(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】生鮮品を監視するための方法、デバイスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/02 20220101AFI20241112BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20241112BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H04L67/02
G08C15/00 D
G08C15/06 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520585
(86)(22)【出願日】2022-10-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022077427
(87)【国際公開番号】W WO2023057363
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】CH070343/2021
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515172005
【氏名又は名称】ベーリンガー・ウント・コンパニー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BERLINGER & CO. AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェル,ロギーア
(72)【発明者】
【氏名】ベーバー,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ベーア,マリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ホーセル,ローデベイク
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA03
2F073AB02
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC07
2F073CC09
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD07
2F073FF01
2F073GG01
2F073GG06
(57)【要約】
製品(P)を監視するための第1のデバイス(D1)は、センサを使用して検知ステップを繰り返し実行し、検知ステップの各々について、その記憶ユニット(M1)に、それぞれの検知の結果を示す検知データ(sd)と、関連付けられた検知時間(t)を示す時間データ(td)と、送信ステータスを示すステータスデータ(st)とを記憶するように構成される。第1のデバイス(D1)は、それぞれの送信を識別する送信IDデータ(TID)と、第1のデバイス(D1)を識別する第1のIDデータ(ID)と、検知データ(sd)と、それぞれの関連付けられた時間データ(td)とを含む第1のデータセット(DS1)が送信される第1の通信ネットワークを介して、送信を繰り返し、準備し、続いて実行するようにさらに構成される。第1のデバイス(D1)は、送信IDデータ(TID)をそれぞれの送信された検知データ(sd)にリンクし、第1のデバイス(D1)によって行われた送信のうちの1つを識別する送信IDデータ(TID)を含む確認応答データセット(ACK)を受信するようにさらに構成される。そして、それは、それぞれの検知データ(sd)を記憶した後に、検知データ(sd)の送信ステータスを「準備完了」に設定し、それぞれの検知データ(sd)にリンクされた送信IDデータ(TID)を含む確認応答データセット(ACK)を受信した後に、検知データの送信ステータスを「確認応答済み」に設定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の製品(P)を監視するための、第1の機能ユニットを備える第1のデバイス(D1)であって、前記第1の機能ユニットは、
前記1つまたは複数の製品がさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知するためのセンサを備える第1の検知ユニット(S1)と、
データ記憶のための第1の記憶ユニット(M1)と、
第1の通信ネットワークを介して通信するための第1の通信ユニット(C1)と、
を備え、
前記第1のデバイス(D1)は、
前記センサを使用して前記物理的および/または環境的条件が検知される検知ステップを繰り返し実行し、
前記検知ステップの各々について、前記第1の記憶ユニット(M1)に、
それぞれの前記検知の結果を示す検知データ(sd)と、
それぞれの前記検知データ(sd)に関連付けられた検知時間(t)を示す時間データ(td)と、
それぞれの前記検知データの送信ステータスを示すステータスデータ(st)と、
を記憶するように構成され、
前記第1のデバイス(D1)は、前記第1の通信ネットワークを介した送信を繰り返し、準備し、続いて行うようにさらに構成され、前記送信の各々において、第1のデータセット(DS1)が前記第1の通信ネットワークを介して送信され、前記第1のデータセット(DS1)の各々は、
それぞれの前記送信を識別する送信IDデータ(TID)と、
前記第1のデバイス(D1)を識別する第1のIDデータ(ID)と、
前記検知データ(sd)のうちの1つまたは複数と、
前記1つまたは複数の検知データ(sd)の各々について、それぞれの関連付けられた時間データ(td)と、
を含み、
前記第1のデバイス(D1)は、前記送信の各々について、それぞれの前記送信を実行した後に、それぞれの前記送信に関連付けられた前記送信IDデータ(TID)を前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶し、前記記憶された送信IDデータ(TID)を、それぞれの前記送信で送信された前記第1のデータセット(DS1)に含まれるそれぞれの前記検知データ(sd)の各々にリンクするようにさらに構成され、
前記第1のデバイス(D1)は、
前記第1の通信ネットワークを介して確認応答データセット(ACK)を受信するようにさらに構成され、前記確認応答データセット(ACK)の各々は、前記第1のデバイス(D1)によって行われた前記送信のうちの1つを識別する送信IDデータ(TID)を含み、
前記第1のデバイス(D1)は、
それぞれの前記検知データ(sd)を前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶した後に、検知データ(sd)の前記送信ステータスを「準備完了」に設定し、
それぞれの前記検知データ(sd)にリンクされた送信IDデータ(TID)を含む確認応答データセット(ACK)を前記第1の通信ネットワークを介して受信した後に、検知データ(sd)の前記送信ステータスを「確認応答済み」に設定する
ようにさらに構成される、第1のデバイス(D1)。
【請求項2】
送信の各々について、前記それぞれの送信を準備するときに、
前記それぞれの送信で送信されるべき前記第1のデータセット(DS1)に含まれるべき前記1つまたは複数の検知データ(sd)の各々は、「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有し、
前記それぞれの送信で送信されるべき前記第1のデータセット(DS1)に含まれる前記1つまたは複数の検知データ(sd)のすべては、検知データ(sd)の系列を構成し、前記系列は、
前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶され「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有する前記検知データ(sd)のいずれかに関連付けられたすべての前記検知時間(t)のうちで最も早い、第1の検知時間(ft)と呼ばれる検知時間(t)に関連付けられた検知データ(sd)である、第1の検知データ(fsd)と呼ばれる検知データ(sd)と、
前記系列の前記検知データ(sd)のうちのいずれかに関連付けられたすべての前記検知時間(t)のうちで最も遅い、最終検知時間(lt)と呼ばれる検知時間(t)に関連付けられた検知データ(sd)である、最終検知データ(lsd)と呼ばれる検知データ(sd)と、
前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶された任意の検知データ(sd)であって、前記第1の検知時間(ft)と同一またはそれよりも遅く、かつ、前記最終検知時間(lt)と同一またはそれよりも早い検知時間(t)に関連付けられた検知データ(sd)と、
を含む、請求項1に記載の第1のデバイス(D1)。
【請求項3】
最大送信サイズが前記第1の通信ネットワークのプロトコルで規定され、前記第1のデバイス(D1)は、
前記送信の各々について、検知データ(sd)のそれぞれの前記系列が可能な限り多くの検知データを含むように、前記それぞれの送信のサイズが前記最大送信サイズと同一であるかそれよりも小さくなるように、前記最終検知データ(lsd)を選択する
ようにさらに構成される、請求項2に記載の第1のデバイス(D1)。
【請求項4】
前記第1のデバイス(D1)は、
前記第1の通信ネットワークを介して送信を実行した後に、それぞれの前記検知データ(sd)を含む第1のデータセット(DS1)を含む検知データ(sd)の前記送信ステータスを「送信済み」に設定する
ようにさらに構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の第1のデバイス(D1)。
【請求項5】
前記第1のデバイスは、
事前設定された待機時間を超える期間、「送信済み」に設定された送信ステータスを有する検知データ(sd)が前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶されていることを検出した後に、さらなる送信を準備し、続いて実行する
ようにさらに構成される、請求項4に記載の第1のデバイス(D1)。
【請求項6】
前記確認応答データセット(ACK)の各々は、デジタル的に署名され、デジタル署名(SIG)を含み、前記第1のデバイス(D1)は、各受信された確認応答データセット(ACK)について、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記デジタル署名(SIG)を用いて、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記送信IDデータ(TID)の真正性を検証するようにさらに構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の第1のデバイス(D1)。
【請求項7】
前記確認応答データセット(ACK)の各々は、さらに、
それぞれの前記確認応答データセット(ACK)の発信元を識別する発信元IDデータ(OID)と、
それぞれの前記確認応答データセット(ACK)の宛先を識別する宛先IDデータ(DID)と、
を含み、前記第1のデバイス(D1)は、各受信された確認応答データセット(ACK)について、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記デジタル署名(SIG)を用いて、
それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記発信元IDデータ(OID)の、および
それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記宛先IDデータ(DID)の
真正性を検証するようにさらに構成される、請求項6に記載の第1のデバイス(D1)。
【請求項8】
前記第1のデータセット(DS1)の各々は、前記第1のデバイス(D1)を識別する第1のIDデータ(ID)を含み、前記第1のデバイス(D1)は、
各受信された確認応答データセット(ACK)について、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記宛先IDデータ(TID)を前記第1のIDデータ(ID)と比較し、
前記比較の結果が肯定的である場合にのみ、検知データ(sd)の前記送信ステータスを「確認応答済み」に設定するステップを実行する
ようにさらに構成される、請求項7に記載の第1のデバイス(D1)。
【請求項9】
製品(P)のセットを監視するためのシステムであって、
請求項1~5のいずれか1項に記載の1つまたは複数の第1のデバイス(D1)であって、前記第1のデバイス(D1)の各々は前記製品(P)のそれぞれのサブセットに関連付けられる、1つまたは複数の第1のデバイス(D1)と、
1つまたは複数の第2のデバイス(D2)と、
を備え、前記第2のデバイス(D2)の各々は、1つまたは複数の第2の機能ユニットを備え、前記第2の機能ユニットは、
前記第1の通信ネットワークを介して通信し、さらに第2の通信ネットワークを介して通信するための第2の通信ユニット(C2)を備え、
前記第2のデバイス(D2)の各々は、
前記第1の通信ネットワークを介して前記第1のデバイス(D1)のそれぞれによって行われた前記送信のうちの1つまたは複数を前記第1の通信ネットワークを介して受信し、
そのように受信された前記第1のデータセット(DS1)の各々から、それぞれの第2のデータセット(DS2)であって、
前記送信IDデータと、
前記第1のIDデータ(ID)と、
前記1つまたは複数の検知データ(sd)と、
前記1つまたは複数の検知データ(sd)の各々について、それぞれの関連付けられた 前記時間データ(td)と、
を含む第2のデータセット(DS2)を、そのように受信された前記第1のデータセット(DS1)から導出し、
前記第2のデータセット(DS2)の各々を、前記第2の通信ネットワークを介してインターネット(www)に送信し、
前記第2の通信ネットワークを介して、前記インターネット(www)から、1つまたは複数の第3のデータセット(DS3)を受信し、前記第3のデータセット(DS3)の各々は、
送信IDデータ(TID)と、
前記第1のデバイス(D1)のうちの1つを識別する第1のIDデータ(ID)と、
を含み、前記第2のデバイス(D2)のうちの1つによって、前記第2の通信ネットワークを介して前記インターネット(www)に送信された第2のデータセット(DS2)から導出され、
そのように受信された前記第3のデータセット(DS3)の各々から、それぞれの確認応答データセット(ACK)であって、
前記送信IDデータ(TID)と、
前記第1のIDデータ(ID)と、
