(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-18
(54)【発明の名称】人工足関節置換術におけるプランジフライス加工および研磨による骨切除方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
A61B17/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532913
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022051613
(87)【国際公開番号】W WO2023102160
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514290052
【氏名又は名称】アースレックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTHREX, INC.
【住所又は居所原語表記】1370 Creekside Blvd, Naples, FL 34108, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マリス・プリエディティス
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】アダム・エヌ・ガーロック
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL03
4C160LL12
(57)【要約】
本開示は、脛骨切除のためのデバイス、システム、キット、および方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
ハンドルと、
前記ハンドルに結合される石目やすりであって、前記石目やすりは、上面、底面、第1の側面、および第2の側面を含み、前記上面の一部は、第1の粗面を含み、前記第1の側面の一部は、第2の粗面を含み、前記第2の側面の一部は、第3の粗面を含み、第1の平滑な曲面は、前記第1の粗面を前記第2の粗面から分離し、かつ第2の平滑な曲面は、前記第1の粗面を前記第3の粗面から分離する、石目やすりと
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記底面は平滑である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記底面は粗くなっている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の粗面は、第1の複数のスパイクを備え、前記第2の粗面は、第2の複数のスパイクを備え、前記第3の粗面は、第3の複数のスパイクを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記石目やすりは、第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを含み、前記第1の粗面は、前記第1の端部から前記第2の端部へと延び、前記第2の粗面は、前記第1の端部から前記第2の端部へと延び、また前記第3の粗面は、前記第1の端部から前記第2の端部へと延びる、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記上面に対する前記第1の側面の角度は、90度よりも大きく、また前記上面に対する前記第2の側面の角度は、90度よりも大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の平滑な曲面の直径は、約0.5から約6.0mmの範囲であり、また前記第2の平滑な曲面の直径は、約0.5から約6.0mmの範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ハンドルの幅は、前記石目やすりの幅未満である、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ハンドルの底面は、前記石目やすりの前記底面と整列される、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
システムであって、
患者の脛骨に取外し可能に結合されるように構成され、第1の複数の貫通孔を含む第1のブッシングと、
前記患者の前記脛骨に取外し可能に結合されるように構成され、第2の複数の貫通孔を含む第2のブッシングと
を備えるシステム。
【請求項11】
前記第1の複数の貫通孔のうちの第1の貫通孔は、前記第1の複数の貫通孔のうちの第2の貫通孔と接する、かつ/またはわずかに重複している、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の複数の貫通孔のうちの第1の貫通孔は、前記第2の複数の貫通孔のうちの第2の貫通孔と接する、かつ/またはわずかに重複している、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の複数の貫通孔のうちの1つ以上の直径は、互いに異なっており、前記第2の複数の貫通孔のうちの1つ以上の直径は、互いに異なっている、請求項10から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の複数の貫通孔のそれぞれの直径は同じであり、また前記第2の複数の貫通孔のそれぞれの直径は同じである、請求項10から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の複数の貫通孔のそれぞれの前記直径は、前記第2の複数の貫通孔のそれぞれの前記直径よりも大きい、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の複数の貫通孔は、前記第2の複数の貫通孔からオフセットされている、請求項10から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
