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特表2024-542824電動工具用ソケット、電動工具の制御方法、制御システム及び電動工具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】電動工具用ソケット、電動工具の制御方法、制御システム及び電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/00 20060101AFI20241108BHJP
   B25B 23/147 20060101ALI20241108BHJP
   B25B 13/08 20060101ALI20241108BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B25B21/00 H
B25B23/147
B25B13/08
B25B23/14 610A
B25B23/14 610L
B25B23/14 620G
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024533835
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2022080438
(87)【国際公開番号】W WO2023104394
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2130347-4
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502212604
【氏名又は名称】アトラス・コプコ・インダストリアル・テクニーク・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】リンドストレーム ヤーコブ
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA04
3C038BB06
3C038BC04
3C038CA06
3C038CB02
3C038CC08
3C038EA04
3C038EA06
(57)【要約】
ソケット軸(32)の周囲で回転するように配置された電動工具(10)用ソケット(28)が、円筒部分(82)であって、端面(86)と、円筒部分の内側のソケット軸に平行な複数の係合面(88)とを有する、円筒部分(82)と、内側部分(84)であって、ソケット軸に対して円筒部分の半径方向内側に位置するとともに、端面からオフセットされた停止面(90)を有し、係合面は、停止面と端面との間に位置する、内側部分(84)と、ソケット開口部(30)であって、ソケット軸に対して半径方向に延びて円筒部分及び内側部分を貫通する、ソケット開口部(30)と、を備え、円筒部分(82)は、円筒部分の内側に、停止面から離れて延びる少なくとも1つの内部斜面(126)を含む。方法、制御システム(40)及び電動工具(10)も提供する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケット軸(32)の周囲で回転するように配置された電動工具(10)用ソケット(28b)であって、
- 円筒部分(82)であって、該円筒部分(82)は、端面(86)と、該円筒部分(82)の内側のソケット軸(32)に平行な複数の係合面(88)とを有する、円筒部分(82)と、
- 内側部分(84)であって、該内側部分(84)は、前記ソケット軸(32)に対して前記円筒部分(82)の半径方向内側に位置するとともに、前記端面(86)からオフセットされた停止面(90)を有し、前記係合面(88)は、前記停止面(90)と前記端面(86)との間に位置する、内側部分(84)と、
- ソケット開口部(30)であって、該ソケット開口部(30)は、前記ソケット軸(32)に対して半径方向に延びて前記円筒部分(82)及び前記内側部分(84)を貫通する、ソケット開口部(30)と、
を備え、
前記円筒部分(82)は、前記円筒部分(82)の内側に、前記停止面(90)から離れて延びる少なくとも1つの内部斜面(126)を含む、
ことを特徴とするソケット(28b)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの内部斜面(126)は複数の内部斜面(126)を含む、
請求項1に記載のソケット(28b)。
【請求項3】
各内部斜面(126)は真っ直ぐである、
請求項1又は2に記載のソケット(28b)。
【請求項4】
各内部斜面(126)は、前記停止面(90)から前記端面(86)まで延びる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のソケット(28b)。
【請求項5】
前記円筒部分(82)は、前記円筒部分(82)の外側に、前記ソケット軸(32)と同心状の、ホイール(78a、78b)によって駆動係合される円形駆動プロファイル(80)を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載のソケット(28b)。
【請求項6】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)の制御方法であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)と、前記ソケット(28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)から前記ソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記方法は、
- 前記制御システム(40)が、前記ソケット(28b)による前記ジョイント(106)を締め付けるための締め付け動作の実行を命令することと、
- 前記制御システム(40)が、前記締め付け動作の実行後に前記ソケット(28b)による解除動作の実行を命令することと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)を制御するための制御システム(40)であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)と、前記ソケット(28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)から前記ソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記制御システム(40)は、少なくとも1つのデータ処理装置(42)と、少なくとも1つのコンピュータプログラムを記憶している少なくとも1つのメモリ(44)とを備え、前記少なくとも1つのコンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)によって実行された時に、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)に、
- 前記ソケット(28b)による前記ジョイント(106)を締め付けるための締め付け動作の実行を命令するステップと、
- 前記締め付け動作の実行後に前記ソケット(28b)による解除動作の実行を命令するステップと、
を実行させるプログラムコードを含む、
ことを特徴とする制御システム(40)。
【請求項8】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)の制御方法であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、ソケット開口部(30)を有するソケット(28a、28b)と、前記ソケット(28a、28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28a、28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)からソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記方法は、
- 前記制御システム(40)が、前記ソケット(28a、28b)による前記ジョイント(106)を締め付けるための締め付け動作の実行を命令することと、
- 前記制御システム(40)が、前記締め付け動作の実行後に前記ソケット(28a、28b)によるチェック動作の実行を命令することと、