を含む確認応答データセット(ACK)を、それぞれのそのように受信された前記第3のデータセット(DS3)から導出し、
そのように導出された前記確認応答データセット(ACK)の各々を、前記第1の通信ネットワークを介して、前記それぞれの確認応答データセット(ACK)に含まれる前記第1のIDデータ(ID)によって識別される前記第1のデバイス(D1)のそのそれぞれに送信する
ように構成される、システム。
【請求項10】
製品(P)のセットを監視するための方法であって、
1つまたは複数の第1のデバイス(D1)を提供することであって、前記第1のデバイス(D1)の各々は、前記製品(P)のそれぞれのサブセットに関連付けられ、第1の機能ユニットを備え、前記第1の機能ユニットは、
物理的および/または環境的条件を検知するためのセンサを備える第1の検知ユニット(S1)と、
データ記憶のための第1の記憶ユニット(M1)と、
を備える、提供することと、
前記第1のデバイス(D1)の各々によって、
前記それぞれの関連付けられた製品(P)のサブセットの前記製品(P)がさらされると想定される前記物理的および/または環境的条件が、前記それぞれの第1のデバイス(D1)の前記センサを用いて検知される検知ステップを繰り返し実行することと、
前記検知ステップの各々について、前記第1の記憶ユニット(M1)に、
それぞれの前記検知の結果を示す検知データ(sd)と、
前記それぞれの検知データ(sd)に関連付けられた検知時間(t)を示す時間データ(td)と、
前記それぞれの検知データの送信ステータスを示すステータスデータ(st)と、
を記憶することと、
第1の通信ネットワークを介した送信を繰り返し準備し、続いて行うことであって、前記送信の各々において、第1のデータセット(DS1)が前記第1の通信ネットワークを介して送信され、前記第1のデータセット(DS1)の各々は、
それぞれの前記送信を識別する送信IDデータ(TID)と、
前記第1のデバイス(D1)を識別する第1のIDデータ(ID)と、
前記検知データ(sd)のうちの1つまたは複数と、
前記1つまたは複数の検知データ(sd)の各々について、前記それぞれの関連付けられた時間データ(td)と、
を含む、繰り返し準備し、続いて行うことと、
送信の各々について、それぞれの送信を行った後に、
前記第1の記憶ユニット(M1)に、前記それぞれの送信に関連付けられた前記送信IDデータ(TID)を記憶することと、
前記記憶された送信IDデータ(TID)を、前記それぞれの送信で送信された前記第1のデータセット(DS1)に含まれる前記それぞれの検知データ(sd)の各々にリンクすることと、
前記第1の通信ネットワークを介して確認応答データセット(ACK)を受信することであって、前記確認応答データセット(ACK)の各々は、前記第1のデバイス(D1)によって行われた前記送信のうちの1つを識別する送信IDデータ(TID)を含む、受信することと、
前記それぞれの検知データ(sd)を前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶した後に、検知データ(sd)の前記送信ステータスを「準備完了」に設定することと、
前記それぞれの検知データ(sd)にリンクされた送信IDデータ(TID)を含む確認応答データセット(ACK)を前記第1の通信ネットワークを介して受信した後に、検知データ(sd)の前記送信ステータスを「確認応答済み」に設定することと、
を含む、方法。
【請求項11】
送信の各々について、それぞれの送信を準備するときに、
前記それぞれの送信で送信されるべき前記第1のデータセット(DS1)に含まれるべき前記1つまたは複数の検知データ(sd)の各々は、「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有し、
前記それぞれの送信で送信されるべき前記第1のデータセット(DS1)に含まれる前記1つまたは複数の検知データ(sd)のすべては、検知データ(sd)の系列を構成し、前記系列は、
前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶され「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有する前記検知データ(sd)のいずれかに関連付けられたすべての前記検知時間(t)のうちで最も早い、第1の検知時間(ft)と呼ばれる検知時間(t)に関連付けられた検知データ(sd)である、第1の検知データ(fsd)と呼ばれる検知データ(sd)と、
前記系列の前記検知データ(sd)のうちのいずれかに関連付けられたすべての前記検知時間(t)のうちで最も遅い、最終検知時間(lt)と呼ばれる検知時間(t)に関連付けられた検知データ(sd)である、最終検知データ(lsd)と呼ばれる検知データ(sd)と、
前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶された任意の検知データ(sd)であって、前記第1の検知時間(ft)と同一またはそれよりも遅く、かつ、前記最終検知時間(lt)と同一またはそれよりも早い検知時間(t)に関連付けられた検知データ(sd)と、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
最大送信サイズが前記第1の通信ネットワークのプロトコルで規定され、前記方法は、前記第1のデバイス(D1)の各々によって実行される、
前記送信の各々について、検知データ(sd)のそれぞれの前記系列が可能な限り多くの検知データを含むように、前記それぞれの送信のサイズが前記最大送信サイズと同一であるかそれよりも小さくなるように、前記最終検知データ(lsd)を選択すること、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のデバイス(D1)の各々によって実行される、
前記第1の通信ネットワークを介して送信を実行した後に、それぞれの前記検知データ(sd)を含む第1のデータセット(DS1)を含む検知データ(sd)の前記送信ステータスを「送信済み」に設定することと、
事前設定された待機時間を超える期間、「送信済み」に設定された送信ステータスを有する検知データ(sd)が前記第1の記憶ユニット(M1)に記憶されていることを検出した後に、さらなる送信を準備し実行することと、
を含む、請求項10~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記確認応答データセット(ACK)の各々は、デジタル的に署名され、デジタル署名(SIG)を含み、前記方法は、前記第1のデバイス(D1)の各々によって実行される、
各受信された確認応答データセット(ACK)について、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記デジタル署名(SIG)を用いて、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記送信IDデータ(TID)の真正性を検証すること、
をさらに含む、請求項10~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記確認応答データセット(ACK)の各々は、さらに、
それぞれの前記確認応答データセット(ACK)の発信元を識別する発信元IDデータ(OID)と、
それぞれの前記確認応答データセット(ACK)の宛先を識別する宛先IDデータ(DID)と、
を含み、前記第1のデータセット(DS1)の各々は、前記第1のデバイス(D1)を識別する第1のIDデータ(ID)を含み、前記方法は、前記第1のデバイス(D1)の各々によって実行される、
各受信された確認応答データセット(ACK)について、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記デジタル署名(SIG)を用いて、
それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記発信元IDデータ(TID)の、および
それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記宛先IDデータ(TID)の
真正性を検証することと、
各受信された確認応答データセット(ACK)について、それぞれの前記受信された確認応答データセット(ACK)に含まれる前記宛先IDデータ(TID)を前記第1のIDデータ(ID)と比較することと、
前記比較の結果が肯定的である場合にのみ、検知データ(sd)の前記送信ステータスを「確認応答済み」に設定するステップを実行することと、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
1つまたは複数の第2のデバイス(D2)を提供すること、
をさらに含み、前記方法は、前記第2のデバイス(D2)の各々によって、
前記第1の通信ネットワークを介して前記第1のデバイス(D1)のそれぞれによって行われた前記送信のうちの1つまたは複数を前記第1の通信ネットワークを介して受信することと、
そのように受信された前記第1のデータセット(DS1)の各々から、それぞれの第2のデータセット(DS2)であって、
前記送信IDデータ(TID)と、
前記第1のIDデータ(ID)と、
前記1つまたは複数の検知データ(sd)と、
前記1つまたは複数の検知データ(sd)の各々について、それぞれの関連付けられた前記時間データ(td)と、
を含む第2のデータセット(DS2)を、そのように受信された前記第1のデータセット(DS1)から導出することと、
前記第2のデータセット(DS2)の各々を、前記第2の通信ネットワークを介してインターネット(www)に送信することと、
前記第2の通信ネットワークを介して、前記インターネット(www)から、1つまたは複数の第3のデータセット(DS3)を受信することであって、前記第3のデータセット(DS3)の各々は、前記第2のデバイス(D2)のうちの1つによって、前記第2の通信ネットワークを介して前記インターネット(www)に送信された第2のデータセット(DS2)からの、
送信IDデータ(TID)と、
前記第1のデバイス(D1)のうちの1つを識別する第1のIDデータ(ID)と、
を含む、受信することと、
そのように受信された前記第3のデータセット(DS3)の各々から、それぞれの確認応答データセット(ACK)であって、
前記送信IDデータ(TID)と、
前記第1のIDデータ(ID)と、
を含む確認応答データセット(ACK)を、それぞれのそのように受信された前記第3のデータセット(DS3)から導出することと、
そのように導出された前記確認応答データセット(ACK)の各々を、前記第1の通信ネットワークを介して、前記それぞれの確認応答データセット(ACK)に含まれる前記第1のIDデータ(ID)によって識別される前記第1のデバイス(D1)のそのそれぞれに送信することと、
をさらに含む、請求項10~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記インターネット(www)に接続され、サーバアプリケーションがその上で動作するサーバシステム(C)によって実行される、
前記サーバシステム(C)によって、第2の通信ネットワークを介して、前記第2のデバイス(D2)によって前記インターネット(www)に送信された前記第2のデータセット(DS2)を受信することと、
そのように受信された前記第2のデータセット(DS2)から、前記1つまたは複数の第3のデータセット(DS3)のそれぞれを導出することと、
そのように導出された前記第3のデータセット(DS3)の各々を、前記第2の通信ネットワークを介して前記第2のデバイス(D2)のうちの1つに送信することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の監視、特に医薬品などの物理的および/または環境的条件に敏感な製品の監視の分野に関する。より具体的には、本発明は、タグ(データロガーなど)を使用した製品の完全性(無傷性/健全性)の監視に関する。特に、本発明は、一緒に輸送される製品のセットまたは一緒に保管される製品のセットなどの製品のセットを監視することに関する。監視は、例えば、前記輸送中および前記保管中にそれぞれ行うことができる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、請求項の冒頭部分に記載の方法および装置(システム、デバイスなど)に関する。それは、例えばコールドチェーン監視において用途を見出すことができる。
【0003】
欧州特許第3017402号から、シリンジ内の製品の完全性を監視するためのタグ(データロガー)が知られている。タグは、前記完全性に関するデータを表示するためのディスプレイを備える表示ユニットを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対応するセンサ保持タグによって生成された、製品が(おそらく)さらされた検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含むインターネット測定データに通信することが有利な可能性があり、特に、製品の輸送または保管中などの監視中に既にそうすることができる。
【0005】
このようにして、検知データは、インターネットに接続されたサーバシステムなどの明確で安全な場所に保存することができる。したがって、インターネットおよびサーバシステムにそれぞれ送信されたタグからの検知データは、例えばタグが失われた場合でも保護される。
【0006】
また、実質的にどこからでも、特に製品から離れた場所から検知データにアクセスすることができる。このようにして、製品の完全性について知るために、タグおよび製品にそれぞれ近づく必要はない。このようにして、実際にリアルタイム監視を実現することが可能である。
【0007】
また、これにより、最初の保管時、後続の輸送中、および最終保管中など、異なるシステムおよび/またはデバイスが異なる時間に使用された場合でも、1つの同じ製品(または製品のセット)を(集中的に)監視できるように、簡単な方法で監視を拡張すること(および任意選択で処理/評価も)が可能になる。
【0008】
また、特定の輸送レーンまたは特定の保管場所に関する分析は、同じ輸送レーンまたは同じ保管場所で同時に使用されている2つ以上の異なるシステムおよび/またはデバイスからデータを収集することなどによって、比較的簡単な方法で達成することができる。また、特定の輸送レーンまたは特定の保管場所の経時的な評価も、このようにして容易に行うことができる。
【0009】
また、検知データを、天候および/または交通(道路、水上、航空)に関するデータなどのさらなるデータと相互に関連付けることも可能である。
【0010】
