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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】2速ギヤボックス
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/091 20060101AFI20241108BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F16H3/091
H02K7/116
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533091
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 US2022051738
(87)【国際公開番号】W WO2023102241
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/285,675
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523342492
【氏名又は名称】オムニ パワートレイン テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル クレイグ
【テーマコード(参考)】
3J528
5H607
【Fターム(参考)】
3J528EB63
3J528EB74
3J528FB03
3J528FB12
3J528FB13
3J528FC42
3J528FC65
3J528HA22
3J528HC03
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB13
5H607CC03
5H607DD04
5H607EE36
5H607HH03
5H607HH09
(57)【要約】
車両用の2速電気駆動組立体は、第1の軸方向磁束モータによって駆動されるメインドライブシャフトを含み、メインドライブシャフトは、第2の軸方向磁束モータによって駆動される中空のアシストドライブシャフトを軸方向に貫通している。メインドライブシャフトは、中間ドライブシャフトに設けられた中間ギヤと連続的に噛み合わされたメインギヤを有する。フリーホイールギヤが中空アシストドライブシャフト周りに設けられ、フリーホイールギヤをシフト機構体によって中空アシストドライブシャフトに選択的に結合したりこれから切り離したりすることができる。フリーホイールギヤは、出力ドライブシャフトに取り付けられた出力ギヤと連続的に噛み合わされる。2速電気駆動組立体は、トルク中断なしに速度モードとトルクモードを選択的に切り換えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動組立体であって、
メインドライブシャフトを含み、前記メインドライブシャフトに沿ってメインギヤが設けられ、
前記メインドライブシャフトに結合されるとともに、前記メインドライブシャフトを回転させるよう設けられた第1の軸方向磁束モータを含み、
アシストドライブシャフトを含み、前記アシストドライブシャフトに沿ってアシストギヤが設けられ、
前記アシストドライブシャフトに結合されるとともに、前記アシストドライブシャフトを回転させるよう配置された第2の軸方向磁束モータを含み、
中間ドライブシャフトを含み、第1、第2および第3の中間ギヤが各々、前記中間ドライブシャフトに沿って設けられ、前記第3の中間ギヤは、前記中間ドライブシャフトに固定され、
出力ドライブシャフトを含み、前記出力ドライブシャフトには出力ギヤが取り付けられ、
前記メインギヤは、前記第2の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、
前記アシストギヤは、前記第1の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、
前記出力ギヤは、前記第3の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、
前記メインギヤ、前記アシストギヤ、第1の中間ギヤまたは第2の中間ギヤのうちの1つは、フリーホイールギヤであり、前記フリーホイールギヤは、前記フリーホイールギヤを嵌めた前記ドライブシャフトとは独立して回転可能であるよう設けられている、電気駆動組立体。
【請求項2】
前記フリーホイールギヤに隣接して設けられていて、前記フリーホイールギヤと前記フリーホイールギヤを嵌めた前記ドライブシャフトを結合したり切り離したりするよう軸方向に動くことができるシフト機構体をさらに含む、請求項1記載電気駆動組立体。
【請求項3】
前記アシストドライブシャフトは、中空であり、前記メインドライブシャフトは、前記アシストドライブシャフトを同軸状に貫通している、請求項1記載電気駆動組立体。
【請求項4】
前記メインドライブシャフトは、第1の軸線に沿って延び、前記中間ドライブシャフトは、前記メイン第1軸線から間隔を置いて位置する第2の軸線に沿って延びている、請求項3記載電気駆動組立体。
【請求項5】
前記アシストギヤは、前記フリーホイールギヤである、請求項4記載電気駆動組立体。
【請求項6】
前記アシストギヤを前記アシストドライブシャフトとは独立して前記第1の軸線回りに回転させることができるよう前記アシストギヤと前記アシストドライブシャフトとの間に設けられた1つ以上のベアリングをさらに含む、請求項2記載電気駆動組立体。
【請求項7】
前記アシストギヤは、前記フリーホイールギヤであり、前記電気駆動組立体は、前記アシストギヤに設けられた複数の協働要素と、前記アシストギヤに設けられた前記複数の協働要素に係合するよう前記シフト機構体に設けられた複数の協働要素とをさらに含む、請求項2記載電気駆動組立体。
【請求項8】
2速電気駆動組立体であって、
第1の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたメインドライブシャフトを含み、前記メインドライブシャフトは、前記第1の軸線に沿って設けられ、かつ前記第1の軸方向磁束モータに結合され、
前記第1の軸方向磁束モータに隣接して配置された第2の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたアシストドライブシャフトを含み、前記アシストドライブシャフトは、中空であり、前記アシストドライブシャフトは、外側ドライブシャフト表面および前記アシストドライブシャフトの前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記アシストドライブシャフトを貫通した内側ボアを有し、前記アシストドライブシャフトは、前記第2の軸方向磁束モータに結合され、前記メインドライブシャフトは、前記アシストドライブシャフトと同軸状になるよう前記アシストドライブシャフトを貫通し、
前記メインドライブシャフトに固定されたメインギヤを含み、
前記アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつ前記アシストドライブシャフトとは独立して回転可能であるアシストギヤを含み、
第2の軸線に沿って延びる中間ドライブシャフトを含み、前記中間ドライブシャフトは、前記第1の軸線と平行であるが、該第1の軸線から間隔を置いて配置され、
前記中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつ前記アシストギヤと永続的に噛み合わされた第1の中間ギヤを含み、
前記中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつ前記メインギヤと永続的に噛み合わされた第2の中間ギヤを含み、
前記中間ドライブシャフトに取り付けられた第3の中間ギヤを含み、
前記第1の軸線に沿って設けられているが、前記第1および前記第2のドライブシャフトから間隔を置いて配置された出力ドライブシャフトを含み、
前記出力ドライブシャフトに固定され、かつ前記第3の中間ギヤと永続的に噛み合わされた出力ギヤを含み、
前記アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつ前記メインギヤと前記アシストギヤとの間で前記アシストドライブシャフトに沿って軸方向に動くことができるシフト機構体を含む、2速電気駆動組立体。
【請求項9】
前記メインギヤは、第1の半径R1を有し、前記アシストギヤは、第2の半径R2を有し、前記第1の中間ギヤは、第3の半径R3を有し、前記第2の中間ギヤは、第4の半径R3を有し、前記第3の中間ギヤは、第5の半径R5を有し、前記出力ギヤは、第6の半径R6を有し、R3は、R4よりも大きく、R4は、R5よりも大きく、R6は、R1よりも大きく、R1は、R2よりも大きい、請求項8記載の2速電気駆動組立体。
【請求項10】
ギヤボックスハウジングをさらに含み、前記ギヤボックスハウジング内には第1の支持プレートおよび第2の支持プレートが設けられ、前記アシストドライブシャフトは、前記ギヤボックスハウジングおよび前記第1の支持プレートによって支持され、前記出力ドライブシャフトは、前記ギヤボックスハウジングおよび前記第2の支持プレートによって支持され、前記メインドライブシャフトは、前記アシストドライブシャフトから延び、かつ前記第2の支持プレートによって支持されている、請求項8記載の2速電気駆動組立体。
【請求項11】
前記中間ドライブシャフトは、前記ギヤボックスハウジングによって支持されている、請求項10記載の2速電気駆動組立体。
【請求項12】
前記シフト機構体をを作動させるよう設けられた電気アクチュエータと、前記第1および前記第2の軸方向磁束モータならびに前記電気アクチュエータの各々に電気的に結合された単一のインバータとをさらに含む、請求項8記載の2速電気駆動組立体。
【請求項13】
前記単一インバータを制御する単一のコントローラをさらに含む、請求項12記載の2速電気駆動組立体。
【請求項14】
前記アシストドライブシャフトの回転速度をモニタするよう前記アシストドライブシャフトに隣接して設けられた第1の速度センサと、前記アシストギヤの回転速度をモニタするよう前記メインドライブシャフト、前記第1のメインギヤ、前記中間ドライブシャフトまたは中間ギヤのうちの1つに隣接して設けられた第2の速度センサとをさらに含む、請求項13記載の2速電気駆動組立体。
【請求項15】
電気駆動組立体であって、
第1の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたメインドライブシャフトを含み、前記メインドライブシャフトは、前記第1の軸線に沿って設けられ、かつ前記第1の軸方向磁束モータに結合され、
第2の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたアシストドライブシャフトを含み、前記アシストドライブシャフトは、前記第1の軸線に沿って設けられ、かつ前記第2の軸方向磁束モータに結合され、
前記メインドライブシャフト周りに設けられたメインギヤを含み、
前記アシストドライブシャフトの周りに設けられたアシストギヤを含み、前記メインギヤまたは前記アシストギヤのうちの一方は、フリーホイールギヤであり、前記フリーホイールギヤは、前記フリーホイールギヤを嵌めた前記ドライブシャフトとは独立して回転可能であり、
第2の軸線に沿って延びる中間ドライブシャフトを含み、前記第2の軸線は、前記第1の軸線と平行であるが、該第1の軸線から間隔を置いて位置し、
前記中間ドライブシャフト周りに設けられ、かつ前記アシストギヤと永続的に噛み合わされた第1の中間ギヤを含み、
前記中間ドライブシャフト周りに設けられ、かつ前記メインギヤと永続的に噛み合わされた第2の中間ギヤを含み、
前記中間ドライブシャフトに取り付けられた第3の中間ギヤを含み、
