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特表2024-542859ステープルカートリッジアセンブリ及び医療用ステープラー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ステープルカートリッジアセンブリ及び医療用ステープラー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535885
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2022138533
(87)【国際公開番号】W WO2023109788
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202123200263.1
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】丁 水澄
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC22
(57)【要約】
ステープルカートリッジアセンブリ及び医療用ステープラーに関し、ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジ(1)と、複数のステープラー用ステープル(2)と、発射ブロック(4)とを備え、ステープルカートリッジ(1)には複数のステープルホール(12)が設けられ、ステープルホール(12)の近位端側にはステープル協力部(15)が設けられ、ステープル協力部(15)は第1の接続部(151)を含み、且つステープル協力部(15)は第1の接続部(151)を介してステープルカートリッジ面(11)の底部に回転可能に接続され、複数のステープラー用ステープル(2)は第2の接続部(21)を含み、且つ第2の接続部(21)を介してステープルホール(12)の内壁に回転可能に接続され、ステープル協力部(15)はステープラー用ステープル(2)の第2の接続部(21)の近位端側に位置し、発射ブロック(4)がステープルカートリッジ(1)の近位端側から遠位端側に移動するとき、発射ブロック(4)は、ステープラー用ステープル(2)とステープル協力部(15)の両方が第1の方向に沿って回転するように駆動し、且つステープル協力部(15)が回転した後にステープラー用ステープル(2)との第2の接続部(21)がステープルカートリッジ(1)から離れる方向に移動してステープルホール(12)から外れるように駆動する。当該ステープルカートリッジアセンブリは構造が簡単で、ステープラー用ステープル(2)が閉鎖した後にステープルカートリッジ(1)から外れやすくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用ステープラーに用いられるステープルカートリッジアセンブリであって、
ステープルカートリッジと、複数のステープラー用ステープルと、発射ブロックとを備え、
前記ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジ面を含み、前記ステープルカートリッジ面には複数のステープルホールが設けられ、前記ステープルホールの近位端側にはステープル協力部が設けられ、前記ステープル協力部は第1の接続部を含み、且つ前記ステープル協力部は前記第1の接続部を介して前記ステープルカートリッジ面の底部に回転可能に接続され、
前記複数のステープラー用ステープルは、前記ステープルホールの内部に位置し、前記ステープラー用ステープルは第2の接続部を含み、且つ前記第2の接続部を介して前記ステープルホールの内壁に回転可能に接続され、前記ステープル協力部は前記ステープラー用ステープルの第2の接続部の近位端側に位置し、
前記発射ブロックが前記ステープルカートリッジの近位端側から遠位端側に移動するとき、前記発射ブロックは、前記ステープラー用ステープルと前記ステープル協力部の両方が第1の方向に沿って回転するように駆動し、且つ前記ステープル協力部が回転した後に前記ステープラー用ステープルの第2の接続部が前記ステープルカートリッジから離れる方向に移動して前記ステープルホールから外れるように駆動する
ことを特徴とするステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項2】
前記ステープルホールの少なくとも一側の内壁に第1の協力部が設けられ、前記ステープラー用ステープルの第2の接続部に第2の協力部が設けられ、前記第2の協力部と前記第1の協力部は、相対的に回転可能で且つ分離可能な埋込み嵌合を形成し、前記ステープル協力部は前記第1の協力部の近位端側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の協力部の近位端側と前記ステープル協力部の遠位端面との間には回避空間が形成され、前記ステープル協力部は前記発射ブロックにより駆動されて前記第1の方向に沿って回転した後、前記ステープル協力部は少なくとも一部が前記回避空間に入り込む
ことを特徴とする請求項2に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項4】
前記ステープル協力部は、前記第1の方向に沿って回転した後、少なくとも一部が前記第2の接続部の下方に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項5】
