(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】アルツハイマー病の処置に使用されるALZ-801
(51)【国際特許分類】
A61K 31/16 20060101AFI20241108BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241108BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20241108BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A61K31/16
A61P25/28
A61K9/20
A61K9/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534268
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 US2022052331
(87)【国際公開番号】W WO2023107658
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519307263
【氏名又は名称】アルツェオン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100187540
【氏名又は名称】國枝 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】アブシャクラ,スーザン
(72)【発明者】
【氏名】フランズライチ,ニール・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ヘイ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トラル,マーティン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC01
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA08
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA55
4C206MA57
4C206NA14
4C206ZA16
(57)【要約】
本明細書では、増加した投与量のALZ-801を使用してアルツハイマー病を処置する方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
21以下のMMSEスコアを有する対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、少なくとも約700mg/日のALZ-801を前記対象に投与するステップを含む、前記方法。
【請求項2】
前記対象は、約700mg/日~約1.0g/日を投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象は、約795mg/日のALZ-801を投与される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象は、約265mgのALZ-801をTID投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、
a. 50週以上の第1の期間にわたって約400mg/日~約600mg/日のALZ-801を前記対象に投与するステップと、
b. 少なくとも約700mg/日のALZ-801をその後に投与するステップと
を含む、前記方法。
【請求項6】
前記第1の期間は約52週間から約65週間である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記対象は、前記第1の期間にわたって約530mg/日のALZ-801を投与される、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記対象は、前記第1の期間にわたって約265mgのALZ-801をBID投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記対象は、約795mg/日のALZ-801をその後に投与される、請求項5~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記対象は、約265mgのALZ-801をその後にTID投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対象は、21以下のMMSEスコアを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記対象は、16以下のMMSEスコアを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記対象は、16~21のMMSEスコアを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記対象は、前記少なくとも約700mg/日のALZ-801をその後に投与することの前に、16以下のMMSEスコアを有する、請求項5~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、
a. 前記対象が約400mg/日~約600mg/日のALZ-801の第1の投与量に対する治療応答の減少を示すまでの第1の期間にわたって前記対象に前記第1の投与量を投与するステップと、
