(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/858 20230101AFI20241112BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20241112BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20241112BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20241112BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241112BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241112BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H10K50/858
H10K59/12
H10K50/844 445
H10K59/40
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/30 308Z
G09F9/30 309
G09F9/00 366A
G06F3/041 512
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570272
(86)(22)【出願日】2023-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 CN2023104659
(87)【国際公開番号】W WO2024060773
(87)【国際公開日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】202211151613.6
(32)【優先日】2022-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 佳佳
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC03
3K107CC45
3K107EE29
3K107EE33
3K107EE48
3K107EE49
3K107EE50
3K107EE66
3K107FF15
5C094AA36
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA29
5C094CA19
5C094DA06
5C094DA07
5C094DA13
5C094ED01
5C094FA01
5C094FA02
5C094HA08
5C094JA01
5C094JA08
5G435AA17
5G435BB05
5G435CC09
5G435EE49
5G435HH02
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
表示パネル及び表示装置が開示されている。表示パネルは、基板と、発光層と、第1の屈折層と、第2の屈折層とを含み、第1の屈折層は、複数の開口と第1の溝とを含み、第2の屈折層は、開口に充填され、第1の屈折層よりも屈折率が大きい。第1の溝は、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとを含み、マイクログルーブは、隣接する2つのソリッドユニットの間に設けられ、第2の屈折層は、マイクログルーブに充填されてソリッドユニットを覆う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と前記表示領域の少なくとも一方側に位置する非表示領域とを含み、
さらに、
基板と、
前記基板の一方側に設けられており、前記表示領域に設けられた複数の発光部を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられた第1の屈折層であって、前記表示領域内にアレイ状に分布して複数の前記発光部に対応する複数の開口と、前記非表示領域内に分布する第1の溝とを含む第1の屈折層と、
前記第1の屈折層の前記基板から離れた側に設けられて複数の前記開口に充填され、屈折率が前記第1の屈折層よりも大きい第2の屈折層と、を含み、
前記第1の溝が、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとを含み、前記マイクログルーブが、隣接する2つの前記ソリッドユニットの間に設けられ、前記第2の屈折層が、前記マイクログルーブに充填されて前記ソリッドユニットを覆う、表示パネル。
【請求項2】
前記第1の溝が、前記表示領域から離れる方向に沿って順次に配列している配列アレイの複数のグループを含み、前記配列アレイの各グループが、順次に配置された複数の前記ソリッドユニット及び複数の前記マイクログルーブを含み、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記ソリッドユニットが互い違いに配置され、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記マイクログルーブが互い違いに配置されている、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記配列アレイの複数のグループのうちの前記表示領域直近の列の前記配列アレイにおいて、前記マイクログルーブのそれぞれのサイズが、前記表示領域の近くから離れる方向に沿って漸次減少している、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記配列アレイの異なるグループにおける前記ソリッドユニットの、前記基板における正投影の面積が、前記表示領域から離れる方向に沿って漸次減少している、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離と前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/8以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズと前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/4以下である、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項6】
それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離が5μm以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズが10μm以下である、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記配列アレイのグループの数が3以上である、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1の溝が前記第1の屈折層を貫通し、前記表示パネルの厚み方向において、前記第1の溝の深さが、前記マイクログルーブの深さ及び前記ソリッドユニットの高さと等しい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1の屈折層が、前記非表示領域内に分布する第2の溝をさらに含み、前記第2の溝が、前記第1の溝の前記表示領域から離れた側に位置し、