前記ステープラー用ステープルの最下点の高さは、前記ステープル協力部の最下点の高さよりも低く、前記発射ブロックは遠位端側へ移動するとき、まず前記ステープラー用ステープルが前記第1の方向に沿って回転するように駆動し、前記ステープラー用ステープルが第1の角度まで回転し、且つ前記発射ブロックが遠位端側方向に向かって移動し続けるとき、前記発射ブロックは、前記ステープル協力部が前記第1の方向に沿って回転するように駆動する
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項6】
前記ステープル協力部は前記ステープルカートリッジと一体的に設けられ、前記ステープル協力部は前記第1の接続部と前記ステープルホールの内壁との間に弱い接続を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項7】
前記ステープル協力部の遠位端面は傾斜面であり、初期状態では、前記ステープル協力部の遠位端面は、前記ステープラー用ステープルに当接する
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項8】
前記ステープル協力部が前記第1の方向に沿って回転するように前記発射ブロックによって駆動された後、前記ステープル協力部は前記ステープルカートリッジと分離しない
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項9】
前記ステープル協力部の近位端面は、垂直面である
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項10】
前記ステープル協力部の上面は、ステープラーの軸方向に平行な平面であり、及び/又は、前記ステープル協力部の下面と前記ステープル協力部の遠位端面との間に円弧状のガイド面が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のステープルカートリッジアセンブリを備える
ことを特徴とする医療用ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特に、ステープルカートリッジアセンブリ及び医療用ステープラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、医療用ステープラーは、一般に、機器プラットフォームと、機器プラットフォームに移動可能に接続された発射ハンドルと、機器プラットフォームに取付られたステープルヘッドとを含む。ステープルヘッドは、手術部位に接近して手術を行うために、ピアッサーによって身体の小さな切口を通すことができる。ステープルヘッドは、対向して配置されたステープルカートリッジアセンブリとステープルアンビルとを含む。ステープルカートリッジアセンブリには複数のステープラー用ステープルが取り付けられている。ステープラーが発射されるとき、発射ブロックを通ってステープラー用ステープルをステープルアンビルに向かって押し、ステープルアンビルにおいて閉鎖成形され、組織を縫合する。しかし、ステープラーが発射されるとき、ステープラー用ステープルがステープルカートリッジから完全に分離しない可能性があり、手術効果に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術における問題を考慮して、本願の目的は、閉鎖後にステープラー用ステープルがステープルカートリッジから分離するのを助けることができるステープルカートリッジアセンブリ及び医療用ステープラーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例によって提供されるステープルカートリッジアセンブリは、医療用ステープラーに用いられ、前記ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジと、複数のステープラー用ステープルと、発射ブロックとを備え、
前記ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジ面を含み、前記ステープルカートリッジ面には複数のステープルホールが設けられ、前記ステープルホールの近位端側にはステープル協力部が設けられ、前記ステープル協力部は第1の接続部を含み、且つ前記ステープル協力部は前記第1の接続部を介して前記ステープルカートリッジ面の底部に回転可能に接続され、
前記複数のステープラー用ステープルは、前記ステープルホールの内部に位置し、前記ステープラー用ステープルは第2の接続部を含み、且つ前記第2の接続部を介して前記ステープルホールの内壁に回転可能に接続され、前記ステープル協力部は前記ステープラー用ステープルの第2の接続部の近位端側に位置し、
前記発射ブロックが前記ステープルカートリッジの近位端側から遠位端側に移動するとき、前記発射ブロックは、前記ステープラー用ステープルと前記ステープル協力部の両方が第1の方向に沿って回転するように駆動し、且つ前記ステープル協力部が回転した後に前記ステープラー用ステープルの第2の接続部が前記ステープルカートリッジから離れる方向に移動して前記ステープルホールから外れるように駆動する。
【0005】
