(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】機械工具と電力供給装置とを含むシステム及び電力供給装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20241108BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20241108BHJP
H01M 50/571 20210101ALI20241108BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20241108BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20241108BHJP
H01R 13/03 20060101ALI20241108BHJP
H01R 13/11 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/247
H01M50/571
H01M50/298
H01M50/213
H01R13/03 D
H01R13/11 302A
H01R13/11 302P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532982
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022081905
(87)【国際公開番号】W WO2023099196
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】イェンス コンドラティウク
(72)【発明者】
【氏名】マークス ホルバーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト シュタンガー
(72)【発明者】
【氏名】レネ リヒター
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA22
5H040AA36
5H040AS19
5H040AT01
5H040CC13
5H040CC23
5H040DD07
5H040DD16
5H040DD22
5H040DD23
5H040LL01
5H040LL04
5H040LL06
5H040NN05
5H043AA03
5H043BA18
5H043BA19
5H043CA02
5H043DA06
5H043DA11
5H043DA13
5H043HA22D
5H043HA23D
5H043JA01D
5H043KA01D
5H043KA07D
5H043KA12D
5H043KA19D
5H043LA02D
(57)【要約】
本発明は、機械工具(10)と電力供給装置(20)とを含むシステム(100)に関し、電力供給装置(20)は、機械工具(10)に電力を供給するために設けられる。電力供給装置(20)は、インターフェース(30)によって機械工具(10)に着脱可能に接続することができ、インターフェース(30)は、少なくとも1つの雌型接触相手部(40)及び1つの雄型接触相手部(50)を含む。インターフェース(30)は、0.4ミリオーム未満、好ましくは0.3ミリオーム未満、特に好ましくは0.2ミリオーム未満の、1つの極当たりの総電気接触抵抗(22,24)を有する。接触相手部(40,50)のうちの少なくとも1つは第1のコーティング(110)を有し、第1のコーティング(110)は、30%未満のグラファイト含有率を有する。更に、インターフェース(30)は、6個を超える、好ましくは8個を超える、最も好ましくは12個を超える個々の接点(46)を有してもよい。本発明は、提案されるシステム(100)で使用するための電力供給装置(20)にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具(10)と、前記電動工具(10)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(20)とを含むシステム(100)であって、前記エネルギー供給装置(20)は、インターフェース(30)を介して前記電動工具(10)に着脱可能に接続することができ、前記インターフェース(30)は、少なくとも雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)を含む、システム(100)において、
前記インターフェース(30)は、0.4ミリオーム未満、好ましくは0.3ミリオーム未満、特に好ましくは0.2ミリオーム未満の、1つの極(22、24)当たりの総電気境界抵抗を有し、前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは第1のコーティング(110)を有し、前記第1のコーティング(110)は、30%未満のグラファイト割合を有する、ことを特徴とする、システム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のシステム(100)において、
前記インターフェース(30)は、1つの極(22、24)当たり少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個、特に好ましくは少なくとも12個の個々の接点(46)を有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステム(100)において、
質量パーセントでの前記第1のコーティング(110)の銀の割合は、70%を超える領域、好ましくは95%を超える領域にあることを特徴とする、システム(100)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(100)において、
前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは、第2のコーティング(120)を有し、質量パーセントでの前記第2のコーティング(120)のニッケルの割合は、83%を超える領域にあることを特徴とする、システム(100)。
【請求項5】
請求項4に記載のシステム(100)において、
前記第2のコーティング(120)は、前記接触相手部(40、50)の基材(130)に対する前記第1のコーティング(110)の接着を向上させるように構成されることを特徴とする、システム(100)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム(100)において、
前記第1のコーティング(110)及び前記第2のコーティング(120)の合計厚さは、4μmを超える領域、好ましくは8μmを超える領域、最も好ましくは10μmを超える領域にあることを特徴とする、システム(100)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム(100)において、
前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは、その表面(140)上に微細構造(150)を有し、前記微細構造(150)は、0.3μmを超える低減されたピーク高さ及び/又は0.3μmを超える低減された溝深さを有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項8】
請求項7に記載のシステム(100)において、
前記微細構造(150)は、前記少なくとも1つの接触相手部(40、50)の前記表面(140)上で周期的に繰り返されることを特徴とする、システム(100)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム(100)において、
前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは、その表面(140)上に潤滑剤(160)を有し、前記潤滑剤(160)は、質量パーセントで40%を超える油の割合を有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項10】
請求項9に記載のシステム(100)において、
前記潤滑剤(160)は、増粘のための少なくとも1種類の固体を含有し、前記固体は、金属石鹸及び/又はポリ尿素を含む、ことを特徴とする、システム(100)。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のシステム(100)において、
前記潤滑剤(160)は、摩耗保護及び/又は非鉄金属の不活性化のための少なくとも1種類の添加剤を含むことを特徴とする、システム(100)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム(100)において、
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの弾性電流導体(26)を有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム(100)において、
前記インターフェース(30)の前記接触相手部(40、50)は、プラグ接続を介して着脱可能に互いに接続することができることを特徴とする、システム(100)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、
前記エネルギー供給装置(20)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セル(28)を有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有することを特徴とする、エネルギー供給装置(20)。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、
前記エネルギー供給装置(20)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セル(28)を有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、表面積A及び体積Vを有し、前記体積に対する前記表面積の比率A/Vは、前記体積の立方根の逆数の6倍より大きく、好ましくは8倍より大きく、特に好ましくは10倍より大きいことを特徴とする、エネルギー供給装置(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具とエネルギー供給装置とを含むシステムであって、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するために設けられる、システムに関する。エネルギー供給装置は、インターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続することができ、インターフェースは、少なくとも雌型接触相手部及び雄型接触相手部を含む。インターフェースは、0.4ミリオーム未満、好ましくは0.3ミリオーム未満、特に好ましくは0.2ミリオーム未満の、1つの極当たりの総電気境界抵抗を有する。接触相手部のうちの少なくとも1つは第1のコーティングを有し、第1のコーティングは、30%未満のグラファイト割合を有する。加えて、インターフェースは、1つの極当たり6個を超える、好ましくは8個を超える、最も好ましくは12個を超える個々の接点を含んでもよい。第2の態様では、本発明は、提案されるシステムで使用するためのエネルギー供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるコードレス電動工具、例えばコードレスドライバー、ドリル、鋸、グラインダー等は、電力供給目的のためにエネルギー供給装置に接続され得る。エネルギー供給装置は、例えば、充電式バッテリとして構成され得るか又はそれを含み得る。充電式バッテリは、通常、アキュムレータセルとしても既知である複数のエネルギー貯蔵セルを有し、これらにより電気エネルギーを受け取り、貯蔵し、再び放出し得る。充電式バッテリを電動工具に接続した場合、エネルギー貯蔵セルに貯蔵された電気エネルギーは、電動工具の消費部(例えば、ブラシレス電気モータ)に供給され得る。充電目的のために、即ちエネルギー貯蔵セルに電気エネルギーを印加するために、充電式バッテリは、充電器等の充電装置に接続され、それにより電気エネルギーがエネルギー貯蔵セルに入ることができるようにする。
【0003】
例えば、独国特許出願公開第102015110308A1号明細書は、少なくとも1つの接点を有するバッテリパックを開示しており、この接点を介して回路基板を固体導電体としてのバスバーに接続することができる。
【0004】
米国特許出願公開第20140087246A1号明細書は、例えば、車両に固定して搭載され得るバッテリを説明している。
【0005】
独国特許出願公開第102016120329A1号明細書は、電気装置又はエネルギーアキュムレータ用の接続装置を説明している。
【0006】
米国特許出願公開第20190259985A1号明細書は、バッテリパック、エネルギー供給のためにバッテリパックを用いる電気装置、及び電気装置システムを開示している。異なる電圧のバッテリを電気装置に固定するために種々のインターフェースが提案されている。
【0007】
中国特許出願公開第112670723A号明細書は、バッテリパック電極板及びバッテリパックを説明している。バッテリパックは、バッテリパック電極パネルを含む。電極フィルムが、バッテリパックと、供給される電気装置との間の接触面積を拡大するために用いられる。
【0008】
将来のバッテリ技術は、長い耐用年数及び高い放電電流によって特徴付けられるであろう。これは、エネルギー供給装置から電動工具に伝送されるべき電流が以前よりも高くなり、エネルギー供給装置の耐用年数も現在のエネルギー供給装置と比較して延びるであろうことを意味する。電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースは、特段の技術的課題となっている。インターフェースにおいては、電動工具の電気接触子及びエネルギー供給装置の電気接触子(「接触相手部」)は、エネルギー貯蔵セルに貯蔵される電気エネルギーが充電式バッテリから電動工具に伝達され得るように互いに接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの将来のバッテリ技術の増大する化学的及び/又は電気的要件を満たすために、本発明の目的は、電動工具及びエネルギー供給装置のシステム並びにエネルギー供給装置を提供することであり、それによりインターフェースの電力密度を向上させ、その耐用年数を延長することができる。特に、業界は、以前よりも高い電流をエネルギー供給装置から電動工具に伝送することができるインターフェース、及び将来のバッテリ技術の最適な利用を保証することができるインターフェースを歓迎するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。独立請求項の主題に関係する有利な実施形態が、従属請求項に見出され得る。
【0011】
本発明の説明
