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特表2024-542832ストッパを有するスイッチングデバイスおよびスイッチングデバイスを作動させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ストッパを有するスイッチングデバイスおよびスイッチングデバイスを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/50 20060101AFI20241108BHJP
   H01H 50/54 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H01H1/50
H01H50/54 D
H01H50/54 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533883
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2022025544
(87)【国際公開番号】W WO2023104330
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2117585.6
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラング,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒセン,ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】バウシュ,クリストフ
【テーマコード(参考)】
5G051
【Fターム(参考)】
5G051NA10
(57)【要約】
ストッパ付きスイッチングデバイスおよびスイッチングデバイスを作動させる方法。スイッチングデバイス(10)は、第1および第2の固定コンタクト(55、56)、コンタクトブリッジ(40)、コンタクトブリッジ(40)に配置される第1および第2の可動コンタクト(45、46)、コンタクトバネ(31)、コンタクトブリッジキャリア(30)、ハウジング(35)、および少なくとも1つのストッパ(71、72)を含む。コンタクトブリッジキャリア(30)は、移動可能であり、コンタクトバネ(31)を介してコンタクトブリッジ(40)に結合される。少なくとも1つのストッパ(71、72)は、ハウジング(35)に接続され、短絡の場合にコンタクトブリッジ(40)の移動を制限するように構成される。スイッチングデバイス(10)は、電気コイル(48)、磁気コア(50)、および電機子(47)を持つ、磁気駆動アセンブリも含み、電機子(47)は、移動可能であり、コンタクトブリッジキャリア(30)に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 第1および第2の固定コンタクトと、
- コンタクトブリッジと、
- 前記コンタクトブリッジに配置される第1および第2の可動コンタクトと、
- コンタクトバネと、
- 移動可能であり、前記コンタクトバネを介して前記コンタクトブリッジに結合される、コンタクトブリッジキャリアと、
- 電気コイル、磁気コアおよび電機子を持つ、磁気駆動アセンブリであって、前記電機子は、移動可能であり、前記コンタクトブリッジキャリアに接続される、前記磁気駆動アセンブリと、
- ハウジングと、
- 前記ハウジングに接続され、短絡の場合に前記コンタクトブリッジの移動を制限するように構成される、少なくとも1つのストッパと、を含む、
スイッチングデバイス。
【請求項2】
当該スイッチングデバイスは、電流が、前記第1の固定コンタクト、前記第1の可動コンタクト、前記コンタクトブリッジ、前記第2の可動コンタクトおよび前記第2の固定コンタクトを通って短絡の場合に流れ、前記コンタクトブリッジキャリアの移動が、当該スイッチングデバイスのスイッチオン状態における前記コンタクトブリッジのオン位置から前記少なくとも1つのストッパへの前記コンタクトブリッジの移動を引き起こす、ように構成される、請求項1に記載のスイッチングデバイス。
【請求項3】
最大クリア距離が、当該スイッチングデバイスのスイッチオン状態における前記コンタクトブリッジのオン位置から短絡の場合における前記少なくとも1つのストッパへの前記コンタクトブリッジの移動の最大距離である、請求項1または2に記載のスイッチングデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのストッパおよび前記少なくとも1つのストッパに接続される前記ハウジングの部分は、同じの材料で作られる、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項5】
前記コンタクトブリッジキャリアおよび前記コンタクトブリッジは、当該スイッチングデバイスのスイッチオン状態における前記コンタクトブリッジのオン位置からの前記コンタクトブリッジキャリアに対する前記コンタクトブリッジの相対的な移動が、短絡の場合にエンドストップ距離に制限されるように構成される、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項6】
当該スイッチングデバイスの前記スイッチオン状態における前記コンタクトブリッジの前記オン位置からの前記コンタクトブリッジキャリアに対する前記コンタクトブリッジの前記相対的な移動は、
- 前記コンタクトブリッジキャリアに接続されるなくとも1つのバンパ、および/または、
- 前記コンタクトバネのブロック長
によって制限される、
請求項5に記載のスイッチングデバイス。
【請求項7】
前記エンドストップ距離は、前記最大クリア距離に依存する、請求項5または6に記載のスイッチングデバイス。
【請求項8】
前記エンドストップ距離は、以下の式による値Fを有し、
【数1】
ここで、FminおよびFmaxは、前記エンドストップ距離の最小値および最大値であり、Eは、前記最大クリア距離の値である、
請求項7に記載のスイッチングデバイス。
【請求項9】
クリア距離が、当該スイッチングデバイスのスイッチオン状態における前記コンタクトブリッジのオン位置から短絡がない当該スイッチングデバイスのスイッチオフ状態における前記コンタクトブリッジのオフ位置への前記コンタクトブリッジの移動の距離である、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項10】
前記最大クリア距離は、前記クリア距離よりも大きい、請求項9に記載のスイッチングデバイス。
【請求項11】
前記最大クリア距離は、以下の式による値Eを有し、
【数2】
ここで、Bは、前記クリア距離の値である、
請求項9または10に記載のスイッチングデバイス。
【請求項12】
前記コンタクトブリッジキャリアは、リミッタを含み、
前記リミッタは、前記第1および第2の固定コンタクトに向かう前記コンタクトブリッジキャリアの内側の前記コンタクトブリッジの移動を制限するように構成される、
請求項1~11のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項13】
当該スイッチングデバイスは、戻りバネを含み、
前記戻りバネの1つの側面は、前記ハウジングと接触し、前記戻りバネの他の側面は、前記コンタクトブリッジキャリアに結合され、
前記戻りバネは、前記第1および第2の固定コンタクトから離れる方向において前記コンタクトブリッジキャリアに力を提供するように構成される、
