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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】洗濯機及び洗濯機の制御方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/10 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
D06F39/10 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533839
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2022136975
(87)【国際公開番号】W WO2023104040
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111477792.8
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111476476.9
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111477773.5
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111477809.X
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111477802.8
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111477804.7
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111477838.6
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523331692
【氏名又は名称】青島海爾洗滌電器有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】許升
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA05
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE04
3B166AE07
3B166BA26
3B166BA32
3B166BA52
3B166BA56
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CC02
3B166DA04
3B166DA31
3B166DA34
3B166DB02
3B166DB03
3B166DB17
3B166DD01
3B166DD04
3B166DD06
3B166DE01
3B166DE04
3B166JM02
3B166JM03
(57)【要約】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、洗濯機及び洗濯機の制御方法を開示する。前記洗濯機は、貯水槽と、貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置と、吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口から排出する吸引装置と、濾過装置から排出される汚水を収集するための回収装置、を含む。本発明において、回収装置は、濾過装置から排出される汚水を収集可能である。また、吸引装置の吸引動作によって、濾過装置の汚染排出口の内外に圧力差を形成することで、汚水を排出する濾過装置に駆動力を提供可能である。且つ、従来のウォーターポンプによるポンプ搬送方式と比較して、汚水中に含まれる濾過異物がウォーターポンプを詰まらせるとの問題が回避される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽と、
貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置、を含む洗濯機において、
更に、
吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口から排出する吸引装置と、
濾過装置から排出される汚水を収集するための回収装置、を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記吸引装置は、吸引管路を通じて濾過装置の汚染排出口と回収装置の間に連通し、命令に基づき吸引動作を実行し、
好ましくは、前記吸引装置はエアーポンプであることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通し、前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通し、前記吸引管路は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通し、
吸引装置が吸引動作を実行すると、濾過装置内の汚水は圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置内に進入し、吸引装置が停止すると、汚水一時貯蔵装置内の汚水は回収装置に排出され、
好ましくは、前記汚水一時貯蔵装置には、汚水一時貯蔵装置の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔が設けられ、吸引装置が停止すると、外気が透気孔から汚水一時貯蔵装置の内部収容室に進入して、内部の汚水を回収装置に排出し、
より好ましくは、前記透気孔は汚水一時貯蔵装置の天井部領域に設けられることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記汚水一時貯蔵装置の吐水口は前記回収装置の汚水入口よりも高くなっており、吸引装置が停止すると、汚水一時貯蔵装置内の汚水は重力の作用で回収装置に排出され、
及び/又は、前記洗濯機は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられる送気装置を含み、或いは、前記吸引装置は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられ、前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっており、前記バッファ室は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通し、前記吸引管路はバッファ部に接続されて、吸引装置とバッファ室を開通させることを特徴とする請求項3又は4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記濾過装置の汚染排出口と吸引管路の吸引入口端の間には、開放/閉止可能な汚染排出制御弁が設けられ、
好ましくは、前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通し、前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通し、前記吸引管路は汚水一時貯蔵装置と連通し、前記汚染排出制御弁は濾過装置の汚染排出口と汚水一時貯蔵装置の間に設けられることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記回収装置は、
内部に回収チャンバを有するハウジングと、
前記回収チャンバ内に設けられて、前記回収チャンバを第1チャンバと第2チャンバに分割する濾過アセンブリ、を含み、
濾過異物を伴う汚水は、第1チャンバに進入し、濾過アセンブリを通過して濾過されたあと第2チャンバに進入し、濾過異物は第1チャンバ内に収集され、
好ましくは、前記第2チャンバには、濾過した清浄な水を排出するための吐水口が設けられることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
吸引装置を制御して吸引動作を行わせ、濾過装置内の汚水を差圧下で排出口を介してリサイクル装置に排出することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項9】
前記ろ過装置の前記汚水排出口は、内部空洞を有する汚水ステージング装置に接続され、前記汚水ステージング装置は、前記リサイクル装置に接続され、前記吸引装置は、前記汚水ステージング装置に接続されることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機の制御方法であって、
前記制御方法は、以下のステップを含み、
S1、前記吸引装置を制御して吸引動作を行わせ、前記汚水ステージング装置内の空気を汲み出し、前記ろ過装置内の汚水を差圧の影響下で前記汚水ステージング装置内に排出し、
S2、前記吸引装置のスイッチを切り、前記汚水一時貯留装置内の汚水を前記リサイクル装置に排出し、
好ましくは、前記汚水ステージング装置の出口は、前記リサイクル装置の汚水入口より高く、ステップS2において、汚水ステージング装置内の汚水は、重力の影響下でリサイクル装置に排出され、
好ましくは、前記洗濯機は、前記汚水ステージング装置に接続されたポンプ装置をさらに備え、ステップS2は、前記吸引装置のスイッチを切り、前記ポンプ装置のスイッチを入れ、前記汚水ステージング装置内に気体を通過させて、その中の汚水を前記リサイクル装置内に排出するように駆動することからなり、
あるいは、前記吸引装置は、さらに、汚水ステージング装置内に気体を通過させるために使用され、ステップS2は、吸引装置のスイッチを切り、次に、吸引装置を制御してポンプ動作を実行し、汚水ステージング装置内に気体を通過させ、その中の汚水をリサイクル装置内に排出するように駆動することからなることを特徴とする洗濯機の制御方法。
【請求項10】
前記濾過装置と汚水段階装置との間に、開閉可能な汚水制御弁が設けられており、
ステップS1は、具体的には以下のステップを含み、
S11、吸引装置を制御して吸引動作を行わせ、汚水ステージング装置内の空気を送り出し、
S12、汚水制御弁を開き、ろ過装置内の汚水を圧力差のある状態で汚水演出装置に排出することを特徴とする請求項9に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項11】
洗濯機であって、
貯水槽と、前記貯水槽に接続され、前記貯水槽から水を受け入れて濾過する濾過装置であって、排水を外部に排出する排水口を有する濾過装置とをさらに備え、濾過装置内の排水を差圧下で排出ポートから排出させるための吸引作用を行う吸引装置と濾過装置から排出された廃液を回収する回収装置と、
リサイクル装置の汚水流入口には、外側から内側へ一方的に通じる遮断部材が設けられている;あるいは、リサイクル装置は水流出口を有し、前記水流出口には、内側から外側へ一方的に通じる遮断部材が設けられており、
回収装置の汚水入口には、外側から内側に向かって一方向に開通する閉塞部材が設けられ、或いは、回収装置は吐水口を有し、前記吐水口には、内側から外側に向かって一方向に開通する閉塞部材が設けられることを特徴とする、洗濯機。
【請求項12】
前記閉塞部材は、回収装置の汚水入口に設けられるとともに、外側から内側に向かって一方向に開通し、前記閉塞部材は、
回収装置の汚水入口に取り付けられる基体と、
前記基体に対して相対的に動作可能であり、回収装置の外部と内部の空間を開通/遮断する開放部、を含むことを特徴とする請求項11に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記汚水入口の外周は、回収装置の内壁から回収装置の内部に向かって一定の長さだけ延伸することで管状部を形成しており、前記基体は、管状部の延伸末端に取り付けられ、前記開放部は、管状部の延伸末端に対し相対的に動作することで、管状部の延伸末端の開口を開放/閉塞することを特徴とする請求項12に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記基板は前記筒状部の延長端部に適し、前記開口部は前記筒状部の開口部を前記筒状部の外側から覆って閉塞を実現し、前記開口部を前記筒状部から離れる方向に反転させて前記開口部を開放することを特徴とする請求項13に記載の洗濯機。
【請求項15】
前記開口部は可撓性材料で形成され、前記吸引装置がオンされると、前記開口部の前記開口部を覆う部分が前記筒状部の内側に向かって突出する変形を起こし、前記開口部の閉塞を達成することを特徴とする請求項14に記載の洗濯機。
【請求項16】
前記開口部は硬質材料からなり、前記開口部の前記開口部に向かう表面は、前記筒状部の内部に向かって突出する凸面であることを特徴とする請求項14に記載の洗濯機。
【請求項17】
前記排水口の外周部は、前記リサイクル装置の外壁から前記リサイクル装置の外側に向かって一定長さ延びて連通部を形成し、前記連通部は管路に接続され、前記管路は前記濾過装置の排水口に接続されていることを特徴とする請求項13~16のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項18】
前記開口部は、基体と一体的に形成され、あるいは、前記開口部は、基体とは別体に設けられ、両者は相対的に移動可能に連結されていることを特徴とする請求項12~17のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項19】
前記濾過装置の排出口は、内部空洞を有する汚水保持装置に接続され、前記汚水保持装置は、リサイクル装置に接続され、前記吸引装置は、前記汚水保持装置の内部空洞に接続され、前記汚水保持装置内の空気を吸引することを特徴とする請求項11~18のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項20】
前記吸引装置と前記汚水貯留装置との間に緩衝部が設けられ、該緩衝部は内部に緩衝室を有し、該緩衝室は前記汚水貯留装置及び前記吸引装置の内部空洞にそれぞれ連通していることを特徴とする請求項19に記載の洗濯機。
【請求項21】
更に、
濾過装置の汚染排出口と連通する内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と、
汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通する回収装置であって、濾過装置から排出された汚水が汚水一時貯蔵装置を通過して当該回収装置内に収集される回収装置と、
吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置に進入させる吸引装置、を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項22】
前記汚水一時貯蔵装置には、吸引装置と連通する第1通気口が設けられることを特徴とする請求項21に記載の洗濯機。
【請求項23】
前記汚水一時貯蔵装置には、汚水一時貯蔵装置の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔が設けられ、
吸引装置が吸引動作を実行すると、濾過装置内の汚水は圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置内に進入し、吸引装置が停止すると、外気が透気孔から汚水一時貯蔵装置の内部収容室に進入して、内部の汚水を回収装置に排出することを特徴とする請求項22に記載の洗濯機。
【請求項24】
前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられ、前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっており、前記バッファ室は汚水一時貯蔵装置の第1通気口と連通し、前記吸引装置は前記バッファ室と連通することを特徴とする請求項22又は23に記載の洗濯機。
【請求項25】
前記バッファ部には吸引装置と連通する第2通気口が設けられることを特徴とする請求項24に記載の洗濯機。
【請求項26】
前記バッファ部の第2通気口は吸引管路に接続され、前記吸引管路は延伸して吸引装置の吸気端に接続されることを特徴とする請求項25に記載の洗濯機。
【請求項27】
前記汚水ステージング手段の第1の通気口は、通気ラインに接続され、前記通気ラインは、前記緩衝部の緩衝室に接続されるように延びていることを特徴とする請求項24~26のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項28】
前記汚水ステージング手段の出口は、前記リサイクル手段の汚水入口よりも高く、前記吸引手段は閉じられ、前記汚水ステージング手段内の汚水は、重力によって前記リサイクル手段に排出され、
および/または、前記洗濯機が、前記汚水ステージング手段に気体を通過させて、その中の汚水を前記リサイクル手段に排出するように駆動するためのポンプ手段をさらに備えること;または、前記吸引手段が、前記汚水ステージング手段に気体を通過させて、その中の汚水を前記リサイクル手段に排出するように駆動するためのものであることを特徴とする請求項21~27のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項29】
前記洗濯機は、前記濾過装置からの汚水の排出を検出するための検出装置をさらに備え;前記吸引装置は、前記検出装置が前記濾過装置からの汚水が完全に排出されたことを検出したときに吸引動作を停止するためのものであることを特徴とする請求項21~28のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項30】
前記濾過装置の汚水出口と前記リサイクル装置の汚水入口との間に収容可能な汚水の量は、前記濾過装置が収容可能な汚水の最大量以上であり、
好ましくは、前記汚水ステージング手段の容積は、フィルタリング手段の容積以上であることを特徴とする請求項29に記載の洗濯機。
【請求項31】
更に、
貯水槽と、
前記貯水槽に接続され、前記貯水槽から水を受け入れて濾過する濾過装置であって、排水を外部に排出する排水口を有する濾過装置と
濾過装置内の排水を差圧下で排出ポートから排出させるための吸引作用を行う吸引装置と濾過装置から排出された排水を回収する回収装置を備え、
汚染排出口と吸引装置の間に設けられて、汚水の排出に伴って吸引装置と汚染排出口の間の連通を遮断する隔離機構を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項32】
前記隔離機構はフロート部材を含み、前記吸引装置と汚染排出口の間の連通経路には通気孔が設けられ、汚水排出の過程では、前記フロート部材が水面とともに通気孔まで上昇して通気孔を閉塞し、
好ましくは、前記フロート部材はフロートボールであり、前記フロートボールの直径は通気孔の直径よりも大きいことを特徴とする請求項31に記載の洗濯機。
【請求項33】
前記濾過手段は、内部空洞を有する汚水ステージング手段に接続され、前記汚水ステージング手段は、リサイクル手段に接続され;前記吸引手段は、前記汚水ステージング手段の内部空洞に接続され、前記汚水ステージング手段の内部の空気を吸引し、
前記浮き部材は、前記汚水ステージング装置の内部に設けられ、前記空気排出口は、前記汚水ステージング装置に設けられ、及び/又は、前記浮き部材は、前記汚水ステージング装置と前記吸引装置との間に設けられることを特徴とする請求項32に記載の洗濯機。
【請求項34】
前記吸引装置と前記汚水演出装置との間に緩衝部が設けられ、前記緩衝部は内部に緩衝室を有し、前記緩衝室は前記汚水演出装置及び前記吸引装置の内部空洞にそれぞれ連通しており、
前記浮き部材は、前記汚水演出装置の内部に設けられ、前記通気孔は、前記汚水演出装置に設けられ、及び/又は、前記浮き部材は、前記緩衝部の内部に設けられ、前記通気孔は、前記緩衝部に設けられることを特徴とする請求項33に記載の洗濯機。
【請求項35】
前記隔離機構は、前記汚水演出装置の底部から前記通気孔に向かって延びる案内部をさらに備え、前記案内部は中空チャネルを有し、前記浮遊部材は前記中空チャネル内に設けられており、
好ましくは、前記案内部は、垂直に延びて設けられることを特徴とする請求項33または34に記載の洗濯機。
【請求項36】
前記案内部の側壁に、前記中空通路と前記案内部の外部空間とを連通する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項35に記載の洗濯機。
【請求項37】
前記浮遊部材は浮遊球であり、前記案内部は円管構造であり、前記案内部の内径は前記浮遊球の外径よりも大きいことを特徴とする請求項35または36に記載の洗濯機。
【請求項38】
前記汚水演出装置は、通気管路に接続され、前記通気管路は、吸引装置に接続され、前記浮遊部材は、前記汚水演出装置の内部に設けられた浮遊球であり、前記浮遊球の直径は、前記通気管路の直径よりも大きいことを特徴とする請求項33~37のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項39】
前記浮遊部材はフロートであり、前記汚水貯留装置と前記吸引装置との間に通気管路が設けられ、前記通気管路は下部から上部に向かって縮径しながら延びる縮径部を有し、前記フロートは前記縮径部の内側に設けられ、前記縮径部の頂部の直径は前記フロートの直径よりも小さく、前記フロートは水面とともに前記縮径部の頂部まで上昇して密閉を達成することを特徴とする請求項33に記載の洗濯機。
【請求項40】
前記汚水貯留装置には通気孔が設けられ、該通気孔は汚水貯留装置の外部から内部に向かって一方向に開口していることを特徴とする請求項33~39のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項41】
更に、
貯水槽と、
濾過装置は、貯水槽に接続され、貯水槽内の水を受けて濾過し、排水を外部に排出するための流出口を有し、
吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を汚染排出口から吸い出す吸引装置と、
吸引装置が吸い出した汚水を収集して濾過し、濾過した水を貯水槽内に導入する回収装置、を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項42】
前記洗濯機は、更に、貯水槽と連通して、貯水槽内に洗剤を投入するために用いられる洗剤投入装置を含み、前記回収装置は前記洗剤投入装置と連通し、回収装置内の濾過された水は、洗剤投入装置を経由して貯水槽内に導入されることを特徴とする請求項41に記載の洗濯機。
【請求項43】
前記洗剤吐出手段は、貯水槽に接続された水入口カセットからなり、前記リサイクル手段は、ケーシングと、該ケーシング内に配置された濾過アセンブリとからなり、該濾過アセンブリは、収集された汚水を濾過するために使用され、前記ケーシングには、濾過された水を排出するための水出口が設けられ、該水出口は、水入口カセットに接続されていることを特徴とする請求項42に記載の洗濯機。
【請求項44】
前記ハウジングは内部にリサイクル室を有し、前記濾過アセンブリは前記リサイクル室を第1室と第2室に分割し、前記ハウジングの前記水出口は第2室に接続されており、
濾過された不純物を含む汚水は、第1のチャンバに入り、濾過アセンブリによって濾過され、第2のチャンバに入り、濾過された不純物は第1のチャンバに集められる;
好ましくは、前記第1室は第2室の上方に設けられることを特徴とする請求項43に記載の洗濯機。
【請求項45】
