(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システム
(51)【国際特許分類】
H01R 27/00 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H01R27/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024551888
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 US2022080384
(87)【国際公開番号】W WO2023097247
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524194230
【氏名又は名称】マンリー,ジョセフ,エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンリー,ジョセフ,エー.
(57)【要約】
エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システムは、エネルギー源に関連付けられた第1の接続部と、エネルギー消費負荷に関連付けられた第2の接続部とを含む。第1および第2の接続部が互いに結合されると、スタッドアンドソケットを介してエネルギー源から負荷にエネルギーを伝達することができる。ソケット内のコアプラグは、第1および第2の接続部が一緒にされるときにスタッドによって押し込められ、ボルトを展開させてスタッドをソケット内に機械的に拘束する。エネルギー源から延びてコアプラグ内で終端する上流側導管は、ポペットの形態のインタラプタを含む。インタラプタを通るエネルギー伝達は、コアプラグが押し込み状態にあるときにのみ生じる。押しボタンアクチュエータは、第1および第2の接続部を分離することができ、エネルギーの伝達が同時に終了するようにボルトを係合解除する。
【選択図】
図11D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システムであって、
エネルギー源に関連付けられた第1の接続部であって、上流側導管が、前記第1の接続部内に配置された上流側末端部を有し、前記上流側導管は、前記エネルギー源から前記上流側末端部にエネルギーを伝達するように構成された、第1の接続部と、
エネルギー消費負荷に関連付けられ、前記第1の接続部に選択的に結合および結合解除されるように構成されてた第2の接続部であって、下流側導管が、前記第2の接続部に配置された下流側末端部を有し、前記下流側導管は、前記下流側末端部から前記負荷にエネルギーを伝達するように構成された、第2の接続部と、
前記第1および第2の接続部の一方に配置されたソケットであって、前記ソケットは、 入口を有し、コアプラグが、伸長状態と押し込み状態との間で移動するために前記ソケット内に摺動可能に配置され、前記コアプラグは、前記コアプラグが前記伸長状態にあるときに前記ソケットの前記入口と位置合わせされ、前記コアプラグが前記押し込み状態にあるときに前記ソケット内に凹んでいるノーズ端部を有しており、ボルトが、設定位置と展開位置との間で移動するために前記ソケットに対して支持された、ソケットと、
前記第1および第2の接続部の他方から延びるスタッドであって、前記スタッドは、前記コアプラグを前記ソケットの前記入口から離れるように変位させるように構成された遠位先端部を有し、前記第1および第2の接続部を互いに強固に締結するために前記設定位置から前記展開位置に移動すると、前記ボルトによって前記ソケット内に機械的に拘束される、スタッドと、を備え、
前記上流側および下流側の末端部の一方は前記スタッド内に配置され、前記上流側および下流側の末端部の他方は、前記コアプラグ内に配置され、前記コアプラグが前記伸長状態と前記押し込み状態との間を移動するときに前記コアプラグと共に移動可能であり、前記上流側末端部は、前記上流側導管から前記下流側導管へのエネルギーの伝達を可能にするために前記スタッドが前記ソケット内にしっかりと拘束されると前記下流側末端部と動作可能に結合する、エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システム。
【請求項2】
前記上流側末端部は、前記コアプラグ内に配置され、前記コアプラグが前記伸長状態と前記押し込み状態との間を移動するときに前記コアプラグと共に移動可能であり、前記上流側導管は、前記上流側末端部に隣接するインタラプタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インタラプタは、前記コアプラグが前記押し込み状態にあるときに前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を阻止する開放状態を有するポペットを備え、前記インタラプタは、前記コアプラグが前記伸長状態にあるときに前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を可能にする閉鎖状態を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ポペットは裏当てばねを有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記上流側末端部は、前記遠位先端部が前記コアプラグを前記ソケット入口から押し離すと前記下流側末端部と整列する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エネルギー源は電気エネルギーであり、前記上流側導管および前記下流側導管は導電性ワイヤを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記エネルギー源は流体エネルギーであり、前記上流側導管および前記下流側導管は流体導電ラインを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記エネルギー源は光エネルギーであり、前記上流側導管および前記下流側導管は光透過導波路を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ソケットは、略D字形の断面を有し、前記スタッドは、前記ソケットの前記D字形の断面と嵌合するように構成された略D字形の断面を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システムであって、
エネルギー源に関連付けられた第1の接続部であって、上流側導管が、前記第1の接続部内に配置された上流側末端部を有し、前記上流側導管は、前記エネルギー源から前記上流側末端部にエネルギーを伝達するように構成された、第1の接続部と、
エネルギー消費負荷に関連付けられ、前記第1の接続部に選択的に結合および結合解除されるように構成されてた第2の接続部であって、下流側導管が、前記第2の接続部に配置された下流側末端部を有し、前記下流側導管は、前記下流側末端部から前記負荷にエネルギーを伝達するように構成された、第2の接続部と、
前記第1の接続部に配置されたソケットであって、前記ソケットは、入口を有し、コアプラグが、伸長状態と押し込み状態との間で移動するために前記ソケット内に摺動可能に配置され、前記コアプラグは、前記コアプラグが前記伸長状態にあるときに前記ソケットの前記入口と位置合わせされ、前記コアプラグが前記押し込み状態にあるときに前記ソケット内に凹んでいるノーズ端部を有しており、ボルトが、設定位置と展開位置との間で移動するために前記ソケットに対して支持され、前記上流側末端部は、前記コアプラグ内に配置され、前記コアプラグが前記伸長状態と押し込み状態との間で移動するときに前記コアプラグと共に移動可能である、ソケットと、
