(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】動的再構成された蒸気タービン発電ユニット及び運転方法
(51)【国際特許分類】
F01K 7/22 20060101AFI20241108BHJP
F01K 11/02 20060101ALI20241108BHJP
F01K 7/16 20060101ALI20241108BHJP
F01K 13/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F01K7/22 B
F01K11/02
F01K7/16 A
F01K13/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534428
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2022080279
(87)【国際公開番号】W WO2023103195
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111483362.7
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512000260
【氏名又は名称】ジナン・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】Jinan University
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王衛良
(72)【発明者】
【氏名】呂俊復
(57)【要約】
【課題】本発明は動的再構成された蒸気タービン発電ユニット及び運転方法を提供し、蒸気タービン発電ユニットは、高圧補償圧力段及び/又は中圧補償圧力段を含み、先に蒸気タービンユニットの運転負荷モードを区分し、高負荷モードでは、通常の高圧シリンダ、中圧シリンダを運転に投入し、高圧補償圧力段及び/又は中圧補償圧力段を空転または停止させ、低負荷モードでは、高圧補償圧力段を高圧シリンダと直列に運転させる、及び/又は中圧補償圧力段を中圧シリンダと直列に運転させる。通流システムにおいて、圧力段を直列に接続することにより、仕事の一環を増加させ、圧力伝達により高いユニットの運転圧力を維持する。運転負荷モードに基づいて、動的にタービンユニットの通流状態を再構成し、蒸気タービンユニットが中低負荷モードで主再熱蒸気運転圧力の低下によるエネルギー効率の急激な低下の問題を回避し、蒸気タービンユニットの運転状況の適応性を高める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
第2回転軸、高圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記高圧補償圧力段とエネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記主バルブと前記高圧シリンダの間には第1バルブが設けられ、前記主バルブと前記高圧補償圧力段の間には第2バルブが設けられ、前記高圧補償圧力段の排気出口端は、第3バルブによって前記第1バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項2】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
第2回転軸、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記中圧補償圧力段とエネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記中圧補償圧力段の蒸気入口端は、第5バルブによって前記第4バルブの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の排気出口端は、第6バルブによって前記第4バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項3】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
第2回転軸、高圧補償圧力段、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記高圧補償圧力段、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記主バルブと前記高圧シリンダの間には第1バルブが設けられ、前記主バルブと前記高圧補償圧力段の間には第2バルブが設けられ、前記高圧補償圧力段の排気出口端は、第3バルブによって前記第1バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の蒸気入口端は、第5バルブによって前記第4バルブの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の排気出口端は、第6バルブによって前記第4バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項4】
前記蒸気タービン発電ユニットの第1状態再構成点の負荷率をn%とし、前記高圧補償圧力段の通流面積を前記高圧シリンダ通流面積の0.4n%~1.5n%とする、
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項5】
前記蒸気タービン発電ユニットの第2状態再構成点の負荷率をm%とし、前記中圧補償圧力段の通流面積を前記中圧シリンダ通流面積の0.4m%~1.5m%とする、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項6】