前記第2の屈折層の境界が、前記第2の溝内又は前記第2の溝と前記第1の溝との間に位置する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記表示パネルの厚み方向において、前記マイクログルーブの深さが前記開口の深さと同じであり、前記第1の溝の深さが前記第2の溝の深さと同じである、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記非表示領域が、折曲領域と、前記折曲領域の前記表示領域から離れた側に位置するボンディング領域とを含み、前記ボンディング領域が、前記折曲領域によって前記表示領域の裏部まで折り曲げ、前記第1の溝及び前記第2の溝が、前記折曲領域と前記表示領域との間に設けられた、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記発光層の前記基板から離れた側を覆うパッケージ層と、
前記パッケージ層の前記基板から離れた側に設けられ、順次に積層された第1の絶縁層、第1のタッチ金属層、第2の絶縁層、第2のタッチ金属層及び前記第1の屈折層を含むタッチ積層体であって、前記第1のタッチ金属層又は前記第2のタッチ金属層内にタッチ電極が設けられた、タッチ積層体と、をさらに含む
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記ソリッドユニットの前記基板から離れた側の表面には、間隔を置いて設けられた複数のマイクロソリッドユニットと、互いに連通する複数のサブマイクログルーブとが設けられており、前記サブマイクログルーブは、隣接する2つの前記マイクロソリッドユニットの間に設けられた、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
表示領域と前記表示領域の少なくとも一方側に位置する非表示領域とを含み、
さらに、
基板と、
前記基板の一方側に設けられており、前記表示領域に設けられた複数の発光部を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられた第1の屈折層であって、前記表示領域内にアレイ状に分布して複数の前記発光部に対応する複数の開口と、前記非表示領域内に分布する第1の溝とを含む第1の屈折層と、
前記第1の屈折層の前記基板から離れた側に設けられて複数の前記開口に充填され、屈折率が前記第1の屈折層よりも大きい第2の屈折層と、を含み、
前記第1の溝が、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとを含み、前記マイクログルーブが、隣接する2つの前記ソリッドユニットの間に設けられ、前記第2の屈折層が、前記マイクログルーブに充填されて前記ソリッドユニットを覆う、表示パネル
を含む表示装置。
【請求項15】
前記第1の溝が、前記表示領域から離れる方向に沿って順次に配列している配列アレイの複数のグループを含み、前記配列アレイの各グループが、順次に配置された複数の前記ソリッドユニット及び複数の前記マイクログルーブを含み、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記ソリッドユニットが互い違いに配置され、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記マイクログルーブが互い違いに配置されている、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記配列アレイの複数のグループのうちの前記表示領域直近の列の前記配列アレイにおいて、前記マイクログルーブのそれぞれのサイズが、前記表示領域の近くから離れる方向に沿って漸次減少している、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記配列アレイの異なるグループにおける前記ソリッドユニットの、前記基板における正投影の面積が、前記表示領域から離れる方向に沿って漸次減少している、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離と前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/8以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズと前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/4以下である、請求項15に記載の表示装置。
【請求項19】
それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離が5μm以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズが10μm以下である、請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記配列アレイのグループの数が3以上である、請求項18に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、特に表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic light-emitting diode,OLED)デバイスは、従来の液晶ディスプレイ(Liquid crystal display,LCD)と比較して軽量、広視野角、高い発光効率などのメリットがある。
【0003】
従来技術では、OLEDスクリーンの効率を向上させるという目的を達成するために、通常、幾何光学により、OLEDスクリーン内にマイクロレンズパターン(Micro-lens pattern,MLP)構造を設け、このMLP構造でOLEDスクリーンから出射され、相対的に発散する光をスクリーンの真上に集中させる。しかし、上記のマイクロレンズパターン構造は通常、それを平坦化して後続のプロセスを容易にするために、インクジェット印刷(Ink jet printing,IJP)により製造された平坦層を必要とする。また、インクジェットの過程においてインクが溢れるのを防ぐために、事前にスクリーンの周囲領域内に凹溝や障壁などの阻止構造を設けてインクのオーバーフローを阻止する必要もあるが、阻止構造の表示領域付近の縁に、インクが届かない位置があるので、この位置に応力が集中してしまい、表示パネルが折り曲げられる時に金属線が断線するリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、従来の表示パネル及び表示装置において、マイクロレンズパターン構造における凹溝を全て中空とすると、インクジェット印刷により平坦層を形成する時にインクが届かない位置に応力集中が発生してしまい、金属線が断線するリスクがあるという技術課題を解決するために、表示パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本願に提供される技術的解決手段は以下の通りである。
【0006】
本願は、表示領域と前記表示領域の少なくとも一方側に位置する非表示領域とを含み、