本発明によれば、電動工具と、電動工具に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置とを含むシステムが提供され、エネルギー供給装置は、インターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続することができ、インターフェースは、少なくとも雌型接触相手部及び雄型接触相手部を含み、インターフェースは、0.4ミリオーム未満、好ましくは0.3ミリオーム未満、特に好ましくは0.2ミリオーム未満の、1つの極当たりの総電気境界抵抗を有する。接触相手部のうちの少なくとも1つは第1のコーティングを有し、第1のコーティングは、30%未満のグラファイト割合を有する。1つの極当たりのインターフェースの総電気境界抵抗は、0.4ミリオーム未満、好ましくは0.3ミリオーム未満、特に好ましくは0.2ミリオーム未満の値を有するので、驚くほど高い電流をエネルギー供給装置から電動工具に伝送することができるシステムを提供することができる。これらは、50アンペア(A)を超える、好ましくは70Aを超える、最も好ましくは100Aを超える程度の定電流であることが好ましい。このようにして、強力な又は高出力のエネルギー供給装置を最適に利用し、その貯蔵された電気エネルギーを電動工具に最適に伝送してもよい。提案されるインターフェースは、将来のセル技術に関連し得る高い電気的負荷及び機械的負荷に耐えることができ、これらの将来のセル技術の最適な利用を可能にするように、特に堅牢で耐久性があることがわかっている。総電気境界抵抗の減少は、有利には、インターフェースの電流搬送容量の増加につながり、それにより、本発明は、より高い電力クラスの電動工具、即ち特に高出力の電動工具の、動作又はそれらの電動工具への電気エネルギーの供給を可能にする。境界抵抗における電力損失が低下すると、有利には、周囲のコンポーネントの熱負荷が低減されることがある。特に、それにより、熱可塑性材料のコンポーネントが、過剰な熱の影響による損傷から効果的に保護されてもよい。
【0012】
本発明に関連して、「1つの極当たりの総電気境界抵抗」が測定されるという表現は、好ましくは、本発明の意味では、総電気境界抵抗が電動工具及びエネルギー供給装置のシステムの2つの電流方向のうちの1つにおいて測定されることを意味する。好ましくは、第1の電流経路は、エネルギー供給装置の正極と、電動工具、特に電動工具内部の消費部との間に存在し、第2の電流経路は、電動工具、特に電動工具内部の消費部と、エネルギー供給装置の負極との間に存在する。電流経路のこのコースを例えば
図18に示す。本発明に関連して、エネルギー供給装置の正極は、カソードと指定される一方、エネルギー供給装置の負極は、アノードと指定されることが好ましい。従って、第1の電流経路は、エネルギー供給装置のカソードと電動工具の消費部との間に存在し、第2の電流経路は、電動工具の消費部とエネルギー供給装置のアノードとの間に存在することが好ましい。
図18に示す例示的な実施形態では、例えば、インターフェースの総電気境界抵抗は、この図の上部に示す第1の電流経路で測定される。好ましくは、総電気境界抵抗は、エネルギー供給装置の正極と電動工具との間で測定される。好ましくは、オーム計が総電気境界抵抗を測定するために用いられ、測定電流供給装置が、オーム計に並列に接続される。オーム計は、好ましくは、電気抵抗のための測定装置を構成し、この測定装置は、本発明に関連して生じる特に低い総電気境界抵抗も検出するように構成されることが好ましい。オーム計は、従って、好ましくは抵抗計としても知られている。測定電流供給装置は、好ましくは、電源を含むか又は電源によって形成されてもよい。測定電流供給装置は、好ましくは、電流を出力するように構成され、本発明に関連して、例えば1アンペアの電流が測定電流供給装置によって出力される。
【0013】
好ましくは、接触相手部は、プラグ接続を介して着脱可能に互いに接続することができる。本発明の意味では、インターフェースの雄型及び雌型接触相手部は、工具なしで互いに接続できることが特に好ましい。電動工具とエネルギー供給装置とは何度も互いに接続されるので、接触相手部同士が簡単に接続可能であることが特に有利である。従って、提案されるインターフェースは、プラグ接続を介して接触相手部の特に簡単な接続を可能にし、このプラグ接続は、耐久性があり、且つ、電動工具の使用によるエネルギー供給装置の各放電後に分離され、エネルギー供給装置の充電後に再接続されるように設計される。従って、提案されるシステムのインターフェースは、例えば、電流又は電気エネルギーがエネルギー供給装置の内部で伝送される、先行技術で公知の電流伝送解決策とは異なる。加えて、本発明に関連して説明するインターフェースは、技術装置又は車両に、一度のみではあるが永続的に接続されるインターフェースとは異なる。例えば、取付又は設置中、エネルギー供給装置は、ねじ接続を介して車両に恒久的に接続されることがあり、そのようなエネルギー供給装置は、その場合、長時間車両内に留まる。本発明は、インターフェースの接触相手部が、特に耐久性があり堅牢なプラグ接続を介して、好ましくは工具なしで互いに接続され得るという点で、かかるねじ接続とは異なる。むしろ、エネルギー供給装置が作業の実行のために定期的に交換されることは、提案される電動工具の適切な使用の一部である。換言すれば、動作指示に従って電動工具を用いる際、エネルギー供給装置は、定期的に交換され、好ましくはエネルギー供給装置のエネルギーが「消費」され、エネルギー供給装置が再充電されなければならない場合、即ち例えば充電器で再び充電されなければならない場合に交換される。本発明の意味では、エネルギー供給装置は、電動工具のユーザによって工具なしに取り外すことができることが極めて特に好ましく、これは、設置プロセス中に電気装置又は車両に設置されるエネルギー供給装置の場合には当てはまらない。有利には、エネルギー供給装置は、特別な工具を持ち運ぶ必要なく、ユーザによって電動工具から取り外されてもよい。かかる工具不要のエネルギー供給装置の取り外しは、エネルギー供給装置のエネルギーが「消費」され、エネルギー供給装置が交換又は再充電されなければならない場合に常に繰り返されることが好ましい。電動工具からの及び電動工具へのエネルギー供給装置の好ましくは定期的な取り外し及び挿入は、好ましくは、本発明の意味では、「取り外し又は挿入サイクル」としても知られる。
【0014】
本発明の意味では、電動工具及びエネルギー供給装置は、「インターフェースの接続相手」として知られることが好ましい。好ましくは、インターフェースの接続相手は、少なくとも1つの接触相手部をそれぞれ有し、本発明の意味では、インターフェースの各接続相手は、2つ以上の接触相手部を有することが特に好ましい。接触相手部は、雌型又は雄型接触相手部として構成されてもよく、いずれの場合にも1つの雌型及び1つの雄型接触相手部がそれぞれの電流伝送対を形成してもよい。例えば、インターフェースの各接続相手が2つの好ましくは相互に対応する接触相手部を有する場合、例えば、2つの電流伝送対が形成され得る。本発明の意味において「対応する」という用語は、1つの雌型及び1つの雄型接触相手部が、それらが一緒に電流伝送対を形成するように構成されるので、雌型接触相手部が雄型接触相手部に対応することを意味する。例えば、接触相手部は、互いに差し込むことができるプラグ接触子として構成されてもよい。特に、雄型接触相手部のブレードが、雌型接触相手部の受入クランプ端子に挿入されてもよい。明らかに、他の接続方法も本発明に関連して好ましい。本発明の意味では、インターフェースの接続相手の接触相手部は、通信接触子又は素子と区別するために電力接触子として説明されることが好ましい。電力接触子は、好ましくは、エネルギー供給装置から電動工具の方向に電気エネルギーを伝送するように構成されるのに対して、通信接触子又は素子は、インターフェースの接続相手間でデータを交換するように構成されてもよい。
【0015】
本発明の意味では、電動工具及びエネルギー供給装置は、それぞれ接触相手部の群を含むことが好ましい。例えば、エネルギー供給装置は、1つの群又は複数の雌型接触相手部を有してもよく、一方、電動工具は、1つの群又は複数の雄型接触相手部を有する。明らかに、接触相手部の配置は、逆にされてもよい、即ち、電動工具は、1つの群の雌型接触相手部を有してもよく、一方、エネルギー供給装置は、1つの群の雄型接触相手部を有する。本発明の意味では、電動工具及びエネルギー供給装置は、「混合された」群の接触相手部、即ち雌型と雄型の両方の接触相手部を有することが好ましい場合もある。電動工具又はエネルギー供給装置が例えば4つの接触相手部を有する場合、例えば2つ又は3つの接触相手部を雄型接触相手部として構成し、残りの接触相手部を雌型接触相手部として構成してもよい。
【0016】
本発明の意味では、インターフェースの接触相手部、即ち電動工具及びエネルギー供給装置は、対応する数の接触相手部を有することが好ましい。本発明の意味では、電動工具及びエネルギー供給装置は、同数の接触相手部を有することが好ましい。例えば、電動工具が4つの雄型接触相手部を有する場合、本発明の意味では、エネルギー供給装置も4つの接触相手部を有することが好ましいことがあり、この場合、好ましくは4つの雌型接触相手部を有する。本発明のこの例示的な実施形態では、4つの電流伝送対が形成されてもよく、これらを介して電気エネルギーをエネルギー供給装置から電動工具に伝送することができる。しかし、本発明の意味では、電動工具の接触相手部の数と、エネルギー供給装置の接触相手部の数とが異なることが同様に好ましい場合がある。本発明のこの例示的な実施形態では、電動工具は、例えば、4つの雄型を有し、エネルギー供給装置は、2つの雌型接触相手部を有してもよい。エネルギー供給装置が電動工具に接続される場合、好ましくは2つの電流伝送対のみが形成され、これらを介して電気エネルギーをエネルギー供給装置から電動工具に伝送することができる。好ましくは、本発明のこの例示的な実施形態では、電動工具の2つの雄型接触相手部は、割り当てられていないために未使用又は空のままであり、本発明のこの例示的な実施形態では、エネルギー供給装置から電動工具への電気エネルギーの伝送に寄与しない。本発明の意味では、電動工具が2つの雄型接触相手部を有し、エネルギー供給装置が4つの雌型接触相手部を有することも好ましい場合がある。本発明のこの例示的な実施形態では、接続時、エネルギー供給装置の2つの雌型接触相手部は、未使用又は未占有のままであり、それにより、本発明のこの例示的な実施形態では、それらは、エネルギー供給装置から電動工具への電気エネルギーの伝送に寄与しない。
【0017】
本発明の意味では、インターフェースは、1つの極当たり少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個、最も好ましくは少なくとも12個の個々の接点を含むことが好ましい。本発明者らは、多数の個々の接点がインターフェースの雌型接触相手部と雄型接触相手部との間に設けられる場合に、提案されるシステムのインターフェースの総電気境界抵抗が、特に低減され得ることを見出した。本発明の意味では、少なくとも1つの雌型接触相手部が2つ以上の脚部を有する場合、インターフェースの個々の接点の数を増加させることができることが好ましく、本発明の意味での雌型接触相手部の脚部は、好ましくは、「接触腕部」とも説明されてもよい。本発明のこの例示的な実施形態では、インターフェースの少なくとも1つの雌型接触相手部は、例えば、雌型接触相手部が複数の脚部又は接触腕部を有する場合、1つの極当たり少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個、最も好ましくは少なくとも12個の個々の接点を有することが好ましい。
【0018】
本発明の意味では、いずれの場合にも1つの雄型接触相手部及び1つの雌型接触相手部が電流伝送対を形成し、インターフェースの少なくとも1つの電流伝送対が1つの極当たり少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個、最も好ましくは少なくとも12個の個々の接点を有することも好ましい場合がある。本発明の意味では、2つ以上の接触相手部又は2つ以上の電力接触子がインターフェースの各接続相手上に設けられることも好ましい場合がある。次いで、例えば2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超える電流伝送対が形成されてもよく、それぞれは、1つの雌型及び1つの雄型接触相手部を有し、電流伝送対の数がより多いということは、有利には、より多くの電気エネルギーをエネルギー供給装置から電動工具に伝送できることを意味する。加えて、電流伝送対の数がより多いことは、より高い電流レベルをエネルギー供給装置から電動工具に伝送できることを意味してもよい。これらは、50アンペア(A)を超える、好ましくは70Aを超える、最も好ましくは100Aを超える程度の定電流であることが好ましい。
【0019】
本発明者らは、接触相手部の少なくとも1つが第1のコーティングを有し、質量パーセントにおける第1のコーティングの銀の割合が、70%を超える領域、好ましくは95%を超える領域にある場合、耐電流容量を更に向上させることができることを見出した。第1のコーティングを設けることは、有利には、提案されるシステムのインターフェースの総電気境界抵抗を、コーティングされていない接触相手部を有するインターフェースと比較して更に低減させる場合があり、それにより、エネルギー供給装置の電力容量が更により良好に利用され得ることを意味してもよい。試験では、70%を超える、好ましくは95%を超える領域における質量パーセントでの銀部分を有するコーティングが、インターフェースの総電気境界抵抗を驚くほど大幅に低減し、従ってインターフェースの電力密度を更に向上させるのに特に適していることが明らかになった。例えば、第1のコーティングは、これらに限定されないが、銀又は銀グラファイトを含んでもよい。
【0020】
本発明によれば、第1のコーティングは、個々の接点の領域にあることが好ましい。本発明の意味での用語「個々の接点」とは、好ましくは、電気エネルギーを伝送するために接続時に接触相手部と当接する接触相手部の点又は領域を意味する。この用語は、好ましくは、本質的にばね付勢された接触腕部を介して相手側、例えば雄型接触相手部のブレードに押圧され得る接触相手部間の局所的な接触点を指す。接点は、接触する点、線、又は領域として構成されてもよい。例えば、図で明らかなように、雌型接触相手部は、通常、接続時に雄型接触相手部のブレードを囲む2つの脚部又は接触腕部を有する。雌型接触相手部が、それぞれが正確に1点で雄型接触相手部に接触する2つの脚部又は接触腕部を有する場合、対応する電流伝送対は、好ましくは、2つの個々の接点を有する。雌型接触相手部の2つの接触腕部のそれぞれが2つの個々の腕部に分割され、個々の腕部がそれぞれ正確に1点で雄型接触相手部に接触する場合、対応する電流伝送対は、好ましくは、4つの個々の接点を有する。本発明に関連して、好ましくは、個々の接点の数は極毎にも与えられる。本発明の意味では、これは、好ましくは、個々の接点の数が、関係する1つの極当たりの接触相手部の数及びこれらの接触相手部の個々の接点の数から生じることを意味する。例えば、第1の電流経路における個々の接点の数は、エネルギー供給装置の正極、即ちカソードに接続される接触相手部又は電流伝送対の数を最初に確立することによって決定されてもよい。例えば、エネルギー供給装置の正極、即ちカソードは、2つの接触相手部に接続されてもよく、これらの2つの接触相手部は、2つの電流伝送対を形成してもよい。エネルギー供給装置の正極に接続された電流伝送対の雌型接触相手部は、それぞれ2つの接触腕部を有し、これらの接触腕部は、例えば、それぞれ4つの個々の接触腕部に分割されてもよい。その場合、それぞれの個々の電流伝送対は、8つの個々の接点(各接触腕部上に4つ、合計8つ)を有し、本発明のこの例示的な実施形態では、1つの極(ここでは正極)当たりの個々の接点の数は、エネルギー供給装置の正極に接続される2つの雌型接触相手部が存在するため、16に達する。換言すれば、この例で考慮される第1の電流経路は、1つの極当たり16個の個々の接点を含む。用語「接続時」とは、好ましくは、エネルギー供給装置が電動工具に接続され、それにより、電気エネルギー又は電流をエネルギー供給装置から電動工具に伝送することができる状態を説明する。好ましくは、第1のコーティングは、少なくとも接触相手部の個々の接点の領域に存在する。第1のコーティングは、接触相手部の他の点にも存在してもよい。