前記第1および前記第2のドライブシャフトから間隔を置いて配置された出力ドライブシャフトを含み、
前記出力ドライブシャフトに固定され、かつ前記第3の中間ギヤと永続的に噛み合わされた出力ギヤを含み、
前記フリーホイールギヤに隣接して取り付けられたシフト機構体を含み、前記シフト機構体は、前記ドライブシャフトに沿って、前記フリーホイールギヤをドライブシャフトに結合するよう前記シフト機構体が前記フリーホイールギヤと係合する第1の位置から、前記シフト機構体が前記フリーホイールギヤから切り離される第2の位置に軸方向に動くことができる、電気駆動組立体。
【請求項16】
前記シフト機構体を作動させるよう設けられた電気アクチュエータと、前記第1および前記第2の軸方向磁束モータならびに前記電気アクチュエータの各々に電気的に結合された単一のインバータと、前記単一インバータを制御するコントローラとをさらに含む、請求項15記載の2速電気駆動組立体。
【請求項17】
前記アシストドライブシャフトの回転速度をモニタするよう前記アシストドライブシャフトに隣接して設けられた第1の速度センサと、前記アシストギヤの回転速度をモニタするよう前記メインドライブシャフト、前記第1のメインギヤ、前記中間ドライブシャフトまたは中間ギヤのうちの1つに隣接して設けられた第2の速度センサとをさらに含む、請求項16記載の2速電気駆動組立体。
【請求項18】
前記第1の軸方向磁束モータは、単一のロータしか備えていない、請求項16記載の2速電気駆動組立体。
【請求項19】
前記第1および前記第2の磁束モータは各々、単一のロータしか備えていない、請求項16記載の2速電気駆動組立体。
【請求項20】
前記第1および前記第2の磁束モータは各々、非金属ロータを備えている、請求項19記載の2速電気駆動組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年12月3日出願の米国特許仮出願第63/285,675号の優先権を主張する出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
本開示内容(本発明)は、一般に、電気自動車用のトランスミッション組立体に関し、特に、軸方向磁束電気モータ用の2速ギヤボックスに関する。
【背景技術】
【0003】
普及している先行技術の車両駆動システムでは、一ギヤから別のギヤにシフトする際にトルク中断が生じる場合が多い、と言うのは、第1ギヤを駆動ギヤから切り離し、次いで第2ギヤを駆動ギヤに噛み合わせるからである。このことは、多くの場合、車速の短時間の減速で明らかになる。さらに、電気駆動式駆動システムに関し、トルク中断のもう1つの発生源は、トランスミッション制御ユニット(TCU)のタイミング、特にTCUからの信号を電気モータと連携して機能するモータコントローラや任意他の電子部品に伝達するのに要する時間に由来する。かかる電気駆動式駆動システムでは、種々の別々の電子・電気部品を統合するソフトウェアが典型的には、どのようなアクションであれ、これを実行する前に、これら電子部品相互間の要求や妥当性を管理しなければならないということは当然のことである。別々の電子部品相互間のかかる協調は、電子部品の計算や反応時間を増やし、電位駆動システムの場合、その結果として、これまた車速の短時間の減速が生じ、それ故にトルク中断が生じる場合がある。かくして、トルク中断を減少させてギヤ相互間の迅速なシフト操作を可能にすることが要望されている。
【0004】
さらに、かかる駆動システムが電気モータによって駆動される場合、第1ギヤの切り離しと第2ギヤの噛み合わせとの間で、電気モータを用いてパワーを駆動システムからブリードオフ(bleed off )し、電気モータを短時間で発電機に変えることが必要である。この点に関し、電気モータのロータを減速するのに必要とされるエネルギー量は、ロータの質量、それ故にその慣性に比例する。電気モータを発電機にするとき、システム全体は、減速中のロータから生じるエネルギーパルスを吸収して放出し、あるいは違ったやり方で減衰させなければならない。このエネルギーパルスは、適切に取り扱われない場合、システムの種々の電子部品を損傷させる場合がある。かくして、ギヤシフト中にこのエネルギーパルスを軽減することが要望されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一観点によれば、電気駆動組立体であって、
メインドライブシャフトを含み、メインドライブシャフトに沿ってメインギヤが設けられ、
メインドライブシャフトに結合されるとともに、メインドライブシャフトを回転させるよう設けられた第1の軸方向磁束モータを含み、
アシストドライブシャフトを含み、アシストドライブシャフトに沿ってアシストギヤが設けられ、
アシストドライブシャフトに結合されるとともに、アシストドライブシャフトを回転させるよう配置された第2の軸方向磁束モータを含み、
中間ドライブシャフトを含み、第1、第2および第3の中間ギヤが各々、中間ドライブシャフトに沿って設けられ、第3の中間ギヤは、中間ドライブシャフトに固定され、
出力ドライブシャフトを含み、出力ドライブシャフトには出力ギヤが取り付けられ、
メインギヤは、第2の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、
アシストギヤは、第1の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、
出力ギヤは、第3の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、
メインギヤ、アシストギヤ、第1の中間ギヤまたは第2の中間ギヤのうちの1つは、フリーホイールギヤであり、フリーホイールギヤは、フリーホイールギヤを嵌めたドライブシャフトとは独立して回転可能であるよう設けられていることを特徴とする電気駆動組立体が提供される。
【0006】
本発明の別の観点によれば、2速電気駆動組立体であって、
第1の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたメインドライブシャフトを含み、メインドライブシャフトは、第1の軸線に沿って設けられ、かつ第1の軸方向磁束モータに結合され、
第1の軸方向磁束モータに隣接して配置された第2の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたアシストドライブシャフトを含み、アシストドライブシャフトは、中空であり、アシストドライブシャフトは、外側ドライブシャフト表面およびアシストドライブシャフトの第1の端部と第2の端部との間でアシストドライブシャフトを貫通した内側ボアを有し、アシストドライブシャフトは、第2の軸方向磁束モータに結合され、メインドライブシャフトは、アシストドライブシャフトと同軸状になるようアシストドライブシャフトを貫通し、
メインドライブシャフトに固定されたメインギヤを含み、
アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつアシストドライブシャフトとは独立して回転可能であるアシストギヤを含み、
第2の軸線に沿って延びる中間ドライブシャフトを含み、中間ドライブシャフトは、第1の軸線と平行であるが、該第1の軸線から間隔を置いて配置され、
中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつアシストギヤと永続的に噛み合わされた第1の中間ギヤを含み、
中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつメインギヤと永続的に噛み合わされた第2の中間ギヤを含み、
中間ドライブシャフトに取り付けられた第3の中間ギヤを含み、
第1の軸線に沿って設けられているが、第1および第2のドライブシャフトから間隔を置いて配置された出力ドライブシャフトを含み、
出力ドライブシャフトに固定され、かつ第3の中間ギヤと永続的に噛み合わされた出力ギヤを含み、
アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつメインギヤとアシストギヤとの間でアシストドライブシャフトに沿って軸方向に動くことができるシフト機構体を含むことを特徴とする2速電気駆動組立体が提供される。
【0007】
本発明のさらに別の観点によれば、電気駆動組立体であって、
第1の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたメインドライブシャフトを含み、メインドライブシャフトは、第1の軸線に沿って設けられ、かつ第1の軸方向磁束モータに結合され、
第2の軸方向磁束モータを含み、
第1の端部および第2の端部を備えたアシストドライブシャフトを含み、アシストドライブシャフトは、第1の軸線に沿って設けられ、かつ第2の軸方向磁束モータに結合され、
メインドライブシャフト周りに設けられたメインギヤを含み、
アシストドライブシャフトの周りに設けられたアシストギヤを含み、メインギヤまたはアシストギヤのうちの一方は、フリーホイールギヤであり、フリーホイールギヤは、フリーホイールギヤを嵌めたドライブシャフトとは独立して回転可能であり、
第2の軸線に沿って延びる中間ドライブシャフトを含み、第2の軸線は、第1の軸線と平行であるが、該第1の軸線から間隔を置いてと位置され、
中間ドライブシャフト周りに設けられ、かつアシストギヤと永続的に噛み合わされた第1の中間ギヤを含み、
中間ドライブシャフト周りに設けられ、かつメインギヤと永続的に噛み合わされた第2の中間ギヤを含み、
中間ドライブシャフトに取り付けられた第3の中間ギヤを含み、
第1および第2のドライブシャフトから間隔を置いて配置された出力ドライブシャフトを含み、
出力ドライブシャフトに固定され、かつ第3の中間ギヤと永続的に噛み合わされた出力ギヤを含み、
フリーホイールギヤに隣接して取り付けられたシフト機構体を含み、シフト機構体は、ドライブシャフトに沿って、フリーホイールギヤをドライブシャフトに結合するようシフト機構体がフリーホイールギヤと係合する第1の位置から、シフト機構体がフリーホイールギヤから切り離される第2の位置に軸方向に動くことができることを特徴とする電気駆動組立体が提供される。
【0008】
本発明の種々の実施形態は、以下の与える詳細な説明および本発明の種々の実施形態の添付の図面から十分に理解されよう。図面において、同一の参照符号は、同一のまたは機能的に類似した要素を指す場合がある。以下、添付の図面を参照して諸実施形態につき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1a】2速電気駆動組立体の1つの実施形態の略図であり、アシストギヤがフリーホイールギヤである場合を示す図である。
図1b】2速電気駆動組立体の一実施形態の略図であり、中間ギヤがフリーホイールギヤである場合を示す図である。
図1c】2速電気駆動組立体の一実施形態の略図であり、メインギヤがフリーホイールギヤである場合を示す図である。
図1d】2速電気駆動組立体のもう1つの実施形態の略図であり、中間ギヤがフリーホイールギヤである場合を示す図である。
図2図1aの2速電気駆動組立体の斜視図である。
図3図1aの2速電気駆動組立体のギヤボックスの斜視図である。
図4図1aの2速電気駆動組立体で用いられるシフト機構体の1つの実施形態の斜視図である。
図5図1aの2速電気駆動組立体で用いられる軸方向磁束電気モータの1つの実施形態の分解組立斜視図である。
図6図5の軸方向磁束電気モータのロータ組立体の斜視図である。
図7図6のロータ組立体の分解組立斜視図である。
