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特表2024-542956ビデオウォールディスプレイの軸外色補正を提供する発光アレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ビデオウォールディスプレイの軸外色補正を提供する発光アレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20241112BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20241112BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241112BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241112BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20241112BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20241112BHJP
   H01L 33/52 20100101ALI20241112BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 50/125 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20241112BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/40 301
G09F9/30 309
G09F9/00 338
G09F9/30 365
G09F9/33
H01L33/48
H01L33/52
H10K59/35 553
H10K59/121
H10K59/35 351
H10K50/125
H10K59/95
H10K77/10
H10K59/35 452
H10K50/844
H10K71/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523619
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 US2022047342
(87)【国際公開番号】W WO2023069664
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/270,553
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522402450
【氏名又は名称】エイチツーヴィアール ホールドコ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】H2VR HoldCo,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ホックマン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC09
3K107CC33
3K107CC41
3K107DD11
3K107EE06
3K107EE07
3K107EE46
3K107FF15
3K107GG28
5C094AA12
5C094BA25
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA20
5C094DA01
5C094DA04
5C094DA07
5C094DA13
5C094ED01
5C094FA01
5C094FA02
5C094JA01
5C094JA08
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CG03
5F142CG23
5G435AA04
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435KK05
(57)【要約】
【解決手段】 開示される実施形態は、異なる色順序、色配向または色配列を用いることなどによって、隣接する画素群が互いに対して配置される色画素群の発光アレイを提供する。その結果、発光体の大きな群が特定の視野角から同時に観察されるときに、軸外色歪みが多くの視野角の間でより分散されて低減されるか、またはさらには除去される。これは、ビデオディスプレイウォールに関して人間の視聴者および画像取込装置の両方にとって1つの一般的な視聴法性である。実施形態は、表面実装装置(SMD)として形成されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発光画素のアレイを備え、
前記アレイの各画素は、同じ複数の異色の発光体を含み、
前記アレイの各画素の前記異色の発光体は、前記アレイの少なくとも2つの隣接する画素内の前記異色の発光体に対して異なる順序、異なる配向、または異なる配列のうちの少なくとも1つで配置される
発光装置。
【請求項2】
各画素内の異色の発光体それぞれが非白色発光体である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記画素のアレイは、白色発光体を含む画素と、複数の非白色発光体を含む画素とを含み含有し、
各画素は白色発光体を有することを含み、白色発光体は、白色発光体を有する前記アレイ内の4つ以下の他の画素に隣接する
請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記異色の発光体は、前記少なくとも2つの隣接する画素において異なる順序で配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記異色の発光体は、前記少なくとも2つの隣接する画素において異なる配向で配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記異色の発光体は、前記少なくとも2つの隣接する画素において異なる配列で配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記アレイは、表面実装装置(SMD)として形成される自己発光画素のマイクロアレイを備える、前出の請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