請求項1~12のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項14】
当該スイッチングデバイスは、電気コイル、磁気コアおよび電機子を持つ、磁気駆動アセンブリを含み、
前記電機子は、移動可能であり、前記コンタクトブリッジキャリアに接続される、
請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項15】
前記ハウジングは、短絡の場合に前記電機子の移動を制限するように構成される、請求項14に記載のスイッチングデバイス。
【請求項16】
スイッチングデバイスを作動させる方法であって、
前記スイッチングデバイスは、第1および第2の固定コンタクトと、コンタクトブリッジと、前記コンタクトブリッジに配置される第1および第2の可動コンタクトと、コンタクトバネと、移動可能であり、前記コンタクトバネを介して前記コンタクトブリッジに結合される、コンタクトブリッジキャリアと、ハウジングと、前記ハウジングに接続される少なくとも1つのストッパと、電気コイル、磁気コアおよび電機子を持つ、磁気駆動アセンブリであって、前記電機子は、移動可能であり、前記コンタクトブリッジキャリアに接続される、前記磁気駆動アセンブリと、を含み、
当該方法は、短絡の場合に前記少なくとも1つのストッパによって前記コンタクトブリッジの移動を制限することを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ストッパ(stopper)を有するスイッチングデバイス(switching device)およびスイッチングデバイスを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチングデバイスは、電気機械スイッチングデバイスとして、特に、電気移動度の分野における大電力バッテリネットワークのために、例えば、双方向DC電流を伝導およびスイッチングするために実現される。スイッチングデバイスは、短絡の場合に安全に切断するためにも構成される。
【0003】
保護スイッチングデバイスの短絡スイッチングでは、強い動的な力が、大電流の故にコンタクトシステム(接点システム)に反応する。その結果として生じる強い開放インパルスは、コンタクトシステムのリバウンドおよび再接触につながり得る。コンタクトの再閉鎖は、異なる問題につながり得る。すなわち、再閉鎖の故に、デバイスは、ガルバニ電気絶縁を達成しない。コンタクトの再閉鎖は、バウンドの繰り返し(recurring bouncing)につながり得る。何故ならば、コンタクトが閉鎖されると、短絡電流は、再び流れ得るからである。これは、最初の問題の繰り返しにつながることがある。再閉鎖の故に、スイッチングデバイスにおける消火時間(extinguishing time)および応力は、増大する。
【0004】
特許文献1は、双方向DC電流を搬送および切断するためのスイッチングデバイスを記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スイッチングコンタクトの意図しない再接触の可能性を低減するスイッチングデバイスおよびスイッチングデバイスを作動させる方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的は、独立項の主題によって達成される。さらなる開発および実施形態は、従属項に記載される。
【0007】
第1および第2の固定コンタクトと、コンタクトブリッジと、コンタクトブリッジに配置される第1および第2の可動コンタクトと、コンタクトバネと、コンタクトブリッジキャリアと、電気コイル、磁気コア、および電機子を持つ、磁気駆動アセンブリと、ハウジングと、少なくとも1つのストッパとを含む、スイッチングデバイスが提供される。コンタクトブリッジキャリアは、移動可能であり、コンタクトバネを介してコンタクトブリッジに結合される。電機子は、移動可能であり、コンタクトブリッジキャリアに接続される。少なくとも1つのストッパは、ハウジングに接続され、短絡の場合にコンタクトブリッジの移動を制限するように構成される。
【0008】
有利には、少なくとも1つのストッパは、短絡の場合にコンタクトブリッジの移動のブレーキまたはリミッタの機能を得る。高エネルギ短絡アークによって誘起される強制コンタクトブリッジ開放中のコンタクトブリッジの運動エネルギを低減することにより、再接続の確率が低減される。
【0009】
一実施形態において、スイッチングデバイスは、短絡電流が、第1の固定コンタクト、第1の可動コンタクト、コンタクトブリッジ、第2の可動コンタクト、および第2の固定コンタクトを通って短絡の場合に流れ、コンタクトブリッジキャリアの移動が、スイッチングデバイスのスイッチオン状態におけるコンタクトブリッジのオン位置から少なくとも1つのストッパまでのコンタクトブリッジの移動を引き起こす、ように構成される。
【0010】
スイッチングデバイスの一実施形態では、最大クリア距離が、スイッチングデバイスのスイッチオン状態におけるコンタクトブリッジのオン位置から短絡の場合における少なくとも1つのストッパまでのコンタクトブリッジの移動の最大距離である。最大クリア距離が小さすぎるならば、アーク付着(arc sticking)のリスクが増大する。最大クリア距離が大きすぎるならば、再接触のリスクが増大する。
【0011】
スイッチングデバイスの一実施形態では、少なくとも1つのストッパおよび少なくとも1つのストッパに接続されるハウジングの部分は、同じ材料で作られる。例えば、少なくとも1つのストッパは、ポリマから作られる。例えば、少なくとも1つのストッパおよび少なくとも1つのストッパに接続されるハウジングの部分は、射出成形によって製造される。
【0012】
スイッチングデバイスの一実施形態において、少なくとも1つのストッパは、第1の材料から作られ、少なくとも1つのストッパに接続されるハウジングの部分は、第2の材料から作られる。少なくとも1つのストッパは、ハウジングに取り付けられる。
【0013】
スイッチングデバイスの一実施形態において、コンタクトブリッジキャリアおよびコンタクトブリッジは、スイッチングデバイスのスイッチオン状態におけるコンタクトブリッジのオン位置からのコンタクトブリッジキャリアに対するコンタクトブリッジの相対的な移動が、短絡の場合においてエンドストップ距離に制限されるように構成される。エンドストップ距離が小さすぎるならば、アーク付着または二重接続が起こることがある。
【0014】
スイッチングデバイスの一実施形態において、スイッチングデバイスのスイッチオン状態におけるコンタクトブリッジのオン位置からのコンタクトブリッジキャリアに対するコンタクトブリッジの相対的な移動は、コンタクトブリッジキャリアに接続される少なくとも1つのバンパおよび/またはコンタクトバネのブロック長(block length)によって制限される。ブロック長は、互いに直接隣接するコイルを持つコンタクトバネの長さである。換言すれば、コンタクトバネは、ブロック長までしか圧縮されることができない。
【0015】
スイッチングデバイスの一実施形態において、エンドストップ距離は、最大クリア距離に依存する。
【0016】
スイッチングデバイスの一実施形態において、エンドストップ距離は、以下の式に従う値Fを有し、
【数1】
ここで、FminおよびFmaxは、エンドストップ距離の最小値および最大値であり、Eは、最大クリア距離の値である。
【0017】