前記第2の接続部から延びるスタッドであって、前記スタッドは、前記コアプラグを前記ソケットの前記入口から離れるように変位させるように構成された遠位先端部を有し、前記スタッドは、前記第1および第2の接続部を互いに強固に締結するために前記設定位置から前記展開位置に移動すると、前記ボルトによって前記ソケット内に機械的に拘束され、前記下流側末端部は前記スタッド内に配置される、スタッドと、を備え、
前記上流側末端部は、前記上流側導管から前記下流側導管へのエネルギーの伝達を可能にするために前記スタッドが前記ソケット内にしっかりと拘束されると前記下流側末端部と動作可能に結合する、エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システム。
【請求項11】
前記上流側導管は、前記上流側末端部に隣接するインタラプタを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記インタラプタは、前記コアプラグが前記押し込み状態にあるときに前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を阻止する開放状態を有するポペットを備え、前記インタラプタは、前記コアプラグが前記伸長状態にあるときに前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を可能にする閉鎖状態を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ポペットは裏当てばねを有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記上流側末端部は、前記遠位先端部が前記コアプラグを前記ソケット入口から押し離すと前記下流側末端部と整列する、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記エネルギー源は電気エネルギーであり、前記上流側導管および前記下流側導管は導電性ワイヤを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記エネルギー源は流体エネルギーであり、前記上流側導管および前記下流側導管は流体導電ラインを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記エネルギー源は光エネルギーであり、前記上流側導管および前記下流側導管は光透過導波路を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システムであって、
エネルギー源に関連付けられた第1の接続部であって、上流側導管が、前記第1の接続部内に配置された上流側末端部を有し、前記上流側導管は、前記エネルギー源から前記上流側末端部にエネルギーを伝達するように構成され、前記上流側導管は、前記上流側末端部に隣接するインタラプタを含み、前記インタラプタは、前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を阻止する開放状態と、前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を可能にする閉鎖状態とを有する、第1の接続部と、
エネルギー消費負荷に関連付けられ、前記第1の接続部に選択的に結合および結合解除されるように構成されてた第2の接続部であって、下流側導管が、前記第2の接続部に配置された下流側末端部を有し、前記下流側導管は、前記下流側末端部から前記負荷にエネルギーを伝達するように構成された、第2の接続部と、
前記第1の接続部に配置されたソケットであって、前記ソケットは、入口を有し、コアプラグが、伸長状態と押し込み状態との間で移動するために前記ソケット内に摺動可能に配置され、前記コアプラグは、前記コアプラグが前記伸長状態にあるときに前記ソケットの前記入口と位置合わせされ、前記コアプラグが前記押し込み状態にあるときに前記ソケット内に凹んでいるノーズ端部を有しており、ボルトが、設定位置と展開位置との間で移動するために前記ソケットに対して支持され、前記上流側末端部は、前記コアプラグ内に配置され、前記コアプラグが前記伸長状態と押し込み状態との間で移動するときに前記コアプラグと共に移動可能である、ソケットと、
前記第2の接続部から延びるスタッドであって、前記スタッドは、前記コアプラグを前記ソケットの前記入口から離れるように変位させるように構成された遠位先端部を有し、前記第1および第2の接続部を互いに強固に締結するために前記設定位置から前記展開位置に移動すると、前記ボルトによって前記ソケット内に機械的に拘束され、前記下流側末端部は前記スタッド内に配置される、スタッドと、を備え、
前記スタッドが前記ソケット内にしっかりと拘束されて、前記コアプラグが前記押し込み状態にある前記インタラプタを介したエネルギーの伝達を可能にすると、前記上流側末端部は前記下流側末端部と動作可能に結合する、エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システム。
【請求項19】
前記上流側導管および下流側導管は、本質的に導電性ワイヤ、流体導電ラインおよび光透過導波路からなる群から選択される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記インタラプタは、前記コアプラグが前記押し込み状態にあるときに前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を阻止する開放状態を有するポペットを備え、前記インタラプタは、前記コアプラグが前記伸長状態にあるときに前記上流側末端部へのエネルギーの伝達を可能にする閉鎖状態を有する、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年11月23日に出願された仮特許出願第63/282,499号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0002】
本発明は、一般に、スタッドアンドソケット解放可能締結システムに関し、より詳細には、エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システムに関する。
【背景技術】
【0003】
スタッドおよびソケット解放可能締結システムは、当技術分野で周知である。2019年4月2日に発行されたManlyの特許文献1を参照すると、直線運動によって支持構造体に付属工具を迅速に接続および切断するための堅牢なスタッドアンドソケット型結合アセンブリが開示されている。アセンブリは、タングスロットの例示的な形態のソケットを有する第1の接続部を備える。ソケットには、コアプラグが摺動可能に配置されている。付属工具の例示的な形態の第2の接続部は、第1の接続部のソケット内に嵌合するように構成された断面を有するスタッドを含む。ボルトは、第1の接続部の内部で摺動するように支持される。ボルトは、ボルト締め位置で第2の接続部のスタッドと係合して、第1および第2の接続部を選択的に互いにロックすることができる。
【0004】