さらに、
基板と、
前記基板の一方側に設けられており、前記表示領域に設けられた複数の発光部を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられた第1の屈折層であって、前記表示領域内にアレイ状に分布して複数の前記発光部に対応する複数の開口と、前記非表示領域内に分布する第1の溝とを含む第1の屈折層と、
前記第1の屈折層の前記基板から離れた側に設けられて複数の前記開口に充填され、屈折率が前記第1の屈折層よりも大きい第2の屈折層と、を含み、
前記第1の溝が、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとを含み、前記マイクログルーブが、隣接する2つの前記ソリッドユニットの間に設けられ、前記第2の屈折層が、前記マイクログルーブに充填されて前記ソリッドユニットを覆う、表示パネルを提供する。
【0007】
本願に提供される表示パネルにより、前記第1の溝が、前記表示領域から離れる方向に沿って順次に配列している配列アレイの複数のグループを含み、前記配列アレイの各グループが、順次に配置された複数の前記ソリッドユニット及び複数の前記マイクログルーブを含み、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記ソリッドユニットが互い違いに配置され、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記マイクログルーブが互い違いに配置されている。
【0008】
本願に提供される表示パネルにより、前記配列アレイの複数のグループのうちの前記表示領域直近の列の前記配列アレイにおいて、前記マイクログルーブのそれぞれのサイズが、前記表示領域の近くから離れる方向に沿って漸次減少している。
【0009】
本願に提供される表示パネルにより、前記配列アレイの異なるグループにおける前記ソリッドユニットの、前記基板における正投影の面積が、前記表示領域から離れる方向に沿って漸次減少している。
【0010】
本願に提供される表示パネルにより、それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離と前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/8以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズと前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/4以下である。
【0011】
本願に提供される表示パネルにより、それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離が5μm以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズが10μm以下である。
【0012】
本願に提供される表示パネルにより、前記配列アレイのグループの数が3以上である。
【0013】
本願に提供される表示パネルにより、前記第1の溝が前記第1の屈折層を貫通し、前記表示パネルの厚み方向において、前記第1の溝の深さが、前記マイクログルーブの深さ及び前記ソリッドユニットの高さと等しい。
【0014】
本願に提供される表示パネルにより、前記第1の屈折層が、前記非表示領域内に分布する第2の溝をさらに含み、前記第2の溝が、前記第1の溝の前記表示領域から離れた側に位置し、
前記第2の屈折層の境界が、前記第2の溝内又は前記第2の溝と前記第1の溝との間に位置する。
【0015】
本願に提供される表示パネルにより、前記表示パネルの厚み方向において、前記マイクログルーブの深さが前記開口の深さと同じであり、前記第1の溝の深さが前記第2の溝の深さと同じである。
【0016】
本願に提供される表示パネルにより、前記非表示領域が、折曲領域と、前記折曲領域の前記表示領域から離れた側に位置するボンディング領域とを含み、前記ボンディング領域が、前記折曲領域によって前記表示領域の裏部まで折り曲げ、前記第1の溝及び前記第2の溝が、前記折曲領域と前記表示領域との間に設けられている。
【0017】
本願に提供される表示パネルにより、前記表示パネルは、
前記発光層の前記基板から離れた側を覆うパッケージ層と、
前記パッケージ層の前記基板から離れた側に設けられ、順次に積層された第1の絶縁層、第1のタッチ金属層、第2の絶縁層、第2のタッチ金属層及び前記第1の屈折層を含むタッチ積層体であって、前記第1のタッチ金属層又は前記第2のタッチ金属層内にタッチ電極が設けられた、タッチ積層体と、をさらに含む。
【0018】
本願に提供される表示パネルにより、前記ソリッドユニットの前記基板から離れた側の表面には、間隔を置いて設けられた複数のマイクロソリッドユニットと、互いに連通する複数のサブマイクログルーブとが設けられており、前記サブマイクログルーブは、隣接する2つの前記マイクロソリッドユニットの間に設けられている。
【0019】
本願は、表示領域と前記表示領域の少なくとも一方側に位置する非表示領域とを含み、
さらに、
基板と、
前記基板の一方側に設けられており、前記表示領域に設けられた複数の発光部を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられた第1の屈折層であって、前記表示領域内にアレイ状に分布して複数の前記発光部に対応する複数の開口と、前記非表示領域内に分布する第1の溝とを含む第1の屈折層と、
前記第1の屈折層の前記基板から離れた側に設けられて複数の前記開口に充填され、屈折率が前記第1の屈折層よりも大きい第2の屈折層と、を含み、
前記第1の溝が、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとを含み、前記マイクログルーブが、隣接する2つの前記ソリッドユニットの間に設けられ、前記第2の屈折層が、前記マイクログルーブに充填されて前記ソリッドユニットを覆う、上記の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0020】
本願に提供される表示装置により、前記第1の溝が、前記表示領域から離れる方向に沿って順次に配列している配列アレイの複数のグループを含み、前記配列アレイの各グループが、順次に配置された複数の前記ソリッドユニット及び複数の前記マイクログルーブを含み、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記ソリッドユニットが互い違いに配置され、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記マイクログルーブが互い違いに配置されている。
【0021】
本願に提供される表示装置により、前記配列アレイの複数のグループのうちの前記表示領域直近の列の前記配列アレイにおいて、前記マイクログルーブのそれぞれのサイズが、前記表示領域の近くから離れる方向に沿って漸次減少している。
【0022】
本願に提供される表示装置により、前記配列アレイの異なるグループにおける前記ソリッドユニットの、前記基板における正投影の面積が、前記表示領域から離れる方向に沿って漸次減少している。
【0023】