いくつかの実施例では、前記ステープルホールの少なくとも一側の内壁に第1の協力部が設けられ、前記ステープラー用ステープルの第2の接続部に第2の協力部が設けられ、前記第2の協力部と前記第1の協力部は、相対的に回転可能で且つ分離可能な埋込み嵌合を形成し、前記ステープル協力部は前記第1の協力部の近位端側に位置する。
【0006】
いくつかの実施例では、前記第1の協力部の近位端側と前記ステープル協力部の遠位端面との間には回避空間が形成され、前記ステープル協力部は前記発射ブロックにより駆動されて前記第1の方向に沿って回転した後、前記ステープル協力部は少なくとも一部が前記回避空間に入り込む。
いくつかの実施例では、前記ステープル協力部は、前記第1の方向に沿って回転した後、少なくとも一部が前記第2の接続部の下方に位置する。
【0007】
いくつかの実施例では、前記ステープラー用ステープルの最下点の高さは、前記ステープル協力部の最下点の高さよりも低く、前記発射ブロックは遠位端側へ移動するとき、まず前記ステープラー用ステープルが前記第1の方向に沿って回転するように駆動し、前記ステープラー用ステープルが第1の角度まで回転し、且つ前記発射ブロックが遠位端側方向に向かって移動し続けるとき、前記発射ブロックは、前記ステープル協力部が前記第1の方向に沿って回転するように駆動する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記ステープル協力部は前記ステープルカートリッジと一体的に設けられ、前記ステープル協力部は前記第1の接続部と前記ステープルホールの内壁との間に弱い接続を形成する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記ステープル協力部の遠位端面は傾斜面であり、初期状態では、前記ステープル協力部の遠位端面は、前記ステープラー用ステープルに当接する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記ステープル協力部が前記第1の方向に沿って回転するように前記発射ブロックによって駆動された後、前記ステープル協力部は前記ステープルカートリッジと分離しない。
【0011】
いくつかの実施例では、前記ステープル協力部の近位端面は、垂直面である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記ステープル協力部の上面は、ステープラーの軸方向に平行な平面であり、及び/又は、前記ステープル協力部の下面と前記ステープル協力部の遠位端面との間に円弧状のガイド面が形成される。
【0013】
本願の実施例はさらに医療用ステープラーを提供し、前述したステープルカートリッジアセンブリを備える。
【0014】
本願によって提供されるステープルカートリッジアセンブリ及び医療用ステープラーには、次の利点がある。
【0015】
本願は、医療用ステープラーに用いられるステープルカートリッジアセンブリを提供する。ステープラーが発射されると、発射ブロックはステープラー用ステープル及びステープル協力部の両方が第1の方向に沿って回転するように駆動し、ステープラー用ステープルはステープルアンビルの作用により閉鎖成形されることができ、且つ前記ステープラー用ステープルが閉鎖された後、前記ステープル協力部は前記ステープラー用ステープルとステープルカートリッジが分離するように駆動するのを補助することができ、ステープラー用ステープルがステープルカートリッジから完全に分離できない状況を回避し、手術効果を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の他の特徴、目的及び利点は、以下の添付図面を参照して非限定的な実施例の詳細な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
図1】本願の一実施例によるステープルカートリッジアセンブリの構造模式図である。
図2】本願の一実施例による、ステープルカートリッジフレーム及びステープルカートリッジカバーを取り外した後のステープルカートリッジアセンブリの構造模式図である。
図3】本願の一実施例による、ステープルカートリッジフレーム及びステープルカートリッジカバーを取り外した後のステープルカートリッジアセンブリの部分斜視図である。
図4】本願の一実施例によるステープルカートリッジの部分斜視図である。
図5】本願の一実施例による、ステープルカートリッジフレーム及びステープルカートリッジカバーを取り外した後のステープルカートリッジアセンブリの上面図である。
図6図5のA1-A1方向に沿った断面図である。
図7】本願の一実施例による、ステープラー用ステープルが駆動されていないときのステープル協力部とステープラー用ステープルが協力する模式図である。
図8】本願の一実施例による、ステープラー用ステープルが回転駆動されるときのステープル協力部とステープラー用ステープルが協力する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、例示的な実施形態について、添付図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実施可能であり、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明が包括的かつ完全なものとなり、例示的な実施形態の思想が当業者に十分に伝わるように提供される。図面中の同一の添付符号は、同一又は類似の構造を示すので、それらの繰り返しの説明は省略する。
