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特表2024-542936細胞の分析のための検電撮像のための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】細胞の分析のための検電撮像のための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/48 20060101AFI20241112BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20241112BHJP
   G01N 27/414 20060101ALI20241112BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241112BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALN20241112BHJP
【FI】
G01N33/48 M
G01N33/483 F
G01N27/414 301Y
C12M1/34 D
C12Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521274
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 US2022078760
(87)【国際公開番号】W WO2023076984
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/272,361
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】パーカー スコット
(72)【発明者】
【氏名】デヴィルデレ ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】ドノヒュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チリン デイジー
【テーマコード(参考)】
2G045
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045CB01
2G045FA11
4B029AA07
4B029BB01
4B029FA10
4B029FA15
4B063QA20
4B063QQ05
4B063QS39
4B063QX01
(57)【要約】
ChemFETセンサアレイの表面上に配設された細胞を分析することは、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことを含み得、センサアレイのChemFETセンサが、pHのステップ変化に応答して信号を生成して、検電画像データを生成する。取得時間間隔中に、検電画像データの複数のフレームが取得される。各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたセンサアレイによって生成された信号サンプルに対応する。各フレームが、画素を含み、フレーム内の所与の画素が、センサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する。検電画像データが、信号サンプルの特性に基づいて、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する背景領域と、にセグメント化される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するための方法であって、
前記センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことであって、前記ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された前記溶液の前記pHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成する、流すことと、
取得時間間隔中に前記検電画像データの複数のフレームを取得することであって、各フレームが、前記取得時間間隔中のサンプリング時間において測定された前記ChemFETセンサアレイによって生成された前記複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、前記フレーム内の所与の画素が、前記ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、
流された前記溶液の前記pHにおけるステップ変化に応答して生成される前記信号サンプルの特性に基づいて、前記検電画像データを、前記センサアレイ表面上の前記細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しない前記センサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む、方法。
【請求項2】
各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、前記フレームの画素のサブセットを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セグメント化するステップが、前記取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セグメント化するステップが、
前記ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することと、
前記ピークツーピーク画像内の各画素値から前記平均値を減算して、差分画像を形成することと、
前記差分画像内の各画素の絶対値を計算することと、を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記セグメント化するステップが、前記タイルの各画素に対応する前記信号サンプルの特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記セグメント化するステップが、前記CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含み、前記ぼかし関数が、前記CellFind画像にローパスフィルタを適用することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記セグメント化するステップが、前記ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、前記閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、前記閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記セグメント化するステップが、前記粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する前記粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記セグメント化するステップが、前記フィルタリングされた細胞マスクの選択された前記特徴に分水界アルゴリズムを適用して、前記フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記セグメント化するステップが、
前記細胞マスク内の最も近いサブ領域について、細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて、前記細胞マスクを検証することと、
前記ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための前記細胞領域及び前記背景領域を判定することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するためのシステムであって、プロセッサと、前記プロセッサと通信可能に接続されたデータストアと、を備え、前記プロセッサが、命令を実行するように構成され、前記命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記システムに、
取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、前記検電画像データが、前記センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことに応答して生成され、前記ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された前記溶液の前記pHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、前記検電画像データを生成し、各フレームが、前記取得時間間隔中のサンプリング時間において測定された前記ChemFETセンサアレイによって生成された前記複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、前記フレーム内の所与の画素が、前記ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、
流された前記溶液の前記pHにおけるステップ変化に応答して生成される前記信号サンプルの特性に基づいて、前記検電画像データを、前記センサアレイ表面上の前記細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しない前記センサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む方法を行わせる、システム。
【請求項12】
各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、前記フレームの画素のサブセットを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記セグメント化するステップが、前記取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記セグメント化するステップが、
前記ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することと、
前記ピークツーピーク画像内の各画素値から前記平均値を減算して、差分画像を形成することと、
前記差分画像内の各画素の絶対値を計算することと、を更に含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記セグメント化するステップが、前記タイルの各画素に対応する前記信号サンプルの前記特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記セグメント化するステップが、前記CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含み、前記ぼかし関数が、前記CellFind画像にローパスフィルタを適用することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記セグメント化するステップが、前記ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、前記閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、前記閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記セグメント化するステップが、前記粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する前記粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記セグメント化するステップが、前記フィルタリングされた細胞マスクの選択された前記特徴に分水界アルゴリズムを適用して、前記フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記セグメント化するステップが、
前記細胞マスク内の最も近いサブ領域について、細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて、前記細胞マスクを検証することと、
前記ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための前記細胞領域及び前記背景領域を判定することと、を更に含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月27日出願の米国特許法第119条(e)項に基づく米国仮出願第63/272,361号の利益を主張する。前述の出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するための方法は、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことであって、ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された溶液のpHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成する、流すことと、取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたChemFETセンサアレイによって生成された複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、フレーム内の所与の画素が、ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、流された溶液のpHにおけるステップ変化に応答して生成される信号サンプルの特性に基づいて、検電画像データを、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含み得る。
新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に明らかにされている。本教示の特徴及び利点のより良好な理解は、例解的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することにより得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1A】本教示のシステム及び方法の様々な実施形態による、検電画像を生成する、化学電界効果トランジスタ(ChemFET)ベースの細胞分析システムを描写するブロック図である。
図1B】本教示の細胞分析システム上に配置された細胞の概略描写図である。
図1C】本教示のセンサデバイス上に配置された細胞の概略断面図である。
図2A】一連の2D画像として表される取得時間間隔中のセンサアレイからの出力信号の一例を例解する。
図2B】例示的なChemFETセンサの属性をまとめた表である。
図2C】様々な細胞サイズにわたる細胞分析のためのChemFETシステム属性を表示する表である。
図3】一実施形態による、検電画像データを処理する全般的な概要を示すブロック図である。
図4A】一実施形態による、検電画像セグメント化304のブロック図である。
図4B】一実施形態による、コンセンサス細胞マスクを形成するためのブロック図である。
図4C】最終的なコンセンサス細胞マスクを形成するための例示的なブロック図である。
図5】画素値の局所空間平均を計算するために使用され得る畳み込みカーネルの例(縮尺通りではない)を示す。
図6A】CellFindフローに応答するタイルのグレースケール画像の例を示す。
図6B】タイルに対する粗い細胞マスクの例を示す。
図6C】局所背景補正細胞マスクのタイルの例を示す。
図6D】CellFindフローに応答する単一画素に対応するセンサ信号の例である。
図6E】細胞領域及び背景領域を有するタイルの例を示す。
図6F】経時的なCellFindフローに応答した、図6Eのタイル内の2つの画素に対応するセンサ信号のプロットの例を示す。
図7】単一細胞領域及び局所背景領域の一例の例解図である。
図8】2つの細胞領域及び2つの局所背景領域の一例の例解図である。
図9】関心対象の細胞領域から信号データを抽出するための例示的なブロック図である。
図10】タイル画像、セグメント化結果、及び抽出された信号データの例を示す。
図11A】経時的な平均ROI信号値の平均及び標準偏差のプロットの例を示す。
図11B】42~64μmのサイズ範囲内の複数の細胞についての平均ROI信号値の最大値の棒グラフの例を示す。
図12A】取得期間にわたる細胞領域内の画素の最大振幅の空間プロットの一例を示す。
図12B】取得期間にわたる細胞領域内の画素の最小振幅の空間プロットの一例を示す。
図12C】取得期間にわたる細胞領域内の画素のピーク値に対する時間の空間プロットの一例を示す。
図12D】取得期間にわたる細胞領域内の画素のトラフ値に対する時間の空間プロットの一例を示す。
図13】101個の細胞の細胞サイズのヒストグラム及び統計値の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
ChemFETセンサアレイベースのシステムを使用する細胞の検電撮像は、フローセルに装着されたChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に細胞のサンプルをプレーティングすることを含み得る。細胞のサンプル内の各細胞は、センサアレイ表面上にフットプリントを有する。ChemFETセンサアレイベースのシステムは、細胞のサンプルに対する実験中にChemFETセンサアレイ内の各センサの信号を出力するように構成されている。各センサの出力信号は、アナログ-デジタル変換器によって瞬間的にサンプリングされる。時間的な特定の瞬間におけるChemFETセンサアレイについてのサンプリングされた信号は、二次元検電画像として表され得る。
