(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】包装箱のシール構造、シール構造の製造プロセス及び包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/70 20060101AFI20241108BHJP
B65D 5/40 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B65D5/70 F
B65D5/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024555257
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2022129131
(87)【国際公開番号】W WO2023083061
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111348620.0
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524184079
【氏名又は名称】瀚森恒業(北京)商業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畢 瀚森
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA05
3E060AB04
3E060BC04
3E060CF03
3E060DA13
3E060DA14
3E060EA13
(57)【要約】
包装箱のシール構造、シール構造の製造プロセス及び包装箱を開示する。シール構造は、プルタブ(1)と、内フィルム(5)と、閉塞シート(2)とを含み、プルタブは、包装箱の開口の外側を覆い、プルタブの面積は開口の面積よりも大きく、閉塞シートは、開口の形状にマッチングし、かつ開口の位置に対応しており、内フィルムは、開口の内側を覆い、内フィルムの面積は開口の面積よりも大きく、プルタブは外力の作用下で、内フィルムを開口で破断させることができ、開口の開封を実現し、また、閉塞シートは外力の作用下で、開口に埋め込むことができ、開口の封止を実現する。包装箱にこのシール構造を設けることにより、包装箱の開口を繰り返し開閉することができ、プラスチックの使用量を効果的に削減し、より環境に優しく、製造コストを低減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、前記シール構造は、プルタブと、内フィルムと、閉塞シートとを含み、
前記プルタブは、前記包装箱の開口の外側を覆い、前記プルタブの面積は前記開口の面積よりも大きく、前記閉塞シートは、前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しており、前記内フィルムは、前記開口の内側を覆い、前記内フィルムの面積は前記開口の面積よりも大きく、
前記プルタブは外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現する、ことを特徴とする包装箱のシール構造。
【請求項2】
前記閉塞シートは、前記プルタブの内側面に位置し、前記内フィルムは、前記閉塞シートに固定接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項3】
前記閉塞シートは、前記プルタブの外側面に位置し、前記内フィルムは、前記プルタブに固定接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項4】
前記閉塞シートは、前記内フィルムの内側面に位置し、前記プルタブは、前記内フィルムに固定接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項5】
前記シール構造は、前記開口の外側に設けられた外フィルムをさらに含み、前記外フィルムの外側に前記プルタブが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項6】
前記外フィルムの面積は前記プルタブの面積よりも小さく、又は、前記外フィルムの長さは前記プルタブの長さよりも小さく、前記プルタブ部分は前記外フィルムに固定接続されている、ことを特徴とする請求項5に記載のシール構造。
【請求項7】
前記閉塞シートの材質は、プラスチック、紙、紙とプラスチックによる複合材料、又は生分解性材料である、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項8】
前記プルタブは、バリア材と溶融性材料とを含む複合材料であり、前記バリア材は、アルミニウム箔又はバリア紙のうちの少なくとも1種であり、前記溶融性材料は、プラスチック、PLA又はPBATから選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項9】
前記内フィルムは、PEフィルム又は複合フィルムである、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項10】
前記閉塞シートの縁部には面取りが施されているか、又は傾斜面が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項11】
前記傾斜面には、水平方向の円弧状突起又は円弧状溝がいくつか設けられている、ことを特徴とする請求項10に記載のシール構造。
【請求項12】
前記閉塞シートの厚みは、前記複合包装材のベース層の厚みの1/8~8倍である、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項13】
前記閉塞シートの厚みは、前記複合包装材のベース層の厚みの2~4倍である、ことを特徴とする請求項12に記載のシール構造。
【請求項14】
前記閉塞シートの一方側の厚みは他方側の厚みよりも小さく、前記閉塞シートの厚みが小さい側から前記プルタブを引き上げる、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項15】
前記シール構造は、前記複合包装材と前記プルタブ又は前記閉塞シートとを接続する接続部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項16】
前記シール構造は、前記プルタブの端部となる接続部材をさらに含み、前記プルタブの端部が前記複合包装材に接続されている、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項17】
前記シール構造は、一方端が前記開口の内側付近の前記内フィルム又は前記最内層に固定接続され、他方端が前記閉塞シートに固定接続される接続部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載のシール構造。
【請求項18】
前記閉塞シートは中空構造である、及び/又は、前記閉塞シートの中央部位に開孔を有する、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項19】
前記閉塞シートは、前記開口側に凹んで凹部を形成する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のシール構造。
【請求項20】
前記凹部は、開孔を有する、ことを特徴とする請求項19に記載のシール構造。
【請求項21】
包装箱のシール構造の製造プロセスであって、
複合包装材に穴を開けて、開口を形成するステップS1と、
前記開口の内側及び外側にそれぞれ内フィルム及びプルタブを設け、前記内フィルム及び前記プルタブの面積はいずれも前記開口の面積よりも大きいステップS2と、
前記プルタブ又は前記内フィルムに閉塞シートを設け、前記閉塞シートは前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しているステップS3と、
ヒートシールプロセス又は接着プロセスによって前記内フィルムと前記閉塞シートと前記プルタブとを固定接続し、これにより、前記プルタブが外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、また、前記閉塞シートが押圧された状況下で、前記閉塞シートを前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現する、ステップS4と、を含むことを特徴とする包装箱のシール構造の製造プロセス。
【請求項22】
前記開口の外側に外フィルムを設けるステップ、又は、
前記複合包装材の外側に外フィルムを設け、前記外フィルムで覆われた面積内に穴を開けて前記開口を形成するステップ、をさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の製造プロセス。
【請求項23】
ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、前記シール構造は、内フィルムと閉塞シートとを含み、前記内フィルムと前記閉塞シートとが固定接続されており、
前記閉塞シートは、前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しており、前記内フィルムは、前記開口の内側を覆い、前記内フィルムの面積は前記開口の面積よりも大きく、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現する、ことを特徴とする包装箱のシール構造。
【請求項24】