【0018】
本願は、医療用ステープラーに用いられるステープルカートリッジアセンブリ及びそれを含む医療用ステープラーを提供する。医療用ステープラーは一般に、機器プラットフォームと、機器プラットフォームに移動可能に接続された発射ハンドルと、機器プラットフォームに取付られたステープルヘッドとを含む。前記ステープルヘッドは、対向して配置されたステープルカートリッジアセンブリとステープルアンビルとを含む。前記ステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープラー用ステープルと、ステープラー用ステープルを収容するためのステープルカートリッジと、ステープラー用ステープルを駆動するための発射ブロックとを含む。ここで、前記ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジ面を含み、前記ステープルカートリッジ面には、複数のステープルホールが設けられ、前記ステープルホールの近位端側にステープル協力部が設けられ、前記ステープル協力部は第1の接続部を含み、且つ前記ステープル協力部は前記第1の接続部を介して前記ステープルカートリッジ面の底部に回転可能に接続される。前記複数のステープラー用ステープルは、前記ステープルホールの内部に位置し、前記ステープラー用ステープルは第2の接続部を含み、且つ前記第2の接続部を介して前記ステープルホールに回転可能に接続され、前記ステープル協力部は前記ステープラー用ステープルの第2の接続部の近位端側に位置する。
【0019】
前記発射ブロックが前記ステープルカートリッジの近位端側から遠位端側に移動するとき、前記発射ブロックは前記ステープラー用ステープルと前記ステープル協力部の両方が第1の方向に沿って回転するように駆動し、ステープラー用ステープルが回転すると、ステープル足がステープルホールから突出してステープルアンビルのステープルアンビル面に接触し、ステープルアンビルの作用により閉鎖成形され、前記ステープル協力部の遠位端面は、前記ステープラー用ステープルの第2の接続部が前記ステープルカートリッジから離れる方向に移動するように駆動し、前記ステープラー用ステープルが閉鎖された後、前記ステープラー用ステープルがステープルカートリッジから分離するように駆動するのを補助し、ステープラー用ステープルがステープルカートリッジから完全に分離できない状況を回避し、手術効果を向上させる。
【0020】
本発明の各具体的な実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造については、添付の図面を参照して以下に詳細に説明するが、各具体的な実施例は本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0021】
図1図8に示すように、それらは、本発明の一実施例によるステープルカートリッジアセンブリの構造模式図である。図1及び図2に示すように、本実施例では、ステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープラー用ステープル2と、ステープラー用ステープル2を収容するためのステープルカートリッジ1と、ステープラー用ステープル2を駆動するための発射ブロック4とを含む。ステープルアンビルに向かう前記ステープルカートリッジ1の一側の表面がステープルカートリッジ面11である(図1の視点では、前記テープルカートリッジ面11は前記ステープルカートリッジ1の上面である)。また、前記ステープルカートリッジアセンブリは、前記ステープルカートリッジ1の外部に位置するステープルカートリッジカバー(図示せず)と、前記ステープルカートリッジ1と前記ステープルカートリッジカバーを収容するステープルカートリッジフレーム3と、前記発射ブロック4の近位端側に位置するカッター5とをさらに含む。前記ステープルカートリッジ1には、複数のステープルホール12が設けられている。前記複数のステープラー用ステープル2は、ステープルホール12の内部に位置し、前記ステープラー用ステープル2は第2の接続部21を含み、且つ前記第2の接続部21を介して前記ステープルホール12の内壁に回転可能に接続される。前記ステープルホール12の近位端側には、ステープル協力部15が設けられ、前記ステープル協力部15は第1の接続部151を含み、且つ前記ステープル協力部15は前記第1の接続部151を介して前記ステープルカートリッジ面11の底部に回転可能に接続され、前記ステープル協力部15は前記ステープラー用ステープル2の第2の接続部21の近位端側に位置している。本実施例では、前記ステープル協力部15は前記ステープルカートリッジ面11の底部に接続されたプッシュブロックである。ここで、前記ステープルカートリッジ面11の底部とは、ステープラーのステープルアンビルから離れた前記ステープルカートリッジ面11の一側を指し、図6の視点では、前記ステープルカートリッジ面11の底部は、前記ステープルカートリッジ面11の下の一側である。
【0022】
