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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】布地柔軟剤配合物
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/647 20060101AFI20241112BHJP
   D06M 13/144 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
D06M15/647
D06M13/144
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520604
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 US2022047628
(87)【国際公開番号】W WO2023076193
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/272,702
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロイツ、セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ベンバコウラ、ラーマ
(72)【発明者】
【氏名】ロスティス、ジャクリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデミュールブルック、フローレ
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033AB04
4L033AC02
4L033AC15
4L033BA11
4L033CA60
(57)【要約】
水と、布地柔軟剤と、脱水助剤成分と、を含む、脱水向上水性布地柔軟剤配合物が提供され、脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%の、0~60mol%の式Iの単位及び40~100mol%の式IIの単位を含むオルガノポリシロキサンであって、
SiO(4-x)/2 (I)
SiO(4-y-z)/2 (II)
式中、xは、0~3であり、yは0~2であり、zは1~2であり、y+zは1~3であり、Rは、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から選択され、Rは、-A基であり、Aは、二価連結基であり、cは、0~1であり、Rは、9~35個の炭素原子を有するアルキレン基である、オルガノポリシロキサン、脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%の有機ケイ素樹脂、及び脱水助剤成分の重量に基づいて0~30重量%の疎水性添加剤、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水向上水性布地柔軟剤配合物であって、
前記脱水向上水性布地柔軟配合物の重量に基づいて9.992~98.992重量%の水と、
前記脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、1~90重量%の布地柔軟化剤と、
前記脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、0.008~0.1重量%未満の脱水助剤成分であって、前記脱水助剤成分が、
前記脱水助剤成分の重量に基づいて40~99重量%のオルガノポリシロキサンであって、
0~60mol%の式Iの単位
SiO(4-x)/2 (I)
40~100mol%の式IIの単位
SiO(4-y-z)/2 (II)
を含み、
式中、xは、0、1、2及び3からなる群から選択され、yは、0、1及び2からなる群から選択され、zは、1及び2からなる群から選択され、但し、y+zは1、2又は3であり、各Rは、独立して、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から選択され、各Rは、-A基であり、Aは、二価連結基であり、cは、0及び1からなる群から選択され、各Rは、9~35個の炭素原子を有する基から独立して選択される、
オルガノポリシロキサン、
前記脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%の有機ケイ素樹脂、及び
前記脱水助剤成分の重量に基づいて0~30重量%の疎水性添加剤、
を含む、脱水助剤成分と、
を含む、脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項2】
泡制御剤、界面活性剤捕捉剤、分散剤、安定剤、pH制御剤、金属イオン制御剤、着色剤、光沢剤、臭気制御剤、汚れ除去ポリマー、防腐剤、抗菌剤、芳香剤、塩素捕捉剤、収縮防止剤、布地巻縮剤(fabric crisping agent)、スポッティング剤、殺菌剤、殺真菌剤、酸化防止剤、防食剤及びこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を更に含む、請求項1に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項3】
前記脱水向上水性布地柔軟剤配合物が、3重量%未満の洗濯洗剤活性物質を含有する、請求項2に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項4】
前記オルガノポリシロキサンが式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサンであり、
【化1】

式中、各Rは、メチル基であり、式中、各Rは、水素、1~8個の炭素原子を有する基、R及びRからなる群から独立して選択され、各Rは、-A基であり、各Rは、10~20個の炭素原子を有する非環式基から独立して選択され、cは、0及び1からなる群から選択され、Aは、(i)酸素、(ii)炭素及び水素、又は(iii)炭素、水素、酸素、及び場合により窒素、硫黄又はリン、からなる二価連結基であり、各Rは、スチレン、α-メチルスチレン、オイゲノール、アリルベンゼン、アリルフェニルエーテル、2-アリルフェノール、2-クロロスチレン、4-クロロスチレン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン及びそれらの混合物からなる群から独立して選択され、式中、aは、10~500であり、bは、0~250であり、a+bは、10~500であり、a>bであり、式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサン中のSi原子の60mol%以上が、結合したR基を有する、
請求項1に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項5】
0~10重量%の泡制御剤を更に含み、前記泡制御剤が、1分子当たり10~16個の炭素原子を含有するアルキル鎖を有し、3~30のエトキシ化度を有するエトキシ化脂肪アルコール、1分子当たり10~16個の炭素原子を含有するアルキル鎖を有し、1~10のプロポキシ化度を有するプロポキシ化脂肪アルコール、1分子当たり10~16個の炭素原子を含有するアルキル鎖を有し、3~30のエトキシル化度及び1~10のプロポキシル化度を有するエトキシル化プロポキシル化脂肪アルコール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項6】