少なくとも2つの前記画素は、それぞれ、前記1つの白色発光体を含み、少なくとも2つの前記画素は、それぞれ、一組の部分画素を形成する多色発光体を含む、請求項3から7のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
マイクロアレイ基板をさらに備え、前記各発光体が前記マイクロアレイ基板上に表面実装されている、請求項7または請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記多色発光体のそれぞれが直接接合されるマイクロアレイ基板と、白色発光体が直接接合される白色発光体基板とをさらに備え、前記白色発光体基板は、前記マイクロアレイ基板に直接接合されている、請求項7または請求項8に記載の発光装置。
【請求項11】
前記白色発光体は白色LEDを含み、前記多色発光体は赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDの組合せを含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
特定の視野角からの軸外色歪みを低減する表面実装装置として構成される発光装置であって、前記発光装置は、2×2画素のマイクロアレイを備え、1つの行は、赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDの順序から形成される第1画素と、単一の白色LEDから形成される第2画素とからなり、別の行は、単一の白色LEDから形成される第1画素と、青色LED、緑色LEDおよび赤色LEDの順序から形成される第2画素とからなる、発光装置。
【請求項13】
前記各画素は、少なくとも実質的に等しい全高および全幅を有する、請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
各画素の全高および全幅は、前記アレイ内の他の各画素の全高および全幅の約1%~20%だけ変化する、請求項7から12のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項15】
各画素の全高および全幅は、前記マイクロアレイ内の他の各画素の全高および全幅の約5%~10%だけ変化する、請求項14に記載の発光装置。
【請求項16】
アレイ基板上に実装される発光体またはLEDの上に光透過性封止層をさらに備える、前出の請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項17】
請求項7から16のいずれか一項に記載の発光表面実装装置のアレイを備える、発光タイル。
【請求項18】
ビデオウォールディスプレイの軸外色補正を提供する発光アレイであって、2×2アレイに配置される少なくとも4つの画素群を有するSMDを備え、垂直方向に隣接する画素群および水平方向に隣接する画素群は、互いに対して相対的に異なるように位置決めされる複数の個々の発光体を備え、前記個々の発光体の軸外色歪みが複数の視野角の間で分散されて、発光ディスプレイの累積軸外色歪みを低減または排除する、発光アレイ。
【請求項19】
タイルアレイに形成される請求項18に記載の複数の発光アレイを備え、前記タイルアレイは、前記ビデオディスプレイタイルが特定の視野角で見られるときに、低減された又は除去された色歪みを提供するように構成される、低減された軸外色歪みを有する、ビデオディスプレイタイル。
【請求項20】
2つの異なる画素配列で複数の多色画素を構成することと、
マイクロアレイの前記多色画素をマイクロアレイ基板に表面実装することとを備え、
各多色画素は複数の異色の発光体を備え、異なる画素配列それぞれは、発光体色順序、色発光体配向または色発光体配置のうちの少なくとも1つによって他の画素配列と異なり、全高および全幅を有し、
各多色画素は、その水平に隣接する多色画素および垂直に隣接する多色画素とは異なる画素配列を有する、発光装置の製造方法。
【請求項21】
複数の白色発光体を構成することと、
前記白色発光体を、前記多色画素に隣接して前記マイクロアレイ基板に表面実装して、多色画素および白色画素のマイクロアレイを交互に形成することとをさらに備える、
請求項20に記載の発光装置の製造方法。
【請求項22】
前記白色発光体を表面実装することは、最初に、前記白色発光体を個々の基板に表面実装することと、その後に前記白色発光体を有する前記個々の基板を別個に前記マイクロアレイ基板上に表面実装することとを含む、請求項21に記載の発光装置の製造方法。
【請求項23】
前記発光体を前記マイクロアレイ基板に表面実装した後に、前記発光体を光透過性保護層内に封止することをさらに含む、請求項20から22のいずれか一項に記載の発発光装置の製造方法。
【請求項24】
前記発光体は、前記マイクロアレイが5mm×5mm以下の大きさであるように構成される、請求項20から23のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項25】
前記多色画素それぞれは、全高および全幅を有し、
前記白色発光体それぞれは、前記多色画素それぞれの高さおよび幅と実質的に同じ全高および全幅を有する
請求項21から24のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項26】
