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特表2024-542971下肢の、軸位(横断)、冠状(前頭)、及び、矢状(二等分)アライメントを測定するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】下肢の、軸位(横断)、冠状(前頭)、及び、矢状(二等分)アライメントを測定するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/107 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
A61B5/107 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524580
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022046907
(87)【国際公開番号】W WO2023069368
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/256,741
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】524151093
【氏名又は名称】カーブビーム エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】マンドリー ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】シン ストゥティ
(72)【発明者】
【氏名】ロング ガイ
(72)【発明者】
【氏名】リンツ フランソワ エル.エー.
(72)【発明者】
【氏名】ネット セザー デ セザー
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA06
4C038VA11
4C038VB14
4C038VC15
(57)【要約】
下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸の第1の対称軸と大腿骨の遠位部の第2の対称軸とを参照することにより股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、当該第1の対称軸と当該第2の当該第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部の第3の対称軸と当該脛骨の遠位部の第4の対称軸とを参照することにより脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、当該第3の対称軸と当該第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下肢の軸位アライメントを特定する方法であって、
患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、
大腿骨頸の第1の対称軸と大腿骨の遠位部の第2の対称軸とを参照することにより股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、前記第1の対称軸と前記第2の前記第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、
脛骨の近位部の第3の対称軸と前記脛骨の遠位部の第4の対称軸とを参照することにより脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、前記第3の対称軸と前記第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、
股関節捻れの前記レベル及び脛骨捻転の前記レベルをユーザに提供することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記大腿骨頸、前記大腿骨の前記遠位部、前記脛骨の前記近位部、及び前記脛骨の前記遠位部、の前記対称軸を割り出すことは、前記スキャンからの画像における前記下肢の二次元形状又は三次元形状を参照することにより、前記対称軸を割り出すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記大腿骨頸、前記大腿骨の前記遠位部、前記脛骨の前記近位部、及び前記脛骨の前記遠位部、の前記対称軸を割り出すことは、前記スキャンからの画像における前記下肢上の基準点を参照することにより、前記対称軸を割り出すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の軸と前記第2の軸との間の前記角度が、単一の面内において比較される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記スキャンが、前記下肢全体の単一のスキャンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記スキャンが、前記患者の体重負荷時に撮影される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の前記患者のレベルの関係性を提供することをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記下肢のアライメントをユーザに表示することをさらに含み、前記アライメントが、前記第1の軸に、前記第2の軸、前記第3の軸、及び前記第4の軸、を重ね合わせることによって表示される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
下肢の軸位アライメントを特定する方法であって、
患者を位置決めすることと、
患者の下肢をスキャンして、前頭面内における断面、矢状面内における断面、及び横断面内における断面、を含む画像を生成することと、
前記画像に基づいて、股関節捻れのレベルを取得することと、
前記画像に基づいて、脛骨捻転のレベルを取得することと、
を含み、
股関節捻れの前記レベル及び脛骨捻転の前記レベルが、三次元空間においてマッピングされる、方法。
【請求項10】
前記横断面内における、前記患者の骨盤を経由するとともに腸骨稜の前腸骨棘の高さにおける、画像を視認することにより、前記画像をアライメントすることをさらに含み、アライメントすることは、前記横断面内における前記画像を、対称性を求めて回転させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
股関節捻れの前記レベルを取得することは、大腿骨頸の基部の中心に対する大腿骨頭の中心の位置に基づいて大腿骨頸角を特定することを含み、前記大腿骨頭の前記中心の位置と前記大腿骨頸の前記基部の前記中心の位置とが、それぞれ、第1の画像セット及び第2の画像セットにおける三次元空間において割り出され、前記第1の画像セット及び前記第2の画像セットの各々が、前記前頭面、前記矢状面、及び前記横断面、内における画像を含む、請求項9から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
股関節捻れの前記レベルを取得することは、それぞれ大腿骨外側顆部又は大腿骨外側上顆の後方位置に対する大腿骨内側顆部又は大腿骨内側上顆の後方位置の位置に基づいて大腿骨遠位角を特定することをさらに含み、前記大腿骨内側顆部又は前記大腿骨内側上顆の前記後方位置と前記大腿骨外側顆部又は前記大腿骨外側上顆の後方位置とがそれぞれ、第3の画像セット及び第4の画像セットにおける三次元空間において割り出され、前記第3の画像セット及び前記第4の画像セットの各々が、前記前頭面、前記矢状面、及び前記横断面、内における画像を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
脛骨捻転の前記レベルを取得することは脛骨の近位端の回転軸に関連する脛骨近位角を特定することを含み、前記脛骨近位角は、脛骨外側顆部の前方位置に対する、脛骨内側顆部の前方位置の位置に基づいており、前記脛骨内側顆部の前記前方位置と前記脛骨外側顆部の前方位置とがそれぞれ、第5の画像セット及び第6の画像セットにおける三次元空間において割り出され、前記第5の画像セット及び前記第6の画像セットの各々が、前記前頭面、前記矢状面、及び前記横断面内における画像を含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
脛骨捻転の前記レベルを取得することは、内果の最外外側面間に延在する第1の接線と、外果の最内内側面間に延在する第2の接線と、の中心を接続する線に関連する脛骨遠位角を特定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
脛骨捻転を割り出すことは、前記内果の前記最外外側面上における後方位置と、前記内果の前記最外外側面上における前方位置と、前記外果の前記最内内側面上における後方位置と、前記内果の前記最内外側面上における前方位置とを、それぞれ、第7の画像セット、第8の画像セット、第9の画像セット、及び第10の画像セット、における三次元空間において割り出すことを含み、前記第7の画像セットから前記第10の画像セットの各々が、前記前頭面、前記矢状面、及び前記横断面内における画像を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するためのコンピュータ実装方法であって、
患者の少なくとも一方の下肢の三次元スキャンから複数の画像を受信することであって、前記画像が、複数の画像セットを含み、前記画像セットの各々が、前頭面内における画像、矢状面内における画像、及び横断面内における画像を含む、受信することと、
第1の画像セット上における大腿骨頭の中心及び第2の画像セット上における大腿骨頸の基部の中心を特定することにより、大腿骨頸軸を特定することと、
患者の大腿骨の、前記大腿骨の遠位端における回転軸に関連付けられる大腿骨遠位軸を特定することであって、前記大腿骨遠位軸が、第3の画像セット及び第4の画像セットにおいて割り出される、大腿骨遠位軸を特定することと、