脛骨外部調整ガイドに取外し可能に結合されるように構成された前記第1のブッシングは、前記患者の前記脛骨に直接結合される、請求項10から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記脛骨外部調整ガイドは、第1の貫通孔および第2の貫通孔を含み、前記第1のブッシングは、前記脛骨外部調整ガイドの前記第1の貫通孔を通して取外し可能に配置されるように構成された第1の細長い部材を含み、また前記第1のブッシングは、前記脛骨外部調整ガイドの前記第2の貫通孔を通して取外し可能に配置されるように構成された第2の細長い部材を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の細長い部材および前記第2の細長い部材はそれぞれ、傾斜したコイルばねを含み、それにより前記第1のブッシングを、前記脛骨外部調整ガイドに取外し可能に結合する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記脛骨外部調整ガイドの前記第1の貫通孔、および前記脛骨外部調整ガイドの前記第2の貫通孔はそれぞれ、傾斜したコイルばねを含み、それにより、前記第1のブッシングおよび前記第2のブッシングを前記脛骨外部調整ガイドに取外し可能に結合する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイスと、
請求項10から20のいずれか一項に記載のシステムと
を備えるキット。
【請求項22】
所定の直径を有するリーマをさらに備えており、
前記リーマは、前記第1の複数の貫通孔を通して配置されるように構成され、かつ前記リーマは、前記第2の複数の貫通孔を通して配置されるようにさらに構成される、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記リーマの前記直径は、前記第1の平滑な曲面の直径、および前記第2の平滑な曲面の直径に等しい、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
明確な停止部を提供するように前記リーマに対して取外し可能に結合され、それによりリーマ深さを画定するように構成された深さ停止部をさらに備える、請求項22または23に記載のキット。
【請求項25】
システムであって、
患者の脛骨に取外し可能に結合されるように構成され、第1の複数の貫通孔を含む第1のブッシングと、
前記第1のブッシングの第1の側面に取外し可能に結合されるように構成された患者特有の可処分表面と、
前記第1のブッシングの第2の側面に取外し可能に結合されるように構成された患者特有の深さガイドであって、前記患者特有の深さガイドは、前記第1のブッシングの前記第1の複数の貫通孔と整列される複数の貫通孔を含む、患者特有の深さガイドと
を備えるシステム。
【請求項26】
前記患者特有の可処分表面は、手術前のコンピュータ断層撮影により、かつ/または磁気共鳴映像法データにより、幾何形状またはデータ点を取得することによって作成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記患者特有の深さガイドの前記複数の貫通孔は、様々な距離で、前記患者特有の深さガイドの表面から離れるように延びる、請求項25または26に記載のシステム。
【請求項28】
前記様々な距離はそれぞれ、前記脛骨の測定された前後方向の長さの距離に対応する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記脛骨の前記前後方向の長さは、深さゲージにより前記第1の貫通孔を介して直接的に、手術前のコンピュータ断層撮影により、かつ/または磁気共鳴映像法データにより測定される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
第2のブッシングの第1の側面に取外し可能に結合されるように構成された第2の患者特有の可処分表面と、
前記第2のブッシングの第2の側面に取外し可能に結合されるように構成された第2の患者特有の深さガイドであって、前記第2の患者特有の深さガイドは、前記第2のブッシングの前記第2の複数の貫通孔と整列される複数の貫通孔を含む、第2の患者特有の深さガイドと
をさらに備える、請求項25から29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイスと、
請求項25から30のいずれか一項に記載のシステムと
を備えるキット。
【請求項32】
方法であって、
第1の複数の貫通孔を含む第1のブッシングを、患者の脛骨に取外し可能に結合するステップと、
リーマを、前記第1の複数の貫通孔を通して、前記脛骨の中に押し込むステップと、
第2の複数の貫通孔を含む第2のブッシングを、前記患者の前記脛骨に取外し可能に結合するステップと、
前記リーマを、前記第2の複数の貫通孔を通して、前記脛骨の中に押し込むステップと
を含む方法。
【請求項33】
請求項1から9のいずれか一項に記載の前記デバイスを用いてさらなる脛骨材料を取り除くステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記リーマの直径は、前記第1の平滑な曲面の直径、および前記第2の平滑な曲面の直径に等しい、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記脛骨の前後方向の長さを測定するステップと、
前記脛骨の前記測定された前後方向の長さに対応する距離に、深さ停止部を前記リーマに設けるステップと
をさらに含む、請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記脛骨の前記前後方向の長さは、深さゲージにより前記第1の貫通孔を通して直接的に、手術前のコンピュータ断層撮影により、かつ/または磁気共鳴映像法データにより測定される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
脛骨外部調整ガイドを前記患者の前記脛骨に固定するステップをさらに含む、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