前記発光体は、LED、OLED、PLED、AMOLED、LCD、またはLECのうちの少なくとも1つを含む、前出の請求項のいずれか一項に記載の発光装置または発光装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年10月21日に出願された「ビデオウォールディスプレイの動的画像取込用の軸外色補正を提供する表面実装装置」という名称の米国仮特許出願第63/270,553号の優先権を主張するものである。また、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、LEDディスプレイ装置の分野に関する。特に、本開示は、ビデオウォールディスプレイの軸外色補正を提供する発光アレイを対象とし、より具体的には、いくつかの実施形態において、発光アレイは、表面実装装置(SMD)として構成されてもよい。
【背景技術】
【0003】
LEDディスプレイタイルのアレイからなり、動画を表示するビデオウォールは、映画セットおよび放送ビデオシーンの背景として用いられる頻度が増加している。一例として、映画セットでは、俳優は、CGI技術によって後で追加される背景を有する緑のスクリーンの前で演技する代わりに、所望の背景シーンを動的に表示するビデオウォールの前で演技し、次いで、所望の背景シーンがカメラによって俳優と共に取り込まれる。別の例では、放送ビデオの場合、ニュース放送において、発表者がビデオウォールの前に位置し、ビデオカメラは発表者と、発表者の背後のビデオウォールに表示された画像の両方を取り込む。この技術を用いて、シーンを取り込むカメラは、ビデオウォールの前の実写または演技だけでなく、実写の後ろのビデオウォール上に同時に表示される画像も取り込んでいる。したがって、ビデオウォール上の表示は、カメラによって取り込まれるシーンの動きで変動する部分である。ビデオカメラは、実際には、ビデオディスプレイウォール上に表示されたシーンを取り込んでいるため、ビデオカメラによって取り込まれる画像は、取り込まれた画像の品質に悪影響を及ぼすことになるアーティファクトまたは他の歪みを伴って現れないようにするために克服すべきいくつかの課題がある。
【0004】
克服すべき1つの問題は、カメラが、LED画素のアレイによって生成される画像を様々な視野角で取り込むときに生じる色の歪みまたはバラツキである。LEDタイルは、垂直方向から軸を外して見たときに異なる色性能を有する。これは、画素構造の物理的特性に加えて、ダイオード配置によるものである。いくつかの画素は、垂直線に配置されるRGB部分画素色成分を有し、他の画素は三角形に配置され得る。部分画素色成分の内部配置は、特に部品がますます小型化されるにつれて、電子的制約または製造上の制約により製造業者ごとに異なる。単一画素の不均一性に加えて、複数のLEDが回路基板上に配置されてディスプレイパネルを構成する場合、隣接する画素の物理的構造が互いを遮蔽し、画素の特定の部分が完全に見えることを妨げるおそれがある。これらの変動の全ては、異なる視野角で異なる外観をもたらす。その変動は、視野角に応じて、図16(出願時の色画像)に示されるように、軽微なものから劇的なものであり得る。
【0005】
異なる角度から見る際のディスプレイの均一性の欠如は、視野角に関わらず「同じ」色または陰影のままでなければならない明暗のない白視野、または、企業ロゴなどの重要なコンテンツにとっては、非常に魅力的でないおそれがある。標準色または所望の色(この場合、D65光源を提示する何もないスクリーン)からの変動量は、垂直視野角(位置2)からの変動量に基づいて変動し得る。図16は、位置1、2および3の間に示される唯一の変動が水平軸に沿っているという点で、簡略化された描写を提示することに留意されたい。同じタイプの色変動は、視野角がディスプレイ中心線の上または下の垂直方向にずれるときに同じように生じる。位置1、2、3に関して示された詳細は、各位置における固定視野にわたる視野も表す。これらの簡略化された印刷された図では、変動が大きく見えない場合があるが、実際には、ディスプレイウォールが複雑な色変動および動きを有する画像を示すとき、色の歪みは、LEDタイルおよびビデオウォールの物理的構成に依存して、特定の視野角で非常に劇的であり得る。
【0006】
上述の色歪みの要因は、発光体自体の内部に小さなパターンが存在することである。これらの内部パターンは、ボンディングパッドおよび電極などの発光体の内部構成要素によって生成される。その結果、発光体からの光の分散が完全に均一でない場合、軸から外れて歪む。色歪みに対処しようとする際の別の技術的課題は、現在の高解像度スクリーンでは、PCBの経路設定が極めて困難であり、時間がかかるという事実である。これは、軸外色歪みを低減することができる代替の発光体配置に対する大きな技術的障壁である。例えば、現在の高解像度スクリーンは、典型的には、非常に規則的なグリッドおよび繰り返しパターンで配置される発光体を有する。最も一般的に見られるのは、赤色発光体の均一な行、続いて緑色発光体の均一な行、次いで青色発光体の均一な行である。このパターンは、典型的には、ディスプレイ表面全体にわたって繰り返される。この規則的な繰り返し配列を従来の製造技術で変更することは、ドライバチップ、電力レールなどへの適切な接続を行うために、PCBに多大な技術的課題、複雑さおよびコストを加えることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
取込画像におけるそのような軸外色歪みを補正するための1つの可能な解決策は、2021年10月21日に出願された「ビデオウォールディスプレイの動画取込における軸外色補正」と題された、本出願人の同時係属中のPCT出願第PCT/US21/56123号に説明されている。このPCT出願は、参照することによって本明細書に組み込まれる。この組み込まれた係属中の出願に記載された解決策は、表示された画像における色の歪みを低減または除去するために、ディスプレイ表面上のカメラ視野領域にソフトウェア実装色補正層を適用することを含む。
【0008】