b. 第2の期間にわたって前記第1の投与量の少なくとも1.5倍である第2の投与量を投与するステップと
を含む、前記方法。
【請求項16】
前記第2の投与量は、前記第1の投与量の1.5倍から2倍未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の期間は、前記対象が前記第2の投与量に対する治療応答の減少を示すまでであり、前記方法は、第3の期間にわたって前記第1の投与量の少なくとも2倍である第3の投与量を投与することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第3の投与量は、前記第1の投与量の2倍から2.5倍未満である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第3の期間は、前記対象が前記第3の投与量に対する治療応答の減少を示すまでであり、前記方法は、前記第1の投与量の2.5倍以上である第4の投与量を投与することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第4の投与量は、前記第1の投与量の2.5倍から3倍未満である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ALZ-801の前記第2の投与量は、少なくとも約700mg/日である、請求項15~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
ALZ-801の前記第2の投与量は、約795mg/日である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ALZ-801の前記第2の投与量は、TID投与される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
ALZ-801の前記第3の投与量は、少なくとも約1000mg/日である、請求項17~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
ALZ-801の前記第3の投与量は、約1060mg/日である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ALZ-801の前記第3の投与量は、TIDまたはQID投与される、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
ALZ-801の前記第3の投与量は、QID投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第4の投与量は、少なくとも約1300mg/日である、請求項19~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第4の投与量は、約1325mg/日~約1590mg/日である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
第7の実施形態に記述されたALZ-801の第4の投与量が、TID、QID、1日5回、または1日6回投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記治療応答の減少は、少なくとも約2週、約2~約3週、少なくとも約6か月、または約6か月~約1年の期間にわたって示される、請求項15~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記治療応答の減少は、運動技能の低減、言語化の低減、会話の低減、理解力の低減、自力摂取能力の低減、食物摂取量の低減、可動性の低減、介護者との協調性の低減、鬱状態の増加、激越の増加、異常な運動行動の増加、または反復運動の増加のうちの1つ以上によって示される、請求項15~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記治療応答の減少は、1つ以上の認知テストによって示される、請求項15~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ以上の認知テストは、ミニメンタルステート検査(MMSE)、Mini-Cogテスト、及び臨床認知症評価尺度ボックス合計(CDR-SB)、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記治療応答の減少は、
a. 約6か月~約1年の期間にわたる4~5のMMSEスコア減少、または
b. 約6か月~約1年の期間にわたる0.5~1のCDR-SB増加
のうちの1つ以上によって示される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記対象はAPOE4
+である、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記対象はAPOE4ホモ接合性である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ALZ-801は、錠剤、カプセル、液体、経口溶解錠剤、サシェ剤、またはスプリンクル剤に配合されている、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記ALZ-801は、カプセルに配合されている、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