一例において、最大クリア距離は、6.3mm~8.6mmの範囲内にある。よって、エンドストップ距離は、4.8mm~6.8mmの範囲内にある。
【0018】
スイッチングデバイスの一実施形態では、クリア距離が、スイッチングデバイスのスイッチオン状態におけるコンタクトブリッジのオン位置から短絡がないスイッチングデバイスのスイッチオフ状態におけるコンタクトブリッジのオフ位置までのコンタクトブリッジの移動の距離である。クリア距離が短すぎるならば、アーク付着および再接触のリスクがある。
【0019】
スイッチングデバイスの一実施形態において、最大クリア距離は、クリア距離よりも大きい。一実施形態において、最大クリア距離は、クリア距離に依存する。
【0020】
スイッチングデバイスの一実施形態において、最大クリア距離は、以下の式に従う値Eを有し、
【数2】
ここで、Bは、クリア距離の値である。
【0021】
例えば、クリア距離は、5.1mm~6.6mmの間の範囲内にある。
【0022】
スイッチングデバイスの一実施形態において、コンタクトブリッジキャリアは、リミッタを含む。リミッタは、第1および第2の固定コンタクトに向かうコンタクトブリッジキャリアの内側のコンタクトブリッジの移動を制限するように構成される。
【0023】
スイッチングデバイスの一実施形態において、スイッチングデバイスは、戻りバネを含む。戻りバネの1つの側面は、ハウジングと接触する。戻りバネの他の側面は、コンタクトブリッジキャリアに結合される。スイッチングデバイスは、例えば、バネの反対側をコンタクトブリッジキャリアに接続する部品を含む。部品または複数の部品は、コンタクトブリッジキャリア上に戻りバネからの力を提供する。戻りバネは、第1および第2の固定コンタクトから離れる方向にコンタクトブリッジキャリアに力を提供するように構成される。
【0024】
一実施形態において、スイッチングデバイスは、電気コイル、磁気コアおよび電機子を持つ、磁気駆動アセンブリを含む。電機子は、移動可能である。電機子は、コンタクトブリッジキャリアに接続され、あるいは直接取り付けられる。
【0025】
一実施形態において、スイッチングデバイスは、短絡の場合におけるコンタクトブリッジキャリアに対するコンタクトブリッジの移動が、電機子が移動し始める前に開始するように構成される。
【0026】
スイッチングデバイスの一実施形態において、ハウジングは、電機子の移動を制限するように構成される。コンタクトブリッジは、コンタクトバネおよびコンタクトブリッジキャリアを介して電機子に力を提供する。短絡の場合、スイッチングデバイスの電流センサは、負荷電流が所定の限界を超えていることを検出して短絡を示す。負荷電流が所定の限界を上回ることを、短絡電流または過負荷電流と称することができる。電流センサは、電気コイルが急速に通電解除され、その結果、電機子の移動がもたらされることをトリガする。電機子の移動および上述の力は、同じ方向である。電機子の移動は、ハウジングによって制限される。電機子の運動エネルギは、電機子がハウジングに当たることによって低減される。
【0027】
スイッチングデバイスの一実施形態において、コンタクトブリッジは、
- 短絡の場合に、
- スイッチングデバイスのスイッチオフ状態からスイッチオン状態への移行時に、および
- スイッチングデバイスのスイッチオン状態からスイッチオフ状態への移行時に、
直線運動を行うように構成される。
【0028】
一実施形態において、スイッチングデバイスは、第1の固定コンタクトが取り付けられる第1の端子コンタクトと、第2の固定コンタクトが取り付けられる第2の端子コンタクトとを含む。第1および第2の端子コンタクトは、両方とも、U形態またはU形状に曲げられる。
【0029】
スイッチングデバイスを作動させる方法が提供される。スイッチングデバイスは、第1および第2の固定コンタクトと、コンタクトブリッジと、コンタクトブリッジに配置される第1および第2の可動コンタクトと、コンタクトバネと、移動可能であり、コンタクトバネを介してコンタクトブリッジに結合される、コンタクトブリッジキャリアと、ハウジングと、ハウジングに接続される少なくとも1つのストッパと、電気コイル、磁気コアおよび電機子を持つ、磁気駆動アセンブリとを含み、電機子は、移動可能であり、コンタクトブリッジキャリアに接続される。本方法は、短絡の場合に少なくとも1つのストッパによってコンタクトブリッジの移動を制限することを含む。
【0030】
有利には、スイッチングデバイスは、短絡スイッチングデバイスにおけるコンタクトリバウンド(contact rebound)を最小限に抑える機械的システムを実現する。DCスイッチングデバイスは、少なくとも1つの機械的ストッパの故に改良された短絡スイッチング挙動を得る。
【0031】
スイッチングデバイスを作動させる方法は、例えば、上記に定義された実施形態のうちの1つによるスイッチングデバイスによって実装されてよい。よって、本方法に関して開示される構成は、スイッチングデバイスに関して使用されることができ、その逆も同様である。
【0032】
一例において、スイッチングデバイスは、機械的エンドストップに起因する改良された短絡スイッチング挙動を持つDCスイッチングデバイスとして実装される。機械的システムは、短絡スイッチングデバイスにおけるコンタクトリバウンドを最小限に抑え、エネルギを減少させるように所定の距離で機械的エンドストップを使用し、よって、コンタクトシステムが再接触するのを防止する。リバウンドを最小限に抑えるために、接触系における運動エネルギは、低減される。このエネルギを最小にする解決策は、例えば、以下のパラメータ、すなわち、エンドストップに達する前の距離、クリア距離、最大クリア距離、磁気アクチュエータの過走行および走行のうちの少なくとも1つを最適化することである。これらの値の理想的な調整は、高速で均一なアーク走行(arc run)をもたらし、高い短絡電流の事態において再接触しない。
【0033】
一例において、DCスイッチングデバイスは、負荷電流および過負荷電流、特に、短絡電流をスイッチングするために実現される。スイッチングデバイスは、短絡切断後の高いダイナミクスに起因して生じることがあるスイッチングデバイスの再接触を防止する。
【0034】
一例において、スイッチングデバイスの構造は、従来の接触器(contactor)の構造と同様である。スイッチングデバイスは、電磁駆動および接触/クエンチシステムを含む。接触器とは異なり、接触/急冷システムは、特殊な引き外し機構(tripping mechanism)との組み合わせにおいて、非常に高い短絡電流を処理することもできる。
【0035】
一実施形態において、コンタクト装置は、電磁駆動装置の電機子に剛的に結合される。短絡事例における電気力学的リフトオフ後に結果として生じるアークおよびスイッチングチャンバ内で結果として生じる圧力増強の故に、「オフ」方向における電機子移動は、負荷電流がスイッチオフされるときよりも著しく速い。電機子のより大きな加速度は、固定コンタクトおよび可動コンタクトが再接触する端位置に達した後に、剛的に結合されたコンタクト装置を持つ電機子を「オン」に向かって強く跳ね返らせることができる。これにより、短絡電流を再び流れさせる。
【0036】
一例において、再接触/再跳ね返りは、例えば、コンタクトシステムのアイドルストローク、過負荷の場合における最大クリア距離、および可動コンタクト部品の最大自由走行のうちの少なくとも1つの調整によって防止されることができる。
【0037】
