットアーム(したがって、エンドエフェクタ)は、格納位置に戻されてもよい。患者の解剖学的構造の撮像は、ディスプレイ上に表示されてもよい。ツールは、作業部位にアクセスするために患者に挿入される。ツールの制御は、前述のように、手動で、半自律的に、又は完全に自律的に行われてもよい。いくつかの実施形態では、初期アクセスは、拡張処置である。拡張処置が完了すると、ナビゲーションシステムは、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、骨表面の位置を示す深さ判定を含んでもよい。ツールは、エンドエフェクタから取り外されてもよい。
【0020】
ステップ208では、切断器具(例えば、バーなど)を保持する(例えば、バーを駆動するなどのための)ツールが、エンドエフェクタ内に配置され、定位置にロックされる。バーは、様々な形状、例えば、平坦、円形、又は幾何学的若しくは非幾何学的切断構造を有する幾何学的形状のうちの1つであってもよい。更に、バーは、様々な構成、例えば、溝付き又は溝なしを有してもよい。溝付きバーは、異なる数の切断溝を有してもよい。任意選択で、ステップ202は、ツールの位置合わせに関して(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)実行されてもよい。例えば、ロボットアーム(したがって、エンドエフェクタ)は、切断器具が格納位置(例えば、骨表面上の位置)に到達するように移動されてもよい。患者の解剖学的構造の撮像は、ディスプレイ上に表示されてもよい。バーは、患者に挿入されて、作業部位にアクセスし、骨表面上に平坦又は他の特徴を作り出す。ロボットアームは、所定の軌道を達成するように移動されてもよい。バーを駆動する回転ツールの制御は、前述のように、手動で、半自律的に、又は完全に自律的に行われてもよい。皮質除去処置が完了すると、ナビゲーションシステムは、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、皮質除去された骨表面の位置及び/又は輪郭を示す深さ判定を含んでもよい。ツールは、エンドエフェクタから取り外されてもよい。理解され得るように、いくつかの実施形態では、このステップは、設置されるねじのタイプに応じて省略されてもよい。
【0021】
ステップ210では、切断器具(例えば、ドリルビットなど)を保持するツール(例えば、ドリルビットを駆動するためなど)が、エンドエフェクタ内に配置され、定位置に保持される。ドリルビットは、様々な直径、長さ、及び/又は構成(例えば、溝付き又は溝なし)のうちの1つであってもよい。任意選択で、ステップ202は、ツールの位置合わせに関して(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)実行されてもよい。例えば、ロボットアーム(したがって、エンドエフェクタ)は、切断器具が格納位置(例えば、骨表面上の位置)に到達するように移動されてもよい。患者の解剖学的構造の撮像は、ディスプレイ上に表示されてもよい。ドリルビットは、患者に挿入されて作業部位にアクセスし、骨にボアを作成する。ロボットアームは、所定の軌道を達成するように移動されてもよい。ドリルビットを駆動する回転ツールの制御は、前述のように、手動で、半自律的に、又は完全に自律的に行われてもよい。ドリル加工処置が完了すると、ナビゲーションシステムは、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、ボアの位置を示す深さ判定を含んでもよい。ツールは、エンドエフェクタから取り外されてもよい。理解され得るように、いくつかの実施形態では、このステップは、設置されるねじのタイプに応じて省略されてもよい。
【0022】
ステップ212では、切断器具(例えば、タップなど)を保持するツール(例えば、タップを駆動するためなど)が、エンドエフェクタ内に配置され、定位置にロックされる。タップは、(例えば、ステップ214でボアに挿入される)所定のねじサイズに基づいて選択されてもよい。任意選択で、ステップ202は、ツールの位置合わせに関して(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)実行されてもよい。例えば、ロボットアーム(したがって、エンドエフェクタ)は、切断器具が格納位置(例えば、骨表面上の位置)に到達するように移動されてもよい。患者の解剖学的構造の撮像は、ディスプレイ上に表示されてもよい。タップは、患者に挿入されて作業部位にアクセスし、骨のボアにねじ山を作成する。ロボットアームは、所定の軌道を達成するように移動されてもよい。タップを駆動する回転ツールの制御は、前述のように、手動で、半自律的に、又は完全に自律的に行われてもよい。タップ加工手順が完了すると、ナビゲーションシステムは、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタの位置(例えば、三次元位置)を記憶することができる。例えば、この位置は、タップ加工されたボアの位置を示す深さ判定を含んでもよい。ツールは、エンドエフェクタから取り外されてもよい。理解され得るように、いくつかの実施形態では、このステップは、設置されるねじのタイプに応じて省略されてもよい。
【0023】
ステップ214では、切断器具(例えば、ねじなど)を保持する(例えば、ねじを駆動するためなど)ツールが、エンドエフェクタ内に配置され、定位置にロックされる。ねじは、(例えば、タップ加工されたボアに挿入される)所定のねじサイズの椎弓根ねじであってもよい。任意選択で、ステップ202は、ツールの位置合わせに関して(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)実行されてもよい。例えば、ロボットアーム(したがって、エンドエフェクタ)は、切断器具が格納位置(例えば、骨表面上の位置)に到達するように移動されてもよい。患者の解剖学的構造の撮像は、ディスプレイ上に表示されてもよい。ねじは、患者に挿入されて作業部位にアクセスし、骨のボアに設置される。ロボットアームは、所定の軌道を達成するように移動されてもよい。ねじを駆動する回転ツールの制御は、前述のように、手動で、半自律的に、又は完全に自律的に行われてもよい。ねじ設置手順が完了すると、ナビゲーションシステムは、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタの位置(例えば、三次元位置)を記憶することができる。例えば、この位置は、椎弓根ねじの位置を示す配置判定を含んでもよい。ツールは、エンドエフェクタから取り外されてもよい。
