(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】患者用ホイスト
(51)【国際特許分類】
A61G 7/14 20060101AFI20241108BHJP
B66C 13/12 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A61G7/14
B66C13/12 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533876
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2022083316
(87)【国際公開番号】W WO2023104549
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511070053
【氏名又は名称】アリオ・アイピー・ホールディング・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・クストー-ボワクレール
(72)【発明者】
【氏名】デニス-アレクサンドル・ブルロッテ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・ベランジェ-ブロー
(72)【発明者】
【氏名】マリー-ピア・ゴーデ
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA08
4C040JJ07
(57)【要約】
本発明は、患者用リフト(100)と、患者用リフト(100)の軌道システム(30)内の軌道(31、32、33)の軌道導体(370)と係合するための接触装置(200)と、に関する。接触装置は、軌道システム(30)に移動可能に接続された患者用リフト(100)のホイストトロリー(103)に取り付けられるように適応される。接触装置(200)は、軌道(31、32、33)の軌道導体(370)に対して接点キャリア(240)を弾性的に付勢するように適応された付勢機構(220)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者用リフト(100)の軌道システム(30)内の軌道(31、32、33)の軌道導体(370)と係合するための接触装置(200)であって、前記接触装置(200)は、前記軌道(31、32、33)に移動可能に接続された前記患者用リフト(100)のホイストトロリー(103)に取り付けられるように適応され、前記接触装置(200)は、
前記ホイストトロリー(101)に取り付けられるように適応された取り付けコンソール(280)と、
前記軌道導体(370)と導電性接触するように配置された接点キャリア(240)と、
前記取り付けコンソール(280)に枢動可能に接続されたレバーアーム(290)と、
前記軌道導体(370)と前記接点キャリア(240)との間の導電性接触を提供するために、前記軌道導体(370)に対して前記接点キャリア(240)を弾性的に付勢するように適応された付勢機構(220)と、
を含む、接触装置(200)。
【請求項2】
前記接点キャリア(240)が前記レバーアーム(290)の第1の部分(291)に取り付けられ、前記レバーアーム(290)における反対の第2の部分(292)が前記取り付けコンソール(280)に枢動可能に接続され、前記第2の部分(292)が、前記接点キャリア(240)を前記軌道導体(370)と導電性接触させるために、前記付勢機構(220)にさらに接続される、請求項1に記載の接触装置(200)。
【請求項3】
前記レバーアーム(290)が、前記軌道導体(370)に平行な方向に延びるように配置され、前記軌道導体(370)に直角に延びる枢動軸(P)回りに枢動可能である、請求項1または2に記載の接触装置(200)。
【請求項4】
前記レバーアーム(290)が、枢動ピン(272)によって前記取り付けコンソール(280)に枢動可能に取り付けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の接触装置(200)。
【請求項5】
前記枢動ピン(272)の第1の端部が、前記取り付けコンソール(280)のベアリング(274)内に回転可能に配置され、前記枢動ピン(272)の第2の端部が、前記枢動軸(P)に対する前記レバーアーム(290)の傾斜運動を可能にするように配置された前記取り付けコンソール(280)の案内スロット(282)内に配置され、前記付勢機構(220)が、前記傾斜運動に逆らって前記レバーアーム(290)を付勢するように配置される、請求項4に記載の接触装置(200)。
【請求項6】
前記付勢機構(220)のばね(221)が、前記レバーアーム(290)に平行な方向に少なくとも部分的に延びるように配置され、前記ばね(221)が、前記レバーアーム(290)の前記第1の部分(291)に配置された前記レバーアーム(290)の取り付けショルダ(273)と前記取り付けコンソール(280)のリップ(261)とを接続し、前記ばね(221)が、前記傾斜運動に逆らって前記レバーアーム(290)を付勢するように配置される、請求項5に記載の接触装置(200)。
【請求項7】
前記ばね(221)が、前記枢動ピン(272)の前記第2の部分(292)に近接して配置される、請求項6に記載の接触装置(200)。
【請求項8】
前記軌道(31、32、33)と係合するための案内車輪(251)をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の接触装置(200)。
【請求項9】
上昇位置と下降位置との間で作動可能な電動式リフト部材(121)を含むホイスト(101)と、
第1の軌道部(310)および第2の軌道部(320)を含む軌道システム(30)であって、前記第1の軌道部(310)が軌道導体(370)を含み、前記軌道導体(370)が前記第1の軌道部(310)に沿って延びる、軌道システム(30)と、
前記ホイスト(101)に取り付けられ、前記軌道システム(30)に移動可能に接続されたホイストトロリー(103)であって、前記第1の軌道部(310)および前記第2の軌道部(320)が、前記第1の軌道部(310)と前記第2の軌道部(320)との間での前記ホイストトロリー(103)の移行に対応するために整列可能であるかまたは整列される、ホイストトロリー(103)と、
前記ホイストトロリー(103)に取り付けられた接触装置(200)であって、前記接触装置(200)が、前記第1の軌道部(310)の前記軌道導体(370)と導電性接触するように配置された接点キャリア(240)と付勢機構(220)とを含み、前記付勢機構(220)が、前記軌道導体(370)と前記接点キャリア(240)との間の導電性接触を提供するために前記軌道導体(370)に対して前記接点キャリア(240)を弾性的に付勢するように適応される、接触装置(200)と、
案内機構(390)であって、前記ホイストトロリー(103)が前記第1の軌道部(310)から前記第2の軌道部(320)に延びる方向に移動して前記接点キャリア(240)が前記案内機構(390)と係合するときに、前記第1の軌道部(310)の前記軌道導体(370)との接触が外れるように、前記接点キャリア(240)と係合して前記接点キャリア(240)を移動させるように配置された、案内機構(390)と、
を含む、患者用リフト(100)。
【請求項10】
前記第2の軌道部(320)が、前記第2の軌道部(320)に沿って延びる軌道導体(370)を含み、前記接点キャリア(240)が前記軌道導体(370)と導電性接触するように配置され、前記付勢機構(220)が、前記軌道導体(370)と前記接点キャリア(240)との間の導電性接触を提供するために前記軌道導体(370)に対して前記接点キャリア(240)を弾性的に付勢するように適応される、請求項9に記載の患者用リフト(100)。
【請求項11】
前記案内機構(390)は、前記ホイストトロリー(103)が前記第1の軌道部(310)から前記第2の軌道部(320)に延びる前記方向に前記第2の軌道部(320)に沿って移動して前記ホイストトロリー(103)が前記第2の軌道部(320)に移行した後、前記第2の軌道部(320)の前記軌道導体(370)と接触するように前記接点キャリア(240)を案内するように配置される、請求項10に記載の患者用リフト(100)。
【請求項12】
前記案内機構(390)は、前記ホイストトロリー(103)が前記第2の軌道部(320)から前記第1の軌道部(310)に延びる方向に移動して前記接点キャリア(240)が前記案内機構(390)と係合するときに、前記第2の軌道部(320)の前記軌道導体(370)との接触が外れるように前記接点キャリア(240)と係合して前記接点キャリア(240)を移動させるように配置される、請求項10または11に記載の患者用リフト(100)。