図8図7のロータコアの一部分の拡大斜視図であり、ロータコアの層状構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、第1および第2の軸方向磁束モータと、4本のドライブシャフト、すなわち、メインドライブシャフト、中空のアシストドライブシャフト、中間ドライブシャフトおよび出力ドライブシャフトとを含む車両用電気駆動組立体が開示される。メインドライブシャフトは、中空アシストドライブシャフトと同軸であってこの中空のアシストドライブシャフトを貫通している。出力ドライブシャフトは、中間ドライブシャフトから間隔を置いて配置されている。幾つかの実施形態では、出力ドライブシャフトは、メインドライブシャフトおよび中空アシストドライブシャフトと同一直線上に位置するのがよい。3つのギヤ、すなわち、第1の中間ギヤ、第2の中間ギヤ、および第3の中間ギヤが中間ドライブシャフトに沿って取り付けられている。メインギヤがメインドライブシャフトに取り付けられ、第1の軸方向磁束モータがメインギヤを駆動するようメインドライブシャフトに結合されている。アシストギヤが中空アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、このアシストギヤは、中空アシストドライブシャフトに対して回転可能であり、それによりアシストギヤを中空アシストドライブシャフトに係合させたりこれから切り離したりすることができる。第2の軸方向磁束モータは、中空アシストドライブシャフトに結合されていて、この中空アシストドライブシャフトを駆動する。最後に、出力ギヤが出力ドライブシャフトに取り付けられている。アシストギヤは、中間ドライブシャフトの第2の中間ギヤと永続的に噛み合わされ、メインギヤは、中間ドライブシャフトの第2の中間ギヤと永続的に噛み合わされ、出力ギヤは、中間ドライブシャフトの第3の中間ギヤと永続的に噛み合わされている。1つ以上の実施形態では、電気駆動組立体は、中空アシストドライブシャフトに隣接して取り付けられたシフト機構体をさらに含み、このシフト機構体は、アシストギヤを中空アシストドライブシャフトに係合させたりこれから離脱させたりするよう作動可能である。第1のパワーモードでは、第1の軸方向磁束モータは、メインギヤを駆動することができ、パワーを第2および第3の中間ギヤ経由で出力ギヤに伝達する。第2のパワーモードでは、第1の軸方向磁束モータは、第1のパワーモードの場合と同様に動作するが、アシストギヤは、中空アシストドライブシャフトに係合した状態で第2の軸方向磁束モータによって駆動され、それによりパワーを第1、第2および第3の中間ギヤの各々経由で出力ギヤに伝達する。第3のパワーモードでは、第1の軸方向磁束モータは、フリーホイール運動することができ、第2の軸方向磁束モータだけを利用してパワーを第1および第3の中間ギヤ経由で出力ギヤに伝達する。
【0011】
図1aを参照すると、電気駆動組立体100が提供されており、この電気組立体は、2つの軸方向磁束モータ102a,102bおよびトルク中断発生を減少させるための歯車装置を採用している。第1の軸方向磁束モータ102aは、第1の軸線110に沿って延びるメインまたは第1のドライブシャフト104aに結合されていて、これを駆動する。メインギヤ114がメインドライブシャフト104aに沿って設けられている。メインギヤ114は、メインドライブシャフト104aと一体に形成されているのがよく、あるいは、変形例として、メインギヤ114は、メインドライブシャフト104aとともに回転するようメインドライブシャフト104aに取り付けられてもよい。1つ以上の実施形態では、メインギヤ114は、メインドライブシャフト104aに固定されている。いずれにしても、メインドライブシャフト104aは、第1の端部106aおよび第2の端部106bを有する。1つ以上の実施形態では、メインギヤ114は、メインドライブシャフト104aの第2の端部106bのところに取り付けられ、第1の軸方向磁束モータ102aは、メインドライブシャフト104aの第1の端部106aに係合している。本明細書で用いる軸方向磁束モータという用語は、ドライブシャフト軸線に沿って軸方向に互いに間隔を置いて配置された少なくとも1つのロータおよび対応のステータを備えた電気装置を指している。かかるモータには、代表的には、コイルに平行な平面内に配置された磁石が組み込まれている。さらに、本明細書で用いる2速という用語は、2つの互いに異なるギヤ比を有するギヤボックスまたはトランスミッションを指している。
【0012】
第2の磁束モータ102bは、アシストまたは第2のドライブシャフト104bを駆動する。1つ以上の実施形態では、第2の軸方向磁束モータ102bは、第1の軸方向磁束モータ102aに隣接して位置している。いずれにしても、アシストドライブシャフト104bは、第1の端部108aおよび第2の端部108bを有し、内側ボア113が第1の端部108aと第2の端部108bとの間を通っており、その結果、アシストドライブシャフト104bは、アシストドライブシャフト104bの長さに沿って中空であるようになっている。アシストドライブシャフト104bはまた、外側ドライブシャフト表面112を有する。アシストギヤ116がアシストドライブシャフト104bのドライブシャフト104bの表面112に沿って設けられている。アシストドライブシャフト104bは、アシストドライブシャフト104bの第1の端部104aのところで第2の軸方向磁束モータ102bに結合されている。メインドライブシャフト104aは、第1の軸線110に沿ってアシストドライブシャフト104bと同軸状になるようアシストドライブシャフト104bを軸方向に貫通している。1つ以上の実施形態では、アシストギヤ116は、外側ドライブシャフト表面112に隣接してアシストドライブシャフト104bに沿って設けられていて、アシストドライブシャフト104bに対して回転可能である。したがって、アシストギヤ116は、アシストドライブシャフト104bに結合されていない場合にはアシストドライブシャフト104bに対してフリーホイール運動(惰性で動く)ことができる。換言すると、アシストギヤ116は、アシストドライブシャフト104bに沿って設けられているが、以下に説明するシフト機構体132によってアシストドライブシャフト104bに結合されていない場合にはアシストドライブシャフト104bとは独立して回転可能である。
【0013】
1つの実施形態では、アシストギヤ116は、ベアリング121によってアシストドライブシャフト104bの外側ドライブシャフト表面112上に支持されるのがよく、ベアリング121により、アシストギヤ116は、フリーホイール運動することができ、すなわち、アシストドライブシャフト104bとは独立して回転することができる。同様に、ベアリング121は、メインドライブシャフト104aを支持するようアシストドライブシャフト104bの内側ボア113内に取り付けられるのがよく、それにより、メインドライブシャフト104aは、アシストドライブシャフト104bとは独立して回転することができる。
【0014】
メインドライブシャフト104aとアシストドライブシャフト104bが同軸であるので、アシストドライブシャフト104bがメインドライブシャフト104aを挿通させる貫通ボアを備えた中空ドライブシャフトである場合、第1および第2の軸方向磁束モータ102a,102bは、それぞれ、互いに隣接して配置されるのがよく、他方、2本のドライブシャフト104a,104bは、それぞれ、互いに独立して回転することができる。
【0015】
中間または第3のドライブシャフト118がメインドライブシャフト104aおよびアシストドライブシャフト104bから間隔を置いて設けられており、この中間ドライブシャフト118は、第2の軸線120に沿って延びている。1つ以上の実施形態では、第2の軸線120は、第1の軸線110と平行であるが、これから間隔を置いて位置しており、その結果、中間ドライブシャフト118は、メインドライブシャフト104aおよびアシストドライブシャフト104bと平行になっている。中間ドライブシャフト118は、第1の端部119aおよび第2の端部119bを有する。
【0016】
中間ドライブシャフト118に沿って第1の中間ギヤ122、第2の中間ギヤ124、および第3の中間ギヤ126が配置されている。図示のように、1つ以上の実施形態では、第1の中間ギヤ122は、中間ドライブシャフト118の第1の端部119aに隣接して取り付けられ、第3の中間ギヤ126は、中間ドライブシャフト118の第2の端部119bに隣接して取り付けられ、そして第2の中間ギヤ124は、第1の中間ギヤ122と第3のギヤ126との間で中間ドライブシャフト118に取り付けられている。他の実施形態では、第1の中間ギヤ122、第2の中間ギヤ124、および第3の中間ギヤ126は、別の順序で中間ドライブシャフト118に取り付けられてもよい。例えば、1つ以上の実施形態では、第3の中間ギヤ126は、第1の中間ギヤ122と第2の中間ギヤ124との間に配置されてもよく、この場合、出力ドライブシャフト128が第1の軸線110および第2の軸線120の各々から間隔を置いて位置するのがよく、その目的は、第3の中間ギヤ126と永続的に噛み合わされた出力ギヤ130を収容することにある。
【0017】
図1aに示すように、第1の中間ギヤ122は、第1の中間ギヤ122とアシストギヤ116が互いに接触係合関係をなすようアシストギヤ116と永続的に噛み合わされている。同様に、第2の中間ギヤ124は、第2の中間ギヤ124とメインギヤ114が互いに接触係合関係をなすようメインギヤ114と永続的に噛み合わされている。
【0018】
電気駆動組立体100は、出力または第4の出力シャフト128をさらに含む。図1aに示すように、出力ドライブシャフト128は、中間ドライブシャフト118から半径方向に間隔を置いて配置されている。1つ以上の実施形態では、出力ドライブシャフト128は、メインドライブシャフト104aおよびアシストドライブシャフト104bと同一直線上に位置するよう第1の軸線110に沿って延びるのがよいが、かかる場合、出力ドライブシャフト128は、メインドライブシャフト104aおよびアシストドライブシャフト104bから軸方向に間隔を置いて配置される。他の実施形態では、出力ドライブシャフト128は、第1の軸線110および第2の軸線120とは別個の第3の軸線(図示せず)に沿って延びるのがよい。いずれにしても、出力ドライブシャフト128は、第1の端部129aおよび第2の端部129bを有し、出力ギヤ130が2つの端部129a,129b相互間で出力ドライブシャフト128に取り付けられるとともに中間ドライブシャフト118によって担持された第3の中間ギヤ126に結合されている。具体的に説明すると、出力ギヤ130は、第3の中間ギヤ126と出力ギヤ130が互いに接触係合関係をなすよう第3の中間ギヤ126と永続的に噛み合わされている。1つの実施形態では、出力ギヤ130は、出力ドライブシャフト128と第1の端部129aに隣接して取り付けられ、駆動フランジ135が出力ドライブシャフト128の第2の端部129bに隣接して取り付けられている。
【0019】
本明細書で用いる「永続的に噛み合わされ」という表現は、2つのギヤが電気駆動組立体100の作動中、互いに接触係合関係をなし、または連続的に噛み合わされていることを意味している。この点に関し、本明細書で説明する全ての中間ギヤ、すなわち、第1の中間ギヤ122、第2の中間ギヤ124、および第3の中間ギヤ126は、電気駆動組立体100の作動中、これらのそれぞれのギヤと同時に永続的に噛み合わされる。注目すべきこととして、種々のギヤが本明細書で説明するように接触係合関係をなすので、種々のドライブシャフト、すなわち第1のドライブシャフト104a、第2のドライブシャフト104b、第3のドライブシャフト118および第4のドライブシャフト128相互間の軸方向および半径方向間隔は、一定にされるのがよい。換言すると、ドライブシャフトの全ては、互いに対して軸方向かつ半径方向に固定されるのがよく、それにより歯車およびドライブシャフトと封入するために設けられる封入するよう設けられたギヤボックスハウジング133のサイズが最小限に抑えられる。図1aには、ギヤボックスハウス133を貫通した第1のドライブシャフト104aおよび第2のドライブシャフト104bが具体的に示されており、第1および第2の軸方向磁束モータ102a,102bは、ギヤボックスハウジング133の外部に位置するようになっている。同様に、第4のドライブシャフト128は、ギヤボックスハウジング133を貫通し、駆動フランジ135もまた、ギヤボックスハウジング133の外部に位置するようになっている。
