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特表2024-542962風味要素を有するエアロゾルを吸入するためのマウスピース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】風味要素を有するエアロゾルを吸入するためのマウスピース
(51)【国際特許分類】
   A24F 7/02 20060101AFI20241112BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20241112BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241112BHJP
【FI】
A24F7/02
A24F40/30
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024523792
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022081407
(87)【国際公開番号】W WO2023083931
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】AM20210088
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AM
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
(72)【発明者】
【氏名】シモニャン アンゼリカ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC02
4B162AC06
4B162AC16
(57)【要約】
本発明は、-ハウジングであって(12)、気流チャネル(16)を含むハウジング(12)と、気流チャネル(16)と流体連通している、エアロゾルに風味付けするための風味要素(14)と、を備えるエアロゾルを吸入するためのマウスピース(10)に関し、-風味要素(14)は、ハウジング(12)の外表面上に取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを吸入するためのマウスピースであって、
-気流チャネルを含む、ハウジングと、
-前記気流チャネルと流体連通している、前記エアロゾルに風味付けするための風味要素と、を備え、
-前記風味要素は、前記ハウジングの外表面上に取り付けられる、マウスピース。
【請求項2】
前記風味要素は、交換可能であるように構成され、好ましくは、前記風味要素は、前記ハウジングの外側表面上に取り付けられる、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記風味要素を収容するように構成された凹部を備える、請求項1および2のいずれかに記載のマウスピース。
【請求項4】
前記風味要素は、
-少なくとも一つの風味剤を含む風味部分と、
-ユーザーによって取り扱われるように構成された取り扱い部分と、を備える、請求項1~3のいずれかに記載のマウスピース。
【請求項5】
前記ハウジングは、周囲空気が前記気流チャネルの中に引き込まれることを可能にするための空気吸込み口を含む多孔性セクションを備え、好ましくは、前記風味要素は、前記多孔性セクションを通って前記気流チャネルと流体接触し、より好ましくは、前記風味要素は、前記多孔性セクションに隣接して位置する、請求項1~4のいずれかに記載のマウスピース。
【請求項6】
前記風味要素は、前記多孔性セクションを覆い、好ましくは、前記風味要素は、前記多孔性セクションを通る気流を調節するために、前記多孔性セクションの上を摺動可能であるように構成される、請求項5に記載のマウスピース。
【請求項7】
前記摺動可能な風味要素は、第一の位置から第二の位置まで漸増的に摺動可能であるように構成され、前記摺動可能な風味要素は、前記第一の位置で前記多孔性セクションを完全に覆い、前記摺動可能な風味要素は、前記第二の位置で前記多孔性セクションから完全に収納される、請求項6に記載のマウスピース。
【請求項8】
前記摺動可能な風味要素は、外表面層および内表面層を含み、前記内表面層は、前記多孔性セクションと流体連通し、前記内表面層は、前記少なくとも一つの風味剤を含み、好ましくは、前記内層は、前記多孔性セクションに隣接し、より好ましくは、前記内表面層は、請求項4に記載の前記風味部分である、請求項6または7のいずれかに記載のマウスピース。
【請求項9】
前記外表面層は、ユーザーによる前記風味要素の取り扱いのための弾性ポリマーを含み、好ましくは、前記外表面層は、請求項4に記載の前記風味要素の前記取り扱い部分である、請求項8に記載のマウスピース。
【請求項10】
前記風味要素は、突出する風味部材を備え、前記ハウジングは、前記突出する風味部材を前記ハウジング上に取り付けるための取付孔を備える、請求項1~4のいずれかに記載のマウスピース。
【請求項11】
前記突出する風味部材は、ヘッド部と、前記ヘッド部から突出するシャフトと、を備え、好ましくは、前記突出する風味部材は、前記シャフトが前記気流チャネル内に突出するように、前記取付孔に取り付けられ、より好ましくは、前記シャフトは、少なくとも一つの風味剤を含み、より好ましくは、前記シャフトは、請求項4に記載の前記風味部分を形成する、請求項10に記載のマウスピース。
【請求項12】
前記ヘッド部は、ユーザーによる取り扱いのための弾性ポリマーを含み、好ましくは、前記ヘッド部は、請求項4に記載の前記風味要素の前記取り扱い部分である、請求項11に記載のマウスピース。
【請求項13】
前記気流チャネル内に位置するベンチュリ要素をさらに備え、好ましくは、前記ベンチュリ要素は、前記風味要素の下流に位置する、請求項1~12のいずれかに記載のマウスピース。
【請求項14】
前記風味要素は、少なくとも一つの風味剤を含み、好ましくは、前記少なくとも一つの風味剤は、揮発性であり、好ましくは、前記少なくとも一つの風味剤は、液体またはゲルであり、より好ましくは、前記少なくとも一つの風味剤は、果物、ミントオイル、メントール、ラベンダー、ベルガモット、乳香、ニッケイ、イソメントン、酢酸メンチルからなる群から選択される、請求項1~13のいずれかに記載のマウスピース。
【請求項15】
エアロゾル発生システムであって、