前記リサイクル装置のハウジングが前記水入口ボックス内に設置され、リサイクル装置内の濾過された水が出口を通って直接水入口ボックスに流出することを特徴とし、
好ましくは、前記ハウジングは、前記水入口ボックス内に挿入可能/引き出し可能に設けられ、
より好ましくは、前記フィルターアセンブリは、前記ハウジング内に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項44に記載の洗濯機。
【請求項46】
前記水出口は、管路によって前記水入口ボックスに接続され、前記リサイクル装置内の濾過された水は、前記水出口から排出され、前記管路を通って前記水入口ボックスに入り、
好ましくは、前記ハウジングは、洗濯機のケース内に挿入可能/引き出し可能に設けられ、
より好ましくは、前記フィルターアセンブリは、前記ハウジング内に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項44に記載の洗濯機。
【請求項47】
前記水入口ボックスは、入口ホースに接続され、前記入口ホースは、貯水槽に接続され、
好ましくは、前記水入口パイプの出口端は、貯水槽に接続され、前記水入口パイプは、一定の長さを有するベローズから構成されることを特徴とする請求項43~46のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項48】
前記濾過装置の排出口は内部空洞を有する汚水ステージング装置に接続され、前記汚水ステージング装置はリサイクル装置に接続され、前記吸引装置は汚水ステージング装置の内部空洞に接続されて汚水ステージング装置内の空気を吸引することを特徴とする請求項41~47のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項49】
前記吸引装置と前記汚水演出装置との間に緩衝部が設けられ、前記緩衝部は内部に緩衝室を有し、前記緩衝室は前記汚水演出装置と前記吸引装置の内部空洞にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項48に記載の洗濯機。
【請求項50】
前記濾過装置と前記汚水貯留装置との間に、開閉可能な排水制御弁が設けられていることを特徴とする請求項47または48に記載の洗濯機。
【請求項51】
洗濯機を制御する方法であって、
貯水槽と、
前記貯水槽と連通し、前記貯水槽から水を受け入れて濾過する濾過装置であって、排水を外部に排出する排出口を有する濾過装置と前記ろ過装置の排水口と連通する排水保持装置と、
廃液ステージング手段と連通するリサイクル手段と、
吸引動作を行うための吸引手段と、
前記ろ過装置から排出される汚水の排出工程の前記制御方法であって
S1、前記吸引装置を制御して、前記汚水ステージング装置内の空気を吸引する吸引動作を実行し、前記ろ過装置内の汚水を前記汚水ステージング装置内に圧力差の下で排出するステップと、
S2、第1の設定条件に達し、吸引装置のスイッチを切り、汚水ステージング装置内の汚水が回収装置に入ること、
を含む洗濯機を制御する方法。
【請求項52】
ステップS2において、前記第1の設定条件は、吸引動作の継続時間が第1の所定継続時間t1に達すること、または汚水ステージング装置内の水位が第1の設定水位まで上昇することであることを特徴とする請求項51に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項53】
ステップS2の後に、ステップS3と、第2の設定条件に到達し、ステップS1に戻ることを特徴とする請求項51または52に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項54】
ステップS3において、前記第2の設定条件は、前記吸引装置が第2の所定時間t2の間オフにされること、または、前記汚水演出装置内の水位が第2の設定水位まで下げられることであることを特徴とする請求項53に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項55】
ステップS2とステップS3との間に、ステップAとステップS1の実行回数が予め設定された回数に達したか否かを判定し、達していれば、濾過装置の汚水排出処理を終了し、達していなければ、ステップS3を実行するステップをさらに含むことを特徴とする請求項53または54に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項56】
ステップS1とステップS2との間に、ステップBと第3のプリセット時間持続時間t3内に、汚水演出装置内の水位が第3の設定水位に達しない場合、吸引装置のスイッチを切り、濾過装置の汚水排出プロセスを終了し、そうでない場合、ステップS3を実行するステップをさらに含むことを特徴とする請求項53または54に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項57】
請求項51~56のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法を用いることを特徴とする洗濯機。
【請求項58】
前記第1の設定条件は、前記汚水一時貯留装置の水位が前記第1の設定水位まで上昇することであり、
前記汚水一時貯留装置には水位検知装置が設けられ、前記汚水一時貯留装置内の水位が前記第1設定水位に達すると、前記水位検知装置から警告信号が発せられることを特徴とし、
好ましくは、前記水位検出手段は、前記汚水一時貯留装置内に設けられ、前記第1設定水位の高さと同一平面上にある水位プローブからなり、
あるいは、前記水位検出手段は、フロートと、このフロートが位置する高さを検出するセンサとからなることを特徴とする請求項57に記載の洗濯機。
【請求項59】
前記汚水収容手段の容積は、前記濾過手段の容積よりも小さいことを特徴とする請求項57または58に記載の洗濯機。
【請求項60】
前記吸引装置と前記汚水演出装置との間に緩衝部が設けられ、前記緩衝部は内部に緩衝室を有し、前記緩衝室は前記吸引装置と前記汚水演出装置とにそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項57~59のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項61】
洗濯機であって
貯水槽と、
前記洗濯機の外部に水を排出するための外部排出ラインと
濾過装置であって、水入口、濾過水出口、および排出口を有し、濾過のために前記貯水槽内の水を受ける、濾過装置と、
前記濾過水出口は、前記外部排出ラインに直接または間接的に接続され、前記水容器内の水は、前記濾過装置によって濾過され、濾過された不純物を除去された後、前記外部排出ラインから排出されることを特徴とし、
前記洗濯機は、濾過された不純物を担持して前記排出口から排出される汚水を回収するためのリサイクル装置をさらに備えることを特徴とする洗濯機。
【請求項62】
前記濾過水排出口と前記外部排出ラインとの間に設けられ、前記濾過装置の濾過水排出口と導通するように前記貯水槽と前記外部排出ラインとの一方を選択するように制御する第1の切替装置をさらに備え、
好ましくは、前記貯水槽と濾過装置の水入口との間に移送ポンプを設け、貯水槽内の水を濾過装置に移送することを特徴とする請求項61に記載の洗濯機。
【請求項63】
前記第1の切替装置は、第1の弁キャビティを有する第1の弁体からなり、前記第1の弁体は、濾過水出口に接続される水入口と、水容器に接続される循環水出口と、外部排出ラインに接続される排水出口とを備え、
前記第1の弁キャビティは、切替機構を備え、前記切替機構は、前記循環水出口と前記排水出口とを選択的に開放し、
好ましくは、前記切替機構は以下の、前記第1バルブキャビティ内に回転可能に取り付けられ、互いに対向する第1表面および第2表面を有するフラップと、フラップの第1面に設けられ、排水口を密閉する排水シールと、再循環水出口をシールするためにフラップの第2表面に設けられた再循環シールと、より好ましくは、前記第1のスイッチング装置は、前記フラップを前記第1の弁室内で回転するように駆動するための第1の駆動要素をさらに備えることを特徴とする請求項62に記載の洗濯機。
【請求項64】
前記濾過装置の排水口と前記リサイクル装置との間に設けられ、前記排水口と前記リサイクル装置との間の導通/遮断を制御するための排水制御装置をさらに備えることを特徴とする、請求項61~63のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項65】
前記汚水制御装置は、第2の弁キャビティを有する第2の弁本体を備え、前記第2の弁本体は、汚水入口と汚水出口とを備え、前記汚水入口は、前記汚水出口に接続され、前記第2の弁キャビティは、前記汚水入口または前記汚水出口を遮断するための遮断機構を備え、
好ましくは、前記汚水制御装置は、前記汚水入口または汚水出口を開放/遮断するために、前記遮断機構を前記第2の弁キャビティ内で移動するように駆動するための第2の駆動要素をさらに備え、
好ましくは、前記洗濯機は、前記濾過手段の濾過水出口に選択的に接続されるように前記貯水槽および前記流出排出ラインを制御するための第1の切替手段をさらに備え;前記第1の切替手段は、第1の弁室を有する第1の弁体からなり、
前記第2の弁体は、前記第1の弁体に一体に接続され、前記第1の弁室と前記第2の弁室とは互いに独立していることを特徴とする請求項64に記載の洗濯機。
【請求項66】
前記回収手段は、
内部に回収チャンバを有するハウジングと、
前記回収チャンバ内に設けられ、前記回収チャンバを第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するフィルタアセンブリと、
濾過された不純物を含む汚水が第1のチャンバに入り、濾過アセンブリによって濾過されて第2のチャンバに入り、濾過された不純物が第1のチャンバに回収される、請求項61~65のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項67】
前記リサイクル装置は、前記濾過アセンブリによって濾過された水を排出するために、前記第2のチャンバに接続された水排出口を備え、
好ましくは、前記水出口は水容器に接続され、濾過された水は水容器に通され、
及び/又は、前記水出口は外部排出ラインに接続され、濾過された水は外部排出ラインを通って排出され、
より好ましくは、前記水出口は、第2のスイッチング装置に接続され、前記第2のスイッチング装置は、前記水出口と導通するように、前記貯水槽および前記外部排出ラインのうちの一方の選択を制御することを特徴とする請求項66に記載の洗濯機。
【請求項68】
請求項61~67のいずれか1項に記載の洗濯機において、前記貯水槽と前記濾過装置の水入口との間にティー構造が設けられ、前記ティー構造は前記外排出ラインに接続され、前記ティー構造と前記外排出ラインとの間に開閉可能な制御弁が設けられていることを特徴とする洗濯機。
【請求項69】
前記貯水槽と前記濾過装置の水入口との間に移送ポンプが設けられ、前記洗濯機の排水段階において、前記移送ポンプがオンされ、前記貯水槽内の水が前記濾過装置に通され、濾過された不純物が濾過された後、前記外部排出配管を通って排出されることを特徴とする請求項61~68のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項70】
前記洗濯機は、リサイクル装置の汚水排出口とろ過装置との導通/遮断を制御する汚水制御装置をさらに備え、
濾過装置の排出工程中、排出制御装置は、リサイクル装置と濾過装置の排出口を導通させ、濾過された不純物を含む汚水は、排出口を通って排出され、リサイクル装置に入って回収され、
好ましくは、前記洗濯機は、さらに、いずれかの選択において、前記濾過装置の濾過された水の出口に接続されるように、前記貯水槽および前記排出ラインを制御する第1の切替装置を備え、
洗浄/すすぎ工程では、第1の切替装置は、水収容筒と濾過装置の濾過水出口とを導通させ、搬送ポンプをオンにし、水収容筒内の水は濾過装置を循環し、水中の濾過不純物を濾過し、
洗濯機の排水段階では、第一切替装置が外部排出管路とフィルター装置のフィルター水出口を導通させ、搬送ポンプを開き、水容器内の水をフィルター装置でろ過してフィルター不純物を除去し、外部排出管路から排出することを特徴とする請求項69に記載の洗濯機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的には、洗濯機及び洗濯機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機で衣類を洗浄する過程では、衣類と衣類の間、及び、衣類と洗濯機自体の間に摩擦が存在するため、衣類から糸屑が抜け落ちて洗浄水中に混入する。洗浄水中の糸屑を除去できなかった場合には、洗濯完了後に衣類の表面に付着して衣類の洗浄効果に影響を及ぼす可能性が高い。そのため、従来の洗濯機には糸屑を濾過するためのフィルタが取り付けられており、洗濯過程で洗浄水を循環させてフィルタに通すことで、洗浄水から糸屑を除去している。
【0003】
一般的に、従来の洗濯機のフィルタは、内槽又は排水ポンプの内部に設けられており、洗浄水中の糸屑及び異物を濾過するために用いられる。しかし、洗濯機を長期間使用しているうちに、フィルタ内には糸屑等の濾過異物が充満し、フィルタの濾過効果に影響を及ぼす。これにより、排水弁/排水ポンプに詰まりが生じ、且つ、細菌が極めて繁殖しやすくなることから、直ちにクリーニングしなければ、洗浄水が汚染されて衣類に二次汚染が発生し、ユーザの健康に影響を及ぼしてしまう。しかし、大多数の洗濯機では、ユーザがフィルタを取り外して手動でクリーニングする必要があり、操作上不便である。
【0004】
上記の問題に対し、従来技術では、付着した濾過異物を自動的に排出可能とする自動クリーニング機能を備える濾過装置が提供されている。しかし、上記の濾過装置を利用する大多数の洗濯機は、濾過装置の自動クリーニング終了後、濾過異物を伴う汚水を洗濯機の排水水流に直接合流させて排出するため、以下のような問題が招来される。
【0005】
第1に、洗濯機の内部空間は比較的コンパクトなため、濾過装置が汚水を外部に排出するための汚染排出経路が長くなり、且つ、一定の高低差が存在する場合もある。よって、濾過装置内の汚水は、駆動力を用いなければ十分に排出することが難しく、濾過装置内に汚水が残留してしまう。従って、長期的に使用していると、やはり細菌繁殖等の問題が発生する。
【0006】
第2に、近年は、環境保全分野においてマイクロプラスチックという概念が提示されており、次第に注目度が増しつつある。一般的に、マイクロプラスチックとは、直径が5mm未満のプラスチック断片及び粒子のことを言う。マイクロプラスチックは比表面積が大きいことから、自然界の水環境に混入すると、大変容易に水中の有機汚染物質を吸着して有機汚染球体を形成する。水中を漂うマイクロプラスチックは、ムール貝や動物プランクトン等の食物連鎖の下位生物によって大変容易に捕食される。しかし、マイクロプラスチックは消化不可能なため、これらの食物連鎖の下位生物が上位生物に捕食されたあと、マイクロプラスチックは上位生物の体内に蓄積され続ける。食物連鎖の最上位生物である人間の食料源には、体内にマイクロプラスチックが蓄積された上記の生物が含まれる。よって、マイクロプラスチックは人間の体内に蓄積されることになり、人体の健康に影響を及ぼす恐れがある。
【0007】
研究の結果、マイクロプラスチックの重要な発生源は、家庭用洗濯機から排出される廃水であることが分かっている。これは、洗濯機が衣類を洗浄する際に衣類の繊維を洗い流すためである。化繊生地の普及に伴って、これらの抜け落ちた衣類の繊維は、洗濯機の排水水流とともに排出されると、自然の水環境に入り混じるマイクロプラスチックとなる。また、マイクロプラスチックは、プラスチック材質の工業製品から発生する場合もある。洗濯機の外槽や排水管等の構造は、一般的には全てプラスチックで製造される。よって、長期的に使用していると、劣化等の原因によるプラスチック断片の脱落を免れ得ない。そのため、如何にして洗濯機の排水中のマイクロプラスチック含有量を減少させるかが、環境保全分野において早急に解決を要する課題となっている。従来技術における濾過装置の自動クリーニング機能を備える洗濯機は、マイクロプラスチックを含む濾過異物を洗濯機の排水水流中に直接合流させて排出するため、洗濯機の排水中のマイクロプラスチック含有量が過剰になるとの問題が存在する。
【0008】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、洗濯機及び洗濯機の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の第1の目的は、濾過装置の汚染排出口の内外に圧力差を形成することで、濾過装置内の汚水を排出するための駆動力を提供する洗濯機及びその制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0011】
洗濯機は、貯水槽と、貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置と、吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口から排出する吸引装置と、濾過装置から排出される汚水を収集するための回収装置、を含む。
【0012】
更に、前記吸引装置は、吸引管路を通じて濾過装置の汚染排出口と回収装置の間に連通し、命令に基づき吸引動作を実行する。
【0013】
好ましくは、前記吸引装置はエアーポンプである。
【0014】
更に、前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通する。前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通し、前記吸引管路は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通する。
【0015】
吸引装置が吸引動作を実行すると、濾過装置内の汚水は圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置内に進入し、吸引装置が停止すると、汚水一時貯蔵装置内の汚水は回収装置に排出される。
【0016】
好ましくは、前記汚水一時貯蔵装置には、汚水一時貯蔵装置の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔が設けられる。吸引装置が停止すると、外気が透気孔から汚水一時貯蔵装置の内部収容室に進入して、内部の汚水を回収装置に排出する。
【0017】
より好ましくは、前記透気孔は汚水一時貯蔵装置の天井部領域に設けられる。
【0018】
更に、前記汚水一時貯蔵装置の吐水口は前記回収装置の汚水入口よりも高くなっており、吸引装置が停止すると、汚水一時貯蔵装置内の汚水は重力の作用で回収装置に排出される。
【0019】
及び/又は、前記洗濯機は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられる送気装置を含む。或いは、前記吸引装置は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられる。
【0020】
更に、前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられる。前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通する。前記吸引管路はバッファ部に接続されて、吸引装置とバッファ室を開通させる。
【0021】
更に、前記濾過装置の汚染排出口と吸引管路の吸引入口端の間には、開放/閉止可能な汚染排出制御弁が設けられる。
【0022】
好ましくは、前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通する。前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通し、前記吸引管路は汚水一時貯蔵装置と連通する。前記汚染排出制御弁は濾過装置の汚染排出口と汚水一時貯蔵装置の間に設けられる。
【0023】
更に、前記回収装置は、内部に回収チャンバを有するハウジングと、前記回収チャンバ内に設けられて、前記回収チャンバを第1チャンバと第2チャンバに分割する濾過アセンブリ、を含む。
【0024】
濾過異物を伴う汚水は、第1チャンバに進入し、濾過アセンブリを通過して濾過されたあと第2チャンバに進入し、濾過異物は第1チャンバ内に収集される。
【0025】
好ましくは、前記第2チャンバには、濾過した清浄な水を排出するための吐水口が設けられる。
【0026】
上記洗濯機の制御方法は、吸引動作を実行するよう吸引装置を制御して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口から排出し、回収装置に進入させることを含む。
【0027】
更に、前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通する。前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通し、前記吸引装置は汚水一時貯蔵装置と連通する。
【0028】
前記制御方法は、以下のステップを含む。
【0029】
S1:吸引動作を実行するよう吸引装置を制御すると、汚水一時貯蔵装置内の空気が吸い出され、濾過装置内の汚水が圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置に排出される。
【0030】
S2:吸引装置を停止させると、汚水一時貯蔵装置内の汚水が回収装置に排出される。
【0031】
好ましくは、前記汚水一時貯蔵装置の吐水口は前記回収装置の汚水入口よりも高くなっている。ステップS2において、汚水一時貯蔵装置内の汚水は重力の作用で回収装置に排出される。
【0032】
好ましくは、前記洗濯機は、更に、汚水一時貯蔵装置と連通する送気装置を含む。ステップS2は、吸引装置を停止させ、送気装置を起動して汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで、内部の汚水を回収装置に排出することを含む。
【0033】
或いは、前記吸引装置は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入するために用いられる。ステップS2は、吸引装置を停止させてから、送気動作を実行するよう吸引装置を制御して、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで、内部の汚水を回収装置に排出することを含む。
【0034】
更に、前記濾過装置と汚水一時貯蔵装置の間には、開放/閉止可能な汚染排出制御弁が設けられる。
【0035】
具体的に、ステップS1は以下のステップを含む。
【0036】
S11:吸引動作を実行するよう吸引装置を制御すると、汚水一時貯蔵装置内の空気が吸い出される。
【0037】
S12:汚染排出制御弁を開放すると、濾過装置内の汚水が圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置に排出される。
【0038】
本発明の第2の目的は、回収装置に取り付けられる一方向に開通する閉塞部材と吸引装置を組み合わせて用いることで、濾過装置の汚染排出口の内外に圧力差を迅速に形成可能とする洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0039】
