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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】混相/単相流の流量の合計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/00 20220101AFI20241108BHJP
   G01F 1/84 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G01F1/00 C
G01F1/84
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533789
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 US2021061976
(87)【国際公開番号】W WO2023107090
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バトラー, マーク アラン
【テーマコード(参考)】
2F030
2F035
【Fターム(参考)】
2F030CC06
2F030CE04
2F035JA02
(57)【要約】
混相/単相流の流量を合計する方法が提供される。この方法は、液体流が測定されていることを検出するステップと、混相/単相流の合計を先行混相流の推定ガス質量流量から液体流の推定ガス質量流量に切り替えるステップとを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混相/単相流の流量を合計する方法であって、
液体流が測定されていることを検出するステップと、
混相/単相流の合計を、先行混相流の推定ガス質量流量から、前記液体流の推定ガス質量流量へと切り替えるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記先行混相流が測定されていることを検出するステップと、
前記混相/単相流の合計を、先行ガス流の測定質量流量から、前記先行混相流の前記推定ガス質量流量へと切り換えるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記先行混相流が測定されていることを検出するステップが、駆動ゲインが混相閾値よりも大きいか、及び密度がガス密度閾値よりも大きいか、のうちの少なくとも一つを決定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記先行混相流の前記推定ガス質量流量が、前記先行ガス流の前記測定質量流量の平均を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
後続混相流が測定されていることを検出するステップと、
前記混相/単相流の合計を、前記液体流の前記推定ガス質量流量から前記後続混相流の推定ガス質量流量へと切り換えるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記後続混相流の前記推定ガス質量流量が、前記先行ガス流の前記測定質量流量の平均を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
後続ガス流が測定されていることを検出するステップと、
前記混相/単相流の合計を、前記後続混相流の前記推定ガス質量流量から、前記後続ガス流の測定質量流量に切り替えるステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記先行ガス流の前記測定質量流量及び前記後続ガス流の前記測定質量流量を平均化するステップと、
前記先行及び後続混相流の前記推定質量流量と、前記先行ガス流量の前記測定質量流量及び前記後続ガス流量の前記測定質量流量の平均との間のガスデルタ値を決定するステップと
を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記混相/単相流を合計することが、前記ガスデルタ値を累積することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
合計開始時間と合計終了時間との間のガス質量流量値を合計することにより、前記混相/単相流の合計からガス質量合計を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
純粋質量合計及び液体質量合計のうちの少なくとも一つを決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記純粋質量合計を決定するステップが、前記混相/単相流の測定質量流量を累積することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記液体質量合計を決定するステップが、前記純粋質量合計から前記ガス質量合計を減算することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記液体流が測定されていることを検出するステップが、密度が液体密度閾値よりも大きいことを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
混相/単相流の流量を合計するためのメータ電子機器(20)であって、
混相/単相流を収容して測定するように構成されたセンサアセンブリ(10)からセンサ信号を受信するように構成されたインターフェース(301)と、
前記インターフェース(301)に通信可能に結合された処理システム(302)とを備え、
前記処理システム(302)が、液体流が測定されていることを検出し、混相/単相流の合計を先行混相流の推定ガス質量流量から前記液体流の推定ガス質量流量へ切り替えるように構成されている、メータ電子機器(20)。
【請求項16】
前記処理システム(302)が、前記先行混相流が測定されていることを検出し、前記混相/単相流の合計を先行ガス流の測定質量流量から前記先行混相流の前記推定ガス質量流量へと切り替えるようにさらに構成されている、請求項15に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項17】
前記先行混相流が測定されていることを検出するように構成されている前記処理システム(302)が、駆動ゲインが混相閾値よりも大きいか、及び密度がガス密度閾値よりも大きいか、のうちの少なくとも一つを決定するように構成されている前記処理システム(302)を含む、請求項16に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項18】
前記先行混相流の前記推定ガス質量流量が、前記先行ガス流の前記測定質量流量の平均を含む、請求項16に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項19】
前記処理システム(302)が、後続混相流が測定されていることを検出し、前記混相/単相流の合計を、前記液体流の前記推定ガス質量流量から前記後続混相流の推定ガス質量流量へと切り換えるようにさらに構成される、請求項15に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項20】
前記後続混相流の前記推定ガス質量流量が、前記先行ガス流の前記測定質量流量の平均を含む、請求項19に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項21】
前記処理システム(302)が、
後続ガス流が測定されていることを検出し、
前記混相/単相流の合計を、前記後続混相流の前記推定ガス質量流量から、前記後続ガス流の測定質量流量へと切り替えるようにさらに構成される、請求項19に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項22】
前記処理システム(302)が、
前記先行ガス流の前記測定質量流量及び前記後続ガス流の前記測定質量流量を平均し、