安定剤を更に含む、請求項5に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項7】
界面活性剤捕捉剤を更に含む、請求項6に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項8】
前記オルガノポリシロキサンが式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサンであり、
【化2】

式中、各Rは、メチル基であり、各Rは、水素、1~8個の炭素原子を有する基、R及びRからなる群から独立して選択され、各Rは、-A基であり、各Rは、10~20個の炭素原子を有する非環式基から独立して選択され、cは、0及び1からなる群から選択され、Aは、(i)酸素、(ii)炭素及び水素、又は(iii)炭素、水素、酸素、及び場合により窒素、硫黄又はリン、からなる二価連結基であり、式中、各Rは、スチレン、α-メチルスチレン、オイゲノール、アリルベンゼン、アリルフェニルエーテル、2-アリルフェノール、2-クロロスチレン、4-クロロスチレン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン及びそれらの混合物からなる群から独立して選択され、aは、10~500であり、bは、0~250であり、a+bは、10~500であり、a>bであり、式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサン中のSi原子の60mol%以上が、結合したR基を有する、
請求項7に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物。
【請求項9】
洗濯物を洗浄する方法であって、
汚れた布地物品を洗濯機又は洗濯洗面器に追加することと、
前記洗濯機又は前記洗濯洗面器に洗い水を投入することと、
洗濯洗剤配合物を前記洗濯機又は前記洗濯洗面器に投入することと、
前記洗い水及び前記洗濯洗剤配合物を前記汚れた布地物品に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、
前記洗濯機又は前記洗濯洗面器にすすぎ水を投入することと、
請求項1に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を前記洗濯機又は前記洗濯洗面器に投入することと、
前記洗浄された布地物品に前記すすぎ水を適用することと、
前記洗浄された布地物品からの前記すすぎ水をスピンサイクルでスピンさせることと、
を含み、
前記すすぎ水の少なくとも1つが、前記洗浄された布地物品への適用前又は適用中に、前記脱水向上水性布地柔軟剤配合物に曝露される、洗濯物を洗浄する方法。
【請求項10】
洗濯物を洗浄する機械のエネルギー効率を改善させる方法であって、
汚れた布地物品を洗濯機に加えることと、
請求項1に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を選択することと、
前記脱水向上水性布地柔軟剤配合物を前記洗濯機に投入することと、
洗濯洗剤配合物を前記洗濯機に投入することと、
前記洗濯機に洗い水を投入することと、
前記洗い水及び洗濯洗剤配合物を前記汚れた布地物品に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、
前記洗濯機にすすぎ水を投入することと、
前記洗浄された布地物品に前記すすぎ水を適用することと、
前記洗浄された布地物品からの前記すすぎ水をスピンサイクルでスピンさせることと、
を含み、
前記すすぎ水は、前記洗浄された布地物品へのその適用前又は適用中に、前記脱水向上水性布地柔軟剤配合物に曝露され、前記選択された固体洗濯脱水助剤組成物中の前記オルガノポリシロキサンは、前記スピンサイクルの完了時に前記洗浄された布地物品に伴う残留水を低減する能力に基づいて選択される、
洗濯物を洗浄する機械のエネルギー効率を向上させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物に関する。特に、本発明は、水を組み込むこと、布地柔軟剤、及び脱水助剤成分に関し、脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%の、0~60mol%の式Iの単位及び40~100mol%の式IIの単位を含むオルガノポリシロキサンであって、
SiO(4-x)/2 (I)
SiO(4-y-z)/2 (II)
式中、xは、0、1、2及び3からなる群から選択され、yは、0、1及び2からなる群から選択され、zは、1及び2からなる群から選択され、但し、y+zは1、2又は3であり、式中、各Rは、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から独立して選択され、各Rは、-A基であり、式中、Aは、二価連結基であり、cは、0及び1からなる群から選択され、各Rは、9~35個の炭素原子を有する基から独立して選択される、オルガノポリシロキサン、脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%の有機ケイ素樹脂、及び脱水助剤成分の重量に基づいて0~30重量%の疎水性添加剤、を含む。
【0002】
洗濯などの日常活動のエネルギー効率を改善するために、政府及び消費者からの圧力が高まっている。洗濯物を洗浄するエネルギー効率を改善するための歴史的アプローチは、低い洗浄温度で洗浄を提供する洗濯洗剤配合物の開発であった。しかしながら、消費者は、より高い洗濯温度が、洗濯物中に存在する汚染微生物の死滅をより容易にするという認識を有する洗濯物の温度を上昇させる傾向をますます示している。すなわち、消費者はエネルギー効率を望むが、多くはエネルギー効率と引き換えに効率を犠牲にすることを望まない。したがって、消費者が他の洗濯製品とは独立して適用して、洗濯洗浄プロセスのエネルギー効率を高めることによってカーボンフットプリントを低減する一方で、消費者の現在の信頼できる洗濯製品の継続的使用を容易にすることができる添加剤が必要とされている。
【0003】
したがって、洗濯を行うのに必要なエネルギーを低減する代替的な方法を見出すことが依然として望まれている。洗濯プロセスのエネルギー効率を更に改善するための1つのアプローチは、洗濯後に洗濯物を乾燥させるのに必要なエネルギーを低減することであろう。その目的を達成するための方法は、洗濯機から除去されたときに布地をより乾燥させたままにするスピニングサイクル中の洗濯物からの残留水の除去を強化することを含む可能性がある。洗濯機からのより乾燥した布地は、乾燥プロセス中に除去を必要とする水がより少なくなる。加えて、布地からの残留水のより良好な除去は、特に、乾燥が湿った条件下で実施される場合(例えば、ウェットシーズン中のライン乾燥)、悪臭を低減させることも予想される。
【0004】
したがって、洗濯物の洗濯に関連するエネルギー需要の低減を容易にする新しい脱水向上水性布地柔軟剤配合物が依然として必要とされている。特に、すすぎサイクル中に布地からの残留水の除去を向上させる新しい脱水向上水性布地柔軟剤配合物が依然として必要とされている。
【0005】