ステープラーが発射されるとき、カッタープッシャバーによって駆動されて、前記カッター5は前記発射ブロック4が遠位端側の方向に移動するように駆動し、前記発射ブロック4は前記ステープラー用ステープル2及び前記ステープル協力部15の両方が第1の方向に沿って回転するように駆動する。図2の視点では、第1の方向は時計回りである。前記ステープラー用ステープル2が回転すると、ステープル足22がステープルホール12から突出してステープルアンビルのステープルアンビル面に接触し、ステープルアンビルの作用により閉鎖成形され、前記ステープル協力部15の遠位端面152は、前記ステープラー用ステープル2の第2の接続部21が前記ステープルカートリッジ1から遠ざかる方向に移動するように駆動し(図2の視点では、即ち前記ステープル協力部15は前記第2の接続部21が上方に移動するように駆動する)、前記ステープラー用ステープル2が閉鎖された後ステープルカートリッジ1から分離するように駆動するのを補助し、ステープラー用ステープル2がステープルカートリッジ1から完全に分離できない状況を回避し、手術効果を向上させる。
【0023】
本願において、遠位端側と近位端側とは、作業者に対して相対するものであり、作業者に近い端を近位端側とし、作業者から遠い端、即ち手術状態に近い端を遠位端側とする。前記ステープラーの軸心に沿った方向を軸方向とし、即ちステープラーの遠位端側から近位端側への方向、又はステープラーの近位端側から遠位端側への方向である。例えば、図1の視点によると、ステープルカートリッジ1にとって、左側が遠位端側であり、右側が近位端側である。S1方向は、ステープラーの近位端側から遠位端側への方向であり、S1方向又はS1方向と反対の方向をステープラーの軸方向と定義し、図1のS2方向を高さ方向即ち縦方向と定義し、図1のS3方向を幅方向即ち横方向と定義する。
【0024】
図3図8に示すように、本実施例では、前記ステープルホール12の少なくとも一側の内壁に第1の協力部が設けられ、前記ステープラー用ステープル2の第2の接続部21に第2の協力部が設けられ、前記第1の協力部と前記第2の協力部とは、相対的に回転可能で且つ分離可能な埋込み嵌合を形成する。本実施例では、前記第1の協力部は回転軸13であり、前記第2の協力部は一端が開口した取付孔211であり、前記第2の接続部21は前記取付孔211を介して前記回転軸13の外部に回転可能にスリーブされる。そして、前記ステープラー用ステープル2が閉鎖された後、前記取付孔211の開口が下方まで回転し、前記第2の接続部21が前記回転軸13に対して上方に移動すると、前記取付孔211はその開口において前記回転軸13と分離可能であり、これにより前記ステープルカートリッジ1から離脱する。
【0025】
図3図4及び図8に示すように、前記ステープル協力部15は、前記回転軸13の近位端側に位置する。そして、前記回転軸13の近位端側と前記ステープル協力部15の遠位端面152との間には回避空間16が形成されている。前記ステープル協力部15は前記発射ブロック4に駆動されて前記第1の方向に沿って回転した後、前記ステープル協力部15の少なくとも一部が回避空間16に入り込む。また、前記ステープル協力部15が前記第1の方向に沿って回転した後前記第2の接続部21の下方に位置することになり、前記第2の接続部21を上方に持ち上げることにより、前記ステープラー用ステープル2を前記ステープルホール12から外すことができる。
【0026】
図5図8は、最も外側の列のステープルホール12にステープラー用ステープル2が設けられていることのみを示している。なお、図7及び図8では、各部品の間の嵌合関係を明確にするために断面線を省略している。図5図7に示すように、前記ステープル協力部15は、前記第1の接続部151を介して前記ステープルホール12の近位端内壁に回転可能に接続されている。本実施例では、前記ステープル協力部15は前記ステープルカートリッジ1と一体的に設けられており、前記ステープル協力部15は前記第1の接続部151と前記ステープルホール12の近位端内壁との間に弱い接続を形成する。ここでいう弱い接続とは、前記ステープル協力部15に外力が加わっていないときに、前記ステープル協力部15は前記第1の接続部151を介して前記ステープルホール12の内壁に接続されており、且つ図7に示すような初期状態を維持し、前記ステープル協力部15が発射ブロック4からの遠位端側方向への駆動力を受けると、前記ステープル協力部15は、第1の接続部151の弱い接続の箇所において前記ステープルホール12の内壁に対して回転が生じ、且つ前記ステープル協力部15は前記ステープルカートリッジ1から分離されない。他の代替実施形態では、前記ステープル協力部15は、回転可能な接続方式を介してステープルホール12の内壁に接続される個別の部品であってもよい。当該実施例では、前記ステープル協力部15の遠位端面152は、前記ステープラー用ステープル2の近位端面と協力する傾斜面であり、初期状態では、前記ステープル協力部15の遠位端面152は、前記ステープラー用ステープル2の近位端面に当接している。当該実施例では、前記ステープル協力部15の近位端面153は、前記ステープル押し部41の遠位端面と協力する垂直面である。前記ステープル協力部15の上面は、ステープルカートリッジ面11と平行な平面である。図7及び図8に示すように、前記ステープル協力部15の下面と前記ステープル協力部15の遠位端面152との間には、円弧状のガイド面154が形成されている。前記ステープル協力部15が第1の方向に沿って回転して少なくとも部分的に回避空間16に進入すると、前記ステープル協力部15のガイド面154が前記回転軸13の側壁と協力して面対面の協力を形成し、前記回転軸13と前記ステープル協力部15との干渉が回避され、前記ステープル協力部15と前記回転軸13との間に点対面又は点対点の協力が形成されることも回避される。