短絡の事態において、可動コンタクト部品は、原則として、2つのメカニズムで開かれることができる。すなわち、第1は、高いホルムの力に起因する動電気力リフトオフであり、それは、短絡電流の場合に、圧縮された接触圧力バネによって引き起こされる接触圧力を超える。スイッチングデバイスの場合、ホルムの力は、コンタクトに直接作用する。コンタクト内の電流方向は、逆平行電流方向をもたらし、それは、次に、リフトオフ力(顕微鏡的)をもたらす。電磁アクチュエータがまだ閉じているにもかかわらず、コンタクトは開く。リミットは、コンタクトブリッジキャリア内のストップによってまたはコンタクトバネのブロック長によって設定されることができる。電気力学的リフトオフによって引き起こされる最大コンタクト開口距離は、以下では、移動可能なコンタクトブリッジのエンドストップ距離または最大自由走行と称される。
【0038】
第2は、電機子および剛的に接続されたコンタクト装置によって開始される開口移動(opening movement)である。過負荷電流が検出された後に、電磁アクチュエータの電気コイルの急速な消電(de-energization)が生じる。その結果、剛的に接続されたコンタクト装置を持つ電機子は、コンタクトバネおよびインプレッションバネによってオフ位置に向かって移動され、アイドルストロークの開始時にコンタクトを開かせる。
【0039】
通常負荷の場合、コンタクト開口は、駆動電気コイルの消電を介してのみ生じる。過負荷の場合、2つのメカニズムの組み合わせが生じ、それによって、低い慣性質量の故に、電気力学的リフトオフは、時間に関してより迅速に生じる。両方のメカニズムは、互いに独立している。よって、理論的に達成可能なコンタクト開口距離は、最大自由飛行距離および空ストロークの合計である。大きなコンタクト開口距離は、アークがコンタクトを素早く離れるのに役立つが、再接触の確率は、高度に予負荷されたコンタクトバネの故に増加する。従って、アーク走行を抑制することがないように、最大クリア距離を合理的な値に制限することが有利であるが、コンタクトバネは、すでに再び緩和されている。この場合、可動コンタクトブリッジは、電機子がそのエンドストップに達する前にストップに達する。このタスクは、可動コンタクトブリッジのためのスイッチングチャンバ内のストッパによって建設的に解決される。
【0040】
一例において、(最大自由走行(maximum free travel)とも称する)パラメータエンドストップ距離、(アイドルストロークまたはフリーストロークとも称する)クリア距離、および最大クリア距離は、以下の機能、すなわち、高速で均一なアーク走行、高短絡電流で再接触がないこと、および電磁駆動装置の最小引き込み電力が理想的に解決されるような方法において選択されることができる。この例では、これらの範囲の外側で、非常に大きな短絡電流が遮断されるときに、アーク走行が阻止されることがあるか、あるいは機械的な再接触が生じることがある。
【0041】
一例において、スイッチングデバイスは、双方向DC電流を伝導およびスイッチングするための、特に電気移動度(electro-mobility)の分野における大電力バッテリネットワークのための電気機械スイッチングデバイスとして実装される。
【0042】
スイッチングデバイスは、例えば、電気自動車および/またはハイブリッド車両の一部である。スイッチングデバイスは、例えば、接触器および/または回路遮断器として実現される。スイッチングデバイスは、例えば、空気中でのスイッチングとしてまたは気密シールされたスイッチングデバイスとして実装される。
【0043】
実施形態の図の以下の記述は、スイッチングデバイスの態様をさらに図示し、説明することがある。同じ構造および同じ効果を持つ部品およびデバイスは、それぞれ、等しい参照記号で現れる。部品またはデバイスが異なる図におけるそれらの機能に関して互いに対応する限りにおいて、その記述は、以下の図のそれぞれについて繰り返されない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】異なる状態または位相におけるスイッチングデバイスの例を示す。
図2】異なる状態または位相におけるスイッチングデバイスの例を示す。
図3】異なる状態または位相におけるスイッチングデバイスの例を示す。
図4】異なる状態または位相におけるスイッチングデバイスの例を示す。
図5A】スイッチングデバイスの接触領域の一例の詳細を示す。
図5B】スイッチングデバイスの一例のさらなる詳細を示す。
図5C】スイッチングデバイスの一例のさらなる詳細を示す。
図6A】スイッチングデバイスの異なる例の特性を示す。
図6B】スイッチングデバイスの異なる例の特性を示す。
図6C】スイッチングデバイスの異なる例の特性を示す。
図7】スイッチングデバイスのパラメータの値の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、スイッチングデバイス10(切替デバイス)の一例を示す。スイッチングデバイス10は、第1の可動コンタクト45、第2の可動コンタクト46、第1の固定コンタクト55、第2の固定コンタクト56、およびコンタクトブリッジ40を含む。コンタクトブリッジ40は、直平行六面体(cuboid)として実現される。コンタクトブリッジ40は、例えば、銅で作られる。コンタクトブリッジ40を、スイッチングブリッジまたはスイッチングコンタクトブリッジと呼ぶことがある。第1および第2の可動コンタクト45、46は、コンタクトブリッジ40に固定される。第1および第2の可動コンタクト45、46は、金属、例えば、酸化銀材料で作られる。第1および第2の可動コンタクト45、46の厚さは、例えば、0.5mm~1.5mm(0.5mmは、500μmに等しく、1.5mmは、1500μmに等しい)の範囲内にある。
【0046】
スイッチングデバイス10は、第1の端子コンタクト51および第2の端子コンタクト52を含む。第1の固定コンタクト55は、第1の端子コンタクト51に固定される。第2の固定コンタクト56は、第2の端子コンタクト52に固定される。第1および第2の固定コンタクト55、56は、金属、例えば、酸化銀材料で作られる。第1および第2の固定コンタクト55、56の厚さは、例えば、0.5mm~1.5mmの範囲内にある。第1および第2の端子コンタクト51、52は、曲げられた形態を有する。第1および第2の端子コンタクト51、52は、U形態を有する。第1および第2の端子コンタクト51、52は、例えば、銅がない。
【0047】
スイッチングデバイス10は、コンタクトブリッジキャリア30を含む。コンタクトブリッジキャリア30は、例えば、プラスチックからなる。コンタクトブリッジキャリア30は、例えば、熱可塑性材料または熱硬化性材料のような、ポリマからなる。コンタクトブリッジキャリア30の材料は、例えば、高い寸法および温度安定性、ならびにその表面での電流に対する電気抵抗を有する。コンタクトブリッジ40は、コンタクトブリッジキャリア30に挿入される。図1において、コンタクトブリッジ40は、部分的にコンタクトブリッジキャリア30の「背後」にある。スイッチングデバイス10は、接触圧力バネと称されることができるコンタクトバネ31を含む。コンタクトバネ31は、コンタクトブリッジ40をコンタクトブリッジキャリア30に結合する。コンタクトバネ31は、例えば、圧縮バネまたは張力/圧縮バネとして実現される。
【0048】