前記大腿骨頸軸と前記大腿骨遠位軸との間の角度を特定することであって、前記大腿骨頸軸と前記大腿骨遠位軸との間の前記角度が股関節捻れを表している、前記大腿骨頸軸と前記大腿骨遠位軸との間の角度を特定することと、
前記患者の脛骨の、前記脛骨の近位端における回転軸に関連付けられる脛骨近位軸を特定することであって、前記脛骨近位軸が、第5の画像セット及び第6の画像セットにおいて割り出される、脛骨近位軸を特定することと、
前記患者の前記脛骨の、前記脛骨の遠位端における回転軸に関連付けられる脛骨遠位軸を特定することであって、前記脛骨遠位軸が、第7の画像セット、第8の画像セット、第9の画像セット、及び第10の画像セット、において割り出される、脛骨遠位軸を特定することと、
前記脛骨近位軸と前記脛骨遠位軸との間の角度、頸軸と前記大腿骨遠位軸とを特定することであって、前記大腿骨頸軸と前記大腿骨遠位軸との間の前記角度が、脛骨捻転を表している、前記脛骨近位軸と前記脛骨遠位軸との間の角度を特定することと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記大腿骨頸軸を特定することは、前記第1の三画像セット及び前記第2の三画像セット上に所定形状を提供することを含み、前記形状が三次元形状を表している、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記大腿骨頸軸を特定することは、前記形状を前記大腿骨頸の前記基部内に位置決めされることが可能な最大サイズにサイズ決定し、それにより、前記形状が前記第2の画像セットのうちの少なくとも2つの画像において前記大腿骨頸の前記基部の皮質に接触していることが示されるようにする、ことを含む、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記大腿骨頸軸を特定することは、前記大腿骨頭の質量中心と、前記大腿骨頸の前記基部の質量中心と、を見出すことを含む、請求項16から18のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記大腿骨頸軸を特定することは、前記第1の画像セット及び前記第2の画像セット上において、前記大腿骨頭の前記中心と前記大腿骨頸の前記基部の前記中心とを特定及び選択することを含み、前記第1の画像セット及び前記第2の画像セットが複数の画像セットから選択される、請求項16から18のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記大腿骨頭の前記中心を特定すること、前記大腿骨頸の前記基部の前記中心を特定すること、前記大腿骨遠位軸を特定すること、前記脛骨近位軸を特定すること、及び前記脛骨遠位軸を特定することは、ソフトウェアモジュールを含むコンピュータシステムにより達成され、ソフトウェアモジュールが、複数のサンプル上における先行するトレーニングに基づいて、前記特定を行うようにプログラミングされている、請求項16から18のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するためのコンピューティングデバイスであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を格納するメモリであって、前記命令が、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のプロセッサに対し、
患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、
大腿骨頸の第1の対称軸と大腿骨の遠位部の第2の対称軸とを参照することにより股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、前記第1の対称軸と前記第2の前記第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、
脛骨の近位部の第3の対称軸と前記脛骨の遠位部の第4の対称軸とを参照することにより脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、前記第3の対称軸と前記第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、
股関節捻れの前記レベル及び脛骨捻転の前記レベルをユーザに提供することと、
を行わせる、メモリと、
を備える、コンピューティングデバイス。
【請求項23】
前記大腿骨頸、前記大腿骨の前記遠位部、前記脛骨の前記近位部、及び前記脛骨の前記遠位部の前記対称軸を割り出すことは、前記スキャンからの画像における前記下肢の二次元形状又は三次元形状を参照して、前記対称軸を割り出すことを含む、請求項22に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項24】
前記大腿骨頸、前記大腿骨の前記遠位部、前記脛骨の前記近位部、及び前記脛骨の前記遠位部の前記対称軸を割り出すことは、前記スキャンからの画像における下肢上の基準点を参照して前記対称軸を割り出すことを含む、請求項22に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項25】
前記第1の軸と前記第2の軸との間の前記角度が単一の面内において比較される、請求項22から24のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項26】
前記スキャンが前記下肢全体の単一のスキャンである、請求項22から25のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項27】
前記スキャンが前記患者の体重負荷時に撮影される、請求項22から26のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項28】
股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の前記患者のレベルの関係性を提供することをさらに含む、請求項22から27のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項29】
前記下肢のアライメントをユーザに表示することをさらに含み、前記アライメントが、前記第1の軸に、前記第2の軸、前記第3の軸、及び前記第4の軸を重ね合わせることによって表示される、請求項22から28のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項30】
股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するためにコンピュータ可読命令が格納されている、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記コンピューティングデバイスに対し、
患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、
大腿骨頸の第1の対称軸と大腿骨の遠位部の第2の対称軸とを参照することにより股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、前記第1の対称軸と前記第2の前記第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、
脛骨の近位部の第3の対称軸と前記脛骨の遠位部の第4の対称軸とを参照することにより脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、前記第3の対称軸と前記第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、
股関節捻れの前記レベル及び脛骨捻転の前記レベルをユーザに提供することと、
を行わせる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項31】
前記大腿骨頸、前記大腿骨の前記遠位部、前記脛骨の前記近位部、及び前記脛骨の前記遠位部の前記対称軸を割り出すことは、前記スキャンからの画像における前記下肢の二次元形状又は三次元形状を参照して前記対称軸を割り出すことを含む、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記大腿骨頸、前記大腿骨の前記遠位部、前記脛骨の前記近位部、及び前記脛骨の前記遠位部の前記対称軸を割り出すことは、前記スキャンからの画像における下肢上の基準点を参照して前記対称軸を割り出すことを含む、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記第1の軸と前記第2の軸との間の前記角度が単一の面内において比較される、請求項30から32のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記スキャンが前記下肢全体の単一のスキャンである、請求項30から33のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記スキャンが前記患者の体重負荷時に撮影される、請求項30から34のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項36】
股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の前記患者のレベルの関係性を提供することをさらに含む、請求項30から35のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記下肢のアライメントをユーザに表示することをさらに含み、前記アライメントが、前記第1の軸に、前記第2の軸、前記第3の軸、及び前記第4の軸を重ね合わせることによって表示される、請求項30から36のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年10月18日に出願された米国仮出願第63/256,741号の優先権及び利益を主張するものであり、当該仮出願の開示は、その全体が本明細書において引用により組み込まれている。