前記閉塞シートは、前記開口側に凹んで凹部を形成し、かつ前記開口よりも大きく前記開口と平行な縁部を有し、前記縁部は前記包装箱における開口の外側を覆う、ことを特徴とする請求項23に記載のシール構造。
【請求項25】
ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、前記シール構造は、内フィルムと閉塞シートとを含み、前記内フィルムと前記閉塞シートとが固定接続されており、
前記閉塞シートは、前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しており、前記内フィルムは、前記開口の内側を覆い、前記内フィルムの面積は前記開口の面積よりも大きく、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現し、
前記閉塞シートは、前記開口側に凹んで凹部を形成し、かつ前記開口よりも大きく前記開口と平行な縁部を有し、前記縁部は前記包装箱における開口の外側を覆い、前記凹部は開孔を有する、ことを特徴とする包装箱のシール構造。
【請求項26】
請求項1~20、23~25のうちのいずれか1項に記載のシール構造が設けられている、ことを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年11月15日にて中国特許庁へ出願された、出願番号が202111348620.0で、出願名称が「包装箱のシール構造、シール構造の製造プロセス及び包装箱」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その内容を全て参照により本願に組み込むものとする。
【0002】
本発明は、製品包装の技術分野に属し、特に、包装箱のシール構造、シール構造の製造プロセス及び包装箱に関する。
【背景技術】
【0003】
飲料水、牛乳、ヨーグルトなどの非炭酸液体食品、及びジュースなどの半液体食品は、立体的な包装箱に包装されて販売されることが広く採用されている。液体又は半液体食品の包装箱は、通常、紙による複合包装材で作られ、紙による複合包装材は、紙製のベース層、バリア層(例えばアルミニウム箔)、防水層、最内層などの多層構造を複合して形成される。防水層は、複合包装材の最も外側を覆い、防水、防塵性能を提供することができる。紙製のベース層は、複合包装材に剛性を与えることができる。バリア層は、酸素を遮断することができるため、液体ミルク又はジュースなどの液体食品の保存期間を延ばすことができる。ミネラルウォーター、精製水などの飲料水を充填する場合、複合包装材にバリア層を含まなくてもよい。複合包装材の生産が完了した後、包装材料生産企業から食品充填企業に輸送され、複合包装材は充填企業の充填機で充填、密封、形状を整えるなどの複数の工程を経て液体食品用包装箱が形成される。
【0004】
液体食品用包装箱は、通常、使い捨てシールを採用するか、又はプラスチック製の包装蓋でシールされる。プラスチック製の包装蓋は製造コストが高いだけでなく、分解しにくいプラスチックごみが大量に発生し、環境に大きな負担をもたらす。液体食品用包装箱に採用された使い捨てシール、例えばイージーオーペンタブは、開封しやすく、コストが比較的に低いなどの利点があり、液体食品の包装、特に小容量の液体食品の包装に適しているが、しかし、従来の液体食品用包装箱のイージーオーペンタブは、一度しか開けられず、開封後は開口を再び封止することができないため、再利用できず、イージーオーペンタブを備えた液体食品用包装箱は一時開封に利用できず、持ち運びが不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題に鑑みて、本発明は、上記課題を克服するか、又は上記課題を少なくとも部分的に解決するために、包装箱のシール構造、シール構造の製造プロセス及び包装箱を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術態様を採用する。
【0007】
本願の一側面では、ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、シール構造は、プルタブと、内フィルムと、閉塞シートとを含み、
プルタブは、包装箱の開口の外側を覆い、プルタブの面積は開口の面積よりも大きく、閉塞シートは、開口の形状にマッチングし、かつ開口の位置に対応しており、内フィルムは、開口の内側を覆い、内フィルムの面積は開口の面積よりも大きく、
プルタブは外力の作用下で、内フィルムを開口で破断させることができ、開口の開封を実現し、
閉塞シートは外力の作用下で、開口に埋め込むことができ、開口の封止を実現する、包装箱のシール構造が開示される。
【0008】
さらに、閉塞シートは、プルタブの内側面に位置し、内フィルムは、閉塞シートに固定接続されている。
【0009】
さらに、閉塞シートは、プルタブの外側面に位置し、内フィルムは、プルタブに固定接続されている。
【0010】
さらに、閉塞シートは、内フィルムの内側面に位置し、プルタブは、内フィルムに固定接続されている。
【0011】
さらに、シール構造は、開口の外側に設けられた外フィルムをさらに含み、外フィルムの外側にプルタブが設けられている。
【0012】
さらに、外フィルムの面積はプルタブの面積よりも小さく、又は、外フィルムの長さはプルタブの長さよりも小さく、プルタブ部分は外フィルムに固定接続されている。
【0013】
さらに、閉塞シートの材質は、プラスチック、紙、紙とプラスチックによる複合材料、又は分解性生体材料である。
【0014】
さらに、プルタブは、バリア材と溶融性材料とを含む複合材料であり、バリア材は、アルミニウム箔又はバリア紙のうちの少なくとも1種であり、溶融性材料は、プラスチック、PLA又はPBATから選ばれる少なくとも1種である。
【0015】
さらに、内フィルムは、PEフィルム又は複合フィルムである。
【0016】
さらに、閉塞シートの縁部には面取りが施されているか、又は傾斜面が設けられている。
【0017】
さらに、傾斜面には、水平方向の円弧状突起又は円弧状溝がいくつか設けられている。
【0018】
さらに、閉塞シートの厚みは、複合包装材のベース層の厚みの1/8~8倍である。
【0019】
さらに、閉塞シートの厚みは、複合包装材のベース層の厚みの2~4倍である。
【0020】
さらに、閉塞シートの一方側の厚みは他方側の厚みよりも小さく、閉塞シートの厚みが小さい側からプルタブを引き上げる。
【0021】
さらに、シール構造は、複合包装材とプルタブ又はシールシートとを接続する接続部材をさらに含む。
【0022】
さらに、シール構造は、プルタブの端部となる接続部材をさらに含み、プルタブの端部が複合包装材に接続されている。
【0023】
さらに、シール構造は、一方端が開口の内側付近の内フィルム又は最内層に固定接続され、他方端が閉塞シートに固定接続される接続部材をさらに含む。
【0024】
さらに、閉塞シートは中空構造である、及び/又は、閉塞シートの中央部位に開孔を有する。
【0025】
さらに、閉塞シートは、開口側に凹んで凹部を形成する。
【0026】
さらに、閉塞シートの凹部は、開孔を有する。
【0027】
本願の別の態様では、包装箱のシール構造の製造プロセスであって、
複合包装材に穴を開けて、開口を形成するステップS1と、
開口の内側及び外側にそれぞれ内フィルム及びプルタブを設け、内フィルム及びプルタブの面積はいずれも開口の面積よりも大きいステップS2と、
プルタブ又は内フィルムに閉塞シートを設け、閉塞シートは開口の形状にマッチングし、かつ開口の位置に対応しているステップS3と、
ヒートシールプロセス又は接着プロセスによって内フィルムと閉塞シートとプルタブとを固定接続し、これにより、プルタブが外力の作用下で、内フィルムを開口で破断させることができ、開口の開封を実現し、また、閉塞シートが押圧された状態で、閉塞シートを開口に埋め込むことができ、開口の封止を実現するステップS4と、を含む包装箱のシール構造の製造プロセスが開示される。
【0028】
さらに、製造プロセスは、
開口の外側に外フィルムを設けるステップ、又は、
複合包装材の外側に外フィルムを設け、外フィルムで覆われた面積内に穴を開けて開口を形成するステップ、をさらに含む。
本願のさらに別の態様では、ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、シール構造は、内フィルムと閉塞シートとを含み、内フィルムと閉塞シートとが固定接続されており、
閉塞シートは、開口の形状にマッチングし、かつ開口の位置に対応しており、内フィルムは、開口の内側を覆い、内フィルムの面積は開口の面積よりも大きく、
閉塞シートは外力の作用下で、内フィルムを開口で破断させることができ、開口の開封を実現し、
閉塞シートは外力の作用下で、開口に埋め込むことができ、開口の封止を実現する、包装箱のシール構造が開示される。
【0029】
さらに、閉塞シートは、開口側に凹んで凹部を形成し、かつ開口よりも大きく開口と平行な縁部を有し、縁部は包装箱における開口の外側を覆う。
【0030】
本願のさらに別の態様では、ベース層、バリア層、防水層、及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、前記シール構造は、内フィルムと閉塞シートとを含み、前記内フィルムと前記閉塞シートとが固定接続されており、
前記閉塞シートは、前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しており、前記内フィルムは、前記開口の内側を覆い、前記内フィルムの面積は前記開口の面積よりも大きく、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現し、
