(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】UWBアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20241108BHJP
H01Q 5/25 20150101ALI20241108BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q5/25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533987
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 KR2022019884
(87)【国際公開番号】W WO2023106847
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174452
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヨン ウン
【テーマコード(参考)】
5J045
【Fターム(参考)】
5J045AA02
5J045CA01
5J045DA10
5J045GA04
5J045HA05
(57)【要約】
本発明は、アンテナに関し、より具体的には、広い帯域幅を有し、共振長を調節可能なUWBアンテナに関し、アンテナは、半円状板部と、前記半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部と、を含んでもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半円状板部と、
前記半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部と、を含む、アンテナ。
【請求項2】
前記半円状板部の少なくとも一部分から、前記半円状板部の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ラインをさらに含む、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記複数の調整パターン部は、
前記半円状板部の直線の両末端から一定の幅及び同一の長さに延びる、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記半円状板部は、
前記半円状板部の半円の中心から延びる溝を含み、
前記溝は、前記半円状板部の直線と垂直に延びる、請求項2に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記複数の調整パターン部は、前記半円状板部の直線と垂直に延び、
前記複数の調整パターン部の間の少なくとも一部に前記CPWラインの少なくとも一部分が配置され、
前記複数の調整パターン部と前記CPWラインの少なくとも一部分は平行をなす、請求項2に記載のアンテナ。
【請求項6】
半円状板部と、
前記半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部と、を含む、アンテナモジュール。
【請求項7】
前記半円状板部の少なくとも一部分から、前記半円状板部の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ラインをさらに含む、請求項6に記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い帯域幅を有し、共振長を調節可能なUWB(Ultra Wideband)アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
UWBシステムは、既存の無線局の運用を妨げない程度の極めて低い出力と500MHz以上の超広帯域周波数を用いて、10m以内の近距離で数百Mbpsの超高速情報伝送が可能な無線システムであり、信号を広範囲な帯域に拡散させるためデータを高速に伝送し、大容量情報を高速で伝送することができる。
【0003】
UWBアンテナとしては、対数周期(log-periodic)アンテナ、ビバルディ(vivaldi)アンテナ、ディスコーン(discone)アンテナ、ダブルリッジド(double-ridged)ホーンアンテナ、ボウタイ(bow-tie)アンテナなどがある。しかしながら、このような種類のアンテナは、広帯域の特性は有しているが、アンテナ構造が大きく複雑であるため、低コストで大量生産することが困難である。
【0004】
このために多くの研究が行われているが、既存の問題は解決されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るアンテナは、半円状板部と、前記半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部と、を含んでもよい。
【0006】
一実施形態に係る前記アンテナは、前記半円状板部の少なくとも一部分から、前記半円状板部の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ラインをさらに含んでもよい。
【0007】
一実施形態に係る前記複数の調整パターン部は、前記半円状板部の直線の両末端から一定の幅及び同一の長さに延びてもよい。
【0008】
一実施形態に係る前記半円状板部は、前記半円状板部の半円の中心から延びる溝を含み、前記溝は、前記半円状板部の直線と垂直に延びてもよい。
【0009】
一実施形態に係る前記複数の調整パターン部は、前記半円状板部の直線と垂直に延び、前記複数の調整パターン部の間の少なくとも一部に前記CPWラインの少なくとも一部分が配置され、前記複数の調整パターン部と前記CPWラインの少なくとも一部分は平行をなしてもよい。
【0010】
一実施形態に係るアンテナモジュールは、半円状板部と、前記半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部と、を含んでもよい。
【0011】
一実施形態に係る前記アンテナモジュールは、前記半円状板部の少なくとも一部分から、前記半円状板部の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ラインをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係るアンテナの構成を示す図である。
【0013】
【
図2】一実施形態に係るCPWラインに対する帯域幅を示す図である。
【0014】
【
図3】一実施形態に係るアンテナの共振変化を示す図である。
【0015】
【
図4】一実施形態に係るアンテナの共振特性を示す図である。
【0016】
【