前記先行及び後続混相流の前記推定質量流量と、前記先行ガス流の前記測定質量流量及び前記後続ガス流の前記測定質量流量の平均と、の間のガスデルタ値を求める
ようにさらに構成される、請求項21に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項23】
前記混相/単相流を合計するように構成された処理システム(302)が、前記ガスデルタ値を累積するように構成された処理システム(302)を含む、請求項22に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項24】
前記処理システム(302)が、合計開始時間と合計終了時間との間のガス質量流量値を合計することにより、前記混相/単相流の合計からガス質量合計を決定するようにさらに構成されている、請求項15に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項25】
前記処理システム(302)が、純粋質量合計及び液体質量合計のうちの少なくとも一つを決定するようにさらに構成される、請求項24に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項26】
前記純粋質量合計を決定するように構成されている前記処理システム(302)が、前記混相/単相流の測定質量流量を累積するように構成された処理システム(302)を含む、請求項25に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項27】
前記液体質量合計を決定するように構成された前記処理システム(302)が、前記純粋質量合計から前記ガス質量合計を減算するように構成された前記処理システム(302)を含む、請求項25に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項28】
前記液体流が測定されていることを検出するように構成された前記処理システム(302)が、密度が液体密度閾値よりも大きいことを決定するように構成される前記処理システム(302)を含む、請求項15に記載のメータ電子機器(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明される実施形態は流量の合計に関し、より詳細には、混相/単相流の流量の合計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コリオリ質量流量計、液体密度計、ガス密度計、液体粘度計、ガス/液体比重計、ガス/液体相対密度計、及びガス分子量計などの振動計は一般に知られており、流体パラメータを測定するために使用される。一般に、振動計は、センサアセンブリとメータ電子機器とを備える。センサアセンブリは、メータ電子機器に通信可能に結合され、センサ信号をメータ電子機器に提供することができる。センサアセンブリは、メータ電子機器から駆動信号を受信するアクチュエータによって加えられる駆動力に応じて、振動するように構成された導管を含むことができる。アクチュエータは、ドライバとも称される。
【0003】
導管がセンサアセンブリ内で使用される場合、導管は、測定対象となる特性を有する材料で充填されている場合がある。センサアセンブリの一つ又は複数の導管内の材料は、流動していることも、静止していることもある。センサアセンブリは、質量流量、密度、またはセンサアセンブリ内の材料の他の特性などの、一つ以上の流体パラメータを測定するために使用することができる。より具体的には、振動運動をセンサ信号に変換するように構成された、一つ以上のトランスデューサが導管に取り付けられている場合がある。これらのトランスデューサは、ピックオフセンサとも称される。ピックオフセンサは、通常、一つ又は複数の導管の入口部分及び出口部分に配置されている。
【0004】
上述のように、振動計はコリオリ流量計であってもよい。コリオリ流量計は、パイプラインまたは他の輸送システム内に直列に接続され、システム内の流体、スラリーなどの材料を運ぶ一つ以上の導管を含む。各導管は例えば単純曲げ、ねじり、ラジアル及び結合のモードを含む、一連の固有振動モードを有するとみなすことができる。コリオリ流量測定のアプリケーションでは、材料が導管を流れるときに、導管が一つ以上の振動モードで励起され、導管の動きが導管に沿って離間されたポイントで測定される。流れている間、振動する管と流動質量とは、コリオリの力により互いに結合し、管の端部間の振動に位相差を生じさせる。位相差は、質量流量に正比例し、ピックオフセンサによって提供される二つのセンサ信号間の位相差として測定することができる。
【0005】
例えば、材料の質量流量は、二つのセンサ信号間の位相差または時間遅延に比例する場合があり、ここで時間遅延は、位相差を周波数で割ったものになりうる。したがって、質量流量は、例えば時間遅延に比例定数または較正係数(これらは流量較正係数(FCF)と呼ばれることがある)を乗ずることによって決定することができる。このFCFは、流管の材料特性及び機械的特性を反映している場合がある。FCFは、流量計をパイプラインまたは他の導管に取り付ける前の較正プロセスによって、決定することができる。較正プロセスでは、材料が既知の流量で導管に流され、位相差または時間遅延と流量との比例定数が計算されて、FCFとして記録される。
【0006】
振動計によって測定される流量は、混相部分及び単相部分の両方から構成されることがある。例えば、振動計を通る流れは、ある期間は完全にガスであり、ミストのような混相流がこれに続く場合がある。また、液相が存在する場合もある。このような流れは、混相/単相流と呼ばれることがある。これらの流れは、例えば、ガスまたは液体を生成する石油井において発生することがある。このような流れを合計するには、ガス、液体、及び混相の三つの流れの形態のすべてを、正確に測定する必要がある。したがって、混相/単相流を合計する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
混相/単相流の流量を合計する方法が提供される。一実施形態によれば、この方法は、液体流が測定されていることを検出するステップと、混相/単相流の合計を、先行混相流の推定ガス質量流量から液体流の推定ガス質量流量に切り替えるステップとを含む。
【0008】
混相/単相流の流量を合計するメータ電子機器が提供される。一実施形態によれば、メータ電子機器は、混相/単相流を収容して測定するように構成されたセンサアセンブリからセンサ信号を受信するように構成されたインターフェースと、インターフェースに通信可能に結合された処理システムとを備える。処理システムは、液体流が測定されていることを検出し、混相/単相流の合計を先行混相流の推定ガス質量流量から液体流の推定ガス質量流量へと切り替えるように構成されている。
【0009】
[態様]
一態様によれば、混相/単相流の流量を合計する方法は、液体流が測定されていることを検出するステップと、混相/単相流の合計を先行混相流の推定ガス質量流量から液体流の推定ガス質量流量へ切り替えるステップとを含む。
【0010】
好ましくは、前記方法は、前記先行混相流が測定されていることを検出するステップと、前記混相/単相流の合計を先行ガス流の測定質量流量から先行混相流の推定ガス質量流量へと切り換えるステップとをさらに含む。
【0011】
好ましくは、先行混相流が測定されていることを検出するステップは、駆動ゲインが混相閾値よりも大きいか、及び密度がガス密度閾値よりも大きいか、のうちの少なくとも一つを決定することを含む。
【0012】
好ましくは、先行混相流の推定ガス質量流量は、先行ガス流の測定質量流量の平均を含む。
【0013】
好ましくは、前記方法は、後続混相流が測定されていることを検出するステップと、混相/単相流の合計を液体流の推定ガス質量流量から後続混相流の推定ガス質量流量に切り換えるステップとをさらに含む。
【0014】
好ましくは、後続混相流の推定ガス質量流量は、先行ガス流の測定質量流量の平均を含む。
【0015】