[開示の背景]
【0002】
下肢は、大腿骨、脛骨及び腓骨、並びに、足、から成る。下肢のアライメントは、適正な機能、関節の寿命、損傷の回避、及び、下肢の快適な使用、にとって重要である。下肢のアライメント不良は、反対の結果、即ち、不適正な機能、関節の劣化、損傷に対する弱さ、及び、下肢の使用時における不快感、を結果的に生じる恐れがある。大腿骨捻れ(version)及び脛骨捻転は、下肢アライメントの考察時に重要な因子である。
【0003】
大腿骨捻れは、膝の高さ(level)における、大腿骨顆部に対する大腿骨頸の配向の測定値である。ほとんどのケースにおいて、大腿骨頸は、大腿骨顆部の後面に比べ、冠状(前頭)面内において前方に配向されており、このことに対し、大腿骨前捻という用語が適用される。後方配向のケースにおいては、大腿骨後捻という用語が適用される。
【0004】
大腿骨前捻の自然経過とは、乳児が生まれながらに高度な大腿骨前捻を有しており、この大腿骨前捻が、年齢と共に減少する、というものである。典型的に、出生時における大腿骨前捻は40°であり、骨格成熟により16°まで減少する。性別に基づいて集団差が観察されており、女性は男性よりも前捻が大きい。他の系列は、民族性に基づいて追加的な変動が存在することを示唆している。
【0005】
大腿骨捻れは、股関節の可動域及び病理に影響を及ぼす関連測定値である。大腿骨前捻の有意な増大は、下肢の回旋プロファイルに影響を及ぼし、内旋の増大を招き、股関節の発育性形成不全に関連付けられ、また、大腿骨寛骨臼インピンジメント(「FAI」)及び股関節変形性関節症(「股関節OA」)にも関連付けられる。
【0006】
コンピュータ断層撮影(「CT」)による前捻角測定値と、磁気共鳴撮像(「MRI」)による前捻角測定値との間には、高度な相関関係が見出されたものの、絶対前捻数(absolute anteversion number)における有意なずれは、それらが相互交換可能ではないことがあり得ることを暗示している。可動域に対する高度な相関関係の欠如は、大腿骨前捻が表す、股関節の複雑な解剖学的回旋構造についての説明が、不完全であるか又は単純化されすぎている恐れがあることを示唆している。
【0007】
脛骨捻転は、患者における脛骨の捩れ又は角形成の測定値である。脛骨捻転は、しばしば小児において、いくつかのケースでは成人において認められる。脛骨捻転は、うちわ(即ち、内反足)を結果的に生じる内捻、又は、そとわを結果的に生じる外捻、のいずれかとして現れ得る。
【0008】
脛骨捻転は、病理に影響を及ぼす関連測定値である。有意な脛骨内捻及び/又は外捻は、下肢の回旋プロファイルに影響を及ぼし、脚、股関節、膝、及び/又は、足、において経験する恐れのある痛み及び不快感と、足の不安定性及び他の損傷に対する弱さと、を招くことが知られている。
【0009】
1つの研究では、足と脛距(足関節)との間の関係性を測定するために使用されたCTデータが、脛骨外捻を有し、足関節置換術を受けた患者において大きな変動を示した。この研究では、157名の患者が、平均34.5±10.3度の脛骨外捻(範囲は11.8~62°)を明示した(Ali-Asgar Najefi A、Malhotra K、Goldberg AJ、足関節全置換術における下肢機能軸及び下肢解剖軸(Mechanical and anatomical axis of the lower limb in total ankle arthroplasty)。Foot(Edinb).2020年9月;44:101666.doi:10.1016/j.foot.2020.101666.Epub 2020年2月4日)。
【0010】
医師は、下肢のアライメントの測定値である、股関節-膝-足関節角(HKA)を使用する。健常者では、下肢アライメントに大きな変動性があり、膝関節全置換術(TKA)手術に対しては、手術後に、生来性の3D膝アライメント及び軟部組織バランスを復元するために、下肢のアライメントについての関心が大きい。複数の研究が、下肢全長放射線写真を使用して、下肢の関節炎前段階における生来性のアライメントを推定するために、算術的HKA(aHKA)アルゴリズムについて妥当性を検証してきた。aHKAは、非対称骨損失が存在しない場合、関節炎前段階アライメントを表すことができる。しかしながら、HKAは、軸位(横断)面アライメントを測定するには不正確であることが多い、二次元放射線写真を実装している。
【0011】
冠状(又は前頭)面足関節アライメントは、典型的には、脛距角(TTA)を使用して査定されており、TTAは、標認点として脛骨の解剖軸(AAT)と距骨の関節面とに依拠している。AATは、特に近位変形(外反膝又は内反膝)及び外傷後のケースにおいて、下肢機能軸(MAL)とは異なっていることが多く、そのため、より正確な測定値を、距骨関節面に対する下肢機能軸(MAL-TA)にすることが推奨されてきた。
【0012】
いくつかの例において、足は、足よりも上に現れる下肢内の問題に対し、補償又は適合を行おうとする。例えば、足は、脛骨捻転又は股関節捻れ(例えば、内反膝又は外反膝)を理由とするアライメント不良に適合する可能性がある。補償が足に生じるのか、それとも、下肢のどこか他の部分に生じるのか、のいずれにせよ、好ましくない病理は、関節の劣化、不快感、及び、可動域の制限等を含むことを結果的に生じる可能性がある。
【0013】
冠状面、矢状面、又は、軸位面内におけるアライメントの不適切な整復と、関節置換における軟部組織のアンバランスへの対処不履行と、により、故障のリスクが増大する。
【0014】
軸位アライメントの課題に対する理解が乏しいが故に、多くの骨格筋(MSK)病理の病因論に対する理解も乏しいことが考えられる。例えば、膝蓋大腿障害、偏平足、及び、下肢軟部組織損傷、は、脛骨捻転及び/又は股関節捻れの課題の二次的なものである可能性があり、同様に、片側性関節炎の進行も、当該課題の二次的なものである可能性がある。
【0015】
必要とされているのは、患者の下肢の軸位アライメントを割り出す、改善されたシステム及び方法である。より具体的には、股関節捻れ及び脛骨捻転の、正確であって且つ信頼性を有する測定値を、単独で又は組み合わせて、のいずれかにおいて提供するために、術者内信頼性及び術者間信頼性が必要とされている。
[概要]
【0016】
1つの例(「例1」)によると、下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸の第1の対称軸と大腿骨の遠位部の第2の対称軸とを参照することにより股関節捻れのレベル(level)を割り出すことであって、股関節捻れが当該第1の対称軸と当該第2の当該第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部の第3の対称軸と当該脛骨の遠位部の第4の対称軸とを参照することにより脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が当該第3の対称軸と当該第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を含む。
【0017】
例1に加えて別の例(「例2」)によると、当該大腿骨頸、当該大腿骨の当該遠位部、当該脛骨の当該近位部、及び当該脛骨の当該遠位部の当該対称軸を割り出す当該ステップは、当該スキャンからの画像における当該下肢の二次元形状又は三次元形状を参照することにより、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0018】
例1に加えて別の例(「例3」)によると、当該大腿骨頸、当該大腿骨の当該遠位部、当該脛骨の当該近位部、及び当該脛骨の当該遠位部の当該対称軸を割り出す当該ステップは、当該スキャンからの画像における当該下肢上の基準点を参照することにより、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0019】
例1から3のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例4」)によると、当該第1の軸と当該第2の軸との間の当該角度は、単一の面内において比較される。
【0020】
例1から4のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例5」)によると、当該スキャンは当該下肢全体の単一のスキャンである。
【0021】
例1から5のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例6」)によると、当該スキャンは当該患者の体重負荷時に撮影される。
【0022】
例1から6のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例7」)によると、当該方法は股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の当該患者のレベルの関係性を提供することをさらに含む。
【0023】
例1から7のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例8」)によると、当該方法は、当該下肢のアライメントをユーザに表示することをさらに含み、当該アライメントは、当該第1の軸に、当該第2の軸、当該第3の軸、及び当該第4の軸を重ね合わせることによって表示される。
【0024】
一例(「例9」)によると、下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者を位置決めすることと、患者の下肢をスキャンして、前頭面内における断面、矢状面内における断面、及び横断面内における断面を含む画像を生成することと、当該画像に基づいて、股関節捻れのレベルを取得することと、当該画像に基づいて、脛骨捻転のレベルを取得することと、を含み、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルが三次元空間においてマッピングされる。
【0025】