【0020】
図示の実施形態では、メインギヤ114は、第1の半径R1を有し、アシストギヤ116は、第2の半径R2を有し、第1の中間ギヤ122は、第3の半径R3を有し、第2の中間ギヤ124は、第4の半径R4を有し、第3の中間ギヤ126は、第5の半径R5を有し、出力ギヤ130は、第6の半径R6を有する。当然のことではあるが、ギヤの種々の半径は、特定のギヤ比を達成するよう選択されているのがよく、本開示は、特定のギヤ比には限定されない。しかしながら、幾つかの実施形態では、R3は、R4よりも大きく、R4は、R5よりも大きく、R6は、R1よりも大きく、R1は、R2よりも大きい。
【0021】
図1aの実施形態では、ギヤ114,116,122,124,126,130は、一般に、平歯車として図示されているが、他形式の歯車、例えば、はすば歯車には限定されない。1つ以上の実施形態では、出力ギヤ130、メインギヤ114および第1の中間ギヤ122は、各々が連続的に噛み合うギヤよりも直径が大きいブルギヤである。
【0022】
当然のことではあるが、種々のギヤが永続的に噛み合わされて本明細書において説明するようにパワーを伝達する限り、互いに対する歯車とシャフトの特定の物理的配列状態は、本開示によって限定されない。例えば、出力ドライブシャフト128は、第1の軸線110とは異なる軸線に沿って配置されてもよい。さらに、出力ドライブシャフト128は、軸方向磁束モータ102に隣接して位置してもよく、この場合、第3の中間ギヤ126は、第2の中間ギヤ124が中間ドライブシャフト118の第2の端部119bのところに配置された状態で、中間ドライブシャフト118の第1の端部119aのところに配置されてもよい。同様に、図示のギヤは、平歯車として示され、種々のドライブシャフトが互いに平行であるが、他の実施形態では、ギヤは、ドライブシャフトを互いに対して角度付けすることができるよう他形式のギヤであってもよい。例えば、第3の中間ギヤ126は、出力ドライブシャフト128が中間ドライブシャフト118に対して垂直であるようかさ歯車であってもよい。最後に、先行技術とは異なり、これら固定状態のコンポーネントを用いると、ギヤを変更するために物理的に動かされるという意味において、「シフトされる」ギヤもなければドライブシャフトもない。これとは異なり、電気駆動組立体100は、上述の歯車配列関係を利用したトルクモードとパワーモードのギヤの移行を呈する。
【0023】
電気駆動組立体100は、少なくとも、アシストギヤ116をアシストドライブシャフト104に結合したりこれから結合解除したりするよう設けられたシフト機構体132をさらに含む。特定の機構体または装置に限定されないが、1つ以上の実施形態では、シフト機構体132は、協働する要素137を含むのがよく、協働する要素137は、アシストギヤ116に設けられた協働する要素に係合する。幾つかの実施形態では、シフト機構体132は、軸方向に摺動可能なドッグリンクまたはシフトスリーブ132b(図4参照)を含むのがよい。1つ以上の実施形態では、シフト機構体132は、アシストギヤ116に隣接して位置している。この点に関し、シフト機構体132は、第1の軸線110に沿って設けられるとともにメインギヤ114とアシストギヤ116の間に配置されるのがよく、その目的は、少なくとも、アシストギヤ116を必要に応じてアシストドライブシャフト104bに結合することにある。例えば、シフト機構体132は、アシストドライブシャフト104bに取り付けられるとともにこれに結合されるのがよく、その結果、アシストドライブシャフト104bの回転によりシフト機構体132が回転するようになっている。いずれにしても、シフト機構体132は、アシストギヤ116とアシストドライブシャフト104bを結合したりこれから結合解除したりするために、それぞれ、アシストギヤ116に係合したりこれから離脱するよう設けられるのがよい。他の実施形態では、シフト機構体132は、アシストギヤ116かメインギヤ114かのいずれかと交互に係合するよう設けられるのがよい。シフト機構体132がアシストギヤ116かメインギヤ114かのいずれかに係合するよう設けられる場合、シフト機構体132は、速度を増大させるためにメインギヤ114と一緒に働きまたは電気駆動組立体100からのトルクを増大させるためにアシストギヤ116と一緒に働くよう動かされるのがよい。
【0024】
図1aに示すように、アクチュエータ142がシフト機構体132を動かして所望に応じて歯車に係合したり、これから離脱したりするよう利用されるのがよい。幾つかの実施形態では、シフト機構体132は、シフト機構体132を係合位置と離脱位置との間で押圧するリンク装置140を含むのがよい。1つ以上の実施形態では、アクチュエータ142は、電気アクチュエータ機構体である。
【0025】
シフト機構体132を利用すると、第2の軸方向磁束モータ102bを結果的にトルク中断しないで、第1の軸方向磁束モータ102aと連携して利用することができ、またはその逆の関係が成り立つ。例示の一例では、第1の軸方向磁束モータ102aは、メインギヤ114を駆動し、それにより、メインギヤ114を連続的に噛み合わせた第2の中間ギヤ124により第2の中間ドライブシャフト118を回転させる。回転中の第2の中間ドライブシャフト118は、アシストドライブシャフト104b周りに取り付けられたアシストギヤ116と連続的に噛み合わされた第1の中間ギヤ122を駆動する。特に、アシストギヤ116は、自由にスピンし、またはシフト機構体132によってアシストドライブシャフト104bに結合されていない場合にはアシストドライブシャフト104bとは独立してスピンするようアシストドライブシャフト104b周りに取り付けられている。例えば、第1の軸方向磁束モータ102aは、選択された第1の速度RPM1で動作することができ、その結果、アシストギヤ116がアシストギヤ速度RMPaで回転することになる。第2の軸方向磁束モータ102bは、第1の軸方向磁束モータ102aが動作中の場合、動作中である必要はない。第2の磁束モータ102bを第1の軸方向磁束モータ102aと連携して利用することができるにするため、第2の軸方向磁束モータ102bは、アシストドライブシャフト104bを回転させ、それによりアシストドライブシャフト104bに取り付けられているシフト機構体132を回転させるよう利用される。第2のモータ102bは、シフト機構体132がアシストギヤ速度RMPaと同一の速度で回転するよう選択された第2の速度RPM2で作動される。換言すると、第1および第2の軸方向磁束モータ102a,102bがシフト機構体132の回転速度がアシストギヤ116の回転速度RMPaと一致することが違ったやり方でこれと同期することができる速度で作動され、その時点で、シフト機構体132は、シフト機構体132がアシストギヤ116に係合し、それによりアシストギヤ116をアシストドライブシャフト104bに結合するよう作動されるのがよい。しかる後、第2の軸方向磁束モータ102bを利用すると、出力ドライブシャフト128に追加のトルクを提供することができ、または別法として、第1および第2の軸方向磁束モータ102a,102bを調節して電気駆動組立体100のための所望のトルク‐出力を達成することができる。この構成により、第2の軸方向磁束モータ102bを可動させて何らトルク中断を生じさせないで、特に、歯車をどれも離脱させる必要なく、出力ドライブシャフト128の駆動を助けることができる。かくして、パワーは、プロセス全体の間維持できる。
【0026】
速度を上述したように一致させるのを助けるため、1つ以上の速度センサ146がドライブシャフトおよび/またはギヤの回転速度をモニタするためにドライブシャフトギヤのうちの少なくとも一方に隣接して設けられるのがよい。図示の実施形態では、速度センサ146aがアシストドライブシャフト104bに隣接して図示され、速度センサ146bが中間ドライブシャフト118に隣接して図示され、速度センサ146cが出力ドライブシャフト128に隣接して図示され、速度センサ146dがメインドライブシャフト104aに隣接して図示されている。当業者であれば、かかる速度センサ146がドライブシャフトの回転速度またはドライブシャフトに取り付けられたギヤの回転速度を測定するよう配置されるのがよいことが理解されるであろう。さらに、4つの速度センサ146が幾つかの実施形態について図示されているが、他の実施形態では、第1および第2の磁束モータ102a,102bから結果として得られる相対的RPMを測定するために利用されるのは、2つのセンサ146しか利用する必要はない。変形例として、速度センサ146の必要が全くない場合、第2の軸方向磁束モータ102bの速度は、第1の軸方向磁束モータ102aの既知の速度および種々のドライブシャフトおよびギヤの既知の幾何学的形状に基づいて調節されてもよい。
【0027】
図1bに示すような1つ以上の他の実施形態では、「フリーホイール」ギヤとしてアシストドライブシャフト104bに設けられたアシストギヤ116を利用することなく、しかも中間ドライブシャフト118に取り付けられた固定状態の第1の中間ギヤ122を連続的に係合させないで、これら2つの噛み合い状態のギヤの相対的位置を逆にすることができる。具体的に説明すると、アシストギヤ116は、アシストドライブシャフト104bに取り付けられた固定ギヤであるのがよく、第1の中間ギヤ122は、中間ドライブシャフト118周りに設けられたフリーホイールギヤであるのがよい。かかる場合、第1の中間ギヤ122は、中間ドライブシャフト118とは独立して第2の軸線120回りに回転する。当然のことではあるが、この実施形態では、シフト機構体132は、第1の中間ギヤ122を中間ドライブシャフト118に結合したりこれから結合解除したりするために第1の中間ギヤ122に隣接して配置されている。この点に関し、シフト機構体132は、第2の軸線120に沿って軸方向に動くのがよい。ベアリング121は、中間ドライブシャフト118に対する第1の中間ギヤ122の独立回転を可能にするよう第1の中間ギヤ122と中間ドライブシャフト118との間に利用されるのがよい。
【0028】
図1cに示すような1つ以上の他の実施形態では、「フリーホイール」ギヤとしてアシストをドライブシャフト104bに取り付けられたアシストギヤ116を利用しないで、アシストギヤ116は、アシストドライブシャフト104bに取り付けられた固定ギヤであるのがよく、メインドライブシャフト104a周りに設けられたメインギヤ114は、フリーホイールギヤとして利用されるのがよい。かかる場合、メインギヤ114は、メインドライブシャフト104aとは独立して第1の軸線110回りに回転する。理解されるように、この実施形態では、シフト機構体132は、メインギヤ114をメインドライブシャフト104aに係合させたりこれから切り離したりするためにメインギヤ114に隣接して配置される。ベアリング121がメインギヤ114とメインドライブシャフト104aとの間で利用されるのがよく、それによりメインドライブシャフト104aに対するメインギヤ114の独立回転が可能である。
【0029】