本願に提供される表示装置により、それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離と前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/8以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズと前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/4以下である。
【0024】
本願に提供される表示装置により、それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離が5μm以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズが10μm以下である。
【0025】
本願に提供される表示装置により、前記配列アレイのグループの数が3以上である。
【発明の効果】
【0026】
本願の有益な効果は、以下の通りである。本願に提供される表示パネル及び表示装置により、表示パネルは、基板と、発光層と、第1の屈折層と、第2の屈折層とを含み、第1の屈折層は、非表示領域に分布する第1の溝を含む。第1の溝内に、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとが設けられ、マイクログルーブが、隣接する2つのソリッドユニットの間に設けられ、第2の屈折層が、マイクログルーブに充填されてソリッドユニットを覆う。これにより、インクジェット印刷で第2の屈折層を形成する時に、マイクログルーブの毛細管作用により、インクは互いに連通する複数のマイクログルーブで形成されたチャンネルを介して第1の溝の表示領域付近の縁まで流れることができ、インクが当該位置まで届かないことにより当該位置に応力集中現象が発生することが避けられ、表示パネルが折り曲げられる時に金属線が断線するリスクが低下し、表示パネルの耐用年数の向上に寄与する。
【0027】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下において、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、当然ながら、以下の説明における図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面から他の図面に想到することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願の実施例に提供される表示パネルの平面構造図である。
【
図2】
図1におけるA-Aに沿う断面構造図である。
【
図5】
図1におけるA-Aに沿う別の断面構造図である。
【
図6】
図5におけるDでの別の部分拡大構造図である。
【
図7】本願の実施例に提供される表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【
図8A】本願の実施例に提供される表示パネルの製造方法のフローにおける構造の模式図である。
【
図8B】本願の実施例に提供される表示パネルの製造方法のフローにおける構造の模式図である。
【
図8C】本願の実施例に提供される表示パネルの製造方法のフローにおける構造の模式図である。
【
図8D】本願の実施例に提供される表示パネルの製造方法のフローにおける構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下において、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものとする。なお、ここで説明する具体的な実施形態は、本願を説明し、解釈するためのものに過ぎず、本願を制限するためのものではないことを理解すべきである。本願では、方向を表す用語について、特に逆の説明のない限り、例えば、「上」と「下」は、通常、装置の実際の使用又は作業状態における上と下を指し、具体的には、図面における紙面の方向であり、「内」と「外」は、装置の輪郭に対するものである。
【0030】
図1と
図2を参照し、本願の実施例は、表示領域AAと、前記表示領域AAの少なくとも一方側に位置する非表示領域NAを含む表示パネルを提供する。
【0031】
前記表示パネルは、基板1と、発光層3と、第1の屈折層7と、第2の屈折層8とをさらに含む。前記発光層3は、前記基板1の一方側に設けられ、前記発光層3は、前記表示領域AAに設けられた複数の発光部31を含む。前記第1の屈折層7は、前記発光層3の前記基板1から離れた側に設けられ、前記第1の屈折層7は、前記表示領域AA内にアレイ状に分布して複数の前記発光部31に対応する複数の開口71と、前記非表示領域NA内に分布する第1の溝72とを含む。前記第2の屈折層8は、前記第1の屈折層7の前記基板1から離れた側に設けられて複数の前記開口71に充填され、前記第2の屈折層8は、前記第1の屈折層7よりも屈折率が大きい。
【0032】
前記第1の溝72は、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニット721と、互いに連通する複数のマイクログルーブ722とを含み、前記マイクログルーブ722は、隣接する2つの前記ソリッドユニット721の間に設けられ、前記第2の屈折層8は、前記マイクログルーブ722に充填されて前記ソリッドユニット721を覆う。
【0033】
背景技術に述べた通り、実施と適用中に、前記第2の屈折層8はインクジェット印刷のプロセスにより形成され、インクの前記表示パネルの外へのオーバーフローを阻止するために、通常、前記非表示領域NA内に前記第1の溝72を設けるが、インクジェット印刷の際に、阻止構造の表示領域AA付近の縁に、インクが届かない位置(例えば、
図2において前記第1の溝72の左側に位置する)があるので、この位置に応力が集中してしまい、前記表示パネルのベゼルを減少させるために、前記表示パネルは前記非表示領域NAにおいて折り曲げられる必要があるので、この位置には金属線が断線するリスクがある。
【0034】
本願の実施例では、第1の溝72内に、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニット721と、互いに連通する複数のマイクログルーブ722とが設けられ、マイクログルーブ722が、隣接する2つのソリッドユニット721の間に設けられ、第2の屈折層8が、マイクログルーブ722に充填されてソリッドユニット721を覆い、複数の前記マイクログルーブ722によって、インクが流れるための流通チャンネルが形成され、これによって、インクジェット印刷で第2の屈折層8を形成する時に、マイクログルーブ722の毛細管作用により、インクは互いに連通する複数のマイクログルーブ722で形成されたチャンネルを介して第1の溝72の表示領域AA付近の縁まで流れることができ、インクが当該位置まで届かないことにより当該位置に応力集中現象が発生することが避けられ、表示パネルが折り曲げられる時に金属線が断線するリスクが低下し、表示パネルの耐用年数の向上に寄与することが理解可能である。
【0035】