-請求項1~14のいずれかに記載のマウスピースと、
-エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品のうちの一つ以上と、を備え、
-前記マウスピースは、前記カートリッジ、前記エアロゾル発生装置または前記エアロゾル発生物品のうちの一つに着脱可能に接続可能であるように構成される、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルを吸入するためのマウスピースに関する。本発明は、マウスピースを備えるエアロゾル発生システムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジ、または固形エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品のいずれかを備える。これらの製品は、加熱非燃焼式製品として、または燃焼時にエアロゾルを生成する従来のエアロゾル発生物品として、消費され得る。ユーザーは、異なる強度で吸入することによってのみ、これらのシステムで生成されるエアロゾルの容量およびニコチン送達を含む吸煙の知覚を修正し得ることが多い。これらのエアロゾル発生システムは、カートリッジまたは紙巻たばこが使用中に、変更され得ない風味を含有することが多い。同様に、ユーザーは、そのすべてが同一の風味を含む、完全な一式のエアロゾル発生物品を購入し得る。
【0003】
生成されるエアロゾルの容量をカスタマイズするためのさらなる選択肢をユーザーに提供することが望ましいであろう。ニコチン送達をカスタマイズするための追加的な選択肢をユーザーに提供することは、さらに望ましくあり得る。使用時または複数の使用間で、エアロゾル発生システムの風味を変更する可能性をユーザーに提供することは望ましいであろう。さらに、ユーザーの都合上、完全な一式のエアロゾル発生物品から発生されたエアロゾルからの風味を変更する可能性をユーザーに提供することは望ましくあり得る。さらに、エアロゾル発生システムのためのさらなる風味を提供することができる、エアロゾルに風味付けるための構成要素を提供することは望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一つの実施形態によると、エアロゾルを吸入するためのマウスピースが提供される。マウスピースは、ハウジングを備え得、ハウジングは、気流チャネルを含み得る。マウスピースは、エアロゾルに風味付けるための風味要素を備え得る。風味要素は、気流チャネルと流体連通し得る。風味要素は、ハウジングの外表面上に取り付けられ得る。
【0005】
本発明の別の実施形態によると、エアロゾルを吸入するためのマウスピースが提供される。マウスピースは、ハウジングを備え、ハウジングは、気流チャネルを含む。マウスピースは、エアロゾルに風味付けるための風味要素をさらに備える。風味要素は、気流チャネルと流体連通している。風味要素は、ハウジングの外表面上に取り付けられる。
【0006】
このようなマウスピースにより、吸入されるエアロゾルをさらにカスタマイズする選択肢がユーザーに提供され得る。風味要素をハウジングの外表面上に取り付けることで、異なる風味要素をより良く認識するための機会がユーザーに提供され得る。これによりまた、マウスピースの風味要素とのより良好なブランディングが可能になり得る。これにより、このようなマウスピースのためのより良いマーケティング機会が提供され得る。風味要素の異なる風味には、ユーザーによるより容易な認識のために異なる色が提供され得る。取り付け要素は、マウスピースから離れて面する外表面を備え得る。ユーザーは、この外表面を使用して、ユーザーの都合上、マウスピースをさらに視覚的にカスタマイズできる場合がある。
【0007】
本発明のマウスピースは、ユーザーの都合上、カートリッジまたはエアロゾル発生装置からの気流またはエアロゾルをさらに修正またはカスタマイズするように構成され得る。特に、マウスピースの風味要素の少なくとも一つの風味剤は、上流方向からマウスピースに入る気流またはエアロゾルをカスタマイズまたは修正するために用いられ得る。
【0008】
本明細書で使用する用語「上流」および「下流」は、マウスピース、カートリッジ、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を、その使用中に空気がエアロゾル発生装置を通って気流経路に沿って流れる方向に関して、記述するために使用される。本発明に係るエアロゾル発生装置またはマウスピースは、近位端を備え、エアロゾルは、使用時に、それを通って装置から出る。エアロゾル発生装置またはマウスピースの近位端はまた、下流端とも称され得る。口側端は、遠位端の下流である。エアロゾル発生装置またはマウスピースの遠位端はまた、上流端とも称され得る。マウスピース、カートリッジ、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生装置またはマウスピースを通る気流経路に対するそれらの相対的な位置に基づいて、互いの上流または下流にあるとして記載され得る。
【0009】
マウスピースの風味要素は、交換可能であるように構成され得る。これにより、消費された風味要素を新しい風味要素と交換する選択肢がユーザーに提供され得る。風味要素は、ハウジングの外表面上に取り付けられるため、容易に交換可能であり得る。これにより、ユーザーのための風味要素のアクセス性が増大し得る。これによって、ユーザーのための風味要素のより良好な取り扱いが提供され得る。
【0010】
風味要素は、ハウジングの外側表面上に取り付けられ得ることが好ましい。これにより、ユーザーが風味要素を交換する容易な選択肢が提供され得る。このような風味要素は、風味要素に利用可能なマウスピースのハウジングの主な外表面を占め得る。
【0011】
マウスピースのハウジングは、風味要素を収容するように構成された凹部を備え得る。これにより、風味要素のハウジングの外表面上への取り付けが容易になり得る。これにより、風味要素のハウジングの外表面上の位置決めが確実になり得る。これは、風味要素がマウスピースのハウジングに対して偶発的に分離または配置解除されることを回避し得る。
【0012】
マウスピースは、円筒形ハウジングまたは管状ハウジングを有してもよい。凹部は、マウスピースの円筒形ハウジングの周りに少なくとも部分的に円周方向に位置し得る。凹部は、円筒形ハウジングの周囲の周りに完全に位置し得ることが好ましい。これにより、風味要素のハウジングの外表面上への取り付けが容易になり得る。