請求項1又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
高負荷モードでは、第1バルブを開き、第2バルブ、第3バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を空転または停止させ、
低負荷モードでは、第2バルブ、第3バルブを開き、第1バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を前記高圧シリンダと直列に運転させる、ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【請求項7】
請求項2又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
高負荷モードでは、第4バルブを開き、第5バルブと第6バルブを閉じ、前記中圧補償圧力段を空転または停止させ、
低負荷モードでは、第5バルブと第6バルブを開き、第4バルブを閉じ、前記中圧補償圧力段を前記中圧シリンダと直列に運転させる、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【請求項8】
請求項3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
高負荷モードでは、第1バルブと第4バルブを開き、第2バルブ、第3バルブ、第5バルブ、第6バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段と中圧補償圧力段を空転または停止させ、
低負荷モードでは、第2バルブ、第3バルブ、第5バルブ、第6バルブを開き、第1バルブと第4バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を前記高圧シリンダと直列に運転させ、前記中圧補償圧力段を前記中圧シリンダと直列に運転させる、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
前記高負荷モードは、定格負荷モードの70%以上である、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【請求項10】
請求項6から8のいずれか1項に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
前記低負荷モードは、定格負荷モードの10%~70%である、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービン機発電の技術分野に属し、特に、動的再構成された蒸気タービン発電ユニット及び運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「二重炭素」戦略は新エネルギーを主体とする新型電力システムの構築を推進し、大規模でランダムな波動性を持つ光発電、風力発電などの新エネルギー電力がネットワーク化されるにつれ、石炭火力発電を主体とする基礎電力が深さ調整に全面的に参加するように迫る。石炭燃焼火力発電ユニットの設計は主に定格負荷運転モードにおける運転効率を考慮し、深さ調整過程における中低負荷運転モードにおけるユニットの発電エネルギー効率は急激に悪化し、定格負荷運転モードに比べて、通常石炭燃焼火力発電ユニットの30%定格負荷運転モードの石炭消費は30-40g/kW・h増加した。その直接の原因は、主蒸気圧「定-滑-定」運転方式の下で、中低負荷の下で主蒸気圧が大幅に低下し、直接熱力システムの循環効率が低下し、同時に蒸気タービン本体の通流スルホ損失を増大させたことである。
【0003】
以往技術では、蒸気タービンユニットの製造・設置が完了すると、その構造接続状態が定型化され、各圧力シリンダは既定の状態でしか運転できない。各圧力シリンダは全負荷モードで設計されているため、蒸気タービンユニットが中低負荷モードで運転すると、主蒸気運転圧力が低下するため、蒸気タービンユニットの構造は再構築できず、最終的に深さ調整過程でエネルギー効率が急激に悪化する。
【発明の概要】
【0004】
以往技術の不足を克服するために、本発明の目的は、主に以往技術における蒸気タービンユニットが中低負荷モードで運転している場合、その構造接続状態が負荷モードの変化に応じて適応的に再構成できないため、エネルギー効率が急激に悪化するなどの問題を解決するための動的再構成された蒸気タービン発電ユニット及び運転方法を提供することにある。
【0005】
上記の問題を解決するために、本発明が採用する技術案は以下の通りである。
【0006】
第1局面は、ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットを提供する。
【0007】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットは、第2回転軸、高圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記高圧補償圧力段とエネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記主バルブと前記高圧シリンダの間には第1バルブが設けられ、前記主バルブと前記高圧補償圧力段の間には第2バルブが設けられ、前記高圧補償圧力段の排気出口端は、第3バルブによって前記第1バルブ蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される。
【0008】
第2局面は、ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットを提供する。
