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特表2024-542829カセットユニットのためのカセット部分組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】カセットユニットのためのカセット部分組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A61M5/20 500
A61M5/20 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533874
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2022082689
(87)【国際公開番号】W WO2023104496
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21212495.2
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】63/418,895
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520011887
【氏名又は名称】エスエイチエル・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ティン・イン
(72)【発明者】
【氏名】オスカル・アレクサンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ザンデル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066HH02
4C066HH12
4C066LL22
(57)【要約】
薬剤送達デバイスを形成するために駆動ユニットに取り外し可能に接続されるように構成されるカセットユニットのためのカセット部分組立体であって、カセット部分組立体は、近位筐体端および遠位筐体端を有する筐体と、近位筐体端から突出し、筐体に対して直線的に移動させられるように構成される送達部材カバーと、筐体に対して軸方向において固定されて配置される係止部材であって、第1の位置から第2の位置まで送達部材カバーに対して回転させられるように構成される係止部材と、を備える、カセット部分組立体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスを形成するために駆動ユニットに取り外し可能に接続されるように構成されるカセットユニット(1)のためのカセット部分組立体であって、
近位筐体端(3a)および遠位筐体端(3b)を有する筐体(3)と、
前記近位筐体端(3a)から突出し、前記筐体(3)に対して直線的に移動されるように構成される送達部材カバー(5)と、
前記筐体(3)に対して軸方向において固定されて配置される係止部材(7)であって、前記送達部材カバーの軸方向移動が前記係止部材(7)によって妨げられる第1の位置から、前記送達部材カバーの前記軸方向移動が前記係止部材(7)によってもはや妨げられない第2の位置まで、前記送達部材カバー(5)に対して回転させられるように構成される係止部材(7)と、
前記係止部材(7)に対して遠位に配置される後部材(17)であって、前記後部材(17)には、軸方向に延びる端タブ(17c)を伴う径方向に柔軟な構造(17b)が設けられ、前記係止部材(7)が前記後部材(17)に対して前記第1の位置で回転方向において固定されるように、前記係止部材(7)が前記第1の位置にあるとき、前記軸方向に延びる端タブ(17c)が前記係止部材(7)のそれぞれの軸方向凹部(7g)によって受け入れられる、後部材(17)と、
を備え、
前記径方向に柔軟な構造(17b)が前記係止部材(7)の前記軸方向凹部(7g)から係合解除されるように、前記径方向に柔軟な構造(17b)は、前記カセットユニット(1)が前記駆動ユニットに挿入されて接続されたときに、前記駆動ユニットの内壁によって径方向内方へ押されるように構成される、カセット部分組立体。
【請求項2】
前記係止部材(7)は前記送達部材カバー(5)の径方向外側に配置される、請求項1に記載のカセット部分組立体。
【請求項3】
前記係止部材(7)は、環状であるか、止め輪であるか、または半円形状を有する、請求項1または2に記載のカセット部分組立体。
【請求項4】
前記送達部材カバー(5)は前記筐体(3)に対して回転方向において係止される、請求項1から3のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項5】
前記送達部材カバー(5)の外面は、非円形の断面形状を有する周部を有し、前記筐体(3)は、前記非円形の断面形状に対応する断面形状の内面を有し、前記断面は、前記カセット部分組立体の長手方向軸を貫いて取られる、請求項4に記載のカセット部分組立体。
【請求項6】
前記後部材(17)は、前記駆動ユニットの相手留め付け構造と係合するように構成される留め付け構造(17d)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項7】
前記留め付け構造(17d)は、バイオネット接続の一方の部分を形成するか、または、ネジ接続の一方の部分を形成する、請求項6に記載のカセット部分組立体。
【請求項8】
前記後部材(17)は、前記径方向に柔軟な構造(17b)が設けられた近位後部材端(17a)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項9】
前記径方向に柔軟な構造(17b)は、前記近位後部材端(17a)に向かう方向に増加する径方向寸法を有する楔形である、請求項7に記載のカセット部分組立体。
【請求項10】
前記係止部材(7)は近位を向く径方向表面(7b)を有し、前記送達部材カバー(5)は遠位を向く径方向表面(5e)を有し、前記近位を向く径方向表面(7b)は、前記係止部材(7)が前記第1の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面(5e)と軸方向において並べられ、且つ前記遠位を向く径方向表面(5e)を向き、
前記近位を向く径方向表面(7b)は、前記係止部材(7)が前記第2の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面(5e)に対して周方向においてずれる、請求項1から9のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項11】
前記係止部材は遠位を向く径方向表面を有し、前記送達部材カバーは近位を向く径方向表面を有し、前記近位を向く径方向表面は、前記係止部材が前記第1の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面と軸方向において並べられ、且つ前記遠位を向く径方向表面を向き、前記近位を向く径方向表面は、前記係止部材が前記第2の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面に対して周方向においてずれる、請求項1から9のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項12】
前記係止部材の前記遠位を向く径方向表面は螺旋状の表面である、請求項11に記載のカセット部分組立体。
【請求項13】
前記カセット部分組立体は弾性部材(11)を備え、前記弾性部材(11)は、前記送達部材カバー(5)を延長位置に向けて付勢するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のカセット部分組立体を備える、薬剤送達デバイスのためのカセットユニット(1)。
【請求項15】
請求項14に記載のカセットユニット(1)と、前記カセットユニット(1)に接続されるように構成される駆動ユニットと、を備える薬剤送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して薬剤送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの再使用可能な薬剤送達デバイスは、注射器、または針が設けられた薬剤カートリッジなどを保持する使い捨ての第1のユニットと、パワーパックなどを備える再使用可能な第2のユニットと、を備えるハイブリッド設計を有し得る。パワーパックは、バネ荷重が掛けられるか、モータ駆動されるか、またはガス駆動されるプランジャロッドを備え得る。