【0021】
本発明の意味では、接触相手部の少なくとも1つが第2のコーティングを有することが好ましく、質量パーセントにおける第2のコーティングのニッケルの割合は、83%を超える領域にある。第2のコーティングは、好ましくは、接触相手部の基材に対する第1のコーティングの接着を向上させるように構成される。第2のコーティングは、従って、接触相手部のニッケルサブコーティングのために有利には用いられてもよい。好ましくは、第2のコーティングは、従って、基材と第1のコーティングとの間に配置される。第1及び/又は第2のコーティングを有する接触相手部の基材は、好ましくは、例えば銅等の高導電性材料であってもよい。好ましくは、第1及び/又は第2のコーティングは、この基材に施されてもよく、好ましくは、最初に第2のコーティングが、後に施されることになる第1のコーティングの良好な接着のための基礎を置くために基材に施されてもよい。試験では、83%を超える領域の、質量パーセントでのニッケルの割合を有するコーティングが、接触相手部の基材と第1のコーティング又は第1のコーティング材料との間の接着を向上させるのに特に適しており、驚くほど良好な接着結果をもたらすことが明らかになった。本発明の意味では、第2のコーティングは、ニッケル及び/又はニッケルリンを含むことが好ましい。
【0022】
本発明の意味では、第1のコーティング及び第2のコーティングの合計厚さは、4μmを超える領域、好ましくは8μmを超える領域、最も好ましくは10μmを超える領域にあることが好ましい。本発明の意味では、これは、好ましくは、第1のコーティングの厚さ及び第2のコーティングの厚さの合計が4μmを超える、好ましくは8μmを超える、最も好ましくは10μmを超え得ることを意味する。試験では、前記領域における第1のコーティング及び第2のコーティングの合計厚さがインターフェースの総電気境界抵抗を更に低減し、従ってインターフェースの電力密度を向上させるのに特に適していることが明らかになった。
【0023】
本発明によれば、第1のコーティングは、30%未満のグラファイトの割合を有することが規定されている。本発明の意味では、第1のコーティングのグラファイトの割合は、30%未満の領域にあることが好ましい。試験では、前記領域における第1のコーティングの30%未満のグラファイトの割合が、特に耐久性があり、且つ堅牢であること、加えて、極めて長い耐用年数にわたってインターフェースの低い総電気境界抵抗、従ってインターフェースの電力密度を得るのに極めて適していることが明らかになった。第2のコーティングは、好ましくは、グラファイトを含まない。表現「第2のコーティングが含まない」とは、本発明の意味では、好ましくはグラファイトが第2のコーティングに含まれることが製造業者によって提供されないことを意味する。しかし、拡散及び原子移動プロセスのため、グラファイト、即ち炭素、又は銅等の異種原子がとりわけ基材又は第1のコーティングに対する境界層の領域に堆積することを排除することはできない。
【0024】
本発明の意味では、接触相手部の少なくとも1つがその表面上に微細構造を有することが好ましく、微細構造は、0.3μmを超える低減されたピーク高さ及び/又は0.3μmを超える低減された溝深さを有する。低減されたピーク高さは、好ましくは、少なくとも1つの接触相手部の表面から突出するかかる要素の平均高さであり得る。低減されたピーク高さは、好ましくは、いわゆるRpk値によって説明されてもよい。低減された溝深さは、好ましくは、少なくとも1つの接触相手部の表面から開始して接触相手部の材料内に延在する溝の平均深さであり得る。低減された溝深さは、好ましくは、いわゆるRvk値によって説明されてもよい。従って、本発明の意味では、微細構造は、0.3μmのRpk値及び/又は0.3μmを超えるRvk値を有することが好ましい。試験では、2つの粗さ値のこの組み合わせが驚くほど低い境界抵抗及びインターフェースの高い耐摩耗性を保証することが明らかになった。本発明の意味では、好ましくは「谷」を形成する溝の構成は、潤滑剤の極めて良好な埋め込みをもたらし、「山(ピーク)」の構成は、2つの接触相手部間の極めて高い局所的表面圧力をもたらすので、前記粗さ値により、特に良好な電気接触を達成することができる。
【0025】
接触相手部の表面は、例えば、雄型接触相手部のブレードの表面であり得る。雌型接触相手部では、接触腕部の内側又は脚部の内側は、接触相手部の表面を形成し、雌型接触相手部の接触腕部又は脚部のこれらの内側は、接続時に雄型接触相手部と当接するものであり、それにより、電気エネルギーをエネルギー供給装置から電動工具に伝達することができるようにする。本発明の意味では、微細構造は、少なくとも1つの接触相手部の表面上で周期的に繰り返されることが好ましい。
【0026】
本発明の意味では、接触相手部の少なくとも1つがその表面上に潤滑剤を有することが好ましく、潤滑剤は、質量パーセントで40%を超える油の割合を有する。これは、好ましくは、本発明の意味では、インターフェースを酸化に対してより堅牢にし、従ってその耐用年数を延長するために、且つインターフェースの電流伝送能力を向上させるために、好ましくはグリース含有潤滑剤を接触相手部の少なくとも1つに塗布できることを意味する。潤滑剤は、有利には、接続中の2つの接触相手部上の研磨摩耗と凝着摩耗の両方を防止してもよい。このようにして、コーティングによっても良好な境界抵抗が保持されるように、コーティングの早すぎる望ましくない摩耗が防止される。コーティングがその耐用年数の終わりに向かってある程度の摩耗を受けるとしても、潤滑剤が、有利には、腐食に弱い基材への空気供給を抑制し、従って有害な酸化を防止するのに役立つ。本発明の意味では、潤滑剤は、例えば、95%までの油の割合、0~10%の添加剤の割合、3~40%の増粘剤の割合、及び0~20%の固体潤滑剤の割合を有することが好ましい。好ましくは、油及び添加剤は、潤滑剤の液体成分を構成し、これらは、好ましくは、潤滑剤の「油の割合」を構成又は確立する。増粘剤及び潤滑剤は、固体であり、潤滑剤の固体の割合を構成する。
【0027】
本発明の意味では、潤滑剤は、増粘のための少なくとも1種の固体を含むことが好ましく、固体は、好ましくは、金属錯体石鹸として構成される金属石鹸及び/又はポリ尿素である。
【0028】
加えて、潤滑剤は、摩耗保護としての少なくとも1種の添加剤、及び/又は非鉄金属の不活性化のための少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。本発明の意味では、摩耗保護のための添加剤は、「摩耗保護添加剤」として説明され得る一方、非鉄金属不活性化のための添加剤は、好ましくは、「非鉄金属不活性化剤」として指定され得る。摩耗保護添加剤は、有利には、インターフェースの耐摩耗性を高めることができる。非鉄金属不活性化剤を用いる場合、基材の非鉄金属の望ましくない酸化が低減又は減少されてもよい。
【0029】
インターフェースの接続相手の接触相手部は、それぞれの装置、即ち電動工具又はエネルギー供給装置にばねによって取り付けられてもよい。本発明の意味では、雄型及び雌型接触相手部の両方又は接触相手部の両方の群がばねによって取り付けられることが好ましい場合がある。本発明の意味では、電動工具の接触相手部とエネルギー供給装置の接触相手部の両方又は接触相手部の両方の群がばねによって取り付けられることが好ましい場合もある。好ましくは、個々の接触相手部は、それぞれ個別にばねによって取り付けられてもよく、本発明の意味におけるこの状況は、好ましくは「個々のばね取付」として指定される。本発明の意味では、電動工具及び/又はエネルギー供給装置は、それぞれの接触相手部を受け入れるための受入装置を含むことが好ましい場合もあり、その場合、例えば、受入装置は、ばねによって取り付けられてもよい。本発明の意味では、ばねによる取付は、電動工具の領域及び/又はエネルギー供給装置の領域で行われることも好ましい。本発明の意味では、用語「ばね取付」とは、好ましくは、ばね取付物体、例えば個々の接触相手部、又は受入装置であって、好ましくは2つ以上の接触相手部を受け入れるか又は組み合わせるように構成された受入装置、がばね取付のための弾性手段を含むことを意味する。ばね取付のためのこの弾性手段は、例えば、ばね等の弾性要素を含んでもよい。ばね取付の詳細は、以下で説明する。ばね取付のための弾性手段は、好ましくは、ばねによって取り付けられることになる接触相手部又は受入装置に作用するように構成される。好ましくは、接触相手部により、電動工具とエネルギー供給装置との間に形状嵌め及び/又は締まり嵌め接続が形成される。本発明の本質的な利点は、特に大きい電流を形状嵌め及び/又は締まり嵌め接続によって伝送することができること、及び、驚くべきことに、接触相手部間の相対距離を、最小まで完全に低減されないとしても、特に短く保つことができることである。このようにして、有利には、電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースの耐用年数を大幅に延ばすことができる。本発明の意味では、インターフェースの雌型及び雄型接触相手部は、好ましくは、インターフェースの「電力接触子」として説明されてもよい。ばね取付のための少なくとも1つの弾性手段を設けることにより、結果として充電式バッテリと電動工具との間の接触接続の相対的な移動及び更には実際の破損を生じ得る、接触相手部に作用する振動及び揺動を簡単に補償することが可能になる。
【0030】
本発明の意味では、ばね取付のための弾性手段が作用する接触相手部は、移動可能に取り付けられることが好ましい。換言すれば、相対的な移動を減少させるための弾性手段が能動的に接続される接触相手部は、移動可能に取り付けられてもよい。本発明の意味では、移動可能に取り付けられた接触相手部及び/又は移動可能に取り付けられた受入装置は、ばねによって取り付けられることが更に好ましい。インターフェースの接続相手毎に2つ以上の接触相手部が設けられる場合、或いは電動工具及び/又はエネルギー供給装置が2つ以上の受入装置を有する場合、本発明の意味では、移動可能に取り付けられた接触相手部及び/又は移動可能に取り付けられた受入装置は、ばねより取り付けられることが好ましい場合がある。このようにして、接触相手部間の相対的移動及び境界抵抗を更に大幅に低減させてもよく、インターフェースの耐用年数を大幅に延ばしてもよい。
【0031】
受入装置は、弾性手段によって移動可能に取り付けられるか又はばねによって取り付けられ得る接触ブロック又は接触手段ブロックを形成してもよい。本発明の意味では、受入装置は、インターフェースの接続相手、即ち電動工具又はエネルギー供給装置、の接触相手部を含むことが好ましい。しかし、本発明の意味では、接続相手の接触相手部の部分量をそれぞれ受け入れることができる幾つかの受入装置が設けられる場合も好ましいことがある。好ましくは、これらの幾つかの受入装置は、ばね取付のための弾性手段がこれらの幾つかの受入装置に作用するという点で、やはりばね取り付けされてもよい。従って、受入装置は、電力接触子、即ち雌型及び雄型接触相手部、並びに/又は通信素子を含んでもよい。本発明に関連して、相対的移動を減少させるための弾性手段は、「接触相手部間の相対的移動を減少させるための弾性手段」又は「弾性手段」としても説明されることが好ましい。
【0032】
好ましくは、相対的移動を減少させるための弾性手段が作用する接触相手部は、接続状態で電動工具又はエネルギー供給装置に対して移動可能であるように取り付けられる。ばね取付が電動工具側に設けられる場合、即ち少なくとも1つの弾性手段が電動工具の接触相手部又は受入装置に作用する場合、電動工具の領域における結果として生じるばね取付は、好ましくは、接続状態で電動工具に対して移動可能であるように、対応する接触相手部を取り付けることに寄与する。ばね取付がエネルギー供給装置側に設けられる場合、即ち少なくとも1つの弾性手段がエネルギー供給装置の接触相手部又は受入装置に作用する場合、エネルギー供給装置の領域における結果として生じるばね取付は、好ましくは、接続状態でエネルギー供給装置に対して移動可能であるように、対応する接触相手部を取り付けることに寄与する。
【0033】
本発明に関連して、少なくとも1つの雄型接触相手部が電動工具に配置されることが好ましい。雄型接触相手部は、インターフェースの雌型接触相手部又は他のシステムコンポーネントに挿入され得るブレードを含んでもよい。本発明の有利な実施形態によれば、雄型接触相手部は、ピン状プラグコネクタ又はブレードとして構成され、インターフェースの雌型接触相手部は、そのピン状プラグコネクタ又はブレードを受け入れるための弾性変形可能な脚部を有するクランプ端子として構成されることが、規定されてもよい。雄型接触相手部は、突出領域及び停止部によって形成されてもよく、突出領域は、エネルギー供給装置が電動工具に接続されるインターフェースの接続状態(「接続時」)において雌型接触相手部の1つに挿入される。非接続状態では、電動工具とエネルギー供給装置とは、互いに独立及び分離していてもよい。これは、例えば、エネルギー供給装置が充電中であり、充電器内に配置されている場合であり得る。本発明に関連して、少なくとも1つの雄型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることも好ましい場合がある。
【0034】
エネルギー供給装置は、好ましくは、少なくとも1つの充電式バッテリ(アキュムレータ)を含んでもよく、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するように構成される。電気エネルギーは、特に電動工具がインターフェースによってエネルギー供給装置に接続されている接続状態でエネルギー供給装置から電動工具に出力される。雌型及び雄型接触相手部は、接続時に互いに係合し、それにより、電流又はエネルギーが接触領域を介して接触相手部間を流れることができる。
【0035】
ばね取付のための少なくとも1つの弾性手段は、好ましくは、ばね等の少なくとも1つの弾性要素を含んでもよい。ここで、弾性要素は、ばねの形態で、特に渦巻きばね、曲げばね、又はコイルばねとして構成されてもよい。代替として、弾性要素は、弾性変形可能な材料のコンポーネントとして構成されてもよい。この場合、エラストマーも可能な材料である。従って、複数の方向、即ち接続要素に向かう方向又は接続要素から離れる方向だけではない複数の方向の、接続要素の振動に関連する動きを容易に打ち消すことが可能である。加えて、インターフェースの接触相手部間の望ましくない相対的移動を、弾性要素の使用によって効果的に短縮させてもよい。
【0036】
本発明の意味では、雌型接触相手部への挿入時、雄型接触相手部は、弾性手段が応力状態になるように少なくとも1つの弾性手段を圧縮することが好ましい。この圧縮は、好ましくは、弾性変形又は圧縮を成してもよい。好ましくは、用語「圧縮」及び「弾性変形」並びに対応する動詞は、本発明に関連して同義的に用いられる。弾性手段の圧縮は、有利には、応力状態をもたらす。代替として又は追加として、少なくとも1つの雄型接触相手部は、ばねによっても取り付けられ得る。本発明の意味での用語「ばね取付」とは、ばねによって取り付けられた接触相手部が接触相手部間の弾性手段に能動的に接続されることを意味する。換言すれば、接触相手部間の弾性手段は、接触相手部の1つに作用してもよく、それにより有利には、対応する接触相手部のばね取付が達成される。本発明の意味では、エネルギー供給装置と電動工具とが一緒に接続されている接続状態又はロック状態において、少なくとも1つの弾性手段は、応力状態又は張力状態にあることが好ましい。本発明の意味では、弾性手段は、エネルギー供給装置内の力の流れが閉じられている非嵌合状態であってもプレストレスを与えられることが好ましい。これにより、少なくとも1つの雌型接触相手部は、エネルギー供給装置上に載置されてもよい。少なくとも1つの弾性手段に応力を加えることにより、特に接触子システムが接続された状態において、雄型及び雌型接触相手部は、特に良好な接触が接触相手部間に形成されるように互いに対して堅固に押圧される。接触相手部のこの「ばね付勢された」接触又は接触相手部の特に緊密な接触のため、結果として生じる接触の電力密度を著しく増加させることができ、従って50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、又は特に好ましくは100アンペアを超える領域の定電流を伝送することが可能である。また、提案される接触システムの耐用年数を実質的に延ばすこともできるため、提案される接触システムは、インターフェースに対するより高い機械的要件及び/又は電気的要件を本発明によって最適に満たすことができることから、長い耐用年数及び/又は高い出力電流を有するエネルギー供給装置に特に適している。