【0009】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットは、第2回転軸、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記中圧補償圧力段とエネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記中圧補償圧力段の蒸気入口端は、第5バルブによって前記第4バルブの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の排気出口端は、第6バルブによって前記第4バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される。
【0010】
第3局面は、ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットを提供する。
【0011】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットは、第2回転軸、高圧補償圧力段、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記高圧補償圧力段、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記主バルブと前記高圧シリンダの間には第1バルブが設けられ、前記主バルブと前記高圧補償圧力段の間には第2バルブが設けられ、前記高圧補償圧力段の排気出口端は、第3バルブによって前記第1バルブ蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の蒸気入口端は、第5バルブによって前記第4バルブの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の排気出口端は、第6バルブによって前記第4バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される。
【0012】
更には、前記蒸気タービン発電ユニットの第1状態再構成点の負荷率をn%とし、前記高圧補償圧力段の通流面積を前記高圧シリンダ通流面積の0.4n%~1.5n%とする。
【0013】
更には、前記蒸気タービン発電ユニットの第2状態再構成点の負荷率をm%とし、前記中圧補償圧力段の通流面積を前記中圧シリンダ通流面積の0.4m%~1.5m%とする。
【0014】
第4局面は、上記第1又は第3局面における動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、高負荷モードでは、第1バルブを開き、第2バルブ、第3バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を空転または停止させる動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法を提供する。
【0015】
低負荷モードでは、第2バルブ、第3バルブを開き、第1バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を前記高圧シリンダと直列に運転させる。
【0016】
第5局面は、上記第2又は第3局面における動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、高負荷モードでは、第4バルブを開き、第5バルブと第6バルブを閉じ、前記中圧補償圧力段を空転または停止させる動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法を提供する。
【0017】
低負荷モードでは、第5バルブと第6バルブを開き、第4バルブを閉じ、前記中圧補償圧力段を前記中圧シリンダと直列に運転させる。
【0018】
第6局面は、上記第3局面における動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、高負荷モードでは、第1バルブと第4バルブを開き、第2バルブ、第3バルブ、第5バルブ、第6バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段と中圧補償圧力段を空転または停止させる動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法を提供する。
【0019】
低負荷モードでは、第2バルブ、第3バルブ、第5バルブ、第6バルブを開き、第1バルブと第4バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を前記高圧シリンダと直列に運転させ、前記中圧補償圧力段を前記中圧シリンダと直列に運転させる。
【0020】
更には、前記高負荷モードは、定格負荷モードの70%以上である。
【0021】
更には、前記低負荷モードは、定格負荷モードの10%~70%である。
【0022】
本発明は、以往技術に比べて、少なくとも以下の有益な効果を含む。
【0023】
蒸気タービンユニットの運転負荷モードを区分し、高負荷モードでは、通常の高圧シリンダ、中圧シリンダを運転に投入し、高圧補償圧力段及び/又は中圧補償圧力段を空転または停止させ、通流面積を減少させ、蒸気タービンユニットの滑圧運転時の主蒸気圧の大幅な低下を回避し、低負荷モードでは、高圧補償圧力段を高圧シリンダと直列に運転させる、及び/又は中圧補償圧力段と中圧シリンダと直列に運転させる。通流システムにおいて、圧力段を直列に接続することにより、仕事の一環を増加させ、圧力伝達により高いユニットの運転圧力を維持する。運転負荷モードに基づいて、動的にタービンユニットの通流状態を再構成し、蒸気タービンユニットが中低負荷モードで主再熱蒸気運転圧力の低下によりエネルギー効率が急激に低下する問題を回避し、蒸気タービンユニットの運転状況の適応性を高める。
【0024】
