(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】1.5Kを下回るサブケルビン低温のための低温圧送システム及び革新的な統合
(51)【国際特許分類】
F25B 9/12 20060101AFI20241112BHJP
F25B 9/02 20060101ALI20241112BHJP
F25B 41/39 20210101ALI20241112BHJP
【FI】
F25B9/12
F25B9/02 Z
F25B41/39
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524362
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2022077908
(87)【国際公開番号】W WO2023088607
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスペル,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】レイヴェックス,アライン
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、第1の作動流体(11)の循環のための第1の作動回路(10)を含む冷凍装置(1)であって、第1の作動回路(10)は、パイプの第1のネットワーク(70)によって直列に接続された以下の要素:- 第1の圧縮機(20)、- 冷却ユニット(300)、- 第3の熱交換器(30)、- ジュールトムソン型の第1の膨張装置(40)、- 冷却される対象物と熱を交換するように構成された第1のリザーバ(50)を含み、装置(1)は、断熱チャンバ(5)も含み、及び第1の作動回路(10)は、パイプの第1のネットワーク(70)に接続された第1の圧送部材(80)を含む、冷凍装置(1)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の作動流体(11)を循環させるための第1の作動回路(10)を含む冷凍装置(1)であって、前記第1の作動回路(10)は、ラインの第1のネットワーク(70)によって直列に接続された以下の要素:
- 前記作動流体(11)のための第1の移送部材(20)、
- 前記第1の作動回路(10)に接続される第1の高温チャネル(311)及び第1の低温チャネル(312)を含む第1の熱交換器(310)を含む冷却ユニット(300)であって、前記第1の作動回路(10)に接続された第2の高温チャネル(321)と、第1の冷熱源(330)に接続された第2の低温チャネル(322)とを含む第2の熱交換器(320)も含む冷却ユニット(300)、
- 第3の高温チャネル(31)及び第3の低温チャネル(32)を含む第3の熱交換器(30)、
- 第1のジュールトムソン膨張装置(40)、
- 冷却される対象物と熱交換するように構成された第1のタンク(50)
を含む、冷凍装置(1)において、前記要素の少なくともいくつかが内側に配置される断熱エンクロージャ(5)も含み、前記第1の移送部材(20)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置することと、前記第1の作動回路(10)は、前記エンクロージャ(5)の内側に位置し、且つ前記ラインの第1のネットワーク(70)に接続された第1の圧送部材(80)を含むこととを特徴とする冷凍装置(1)。
【請求項2】
前記ラインの第1のネットワーク(70)は、
- 前記第1の作動流体(11)が送出される前記移送部材(20)の第1の出口(21)を前記第1の高温チャネル(311)の第1の入口(313)に接続すること、
- 前記第1の高温チャネル(311)の第2の出口(314)を前記第2の高温チャネル(321)の第2の入口(323)に接続すること、
- 前記高温チャネル(321)の第3の出口(324)を前記第3の高温チャネル(31)の第3の入口(33)に接続すること、
- 前記第3の高温チャネル(31)の第4の出口(34)を前記第1の膨張装置(40)の第4の入口(41)に接続すること、
- 前記第1の膨張装置(40)の第5の出口(42)を前記第1のタンク(50)の第5の入口(51)に接続すること、
- 前記第1のタンク(50)の第6の出口(52)を前記第3の低温チャネル(32)の第6の入口(35)に接続すること、
- 前記第3の低温チャネル(32)の第7の出口(36)を、前記第1の作動流体(11)が引き込まれる前記第1の移送部材(20)の第8の入口(22)に接続すること
を行うように配置され、前記第1の圧送部材(80)は、前記第6の出口(52)と前記第8の入口(22)との間に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の圧送部材(80)は、前記第8の入口(22)に直接接続される、請求項2に記載の冷凍装置(1)。
【請求項4】
前記第1の圧送部材(80)は、前記第7の出口(36)の下流に位置する、請求項2又は3に記載の冷凍装置(1)。
【請求項5】
第2のジュールトムソン膨張装置(90)と第2のタンク(100)とを含み、前記第2の膨張装置(90)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第10の入口(91)と、前記第2のタンク(100)の第11の入口(101)と流体連通する第10の出口(92)とを含み、前記第2のタンク(100)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第11の出口(102)を含み、前記第2のタンク(100)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第1の排出口(103)も含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項6】
第3のジュールトムソン膨張装置(110)と、第3のタンク(120)と、第5の高温チャネル(131)及び第5の低温チャネル(132)を含む第5の熱交換器(130)とを含み、前記第3の膨張装置(110)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第12の入口(111)と、前記第3のタンク(120)の第13の入口(121)と流体連通する第12の出口(112)とを含み、前記第3のタンク(120)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第13の出口(122)を含み、前記第3のタンク(120)は、前記第5の高温チャネル(131)の第14の入口(133)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第2の排出口(123)も含み、前記第5の高温チャネル(131)の第14の出口(134)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通し、前記第5の低温チャネル(132)の第15の入口(135)及び第15の出口(136)は、前記第7の出口(36)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する、請求項2~5のいずれか一項に記載の冷凍装置。
【請求項7】
第6の高温チャネル(151)及び第6の低温チャネル(152)を含む第6の熱交換器(150)と、第4のジュールトムソン膨張装置(160)と、第4のタンク(170)とを含み、前記第6の高温チャネル(151)は、前記第1の出口(21)と前記第3の入口(33)との間で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の入口(153)を含み、及び前記第6の低温チャネル(152)は、前記第5の出口(42)の下流で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の出口(156)を含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項8】
前記第1の作動流体(11)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム4を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項9】
第2の移送部材(190)及び第2の低温ポンプ(220)によって第2の作動流体(181)を循環させるための第2の作動回路(180)を含み、前記第2の作動回路(180)は、前記第1のタンク(50)と熱交換する少なくとも1つの第1のライン部分(261)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項10】
前記第2の移送部材(190)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置する、請求項9に記載の冷凍装置(1)。
【請求項11】
前記第2の作動回路(180)は、前記第2のタンク(100)と熱交換する少なくとも1つの第2のライン部分(262)を含む、請求項9又は5に記載の冷凍装置(1)。
【請求項12】
前記第2の作動回路(180)は、第5のジュールトムソン膨張装置(200)も含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項13】
前記第2の作動流体(181)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム3を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第1の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第1の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第1の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第1の流体を加熱するステップ、
- 前記第1の流体を圧送するステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第1の作動流体を500ミリケルビン~4.5ケルビンの温度にするように実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項9~13のいずれか一項に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第2の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第2の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第2の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第2の流体を加熱するステップ、
- 前記第2の流体を圧送するステップ
を含む方法。
【請求項17】