別の解決策は、画像取込時の色補正の必要性を回避または最小化するように構成されるSMD装置の形態で本開示において提供される。本発明の解決策は、非線形の行パターンに配置される発光体の使用から従来の装置において生じる技術的な課題にも対処し、これを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実装形態では、本開示は、自己発光画素のアレイを含む発光装置を対象とする。ここで、アレイの各画素は、同じ複数の異色の発光体を備える。アレイの各画素の異色の発光体は、アレイの少なくとも2つの隣接する画素内の異色の発光体に対して異なる順序、異なる配向または異なる配列のうちの少なくとも1つで配置される。
【0010】
別の実施態様では、本開示は、特定の視野角からの軸外色歪みを低減する表面実装装置として構成された発光装置を対象とする。この装置は、2×2画素のマイクロアレイを含み、1つの行は、赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDの順序から形成される第1の画素と、単一の白色LEDから形成される第2の画素とからなり、別の行は、単一の白色LEDから形成される第1の画素と、青色LED、緑色LEDおよび赤色LEDの順序から形成される第2の画素とからなる。
【0011】
さらに別の実施態様では、本開示は、ビデオウォールディスプレイの軸外色補正を提供する発光アレイを対象とする。この発光アレイは、2×2アレイに配置される少なくとも4つの画素群を有するSMDを含む。ここで、垂直方向に隣接する画素群および水平方向に隣接する画素群は、互いに対して相対的に異なるように位置決めされた複数の個々の発光体を備える。それによって、個々の発光体の軸外色歪みが複数の視野角の間で分散されて、発光ディスプレイの累積軸外色歪みが低減または除去される。
【0012】
さらに別の実施態様では、本開示は、発光装置を作製する方法を対象とする。この方法は、2つの異なる画素配列で複数の多色画素を構成することと、マイクロアレイの前記多色画素をマイクロアレイ基板に表面実装することとを備える。各多色画素は複数の異色の発光体を備える。異なる画素配列それぞれは、発光体色順序、色発光体配向または色発光体配置のうちの少なくとも1つによって他の画素配列と異なり、全高および全幅を有する。各多色画素は、その水平に隣接する多色画素および垂直に隣接する多色画素とは異なる画素配列を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示を例示する目的で、図面は、本開示の1つまたは複数の実施形態の態様を示す。しかしながら、本開示は、図面に示される正確な配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【0014】
図1】本開示によるLEDマイクロアレイの第1実施形態の概略図である。
図2】本開示によるLEDマイクロアレイの第2実施形態の概略図である。
図3】本開示によるLEDマイクロアレイの第3実施形態の概略図である。
図4】本開示によるLEDマイクロアレイの第4実施形態の概略図である。
図5図1に示されるマイクロアレイの実施形態を利用するLEDディスプレイタイルの一部の概略図である。
図6】本開示によるLEDマイクロアレイの第5実施形態の概略図である。
図7】本開示によるLEDマイクロアレイの第6実施形態の概略図である。
図8図6に示されるようなマイクロアレイの実施形態を利用するLEDディスプレイタイルの一部の概略図である。
図9】本開示の実施形態に係るLEDタイルの部分的な概略平面図である。
図10】本開示の実施形態によるマイクロアレイの概略平面図である。
図11】本開示の実施形態によるマイクロアレイの概略断面図である。
図12】本開示の別の実施形態によるマイクロアレイの概略断面図である。
図13】本開示の実施形態に適用されるような平均的な成人の視力を示す図である。
図14】本明細書に開示されるようなマイクロアレイから作製されるタイルを利用する、本開示によるLEDディスプレイの正面図である。
図15】従来のLEDタイルの一例の部分概略平面図である。
図16】LEDビデオウォールの軸外観察から生じ得る色歪みの簡略化例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に開示される実施形態は、交互に配置されるRGB(N)(赤/緑/青/(他の可能な色)またはRGB(N)+W(赤/緑/青/(他の可能な色)+白)画素のマイクロアレイで構成される表面実装装置(SMD)を用いて、上述の問題に対する軸外色補正解決策を提供するとともに、以下に説明するような他のSMD特徴および利点を提供する。本開示の実施形態は、発光体のマイクロアレイを利用する。ここで、発光体は、マイクロアレイで構成されるタイルから成るディスプレイウォール上に示される画像が、画像取込装置を用いて種々の角度で取り込まれるとき、軸外色歪みを最小限にするかまたは排除するようなパターンで配置される。個々のマイクロアレイ102A~Fの様々な実施形態の詳細が図1~4、6および7に示されている。以下の説明では、全ての実施形態に共通する特徴または構成に関して、マイクロアレイ102A~Fの全てを集合的に指すために、参照番号102が用いられることに留意されたい。
【0016】
図1に示されるように、マイクロアレイ基板104は、12個のLEDをその上に実装している。12個のLEDは、4つの画素を形成する。言い換えると、12個のLEDは、単一のマイクロアレイ102Aを構成する2×2画素アレイを形成する。この例では、各画素は、赤色LED110、緑色LED112、および青色LED114をそれぞれ1つずつ含む。しかしながら、それらの画素は、広範囲の画像取込/視野角からより均一な色特性を提供するために、示されるように異なる順序で配置される異色のLEDで形成される。図2図3、および図4は、マイクロアレイ102B、102Cおよび102Dが、実質的にマイクロアレイ102Aとして製造されるが、より知覚されにくいパターンで不均一な色特性を分散させるために、発光体がディスプレイ表面にわたって互いに対して複数の角度方向に位置決めされるように、異色のLED110、112および114の異なる配置を有する代替実施形態を示している。例えば、異なる配向が図2に示されており、異なる配列が図3に示されており、異なる順序が図4に示されている。