好ましくは、前記方法が、後続ガス流が測定されていることを検出するステップと、混相/単相流の合計を後続混相流の推定ガス質量流量から後続ガス流の測定質量流量へと切り換えるステップとをさらに含む。
【0016】
好ましくは、前記方法が、前記先行ガス流の測定質量流量と前記後続ガス流の測定質量流量とを平均化するステップと、先行及び後続混相流の前記推定質量流量と、前記先行ガス流の測定質量流量と前記後続ガス流の測定質量流量との平均との間のガスデルタ値を決定するステップとをさらに含む。
【0017】
好ましくは、前記混相/単相流を合計することは、ガスデルタ値を累積することをさらに含む。
【0018】
好ましくは、前記方法は、合計開始時間と合計終了時間との間のガス質量流量値を合計することにより、混相/単相流の合計からガス質量合計を決定するステップをさらに含む。
【0019】
好ましくは、前記方法は、純粋質量合計及び液体質量合計のうちの少なくとも一つを決定するステップをさらに含む。
【0020】
好ましくは、純粋質量合計を決定するステップは、混相/単相流の測定質量流量を累積することを含む。
【0021】
好ましくは、液体質量合計を決定するステップは、純粋質量合計からガス質量合計を減算することを含む。
【0022】
好ましくは、液体流が測定されていることを検出するステップは、密度が液体密度閾値よりも大きいことを決定することを含む。
【0023】
一態様によれば、混相/単相流の流量を合計するためのメータ電子機器は、混相/単相流を収容して測定するように構成されたセンサアセンブリからセンサ信号を受け取るように構成されたインターフェースと、インターフェースに通信可能に結合された処理システムとを備える。処理システムは、液体流が測定されていることを検出し、混相/単相流の合計を先行混相流の推定ガス質量流量から液体流の推定ガス質量流量へと切り替えるように構成されている。
【0024】
好ましくは、前記処理システムは、先行混相流が測定されていることを検出し、混相/単相流の合計を先行ガス流の測定質量流量から先行混相流の推定ガス質量流量へと切り替えるようにさらに構成されている。
【0025】
好ましくは、先行混相流が測定されていることを検出するように構成されている前記処理システムは、駆動ゲインが混相閾値より大きいか、及び密度がガス密度閾値より大きいか、のうちの少なくとも一つを決定するように構成される前記処理システムを含む。
【0026】
好ましくは、先行混相流の推定ガス質量流量は、先行ガス流の測定質量流量の平均を含む。
【0027】
好ましくは、前記処理システムが、後続混相流が測定されていることを検出し、混相/単相流の合計を液体流の推定ガス質量流量から後続混相流の推定ガス質量流量へと切り替えるようにさらに構成される。
【0028】
好ましくは、後続混相流の推定ガス質量流量は、先行ガス流の測定質量流量の平均を含む。
【0029】
好ましくは、前記処理システムは、後続ガス流が測定されていることを検出し、混相/単相流の合計を後続混相流の推定ガス質量流量から後続ガス流の測定質量流量へと切り替えるようにさらに構成される。
【0030】
好ましくは、前記処理システムは、前記先行ガス流の測定質量流量と前後続ガス流の測定質量流量とを平均化し、先行及び後続混相流の推定質量流量と、前記先行ガス流の測定質量流量と前記後続ガス流の測定質量流量との平均との間のガスデルタ値を求めるようにさらに構成されている。
【0031】
好ましくは、混相/単相流を合計するように構成された処理システムは、ガスデルタ値を累積するように構成された処理システムを含む。
【0032】
好ましくは、前記処理システムは、合計開始時間と合計終了時間との間のガス質量流量値を合計することにより、混相/単相流の合計からガス質量合計を求めるようにさらに構成されている。
【0033】
好ましくは、前記処理システムは、純粋質量合計及び液体質量合計のうちの少なくとも一つを決定するようにさらに構成されている。
【0034】
好ましくは、純粋質量合計を決定するように構成されている処理システムは、混相/単相流の測定質量流量を累積するように構成されている。
【0035】
好ましくは、液体質量合計を決定するように構成されている処理システムは、純粋質量合計からガス質量合計を減算するように構成されている処理システムを含む。
【0036】
好ましくは、液体流が測定されていることを検出するように構成されている前記処理システムは、密度が液体密度閾値よりも大きいことを決定するように構成されている処理システムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
すべての図面において、同じ参照番号は同じ要素を表す。図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
図1図1は、混相/単相流の流量を合計するように構成された振動計5を示す。
図2図2は、混相/単相流の流量を合計するように構成されたメータ電子機器20のブロック図を含む、振動計5のブロック図を示す。る。
図3図3は、混相/液相流を合計するように構成されたメータ電子機器20を示す。
図4図4は、混相/単相流の様々な測定値を示すグラフ400を示す。
図5図5は、混相/単相流の流量を合計する方法500を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1~5及び以下の説明は、混相/単相流の流量を合計する実施形態の最良の形態をどのように作製し、使用するかを当業者に教示するための具体例を示す。本発明の原理を教示する目的で、一部の従来の態様が単純化又は省略されている。当業者は、本明細書の範囲内に入るこれらの実施例からの変形を理解するであろう。当業者であれば、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせて、混相/単相流の流量を合計する複数の変形例を形成できることを理解するであろう。その結果、以下に説明する実施形態は、以下に説明する具体例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
【0039】
図1は、混相/単相流の流量を合計するように構成された振動計5を示す。図1に示されるように、振動計5は、センサアセンブリ10及びメータ電子機器20を備える。センサアセンブリ10は、プロセス材料の質量流量及び密度に応答する。メータ電子機器20は、センサ信号100を伝送するリード線を介して、センサアセンブリ10に接続されている。理解できるように、センサ信号100は、RTD信号、駆動信号、及び左右のセンサ信号を含む。メータ電子機器20は、センサ信号100を使用して、密度、質量流量、温度情報などを計算し、ポート26を介して提供するように構成することができる。
【0040】
センサアセンブリ10は、一対のマニホールド150及び150’、フランジネック110及び110’を有するフランジ103及び103’、一対の導管130及び130’、ドライバ180、測温抵抗体(RTD)190、並びに一対のピックオフセンサ170l及び170rを含む。導管130及び130’は、二つの入口脚131、131’及び出口脚134、134’を有し、これらは導管取り付けブロック120及び120’で互いに向かって収束している。導管130、130’は、これらの長さに沿った二つの対称位置で屈曲し、これらの長さ全体にわたって本質的に平行である。ブレースバー140及び140’は、各導管130、130’がその周りで振動する軸W及びW’を規定するように働く。導管130、130’の入口及び出口脚131、131’及び134、134’は、導管取り付けブロック120及び120’に固定して取り付けられ、これらのブロックは、続いてマニホールド150及び150’に固定して取り付けられる。これは、センサアセンブリ10を通る連続した閉じた材料経路を提供する。
【0041】
孔102及び102’を有するフランジ103及び103’が、入口端104及び出口端104’を介して、測定対象のプロセス材料を運ぶプロセスライン(図示せず)に接続されると、材料は、フランジ103内のオリフィス101を通ってメータの入口端104に入り、マニホールド150を通って表面121を有する導管取り付けブロック120に導かれる。マニホールド150内で、材料は分割され、導管130、130’を通って送られる。導管130、130’から出ると、プロセス材料は、表面121’とマニホールド150’を有するブロック120’内で単一の流れに再結合され、その後、孔102’を有するフランジ103’によって、プロセスライン(図示せず)に接続された出口端104’に送られる。