【請求項13】
前記案内機構(390)は、前記ホイストトロリー(103)が前記第2の軌道部(320)から前記第1の軌道部(310)に延びる方向に前記第1の軌道部(310)に沿って移動して前記ホイストトロリー(103)が前記第1の軌道部(310)に移行した後、前記第1の軌道部(310)の前記軌道導体(370)と接触するように前記接点キャリア(240)を案内するように配置される、請求項12に記載の患者用リフト(100)。
【請求項14】
前記案内機構(390)が、前記第1の軌道部(310)および前記第2の軌道部(320)に沿って延びる案内要素(395)を含み、前記案内要素(395)が、前記第1の軌道部(310)から前記案内要素(395)の主部(392、394)への前記接点キャリア(240)の遷移を提供するために、前記第1の軌道部(310)の前記軌道導体(370)と交差するように配置された第1の係合部(391)を形成する、請求項9から13のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項15】
前記案内要素(395)が、前記第2の軌道部(320)から前記案内要素(395)の前記主部(392、394)への前記接点キャリア(240)の遷移を提供するために、前記第2の軌道部(320)の前記軌道導体(370)と交差するように配置される第2の係合部(393)を形成する、請求項14に記載の患者用リフト(100)。
【請求項16】
前記接触装置(200)が、前記ホイストトロリー(101)に取り付けられるように適応された取り付けコンソール(280)と前記取り付けコンソール(280)に枢動可能に接続されたレバーアーム(290)とを含み、前記付勢機構(220)が、前記軌道導体(370)と前記接点キャリア(240)との間の導電性接触を提供するために前記軌道導体(370)に対して前記接点キャリア(240)を弾性的に付勢するように適応され、前記付勢機構(220)が、前記レバーアーム(220)および前記取り付けコンソール(280)を弾性的に接続する、請求項9から15のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項17】
第1の接触装置(200)と第2の接触装置(200)とを含み、それによって、前記第1の軌道部(310)および第2の軌道部(320)のいずれか1つまたは各々が第1の軌道導体および第2の軌道導体(370)を設けられ、前記第1の接触装置(200)の前記接点キャリア(240)は、前記第1の軌道導体(370)と導電性接触するように配置され、前記第2の接触装置(200)の前記接点キャリア(240)は、前記第2の軌道導体(370)と導電性接触するように配置される、請求項9から16のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項18】
前記第1の軌道部(310)が第1の軌道(31)によって形成され、前記第2の軌道部(320)が第2の軌道(32)によって形成され、前記第1の軌道(31)および前記第2の軌道(32)が、前記第1の軌道(31)および前記第2の軌道(32)の間での前記ホイストトロリー(103)の移行に対応する合流点を形成するように整列可能であるかまたは整列され、前記案内機構(390)が、前記ホイストトロリー(103)が前記第1の軌道(31)から前記第2の軌道(32)に延びる方向に移動して前記接点キャリア(240)が前記合流点に接近するときに、前記第1の軌道(31)の前記軌道導体(370)との接触が外れるように、前記接点キャリア(240)と係合して前記接点キャリア(240)を移動させるように配置される、請求項9から17のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項19】
前記第1の軌道(31)および前記第2の軌道(32)のうちの一方が固定軌道であり、他方が可動軌道である、請求項18に記載の患者用リフト(100)。
【請求項20】
前記可動軌道が、前記固定軌道に対して並進移動可能および/または回転移動可能である、請求項19に記載の患者用リフト(100)。
【請求項21】
前記第1の軌道部(310)および前記第2の軌道部(320)が、単一の軌道の直列に配置されたセクションとして形成される、請求項9から20のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項22】
バッテリユニット(92)と前記接触装置(200)との間の電力伝達のために前記接触装置(200)に電気的に接続された前記バッテリユニット(92)をさらに含む、請求項9から21のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項23】
前記軌道システム(30)に沿って前記ホイストトロリー(103)を駆動するように適応された駆動システム(95)と、前記駆動システム(95)に動作可能に接続され、前記駆動システム(95)を制御するように構成された制御ユニット(90)と、をさらに含む、請求項9から22のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項24】
前記バッテリユニット(92)が前記駆動システム(95)に電気的に接続され、前記バッテリユニット(92)が、前記駆動システム(95)に電力供給するように構成され、前記接点キャリア(240)に電気的に接続され、前記制御ユニット(90)は、前記接点キャリア(240)が軌道導体と導電性接触していないことに応答して、前記駆動システム(95)が前記バッテリユニット(92)単独によって電力供給されるバッテリ電力供給モードに切り替わるように構成される、請求項22を引用する請求項23に記載の患者用リフト(100)。
【請求項25】
前記バッテリユニット(92)が、前記接触装置(200)を介して前記第1の軌道部(310)および/または前記第2の軌道部(320)の前記軌道導体(370)に電気的に接続された少なくとも1つの電気構成要素に電力を伝達し、それによって前記少なくとも1つの電気構成要素に電力供給するように構成される、請求項22から24のいずれか一項に記載の患者用リフト(100)。
【請求項26】
前記少なくとも1つの電気構成要素が、前記第1の軌道部(310)および前記第2の軌道部(320)に対する前記接触装置(200)の位置および/または前記ホイストトロリー(103)の通過を検出するように構成された起動スイッチ(78、79)と、前記第1の軌道部(310)または前記第2の軌道部(320)の移動を駆動するように構成された軌道駆動装置(752)と、前記軌道駆動装置(752)の動作を制御するように構成された軌道操作制御ユニット(751)と、のうちの任意の1つである、請求項25に記載の患者用リフト(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者用リフトのための接触装置および患者用リフトに関する。
【背景技術】
【0002】
天井取り付け軌道または他の軌道に乗るホイストが、通常、人々および/または機器を別の領域に(たとえば、ベッドから浴室に)搬送するために、病院および他のケアセンターにおいて、ならびに運動障害のある人々の家庭において使用される。そのようなホイストの例は、たとえば、特許文献1および2において提供される。
【0003】
そのようなホイストは、通常電気動力式であり、それらは、手動駆動トロリー、またはそれらの軌道に沿ったホイストの駆動を支援するためにトロリー自体が電気的に駆動されるトロリーを介して軌道に乗り得る。電力は、軌道に沿ってホイストを追尾する細長い柔軟なケーブルを介してホイストに供給され得るが、これらは、ホイストが長い距離を進む場合に必要なケーブルの長さのため、ならびにケーブルのたるみおよび懸垂ケーブルを回避しようとするために、困難を引き起こす可能性がある。また、再充電可能バッテリによって電力を供給されるホイストが開発されており、バッテリは、ホイストが軌道の端部付近のドッキング位置に(または軌道に沿ったいくつかのドッキング位置のうちの任意の一か所に)設置されるときに再充電される。これらはまた、ユーザが、使用後にホイストをそれらのドッキング位置に戻してセットすることを忘れてバッテリ切れをもたらし、バッテリが再充電されるまでホイストが動作しないことが多いという困難を引き起こす(それはユーザに困難をもたらし得る)。一部のホイストは、使用していないときにそれらのトロリーが自動的にホイストを充電スタンドまで駆動し、それによって、それらのバッテリが充電状態にあることをより確実にするという機能を有する。
【0004】