【0017】
上述のように、従来のLEDベースのディスプレイ装置では、内部構成要素が、軸外色歪みを引き起こす発光の不均一な分散をもたらす。このために色歪みがあるだけでなく、色歪みは、赤色、緑色および青色の発光体のそれぞれについて異なるおそれがあり、潜在的な解決策をさらに複雑にしている。したがって、本開示の実施形態では、発光体毎の軸外色歪みの事実は受け入れられ、完全に均一な発光体を個々に作製する試みは行われない。その代わりに、本開示は、発光体の大きな群が特定の視角から(人間の視聴者および画像捕捉装置の両方にとって典型的な観察モダリティであるように)同時に観察されるときに、軸外色歪みが多くの視角の間でより分散されて低減されるか又はさらには除去されるように異なる色順序、色配向または色配列を用いることなどによって、隣接する画素群を互いに対して配置する。互いに異なる相対角度で個々の発光体の数を増加させることにより、軸外色歪みがさらに低減するが、発光体、または、発光体の小さな群の2つまたは4つを相対回転させるだけで、個々の発光体の歪みを「混合」して、低減または排除された色歪みの形態で改善された結果を達成するのに十分であることが決定された。例えば、RGB/BGRをチェッカー盤状にばたつかせることによって、その配置は、発光体がさらに90度回転されてばたつかせられるその上のピンホイール配置を有する満足のいく水平および垂直の外観を提供することができ、軸外視野角における色歪みまたは歪みの除去について優れた結果が達成される。
【0018】
再び図1を参照して、画素または画素群の互いの相対位置を説明することができる。図1に示される実施形態では、各画素または画素群は、121、122、123および124と符号付けされた破線の角枠によって識別される。各画素または画素群は、それぞれ、異なる順序で配置される赤色LED、緑色LEDおよび青色LED110、112および114から構成されている。図に示されるように、画素群123は、隣接画素群として、水平隣接画素群122と、垂直隣接画素群124と、斜め隣接画素群121とを有する。本明細書に開示される様々な代替実施形態では、画素のアレイは、この同じ方法で配置される画素群(または単一の白画素)を有する。したがって、水平に隣接する、垂直に隣接する及び斜めに隣接するという用語の意味は、この段落で定義されるように、全体を通して用いられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、各LED110、112、114は、基板104に直接接合される。本明細書に開示されるように、マイクロアレイ102を単一のパッケージに事前にパッケージ化することは、ピック・アンド・プレース時間を低減し、複雑な画素配列を達成するように複雑なプリント回路基板(PCB)設計を簡略化することによって、製造においてさらなる利点を提供するが、均一に配置および接続され得る、標準的にフォーマットされたマイクロアレイを伴う。
【0020】
図5は、本開示の一実施形態によるタイル106Aの一部を示している。タイル106Aは、適切な一次タイル基板108上に搭載されるマイクロアレイ102のアレイを備える。一次タイル基板108は、例えば、プリント回路基板(PCB)または他の適切な基板であり得る。一次タイル基板108に適する基板の例には、FR4などの標準的なPCB材料、フレキシブル回路材料もしくは箔、導電性布帛、導電性ガラス、または金属回路基板が含まれる。タイル106Aは、特定の用途の所望のタイル寸法を形成する必要に応じてX方向およびY方向に延在してもよい。例えば、タイル寸法は、マイクロアレイ102の10×10アレイ、または100×100アレイ、またはその間のアレイ、より小さいアレイ、もしくはより大きいアレイを含んでもよい。より大きなタイルアレイの端に位置するマイクロアレイ102について、タイル基板108の端までの間隔は、複数のタイル106Aがビデオパネルを形成するために隣接される場合に視覚的に連続した外観を提供するように、隣接するマイクロアレイ102間の間隔の半分であることに留意されたい。
【0021】
さらなる代替実施形態では、図6および7に示されるように、マイクロアレイ基板104は、その上に、4つの画素を形成する8つのLEDを搭載している。言い換えれば、マイクロアレイ基板104は、単一のマイクロアレイ102Eまたは102Fを構成する2×2画素アレイを形成している。これらの例では、2つの画素は、赤色LED110、緑色LED112、青色LED114の各々を1つずつ含む。また、2つの画素は、単一の白色LED116を含む。上述の実施形態と同様に、マイクロアレイ102Eおよび102Fは、図6および図7に示されるように、異なる順序で配置される異色の画素で形成されており、広範囲の画像取込/視野角からより均一な色特性を提供する。図6および図7は、マイクロアレイ102Eおよび102Fが実質的に同じように製造されるが、異色のLED110、112および114の異なる配向が、再び、上述のように、ばたつかれて回転された配向で配置される代替の実施形態を示す。
【0022】
図6および図7に示される実施形態に関して、各LED110、112、114および116は、基板104に直接接合されてもよい。別の実施形態では、RGB LED110、112および114は、基板104に直接接合されるが、W LED116は、別個の基板上に形成されてから基板104に接合される。例えば、W LED116は、それ自体が、以下に説明するように適切な寸法の白色照明領域を提供するためにW LED 116の指定領域の全体または実質的に全体を覆う蛍光体などの照明物質を励起するための小さな青色発光体(ダイ)を有するSMDパッケージとして形成されてもよい。さらに別の実施形態では、RGB LED110、112および114は、それ自体が別個の基板に表面実装されてから基板104に接合される。別個の基板は、FR4材料または同様のものから作られた標準的なPCB自体を含むことができ、または、サファイア、ケイ素、炭化ケイ素もしくは窒化ガリウムなどのウェハ基板材料とすることができる。当該技術分野において一般的に知られているように、本明細書に記載される基板は、例えば、セラミック層、金属相互接続層、ならびに、熱パッドおよび陰極などの要素を含む下層を含む複数の層を含んでもよい。