さらに、例えば製品がまだ無傷であると仮定できるか否かを判定するための検知データの評価などのための検知データの処理は、「クラウド内」で、すなわちインターネットに接続されたサーバシステムを使用して達成することができる。このようにして、そのようなデータ処理は、必ずしもタグ自体によって達成される必要はなく、より単純で費用効果の高い方法で構築することができる。また、タグの電力消費量をより低くすることができるため、タグのエネルギー源(例えば、バッテリ)をより小さくすることができる。
【0011】
したがって、1つまたは複数のセンサを備え、1つまたは複数のセンサによって検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含む検知データをインターネットに送信するためのインターネット接続性を有するタグを企図することは理にかなっている。
【0012】
このようにして、上記で示した利点を達成することができる。さらに、少なくとも異なるタグ内の異なるセンサに対する可能な要求を無視する場合、単一のタイプのタグのみを使用(および製造)すれば十分である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
しかしながら、本発明者らは、製品を監視する改善された方法、より具体的には製品のセットを監視する改善された方法をさらに考え、企図した。彼らは、製品のセットを監視するために2つの異なるタイプのデバイスを使用することが有利であり得ることを企図しており、第1のタイプのデバイス(第1のデバイス)は、(1つまたは複数のセンサを備える)検知ユニットを備え、第2のタイプのデバイス(第2のデバイス)は、第1のデバイスとは対照的に、インターネット接続性を有する。また、第1のデバイスは、インターネット接続性を提供する通信ネットワーク(第2の通信ネットワーク)とは異なる通信ネットワーク(第1の通信ネットワーク)を介して、第2のデバイスと通信することができる。このようにして、多くの第1のデバイスが、第2のデバイスを介して、それぞれの検知ユニットから生じる検知データなどのデータをインターネットに通信することができる。したがって、第1のデバイスは、インターネットにデータを送信するためのハードウェアおよびソフトウェアがない可能性があるため、比較的小型で費用効率が高い可能性がある。
【0014】
したがって、センサユニットおよびインターネット接続性を有する多くのデバイスを使用する代わりに、第1および第2のデバイスを導入することが提案され、第1のデバイスは、「Bluetooth(登録商標) Low-Energy」規格などによる第1の通信ネットワークを介して、第2のデバイスと通信することができる。第2のデバイスのみが、「WiFi」規格に従って、またはセルラ通信ネットワークを使用するなど、第2の通信ネットワークを介してインターネットにデータを送信することができる。第2のデバイスは各々、第1のデバイスのうちの1つまたは複数のためのインターネットへのゲートウェイとして機能することができる。
【0015】
特に、多くの製品を別々に監視しなければならない場合、またはいくつかのセンサを製品のセットの異なる位置に配置する必要がある場合、少数の第2のデバイスとともに多数の比較的単純な第1のデバイスを使用することは、製品のセットを監視する非常に費用効果の高い方法であり得る。
【0016】
これにより、それぞれ検知結果および検知データに関連するデータの取り扱いを改善することができる。
【0017】
そして、それは、第1のデバイス自体が通信できる範囲を超えて、第1のデバイスからのデータの通信、特に送信を可能にすることができる。
【0018】
しかしながら、本発明者らは、製品を監視する改善された方法、より具体的には製品のセットを監視するさらに改善された方法を企図してさらに考察した。特に、彼らは、送信された検知データの確認応答を適切に取り扱うことが有用かつ重要であり得ることを識別した。彼らは、上記に加えて、ネットワーク通信問題およびいくつかの他の技術的問題に対して堅牢であること、特に耐タンパ性であること、必要なネットワーク通信量を削減するという意味で省エネルギーであること、サーバシステムで最終的に受信されるデータの重要性または価値に関して有利であること、のうちの1つまたは複数であり得るデバイス(特に、第1のデバイス)、システムおよび方法を企図した。
【0019】
したがって、
本発明のバージョンの可能な利点の一例は、検知結果に関連するデータのセキュアな取り扱いを可能にすることである。
【0020】
本発明のバージョンの可能な利点の一例は、検知結果に関連するデータの信頼できる取り扱いを可能にすることである。
【0021】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、第1のデバイス自体が通信できる範囲を超えて、第1のデバイスからのデータの通信、特に送信を可能にすることである。
【0022】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、製品を監視する特に費用効果の高い方法を可能にすることである。
【0023】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、検知結果に関連するデータの特に耐タンパ性取り扱いを可能にすることである。
【0024】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、サーバシステムによって受信された検知データが改善された評価を可能にし、特に早期の時点で製品の完全性に関する最終決定を可能にするように、検知データを取り扱うことである。特に、評価は、それが完全な(ギャップレスの)検知データの系列に基づくことができ、および/または最終結果をもたらすことを可能にするという意味で改善することができる。
【0025】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、新しい方法で、例えば、特にリソース効率の良い方法で、検知データを外部から保護することである。
【0026】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、ネットワークトラフィックを低減し、および/または必要な送信数を低減する、検知結果に関連するデータの取り扱いを可能にすることである。
【0027】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、検知結果に関連するデータの特にエネルギー効率の良い取り扱いを可能にすることである。
【0028】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、特にネットワーク通信の問題および/または取り扱いに生じる技術的障害の影響を低減することによって、特に堅牢なやり方で検知データを処理することである。
【0029】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、外部から保護された検知データ、特にサーバシステムによって受信された検知データが特に重要または価値が高いように、検知データを取り扱うことである。
【0030】
さらなる目的および利点は、上記および下記の説明および実施形態から明らかになる。
これらの目的またはこれらの利点の少なくとも1つは、特許請求の範囲による装置(例えば、システム、デバイス)および方法によって少なくとも部分的に達成される。
【0031】
本発明の重要な点は、第1の装置において既に明らかになっている。例えば、特に以下の通りである。
【0032】
製品のサブセットなどの1つまたは複数の製品を監視するための第1のデバイスは、第1の機能ユニットを備え、第1の機能ユニットは、
-1つまたは複数の製品がさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知するためのセンサを備える第1の検知ユニットと、
-データ記憶のための第1の記憶ユニットと、
-第1の通信ネットワークを介して通信するための第1の通信ユニットと、
を備え、
第1のデバイスは、
-センサを使用して前記物理的および/または環境的条件が検知される検知ステップを繰り返し実行し、
-検知ステップの各々について、第1の記憶ユニットに、
-それぞれの検知の結果を示す検知データと、
-それぞれの検知データに関連付けられた検知時間を示す時間データと、
-それぞれの検知データの送信ステータスを示すステータスデータと、
を記憶するようにさらに構成されることができる。
【0033】
ステータスデータは、特にこれらのデータのうちのどれがどの時点で送信されるべきかを決定するときに、検知データの有利な取り扱いを容易にするための記録目的に使用することができる。
【0034】
第1のデバイスは、第1の通信ネットワークを介した送信を繰り返し、準備し、続いて行うようにさらに構成されることができ、送信の各々において、第1のデータセットが第1の通信ネットワークを介して送信される。第1のデータセットの各々は、
-それぞれの送信を識別する送信IDデータと、
-任意選択で、第1のデバイスを識別する第1のIDデータと、
-検知データのうちの1つまたは複数と、
-1つまたは複数の検知データの各々について、それぞれの関連付けられた時間データと、
を含むことができる。
【0035】
送信IDデータは、確認応答プロセスを容易にすることができる。ネットワーク通信における妨害は、しばしば、送信の遅延または損失さえももたらす。送信IDデータは、各送信を効果的に追跡することを可能にすることができる。
【0036】
第1のIDデータは、例えば、不要な送信を回避することができるターゲット送信および/または選択送信を可能にするために、ネットワーク通信におけるルーティングを簡略化することができる。第1のIDデータはさらに、データ取り扱いをよりセキュアにすることができる。
【0037】
以上から明らかなように、検知データは、第1の記憶ユニットに記憶される。
第1のデバイスは、
-送信の各々について、それぞれの送信を実行した後に、送信IDと、それぞれの送信に関連付けられたデータとを第1の記憶ユニットに記憶し、
-記憶された送信IDデータを、それぞれの送信で送信された第1のデータセットに含まれるそれぞれの検知データの各々にリンクする
ようにさらに構成されることができる。
【0038】
これにより、特定の送信で送信された検知データの簡単で明確な識別を可能にすることによって、確認応答プロセスを簡略化することができる。
【0039】
第1のデバイスは、
-第1の通信ネットワークを介して確認応答データセットを受信するように構成され、確認応答データセットの各々は、第1のデバイスによって行われた送信のうちの1つを識別する送信IDデータを含む
ようにさらに構成されることができる。
【0040】
このようにして、各確認応答データセットは、どの送信がそれによって確認応答されるべきかを明らかにする情報を有する。
【0041】
そして、第1のデバイスは、
-それぞれの検知データを第1の記憶ユニットに記憶した後に、検知データの送信ステータスを「準備完了」に設定し、
-それぞれの検知データにリンクされた送信IDデータを含む確認応答データセットを第1の通信ネットワークを介して受信した後に、検知データの送信ステータスを「確認応答済み」に設定する
ようにさらに構成されることができる。
【0042】
このようにして、確認応答されていない検知データと、確認応答された、すなわち、例えばインターネットに接続されたサーバシステムによって受信された検知データとを区別することができる。確認応答されたものは、別の時間に送信される必要はない。
【0043】
記載された第1のデバイスは、リソース効率の良いやり方で検知データのセキュアな取り扱いを可能にすることができる。
【0044】
特に、ステータスデータは、送信を準備する際に、より具体的には、検知データを選択する際に使用することができる。より具体的には、送信の準備は、ステータスデータに応じて実行することができる。
【0045】
例えば、送信の準備において、第1の記憶ユニットに記憶されている検知データから、第1のデータセットに含まれるべき検知データを選択する際に、送信ステータスが「確認応答済み」である検知データを除外することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1のデータセットの1つまたは複数は、第1のデバイスの1つまたは複数の通知を示す通知データを含む。このようにして、各第1のデバイスは、例えばサーバシステムにさらなる情報を提供することができる。例えば、第1のデバイスが認識した監視対象製品の問題および/または危険な状況を、例えばサーバシステムに通知することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1のデータセットの1つまたは複数は、第1のデバイスの1つまたは複数のエラーを示すエラーデータを含む。このようにして、各第1のデバイスは、そのバッテリ残量が低いか、またはセンサが欠陥であるなど、検出した任意のエラーを例えばサーバシステムに報告することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、確認応答データセットの1つまたは複数は、第1のデバイスの1つまたは複数によって実行されるべき1つまたは複数のコマンドを示すコマンドデータを含む。このようにして、コマンドは、例えばサーバシステムから第1のデバイスに送信することができる。例えば、何らかの理由で、第1のデバイスが検知および送信を中断する場合、対応するコマンドを第1のデバイスに送信することができ、それに応じて、検知および送信を中断することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスは、コマンドデータを含む確認応答データセットの受信後に1つまたは複数のコマンドを実行するように構成することができる。
【0050】
本発明には、送信への検知データの割り当てに関する第1の態様がある。それは、インターネットに接続されたサーバシステムへのそれらの到着など、検知データの到着順序を制御する方法に関する。特に、順序の前記制御は、第1のデバイスが第1のデータセットを送信した先の第2のデバイスが、しばらくの間第2の通信ネットワークを介して通信することができない場合、または第2のデバイスが、バッテリの電力が放電されたために全く機能しないなどの何らかの誤動作を有する場合など、ネットワーク障害の場合などの技術的問題の場合にも機能するものとする。
【0051】