方法であって、
第1の複数の貫通孔を含む第1のブッシングを、患者の脛骨に取外し可能に結合するステップと、
患者特有の可処分表面を前記第1のブッシングの第1の側面に取外し可能に結合するステップと、
患者特有の深さガイドを、前記第1のブッシングの第2の側面に取外し可能に結合するステップであって、前記患者特有の深さガイドは、前記第1のブッシングの前記第1の複数の貫通孔と整列される複数の貫通孔を含む、ステップと、
リーマを、前記第1の複数の貫通孔を通し、前記患者特有の可処分表面を通して、前記患者の前記脛骨の中に押し込むステップと
を含む方法。
【請求項39】
前記患者の前記脛骨から、前記第1のブッシングを取り外すステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第2の複数の貫通孔を含む第2のブッシングを、前記患者の前記脛骨に結合するステップをさらに含む、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
第2の患者特有の可処分表面を第2のブッシングの第1の側面に取外し可能に結合するステップと、
第2の患者特有の深さガイドを、前記第2のブッシングの第2の側面に取外し可能に結合するステップであって、前記第2の患者特有の深さガイドは、前記第2のブッシングの第2の複数の貫通孔と整列される複数の貫通孔を含む、ステップと
をさらに含む、請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記リーマを、前記第2の複数の貫通孔を通し、前記第2の患者特有の可処分表面を通して、前記患者の前記脛骨の中に押し込むステップをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第2のブッシングを前記患者の前記脛骨から取り外すステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、(i)2021年12月3日に出願された「Bone Resection Method by Plunge Milling and Rasping During Total Ankle Arthroplasty」と題する米国特許仮出願第63/285,722号、および(ii)2022年1月21日に出願された「Patient Specific Reamer Guides」と題する米国特許仮出願第63/301,600号に対する優先権の利益を主張するものであり、そのそれぞれの内容全体を、参照により本明細書に組み込むものとする。
【背景技術】
【0002】
足関節全置換術(TAR)は、処理された表面に固定される金属インプラントを収容する正確な脛骨および距骨の切除を必要とする。足関節インプラントを配置するのを支援する器具が本明細書で開示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、脛骨切除を行うためのシステムを含む。脛骨が切除された後、インプラントを、脛骨の処理された表面に固定することができる。
【0004】
さらに本開示は、脛骨をプランジフライス加工(plunge milling)するためのシステムを含み、それは、振動を低減し、より少ない熱を生じ、ブッシングを介してガイドされ、かつフライス加工時に切除された骨を粉末化し、それにより、後方の脛骨と距骨の関節カプセルから大きな骨片を除去する問題を除くことができる。骨のフライス加工プロセスは、従来方法と比較して、TARに必要な脛骨を切除する困難さを低減し、かつその除去に必要な時間を潜在的に低減する。骨のフライス加工はまた、熱的な骨壊死、鋸引きに起因する骨損傷、神経、および腱損傷を含む隣接する組織の損傷の危険を低減することができる。インプラントに適合する箱型の石目やすりは、フライス加工プロセスによって残されたいずれの骨材料も滑らかにするように設計される。インプラントに適合した石目やすりの中間および側方のコーナは、滑らかに磨かれて、研磨中に溝を作る、または穴を開けることができないようにする。これらの滑らかな中間、および側方のコーナは、ブッシングの2つのコーナのドリル孔の配置を適合させ、石目やすりに対するガイドとして働く。これらの特徴は、研磨し過ぎ、および望ましくない多くの骨を除去する危険を軽減する。
【0005】
したがって、第1の態様では、デバイスは、ハンドルと、ハンドルに結合される石目やすりと、を含む。石目やすりは、上面、底面、第1の側面、および第2の側面を含む。上面の一部は、第1の粗面を含み、第1の側面の一部は、第2の粗面を含み、また第2の側面の一部は、第3の粗面を含む。第1の平滑な曲面は、第2の粗面から第1の粗面を分離し、また第2の平滑な曲面は、第3の粗面から第1の粗面を分離する。
【0006】
別の態様では、本開示は、患者の脛骨に取外し可能に結合されるように構成された第1のブッシングを含むシステムを提供する。第1のブッシングは、第1の複数の貫通孔を含む。システムはまた、脛骨に取外し可能に結合されるように構成された第2のブッシングを含む。第2のブッシングは、第2の複数の貫通孔を含む。
【0007】
別の態様では、方法は、第1の複数の貫通孔を含む第1のブッシングを、患者の脛骨に取外し可能に結合するステップと、リーマを第1の複数の貫通孔を通して脛骨の中に押し込むステップと、第2の複数の貫通孔を含む第2のブッシングを、患者の脛骨に取外し可能に結合するステップと、リーマを第2の複数の貫通孔を通して、脛骨の中に押し込むステップと、請求項のいずれか一項に記載のデバイスを用いて、さらなる脛骨材料を取り除くステップとを含むことができる。
【0008】
別の態様では、システムは、患者の脛骨に取外し可能に結合されるように構成された第1のブッシングを備える。第1のブッシングは、第1の複数の貫通孔を含む。システムはまた、第1のブッシングの第1の側面に取外し可能に結合されるように構成された患者特有の可処分表面を含む。システムはまた、第1のブッシングの第2の側面に取外し可能に結合されるように構成された患者特有の深さガイドを含む。患者特有の深さガイドは、第1のブッシングの第1の複数の貫通孔と整列されている複数の貫通孔を含む。