洗濯機は、貯水槽と、貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置と、吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口から排出する吸引装置と、濾過装置から排出される汚水を収集するための回収装置、を含む。
【0040】
回収装置の汚水入口には、外側から内側に向かって一方向に開通する閉塞部材が設けられる。或いは、回収装置は吐水口を有し、前記吐水口には、内側から外側に向かって一方向に開通する閉塞部材が設けられる。
【0041】
更に、前記閉塞部材は、回収装置の汚水入口に設けられるとともに、外側から内側に向かって一方向に開通する。前記閉塞部材は、回収装置の汚水入口に取り付けられる基体と、前記基体に対して相対的に動作可能であり、回収装置の外部と内部の空間を開通/遮断する開放部、を含む。
【0042】
更に、前記汚水入口の外周は、回収装置の内壁から回収装置の内部に向かって一定の長さだけ延伸することで管状部を形成している。前記基体は、管状部の延伸末端に取り付けられ、前記開放部は、管状部の延伸末端に対し相対的に動作することで、管状部の延伸末端の開口を開放/閉塞する。
【0043】
更に、前記基体は、管状部の延伸末端に覆設される。前記開放部は、管状部の外側から管状部の開口を覆うことで閉塞を実現する。開放部は、管状部から離隔する方向に反転することで前記開口を開放する。
【0044】
更に、前記開放部は可撓性材料からなる。吸引装置が起動すると、前記開放部における前記開口を覆う部分が管状部の内部に向かって張り出すように変形することで、前記開口の閉塞が実現される。
【0045】
更に、前記開放部は硬質材料からなる。また、開放部における前記開口に面する表面は、管状部の内部に向かって張り出す凸面となっている。
【0046】
更に、前記汚水入口の外周は、回収装置の外壁から回収装置の外部に向かって一定の長さだけ延伸することで接続部を形成している。前記接続部は管路に接続され、前記管路は濾過装置の汚染排出口と連通する。
【0047】
更に、前記開放部と基体は一体的に成形される。或いは、前記開放部と基体は別体として設けられ、且つ、これらは相対的に動作可能に接続される。
【0048】
更に、前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通する。前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通する。前記吸引装置は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通して、汚水一時貯蔵装置の内部の空気を吸引する。
【0049】
更に、前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられる。前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は、汚水一時貯蔵装置の内部収容室及び吸引装置とそれぞれ連通する。
【0050】
本発明の第3の目的は、濾過装置と回収装置の間に汚水を貯蔵可能な汚水一時貯蔵装置を設けることで、汚水が吸引装置に吸い込まれるとの事態を回避する洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0051】
洗濯機は、貯水槽と、貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置と、濾過装置の汚染排出口と連通する内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と、汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通する回収装置であって、濾過装置から排出された汚水が汚水一時貯蔵装置を通過して当該回収装置内に収集される回収装置と、吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置に進入させる吸引装置、を含む。
【0052】
更に、前記汚水一時貯蔵装置には、吸引装置と連通する第1通気口が設けられる。
【0053】
更に、前記汚水一時貯蔵装置には、汚水一時貯蔵装置の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔が設けられる。
【0054】
吸引装置が吸引動作を実行すると、濾過装置内の汚水は圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置内に進入し、吸引装置が停止すると、外気が透気孔から汚水一時貯蔵装置の内部収容室に進入して、内部の汚水を回収装置に排出する。
【0055】
更に、前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられる。前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は汚水一時貯蔵装置の第1通気口と連通し、前記吸引装置は前記バッファ室と連通する。
【0056】
更に、前記バッファ部には吸引装置と連通する第2通気口が設けられる。
【0057】
更に、前記バッファ部の第2通気口は吸引管路に接続され、前記吸引管路は延伸して吸引装置の吸気端に接続される。
【0058】
更に、前記汚水一時貯蔵装置の第1通気口は通気管路に接続される。前記通気管路は、バッファ部のバッファ室と連通するまで延伸する。
【0059】
更に、前記汚水一時貯蔵装置の吐水口は前記回収装置の汚水入口よりも高くなっており、吸引装置が停止すると、汚水一時貯蔵装置内の汚水は重力の作用で回収装置に排出される。
【0060】
及び/又は、前記洗濯機は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられる送気装置を含む。或いは、前記吸引装置は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられる。
【0061】
更に、前記洗濯機は、濾過装置内の汚水の排出状況を検出するための検出装置も含む。前記吸引装置は、濾過装置内の汚水が完全に排出されたことを検出装置が検出したときに吸引動作を停止する。
【0062】
更に、前記濾過装置の汚染排出口と回収装置の汚水入口の間に収容可能な汚水量は、濾過装置が収容可能な最大汚水量以上である。
【0063】
好ましくは、前記汚水一時貯蔵装置の容積は濾過装置の容積以上である。
【0064】
本発明の第4の目的は、濾過装置から排出された汚水が一定量に達すると、吸引装置と濾過装置の汚染排出口との間の連通を自動的に遮断することで、汚水が吸引装置に吸い込まれるとの事態を防止可能とする洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0065】
洗濯機は、貯水槽と、貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置と、吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口から排出する吸引装置と、濾過装置から排出される汚水を収集するための回収装置と、汚染排出口と吸引装置の間に設けられて、汚水の排出に伴って吸引装置と汚染排出口の間の連通を遮断する隔離機構、を含む。
【0066】
更に、前記隔離機構はフロート部材を含む。前記吸引装置と汚染排出口の間の連通経路には通気孔が設けられる。汚水排出の過程では、前記フロート部材が水面とともに通気孔まで上昇して通気孔を閉塞する。
【0067】
好ましくは、前記フロート部材はフロートボールである。前記フロートボールの直径は通気孔の直径よりも大きい。
【0068】
更に、前記濾過装置は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通する。前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通する。前記吸引装置は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通して、汚水一時貯蔵装置の内部の空気を吸引する。
【0069】
前記フロート部材は汚水一時貯蔵装置の内部に設けられ、前記通気孔は汚水一時貯蔵装置に設けられる。及び/又は、前記フロート部材は前記汚水一時貯蔵装置と吸引装置の間に設けられる。
【0070】
更に、前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられる。前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は、汚水一時貯蔵装置の内部収容室及び吸引装置とそれぞれ連通する。
【0071】
前記フロート部材は汚水一時貯蔵装置の内部に設けられ、前記通気孔は汚水一時貯蔵装置に設けられる。及び/又は、前記フロート部材はバッファ部の内部に設けられ、前記通気孔はバッファ部に設けられる。
【0072】
更に、前記隔離機構は、汚水一時貯蔵装置の底部から通気孔に向かって延伸する案内部も含む。前記案内部は中空経路を有し、前記フロート部材は前記中空経路内に設けられる。
【0073】
好ましくは、前記案内部は垂直に延伸するよう設けられる。
【0074】
更に、前記案内部の側壁には、中空経路と案内部の外部空間を連通させる貫通孔が設けられる。
【0075】
更に、前記フロート部材はフロートボールであり、前記案内部は円管状構造をなしている。前記案内部の内径は前記フロートボールの外径よりも大きい。
【0076】
更に、前記汚水一時貯蔵装置には通気管路が接続され、前記通気管路は吸引装置と連通する。前記フロート部材は汚水一時貯蔵装置の内部に設けられるフロートボールである。前記フロートボールの直径は通気管路の直径よりも大きい。
【0077】
更に、前記フロート部材はフロートボールである。前記汚水一時貯蔵装置と吸引装置の間には通気管路が設けられる。前記通気管路は、下から上に延伸し、且つ直径が徐々に縮小する縮径区間を有している。前記フロートボールは前記縮径区間の内部に設けられる。前記縮径区間の上端の直径はフロートボールの直径よりも小さいため、フロートボールは、水面とともに縮径区間の上端まで上昇して閉塞を実現する。
【0078】
更に、前記汚水一時貯蔵装置には透気孔が設けられる。前記透気孔は、汚水一時貯蔵装置の外部から内部に向かって一方向に開通する。
【0079】
本発明の第5の目的は、回収装置が、濾過装置から排出された汚水を収集して濾過したあと、貯水槽内に導入可能とすることで、回収装置のオーバーフローの問題を有効に防止する洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0080】
洗濯機は、貯水槽と、貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口6を有する濾過装置6と、吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を汚染排出口から吸い出す吸引装置と、吸引装置が吸い出した汚水を収集して濾過し、濾過した水を貯水槽内に導入する回収装置、を含む。
【0081】
更に、前記洗濯機は、貯水槽と連通して、貯水槽内に洗剤を投入するために用いられる洗剤投入装置を含む。前記回収装置は前記洗剤投入装置と連通する。回収装置内の濾過された水は、洗剤投入装置を経由して貯水槽内に導入される。
【0082】
更に、前記洗剤投入装置は貯水槽と連通する給水タンクを含む。前記回収装置は、ハウジングと、ハウジングの内部に設けられる濾過アセンブリを含む。前記濾過アセンブリは、収集した汚水を濾過するために用いられる。前記ハウジングには、濾過した水を排出するための吐水口が設けられる。前記吐水口は給水タンクと連通する。
【0083】
更に、前記ハウジングの内部には回収チャンバが備わっている。前記濾過アセンブリは、前記回収チャンバを第1チャンバと第2チャンバに分割する。ハウジングの吐水口は第2チャンバと連通する。
【0084】
濾過異物を伴う汚水は、第1チャンバに進入し、濾過アセンブリを通過して濾過されたあと第2チャンバに進入し、濾過異物は第1チャンバ内に収集される。
【0085】
好ましくは、前記第1チャンバは第2チャンバの上方に設けられる。
【0086】
更に、前記回収装置のハウジングは前記給水タンクの内部に設けられる。回収装置内で濾過された水は、吐水口から流出して給水タンク内に直接進入する。
【0087】
好ましくは、前記ハウジングは、挿入/抜き出し可能に給水タンクの内部に設けられる。
【0088】
より好ましくは、前記濾過アセンブリは、取り外し可能にハウジングの内部に取り付けられる。
【0089】
更に、前記吐水口は管路を通じて給水タンクと連通する。回収装置内の濾過された水は、吐水口から排出されて、前記管路を通じて給水タンク内に進入する。
【0090】
好ましくは、前記ハウジングは、挿入/抜き出し可能に洗濯機の筐体の内部に設けられる。
【0091】
より好ましくは、前記濾過アセンブリは、取り外し可能にハウジングの内部に取り付けられる。
【0092】
更に、前記給水タンクは給水管に接続され、前記給水管は貯水槽と連通する。
【0093】
好ましくは、前記給水管の吐水端は貯水槽に接続される。前記給水管は、一定の長さを有するコルゲートチューブを含む。
【0094】
更に、前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通する。前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通する。前記吸引装置は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通して、汚水一時貯蔵装置の内部の空気を吸引する。
【0095】
更に、前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられる。前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は、汚水一時貯蔵装置の内部収容室及び吸引装置とそれぞれ連通する。
【0096】
更に、前記濾過装置と汚水一時貯蔵装置の間には、開放/閉止可能な汚染排出制御弁が設けられる。
【0097】
本発明の第6の目的は、吸引装置に吸引動作を実行させて、一定の条件に達すると自動的に停止させるよう制御可能とすることで、濾過装置が大量の汚水を一度に排出する結果、汚水一時貯蔵装置がオーバーフローして吸引装置に進入してしまうとの問題を回避する洗濯機の制御方法及び洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0098】
洗濯機の制御方法において、前記洗濯機は、貯水槽と、貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置と、前記濾過装置の汚染排出口と連通する汚水一時貯蔵装置と、汚水一時貯蔵装置と連通する回収装置と、吸引動作を実行するための吸引装置、を含む。
【0099】
前記制御方法は、濾過装置が汚水を排出する汚染排出過程に用いられ、以下を含む。
【0100】
S1’:吸引動作を実行するよう吸引装置を制御すると、汚水一時貯蔵装置内の空気が吸引されて、濾過装置内の汚水が圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置に排出される。
【0101】
S2’:第1設定条件に達し、吸引装置を停止させると、汚水一時貯蔵装置内の汚水が回収装置に進入する。
【0102】
更に、ステップS2’において、前記第1設定条件は、吸引動作の継続時間が第1所定時間長tに達すること、或いは、汚水一時貯蔵装置内の水位が第1設定水位まで上昇することである。
【0103】
更に、ステップS2’のあと、第2設定条件に達した場合にステップS1’に戻るステップS3’も含む。
【0104】
更に、ステップS3’において、前記第2設定条件は、吸引装置の停止が第2所定時間長tに達すること、或いは、汚水一時貯蔵装置内の水位が第2設定水位まで低下することである。
【0105】
更に、ステップS2’とステップS3’の間に、ステップS1’の実行回数が所定の回数に達した否かを判断し、達した場合には、濾過装置の汚染排出過程を終了するが、達していない場合には、ステップS3’を実行するステップAも含む。
【0106】
更に、ステップS1’とステップS2’の間に、第3所定時間長t内に、汚水一時貯蔵装置内の水位が第3設定水位に達しない場合には、吸引装置を停止させて、濾過装置の汚染排出過程を終了するが、そうでない場合には、ステップS2’を実行するステップBも含む。
【0107】
洗濯機は、上述した洗濯機の制御方法を用いる。
【0108】
更に、前記第1設定条件は、汚水一時貯蔵装置内の水位が第1設定水位まで上昇することである。
【0109】
前記汚水一時貯蔵装置には水位検出装置が設けられている。汚水一時貯蔵装置内の水位が第1設定水位に達すると、前記水位検出装置は早期警告信号を発する。
【0110】
好ましくは、前記水位検出装置は、汚水一時貯蔵装置の内部に設けられて第1設定水位の高さと整列する水位プローブを含む。
【0111】
或いは、前記水位検出装置は、フロートと、フロートの存在する高さを検出可能なセンサを含む。
【0112】
更に、前記汚水一時貯蔵装置の容積は濾過装置の容積よりも小さい。
【0113】
更に、前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられる。前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は、吸引装置及び汚水一時貯蔵装置とそれぞれ連通する。
【0114】
本発明の第7の目的は、洗濯機の排水水流を濾過してから排出することで、排水水流中にマイクロプラスチックが存在するとの問題を回避する洗濯機及びその制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0115】
洗濯機は、貯水槽と、洗濯機の外部に排水するための外部排出管路と、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、入水口、濾過水出口及び汚染排出口を有する濾過装置、を含む。
【0116】
前記濾過水出口と前記外部排出管路は直接的又は間接的に連通する。貯水槽内の水は、濾過装置を通過して濾過異物が除去されたあと、外部排出管路から排出される。
【0117】
前記洗濯機は、更に、汚染排出口から排出される濾過異物を伴う汚水を収集するための回収装置を含む。
【0118】
更に、濾過水出口と外部排出管路の間に設けられて、貯水槽及び外部排出管路を択一的に濾過装置の濾過水出口と開通させるよう制御する第1切替装置を含む。
【0119】
好ましくは、前記貯水槽と濾過装置の入水口との間には、濾過装置に貯水槽内の水を搬送する搬送ポンプが設けられる。
【0120】
更に、前記第1切替装置は、第1弁室を有する第1弁体を含む。前記第1弁体には、濾過水出口と連通する水入口と、貯水槽と連通する循環水出口と、外部排出管路と連通する排水出口が設けられる。
【0121】
前記第1弁室内には切替機構が設けられる。前記切替機構は、択一的に循環水出口及び排水出口を開放する。
【0122】
好ましくは、前記切替機構は、回動可能に第1弁室内に取り付けられるものであって、互いに背向する第1面及び第2面を有するフラップと、フラップの第1面に設けられて、排水出口を閉塞するために用いられる排水シール部材と、フラップの第2面に設けられて、循環水出口を閉塞するために用いられる循環シール部材、を含む。
【0123】
より好ましくは、前記第1切替装置は、更に、フラップを第1弁室内で回動させるための第1駆動部材を含む。
【0124】
更に、濾過装置の汚染排出口と回収装置の間に設けられて、前記汚染排出口と回収装置の間の開通/遮断を制御するために用いられる汚染排出制御装置も含む。
【0125】
更に、前記汚染排出制御装置は、第2弁室を有する第2弁体を含む。前記第2弁体には汚水入口及び汚水出口が設けられており、前記汚水入口が汚染排出口と連通する。前記第2弁室内には、前記汚水入口又は汚水出口を閉塞するための閉塞機構が設けられる。
【0126】
好ましくは、前記汚染排出制御装置は、更に、前記閉塞機構を第2弁室内で運動させて汚水入口又は汚水出口を開放/閉塞するために用いられる第2駆動部材を含む。
【0127】
好ましくは、前記洗濯機は、更に、貯水槽及び外部排出管路を択一的に濾過装置の濾過水出口と開通させるよう制御するための第1切替装置を含む。前記第1切替装置は、第1弁室を有する第1弁体を含む。
【0128】
前記第2弁体と第1弁体は一体的に接続され、前記第1弁室と第2弁室は互いに独立している。
【0129】
更に、前記回収装置は、内部に回収チャンバを有するハウジングと、前記回収チャンバ内に設けられて、前記回収チャンバを第1チャンバと第2チャンバに分割する濾過アセンブリ、を含む。
【0130】
濾過異物を伴う汚水は、第1チャンバに進入し、濾過アセンブリを通過して濾過されたあと第2チャンバに進入し、濾過異物は第1チャンバ内に収集される。
【0131】
更に、前記回収装置には、第2チャンバと連通する吐水口が設けられ、濾過アセンブリを通過して濾過された水を排出するために用いられる。
【0132】
好ましくは、前記吐水口は貯水槽と連通し、濾過された水を貯水槽内に導入する。及び/又は、前記吐水口は外部排出管路と連通し、濾過された水を外部排出管路から排出する。
【0133】
より好ましくは、前記吐水口は第2切替装置に接続される。前記第2切替装置は、貯水槽及び外部排出管路を択一的に前記吐水口と開通させるよう制御する。
【0134】
更に、前記貯水槽と濾過装置の入水口の間に三方分岐構造が設けられる。前記三方分岐構造は外部排出管路と連通する。且つ、前記三方分岐構造と外部排出管路の間には、開放/閉止可能な制御弁が設けられる。
【0135】
上記洗濯機の制御方法において、前記貯水槽と濾過装置の入水口との間には搬送ポンプが設けられる。洗濯機の排水段階では、搬送ポンプを起動すると、貯水槽内の水が濾過装置に導入されて、濾過異物が除去されたあと、外部排出管路を通じて排出される。
【0136】
更に、前記洗濯機は、回収装置と濾過装置の汚染排出口との間の開通/遮断を制御する汚染排出制御装置も含む。
【0137】
濾過装置の汚染排出過程では、汚染排出制御装置が回収装置と濾過装置の汚染排出口を開通させることで、濾過異物を伴う汚水が汚染排出口から排出され、回収装置に進入して収集される。
【0138】
好ましくは、前記洗濯機は、更に、貯水槽及び外部排出管路を択一的に濾過装置の濾過水出口と開通させるよう制御する第1切替装置を含む。
【0139】
洗浄/すすぎ過程では、第1切替装置が貯水槽と濾過装置の濾過水出口を開通させる。そして、搬送ポンプを起動すると、貯水槽内の水が循環して濾過装置を通過し、水中の濾過異物が除去される。
【0140】
洗濯機の排水段階では、第1切替装置が外部排出管路と濾過装置の濾過水出口を開通させる。そして、搬送ポンプを起動すると、貯水槽内の水が濾過装置を通過して濾過異物が除去されたあと、外部排出管路から排出される。
【発明の効果】
【0141】
上記の技術方案を用いることで、本発明は、従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0142】
1.洗濯機に回収装置を設けることで、濾過装置から排出される汚水を収集可能となる。これにより、汚水に含まれる糸屑等の濾過異物が洗濯機から直接排出されるとの事態が防止される。また、濾過異物中のマイクロプラスチックが排水水流とともに生態系循環に進入することで、生態環境や人体の健康に影響を及ぼすとの事態が回避される。
【0143】