【0013】
風味要素は、リング形状であってもよい。これにより、風味要素がマウスピースのハウジングの外表面上に容易に取り付け可能になり得る。リング形状の風味要素は、円筒形状を有するハウジングの外表面上に取り付けられることが好ましい。リング形状の風味要素は、特に容易に取り付けられ、必要に応じて、円筒形ハウジングを備えたマウスピース上で交換され得る。
【0014】
風味要素は、少なくとも一つの風味剤を含む風味部分を含み得る。さらに、風味要素は、ユーザーによって取り扱われるように構成された取り扱い部分を備え得る。
【0015】
風味要素を、風味部分および取り扱い部分に分離することで、風味要素、特に、ユーザーによる交換可能な風味要素の取り扱いが容易になり得る。ユーザーは、その取り扱い部分を把持することによって、風味要素を取り扱い得る。これにより、ユーザーが風味部分に接触することを回避可能にし得る。ユーザーは、風味部分に触れるまたは把持することを回避し得る。これは、エアロゾルにとっての風味要素の風味効果に対する悪影響を回避し得る。
【0016】
風味要素の風味部分は、風味要素の内表面に位置し得る。これにより、リング形状の風味要素がマウスピースのハウジングの外表面上に取り付けられる場合、風味部分のマウスピースとの接触および流体連通が容易になり得る。取り扱い部分は、風味要素の外表面に位置し得る。これにより、ユーザーによる風味要素の取り扱いが容易になり得る。これにより、ユーザーが、風味要素の内表面に位置する風味部分に接触することなく、風味要素を取り扱い可能になり得る。内表面および外表面を有する風味要素は、リング形状であることが好ましい。
【0017】
風味要素は、弾性であり得る。これにより、風味要素が拡張され、マウスピースの外表面上を摺動して、マウスピース上に取り付け可能になり得る。弾性の風味要素は、マウスピースのハウジングの断面直径よりも大きい、または風味要素を収容するための凹部の断面直径よりも大きい直径まで拡張可能に構成され得る。これにより、風味要素がマウスピース上、特に、マウスピースの凹部内に容易に取り付け可能になり得る。
【0018】
マウスピースのハウジングは、周囲空気が気流チャネルの中に引き込まれることを可能にするための空気吸込み口を含む多孔性セクションを備え得る。
【0019】
これにより、風味要素とマウスピースの気流チャネルとの間の流体連通が容易になり得る。風味要素は、多孔性セクションを通る気流チャネルと流体接触し得ることが好ましい。風味要素は、多孔性セクションに隣接して位置し得る。
【0020】
マウスピースのハウジング内の多孔性セクションは、外表面および内表面を備え得る。内表面は、マウスピースのハウジングの気流チャネルに隣接してもよい。外表面は、ハウジングの外表面上に位置してもよい。多孔性セクションの外表面は、風味要素がマウスピースの外表面上に取り付けられる場合、風味要素に直接接触し得る。これにより、風味要素と気流チャネルとの間に特定の信頼できる流体連通が提供され得る。
【0021】
ハウジング内の多孔性セクションは、風味要素を収容するように構成された凹部内に位置し得る。これにより、風味要素がマウスピースから分離されるリスクなしに、風味要素の気流チャネルとの容易な流体連通が可能になり得る。
【0022】
多孔性セクションの空隙率は、30パーセント~90パーセント、好ましくは、60パーセント~80パーセントであり得る。これにより、風味要素の気流チャネルとの特定の信頼できる流体連通が提供され得る。
【0023】
空隙率は、ガス膨張の方法(フォールドルの法則)によって計算され得る。PALS測定、ニュートロンおよびX線散乱、水銀注入、密度法、岩石学的法など、空隙率測定に適用可能なその他の技術も存在する。これらの方法のほとんどを適用するために、試料のバルク容量も測定されるべきである。空隙率φは、固体物質が占めていない多孔性要素のバルク容量Vbの割合として定義される。固体物質が占めていない容量は、空孔容量であるVp:φ=Vp/Vb。異なる材料の空隙率を決定するための例は、Paul Glover博士による刊行物「Porosity of polymer materials by various techniques」、J Porous Mater(2009)16:691-698および「Formation Evaluation MSc Course Notes」、第5章:空隙率(http://homepages.see.leeds.ac.uk/~earpwjg/PG_EN/CD%20Contents/Formation%20Evaluation%20 English/Chapter%205.PDFでダウンロード)に開示され、両文献は、引用により組み込まれる。
【0024】
風味要素は、ハウジングの外表面上に取り付けられる場合、多孔性セクションを覆い得、好ましくは、完全に覆い得る。風味要素は、多孔性セクションを通る気流を調節するために、多孔性セクションの上を摺動可能に構成され得る。
【0025】
これにより、エアロゾルに風味付けるための風味のみならず、吸入されるエアロゾルを発生またはカスタマイズするための気流も調節する追加的な選択肢がユーザーに提供され得る。
【0026】
多孔性セクションの上を摺動可能なように構成された風味要素は、リング形状であることが好ましい。これにより、マウスピースのハウジングに対して風味要素を摺動させる簡単な方法が提供され得る。マウスピースは、円筒形ハウジングを有することが好ましい。リング形状の風味要素は、円筒形マウスピース上に容易に摺動され得る。
【0027】
マウスピース内の摺動可能な風味要素は、第一の位置から第二の位置まで漸増的に摺動可能であるように構成され得る。摺動可能な風味要素は、多孔性セクションを第一の位置で完全に覆い得る。摺動可能な風味要素は、第二の位置で多孔性セクションから完全に収納され得る。摺動可能な風味要素の第一の位置では、追加的な周囲空気が多孔性セクションを通ってマウスピースの気流チャネル内に引き込まれない場合がある。摺動可能な風味要素の第二の位置では、最大量の周囲空気は、多孔性セクションを通ってマウスピースの気流チャネル内に引き込まれ得る。
【0028】