【0005】
図1Aは、概して、本教示による、細胞分析システム100の例示的なコンポーネントのブロック図を例解している。図1Aにおいて描写されるように、細胞分析システム100は、様々な流体システム、並びにアレイコントローラ50、ユーザインターフェース60、及びセンサアレイデバイスアセンブリ115を含むことができる。本明細書でより詳細に説明されるように、様々な細胞分析は、センサアレイデバイスアセンブリ115のセンサアレイデバイス110を使用して実行することができる。本教示とともに使用するための細胞分析システムの構造及び/又は設計は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年3月19日に出願された米国特許出願公開第2020/0088676号に説明される1つ以上の特徴を含み得る。
【0006】
図1Bは、概して、細胞分析システム100Aの写実描写を例解している。図1Bに描写されるように、核2及び細胞膜4のある細胞5は、マイクロウェルの複数のサブセット上に配置され、それにより、細胞5が対応するセンサのサブセット上に占める、接触面積又はフットプリントを定義する。本明細書に列記されているように、「接触面積」及び「フットプリント」は、同義的に使用することができる。細胞分析システム100Aは、図1Aの細胞分析システム100の概略描写について説明されるものと同じ特徴のうちの多くを共有している。図1Bの細胞分析システム100Aは、試薬流体システム10及び洗浄溶液流体システム20を含むことができる。試薬流体システム10は、図1Bの試薬容器11A~11Dなどの、複数の試薬容器を含むことができる。各試薬容器は、図1Bの、試薬流体ライン13A~13Dなどの、試薬流体ラインと流体連通することができる。本教示の細胞分析システムの各試薬流体ラインからの流動は、図1Bの試薬流体ラインバルブ15A~15Dなどの、バルブによって制御することができる。洗浄溶液流体システム20は、既知の電解質組成の洗浄溶液を収容することができる洗浄溶液容器21、並びに洗浄溶液流体ライン23、洗浄溶液流体ラインバルブ25、及び洗浄溶液流体ライン23内の基準電極27を含むことができる。本明細書でより詳細に説明されるように、基準電極27は、センサアレイデバイス内のセンサに安定した基準電圧127を提供することができる。そのため、図1Bのセンサアレイデバイス110は、試薬流体システム10及び洗浄溶液流体システム20と流体連通することができる。図1Bには示されていないが、センサアレイデバイスと連通することができる、追加の電極は、図1Bの細胞5などの、センサアレイ上の細胞に電気的刺激を提供するように、利用することができる。
【0007】
センサアレイデバイス110は、センサアレイ又は画素アレイ120を含むことができる。本明細書に列記されているように、「センサ」及び「画素」という用語、並びに「デバイス」及び「チップ」という用語、並びにこれらの用語の派生物は、同義的に使用することができる。追加的に、「センサアレイ」及び「ChemFETセンサアレイ」、並びにそれらの派生物は、同義的に使用することができる。図1Bには通常のアレイとして二次元アレイが描写されているが、本教示のセンサアレイの様々な実施形態は、様々なアレイ形状、例えば、六方最密充填形状に配置することができる。センサアレイデバイス110は、マイクロウェルアレイ122を含むことができ、これは、図1Bに例解されるように、センサアレイ120内の各センサ又は画素と協調的に係合する各マイクロウェルを描写し、その結果、マイクロウェル122A1からマイクロウェル122A6の各々は、対応するセンサ120A1からセンサ120A6と協調的に係合する。しかしながら、本教示のセンサアレイデバイスの様々な実施形態では、ウェルごとに2つ以上の画素が存在することができる。本明細書でより詳細に説明されるように、本教示の様々なタイプのセンサアレイデバイスは、定義されているが異なるマイクロウェルの深さで製造することができる。本教示の更に他のタイプのセンサアレイデバイスは、センサアレイ上に形成されたマイクロウェル構造を有しないことがあり得る。センサアレイ120の各センサは、マイクロウェルアレイ122内の流体と流体連通する感知表面を有することができる。本教示の細胞分析システム100の様々な実施形態では、センサアレイ120の各センサは、化学電界効果トランジスタ(chemical field-effect transistor、ChemFET)であり得、センサアレイ120内の各センサが、少なくとも1つの化学感応性電界効果トランジスタを含む。本教示によれば、センサアレイ120は、例えば、グルコース、スクロース、乳酸塩及び尿素などの、細胞生物学の関心対象の標的化学種の分析のために選択的に改変された感知表面で製造することができる、ChemFETを含むことができる。別の非限定的な例として、イオン感応性電界効果トランジスタ(ion sensitive field-effect transistor、ISFET)は、関心対象の様々なイオン、特に、水素、カリウム、カルシウム及び塩化物のような様々な細胞代謝研究について選択的であるように変更された感知表面を有することができる。
【0008】
その点に関して、本発明者らは、本教示の細胞分析システムの様々な実施形態が、例えば、様々な条件又は刺激のいずれかに供された細胞の細胞電気生理学及び代謝の変化を監視するように使用することができることを認識した。そのうえ、本発明者らは、ChemFETセンサの感知表面の電位の変化を引き起こすことができる細胞の状態における変化が、本教示のChemFETセンサアレイの様々な実施形態のセンサによって監視することができることを認識した。例えば、本発明者らは、細胞膜を横切る電位が、化学的又は電気的刺激に応答して変化すると、細胞膜を横切る電位の変化が、本教示のChemFETセンサアレイの様々な実施形態のセンサによって検出することができるように、細胞が、センサの感知表面に容量的に結合されていることを認識している。追加的に、任意の変化、例えば、ChemFETセンサの感知表面の電位の変化を引き起こし得る細胞代謝における変化は、本教示のChemFETセンサアレイの様々な実施形態のセンサによって検出することができる。本明細書でより詳細に説明されるように、そのような変化は、例えば、状態又は刺激に応答して細胞から流れる可能性のある細胞流出の場合など、センサアレイ表面上に固定された細胞の接触面積又はフットプリントに関連して局所的に検出することができるか、又は細胞フットプリントに関連しないエリアで検出することができる。
【0009】
本教示のChemFETセンサアレイデバイスの様々な実施形態での、様々な刺激への細胞応答を監視する実験において収集されたデータは、多数の形式でエンドユーザに提示することができる。1つの形式において、時間応答は、時間の関数としての感知表面電位におけるミリボルト(mV)変化と容易に相関させることができる、検出器カウントとして提示される。別の形式において、選択されたアプリケーションの過程にわたる選択された時間のいずれかについて、細胞の空間的視覚化は、検電画像として提示することができる。本発明者らは、検電撮像が、生細胞に対して誘発することができる、様々な応答に基づいているので、例えば、センサアレイ上の細胞を視覚化するための一般的なツールとして有用であり得ることを認識した。例えば、センサアレイに固定された細胞の検電画像を確認することによって、エンドユーザは、実験を実行する前にアプリケーション構成の一部として関心対象のエリアを選択することができる。本明細書でより詳細に説明されるように、センサアレイデバイスの選択されたエリアをウィンドウダウンすることにより、実験のデータ速度が増加する。本教示によれば、高いデータ速度と結合された細胞のフットプリントにわたる実質的な画素被覆は、例えば、サブミリ秒範囲のデータ速度が必要とされ得る、様々な興奮性細胞の活動電位の細胞内監視を提供することができる。
【0010】
図1Cにおいて、センサアレイ120の部分断面図は、第1のセンサ120-1及び第2のセンサ120-2とともに描写されている。本教示のセンサアレイデバイスの様々な実施形態において、センサアレイ120は、センサフローティングゲート構造140に結合されたフローティングゲート上部130を含むことができる。代替的に、本教示のセンサアレイデバイスの様々な実施形態では、センサアレイ120は、センサフローティングゲート構造140を含むことができる。本明細書でより詳細に説明されるように、フローティングゲート上部130は、誘電体135において形成された、上部金属層、センサプレート132、並びに金属ビア134を含むことができる。
【0011】
センサフローティングゲート構造140は、金属ビア134を通ってセンサプレート132に結合された金属層136を有することができる。金属層136は、センサフローティングゲート構造140における最上部のフローティングゲート導体である。例解される例において、センサフローティングゲート構造140は、誘電体材料150の層内に導電性材料の複数の層を含む。センサ120-1及び120-2は、半導体基板160内にソース/ドレイン領域142及びソース/ドレイン領域144を含む導通端子を含むことができる。ソース/ドレイン領域142及びソース/ドレイン領域144は、基板160の導電率タイプとは異なるタイプの導電率を有するドープされた半導体材料を含む。例えば、ソース/ドレイン領域142及びソース/ドレイン領域144は、ドープされたP型半導体材料を含むことができ、基板160は、ドープされたN型半導体材料を含むことができる。チャネル領域152は、ソース/ドレイン領域142及びソース/ドレイン領域144を分離する。フローティングゲート構造140は、チャネル領域146を覆い、ゲート誘電体152によって基板160から分離されている。ゲート誘電体152は、例えば、二酸化ケイ素であることができる。代替的に、他の好適な誘電体、例えば、より高い誘電率を有する材料、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、酸窒化ケイ素(Si22O)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ハフニウム(HfO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化セシウム(CeO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ランタン(La23)、酸化ガドリニウム(Gd23)、及びそれらの任意の組み合わせなどが、ゲート誘電体152のために使用することができる。
【0012】
本明細書でより詳細に説明されるように、センサプレート132の感知表面126Sは、例えば、様々な条件又は刺激のいずれかに供された細胞の細胞電気生理学及び代謝の変化を監視するためのセンサ表面として機能することができる。その点に関して、細胞の部分断面として図1Cにおいて示される細胞5は、センサ120-1及び120-2のセンサプレート132上に配置されるように描写されている。細胞5は、表面コーティング124を介してセンサアレイ120に固定されているように描写されている。表面コーティング124は、ポリ-D-リジン、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲン、及びそれらの組み合わせを含む様々な生体高分子材料、並びに細胞外マトリックス(extracellular matrix、ECM)の様々な調製物などの、任意の細胞適合性材料であることができる。エンドユーザは、図1Cの上部で矢印によって示されるように、様々な試薬及び溶液がセンサアレイ120の表面上に制御可能に流動することができる、本教示の細胞分析システムを使用してアプリケーションを実行することができる。
【0013】
センサ120-1及び120-2は、フローティングゲート140の電圧における変化を引き起こすことができる、感知表面126Sに近接するイオン層128の表面電位における変化に応答する。そのため、印加基準電圧は、図1Bについて本明細書に先で説明されるように、フローティングゲート電圧における小さい変化がチャネル領域146を通って流動する電流を引き起こすことができるという条件で、フローティングゲートの電圧が閾値電圧を超えることを確実にし、センサ120-1及び120-2の出力信号における結果をもたらす。その点に関して、イオン層128の表面電位への変化は、例えば、ソース領域142とドレイン領域144との間のチャネル領域146における電流を測定することによって測定することができる。そのため、センサ120-1及び120-2は、ソース領域142又はドレイン領域144に接続されたアレイライン上に電流ベースの出力信号を直接的に提供するように、又は電圧ベースの出力信号を追加的回路で間接的に提供するように、使用することができる。
【0014】
本明細書で説明されるように、イオン層128における表面電位を変えることができる、細胞5の状態における変化は、本教示のChemFETセンサアレイデバイスの様々な実施形態によって監視することができる。出力信号に関して、表面電位を増加させることができる、細胞活動は、ChemFETセンサの正の振幅の出力信号をもたらし、一方、表面電位を減少させることができる、細胞活動は、ChemFETセンサの負の振幅の出力信号をもたらすであろう。その点に関して、ChemFETセンサの表面電位を変化させることができる、細胞の状態における変化は、測定可能な出力信号をもたらすことができる。例えば、ISFETセンサが選択的である、カチオン種のイオン濃度を増加させることができる、代謝活動は、表面電位における増加を引き起こす。その結果は、そのISFETセンサの正の振幅の出力信号になる。逆に、ISFETセンサが選択的である、カチオン種のイオン濃度を減少させることができる、代謝活性は、表面電位における減少を引き起こす。その結果は、そのISFETセンサの負の振幅の出力信号になる。別の例において、表面電位は、センサアレイ120への細胞5の容量結合によって変えることができ、その結果、細胞膜4を横切る電位が、化学的又は電気的刺激に応答して変化すると、細胞膜を横切る電位の変化を、ChemFETセンサ120-1及び120-2によって検出することができる。
【0015】
取得時間間隔にわたるセンサアレイからの出力信号は、一連の二次元(two dimensional、2D)画像として表され得、各画像は、動画と同様に、所与の時間にセンサアレイから受信された信号サンプルのアレイに対応する。図2Aは、一連の2D画像202としての、取得時間間隔中のセンサアレイからの出力信号の一例を例解する。特定のサンプリング時間における2D画像204は、本明細書では、動画又はビデオのフレームに類似して、フレームと称され得る。各2D画像は、本明細書では検電画像と称される。各2D画像204は、複数のタイル206及び複数の画素208を含み得る。フレームは各サンプリング時間において生成されるので、「サンプリング時間」及び「フレーム時間」という用語は、本明細書では同義的に使用される。例えば、15フレーム/秒(fps)は、取得時間間隔中に取得され得る。7秒の取得間隔の場合、各取得時間間隔において105個のフレームが取得される。例示的な寸法は、タイルに対して640×664画素であり、8タイル×12タイルは、フレームに対する画像全体を含み得る。いくつかの実施形態において、タイルは、ChemFETセンサアレイの物理的タイルに対応し得、ここで、物理的タイルは、約2mm×2mmの寸法を有する。
【0016】
図2Bは、例示的なChemFETセンサの属性をまとめた表1を示す。本教示のセンサアレイデバイスの様々な実施形態は、約850nm~約3.36μmの間である、各センサ間の中心間間隔、すなわちピッチで、約20M~約660M画素の間を有することができる。データ収集に関して、アレイにおける全てのセンサからのセンサ出力信号の収集は、データのフレームを構成する。約2000万画素~約6億6000万画素での本教示の様々なセンサアレイデバイスでは、のフレームは、秒当たりのフレームとしてヘルツ(hertz、Hz)の単位で収集される、かなりのサイズのデータファイルである。更に、画素数を表す選択された関心対象のエリアと、データが収集することができる速度との間には反比例の関係があるため、監視する画素のより小さいサブセットを選択することによって、すなわち、データが収集されるセンサアレイデバイスのエリアをウィンドウダウンすることによって、フレーム速度を増加させることができる。ウィンドウダウンの影響は、デバイス全体からデータを収集するための最大フレーム速度である、最後から2番目の列に入力された値と、デバイスの単一の行からデータを収集するため最大フレーム速度である、最後の列に入力された値との比較によって、表1において明示される。そのため、単一の行からデータを収集するようにウィンドウダウンすることによって、フレーム速度は、実質的に増加される。
【0017】
追加的に、表1において提供されているように、デバイスAとデバイスBの唯一の相違は、デバイス当たりのセンサの総数であり、デバイスAと対比したデバイスB当たりのセンサの数は、2倍である。表1において示されるように、デバイスBに対するフレーム速度は、デバイスAの半分であり、画素数と収集することができるデータでの速度との間で、反比例関係と一致する。そのため、アプリケーションに適合した望ましいフレーム速度を有するデバイスを選択することができる。
【0018】
図2Cは、細胞分析のための例示的なセンサアレイデバイスの属性をまとめた表を示す。本教示の様々なセンサアレイデバイスを提供するように変更することができる、センサアレイデバイス属性は、画素寸法、並びにデータがセンサアレイデバイスから収集することができる速度を含む。図2Cは、デバイスBからデバイスEについて表1において与えられているように、様々なセンサ(画素)寸法の4つの例示的なセンサアレイデバイスに関係するサイズによる細胞の5つのカテゴリの概要を提供する。細胞の5つのカテゴリは、平均直径及び平均フットプリントだけでなく、記述的に識別される。
