(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】再生可能エネルギシステム装着装置及び浮揚プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
F03D 13/25 20160101AFI20241112BHJP
F03D 1/06 20060101ALI20241112BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20241112BHJP
B63B 21/00 20060101ALI20241112BHJP
B63B 21/50 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
F03D13/25
F03D1/06 B
B63B35/00 T
B63B21/00 B
B63B21/50 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523912
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2022081165
(87)【国際公開番号】W WO2023079179
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524147373
【氏名又は名称】マリン パワー システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】フォスター グラハム
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA05
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB73
3H178CC22
3H178CC23
3H178DD41X
3H178DD67X
(57)【要約】
2又は3以上の風力タービンをベースに装着するための風力タービン装着装置を提供する。装置は、第1の非ヨーイングセクションと、ヨーイング機構によって第1のセクションの第1の端部に固定された第2のヨーイングセクションとを含み、ヨーイング機構は、ヨー軸の周りの第1のセクションに対する第2のセクションの回転を可能にするように配置され、第2のセクションは、少なくとも2つの風力タービンを含み、少なくとも2つの風力タービンの各々は、風力タービンのハブ高度を定める回転子軸の周りに回転するように配置された回転子と、回転子に固定された複数のブレードとを有し、使用中のブレードの回転は、ブレードの掃引区域を定め、第1のセクションは、第1のセクションの幅を含み、第1のセクションの幅は、その第1の端部で第1の端部に対して遠位の第2の端部でよりも小さい。本発明は、1よりも多い風力タービンを装着し、1よりも多いタービンを装着することによって呈示される問題を克服しながら、設置当たりに取り込まれるエネルギを最大にするための装着ソリューションを提供することを目的としている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン装着装置であって、
第1の非ヨーイングセクションと、
ヨーイング機構によって前記第1のセクションの第1の端部に固定された第2のヨーイングセクションであって、前記ヨーイング機構が、ヨー軸の周りの前記第1のセクションに対する前記第2のセクションの回転を可能にするように配置される前記第2のヨーイングセクションと、
を含み、
前記第2のセクションは、少なくとも2つの風力タービンを含み、前記少なくとも2つの風力タービンの各々が、
前記風力タービンのハブ高度を定める回転子軸の周りに回転するように配置された回転子と、
前記回転子に固定された複数のブレードであって、使用中の前記ブレードの回転が前記ブレードの掃引区域を定める前記複数のブレードと、
を有し、
前記第1のセクションは、前記第1の端部における方が、前記第1の端部に対して遠位の第2の端部におけるよりも小さい第1のセクションの幅を含む、
風力タービンの装着装置。
【請求項2】
前記ヨーイング機構は、使用中に前記ブレードの前記掃引区域の最下縁の上方に位置付けられるヨーイング機構高度に位置決めされる請求項1に記載の装着装置。
【請求項3】
前記ヨーイング機構高度は、実質的に前記ハブ高度に位置付けられる請求項2に記載の装着装置。
【請求項4】
前記第2のセクション4は、第2のセクションの重心を含み、
前記ヨーイング機構は、前記ヨー軸が前記第2のセクションの重心と同軸に位置合わせされるように位置決めされる、
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の装着装置。
【請求項5】
前記第2のセクションは、前記ヨーイング機構の近傍と対応する前記風力タービンの面との間を延びる細長構造部材を含み、前記細長構造部材は、前記対応する風力タービンの前記回転子軸と前記ヨー軸との間の距離を定める請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装着装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの風力タービンのうちの各々の前記回転子軸は、前記ヨー軸から等距離に位置付けられる請求項5に記載の装着装置。