しかしながら、そのような「充電器への帰還」機能は、物体(カーテン、IV機器、モニタなど)がホイストの帰還経路を遮るときに妨害されることがある。加えて、充電器への帰還機能は、ホイストが乗る軌道がそれ自体別の軌道に乗る(たとえば、1つの方向に沿って整列された第1の軌道が、第1の軌道と垂直に向けられた第2の軌道に移動可能である)、特許文献1に示されるような「移動軌道」システムでは、容易に実装され得ない。そのようなシステムでは、ホイストは、(たとえば、平面に関して)様々な方向に移動することができるが、ホイストとホイストが乗る軌道との両方を、充電スタンドに確実に戻らせるための安価で確実な構成を考案することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7237491号明細書
【特許文献2】国際公開第88/09159号
【特許文献3】米国特許第8701226号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのような課題に対処するために、導電性の軌道が、電力を連続的に供給するために実装され得る。そのような解決策は、軌道の輪郭に追従し、軌道に沿って伸びる導体に対して付勢され、それによりホイストのトロリーが軌道に沿って移動する間に導電性接触を確実にする、付勢された接点キャリアを有する患者用ホイストを記述した特許文献3において提供される。しかしながら、発明者らは、この分野には依然として改善の余地があることを確認した。たとえば、軌道システムは、固定または可動の複数の相互接続された軌道セクションを含み得る。導電性接触のために利用される接点ブラシは、しばしば脆弱で、摩耗および破れの影響を受けやすく、従って、軌道セクション間の隙間および接合に起因する損傷の影響を受けやすい。従って、複数の相互接続セクションを含む軌道システムにおいても、連続充電に対して、より堅牢で適切な患者用リフトシステムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、患者用リフトの軌道システム内の軌道の軌道導体と係合するための接触装置が提供される。接触装置は、軌道に移動可能に接続された患者用リフトのホイストトロリーに取り付けられるように適応される。
【0008】
接触装置は、ホイストトロリーに取り付けられるように適応された取り付けコンソールと、軌道導体と導電性接触するように配置された接点キャリアと、を含む。接触装置は、取り付けコンソールに枢動可能に接続されたレバーアームと、付勢機構と、をさらに含む。付勢機構は、軌道導体と接点キャリアとの間の導電性接触を提供するために、軌道導体に対して接点キャリアを弾性的に付勢するように適応される。
【0009】
一態様によれば、患者用リフトが提供される。患者用リフトは、上昇位置と下降位置との間で作動可能な電動式リフト部材(electrically-actuated lifting member)を含むホイストを含む。患者用リフトは、第1の軌道部と第2の軌道部とを含む軌道システムを含む。第1の軌道部は、軌道導体を含む。軌道導体は、第1の軌道部に沿って延びる。
【0010】
患者用リフトは、ホイストに取り付けられ、軌道システムに移動可能に接続されたホイストトロリーをさらに含む。第1の軌道部および第2の軌道部は、前記第1の軌道部と第2の軌道部との間でのホイストトロリーの移行に対応するように整列されるかまたは整列可能である。
【0011】
患者用リフトは、ホイストトロリーに取り付けられた接触装置をさらに含む。接触装置は、第1の軌道部の軌道導体と導電性接触するように配置された接点キャリアと、付勢機構と、を含む。付勢機構は、前記軌道導体と接点キャリアとの間の導電性接触を提供するために、軌道導体に対して接点キャリアを弾性的に付勢するように適応される。
【0012】
患者用リフトは、案内機構をさらに含む。案内機構は、前記ホイストトロリーが第1の軌道部から第2の軌道部に延びる方向に移動して接点キャリアが案内機構と係合するときに、第1の軌道部の軌道導体との接触が外れるように、接点キャリアと係合して前記接点キャリアを移動させるように配置される。
【0013】
一態様によれば、患者用リフトが提供される。患者用リフトは、ホイストを含む。ホイストは、上昇位置と下降位置との間で作動可能な電動式リフト部材を含む。さらに、患者用リフトは、軌道システムとホイストトロリーとを含む。
【0014】
軌道システムは、第1の軌道と第2の軌道とを含み、第1の軌道と第2の軌道との各々は、それぞれ、第1の軌道および第2の軌道に沿って延びる軌道導体を含む。ホイストトロリーはホイストに取り付けられ、軌道システムに移動可能に接続される。第1の軌道および第2の軌道は、前記第1の軌道と第2の軌道との間でのホイストトロリーの移行に対応する合流点を形成するように整列可能であるかまたは整列される。
【0015】
患者用リフトは、ホイストトロリーに取り付けられた接触装置をさらに含む。接触装置は、第1の軌道および第2の軌道の軌道導体と導電性接触するように配置された接点キャリアと、付勢機構と、を含む。付勢機構は、軌道導体と接点キャリアとの間の導電性接触を提供するために、軌道導体に対して接点キャリアを弾性的に付勢するように適応される。
【0016】
加えて、患者用リフトは、案内機構を含む。案内機構は、合流点に配置される。案内機構は、ホイストトロリーが第1の軌道から第2の軌道に延びる方向に移動して接点キャリアが合流点に接近するときに、第1の軌道の軌道導体との接触が外れるように、接点キャリアと係合して前記接点キャリアを移動させるように配置される。
【0017】
本発明のさらなる目的および特徴は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0018】
本発明は、添付の図を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態による患者用リフトのためのホイストトロリーの斜視図である。
【
図2】一実施形態による患者用リフトシステムのための軌道システムの斜視図である。
【
図3】患者用リフトシステムのための軌道システムの軌道および回転機構の斜視図である。
【
図4】患者用リフトの軌道システムの軌道の一部を示す図である。
【
図5】患者用リフトの構成要素の概略ブロック図である。
【
図6】一実施形態による患者用リフトの懸架構造の正面図である。
【
図7】一実施形態による患者用リフトの接触装置の正面図である。
【
図8】一実施形態による患者用リフトの接触装置の側面図である。
【
図9】一実施形態による患者用リフトの案内機構および軌道システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、本発明による患者用リフト100の態様が示される。患者用リフト100は、上昇位置と下降位置との間、すなわち少なくとも1つの上昇位置および下降位置の間で移動可能(作動可能)な電動式リフト部材121を有するホイスト101を含む。
図1では、リフト部材121は、ハーネスバーに接続するためのコネクタとして示されており、他の実施形態では、リフト部材は、スリング、バスケットなどの形態であり得る。
【0021】
患者用リフト100は、ホイストトロリー103をさらに含む。ホイストトロリー103は、ホイストを異なる場所に移送するためにホイスト101に取り付けられる。ホイストトロリー103は、軌道システムに沿って動くように適応される。ホイストトロリーは、軌道システムに沿って走行するために、車輪、または磁気浮揚滑動部材などの滑動部材を設けられ得る。
【0022】
図1に示されるホイストトロリー103は、4つの車輪123、124が軌道システムに沿ってホイストトロリー103を駆動するタイプであるものと示され、車輪123、124は、ホイスト101の上または中に置かれた適切な駆動システムによって駆動される。しかしながら、任意の数の駆動車輪(またはピニオンもしくは他の駆動機構)が代わりに使用され得ることを理解されたい。ホイストトロリーは、車輪123、124によって駆動されるのではなく、ベルト、ケーブル、または他の駆動部によって軌道に沿って駆動され得ることも可能である。
【0023】
図2は、例示的な軌道システム30を示す。軌道システム30は、複数の軌道31、32、33、37、38を含む。たとえば、軌道システム30は、第1の軌道31と第2の軌道32とを含み得る。第1の軌道31および第2の軌道32は、合流点を形成するように整列可能であるかまたは整列され得る。合流点は、第1の軌道と第2の軌道との間のホイストトロリーの移行に対応する。本明細書において整列可能または整列されるという用語は、第1の軌道および第2の軌道の少なくとも一方が、第1の軌道と第2の軌道との間をホイストトロリーが移動することを可能にする合流点を形成するために、整列状態に移行されるまたは整列状態に固定的に配置されることを指す。その結果、第1の軌道および第2の軌道は、第1の軌道および第2の軌道によってそれぞれ形成された第1の部分および第2の部分を有する連続軌道を、少なくとも整列された状態において形成するように配置され、前記第1の部分および前記第2の部分は合流点によって分離される。従って、合流点は、前記第1の軌道および前記第2の軌道が整列された状態にあるとき、第1の軌道および第2の軌道の間にインターフェースを構成する。