以下、本発明を図面及び具体的な実施形態に基づいてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面を用いて本発明をさらに説明するが、図面中の実施例は本発明に対するいかなる制限を構成するものではなく、当業者に対しては、創造的な労働を払わずに、以下の図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0026】
【
図1】は、本実施例1が提供する動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの構造概略図である。
【0027】
【
図2】は、本実施例2が提供する動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの構造概略図である。
【0028】
【
図3】は、本実施例3が提供する動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの構造概略図である。
【0029】
【
図4】は、本実施例4が提供する動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの構造概略図である。
【0030】
【
図5】は、330MW通常の火力発電ユニット全負荷モードにおける標準石炭消費概略図である。
【0031】
【
図6】は、330MW通常の火力発電ユニット全負荷モードにおける調整段背圧及び「定-滑-定」主蒸気圧変化概略図である。
【0032】
【
図7】は、本実施例9において動的再構成された蒸気タービン発電ユニットと通常運転方式の蒸気タービン発電ユニットを用いる主蒸気圧が負荷に応じて変化する概略図である。
【0033】
【
図8】は、本実施例9において動的再構成された蒸気タービン発電ユニットと通常運転方式の蒸気タービン発電ユニットを用いる全負荷モード標準石炭消費概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を用いて本発明の技術案を明確に、完全に説明するが、明らかに、説明された実施形態は本発明の一部の実施形態であり、すべての実施形態ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0035】
本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」という用語などが示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためだけであって、指す装置または要素が特定の方位、特定の方位で構成され、動作されなければならないことを示すまたは暗示するものではないため、本発明の制限と理解できない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示す、または暗示するとは理解されない。
【0036】
本発明の説明において、特定のデバイスが第1デバイスと第2デバイスとの間に位置する場合には、特定のデバイスと第1デバイスまたは第2デバイスとの間に中間デバイスが存在してもよく、中間デバイスが存在しなくてもよい。特定のデバイスに他のデバイスを接続する場合について説明すると、この特定のデバイスは中間デバイスを持たずに他のデバイスと直接接続してもよいし、他のデバイスと直接接続せずに中間デバイスを持ってもよい。
【0037】
当業者に知られている技術、方法、および装置については詳細に議論されないことがあるが、適切な場合には、前記技術、方法、および装置は明細書の一部とみなされるべきである。
実施例1:
【0038】
図1を参照して、本実施例1は、ボイラ12、第1回転軸1、高圧シリンダ3、中圧シリンダ4を含み、ボイラ12の主蒸気出口端は、主蒸気配管によって高圧シリンダ3の蒸気入口端配管に接続され、主蒸気配管には主バルブ13が設けられ、高圧シリンダ3の排気出口端は、冷再熱蒸気配管によってボイラ12の再熱蒸気入口端配管に接続され、ボイラ12の再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって中圧シリンダ4の蒸気入口端配管に接続され、再熱蒸気配管には第4バルブ17が設けられ、高圧シリンダ3と中圧シリンダ4は第1回転軸1の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットを提供する。
【0039】
前記動的再構成された蒸気タービン発電ユニットは、第2回転軸2、高圧補償圧力段7、エネルギー変換装置9をさらに含み、高圧補償圧力段7とエネルギー変換装置9は第2回転軸2の中心軸線方向に沿って順次配置され、主バルブ13と高圧シリンダ3の間には第1バルブ14が設けられ、主バルブ13と高圧補償圧力段7の間には第2バルブ15が設けられ、高圧補償圧力段7の排気出口端は第3バルブ16によって第1バルブ14蒸気出口端配管に接続され後、さらに高圧シリンダ3の蒸気入口端配管に接続され、第1バルブ14の出入り口両端には一つの高圧補償圧力段7が並列に接続されていることに相当し、高圧補償圧力段7両端の第2バルブ15と第3バルブ16を閉じて第1バルブ14を開く時、主蒸気は、主バルブ13、第1バルブ14を順次通過して高圧シリンダ3の蒸気入口端に入る。この方式は、高負荷モードでの運転に適し、高圧補償圧力段7両端の第2バルブ15と第3バルブ16を開いて第1バルブ14を閉じる時、主蒸気は主バルブ13、第2バルブ15、高圧補償圧力段7、第3バルブ16を順次通過して、さらに高圧シリンダ3の蒸気入口端に入り、高圧補償圧力段7を高圧シリンダ3と直列に運転させることに相当し、この方式は低負荷モードでの運転に適する。
【0040】
以上より、本実施例1における蒸気タービンユニットは、高圧部分に高圧シリンダ3と高圧補償圧力段7という二つの仕事ユニットを有し、異なる負荷モードに応じて、異なる接続状態に切り替え、蒸気タービンユニットの動的再構成を実現する。
実施例2:
【0041】