【請求項7】
前記対応する風力タービンの前記回転子軸と前記ヨー軸との間の前記距離は、前記掃引区域の半径に等しいか又はそれよりも大きい請求項5又は請求項6に記載の装着装置。
【請求項8】
前記細長構造部材は、流線形状を含む請求項5、請求項6、又は請求項7に記載の装着装置。
【請求項9】
前記第1のセクションは、その第1の端部での前記ヨーイング機構の近傍から前記第1のセクションの前記第2の端部まで延びる複数の細長構造部材を含む請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の装着装置。
【請求項10】
前記第1のセクションの前記複数の細長構造部材は、前記第1のセクションの実質的にピラミッド形の構造体の直立縁部を形成し、前記第1のセクションの前記第1の端部は、前記実質的にピラミッド形の構造体の頂点を形成する請求項9に記載の装着装置。
【請求項11】
前記第1のセクションの少なくとも3つの前記細長構造部材は、前記第2のセクションの前記ヨーイング機構の近傍から延びて三角形化された第2のセクションを提供する請求項10に記載の装着装置。
【請求項12】
引張力のみを受ける前記細長構造部材は、腱体である請求項9、請求項10、又は請求項11に記載の装着装置。
【請求項13】
前記少なくとも2つのタービンは、順風風力タービン及び/又は逆風タービンを含む請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の装着装置。
【請求項14】
前記ヨー軸の周りの前記ヨーイング機構の前記回転は、卓越風方向を示す制御入力に応答してモータによって駆動されるように調整される請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の装着装置。
【請求項15】
前記ヨーイング機構は、受動的に前記ヨー軸の周りの前記第2のセクションのヨーイングを可能にするように配置される請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の装着装置。
【請求項16】
水域に2以上の風力タービンを位置決めするための沖合再生可能エネルギシステム装着プラットフォームであって、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の装着装置と、
前記水域内で浮力を有する浮揚式ベース部材であって、前記装着装置が前記浮揚式ベース部材上に位置決めされる前記浮揚式ベース部材と、
前記浮揚式ベース部材を前記水域の水底に係留するように配置された複数の係留索と、
を含むプラットフォーム。
【請求項17】
前記ベース部材は、前記ベースの浮心を定める少なくとも1つの浮揚本体を含む請求項16に記載のプラットフォーム。
【請求項18】
前記ベース部材は、複数の前記浮揚本体を含み、各前記浮揚本体は、前記ベースの前記浮心から等距離に前記ベース上に位置決めされる請求項17に記載のプラットフォーム。
【請求項19】
前記ベースの前記浮心は、前記ヨー軸と同軸に位置合わせされる請求項17又は請求項18に記載のプラットフォーム。
【請求項20】
前記複数の係留索は、前記ベースから前記水域の前記水底上に位置付けられた対応するアンカー点まで延び、前記対応するアンカー点の各々は、前記ヨー軸と同軸に位置合わせされた中心係留軸から等距離に位置付けられる請求項16から請求項19のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項21】
前記浮揚式ベース部材は、前記装着装置の前記第1のセクションを形成する請求項16から請求項20のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の風力タービンを支持する装着プラットフォームに関連し、かつこの装置を装着するための浮揚式沖合再生可能エネルギシステム装着プラットフォームにも関する。
【背景技術】
【0002】
世界は、再生可能エネルギに移行しており、この移行は、地球にそれが必要とするエネルギを提供する全ての形態の再生可能エネルギの利用を要求することになる。
【0003】
1つの潜在的な再生可能エネルギ源は、波力であり、すなわち、世界中の大きい海洋及び海で利用可能な豊富かつ一貫したエネルギ資源である。別のものは、風力発電であり、風速は、陸地と比較して海洋及び海の上でより強くかつより一貫している。
【0004】
これらの理由から、深海で波力及び/又は風力を利用する再生可能エネルギデバイスを装着するための手段を提供する沖合プラットフォームが必要である。しかし、このプラットフォームを設置するための資源要件は、対応する設置当たりのエネルギ出力に関して最適とは言えない。例えば、各設置のためのアンカー、係留、設置及び電気接続に関する時間及びコストは、大量採用を促進するために改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラットフォーム設置のための資源要件は、設置によって生成されるエネルギ及びそのコストに直接に影響する。従って、それぞれのプラットフォーム上に装着される再生可能エネルギデバイスによるエネルギ出力に対して設置当たりの資源要件及びコストが可能な限り最適化される必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開示は、2又は3以上の風力タービンを単一支持構造体に装着するための風力タービン装着装置に関連し、風力タービンは、卓越風方向に従ってヨー軸の周りにヨーイングするように配置される。特に、本発明の開示は、第1の非ヨーイングセクションとそれに装着された第2のヨーイングセクションとを提供し、第2のヨーイングセクションは、2又は3以上の風力タービンを含む。第1の非ヨーイングセクションは、ヨーイングセクションに近接する第1の端部でより狭くかつヨーイングセクションに対して遠位の第2の端部でより広いその幅を含む。そのような構造体は、好ましくは、作動中の風力タービンの推力及び質量によって作用される曲げモーメントに対してロバストである。