第一の位置と第二の位置との間の中間位置では、摺動可能な風味要素は、多孔性セクションを部分的に覆い得る。これにより、ある量の空気がマウスピースの気流チャネル内に引き込まれることが可能になり得、この空気の量は、摺動可能な風味要素の第二の位置で気流チャネル内に引き込まれる周囲空気の最大量よりも小さい場合がある。
【0029】
これにより、ユーザーの都合上、エアロゾルをさらにカスタマイズする様々な選択肢がユーザーに提供され得る。
【0030】
風味要素を収容するための凹部は、摺動可能な風味要素の幅よりも大きい幅を有し得る。摺動可能な風味要素は、この凹部内で摺動可能であるように構成され得る。これにより、摺動可能な風味要素が、マウスピースから分離されるリスクなしに、凹部内で摺動可能に構成され得る。
【0031】
マウスピースは、長軸方向軸をさらに含み得る。摺動可能な風味要素は、長軸方向軸に沿って摺動可能であるように構成され得る。
【0032】
これにより、摺動のためにマウスピースの長軸方向軸に沿った容易な並進移動が提供され得る。マウスピースの長軸方向軸は、中央長軸方向軸であり得る。マウスピースは、円筒形状のハウジングを備え得る。風味要素、特に、リング形状の風味要素を円筒形状のハウジングの長軸方向軸に沿って摺動させることで、風味要素をマウスピースに沿って摺動させる簡単な方法が提供され得る。
【0033】
摺動可能な風味要素は、マウスピースの周囲を少なくとも部分的に囲み得る。好ましくは、摺動可能な風味要素は、マウスピースの周囲を完全に囲み得る。摺動可能な風味要素は、リング形状であることが好ましい場合がある。
【0034】
摺動可能な風味要素は、外表面層および内表面層を含み得る。内表面層は、多孔性セクションと流体連通し得る。内表面層は、少なくとも一つの風味剤を含み得る。内表面層は、リング形状の摺動可能な風味要素の内表面に位置し得る。この内層は、上述の多孔性セクションに隣接し得る。この内側層は、上述の風味部分であり得ることが好ましい。これにより、少なくとも一つの風味剤のマウスピースの気流チャネルとの特定の信頼できる流体連通が提供され得る。
【0035】
内表面層は、吸収層を含み得る。少なくとも一つの風味剤は、吸収層に吸収され得る。吸収層は、超吸収性ポリマーを含み得る。超吸収性ポリマーは、例えば、アルカリ金属ポリアクリレートであってもよい。使用され得る超吸収性ポリマーの例は、ポリアクリル酸カリウム〔-CH2-CH(CO2K)-〕n、およびポリアクリル酸ナトリウム〔-CH2-CH(CO2Na)-〕nであり得る。少なくとも一つの風味剤を吸収層に吸収することで、風味要素を容易に保存可能にし得る。これにより、少なくとも一つの風味剤が偶発的に蒸発するリスクなしに、風味要素の長い貯蔵寿命がもたらされ得る。
【0036】
外表面層は、風味要素の外表面に位置し得る。外表面層は、ユーザーによって風味要素を取り扱うための弾性ポリマーを含み得る。外表面層は、上述の風味要素の取り扱い部分であり得ることが好ましい。
【0037】
弾性ポリマーにより、ユーザーが風味要素を容易に把持および取り扱い可能になる場合がある。エラストマー高分子化合物は、シリコン、ポリウレタン、ゴムまたは熱可塑性エラストマー化合物を含み得る。Cawiton、Thermoplast K、Thermoplast M、Arnitel、Hytrel、Dryflex、Mediprene、Kraton、Pibiflex、Sofprene、およびLaprenenemayなどの市販の弾性ポリマーを使用する。熱可塑性材料は、約1200~3800メガパスカル、好ましくは、約1800~2500メガパスカルの弾性係数を持つべきである。
【0038】
摺動可能な風味要素は、交換可能であるように構成され得る。交換可能な摺動可能な風味要素は、第一の半部分および第二の半部分を含み得る。第一の半部分および第二の半部分は、ハウジングの外表面上に取り付けられるように相互に接続可能であり得る。特に、摺動可能な交換可能な風味要素は、リング形状であってもよい。第一の半部分および第二の半部分は、リング形状の風味要素を形成するために、接続可能であってもよい。
【0039】
風味要素はまた、突出する風味部材を含んでもよい。突出する風味部材は、例えば、風味ピンであってもよい。
【0040】
マウスピースのハウジングは、突出する風味部材をハウジング上に取り付けるための取付孔を備えてもよい。このような突出する風味部材は、突出する風味部材を取付孔に取り付けて、使用後に、突出する風味部材を取付孔から取り外すことによって、交換可能であるように容易に構成され得る。
【0041】
取付孔は、ねじ山を備えてもよい。突出する風味部材は、取付孔のねじ山に容易に取り付けるためのねじ山を備えてもよい。これにより、突出する風味部材を取付孔に容易に締め付けおよび取り付け可能になり得る。これによりまた、使用後に、突出する風味部材を取付孔から取り外すことが容易になり得る。
【0042】
マウスピースの突出する風味部材は、ヘッド部と、ヘッド部から突出するシャフトと、を備え得る。突出する風味部材は、シャフトがマウスピースの気流チャネル内に突出するように、マウスピースの取付孔に取り付け可能に構成され得る。シャフトは、少なくとも一つの風味剤を含み得る。特に、シャフトは、既に上述の風味部分を形成し得る。
【0043】
これにより、突出する風味部材が、マウスピースの気流チャネルに簡単な方法で風味を提供可能になり得る。
【0044】
突出する風味部材のヘッド部は、上述の風味要素の取り扱い部分であり得る。突出する風味部材のヘッド部は、ユーザーによる取り扱いのための弾性ポリマーを含んでもよい。
【0045】
これにより、ユーザーが、そのヘッド部で風味部材を把持することによって、突出する風味部材を容易に取り扱い可能になり得る。
【0046】
マウスピースは、気流チャネル内に位置するベンチュリ要素をさらに備えてもよい。ベンチュリ要素は、風味要素の下流に位置することが好ましい。特に、ベンチュリ要素は、風味要素を収容するように構成された凹部、または突出する風味部材を取り付けるための取付孔のいずれか一つの下流に位置し得る。
【0047】
これにより、ベンチュリ要素が、エアロゾルの、風味要素からの少なくとも一つの風味剤との追加的な混合を提供可能になり得る。
【0048】
ベンチュリ要素は、入口部分、中央部分、および出口部分を備え得る。入口部分は、中央部分に向かって収束するように構成され得、出口部分は、中央部分から広がるように構成され得る。これにより、エアロゾルの少なくとも一つの風味剤との特定の良好な混合が提供され得る。