例9に加えて別の例(「例10」)によると、当該方法は、当該横断面内における、当該患者の骨盤を経由するとともに腸骨稜の前腸骨棘の高さにおける、画像を視認することにより、当該画像をアライメントすることをさらに含み、アライメントすることは、当該横断面内における当該画像を、対称性を求めて回転させることを含む。
【0026】
例9から10のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例11」)によると、股関節捻れの当該レベルを取得する当該ステップは、大腿骨頸の基部の中心に対する大腿骨頭の中心の位置に基づいて大腿骨頸角を特定することを含み、当該大腿骨頭の当該中心の位置と、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心の位置とは、それぞれ、第1の画像セット及び第2の画像セットにおける三次元空間において割り出され、当該第1の画像セット及び当該第2の画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び当該横断面内における画像を含む。
【0027】
例9から11のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例12」)によると、股関節捻れの当該レベルを取得する当該ステップは、それぞれ、大腿骨外側顆部又は大腿骨外側上顆の後方位置に対する、大腿骨内側顆部又は大腿骨内側上顆の後方位置の位置に基づいて、大腿骨遠位角を特定することをさらに含み、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置と、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の後方位置と、は、それぞれ、第3の画像セット及び第4の画像セットにおける三次元空間において割り出され、当該第3の画像セット及び当該第4の画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び、当該横断面、内における画像を含む。
【0028】
例9から12のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例13」)によると、脛骨捻転の当該レベルを取得する当該ステップは、脛骨の近位端の回転軸に関連する脛骨近位角を特定することを含み、当該脛骨近位角は、脛骨外側顆部の前方位置に対する、脛骨内側顆部の前方位置の位置に基づいており、当該脛骨内側顆部の当該前方位置と当該脛骨外側顆部の前方位置とはそれぞれ、第5の画像セット及び第6の画像セットにおける三次元空間において割り出され、当該第5の画像セット及び当該第6の画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び当該横断面内における画像を含む。
【0029】
例13に加えて別の例(「例14」)によると、脛骨捻転の当該レベルを取得する当該ステップは、内果の最外外側面間に延在する第1の接線と、外果の最内内側面間に延在する第2の接線と、の中心を接続する線に関連する脛骨遠位角を特定することを含む。
【0030】
例14に加えて別の例(「例15」)によると、脛骨捻転を割り出す当該ステップは、当該内果の当該最外外側面上における後方位置と、当該内果の当該最外外側面上における前方位置と、当該外果の当該最内内側面上における後方位置と、当該内果の当該最内外側面上における前方位置とをそれぞれ、第7の画像セット、第8の画像セット、第9の画像セット、及び第10の画像セットにおける三次元空間において割り出すことを含み、当該第7の画像セットから当該第10の画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び当該横断面内における画像を含む。
【0031】
一例(「例16」)によると、股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するためのコンピュータ実装方法は、患者の少なくとも一方の下肢の三次元スキャンから複数の画像を受信することであって、当該画像が、複数の画像セットを含み、当該画像セットの各々が、前頭面内における画像、矢状面内における画像、及び横断面内における画像を含む、受信することと、第1の画像セット上における大腿骨頭の中心及び第2の画像セット上における大腿骨頸の基部の中心を特定することにより、大腿骨頸軸を特定することと、患者の大腿骨の、当該大腿骨の遠位端における回転軸に関連付けられる大腿骨遠位軸を特定することであって、当該大腿骨遠位軸が第3の画像セット及び第4の画像セットにおいて割り出される、大腿骨遠位軸を特定することと、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の角度を特定することであって、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の当該角度が股関節捻れを表している、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の角度を特定することと、当該患者の脛骨の、当該脛骨の近位端における回転軸に関連付けられる脛骨近位軸を特定することであって、当該脛骨近位軸が、第5の画像セット及び第6の画像セットにおいて割り出される、脛骨近位軸を特定することと、当該患者の当該脛骨の、当該脛骨の遠位端における回転軸に関連付けられる脛骨遠位軸を特定することであって、当該脛骨遠位軸が、第7の画像セット、第8の画像セット、第9の画像セット、及び第10の画像セットにおいて割り出される、脛骨遠位軸を特定することと、当該脛骨近位軸と当該脛骨遠位軸との間の角度、頸軸と当該大腿骨遠位軸とを特定することであって、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の当該角度が脛骨捻転を表している、当該脛骨近位軸と当該脛骨遠位軸との間の角度を特定することと、を含む。
【0032】
例16に加えて別の例(「例17」)によると、当該大腿骨頸軸を特定する当該ステップは、当該第1の三画像セット及び当該第2の三画像セット上に所定形状を提供することを含み、当該形状は三次元形状を表している。
【0033】
例17に加えて別の例(「例18」)によると、当該大腿骨頸軸を特定する当該ステップは、当該形状を、当該大腿骨頸の当該基部内に位置決めされることが可能な最大サイズにサイズ決定し、それにより、当該形状が、当該第2の画像セットのうちの少なくとも2つの画像において、当該大腿骨頸の当該基部の皮質に接触していることが示されるようにする、ことを含む。
【0034】
例16から18のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例19」)によると、当該大腿骨頸軸を特定する当該ステップは、当該大腿骨頭の質量中心と当該大腿骨頸の当該基部の質量中心とを見出すことを含む。
【0035】
例16から18のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例20」)によると、当該大腿骨頸軸を特定する当該ステップは、当該第1の画像セット及び当該第2の画像セット上において、当該大腿骨頭の当該中心と当該大腿骨頸の当該基部の当該中心とを特定及び選択することを含み、当該第1の画像セット及び当該第2の画像セットは、複数の画像セットから選択される。
【0036】
例16から18のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例21」)によると、当該大腿骨頭の当該中心を特定し、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心を特定し、当該大腿骨遠位軸を特定し、当該脛骨近位軸を特定し、及び当該脛骨遠位軸を特定する当該ステップは、ソフトウェアモジュールを含むコンピュータシステムにより達成され、ソフトウェアモジュールは、複数のサンプル上における先行するトレーニングに基づいて、当該特定を行うようにプログラミングされている。
【0037】
一例(「例22」)によると、股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するためのコンピューティングデバイスは、1つ以上のプロセッサと、命令を格納するメモリであって、当該命令が、当該1つ以上のプロセッサにより実行されると、当該1つ以上のプロセッサに対し、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸の第1の対称軸と、大腿骨の遠位部の第2の対称軸と、を参照することにより、股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、当該第1の対称軸と当該第2の当該第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部の第3の対称軸と、当該脛骨の遠位部の第4の対称軸と、を参照することにより、脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、当該第3の対称軸と当該第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を行わせる、メモリと、を含む。
【0038】
例22に加えて別の例(「例23」)によると、当該大腿骨頸、当該大腿骨の当該遠位部、当該脛骨の当該近位部、及び、当該脛骨の当該遠位部、の当該対称軸を割り出す当該ステップは、当該スキャンからの画像における当該下肢の二次元形状又は三次元形状を参照して、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0039】
例22に加えて別の例(「例24」)によると、当該大腿骨頸、当該大腿骨の当該遠位部、当該脛骨の当該近位部、及び、当該脛骨の当該遠位部、の当該対称軸を割り出す当該ステップは、当該スキャンからの画像における下肢上の基準点を参照して、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0040】