特許文献1のスタッドアンドソケット解放可能締結システムは、あらゆる種類の用途のために2つの部材間の迅速かつ確実な機械的接続を可能にする。しかしながら、当技術分野では、追加の機能を導入し、したがってスタッドアンドソケット解放可能締結システムに適した用途の範囲をさらに拡大することによって、特許文献1の教示を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、エネルギー伝達スタッドアンドソケット解放可能締結システムである。本システムは、エネルギー源に関連付けられた第1の接続部と、エネルギー消費負荷に関連付けられた第2の接続部とを備える。第2の接続部は、第1の接続部に選択的に結合および結合解除されるように構成される。上流側導管は、第1の接続部内に配置された上流側末端部を有する。上流側導管は、エネルギー源から上流側末端部にエネルギーを伝達するように構成される。下流側導管は、第2の接続部に配置された下流側末端部を有する。下流側導管は、下流側末端部から負荷にエネルギーを伝達するように構成される。ソケットは、第1または第2の接続部のいずれかに配置される。ソケットは、入口を有する。コアプラグは、伸長状態と押し込み状態との間で移動するためにソケット内に摺動可能に配置される。コアプラグは、コアプラグがその伸長状態にあるときにソケットの入口と位置合わせされたノーズ端部を有する。しかしながら、コアプラグが押し込み状態にあるとき、ノーズ端部はソケットの内側に凹んでいる。ボルトは、設定位置と展開位置との間の移動のためにソケットに対して支持される。第1および第2の接続部の他方からはスタッドが延びている。すなわち第1の接続部にソケットが配置されている場合、スタッドは、第2の接続部から延び、その逆も同様である。スタッドは、コアプラグをソケットの入口から離れるように変位させるように構成された遠位先端部を有する。ボルトがその設定位置からその展開位置に移動すると、スタッドはボルトによってソケット内に機械的に拘束される。これにより、第1および第2の接続部が互いに強固に締結される。上流側または下流側のいずれかの末端部は、スタッド内に配置される。他方の末端部は、コアプラグ内に配置され、コアプラグが伸長状態と押し込み状態との間を移動するときにコアプラグと共に移動可能である。すなわち上流側末端部がコアプラグ内に配置される場合、下流側末端部はスタッド内に配置され、逆もまた同様である。上流側導管から下流側導管へのエネルギーの伝達を可能にするためにスタッドがソケット内にしっかりと拘束されると、上流側末端部は下流側末端部と動作可能に結合する。
【0006】
本発明は、統合型エネルギー伝達の追加機能を導入することによって米国特許第10,247,520号明細書の教示を改善し、したがって、スタッドアンドソケット解放可能締結システムに適した用途の範囲をさらに拡大する。本発明は、2つの物体を、それらの間のエネルギー伝達を可能にしながら迅速かつ確実に一緒に取り付ける能力を可能にする。上流側および下流側の末端部をスタッドおよびコアプラグ内に配置することにより、第1の接続部および第2の接続部の上または周りの他の場所で上流側導管と下流側導管との間の接続を設計する必要性が排除または低減される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に関連して考慮すると、より容易に理解されるであろう。
【0008】
【
図1】本出願人自身の米国特許第10,247,520号明細書から得られたスタッドアンドソケット締結システムの従来技術の図であり、第1および第2の接続部は、分離された非結合状態で示されている。
【0009】
【
図2】
図1と同様の従来技術の描写であるが、第1および第2の接続部が結合配置で示されている。
【0010】
【
図3】本発明の一実施形態によるスタッドアンドソケット締結システムの主要な機械的構成要素の非常に簡略化された斜視図であり、第1および第2の接続部は分離された非結合状態で示されている。
【0011】
【
図4】
図3の締結システムのわずかに前傾した視点からの別の非常に簡略化された斜視図であり、第1および第2の接続部は結合に備えて一緒になっている状態を示している。
【0012】
【
図5】産業用途で一般的に使用されるタイプのTスロット押出部材で構成された例示的な構造の立面図であり、本発明の4つのスタッドアンドソケット解放可能締結システムが、蓋またはキャップの迅速かつ確実な取り付けを可能にするために使用される。
【0013】
【
図6】照明器具を動作させることができるようにエネルギーの伝達を可能にするために照明器具が支持フレームと接続するように準備されている、本発明の例示的な用途の部分斜視図である。
【0014】
【
図7】分離された接続部を示す、
図6の照明器具の実施形態の例示的な概略電気図である。
【0015】
【
図7A】
図7の7Aで示される領域の拡大図である。
【0016】
【
図8】照明器具へのエネルギーの伝達を可能にするように動作可能に接続された接続部を示す、
図7と同様の概略電気図である。
【0017】
【
図8A】
図8の8Aで示される領域の拡大図である。
【0018】
【
図9】追加の上流側および下流側導管が、ソケットおよびスタッドのみを介して提供できるよりも多くの電気および/または光エネルギー伝達を必要とする用途を可能にする代替実施形態の斜視図である。
【0019】
【
図10】異なる視点から見た
図9の代替実施形態の斜視図である。
【0020】
【
図11A】流体エネルギーを伝達するように構成された本発明の一実施形態の一連の簡略断面図であり、第1および第2の接続部は、非結合状態から完全結合状態に徐々に移動するように示されている。
【
図11B】流体エネルギーを伝達するように構成された本発明の一実施形態の一連の簡略断面図であり、第1および第2の接続部は、非結合状態から完全結合状態に徐々に移動するように示されている。
【
図11C】流体エネルギーを伝達するように構成された本発明の一実施形態の一連の簡略断面図であり、第1および第2の接続部は、非結合状態から完全結合状態に徐々に移動するように示されている。
【
図11D】流体エネルギーを伝達するように構成された本発明の一実施形態の一連の簡略断面図であり、第1および第2の接続部は、非結合状態から完全結合状態に徐々に移動するように示されている。
【0021】
【
図12】追加の上流側および下流側導管が、ソケットおよびスタッドのみを介して提供できるよりも多くの流体エネルギー伝達を必要とする用途を可能にする代替実施形態の斜視図である。
【0022】
【
図13】異なる視点から見た
図12の代替実施形態の斜視図である。
【0023】
【
図14】産業用ロボット用途の文脈で適用されるような、第1および第2の接続部が連結された複数の動力伝達スタッドアンドソケット結合システムが取り付けられているさらに別の代替実施形態の部分斜視図である。
【0024】
【
図15】
図14の第1のおよび第2の接続部の簡略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、本明細書では総称して第1の接続部20および第2の接続部22と呼ばれる2つの部材を機械的に結合するためのスタッドアンドソケット解放可能締結システムである。2019年4月2日に発行されたManlyの米国特許第10,247,520号が再び参照され、その開示全体は、すべての許可管轄区域において参照により本明細書に組み込まれる。より完全に説明されるように、第1の接続部20および第2の接続部22は、互いに迅速かつ選択的に接続され、同じく便利に切断される必要がある任意の2つの部材であってもよい。
【0026】