2.吸引装置が吸引動作を実行することで、濾過装置の汚染排出口の内外に圧力差が形成されて、濾過装置内の汚水を排出するための駆動力を提供可能となる。これにより、濾過装置と回収装置との距離が遠過ぎる場合や、高低差が存在する場合に汚水を排出できなくなるとの事態が回避される。
【0144】
3.一方向に開通する閉塞部材を回収装置に設けて吸引装置と組み合わせることで、吸引装置が吸引動作を実行するときに、濾過装置の汚染排出口の内外に大きな圧力差が迅速に形成されて、濾過装置内の汚水を排出するための駆動力を確実に提供可能となる。
【0145】
4.濾過装置と回収装置の間に汚水一時貯蔵装置を設け、吸引装置が吸引動作を実行して汚水一時貯蔵装置内に負圧環境を形成することで、圧力差により汚水を濾過装置から排出する。排出された汚水は汚水一時貯蔵装置内に貯蔵されるため、汚水が受ける吸引力が大きいために吸引装置に吸い込まれるとの事態が回避される。吸引装置は、汚水が濾過装置から回収装置に排出される全過程にわたり汚水と直接接触することがないため、ウォーターポンプで搬送する場合に存在し得るポンプ体の詰まりの問題が回避される。
【0146】
5.隔離機構は、汚水が一定量に達するまで排出されたときに汚染排出口と吸引装置の間の連通を遮断するために用いられる。これにより、汚水が吸引装置に吸い込まれるとの事態を回避可能となり、吸引装置に対し保護作用が奏される。
【0147】
6.回収装置は、収集した汚水を濾過可能であり、且つ、濾過した水を再び貯水槽内に導入してその後の洗濯過程で使用できるようにするか、貯水槽に接続される排水管を通じて排出を実現する。これにより、濾過異物が排水とともに排出されるとの事態が回避されるほか、回収装置のオーバーフローも有効に防止される。
【0148】
7.洗濯機は、吸引装置に吸引動作を実行させて、一定の条件に達したときに自動的に停止させることで、汚水の排出を停止させるよう制御可能である。これにより、濾過装置が一度に排出する汚水量の制御が実現されるため、汚水一時貯蔵装置におけるオーバーフローの発生が回避される。よって、汚水が溢れて吸引装置に進入するとの問題が防止される。
【0149】
8.貯水槽からの排水は、まず、濾過装置を通過して水中の濾過異物が除去されたあと洗濯機から排出されるため、排水水流中に濾過異物が存在するとの状況が更に回避される。これにより、濾過異物が洗濯機から直接排出されないよう最大限保証されるため、濾過異物に存在するマイクロプラスチックが水流とともに外部に排出されて生態系循環に進入するとの事態が回避される。
【0150】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0151】
図面は、本発明の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0152】
図1図1は、本発明の実施例における洗濯機の概略構造図である。
図2図2は、本発明の実施例1における洗濯機の内部構造の概略図である。
図3図3は、本発明の実施例1における濾過装置と回収装置の間の連通構造の概略図である。
図4図4は、本発明の実施例2における濾過装置と回収装置の間の連通構造の概略図である。
図5図5は、本発明の実施例3における回収装置の汚水入口の部分拡大図(通常状態)である。
図6図6は、本発明の実施例3における回収装置の汚水入口の部分拡大図(エアーポンプ起動時の閉塞状態)である。
図7図7は、本発明の実施例3における回収装置の汚水入口の部分拡大図(エアーポンプ停止後の開放状態)である。
図8図8は、本発明の実施例3における閉塞部材の概略構造図である。
図9図9は、本発明の実施例6における濾過装置と回収装置の間の連通構造の概略図(汚水一時貯蔵装置が無水)である。
図10図10は、本発明における図9のA部分の概略拡大図である。
図11図11は、本発明の実施例6における濾過装置と回収装置の間の連通構造の概略図(汚水一時貯蔵装置が満水)である。
図12図12は、本発明における図11のB部分の概略拡大図である。
図13図13は、本発明の実施例8における濾過装置と回収装置の間の連通構造の概略図である。
図14図14は、本発明の実施例10における洗濯機の内部構造の概略図である。
図15図15は、本発明の実施例11における洗濯機の内部構造の概略図である。
図16図16は、本発明の実施例11における濾過装置と回収装置の間の連通構造の概略図である。
図17図17は、本発明の実施例11における洗濯機の制御方法のフローチャートである。
図18図18は、本発明の実施例12における洗濯機の制御方法のフローチャートである。
図19図19は、本発明の実施例14における洗濯機の概略構造図である。
図20図20は、本発明の実施例15における洗濯機の概略構造図である。
図21図21は、本発明の実施例15における洗浄/すすぎ過程の水路連通の概略図である。
図22図22は、本発明の実施例15における排水段階の水路連通の概略図である。
図23図23は、本発明の実施例15における濾過装置の汚染排出過程の水路連通の概略図である。
図24図24は、本発明の実施例15における濾過装置と回収装置の間の連通構造の概略図である。
図25図25は、本発明の実施例18における洗濯機の排水段階の制御フローチャートである。
図26図26は、本発明の実施例18における洗濯機の洗浄/すすぎ過程の制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0153】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0154】
本発明の実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例における図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0155】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0156】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0157】
図1図3に示すように、本実施例は洗濯機を提供する。当該洗濯機は、貯水槽100と、貯水槽100と連通し、貯水槽100内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口6103を有する濾過装置600と、濾過装置600から排出される汚水を収集するための回収装置500、を含む。
【0158】
本実施例において、洗濯機には、両端が貯水槽100とそれぞれ連通する循環濾過管路が設けられている。濾過装置600は前記循環濾過管路に設けられる。前記循環濾過管路には、更に、搬送ポンプ400が設けられている。搬送ポンプ400によって、貯水槽100内の水を絶えず循環させて前記循環濾過管路に通し、濾過装置600を通過させる際に糸屑等の濾過異物を除去可能とする。これにより、水中の糸屑含有量を減少可能として、衣類の洗浄効果を改善する。
【0159】
濾過装置600には汚染排出口6103が設けられている。濾過後に濾過装置600内に残留した濾過異物は、水流とともに汚染排出口6103から排出可能であり、ユーザが濾過装置600を取り出して手動でクリーニングする必要がないため、一段と使用しやすい。回収装置500は濾過装置600の汚染排出口6103と連通する。濾過異物を伴う汚水は、汚染排出口6103から排出されたあと、排水水流に合流して洗濯機から排出されることなく、回収装置500に進入して収集され得る。上記の方式によれば、濾過異物中のマイクロプラスチックが水流とともに排出されて生態系循環に進入することで生態環境や人体の健康に害を及ぼすとの事態が回避される。
【0160】
洗濯機の内部空間の制約から、濾過装置600と回収装置500の間は距離が遠くなり、汚水が回収装置500に進入する際に通過すべき経路が長くなる場合がある。図1に示すように、本実施例における回収装置500と濾過装置600は、それぞれ、洗濯機の筐体10の天井部における左右両側の領域に設けられる。よって、外力を利用しなければ、濾過装置600内の汚水を完全に回収装置500に排出することは難しい。また、回収装置500の設置高さが濾過装置600の汚染排出口6103よりも高くなっている場合には、汚水を排出できなくなる恐れすらある。
【0161】
洗濯機では、一般的に、従来のウォーターポンプを用いて水流を動かすための動力を提供する。しかし、濾過装置600から回収装置500に排出されるのは濾過異物を伴う汚水であるため、従来のポンプによる搬送方式では、汚水がウォーターポンプのポンプ体を通過する際に詰まりを生じさせて、洗濯機を故障させる恐れがある。
【0162】
濾過装置600から回収装置500に汚水を排出する際の問題を解決するために、本実施例の洗濯機には吸引装置が設けられる。吸引装置が吸引動作を実行して汚染排出口6103の外側空間の空気を吸引することで、濾過装置600内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口6103から排出し、回収装置500に進入可能とする。
【0163】
本実施例では、吸引装置としてエアーポンプ810を採用する。具体的に、濾過装置600から汚水を排出する必要がある場合には、吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御することで、汚染排出口6103の外側空間の空気がエアーポンプ810により吸い出される。これにより、汚染排出口6103の外部の管路に負圧環境が形成されると、濾過装置600内の汚水が圧力差の作用で排出可能となり、最終的に回収装置500に排出される。
【0164】
上記の方式によれば、濾過装置600内の汚水を効率よく迅速に回収装置500に排出して収集することが可能となる。また、エアーポンプ810は、空気を吸引して負圧環境を形成するためだけに用いられるため、排出される汚水はエアーポンプ810を通過しない。よって、ウォーターポンプによる搬送ではポンプ体に容易に詰まりが発生するとの問題が回避される。
【0165】
本実施例において、エアーポンプ810は、吸引管路811を通じて濾過装置600の汚染排出口6103と回収装置500の間に連通し、命令に基づき吸引動作を実行する。前記命令とは、濾過装置600から汚水を排出するよう制御する命令である。
【0166】
更に、濾過装置600の汚染排出口6103は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置820と連通する。汚水一時貯蔵装置820は回収装置500と連通し、吸引管路811は汚水一時貯蔵装置820の内部収容室と連通する。
【0167】
濾過装置600が汚水を外部に排出するとき、洗濯機は以下のステップを実行する。
【0168】
S1:吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御すると、汚水一時貯蔵装置820内の空気がエアーポンプ810により吸い出され、濾過装置600内の汚水が圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置820に排出される。
【0169】
S2:エアーポンプ810を停止させると、エアーポンプ810が発生させていた吸引作用が消失し、汚水一時貯蔵装置820内の汚水が回収装置500に排出される。
【0170】
上記の方案では、汚水一時貯蔵装置820を設けることで、汚水は、圧力差の作用で濾過装置600から吸い出されたあと、汚水一時貯蔵装置820の内部収容室に一時的に貯蔵可能となる。こうすることで、汚水が濾過装置600から急速に流出したときに、エアーポンプ810の大きな吸引力を受けて、吸引管路811沿いにエアーポンプ810に進入するとの事態が回避される。これにより、エアーポンプ810に対し保護作用が奏されるため、エアーポンプ810の動作性能が影響を受けるとの事態が防止される。
【0171】
好ましくは、汚水一時貯蔵装置820の天井部には、吸引管路811と連通する第1通気口が設けられる。吸引管路811を汚水一時貯蔵装置820の天井部領域に接続することで、汚水は、内部収容室が汚水で満たされた場合にのみ吸引管路811に進入し得る。これにより、汚水一時貯蔵装置820の内部収容室を最大限利用できるため、汚水一時貯蔵装置820に収容可能な汚水量が増大する。
【0172】
本実施例において、汚水一時貯蔵装置820の吐水口は回収装置500の汚水入口よりも高くなっている。よって、エアーポンプ810が停止して吸引を止めると、汚水一時貯蔵装置820内の汚水は重力の作用で回収装置500に排出される。
【0173】
本実施例の好ましい方案において、汚水一時貯蔵装置820には、汚水一時貯蔵装置820の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔821が設けられる。エアーポンプ810が停止すると、外気が透気孔821から汚水一時貯蔵装置820の内部収容室に進入して、内部の汚水を回収装置500に排出する。吸引管路811と連通する第1通気口と同様に、透気孔821も汚水一時貯蔵装置820の天井部領域に設けられる。
【0174】
上記の方案において、透気孔821の開口面積は小さい。よって、エアーポンプ810が起動状態となって吸引動作を実行するときに、透気孔821から汚水一時貯蔵装置820に進入する空気が負圧環境の形成に明らかな影響を及ぼすことはない。また、エアーポンプ810が停止すると、汚水一時貯蔵装置820内の空気は吸い出されなくなる。且つ、透気孔821が設けられているため、汚水一時貯蔵装置820の内部は急速に大気圧近くまで回復可能となり、空気の進入により汚水が排出されて回収装置500に進入する。また、汚水一時貯蔵装置820に透気孔821を設けることで、エアーポンプ810が動作を停止したあと、回収装置500内の気圧が高過ぎるために汚水が回収装置500に流入できないとの事態が回避される。
【0175】
そのほか、透気孔821に逆止弁又は類似の構造を取り付けることで、外側から内側に向かって一方向に開通するよう透気孔821を制御してもよい。これにより、汚水一時貯蔵装置820に水が充満したあと、汚水が透気孔821から溢れ出すとの事態が回避される。
【0176】
本実施例において、エアーポンプ810は双方向ポンプであり、吸引動作を実行して空気を吸引する機能を実現することも、送気動作を実行して汚水一時貯蔵装置820に空気を導入することも可能である。上記のステップS2では、まず、エアーポンプ810を停止させて空気の吸引を止めてから、エアーポンプ810を再び起動して送気動作を実行させるよう制御し、汚水一時貯蔵装置820内に空気を導入することで、内部の汚水を回収装置500に排出する。
【0177】
本実施例の別の方案において、エアーポンプ810は吸引機能のみを有する吸気ポンプである。洗濯機は、更に、汚水一時貯蔵装置と連通する送気ポンプのような送気装置(図示しない)を含む。上記の方案において、ステップS2は、エアーポンプ810を停止させ、送気装置を起動して汚水一時貯蔵装置820内に空気を導入することで、内部の汚水を回収装置500に排出することを含む。
【0178】
本実施例の更なる方案において、濾過装置600の汚染排出口6103と吸引管路811の吸引入口端の間には、開放/閉止可能な汚染排出制御弁241が設けられる。具体的に、汚染排出制御弁241は濾過装置600と汚水一時貯蔵装置820の間に設けられる。
【0179】
詳細には、汚染排出口6103と汚水一時貯蔵装置820は汚染排出管路240を通じて連通する。汚染排出制御弁241は、汚染排出管路240に設けられて、汚染排出管路240の開閉を制御可能である。
【0180】
搬送ポンプ400が貯水槽100内の水を循環濾過するとき、汚染排出制御弁241は閉止状態となり、汚染排出管路240は遮断される。また、濾過装置600内の汚水を排出する必要がある場合、洗濯機は以下のステップを順に実行する。
【0181】
S11:吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御すると、汚水一時貯蔵装置820内の空気が吸い出される。
【0182】
S12:汚染排出制御弁241を開放し、汚染排出管路240を開通させると、濾過装置600内の汚水が圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置820に排出される。
【0183】
S2:エアーポンプ810を停止させると、汚水一時貯蔵装置820内の汚水が回収装置500に排出される。
【0184】
上記の方案において、汚染排出制御弁241は、エアーポンプ810が吸引動作の実行を開始する初期には閉止状態を維持して、濾過装置600と汚水一時貯蔵装置820の間を連通させない。これにより、汚水一時貯蔵装置820内に比較的明らかな負圧環境をいっそう迅速に形成可能となる。その後、汚染排出制御弁241を開放すると、濾過装置600内の汚水がより大きな駆動力を受けることで、効率よく十分に汚水一時貯蔵装置820内に排出可能となる。
【0185】
本実施例の更なる方案において、回収装置500は、具体的に、内部に回収チャンバを有するハウジング510と、前記回収チャンバ内に設けられて、前記回収チャンバを第1チャンバ531と第2チャンバ532に分割する濾過アセンブリ520、を含む。
【0186】
汚水一時貯蔵装置820は第1チャンバ531と連通する。濾過異物を伴う汚水は第1チャンバ531に進入し、濾過アセンブリ520を通過して濾過されたあと第2チャンバ532に進入する。また、濾過異物は第1チャンバ531内に収集される。
【0187】
上記の方案において、回収装置500は、濾過装置600から排出された汚水を収集したあと、内部の濾過アセンブリ520により前記汚水を濾過することで、汚水中の濾過異物を分離することも可能である。これにより、ユーザは、分離された濾過異物を直接収集して処理することが可能となるため、濾過異物が汚水に混入して有効に処理できなくなるとの事態が回避される。
【0188】
具体的に、濾過アセンブリ520は、回収チャンバ内の一定の高さに水平に設置されるフレームと、前記フレーム上に敷設されるフィルタメッシュとしてもよい。濾過アセンブリ520の上側には第1チャンバ531が形成され、下側には第2チャンバ532が形成される。濾過異物を伴う汚水が第1チャンバ531に進入したあと、水は濾過アセンブリ520を通過して第2チャンバ532に進入可能であるが、濾過異物はフィルタメッシュにより堰き止められて濾過アセンブリ520の上面に残留する。
【0189】
濾過アセンブリ520のフィルタメッシュは、汚水中のマイクロプラスチックを濾過して、水中へのマイクロプラスチックの混入を防止することが可能である。
【0190】
本実施例において、回収装置500は、挿入/抜き出し可能に洗濯機の筐体10に設けられる。ユーザは、回収装置500を筐体10内から抜き出してクリーニングすることができる。
【0191】
具体的に、回収装置500のハウジング510は、挿入/抜き出し可能に筐体10に設けられる。また、ハウジング510の上側には開口が備わっている。ユーザは、ハウジング510を筐体10内から抜き出したとき、濾過アセンブリ520の上面に付着した濾過異物をハウジング510の上側の開口を通じてクリーニング可能である。好ましくは、濾過アセンブリ520は、ハウジング510に取り外し可能に接続される。この場合、ユーザは、濾過アセンブリ520をハウジング510の内部から解体して取り出し、クリーニングすることが可能なため、操作がいっそう容易となる。
【0192】
本実施例の好ましい方案において、第2チャンバ532には、濾過した清浄な水を排出するための吐水口が設けられる。第2チャンバ532に吐水口を設けることで、第2チャンバ532に進入した清浄な水を速やかに回収装置500から排出可能となる。これにより、濾過装置600から排出される汚水量が大きい場合に、回収装置500にオーバーフローが生じるとの事態が回避される。こうしなければ、第2チャンバ532の容量を増大させる必要が生じ、回収装置500の体積を増大させねばならなくなるため、洗濯機内部で大きなスペースを占有することになり、洗濯機全体の体積を小型化するのに不利となる。
【0193】
また、第2チャンバ532内の水は吐水口から自動的に排出可能なため、ユーザが回収装置500をクリーニングする際には、濾過アセンブリ520上の濾過異物をクリーニングするだけでよく、手動で第2チャンバ532内の清浄な水を捨てる必要はない。また、濾過アセンブリ520が取り外し可能にハウジング510内に取り付けられている場合、ユーザは、ハウジング510を洗濯機の筐体10から完全に取り外さなくても、濾過アセンブリ520を取り出してクリーニングするだけでよいため、いっそう操作しやすい。
【0194】
好ましくは、第2チャンバ532の吐水口は管路を通じて貯水槽100と連通する。この場合、濾過アセンブリ520で濾過された清浄な水を貯水槽100内に導入して再利用を実現可能となるため、洗濯機の水の使用量を節約できる。或いは、管路を通じて第2チャンバ532の吐水口を洗濯機の外部と連通させて、濾過異物を含まない濾過後の水を洗濯機から直接排出してもよい。この場合、マイクロプラスチックが生態系循環に進入するとの問題は生じない。
【0195】
本実施例において、濾過装置600は、具体的に、入水口6101、濾過水出口6102及び汚染排出口6103が設けられ、入水口6101及び濾過水出口6102が前記循環濾過管路に接続される濾過チャンバ610と、回動可能に濾過チャンバ610内に設けられる濾過機構620と、濾過機構620を濾過チャンバ610内で回動させる駆動機構660、を含む。
【0196】
濾過機構620は、フィルタメッシュホルダと、フィルタメッシュホルダの表面を覆うフィルタメッシュを含み、濾過チャンバ610の内部を外収容室と内収容室に分割する。貯水槽100内の水は、入水口6101から濾過チャンバ610の外収容室に進入し、水中の濾過異物がフィルタメッシュに堰き止められて濾過機構620の外表面に付着する。また、濾過異物を含まない清浄な水は内収容室に進入し、内収容室と連通する吐水継手621から流出して、最終的に濾過水出口6102を通じて濾過チャンバ610から流出する。フィルタメッシュの孔径を設計することで、濾過機構620は、水中における大寸法の糸屑を濾過できるだけでなく、水中のマイクロプラスチックも濾過可能となるため、洗濯機の排水中のマイクロプラスチック含有量を著しく減少させられる。
【0197】
濾過装置600をクリーニングしたい場合には、例えばモータといった駆動機構660により濾過機構620を濾過チャンバ610内で回動させて、濾過チャンバ610内に残留した水を攪動する。これにより、濾過機構620の表面に付着した濾過異物を遠心力及び攪乱水流の作用で濾過機構620から剥がし、濾過チャンバ610内の水中に混入させる。そして、最後に、エアーポンプ810の作用で汚水を汚染排出口6103から排出することで、回収装置500により収集可能とする。
【0198】
本実施例では、洗濯機が完全な洗濯プログラムを1回実行する過程で、駆動機構660を起動して濾過機構620を回動させる自動クリーニング動作、及び/又は、吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御して汚水を濾過装置600から排出する汚染排出動作を少なくとも1回実行する。汚染排出動作を実行する際、濾過機構620は、静止状態を維持してもよいし、駆動機構660により回動させてもよい。
【0199】
更に、濾過装置600の濾過チャンバ610内には、水流に付随して摩擦及び衝突を生じ、濾過チャンバ610の内壁及び濾過機構620の外壁を洗浄する洗浄粒子680も設けられる。循環濾過の過程では、流動する水流に付随して洗浄粒子680が絶えず濾過チャンバ610の内壁及び濾過機構620の外壁に対し摩擦を生じることで、付着した濾過異物を脱落させる。これにより、濾過異物の堆積が防止されるため、濾過機構620が濾過異物により覆われて濾過効率に影響を及ぼすとの事態が回避される。濾過機構620が回動して自動クリーニングを行うときには、洗浄粒子680が攪乱水流の作用によって濾過チャンバ610内で運動し、濾過チャンバ610の内壁及び濾過機構620の外壁に対し摩擦を生じる。これにより、濾過異物の剥離効率が向上し、濾過装置600の自動クリーニング効果がより良好となる。