さらに、コンタクトブリッジキャリア30は、第1の端子コンタクト51と第2の端子コンタクト52との間の空間に配置される障壁32(バリア)を含む。障壁32は、第1の端子コンタクト51と第2の端子コンタクト52との間に隔離式に配置される。障壁32は、第1および第2の端子コンタクト51、52との接触がない。障壁32は、プレートの形態を有する。障壁32およびコンタクトブリッジキャリア30は、例えば、同じ材料から製造される。コンタクトブリッジキャリア30および障壁32は、1つの部品として有利に製造される。
【0049】
さらに、スイッチングデバイス10は、磁気駆動アセンブリを含む。磁気駆動アセンブリは、電気機械スイッチング駆動装置または磁気アクチュエータと称されることもある。磁気駆動アセンブリは、電気コイル48、磁気コア50、および電機子47(アーマチャ)を含む。電気コイル48は、磁気コア50内に固定される。ハウジング35は、例えば、熱可塑性材料または熱硬化性材料で作られる。電機子47は、コンタクトブリッジキャリア30に締め付けられる。電機子47は、コンタクトブリッジキャリア30およびコンタクトバネ31を介してコンタクトブリッジ40に結合される。コンタクトバネ31は、例えば、イノックス鋼のような、鋼で作られる。コンタクトバネ31は、コンタクトブリッジ40を第1および第2の端子コンタクト51、52の方向に押圧する。コンタクトバネ31は、コンタクトブリッジ40をその目標位置に固定する。コンタクトバネ31は、画定された力でコンタクトブリッジに予負荷をかける。コンタクトバネ31は、スイッチングデバイス10がスイッチオン状態にあるときに、適切な接触力を確保する。コンタクトバネ31は、第1および第2の固定されたコンタクト55、56に向かう方向においてコンタクトブリッジ40に力を与える。
【0050】
スイッチングデバイス10は、少なくとも、ストッパ、例えば、第1および第2のストッパ71、72を含む。第1および第2のストッパ71、72は、ハウジング35から突出する。第1および第2のストッパ71、72は、例えば、ハウジング35に一体的に接続される。この場合、ストッパ71、72は、例えば、ハウジング35と同じ材料で作られる。第1のストッパ71は、開口73を含み、第2のストッパ72は、開口74を含む。第1および第2のストッパ71、72は、(円筒シェルとも呼ぶ)中空シリンダまたは細長い中空シリンダの形態を有してよい。
【0051】
さらに、スイッチングデバイス10は、第1の端子コンタクト51に接続された第1のアークランナ25(arc runner)を含む。さらに、スイッチングデバイス10は、第1の可動コンタクト45の近傍でコンタクトブリッジ40に接続された第2のアークランナ26を含む。加えて、スイッチングデバイス10は、第2の端子コンタクト52に接続された第3のアークランナ27を含む。さらに、スイッチングデバイス10は、第2の可動コンタクト46の近傍でコンタクトブリッジ40に接続された第4のアークランナ28を含む。
【0052】
スイッチングデバイス10の第1のアークチャンバ21(arcing chamber)は、第1のアークランナ25に接続される。スイッチングデバイス10の第2のアークチャンバ22は、第3のアークランナ27に接続される。第1および第2のアークチャンバ21、22は、多数のスプリッタ板(図示せず)を含む。さらに、スイッチングデバイス10は、永久磁石と、第1および第2の磁極板とを有する、永久磁石システム(図示せず)によって囲まれる。コンタクトブリッジ40、第1および第2の端子コンタクト51、52、ならびに第1および第2のアークチャンバ21、22は、第1の磁極板と第2の磁極板との間に配置される。
【0053】
図1図4には、スイッチングデバイス10の一例の動作が示されている。スイッチングデバイス10は、双方向DCスイッチングデバイスとして構成される。スイッチングデバイス10は、スイッチオン状態またはスイッチオフ状態に設定されるように構成される。
【0054】
図1において、スイッチングデバイス10の例は、スイッチングオフ状態で示されている。換言すれば、スイッチングデバイス10は、動作的にスイッチングオフ状態(通常スイッチオフ、故障なし事例)にある。スイッチングデバイス10のスイッチオフ状態において、コンタクトブリッジ40は、オフ位置にある。スイッチングデバイス10のスイッチオン状態において、コンタクトブリッジ40は、オン位置にある。
【0055】
スイッチオフ状態において、第1および第2の固定コンタクト55、56は、第1および第2の可動コンタクト45、46と接触しない。よって、コンタクトブリッジ40を介した第1の端子コンタクト51から第2の端子コンタクト52への負荷電流の流れが阻止される。スイッチングデバイス10は、コンタクトブリッジ40を第1および第2端子コンタクト51、52から分離するコンタクトブリッジ40の移動によって、スイッチオン状態からスイッチオフ状態に設定される。この動きは、コンタクトブリッジ40が結合される磁気駆動アセンブリの電機子47の動きによってもたらされる。スイッチング前に負荷電流が流れる場合、第1のアークが、第1の固定コンタクト55と第1の可動コンタクト45との間に生成され、第2のアークが、第2の可動コンタクト46と第2の固定コンタクト56との間に生成される。
【0056】
クリア距離B(clearing distance)が、コンタクトブリッジ40のオン位置からコンタクトブリッジ40のオフ位置へのコンタクトブリッジ40の移動の距離である。換言すれば、クリア距離Bは、第1の固定コンタクト55の表面と第1の可動コンタクト45の表面との間の距離である。スイッチングデバイス10は、例えば、中軸に対して対称である。よって、クリア距離Bは、第2の固定コンタクト56の表面と第2の可動コンタクト46の表面との間のさらなるクリア距離B’と等しく、あるいはほぼ等しい。製作公差および以前のアークの影響のために、クリア距離Bおよびさらなるクリア距離B’は、同一でないことがある。スイッチングデバイス10のスイッチオフ状態では、電機子48と磁気コア50との間に空隙49がある。
【0057】
スイッチオン状態からスイッチオフ状態への移行時に、電機子47は、コンタクトブリッジキャリア30およびコンタクトブリッジ40を第1および第2端子コンタクト51、52から引き離す。また、電機子47の走行距離Cは、磁気駆動アセンブリの走行距離と称されることもでき、図1に示されている。走行距離Cは、電機子47がスイッチングデバイス10のスイッチングオン状態からスイッチングオフ状態に移動される距離である。クリア距離Bおよび走行距離Cは、例えば、スイッチングデバイス10が操作されずに開放されている場合に、長さまたは距離測定のためのデバイスによって測定されることができる。典型的には、スイッチングデバイス10は、通常オフのデバイスである。長さまたは距離測定用のデバイスは、例えば、レーザ距離測定デバイスまたはレーザ三角測量デバイスまたはキャリパである。一般に、電機子47のストロークまたは移動は、そのような長さまたは距離測定用のデバイスによって容易に測定される。直接測定できないパラメータは、計算されることができる。
【0058】
図2は、スイッチオン状態における図1に示されるスイッチングデバイス10の例を示す。ここで、電機子47の磁極面と磁気駆動アセンブリの磁気コアとの接触は、コンタクトバネ31と共に、コンタクトブリッジ40の閉鎖と、定格電流の永久伝導のために構成された接触力での2つの固定コンタクト55、56との2つの可動コンタクト45、46の接触とを引き起こす。よって、負荷電流は、第1の端子コンタクト51から、第1の固定コンタクト55、第1の可動コンタクト45、コンタクトブリッジ40、第2の可動コンタクト46および第2の固定コンタクト56を介して、第2の端子コンタクト52に流れることができる。