ソケット24は、第1の接続部20および第2の接続部22のいずれか一方に配置されている。以下の説明を通して、ソケット24は、第1の接続部20にのみ関連付けられる。しかしながら、どの接続部20、22がソケット24を受けるべきかの割り当てまたは指定は交換可能であり、設計者の選択に従うことが理解されよう。ソケット24は、入口26を有する。実施例では、入口26は、第1の接続部に取り付けられたカバープレート27に形成されているが、他の設計も可能である。ソケット24は、入口26から離間した凹状ベース28を有するように示されているが、ソケット24は無底であってもよいと考えられる。さらに、ソケット24は、直線的な経路を確立する直線的な軸方向構造として全体を通して示されている。すなわち、ソケット24のシャフト状キャビティは、入口26を中心とするか、またはほぼ中心とし、ソケット26の長さに沿ってその凹状ベース28まで延びる軸を画定すると理解することができる。しかしながら、ソケット24は、いくつかの構成では、弓形または螺旋状の経路を確立するように湾曲することも考えられる。
【0027】
ソケット24は、円形を含む任意の望ましい断面形状を有することができる。しかしながら、円形は、その形状のみでは嵌合要素との特定の回転方向を示さないという意味で、無極性であるという欠点を有する。したがって、ソケットは、その形状にもかかわらず製造が比較的容易な非円形形状を有することが望ましいが、必須ではない。正方形の形状も考えられるが、その形状が嵌合要素との4つの回転方向を可能にするという意味で、自然に無極性ではない。同様に、
図1および
図2で示唆されているように長方形の形状も考えられるが、長方形の形状は2つの回転方向を可能にするという意味で依然として無極性である。
図3~
図15の例では、ソケット24は、略D字形の断面を有するように示されている。D字形断面は、製造が比較的容易であり、同じ断面形状の嵌合要素に対してただ1つの回転配向を有することによって完全に分極された形状を提供するという点で有利である。D字形以外の断面形状も可能であり、本発明での使用に容易に適合可能であることを当業者は理解するであろう。
【0028】
コアプラグ30は、ソケット24内で伸長状態と完全に押し込まれた状態との間で移動するためにソケット24内に配置される。コアプラグ30は、
図1、
図3、
図7、
図7Aおよび
図11Aでは伸長状態で見ることができる。コアプラグ30は、
図2、
図4、
図8、
図8Aおよび
図11Dでは完全に押し込まれた状態で示されている。コアプラグ30は、
図11Bおよび
図11Cでは伸長状態と完全に押し込まれた状態との間の中間位置または一時的位置に示されている。コアプラグ30は、コアプラグ30が伸長状態にあるときにソケット24の入口26と位置合わせされたノーズ端部32を有する。しかしながら、ノーズ端部32は、コアプラグ30が押し込まれた状態に向かって移動するにつれて、入口26と位置ずれし、ソケット24の内側に凹むようになる。
【0029】
コアプラグ30を伸長状態に向かって付勢するように、1つまたは複数のコアばね34がコアプラグ30と動作可能に係合する。コアばね34は、
図11A~
図11Dでは単一のコイル圧縮ばね、
図1、
図2では一対のコイル圧縮ばねの例示的な形態で示されているが、コアプラグ30を伸長状態に向かって付勢するために他の形態の付勢装置が使用されてもよい。
【0030】
ボルト36は、設定位置と展開位置との間の移動のためにソケット24に対して支持される。ソケット24が第1の接続部20に関連付けられている図示の例では、ボルト36は同様に、第1の接続部20によって、または第1の接続部に対して移動するように支持されている。
図1、
図3、
図4、
図7、
図7Aおよび
図11Aは、その設定位置にあるボルト36を示し、
図2および
図11Dは、展開位置にあるボルト36を示している。ボルト36とコアプラグ30との間の関係は、コアプラグ30が完全に押し込まれた状態にあるときにのみボルト36がその展開位置に移動することができるようなものである。その結果として、コアプラグ30は、ボルト36がその設定位置にあるときにのみ入口26と位置合わせしてその伸長状態をとることができる。より説明的に述べるとすればおそらく、コアプラグ30は、ボルト36をその設定位置に保持するトリガのようなものを動作させる。コアプラグ30が入口26から十分な距離だけ離れて変位すると、ボルト36は自動的にその展開位置に向かって移動する。
【0031】
ボルト36は、多くの異なる構成をとることができる。いくつかの想定される実施形態では、ボルト36は、設定位置と展開位置との間の方向転換またはねじり運動のために支持された回転部材である。他の想定される実施形態では、ボルト36は、旋回運動のために支持される。実際、設定位置と展開位置との間で移動可能なボルト36を達成するために、多くの形状および運動が可能である。しかしながら、図示の例では、ボルト36は、ソケット24の軸方向範囲に対するサイディング移動のために支持された板状部材である。すなわち、ボルト26は、ソケット24を横切って前後に摺動することができるように、カバープレート27の真下の第1の接続部20内の摺動軌道に捕捉される。
【0032】
いくつかの想定される実施形態では、ボルト36は、ソケット26の片側のみに沿って配置される。ボルト36をソケット26の片側のみに沿って配置することによって、ボルト36は、その入口26に隣接してソケット24を部分的に取り囲むと言うことができることが理解され得る。しかしながら、図示の例では、ボルト36はソケット26をより完全に取り囲む。すなわち、ボルト36は、ソケット26の対向する両側に位置しており、これは、
図2、
図8および
図8Aに示すように、結果として生じる第2の接続部22との結合の構造的完全性を高める効果を有する。
【0033】
ボルト36は、ボルト36が展開位置にあるときにソケット24に選択的に重なることができる少なくとも1つの歯38を有する。歯38は、多種多様な形態をとることができる。添付の図面において、歯38は、むしろ単にボルト36の周縁(または複数の周縁)に沿って形成されている。ボルト36がその展開位置にあるとき、歯38はソケット24の一部を通過する。しかしながら、設定位置にあるとき、ボルト36のいかなる部分もソケット24を妨害しない。
【0034】
図3の例では、ボルト36は、ソケット24を完全に取り囲む開いた内側領域40を有する略長方形の本体である。
図3(および
図4~
図15)の開いた内側領域40の形状は、1つの円がわずかに小さい数字「8」の輪郭によって示唆されるような、重なり合う円の外観を有する。
図1および
図2の例では、開いた内側領域40の形状はより長くなっているが、これは前述の米国特許第10,247,520号を参照することによって確認することができる。実際、開いた内側領域40の形状は、意図された用途に適合するように変更することができる。
【0035】
前述のように、歯38は、ボルト36の周縁に沿って形成することができる。ボルト25がソケット26を完全に取り囲む図示の例では、1つまたは複数の歯38は、ボルト36の開いた内側領域40内に形成される。すなわち周縁は、開いた内側領域40の内縁に沿った周縁である。
図1~
図2の実施形態は対向する歯38を使用するが、
図3~
図15の実施形態は単一の歯38を利用する。
【0036】
1つ以上のボルトばね42は、ボルト36を展開位置に向かって付勢するように配置されている。
図1~
図2の例は、2つのボルトばね42の使用を示しているが、