【0049】
マウスピースは、気流を受容するように構成された入口部分を備え得る。入口部分は、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置のうちの一つ以上から気流を受容するように構成され得る。マウスピースはさらに、エアロゾルの流出のために構成された出口部分を含み得る。出口部分は、吸入されるエアロゾルをユーザーに提供し得る。風味要素は、マウスピースの入口部分と出口部分との間に位置し得る。
【0050】
マウスピースは、再使用可能に構成されてもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジまたはエアロゾル発生装置のうちの一つ以上に着脱可能に接続可能であるように構成され得る。
【0051】
マウスピースの入口部分は、エアロゾル発生物品、カートリッジ、またはエアロゾル発生装置のうちの一つ以上に接続可能であるように構成された接続要素を含み得る。これにより、マウスピースをエアロゾル発生システムの他の構成要素に着脱可能に接続する簡単な方法が提供され得る。
【0052】
風味要素は、少なくとも一つの揮発性風味剤を含み得る。少なくとも一つの風味剤は、液体またはゲルであってもよい。少なくとも一つの風味剤は、果物、ミントオイル、メントール、ラベンダー、ベルガモット、乳香、ニッケイ、イソメントン、酢酸メンチルからなる群から選択され得る。
【0053】
マウスピースのハウジングは、アルコールおよびニコチンに対して耐性のあるPMMA系ポリマーなどのポリマー化合物を含み得、またはポリマー化合物で作製され得る。これらのポリマー化合物は、良好な耐衝撃性を有し得、また半透明であり得る。
【0054】
PMMA系ポリマーの例は、CYROLITE(登録商標)であり、Evonik、Tripartite、CYROLITE(登録商標)ProtectおよびCYROLITE(登録商標)Protect 2、ならびにVu-Stat(商標)Y-20によって市販されている。
【0055】
本発明の別の態様は、エアロゾル発生システムを提供する。エアロゾル発生システムは、本明細書に記載の通り、マウスピースを備える。さらに、エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品のうちの一つ以上を備え得る。マウスピースは、カートリッジ、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品のうちの一つに着脱可能に接続可能であるように構成され得る。
【0056】
エアロゾル発生物品は、基体セクションを備え得る。基体セクションは、エアロゾル形成基体を含み得る。エアロゾル発生物品は、物品に着火し、エアロゾル形成基体を、燃焼温度を上回って加熱することによって、エアロゾルを発生させ得る。本発明のマウスピースは、エアロゾル発生物品を燃焼することによって生成されるエアロゾルに風味を加えるように機能し得る。
【0057】
あるいは、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の燃焼温度を下回る温度に加熱されることによって、エアロゾルまたは気流を提供するように構成され得る。
【0058】
本発明のマウスピースは、カートリッジに接続可能なように構成され得る。好ましくは、マウスピースは、カートリッジに着脱可能に接続可能なように構成され得る。カートリッジは、エアロゾル形成基体、好ましくは、液体エアロゾル形成基体を含む貯蔵部を含有し得る。カートリッジの貯蔵部は、中央中空部分を少なくとも部分的に囲み得る。カートリッジの中央中空部分は、カートリッジ気流チャネルであるように構成され得る。カートリッジは、エアロゾル形成基体を蒸発させるための発熱体を備えてもよい。発熱体は、例えば、カートリッジの貯蔵部と流体連通する芯を備えてもよい。芯は、芯内に含有された液体エアロゾル形成基体を加熱するための抵抗ワイヤによって囲まれ得る。カートリッジは、エアロゾル発生装置に電気的に接続されるように構成された電気的接続を備え得る。発熱体は、エアロゾル形成基体を、エアロゾル形成基体の燃焼温度を下回る温度に、ただしユーザーによる吸入のための吸入可能なエアロゾルまたは気流を形成するために、エアロゾル形成基体の一つ以上の揮発性化合物が放出される温度以上に加熱するように構成され得る。
【0059】
カートリッジの貯蔵部内の液体エアロゾル形成基体は、少なくとも一つエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成体は、使用時に、高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度で熱分解に対して実質的に抵抗性がある任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物である。好適なエアロゾル形成体は、当業界で周知であり、形成体は、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)であり得る。エアロゾル形成体は、プロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0060】
液体エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味剤または人工風味剤を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。
【0061】
カートリッジは、エアロゾル発生装置に接続可能なように構成され得る。カートリッジは、エアロゾル発生装置に着脱可能に接続可能であるように構成され得ることが好ましい。
【0062】
エアロゾル発生装置は、電力を、カートリッジ内に含まれる発熱体に提供するための電気的接続を備えてもよい。
【0063】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置のケーシング内に電源(典型的には、電池)を備えてもよい。一つの実施形態では、電源は、リチウムイオン電池である。あるいは、電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は、再充電を必要とし得、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーを貯蔵可能にする容量を有し得、例えば、電源は、約六分間、または六分の倍数の期間にわたってエアロゾルを連続的に発生させるのに十分な容量を有し得る。別の実施例において、電源は、所定の数の吸煙、または発熱体の別個の起動を提供するために、十分な容量を有し得る。