【0007】
従って、本発明の第1の態様により、2又は3以上の風力タービンをベースに装着するための風力タービン装着装置を提供し、装置は、第1の非ヨーイングセクションと、ヨーイング機構によって第1のセクションの第1の端部に固定された第2のヨーイングセクションとを含み、ヨーイング機構は、ヨー軸の周りの第1のセクションに対する第2のセクションの回転を可能にするように配置され、第2のセクションは、少なくとも2つの風力タービンを含み、少なくとも2つの風力タービンの各々は、風力タービンのハブ高度を定める回転子軸の周りに回転するように配置された回転子と、回転子に固定された複数のブレードとを有し、使用中のブレードの回転は、ブレードの掃引区域を定め、第1のセクションは、第1のセクション幅を含み、第1のセクション幅は、その第1の端部で第1の端部に対して遠位の第2の端部でよりも小さい。
【0008】
使用中に、ヨーイング機構は、少なくとも2つの風力タービンがその風取り込み面を卓越風方向に対向させて位置決めされるように、ヨー軸の周りの第2のセクションの回転を可能にするように配置される。従って、装置は、卓越風方向と無関係に風力エネルギを取り込むように配置される。風力タービンは、取り込まれた風力エネルギを有用なエネルギに変換するように配置されたエネルギ変換器を含むか又はそれと連通していると理解されるであろう。この有用なエネルギは、エネルギストレージ部材によって装置上に又はその近くに格納される場合があり、及び/又はエネルギ伝達部材によって装置から搬送される場合がある。
【0009】
用語「掃引区域」は、回転子軸の周りの回転中にタービンブレードによって定められる区域を意味するように本発明の関連内で当業者によって理解されるであろう。掃引区域は、従って、回転子軸から掃引区域の最外縁まで延びる半径を含む実質的に円形であるように理解されるであろう。好ましい実施形態では、ヨーイング機構は、ヨーイング機構高度に位置決めされ、ヨーイング機構高度は、使用中にブレードの掃引区域の最下縁の上方に位置付けられる。掃引区域の最下縁の上方のヨーイング機構高度の位置は、好ましくは、タービンの推力及び質量からのより小さい曲げモーメントを受け、従って、使用中にヨーイング機構の安定した位置決めを提供する。ヨーイング機構高度は、ヨーイング機構のあらゆる部分を占める空間内の水平面を意味するように本発明の関連で当業者によって理解されるであろう。一部の好ましい実施形態では、ヨーイング機構高度は、実質的にハブ高度に位置決めされる。ハブ高度でのヨーイング機構の位置は、好ましくは、タービンの推力及び質量からの最小の曲げモーメントを受け、従って、最適に安定したヨーイング機構位置を提供する。ヨーイング機構高度をハブ高度の下方であるか掃引区域の最下点の上方に置くことは、一部の実施形態では、タービンの推力及び質量からの曲げモーメントを最小にし、一方で同じく装置の全高を最小にする際の妥協点として機能する場合がある。
【0010】
第2のセクションは、好ましくは、第2のセクションの重心を含み、好ましい実施形態では、ヨーイング機構は、ヨー軸が第2のセクションの重心と同軸に位置合わせされるように位置決めされる。第2のセクションの重心は、2又は3以上の風力タービン及びヨーイング機構、並びに2又は3以上の風力タービンをヨーイング機構に接続するあらゆる構造要素を含む第2のセクションの全ての構成要素の重心の組合せであると理解されるであろう。用語「同軸に位置合わせされた」は、同じ関連で使用中の水平及び/又は垂直平面上の位置合わせを意味する場合がある。第2のセクションの重心をヨー軸と同軸に位置合わせさせることは、好ましくは、最適な重量分布及び従ってヨーイングの最適な安定性又はヨーイング機構によるヨー軸の周りの第2のセクションの回転の最適な安定性を提供する。
【0011】
好ましい実施形態では、第2のセクションは、ヨーイング機構の近傍と対応する風力タービンの面との間を延びる細長構造部材を含み、細長構造部材は、対応する風力タービンの回転子軸とヨー軸間の距離を定める。少なくとも2つの風力タービンのうちの各々の回転子軸は、好ましくは、ヨー軸から等距離に位置付けられる。ヨー軸から等距離の風力タービンのうちの各々の位置決めは、好ましくは、その重量をヨー軸の周りに均等に配分して最適な安定性をヨーイング機構に提供する。
【0012】
一部の好ましい実施形態では、第2のセクションは、ヨーイング機構の近傍と対応する風力タービンの面との間を延びる細長構造部材を含む。細長構造部材は、好ましくは、ヨー軸と実質的に垂直に延びる。
【0013】