図11Dの例は、1つのボルトばね42のみを示唆している。両方の場合において、ボルトばねは、コイル圧縮タイプのものとして示されているが、当業者であれば、任意の他のタイプの付勢装置を適切な収容部と共に使用できることを理解するであろう。
【0037】
ボルト36は、ボルトばね42の付勢に抗してボルト36を展開位置から設定位置に向かって強制的に移動させるように構成されたアクチュエータ44を有する。アクチュエータ44は、ソレノイドまたはステッパモータ(図示せず)など、ボルト36とは別の機械装置とすることができる。しかし、図示の例では、アクチュエータ44は、おそらく
図3、
図4、および
図15に最もよく見られるように、ボルト36から一体的に延びる単純な押しボタンの形態をとる。親指または他の指などでアクチュエータ44を押し込むことによって、ボルト36はその設定位置に向かって移動する。アクチュエータ44のサイズおよび形状は、ボルト36がその展開位置にあるときにアクチュエータ44が第1の接続部20から突出し、したがってユーザに押し込むように促すように設計することができる。しかしながら、ボルト36がその設定位置にあるとき、アクチュエータ44は第1の接続部20の側面と同一平面上にある。この後者の状態は、
図9~
図11Cおよび
図12~
図13によく示されている。
【0038】
上述したように、本発明は、第1の接続部20を第2の接続部22に機械的に結合するためのスタッドアンドソケット解放可能締結システムである。これらの第1の接続部20および第2の接続部22は、広範囲の用途のために構成することができ、そのうちのいくつかは本明細書で言及されるが、そのうちの多くは当業者には明らかになるであろう。ソケット24は、第1の接続部20または第2の接続部22のいずれかに関連付けられているものとして説明されているが、便宜上、図示および説明は、ソケット24を専ら第1の接続部20に関連付けている。対応する様式では、スタッド46が、第1の接続部20および第2の接続部22の他方から延びている。スタッド46は、ソケット24を補完するものであれば、第1の接続部20または第2の接続部22のいずれかと関連付けることができる。便宜上、図示および説明は、スタッド46を専ら第2の接続部22に関連付けている。どの接続部20、22がソケット24を受け入れ、どれがスタッド46をホストするかの割り当てまたは指定は交換可能であり、設計者の選択に従うことを理解されたい。
【0039】
一般に、スタッド46の主な機能は、第1の接続部20と第2の接続部22との機械的結合を達成するようにソケット24内に機械的に拘束されるようになることである。すなわち、スタッド46およびソケット24は、互いに嵌合するように設計されている。スタッド46がソケット24内に完全に着座すると、ボルト36はその設定位置からその展開位置に移動することが可能になり、これはスタッド46をソケット26内に閉じ込める効果を有する。したがって、スタッド46がソケット26内に閉じ込められると、第1の接続部20と第2の接続部22とが効果的に互いに強固に締結される。
【0040】
スタッド46は、滑らかな隙間嵌めでソケット24内に摺動するように設計された断面形状を有する。したがって、ソケット24の断面形状は、スタッドの断面形状を決定付ける。
図1~
図2の例では、スタッド46は断面が長方形である。しかしながら、
図3~
図15の例では、スタッド46は、ソケット24のD字形断面と嵌合するように構成された略D字形断面を有する。
【0041】
スタッド46は、コアプラグ30をソケット24の入口26から離れるように変位させるように構成された遠位先端部48を有する。上述したように、コアプラグ30は、ボルトばね42の付勢力に抗してボルト36をその設定位置に保持するトリガのようなものを動作させる。したがって、スタッド46は、コアプラグ30を入口26から変位させる作用体として認識することができる。接触点は、スタッド46の遠位先端部48で生じる。コアプラグ30が入口26から離れるように変位すると、ボルト36は自動的にその展開位置に向かって移動する。スタッド46には、ボルト36が展開状態にあるときにボルト36の歯38を受け入れるように構成されたキャッチ50が形成されている。もちろん、キャッチ50は、歯38の特定の構成によって決定され得るような多くの異なる構成をとることができる。図示の例では、キャッチ50は、スタッド46の外部に形成された1つまたは複数のノッチの形態をとり、コアプラグ30が完全に押し込まれた状態に移動したときにボルト歯38と整列するように、遠位先端部48から十分な距離だけ軸方向に離間している。
【0042】
ここで、いくつかの図示の例を参照して、機械的結合の動作を説明する。米国特許第10,247,520号明細書から取得され、したがって従来技術としてラベル付けされた
図1および
図2の例では、第1の接続部20は汎用アクセサリドックの形態で示され、第2の接続部22はアクセサリナイフブレードの形態で示されている。明確にするために、ドックおよびナイフブレードは、機械的結合特性が
図5~
図15に示す本発明のものと同様である本発明者自身の従来技術のシステムの単なる例である。
図1および
図2は従来技術の描写であるが、それにもかかわらず、
図1および
図2に示す実施形態の改良である本発明の動作特性を理解するために有益であり、言及する価値があることを当業者は理解するであろう。(これまでの説明では改善は言及されていないままであったが、結合要素を通じたエネルギー伝達の新規な統合として後に明らかにされる。)アクセサリナイフブレードの描写が、後に論じる改善特徴が追加されているとはいえ、本発明の第1の接続部20および第2の接続部22について考えられる多種多様な異なる用途を強調するのに役立つことを示すこともおそらく有用である。したがって、
図1および
図2は、機械的結合特性を明らかにする際のそれらの値についてここで詳細に説明される。当業者は、本発明の改善特徴を含むように
図1および
図2の実施形態を修正することができる。
【0043】
引き続き
図1~
図2を参照すると、第1の接続部20は、キャビティ状ソケット24への入口26が形成されたカバープレート27を有する。入口26は、好ましくは、結合プロセスを容易にする漏斗状テーパまたは大きな面取り部によって囲まれている。ソケット24には、コアプラグ30が摺動可能に配置されている。コアプラグ30は、スタッド46の周囲形状とほぼ等しい周囲形状を有し、その結果、両方ともソケット24内で幾分等しい滑らかさで摺動する。第1の接続部20が第2の接続部22に結合されていないとき、コアプラグ30のノーズ端部32は入口26(
図1)に位置する。この位置では、ノーズ端部32は、デブリがソケット24に入るのを防止するためのストッパのように作用する。少なくとも1つのコアばね34は、コアプラグ30に対して付勢して動作可能に配置される。図示の実施形態では、1対のコアばね34がソケット24内に動作可能に配置され、コアプラグ30に対して付勢されている。コアプラグ30は、ソケット24に形成されたタブトラック内を上下する停止タブを有するように示されている。停止タブは、コアプラグ30のノーズ端部32を入口26と同一平面に、またはわずかに凹んで配置する。コアばね34の位置を維持するのを助けるために、コアプラグ30にばね座を形成することができる。
【0044】
ボルト36は、設定位置と展開位置との間の選択的移動のために第1の接続部20に動作可能に配置される。ボルト36は、開いた内側領域40の内部範囲内に形成された少なくとも1つ、好ましくは2つの歯38を含む。設定位置では、第1の接続部20は、