- 前記制御システム(40)が、前記チェック動作に対する、前記ソケット(28a、28b)に関連する少なくとも1つのパラメータの応答をモニタすることと、
- 前記制御システム(40)が、前記応答に基づいて、前記ソケット(28a、28b)が前記ジョイント(106)に係合しているかどうかを判定することと、
- 前記制御システム(40)が、前記ソケット(28a、28b)が前記ジョイント(106)に係合していないと判定した時に前記ソケット(28a、28b)を前記開放位置(34)に位置付けるように命令することと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記電動工具(10)は、請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)を備える、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チェック動作は解除動作を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記チェック動作は、回転位置(62)、回転速度(120)、回転加速度(122)、トルク(66)及び/又は電流(50)に基づいて前記ソケット(28a、28b)を制御することを含む、
請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記チェック動作は、前記締め付け動作中の最大トルク(66)よりも小さいトルク(66)に基づいて前記ソケット(28a、28b)を制御することを含む、
請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記チェック動作は、前記締め付け動作中の最大電流(50)よりも小さい電流(50)に基づいて前記ソケット(28a、28b)を制御することを含む、
請求項8から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ソケット(28a、28b)は、前記チェック動作をパルス(116a~116c)で実行するように命令される、
請求項8から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ソケット(28a、28b)は、前記パルス(116a~116c)中に比較的大きなトルク(66)に基づいて制御され、前記パルス(116a~116c)間に比較的小さな、ゼロの又は負のトルク(66)に基づいて制御される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ソケット(28a、28b)は、前記パルス(116a~116c)中に比較的大きな電流(50)に基づいて制御され、前記パルス(116a~116c)間に比較的小さな、ゼロの又は負の電流(50)に基づいて制御される、
請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記パルス(116a~116c)は、少なくとも5Hzの周波数を有する、
請求項14から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのパラメータは、回転位置(62)、回転速度(120)、回転加速度(122)、トルク(66)及び/又は電流(50)を含む、
請求項8から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記締め付け動作が成功したかどうかを判定することと、前記締め付け動作が成功したと判定した時に前記チェック動作の実行を命令することとをさらに含む、
請求項8から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記電動工具(10)は、人間によって作動する作動要素(22)を備え、前記方法は、前記作動要素(22)が作動したかどうかにかかわらず前記締め付け動作及び前記チェック動作の実行を命令することを含む、
請求項8から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)を制御するための制御システム(40)であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、ソケット開口部(30)を有するソケット(28a、28b)と、前記ソケット(28a、28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28a、28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)からソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記制御システム(40)は、少なくとも1つのデータ処理装置(42)と、少なくとも1つのコンピュータプログラムを記憶している少なくとも1つのメモリ(44)とを備え、前記少なくとも1つのコンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)によって実行された時に、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)に、
- 前記ソケット(28a、28b)による締め付け動作の実行を命令するステップと、
- 前記締め付け動作後に前記ソケット(28a、28b)によるチェック動作の実行を命令するステップと、
- 前記チェック動作に対する、前記ソケット(28a、28b)に関連する少なくとも1つのパラメータの応答をモニタするステップと、
- 前記応答に基づいて、前記ソケット(28a、28b)が自由に回転できるかどうかを判定するステップと、
- 前記ソケット(28a、28b)が自由に回転できると判定した時に前記ソケット(28a、28b)を前記開放位置(34)に位置付けるように命令するステップと、
を実行させるプログラムコードを含む、
ことを特徴とする制御システム(40)。
【請求項22】
前記少なくとも1つのコンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)によって実行された時に、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)に請求項9から20のいずれか1項に記載のステップを実行させるプログラムコードを含む、
請求項21に記載の制御システム(40)。
【請求項23】
請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)、請求項7に記載の制御システム(40)、及び/又は請求項21又は22に記載の制御システム(40)を備える、
ことを特徴とする電動工具(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電動工具に関する。具体的には、少なくとも1つの内部斜面を含む電動工具用ソケット、このようなソケットを含む電動工具の制御方法、このようなソケットを含む電動工具を制御するための制御システム、チェック動作を含む電動工具の制御方法、チェック動作を実行するように電動工具を制御するための制御システム、及び電動工具を提供する。
【背景技術】
【0002】
オープンエンド型電動工具(open end power tool)は、ソケット軸の周囲で回転可能であるとともに、ボルト又はシャフトをソケット軸に対して半径方向に受け取るためのソケット開口部を有するソケットを含むことができる。例えば、シャフトを取り囲むボルトをシャフト上のカップリングにねじ込む場合には、ソケットを開放位置に位置付け、電動工具をシャフトに対して移動させ、ソケット開口部を通じてシャフトを半径方向に受け取る。次に、電動工具及び/又はボルトをシャフトに沿って軸方向に移動させて、ボルトがソケット内に受け取られるようにする。その後、電動工具を使用してボルトをカップリングに締め付けることができる。
【0003】
いくつかの先行技術の電動工具では、オペレータが、各締め付け動作後に、作動要素を解除するステップと、電動工具をボルトから持ち上げるステップと、ソケットを開放位置に戻るように制御するために再び作動要素を押圧して保持するステップと、電動工具をシャフトから取り外すステップとを実行しなければならない。このような電動工具では、作動要素が作動する度にソケットを交互方向に回転させる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の1つの目的は、改善された電動工具用ソケットを提供することである。