一部の好ましい実施形態では、第2のセクションは、ヨーイング機構を対応する風力タービンに固定する複数の細長構造部材を含み、あらゆる適切なそのような構造体が想定されるであろう。細長構造部材は、好ましくは、風力に対して最小限の抵抗を与えるように配置された骨格フレームを提供する。一部の特定の実施形態では、第2のセクションの複数の細長構造部材は、対応する風力タービンを構造的に三角形化するように位置決めされ、それにより好ましくは、使用中に風力タービンの最大安定性を提供する。
【0014】
一部の好ましい実施形態では、第2のセクションは、第1の細長構造部材であって、その第1の端部をヨー軸に沿ってかつヨー軸と共面の第1の平面に位置付けられた第1の位置と連通させ、かつ第1の端部に対して遠位のその第2の端部を対応する風力タービンの面と連通させる上記第1の細長構造部材と、第2の細長構造部材であって、その第1の端部を第1の位置とは異なる第2の位置と連通させ、かつ第1の端部に対して遠位のその第2の端部を対応する風力タービンの面と連通させ、第2の位置が、第1の位置と共面の第1の平面にかつ第1の平面と垂直な第2の平面に位置付けられ、第2の平面が、第1の位置に、その上方に、又はその下方に位置付けられる上記第2の細長構造部材とを含む。好ましい実施形態では、第2の位置は、第1の位置の背後の第1の平面に位置付けられる。一部の実施形態では、第2の位置は、代わりにヨー軸に沿って位置付けられる場合があることは認められるであろう。第1及び/又は第2の細長構造部材の第2の端部は、対応する風力タービンの面に直接に固定される場合がある。第1の細長構造部材の第2の端部が対応する風力タービンの面に固定される一部の実施形態では、第2の細長構造部材の第2の端部は、その第2の端部に近接して第1の細長構造部材に固定することができる。好ましい実施形態では、第1の細長構造部材及び第2の細長構造部材は、対応する風力タービンを構造的に三角形化するように作用し、それにより、使用中に風力タービンの構造的安定性を最大にする。好ましいそのような実施形態では、第1の細長構造部材又は第2の細長構造部材は、ヨー軸と実質的に垂直に延びることができる。
【0015】
第1及び第2の細長構造部材を含む実施形態では、第1の位置は、好ましくは、ヨーイング機構にあるか又はそれに近接している。第2の位置が第1の位置の上方の第2の平面にある実施形態では、第2のセクションは、好ましくは、ヨーイング機構から延びて(好ましくは垂直方向に)第1のセクションに対してそれと共にヨーイングするように配置された第3の細長構造部材を更に含み、第2の位置は、第3の細長構造部材に沿って位置付けられる。第2の位置が第1の位置の下方にある実施形態では、第1のセクションは、好ましくは、第1のセクションから垂直方向に延びる非ヨーイング垂直細長構造部材を更に含む。そのような実施形態では、ヨーイング機構は、非ヨーイング垂直細長構造部材に沿って第1の位置に位置付けられ、それに対する第2のセクションのヨーイングを可能にする。そのような実施形態では、第2の細長構造部材は、回転軸受によるなどで第2の位置で非ヨーイング垂直細長構造部材に回転可能に固定される。一部のそのような実施形態では、ヨーイング機構及び回転軸受のうちの少なくとも一方は、好ましくは、非ヨーイング垂直細長構造部材の対応するフランジ上に第2のセクションの重量が少なくとも部分的にそれによって支持され、かつ対応する風力タービンの構造的三角形化が容易にされるように支持することができる。好ましい実施形態では、ヨーイング機構は、非ヨーイング垂直細長構造部材の上に位置決めされる。用語「垂直方向に延びる」は、正(上向き)又は負(下向き)の垂直構成要素によって少なくとも部分的に定められる方向に及び従って完全な水平ではなく延びることを意味するように当業者によって理解されるであろう。「細長構造部材」を参照する本明細書に説明する特徴は、複数の細長構造部材を含む実施形態では第1及び/又は第2の細長構造部材への適用に適するとして理解されるであろう。
【0016】
対応する風力タービンの回転子軸とヨー軸の間の距離は、好ましくは、掃引区域の半径に等しいか又はそれよりも大きい。そのような実施形態では、2又は3以上のタービンのブレードは、第1のセクションに影響を与えることなく第1のセクションと同じ平面を占めることができる。ヨー軸の周りの風力タービンのヨーイングは、任意的に、従って、風力タービンのブレードが第1のセクションに影響を与えることなく、360度の回転経路全体を通して自由に発生することができる。第1のセクションのその両端での幅の差と組み合わせて、風力タービンの推力及び質量からの曲げモーメントに耐えるように最適化された第1のセクションが提供されることが可能である。
【0017】
一部の実施形態では、細長構造部材は、形状が実質的に管状又は円筒形である。細長構造部材は、好ましくは、流線形状を含む。用語「流線形の」は、本発明の関連では当業技術の一般的な用語として理解されるであろう。細長構造部材は、従って、好ましくは、最大高度とその長手軸に沿った深度とを含み、深度は、最大高度よりも大きい。用語「最大高度」は、その深度にわたって連続した高度又はその深度にわたって可変の高度を有する構造体を等しく意味すると理解されるであろう。細長構造部材は、従って、好ましくは、空気力学的である/流線形にされる。細長構造部材は、好ましくは、実質的に長円形又は翼形/エアフォイル断面を有する場合がある。そのような実施形態では、前縁は、最大高度よりも低い高度を有するものであると考えることができる。用語「前縁」は、本発明の関連では接近する風/空気に最初に遭遇するように位置決めされた細長構造部材の最前縁部として理解されるであろう。空気力学的/流線形の形状は、従って、好ましくは、風抵抗を低減し、従って、風力タービンの効率を改善する。