前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第2の作動流体を300~700ミリケルビンの温度にするように実行される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温での冷凍の分野に関し、より詳細には、ケルビンに近い温度での冷凍のための装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているものは、作動流体のための圧縮機と、冷却される作動流体の第1の流れが循環する第1の高温チャネル及び第1の流れを冷却するための作動流体の第2の流れが循環する第1の低温チャネルを含む第1の熱交換器と、第1のジュールトムソン膨張装置と、第1の分離タンクとを含む、作動流体を循環させるための回路を含む冷凍装置である。冷凍装置は、第1の高温チャネルの第1の入口と流体連通する、第1の作動流体が送出される圧縮機の第1の出口と、第1の膨張装置の第2の入口と流体連通する第1の高温チャネルの第2の出口と、第1のタンクの第3の入口と流体連通する第1の膨張装置の第3の出口と、第1の低温チャネルの第4の入口と流体連通する第1のタンクの第4の出口と、第1の作動流体が引き込まれる第1の圧縮機の第5の入口と流体連通する第1の低温チャネルの第5の出口とを配置するように要素を接続するラインの第1のネットワークも含む。冷凍装置は、第1のタンクと熱交換する第2の高温チャネルを含む第2の熱交換器も含む。そのような回路は、第2の交換器の第2の低温チャネルに冷熱エネルギを提供する。しかしながら、作動流体が(ケルビンより低い)極低温まで冷却された後、作動流体の圧力は、低く、約0.1ミリバールである。したがって、かなりの冷却力を有することを可能とするために、かなりの流体流速を第1の回路に導入することが必要であり、これは、低い圧力においてかなりの大きさの圧送能力及びそれに対応するように寸法決めされたラインを必要とする。これは、非常にエネルギを必要とする圧縮装置を設けることになり、利用が難しく費用のかかる大きい冷凍装置になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に、ジュールトムソン膨張装置を組み込む冷凍装置の冷却力を増加させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、第1の作動流体を循環させるための第1の作動回路を含む冷凍装置が提供され、第1の作動回路は、ラインの第1のネットワークによって直列に接続された以下の要素:
- 作動流体のための第1の移送部材、
- 第1の作動回路に接続される第1の高温チャネル及び第1の低温チャネルを含む第1の熱交換器を含む冷却ユニットであって、第1の作動回路に接続された第2の高温チャネルと、第1の冷熱源に接続された第2の低温チャネルとを含む第2の熱交換器も含む冷却ユニット、
- 第3の高温チャネル及び第3の低温チャネルを含む第3の熱交換器、
- 第1のジュールトムソン膨張装置、
- 冷却される対象物と熱交換するように構成された第1のタンク
を含む。
【0005】
本発明によると、装置は、要素の少なくともいくつかが内側に配置される断熱エンクロージャも含み、第1の移送部材は、エンクロージャの外側に位置する。第1の作動回路は、エンクロージャの内側に位置し、且つラインの第1のネットワークに接続された第1の圧送部材も含む。
【0006】
したがって、得られるものは、第1の移送部材を変更することなく、第2の熱交換器でより多くの作動流体を循環させることができる装置であり、そのため、所定の装置容積に対する性能の改善及び/又は冷凍装置の小形化が可能になる。
【0007】
特定の実施形態によると、ラインの第1のネットワークは、
- 第1の作動流体が送出される移送部材の第1の出口を第1の高温チャネルの第1の入口に接続すること、
- 第1の高温チャネルの第2の出口を第2の高温チャネルの第2の入口に接続すること、
- 高温チャネルの第3の出口を第3の高温チャネルの第3の入口に接続すること、
- 第3の高温チャネル(31)の第4の出口を第1の膨張装置の第4の入口に接続すること、
- 第1の膨張装置の第5の出口を第1のタンクの第5の入口に接続すること、
- 第1のタンクの第6の出口を第3の低温チャネルの第6の入口に接続すること、
- 第3の低温チャネルの第7の出口を、第1の作動流体が引き込まれる第1の移送部材の第8の入口に接続すること
を行うように配置され、第1の圧送部材は、第6の出口と第8の入口との間に位置する。
【0008】
有利には、第1の圧送部材は、第8の入口に直接接続される。
【0009】
同様に有利には、第1の圧送部材は、第7の出口の下流に位置する。
【0010】
装置が第2のジュールトムソン膨張装置と第2のタンクとを含む場合、装置によって発生する最低温度が改善され、第2の膨張装置は、第3の出口の下流で第1の回路と流体連通する第10の入口と、第2のタンクの第11の入口と流体連通する第10の出口とを含み、第2のタンクは、第8の入口と流体連通する第11の出口を含み、第2のタンクは、第3の入口の上流で第1の回路と流体連通する、液相の作動流体のための第1の排出口も含む。
【0011】
装置が、第3のジュールトムソン膨張装置と、第3のタンクと、第5の高温チャネル及び第5の低温チャネルを含む第5の熱交換器とを含む場合にも、装置によって発生する最低温度が改善され、第3の膨張装置は、第3の出口の下流で第1の回路と流体連通する第12の入口と、第3のタンクの第13の入口と流体連通する第12の出口とを含み、第3のタンクは、第8の入口と流体連通する第13の出口を含み、第3の分離タンクは、第5の高温チャネルの第14の入口と流体連通する、液相の作動流体のための第2の排出口も含み、第5の高温チャネルの第14の出口は、第3の入口の上流で第1の回路と流体連通し、第3の低温チャネルの第15の入口及び第15の出口は、第7の出口の下流で第1の回路と流体連通する。
【0012】
好ましくは、冷凍装置は、第6の高温チャネル及び第6の低温チャネルを含む第6の熱交換器と、第4のジュールトムソン膨張装置と、第4のタンクとを含み、第6の高温チャネルは、第1の出口と第3の入口との間で第1の作動回路と流体連通する第16の入口を含み、及び第6の低温チャネルは、第5の出口の下流で第1の作動回路と流体連通する第16の出口を含む。
【0013】
有利には、第1の作動流体は、99.9%より大きい体積比率のヘリウム4を含む。
【0014】
同様に有利には、装置は、第2の移送部材及び第2の低温ポンプによって第2の作動流体を循環させるための第2の作動回路を含み、第2の作動回路は、第1のタンクと熱交換する少なくとも1つの第1のライン部分を含む。
【0015】
好ましくは、第2の移送部材は、エンクロージャの外側に位置する。第2の回路が、第2のタンクと熱交換する少なくとも1つの第2のライン部分を含む場合及び/又は第2の作動回路が第5のジュールトムソン膨張装置も含む場合、大きい改善が得られる。第2の作動流体は、99.9%より大きい体積比率のヘリウム3を含み得る。
【0016】
本発明は、上記の装置を使用する冷凍の方法にも関し、この方法は、
- 第1の作動流体を圧縮するステップ、
- 第1の作動流体を冷却するステップ、
- 第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 第1の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 第1の流体を加熱するステップ、
- 第1の流体を圧送するステップ
を含む。
【0017】
さらに、第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップは、分離ステップ前に第1の作動流体を500ミリケルビン~4.5ケルビンの温度にするように実行される。
【0018】
有利には、方法は、
- 第2の作動流体を圧縮するステップ、
- 第2の作動流体を冷却するステップ、
- 第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 第2の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 第2の流体を加熱するステップ、
- 第2の流体を圧送するステップ
を含む。
【0019】
同様に有利には、第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップは、分離ステップ前に第2の作動流体を300~700ミリケルビンの温度にするように実行される。
【0020】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本発明の特定の非限定的な実施形態の以下の説明を読むことで明らかになるであろう。
【0021】
添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施形態の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の第3の実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の第5の実施形態の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の第6の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、本発明による、概して1で示される冷凍装置は、第1の作動流体11、この場合、99.9%に等しい体積比率のヘリウム4を含む流体を循環させるための第1の作動回路10を含む。回路10はまた、熱力学的エフェクタである、流体11のための第1の圧縮機20と、第1の熱交換器310、この場合、第1の高温チャネル311及び第1の低温チャネル312を含む対向流交換器を含む第1の冷却ユニット300とを含む。冷却ユニット300は、第2の高温チャネル321及び第2の低温チャネル322を含む第2の熱交換器320も含む。回路10はまた、第3の熱交換器30、この場合、第3の高温チャネル31及び第3の低温チャネル32を含む対向流交換器と、第1のジュールトムソン膨張装置40と、第1の相分離タンク50とを含む。装置1は、第1のタンク50と熱交換する第4の高温チャネル61を含む第4の熱交換器60も含む。
【0024】
図1から分かるように、低温チャネル322は、知られている方法に従って外部冷熱源330に接続される。例えば、外部冷熱源は、作動流体を所望の温度まで冷却し、次いで、この冷却された流体は、チャネル322内を循環する。
【0025】
装置1は、
- 高温チャネル311の第1の入口313と流体連通する、流体11が送出される圧縮機20の第1の出口21、
- 高温チャネル321の第2の入口323と流体連通する高温チャネル311の第2の出口314、
- 高温チャネル31の第3の入口33と流体連通する高温チャネル321の第3の出口324、
- 膨張装置40の第4の入口41と流体連通する高温チャネル31の第4の出口34、
- タンク50の第5の入口51と流体連通する膨張装置40の第5の出口42、
- 低温チャネル32の第6の入口35と流体連通するタンク50の第6の出口52、
- 低温チャネル312の第7の入口315と流体連通する低温チャネル32の第7の出口36、
- 圧縮機20の第8の入口22と流体連通する低温チャネル312の第8の出口316
を配置するように、熱力学的エフェクタを作動回路10に接続するラインの第1のネットワーク70も含む。
【0026】
装置1は、第6の出口52と第8の入口22との間で回路10に位置する第1の低温ポンプ80も含む。より正確には、ポンプ80の第9の入口81は、出口36に接続され、ポンプ80の第9の出口82は、第7の入口315に接続される。その場合、ポンプ80は、出口36の下流且つ入口22の上流にある。
【0027】
最後に、装置1は、回路10及び上に列記された装置1のすべてのエフェクタが、圧縮機20を除いて、その内側に配置される断熱エンクロージャ5を含む。
【0028】
作動中、圧縮機20は、第8の入口22を通して流体11を引き込み、流体11が好ましくは等温圧縮された後(圧縮された流体11は、圧縮前の流体11と同じ温度である)、第1の出口21を通して流体11を送出する。例示のために、例証的な値が使用される。したがって、流体11は、周囲温度に近い温度(すなわち約300ケルビン)及び大気圧に近い圧力(すなわち約1バール)で第8の入口22から入る。流体11は、10~25バール、好ましくは15~20バールの圧力及び周囲温度に近い温度(すなわち約300ケルビン)で圧縮機20を出る。次いで、圧縮された流体11は、冷却ユニット300に入り、約15ケルビンの温度で冷却ユニット300を出る。
【0029】
次いで、流体11は、低温チャネル32内を循環する流れとの熱交換によって冷却される高温チャネル31に入る。次いで、流体11は、タンク50に入る前に膨張装置40で等エンタルピー膨張される。次いで、タンク50は、極低温における流体11の2つの相である、第1の液相12及び第2の気相13を含む。タンク50に存在する流体11の温度は、それぞれ15ミリバール~1バールのポンプ80の吸入圧力に対して、1.8~4.5ケルビンである。タンク50は、例えば、量子コンピュータ又は超電導電子部品の直接又は間接的な冷却のために使用することができる、第4の交換器60の第4の低温チャネルを構成する。