本発明は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて9.992~98.992重量%の水と、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて1~90重量%の布地柔軟剤と、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、0.008~0.1重量%未満の脱水助剤成分と、を含む、脱水向上水性布地柔軟剤配合物を提供し、脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて40~99重量%の、0~60mol%の式Iの単位を及び40~100mol%の式IIの単位を含むオルガノポリシロキサンであって、
SiO(4-x)/2 (I)
SiO(4-y-z)/2 (II)
式中、xは、0、1、2及び3からなる群から選択され、yは、0、1及び2からなる群から選択され、zは、1及び2からなる群から選択され、但し、y+zは1、2又は3であり、式中、各Rは、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から独立して選択され、各Rは、-A基であり、式中、Aは、二価連結基であり、cは、0及び1からなる群から選択され、各Rは、9~35個の炭素原子を有する基から独立して選択される、オルガノポリシロキサン、脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%の有機ケイ素樹脂、及び脱水助剤成分の重量に基づいて0~30重量%の疎水性添加剤、を含む。
【0006】
本発明は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて9.992~98.992重量%の水と、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、1~90重量%の布地柔軟化剤と、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、0.008~0.1重量%未満の脱水助剤成分と、を含む、脱水向上水性布地柔軟剤配合物を提供し、脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%の式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサンであって、
【0007】
【化1】

各Rは、メチル基であり、式中、各Rは、水素、1~8個の炭素原子を有する基、R及びRからなる群から独立して選択され、各Rは、-A基であり、各Rは、10~20個の炭素原子を有する非環式基から独立して選択され、cは、0及び1からなる群から選択され、Aは、(i)酸素、(ii)炭素及び水素、又は(iii)炭素、水素、酸素、及び場合により窒素、硫黄又はリン、からなる二価連結基であり、式中、各Rは、スチレン、α-メチルスチレン、オイゲノール、アリルベンゼン、アリルフェニルエーテル、2-アリルフェノール、2-クロロスチレン、4-クロロスチレン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン及びそれらの混合物からなる群から独立して選択され、式中、aは、10~500であり、式中、bは、0~250であり、a+bは、10~500であり、式中、a>bであり、式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサン中のSi原子の60mol%以上が、結合したR基を有する、式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサン、脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%の有機ケイ素樹脂、及び脱水助剤成分の重量に基づいて0~30重量%の疎水性添加剤、を含む。
【0008】
本発明は、洗濯物を洗濯する方法であって、汚れた布地物品を洗濯機又は洗濯洗面器に追加することと、洗濯機又は洗濯洗面器に洗い水を投入することと、洗濯洗剤配合物を洗濯機又は洗濯洗面器に投入することと、洗い水及び洗濯洗剤配合物を汚れた布地物品に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、洗濯機又は洗濯洗面器にすすぎ水を投入することと、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を洗濯機又は洗濯洗面器に投入することと、洗浄された布地物品にすすぎ水を適用することと、洗浄された布地物品からのすすぎ水をスピンサイクルでスピンさせることと、を含み、すすぎ水の少なくとも1つが、洗浄された布地物品への適用前又は適用中に、脱水向上水性布地柔軟剤配合物に曝露される、洗濯物を洗浄する方法を提供する。
【0009】
本発明は、洗濯物を洗浄する機械のエネルギー効率を改善させる方法であって、汚れた布地物品を洗濯機に追加することと、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を選択することと、脱水向上水性布地柔軟剤配合物を洗濯機に投入することと、洗濯洗剤配合物を洗濯機に投入することと、洗濯機に洗い水を投入することと、洗い水及び洗濯洗剤配合物を汚れた布地物品に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、洗濯機又は洗濯洗面器にすすぎ水を投入することと、洗浄された布地物品にすすぎ水を適用することと、洗浄された布地物品からのすすぎ水をスピンサイクルでスピンさせることと、を含み、すすぎ水は、洗浄された布地物品へのその適用前又は適用中に、脱水向上水性布地柔軟剤配合物に曝露され、選択された固体洗濯脱水助剤組成物中のオルガノポリシロキサンは、スピンサイクルの完了時に洗浄された布地物品に伴う残留水を低減する能力に基づいて選択される、洗濯物を洗浄する機械のエネルギー効率を向上させる方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
驚くべきことに、本発明の脱水助剤成分を含む脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、すすぎサイクル中の洗濯物からのすぐれた水の除去を容易にする。大幅なエネルギー節約の機会を提供する。
【0011】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(又は重量%)は、乾燥重量の、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を除外する百分率である。ポリマー中のモノマー単位の百分率は、固形分重量、すなわち、ポリマー乳剤中に存在する一切の水を排除した百分率である。
【0012】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「重量平均分子量」及び「Mw」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)及びポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いる従来の様式で測定された場合の重量平均分子量を指すのに互換的に使用される。GPCの技法は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-lnterscience,1979に、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84で詳細に考察されている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0013】