【0042】
導管130、130’は、曲げ軸W-W及びW’-W’の周りにそれぞれ実質的に同じ質量分布、慣性モーメント及びヤング率を有するように選択され、導管取り付けブロック120、120’に適切に取り付けられる。これらの曲げ軸線はブレースバー140、140’を通る。導管のヤング率は、温度とともに変化し、この変化は、流量及び密度の計算に影響を及ぼすため、RTD190が導管130’に取り付けられ、導管130’の温度を連続的に測定する。導管130’の温度、したがってそこを通過する特定の電流に対してRTD190に現れる電圧は、導管130’を通過する材料の温度によって決まる。RTD190に現れる温度依存性の電圧は、導管温度のあらゆる変化による導管130、130’の弾性係数の変化を補償するために、メータ電子機器20によって周知の方法で使用される。RTD190は、リード195によってメータ電子機器20に接続される。
【0043】
導管130、130’の両方は、ドライバ180によって、それぞれの曲げ軸W及びW’を中心に、反対方向にかつ振動計の第1の位相外れ曲げモードと呼ばれるもので駆動される。このドライバ180は、導管130’に取り付けられた磁石及び導管130に取り付けられ、両導管130、130’を振動させるための交流電流が通る対向コイルなどの多くの周知の構成のいずれか一つを備えることができる。適切な駆動信号185が、リードを介してメータ電子機器20によってドライバ180に印加される。
【0044】
メータ電子機器20は、リード線195上のRTD温度信号と、センサ信号100を運ぶリード線を介して現れるセンサ信号165、より詳細には左右のセンサ信号165l、165rとを受信する。メータ電子機器20は、ドライバ180へのリード線に現れる駆動信号185を生成し、導管130、130’を振動させる。メータ電子機器20は、左右のセンサ信号165l、165r及びリード線195からのRTD信号を処理して、センサアセンブリ10を通過する材料の質量流量及び密度を計算する。この情報は、他の情報と共に、ポート26を介してメータ電子機器20によって信号として適用される。メータ電子機器20のより詳細な説明は、以下の通りである。
【0045】
図2は、混相/単相流の流量を合計するように構成されたメータ電子機器20のブロック図を含む、振動計5のブロック図を示す。図2に示すように、メータ電子機器20は、センサアセンブリ10に通信可能に結合される。図2を参照して前述したように、センサアセンブリ10は、左右のピックオフセンサ170l、170r、ドライバ180、及びRTD190を含み、これらは通信チャネル112を通りリード線のセットを介してメータ電子機器20に通信可能に結合される。
【0046】
メータ電子機器20は、センサ信号100を伝送するリード線を介して駆動信号185を供給する。より具体的には、メータ電子機器20は、センサアセンブリ10内のドライバ180に駆動信号185を供給する。さらに、左センサ信号165lと右センサ信号165rとを含むセンサ信号165が、センサアセンブリ10によって供給される。より具体的には、図示の実施形態では、センサ信号165は、センサアセンブリ10内の左右のピックオフセンサ170l、170rによって供給される。理解されるように、センサ信号165はそれぞれ、通信チャネル112を通してメータ電子機器20に供給される。
【0047】
メータ電子機器20は、一つ以上の信号プロセッサ220及び一つ以上のメモリ230に通信可能に結合されたプロセッサ210を含む。プロセッサ210はまた、ユーザインターフェース30に通信可能に結合されている。プロセッサ210は、ポート26を通して通信ポートを介してホストと通信可能に結合され、電力ポート250を介して電力を受け取る。プロセッサ210はマイクロプロセッサであってもよいが、任意の適切なプロセッサが使用されてもよい。例えば、プロセッサ210は、マルチコアプロセッサ、シリアル通信ポート、周辺インターフェース(例えば、シリアル周辺インターフェース)、オンチップメモリ、I/Oポートなどのサブプロセッサで構成することができる。これら及び他の実施形態では、プロセッサ210は、デジタル化された信号など、受信され処理された信号に対して、処理を実行するように構成される。
【0048】
プロセッサ210は、一つ以上の信号プロセッサ220からデジタル化されたセンサ信号を受信することができる。プロセッサ210はまた、位相差、センサアセンブリ10内の流体の特性などの情報を提供するように構成されている。プロセッサ210は、通信ポートを介してホストに情報を提供することができる。また、プロセッサ210は、一つ以上のメモリ230と通信して、一つ以上のメモリ230に対して情報の受信及び/または格納をするように構成することができる。例えば、プロセッサ210は、一つ以上のメモリ230から較正係数及び/又はセンサアセンブリゼロ(例えば、ゼロ流量の場合の位相差)を受信することができる。較正係数及び/またはセンサアセンブリゼロの各々は、それぞれ、振動計5及び/またはセンサアセンブリ10に関連付けることができる。プロセッサ210は、較正係数を使用して、一つ以上の信号プロセッサ220から受信したデジタル化されたセンサ信号を処理することができる。
【0049】
一つ以上の信号プロセッサ220は、エンコーダ/デコーダ(CODEC)222及びアナログ-デジタルコンバータ(ADC)226から構成されるものとして示されている。一つ以上の信号プロセッサ220は、アナログ信号を調整し、調整されたアナログ信号をデジタル化し、及び/またはデジタル化された信号を提供することができる。CODEC222は、左右のピックオフセンサ170l、170rからセンサ信号165を受信するように構成される。CODEC222はまた、駆動信号185をドライバ180に提供するように構成される。代替の実施形態では、より多くの又はより少ない信号プロセッサを使用してもよい。
【0050】
図示されるように、センサ信号165は、信号コンディショナ240を介してCODEC222に供給される。駆動信号185は、信号コンディショナ240を介してドライバ180に供給される。信号コンディショナ240は単一のブロックとして示されているが、信号コンディショナ240は、二つ以上のオペアンプ、フィルタ、例えばローパスフィルタ、電圧-電流増幅器などの信号調整コンポーネントで構成されてもよい。例えば、センサ信号165が第1増幅器によって増幅され、駆動信号185が電圧-電流増幅器によって増幅されてもよい。この増幅により、センサ信号165の大きさがCODEC222のフルスケール範囲に近い値になることを保証することができる。
【0051】
図示の実施形態では、一つ以上のメモリ230は、リードオンリーメモリ(ROM)232、ランダムアクセスメモリ(RAM)234、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))236から構成されている。ただし、代替の実施形態では、一つ以上のメモリ230は、より多いまたはより少ないメモリから構成されてもよい。加えて、または代替として、一つ以上のメモリ230は、異なるタイプのメモリ(たとえば、揮発性、不揮発性など)から構成されてもよい。例えば、FRAM236の代わりに、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)等の別のタイプの不揮発性メモリを使用することができる。一つ以上のメモリ230は、駆動信号またはセンサ信号、質量流量または密度の測定値などのプロセスデータを記憶するように構成された記憶装置でありうる。
【0052】
質量流量測定値は、次の式に従って生成することができる。
【数1】

ここで、
【数2】

は測定質量流量であり、
FCFは流量較正係数であり、