前記閉塞シートは、前記開口側に凹んで凹部を形成し、かつ前記開口よりも大きく前記開口と平行な縁部を有し、前記縁部は前記包装箱における開口の外側を覆い、前記凹部は開孔を有する、包装箱のシール構造が開示される。
【0031】
本願のさらに別の態様では、上記のいずれか1項のシール構造が設けられている包装箱が開示される。
【発明の効果】
【0032】
本願の利点及び有益な効果は、次のとおりである。
【0033】
本願のシール構造では、複合包装材の開口位置に、開口の形状にマッチングした閉塞シートを設けることにより、開口の外側に設けられたプルタブ又は閉塞シートに外力を作用させることで、開口位置の内側の内フィルムを包装箱の開口で破断させ、開口の開封を実現し、また、閉塞シートは、外力の作用下で、開口に埋め込むことができ、閉塞シート及び/又はプルタブにより開口の封止を実現し、さらに、包装箱の開口を繰り返し開閉することができ、閉塞シートは従来の開封方法に比べて、プラスチックの使用量を効果的に削減し、より環境に優しく、製造コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下の好適な実施形態の詳細な説明を読めば、他の様々な利点及びメリットは当業者には明らかになるであろう。図面は、好適な実施形態を示す目的にのみ使用されるが、本発明を限定するものではない。また、全図面において、同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0035】
【
図1】本願の実施例1におけるシール構造の縦断面図である。
【
図2】本願の実施例1における別のシール構造の縦断面図である。
【
図3】本願の実施例2におけるシール構造の縦断面図である。
【
図4】本願の実施例3におけるシール構造の縦断面図である。
【
図5】本願の実施例3における別のシール構造の縦断面図である。
【
図6】本願の実施例3におけるさらに別のシール構造の縦断面図及び平面図である。
【
図7】本願の実施例3におけるさらに別のシール構造の縦断面図及び平面図である。
【
図8】本願の実施例4における閉塞シートの上下縁部にそれぞれ傾斜面が設けられたシール構造の縦断面図である。
【
図9】本願の実施例4における閉塞シートの上下縁部にそれぞれ面取りが施されたシール構造の縦断面図である。
【
図10】本願の実施例4における閉塞シートの上縁部に傾斜面が設けられたシール構造の縦断面図である。
【
図11】本願の実施例4における閉塞シートの上縁部に傾斜面が設けられた別のシール構造の縦断面図である。
【
図12】本願の実施例4における閉塞シートに接続部材が設けられたシール構造の縦断面図である。
【
図13】本願の実施例5における包装箱のシール構造の製造プロセスの実施手順を示す図である。
【
図14】本願の実施例5における別の包装箱のシール構造の製造プロセスの実施手順を示す図である。
【
図15】本願の実施例5におけるさらに別の包装箱のシール構造の製造プロセスの実施手順を示す図である。
【
図16】本願の実施例6におけるシール構造の縦断面図である。
【
図17】本願の実施例6における別のシール構造の縦断面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の目的、技術態様及び利点をより明確にするために、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面を参照して、本発明の技術態様を明確かつ完全に説明する。説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全部ではないことは、言うまでもないことである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働なしに得られた他の実施例はすべて本発明の保護範囲内に属する。
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の各実施例による技術態様を詳細に説明する。
【0038】
(実施例1)
本実施例では、包装箱のシール構造が開示され、この包装箱は複合包装材からなり、複合包装材は、ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む。ここで、複合包装材のベース層には、一般に、白地の紙やクラフト紙のような原紙が採用され、ベース層は、包装箱が安定した外形を維持するために複合包装材に必要な剛性を与えることができる。バリア層は、液体食品の包装に使用される複合包装材にとって重要であり、液体食品の保存期間において重要な役割を果たす。酸素の侵入は食品包装の包装内容物を変質させる主な原因であるが、バリア層は、包装容器の内部への酸素の侵入を防止することによって食品の保存期間を延ばす。通常、複合包装材にはアルミニウム箔をバリア層として使用する。防水層は一般に熱可塑性樹脂であり、好ましくは、低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene、LDPE)、メタロセンポリエチレン(m―PE)、又はこれらの混合物を含むがこれらに限られないポリオレフィンである。防水層は、複合包装材の最も外側に位置し、防水、防塵性能を提供することができ、複合包装材の印刷された画像や文字が磨耗しないように保護することができる。複合包装材の最内層は、包装内容物に直接接触している。最内層は一般に熱可塑性樹脂であり、好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレン(Linear Low Density Polyethylene、LLDPE)、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、又はこれらの混合物を含むがこれらに限られないポリエチレン(Polyethylene、PE)などのポリオレフィンを含む。ベース層とバリア層との間、バリア層と最内層との間には一般にさらに接着層が設けられており、接着層は、隣接する2つの層間を接着するように機能し、一般的には、変性ポリプロピレン系熱可塑性接着ポリマーなどの接着性ポリマー層を採用する。包装箱には、包装内容物が流出したり飲み込まれたりする出口となる開口が設けられており、開口は、穿孔装置によって複合包装材に穴を開けることにより実現され、開口が存在する位置には、開口を閉じるためのシール構造が対応して設けられている。
【0039】
図1に示すように、本実施例のシール構造は、プルタブ1と、内フィルム5と、閉塞シート2とを含む。
【0040】
プルタブ1は、複合包装材3における開口4の外側を覆う。本願において特に断りがない限り、外側とは外気に向く側を指し、内側とは包装内容物に向く側を指す。プルタブ1の面積は、開口4の面積よりも大きい。プルタブ1は、一般に複合材料で作製され、バリア材と溶融性材料とを含む複合材料であってもよく、バリア材は、アルミニウム箔又はバリア紙のうちの少なくとも1種であり、溶融性材料は、プラスチック、PLA又はPBATから選ばれる少なくとも1種である。例えば、プルタブ1は、バリア紙(例えばナノセルロース紙)とPEとの複合体、又は、アルミニウム箔とPEとの複合体である。ここで、バリア紙又はアルミニウム箔の代わりに、LDPE(Low-density Polyethylene、低密度ポリエチレン)、HDPE(High Density Polyethylene、高密度ポリエチレン)、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)、PA(Polyamide、ポリアミド)、PLA(Polylactic Acid、ポリ乳酸)又はPBAT(Butyleneadipate-co-terephthalate、ポリ・ブチレン・アジペート・コ・テレフタレート)、紙などの材質を用いてもよい。アルミニウム箔で作られるプルタブ1は、電気加熱で固定することができ、電気加熱により、プルタブ1におけるPEが加熱時に溶融して、プルタブ1を複合包装材3に固定接着する。PEの代わりにPP、PA、PLA又はPBATなどを用いてもよい。作製材料にアルミニウム箔を含まないプルタブ1は、接着により複合包装材3に固定することができる。
【0041】
内フィルム5は、開口4の内側を覆う。内フィルム5の面積は、開口4の面積よりも大きい。内フィルム5は、PE(Polyethylene、ポリエチレン)フィルム又は複合フィルムであってもよく、例えば、EVOH(Ethylene vinyl alcohol copolymer、エチレンビニルアルコール共重合体)材料の両側にPEを積層し、EVOHとPEとを接着剤で粘着して、PE/接着剤/EVOH/接着剤/PEの複合材料を形成する。ここで、EVOHは、PVOH(Polyvinyl Alcohol、ポリビニルアルコール)、PVDC(Poly-vinylidene Chloride、ポリ塩化ビニリデン)、PA(Polyamide、ポリアミド)又はAl2O3などの金属酸化物の蒸着フィルムに置き換えてもよく、これにより、複合材料で作られる内フィルム5に一定のバリア性を持たせ、包装内容物の保存期間を延ばすことができる。
【0042】
本実施例では、
図1に示すように、閉塞シート2は、プルタブ1の内側に位置し、内フィルム5は、開口4以外の部分で複合包装材3の最内層に貼り合わせられ、開口4における内フィルム5は、閉塞シート2に固定接続され、すなわち、閉塞シート2はプルタブ1と内フィルム5の間に位置する。閉塞シートの中央に開孔を有してもよく、開孔の大きさは制限されない。外力の作用下で閉塞シートは開口に埋め込むことができ、閉塞シートとプルタブとが共同して開口の封止を実現する。