【0200】
濾過チャンバ610内には、更に、濾過チャンバ610の内部を左側の第1空間と右側の第2空間に分割する遮板690が設けられる。洗浄粒子680及び濾過機構620の本体部分はいずれも第1空間内に位置する。また、入水口6101は第1空間と連通し、濾過水出口6102及び汚染排出口6103は第2空間と連通する。遮板690には、第1空間と第2空間を連通させる通水孔が設けられる。濾過チャンバ610内の汚水は遮板690を通過して汚染排出口6103から排出可能であるが、洗浄粒子680は前記通水孔を通過不可能なため、遮板690によって左側に堰き止められる。これにより、洗浄粒子680が汚染排出口6103から汚水とともに排出されるとの事態や、汚染排出口6103に堆積して詰まらせるとの事態が回避される。
【0201】
本実施例における洗濯機の循環濾過管路は、具体的に、貯水槽100と搬送ポンプ400の入水端を接続する貯水槽排水管260と、一端が搬送ポンプ400の吐水端に接続され、他端が切替装置270に接続される排水管路210と、一端が切替装置270に接続され、他端が濾過装置600の入水口6101に接続される循環管路220と、一端が濾過装置600の濾過水出口6102に接続され、他端が貯水槽100と連通し、濾過された水を貯水槽100内に搬送する環水管路230、を含む。
【0202】
切替装置270には、更に、洗濯機の外部に排水する外部排出管路250が接続されている。切替装置270は、循環管路220及び外部排出管路250を択一的に排水管路210と開通させるよう制御可能である。こうすることで、1つの搬送ポンプ400によって洗濯機の循環濾過及び排水のための駆動力を提供可能となり、切替装置270の開通方向を制御するだけで対応する機能を実現できる。
【0203】
環水管路230の吐水端は貯水槽100の槽口の窓パッキン110に接続される。濾過装置600を通過して濾過された水は、窓パッキン110から進入して貯水槽100内に戻る。
【0204】
本実施例では、洗濯機に、濾過装置600から排出される汚水を収集可能な回収装置500が設けられる。これにより、濾過異物を伴う汚水が洗濯機から直接排出される結果、濾過異物中のマイクロプラスチックが生態系循環に進入して生態環境や人体の健康に影響を及ぼすとの問題が回避される。回収装置500内には、収集された汚水を濾過することで濾過異物と水を分離する濾過アセンブリ520が設けられるため、濾過異物のクリーニングが容易である。
【0205】
洗濯機には、濾過装置600と回収装置500の間で空気を吸引し、汚染排出口6103の外側に負圧環境を形成することで、圧力差により濾過装置600内の汚水を汚染排出口6103から排出して回収装置500に進入させるエアーポンプ810が設けられる。よって、濾過装置600と回収装置500との距離が遠い場合や、高低差が存在する場合であっても、濾過装置600内の汚水を十分に排出させられる。また、濾過装置600と回収装置500の間には汚水一時貯蔵装置820が設けられ、且つ、エアーポンプ810と直接連通させる。これにより、エアーポンプ810が空気を吸引する際に汚水を吸い込むとの事態が防止される。エアーポンプ810により空気を吸引して汚水を排出することで、従来のウォーターポンプによる駆動方式と比較して、汚水中の濾過異物がウォーターポンプを詰まらせるとの問題が回避され、汚水の排出がいっそう円滑となる。
【実施例2】
【0206】
図4に示すように、本実施例では上記実施例1を更に限定する。前記エアーポンプ810と汚水一時貯蔵装置820の間にはバッファ部830が設けられる。バッファ部830の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は、前記第1通気口を通じて汚水一時貯蔵装置820の内部収容室と連通する。また、吸引管路811はバッファ部830に接続されて、エアーポンプ810とバッファ室を開通させる。これにより、エアーポンプ810は、バッファ部830を介して汚水一時貯蔵装置820内の空気を吸引する。
【0207】
上記の方案において、エアーポンプ810は、起動すると、バッファ部830の内部及び汚水一時貯蔵装置820の内部を吸引して負圧状態にすることが可能である。そして、汚染排出制御弁241が開放されると、濾過装置600内の汚水が圧力差の作用で迅速に排出可能となる。エアーポンプ810と汚水一時貯蔵装置820の間にバッファ部830を設けることで、排出された汚水量が大きいために汚水一時貯蔵装置820から溢れた場合でも、溢れた部分の汚水をバッファ部830のバッファ室内に貯蔵できるため、エアーポンプ810内に直接進入することはない。
【0208】
本実施例の好ましい方案において、バッファ部830は汚水一時貯蔵装置820の上方に設けられ、汚水一時貯蔵装置820の第1通気口は通気管路831に接続される。通気管路831は、垂直に上方へと延伸してバッファ部830のバッファ室と連通する。更に、エアーポンプ810はバッファ部830の上方に設けられる。バッファ部830の天井壁には、エアーポンプ810と連通する第2通気口が設けられる。バッファ部830の第2通気口は吸引管路811に接続される。また、吸引管路811は、垂直に上方へと延伸してエアーポンプ810の吸気端に接続される。
【0209】
上記の構造によれば、汚水がエアーポンプ810の吸引作用によって汚水一時貯蔵装置820から上方のバッファ部830及びエアーポンプ810に進入するのに必要な吸引力がより大きくなるため、エアーポンプ810への水の進入が更に防止される。
【0210】
本実施例では、エアーポンプ810と汚水一時貯蔵装置820の間にバッファ部830を設けることで、汚水一時貯蔵装置820から溢れた汚水を貯蔵可能としているため、汚水量が大き過ぎる場合にエアーポンプ810に進入するとの事態が防止される。汚水一時貯蔵装置820、通気管路831、バッファ部830、吸引管路811及びエアーポンプ810を下から上へ順に設けることで、汚水がエアーポンプ810に進入する際に上昇を要する高さが増大するため、より大きな吸引力が必要となる。これにより、エアーポンプ810に水が進入するとの事態をより有効に防止可能となる。
【実施例3】
【0211】
図3図8に示すように、本実施例では上記実施例1又は2を更に限定する。前記回収装置500の汚水入口550には、外側から内側に向かって一方向に開通する閉塞部材540が設けられる。
【0212】
エアーポンプ810が吸引動作を実行するときに、閉塞部材540は回収装置500の汚水入口550を閉塞可能となる。これにより、回収装置500内の空気は汚水入口550から吸い出し不可能となり、汚染排出口6103と回収装置500の間の空間が相対的に独立する。こうすることで、エアーポンプ810の吸引作用によって、汚染排出口6103の外側に負圧環境を迅速に形成可能となり、汚水排出の効率が向上する。また、エアーポンプ810の停止後に、吸引作用が消失すると、重力の作用、或いは、空気が汚水一時貯蔵装置820に進入することで生じる気圧上昇の作用によって、汚水は汚水一時貯蔵装置820の外部に向かって流動する。すると、閉塞部材540は水圧の作用によって汚水入口550を開放可能となり、汚水が回収装置500に進入して収集される。
【0213】
具体的に、閉塞部材540は、回収装置500の汚水入口550に取り付けられる基体541と、基体541に対して相対的に動作可能であり、回収装置500の外部と内部の空間を開通/遮断する開放部542、を含む。
【0214】
更に、汚水入口550は回収装置500のハウジング510に設けられる。汚水入口550の外周は、回収装置500のハウジング510の内壁から回収装置500の内部に向かって一定の長さだけ延伸することで管状部551を形成している。基体541は、管状部551の延伸末端に取り付けられる。また、開放部542は、管状部551の延伸末端に対し相対的に動作することで、管状部551の延伸末端の開口を開放/閉塞する。
【0215】
詳細には、基体541は、管状部551の延伸末端に覆設される。開放部542は、管状部551の外側から管状部551の開口を覆うことで閉塞を実現する。開放部542は、管状部551から離隔する方向に反転することで前記開口を開放する。閉塞部材540の構造はシンプルである。且つ、開放部542は管状部551の右端面に当接し、管状部551の内側には反転不可能なため、汚水入口550の外側から内側への一方向の開通が実現される。
【0216】
本実施例の方案において、開放部542は、例えばゴム等の弾性変形を生じ得る可撓性材料からなる。エアーポンプ810が起動すると、開放部542における前記開口を覆う部分が管状部551の内部に向かって張り出すように変形することで、前記開口の閉塞が実現される。開放部542は、管状部551の内壁と管状部551の右端面との間の夾角に対し一定程度の包囲を形成することで、開放部542と管状部551の開口との接触面積を増大可能としている。また、開放部542における管状部551に面する表面は、凸面を形成することで表面積を増大させている。即ち、開放部542が負圧の吸引力を受ける際の受力面積を増大させているため、閉塞部材540によって汚水入口550に対しより良好な密封効果を発揮可能である。このことは、負圧環境の迅速な形成にとって有利である。
【0217】
更に、開放部542と基体541は一体的に成形される。即ち、閉塞部材540全体が可撓性材料からなる。これにより、基体541と開放部542の間に余分な接続構造を必要とすることなく、開放部542と基体541を相対的に動作可能として、開放部542の動作により管状部551の右端の開口を開放/閉塞する。
【0218】
本実施例の別の方案において、前記閉塞部材の開放部は硬質材料からなる。また、開放部における管状部の開口に面する表面は、管状部の内部に向かって張り出す凸面となっている。具体的に、管状部の開口は円形であり、開放部は円形シート状構造となっている。且つ、開放部における管状部の開口に面する表面は、中央が張り出した円弧面となっている。
【0219】
開放部は円弧面を有しているため、開放部が管状部の開口を閉塞するときには、一部が開口の内部に伸入可能となる。且つ、開放部における管状部の開口と接触する表面は管状部の端面に対し傾斜しているため、いっそう堅固に前記開口を閉塞可能となり、より良好な密封効果を有する。また、開放部の円弧面構造は表面積を増大させている。即ち、開放部がエアーポンプの吸引力を受ける際の受力面積を増大させているため、密封性能を更に強化可能となる。これにより、濾過装置の汚染排出口と回収装置の間に負圧環境がより良好に形成される。
【0220】
更に、閉塞部材の開放部と基体は別体として設けられ、且つ、これらは相対的に動作可能に接続される。具体的に、開放部と基体は回動可能に接続される。開放部は、反転運動によって管状部の開口の開放/閉塞を実現する。
【0221】
或いは、開放部と基体はプラスチックで一体的に成形してもよい。この場合、開放部と基体がいずれも硬質形態となるため、明らかな変形が生じることはない。また、開放部と基体との間は、厚さの大変小さな接続片を介して接続が実現される。前記接続片は薄いため、小さな作用力で変形を生じて、開放部と基体の間に相対的な動作を発生可能とする。
【0222】
本実施例の更なる方案において、汚水入口550の外周は、回収装置500のハウジング510の外壁から回収装置500の外部に向かって一定の長さだけ延伸することで接続部552を形成している。接続部552は管路との接続に用いられ、当該管路を通じて汚水一時貯蔵装置820と連通する。前記管路の端部は接続部552に覆接可能なため、取り付けがいっそう容易である。
【0223】
本実施例では、回収装置500の汚水入口550に、一方向に開通する閉塞部材540が設けられる。当該閉塞部材540は、エアーポンプ810が空気を吸引するときに、回収装置500の汚水入口550を密封可能となる。これにより、負圧環境がいっそう迅速に形成されるとともに、汚染排出口6103に形成され得る圧力差も増大するため、濾過装置600からの汚水の排出効率が向上する。エアーポンプ810が停止すると、閉塞部材540は、水流の衝撃で汚水入口550を自動的に開放可能となり、汚水を円滑に回収装置500に進入させて収集する。
【実施例4】
【0224】
本実施例は、上記実施例3と以下の点において異なっている。即ち、前記閉塞部材は、回収装置の吐水口に設けられるとともに、回収装置の内部から外部に向かって一方向に開通する。
【0225】
具体的に、エアーポンプが起動すると、閉塞部材は回収装置の吐水口を密封して、外気を進入不可能とする。これにより、バッファ部、汚水一時貯蔵装置及び回収装置の内部にいずれも負圧環境が形成される。濾過装置内の汚水が圧力差の作用で排出されると、大部分は汚水一時貯蔵装置内に貯蔵されるが、わずかな部分が回収装置に直接進入する可能性がある。しかし、汚水が汚水一時貯蔵装置と回収装置の間の管路を遮断することで、回収装置内の空気はそれ以上吸い出されなくなる。
【0226】
エアーポンプが停止すると、汚水一時貯蔵装置は大気圧近くまで回復可能となるが、回収装置の内部は一定の負圧を有したままとなるため、汚水一時貯蔵装置内の汚水は回収装置に排出可能となる。且つ、汚水が回収装置に進入する過程では、閉塞部材が吐水口を開放可能となる。これにより、回収装置の内部の空気が汚水の進入に伴って吐水口から排出可能となることで、回収装置への円滑な汚水の進入が確実に保証される。
【実施例5】
【0227】
図4に示すように、本実施例では上記実施例2を更に限定する。前記吸引装置(即ち、エアーポンプ810)が吸引動作を1回実行することで、濾過装置600内に残留していた汚水は全て排出されて汚水一時貯蔵装置820に進入可能となる。
【0228】
本実施例において、前記洗濯機は、更に、濾過装置600内の汚水の排出状況を検出するための検出装置を含む。エアーポンプ810は、濾過装置600内の汚水が完全に排出されたことを検出装置が検出したときに吸引動作を停止する。エアーポンプ810が吸引動作を1回実行すれば、濾過装置600内の汚水を全て吸い出すことが可能なため、汚水の効率的な排出が実現される。
【0229】
具体的に、前記検出装置は、濾過装置600に設けられる水位計としてもよく、濾過装置600内の水位を検出することで、汚水が完全に排出されたか否かを判断する。そして、水位計からフィードバックされる濾過装置600内の水位が0の場合には、エアーポンプ810を停止させるよう制御して吸引動作を止める。
【0230】
或いは、前記検出装置は、汚染排出管路240に設けられる流量計である。エアーポンプ810が吸引動作を実行している間に、汚染排出管路240内の流量が継続的に0であることを流量計が検出した場合には、濾過装置600内の汚水が完全に排出されたと判断し、エアーポンプ810を停止させるよう制御して吸引動作を止める。
【0231】
或いは、前記検出装置は、濾過装置600の内部の画像を収集し、収集した画像に基づいて汚水が完全に排出されたか否かを判断してもよい。洗濯機が、収集された濾過装置600の内部の画像に基づいて、汚水が全て排出されたと判断した場合には、エアーポンプ810を停止させるよう制御して吸引動作を止める。
【0232】
本実施例の更なる方案において、濾過装置600の汚染排出口6103と回収装置500の汚水入口の間に収容可能な汚水量は、濾過装置600が収容可能な最大汚水量以上である。具体的に、濾過装置600の汚染排出口6103と汚水一時貯蔵装置820は汚染排出管路240を通じて連通する。また、汚水一時貯蔵装置820と回収装置500は連通管路825を通じて連通する。汚染排出管路240、連通管路825及び汚水一時貯蔵装置820の容積の合計は、濾過装置600の容積以上である。
【0233】
上記の構造によれば、エアーポンプ810が吸引動作を1回実行することで濾過装置600内の汚水を完全に排出するときに、排出された汚水が回収装置500に進入する前に、汚水一時貯蔵装置820から溢れてエアーポンプ810に流動しないよう保証される。よって、エアーポンプ810への汚水の進入が防止される。
【0234】
本実施例の好ましい方案において、汚水一時貯蔵装置820の容積を濾過装置600の容積よりも大きくするか、少なくとも濾過装置600内に貯蔵可能な最大汚水量よりも大きくすれば、濾過装置600内の汚水が一度に全て排出される場合であっても、汚水一時貯蔵装置820が満杯になることはない。こうすることで、濾過装置600から汚水一時貯蔵装置820に汚水を排出する際に、汚水が汚水一時貯蔵装置820から溢れてエアーポンプ810に進入するとの事態が回避されるため、エアーポンプ810に対し保護作用が奏される。
【実施例6】
【0235】
図9図12に示すように、本実施例は上記いずれかの実施例を更に限定する。前記洗濯機は、更に、汚染排出口6103と吸引装置(即ち、エアーポンプ810)の間に設けられる隔離機構を含む。前記隔離機構は、汚水の排出に伴って、エアーポンプ810と汚染排出口6103の間の連通を徐々に遮断可能とすることで、エアーポンプ810が吸引を継続する場合に、汚染排出口6103から排出される汚水量が多過ぎるために、汚水がエアーポンプ810に吸い込まれるとの事態の発生を防止する。こうすることで、エアーポンプ810に対し保護作用を奏し得るため、汚水がエアーポンプ810に進入して動作性能に影響を及ぼすとの事態が防止される。
【0236】
本実施例の具体的方案において、前記隔離機構はフロート部材を含む。また、エアーポンプ810と汚染排出口6103の間の連通経路には通気孔832が設けられる。汚水排出の過程では、前記フロート部材が水面とともに通気孔832の下方まで上昇して通気孔832を閉塞する。
【0237】
本実施例において、前記フロート部材はフロートボール822である。フロートボール822の直径は通気孔832の直径よりも大きい。
【0238】
本実施例の更なる方案において、フロートボール822は汚水一時貯蔵装置820の内部に設けられ、通気孔832は汚水一時貯蔵装置820の天井壁に設けられる。好ましくは、前記隔離機構は、更に、汚水一時貯蔵装置820の底部から通気孔832に向かって延伸する案内部823を含む。案内部823は中空経路を有し、フロートボール822は前記中空経路内に設けられる。
【0239】
図9及び図10に示すように、初期状態において、汚水一時貯蔵装置820内は無水のため、フロートボール822は案内部823の底端に位置する。また、汚水が汚水一時貯蔵装置820に排出される過程では、汚水一時貯蔵装置820内の水面が徐々に上昇する。案内部823の側壁には、中空経路と案内部823の外部空間を連通させる貫通孔が設けられているため、案内部823の内部の水面も同時に上昇する。且つ、フロートボール822は常に水面の高さに浮かぶため、水面の上昇に伴って徐々に上昇する。図11及び図12に示すように、汚水一時貯蔵装置820内に水が充満すると、フロートボール822は水面とともに汚水一時貯蔵装置820の天井部まで上昇することで、通気孔832を下方から閉塞する。これにより、汚水が通気孔832から更に上方に向かって溢れ出ることがなくなるため、汚水が通気孔832から溢れてエアーポンプ810に進入しないよう保証される。
【0240】
上記の方案では、汚水一時貯蔵装置820内に設けられるフロートボール822によって通気孔832の閉塞が実現され、汚水一時貯蔵装置820が満水状態となったときに通気孔832を閉塞可能となる。これにより、汚水がエアーポンプ810に進入しないよう保証することを前提に、濾過装置600はより大量の汚水を一度に排出可能となるため、汚水の排出効率が向上する。また、案内部823を設けてフロートボール822の運動を案内することで、フロートボール822は案内部823の内部でのみ往復運動可能となる。これにより、フロートボール822の運動軌跡にずれが生じて通気孔832を閉塞できなくなるとの事態が回避される。
【0241】
本実施例において、案内部823は円管状構造をなしている。案内部823の内径はフロートボール822の外径よりも大きい。フロートボール822と案内部823の間には隙間嵌めが形成されるため、フロートボール822が案内部823の内部で往復運動する際に存在する摩擦抵抗が減少し、ひいては除去される。これにより、フロートボール822が案内部823の内部に引っ掛かって水面とともに上昇できなくなるとの事態が回避される。
【0242】
本実施例の好ましい方案において、案内部823は、汚水一時貯蔵装置820の内部に垂直に延伸するよう設けられる。このことは、フロートボール822が水面の上昇とともに阻害されることなく上昇して通気孔832を閉塞するのにいっそう有利である。
【0243】
本実施例において、通気管路831の下端は汚水一時貯蔵装置820の天井壁に接続され、通気管路831と汚水一時貯蔵装置820との接続箇所が通気孔832を形成する。また、フロートボール822の直径は通気管路831の直径よりも大きい。フロートボール822は水面とともに上昇して通気孔832を閉塞する。即ち、フロートボール822は、通気管路831の下端まで運動して、通気管路831の下端の開口を閉塞する。
【0244】
本実施例では、汚水一時貯蔵装置820内にフロートボール822及び案内部823を設けることで、汚水一時貯蔵装置820に汚水が充満したときにフロートボール822により上方の通気孔832を閉塞可能とする。これにより、汚水が通気孔832から溢れ出すとの事態が防止されるため、汚水が溢れてエアーポンプ810に進入するとの事態は生じず、エアーポンプ810の動作性能が保証される。
【実施例7】
【0245】
本実施例は、前記フロートボールと案内部で構成される隔離機構がバッファ部の内部に設けられる点で上記実施例6と異なっている。
【0246】
具体的に、バッファ部の天井壁には通気孔が設けられ、吸引管路を通じてエアーポンプと連通する。バッファ部内には、底部から通気孔まで垂直に上方へ延伸する案内部が設けられる。案内部の側壁には貫通孔が備わっている。また、フロートボールが案内部の内部に設けられる。
【0247】
本実施例では、汚水一時貯蔵装置の容積を濾過装置の容積よりも大きくする。これにより、洗濯機が正常に動作している場合、通常は、汚水が汚水一時貯蔵装置を完全に満たすことはない。しかし、何らかの異常な状況では、汚水が大量に汚水一時貯蔵装置に進入することによるオーバーフローが発生する場合がある。この場合、汚水は通気管路沿いに上方に向かってバッファ部に進入し、バッファ部のバッファ室体内に徐々に蓄積されるため、エアーポンプに直接吸い込まれることはない。
【0248】
汚水がバッファ部に進入する過程では、バッファ部内の水面が徐々に上昇する。また、フロートボールが水面の上昇とともに案内部内で徐々に上昇し、上端の通気孔に近接する。バッファ部内にも汚水が充満した場合には、フロートボールが案内部の最も上端まで上昇することで、吸引管路の下端に位置する通気孔を閉塞可能なため、汚水がバッファ部から溢れてエアーポンプに吸い込まれるとの事態が回避される。
【実施例8】
【0249】
図13に示すように、本実施例は上記実施例6と以下の点において異なっている。即ち、前記汚水一時貯蔵装置820及びバッファ部830には、いずれも、フロートボール822及び案内部823から構成される隔離機構が設けられる。また、汚水一時貯蔵装置820の天井壁及びバッファ部830の天井壁には、それぞれ、対応するフロートボール822により閉塞される通気孔832が設けられている。
【0250】
具体的に、通気管路831の下端は汚水一時貯蔵装置820の天井壁に接続されて、一方の通気孔832を形成している。また、吸引管路811の下端はバッファ部830の天井壁に接続されて、もう一方の通気孔832を形成している。