【0009】
別の態様では、方法は、第1の複数の貫通孔を含む第1のブッシングを患者の脛骨に取外し可能に結合するステップと、患者特有の可処分表面を第1のブッシングの第1の側面に取外し可能に結合するステップと、患者特有の深さガイドを、第1のブッシングの第2の側面に取外し可能に結合するステップであって、患者特有の深さガイドは、第1のブッシングの第1の複数の貫通孔と整列されている複数の貫通孔を含む、ステップと、リーマを、第1の複数の貫通孔を通し、患者特有の可処分表面を通し、かつ患者の脛骨の中に押し込むステップと、を含むことができる。
【0010】
さらに別の態様では、キットは、本明細書で開示されるデバイスおよびシステムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】脛骨外部調整ガイドに結合される第1のブッシングを含む例示的なシステムの正面図である。
【
図4】フライス加工後に、第1のブッシングが脛骨外部調整ガイドから外された状態の
図3の例示的なシステムの正面図である。
【
図5】第2のブッシングを含む
図3の例示的なシステムの正面図である。
【
図7】例示的な脛骨外部調整ガイドの正面図である。
【
図8】
図7の例示的な脛骨外部調整ガイドに位置する第1のブッシングの斜視図である。
【
図9】
図7の例示的な脛骨外部調整ガイドに位置する第1のブッシングの正面図である。
【
図10】例示的な第1のブッシングの斜視図である。
【
図11】
図10の第1のブッシングと組み合わせて使用される例示的な第2のブッシングの斜視図である。
【
図13】
図12の患者の遠位の脛骨のスキャンに基づいて作成された患者特有の可処分表面の図である。
【
図14】リーマ仕上げ後に、ブッシングの第1の側面に取外し可能に結合される患者特有の可処分表面の斜視図である。
【
図15】患者特有の可処分表面が、ブッシングの第1の側面に取外し可能に結合され、かつ患者特有の深さガイドが、ブッシングの第2の側面に取外し可能に結合された状態のブッシングの斜視図である。
【
図17】患者の脛骨上に位置する
図15のシステムの側面図である。
【
図18】患者の脛骨に位置する
図15のシステムの軸方向の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図を参照すると、
図1は、ハンドル102と、ハンドル102に結合された石目やすり104とを含むデバイス100を示す。石目やすり104は、上面106、底面108、第1の側面110、および第2の側面112を含む。上面106の一部は、第1の粗面114を含み、第1の側面110の一部は、第2の粗面116を含み、また第2の側面112の一部は、第3の粗面118を含む。第1の平滑な曲面120は、第2の粗面116から第1の粗面114を分離し、また第2の平滑な曲面122は、第3の粗面118から第1の粗面114を分離する。
【0013】
例では、底面108は平滑である。別の例では、底面108は粗い。例では、第1の粗面114は、第1の複数のスパイクを備え、第2の粗面116は、第2の複数のスパイクを備え、また第3の粗面118は、第3の複数のスパイクを備える。
図1で示されるように、石目やすり104は、第1の端部124と、第1の端部124の反対側の第2の端部126とを含む。一例では、第1の粗面114は、第1の端部124から第2の端部126へと延び、第2の粗面116は、第1の端部124から第2の端部126へと延び、また第3の粗面118は、第1の端部124から第2の端部126へと延びる。このような例では、第1の平滑な曲面120は、第1の端部124から第2の端部126へと延び、また第2の平滑な曲面122は、第1の端部124から第2の端部126へと延びる。
【0014】
例では、
図2で示されるように、上面106に対する第1の側面110の角度は、90度より大きく、また上面106に対する第2の側面112の角度は、90度よりも大きい。例では、上面106に対する第1の側面110の角度は、上面106に対する第2の側面112の角度に等しい。第1の平滑な曲面の直径は、約0.5から約6.0mmとすることができ、また第2の平滑な曲面の直径は、約0.5から約6.0mmとすることができる。第1の平滑な曲面の直径は、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.25mm、約2.3mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、または約4.0mmとすることができる。第2の平滑な曲面の直径は、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.25mm、約2.3mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、または約4.0mmとすることができる。第1および第2の平滑な曲面の直径は、同じ、または異なることができる。
【0015】
図1で示されるように、例では、ハンドル102の幅は、石目やすり104の幅より狭い。別の例では、ハンドル102の底面は、石目やすり104の底面108と整列されている。
【0016】
例では、デバイス100は、第1のデバイスを備え、デバイス100は、第1の複数のスパイクを含む第1の粗面114と、第2の複数のスパイクを含む第2の粗面116と、第3の複数のスパイクを含む第3の粗面118とを有する。第2のデバイスは、上記で述べられたデバイス100と同様に構成することができるが、第2のデバイスは、第1の複数のスパイクよりも大きい第4の複数のスパイクを含む第4の粗面と、第2の複数のスパイクよりも大きい第5の複数のスパイクを含む第5の粗面と、第3の複数のスパイクよりも大きい第6の複数のスパイクを含む第6の粗面とを含む。したがって、デバイス100は、脛骨から多量の余分な材料を除去するために粗く構成されるが、第2のデバイスは、インプラントを植え込む前に、脛骨を滑らかにするためにきめを細かくするように構成される。