【0043】
閉塞シート2の材質は、プラスチック、紙、紙とプラスチックによる複合材料、又は生分解性材料である。閉塞シート2は、プラスチックなどの射出成形可能な材質で作製されることができ、具体的にはPE、好ましくはLDPE、HDPE、或いは、PP、PA、PLA又はPBATなどのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせ、例えばPE/PLAの組み合わせであってもよい。作製された閉塞シート2は、開口4にマッチングした形状を有し、かつ開口4を封止するのに十分な材質強度を有するものであれば、中実構造であっても中空構造であってもよい。中空の閉塞シートは、さらなるプラスチック削減が可能であるだけでなく、より優れた伸縮弾性を有し、埋め込んだ後に開口をよりよく封止することができる。閉塞シート2は、紙、又は、紙とプラスチックによる複合体で作製されることもできる。もちろん、閉塞シート2は他の材質、例えば木、竹などであってもよく、これも本願の保護範囲内にある。閉塞シート2を作製し成形した後、プルタブ1に固定する。閉塞シート2がプラスチックなどの射出成形可能な材質である場合、先に閉塞シート2を作製し成形し、その後、プルタブ1の内側に固定することができる。また、プルタブ1の内側に閉塞シート2を直接射出成形してから、閉塞シート2を備えたプルタブ1を複合包装材3に固定することもできる。製造中にプルタブ1、閉塞シート2及び内フィルムは、それぞれ異なる材質で作製し、そしてヒートシール又は接着により結合することができる。また、プルタブ1、閉塞シート2及び内フィルム5は、同じ材質で作製することもでき、この場合、本実施例ではプルタブ1を閉塞シート2と一体に作製し成形することも可能である。
【0044】
具体的には、閉塞シート2は、プルタブ1に固定される。閉塞シート2は、開口4の形状にマッチングし、かつ開口4の位置に対応している。閉塞シート2の一方面がプルタブ1に固定接続され、閉塞シート2の他方面が内フィルム5に固定接続される。外力の作用下で、例えばプルタブ1を持ち上げたりプルタブ1を押し下げたりする際に、閉塞シート2とプルタブ1との間の結合力、及び閉塞シート2と内フィルム5との間の結合力は、いずれも内フィルム5の引裂強さよりも大きいため、開口4の位置における内フィルム5が引き裂かれて、開口4の開封を実現し、このとき開口4から液体を注ぎ出すことができる。引裂強さ(Tear strength)とは、内フィルム5を引き裂くのに必要な力である。開封後、閉塞シート2を開口4から引き出す及び/又は押し戻すことができ、例えば閉塞シート2を押圧して開口4に埋め込むことにより、開口4の封止を実現する。閉塞シート2が開口4をよりよく封止するためには、閉塞シート2の全体のサイズを開口4よりもやや大きくするか、又は閉塞シート2の一部のサイズを開口4よりもやや大きくすることができ、さらに閉塞シート2を開口4の縁部によりしっかりと接触させることができ、これにより包装箱内の液体の流出を効果的に防止する。閉塞シート2の中央部位に開孔が設けられることができ、開孔は、閉塞シート2のプラスチック使用量をさらに削減することができ、環境保護やプラスチック削減のニーズに一層応える。閉塞シート2に開孔が設けられていれば、開口4の開封前又は再封止後に、閉塞シート2は、主にその外縁部と開口4の内縁部との密閉により開口4の封止を実現し、同時に、開孔部分は閉塞シート2とプルタブ1との固定接続により封止される。また、閉塞シート2は中空構造であってもよく、閉塞シート2の中央部分に開孔が設けられていてもよい。閉塞シート2の中空構造及びその中央部位の開孔は、閉塞シート2のプラスチック使用量をさらに削減することができ、さらに、閉塞シートの伸縮弾性をより優れたものにすることができ、埋め込んだ後に開口の縁部とより密に結合して、開口をよりよく封止することができる。
【0045】
図1に示すように、シール構造は、開口4の外側に設けられた外フィルム6をさらに含んでもよく、外フィルム6の外側にプルタブ1が設けられている。外フィルム6はPE(Polyethylene、ポリエチレン)であってもよく、また、外フィルム6は、OPP(Oriented Polypropylene、延伸ポリプロピレン)とPEの複合材料で作製されることもでき、OPPは、HDPE、PP、PET/PBTなどのポリエステル材料に置き換えてもよい。穴開け前に、複合包装材3の穴開け予定位置に外フィルム6を予め設けておき、外フィルム6で覆われた面積内に穴を開けて開口4を形成することができ、開口4の面積は外フィルム6の面積よりも小さい。あるいは、先に複合包装材3に穴を開け、穴開け位置の複合包装材3の外側に外フィルム6を設けることもでき、外フィルム6が開口4を完全に覆うように外フィルム6の面積を開口4の面積よりも大きくしなければならない。その具体的な構造は
図2を参照してほしい。プルタブ1がアルミニウム箔を含む場合、プルタブ1を電気加熱により加熱し、プルタブ1を外フィルム6に貼り合わせて複合包装材3に固定する。外フィルム6は、プルタブ1と複合包装材3との結合力が強いことに起因して、開封時にプルタブ1を引き上げる際に複合包装材3を損傷するのを回避することができる。複合包装材3の最外層がOPPなどの材料であれば、プルタブ1をOPPなどの材料に粘着した後に剥離するための力で複合包装材3が破れることがないので、外フィルムを不要とすることができる。また、プロセス中の位置決め誤差を考慮して、プルタブ1の幅を外フィルム6よりもやや狭くすることができる。
【0046】
プルタブ1は、一部のみが外フィルム6に貼り合わせられることが好ましく、このとき、プルタブ1は、少なくとも一部が複合包装材3に固定されておらず、外フィルム6の面積をプルタブ1の面積よりも小さくするか、又は外フィルム6の長さをプルタブ1の長さよりも小さくすることができ、プルタブ1の固定されていない部分は、開封時にプルタブ1を持ち上げるのに便利である。
【0047】
さらに、シール構造は、開封後にプルタブ1が包装箱から完全に離脱することを防止するための接続部材をさらに含んでもよい。接続部材は接続ベルト又は接続ストリップであってもよく、例えば、接続部材は、射出成形可能な材質を用いて閉塞シート2と一体に射出成形することができ、閉塞シート2をプルタブ1に固定して、接続部材を複合包装材3に固定する。また、閉塞シート2と接続部材とを別々に作製し、そして接着、ホットメルトにより接続部材の一方端をプルタブ1又は閉塞シート2に固定し、接続部材の他方端を複合包装材3に固定することもできる。
【0048】
また、プルタブ1の端部を接続部材とし、プルタブ1の一方端を複合包装材3に接着又は固定することもでき、プルタブ1が他方端から持ち上げられた後も、包装箱に接続されたままであるため、プルタブ1が包装箱から完全に離脱することを防止し、開封後の閉塞シート2の保存及び開口4への再装着がより容易になる。
【0049】
接続部材は、複合包装材3の一部であってもよい。例えば、複合包装材3に穴を開けて開口4を形成する際に、穴開け位置の複合包装材3を完全に切断することなく、切り裂かれた複合包装材3を開口の外側に向けて持ち上げてプルタブ1に接続し、例えば、プルタブ1の外側に接続する。プルタブ1の内側の閉塞シート2が内フィルム5に接着されて開口4を封止し、開封後も、プルタブ1は切り裂かれた複合包装材3を介して包装箱に接続することができる。また、接続部材は、複合包装材3上に射出成形により形成されたリミット又はスナップフィット機構などであってもよく、接続部材は、開封後のプルタブ1を包装箱に直接又は間接的に接続したままにして、閉塞シート2による開口4の繰り返しの開封がより容易になる。
【0050】
(実施例2)
本実施例では、包装箱のシール構造が開示され、上記の実施例1と比較して、
図3に示すように、閉塞シート2がプルタブ1の外側に位置し、内フィルム5がプルタブ1に固定接続され、さらに開口4を封止する点で相違する。
【0051】
プルタブ1を複合包装材3の開口4の外側の位置に貼り付け、プルタブ1と開口4の外側の複合包装材3の防水層とを貼り合わせる。また、開口4にはさらに外フィルム6が設けられていれば、プルタブ1と開口4の外側の外フィルム6とを貼り合わせる。作製されたプルタブ1がアルミニウム箔を含む場合、プルタブ1を電気加熱により加熱して、内フィルム5を開口4の位置でプルタブ1に貼り合わせることができ、内フィルム5が開口4以外の部分で開口4の内側の複合包装材3の最内層に貼り合わせられて、開口4を封止する。
【0052】