【0003】
第1のユニットは直線的に移動可能な針カバーを備える可能性があり、針カバーは、第1の位置にあるときに針を覆う。針カバーは、針が露出される第2の位置へと直線的に移動させることができる。この構造のため、針カバーが第2の位置へと意図せずに移動される場合に、偶発的に針が刺さる危険性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本開示の第1の態様によれば、薬剤送達デバイスを形成するために駆動ユニットに取り外し可能に接続されるように構成されるカセットユニットのためのカセット部分組立体であって、近位筐体端および遠位筐体端を有する筐体と、近位筐体端から突出し、筐体に対して直線的に移動されるように構成される送達部材カバーと、筐体に対して軸方向において固定されて配置される係止部材であって、送達部材カバーに対して第1の位置から第2の位置まで回転させられるように構成される係止部材と、を備え、係止部材は近位を向く径方向表面を有し、送達部材カバーは遠位を向く径方向表面を有し、近位を向く径方向表面は、係止部材が第1の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面と軸方向において並べられ、遠位を向く径方向表面を向き、近位を向く径方向表面は、係止部材が第2の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面に対して周方向においてずれる、カセット部分組立体である。
【0005】
係止部材が第1の位置にあるとき、つまり、近位を向く径方向表面が遠位を向く径方向表面と軸方向において並べられ、且つ遠位を向く径方向表面を向くとき、送達部材カバーは、筐体に対して延長位置から後退位置へと移動することが防止される。
【0006】
係止部材が第2の位置にあるとき、つまり、近位を向く径方向表面が遠位を向く径方向表面に対して周方向においてずれるとき、送達部材カバーは、筐体に対して延長位置から後退位置へと移動することが許可される。
【0007】
送達部材カバーの直線的な移動は係止部材の回転位置によって制御される。したがって、針などの送達部材を露出させるなど、送達部材の意図しない直線的な移動が、係止部材によって防止することができる。
【0008】
本開示では、「遠位方向」という用語が使用されるとき、これは、薬剤送達デバイスの使用の間に投与量送達部位から離れる方を指す方向を言う。「遠位部/遠位端」という用語が使用されるとき、これは、薬剤送達デバイスの使用中に、投与量送達部位から最も離れて位置付けられる送達デバイスの一部/端、または送達デバイスの部材の一部/端を言う。それに対応して、「近位方向」という用語が使用されるとき、これは、薬剤送達デバイスの使用の間に投与量送達部位の方を指す方向を言う。
【0009】
「近位部/近位端」という用語が使用されるとき、これは、薬剤送達デバイスの使用中に、投与量送達部位の最も近くに位置付けられる送達デバイスの一部/端、または送達デバイスの部材の一部/端を言う。
【0010】
さらに、「長手方向の」、「長手方向に」、「軸方向に」、または「軸方向の」という用語は、典型的には、デバイスおよび/または構成要素の最も長い延在の方向において、デバイスに沿って、またはデバイスの構成要素に沿って、近位端から遠位端へと延びる方向を言う。
【0011】
同様に、「横断」、「横断する」、および「横断方向に」という用語は、長手方向に対して概して垂直な方向を言う。
【0012】
さらに、「周囲」、「周方向の」、または「周方向に」という用語は、典型的にはデバイスおよび/または構成要素の最も長い延在の方向に延びる中心軸である軸に対する周囲または周方向を言う。
【0013】
同様に、「径方向の」または「径方向に」は、軸に対して径方向に延びる方向を言い、「回転」、「回転の」、および「回転方向に」は、軸に対する回転を言う。
【0014】
一実施形態によれば、係止部材は送達部材カバーの径方向外側に配置される。
【0015】
一実施形態によれば、係止部材は、環状であるか、止め輪であるか、または半円形状を有する。
【0016】
一実施形態によれば、送達部材カバーは軸方向に延びるリブを有し、リブの遠位端面が遠位を向く径方向表面を形成し、係止部材は、近位を向く径方向表面を形成する棚構造と、周方向において棚構造の隣にある遠位に延びる軸方向通路と、を有し、軸方向通路は、係止部材が第2の位置にあるとき、リブを受け入れるように構成される。
【0017】
一実施形態によれば、係止部材は軸方向に延びるリブを有し、リブの近位端面が近位を向く径方向表面を形成し、送達部材カバーは、遠位を向く径方向表面を形成する棚構造と、周方向において棚構造の隣にある近位に延びる軸方向通路と、を有し、軸方向通路は、係止部材が第2の位置にあるとき、リブを受け入れるように構成される。
【0018】
一実施形態によれば、棚構造は、径方向棚表面と、径方向棚表面から軸方向に延びる突起と、を備え、突起は、係止部材の周方向において径方向棚表面と軸方向通路との間に配置される。それによって、送達部材カバーが後退位置に向けて軸方向に押されるときの係止部材の第2の位置への回転が防止され得る。
【0019】
一実施形態によれば、送達部材カバーは筐体に対して回転方向において係止される。
【0020】
一実施形態によれば、送達部材カバーの外面は、非円形の断面形状を有する周部を有し、筐体は、非円形の断面形状に対応する断面形状の内面を有し、断面は、カセット部分組立体の長手方向軸を貫いて取られる。
【0021】
一実施形態によれば、送達部材カバーは、第1の構造が設けられた外面を有し、筐体は第2の構造を有し、第1の構造は、送達部材カバーと筐体との間の相対回転を防止するために、第2の構造と係合するように構成される。
【0022】
一実施形態によれば、第1の構造は軸方向のリブであり、第2の構造は軸方向の通路であるか、または、第1の構造は軸方向の通路であり、第2の構造は軸方向のリブである。
【0023】
一実施形態は、駆動ユニットの相手留め付け構造と係合するように構成される留め付け構造を備える。
【0024】
一実施形態によれば、留め付け構造は、バイオネット接続の一方の部分を形成する、または、ネジ接続の一方の部分を形成する。
【0025】
一例によれば、留め付け構造は筐体の外面に配置される。
【0026】
代替で、カセット部分組立体は、筐体に対して軸方向および回転方向において固定されるように構成される後部材を備えてもよく、留め付け構造は後部材の外面に配置される。
【0027】
一例によれば、係止部材は、第1の螺旋軌道または第1のリブが設けられた外面を有する。駆動ユニットは、この例では、第1の螺旋軌道を走行するように構成される第2のリブ、または、第1のリブを受け入れるように構成される第2の螺旋軌道を備え得る。カセット部分組立体を備えるカセットユニットは、この場合、回転なしで直線的に駆動ユニットに挿入させることができ、第1の螺旋軌道または第1のリブは、第1の位置から第2の位置への係止部材の回転を引き起こすカム構造の一部として作用する。カセット部分組立体を備えるカセットユニットは、この場合、例えば、スナップ留め接続を用いて駆動ユニットと係合するように構成されるスナップ留め構造を備え得る。
【0028】
一実施形態は、筐体に配置され、カセット部分組立体が駆動ユニットに接続されるときに駆動ユニットによって筐体に対する遠位位置から近位位置へと移動されるように構成される薬剤容器保持部を備える。
【0029】
一実施形態によれば、薬剤容器保持部は、径方向外方へ延びる斜面が設けられた外面を有し、筐体は、径方向外方へ延びる斜面に対して近位に配置された径方向内方へ延びる斜面が設けられ、薬剤容器保持部が遠位位置にあるときに径方向外方へ延びる斜面を向く内面を有する。
【0030】
径方向外方へ延びる斜面は、薬剤容器保持部が閾値より大きい近位へ向けた軸方向の力を受けるとき、径方向内方へ延びる斜面を越えて移動するように構成される。
【0031】
第2の態様によれば、第1の態様のカセット部分組立体を備える薬剤送達デバイスのためのカセットユニットが提供される。
【0032】
第3の態様によれば、第2の態様のカセットユニットと、カセットユニットに取り外し可能に接続されるように構成される駆動ユニットとを備える薬剤送達デバイスが提供される。