【0017】
例では、石目やすり104は、ハンドル102から取外し可能である。このような例では、石目やすり104は、第1の複数のスパイクを含む第1の粗面114と、第2の複数のスパイクを含む第2の粗面116と、第3の複数のスパイクを含む第3の粗面118とを有する第1の石目やすりを備えることができる。石目やすりは、ハンドル102に取外し可能に取り付けられるように構成することができ、第2の石目やすりは、上記で述べられた石目やすり104と同様に構成することができるが、第2の石目やすりは、第1の複数のスパイクよりも大きい第4の複数のスパイクを含む第4の粗面と、第2の複数のスパイクよりも大きい第5の複数のスパイクを含む第5の粗面と、第3の複数のスパイクよりも大きい第6の複数のスパイクを含む第6の粗面とを含む。したがって、第1の石目やすり104は、脛骨から多量の余分な材料を除去するために粗く構成されるが、第2の石目やすりは、インプラントを植え込む前に、脛骨を滑らかにするためにきめを細かくするように構成される。
【0018】
図3から
図5は、システム150を示す。システム150は、患者の脛骨に取外し可能に結合される第1のブッシング152を含む。
図3で示されるように、第1のブッシング152は、第1の複数の貫通孔156を含む。
図5で示されるように、システム150はまた、患者の脛骨に取外し可能に結合されるように構成された第2のブッシング158を含む。第2のブッシング158は、第2の複数の貫通孔160を含む。
図3から
図5で示されるように、第1の複数の貫通孔156および第2の複数の貫通孔160は、円筒形の形状をしており、それにより、以下でさらに詳細に論じられ、
図6で示されるように、対応する円筒形の形状をしたリーマ157を受け入れることができる。
【0019】
例では、第1のブッシング152および第2のブッシング158は、脛骨に挿入される固定ピンを介して患者の脛骨に直接結合されるように構成される。例では、固定ピンの位置は、手術前の計画中に確立され、次いで、手術中に脛骨に移される。
【0020】
別の例では、脛骨外部調整ガイド154が、患者の脛骨に直接取り付けられ、第1のブッシング152および第2のブッシング158は、脛骨外部調整ガイド154に結合されるように構成されて、第1のブッシング152および第2のブッシング158が、間接的に脛骨に結合されるようにする。
【0021】
例では、第1の複数の貫通孔156のうちの1つ以上の直径は、互いに異なり、また第2の複数の貫通孔160のうちの1つ以上の直径は、互いに異なる。別の例では、第1の複数の貫通孔156のそれぞれの直径は同じであり、また第2の複数の貫通孔160のそれぞれの直径は同じである。第1の複数の貫通孔156のそれぞれの直径は、第2の複数の貫通孔160のそれぞれの直径よりも大きくすることができる。さらに、第1の複数の貫通孔156のそれぞれの直径は、第2の複数の貫通孔160のそれぞれの直径よりも小さくすることができる。
図3および
図5で示されるように、第1の複数の貫通孔156は、第2の複数の貫通孔160からずらすこと(オフセットすること)ができる。したがって、第1の複数の貫通孔156は、患者の脛骨の第1の複数の領域と整列し、また第2の複数の貫通孔160は、患者の脛骨の第2の複数の領域と整列する。
【0022】
図7から
図9は、別の例示的なシステム150を示す。
図7で示されるように、例では、脛骨外部調整ガイド154は、第1の貫通孔162および第2の貫通孔164を含む。このような例では、
図8で示されるように、第1のブッシング152は、脛骨外部調整ガイド154の第1の貫通孔162を通して取外し可能に配置されるように構成された第1の細長い部材166を含むことができ、また第1のブッシング152は、脛骨外部調整ガイド154の第2の貫通孔164を通して取外し可能に配置されるように構成された第2の細長い部材168を含む。このような例では、第2のブッシング158は、第1の貫通孔162および第2の貫通孔164をそれぞれ通して取外し可能に配置されるように構成された、第1の細長い部材166および第2の細長い部材168を用いて同様に構成することができる。別の例では、第1のブッシング152の第1の細長い部材166および第2の細長い部材168はそれぞれ、傾斜したコイルばねを含み、それにより、第1のブッシング152を脛骨外部調整ガイド154に取外し可能に結合する。このような例では、第2のブッシング158の細長い部材はそれぞれ、同様に傾斜したコイルばねを用いて構成され、それにより、第2のブッシング158を、脛骨外部調整ガイド154に取外し可能に結合することができる。別の例では、脛骨外部調整ガイド154の第1の貫通孔162、および脛骨外部調整ガイド154の第2の貫通孔164はそれぞれ、傾斜したコイルばねを含み、それにより、第1のブッシング152および第2のブッシング158を、脛骨外部調整ガイド154に取外し可能に結合する。
【0023】
例では、
図10から
図11で示されるように、第1のブッシング152において、第1の複数の貫通孔156のうちの第1の貫通孔は、第1の複数の貫通孔156のうちの第2の貫通孔に接する、かつ/またはわずかに重複することもあり得る。同様に第2のブッシング158において、第2の複数の貫通孔160のうちの第1の貫通孔は、第2の複数の貫通孔160のうちの第2の貫通孔に接する、かつ/またはわずかに重複することもあり得る。このような構成は、プランジフライス加工中に除かれる脛骨材料の量を最大化するのに役立つ。
【0024】
例では、
図10から
図11で示されるように、第1の複数の貫通孔156は、第2の複数の貫通孔160に対して近位に位置する。したがって、第1の複数の貫通孔156は、インプラントが中に配置される脛骨の切除部分の上面を画定する。
【0025】
一例では、ガイドは、デバイス100が使用されるときに使用される。このようなガイドは、第1のブッシング152および第2のブッシング158が取り付けられるのと同様な方法で、脛骨外部調整ガイド154に取り付けられ得る。別の例では、デバイス100に対するガイドは、遠位の脛骨に配置される2つのピンの上に直接取り付けることができる。