【0018】
第1のセクションは、好ましくは、その第1の端部でのヨーイング機構の近傍から第1のセクションの第2の端部まで延びる複数の細長構造部材を含む。複数の細長構造部材は、好ましくは、第1のセクションの外縁を定め、この縁部は、従って、第1のセクションの幅を定める。複数の構造要素は、好ましくは、使用中に空気力学的又は流体力学的抗力が最小にされるように有孔又は骨格フレーム構造体を形成する。
【0019】
第1のセクションの複数の細長構造部材は、好ましくは、第1のセクションの実質的にピラミッド又は四面体構造体の直立縁部を形成し、第1のセクションの第1の端部は、実質的にピラミッド又は四面体構造体の頂点を形成する。ピラミッド又は四面体構造体は、好ましくは、不要な曲げモーメントを非ヨーイング第1のセクションに生成することなくタービンから推力及び質量力を構造体を通して伝達する効率的なモードである。
【0020】
好ましい実施形態では、第1のセクションの少なくとも3つの細長構造部材は、三角形化された第2のセクションを提供するために第2のセクションのヨーイング機構の近傍から延びる。第1のセクションの構造部材によるヨーイング機構の支持は、従って、好ましくは、ヨーイング機構が構造部材によって三角形化されるようなものである。用語「三角形化された」は、本発明の関連では第2のセクションを支持するために例えばビーム三角形化のような構造的三角形化を使用することと理解されるであろう。そのような三角形化は、好ましくは、その上に作用する外力に対する支持体のロバスト性を最大にする。
【0021】
好ましい実施形態では、使用中に圧縮力を受ける第2のセクションの細長構造部材は、剛性ブレースであり、使用中に引張力のみを受ける細長構造部材は、腱体である。
【0022】
2又は3以上の風力タービンは、適切な風力タービンのあらゆる組合せとすることができる。好ましい実施形態では、少なくとも2つのタービンは、順風風力タービン及び/又は逆風タービンを含む。一部の好ましい実施形態では、風力タービンは、同じものである。
【0023】
ヨー軸の周りのヨーイング機構の回転は、好ましくは卓越風方向及び/又は対応するターゲットヨー角を示す制御入力に応答してモータによって駆動されるように調整される。制御入力は、モータによって搭載卓越風方向感知システムから受信することができ、又は複数の装置のファームに対して局所的な卓越風方向を検出し、その後に搭載モータによる受信のために制御信号を複数の装置に出力するように配置された単一感知システムを含むファーム感知システムのようなリモートソースから受信される場合がある。その好ましい実施形態では、回転は、モータによって駆動されるように単に配置され、モータによって駆動されない限り、第2のセクションは、従って、実質的に静止状態に維持される。
【0024】
一部の実施形態では、装置は、卓越風方向を検出するように配置された卓越風方向センサを更に含む場合がある。モータを含むそのような実施形態では、モータは、風力タービンの風係合面が、その方向の接近する卓越風に対向するように位置決めされるように、検出された卓越風方向に基づいてヨーイング機構の回転を駆動するように配置することができる。
【0025】
一部の実施形態では、ヨーイング機構は、受動的にヨー軸の周りの第2のセクションのヨーイングを可能にするように配置することができる。一部のそのような実施形態では、ヨーイング機構はまた、使用中に受動及び電動ヨーイングの組合せのためのモータを含むことができる。
【0026】
本発明の第2の態様により、水域に2又は3以上の風力タービンを位置決めするための沖合再生可能エネルギシステム装着プラットフォームを提供し、プラットフォームは、第1の態様による装着装置と、水域で浮力を有する浮揚式ベース部材であって、装着装置が浮揚式ベース部材上に位置決めされる上記浮揚式ベース部材と、浮揚式ベース部材を水域の水底に係留するように配置された複数の係留索とを含む。
【0027】
第2の態様は、従って、沖合海洋プラットフォーム上での第1の態様の装着装置の使用を可能にする。
【0028】
ベース部材は、好ましくは、少なくとも1つの浮揚本体を含み、少なくとも1つの浮揚本体は、ベースの浮心を定める。一部の実施形態では、ベース部材は、複数の浮揚本体を含むことができ、各浮揚本体は、ベースの浮心から等距離にベース上に位置決めされる。一部の実施形態では、ベースの浮心は、ヨー軸と同軸に位置合わせされる場合がある。そのような実施形態は、使用中に最大の安定性をベースに与えることができる。タービンの推力及び質量に起因する可変曲げモーメントを受ける一部の実施形態では、1又は2以上の浮揚部材の浮力は、可変曲げモーメントを受け入れるために調節可能である場合がある。そのような可変浮力は、例えば、曲げモーメントに応じて浮心を動的にシフトすることができ、それにより、使用中にプラットフォーム上に最大の安定性を与えることができる。
【0029】