【0005】
本開示のさらなる目的は、開放位置におけるソケットの位置付けを高速化する電動工具用ソケットを提供することである。
【0006】
本開示のさらなる目的は、ジョイント締め付け後の電動工具の取り外しを容易にする電動工具用ソケットを提供することである。
【0007】
本開示のさらなる目的は、上述した目的のうちのいくつか又は全部を組み合わせて解決する電動工具用ソケットを提供することである。
【0008】
本開示のさらなる目的は、上述した目的のうちの1つ、いくつか又は全部を解決する、電動工具の制御方法を提供することである。
【0009】
本開示のさらに別の目的は、上述した目的のうちの1つ、いくつか又は全部を解決する、電動工具を制御するための制御システムを提供することである。
【0010】
本開示のさらに別の目的は、上述した目的のうちの1つ、いくつか又は全部を解決する電動工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様によれば、ソケット軸の周囲で回転するように配置された電動工具用ソケットであって、円筒部分であって、円筒部分が、端面と、円筒部分の内側のソケット軸に平行な複数の係合面とを有する円筒部分と、内側部分であって、内側部分が、ソケット軸に対して円筒部分の半径方向内側に位置するとともに、端面からオフセットされた停止面を有し、係合面が、停止面と端面との間に位置する、内側部分と、ソケット開口部であって、ソケット開口部が、ソケット軸に対して半径方向に延びて円筒部分及び内側部分を貫通する、ソケット開口部とを備え、円筒部分が、円筒部分の内側に、停止面から離れて延びる少なくとも1つの内部斜面を含む、ソケットを提供する。
【0012】
ソケットはソケット開口部を含み、従ってオープンエンドソケットである。ソケットを含む電動工具は、オープンエンド型電動工具と呼ぶことができる。
【0013】
ジョイントの締め付け動作中には、係合面をボルトの係合可能面に係合させ、ソケットを締め付け方向に回転させることができる。締め付け動作が完了すると、ソケットを締め付け方向とは逆の解除方向に回転させることができる。ソケットは、例えば締め付け動作の完了直後に自動的に解除方向に回転することができる。ソケットが解除方向に回転すると、各内部斜面がボルト上の係合可能面間の角部に係合する。これにより、ソケットがソケット軸に沿ってボルトから離れて移動する一方で、角部はソケットがボルトから抜け落ちるまで内部斜面に沿って移動する。従って、ソケットを解除方向に回転させることにより、締め付けられたジョイントからソケットを素早く容易に分離することができる。
【0014】
ソケットは、ジョイントから分離すると、ソケット開口部がベース要素のベース開口部と整列する開放位置まで解除方向に回転し続けることができる。これにより、ソケットを素早く容易に開放位置に位置付けることができる。ソケットは、締め付け動作の完了直後に自動的に開放位置に位置することができる。従って、オペレータは、ボルトから電動工具を持ち上げて、ソケットを開放位置に位置付けるための別の位置決めプログラムを実行する必要がない。
【0015】
ソケットは、締め付け方向に回転することによって従来の方法でボルトを締め付けるように構成することができる。電動工具は、本明細書で説明するような、少なくとも1つの内部斜面を有するソケットを含むいずれかのタイプのものであることができる。
【0016】
円筒部分は、ソケット開口部の結果としてソケット軸を完全に取り囲まない。ソケット開口部は、ソケット全体をソケット軸と平行な方向に貫通することができる。
【0017】
係合面は、停止面と端面との間にソケット軸と平行な方向に沿って位置することができる。係合面は、締め付け対象のボルトの係合可能面に係合するように構成することができる。円筒部分は、例えば6つの係合面などの少なくとも4つの係合面を含むことができる。
【0018】
内側は、ソケット軸に面する側である。少なくとも1つの内部斜面は、ソケット軸を横切る平面で見た時に端面と停止面との間に位置することができる。各内部斜面は停止面から延びることができる。端面及び停止面の各々は、平坦かつソケット軸に対して垂直であることができる。
【0019】
少なくとも1つの内部斜面は、複数の内部斜面を含むことができる。1つの内部斜面は、少なくとも4つの係合面の各々に関連することができる。従って、ソケットは少なくとも4つの内部斜面を含むことができる。
【0020】
各内部斜面は真っ直ぐであることができる。これに代えて又は加えて、各内部斜面は、停止面から端面まで延びることができる。
【0021】
円筒部分は、円筒部分の外側に、ソケット軸と同心状の、ホイールによって駆動係合される円形駆動プロファイルを含むことができる。外側は、ソケット軸から離れた方に面する側である。駆動プロファイルは、歯又は摩擦面を含むことができる。
【0022】
第2の態様によれば、ベース開口部を有するベース要素と、第1の態様によるソケットと、ソケットを駆動するように配置されたモータと、モータを制御するように構成された制御システムとを備え、ソケットが、ソケット開口部がベース開口部と整列する開放位置からソケット軸の周囲で回転可能である、ジョイントを締め付ける電動工具の制御方法であって、制御システムが、ソケットによるジョイントを締め付けるための締め付け動作の実行を命令することと、制御システムが、締め付け動作の実行後にソケットによる解除動作の実行を命令することと、を含む方法が提供される。
【0023】
解除動作は、締め付け動作の終了直後に自動的に実行することができる。従って、この方法は、例えばオペレータからのコマンドに応答して別の作業として解除動作を実行する代わりに、締め付け動作の完了直後に解除動作を開始することができる。或いは、解除動作は、例えばオペレータが電動工具の作動要素を作動させることによって開始することもできる。
【0024】
締め付け動作中、ソケットは、ソケット軸の周囲で締め付け方向に回転する。締め付け動作は、ジョイントに目標トルクが加わった時に完了したとみなすことができる。解除動作は、ソケットをソケット軸の周囲で締め付け方向とは逆の解除方向に回転させることを含む。
【0025】
第3の態様によれば、ベース開口部を有するベース要素と、第1の態様によるソケットと、ソケットを駆動するように配置されたモータと、モータを制御するように構成された制御システムとを備え、ソケットが、ソケット開口部がベース開口部と整列する開放位置からソケット軸の周囲で回転可能である、ジョイントを締め付ける電動工具を制御するための制御システムであって、少なくとも1つのデータ処理装置と、少なくとも1つのコンピュータプログラムを記憶している少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのコンピュータプログラムが、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行された時に、少なくとも1つのデータ処理装置に、ソケットによるジョイントを締め付けるための締め付け動作の実行を命令するステップと、締め付け動作の実行後にソケットによる解除動作の実行を命令するステップとを実行させるプログラムコードを含む、制御システムが提供される。
【0026】
第4の態様によれば、ベース開口部を有するベース要素と、ソケット開口部を有するソケットと、ソケットを駆動するように配置されたモータと、モータを制御するように構成された制御システムとを備え、ソケットが、ソケット開口部がベース開口部と整列する開放位置からソケット軸の周囲で回転可能である、ジョイントを締め付ける電動工具の制御方法であって、制御システムが、ソケットによるジョイントを締め付けるための締め付け動作の実行を命令することと、制御システムが、締め付け動作の実行後にソケットによるチェック動作の実行を命令することと、制御システムが、チェック動作に対する、ソケットに関連する少なくとも1つのパラメータの応答をモニタすることと、制御システムが、応答に基づいて、ソケットがジョイントに係合しているかどうかを判定することと、制御システムが、ソケットがジョイントに係合していないと判定した時にソケットを開放位置に位置付けるように命令することと、を含む方法が提供される。