【0030】
交換器60の高温チャネル61に冷熱エネルギを放出した後、流体11は、低温チャネル32に入るように、タンク50を出る。低温チャネル32の出口では、流体11は、圧縮機20によって引き込まれる前に低温ポンプ80によって圧送される。次いで、低温ポンプ80は、流体11が(作動温度及び圧力に対応する)ヘリウム4の高い体積密度を有する場合、流体11に作用し、それにより回路10におけるヘリウム4の合計流量を大幅に増加させ、高温チャネル61を冷却するための大きい冷却力を提供することを可能にする。ポンプ80は、50ケルビンより低い温度で作動するため、「低温」と呼ばれる。
【0031】
このために、断熱エンクロージャ5は、装置が作動中であるとき、周囲温度より低い温度で装置のすべての要素を含むように構成される。
【0032】
上述のものと同様の又は類似の要素は、本発明の第2、第3、第4、第5及び第6の実施形態の以下の説明におけるものと同一の参照番号を有する。
【0033】
図2に示される第2の実施形態によると、装置1は、第1の実施形態に関する上述の要素に加えて、ネットワーク70によっていずれも回路10に接続された、第2のジュールトムソン膨張装置90及び第2の相分離タンク100を含む。示されるように、2つのタンク100、50は、回路において直列に配設される。同様に、2つの膨張装置90、40は、回路において直列に配設される。膨張装置90は、第1の出口21の下流の回路10と流体連通する第10の入口91と、第2のタンク100の第11の入口101と流体連通する第10の出口92とを含む。第2のタンク100の第11の出口102は、第8の入口22と流体連通する。第2のタンク100は、この場合、交換器30の入口33の上流で第1の回路10と流体連通する液相の流体11のための第1の排出口103を含む。膨張装置90及び第2のタンク100は、いずれもエンクロージャ5の内側に位置する。
【0034】
第2の膨張装置90及び第2のタンク100によって構成されるアセンブリは、装置1が流体11の第1の温度降下を実行することを可能にし、流体11は、その後、膨張装置40の通過後、第1のタンク50において約1.8ケルビンの温度である。これは、上記の実施形態に関して、
図2の例が2つの分離タンク100、50を直列に提供し、低温ポンプ80が、第2のタンク100の温度より低い第1のタンク50の液相の温度を得るために、第1のタンク50の気相における10ミリバール~20ミリバール、通常、15ミリバールの圧力を維持するように構成され、通常、第1のタンク50の液相のこの温度が1.6K~3K、通常、1.8Kであることを意味する。
【0035】
図3に示される第3の実施形態によると、装置1は、ネットワーク70によって両方とも回路10に接続される、第3のジュールトムソン膨張装置110と、第3のタンク120と、(第5の高温チャネル131及び第5の低温チャネル132を含む)第5の熱交換器130とを含む。第3の膨張装置110は、第1の出口21の下流の回路10と流体連通する第12の入口111と、第3のタンク120の第13の入口121と流体連通する第12の出口112とを含む。第3のタンク120は、第8の入口22と流体連通する第13の出口122を含む。第3のタンク120は、高温チャネル131の第14の入口133と流体連通する、液相の流体11のための第2の排出口123も含む。高温チャネル131の第14の出口134は、第3の入口33の上流で第1の回路10と流体連通する。より正確には、直列に3つの膨張装置を含み、且つ直列に3つのタンクを含むこの特定の実施形態では、高温チャネル131の出口134は、第2の膨張装置90の入口91に接続される。
【0036】
低温チャネル132の第15の入口135及び第15の出口136は、出口36の下流の回路10と流体連通する。
【0037】
より正確には、この特定の実施形態では、低温チャネル132の入口135は、ポンプ80の出口82に接続される。第3の膨張装置110、第3のタンク120及び第5の交換器130は、エンクロージャ5の内側に位置する。
【0038】
第3の膨張装置110及び第3のタンク120によって構成されるアセンブリは、装置110が流体11のさらなる温度降下を実行することを可能にし、流体11は、その後、膨張装置90、次いで第2のタンク100、次いで膨張装置40の通過後、タンク50において約0.8~1ケルビンの温度である。
【0039】
図3に破線で示される第4の実施形態によると、第2の任意選択の低温ポンプ140は、(第1のポンプ80と直列に)出口82と入口22との間で回路10に接続される。より正確には、ポンプ140は、交換器130の出口136に接続される。これは、上記の実施形態に関して、
図3の例が3つの分離タンクを直列に提供し、低温ポンプ80が、他のタンク120及び100の温度より低い液相の温度を得るために、第1のタンク50の気相における0.015ミリバール~0.15ミリバールの圧力を維持するように構成され、第1のタンク50のこの温度が例えば0.8ケルビン~1ケルビンであることを意味する。
【0040】
図4に示される第5の実施形態によると、装置1は、第6の高温チャネル151及び第6の低温チャネル152を含む第6の熱交換器150と、第4のジュールトムソン膨張装置160と、第4のタンク170とを含む。
【0041】
高温チャネル151は、出口21と入口33との間で第1の回路10と流体連通する第16の入口153を含む。
図4に示される特定の実施形態では、入口153は、排出口103と入口33との間に作られたタッピングにより、回路10に接続される。低温チャネル152は、出口36の下流の回路10と流体連通する第16の出口156を含む。高温チャネル151の出口154は、膨張装置160の第17の入口161に接続される。膨張装置160の第17の出口162は、第4のタンク170の第18の入口171に接続され、第4のタンク170の第19の出口172は、低温チャネル152の第19の入口155に接続される。第4のタンク170は、追加の第4の交換器60.1の高温チャネル61.1を冷却するための冷熱源として働く。他の追加の交換器、膨張装置及びタンクも、
図4の破線で示されるように、交換器150、膨張装置160、タンク170及び追加の交換器60.1と並列に設置され得る。
【0042】
したがって、いくつかの異なる点に装置1の冷却力を分散する複数の熱交換器を有することが可能である。
【0043】
これは、上記の実施形態に関して、
図4の例が、熱交換器60、60.1、相分離タンク50、170、膨張装置40、160及び熱交換器30、150をそれぞれ含むいくつかのアセンブリを提供することを意味する。これらのアセンブリは、タンク100の単一の出口103によって作動流体が並列に供給され、単一の低温ポンプ80に並列に接続される。
【0044】
図5に示される第6の実施形態によると、装置1は、第2の作動流体181、この場合、99.9%以上の体積比率のヘリウム3を含む流体を循環させるための第2の作動回路180を含む。回路180はまた、第2の実施形態のエフェクタに加えて、熱力学的エフェクタである、流体181のための第2の圧縮機190と、第5のジュールトムソン膨張装置200と、第5の相分離タンク210と、第3の低温ポンプ220と、第7の熱交換器230と、第8の熱交換器240とを含む。第2の圧縮機190は、第2の冷却ユニット250に接続され、第2の冷却ユニット250は、冷却ユニット300と同一であり、冷熱源330に接続される。
【0045】
装置1は、
- 冷却ユニット250の第20の入口251と流体連通する、流体181が送出される第2の圧縮機190の第20の出口191、
- 交換器230の高温チャネル232の第21の入口231と流体連通する冷却ユニット250の第21の出口252、
- 交換器240の高温チャネル242の第22の入口241と流体連通する高温チャネル232の第22の出口233、
- 第5の膨張装置200の第23の入口201と流体連通する高温チャネル242の第23の出口243、
- 第5のタンク210の第24の入口211と流体連通する第5の膨張装置200の第24の出口202、
- 交換器240の低温チャネル245の第25の入口244と流体連通する第5のタンク210の第25の出口212、
- 第3のポンプ220の第27の入口221と流体連通する低温チャネル245の第26の出口246、
- 交換器230の低温チャネル235の第28の入口234と流体連通する第3のポンプ220の第27の出口222、
- 冷却ユニット250の第28の入口253と流体連通する低温チャネル235の第28の出口236、
- 第2の圧縮機190の第29の入口192と流体連通する冷却ユニット250の第29の出口254
を配置するように、熱力学的エフェクタを接続するラインの第2のネットワーク260も含む。
【0046】
回路180のすべてのエフェクタは、第2の圧縮機190を除いて、エンクロージャ5の内側に位置する。
【0047】
図5から分かるように、ネットワーク260は、第1のタンク50内で延在する第1のライン部分261と、第2のタンク100内で延在する第2のライン部分262と、第3のタンク120内で延在する第3のライン部分263とを含む。部分261、262及び263には、第1のタンク50、第2のタンク100及び第3のタンク120内に含まれる流体との熱交換を改善するためにそれぞれ放射状フィンが設けられ得る。
【0048】
部分261、262及び263は、第2の圧縮機190の出口191と第5の膨張装置200の入口201との間に位置し、第5の膨張装置200内での膨張前に流体181を冷却することに寄与する。
【0049】
回路180内に存在し、第5の膨張装置200でそれ自体が等エンタルピー膨張を受ける流体181の、回路10を使用する冷却は、高温チャネル61に対して低温チャネルの温度をさらに下げることを可能にする。第5の膨張装置200及び第5のタンク210で構成されるアセンブリは、流体181のさらなる温度降下を発生させ、流体181は、第5の膨張装置200の通過後、第5のタンク210において約0.3ケルビン又はそれ未満の温度である。
【0050】
当然のことながら、本発明は、記述された実施形態に限定されるものではないが、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内のあらゆる変形形態を対象とする。
【0051】
特に、
- この場合、第1の流体は、99.9%より大きいヘリウム4の比率を含むが、本発明は、99.9%より大きいヘリウム3の比率を含み、源330による予冷から適合された温度を有する第1の流体などの他のタイプの第1の流体にも適用される。
- この場合、交換器、対向管交換器であるが、本発明は、プレート又は管交換器、高温の流れ及び低温の流れを対向流であるか又は対向流ではないようにすることができるものなどの他のタイプの熱交換器にも適用される。
- 低温ポンプは、ターボ分子型、「Holweck」型若しくは遠心ホイール型のポンプ又はこれらの技術の任意の組合せであり得る。
- この場合、第3のポンプは、2つの分離タンク間に示されているが、本発明は、第20の出口の下流の第2のポンプの他の配置にも適用される。
- この場合、第3の膨張装置、第3のタンク及び第3の熱交換器は、第2の膨張装置及び第2のタンクを含む第3の実施形態に関連して説明されたが、本発明は、第2の膨張装置及び第2のタンクを有しない回路に連結された第3の膨張装置、第3のタンク及び第3の熱交換器にも適用される。
- 第2の熱交換器は、流体又は伝導交換器型、例えば冷却対象要素が取り付けられるか又は熱伝導性編組が固定される少なくとも1つの熱伝導壁を含むタンクであり得る。
- この場合、装置は、第2の熱交換器を含むが、本発明は、伝導によって第1のタンクと直接的に熱交換するか、又は熱伝達流体若しくは金属であり得る固体熱伝達媒体を使用して第1のタンクと間接的に熱交換する電子チップなど、他のタイプの冷却される対象物にも適用される。