なお、前記表示領域AAとは、前記表示パネルにおける発光表示を行う領域をいい、前記非表示領域NAとは、前記表示領域AAの周辺の領域をいう。本実施例では、前記表示領域AAは前記非表示領域NAに囲まれている。なお、これは前記表示領域AA及び前記非表示領域NAに対対する位置制限として理解すべきではなく、前記非表示領域NAは、前記表示領域AAの一方側又は任意のいくつかの側にのみ存在してもよい。
【0036】
前記表示パネルは、駆動回路層2と、画素定義層4と、アノード24と、カソード(不図示)と、パッケージ層5と、タッチ積層体6とをさらに含み、薄膜トランジスタアレイ層22は、前記基板1と前記発光層3との間に設けられ、前記画素定義層4は、前記薄膜トランジスタアレイ層22上に設けられ、前記アノード24は、前記画素定義層4上に設けられ、前記画素定義層4は、アレイ状に配置された複数の画素開口71を含み、前記画素開口71は、前記アノード24の少なくとも一部を露出させ、前記発光層3は、前記画素開口71内に設けられ、前記カソードは、前記画素定義層4と前記発光層3上に設けられ、前記パッケージ層5は、前記カソード上に設けられ、前記発光部31をパッケージするためのものであり、前記タッチ積層体6は、前記パッケージ層5上に設けられ、前記第1の屈折層7は、前記タッチ積層体6上に設けられている。
【0037】
前記駆動回路層2は、バッファ層21と平坦化層23とをさらに含み、前記バッファ層21は前記薄膜トランジスタアレイ層22と前記基板1との間に設けられ、前記平坦化層23は前記薄膜トランジスタアレイ層22を覆い、前記画素定義層4は前記薄膜トランジスタアレイ層22上に設けられている。
【0038】
前記薄膜トランジスタアレイ層22は、前記バッファ層21上に設けられた薄膜トランジスタデバイスをさらに含み、前記薄膜トランジスタデバイスは、エッチング阻止型、バックチャンネルエッチング型であってもよく、あるいは、ゲート223とアクティブ層221の位置によりボトムゲート型の薄膜トランジスタデバイスやトップゲート型の薄膜トランジスタデバイスなどの構造に分けられてもよい。具体的な制限がない。
【0039】
例えば、
図2に示す薄膜トランジスタデバイスは、トップゲート型の薄膜トランジスタデバイスであり、当該薄膜トランジスタは、アクティブ層221、ゲート絶縁層222、ゲート223、層間媒体層224、及びソースドレイン金属層225を含んでもよく、前記アクティブ層221は前記バッファ層21上に設けられ、前記ゲート絶縁層222は前記アクティブ層221上に設けられ、前記ゲート223は前記ゲート絶縁層222上に設けられ、前記層間媒体層224は前記ゲート223上に設けられ、前記ソースドレイン金属層225は前記層間媒体層224上に設けられ、前記ソースドレイン金属層225はソースとドレインとを含み、前記ソース及び前記ドレインは、前記層間媒体層224及び前記ゲート絶縁層222のバイアを貫通することで前記アクティブ層221と電気的に接続される。
【0040】
前記パッケージ層5は、前記画素定義層4上に順次に積層された第1の無機パッケージ層51、有機パッケージ層52及び第2の無機パッケージ層53を含む。前記タッチ積層体6は、前記パッケージ層5の前記基板1から離れた側に設けられ、前記タッチ積層体6は、順次に積層された第1の絶縁層、第1のタッチ金属層61、第2の絶縁層63、第2のタッチ金属層62及び前記第1の屈折層7を含み、前記第1のタッチ金属層61又は前記第2のタッチ金属層62内にタッチ電極が設けられている。本願の実施例では、前記第1の屈折層7は前記タッチ積層体6の一部であり、即ち、前記第1の屈折層7は前記タッチ積層体6における絶縁層も兼ねるので、前記第1の屈折層7と前記第2のタッチ金属層62との間に前記第2のタッチ金属層62を覆う別体の絶縁層を設ける必要がなく、前記表示パネルの全体的な厚みを低減させることができる。前記タッチ積層体6は、ダイレクトセルタッチ(Direct cell touch,DOT)式を採用してもよい。本願の実施例に提供される前記タッチ積層体6は、相互容量式又は自己容量式であってもよいが、これに限定されず、前記タッチ積層体6の具体的なタイプと構造は、実際のニーズに応じて選択することができる。
【0041】
前記第1の屈折層7は、低屈折層であり、前記第2の屈折層8は高屈折層であり、前記低屈折層は、少なくとも前記表示領域AAに位置し、前記高屈折層は、いずれも前記表示領域AAから前記非表示領域NAまで延び、前記第2の屈折層8は、複数のマイクロレンズユニットを形成するように前記第1の屈折層7の複数の前記開口71に充填されている。前記第1の屈折層7と前記第2の屈折層8との間の屈折率の差によって、前記発光部31から出射された光線を前記第1の屈折層7と前記第2の屈折層8の境界で集光させることにより、集光の役割を果たし、それに対応する前記発光部31の光取り出し効果を向上させて、前記表示パネルの光取り出し効率を向上させる。また、光線をできるだけ正面方向から出射させ、出射光線の視野角を改善することができる。
【0042】
具体的には、前記第1の屈折層7の屈折率は、1.4~1.6であってもよく、前記第1の屈折層7の材料として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、及び/又はAlq3[トリス(8-キノリノラト)アルミニウム]などの屈折率の低い光透過有機材料を含んでもよい。前記第2の屈折層8の屈折率は、1.61~1.8であってもよく、前記第2の屈折層8の材料として、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、4,4’-ビス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(TPD)、4,4’,4’’-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン(m-MTDATA)、1,3,5-トリス[N,N-ビス(2-メチルフェニル)アミノ]ベンゼン(o-MTDAB)、1,3,5-トリス[N,N-ビス(3-メチルフェニル)アミノ]ベンゼン(m-MTDAB)、1,3,5-トリス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)アミノ]ベンゼン(p-MTDAB)、4,4’-ビス[N,N-ビス(3-メチルフェニル)アミノ]ジフェニルメタン(BPPM)、4,4’-ジカルバゾリル-1,1’-ビフェニル(CBP)、4,4’,4’’-トリス(N-カルバゾール)トリフェニルアミン(TCTA)、2,2’,2’’-(1,3,5-フェニルトリイル)トリス-[1-フェニル-1H-ベンズイミダゾール](TPBI)及び/又は3-(4-ビフェニル)-4-フェニル-5-tert-ブチルフェニル-1,2,4-トリアゾール(TAZ)などの屈折率の高い光透過有機材料を含んでもよい。
【0043】
前記第2の屈折層8には、光線の屈折方向を調整することで前記発光部31の出射率を向上させるためのZrO2/TiO2などのナノ粒子がさらにドープされてもよい。
【0044】
前記第1の屈折層7は、前記非表示領域NA内に分布する第2の溝73をさらに含み、前記第2の溝73は、前記第1の溝72の前記表示領域AAから離れた側に位置し、前記第2の屈折層8は、前記第2の溝73に充填されるか、あるいは、前記第2の屈折層8は、境界が、前記第2の溝73内又は前記第2の溝73と前記第1の溝72との間に止まる。
【0045】