互いに分離された個別の投与形態のALZ-801を含む薬学的キットであって、前記キット内のALZ-801の前記投与形態は3の倍数または4の倍数で存在する、前記薬学的キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年12月9日に出願された米国仮特許出願第63/287,552号に対する優先権の利益を主張し、同米国仮特許出願の内容全体を参照により本明細書に組み込むものである。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は現在、米国で6番目に多い死因として位置付けられている。ADの症状は経時的に悪化するが、疾患の進行速度は様々であり得る。ADの病期は、早期、中期、及び後期AD(一般的に軽度、中等度、及び重度ADとも呼ばれる)の3つのカテゴリに分けられる。アルツハイマー病は人により影響の仕方が異なるため、症状の現れ方または病期進行の仕方も各個人によって異なり得る。
【0003】
ALZ-801は、ADの新規処置法として有望であり、現在、早期AD(MMSE>22)を有する対象の臨床治験において研究されている。265mgのALZ-801の1日2回(BID)の経口投与を使用した初期データでは、プラセボと比較して、認知(ADAS-cog)における約125%の有効性及び機能(CDR-SB)における81%の有効性が示された。例えば、Tolar,et al.,Int.J.Mol.Sci.2021,22,6355を参照のこと。ALZ-801は、良好な血液脳関門透過性と、毒性のある可溶性アミロイドオリゴマーを標的にする能力とを有する。
【0004】
これらの利点にもかかわらず、中等度から重度のAD(MMSE<22)を有する患者を処置する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0005】
このほど、530mg/日(例えば265mg BID)を超えるALZ-801の投与量は、中等度からより重度のADを有する対象において疾患修飾効果を誘起し得ることが判明した。この新たに判明した効果の証拠は、拡大アクセス事業(Expanded Access IND)のもとで実施された最近のコンパッショネートユース試験において観察された。例えば、次のコンパッショネートユース試験を参照のこと:アルツハイマー型の重度神経認知障害と診断された(すなわち、症状に基づいてMMSE<22と考えられる)73歳女性対象は、265mgのALZ-801 BIDによる処置後に最初は症状の改善及び安定化を示したが、14か月の処置期間後、またはその最後に、認知改善及び/または関連症状の退行を示した。特筆すべきことに、対象のALZ-801用量を265mg BIDから265mg TIDに増加させたところ、対象の意欲、発話、身体活動、日常生活活動(すなわち、介護者との協調的なやり取り、軽作業を行う能力など)、気分、及び歩行が急速かつ明らかに改善した。より高い用量も良好に忍容された。この最初の臨床的改善期間はおおよそ1年間持続し、その後、対象は、認知の悪化、無関心、及び全般的な活動減少を特徴とする衰退を示し始めた。ALZ-801 265mg TIDの合計約15か月の服用後、対象の投与量は265mg QID(1日4回)に増加された。対象は過去6か月間にわたりこのQID投薬を受けている。TID投薬と同様に、QID投薬も良好に忍容され、対象はTID投薬計画の後半の段階で改善し、覚醒度の高まり、応答性の高まり、及びより前向きな態度を示した。
【0006】
したがって、一態様では、中等度からより重度のアルツハイマー病(例えば、22未満のMMSEスコア)を有する対象に、少なくとも約700mg/日のALZ-801を投与することにより、対象のADを処置する方法が提供される。
【0007】
他の態様では、a)約50週以上の期間にわたって、または対象が約400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801の第1の投与量に対する治療応答の減少を示すまで、第1の投与量を対象に投与すること、及びb)第1の投与量の少なくとも1.5倍(例えば、少なくとも約700mg/日)であるALZ-801の第2の投与量をその後に投与することにより、アルツハイマー病を処置する方法が提供される。
【0008】
特定の態様では、対象が第2の投与量に対する治療応答の減少を示す場合、対象は、第1の投与量の少なくとも2倍(例えば、少なくとも約1000mg/日)である第3の投与量を投与される。
【0009】
さらに、約265mg TIDのような少なくとも約700mg/日のALZ-801、または約265mg QIDのような少なくとも約1000mg/日のALZ-801を使用して、対象のアルツハイマー病を処置する方法が提供される。
【0010】
特定の態様では、本件の方法によって処置される対象は、特定の閾値未満または特定の範囲内のMMSEスコアを有する。
【0011】
特定の態様では、本件の方法によって処置される対象は、中等度から重度のADを有する。他の態様では、本件の方法によって処置される対象は、軽度ADを有し、悪化した程度の軽度ADまで、または中等度もしくは重度のADまで進行したものである(例えば、1つ以上の認知テストまたは他の方法によって判定した場合)。他の態様では、本件の方法によって処置される対象は、中等度ADを有し、重度ADまで進行したものである。
【0012】
特定の態様では、本件の方法によって処置される対象は、APOE4陽性である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】異なるALZ-801投与頻度での定常状態のトラミプロサート血漿AUCを示すグラフである。