図2を参照して、本実施例2は、ボイラ12、第1回転軸1、高圧シリンダ3、中圧シリンダ4を含み、ボイラ12の主蒸気出口端は主蒸気配管によって高圧シリンダ3の蒸気入口端配管に接続され、主蒸気配管には主バルブ13が設けられ、高圧シリンダ3の排気出口端は冷再熱蒸気配管によってボイラ12の再熱蒸気入口端配管に接続され、ボイラ12の再熱蒸気出口端は再熱蒸気配管によって中圧シリンダ4の蒸気入口端配管に接続され、再熱蒸気配管には第4バルブ17が設けられ、高圧シリンダ3と中圧シリンダ4は第1回転軸1の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットを提供する。
【0042】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットは、第2回転軸2、中圧補償圧力段8、エネルギー変換装置9をさらに含み、中圧補償圧力段8とエネルギー変換装置9は第2回転軸2の中心軸線方向に沿って順次配置され、中圧補償圧力段8の蒸気入口端は第5バルブ18によって第4バルブ17の蒸気入口端配管に接続され、中圧補償圧力段8の排気出口端は第6バルブ19によって第4バルブ17の蒸気出口端配管に接続された後、さらに中圧シリンダ4の蒸気入口端配管に接続され、第4バルブ17の出入り口両端には、一つの中圧補償圧力段8が並列に接続されることに相当し、中圧補償圧力段8両端の第5バルブ18と第6バルブ19を閉じて第4バルブ17を開く時、再熱蒸気が第4バルブ17を順次通過して中圧シリンダ4の蒸気入口端に入る。この方式は高負荷モードでの運転に適し、中圧補償圧力段8両端の第5バルブ18と第6バルブ19を開いて第4バルブ17を閉じる時、再熱蒸気が第5バルブ18、中圧補償圧力段8、第6バルブ19を順次通過してさらに高中圧シリンダ4の蒸気入口端に入り、中圧補償圧力段8を中圧シリンダ4と直列に運転させることに相当し、この方式は低負荷モードでの運転に適する。
【0043】
以上より、本実施例2における蒸気タービンユニットは、中圧部分に中圧シリンダ4と中圧補償圧力段8という二つの仕事ユニットを有し、異なる負荷モードに応じて、異なる接続状態に切り替え、蒸気タービンユニットの動的再構成を実現する。
実施例3:
【0044】
図3を参照して、本実施例3は、ボイラ12、第1回転軸1、高圧シリンダ3、中圧シリンダ4を含み、ボイラ12の主蒸気出口端は主蒸気配管によって高圧シリンダ3の蒸気入口端配管に接続され、主蒸気配管には主バルブ13が設けられ、高圧シリンダ3の排気出口端は冷再熱蒸気配管によってボイラ12の再熱蒸気入口端配管に接続され、ボイラ12の再熱蒸気出口端は再熱蒸気配管によって中圧シリンダ4の蒸気入口端配管に接続され、再熱蒸気配管には第4バルブ17が設けられ、高圧シリンダ3と中圧シリンダ4は第1回転軸1の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットを提供する。
【0045】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットは、第2回転軸2、高圧補償圧力段7、中圧補償圧力段8、エネルギー変換装置9をさらに含み、高圧補償圧力段7、中圧補償圧力段8、エネルギー変換装置9は第2回転軸2の中心軸線方向に沿って順次配置され、主バルブ13と高圧シリンダ3の間には第1バルブ14が設けられ、主バルブ13と高圧補償圧力段7の間には第2バルブ15が設けられ、高圧補償圧力段7の排気出口端は第3バルブ16によって第1バルブ14蒸気出口端配管に接続され後、さらに高圧シリンダ3の蒸気入口端配管に接続され、中圧補償圧力段8の蒸気入口端は第5バルブ18によって第4バルブ17の蒸気入口端配管に接続され、中圧補償圧力段8の排気出口端は第6バルブ19によって第4バルブ17の蒸気出口端配管に接続された後、さらに中圧シリンダ4の蒸気入口端配管に接続される。
【0046】
本実施例3は、実施例1と実施例2を組み合わせたものに相当し、それぞれ高圧部分に高圧補償圧力段7を追加し、中圧部分に中圧補償圧力段8を追加した。
【0047】
第1バルブ14の出入り口両端には一つの高圧補償圧力段7が並列に接続され、第4バルブ17の出入り口両端には一つの中圧補償圧力段8が並列に接続され、高負荷モードで運転する時、高圧補償圧力段7両端の第2バルブ15と第3バルブ16を閉じ、第1バルブ14を開き、主蒸気が主バルブ13、第1バルブ14を順次通過して高圧シリンダ3の蒸気入口端に入る。また、中圧補償圧力段8両端の第5バルブ18と第6バルブ19を閉じ、第4バルブ17を開き、再熱蒸気が第4バルブ17を順次通過して中圧シリンダ4の蒸気入口端に入る。低負荷モードで運転する時、高圧補償圧力段7両端の第2バルブ15と第3バルブ16を開き、第1バルブ14を閉じ、主蒸気が主バルブ13、第2バルブ15、高圧補償圧力段7、第3バルブ16を順次通過してさらに高圧シリンダ3の蒸気入口端に入り、高圧補償圧力段7を高圧シリンダ3と直列に運転させることに相当し、また、中圧補償圧力段8両端の第5バルブ18と第6バルブ19を開き、第4バルブ17を閉じ、再熱蒸気が第5バルブ18、中圧補償圧力段8、第6バルブ19を順次通過してさらに高中圧シリンダ4の蒸気入口端に入り、中圧補償圧力段8を中圧シリンダ4と直列に運転させることに相当する。
実施例4
【0048】
図4を参照して、本実施例4において、実施例1又は3に基づいて、一つの第7バルブ20を追加し、より具体的には、高圧補償圧力段7の排気出口端は、第7バルブ20によってボイラ12の再熱蒸気入口端配管に接続され、フル負荷モード時、第1バルブ14、第2バルブ15、第7バルブ20を開き、第3バルブ16を閉じ、高圧補償圧力段7が高圧シリンダ3に並列に接続され、ボイラ12から出てきた主蒸気は2つに分けられ、それぞれ高圧補償圧力段7と高圧シリンダ3に入り、そして、さらに高圧補償圧力段7と高圧シリンダ3の出口蒸気を一緒にボイラ12に入って再熱させ、フル負荷モードにおける蒸気タービンユニットの仕事能力をさらに向上させる。なお、フル負荷モードでは第7バルブ20が開き、第3バルブ16が閉じ、並列運転を実現し、残りの高負荷モードと低負荷モードでは、第7バルブ20は常に閉じている。