好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、9.992~98.992重量%(好ましくは、29.991~98.991重量%、より好ましくは、59.99~98.99重量%、最も好ましくは、74.98~97.98重量%)の水と、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、1~90重量%(好ましくは1~70重量%、より好ましくは、1~40重量%、最も好ましくは、2~25重量%)の布地柔軟剤と、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、0.008~0.1重量%未満(好ましくは0.009~0.09重量%、より好ましくは、0.01~0.05、最も好ましくは0.02~0.04重量%)の脱水助剤成分と、を含み、脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%(好ましくは、55~99重量%、より好ましくは、65~98重量%、最も好ましくは、77~97重量%)の、0~60mol%の式Iの単位及び40~100mol%の式IIの単位を含むオルガノポリシロキサンであって、
SiO(4-x)/2 (I)
SiO(4-y-z)/2 (II)
式中、xは、0、1、2及び3からなる群から選択され、yは、0、1及び2からなる群から選択され(好ましくは、0及び1であり、より好ましくは、1である)、zは1及び2(好ましくは、1)からなる群から選択され、但し、y+zは1、2又は3(好ましくは2)であり、式中、各Rは、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から独立して選択され(好ましくは、C1~4アルキル基であり、より好ましくは、C1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基である)(好ましくは、Si当たり1個以下のRがヒドロキシ基である)、各Rは、-A基であり、式中、Aは、二価連結基であり、cは、0及び1からなる群から選択され(好ましくは1である)、式中、各Rは、9~35個の炭素原子を有する基から独立して選択される(好ましくは、10~30個の炭素原子、より好ましくは10~20個の炭素原子、最も好ましくは、10~15個の炭素原子を有する)、オルガノポリシロキサン、脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは、2~20重量%、最も好ましくは、3~15重量%)の有機ケイ素樹脂、脱水助剤成分の重量に基づいて、0~30重量%(好ましくは0~20重量%、より好ましくは、0~15重量%、最も好ましくは、0~8重量%)の疎水性添加剤、を含む。
【0014】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、9.992~98.992重量%(好ましくは、29.991~98.991重量%、より好ましくは、59.99~98.99重量%、最も好ましくは、74.98~97.98重量%)の水を含む。好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、9.992~98.992重量%(好ましくは、29.991~98.991重量%、より好ましくは、59.99~98.99重量%、最も好ましくは、74.98~97.98重量%)の水を含み、水は、蒸留水及び脱イオン水の少なくとも一方である。より好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、9.992~98.992重量%(好ましくは、29.991~98.991重量%、より好ましくは、59.99~98.99重量%、最も好ましくは、74.98~97.98重量%)の水を含み、水は、脱イオン水である。
【0015】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、1~90重量%(好ましくは、1~70重量%、より好ましくは、1~40重量%、最も好ましくは、2~25重量%)の布地柔軟剤を含む。好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、1~90重量%(好ましくは、1~70重量%、より好ましくは、1~40重量%、最も好ましくは、2~25重量%)の、布地柔軟剤を含み、布地柔軟剤は、エステルクォートである。より好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、1~90重量%(好ましくは、1~70重量%、より好ましくは、1~40重量%、最も好ましくは、2~25重量%)の、布地柔軟剤を含み、布地柔軟剤は、カチオン性窒素(N)原子、4~36個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪炭素鎖、及び少なくとも1つのエステル官能基を含むエステルクォートである。脂肪族炭素鎖は、炭素原子以外のヘテロ原子(例えば、Si原子)を場合により含み得る。カチオン性窒素原子は、エステル官能基を介して、例えば、-(CH-O-C(=O)-鎖(式中、aは、0~5である)及び/又は=C(-O-C(=O)-(CH-CH(式中、bは、4~36である)を介して、少なくとも1つの脂肪族炭素鎖に結合し得る。例えば、モノエステルクォート(monoesterquat、EQ)、トリエステル-第四級アンモニウム化合物(triester-quaternary ammonium compound、TEQ)、及びジエステル-四級アンモニウム化合物(diester-quaternary ammonium compound、DEQ)を含む、様々な種類のエステルクォートが、本発明の布地ケア配合物における使用に好適であり得る。これらの化合物はまた、モノ-(I)、ジ-(II)、及びトリ-(III)エステル成分の混合物を含み得る。好ましくは、エステルクォートは、部分的に水素化されたパームエステルクォートである。
【0016】
好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤溶液は、脱水向上水性布地柔軟剤溶液の重量に基づいて、0.008~0.1重量%未満(好ましくは、0.009~0.09重量%、より好ましくは、0.01~0.05、最も好ましくは0.02~0.04重量%)の脱水助剤成分を含み、脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%(好ましくは、55~99重量%、より好ましくは、65~98重量%、最も好ましくは、77~97重量%)のオルガノポリシロキサン、脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは、2~20重量%、最も好ましくは、3~15重量%)の有機ケイ素樹脂、脱水助剤成分の重量に基づいて、0~30重量%(好ましくは0~20重量%、より好ましくは、0~15重量%、最も好ましくは、0~8重量%)の疎水性添加剤、を含む。
【0017】
好ましくは、本発明の脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%(好ましくは、55~99重量%、より好ましくは、65~98重量%、最も好ましくは、77~97重量%)のオルガノポリシロキサンを含み、オルガノポリシロキサンは、0~60mol%の式Iの単位及び40~100mol%の式IIの単位を含み、