図5】一実施形態に係るアンテナモジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるため、特定の実施形態を図面に例示して説明する。しかしながら、これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解すべきである。
【0018】
第2、第1などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、構成要素は用語によって限定されるものではない。用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第2構成要素は第1構成要素と呼ばれてもよく、同様に第1構成要素も第2構成要素と呼ばれてもよい。及び/又はという用語は、複数の関連する記載項目の組み合わせ又は複数の関連する記載項目のいずれかの項目を含む。
【0019】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「接続」されていると言われた場合には、他の構成要素に直接的に連結又は接続されていてもよいが、それらの間にまた他の構成要素が存在してもよいと理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」又は「直接接続」されていると言われた場合には、それらの間にまた他の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0020】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上明らかに他に意味がない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解すべきである。
【0021】
別途定義されない限り、技術的や科学的な用語を含んでここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を有している。一般に使用される辞書で定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味で解釈されない。
【0022】
以下、添付された図面を参照して実施形態を詳しく説明するが、図面符号に関わらず、同一又は対応する構成要素には同一の参照番号を付与し、これについての重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、一実施形態に係るアンテナの構成を示す図である。
【0024】
アンテナは、半円状板部110、複数の調整パターン部121、122、CPWライン130、UWBチップ/素子/回路140などを含んでもよい。
【0025】
一実施形態に係るアンテナは、半円状板部110と、半円状板部110の末端から延びる複数の調整パターン部121、122と、を含んでもよい。
【0026】
一実施形態に係るアンテナの構成要素の少なくとも1つは、18ミクロンの厚さを有してもよく、FR4基板の1T程度の厚さを有してもよい。アンテナの構成要素の少なくとも1つは、PCB基板の少なくとも一部の材料を含んでもよい。アンテナの構成要素の少なくとも1つは金属材料を含んでもよい。
【0027】
半円状板部110は、半円状の板の形状であってもよい。複数の調整パターン部121、122は、半円状板部110から延びる翼状であってもよい。複数の調整パターン部121、122である調整パターン部121と調整パターン部122は、互いに対称に配置されてもよく、長さ及び幅が同一であってもよい。
【0028】
一実施形態に係るアンテナは、半円状板部110の少なくとも一部分から、半円状板部110の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ライン130をさらに含んでもよい。
【0029】
CPWライン130は、UWBチップ/素子/回路140と接続されてもよく、グラウンド(GND)に接続されてもよい。
【0030】
半円状板部110、複数の調整パターン部121、122、CPWライン130、及びUWBチップ/素子/回路140の少なくとも一部は、同一の平面上に配置されてもよい。複数の調整パターン部121、122及びCPWライン130は、UWBチップ/素子/回路140に向かって延びてもよい。
【0031】
一実施形態に係る複数の調整パターン部121、122は、半円状板部110の直線の両末端から一定の幅及び同一の長さに延びてもよい。
【0032】
複数の調整パターン部121、122の幅は約0.5mmであってもよく、複数の調整パターン部121、122の長さLは5mmであってもよく、又は4mmから6mmであってもよい。半円状板部110の直径Dは8mmであってもよい。
【0033】
一実施形態に係る半円状板部110は、半円状板部110の半円の中心から延びる溝111を含み、溝111は、半円状板部110の直線と垂直に延びてもよい。溝111は、CPWライン130と同一の一直線上に置かれる位置に配置されてもよい。溝111の幅とCPWライン130は同一であってもよく、異なってもよい。溝111は、CPWライン130と同一の方向に延びてもよい。
【0034】
溝111の長さは、半円状板部110の半径よりも小さくてもよく、複数の調整パターン部121、122の長さよりも小さくてもよい。CPWライン130の長さは、複数の調整パターン部121、122の長さよりも小さくてもよい。
【0035】
一実施形態に係る複数の調整パターン部121、122は、半円状板部110の直線と垂直に延び、複数の調整パターン部121、122の間の少なくとも一部にCPWライン130の少なくとも一部分が配置され、複数の調整パターン部121、122とCPWライン130の少なくとも一部分は平行をなしてもよい。
【0036】
UWBチップ/素子/回路140の大きさによって、上述したアンテナの構成要素の少なくとも一部の大きさが変更し得る。UWBチップ/素子/回路140の長さCは10.00mmであってもよい。アンテナのUWBチップ/素子/回路140を除いた長さBは5.50mmであってもよい。UWBチップ/素子/回路140の幅は、アンテナの幅Aと同一であってもよく、10.00mmであってもよい。
【0037】
一実施形態に係るアンテナは、10.00mmの幅(A)と15.50mmの長さ(B+C)を有してもよい。一実施形態に係るアンテナは、8mmの幅と5.50mmの長さよりも大きくてもよい。
【0038】
アンテナは、調整パターン部121、122をアンテナの末端に追加することで搭載されるセット又はモジュールのグラウンド(GND)条件に応じて共振周波数を調節できるという効果がある。
【0039】
図2は、一実施形態に係るCPWラインに対する帯域幅を示す図である。
【0040】