【0027】
チェック動作は、締め付け動作の完了直後に自動的に実行することができる。ソケットは、ソケットがジョイントと係合していないと判定されると直ぐに自動的に開放位置に位置することができる。従って、オペレータは、ジョイントから電動工具を持ち上げてソケットに開放位置に移動するように手動で命令する代わりに、単純に電動工具をジョイントから離して動かすことができる。この方法は、ソケットがボルトから解放されたと自動的に結論付け、ソケットを自動的に開放位置まで回転させる。ソケットがジョイントに係合していないと判定すると、ソケットの回転速度を高めることができる。
【0028】
チェック動作に対する応答を評価することにより、ソケットがいつジョイントから分離したかを自動的に検知することができる。従って、この方法では、締め付け動作及びソケットの開放位置への位置付けを単一シーケンスで実行することができる。この方法では、締め付け動作後にソケットが自動的に開放位置に戻ることができる。いくつかの用途では、この方法が、締め付けサイクル毎に約1秒の時間節約を可能にする。
【0029】
ソケットがジョイントに係合しているか否かの判定は、様々な方法で行うことができる。1つの例によれば、ソケットがソケット軸の周囲で20度~30度などの閾値角距離を超えて回転した時にソケットが自由に回転していると結論付けられる。
【0030】
チェック動作は、ソケットをソケット軸の周囲で締め付け方向又は解除方向のいずれかに回転させ、又は回転するようにソケットに命令することを含む。しかしながら、ソケットがジョイントから分離していない場合には、ソケットは、締め付け動作によって達成されるジョイントの締め付けトルクが変化しないように比較的小さなトルクしか及ぼすべきではない。すなわち、チェック動作によってジョイントのさらなる締め付け又は緩みを生じさせるべきではない。
【0031】
電動工具は、第1の態様によるソケットを含むことができる。この場合、チェック動作は、第2又は第3の態様による解除動作を含むことができる。解除動作は、電動工具をジョイントから分離させるとともに、この分離がいつ発生したかを判定するために使用することができる。或いは、電動工具は、内部斜面を含まないソケットを含むこともできる。
【0032】
チェック動作は、回転位置、回転速度、回転加速度、トルク及び/又は電流に基づいてソケットを制御することを含むことができる。
【0033】
チェック動作は、締め付け動作中の最大トルクよりも小さいトルクに基づいてソケットを制御することを含むことができる。チェック動作中の最大トルクは、締め付け動作中の最大トルクの20%未満などの、30%未満とすることができる。
【0034】
チェック動作は、締め付け動作中の最大電流よりも小さい電流に基づいてソケットを制御することを含むことができる。
【0035】
ソケットは、チェック動作をパルスで実行するように命令することができる。ソケットは、パルス中には比較的大きなトルクに基づいて制御し、パルス間では比較的小さな、ゼロの又は負のトルクに基づいて制御することができる。これに加えて又は代えて、ソケットは、パルス中には比較的大きな電流に基づいて制御し、パルス間では比較的小さな、ゼロの又は負の電流に基づいて制御することもできる。いずれの場合にも、パルスは、10Hzなどの少なくとも5Hzの周波数を有することができる。
【0036】
チェック動作は、パルスの代用として一定トルクに基づいてソケットを制御することを含むこともできる。この場合、一定トルクは、電動工具をジョイントから分離できるほど十分に小さく設定することができる。電動工具がジョイントから分離すると、一定トルクがソケットを回転させ始める。この回転に基づいて、電動工具がジョイントから分離したと判定することができる。
【0037】
少なくとも1つのパラメータは、回転位置、回転速度、回転加速度、トルク及び/又は電流を含むことができる。
【0038】
方法は、締め付け動作が成功したかどうかを判定することと、締め付け動作が成功したと判定した時にチェック動作の実行を命令することとをさらに含むことができる。締め付け動作が成功しなかった場合には、オペレータに警告を発することができる。締め付け動作が成功しなかった場合には、ソケットが開放位置に戻るのを防ぐことができる。
【0039】
電動工具は、人間のオペレータによって作動する作動要素を含むことができる。この場合、方法は、作動要素が作動したかどうかにかかわらず締め付け動作及びチェック動作の実行を命令することを含むことができる。締め付け動作が完了すると、オペレータは、作動要素を解除することなく単純に電動工具をジョイントから離して動かすことができる。ソケットがジョイントから解放されると、ソケットは自動的に開放位置に戻る。
【0040】
第5の態様によれば、ベース開口部を有するベース要素と、ソケット開口部を有するソケットと、ソケットを駆動するように配置されたモータと、モータを制御するように構成された制御システムとを備え、ソケットが、ソケット開口部がベース開口部と整列する開放位置からソケット軸の周囲で回転可能である、ジョイントを締め付ける電動工具を制御するための制御システムであって、少なくとも1つのデータ処理装置と、少なくとも1つのコンピュータプログラムを記憶している少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのコンピュータプログラムが、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行された時に、少なくとも1つのデータ処理装置に、ソケットによる締め付け動作の実行を命令するステップと、締め付け動作後にソケットによるチェック動作の実行を命令するステップと、チェック動作に対する、ソケットに関連する少なくとも1つのパラメータの応答をモニタするステップと、応答に基づいて、ソケットが自由に回転できるかどうかを判定するステップと、ソケットが自由に回転できると判定した時にソケットを開放位置に位置付けるように命令するステップと、を実行させるプログラムコードを含む、制御システムが提供される。
【0041】
少なくとも1つのコンピュータプログラムは、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行された時に、少なくとも1つのデータ処理装置に第4の態様によるステップのうちのいずれかを実行させるプログラムコードを含むことができる。
【0042】
第6の態様によれば、第1の態様によるソケット、第3の態様による制御システム及び/又は第5の態様による制御システムを含む電動工具が提供される。電動工具は、ジョイントにトルクを与えるために使用することができる。電動工具は、手持ち式であることができる。
【0043】
図面と共に行う以下の説明から、本開示のさらなる詳細、利点及び態様が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1a】電動工具の概略的側面図である。
図1b】電動工具の概略的上面図である。
図2】本体から工具ヘッドを取り外した時の電動工具の概略的な部分的断面側面図である。
図3a】工具ヘッドの断面側面図である。
図3b】工具ヘッドのコンポーネントの概略的上面図である。
図4】電動工具のソケットの斜視図である。
図5a】位置決め装置を含むソケットの上面図である。
図5b】位置決め装置のさらなる例を含むソケットの概略的上面図である。
図6a】カップリング及びボルトを含む、組み立てられていないジョイントの概略的側面図である。
図6b】電動工具を使用してボルトをカップリングに取り付ける際のジョイントの概略的側面図である。
図6c】ジョイントから電動工具を取り外した時のジョイントの概略的側面図である。
図7a】チェック動作中のモータへの電流を時間の関数として示す概略図である。
図7b】チェック動作中の回転位置を時間の関数として示す概略図である。
図7c】チェック動作中の回転速度を時間の関数として示す概略図である。
図7d】チェック動作中の回転加速度を時間の関数として示す概略図である。
図7e】チェック動作中のトルクを時間の関数として示す概略図である。
図8a】電動工具用ソケットのさらなる例の概略的斜視図である。
図8b図8aのソケットの概略的側面図である。
図8c図8a及び図8bのソケットの概略的上面図である。
図9a図8a~図8cのソケットの概略的上面図である。