- この場合、冷却ユニットは、第1の高温チャネルから作動回路に接続される第1の低温チャネルに熱エネルギを伝達するための単一の第1の交換器と、第1の作動回路に接続された第2の高温チャネル及び外部冷熱源に接続された第2の低温チャネルを含む単一の第2の熱交換器とを含むが、本発明は、第1の回路の2つの部分間で熱エネルギを交換するための2つ以上の第1の交換器及び/又は1つ以上の外部冷熱源に接続された2つ以上の第2の交換器とを含む冷却ユニットにも適用される。
- 冷熱源330は、エンクロージャ5内に完全に又は部分的に含まれ得る。
- 冷熱源330は、サイクルガス冷凍機、パルス管又は任意の他の好適な冷熱源であり得る。
- 低温チャネル322は、所望の蒸発温度において、高温チャネル321が浸された低温液槽によって交換され得る。
- 低温チャネル322は、冷熱源を高温チャネル321に機械的に接続し、伝導によって高温チャネル321を冷却するための適合可能な熱リンク(銅又は別の熱伝導性金属)によって交換され得る。
- 圧縮機20及び190は、ライン、ポンプ、熱交換器又は別の好適な機械などの任意の移送部材であり得る。
- この場合、圧縮機は、回路における作動流体の循環を保証するが、本発明は、単純なパイプ又は熱交換器などの他のタイプの移送部材にも適用される。特に、低温ポンプ80は、回路のすべてのラインを通して流体を圧送するのに十分であることがある。この構成は、圧縮機などの高温移送部材を含む装置の開始後に得ることができる。すなわち、装置は、圧縮機20(又は190)によって開始され、次いで、圧縮機は、スイッチがオフにされるか、又は予冷のための冷熱源との熱交換のために構成することができる冷交換器によって迂回される。
- この場合、第1及び第2の冷却ユニットは、単一の冷熱源を使用するが、本発明は、専用冷熱源を使用する冷却ユニットにも適用される。
- この場合、流体11は、約15Kの温度で冷却ユニット300を出るが、本発明は、10K又は5K~10K、特に6K~7Kの流体11の出口温度にも適用される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温での冷凍の分野に関し、より詳細には、ケルビンに近い温度での冷凍のための装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているものは、作動流体のための圧縮機と、冷却される作動流体の第1の流れが循環する第1の高温チャネル及び第1の流れを冷却するための作動流体の第2の流れが循環する第1の低温チャネルを含む第1の熱交換器と、第1のジュールトムソン膨張装置と、第1の分離タンクとを含む、作動流体を循環させるための回路を含む冷凍装置である。冷凍装置は、第1の高温チャネルの第1の入口と流体連通する、第1の作動流体が送出される圧縮機の第1の出口と、第1の膨張装置の第2の入口と流体連通する第1の高温チャネルの第2の出口と、第1のタンクの第3の入口と流体連通する第1の膨張装置の第3の出口と、第1の低温チャネルの第4の入口と流体連通する第1のタンクの第4の出口と、第1の作動流体が引き込まれる第1の圧縮機の第5の入口と流体連通する第1の低温チャネルの第5の出口とを配置するように要素を接続するラインの第1のネットワークも含む。冷凍装置は、第1のタンクと熱交換する第2の高温チャネルを含む第2の熱交換器も含む。そのような回路は、第2の交換器の第2の低温チャネルに冷熱エネルギを提供する。しかしながら、作動流体が(ケルビンより低い)極低温まで冷却された後、作動流体の圧力は、低く、約0.1ミリバールである。したがって、かなりの冷却力を有することを可能とするために、かなりの流体流速を第1の回路に導入することが必要であり、これは、低い圧力においてかなりの大きさの圧送能力及びそれに対応するように寸法決めされたラインを必要とする。これは、非常にエネルギを必要とする圧縮装置を設けることになり、利用が難しく費用のかかる大きい冷凍装置になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に、ジュールトムソン膨張装置を組み込む冷凍装置の冷却力を増加させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、第1の作動流体を循環させるための第1の作動回路を含む冷凍装置が提供され、第1の作動回路は、ラインの第1のネットワークによって直列に接続された以下の要素:
- 作動流体のための第1の移送部材、
- 第1の作動回路に接続される第1の高温チャネル及び第1の低温チャネルを含む第1の熱交換器を含む冷却ユニットであって、第1の作動回路に接続された第2の高温チャネルと、第1の冷熱源に接続された第2の低温チャネルとを含む第2の熱交換器も含む冷却ユニット、
- 第3の高温チャネル及び第3の低温チャネルを含む第3の熱交換器、
- 第1のジュールトムソン膨張装置、
- 冷却される対象物と熱交換するように構成された第1のタンク
を含む。
【0005】
本発明によると、装置は、要素の少なくともいくつかが内側に配置される断熱エンクロージャも含み、第1の移送部材は、エンクロージャの外側に位置する。第1の作動回路は、エンクロージャの内側に位置し、且つラインの第1のネットワークに接続された第1の圧送部材も含む。
【0006】
したがって、得られるものは、第1の移送部材を変更することなく、第2の熱交換器でより多くの作動流体を循環させることができる装置であり、そのため、所定の装置容積に対する性能の改善及び/又は冷凍装置の小形化が可能になる。
【0007】
特定の実施形態によると、ラインの第1のネットワークは、
- 第1の作動流体が送出される移送部材の第1の出口を第1の高温チャネルの第1の入口に接続すること、
- 第1の高温チャネルの第2の出口を第2の高温チャネルの第2の入口に接続すること、
- 高温チャネルの第3の出口を第3の高温チャネルの第3の入口に接続すること、
- 第3の高温チャネル(31)の第4の出口を第1の膨張装置の第4の入口に接続すること、
- 第1の膨張装置の第5の出口を第1のタンクの第5の入口に接続すること、
- 第1のタンクの第6の出口を第3の低温チャネルの第6の入口に接続すること、
- 第3の低温チャネルの第7の出口を、第1の作動流体が引き込まれる第1の移送部材の第8の入口に接続すること
を行うように配置され、第1の圧送部材は、第6の出口と第8の入口との間に位置する。
【0008】
有利には、第1の圧送部材は、第8の入口に直接接続される。
【0009】
同様に有利には、第1の圧送部材は、第7の出口の下流に位置する。
【0010】
装置が第2のジュールトムソン膨張装置と第2のタンクとを含む場合、装置によって発生する最低温度が改善され、第2の膨張装置は、第3の出口の下流で第1の回路と流体連通する第10の入口と、第2のタンクの第11の入口と流体連通する第10の出口とを含み、第2のタンクは、第8の入口と流体連通する第11の出口を含み、第2のタンクは、第3の入口の上流で第1の回路と流体連通する、液相の作動流体のための第1の排出口も含む。
【0011】
装置が、第3のジュールトムソン膨張装置と、第3のタンクと、第5の高温チャネル及び第5の低温チャネルを含む第5の熱交換器とを含む場合にも、装置によって発生する最低温度が改善され、第3の膨張装置は、第3の出口の下流で第1の回路と流体連通する第12の入口と、第3のタンクの第13の入口と流体連通する第12の出口とを含み、第3のタンクは、第8の入口と流体連通する第13の出口を含み、第3の分離タンクは、第5の高温チャネルの第14の入口と流体連通する、液相の作動流体のための第2の排出口も含み、第5の高温チャネルの第14の出口は、第3の入口の上流で第1の回路と流体連通し、第3の低温チャネルの第15の入口及び第15の出口は、第7の出口の下流で第1の回路と流体連通する。
【0012】
好ましくは、冷凍装置は、第6の高温チャネル及び第6の低温チャネルを含む第6の熱交換器と、第4のジュールトムソン膨張装置と、第4のタンクとを含み、第6の高温チャネルは、第1の出口と第3の入口との間で第1の作動回路と流体連通する第16の入口を含み、及び第6の低温チャネルは、第5の出口の下流で第1の作動回路と流体連通する第16の出口を含む。
【0013】
有利には、第1の作動流体は、99.9%より大きい体積比率のヘリウム4を含む。
【0014】
同様に有利には、装置は、第2の移送部材及び第2の低温ポンプによって第2の作動流体を循環させるための第2の作動回路を含み、第2の作動回路は、第1のタンクと熱交換する少なくとも1つの第1のライン部分を含む。
【0015】
好ましくは、第2の移送部材は、エンクロージャの外側に位置する。第2の回路が、第2のタンクと熱交換する少なくとも1つの第2のライン部分を含む場合及び/又は第2の作動回路が第5のジュールトムソン膨張装置も含む場合、大きい改善が得られる。第2の作動流体は、99.9%より大きい体積比率のヘリウム3を含み得る。
【0016】
本発明は、上記の装置を使用する冷凍の方法にも関し、この方法は、
- 第1の作動流体を圧縮するステップ、
- 第1の作動流体を冷却するステップ、
- 第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 第1の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 第1の流体を加熱するステップ、
- 第1の流体を圧送するステップ
を含む。
【0017】
さらに、第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップは、分離ステップ前に第1の作動流体を500ミリケルビン~4.5ケルビンの温度にするように実行される。
【0018】
有利には、方法は、
- 第2の作動流体を圧縮するステップ、
- 第2の作動流体を冷却するステップ、
- 第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 第2の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 第2の流体を加熱するステップ、
- 第2の流体を圧送するステップ
を含む。
【0019】
同様に有利には、第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップは、分離ステップ前に第2の作動流体を300~700ミリケルビンの温度にするように実行される。
【0020】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本発明の特定の非限定的な実施形態の以下の説明を読むことで明らかになるであろう。
【0021】
添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施形態の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の第3の実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の第5の実施形態の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の第6の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、本発明による、概して1で示される冷凍装置は、第1の作動流体11、この場合、99.9%に等しい体積比率のヘリウム4を含む流体を循環させるための第1の作動回路10を含む。回路10はまた、熱力学的エフェクタである、流体11のための第1の圧縮機20と、第1の熱交換器310、この場合、第1の高温チャネル311及び第1の低温チャネル312を含む対向流交換器を含む第1の冷却ユニット300とを含む。冷却ユニット300は、第2の高温チャネル321及び第2の低温チャネル322を含む第2の熱交換器320も含む。回路10はまた、第3の熱交換器30、この場合、第3の高温チャネル31及び第3の低温チャネル32を含む対向流交換器と、第1のジュールトムソン膨張装置40と、第1の相分離タンク50とを含む。装置1は、第1のタンク50と熱交換する第4の高温チャネル61を含む第4の熱交換器60も含む。