【0064】
エアロゾル発生装置は、電気回路を備え得る。電気回路は、マイクロプロセッサを備え得、これは、プログラマブルマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサは、制御ユニットの一部であってもよい。電気回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、発熱体への電力の供給を調節するように構成され得る。電力は、エアロゾル発生装置の起動に続いて、発熱体に連続的に供給され得、または複数回ベースの吸煙などでは、断続的に供給され得る。電力は、電流パルスの形態で、発熱体に供給され得る。電気回路は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ好ましくは、発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成され得る。
【0065】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的な一覧を提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わせられ得る。
【0066】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明をさらに記載する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】上半分が、マウスピース10の断面図を、下半分が、風味要素14を含むマウスピースのそれぞれの斜視図を示す。
図2】マウスピース10、カートリッジ22、およびエアロゾル発生装置42を含むエアロゾル発生システムの断面図を示す。
図3】上半分が、摺動可能な風味要素14を含むマウスピース10の断面図を、下半分が、それぞれのマウスピースの斜視図を示す。
図4図3に示すマウスピース10の断面図を示し、摺動可能な風味要素14は、周囲空気がマウスピースの中に引き込まれるようにするために、マウスピースの上を摺動し、下半分が、上半分に示すそれぞれのマウスピースの斜視図を示す。
図5】マウスピースの入口部分および出口部分をさらに詳細に説明するマウスピースの断面図を示す。
図6】風味要素14を含まない、図5のマウスピースの断面図を示す。
図7図6に示すマウスピースの斜視図を示す。
図8】上半分が、図5~7に示す通り、マウスピースで使用されるリング形状の風味要素の斜視図を、下半分が、リング形状の風味要素の第一の半部分の斜視図を示す。
図9】上半分が、接続要素を備えたマウスピース10の断面図を、下半分が、マウスピースに接続可能であるように構成されたカートリッジ22の断面図を示す。
図10図9に示すマウスピース10およびカートリッジ22であり、両方が接続された後の断面図を示す。
図11図10に示す接続されたマウスピース10およびカートリッジ22の断面図を示し、エアロゾル24の発生を追加的に示す。
図12】マウスピース10、カートリッジ22およびエアロゾル発生装置42を含む、エアロゾル発生システムの斜視図を示す。
図13】カートリッジに接続されたマウスピース10の斜視図を示し、マウスピースは、風味ピンの形態の突出した風味要素を含む。
図14】風味ピン14を含むマウスピース10の斜視図を示す。
図15】風味ピンを取り付けるための取付孔58を含むマウスピースの断面図を示す。
図16図15に示すマウスピース内に取り付けられるように構成された風味ピンの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下において、同一要素は、すべての図を通して、同一の参照符号で記される。
【0069】
図1は、上半分が、本発明に係るマウスピース10の概略断面図を示す。マウスピース10は、ハウジング12および気流チャネル16を含む。ハウジングの外表面には、風味要素(図1の上半分には示されていない風味要素)を収容するように構成される凹部18が存在する。凹部18において、多孔性セクション20は、マウスピースのハウジング12の中に見出すことができる。多孔性セクション20は、周囲空気が外部からマウスピースの気流チャネル16の中に引き込まれることを可能にする空気吸込み口を含む。図1の下半分には、マウスピース10の斜視図を示す。図1の下半分には、リング形状の風味要素14が凹部18内に存在するため、多孔性セクション20はもはや視認されない。風味要素14は、凹部18に取り付けられ、多孔性セクション20に隣接し、これにより、風味要素がマウスピース10の気流チャネルと流体連通可能になる。マウスピース10は、管状または円筒形状を有する。
【0070】
図2は、マウスピース10、カートリッジ22、およびエアロゾル発生装置42を含むエアロゾル発生システムの斜視図を示す。ハウジングの外表面上に取り付けられる風味要素14は、明瞭に視認される。
【0071】
図3は、上半分が、マウスピース10の概略断面図を示し、ユーザーによって吸入されるエアロゾル24の発生をさらに詳述する。風味要素14は、多孔性セクション20を通って気流チャネル16と流体連通し、これにより、破線56によって示すように、風味剤がその上流端からマウスピース内に引き込まれる気流またはエアロゾルに同伴可能になる。少なくとも一つの風味剤は、風味剤を含む修正されたエアロゾル24を生成するために、マウスピース内に存在する既存の気流またはエアロゾルと混合される。本発明の本実施形態における風味要素14は、多孔性セクションを通る気流を調節するために、多孔性セクションの上を摺動可能であるように構成される。図3の上半分および下半分では、風味要素は、多孔性セクションを完全に覆う。これにより、任意の周囲空気が多孔性セクションを通ってマウスピース10の中に引き込まれることが阻止される。
【0072】