【0026】
図13で示されるように、システム150は、第1のブッシング152の第1の側面に取外し可能に結合されるように構成された患者特有の可処分表面170をさらに含むことができる。患者特有の可処分表面170は、患者の遠位脛骨の前表面との良好な接触面を提供し、したがって、リーマ加工プロセス中に第1のブッシング152を安定化する。
図12で示されるように、患者特有の可処分表面170は、手術前のコンピュータ断層撮影により、かつ/または磁気共鳴映像法データにより、幾何形状またはデータ点を取得することによって作成することができる。このようなデータは、次いで、患者特有の可処分表面170の嵌合表面172に置き換えることができる。患者特有の可処分表面170は、足首の非関節表面上に配置されるように構成される。一例では、患者特有の可処分表面170は、脛骨の独特な機構上に配置され、次いで、定位置にピン留めされて、それにより、何らかのさらなる位置合わせステップの必要性を除く。
【0027】
図14では、第1のブッシング152の第1の側面に取外し可能に取り付けられる患者特有の可処分表面170が示される。さらに
図14で示されるように、使用時に、リーマ157は、第1の複数の貫通孔156を通し、患者特有の可処分表面170を通し、かつ患者の脛骨の中に押し込まれるように構成される。リーマ加工の後、患者特有の可処分表面170は、再使用可能な第1のブッシング152から除去可能であり、患者特有の可処分表面170は廃棄され得る。
【0028】
図15から
図16で示されるように、システム150は、第1のブッシング152の第2の側面に取外し可能に結合されるように構成された患者特有の深さガイド174をさらに含むことができる。患者特有の深さガイド174は、第1のブッシング152の第1の複数の貫通孔156と整列される複数の貫通孔176を含む。
図15から
図16で示されるように、患者特有の深さガイド174の複数の貫通孔176は、様々な距離で、患者特有の深さガイド174の表面178から離れるように延びる。したがって、患者特有の深さガイド174は、患者の解剖学的構造の前方-後方深さに基づき、押し込まれるリーマ157に対して様々な深さを提供する。患者特有の深さガイド174の様々な深さは、リーマ157が、後方に深く押し込まれる過ぎる前に、明確な停止を行うためのものである。これらの様々な深さは、手術前の計画中に決定され、また第1のブッシング152に取り付けられた患者に適合したガイドと共に、リーマ157は、様々な患者の解剖学的構造に基づき固定された明確な停止部を有することになる。患者特有の深さガイド174の様々な深さは、リーマ157が、過度に押し込まれるのを阻止するために、脛骨の測定された前後方向の長さの距離に対応する。このような例では、脛骨の前後方向の長さは、深さゲージにより第1の孔を通して直接的に、手術前のコンピュータ断層撮影により、かつ/または磁気共鳴映像法データにより測定することができる。
【0029】
患者特有の可処分表面170および患者特有の深さガイド174は、それぞれ個々の患者に対して作成することができ、またそれぞれ、第1のブッシング152と取外し可能に結合されるように構成される。使用した後、患者特有の可処分表面170および患者特有の深さガイド174は、廃棄することができるが、第1のブッシング152は、複数の手技および複数の患者に対して再使用することができる。
【0030】
例では、システム150は、第2のブッシング158の第1の側面に取外し可能に結合されるように構成された第2の患者特有の可処分表面をさらに含む。システムはまた、第2のブッシング158の第2の側面に取外し可能に結合されるように構成された第2の患者特有の深さガイドを含む。第2の患者特有の深さガイドは、第2のブッシング158の第2の複数の貫通孔160と整列される複数の貫通孔を含む。別の例では、患者特有の可処分表面170は、第2のブッシング158と共に再使用することができ、新しい第2の患者特有の深さガイドが、第2のブッシング158と共に使用される。
【0031】
脛骨を切除するためのキットも開示される。キットは、本明細書で述べられるデバイス100およびシステム150を含む。それに加えて、キットは、リーマ157を含むことができる。リーマ157は、第1のブッシング152の第1の複数の貫通孔156を通して配置するように構成され得る。一例では、リーマ157は、第2のブッシング158の第2の複数の貫通孔160を通して配置されるようにさらに構成され得る。例では、リーマ157の直径は、第1の平滑な曲面の直径に、かつ第2の平滑な曲面の直径に等しい。例では、リーマ157の直径は4.5mmである。別の例では、キットは、明確な停止を提供するようにリーマ157に取外し可能に結合され、それにより所定のリーマ深さを画定するように構成された深さ停止部をさらに含むことができる。一例では、深さ停止部は、ロック可能なカラーを備える。別の例では、キットは、リーマ157の直径とは異なる第2の直径を有する第2のリーマをさらに含むことができる。このような例では、第2のリーマは、第2のブッシング158の第2の複数の貫通孔160を通して配置されるように構成することができる。
【0032】
図17は、患者の脛骨上に配置された
図15のシステムの側面図を示しており、
図18は、患者の脛骨上に配置された
図15のシステムの軸方向の図を示す。
図17から
図18で示されるように、例では、患者特有の可処分表面170および患者特有の深さガイド174は、クリップ180により第1のブッシング152および第2のブッシング158に結合される。これらの構成要素の間の他の取外し可能な結合機構も同様に可能である。
【0033】
図19は、リーマ157が、第1の複数の貫通孔156を通して押し込まれ、またリーマ157が、第2の複数の貫通孔160を通して押し込まれた後の患者の脛骨を示す。
図20は、リーマ加工プロセスにより残され、残存している隆起部を削り落とすために脛骨を研磨する
図1から
図2のデバイス100を示す。
【0034】
本明細書で開示される方法は、本明細書で述べられるデバイス100、システム150、およびキットの実施形態のいずれかを用いて使用することができる。
