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特表2024-542835チップパッケージモジュール及びその製造方法、パワーモジュール、並びに電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】チップパッケージモジュール及びその製造方法、パワーモジュール、並びに電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/48 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H01L23/48 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533960
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2022138513
(87)【国際公開番号】W WO2023165213
(87)【国際公開日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】202210194673.X
(32)【優先日】2022-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ホーァ,ジュインチーン
(72)【発明者】
【氏名】チャーン,モーホワイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,イエンチウ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ウエンタオ
(57)【要約】
本出願は、第1導電性フレームと、第1導電性フレーム上に配設された第1ベアダイと、第1導電性フレームの横に間隔を置いて配設された第2導電性フレームとを含むチップパッケージモジュールを提供する。チップパッケージモジュールは、第1導電性接続シートと、第2ベアダイと、導電性カバープレートとをさらに含む。第1導電性接続シートは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第2導電性フレームに重なるように延びている。第2ベアダイは、第1ベアダイ上に積層され、第1導電性接続シートに接続される。導電性カバープレートは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面に接続され、第1導電性フレームに接続されるように延びている。第1導電性接続シート及び導電性カバープレートを使用して、垂直に積層された第1ベアダイと第2ベアダイとの間の電気的相互接続を実施し、2つのベアダイを1つのデバイス内にパッケージングすることにより、単一のデバイスの性能が向上する。本出願は、チップパッケージモジュールを含むパワーモジュール、電子デバイス及びチップパッケージモジュールの製造方法をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップパッケージモジュールであって、
第1導電性フレームと、
前記第1導電性フレーム上に配設された第1ベアダイと、
前記第1導電性フレームから間隔を置いて配設された第2導電性フレームと、
前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの表面に接続され、前記第2導電性フレームに重なるように延びている第1導電性接続シートと、
前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの表面に積層され、前記第1導電性接続シートに接続された第2ベアダイと、
前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面に接続され、前記第1導電性フレームに接続されるように延びている導電性カバープレートと
を備えるチップパッケージモジュール。
【請求項2】
前記第1ベアダイの第1電極は、前記第1導電性フレームに電気的に接続され、前記第2ベアダイの第2電極は、前記導電性カバープレートに電気的に接続されて、前記第1電極と前記第2電極との間の電気的接続を実施し、
前記第1ベアダイの第3電極及び前記第2ベアダイの第4電極の両方が、前記第1導電性接続シートに電気的に接続されて、前記第3電極と前記第4電極との間の電気的接続を実施する、
請求項1に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項3】
前記チップパッケージモジュールは、第3導電性フレーム及び第2導電性接続シートをさらに備え、前記第1導電性フレーム、前記第2導電性フレーム及び前記第3導電性フレームは、互いに間隔を置いて配設され、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に接続され、前記第3導電性フレームに重なるように延びており、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される、請求項1又は2に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項4】
前記第1ベアダイの第5電極及び前記第2ベアダイの第6電極の両方が、前記第2導電性接続シートに電気的に接続されて、前記第5電極と前記第6電極との間の電気的接続を実施する、請求項3に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項5】
前記第1電極は第1ソースであり、前記第3電極は第1ドレインであり、前記第5電極は第1ゲートであり、前記第2電極は第2ソースであり、前記第4電極は第2ドレインであり、前記第6電極は第2ゲートであり、前記第1ソース、前記第1ドレイン及び前記第1ゲートは、前記第1導電性フレーム、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、前記第2ソース、前記第2ドレイン及び前記第2ゲートは、前記導電性カバープレート、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続される、請求項4に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項6】
前記第1ソースは、前記第2ソースに並列に接続され、前記第1ドレインは、前記第2ドレインに並列に接続され、前記第1ゲートは、前記第2ゲートに並列に接続される、請求項5に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項7】
前記第1ドレインは、前記第1導電性フレームに電気的に接続され、前記第1ゲートは、前記第1導電性接続シートに電気的に接続され、前記第1ソースは、前記第2導電性接続シートに電気的に接続され、前記第2ドレインは、前記導電性カバープレートに電気的に接続され、前記第2ゲートは、前記第1導電性接続シートに電気的に接続され、前記第2ソースは、前記第2導電性接続シートに電気的に接続される、請求項6に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項8】
前記導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて前記平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを備え、前記平坦プレートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、前記平坦プレートと前記第1導電性フレームとの間に接続される、請求項1から7のいずれか一項に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項9】
各サイドプレートは、前記平坦プレートに垂直に接続される、請求項8に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項10】
前記導電性カバープレートは、前記平坦プレートに垂直に接続された3つのサイドプレートを備える、請求項8又は9に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項11】
前記第1ベアダイと前記第1導電性フレームとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって電気的接続が実施され、前記第1導電性接続シートが前記第1ベアダイ及び前記第2導電性フレームに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって前記第1導電性接続シートが前記第1ベアダイ及び前記第2導電性フレームに電気的に接続され、前記第2ベアダイが前記第1導電性接続シートに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって前記第2ベアダイが前記第1導電性接続シートに電気的に接続され、前記導電性カバープレートと前記第2ベアダイとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって前記導電性カバープレートが前記第2ベアダイに電気的に接続される、請求項8又は9に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項12】
回路基板と、前記回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを備えパワーモジュールであって、前記チップパッケージモジュールは、請求項1から11のいずれか一項に記載のチップパッケージモジュールである、パワーモジュール。
【請求項13】
回路基板と、前記回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを備える電子デバイスであって、前記チップパッケージモジュールは、請求項1から11のいずれか一項に記載のチップパッケージモジュールである、電子デバイス。
【請求項14】
チップパッケージモジュールの製造方法であって、
第1導電性フレーム及び第2導電性フレームを提供するステップであって、前記第2導電性フレームは、前記第1導電性フレームの横に間隔を置いて配設される、ステップと、
第1ベアダイを前記第1導電性フレームに取り付けるステップと、
第1導電性接続シートを配置するステップであって、前記第1導電性接続シートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの表面に接続され、前記第2導電性フレームに重なるように延びている、ステップと、
第2ベアダイを、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に取り付けるステップであって、前記第2ベアダイは、前記第1導電性接続シートに接続される、ステップと
導電性カバープレートを配置するステップであって、前記導電性カバープレートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面に接続され、前記第1導電性フレームに接続されるように延びている、ステップと
を含む、チップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項15】
前記製造方法は、前記第2ベアダイが配置される前に、前記第1導電性フレームの横に間隔を置いて位置する第3導電性フレームを設けるステップと、第2導電性接続シートを配置するステップとをさらに含み、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に接続され、前記第3導電性フレームに重なるように延びており、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される、請求項14に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項16】
前記導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて前記平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを備え、前記平坦プレートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、前記平坦プレートと前記第1導電性フレームとの間に接続される、請求項14又は15に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項17】
前記第1ベアダイ及び前記第2ベアダイの各々は、複数の電極を備え、前記第1ベアダイの前記複数の電極は、ソース、ドレイン及びゲートを含み、前記第2ベアダイの前記複数の電極も、ソース、ドレイン及びゲートを含み、前記第1ベアダイの前記ソース、前記ドレイン及び前記ゲートは、前記第1導電性フレーム、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、前記第2ベアダイの前記ソース、前記ドレイン及び前記ゲートは、前記導電性カバープレート、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、前記第1ベアダイの前記ソースは、前記第2ベアダイの前記ソースに並列に接続され、前記第1ベアダイの前記ドレインは、前記第2ベアダイの前記ドレインに並列に接続され、前記第1ベアダイの前記ゲートは、前記第2ベアダイの前記ゲートに並列に接続される、請求項15に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項18】
第1ベアダイを前記第1導電性フレームに取り付ける前記ステップは、前記第1導電性フレーム上にはんだを配置し、前記はんだ上に前記第1ベアダイを設置し、その後、はんだ付けによって前記第1ベアダイを前記第1導電性フレームに電気的に接続するステップを含み、
第1導電性接続シートを配置する前記ステップ及び第2導電性接続シートを配置する前記ステップは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に間隔を置いて配設された2群のはんだを配置し、前記第2導電性フレーム及び前記第3導電性フレーム上に別々にはんだを配置し、その後、前記第1ベアダイの一方の群のはんだ及び前記第2導電性フレームの前記はんだ上に前記第1導電性接続シートを設置し、第1ベアダイの他方の群のはんだ及び前記第3導電性フレームの前記はんだ上に前記第2導電性接続シートを配置し、はんだ付けによって前記第1導電性接続シートを前記第1ベアダイ及び前記第2導電性フレームに電気的に接続し、はんだ付けによって前記第2導電性接続シートを前記第1ベアダイ及び前記第3導電性フレームに電気的に接続するステップを含み、