図1dに示すような1つ以上の他の実施形態では、メインドライブシャフト104aに設けられたメインギヤ114を中間ドライブシャフト118に取り付けられた固定ギヤ124と連続的に噛み合っている「フリーホイール」ギヤとして利用する代わりに、これら2つの噛み合ったギヤ相互間の相対位置を逆にしてもよい。具体的に説明すると、メインギヤ114は、メインドライブシャフト104aに取り付けられた固定ギヤであってもよく、第1の中間ギヤ124は、中間ドライブシャフト118周りに設けられたフリーホイールギヤであってもよい。かかる場合、第2の中間ギヤ124は、中間ドライブシャフト118とは独立して第2の軸線120回りに回転する。理解されるように、この実施形態では、シフト機構体132は、第2の中間ギヤ124を中間ドライブシャフト118に係合させたりこれから切り離したりするために第2の中間ギヤ124に隣接して配置される。この点に関し、シフト機構体132は、第2の軸線120に沿って軸方向に動くのがよい。ベアリング121が第2の中間ギヤ124と中間ドライブシャフト118との間で利用されるのがよく、それにより中間ドライブシャフト118に対する第2の中間ギヤ124の独立回転が可能である。
【0030】
かくして、上記ないように基づいて、種々の実施形態は、一般に、フリーホイールギヤについて4つのオプションとしての位置およびシフト機構体132について2つのオプションとしての位置を含む。この点に関し、電気駆動組立体100は、メインドライブシャフト104a、アシストドライブシャフト104b、中間ドライブシャフト118および出力ドライブシャフト128を含むと言える。メインギヤ114は、メインドライブシャフト104aに沿って設けられ、アシストギヤ116は、アシストドライブシャフト104bに沿って設けられ、第1、第2および第3の中間ギヤ122,124,126は、それぞれ、中間ドライブシャフト118に沿ってかつ互いに間隔を置いた状態で設けられ、出力ギヤ130は、出力ドライブシャフト128に取り付けられている。メインギヤ114は、第2の中間ギヤ124と連続的に噛み合わされ、アシストギヤ116は、第1の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、出力ギヤ130は、第3の中間ギヤ126と連続的に噛み合わされ、この第3の中間ギヤ126は、中間ドライブ118に固定されている。メインギヤ114、アシストギヤ116、第1の中間ギヤ122または第2の中間ギヤ124のうちの1つは、これが嵌められたドライブシャフトとは独立して回転可能であるよう設けられたフリーホイールギヤである。シフト機構体がこのフリーホイールギヤに隣接して設けられ、このシフト機構体は、フリーホイールギヤとこれが嵌められたドライブシャフトを結合したりこれらを結合解除したりするよう軸方向に動くことができる。
【0031】
図2を参照すると、電気駆動組立体100のもう1つの実施形態が示されている。図示の実施形態では、アシストギヤ116がアシストドライブシャフト104b周りに設けられている。アシストギヤ116は、アシストドライブシャフト104bに沿って軸方向に拘束されているが、アシストドライブシャフト104bには取り付けられておらず、これとは異なり、アシストドライブシャフト104bとは独立して回転するよう設けられている。アシストドライブシャフト104bは、ギヤボックスハウジング133の第1の側部115に取り付けられたベアリング121およびギヤボックスハウジング133内に設けられかつ第1の側部115から間隔を置いて位置した第1の支持プレート131によって支持されるのがよい。アシストドライブシャフト104bは、ギヤボックスハウジング133を貫通して第2の軸方向磁束モータ102bによって駆動される。シフト機構体132は、シフト機構体132の作動時、シフト機構体132とアシストギヤ116の選択的係合を可能にするようアシストギヤ116に隣接して位置する状態で示されている。
【0032】
メインドライブシャフト104aは、第2の軸方向磁束モータ102bおよびアシストドライブシャフト104bを貫通した状態で示されている。第1の軸方向磁束モータ102aは、メインドライブシャフト104aを駆動する。メインギヤ114がメインドライブシャフト104aに取り付けられ(または、これと一体に形成され)、その結果、第1の軸方向磁束モータ102aによるメインドライブシャフト104aの回転によりメインギヤ114が駆動されるようになっている。図示の実施形態では、メインドライブシャフト104aは、アシストドライブシャフト104bを完全に貫通してこのアシストドライブシャフトから突き出ていて、メインドライブシャフト104aをギヤボックスハウジング133内に設けられかつ第1の支持プレート131aとギヤボックスハウジング133の第2の側部117との間に配置された第2の支持プレート131b上に支持されたベアリング121によって支持することができるようになっている。メインギヤ114が第2の支持プレート131bと第2の側部117との間に配置されるようメインギヤ114がメインドライブシャフト104aに取り付けられた状態で示されているが、メインギヤ114は、第2の支持プレート131bの反対側の側部に設けられたメインドライブシャフト104aに取り付けられるのがよく、メインギヤ114は、第1の支持プレート131aと第2の支持プレート131bとの間に配置されるようになっている。
【0033】
図示の実施形態では、第2の中間ギヤ124は、中間ドライブシャフト118で支持されるとともに、メインギヤ114と連続的に噛み合わされている。中間ドライブシャフト118は、ギヤボックスハウジング133と第1の側部115、ギヤボックスハウジグ133の第2の側部117によって支持され、幾つかの実施形態では、一方または両方の支持プレート131a,131bによって、またはこれら任意の手段によって支持されたベアリング121に取り付けられるのがよい。
【0034】
また、第1の中間ギヤ122が中間ドライブシャフト118に取り付けられており、この第1の中間ギヤは、アシストドライブシャフト104b周りに設けられたアシストギヤ116と連続的に噛み合わされている。
【0035】
最後に、出力ドライブシャフト128がギヤボックスハウジング133の第2の側部117と第2の支持プレート131bとの間に支持された状態で示されている。出力ドライブシャフト128もまた、第2の支持プレート131bに設けられたベアリング121によって支持されるのがよいが、注目されるべきこととして、出力ドライブシャフト128は、メインドライブシャフト104aとは別体でこれから間隔を置いた状態で設けられている。いずれにしても、出力ギヤ130が出力ドライブシャフト128に取り付けられるとともに中間ドライブシャフト118で支持された第3の中間ギヤ126と連続的に噛み合わされている。
【0036】
シフト機構体132がアシストギヤ116に隣接して取り付けられた状態で示されている。シフト機構体132は、アシストギヤ116をアシストドライブシャフト104bに選択的に係合させたりこれから離脱させたりするよう作動可能であるのがよい。アシストギヤ116がシフト機構体132によってアシストドライブシャフト104bに係合すると、第2の軸方向磁束モータ102bからのパワーが中間ドライブシャフト118に伝達されて第1の軸方向磁束モータ102aからのパワーがメインギヤ114によって中間ドライブシャフト118に伝達されるのを助けることができる。当然のことではあるが、R3>R4>R5かつR6>R1>R2である1つ以上の実施形態では、第2の軸方向磁束モータ102bからのパワーを利用すると、出力ドライブシャフト128によって出力トルクを増大させることができる。さらに、出力ドライブシャフト130の速度がトルクと比較して望ましい場合、シフト機構体132は、アシストギヤ116をアシストドライブシャフト104bから離脱させるよう作動可能であるのがよく、その結果、第1の軸方向磁束モータ102aだけが出力ドライブシャフト128を駆動するようになっている。
【0037】
1つ以上の速度センサ146を用いると、ドライブシャフトおよび/またはギヤのタイミングを測定することができ、その結果、一方または両方の軸方向磁束モータのRPMを調節してシフト機構体132によるアシストギヤ116とアシストドライブシャフト104bの係合を容易にすることができるようになっている。図2は、速度センサ146b,146c,146dを示しているが、本開示は、別段の指定がなければ、速度センサ146の特定の数またはこれらの配置に限定されない。
【0038】
図3は、図2に類似しているが、電気駆動組立体100の諸実施形態の追加のコンポーネントを良好に示すために軸方向磁束モータ102a,102bおよびギヤボックスハウジング133が省かれている。例えば、必要ではないが、幾つかの実施形態では、シフト機構体132は、アクチュエータ142(図1aにも示されている)によって駆動されるのがよい。幾つかの実施形態では、アクチュエータ142は、フリーホイールギヤをドライブシャフト、例えばアシストドライブシャフト104bに結合するためにシフト機構体132を複数の位置相互間で押圧するための電気アクチュエータであるのがよく、これら位置は、少なくとも、シフト機構体132が歯車と係合していない第1の「中立」位置およびシフト機構体132がフリーホイールギヤ、例えば、アシストギヤ116に係合する第2の位置を含む。幾つかの実施形態は、第1の軸方向磁束モータ102aと第2の軸方向磁束モータ102bの両方を出力ドライブシャフト128のためのパワー源として利用するための別の構成例では、シフト機構体140がメインギヤ114に係合してメインギヤ114をアシストドライブシャフト104bに結合する第3の位置を含むのがよい。
【0039】
図3では、速度センサ146bが中間ドライブシャフト118の回転をモニタするよう中間ドライブシャフト118に隣接して設けられ、速度センサ146cが出力ドライブシャフト128の回転をモニタするよう出力ドライブシャフト128に隣接して配置されている。
【0040】
図2および図3に示す実施形態では、ギヤ114,116,122,124,126,130は、はすば歯車として示されているが、他の実施形態では、種々の形式の歯車を利用することができる。
【0041】
図1aに戻ってこれを参照するとともに図4を参照すると、シフト機構体132は、特定の形態には限定されないが、シフト機構体132の1つの実施形態が図4に示されている。この実施形態では、シフト機構体132は、図4に示す協働要素、例えば協働要素136a,137を利用してこれらが互いに係合するようにする。特に、シフト機構体132は、アシストドライブシャフト104b(図1a参照)と一緒に回転するようアシストドライブシャフト104bに取り付けられた固定ハブ134を含む。図示のシフト機構体132は、固定ハブ134と摺動可能に係合するドッグリングまたはシフトスリーブ136をさらに含む。シフトスリーブ136は、固定ハブ134に対して軸方向に動くことができる。1つ以上の実施形態では、シフトスリーブ136は、シフトスリーブ136を第1の軸線110に沿う軸方向運動に拘束するために固定ハブ134の1つ以上の協働要素134aと係合する1つ以上の協働要素136aを有する。幾つかの実施形態では、これら協働要素は、歯であるのがよい。図示の実施形態では、協働要素134aは、固定ハブ134の外周部周りに形成され、協働要素136aは、シフトスリーブ136の内周部周りに形成されている。
【0042】
加うるに、シフトスリーブ126の協働要素136aは、シフトスリーブ136が隣接のギヤ、例えば図1aに記載するとともに図4に示したアシストギヤ116と結合することができるようにする係合機構体として機能することができる。かかる結合を容易にするため、隣接のギヤは、シフトスリーブ136の協働要素136aと係合することができる1つ以上の協働要素137をさらに有するのがよい。かかる場合、協働要素136aは、固定ハブ134の協働要素134aとアシストギヤ116の協働要素137の両方に係合することができる。幾つかの実施形態では、協働要素136aにより、シフトスリーブ136は、アシストギヤ116から離脱すると、メインギヤ114に結合することができるのがよい。かかる場合、メインギヤ114には同様に、協働要素137が形成されている。同様に、シフトスリーブ136の内周部周りに形成された協働要素136aを利用する代わりに、協働要素137は、ギヤの協働要素137と係合可能にシフトスリーブ136の一方のまたは両方の端部フェース136b上に形成されるのがよい。