複数の係留索は、好ましくは、ベースから水域の水底上に位置付けられた対応するアンカー点まで延び、対応するアンカー点の各々は、ヨー軸と同軸に位置合わせされた中心係留軸から等距離に位置付けられる。そのような係留構成は、好ましくは、様々な方向に変動する風力及び波力に対してプラットフォームを安定させる。
【0030】
プラットフォームは、好ましくは、水域でのプラットフォームの深度を定めるために複数の係留索の長さを調節するように配置された深度設定部材を更に含む。
【0031】
プラットフォームは、好ましくは、水中作動モードを含み、第1のセクションの少なくとも一部分は、水深設定手段によって水域内に水没される。水中作動モードでは、風力タービンは、風力エネルギを取り込むように配置される。水中作動モードの最も好ましい実施形態では、ヨーイング機構は水没されない。
【0032】
第2の態様の一部の実施形態では、追加の構成要素は、取り分け、船着き場、梯子、及び係留機器を含む場合がある。
【0033】
浮揚式ベース部材は、装着装置の第1のセクションを形成する場合があることは認められるであろう。
【0034】
本発明の開示の1又は2以上の態様又は実施形態に組み込むのに適切であるとして本明細書に説明するいずれの特徴も、本発明の開示のいずれかの及び全ての態様及び実施形態にわたって一般化されるように意図していることは更に認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】第1の態様の例示的装着装置を含む第2の態様によるプラットフォームの例示的実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1に示すものと類似の更に別の例示的実施形態の前面図である。
【
図3】
図2に示すものに対する代替例示的実施形態の前面図である。
【
図4】第1のヨー位置での
図1のプラットフォームの平面図である。
【
図5】第2のヨー位置での
図5のプラットフォームの平面図である。
【
図6】
図2及び
図3に示すものに対する代替例示的実施形態の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで本発明の実施形態を単に例示的にかつ添付図面を参照して以下に説明する。
【0037】
図1を参照すると、第1の態様の例示的装着装置を含む第2の態様によるプラットフォームの例示的実施形態100の斜視図が示されている。装置は、ピラミッドの頂点106からプラットフォーム100の三角形ベース部材108の対応する頂点に向けて延びる3つの細長構造ビーム104を有する実質的にピラミッド形の第1のセクション102を含む。従って、3つの構造ビーム104は、ピラミッドの直立縁部を形成し、ピラミッド構造体の頂点106に三角形化による支持を提供する。三角形ベース部材108の頂点の各々は、細長構造ベースビーム110によって上記頂点のうちの別の頂点に接続される。三角形ベース部材108の各頂点に位置決めされるのは、水域での浮力を有する対応する浮揚本体112である。
【0038】
ピラミッド形の第1のセクション102の頂点106の上に支持されるのは、第1のセクション102の頂点106に隣接して固定されたヨーイング機構116を有し、かつヨー軸の周りの第1のセクション102に対する第2のセクション104の回転を可能にするように配置された第2のヨーイングセクション114である。ヨーイング機構116に隣接して反対方向に延びるのは、各々がヨーイング機構116に対して遠位のその端部で風力タービンの対応するナセル120に固定された1ペアの対向する構造ビーム118である。ナセル120の各々は、回転子軸の周りの風力タービンのブレード122の回転を可能にするように配置された回転子(図示せず)を収容し、回転子軸は、図示の例ではヨー軸に実質的に垂直である。ブレード122の上記回転は、使用中のブレードの円形掃引区域を定め、掃引区域は、回転子軸からブレード122のうちの1つの先端まで延びる半径を有する。図示の実施形態での第2のセクションの構造ビーム118は、掃引区域半径よりも大きいヨーイング機構116からの回転子軸の距離を定める。図示の例示的実施形態では、第2のセクションの構造ビーム118は、風力タービンによってプラットフォーム100上に作用される力を均等に配分するように同じ長さである。風力タービンの回転子軸は、それぞれの風力タービンのハブ高度を定める。図示の実施形態100では、各風力タービンのハブ高度は、同一である。図示の実施形態でのヨーイング機構116は、プラットフォームによって示される風力タービンの推力及び質量からの曲げモーメントが最小にされるようにハブ高度に位置決めされる。曲げモーメントのこの低減は、好ましくは、構成要素サイズ決め及びプラットフォーム構成要素の磨耗及び破損に対して有益であるように、ヨーイング機構に作用する不要な力を低減するように作用する。
【0039】
図示の実施形態でのヨーイング機構116は、使用中に卓越風方向に従ってヨー軸の周りの第2のセクション114の回転を駆動するように配置されたモータ(図示せず)を含む。ヨーイング機構116からの回転子軸の距離は、第2のセクション114が、風力タービンのブレード122がピラミッド形の第1のセクション102に衝突することなく自由に回転することができることを保証する。
【0040】