第2ベアダイを取り付ける前記ステップは、前記第1ベアダイから離れた前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートの表面に別々にはんだを配置し、前記はんだ上に前記第2ベアダイを設置し、はんだ付けによって前記第2ベアダイを前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに電気的に接続するステップを含み、
導電性カバープレートを配置する前記ステップは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの前記表面にはんだを配置し、前記はんだ上に前記導電性カバープレートの前記平坦プレートを設置し、はんだ付けによって前記導電性カバープレートを前記第2ベアダイに電気的に接続するステップを含む、
請求項15に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2022年3月1日に中国国家知識産権局に出願された「CHIP PACKAGE MODULE, METHOD FOR MANUFACTURING SAME, POWER MODULE, AND ELECTRONIC DEVICE」と題する中国特許出願第202210194673.X号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願は、チップパッケージングの分野に関し、特に、チップパッケージモジュール、チップパッケージモジュールの製造方法、チップパッケージモジュールが使用されるパワーモジュール及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
パッケージ内電源(Power Supply In a Package,PSIP)及びブリックモジュール電源(Brick Module Power,BMP)などのパワーモジュールによる、電力及び適用頻度に対する要求がますます高くなるにつれ、単一の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor,MOSFET)チップは、小型化、低損失化、高電力密度化への進化を余儀なくされている。既存の単一トランジスタMOSFETパッケージは、ベアウェハを1つしか含まない。現在の製造プロセスの下では、ウェハの性能向上速度がパワーモジュールの性能向上速度に追いつかなくなってきている。デバイス内には1つのベアウェハしかパッケージングされず、パッケージ本体の高さ方向の空間が十分に使用されていない。加えて、単一のデバイスの性能は、ベアウェハの性能に完全に依存する。システム要件が高くてもベアウェハの性能が不十分である場合、性能ボトルネックが形成され、パワーモジュールのさらなる最適化を妨げる。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施形態の第1態様は、チップパッケージモジュールを提供し、このチップパッケージモジュールは、以下を含む:
第1導電性フレーム;
第1導電性フレーム上に配設された第1ベアダイ;
第1導電性フレームから間隔を置いて配設された第2導電性フレーム;
第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第2導電性フレームに重なるように延びている第1導電性接続シート;
第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に積層され、第1導電性接続シートに接続された第2ベアダイ;及び
第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面に接続され、第1導電性フレームに接続されるように延びている導電性カバープレート。
【0005】
本出願の第1態様におけるチップパッケージモジュールによれば、第1導電性接続シート、導電性カバープレートなどを使用して、垂直に積層された第1ベアダイと第2ベアダイとの間の電気的相互接続を実施し、2つのベアダイを1つのデバイス内にパッケージングすることにより、単一のデバイスの性能が向上し、デバイスのための高性能電源システムの要件がある程度満たされる。
【0006】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイの第1電極は、第1導電性フレームに電気的に接続され、第2ベアダイの第2電極は、導電性カバープレートに電気的に接続されて、第1電極と第2電極との間の電気的接続を実施し、第1ベアダイの第3電極及び第2ベアダイの第4電極の両方が、第1導電性接続シートに電気的に接続されて、第3電極と第4電極との間の電気的接続を実施する。
【0007】
1つのデバイス内にパッケージングされた垂直に積層された第1ベアダイ及び第2ベアダイは、電気的に相互接続された2対の電極を有する。
【0008】
本出願の一実装形態では、チップパッケージモジュールは、第3導電性フレーム及び第2導電性接続シートをさらに含み、第1導電性フレーム、第2導電性フレーム及び第3導電性フレームは、互いに間隔を置いて配設され、第2導電性接続シートは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第3導電性フレームに重なるように延びており、第2導電性接続シートは、第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される。
【0009】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイの第5電極及び第2ベアダイの第6電極の両方が、第2導電性接続シートに電気的に接続されて、第5電極と第6電極との間の電気的接続を実施する。
【0010】
1つのデバイス内にパッケージングされた垂直に積層された第1ベアダイ及び第2ベアダイは、電気的に相互接続された3対の電極を有する。
【0011】
本出願の一実装形態では、第1電極は第1ソースであり、第3電極は第1ドレインであり、第5電極は第1ゲートであり、第2電極は第2ソースであり、第4電極は第2ドレインであり、第6電極は第2ゲートであり、第1ソース、第1ドレイン及び第1ゲートは、第1導電性フレーム、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、第2ソース、第2ドレイン及び第2ゲートは、導電性カバープレート、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続される。
【0012】
本出願の一実装形態では、第1ソースは、第2ソースに並列に接続され、第1ドレインは、第2ドレインに並列に接続され、第1ゲートは、第2ゲートに並列に接続される。
【0013】
第1ベアダイ及び第2ベアダイは、MOSFETチップであってもよく、単一のデバイス内に垂直に積層された第2ベアダイ及び第1ベアダイの3つの端子、すなわち、ソース、ドレイン及びゲートを並列に接続して、デバイス性能を大幅に向上させる。
【0014】
本出願の一実装形態では、第1ドレインは、第1導電性フレームに電気的に接続され、第1ゲートは、第1導電性接続シートに電気的に接続され、第1ソースは、第2導電性接続シートに電気的に接続され、第2ドレインは、導電性カバープレートに電気的に接続され、第2ゲートは、第1導電性接続シートに電気的に接続され、第2ソースは、第2導電性接続シートに電気的に接続される。
【0015】
本出願の一実装形態では、導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを含み、平坦プレートは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、平坦プレートと第1導電性フレームとの間に接続される。
【0016】
サイドプレートは、平坦プレートと第1導電性フレームとの間に支持されて支持を提供する。導電性カバープレートは、曲げられたサイドプレートによって第1導電性フレームに接続され、導電性カバープレート自体の重量と、チップパッケージモジュールの一部がプラスチックにパッケージングされた後に得られるプラスチックパッケージ材料の重量とに耐えて、下方の第1ベアダイの応力をある程度緩和することができる。
【0017】
本出願の一実装形態では、各サイドプレートは、平坦プレートに垂直に接続される。
【0018】
本出願の一実装形態では、導電性カバープレートは、平坦プレートに垂直に接続された3つのサイドプレートを含む。
【0019】
導電性カバープレートは、垂直に曲げられた3つのサイドプレートによって第1導電性フレームに接続され、3つのサイドプレートは、導電性カバープレート自体の重量と、チップパッケージモジュールの一部がプラスチックにパッケージングされた後に得られるプラスチックパッケージ材料の重量とに耐えて、下方の第1ベアダイの応力をある程度緩和することができる。
【0020】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイと第1導電性フレームとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって電気的接続が実施され、第1導電性接続シートが第1ベアダイ及び第2導電性フレームに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって第1導電性接続シートが第1ベアダイ及び第2導電性フレームに電気的に接続され、第2ベアダイが第1導電性接続シートに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって第2ベアダイが第1導電性接続シートに電気的に接続され、導電性カバープレートと第2ベアダイとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって導電性カバープレートが第2ベアダイに電気的に接続される。
【0021】
本出願の実施形態の第2態様は、回路基板と、回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを含むパワーモジュールを提供する。チップパッケージモジュールは、本出願の実施形態の第1態様によるチップパッケージモジュールである。
【0022】
本出願の実施形態の第3態様は、回路基板と、回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを含む電子デバイスを提供する。チップパッケージモジュールは、本出願の実施形態の第1態様によるチップパッケージモジュールである。
【0023】
本出願の実施形態の第4態様は、チップパッケージモジュールの製造方法を提供し、本方法は、以下を含む:
第1導電性フレーム及び第2導電性フレームを提供するステップであって、第2導電性フレームは、第1導電性フレームの横に間隔を置いて配設される、ステップ;
第1ベアダイを第1導電性フレームに取り付けるステップ;
第1導電性接続シートを配置するステップであって、第1導電性接続シートは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第2導電性フレームに重なるように延びている、ステップ;
第2ベアダイを、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に取り付けるステップであって、第2ベアダイは、第1導電性接続シートに接続される、ステップ;及び
導電性カバープレートを配置するステップであって、導電性カバープレートは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面に接続され、第1導電性フレームに接続されるように延びている、ステップ。
【0024】
本出願におけるチップパッケージモジュールの製造方法によれば、デバイス製造プロセスに挑戦にすることなく、パッケージ構造の革新により単一のデバイスの性能が向上し、電力密度が増加され、それにより、デバイスに対する高性能電源システムの要件がある程度満たされ、導電性カバープレートの特別な設計を通じてデバイスの応力状態を最適化することができる。
【0025】
本出願の一実装形態では、製造方法は、第2ベアダイが配置される前に、第1導電性フレームの横に間隔を置いて位置する第3導電性フレームを設けるステップと、第2導電性接続シートを配置するステップとをさらに含み、第2導電性接続シートは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第3導電性フレームに重なるように延びており、第2導電性接続シートは、第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される。
【0026】
本出願の一実装形態では、導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを含み、平坦プレートは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、平坦プレートと第1導電性フレームとの間に接続される。
【0027】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイ及び第2ベアダイの各々は、複数の電極を含み、第1ベアダイの複数の電極は、ソース、ドレイン及びゲートを含み、第2ベアダイの複数の電極も、ソース、ドレイン及びゲートを含み、第1ベアダイのソース、ドレイン及びゲートは、第1導電性フレーム、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、第2ベアダイのソース、ドレイン及びゲートは、導電性カバープレート、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、第1ベアダイのソースは、第2ベアダイのソースに並列に接続され、第1ベアダイのドレインは、第2ベアダイのドレインに並列に接続され、第1ベアダイのゲートは、第2ベアダイのゲートに並列に接続される。
【0028】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイを第1導電性フレームに取り付けるステップは、第1導電性フレーム上にはんだを配置し、はんだ上に第1ベアダイを設置し、その後、はんだ付けによって第1ベアダイを第1導電性フレームに電気的に接続するステップを含み;