【0059】
過走行距離Aが、図2に示されている。過走行距離Aは、電機子47が、可動コンタクト45、46の両方が固定コンタクトの両方に接触する地点を越えて移動させられる距離である。よって、コンタクトバネ31は、コンタクトブリッジキャリア30によって圧縮される。コンタクトバネ31は、解放されたコンタクトバネ31と比較して、過走行距離Aだけより短くなる。過走行距離Aは、測定されることができ、あるいは計算されることができる。コンタクトバネ31は、スイッチオフ状態と比較して僅かに圧縮されて、永久電流の流れに適したコンタクト力を加える。有利には、過走行距離Aは、スイッチングデバイス10に加えられる振動、または以前のアークの影響としての可動コンタクト45、46または固定コンタクト55、56の厚さの減少の場合でさえも、スイッチングデバイス10がスイッチオン状態にあることを保証する。
【0060】
図3は、短絡の場合の図1および図2に示されるスイッチングデバイス10の例を示す。「短絡の場合」という用語は、例えば「短絡の事態」という用語に置き換えられることができる。図3では、短絡の第1の位相が図示されている。(例えば、高い短絡電流を有する)短絡の第1の位相では、可動コンタクト45、46の動的引裂き開放(tearing open)が生じる。図3に示されるこの場合において、コンタクトブリッジ40は、下向き移動する一方で、電機子47は、依然としてスイッチングデバイス10のスイッチオン状態の位置にある。コンタクトバネ31は、非常に圧縮される。第1の位相におけるコンタクトバネ31の圧縮は、スイッチングデバイス10のスイッチオン状態におけるコンタクトバネ31の圧縮よりも高い。
【0061】
短絡の第1の位相において、コンタクトブリッジ40は、ハウジング35または2つの固定コンタクト55、56に対して移動し、コンタクトブリッジキャリア30は、移動しない。よって、コンタクトブリッジ40は、コンタクトブリッジキャリア30に対して相対的な移動を行う。コンタクトブリッジ40のオン位置からの移動は、短絡の場合にはエンドストップ距離F(end stop distance)に制限される。コンタクトブリッジキャリア30に対するコンタクトブリッジ40の相対的な移動は、最大でもエンドストップ距離Fを得ることができる。
【0062】
一例において、移動は、コンタクトバネ31によって停止される。コンタクトバネ31は、ブロック長と呼ばれる最小長さを有する。ブロック長は、全体のブロッキング時のコンタクトバネ31の長さである。ブロック長は、最大圧縮時のコンタクトバネ31の長さであり、よって、各巻線は、隣接する巻線に接触する。コンタクトバネ31がそのブロック長まで圧縮されると、コンタクトブリッジキャリア30に向かうコンタクトブリッジ40の相対的な移動は、停止する。コンタクトバネ31の移動は、コンタクトバネ31のブロック長によって、または(図5に示されるような)コンタクトブリッジキャリア30内の少なくともバンパ75、76によって停止されることができる。エンドストップ距離Fは、例えば、スイッチングデバイス10が操作されずに開放され、コンタクトブリッジ40が外力によってコンタクトブリッジキャリア30に対して移動される場合に、長さまたは距離測定のためのデバイスによって測定されることができる。エンドストップ距離Fは、コンタクトブリッジキャリア30の内側のコンタクトブリッジ40の2つの端位置間の距離である(例えば、エンドストップ距離Fは、この距離から過走行距離Aを引いた距離である)。
【0063】
図4は、短絡の場合における図1図3に示されるスイッチングデバイス10の例を示す。図4には、短絡の第2の位相が図示されている。スイッチングデバイス10は、例えば、第1および第2のストッパ71、72として実現される、少なくとも1つのストッパを含む。第1および第2のストッパ71、72は、ハウジング35に接続される。短絡の事態において、電流センサは、負荷電流が所定の限界を上回ることを検出し、スイッチングデバイス10のスイッチングオフ状態において電機子47の位置に向かう電機子47の移動をトリガする信号を制御回路に提供する。よって、コンタクトブリッジキャリア30は、移動させられる。
【0064】
第1および第2のストッパ71、72は、短絡の第2の位相におけるハウジング35に対するコンタクトブリッジ40の移動を制限する。最大クリア距離Eが、スイッチングデバイス10のスイッチオン状態におけるコンタクトブリッジ40のオン位置から短絡の場合における少なくとも1つのストッパ71、72までのコンタクトブリッジ40の移動の最大距離である。最大クリア距離Eは、例えば、第1のストッパ71までの第1の固定コンタクト55の距離(コンタクトブリッジ40の移動方向に平行な距離)からコンタクトブリッジ40の厚さを引いた距離である。コンタクトブリッジ40のこの距離および厚さは、開放された無電力スイッチングデバイス10で長さまたは距離測定のためのデバイスによって測定されることができる。最大クリア距離Eは、エンドストップ距離Fよりも大きい。差距離Dを以下のように計算することができる
【数3】
【0065】
図5Aは、図1図4に示す例のさらなる展開であるスイッチングデバイス10のコンタクト領域の例の詳細を示す。図5において、短絡の第1の位相は、図3と同様に示されている。コンタクトブリッジ40の移動は、コンタクトブリッジ40とコンタクトブリッジキャリア30との間に配置されるスイッチングデバイス10の機械的部分によって停止される。機械的部品は、例えば、コンタクトブリッジキャリア30に接続される第1のバンパ75である。第1のバンパ75は、コンタクトブリッジ40の移動を停止させる。コンタクトブリッジキャリア30は、第1のバンパ75を含んでよい。コンタクトブリッジキャリア30および第1のバンパ75は、例えば、同じ材料から作られる。第1のバンパ75は、例えば、ピン、シリンダまたはバーとして形成される。図5に示されるように、スイッチングデバイス10は、第2のバンパ76を含む。第2のバンパは、第1のバンパ75と同じ機能および構造を有する。2つのバンパ75、76およびコンタクトブリッジ40の一部分は、破線で示されている。何故ならば、それらはコンタクトブリッジキャリア30の前板の「背後」にあるからである。
【0066】
代替的な図示されていない実施形態において、第1のバンパ75は、コンタクトブリッジキャリア30内の横方向リブによって実現される。横方向リブは、例えば、コンタクトブリッジキャリア30のプラスチックの一部分である。有利なことに、追加の部品は不要である。スイッチングデバイス10は、第2のバンパ76がない。
【0067】
図5Bは、上記の例のさらなる展開であるスイッチングデバイス10の例のさらなる詳細を示す。図5Bには、異なる平面にある2つの断面が示されている。点線の左側の断面は、コンタクトブリッジ40を通る断面であるのに対し、点線の右側の断面は、コンタクトブリッジ40の背後の平面を通る断面である。点線の右側に示されるように、スイッチングデバイス10は、戻りバネ77を含む。戻りバネ77の1つの側面は、ハウジング35と接触する。戻りバネ77の他の側面は、コンタクトブリッジキャリア30に結合される。スイッチングデバイス10の金属ブリッジ78は、戻りバネ77の他の側面78をコンタクトブリッジキャリア30に結合する。(図5Bに示されるような)スイッチングデバイス10のスイッチオン状態では、コイル電流が、コイル48を通って流れ、よって、電機子47は、磁気コア50に向かって引っ張られる。より正確には、スイッチングデバイス10がスイッチングオフ状態からスイッチオン状態に切り換えられるときに、コイル電流は、第1の持続時間において第1の値を有し、次に、第2の値を有する。第2の値は、第1の値よりも小さい。第2の値は、例えば、第1の値の20%または10%または5%よりも低い。有利には、第1の持続時間において、高い力が、電機子47を迅速に移動させるためにコイル電流の高い値によって達成される。コイル電流のより低い値は、電機子47をスイッチオン位置に保持するのに適切である。