【
図1B】異なるALZ-801投与頻度でのC
maxを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、少なくとも約700mg/日(例えば、約795mg/日)のALZ-801を対象に投与するステップを含む、対象のアルツハイマー病を処置する方法である。
【0015】
ALZ-801は、以下の構造:
【化1】
によって表されるバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸を指す。
【0016】
「対象」及び「患者」という用語は、交換可能に使用される。一態様では、対象はヒトである。いくつかの態様では、対象は、100歳以下、95歳以下、90歳以下、または85歳以下のヒトである。他の態様では、対象は、65~100歳、65~95歳、65~90歳、または65~85歳のヒトである。さらに他の態様では、対象は、58歳以上のヒトである。さらに他の態様では、ヒトは、処置を必要としている。
【0017】
本明細書において使用される場合、「処置する」、「処置すること」または「処置」という用語は、認知衰退またはそれに関連する1つ以上の症状を含むアルツハイマー病(AD)の進行を逆転させる、緩和する、抑制する、または緩徐化することを意味する。
【0018】
第2の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、a)約50週以上の期間にわたって約400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801を対象に投与するステップと、b)少なくとも約700mg/日(例えば、約795mg/日)のALZ-801をその後に投与するステップとを含む方法である。代替的には、第2の実施形態のパートa)として、対象は、約52週以上の期間にわたって、対象に対して約400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801を投与される。別の代替形態では、第2の実施形態のパートa)として、対象は、約55週以上、約60週以上、約65週以上、約70週以上、約75週以上、または約80週以上の期間にわたって、対象に対して約400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801を投与される。別の代替形態では、第2の実施形態のパートa)として、対象は、約50週~約80週、約50週~約75週、約50週~約70週、約50週~約65週、約52週~約80週、約52週~約75週、約52週~約70週、または約52週~約65週の期間にわたって、対象に対して約400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801を投与される。
【0019】
第3の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、a)対象が約400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801の投与に対する治療応答の減少を示すまで、そのような投与を対象に行うステップと、b)少なくとも約700mg/日(例えば、約795mg/日)のALZ-801をその後に投与するステップとを含む方法である。
【0020】
第1、第2、及び第3の実施形態のいくつかの態様では、対象に投与される少なくとも約700mg/日のALZ-801とは、少なくとも約750mg/日のALZ-801、約750mg/日のALZ-801、約700mg/日~約1.0g/日、約795mg/日のALZ-801、または約265mgのALZ-801 TIDの量を指す。
【0021】
第4の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、a)約50週以上の第1の期間にわたって約400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801を対象に投与するステップと、b)35週以上の第2の期間にわたって少なくとも約700mg/日(例えば、約795mg/日)のALZ-801を投与するステップと、c)少なくとも約1.0g/日(例えば、約1.06g/日)のALZ-801をその後に投与するステップとを含む方法である。
【0022】
第4の実施形態のいくつかの態様では、第1の期間は、約52週以上、約55週以上、約60週以上、約65週以上、約70週以上、約75週以上、約80週以上、50週~約80週、50週~約75週、50週~約70週、50週~約65週、約52週~約80週、約52週~約75週、約52週~約70週、または約52週~約65週である。
【0023】
第4の実施形態のいくつかの態様では、第2の期間は、約40週以上、約50週以上、約52週以上、約55週以上、約60週以上、約65週以上、約70週以上、約75週以上、約80週以上、35週~約40週、35週~約50週、35週~約52週、35週~約55週、35週~約60週、約40週~約50週、約40週~約52週、約40週~約55週、約40週~約50週、約45週~約50週、約45週~約52週、約45週~約55週、約45週~約60週、または約50週~約55週、または約50週~約60週である。
【0024】