【0035】
インプラントのために脛骨を処置する方法は、患者の脛骨に第1のブッシング152を取外し可能に結合するステップを含み、第1のブッシング152は、第1の複数の貫通孔156を含む。方法はまた、リーマ157を、第1の複数の貫通孔156を通して脛骨の中に押し込むステップを含むことができる。第1のブッシング152は、次いで、患者の脛骨から取り外すことができる。方法はまた、患者の脛骨に第2のブッシング158を取外し可能に結合するステップを含むことができ、第2のブッシングは、第2の複数の貫通孔160を含む。方法はまた、リーマ157を、第2の複数の貫通孔160を通して脛骨の中に押し込むステップを含むことができる。第2のブッシング158は、次いで、患者の脛骨から取り外すことができる。方法はまた、本明細書で述べられるデバイス100を用いて、さらなる脛骨材料を取り除くステップを含むことができる。
【0036】
前に述べたように、デバイス100は、フライス加工プロセスにより残された任意の残存する骨材料を平滑化するように設計される。デバイス100の中間および側方のコーナは、滑らかに磨かれて、研磨中に骨の中に溝を作る、または穴を開けることができないようにする。これらの滑らかな中間および側方のコーナは、ブッシングの2つのコーナのドリル孔の配置を適合させ、かつデバイス100に対するガイドとして働く。これらの特徴は、過度の研磨を行うこと、および望ましくない多くの骨を除去する危険を軽減する。
【0037】
例では、リーマ157の直径は、第1の平滑な曲面120の直径、および第2の平滑な曲面122の直径に等しい。第1の平滑な曲面120および第2の平滑な曲面122は、ユーザが、過度に研磨すること、および骨を除去し過ぎることを阻止するのに役立つ深さ停止部として働く。
【0038】
例では、方法は、脛骨の前後方向への長さを測定するステップと、リーマ157が、過度に押し込まれるのを阻止するために、脛骨の測定された前後方向の長さに対応する距離に、深さ停止部をリーマ157に提供するステップとをさらに含む。このような例では、脛骨の前後方向への長さは、深さゲージにより第1の孔を通して直接的に、手術前のコンピュータ断層撮影により、かつ/または磁気共鳴映像法データにより測定することができる。
【0039】
例では、方法は、1つ以上の固定ピンを患者の脛骨に固定するステップをさらに含む。このような例では、第1のブッシング152および第2のブッシング158は、脛骨の中に挿入された固定ピンを介して、患者の脛骨に直接結合されるように構成される。例では、固定ピンの場所は、手術前の計画中に確立され、次いで手術中に脛骨に移される。
【0040】
例では、方法は、脛骨外部調整ガイド154を患者の脛骨に固定するステップをさらに含む。このような例では、第1のブッシング152および第2のブッシング158は、第1のブッシング152および第2のブッシング158が、脛骨に間接的に結合されるように、脛骨外部調整ガイド154に結合されるように構成される。
【0041】
別の例では、インプラントのために脛骨を処置する方法は、第1のブッシング152を患者の脛骨に取外し可能に結合するステップを含む。第1のブッシング152は、第1の複数の貫通孔156を含む。方法はまた、患者特有の可処分表面170を第1のブッシング152の第1の側面に取外し可能に結合するステップを含むことができる。方法はまた、患者特有の深さガイド174を、第1のブッシング152の第2の側面に取外し可能に結合するステップを含むことができる。患者特有の深さガイド174は、第1のブッシング152の第1の複数の貫通孔156と整列される複数の貫通孔176を含む。方法はまた、リーマ157を、第1の複数の貫通孔156を通して、患者特有の可処分表面170を通して、患者の脛骨の中に押し込むステップを含むことができる。
【0042】
方法はまた、患者の脛骨から第1のブッシング152を取り外すステップを含むことができる。方法はまた、第2のブッシング158を患者の脛骨に結合するステップを含むことができる。第2のブッシング158は、第2の複数の貫通孔160を含む。方法はまた、第2の患者特有の可処分表面を、第2のブッシング158の第1の側面に取外し可能に結合するステップを含むことができる。方法はまた、第2の患者特有の深さガイドを、第2のブッシング158の第2の側面に取外し可能に結合するステップを含むことができる。第2の患者特有の深さガイドは、第2のブッシング158の第2の複数の貫通孔160と整列される複数の貫通孔を含む。方法はまた、リーマ157を、第2の複数の貫通孔160を通して、第2の患者特有の可処分表面を通して、患者の脛骨の中に押し込むステップを含むことができる。第2のブッシング158は、次いで、患者の脛骨から取り外すことができる。
【0043】
本明細書で述べられる構成は、例示目的に限定されることを理解されたい。したがって、当業者であれば、それに代えて、他の構成および他の要素(例えば、機械、インターフェース、機能、順序、および機能のグループ化など)を使用できること、またいくつかの要素は、望ましい結果に従って、まったく除外できることを理解されよう。さらに、述べられた要素の多くは、任意の適切な組合せおよび位置において、別々のもしくは分散された構成要素として、または他の構成要素と共に実施され得る機能的なエンティティである、または組み合わせることのできる独立した構造として述べられる他の構造的な要素である。
【0044】
様々な態様および例が本明細書で開示されているが、他の態様および例も、当業者には明らかであろう。本明細書で開示される様々な態様および例は、例示のためであり、限定するように意図されておらず、真の範囲は、このような特許請求の範囲に与えられる等価な形態の完全な範囲と共に、添付の特許請求の範囲によって示される。本明細書で使用される専門用語は、特定の例に限って述べるためのものであり、限定することを意味していないことも理解されたい。
【0045】