例22から24のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例25」)によると、当該第1の軸と当該第2の軸との間の当該角度は、単一の面内において比較される。
【0041】
例22から25のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例26」)によると、当該スキャンは当該下肢全体の単一のスキャンである。
【0042】
例22から26のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例27」)によると、当該スキャンは当該患者の体重負荷時に撮影される。
【0043】
例22から27のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例28」)によると、実装される当該方法は、股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の当該患者のレベルの関係性を提供することをさらに含む。
【0044】
例22から28のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例29」)によると、実装される当該方法は、当該下肢のアライメントをユーザに表示することをさらに含み、当該アライメントは、当該第1の軸に、当該第2の軸、当該第3の軸、及び当該第4の軸を重ね合わせることによって表示される。
【0045】
一例(「例30」)によると、股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するためにコンピュータ可読命令が格納されている、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、当該命令は、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサにより実行されると、当該コンピューティングデバイスに対し、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸の第1の対称軸と大腿骨の遠位部の第2の対称軸とを参照することにより股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが当該第1の対称軸と当該第2の当該第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部の第3の対称軸と当該脛骨の遠位部の第4の対称軸とを参照することにより、脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が当該第3の対称軸と当該第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を行わせる。
【0046】
例30に加えて別の例(「例31」)によると、当該大腿骨頸、当該大腿骨の当該遠位部、当該脛骨の当該近位部、及び当該脛骨の当該遠位部の当該対称軸を割り出す当該ステップは、当該スキャンからの画像における当該下肢の二次元形状又は三次元形状を参照して、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0047】
例30に加えて別の例(「例32」)によると、当該大腿骨頸、当該大腿骨の当該遠位部、当該脛骨の当該近位部、及び当該脛骨の当該遠位部の当該対称軸を割り出す当該ステップは、当該スキャンからの画像における下肢上の基準点を参照して、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0048】
例30から32のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例33」)によると、当該第1の軸と当該第2の軸との間の当該角度は、単一の面内において比較される。
【0049】
例30から33のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例34」)によると、当該スキャンは当該下肢全体の単一のスキャンである。
【0050】
例30から34のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例35」)によると、当該スキャンは当該患者の体重負荷時に撮影される。
【0051】
例30から35のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例36」)によると、当該方法は、股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の当該患者のレベルの関係性を提供することをさらに含む。
【0052】
例30から36のうちのいずれか1つに加えて別の例(「例37」)によると、方法は、当該下肢のアライメントをユーザに表示することをさらに含み、当該アライメントは、当該第1の軸に、当該第2の軸、当該第3の軸、及び当該第4の軸を重ね合わせることによって表示される。
【0053】
前述の例は、単に例であり、当の開示によりその他の態様で提供された発明概念のうちのいずれの範囲をも、限定するか又はさもなければ狭めるように読まれるべきではない。複数個の例が開示されているが、さらに他の実施形態が、例示的な例を示し且つ説明している以下の詳細な説明から、当業者には明らかになるであろう。そのため、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的であるよりもむしろ、本質的に例示的なものとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
添付の図面は、この開示のさらなる理解をもたらすために含まれており、この明細書に組み込まれているとともにこの明細書の一部を成していて、実施形態を例示しており、説明と共に、この開示の原理を解説するように働く。
図1】一実施形態に従った、患者の、基準面及び基準軸を伴った例示である。
図2】一実施形態に従った、骨盤と大腿骨の近位部との例示である。
図3A】一実施形態に従った、図2の横断面に示された位置における、横断面内に示されたスキャンの画像である。
図3B】一実施形態に従った、アライメントされた図3Aのスキャンの画像である。
図4A】一実施形態に従うとともに、様々な面が大腿骨頭において示された、骨盤と大腿骨の近位部との例示である。
図4B】一実施形態に従った、図4Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図4C】一実施形態に従った、図4Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図4D】一実施形態に従った、図4Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図5A】一実施形態に従うとともに、様々な面が大腿骨頸の基部において示された、骨盤と大腿骨の近位部との例示である。
図5B】一実施形態に従った、図5Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図5C】一実施形態に従った、図5Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図5D】一実施形態に従った、図5Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図6A】一実施形態に従った、大腿骨頸軸を含む大腿骨の近位部の例示である。
図6B】一実施形態に従った、大腿骨頸軸を含む大腿骨の近位部の例示である。
図7A】一実施形態に従うとともに、様々な面が外側顆部において示された、大腿骨の遠位部の例示である。
図7B】一実施形態に従った、図7Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図7C】一実施形態に従った、図7Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図7D】一実施形態に従った、図7Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図8A】一実施形態に従うとともに、様々な面が内側顆部において示された、大腿骨の遠位部の例示である。
図8B】一実施形態に従った、図8Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図8C】一実施形態に従った、図8Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図8D】一実施形態に従った、図8Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図9A】一実施形態に従った、大腿骨遠位軸を含む大腿骨の近位部の例示である。
図9B】一実施形態に従った、大腿骨遠位軸を含む大腿骨の近位部の例示である。
図10A】一実施形態に従った、大腿骨頸軸及び大腿骨遠位軸を含む大腿骨の近位部の例示である。
図10B】一実施形態に従った、大腿骨頸軸及び大腿骨遠位軸を含む大腿骨の近位部の例示である。
図11A】一実施形態に従うとともに、様々な面が外側顆部において示された、脛骨の近位部の例示である。
図11B】一実施形態に従った、図11Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図11C】一実施形態に従った、図11Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図11D】一実施形態に従った、図11Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図12A】一実施形態に従うとともに、様々な面が内側顆部において示された、脛骨の近位部の例示である。
図12B】一実施形態に従った、図12Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図12C】一実施形態に従った、図12Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図12D】一実施形態に従った、図12Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図13】一実施形態に従った、脛骨近位軸を含む脛骨の近位部の例示である。