Δtは測定時間遅延であり、
Δtはゼロ流量時間遅延である。
【0053】
測定時間遅延Δtは、ピックオフセンサ信号間に存在する時間遅延を含む、操作的に導出された(すなわち、測定された)時間遅延値を含む。例えば時間遅延は、振動計5を通る質量流量に関連するコリオリ効果によるものである。測定時間遅延Δtは、振動計5を流れるときの流体材料の質量流量の直接的な測定である。ゼロ流量時間遅延Δtは、ゼロ流量での時間遅延を含む。ゼロ流量遅延Δtは、出荷時に決定されて振動計5にプログラムされうるゼロ流量である。ゼロ流量時間遅延Δtは、ゼロ流量値の一例である。ゼロ流量条件で決定される位相差、時間差等の他のゼロ流量値が使用されてもよい。ゼロ流量遅延Δtの値は、流れの条件が変化しても変化しない可能性がある。振動計5を流れる材料の質量流量値は、測定時間遅延Δtと基準のゼロ流量遅延Δtとの差分に流量校正係数FCFを乗じて求められる。流量校正係数FCFは、振動計の物理的剛性に比例する。
【0054】
密度に関しては、各導管130、130’が振動しうる共振周波数は、材料を含む導管130、130’の総質量で割った、導管130、130’のバネ定数の平方根の関数でありうる。材料を含む導管130、130’の総質量は、導管130、130’の質量に導管130、130’内部の材料の質量を加えたものとすることができる。導管130、130’内の材料の質量は、材料の密度に正比例する。したがって、この材料の密度は、材料を含む導管130、130’が振動する周期の二乗に、導管130、130’のばね定数を乗じたものに比例する可能性がある。このため、導管130、130’が振動する期間を決定し、その結果を適切にスケーリングすることによって、導管130、130’に含まれる材料の密度の、正確な測定値を得ることができる。メータ電子機器20は、センサ信号165及び/または駆動信号185を使用して、周期または共振周波数を決定することができる。導管130、130’は、複数の振動モードで振動することができる。以下でより詳細に説明するように、メータ電子機器20は、混相/単相流の流量を合計することができる。
【0055】
図3は、混相/単相流を合計するように構成されたメータ電子機器20を示す。図3に示すように、メータ電子機器20は、インターフェース301と処理システム302とを含む。メータ電子機器20は、例えば上述したセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリから振動応答を受信する。メータ電子機器20は、振動応答を処理して、センサアセンブリ10を流れる流動材料の流動特性を得ることができる。メータ電子機器20はまた、流動材料の流動特性の正確な測定が保証できるように、チェック、検証、較正ルーチンなどを実行することができる。インターフェース301はまた、例えば、信号コンディショナ240から駆動信号185を受信するように構成することもできる。
【0056】
インターフェース301は、図1及び2に示すピックオフセンサ170l、170rのうちの一つから、センサ信号165を受信することができる。駆動信号185は、信号コンディショナ240によって供給されるものとして示されているが、センサアセンブリ10内の導管130の振動によって、センサアセンブリ10からメータ電子機器20に逆起電力が提供されることがある。したがって、インターフェース301は、図2に示されるセンサ信号100を受信するように構成することができる。
【0057】
インターフェース301は、任意の形式のフォーマッティング、増幅、バッファリングなどの、あらゆる必要または所望の信号調整を実行することができる。代わりに、信号調整の一部又は全部を、処理システム302で実行することもできる。加えて、インターフェース301は、メータ電子機器20と外部デバイスとの間の通信を可能にする。インターフェース301は、電子、光、または無線通信の任意の方式が可能である。インターフェース301は、振動応答に基づいて情報を提供することができる。インターフェース301は、図2に示すCODEC222などのデジタイザと結合することができ、センサ信号はアナログセンサ信号を含む。デジタイザは、アナログセンサ信号をサンプリングしてデジタル化し、デジタル化されたセンサ信号を生成する。
【0058】
処理システム302は、メータ電子機器20の動作を実行し、センサアセンブリ10からの流量測定値を処理する。処理システム302は、一つ以上の処理ルーチンを実行し、これにより流量測定値を処理し、一つ以上のフロー特性を生成する。処理システム302は、インターフェース301に通信可能に結合され、インターフェース301から情報を受信するように構成される。
【0059】
処理システム302は、汎用コンピュータ、マイクロ処理システム、論理回路、もしくは他の汎用またはカスタマイズされた処理デバイスを備えることができる。加えて、または代替として、処理システム302は、複数の処理デバイス間で分散することができる。処理システム302はまた、記憶システム304など、任意の形式の一体型または独立した電子記憶媒体を含むことができる。
【0060】
記憶システム304は、振動計パラメータ及びデータ、ソフトウェアルーチン、定数値、並びに変数値を記憶することができる。一実施形態では、記憶システム304は、操作ルーチン310など、処理システム302によって実行されるルーチンを含む。処理システム302は、振動計5のゼロ較正ルーチン及びゼロ検証ルーチンなどの他のルーチンを実行するようにさらに構成することができる。記憶システムはまた、平均、標準偏差、信頼区間などの統計値を記憶することができる。
【0061】
操作ルーチン310は、インターフェース301によって受信されたセンサ信号に基づいて、質量流量312、密度値314、及び駆動ゲイン316を決定することができる。質量流量312は、上述のように、直接測定された質量流量値などを含むことができる。質量流量312は、左ピックオフセンサ信号と右ピックオフセンサ信号との間の時間遅延などのセンサ信号から決定することができる。密度値314はまた、上述したように、例えば左右両方のピックオフセンサ信号の一方または両方から周波数を決定することによって、センサ信号から決定することができる。質量流量312及び密度値314は、推定値を含まない場合がある。
【0062】
駆動ゲインという用語は、特定の振幅に流管を駆動するために必要とされる電力量の尺度を指すが、任意の適切な定義を使用することができる。例えば、駆動ゲインという用語は、いくつかの実施形態では、特定の振幅で導管130、130’を駆動するために必要な電力の量を示す、測定または導出した駆動電流、ピックオフ電圧、または任意の信号を指すことができる。駆動ゲインは、駆動ゲインの特性、例えば、ノイズレベル、信号の標準偏差、ダンピング関連測定値、及び混合相流を検出するために当該技術分野で知られている任意の他の手段、を利用することによって、混相流を検出するために使用することができる。これらの測定基準を、ピックオフセンサ170l及び170rの間で比較して、混相流を検出することができる。
【0063】
記憶システム304はまた、閾値320を含むものとして示されている。図3に示されるように、閾値320は、混相閾値322、ガス閾値324及び液体閾値326を含む。駆動ゲイン316を混相閾値322と比較して、ミスト流などの混相流を検出することができる。以下でさらに詳細に説明されるように、密度値314は、混相流及び/またはガス流を検出するためにガス閾値324と比較され、液体流を検出するために液体閾値326と比較されうる。混相/単相流の相は、密度値314及び駆動ゲイン316と閾値320との比較の組み合わせを使用して、検出することができる。例えば、密度値314が液体閾値326よりも大きく、駆動ゲイン316が混相閾値322よりも小さい場合にも、液体流を検出することができる。同様に、密度値314がガス閾値324よりも小さく、駆動ゲイン316が混相閾値322より小さい場合、ガス流を検出することができる。したがって、閾値320は、混相/液相流を正確に合計するために使用することができる。
【0064】