【0037】
本発明の意味では、エネルギー供給装置が電動工具に接続される場合、エネルギー供給装置は、例えば、電動工具のキャビティ内に導入されることが好ましい。「エネルギー供給装置」及び「電動工具」の接続相手間の電気的な接続を生成するために、第1のステップでは、接触相手部を互いに接触させる。これは、好ましくは、雄型接触相手部のブレードが雌型相手部の受入端子に導入されることにおいて行われる。このプロセスは、好ましくは、本発明の意味では、「接触相手部を一緒にすること」とも呼ばれる。特に、本発明の意味では、移動可能に取り付けられた接触相手部は、固定された接触相手部に押圧されることが好ましく、移動可能に取り付けられた接触相手部の領域において、移動の遊び又は自由度が、本発明によって有利に提供される。次いで、第2のステップでは、少なくとも1つの弾性手段に応力が加えられ、例えば弾性要素が圧縮又は弾性変形される。次いで、追加の機械的固定又はロック機構が係合してもよく、例えば、ロック要素が、この目的のために設けられた凹部、窪み又はアンダーカットに係合するか又は載置されてもよい。本発明の意味では、弾性要素の応力がロック状態で存在することが特に好ましい。換言すれば、特に弾性要素は、エネルギー供給装置が電動工具に接続される場合に圧縮される。ばねによって取り付けられた接触相手部又は受入装置の移動の有利な遊び及び自由度は、好ましくは、接続状態でも存在する。本発明の意味では、エネルギー供給装置の電動工具へのロックは、インターフェースの力の流れで行われることが好ましい。
【0038】
従って、本発明に関連して、エネルギー供給装置を電動工具に接続するための方法が開示され、この方法は、以下の方法ステップによって特徴付けられる。
a)エネルギー供給装置及び電動工具の接触相手部を一緒にすること、
b)ばね取付のための少なくとも1つの弾性手段に応力をかけること、
c)エネルギー供給装置を電動工具に安定して固定するように任意のロック要素を係合させること。
【0039】
本発明に関連して、少なくとも1つの雌型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることが好ましい。少なくとも1つの雌型接触相手部は、好ましくは、雄型接触相手部のブレードを受け入れるように構成される受入端子によって形成されてもよい。このために、雌型接触相手部は、弾性材料の2つの脚部を有してもよく、脚部は、雄型接触相手部が雌型接触相手部又は受入端子の内部に位置するようになるように、雄型接触相手部の挿入時に押し離される。この事例は、本発明の意味では、インターフェースの接続状態又はプラグ接続状態と称される。雌型接触相手部の脚部を形成する材料の弾性により、この接続状態にある雌型接触相手部の受入端子の脚部は、雄型接触相手部のブレード又は突出領域を押圧し、それにより、接触領域が接触相手部間に生成される。好ましくは、電流又はエネルギーが、この接触領域を介して接触相手部間で交換され、それにより、電流又は電気エネルギーがエネルギー供給装置から電動工具に向かって流れることができるようにする。本発明に関連して、少なくとも1つの雌型接触相手部が電動工具上に配置されることも好ましい場合がある。
【0040】
雌型接触相手部の脚部は、好ましくは、雄型接触相手部への接触領域において銅等の良導体から形成されてもよい。加えて、雌型接触相手部は、ばね鋼のオーバースプリングを含んでもよく、オーバースプリングは、好ましくは、接続時に安定した接触が雌型と雄型接触相手部間に存在するように、雌型接触相手部の脚部を一緒に押圧するように構成される。ばね鋼と同様に、弾性特性を有する他の金属又は金属合金を用いて雌型接触相手部を作製してもよい。電気エネルギーを伝達するために用いられる接触領域について、例えばCuFe2P又はCuCrSiTi等、良好な導電性、高い降伏強度、及び/又は低い緩和を有する材料が特に好ましい。接触領域は、好ましくは、雌型接触相手部の脚部の内側に位置してもよく、そこで、それらは、接続時に雄型接触相手部のブレードと当接する。
【0041】
試験では、インターフェースにばね取付のための弾性手段を設けることにより、インターフェースの接触相手部間の摩擦腐食(フレッチング)を実質的に低減できることが明らかになった。このようにして、例えば、接触相手部のより低い品質で安価なコーティングを用いてもよく、又は、相対的移動を減少させるために少なくとも1つの弾性手段を使用するとインターフェースのより長い耐用年数及びより高い電力密度がもたらされ、本発明の意味では、より高い電力密度は、好ましくは、より高い電流が雄型及び雌型接触相手部のインターフェースを通して伝送できることを意味する。
【0042】
本発明は、エネルギー供給装置の望ましくない移動又は振動を防止することはできないが、相対的移動を減少させるための少なくとも1つの弾性手段は、有利には、接触及び振動の影響を受けやすいエネルギー供給装置及び/又は電動工具の雄型及び雌型接触相手部の対がそれらの移動及び振動から切り離され、従って保護されることを保証する。
【0043】
本発明の意味では、少なくとも1つの雄型及び1つの雌型接触相手部がいずれの場合にもユニットを形成することが好ましく、接続状態において、このユニットは、エネルギー供給装置及び/又は電動工具の移動から切り離される。有利には、雄型及び雌型接触相手部のユニットとエネルギー供給装置とのこの切り離しは、特に、接触相手部の1つ又は少なくとも1つの雄型及び雌型接触相手部のユニットに作用する少なくとも1つの弾性ばね取付手段によって達成される。換言すれば、本発明の意味では、弾性手段は、接触相手部の1つ又は雄型及び雌型接触相手部のユニットに作用するように構成されることが好ましい。エネルギー供給装置からのユニットの切り離しは、特に、少なくとも1つの弾性手段がエネルギー供給装置に存在する場合に生じる。本発明に関連して、少なくとも1つの弾性手段が電動工具に配置されることも好ましい場合がある。この場合、雄型及び雌型接触相手部のユニットは、好ましくは、電動工具から切り離されてもよい。
【0044】
本発明の意味では、インターフェースが、少なくとも1つの雌型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雄型接触相手部を受け入れるための受入装置を含む場合も好ましい。換言すれば、受入装置は、少なくとも1つの雌型接触相手部若しくは少なくとも1つの雄型接触相手部、又は少なくとも1つの雌型及び少なくとも1つの雄型接触相手部を受け入れるように構成されてもよい。本発明の好ましい例示的な実施形態では、受入装置は、少なくとも1つの雌型接触相手部を受け入れてもよい。本発明の意味では、雌型接触相手部は、インターフェース上に個々に配置されるか、又はそれらは、受入装置の一部であることが好ましい場合があり、個々の雌型接触相手部又は受入装置は、電動工具又はエネルギー供給装置のいずれか一方のコンポーネントであってもよい。本発明の意味では、個々の雌型接触相手部又は受入装置がエネルギー供給装置の一部であることが最も好ましい。
【0045】
本発明の意味では、エネルギー供給装置は、偶数の接触相手部を有することが好ましく、接触相手部は、雌型及び/又は雄型接触相手部であってもよい。エネルギー供給装置は、好ましくは、正極及び負極を有し、2つの極のそれぞれは、接触相手部に接続される、即ち接触相手部を有する。例えば、エネルギー供給装置は、個別に又は接触ブロックでばねによって取り付けられ得る2つ、4つ、6つ、8つ又はそれを超える接触相手部を有してもよい。好ましくは、接触相手部の半分は、エネルギー供給装置の負極に割り当てられ得る一方、接触相手部の他の半分は、エネルギー供給装置の正極に割り当てられ得る。
【0046】
本発明の意味では、インターフェースの接触相手部が個々にばねによって取り付けられるか、又は接触相手部によって形成される接触ブロックが全体としてばねによって取り付けられることが好ましい。接触相手部が個々にばねによって取り付けられる場合、接触相手部は、弾性ばね取付手段に個々に能動的に接続されてもよい。インターフェースが例えばシステム要素、即ち電動工具又はエネルギー供給装置の1つに4つの接触相手部を含む場合、弾性手段又は弾性要素は、これらの4つの接触相手部のそれぞれに割り当てられてもよい。好ましくは、本発明のこの実施形態では、これは、「インターフェースの電力接触子の個々のばね取付」と称される。代替として、本発明の意味では、好ましくは幾つかの接触相手部、雌型及び/又は雄型を含む接触ブロック全体が、全体としてばねによって取り付けられることが好ましい場合がある。本発明の意味では、かかる接触ブロックは、接触手段ブロックとしても説明され、接触手段ブロックは、電力接触子を有する受入装置によって形成されてもよい。本発明の意味では、接触ブロック又は受入装置は、弾性手段又は弾性要素に能動的に接続されることが好ましい。これは、好ましくは、本発明の意味では、弾性手段又は弾性要素が接触ブロック又は受入装置に割り当てられることを意味する。好ましくは、本発明のこの実施形態では、これは、「ばね取付された受入装置」又は「ばね取付された接触手段ブロック」と称される。
【0047】
本発明の意味では、少なくとも1つの弾性ばね取付手段が好ましくは全体として受入装置に割り当てられることが好ましい。この場合、例えば、4つの雌型接触相手部を受け入れることがある受入装置は、電動工具又はエネルギー供給装置である対応するシステムコンポーネントを有する弾性要素に接続されてもよい。次いで、切り離しが、例えばエネルギー供給装置と受入装置との間で行われ、それにより、受入装置内の雌型接触相手部は、エネルギー供給装置及び/又は電動工具の移動及び/又は振動から切り離されるか又は保護される。試験では、受入装置を用いることにより、傾斜運動に対して特に良好な保護が得られ、接触子間の摩擦モーメントが著しく増大することが明らかになった。電力接触子を有する受入装置は、好ましくは、接触ブロックを形成してもよく、本発明は、この好ましくは移動可能に取り付けられるか又はばね取付された接触ブロックを傾斜運動等から特に良好に保護する。本発明のこの利点は、雌型接触相手部の個々の端子接触子の支持面及び摩擦力が、挿入方向に対して横方向に又は略垂直に互いから遠く離れており、従って取付の大きなレバー腕部のおかげで動的傾斜モーメントを極めて良好に吸収することができることから、達成されてもよい。雌型接触相手部が受入装置によって受け入れられる場合、接触ブロックの支持面にも同じことが当てはまる。上記は、特に雄型接触相手部が受入装置によって受け入れられ、接触ブロックを形成する場合、雄型接触相手部にも同様に当てはまる。
【0048】
代替として、少なくとも1つの弾性ばね取付手段は、雌型及び雄型接触相手部のそれぞれの接触対に割り当てられることが好ましい場合がある。この場合、例えば、雌型及び雄型接触相手部の各接触対は、弾性要素等、相対的移動を減少させるためのそれ自体の弾性手段を有してもよく、弾性手段によってエネルギー供給装置及び/又は電動工具の移動及び/又は振動から切り離されるか又は保護されてもよい。
【0049】
本発明に関連して、電動工具とエネルギー供給装置との間で電気エネルギーを伝送するためのインターフェースも開示される。電動工具及びエネルギー供給装置のシステムに関して提示される用語、定義及び技術的利点は、好ましくは、インターフェース、以下で更に説明するエネルギー供給装置、及びインターフェースによってエネルギー供給装置を電動工具に接続するための方法に適宜適用される。インターフェースは、インターフェースが、0.4ミリオーム未満、好ましくは0.3ミリオーム未満、特に好ましくは0.2ミリオーム未満の、1つの極当たりの総電気境界抵抗を有することを特徴とする。
【0050】
加えて、本発明は、インターフェースによってエネルギー供給装置を電動工具に接続するための方法であって、インターフェースは、少なくとも1つの雄型接触相手部及び少なくとも1つの雌型接触相手部を有し、雄型接触相手部及び雌型接触相手部は、エネルギー供給装置から電動工具への電気エネルギーの伝達のための接触の作成中、少なくとも1つの弾性ばね取付手段によって支持され得ることを特徴とする方法に関する。本発明の意味では、雄型及び雌型接触相手部は、いずれの場合にも電流伝送対、即ちユニットを形成することが好ましく、接続状態において、このユニットは、エネルギー供給装置の移動から切り離される。
【0051】
第2の態様では、本発明は、提案されるシステムで使用するためのエネルギー供給装置に関する。エネルギー供給装置は、好ましくは、特に長い耐用年数を有するエネルギー供給装置、及び/又は特に高い電流、特に50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、最も好ましくは100アンペアを超える定電流を提供するように構成されたエネルギー供給装置である。
【0052】
エネルギー供給装置は、好ましくは、アキュムレータ又は好ましくは充電式バッテリであってもよい。明らかに、本発明の意味では、エネルギー供給装置は、2つ以上のアキュムレータ及び/又はバッテリを含むことも可能である。アキュムレータ及び/又はバッテリは、例えば、円筒形セルを含むいわゆるバッテリパックを有してもよい。これらの円筒形セルは、例えば、リチウムイオン、マグネシウムイオン、及び/又はナトリウムイオンを含むが、これらに限定されない化学物質を含んでもよい。しかし、例えば、直方体又は立方体のセルを有する他のセルタイプが本発明に関連して用いられてもよい。
【0053】
エネルギー供給装置は、好ましくは、特に長い耐用年数を有するエネルギー供給装置、及び/又は特に高い電流、特に50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、最も好ましくは100アンペアを超える定電流を提供するように構成されたエネルギー供給装置である。特に長い耐用年数は、好ましくは、エネルギー供給装置が摩耗の兆候を示すことなく特に多くの挿入プロセス又は挿入サイクルに耐えることにつながり得る。加えて、特に長い耐用年数は、エネルギー供給装置の化学成分が、実質的に経年劣化することなく、以前のエネルギー供給装置よりも頻繁に再充電されるように構成されることを意味することがある。提案されるシステムの本質的な利点は、総電気境界抵抗が低いために、エネルギー供給装置の高い電力容量を特に良好に利用することができ、それにより、特に大量のエネルギーをエネルギー供給装置から電動工具に伝送することができ、特に高い定電流をエネルギー供給装置から電動工具に向かって流すことができることである。このようにして、新しいセル及びバッテリ技術の利点を本発明によって最適に利用してもよい。また、本発明は、特に、システム又はそのインターフェースに対して極めて高い電力要件及び/又は極めて高い耐用年数要件を課す用途及び使用に対しても、バッテリ駆動工具におけるエネルギー供給装置の効率的な使用を可能にする電動工具及びエネルギー供給装置のシステムも提供することができる。
【0054】