図14A】一実施形態に従うとともに、様々な面が内果の前方部において示された、脛骨及び腓骨の遠位部と足関節との例示である。
図14B】一実施形態に従った、図12Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図14C】一実施形態に従った、図12Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図14D】一実施形態に従った、図12Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図15A】一実施形態に従うとともに、様々な面が外果の背側部において示された、脛骨及び腓骨の遠位部と足関節との例示である。
図15B】一実施形態に従った、図15Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図15C】一実施形態に従った、図15Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図15D】一実施形態に従った、図15Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図16A】一実施形態に従うとともに、様々な面が外果の前方部において示された、脛骨及び腓骨の遠位部と足関節との例示である。
図16B】一実施形態に従った、図16Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図16C】一実施形態に従った、図16Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図16D】一実施形態に従った、図16Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図17A】一実施形態に従うとともに、様々な面が外果の背側部において示された、脛骨及び腓骨の遠位部と足関節との例示である。
図17B】一実施形態に従った、図17Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図17C】一実施形態に従った、図17Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図17D】一実施形態に従った、図17Aにおいて割り出された様々な面内のスキャンの画像である。
図18A】一実施形態に従った、内外果軸、内果軸、及び、外果軸、を明示している画像及び例示である。
図18B】一実施形態に従った、内外果軸、内果軸、及び、外果軸、を明示している画像及び例示である。
図18C】一実施形態に従った、内外果軸、内果軸、及び、外果軸、を明示している画像及び例示である。
図19】一実施形態に従った、脛骨近位軸及び内外果軸を含む脛骨の例示である。
図20A】一実施形態に従った、スキャンのアライメントを示す、スキャンの画像である。
図20B】一実施形態に従った、スキャンのアライメントを示す、スキャンの画像である。
図21】一実施形態に従った、患者の解剖学的構造によって規定される様々な角度の、計算及び重ね合わせを例示している。
図22】一実施形態に従った、患者の解剖学的構造によって規定される様々な角度の、計算及び重ね合わせを例示している。
図23】様々な実施形態に従った、股関節捻れ及び脛骨捻転の様々な例示を例示している。
図24】様々な実施形態に従った、股関節捻れ及び脛骨捻転の様々な例示を例示している。
図25】様々な実施形態に従った、股関節捻れ及び脛骨捻転の様々な例示を例示している。
図26】様々な実施形態に従った、股関節捻れ及び脛骨捻転の様々な例示を例示している。
図27】一実施形態に従った、スキャンのアライメントを示すスキャンの画像である。
図28】一実施形態に従った、大腿骨頭及び大腿骨頸を示すスキャンの画像を示している。
図29】一実施形態に従った、大腿骨頭及び大腿骨頸を示すスキャンの画像を示している。
図30】一実施形態に従った、大腿骨の遠位部を示すスキャンの画像を示している。
図31】一実施形態に従った、大腿骨の遠位部を示すスキャンの画像を示している。
図32】一実施形態に従った、脛骨の近位部を示すスキャンの画像を示している。
図33】一実施形態に従った、脛骨の近位部を示すスキャンの画像を示している。
図34】一実施形態に従った、脛骨の遠位部を示すスキャンの画像を示している。
図35】一実施形態に従った、脛骨の遠位部を示すスキャンの画像を示している。
図36】一実施形態に従った、脛骨の遠位部を示すスキャンの画像を示している。
【発明を実施するための形態】
【0055】
[詳細な説明]
[定義及び専門用語]
この開示は、制限的な様態で読まれることは意味していない。例えば、出願において使用される専門用語は、このような専門用語が有するであろうと当該分野の当業者が考える意味の文脈で、広義に読まれるべきである。
【0056】
非厳密性についての専門用語に関しては、述べられた測定値を含み、且つ、当該述べられた測定値に合理的に近接したあらゆる測定値をも含む、測定値を指すために、「およそ」及び「約」という用語が相互交換可能に使用され得る。述べられた測定値に合理的に近接した測定値は、関連技術において通常の技能を有する個人により理解されるとともに直ちに把握されるような、合理的に少ない量だけ、当該述べられた測定値から逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定値の誤差、測定値及び/又は製造設備の較正における差、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、他のコンポーネント、特定の実装シナリオ、人又は機械による物体の不明確な整合及び/又は操作、に関連付けられた測定値の差に鑑みて、性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた軽微な整合、並びに/或いは、その他、に起因し得る。関連技術において通常の技能を有する個人が、このような合理的に小さな差についての値を直ちに把握し得ないと判定される場合、「およそ」及び「約」という用語は、述べられた値のプラスマイナス10%を意味するものと理解することができる。
【0057】
報告された研究によると、膝置換患者の約25%が、臨床スコア及び生活品質スコアにより判断されたときに、膝置換後に不満を示している。不満の1つの理由が、大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネントとの間の軸位アライメント不良である可能性があり、膝蓋大腿トラッキング不良を招く。本明細書において論じられる方法は、外科医が、診断及びガイド治療の助けの両方のための放射線学バイオマーカとして作用する、術前測定値及び術後測定値を得ることを可能にする。
【0058】
大腿骨捻れは、大腿骨遠位と大腿骨頸との間の関係性として説明される。旧来、股関節は、およそ15°~およそ20°だけ前捻している。後捻は、旧来後ろ向きと考えられている。しかしながら、大腿骨捻れが5度前向きである場合、これを依然として前捻と称するであろう。本明細書において使用されるような「相対的後捻」及び「相対的股関節後捻」という用語は、股関節が、正常と比較して依然として5°~10°だけ後方に向いており、依然として前向きとはいえ相対的には後捻している状況を指す。最も良好に理解されるように、相対的大腿骨後捻は、唇損傷(labral tears)、FAI、及び、最終的には股関節OA、に関連付けられる。
【0059】
軸位アライメント不良と扁平足との間には関連がある。旧来、扁平足(偏平足)には、矯正インソール(例えば、アーチサポート)を用いた治療が行われ、根本的な原因が足にあることが示唆されている。しかしながら、患者の所定割合においては、問題の発端が、近位に、股関節に又は脛骨内にある恐れがあり、その理由は、軸位アライメント不良が足関節の相対的内旋を招き、このことが、その後、距骨下関節における整合につながるためである。実質的には、脛骨が内旋するのに伴って距骨下関節が外翻し、ショパール関節における往復運動が、足を、より扁平な位置へ配置する。これらの患者において、矯正インソールは、それほど効果的ではなく、運動連鎖をさかのぼって荷重を伝達することにより、症状を悪化させる恐れすらある。患者によっては、インソールよりもむしろ、軸位アライメント不良の外科的整復が解決策であり得る。
【0060】
しかしながら、股関節捻れにおけるアライメント不良が、股関節及び膝よりも下の関節又は組織、例えば、足関節、にいかに影響を及ぼし得るのか、並びに、逆に、脛骨捻転が、足関節及び膝よりも上の関節又は組織、例えば、股関節、にいかに影響を及ぼし得るのか、はそれほど明確にはなっていない。異なる病理に関連する予備データは、アライメント不良が、他の関節における問題、他の組織へのダメージ、又は、介入における良い結果の減少、を確かに生じることを示唆している。例えば、股関節の後捻、又は、股関節における関節炎は、足関節固定術の実施時に悪い結果を招き得る。別の例において、偏平足(又は成人期扁平足(progressively collapsing foot deformity))は、股関節病理を招き得る。
【0061】