図示のピラミッド形構造体は、好ましくは、プラットフォームの非ヨーイングの第1のセクション102に不要な曲げモーメントを生成することなく、タービンからの推力及び質量力を構造体を通して伝達する効率的な方法である。圧縮力を受ける第2のセクション104の構造ビームは、好ましくは、剛性ビームであり、引張力のみを受ける構造ビーム104は、好ましくは、腱体である。
【0041】
図2を参照すると、第1の態様の装着装置を含む本発明の第2の態様によるプラットフォームの例示的実施形態200が前面図に示されている。実施形態200は、
図1の実施形態100と実質的に同じであるが、ヨーイング機構204に隣接する場所から
図2の視点から離れる方向に上方に延びる中心支持ビーム202を含む追加の第2のセクションの支持ビームの配置を有する。追加の第2のセクションの支持ビーム配置は、ヨーイング機構204に対して遠位の中心ビーム202の端部と風力タービンの対応するナセル208との間を延びる2つの細長ビーム206を更に含む。上述のように、ナセル208の各々は、回転子軸の周りの風力タービンのブレード209の回転を可能にするように配置された回転子(図示せず)を収容し、回転子軸は、図示の例ではヨー軸Yに実質的に垂直である。ブレード209の上記回転は、使用中にブレードの円形掃引区域Sを定め、掃引区域は、回転子軸からブレード209のうちの1つの先端まで延びる半径を有する。上述の第2のセクションの支持ビーム210と共に、第2のセクションの支持ビーム配置は、風力タービンの各々に三角形化された支持を提供する。
【0042】
図示の実施形態200では、
図1の実施形態100と同様に、各風力タービンの回転子軸は、そのハブ高度Hを定め、これは、ヨーイング機構204の高度と同じである。
【0043】
図1に示していないが、プラットフォーム200は、ベース部材に隣接する場所から延びてプラットフォーム200を水域216の水底214に繋留する複数の係留索212を更に含む。実施形態200は、水中作動モードに示されており、プラットフォーム200のベースとその第1のセクションの一部分とは、対応する電動ウィンチ(図示せず)を使用して係留索212を繰り出すことによって水域216の水面218の下に沈められる。いずれの適切な深度設定機構も認められるであろう。図示の水中作動モードでは、プラットフォームベースの浮力は、プラットフォーム200の構成要素に対する重力の影響を打ち消すように作用し、プラットフォーム200の構成要素は、係留設置と共に、使用中のプラットフォーム200の安定性を提供する。プラットフォーム200のヨーイングセクションの構成要素の組合せは、図示の実施形態ではヨー軸Yと共に配置される重心を含み、これは、使用中のプラットフォームに安定性を更に付与する。
【0044】
図3を参照すると、
図2のプラットフォーム200と実質的に同じ構成を有するプラットフォーム300が示されているが、そのヨーイング機構302は、ハブ高度H’の下方に、しかし、風力タービン306のブレード304の掃引区域S’の最下点の上方に配置される。従って、プラットフォーム100の全高は、風力タービン306からの推力及び質量に起因して受ける曲げモーメントに対するロバスト性を維持しながら、
図2の構成200と比較して低減される。
【0045】
図4を参照すると、第2のセクション308が第1のセクション310に対して第1のヨー位置に位置決めされた
図3の実施形態300の平面図が示されている。そのような位置は、ヨーイング機構によって定められた第2のセクション104のヨー軸Y’の周りの第2のセクション3081の回転を駆動するように配置されたモータ(図示せず)によって達成される。図示の第1のヨー位置は、風力エネルギを取り込むために卓越風方向Wに風と係合するように風力タービン306の風係合面を位置決めする。
【0046】
図5を参照すると、
図4の実施形態300の平面図が示されており、代替卓越風方向W2により、モータ(図示せず)は、図示の第2のヨー位置を達成するために第2のセクション308の回転を既に駆動している。図示の第2のヨー位置では、風力タービン306の風係合面は、そこから風エネルギを取り込むために卓越風方向W2に風と係合するように位置決めされる。
【0047】
図6を参照すると、第1の態様の装着装置を含む第2の態様によるプラットフォームの更に別の実施形態400の前面図が示されている。図示の更に別の例400では、ピラミッドの頂点406からプラットフォーム400の三角形ベース部材408の対応する頂点に向けて延びる3つの細長構造ビーム404を有する実質的にピラミッド形の第1のセクション402を含む装置が示されている。従って、3つの構造ビーム404は、ピラミッドの直立縁部を形成し、かつ三角形化による支持をピラミッド構造体の頂点406に提供する。三角形ベース部材408の頂点の各々は、細長構造ベースビーム410によって上記頂点のうちの別の頂点に接続される。三角形ベース部材408の各頂点に位置決めされるのは、水域での浮力を有する対応する浮揚本体412である。
【0048】