【0023】
本明細書に開示される実施形態の別の利点では、マイクロアレイ102は、LEDを覆う光透過性封止層で個々に封止されてもよい。封止層の材料の例としては、シリコーンもしくはエポキシ樹脂/ポッティング化合物、またはパリレン、パラキシレン、アクリル、シリコーン、ポリウレタンもしくはラッカーなどの絶縁保護コーティングが挙げられる。さらに、レンズ、例えばエポキシレンズまたはシリコーンレンズは、マイクロアレイ全体上に、または、個々のもしくは複数の群の発光体上に任意に配置されてもよい。
【0024】
本明細書に記載される実施形態は、特定の用途に最も適し得るような異なるタイプの表面実装パッケージングに容易に適合する。例えば、本明細書に開示される実施形態は、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ、クワッドフラットノーリード(QFN)パッケージなどの様々なタイプのフラットノーリードパッケージ、または、プラスチックリードチップキャリア(PLCC)パッケージなどの様々なチップキャリアパッケージとして提供され得る。
【0025】
本明細書に開示される実施形態の1つの特徴は、白色LED116の寸法、すなわち全体の外形(高さおよび幅)寸法が、全ての照明条件において滑らかで一貫した視覚的外観を提供するように、RGB LED110、112および114を合わせた寸法(高さおよび幅の組み合わせ)と少なくとも実質的に同じであることである。これは、様々な実施形態において前記多色画素の合算高さおよび合算幅と、白色画素の高さおよび幅とが、同一でない場合、互いに約1%~約20%だけ異なる(±0%以内は寸法が同一である)ことを意味する。(±0%以内は寸法的に同一である。)いくつかの実施形態では、多色画素の合算高さおよび合算幅は、白色画素の高さおよび幅の約5%~約10%である。
【0026】
マイクロアレイ102の間隔および寸法は、視聴者の視力に基づくことができる。成人の典型的な視力は、1分角の寸法、または、1度当たり約2画素である。一般に、マイクロアレイの寸法は、視聴者がマイクロアレイの境界を知覚しないように選択されるべきである。マイクロアレイ102の寸法を決定する際に考慮すべきパラメータは、耐久性および堅牢性の改善をもたらすのに十分な大きさであるが、PCB上のアレイに対する修理可能性に十分な小ささであるアレイ寸法を含む。
【0027】
視聴者とディスプレイとの間の距離は、理想的なアレイ寸法と直接的な相関関係を有するが、一般的には、画素ピッチもこの距離に基づいて選択される。一例では、100×100画素アレイは、本開示に従って、2×2アレイほどの小ささおよび16×16アレイほどの大きさの部分画素および画素を有するマイクロアレイ102のアレイを用いて形成され得る。その結果、マイクロアレイ寸法は、5mm×5mmを超える必要性がなくなる。2×2のマイクロアレイの場合、SMDの設置面積は、単一のRGB SMD画素よりも4倍広いが、それでも、商業的に不合理になることなくアレイを修理するために交換することができるほど十分に小さい。また、それは、視聴者が非常に大きなアレイの物理的パターンまたは分割を見ることができない程度に、視力内にあるほど十分に小さい(言い換えれば、非常に大きなディスプレイの前面の「質感」は均一に見える)。
【0028】
一例では、マイクロアレイ102の寸法は、約5mm以下×5mm以下であってもよい。5×5mmのマイクロアレイでは、個々の画素寸法は、いくつかの実施形態では、約2×2mm~約2.4×2.4mmの範囲内であり得る。例示的な例として、白色LED116は、6504ケルビンまたは2700ケルビンLEDを備え得る。本明細書に開示される実施形態のさらなる特徴は、各マイクロアレイ102が個々に封止され得ることである。したがって、1つのマイクロアレイ上でLEDが故障した場合、その特定のマイクロアレイのみを交換する必要がある。交換されたマイクロアレイは、封止層の任意の変動がマイクロアレイのそれぞれの内部にあるため、既存のマイクロアレイとより均一な外観を提供する。また、単一のLEDが故障した場合、単一のマイクロアレイ、例えば、一実施形態ではちょうど8つのLEDの交換のみを必要とし、従来の設計と比較して、はるかに効率が高く、廃棄物がより少なくなる。
【0029】
図8は、本開示の一実施形態によるタイル106Bの一部を示している。タイル106Bは、適切な一次タイル基板108上に実装されるマイクロアレイ102Eのアレイを備える。なお、適切な一次タイル基板108は、例えば、プリント回路基板(PCB)または他の適切な基板であり得る。一次タイル基板108に適した基板の例には、FR4などの標準的なPCB材料、フレキシブル回路材料もしくは箔、導電性布帛、導電性ガラス、または金属回路基板が含まれる。タイル106Bは、特定の用途の所望のタイル寸法を形成する必要に応じてX方向およびY方向に延在し得る。例えば、タイル寸法は、マイクロアレイ102の10×10アレイ、または100×100アレイ、またはその間の寸法、より小さい寸法、もしくはより大きい寸法の任意の寸法を含んでもよい。より大きなタイルアレイ106Bの端に位置決めされたマイクロアレイ102Eについて、タイル基板108の端までの間隔は、複数のタイルが当接してビデオパネルを形成するときに視覚的に連続した外観を提供するように、隣接する複数のマイクロアレイ102Eの間隔の半分であろうことに留意されたい。
【0030】