【0049】
また、実施例1から実施例3の更なる改善策として、第1回転軸1の中心軸線方向に高圧シリンダ3、中圧シリンダ4、低圧シリンダ5、発電機6が順に配置され、低圧シリンダ5の排気出口端に凝縮器10が接続され、凝縮器10の凝縮水出口は凝縮水ポンプ21、低圧ヒータ22、脱酸素器23、給水ポンプ11、高圧ヒータ24、ボイラ12の給水口が順に管路を介して接続され循環を形成する。
【0050】
いくつかの実施例では、蒸気タービン発電ユニットの第1状態再構成点の負荷率をn%とし、高圧補償圧力段7の通流面積を高圧シリンダ3通流面積の0.4n%~1.5n%とし、蒸気タービン発電ユニットの第2状態再構成点の負荷率をm%とし、中圧補償圧力段8の通流面積を中圧シリンダ4通流面積の0.4m%~1.5m%とする。
【0051】
なお、nとmの値は同じであってもよく、異なるものであってもよく、その値の範囲は30~70%であり、第1状態再構成点はどの負荷率で高圧補償圧力段7を作動させるかを決めて高圧シリンダ3と直列に運転させ、第2状態再構成点はどの負荷率で中圧補償圧力段8を作動させるかを決めて中圧シリンダ4と直列に運転させ、30%~70%の負荷率では、蒸気タービンユニットの運転圧力の低下が顕著であるため、この負荷範囲では、運転圧力を押し上げるために、高圧補償圧力段7及び/又は中圧補償圧力段8を直列に接続する必要がある。
実施例5:
【0052】
本実施例5は、上記実施例1又は実施例2における動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、先に高負荷モードと低負荷モードを区分し、高負荷モードでは、第1バルブ14を開き、第2バルブ15、第3バルブ16を閉じ、負荷に応じて、高圧補償圧力段7を空転または停止させ、その中、空転も熱予備であり、高圧補償圧力段7と高圧シリンダ3の間の通流構造を閉じ、主蒸気がボイラ12出口主蒸気配管から直接高圧シリンダ3に送られて膨張し仕事して、低圧蒸気が高圧シリンダ3排気出口端から排出されボイラ12再熱蒸気入口端に送られ、高圧部分の通流面積を減少させ、ユニット高負荷モードで滑圧運転時の主蒸気圧力の大幅な低下を回避する。
【0053】
低負荷モードでは、第2バルブ15、第3バルブ16を開き、第1バルブ14を閉じ、高圧補償圧力段7を高圧シリンダ3と直列に運転させ、主蒸気がボイラ12出口主蒸気配管から高圧補償圧力段7に送られ膨張し仕事して、高圧補償圧力段7は第2回転軸2によってエネルギー変換装置9を駆動し、仕事した後、蒸気が高圧補償圧力段7排気出口端から排出され、高圧シリンダ3蒸気入口端へ流れて膨張し仕事し続けてから、低圧蒸気が高圧シリンダ3排気出口端から排出されボイラ12再熱蒸気入口端に送られ、高圧補償圧力段7と高圧シリンダ3を直列に運転させる方式により、仕事の一環を増加させ、圧力伝達により高いユニット運転圧力を維持する。
実施例6:
【0054】
本実施例6は、上記実施例2又は実施例3における動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、先に高負荷モードと低負荷モードを区分し、高負荷モードでは、第4バルブ17を開き、第5バルブ18と第6バルブ19を閉じ、負荷に応じて、中圧補償圧力段8を空転または停止させ、その中、空転も熱予備であり、中圧補償圧力段8と中圧シリンダ4の間の通流構造を閉じ、再熱蒸気がボイラ12再熱蒸気出口端から配管を介して直接中圧シリンダ4に送られて膨張し仕事して、低圧蒸気が中圧シリンダ4の排気出口端から排出され低圧シリンダ5の蒸気入口端に送り、中圧部分の通流面積を減少させ、ユニット滑圧運転の主蒸気圧を向上させる動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法を提供する。
【0055】
低負荷モードでは、第5バルブ18と第6バルブ19を開き、第4バルブ17を閉じ、中圧補償圧力段8を中圧シリンダ4と直列に運転させ、再熱蒸気がボイラ12の再熱蒸気出口端から排出され配管を介して中圧補償圧力段8に送られ膨張し仕事して、中圧補償圧力段8は第2回転軸2によってエネルギー変換装置9を駆動し、仕事した後、蒸気が中圧補償圧力段8排気口から排出され、中圧シリンダ4吸気口へ流れて膨張し仕事し続けてから、低圧蒸気が中圧シリンダ4の排気出口端から排出され低圧シリンダ5に送られ、中圧補償圧力段8と中圧シリンダ4を直列に運転させる方式により、仕事の一環を増加させ、圧力伝達により高いユニット運転圧力を維持する。
実施例7
【0056】
本実施例7は、上記実施例3における動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、先に高負荷モードと低負荷モードを区分し、高負荷モードでは、第1バルブ14と第4バルブ17を開き、第2バルブ15、第3バルブ16、第5バルブ18、第6バルブ19を閉じ、高圧補償圧力段7と中圧補償圧力段8を空転または停止させ、高圧補償圧力段7と高圧シリンダ3の間の通流構造を閉じ、中圧補償圧力段8と中圧シリンダ4の間の通流構造を閉じ、主蒸気がボイラ12出口主蒸気配管から直接高圧シリンダ3に送られ膨張し仕事して、低圧蒸気が高圧シリンダ3排気出口端から排出されボイラ12再熱蒸気入口端に送られ、再熱蒸気がボイラ12再熱蒸気出口端から配管を介して直接中圧シリンダ4に送られ膨張し仕事して、低圧蒸気が中圧シリンダ4の排気出口端から排出され低圧シリンダ5の蒸気入口端に送られ、それぞれ高圧部分と中圧部分の通流面積を減少させ、ユニット高負荷モードで滑圧運転時の主蒸気圧力の大幅な低下を回避することにより、ユニット滑圧運転の主蒸気圧を向上させる動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法を提供する。