【0043】
他の実施形態では、シフトスリーブ136は、アシストギヤ116に係合したりこれから離脱するよう設けられた1つ以上の第1の協働要素136aおよびメインギヤ114に係合したりこれから離脱したりするよう設けられた1つ以上の第2の協働要素136aを有するのがよい。かかる場合、協働要素136aは、シフトスリーブ136の互いに反対側の端部フェース136の各々に設けられるのがよい。いずれにしても、本明細書において説明する協働要素は、これら協働要素が互いに係合する限り、延長部、歯、ノブ、凹部、突出部などを有するのがよい。例えば、歯は、歯に係合するのがよく、あるいは、突出部は、凹部に係合するのがよい。1つ以上の実施形態では、ギヤに設けられた協働要素137は、例えば図4のアシストギヤ116の端部フェース116aに設けられた状態で示されているようにギヤの周囲またはフェース周りに設けられるのがよい。図示の実施形態では、協働要素137は、アシストギヤ116の端部フェース116aからシフト機構体132に向かって軸方向に遠ざかって延びている。隣接のギヤに係合するようシフトスリーブ136の内周部周りに設けられた協働要素ではなくまたはこれらに加えて、協働要素136aは、シフトスリーブ136の互いに反対側の端部フェース136bの各々または両方に形成されるのがよい。
【0044】
特に、電気駆動組立体100の上述の構成では、第1および第2の軸方向磁束モータ102a,102bは、アシストギヤ116の回転速度をアシストドライブシャフト104bと同期させるよう利用されるのがよく、それにより先行技術の伝統的なシンクロナイザーリングまたはブロッカーリングの必要がなくなるとともに、結合のために先行技術で一般的に利用されているようにギヤに設けられた摩擦コーンの必要性がなくなる。電気駆動組立体100では、フリーホイールギヤ、例えばアシストギヤ116およびこれが嵌められたドライブシャフト、例えばアシストドライブシャフト104bの回転速度が軸方向磁束モータ102a,102bの制御によりいったん同期されると、シフトスリーブ136は、協働要素136aおよび協働要素137によりそれぞれアシストギヤ116に係合することができる。加うるに、幾つかの実施形態では、メインギヤ114は、アシストギヤ116からの離脱時にシフトスリーブ136の協働要素136aとの係合が可能であるようメインギヤ114に形成された1つ以上の協働要素137をさらに有するのがよく、それにより、第2の軸方向磁束モータ102bは、メインギヤ114の駆動を助けることができる。上記構成により、先行技術において一般的である摩擦コーンの必要がなくなる。当然のことではあるが、伝統的なシンクロナイザーリングおよび摩擦コーンの必要をなくすることによって、電気駆動組立体100の軸方向長さおよび相対重量もまた減少させることができる。
【0045】
1つ以上の実施形態では、シフト機構体132は、アシストドライブシャフト104bに沿って軸方向に動くことができ、それにより、第2の軸方向磁束モータ102bからの出力をメインギヤ114およびアシストギヤ116により出力ドライブシャフト128に方向付けることができる。幾つかの実施形態では、リンク装置140、例えばシフトフォークがシフト機構体132によって利用されるのがよく、それによりシフト機構体132が1つのギヤと係合する第1の位置と、シフト機構体132がどのギヤからも離脱する第2の位置と、シフト機構体132がもう1つのギヤと係合する第3の位置との間で動かすことができる。かかる実施形態では、ギヤのうちの少なくとも1つは、図1aのアシストギヤ116によって説明するとともに全体として図示したフリーホイールギヤである。
【0046】
シフト機構体132の協働要素136aとアシストギヤ116の協働要素137の係合を最適化するため、1つ以上の速度センサ146は、ドライブシャフトおよび/またはギヤの回転速度をモニタするためにドライブシャフトまたはギヤのうちの少なくとも一方に隣接して設けられるのがよい。係合機構体に対する速度センサ146の位置を固定することができるので、先行技術のシンクロナイザーシステムを利用することなく、シフト機構体をシフトさせて十分な係合状態にすることができる。
【0047】
図1aに戻ってこれを参照すると、1つ以上の実施形態では、単一のインバータ144が待ち時間を減少させるために第1および第2の軸方向磁束モータ102a,102bならびに電気アクチュエータ142の各々に電気的に結合されるのがよい。かかる場合、速度センサ146は、第1および第2の軸方向磁束モータ102a,102bならびに電気アクチュエータ142の各々を制御する単一のコントローラ148と協調して動作するのがよい。単一インバータ144を両方の軸方向磁束モータ102a,102bのために利用することができるので、もしそうではない場合には先行技術で一般的である別々の電気コンポーネント、例えば多数インバータと通信する必要のあるテレマティック制御ユニット(“TCU”)の必要性をなくすことができ、それにより電気駆動組立体100の動作における待ち時間を短くすることができる。
【0048】
理解されるように、ギヤ比は、融通性があり、所望の結果を達成するようギヤの各々について選択可能である。いずれにしても、メインギヤ114は、第1の軸方向磁束モータ102aに常時係合していてこれによって駆動されるので、シフト機構体132をシフトして第2の軸方向磁束モータ102bからの出力を利用するとき、メインギヤ104によるにせよアシストギヤ116によるにせよいずれにせよ、ドロップオフ(drop off)またはトルク中断が生じない。トルク中断を説明したように軽減することができるのは、説明した常時係合歯車機構体と一緒に働く2つの別々の軸方向磁束モータ102a,102bである。いずれにしても、メインギヤ114は、第1の軸方向磁束モータ102aが動作しているとき、常に係合して駆動しているので、シフト機構体132をシフトしてアシストギヤ116に係合させまたはこれから離脱させているときにメインギヤ114の速度のドロップオフが生じない。
【0049】
1つ以上の実施形態では、速度センサ146bは、中間ドライブシャフト118の回転をモニタするために中間ドライブシャフト118に隣接して設けられている。理解されるように、シフト機構体132、特にシフトスリーブ136がアシストギヤ116に、幾つかの実施形態では、メインギヤ114にも設けられた協働要素と対応関係をなして結合するよう設けられた1つ以上の係合機構体または協働要素、例えば歯、延長部、ノブ、凹部、突出部などを含むのがよい。中間ドライブシャフト118の回転速度を知ることによって、ギヤ116,114をトルク中断なくまたは摩擦コーンを利用する中間摩擦カップリングを何ら必要とすることなく、完全に係合させることができる。この同期は、速度センサ146のうちの1つ以上に由来する。電気駆動組立体100全体をいったん組み立てると、メインギヤ、アシストギヤ、中間ギヤ、および出力ギヤ相互間の相対関係または位置が固定されて経時的に変化することはない。したがって、中間ドライブシャフト(または、メイン、中間または出力システムのもう1つのコンポーネント)の回転速度を知ることによって、第2の軸方向磁束モータ102bの速度をこれに応じて調節し、それによりメインギヤ114またはアシストギヤ116のうちのいずれか一方によりシフト機構体132の係合を同期させることができる。
【0050】
上述の電気駆動組立体100のもう1つの新規な観点を参照すると、2つの軸方向磁束モータ102a,102bが設けられているので、軸方向磁束モータ102のうちの一方を電気駆動組立体100が速度モードからトルクモードに切り換えられると発電のために利用できる。特に、当然のことではあるが、時々において、アシストギヤ116だけを利用する特定の歯車比が望ましい場合がある。かかる場合、メインギヤ114が第2の中間ギヤ124に常時係合していてメインドライブシャフト104aが常時運動状態にあるので、メインドライブシャフト104aにより駆動される第1の軸方向磁束モータ102aを回生モードで利用してオルタネータとして発電を行うことができ、これは、いずれか一方のドライブシャフト104を介してブリードオフされる回転速度/トルクを用いて軸方向磁束モータ102を駆動し、それにより発電を行うのとほぼ同じである。電気が軸方向磁束モータ102a,102bのうちの一方から作られる1つ以上の実施形態では、インバータ144もまた利用して発電を管理するのがよい。当然のことではあるが、回生(これは、第1の軸方向磁束モータ102aを利用する高速モードから第2の軸方向磁束モータ102bを利用する高トルクモードへの移行の際に起こる場合がある)に起因して生じる電気パルスが大きければ大きいほど、磁束モータ102aから作られる電気を減衰させまたはブリードオフさせるために必要とされる期間がそれだけいっそう長くなる。さらに、パルスが大きければ大きいほど、インバータ144により管理できる熱の量がそれだけいっそう多くなり、このことは、種々の電気コンポーネントの加熱を開示するうえで必要な場合がある。かくして、電気駆動組立体100のトルクモードとパワーモードとの間のギヤ移行中、軸方向磁束モータの回生モードを最小限に抑えることが要望されている。
【0051】
図5を参照すると、トルクモードとパワーモードとの間におけるギヤ移行中、軸方向磁束モータ102からの回生量を最小限に抑えるため、1つ以上の実施形態では、一方または両方の軸方向磁束モータ102は、ロータ組立体を含み、これらロータ組立体は、ロータ組立体を軽量化するために主として非導電材料、例えば複合材またはポリマーで構成された非磁性コンポーネントを含む。かかる構成により、上述したような同期前におけるモータのエネルギーパルス減衰が最小限に抑えられる。かくして、例えば、図5を参照すると、軸方向磁束型電気モータ組立体が示されている。電気モータ組立体200は、モータ軸線214に沿って互いに軸方向に間隔を置いて設けられた少なくとも1つのロータ組立体210と少なくとも1つのステータ組立体212を含む。図示の実施形態では、ロータスピンドルまたはドライブシャフト216が軸線214に沿って延びていてロータ組立体210を支持している。ロータドライブシャフト216は、ロータ組立体210に取り付けられたスピンドルフランジ217を有するのがよい。ロータドライブシャフト216は、1つ以上のベアリング218によって支持されるのがよい。
【0052】
たった1つのステータ組立体212を利用してもよいが、図示の実施形態では、2つのステータ組立体212a,212bが軸線214に沿って単一ステータ組立体210の互いに反対側に配置された状態で示されている。当然のことではあるが、ロータ組立体の数を最小限に抑えることによって、特に電気駆動組立体100で用いられる軸方向磁束モータ200の全重量を最小限に抑えて、上述したように速度モードとトルクモードを交互に取るときにエネルギーパルス減衰の必要を最小限に抑えることができる。この点に関し、本明細書において説明した電気駆動組立体100の歯車装置は、幾つかの実施形態において説明した1対の単一軸方向磁束モータに最適であり、と言うのは、軸方向磁束モータの各々を必要に応じて利用して大きな質量(larger mass )および慣性を持つロータに起因して生じる場合のある潜在的なエネルギーパルスを制限しないで所望の出力を達成するからである。
【0053】
モータハウジング220および互いに反対側に位置するステータ支持体または端プレート222は、ロータ組立体210および1つ以上のステータ組立体212を包囲している。1つ以上の実施形態では、少なくとも1つの端プレート222は、端プレート222の内面223上のステータ組立体212を支持している。図示の実施形態では、端プレート222aは、ステータ組立体212aを支持し、端プレート222bは、ステータ組立体212bを支持している。