【0024】
図3は、単一のエンドエフェクタ302(例えば、コネクタ)が、ワークフローにおいて(例えば、連続的に)使用され得るような複数のツールを保持するように適合される、手術ワークフロー300の概略図を示す。ワークフロー300は、図2に関して説明されたものと同様であってもよく、治療計画に従ってもよい。ワークフロー300は、患者の椎骨の1つ又は2つ以上の椎弓根内へのねじの配置など、患者の脊椎を伴うことがある。非限定的な例として、ワークフロー300は、経椎間孔的腰椎椎体間固定術(transforaminal lumbar interbody fusion、TLIF)処置の一部として必要とされ得るような、ドリル、タップ、及びねじ技法を用い得る。一連のツールは、ワークフロー300によって必要とされ得、説明されるように、一連の図によって表される。一連の図は、適用可能な場合、同じ参照番号を共有し、いくつかの実施形態では、ワークフロー300全体が、エンドエフェクタを変更することなく実行されてもよい。有利なことに、括弧で括られた中央の図は、椎弓根ねじの準備を容易にするアクセスガイドを用いて実行されてもよい。
【0025】
エンドエフェクタ302は、例えば図1のロボットアーム104などのロボットアーム(描画せず)に結合されてもよく、このロボットアームは、ロボットアーム、コントローラ、及びナビゲーションシステムを有するコンピュータ支援手術システム(例えば、図1のコンピュータ支援手術システムなど)の一部であってもよい。エンドエフェクタ302に結合された能動ロボットアームと、エンドエフェクタ302に結合された能動エンドエフェクタを有する受動アームとを有する実施形態が企図されている。エンドエフェクタ302の位置合わせを確実にするために、コントローラ及びナビゲーションシステムを使用するナビゲーション評価が実行されてもよい。位置合わせステップは、エンドエフェクタ内にツールがない状態で、エンドエフェクタ内に参照ツールがある状態で、又はエンドエフェクタ内に手術処置の第1のツールがある状態で実行されてもよい。
【0026】
エンドエフェクタ302は、例えば、ロボットアームの遠位端に接続するように適合されているエンドプレート304を備える。例えば、エンドプレート304は、ばね荷重レバー306によってロボットアームの遠位端にロックされてもよい。エンドプレート304から離隔して、エンドエフェクタ302は、説明されるように、ツールを受容するためのガイドチューブ308を有する。ガイドチューブ308は、ツールを受容するための開口部を画定し、開口部は、(例えば、ツールがガイドチューブ内に保持されると)ツールによって共有される軸を画定する。いくつかの実施形態では、ガイドチューブ308の外面は、説明されるように、ナビゲーションアレイを取り付けるためのリングを画定する。エンドエフェクタ302はまた、ツールをガイドチューブ308内にロックするためのスライダ(例えば、ロック機構)310を備える。いくつかの実施形態では、スライダ310は、スライダと係合するか又はスライダから係合解除するためのレバー312を含む。ツールの使用後、スライダ310は、ツールを取り外すなどのために係合解除され得、したがって、エンドエフェクタ302は、ツールを取り外し可能に保持すると言われる。他のロック機構も企図される。
【0027】
アレイリング314は、エンドエフェクタ302(例えば、ガイドチューブ308の外面)に取り付けられ得る。アレイリング314は、ナビゲーションアレイ316(例えば、Rアレイ)に取り付けられる。Rアレイ316は、基準(描画せず)のための複数の装着点318を有するユニバーサルフィット形状を有してもよい。Sアレイ120(図3の左から2番目)などのSアレイは、Rアレイ内のノッチ内でスライドし得る(例えば、Sアレイは、深さ知覚を提供するために器具に装着される)。説明されるように、個々のSアレイは、例えば、ある深さを達成するために、所定のツールのために構成された点を有してもよい。いくつかの実施形態では、これは、Rアレイ316が前の位置(コントローラによって判定される)に戻ることを可能にし、一方、後続のSアレイは、前のSアレイとは完全に異なる位置にあるが、所定のツールに適切な位置にあってもよい。
【0028】
図3の左端を参照すると、メス322は、エンドエフェクタ302によって取り外し可能に保持されている。いくつかの実施形態では、メス322は、メスを受容するように適合された内側開口部(例えば、ボア、スロットなど)と、ガイドチューブ308の内径に対応するように予め判定された直径を有する外面とを有するメスガイド(描画せず)内に配置される。スライダ310と係合すると、メスガイドがロックされ、ひいては、メス322がガイドチューブ308内の定位置にロックされる。メス322は、その遠位端にメス刃322a(例えば、切断器具)を有し、その近位端にハンドル324を有する。
【0029】
メス322は、(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)位置合わせされてもよい。ロボットアーム(描画せず)は、開始位置にナビゲートしてもよく、又はユーザ(例えば、外科医)によって開始位置にガイドされてもよい。ナビゲーションシステム(描画せず)は、位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。切断軌道は、患者の解剖学的構造などの撮像と共にディスプレイ(描画せず)上に表示されてもよい。切開は、作業部位にアクセスするために患者において行われる。切開は、外科医によって手動で行われてもよい。切開は、半自律的に行われてもよく、すなわち、少なくとも部分的なロボット制御(例えば、ロボットからの力補助、他の方法で手動制御を提供しながらある境界を越えた、又はある平面内の移動に対するロボット拘束、直線を維持することを判定する、深度制御など)を用いて制御されてもよい。切開は、完全に自律的に行われ得る(例えば、コントローラによって完全に制御される)。切開が完了すると、骨表面などの作業部位はアクセス可能になる。ナビゲーションシステムは、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタ302の位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、切開境界又は切開深さ判定を含んでもよい。メス322は、エンドエフェクタ302から取り外されてもよい。