SiO(4-x)/2 (I)
SiO(4-y-z)/2 (II)
xは、0、1、2及び3からなる群から選択され、yは、0、1及び2からなる群から選択され(好ましくは、0及び1であり、より好ましくは、1である)、zは1及び2(好ましくは、1)からなる群から選択され、但し、y+zは1、2又は3(好ましくは2)であり、式中、各Rは、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から独立して選択され(好ましくは、C1~4アルキル、より好ましくは、C1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)(好ましくは、Si当たり1個以下のRがヒドロキシ基である)、各Rは、-A基であり、式中、Aは、二価連結基であり、cは、0及び1からなる群から選択され(好ましくは0である)、式中、各Rは、9~35個の炭素原子を有する基から独立して選択される(好ましくは、10~30個の炭素原子、より好ましくは10~20個の炭素原子、最も好ましくは、10~15個の炭素原子)(好ましくは、各Rは、0~1個の酸素原子、より好ましくは、式中、各Rは、酸素原子を含有しない)(好ましくは、各Rは、0個の窒素原子を含有する)(好ましくは、少なくとも50mol%(好ましくは、65~100mol%、より好ましくは、70~100mol%、最も好ましくは、75~100mol%)のオルガノポリシロキサン中の式IIの単位は、少なくとも1つのRを含有する)。より好ましくは、本発明の脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%(好ましくは、55~99重量%、より好ましくは、65~98重量%、最も好ましくは、77~97重量%)のオルガノポリシロキサンを含み、オルガノポリシロキサンが式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサンであり、
【0018】
【化2】

式中、各Rは、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から独立して選択され(好ましくは、C1~4アルキル、より好ましくは、C1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)(好ましくは、Si当たり1個以下のRがヒドロキシ基である)、式中、各Rは、水素、1~8個の炭素原子を有する基、R及びRからなる群から独立して選択され(好ましくは、各Rは、水素及び1~8個の炭素原子を有する基からなる群から独立して選択され、より好ましくは、各Rは、C1~4アルキル基から独立して選択され、更により好ましくは、各Rは、C1~2アルキル基から独立して選択され、最も好ましくは、各Rは、メチル基である)、式中、各Rは、9~35個の炭素原子を有する非環式基から独立して選択され(好ましくは、10~30個の炭素原子、より好ましくは10~20個の炭素原子、最も好ましくは、10~15個の炭素原子)(好ましくは、各Rは、0~1個の酸素原子、より好ましくは、各Rは酸素原子を含有しない)(好ましくは、各Rは0個の窒素原子を含有する)、式中、各Rは、アルキルアリール基から独立して選択され、式中、aは、10~500であり、bは0~250であり、a+bは10~500であり(好ましくは25~250、より好ましくは、30~100、最も好ましくは、45~75)(好ましくは、a≧b、より好ましくは、a>b(好ましくは、60mol%以上(好ましくは65mol%以上、より好ましくは、70mol%以上、最も好ましくは、75mol%以上)の、式Iの直鎖状オルガノポリシロキサン中のSi原子は、結合したR基を有する)(好ましくは、式中、b=0である)。最も好ましくは、本発明の脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、40~99重量%(好ましくは、55~99重量%、より好ましくは、65~98重量%、最も好ましくは、77~97重量%)のオルガノポリシロキサンを含む脱水助剤成分を含み、オルガノポリシロキサンは式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサンであり、式中、各Rは、水素、ヒドロキシ基及び1~8個の炭素原子を有する基から独立して選択され(好ましくは、C1~4アルキル、より好ましくは、C1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)(好ましくは、Si当たり1個以下のRがヒドロキシ基である)、式中、各Rは、水素、1~8個の炭素原子を有する基、R及びRからなる群から独立して選択され(好ましくは、各Rは、水素及び1~8個の炭素原子を有する基からなる群から独立して選択され、より好ましくは、各Rは、C1~4アルキル基から独立して選択され、更により好ましくは、各Rは、C1~2アルキル基から独立して選択され、最も好ましくは、各Rは、メチル基である)、各Rは、-A基であり、各Rは、9~35個の炭素原子を有する非環式基から独立して選択され(好ましくは、非環式C10~30アルキル基、より好ましくは非環式C10~20アルキル基、最も好ましくは、非環式C10~15アルキル基)(好ましくは、式中、各Rはヒドロカルビル基である)、式中、cは、0及び1からなる群から選択され(好ましくは、cは0である)、Aは二価連結基であり、各Rは、-YR基であり、Yは、2~10個(好ましくは2~4個、より好ましくは、2個)の炭素原子及び0~2個(好ましくは、0~1個、より好ましくは、0個)の酸素原子を有する二価アルキレン基からなる群から選択され、Rは、少なくとも1つの-C 芳香環であり、式中、各Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ基、C1~12アルキル基から独立して選択されるか、又は2つ以上のR基が一緒になって、2つ以上の芳香族環を一緒に結合する二価炭化水素基を表し(好ましくは、各Rは、スチレン、α-メチルスチレン、オイゲノール、アリルベンゼン、アリルフェニルエーテル、2-アリルフェノール、2-クロロスチレン、4-クロロスチレン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン及びそれらの混合物からなる群から独立して選択され、最も好ましくは、α-メチルスチレンであり)、aは10~500であり、bは0~250であり、a+bは10~500であり(好ましくは25~250、より好ましくは、30~100、最も好ましくは、45~75)(好ましくは、a≧b、より好ましくは、a>b(好ましくは、60mol%以上(好ましくは65mol%以上、より好ましくは、70mol%以上、最も好ましくは、75mol%以上)の式IIIの直鎖状オルガノポリシロキサン中のSi原子が、結合したR基を有する)(好ましくは、式中、b=0である)。
【0019】
脱水助剤成分のオルガノポリシロキサンの重合度は、10~500であることが好ましい。より好ましくは、脱水助剤成分のオルガノポリシロキサンは、25~250の重合度を有する。更により好ましくは、オルガノポリシロキサンは、30~100の重合度を有する。最も好ましくは、脱水助剤成分のオルガノポリシロキサンは、45~75の重合度を有する。
【0020】