閉塞シート2の材質は、プラスチック、紙、紙とプラスチックによる複合材料、又は生分解性材料である。閉塞シート2は、プラスチックなどの射出成形可能な材質で作製されることができ、具体的にはPE、好ましくはLDPE、HDPE、或いは、PP、PA、PLA又はPBATなどのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせ、例えばPE/PLAの組み合わせであってもよい。先にプルタブ1を開口4の外側に固定し、その後、プルタブ1上に閉塞シート2を射出成形により形成するか、又は予め作製された閉塞シート2を接着することができる。あるいは、先に閉塞シート2を射出成形又は接着によりプルタブ1の外側面に予め固定しておき、その後、プルタブ1の内側を複合包装材3の開口4の外側に貼り合わせることができる。作製された閉塞シート2は、開口4にマッチングした形状を有し、かつ開口4を封止するのに十分な材質強度を有するものであれば、中実構造であっても中空構造であってもよい。製造中にプルタブ1、閉塞シート2及び内フィルム5は、それぞれ異なる材質で作製し、そしてヒートシール又は接着により結合することができる。また、プルタブ1、閉塞シート2及び内フィルム5は、同じ材質で作製することもでき、この場合、本実施例ではプルタブ1を閉塞シート2と一体に作製することもできる。閉塞シート2の中央部位に開孔を設けることができ、開孔は、閉塞シート2のプラスチック使用量をさらに削減することができ、環境保護やプラスチック削減のニーズに一層応える。閉塞シート2に開孔が設けられていれば、開口4の開封前又は再封止後に、閉塞シート2は、主にその外縁部と開口4の内縁部との密閉により開口4の封止を実現し、同時に、開孔部分は閉塞シート2とプルタブ1との固定接続により封止される。また、閉塞シート2は中空構造であってもよく、閉塞シート2の中央部位に開孔が設けられていてもよい。閉塞シート2の中空構造及びその中央部位の開孔は、閉塞シート2のプラスチック使用量をさらに削減することができ、さらに、閉塞シートの伸縮弾性をより優れたものにすることができ、埋め込んだ後に開口の縁部とより密に結合して、開口をよりよく封止することができる。
【0053】
外力の作用下で、例えばプルタブ1を持ち上げたりプルタブ1を押し下げたりして内フィルム5を開口4で破断させることにより、開口4の開封を実現する。開封時、閉塞シート2とプルタブ1との間の結合力、及びプルタブ1と内フィルム5との間の結合力は、いずれも内フィルム5の引裂強さよりも大きいため、開口4における内フィルム5は引き裂かれる。開封後、閉塞シート2は開口4から引き出す及び/又は押し戻すことができ、押圧することにより閉塞シート2を開口4に埋め込むことができ、開口4の封止を実現する。
【0054】
好ましくは、
図3に示すように、シール構造は、開口4の外側に設けられた外フィルム6をさらに含んでもよく、外フィルム6の外側にプルタブ1が設けられている。外フィルム6はPE(Polyethylene、ポリエチレン)であってもよく、また、外フィルム6は、OPP(Oriented Polypropylene、延伸ポリプロピレン)とPEの複合材料で作製されることもでき、OPPは、HDPE、PP、PET/PBTなどのポリエステル材料に置き換えてもよい。穴開け前に、複合包装材3の穴開け予定位置に外フィルム6を予め設けておき、外フィルム6で覆われた面積内に穴を開けて開口4を形成することができ、開口4の面積は外フィルム6の面積よりも小さい。あるいは、先に複合包装材3に穴を開け、穴開け位置の複合包装材3の外側に外フィルム6を設けることもでき、外フィルム6が開口4を完全に覆うように外フィルム6の面積を開口4の面積よりも大きくしなければならない。プルタブ1がアルミニウム箔を含む場合、プルタブ1を電気加熱により加熱して、プルタブ1を外フィルム6に貼り合わせて複合包装材3に固定する。外フィルム6は、プルタブ1と複合包装材3との結合力が強いことに起因して、開封時にプルタブ1を引き上げる際に複合包装材3を損傷するのを回避することができる。また、プロセス中の位置決め誤差を考慮して、プルタブ1の幅を外フィルム6よりもやや狭くすることができる。
【0055】
プルタブ1は、一部のみが外フィルム6に貼り合わせられることが好ましく、このとき、プルタブ1は少なくとも一部が複合包装材3に固定されていないため、外フィルム6の面積をプルタブ1の面積よりも小さくするか、又は外フィルム6の長さをプルタブ1の長さよりも小さくすることができ、プルタブ1の固定されていない部分は、開封時にプルタブ1を持ち上げるのに便利である。
【0056】
さらに、シール構造は、開封後にプルタブ1が包装箱から完全に離脱することを防止するための接続部材をさらに含んでもよい。接続部材は接続ベルト又は接続ストリップであってもよく、例えば、接続部材は、射出成形可能な材質を用いて閉塞シート2と一体に射出成形することができ、閉塞シート2をプルタブ1に固定して、接続部材を複合包装材3に固定する。また、プルタブ1を複合包装材3又は外フィルム6に貼り合わせた後、プルタブ1上に閉塞シート2及び接続部材を射出成形により形成し、接続部材を複合包装材3に固定することもできる。さらに、閉塞シート2と接続部材とを別々に作製し、そして接着、ホットメルトにより接続部材の一方端をプルタブ1又は閉塞シート2に固定し、接続部材の他方端を複合包装材3に固定することもできる。
【0057】
また、プルタブ1の端部を接続部材とし、プルタブ1の一方端を複合包装材3に接着又は固定することもでき、プルタブ1が複合包装材3に接着又は固定されていない他方端から持ち上げられた後も、包装箱に接続されたままであるため、プルタブ1が包装箱から完全に離脱することを防止し、開封後の閉塞シート2の保存及び開口4への再装着が容易になる。
【0058】
接続部材は、複合包装材3の一部であってもよい。例えば、複合包装材3に穴を開けて開口4を形成する際に、穴開け位置の複合包装材3を完全に切り離すことなく、切り裂かれた複合包装材3を開口の外側に向けて持ち上げてプルタブ1又は閉塞シート2に接続し、開口4においてプルタブ1と内フィルム5とを貼り合わせて開口4を封止し、開封後、切り裂かれた複合包装材3を介してプルタブ1又は閉塞シート2を包装箱に接続する。また、接続部材は、複合包装材3上に射出成形により形成されたリミット又はスナップフィット機構などの形態であってもよく、開封後のプルタブ1を包装箱に直接又は間接的に接続したままにする構造はすべて接続部材と見なすことができる。
【0059】
上述のように、上記実施例のシール構造では、複合包装材3における開口4の外側にプルタブ1を設け、そして、プルタブ1の内側面又は外側面に開口4の形状にマッチングした閉塞シート2を設けることにより、外力の作用下で内フィルム5を開口4で破断させ、開口4の開封を実現し、また、閉塞シート2は、外力の作用下で、開口4から引き出す及び/又は押し戻すことができ、さらに包装箱の開口4を繰り返し開閉することができ、プラスチックの使用量を効果的に削減し、環境により優しく、製造コストを低減する。
【0060】
(実施例3)
本実施例では、閉塞シート2の面積は開口4よりも大きく、閉塞シート2は、開口4を完全に覆い、開口4において内側に凹んで凹部を形成し、かつ開口4よりも大きく開口4と平行な縁部を有しており、縁部は包装箱における開口4の外側を覆う。
図4に示すように、プルタブ1の内側に位置する閉塞シート2は、開口4において、内側に凹んだ凹部を有する。また、
図5に示すように、プルタブ1の外側に位置する閉塞シート2は、開口4において、内側に凹んだ凹部を有する。閉塞シート2の凹部は、閉塞シート2の体積を減らすことができ、さらに、閉塞シート2を形成するために必要なプラスチックの使用量を大幅に削減することができ、環境保護やプラスチック削減のニーズに一層応える。さらに、穴開け又は射出成形により閉塞シート2に開孔を形成することもできる。
図6に示すように、プルタブ1の内側に位置する閉塞シート2は、開口4において、内側に凹み開孔を有する凹部を有する。また、
図7に示すように、プルタブ1の外側に位置する閉塞シート2は、開口4において、内側に凹み開孔を有する凹部を有する。閉塞シート2上の開孔はストロー穴として用いることができ、ストローを閉塞シート2上の開孔から包装箱内に直接差し込むことができる。ストローを使用しないときは、プルタブ1を介して開口4を直接開封することができ、開封後、閉塞シート2を押し戻すことで、閉塞シート2の凹部を埋め込ませて開口4を封止することができる。閉塞シート2上の開孔は、より柔軟な開口の開封方法を提供するとともに、閉塞シート2のプラスチック使用量をさらに削減することができる。開孔の大きさは限定されない。閉塞シート2に開孔が設けられていれば、開口4の開封前又は再封止後に、開孔部分は、閉塞シート2とプルタブ1との固定接続により封止される。シール構造は、開口4の外側かつプルタブ1の内側に設けられた外フィルム6をさらに含んでもよい。
【0061】
作製された閉塞シート2は、開口4にマッチングした形状を有し、かつ開口4を封止するのに十分な材質強度を有するものであれば、中実構造であっても中空構造であってもよい。閉塞シート2の材質は、プラスチック、紙、紙とプラスチックによる複合材料、又は生分解性材料である。製造中にプルタブ1、閉塞シート2及び内フィルム5は、それぞれ異なる材質で作製し、そしてヒートシール又は接着により結合することができる。もちろん、プルタブ1、閉塞シート2及び内フィルム5は、同じ材質で作製することもでき、この場合、プルタブ1を閉塞シート2と一体に作製することも可能である。
【0062】
(実施例4)
本実施例では、包装箱のシール構造が開示され、上記の3つの実施例と比較して、
図8~
図12に示すように、閉塞シート2が、包装内容物に向く側である内フィルム5の内側に位置する点で相違する。
【0063】
内フィルム5を複合包装材3の開口4の内側に設け、内フィルム5を加熱して、内フィルム5を開口4以外の位置で複合包装材3の内側の最内層に貼り合わせる。そして、予め作製され成形された閉塞シート2を、内フィルム5の内側であって開口4に対応する位置に固定するか、又は、内フィルム5の内側であって開口4に対応する位置に閉塞シート2を射出成形により形成する。
【0064】
また、先に閉塞シート2を内フィルム5に固定し、そして内フィルム5を複合包装材3の開口4の内側に貼り合わせることもでき、具体的には、例えば内フィルム5の一方側に閉塞シート2を射出成形により形成するか、又は予め作製され成形された閉塞シート2を固定し、内フィルム5を加熱して、内フィルム5の他方側を複合包装材3の開口4の内側に貼り合わせて封止する。