図9図14は、ビデオディスプレイにおいて軸外色補正を提供する発光装置に組み込まれ得るさらなるSMD関連特徴部を示している。例えば、図9は、本開示の一実施形態によるタイル200の一部を示している。このタイル200の一部は、適切な一次タイル基板204上に実装されるマイクロアレイ202のアレイを備える。適切な一次タイル基板204は、例えば、プリント回路基板(PCB)または他の適切な基板であり得る。一次タイル基板204に適した基板の例には、FR4などの標準的なPCB材料、フレキシブル回路材料もしくは箔、導電性布帛、導電性ガラス、または金属回路基板が含まれる。タイル基板204の端に沿って矢印XおよびYで示されるように、タイル200は、特定の用途の所望のタイル寸法を形成する必要に応じて各X、Y方向に延在してもよい。例えば、タイル寸法は、マイクロアレイ202の10×10アレイ、または100×100アレイ、またはその間の寸法、より小さい寸法、もしくはより大きい寸法の任意の寸法を含んでもよい。より大きなタイルアレイ200の端に位置するマイクロアレイ202について、タイル基板204の端までの間隔は、隣接する複数のマイクロアレイ202の間隔の半分であり、複数のタイル200がビデオパネルを形成するために当接される場合、視覚的に連続した外観を提供する。さらなる間隔の考慮事項は、以下で説明される。
【0031】
個々のSMDマイクロアレイ202の実施形態の詳細が、図10、11、および12に示されている。図10に示されるように、マイクロアレイ基板206は、その上に、4つの画素を形成する8つのLED、言い換えると、単一のマイクロアレイ202を構成する2×2画素アレイを形成する8つのLEDを搭載している。この例では、2つの画素は、赤色LED210、緑色LED212、青色LED214を1つずつ含み、2つの画素は、単一の白色LED216を含む。一実施形態では、各LED210、212、214および216は、図11に示されるように、基板206に直接接合されている。別の実施形態では、RGB LED210、212および214は、基板206に直接接合されるが、W LED216は、図12に示されように、別個の基板220上に形成されてから基板206に接合される。例えば、W LED216は、それ自体、蛍光体のような照明物質を励起するための小さな青色発光体(ダイ)を有するSMDパッケージとして形成されてもよい。なお、このW LED216は、以下に説明するように、適切な寸法の白色照明領域を提供するために、LED216の指定領域の全体または実質的に全体を覆う。さらに別の実施形態では、RGB LED210、212および214は、それ自体が別個の基板に表面実装されてから基板206に接合される。基板206は、FR4材料または同様のものから作製される標準的なPCB自体を含むこともできれば、サファイア、ケイ素、炭化ケイ素、または窒化ガリウムなどのウェハ基板材料とすることもできる。この技術分野において一般に知られているように、基板206は、例えば、セラミック層222、金属相互接続層224、ならびに、熱パッドおよび陰極のような要素を含む下層226を含む複数の層を含むことができる。
【0032】
本明細書に開示される実施形態の別の利点では、マイクロアレイは、図11に示されるように、LEDを覆う光透過性保護封止層228で個々に封止されてもよい。封止層228の材料の例としては、シリコーンもしくはエポキシ樹脂/ポッティング化合物、またはパリレン、パラキシレン、アクリル、シリコーン、ポリウレタンもしくはラッカーなどの絶縁保護コーティングが挙げられる。さらに、レンズ230、例えばエポキシレンズまたはシリコーンレンズは、図12に示されるように、マイクロアレイ全体の上に、または個々のもしくは一群の発光体の上に任意に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、封止層228は、レンズ230と共に用いられてもよい。
【0033】
本明細書に記載される実施形態は、特定の用途に最も適し得るような異なるタイプの表面実装パッケージングに容易に適合する。例えば、本明細書に開示される実施形態は、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ、クワッドフラットノーリード(QFN)パッケージなどの様々なタイプのフラットノーリードパッケージ、または、プラスチックリードチップキャリア(PLCC)パッケージなどの様々なチップキャリアパッケージとして提供され得る。
【0034】
本明細書に開示される実施形態の1つの特徴は、白色LED216の寸法すなわち全体の外形(高さおよび幅)寸法が、全ての照明条件において滑らかで一貫した視覚的外観を提供するように、RGB LED210、212および214を合わせた寸法(合算高さおよび合算幅)と少なくとも実質的に同じであることである。これは、様々な実施形態において、多色画素の合算高さと合算幅と、白色画素の高さと幅とが、同一でない場合、約1%~約20%だけ互いに異なることを意味する。(±0%以内は寸法が同一である)。いくつかの実施形態では、多色画素の合算高さおよび合算幅は、白色画素の高さおよび幅の約5%~約10%である。
【0035】
マイクロアレイ202の間隔および寸法は、視聴者の視力に基づくことができる。成人の典型的な視力は、図13に示されるように、1分角の寸法、すなわち、1度当たり約2画素である。一般に、マイクロアレイの寸法は、視聴者がマイクロアレイの境界を知覚しないように選択されるべきである。マイクロアレイ202の寸法を決定する際に考慮すべきパラメータは、耐久性および堅牢性の改善をもたらすのに十分な大きさであるが、PCB上のアレイに対する修理可能性に十分な小ささであるアレイ寸法を含む。
【0036】