好ましくは、脱水助剤成分のオルガノポリシロキサンは、直鎖状オルガノポリシロキサンであり、直鎖状オルガノポリシロキサンは、0.1重量%未満(好ましくは0.01重量%未満、より好ましくは、0.001重量%未満、最も好ましくは、検出限界未満)の三官能性シロキサン単位である。好ましくは、脱水助剤成分のオルガノポリシロキサンは、直鎖状オルガノポリシロキサンであり、直鎖状オルガノポリシロキサンは、0.1重量%未満(好ましくは0.01重量%未満、より好ましくは、0.001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の三官能性シロキサン単位を含み、直鎖状オルガノポリシロキサンは、検出可能限界未満の芳香族部分(例えば、α-メチルスチレン部分)を含む。
【0021】
二価連結基Aは、脱水助剤成分のオルガノポリシロキサン中に存在する場合、好ましくは(i)酸素、(ii)炭素及び水素、又は(iii)炭素、水素、酸素及び場合により窒素、硫黄及び/又はリンからなる。酸素は、二価連結基A中に存在する場合、エーテル酸素、エステル酸素、置換ヒドロキシル、置換アルコキシ基及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。窒素は、二価連結基A中に存在する場合、アミノ基、アミド基及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。二価結合基Aは、脱水助剤成分のオルガノポリシロキサン中に存在する場合、好ましくは、アルキレンエステル基、アルキレンエーテル基、アミド基、ポリアミノ/アミド基及びメルカプト基、例えば、-O-、-CHCHOC(=O)-、-CHCHOCHCH(OH)-、-(CHNHC(=0)-、-(CHNHCHC(=O)-、-CHCHS-及び
【0022】
【化3】

からなる群から選択される。
【0023】
好ましくは、脱水助剤成分のオルガノポリシロキサンは非イオン性である。
【0024】
好ましくは、本発明の脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、1~30重量%(好ましくは、1~25重量%、より好ましくは、2~20重量%、最も好ましくは、3~15重量%)の有機ケイ素樹脂を含み、有機ケイ素樹脂は、主にR 10SiO1/2及びSiO4/2単位(すなわち、それぞれM及びQ単位)から構成され、式中、各R10は、官能性又は非官能性の、置換又は非置換の一価ラジカル(好ましくは、ヒドロキシル基、炭化水素基及び炭化水素オキシ基)からなる群から選択される。M基の数とQ基の数との比は、好ましくは0.4:1~2.5:1(より好ましくは0.4:1~1.5:1、最も好ましくは、0.5:1~1.1:1)である。有機ケイ素樹脂は、好ましくはM単位及びQ単位のみを含有するが、有機ケイ素樹脂は、限定された数のR 10SiO2/2単位及びR10SiO3/2単位(すなわち、それぞれD単位及びT単位)を含んでもよい。好ましくは、有機ケイ素樹脂はMQシリコーン樹脂である。本明細書で使用される場合、「MQシリコーン樹脂」という用語は、平均して、20モルパーセント以下(好ましくは、15モルパーセント以下、より好ましくは、10モルパーセント以下、更により好ましくは、5モルパーセント以下、最も好ましくは、1モルパーセント以下)の有機ケイ素単位がD単位及びT単位からなることを意味する。
【0025】
好ましくは、本発明の脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、0~30重量%(好ましくは、0~20重量%、より好ましくは、0~15重量%、最も好ましくは、0~8重量%)の疎水性添加剤を含み、疎水性添加剤は、シリカ、チタニア、アルミナ、粉砕石英、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、脂肪族カルボン酸の塩(例えば、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸アルミニウム)、イソシアネートと特定のシクロヘキシルアミン及びアルキルアミド(例えば、エチレンビスステアルアミド又はメチレンビスステアルアミド)との反応生成物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、0~30重量%(好ましくは、0~20重量%、より好ましくは、0~15重量%、最も好ましくは、0~8重量%)の疎水性添加剤、を含む脱水助剤成分と、を含む、洗濯洗剤配合物を選択することと、疎水性添加剤は、シリカ粒子から選択される最も好ましくは、本発明の脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、0~30重量%(好ましくは、0~20重量%、より好ましくは、0~15重量%、最も好ましくは、0~8重量%)の疎水性添加剤を含み、疎水性添加剤は、0.1~50μm(好ましくは1~20μm)の平均粒径及び少なくとも50m/gの表面積を有するシリカ粒子から選択される。シリカ粒子は、例えば、シリカ上に直接結合したジアルキルシリル基及び/又はトリアルキルシリル基で処理することによって、又はシリコーン樹脂によって疎水性にすることができる。好ましくは、シリカ粒子はジメチル及び/又はトリメチルシリル基で疎水性にされる。シリカ材料は、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、水熱シリカ及びゲル形成シリカから選択することができる。
【0026】
好ましくは、脱水助剤成分は、脱水助剤成分の重量に基づいて、0.1重量%未満の疎水性粒子状材料(例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、粉砕石英、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、脂肪族カルボン酸の塩(例えば、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸アルミニウム)、イソシアネートと特定の材料(例えばシクロヘキシルアミン及びアルキルアミド、例えばエチレン又はメチレンビスステアラミド)との反応生成物を含む。
【0027】
好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、3重量%未満(好ましくは、2重量%未満、より好ましくは、1重量%未満、なおより好ましくは、0.1重量%未満、なおより好ましくは、0.01重量%未満、最も好ましくは、0.0001重量%未満)の洗濯洗剤活性物質を含む。洗濯洗剤活性物質としては、例えば、洗剤界面活性剤、洗剤ビルダー、漂白剤、酵素及びそれらの混合物が挙げられる。
【0028】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、泡制御剤、界面活性剤捕捉剤、分散剤、安定剤、pH制御剤、金属イオン制御剤、着色剤、光沢剤、臭気制御剤、汚れ除去ポリマー、防腐剤、抗菌剤、芳香剤、塩素捕捉剤、収縮防止剤、布地巻縮剤(fabric crisping agent)、点着剤、殺菌剤、殺真菌剤、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン)、防食剤、溶媒及びこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を更に含む。