【0033】
概して、請求項において使用されるすべての用語は、本明細書において他に明示的に定められていない場合、その技術分野における通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つ(a、an)/その部材、装置、構成要素、手段など」へのすべての言及は、他に明示的に述べられていない場合、部材、装置、構成要素、手段などの少なくとも1つの例に言及しているとしてオープンに解釈されるべきである。
【0034】
ここで、本発明の概念の特定の実施形態が、例を用いて、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】薬剤送達デバイスのためのカセットユニットの例の斜視図である。
図2図1におけるカセットユニットの分解図である。
図3】送達部材カバーおよび係止部材の斜視図である。
図4】係止部材および後部材の斜視図である。
図5】薬剤容器保持部が遠位位置にある状態でのカセットユニットの長手方向断面図である。
図6】薬剤容器保持部が近位位置にある状態でのカセットユニットの長手方向断面図である。
図7】係止部材が第1の位置にあるときのカセットユニットの前からの斜視図である。
図8】係止部材が第2の位置にあるときのカセットユニットの斜視図である。
図9】係止部材が第2の位置にあるときのカセットユニットの斜視図である。
図10】筐体、係止部材、および後部材が取り外されており、送達部材カバーが透明で示されている、薬剤送達の後のカセットユニットの斜視図である。
図11】カセット部分組立体が、筐体、係止部材、後部材、およびキャップを備える、本発明のカセット部分組立体の他の例の斜視図である。
図12図11におけるカセットユニットの分解図である。
図13】送達部材カバーおよび係止部材だけが示されている図11の斜視図である。
図14】カセット部分組立体が、筐体、係止部材、および後部材を備える、本発明のカセット部分組立体の他の例の断面図である。
図15】筐体、係止部材、および後部材を伴う、図14に示されているようなカセット部分組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで、本発明の概念が、例示の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以後においてより完全に説明される。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具現化でき、本明細書で述べられている実施形態に限定されるとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的な完全なものとなり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例を用いて提供される。同様の符号は、本記載全体を通じて同様の部材を指す。
【0037】
本開示は、カセットユニットのためのカセット部分組立体に関する。カセットユニットは薬剤送達デバイスのためのものである。
【0038】
カセット部分組立体は、筐体と、筐体において直線的に移動可能である送達部材カバーと、係止部材と、を備える。係止部材は、送達部材カバーに対して第1の位置から第2の位置へと回転させられるように構成される。
【0039】
第1の実施形態において、係止部材は近位を向く径方向表面を有し、送達部材カバーは遠位を向く径方向表面を有し、それら径方向表面は、係止部材が第1の位置にあるとき、互いと軸方向において並べられ、互いを向く。したがって、第1の位置における係止部材は、送達部材カバーの遠位方向における移動を防止する。
【0040】
第2の実施形態において、係止部材は遠位を向く径方向表面を有し、送達部材カバーは近位を向く径方向表面を有し、それら径方向表面は、係止部材が第1の位置にあるとき、互いと軸方向において並べられ、互いを向く。したがって、第1の位置における係止部材は、送達部材カバーの近位方向における移動を防止する。
【0041】
近位を向く径方向表面は、係止部材が第2の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面から周方向においてずれて配置される。したがって、送達部材カバーは、係止部材が第2の位置にあるとき、自由に直線的に移動する。具体的には、第1の実施形態では、送達部材カバーは、係止部材が第2の位置にあるとき、遠位方向において自由に直線的に移動し、第2の実施形態では、送達部材カバーは、係止部材が第2の位置にあるとき、近位方向において自由に直線的に移動する。
【0042】
カセットユニットおよびカセットユニットに機械的に取り外し可能に接続されるように構成される駆動ユニットは、薬剤送達デバイスを形成する。
【0043】
薬剤送達デバイスは、例えば、自動注入装置または手動注入装置であり得る。
【0044】
カセットユニットは、薬剤送達デバイスの前部または近位部を形成することができ、駆動ユニットは、薬剤送達デバイスの後部または遠位部を形成することができる。
【0045】
カセットユニットは使い捨てであってよい。駆動ユニットは再使用可能であってよい。
【0046】
カセットユニットは薬剤容器を保持するように構成される。駆動ユニットは、バネ荷重が掛けられるプランジャロッド、モータ駆動されるプランジャロッド、またはガス駆動されるプランジャロッドなど、機械的手段によって薬剤容器の内容物を空にするように構成される。
【0047】
ここで、カセット部分組立体の例が、主要な例示のカセットユニットの状況において、図1図10を参照して説明される。
【0048】
図1は、薬剤送達デバイスのためのカセットユニット1の例の斜視図を示している。図11は、薬剤送達デバイスのためのカセットユニット1´の他の例の斜視図を示している。
【0049】
カセットユニット1;1´は筐体3を備える。筐体3は、図2および図12に示されている近位筐体端3aと遠位筐体端3bとを有する。筐体3は、近位筐体端3aに配置されている近位開口を有する。
【0050】
カセットユニット1;1´は送達部材カバー5; 5´;5´´を備える。送達部材カバー5;5´;5´´は筐体3に部分的に配置される。送達部材カバー5;5´;5´´は筐体3の近位開口から近位方向に突出する。
【0051】
一例では、送達部材カバー5;5´は筐体3に対して回転方向において係止されるように構成される。送達部材カバー5;5´は、例えば、非円形の断面形状の周部を有する外面を有することができ、断面は、送達部材カバー5;5´の長手方向軸に対して垂直に取られる。筐体3は、対応する非円形の断面形状を有し得る。近位開口は、具体的には、対応する非円形の断面形状を有し得る。
【0052】
代替で、送達部材カバー5´´は、設計に依存して、長手方向軸の周りでの特定の回転角度以内で筐体3に対して回転可能である。
【0053】
代替で、送達部材カバー5;5´;5´´に第1の構造が設けられてもよく、筐体に第2の構造が設けられてもよく、それら第1の構造と第2の構造とは、送達部材カバー5;5´が筐体に対して回転することが完全に防止されるように、または、送達部材カバー5´´が筐体に対して長手方向軸の周りでの特定の回転角度を越えて回転することが防止されるように、互いに対して係合するように構成される。これらの構造のうちの一方は、例えばリブであってよく、他方は、リブと係合するように構成される軸方向通路であってよい。
【0054】
送達部材カバー5;5´;5´´は、筐体3に対して、延長位置から後退位置へと移動可能である。送達部材カバー5;5´;5´´は延長位置に向けて付勢される。
【0055】
送達部材カバー5;5´;5´´は、後退位置から延長位置へと戻るように配置されてもよい。そのため、送達部材カバー5;5´;5´´は、一例によれば、係止させられ、再び後退位置へと移動させることができない。
【0056】
カセットユニット1は係止部材7;7´を備える。係止部材7;7´は、例えば、環状であり得るか、サークリップであり得るか、または半円形状を有し得る。
【0057】
係止部材7;7´は筐体3に対して軸方向において固定される。
【0058】
係止部材7;7´は、送達部材カバー5;5´;5´´に対して回転させられるように構成される。係止部材7;7´は筐体3に対して回転させられるように構成される。
【0059】