第1導電性接続シートを配置するステップ及び第2導電性接続シートを配置するステップは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に間隔を置いて配設された2群のはんだを配置し、第2導電性フレーム及び第3導電性フレーム上に別々にはんだを配置し、その後、第1ベアダイの一方の群のはんだ及び第2導電性フレームのはんだ上に第1導電性接続シートを設置し、第1ベアダイの他方の群のはんだ及び第3導電性フレームのはんだ上に第2導電性接続シートを配置し、はんだ付けによって第1導電性接続シートを第1ベアダイ及び第2導電性フレームに電気的に接続し、はんだ付けによって第2導電性接続シートを第1ベアダイ及び第3導電性フレームに電気的に接続するステップを含み;
第2ベアダイを取り付けるステップは、第1ベアダイから離れた第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートの表面に別々にはんだを配置し、はんだ上に第2ベアダイを設置し、はんだ付けによって第2ベアダイを第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに電気的に接続するステップを含み;
導電性カバープレートを配置するステップは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面にはんだを配置し、はんだ上に導電性カバープレートの平坦プレートを設置し、はんだ付けによって導電性カバープレートを第2ベアダイに電気的に接続するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本出願の第1実施形態によるチップパッケージモジュールの構造の概略図である。
図2】本出願の実施形態によるチップパッケージモジュールの概略上面図である。
図3】断面線III-IIIに沿って切断された図2のチップパッケージモジュールの概略断面図である。
図4】本出願の第2実施形態によるチップパッケージモジュールの構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図6】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図7】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図8】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図9】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図10】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図11】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図12】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図13】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図14】本出願の実施形態による、パワーモジュールの概略図である。
図15】本出願の一実施形態による電子デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、本出願の実施形態における添付図面を参照して、本出願の実施形態について説明する。別段の指定がない限り、本出願におけるデータ範囲は、エンドポイント値を含むべきである。
【0031】
本出願の実施形態は、新たな構造を有するチップパッケージモジュールを提供する。ウェハレベルの性能向上が遅いことにより、単一トランジスタの性能がシステムレベルの要件を満たすことができないという問題を解決するために、2つのベアウェハを単一のデバイス内に並列にパッケージングして、単一トランジスタ損失を低減し、電力密度を改善し、シングルチップパッケージモジュールの性能を向上させ得る。
【0032】
図1図2及び図3を参照すると、本出願の第1実施形態におけるチップパッケージモジュール100は、第1導電性フレーム11と、第2導電性フレーム12と、第3導電性フレーム13とを含む。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、互いに間隔を置いて配設される。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、いずれも平坦プレート状である。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13の各々は、ピン101に接続される。ピン101は、別の電子部品(例えば、外部回路)に電気的に接続するように構成される。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13の材料は、導電性の金属であってもよい。
【0033】
図1に示すように、チップパッケージモジュール100は、第1ベアダイ41と、第2ベアダイ42と、第1導電性接続シート31と、第2導電性接続シート32とをさらに含む。第1ベアダイ41は、第1導電性フレーム11上に配設される。本実施形態では、第1ベアダイ41を設置するために使用される第1導電性フレーム11の上面の面積は、第1ベアダイ41の面積よりも大きく、第1ベアダイ41は、第1導電性フレーム11の上面を部分的に覆う。第1ベアダイ41と第1導電性フレーム11との間にははんだ21が配設され、はんだ付けによって電気的接続が実施される。
【0034】
図1に示すように、第1導電性接続シート31は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を部分的に覆って接続され、第2導電性フレーム12に重なるように延びている。第2導電性接続シート32は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を部分的に覆って接続され、第3導電性フレーム13に重なるように延びている。第2導電性接続シート32及び第1導電性接続シート31は、間隔を置いて配設される。第1導電性接続シート31が第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12と重なる領域には、はんだ21が配設され、第1導電性接続シート31は、はんだ付けによって第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12の両方と電気的に接続される。第2導電性接続シート32が第1ベアダイ41及び第3導電性フレーム13と重なる領域には、はんだ21が配設され、第2導電性接続シート32は、はんだ付けによって第1ベアダイ41及び第3導電性フレーム13の両方と電気的に接続される。
【0035】
図1及び図3に示すように、第2ベアダイ42は、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32とともに第1ベアダイ41の表面に積層され、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32の両方に電気的に接続される。第1導電性接続シート31と第2導電性フレーム12とが協働して配設され、第2導電性接続シート32と第3導電性フレーム13とが協働して配設される。第2ベアダイ42が第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32と重なる領域には、はんだ21が配設され、第2ベアダイ42は、はんだ付けによって第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32に電気的に接続される。第1導電性接続シート31は、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42に電気的に接続される。第2導電性接続シート32も、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42に電気的に接続される。
【0036】
図1に示すように、チップパッケージモジュール100は、導電性カバープレート33をさらに含む。導電性カバープレート33は、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面に接続され、第1導電性フレーム11に接続されるように延びている。導電性カバープレート33は、平坦プレート331と、曲げられて平坦プレート331に接続された少なくとも1つのサイドプレート333とを含む。平坦プレート331は、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面を覆う。各サイドプレート333は、平坦プレート331と第1導電性フレーム11との間に接続される。導電性カバープレート33と第1導電性フレーム11とは協働して配設される。平坦プレート331と第2ベアダイ42との間にははんだ21が配設され、サイドプレート333と第1導電性フレーム11との間にもはんだ21が配設される。導電性カバープレート33は、はんだ付けによって第2ベアダイ42及び第1導電性フレーム11に電気的に接続される。
【0037】
本実施形態では、図1に示すように、導電性カバープレート33は、平坦プレート331に垂直に接続された3つのサイドプレート333を含む。第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13が配設される側には、サイドプレート333は配設されず、サイドプレート333が、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32がそれぞれ第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13に重なるように延びていることに影響を及ぼさないようにする。サイドプレート333は、平坦プレート331と第1導電性フレーム11との間で均等に支持され、支持力を提供する。サイドプレート333の構造は、直角曲げ(サイドプレート333が平坦プレート331に垂直に接続される)、階段状曲げ、支柱などを含むが、これらに限定されない。
【0038】
導電性カバープレート33は、曲げられた3つのサイドプレート333によって第1導電性フレーム11に接続される。3つのサイドプレート333は、導電性カバープレート33自体の重量と、チップパッケージモジュール100の一部がプラスチックにパッケージングされた後に得られるプラスチックパッケージ材料の重量とに耐えて、下方の第1ベアダイの応力をある程度緩和することができる。
【0039】
図4を参照すると、本出願の第2実施形態におけるチップパッケージモジュール200の構造は、チップパッケージモジュール100の構造と基本的に同じである。相違点は、チップパッケージモジュール200の導電性カバープレート33が、平坦プレート331に垂直に接続された1つのサイドプレート333のみを含むことである。第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13が配設される側が第1側である場合、固有のサイドプレート333は、第1側とは反対側の第2側に配設される。単一のサイドプレート333は、第1導電性フレーム11に接続され、これもまた支持の役割を果たし、導電性カバープレート33の設計及び製造の困難性を低減することができる。
【0040】
図1図3に示すように、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、全て矩形のプレートであり、第1導電性フレーム11のサイズは、第2導電性フレーム12のサイズ及び第3導電性フレーム13のサイズよりも大きい。第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、第1導電性フレーム11の同じ側縁に位置する。本実施形態では、第1導電性フレーム11のピン101は、第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12から離れた側に接続される。第2導電性フレーム12のピン101は、第2導電性フレーム12の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。第3導電性フレーム13のピン101は、第3導電性フレーム13の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。
【0041】
本実施形態では、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、同じ厚さを有する。従って、第1ベアダイ41が第1導電性フレーム11上に配設された場合、第1ベアダイ41の高さは、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13の高さよりも大きい。第1導電性接続シート31は、曲げられ、第1ベアダイ41から第2導電性フレーム12まで延びて、第2導電性フレーム12に重なり、第2導電性フレーム12を覆う。第2導電性接続シート32は、曲げられ、第1ベアダイ41から第3導電性フレーム13まで延びて、第3導電性フレーム13に重なり、第3導電性フレーム13を覆う。第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32は、互いに間隔をあけて設置される。図1に示すように、第1導電性接続シート31は、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第2導電性フレーム12を覆う。接続部は、曲げられ、各平坦部310の端部から延びている。同様に、第2導電性接続部も、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第3導電性フレーム13を覆う。接続部311は、曲げられて各平坦部310の端部から延びている。
【0042】
チップパッケージモジュール100は、導電性カバープレート33、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42をパッケージングするためのプラスチックパッケージ層(図示せず)をさらに含み得る。導電性カバープレート33は、プラスチックパッケージ本体の内部に含まれてもよいし、放熱能力を高めるために一部が空気に露出してもよい。
【0043】