【0030】
図3において右に移動すると、Sアレイ320は初期アクセスツール328に取り付けられる。Sアレイ320は、初期アクセスツール328に対応するように適合された固有の幾何形状及び/又は装着点を有してもよい。例えば、Sアレイ320は、複数の比較的小さいアレイのうちの1つであってもよく、各々は、関連付けられたツールのための適切な深さ又はいくつかの他の特性を達成するように、所定のツールと共に使用される特定の形状を有する。
【0031】
初期アクセスツール328は、エンドエフェクタ302によって取り外し可能に保持される。図4A図6Cにおいてより詳細に説明されるように、初期アクセスツール328は、(例えば、椎弓根ねじ配置ワークフローのこのステップに対する外科医の好みに合わせるように)高度に適合可能なモジュール式システムの一部である。初期アクセスツール328は、鋭い先端、鈍い先端、比較的大きい直径の先端、後退可能な先端、又は剛性先端であり得る、遠位先端328aを有する。
【0032】
好ましくは、初期アクセスツール328は、クリップ(又はボタン)などによってアクセスガイド330と係合し、アクセスガイドは、ガイドチューブ308によって取り外し可能に保持される。スライダ310と係合すると、アクセスガイド330がガイドチューブ308内の定位置にロックされる。
【0033】
初期アクセスツール328は、(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)位置合わせされてもよい。ロボットアームは、開始位置にナビゲートしてもよく、又はユーザ(例えば、外科医)によって開始位置にガイドされてもよい。ナビゲーションシステムは、位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。軸軌道は、患者の解剖学的構造などの撮像と共にディスプレイ上に表示されてもよい。作業部位へのアクセスは、外科医によって手動で、前述のように半自律的に、又は完全に自律的に(例えば、コントローラによって完全に制御されて)行われてもよい。ナビゲーションシステムは、ロボットアーム、エンドエフェクタ302、初期アクセスツール328、又は遠位先端328aの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、骨表面の位置及び/又は輪郭を示す深さ判定を含んでもよい。測定値は、取得され記憶されてもよい。初期アクセスツール328は、(例えば、アクセスガイドがエンドエフェクタ302によって保持されている間に)アクセスガイド330から取り外されてもよい。
【0034】
図3において右に移動すると、アクセスガイド330は、バーツール332を受容し保持する。例えば、バーツール332は、アクセスガイド330の対応する特徴と係合するツイストロックを有してもよい。バーツール332は、遠位バー332aを有する。バー332aは、様々な形状、例えば、平坦、円形、又は幾何学的若しくは非幾何学的切断構造を有する幾何学的形状のうちの1つであってもよい。更に、バー332aは、様々な構成、例えば、溝付き又は溝なしを有してもよい。溝付きバーは、異なる数の切断溝を有してもよい。
【0035】
バーツール332は、(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)ガイドされてもよい。ロボットアームは、開始位置にナビゲートしてもよく、又はユーザ(例えば、外科医)によって(例えば、事前に計画された軌道に従って)開始位置にガイドされてもよい。ナビゲーションシステムは、位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよく、及び/又は位置を以前に記憶された位置と比較してもよい(例えば、バー332aが記憶された位置(例えば、骨表面上の位置)に到達するようにロボットアームをどのように移動させるかを判定するために)。軸軌道は、患者の解剖学的構造などの撮像と共に、ディスプレイ上に表示されてもよい。バー332aは、骨表面上に平坦又は他の特徴を作成するために使用されてもよい。バーツール332の制御は、外科医によって手動で、上述のように半自律的に、又は完全に自律的に(例えば、コントローラによって完全に制御されて)行われてもよい。ナビゲーションシステムは、ロボットアーム、エンドエフェクタ302、バーツール332、又はバー332aの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、骨表面の位置及び/又は輪郭を示す深さ判定を含んでもよい。測定値は、取得され記憶されてもよい。バーツール332は、(例えば、アクセスガイドがエンドエフェクタ302によって保持されている間に)アクセスガイド330から取り外されてもよい。
【0036】
図3において右に移動すると、ナビゲーションスリーブ333は、第1の端部においてドリルツール334と係合し、第2の端部においてSアレイ335と係合する。Sアレイ335は、所定のツール(例えば、この場合、ドリルツール334)と共に使用される特定の形状を有し、例えば、関連付けられたツールの適切な深さ又はいくつかの他の特性を達成する(例えば、形状は、ナビゲーションシステムが使用中の器具を識別することを可能にする)。ナビゲーションスリーブ333は、回転ツール(描画せず)に取り付けられたときなどに、ドリルツール334が回転することを可能にするように適合されている。いくつかの実施形態では、ナビゲーションスリーブ333は、ユニバーサルナビゲーションアダプタセット(Universal Navigation Adaptor Set、UNAS)の一部であり、回転アダプタである。ナビゲーションスリーブ333は、器具ナビゲーション/深さ知覚を可能にするために(例えば、ドリルツール334が所定の軌道を維持することを可能にするために)、回転器具上にアレイを装着させる能力を提供する。