前記第1の屈折層7の、前記第1の溝72の側壁と前記第2の溝73の側壁との間に位置する部分により、障壁74が形成され、前記第1の溝72と前記第2の溝73は、いずれもインクのオーバーフローを阻止するためのものであり、複数の溝は、溝が1つのみ設けられた場合よりも、インクの流れをより正確に制御して形成することができ、前記表示領域AAの近くに設けられた前記第1の溝72は、前記第2の屈折層8の溢れを制御する主溝とされてもよく、前記第2の溝73は、前記第2の屈折層8の、前記第1の溝72の上への溢れを防ぐ補助溝とされてもよく、前記第1の溝72と前記第2の溝73の協働により、インクの前記非表示領域NAの外へのオーバーフローを避けることが確保される。
【0046】
さらに、前記非表示領域NAは、折曲領域BA1と、前記折曲領域BA1の前記表示領域AAから離れた側に位置するボンディング領域BA2とを含み、前記ボンディング領域BA2は、前記折曲領域BA1によって前記表示領域AAの裏部まで折り曲げ、ベゼルの幅を小さくし、狭ベゼル表示を実現することができる。前記第1の溝72及び前記第2の溝73は、前記折曲領域BA1と前記表示領域AAとの間に設けられている。
【0047】
前記折曲領域BA1には、第3の溝9が設けられ、前記第3の溝9は、前記層間媒体層224、前記ゲート絶縁層222及び前記バッファ層21を貫通し、前記平坦化層23によって満たされ、これにより、前記表示パネルの前記折曲領域BA1における厚みを低減させて前記表示パネルの折曲応力を低減させ、前記表示パネルが、良い折曲特性を有することになる。
【0048】
図3と
図4を参照し、前記第1の溝72は、前記表示領域AAから離れる方向に沿って順次に配列している配列アレイ723の複数のグループを含み、前記配列アレイ723の各グループは、複数の前記ソリッドユニット721及び複数の前記マイクログルーブ722が順次に配置されることによって形成され、前記配列アレイ723の隣接する2つのグループにおける複数の前記ソリッドユニット721は互い違いに配置され、前記配列アレイ723の隣接する2つのグループにおける複数のマイクログルーブ722は互い違いに配置されている。これにより、形成された流路が曲がりくねるように蛇行状に配置され、インクの流路も、曲がりくねるようになり、直線状の流路よりも、インクの流路の長さが大きくなり、インクの流動速度を低下させることができる。これにより、インクの流れが最終に止まる位置が、前記障壁74の前記表示領域AAに近い側になりやすく、即ち、第2の屈折層8の境界が、前記障壁74の前記表示領域AAに近い側に止まることになり、これにより、前記第2の屈折層8がインクジェット印刷の段階で溢れるリスクが低下し、特に前記表示パネルが狭いベゼルの設計を採用する場合に適する。
【0049】
具体的には、前記第1の溝72と前記第2の溝73の阻止作用を考慮すると、前記第1の溝72の幅は、40μm以上であり、前記第2の溝73の幅は、40μm以上であり、前記第1の溝72と前記第2の溝73との間の距離は、40μm以上である。
【0050】
前記配列アレイ723の複数のグループのうちの前記表示領域AA直近の列の前記配列アレイ723において、前記マイクログルーブ722のそれぞれのサイズが、前記表示領域AAの近くから離れる方向に沿って漸次減少している。即ち、前記マイクログルーブ722は、前記表示領域AAに近い側のサイズが、前記表示領域AAから離れた側のサイズよりも大きい。このように設置する原因は、以下の通りである。前記表示領域AA直近の最前側の前記配列アレイ723における前記マイクログルーブ722は、ある程度で流れを案内する役割を果たすことができるので、インクが前記第1の溝72内に流れやすい。また、前記表示領域AAから離れた、相対的に後側に位置する前記配列アレイ723における前記マイクログルーブ722は互いにずれているので、流動性インクの流れを妨げる流動制限の役割を果たすことができ、インクの流動速度を低下させ、前記第2の屈折層8がインクジェット印刷の段階で溢れるリスクがさらに低下する。また、前記配列アレイ723が毛細管作用を有することにより、インクは前記流路に沿って、サイズの大きい前記マイクログルーブ722から前記第1の溝72の前記表示領域AAに近い側に流れやすく、即ち、インクによって覆われていない前記第1の屈折層7上に流れやすい。
【0051】
本願の実施例では、それぞれ前記配列アレイ723の隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニット721の間の距離d1と前記第1の溝72の底壁の幅の比は1/8以下であり、前記ソリッドユニット721のそれぞれの最大のサイズd2と前記第1の溝72の底壁の幅の比は1/4以下である。
【0052】
具体的には、それぞれ前記配列アレイ723の隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニット721の間の距離d1は5μm以下であり、前記ソリッドユニット721のそれぞれの最大のサイズd2が10μm以下である。
【0053】
本願の実施例では、毛細管作用の効果を確保するために、前記配列アレイ723のグループの数は3以上である。なお、自分のニーズに応じて前記配列アレイ723のグループの数を選択してもよく、前記配列アレイ723の隣接する2つのグループにおける複数の前記マイクログルーブ722が互い違いに配置されることを確保すればよい。
【0054】
前記配列アレイ723の各グループにおける前記ソリッドユニット721の数は3以上であり、即ち、前記ソリッドユニット721は、少なくとも3行と少なくとも3列に沿って分布し、これにより毛細管作用の効果を確保する。
【0055】
選択的に、前記ソリッドユニット721の前記基板1における正投影の形状は、正方形、長方形、ひし形、円形、及び楕円形のうちのいずれか1種を含み、本願の実施例では、前記ソリッドユニット721の前記基板1における正投影の形状はひし形である。
【0056】
前記マイクログルーブ722は、前記表示パネルの断面方向における形状が逆台形であってもよく、これは、プロセスによるものである。前記マイクログルーブ722と前記ソリッドユニット721は、同一のイエローライトプロセスによって同時に形成され、前記発光部31から離れるほど開口71が狭くなり、開口71が狭くなるほどエッチングが浅くなる。このように、前記マイクログルーブ722のスロープが形成される。
【0057】
前記配列アレイ723の同一のグループにおける複数の前記ソリッドユニット721は、サイズが同一であっても異なってもよい。前記配列アレイ723の異なるグループにおける複数の前記ソリッドユニット721は、サイズが同一であっても異なってもよい。なお、本願の実施例では、前記配列アレイ723の異なるグループにおける前記ソリッドユニット721の、前記基板1における正投影の面積は、前記表示領域AAから離れる方向に沿って漸次減少している。このように設置する原因は、以下の通りである。従来技術では、前記第2の屈折層8に覆われない前記第1の屈折層7上の位置は、主に前記配列アレイの複数のグループにおける前記表示領域AAの近くに分布する前記配列アレイ723によって決められるため、この前記表示領域AAの近くに分布する前記配列アレイ723における前記ソリッドユニット721の、前記基板1における正投影の面積を大きくし、前記表示領域AAから離れて分布する前記配列アレイ723における前記ソリッドユニット721の、前記基板1における正投影の面積を小さくすることにより、前記表示領域AAの近くに分布する前記配列アレイ723における前記マイクログルーブ722のサイズが大きくなり、前記表示領域AAから離れて分布する前記配列アレイ723における前記マイクログルーブ722のサイズが小さくなり、これによって、流路におけるインクが、この位置に流れて前記第1の屈折層7を覆いやすい。