図9b】ソケットを締め付け方向に回転させた時の図9aのソケット及びジョイントの概略的上面図である。
図9c】ソケットを解除方向に回転させた時の図9aのソケット及びジョイントの概略的上面図である。
図10a図9aのソケット及びジョイントの概略的側面図である。
図10b】ソケットを解除方向に回転させた時の図9cのソケット及びジョイントの概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、少なくとも1つの内部斜面を含む電動工具用ソケット、このようなソケットを含む電動工具の制御方法、このようなソケットを含む電動工具を制御するための制御システム、チェック動作を含む電動工具の制御方法、チェック動作を実行するように電動工具を制御するための制御システム、及び電動工具について説明する。なお、同一又は同様の構造的特徴の表示には同一又は同様の参照数字を使用する。
【0046】
図1aは、電動工具10の概略的側面図であり、図1bは、電動工具10の概略的上面図である。図1a及び図1bをまとめて参照すると、電動工具10は、本体12及び工具ヘッド14を含む。工具ヘッド14は、この例では本体12に着脱自在に取り付けられている。本体12は、ここではハウジングとして例示する。
【0047】
この例の電動工具10は、締め付け用の手持ち式オープンエンド型電動工具である。電動工具10は、例えば電気的に駆動することができる。図1bに示すように、電動工具10は、例えばねじ付きカップリング18上のボルト16を締め付けるために使用することができる。カップリング18は、パイプ20を取り囲むことができる。
【0048】
この例の電動工具10は、作動要素22をさらに含む。作動要素22は、ここでは手動作動によって本体12に対して回転可能なレバーとして例示する。
【0049】
ツールヘッド14は、ベース要素24を含む。ベース要素24は、その遠位端にベース開口部26を含む。
【0050】
工具ヘッド14は、ソケット開口部30を有するソケット28aをさらに含む。従って、ソケット28aはオープンエンドソケットであり、電動工具10はオープンエンド型電動工具である。ソケット28aは、ソケット軸32の周囲でベース要素24に対して回転可能である。図1a及び図1bでは、ソケット28aが開放位置34にある。開放位置34では、ソケット開口部30がベース開口部26と整列し、これによってパイプ20をソケット軸32に対して半径方向に受け取ることができる。その後、電動工具10をパイプ20に沿って軸方向に移動させて、ボルト16をソケット開口部30内に軸方向に受け取ることができる。
【0051】
図2は、電動工具10の概略的な部分的断面側面図である。工具ヘッド14は、ここでは本体12から取り外されている。図2に示すように、この例の本体12は駆動シャフト36を含む。駆動シャフト36は、駆動軸38の周囲で回転可能である。この例では、工具ヘッド14が本体12に取り付けられている時に、駆動軸38がソケット軸32と平行である。
【0052】
この例の電動工具10は、制御システム40をさらに含む。制御システム40は、ここでは本体12に設けられている。制御システム40は、データ処理装置42及びメモリ44を含む。メモリ44にはコンピュータプログラムが記憶されている。コンピュータプログラムは、データ処理装置42によって実行された時に、本明細書で説明するような様々なステップをデータ処理装置42に実行させる、又はこのような様々なステップの実行を命令するプログラムコードを含む。
【0053】
この例の電動工具10は、本体12内に収容された電動モータ46をさらに含む。モータ46は、モータシャフト48を回転駆動させる。制御システム40はモータ46と信号通信を行い、ここではモータ46に電流50を送ることによってモータ46の動作を制御する。
【0054】
この例の電動工具10は、減速ギア52及び中間シャフト54をさらに含む。減速ギア52は、第1の回転速度でのモータシャフト48の回転を、第1の回転速度よりも低い第2の回転速度での中間シャフト54の回転に伝達するように構成される。中間シャフト54の回転は、かさ歯車56を介して駆動シャフト36の回転に伝達される。このように、電動工具10は、モータシャフト48の回転を駆動シャフト36の回転に伝達するように構成される。減速ギア52、中間シャフト54及びかさ歯車56は、モータ46の回転を駆動シャフト36の回転に伝達するように構成されたモータトランスミッション58の多くの例のうちの1つを構成する。
【0055】
電動工具10は、位置センサ60をさらに含む。位置センサ60は、ここでは回転位置62であるモータシャフト48の位置を測定するように配置される。
【0056】
電動工具10は、トルクセンサ64をさらに含む。トルクセンサ64は、ここでは減速ギア52への入力トルクとして例示するトルク66を測定するように配置される。
【0057】
図3aは、工具ヘッド14の概略的断面側面図であり、図3bは、工具ヘッド14のコンポーネントの概略的上面図である。図3a及び図3bをまとめて参照すると、この例の工具ヘッド14は駆動部材68を含む。駆動部材68は、ベース要素24に対して駆動軸38の周囲で回転可能である。ここでは、駆動部材68を、駆動部材68によって駆動される駆動シャフト36を受け取るように配置された中空軸として例示する。
【0058】
ツールヘッド14は、駆動トランスミッション70をさらに含む。駆動トランスミッション70は、駆動軸38の周囲の駆動部材68の回転をソケット軸32の周囲のソケット28aの回転に伝達するように構成される。この例では、駆動部材68とソケット28aとの間の比率が1:1である。この具体例の駆動トランスミッション70は、駆動部材68の歯付き部分と噛合する第1歯車72と、第1歯車72と噛合する第2歯車74と、第2歯車74と噛合する第3歯車76と、第3歯車76及びソケット28aの歯付き駆動プロファイル80の各々と噛合する一次第4歯車78aと、第3歯車76及びソケット28aの駆動プロファイル80の各々と噛合する二次第4歯車78bとを含む。従って、駆動プロファイル80は、第4歯車78a及び78bによって駆動係合される。電動工具10は、モータトランスミッション58及び駆動トランスミッション70を通じてモータシャフト48の回転をソケット28aの回転に伝達するように構成される。
【0059】
ソケット28aの回転位置は、モータシャフト48の回転位置に基づいて決定することができる。さらに、ソケット28aに加わるトルクは、減速ギア52におけるトルク66に基づいて決定することができる。
【0060】
図4は、ソケット28aの概略的斜視図である。ソケット28aは、円筒部分82及び内側部分84を含む。内側部分84は、ソケット軸32に対して円筒部分82の半径方向内側に配置される。図示のように、円筒部分82の外側には駆動プロファイル80が設けられる。
【0061】
円筒部分82は、端面86及び複数の係合面88を含む。各係合面88は、円筒部分82の内側に設けられる。さらに、各係合面88はソケット軸32と平行である。この例では、円筒部分82が、4つのフルサイズの係合面88と、ソケット開口部30によって制限される2つの小さな係合面88とを含む。図4に示すように、ソケット開口部30は、円筒部分82及び内側部分84をソケット軸32に対して半径方向に貫通する。
【0062】
内側部分84は停止面(stopping surface)90を含む。停止面90及び端面86は、互いにソケット軸32と平行な方向にオフセットされる。この例では、端面86及び停止面90の各々が平坦であり、ソケット軸32に対して垂直である。図4では、停止面90が端面86の下に位置している。係合面88は、ソケット軸32と平行な方向に沿って端面86と停止面90との間に配置される。
【0063】
図5aは、ソケット28aの概略的上面図である。この例のソケット28aは、位置決め装置92aを含む。この例の位置決め装置92aは、位置決めベース94、ばね96及びストッパ98を含む。位置決め装置92aは、駆動プロファイル80からオフセットされたソケット28aの円筒部分82などに凹部100をさらに含む。位置決めベース94は、ベース要素24に固定することができる。
【0064】
図5aに示すように、ソケット28aを反時計回り方向に回転させると、凹部100はストッパ98を通り過ぎることができる。従って、図5aのソケット28aは反時計回り方向に延々と回転することができる。ソケット28aが図5aの時計回り方向に回転して凹部100がストッパ98に到達すると、ばね96がストッパ98を凹部100内に押し込み、ソケット28aは開放位置34において停止する。