本開示は、下肢のアライメント(例えば、軸位(横断)、冠状(前頭)、及び、矢状(二等分)アライメント)を測定するための方法を実装するための、方法及びシステムを提供する。概して、下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定するステップと、大腿骨頸に関連する当該三次元ボリューム内の第1の複数の基準点と大腿骨の遠位部に関連する第2の複数の基準点とを参照することにより股関節捻れのレベルを割り出すステップであって、股関節捻れが、当該第1の複数の基準点と当該第2の複数の基準点との間の関係性によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すステップと、脛骨の近位部に関連する当該三次元ボリューム内の第3の複数の基準点と当該脛骨の遠位部に関連する第4の複数の基準点とを参照することにより脛骨捻転のレベルを割り出すステップであって、脛骨捻転が、当該第3の複数の基準点と当該第4の複数の基準点との間の関係性によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すステップと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供するステップと、を含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、当該方法は、当該大腿骨頸の軸を概して表している第1の線であって、当該第1の線が当該第1の複数の基準点に概して符合している(例えば、当該第1の線が当該複数の基準点のうちの少なくとも2つによって規定される)、第1の線と、腓骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第2の線であって、当該第2の線が当該第2の複数の基準点に概して対応している(例えば、当該第2の線が当該複数の基準点のうちの少なくとも2つによって規定される)、第2の線と、を提供することを含む。いくつかの実施形態において、当該方法は、当該脛骨の当該近位部の回転軸を概して表している第3の線であって、当該第3の線が当該第3の複数の基準点に概して対応している(例えば、当該第3の線が当該複数の基準点のうちの少なくとも2つによって規定される)、第3の線と、当該脛骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第4の線であって、当該第4の線が、当該第4の複数の基準点に概して対応している(例えば、当該第4の線が当該複数の基準点のうちの少なくとも2つによって規定される)、第4の線と、を提供することを含み得る。いくつかの実施形態において、当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の角度を計算することと、当該第3の線と当該第4の線との間の角度を計算することと、を含む。
【0063】
本明細書において記載される様々な方法は、基準点、基準線、及び基準角度を特定するために実装されてもよく、当該基準点、当該基準線、及び当該基準角度は、単独で、又は、記載される様々な実施形態と組み合わせて、のいずれかで実装されてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、固有の解剖学的位置(例えば、大腿骨頭、顆部等の中心)が割り出されてもよく、それらの位置が、基準点として記録される。理解されることとして、本明細書において記載されるような位置及び基準点は、これらの方法を実装するシステムによって記録されるような指標又はデータに加えて実際の解剖学的位置をも論じるために、相互交換可能に使用されてよい。これらの様々な方法は、概して、固有の解剖学的位置を特定することを含み得る。解剖学的位置は、患者の下肢の三次元スキャンを基準として規定される三次元ボリューム内において割り出され得る。このことは、スキャンから提供された画像を検討することにより、又は、スキャンから提供された三次元モデルを検討することにより、各位置を割り出すことによって達成され得る。画像の検討時には、単一の位置が、異なる面内における少なくとも2つの画像において割り出され得る。例えば、単一の位置が、3つの画像において割り出されてもよく、これらの3つの画像は、3つの面(例えば、前頭面、矢状面、及び、横断面)内に存在している。三次元モデルの検討時に、これらの位置は、三次元モデル内において直接的に割り出され得る。これらの方法を、より十分に説明するとともに、理解されることとして、ここに記載される総合的概念は、以降に論じられる固有の位置のいずれに関しても実装され得る。
【0064】
図1は、様々な面及び軸を明示するために提供されているが、その理由は、当該面及び軸が、人体に関連しているためであり、これらは、本開示の全体にわたり論じられる。より具体的に、この開示は、診断及び/又は直接的治療の助けの両方のために、(例えば、横断面内における)軸位アライメント不良の程度を査定する方法に関する。この方法は、本明細書において記載されるようなシステムを使用して、又は、同様のステップの実施若しくは同様のアウトプットの提供が可能な他のシステム上で、実装され得る。本明細書において論じられるシステム及び方法は、患者の股関節捻れ及び脛骨捻転を特定する、正確であって且つ再現可能な方式を提供する。図1は、左下肢4及び右下肢6を有する患者の身体2を例示している。前頭面10が、患者の身体2を基準とした長破線で示され、横断面12が、患者の身体2を基準とした一点鎖線で示され、矢状面14が、患者の身体2を基準とした短破線で示されている。前頭面10、横断面12、及び、矢状面14の表現を含む全ての図は、それらの面の各々について、全体にわたり、同じ破線特徴を含む。前頭軸16、長軸18、及び、矢状軸20の各々が、患者の身体2を基準として示されている。面10、12、及び14と、軸16、18、及び、20と、は、全体にわたり論じられ、図1に示される位置は、これらの面及び軸の厳密な位置を表していないものの、その代わりに、配向のためのガイドとして示されている。理解されることとして、同様の又は均等な概念に対して他の用語が適用可能であり、本明細書において実装された用語は、範囲の限定が意図されていない。例えば、「前頭面」という用語は、「冠状面」としても理解され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、患者のコンピュータ断層撮影(「CT」)スキャンが撮影され、当該CTスキャンは、3つの異なる面(即ち、軸位面、矢状面、及び、冠状面)内における患者の解剖学的構造を表すスライスで、患者の画像を提供する。CTスキャンが全体にわたり論じられるものの、理解されることとして、他の撮像技術が、本明細書において記載される方法において利用されてよい(例えば、磁気共鳴撮像)。下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者を位置決めすることと、患者の下肢をスキャンして、前頭面内における断面、矢状面内における断面、及び、横断面内における断面、を含む画像を生成することと、当該画像に基づいて、股関節捻れのレベルを取得することと、当該画像に基づいて、脛骨捻転のレベルを取得することと、を含み得る。スキャンは、体重負荷スキャン又は仰臥位スキャンを含む様々なフォーマットで撮影される。概して理解されることとして、本明細書において論じられるスキャンは、一方の下肢全体の単一のスキャン、又は、両方の下肢の、それら全体の単一のスキャン、に関連する。本明細書において記載される方法及びシステムでは、複数個のスキャンが実装され得るものの、理解されることとして、いくつかの実施形態では、複数個のスキャンよりも単一のスキャンの方が、当該下肢のアライメントの正確なビューをもたらす。その理由は、典型的なことであるが、スキャンとスキャンとの間におけるユーザの動きが、本明細書において論じられる様々な位置間のアライメントに関し、不正確な測定値をもたらすであろうためである。
【0066】
いくつかの実施形態において、この方法は、下肢の軸位アライメントを特定する前に、画像及び/又はデータセットをアライメントすることを含む。例えば、及び、図2図3A、及び、図3Bを参照すると、データセットは、冠状面上への投影時に、可能な限り最良の対称性を求めてアライメントされる(例えば、画像は、横断面12内における断面を示す)。このことは、左下肢4と右下肢6との間の角度測定値の比較を可能にする。データセット及び/又は画像のアライメントは、横断面12内における、患者の骨盤22を経由するとともに腸骨稜の前腸骨棘の高さにおける、画像(例えば、軸位スライス)を視認することにより完了し、アライメントすることは、横断面12内における画像を、対称性を求めて回転させることを含む。例えば、図2は、軸位スライスが視認され得る位置を明示している(即ち、横断面12内における軸位スライス)。さらに図2を参照すると、大腿骨24が示されており、大腿骨24は、大腿骨頭26、大腿骨頸28、及び、大腿骨頸基部30、を含む。図3Aは、図2に示された位置(即ち、腸骨稜の前腸骨棘の高さ)における軸位スライスを示しており、この軸位スライスは、脊椎分節が軸から外れていることを示している。その後、データセットを回転させて、この脊椎分節を示す軸位スライスが、対称性(例えば、左右対称性、又は、矢状面に対する対称性)を示すようアライメントされるようにする。データセットが一旦アライメントされると、ユーザ(例えば、医者、放射線科医師、医療専門家等)及び/又はシステム(例えば、コンピュータ上で稼働される自動化若しくは半自動化プログラム)が、下肢のうちの1つ以上の、軸位アライメントを特定し得る。画像及びデータセットについてアライメントが一旦完了すると、一方又は両方の下肢について、軸位アライメントが特定され得る。
【0067】
股関節捻れのレベルの特定についての論考に注意を向けると、図4A図10Bは、股関節捻れをいかに計算するかを明示している。参照のために、図10A及び図10Bは、解剖学的に代表的な2本の線を明示しているが、その理由は、これらの線が、患者の大腿骨の生得的な解剖学的構造に関連するためである。これらの解剖学的に代表的な2本の線間の角度関係性は、股関節捻れのレベルを提供する。第1の解剖学的に代表的な線は、大腿骨頸軸32を示し、第2の解剖学的に代表的な線は、大腿骨遠位軸34を示す。図4A図6Bは、大腿骨頸軸32がいかに特定されるのかを明示しており、図7A図9Bは、大腿骨遠位軸34がいかに特定されるのかを明示している。本明細書では線について論じられているが、理解されることとして、本明細書において論じられるこの方法及びシステムは、本明細書において論じられる軸に対応するベクトル又は他の表現のうち、どちらか相応しい方を実装してよい。
【0068】