【0065】
閉塞シート2の材質は、プラスチック、紙、紙とプラスチックによる複合材料、又は生分解性材料である。閉塞シート2は、開口4にマッチングした形状を有し、かつ開口4を封止するのに十分な材質強度を有するものであれば、中実構造であっても中空構造であってもよい。製造中にプルタブ1、閉塞シート2及び内フィルム5は、それぞれ異なる材質で作製し、そしてヒートシール又は接着により結合することができる。もちろん、プルタブ1、閉塞シート2及び内フィルム5は、同じ材質で作製することもでき、例えば、本実施例では閉塞シート2を内フィルム5と一体に作製することが可能である。
【0066】
開封時に、内フィルム5が破断し、プルタブ1、内フィルム5の破断部分及び閉塞シート2が全体として開口4から離れる。また、閉塞シート2の中央に開孔が設けられてもよく、開孔の大きさは限定されない。閉塞シート2に開孔が設けられていれば、開孔4の開封前に、開孔部分は、内フィルム5とプルタブ1との固定接続により封止され、一方、開封後、閉塞シート2は内フィルム5を介してプルタブ1に固定接続されたままであり、閉塞シート2を開口4から引き出した後に再び開口4に埋め込むことができ、開孔部分は、プルタブ1と引き裂かれた内フィルム5とにより閉じられる。
【0067】
図8~
図12に示すように、シール構造は、開口4の外側に設けられた外フィルム6をさらに含んでもよく、外フィルム6の外側にプルタブ1が設けられている。外フィルム6はPE(Polyethylene、ポリエチレン)であってもよく、また、外フィルム6は、OPP(Oriented Polypropylene、延伸ポリプロピレン)とPEの複合材料で作製されることもできる。OPPは、HDPE、PP、PET/PBTなどのポリエステル材料に置き換えてもよい。製造過程において、先に外フィルム6を複合包装材3に接着し、その後、外フィルム6で覆われた面積内に穴を開けて開口4を形成することができる。あるいは、先に複合包装材3に穴を開けて開口4を形成し、そして外フィルム6を開口4の外側に設けることもでき、外フィルム6が開口4を完全に覆うことができるように外フィルム6の面積を開口4の面積よりも大きくする。
【0068】
プルタブ1は、一部のみが外フィルム6に貼り合わせられることが好ましく、このとき、プルタブ1は少なくとも一部が複合包装材3に固定されていないため、外フィルム6の面積をプルタブ1の面積よりも小さくするか、又は外フィルム6の長さをプルタブ1の長さよりも小さくすることができ、プルタブ1を持ち上げることが容易になる。内フィルム5と閉塞シート2との間、内フィルム5とプルタブ1との間、外フィルム6とプルタブ1との間は、ヒートシール又は接着又は超音波又はインダクタンスにより固定接続されている。
【0069】
さらに、シール構造は、開封後にプルタブ1が包装箱から完全に離脱することを防止するための接続部材をさらに含んでもよい。具体的には、
図12に示すように、接続部材8の一方端は、開口4の周辺の内フィルム5に接続されており、また、接続部材8の一方端は、開口4付近の複合包装材3の最内層に接続されることもでき、接続部材8の他方端は、閉塞シート2に固定接続されている。プルタブ1が持ち上げられた後も、閉塞シート2は接続部材8を介して包装箱との接続を実現し、閉塞シート2が包装箱から離脱することをさらに防止する。例えば、接続部材8は、接続ベルト又は接続ストリップであってもよく、接続部材8は、射出成形可能な材質を用いて閉塞シート2と一体に射出成形により形成することができる。
【0070】
図8~
図12に示すように、閉塞シート2の縁部には面取りが施されているか、又は傾斜面が設けられており、これにより、外力の作用下で閉塞シート2が開口4に埋め込まれやすくなったり、閉塞シート2が開口4に埋め込まれた後に開口4から離脱しにくくなったりして、開口4を封止する堅牢性を保証する。
【0071】
好適な実施例では、
図11に示すように、傾斜面には、水平方向の円弧状突起又は円弧状溝7がいくつか設けられている。閉塞シート2が開口4に埋め込まれると、開口4の縁部がちょうど2つの円弧状突起の接続箇所又は円弧状溝7内に位置し、閉塞シート2と包装箱との相対的な固定を実現し、閉塞シート2が開口4から離脱することを効果的に防止することができるとともに、包装箱内の液体の流出を防止することができる。
【0072】
複合包装材3は、紙製のベース層、バリア層(例えばアルミニウム箔)、防水層、最内層、接着層などの多層構造を複合して形成される。閉塞シート2の厚みは、複合包装材3のベース層の厚みの1/8~8倍である。好ましくは、閉塞シート2の厚みは、複合包装材3のベース層の厚みの2~4倍である。1つ又はいくつかの実施例では、
図12に示すように、閉塞シート2の一方側の厚みは、他方側の厚みよりも小さい。閉塞シート2の厚みが小さい側に接続部材が設けられている場合、又は閉塞シート2に接続部材が設けられていない場合、閉塞シート2の厚みが大きい側からプルタブ1を引き上げる。より好ましくは、閉塞シート2の厚みが大きい側に接続部材8が設けられている場合、閉塞シート2の厚みが小さい側からプルタブ1を引き上げる。
【0073】
(実施例5)
本願の一実施例では、包装箱のシール構造の製造プロセスが開示されている。
図13に示すように、この製造プロセスは以下のステップを含む。
【0074】
ステップS1:複合包装材に穴を開けて、開口を形成する。
【0075】
ステップS2:開口の内側及び外側にそれぞれ内フィルム及びプルタブを設け、内フィルム及びプルタブの面積はいずれも開口の面積よりも大きい。
【0076】
ステップS3:プルタブ又は内フィルムに閉塞シートを設け、閉塞シートは開口の形状にマッチングし、かつ開口の位置に対応している。
【0077】
ステップS4:ヒートシールプロセス又は接着プロセスによって内フィルムと閉塞シートとプルタブとを固定接続し、これにより、プルタブが外力の作用下で、内フィルムを開口で破断させることができ、開口の開封を実現し、また、閉塞シートが押圧された状況下で、閉塞シートを開口に埋め込むことができ、開口の封止を実現する。
【0078】
一実施例では、
図14に示すように、包装箱のシール構造の製造プロセスは、
開口の外側に外フィルムを設けるステップをさらに含む。
【0079】
別の実施例では、
図15に示すように、包装箱のシール構造の製造プロセスは、
複合包装材の外側に外フィルムを設け、外フィルムで覆われた面積内に穴を開けて開口を形成するステップをさらに含む。
【0080】
プルタブは外フィルムの上方に設けられ、プルタブ部分は外フィルムに接着されている。このとき、プルタブは、少なくとも一部が複合包装材に固定されておらず、例えば外フィルムの面積をプルタブの面積よりも小さくするか、又は外フィルムの長さをプルタブの長さよりも小さくすることができ、プルタブの接着されていない部分は、開封時にプルタブを持ち上げるのに便利である。プルタブは、一般に複合材料、例えば紙とPEとの複合体又はアルミニウム箔とPEとの複合体を用いて作製され、紙はナノセルロース紙のようなバリア紙であってもよい。ここで、紙又はアルミニウム箔の代わりに、LDPE(Low-density Polyethylene、低密度ポリエチレン)、HDPE(High Density Polyethylene、高密度ポリエチレン)、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)、PA(Polyamide、ポリアミド)、PLA(Polylactic Acid、ポリ乳酸)又はPBAT(Butylene adipate-co-terephthalate、ポリ・ブチレン・アジペート・コ・テレフタレート)などの材質を用いてもよい。
【0081】
一実施例では、閉塞シートをプルタブの内側に固定し、複合包装材の開口位置で内フィルムを閉塞シートに固定接続して開口を封止する。具体的な方法の1つとしては、例えば、穿孔装置によって複合包装材に穴を開けて開口を形成し、内フィルムを開口の内側に接着し、プルタブに閉塞シートを設け、閉塞シートは開口の形状にマッチングすることが挙げられる。閉塞シートがプラスチックなどの可塑性材料であれば、射出成形プロセスにより、プルタブの内側面に射出成形装置で閉塞シートを射出成形することができる。あるいは、閉塞シートを先に作製し成形してから、閉塞シートをプルタブの内側に固定することもできる。そして、閉塞シートのうちプルタブに固定されていない面を開口位置に対応して設け、閉塞シートと開口における内フィルムとをヒートシールプロセス又は接着プロセスにより固定接続して開口を封止する。
【0082】
さらに、シール構造は、開封後にプルタブが包装箱から完全に離脱することを防止するための接続部材をさらに含んでもよい。具体的には、接続部材は、射出成形可能な材質を用いて閉塞シートと一体に射出成形により形成することができ、例えば、射出成形装置によってプルタブの一面に接続部材を備えた閉塞シートを同時に射出成形するか、又は、先に接続部材付きの閉塞シートを射出成形により形成してから、閉塞シートをプルタブに固定する。そして、閉塞シートと内フィルムとをヒートシール又は接着により固定接続する際に、接続部材の他方端を複合包装材にヒートシール又は接着する。
【0083】
また、プルタブの端部を接続部材とし、プルタブの一方端を複合包装材に接着又は固定することもできる。プルタブが複合包装材に接着又は固定されていない他方端から持ち上げられた後も、包装箱に接続されたままであるため、プルタブが包装箱から完全に離脱することを防止し、開封後の閉塞シートの保存及び開口への再装着が容易になる。
【0084】