【0024】
図1から分かるように、低温チャネル322は、知られている方法に従って外部冷熱源330に接続される。例えば、外部冷熱源は、作動流体を所望の温度まで冷却し、次いで、この冷却された流体は、チャネル322内を循環する。
【0025】
装置1は、
- 高温チャネル311の第1の入口313と流体連通する、流体11が送出される圧縮機20の第1の出口21、
- 高温チャネル321の第2の入口323と流体連通する高温チャネル311の第2の出口314、
- 高温チャネル31の第3の入口33と流体連通する高温チャネル321の第3の出口324、
- 膨張装置40の第4の入口41と流体連通する高温チャネル31の第4の出口34、
- タンク50の第5の入口51と流体連通する膨張装置40の第5の出口42、
- 低温チャネル32の第6の入口35と流体連通するタンク50の第6の出口52、
- 低温チャネル312の第7の入口315と流体連通する低温チャネル32の第7の出口36、
- 圧縮機20の第8の入口22と流体連通する低温チャネル312の第8の出口316
を配置するように、熱力学的エフェクタを作動回路10に接続するラインの第1のネットワーク70も含む。
【0026】
装置1は、第6の出口52と第8の入口22との間で回路10に位置する第1の低温ポンプ80も含む。より正確には、ポンプ80の第9の入口81は、出口36に接続され、ポンプ80の第9の出口82は、第7の入口315に接続される。その場合、ポンプ80は、出口36の下流且つ入口22の上流にある。
【0027】
最後に、装置1は、回路10及び上に列記された装置1のすべてのエフェクタが、圧縮機20を除いて、その内側に配置される断熱エンクロージャ5を含む。
【0028】
作動中、圧縮機20は、第8の入口22を通して流体11を引き込み、流体11が好ましくは等温圧縮された後(圧縮された流体11は、圧縮前の流体11と同じ温度である)、第1の出口21を通して流体11を送出する。例示のために、例証的な値が使用される。したがって、流体11は、周囲温度に近い温度(すなわち約300ケルビン)及び大気圧に近い圧力(すなわち約1バール)で第8の入口22から入る。流体11は、10~25バール、好ましくは15~20バールの圧力及び周囲温度に近い温度(すなわち約300ケルビン)で圧縮機20を出る。次いで、圧縮された流体11は、冷却ユニット300に入り、約15ケルビンの温度で冷却ユニット300を出る。
【0029】
次いで、流体11は、低温チャネル32内を循環する流れとの熱交換によって冷却される高温チャネル31に入る。次いで、流体11は、タンク50に入る前に膨張装置40で等エンタルピー膨張される。次いで、タンク50は、極低温における流体11の2つの相である、第1の液相12及び第2の気相13を含む。タンク50に存在する流体11の温度は、それぞれ15ミリバール~1バールのポンプ80の吸入圧力に対して、1.8~4.5ケルビンである。タンク50は、例えば、量子コンピュータ又は超電導電子部品の直接又は間接的な冷却のために使用することができる、第4の交換器60の第4の低温チャネルを構成する。
【0030】
交換器60の高温チャネル61に冷熱エネルギを放出した後、流体11は、低温チャネル32に入るように、タンク50を出る。低温チャネル32の出口では、流体11は、圧縮機20によって引き込まれる前に低温ポンプ80によって圧送される。次いで、低温ポンプ80は、流体11が(作動温度及び圧力に対応する)ヘリウム4の高い体積密度を有する場合、流体11に作用し、それにより回路10におけるヘリウム4の合計流量を大幅に増加させ、高温チャネル61を冷却するための大きい冷却力を提供することを可能にする。ポンプ80は、50ケルビンより低い温度で作動するため、「低温」と呼ばれる。
【0031】
このために、断熱エンクロージャ5は、装置が作動中であるとき、周囲温度より低い温度で装置のすべての要素を含むように構成される。
【0032】
上述のものと同様の又は類似の要素は、本発明の第2、第3、第4、第5及び第6の実施形態の以下の説明におけるものと同一の参照番号を有する。
【0033】
図2に示される第2の実施形態によると、装置1は、第1の実施形態に関する上述の要素に加えて、ネットワーク70によっていずれも回路10に接続された、第2のジュールトムソン膨張装置90及び第2の相分離タンク100を含む。示されるように、2つのタンク100、50は、回路において直列に配設される。同様に、2つの膨張装置90、40は、回路において直列に配設される。膨張装置90は、第1の出口21の下流の回路10と流体連通する第10の入口91と、第2のタンク100の第11の入口101と流体連通する第10の出口92とを含む。第2のタンク100の第11の出口102は、第8の入口22と流体連通する。第2のタンク100は、この場合、交換器30の入口33の上流で第1の回路10と流体連通する液相の流体11のための第1の排出口103を含む。膨張装置90及び第2のタンク100は、いずれもエンクロージャ5の内側に位置する。
【0034】
第2の膨張装置90及び第2のタンク100によって構成されるアセンブリは、装置1が流体11の第1の温度降下を実行することを可能にし、流体11は、その後、膨張装置40の通過後、第1のタンク50において約1.8ケルビンの温度である。これは、上記の実施形態に関して、
図2の例が2つの分離タンク100、50を直列に提供し、低温ポンプ80が、第2のタンク100の温度より低い第1のタンク50の液相の温度を得るために、第1のタンク50の気相における10ミリバール~20ミリバール、通常、15ミリバールの圧力を維持するように構成され、通常、第1のタンク50の液相のこの温度が1.6K~3K、通常、1.8Kであることを意味する。
【0035】
図3に示される第3の実施形態によると、装置1は、ネットワーク70によって両方とも回路10に接続される、第3のジュールトムソン膨張装置110と、第3のタンク120と、(第5の高温チャネル131及び第5の低温チャネル132を含む)第5の熱交換器130とを含む。第3の膨張装置110は、第1の出口21の下流の回路10と流体連通する第12の入口111と、第3のタンク120の第13の入口121と流体連通する第12の出口112とを含む。第3のタンク120は、第8の入口22と流体連通する第13の出口122を含む。第3のタンク120は、高温チャネル131の第14の入口133と流体連通する、液相の流体11のための第2の排出口123も含む。高温チャネル131の第14の出口134は、第3の入口33の上流で第1の回路10と流体連通する。より正確には、直列に3つの膨張装置を含み、且つ直列に3つのタンクを含むこの特定の実施形態では、高温チャネル131の出口134は、第2の膨張装置90の入口91に接続される。
【0036】
低温チャネル132の第15の入口135及び第15の出口136は、出口36の下流の回路10と流体連通する。
【0037】
より正確には、この特定の実施形態では、低温チャネル132の入口135は、ポンプ80の出口82に接続される。第3の膨張装置110、第3のタンク120及び第5の交換器130は、エンクロージャ5の内側に位置する。
【0038】
第3の膨張装置110及び第3のタンク120によって構成されるアセンブリは、装置110が流体11のさらなる温度降下を実行することを可能にし、流体11は、その後、膨張装置90、次いで第2のタンク100、次いで膨張装置40の通過後、タンク50において約0.8~1ケルビンの温度である。
【0039】
図3に破線で示される第4の実施形態によると、第2の任意選択の低温ポンプ140は、(第1のポンプ80と直列に)出口82と入口22との間で回路10に接続される。より正確には、ポンプ140は、交換器130の出口136に接続される。これは、上記の実施形態に関して、
図3の例が3つの分離タンクを直列に提供し、低温ポンプ80が、他のタンク120及び100の温度より低い液相の温度を得るために、第1のタンク50の気相における0.015ミリバール~0.15ミリバールの圧力を維持するように構成され、第1のタンク50のこの温度が例えば0.8ケルビン~1ケルビンであることを意味する。
【0040】
図4に示される第5の実施形態によると、装置1は、第6の高温チャネル151及び第6の低温チャネル152を含む第6の熱交換器150と、第4のジュールトムソン膨張装置160と、第4のタンク170とを含む。
【0041】
高温チャネル151は、出口21と入口33との間で第1の回路10と流体連通する第16の入口153を含む。
図4に示される特定の実施形態では、入口153は、排出口103と入口33との間に作られたタッピングにより、回路10に接続される。低温チャネル152は、出口36の下流の回路10と流体連通する第16の出口156を含む。高温チャネル151の出口154は、膨張装置160の第17の入口161に接続される。膨張装置160の第17の出口162は、第4のタンク170の第18の入口171に接続され、第4のタンク170の第19の出口172は、低温チャネル152の第19の入口155に接続される。第4のタンク170は、追加の第4の交換器60.1の高温チャネル61.1を冷却するための冷熱源として働く。他の追加の交換器、膨張装置及びタンクも、
図4の破線で示されるように、交換器150、膨張装置160、タンク170及び追加の交換器60.1と並列に設置され得る。
【0042】
したがって、いくつかの異なる点に装置1の冷却力を分散する複数の熱交換器を有することが可能である。
【0043】
これは、上記の実施形態に関して、
図4の例が、熱交換器60、60.1、相分離タンク50、170、膨張装置40、160及び熱交換器30、150をそれぞれ含むいくつかのアセンブリを提供することを意味する。これらのアセンブリは、タンク100の単一の出口103によって作動流体が並列に供給され、単一の低温ポンプ80に並列に接続される。
【0044】
図5に示される第6の実施形態によると、装置1は、第2の作動流体181、この場合、99.9%以上の体積比率のヘリウム3を含む流体を循環させるための第2の作動回路180を含む。回路180はまた、第2の実施形態のエフェクタに加えて、熱力学的エフェクタである、流体181のための第2の圧縮機190と、第5のジュールトムソン膨張装置200と、第5の相分離タンク210と、第3の低温ポンプ220と、第7の熱交換器230と、第8の熱交換器240とを含む。第2の圧縮機190は、第2の冷却ユニット250に接続され、第2の冷却ユニット250は、冷却ユニット300と同一であり、冷熱源330に接続される。
【0045】
装置1は、
- 冷却ユニット250の第20の入口251と流体連通する、流体181が送出される第2の圧縮機190の第20の出口191、
- 交換器230の高温チャネル232の第21の入口231と流体連通する冷却ユニット250の第21の出口252、
- 交換器240の高温チャネル242の第22の入口241と流体連通する高温チャネル232の第22の出口233、
- 第5の膨張装置200の第23の入口201と流体連通する高温チャネル242の第23の出口243、
- 第5のタンク210の第24の入口211と流体連通する第5の膨張装置200の第24の出口202、
- 交換器240の低温チャネル245の第25の入口244と流体連通する第5のタンク210の第25の出口212、
- 第3のポンプ220の第27の入口221と流体連通する低温チャネル245の第26の出口246、
- 交換器230の低温チャネル235の第27の入口234と流体連通する第3のポンプ220の第27の出口222、
- 冷却ユニット250の第28の入口253と流体連通する低温チャネル235の第28の出口236、
- 第2の圧縮機190の第29の入口192と流体連通する冷却ユニット250の第29の出口254
を配置するように、熱力学的エフェクタを接続するラインの第2のネットワーク260も含む。
【0046】
回路180のすべてのエフェクタは、第2の圧縮機190を除いて、エンクロージャ5の内側に位置する。
【0047】