第5の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、a)対象が約400mg/日~約600mg/日のALZ-801の第1の投与量に対する治療応答の減少を示すまでの第1の期間にわたって第1の投与量を対象に投与するステップと、b)第2の期間にわたって第1の投与量の少なくとも1.5倍である第2の投与量を投与するステップとを含む方法である。第5の実施形態のいくつかの態様では、第2の投与量は、第1の投与量の1.5倍から2倍未満である。
【0025】
第6の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、a)対象が約400mg/日~約600mg/日のALZ-801の第1の投与量に対する治療応答の減少を示すまでの第1の期間にわたって第1の投与量を対象に投与するステップと、b)対象が第1の投与量の1.5倍から2倍未満である第2の投与量に対する治療応答の減少を示すまでの第2の期間にわたって第2の投与量を投与するステップと、c)第3の期間にわたって第1の投与量の少なくとも2倍である第3の投与量を投与するステップとを含む方法である。第6の実施形態のいくつかの態様では、第3の投与量は、第1の投与量の2倍から2.5倍未満である。
【0026】
第7の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、対象のアルツハイマー病を処置する方法であって、a)対象が約400mg/日~約600mg/日のALZ-801の第1の投与量に対する治療応答の減少を示すまでの第1の期間にわたって第1の投与量を対象に投与するステップと、b)対象が第1の投与量の1.5倍から2倍未満である第2の投与量に対する治療応答の減少を示すまでの第2の期間にわたって第2の投与量を投与するステップと、c)対象が第1の投与量の2倍から2.5倍未満である第3の投与量に対する治療応答の減少を示すまでの第3の期間にわたって第3の投与量を投与するステップと、d)第1の投与量の2.5倍以上である第4の投与量を投与するステップとを含む方法である。第7の実施形態のいくつかの態様では、第4の投与量は、第1の投与量の2.5倍から3倍未満である。
【0027】
本明細書において使用される場合、「治療応答の減少」とは、一定期間にわたるALZ-801に対する対象の以前に観察または測定された治療応答における観察または測定された減少を指す。例えば、400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801による処置中に、対象が認知衰退の逆転または停止(そのような処置の前と比較した場合)を示すならば、治療応答の減少は、逆転または停止したレベルからの認知衰退の観察または測定された増加となる。400mg/日~約600mg/日(例えば、約530mg/日)のALZ-801による処置中に、対象が認知衰退の緩徐化(そのような処置の前と比較した場合)を示すならば、認知衰退の速度の増加が治療応答の減少を示すことになる。
【0028】
第8の実施形態の一部として、本明細書(第4から第6の実施形態のうちのいずれか1つを含む)に記載される治療応答の減少は、少なくとも約1週、少なくとも約2週、少なくとも約3週、少なくとも約4週、少なくとも約5週、少なくとも約6週、少なくとも約7週、少なくとも約8週、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、少なくとも約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約12か月、または少なくとも約1年の期間にわたって示される。代替的には、第4の実施形態の一部として、本明細書(第4の実施形態を含む)に記載される治療応答の減少は、約1週~約1年、約1か月~約1年、約3か月~約1年、約6か月~約1年、約1週~約6週、約1週~約5週、約1週~約4週、約1週~約3週、約2週~約6週、約2週~約4週、または約2週~約3週の期間にわたって示される。
【0029】
第9の実施形態の一部として、本明細書(第3から第8の実施形態のうちのいずれか1つを含む)に記載される治療応答の減少は、運動技能の低減、言語化の低減、会話の低減、理解力の低減、自力摂取能力の低減、食物摂取量の低減、可動性の低減、介護者との協調性の低減、鬱状態の増加、激越の増加、異常な運動行動の増加、または反復運動の増加のような、1つ以上の日常生活活動の観察可能な衰退によって示される。通常、1つ以上の日常生活活動の観察可能な衰退は1人以上の人物によって行われ、これらの人物は、衰退についての合理的な評価を行うことができるように、十分な頻度で対象とやり取りし、対象の日常活動に関する十分に詳細な知識を持つものである。このような人物は通常、対象の介護者または家族(親、配偶者、子供、看護師、または他の職業介護者など)である。そのような人物は、対象の日常活動(例えば、介護者または家族から報告されるもの)に精通している医師である場合もある。
【0030】
第10の実施形態の一部として、本明細書(第3から第8の実施形態のうちのいずれか1つを含む)に記載される治療応答の減少は、1つ以上の認知テスト(例えば、ミニメンタルステート検査(MMSE)、Mini-Cogテスト、または臨床認知症評価尺度ボックス合計(Clinical Dementia Rating scale-sum of boxes:CDR-SB)、前述のもののいずれかの改良版もしくは修正版、任意の新しく開発された認知テスト、または前述のもののいずれかの組み合わせ)によって示される。
【0031】