第1導電性接続シート31、第2導電性接続シート32及び導電性カバープレート33は、同じ材料で作られてもよい。材料は、金属材料又は固体導電性有機材料であるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42は、それぞれ複数の電極(図示せず)を含む。第1ベアダイ41の電極(第1電極)は、第1導電性フレーム11に電気的に接続される。第2ベアダイ42の電極(第2電極)は、導電性カバープレート33に電気的に接続される。第1導電性フレーム11は、第1ベアダイ41に電気的に接続される。従って、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の第1電極対は、第1導電性フレーム11によって導電性カバープレート33に電気的に接続される。加えて、外部回路との信号伝送は、第1導電性フレーム11を介して実施される。第1ベアダイ41の別の電極(第3電極)及び第2ベアダイ42の別の電極(第4電極)は、いずれも第1導電性接続シート31に電気的に接続される。言い換えると、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の第2電極対は、第1導電性接続シート31によって電気的に接続され、次いで、第2導電性フレーム12によって第1導電性接続シート31に電気的に接続されて、外部回路との信号伝送を実施する。第1ベアダイ41のさらに別の電極(第5電極)及び第2ベアダイ42のさらに別の電極(第6電極)は、いずれも第2導電性接続シート32に電気的に接続される。すなわち、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の第3電極対は、第2導電性接続シート32によって電気的に接続され、次いで、第3導電性フレーム13によって第2導電性接続シート32に電気的に接続されて、外部回路との信号伝送を実施する。
【0045】
第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42において電気的に接続される必要がある電極対の数に従って、第1導電性接続シート31と第2導電性フレーム12とが協働して配設され、第2導電性接続シート32と第3導電性フレーム13とが協働して配設され、また、必要に応じて対応して増減少され得ることが理解され得る。例えば、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42における1対の電極のみを電気的に接続する必要がある場合、第1導電性接続シート31及び第2導電性フレーム12並びに第2導電性接続シート32及び第3導電性フレーム13を両方省略してもよい。例えば、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42における2対の電極を電気的に接続する必要がある場合、第2導電性接続シート32及び第3導電性フレーム13を省略してもよい。
【0046】
本出願におけるチップパッケージモジュール100及び200によれば、第1導電性接続シート31、第2導電性接続シート32及び導電性カバープレート33を使用して、垂直に積層されたベアダイ41と42との間の電気的相互接続を実施し、2つのベアダイを1つのデバイス内にパッケージングすることにより、単一のデバイスの性能が向上し、デバイスのための高性能電源システムの要件がある程度満たされる。
【0047】
一実施形態では、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の両方がMOSFETチップである。第1ベアダイ41の複数の電極は、ソース、ドレイン及びゲートを含み、第2ベアダイ42の複数の電極も、ソース、ドレイン及びゲートを含む。第1ベアダイ41のソース、ドレイン及びゲートは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32と1対1対応で電気的に接続される。具体的な対応接続関係は限定されない。例えば、第1ベアダイ41のソースは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちのいずれか1つに電気的に接続される。第1ベアダイ41のドレインは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの残りの2つのうちの1つに電気的に接続される。第1ベアダイ41のゲートは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの最後の残りの1つに電気的に接続される。第2ベアダイ42のソース、ドレイン及びゲートは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32に1対1対応で電気的に接続される。具体的な対応接続関係は限定されない。例えば、第2ベアダイ42のソースは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちのいずれか1つに電気的に接続される。第2ベアダイ42のドレインは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの残りの2つのうちの1つに電気的に接続される。第2ベアダイ42のゲートは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの最後の残りの1つに電気的に接続される。第1ベアダイ41のソースは、第2ベアダイ42のソースに並列に接続される。第1ベアダイ41のドレインは、第2ベアダイ42のドレインに並列に接続される。第1ベアダイ41のゲートは、第2ベアダイ42のゲートに並列に接続される。垂直に積層された第2ベアダイ42及び第1ベアダイ41の3つの端子、すなわち、ソース、ドレイン及びゲートは並列に接続される。
【0048】
本実施形態では、第1ベアダイ41の第1電極はドレインであり、第1導電性フレーム11に電気的に接続される。第1ベアダイ41の第3電極はゲートであり、第1導電性接続シート31に電気的に接続される。第1ベアダイ41の第5電極はソースであり、第2導電性接続シート32に電気的に接続される。しかしながら、これに限定されるものではない。第2ベアダイ42の第2電極はドレインであり、導電性カバープレート33に電気的に接続される。第2ベアダイ42の第4電極はゲートであり、第1導電性接続シート31に電気的に接続される。第2ベアダイ42の第6電極はソースであり、第2導電性接続シート32に電気的に接続される。しかしながら、これに限定されるものではない。この場合、第2ベアダイ42及び第1ベアダイ41の3つの端子、すなわち、ソース、ドレイン及びゲートが並列に接続される。
【0049】
本出願におけるチップパッケージモジュール100及び200によれば、第1導電性接続シート31、第2導電性接続シート32及び導電性カバープレート33を使用して、垂直に積層されたベアダイ41及び42の3つの端子の並列接続を実施することにより、単一のデバイスが垂直に積層されたチップを有し、デバイスの性能が大幅に向上する。
【0050】
第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42のサイズ及び厚さ、並びにチップパッケージモジュール100においてコーティングされるはんだ21の面積は、必要に応じて調整及び設計され得ることが理解され得る。
【0051】
図14に示すように、本出願は、回路基板530と、回路基板530に位置する前述のチップパッケージモジュール100及び200とを含むパワーモジュール400をさらに提供する。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13のピン101、いずれも回路基板530に電気的に接続され得る。
【0052】
図15に示すように、本出願は、ハウジング510と、ハウジング510内に位置する回路基板530と、回路基板530上位置する前述のチップパッケージモジュール100及び200とを含む電子デバイス500をさらに提供する。
【0053】
図5図13を参照すると、本出願は、以下のステップを含む、前述のチップパッケージモジュールの製造方法をさらに提供する。
【0054】
(1)第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13を設ける。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、互いに間隔を置いて配設される。
【0055】
(2)第1ベアダイ41を第1導電性フレーム11に取り付ける。
【0056】
(3)第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32を配置する。第1導電性接続シート31は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を覆い、第2導電性フレーム12に重なるように延びている。第2導電性接続シート32は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を覆い、第3導電性フレーム13に重なるように延びている。
【0057】
(4)第2ベアダイ42を、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32を有する第1ベアダイ41の表面に取り付ける。
【0058】
(5)導電性カバープレート33を配置する。導電性カバープレート33は、平坦プレート331と、曲げられて平坦プレート331に接続された少なくとも1つのサイドプレート333とを含む。平坦プレート331は、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面を覆う。各サイドプレート333は、平坦プレート331と第1導電性フレーム11との間に接続される。
【0059】
上述したように、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42において電気的に接続される必要がある電極対の数に従って、第1導電性接続シート31と第2導電性フレーム12とが協働して配設され、第2導電性接続シート32と第3導電性フレーム13とが協働して配設され、また、必要に応じて対応して増減少され得ることが理解され得る。
【0060】
本実施形態では、図5に示すように、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、いずれも矩形の平坦なブロックであり、第1導電性フレーム11のサイズは、第2導電性フレーム12のサイズ及び第3導電性フレーム13のサイズよりも大きい。第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、第1導電性フレーム11の同じ側縁に位置する。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、いずれもピン101に接続される。本実施形態では、第1導電性フレーム11のピン101は、第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12から離れた側に接続される。第2導電性フレームのピン101は、第2導電性フレーム12の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。第3導電性フレーム13のピン101は、第3導電性フレーム13の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、導電性の金属板を切断することによって得ることができる。ピン101は、導電性の金属板を加工することによって得られてもよい。具体的には、導電性フレーム及び導電性フレームに接続されたピン101は、一体的に形成される。しかしながら、本出願は、これに限定されるものではない。
【0061】
本実施形態では、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、同じ厚さを有する。
【0062】
図6及び図7に示すように、第1ベアダイ41を第1導電性フレーム11に取り付けるステップは、第1導電性フレーム11上にはんだ21を配置し、はんだ21上に第1ベアダイ41を設置し、その後、はんだ付けによって第1ベアダイ41を第1導電性フレーム11に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱(加熱温度は一般に450℃を超えない)を行って、第1ベアダイ41と第1導電性フレーム11との間にはんだ21を接合する。
【0063】
図8及び図9に示すように、第1導電性接続シート31を配置するステップ及び第2導電性接続シート32を配置するステップは、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面に間隔を置いて配設された2群のはんだ21を配置し、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13上に別々にはんだ21を配置し、その後、第1ベアダイ41の一方の群のはんだ21及び第2導電性フレーム12のはんだ21の上に第1導電性接続シート31を設置し、第1ベアダイ41の他方の群のはんだ21及び第3導電性フレーム13のはんだ21の上に第2導電性接続シート32を配置し、はんだ付けによって第1導電性接続シート31を第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12に電気的に接続し、はんだ付けによって第2導電性接続シート32を第1ベアダイ41及び第3導電性フレーム13に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱(加熱温度は一般に450℃を超えない)を行って、第1ベアダイ41と第1導電性接続シート31との間及び第2導電性フレーム12と第1導電性接続シート31との間にはんだ21を接合し、また、加熱を行って、第1ベアダイ41と第2導電性接続シート32との間及び第3導電性フレーム13と第2導電性接続シート32との間にはんだ21を接合する。
【0064】
第1導電性接続シート31の形状は、第1ベアダイ41及び第1導電性フレーム11の形状と一致する必要がある。第1導電性接続シート31は、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。接続部311は、曲げられて各平坦部310の端部から延びている。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第2導電性フレーム12を覆う。同様に、第2導電性接続部の形状は、第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12の形状に一致する必要がある。第2導電性接続部はまた、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。接続部311は、曲げられて各平坦部310の端部から延びている。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第3導電性フレーム13を覆う。