【0019】
図2Cの精査によって、平均直径が5μm及び平均面積が20μm2のセンサアレイ表面上に固定された極小細胞では、最小接触面積又はフットプリントは、チップ1デバイスでは約1行及び約2画素に対応し、チップ4デバイスでは6行及び32画素に増加する。同様に、平均直径が10μm及び平均面積が78μm2のセンサアレイ表面上に固定された小形細胞では、最小接触面積又はフットプリントは、チップ1デバイスでは約3行及び約8画素に対応し、チップ4デバイスでは12行及び126画素に増加する。平均直径が25μm及び平均面積が491μm2のセンサアレイ表面上に固定された中形細胞では、最小接触面積又はフットプリントは、チップ1デバイスでは約7行及び約50画素に対応し、チップ4デバイスでは29行及び792画素に増加する。平均直径が50μm及び平均面積が1,964μm2のセンサアレイ表面上に固定された大形細胞は、チップ1では約15行及び約201画素に対応する最小接触面積又はフットプリントを有することができ、チップ4デバイスでは59行及び3,168画素に増加する。最後に、平均直径が100μm及び平均面積が7,854μm2のセンサアレイ表面上に固定された特大細胞では、最小接触面積又はフットプリントは、チップ1デバイスでは約30行及び約803画素に対応し、チップ4デバイスでは118行及び12,668画素に増加する。図2Cの精査から、動向は、細胞サイズの増加及び画素サイズの減少とともに、画素被覆が増加する傾向にある。
【0020】
画素の観点から、パーセント画素被覆の列は、単一の画素が被覆する、細胞の面積のパーセンテージである。センサアレイ表面上に固定された極小細胞では、単一の画素は、チップ1デバイスでは50%の被覆に対応するが、チップ4デバイスでは単一の画素が、3%の被覆に対応する。同様に、センサアレイ表面上に固定された小形細胞では、単一の画素は、チップ1デバイスでは12%の被覆に対応するが、チップ4デバイスでは単一の画素が、0.8%の被覆に対応する。センサアレイ表面上に固定された中形細胞では、単一の画素は、チップ1デバイスでは2%の被覆に対応するが、チップ4デバイスでは単一の画素が、0.1%の被覆に対応する。センサアレイ表面上に固定された大形細胞は、チップ1デバイスでは0.5%の被覆に対応する単一の画素を有することができるが、チップ4デバイスでは単一の画素は、0.03%の被覆に対応する。最後に、センサアレイ表面上に固定された特大細胞では、単一の画素は、チップ1デバイスでは0.1%の被覆に対応するが、チップ4デバイスでは単一の画素が、0.008%の被覆に対応する。図2Cの精査から、動向は、細胞サイズの増加及び画素サイズの減少とともに、画素当たりの細胞被覆のパーセンテージが減少する傾向にある。
【0021】
図2Cの表に提示されるものを考慮すると、本教示の例示的なセンサアレイデバイスの画素被覆の選択は、様々な平均細胞直径に対して行うことができる。例えば、約5μm~約100μmの細胞では、センサアレイデバイスの選択は、センサアレイ表面上に固定された細胞の対応するフットプリントに対して、3行の画素を超える約8画素から118行の画素を超える12,668画までの被覆を提供するように行うことができる。細胞サイズのその範囲にわたって、画素サイズが変化することができるので、選択されたセンサアレイデバイスの各画素は、細胞の約12%から細胞の約0.008%までを被覆することができる。図2Cに提示されたデータに基づいて、任意の細胞サイズでは、細胞がセンサアレイデバイス上で占めることができる、接触面積に関連するかなりの数のセンサを提供することができる、例示的なセンサアレイデバイスを選択することができることは、明らかである。本教示の様々なセンサアレイデバイスによって提供することができる、空間分解能は、信号の細胞内識別を可能にすることができ、それゆえ、細胞内分析を提供している。
【0022】
データ収集に関して、本教示の様々な細胞分析システムでは、アレイにおける全てのセンサからのセンサ出力信号の収集は、データのフレームを構成する。本教示の様々なセンサアレイデバイスが約2000万画素~約6億6000万画素を有することができることを考えると、本教示の様々なセンサアレイデバイスからのデータのフレームは、かなりのサイズのデータファイルである。追加的に、本教示の様々な細胞分析システムは、毎秒センサアレイデバイスから、かなりの数のデータフレームを生成するように構成されている、センサアレイデバイスに結合された制御回路を含む。そのうえ、選択された関心対象のエリアと、データを収集することができる速度との間には反比例の関係があるため、監視する画素のより小さいサブセットを選択することによって、すなわち、データが収集されるセンサアレイデバイスのエリアをウィンドウダウンすることによって、フレーム速度を増加させることができる。
【0023】
例えば、表1を参照すると、4,000万画素のあるセンサアレイデバイスは、約120フレーム/秒(fps)のフレーム速度でデータを収集することができる。その後、2,000万画素の関心対象のエリアが選択されると、約240フレーム/秒(fps)のフレーム速度でのデータは、収集することができ、単一のセンサアレイ行の関心対象のエリアが選択されると、約75,000フレーム/秒(fps)のフレーム速度でのデータは、収集することができる。具体的には、図2Cに提示された本教示の例示的なセンサアレイデバイスに関して、センサの行当たりの最大フレーム速度は、最後から2番目の列において提供される。最後の列において、行ごとの最大フレーム速度を細胞直径当たりの行で割ることによって導出される、細胞によって被覆される行の小数部分について、データを収集することができる、最大フレーム速度は、提示される。
【0024】
図2Cの最後の列の精査によってわかるように、秒当たりのかなりの数のフレームは、様々な細胞サイズにわたって関心対象の標的エリアについて、収集することができ、kHz範囲内で快適にデータ収集を提供する。センサアレイ表面上に固定された極小細胞では、データは、チップ1デバイスでは75,000fpsの最大フレーム速度で収集することができるが、チップ4ではデータは、27,000fpsの最大フレーム速度で収集することができる。同様に、センサアレイ表面上に固定された小形細胞では、データは、チップ1デバイスでは25,000fpsの最大フレーム速度で収集することができるが、チップ4ではデータは、13,500fpsの最大フレーム速度で収集することができる。センサアレイ表面上に固定された中形細胞では、データは、チップ1デバイスでは10,714fpsの最大フレーム速度で収集することができるが、チップ4ではデータは、5,587fpsの最大フレーム速度で収集することができる。センサアレイ表面上に固定された大形細胞は、チップ1デバイスでは5,000fpsの最大フレーム速度を有することができるが、チップ4ではデータは、2,746fpsの最大フレーム速度で収集することができる。最後に、センサアレイ表面上に固定された特大細胞では、データは、チップ1デバイスでは2,500fpsの最大フレーム速度で収集することができるが、チップ4ではデータは、1,373fpsの最大フレーム速度で収集することができる。
【0025】
図2Cの精査から、動向は、細胞サイズの増加及び画素サイズの減少とともに、フレーム速度が減少する傾向にあり、これは、選択された関心対象のエリアと収集することができるデータでの速度との間で、反比例関係と一致する。そのため、監視する画素のより小さいサブセットを選択することによって、すなわち、データが収集されるセンサアレイデバイスのエリアをウィンドウダウンすることによって、フレーム速度を増加させることができる。追加的に、表1を参照して、アプリケーションに一致する望ましいフレーム速度を有するデバイスを選択することができる。
【0026】
図3は、一実施形態による、検電画像データを処理する全般的な概要を示すブロック図である。検電画像データは、取得時間間隔にわたってセンサアレイから取得された一連の二次元画像202を含む。一例では、時間間隔は、7秒の長さであり得る。取得時間間隔は、休止間隔によって分離され得る。休止間隔は、センサアレイからシステムプロセッサへの検電画像データのデータ転送を可能にし得る。いくつかの実施形態では、休止間隔は、実験計画の一部であり得る。例えば、この実験は、休止間隔によって分離された周期的な間隔で高速データを取得し得る。例えば、実験は、より長い期間にわたって高速過渡活動をサンプリングするために、7秒の120fpsデータを取得し、5分の休止間隔を有し得る。データ取得ステップ302は、取得時間間隔の各サンプリング時間に並行して、センサアレイの個々のセンサからの信号サンプルを含む検電画像データを取得し得る。データ取得ステップ302は、1つ以上の取得時間間隔にわたって検電画像データを取得して、検電画像の1つ以上のシーケンスを生成し得る。検電画像の1つ以上のシーケンスは、プロセッサによる分析のためにメモリに記憶され得る。
【0027】
データ取得ステップ302は、「CellFind」フローに応答してセンサアレイから検電画像データを受信することを含み得る。CellFindフローは、細胞のサンプルが堆積されるセンサアレイ表面をコーティングするために使用される緩衝媒体からの特定のpHステップ差を有する溶液を含み得る。例えば、緩衝媒体は、4~8単位の範囲のpHを有し得る。例えば、Thermo Fisher Live Cell Imaging Solution(Thermo Fisher Scientific,Cat.No.A14291DJ)が、緩衝媒体のために使用され得る。CellFindフローについて特定のpH差を達成するために、少量のNaOH又はHClを添加して、溶液のpHを調整する。pHステップ差を有する溶液は、センサアレイを横切って流される。例えば、溶液は、0.01~0.5単位のpH差を有し得る。Cellfind溶液は、媒体に対して調整され、緩衝媒体に対して酸性又は塩基性のいずれかであり得る。例えば、pH変化は、緩衝媒体中の7.4からCellFindフロー溶液中の7.3までであり得る。pH変化は、正又は負であり得る。ChemFETセンサは、pHの変化に応答して信号を生成する。いくつかの実施形態では、測定された信号の極性は、pHステップ変化が負の方向であっても、応答が正の方向であるように変更され得る。細胞で被覆されていないセンサアレイの領域は、pHステップ差に対してより迅速に応答する。1つ以上の細胞で被覆されたセンサアレイ表面の領域は、細胞によるセンサの閉塞に起因して、CellFindフローにおけるpHステップ差に対してより遅い応答を有する。CellFindフローの後に生じる1つ以上の取得時間間隔中のデータ取得は、細胞の場所に関連する動的変化を示す経時的な検電画像データを提供する。
【0028】
図6Aは、CellFindフローに応答するタイルの応答の単一フレームのグレースケール画像の例を示す。図6Dは、経時的なCellFindフローに応答する単一画素に対応するセンサ信号のプロットの例を示す。図6Eは、細胞領域及び背景領域を有するタイルの例を示す。図6Eの矢印は、CellFindフロー用などの試薬が左から右に流れることを示す。図6Fは、経時的なCellFindフローに応答した、図6Eのタイル内の2つの画素に対応するセンサ信号のプロットの例を示す。図6Eの細胞領域610内の画素に対応するセンサ信号は、図6Fのプロット614を生成した。図6Eの背景領域608内の画素に対応するセンサ信号は、図6Fのプロット612を生成した。図6Fの時間軸は、フレーム単位(15fps)である。この例では、CellFind試薬は、2秒間(フレーム15からフレーム45まで)流れ、これは、CellFindフローのpHの変化に応答して上昇するセンサ信号と下降するセンサ信号の両方に及ぶ。図6E及び図6Fの例は、細胞によって被覆されたセンサアレイの領域が、細胞によって被覆されていない背景領域よりも、CellFindフローに対して遅い応答を有することを示す。
【0029】
プロセッサは、2D画像を、センサアレイ上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する背景領域と、にセグメント化するために、検電画像セグメント化ステップ304を検電画像データに適用し得る。細胞信号及び背景信号の選択ステップ306は、2D画像内の細胞領域及び背景領域の場所に対応する信号を選択し得る。以下では、「画像」及び「タイル」という用語は、どちらも画像であるので、同義的に使用され得る。信号パラメータ化ステップ308は、細胞領域内の画素に対応する信号サンプルを組み合わせて、パラメータ化し得る。ユーザ表示及び対話ステップ310は、選択された信号及びパラメータ化をユーザに提示し得る。
【0030】
図4Aは、一実施形態による、検電画像セグメント化304のブロック図である。ステップ402において、利得は、フレーム内の各画素について補正され得る。各実験の開始時に、各画素の電気利得は、外部摂動を流体電位に適用し、測定された画素当たりのステップサイズを予想ステップサイズと比較することによって判定される。各画素の利得は、フレーム内の画素値を画素の電気利得で除算することによって補正され得る。ステップ404において、各画素についての背景値がフレームの各画素から減算される。例えば、フレームごとの大域背景値は、フレーム内の全ての画素値の統計上の最頻値を計算することによって判定され得る。大域背景値が計算され、取得間隔中に取得された全てのフレームについてフレームごとに各画素から減算される。ステップ406において、2D CellFind画像(CI)の画素値が、取得時間間隔にわたって計算され得る。CellFind画像の画素は、CellFindフローに応答して測定された信号サンプルの特性に基づいて計算された特徴の値を含む。CellFind画像の画素は、二値CellFind画像を形成するために閾値処理され得、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる。CellFind画像における1の画素値は、細胞の存在の可能性を示す。CellFind画像は、取得時間間隔内の各フレームについてタイルごとに判定され得る。いくつかの実施形態では、同じタイルに対応する複数のCellFind画像が計算され得、各CellFind画像は、以下で説明されるように、特定の特性を測定する。
【0031】
ステップ408において、ぼかし関数は、計算されたCellFind画像に適用され得る。いくつかの実施形態では、CellFind画像は、以下のように周波数領域においてローパスフィルタを適用することによってぼかされ得る。
A.CellFind画像の各タイルについて、2Dフーリエ変換、例えば、2D高速フーリエ変換(FFT)を計算して、周波数領域画像を形成する。
B.周波数領域においてローパスフィルタを適用して、周波数領域フィルタリング済み画像を形成する。例えば、バターワースフィルタが適用され得る。例示的なバターワースフィルタ方程式は、以下によって与えられる。
exp(-r2.5/1.5N3) (1)
ここで、r=X2+Y2であり、X及びYは、周波数領域における座標であり、Nは、X又はYのいずれかにおける成分の最小数である。
C.周波数領域フィルタリング済み画像の逆2Dフーリエ変換、例えば、逆2D FFTを計算する。
D.ぼかしたCellFind画像の画素値を形成するために、逆2D FFTの実部を保持する。
【0032】
ステップ410において、閾値Tが、ぼかしたCellFind画像の画素値に適用されて、ぼかしたCellFind画像の画素値がT以上である画素場所に1を有し、ぼかしたCellFind画像の画素値がT未満である画素場所に0を有する二値画像を生成し得る。
T=(mean+[max-algo_min]*frac) (2)
【0033】
式(2)では、タイルのぼかしたCellFind値の画素値について、平均値(mean)及び最大値(max)が判定され得る。分数「frac」は、ユーザによって定義され得る。例えば、frac値は、0.1に設定され得る。結果として得られる二値CellFind画像は、粗い細胞マスク412を提供し、ここで、細胞の近似場所は1によって示され、背景領域は0によって示される。
【0034】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、取得時間間隔内のフレームについて判定された「ピークツーピーク(peak-to-peak、PTP)」画像を含み得る。PTP画像内の画素のPTP値は、以下のステップによって判定することができる。
a.取得時間間隔中のタイル内の各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算する。
b.PTP画像をぼかす(ステップ408)。
c.式(2)に従って、ぼかしたPTP画像の画素値に閾値Tを適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、典型的な最大PTP値の25%である100に設定され得る。algo_minは、PTP画像の最大値の10%~100%の範囲であり得る。
d.二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0035】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、取得時間間隔内のフレームについて判定された「ピークツーピーク絶対値(PTP-Ab)」の画像を含む。PTP-Ab画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.取得時間間隔についてPTP画像を計算する。
b.PTP画像内の画素の平均PTP値を計算する。
c.PTP画像内の各画素のPTP値から平均PTP値を減算して、差分画像を形成する。
d.差分画像内の各画素の差分の絶対値を計算して、絶対差分画像を形成する。
e.平均PTP値を各画素に加算してPTP-Ab画像を形成する。
f.PTP-Ab画像をぼかす(ステップ408)。