【0024】
言い換えれば、ホイストトロリーがそれに沿って移動可能な第1の軌道31および第2の軌道32の延在は、共通の方向に沿って延びるように整列されるかまたは整列可能であり、それにより、ホイストトロリーは前記第1の軌道および前記第2の軌道の間を通過し得、前記軌道の端部は互いに向き合い、第1の軌道31および第2の軌道32のそれぞれの延在に垂直な平面内に配置される。
【0025】
従って、合流点は、ゲートと見なされ得る。
図9でさらに説明されるように、軌道は、ホイストの連続的な充電および電力供給のための機能を含み得る。その結果、軌道システム30の軌道または少なくとも第1の軌道31および第2の軌道32は、それぞれ、前記第1の軌道31および前記第2の軌道32のそれぞれに沿って延びる軌道導体を含み得る。
【0026】
ホイストトロリーは、固定軌道システムと移動軌道システムとの両方において実装され得る。たとえば、第1の軌道および第2の軌道は、互いに対して移動可能であり得、それによって、第1の軌道および第2の軌道は、合流点を形成するように整列可能である。代替的に、第1の軌道および第2の軌道は、互いに対して固定されて、整列状態に固定的に配置され得る。従って、第1の軌道および第2の軌道は、合流点を形成するように整列され得る。
【0027】
一実施形態では、第1の軌道31および第2の軌道32のうちの一方は固定軌道であり、他方は可動軌道である。一実施形態では、可動軌道は、固定軌道に対して並進しておよび/または回転して移動可能であり得る。
【0028】
図2に示される軌道システム30は、移動軌道システムである。軌道システム30は、ホイストトロリーを受けるための軌道の第1のセットと、軌道の第1のセットを懸架する、望ましくは移動可能に懸架するための軌道の第2のセットと、を含み得る。軌道の第1のセットはホイスト軌道であり、軌道の第2のセットは懸架軌道であり得る。軌道の第1のセットは軌道の下部セットであり、軌道の第2のセットは軌道の上部セットであり得る。
【0029】
軌道システムは、第1の軌道31を含む。第1の軌道31は固定軌道であり、ゲート軌道と見なされ得る。第1の軌道は、ホイスト軌道のセットの一部を形成し得る。第1の軌道31は、第2の軌道32と一緒に合流点を形成し得る。第2の軌道32は、ホイスト軌道のセットの一部を形成し得る。第3の軌道33は、ホイスト軌道のセットの一部を形成し得る。第2の軌道および/または第3の軌道は、第1の軌道と整列して前記合流点を形成するために移動可能であり得る。その結果、第1の軌道、第2の軌道および第3の軌道は、軌道システムのホイスト軌道のセットの中に含まれ得る。
【0030】
第1の軌道31は、第3の軌道33と一緒に、第2の軌道32と同様の方式で合流点を形成し得る。第2の軌道32および/または第3の軌道33は、第1の軌道31に対して移動可能であり得る。
【0031】
第1の軌道31は、固定構造39によって固定的に取り付けられ得る。たとえば、固定構造は、天井、または懸架軌道のセットの軌道の1つに固定的に取り付けられ得る。
【0032】
さらに
図2を参照すると、ホイストトロリーは、ホイスト軌道のセットと電気的につながり、従って、ホイスト軌道の前記セットに電気的に接続され得る。ホイスト軌道のセットは、ホイストトロリーを支持し得る。ホイスト軌道の前記セットは、懸架軌道のセットに乗り得る。
【0033】
前記
図2に示されるように、ホイスト軌道のセットの軌道の少なくとも1つは、ホイスト軌道のセットの軌道の前記少なくとも1つの移動を可能にするために、懸架軌道のセットに移動可能に接続され得る。
【0034】
懸架軌道のセットは、第1の懸架軌道37と第2の懸架軌道38とを含み得る。図示のように、第2の軌道32は、第1の懸架軌道37に移動可能に接続される。第3の軌道33は、第2の懸架軌道38に移動可能に接続される。第2の軌道および/または第3の軌道は、第1の懸架軌道37および第2の懸架軌道のそれぞれに沿って前記第2の軌道および第3の軌道の並進運動を可能にするように移動可能に接続され得る。
【0035】
図示の軌道システムでは、第1の軌道31は固定軌道であり、第2の軌道32および第3の軌道33は、前記第1の軌道31に対して並進移動可能である。従って、第2の軌道32および第3の軌道33は、第1の懸架軌道37および第2の懸架軌道38のそれぞれに沿って並進移動可能である。
【0036】
第2の軌道および第3の軌道は、前記懸架軌道内で前記第2の軌道および前記第3の軌道を懸架する懸架軌道内に配置された案内部を有する。案内部は、さらに、第2の軌道32および第3の軌道33のそれぞれの並進運動を可能にするために、前記懸架軌道に沿って移動可能である。
【0037】
懸架軌道のセットの軌道は、ホイスト軌道のセットの軌道の軌道導体と電気的につながる懸架軌道導体(たとえば、
図4を参照しながらさらに説明されるような軌道導体)を含み得る。たとえば、ホイスト軌道のセットの第2の軌道および第3の軌道は、懸架軌道のセットの対応する軌道の軌道導体と導電性でつながる固定接点キャリアを設けられ得る。懸架軌道導体は、電源(図示されず)に接続され得る。従って、電源は、懸架軌道のセットの懸架軌道導体、ホイスト軌道の接点キャリア、ホイスト軌道の軌道導体、および最後にホイストトロリーに取り付けられた接触装置の接点キャリアに、従ってホイストに、次々に電力を供給する。
【0038】
代替実施形態では、懸架軌道のセットの軌道は、電源に接続された電気配線を設けられ得る。前記電気配線は、懸架軌道のセットの前記軌道に移動可能に接続されたホイスト軌道のセットの軌道の電力端子に接続され得る。電力端子は、次に、ホイスト軌道のセットの軌道の軌道導体に接続されて、電力をそこに伝達し得る。その結果、電力は、配線接続によって懸架軌道のセットからホイスト軌道のセットに、すなわちホイスト軌道のセットの軌道の軌道導体に、伝達され得る。電力はまた、配線接続によって、ホイスト軌道のセットから、すなわちホイスト軌道のセットの軌道の軌道導体から、懸架軌道のセットに伝達され得る。従って、配線接続は、さらに、懸架軌道のセットに接続された付属品および/または電気構成要素に接続され得る。
【0039】
軌道システムの軌道は、軌道操作ユニット75を設けられ得る。軌道操作ユニットは、軌道の機能を操作するための電気的および機械的手段を含み得る。たとえば、軌道操作ユニット75は、軌道、すなわち可動軌道の運動を駆動するように構成された軌道駆動装置と、軌道の機能を制御するように構成された軌道操作制御ユニットと、を含み得る。軌道操作制御ユニットは、前記軌道駆動装置を制御するように構成され得る。軌道駆動装置は、懸架軌道のセットの懸架軌道に沿ってホイスト軌道のセットの可動軌道を駆動するために懸架軌道と係合している車輪または歯車などの被駆動部材に機械的に接続され得る。
【0040】
軌道システムの軌道はまた、1つまたは複数の起動スイッチ78、79を設けられ得る。起動スイッチは、ホイスト軌道と係合している接触装置の位置および/または移行を検出するように構成される。代替的または付加的に、起動スイッチは、ホイストトロリーの通過を検出するように構成され得る。1つまたは複数の起動スイッチは、軌道操作ユニット75に動作可能に接続され得る。
【0041】
たとえば、ホイスト軌道は、軌道上のホイストトロリーの両方向からの移行を検出するための第1の起動スイッチ78と第2の起動スイッチ79とを含み得る。軌道と係合するホイストトロリーを検出すると、軌道操作制御ユニットは、反応して、駆動部を起動して軌道の移動を可能にし得る。ホイストトロリーがまもなく軌道を離れることに応答して、軌道操作制御ユニットは、軌道駆動装置を移動させて軌道を隣接する軌道と整列して固定させ、前記隣接する軌道への移行を可能にし得る。
【0042】
図3は、第1の軌道に対して回転移動可能な第2の軌道32を示す。第1の軌道31に対する第2の軌道および/または第3の軌道の回転運動を可能にするために、第2の軌道32および/または第3の軌道33は、回転機構71に取り付けられ得る。軌道間の追加の相対運動を可能にする一実施形態では、第2の軌道32および/または第3の軌道33が、前記回転機構71を介して第1の懸架軌道37および第2の懸架軌道38に取り付けられ得る。そのような実施形態では、可動軌道は、固定軌道に対して並進移動可能でありかつ回転移動可能である。