【0058】
さらに、
図5と
図6を参照し、前記ソリッドユニット721の前記基板1から離れた側の表面には、間隔を置いて設けられた複数のマイクロソリッドユニット7211と、互いに連通する複数のサブマイクログルーブ7212とが設けられており、前記サブマイクログルーブ7212は、隣接する2つの前記マイクロソリッドユニット7211の間に設けられている。前記マイクロソリッドユニット7211と前記サブマイクログルーブ7212は、同様に毛細管作用を有し、これにより従来技術では前記第2の屈折層8に覆われない前記第1の屈折層7上の位置を補填し、そのメカニズムは、前記ソリッドユニット721と前記マイクログルーブ722が毛細管作用を有する上記のメカニズムを参照することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0059】
前記第1の溝72は、前記第1の屈折層7を貫通してもよく、又は、前記第1の屈折層7を完全に貫通しなくてもよく、本願の実施例では、前記第1の溝72は、前記第1の溝72のインクに対する阻止効果をより良くするために、前記第1の屈折層7を貫通している。当然ながら、前記第2の溝73も、前記第2の屈折層8を貫通してもよく、又は、前記第2の屈折層8を完全に貫通しなくてもよい。
【0060】
前記表示パネルの厚み方向において、前記第1の溝72の深さは、前記マイクログルーブ722の深さ及び前記ソリッドユニット721の高さと等しく、即ち、本願の実施例では、前記マイクログルーブ722、前記ソリッドユニット721及び前記第1の溝72は、全てが同一のイエローライトプロセスによって製造される。さらに、前記マイクログルーブ722、前記ソリッドユニット721、前記第1の溝72、及び前記第2の溝73は、全てが同一のイエローライトプロセスによって製造される。
【0061】
さらに、前記表示パネルの厚み方向において、前記マイクログルーブ722の深さが前記開口71の深さと同じであり、前記第1の溝72の深さが前記第2の溝73の深さと同じであり、即ち、前記マイクログルーブ722、前記開口71、前記第1の溝72及び前記第2の溝73は、全てが同一のイエローライトプロセスによって製造される。
【0062】
本願の実施例では、前記ソリッドユニット721と前記第1の屈折層7とは、材料が同じであり、前記ソリッドユニット721は、突起である。
【0063】
図7と
図8A~
図8Dを参照し、本願の実施例は、表示パネルの製造方法をさらに提供し、その表示パネルの製造方法は、以下のステップを含む。
【0064】
ステップS1において、基板1を提供する。
【0065】
具体的には、
図8Aを参照し、前記基板1は可撓性材料であり、前記可撓性材料はポリイミドを含む。
【0066】
ステップS2において、前記基板1の一方側に発光層3を形成し、前記発光層3は、前記表示領域AAに設けられた複数の発光部31を含む。
【0067】
具体的には、
図8Bを参照し、前記ステップS2は、前記発光層3が形成される前に、以下のステップをさらに含む。
【0068】
ステップS21において、前記基板1上にバッファ層21、薄膜トランジスタアレイ層22、平坦化層23、アノード24、画素定義層4を順次に形成する。
【0069】
前記ステップS2は、前記発光層3が形成された後、以下のステップをさらに含む。
【0070】
ステップS22において、前記画素定義層4と前記発光層3上にカソード、パッケージ層5、及びタッチ積層体6を順次に形成する。
【0071】
ステップS3において、前記発光層3の前記基板1から離れた側に第1の屈折層7を形成し、前記第1の屈折層7に対してパターン化処理を行うことで、表示領域AAに位置し、且つ前記発光部31に対応する複数の開口71、非表示領域NAに位置する第1の溝72、並びに前記第1の溝72内に位置し、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニット721及び互いに連通する複数のマイクログルーブ722を形成し、前記マイクログルーブ722は、隣接する2つの前記ソリッドユニット721の間に設けられ、前記第2の屈折層8は、前記マイクログルーブ722に充填されて前記ソリッドユニット721を覆う。
【0072】
具体的には、
図8Cを参照し、前記ステップS3は、前記非表示領域NAに位置する第2の溝73を形成するステップをさらに含み、前記第2の溝73は、前記第1の溝72の前記表示領域AAから離れた側に位置し、前記第1の溝72と前記第2の溝73との間には、障壁74が設けられている。
【0073】
具体的には、前記第1の屈折層7の材料は、屈折率の低い材料であり、前記マイクログルーブ722と前記ソリッドユニット721は、同一のプロセスによって製造され、さらに、前記マイクログルーブ722、前記ソリッドユニット721、前記第1の溝72、及び前記第2の溝73は、全てが同一のプロセスによって製造される。
【0074】
ステップS4において、インクジェット印刷のプロセスにより、前記第1の屈折層7の前記基板1から離れた側に屈折率の高い材料を印刷することによって、前記マイクログルーブ722に充填されて前記ソリッドユニット721を覆う前記第2の屈折層8を形成する。
【0075】
具体的には、
図8Dを参照し、前記第2の屈折層8は、前記第1の屈折層7よりも屈折率が大きく、前記第2の屈折層8は、前記第2の溝73に充填されて前記障壁74を覆うか、あるいは、前記第2の屈折層8は、境界が前記第2の溝73と前記第1の溝72との間に位置する。前記第2の屈折層8の材料は有機材料であり、インクジェット印刷を行う時に、有機材料が流れて前記第2の溝73と前記第1の溝72との間に止まる。
【0076】
インクジェット印刷で第2の屈折層8を形成する時に、マイクログルーブ722の毛細管作用により、インクは互いに連通する複数のマイクログルーブ722で形成されたチャンネルを介して第1の溝72の表示領域AA付近の縁まで流れることができ、インクが当該位置まで届かないことにより当該位置に応力集中現象が発生することが避けられ、表示パネルが折り曲げられる時に金属線が断線するリスクが低下し、表示パネルの耐用年数の向上に寄与することが理解可能である。
【0077】
本願の実施例は、表示装置をさらに提供し、前記表示装置は、上記の実施例における表示パネルを備え、前記表示装置は、電子ペーパー、携帯電話、タブレットパソコン、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトアルバム、GPSなどを含むが、それらに限定されない。
【0078】