第10の実施形態の一態様では、本明細書に記載される治療応答の減少は、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、または少なくとも1年の期間にわたる、少なくとも2ポイント、少なくとも3ポイント、少なくとも4ポイント、または少なくとも5ポイントのMMSE減少によって示される。代替的には、第10の実施形態の別の態様では、対象の認知衰退の速度は、約3か月~約1年または約6か月~約1年の期間にわたる、少なくとも2ポイント、少なくとも3ポイント、少なくとも4ポイント、または少なくとも5ポイントのMMSE減少によって示される。第10の実施形態の別の代替的な態様では、対象の認知衰退の速度は、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、または少なくとも1年の期間にわたる、2~5ポイント、2~4ポイント、2~3ポイント、3~5ポイント、3~4ポイント、または4~5ポイントの範囲のMMSE減少によって示される。第10の実施形態のさらに別の代替的な態様では、対象の認知衰退の速度は、約3か月~約1年または約6か月~約1年の期間にわたる、2~5ポイント、2~4ポイント、2~3ポイント、3~5ポイント、3~4ポイント、または4~5ポイントの範囲のMMSE減少によって示される。
【0032】
第10の実施形態のさらに別の態様では、本明細書に記載される治療応答の減少は、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、または少なくとも1年の期間にわたる、0.5~1のCDR-SB増加によって示される。第10の実施形態のさらに別の態様では、対象の認知衰退の速度は、約3か月~約1年または約6か月~約1年の期間にわたる、0.5~1のCDR-SB増加によって示される。
【0033】
第9及び第10の実施形態の特定の態様では、1つ以上の日常生活活動の衰退の観察は、対象が治療応答の減少を経験していることを判定及び確認するために認知テストと組み合わされ得る。特定の状況では、1つ以上の認知テストの結果を1つ以上の日常生活活動の観察と比較した際に矛盾する結果が得られる場合があることが理解されるべきである。言い換えれば、認知テストは漸進的衰退を示さない場合があるが、日常生活の観察は、そのような衰退が起こっていることを示す場合がある。同様に、日常生活の観察が何らかの衰退を示す際に、認知テストが漸進的衰退を示唆する場合もある。このような状況では、対象を処置する医師が、場合により対象の介護者及び家族と共同で、ALZ-801の投与量を増加させる決断を下すことができる。
【0034】
第11の実施形態の一部として、第5、第6、及び第7の実施形態に記述されたALZ-801の第2の投与量は、少なくとも約700mg/日、少なくとも約750mg/日、少なくとも約795mg/日、約700mg/日~約1000mg/日、約750mg/日~約1000mg/日、約750mg/日~約800mg/日、または約795mg/日である。第11の実施形態のいくつかの態様では、第5、第6、及び第7の実施形態に記述されたALZ-801の第2の投与量は、TID投与される。第11の実施形態のいくつかの態様では、第5、第6、及び第7の実施形態に記述されたALZ-801の第2の投与量は、約265mgのALZ-801のTID投与である。
【0035】
第11の実施形態のいくつかの態様では、第6及び第7の実施形態に記述されたALZ-801の第3の投与量は、少なくとも約1000mg/日、少なくとも約1050mg/日、約1000mg/日~約1300mg/日未満、約1000mg/日~約1100mg/日、約1050mg/日~約1300mg/日未満、約1050mg/日~約1100mg/日、または約1060mg/日である。第11の実施形態のいくつかの態様では、第6及び第7の実施形態に記述されたALZ-801の第3の投与量は、TID投与される。第11の実施形態の他の態様では、第6及び第7の実施形態に記述されたALZ-801の第3の投与量は、QID投与される。第11の実施形態の他の態様では、第6及び第7の実施形態に記述されたALZ-801の第3の投与量は、265mgのALZ-801のQID投与である。
【0036】
第11の実施形態のいくつかの態様では、第7の実施形態に記述されたALZ-801の第4の投与量は、少なくとも約1300mg/日、少なくとも約1325mg/日、少なくとも約1400mg/日、少なくとも約1450mg/日、少なくとも約1500mg/日、少なくとも約1550mg/日、少なくとも約1590mg/日、約1300mg/日~約1600mg/日、約1325mg/日~約1600mg/日、約1325mg/日~約1590mg/日、約1325mg/日、または約1590mg/日である。第11の実施形態のいくつかの態様では、第7の実施形態に記述されたALZ-801の第4の投与量は、TID投与される。第11の実施形態の他の態様では、第7の実施形態に記述されたALZ-801の第4の投与量は、QID投与される。第11の実施形態のさらに他の態様では、第7の実施形態に記述されたALZ-801の第4の投与量は、1日5回または6回投与される。第11の実施形態のさらに他の態様では、第7の実施形態に記述されたALZ-801の第4の投与量は、265mgのALZ-801の1日5回投与である。第11の実施形態のさらに他の態様では、第7の実施形態に記述されたALZ-801の第4の投与量は、265mgのALZ-801の1日6回投与である。
【0037】