本発明の意味では、エネルギー供給装置は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含むことが好ましく、本発明の意味では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、好ましくは、「セル」とも称され、10ミリオーム(mOhm)未満の内部抵抗DCR_Iを有する。本発明の好ましい改良形態では、少なくとも1つのセルの内部抵抗DCR_Iは、8ミリオーム未満、好ましくは6ミリオーム未満であってもよい。ここで、内部抵抗DCR_Iは、好ましくは、規格IEC61960に従って測定される。内部抵抗DCR_Iは、特にエネルギー供給装置のセルの抵抗を表し、セルのコンポーネント又はアクセサリは、内部抵抗DCR_Iに寄与しない。低い内部抵抗DCR_Iは、このようにして、放散されなければならない望ましくない熱が全く生成されないので、有利である。内部抵抗DCR_Iは、特に提案されるエネルギー供給装置のセルの内部で測定することができるDC抵抗である。内部抵抗DCR_Iは、当然のことながら、6.02ミリオーム、7.49ミリオーム、8.33ミリオーム、8.65ミリオーム、又は9.5ミリオーム等の中間値もとり得る。
【0055】
10ミリオーム未満の少なくとも1つのセルの内部抵抗DCR_Iにより、低温で特に良好に動作し得るという意味で特に良好な熱特性を有するエネルギー供給装置を提供することができ、冷却コストを驚くほど低く保つことができることが見出された。特に、10ミリオーム未満のセル内部抵抗DCR-Iを有するエネルギー貯蔵装置は、特に強力な電動工具へ電気エネルギーを供給するのに特に適している。かかるエネルギー供給装置は、従って、充電式バッテリ駆動電動工具では手が届かないと当技術分野で以前に想定されていた適用領域でも、充電式バッテリ駆動電動工具の使用を可能にすることに対して有益な貢献をすることができる。
【0056】
有利には、かかるエネルギー供給装置は、周囲のプラスチック部品又はエネルギー供給装置のセル内部のセル化学作用を損傷することなく、長期間にわたって高い出力電力を、本発明によるエネルギー供給装置を有するバッテリ又はアキュムレータ作動工具に供給する可能性を生むことができる。
【0057】
本発明に関連して、少なくとも1つのセルの表面積Aに対する少なくとも1つのセルの抵抗の比率は、0.2ミリオーム/cm2未満、好ましくは0.1ミリオーム/cm2未満、最も好ましくは0.05ミリオーム/cm2未満であることが好ましい。円筒形セルの場合、セルの表面は、例えば、円筒の外面並びにセルの上面及び底面によって形成されてもよい。更に、本発明に関連して、少なくとも1つのセルの体積Vに対する少なくとも1つのセルの抵抗の比率は、0.4ミリオーム/cm3未満、好ましくは0.3ミリオーム/cm3未満、最も好ましくは0.2ミリオーム/cm3未満であることが好ましい場合がある。直方体、立方体、球体等のような従来の幾何学的形状について、当業者は、かかる幾何学的物体の表面又は体積を計算するための式を知っている。本発明に関連して、用語「抵抗」とは、好ましくは、規格IEC61960に従って好ましくは測定することができる内部抵抗DCR_Iを示す。好ましくは、これは、直流抵抗である。
【0058】
本発明に関連して、少なくとも1つのセルは、1.0W/(Ah・A)未満、好ましくは0.75W/(Ah・A)未満、特に好ましくは0.5W/(Ah・A)未満の加熱係数を有することが好ましい。更に、少なくとも1つのセルは、1000アンペア/リットルを超える電流を略一定に出力するように設計されてもよい。放電電流は、少なくとも1つのセルの体積に関連して示され、空間測定単位「リットル」(l)が体積に対する単位として用いられる。本発明によるセルは、従って、セル体積1リットル当たり1000Aを略一定に超える放電電流を出力することができる。換言すれば、1リットルの体積を有するセルは、1000Aを超える略一定の放電電流を出力することができ、少なくとも1つのセルは、1.0W/(Ah・A)未満の加熱係数を更に有する。本発明の好ましい実施形態では、提案されるエネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、0.75W/(Ah・A)未満、好ましくは0.5W/(Ah・A)未満の加熱係数を有してもよい。加熱係数の単位は、ワット/(アンペア時・アンペア)である。加熱係数は、当然のことながら、0.56W/(Ah・A)、0.723W/(Ah・A)、又は0.925W/(Ah・A)等の中間値を有してもよい。
【0059】
本発明は、有利には、少なくとも1つのセルであって、低減された加熱を示し、従って高電力レベル及び高電流、好ましくは定電流が動作のために望まれる電動工具に供給するのに特によく適した少なくとも1つのセル、を有するエネルギー供給装置の提供を可能にする。特に、本発明は、電動工具の動作中に任意に生成され、電動工具に電気エネルギーを出力する場合に生成される熱を、特に単純で複雑ではない方法で放散することができる電動工具のためのエネルギー供給装置を提供するために用いることができる。試験では、本発明が、存在する熱をより効果的に放散させるために用いることができるだけではないことが明らかになった。むしろ、本発明は、発生する熱を防止するか、又は電動工具の動作中に発生する熱量を、本発明を用いて大幅に低減することができる。本発明は、電力及び放電電流に関して厳しい要件を有する電動工具にも最適な方法で電気エネルギーを供給することができるエネルギー供給装置を提供するために有利に用いることができる。換言すれば、本発明は、例えば、建設現場で厳しい掘削作業又は解体作業を行うことができる特に強力な電動工具のためのエネルギー供給装置を提供することができる。
【0060】
本発明の意味では、用語「電動工具」とは、工事現場、例えば建設現場及び/又は掘削現場で用いることができる典型的な装置を意味する。それらは、ハンマードリル、チゼルカッター、コアドリル、アングルグラインダー又は研磨カッター、パワーカッター等であり得るが、これらに限定されない。加えて、本発明の意味での「電動工具」は、ランプ、ラジオ、掃除機、測定装置、建設ロボット、手押し車、運搬装置、フィーダ装置、又は他の補助装置等、建設現場でときに用いられる補助装置であってもよい。電動工具は、特に移動式電動工具であってもよく、提案されるエネルギー供給装置は、特にフレームに取り付けられたドリル又は丸鋸等の固定式電動工具においても用いられてもよい。しかし、特にバッテリ又はアキュムレータによって電力を供給される携帯型電動工具が好ましい。電動工具は、例えば、エネルギー供給装置用の充電器であってもよい。
【0061】
本発明に関連して、少なくとも1つのセルが、12分未満、好ましくは10分未満、特に好ましくは8分未満の温度冷却半減期を有することが好ましい。本発明に関連して、これは、好ましくは、自由対流により、少なくとも1つのセルの温度が12分、10分、又は8分未満で半分になることを意味する。温度冷却半減期は、好ましくは、エネルギー供給装置の非動作状態において、即ちエネルギー供給装置が動作していない場合、即ち電動工具に接続される場合に特定される。8分未満の温度冷却半減期を有するエネルギー供給装置は、主に強力な電動工具における使用に特に適していることが見出された。温度冷却半減期は、当然のことながら、8.5分、9分20秒、又は11分47秒の値も有することができる。
【0062】
提案されるエネルギー供給装置の驚くほど低い温度冷却半減期に起因して、電動工具の動作中又は電動工具の充電中に発生する熱は、少なくとも1つのセル内に短時間の間のみ留まる。このようにして、セルは、特に迅速に再充電することができ、電動工具で迅速に再利用することができる。その上、エネルギー供給装置、又は提案されるエネルギー供給装置を有する電動工具、のコンポーネントへの熱負荷を大幅に低減することができる。結果として、エネルギー供給装置を保護し、その耐用年数を延ばすことができる。
【0063】
本発明に関連して、少なくとも1つのセルは、エネルギー供給装置のバッテリパック内に配置されることが好ましい。一連の個々のセルは、好ましくは、バッテリパック内で組み合わせることができ、このようにして最適な方法でエネルギー供給装置に挿入することができる。例えば、5個、6個、又は10個のセルがバッテリパックを形成してもよく、これらの数の整数倍も可能である。例えば、エネルギー供給装置は、例えば、5個、6個、又は10個のセルを含み得る個々のセル列を有することができる。例えば、5個のセルの3列を有するエネルギー供給装置は、例えば、15個の個々のセルを含み得る。
【0064】
本発明の意味では、エネルギー供給装置は、少なくとも2.2Ah、好ましくは少なくとも2.5Ahの容量を有することが好ましい。試験では、前記容量値が、建設産業における強力な電動工具の使用に特に良く適しており、電気エネルギーの利用可能性及び電動工具の可能な使用期間についてのそこでの要件を特に良く満たすことが明らかになった。
【0065】
好ましくは、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、少なくとも10秒間、少なくとも20Aの放電電流を提供するように構成される。例えば、エネルギー供給装置のセルは、少なくとも10秒間、少なくとも20A、特に少なくとも25Aの放電電流を供給するように構成されてもよい。換言すれば、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、少なくとも20A、特に少なくとも25Aの連続電流を供給するように構成されてもよい。
【0066】
ピーク電流、特に短時間の電流は、エネルギー供給装置の激しい加熱につながり得ることも考えられる。従って、本明細書中に説明する措置によって達成され得るような強力な冷却を有するエネルギー供給装置は、特に有利である。例えば、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、1秒を超えて少なくとも50Aを供給することができると考えられる。換言すれば、本発明の意味では、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、少なくとも1秒間、少なくとも50Aの放電電流を供給するように構成されることが好ましい。電動工具は、一時的に高い電力レベルを必要とすることが多い可能性がある。かかるピーク電流及び/又はかかる連続電流を供給することができるセルを有するエネルギー供給装置は、従って、建設現場で用いられるような強力な電動工具に特に適していることがある。
【0067】
本発明に関連して、少なくとも1つのセルは、電解液を含むことが好ましく、電解液は、好ましくは、室温で凝集した液体状態で存在する。電解質は、リチウム、ナトリウム、及び/又はマグネシウムを含むことができるが、これらに限定されない。特に、電解質は、リチウム系であり得る。代替として又は追加として、前記電解質は、ナトリウム系でもあり得る。充電式バッテリがマグネシウム系であることも考えられる。電解質ベースのエネルギー供給装置は、少なくとも10V、好ましくは少なくとも18V、特に少なくとも28V、例えば36Vの定格電圧を有することができる。18~22Vの範囲内、特に21~22Vの範囲内の定格電圧が極めて特に好ましい。エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、例えば、3.6Vの電圧を有することができるが、これに限定されない。
【0068】
本発明の意味では、エネルギー供給装置は、例えば、1.5C、好ましくは2C、最も好ましくは3Cの充電率で充電されることが好ましい。充電率xCは、放電されたエネルギー供給装置を充電率xCの数字xに対応する1時間の何分の1かの時間で完全に充電するのに必要な電流強度を意味する。例えば、3Cの充電率は、20分以内にアキュムレータの完全充電を可能にする。
【0069】
本発明に関連して、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、表面積A及び体積Vを有することが好ましく、体積に対する表面積の比率A/Vは、体積の立方根の逆数の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍より大きい。
【0070】
少なくとも1つのセルの表面積Aが体積Vの2乗の立方根の8倍よりも大きいという表現は、好ましくは、式A>8*V^(2/3)によっても表すことができる。別の言い方をすれば、この関係は、体積に対する表面積の比率A/Vが、体積の立方根の逆数の8倍よりも大きいと説明することができる。
【0071】
上記の関係が満たされているかどうかをチェックするために、同じ基本単位の値が常に用いられなければならない。例えば、上記の式で表面積にm2単位の値が用いられる場合、好ましくはm3単位の値が体積に用いられる。例えば、上記の式で表面積に単位cm2の値が用いられる場合、好ましくは単位cm3の値が体積に用いられる。例えば、上記の式で表面積に単位mm2の値が用いられる場合、好ましくは単位mm3の値が体積に用いられる。
【0072】
例えば、A>8*V^(2/3)の関係を満たすセル形状は、有利には、冷却効果にとって重要なセルの外表面積とセル体積との間の特に好ましい比率を有する。本発明者らは、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルの体積に対する表面積の比率が、エネルギー供給装置からの熱の除去に重要な影響を及ぼすことを見出した。提案されるエネルギー供給装置の冷却能力の向上は、有利には、一定の体積に対してセル表面積を増加させることと、少なくとも1つのセルの低い内部抵抗と、によって達成することができる。本発明に関連して、セルの内部抵抗が低減される場合、低いセル温度と同時に高い電力出力が可能であることが好ましい。少なくとも1つのセルの内部抵抗の減少は、熱の生成がより少なくなることをもたらすことができる。更に、エネルギー供給装置内部の少なくとも1つのセルの表面積Aが、少なくとも1つのセルの体積Vの2乗の立方根の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍よりも大きいセルの使用により、低いセル温度を達成してもよい。結果として、特に環境への熱の出力を改善することができる。
【0073】
前記関係を満たすセルを有するエネルギー貯蔵装置は、例えば、円筒形セルを有する以前から公知のエネルギー供給装置よりも良好に冷却できることが見出された。上記の関係は、例えば、提案されるエネルギー供給装置のセルが円筒形の基本形状を有したとしても、追加の表面増加要素がその表面上に配置されることで、満たすことができる。前記要素は、例えば、フィン、歯等であり得る。円筒形基本形状を有さず、むしろ全く異なる形状のセルも本発明の適用範囲内で用いることができる。例えば、提案されるエネルギー供給装置のセルは、略立方形又は立方体状の基本形状を有することができる。用語「略」とは、ここでは当業者にとって不明確ではない。なぜなら、当業者は、例えば、窪み又は丸みを帯びた角及び/又は縁を有する直方体も、本発明に関連して用語「略立方体状」によって包含されるべきであることを知っているからである。
【0074】
本発明に関連して、少なくとも1つのセルがセルコアを有することが好ましく、エネルギー供給装置の表面から5mmを超えて離れている点は、セルコア内に存在しない。エネルギー供給装置が放電される場合、例えばエネルギー供給装置が電動工具に接続され、電動工具を用いて作業が行われる場合、セルコア内に熱が発生し得る。本発明のこの特定の改良形態では、この熱は、エネルギー供給装置のセルの表面まで比較的短い経路で搬送することができる。熱は、表面から最適な方法で放散することができる。従って、かかるエネルギー供給装置は、良好な冷却、特に比較的良好な自己冷却を呈することができる。限界温度に達するまでの時間を延長することができ、且つ/又はその温度に達するという状況を有利に完全に回避することができる。本発明の更なる利点として、比較的均一な温度分布をセルコア内で達成することができる。これは、結果として充電式バッテリの均一な経年劣化につながることがある。これにより、従って、エネルギー供給装置の耐用年数を延ばすことができる。