【0043】
回転機構71は、ターンテーブルの形態であり得る。回転機構は、第1の部分711と、前記第1の部分711に回転可能に取り付けられた第2の部分712と、を含む。軌道32は、第2の部分712に取り付けられる。回転機構71は、第2の部分712の回転運動を駆動するための回転駆動ユニットをさらに含み得る。動作中、ホイストトロリーは、回転機構に取り付けられた軌道に沿った位置に駆動され、それによって、回転機構は起動時に第2の部分を回転させ、それにより、軌道を、隣接する軌道と整列される新しい位置まで回転させて、前記隣接する軌道への移行に対応する。
【0044】
図2を参照しながら説明されたように、
図3に示される第2の軌道32は、軌道操作ユニットを設けられ得、それによって、上記で説明された回転ユニットは、
図2を参照しながら説明された軌道駆動装置と見なされ得る。
図3に示されるように、回転機構は、
図2における軌道に従って、起動スイッチ78を設けられ得る。
【0045】
図4は、軌道システム30の軌道の一部を示す。軌道は、軌道に沿って延びる軌道導体370を含む。望ましくは、軌道は、前記軌道に沿ってそれぞれ延びる第1の軌道導体および第2の軌道導体370を含む。図示のように、第1の軌道導体および/または第2の軌道導体370は、内側に向いており、従って、軌道31、32の中心に向いている。従って、機能構成要素は、軌道内に配置され得、より空間効率のよい患者用リフトを可能にする。
【0046】
軌道31、32は、対向して離隔された軌道側面306、307を有し得、それらの各々は、少なくとも実質的に水平に方向付けられる細長い軌道床面312、313と、軌道床面312、313から上方に延びる細長い軌道壁316、317と、を有する。
【0047】
望ましくは、軌道31、32は、第1の軌道導体および第2の軌道導体370を設けられる。
図4に示されるように、軌道側面306、307の各々は、軌道導体370を設けられ得る。軌道導体370は、そのリフト部材の作動を可能にするために電力をホイスト101に伝達することを意図される。
【0048】
軌道導体370の容易な維持管理を支援するために、それらは、望ましくは、軌道側面306、307内に容易に設置可能でかつ取り外し可能な細長い一片として設けられる。
【0049】
図に示される例示的な患者用リフト100では、軌道導体370は、軌道側面306、307の軌道床面312、313の対向端部上に設けられる。ホイストトロリー103の少なくとも一部は、ホイストトロリー103が軌道31、32に沿って回転するかまたは駆動されることを可能にする車輪、ピニオン、または他の駆動部材を用いて軌道側面306と307との間に乗る。望ましくは、ホイストトロリーの懸架構造は、軌道側面間の軌道に沿って移動可能であるように配置される。懸架構造は、
図5を参照しながらさらに説明される。
【0050】
図を通して示される例示的な軌道31、32は、反対の方向に面するそれらの口と接合される一対のCチャネルのように構成される。
【0051】
一実施形態では、軌道31、32は、軌道導体370を受けるようにそれぞれ適応された少なくとも1つの接続溝を含み得る。軌道導体は、前記接続溝に挿入されるように適応された、対応する接続舌部を含み得る。従って、軌道31、32は、単に軌道導体370をそれらの中に設置することによって容易に組み立てられる。
【0052】
軌道導体370が軌道31、32内に設置されると、ホイストトロリーは、軌道側面306と307との間にホイストトロリーを滑り入れることによって軌道31、32上に設置され得る。一実施形態では、端部キャップが、軌道を閉じるために軌道31、32の端部にはめ込まれ得る。
【0053】
軌道導体370は、望ましくは、導電性の細長い一片の形態である。導電性の細長い一片は、プラスチックシース内で共押し出しされ得る。前記シースは、軌道導体370が(金属)軌道108およびその軌道側面306、307から絶縁されるように、軌道側面306、307内の接続溝の中での取り付けのための接続舌部を含み得る。望ましくはないが、金属軌道31、32が軌道導体370のうちの1つとしての役割を果たすことが可能である。
【0054】
従って、一実施形態では、ホイストトロリー103および軌道31、32は、強度および耐久性のために金属で作成され得る。
【0055】
図7および
図8を参照しながら説明されるように、患者用リフトは、ホイストトロリーに取り付けられた接点キャリアを有する接触装置を含み得る。前記接触装置の接点キャリアは、ホイストおよび/またはホイストトロリーへの電力供給の側面のために、軌道導体と導電性接触するように配置される。
【0056】
図5を参照すると、概略ブロック図が患者用リフトの構成要素を示す。患者用リフトは、ホイストトロリーに取り付けられた接触装置200を含み得る。接触装置200は、軌道システムの軌道導体と導電性接触するように配置された接点キャリア240を含む。
【0057】
患者用リフトは、駆動システム95を含み得る。駆動システムは、軌道システム、すなわち軌道システムの軌道に沿ってホイストトロリーを駆動するように適応され得る。駆動システム95は、接点キャリア240に電気的に接続され得、それによって、駆動システム95は、接点キャリア240によって供給される電力によって駆動され得る。
【0058】
駆動システム95は、前記車輪を駆動してホイストトロリーを移動させるためにホイストトロリーの車輪123、124に接続された駆動ユニット91を含み得る。しかしながら、ホイストトロリーは、任意の従来の容易に利用可能な方式で駆動され得ることを認識されたい。たとえば、駆動システムは、各々が別々の車輪、またはホイストトロリーを駆動するためのベルト駆動の形態の駆動ユニットを駆動する、複数の駆動ユニットを含み得る。
【0059】
患者用リフトは、制御ユニット90をさらに含み得る。制御ユニット90は、駆動システム95に動作可能に接続され得る。制御ユニット90は、前記駆動システム95を制御するように構成され得る。
【0060】
さらに
図5を参照すると、患者用リフトは、バッテリユニット92をさらに含み得る。バッテリユニット92は、バッテリユニット92と接触装置200との間の電力伝達のために、接触装置200に電気的に接続され得る。
【0061】
バッテリユニット92は、駆動システム95に電気的に接続され得る。バッテリユニット92は、接点キャリア240に電気的に接続され得る。接点キャリアが軌道導体と導電性接触しないときでも軌道間の運動を可能にするために、制御ユニット90は、接点キャリア240が軌道導体と導電性接触していないことに応答して、駆動システム95がバッテリユニット92単独によって電力供給されるバッテリ電力供給モードに切り替わるように構成され得る。
【0062】
患者用リフトは、バッテリユニット92に電気的に接続される充電ユニット98をさらに含み得る。充電ユニット98は、接点キャリア240によって供給される電力によって前記バッテリユニット92を充電するように構成され得る。従って、充電ユニット98は、接点キャリア240に電気的に接続され得る。従って、バッテリユニット92は、充電ユニット98を介して接触装置200に接続され得る。
【0063】
患者用リフト、すなわち患者用リフトのホイストは、上昇位置と下降位置との間で電動式リフト部材を作動させるように構成されたホイストアクチュエータ129を含み得る。ホイストアクチュエータ129は、前記ホイストアクチュエータに電力供給するために接点キャリア240に電気的に接続される。有利には、ホイストアクチュエータ129は、制御システム90に動作可能に接続され得る。制御ユニット90は、前記ホイストアクチュエータ129を制御するように構成され得る。
【0064】
バッテリユニット92は、ホイストアクチュエータ129に電気的に接続され、前記ホイストアクチュエータ129に電力供給するように構成され得る。一実施形態では、代替または追加として、バッテリ電力供給モードは、バッテリユニット92によって単独でホイストアクチュエータ129に電力供給することを含み得る。
【0065】
一実施形態では、駆動システム、制御ユニット、およびバッテリユニットのうちのいずれか1つまたは各々が、ホイストまたはホイストトロリー上に設けられ得る。
【0066】
図5にさらに示されるように、バッテリユニット92は、たとえば、接触装置200によって軌道上に設けられた付属品に電力供給するように構成され得る。従って、バッテリユニット92は、少なくとも1つの電気的構成要素に電力を伝達するように構成され得る。電気的構成要素は、接触装置を介して軌道導体のうちの1つに電気的に接続される。バッテリユニット92は、前記少なくとも1つの電気的構成要素に電力供給し得るように構成される。その結果、バッテリユニット92は、接触装置を介して(