第12の実施形態の一部として、本件の方法(第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つを含む)によって処置される対象は、軽度から中等度のADを有する。代替的には、第12の実施形態の一部として、本件の方法(第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つを含む)によって処置される対象は、中等度から重度のADを有する。別の代替形態では、第12の実施形態の一部として、本件の方法(第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つを含む)によって処置される対象は、21以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、または15以下のMMSEスコアを有する。
【0038】
第12の実施形態のいくつかの態様では、本件の方法(第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つを含む)によって処置される対象は、15~21、16~21、17~21、18~21、19~21、15~20、16~20、17~20、18~20、15~19、16~19、17~19、15~18、または16~18の範囲のMMSEスコアを有する。第12の実施形態のさらに他の態様では、本件の方法(第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つを含む)によって処置される対象は、15、16、17、18、19、20、または21のMMSEスコアを有する。
【0039】
第13の実施形態の一部として、本件の方法(第1~第12の実施形態のうちのいずれか1つを含む)によって処置される対象は、少なくとも1つのAPOE4アレルを有するもの、すなわちAPOE4陽性またはAPOE4+の対象である。第12の実施形態のいくつかの態様では、本件の方法(第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つを含む)によって処置される対象は、APOE4ホモ接合性、すなわちAPOE4/4対象である。
【0040】
第14の実施形態の一部として、本明細書で定義されるALZ-801(第1~第13の実施形態のうちのいずれか1つを含む)は、対象に経口投与される。
【0041】
第15の実施形態の一部として、本明細書で定義されるALZ-801(第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つを含む)は、錠剤、カプセル、液体、経口溶解錠剤、サシェ剤、またはスプリンクル剤に配合されている。第15の実施形態のいくつかの態様では、ALZ-801は、カプセルに配合されている。第15の実施形態のいくつかの態様では、ALZ-801は、即時放出カプセルに配合されている。第15の実施形態の他の態様では、ALZ-801は、持続放出カプセルに配合されている。第15の実施形態のさらに他の態様では、各カプセルは、約265mgのALZ-801を含む。
【0042】
第16の実施形態の一部として、少なくとも約700mg/日の増加した用量のALZ-801(第1から第15の実施形態のうちのいずれか1つを含む)を投与されている対象が胃の不快感または悪心などの望ましくない副作用を示す場合、その用量を、そのような副作用をもたらさない用量、例えば、対象に投与されていた以前の投与量レベルよりも高く、望ましくない副作用を引き起こした投与量よりも低い量、例えば、約530mg/日より高く約795mg/日より低い量まで一定期間にわたり低減することができる。対象が低減した用量のALZ-801を忍容できるようになったら、当該用量を少なくとも約700mg/日まで再度増加させることができる。この第23の実施形態のいくつかの態様では、少なくとも約700mg/日に用量を再度増加させることは、数週間にわたって段階的に行うことができ、例えば、所望の用量に達するまで、日用量を毎週、2週間ごと、または3週間ごとに約50、約75、約100、約150、約200、または約250mgずつ増加させることができる。このようにして、増加した投与量に対する対象の忍容性がさらに高まる。
【0043】
第17の実施形態(第1及び第12から第15の実施形態のうちのいずれか1つを含む)の一部として、ALZ-801処置ナイーブの対象には、少なくとも約700mg/日(例えば、少なくとも約795mg/日)のALZ-801の用量を与えることになるか、またはその用量まで漸増させることになる。言い換えれば、現在ALZ-801を与えられていない対象には、より低い日用量、例えば約200~300mg/日のALZ-801を最初に一定期間投与し、対象が望ましくない副作用を経験するかどうかを判定する。より低い用量が忍容されることが確立されたら、段階的に増加した用量が忍容されるまで、一定期間(例えば、1週間、2週間、または3週間)にわたり、日用量を段階的に増加させ(例えば、約50、約75、約100、約125、約150、約175、約200、約250、または約265mgずつ)、所望の日用量に達するまで段階的増加プロセスを繰り返す。
【0044】