本発明者らは、困難な事情の下で、例えば上述のような技術的問題の場合にも、検知データが、例えば前記サーバシステムに、それぞれの関連する検知時間に関連する特定の順序で到着することを確実にする方法を見出すことが非常に有益であり得ると考えた。より具体的には、本発明者らは、検知データが例えばサーバシステムに到着するたびに、検知データを送信したそれぞれの第1のデバイスに記憶された、まだ(サーバシステムに)到着しておらず、到着した検知データのうちの最新の検知データよりも古いさらなる検知データがないことを確実にすることができることを達成することが非常に有益であると考えた。
【0052】
いつでも、例えばサーバシステムに到着した検知データが最新のものまで完全であることを確実にすることができる。これにより、最新の検知データが到着した時点までに、第1のデバイスで監視されている製品の完全性に関する最終判断をいつでも行うことができる。換言すれば、(最新の受信された検知データの検知時間まで)完全性に関する曖昧さはないが、比較的古い検知データが比較的新しい検知データよりも遅く到着する可能性がある場合など、そうでない場合もあり得る。
【0053】
さらに別の言い方をすれば、インターネットおよびサーバシステムでは、それぞれ、完全な(ギャップのない)検知データのセットが非常に早い時点で既に利用可能であることを保証することができる。さらに、サーバシステムによる第1のデータセットの受信時に、より古く、まだ確認応答されていない、それぞれの第1のデバイスおよびそのセンサの検知データが存在しないことを保証することができる。すなわち第1のデータセットがサーバシステムによって受信されるときはいつでも、インターネットおよびサーバにおける検知データがそれぞれ完全であることを確実にすることができ、すなわち、受信された検知データのセットにギャップはない。
【0054】
これは、例えば、サーバシステムにおいて、非常に早い時点までの製品の完全性に関する最終的な(終末の)明確な記述を生成することを可能にするため、検知データを取り扱う非常に有利なやり方を表す。
【0055】
「古い」または「より古い」検知データ、および「新しい」または「より新しい」検知データへの言及は、より正確には、検知データに関連付けられた検知時間がそれぞれより早いこと、およびより遅いことを意味する。
【0056】
第1の態様は、特に以下のように、第1のデバイスにおいて達成することができる。
送信の各々について、それぞれの送信を準備するときに、以下が適用される。
【0057】
-(a)それぞれの送信で送信されるべき第1のデータセットに含まれるべき1つまたは複数の検知データの各々は、「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有し、
-(b)それぞれの送信で送信されるべき第1のデータセットに含まれる1つまたは複数の検知データのすべては、検知データの系列を構成し、系列は、
-(b1)第1の記憶ユニットに記憶され「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有する検知データのいずれかに関連付けられたすべての検知時間のうちで最も早い、第1の検知時間と呼ばれる検知時間に関連付けられた検知データである、第1の検知データと呼ばれる検知データと、
-(b2)系列の検知データのうちのいずれかに関連付けられたすべての検知時間のうちで最も遅い、最終検知時間と呼ばれる検知時間に関連付けられた検知データである、最終検知データと呼ばれる検知データと、
-(b3)第1の記憶ユニットに記憶された任意の検知データであって、第1の検知時間と同一またはそれよりも遅く、かつ、最終検知時間と同一またはそれよりも早い検知時間に関連付けられた検知データと、
を含む。
【0058】
換言すれば、第1のデバイスは、送信の各々について、それぞれの送信を準備するときに、上記の特徴(a)、(b)、(b1)、(b2)および(b3)を適用するように、送信の準備を達成するようにさらに構成することができる。
【0059】
これは、送信に含まれるべき検知データがどのように選択されるかを記述するものと見なすことができる。特徴(a)は、既に確認応答された検知データが再び送信されないことを保証する。これにより、ネットワークトラフィックが低減される。特徴(b1)は、送信に含まれるべき検知データの系列が最も古い未確認応答の検知データを含むことを保証する。したがって、古い検知データにおけるギャップが回避される。特徴(b2)は、基本的に、送信に含まれるべき最新の検知データを規定する。特徴(b3)により、送信されるべき系列の最も古い検知データと最も新しい検知データとの間にギャップがないことが保証される。したがって、特徴(b3)は、手短に言えば、送信される系列が時間完全系列、すなわち(検知時間に関して)連続系列であることを保証すると理解することができる。特徴(b)により、さらなる検知データが送信に含まれることが除外され、これは系列に含まれない。すなわち第1のデータセットは、さらなる検知データを欠くことができ、より明確には、第1の記憶ユニットに記憶されたさらなる検知データを欠くことができる。しかしながら、すべての検知データは、さらに上述したように、第1の記憶ユニットに記憶される。
【0060】
したがって、送信に含まれるすべての検知データは、最も古い未確認応答の検知データから始まる時間完全系列の検知データを形成する。
【0061】
例えば、1つの検知データのみが送信される自明な場合では、検知データは同時に第1の検知データ((b1)参照)および最終検知データ((b2)参照)であり、それは第1の記憶ユニット内で未確認応答(送信ステータスは「確認応答済み」とは異なる値に設定される)((a)参照)の最も古い検知データ((b)および(b1)参照)である。
【0062】
送信ステータスが取り得る値が「準備完了」および「確認応答済み」のみである場合、特徴(a)および(b1)において「「確認応答済み」とは異なる値に設定された」という句は、「「準備完了」に設定された」に置き換えることができる。さらに以下では、別のステータス(「送信済み」)が導入される。その場合、送信ステータスが取り得る値が「準備完了」、「送信済み」および「確認応答済み」のみである場合、特徴(a)および(b1)において「「確認応答済み」とは異なる値に設定された」という句は、「「準備完了」に設定された、または「送信済み」に設定された」に置き換えることができる。
【0063】
ネットワークトラフィックを低減するために、さらなる改良を適用することができる。特に、最大送信サイズが第1の通信ネットワークのプロトコルで規定されている場合、第1のデバイスは、
-送信の各々について、検知データのそれぞれの系列が可能な限り多くの検知データを含む(換言すれば、最大数の検知データを含む)ように、それぞれの送信のサイズが最大送信サイズと同一であるかそれよりも小さくなるように、最終検知データを選択する
ようにさらに構成されることができる。
【0064】
換言すれば、各送信のサイズは可能な限り利用される。可能な限り多くの検知データ(および関連付けられた時間データ)が各送信に含まれる。
【0065】
例えば、最大送信サイズから、第1のデータセットのための最大サイズが得られ、第1のデータセットのための最大サイズ内に、可能な限り大きい検知データの系列が(関連付けられた時間データ、送信IDデータおよび場合によってはさらなるデータに加えて)含まれる。
【0066】
さらに改良された検知データ取り扱いのために、第1のデバイスは、
-第1の通信ネットワークを介して送信を実行した後に、それぞれの検知データを含む第1のデータセットを含む検知データの送信ステータスを「送信済み」に設定する
ようにさらに構成されることができる。
【0067】
このようにして、例えば、送信の準備において、既に(少なくとも1回)送信され、未確認応答の送信ステータス「送信済み」を有する検知データと、未送信の送信ステータス「準備完了」を有する検知データとを区別することができる。
【0068】
これは、実施形態において利用することができ、それにおいて第1のデバイスは、
-「送信済み」に設定された送信ステータスを有し、かつ再送信条件を満たす、第1の記憶ユニットに記憶された検知データがあることを検出した後に、さらなる送信を準備し、続いて実行する
ようにさらに構成される。
【0069】
再送信条件が検知データのうちの少なくとも1つによって満たされることを検出した後に、さらなる送信がトリガされる。これは、例えば、(第1の通信ネットワークを介して)送信を受信した第2のデバイスが、例えば、ネットワークの問題または第2のデバイスの第2の通信ユニットの欠陥などの技術的理由のために、第2の通信ネットワークを介して通信することができない場合に有用であり得る。その場合、前記第2のデバイスは、例えば、第1のデータセットを例えばサーバシステムに転送することができない。その後、さらなる送信は、例えば、他の第2のデバイスによって受信されてもよく、他の第2のデバイスは、望ましくは正しく機能し、第2の通信ネットワークを介して通信し、第1のデータセットを、例えばサーバシステムに送信することができる。
【0070】
例えば、第1のデバイスは、
-事前設定された待機時間を超える期間、「送信済み」に設定された送信ステータスを有する検知データが第1の記憶ユニットに記憶されていることを検出した後に、さらなる送信を準備し、続いて実行する
ようにさらに構成される。
【0071】
したがって、長時間、より具体的には閾値時間(事前設定された待機時間)を超える時間の間、確認応答されない特定の検知データがある場合、前記特定の検知データ(上記の詳細を参照)を含む他の送信が準備され実行される。これにより、例えば、確認応答されていない送信(前記特定の検知データを含む)が新しい検知データの送信を妨げることを回避することができるため、検知データの取り扱いを改善することができ、特定の(古い、確認応答されていない)検知データは、その時点で、最大送信サイズが、非常に新しい検知データを含む送信の準備(およびその後の実行)を妨げることができるように、ギャップ(上記参照)なしで、送信に含まれる必要があり、後続のすべてのものも含まれる必要がある。
【0072】
検知データの送信ステータスを「送信済み」に設定してから経過した時間が事前設定された待機時間を超えた場合、さらなる送信の準備(および実行)をトリガすることができる。
【0073】
これを実装する可能なやり方は、各送信済み検知データについて(または各実行済み送信について)、事前設定された待機時間に達した後にさらなる送信をトリガするタイマを開始することである。さらなる送信が達成された後、タイマをリセットして新たに開始することができる。
【0074】
事情に応じて、事前設定された待機時間は、例えば2分~6時間の持続時間とすることができる。
【0075】
再送信条件の履行および事前設定された待機時間の超過は、(さらなる)送信の準備をトリガするトリガイベントの2つの例である。他の可能なトリガイベントは、例えば、
-(新しい)検知データが((新しい)検知ステップが達成された後に)第1の記憶ユニットに記憶されること、
-最終送信後の事前設定された時間が経過したこと、
-第1のデバイスが、(第1の通信ネットワークへの接続が中断された後に)第1の通信ネットワークに再接続すること、
-(第1のデバイスによって受信された)受信された送信内のすべての検知データの送信ステータスが「確認応答済み」に設定されていること、
のうちの1つであることができる。
【0076】
第1の態様に関して本明細書に記載されることは、主に第1のデバイスの1つのセンサを指す。これは、第1のデバイスの唯一のセンサであることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、各第1のデバイスは、(1つまたは複数の製品がさらされると想定される物理的および/または環境的条件を検知するための)1つまたは複数の追加のセンサを備え、すなわち、2つ以上のセンサを備えることができる。
【0077】
その場合、1つのシナリオでは、記載された特徴は、各センサ(およびそのそれぞれの検知データ)に別々に適用される。これは、特に、それぞれのセンサで実行される検知ステップからの検知データのための時間完全系列が各送信(あらゆる送信が必ずしもセンサの各々から検知データを送信するわけではなく、換言すれば、時間完全系列は0個のメンバを有すること、すなわちデータを含まないことができる)で送信されることが、各センサについて別々に保証されることを意味することができる。行われることができる完全性に関する最終的で明確な記述は、これに関して、物理的および/または環境的条件のみのうちの特定の1つ、すなわち、それぞれのセンサによって検知された物理的および/または環境的条件に関するものであることができる。したがって、その場合、検知されたすべての物理的および/または環境的条件に関して監視対象製品の完全性に関する最終判断を行うことはできない。したがって、このシナリオでは、限られた描像しか得ることができない。
【0078】
しかしながら、他のシナリオでは、送信への検知データの割り当ては、各センサごとに別々に上述のやり方で達成されるのではなく、第1のデバイスの2つ以上のセンサからのデータを検知するために達成される。特に、これは、それぞれの検知ステップが実行された(第1のデバイスの)センサに関係なく、すべての検知データに対して達成することができる。
【0079】
第1のデバイスの説明に含まれるこのシナリオでは、以下が適用される。
-第1の検知ユニットは、1つまたは複数の製品がさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を各々検知するための、1つまたは複数のセンサを備え、
第1のデバイスは、1つまたは複数のセンサの各々について、
-それぞれのセンサを使用してそれぞれの物理的および/または環境的条件が検知される検知ステップを繰り返し実行する
ように構成される。
【0080】
1つまたは複数のセンサは、第1のデバイスに含まれるすべてのセンサであることができるが、必ずしもそうである必要はない。
【0081】
したがって、このシナリオにおける送信のための検知データの選択は、それらが取得されたセンサに関して検知データを区別することができるが、区別する必要はないが、すべての検知データを等しく扱うことができる。
【0082】
本発明の第2の態様は、セキュリティに関し、特に、検知データ処理の耐タンパ性、より詳細には確認応答取り扱いに関する。
【0083】
より具体的には、確認応答データセットの各々は、デジタル的に署名されることができ、デジタル署名を含む。そして、第1のデバイスは、各受信された確認応答データセットについて、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれるデジタル署名を用いて、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれる送信IDデータの真正性、および該当する場合には、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれるさらなるデータの真正性を検証するようにさらに構成されることができる。