図5から分かるように、ネットワーク260は、第1のタンク50内で延在する第1のライン部分261と、第2のタンク100内で延在する第2のライン部分262と、第3のタンク120内で延在する第3のライン部分263とを含む。部分261、262及び263には、第1のタンク50、第2のタンク100及び第3のタンク120内に含まれる流体との熱交換を改善するためにそれぞれ放射状フィンが設けられ得る。
【0048】
部分261、262及び263は、第2の圧縮機190の出口191と第5の膨張装置200の入口201との間に位置し、第5の膨張装置200内での膨張前に流体181を冷却することに寄与する。
【0049】
回路180内に存在し、第5の膨張装置200でそれ自体が等エンタルピー膨張を受ける流体181の、回路10を使用する冷却は、高温チャネル61に対して低温チャネルの温度をさらに下げることを可能にする。第5の膨張装置200及び第5のタンク210で構成されるアセンブリは、流体181のさらなる温度降下を発生させ、流体181は、第5の膨張装置200の通過後、第5のタンク210において約0.3ケルビン又はそれ未満の温度である。
【0050】
当然のことながら、本発明は、記述された実施形態に限定されるものではないが、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内のあらゆる変形形態を対象とする。
【0051】
特に、
- この場合、第1の流体は、99.9%より大きいヘリウム4の比率を含むが、本発明は、99.9%より大きいヘリウム3の比率を含み、源330による予冷から適合された温度を有する第1の流体などの他のタイプの第1の流体にも適用される。
- この場合、交換器、対向管交換器であるが、本発明は、プレート又は管交換器、高温の流れ及び低温の流れを対向流であるか又は対向流ではないようにすることができるものなどの他のタイプの熱交換器にも適用される。
- 低温ポンプは、ターボ分子型、「Holweck」型若しくは遠心ホイール型のポンプ又はこれらの技術の任意の組合せであり得る。
- この場合、第3のポンプは、2つの分離タンク間に示されているが、本発明は、第20の出口の下流の第2のポンプの他の配置にも適用される。
- この場合、第3の膨張装置、第3のタンク及び第3の熱交換器は、第2の膨張装置及び第2のタンクを含む第3の実施形態に関連して説明されたが、本発明は、第2の膨張装置及び第2のタンクを有しない回路に連結された第3の膨張装置、第3のタンク及び第3の熱交換器にも適用される。
- 第2の熱交換器は、流体又は伝導交換器型、例えば冷却対象要素が取り付けられるか又は熱伝導性編組が固定される少なくとも1つの熱伝導壁を含むタンクであり得る。
- この場合、装置は、第2の熱交換器を含むが、本発明は、伝導によって第1のタンクと直接的に熱交換するか、又は熱伝達流体若しくは金属であり得る固体熱伝達媒体を使用して第1のタンクと間接的に熱交換する電子チップなど、他のタイプの冷却される対象物にも適用される。
- この場合、冷却ユニットは、第1の高温チャネルから作動回路に接続される第1の低温チャネルに熱エネルギを伝達するための単一の第1の交換器と、第1の作動回路に接続された第2の高温チャネル及び外部冷熱源に接続された第2の低温チャネルを含む単一の第2の熱交換器とを含むが、本発明は、第1の回路の2つの部分間で熱エネルギを交換するための2つ以上の第1の交換器及び/又は1つ以上の外部冷熱源に接続された2つ以上の第2の交換器とを含む冷却ユニットにも適用される。
- 冷熱源330は、エンクロージャ5内に完全に又は部分的に含まれ得る。
- 冷熱源330は、サイクルガス冷凍機、パルス管又は任意の他の好適な冷熱源であり得る。
- 低温チャネル322は、所望の蒸発温度において、高温チャネル321が浸された低温液槽によって交換され得る。
- 低温チャネル322は、冷熱源を高温チャネル321に機械的に接続し、伝導によって高温チャネル321を冷却するための適合可能な熱リンク(銅又は別の熱伝導性金属)によって交換され得る。
- 圧縮機20及び190は、ライン、ポンプ、熱交換器又は別の好適な機械などの任意の移送部材であり得る。
- この場合、圧縮機は、回路における作動流体の循環を保証するが、本発明は、単純なパイプ又は熱交換器などの他のタイプの移送部材にも適用される。特に、低温ポンプ80は、回路のすべてのラインを通して流体を圧送するのに十分であることがある。この構成は、圧縮機などの高温移送部材を含む装置の開始後に得ることができる。すなわち、装置は、圧縮機20(又は190)によって開始され、次いで、圧縮機は、スイッチがオフにされるか、又は予冷のための冷熱源との熱交換のために構成することができる冷交換器によって迂回される。
- この場合、第1及び第2の冷却ユニットは、単一の冷熱源を使用するが、本発明は、専用冷熱源を使用する冷却ユニットにも適用される。
- この場合、流体11は、約15Kの温度で冷却ユニット300を出るが、本発明は、10K又は5K~10K、特に6K~7Kの流体11の出口温度にも適用される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の作動流体(11)を循環させるための第1の作動回路(10)を含む冷凍装置(1)であって、前記第1の作動回路(10)は、ラインの第1のネットワーク(70)によって直列に接続された以下の要素:
- 前記作動流体(11)のための第1の移送部材(20)、
- 前記第1の作動回路(10)に接続される第1の高温チャネル(311)及び第1の低温チャネル(312)を含む第1の熱交換器(310)を含む冷却ユニット(300)であって、前記第1の作動回路(10)に接続された第2の高温チャネル(321)と、第1の冷熱源(330)に接続された第2の低温チャネル(322)とを含む第2の熱交換器(320)も含む冷却ユニット(300)、
- 第3の高温チャネル(31)及び第3の低温チャネル(32)を含む第3の熱交換器(30)、
- 第1のジュールトムソン膨張装置(40)、
- 冷却される対象物と熱交換するように構成された第1のタンク(50)
を含む、冷凍装置(1)において、前記要素の少なくともいくつかが内側に配置される断熱エンクロージャ(5)も含み、前記第1の移送部材(20)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置することと、前記第1の作動回路(10)は、前記エンクロージャ(5)の内側に位置し、且つ前記ラインの第1のネットワーク(70)に接続された第1の圧送部材(80)を含むこととを特徴とする冷凍装置(1)。
【請求項2】
前記ラインの第1のネットワーク(70)は、
- 前記第1の作動流体(11)が送出される前記移送部材(20)の第1の出口(21)を前記第1の高温チャネル(311)の第1の入口(313)に接続すること、
- 前記第1の高温チャネル(311)の第2の出口(314)を前記第2の高温チャネル(321)の第2の入口(323)に接続すること、
- 前記高温チャネル(321)の第3の出口(324)を前記第3の高温チャネル(31)の第3の入口(33)に接続すること、
- 前記第3の高温チャネル(31)の第4の出口(34)を前記第1の膨張装置(40)の第4の入口(41)に接続すること、
- 前記第1の膨張装置(40)の第5の出口(42)を前記第1のタンク(50)の第5の入口(51)に接続すること、
- 前記第1のタンク(50)の第6の出口(52)を前記第3の低温チャネル(32)の第6の入口(35)に接続すること、
- 前記第3の低温チャネル(32)の第7の出口(36)を、前記第1の作動流体(11)が引き込まれる前記第1の移送部材(20)の第8の入口(22)に接続すること
を行うように配置され、前記第1の圧送部材(80)は、前記第6の出口(52)と前記第8の入口(22)との間に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の圧送部材(80)は、前記第8の入口(22)に直接接続される、請求項2に記載の冷凍装置(1)。
【請求項4】
前記第1の圧送部材(80)は、前記第7の出口(36)の下流に位置する、請求項2又は3に記載の冷凍装置(1)。
【請求項5】
第2のジュールトムソン膨張装置(90)と第2のタンク(100)とを含み、前記第2の膨張装置(90)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第10の入口(91)と、前記第2のタンク(100)の第11の入口(101)と流体連通する第10の出口(92)とを含み、前記第2のタンク(100)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第11の出口(102)を含み、前記第2のタンク(100)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第1の排出口(103)も含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項6】
第3のジュールトムソン膨張装置(110)と、第3のタンク(120)と、第5の高温チャネル(131)及び第5の低温チャネル(132)を含む第5の熱交換器(130)とを含み、前記第3の膨張装置(110)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第12の入口(111)と、前記第3のタンク(120)の第13の入口(121)と流体連通する第12の出口(112)とを含み、前記第3のタンク(120)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第13の出口(122)を含み、前記第3のタンク(120)は、前記第5の高温チャネル(131)の第14の入口(133)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第2の排出口(123)も含み、前記第5の高温チャネル(131)の第14の出口(134)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通し、前記第5の低温チャネル(132)の第15の入口(135)及び第15の出口(136)は、前記第7の出口(36)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する、請求項2~5のいずれか一項に記載の冷凍装置。
【請求項7】
第6の高温チャネル(151)及び第6の低温チャネル(152)を含む第6の熱交換器(150)と、第4のジュールトムソン膨張装置(160)と、第4のタンク(170)とを含み、前記第6の高温チャネル(151)は、前記第1の出口(21)と前記第3の入口(33)との間で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の入口(153)を含み、及び前記第6の低温チャネル(152)は、前記第5の出口(42)の下流で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の出口(156)を含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項8】
前記第1の作動流体(11)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム4を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項9】
第2の移送部材(190)及び第2の低温ポンプ(220)によって第2の作動流体(181)を循環させるための第2の作動回路(180)を含み、前記第2の作動回路(180)は、前記第1のタンク(50)と熱交換する少なくとも1つの第1のライン部分(261)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項10】
前記第2の移送部材(190)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置する、請求項9に記載の冷凍装置(1)。
【請求項11】
前記第2の作動回路(180)は、前記第2のタンク(100)と熱交換する少なくとも1つの第2のライン部分(262)を含む、請求項9及び5に記載の冷凍装置(1)。