係止部材7;7´は、図1図11、および図14図15に示されている第1の位置から、図8に示されている第2の位置まで回転させられるように構成される。第1の位置において、送達部材カバー5;5´;5´´の軸方向移動は係止部材7; 7´によって妨げられる。第2の位置において、送達部材カバー5;5´;5´´の軸方向移動は係止部材7;7´によってもはや妨げられない。第1の実施形態では、第1の位置において、係止部材7は送達部材カバー5が後退位置へと移動するのを妨げる。第2の位置では、送達部材カバー5は、延長位置から後退位置へと移動することが許可される。係止部材7は、第2の位置において、送達部材カバー5が後退位置へと移動するのをもはや妨げない。
【0060】
図13に示されているような第2の実施形態では、第1の位置において、係止部材7´は送達部材カバー5´が延長位置へと移動するのを妨げる。第2の位置では、送達部材カバー5´は、延長位置へと移動することが許可される。係止部材7´は、第2の位置において、送達部材カバー5´が延長位置へと移動するのをもはや妨げない。
【0061】
係止部材が、送達部材カバーが筐体に対して遠位方向と近位方向との両方において軸方向に移動することも防止できることは、留意されるべきである。例えば、周方向の溝が係止部材の壁に配置されてもよい。周方向の溝は、係止部材の前述の近位を向く径方向表面と遠位を向く径方向表面とを定める。送達部材カバーは、係止部材が第1の位置にあるとき、係止部材の周方向の溝の中に位置決めされる突起を備え得る。溝は、送達部材カバーの突起が切り込みを介して溝から出るように移動することができるように、一端に切り込みを備えてもよい。この例では、係止部材が第2の位置にあるとき、送達部材カバーの突起は、送達部材カバーの軸方向移動が係止部材によってもはや妨げられないように、溝から離れる。筐体3、送達部材カバー5;5´、および係止部材7;7´は、カセット部分組立体を形成するか、またはカセット部分組立体の一部を形成する。
【0062】
他の例では、カセットユニット1は、筐体3の内側で軸方向に延びる薬剤容器保持部9;9´を任意選択で備える。薬剤容器保持部9;9´は、注射器などの薬剤容器を保持または収容するように構成される。
【0063】
一例において、最初に、送達部材カバー5が延長位置にあり、係止部材7が第1の位置にあるとき、薬剤容器保持部9は遠位位置で保持される。薬剤容器保持部9は、薬剤容器が閾値より大きい近位へ向けた力を受けるとき、近位方向において軸方向に近位位置へ移動されるように構成される。これは、典型的には、カセットユニット1が駆動ユニットに機械的に接続されるときに行われる。
【0064】
代替で、薬剤容器保持部9´は筐体3に固定され得る、つまり、容器保持部が筐体3に対して軸方向に不動となる。
【0065】
図2および図12は、第1の実施形態および第2の実施形態のそれぞれにおけるカセットユニット1の分解図を示している。例示されている筐体3は、径方向外方へ延びる径方向に柔軟なタブ3dが設けられた遠位へと延びる軸方向筐体脚部3cを備える。
【0066】
送達部材カバー5;5´;5´´は、近位の周方向で閉じた部分5a;5a´´を有する。近位の周方向で閉じた部分5aは、送達部材カバー5;5´の長手方向軸に対して垂直な区域において非円形の断面形状を有し得る。他の例では、送達部材カバー5´´は、図14に示されているように、長手方向軸に対して横断する方向において、近位の周方向で閉じた部分5a´´から延びるフランジ5b´´を備える。好ましい例では、フランジ5b´´は、筐体3に対する遠位方向においての送達部材カバー5´´の移動距離を制限することができるように、筐体3の近位開口の直径より大きい直径を有する。さらに、一例では、送達部材カバー5は、図2に示されているように、単一の構成要素として形成される。代替として、送達部材カバー5´´は、互いに取り付けられる複数の構成要素によって形成される。例えば、送達部材カバー5´´は、図14に示されているように、スナップ留めなどで互いに取り付けられる近位部50´´および遠位部51´´によって形成される。
【0067】
送達部材カバー5;5´;5´´は、近位の周方向で閉じた部分5aから遠位に延びる軸方向に延びる脚部5bを有する。各々の軸方向に延びる脚部5bには、ピンなど、それぞれの径方向内方へ延びる突起5cが設けられる。
【0068】
カセット部分組立体は弾性部材11を備える。弾性部材11は、送達部材カバー5;5´;5´´を延長位置に向けて付勢するように構成される。弾性部材11は、図14に示されているように、コイルバネなどのバネであり得る。
【0069】
注射器などの薬剤容器13が薬剤容器保持部9;9´に配置され得る。薬剤容器13は、停止部14を含む液体容器13aと、二重の縁取りがされた針13bなどの送達部材と、を備え得る。二重の縁取りがされた針13bは、近位の柔軟な管と遠位の柔軟な管とで覆われ得る。図5図6に示されているような一例では、二重の縁取りがされた針13bは、薬剤容器保持部9gが二重の縁取りがされた針13bに対して近位方向に移動するとき、液体容器13aに取り付けられるように構成される。代替で、二重の縁取りがされた針13b´は、図14に示されているように、液体容器13a´の近位端に一体化される。
【0070】
さらに、他の例では、例示されているカセットユニット1は回転部15を備える。回転部15は薬剤容器保持部9の周りに配置される。送達部材カバー5は、例では、回転部15の径方向外側に配置される。回転部15は、螺旋軌道と、周方向において螺旋軌道に隣接して配置される軸方向軌道と、を含む案内構造15aを有する。使用中、送達部材カバー5の各々の径方向内方へ延びる突起5cは、それぞれの案内構造15aと協働するように配置される。送達部材カバー5が延長位置から後退位置へと移動されるとき、径方向内方へ延びる突起5cはそれぞれの螺旋軌道を走行する。これは、送達部材カバー5が筐体3に対して回転において係止されるため、回転部15の回転を引き起こす。送達部材カバー5が延長位置へと戻されるとき、径方向内方へ延びる突起5cは、軸方向軌道のうちのそれぞれ1つにおいて近位の回転部の端に向けて戻るように走行する。軸方向軌道は、送達部材カバー5が近位方向に移動されるとき、径方向内方へ延びる突起5cが通過することができるそれぞれの柔軟要素が設けられる。しかしながら、柔軟要素は、送達部材カバー5が延長位置へと戻った時、送達部材カバー5が後退位置へと戻るように移動するのを防止することになる。したがって、送達部材カバー5は使用の後に延長位置で係止される。
【0071】
好ましい例では、カセット部分組立体は後部材17を備える。後部材17は、環状であり得るか、サークリップであり得るか、または半円形状を有し得る。後部材17は、遠位へ延びる軸方向筐体脚部3cの周りに配置される。筐体3の径方向に柔軟なタブ3dは、後部材17とのスナップ留め接続部と係合するように構成される。したがって、後部材17と筐体3とは、互いに対して軸方向および回転方向において固定される。この例では、薬剤容器は、カセットユニットの製造過程の間、または、カセットユニットの販売業者もしくは患者、薬剤師、および他の介護人などの使用者によってのいずれかで、筐体の遠位端から筐体3に挿入され得る。先に言及された例として、後部材が筐体に取り付けられた独立した構成要素であり得ることは、留意されるべきである。代替で、後部材17は、製造過程の選択に依存して、筐体と一体である。
【0072】
図3は、第1の実施形態の送達部材カバー5;5´´および第1の実施形態の係止部材7の斜視図を示している。例によれば、係止部材7は、送達部材カバー5;5´´の径方向外側に配置されるように構成される。
【0073】
一例では、送達部材カバー5は、1つ以上の軸方向に延びるリブ5dを有する。1つ以上の軸方向に延びるリブ5dは送達部材カバー5の外面に設けられる。この例では、各々の軸方向に延びるリブ5dは軸方向に延びる脚部5bの外面に配置されている。
【0074】
軸方向に延びるリブ5dは、遠位を向く径方向表面5eを形成する遠位端面を有する。
【0075】
係止部材7は棚構造7aを備える。棚構造7aは、それぞれが近位を向く径方向表面7bである1つ以上の径方向棚表面を有する。各々の近位を向く径方向表面7bは、係止部材7の内面から径方向内方へ延びる。
【0076】
係止部材7は、係止部材7の周方向において棚構造7aの隣に配置される遠位へ延びる軸方向通路7cを有する。軸方向通路7cは棚構造7aに対して遠位へ延びる。