【0084】
したがって、確認応答データセットの各々にデジタル署名することによって、セキュリティ、特に耐タンパ性を向上させることが提案される。これは、サーバシステムによって達成することができる。
【0085】
例えば、確認応答データセットにデジタル署名するために、その中に含まれるデータ、例えば送信IDデータにハッシュ関数を適用することができ、次いで、得られたハッシュデータ(ハッシュ済みデータ)は、デジタル鍵を適用することなどによって暗号化される。結果として得られる(暗号化された)データは、確認応答データセットに含まれるデジタル署名である。検証のために、第1のデバイスは、例えば、デジタル署名を復号するための適切なデジタル鍵を適用して(元の)ハッシュデータを取得し、これらを、第1のデバイスがデジタル署名以外の受信された確認応答データセットに含まれるデータに適切なハッシュ関数を適用することによって、例えば、適切なハッシュ関数を送信IDデータに適用することによって、取得するハッシュデータと比較することができる。両方のハッシュデータが同一である場合、例えば、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれる送信IDデータの真正性が検証される。そうでなければ、不正行為が想定されなければならない。
【0086】
送信IDデータによって、第1のデバイスは、例えば、確認応答データセットの(第1のデバイスにおける)受信に応答して、送信ステータスが「確認応答済み」に設定されなければならない(送信IDデータにリンクされた)検知データを識別することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、確認応答データセットの各々は、特にデジタル署名されることに加えて、暗号化される。これにより、セキュリティ、特に耐タンパ性をさらに向上させることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、確認応答データセットの各々は、さらに、
-それぞれの確認応答データセットの発信元を識別する発信元IDデータと、
-それぞれの確認応答データセットの宛先を識別する宛先IDデータと、
を含む。
【0089】
発信元は、それぞれの確認応答データセットを生成し、典型的には(最初に)送信もした項目である。例えば、発信元は、検知データが送信された先のサーバシステムであることができる。
【0090】
宛先は、それぞれの確認応答データセットを(最終的に)受信することが意図されたデバイス、すなわち、典型的には、デバイス、より具体的には、それぞれの確認応答データセットによって確認応答されている送信を行った第1のデバイスである。
【0091】
例えば、宛先IDデータは、(確認応答データセットの)宛先である第1のデバイスの第1のIDデータと同一であることができる。
【0092】
さらに、第1のデバイスは、各受信された確認応答データセットについて、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれるデジタル署名を用いて、
-それぞれの受信された確認応答データセットに含まれる発信元IDデータの、および
-それぞれの受信された確認応答データセットに含まれる宛先IDデータの
真正性を検証するように構成されることができる。
【0093】
これは、例えば、送信IDデータ、発信元IDデータおよび宛先IDデータにまとめてハッシュ関数を適用することを含むなど、送信IDデータについて上述したように達成することができる。
【0094】
発信元IDデータによって、第1のデバイスは、例えば、確認応答データセットが、特定のサーバシステムなどの期待される発信元から実際に発信されていることを検証することができる。
【0095】
宛先IDデータによって、第1のデバイスは、例えば、ここに記載されるように、確認応答データセットが実際にそれによって受信されることを意図されていることを検証することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1のデータセットの各々は、第1のデバイスを識別する第1のIDデータを含み、第1のデバイス(D1)は、
-各受信された確認応答データセットについて、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれる宛先IDデータを第1のIDデータと比較し、
-比較の結果が肯定的である場合にのみ、検知データの送信ステータスを「確認応答済み」に設定するステップを実行する
ようにさらに構成される。
【0097】
このようにして、確認応答プロセスをさらにセキュアかつ耐タンパ性にすることができる。
【0098】
換言すれば、比較の肯定的な結果は、確認応答データセットが第1のデバイスに向けられた(第1のデバイスによって受信されるように意図された)ことを意味する。すなわち第1のデバイスは、確認応答データセットによって確認応答されている送信を行っている。
【0099】
送信IDデータは、システム内で一意であることができることに留意されたい。しかしながら、送信IDデータは、(システムの)各第1のデバイスについて別々に一意であれば十分であることができる。
【0100】
これにより、検知データの送信ステータスを誤って「確認応答済み」に設定することを効果的に回避することができる。したがって、送信IDデータは、2つ以上の第1のデバイスを有するシステム内で必ずしも一意である必要はない。
【0101】
第1のIDデータは、特に、少なくともそれが使用されるシステム内で、それぞれの第1のデバイスを特に一意に識別することができることに留意されたい。第1のIDデータは一意の識別子であるため、個々の第1のデバイスの明瞭な識別を可能にする。
【0102】
第1のIDデータは、例えば、第1の記憶ユニットに記憶されることができる。
本発明の第1および第2の態様の両方は、別々に実施することができるが、一緒に実施することもできる。
【0103】
システムについて、製品のセットを監視するためのシステムは、特に、
-本明細書に記載の1つまたは複数の第1のデバイスであって、第1のデバイスの各々は製品のそれぞれのサブセットに関連付けられる、1つまたは複数の第1のデバイスと、
-1つまたは複数の第2のデバイスと、
を備えることができる。
【0104】
センサの各々は、特に、(それぞれのセンサを備える第1のデバイスに関連付けられた)製品のそれぞれのサブセットがさらされると想定される物理的および/または環境的条件を検知するためのセンサであることができる。
【0105】
さらに、第2のデバイスの各々は、1つまたは複数の第2の機能ユニットを備えることができ、第2の機能ユニットは、
-第1の通信ネットワークを介して通信し、さらに第2の通信ネットワークを介して通信するための第2の通信ユニット
を備える。
【0106】
したがって、各第2のデバイスは、2つの異なる通信ネットワークを介して通信する能力を有することができる。
【0107】
第2のデバイスの各々は、
-第1の通信ネットワークを介して第1のデバイスのそれぞれによって行われた送信のうちの1つまたは複数を第1の通信ネットワークを介して受信する
ように構成されることができる。
【0108】
したがって、例えば、各第2のデバイスは、1つまたは複数の異なる第1のデバイスから第1のデータセットを受信することができる。
【0109】
第2のデバイスの各々は、
-そのように受信された第1のデータセットの各々から、それぞれの第2のデータセットを導出する
ようにさらに構成されることができ、それぞれの第2のデータセットは、
-送信IDデータと、
-第1のIDデータと、
-1つまたは複数の検知データと、
-1つまたは複数の検知データの各々について、それぞれの関連付けられた時間データと、
を含む。
【0110】
第2のデータセットの導出は自明なプロセスである可能性があり、第2のデータセットの各々は、(同一に)導出された第1のデータセットと同一であることができる。しかしながら、これは単なるオプションであり、第2のデバイスによって実行されるタスクを単純化または低減することができるオプションである。一般に(そして典型的には)、第2のデータセットは、それが導出された第1のデータセットとは異なる可能性があり、例えば、第2のデータセットはさらなるデータを含むことができ、または、第1のデータセットに含まれるデータの変更バージョンを含むことができる。
【0111】
第2のデバイスの各々は、
-例えば、本明細書に記載の目的のために、例えば、インターネットに接続されたサーバシステムによって受信されるように、第2のデータセットの各々を、第2の通信ネットワークを介してインターネットに送信する
ようにさらに構成されることができる。
【0112】
したがって、各第2のデバイスは、インターネットおよびサーバシステムにそれぞれ検知データを転送することができる。
【0113】
第2のデバイスの各々は、
-第2の通信ネットワークを介して、インターネットから、例えば、インターネットに接続されたサーバシステムから、1つまたは複数の第3のデータセットを受信する
ようにさらに構成されることができ、第3のデータセットの各々は、
-送信IDデータと、
-第1のデバイスのうちの1つを識別する第1のIDデータと、
を含み、
第2のデバイスのうちの1つによって、第2の通信ネットワークを介してインターネットに送信された第2のデータセットから導出される。
【0114】
第3のデータセットの各々は、確認応答データセットのプリカーサとすることができ、例えば、確認応答データセットのうちの1つと同一とすることができる。
【0115】
前記送信IDデータは、特に、前記第1のIDデータによって識別される第1のデバイスによって行われる送信のうちの1つを識別することができる。
【0116】
第2のデータセットを(第2の通信ネットワークを介して、インターネットから、例えばサーバシステムから)受信する第2のデバイスは、送信IDデータおよび第1のIDデータが導出される第2のデータセットを(第2の通信ネットワークを介してインターネットに、例えばサーバシステムに)送信した第2のデバイスとは異なることができることに留意することが重要である。しかしながら、これら2つの第2のデバイスが同一(すなわち同じもの)であることは可能であるが、その第2のデバイスの技術的問題の場合、第3のデータセットの受信のために、異なる第2のデバイスを使用する機会を有することは非常に有益であり得る。これにより、システムの堅牢性が大幅に向上する。
【0117】
これに関して、システムは少なくとも2つの第2のデバイスを備え、第2のデバイスの各々は、
-第2の通信ネットワークを介して、インターネットから、例えば、インターネットに接続されたサーバシステムから、1つまたは複数の第3のデータセットを受信する
ようにさらに構成されることができ、第3のデータセットの各々は、
-送信IDデータと、
-第1のデバイスのうちの1つを識別する第1のIDデータと、
を含み、
第2の通信ネットワークを介してインターネットに、それ自身によって送信された、または第2のデバイスのうちの異なる1つによって送信された、第2のデータセットから導出される。
【0118】
第2のデバイスの各々は、
-そのように受信された第3のデータセットの各々から、それぞれの確認応答データセットを導出する
ようにさらに構成されることができ、それぞれの確認応答データセットは、
-送信IDデータと、
-第1のIDデータと、
を含む。
【0119】
確認応答データセットの導出は、自明なプロセスであることができるが、そうである必要はない。
【0120】
第2のデバイスの各々は、
-そのように導出された確認応答データセットの各々を、第1の通信ネットワークを介して、それぞれの確認応答データセットに含まれる第1のIDデータによって識別される第1のデバイスのそのそれぞれに送信する
ようにさらに構成されることができる。
【0121】
そこでは、そのように受信されたそれぞれの第3のデータセットからの第1のIDデータは、本明細書に記載の宛先IDデータと同一とすることができる。
【0122】
したがって、第1のIDデータを使用して、第1のデバイスから第2のデバイスを介してインターネット(および、それぞれ、サーバシステム)に、同じまたは異なる第2のデバイスを介して同じ第1のデバイスに戻る通信ループを閉じることができる。
【0123】
また、この通信ループで送信IDデータを使用することにより、(最初の)送信で送信された検知データと、確認応答データセットの受信時に送信ステータスが「確認応答済み」に設定されるべき検知データとを容易かつ明確に識別することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも2つの第2のデバイスを備える。この場合、上述の堅牢性の向上を達成することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、各第2のデバイスは、その機能ユニットのうちの1つとして、物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備える検知ユニット(第2の検知ユニット)を備える。より具体的には、第2のデバイスの各々は、製品のそれぞれのサブセットに関連付けることができ、第2の検知ユニットは、製品のそれぞれのサブセットがさらされると想定される物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備えることができる。第2のデバイスの各々は、製品のそれぞれのサブセットに関連付けられることができ、特に近接して配置されることもできる。
【0126】
いくつかの他の実施形態では、各第2のデバイスは、物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備える検知ユニットを欠く。
【0127】
方法について:製品のセットを監視するための方法は、特に、
-1つまたは複数の第1のデバイスを提供することであって、特に、これらの第1のデバイスは、本明細書に記載の第1のデバイスとすることができ、
第1のデバイスの各々は、製品のそれぞれのサブセットに関連付けられ、第1の機能ユニットを備え、第1の機能ユニットは、
-物理的および/または環境的条件を検知するためのセンサを備える第1の検知ユニットと、
-データ記憶のための第1の記憶ユニットと、
を備える、提供することと、
第1のデバイスの各々によって、
-製品のそれぞれの関連付けられたサブセットの製品がさらされると想定される物理的および/または環境的条件が、それぞれの第1のデバイスのセンサを用いて検知される検知ステップを繰り返し実行することと、