【0065】
図10及び図11に示すように、第2ベアダイ42を取り付けるステップは、第1ベアダイ41から離れた第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32の表面に別々にはんだ21を配置し、はんだ21上に第2ベアダイ42を設置し、はんだ付けによって第2ベアダイ42を第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱を行って、第2ベアダイ42と第1導電性接続シート31との間及び第2ベアダイ42と第2導電性接続シート32との間にはんだ21を接合する。
【0066】
図12及び図13に示すように、導電性カバープレート33を配置するステップは、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面にはんだ21を配置し、はんだ21上に導電性カバープレート33の平坦プレート331を設置し、はんだ付けによって導電性カバープレート33を第2ベアダイ42に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱を行って、導電性カバープレート33と第2ベアダイ42との間にはんだ21を接合する。
【0067】
本出願におけるチップパッケージモジュールの製造方法によれば、デバイス製造プロセスに挑戦にすることなく、パッケージ構造の革新により単一のデバイスの性能が向上し、電力密度が増加され、それにより、デバイスに対する高性能電源システムの要件がある程度満たされ、導電性カバープレートの特別な設計を通じてデバイスの応力状態を最適化することができる。
【0068】
前述の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことに留意されたい。本出願において開示される技術的範囲内で当業者が容易に想到し得る任意の変形又は置換は、本出願の保護範囲内に含まれるものとする。本出願における実装形態及び実装形態における特徴は、いかなる矛盾も引き起こすことなく互いに組み合わされ得る。従って、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップパッケージモジュールであって、
第1導電性フレームと、
前記第1導電性フレーム上に配設された第1ベアダイと、
前記第1導電性フレームから間隔を置いて配設された第2導電性フレームと、
前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの表面に接続され、前記第2導電性フレームに重なるように延びている第1導電性接続シートと、
前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの表面に積層され、前記第1導電性接続シートに接続された第2ベアダイと、
前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面に接続され、前記第1導電性フレームに接続されるように延びている導電性カバープレートと
を備えるチップパッケージモジュール。
【請求項2】
前記第1ベアダイの第1電極は、前記第1導電性フレームに電気的に接続され、前記第2ベアダイの第2電極は、前記導電性カバープレートに電気的に接続されて、前記第1電極と前記第2電極との間の電気的接続を実施し、
前記第1ベアダイの第3電極及び前記第2ベアダイの第4電極の両方が、前記第1導電性接続シートに電気的に接続されて、前記第3電極と前記第4電極との間の電気的接続を実施する、
請求項1に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項3】
前記チップパッケージモジュールは、第3導電性フレーム及び第2導電性接続シートをさらに備え、前記第1導電性フレーム、前記第2導電性フレーム及び前記第3導電性フレームは、互いに間隔を置いて配設され、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に接続され、前記第3導電性フレームに重なるように延びており、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される、請求項1に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項4】
前記第1ベアダイの第5電極及び前記第2ベアダイの第6電極の両方が、前記第2導電性接続シートに電気的に接続されて、前記第5電極と前記第6電極との間の電気的接続を実施する、請求項3に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項5】
1電極は第1ソースであり、第3電極は第1ドレインであり、前記第5電極は第1ゲートであり、第2電極は第2ソースであり、第4電極は第2ドレインであり、前記第6電極は第2ゲートであり、前記第1ソース、前記第1ドレイン及び前記第1ゲートは、前記第1導電性フレーム、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、前記第2ソース、前記第2ドレイン及び前記第2ゲートは、前記導電性カバープレート、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続される、請求項4に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項6】
前記第1ソースは、前記第2ソースに並列に接続され、前記第1ドレインは、前記第2ドレインに並列に接続され、前記第1ゲートは、前記第2ゲートに並列に接続される、請求項5に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項7】
前記第1ドレインは、前記第1導電性フレームに電気的に接続され、前記第1ゲートは、前記第1導電性接続シートに電気的に接続され、前記第1ソースは、前記第2導電性接続シートに電気的に接続され、前記第2ドレインは、前記導電性カバープレートに電気的に接続され、前記第2ゲートは、前記第1導電性接続シートに電気的に接続され、前記第2ソースは、前記第2導電性接続シートに電気的に接続される、請求項6に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項8】
前記導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて前記平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを備え、前記平坦プレートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、前記平坦プレートと前記第1導電性フレームとの間に接続される、請求項1に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項9】
各サイドプレートは、前記平坦プレートに垂直に接続される、請求項8に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項10】
前記導電性カバープレートは、前記平坦プレートに垂直に接続された3つのサイドプレートを備える、請求項8に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項11】
前記第1ベアダイと前記第1導電性フレームとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって電気的接続が実施され、前記第1導電性接続シートが前記第1ベアダイ及び前記第2導電性フレームに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって前記第1導電性接続シートが前記第1ベアダイ及び前記第2導電性フレームに電気的に接続され、前記第2ベアダイが前記第1導電性接続シートに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって前記第2ベアダイが前記第1導電性接続シートに電気的に接続され、前記導電性カバープレートと前記第2ベアダイとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって前記導電性カバープレートが前記第2ベアダイに電気的に接続される、請求項8に記載のチップパッケージモジュール。
【請求項12】
回路基板と、前記回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを備えパワーモジュールであって、前記チップパッケージモジュールは、請求項1に記載のチップパッケージモジュールである、パワーモジュール。
【請求項13】
回路基板と、前記回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを備える電子デバイスであって、前記チップパッケージモジュールは、請求項1に記載のチップパッケージモジュールである、電子デバイス。
【請求項14】
チップパッケージモジュールの製造方法であって、
第1導電性フレーム及び第2導電性フレームを提供するステップであって、前記第2導電性フレームは、前記第1導電性フレームの横に間隔を置いて配設される、ステップと、
第1ベアダイを前記第1導電性フレームに取り付けるステップと、
第1導電性接続シートを配置するステップであって、前記第1導電性接続シートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの表面に接続され、前記第2導電性フレームに重なるように延びている、ステップと、
第2ベアダイを、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に取り付けるステップであって、前記第2ベアダイは、前記第1導電性接続シートに接続される、ステップと
導電性カバープレートを配置するステップであって、前記導電性カバープレートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面に接続され、前記第1導電性フレームに接続されるように延びている、ステップと
を含む、チップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項15】
前記製造方法は、前記第2ベアダイが配置される前に、前記第1導電性フレームの横に間隔を置いて位置する第3導電性フレームを設けるステップと、第2導電性接続シートを配置するステップとをさらに含み、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に接続され、前記第3導電性フレームに重なるように延びており、前記第2導電性接続シートは、前記第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される、請求項14に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項16】
前記導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて前記平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを備え、前記平坦プレートは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、前記平坦プレートと前記第1導電性フレームとの間に接続される、請求項14に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項17】
前記第1ベアダイ及び前記第2ベアダイの各々は、複数の電極を備え、前記第1ベアダイの前記複数の電極は、ソース、ドレイン及びゲートを含み、前記第2ベアダイの前記複数の電極も、ソース、ドレイン及びゲートを含み、前記第1ベアダイの前記ソース、前記ドレイン及び前記ゲートは、前記第1導電性フレーム、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、前記第2ベアダイの前記ソース、前記ドレイン及び前記ゲートは、前記導電性カバープレート、前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、前記第1ベアダイの前記ソースは、前記第2ベアダイの前記ソースに並列に接続され、前記第1ベアダイの前記ドレインは、前記第2ベアダイの前記ドレインに並列に接続され、前記第1ベアダイの前記ゲートは、前記第2ベアダイの前記ゲートに並列に接続される、請求項15に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【請求項18】
第1ベアダイを前記第1導電性フレームに取り付ける前記ステップは、前記第1導電性フレーム上にはんだを配置し、前記はんだ上に前記第1ベアダイを設置し、その後、はんだ付けによって前記第1ベアダイを前記第1導電性フレームに電気的に接続するステップを含み、
第1導電性接続シートを配置する前記ステップ及び第2導電性接続シートを配置する前記ステップは、前記第1導電性フレームから離れた前記第1ベアダイの前記表面に間隔を置いて配設された2群のはんだを配置し、前記第2導電性フレーム及び前記第3導電性フレーム上に別々にはんだを配置し、その後、前記第1ベアダイの一方の群のはんだ及び前記第2導電性フレームの前記はんだ上に前記第1導電性接続シートを設置し、第1ベアダイの他方の群のはんだ及び前記第3導電性フレームの前記はんだ上に前記第2導電性接続シートを配置し、はんだ付けによって前記第1導電性接続シートを前記第1ベアダイ及び前記第2導電性フレームに電気的に接続し、はんだ付けによって前記第2導電性接続シートを前記第1ベアダイ及び前記第3導電性フレームに電気的に接続するステップを含み、
第2ベアダイを取り付ける前記ステップは、前記第1ベアダイから離れた前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートの表面に別々にはんだを配置し、前記はんだ上に前記第2ベアダイを設置し、はんだ付けによって前記第2ベアダイを前記第1導電性接続シート及び前記第2導電性接続シートに電気的に接続するステップを含み、
導電性カバープレートを配置する前記ステップは、前記第1導電性フレームから離れた前記第2ベアダイの前記表面にはんだを配置し、前記はんだ上に前記導電性カバープレートの平坦プレートを設置し、はんだ付けによって前記導電性カバープレートを前記第2ベアダイに電気的に接続するステップを含む、