記憶システム304はまた、誤差訂正330関連のパラメータを含むものとして適切に示されている。より具体的には、液体流の測定質量流量が液体流の推定ガス質量流量の代わりに累積される場合、ガス質量合計への合計は、誤差を含んでいる可能性がある。理解されるように、液体流の推定ガス質量流量はゼロである可能性があるが、例えば、液体流のガス含有量の公称推定値など、任意の適切な値が使用されてもよい。しかしながら、液体流は、混相/単相流中に、存在する場合と存在しない場合がある。したがって、液相を自動的に検出し、液体流と混相流との間だけでなく、液体流の前後に発生するガス流と混相流とを区別することにより、測定質量流量及び/または種々の推定質量流量の間で合計を切り換えることは、以下の説明のように、総質量流量の精度を向上させる可能性がある。
【0065】
混相流の前に発生するガス流は、先行ガス流と称される。混相流の後に発生するガス流は、後続ガス流と称される。上述のように、混相/単相流はまた、二つの混相流の間に介在する液体流を含む場合がある。したがって、液体流の前に生じる混相流を先行混相流と呼び、液体流の後の混相流を後続混相流と呼ぶことができる。
【0066】
図3に示されるように、誤差訂正関連パラメータ330は、先行ガス流の測定質量流量平均332、プールされたガス流の測定質量流量平均334、及びデルタ値336を含む。先行ガス流の測定質量流量平均332は、先行ガス流の、すなわち混相/単相流の混相流の前に発生するガス流の、質量流量312測定値の平均でありうる。プールされたガス流の測定質量流量平均334は、先行ガス流及び後続ガス流の質量流量312測定値の平均でありうる。
【0067】
デルタ値336は、混相流の、推定ガス質量流量値及び推定液体質量流量値の累積を補正または調整するために使用することができる。先行ガス流の測定質量流量平均332とプールされたガス流の測定質量流量平均334との間の差は、デルタ値336のガスデルタ値でありうる。ガスデルタ値は、図4を参照して以下に説明するように、混相流の推定ガス質量流量を調整または補正するために使用することができる。混相流の推定液体流量は、混相流の質量流量312測定値の平均と混相流の推定ガス質量流量との差として定義することができる。デルタ値336の液体デルタ値は、同じ混相流に対するガスデルタ値の加法逆元として定義することができる。液体デルタ値は、混相流の推定液体流量を調整または補正するために使用することができる。
【0068】
図3を参照すると、記憶システム304は合計340も含み、これは、混相/単相流内の様々な流れの質量合計から構成することができる。合計340は、質量流量312測定値、補正質量流量値、及び/または推定ガス質量流量値などの推定質量流量値を合計した結果とすることができる。例えば、先行ガス流の測定質量流量平均値332は、混相流のガス質量流量の推定値として使用することができる。処理システム302はまた、液体流の推定ガス質量流量値を累積することができ、これはゼロ値、公称値、実際の推定値を累積すること、並びに/もしくは液相が検出されている間、及び/または非液相が検出されるまで、任意の値の累積を中止すること、を含むことができる。結果的に、処理システム302は、ガス流の測定ガス質量流量値と、混相流及び液体流の推定ガス質量流量値とを累積して、ガス質量合計を決定することができる。図3に示すように、記憶システム304は、純粋質量合計342、液体質量合計344、及びガス質量合計346を含む。
【0069】
混相流に関連するデルタ値336に関して、上で説明したように、混相流の推定ガス質量流量値は、後にデルタ値336のガスデルタ値で補正することができる。例えば、混相流の推定ガス質量流量は、先行ガス流の測定質量流量平均値332とすることができ、例えば、5つのサンプル幅であってもよい。混相流の質量流量値を合計することは、先行ガス流の測定質量流量の平均332を、5回合計することを含みうる。デルタ値336のガスデルタ値も使用される場合、混相流の合計は、デルタ値336のガスデルタ値を5回合計することをさらに含むことができる。ガスデルタ値の合計は、プールされたガス流の測定質量流量平均334が決定された後、任意の時点で実行することができる。
【0070】
純粋質量合計342は、混相/単相流における全ての質量流量312測定値の最終的な累積または合計を含みうる。例えば、純粋質量合計342は、ガス、混相、及び液体流の質量流量312値の合計を含みうる。理解されるように、純粋質量合計342は、相を区別せず、いかなる推定、補正、または調整された質量流量値も含まない。しかし、純粋質量合計342に累積された質量流量312の値及び/または純粋質量合計342の値を使用して、混相流の正確な推定ガス及び/または液体質量流量値を決定することができる。
【0071】
液体質量合計344は、混相流の推定液体質量流量及び液体流の質量流量312の値の累積を含みうる。しかし、液体質量合計344は、ガス流の質量流量312測定値又は混相流の推定ガス質量流量を含まない可能性がある。同様に、ガス質量合計346は、ガス流の質量流量312値並びに混相流及び液体流の推定ガス質量流量の累積を含みうる。理解されるように、液体流の推定ガス質量流量は、多くの状況でゼロとなりうる。
【0072】
液体質量合計344は、任意の適切な手段によって決定することができる。例えば、液体質量合計344は、混相流の推定液体流量を、液体流の測定及び/又は推定液体質量流量値と累積することによって決定することができる。例えば、液体流が検出され、液体流の推定ガス質量流量がゼロであるとき、液体質量合計344は、液体流の測定質量流量312値の累積と、混相流の推定液体流量の累積とを含みうる。液体デルタ値は、混相流の推定液体流量をさらに調整または補正するために使用することができる。加えて、または代替として、液体質量合計344は、純粋質量合計342からガス質量合計346を減算することによって決定することができる。すなわち、理解されるように、混相及び液相が検出されるため、質量値を合計するとき、望ましい正確な質量流量値を累積することができる。その結果、以下でより詳細に説明するように、望ましい正確な質量合計を達成することができる。
【0073】
図4は、混相/単相流の様々な測定値を示すグラフ400を示す。図4に示すように、グラフ400は、複数のサンプルインデックス縦座標410と、複数のパラメータ値横座標420とを含む。複数のサンプルインデックス縦座標410は、駆動ゲインサンプル軸410a、密度サンプル軸410b、質量流量測定値サンプル軸410c、及び累積質量流量合計サンプル軸410dを含む。図4に示されるように、複数のサンプルインデックス縦座標410は、サンプル発生ベースであり、したがって単位がない。複数のパラメータ値横座標420は、駆動ゲイン軸420aと、密度軸420bと、質量流量軸420cと、累積質量流量合計軸420dとを含む。駆動ゲイン軸420aは、パーセンテージの単位であり、0から100パーセントの範囲である。密度軸420bは、kg/mの単位であり、0~1000kg/mの範囲である。質量流量の軸420cは、kg/sの単位であり、0から1000kg/sの範囲である。累積質量流量合計軸420dはkg単位である。しかし、任意の適切な単位及びスケールを使用することができる。
【0074】
グラフ400はまた、駆動ゲインプロット430、密度プロット440、質量流量プロット450、及び複数の累積質量流量プロット460を含む。また、図4には、駆動ゲインプロット430及び密度プロット440の閾値も示されている。より詳細には、駆動ゲインプロット430は、混相閾値430tに関連付けられ、密度プロット440は、ガス閾値440tg及び液体閾値440tlに関連付けられる。駆動ゲインプロット430が混相閾値430tよりも大きい場合、混相流が検出される。密度プロット440に関して、密度プロット440がガス閾値440tgより大きい場合、非ガス流を検出することができ、また、密度プロット440がガス閾値440tgより小さい場合、ガス流を検出することができる。同様に、密度プロット440が液体閾値440tl未満である場合、非液体流を検出することができ、密度プロット440が液体閾値440tlよりも大きい場合、液体流を検出することができる。