-検知ステップの各々について、第1の記憶ユニットに、
-それぞれの検知の結果を示す検知データと、
-それぞれの検知データに関連付けられた検知時間を示す時間データと、
-それぞれの検知データの送信ステータスを示すステータスデータと、
を記憶することと、
-第1の通信ネットワークを介した送信を繰り返し準備し、続いて行うことであって、送信の各々において、第1のデータセットが第1の通信ネットワークを介して送信され、第1のデータセットの各々は、
-それぞれの送信を識別する送信IDデータと、
-第1のデバイスを識別する第1のIDデータと、
-検知データのうちの1つまたは複数と、
-1つまたは複数の検知データの各々について、それぞれの関連付けられた時間データと、
を含み、
-送信の各々について、それぞれの送信を行った後に、
-第1の記憶ユニットに、それぞれの送信に関連付けられた送信IDデータを記憶することと、
-記憶された送信IDデータを、それぞれの送信で送信された第1のデータセットに含まれるそれぞれの検知データの各々にリンクすることと、
-第1の通信ネットワークを介して確認応答データセットを受信することであって、確認応答データセットの各々は、第1のデバイスによって行われた送信のうちの1つを識別する送信IDデータを含む、受信することと、
-それぞれの検知データを第1の記憶ユニットに記憶した後に、検知データの送信ステータスを「準備完了」に設定することと、
-それぞれの検知データにリンクされた送信IDデータを含む確認応答データセットを第1の通信ネットワークを介して受信した後に、検知データの送信ステータスを「確認応答済み」に設定することと、
を含むことができる。
【0128】
方法は、例えば、本明細書に記載のシステムを使用して実施することができる。
いくつかの実施形態では、方法は、
-1つまたは複数の第2のデバイス、特に少なくとも2つの第2のデバイスを提供することと、
を含み、
-第2のデバイスの各々が、
-第1の通信ネットワークを介して第1のデータセットのうちの1つまたは複数を受信することと、
-そのように受信された第1のデータセットの各々から、それぞれの第2のデータセットを導出することと、
-そのように導出された第2のデータセットの各々を、第2の通信ネットワークを介してインターネットに、例えば、インターネットに接続されたサーバシステムに、送信することと、
を含む。
【0129】
本発明の第1の態様によれば、方法は、送信の各々について、それぞれの送信を準備するときに、
-それぞれの送信で送信されるべき第1のデータセットに含まれるべき1つまたは複数の検知データの各々は、「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有し、
-それぞれの送信で送信されるべき第1のデータセットに含まれる1つまたは複数の検知データのすべては、検知データの系列を構成することができ、系列は、
-第1の記憶ユニットに記憶され「確認応答済み」とは異なる値に設定された送信ステータスを有する検知データのいずれかに関連付けられたすべての検知時間のうちで最も早い、第1の検知時間と呼ばれる検知時間に関連付けられた検知データである、第1の検知データと呼ばれる検知データと、
-系列の検知データのうちのいずれかに関連付けられたすべての検知時間のうちで最も遅い、最終検知時間と呼ばれる検知時間に関連付けられた検知データである、最終検知データと呼ばれる検知データと、
-第1の記憶ユニットに記憶された任意の検知データであって、第1の検知時間と同一またはそれよりも遅く、かつ、最終検知時間と同一またはそれよりも早い検知時間に関連付けられた検知データと、
を含む。
【0130】
本発明の第2の態様によれば、方法は、確認応答データセットの各々が、デジタル署名を含むデジタル署名されることを含むことができ、方法は、第1のデバイスの各々によって実行される、
-各受信された確認応答データセットについて、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれるデジタル署名を用いて、それぞれの受信された確認応答データセットに含まれる送信IDデータの真正性を検証すること、
をさらに含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、方法は、
-1つまたは複数の第2のデバイスを提供すること、
をさらに含み、
方法は、第2のデバイスの各々によって、
-第1の通信ネットワークを介して第1のデバイスのそれぞれによって送信された第1のデータセットのうちの1つまたは複数を第1の通信ネットワークを介して受信することと、
-そのように受信された第1のデータセットの各々から、それぞれの第2のデータセットを導出することであって、第2のデータセットは、そのように受信された第1のデータセットからの、
-送信IDデータと、
-第1のIDデータと、
-1つまたは複数の検知データと、
-1つまたは複数の検知データの各々について、それぞれの関連付けられた時間データと、
を含み、
-第2の通信ネットワークを介してインターネットに第2のデータセットの各々を送信することと、
-第2の通信ネットワークを介して、インターネットから、1つまたは複数の第3のデータセットを受信することであって、第3のデータセットの各々は、第2のデバイスのうちの1つによって、第2の通信ネットワークを介してインターネットに送信された第2のデータセットからの、
-送信IDデータと、
-第1のデバイスのうちの1つを識別する第1のIDデータと、
を含み、
-そのように受信された第3のデータセットの各々から、それぞれの確認応答データセットを導出することであって、確認応答データセットは、それぞれのそのように受信された第3のデータセットからの、
-送信IDデータと、
-第1のIDデータと、
を含み、
-そのように導出された確認応答データセットの各々を、第1の通信ネットワークを介して、それぞれの確認応答データセットに含まれる第1のIDデータによって識別される第1のデバイスのそのそれぞれに送信することと、
を含む。
【0132】
そこでは、そのように受信されたそれぞれの第3のデータセットからの第1のIDデータは、本明細書に記載の宛先IDデータと同一とすることができる。
【0133】
システムの堅牢性に関する上記の説明によれば、方法は、いくつかの実施形態では、
-少なくとも2つの第2のデバイスを提供すること、
を含み、
方法は、第2のデバイスのうちの第1のものによって、
-第1の通信ネットワークを介して第1のデバイスのそれぞれによって送信された第1のデータセットのうちの1つまたは複数を第1の通信ネットワークを介して受信することと、
-そのように受信された第1のデータセットの各々から、それぞれの第2のデータセットを導出することであって、第2のデータセットは、そのように受信された第1のデータセットからの、
-送信IDデータと、
-第1のIDデータと、
-1つまたは複数の検知データと、
-1つまたは複数の検知データの各々について、それぞれの関連付けられた時間データと、
を含み、
-第2の通信ネットワークを介してインターネットに第2のデータセットの各々を送信することと、
方法は、第2のデバイスのうちの第2のものによって、
-第2の通信ネットワークを介して、インターネットから、1つまたは複数の第3のデータセットを受信することであって、第3のデータセットの各々は、第2のデバイスのうちの1つによって、第2の通信ネットワークを介してインターネットに送信された第2のデータセットからの、
-送信IDデータと、
-第1のデバイスのうちの1つを識別する第1のIDデータと、
を含み、
-そのように受信された第3のデータセットの各々から、それぞれの確認応答データセットを導出することであって、確認応答データセットは、それぞれのそのように受信された第3のデータセットからの、
-送信IDデータと、
-第1のIDデータと、
を含み、
-そのように導出された確認応答データセットの各々を、第1の通信ネットワークを介して、それぞれの確認応答データセットに含まれる第1のIDデータによって識別される第1のデバイスのそのそれぞれに送信することと、
を含む。
【0134】
ここで、第1の状況では、第2のデバイスのうちの第1のものは、第2のデバイスのうちの第2のものと同一であり、第2の状況では、第2のデバイスのうちの第1のものは、第2のデバイスのうちの第2のものとは異なる。これは、状況に応じて、例えば事情に応じて、第1の受信/導出/送信ステップが、第2の受信/導出/送信ステップと同じまたは異なる第2のデバイスによって実行されることを意味する。例えば、第1の状況では、第2のデバイスのうちの第1のものと第2のものの両方を構成する第2のデバイスは完全に機能しており、第1の通信ネットワークおよび第2の通信ネットワークを介したその通信接続も機能している。
【0135】
しかしながら、第2の状況では、第1の受信/導出/送信ステップを完了した後、第2のデバイスのうちの第1のものを構成する第2のデバイスは、障害となる誤動作を有し、および/または第1の通信ネットワークを介したその通信接続および/または第2の通信ネットワークを介したその通信接続は機能していない。したがって、異なる第2のデバイスが、第2の受信/導出/送信ステップを達成する。
【0136】
方法は、インターネットに接続され、サーバアプリケーションが動作するサーバシステムによって実行される、
-サーバシステムによって、第2の通信ネットワークを介して、第2のデバイスによってインターネットに送信された第2のデータセットを受信することと、
-そのように受信された第2のデータセットの各々から、1つまたは複数の第3のデータセットのそれぞれを導出することと、
-そのように導出された第3のデータセットの各々を、第2の通信ネットワークを介して第2のデバイスのうちの1つに送信することと、
をさらに含むことができる。
【0137】
例えば、サーバアプリケーションは、これらのタスクを達成するように構成することができる。
【0138】
第3のデータセットは、特に、それぞれの受信された第2のデータセットから取得されるように、送信IDデータおよび第1のIDデータを含むことができる。
【0139】
物理的および/または環境的条件は、通常、
-温度と、
-湿度と、
-加速度と、
-圧力、特に周囲圧力と、
-光強度と、
のうちの1つまたは複数を含む。
【0140】
これに対応して、(任意の第1のデバイスの、任意の第2のデバイスの)センサの各々は、例えば、
-温度センサ、
-湿度センサ、
-加速度センサ、
-圧力センサ、特に周囲圧力センサ、または
-光強度センサ
であることができる。
【0141】
監視は、特に、出発地から目的地までの製品の輸送時間中、または保管場所における製品の保管中などの時間スパン中、例えば、製品が保管場所に入った時点から製品が保管場所から出る時点までに遂行することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、検知ステップは周期的に実行される。例えば、温度は、例えば30分ごとに検知することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、検知ステップは、例えば加速度が閾値を超えたときに、イベントベースのやり方などで非周期的に実行される。
【0144】
場合によっては、検知時間は、タイムスタンプ、より具体的には検知のタイムスタンプ、または検知データのタイムスタンプと考えることができる。
【0145】
検知時間は、例えば、検知ステップの検知が開始または終了した時間とすることができる。または、それは、例えば、検知データが決定された時間であることができる。または、それは、例えば、検知データが第1の記憶ユニットに記憶された時間であることができる。
【0146】
検知は、例えば、監視の開始からの秒単位の時間、または年、月、日、および時刻などのリアルタイムデータなどの任意のフォーマットを有することができる。
【0147】
1つまたは複数の製品および製品のセットは、それぞれ、例えば、一緒に保管される複数の製品、または一緒に輸送される複数の製品であることができる。保管および輸送は、例えば、温度制御された環境、例えば冷却された環境で行うことができる。
【0148】
各第1のデバイスを製品のそれぞれの関連付けられたサブセットに近接して配置するオプションは、検知の結果に基づいて、製品のそれぞれのサブセットがさらされる物理的および/または環境的条件の評定の精度の向上をもたらすことができる。
【0149】
方法は、場合によっては、製品のセットのコールドチェーン監視のための方法と考えることもできる。
【0150】
製品は、特に生鮮品、例えば温度感受性製品であることができる。
製品は、例えば、温度感受性および/または湿度感受性および/または衝撃感受性および/または光感受性であることができる。
【0151】
製品は、特に、例えば、医薬品または人体もしくは人体排泄物から採取された試料、または動物の体もしくは動物の排泄物から採取された試料であることができる。
【0152】
各第1のデバイスは、(製品のサブセットを形成する)製品のうちの1つまたは複数に関連付けることができる。第1のデバイスによって検知された物理的および/または環境的条件は、それぞれの関連付けられた(または割り当てられた)製品に起因する可能性がある。それぞれのサブセットは分離していることができるが、そうである必要はなく、すなわち、それらは重複することができる。サブセットは、製品のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0153】
典型的には、いずれのサブセットも製品の監視対象セットと同一ではない。
例では、第1のデバイスはタグと考えることができる。
【0154】
例では、第1のデバイスはデータロガーと考えることができる。
いくつかの実施形態では、各第1のデバイスはハウジングを備え、より具体的には、その第1の機能ユニットは各々、第1の検知ユニットの一部をハウジングの外部に配置することができるという任意選択の例外を除いて、ハウジングに対して固定位置に配置することができる。第1の検知ユニットの前記一部は、例えば、第1の検知ユニットのセンサ(外部センサ)のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、各第2のデバイスはハウジングを備え、より具体的には、その第2の機能ユニットは各々、第2の検知ユニット(第2のデバイスに含まれる場合)の一部をハウジングの外部に配置することができるという任意選択の例外を除いて、ハウジングに対して固定位置に配置することができる。第2の検知ユニットの前記一部は、例えば、第2の検知ユニットの1つまたは複数のセンサを含むことができる。
【0156】
第1のデバイスおよび第2のデバイスは、別個のデバイスであり、例えば、各第1のデバイスおよび各第2のデバイスは、それ自体の別個のハウジングを有する。