【0027】
図5図7に示すように、前記ステープラー用ステープル2はステープル足22をさらに備える。前記ステープラー用ステープル2に外力が加わっていないとき、前記ステープラー用ステープル2は初期状態にあり、このとき、前記ステープラー用ステープル2の第2の接続部分21とステープル足22は、それぞれステープルホール12の近位端と遠位端に位置し、前記ステープル足22は前記ステープルホール12の内壁のステープル足当接面14に当接する。前記発射ブロック4は、ステープル押し部41を含み、前記ステープル押し部41が遠位端側方向に向けて移動するように駆動されて前記ステープラー用ステープル2に接触すると、前記ステープラー用ステープル2が前記回転軸13を中心に第1の方向に沿って第1の角度で回転するように駆動し、前記ステープル足22はステープルホール12から突出してステープルアンビルのステープルアンビル面に接触し、ステープルアンビルの作用によって閉鎖成形される。図8に示すように、前記ステープラー用ステープル2が前記発射ブロック4によって駆動されて前記第1の方向に沿って第1の角度で回転した後、前記ステープラー用ステープル2の第2の接続部21及びステープル足22はいずれも前記ステープルホール12の近位端に位置し、即ち前記ステープラー用ステープル2が閉鎖状態に進む。
【0028】
図8に示すように、当該実施例では、前記ステープラー用ステープル2の最下点の高さは、前記ステープル協力部15の最下点の高さよりも低く、且つ前記発射ブロック4のステープル押し部41の遠位端面は傾斜面となっている。前記発射ブロック4が遠位端側に移動すると、前記ステープル押し部41はまず前記ステープラー用ステープル2に接触し、且つ前記ステープラー用ステープル2が前記第1の方向に沿って回転するように駆動する。前記ステープラー用ステープル2が初期状態から第1の方向に沿って第1の角度まで回転するまでの間に、前記ステープラー用ステープル2のステープル足22がステープルカートリッジ面11から突出し、ステープルアンビル面の作用により近位端側に向かって閉鎖し、前記発射ブロック4のステープル押し部41は前記ステープル協力部15に接触しない。前記ステープラー用ステープル2が第1の角度まで回転し、且つ前記発射ブロック4が遠位端側方向に向かって移動し続けると、前記発射ブロック4のステープル押し部41は前記ステープル協力部15に接触し、前記ステープル協力部15が前記第1の方向に沿って回転するように駆動し、前記ステープル協力部15は前記ステープラー用ステープル2の第2の接続部21の近位端に作用して、前記ステープラー用ステープル2を上方へ移動させる駆動を補助し、前記第2の接続部21はその取付孔211の開口において前記回転軸13と分離し、これにより、前記ステープラー用ステープル2と前記ステープルカートリッジ1との分離が実現される。
【0029】
当該実施例において、前記第1の角度とは、前記ステープル押し部41が前記ステープル協力部15に接触したばかりのとき、ステープル押し部41に対応するステープラー用ステープル2が回転した角度をいう。当該第1の角度の大きさは、前記ステープル協力部15の高さに応じて変化する。具体的には、前記ステープル協力部15の最下点が低い場合には、前記ステープル押し部41が前記ステープル協力部15に早く接触し、つまり前記第1の角度が比較的小さい角度で、このとき前記ステープラー用ステープル2が完全に閉鎖されない可能性がある。前記ステープル協力部15の最下点が高い場合には、前記ステープル押し部41が前記ステープル協力部15に接触するのが遅くなり、つまり前記第第1の角度が比較的大きな角度で、このとき前記ステープラー用ステープル2が完全に閉鎖される可能性がある。
【0030】
図1図8に示す実施例では、前記第1の協力部は回転軸13であり、前記第2の協力部は取付孔211である。別の代替実施形態では、前記第1の協力部は前記ステープルホールの内壁に設けられた溝であり、前記溝の上端開口は前記ステープルカートリッジ面に連通し、前記第2の協力部は前記第2の接続部の少なくとも一方の側に設けられた回転軸であり、前記回転軸が少なくとも部分的に前記溝に入り込み、且つ前記溝に対して回転可能であってもよい。前記ステープラー用ステープルが閉鎖してから上方に移動すると、前記回転軸は前記溝の上端開口から前記ステープルカートリッジから分離することができる。前記ステープル協力部は、前記溝の近位端側に設けられ、前記第1の方向に沿って回転する時に前記第2の接続部が上方へ移動するように駆動する。
【0031】
以上は、特定の好ましい実施例に関連して本発明をさらに詳細に説明したものであり、本発明の特定の実施例がこれらの説明のみに限定されると結論づけることはできない。本発明が属する技術分野における通常の技術者にとって、本発明の着想から逸脱しないことを前提に、多くの簡単な推論または置換を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属するものとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】