図2を参照すると、S-パラメータ(S-Parameters)[大きさ(dB)(Magnitude in dB)]を示すグラフが分かり、アンテナは、主に3.1GHzから10.6GHz帯域の周波数(Frequency)(GHz)を有するということが分かる。一実施形態に係るCPWラインを含むアンテナ(S1、1_with CPW)220は、CPWラインを含んでいないアンテナ(S1、1_without CPW)210よりも向上した性能を示すことができる。
【0041】
図3は、一実施形態に係るアンテナの共振変化を示す図である。
【0042】
図3を参照すると、S-パラメータ(S-Parameters)[大きさ(dB)(Magnitude in dB)]を示すグラフが分かる。アンテナの調整パターン部の長さが4.0mm(310)、4.5mm(320)、5.0mm(330)、5.5mm(340)、6.0mm(350)である場合、それぞれ異なるグラフで示すことができる。
【0043】
一実施形態に係る調整パターン部を含むアンテナは、調整パターン部の長さに応じて共振周波数の調節が可能であることが分かる。
【0044】
調整パターン部の長さは4mmから6mm程度(4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm)であってもよく、7GHz周波数に最適化された調整パターン部の長さは5mmであってもよい。アンテナは、調整パターン部の長さの長いほど低い周波数を有することができる。アンテナは、調整パターン部の長さが短いほど高い周波数を有することができる。
【0045】
アンテナは、調整(Tunable)パターン部をアンテナの末端又は終端に追加することで搭載されるセット(Set)又はモジュールのグラウンド(GND)条件に応じて共振周波数を調節できるため、多目的に使用できる。
【0046】
図4は、一実施形態に係るアンテナの共振特性を示す図である。
【0047】
図4を参照すると、一実施形態に係るアンテナはCPWラインを含むため、広帯域マッチングが可能であり、6GHzから8.5GHzの広帯域マッチングでUWB帯域のほとんどをカバー(cover)することができる。
【0048】
また、一実施形態に係るアンテナは、共振特性を変更可能な調整パターン部を含むため、多くのセット(set)環境や大きさの異なるモジュールに使用可能であり、共振周波数1.5GHzシフト(shift)することができる。
【0049】
図5は、一実施形態に係るアンテナモジュールを示す図である。
【0050】
図5を参照すると、アンテナモジュール500は、上述したアンテナの構成要素の少なくとも一部を含んでもよい。
【0051】
一実施形態に係るアンテナモジュール500は、半円状板部と、半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部とを含んでもよい。
【0052】
一実施形態に係るアンテナモジュール500は、半円状板部の少なくとも一部分から、半円状板部の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ラインをさらに含んでもよい。
【0053】
一実施形態に係る複数の調整パターン部は、半円状板部の直線の両末端から一定の幅及び同一の長さに延びてもよい。
【0054】
一実施形態に係る半円状板部は、半円状板部の半円の中心から延びる溝を含み、溝は、半円状板部の直線と垂直に延びてもよい。
【0055】
一実施形態に係る複数の調整パターン部は、半円状板部の直線と垂直に延び、複数の調整パターン部の間の少なくとも一部にCPWラインの少なくとも一部分が配置され、複数の調整パターン部とCPWラインの少なくとも一部分は平行をなしてもよい。
【0056】
アンテナモジュール500は、テレビなどの家電製品に用いることができ、小型家電に用いることができる。
【0057】
以上、実施形態を中心に説明してきたが、これは例示であるだけ本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲内で上記に例示されていない様々の変形と応用が可能であることが分かるであろう。例えば、実施形態に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。また、このような変形と応用に関連する相違点は、添付された特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半円状板部と、
前記半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部と、を含む、アンテナ。
【請求項2】
前記半円状板部の少なくとも一部分から、前記半円状板部の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ラインをさらに含む、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記複数の調整パターン部は、
前記半円状板部の直線の両末端から一定の幅及び同一の長さに延びる、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記半円状板部は、
前記半円状板部の半円の中心から延びる溝を含み、
前記溝は、前記半円状板部の直線と垂直に延びる、請求項2に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記複数の調整パターン部は、前記半円状板部の直線と垂直に延び、
前記複数の調整パターン部の間の少なくとも一部に前記CPWラインの少なくとも一部分が配置され、
前記複数の調整パターン部と前記CPWラインの少なくとも一部分は平行をなす、請求項2に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記複数の調整パターン部は、前記半円状板部から延びる翼状であり、
前記半円状板部及び前記複数の調整パターン部は、同一の平面上に配置される、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記複数の調整パターン部は、
第1調整パターン部及び第2調整パターン部を含み、
前記第1調整パターン部及び前記第2調整パターン部は、互いに対称に配置され、長さ及び幅が同一である、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記溝は、前記CPWラインと同一の直線上に置かれる位置に配置される、請求項4に記載のアンテナ。
【請求項9】
半円状板部と、
前記半円状板部の末端から延びる複数の調整パターン部とを含む、アンテナモジュール。
【請求項10】
前記半円状板部の少なくとも一部分から、前記半円状板部の直線と垂直方向に延びるCPW(coplanar waveguide)ラインをさらに含む、請求項
9に記載のアンテナモジュール。
【国際調査報告】