【0029】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~10重量%、(好ましくは、0~5重量%、より好ましくは、0~2重量%)の泡調節剤を更に含む。より好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~10重量%、(好ましくは、0~5重量%、より好ましくは、0~2重量%)の泡調節剤を更に含み、泡調節剤は、有機変性シリコーン、ポリジメチルシリコーン、及び脂肪酸からなる群から選択され、但し、泡調節剤が有機変性シリコーンである場合、当該有機変性シリコーンは、脱水助剤成分に含まれるものとは組成的に異なる。なおより好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~10重量%、(好ましくは、0~5重量%、より好ましくは、0~2重量%)の泡調節剤を更に含み、泡調節剤は脂肪酸である。最も好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~10重量%、(好ましくは、0~5重量%、より好ましくは、0~2重量%)の泡調節剤を更に含み、泡制御剤は、1分子当たり10~16個の炭素原子を含有するアルキル鎖を有し、3~30のエトキシ化度を有するエトキシ化脂肪アルコール、1分子当たり10~16個の炭素原子を含有するアルキル鎖を有し、1~10のプロポキシ化度を有するプロポキシ化脂肪アルコール、1分子当たり10~16個の炭素原子を含有するアルキル鎖を有し、3~30のエトキシル化度及び1~10のプロポキシル化度を有するエトキシル化プロポキシル化脂肪アルコール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、0~20重量%の界面活性剤捕捉剤を更に含む。好ましい界面活性剤捕捉剤としては、モノアルキル四級アンモニウム化合物及びそのアミン前駆体、ポリビニルアミン、ポリ四級アンモニウム化合物及びそのアミン前駆体が挙げられる。
【0031】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~7重量%(好ましくは、0~5重量%、より好ましくは、0~3重量%)の分散剤を更に含む。より好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~7重量%、(好ましくは、0~5重量%、より好ましくは、0~3重量%)の分散剤であって、すすぎ中に材料を懸濁させ、洗浄された布地物品上への材料の堆積を抑制するための分散剤を更に含む。好適な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド及び場合によりプロピレンオキシドと、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アミンとの付加生成物;プロピレンオキシド/エチレンオキシドブロックコポリマー;及びこれらの混合物を含む分散剤として機能することができる。
【0032】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~20重量%(好ましくは、0~8重量%;より好ましくは、0~6重量%)の安定剤を更に含む。好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~20重量%(好ましくは、0~8重量%、より好ましくは、0~6重量%)の安定剤を更に含み、安定剤は、キサンタンガム、アルギネート、多糖ポリマー(例えば、エトキシル化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、それらの誘導体及びそれらの混合物のような置換セルロース材料)からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~20重量%(好ましくは、0~8重量%、より好ましくは、0~6重量%)の安定剤を更に含み、安定剤は、キサンタンガムを含む。
【0033】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、pH制御剤を更に含む。好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、0~0.02重量%のpH制御剤を更に含む。好ましいpH調整剤としては、無機酸(例えば、塩酸、リン酸)、有機酸(例えば、クエン酸、コハク酸)が挙げられる。
【0034】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~20重量%(好ましくは、0~10重量%、より好ましくは、0~5重量%の金属イオン制御剤を更に含む。好ましい金属イオン制御剤としては、例えば、有機アミノホスホネート(例えば、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)及びヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート);ニトリロ三酢酸; ポリアミノカルボン酸(例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミンジコハク酸、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸);イミノ二酢酸誘導体(例えば、2-ヒドロキシエチル二酢酸、グリセリルイミノ二酢酸);並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、染料又は着色剤を更に含む。布地柔軟剤配合物に使用するのに適した染料及び着色剤は周知である。
【0036】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、光沢剤を更に含む。光沢剤としては、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチフェン-5、5-ジオキシド、アゾール、複素環式5員環、複素環式6員環、蛍光増白剤、及びそれらの混合物の誘導体が挙げられ得る。
【0037】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、更に汚れ除去剤。好ましい汚れ放出剤としては、エチレンテレフタレート及びポリエチレンオキシドテレフタレートのランダムブロックを有するコポリマーが挙げられる。ポリマー汚れ除去剤の重量平均分子量は、25,000~55,000ダルトンであることが好ましくあり得る。ある種のポリマー汚れ除去剤、例えば、C1~4アルキル及びCヒドロキシアルキルセルロースなどのヒドロキシエーテルセルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)も安定剤として有用であり得る。
【0038】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、防腐剤を更に含む。より好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、脱水向上水性布地柔軟剤配合物の重量に基づいて、場合により、0~0.5重量%(好ましくは、0.0001~0.5重量%、より好ましくは、0.0002~0.2重量%、最も好ましくは、0.0003~0.1重量%)の防腐剤を更に含む。
【0039】
本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により溶媒を更に含む。より好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物は、場合により、溶媒を更に含み、溶媒は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコール、グリセロール、1,3-ブタンジオール、1,3-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0040】