【請求項12】
前記第2の作動回路(180)は、第5のジュールトムソン膨張装置(200)も含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項13】
前記第2の作動流体(181)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム3を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第1の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第1の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第1の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第1の流体を加熱するステップ、
- 前記第1の流体を圧送するステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第1の作動流体を500ミリケルビン~4.5ケルビンの温度にするように実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項9~13のいずれか一項に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第2の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第2の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第2の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第2の流体を加熱するステップ、
- 前記第2の流体を圧送するステップ
を含む方法。
【請求項17】
前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第2の作動流体を300~700ミリケルビンの温度にするように実行される、請求項16に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の作動流体(11)を循環させるための第1の作動回路(10)を含む冷凍装置(1)であって、前記第1の作動回路(10)は、ラインの第1のネットワーク(70)によって直列に接続された以下の要素:
- 前記作動流体(11)のための第1の移送部材(20)、
- 前記第1の作動回路(10)に接続される第1の高温チャネル(311)及び第1の低温チャネル(312)を含む第1の熱交換器(310)を含む冷却ユニット(300)であって、前記第1の作動回路(10)に接続された第2の高温チャネル(321)と、第1の冷熱源(330)に接続された第2の低温チャネル(322)とを含む第2の熱交換器(320)も含む冷却ユニット(300)、
- 第3の高温チャネル(31)及び第3の低温チャネル(32)を含む第3の熱交換器(30)、
- 第1のジュールトムソン膨張装置(40)、
- 冷却される対象物と熱交換するように構成された第1のタンク(50)
を含む、冷凍装置(1)において、前記要素の少なくともいくつかが内側に配置される断熱エンクロージャ(5)も含み、前記第1の移送部材(20)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置することと、前記第1の作動回路(10)は、前記エンクロージャ(5)の内側に位置し、且つ前記ラインの第1のネットワーク(70)に接続された第1の圧送部材(80)を含むこととを特徴とする冷凍装置(1)。
【請求項2】
前記ラインの第1のネットワーク(70)は、
- 前記第1の作動流体(11)が送出される前記移送部材(20)の第1の出口(21)を前記第1の高温チャネル(311)の第1の入口(313)に接続すること、
- 前記第1の高温チャネル(311)の第2の出口(314)を前記第2の高温チャネル(321)の第2の入口(323)に接続すること、
- 前記高温チャネル(321)の第3の出口(324)を前記第3の高温チャネル(31)の第3の入口(33)に接続すること、
- 前記第3の高温チャネル(31)の第4の出口(34)を前記第1の膨張装置(40)の第4の入口(41)に接続すること、
- 前記第1の膨張装置(40)の第5の出口(42)を前記第1のタンク(50)の第5の入口(51)に接続すること、
- 前記第1のタンク(50)の第6の出口(52)を前記第3の低温チャネル(32)の第6の入口(35)に接続すること、
- 前記第3の低温チャネル(32)の第7の出口(36)を、前記第1の作動流体(11)が引き込まれる前記第1の移送部材(20)の第8の入口(22)に接続すること
を行うように配置され、前記第1の圧送部材(80)は、前記第6の出口(52)と前記第8の入口(22)との間に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の圧送部材(80)は、前記第8の入口(22)に直接接続される、請求項2に記載の冷凍装置(1)。
【請求項4】
前記第1の圧送部材(80)は、前記第7の出口(36)の下流に位置する、請求項2又は3に記載の冷凍装置(1)。
【請求項5】
第2のジュールトムソン膨張装置(90)と第2のタンク(100)とを含み、前記第2の膨張装置(90)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第10の入口(91)と、前記第2のタンク(100)の第11の入口(101)と流体連通する第10の出口(92)とを含み、前記第2のタンク(100)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第11の出口(102)を含み、前記第2のタンク(100)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第1の排出口(103)も含む、請求項2
又は3に記載の冷凍装置(1)。
【請求項6】
第3のジュールトムソン膨張装置(110)と、第3のタンク(120)と、第5の高温チャネル(131)及び第5の低温チャネル(132)を含む第5の熱交換器(130)とを含み、前記第3の膨張装置(110)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第12の入口(111)と、前記第3のタンク(120)の第13の入口(121)と流体連通する第12の出口(112)とを含み、前記第3のタンク(120)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第13の出口(122)を含み、前記第3のタンク(120)は、前記第5の高温チャネル(131)の第14の入口(133)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第2の排出口(123)も含み、前記第5の高温チャネル(131)の第14の出口(134)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通し、前記第5の低温チャネル(132)の第15の入口(135)及び第15の出口(136)は、前記第7の出口(36)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する、請求項2
又は3に記載の冷凍装置。
【請求項7】
第6の高温チャネル(151)及び第6の低温チャネル(152)を含む第6の熱交換器(150)と、第4のジュールトムソン膨張装置(160)と、第4のタンク(170)とを含み、前記第6の高温チャネル(151)は、前記第1の出口(21)と前記第3の入口(33)との間で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の入口(153)を含み、及び前記第6の低温チャネル(152)は、前記第5の出口(42)の下流で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の出口(156)を含む、請求項2
又は3に記載の冷凍装置(1)。
【請求項8】
前記第1の作動流体(11)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム4を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項9】
第2の移送部材(190)及び第2の低温ポンプ(220)によって第2の作動流体(181)を循環させるための第2の作動回路(180)を含み、前記第2の作動回路(180)は、前記第1のタンク(50)と熱交換する少なくとも1つの第1のライン部分(261)を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項10】
前記第2の移送部材(190)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置する、請求項9に記載の冷凍装置(1)。
【請求項11】
前記第2の作動回路(180)は、前記第2のタンク(100)と熱交換する少なくとも1つの第2のライン部分(262)を含む、
請求項5に従属する請求項
9に記載の冷凍装置(1)。
【請求項12】
前記第2の作動回路(180)は、第5のジュールトムソン膨張装置(200)も含む、請求項
9に記載の冷凍装置(1)。
【請求項13】
前記第2の作動流体(181)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム3を含む、請求項
9に記載の冷凍装置(1)。
【請求項14】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第1の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第1の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第1の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第1の流体を加熱するステップ、
- 前記第1の流体を圧送するステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第1の作動流体を500ミリケルビン~4.5ケルビンの温度にするように実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項
9に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第2の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第2の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第2の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第2の流体を加熱するステップ、
- 前記第2の流体を圧送するステップ
を含む方法。
【請求項17】
前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第2の作動流体を300~700ミリケルビンの温度にするように実行される、請求項16に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
特に、
- この場合、第1の流体は、99.9%より大きいヘリウム4の比率を含むが、本発明は、99.9%より大きいヘリウム3の比率を含み、源330による予冷から適合された温度を有する第1の流体などの他のタイプの第1の流体にも適用される。
- この場合、交換器、対向管交換器であるが、本発明は、プレート又は管交換器、高温の流れ及び低温の流れを対向流であるか又は対向流ではないようにすることができるものなどの他のタイプの熱交換器にも適用される。