【0037】
アクセスガイド330は、ドリルツール334を受容し保持する。例えば、ドリルツール334は、アクセスガイド330の対応する特徴と係合するツイストロックを有してもよい。ドリルツール334は、遠位ドリルビット334aを有する。ドリルビット334aは、様々な直径、長さ、及び/又は構成(例えば、溝付き又は溝なし)のうちの1つであってもよい。ドリルツール334は、ロボットアームによって(例えば、所望の軌道、位置、及び/又は向きで)位置合わせされ得るが、エンドエフェクタ302及びそのガイドチャネルによっても位置合わせされる。ロボットアームは、開始位置にナビゲートしてもよく、又はユーザ(例えば、外科医)によって開始位置にガイドされてもよい。ナビゲーションシステムは、位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよく、及び/又は位置を以前に記憶された位置と比較してもよい(例えば、ドリルビット334aが記憶された位置(例えば、骨表面上の位置)に到達するようにロボットアームをどのように移動させるかを判定するために)。軸軌道は、患者の解剖学的構造などの撮像と共にディスプレイ上に表示されてもよい。ドリルビット334aは、骨にボアを作成するために使用されてもよい。ドイルツール334の制御は、外科医によって手動で、上述のように半自律的に、又は完全に自律的に(例えば、コントローラによって完全に制御されて)行われてもよい。ナビゲーションシステムは、ロボットアーム、エンドエフェクタ302、ドリルツール334、又はドリルビット334aの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、ボアの位置又は軌道を示す深さ判定を含んでもよい。測定値は、取得され記憶されてもよい。ドリルツール334は、(例えば、アクセスガイドがエンドエフェクタ302によって保持されている間に)アクセスガイド330から取り外されてもよい。
【0038】
図3において右に移動すると、ナビゲーションスリーブ333は、第1の端部においてタップ加工ツール338と係合し、第2の端部においてSアレイ337と係合する。Sアレイ337は、所定のツール(例えば、この場合、タップ加工ツール338)と共に使用される特定の形状を有し、例えば、関連付けられたツールの適切な深さ又はいくつかの他の特性を達成する。ナビゲーションスリーブ333は、回転ツール又は他のドライバ(描画せず)に取り付けられたときなどに、タップ加工ツール338が回転することを可能にするように適合されている。いくつかの実施形態では、ナビゲーションスリーブ333は、ユニバーサルナビゲーションアダプタセット(Universal Navigation Adaptor Set、UNAS)の一部であり、回転アダプタである。
【0039】
アクセスガイド330は、タップ加工ツール338を受容し保持する。タップ加工ツール338は、遠位タップ338a(例えば、ドリルビット334aによって作成されたボアに挿入される)を有する。タップ338aは、所定のねじサイズに基づいて選択されてもよい。ナビゲーションシステムは、位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよく、及び/又は位置を以前に記憶された位置と比較してもよい(例えば、タップ338aが記憶された位置(例えば、ボア)に到達するようにロボットアームをどのように移動させるかを判定するために)。軸軌道は、患者の解剖学的構造などの撮像と共にディスプレイ上に表示されてもよい。タップ338aは、骨の輪郭を描くために使用されてもよい。タップ加工ツール338の制御は、外科医によって手動で、上述のように半自律的に、又は完全に自律的に(例えば、コントローラによって完全に制御されて)行われてもよい。ナビゲーションシステムは、ロボットアーム、エンドエフェクタ302、タップ加工ツール338、又はタップ338aの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、タップ加工されたボアの位置を示す深さを示す深さ及び/又は軌道判定を含んでもよい。測定値は、取得され記憶されてもよい。タップ加工ツール338及びアクセスガイド330は、エンドエフェクタ302から取り外されてもよい。
【0040】
図3において右に移動すると、ナビゲーションスリーブ333は、第1の端部においてドライバ340と係合し、第2の端部においてSアレイ339と係合する。Sアレイ339は、適切な深さを達成すること、又はナビゲーションシステムに関連付けられたツールを識別することなどのために、所定のツール(例えば、この場合、ドライバ340)と共に使用される特定の形状を有する。いくつかの実施形態では、ナビゲーションスリーブ333は、ユニバーサルナビゲーションアダプタセット(Universal Navigation Adaptor Set、UNAS)の一部であり、回転アダプタである。
【0041】
ドライバ340がエンドエフェクタ302内に配置されている。ドライバ340は、(例えば、タップ加工されたボアに挿入される)所定のねじサイズの椎弓根ねじ340aを保持し、駆動するように適合されている。ドライバ340は、開始位置に移動されてもよく、又はユーザ(例えば、外科医)によって開始位置にガイドされてもよい。ナビゲーションシステムは、位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよく、及び/又は位置を以前に記憶された位置と比較してもよい(例えば、椎弓根ねじ340aが記憶された位置(例えば、タップ加工されたボア)に到達するようにロボットアームをどのように移動させるかを判定するために)。軸軌道は、患者の解剖学的構造などの撮像と共にディスプレイ上に表示されてもよい。ねじ340aは、骨のボアに挿入される(例えば、バー加工、ドリル加工、タップ加工、及びこれらの組み合わせは、ねじの幾何学的形状及び外科医の好みに応じて任意選択で変化してもよい)。ねじを駆動する回転ツールの制御は、前述のように、手動で、半自律的に、又は完全に自律的に行われてもよい。ナビゲーションシステムは、ロボットアーム、エンドエフェクタ302、ドライバ340、又はねじ340aの位置(例えば、三次元位置)を記憶してもよい。例えば、この位置は、ねじ340aの位置を示す深さ及び/又は軌道判定を含んでもよい。測定値は、取得され記憶されてもよい。ドライバ340は、エンドエフェクタ302から取り外されてもよい。