g.式(2)に従って、ぼかしたPTPーAb画像の画素値に閾値Tを適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、100に設定され得る。algo_minは、PTP-Ab画像の最大値の10%~100%の範囲であり得る。100のalgo_min値は、典型的な最大PTP-Ab値の25%である。二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0036】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、取得時間間隔内のフレームについて判定された「最大変動(MaxVar)」画像を含み得る。MaxVar画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.各フレーム時間又はサンプリング時間におけるタイルの画素の平均値を計算して、平均値のアレイを与える。例えば、取得時間間隔内の105個のフレームについて、105個の平均値が計算されて、タイルに対応する平均値の1×105アレイを与える。
b.平均値のアレイ内の隣接する平均値間の差を計算して、差分値のアレイを形成する。例えば、平均値の1×105アレイに対して、差分値の1×104アレイが計算される。
c.差分値のアレイにおいて最大の差分を有するフレームをフレームfmaxとして識別する。
d.タイル(fmax)と取得時間間隔タイル(f1)内の第1のフレームのタイル(f1)との間の差分を計算する。MaxVar image=tile(fmax)-tile(f1)。
e.MaxVar画像をぼかす(ステップ408)。
f.式(2)に従って、ぼかしたMaxVar画像の画素値に閾値Tを適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、100に設定され得る。algo_minは、MaxVar画像の最大値の10%~100%の範囲であり得る。二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0037】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、本明細書で「MaxVar局所」画像と称される、取得時間間隔内のフレームのサブタイルについて判定されたMaxVarサブ画像の合成を含み得る。MaxVar局所画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.タイルを複数のサブタイルに分割する。サブタイル寸法は、全タイル寸法の5%~50%であり得る。例えば、664×640のタイル寸法の場合、サブタイル寸法は、約80×80であり得る。
b.他のサブタイルから独立して、各サブタイルについてMaxVar局所画像を計算する。平均値のアレイ及び差分値のアレイが、各サブタイルについて計算される。フレームfmax及びサブタイル(fmax)が、各サブタイルについて識別される。各MaxVar局所画像は、MaxVar局所画像=サブタイル(fmax)-サブタイル(f1)に対応する。
c.サブタイルについて判定されたMaxVar局所画像から合成MaxVar局所画像を生成する。
d.合成MaxVar局所画像をぼかす(ステップ408)。
e.式(2)に従って、ぼかした合成MaxVar局所画像の画素値に閾値Tを適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、100に設定され得る。algo_minは、合成MaxVar局所画像の最大値の10%~100%の範囲であり得る。
f.二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0038】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、時間平均画像を形成するために、取得時間間隔にわたるタイルの画素の時間平均の関数を含み得る。時間平均画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.タイル内の各画素値の取得時間間隔にわたる平均を計算して、第1の平均画像を形成する。
b.タイル内の各画素値の取得時間間隔内の複数の初期フレームにわたる平均を計算して、第2の平均画像を形成する。複数の初期フレーム内のフレーム数は、取得時間間隔内のフレーム総数の5%~50%の範囲であり得る。例えば、初期フレームの数は、最初の10フレームであり得、フレームの総数は、取得時間間隔内の105フレームであり得る。
c.第1の平均画像から第2の平均画像を減算して、時間平均画像を形成する。
d.時間平均画像をぼかす(ステップ408)。
e.式(2)に従って、ぼかした時間平均画像の画素値に閾値Tを適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、100に設定され得る。algo_minは、時間平均画像の最大値の10%~100%の範囲であり得る。
f.二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0039】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、「ピークまでの時間(tPeak)」画像を含み得る。tPeak画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.各画素場所について、取得時間間隔中の最大画素値を判定する。
b.各最大画素値について、最大画素値に対応するフレームインデックス又はフレーム数を判定する。
c.各画素場所が最大画素値に対応するフレームインデックス又はフレーム数を有するtPeak画像を形成する。
d.tPeak画像をぼかす(ステップ408)。
d.式(2)に従って、ぼかしたtPeak画像の画素値に閾値Tを適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、4フレームに設定され得る。algo_minは、1から取得時間間隔内のフレームの総数までの範囲であり得る。
e.二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0040】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、「ピークまでの時間80%(tPeak80)」画像を含み得る。tPeak80画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.各画素場所について、取得時間間隔中の最大画素値を判定する。
b.各画素場所について、最大画素値の80%を計算する。
c.80%の最大画素値に対応するフレームインデックス又はフレーム数を判定する。
d.各画素場所が最大画素値に対応するフレームインデックス又はフレーム数を有するtPeak80画像を形成する。
e.tPeak80画像をぼかす(ステップ408)。
f.式(2)に従って、ぼかしたtPeak80画像の画素値に閾値Tを適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、3フレームに設定され得る。algo_minは、1から取得時間間隔内のフレームの総数までの範囲であり得る。
g.二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0041】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、「ピークまでの時間局所(tPeak局所)」画像を含み得る。tPeak局所画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.各画素場所について、取得時間間隔中の最大画素値を判定する。
b.各最大値について、最大画素値に対応するフレームインデックス又はフレーム数を判定して、tPeak画像を生成する。
c.tPeak画像をサブタイルに分割する。サブタイル寸法は、全タイル寸法の5%~50%であり得る。例えば、664×640のタイル寸法の場合、サブタイル寸法は、約80×80であり得る。
d.各サブタイルについて、サブタイル内の平均画素値を減算する。
e.サブタイルを含む合成tPeak局所画像を生成する。
h.合成tPeak局所画像をぼかす(ステップ408)。
i.式(2)に従って、ぼかしたtPeak局所画像の画素値に閾値を適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、7フレームに設定され得る。algo_minは、1から取得時間間隔内のフレームの総数までの範囲であり得る。
j.二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0042】
いくつかの実施形態では、CellFind画像は、「下降までの時間(tFall局所)」画像を含み得る。これは、信号の下降側における元のpHへの戻りの指標である。tFall局所画像は、以下のステップによって判定され得る。
a.タイルをサブタイルに分割する。サブタイル寸法は、全タイル寸法の5%~50%であり得る。例えば、664×640のタイル寸法の場合、サブタイル寸法は、約80×80であり得る。
b.各フレーム時間又はサンプリング時間におけるサブタイルの画素の平均値を計算して、平均値のアレイを与える。例えば、取得時間間隔内の105個のフレームについて、105個の平均値が計算されて、サブタイルに対応する平均値の1×105アレイを与える。
c.サブタイルに対応する平均値のアレイ内の最大平均値に対応するフレームインデックスfmax又は時間インデックスを見つける。
d.フレームインデックスに対応するサブタイル、サブタイル(fmax)を識別する。
e.最後のフレームflast内の対応するサブタイル、サブタイル(flast)について、差分画像=サブタイル(fmax)-サブタイル(flast)を計算する。
f.差分画像の各画素値の分数を計算して、分数値を与える。例えば、分数値は、25%であり得る。分数値の値の範囲は5%~90%である。
g.分数値をサブタイル(flast)内の画素値に加算して、サブタイルの閾値画像を形成する。
h.サブタイル内の各画素場所について、画素値が閾値画像内の画素場所に対応する閾値を下回るとき、フレームインデックスfT又はフレームの数を判定する。
i.サブタイル内の各画素場所について、fTからfmaxを減算して、サブタイルに対応するtFall局所画像を形成する。
j.サブタイルに対応するtFall局所画像を合成して、タイルに対応する合成tFall画像を形成する。
k.合成tFall画像をぼかす(ステップ408)。
l.式(2)に従って、ぼかした合成tFall画像の画素値に閾値を適用する(ステップ410)。例えば、algo_minは、6フレームに設定され得る。algo_minは、1から取得時間間隔内のフレームの総数までの範囲であり得る。
m.二値CellFind画像を形成するために、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる(ステップ412)。
【0043】
いくつかの実施形態では、ピアソン差(Pearson Difference、PD)は、上で説明されるCellFind法のいずれかから導出される二値CellFind画像から計算され得る。推定二値マスクは、画素を「細胞」領域及び「背景」領域の初期推定値に分割する。ピアソン差は、推定されたCellFind画像の各画素について以下のように計算され得る。
PD=Po,c-Po,b (3)
ここで、Po,cは、オブジェクトの時系列と二値マスク内の細胞として識別された全ての画素の平均時系列との間のピアソン相関でありPo,bは、オブジェクトの時系列と、背景として識別された全ての画素の平均時系列との間のピアソン相関である。この場合、オブジェクトは、個々の画素である。ピアソン相関は、以下のように計算され得る。
x,y=cov(x,y)/[std(x)*std(y)] (4)
ここで、Px,yは、時系列x及び時系列yのピアソン相関係数であり、cov(x,y)は、時系列x及び時系列yの共分散であり、std(x)は、時系列xの標準偏差であり、std(y)は、時系列yの標準偏差である。細胞として定義された領域内の全ての画素の平均についての時系列が計算される(典型的には、取得時間間隔内の105フレームに対して1×105)。背景として定義された領域内の全ての画素の平均についての時系列が計算される(典型的には、取得時間間隔内の105フレームに対して1×105)。オブジェクトの時系列が計算される。この場合、オブジェクトは、単一の画素又は1つ以上の画素の平均であり得る(典型的には、取得時間間隔内の105フレームに対して1×105)。式(3)によって計算されたピアソン差(PD)CellFind画像は、Otsuの方法(www.en.wikipedia.org/wiki/Otsu%27s_method)を使用して細胞領域と背景領域とに分割され得る。PD CellFind画像のヒストグラムが計算され得る。このヒストグラムは、2つのクラスに対応する2つのピークを有し得、1つは、細胞領域に対するものであり、1つは、背景領域に対するものである。Otsuの方法は、クラス内分散を最小化することによって、PD CellFind画像のヒストグラムにおける2つのピークに対応する2つのクラスに画素を最適に分離する単一の閾値を判定する。閾値は、二値PD CellFind画像を生成するために、PD CellFind画像に適用され得る。
【0044】
ステップ412からのi番目の粗い細胞マスクは、ステップ404における局所背景値の計算のために、(i+1)回目の反復414において提供され得る。局所背景値は、タイルの画素値に畳み込みカーネルを適用することによって判定され得る。いくつかの実施形態では、畳み込みカーネルは、係数の矩形アレイであり得る。例えば、畳み込みカーネルは、0の中心係数と、1に等しい全ての他の係数とを有し得る。カーネルをタイルの画素値で畳み込み、カーネル内の1の数で除算することにより、中心係数に対応する画素場所における背景値の局所空間平均が生成される。図5は、画素値の局所空間平均を計算するために使用され得る畳み込みカーネルの例(縮尺通りではない)を示す。畳み込みカーネルの寸法は、ユーザによって構成可能であり得る。例えば、640×664画素のタイル寸法の場合、畳み込みカーネルは、水平寸法が41画素×垂直寸法が101画素の寸法を有し得る。水平寸法は、CellFindフローの方向に平行である。垂直寸法は、CellFindフローの方向に垂直である。CellFindフローは、センサアレイの一方の側から他方の側に進む。図6Eは、タイルを左から右へ横切るCellFindフローの方向の例を示す。いくつかの実施形態では、畳み込みカーネル内の画素の数は、タイル内の画素の数の6%であり得る。いくつかの実施形態では、畳み込みカーネル内の画素の数は、タイル内の画素の数の3%~20%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、粗い細胞マスク値1に対応する画素場所は、畳み込み入力から除外され、局所背景は、粗い細胞マスク内で識別された細胞の不在下で推定され得る。局所背景値のアレイは、局所背景補正タイルを形成するために、対応する画素場所におけるタイルの画素値から減算され得る。局所背景値のアレイは、各フレーム内の全てのタイルについて判定され、同じ粗い細胞マスクを使用して取得時間間隔の各フレームから減算されて、対応する局所背景補正フレームを生成し得る。
【0045】
ステップ406の(i+1)回目の反復では、上で説明されるように、局所背景補正フレーム内の各画素のCellFind画像値を計算して局所背景補正CellFind画像を形成する。
【0046】
ステップ408の(i+1)回目の反復では、ぼかし関数は、局所背景補正CellFind画像に適用され得る。ステップ410の(i+1)回目の反復では、閾値を、ぼかした局所背景補正CellFind画像の画素値に適用して、ぼかした局所背景補正CellFind値がTi+1以上である画素場所に1を有し、ぼかした局所背景補正CellFind値がTi+1未満である画素場所に0を有する二値画像を生成し得る。いくつかの実施形態において、閾値Ti+1は、式(5)によって計算され得る。
i+1=(meani+1+[maxi+1-algo_min]*fraci+1) (5)
【0047】
式(5)では、タイルのぼかした局所背景補正CellFind値の画素値について、平均値(meani+1)及び最大値(maxi+1)が判定され得る。分数「fraci+1」は、ユーザによって定義され得る。例えば、fraci+1値は、0.1に設定され得る。fraci+1値の範囲は、0<fraci+1<fracである。得られた二値画像は、局所背景補正細胞マスクを提供し、ここで、細胞のおおよその場所は1で示され、背景領域は0で示される。いくつかの実施形態では、局所背景補正細胞マスクは、取得時間間隔について判定され得る。
【0048】
図6Aは、CellFindフローに応答するタイルのグレースケール画像の例を示す。図6Bは、粗い細胞マスクのタイルの例を示す。図6Bは、局所背景補正前の第1回目(i=1)の粗い細胞マスク412を表す。図6Cは、2回の反復(i+1=2)後の局所背景補正細胞マスクのタイルの例を示す。図6Cは、ステップ404の局所背景減算、上で説明されるピークツーピーク(PTP)計算を使用したステップ406のCellFind計算、ステップ408のぼかし動作、及びステップ410の閾値処理の後の局所背景補正細胞マスクを表す。特徴は、おおよその可能な細胞場所を表す。図6Cの局所背景補正細胞マスクにおける特徴は、図6Bの粗い細胞マスクにおける特徴よりも数が多く、強調されている。例えば、図6Bにおける特徴のクラスタ602及び図6Cにおけるより大きい特徴のクラスタ604は、タイルの応答のグレースケール画像における特徴のクラスタ601に対応する。
【0049】