【0068】
図5Cは、上記の例のさらなる展開であるスイッチングデバイス10の例のさらなる詳細を示す。図5Cには、図5Bにおけると同じ断面が示されている。(図5Cに示されるような)スイッチングデバイス10のスイッチングオフ状態において、コイル電流は、コイル48を通って流れず、よって、空隙49が、電機子47と磁気コア50との間にある。
【0069】
コンタクトブリッジキャリア30は、リミッタ82(制限器)を含む。コンタクトブリッジキャリア30およびリミッタ80は、同じ材料から作られる。リミッタ82は、第1および第2の固定コンタクト55、56に向かうコンタクトブリッジキャリア30の内側のコンタクトブリッジ40の移動を制限するように構成される。よって、コンタクトブリッジ40は、リミッタ82と第1のバンパ75との間でコンタクトブリッジキャリア30の内側を移動することができる。
【0070】
戻りバネ77は、スイッチングデバイス10のスイッチオフ状態において、コンタクトブリッジキャリア30、よって、コンタクトブリッジ40を、第1および第2の端子コンタクト51、52までの距離に保持する。戻りバネ77は、第1および第2の固定コンタクト55、56から離れる方向においてコンタクトブリッジキャリア30に力を与える。
【0071】
図6A図6Cは、例えば、上記の例として実現される、スイッチングデバイス10の異なる例の特徴を示す。図6A図6Cにおいて、短絡電流ILおよび電圧VLは、時間tの関数として示されている。短絡電流ILは、アークを伴ってあるいはアークを伴わずに、コンタクトブリッジ40を介して第1の端子コンタクト51から第2の端子コンタクト52に流れる。電圧VLは、第1の端子コンタクト51と第2の端子コンタクト52との間でタップされる(tapped)。シャント抵抗器(shunt resistor)が、例えば、第2の端子コンタクト52と基準電位との間で、回路に挿入される。シャント抵抗器は、例えば、60μΩの値を有する。シャント抵抗器に亘る電圧は、2500Aの負荷電流ILで150mVの値を有する。図6A図6Cには、測定の結果が示されている。各図は、短絡を示す。
【0072】
図6Aにおいて、短絡電流ILは、短絡の故に上昇し、その結果、上述のコンタクトブリッジ40の移動をもたらす。よって、アークが、可動コンタクト45、46と固定コンタクト55、56との間に生成される。アークは、急速に消火される(extinguished)。一例では、スイッチングデバイス10の作動を伴わずに、短絡電流ILは、20kAの値に達する。スイッチングデバイス10の動作は、速いので、短絡電流ILは、例えば、17500Aに達し、よって、短絡電流について20kAの公称値の下に留まる。電圧VLは、コンタクトブリッジの移動の開始後に上昇し、約800Vに留まる。図6Aは、図7Aにおいて以下に記載されるように、最適化されたパラメータ値を有するスイッチングデバイス10の例を示す。
【0073】
図6Bにおいて、スイッチングデバイス10は、図6Aのスイッチングデバイス10と比較して、より長い消火時間(extinguishing time)を示す。最大クリア距離Eは、小さすぎる値を有する。長い消火時間は、アークが、溶融される可動および固定コンタクト45、46、55、56の大量の材料をもたらすリスクを増大させる。溶融される材料は、アーク室21、22内へのアークの移動を阻止することがある。図6Bに示されように、アークは、最終的に消失され、約800Vの電圧VLは、第1の端子コンタクト51と第2の端子コンタクト52との間で低下する。
【0074】
図6Cにおいて、スイッチングデバイス10は、図6Aに示される状況と同様に、短い消火時間を示す。しかしながら、コンタクトブリッジ40は、第1および第2の固定コンタクト55、56に戻り、短絡電流ILは、再び上昇する。長い消火時間の後に、短絡電流ILは、再び低下し、電圧VLは、800Vの値を得る。図6Cにおいて、最大クリア距離Eは、高すぎる値(例えば、E=9mm)を有する。
【0075】
図7Aは、上記の例のさらなる展開であるスイッチングデバイス10のパラメータの値の例を示す。エンドストップ距離Fの値は、最大クリア距離Eの値の関数として示される。エンドストップ距離F、クリア距離Bおよび最大クリア距離Eの値は、mmで与えられる(5,1mmは、5100μmを意味する)。図7Aは、一次元多重物理シミュレーションの結果を示す。黒で印されるエンドストップ距離Fの領域が、作動するスイッチングデバイス10をもたらす。
【0076】
スイッチングデバイス10は、最大クリア距離ついての所与の値Eで、以下の条件で、エンドストップ距離の値Fについて正しく作動する。
【数4】
FminおよびFmaxは、エンドストップ距離の最小値および最大値であり、以下の式に従って計算されることができる
【数5】
【0077】
よって、エンドストップ距離は、以下の式に従った値Fを有する。
【数6】
ここで、Eは、最大クリア距離の値である。
【0078】
最大クリア距離Eおよびエンドストップ距離Fのこれらの値は、短絡の場合にも正しく作動するスイッチングデバイス10をもたらす。例えば、最大クリア距離についての値E=7.2mmで、エンドストップ距離の値Fは、Fmin=5.3mm≦F≦6.1mm=Fmaxである。この例において、クリア距離は、例えば、値B=5.6mmを得る。最大クリア距離Eの値は、クリア距離Bの値に依存する。エンドストップ距離Fの値も、クリア距離Bの値に対する小さな依存を有する。クリア距離Bは、5.1mm~6.6mmの範囲内の値を得る。換言すれば、クリア距離Bの値は、最大クリア距離Eの値に依存する。最大クリア距離Eの値は、エンドストップ距離Fの値に依存する。
【0079】
最大クリア距離Eは、6.3mm~8.6mmの範囲内の値を得る。よって、最大クリア距離Eおよびエンドストップ距離Fは、短絡の場合においても、正しく作動するスイッチングデバイス10のための最も重要なパラメータである。一例において、式から得られる値は、丸められる。
【0080】
一例において、エンドストップ距離F、最大クリア距離Eおよび他の距離は、物体の寸法を測定するのに適したデバイスを用いて測定される。距離は、長さまたは距離測定のためのデバイスによって、例えば、レーザまたはキャリパによって測定される。キャリパは、罫付きスケール、ダイヤルまたはデジタルディスプレイで測定結果を読み取ることを可能にする。
【0081】
白でマークされているエンドストップ距離Eの領域が、正しく作動していないスイッチングデバイス10をもたらす。例えば、表の左下側の領域におけるパラメータ値は、20kAの短絡電流を有する短絡の場合に再接続をもたらす。アークは、アークチャンバ21、22内に移動しない。表の右上側の領域におけるパラメータ値は、短い短絡電流の場合に困難をもたらす。再接続が、これらのパラメータ値で生じることもある。
【0082】