【0075】
本発明に関連して、少なくとも1つのセルは、20アンペアを超える、好ましくは30アンペアを超える、最も好ましくは40アンペアを超える最大定電流出力を有することが好ましい。最大定電流出力は、セル又はエネルギー供給装置が上限温度に達することなく引き出すことができるセル又はエネルギー供給装置の電流量である。可能な上限温度は、60℃又は70℃の範囲内にあり得るが、これに限定されない。最大定電流出力の単位は、アンペアである。
【0076】
本発明に関連して言及される全ての値の範囲の場合、全ての中間値も常に開示されていると考えるべきである。例えば、20~30Aの値、即ち例えば21、22.3、24、25.55、又は27.06アンペアも最大定電流出力の場合に開示されると考えるべきである。更に、30~40Aの値、即ち例えば32、33.3、36、38.55、又は39.07アンペアも開示されていると考えるべきである。
【0077】
本発明に関連して、エネルギー供給装置は、80・t^(-0.45)を超える放電Cレートを有することが好ましく、ここで、文字「t」は、秒単位の時間を表す。Cレートは、有利には、エネルギー供給装置の充電及び放電電流の定量化を可能にし、ここで用いられる放電Cレートは、特にエネルギー供給装置の放電電流の定量化を可能にする。例えば、最大許容充電及び放電電流は、Cレートによって示すことができる。これらの充電及び放電電流は、好ましくは、エネルギー供給装置の定格容量に依存する。80・t^(-0.45)の異常に高い放電Cレートは、有利には、提案されるエネルギー供給装置を、建設産業で強力な電動工具を動作させるために必要とされる特に高い放電電流を達成するために、用いることができることを意味する。例えば、放電電流は、40アンペアよりも大きい、好ましくは60アンペアよりも大きい、更により好ましくは80アンペアよりも大きい領域にあり得る。
【0078】
本発明の意味では、セルは、10ケルビン未満のセル温度勾配を有することが好ましい。セル温度は、好ましくは、提案されるエネルギー供給装置の少なくとも1つのセル内の温度差の尺度であり、本発明に関連して、セルが可能な限り均一な温度分布を有すること、即ちセルの内側領域の温度が、セルのケーシング又は外面の領域で測定される温度と可能な限り異ならないことが好ましい。
【0079】
更なる利点は、以下の図の説明から明らかになるであろう。図、本明細書、及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者は、有用な更なる組み合わせを形成するために、適宜、特徴を個別にも検討し、それらを組み合わせるであろう。
【0080】
図では、同じ及び類似のコンポーネントを同じ参照符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図1】複数の個々の接点を有する雌型接触相手部の可能な一実施形態を示す。
【
図2】電動工具及びエネルギー供給装置のシステムの好ましい実施形態を示す。
【
図3】提案されるシステムの好ましい実施形態のエネルギー供給装置の上面の可能な実施形態を示す。
【
図4】雌型及び雄型接触相手部のユニットの可能な実施形態を示す。
【
図5】雌型及び雄型接触相手部のユニットの更なる可能な実施形態を示す。
【
図6】エネルギー供給装置と電動工具とを接続する可能なプロセスの図である。
【
図7】接触相手部のばね取付及び配置の様々な組み合わせの図である。
【
図8】接触相手部の様々な配置及びそれらの割り当ての図である。
【
図9】受入装置のばね取付と比較した接点の個々のばね取付の図である。
【
図10】エネルギー供給装置の好ましい実施形態の側面概略図を示す。
【
図11】第1のコーティングを有する電流伝送対の好ましい実施形態の側面概略図を示す。
【
図12】潤滑剤を有する電流伝送対の好ましい実施形態の側面概略図を示す。
【
図13】表面上に微細構造を有する電流伝送対の好ましい実施形態の側面概略図を示す。
【
図14】2つの電流伝送対を有するシステムの好ましい実施形態の側面概略図を示す。
【
図15】複数の電流伝送対を有するシステムの好ましい実施形態の側面概略図を示す。
【
図16】第1及び第2のコーティングを有する電流伝送対の好ましい実施形態の側面概略図を示す。
【
図17】抵抗測定のための可能な構造の概略図を示す。
【
図18】複数の電流伝送対を有する抵抗測定のための可能な構造の側面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1は、複数の個々の接点46を有する雌型接触相手部40の可能な一実施形態を示す。部分図a)は、オーバースプリング180を有する雌型接触相手部40を示す。オーバースプリング180は、例えば、ばね鋼からなるか又はそれを含むことがある一方、雌型接触相手部40の脚部44は、例えば、銅等の良好な導電性を有する材料を含む。雌型接触相手部40の接触腕部44の材料は、好ましくは、基材130としても指定されてもよい。雌型接触相手部40の接触腕部44は、少なくとも1つのコーティング110、120によってコーティングされてもよく、例えば、第1のステップでは、高いニッケルの割合を有する第2のコーティング120が雌型接触相手部40の基材130に施されてもよい。このニッケルサブコーティングは、従って、第2のステップで施される第1のコーティング110が基材130上により良好に保持又は付着することを確実にする役割を果たす。第1のコーティング110は、好ましくは、高い銀の割合を有してもよい。高い銀の割合は、雌型接触相手部40の脚部44の良好な電流伝導性に寄与する。第1のコーティング110は、好ましくは、接続時にインターフェース30の雄型接触相手部50と接触し得る雌型接触相手部40の接触腕部44の内側に施される。雌型接触相手部40の脚部44の内側は、本発明の意味では、好ましくは雌型接触相手部40の上面140としても説明される。好ましくは、雄型接触相手部50又はそれらのブレード52は、例えば、
図13に示す上面140も有する。雌型接触相手部40は、好ましくは、エネルギー供給装置20上に存在することがある(
図2を参照されたい)一方、雄型接触相手部50は、電動工具10上に存在することがある(
図2を参照されたい)。しかし、エネルギー供給装置20及び電動工具10に対する接触相手部40、50の配置は、逆であってもよい。
【0083】
オーバースプリング180は、エネルギー供給装置20が電動工具10に接続される場合(「接続時」)、雌型接触相手部40の脚部44を雄型接触相手部50のブレード52(
図2を参照されたい)に押し付けるように構成される。接触相手部40、50は、次いで、接触領域32を有するインターフェース30を形成し、インターフェースの接触領域32は、個々の接点46によって形成されてもよい。
図1は、先行技術から公知のような従来のインターフェースと比較して個々の接点46の数を増加させるための幾つかの可能性を示す。部分
図1aは、雌型接触相手部40の接触腕部44間の最小距離の領域にある2つの個々の接点46を示しており、この2つの個々の接点46は、好ましくは、雄型接触相手部50が雌型接触相手部40の接触腕部44に挿入されたときに、雌型接触相手部40と雄型接触相手部50との間の接点を形成する(
図2を参照されたい)。部分
図1bでは、雌型接触相手部40は、各脚部側に2つの接触腕部44を有し、それにより、個々の接点46の数は、部分
図1aに示す本発明の例示的な実施形態と比較して2倍になる。部分
図1bに示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、4つの個々の接点46を有する。部分
図1cに示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、8つの個々の接点46を有する。部分
図1cでは、雌型接触相手部40の接触腕部44は、4つの接触腕部44が各脚部側に存在するように更に分割される。従って、個々の接点46の数は、部分
図1aに示す本発明の例示的な実施形態と比較して実質的に増加されてもよい。特に、本質的にばね付勢された接触腕部44を介して雄型接触相手部50上に押圧される局所接点は、個々の接点46を構成する。個々の接点46は、好ましくは、接触する点、線、又は領域として構成されてもよい。本発明の意味では、個々の接点46は、インターフェース30の接触領域32に配置されることが好ましい。
【0084】
図1に示す雌型接触相手部40は、その表面140上に微細構造150を有してもよく、微細構造150は、0.3μmを超える低減されたピーク高さ及び/又は0.3μmを超える低減された溝深さを有する。微細構造150は、
図1に示す雌型接触相手部40の表面140上に好ましくは周期的に繰り返されてもよい。好ましくは、微細構造150は、雄型接触相手部50の表面140上にも配置されてもよい。
図1に示す雌型接触相手部40は、その表面140上に潤滑剤160を有してもよく、潤滑剤160は、質量パーセントで40%を超えるグリース割合を有してもよい。明らかに、雄型接触相手部50又はその表面140も潤滑剤160によって給脂されてもよい。
【0085】
図2は、電動工具10及びエネルギー供給装置20のシステム100の可能な実施形態を示す。
図2に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10を画像左半分に示し、エネルギー供給装置20を画像右半分に示す。電動工具10は、2つの雄型接触相手部50を有し、特にブレード52を
図2に示す。雄型接触相手部50は、インターフェース30の一部であり、インターフェース30は、雌型接触相手部40も更に有する。
図2に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、エネルギー供給装置20上に配置される。雌型接触相手部40は、個々の接触子を構成することがあるか、又は
図2及び
図3に示すようにブロック若しくはコンパートメントと一体化されていることがある。雌型接触相手部40を有するブロック又はコンパートメントは、受入装置80(
図2を参照されたい)として説明される。
図2は、特に電動工具10とエネルギー供給装置20とが互いに分離している場合を示す。電動工具10及びエネルギー供給装置20は、一緒にシステム100を形成してもよく、エネルギー供給装置20は、電動工具10に電気エネルギーを供給するように構成される。加えて、インターフェース30は、雄型接触相手部50と雌型接触相手部40との間の相対距離を減少させるための弾性手段60を含む。少なくとも1つの弾性手段60は、例えば、ばね又は渦巻きばねであり得る弾性要素62を含んでもよい。しかし、他の全ての考えられる弾性要素62が可能であり、考えられる。雄型接触相手部50が雌型受入端子40内に導入されると、相対距離を減少させるための弾性手段60は、特に安定した接触が接触相手部40、50間に形成されるように圧縮される。かかる接点を
図4に示す。接触相手部40、50の接触、及び相対距離を減少させるための弾性手段60の圧縮により、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70(
図4を参照されたい)が存在し得る遊び又は移動空間が生じる。エネルギー供給装置20の移動又は振動は、次いで、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70が移動空間の境界壁に衝突しないように十分な遊びを有することにつながる。従って、エネルギー供給装置20は、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70から切り離され、それにより、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70は、特に良好に保護される。接触相手部40、50間の安定した接触は、特に高い電流がエネルギー供給装置20から電動工具10に流れ得ることを意味する。これは、特に接触相手部40、50間の境界抵抗を本発明によって実質的に低減することができることから達成され、それにより、特に接触相手部40、50間の接触領域32(
図4を参照されたい)で測定される温度も、先行技術から公知のような従来のインターフェースにおける温度よりも大きく上昇しない。インターフェース30の接触領域32における低減された境界抵抗及び低減された温度のため、提案されたインターフェース30の耐用年数が満足にも延長される。
【0086】
図2は、雄型接触相手部50が電動工具10上に配置され、雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20上に配置されていることを示すが、雄型接触相手部50がエネルギー供給装置20上に配置され、雌型接触相手部40が電動工具10上に配置される逆の配置も可能であり得る。特に、本発明の意味では、雄型接触相手部50は、ばねによって取り付けられる、即ち相対距離を低減するための弾性手段60に接続されることが好ましい場合もある。
【0087】
図3は、提案されるシステム100の好ましい実施形態のエネルギー供給装置20の上面の可能な実施形態を示す。この図は、受入装置80内に配置される4つの雌型接触相手部40を示す。図示していない本発明の例示的な実施形態では、受入装置80は、雄型接触相手部50、又は雄型接触相手部50及び雌型接触相手部50も受け入れてもよい。受入装置80は、特にインターフェース30の電力又は電流接点40、50を受け入れるように構成される。
【0088】
図4は、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50のユニット70の更なる可能な実施形態を示す。
図4は、特に雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50を有するインターフェース30を示す。特に、
図4は、電流又は電気エネルギーがエネルギー供給装置20から電動工具10に向かって流れることができるように、エネルギー供給装置20及び電動工具10が互いに接続されている接続状態を示す。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の受入端子44又は脚部44内に配置され、接触相手部40、50は、一緒に接触領域32を形成し、この接触領域32を介して電流又は電気エネルギーをエネルギー供給装置20から電動工具10に伝送することができる。接触領域32は、特に雌型接触相手部40のテーパ部42の領域に形成され、この領域では、雌型接触相手部40の脚部44又は受入端子44のコンポーネントは、互いから最小距離を取る。従って、雌型接触相手部40の脚部44は、雄型接触相手部50のブレード52に対して特に近接して位置する。
図4は、個々の接点46と一致し得るインターフェース30の接触領域32も示す。
【0089】
図5は、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50のユニット70の更なる可能な実施形態を示す。
図5は、特に雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50を有するインターフェース30、並びに接触相手部40、50間の相対距離を減少させるための弾性手段60を示す。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の内部によって受け入れられ、この内部は、雌型接触相手部40の脚部44によって形成される。接触相手部40、50間の接触は、特に
図5に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40の脚部44間の最小距離の領域に配置されるインターフェース30の接触領域32に存在する。