有益な効果は、以下の通りである。本願の実施例に提供される表示パネル及び表示装置により、表示パネルは、基板と、発光層と、第1の屈折層と、第2の屈折層とを含み、第1の屈折層は、非表示領域に分布する第1の溝を含む。第1の溝内に、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとが設けられ、マイクログルーブが、隣接する2つのソリッドユニットの間に設けられ、第2の屈折層が、マイクログルーブに充填されてソリッドユニットを覆う。これにより、インクジェット印刷で第2の屈折層を形成する時に、マイクログルーブの毛細管作用により、インクは互いに連通する複数のマイクログルーブで形成されたチャンネルを介して第1の溝の表示領域付近の縁まで流れることができ、インクが当該位置まで届かないことにより当該位置に応力集中現象が発生することが避けられ、表示パネルが折り曲げられる時に金属線が断線するリスクが低下し、表示パネルの耐用年数の向上に寄与する。
【0079】
以上を纏めると、上記のように好ましい実施形態で本願を開示したが、上記の好ましい実施形態は、本願を制限するためものではなく、当業者であれば、本願の精神と範囲から逸脱することなく様々な変更や修飾を行うことができるので、本願の保護範囲は、特許請求の範囲によって規定される範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0080】
21 バッファ層
22 薄膜トランジスタアレイ層
23 平坦化層
24 アノード
31 発光部
51 第1の無機パッケージ層
52 有機パッケージ層
53 第2の無機パッケージ層
61 第1のタッチ金属層
62 第2のタッチ金属層
63 第2の絶縁層
71 画素開口
72 第1の溝
73 第2の溝
74 障壁
221 アクティブ層
222 ゲート絶縁層
223 ゲート
224 層間媒体層
225 ソースドレイン金属層
721 ソリッドユニット
722 マイクログルーブ
723 配列アレイ
7211 マイクロソリッドユニット
7212 サブマイクログルーブ
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と前記表示領域の少なくとも一方側に位置する非表示領域とを含み、
さらに、
基板と、
前記基板の一方側に設けられており、前記表示領域に設けられた複数の発光部を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられた第1の屈折層であって、前記表示領域内にアレイ状に分布して複数の前記発光部に対応する複数の開口と、前記非表示領域内に分布する第1の溝とを含む第1の屈折層と、
前記第1の屈折層の前記基板から離れた側に設けられて複数の前記開口に充填され、屈折率が前記第1の屈折層よりも大きい第2の屈折層と、を含み、
前記第1の溝が、間隔を置いて設けられた複数のソリッドユニットと、互いに連通する複数のマイクログルーブとを含み、前記マイクログルーブが、隣接する2つの前記ソリッドユニットの間に設けられ、前記第2の屈折層が、前記マイクログルーブに充填されて前記ソリッドユニットを覆う、表示パネル。
【請求項2】
前記第1の溝が、前記表示領域から離れる方向に沿って順次に配列している配列アレイの複数のグループを含み、前記配列アレイの各グループが、順次に配置された複数の前記ソリッドユニット及び複数の前記マイクログルーブを含み、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記ソリッドユニットが互い違いに配置され、前記配列アレイの隣接する2つのグループにおける複数の前記マイクログルーブが互い違いに配置されている、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記配列アレイの複数のグループのうちの前記表示領域直近の列の前記配列アレイにおいて、前記マイクログルーブのそれぞれのサイズが、前記表示領域の近くから離れる方向に沿って漸次減少している、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記配列アレイの異なるグループにおける前記ソリッドユニットの、前記基板における正投影の面積が、前記表示領域から離れる方向に沿って漸次減少している、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離と前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/8以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズと前記第1の溝の底壁の幅の比の値が1/4以下である、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項6】
それぞれ前記配列アレイの隣接する2つのグループに位置する2つの隣接する前記ソリッドユニットの間の距離が5μm以下であり、前記ソリッドユニットのそれぞれの最大のサイズが10μm以下である、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記配列アレイのグループの数が3以上である、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1の溝が前記第1の屈折層を貫通し、前記表示パネルの厚み方向において、前記第1の溝の深さが、前記マイクログルーブの深さ及び前記ソリッドユニットの高さと等しい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1の屈折層が、前記非表示領域内に分布する第2の溝をさらに含み、前記第2の溝が、前記第1の溝の前記表示領域から離れた側に位置し、
前記第2の屈折層の境界が、前記第2の溝内又は前記第2の溝と前記第1の溝との間に位置する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記表示パネルの厚み方向において、前記マイクログルーブの深さが前記開口の深さと同じであり、前記第1の溝の深さが前記第2の溝の深さと同じである、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記非表示領域が、折曲領域と、前記折曲領域の前記表示領域から離れた側に位置するボンディング領域とを含み、前記ボンディング領域が、前記折曲領域によって前記表示領域の裏部まで折り曲げ、前記第1の溝及び前記第2の溝が、前記折曲領域と前記表示領域との間に設けられた、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記発光層の前記基板から離れた側を覆うパッケージ層と、
前記パッケージ層の前記基板から離れた側に設けられ、順次に積層された第1の絶縁層、第1のタッチ金属層、第2の絶縁層、第2のタッチ金属層及び前記第1の屈折層を含むタッチ積層体であって、前記第1のタッチ金属層又は前記第2のタッチ金属層内にタッチ電極が設けられた、タッチ積層体と、をさらに含む
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記ソリッドユニットの前記基板から離れた側の表面には、間隔を置いて設けられた複数のマイクロソリッドユニットと、互いに連通する複数のサブマイクログルーブとが設けられており、前記サブマイクログルーブは、隣接する2つの前記マイクロソリッドユニットの間に設けられた、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の表示パネル
を含む表示装置。
【国際調査報告】