- 低温ポンプは、ターボ分子型、「Holweck」型若しくは遠心ホイール型のポンプ又はこれらの技術の任意の組合せであり得る。
- この場合、第3のポンプは、2つの分離タンク間に示されているが、本発明は、第20の出口の下流の第2のポンプの他の配置にも適用される。
- この場合、第3の膨張装置、第3のタンク及び第3の熱交換器は、第2の膨張装置及び第2のタンクを含む第3の実施形態に関連して説明されたが、本発明は、第2の膨張装置及び第2のタンクを有しない回路に連結された第3の膨張装置、第3のタンク及び第3の熱交換器にも適用される。
- 第2の熱交換器は、流体又は伝導交換器型、例えば冷却対象要素が取り付けられるか又は熱伝導性編組が固定される少なくとも1つの熱伝導壁を含むタンクであり得る。
- この場合、装置は、第2の熱交換器を含むが、本発明は、伝導によって第1のタンクと直接的に熱交換するか、又は熱伝達流体若しくは金属であり得る固体熱伝達媒体を使用して第1のタンクと間接的に熱交換する電子チップなど、他のタイプの冷却される対象物にも適用される。
- この場合、冷却ユニットは、第1の高温チャネルから作動回路に接続される第1の低温チャネルに熱エネルギを伝達するための単一の第1の交換器と、第1の作動回路に接続された第2の高温チャネル及び外部冷熱源に接続された第2の低温チャネルを含む単一の第2の熱交換器とを含むが、本発明は、第1の回路の2つの部分間で熱エネルギを交換するための2つ以上の第1の交換器及び/又は1つ以上の外部冷熱源に接続された2つ以上の第2の交換器とを含む冷却ユニットにも適用される。
- 冷熱源330は、エンクロージャ5内に完全に又は部分的に含まれ得る。
- 冷熱源330は、サイクルガス冷凍機、パルス管又は任意の他の好適な冷熱源であり得る。
- 低温チャネル322は、所望の蒸発温度において、高温チャネル321が浸された低温液槽によって交換され得る。
- 低温チャネル322は、冷熱源を高温チャネル321に機械的に接続し、伝導によって高温チャネル321を冷却するための適合可能な熱リンク(銅又は別の熱伝導性金属)によって交換され得る。
- 圧縮機20及び190は、ライン、ポンプ、熱交換器又は別の好適な機械などの任意の移送部材であり得る。
- この場合、圧縮機は、回路における作動流体の循環を保証するが、本発明は、単純なパイプ又は熱交換器などの他のタイプの移送部材にも適用される。特に、低温ポンプ80は、回路のすべてのラインを通して流体を圧送するのに十分であることがある。この構成は、圧縮機などの高温移送部材を含む装置の開始後に得ることができる。すなわち、装置は、圧縮機20(又は190)によって開始され、次いで、圧縮機は、スイッチがオフにされるか、又は予冷のための冷熱源との熱交換のために構成することができる冷交換器によって迂回される。
- この場合、第1及び第2の冷却ユニットは、単一の冷熱源を使用するが、本発明は、専用冷熱源を使用する冷却ユニットにも適用される。
- この場合、流体11は、約15Kの温度で冷却ユニット300を出るが、本発明は、10K又は5K~10K、特に6K~7Kの流体11の出口温度にも適用される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 第1の作動流体(11)を循環させるための第1の作動回路(10)を含む冷凍装置(1)であって、前記第1の作動回路(10)は、ラインの第1のネットワーク(70)によって直列に接続された以下の要素:
- 前記作動流体(11)のための第1の移送部材(20)、
- 前記第1の作動回路(10)に接続される第1の高温チャネル(311)及び第1の低温チャネル(312)を含む第1の熱交換器(310)を含む冷却ユニット(300)であって、前記第1の作動回路(10)に接続された第2の高温チャネル(321)と、第1の冷熱源(330)に接続された第2の低温チャネル(322)とを含む第2の熱交換器(320)も含む冷却ユニット(300)、
- 第3の高温チャネル(31)及び第3の低温チャネル(32)を含む第3の熱交換器(30)、
- 第1のジュールトムソン膨張装置(40)、
- 冷却される対象物と熱交換するように構成された第1のタンク(50)
を含む、冷凍装置(1)において、前記要素の少なくともいくつかが内側に配置される断熱エンクロージャ(5)も含み、前記第1の移送部材(20)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置することと、前記第1の作動回路(10)は、前記エンクロージャ(5)の内側に位置し、且つ前記ラインの第1のネットワーク(70)に接続された第1の圧送部材(80)を含むこととを特徴とする冷凍装置(1)。
[2] 前記ラインの第1のネットワーク(70)は、
- 前記第1の作動流体(11)が送出される前記移送部材(20)の第1の出口(21)を前記第1の高温チャネル(311)の第1の入口(313)に接続すること、
- 前記第1の高温チャネル(311)の第2の出口(314)を前記第2の高温チャネル(321)の第2の入口(323)に接続すること、
- 前記高温チャネル(321)の第3の出口(324)を前記第3の高温チャネル(31)の第3の入口(33)に接続すること、
- 前記第3の高温チャネル(31)の第4の出口(34)を前記第1の膨張装置(40)の第4の入口(41)に接続すること、
- 前記第1の膨張装置(40)の第5の出口(42)を前記第1のタンク(50)の第5の入口(51)に接続すること、
- 前記第1のタンク(50)の第6の出口(52)を前記第3の低温チャネル(32)の第6の入口(35)に接続すること、
- 前記第3の低温チャネル(32)の第7の出口(36)を、前記第1の作動流体(11)が引き込まれる前記第1の移送部材(20)の第8の入口(22)に接続すること
を行うように配置され、前記第1の圧送部材(80)は、前記第6の出口(52)と前記第8の入口(22)との間に位置する、[1]に記載の装置。
[3] 前記第1の圧送部材(80)は、前記第8の入口(22)に直接接続される、[2]に記載の冷凍装置(1)。
[4] 前記第1の圧送部材(80)は、前記第7の出口(36)の下流に位置する、[2]又は[3]に記載の冷凍装置(1)。
[5] 第2のジュールトムソン膨張装置(90)と第2のタンク(100)とを含み、前記第2の膨張装置(90)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第10の入口(91)と、前記第2のタンク(100)の第11の入口(101)と流体連通する第10の出口(92)とを含み、前記第2のタンク(100)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第11の出口(102)を含み、前記第2のタンク(100)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第1の排出口(103)も含む、[2]~[4]のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
[6] 第3のジュールトムソン膨張装置(110)と、第3のタンク(120)と、第5の高温チャネル(131)及び第5の低温チャネル(132)を含む第5の熱交換器(130)とを含み、前記第3の膨張装置(110)は、前記第3の出口(324)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する第12の入口(111)と、前記第3のタンク(120)の第13の入口(121)と流体連通する第12の出口(112)とを含み、前記第3のタンク(120)は、前記第8の入口(22)と流体連通する第13の出口(122)を含み、前記第3のタンク(120)は、前記第5の高温チャネル(131)の第14の入口(133)と流体連通する、液相の作動流体(11)のための第2の排出口(123)も含み、前記第5の高温チャネル(131)の第14の出口(134)は、前記第3の入口(33)の上流で前記第1の回路(10)と流体連通し、前記第5の低温チャネル(132)の第15の入口(135)及び第15の出口(136)は、前記第7の出口(36)の下流で前記第1の回路(10)と流体連通する、[2]~[5]のいずれか一項に記載の冷凍装置。
[7] 第6の高温チャネル(151)及び第6の低温チャネル(152)を含む第6の熱交換器(150)と、第4のジュールトムソン膨張装置(160)と、第4のタンク(170)とを含み、前記第6の高温チャネル(151)は、前記第1の出口(21)と前記第3の入口(33)との間で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の入口(153)を含み、及び前記第6の低温チャネル(152)は、前記第5の出口(42)の下流で前記第1の作動回路(10)と流体連通する第16の出口(156)を含む、[2]~[6]のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
[8] 前記第1の作動流体(11)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム4を含む、[1]~[7]のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
[9] 第2の移送部材(190)及び第2の低温ポンプ(220)によって第2の作動流体(181)を循環させるための第2の作動回路(180)を含み、前記第2の作動回路(180)は、前記第1のタンク(50)と熱交換する少なくとも1つの第1のライン部分(261)を含む、[1]~[8]のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
[10] 前記第2の移送部材(190)は、前記エンクロージャ(5)の外側に位置する、[9]に記載の冷凍装置(1)。
[11] 前記第2の作動回路(180)は、前記第2のタンク(100)と熱交換する少なくとも1つの第2のライン部分(262)を含む、[9]及び[5]に記載の冷凍装置(1)。
[12] 前記第2の作動回路(180)は、第5のジュールトムソン膨張装置(200)も含む、[9]~[11]のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
[13] 前記第2の作動流体(181)は、99.9%以上の体積比率のヘリウム3を含む、[9]~[12]のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
[14] [1]~[13]のいずれか一項に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第1の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第1の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第1の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第1の流体を加熱するステップ、
- 前記第1の流体を圧送するステップ
を含む方法。
[15] 前記第1の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第1の作動流体を500ミリケルビン~4.5ケルビンの温度にするように実行される、[14]に記載の方法。
[16] [9]~[13]のいずれか一項に記載の装置を使用する冷凍の方法であって、
- 前記第2の作動流体を圧縮するステップ、
- 前記第2の作動流体を冷却するステップ、
- 前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させるステップ、
- 前記第2の作動流体を第1の液相及び第2の気相に分離するステップ、
- 前記第2の流体を加熱するステップ、
- 前記第2の流体を圧送するステップ
を含む方法。
[17] 前記第2の作動流体を等エンタルピー膨張させる前記ステップは、前記分離ステップ前に前記第2の作動流体を300~700ミリケルビンの温度にするように実行される、[16]に記載の方法。
【国際調査報告】