【0077】
棚構造7aは、近位を向く径方向表面7bから軸方向に延びる1つ以上の突起または隆起7dを有する。各々の突起7dは、近位を向く径方向表面7bから近位方向に延びる。各々の突起7dは、係止部材7の周方向において、近位を向く径方向表面7bと軸方向通路7cとの間に配置される。1つ以上の突起7dは、送達部材カバーが遠位方向に押される場合、係止部材7が送達部材カバー5に対して回転するのを防止するように構成される。隣接する突起7dの間の周方向の距離は、軸方向に延びるリブ5dをそれらの間で受け入れるのに十分な大きさである。
【0078】
係止部材7が第1の位置にあるとき、軸方向に延びるリブ5dは、近位を向く径方向表面7bまたは突起7dと軸方向で並べられて配置される。したがって、遠位を向く表面5eは、近位を向く径方向表面7bまたは突起の近位に向けられた径方向表面と軸方向で並べられ、近位を向く径方向表面7bまたは突起の近位に向けられた径方向表面を向く。そのため、送達部材カバー5は、延長位置から後退位置へと移動することが防止される。
【0079】
係止部材7が第2の位置にあるとき、軸方向に延びるリブ5dは軸方向通路7cと軸方向で並べられて配置される。軸方向通路7cは、軸方向に延びるリブ5dを受け入れるように構成される周方向の幅寸法を有する。したがって、送達部材カバー5は、この場合、軸方向通路7cが軸方向に延びるリブ5dを受け入れるようにして、後退位置へと移動させることができる。
【0080】
上記の設計の代替として、係止部材の内面に、軸方向に延びるリブが設けられてもよく、送達部材カバーの外面に棚構造および軸方向通路が設けられてもよい。
【0081】
代替で、遠位を向く表面5e´´は、図15に示されているように、送達部材カバー5´´の遠位端によって定められる。この例では、係止部材7には突起7dが配置されない。この例では、係止部材7の棚構造7aは、近位を向く径方向表面7bと軸方向通路7cとを備える。
【0082】
他の代替として、係止部材は、送達部材カバーの径方向内側に配置され得る。この場合、係止部材の外面に棚構造と軸方向通路とが設けられてよく、送達部材の内面には軸方向に延びるリブが設けられてもよい。変形例は、係止部材の外面に軸方向に延びるリブを提供し、送達部材カバーの内面に棚構造および軸方向通路を提供することである。
【0083】
図3に示されている係止部材7は、駆動ユニットにおける対応する凹部と係合するように構成される係止部材の径方向外方へ延びる構造7eが設けられる外面を有する。
【0084】
代替で、図13は、第2の実施形態の送達部材カバー5´および第2の実施形態の係止部材7´の斜視図を示している。例によれば、係止部材7´は、送達部材カバー5´の径方向外側に配置されるように構成される。
【0085】
送達部材カバー5´は1つ以上の突起5d´を有する。1つ以上の突起5d´は送達部材カバー5´の外面に設けられる。この例では、各々の突起5d´は軸方向に延びる脚部5bの外面に配置されている。
【0086】
突起5d´は、近位を向く径方向表面5e´を形成する遠位端面を有する。
【0087】
係止部材7´は棚構造7a´を備える。棚構造7a´は、それぞれが遠位を向く径方向表面7b´である1つ以上の径方向棚表面を有する。各々の遠位を向く径方向表面7b´は、係止部材7´の内面から径方向内方へ延びる。
【0088】
係止部材7´は、係止部材7´の周方向において棚構造7a´の隣に配置される近位へ延びる軸方向通路7c´を有する。軸方向通路7c´は棚構造7a´に対して近位へ延びる。1つの好ましい例では、棚構造7a´は螺旋状に延びる。この例では、遠位を向く径方向表面7b´は、図13に示されているように、螺旋状の表面である。
【0089】
係止部材7´が第1の位置にあるとき、突起5d´は、遠位を向く径方向表面7b´と軸方向で並べられて配置される。したがって、近位を向く表面5e´が遠位を向く径方向表面7b´と軸方向で並べられ、遠位を向く径方向表面7b´を向く。そのため、送達部材カバー5´は、延長位置へと移動することが防止される。
【0090】
係止部材7´が第2の位置にあるとき、突起5d´は軸方向通路7c´と軸方向で並べられて配置される。軸方向通路7c´は、突起5d´を受け入れるように構成される周方向の幅寸法を有する。したがってこの場合、送達部材カバー5´は、軸方向通路7c´が突起5d´を受け入れることで、弾性部材11などによって延長位置へと移動させることができるか、または、使用者によって手動で引っ張ることができる。
【0091】
上記の設計の代替として、係止部材の内面に、突起が設けられてもよく、送達部材カバーの外面に棚構造および軸方向通路が設けられてもよい。
【0092】
他の代替として、係止部材は、送達部材カバーの径方向内側に配置され得る。この場合、係止部材の外面には棚構造と軸方向通路とが設けることができ、送達部材の内面には突起が設けられてもよい。変形例は、係止部材の外面に突起を提供し、送達部材カバーの内面に棚構造および軸方向通路を提供することである。
【0093】
第1の実施形態と同様に、図13に示されている係止部材7´は、駆動ユニットにおける対応する凹部と係合するように構成される係止部材の径方向外方へ延びる構造7eが設けられる外面を有する。
【0094】
図4は係止部材7と後部材17とを示す。後部材17は係止部材7と同軸で配置される。後部材17は係止部材7に対して遠位に配置される。係止部材と後部材との間の相互作用が、例としての第1の実施形態によって以下で詳細に説明されることは、留意されるべきである。しかしながら、カセットユニットが駆動ユニットに接続される前に、係止部材が第1の位置から第2の位置へと回転するのを解放可能に係止するために安全機構を提供するように後部材17が構成されるため、後部材17は、先に言及されているような第1の実施形態と第2の実施形態との両方で使用できる。
【0095】
係止部材7は、(図4および図13に示されているように)軸方向凹部7gが設けられた遠位係止部材端7fを有する。後部材17は、径方向に柔軟な構造17bが設けられた近位後部材端17aを有する。径方向に柔軟な構造17bは、例えば、近位後部材端17aに向かう方向に増加する径方向の寸法を有する楔形とされ得る。各々の径方向に柔軟な構造17bには、係止部材7のそれぞれの軸方向凹部7gによって受け入れられるように構成される軸方向に延びる端タブ17cが設けられ得る。それによって、係止部材7は後部材17に第1の位置で回転方向において固定される。後部材17は筐体3に回転方向および軸方向において固定される。径方向に柔軟な構造17bは、カセットユニット1が駆動ユニットに挿入されて接続されたとき、駆動ユニットにおける開口の内壁によって径方向内方に押される。これは、軸方向に延びるタブ17cを径方向内方へ曲げさせ、それぞれの軸方向凹部7gから係合解除させる。したがって、係止部材7は、第1の位置から第2の位置へと自由に回転するように設定される。
【0096】
後部材17は、駆動ユニットの相手留め付け構造と係合するように構成される留め付け構造17dを備える。留め付け構造17dは、この例では、係止部材7が第1の位置にあるとき、係止部材の径方向外方へ延びる構造7eと軸方向で並べられる後部材の径方向外方へ延びる構造である。後部材の径方向外方へ延びる構造は、バイオネット接続の一方の部分を形成する。バイオネット接続の他方の部分は駆動ユニットに設けられる。
【0097】
カセットユニット1が駆動ユニットに接続されるとき、係止部材7および後部材17を含むカセットユニット1の遠位端は、駆動ユニットの近位開口に挿入される。駆動ユニットの近位開口は、カセットユニット1が駆動ユニットの近位開口に挿入されるとき、留め付け構造17dと係止部材の径方向外方へ延びる構造7eとのそれぞれ1つを受け入れて案内するように構成される径方向凹部が設けられた内面を有する。径方向凹部は、カセットユニット1が駆動ユニットに挿入されたとき、留め付け構造17dが遠位方向における軸方向凹部を越えて軸方向に配置されるように、係止部材の径方向外方へ延びる構造7eの軸方向長さに対応する軸方向長さを有する。カセットユニット1は、この位置にあるとき、駆動ユニットに対して回転させられ得る。係止部材の径方向外方へ延びる構造7eが径方向凹部に配置されるため、係止部材の径方向外方へ延びる構造7eは駆動ユニットに対する固定位置を維持することになり、係止部材7は解放されており、後部材17および筐体3は駆動ユニットおよび係止部材7に対して回転させられる。それによって、カセットユニット1は、バイオネット接続によって駆動ユニットに係止されることになる。係止部材7は、カセットユニット1と、第2の位置に設定された駆動ユニットとの間で回転の最中にある。