図4の上半分は、図3に示すマウスピースに類似して、摺動可能なリング形状の風味要素14を含む、マウスピース10の断面図を図示する。この場合、風味要素14は、矢印26によって示すように、多孔性セクション20から少なくとも部分的に摺動して離れている。これにより、矢印28によって示すように、周囲空気が多孔性セクションを通ってマウスピース内に引き込まれることが可能になる。これによって、図3のエアロゾル24とは対照的に、周囲空気28を追加的に含む、ユーザーによって吸入されるエアロゾル30がもたらされる。したがって、風味要素14を多孔性セクション上の異なる位置に摺動させることにより、ユーザーは、ユーザーの都合上、エアロゾル発生をカスタマイズすることができる。図4の下半分は、周囲空気28がマウスピースの中に引き込まれ得るように、リング形状の風味要素が多孔性セクション20から離れるように少なくとも部分的に移動される状態で、マウスピースを斜視図で示す。
【0073】
図5は、マウスピース10の断面図をより詳細に示す。マウスピースのハウジング12は、カートリッジまたはエアロゾル発生装置のうちの一つ以上に接続可能であるように構成される、入口部分32を含む。入口部分32は、マウスピース接続要素36、例えば、リムを含む。このマウスピース接続要素36は、カートリッジまたはエアロゾル発生装置のうちの一方または両方の別の接続要素に接続可能であるように構成される。特に、マウスピース接続要素36は、相補的な形状を有する接続要素に接続され得る。これにより、マウスピース接続要素が、接続を提供するための他の接続要素と適切に係合可能になる。マウスピース10は、管状または円筒形のマウスピースハウジングの周囲を少なくとも部分的に囲む多孔性セクション20をさらに含む。この多孔性セクションは、マウスピースの気流チャネルへの流体接続を提供するための、リング形状の風味要素14に隣接する。マウスピースのハウジング12の下流端には、エアロゾルをユーザーに提供するための出口部分34が存在する。
【0074】
図6は、風味要素14を含まない、図5のマウスピースの概略断面図を示す。この断面図は、風味要素14を収容するための凹部18を明確に示す。
【0075】
図7は、図6に断面図で示すマウスピースの斜視図である。凹部18およびマウスピースの周囲を囲む多孔性セクション20は、明瞭に視認される。
【0076】
図8の上半分は、リング形状の風味要素14の斜視図を示す。図8の下半分は、リング形状の風味要素を形成するために、第二の半部分に接続され得る、リング形状の風味要素14の第一の半部分を示す。図8の下半分は、風味要素の内表面38を示す。風味要素の内表面38は、それに吸収される風味剤を含む。風味要素の外表面層40は、耐久性ポリマー、例えば、ユーザーによるリング形状の風味要素の取り扱いを容易にする弾性ポリマーを含む。したがって、外表面層40は、風味要素の取り扱い部分として構成される。それとは対照的に、風味要素の内表面層38は、風味要素の風味部分であるように構成される。風味要素を取り扱い部分および風味部分に明確に分離することで、ユーザーは、風味部分に影響を与えることなく、風味要素を適切に取り扱い可能になる。
【0077】
図9は、上半分が、風味要素14を備えたマウスピース10の断面図を示す。マウスピース10の入口部分は、マウスピース接続要素36を含む。このマウスピース接続要素36は、図9の矢印によって示すように、相補的な形状を有するカートリッジ接続要素44に接続され得る。カートリッジ22は、液体エアロゾル形成基体を収容する貯蔵部46を含む。貯蔵部46は、カートリッジ気流チャネル23である、中央中空部分を囲む。さらに、カートリッジ22は、液体エアロゾル形成基体を蒸発させるためのワイヤによって囲まれた芯を備える発熱体48を含む。カートリッジ22はまた、エアロゾル発生装置に接続可能であるように構成される電気的接続50を含む。
【0078】
図10は、カートリッジ22に接続されたマウスピース10の断面図を示す。
【0079】
図11は、ユーザーによって吸入されるエアロゾル24の形成をさらに詳述する、カートリッジ22に接続されたマウスピース10の断面図を示す。周囲空気52は、外側から、またはエアロゾル発生装置からカートリッジの中へと引き込まれ、カートリッジ気流チャネル内で、参照符号54を有する破線で示すように、発熱体48によって蒸発されたエアロゾル形成基体と混合する。この気流54またはエアロゾル54は、マウスピース10の中へと下流にさらに引き込まれ、さらに風味剤56は、風味改変エアロゾル24をユーザーに提供するために、エアロゾルに同伴される。
【0080】
図12は、マウスピース10、カートリッジ22およびエアロゾル発生装置42を含む、エアロゾル発生システムの斜視図を示す。
【0081】
図13は、ハウジングの外表面上に取り付けられた風味ピン14の形態の突出する風味要素を含む別のマウスピース10の断面図を示し、マウスピース10は、カートリッジに接続される。風味ピンは、少なくとも一つの風味剤を放出するためのマウスピースの気流チャネル内に突出するシャフトを含む。エアロゾルまたは気流54は、液体エアロゾル形成基体をカートリッジから蒸発させることによって、形成される。この気流またはエアロゾル54は、マウスピースの中へとさらに下流に引き込まれ、追加的に、風味剤56は、気流またはエアロゾル中に同伴される。最後に、風味改変エアロゾル24は、ユーザーによって吸入され得る。
【0082】
図14は、図13の断面図で示された、ハウジング12内の出口部分34を含むマウスピース10の斜視図を示す。風味要素14は、ハウジングの外表面上に取り付けられることが分かる。特に、風味ピンのヘッド部60は、視認される。
【0083】
図15は、風味ピン14を含まない、図13に示すマウスピース10の断面図を示す。凹部18は、風味ピンをマウスピース10の外表面に取り付けるように構成される取付孔58を含むのが視認される。
【0084】
図16は、風味ピンである風味要素14の斜視図を示す。これは、ユーザーによって取り扱われるように構成された、風味ピンの取り扱い部分を形成するヘッド部60を含む。シャフト62は、吸収された風味剤を含み、したがって、風味部分として機能する。風味ピンを、取り扱い部分を形成するヘッド部と、風味部分を形成するシャフトに明確に分離することで、ユーザーによる容易な取り扱いが可能になる。
【実施例
【0085】
実施例A:
エアロゾルを吸入するためのマウスピースであって、
-気流チャネルを含む、ハウジングと、
-気流チャネルと流体連通している、エアロゾルに風味付けするための風味要素と、を備え、
-風味要素は、ハウジングの外表面上に取り付けられる、マウスピース。