【0042】
図4Aは、例えば、アクセスガイド406(例えば、アクセスガイド330(図3)など)内に配置するための初期アクセスツール402(例えば、初期アクセスツール328(図3)など)をセットアップするための選択及び組み合わせのためのツール構成要素のグループ400を示す。説明されるように、グループには、第1のガイド403及び第2のガイド405も提供されている。
【0043】
初期アクセスツール402は、近位端410と遠位端412とを有する。ハウジング414は近位端410に隣接して配設され、ハウジングは、複数の開口部416を画定する。ロックボタン418(例えば、軸を有するレバー)は、開口部416のうちの1つに配設される。図では見えないが、別のロックボタン(例えば、ロックボタン418と実質的に同様)が、ハウジング414の反対側に配設されてもよい。動作中、ロックボタン418は、初期アクセスツール402をアクセスガイドに分離可能に接続するために、アクセスガイド406の近位端と分離可能に係合する(図4C)。シャフト420は、ハンドル414から遠位端412まで延在する。シャフト420のステップ部分422は、シャフトよりも大きい直径を有する。詳細図を参照すると、遠位端412は、シャフト420よりも大きい直径を有する別のステップ部分424と、ステップ部分の中心に配設され、シャフトと同軸のインデックス点426と、を備える。いくつかの実施形態では、ステップ部分424は、丸みを帯びた遠位縁を有する。
【0044】
第1のガイド403は、近位端440と、近位端から延在し、遠位端444で終端する中空ガイド部分442と、を備える。環状歯状部分446は、遠位端444から延在して、骨表面と係合する。
【0045】
第2のガイド405は、近位端450と、近位端から延在し、遠位端454で終端する中空ガイド部分452と、を備える。中空ガイド部分452は、(例えば、第1のガイド403の)中空ガイド部分442とほぼ同じ内径を有してもよい。しかしながら、理解され得るように、遠位端444における第2のガイド405の開口部は、遠位端545における第1のガイド403の開口部よりも比較的大きい直径を有する(例えば、開口部はまた、歯状部分446を通過する)。
【0046】
アクセスガイド406は、複数の窪み460aを有する近位端460と、近位端から延在する第1の中空ガイド部分462と、第1の中空ガイド部分から延在する小径の第2の中空ガイド部分464と、を備える。面取り部466は、例えば、アクセスガイドが患者の切開部に挿入されるときの組織損傷を防止するために、第2の中空ガイド部分464の遠位端468に配設される。第2の中空ガイド部分464は、(例えば、第1のガイド403の)中空ガイド部分442又は(例えば、第2のガイド405の)中空ガイド部分452のいずれかの外径よりも大きい内径を有する。
【0047】
図4Bは、アクセスガイド406内に入れ子にされた第1のガイド403(図4Bの左)と、アクセスガイド内に入れ子にされた第2のガイド405(図4Bの右)と、を備える、一対の代替サブアセンブリを示す。
【0048】
いくつかの実施形態では、初期アクセスツール(初期アクセスツール328(図3)など)は、第1のガイド403及びアクセスガイド406を通して延在してもよい。いくつかの実施形態では、ドリルツール(ドリルツール334(図3)など)は、第1のガイド403及びアクセスガイド406を通して延在してもよい。アクセスガイド406がエンドエフェクタ(例えば、コネクタ)内に保持される場合、第1のガイド403は、第1のガイドとアクセスガイド406との間の回転を防止するように、例えば、歯状部分446の回転による骨損傷を防止するように適合されてもよい。近位端440の特徴は、回転を防止するために近位端460の特徴と連携してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、初期アクセスツール(初期アクセスツール328(図3)など)は、第2のガイド405及びアクセスガイド406を通して延在してもよい。いくつかの実施形態では、バーツール(バーツール332(図3)など)は、第2のガイド405及びアクセスガイド406を通して延在してもよい。第2のガイド405は、アクセスガイド406内で自由に回転してもよく、又は、代替的には、近位端450の特徴は、回転を防止するために近位端460の特徴と連携してもよい。
【0050】
図4Cは、アクセスガイド406に分離可能に接続された初期アクセスツール402を備える組み立てられた器具470を示す。いくつかの実施形態では、第2のガイド405(見えない)が存在する。ロックボタン418は、アクセスガイド406の近位端460と分離可能に係合する(例えば、複数の窪み460aのうちの1つに係合する)。したがって、ロックボタン418は、ハウジング414に対するアクセスガイド406の回転を防止する。シャフト420(見えない)は、第1の中空ガイド部分462及び第2の中空ガイド部分464を通して延在する。ステップ部分424及びインデックス点426は、面取り部466に隣接する遠位端468から突出する。ステップ部分424の外径と遠位端468の内径との間の公差は、ステップ部分と遠位端との間の間隙内に組織が捕捉されることを回避するように緊密であってもよい。
【0051】
図5Aは、初期アクセスツール328(例えば、初期アクセスツール502(図3)など)をセットアップするための選択及び組み合わせのためのツール構成要素のグループ500の遠位拡大図を示す。初期アクセスツール502のシャフト504は、シャフトよりも大きい直径を有するステップ部分506を有する。シャフト504の遠位端508は、剛性スリーブ510又はばね512のいずれかを保持してもよく、その両方は、遠位端の外径の上を通過するのに十分な内径を有する。第1の交換可能な先端514は、遠位端508と係合するように適合されている。先端514は、鋭い遠位先端516を有する。第2の交換可能な先端518もまた、遠位端508と係合するように適合されている。先端518は、鈍い先端519を有する。理解され得るように、外科医は、初期アクセスツール502の所望の遠位先端、例えば、剛性の鋭い先端、後退可能な鋭い先端、剛性の鈍い先端、又は後退可能な鈍い先端を達成するように、剛性スリーブ510、ばね512、先端514、及び先端519を選択することができる。