【0098】
代替で、係止部材は、近位係止部材端において、径方向に柔軟な構造と軸方向に延びる端タブとが設けられ得る。筐体、具体的には、係止部材に対して近位に向けられて配置された径方向外方へ延びるフランジには、係止部材が第1の位置にあるときに軸方向に延びる端タブを受け入れるように構成される軸方向凹部が設けられてもよい。
【0099】
留め付け構造は、バイオネット接続の一方の部分を形成する代わりに、例えば、ネジ接続の一方の部分を形成することができる。
【0100】
第1の実施形態に戻ると、先に記載されているように、係止部材7の棚構造7aが突起7dを備える一例において、係止部材7の突起7dは、送達部材カバー5に対して係止部材7の回転を防止するように構成される。したがって、使用者が、カセットユニット1を駆動ユニットに挿入し、送達部材カバー5を筐体3に対して遠位方向に押すが、カセットユニット1を駆動ユニットに対してまだ回転させず、次に使用者が送達部材カバー5を押すとき、軸方向に延びるリブ5dは突起7dと径方向で並ぶことになり、それによって、送達部材カバー5に対する係止部材7の回転が妨げられる。送達部材カバー5は、先に記載されているように筐体に回転方向において固定され、それによって、軸方向に延びるリブ5dが突起7dと径方向で並べられるとき、係止部材7は、送達部材カバー5に対して回転することが防止されることになる。先に言及されているように、係止部材7は、駆動ユニットの径方向凹部によって駆動ユニットに対して回端することが防止され、結果として、使用者は駆動ユニットに対してカセットユニットを回転することができなくなる。それによって、使用者は(カセットユニットを駆動ユニットに取り付けることができないことから)指示を得て、カセットが駆動ユニットに適切に取り付けられる前に送達部材カバー5が押されるべきでないことが指示される。
【0101】
図5は、初期のデフォルト状態におけるカセットユニット1の長手方向の区域を示している。薬剤容器保持部9は筐体3に対して遠位位置に配置されている。この場合、液体容器13aを封止する隔膜は無傷である。
【0102】
薬剤容器保持部9は、径方向外方へ延びる斜面9aが設けられた外面を有する。筐体3は、径方向内方へ延びる斜面3eが設けられた内面を有する。径方向内方へ延びる斜面3eは、薬剤容器保持部9が遠位位置にあるとき、径方向外方へ延びる斜面9aに対して近位に配置され、径方向外方へ延びる斜面9aを向く。
【0103】
径方向外方へ延びる斜面9aは、薬剤容器保持部9が閾値より大きい近位へ向けた軸方向の力を受けるとき、径方向内方へ延びる斜面3eを越えて移動するように構成される。したがって、斜面9aおよび3eの構成は、十分に大きい近位へ向けた軸方向の力が薬剤容器保持部9の近位端面に作用するまで、薬剤容器保持部9の近位への移動を防止する。
【0104】
図6では、薬剤容器保持部9は、閾値より大きい近位へ向けた軸方向の力によって、筐体3へと、つまり近位方向へと、さらに奥へ押されている。薬剤容器保持部9はその近位位置に到達している。したがって、液体容器13aも薬剤容器保持部9と共に近位方向に移動している。二重の縁取りがされた針13bの遠位に向けられた針は、遠位の柔軟な管が圧縮され、遠位に向けられた針によって穿孔される結果として、隔膜を穿孔している。
【0105】
薬剤容器保持部9は、カセットユニット1が駆動ユニットに接続されるとき、駆動ユニットに配置されるモータフレームなどの内部構造によって、遠位位置から近位位置へと移動される。
【0106】
図7および図15は、係止部材7が第1の位置にあるときの第1の実施形態のカセットユニット1を示しており、図8図9は、係止部材7が第2の位置にあるときのカセットユニットを示している。図9では、送達部材カバー5の軸方向に延びるリブ5dと係止部材7の軸方向通路7cとの軸方向の並びをより良く示すために、筐体3が取り外されている。
【0107】
図10は、送達部材カバー5が延長位置へと戻ったときの係止状態でのカセットユニット1を示す。回転部15と送達部材カバー5との間の相互作用を示すために、送達部材カバー5は透明にされている。回転部15の柔軟要素15cのうちの1つが、送達部材カバー5が後退位置へと戻るように移動するのを防止するために、径方向内方へ延びる突起5cに対して遠位に配置されて示されている。
【0108】
さらに、他の例では、カセット部分組立体は、図11図12に示されているように、筐体3の近位端3aに取り外し可能に取り付けられるキャップ6を備える。
【0109】
本明細書に記載されているカセット部分組立体およびカセットユニットは、多くの様々な種類の疾患のうちの1つ以上の処置および/または予防のために使用できる。例示の疾患には、限定されることはないが、関節リウマチ、炎症性腸疾患(例えば、クローン病や潰瘍性大腸炎)、高コレステロール血症、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、乾癬、片頭痛、多発性硬化症、貧血、狼瘡、アトピー性皮膚炎、喘息、鼻ポリープ、急性低血糖、肥満、アナフィラキシー、およびアレルギーがある。本明細書に記載されている薬剤送達デバイスに含まれ得る例示の薬物には、(括弧における関連する疾患の非限定的な例によって)限定されることはないが、エタネルセプト(関節リウマチ、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎など))、エボロクマブ(高コレステロール血症)、エクセナチド(2型糖尿病)、セクキヌマブ(乾癬)、エレヌマブ(片頭痛)、アリロクマブ(関節リウマチ)、メトトレキサート(アメトプテリン)(関節リウマチ)、トシリズマブ(関節リウマチ)、インターフェロンベータ-1a(多発性硬化症)、スマトリプタン(片頭痛)、アダリムマブ(関節リウマチ)、ダルベポエチンアルファ(貧血)、ベリムマブ(狼瘡)、ペグインターフェロンベータ-1a´(多発性硬化症)、サリルマブ(関節リウマチ)、セマグルチド(2型糖尿病、肥満)、デュピルマブ(アトピー性皮膚炎、喘息、鼻ポリープ、アレルギー)、グルカゴン(急性低血糖)、エピネフリン(アナフィラキシー)、インスリン(糖尿病)、アトロピン、およびベドリズマブ(炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎))がある。限定されることはないが、例えば、本明細書に列記されている薬剤(または、薬剤の薬学的に許容される塩)、および、薬学的に許容される担体を含む製剤処方といった、本明細書に記載されている任意の薬物を含む製剤処方も、本明細書に記載されている薬剤送達デバイスにおける使用のために検討される。
【0110】
本明細書に列記されている薬剤(または、薬剤の薬学的に許容される塩)を含む製剤処方は、1つ以上の他の活性成分を含み得る、または、存在する唯一の活性成分であり得る。
【0111】
本発明の概念は、いくつかの例を参照して上記で主に説明されている。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上記で開示されているもの以外の他の実施形態が、添付の請求項によって定められているように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
【0112】
本発明のいくつかの態様が、以下の条項によって定められる。
【0113】
1. 薬剤送達デバイスを形成するために駆動ユニットに取り外し可能に接続されるように構成されるカセットユニット(1)のためのカセット部分組立体であって、
近位筐体端(3a)および遠位筐体端(3b)を有する筐体(3)と、
近位筐体端(3a)から突出し、筐体(3)に対して直線的に移動されるように構成される送達部材カバー(5)と、
筐体(3)に対して軸方向において固定されて配置される係止部材(7)であって、送達部材カバー(5)に対して第1の位置から第2の位置まで回転させられるように構成される係止部材(7)と、
を備え、
係止部材(7)は近位を向く径方向表面(7b)を有し、送達部材カバー(5)は遠位を向く径方向表面(5e)を有し、