【0157】
検知データは、より具体的には、検知された物理的および/または環境的条件から導出されたデータ、例えば、検知された物理的および/または環境的条件を示す、または表す(代表する)データを含むことができる。
【0158】
検知データは、検知の結果と同等のデータを含むことができる。
検知データは、例えば、生の検知データまたは処理された検知データを含むことができる。後者の場合、第1のデバイスは、処理された検知データを得るために生の検知データを処理するなど、データを処理することができる。
【0159】
第2の通信ネットワークを介したインターネットへの第2のデータセットの送信は、特に、TCP/IPプロトコルを介して、すなわちインターネットプロトコルスイート(TCP/IPプロトコルスイートとしても知られる)のプロトコルを介して通信することを含むことができる。例えば、それは、伝送制御プロトコル(TCP:Transmission Control Protocol)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP:User Datagram Protocol)、またはストリーム制御伝送プロトコル(SCTP:Stream Control Transmission Protocol)を使用して通信することを含むことができる。したがって、第2のデバイス(より詳細には、第2の通信ユニット)は、TCP/IPプロトコルによって通信する手段を備えることができ、それらは、TCP/IPプロトコルを使用して(第2の通信ネットワークを介して)通信するように構成することができる。
【0160】
これとは対照的に、第1のデータセットが送信される第1のデバイスによって行われる送信は、TCP/IPプロトコルを介して通信することなく達成されることができる。第1のデバイス(より詳細には、第1の通信ユニット)は、TCP/IPプロトコルによって通信するための手段を欠くことができる。これにより、比較的簡単で費用効果の高い方法で第1のデバイスを構築することを容易にすることができる。
【0161】
いくつかの実施形態では、各第1のデバイスは、第1の通信ネットワークとは異なる通信ネットワークを介して通信する能力を欠く。
【0162】
第1のデバイスのいくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、第1のデバイスが通信することができる唯一の通信ネットワークである。
【0163】
典型的には、第1の通信ネットワークのネットワークプロトコルは、第2の通信ネットワークのネットワークプロトコルとは異なる。例えば、第1の通信ネットワークを介した通信は、「Bluetooth Low Energy」(BLE)規格などの「Bluetooth」規格によるプロトコルを介して実行することができるが、第2の通信ネットワークを介した通信は、TCP/IPプロトコルを使用して実行することができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、「Bluetooth」通信ネットワーク、より具体的には「Bluetooth Low Energy」通信ネットワークである。
【0165】
「Bluetooth」規格の代替は、例えば、「ZigBee」規格、「LoRa」(長距離)規格、Sigfox規格、themioty規格、「6LoWPAN」(「IPv6 over Low power Wireless Personal Area Network」)規格であり、これらは、TCP/IPプロトコルスイートには含まれていない。
【0166】
いくつかの実施形態では、第1および第2の通信ネットワークはワイヤレス通信ネットワークである。
【0167】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは無線周波数範囲で動作する。
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークは無線周波数範囲で動作する。
【0168】
通常、第1および第2の通信ネットワークは両方とも無線周波数範囲で動作する。
無線周波数ベースの通信ネットワークを介したネットワーク通信は、特に第1の通信ネットワークに適用される、十分なデータ帯域幅および目的のための十分な範囲で低エネルギー消費でのワイヤレス通信を可能にすることができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、第2の通信ネットワークの範囲よりも小さい範囲を有する。
【0170】
ここで通信ネットワークの「範囲」とは、例えば、理論的な最大放射電力および最大受信機感度で理論的に達成可能な自由電界範囲ではなく、具体的な第1および第2のデバイスで達成可能な自由電界範囲、特に第1および第2のデバイスによって事実上提供される実際の放射電力および受信機感度におけるものを指す。
【0171】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、50mより小さい、特に20mより小さい、より詳細には10mより小さい範囲を有する。
【0172】
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークは、少なくとも50m、特に少なくとも100m、より詳細には少なくとも400mの範囲を有する。
【0173】
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークはセルラネットワーク、特に携帯電話ネットワークである。
【0174】
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークはWi-Fi規格に従って動作する。
【0175】
第1の記憶ユニットは、例えば、コンピュータメモリチップなどのデジタルデータ記憶装置とすることができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスの各々は、電気エネルギーを供給するための、特に、第1の機能ユニットに電気エネルギーを供給するための、第1のエネルギー貯蔵部を備える第1のエネルギー供給ユニットを備える。
【0177】
いくつかの実施形態では、第2のデバイスの各々は、電気エネルギーを供給するための、特に、1つまたは複数の第2の機能ユニットに電気エネルギーを供給するための、第2のエネルギー貯蔵部を備える第2のエネルギー供給ユニットを備える。
【0178】
第1のエネルギー貯蔵部は、例えば、バッテリを備えることができる。
第2のエネルギー貯蔵部は、例えば、バッテリを備えることができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、第2のデバイスの各々は、例えば充電式バッテリを備える充電式の第2のエネルギー貯蔵部を備える第2のエネルギー供給ユニットを備える。
【0180】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスの各々は、例えば非充電式バッテリを備える非充電式の第1のエネルギー貯蔵部を備える第1のエネルギー供給ユニットを備える。より詳細には、第1のデバイスの各々について、そのすべての第1のエネルギー供給ユニットのすべての第1のエネルギー貯蔵部は、充電式の(第1の)エネルギー貯蔵部を欠く。
【0181】
いくつかの実施形態では、各第1のデバイスの第1の機能ユニットは、マイクロプロセッサなどの制御ユニットを備え、特に、制御ユニットは、これらを制御するために他の第1の機能ユニットに動作可能に接続される。例えば、このようにして、第1のデバイスは、制御ユニットによって制御される、それが構成されるタスクを達成することができる。
【0182】
サーバシステムは、例えば、通常は1つまたは複数の大容量記憶デバイスを含む、1つまたは複数の相互接続されたコンピュータとすることができる。
【0183】
サーバシステムによって、第2のデータセット、特にそれに含まれる検知データは、例えば製品がまだ無傷であると想定できるか否かを判定するためなどに、記憶および/または処理されてもよい。このようにして、第1のデバイスは、比較的少ない処理電力で動作することができ、その結果、第1のデバイスは、単純で費用効果の高いデバイスとすることができる。
【0184】
本明細書に記載の方法における第1のデバイスとして、および/または本明細書に記載のシステムにおける第1のデバイスとして、本明細書に記載の第1のデバイスを使用することが可能であることに留意されたい。
【0185】
さらに、本発明は、本明細書に記載の方法に従って製品のセットを監視することを含む、製品のセットを保管するための方法に関することができる。
【0186】
さらに、本発明は、本明細書に記載の方法に従って製品のセットを監視することを含む、製品のセットを出荷するための方法に関することができる。
【0187】
さらに、本発明は、本明細書に記載のシステムを備える出荷ユニットに関することができる。また、本発明は、本明細書に記載の1つまたは複数の第1のデバイスを備える出荷ユニットにも関することができる。出荷ユニットは、製品のセットをさらに備えることができ、より具体的には、第1のデバイスの各々は、その関連するサブセットの製品に近接して配置することができる。
【0188】
さらに、本発明は、本明細書に記載のシステムを含むストックに関することができる。また、本発明は、本明細書に記載の1つまたは複数の第1のデバイスを含むストックに関することもできる。ストックは、製品のセットをさらに備えることができ、より具体的には、第1のデバイスの各々は、その関連するサブセットの製品に近接して配置することができる。
【0189】
注:項目がステップを実行するように「構成」されると記載される場合、これは、項目がステップを実行することを事実上可能にする具体的な措置が取られていることを意味する。例えば、プログラムコードが実行されるときに項目がステップを実行することを可能にする専用プログラムコードが実装される。したがって、これは、例えば、専用のプログラムコードのないコンピュータの場合のように、項目にステップを(場合によっては)実行させる単なる適合性を含まない。
【0190】
容易に理解されるように、方法に関して本明細書で言及される特徴は、記載された装置(例えば、システム、デバイス)にも同様に適用することができる。また、逆もまた同様であり、装置(例えば、システム、デバイス)に関して本明細書で述べた特徴は、記載された方法にも同様に適用することができる。達成可能な効果は互いに対応する。
【0191】
したがって、本発明は、本発明による対応する方法の特徴を有する装置(例えば、システム、デバイス)を含み、逆もまた同様であり、本発明による対応する装置(例えば、システム、デバイス)の特徴を有する方法も含む。
【0192】
さらなる実施形態および利点は、以下の説明および添付の図面ならびに従属請求項から明らかになる。
【0193】
以下、実施例および添付図面を用いて本発明をより詳細に説明する。図面において、同じ参照符号は、同じまたは類似の要素を指す。
【0194】
図面は、模式的に示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【
図1】製品のセットを監視するためのシステムの概略図である。
【
図2】製品のセットを監視するためのシステムの他の概略図であり、システムの第1および第2のデバイスを強調している。
【
図3】製品のセットを監視するためのシステムおよび方法の概略図であり、送信および送信されたデータを強調している。
【
図4】第1の記憶ユニット内の検知データおよび時間データならびに送信へのそれらの割り当ての一例の概略図である。
【
図5】第1の記憶ユニット内のデータと異なる送信との間の相互関係の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0196】
記載された実施形態は、例として、または本発明を明確にするためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0197】
図1は、製品のセットを監視するためのシステムの概略図を示し、
図2は、例えば
図1のシステムの製品のセットを監視するためのシステムの他の概略図を示し、システムの第1のデバイスD1および第2のデバイスD2を強調している。製品のうちのいくつかは、
図1ではPとラベル付けされている。
図1のPとラベル付けされた項目の各々は、製品のサブセットなどの1つまたは複数の製品、例えばワクチンを含む複数のバイアルを含むことも可能である。
【0198】
システムは、1つまたは複数の第1のデバイスD1および1つまたは複数の第2のデバイスD2を備える。
図1では、12個の第1のデバイスD1および2個の第2のデバイスD2が示されている。各第1のデバイスD1は、点線によって象徴されるように、第1の通信ネットワークを使用して、第2のデバイスD2のうちの1つまたは複数の関連付けられたものと通信することができる。例えば、ハッチングを付した第1のデバイスD1は、両方の第2のデバイスD2(
図1には具体的に示されていない)と通信することが可能であり得るが、それは、例えば、これらの第2のデバイスD2の両方の通信範囲内に位置するためである。特定の第1のデバイスD1が、原則として(例えば、それらが互いに遠すぎる場合を除き)、第2のデバイスD2のいずれかと通信することができる可能性があれば、例えば、第2のデバイスD2のうちの1つが機能不全に陥った場合、または、第2のデバイスD2のうちの1つのインターネットwwwへの接続が喪失した場合、第1のデバイスD1は、依然として他の第2のデバイスD2と通信することができるため、通信は非常に堅牢である。
【0199】
第1のデバイスD1および第2のデバイスD2は、それぞれ通信ユニットC1およびC2を備え、両方とも、「Bluetooth Low Energy」規格を使用するなど、第1の通信ネットワークを介して通信することを可能にする。第2のデバイスD2の通信ユニットC2は、他の通信ネットワークを使用して通信を可能にし、例えば、セルラ通信ネットワークまたはWi-Fi規格による通信ネットワークを使用して、インターネットwwwへの接続を提供する。各第1のデバイスD1は、第2のデバイスD2のうちの1つまたは複数を、インターネットwwwへのゲートウェイとして使用することができる。特に、システムは、各第1のデバイスD1からのデータ(または、むしろ、第1のデバイスD1からのデータから導出されたデータ)を(第2のデバイスD2を介して)サーバシステムCに送信することができるように、インターネットwwwに接続されたサーバシステムCを備えることもできる。
【0200】