好ましくは、本発明の洗濯物を洗浄する方法は、汚れた布地物品(好ましくは、汚染布地物品は綿を含み、より好ましくは、汚れた布地物品は、綿及びポリエステル綿混紡から選択される)を追加することと、洗濯機又は洗濯洗面器(好ましくは、洗濯機)に洗い水を投入することと、洗濯洗剤配合物を洗濯機又は洗濯洗面器に投入することと、洗い水及び洗濯洗剤配合物を汚れた布地物品に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、洗濯機又は洗濯洗面器(好ましくは、洗濯機)にすすぎ水を投入することと、請求項1に記載の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を洗濯機又は洗濯洗面器に投入することと、洗浄された布地物品にすすぎ水を適用することと、洗浄された布地物品からのすすぎ水をスピンサイクルでスピンさせることと、を含み、洗い水及びすすぎ水の少なくとも一方が、汚れた布地物品及び洗浄された布地物品の少なくとも一方へのその適用前又は適用中に、脱水向上水性布地柔軟剤配合物に曝露される(好ましくは、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を使用するスピンサイクルの完了時に洗浄された布地物品に伴う残留水の重量を、同じプロセスを使用するが脱水向上水性布地柔軟剤配合物を添加しない機械すすぎサイクルの完了時に洗浄された布地物品に伴う残留水の重量で割った値が、0.7以下(好ましくは0.6以下、より好ましくは0.55以下、最も好ましくは、0.50以下)である)。
【0041】
好ましくは、本発明の洗濯物を洗濯する機械のエネルギー効率を改善する方法は、洗濯機に汚れた布地物品(好ましくは、汚れた布地物品は綿を含み、より好ましくは、汚れた布地物品は、綿及びポリエステル綿混紡から選択される)を追加することと、本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を選択することと、脱水向上水性布地柔軟剤配合物を洗濯機に投入することと、洗濯洗剤配合物を洗濯機に投入することと、洗濯機に洗い水を投入することと、洗い水及び洗濯洗剤配合物を汚れた布地物品に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、洗濯機にすすぎ水を投入することと、洗浄された布地物品にすすぎ水を適用することと、洗浄された布地物品からのすすぎ水をスピンサイクルでスピンさせることと、を含み、洗い水及びすすぎ水の少なくとも一方が、汚れた布地物品及び洗浄された布地物品の少なくとも一方へのその適用前又は適用中に、脱水向上水性布地柔軟剤配合物曝露され、選択された脱水向上水性布地柔軟剤配合物中のオルガノポリシロキサンは、スピンサイクルの完了時に洗浄された布地物品に伴う残留水を減少させる能力に基づいて選択される(好ましくは、選択されたオルガノポリシロキサンを含有する本発明の脱水向上水性布地柔軟剤配合物を使用するスピンサイクルの完了時に洗浄された布地物品に伴う残留水の重量を、同じプロセスを使用するが脱水向上水性布地柔軟剤配合物を添加しない機械すすぎサイクルの完了時に洗浄された布地物品に伴う残留水の重量で割った値は、0.7以下(好ましくは≦0.6以下、より好ましくは0.55以下、最も好ましくは、0.50以下)である)。
【0042】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0043】
実施例A1~A2:オルガノポリシロキサン
以下の一般式を有する実施例A1~A2のオルガノポリシロキサンは以下の通りであり、
【0044】
【化4】
【0045】
式中、R、a、b及びvの値を表1に報告する。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例AF1:消泡成分
表2に記載の成分を含む消泡剤組成物を、3,500rpmに設定した歯科用ミキサー中で30秒間、次いで6,000rpmに設定した高剪断ミキサー(silverson)中で1分間、成分を均質化することによって調製した。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例AFG1:消泡剤顆粒
実施例AF1からの消泡成分を表3に記載の他の成分と組み合わせることによって、消泡顆粒を調製した。結合剤及びドデシルベンゼンスルホン酸を容器に秤量し、メカニカルスターラー(10分/400rpm)で均質化した。次いで、水及び消泡剤成分を容器の内容物に撹拌しながら添加した。次いで、容器の内容物をフードミキサー中のゼオライト担体上に注いだ。次いで、混合物を60℃で20分間にわたって流動床で乾燥させ、250μm~1400μmで篩い分けして、製品消泡剤顆粒を得た。
【0050】
【表3】
【0051】
実施例DAC:脱水助剤成分
表4に記載の成分を含む実施例DACの脱水助剤成分エマルジョンを、3,500rpmに設定した歯科用ミキサー内で30秒間、次いで6,000rpmに設定した高剪断ミキサー(silverson)内で1分間、成分を均質化することによって調製した。
【0052】
【表4】
【0053】
実施例DAE:脱水助剤エマルジョン
実施例DACの脱水助剤成分を表5に記載の他の成分と共に使用して、界面活性剤ブレンドを溶融し、秤量し、溶融界面活性剤ブレンドと脱水助剤成分とを容器内で合わせ、容器を60℃のオーブン内に10分間入れることによって、エマルジョンを調製した。次いで、容器の内容物を歯科用ミキサー中で3500rpmで30秒間均質化する。非イオン性ヒドロキシエチルセルロースw/グリオキサール、キサンタンガム、殺菌剤及び水を合わせて、溶液を形成する。次いで、歯科用ミキサー内の均質化された内容物に溶液を添加し、歯科用ミキサー内で3,500rpmで30秒間均質化して、脱水助剤エマルジョンを得る。
【0054】
【表5】
【0055】
比較例CFC及び実施例FC1:ヘアコンディショナー配合物
表6に記載の成分を用いて、比較例CFC及び実施例FC1のそれぞれにおいて布地コンディショナー配合物を調製した。重量
【0056】
【表6】
【0057】
比較例C1及び実施例1:残留水
全ての試験は、Miele W1914フロントローディング式洗濯機で行った。機械に、11枚のバスタオルと、10°のフランス硬度の15リットルの水とを入れた。実施例AFG1からの消泡顆粒(0.375g)を、スパチュラを使用して125gの粉末洗濯洗剤(wfk-Testgewebe GmbHから入手可能な標準洗剤配合物1998、ISO 105-C08:2010)と合わせ、次いで洗濯機に入れた。次いで、40℃、ショートプログラム及び800rpmに設定したカラープログラムを使用して、洗濯機を始動させた。60分間、5分毎に泡の高さを監視した。表8に記録したように、洗浄及びその後のすすぎサイクルを行った(0は泡なし、100は泡のフルウィンドウである)。表7に記載した布地コンディショナー配合物(4g)を最後のすすぎで追加した。すすぎサイクルの終了時に、バスタオルのロードを除去し、計量して、表7に記録されているように、洗浄終了時の残留水含有量をkg単位でチェックした。
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【国際調査報告】