過走行距離Aの値は、例えば、エンドストップ距離Fおよび最大クリア距離Eと無関係である。走行距離Cは、例えば、C=B+Aを用いて計算されることができる。クリア距離B、トラベル距離Cおよび差距離Dの値は、例えば、エンドストップ距離Fおよび最大クリア距離Eの値の選択から生じる。
【0083】
上述のような図1図7に示される実施形態は、改良されたスイッチングデバイス10および方法の例を示す。従って、それらは、改良されたスイッチングデバイスおよび方法に従った全ての実施形態の完全なリストを構成しない。実際のスイッチングデバイスおよび方法は、例えば、部品、構造および形状に関して、図示の実施形態と異なることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】国際公開第2020/035489A1号
【符号の説明】
【0085】
10 スイッチングデバイス
21,22 アークチャンバ
25~28 アークランナ
30 コンタクトブリッジキャリア
31 コンタクトバネ
35 ハウジング
40 コンタクトブリッジ
45,46 可動コンタクト
47 電機子
48 電気コイル
49 空隙
50 磁気コア
51 第1の端子コンタクト
52 第2の端子コンタクト
55,56 固定コンタクト
71 第1のストッパ
72 第2のストッパ
73,74 開口
75,76 バンパ
77 戻りバネ
78 金属ブリッジ
79,80,81 電機子接続
82 リミッタ
A 過走行距離
B クリア距離
C 走行距離
D 差距離
E 最大クリア距離
F エンドストップ距離
IL 短絡電流
VL 電圧
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 第1および第2の固定コンタクトと、
- コンタクトブリッジと、
- 前記コンタクトブリッジに配置される第1および第2の可動コンタクトと、
- コンタクトバネと、
- 移動可能であり、前記コンタクトバネを介して前記コンタクトブリッジに結合される、コンタクトブリッジキャリアと、
- 電気コイル、磁気コアおよび電機子を持つ、磁気駆動アセンブリであって、前記電機子は、移動可能であり、前記コンタクトブリッジキャリアに接続される、前記磁気駆動アセンブリと、
- ハウジングと、
- 前記ハウジングに接続され、短絡の場合に前記コンタクトブリッジの移動を制限するように構成される、少なくとも1つのストッパと、を含む、
スイッチングデバイス。
【請求項2】
当該スイッチングデバイスは、電流が、前記第1の固定コンタクト、前記第1の可動コンタクト、前記コンタクトブリッジ、前記第2の可動コンタクトおよび前記第2の固定コンタクトを通って短絡の場合に流れ、前記コンタクトブリッジキャリアの移動が、当該スイッチングデバイスのスイッチオン状態における前記コンタクトブリッジのオン位置から前記少なくとも1つのストッパへの前記コンタクトブリッジの移動を引き起こす、ように構成される、請求項1に記載のスイッチングデバイス。
【請求項3】
最大クリア距離が、当該スイッチングデバイスの前記スイッチオン状態における前記コンタクトブリッジの前記オン位置から短絡の場合における前記少なくとも1つのストッパへの前記コンタクトブリッジの前記移動の最大距離である、請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのストッパおよび前記少なくとも1つのストッパに接続される前記ハウジングの部分は、同じの材料で作られる、請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項5】
前記コンタクトブリッジキャリアおよび前記コンタクトブリッジは、当該スイッチングデバイスのスイッチオン状態における前記コンタクトブリッジのオン位置からの前記コンタクトブリッジキャリアに対する前記コンタクトブリッジの相対的な移動が、短絡の場合にエンドストップ距離に制限されるように構成される、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項6】
当該スイッチングデバイスの前記スイッチオン状態における前記コンタクトブリッジの前記オン位置からの前記コンタクトブリッジキャリアに対する前記コンタクトブリッジの前記相対的な移動は、
- 前記コンタクトブリッジキャリアに接続されるなくとも1つのバンパ、および/または、
- 前記コンタクトバネのブロック長
によって制限される、
請求項5に記載のスイッチングデバイス。
【請求項7】
前記エンドストップ距離は、大クリア距離に依存する、請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項8】
前記エンドストップ距離は、以下の式による値Fを有し、
【数1】
ここで、FminおよびFmaxは、前記エンドストップ距離の最小値および最大値であり、Eは、前記最大クリア距離の値である、
請求項7に記載のスイッチングデバイス。
【請求項9】
クリア距離が、当該スイッチングデバイスのスイッチオン状態における前記コンタクトブリッジのオン位置から短絡がない当該スイッチングデバイスのスイッチオフ状態における前記コンタクトブリッジのオフ位置への前記コンタクトブリッジの移動の距離である、請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項10】
大クリア距離、前記クリア距離よりも大きい、請求項9に記載のスイッチングデバイス。
【請求項11】
大クリア距離、以下の式による値Eを有し、
【数2】
ここで、Bは、前記クリア距離の値である、
請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項12】
前記コンタクトブリッジキャリアは、リミッタを含み、
前記リミッタは、前記第1および第2の固定コンタクトに向かう前記コンタクトブリッジキャリアの内側の前記コンタクトブリッジの移動を制限するように構成される、
請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項13】
当該スイッチングデバイスは、戻りバネを含み、
前記戻りバネの1つの側面は、前記ハウジングと接触し、前記戻りバネの他の側面は、前記コンタクトブリッジキャリアに結合され、
前記戻りバネは、前記第1および第2の固定コンタクトから離れる方向において前記コンタクトブリッジキャリアに力を提供するように構成される、
請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項14】
前記ハウジングは、短絡の場合に前記電機子の移動を制限するように構成される、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項15】
スイッチングデバイスを作動させる方法であって、
前記スイッチングデバイスは、第1および第2の固定コンタクトと、コンタクトブリッジと、前記コンタクトブリッジに配置される第1および第2の可動コンタクトと、コンタクトバネと、移動可能であり、前記コンタクトバネを介して前記コンタクトブリッジに結合される、コンタクトブリッジキャリアと、ハウジングと、前記ハウジングに接続される少なくとも1つのストッパと、電気コイル、磁気コアおよび電機子を持つ、磁気駆動アセンブリであって、前記電機子は、移動可能であり、前記コンタクトブリッジキャリアに接続される、前記磁気駆動アセンブリと、を含み、
当該方法は、短絡の場合に前記少なくとも1つのストッパによって前記コンタクトブリッジの移動を制限することを含む、
方法。
【国際調査報告】