図9を参照しながら説明されるように)第1の軌道および/または第2の軌道および/または軌道部の軌道導体370に電気的に接続された少なくとも1つの電気的構成要素に電力を伝達し、それによって前記少なくとも1つの電気的構成要素に電力供給するように構成される。
【0067】
これは、リフト自体が、同じ機能を提供するために大きい接触ブレードを有する必要がないので、特に有利である。代わりに、これは、本発明による接触装置(
図7および
図8を参照しながらさらに説明される)によって実行され得る。
【0068】
望ましくは、バッテリユニット92は、(
図2および
図3を参照しながら説明されるように)軌道を作動させるための電気的および機械的手段に動力を供給するように構成される。バッテリユニット92は、軌道操作ユニット75に電力供給するように構成され得る。
【0069】
その結果、少なくとも1つの電気的構成要素は、軌道および/または軌道部に対する接触装置200の位置および/または移行を検出するように構成された起動スイッチ78、79と、軌道および/または軌道部、すなわちホイスト軌道の運動を駆動するように構成された軌道駆動装置752と、軌道駆動装置752の動作を制御するように構成された軌道操作制御ユニット751と、のうちの任意の1つであり得る。望ましくは、バッテリユニット92は、ホイストトロリーが前記軌道から懸架されている間に、軌道上に設けられた前記構成要素の各々に電力供給するように構成される。
【0070】
図6は、ホイストトロリー内に含まれ得る懸架構造120を示す。懸架構造120は、本体部121を含む。本体部121は、ホイストトロリーのシャーシから突出するように配置される。本体部121は、軌道システムの軌道、すなわち第1の軌道、第2の軌道、および/または第3の軌道の中に少なくとも部分的に延びるように配置される。本体部121は、軌道と相互作用するための車輪123、124および/または滑動部材を設けられ得る。
【0071】
前述のように、軌道導体からホイストトロリーおよび続いてホイストへの電力伝達を確実にするために、患者用リフトは、接触装置を含む。前記接触装置200は、懸架構造120に取り付けられ得る。
【0072】
接触装置200は、
図7および
図8にさらに詳細に示される。
【0073】
接触装置200は、患者用リフトの軌道システム内の軌道の軌道導体と係合するように意図される。従って、接触装置200は、第1の軌道および第2の軌道、および/または第3の軌道の軌道導体と係合するように意図される。
【0074】
接触装置200は、患者用リフトのホイストトロリーに取り付けられるように適応される。ホイストトロリーは、軌道、たとえば第1の軌道および第2の軌道に移動可能に接続される。望ましくは、接触装置200は、
図6を参照しながら説明された懸架構造に取り付けられるように適応される。
【0075】
接触装置200は、取り付けコンソール280を含む。取り付けコンソール280は、ホイストトロリー103に、望ましくは懸架構造に取り付けられるように適応される。
【0076】
その結果、接触装置200は、ホイストトロリーに取り付けられ得る。接触装置200は、接点キャリア240を含む。接点キャリア240は、軌道の軌道導体と導電性接触するように配置される。接触装置200は、付勢機構220をさらに含む。付勢機構220は、軌道導体と接点キャリア240との間の導電性接触を提供するために、軌道導体に対して接点キャリア240を弾性的に付勢するように適応される。
【0077】
接触装置200は、レバーアーム290をさらに含む。レバーアームは、取り付けコンソール280に枢動可能に接続される。付勢機構220は、軌道導体と接点キャリア240との間の導電性接触を提供するために、軌道導体に対して接点キャリア240を弾性的に付勢するように適応され得る。接触装置の付勢されたレバーアームは、軌道の延在上に方向転換または高さの変化が存在するときでも、接点キャリアと軌道導体との間の十分な接触を可能にする。さらに、レバーアームは、従来技術で知られている、直接付勢される接点キャリアと比較してより堅牢である。従って、接触装置は、軌道とホイストおよびホイストトロリーとの間の確実で堅牢な連続的電力伝達を可能にする。
【0078】
さらに、付勢されたレバーアームは、トロリーが2つの隣接する軌道の間の隙間を通過する場合でも、接点キャリアと軌道導体との間の係合をロバストに制御することを可能にする。
【0079】
望ましくは、付勢機構220は、レバーアーム290と取り付けコンソール280とを弾性的に接続する。図示のように、付勢機構のばね221は、レバーアーム290と取り付けコンソール280とを弾性的に接続し得る。その結果、ばね221の第1の端部がレバーアーム290に接続され、ばね221における反対の第2の端部が取り付けコンソール280に接続され得る。
【0080】
接触装置200は、ホイストおよび接点キャリア240と電気的につながるように適応された配線253をさらに含み得、それによって、電力が、接点キャリアからホイストに伝達され得る。望ましくは、配線253は、ホイストトロリーの接点に接続され、次にホイストに接続される。
【0081】
接点キャリア240は、レバーアーム290の第1の部分291に取り付けられ得る。レバーアーム290における反対の第2の部分292は、取り付けコンソール280に枢動可能に接続され得る。レバーアーム290の前記第2の部分は、さらに、接点キャリア240を軌道導体370と接触させるために、付勢機構220に接続され得る。従って、第1の部分291は、レバーアーム290の枢動のための枢動点を形成し得る。
【0082】
レバーアームの第1の部分は、レバーアーム290の第1の端部であり、レバーアームの第2の部分は、レバーアーム290における前記第1の端部の反対の第2の端部であり得る。
【0083】
図7および
図8に示されるように、接点キャリア240は、接点キャリア240を形成するために容易に一緒に組み合わされるいくつかの構成要素によって形成され得る。
【0084】
従って、接点キャリア240は、接点部241を含み得る。接点部241は、DCモータおよび同様のデバイス内で見られるブラシと同様に形成され得るブラシの形態であり得る。望ましくは、接点部241は、銅-グラファイトであり得る。接点部241は、配線253によってホイストトロリーおよび/またはホイストに電気的に接続され得る。
【0085】
接点キャリア240は、
図8でさらに詳細に説明される案内機構と係合するように配置された係合部242をさらに含む。係合部242は、プラスチックで作成され得る。追加または代替では、接点部241から離れた接点キャリア240は、絶縁のためにプラスチックで作成され得る。
【0086】
接点部と軌道導体との間の接触を選択的に可能にするために案内機構と係合するための別々の部分で形成された接点キャリアは、より堅牢な接触装置を可能にする。なぜならば、係合部の材料は、耐久性を最適化するように選択され得るからである。望ましくはないが、代替的に、接点キャリア240全体が導電性材料であり、単一の一体化された接点部を形成してもよい。
【0087】
レバーアーム290は、軌道システムの軌道導体、すなわち第1の軌道および第2の軌道に平行の方向に延びるように配置され得る。レバーアーム290は、枢動軸P回りに枢動可能であり得る。枢動軸Pは、軌道導体に直角に延びる。望ましくは、レバーアーム290は、枢動ピン272によって取り付けコンソール280に枢動可能に取り付けられる。枢動ピン272は、枢動軸Pに沿って延び得る。枢動ピン272は、前記枢動軸Pを形成し得る。
【0088】
望ましくは、レバーアーム290は、前記枢動軸Pに直角に延びる。軌道内の軌道導体の位置決めに応じて、枢動軸Pは、軌道導体に直角でかつ鉛直方向に延び得るか、または軌道導体に直角でかつ水平方向に延び得る。
【0089】
軌道の外側の構成要素を回避するために、付勢機構220は、軌道に沿って延びる中心軸から軌道導体に向けて外側にレバーアームを弾性的に付勢するように適応され得、軌道導体は、軌道の内壁に配置される。
【0090】
軌道が平坦でないことまたはカーブなどを含むことに対するさらなる補償を可能にするために、枢動ピン272の第1の端部は、取り付けコンソール280のベアリング274内に回転可能に配置され得る。第2の端部、たとえば反対の第2の端部は、取り付けコンソール280の案内スロット282内に配置される。案内スロット282は、枢動軸Pに対するレバーアーム290の傾斜運動を可能にするように配置される。望ましくは、枢動ピン272は、レバーアーム290内の穴を通して延び得、前記穴は、レバーアーム290の第2の部分292を通して延びる。付勢機構220は、前記傾斜運動に逆らってレバーアーム290を付勢するように配置され得る。従って、付勢機構220は、前記傾斜運動に逆らって作用する反作用ばね力を与えるように配置され得る。従って、傾斜運動は、枢動軸Pに直角でかつ前記枢動軸Pと交差する傾斜軸回りにもたらされる。