請求項15に記載のチップパッケージモジュールの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
本出願は、チップパッケージングの分野に関し、特に、チップパッケージモジュール、チップパッケージモジュールの製造方法、チップパッケージモジュールが使用されるパワーモジュール及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージ内電源(PSIP)及びブリックモジュール電源(BMP)などのパワーモジュールによる、電力及び適用頻度に対する要求がますます高くなるにつれ、単一の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)チップは、小型化、低損失化、高電力密度化への進化を余儀なくされている。既存の単一トランジスタMOSFETパッケージは、ベアウェハを1つしか含まない。現在の製造プロセスの下では、ウェハの性能向上速度がパワーモジュールの性能向上速度に追いつかなくなってきている。デバイス内には1つのベアウェハしかパッケージングされず、パッケージ本体の高さ方向の空間が十分に使用されていない。加えて、単一のデバイスの性能は、ベアウェハの性能に完全に依存する。システム要件が高くてもベアウェハの性能が不十分である場合、性能ボトルネックが形成され、パワーモジュールのさらなる最適化を妨げる。
【発明の概要】
【0003】
本出願の実施形態の第1態様は、チップパッケージモジュールを提供し、このチップパッケージモジュールは、以下を含む:
第1導電性フレーム;
第1導電性フレーム上に配設された第1ベアダイ;
第1導電性フレームから間隔を置いて配設された第2導電性フレーム;
第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第2導電性フレームに重なるように延びている第1導電性接続シート;
第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に積層され、第1導電性接続シートに接続された第2ベアダイ;及び
第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面に接続され、第1導電性フレームに接続されるように延びている導電性カバープレート。
【0004】
本出願の第1態様におけるチップパッケージモジュールによれば、第1導電性接続シート、導電性カバープレートなどを使用して、垂直に積層された第1ベアダイと第2ベアダイとの間の電気的相互接続を実施し、2つのベアダイを1つのデバイス内にパッケージングすることにより、単一のデバイスの性能が向上し、デバイスのための高性能電源システムの要件がある程度満たされる。
【0005】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイの第1電極は、第1導電性フレームに電気的に接続され、第2ベアダイの第2電極は、導電性カバープレートに電気的に接続されて、第1電極と第2電極との間の電気的接続を実施し、第1ベアダイの第3電極及び第2ベアダイの第4電極の両方が、第1導電性接続シートに電気的に接続されて、第3電極と第4電極との間の電気的接続を実施する。
【0006】
1つのデバイス内にパッケージングされた垂直に積層された第1ベアダイ及び第2ベアダイは、電気的に相互接続された2対の電極を有する。
【0007】
本出願の一実装形態では、チップパッケージモジュールは、第3導電性フレーム及び第2導電性接続シートをさらに含み、第1導電性フレーム、第2導電性フレーム及び第3導電性フレームは、互いに間隔を置いて配設され、第2導電性接続シートは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第3導電性フレームに重なるように延びており、第2導電性接続シートは、第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される。
【0008】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイの第5電極及び第2ベアダイの第6電極の両方が、第2導電性接続シートに電気的に接続されて、第5電極と第6電極との間の電気的接続を実施する。
【0009】
1つのデバイス内にパッケージングされた垂直に積層された第1ベアダイ及び第2ベアダイは、電気的に相互接続された3対の電極を有する。
【0010】
本出願の一実装形態では、第1電極は第1ソースであり、第3電極は第1ドレインであり、第5電極は第1ゲートであり、第2電極は第2ソースであり、第4電極は第2ドレインであり、第6電極は第2ゲートであり、第1ソース、第1ドレイン及び第1ゲートは、第1導電性フレーム、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、第2ソース、第2ドレイン及び第2ゲートは、導電性カバープレート、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続される。
【0011】
本出願の一実装形態では、第1ソースは、第2ソースに並列に接続され、第1ドレインは、第2ドレインに並列に接続され、第1ゲートは、第2ゲートに並列に接続される。
【0012】
第1ベアダイ及び第2ベアダイは、MOSFETチップであってもよく、単一のデバイス内に垂直に積層された第2ベアダイ及び第1ベアダイの3つの端子、すなわち、ソース、ドレイン及びゲートを並列に接続して、デバイス性能を大幅に向上させる。
【0013】
本出願の一実装形態では、第1ドレインは、第1導電性フレームに電気的に接続され、第1ゲートは、第1導電性接続シートに電気的に接続され、第1ソースは、第2導電性接続シートに電気的に接続され、第2ドレインは、導電性カバープレートに電気的に接続され、第2ゲートは、第1導電性接続シートに電気的に接続され、第2ソースは、第2導電性接続シートに電気的に接続される。
【0014】
本出願の一実装形態では、導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを含み、平坦プレートは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、平坦プレートと第1導電性フレームとの間に接続される。
【0015】
サイドプレートは、平坦プレートと第1導電性フレームとの間に支持されて支持を提供する。導電性カバープレートは、曲げられたサイドプレートによって第1導電性フレームに接続され、導電性カバープレート自体の重量と、チップパッケージモジュールの一部がプラスチックにパッケージングされた後に得られるプラスチックパッケージ材料の重量とに耐えて、下方の第1ベアダイの応力をある程度緩和することができる。
【0016】
本出願の一実装形態では、各サイドプレートは、平坦プレートに垂直に接続される。
【0017】
本出願の一実装形態では、導電性カバープレートは、平坦プレートに垂直に接続された3つのサイドプレートを含む。
【0018】
導電性カバープレートは、垂直に曲げられた3つのサイドプレートによって第1導電性フレームに接続され、3つのサイドプレートは、導電性カバープレート自体の重量と、チップパッケージモジュールの一部がプラスチックにパッケージングされた後に得られるプラスチックパッケージ材料の重量とに耐えて、下方の第1ベアダイの応力をある程度緩和することができる。
【0019】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイと第1導電性フレームとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって電気的接続が実施され、第1導電性接続シートが第1ベアダイ及び第2導電性フレームに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって第1導電性接続シートが第1ベアダイ及び第2導電性フレームに電気的に接続され、第2ベアダイが第1導電性接続シートに重なる領域にはんだが配設され、はんだ付けによって第2ベアダイが第1導電性接続シートに電気的に接続され、導電性カバープレートと第2ベアダイとの間にははんだが配設され、はんだ付けによって導電性カバープレートが第2ベアダイに電気的に接続される。
【0020】
本出願の実施形態の第2態様は、回路基板と、回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを含むパワーモジュールを提供する。チップパッケージモジュールは、本出願の実施形態の第1態様によるチップパッケージモジュールである。
【0021】
本出願の実施形態の第3態様は、回路基板と、回路基板上に位置するチップパッケージモジュールとを含む電子デバイスを提供する。チップパッケージモジュールは、本出願の実施形態の第1態様によるチップパッケージモジュールである。
【0022】
本出願の実施形態の第4態様は、チップパッケージモジュールの製造方法を提供し、本方法は、以下を含む:
第1導電性フレーム及び第2導電性フレームを提供するステップであって、第2導電性フレームは、第1導電性フレームの横に間隔を置いて配設される、ステップ;
第1ベアダイを第1導電性フレームに取り付けるステップ;
第1導電性接続シートを配置するステップであって、第1導電性接続シートは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第2導電性フレームに重なるように延びている、ステップ;
第2ベアダイを、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に取り付けるステップであって、第2ベアダイは、第1導電性接続シートに接続される、ステップ;及び
導電性カバープレートを配置するステップであって、導電性カバープレートは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面に接続され、第1導電性フレームに接続されるように延びている、ステップ。
【0023】
本出願におけるチップパッケージモジュールの製造方法によれば、デバイス製造プロセスに挑戦にすることなく、パッケージ構造の革新により単一のデバイスの性能が向上し、電力密度が増加され、それにより、デバイスに対する高性能電源システムの要件がある程度満たされ、導電性カバープレートの特別な設計を通じてデバイスの応力状態を最適化することができる。
【0024】
本出願の一実装形態では、製造方法は、第2ベアダイが配置される前に、第1導電性フレームの横に間隔を置いて位置する第3導電性フレームを設けるステップと、第2導電性接続シートを配置するステップとをさらに含み、第2導電性接続シートは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に接続され、第3導電性フレームに重なるように延びており、第2導電性接続シートは、第1導電性接続シートから間隔を置いて配設される。
【0025】
本出願の一実装形態では、導電性カバープレートは、平坦プレートと、曲げられて平坦プレートに接続された少なくとも1つのサイドプレートとを含み、平坦プレートは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面を覆い、各サイドプレートは、平坦プレートと第1導電性フレームとの間に接続される。
【0026】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイ及び第2ベアダイの各々は、複数の電極を含み、第1ベアダイの複数の電極は、ソース、ドレイン及びゲートを含み、第2ベアダイの複数の電極も、ソース、ドレイン及びゲートを含み、第1ベアダイのソース、ドレイン及びゲートは、第1導電性フレーム、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、第2ベアダイのソース、ドレイン及びゲートは、導電性カバープレート、第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに1対1対応で電気的に接続され、第1ベアダイのソースは、第2ベアダイのソースに並列に接続され、第1ベアダイのドレインは、第2ベアダイのドレインに並列に接続され、第1ベアダイのゲートは、第2ベアダイのゲートに並列に接続される。
【0027】
本出願の一実装形態では、第1ベアダイを第1導電性フレームに取り付けるステップは、第1導電性フレーム上にはんだを配置し、はんだ上に第1ベアダイを設置し、その後、はんだ付けによって第1ベアダイを第1導電性フレームに電気的に接続するステップを含み;
第1導電性接続シートを配置するステップ及び第2導電性接続シートを配置するステップは、第1導電性フレームから離れた第1ベアダイの表面に間隔を置いて配設された2群のはんだを配置し、第2導電性フレーム及び第3導電性フレーム上に別々にはんだを配置し、その後、第1ベアダイの一方の群のはんだ及び第2導電性フレームのはんだの上に第1導電性接続シートを設置し、第1ベアダイの他方の群のはんだ及び第3導電性フレームのはんだの上に第2導電性接続シートを配置し、はんだ付けによって第1導電性接続シートを第1ベアダイ及び第2導電性フレームに電気的に接続し、はんだ付けによって第2導電性接続シートを第1ベアダイ及び第3導電性フレームに電気的に接続するステップを含み;
第2ベアダイを取り付けるステップは、第1ベアダイから離れた第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートの表面に別々にはんだを配置し、はんだ上に第2ベアダイを設置し、はんだ付けによって第2ベアダイを第1導電性接続シート及び第2導電性接続シートに電気的に接続するステップを含み;
導電性カバープレートを配置するステップは、第1導電性フレームから離れた第2ベアダイの表面にはんだを配置し、はんだ上に導電性カバープレートの平坦プレートを設置し、はんだ付けによって導電性カバープレートを第2ベアダイに電気的に接続するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本出願の第1実施形態によるチップパッケージモジュールの構造の概略図である。
図2】本出願の実施形態によるチップパッケージモジュールの概略上面図である。
図3】断面線III-IIIに沿って切断された図2のチップパッケージモジュールの概略断面図である。