【0052】
図5Bは、複数の窪み523a及び少なくとも1つのピン523bを有する近位端522と、近位端から延在する第1の中空ガイド部分524と、第1の中空ガイド部分から延在する第2の中空ガイド部分526と、第2の中空ガイド部分から延在する面取り部分528と、骨表面と係合するための遠位端における環状歯状部分529と、を備えるガイド520を示す。いくつかの実施形態では、ガイド520は、第1のガイド403(図4)と同様であってもよい。
【0053】
初期アクセスツール502は、近位端532と、近位端に隣接するハウジング534と、を備える近位部分530を更に備える。ハウジング534は、複数の開口部536を画定する。一対のロックボタン538が、対応する開口部536内にスライド可能に配設される。動作中、ロックボタン538は、初期アクセスツール502をガイド520に取り外し可能に接続するために、複数の窪み523aの対応する窪みなどの(ガイド520の)近位端522の特徴と分離可能に係合する(図5C)。描画されるように、ばね512及び交換可能な先端514は、鋭い後退可能な先端を提供するように選択され、シャフト504の遠位端508の上に配置されている。
【0054】
アクセスガイド540は、L字形状スロット543を有する近位端542と、近位端から延在する第1の中空ガイド部分544と、第1の中空ガイド部分から延在する小径の第2の中空ガイド部分546と、を備える。面取り部548は、例えば、アクセスガイドが患者の切開部に挿入されるときの組織損傷を防止するために、第2の中空ガイド部分546の遠位端549に配設される。第2の中空ガイド部分546は、中空ガイド部分526の外径よりも大きい内径を有する。
【0055】
図5Cは、ガイド520に分離可能に接続された初期アクセスツール502と、今度は、アクセスガイド540に分離可能に接続されたガイドと、を備える組み立てられた器具550を示す。ロックボタン538は、(近位端522の)複数の窪み523aの対応する窪みと分離可能に係合する。ガイド520は、アクセスガイド540内に配設され、分離可能に接続される。例えば、(ガイド近位端522の)ピン523bは、(アクセスガイド近位端542の)スロット543内に配置され、アクセスガイド540は、反時計回りに回転されて、アクセスガイドをガイド520にロックする。したがって、ハウジング534に対するアクセスガイド540の回転が防止される。
【0056】
シャフト504(見えない)は、中空ガイド部分524及び526を通して延在し、鋭い先端516は、面取り部分528及び環状歯状部分529から突出する。面取り部分528は、アクセスガイド540の遠位端549に配設された面取り部548から突出する。中空ガイド部分526の外径と遠位端549の内径との間の公差は、それらの間の間隙内に組織が捕捉されることを回避するように緊密であってもよい。いくつかの実施形態では、組み立てられた器具550は、ドリルステップありのワークフローにおいて使用されてもよい。
【0057】
図6Aは、初期アクセスツール328(例えば、初期アクセスツール602(図3)など)をセットアップするための選択及び組み合わせのためのツール構成要素のグループ600の遠位拡大図を示す。初期アクセスツール602のシャフト604は、シャフトよりも大きい直径を有するステップ部分606を有する。シャフト604の遠位端608は、剛性スリーブ610又はばね612のいずれかを保持してもよく、その両方は、遠位端の外径の上を通過するのに十分な内径を有する。交換可能な先端614は、遠位端608と係合するように適合されている。先端614は、鈍い先端616を有する。理解され得るように、外科医は、初期アクセスツール602の所望の遠位先端、例えば、剛性の鈍い先端又は後退可能な鈍い先端(図6B)を達成するために、剛性スリーブ610又はばね612、及び先端614を選択することができる。
【0058】
図6Bは、複数の窪み623aを有する近位端622を備えるアクセスガイド620を示す。複数の窪み623aの各々は、関連付けられた溝623b(例えば、窪みにつながる)を有してもよい。凹部623cは、複数の窪み623aの各々と関連付けられてもよい。第1の中空ガイド部分624は、近位端622から延在する。小径の第2の中空ガイド部分626は、第1の中空ガイド部分624から延在する。面取り部分628は、例えば、アクセスガイドが患者の切開部に挿入されるときの組織損傷を防止するために、第2の中空ガイド部分626から延在する。環状歯状部分629(例えば、骨表面と係合するため)は、第2の中空ガイド部分626の遠位端に配設される。
【0059】
初期アクセスツール602は、近位端632と、近位端に隣接するハウジング634と、を備える近位部分630を更に備える。ハウジング634は、複数の開口部636を画定する。一対のロックボタン638が、対応する開口部636内にスライド可能に配設される。動作中、ロックボタン638は、初期アクセスツール602をアクセスガイド620に分離可能に接続するために、複数の窪み623aの対応する窪みなどの(アクセスガイド620の)近位端622の特徴と分離可能に係合する(図6C)。例えば、ボス(見えない)などのロックボタン638の遠位部分は、対応する溝623bを滑り落ち、アクセスガイド620の窪み623a及び凹部623c内に静止してもよい(図6C)。描画されるように、ばね612及び交換可能な先端614は、鈍い後退可能な先端を提供するように選択され、シャフト604の遠位端608の上に配置されている。
【0060】
図6Cは、アクセスガイド620に分離可能に接続された初期アクセスツール602を備える組み立てられた器具640を示す。ロックボタン638は、(近位端622の)複数の窪み623aの対応する窪みと分離可能に係合する。したがって、ロックボタン638は、ハウジング634に対するアクセスガイド620の回転を防止する。
【0061】