【0091】
案内スロット282は、取り付けコンソール内に設けられた細長いスロットである。案内スロット282は、前記スロットに沿った枢動ピン272の運動を可能にするために、レバーアーム290に平行に延びる方向に延びる。案内スロット282は、レバーアームに直角の方向に突出する取り付けコンソール280のフランジ内に設けられ得る。
【0092】
付勢機構は、ばね機構であり得る。
図7および
図8に示されるように、付勢機構220のばね221は、レバーアーム290に平行な方向に少なくとも部分的に延びるように配置され得る。付勢機構220のばね221は、さらに、軌道導体に沿って延びるように配置され得る。ばね221は、レバーアーム290の第1の部分に配置されるレバーアームの取り付けショルダ273と取り付けコンソール280のリップ261とを接続する。ばね221は、レバーアーム290を付勢するように配置され得る。従って、ばね221は、傾斜運動に逆らって作用する反作用ばね力を与えるように配置される。望ましくは、ばね221は、枢動ピン272の第1の部分に近接して配置され、軌道に沿ったホイストトロリーの安定した移動を可能にするために、ばねが傾斜運動に対して十分な付勢トルクを与えることをさらに可能にする。
【0093】
図7および
図8に示されるように、付勢機構は、ばね221だけを含み得る。従って、前記ばね221は、傾斜運動と枢動軸Pに対する枢動との両方に対してレバーアームを付勢するように配置される。それによって、複雑でない接触装置が提供される。図示のように、ばねは、前記ばねの圧縮を引き起こす第1の回転方向と、前記ばねの伸長を引き起こす第2の反対の回転方向と、における枢動に起因して、レバーアームの枢動運動を付勢する。
【0094】
有利には、接触装置は、軌道システム、たとえば第1の軌道および第2の軌道と係合するために、案内車輪251をさらに含む。図示のように、案内車輪251は、レバーアーム290の上に設けられる。案内機構は、上記で説明された接触装置と組み合わせて実装され得る。
【0095】
本発明の一態様によれば、接触装置は、軌道システムと併せて配置された案内機構と組み合わされる。案内機構は、
図9に概略的に示される。
【0096】
図9を参照すると、軌道システムは、第1の軌道部310と第2の軌道部320とを含む。従って、ホイスト101は、前記第1の軌道部310および第2の軌道部320に沿って移動可能であり得る。第1の軌道部および第2の軌道部は、
図2から
図4を参照しながら説明されるように、軌道またはそれらの部分として形成され得る。
【0097】
第1の軌道部310は、軌道導体370を含み得る。軌道導体370は、第1の軌道部310に沿って延びる。ホイストトロリーは、軌道システム30に移動可能に接続される。第1の軌道部310および第2の軌道部320は、前記第1の軌道部310と第2の軌道部320との間でのホイストトロリーの移行に対応するように整列可能であるかまたは整列される。
【0098】
患者用リフトは、ホイストトロリーに取り付けられた接触装置をさらに含む。接触装置は、第1の軌道部310の軌道導体370と導電性接触するように配置された接点キャリア240と、付勢機構と、を含む。付勢機構は、前記軌道導体370と接点キャリア240との間の導電性接触を提供するために、軌道導体370に対して接点キャリア240を弾性的に付勢するように適応される。
【0099】
案内機構390は、ホイストトロリー103が第1の軌道部310から第2の軌道部320に延びる方向に移動して接点キャリア240が案内機構390と係合するときに、第1の軌道部310の軌道導体370との接触が外れるように、接点キャリア240と係合して前記接点キャリア240を移動させるように配置される。
【0100】
これは、単純な方式で接点キャリア240と軌道導体370との間の係合を制御することを可能にする。案内機構は、前記係合のための遷移をもたらし、それは、脆弱であることが多い接点キャリアの摩耗を低減する。さらに、案内機構は、軌道に沿ったセット位置、軌道に沿った別々の充電ゾーンにおいて接点キャリアと軌道導体との間の接触を介して電力を供給される付属品をセットすることと、接点キャリアが、たとえば軌道導体の隙間または突出する端部に衝突することなく、合流点などを越えて接点キャリアを案内することと、を可能にする。
【0101】
第2の軌道部320も、軌道導体370を含み得る。軌道導体370は、前記第2の軌道部320に沿って延び得る。接点キャリア240は、軌道導体370と導電性接触するように配置され、付勢機構は、前記軌道導体370と接点キャリア240との間の導電性接触を提供するために、軌道導体370に対して接点キャリア240を弾性的に付勢するように適応される。軌道導体は、別々の軌道導体が軌道部内に設けられるか、または単一の軌道導体が両方の軌道部に沿って延びる形態であり得る。
【0102】
案内機構390は、ホイストトロリーが第1の軌道部310から第2の軌道部320に延びる方向に第2の軌道部320に沿って移動して接点キャリア240および/またはホイストトロリーが第2の軌道部に移行した後、第2の軌道部320の軌道導体370と接触するように、接点キャリア240を案内するように配置され得る。従って、案内機構は、軌道導体部の間で接点キャリア240を案内することを可能にし得る。それにより、接点キャリア240が第2の軌道部の軌道導体と接触するための滑らかな遷移が提供され得る。
【0103】
両方向において同じ案内機能を提供するために、案内機構390は、ホイストトロリーが第2の軌道部320から第1の軌道部310に延びる方向に移動して接点キャリア240が案内機構390と係合するときに、第2の軌道部320の軌道導体370との接触が外れるように、接点キャリア240と係合して接点キャリア240を移動させるようにさらに配置され得る。望ましくは、案内機構390は、ホイストトロリーが第2の軌道部320から第1の軌道部310に延びる方向に第1の軌道部310に沿って移動して接点キャリア240および/またはホイストトロリーが第1の軌道部310に移行した後、第1の軌道部310の軌道導体370と接触するように、接点キャリア240を案内するように配置される。
【0104】
望ましくは、案内機構は、単に、接点キャリアの接点部上の摩耗および破れを回避するように接点キャリアの係合部242と係合するように配置される。
【0105】
図9に示されるように、案内機構390は、案内要素395を含む。案内要素395は、第1の軌道部310および第2の軌道部320に沿って延びる。案内要素395は、第1の係合部391を形成する。第1の係合部391は、第1の軌道部310から案内要素395の主部392、394への接点キャリア240の遷移をもたらすために、第1の軌道部310の軌道導体370と交差するように配置される。
【0106】
案内要素395は、第2の係合部393をさらに形成し得る。第2の係合部395は、第2の軌道部320から案内要素395の主部392、394への接点キャリア240の遷移をもたらすために、第2の軌道部320の軌道導体370と交差するように配置される。
【0107】
第1の軌道部および第2の軌道部の柔軟な位置決めを可能にするために、案内要素395は、第1の軌道部および第2の軌道部に取り付けられ得る。第1の係合部391は、第1の軌道部310に取り付けられ、第2の係合部393は、第2の軌道部320に取り付けられ得る。さらに、主部392、394は、第1の軌道部310に取り付けられた第1の部分392と、第2の軌道部320に取り付けられた第2の部分394と、を含み得る。
【0108】
望ましくは、第1の係合部および/または第2の係合部は、接点キャリア240、すなわち係合部242の軌跡と係合する先細の端部を有するくさびとして形成され得る。くさびの斜面(angular face)は、接点キャリア240、すなわち係合部242と係合して接点キャリア240、すなわち接点部241を徐々に移動させ、軌道導体370と接触するようにまたは接触が外れるように配置される。従って、くさびの斜面は、接点キャリアが軌道導体の延在に対して直角に移動することを可能にする、軌道部の軌道導体に対する角度を有し得る。
【0109】
望ましくは、接触装置の係合部は、軌道に取り付けられた案内要素395と係合するために第1の軌道部および第2の軌道部から突出するように配置される。
【0110】
図9をさらに参照すると、患者用リフトは、第1の接触装置および第2の接触装置を含み得る。第1の軌道部310および第2の軌道部320の各々は、第1の軌道導体および第2の軌道導体370を設けられ得る。第1の接触装置の接点キャリア240は、第1の軌道導体と導電性接触するように配置され、第2の接触装置の接点キャリア240は、第2の軌道導体と導電性接触するように配置され得る。図示のように、第1の接触装置および第2の接触装置の方向は、第1の軌道部および第2の軌道部の延在に対して鏡面対称であり得る。これは、接触装置と軌道との間の係合の安定性をさらに高める。