【0090】
図6は、エネルギー供給装置20と電動工具10とを接続する可能なプロセスの図である。
図6は、3つの部分図a)、b)、及びc)を含み、部分
図6a)は、エネルギー供給装置20及び電動工具10が互いに分離されている分離状態にあるエネルギー供給装置20及び電動工具10を示す。部分
図6b)は、エネルギー供給装置20及び電動工具10の接触相手部40、50が接合されるか又は互いに押圧される瞬間のエネルギー供給装置20及び電動工具10を示しており、弾性ばね取付手段60は、部分
図6b)に示す状態ではまだ弾性変形していない。これは、弾性ばね取付手段60が
図6b)に示す状態ではまだ応力を受けておらず、従って接触相手部40、50のばね取付がまだ存在していないことを意味する。部分
図6c)は、弾性ばね取付手段60がこのときには圧縮されている、即ち応力を受けていることを示す。この状態は、好ましくは、エネルギー供給装置20と電動工具10とが一緒に接続され、エネルギー供給装置20が電動工具10に電気エネルギーを供給することができるロック状態に対応する。
【0091】
エネルギー供給装置20は、正極22及び負極24を有し、それぞれの極22、24は、それぞれの電流導体26を介して接触相手部、ここでは雌型接触相手部50に接続されていてもよい。電流導体26は、好ましくは、
図6のばね取付された雌型接触相手部40とエネルギー供給装置20との間に弾性電流接続部26を形成してもよい。弾性電流導体26は、有利には、接触相手部40、50の可動性を支持するのに特に適しており、それにより、接触相手部40、50の最適な切り離しを保証することができる。本発明の意味では、好ましくは、弾性の電流導体26は、編組ワイヤを含むか又はそれによって形成されることが好ましい場合がある。好ましくは弾性の電流導体26は、好ましくは、一緒に撚り合わされていてもよい幾つかの個々のワイヤを含むことが好ましい。例えば、本発明の意味では、好ましくは弾性の電流導体26は、10本を超える個々のワイヤを含むことが好ましい場合がある。弾性ばね取付手段60は、好ましくは、接触相手部、ここでは雌型接触相手部50をエネルギー供給装置20に接続する。電動工具10は、例えば電動工具10のモータ12であり得る消費部12を有してもよい。
図6における参照符号は、部分
図6a)に対してのみ付与されているが、部分
図6b)及び6c)にも適宜適用される。
【0092】
図7は、接触相手部40、50のばね取付及び配置の様々な組み合わせを示す。
図7は、4つの部分図a)、b)、c)、及びd)を含み、部分
図7a)に示す本発明の例示的な実施形態は、電動工具10上に配置されるそれぞれのブレード52を有する2つの雄型接触相手部50を有する。電動工具10は、消費部12、例えばモータを含んでもよい。
図7の部分図は、接続状態の電動工具10及びエネルギー供給装置20を示す。部分
図7a)に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部50は、エネルギー供給装置20上に存在し、図示するエネルギー供給装置20は、特に2つの雌型接触相手部50を有する。部分
図7aに示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部50の数は、従って、雄型接触相手部50の数に対応する。これに関連して、これは、好ましくは、電動工具10及びエネルギー供給装置20が同じ数の接触相手部40、50を有することを意味し、部分
図7a)に示す電動工具10は2つの雄型接触相手部50を有し、部分
図7a)に示すエネルギー供給装置20は、2つの雌型接触相手部40を有する。エネルギー供給装置20は、2つの極22、24、即ち正極22及び負極24を有する。エネルギー供給装置20の極22、24は、それぞれの、好ましくは弾性の電流導体26を介して接触相手部40にそれぞれ接続され、部分
図6a)のエネルギー供給装置20の接触相手部は、雌型接触相手部40である。部分
図7a)に示す本発明の例示的な実施形態では、ばね取付は、エネルギー供給装置20の領域、即ちその側面に存在する。部分
図7a)及び7d)に示す本発明の例示的な実施形態では、雄型接触相手部50は、それぞれ電動工具10に接続されている一方、雌型接触相手部40は、エネルギー供給装置20に接続されている。
図7における参照符号は、部分
図77a)に対してのみ付与されているが、
図7の他の部分図にも適宜適用される。
【0093】
部分
図7b)は、電動工具10が雌型接触相手部40を有し、エネルギー供給装置20が雄型接触相手部50を有する本発明の例示的な実施形態を示す。ここでも、電動工具10とエネルギー供給装置20の両方が2つの接触相手部40、50を有する。部分
図7b)に示す本発明の例示的な実施形態では、雄型接触相手部50のブレード52は、弾性ばね取付手段60を介してエネルギー供給装置20にそれぞれ接続されている一方、ブレードは、電流導体26を介してエネルギー供給装置20のそれぞれの極22、24にも電気的に接続されている。部分
図7b)に示す本発明の例示的な実施形態では、ばね取付は、やはりエネルギー供給装置20の領域、即ちその側面に存在する。
【0094】
部分
図7c及び7d)に示す本発明の例示的な実施形態では、ばね取付は、電動工具10の領域、即ちその側面に存在する。部分
図7c)は、電動工具10が雌型接触相手部40を有し、エネルギー供給装置20が雄型接触相手部50を有する本発明の例示的な実施形態も示す。雌型接触相手部40は、電流導体26を介して電動工具10に導電的に接続され、電気接続は、特に雌型接触相手部40と電動工具10の消費部12との間に存在する。雌型接触相手部40は、弾性ばね取付手段60も介して電動工具10に接続されている。エネルギー供給装置20の領域では、雄型接触相手部50、特にそれらのブレード52は、それぞれエネルギー供給装置20の極22、24に接続されている。エネルギー供給装置20は、2つの雄型接触相手部50を有し、正確に1つの雄型接触相手部50がエネルギー供給装置20の各極22、24に割り当てられてもよい。
【0095】
部分
図7d)も、電動工具10が雄型接触相手部50を有し、エネルギー供給装置20が雌型接触相手部40を有する本発明の例示的な実施形態を示す。ばね取付部、即ち弾性ばね取付手段60は、部分
図7d)に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10の領域内にある。電動工具10は、弾性ばね取付手段60を介してそれぞれの雄型接触相手部50又はそのブレード52に接続されている。加えて、部分
図7d)に示す本発明の例示的な実施形態では、導電性接続が電動工具10の消費部12と雄型接触相手部50との間に存在する。電動工具10の消費部12と雄型接触相手部50との間の導電性接続は、特に電流導体26によって実現されてもよい。部分
図7d)に示す本発明の例示的な実施形態では、エネルギー供給装置20は、2つの雌型接触相手部40を有し、エネルギー供給装置20の各雌型接触相手部40は、エネルギー供給装置20の2つの極22、24のそれぞれ1つに割り当てられてもよい。
【0096】
図8は、接触相手部40、50の様々な配置及びそれらの割り当てを示す。
図8は、4つの部分図a)、b)、c)、及びd)を含み、部分
図8a)は、4つの雄型接触相手部50を有する電動工具10及び4つの雌型接触相手部40を有するエネルギー供給装置20を示す。電動工具10の雄型接触相手部50は、電動工具10がエネルギー供給装置20から受け取る電気エネルギーを電動工具10の消費部12に供給するために、この消費部12に導電的に接続されている。エネルギー供給装置20の雌型接触相手部40は、それぞれの導体によってエネルギー供給装置20の極22、24にそれぞれ接続され、
図8a)に示す本発明の例示的な実施形態では、2つの雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20の正極22に接続され、他の2つの雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20の負極24に接続されている。加えて、雌型接触相手部40は、弾性ばね取付手段60を介してエネルギー供給装置20に接続されている。
図8の全ての部分図におけるばね取付は、エネルギー供給装置20の側で行われる。加えて、
図8の全ての部分図の共通の特徴は、雄型接触相手部50が電動工具10上に存在する一方、雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20上に配置されることである。しかし、
図8の部分図は、それぞれの接触相手部40、50の数及びそれぞれの場合に形成され得る電流伝送対の数が異なる。部分
図8a)に示す本発明の例示的な実施形態では、例えば4つの電流伝送対が示されており、それぞれが雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50を含む。4つの電流伝送対により、エネルギー供給装置20の電位を特に良好に用いることができ、大量の電気エネルギーをエネルギー供給装置20から電動工具10に伝送することができる。例えば、50Aを超える、好ましくは70Aを超える、最も好ましくは100Aを超える電流をかかるインターフェース30によって伝送することができる。電流は、好ましくは定電流である。
図8における参照符号は、部分
図8a)に対してのみ付与されているが、
図8の他の部分図にも適宜適用される。
【0097】
部分
図8b)に示す本発明の例示的な実施形態では、例えば2つの電流伝送対が形成され、それぞれが雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50を含む一方、エネルギー供給装置20の2つの雌型接触相手部40は、占有されておらず、即ち未使用又は空である。部分
図8b)に示す本発明の例示的な実施形態では、電流伝送対の数が少ないため、インターフェース30が4つの電流伝送対を含む、部分
図8a)に示す本発明の例示的な実施形態における電流よりも少ない電流をエネルギー供給装置20から電動工具10に伝送することができる。部分
図8b)に示す本発明の例示的な実施形態では、エネルギー供給装置20は、4つの雌型接触相手部40を有するが、電動工具10は、2つの雄型接触相手部50のみを有する。
【0098】
部分
図8c)に示す本発明の例示的な実施形態では、やはり2つの電流伝送対が形成されており、それぞれが雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50を含む一方、電動工具10の2つの雄型接触相手部50は、雌型接触相手部40に接続されない。部分
図8c)に示す本発明の例示的な実施形態では、電流伝送対の数が少ないため、インターフェース30が4つの電流伝送対を含む、部分
図8a)に示す本発明の例示的な実施形態における電流よりも少ない電流をエネルギー供給装置20から電動工具10に伝送することができる。部分
図8c)に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10は、4つの雄型接触相手部50を有するが、エネルギー供給装置20は、2つの雌型接触相手部40のみを有する。
【0099】
部分
図8d)に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10は、2つの雄型接触相手部50を有し、エネルギー供給装置20は、2つの雌型接触相手部40を有する。従って、図示する本発明の例示的な実施形態では、例えば2つの電流伝送対が形成されることがあり、伝送されることになるエネルギーの量又は伝送することができる電流の大きさは、部分
図8b)及び8c)に示す本発明の例示的な実施形態と一致する。
【0100】
図6~8に示す本発明の例示的な実施形態では、いずれの場合にも個々のばね取付が示されている、即ち、各接触相手部40、50は、インターフェース30の接続相手の、ばね取付が行われる側に弾性ばね取付手段60を有する。これは、接触相手部40、50が個別にばねによって取り付けられることを意味する。
【0101】
図9は、部分
図9a)に示す本発明の例示的な実施形態において、エネルギー供給装置20の4つの雌型接触相手部40を含む受入装置80を示す。公知の方法では、雌型接触相手部40は、電流伝送対が形成されるように雄型接触相手部50のブレード52に能動的に接続され、部分
図9a)に示す本発明の例示的な実施形態では、4つの電流伝送対70が形成される。部分
図9a)に示す受入装置80は、エネルギー供給装置20の一部であり、4つの電流導体26を介してエネルギー供給装置20の極22、24に接続され、2つのばね取付手段60を介してエネルギー供給装置20に機械的に接続されている。受入装置80は、好ましくは、特定数の弾性ばね取付手段60を有するブロックとしてばねによって取り付けられ得る接触ブロックを形成する。
【0102】
部分
図9b)に示す本発明の例示的な実施形態では、2つの受入装置80が示され、2つの雌型接触相手部40が各受入装置80内に存在する。2つの受入装置80のそれぞれは、2つの弾性ばね取付手段60を介してエネルギー供給装置20に接続され、2つの電流導体26を介してエネルギー供給装置20の極22、24に接続されている。ここで、いずれの場合にも、2つの電流導体26は、エネルギー供給装置20の正極22と第1の受入装置80aとの間の接続を提供する一方、他の2つの電流導体26は、エネルギー供給装置20の負極24と第2の受入装置80bとの間の接続を提供する。
図9における参照符号は、部分
図9a)に対してのみ付与されているが、
図9の他の部分図にも適宜適用される。
【0103】
図10は、エネルギー供給装置20の好ましい構成の側面概略図を示す。
図10に示すエネルギー供給装置20は、18個のセル28を有し、18個のセル28は、エネルギー供給装置20内部に3列に配置される。セル28は、特に円によって表される一方、行は、円(「セル28」)を囲む直線状の矩形によって表される。
【0104】
図11は、第1のコーティング110を有する電流伝送対70の好ましい実施形態の側面概略図を示す。電流伝送対70は、好ましくは、ブレード52を有する雄型接触相手部50と、少なくとも1つの接触腕部44を有する雌型接触相手部40とを含む。第1のコーティング110は、好ましくは、雄型接触相手部50の表面140と雌型接触相手部40の表面140との両方に存在する。雌型接触相手部40の表面140は、好ましくは、雌型接触相手部40の接触腕部44の内側によって形成されてもよい。第1のコーティング110及び第2のコーティング120(
図11には図示せず)は、好ましくは、インターフェース30の接触領域32の領域に存在し、接触相手部40、50の個々の接点46も好ましくはインターフェース30のこの接触領域32に存在する。
【0105】
図12は、潤滑剤160を有する電流伝送対70の好ましい実施形態の側面概略図を示す。電流伝送対70は、好ましくは、ブレード52を有する雄型接触相手部50と、少なくとも1つの接触腕部44を有する雌型接触相手部40とを含む。潤滑剤160は、好ましくは、インターフェース30の接触領域32にも存在し、好ましくは接触相手部40、50の個々の接点46もそこに配置される。
【0106】
図13は、微細構造150を有する電流伝送対70の好ましい実施形態の側面概略図を示す。電流伝送対70は、好ましくは、ブレード52を有する雄型接触相手部50と、少なくとも1つの接触腕部44を有する雌型接触相手部40とを含む。
図13では、4つの個々の接点に参照符号46が記載されている。これらの4つの個々の接点46は、雌型接触相手部40の2つの接触腕部44の上部によって形成される。雌型接触相手部40は、2つの接触腕部44を有するため、4つの更なる個々の接点46(図示せず)も雄型接触相手部50のブレード52の下に存在する。全体で、