【0057】
低負荷モードでは、第2バルブ15、第3バルブ16、第5バルブ18、第6バルブ19を開き、第1バルブ14と第4バルブ17を閉じ、高圧補償圧力段7を高圧シリンダ3と直列に運転させ、中圧補償圧力段8を中圧シリンダ4と直列に運転させる。
【0058】
主蒸気がボイラ12出口主蒸気配管から高圧補償圧力段7に送られ膨張し仕事して、高圧補償圧力段7が第2回転軸2によりエネルギー変換装置9を駆動し、仕事した後、蒸気が高圧補償圧力段7排気出口端から排出され、高圧シリンダ3蒸気入口端へ流れて膨張し仕事し続けてから、低圧蒸気が高圧シリンダ3排気出口端から排出されボイラ12再熱蒸気入口端に送られ、再熱蒸気がボイラ12の再熱蒸気出口端から排出され配管を介して中圧補償圧力段8に送られ膨張し仕事して、中圧補償圧力段8が第2回転軸2によりエネルギー変換装置9を駆動し、仕事した後、蒸気が中圧補償圧力段8排気口から排出され、中圧シリンダ4吸気口へ流れて膨張し仕事し続けてから、低圧蒸気が中圧シリンダ4の排気出口端から排出され低圧シリンダ5に送られ、高圧補償圧力段7を高圧シリンダ3と直列に運転させ、中圧補償圧力段8を中圧シリンダ4と直列に運転させる方式により、仕事の一環を増加させ、圧力伝達により高いユニット運転圧力を維持する。
【0059】
以上の実施例において、低負荷モードでは、ユニット運転効果は、蒸気仕事の一環を増やすことと同等であり、通常のユニットに比べて、本実施におけるユニット運転圧力は効果的に向上するため、ユニット循環効率と発電エネルギー効率を著しく向上させた。
いくつかの実施例において、高負荷モードは定格負荷モードの70%以上であり、好ましくは70~90%であり、低負荷モードは定格負荷モードの10%~70%である。
実施例8:
【0060】
本実施例8において、実施例4における動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用いて、90~100%のフル負荷モードでは、高圧補償圧力段7を高圧シリンダ3と並列に運転させ、即ち、第1バルブ14、第2バルブ15、第7バルブ20を開き、16第3バルブを閉じる。
実施例9:
【0061】
ある330MW火力発電ユニットを例にし、
図5は330MW通常火力発電ユニット全負荷モードにおける標準石炭消費であり、
図6は330MW通常火力発電ユニット全負荷モードにおける調整段背圧及び「定-滑-定」主蒸気圧の変化概略図である。本実施例9において、本発明の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの技術を用いて、蒸気タービン機通流構造は、再構成調整され、主蒸気圧が許容される最高主蒸気圧付近に維持される。
図7に示されたように、動的再構成された蒸気タービン発電ユニットと通常運転方式の蒸気タービン発電ユニットを用いる主蒸気圧を比較して、負荷低下に応じて、通常発電ユニットの主蒸気圧の低下が速いが、本実施例9の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットにおいて、その主蒸気圧が主蒸気圧を高い圧力水平に維持し、ユニットの発電エネルギー効率を効果的に向上させ、標準石炭消費は平均12g/kWh低下し、全負荷モード標準石炭消費は
図8に示すようになった。
【0062】
以上、以往技術に対して、上記実施例は、動的再構成された蒸気タービン発電ユニット及び運転方法を提供し、蒸気タービンユニットの運転負荷モードを区分し、高負荷モードでは、通常の高圧シリンダ3、中圧シリンダ4を運転に投入し、高圧補償圧力段7及び/又は中圧補償圧力段8を空転または停止させ、通流面積をを減少させ、蒸気タービンユニット滑圧運転時の主蒸気圧の大幅な低下を回避し、低負荷モードでは、高圧補償圧力段7を高圧シリンダ3と直列に運転させる、及び/又は中圧補償圧力段8を中圧シリンダ4と直列に運転させ、直列運転により、仕事の一環を増加させ、圧力伝達を高いユニット運転圧力に維持することにより、運転負荷モード、動的再構成蒸気タービンユニットの接続状態に応じて、蒸気タービンユニットが調整ピークの中低負荷モードで主蒸気運転圧力の低下によるエネルギー効率の急激な低下の問題を回避し、蒸気タービンユニットのモードの適応性を高める。
【0063】
上記実施形態は本発明の好ましい実施形態にすぎず、これによって本発明の保護の範囲を限定することはできず、当業者が本発明に基づいて行ったいかなる非実質的な変化及び置換も本発明が要求する保護の範囲に属する。
【符号の説明】
【0064】
1 第1回転軸、2 第2回転軸、3 高圧シリンダ、4 中圧シリンダ、5 低圧シリンダ、6 発電機、7 高圧補償圧力段、8 中圧補償圧力段、9 エネルギー変換装置、10 凝縮器、11 給水ポンプ、12 ボイラ、13 主バルブ、14 第1バルブ、15 第2バルブ、16 第3バルブ、17 第4バルブ、18 第5バルブ、19 第6バルブ、20 第7バルブ、21 凝縮水ポンプ、22 低圧ヒータ、23 脱酸素器、24 高圧ヒータ。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
第2回転軸、高圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記高圧補償圧力段とエネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記主バルブと前記高圧シリンダの間には第1バルブが設けられ、前記主バルブと前記高圧補償圧力段の間には第2バルブが設けられ、前記高圧補償圧力段の排気出口端は、第3バルブによって前記第1バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項2】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