【0251】
正常な状況では、濾過装置600が汚水を外部に排出するときに、汚水一時貯蔵装置820内のフロートボール822が水面とともに上昇する。そして、汚水一時貯蔵装置820の天井部まで運動すると通気孔832を閉塞可能となり、汚水一時貯蔵装置820から汚水が溢れ出すとの事態を阻止する。しかし、汚水一時貯蔵装置820内のフロートボール822が想定外に引っ掛かり、運動不可能となった場合には、通気管路831が汚水一時貯蔵装置820と連通した状態を維持したままとなる。よって、濾過装置600が汚水を排出し続けた場合、汚水は通気管路831沿いに上方に向かってバッファ部830に進入してしまう。
【0252】
本実施例では、バッファ部830内にもフロートボール822が設けられている。よって、汚水がバッファ部830内に進入し続けた場合には、バッファ部830内のフロートボール822が水面とともに徐々に上昇する。そして、バッファ部830にも汚水が充満した場合には、フロートボール822がバッファ部830の天井壁における通気孔832を閉塞可能となる。即ち、吸引管路811の下端を閉塞するため、汚水はバッファ部830から溢れてエアーポンプ810に進入することが不可能となる。
【0253】
本実施例では、汚水一時貯蔵装置820及びバッファ部830のいずれにもフロートボール822が設けられているため、二重保護の作用が奏される。汚水一時貯蔵装置820内のフロートボール822が機能を喪失して汚水が溢れたとしても、バッファ部830に汚水が充満した場合には、バッファ部830内のフロートボール822が吸引管路811の下端の通気孔832を閉塞可能である。これにより、汚水がバッファ部830から更に溢れてエアーポンプ810に進入するとの事態が防止されるため、いっそう安全且つ確実である。
【実施例9】
【0254】
本実施例は、前記フロートボールが汚水一時貯蔵装置とエアーポンプの間に設けられる点で上記実施例6と異なっている。具体的に、フロートボールは、汚水一時貯蔵装置とバッファ部を連通させる通気管路内に設けられる。
【0255】
本実施例において、前記通気管路は、下から上に延伸し、且つ直径が徐々に縮小する縮径区間を有している。前記フロートボールは前記縮径区間の内部に設けられる。前記縮径区間の上端の直径はフロートボールの直径よりも小さいため、フロートボールは、水面とともに縮径区間の上端まで上昇して閉塞を実現する。
【0256】
フロートボールが縮径区間の内部で自在に往復移動し得るよう確実に保証するために、縮径区間の底端の直径はフロートボールの直径よりも大きくなっている。更に、縮径区間の下方には、フロートボールが汚水一時貯蔵装置の内部に落下するのを防止するための位置規制部が備わっている。
【0257】
本実施例の具体的方案において、通気管路は、全体として、横断面の直径が徐々に縮小するテーパー状構造をなしている。また、汚水一時貯蔵装置の天井壁には、通気管路と連通するいくつかの小孔が設けられる。フロートボールは汚水一時貯蔵装置の天井壁によって通気管路内に位置規制されており、汚水が汚水一時貯蔵装置から溢れて通気管路に進入した場合、フロートボールは水面とともに上昇する。そして、通気管路の一定の高さまで到達すると、フロートボールは通気管路の内壁と周方向において完全に密着することで閉塞を実現する。
【0258】
本実施例の別の具体的方案において、通気管路の直径は、下から上に向かって徐々に増大したあと徐々に縮小する。通気管路の上端と底端の直径はいずれもフロートボールの直径よりも小さく、通気管路の最大直径はフロートボールの直径よりも大きい。通気管路の底端の直径はフロートボールの直径よりも小さいため、フロートボールは通気管路の内部に位置規制され得る。汚水が汚水一時貯蔵装置から溢れて通気管路に進入した場合、フロートボールは水面とともに通気管路の一定の高さまで上昇する。そして、フロートボールが通気管路の内壁と周方向において完全に密着することで、閉塞が実現される。
【実施例10】
【0259】
図4及び図14に示すように、本実施例では上記実施例2を更に限定する。回収装置500は、貯水槽100と直接的又は間接的に連通し、収集した汚水を濾過したあと、濾過した水を貯水槽100内に導入する。
【0260】
具体的に、前記洗濯機は、更に、貯水槽100内に洗剤を投入するために用いられ、貯水槽100と連通する洗剤投入装置を含む。回収装置500は前記洗剤投入装置と連通する。回収装置500内の濾過された水は、洗剤投入装置を経由して貯水槽100内に導入される。
【0261】
更に、前記洗剤投入装置は貯水槽100と連通する給水タンク300を有する。回収装置500のハウジング510には、濾過した水を排出するための吐水口が設けられる。前記吐水口は給水タンク300と連通し、濾過した清浄な水を給水タンク300に導入することで、給水タンク300経由で貯水槽100内に進入させる。
【0262】
詳細には、前記吐水口は、回収装置500の内部における第2チャンバ532と連通する。これにより、吐水口から排出されるのは、濾過アセンブリ520を通過して濾過された清浄な水となる。
【0263】
上記の方案において、給水タンク300自体は貯水槽100に水を進入させるために用いられる。よって、回収装置500は、洗剤投入装置の給水タンク300を通じて貯水槽100に水を戻す。この場合、回収装置500と貯水槽100を連通させる構造を増設する必要がないため、洗濯機内部の水路構造を簡略化するのに有利であり、水路が過度に長くなるとの事態が回避される。回収装置500は、収集した汚水を濾過したあと、濾過により得られた清浄な水を給水タンク300経由で貯水槽100内に再び戻し、再利用する。また、これにより、給水タンク300の内部に存在し得る洗剤を押し流す作用も奏し得るため、洗剤の利用率が向上する。
【0264】
本実施例では、管路を通じて、給水タンク300と回収装置500における第2チャンバ532の吐水口を連通可能とする。これにより、濾過された清浄な水は、前記吐水口から排出されたあと、管路を通じて給水タンク300内に進入し、更に、給水タンク300と貯水槽100を連通させる管路を経由して貯水槽100内に進入することで洗濯過程に関与する。
【0265】
本実施例の好ましい方案において、回収装置500のハウジング510は給水タンク300の内部に設けられる。これにより、濾過装置600から排出された汚水が濾過されたあと、清浄な水は第2チャンバ532の吐水口から流出して給水タンク300内に直接進入し、給水タンク300と貯水槽100を連通させる管路に沿って貯水槽100内に進入する。
【0266】
上記の構造によれば、給水タンク300の内部空間を十分に活用することができ、管路を個別に設けて回収装置500と給水タンク300を連通させる必要もない。これにより、洗濯機の内部構造がいっそうコンパクトとなるため、洗濯機内部の取り付けスペースの節約となる。
【0267】
給水タンク300は内部に一定の空間を有しているため、回収装置500全体を給水タンク300の内部に設ける。濾過された水は吐水口から流出したあとすぐに給水タンク300内に進入するため、濾過された水を給水タンク300に導入するとの目的が実現される。且つ、給水タンク300の内部空間を十分に活用することも可能なため、回収装置500が単独で洗濯機内部の一部のスペースを占有することがなく、取り付けスペースの節約にとって有利である。
【0268】
そのほか、回収装置500の吐水口は給水タンク300の内部に位置するため、管路を別途設けて前記吐水口と給水タンク300を連通させなくても、回収装置500内の濾過された水を給水タンク300に搬送可能となる。これにより、洗濯機内部の管路構造が簡略化される。管路構造の簡略化によって、洗濯機の内部構造がいっそうコンパクトとなるため、貯水槽100の外部構造によるスペースの占有を減少させられる。こうして、洗濯機の容量を保証することを前提に、洗濯機全体の小型化設計に貢献する。
【0269】
本実施例の更なる方案において、ハウジング510は、挿入/抜き出し可能に給水タンク300の内部に設けられる。具体的に、給水タンク300は、洗濯機の筐体10の内壁に近接して設けられる。ユーザは、ハウジング510を筐体10に挿入したり、筐体10から抜き出したりすることが可能である。ハウジング510の上側には開口が備わっている。ユーザは、ハウジング510を抜き出したときに、濾過アセンブリ520の上面に付着した濾過異物をハウジング510の上側の開口を通じてクリーニング可能である。好ましくは、濾過アセンブリ520は、ハウジング510に取り外し可能に接続される。この場合、ユーザは、濾過アセンブリ520をハウジング510の内部から解体して取り出し、クリーニングすることが可能なため、操作がいっそう容易となる。
【0270】
本実施例の更なる方案において、給水タンク300は給水管310に接続され、給水管310は貯水槽100と連通する。好ましくは、給水管310の吐水端は貯水槽100に接続される。給水管310は、一定の長さを有するコルゲートチューブを含む。
【0271】
上記の方案において、給水タンク300は、給水管310を通じて貯水槽100と直接連通し、回収装置500から排出される濾過後の水を貯水槽100内に導入可能とする。洗濯機の動作過程では、貯水槽100に一定の度合いの震動が存在するため、給水管310は少なくとも1区間のコルゲートチューブを含む。こうすることで、貯水槽100の震動に伴い生じる変位を前記コルゲートチューブで吸収できるため、貯水槽100の震度に伴う給水管310と貯水槽100との接続構造のぐらつきによる漏水の発生が回避される。
【実施例11】
【0272】
図15及び図16に示すように、本実施例では上記実施例1を更に限定する。前記吸引装置(即ち、エアーポンプ810)は、濾過装置600から汚水を排出する必要がある場合、吸引動作を複数回実行することで、複数回に分けて濾過装置600内の汚水の排出を完了する。
【0273】
具体的に、本実施例における洗濯機の制御方法は、以下を含む。
【0274】
S1’:吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御すると、汚水一時貯蔵装置820内の空気が吸引されて、濾過装置600内の汚水が圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置820に排出される。
【0275】
S2’:第1設定条件に達し、エアーポンプ810を停止させると、汚水一時貯蔵装置820内の汚水が回収装置500に進入する。
【0276】
上記の方式によれば、エアーポンプ810が起動し、且つ、第1設定条件に達すると、洗濯機は、エアーポンプ810を停止させるよう自動的に制御することで、汚水一時貯蔵装置820内の空気の吸引を停止する。これにより、濾過装置600内の汚水は汚水一時貯蔵装置820内に進入しなくなる。且つ、エアーポンプ810の吸引作用が消失するため、汚水一時貯蔵装置820内に貯蔵された汚水が重力の作用で回収装置500に進入可能となることで、汚水一時貯蔵装置820が無水状態に戻る。
【0277】
上記の方案では、前記第1設定条件を合理的に設計するだけで、プログラムにより、濾過装置600が汚水一時貯蔵装置820に対し一度に排出する汚水量が汚水一時貯蔵装置820の最大容量を超えないよう制御可能となる。これにより、濾過装置600が汚水を排出する過程で汚水一時貯蔵装置820にオーバーフローが発生するとの事態が防止される。よって、汚水が汚水一時貯蔵装置820から溢れてエアーポンプ810に進入するとの事態が回避され、エアーポンプ810に対し保護作用が奏される。
【0278】
本実施例では、濾過装置600が汚水を排出し続ける際の排水量を制御可能なため、汚水一時貯蔵装置820の容積を濾過装置600の容積よりも小さくすることができる。これにより、汚水一時貯蔵装置820の全体的な体積が減少する。汚水一時貯蔵装置820が洗濯機の筐体10の内部で占有するスペースを減少させることで、洗濯機の内部空間の利用率を向上させるのに有利となり、洗濯機の小型化設計が実現される。
【0279】
更に、本実施例では、汚水一時貯蔵装置820内の水位の高さを検出することで、エアーポンプ810の停止を制御して、濾過装置600から外部への汚水の排出過程を制御する。
【0280】
具体的に、前記制御方法のステップS2’において、前記第1設定条件は、汚水一時貯蔵装置820内の水位が第1設定水位まで上昇することである。即ち、エアーポンプ810が吸引動作を実行している間に、洗濯機は、汚水一時貯蔵装置820内の水位が第1設定水位まで上昇したことを検出すると、エアーポンプ810を停止させるよう制御する。これにより、汚水は汚水一時貯蔵装置820内に進入しなくなる。且つ、汚水一時貯蔵装置820内にすでに存在していた汚水は回収装置500内に排出可能となり、汚水一時貯蔵装置820内の水位が低下する。
【0281】
汚水一時貯蔵装置820内の水位の検出を実現するために、汚水一時貯蔵装置820には水位検出装置824が設けられている。汚水一時貯蔵装置820内の水位が第1設定水位に達すると、水位検出装置824は早期警告信号を発する。
【0282】
図16に示すように、本実施例における水位検出装置824は、汚水一時貯蔵装置820の内部収容室に設けられて第1設定水位の高さと整列する第1水位プローブを含む。当該第1設定水位は、汚水一時貯蔵装置820の満水水位に近接している。即ち、前記第1水位プローブは、汚水一時貯蔵装置820の天井壁近くの高さに位置しているが、天井壁との間に一定の間隔を有している。前記第1水位プローブが汚水に浸かると、水位検出装置は早期警告信号を発する。洗濯機は、当該早期警告信号を受信すると、エアーポンプ810を停止させるよう制御する。
【0283】
エアーポンプ810が停止したときに、汚水は汚水一時貯蔵装置820への進入をすぐには停止しない可能性があるため、第1設定水位は満水水位に近接しているが、満水水位には達しないように設定される。これにより、汚水一時貯蔵装置820にオーバーフローが生じないよう確実に保証可能とする。
【0284】
本実施例の更なる方案において、前記制御方法は、ステップS2’のあと、更に、第2設定条件に達した場合にステップS1’に戻るステップS3’を含む。
【0285】
エアーポンプ810が停止したあと、汚水一時貯蔵装置820内に貯蔵されていた汚水が回収装置500に排出されてから、再び吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御することで、濾過装置600から引き続き内部に残留する汚水を排出可能とする。上記のステップS1’~S3’を順に繰り返し実行して、濾過装置600内の汚水が全て回収装置500に排出されると、濾過装置600から汚水を排出する過程を終了する。
【0286】
ステップS2’と類似して、本実施例でも同様に、汚水一時貯蔵装置820内の水位の高さを検出することで、エアーポンプ810を停止させたあとの吸引動作の実行再開を制御する。具体的に、ステップS3’において、前記第2設定条件は、汚水一時貯蔵装置820内の水位が第2設定水位まで低下することである。
【0287】
本実施例において、水位検出装置824は、更に、第2設定水位の高さと整列するように設けられる第2水位プローブを含む。当該第2水位プローブは、汚水一時貯蔵装置820の底壁に近接するよう、或いは、直接設けられる。汚水一時貯蔵装置820内の汚水が排出されて回収装置500に進入する過程では、汚水一時貯蔵装置820内の水位が徐々に低下する。そして、第2水位プローブが水面から漏出すると、水位検出装置824は解除信号を発する。洗濯機は、当該解除信号を受信すると、吸引動作を再び実行するようエアーポンプ810を制御する。
【0288】
本実施例の別の方案において、水位検出装置824はフロート及びセンサから構成されてもよい。前記フロートは水面を浮遊可能であり、汚水一時貯蔵装置820内の水面の高さの変化に伴って上下に変動する。前記センサは、フロートの存在する高さを検出して、汚水一時貯蔵装置820内の水位の高さを特定するために用いられる。
【0289】
図17に示すように、本実施例における洗濯機の制御方法は、具体的に、以下のステップを含む。
【0290】
S11’:吸引動作を実行するようエアーポンプを制御する。
【0291】
S12’:汚水一時貯蔵装置内の水位が第1設定水位まで上昇すると、エアーポンプを停止させる。
【0292】
S13’:汚水一時貯蔵装置内の水位が第2設定水位まで低下すると、ステップS11’に戻る。
【0293】
濾過装置600内の汚水が全て排出されるまでエアーポンプ810が動作し続けて吸引する方式と比較して、本実施例の洗濯機は、吸引動作を複数回実行するようエアーポンプ810を制御することで、濾過装置600からの汚染排出過程を完了する。これにより、毎回の吸引動作で濾過装置600から排出される汚水量が少なくなるため、エアーポンプ810に対するパワー要求がより低くなる。また、毎回の吸引動作の継続時間がより短くなるため、エアーポンプ810が長時間にわたり動作し続けることで生じ得る過熱等の問題を回避できる。
【実施例12】
【0294】
図4に示すように、本実施例は、上記実施例11と以下の点において異なっている。即ち、前記洗濯機は、エアーポンプ810が吸引動作を実行する継続時間によってエアーポンプ810を停止させるよう制御して、汚水一時貯蔵装置820のオーバーフローを防止するとの目的を実現する。よって、これに対応して、本実施例の汚水一時貯蔵装置820内には、水位検出装置を設けなくてもよい。
【0295】
具体的に、本実施例のステップS2’において、前記第1設定条件は、吸引動作の継続時間が第1所定時間長tに達することである。即ち、エアーポンプ810が吸引動作の実行を開始すると、洗濯機は計時を開始し、第1所定時間長tに達すると、エアーポンプ810を停止させるよう制御する。
【0296】
更に、ステップS3’において、前記第2設定条件は、エアーポンプ810の停止が第2所定時間長tに達することである。即ち、エアーポンプ810が停止すると、洗濯機は再び計時を行い、第2所定時間長tに達すると、吸引動作を再び実行するようエアーポンプ810を制御する。
【0297】
上記の方案において、第1所定時間長t及び第2所定時間長tの具体的な値は、予め大量の実験を通じて取得し、洗濯機の制御プログラムに直接書き込んでもよい。具体的に、第1所定時間長tの値は、エアーポンプ810が正常なパワーで動作するときに、汚水一時貯蔵装置820内が無水状態から満水状態近くまで水位が上昇するのに必要なおよその時間長である。また、第2所定時間長tの値は、汚水一時貯蔵装置820が満水状態から空になるまで外部に排水するのに必要なおよその時間長である。
【0298】
詳細には、図18に示すように、本実施例における洗濯機の制御方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0299】
S21’:吸引動作を実行するようエアーポンプを制御する。
【0300】
S22’:吸引動作の継続時間が第1所定時間長tに達すると、エアーポンプを停止させる。
【0301】
S23’:エアーポンプの停止が第2所定時間長tに達すると、ステップS21’に戻る。
【0302】
説明すべき点として、本実施例の方案は、実施例11の方案と組み合わせて洗濯機に応用してもよい。例えば、エアーポンプ810が吸引動作を実行するときに、汚水一時貯蔵装置820内の水位を検出して、第1設定水位に達すると、エアーポンプ810を停止させるよう制御する。そして、エアーポンプ810が停止すると計時を開始し、第2所定時間長tに達すると、吸引動作を再び実行するようエアーポンプ810を制御する。濾過装置600内の汚水が全て排出されるまで、以上の過程を繰り返し行う。
【0303】
本実施例において、洗濯機は、エアーポンプ810が吸引動作を実行する継続時間及び継続的な停止時間を制御することで、複数回に分けて濾過装置600内の汚水の排出を実現する。この場合にも同様に、汚水一時貯蔵装置820のオーバーフローを防止して、エアーポンプ810への水の進入を回避するとの効果が奏される。
【実施例13】
【0304】
図15及び図16に示すように、本実施例は、濾過装置600の汚染排出過程の終了を制御するために、上記実施例11又は12を更に限定する。
【0305】
本実施例において、前記洗濯機の制御方法は以下のステップを含む。
【0306】
S1’:吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御すると、汚水一時貯蔵装置820内の空気が吸引されて、濾過装置600内の汚水が圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置820に排出される。
【0307】
S2’:第1設定条件に達し、エアーポンプ810を停止させると、汚水一時貯蔵装置820内の汚水が回収装置500に進入する。
【0308】
S3’:第2設定条件に達すると、ステップS1に戻る。
【0309】
濾過装置600の汚染排出過程の終了を制御するために、本実施例は、具体的に、以下のいくつかの方案により実現可能である。
【0310】
方案1:ステップS2’とステップS3’の間に、更に、ステップS1’の実行回数が所定の回数Nに達した否かを判断し、達した場合には、濾過装置600の汚染排出過程を終了するが、達していない場合には、ステップS3’を実行するステップAを含む。
【0311】
濾過装置600が汚水を外部に排出するときに、エアーポンプ810が吸引動作を1回実行することで排出される汚水量はほぼ一致しており、汚水一時貯蔵装置820の容積に近い。上記の方案では、濾過装置600と汚水一時貯蔵装置820の容積の大きさの比率に基づき、1回の汚染排出過程で濾過装置600内の汚水が完全に排出されるのに必要な吸引動作の総回数を所定の回数Nとして予め設定可能である。濾過装置600から汚水を排出するときには、エアーポンプ810に合計N回の吸引動作を実行させるよう制御することで、濾過装置600の汚染排出過程を完了させる。
【0312】
方案2:ステップS1’とステップS2’の間に、更に、第3所定時間長t内に、汚水一時貯蔵装置820内の水位が第3設定水位に達しない場合には、エアーポンプ810を停止させて、濾過装置600の汚染排出過程を終了するが、そうでない場合にはステップS2を実行するステップBを含む。
【0313】
上記の方案において、前記第3所定時間長tは第1所定時間長t以下であり、且つ、第3設定水位は第1設定水位以下である。前記第3所定時間長t及び第3設定水位の具体的な値は、予めテストにより以下を満たすよう取得しておく。即ち、エアーポンプ810が正常なパワーで動作し、且つ、濾過装置600内に排出されていない汚水が存在する場合、エアーポンプ810が第3所定時間長tに達するまで起動し続けると、汚水一時貯蔵装置820内の水位は第3設定水位以上となるはずである。汚水一時貯蔵装置820内の水位が第3設定水位に達し得なかった場合には、濾過装置600内の汚水がすでに完全に排出されたことを意味するため、汚染排出過程を終了可能である。
【0314】
方案3:洗濯機には、濾過装置600内の汚水の排出状況を検出するための検出装置が設けられている。濾過装置600内の汚水が完全に排出されたことを当該検出装置が検出すると、濾過装置600の汚染排出過程を終了するよう制御する。
【0315】
具体的に、前記検出装置は、濾過装置600に設けられる水位計としてもよく、濾過装置600内の水位を検出することで、汚水が完全に排出されたか否かを判断する。
【0316】
或いは、前記検出装置は、汚染排出管路240に設けられる流量計である。エアーポンプ810が吸引動作を実行している間に、水流が継続的に途絶えていることを流量計が検出した場合には、濾過装置600内の汚水がすでに完全に排出されたと判断する。
【0317】