実施例B:
風味要素は、交換可能であるように構成され、好ましくは、風味要素は、ハウジングの外側表面上に取り付けられる、実施例Aに記載のマウスピース。
実施例C:
ハウジングは、風味要素を収容するように構成された凹部を備える、実施例AおよびBのいずれかに記載のマウスピース。
実施例D:
風味要素は、
-少なくとも一つの風味剤を含む風味部分と、
-ユーザーによって取り扱われるように構成された取り扱い部分と、を備える、実施例A~Cのいずれかに記載のマウスピース。
実施例E:
ハウジングは、周囲空気が気流チャネルの中に引き込まれることを可能にするための空気吸込み口を含む多孔性セクションを備え、好ましくは、風味要素は、多孔性セクションを通って気流チャネルと流体接触し、より好ましくは、風味要素は、多孔性セクションに隣接して位置する、実施例A~Dのいずれかに記載のマウスピース。
実施例F:
風味要素は、多孔性セクションを覆い、好ましくは、風味要素は、多孔性セクションを通る気流を調節するために、多孔性セクションの上を摺動可能であるように構成される、実施例Eに記載のマウスピース。
実施例G:
摺動可能な風味要素は、第一の位置から第二の位置まで漸増的に摺動可能であるように構成され、摺動可能な風味要素は、多孔性セクションを第一の位置で完全に覆い、摺動可能な風味要素は、第二の位置で多孔性セクションから完全に収納される、実施例Fに記載のマウスピース。
実施例H:
長軸方向軸をさらに備え、摺動可能な風味要素は、長軸方向軸に沿って摺動可能であるように構成される、実施例FまたはGに記載のマウスピース。
実施例I:
マウスピースのハウジングは、管状形状を有し、摺動可能な風味要素は、リング形状である、実施例A~Hのいずれかに記載のマウスピース。
実施例J:
摺動可能な風味要素は、マウスピースの周囲を少なくとも部分的に囲み、好ましくは、摺動可能な風味要素は、マウスピースの周囲を完全に囲む、実施例Iに記載のマウスピース。
実施例K:
摺動可能な風味要素は、外表面層および内表面層を含み、内表面層は、多孔性セクションと流体連通し、内表面層は、少なくとも一つの風味剤を含み、好ましくは、内層は、多孔性セクションに隣接し、より好ましくは、内表面層は、実施例Dに記載の風味部分である、実施例F~Jのいずれかに記載のマウスピース。
実施例L:
内表面層は、吸収層を含み、少なくとも一つの風味剤は、吸収層に吸収され、好ましくは、吸収層は、アルカリ金属ポリアクリレートなどの超吸収性ポリマーを含む、実施例Kに記載のマウスピース。
実施例M:
外表面層は、ユーザーによる風味要素の取り扱いのための弾性ポリマーを含み、好ましくは、外表面層は、実施例Dに記載の風味要素の取り扱い部分である、実施例KおよびLのいずれかに記載のマウスピース。
実施例N:
摺動可能な風味要素は、交換可能であるように構成され、好ましくは、交換可能な摺動可能な風味要素は、第一の半部分および第二の半部分を備え、第一の半部分および第二の半部分は、ハウジングの外表面上に取り付けられるために、相互に接続可能である、実施例F~Mのいずれかに記載のマウスピース。
実施例O:
風味要素は、突出する風味部材を備え、ハウジングは、突出する風味部材をハウジング上に取り付けるための取付孔を備える、実施例A~Nのいずれかに記載のマウスピース。
実施例P:
突出する風味部材は、ヘッド部と、ヘッド部から突出するシャフトと、を備え、好ましくは、突出する風味部材は、シャフトが気流チャネル内に突出するように、取付孔に取り付けられ、より好ましくは、シャフトは、少なくとも一つの風味剤を含み、より好ましくは、シャフトは、実施例Dに記載の風味部分を形成する、実施例Oに記載のマウスピース。
実施例Q:
ヘッド部は、ユーザーによる取り扱いのための弾性ポリマーを含み、好ましくは、ヘッド部は、実施例Dに記載の風味要素の取り扱い部分である、実施例Pに記載のマウスピース。
実施例R:
気流チャネル内に位置するベンチュリ要素をさらに備え、好ましくは、ベンチュリ要素は、風味要素の下流に位置する、実施例A~Qのいずれかに記載のマウスピース。
実施例S:
ベンチュリ要素は、入口部分、中央部分、および出口部分を備え、入口部分は、中央部分に向かって収束するように構成され、出口部分は、中央部分から広がるように構成される、実施例Rに記載のマウスピース。
実施例T:
実施例A~Sのいずれかに記載のマウスピースであって、
気流を受容するように構成された入口部分と、
-エアロゾルの流出のために構成された出口部分であって、気流チャネルは、入口部分と出口部分との間に配設され、風味要素は、入口部分と出口部分との間に位置する、出口部分と、を備える、マウスピース。
実施例U:
マウスピースは、エアロゾル発生物品、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジまたはエアロゾル発生装置のうちの一つ以上に着脱可能に接続されるように構成され、好ましくは、マウスピースの入口部分は、エアロゾル発生物品、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジまたはエアロゾル発生装置のうちの一つ以上に接続可能なように構成された接続要素を備える、実施例A~Tのいずれかに記載の再使用可能なマウスピース。
実施例V:
風味要素は、少なくとも一つの風味剤を含み、好ましくは、少なくとも一つの風味剤は、揮発性であり、好ましくは、少なくとも一つの風味剤は、液体またはゲルであり、より好ましくは、少なくとも一つの風味剤は、果物、ミントオイル、メントール、ラベンダー、ベルガモット、乳香、ニッケイ、イソメントン、酢酸メンチルからなる群から選択される、実施例A~Uのいずれかに記載のマウスピース。
実施例W:
エアロゾル発生システムであって、
-実施例A~Vのいずれかに記載のマウスピースと、
-エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品 のうちの一つ以上と、を備え、
-マウスピースは、カートリッジ、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品のうちの一つに着脱可能に接続可能であるように構成される、エアロゾル発生システム。
【0086】
一つの実施形態に関して記載される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】