第18の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、前述の方法のいずれかで使用するための薬学的キットである。本キットには、上記の実施形態のいずれかに係る、対象によって一度に服用される個別の投与形態のALZ-801が、互いに分離された状態で、例えばホイル包装またはブリスター包装された単位用量などの個別のコンパートメントに含まれている。例えば、服用される投与量が1日3回の265mgのALZ-801である場合、各265mg用量は別個のコンパートメントに存在する。個別のコンパートメントには、用量を服用する時刻(例えば、対象がALZ-801を1日3回服用する場合、午前、午後、及び夜間)及び/または用量を服用する曜日を示すラベルを付けることができる。本キットは、用量の服用に関する説明書をさらに含み得る。本キットは、全体として、1週間、2週間、3週間、4週間、1か月、2か月、3か月、6か月、9か月、1年、またはそれよりも長くにわたって十分な投与量を含み得る。
【0045】
第18の実施形態のいくつかの態様では、キット内のALZ-801の投与形態は3の倍数で存在する。そのようなキットは、ALZ-801の投与がTIDである対象にとって有用である。第18の実施形態のいくつかの態様では、キット内のALZ-801の投与形態は4の倍数で存在する。そのようなキットは、ALZ-801の投与がQIDである対象にとって有用である。
【実施例】
【0046】
コンパッショネートユース試験
アルツハイマー型の重度神経認知障害の診断を受けた72歳女性対象を、コンパッショネートユース試験の一環としてALZ-801により処置した。対象はAPOE4ホモ接合性であり、標準的な認知向上薬を受けており、アミロイド免疫療法剤の治験に登録したが、効果はなく、処置選択肢がなかった。
【0047】
対象には、おおよそ14か月間(61週と2日間)にわたり、265mg BIDの用量のALZ-801を経口投与した。処置の最初の13か月間の終わり頃(約58週)まで、当該女性の症状の有意な改善及び安定化が認められた。例えば、当該女性の運動技能は、歯磨き、着衣、及び自力入浴を行う努力をするにつれて改善した。当該女性は電話を耳に当てることもでき、歩行及び食事も向上した。当該女性は、265mg BIDのALZ-801による処置の前には上記を行う能力または意思がなかった。さらに、当該女性の気分は顕著に明るくなり、充足感も増し、言葉によるコミュニケーションも向上した。しかし、処置の最初の12か月間の終わり頃には、対象の症状の改善は停滞し、認知状態の衰退が認められた。当該女性は無関心になり、言葉数が減り、指示に従うことができなくなった。当該女性は、身体活動の低下及び歩行の悪化も示した。
【0048】
処置の62週6日目に、ALZ-801の投与量を265mg BIDから265mg TIDに増加させた。特筆すべきことに、当該女性の認知の停滞及び衰退は、265mg TIDの投与計画を開始すると終了した。当該女性は言葉数が増え、幸福感が増し、265mg BID ALZ-801の服用時に達成したタスクを完了しただけでなく、それを超えて改善した。当該女性は会話の文脈を理解し、より「普通」または「自然」な様式で行動する。全体的に、当該女性の意欲、発話、日常生活活動(すなわち、介護者との協調的なやり取り、軽作業を行う能力など)、身体活動、気分、及び歩行における明らかな改善が認められた。対象は、265mg TIDのALZ-801を少なくとも9か月間服用しており、顕著な副作用はない。265mg BIDのALZ-801投与量について観察されたものと同様の認知状態の停滞または衰退は、265mg TIDのALZ-801投薬の開始からおおよそ12か月後に現れ始めた。対象は、265mg TIDのALZ-801の服用をさらにおおよそ3か月(合計15か月)続け、その後、投与量がALZ-801 265mg QID(1日4回)に増加され、この投与量は過去7か月間維持されている。当該女性の介護者らによる報告によれば、新しい(QID)投薬計画は良好に忍容されており、関連する悪心または顕著な副作用はない。さらに重要なことに、対象の認知状態及び他の生活の質の指標は、QIDでの7か月間にわたって改善し、安定状態を維持していると見受けられる。介護者らの指摘によれば、患者の態度及び覚醒度が改善し、応答性が増し、協調性が増し、介護者とのやり取りが改善した。
【0049】
当該患者におけるTID及びQID投薬計画の定常状態薬物動態を、血漿トラミプロサート(ALZ-801の活性型)の曲線下面積(AUC)及び最大濃度(C
max)についてアッセイし、ALZ-801の第2相ヒト臨床治験での患者集団におけるBID投薬値と比較した。患者が特定の投薬計画で定常状態に達したら(特定の投薬計画の7日目以降のいずれかの時点)、ある用量のAZL-801の投与直前に血液サンプルを採取し、その後、その用量の投与の1時間後、2時間後、及び4時間後に再度採取した。サンプルから遠心分離により血漿を単離し、血漿サンプルを凍結し、トラミプロサート濃度(ALZ-801の活性部分)の判定ならびにAUC及びC
maxの計算のためにバイオ分析研究所に送った。次いで、血漿から得られた値を使用して、予想される脳AUCを計算した。その結果を以下の表1及び
図1に示す。これらの結果は、投薬頻度に基づく、用量に比例した血漿AUC及びC
maxの増加を示す。
【表1】
【0050】
本発明の多数の実施形態を説明してきたが、本発明者らの基本例は、本発明の化合物及び方法を利用する他の実施形態を提供するために変更されてもよいことが明らかである。したがって、本発明の範囲は、例として表されている特定の実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることが理解されよう。
【0051】
本願中に引用され得る全ての参照物(参考文献、発行済み特許、公開特許出願及び同時係属特許出願を含む)の内容は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、当業者に共通して知られた意味と一致する。
【国際調査報告】