図1のように第2の接続部22から切断される。ボルト36は、ソケット24の経路を横切って移動するために、第1の接続部20内のスライドトラック上に支持されている。1対の圧縮式ボルトばね42は、ボルト36を直接押し付ける。ボルト36からアクチュエータ44が延びている。ユーザがアクチュエータ44を押すと、ボルト36は、展開位置に向かって移動しながらボルトばね42に対して摺動する。
【0045】
スタッド46は、ナイフブレードとして示されているが任意の適切なものまたは物体であり得る第2の接続部22から延びる。スタッド46は、ボルト歯38と相互作用するように構成された1対のノッチ状キャッチ50を有する。入口26およびソケット24は両方とも、容易な滑り嵌めでスタッド46を受け入れるように成形されているが、第2の接続部22が第1の接続部20に接続されたときに揺れているように認識されないように、比較的わずかな遊びしかない。
【0046】
図1は、ソケット24に入る前のスタッド46を示し、一方、
図2は、第1の接続部20および第2の接続部22が互いにしっかりと結合された状態で、ソケット24に完全に着座したスタッド46を示す。結合プロセス中、スタッド46の遠位先端部48は、ソケット24の入口26に案内され、そこでコアプラグ30のノーズ端部32に直ちに遭遇する。コアプラグ30のノーズ端部32には、スタッド46の面取りされたまたは丸みを帯びた遠位先端部48を自己センタリング的に受け入れる凹部が形成されてもよい。スタッド46の挿入が継続されると、コアプラグ30はソケット24内に前方により深く押し込まれ、コアばね34を圧縮する。コアプラグ30は、ボルト36の開いた内側領域40を押し上がり、スタッド46が滑らかな連続動作で続く。スタッド46内のキャッチ50がボルト歯38と整列すると、ボルト36は、ボルトばね42の影響下でその展開位置に向かって自動的に摺動する。
図2に示すように、キャッチ50内に着座した歯38は、スタッド46をソケット24内に効果的に捕捉し、第1の接続部20と第2の接続部22とを互いに結合する。
【0047】
第1の接続部20および第2の接続部22を互いに切り離すために、ユーザはアクチュエータ44(
図1または
図2では見えない)を押し込み、これは歯38をキャッチ50との位置合わせからずらし、スタッド46を引き出すことを可能にする効果を有する。スタッド46がソケット24から引き抜かれると、コアばね34の圧力が軽い押し込み動作で第1の接続部20の排出を補助する。コアプラグ30は、スタッド46の周囲形状と一致する周囲形状を有するので、コアプラグ30のノーズ端部32は、ボルト36を自由に通過して底板76の入口26に入るときにスタッド46に追従する。スタッド46は、第1の接続部20から完全に引き抜かれるが、コアプラグ30は、ボルト36をその設定位置に保持するその伸長状態で入口26に機械的に拘束される。すなわち、第1の接続部20が第1の接続部20から切り離されると、コアプラグ30はボルト36の開いた内側領域40の内側に自動的に着座する。したがって、コアプラグ30は、ボルト36内に効果的にはまり、ボルトばね42を圧縮した状態に保持し、スタッド46が再挿入されるまでボルト36をこの設定状態に拘束し続ける。
【0048】
図3および
図4は、異なる構成および異なる視点からの第1の接続部20および第2の接続部22の実施形態を示す。例えば、
図3および
図4の実施形態は、
図5に示すようなTスロット押出部材52から製造された構造の接続点として認識することができる。すなわち、本発明の1つの想定される用途は、有用な構造がTスロット押出部材52のネットワークを使用して迅速かつ確実に立設され得る産業用設定にある。簡単にするために、
図3および
図4は、第1の接続部20のコアプラグ30およびボルト36の構成要素、ならびに第2の接続部のスタッド46のみを示している。市販のTスロット押出部材52から組み立てられた
図5の例示的な箱状のベース構造を考慮すると、本発明の4つのスタッドアンドソケット解放可能締結システムが、蓋またはキャップの迅速かつ確実な取り付けを可能にするために使用される。
図5の図示の構成では、箱状のベース構造は第1の接続部20を表し、蓋またはキャップは第2の接続部22を表す。
【0049】
示唆したように、本発明は、結合要素を介したエネルギー伝達の新規な統合によって既知のスタッドアンドソケット型接続システムを改善する。特に、第1の接続部20がエネルギー源54に関連付けられ、第2の接続部22がエネルギー消費負荷56に関連付けられている場合、第1の接続部20と第2の接続部22との結合は、エネルギー源54からエネルギー消費負荷56へのエネルギー伝達を自動的かつ同時にもたらす。本発明のスタッドアンドソケット型接続システムを介して伝達されるエネルギーは、任意のタイプであってもよく、電力および/または通信信号の送達を含む任意の目的のために使用されてもよい。エネルギーの例示的な形態には、電気、流体(液圧および空気圧)および光、ならびに機械的運動が含まれるが、これらに限定されない。本発明の第1の接続部20および第2の接続部22を介して伝達され得るエネルギーの形態またはタイプを限定する意図はない。
【0050】
図6の例は、オフロードまたはユーティリティビークルに見られるような取り外し可能な照明器具である。この文脈は、当業者が他の可能な用途を想定するためにこの例によって知識を得ることを考慮して、例示のみを目的として提供される。第1の接続部20は車両のフレームまたはボディに固定され、第2の接続部22は照明器具のボディである。
【0051】
図7~
図8Aは、
図6の電気照明の例を支持する概略図である。第1の接続部20は、標準的な車両用の6ボルトまたは12ボルト電池とすることができるエネルギー源54と関連付けられている。別の状況では、容易に想像できるように、照明器具用のエネルギー源54は、標準的なACラインまたは低電圧変圧器から供給される電圧であってもよい。もちろん、多くの選択肢が可能である。
図7および
図8は、基本リレー58の第1の端子に動作可能に接続されたエネルギー源54からのリード線を示す。リレー58の第2の端子はスイッチ60に動作可能に接続されている。リレー58の第3の端子は、第1の接続部20に動作可能に接続されている。また、リレー58の第4の端子は電気グランドに動作可能に接続されている。
【0052】
第1の接続部20は、エネルギー源54から上流側末端部64にエネルギーを伝達するように構成された少なくとも1つの上流側導管62を有する。エネルギー源54が電気エネルギーである場合、上流側導管62は導電性のワイヤまたは要素である。
図7~
図8Aの場合、各々がそれぞれの上流側末端部64A、64Bを有する2つの上流側導管62A、62Bが示されている。エネルギー源54からリレー58の第1の端子までの前述のリード線は、上流側導管62Aに対応する。下流側導管62Bは、この例では電気グランドに動作可能に接続されている。いくつかの想定される実施形態では、第1の接続部20は、各々がそれぞれの上流側末端部64A、B...nを有する3つ以上の上流側導管62A、B...nで構成することができる。
【0053】
上流側末端部64A、64Bは、コアプラグ30内に配置され、コアプラグ30が伸長状態と押し込み状態との間を移動するときにコアプラグと共に移動可能である。これは、
図7Aと
図8Aとを比較することによって理解することができ、
図7Aは伸長状態、
図8Aについては押し込み状態のコアプラグ30を有する。
【0054】
図7~