図13に反映されるように、スクリーンに対する視聴者の距離は、理想的なアレイ寸法と直接的な相関関係を有するが、一般的に、画素ピッチもまた、この距離に基づいて選択される。一例では、100×100画素アレイは、本開示に従って、2×2アレイほどの小ささおよび16×16アレイほどの大きさの部分画素および画素を有するマイクロアレイ202のアレイを用いて形成され得、その結果、マイクロアレイ寸法が、5mm×5mmを超える必要性はない。2×2のマイクロアレイの場合、SMDの設置面積は、単一のRGB SMD画素よりも4倍広いが、それでも、商業的に不合理になることなくアレイを修理するために交換することができるほど十分に小さい。また、それは、視聴者が非常に大きなアレイの物理的パターンまたは分割を見ることができないように、視力内にあるほど十分に小さい(言い換えれば、非常に大きなディスプレイの前面の「質感」は均一に見える)。
【0037】
一例では、マイクロアレイ202の寸法は、約5mm以下×5mm以下であってもよい。5×5mmのマイクロアレイでは、個々の画素寸法は、いくつかの実施形態では、約2×2mm~約2.4×2.4mmの範囲内であり得る。例示的な例として、白色LED216は、6504ケルビンまたは2700ケルビンLEDを備え得る。本明細書に開示される実施形態のさらなる特徴は、各マイクロアレイ202が、図11に示されるように、個々に封止され得ることである。したがって、1つのマイクロアレイ上でLEDが故障した場合、その特定のマイクロアレイのみを交換する必要がある。交換されたマイクロアレイは、封止層の任意の変動が各マイクロアレイの内部にあるため、既存のマイクロアレイとより均一な外観を提供する。また、単一のLEDが故障した場合、単一のマイクロアレイ、例えば、一実施形態では、ちょうど8つのLEDの交換のみを必要とし、従来の設計と比較してはるかに効率が高くなり、廃棄物がより少なくなる。
【0038】
図14は、本明細書に開示されるマイクロアレイ202から構成されるビデオディスプレイまたはビデオディスプレイの一部の例を示している。この実施形態では、ビデオディスプレイ240は、タイル200のアレイを備える。各タイルは、マイクロアレイ202のアレイから構成されている。この例では、例示の目的のみのために、それぞれが16個のマイクロアレイ202を含む6つのタイル200が示されている。典型的な現実世界の設備は、当業者によって理解されるように、はるかに大きなアレイを含む。
【0039】
上記のアレイ寸法に加えて、上記で説明したように、本明細書で開示する実施形態は、画素のための単純なRGBセットを利用しない。白色画素216は、RGBセットの代わりに少なくとも1つの色温度で追加される。言い換えれば、別の部分画素色を追加すると共に部分画素間隔をさらに減少させることを試みる代わりに、本開示の実施形態は、3つの部分画素を、より少ないが異色の成分で置き換える。これは、効率を達成するのに役立ち、また、ビデオディスプレイの均一なフラットフィールド白色点をもたらすことができる。
【0040】
RGB LED画素および白色LED画素は共通の構成である。したがって、それらのLED画素は、本明細書では例示の目的で用いられているが、本開示の原理は、RGB LEDタイプの発光体、他の発光体タイプ(例えば、非限定的な例として、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、アクティブマトリクス発光ダイオード(AMOLED)、液晶ディスプレイ(LCD)もしくは発光電気化学セル(LEC))、または他の多色画素の組合せ(例えば、非限定的な例として、RGBY、RGBM、RGBCまたはRGBYCなどの4色または5色を有するマルチ原色画素)に関わらず、多色画素を用いる任意のタイプの発光体に等しく適用可能である。したがって、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲は、例示的なRGB LEDの例に限定されない。
【0041】
上記は、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明である。本明細書、および、本明細書に添付される特許請求の範囲において、「X、YおよびZの少なくとも1つ」および「X、YおよびZの1つまたは複数」という句で用いられる接続的な言語は、特に明記または指示がない限り、接続的なリストの各項目が、リストの他のすべての項目を除く任意の数で、または接続的なリストの任意のもしくはすべての他の項目と組み合わせた任意の数で存在することができ、そのそれぞれも任意の数で存在し得ることを意味すると解釈されるものであることに留意されたい。この一般的な規則を適用すると、接続リストがX、Y、およびZからなる前述の例における接続句は、それぞれ、1つまたは複数のX、1つまたは複数のY、1つまたは複数のZ、1つまたは複数のXおよび1つまたは複数のY、1つまたは複数のYおよび1つまたは複数のZ、1つまたは複数のXおよび1つまたは複数のZ、ならびに1つまたは複数のX、1つまたは複数のYおよび1つまたは複数のZを包含するものとする。
【0042】
本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および追加を行うことができる。上述の様々な実施形態のそれぞれの特徴は、関連する新しい実施形態において多数の特徴の組み合わせを提供するために、必要に応じて、他の記載された実施形態の特徴と組み合わされてもよい。さらに、上記は、いくつかの別個の実施形態を説明しているが、本明細書に説明されているものは、本開示の原理の適用の単なる例示である。さらに、本明細書における特定の方法は、特定の順序で実行されるものとして例示および/または説明され得るが、その順序付けは、本開示の態様を達成するために、当業者の範囲内で非常に可変である。したがって、この説明は、例としてのみ解釈されることを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0043】
例示的な実施形態が、上記で開示されていると共に、添付の図面に示されている。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示されたものに対して様々な変更、省略および追加がなされ得ることが当業者によって理解されるであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】