【0065】
図5bは、ソケット28aの概略的上面図である。ソケット28aは、位置決め装置92bのさらなる例を含む。位置決め装置92bは、駆動プロファイル80からソケット軸32と平行な方向にオフセットされた円筒部分82上に配置することができる。
【0066】
この例の位置決め装置92bは、能動部品102及び受動部品104を含むセンサである。この例では、能動部品102が、ベース要素24に固定されたホール効果センサであり、受動部品104が、駆動プロファイル80からオフセットされたソケット28aの円筒部分82などに固定された磁石である。能動部品102は、制御システム40と信号通信を行う。ソケット28aが開放位置34にある時には、能動部品102が受動部品104の近接を検出する。
【0067】
図6Aは、組み立てられていないジョイント106の概略的側面図である。この具体例のジョイント106は、図1bに既に示したようにパイプ20、カップリング18及びボルト16を含む。カップリング18は、雄ねじ108を含む。図6aでは、ボルト16がパイプ20を取り囲んでいるが、雄ねじ108には螺合していない。
【0068】
この例のボルト16は、6つの係合可能面110と、係合可能面110間の12個の角部112とを含む。6つの角部112はボルト16の一端(図6aの左端)に位置し、6つの角部112は反対端(図6aの右端)に位置する。
【0069】
ソケット28aが開放位置34に配置されると、電動工具10を移動させて、ソケット開口部30を通じてパイプ20をソケット軸32に対して半径方向に受け取ることができる。次に、電動工具10をパイプ20に沿って軸方向に移動させてボルト16をソケット28a内に受け取ることができる。ボルト16がソケット28a内に受け取られると、各係合面88がボルト16の関連する係合可能面110と平行になる。さらに、ボルト16がソケット28a内の停止面90に突き当たるまで電動工具10をボルト16に対して軸方向(図6aにおいて右方向)に移動させることができる。
【0070】
図6bは、電動工具10を使用してボルト16をカップリング18に取り付ける際のジョイント106の概略的側面図である。ここでは、ジョイント106の締め付け動作が行われている。この例では、制御システム40が、作動要素22の作動に応答してモータ46に締め付け動作を実行するように命令する。締め付け動作中には、ソケット28aがボルト16を締め付け方向114に回転させてジョイント106を締め付ける。締め付け動作中には、最初にトルク閾値に到達するまでソケット28aが一定の回転速度で制御される。その後、ジョイント106の目標トルクに到達するまで回転速度を下げることができる。締め付け動作が成功すると、緑色ランプが表示される。締め付け動作が成功しなかった場合には、赤色ランプが表示される。締め付け動作が完了すると、制御システム40は、例えば図7a~図7eで説明するようなチェック動作の実行を速やかに命令する。チェック動作は、締め付け動作の成功を条件として行うことができる。
【0071】
図6cは、ジョイント106から電動工具10が取り外された時のジョイント106の概略的側面図である。オペレータは、締め付け動作の完了直後にジョイント106から電動工具10を取り外すことができる。ジョイント106からの電動工具10の取り外しは、チェック動作によって検出することができる。
【0072】
図7aは、チェック動作中のモータ46への電流50を時間tの関数として示す概略図である。図示のように、制御システム40は、チェック動作中に電流50のパルス116a~116cをモータ46に送信する。電流50は、ソケット28aに関連するパラメータの一例である。時点t1に第1のパルス116aが送信され、時点t2に第2のパルス116bが送信され、時点t3に第3のパルス116cが送信される。この例では、パルス116a~116cの合間は電流50がゼロである。パルス116a~116cの合間の時間ステップは、例えば0.1秒であることができる。ソケット28aは、時点t1及びt2にボルト16に係合する。ソケット28aは、時点t3にボルト16から分離する。
【0073】
この例では、各パルス116a~116cが、ソケット28aに締め付け方向114とは逆の解除方向に回転するように命令する正パルスである。しかしながら、パルス116a~116cは、ソケット28aに締め付け方向114に回転するように命令する負パルスであることもでき、或いは解除方向及び締め付け方向114に交互に回転するように命令することもできる。
【0074】
図7bは、チェック動作中の回転位置62を時間tの関数として示す概略図である。位置センサ60によって測定される回転位置62とソケット28aの回転位置との間には線形関係が存在する。従って、位置62は、ソケット28aに関連するパラメータのさらなる例である。制御システム40は、パルス116a~116cに対する回転位置62の応答をモニタする。
【0075】
ソケット28aは、時点t1に、ソケット28aの係合面88とボルト16の係合可能面110との間の遊びの範囲内で開始位置からわずかに回転する。ソケット28aは、時点t1の直後に停止する。これにより、制御システム40は、ソケット28aがジョイント106に係合したと判定することができる。
【0076】
時点t2には、回転位置62に変化がない。これにより、制御システム40は、ソケット28aが依然としてジョイント106に係合していると結論付けることができる。
【0077】
ソケット28aは、時点t3に閾値角距離118を過ぎて回転する。制御システム40は、これに基づいてソケット28aがジョイント106に係合していないと結論付けることができる。閾値角度距離118は、例えば20度~30度であることができる。
【0078】
図7cは、チェック動作中のソケット28aの回転速度120を時間tの関数として示す概略図である。制御システム40は、測定された回転位置62に基づいて回転速度120を決定する。回転位置62に基づいて決定される回転速度120とソケット28aの回転速度との間には線形関係が存在する。従って、回転速度120は、ソケット28aに関連するパラメータのさらなる例である。制御システム40は、パルス116a~116cに対する回転速度120の応答をモニタする。回転速度120は、時点t1に短時間にわたってわずかに増加する。回転速度120は、時点t2にはゼロである。回転速度120は、時点t3に増加して、ソケット28aがボルト16から解放されたことを示す。
【0079】
図7dは、チェック動作中のソケット28aの回転加速度122を時間tの関数として示す概略図である。制御システム40は、測定された回転位置62に基づいて回転加速度122を決定する。回転加速度122とソケット28aの回転加速度との間には線形関係が存在する。従って、回転加速度122は、ソケット28aに関連するパラメータのさらなる例である。制御システム40は、パルス116a~116cに対する回転加速度122の応答をモニタする。時点t1には、短時間にわたってわずかな回転加速度122が存在する。回転加速度122は、時点t2にはゼロである。回転加速度122は、時点t3に増加して、ソケット28aがボルト16から解放されたことを示す。
【0080】
図7eは、チェック動作中のソケット28aのトルク66を時間tの関数として示す概略図である。ソケット28aに加わるトルクは、トルクセンサによって測定されるトルク66に基づいて決定することができる。従って、トルク66は、ソケット28aに関連するパラメータのさらなる例である。制御システム40は、パルス116a~116cに対するトルク66の応答をモニタする。トルク66は、時点t1の直後にトルク閾値124に到達するまで増加する。トルク閾値124は締め付けトルクよりも実質的に低く、例えば1Nmであることができる。トルク66がトルク閾値124に到達すると、パルス116aは停止する。トルク66は、時点t2においてトルク閾値124に到達するまで再び増加し、パルス116bは停止する。しかしながら、時点t3にはトルク66の増加が存在しない。時点t3後には、トルク66がトルク閾値124に到達することなく、ソケット28aが開始位置から閾値角度距離118を超えて回転する。このことは、とりわけ電動工具10がジョイント106から分離したことを示す。