図8Aの図示の例では、上流側導管62は、上流側末端部64A、64Bの各々に関連付けられたスイッチ状のインタラプタ機構65を含む。インタラプタ65は、コアプラグ30が伸長状態にあるときにエネルギーが上流側末端部64A、64Bに到達することを効果的に阻止する開放状態を有する。しかしながら、コアプラグ30が完全に押し込まれた状態にあるとき、インタラプタ65は閉じて、上流側末端部64A、64Bへのエネルギーの伝達を可能にする。これは、露出した裸の上流側末端部64A、64Bが、第2の接続部22が所定の位置にないときに不注意による感電を与えることが防止される安全機構として理解され得る。インタラプタ65機構は、コアプラグ30と上流側導管62A、62Bとの間に可変の間隙または間隔を備える
図7Aおよび
図8Aに明確に見られる。構成要素が開状態と閉状態との間で上下(または前後)に循環するという点で、インタラプタ65およびポペット弁の機能的形態であることを理解することが有用であり得る。
【0055】
同様に、第2の接続部22は、スタッド46内に配置された下流側末端部68からエネルギー消費負荷56にエネルギーを伝達するように構成された少なくとも1つの下流側導管66を有する。エネルギー源54が電気エネルギーである場合、下流側導管66は導電性のワイヤまたは要素である。
図7~
図8Aの場合、各々がそれぞれの下流側末端部68A、68Bを有する2つの下流側導管66A、66Bが示されている。
【0056】
上流側末端部64A、64Bは、スタッド46の遠位先端部48がコアプラグ30をソケット入口26から押し離すときに下流側末端部68A、68Bと係合するように位置合わせされる。すなわち、上流側末端部64A、64Bは、スタッド46がソケット24内にしっかりと拘束されたときに下流側末端部68A、68Bと動作可能に結合する。上流側末端部64A、64Bは、ロケータプロファイルで構成されてもよく、同様に、下流側末端部68A、68Bは、直接係合すると互いに自己中心になるように適合された相補的なプロファイルを有する。上流側末端部64A、64Bおよび下流側末端部68A、68Bは、米国ニューヨーク州のMIL-MAX Mfg社によって提供されるものなどの市販のばね付勢接点から作ることができる。
【0057】
前述のように第2の接続部22が第1の接続部20に結合されると、ソケット24内でコアプラグ30が下降する。完全に押し込まれた状態に近づくと、上流側末端部64A、64Bの内部分は、それぞれの上流側導管62A、62Bと電気的に接触し、したがって電気回路を閉じ、(スイッチ60のオペレータ制御に従って)照明器具にエネルギーを流すことができる。これはおそらく
図8Aに最もよく示されており、
図8Aでは、上流側末端部64A、64Bが下流側末端部68A、68Bと直接接触し、したがって上流側導管62から下流側導管へのエネルギーの伝達を可能にしていることが分かる。その結果、照明器具(負荷)を、スイッチ60を介してユーザが自由に操作できるようにすることができる。ユーザが照明器具22を取り外すまたは交換したいときはいつでも、ボルト36を(アクチュエータ44を介して)作動させ、第1の接続部20と第2の接続部22との分離を可能にする。
【0058】
図6~
図8Aの例に関連して単一の照明器具が説明されているが、当業者は、電動車両システムの限られた状況内であっても、多くの他の方法で適用される本発明を想定するであろう。
図5から着想を得ると、ライトバーシステム全体が車両と迅速かつ確実に接続/切断される車両用途を容易に想像することができる。別の例では、本発明の電力伝達スタッドソケットシステムは、陸上または海上車両内の音響、ナビゲーションおよび/またはコンピュータシステムを迅速かつ確実に接続するために使用される。フリートトラックおよび法執行市場は、専用のシステムが使用時に頻繁にプラグイン/アウトされる必要がある2つの使用分野の例である。ロボット競技の競争環境における用途を容易に想定することができる。電力伝達スタッドアンドソケットシステムは、協議中に破損した要素を迅速に交換するために、または異なる種類の機械化された機構を取り付けるために展開することができる。車両の状況外で考えると、本発明の電力伝達スタッドアンドソケットシステムは、家庭または建物内でアクセサリライトを取り付けるために使用することができる。業界では、(2つだけ挙げると)ファンおよびヒータのような動力駆動アクセサリは、必要なときに迅速かつ確実に取り付けられ、必要なときにすぐに取り外すことができる。実際、スタッドアンドソケット結合システムを介して電気エネルギーを伝達するための本発明の用途は、一見したところ無限である。
【0059】
図6~
図8Aの例は電気エネルギーの伝達を描写しているが、当業者は、光エネルギーを伝達するように変更された同様のシステムを想定することができるであろう。すなわち、エネルギー源54が光ファイバシステムなどの光エネルギーである場合、上流側導管62A、B...nおよび下流側導管66A、B...nは、光透過導波路、例えば光ファイバケーブルとして製造することができる。データ伝達を必要とする用途では、本発明のスタッドアンドソケットシステムを使用して、信号源54を信号受信機56に迅速かつ確実に接続することができる。
【0060】
図9および
図10は、前述の電気エネルギーおよび光エネルギー透過モードの拡張機能を表す。この例では、追加の上流側導管70が第1の接続部20内に支持されているが、ソケット24またはコアプラグ30を通過しない。同様に、追加の下流側導管72は、第2の接続部22内に支持されているが、スタッド46を通過しない。これらの追加の導管70、72は、第1の接続部20および第2の接続部22が本発明のスタッドアンドソケットシステムを介して結合されるときにそれぞれ動作可能な動力伝達接続を行うように位置合わせされる。したがって、ソケット24およびスタッド46を通して提供することができるよりも多くの個別の電気信号または光信号を必要とする用途において、この実施形態は、接続速度または構造的完全性を犠牲にすることなく便利な解決策を提供する。追加の導管70、72の末端部は、米国ニューヨーク州のMILL-MAX Mfg社によって提供されるものなどの市販のばね付勢接点から作ることができる。
【0061】
上述したように、本発明のスタッドアンドソケットシステムは、エネルギー源54によって生成されるエネルギーの種類として流体の伝達に対応するように構成することができる。おそらく、最も一般的な種類の流体エネルギーは、液圧(液体)および空気圧(気体)である。
図11A~
図11Dを参照すると、それぞれのソケット24およびスタッド46の関連付けとの連続性を維持するために、第1の接続部20が下部として、第2の接続部22が上部として幾分独断的に指定されている。本発明の趣旨から逸脱することなく、第1の接続部20はスタッド46に関連付けられた上部として指定され、第2の接続部22はソケット24に関連付けられた下部として指定され得ることが理解されよう。第1の接続部20および第2の接続部22に対するソケット24およびスタッド46のこの相互交換可能性は、いくつかの実施形態を通じて適用可能である。
【0062】
再び
図11A~
図11Dを参照すると、ここでは上流側導管62および下流側導管66は、流体導電ラインまたはホースを備える。この例示の目的のために、伝達される流体は油圧式または空気圧式のいずれかであり得る。上流側導管62は上流側末端部64を有し、下流側導管66は下流側末端部68を有する。
図7~
図8Aの電気的例との比較は、当業者には明らかである。また、電気的例のように、上流側導管62は、上流側末端部64に関連付けられたインタラプタ65機構を含む。エネルギーの流体的性質を考慮すると、ここでは、インタラプタ65をスイッチではなくソートバルブとして分類することがおそらくより適切である。