図13に示す電流伝送対70は、8つの個々の接点46を含む。
図13に示す微細構造150の好ましい実施形態は、好ましくは、雄型接触相手部50の上面140上又はそのブレード52の上面140上に存在する。しかし、本発明の意味では、微細構造150は、雌型接触相手部40の上面140上、特に雌型接触相手部40の脚部44の内側に存在することが好ましい場合もある。
図13が示すように、図示の微細構造150は、周期的に繰り返されるように構成される、即ち、微細構造150は、好ましくは、微細構造150を形成する周期的に繰り返されるパターン及び構造を有する。
【0107】
図14は、本発明の例示的な実施形態、特に電動工具10及びエネルギー供給装置20を含むシステム100を示す。特に、エネルギー供給装置20の各極22、24がそれぞれの電流伝送対70に接続される、本発明の例示的な実施形態が示されている。
図14に示す本発明の例示的な実施形態では、エネルギー供給装置20の極22、24は、電流導体26又は編組170を介してそれぞれの雌型接触相手部40にそれぞれ接続され、この雌型接触相手部40は、電流伝送対70を形成するように雄型接触相手部50に接続されてもよい。
図14に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、2つの脚部44又は接触腕部44を有し、雌型接触相手部40の脚部44又は接触腕部44は、接続時に雄型接触相手部50のブレード52の各側に1つずつ位置する。このようにして、好ましくは2つの個々の接点46が形成され、即ちブレード52の各側に1つずつ又は脚部44若しくは接触腕部44毎に個々の接点46が形成される。
【0108】
図14に示す本発明の例示的な実施形態では、電流又は電気エネルギーは、2つの電流経路90、92に沿って流れることができる。第1の電流経路90は、好ましくは、エネルギー供給装置20の正極22から電動工具10の方向、特に電動工具10の消費部12の方向に延在する。換言すれば、第1の電流経路90は、エネルギー供給装置20のカソード22を電動工具10の消費部12に接続するように構成される。第2の電流経路92は、好ましくは、電動工具10、特に電動工具10の消費部12から、エネルギー供給装置20の方向に、特にエネルギー供給装置20の負極24の方向に延在する。換言すれば、第2の電流経路92は、電動工具10の消費部12をエネルギー供給装置20のアノード24に接続するように構成される。電気エネルギー又は電流は、好ましくは、電流伝送対70を介して伝送され、
図14に示す本発明の例示的な実施形態では、エネルギー供給装置20の各極22、24は、それぞれの電流伝送対70に接続される。従って、2つの電流経路90、92のそれぞれは、電動工具10とエネルギー供給装置20との間のインターフェース30内に正確に1つの電流伝送対70を含む。
【0109】
電流伝送対70は、ブレード52を有する雄型接触相手部50と、接触腕部44又は脚部44を有する雌型接触相手部40とを含み、雌型接触相手部40の接触腕部44又は脚部44は、個々の接点46で雄型接触相手部のブレード52と当接する。接触相手部40、50は、接続ライン170を介してエネルギー供給装置20又は電動工具10に接続されてもよい。
【0110】
図15は、本発明の例示的な実施形態、特に電動工具10とエネルギー供給装置20とを含むシステム100を示しており、2つ以上の電流伝送対70が、エネルギー供給装置20の極22、24に割り当てられてもよい。
図15に示す本発明の例示的な実施形態では、例えば、いずれの場合にも、2つの雌型接触相手部40又は2つの電流伝送対70が、エネルギー供給装置20の両方の極22、24に割り当てられてもよい。
【0111】
図16は、第1のコーティング110及び第2のコーティング120を有する電流伝送対70の好ましい実施形態の側面概略図を示す。電流伝送対70は、好ましくは、ブレード52を有する雄型接触相手部50と、少なくとも1つの接触腕部44を有する雌型接触相手部40とを含む。コーティング110、120は、好ましくは、雄型接触相手部50の表面140と雌型接触相手部40の表面140との両方に存在する。雌型接触相手部40の表面140は、好ましくは、雌型接触相手部40の接触腕部44の内側によって形成されてもよい。
図16に示す本発明の例示的な実施形態では、接触相手部40、50は、第1のコーティング110によって互いに接触し、第1のコーティング110は、好ましくは、接触相手部40、50の外側コーティングを構成する。第2のコーティング120は、好ましくは、雄型接触相手部50の表面140と雌型接触相手部40の表面140との間に存在し、好ましくは、接触相手部40、50の表面140への第1のコーティング110の接着を向上させる役割を果たす。
【0112】
図17は、個々の電流伝送対70の接触抵抗を測定するための可能な構造を示す。ここで、エネルギー供給装置20及び電動工具10への接触相手部40、50の2つの接続ライン170を分離させてもよく、それにより、接続状態にある雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50の電気抵抗のみが測定される。換言すれば、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50の抵抗の合計が形成されてもよく、電流伝送対70の接触抵抗と指定される。
【0113】
図17は、抵抗測定を実行し、このようにして各極22、24に対するインターフェース30の総電気境界抵抗を特定するために、接触相手部40、50への測定ラインが配置され得る電流伝送対70の点も示す。測定ラインが取り付けられ得る接触相手部40、50上の対応する点は、好ましくは「電流取出点98」と指定される。本発明に関連して、インターフェース30の総電気抵抗の測定は、好ましくは、いずれの場合にも正極22又は負極24のいずれか一方であるエネルギー供給装置20の1つの極22、24を指す。換言すれば、電流伝送対70の抵抗は、エネルギー供給装置20のカソード22と電動工具10との間の第1の電流経路90、又は電動工具10とエネルギー供給装置20のアノード24との間の第2の電流経路92で測定されてもよい。
【0114】
抵抗測定は、好ましくは、当業者にとって周知の4導体測定法を含んでもよい。測定は、好ましくは、19~23℃の温度範囲における室温、特に好ましくは21℃の室温で行われる。例えば、10回の個々の測定値の算術平均が、例えば、総電気境界抵抗を特定するために用いられることがある。好ましくは、接触相手部40、50は、測定を開始する前に10回及びそれぞれ個々の測定後に1回、一緒に接続されてもよい。本発明の意味では、測定電流供給装置94に接続される測定ラインと、オーム計96に接続され、抵抗測定に用いられる測定ラインとは、互いに別々に測定点に導通されることが好ましい。本発明の意味では、測定電流供給装置94は、1アンペア(A)の電流を供給することが好ましい。本発明の意味では、これは、好ましくは、測定電流供給装置94に接続される測定ラインは1Aの測定電流を有する負荷がかけられることを意味する。
【0115】
その間で抵抗が測定される電流取出点98は、電流伝送対70の接触相手部40、50上に、好ましくは接触相手部40、50が互いに当接する少なくとも1つの個々の接点46に物理的に近接して、配置される。エネルギー供給装置20の極22、24がそれぞれ接触相手部40、50に接続された場合、個々の接触相手部40、50の総境界抵抗は、電流伝送対70又はインターフェース30の総境界抵抗に対応する。
【0116】
図18は、1つの極22、24当たり幾つかの接触相手部40、50がある場合における総境界抵抗を測定するための構造を示す。本発明に関連して、電流伝送対70の接触抵抗R1、R2、...Rnを測定することが好ましく、各電流伝送対70は、好ましくは、1つの雌型接触相手部40及び1つの雄型接触相手部50を含むか又はそれらからなる。1つの極22、24当たりのインターフェース30の総電気境界抵抗は、以下の式を用いて計算される。
R
ges=1/(1/R
1+1/R
2+...1/R
n)
これは、好ましくは、並列に接続された個々の抵抗の合計からの総抵抗の計算を表す。添え字「n」は、好ましくは、1つの極22、24当たりの接触相手部40、50の数を表す。
図18に示す本発明の例示的な実施形態では、n=2である。
図15に示す本発明の例示的な実施形態では、総電気境界抵抗の測定は、上側、即ち第1の電流経路90で実行され、第1の電流経路90は、エネルギー供給装置20の正極22を電動工具10に接続する。本発明の意味では、総電気境界抵抗の測定は、下側、即ち第2の電流経路92で実行され、第2の電流経路92は、電動工具10をエネルギー供給装置20の負極24に接続する、ことが同様に好ましい場合がある。
【0117】
抵抗測定の実行中、編組又は測定ラインは、所定位置にはんだ付け又は溶接されることが好ましい。抵抗測定は、特にクランプ又はそれに類するもの等の追加の接続手段なしで実行される。
【符号の説明】
【0118】
10 電動工具
12 電動工具の消費部、例えばモータ
20 エネルギー供給装置
22 エネルギー供給装置の正極
24 エネルギー供給装置の負極
26 電流導体
28 エネルギー貯蔵セル
30 インターフェース
32 接触領域
40 雌型接触相手部
42 テーパ
44 雌型接触相手部の脚部
46 個々の接点
50 雄型接触相手部
52 ブレード
60 相対的移動を減少させるための手段
62 弾性要素
70 雌型及び雄型接触相手部のユニット、電力伝送対
80 受入装置
90 第1の電流経路
92 第2の電流経路
94 測定電流供給装置
96 抵抗計
98 電流取出点
100 システム
110 第1のコーティング
120 第2のコーティング
130 基材
140 表面
150 微細構造
160 潤滑剤
170 編組
180 オーバースプリング
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具(10)と、前記電動工具(10)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(20)とを含むシステム(100)であって、前記エネルギー供給装置(20)は、インターフェース(30)を介して前記電動工具(10)に着脱可能に接続することができ、前記インターフェース(30)は、少なくとも雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)を含む、システム(100)において、
前記インターフェース(30)は、0.4ミリオーム未
満の、1つの極(22、24)当たりの総電気境界抵抗を有し、前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは第1のコーティング(110)を有し、前記第1のコーティング(110)は、30%未満のグラファイト割合を有する、ことを特徴とする、システム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のシステム(100)において、
前記インターフェース(30)は、1つの極(22、24)当たり少なくとも6
個の個々の接点(46)を有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項3】
請求項1に記載のシステム(100)において、
質量パーセントでの前記第1のコーティング(110)の銀の割合は、70%を超える領
域にあることを特徴とする、システム(100)。
【請求項4】
請求項
1に記載のシステム(100)において、
前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは、第2のコーティング(120)を有し、質量パーセントでの前記第2のコーティング(120)のニッケルの割合は、83%を超える領域にあることを特徴とする、システム(100)。
【請求項5】
請求項4に記載のシステム(100)において、
前記第2のコーティング(120)は、前記接触相手部(40、50)の基材(130)に対する前記第1のコーティング(110)の接着を向上させるように構成されることを特徴とする、システム(100)。
【請求項6】
請求項
4に記載のシステム(100)において、
前記第1のコーティング(110)及び前記第2のコーティング(120)の合計厚さは、4μmを超える領
域にあることを特徴とする、システム(100)。
【請求項7】
請求項
1に記載のシステム(100)において、
前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは、その表面(140)上に微細構造(150)を有し、前記微細構造(150)は、0.3μmを超える低減されたピーク高さ及び/又は0.3μmを超える低減された溝深さを有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項8】
請求項7に記載のシステム(100)において、
前記微細構造(150)は、前記少なくとも1つの接触相手部(40、50)の前記表面(140)上で周期的に繰り返されることを特徴とする、システム(100)。
【請求項9】
請求項
1に記載のシステム(100)において、
前記接触相手部(40、50)のうちの少なくとも1つは、その表面(140)上に潤滑剤(160)を有し、前記潤滑剤(160)は、質量パーセントで40%を超える油の割合を有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項10】
請求項9に記載のシステム(100)において、
前記潤滑剤(160)は、増粘のための少なくとも1種類の固体を含有し、前記固体は、金属石鹸及び/又はポリ尿素を含む、ことを特徴とする、システム(100)。
【請求項11】
請求項
9に記載のシステム(100)において、
前記潤滑剤(160)は、摩耗保護及び/又は非鉄金属の不活性化のための少なくとも1種類の添加剤を含むことを特徴とする、システム(100)。
【請求項12】
請求項
1に記載のシステム(100)において、
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの弾性電流導体(26)を有することを特徴とする、システム(100)。
【請求項13】
請求項
1に記載のシステム(100)において、
前記インターフェース(30)の前記接触相手部(40、50)は、プラグ接続を介して着脱可能に互いに接続することができることを特徴とする、システム(100)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、
前記エネルギー供給装置(20)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セル(28)を有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セル
(28)は、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有することを特徴とする、エネルギー供給装置(20)。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、
前記エネルギー供給装置(20)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セル(28)を有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セル
(28)は、表面積A及び体積Vを有し、前記体積に対する前記表面積の比率A/Vは、前記体積の立方根の逆数の6倍より大
きいことを特徴とする、エネルギー供給装置(20)。
【国際調査報告】