ピラミッドの頂点406の上から延びて、第1のセクション402は、垂直に延びる構造ビーム413を更に含む。第1のセクション402の垂直に延びる構造ビーム413に固定されるのは、垂直に延びる構造ビーム413の上部415に隣接して固定され、かつヨー軸Y’’の周りの第1のセクション402に対する第2のセクション414の回転を可能にするように配置されたヨーイング機構416を有する第2のヨーイングセクション414である。ヨーイング機構416に隣接する場所から反対方向に延びるのは、各々がヨーイング機構416に対して遠位の端部で風力タービンの対応するナセル420に固定される1ペアの対向する第1の構造ビーム418である。ナセル420の各々は、回転子軸の周りの風力タービンのブレード422の回転を可能にするように配置された回転子(図示せず)を収容し、回転子軸(図示の前面図ではページから直接外側に延びる)は、図示の例ではヨー軸Y’’と実質的に垂直である。ブレード422の上記回転は、使用中のブレードの円形の掃引区域S’’を定め、掃引区域は、回転子軸からブレード422のうちの1つの先端まで延びる半径を有する。図示の実施形態での第2のセクションの第1の構造ビーム418は、掃引区域半径よりも大きいヨーイング機構416からの回転子軸の距離を定める。図示の例示的実施形態では、第2のセクションの第1の構造ビーム418は、風力タービンによってプラットフォーム400に作用される力を均等に配分するように等しい長さである。風力タービンの回転子軸は、それぞれの風力タービンのハブ高度H’’を定める。図示の実施形態400では、各風力タービンのハブ高度は同一ある。図示の実施形態でのヨーイング機構416は、プラットフォーム400によって示される風力タービンの推力及び質量からの曲げモーメントが最小にされるようにハブ高度に位置決めされる。曲げモーメントのこの低減は、好ましくは、構成要素のサイズ決め及びプラットフォーム構成要素の磨耗及び破損に対して有益であるように、ヨーイング機構に作用する不要な力を低減するように作用する。
【0049】
図示の実施形態でのヨーイング機構416は、使用中に卓越風方向に従ってヨー軸の周りの第2のセクション414の回転を駆動するように配置されたモータ(図示せず)を含む。ヨーイング機構416からの回転子軸の距離は、第2のセクション414が、風力タービンのブレード422がピラミッド形の第1のセクション402に衝突することなく、自由に回転することができることを保証する。
【0050】
図示の実施形態400では、第2のセクションは、それぞれの風力タービンに近接する対応する第1の構造ビーム上の各々の位置から垂直に延びる構造ビーム413上の位置に向けて下方向に各々が延びる1ペアの第2の構造ビーム419を更に含む。1ペアの第2の構造ビーム419の各々は、回転軸受417により、その位置で垂直に延びる構造ビーム413の位置と回転可能に連通し、それにより、それぞれのタービンの重量に対する追加の支持を提供するように作用する。1ペアの第2の構造ビーム419の各々は、それにより、それぞれの第1の構造ビーム418と共に、使用中に安定性を提供するためにそれぞれの風力タービンを構造的に三角形化するように作用する。
【0051】
本発明の開示のいずれの実施形態でも、図示のような好ましいピラミッド形構造体は、好ましくは、プラットフォームの非ヨーイングの第1のセクション102において不要な曲げモーメントを生成することなく、タービンからの推力及び質量力を構造体を通して伝達する効率的な方法である。圧縮力を受ける第2のセクション104の構造ビーム(例えば、下方に延びる第2の構造ビーム)は、好ましくは、剛性ビームであり、引張力のみを受ける構造ビーム104(例えば、第1の構造ビーム)は、好ましくは、腱体であり、かつ一部の実施形態では例えば剛性ビームよりも可撓性又は弾性であるように剛性ビームとは異なる弾性特性を有することができる。
【0052】
上述していない本発明の開示の範囲内の更に別の実施形態を想定することができ、例えば、図示の例での第1のセクションは、ピラミッド形構造体である。その第1及び第2の端部が複数の風力タービンによって作用される曲げモーメントを支持する異なる幅を含むあらゆる適切な構造を想定することができる。プラットフォームのベース部材は、浮揚本体がそれに固定された三角形ベースとして示されている。ベース部材がバージ又は半サブシステムのような第1のセクションのためのあらゆる適切なベースである実施形態が認められるであろう。図示の浮揚本体の代わりにベース部材の構造要素自体が浮力を構成する実施形態も認められるであろう。図示の実施形態でのモータは、手動で駆動される場合もあるが、装置が卓越風方向センサを含み、センサによって検出された卓越風方向が、自動ヨーイングに対してモータによって達成されるヨー角を決定するのに使用される実施形態も認められるであろう。上記ヨーイングが受動的に行われる実施形態も認められるであろう。プラットフォームのヨーイングセクションは、常に風に向けられるので、ヨーイングセクションの構造部材を通る風向は既知であり、従って、ヨーイングセクションの構造部材は、風力タービンと干渉する可能性がある空気抵抗及び乱流を低減するために流線形にすることができる。それによってタービンは、図示の実施形態に示すような逆風設計又は順風設計のうちのいずれかとすることができる。従って、第2のセクション104の支持ビームが、第2のセクション104に及ぼす風抵抗の影響を低減するために空気力学的/流線形状である実施形態が認められるであろう。従って、第2のセクション104の支持ビームは、実質的に長円形又は翼形/エアフォイル断面、又は前縁が風力タービンと同じ方向を向く支持ビームの最大断面高度よりも短い前縁を有するあらゆる適切な形状を含むことができる。図示の装置の構造体は、構造ビームを含むが、いずれの適切な構造部材も認められるであろう。
【国際調査報告】