接続部材は、複合包装材の一部であってもよい。すなわち、複合包装材に穴を開けて開口を形成する際に、穴開け位置の複合包装材を完全に切断しない。プルタブの一面に閉塞シートを固定接続し、切り裂かれた複合包装材をもプルタブに接続する。閉塞シートを内フィルムに接着して開口を封止し、開封後も、プルタブは切り裂かれた複合包装材を介して包装箱に接続することができる。
【0085】
別の実施例では、閉塞シートをプルタブの外側面に固定し、複合包装材の開口位置で内フィルムをプルタブに固定接続して開口を封止する。
【0086】
具体的な方法の1つとしては、例えば、複合包装材の穴開け予定位置に外フィルムを設け、穿孔装置によって外フィルムの被覆範囲内に穴を開けて開口を形成するか、又は複合包装材から形成された開口に外フィルムを設け、内フィルムを開口の内側に接着し、プルタブに閉塞シートを設け、閉塞シートは開口の形状にマッチングすることが挙げられる。閉塞シートがプラスチックなどの可塑性材料である場合、射出成形プロセスにより、プルタブの外側に射出装置で閉塞シートを射出成形することができる。あるいは、閉塞シートを先に作製し成形してから、閉塞シートをプルタブの外側に固定することもできる。そして、プルタブのうち閉塞シートが設けられていない面と開口における内フィルムとをヒートシールプロセス又は接着プロセスにより固定接続して開口を封止し、封止後に閉塞シートが開口の位置に対応している。
【0087】
さらに、シール構造は、開封後にプルタブが包装箱から完全に離脱することを防止するための接続部材をさらに含んでもよい。具体的には、接続部材は、射出成形可能な材質を用いて閉塞シートと一体に射出成形により形成することができ、例えば、射出成形装置によってプルタブの一面に接続部材を備えた閉塞シートを同時に射出成形するか、又は、先に接続部材付きの閉塞シートを射出成形により形成してから、閉塞シートをプルタブに固定する。そして、プルタブと内フィルムとをヒートシール又は接着により固定接続すると同時に、接続部材の他方端を複合包装材にヒートシール又は接着することができる。
【0088】
また、プルタブの端部を接続部材とし、プルタブの一方端を複合包装材に接着又は固定することもできる。プルタブが複合包装材に接着又は固定されていない他方端から持ち上げられ後も、包装箱に接続されたままであるため、プルタブが包装箱から完全に離脱することを防止し、開封後の閉塞シートの保存及び開口への再装着がより容易になる。
【0089】
接続部材は、複合包装材の一部であってもよい。すなわち、複合包装材に穴を開けて開口を形成する際に、穴開け位置の複合包装材を完全に切断しない。プルタブの一面に閉塞シートを固定接続し、切り裂かれて開口部分を形成する複合包装材を閉塞シートに接続するか、又はプルタブに接続する。プルタブを内フィルムに接着して開口を封止し、開封後も、プルタブは開口部分を形成する複合包装材を介して包装箱に接続することができる。
【0090】
さらに別の実施例では、閉塞シートを内フィルムの内側に固定し、内フィルムに固定接続し、複合包装材の開口位置において、内フィルムとプルタブとを接着して開口を封止する。
【0091】
具体的な方法の1つとしては、例えば、複合包装材の予め設定された位置に外フィルムを設け、穿孔装置によって外フィルムの被覆範囲内に穴を開けて開口を形成するか、又は複合包装材から形成された開口に外フィルムを設け、内フィルムを開口の内側に接着し、さらに内フィルムの内側面に閉塞シートを設けることが挙げられる。あるいは、先に内フィルムの一面に閉塞シートを設けてから、閉塞シート付きの内フィルムを開口の内側に設けることもできる。閉塞シートは、開口の形状にマッチングし、かつ位置が開口に対応している。プルタブと開口における内フィルムとをヒートシールプロセス又は接着プロセスにより固定接続して開口を封止する。
【0092】
さらに、シール構造は、開封後にプルタブが包装箱から完全に離脱することを防止するための接続部材をさらに含んでもよい。具体的には、接続部材は、射出成形可能な材質を用いて閉塞シートと一体に射出成形により形成することができ、例えば、射出成形装置によって内フィルムに接続部材を備えた閉塞シートを同時に射出成形するか、又は、先に接続部材付きの閉塞シートを射出成形により形成してから、閉塞シートを内フィルムに固定する。そして、内フィルムをヒートシール又は接着により開口位置に固定する際に、接続部材の他方端を開口付近の複合包装材の最内層又は内フィルムに固定する。
【0093】
また、プルタブの端部を接続部材とし、プルタブの一方端を複合包装材に接着又は固定することもできる。プルタブが複合包装材に接着又は固定されていない他方端から持ち上げられ後も、包装箱に接続されたままであるため、プルタブが包装箱から完全に離脱することを防止し、開封後の閉塞シートの保存及び開口への再装着が容易になる。
【0094】
一実施例では、閉塞シートの縁部に面取りを施すか、又は傾斜面を形成する。
【0095】
さらに、傾斜面に、水平方向の円弧状突起又は円弧状溝をいくつか形成する。
【0096】
複合包装材は、ベース層、バリア層、防水層、最内層及び接着層を含む。複合包装材のベース層には、一般に、白地の紙やクラフト紙のような原紙が採用される。
【0097】
一実施例では、閉塞シートの厚みは、複合包装材のベース層の厚みの1/8~8倍とする。
【0098】
好適な実施例では、閉塞シートの厚みは、複合包装材のベース層の厚みの2~4倍とする。
【0099】
一実施例では、閉塞シートを作製する際に、閉塞シートの一方側の厚みを他方側の厚みよりも小さくし、好ましくは閉塞シートの厚みが小さい側からプルタブを引き上げる。
【0100】
(実施例6)
本実施例では、包装箱のシール構造が開示されており、実施例1と比較して、本実施例のシール構造が内フィルム5と閉塞シート2とを含むが、プルタブを含まない点で相違する。包装箱は複合包装材3からなり、複合包装材3は、ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む。シール構造は、内フィルム5と閉塞シート2とを含む。閉塞シート2は、開口4の形状にマッチングし、かつ開口4の位置に対応している。内フィルム5は、開口4の内側を覆い、内フィルム5の面積は開口4の面積よりも大きい。閉塞シート2は外力の作用下で、内フィルム5を開口4で破断させることができ、開口4の開封を実現する。また、閉塞シート2は外力の作用下で、開口4に埋め込むことができ、開口4の封止を実現する。
【0101】
シール構造は、開口4の外側に設けられた外フィルム6をさらに含んでもよい。閉塞シート2は外フィルム6を介して複合包装材3に接続されており、閉塞シート2の面積は外フィルム6よりもやや大きくてもよく、外力が閉塞シート2の外フィルム6を越えた部分に作用して開口4を開封することができる。
【0102】
図16に示すように、閉塞シート2の面積は開口4よりも大きく、閉塞シート2は、開口4を完全に覆い、開口4において内側に凹んで凹部を形成し、かつ開口4よりも大きく開口4と平行な縁部を有しており、縁部は包装箱における開口4の外側を覆う。また、
図17に示すように、閉塞シート2の凹部に穴開け又は射出成形により開孔を形成することもでき、開孔の大きさは限定されない。閉塞シート2の凹部の開孔はストロー穴として用いることができ、ストローを閉塞シート2の開孔から包装箱内に直接差し込むことができる。ストローを使用しないときは、閉塞シート2を介して開口4を直接開封することができ、開封後、閉塞シート2を押し戻すことで、閉塞シート2の凹部を埋め込ませて開口4を封止することができる。閉塞シート2に開孔が設けられていれば、開口4の開封前に、内フィルム5を介して開口4の封止を実現し、一方、開封後に、内フィルム5が破断し、開口4の再封止が実現できない。閉塞シート2上の開孔は、より柔軟な開口の開封方法を提供するとともに、閉塞シート2のプラスチック使用量をさらに削減することができる。
【0103】
(実施例7)
本願の一実施例では、包装箱のシール構造の製造プロセスが開示されており、
複合包装材に穴を開けて開口を形成するステップと、
開口の内側には、開口の面積よりも大きい面積を有する内フィルムを設けるステップと、
内フィルムの外側に閉塞シートを設け、閉塞シートは開口の形状にマッチングし、かつ開口の位置に対応しているステップと、
ヒートシールプロセス又は接着プロセスによって内フィルムと閉塞シートとを固定接続し、これにより、閉塞シートが外力の作用下で、内フィルムを開口で破断させることができ、開口の開封を実現し、また、閉塞シートが押圧された状況下で、閉塞シートを開口に埋め込むことができ、開口の封止を実現するステップと、を含む。
【0104】
当業者であれば、実施例5と同様に、上記ステップの順序及び隣接関係は限定されないことを理解できるであろう。例えば、穴を開けて開口を形成する前に、開口の外側に外フィルムを設け、すなわち、先に複合包装材の外側に外フィルムを設けてから、外フィルムで覆われた面積内に穴を開けて開口を形成することができる。また、穴を開けて開口を形成した後、開口の内側に内フィルムを設ける前に、開口の外側に外フィルムを設けることもできる。さらに、開口の内側に内フィルムを設けた後、開口の外側に外フィルムを設けることもできる。また、先に内フィルムに閉塞シートを設けてから、内フィルムと閉塞シートとの結合体を開口に設けることもできる。
【0105】
各隣接部位間の接着方法は、実施例5と同様である。外フィルムが設けられていれば、外フィルムの外側に閉塞シートが設けられ、閉塞シート部分は外フィルムに接着されている。好ましくは、閉塞シートの面積を開口よりも大きくし、閉塞シートは、開口を完全に覆い、開口において内側に凹んで凹部を形成し、かつ開口よりも大きく開口と平行な縁部を有し、縁部は包装箱における開口の外側を覆い、縁部が複合包装材の最外層又は外フィルムに接着されている。