【0075】
すなわち、駆動ゲインプロット430、密度プロット440、及び質量流量プロット450はまた、それぞれ単相流及び混相流の測定値を含む。すなわち、駆動ゲインプロット430、密度プロット440、及び質量流量プロット450は、図3を参照して上で説明した、駆動ゲイン316、密度値314、及び質量流量312の値を表すものでありうる。再び図4を参照すると、単相流は、ガス流及び液体流から構成される。ガス流は、第4の参照文字が「a」、「e」、及び「g」である参照符号で示されている。液体流は、第4の参照文字が「c」である参照符号で示されている。混相流は、第4の参照文字が「b」、「d」、及び「f」である参照符号で示されている。
【0076】
特に、駆動ゲインプロット430は、第1のガス流駆動ゲインプロット430a、第1の混相流駆動ゲインプロット430b、液体流駆動ゲインプロット430c、第2の混相流駆動ゲインプロット430d、第2のガス流駆動ゲインプロット430e、第3の混相流駆動ゲインプロット430f、及び第3のガス流駆動ゲインプロット430gを含む。さらに、密度プロット440は、第1のガス流密度プロット440a、第1の混相流密度プロット440b、液体流密度プロット440c、第2の混相流密度プロット440d、第2のガス流密度プロット440e、第3の混相流密度プロット440f、及び第3のガス流密度プロット440gを含む。加えて、質量流量プロット450は、第1のガス流質量流量プロット450a、第1の混相流質量流量プロット450b、液体流質量流量プロット450c、第2の混相流質量流量プロット450d、第2のガス流質量流量プロット450e、第3の混相流質量流量プロット450f、及び第3のガス流質量流量プロット450gを含む。
【0077】
図4から分かるように、質量流量プロット450は、正方形インジケータで描かれている。正方形インジケータのいくつかは中身が黒塗りであり、正方形インジケータのいくつかは白抜きである。黒塗りの正方形インジケータは、測定質量流量である質量流量値を表す。白抜きの正方形インジケータは、推定質量流量である質量流量値を表す。例えば、白抜きのインジケータは、黒塗りの正方形インジケータによって表される二つの値の平均である場合がある。例として、第1の混相流質量流量プロット450bは、第1のガス流質量流量プロット450aの一つ以上の測定質量流量値を平均することで決められる、複数のガス質量流量の推定値である。混相流のガス質量流量の推定値を得る、他の方法を採用することも可能である。
【0078】
図から分かるように、第1の混相流質量流量プロット450bの値は一定である。すなわち、図4に示すように、混相/単相流の混相流部分全体を通してガス質量流量が一定であるとの仮定がされている。代替の方法では、例えば、第1のガス流質量流量プロット450aの最後の値と液体流質量流量プロット450cの最初の値に対応するまたはスケーリングされる、エンドポイントまたは境界条件値を有する、直線または曲線の傾斜値列である推定値を採用してもよい。加えて、または代替的に、混相流部分のガス質量流量の推定値は、一つ以上の値の単純平均以外のものを使用することによって決定してもよい。例えば、重みが混相流の直前または直後のガス及び/または液体流部分の測定質量流量の近さに相関するようにして、加重平均を使用することができる。上記の説明から理解できるように、混相流のガス質量流量は推定できるものの、なお混相/単相流の特定の部分の測定質量流量を合計することが望まれる場合がある。
【0079】
従って、累積質量流量プロット460は、同様に、異なる種類の累積質量流量プロットにおいて、単相部分及び混相流量部分を含む。より詳細には、図4に示すように、累積質量流量プロット460は、純粋累積質量流量プロット460aと、ガス累積質量流量プロット460bと、液体累積質量流量プロット460cとを含む。純粋累積質量流量プロット460aは、液体流の純粋質量流量部分460acを含み、この部分は液体流の質量流量プロット450cの累積を示す。同様に、液体累積質量流量プロット460cは、液体流の液体累積質量流量部分460ccを含み、これも液体流の質量流量プロット450cの累積を示す。ただし、ガス累積質量流量プロット460bは、液体流の流量プロット450cの質量流量値を累積しない非累積部分460bcを含んでいる。
【0080】
累積質量流量プロット460の各々は、合計質量値で終了している。例えば、図4に示すように、純粋累積質量流量プロット460aは、純粋質量合計460atで終了し、ガス累積質量流量プロット460bは、非液体質量合計460btで終了し、液体累積質量流量プロット460cは、液体質量合計460ctで終了している。純粋質量合計460atは、混相/単相流のガス流、混相流、及び液体流の合計質量でありうる。非液体質量合計460btは、混相/単相流のガス流と混相流との合計質量でありうる。液体質量合計460ctは、混相/単相流の液体流の合計質量でありうる。
【0081】
混相/単相流は、単相流のみの期間と混相流のみの期間とを含む。単相流の期間は、実質的にガス流のみの期間と、実質的に液体流のみの期間とを含む場合がある。したがって、ガス流とは、ガスのみからなる混相/単相流の一部を指し、液体流とは、液体のみからなる混相/単相流の一部を指し、混相流とは、混相流のみからなる混相/単相流の一部を指す。混相流は、混合相流とも称される。いくつかの用途では、混相流はミストから構成されている場合がある。例えば、混相流は、ガス中に浮遊する、霧状の液体または液体の液滴から構成される場合がある。したがって、液体対ガスの質量比は、比較的低い場合がある。加えて、または代替的に、混相流の期間は、ガス流の期間よりも、継続時間及び量が著しく短くなりうる。
【0082】
したがって、混相/単相流の質量合計は、混相流の質量合計が、推定ガス質量流量値等の推定質量流量値に基づく場合、望ましい程度に正確(例えば、誤差許容範囲内)でありうる。例えば、混相流のガス質量流量は、混相/単相流の一つ以上のガス流部分から推定することができる。例として、混相/単相流の混相流部分のガス質量流量は、混相流の直前及び/または直後のガス流部分の一つ以上の測定質量流量から推定することができる。すなわち、混相流部の推定ガス質量流量は、混相流中のミストまたは液滴の質量流量の推定値を含まない、混相流のガス流のガス質量流量の推定値とすることができる。混相流の推定ガス質量流量は、混相/単相流の混相流の先行する及び/又は後続のガス流の少なくとも一つの測定質量流量値の平均値とすることができる。単一の質量流量測定値の平均が、質量流量測定値であってもよい。
【0083】
理解されるように、混相/単相流の合計は、混相流及び液体流の推定ガス質量流量と、ガス流の測定質量流量に基づくことができる。したがって、混相/単相流が例えばガス流から混相流に遷移するとき、これに対応して、この合計は、ガス流の測定質量流量から混相流の推定ガス質量流量に切り替えうる。混相/単相流のガス流から混相流への遷移は、前述したように、例えば駆動ゲインによって検出することができる。また、上述したように、混相/単相流は、液体流を含む可能性がある。
【0084】
例えば、いくつかの混相/単相流は、二つの混相流部分の間に液体流部分を含む場合がある。すなわち、混相/単相流は、先行すなわち第1のガス流から先行すなわち第1の混相流に、先行混相流から液体流に、液体流から第2すなわち後続混相流に、そして後続混相流から第2すなわち後続ガス流に遷移する場合がある。図4から理解できるように、液体流の質量流量測定は、ガス質量を合計するために使用することができない。したがって、混相/単相流の合計は、液体流が検出されたとき、混相流の推定ガス質量流量から液体流の推定ガス質量流量に切り換えうる。理解できるように、液体流のガス質量流量はゼロであると考えられるが、例えば液体流中の混入ガスを考慮した公称値など、液体流の任意の適切な推定ガス質量流量値が使用されてもよい。
【0085】