【0081】
この具体例では、トルク66がトルク閾値124に到達すると各パルス116a~116cが停止し、ソケット28aは次のパルス116a~116cまでこの位置に留まる。任意に、各パルス116a~116c後にソケット28aを開始位置に戻すこともできる。
【0082】
制御システム40は、ソケット28aがジョイント106に係合していないと判定すると、この例では作動要素22がどのように作動するか、又は作動するかどうかにかかわらず、直ちにソケット28aの開放位置34への位置付けを自動的に命令する。電動工具10がジョイント106から解放されたと結論付けた時点でソケット28aを開放位置34に位置付けると、回転速度120が増加することができる。従って、オペレータは、締め付け動作の完了時にジョイント106及びパイプ20から単純に電動工具10を取り外すことができる。電動工具10は、ソケット28aを開放位置34に位置付けるためにオペレータからのさらなるコマンドを必要とすることなく、自動的にこの目的に対処することができる。これにより、大幅な時間の節約が可能になる。
【0083】
図8aは、電動工具10のソケット28bのさらなる例の概略的斜視図である。図8bは、ソケット28bの概略的側面図であり、図8cは、ソケット28bの概略的上面図である。図8a~図8cをまとめて参照すると、ソケット28bは、内部斜面126をさらに含むことによってソケット28aと異なる。この例のソケット28bは、4つの内部斜面126を含む。内部斜面126は、円筒部分82の内側に配置される。ここでは、各内部斜面126がそれぞれの係合面88の切り欠きによって形成されている。図示のように、この例の各内部斜面126は真っ直ぐであり、停止面90から端面86に延びている。特に図8cに示すように、各内部斜面126は、ソケット軸32を横切る平面で見た時に端面86と停止面90との間に位置する。
【0084】
図9aは、ジョイント106を受け取るソケット28bの概略的上面図であり、図10aは、ソケット28b及びジョイント106の概略的側面図である。図9a及び図10aでは、ソケット28bがボルト16に対して図6bと同じ位置にある。図9aに示すように、各係合面88は、ボルト16の固有の係合可能面110と整列している。
【0085】
図9bは、ソケット28b及びジョイント106の概略的上面図である。ソケット28bを締め付け方向114に回転させると、ボルト16は矢印128で示すように回転する。理解できるように、ソケット28bは、締め付け方向114への回転によってボルト16を従来の方法で締め付けるように構成される。
【0086】
図9cは、ソケット28bを締め付け方向114とは逆の解除方向130に回転させる際のソケット28b及びジョイント106の概略的上面図であり、図10bは、ソケット28b及びジョイント106の概略的側面図である。ここでは、ソケット28bが静止状態のボルト16に対してソケット軸32の周囲で回転する。ソケット28bが解除方向130に回転すると、ボルト16の角部112(ここではボルト16の4つの角部112)がそれぞれの内部斜面126に沿って移動するようになる。これにより、電動工具10は、矢印132で示すようにソケット軸32に対してジョイント106から軸方向に離れて移動するようになる。
【0087】
電動工具10がソケット28bを含む場合にも、締め付け動作の完了直後にチェック動作を実行することができる。この場合、チェック動作は、ソケット28bを解除方向130に回転させることを含む解除動作を代わりに含むことができる。このように、オペレータはボルト16から電動工具10を持ち上げる必要がない。この例でも、制御システム40は、例えばトルク66が減少した時などの、ソケット28bがジョイント106に係合していない時を検出することができる。解除動作は、パルス116a~116cで行われる必要はない。ソケット28bがボルト16から解放されると、ソケット28bが開放位置34に到達するまで回転速度120が増加することができる。
【0088】
チェック動作がソケット28bに対して解除方向130にトルクを加えることを含む場合、ソケット28a及びソケット28bの両方と共に機能する同じソフトウェアを電動工具10において使用することができる。このトルクは、ソケット28aが使用されている場合にはジョイント106を緩めないように十分に小さく、内部斜面126と角部112との間の係合によってソケット28bを分離できるように十分に大きなものであることができる。
【0089】
例示的な実施形態を参照しながら本開示を説明したが、本発明は上述した内容に限定されるものではないと理解されるであろう。例えば、部品の寸法は必要に応じて変化することができると理解されるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲のみによって限定できるものと意図される。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケット軸(32)の周囲で回転するように配置された電動工具(10)用ソケット(28b)であって、
- 円筒部分(82)であって、該円筒部分(82)は、端面(86)と、該円筒部分(82)の内側のソケット軸(32)に平行な複数の係合面(88)とを有する、円筒部分(82)と、
- 内側部分(84)であって、該内側部分(84)は、前記ソケット軸(32)に対して前記円筒部分(82)の半径方向内側に位置するとともに、前記端面(86)からオフセットされた停止面(90)を有し、前記係合面(88)は、前記停止面(90)と前記端面(86)との間に位置する、内側部分(84)と、
- ソケット開口部(30)であって、該ソケット開口部(30)は、前記ソケット軸(32)に対して半径方向に延びて前記円筒部分(82)及び前記内側部分(84)を貫通する、ソケット開口部(30)と、
を備え、
前記円筒部分(82)は、前記円筒部分(82)の内側に、前記停止面(90)から離れて延びる少なくとも1つの内部斜面(126)を含む、
ことを特徴とするソケット(28b)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの内部斜面(126)は複数の内部斜面(126)を含む、
請求項1に記載のソケット(28b)。
【請求項3】
各内部斜面(126)は真っ直ぐである、
請求項1に記載のソケット(28b)。
【請求項4】
各内部斜面(126)は、前記停止面(90)から前記端面(86)まで延びる、
請求項1に記載のソケット(28b)。
【請求項5】
前記円筒部分(82)は、前記円筒部分(82)の外側に、前記ソケット軸(32)と同心状の、ホイール(78a、78b)によって駆動係合される円形駆動プロファイル(80)を含む、
請求項1に記載のソケット(28b)。
【請求項6】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)の制御方法であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)と、前記ソケット(28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)から前記ソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記方法は、
- 前記制御システム(40)が、前記ソケット(28b)による前記ジョイント(106)を締め付けるための締め付け動作の実行を命令することと、
- 前記制御システム(40)が、前記締め付け動作の実行後に前記ソケット(28b)による解除動作の実行を命令することと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)を制御するための制御システム(40)であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)と、前記ソケット(28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)から前記ソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記制御システム(40)は、少なくとも1つのデータ処理装置(42)と、少なくとも1つのコンピュータプログラムを記憶している少なくとも1つのメモリ(44)とを備え、前記少なくとも1つのコンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)によって実行された時に、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)に、