或いは、前記検出装置は、濾過装置600の内部の画像を収集し、収集した画像に基づいて汚水が完全に排出されたか否かを判断してもよい。
【0318】
本実施例で提供する上記の方案によれば、濾過装置600内の汚水が完全に排出されると、洗濯機が濾過装置600の汚染排出過程を終了するよう自動的に制御可能となり、動作を必要とする後続のプログラムを引き続き実行し得るよう確実に保証可能なため、洗濯機の動作効率が保証される。
【実施例14】
【0319】
図19に示すように、本実施例で記載する洗濯機は、貯水槽100と、洗濯機の外部に排水するための外部排出管路250と、貯水槽100内の水を受け付けて濾過するものであって、入水口6101及び濾過水出口6102を有する濾過装置600、を含む。
【0320】
濾過装置600の濾過水出口6102は外部排出管路250と連通する。洗濯機が排水する際に、貯水槽100内の水は、濾過装置600を通過して濾過異物が除去されたあと、外部排出管路250から排出される。
【0321】
具体的に、本実施例における濾過装置600の濾過水出口6102は外部排出管路250と直接連通する。即ち、外部排出管路250の入水端は濾過水出口6102に接続される。
【0322】
上記の方案において、洗濯機の排水水流は、濾過装置600を通過して濾過されたあと外部排出管路250から排出されるため、洗濯機の排水中に濾過異物が含まれないよう保証可能である。これにより、濾過異物に含まれるマイクロプラスチックが水流とともに排出されて生態系循環に進入することで、生態環境や人体の健康に害を及ぼすとの問題が回避される。
【0323】
更に、本実施例の濾過装置600には汚染排出口6103が設けられる。濾過過程で濾過装置600内に残留した濾過異物は、水流とともに汚染排出口6103から排出可能であり、ユーザが濾過装置600を取り出して手動でクリーニングする必要がないため、一段と使用しやすい。また、洗濯機の内部には回収装置500が設けられる。汚染排出口6103から排出された汚水は、最終的に回収装置500に導入されて収集されるため、濾過異物が排水水流に混入して洗濯機から直接排出されることはない。回収装置500は、受け付けた汚水を処理することで、汚水中の濾過異物を収集可能なため、濾過異物が自然界の水循環に進入するとの事態が防止される。
【0324】
上記の方式によれば、濾過異物が洗濯機の排水水流とともに排出されないよう最大限保証されるため、濾過異物に含まれるマイクロプラスチックが生態系循環に進入するとの問題が回避される。
【0325】
本実施例において、貯水槽100と濾過装置600の入水口6101との間には搬送ポンプ400が設けられる。具体的に、貯水槽100は貯水槽排水管260に接続され、貯水槽排水管260は搬送ポンプ400の入水端に接続される。搬送ポンプ400の吐水端は排水管路210に接続され、排水管路210を通じて濾過装置600の入水口6101と連通する。濾過装置600の汚染排出口6103は汚染排出管路240に接続されて、排出された汚水を搬送するために用いられる。汚染排出管路240には汚染排出弁241が設けられているため、汚染排出管路240の開閉を制御可能である。
【0326】
洗濯機の排水段階では、汚染排出弁241が閉止し、搬送ポンプ400が起動する。貯水槽100内の水は、搬送ポンプ400の作用で濾過装置600に導入され、濾過装置600を通過して濾過異物が除去されたあと、外部排出管路250を通じて洗濯機から排出される。排水が完了すると、汚染排出弁241が開放され、汚染排出管路240が開通する。これにより、濾過装置600内に残留した汚水が汚染排出口6103から排出可能となり、汚染排出管路240を経由して最終的に回収装置500に進入する。
【0327】
本実施例の洗濯機は、濾過装置600により排水水流を濾過することで、排水水流中に存在する濾過異物を除去可能である。これにより、マイクロプラスチックを含む濾過異物が排水水流とともに洗濯機から直接排出されるとの事態が回避されるため、洗濯機の排水中のマイクロプラスチック含有量が過剰となって生態環境を害するとの問題が回避される。
【実施例15】
【0328】
図20図24に示すように、本実施例は、上記実施例1と以下の点において異なっている。即ち、前記濾過装置600の濾過水出口6102は外部排出管路250と間接的に連通する。例えば、濾過水出口6102は、例えば貯水タンクやウォーターバルブ等の中継装置と連通する。また、外部排出管路250の入水端は当該中継装置に接続される。これにより濾過水出口6102と外部排出管路250の間接的な連通が実現される。
【0329】
本実施例において、濾過装置600の濾過水出口6102と外部排出管路250の間には第1切替装置が設けられ、前記第1切替装置により濾過水出口6102と外部排出管路250との間接的な連通が実現される。また、前記第1切替装置は貯水槽100とも連通し、貯水槽100及び外部排出管路250を択一的に濾過装置600の濾過水出口6102と開通させるよう制御するために使用可能である。
【0330】
具体的に、前記第1切替装置は、第1弁室を有する第1弁体711を含む。第1弁体711には、濾過水出口6102と連通する水入口701と、環水管路230を通じて貯水槽100と連通する循環水出口702と、外部排出管路250と連通する排水出口703が設けられる。前記第1弁室内には切替機構712が設けられる。切替機構712は、動作可能に第1弁室内に取り付けられて、択一的に循環水出口702及び排水出口703を開放可能である。
【0331】
洗濯機の洗浄/すすぎ過程では、貯水槽100と濾過装置600の濾過水出口6102を開通させるよう第1切替装置を制御する。即ち、循環水出口702を開放するよう切替機構712を制御する。搬送ポンプ400が起動すると、貯水槽100内の水は、ポンプによって濾過装置600内に搬送されて、濾過されたあと第1弁室に進入する。そして、循環水出口702から流出し、環水管路230に進入する。具体的に、環水管路230は、貯水槽100の槽口の窓パッキン110に接続される。濾過装置600を通過して濾過異物が除去された水は、窓パッキン110から貯水槽100内に戻る。貯水槽100内の水は、搬送ポンプ400の作用によって、絶えず循環して濾過装置600を通過可能となることで、水中の濾過異物が除去される。これにより、洗浄/すすぎ水中の濾過異物の含有量が減少するため、洗濯機の洗濯効果を改善できる。
【0332】
洗濯機の排水段階では、外部排出管路250と濾過装置600の濾過水出口6102を開通させるよう第1切替装置を制御する。即ち、排水出口703を開放するよう切替機構712を制御する。搬送ポンプ400が起動すると、貯水槽100内の水は、ポンプによって濾過装置600内に搬送されて、濾過されたあと第1弁室に進入する。そして、排水出口703から流出し、外部排出管路250に進入する。貯水槽100内の水は、濾過装置600を通過して濾過異物が除去されたあと、外部排出管路250から排出可能となる。これにより、洗濯機の排水中の濾過異物の含有量が著しく減少する。
【0333】
上記の方案において、洗濯機には、濾過装置600の濾過水出口6102の下流に、濾過装置600から排出される濾過水の流動方向を制御可能な第1切替装置が設けられる。これにより、洗濯機は、同一の濾過装置600を用いて、洗浄/すすぎ段階では洗浄/すすぎ水を循環濾過し、排水段階では排水水流を濾過することが可能となる。洗濯機は、水路構造の異なる位置に濾過構造を別々に設ける必要がないため、洗濯機の内部構造の簡略化が実現される。
【0334】
本実施例において、第1弁室内の切替機構712は、具体的に、回動可能に第1弁室内に取り付けられるものであって、互いに背向する第1面及び第2面を有するフラップと、フラップの第1面に設けられて、排水出口703を閉塞するために用いられる排水シール部材と、フラップの第2面に設けられて、循環水出口702を閉塞するために用いられる循環シール部材、を含む。
【0335】
詳細に、第1弁体711の水入口701は左側の室壁に設けられ、循環水出口702は前側の室壁に設けられ、排水出口703は右側の室壁に設けられる。切替機構712のフラップは、回動軸周りに90°回動することで、排水シール部材が排水出口703を閉塞する状態から、循環シール部材が循環水出口702を閉塞する状態に切り替え可能である。
【0336】
更に、前記第1切替装置は、フラップを第1弁室内で回動させるための第1駆動部材を含む。本実施例の第1駆動部材は、第1弁体711の外部に設けられる第1モータ713である。第1モータ713の駆動端はフラップに接続されており、洗濯機の洗浄/すすぎ過程では、排水シール部材が排水出口703を閉塞する位置までフラップを回動させ、洗濯機の排水段階では、循環シール部材が循環水出口702を閉塞する位置までフラップを回動させる。
【0337】
本実施例の具体的方案において、濾過装置600は、入水口6101、濾過水出口6102及び汚染排出口6103を有する濾過チャンバ610と、回動可能に濾過チャンバ610の内部に設けられる濾過機構620と、濾過機構620に接続されて、濾過機構620を濾過チャンバ610内で回動させるために用いられる駆動機構660、を含む。
【0338】
濾過機構620は、フィルタメッシュホルダと、フィルタメッシュホルダの表面を覆うフィルタメッシュを含み、濾過チャンバ610の内部を外収容室と内収容室に分割する。貯水槽100内の水は、入水口6101から濾過チャンバ610の外収容室に進入し、水中の濾過異物がフィルタメッシュに堰き止められて濾過機構620の外表面に付着する。また、濾過異物を含まない清浄な水は内収容室に進入し、最終的に濾過水出口6102を通じて濾過チャンバ610から流出する。フィルタメッシュの孔径を設計することで、濾過機構620は、水中における大寸法の糸屑を濾過できるだけでなく、水中のマイクロプラスチックも濾過可能となるため、洗濯機の排水中のマイクロプラスチック含有量を著しく減少させられる。
【0339】
濾過装置600をクリーニングしたい場合には、例えばモータといった駆動機構660により濾過機構620を濾過チャンバ610内で回動させて、濾過チャンバ610内に残留した水を攪動する。これにより、濾過機構620の表面に付着した濾過異物を遠心力及び攪乱水流の作用で濾過機構620から剥がし、濾過チャンバ610内の水中に混入させる。そして、汚染排出口6103から水流とともに排出し、最終的に回収装置500に進入させて収集可能とする。
【0340】
本実施例で記載する洗濯機は、更に、濾過装置600の汚染排出口6103と回収装置500の間に設けられて、汚染排出口6103と回収装置500の間の開通/遮断を制御するために用いられる汚染排出制御装置を含む。濾過装置600が導入された水を濾過するとき、汚染排出制御装置は、汚染排出口6103と回収装置500との連通を遮断することで、濾過装置600に進入した水が汚染排出口6103から流出しないようにする。これにより、濾過装置600が受け付けた水が濾過されたあとに濾過水出口6102から排出可能となるよう確実に保証する。
【0341】
濾過装置600が汚水を外部に排出する汚染排出過程において、汚染排出制御装置は、回収装置500と濾過装置600の汚染排出口6103を開通させる。これにより、濾過異物を伴う汚水は、汚染排出口6103から排出され、回収装置500に進入して収集される。
【0342】
本実施例において、前記汚染排出制御装置は、第2弁室を有する第2弁体721を含む。第2弁体721には汚水入口704及び汚水出口705が設けられており、汚水入口704が汚染排出口6103と連通する。前記第2弁室内には、汚水出口705を閉塞するための閉塞機構722が設けられる。汚水出口705は汚染排出管路240に接続される。これにより、濾過異物を伴う汚水は、汚水出口705から流出したあと、汚染排出管路240に沿って、最終的に回収装置500内に進入する。
【0343】
前記汚染排出制御装置は、更に、閉塞機構722を第2弁室内で運動させて汚水出口705を開放/閉塞するために用いられる第2駆動部材を含む。
【0344】
閉塞機構722の具体的構造は第1弁室内の切替機構712と類似しており、やはり、回動可能なフラップと、当該フラップに取り付けられるシール部材からなる。汚水出口705は第2弁体721の右側の室壁に設けられ、フラップを回動するよう制御することで、シール部材により汚水出口705を閉塞可能となる。或いは、フラップを逆方向に回動させて、シール部材を汚水出口705から分離させるよう制御することで、汚水出口705の開放が実現される。
【0345】
前記第2駆動部材は、第2弁体721の外部に設けられる第2モータ723である。第2モータ723の駆動端は第2弁室内のフラップに接続されており、当該フラップを第2弁室内で回動させることで汚水出口705の開放又は閉塞を実現可能である。
【0346】
理解し得るように、閉塞機構が第2弁室内で運動することで汚水入口を開放/閉塞可能となるように、第2弁体の汚水入口と汚水出口の位置は入れ替えてもよい。この場合にも、濾過装置からの汚水排出の制御を実現可能である。
【0347】
本実施例の好ましい方案において、第1弁体711と第2弁体721は一体的に接続される。ただし、第1弁室と第2弁室は互いに独立を維持したままとし、第1モータ713及び第2モータ723により切替機構712及び閉塞機構722の動作を別々に独立して制御する。
【0348】
上記の方案では、第1切替装置の第1弁体711と汚染排出制御装置の第2弁体721を一体的に接続することで、これらを洗濯機内の同一空間に統合的に設置する。これにより、構造がいっそうコンパクトとなり、取り付けスペースの節約に有利となる。
【0349】
本実施例において、洗濯機の排水は、濾過装置600と第1弁体711を順に通過したあと、外部排出管路250に進入して排出される。洗濯機の排水段階では、排水濾過回路(濾過装置600の入水口6101から第1弁体711の排水出口703まで)に詰まりが生じると、洗濯機が排水を完了できなくなり、排水異常によって洗濯プログラムが中断されることがある。
【0350】
この問題を解決するために、本実施例では、貯水槽100と濾過装置600の入水口6101の間に三方分岐構造が設けられる。前記三方分岐構造は外部排出管路250と連通する。且つ、前記三方分岐構造と外部排出管路250の間には、開放/閉止可能な制御弁251が設けられる。
【0351】
洗濯機の排水段階では、正常な場合には制御弁251が閉止状態となり、三方分岐構造と外部排出管路250は開通しない。よって、貯水槽100内の水は、濾過装置600内に導入されて濾過されたあと、第1弁体711の排水出口703を経由して外部排出管路250に進入し、洗濯機から排出される。一方、排水濾過回路に詰まりが生じた場合には、制御弁251が開放されて、三方分岐構造が外部排出管路250と開通する。これにより、貯水槽100内の水は、外部排出管路250に直接導入されて洗濯機から排出される。この場合には、洗濯機の排水を濾過せずに、洗濯プログラムの正常な動作を優先的保証する。
【0352】
本実施例において、洗濯機が排水する際に、貯水槽100内の水は、濾過装置600を通過して濾過異物が除去されたあと洗濯機から排出される。よって、洗濯機の排水中に存在し得るマイクロプラスチックが排水水流とともに直接排出されて生態系循環に進入するとの事態が回避される。また、洗濯機には、更に、濾過装置600から排出される濾過異物を伴う汚水を収集可能な回収装置500が設けられている。これにより、濾過装置600で取り除かれた濾過異物が洗濯機から直接排出されることで、洗濯機の排水中のマイクロプラスチック含有量が過剰になるとの事態が回避される。
【0353】
濾過装置600の濾過水出口6102には、濾過装置600から排出される濾過水を貯水槽100に再び導入するか、外部排出管路250に導入するかを制御するための第1切替装置が接続される。これにより、濾過装置600は、洗浄/すすぎ段階における洗浄/すすぎ水の循環濾過に用いることも、排水段階における排水水流の濾過に用いることも可能となるため、洗濯機の内部構造が簡略化される。
【0354】
本実施例において、回収装置500の具体的構造は上記実施例10と同様であり、受け付けた汚水を濾過アセンブリ520により濾過することが可能である。また、濾過した水は第2チャンバ532の吐水口から排出され、洗剤投入装置の給水タンク300を経由して再び貯水槽100内に導入される。
【0355】
更に、上記実施例2と同様に、本実施例の洗濯機は吸引装置を更に含み、吸引装置が吸引動作を実行することで、第2弁体721の汚水出口705の外側に負圧環境を発生可能とする。これにより、圧力差の作用で、濾過装置600内の汚水は第2弁体721の汚水出口705から流出し、最終的に回収装置500内に排出される。
【0356】
具体的に、本実施例において、前記吸引装置はエアーポンプ810である。また、汚水出口705と回収装置500の間には、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置820が設けられる。エアーポンプ810は、吸引管路811を通じて汚水一時貯蔵装置820の内部収容室と連通し、内部の空気を吸引する。汚水一時貯蔵装置820の吐水口は回収装置500の汚水入口よりも高くなっている。且つ、回収装置500の汚水入口550には、外側から内側に向かって一方向に開通する閉塞部材540が設けられる。
【0357】
本実施例において、閉塞部材540の具体的構造は上記実施例3と同様のため、これ以上詳述しない。
【0358】
濾過装置600が汚水を排出する必要がある場合、吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御すると、閉塞部材540が汚水入口550を閉塞する。これにより、汚水出口705と回収装置500の間の空気がエアーポンプ810により吸い出され、汚水出口705の外部の管路に負圧環境が形成される。すると、濾過装置600内の汚水は、圧力差の作用で第2弁室に進入可能となり、汚水出口705から排出される。
【0359】
エアーポンプ810が起動している間は、回収装置500の汚水入口550が閉塞されるため、空気が汚水入口550から汚水出口705と回収装置500の間に進入することはない。よって、第2弁体721の汚水出口705の内外に大きな圧力差を迅速に形成することができ、濾過装置600内の汚水を効率よく迅速に回収装置500内に排出して収集することが可能となる。且つ、エアーポンプ810は、空気を吸引して負圧環境を形成するためだけに用いられるため、排出される汚水はエアーポンプ810を通過しない。よって、ウォーターポンプによる搬送ではポンプ体に容易に詰まりが発生するとの問題が回避される。
【0360】
濾過装置600内の汚水を排出する必要がある場合、洗濯機は以下のステップを順に実行する。
【0361】
S1’’:吸引動作を実行するようエアーポンプ810を制御すると、回収装置500の汚水入口550が閉塞部材540により閉塞され、汚水一時貯蔵装置820内の空気が吸い出される。
【0362】
S2’’:閉塞機構722が汚水出口705を開放すると、圧力差の作用で、濾過装置600内の汚水が第2弁体721を通じて汚水一時貯蔵装置820に排出される。
【0363】
S3’’:エアーポンプ810を停止させると、閉塞部材540が汚水入口550を開放し、汚水一時貯蔵装置820内の汚水が重力の作用で回収装置500に排出される。
【0364】
上記の方案では、汚水一時貯蔵装置820を設けることで、汚水は、圧力差の作用で濾過装置600から吸い出されたあと、汚水一時貯蔵装置820の内部収容室に一時的に貯蔵可能となる。こうすることで、汚水が濾過装置600から急速に流出したときに、エアーポンプ810の大きな吸引力を受けてエアーポンプ810に吸い込まれるとの事態が回避される。これにより、エアーポンプ810に対し保護作用が奏されるため、エアーポンプ810の動作性能が影響を受けるとの事態が防止される。
【0365】
閉塞機構722は、エアーポンプ810が吸引動作の実行を開始する初期には汚水出口705の閉塞を維持して、濾過装置600と汚水一時貯蔵装置820の間を連通させない。また、汚水一時貯蔵装置820と回収装置500の間も、閉塞部材540の存在によって連通しない。これにより、汚水一時貯蔵装置820内に比較的明らかな負圧環境をいっそう迅速に形成可能となる。その後、閉塞機構722を動作させて汚水出口705を開放するよう制御すると、濾過装置600内の汚水がより大きな駆動力を受けることで、効率よく十分に汚水一時貯蔵装置820内に排出可能となる。
【0366】
更に、エアーポンプ810と汚水一時貯蔵装置820の間にはバッファ部830が設けられる。バッファ部830の内部にはバッファ室が備わっている。前記バッファ室は汚水一時貯蔵装置820の内部収容室と連通する。また、吸引管路811がバッファ部830に接続されて、エアーポンプ810とバッファ室を開通させる。
【0367】
上記の方案において、エアーポンプ810は、起動すると、バッファ部830の内部及び汚水一時貯蔵装置820の内部を吸引して負圧状態にすることが可能である。そして、閉塞機構722が汚水出口705を開放すると、圧力差の作用で、濾過装置600内の汚水は迅速に排出可能となる。エアーポンプ810と汚水一時貯蔵装置820の間にバッファ部830を設けることで、排出された汚水量が大きいために汚水一時貯蔵装置820から溢れた場合でも、溢れた部分の汚水をバッファ部830のバッファ室内に貯蔵できるため、エアーポンプ810内に直接進入することはない。
【0368】
本実施例の好ましい方案において、バッファ部830は汚水一時貯蔵装置820の上方に設けられ、垂直に延伸する通気管路831を通じて連通する。通気管路831は汚水一時貯蔵装置820の天井部に接続される。上記の構造によれば、第1に、汚水一時貯蔵装置820の内部収容室を十分に活用可能となり、内部収容室に汚水が充満した場合にのみ汚水が通気管路831に進入し得る。これにより、汚水一時貯蔵装置820に収容可能な汚水量が増加する。第2に、汚水がバッファ部830に進入する際に上昇を要する高さが高くなる。よって、これに応じて、エアーポンプ810に求められる吸引力も大きくなり、汚水一時貯蔵装置820のオーバーフローを更に防止可能となる。
【0369】
同様に、エアーポンプ810はバッファ部830の上方に設けられ、吸引管路811が垂直に延伸してエアーポンプ810とバッファ部830のバッファ室を連通させる。こうすることで、汚水がエアーポンプ810に進入するのに必要な吸引力が更に増大するため、エアーポンプ810への水の進入が更に防止される。
【0370】
本実施例において、汚水一時貯蔵装置820の天井部には、汚水一時貯蔵装置820の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔821が設けられる。特に、汚水が重力の作用で回収装置500に排出される方案の場合には、エアーポンプ810が停止すると、外気が透気孔821から汚水一時貯蔵装置820の内部収容室に進入可能となって、内部の汚水を回収装置500に向かって流動させる。これにより、閉塞部材540が汚水入口550を開放し、汚水を回収装置500に排出させる。
【0371】
上記の方案において、透気孔821の開口面積は小さい。よって、エアーポンプ810が起動状態となって吸引動作を実行するときに、透気孔821から汚水一時貯蔵装置820に進入する空気が負圧環境の形成に明らかな影響を及ぼすことはない。また、エアーポンプ810が停止すると、汚水一時貯蔵装置820内の空気は吸い出されなくなる。且つ、透気孔821が設けられているため、汚水一時貯蔵装置820の内部は急速に大気圧近くまで回復可能となり、空気の進入により汚水が排出されて回収装置500に進入する。また、汚水一時貯蔵装置820に透気孔821を設けることで、エアーポンプ810が動作を停止したあと、回収装置500内の気圧が高過ぎるために汚水が回収装置500に流入できないとの事態が回避される。