例示的な方法およびシステムが、本明細書で述べられる。「例」、「例示的な」、および「説明的な」という用語は、本明細書では、「例、実例(instance)、または説明として働く」ことを意味するものとして使用されることを理解されたい。「例」である、「例示的」である、または「説明的」であるとして、本明細書で述べられる任意の例もしくは特徴は、他の例もしくは特徴に対して、必ずしも、好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。本明細書で述べられる例は、限定的であることを意味していない。本明細書で一般的に述べられ、かつ諸図で示される本開示の態様は、広範囲な様々な構成で構成され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、かつ設計され得るが、そのすべては、本明細書で明示的に企図されることが容易に理解されよう。
【0046】
さらに、図で示される特定の構成は、限定するものと見るべきではない。他の例は、所与の図で示された各要素を多かれ少なかれ含み得ることを理解されたい。さらに示された要素のいくつかは、組み合わせる、または除外することができる。さらに、1つの例は、諸図で示されないいくつかの要素を含むことができる。
【0047】
以下の記述では、開示される概念の十分な理解を提供するために、数多くの特定の細部が記載されるが、これは、その詳細のいくつか、またはすべてを含まずに実施することができる。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、知られたデバイスおよび/またはプロセスの詳細は、除外されている。いくつかの概念は、特定の例と共に述べられることになるが、これらの例は、限定するように意図されていないことを理解されたい。
【0048】
本明細書で使用される場合、「結合される」は、直接的ならび間接的に関連付けられることを意味する。例えば、部材Aは、部材Bに直接的に関連付けることができる、または例えば、別の部材Cを介して、それと間接的に関連付けることができる。様々な開示された要素間のすべての関係性が、必ずしも表現されないことを理解されたい。
【0049】
その他の形で示されない限り、「第1」、「第2」などの用語は、単に「ラベル」として本明細書で使用され、これらの用語が参照する項目に対して、順序的な、位置的な、または階層的な要件を課すことを意図するものではない。さらに、例えば、「第2の」項目に対する参照は、例えば、「第1の」もしくは下位に番号が付された項目、かつ/または例えば、「第3の」もしくは上位に番号が付された項目の存在を必要とする、または排除するものではない。
【0050】
本明細書において、「一実施形態」または「一例」に対する参照は、その例に関して述べられた1つ以上の機能、構造、または特性が、少なくとも1つの実装形態に含まれることを意味する。明細書の様々な場所における「一実施形態」、または「一例」のフレーズは、同じ例を参照することも、参照しないこともあり得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、指定された機能を実施する「ように構成された」システム、装置、構造、物、要素、構成要素、またはハードウェアは、さらなる変更後に、指定された機能を実施する潜在能力を単に有しているのではなく、何らかの改変を行うことなく、指定された機能を実際に実施することができる。言い換えると、指定された機能を実施する「ように構成された」システム、装置、構造、物、要素、構成要素、またはハードウェアは、指定された機能を実施するために、特に選択され、作成され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/または設計される。本明細書で使用される場合、「ように構成される」は、システム、装置、構造、物、要素、構成要素、またはハードウェアが、さらなる変更を行うことなく、指定された機能を実施できるようにするシステム、装置、構造、物、要素、構成要素、またはハードウェアの既存の特性を示す。本開示においては、特定の機能を実施する「ように構成された」と記述されたシステム、装置、構造、物、要素、構成要素、またはハードウェアは、さらに、または代替的に、その機能を実施する「ように適合される」、かつ/または「ように動作可能である」と記述することができる。
【0052】
添付の特許請求の範囲の限定は、このような特許請求の範囲の限定が、明示的に「~のための手段」のフレーズを使用し、その後に、さらなる構造を含まない機能の記述が行われない限り、かつ行われるまで、ミーンズプラスファンクション(means-plus-function)形式で記載されたものではなく、また米国特許法第112条(f)に基づいて解釈するようには意図されていない。
【0053】
本明細書で述べられる量または測定値を参照する「約」、「近似的に」、または「実質的に」という用語により記載された特性、パラメータ、または値は、正確に達成される必要はなく、例えば、許容差、測定誤差、測定精度の限定、および当業者に知られた他の要因を含む偏差もしくは変動が、特性が提供するように意図された効果を排除することのない量で生ずる可能性があることを意味する。例えば、一実施形態では、「約」という用語は、所与の値の±5%を指すことができる。
【0054】
本開示による主題の特許請求され得る、またはされ得ない例示的、非網羅的な例が以下で提供される。
【符号の説明】
【0055】
100 デバイス
102 ハンドル
104 石目やすり
106 上面
108 底面
110 第1の側面
112 第2の側面
114 第1の粗面
116 第2の粗面
118 第3の粗面
120 第1の平滑な曲面
122 第2の平滑な曲面
124 第1の端部
126 第2の端部
150 システム
152 第1のブッシング
154 脛骨外部調整ガイド
156 第1の複数の貫通孔
157 リーマ
158 第2のブッシング
160 第2の複数の貫通孔
162 第1の貫通孔
164 第2の貫通孔
166 第1の細長い部材
168 第2の細長い部材
170 患者特有の可処分表面
172 嵌合表面
174 患者特有の深さガイド
176 複数の貫通孔
178 表面
180 クリップ
【国際調査報告】