第2回転軸、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記中圧補償圧力段とエネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記中圧補償圧力段の蒸気入口端は、第5バルブによって前記第4バルブの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の排気出口端は、第6バルブによって前記第4バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項3】
動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
ボイラ、第1回転軸、高圧シリンダ、中圧シリンダを含み、前記ボイラの主蒸気出口端は、主蒸気配管によって前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記主蒸気配管には主バルブが設けられ、前記高圧シリンダの排気出口端は、冷再熱蒸気配管によって前記ボイラの再熱蒸気入口端配管に接続され、前記ボイラの再熱蒸気出口端は、再熱蒸気配管によって前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記再熱蒸気配管には第4バルブが設けられ、前記高圧シリンダと中圧シリンダは、前記第1回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置される動的再構成された蒸気タービン発電ユニットであって、
第2回転軸、高圧補償圧力段、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置をさらに含み、前記高圧補償圧力段、中圧補償圧力段、エネルギー変換装置は、前記第2回転軸の中心軸線方向に沿って順次配置され、前記主バルブと前記高圧シリンダの間には第1バルブが設けられ、前記主バルブと前記高圧補償圧力段の間には第2バルブが設けられ、前記高圧補償圧力段の排気出口端は、第3バルブによって前記第1バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記高圧シリンダの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の蒸気入口端は、第5バルブによって前記第4バルブの蒸気入口端配管に接続され、前記中圧補償圧力段の排気出口端は、第6バルブによって前記第4バルブの蒸気出口端配管に接続された後、さらに前記中圧シリンダの蒸気入口端配管に接続される、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項4】
前記蒸気タービン発電ユニットの第1状態再構成点の負荷率をn%とし、前記高圧補償圧力段の通流面積を前記高圧シリンダ通流面積の0.4n%~1.5n%とする、
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項5】
前記蒸気タービン発電ユニットの第2状態再構成点の負荷率をm%とし、前記中圧補償圧力段の通流面積を前記中圧シリンダ通流面積の0.4m%~1.5m%とする、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニット。
【請求項6】
請求項1又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
高負荷モードでは、第1バルブを開き、第2バルブ、第3バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を空転または停止させ、
低負荷モードでは、第2バルブ、第3バルブを開き、第1バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を前記高圧シリンダと直列に運転さ
せ、
前記高負荷モードは、定格負荷モードの70%以上であり、
前記低負荷モードは、定格負荷モードの10%~70%である、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【請求項7】
請求項2又は3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
高負荷モードでは、第4バルブを開き、第5バルブと第6バルブを閉じ、前記中圧補償圧力段を空転または停止させ、
低負荷モードでは、第5バルブと第6バルブを開き、第4バルブを閉じ、前記中圧補償圧力段を前記中圧シリンダと直列に運転さ
せ、
前記高負荷モードは、定格負荷モードの70%以上であり、
前記低負荷モードは、定格負荷モードの10%~70%である、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【請求項8】
請求項3に記載の動的再構成された蒸気タービン発電ユニットに用い、
高負荷モードでは、第1バルブと第4バルブを開き、第2バルブ、第3バルブ、第5バルブ、第6バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段と中圧補償圧力段を空転または停止させ、
低負荷モードでは、第2バルブ、第3バルブ、第5バルブ、第6バルブを開き、第1バルブと第4バルブを閉じ、前記高圧補償圧力段を前記高圧シリンダと直列に運転させ、前記中圧補償圧力段を前記中圧シリンダと直列に運転さ
せ、
前記高負荷モードは、定格負荷モードの70%以上であり、
前記低負荷モードは、定格負荷モードの10%~70%である、
ことを特徴とする動的再構成された蒸気タービン発電ユニットの運転方法。
【国際調査報告】