近位を向く径方向表面(7b)は、係止部材(7)が第1の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面(5e)と軸方向において並べられ、遠位を向く径方向表面(5e)を向き、
近位を向く径方向表面(7b)は、係止部材(7)が第2の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面(5e)に対して周方向においてずれる、カセット部分組立体。
【0114】
2. 係止部材(7)は送達部材カバー(5)の径方向外側に配置される、条項1に記載のカセット部分組立体。
【0115】
3. 係止部材(7)は、環状であるか、止め輪であるか、または半円形状を有する、条項1または2に記載のカセット部分組立体。
【0116】
4. 送達部材カバー(5)は軸方向に延びるリブ(5d)を有し、リブ(5d)の遠位端面が遠位を向く径方向表面(5e)を形成し、係止部材(7)は、近位を向く径方向表面(7b)を形成する棚構造(7a)と、周方向において棚構造(7a)の隣にある遠位に延びる軸方向通路(7c)と、を有し、軸方向通路(7c)は、係止部材(7)が第2の位置にあるとき、リブ(5d)を受け入れるように構成される、条項1から3のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0117】
5. 係止部材(7)は軸方向に延びるリブを有し、リブの近位端面が近位を向く径方向表面を形成し、送達部材カバー(5)は、遠位を向く径方向表面を形成する棚構造と、周方向において棚構造の隣にある近位に延びる軸方向通路と、を有し、軸方向通路は、係止部材(7)が第2の位置にあるとき、リブを受け入れるように構成される、条項1から3のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0118】
6. 棚構造(7a)は、径方向棚表面と、径方向棚表面から軸方向に延びる突起(7d)と、を備え、突起(7d)は、係止部材(7)の周方向において径方向棚表面と軸方向通路(7c)との間に配置される、条項4または5に記載のカセット部分組立体。
【0119】
7. 送達部材カバー(5)は筐体(3)に対して回転方向において係止される、条項1から6のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0120】
8. 送達部材カバー(5)の外面は、非円形の断面形状を有する周部を有し、筐体(3)は、非円形の断面形状に対応する断面形状の内面を有し、断面は、カセット部分組立体の長手方向軸を貫いて取られる、条項7に記載のカセット部分組立体。
【0121】
9. 送達部材カバー(5)は、第1の構造が設けられた外面を有し、筐体は第2の構造を有し、第1の構造は、送達部材カバー(5)と筐体(3)との間の相対回転を防止するために、第2の構造と係合するように構成される、条項7に記載のカセット部分組立体。
【0122】
10. 第1の構造は軸方向のリブであり、第2の構造は軸方向の通路であるか、または、第1の構造は軸方向の通路であり、第2の構造は軸方向のリブである、条項9に記載のカセット部分組立体。
【0123】
11. 駆動ユニットの相手留め付け構造と係合するように構成される留め付け構造(17d)を備える、条項1から10のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0124】
12. 留め付け構造(17d)は、バイオネット接続の一方の部分を形成するか、または、ネジ接続の一方の部分を形成する、条項11に記載のカセット部分組立体。
【0125】
13. 筐体(3)に配置され、カセット部分組立体が駆動ユニットに接続されるときに駆動ユニットによって筐体(3)に対する遠位位置から近位位置へと移動されるように構成される薬剤容器保持部(9)を備える、条項1から12のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0126】
14. 薬剤容器保持部(9)は、径方向外方へ延びる斜面(9a)が設けられた外面を有し、筐体(3)は、径方向外方へ延びる斜面(9a)に対して近位に配置された径方向内方へ延びる斜面(3e)が設けられ、薬剤容器保持部(9)が遠位位置にあるときに径方向外方へ延びる斜面(9a)を向く内面を有する、条項13に記載のカセット部分組立体。
【0127】
15. 条項1から14のいずれか一項に記載のカセット部分組立体を備える、薬剤送達デバイスのためのカセットユニット(1)。
【0128】
16. 薬剤送達デバイスを形成するために駆動ユニットに取り外し可能に接続されるように構成されるカセットユニット(1)のためのカセット部分組立体であって、
近位筐体端(3a)および遠位筐体端(3b)を有する筐体(3)と、
近位筐体端(3a)から突出し、筐体(3)に対して直線的に移動されるように構成される送達部材カバー(5)と、
筐体(3)に対して軸方向において固定されて配置される係止部材(7)であって、送達部材カバーの軸方向移動が係止部材(7)によって妨げられる第1の位置から、送達部材カバーの軸方向移動が係止部材(7)によってもはや妨げられない第2の位置まで、送達部材カバー(5)に対して回転させられるように構成される係止部材(7)と、
係止部材(7)に対して遠位に配置される後部材(17)であって、後部材(17)は、軸方向に延びる端タブ(17c)を伴う径方向に柔軟な構造(17b)が設けられ、係止部材(7)が後部材(17)に対して第1の位置で回転方向において固定されるように、係止部材(7)が第1の位置にあるとき、軸方向に延びる端タブ(17c)は係止部材(7)のそれぞれの軸方向凹部(7g)によって受け入れられる、後部材(17)と、
を備え、
径方向に柔軟な構造(17b)が係止部材(7)の軸方向凹部(7g)から係合解除されるように、径方向に柔軟な構造(17b)は、カセットユニット(1)が駆動ユニットに挿入されて接続されたときに駆動ユニットの内壁によって径方向内方へ押されるように構成される、カセット部分組立体。
【0129】
17. 係止部材(7)は送達部材カバー(5)の径方向外側に配置される、条項16に記載のカセット部分組立体。
【0130】
18. 係止部材(7)は、環状であるか、止め輪であるか、または半円形状を有する、条項16または17に記載のカセット部分組立体。
【0131】
19. 送達部材カバー(5)は筐体(3)に対して回転方向において係止される、条項16から18のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0132】
20. 送達部材カバー(5)の外面は、非円形の断面形状を有する周部を有し、筐体(3)は、非円形の断面形状に対応する断面形状の内面を有し、断面は、カセット部分組立体の長手方向軸を貫いて取られる、条項19に記載のカセット部分組立体。
【0133】
21. 後部材(17)は、駆動ユニットの相手留め付け構造と係合するように構成される留め付け構造(17d)を備える、条項16から20のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0134】
22. 留め付け構造(17d)は、バイオネット接続の一方の部分を形成するか、または、ネジ接続の一方の部分を形成する、条項21に記載のカセット部分組立体。
【0135】
23. 後部材(17)は、径方向に柔軟な構造(17b)が設けられた近位後部材端(17a)を有する、条項16から22のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0136】
24. 径方向に柔軟な構造(17b)は、近位後部材端(17a)に向かう方向に増加する径方向寸法を有する楔形である、条項23に記載のカセット部分組立体。
【0137】
25. 係止部材(7)は近位を向く径方向表面(7b)を有し、送達部材カバー(5)は遠位を向く径方向表面(5e)を有し、近位を向く径方向表面(7b)は、係止部材(7)が第1の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面(5e)と軸方向において並べられ、遠位を向く径方向表面(5e)を向き、