【0054】
端プレート222がステータ組立体212を支持する場合、端プレート222は、端プレート222の外面226に沿って配置された冷却機構体224を含むのがよい。
【0055】
1つ以上の実施形態では、冷却機構体224は、端プレート222の外面226に沿う1つ以上の冷却剤流路228を形成することができる。冷却剤流路228は、端プレート222の外面226に形成された1つ以上の冷却チャネル230であるのがよい。
【0056】
図示の実施形態では、複数の流体的に結合された冷却チャネル230が図示されており、これら冷却チャネルは、一般に、端プレート222の内面223上に設けられたステータ組立体212と反対側で端プレート222周りに延びるよう配置されている。特定の構成には限定されないが、1つの実施形態では、冷却剤230は、端プレート222を貫通して締結具227が端プレート222の外面226まで延びないで、種々のモータコンポーネントを内面223から端プレート222に固定することができるようにした状態で冷却作用を最大にするために外面226に沿って星の形を形成するのがよい。換言すると、締結具227と噛み合い可能なねじ山付きボアが端プレート222の内面223上に形成されるのがよいが、これらボアは、端プレート222を完全に貫通して延びてはいない。かかる構造により、ロータ組立体200の内部の流体が漏れもしくは流出しまたはこの逆の関係が成り立つ恐れを最小限に抑えることは理解されよう。他の実施形態では、冷却剤流路228は、外面226上に配置された管(図示せず)で形成されてもよい。さらに別の実施形態では、冷却剤流路228は、外面228から延びるリブまたはフィン(図示せず)で形成されてもよく、他方、他の実施形態では、冷却剤流路228は、端プレート222と外側プレート234との間に形成された冷却剤チャンバに過ぎなくてもよい。上述の構成にもかかわらず、端プレート222の外面226に形成された冷却チャネル230は、電気駆動組立体200の軸方向長さ全体を最小限に抑える上で特に望ましい場合のあることは理解されよう。いずれにしても、流路228と流体連通状態にある1つ以上のポート225は、冷却剤を冷却機構体224に導入したりこれから引き出すよう利用できる。
【0057】
各ステータ組立体212は、一般に、当業者には知られているようにステータコア234およびステータ巻線240で形成される。この点に関し、ステータ巻線240は、電線で形成されるのがよい。本開示は、ステータ組立体212について特定の構成には限定されない。
【0058】
図6および図7を参照するとともに引き続き図5を参照すると、ロータ組立体210は、一般に、複数の磁石244を担持するよう設けられたロータコアまたはヨーク242で形成されている。1つ以上の実施形態では、ロータコア242は、スパイダー(クモ)の形をしていて、フィンガ248がハブ246から半径方向に延びたものである。フィンガ248は、隣り合うフィンガ248相互間に磁石ポケット250を形成するようハブ246の周囲に沿ってぐるりと互いに間隔を置いて配置されている。1つ以上の実施形態では、ロータ組立体210は、フィンガ248から半径方向外方に設けられたロータリング252をさらに含む。1つ以上の実施形態では、ロータリング252とロータコア242は、例えば図1図2Aおよび図2Bに示すように別々のコンポーネントであるのがよく、他方、他の実施形態では、ロータリング252とロータコア242は、一体に形成されてもよい。
【0059】
1つ以上の実施形態では、ロータコア242は、非導電性複合材料で形成されている。同様に、1つ以上の実施形態では、ロータリング252は、非導電性複合材料で形成されている。
【0060】
図6および図7を参照すると、ロータ組立体210の諸実施形態がロータ組立体310として図示されていてこれらについて全体的に説明する。ロータ組立体310は、一般に、複数の磁石344を担持するよう設けられたロータコアまたはヨーク342を含む。1つ以上の実施形態では、ロータコア342は、スパイダーの形をしていて、フィンガ348がハブ346から半径方向に延びたものである。フィンガ348は、隣り合うフィンガ348相互間に磁石ポケット350を形成するようハブ346の周囲に沿ってぐるりと互いに間隔を置いて配置されている。ロータ組立体は、フィンガ348から半径方向外方に設けられたロータリング352をさらに含む。フィンガ348およびポケット350の特定の数には限定されないが、図示の実施形態では、ロータコア342は、10個のフィンガ348および10個の磁石ポケット350を有する。
【0061】
ロータ組立体310の図示の実施形態では、フィンガ348は、磁石ポケット350が一般に全体としてくさび形であるように形状が全体として長方形である。
【0062】
したがって、この図示の実施形態では、磁石344は、一般にくさび形であり、この場合、各磁石344は、半径方向内縁362よりも長い長さの半径方向外縁360を有し、縁360,362は、側縁364によって互いに接合されている。1つ以上の実施形態では、図8Bで最もよく理解されるように、磁石344の少なくとも1つの、好ましくは各側縁364の長さの少なくとも一部分に沿って、半径方向外縁360と半径方向内縁362との間に溝またはスロット366が延びている。1つ以上の実施形態では、各溝366は、半径方向外縁360と半径方向内縁362との間に完全に延び、他方、他の実施形態では、溝366は、半径方向外縁360から延び、この溝は、半径方向内縁362から間隔を置いて位置している。さらに別の実施形態では、溝366は、半径方向外縁360から間隔を置いて位置して、この溝は、半径方向内縁362から延びている。最後に、他の実施形態では、溝366は、半径方向外縁360と半径方向内縁362の両方から間隔を置いて位置するよう縁364の横に並んで形成されている。
【0063】
同様に、ハブ346の各フィンガ348は、ハブ346に隣接して位置する近位端369aからロータコア342の周囲のところに位置する遠位端369bまで延びる側縁368を有する。1つ以上の実施形態では、各フィンガの側縁368は、これに沿って何ら特徴部が形成されることなく、全体として滑らかであるのがよい。1つ以上の他の実施形態では、フィンガ348の各側縁368は、側縁368の長さの少なくとも一部分に沿ってフィンガ348の近位端369aと遠位端369bとの間で延びる溝またはスロット370を有する。
【0064】
1つの実施形態では、各溝370は、フィンガ348の近位端369aと遠位端369bとの間に完全に延び、他方、他の実施形態では、溝370は、遠位端369bから延びるとともに、近位端369aから間隔を置いて位置している。さらに別の実施形態では、溝370は、遠位端369bから間隔を置いて位置するとともに、近位端369aから延びている。最後に、他の実施形態では、溝370は、フィンガ348の遠位端369bと近位端369aの両方から間隔を置いて位置するよう縁368の横に並んで形成されている。
【0065】
1つ以上の実施形態では、ロータリング352は、ロータコア342周りに配置されたあらかじめ形成されているリングである。幾つかの実施形態では、ロータリング352は、連続中実リングである。この点に関し、ロータリング352は、複合材料、例えば繊維材料で形成されるのがよい。ロータリング352は、半径方向内縁376および半径方向外縁378を有し、半径方向内縁376は、ロータコア342周りに配置されるとフィンガ348に当接するのがよい。1つ以上の実施形態では、あらかじめ形成された中実ロータリング352の半径方向内縁376が形成されている。当然のことではあるが、炭素繊維材料およびガラス繊維材料の各々は、繊維を担持する基材で形成されるのがよい。
【0066】
図8を参照すると、1つ以上の実施形態では、ロータコアまたはヨーク342が図示のようにスタック382または「ブック(本)」の状態に配置された繊維材料の多数の層380で形成されるのがよい。各繊維層380は、1組の主要繊維を備えた材料であるのがよい。個々の層380は、スタック382の状態に形成されている。
【0067】
かくして、電気駆動組立体について説明した。1つ以上の実施形態では、電気駆動組立体は、第1の軸方向磁束モータと、第1の端部および第2の端部を備えたメインドライブシャフトとを含み、メインドライブシャフトは、第1の軸線に沿って設けられ、かつ第1の軸方向磁束モータに結合され、電気駆動組立体は、第1の軸方向磁束モータに隣接して設けられた第2の軸方向磁束モータと、第1の端部および第2の端部を備えたアシストドライブシャフトとを含み、アシストドライブシャフトは、中空であり、アシストドライブシャフトは、外側ドライブシャフト表面およびアシストドライブシャフトの第1の端部と第2の端部との間でアシストドライブシャフトを貫通した内側ボアを有し、アシストドライブシャフトは、第2の軸方向磁束モータに結合され、メインドライブシャフトは、アシストドライブシャフトと同軸状になるようアシストドライブシャフトを貫通し、電気駆動組立体は、メインドライブシャフトに固定されたメインギヤと、アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつアシストドライブシャフトとは独立して回転可能であるアシストギヤと、第2の軸線に沿って延びる中間ドライブシャフトとを含み、中間ドライブシャフトは、第1の軸線と平行であるが、この第1の軸線から間隔を置いて配置され、電気駆動組立体は、中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつアシストギヤと連続的に噛み合わされた第1の中間ギヤと、中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつメインギヤと連続的に噛み合わされた第2の中間ギヤと、中間ドライブシャフトに取り付けられた第3の中間ギヤと、第1の軸線に沿って設けられているが、第1および第2のドライブシャフトから間隔を置いて配置された出力ドライブシャフトと、出力ドライブシャフトに固定され、かつ第3の中間ギヤと連続的に噛み合わされた出力ギヤと、アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつメインギヤとアシストギヤとの間でアシストドライブシャフトに沿って軸方向に動くことができるシフト機構体とを含む。