いくつかの実施形態では、複数の細胞マスクは、上で説明されるCellFind画像のタイプのうちの2つ以上を計算することによって生成され得る。図4Bは、一実施形態による、コンセンサス細胞マスクを形成するためのブロック図である。ステップ416では、図4Aのステップ404~412に関して上で説明されるように、複数の異なるタイプのCellFind画像を計算して、複数の細胞マスクを生成し得る。ステップ418では、細胞マスクは、以下のように重み付けされ、合計され得る。
加重和画像=Σjj×細胞マスクj (6)
【0050】
細胞マスクj内の二値データタイプから浮動小数点データタイプへの変換は、重みwjによる乗算の前に適用され得る。ステップ420において、加重和画像に第1の閾値を適用し得る。二値コンセンサス細胞マスクを形成するために、第1の閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる。例えば、加重和画像に適用される第1の閾値は、細胞である可能性が高い領域を識別するために、相対的に大きい値1.8に設定され得る。いくつかの実施形態では、第2のコンセンサス細胞マスクは、ステップ420において、加重和画像に第2の閾値を適用することによって生成され得る。例えば、第2の閾値は、0.7など、第1の閾値よりも低い値を有し得る。第2の閾値がより低いので、第2のコンセンサス細胞マスクは、ある程度の誤差を許容しながら、より多くの可能な細胞領域を許容する。第1の閾値及び第2の閾値の値の範囲は、min(wj)~Σjjである。例えば、第1の閾値は、細胞を識別するための低い偽陽性率を有するように選択される。第2の閾値は、細胞を識別するための低い偽陰性率を有するように選択される。
【0051】
表Aは、重みwjの例示的な値を与える。特定のCellFind画像タイプが使用されないとき、対応する重みwjは、0に設定され得る。重みwjの値は、ユーザによって選択され得る。
【0052】
【表1】
【0053】
図4Cは、最終的なコンセンサス細胞マスクを形成するための例示的なブロック図である。図4Aに関して上で説明されるように、1つのタイプのCellFind画像のみが計算される実施形態では、粗い細胞マスクは、サイズ選択ステップ422への入力細胞マスクである。図4Bに関して上で説明されるように、複数のタイプのCellFind画像が計算される実施形態では、コンセンサス細胞マスクは、サイズ選択ステップ422への入力細胞マスクである。サイズ選択ステップ422では、関心対象のサイズに対応する入力細胞マスク内の特徴のサイズが検出される。例えば、細胞の分析のための関心対象のサイズは、20~75ミクロンの範囲であり得る。関心対象のサイズは、有効径deffに対応し得る。
【0054】
【数1】
ここで、Apxは、画素単位の細胞の面積であり、pareaは、画素当たりの面積である。関心対象のサイズは、314~4400平方ミクロンの範囲内の面積に対応し得る。ChemFETセンサアレイの画素の面積は、センサの寸法に基づいて知ることができる。特徴の関心対象のサイズは、対応する画素数又は画素単位の有効面積に変換することができる。入力細胞マスクは、セグメント化され、特徴の連続領域は、識別及びラベル付けされ得る。特徴の連続領域は、特徴の画素単位の面積が関心対象のエリアの範囲内に入るかどうかに基づいて、フィルタリングされ得る。選択された特徴は、フィルタリングされた細胞マスクに保持され、画素値1を有する。関心対象のエリアの範囲を有する面積を有しない特徴は、フィルタリングされた細胞マスクにおいて0の画素値が割り当てられ得、それらを背景領域として定義する。特徴に対する画素単位の閾値の範囲は、8より大きくあり得る。
【0055】
ステップ424では、フィルタリングされた細胞マスクは、分水界アルゴリズムを使用してセグメント化される。分水界アルゴリズムは、選択された特徴を、1つ以上の細胞領域にセグメント化する。フィルタリングされた細胞マスクにおいて、各選択された特徴は画素値1を有し、背景領域は画素値0を有する。フィルタリングされた細胞マスクは、以下のようにセグメント化される。
a.フィルタリングされた細胞マスク内のフィルタリングされた特徴領域の画素(すなわち、画素値1を有する画素)について、最も近い背景画素(すなわち、画素値0を有する画素)までの距離を計算する。
b.所与のフィルタリングされた特徴領域内の計算された距離の1つ以上の極大値を識別する。各極大値は、重心に対応する。
c.フィルタリングされた特徴領域の1つ以上の重心までの距離に基づいて、フィルタリングされた特徴領域内の各画素を分類する。フィルタリングされた特徴領域内の各画素を最も近い重心に割り当てる。同じ重心に割り当てられた画素群は、細胞領域として分類される。
d.ステップcで判定された各細胞領域内の画素場所にインデックスを割り当てることによって、ラベル付けされたマスク画像を作成する。例えば、第1の細胞領域は、その画素場所に割り当てられた1を有し得、第2の細胞領域は、その画素場所に割り当てられた2を有し得る、などである。
【0056】
ステップ426では、細胞マスクを検証して、最終的な細胞マスクを生成し得る。セグメント化ステップ424から得られる細胞マスクは、過剰な細胞領域を示す場合がある。識別された細胞領域のいくつかは、誤差であり得、実際に背景領域に対応する。ステップ426では、ステップ424によって生成された細胞マスクは、複数のサブ領域に空間的に分割され得る。取得時間間隔中に取得されたCellFind画像は、対応する複数のサブ領域に空間的に分割することができる。例えば、細胞マスク及びCellFind画像は、4つの象限に各々分割され得る。サブ領域の範囲は、1~100個のサブ領域であり得る。各細胞領域について、ピアソン差(式3)を、細胞平均時系列と、最も近いサブ領域についての細胞及び背景時系列との間で計算することができる。この場合、「オブジェクト」は特定の細胞に対応し、Po,c又はPo,b内の変数「o」は、単一の特定の細胞に属するものとして定義された画素の平均時系列である。Po,c内の変数「c」は、ステップ420で加重和画像に適用された第1の閾値に従って、任意の細胞に属すると定義された全ての画素の平均時系列である。Po,b内の変数「b」は、ステップ420で加重和画像に適用された第2の閾値に従って、背景に属すると定義された全ての画素の平均時系列である。細胞ごとの結果として生じるPD値は、1×Nアレイに記憶され、ここで、Nは、細胞マスク内で識別される細胞の総数である。いくつかの実施形態では、数値安定性を加えるために、背景領域から画素を無作為に選択することによって、1つ以上の「偽細胞」が生成され得る。偽細胞のサイズは、10画素から背景領域の100%までの範囲であり得る。典型的なサイズは、背景領域の20%である。偽細胞の数は、細胞マスク内の識別された細胞領域の5%から識別された細胞領域の100%までの範囲であり得る。典型的な数は、識別された細胞領域の10%である。偽細胞ごとに、ピアソン差を計算し、実際の細胞からの値に追加して、1×(N+F)アレイを生成することができ、ここで、Fは、追加された偽細胞の総数である。ピアソン差のアレイは、例えば、k平均クラスタリング(www.scikit-learn.org/stable/modules/generated/sklearn.cluster.KMeans.html)に従って、2つのクラスタに分割され得る。より大きい平均ピアソン差を有するクラスタは、「実際の」細胞領域を含むと判定され、より小さい平均値を有するクラスタは、セグメント化アーチファクトを含むと判定される。「偽細胞」の30%超が「実細胞」クラスタ内に見出される場合、実細胞クラスタはセグメント化アーチファクトを含むと判定され、検証された細胞は、そのクラスタに関連付けられない。
【0057】
最終的な二値細胞マスクを使用して、取得期間中に取得された信号データの分析のために、細胞領域の各々の重心付近の画素のセットを選択することができる。重心付近の画素の選択されたサブセットは、本明細書では細胞関心対象領域(region of interest、ROI)と称される。細胞ROIは、重心を取り囲み、かつその細胞のセグメント化された領域内に含まれる複数の画素を選択することによって選択することができる。選択される画素の数は、ユーザによって定義され得る。例えば、画素数は、25であり得る。選択される画素数の範囲は、1画素から、ラベル付けされたマスク画像に対応するラベルを有する細胞の全エリアにおける画素数までであり得る。
【0058】
各細胞領域の局所背景領域を識別することができる。各細胞領域の局所背景領域は、上記ステップdで生成されたラベル付けされたマスク画像において背景ラベルを割り当てられた。取得期間中に背景領域について取得された信号データは、細胞ROIの信号データからオフセットを除去するために使用され得る。二値細胞マスク内の各細胞領域に対する局所背景領域は、以下のように判定され得る。
【0059】
所与の細胞領域に対する局所背景領域の外側境界を判定することができる。所与の細胞の細胞領域について、細胞領域の二値拡張の第1の複数の反復を実行する。第1の反復回数は、ユーザによって選択され得る。例えば、反復回数は、25回であり得る。第1の反復回数の範囲は、15~150回の反復であり得る。得られた領域は、細胞領域を取り囲む局所背景の外側境界を画定する。二値拡張の第1の複数の反復は、外側境界の内側に1を有し、外側境界の外側に0を有する第1の二値マスクを生成する。
【0060】
所与の細胞領域に対する局所背景領域の内側境界を判定することができる。所与の細胞の細胞領域について、二値拡張の第2の複数の反復を実行する。第2の反復回数は、外側境界を画定するために使用される反復回数よりも少なく、ユーザによって選択され得る。例えば、反復回数は、10回であり得る。反復回数の範囲は、5~50回の反復であり得る。得られた領域は、細胞領域を取り囲む局所背景の内側境界を画定する。二値拡張の第2の複数の反復は、内側境界の内側に1を有し、内側境界の外側に0を有する第2の二値マスクを生成する。
【0061】
第2の二値マスクと第1の二値マスクとの間の二値差を計算することは、所与の細胞領域を部分的に又は全体的に取り囲む局所背景二値マスクを与え得る。局所背景二値マスクは、内側境界と外側境界との間の領域に1を含む。局所背景二値マスクの画素は、ラベル付けされたマスク画像において注釈を付けられ得る。
【0062】
所与の細胞領域に対する局所背景として定義される任意の画素は、細胞マスク内の任意の細胞領域から最小距離に位置する。最小距離は、ユーザによって設定され得る。例えば、最小距離は、25画素であり得る。所与の細胞領域は、任意の他の細胞領域の背景として定義されない場合がある。所与の細胞領域に対する局所背景の内側境界は、細胞領域と局所背景とが互いに隣接しないように、細胞領域の境界から空間的に分離されている。
【0063】
図7は、単一細胞領域及び局所背景領域の一例の例解図である。細胞領域702は、細胞マスク内の画素値1によって表され得る。外側境界706は、第1の二値拡張によって判定され得る。内側境界704は、第2の二値拡張によって判定され得る。この例では、局所背景領域708は、細胞領域702を取り囲み、細胞領域702の境界から空間的に分離されている。図7は、例解目的に過ぎず、縮尺通りではない。
【0064】
図8は、2つの細胞領域及び2つの局所背景領域の一例の例解図である。細胞領域801及び802は、細胞マスク内の画素値1によって表され得る。外側境界806は、第1の二値拡張によって判定され得る。内側境界804は、第2の二値拡張によって判定され得る。この例では、局所背景領域810は、細胞領域801を部分的に囲み、局所背景領域808は、細胞領域802を部分的に取り囲んでいる。局所背景領域808及び810は、細胞領域801及び802の境界から空間的に分離されている。図8は、例解目的に過ぎず、縮尺通りではない。
【0065】
いくつかの実施形態において、第2のコンセンサス細胞マスクは、図4Bに関して上で説明されるように、ステップ420でより低い閾値を使用することによって生成され得る。第2のコンセンサス細胞マスクの逆数が計算され得る。二値拡張は、第2のコンセンサス細胞マスクの逆数に適用され得る。得られた逆マスクは、第2の局所背景二値マスクを形成するために、局所背景二値マスクとAND演算され得る。
【0066】
図9は、細胞関心対象領域から信号データを抽出するための例示的なブロック図である。図10は、タイル画像、セグメント化結果、及び抽出された信号データの例を示す。画像1010は、特定のタイルに対する最終的な二値マスクを示す。いくつかの細胞領域が、エリア1011などに示されている。この例では、エリア1012が、信号データの分析のために選択される。画像1020は、最終的な細胞マスク1010のエリア1012の拡大図である。2つの細胞領域、すなわち、細胞領域1021の画素のセット及び細胞領域1022の画素のセットが示されている。この例は、細胞領域1021に焦点を当てている。ステップ902において、細胞領域1021の画素のセットの重心が計算され得る。重心の計算は、細胞領域1021の境界の画素を除外し得る。重心は、画像1020、1030及び1040において「X」でマークされている。ステップ904において、細胞領域1021内の画素のサブセットは、関心対象領域(ROI)1031の画素を定義するために選択され得る。例えば、そのROIのために選択された画素のサブセットは、重心を取り囲み得る。ROI1031のために選択される画素の数は、ユーザによって選択され得る。例えば、選択された数は、25画素であり得る。別の例では、細胞領域1021内の画素のサブセットが、ROIのためにユーザによって選択され得る。
【0067】
ステップ906において、そのROI画素に対応する信号が得られ得る。ROI画素に対応する信号は、ChemFETセンサアレイの対応する場所におけるセンサについてのセンサ信号を含む。信号は、試薬がセンサアレイ上に流された後にセンサによって測定され得る。細胞の場所に対応するセンサによって測定された信号は、試薬に対する細胞の応答を示し得る。各画素に対して、取得時間間隔中にフレーム当たり1つの信号サンプルが存在する。ステップ908において、信号サンプルの値は、フレームごとの平均信号値を与えるために、各フレーム時間又はサンプリング時間においてROI内の画素について空間的に平均化され得る。ROI内の画素の数は、各フレーム時間tFRAMEにおいて空間的に平均化される信号サンプルの数を決定する。空間平均は、以下のように計算され得る。
Avg_ROI_sig(tFRAME)=ΣROIsig(tFRAME,xROI,yROI)/NROI (8)
ここで、Avg_ROI_sig(tFRAME)は、時間tFRAMEにおけるフレームごとの平均ROI信号値、ΣROIは、ROI(例えば、ROI1031)内の画素にわたる和、sig(tFRAME,xROI,yROI)は、ROI内に位置する画素座標(xROI,yROI)における時間tFRAMEにおける信号サンプルの値、NROIは、ROI内の画素数である。
【0068】
ステップ910において、特定の細胞領域に対する局所背景領域内の画素のセットが、局所背景マスク内で識別され得る。例えば、画像1040は、細胞領域1021の局所背景領域1041を示す。ステップ912において、背景画素に対応する信号が得られ得る。背景画素に対応する信号は、細胞が存在しないChemFETセンサアレイの対応する場所におけるセンサについてのセンサ信号を含む。試薬がセンサアレイ上に流された後にセンサによって測定された信号は、センサ上の流された試薬の影響を表し得る。ステップ914において、信号サンプルの値は、フレームごとの平均信号値を与えるために、各フレーム時間又はサンプリング時間において背景領域内の画素について空間的に平均化され得る。背景領域における画素の数は、各フレーム時間tFRAMEにおいて空間的に平均化される信号サンプルの数を決定する。空間平均は、以下のように計算され得る。
Avg_bkg_sig(tFRAME)=ΣBKGbkg_sig(tFRAME,xBKG,yBKG)/NBKG (9)
ここで、Avg_bkg_sig(tFRAME)は、時間tFRAMEにおけるフレームごとの平均背景信号値、ΣBKGは、局所背景領域(例えば、局所背景領域1041)内の画素にわたる和、bkg_sig(tFRAME,xBKG,yBKG)は、局所背景領域内に位置する画素座標(xBKG,yBKG)における時間tFRAMEにおける背景信号サンプルの値、NBKGは、局所背景領域内の画素数である。
【0069】
ステップ916において、フレーム当たりの平均背景信号値がフレーム当たりの平均ROI信号値から減算されて、フレーム当たりの細胞平均ROI信号Cell_ROI_sig(tFRAME)が以下のように与えられる。
Cell_avg_ROI_sig(tFRAME)=Avg_ROI_sig(tFRAME)-Avg_bkg_sig(tFRAME) (10)
【0070】
図10を参照すると、グラフ1050は、平均ROI信号及び平均背景信号のプロットの例を示す。プロット1051、1052、1053及び1054は、それぞれのデータ取得時間間隔に対する平均ROI信号値を示す。プロット1061、1062、1063及び1064は、それぞれのデータ取得時間間隔に対する平均背景信号値を示す。プロット1051、1061、1052、1062、1053及び1063は、センサアレイ上の洗浄溶液の3つの流れに応答した平均ROI信号値及び平均背景信号値を示す。プロット1054及び1064は、それぞれ、センサアレイ上の増加する濃度のFCCPを有する試薬溶液の流れに応答してHepG2細胞について判定された平均ROI信号値及び平均背景信号値を示す。FCCP(カルボニルシアニドp-(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン)は、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化の有効な反応解除剤である。FCCPの濃度は、試薬溶液(Thermo Fisher Live Cell Imaging Solution,Thermo Fisher Scientific,Cat.No.A14291DJ)において、1、10、100mMであった。
【0071】