シャフト604(見えない)は、中空ガイド部分624及び626を通して延在し、鈍い先端616は、面取り部分628及び環状歯状部分629から突出する。面取り部分628は、アクセスガイド640の遠位端649に配設された面取り部648から突出する。いくつかの実施形態では、環状歯状部分629と交換可能な先端614との間の公差は、(例えば、アクセスガイド620の管腔を閉鎖するために)それらの間の間隙内に組織が捕捉されることを回避するように緊密であってもよい。先端614は、アクセスガイド620の環状歯状部分629が骨と係合することを可能にするように、(ばね612によって)後退可能であってもよい。いくつかの実施形態では、組み立てられた器具640は、ドリルステップなしのワークフローにおいて使用されてもよい。
【0062】
図7Aは、例えば、ドライバツール702(例えば、ドライバ340(図3)など)をセットアップするための選択及び組み合わせのためのツール構成要素のグループ700を示す。ドライバ702は、ガイド704に受容されるように適合されている。第2のガイド706は、ガイド704の遠位部分の上に配設される。椎弓根ねじ708は、ドライバ702によって、例えば遠位先端710によって駆動されるように適合されている。ドライバ702はまた、ナビゲーションスリーブ333(図3)などのナビゲーションスリーブ713(図7B)のドライバへの取り付けを容易にするために溝712を保持する。
【0063】
ガイド704は、ねじ山ロッカー714と、リングロック機構716と、ガイド706に挿入されるように適合された遠位部分718と、を備える。ガイド706は、リングロック機構716と係合してガイドをガイド704にロックするガイドばね(図示せず)を保持する。ガイド706は、中空体720を画定し、中空体は、組み立てられた位置(図7B)において椎弓根ねじ708の一部分を取り囲む。
【0064】
ナビゲーションスリーブ713は、ドライバ702を受容するためのボア(見えない)を含む。ロック機構722は、溝712と係合するように適合され、それによって、ドライバ702が回転することを可能にする。ナビゲーションスリーブのアーム724は、ロック機構722から外向きに延在する。Sアレイ取り付け機構726は、ナビゲーションスリーブをSアレイ(例えば、Sアレイ339(図3)など)に接続するためにアーム724に取り付けられる。
【0065】
動作中、椎弓根ねじ708は、設置ワークフローを決定づける特定のタイプ(例えば、ねじ山アレンジメント、直径、カニューレ挿入、承認された使用)であってもよい。いくつかの実施形態では、設置ワークフローは、椎弓根ねじ708の設置前に、皮質除去、ドリル加工、及びタップ加工を含む。いくつかの実施形態では、設置ワークフローは、椎弓根ねじ708の設置前の皮質除去のみを含む。いくつかの実施形態では、設置ワークフローは、椎弓根ねじ708の設置前にドリル加工及びタップ加工のみを含む。いくつかの実施形態では、設置ワークフローは、椎弓根ねじ708の設置前にドリル加工することのみを含む。
【0066】
理解され得るように、ここで説明される実施形態はまた、頸部処置などにも適用可能であってもよい。
【0067】
上で説明される実施形態の例は、以下を含んでもよい。
【0068】
第1の例では、ロボットアームを含むロボット手術システムが開示され、システムは、ロボットアームに取り付けられ、アクセスガイドを保持するエンドエフェクタ(例えば、コネクタ)と、アクセスガイドと分離可能に接続された初期アクセスツールと、を備え、初期アクセスツールが、ハウジングと、アクセスガイドを通って、ハウジングから同軸に延在するシャフトと、シャフトに取り付けられており、エンドエフェクタの遠位のアクセスガイドの一部分から突出する遠位先端と、を備え、ハウジングが、アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている。いくつかの実施形態では、アクセスガイドが、初期アクセスツールと、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、又はタップ加工ツールのうちの1つ又は2つ以上とを保持するように適合されている。先端は、剛性の鈍い先端、後退可能な鈍い先端、中央インデックス点を有する剛性の概ね鈍い先端、剛性の鋭い先端、又は後退可能な鋭い先端であってもよい。ハウジングが、アクセスガイドと係合するためのロックボタンを保持してもよい。ロックボタンは、ハウジングの開口部内に配設されてもよい。アクセスガイドが、ロックボタンと係合するために、エンドエフェクタの近位のアクセスガイドの一部分に複数の窪みを有してもよい。アクセスガイドが、エンドエフェクタの遠位の端に配設された複数の歯を有してもよい。アクセスガイドが、エンドエフェクタの遠位の端に配設された滑らかな面取り部を有してもよい。ロボット手術システムが、シャフトとアクセスガイドとの間に介在する第2のガイドを更に備えてもよい。ハウジングが、アクセスガイドと係合し、第2のガイドをハウジングとアクセスガイドとの間に閉じ込めるためのロックボタンを保持してもよい。ハウジングが、第2のガイドと係合し、かつ第2のガイドに対する回転を防止するためのロックボタンを保持してもよい。第2のガイドが、ロックボタンと係合するために、エンドエフェクタの近位の第2のガイドの一部分に複数の窪みを有してもよい。第2のガイドが、アクセスガイドのスロットと係合するためのピンを有し、それによって、ハウジングと、第2のガイドと、アクセスガイドとの間の回転を防止してもよい。第2のガイドが、エンドエフェクタの遠位の端に配設された複数の歯を有してもよい。ロボット手術システムは、エンドエフェクタに取り付けられた第1のアレイと、(例えば、第1のアレイと初期アクセスツールとの間の、)初期アクセスツールに取り付けられた第2のアレイと、を更に備えてもよい。
【0069】