第1のデバイスD1および第2のデバイスD2は、バッテリなどのエネルギー供給ユニットB1およびB2をそれぞれ備えることができる。特に、第2のデバイスD2のエネルギー供給ユニットB2は、充電式バッテリなどの充電式エネルギー貯蔵部を備えることができる。
【0201】
第1のデバイスD1および第2のデバイスD2は、例えばコンピュータメモリチップなどのデジタルデータ記憶装置のための記憶ユニットM1およびM2と、図示されていないマイクロプロセッサ、例えば制御ユニット、などのデジタル処理ユニットとをそれぞれ備えることができる。
【0202】
第1のデバイスD1は、特に監視される製品Pが温度感受性製品である場合に、温度などの物理的および/または環境的条件を検知するための検知ユニットS1を各々備える。
【0203】
任意選択的に、第2のデバイスD2は、特に監視される製品Pが温度感受性製品である場合に、温度などの物理的および/または環境的条件を検知するための検知ユニットS2を各々備えることができる。
【0204】
図3は、製品のセットを監視するためのシステムおよび方法の概略図であり、送信および送信されたデータを強調している。
図3は、単一の第1のデバイスD1および2つの第2のデバイスD2、D2*のみに焦点を当てて示しており、これらは同一であることも異なることもできる。
【0205】
繰り返して、第1のデバイスD1は、第1の通信ネットワークを介して第2のデバイスD2によって受信される第1のデータセットD1を含む送信を準備する。その際、第2のデバイスD2は、第1のデータセットDS1から第2のデータセットDS2を導出し、第2のデータセットDS2を、第2の通信ネットワークを介して、インターネットwwwに、より具体的には、サーバアプリケーションが実行されているサーバシステムCに送信する。
【0206】
そして、サーバシステムCは、第2のデータセットDS2から第3のデータセットDS3を導出し、第3のデータセットDS3を第2の通信ネットワークを介して第2のデバイスD2*に送信する。さらに、サーバシステムCは、第2のデータセットDS2に含まれるデータ、特に検知データを記憶および分析することができる。第2のデバイスD2*は、第3のデータセットDS3を受信すると、第3のデータセットDS3から、確認応答データセットACKと呼ばれる第4のデータセットを導出し、第1の通信ネットワークを介して、第1のデバイスD1に確認応答データセットACKを送信する。
【0207】
繰り返して、第1のデバイスD1は、その第1の検知ユニットS1のセンサによって、例えば温度などの大きさを検知する。このようにして、検知データsdが生成され、第1の記憶ユニットM1に記憶され、第1の記憶ユニットM1には、例えば、それぞれの検知がいつ行われたかを示すタイムスタンプなどの、各々が検知時間tを示す時間データtdを提供することができる。検知データsdが第1の記憶ユニットM1に記憶されると、これらの送信ステータスが「準備完了」に設定される。これは、これらのデータが送信のために選択され得ることを示す。
【0208】
繰り返して、第1のデバイスD1は、第1のデータセットDS1を含む送信を準備する。
図3に示す例では、2つの検知データsd1、sd2が、第1のデータセット、ならびにそれぞれの関連付けられた検知時間t1およびt2に含まれる。
【0209】
さらに、第1のデータセットDS1は、
図3の図示では「TID1」と書かれている、送信を識別する送信IDデータTIDと、
図3の図示では「id1」と書かれている、第1のデバイスを識別する第1のIDデータを含む。さらに、エラーデータEDもまた、送信ならびに任意選択のさらなるデータ(図示せず)に含まれてもよい。
【0210】
送信の準備が完了した後、送信が行われる。すると、その送信に含まれる検知データ(
図3中:sd1およびsd2)の送信ステータスが「送信済み」に設定される。これは、これらのデータが少なくとも1回の送信に含まれたことを示している。
【0211】
第2のデータセットDS2は、
図3の図示の例では、オプションのさらなるデータが含まれないことを除いて、第1のデータセットDS1と同一である。
【0212】
第3のデータセットDS3は、確認応答データセットACKのプリカーサデータセットと考えることができる。例えば、2つのデータセットDS3、ACKは、例えば、確認応答データセットACKに含まれていないが、第3のデータセットDS3に含まれ得る任意の追加データを除いて、同一であることができる。
【0213】
確認応答データセットACK(および第3のデータセットDS3)は、
-どの送信が確認応答されるべきかを識別するために、送信IDデータTIDと、
-宛先IDデータDIDとして、確認応答データセットACKを受信する第1のデバイス、すなわち、TID=TID1の送信を行った第1のデバイス、すなわち、「id1」の第1のIDデータを有する図示の第1のデバイスD1、を識別する第1のIDデータid(「id1」)と、
-第3のデータセットDS3を生成したサーバシステムCを識別する発信元IDデータOIDと、
-任意選択で、宛先IDデータによって識別される第1のデバイスへのコマンドを有するコマンドデータCDと、
-デジタル署名SIG(本発明の第1の態様ではオプション)と、
を含む。
【0214】
本発明の第2の態様によれば、確認応答データセットACKは、デジタル署名され、したがって、例えば、さらに上述したような方法で、デジタル署名データSIGを含む。
【0215】
さらに、さらなるセキュリティおよび耐タンパ性のために、確認応答データセットACKは、
図3に太い破線の矩形で示すように、デジタル暗号化することができる。
【0216】
確認応答データセットACK内の宛先IDデータ/第1のIDデータによって、第1のデバイスD1は、その受信時に、確認応答データセットACKが実際にこの個々の第1のデバイスによって受信されることを意図されていることを検証することができる。このように、送信IDデータTIDは、グローバルに一意である必要はなく、送信IDデータTIDが第1のデバイスごとに個別に一意であれば十分である。
【0217】
確認応答データセットACKを受信すると、第1のデバイスD1は、
-確認応答データセットACKを復号し(暗号化されていた場合)、
-デジタル署名SIGによって確認応答データセットACKに含まれるデータの真正性を検証し、
-宛先IDデータDIDおよびそのデバイスIDデータIDによって、確認応答データセットACKの宛先が実際に第1のデバイスD1自体であることを確認し、
復号および検証が成功した場合、
-確認応答データセットACKで受信した送信IDデータTID(TID1)によって識別される、第1のデータセットDS1で送信されたこれらの検知データ(
図3中:sd1およびsd2)の送信ステータスを「確認応答済み」に設定する。「確認応答済み」の検知データのみが、それ以上の送信に含まれる必要はない(含まれるべきではない)。
【0218】
図4は、送信準備時における第1の記憶ユニット(
図2のM1参照)の検知データsdおよび関連付けられた時間データtdと、それらの送信への割り当てとの一例の概略図である。その際、図示の例では、下側の太線よりも下側の検知データ(sd1、sd2)には「確認応答済み」とマークされ、下側の太線と上側の太線との間の検知データ(sd3、sd4、sd5およびsd6)には「送信済み」とマークされ、上側の太線よりも上側の検知データ(sd7、sd8およびsd9)には「準備完了」とマークされている。ここで「マーク」と記載することは、関連付けられた送信ステータスの値を参照する簡略法である。
【0219】
本発明の第1の態様によれば、「最も古い」検知時間(第1の検知時間ft、すなわちt3)に関連付けられた「送信済み」とマークされた「最も古い」検知データ(第1の検知データfsd)、すなわち検知データsd3、ならびに(第1の記憶ユニットに存在する)「後続の」検知データ、すなわち「より新しい」検知時間を有する検知データが送信に含まれ、それにより、それらの関連付けられた検知時間に関して、検知データが欠落しない。したがって、送信に含まれる第1のデータセットには、検知データ(およびそれらの関連付けられた検知時間)の連続した系列が含まれる。検知データの系列の長さ、すなわちどの検知データ(最終検知データlsd)が最新のもの(すなわち、最新の検知時間ltに関連付けられている)であるかは、例えば、各送信に可能な限り多くの検知データを含みながら、第1の通信ネットワークのプロトコルで定義された最大送信サイズに依存し得る。
【0220】
図4の図示の例では、検知データの送信された系列および第1のデータセットは、それぞれ、ブレースによって示されるように、検知データsd3~sd8を含む。
【0221】
送信の準備を達成するこのやり方および送信のために第1のデータセットDS1に含まれるべき検知データをそれぞれ選択するこのやり方は、サーバシステムCで第2のデータセットDS2を受信した後に、サーバシステムCによってまだ受信されていないそれぞれの第1のデバイスのセンサによって取得された「古い」検知データがないことを確実にすることができる。したがって、非常に早い時点で、検知データの完全な描像、したがって検知された物理的および/または環境的条件から推論可能な完全性(無傷性/健全性)の完全な描像を得ることができる。第2のデータセットDS2の受信後に、別の第2のデータセットが、古い検知データを初めて報告するサーバシステムCによって受信されることが効果的に回避される。
【0222】
したがって、既に非常に早い段階で、サーバシステムCによって受信された検知データから、それぞれの第1のデバイスD1に関連する製品が無傷であると見なされるか否かを明確に判定することができる。
【0223】
さらに、「送信済み」とマークされた検知データは、事前設定された待機時間が経過したときに別の時間に自動的に送信されるようにすることができる。言い換えれば、少なくとも事前設定された待機時間の間「送信済み」とマークされた第1の記憶ユニット内の検知データがあることが検出されると、さらなる送信が準備され、実行される。これらのデータは、「送信済み」とマークされた最も古い検知データであり、したがって第1の検知データfsdとなる。このようにして、システムにおける一時的な技術的問題、例えば通信の妨げが、サーバシステムCにおける検知と対応する検知データの受信との間の過度に長い遅延につながることを回避することができる。
【0224】
図5は、第1の記憶ユニット内のデータ(検知データsd、時間データtd、送信ステータスデータst)と異なる送信との間の相互関係の一例の概略図である。
図5の左部では、送信(T1~T5)は、太い横線で記号化され、
図5の中間部では、第1の記憶ユニット内の前記データが記号化され、
図5の右部では、確認応答データセットが太い横線で記号化されている。
図5の破線は、関連付けおよびリンクをそれぞれ記号化している。おおよそのタイムラインは上から下へと進む。
【0225】
通常、確認応答データセットは、送信が行われた後に非常に迅速に確認応答される送信を送信した第1のデバイスに到着する。しかしながら、
図5の例は、通信の問題、例えば遅延につながる強い技術的問題の場合でも、方法の堅牢性を強調している。
【0226】
最初に(時刻t1)、検知データsd1が取得されて記憶され、送信ステータスst1が「準備完了」に設定される。
【0227】
技術的な問題のために、その後すぐに送信を準備することはできない。
次に(時刻t2)、検知データsd2が取得されて記憶され、送信ステータスst2が「準備完了」に設定される。
【0228】
次に、送信IDデータTID1を有する第1の送信T1が準備され、実行される。
検知データsd1、sd2が送信T1に含まれ、それらの送信ステータスは「送信済み」に設定される。
【0229】
技術的な問題があるため、T1の確認応答データセットは、第1のデバイスによってまだ受信されていない。
【0230】
次に(時刻t3)、検知データsd3が取得されて記憶され、送信ステータスst3が「準備完了」に設定される。
【0231】
次に、送信IDデータTID2を有する第2の送信T2が準備され、実行される。
検知データsd1、sd2およびsd3は、それらのいずれもまだ「確認応答済み」としてマークされていないので、送信T2に含まれる。また、検知データsd3の送信ステータスが「送信済み」に設定される。
【0232】
図示の例では、送信T2を受信した直後に送信T2を受信した第2のデバイスのバッテリが完全に消耗しているなど、何らかの技術的問題があるため、T2の確認応答データセットは第1のデバイスによって受信されない。
【0233】
次に、第1のデバイスによって確認応答データセットが受信され、送信IDデータTID1を有する送信T1のサーバシステムによる受信を確認応答する。
【0234】
送信ステータスst1、さらにst2は、「確認応答済み」に設定される。送信ステータスst3は「送信済み」のままである。
【0235】
次に、送信IDデータTID3を有する第3の送信T3が準備され、実行される。
検知データsd3のみが、まだ「確認応答済み」としてマークされていない唯一のものであるため、送信T3に含まれる。送信ステータスst3は「送信済み」のままである。
【0236】
次に(時刻t4)、検知データsd4が取得されて記憶され、送信ステータスst4が「準備完了」に設定される。
【0237】
次に、送信IDデータTID4を有する第4の送信T4が準備され、実行される。
送信T4には、検知データsd3およびsd4が含まれる。送信ステータスst4は、「送信済み」に設定されている。
【0238】
技術的な問題のために、送信T4は、送信T3に対する確認応答が第1のデバイスに到達する前に行われる。
【0239】
次に、第1のデバイスによって確認応答データセットが受信され、送信IDデータTID3を有する送信T3のサーバシステムによる受信を確認応答する。
【0240】
送信ステータスst3は、「確認応答済み」に設定される。送信ステータスst4は、「送信済み」のままである。
【0241】
次に、送信IDデータTID5を有する第5の送信T5が準備され、実行される。送信ステータスst4は、「送信済み」のままである。この送信は、例えば、送信ステータスst4があまりにも長い間、すなわち事前設定された待機時間を超えて「送信済み」に設定されているため、この時点で準備され実行され得る。
【0242】
次に、第1のデバイスによって確認応答データセットが受信され、送信IDデータTID5を有する送信T5のサーバシステムによる受信を確認応答する。
【0243】
送信ステータスst4は、「確認応答済み」に設定される。
明らかになるように、製品の監視において機密データを取り扱い保護する比較的堅牢で安全な方法は、記載された方法およびシステムによって実現することができる。また、サーバシステムにおける初期時点での非常に重要なまたは価値のあるデータの存在を保証することができる。
【国際調査報告】