図3に戻ると、ステップ308において、細胞の平均ROI信号値は、振幅及び時間応答を分析するためにパラメータ化され得る。例えば、経時的な細胞の平均ROI信号値の平均値、中央値、標準偏差などの統計パラメータが計算され得る。図11Aは、経時的な平均及び標準偏差のプロットの例を示す。横軸は、時間軸を秒単位で表している。各々が7秒の持続時間を有する取得期間に対応するトレースがプロットされている。取得期間の間の時間間隔は、除去されている。トレース1102は+/-標準偏差をプロットし、トレース104は、平均をプロットしている。平均及び標準偏差は、対照「CON」溶液の4つの流れ及びグルコース「Glu」溶液の1つの流れに対する応答についてプロットされている。平均トレースにおける降下は、溶液が細胞を通過して流れる際の過渡現象である。グルコース溶液に応答した平均トレースは、対照溶液流に対する応答と比較して、上昇した定常状態1106を維持する。図11Bは、42~64μmのサイズ範囲内の複数の細胞についての平均ROI信号値の最大値の棒グラフの例を示す。図11Aに示される結果は、図11Bに示される結果のサブセットである。
【0072】
図12A図12Dは、2つの細胞についての信号パラメータの画素ごとの空間プロットの例を示す。これらのプロットにおいて、平均局所背景は、最終的な細胞マスクにおいて示されるような細胞領域における画素から減算される。各細胞の重心は、「X」でマークされている。図12Aは、取得期間にわたる細胞領域内の画素の最大振幅の空間プロットの一例を示す。図12Bは、取得期間にわたる細胞領域内の画素の最小振幅の空間プロットの一例を示す。図12Cは、取得期間にわたる細胞領域内の画素のピーク値に対する時間の空間プロットの一例を示す。図12Dは、取得期間にわたる細胞領域内の画素のトラフ値に対する時間の空間プロットの一例を示す。
【0073】
最終的な細胞マスクは、細胞サイズ統計のために分析され得る。図13は、101個の細胞の細胞サイズのヒストグラム及び統計値の例を示す。略語q1、q2及びq3は、それぞれ第1、第2及び第3の四分位数を示す。略語「iqr」は、四分位数間範囲、q3-q1、又は分布の中央半分を示す。有効径は、式(7)に関して上で説明されている。
【0074】
様々な例示的な実施形態によれば、上で考察される教示及び/又は例示的な実施形態のうちの任意の1つ以上のうちの1つ以上の特徴は、適切に構成及び/又はプログラムされたハードウェア及び/又はソフトウェア要素を使用して行われ、又は実装され得る。実施形態がハードウェア及び/又はソフトウェア要素を使用して実装されるかどうかの判定は、任意の要因、例えば、所望の計算速度、出力レベル、耐熱性、処理サイクル予算、入力データ速度、出力データ速度、メモリリソース、データバススピードなど、及び他の設計又は性能の制約に基づき得る。
【0075】
ハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、ローカルインターフェース回路を介して通信可能に連結した入力及び/又は出力(I/O)デバイス(又は周辺機器)、回路要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、プログラム可能論理デバイス(programmable logic device、PLD)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセットなどを含み得る。ローカルインターフェースは、例えば、ハードウェアコンポーネント間の適切な通信を可能にするために、1つ以上のバス又は他の有線若しくは無線接続、制御器、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及び受信機などを含み得る。プロセッサは、ソフトウェア、特にメモリに記憶されているソフトウェアを実行するためのハードウェアデバイスである。プロセッサは、任意のカスタムメイド又は市販のプロセッサ、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、コンピュータに関連付けられたいくつかのプロセッサのうちの補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(例えば、マイクロチップ又はチップセットの形態において)、マクロプロセッサ、又はソフトウェア命令を実行するための、概して任意のデバイスであることができる。プロセッサはまた、分散型処理アーキテクチャを表すことができる。I/Oデバイスには、入力デバイス、例えば、キーボード、マウス、スキャナ、マイクロフォン、タッチスクリーン、様々な医療デバイス及び/又は実験機器のためのインターフェース、バーコード読み取り機、スタイラス、レーザ読み取り機、無線周波デバイス読み取り機等が含まれ得る。更に、I/Oデバイスには、出力デバイス、例えば、プリンタ、バーコードプリンタ、ディスプレイ等も含まれ得る。最後に、I/Oデバイスには、入力及び出力の両方として通信するデバイス、例えば、変調器/復調器(モデム;別のデバイス、システム、又はネットワークにアクセスするため)、無線周波(radio frequency、RF)トランシーバ又は他のトランシーバ、電話インターフェース、ブリッジ、ルータ等が更に含まれ得る。
【0076】
ソフトウェアの例は、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、マシンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、方法、手続き、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(application program interface、API)、命令セット、演算コード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、ワード、値、記号、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。メモリにおけるソフトウェアは、論理関数を実装するための実行可能な命令が順序付けられたリストを含み得る1つ以上の別個のプログラムを含み得る。メモリにおけるソフトウェアは、本教示に従ってデータ流を識別するためのシステム、並びにシステムなどの他のコンピュータプログラムの実行を制御し得、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、通信制御などを提供する任意の好適なカスタムメイド又は市販のオペレーティングシステム(operating system、O/S)を含み得る。
【0077】
様々な例示的な実施形態によれば、上で考察される教示及び/又は例示的な実施形態のうちの任意の1つ以上のうちの1つ以上の特徴は、機械によって実行された場合、例示的な実施形態による方法及び/又は動作を機械が行わせ得る命令又は命令のセットを記憶し得る、適切に構成及び/又はプログラムされた非一時的機械可読媒体又は物品を使用して行われ、又は実装され得る。そのような機械は、例えば、任意の好適な処理プラットフォーム、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングデバイス、処理デバイス、コンピューティングシステム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ、科学機器又は実験機器などを含み得、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の好適な組み合わせを使用して実装され得る。機械可読媒体又は物品は、例えば、任意の好適なタイプのメモリユニット、メモリデバイス、メモリ物品、メモリ媒体、記憶デバイス、記憶物品、記憶媒体、及び/又は記憶ユニット、例えば、メモリ、取り外し可能又は取り外し不可能な媒体、消去可能又は消去不可能な媒体、書き込み可能又は書き換え可能な媒体、デジタル又はアナログ媒体、ハードディスク、フロッピーディスク、読み出し専用コンパクトディスク(read-only memory compact disc、CD-ROM)、記録可能コンパクトディスク(recordable compact disc、CD-R)、書き換え可能コンパクト(rewriteable compact disc、CD-RW)、光ディスク、磁気媒体、光磁気媒体、リムーバブルメモリカード又はディスク、様々なタイプのデジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc、DVD)、テープ、カセットなどを含み得、コンピュータにおける使用に好適な任意の媒体を含む。メモリは、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM、例えば、DRAM、SRAM、SDRAMなど))及び不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、EPROM、EEROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、テープ、CDROMなど)のうちの任意の1つ又は組み合わせを含むことができる。更に、メモリは、電気、磁気、光、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込むことができる。メモリは、様々なコンポーネントが互いから離れて位置しているが、依然としてプロセッサによってアクセスされる分散型アーキテクチャを有することができる。命令は、任意の好適なタイプのコード、例えば、任意の好適な高レベル、低レベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル済み、及び/又は解釈されたプログラミング言語を使用して実装された、ソースコード、コンパイル済みコード、解釈されたコード、実行可能コード、静的コード、動的コード、暗号化されたコードなどを含み得る。
【0078】
様々な例示的な実施形態によると、上で考察される教示及び/又は例示的な実施形態のうちのいずれか1つ以上の1つ以上の特徴は、分散型、クラスタ、リモート、又はクラウド計算リソースを少なくとも部分的に使用して実施又は実装され得る。
【0079】
様々な例示的な実施形態によれば、上で考察される教示及び/又は例示的な実施形態のうちの任意の1つ以上のうちの1つ以上の特徴は、ソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、又は行われる命令のセットを含む任意の他のエンティティを使用して行われるか、又は実装され得る。ソースプログラムである場合、プログラムは、O/Sと通信して正常に動作するように、メモリ内に含まれるか又は含まれない場合があるコンパイラ、アセンブラ、インタープリタ等を介して翻訳され得る。命令は、(a)データ及び方法のクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語、又は(b)例えば、C、C++、R、Pascal、Basic、Fortran、Cobol、Perl、Java、及びAdaを含み得る、ルーチン、サブルーチン、及び/又は機能を有する手続き型プログラミング言語を使用して書き込まれ得る。
【0080】
様々な例示的な実施形態によれば、上で考察される例示的な実施形態のうちの1つ以上は、ユーザインターフェースデバイス、コンピュータ可読記憶媒体、ローカルコンピュータシステム、又はリモートコンピュータシステムに、そのような例示的な実施形態によって生成、アクセス、又は使用された任意の情報、信号、データ、及び/又は中間若しくは最終結果を伝送、表示、保存、印刷、又は出力することを含み得る。そのような伝送、表示、記憶、印刷、又は出力された情報は、例えば、実行及び報告、画像、表、チャート、グラフ、スプレッドシート、相関、配列、並びにそれらの組み合わせの検索可能及び/又はフィルタリング可能なリストの形態を採ることができる。
【実施例
【0081】
実施例1は、ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するための方法であって、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことであって、ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された溶液のpHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成する、流すことと、取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたChemFETセンサアレイによって生成された複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、フレーム内の所与の画素が、ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、流された溶液のpHにおけるステップ変化に応答して生成される信号サンプルの特性に基づいて、検電画像データを、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む、方法である。
【0082】
実施例2は、実施例1の主題を含み、各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、フレームの画素のサブセットを備える、ことを更に規定する。
【0083】
実施例3は、実施例1の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0084】
実施例4は、実施例3の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することを更に含む、ことを更に規定する。
【0085】
実施例5は、実施例4の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の各画素値から平均値を減算して、差分画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0086】
実施例6は、実施例5の主題を含み、セグメント化するステップが、差分画像内の各画素の絶対値を計算することを更に含む、ことを更に規定する。
【0087】
実施例7は、実施例2の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔内の各サンプリング時間においてタイル内の画素の平均値を計算して、各タイルに対応する平均値のアレイを生成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0088】
実施例8は、実施例2の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルを複数のサブタイルに分割することを更に含む、ことを更に規定する。
【0089】
実施例9は、実施例8の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔内の各サンプリング時間においてサブタイル内の画素の平均値を計算して、各サブタイルに対応する平均値のアレイを生成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0090】
実施例10は、実施例9の主題を含み、セグメント化するステップが、平均値のアレイにおける最大平均値に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0091】
実施例11は、実施例2の主題を含み、セグメント化するステップが、タイル内の各画素値の取得時間間隔にわたる平均を計算して、第1の平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0092】
実施例12は、実施例11の主題を含み、セグメント化するステップが、タイル内の各画素値の取得時間間隔中の複数の初期フレームにわたる平均を計算して、第2の平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0093】
実施例13は、実施例12の主題を含み、セグメント化するステップが、第1の平均画像から第2の平均画像を減算して、時間平均画像を形成するステップを更に含む、ことを更に規定する。
【0094】
実施例14は、実施例1の主題を含み、セグメント化するステップが、各画素場所について取得時間間隔中の最大画素値を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0095】
実施例15は、実施例14の主題を含み、セグメント化するステップが、最大画素値に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0096】
実施例16は、実施例14の主題を含み、セグメント化するステップが、最大画素値の80%に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0097】
実施例17は、実施例2の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0098】
実施例18は、実施例17の主題を含み、セグメント化するステップが、CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0099】
実施例19は、実施例18の主題を含み、ぼかし関数が、周波数領域においてCellFind画像にローパスフィルタを適用することを含む、ことを更に規定する。
【0100】
実施例20は、実施例18の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0101】
実施例21は、実施例20の主題を含み、セグメント化するステップが、粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0102】