【0063】
インタラプタ65は、コアプラグ30が伸長状態にあるときに流体エネルギーが上流側末端部64に到達するのを効果的に阻止する開放状態を有する。しかしながら、コアプラグ30が完全に押し込まれた状態にあるとき、インタラプタ65は閉じて、上流側末端部64への流体エネルギーの伝達を可能にする。インタラプタ65機構は、ここではポペット弁として非常に容易に認識することができる。このポペット弁のヘッドは、スタッド46との自己センタリングを助ける小さな凸状スパイクの形態の前述のロケータ機構を担持する。この例示的な実施形態では、インタラプタ65には、コアプラグ30内のスカート状の凹部の内側に捕捉されるディスク状のキーパ74が取り付けられる。裏当てばね76も、スカート状の凹部の内側に配置され、キーパ74とコアプラグ30の下面との間に押し付けられる。
【0064】
スタッド46はまた、その下流側末端部68と一体化された安全弁78を含む。この例に示される安全弁78は、インタラプタ65のヘッド上の凸状特徴部を補完するために、窪んだまたは凹状のロケータ特徴部で形成されたヘッドを有するポペット型である。フロースルーリテーナ80は、安全弁78のステムを定位置に保持するのを助けるために第2の接続部22内に捕捉される。安全弁82は、スタッド46の内側に位置し、リテーナ80と安全弁78のヘッドとの間を押す。
【0065】
図11A~
図11Dは、第1の接続部20および第2の接続部22が非結合状態から確実に結合状態にされてそれらの間の流体伝達を可能にする一連の動きまたは動きの進行を表す。
図11Aでは、第1の接続部20および第2の接続部22は、互いに完全に分離している。流体エネルギーは、上流側導管62から下流側導管66に流れることができない。
図11Bでは、スタッド46の遠位先端部48がコアプラグ30のノーズ端部32と最初に接触するように、第1の接続部20と第2の接続部22とが一体化されている。構成要素は、インタラプタ65および安全弁78の対向するヘッド上のロケータ機構を介して互いに自己整列する。それでも、流体エネルギーは、上流側導管62から下流側導管66に流れることができない。
【0066】
図11Cでは、スタッド46がソケット24内に下降することによって分かるように、第1の接続部20が第2の接続部22に押し付けられている。コアプラグ30はボルト36の完全に下にあるが、スタッドキャッチ50がまだボルト歯38と位置合わせされていないため、ボルト36はその設定位置に留まっている。インタラプタ65のシャフトの下端は、ソケット24のベース28の直立ナブ84と最初に接触したばかりであるが、インタラプタ65も安全弁78も、上流側末端部64および下流側末端部68の端部をシールするそれぞれの位置からずれていない。したがって、この前進状態であっても、流体エネルギーは依然として上流側導管62から下流側導管66に流れることができない。
【0067】
図11Dでは、第1の接続部20が第2の接続部22に完全に当接して押しつけられている。コアプラグ30は、その完全に押し込まれた状態に達している。スタッドキャッチ50は、ボルト歯38と位置合わせして移動しており、ばねバックボルト36がスタッド46をソケット24内に捕捉するように右側に移動することを可能にする。コアプラグ30がソケット24内を下降し続けている間、インタラプタ65のシャフトの下端はナブ84に当接している。これにより、インタラプタ65のヘッドがコアプラグ30のノーズ端部32の上方に上昇し、これにより、安全弁78のヘッドが下流側末端部68の内側に押し込まれ、それにより、上流側導管62から下流側導管66への流体エネルギーの流路が形成される。当業者は、
図11Dから、加圧油圧または空気圧流体が上流側導管62からナブ84の周りに、コアばね34およびキーパ74を通って、コアプラグ30のスカート状凹部に、インタラプタ65のヘッドの周りに、遠位先端部48の穴に、安全弁78のヘッドの周りに、その安全ばね82およびリテーナ80を通って、最終的にエネルギー消費負荷56に送られる下流側導管66に流れることができることを理解できるであろう。
【0068】
図12および
図13は、追加の上流側導管70が第1の接続部20に支持されているがソケット24またはコアプラグ30を通過せず、追加の下流側導管72が第2の接続部222に支持されているがスタッド46を通過しないという点で、
図9および
図10と同様であってもよい。これらの追加の導管70、72は、第1の接続部20および第2の接続部22が本発明のスタッドアンドソケットシステムを介して結合されるときに、それぞれ動作可能な流体動力伝達接続を行うように位置合わせされる。したがって、ソケット24およびスタッド46を通して提供することができるよりも多くの油圧または空気圧接続を必要とする用途において、この実施形態は、接続速度または構造的完全性を犠牲にすることなく便利な解決策を提供する。
【0069】
図14および
図15は、第1の接続部120および第2の接続部122が、言及されたタイプの連結された複数の動力伝達スタッドアンドソケット結合システムが取り付けられ得るさらに別の代替実施形態を提供する。
図14によって産業用ロボット用途を示唆するものとして見ることができるこの例では、第1の接続部120には8つのソケット124の一群が取り付けられ、第2の接続部122には8つのスタッド146の対応する一群が取り付けられている。各スタッド146は、
図7~
図10の例のように、2つの下流側末端部168を含んで
図15に例示的な態様で示されている。
図7~
図10は、伝達されるエネルギーの形態が電気または光である実施形態を描写しているが、当業者は、
図14および
図15の実施形態が、空気圧および油圧を含むがこれらに限定されない他の形態のエネルギーを伝達するように構成され得ることを理解するであろう。
【0070】
第1の接続部120内に摺動可能に支持されているのは、8つの開いた内部領域を備えた単一のボルトであり、これらのいずれも
図14~
図15では見えない。図示されていないが、1つのボルトは、8個すべてのスタッド146と同時に相互作用するように構成することができ、したがって、第1の接続部120と第2の接続部122との間に、8倍のエネルギー伝達能力を有する8倍の強度の結合を形成することが明らかであろう。当然のことながら、特定の用途が、例えば8倍の強度を有する結合を必要とするが、例えば2倍のエネルギー伝達しか必要としない場合、
図3および
図4に示すものと同様に、8つのスタッド146のうちの6つをエネルギー伝達能力なしで構成することができることが想定され得る。
【0071】
第1の接続部120および第2の接続部122の分離は、共通の押しボタンアクチュエータ144によって達成される。共通のアクチュエータ144を押し込むことによって、単一のボルトは、その歯が各スタッド146上のそれぞれのキャッチから協調的に外れるように、その設定位置に向かって移動される。スタッド146が後退すると、各ソケット124内のコアプラグ(図示せず)は、前述と同様に、ソケット入口でそれぞれの伸長状態に向かって移動する。
【0072】
上記の発明は、関連する法的基準に従って説明されているので、説明は本質的に限定するものではなく例示的なものである。開示された実施形態に対する変形および修正は、当業者には明らかとなり、本発明の範囲内に入る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】米国特許第10,247,520号明細書
【国際調査報告】