第2の例では、方法が、ロボット手術システムを提供することであって、ロボット手術システムが、ロボットアームと、ロボットアームに取り付けられており、初期アクセスツールと、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、又はタップ加工ツールのうちの1つ又は2つ以上とを保持するように適合されているアクセスガイドを保持するエンドエフェクタと、エンドエフェクタに取り付けられたナビゲーションアレイと、エンドエフェクタを位置決めするためにロボットアームを動作させるように構成されたコントローラと、を備える、ことと、患者の骨表面にアクセスすることと、骨表面を初期アクセスツールと接触させることと、骨表面を、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、又はタップ加工ツールのうちの1つ又は2つ以上と接触させることと、を含む。いくつかの実施形態では、バーリング加工ツール、ドリル加工ツール、及びタップ加工ツールの各々が、使用され、各々が、アクセスガイド内に順に保持される。
【0070】
第3の例では、ロボット手術システムと共に使用するための器具セットであって、セットは、アクセスガイドと、初期アクセスツールであって、ハウジングと、ハウジングから延在するシャフトと、を備え、かつシャフトの遠位端から離隔されたステップを有する、初期アクセスツールと、ステップの下でシャフトの上に配置するための剛性スリーブと、ステップの下でシャフトの上に配置するためのばねと、シャフトの遠位端と係合するための少なくとも1つの分離可能な先端と、を備え、ハウジングは、アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、器具セットが提供される。器具セットが、鈍い分離可能な先端と、鋭い分離可能な先端と、を更に備えてもよい。ハウジングが、アクセスガイドの近位部分の複数の窪みと係合するためのロックボタンを保持する。アクセスガイドが、遠位端に配設された複数の歯又は滑らかな面取り部を有してもよい。器具セットが、シャフトとアクセスガイドとの間に介在させるための第2のガイドを更に備えてもよい。第2のガイドが、遠位端に配設された複数の歯を有してもよい。
【0071】
〔実施の態様〕
(1) ロボットアームを含むロボット手術システムであって、
前記ロボットアームに取り付けられており、アクセスガイドを保持するエンドエフェクタと、
前記アクセスガイドに分離可能に接続された初期アクセスツールと、を備え、前記初期アクセスツールは、
ハウジングと、
前記アクセスガイドを通って、前記ハウジングから同軸に延在するシャフトと、
前記シャフトに取り付けられており、前記エンドエフェクタの遠位の前記アクセスガイドの一部分から突出する遠位先端と、を備え、
前記ハウジングは、前記アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、ロボット手術システム。
(2) 前記先端が、剛性の鈍い先端、後退可能な鈍い先端、中央インデックス点を有する剛性の概ね鈍い先端、剛性の鋭い先端、又は後退可能な鋭い先端である、実施態様1に記載のロボット手術システム。
(3) 前記ハウジングが、前記アクセスガイドと係合するためのロックボタンを保持する、実施態様1に記載のロボット手術システム。
(4) 前記ロックボタンが、前記ハウジングの開口部内に配設されている、実施態様3に記載のロボット手術システム。
(5) 前記アクセスガイドが、前記ロックボタンと係合するために、前記エンドエフェクタの近位の前記アクセスガイドの一部分に複数の窪みを有する、実施態様3に記載のロボット手術システム。
【0072】
(6) 前記アクセスガイドが、前記エンドエフェクタの遠位の端に配設された複数の歯を有する、実施態様1に記載のロボット手術システム。
(7) 前記アクセスガイドが、前記エンドエフェクタの遠位の端に配設された滑らかな面取り部を有する、実施態様1に記載のロボット手術システム。
(8) 前記シャフトと前記アクセスガイドとの間に介在する第2のガイドを更に備える、実施態様1に記載のロボット手術システム。
(9) 前記ハウジングが、前記アクセスガイドと係合し、かつ前記第2のガイドを前記ハウジングと前記アクセスガイドとの間に閉じ込めるためのロックボタンを保持する、実施態様8に記載のロボット手術システム。
(10) 前記ハウジングが、前記第2のガイドと係合し、かつ前記第2のガイドに対する回転を防止するためのロックボタンを保持する、実施態様8に記載のロボット手術システム。
【0073】
(11) 前記第2のガイドが、前記ロックボタンと係合するために、前記エンドエフェクタの近位の前記第2のガイドの一部分に複数の窪みを有する、実施態様10に記載のロボット手術システム。
(12) 前記第2のガイドが、前記アクセスガイドのスロットと係合するためのピンを有し、それによって、前記ハウジングと、前記第2のガイドと、前記アクセスガイドとの間の回転を防止する、実施態様10に記載のロボット手術システム。
(13) 前記第2のガイドが、前記エンドエフェクタの遠位の端に配設された複数の歯を有する、実施態様8に記載のロボット手術システム。
(14) 前記エンドエフェクタに取り付けられた第1のアレイと、前記初期アクセスツールに取り付けられた第2のアレイと、を更に備える、実施態様1に記載のロボット手術システム。
(15) ロボット手術システムと共に使用するための器具セットであって、
アクセスガイドと、
ハウジングと、前記ハウジングから延在するシャフトと、を備え、かつ前記シャフトの遠位端から離隔されたステップを有する、初期アクセスツールと、
前記ステップの下で前記シャフトの上に配置するための剛性スリーブと、
前記ステップの下で前記シャフトの上に配置するためのばねと、
前記シャフトの前記遠位端と係合するための少なくとも1つの分離可能な先端と、を備え、
前記ハウジングは、前記アクセスガイドに対する回転を防止するように適合されている、器具セット。
【0074】
(16) 鈍い分離可能な先端と、鋭い分離可能な先端と、を更に備える、実施態様15に記載の器具セット。
(17) 前記ハウジングが、前記アクセスガイドの近位部分の複数の窪みと係合するためのロックボタンを保持する、実施態様15に記載の器具セット。
(18) 前記アクセスガイドが、遠位端に配設された複数の歯又は滑らかな面取り部を有する、実施態様15に記載の器具セット。
(19) 前記シャフトと前記アクセスガイドとの間に介在させるための第2のガイドを更に備える、実施態様15に記載の器具セット。
(20) 前記第2のガイドが、遠位端に配設された複数の歯を有する、実施態様19に記載の器具セット。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
【国際調査報告】