【0372】
エアーポンプ810を設けて、第2弁体721の汚水出口705と回収装置500の間で空気を吸引するとともに、回収装置500の汚水入口550に一方向に開通する閉塞部材540を設けることで、汚水出口705の外側に負圧環境を迅速に形成可能となる。そして、圧力差により濾過装置600内の汚水を第2弁体721から排出し、汚水により閉塞部材540に衝撃を与えて汚水入口550を開放することで、汚水を回収装置500内に収集する。よって、濾過装置600と回収装置500との距離が遠い場合や、高低差が存在する場合であっても、濾過装置600内の汚水を十分に排出させられる。また、濾過装置600と回収装置500の間には汚水一時貯蔵装置820が設けられ、汚水一時貯蔵装置820がバッファ部830を通じてエアーポンプ810と連通する。これにより、エアーポンプ810が空気を吸引する際に汚水を吸い込むとの事態が有効に防止される。
【実施例16】
【0373】
本実施例は、上記実施例15と以下の点において異なっている。即ち、前記回収装置の吐水口は外部排出管路と連通し、濾過アセンブリを通過して濾過された水は外部排出管路を通じて洗濯機から排出される。
【0374】
回収装置内には、収集した汚水を濾過するための濾過アセンブリが設けられている。濾過された水には濾過異物が含まれないため、外部排出管路に直接導入して洗濯機から排出してもよく、マイクロプラスチックが洗濯機の排水とともに生態系循環に進入するとの問題は生じない。
【0375】
本実施例は、上記実施例15と比較して、回収装置内で濾過された水の排出後の動向を変更したにすぎない。この場合も同様に、回収装置のオーバーフローを防止するとともに、マイクロプラスチックを含む濾過異物が洗濯機から直接排出されるとの事態を回避する作用を実現可能である。
【実施例17】
【0376】
本実施例は、上記実施例15と以下の点において異なっている。即ち、前記回収装置の吐水口は第2切替装置に接続される。前記第2切替装置は、貯水槽及び外部排出管路を択一的に前記吐水口と開通させるよう制御する。
【0377】
上記の方案では、第2切替装置により、回収装置の吐水口から排出される水流の動向を制御することで、回収装置で濾過された水を選択的に貯水槽内に戻してもよいし、外部排出管路に導入して直接排出してもよい。
【0378】
具体的には、洗浄時の排水が終了したあと、第2切替装置は、外部排出管路と回収装置の吐水口を開通させるよう制御する。汚染排出制御装置が汚染排出口と回収装置を開通させると、濾過装置内の濾過異物を伴う汚水が回収装置内に排出される。そして、濾過アセンブリで濾過されたあと、吐水口から排出されて外部排出管路に進入し、洗濯機から直接排出される。洗浄時の排水中には、濾過異物のほかにも、比較的高濃度の洗剤が含まれている。水中の洗剤は濾過アセンブリでは除去できないため、回収装置から排出される水はその後のすすぎ過程での使用には適していない。この場合、第2切替装置により、回収装置から排出される水を洗濯機から直接排出するよう制御する。
【0379】
中間すすぎ時の排水が終了したあと、第2切替装置は、貯水槽と回収装置の吐水口を開通させるよう制御する。汚染排出制御装置が汚染排出口と回収装置を開通させると、濾過装置内の濾過異物を伴う汚水が回収装置内に排出される。そして、濾過アセンブリで濾過されたあと、吐水口から排出されて再び貯水槽に戻る。中間すすぎ時の排水は清浄度が相対的に高いため、回収装置内で濾過異物を除去したあと、再び貯水槽内に導入してその後のすすぎ過程に用いることが可能である。これにより、洗濯機のすすぎ時の水使用量の節約になる。
【0380】
最終すすぎ時の排水が終了したあと、第2切替装置は、外部排出管路と回収装置の吐水口を開通させるよう制御する。汚染排出制御装置が汚染排出口と回収装置を開通させると、濾過装置内の濾過異物を伴う汚水が回収装置内に排出される。そして、濾過アセンブリで濾過されたあと、吐水口から排出されて外部排出管路に進入し、洗濯機から直接排出される。洗濯機は、その後の動作過程で貯水槽に大量の水を進入させる必要がないため、このとき、回収装置から排出される水については、第2切替装置によって洗濯機から直接排出されるよう制御すればよい。
【0381】
本実施例において、洗濯機は、動作段階の違いに応じて、回収装置から排出される水を貯水槽内に戻すか、洗濯機から直接排出するかを自動的に制御可能なため、スマート化の度合いがより高くなる。
【実施例18】
【0382】
本実施例は、上記実施例15における洗濯機の制御方法を提供する。
【0383】
図20図23に示すように、具体的に、排水段階において、切替機構712は、循環水出口702の閉塞を維持するとともに、排水出口703を開放する。また、洗濯機は、排水濾過動作と汚染排出動作を交互に実行する。
【0384】
前記排水濾過動作は、搬送ポンプ400が起動状態となり、閉塞機構722が汚水出口705を閉塞して、貯水槽100内の水が、濾過装置600を通過して濾過されたあと、外部排出管路250から排出されることを含む。
【0385】
前記汚染排出動作は、搬送ポンプ400が停止状態となり、閉塞機構722が汚水出口705を開放して、濾過装置600内の汚水が汚染排出管路240内に排出されることを含む。
【0386】
上記の方案では、洗濯機の排水過程で排水濾過動作と汚染排出動作を交互に実行することで、排水濾過過程で濾過装置600の内部に残留した濾過異物を速やかに排出可能とし、濾過異物が濾過装置600の内部に堆積して濾過効率に影響を及ぼすとの事態を回避する。特に、水中における濾過異物の含有量が高い場合に、本実施例の方案では、排水が終了するまで濾過動作を実行し続ける方式と比較して、濾過異物が過剰に堆積して濾過装置600を詰まらせるとの事態が有効に防止される。
【0387】
本実施例の更なる方案では、洗濯機が排水濾過動作を実行する過程で、搬送ポンプ400を間欠的に起動するよう制御する。搬送ポンプ400の間欠的起動によって、搬送ポンプ400の停止期間は、貯水槽100内の水が濾過装置600の通過を一時的に停止する。濾過装置600の内部に付着した濾過異物は、この期間に脱落して水中に混入可能となり、汚染排出動作の実行時に水流とともに排出される。こうすることで、水流が濾過装置600を通過して濾過される際の継続時間が長過ぎるために、濾過異物が濾過装置600の内部にあまりにも堅固に付着して、汚染排出動作の実行時に十分に排出できなくなるとの事態が回避される。
【0388】
また、搬送ポンプ400が間欠的に起動することで、搬送ポンプ400が長時間にわたり動作し続けるとの事態を回避可能となる。これにより、搬送ポンプ400が過熱により故障するとの事態が防止され、搬送ポンプ400の使用寿命が延びる。
【0389】
本実施例の具体的方案において、前記排水濾過動作は以下のステップを含む。
【0390】
S181:排水出口703を開放するよう切替機構712を制御する。
【0391】
S182:搬送ポンプ400を起動して、一定の時間長だけ継続させる。
【0392】
S183:搬送ポンプ400を停止させる。
【0393】
S184:駆動機構660を起動し、濾過機構620を濾過チャンバ610内で回動させて、一定の時間長だけ継続させる。
【0394】
S185:駆動機構660を停止させ、今回の排水濾過動作におけるステップS2の実行回数が所定の回数に達した場合には、排水濾過動作を終了し、達していない場合にはステップS182に戻る。
【0395】
上記の方案では、搬送ポンプ400の停止期間に、駆動機構660により濾過機構620を回動させることで、濾過機構620の外壁に付着した濾過異物を遠心力及び攪乱水流の2つの作用で剥がして、濾過チャンバ610内の水中に混入可能とする。このことは、濾過機構620の外壁に付着した濾過異物を十分に脱落させるのに有利である。
【0396】
更に、1回の排水濾過動作の実行過程で、搬送ポンプ400は、最初に起動したあと第4所定時間長tだけ継続的に動作し、その後、起動するたびに第5所定時間長tだけ継続的に動作する。前記第4所定時間長tは第5所定時間長tよりも大きい。
【0397】
上記の方案において、前記第4所定時間長t及び第5所定時間長tの具体的な値は、予め大量の実験を通じて取得し、洗濯機の制御プログラムに直接書き込んでもよい。具体的に、第4所定時間長tとは、濾過装置600が継続的に濾過を行う際に、濾過機構620のフィルタメッシュのメッシュの大部分が濾過異物により覆われるまでに経過する時間長である。
【0398】
1回の排水濾過動作において、搬送ポンプ400が最初に起動するときには、基本的にフィルタメッシュ上に濾過異物は付着していないため、第4所定時間長tの値は大きくてもよい。一方、搬送ポンプ400の停止期間に、濾過機構620が高速回転したとしても、フィルタメッシュ上に付着した濾過異物が完全に脱落するとは保証できない。即ち、その後、搬送ポンプ400が起動するたびに、フィルタメッシュ上には濾過異物の一部が付着している可能性がある。そのため、第5所定時間長tの値を第4所定時間長tよりも小さくして、フィルタメッシュの詰まりによる濾過過程への影響を回避する。
【0399】
更に、本実施例のステップS184において、濾過機構620の継続回動時間長は第6所定時間長tである。且つ、第6所定時間長tは第5所定時間長tよりも小さい。
【0400】
前記第6所定時間長tの具体的な値は、予め大量の実験を通じて取得し、洗濯機の制御プログラムに直接書き込んでもよい。これにより、濾過機構620に付着した濾過異物を十分に脱落させられるよう保証する。
【0401】
図25は、本実施例における洗濯機の排水段階の制御フローチャートを示しており、以下のステップを含む。
【0402】
11)切替機構が排水出口を開放して、濾過水出口と外部排出管路を開通させる。
【0403】
12)搬送ポンプを起動して、第4所定時間長tだけ継続させる。
【0404】
13)搬送ポンプを停止させ、駆動機構を起動して、第6所定時間長tだけ継続させる。
【0405】
14)駆動機構を停止し、搬送ポンプを起動して、第5所定時間長tだけ継続させる。
【0406】
15)搬送ポンプを停止させ、駆動機構を起動して、第6所定時間長tだけ継続させる。
【0407】
16)駆動機構を停止し、搬送ポンプを起動して、第5所定時間長tだけ継続させる。
【0408】
17)搬送ポンプを停止させ、駆動機構を起動して、第6所定時間長tだけ継続させる。
【0409】
18)駆動機構を停止させ、閉塞機構が汚水出口を開放し、濾過装置が汚水を排出する。
【0410】
19)排水段階が終了するまで、ステップ12)からステップ18)を繰り返し実行する。
【0411】
本実施例において、洗濯機の洗浄/すすぎ過程では、切替機構712が循環水出口702の開放を維持するとともに、排水出口703を閉塞する。また、洗濯機は、循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行する。
【0412】
前記循環濾過動作は、搬送ポンプ400が起動状態となり、閉塞機構722が汚水出口705を閉塞して、貯水槽100内の水を循環濾過することを含む。
【0413】
排水過程と同様に、洗濯機は、洗浄/すすぎ過程で洗浄/すすぎ水を循環濾過する際にも、循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行することで、濾過異物が濾過装置600の内部に大量に堆積して詰まらせるとの問題を防止する。
【0414】
前記循環濾過動作の具体的なステップは排水濾過動作と同じであり、やはり搬送ポンプ400を間欠的に起動して濾過を行う。異なるのは、循環濾過動作の期間は、切替機構712が排水出口703を開放するのではなく、循環水出口702の開放を維持する点のみである。
【0415】
図26は、本実施例における洗濯機の洗浄/すすぎ過程の制御フローチャートを示しており、以下のステップを含む。
【0416】
21)切替機構が循環水出口を開放して、濾過水出口と貯水槽を開通させる。
【0417】
22)搬送ポンプを起動して、第4所定時間長tだけ継続させる。
【0418】
23)搬送ポンプを停止させ、駆動機構を起動して、第6所定時間長tだけ継続させる。
【0419】
24)駆動機構を停止し、搬送ポンプを起動して、第5所定時間長tだけ継続させる。
【0420】
25)搬送ポンプを停止させ、駆動機構を起動して、第6所定時間長tだけ継続させる。
【0421】
26)駆動機構を停止し、搬送ポンプを起動して、第5所定時間長tだけ継続させる。
【0422】
27)搬送ポンプを停止させ、駆動機構を起動して、第6所定時間長tだけ継続させる。
【0423】
28)駆動機構を停止させ、閉塞機構が汚水出口を開放し、濾過装置が汚水を排出する。
【0424】
29)洗浄/すすぎ過程が終了するまで、ステップ22)~ステップ28)を実行して、排水の開始に備える。
【0425】
本実施例において、洗濯機は、排水段階では排水濾過動作と汚染排出動作を交互に実行し、洗浄/すすぎ過程では循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行することで、濾過装置600の内部に残留した濾過異物を速やかに汚染排出口6103から排出可能とする。これにより、濾過異物の堆積による濾過効率への影響が回避される。排水濾過動作又は循環濾過動作を実行する過程では、搬送ポンプ400を間欠的に起動するよう制御する。且つ、搬送ポンプ400の停止期間に、駆動機構660により濾過機構620を回動させることで、濾過機構620に付着した濾過異物を十分に脱落させて、汚染排出動作の実行過程で十分に排出する。上記の過程により、濾過装置600は、洗濯プログラムの動作期間に自動クリーニングを随時実施可能となる。これにより、濾過装置600における詰まりの発生が回避されて、洗濯機による水の濾過効率が保証される。
【0426】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは改変は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び改変は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0427】
10 筐体
100 貯水槽
110 窓パッキン
210 排水管路
220 循環管路
230 環水管路
240 汚染排出管路
241 汚染排出弁
250 外部排出管路
251 制御弁
260 貯水槽排水管
270 切替装置
300 給水タンク
310 給水管
400 搬送ポンプ
500 回収装置
510 ハウジング
520 濾過アセンブリ
531 第1チャンバ
532 第2チャンバ
540 閉塞部材
541 基体
542 開放部
550 汚水入口
551 管状部
552 接続部
600 濾過装置
610 濾過チャンバ
6101 入水口
6102 濾過水出口
6103 汚染排出口
620 濾過機構
621 吐水継手
660 駆動機構
680 洗浄粒子
690 遮板
701 水入口
702 循環水出口
703 排水出口
704 汚水入口
705 汚水出口
711 第1弁体
712 切替機構
713 第1モータ
721 第2弁体
722 閉塞機構
723 第2モータ
810 エアーポンプ
811 吸引管路
820 汚水一時貯蔵装置
821 透気孔
822 フロートボール
823 案内部
824 水位検出装置
830 バッファ部
831 通気管路
832 通気孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2024-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽と、
貯水槽と連通し、貯水槽内の水を受け付けて濾過するものであって、汚水を外部に排出するための汚染排出口を有する濾過装置、を含む洗濯機において、
更に、
吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚染排出口から排出する吸引装置と、
濾過装置から排出される汚水を収集するための回収装置、を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記吸引装置は、吸引管路を通じて濾過装置の汚染排出口と回収装置の間に連通し、命令に基づき吸引動作を実行し、
好ましくは、前記吸引装置はエアーポンプであることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通し、前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通し、前記吸引管路は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通し、
吸引装置が吸引動作を実行すると、濾過装置内の汚水は圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置内に進入し、吸引装置が停止すると、汚水一時貯蔵装置内の汚水は回収装置に排出され、
好ましくは、前記汚水一時貯蔵装置には、汚水一時貯蔵装置の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔が設けられ、吸引装置が停止すると、外気が透気孔から汚水一時貯蔵装置の内部収容室に進入して、内部の汚水を回収装置に排出し、
より好ましくは、前記透気孔は汚水一時貯蔵装置の天井部領域に設けられることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記汚水一時貯蔵装置の吐水口は前記回収装置の汚水入口よりも高くなっており、吸引装置が停止すると、汚水一時貯蔵装置内の汚水は重力の作用で回収装置に排出され、
及び/又は、前記洗濯機は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられる送気装置を含み、或いは、前記吸引装置は、更に、汚水一時貯蔵装置内にガスを導入することで内部の汚水を回収装置に排出するために用いられることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられ、前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっており、前記バッファ室は汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通し、前記吸引管路はバッファ部に接続されて、吸引装置とバッファ室を開通させることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記濾過装置の汚染排出口と吸引管路の吸引入口端の間には、開放/閉止可能な汚染排出制御弁が設けられ、
好ましくは、前記濾過装置の汚染排出口は、内部収容室を有する汚水一時貯蔵装置と連通し、前記汚水一時貯蔵装置は回収装置と連通し、前記吸引管路は汚水一時貯蔵装置と連通し、前記汚染排出制御弁は濾過装置の汚染排出口と汚水一時貯蔵装置の間に設けられることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記回収装置は、
内部に回収チャンバを有するハウジングと、
前記回収チャンバ内に設けられて、前記回収チャンバを第1チャンバと第2チャンバに分割する濾過アセンブリ、を含み、
濾過異物を伴う汚水は、第1チャンバに進入し、濾過アセンブリを通過して濾過されたあと第2チャンバに進入し、濾過異物は第1チャンバ内に収集され、
好ましくは、前記第2チャンバには、濾過した清浄な水を排出するための吐水口が設けられることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
回収装置の汚水入口には、外側から内側に向かって一方向に開通する閉塞部材が設けられ、或いは、回収装置は吐水口を有し、前記吐水口には、内側から外側に向かって一方向に開通する閉塞部材が設けられることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記閉塞部材は、回収装置の汚水入口に設けられるとともに、外側から内側に向かって一方向に開通し、前記閉塞部材は、
回収装置の汚水入口に取り付けられる基体と、
前記基体に対して相対的に動作可能であり、回収装置の外部と内部の空間を開通/遮断する開放部、を含むことを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記汚水入口の外周は、回収装置の内壁から回収装置の内部に向かって一定の長さだけ延伸することで管状部を形成しており、前記基体は、管状部の延伸末端に取り付けられ、前記開放部は、管状部の延伸末端に対し相対的に動作することで、管状部の延伸末端の開口を開放/閉塞することを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【請求項11】
汚水一時貯蔵装置の内部収容室と連通する回収装置であって、濾過装置から排出された汚水が汚水一時貯蔵装置を通過して当該回収装置内に収集される回収装置と、
吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置に進入させる吸引装置、を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記汚水一時貯蔵装置には、吸引装置と連通する第1通気口が設けられることを特徴とする請求項11に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記汚水一時貯蔵装置には、汚水一時貯蔵装置の内部収容室と外部空間を連通させるための透気孔が設けられ、
吸引装置が吸引動作を実行すると、濾過装置内の汚水は圧力差の作用で汚水一時貯蔵装置内に進入し、吸引装置が停止すると、外気が透気孔から汚水一時貯蔵装置の内部収容室に進入して、内部の汚水を回収装置に排出することを特徴とする請求項12に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記吸引装置と汚水一時貯蔵装置の間にはバッファ部が設けられ、前記バッファ部の内部にはバッファ室が備わっており、前記バッファ室は汚水一時貯蔵装置の第1通気口と連通し、前記吸引装置は前記バッファ室と連通することを特徴とする請求項12に記載の洗濯機。
【請求項15】
前記バッファ部には吸引装置と連通する第2通気口が設けられ、前記バッファ部の第2通気口は吸引管路に接続され、前記吸引管路は延伸して吸引装置の吸気端に接続されることを特徴とする請求項14に記載の洗濯機。
【請求項16】
更に、
汚染排出口と吸引装置の間に設けられて、汚水の排出に伴って吸引装置と汚染排出口の間の連通を遮断する隔離機構を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項17】
前記隔離機構はフロート部材を含み、前記吸引装置と汚染排出口の間の連通経路には通気孔が設けられ、汚水排出の過程では、前記フロート部材が水面とともに通気孔まで上昇して通気孔を閉塞し、
好ましくは、前記フロート部材はフロートボールであり、前記フロートボールの直径は通気孔の直径よりも大きいことを特徴とする請求項16に記載の洗濯機。
【請求項18】
更に、
吸引動作を実行して、濾過装置内の汚水を汚染排出口から吸い出す吸引装置と、
吸引装置が吸い出した汚水を収集して濾過し、濾過した水を貯水槽内に導入する回収装置、を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項19】
前記洗濯機は、更に、貯水槽と連通して、貯水槽内に洗剤を投入するために用いられる洗剤投入装置を含み、前記回収装置は前記洗剤投入装置と連通し、回収装置内の濾過された水は、洗剤投入装置を経由して貯水槽内に導入されることを特徴とする請求項18に記載の洗濯機。
【国際調査報告】