実施例22は、実施例21の主題を含み、関心対象のサイズが細胞のサイズに対応すること、を更に規定する。
【0103】
実施例23は、実施例21の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0104】
実施例24は、実施例23の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することを更に含む、ことを更に規定する。
【0105】
実施例25は、実施例24の主題を含み、セグメント化するステップが、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0106】
実施例26は、実施例2の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの複数の異なる特性に基づいて複数の特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0107】
実施例27は、実施例26の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかし関数を複数のCellFind画像の各々に適用して、複数のぼかしCellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0108】
実施例28は、実施例27の主題を含み、セグメント化するステップが、複数のぼかしCellFind画像の各々にそれぞれの閾値を適用して、複数の粗い細胞マスクを生成することを更に含み、それぞれの閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、それぞれの閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0109】
実施例29は、実施例28の主題を含み、セグメント化するステップが、複数の粗い細胞マスクの加重和を計算して、加重和画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0110】
実施例30は、実施例29の主題を含み、更に、セグメント化するステップが、加重和画像に第2の閾値を適用してコンセンサス細胞マスクを形成することを更に含み、第2の閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、第2の閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0111】
実施例31は、実施例30の主題を含み、セグメント化するステップが、コンセンサス細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有するコンセンサス細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0112】
実施例32は、実施例31の主題を含み、関心対象のサイズが細胞のサイズに対応すること、を更に規定する。
【0113】
実施例33は、実施例31の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0114】
実施例34は、実施例33の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することを更に含む、ことを更に規定する。
【0115】
実施例35は、実施例34の主題を含み、セグメント化するステップが、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0116】
実施例36は、ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するためのシステムであって、プロセッサと、プロセッサと通信可能に接続されたデータストアとを備え、プロセッサは、命令を実行するように構成され、命令は、プロセッサによって実行されるときに、システムに、取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、検電画像データは、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことに応答して生成され、ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された溶液のpHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成し、各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたChemFETセンサアレイによって生成された複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、フレーム内の所与の画素が、ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、流された溶液のpHにおけるステップ変化に応答して生成される信号サンプルの特性に基づいて、検電画像データを、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む方法を行わせる、システムである。
【0117】
実施例37は、実施例36の主題を含み、各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、フレームの画素のサブセットを備える、ことを更に規定する。
【0118】
実施例38は、実施例36の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0119】
実施例39は、実施例38の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することを更に含む、ことを更に規定する。
【0120】
実施例40は、実施例39の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の各画素値から平均値を減算して、差分画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0121】
実施例41は、実施例40の主題を含み、セグメント化するステップが、差分画像内の各画素の絶対値を計算することを更に含む、ことを更に規定する。
【0122】
実施例42は、実施例37の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔内の各サンプリング時間においてタイル内の画素の平均値を計算して、各タイルに対応する平均値のアレイを生成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0123】
実施例43は、実施例37の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルを複数のサブタイルに分割することを更に含む、ことを更に規定する。
【0124】
実施例44は、実施例43の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔内の各サンプリング時間においてサブタイル内の画素の平均値を計算して、各サブタイルに対応する平均値のアレイを生成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0125】
実施例45は、実施例44の主題を含み、セグメント化するステップが、平均値のアレイにおける最大平均値に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0126】
実施例46は、実施例37の主題を含み、セグメント化するステップが、タイル内の各画素値の取得時間間隔にわたる平均を計算して、第1の平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0127】
実施例47は、実施例46の主題を含み、セグメント化するステップが、タイル内の各画素値の取得時間間隔中の複数の初期フレームにわたる平均を計算して、第2の平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0128】
実施例48は、実施例47の主題を含み、セグメント化するステップが、第1の平均画像から第2の平均画像を減算して時間平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0129】
実施例49は、実施例36の主題を含み、セグメント化するステップが、各画素場所について取得時間間隔中の最大画素値を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0130】
実施例50は、実施例49の主題を含み、セグメント化するステップが、最大画素値に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0131】
実施例51は、実施例49の主題を含み、セグメント化するステップが、最大画素値の80%に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0132】
実施例52は、実施例37の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0133】
実施例53は、実施例52の主題を含み、セグメント化するステップが、CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0134】
実施例54は、実施例53の主題を含み、ぼかし関数が、周波数領域においてCellFind画像にローパスフィルタを適用することを含む、ことを更に規定する。
【0135】
実施例55は、実施例53の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0136】
実施例56は、実施例55の主題を含み、セグメント化するステップが、粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0137】
実施例57は、実施例56の主題を含み、関心対象のサイズが細胞のサイズに対応すること、を更に規定する。
【0138】
実施例58は、実施例56の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0139】
実施例59は、実施例58の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することを更に含む、ことを更に規定する。
【0140】
実施例60は、実施例59の主題を含み、セグメント化するステップが、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0141】
実施例61は、実施例37の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの複数の異なる特性に基づいて複数の特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0142】
実施例62は、実施例61の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかし関数を複数のCellFind画像の各々に適用して、複数のぼかしCellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0143】
実施例63は、実施例62の主題を含み、セグメント化するステップが、複数のぼかしCellFind画像の各々にそれぞれの閾値を適用して、複数の粗い細胞マスクを生成することを更に含み、それぞれの閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、それぞれの閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0144】
実施例64は、実施例63の主題を含み、セグメント化するステップが、複数の粗い細胞マスクの加重和を計算して、加重和画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0145】
実施例65は、実施例64の主題を含み、セグメント化するステップが、加重和画像に第2の閾値を適用して、コンセンサス細胞マスクを形成することを更に含み、第2の閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、第2の閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0146】
実施例66は、実施例65の主題を含み、セグメント化するステップが、コンセンサス細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有するコンセンサス細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0147】
実施例67は、実施例66の主題を含み、関心対象のサイズが細胞のサイズに対応すること、を更に規定する。
【0148】
実施例68は、実施例66の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0149】
実施例69は、実施例68の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することを更に含む、ことを更に規定する。
【0150】
実施例70は、実施例69の主題を含み、セグメント化するステップが、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0151】
実施例71は、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するための方法を実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であり、方法は、取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、検電画像データは、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことに応答して生成され、ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された溶液のpHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成し、各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたChemFETセンサアレイによって生成された複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、フレーム内の所与の画素が、ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、流された溶液のpHにおけるステップ変化に応答して生成される信号サンプルの特性に基づいて、検電画像データを、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む方法を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体である。
【0152】
実施例72は、実施例71の主題を含み、各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、フレームの画素のサブセットを備える、ことを更に規定する。
【0153】
実施例73は、実施例71の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0154】
実施例74は、実施例73の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することを更に含む、ことを更に規定する。
【0155】
実施例75は、実施例74の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の各画素値から平均値を減算して、差分画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0156】
実施例76は、実施例75の主題を含み、セグメント化するステップが、差分画像内の各画素の絶対値を計算することを更に含む、ことを更に規定する。
【0157】
実施例77は、実施例72の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔内の各サンプリング時間においてタイル内の画素の平均値を計算して、各タイルに対応する平均値のアレイを生成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0158】
実施例78は、実施例72の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルを複数のサブタイルに分割することを更に含む、ことを更に規定する。
【0159】
実施例79は、実施例78の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔内の各サンプリング時間においてサブタイル内の画素の平均値を計算して、各サブタイルに対応する平均値のアレイを生成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0160】
実施例80は、実施例79の主題を含み、セグメント化するステップが、平均値のアレイにおける最大平均値に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0161】