1つ以上の実施形態では、電気駆動組立体は、第1の軸方向磁束モータと、第1の端部および第2の端部を備えたメインドライブシャフトとを含むのがよく、メインドライブシャフトは、第1の軸線に沿って設けられ、かつ第1の軸方向磁束モータに結合され、電気駆動組立体は、第1の軸方向磁束モータに隣接して配置された第2の軸方向磁束モータと、第1の端部および第2の端部を備えたアシストドライブシャフトとを含むのがよく、アシストドライブシャフトは、アシストドライブシャフトの第1の端部と第2の端部との間でアシストドライブシャフトを貫通した内側ボアおよび外側ドライブシャフト表面を有し、外側ドライブシャフト表面上には案内機構体150が形成され、アシストドライブシャフトは、第2の軸方向磁束モータに結合され、メインドライブシャフトは、アシストドライブシャフトと同軸状になるようアシストドライブシャフトを貫通し、電気駆動組立体は、メインドライブシャフトに固定されたメインギヤを含むのがよく、メインギヤは、第1のフェース、これと反対側の第2のフェースおよび外周面を有し、半径方向に延びる歯が外周面に沿って形成され、第1の軸方向係合機構体がメインギヤの外周面に隣接して第1のフェース上に形成され、電気駆動組立体は、アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつアシストドライブシャフトとは独立して回転可能であるアシストギヤを含むのがよく、アシストギヤは、第1のフェース、これと反対側の第2のフェースおよび外周面を有し、半径方向に延びる歯が外周面に沿って形成され、第2の軸方向係合機構体がアシストギヤの外周面に隣接して第2のフェース上に形成され、電気駆動組立体は、第2の軸線に沿って延びる中間ドライブシャフトを含むのがよく、中間ドライブシャフトは、第1の軸線と平行であるが、この第1の軸線から間隔を置いて配置され、電気駆動組立体は、中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつアシストギヤと連続的に噛み合わされた第1の中間ギヤと、中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつメインギヤと連続的に噛み合わされた第2の中間ギヤと、中間ドライブシャフトに取り付けられた第3の中間ギヤと、第1の軸線に沿って設けられているが、第1および第2のドライブシャフトから間隔を置いて配置された出力ドライブシャフトと、出力ドライブシャフトに固定され、かつ第3の中間ギヤと連続的に噛み合わされた出力ギヤと、アシストドライブシャフトに結合され、かつメインギヤとアシストギヤとの間でアシストドライブシャフトに沿って軸方向に動くことができるドッグリングとを含むのがよく、ドッグリングは、アシストドライブシャフトの案内機構体に係合する半径方向に延びる切欠きを備えた中央孔を有し、電気駆動組立体は、第1の軸方向係合機構体または第2の軸方向係合機構体のうちの一方と結合するよう設けられた係合機構体を含むのがよい。1つ以上の他の実施形態では、電気駆動組立体は、単一の非金属ロータを備えた第1の軸方向磁束モータと、第1の端部および第2の端部を備えたメインドライブシャフトとを含むのがよく、メインドライブシャフトは、第1の軸線に沿って設けられ、かつ第1の軸方向磁束モータに結合され、電気駆動組立体は、第1の軸方向磁束モータに隣接して配置された第2の軸方向磁束モータを含むのがよく、第2の軸方向磁束モータは、単一の非金属ロータを備え、電気駆動組立体は、第1の端部および第2の端部を備えたアシストドライブシャフトを含むのがよく、アシストドライブシャフトは、アシストドライブシャフトの第1の端部と第2の端部との間でアシストドライブシャフトを貫通した内側ボアおよび外側ドライブシャフト表面を有し、アシストドライブシャフトは、第2の軸方向磁束モータに結合され、メインドライブシャフトは、アシストドライブシャフトと同軸状になるようアシストドライブシャフトを貫通し、電気駆動組立体は、メインドライブシャフトに固定されたメインギヤを含むのがよく、メインギヤは、第1のフェース、これと反対側の第2のフェースおよび外周面を有し、半径方向に延びる歯が外周面に沿って形成され、第1の軸方向係合機構体がメインギヤの外周面に隣接して第1のフェース上に形成され、電気駆動組立体は、アシストドライブシャフトに沿って取り付けられ、かつアシストドライブシャフトとは独立して回転可能であるアシストギヤを含むのがよく、アシストギヤは、第1のフェース、これと反対側の第2のフェースおよび外周面を有し、半径方向に延びる歯が外周面に沿って形成され、第2の軸方向係合機構体がアシストギヤの外周面に隣接して第2のフェース上に形成され、電気駆動組立体は、第2の軸線に沿って延びる中間ドライブシャフトを含むのがよく、中間ドライブシャフトは、第1の軸線と平行であるが、この第1の軸線から間隔を置いて配置され、電気駆動組立体は、中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつアシストギヤと連続的に噛み合わされた第1の中間ギヤと、中間ドライブシャフトに取り付けられ、かつメインギヤと連続的に噛み合わされた第2の中間ギヤと、中間ドライブシャフトに取り付けられた第3の中間ギヤと、第1の軸線に沿って設けられているが、第1および第2のドライブシャフトから間隔を置いて配置された出力ドライブシャフトと、出力ドライブシャフトに固定され、かつ第3の中間ギヤと連続的に噛み合わされた出力ギヤと、アシストドライブシャフトに結合され、かつメインギヤとアシストギヤとの間でアシストドライブシャフトに沿って軸方向に動くことができるドッグリングと、第1の軸方向係合機構体または第2の軸方向係合機構体のうちの一方と結合するよう設けられた係合機構体と、ドッグリングをアシストドライブシャフトの外面に沿って軸方向に動かすよう設けられたシフト機構体とを含むのがよく、シフト機構体は、電気アクチュエータを含み、電気駆動組立体は、ドライブシャフトの回転速度をモニタするようドライブシャフトのうちの1本に隣接して設けられた第1の速度センサと、第1および第2の軸方向磁束モータならびに電気アクチュエータの各々に電気的に結合された単一のインバータと、第1および第2の軸方向磁束モータならびに電気アクチュエータの各々を制御する単一のコントローラとを含むのがよい。1つ以上の他の実施形態では、電気駆動組立体は、2速電気駆動組立体であり、2速電気駆動組立体は、メインドライブシャフトを含み、メインドライブシャフトに沿ってメインギヤが設けられ、2速電気駆動組立体は、メインドライブシャフトに結合されるとともに、メインドライブシャフトを回転させるよう設けられた第1の軸方向磁束モータと、アシストドライブシャフトとを含み、アシストドライブシャフトに沿ってアシストギヤが設けられ、2速電気駆動組立体は、アシストドライブシャフトに結合されるとともに、アシストドライブシャフトを回転させるよう配置された第2の軸方向磁束モータと、中間ドライブシャフトとを含み、第1、第2および第3の中間ギヤが各々、中間ドライブシャフトに沿って設けられ、第3の中間ギヤは、中間ドライブシャフトに固定され、2速電気駆動組立体は、出力ドライブシャフトを含み、出力ドライブシャフトには出力ギヤが取り付けられ、メインギヤは、第2の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、アシストギヤは、第1の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、出力ギヤは、第3の中間ギヤと連続的に噛み合わされ、メインギヤ、アシストギヤ、第1の中間ギヤまたは第2の中間ギヤのうちの1つは、フリーホイールギヤであり、フリーホイールギヤは、フリーホイールギヤを嵌めたドライブシャフトとは独立して回転可能であるよう設けられている。
【0068】
上記実施形態のうちの任意のものに関し、ロータ組立体は、以下の特徴のうちの任意の1つを単独でまたは互いに組み合わせて含むのがよい。
第1の軸方向磁束モータは、第2の軸方向磁束モータに隣接している。
メインドライブシャフトは、アシストドライブシャフトを貫通するとともに、これと同軸である。
メインドライブシャフトに結合された第1の軸方向磁束モータ。
アシストドライブシャフトに結合された第2の軸方向磁束モータ。
フリーホイールギヤに隣接して設けられ、かつフリーホイールギヤとフリーホイールギヤを嵌めたドライブシャフトを結合したり切り離したりするよう軸方向に動くことができるシフト機構体。
シフト機構体は、ドライブシャフトに取り付けられたハブおよび固定されたハブに摺動的に係合するシフトスリーブを含む。
出力ドライブシャフトは、メインドライブシャフトおよび中空アシストドライブシャフトと同一直線上に位置する。
アシストドライブシャフトは中空であり、メインドライブシャフトは、アシストドライブシャフトを同軸状に貫通している。
中間ドライブシャフトは、メインドライブシャフトおよびアシストドライブシャフトと平行である。
メインドライブシャフトは、第1の軸線に沿って延び、中間ドライブシャフトは、メイン第1軸線から間隔を置いて位置する第2の軸線に沿って延びている。
アシストギヤは、フリーホイールギヤである。
メインギヤは、フリーホイールギヤである。
第1の中間ギヤは、フリーホイールギヤである。
第2の中間ギヤは、フリーホイールギヤである。
アシストギヤをアシストドライブシャフトとは独立して第1の軸線回りに回転させることができるようアシストギヤとアシストドライブシャフトとの間に設けられた1つ以上のベアリング。
アシストギヤは、フリーホイールギヤであり、電気駆動組立体は、アシストギヤに設けられた複数の協働要素と、アシストギヤに設けられた複数の協働要素に係合するようシフト機構体に設けられた複数の協働要素とをさらに含む。
中間ドライブシャフトの回転速度をモニタするよう中間ドライブシャフトに隣接して設けられた第1の速度センサ。
ドライブシャフトの回転速度をモニタするようドライブシャフトのうちの1本に隣接して設けられた第1の速度センサ。
アシストドライブシャフトの回転速度をモニタするようアシストドライブシャフトに隣接して設けられた第1の速度センサ。
第1の速度センサは、アクチュエータに電気的に結合されている。
ドッグリングに隣接して設けられた第2の速度センサ。
アシストドライブシャフトの回転速度をモニタするようアシストドライブシャフトに隣接して設けられた第1の速度センサおよびメインドライブシャフトまたは第1のメインギヤのうちの一方に隣接して設けられた第2の速度センサ。
第1および第2の軸方向磁束モータならびに電気アクチュエータの各々に電気的に結合された単一のインバータ。
第1および第2の軸方向磁束モータならびに電気アクチュエータの各々を制御する単一のコントローラ。
第1の軸方向磁束モータは、単一のロータしか備えていない。
第2の軸方向磁束モータは、単一のロータしか備えていない。
第1および第2の軸方向磁束モータは各々、単一のロータしか備えていない。
第1の軸方向磁束モータは、非金属ロータを備えている。
第1および第2の磁束モータは各々、非金属ロータを備えている。
第1および第2の磁束モータは各々、2つのステータ相互間に配置された単一のロータを備える。
出力ドライブシャフトは、中間ドライブシャフトと平行である。
メインドライブシャフト、中空アシストドライブシャフト、中間ドライブシャフトおよび出力ドライブシャフトは全て、ギヤボックスハウジング内に互いに対して空間的に固定されている。
ギヤおよびドライブシャフトを収納したギヤボックスハウジング。軸方向磁束モータは、ギヤボックスハウジングの外部に位置している。
メインドライブシャフトに結合された2つ以上の軸方向磁束モータ。
アシストドライブシャフトに結合された2つ以上の軸方向磁束モータ。
ギヤボックスハウジング内に設けられた第1の支持プレートと第2の支持プレート。アシストドライブシャフトは、ギヤボックスハウジングおよび第1の支持プレートによって支持され、出力ドライブシャフトは、ギヤボックスハウジングおよび第2の支持プレートによって支持され、メインドライブシャフトは、アシストドライブシャフトから延びていて、第2の支持プレートによって支持されている。
中間ドライブシャフトは、第1および第2の支持プレートによって支持されている。
中間ドライブシャフトは、ギヤボックスハウジングによって支持されている。
メインギヤは、第1の半径R1を有し、アシストギヤは、第2の半径R2を有し、第1の中間ギヤは、第3の半径R3を有し、第2の中間ギヤは、第4の半径R3を有し、第3の中間ギヤは、第5の半径R5を有し、出力ギヤは、第6の半径R6を有する。
R3は、R4よりも大きく、R4は、R5よりも大きく、R6は、R1よりも大きく、R1は、R2よりも大きい。
【0069】
種々の実施形態を図示するととともに説明したが、本発明は、かかる実施形態には限定されず、当業者には明らかな全ての改造例や変形例を含むことが理解されよう。したがって、本発明は、開示した特定の形態に限定されるものではなく、それどころか、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲に含まれる全ての改造例、均等例、および変形例を含むものである。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】