図4】本出願の第2実施形態によるチップパッケージモジュールの構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図6】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図7】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図8】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図9】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図10】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図11】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図12】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図13】本出願の一実施形態によるチップパッケージモジュールを製造するプロセスの概略図である。
図14】本出願の実施形態による、パワーモジュールの概略図である。
図15】本出願の一実施形態による電子デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本出願の実施形態における添付図面を参照して、本出願の実施形態について説明する。別段の指定がない限り、本出願におけるデータ範囲は、エンドポイント値を含むべきである。
【0030】
本出願の実施形態は、新たな構造を有するチップパッケージモジュールを提供する。ウェハレベルの性能向上が遅いことにより、単一トランジスタの性能がシステムレベルの要件を満たすことができないという問題を解決するために、2つのベアウェハを単一のデバイス内に並列にパッケージングして、単一トランジスタ損失を低減し、電力密度を改善し、シングルチップパッケージモジュールの性能を向上させ得る。
【0031】
図1図2及び図3を参照すると、本出願の第1実施形態におけるチップパッケージモジュール100は、第1導電性フレーム11と、第2導電性フレーム12と、第3導電性フレーム13とを含む。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、互いに間隔を置いて配設される。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、いずれも平坦プレート状である。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13の各々は、ピン101に接続される。ピン101は、別の電子部品(例えば、外部回路)に電気的に接続するように構成される。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13の材料は、導電性の金属であってもよい。
【0032】
図1に示すように、チップパッケージモジュール100は、第1ベアダイ41と、第2ベアダイ42と、第1導電性接続シート31と、第2導電性接続シート32とをさらに含む。第1ベアダイ41は、第1導電性フレーム11上に配設される。本実施形態では、第1ベアダイ41を設置するために使用される第1導電性フレーム11の上面の面積は、第1ベアダイ41の面積よりも大きく、第1ベアダイ41は、第1導電性フレーム11の上面を部分的に覆う。第1ベアダイ41と第1導電性フレーム11との間にははんだ21が配設され、はんだ付けによって電気的接続が実施される。
【0033】
図1に示すように、第1導電性接続シート31は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を部分的に覆って接続され、第2導電性フレーム12に重なるように延びている。第2導電性接続シート32は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を部分的に覆って接続され、第3導電性フレーム13に重なるように延びている。第2導電性接続シート32及び第1導電性接続シート31は、間隔を置いて配設される。第1導電性接続シート31が第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12と重なる領域には、はんだ21が配設され、第1導電性接続シート31は、はんだ付けによって第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12の両方と電気的に接続される。第2導電性接続シート32が第1ベアダイ41及び第3導電性フレーム13と重なる領域には、はんだ21が配設され、第2導電性接続シート32は、はんだ付けによって第1ベアダイ41及び第3導電性フレーム13の両方と電気的に接続される。
【0034】
図1及び図3に示すように、第2ベアダイ42は、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32とともに第1ベアダイ41の表面に積層され、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32の両方に電気的に接続される。第1導電性接続シート31と第2導電性フレーム12とが協働して配設され、第2導電性接続シート32と第3導電性フレーム13とが協働して配設される。第2ベアダイ42が第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32と重なる領域には、はんだ21が配設され、第2ベアダイ42は、はんだ付けによって第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32に電気的に接続される。第1導電性接続シート31は、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42に電気的に接続される。第2導電性接続シート32も、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42に電気的に接続される。
【0035】
図1に示すように、チップパッケージモジュール100は、導電性カバープレート33をさらに含む。導電性カバープレート33は、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面に接続され、第1導電性フレーム11に接続されるように延びている。導電性カバープレート33は、平坦プレート331と、曲げられて平坦プレート331に接続された少なくとも1つのサイドプレート333とを含む。平坦プレート331は、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面を覆う。各サイドプレート333は、平坦プレート331と第1導電性フレーム11との間に接続される。導電性カバープレート33と第1導電性フレーム11とは協働して配設される。平坦プレート331と第2ベアダイ42との間にははんだ21が配設され、サイドプレート333と第1導電性フレーム11との間にもはんだ21が配設される。導電性カバープレート33は、はんだ付けによって第2ベアダイ42及び第1導電性フレーム11に電気的に接続される。
【0036】
本実施形態では、図1に示すように、導電性カバープレート33は、平坦プレート331に垂直に接続された3つのサイドプレート333を含む。第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13が配設される側には、サイドプレート333は配設されず、サイドプレート333が、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32がそれぞれ第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13に重なるように延びていることに影響を及ぼさないようにする。サイドプレート333は、平坦プレート331と第1導電性フレーム11との間で均等に支持され、支持力を提供する。サイドプレート333の構造は、直角曲げ(サイドプレート333が平坦プレート331に垂直に接続される)、階段状曲げ、支柱などを含むが、これらに限定されない。
【0037】
導電性カバープレート33は、曲げられた3つのサイドプレート333によって第1導電性フレーム11に接続される。3つのサイドプレート333は、導電性カバープレート33自体の重量と、チップパッケージモジュール100の一部がプラスチックにパッケージングされた後に得られるプラスチックパッケージ材料の重量とに耐えて、下方の第1ベアダイの応力をある程度緩和することができる。
【0038】
図4を参照すると、本出願の第2実施形態におけるチップパッケージモジュール200の構造は、チップパッケージモジュール100の構造と基本的に同じである。相違点は、チップパッケージモジュール200の導電性カバープレート33が、平坦プレート331に垂直に接続された1つのサイドプレート333のみを含むことである。第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13が配設される側が第1側である場合、固有のサイドプレート333は、第1側とは反対側の第2側に配設される。単一のサイドプレート333は、第1導電性フレーム11に接続され、これもまた支持の役割を果たし、導電性カバープレート33の設計及び製造の困難性を低減することができる。
【0039】
図1図3に示すように、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、全て矩形のプレートであり、第1導電性フレーム11のサイズは、第2導電性フレーム12のサイズ及び第3導電性フレーム13のサイズよりも大きい。第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、第1導電性フレーム11の同じ側縁に位置する。本実施形態では、第1導電性フレーム11のピン101は、第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12から離れた側に接続される。第2導電性フレーム12のピン101は、第2導電性フレーム12の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。第3導電性フレーム13のピン101は、第3導電性フレーム13の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。
【0040】
本実施形態では、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、同じ厚さを有する。従って、第1ベアダイ41が第1導電性フレーム11上に配設された場合、第1ベアダイ41の高さは、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13の高さよりも大きい。第1導電性接続シート31は、曲げられ、第1ベアダイ41から第2導電性フレーム12まで延びて、第2導電性フレーム12に重なり、第2導電性フレーム12を覆う。第2導電性接続シート32は、曲げられ、第1ベアダイ41から第3導電性フレーム13まで延びて、第3導電性フレーム13に重なり、第3導電性フレーム13を覆う。第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32は、互いに間隔をあけて設置される。図1に示すように、第1導電性接続シート31は、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第2導電性フレーム12を覆う。接続部は、曲げられ、各平坦部310の端部から延びている。同様に、第2導電性接続シートも、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第3導電性フレーム13を覆う。接続部311は、曲げられて各平坦部310の端部から延びている。
【0041】
チップパッケージモジュール100は、導電性カバープレート33、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42をパッケージングするためのプラスチックパッケージ層(図示せず)をさらに含み得る。導電性カバープレート33は、プラスチックパッケージの内部に含まれてもよいし、放熱能力を高めるために一部が空気に露出してもよい。
【0042】
第1導電性接続シート31、第2導電性接続シート32及び導電性カバープレート33は、同じ材料で作られてもよい。材料は、金属材料又は固体導電性有機材料であるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42は、それぞれ複数の電極(図示せず)を含む。第1ベアダイ41の電極(第1電極)は、第1導電性フレーム11に電気的に接続される。第2ベアダイ42の電極(第2電極)は、導電性カバープレート33に電気的に接続される。第1導電性フレーム11は、第1ベアダイ41に電気的に接続される。従って、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の第1電極対は、第1導電性フレーム11によって導電性カバープレート33に電気的に接続される。加えて、外部回路との信号伝送は、第1導電性フレーム11を介して実施される。第1ベアダイ41の別の電極(第3電極)及び第2ベアダイ42の別の電極(第4電極)は、いずれも第1導電性接続シート31に電気的に接続される。言い換えると、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の第2電極対は、第1導電性接続シート31によって電気的に接続され、次いで、第2導電性フレーム12によって第1導電性接続シート31に電気的に接続されて、外部回路との信号伝送を実施する。第1ベアダイ41のさらに別の電極(第5電極)及び第2ベアダイ42のさらに別の電極(第6電極)は、いずれも第2導電性接続シート32に電気的に接続される。すなわち、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の第3電極対は、第2導電性接続シート32によって電気的に接続され、次いで、第3導電性フレーム13によって第2導電性接続シート32に電気的に接続されて、外部回路との信号伝送を実施する。
【0044】