実施例81は、実施例72の主題を含み、セグメント化するステップが、タイル内の各画素値の取得時間間隔にわたる平均を計算して、第1の平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0162】
実施例82は、実施例81の主題を含み、セグメント化するステップが、タイル内の各画素値の取得時間間隔中の複数の初期フレームにわたる平均を計算して、第2の平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0163】
実施例83は、実施例82の主題を含み、セグメント化するステップが、第1の平均画像から第2の平均画像を減算して、時間平均画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0164】
実施例84は、実施例71の主題を含み、セグメント化するステップが、各画素場所について取得時間間隔中の最大画素値を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0165】
実施例85は、実施例84の主題を含み、セグメント化するステップが、最大画素値に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0166】
実施例86は、実施例84の主題を含み、セグメント化するステップが、最大画素値の80%に対応するフレームインデックスを判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0167】
実施例87は、実施例72の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0168】
実施例88は、実施例87の主題を含み、セグメント化するステップが、CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0169】
実施例89は、実施例88の主題を含み、ぼかし関数が、周波数領域においてCellFind画像にローパスフィルタを適用することを含む、ことを更に規定する。
【0170】
実施例90は、実施例88の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0171】
実施例91は、実施例90の主題を含み、セグメント化するステップが、粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0172】
実施例92は、実施例91の主題を含み、関心対象のサイズが細胞のサイズに対応すること、を更に規定する。
【0173】
実施例93は、実施例91の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0174】
実施例94は、実施例93の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することを更に含む、ことを更に規定する。
【0175】
実施例95は、実施例94の主題を含み、セグメント化するステップが、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0176】
実施例96は、実施例72の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの複数の異なる特性に基づいて複数の特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0177】
実施例97は、実施例96の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかし関数を複数のCellFind画像の各々に適用して、複数のぼかしCellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0178】
実施例98は、実施例97の主題を含み、セグメント化するステップが、複数のぼかしCellFind画像の各々にそれぞれの閾値を適用して、複数の粗い細胞マスクを生成することを更に含み、それぞれの閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、それぞれの閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0179】
実施例99は、実施例98の主題を含み、セグメント化するステップが、複数の粗い細胞マスクの加重和を計算して、加重和画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0180】
実施例100は、実施例99の主題を含み、セグメント化するステップが、加重和画像に第2の閾値を適用して、コンセンサス細胞マスクを形成することを更に含み、第2の閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、第2の閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0181】
実施例101は、実施例100の主題を含み、セグメント化するステップが、コンセンサス細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有するコンセンサス細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0182】
実施例102は、実施例101の主題を含み、関心対象のサイズが細胞のサイズに対応すること、を更に規定する。
【0183】
実施例103は、実施例101の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0184】
実施例104は、実施例103の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することを更に含む、ことを更に規定する。
【0185】
実施例105は、実施例104の主題を含み、セグメント化するステップが、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することを更に含む、ことを更に規定する。
【0186】
実施例A1は、ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するための方法であって、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことであって、ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された溶液のpHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成する、流すことと、取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたChemFETセンサアレイによって生成された複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、フレーム内の所与の画素が、ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、流された溶液のpHにおけるステップ変化に応答して生成される信号サンプルの特性に基づいて、検電画像データを、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む、方法である。
【0187】
実施例A2は、実施例A1の主題を含み、各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、フレームの画素のサブセットを備える、ことを更に規定する。
【0188】
実施例A3は、実施例A1の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0189】
実施例A4は、実施例A3の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することと、ピークツーピーク画像内の各画素値から平均値を減算して、差分画像を形成することと、差分画像内の各画素の絶対値を計算することと、を更に含む、ことを更に規定する。
【0190】
実施例A5は、実施例A2の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0191】
実施例A6は、実施例A5の主題を含み、セグメント化するステップが、CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含み、ぼかし関数は、CellFind画像にローパスフィルタを適用することを更に含む、ことを更に規定する。
【0192】
実施例A7は、実施例A6の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0193】
実施例A8は、実施例A7の主題を含み、セグメント化するステップが、粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0194】
実施例A9は、実施例A8の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0195】
実施例A10は、実施例A9の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することと、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することと、を更に含む、ことを更に規定する。
【0196】
実施例A11は、ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するためのシステムであって、プロセッサと、プロセッサと通信可能に接続されたデータストアとを備え、プロセッサは、命令を実行するように構成され、命令は、プロセッサによって実行されるときに、システムに、取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、検電画像データは、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことに応答して生成され、ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された溶液のpHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成し、各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたChemFETセンサアレイによって生成された複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、フレーム内の所与の画素が、ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、流された溶液のpHにおけるステップ変化に応答して生成される信号サンプルの特性に基づいて、検電画像データを、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む方法を行わせる、システムである。
【0197】
実施例A12は、実施例A11の主題を含み、各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、フレームの画素のサブセットを備える、ことを更に規定する。
【0198】
実施例A13は、実施例A11の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0199】
実施例A14は、実施例A13の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することと、ピークツーピーク画像内の各画素値から平均値を減算して、差分画像を形成することと、差分画像内の各画素の絶対値を計算することと、を更に含む、ことを更に規定する。
【0200】
実施例A15は、実施例A12の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0201】
実施例A16は、実施例A15の主題を含み、セグメント化するステップが、CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含み、ぼかし関数は、CellFind画像にローパスフィルタを適用することを更に含む、ことを更に規定する。
【0202】
実施例A17は、実施例A16の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0203】
実施例A18は、実施例A17の主題を含み、セグメント化するステップが、粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0204】
実施例A19は、実施例A18の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0205】
実施例A20は、実施例A19の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することと、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクのための細胞領域及び背景領域を判定することと、を更に含む、ことを更に規定する。
【0206】
実施例A21は、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、ChemFETセンサアレイデバイスのセンサアレイ表面上に配設された細胞を分析するための方法を行わせる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であり、方法は、取得時間間隔中に検電画像データの複数のフレームを取得することであって、検電画像データは、センサアレイ表面にわたってpHのステップ変化を有する溶液を流すことに応答して生成され、ChemFETセンサアレイの複数のChemFETセンサが、流された溶液のpHのステップ変化に応答して、複数の信号を生成して、検電画像データを生成し、各フレームが、取得時間間隔中のサンプリング時間において測定されたChemFETセンサアレイによって生成された複数の信号の信号サンプルに対応し、各フレームが、複数の画素を含み、フレーム内の所与の画素が、ChemFETセンサアレイ内の所与のセンサからの信号サンプルに対応する、取得することと、流された溶液のpHにおけるステップ変化に応答して生成される信号サンプルの特性に基づいて、検電画像データを、センサアレイ表面上の細胞の場所に対応する1つ以上の細胞領域と、細胞を有しないセンサアレイ上のエリアに対応する1つ以上の背景領域と、にセグメント化することと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体である。
【0207】
実施例A22は、実施例A21の主題を含み、各フレームが、複数のタイルを備え、各タイルが、フレームの画素のサブセットを備える、ことを更に規定する。
【0208】
実施例A23は、実施例A21の主題を含み、セグメント化するステップが、取得時間間隔中に、各画素場所について、最大画素値から最小画素値を減算して、ピークツーピーク画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0209】
実施例A24は、実施例A23の主題を含み、セグメント化するステップが、ピークツーピーク画像内の画素の平均値を計算することと、ピークツーピーク画像内の各画素値から平均値を減算して、差分画像を形成することと、差分画像内の各画素の絶対値を計算することと、を更に含む、ことを更に規定する。
【0210】
実施例A25は、実施例A22の主題を含み、セグメント化するステップが、タイルの各画素に対応する信号サンプルの特性に基づいて、特徴値を判定して、CellFind画像を形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0211】
実施例A26は、実施例A25の主題を含み、セグメント化するステップが、CellFind画像にぼかし関数を適用して、ぼかしCellFind画像を形成することを更に含み、ぼかし関数は、CellFind画像にローパスフィルタを適用することを更に含む、ことを更に規定する。
【0212】
実施例A27は、実施例A26の主題を含み、セグメント化するステップが、ぼかしCellFind画像の画素に閾値を適用して、粗い細胞マスクを生成することを更に含み、閾値以上の画素値には、1の値が割り当てられ、閾値未満の画素値には、0の値が割り当てられる、ことを更に規定する。
【0213】
実施例A28は、実施例A27の主題を含み、セグメント化するステップが、粗い細胞マスクをフィルタリングして、関心対象のサイズを有する粗い細胞マスクの特徴を選択して、フィルタリングされた細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0214】
実施例A29は、実施例A28の主題を含み、セグメント化するステップが、フィルタリングされた細胞マスクの選択された特徴に分水界アルゴリズムを適用して、フィルタリングされた細胞マスクの画素を1つ以上の初期細胞領域及び1つ以上の初期背景領域に分類して、細胞マスクを形成することを更に含む、ことを更に規定する。
【0215】
実施例A30は、実施例A29の主題を含み、セグメント化するステップが、細胞マスク内の最も近いサブ領域について細胞平均時系列と細胞及び背景時系列との間で計算されたピアソン差に基づいて細胞マスクを検証することと、ピアソン差をクラスタ化して、最終的な細胞マスクについて細胞領域及び背景領域を判定することと、を更に含む、ことを更に規定する。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
【国際調査報告】