【0106】
本願の一実施例では、上記いずれか1つの実施例におけるシール構造が設けられた包装箱が開示されており、この包装箱は、包装箱の開口を繰り返し開閉することができ、持ち運びが容易であり、より環境に優しい。
【0107】
以上は、本発明の具体的な実施形態にすぎず、本発明の上記教示のもとで、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記の具体的な説明は、本発明の目的をよりよく説明するためのものにすぎず、本発明の保護範囲は請求項の保護範囲に従うべきであることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0108】
1…プルタブ、2…閉塞シート、3…複合包装材、4…開口、5…内フィルム、6…外フィルム、7…円弧状溝、8…接続部材。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、前記シール構造は、プルタブと、内フィルムと、閉塞シートとを含み、
前記プルタブは、前記包装箱の開口の外側を覆い、前記プルタブの面積は前記開口の面積よりも大きく、前記閉塞シートは、前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しており、前記内フィルムは、前記開口の内側を覆い、前記内フィルムの面積は前記開口の面積よりも大きく、
前記プルタブは外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現する、ことを特徴とする包装箱のシール構造。
【請求項2】
前記閉塞シートは、前記プルタブの内側面に位置し、前記内フィルムは、前記閉塞シートに固定接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項3】
前記閉塞シートは、前記プルタブの外側面に位置し、前記内フィルムは、前記プルタブに固定接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項4】
前記閉塞シートは、前記内フィルムの内側面に位置し、前記プルタブは、前記内フィルムに固定接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項5】
前記シール構造は、前記開口の外側に設けられた外フィルムをさらに含み、前記外フィルムの外側に前記プルタブが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項6】
前記外フィルムの面積は前記プルタブの面積よりも小さく、又は、前記外フィルムの長さは前記プルタブの長さよりも小さく、前記プルタブ部分は前記外フィルムに固定接続されている、ことを特徴とする請求項5に記載のシール構造。
【請求項7】
前記閉塞シートの材質は、プラスチック、紙、紙とプラスチックによる複合材料、又は生分解性材料である、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項8】
前記プルタブは、バリア材と溶融性材料とを含む複合材料であり、前記バリア材は、アルミニウム箔又はバリア紙のうちの少なくとも1種であり、前記溶融性材料は、プラスチック、PLA又はPBATから選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項9】
前記内フィルムは、PEフィルム又は複合フィルムである、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項10】
前記閉塞シートの縁部には面取りが施されているか、又は傾斜面が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項11】
前記傾斜面には、水平方向の円弧状突起又は円弧状溝がいくつか設けられている、ことを特徴とする請求項10に記載のシール構造。
【請求項12】
前記閉塞シートの厚みは、前記複合包装材のベース層の厚みの1/8~8倍である、ことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項13】
前記閉塞シートの厚みは、前記複合包装材のベース層の厚みの2~4倍である、ことを特徴とする請求項12に記載のシール構造。
【請求項14】
前記閉塞シートの一方側の厚みは他方側の厚みよりも小さく、前記閉塞シートの厚みが小さい側から前記プルタブを引き上げる、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項15】
前記シール構造は、前記複合包装材と前記プルタブ又は前記閉塞シートとを接続する接続部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項16】
前記シール構造は、前記プルタブの端部となる接続部材をさらに含み、前記プルタブの端部が前記複合包装材に接続されている、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項17】
前記シール構造は、一方端が前記開口の内側付近の前記内フィルム又は前記最内層に固定接続され、他方端が前記閉塞シートに固定接続される接続部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載のシール構造。
【請求項18】
前記閉塞シートは中空構造である、及び/又は、前記閉塞シートの中央部位に開孔を有する、ことを特徴とする請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項19】
前記閉塞シートは、前記開口側に凹んで凹部を形成する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のシール構造。
【請求項20】
前記凹部は、開孔を有する、ことを特徴とする請求項19に記載のシール構造。
【請求項21】
包装箱のシール構造の製造プロセスであって、
複合包装材に穴を開けて、開口を形成するステップS1と、
前記開口の内側及び外側にそれぞれ内フィルム及びプルタブを設け、前記内フィルム及び前記プルタブの面積はいずれも前記開口の面積よりも大きいステップS2と、
前記プルタブ又は前記内フィルムに閉塞シートを設け、前記閉塞シートは前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しているステップS3と、
ヒートシールプロセス又は接着プロセスによって前記内フィルムと前記閉塞シートと前記プルタブとを固定接続し、これにより、前記プルタブが外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、また、前記閉塞シートが押圧された状況下で、前記閉塞シートを前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現する、ステップS4と、を含むことを特徴とする包装箱のシール構造の製造プロセス。
【請求項22】
前記開口の外側に外フィルムを設けるステップ、又は、
前記複合包装材の外側に外フィルムを設け、前記外フィルムで覆われた面積内に穴を開けて前記開口を形成するステップ、をさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の製造プロセス。
【請求項23】
ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、前記シール構造は、内フィルムと閉塞シートとを含み、前記内フィルムと前記閉塞シートとが固定接続されており、
前記閉塞シートは、前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しており、前記内フィルムは、前記開口の内側を覆い、前記内フィルムの面積は前記開口の面積よりも大きく、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現する、ことを特徴とする包装箱のシール構造。
【請求項24】
前記閉塞シートは、前記開口側に凹んで凹部を形成し、かつ前記開口よりも大きく前記開口と平行な縁部を有し、前記縁部は前記包装箱における開口の外側を覆う、ことを特徴とする請求項23に記載のシール構造。
【請求項25】
ベース層、バリア層、防水層及び最内層を含む複合包装材からなる包装箱のシール構造であって、前記シール構造は、内フィルムと閉塞シートとを含み、前記内フィルムと前記閉塞シートとが固定接続されており、
前記閉塞シートは、前記開口の形状にマッチングし、かつ前記開口の位置に対応しており、前記内フィルムは、前記開口の内側を覆い、前記内フィルムの面積は前記開口の面積よりも大きく、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記内フィルムを前記開口で破断させることができ、前記開口の開封を実現し、
前記閉塞シートは外力の作用下で、前記開口に埋め込むことができ、前記開口の封止を実現し、
前記閉塞シートは、前記開口側に凹んで凹部を形成し、かつ前記開口よりも大きく前記開口と平行な縁部を有し、前記縁部は前記包装箱における開口の外側を覆い、前記凹部は開孔を有する、ことを特徴とする包装箱のシール構造。
【請求項26】
請求項
1、23~25のうちのいずれか1項に記載のシール構造が設けられている、ことを特徴とする包装箱。
【国際調査報告】