近位を向く径方向表面(7b)は、係止部材(7)が第2の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面(5e)に対して周方向においてずれる、条項16から24のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0138】
26. 係止部材は遠位を向く径方向表面を有し、送達部材カバーは近位を向く径方向表面を有し、近位を向く径方向表面は、係止部材が第1の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面と軸方向において並べられ、遠位を向く径方向表面を向き、近位を向く径方向表面は、係止部材が第2の位置にあるとき、遠位を向く径方向表面に対して周方向においてずれる、条項16から24のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0139】
27. 係止部材の遠位を向く径方向表面は螺旋状の表面である、条項26に記載のカセット部分組立体。
【0140】
28. カセット部分組立体は弾性部材(11)を備え、弾性部材(11)は、送達部材カバー(5)を延長位置に向けて付勢するように構成される、条項16から27のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【0141】
29. 条項16から28のいずれか一項に記載のカセット部分組立体を備える、薬剤送達デバイスのためのカセットユニット(1)。
【0142】
30. 条項29に記載のカセットユニット(1)と、カセットユニット(1)に接続されるように構成される駆動ユニットと、を備える薬剤送達デバイス。
【符号の説明】
【0143】
1、1´ カセットユニット
3 筐体
3a 近位筐体端
3b 遠位筐体端
3c 軸方向筐体脚部
3d タブ
3e 径方向内方へ延びる斜面
5、5´、5´´ 送達部材カバー
5a、5a´´ 近位の周方向で閉じた部分
5b 軸方向に延びる脚部
5b´´ フランジ
5c 径方向内方へ延びる突起
5d 軸方向に延びるリブ
5d´ 突起
5e 遠位を向く径方向表面
5e´ 近位を向く径方向表面
5e´´ 遠位を向く表面
6 キャップ
7、7´ 係止部材
7a、7a´ 棚構造
7b 近位を向く径方向表面
7b´ 遠位を向く径方向表面
7c 遠位へ延びる軸方向通路
7c´ 近位へ延びる軸方向通路
7d 突起、隆起
7e 径方向外方へ延びる構造
7f 遠位係止部材端
7g 軸方向凹部
9、9´ 薬剤容器保持部
9a 径方向外方へ延びる斜面
11 弾性部材
13 薬剤容器
13a、13a´ 液体容器
13b、13b´ 二重の縁取りがされた針
14 停止部
15 回転部
15a 案内構造
15c 柔軟要素
17 後部材
17a 近位後部材端
17b 径方向に柔軟な構造
17c 軸方向に延びる端タブ
17d 留め付け構造
50´´ 近位部
51´´ 遠位部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスを形成するために駆動ユニットに取り外し可能に接続されるように構成されるカセットユニット(1)のためのカセット部分組立体であって、
近位筐体端(3a)および遠位筐体端(3b)を有する筐体(3)と、
前記近位筐体端(3a)から突出し、前記筐体(3)に対して直線的に移動されるように構成される送達部材カバー(5)と、
前記筐体(3)に対して軸方向において固定されて配置される係止部材(7)であって、前記送達部材カバーの軸方向移動が妨げられる第1の位置から、前記送達部材カバーの前記軸方向移動がもはや妨げられない第2の位置まで、前記筐体(3)に対して回転させられるように構成される係止部材(7)と、
前記係止部材(7)に対して遠位に配置される後部材(17)であって、前記後部材(17)には、軸方向に延びる端タブ(17c)を伴う径方向に柔軟な構造(17b)が設けられ、前記係止部材(7)が前記後部材(17)に対して前記第1の位置で回転方向において固定されるように、前記係止部材(7)が前記第1の位置にあるとき、前記軸方向に延びる端タブ(17c)が前記係止部材(7)のそれぞれの軸方向凹部(7g)によって受け入れられる、後部材(17)と、
を備え、
前記径方向に柔軟な構造(17b)が前記係止部材(7)の前記軸方向凹部(7g)から係合解除されるように、前記径方向に柔軟な構造(17b)は、前記カセットユニット(1)が前記駆動ユニットに挿入されて接続されたときに、前記駆動ユニットの内壁によって径方向内方へ押されるように構成される、カセット部分組立体。
【請求項2】
前記係止部材(7)は前記送達部材カバー(5)の径方向外側に配置される、請求項1に記載のカセット部分組立体。
【請求項3】
前記係止部材(7)は、環状であるか、止め輪であるか、または半円形状を有する、請求項1または2に記載のカセット部分組立体。
【請求項4】
前記送達部材カバー(5)は前記筐体(3)に対して回転方向において係止される、請求項1から3のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項5】
前記送達部材カバー(5)の外面は、非円形の断面形状を有する周部を有し、前記筐体(3)は、前記非円形の断面形状に対応する断面形状の内面を有し、前記断面は、前記カセット部分組立体の長手方向軸を貫いて取られる、請求項4に記載のカセット部分組立体。
【請求項6】
前記後部材(17)は、前記駆動ユニットの相手留め付け構造と係合するように構成される留め付け構造(17d)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項7】
前記留め付け構造(17d)は、バイオネット接続の一方の部分を形成するか、または、ネジ接続の一方の部分を形成する、請求項6に記載のカセット部分組立体。
【請求項8】
前記後部材(17)は、前記径方向に柔軟な構造(17b)が設けられた近位後部材端(17a)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項9】
前記径方向に柔軟な構造(17b)は、前記近位後部材端(17a)に向かう方向に増加する径方向寸法を有する楔形である、請求項7に記載のカセット部分組立体。
【請求項10】
前記係止部材(7)は近位を向く径方向表面(7b)を有し、前記送達部材カバー(5)は遠位を向く径方向表面(5e)を有し、前記近位を向く径方向表面(7b)は、前記係止部材(7)が前記第1の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面(5e)と軸方向において並べられ、且つ前記遠位を向く径方向表面(5e)を向き、
前記近位を向く径方向表面(7b)は、前記係止部材(7)が前記第2の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面(5e)に対して周方向においてずれる、請求項1から9のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項11】
前記係止部材は遠位を向く径方向表面を有し、前記送達部材カバーは近位を向く径方向表面を有し、前記近位を向く径方向表面は、前記係止部材が前記第1の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面と軸方向において並べられ、且つ前記遠位を向く径方向表面を向き、前記近位を向く径方向表面は、前記係止部材が前記第2の位置にあるとき、前記遠位を向く径方向表面に対して周方向においてずれる、請求項1から9のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項12】
前記係止部材の前記遠位を向く径方向表面は螺旋状の表面である、請求項11に記載のカセット部分組立体。
【請求項13】
前記カセット部分組立体は弾性部材(11)を備え、前記弾性部材(11)は、前記送達部材カバー(5)を延長位置に向けて付勢するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のカセット部分組立体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のカセット部分組立体を備える、薬剤送達デバイスのためのカセットユニット(1)。
【請求項15】
請求項14に記載のカセットユニット(1)と、前記カセットユニット(1)に接続されるように構成される駆動ユニットと、を備える薬剤送達デバイス。
【国際調査報告】