【0111】
一実施形態では、第1の部分310および第2の軌道部320は、単一の軌道の直列に配置されたセクションとして形成される。
【0112】
一実施形態では、第1の軌道部310は第1の軌道31によって形成され、第2の軌道部320は第2の軌道32によって形成される。第1の軌道31および第2の軌道32は、前記第1の軌道と第2の軌道との間でのホイストトロリーの移行に対応する合流点を形成するように整列されるかまたは整列可能である。案内機構は、ホイストトロリーが第1の軌道31から第2の軌道32に延びる方向に移動して接点キャリア240が合流点に接近するときに、第1の軌道31の軌道導体370との接触が外れるように、接点キャリア240と係合して前記接点キャリア240を移動するように配置される。
【0113】
前記
図9に示されるように、軌道システムは、第1の軌道31と第2の軌道32とを含む。軌道の各々は、軌道導体370を含む。軌道導体370は、第1および第2のそれぞれの軌道に沿って延びる。第1の軌道31および第2の軌道32は、合流点において整列される。
【0114】
患者用リフトは、案内機構390を含む。案内機構390は、接点キャリア240と係合するように配置される。望ましくは、案内機構390は、接点キャリア240の係合部242と係合するように配置される。案内機構390は、ホイストトロリーが第1の軌道31から第2の軌道32に延びる方向に移動して接点キャリア240が合流点に接近するときに、軌道導体370との接触が外れるように、接点キャリア240と係合して前記接点キャリア240、望ましくは前記接点キャリア240の接点部241を移動させるように配置される。案内機構は、接点キャリアが第1の軌道および第2の軌道の間で合流点を通してより滑らかに遷移することを可能にする。案内機構は、第1の軌道および第2の軌道の軌道導体の間の隙間が接近するときに軌道導体との接触が外れるように、接点キャリアを案内することを可能にする。これは、脆弱であることが多い接点キャリアに対して、前記接点キャリアが軌道導体の間の隙間に衝突することに起因する摩耗を低減する。
【0115】
案内機構390は、さらに、ホイストトロリー103が第1の軌道31から第2の軌道32に延びる方向に第2の軌道32に沿って移動するときに合流点の後で第2の軌道部32の軌道導体370と接触するように、接点キャリア240を案内するように配置され得る。それによって、接点キャリアが第2の軌道の軌道導体と接触するための滑らかな遷移が提供され得る。
【0116】
両方向において同じ案内機能を提供するために、案内機構390は、さらに、ホイストトロリーが第2の軌道32から第1の軌道31に延びる方向に移動して接点キャリア240が合流点に接近するときに、第2の軌道32の軌道導体370との接触が外れるように、接点キャリア240と係合して接点キャリア240を移動させるように配置され得る。望ましくは、案内機構390は、ホイストトロリーが第2の軌道32から第1の軌道31に延びる方向に第1の軌道に沿って移動するときに合流点の後で第1の軌道31の軌道導体370と接触するように、接点キャリア240を案内するように配置される。
【0117】
図9は、第1の軌道31および第2の軌道32に対する接点キャリア240の運動を概略的に示す。接点キャリア240は、案内機構390に接近し、接点キャリア240が案内機構390と係合すると、案内機構390は、付勢された接点キャリア240を第1の軌道31の軌道導体370から離れさせて案内機構390と係合させる。接点キャリア240が合流点を通り過ぎた後、案内機構390は、接点キャリア240を案内して第2の軌道32の軌道導体370と接触させる。
【0118】
望ましくは、案内機構390は、ホイストトロリーが第2の軌道32から第1の軌道31に移動する場合、同様の機能を提供するように配置される。従って、ホイストトロリーが第2の軌道32から第1の軌道31に移動するとき、案内機構390は、最初に、接点キャリア240を移動させて第2の軌道32の軌道導体370との接触が外れるように、次いで、同様の方式で第1の軌道31の軌道導体370と接触するように配置される。
【0119】
代替的に、接触装置200は、複数の接点キャリアを含み得、それによって、案内機構390は、ホイストトロリーが第1の軌道から第2の軌道に移動しながら、接点キャリアの一方を第1の軌道31と接触させかつ第2の軌道32との接触を外させるように配置され、その逆も成り立つ。従って、各接点キャリアは、単に、軌道のうちの1つの軌道導体と接触するように配置される。
【0120】
図9に示されるように、案内機構390は、案内要素395を含む。案内要素395は、第1の軌道部31および第2の軌道部320に沿って、合流点を越えて延びる。案内要素395は、第1の係合部391を形成する。第1の係合部391は、第1の軌道31から案内要素395の主部392、394への接点キャリア240の遷移をもたらすために、第1の軌道31の軌道導体370と交差するように配置される。
【0121】
案内要素395は、第2の係合部393をさらに形成し得る。第2の係合部393は、第2の軌道32から案内要素395の主部392、394への接点キャリア240の遷移をもたらすために、第2の軌道32の軌道導体370と交差するように配置される。主部392、394は、合流点を越えて延び得る。
【0122】
第1の軌道および第2の軌道の柔軟な位置決めを可能にするために、案内要素395は、第1の軌道および第2の軌道に取り付けられ得る。第1の係合部391は、第1の軌道31に取り付けられ、第2の係合部393は、第2の軌道32に取り付けられ得る。さらに、主部392、394は、第1の軌道31に取り付けられた第1の部分392と、第2の軌道32に取り付けられた第2の部分394と、を含み得る。
【0123】
望ましくは、接触装置の係合部は、軌道に取り付けられた案内要素395と係合するために第1の軌道および第2の軌道から突出するように配置される。
【0124】
図9をさらに参照すると、患者用リフトは、第1の接触装置および第2の接触装置を含み得る。第1の軌道31および第2の軌道32の各々は、第1の軌道導体および第2の軌道導体370を設けられ得る。第1の接触装置の接点キャリア240は、第1の軌道導体と導電性接触するように配置され、第2の接触装置の接点キャリア240は、第2の軌道導体と導電性接触するように配置され得る。図示のように、第1の接触装置および第2の接触装置の方向は、第1の軌道および第2の軌道の延在に対して鏡面対称であり得る。これは、接触装置と軌道との間の係合の安定性をさらに高める。
【0125】
本発明は、その実施形態を参照しながら詳細に上記で説明された。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、他の実施形態が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で同様に可能である。
【符号の説明】
【0126】
30 軌道システム
31 軌道、第1の軌道
32 軌道、第2の軌道
33 軌道、第3の軌道
37 軌道、第1の懸架軌道
38 軌道、第2の懸架軌道
39 固定構造
70 不明
71 回転機構
75 軌道操作ユニット
78 起動スイッチ
79 起動スイッチ
90 制御ユニット
91 駆動ユニット
92 バッテリユニット
95 駆動システム
98 充電ユニット
100 患者用リフト
101 ホイスト
103 ホイストトロリー
108 (金属)軌道
120 懸架構造
121 電動式リフト部材、本体部
122 不明
123 車輪
124 車輪
129 ホイストアクチュエータ
200 接触装置
220 付勢機構
221 ばね
240 接点キャリア
241 接点部
242 係合部
251 案内車輪
252 不明
253 配線
261 リップ
272 枢動ピン
273 取り付けショルダ
274 ベアリング
280 取り付けコンソール
282 案内溝
290 レバーアーム
291 レバーアームの第1の部分
292 枢動ピンの第2の部分
306 軌道側面
307 軌道側面
310 第1の軌道部
312 軌道床面
313 軌道床面
316 軌道壁
317 軌道壁
320 第2の軌道部
370 軌道導体
390 案内機構
391 第1の係合部
392 案内要素の主部
393 第2の係合部
394 案内要素の主部
395 案内要素
711 回転機構の第1の部分
712 回転機構の第2の部分
751 軌道操作制御ユニット
752 軌道駆動装置
【国際調査報告】