第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42において電気的に接続される必要がある電極対の数に従って、第1導電性接続シート31と第2導電性フレーム12とが協働して配設され、第2導電性接続シート32と第3導電性フレーム13とが協働して配設され、また、必要に応じて対応して増減少され得ることが理解され得る。例えば、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42における1対の電極のみを電気的に接続する必要がある場合、第1導電性接続シート31及び第2導電性フレーム12並びに第2導電性接続シート32及び第3導電性フレーム13を両方省略してもよい。例えば、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42における2対の電極を電気的に接続する必要がある場合、第2導電性接続シート32及び第3導電性フレーム13を省略してもよい。
【0045】
本出願におけるチップパッケージモジュール100及び200によれば、第1導電性接続シート31、第2導電性接続シート32及び導電性カバープレート33を使用して、垂直に積層されたベアダイ41と42との間の電気的相互接続を実施し、2つのベアダイを1つのデバイス内にパッケージングすることにより、単一のデバイスの性能が向上し、デバイスのための高性能電源システムの要件がある程度満たされる。
【0046】
一実施形態では、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42の両方がMOSFETチップである。第1ベアダイ41の複数の電極は、ソース、ドレイン及びゲートを含み、第2ベアダイ42の複数の電極も、ソース、ドレイン及びゲートを含む。第1ベアダイ41のソース、ドレイン及びゲートは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32と1対1対応で電気的に接続される。具体的な対応接続関係は限定されない。例えば、第1ベアダイ41のソースは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちのいずれか1つに電気的に接続される。第1ベアダイ41のドレインは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの残りの2つのうちの1つに電気的に接続される。第1ベアダイ41のゲートは、第1導電性フレーム11、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの最後の残りの1つに電気的に接続される。第2ベアダイ42のソース、ドレイン及びゲートは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32に1対1対応で電気的に接続される。具体的な対応接続関係は限定されない。例えば、第2ベアダイ42のソースは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちのいずれか1つに電気的に接続される。第2ベアダイ42のドレインは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの残りの2つのうちの1つに電気的に接続される。第2ベアダイ42のゲートは、導電性カバープレート33、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32のうちの最後の残りの1つに電気的に接続される。第1ベアダイ41のソースは、第2ベアダイ42のソースに並列に接続される。第1ベアダイ41のドレインは、第2ベアダイ42のドレインに並列に接続される。第1ベアダイ41のゲートは、第2ベアダイ42のゲートに並列に接続される。垂直に積層された第2ベアダイ42及び第1ベアダイ41の3つの端子、すなわち、ソース、ドレイン及びゲートは並列に接続される。
【0047】
本実施形態では、第1ベアダイ41の第1電極はドレインであり、第1導電性フレーム11に電気的に接続される。第1ベアダイ41の第3電極はゲートであり、第1導電性接続シート31に電気的に接続される。第1ベアダイ41の第5電極はソースであり、第2導電性接続シート32に電気的に接続される。しかしながら、これに限定されるものではない。第2ベアダイ42の第2電極はドレインであり、導電性カバープレート33に電気的に接続される。第2ベアダイ42の第4電極はゲートであり、第1導電性接続シート31に電気的に接続される。第2ベアダイ42の第6電極はソースであり、第2導電性接続シート32に電気的に接続される。しかしながら、これに限定されるものではない。この場合、第2ベアダイ42及び第1ベアダイ41の3つの端子、すなわち、ソース、ドレイン及びゲートが並列に接続される。
【0048】
本出願におけるチップパッケージモジュール100及び200によれば、第1導電性接続シート31、第2導電性接続シート32及び導電性カバープレート33を使用して、垂直に積層されたベアダイ41及び42の3つの端子の並列接続を実施することにより、単一のデバイスが垂直に積層されたチップを有し、デバイスの性能が大幅に向上する。
【0049】
第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42のサイズ及び厚さ、並びにチップパッケージモジュール100においてコーティングされるはんだ21の面積は、必要に応じて調整及び設計され得ることが理解され得る。
【0050】
図14に示すように、本出願は、回路基板530と、回路基板530に位置する前述のチップパッケージモジュール100及び200とを含むパワーモジュール400をさらに提供する。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13のピン101、いずれも回路基板530に電気的に接続され得る。
【0051】
図15に示すように、本出願は、ハウジング510と、ハウジング510内に位置する回路基板530と、回路基板530上位置する前述のチップパッケージモジュール100及び200とを含む電子デバイス500をさらに提供する。
【0052】
図5図13を参照すると、本出願は、以下のステップを含む、前述のチップパッケージモジュールの製造方法をさらに提供する。
【0053】
(1)第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13を設ける。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、互いに間隔を置いて配設される。
【0054】
(2)第1ベアダイ41を第1導電性フレーム11に取り付ける。
【0055】
(3)第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32を配置する。第1導電性接続シート31は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を覆い、第2導電性フレーム12に重なるように延びている。第2導電性接続シート32は、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面を覆い、第3導電性フレーム13に重なるように延びている。
【0056】
(4)第2ベアダイ42を、第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32を有する第1ベアダイ41の表面に取り付ける。
【0057】
(5)導電性カバープレート33を配置する。導電性カバープレート33は、平坦プレート331と、曲げられて平坦プレート331に接続された少なくとも1つのサイドプレート333とを含む。平坦プレート331は、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面を覆う。各サイドプレート333は、平坦プレート331と第1導電性フレーム11との間に接続される。
【0058】
上述したように、第1ベアダイ41及び第2ベアダイ42において電気的に接続される必要がある電極対の数に従って、第1導電性接続シート31と第2導電性フレーム12とが協働して配設され、第2導電性接続シート32と第3導電性フレーム13とが協働して配設され、また、必要に応じて対応して増減少され得ることが理解され得る。
【0059】
本実施形態では、図5に示すように、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、いずれも矩形の平坦なブロックであり、第1導電性フレーム11のサイズは、第2導電性フレーム12のサイズ及び第3導電性フレーム13のサイズよりも大きい。第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、第1導電性フレーム11の同じ側縁に位置する。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、いずれもピン101に接続される。本実施形態では、第1導電性フレーム11のピン101は、第1導電性フレーム11の、第2導電性フレーム12から離れた側に接続される。第2導電性フレームのピン101は、第2導電性フレーム12の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。第3導電性フレーム13のピン101は、第3導電性フレーム13の、第1導電性フレーム11から離れた側に接続される。第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、導電性の金属板を切断することによって得ることができる。ピン101は、導電性の金属板を加工することによって得られてもよい。具体的には、導電性フレーム及び導電性フレームに接続されたピン101は、一体的に形成される。しかしながら、本出願は、これに限定されるものではない。
【0060】
本実施形態では、第1導電性フレーム11、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13は、同じ厚さを有する。
【0061】
図6及び図7に示すように、第1ベアダイ41を第1導電性フレーム11に取り付けるステップは、第1導電性フレーム11上にはんだ21を配置し、はんだ21上に第1ベアダイ41を設置し、その後、はんだ付けによって第1ベアダイ41を第1導電性フレーム11に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱(加熱温度は一般に450℃を超えない)を行って、第1ベアダイ41と第1導電性フレーム11との間にはんだ21を接合する。
【0062】
図8及び図9に示すように、第1導電性接続シート31を配置するステップ及び第2導電性接続シート32を配置するステップは、第1導電性フレーム11から離れた第1ベアダイ41の表面に間隔を置いて配設された2群のはんだ21を配置し、第2導電性フレーム12及び第3導電性フレーム13上に別々にはんだ21を配置し、その後、第1ベアダイ41の一方の群のはんだ21及び第2導電性フレーム12のはんだ21の上に第1導電性接続シート31を設置し、第1ベアダイ41の他方の群のはんだ21及び第3導電性フレーム13のはんだ21の上に第2導電性接続シート32を配置し、はんだ付けによって第1導電性接続シート31を第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12に電気的に接続し、はんだ付けによって第2導電性接続シート32を第1ベアダイ41及び第3導電性フレーム13に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱(加熱温度は一般に450℃を超えない)を行って、第1ベアダイ41と第1導電性接続シート31との間及び第2導電性フレーム12と第1導電性接続シート31との間にはんだ21を接合し、また、加熱を行って、第1ベアダイ41と第2導電性接続シート32との間及び第3導電性フレーム13と第2導電性接続シート32との間にはんだ21を接合する。
【0063】
第1導電性接続シート31の形状は、第1ベアダイ41及び第1導電性フレーム11の形状と一致する必要がある。第1導電性接続シート31は、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。接続部311は、曲げられて各平坦部310の端部から延びている。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第2導電性フレーム12を覆う。同様に、第2導電性接続シートの形状は、第1ベアダイ41及び第2導電性フレーム12の形状に一致する必要がある。第2導電性接続シートはまた、2つの平坦部310と、2つの平坦部310の間に接続された接続部311とを含む。接続部311は、曲げられて各平坦部310の端部から延びている。一方の平坦部310は第1ベアダイ41を覆い、他方の平坦部310は第3導電性フレーム13を覆う。
【0064】
図10及び図11に示すように、第2ベアダイ42を取り付けるステップは、第1ベアダイ41から離れた第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32の表面に別々にはんだ21を配置し、はんだ21上に第2ベアダイ42を設置し、はんだ付けによって第2ベアダイ42を第1導電性接続シート31及び第2導電性接続シート32に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱を行って、第2ベアダイ42と第1導電性接続シート31との間及び第2ベアダイ42と第2導電性接続シート32との間にはんだ21を接合する。
【0065】
図12及び図13に示すように、導電性カバープレート33を配置するステップは、第1導電性フレーム11から離れた第2ベアダイ42の表面にはんだ21を配置し、はんだ21上に導電性カバープレート33の平坦プレート331を設置し、はんだ付けによって導電性カバープレート33を第2ベアダイ42に電気的に接続するステップを含み、例えば、加熱を行って、導電性カバープレート33と第2ベアダイ42との間にはんだ21を接合する。
【0066】
本出願におけるチップパッケージモジュールの製造方法によれば、デバイス製造プロセスに挑戦にすることなく、パッケージ構造の革新により単一のデバイスの性能が向上し、電力密度が増加され、それにより、デバイスに対する高性能電源システムの要件がある程度満たされ、導電性カバープレートの特別な設計を通じてデバイスの応力状態を最適化することができる。
【0067】
前述の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことに留意されたい。本出願において開示される技術的範囲内で当業者が容易に想到し得る任意の変形又は置換は、本出願の保護範囲内に含まれるものとする。本出願における実装形態及び実装形態における特徴は、いかなる矛盾も引き起こすことなく互いに組み合わされ得る。従って、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【国際調査報告】