例えば、図4を参照すると、混相/単相流内の混相流から液相流への遷移は、密度プロット440が液体閾値440tlを超える場合、及びいくつかの例では、駆動ゲインプロット430が混相閾値430t未満の場合に検出することができる。したがって、混相/単相流の質量流量を合計することを、混相流の推定ガス質量流量から、液体流の推定ガス質量流量、例えばゼロに、切り替えることができる。例えば、ガス流を合計する場合、前述した先行ガス流の測定質量流量平均332値は、液体流の前の混相流時に累積される推定ガス質量流量であり、液体流が検出された場合、液体流を検出している間はゼロ値を累積するようにすることができる。液体流から混相流への遷移は、密度プロット440が液体閾値440tlを下回り、駆動ゲインプロット430が混相閾値430tを超えて増加するときに、検出することができる。したがって、混相/単相ガス流の合計は、ゼロである可能性のある液体流量の推定ガス質量流量の累積から、混相流の推定ガス質量流量に切り換え、続いてガス流の質量流量測定値に切り換えることができる。
【0086】
図4を参照すると、第4の参照文字「a」で示される測定結果をもたらすガス流は、第1のまたは先行ガス流と称されることがある。すなわち、先行ガス流は、第4の参照文字「c」によって示される測定値をもたらす液体流の前に発生している。同様に、第4の参照文字「b」によって示される測定をもたらす混相流は、第1のまたは先行混相流と称されることがある。第4の参照文字「c」によって示される液体流の後に発生し、第4の参照文字「d」によって示される測定結果をもたらす混相流は、第2のまたは後続混相流と称されることがある。参照文字「c」によって示される液体流の後に発生し、第4の参照文字「e」によって示される測定値をもたらすガス流は、第2のまたは後続ガス流と称されることがある。
【0087】
先行混相流及び後続混相流の推定ガス質量流量は、先行ガス流の測定質量流量の平均とすることができる。さらに、先行ガス流及び後続ガス流の平均を決定し、上述のデルタ値336のガスデルタ値などの、ガスデルタ値を決定するために使用することができる。ガスデルタ値は、例えば、先行及び後続混相流の推定ガス質量流量と、先行及び後続ガス流の測定質量流量の平均との間の差とすることができる。
【0088】
ガスデルタ値は、質量合計に累積されて、図4に示される先行及び後続混相流の、補正された推定質量流量を提供することができる。例えば、先行混相流は、六つの推定質量流量サンプルを提供し、後続混相流は、五つの推定質量流量サンプルを提供し、その各々は、先行ガス流の測定質量流量の平均の値に等しいサンプル値を有する。したがって、ガスデルタ値は11回加算され、混相流の推定ガス質量流量と、先行及び後続ガス流の測定質量流量の平均値との間の差を補正することができる。これら及び他の累積は、以下でより詳細に説明されるように実行することができる。
【0089】
図5は、混相/単相流の流量を合計する方法500を示す。図5に示されるように、方法500は、ステップ510において、混相/単相流中の液体流を検出することができる。ステップ520では、方法500は、混相/単相流の合計を、先行混相流の推定質量流量から液体流の推定ガス質量流量に切り替えることができる。上述のように、先行混相流の推定ガス質量流量はガス流の測定質量流量に基づいて決定することができ、液体流の推定ガス質量流量は、例えばゼロである可能性があるが、任意の適切な値が採用されてもよい。方法500は、上述のメータ電子機器20などの任意の適切な電子機器で実行することができる。方法500は、以下の説明が示すように、追加のステップ及び/またはサブステップを含むことができる。
【0090】
方法500は、先行混相流が測定されていることを検出する先行するステップと、混相/単相流の合計を、先行ガス流の測定質量流量から先行混相流の推定ガス質量流量へと切り換える先行するステップとをさらに含むことができる。先行混相流が測定されていることを検出するステップは、例えば、駆動ゲインが混相閾値よりも大きいかどうかを決定することを含むことができるが、任意の適切な手段を使用することができる。加えて、または代替として、先行混相流は、密度がガス密度閾値よりも大きいときに検出することができる。先行混相流の推定ガス質量流量は、先行ガス流の測定質量流量の平均を含むことができるが、任意の適切な値が採用されてもよい。
【0091】
方法500は、さらに、例えば、後続混相流が測定されていることを検出するステップと、混相/単相流の合計を、液体の推定ガス質量流量から後続混相流の推定ガス質量流量へと切り換えるステップとを含むことができる。方法500は、後続ガス流が測定されていることを検出する後続のステップと、混相/単相流の合計を、後続混相流の推定ガス質量流量からの後続ガス流の測定質量流量に切り替える後続のステップとをさらに含むことができる。
【0092】
加えて、方法500は、先行ガス流の測定質量流量及び後続ガス流の測定質量流量を平均化し、先行及び後続混相流の推定ガス質量流量と、先行ガス流及び後続ガス流の測定質量流量の平均との間の、ガスデルタ値を決定することができる。混相/単相流の合計は、複数のガスデルタ値を累積することをさらに含むことができる。ガスデルタ値の累積の数は、先行及び後続混相流のサンプルの数と同じとすることができる。
【0093】
また、方法500は、混相/単相流の合計からガス質量合計を決定することもできる。例えば、混相/単相流の合計からガス質量合計を求めることは、合計開始時間と合計終了時間との間でガス質量流量値を合計することを含むことができる。方法500は、純粋質量合計及び液体質量合計のうちの少なくとも一つを決定するステップをさらに含むことができる。純粋質量合計を決定するステップは、混相/単相流の測定質量流量を累積することを含み、液体質量合計を決定するステップは、純粋質量合計からガス質量合計を減算することを含みうる。上述のように、液体質量合計と純粋質量合計との間の差は、ガス質量合計を補正するために使用されたガスデルタ値の加法逆元を表す液体デルタ値を使用することによって、補正または調整することができる。液体流が測定されていることを検出することは、密度が液体密度閾値よりも大きいことを決定することを含みうる。加えて、または代替的に、方法500は、測定値を様々な組合せで、または組合せることなく、一つ以上の閾値と比較して、混相/単相流体の相を検出することができる。
【0094】
振動計5、メータ電子機器20、及び上述の方法500は、混相/単相流を合計する。特に、振動計5、メータ電子機器20、及び方法500は、液体流が測定されていることを検出し、混相/単相流の合計を、先行混相流の推定質量流量から液体流の推定ガス質量流量へと切り替えることが可能である。その結果、例えば、期待される混相流中での、異常な液体流の発生による誤差の発生がない。理解されるように、液体流が検出され、このような液体流が検出されたときに合計が自動的に切り替えられるため、ガス質量合計などの混相/単相流の質量合計は、液体流が検出されず合計が切り替えられなかった場合よりも正確となりうる。同様に、液体質量合計は、純粋質量合計とガス質量合計との間の差から決定されるので、より正確でありうる。
【0095】
上記の実施形態の詳細な説明は、本明細書の範囲内にあると本発明者らによって意図されるすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、当業者であれば、上記の実施形態の特定の要素を様々に組み合わせたり削除したりして、さらなる実施形態を作成できること、そのようなさらなる実施形態は、本説明の範囲及び教示の範囲内に入ることを理解するであろう。また、当業者であれば、上記の実施形態を全体的または部分的に組み合わせて、本明細書の範囲及び教示の範囲内でさらなる実施形態を作成できることも、明らかであろう。
【0096】
したがって、本明細書には特定の実施形態が例示の目的のために記載されているが、当業者であれば認識するように、本記載の範囲内で様々な同等の変更が可能である。本明細書で提供される教示は、上述され、添付の図面に示される実施形態だけではなく、混相/単相流の流量を合計する他の実施形態に適用することができる。したがって、上述の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】