- 前記ソケット(28b)による前記ジョイント(106)を締め付けるための締め付け動作の実行を命令するステップと、
- 前記締め付け動作の実行後に前記ソケット(28b)による解除動作の実行を命令するステップと、
を実行させるプログラムコードを含む、
ことを特徴とする制御システム(40)。
【請求項8】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)の制御方法であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、ソケット開口部(30)を有するソケット(28a、28b)と、前記ソケット(28a、28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28a、28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)からソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記方法は、
- 前記制御システム(40)が、前記ソケット(28a、28b)による前記ジョイント(106)を締め付けるための締め付け動作の実行を命令することと、
- 前記制御システム(40)が、前記締め付け動作の実行直後に前記ソケット(28a、28b)によるチェック動作の実行を自動的に命令することと、
- 前記制御システム(40)が、前記チェック動作に対する、前記ソケット(28a、28b)に関連する少なくとも1つのパラメータの応答をモニタすることと、
- 前記制御システム(40)が、前記応答に基づいて、前記ソケット(28a、28b)が前記ジョイント(106)に係合しているかどうかを判定することと、
- 前記制御システム(40)が、前記ソケット(28a、28b)が前記ジョイント(106)に係合していないと判定した時に前記ソケット(28a、28b)を前記開放位置(34)に位置付けるように命令することと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記電動工具(10)は、請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)を備える、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チェック動作は解除動作を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記チェック動作は、回転位置(62)、回転速度(120)、回転加速度(122)、トルク(66)及び/又は電流(50)に基づいて前記ソケット(28a、28b)を制御することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記チェック動作は、前記締め付け動作中の最大トルク(66)よりも小さいトルク(66)に基づいて前記ソケット(28a、28b)を制御することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記チェック動作は、前記締め付け動作中の最大電流(50)よりも小さい電流(50)に基づいて前記ソケット(28a、28b)を制御することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記ソケット(28a、28b)は、前記チェック動作をパルス(116a~116c)で実行するように命令される、
請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記ソケット(28a、28b)は、前記パルス(116a~116c)中に比較的大きなトルク(66)に基づいて制御され、前記パルス(116a~116c)間に比較的小さな、ゼロの又は負のトルク(66)に基づいて制御される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ソケット(28a、28b)は、前記パルス(116a~116c)中に比較的大きな電流(50)に基づいて制御され、前記パルス(116a~116c)間に比較的小さな、ゼロの又は負の電流(50)に基づいて制御される、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記パルス(116a~116c)は、少なくとも5Hzの周波数を有する、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのパラメータは、回転位置(62)、回転速度(120)、回転加速度(122)、トルク(66)及び/又は電流(50)を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記締め付け動作が成功したかどうかを判定することと、前記締め付け動作が成功したと判定した時に前記チェック動作の実行を命令することとをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項20】
前記電動工具(10)は、人間によって作動する作動要素(22)を備え、前記方法は、前記作動要素(22)が作動したかどうかにかかわらず前記締め付け動作及び前記チェック動作の実行を命令することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項21】
ジョイント(106)を締め付ける電動工具(10)を制御するための制御システム(40)であって、前記電動工具(10)は、ベース開口部(26)を有するベース要素(24)と、ソケット開口部(30)を有するソケット(28a、28b)と、前記ソケット(28a、28b)を駆動するように配置されたモータ(46)と、前記モータ(46)を制御するように構成された制御システム(40)とを備え、前記ソケット(28a、28b)は、前記ソケット開口部(30)が前記ベース開口部(26)と整列する開放位置(34)からソケット軸(32)の周囲で回転可能であり、前記制御システム(40)は、少なくとも1つのデータ処理装置(42)と、少なくとも1つのコンピュータプログラムを記憶している少なくとも1つのメモリ(44)とを備え、前記少なくとも1つのコンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)によって実行された時に、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)に、
- 前記ソケット(28a、28b)による締め付け動作の実行を命令するステップと、
- 前記締め付け動作直後に前記ソケット(28a、28b)によるチェック動作の実行を自動的に命令するステップと、
- 前記チェック動作に対する、前記ソケット(28a、28b)に関連する少なくとも1つのパラメータの応答をモニタするステップと、
- 前記応答に基づいて、前記ソケット(28a、28b)が自由に回転できるかどうかを判定するステップと、
- 前記ソケット(28a、28b)が自由に回転できると判定した時に前記ソケット(28a、28b)を前記開放位置(34)に位置付けるように命令するステップと、
を実行させるプログラムコードを含む、
ことを特徴とする制御システム(40)。
【請求項22】
前記少なくとも1つのコンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)によって実行された時に、前記少なくとも1つのデータ処理装置(42)に請求項9に記載のステップを実行させるプログラムコードを含む、
請求項21に記載の制御システム(40)。
【請求項23】
請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット(28b)を備える、
ことを特徴とする電動工具(10)。
【請求項24】
請求項7に記載の制御システム(40)を備える、
ことを特徴とする電動工具(10)。
【請求項25】
請求項21に記載の制御システム(40)を備える、
ことを特徴とする電動工具(10)。
【国際調査報告】