図4Aを参照すると、例示的な骨盤22と、大腿骨24の近位端と、が例示されている。股関節捻れのレベルを特定するために、大腿骨頸角が、大腿骨頸軸32の位置を規定することによって特定される。大腿骨頸軸32、及び、結果的には大腿骨頸角は、大腿骨頸28の基部の中心に対する大腿骨頭26の中心の位置に基づいている。図4Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図4B図4Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。よって、図4A図4Dは、大腿骨頭26に関連する。大腿骨頸軸32を特定するために、大腿骨頭26の中心が割り出される。大腿骨頭の中心は、前頭面10内における第1の画像(即ち、図4B)と、矢状面14内における第2の画像(即ち、図4C)と、横断面12内における第3の画像(即ち、図4D)と、において中心を割り出すことによって三次元空間において中心を相関付けることにより、割り出される。大腿骨24の頭26の中心は、多種多様な方式で特定することができる。いくつかの実施形態において、大腿骨24の頭26の質量中心は、数学的解析を使用して特定することができる。いくつかの実施形態において、大腿骨24の頭26の中心は、大腿骨の頭26内に収まっているであろうデータセット内において、所定の三次元形状を提供することにより、特定することができる。例えば、データセットにおいて、球が表されてもよく、当該球は、ユーザにより視認されている軸位スライス上の円として出現する。理解されることとして、あらゆる相応しい形状が実装されてよく、球は、一例としてのみ提供されている。ユーザ及び/又はシステムは、当該球が大腿骨頭26の皮質内にフィットするか又は収まるように、当該球の寸法決定を行い得る。球は、軸位スライスに関連するため、軸位スライスの各々上の円として表された球は、大腿骨頭26の皮質内に位置決めされる。軸位スライスの各々内の円が大腿骨頭26内に一旦位置決めされると、球の中心(例えば、前頭面、横断面、及び、矢状面の各々内の円の中心)が、大腿骨頭26の中心として規定される。
【0069】
いくつかの実施形態において、大腿骨頭26の中心の割り出しは、データセットからの前頭スライス、横断スライス、及び、矢状スライス、を相関付けることにより大腿骨頭26の中心をユーザが特定することを可能にする方法(例えば、コンピュータ実装方法)を介して達成され、これらのスライスは、前頭面、横断面、及び、矢状面、の各々内の画像により表されている。例えば、図4Bは、前頭面10内の画像を表している。球が、前頭面10内において、図4Bの画像における円により表されている。他の面(横断面12及び矢状面14)が、図4Bにも例示されている線として、参照のために提供されている。図4Bにおいて認めることができるように、二次元画像において球を表す円が、前頭面10の長破線として示されている。図4Cでは、二次元画像において球を表す円が、矢状面14の短破線として示されている。他の面(前頭面10及び横断面12)が、図4Cにも例示されている線として、参照のために提供されている。図4Dでは、二次元画像において球を表す円が、横断面12の一点鎖線として示されている。他の面(前頭面10及び矢状面14)が、図4Dにも例示されている線として、参照のために提供されている。図4B図4Dの各々内の円は、大腿骨頭26の皮質内に収まっている。
【0070】
いくつかの実施形態において、大腿骨頸基部30の割り出しは、データセット(例えば、各面内の三画像セット)からの前頭スライス、横断スライス、及び、矢状スライスを相関付けることにより大腿骨頸基部30の中心をユーザが特定することを可能にする方法(例えば、コンピュータ実装方法)を介して達成され、これらのスライスは、前頭面、横断面、及び、矢状面、の各々内の画像により表されている。大腿骨頸基部30の中心は、前頭面10内における第4の画像(即ち、図5B)と、矢状面14内における第5の画像(即ち、図5C)と、横断面12内における第6の画像(即ち、図5D)と、において中心を割り出すことによって三次元空間において中心を相関付けることにより、割り出される。様々な面10、12、及び14の位置は、図5Aにおいて認めることができるとともに、図5B図5Dの軸位スライスに対応する位置を表しており、これらの軸位スライスの全てが、大腿骨頸基部30に関連する。図5Bを参照すると、球が、前頭面10内において、図5Bの画像における円により表されている。他の面(横断面12及び矢状面14)が、図5Bにも例示されている線として、参照のために提供されている。図5Bにおいて認めることができるように、二次元画像において球を表す円が、前頭面10の長破線として示されている。図5Cでは、二次元画像において球を表す円が、矢状面14の短破線として示されている。他の面(前頭面10及び横断面12)が、図5Cにも例示されている線として、参照のために提供されている。図5Dでは、二次元画像において球を表す円が、横断面12の一点鎖線として示されている。他の面(前頭面10及び矢状面14)が、図5Dにも例示されている線として、参照のために提供されている。図5B図5Dの各々内の円は、大腿骨頸基部30の皮質内に収まっている。図5B図5Dの円の各々の中心は、三次元空間における単一の点を表している。その単一の点が、大腿骨頸基部30の中心を割り出す球の中心を表している。
【0071】
図6A及び図6Bを参照すると、一旦、大腿骨頭26の中心の位置が特定されるとともに、大腿骨頸基部30の中心の位置が特定されると、大腿骨頸軸32を特定することができる。大腿骨頸軸32は、大腿骨頭26の中心と大腿骨頸基部30の中心との間に(例えば、大腿骨頸28の中心に沿って且つ当該中心を経由して)延在する。股関節捻れ、即ち、大腿骨頸軸32と大腿骨遠位軸40(例えば、図9A及び図9Bを参照)との間の角度を特定するために、図10A及び図10Bでは、大腿骨頸軸32と大腿骨遠位軸40との間の関係性を、より詳細に示している。
【0072】
図7A図9Bを参照すると、大腿骨遠位軸34は概して、大腿骨24の遠位部の回転軸、又は、当該回転軸に対して平行な軸、を表す。大腿骨24の遠位部は概して、遠位面の両顆部の曲面に沿って回転し、当該曲面の中心点が、回転軸を概して表す両顆部によって規定される。両顆部の表面は、接触位置を規定し、したがって、大腿骨24の遠位部の回転軸と概して平行である。そのため、大腿骨遠位軸34を特定する1つの方法は、大腿骨24の遠位部の顆部間に延在する線を特定することである。三面図上において、冠状面内のマーカは、大腿骨陥凹の上縁(これは、最も突き出した大腿骨遠位後方顆部要素に符合する)のレベルにおいて配置されている。
【0073】
より具体的には、図7Aを参照すると、大腿骨24の遠位部が例示されており、当該遠位部は、大腿骨外側顆部36及び大腿骨内側顆部38を含む。図7Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図7B図7Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図7Aに示される軸位スライスの位置に基づいて、図7A図7Dは、大腿骨内側顆部38に関連する。大腿骨遠位軸34を特定するために、大腿骨外側顆部36上における、所定位置が割り出される。例えば、図7A図7Dに示されるように、大腿骨24の背側位置において、大腿骨外側顆部36の尖部36aが割り出される。尖部36aは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。尖部36aの位置を3つの画像において相関付けることにより、大腿骨外側顆部36の尖部36aについての三次元位置が取得される。
【0074】
図8Aを参照すると、大腿骨24の遠位部が例示されており、当該遠位部は、大腿骨外側顆部36及び大腿骨内側顆部38を含む。図8Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図8B図8Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図8Aに示される軸位スライスの位置に基づいて、図8A図8Dは、大腿骨内側顆部38に関連する。大腿骨遠位軸34を特定するために、大腿骨内側顆部38上における、所定位置が割り出される。例えば、図8A図8Dに示されるように、大腿骨24の背側位置において、大腿骨内側顆部38の尖部38aが割り出される。尖部38aは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。尖部38aの位置を3つの画像において相関付けることにより、大腿骨内側顆部38の尖部38aについての三次元位置が取得される。
【0075】
図9A及び図9Bを参照すると、外側顆部36及び内側顆部38の尖部36a及び38aが大腿骨24の遠位部上の背側部上において一旦割り出されると、大腿骨遠位軸34を特定することができる。大腿骨遠位軸34は、外側顆部36及び内側顆部38の尖部36aと尖部38aとの間に延在する。大腿骨遠位軸34は、大腿骨24の遠位部の回転軸に対して概して平行である。記載された方法において特定されるような大腿骨遠位軸34は、軸位面内に表されるとき、大腿骨顆部軸を概して示す。
【0076】
図10A及び図10Bを参照すると、その後、大腿骨頸軸32と大腿骨遠位軸34との間の関係性を特定することにより、股関節捻れのレベルが計算され得る。より具体的に、角度関係性は、股関節捻れのレベルを特定する際の関心の対象となっている。例えば、股関節捻れは、横断面内における、大腿骨頸軸32と大腿骨遠位軸34との間の関係性として規定され得る。大腿骨頸軸32が横断面内において大腿骨遠位軸34の前方にあるとき、配向を、前捻と称する。そうではない場合、大腿骨頸軸32と大腿骨遠位軸34との間の関係性を後捻と称し、度で表現される。
【0077】
理解されることとして、全体にわたり説明される方法は、記載される点がマッピングされ得る三次元空間を規定することを含み得る。三次元空間は、記載される点及び位置の各々が規定され得る座標系を含み得る。例えば、大腿骨頭26の中心には、座標系内の所定座標(座標系内の三次元位置を記述するためのX値、Y値、及び、Z値)が割り当てられてもよく、大腿骨頸基部30の中心には、座標系内の所定座標が割り当てられてもよく、大腿骨外側顆部36の尖部36aには、座標系内の所定座標が割り当てられてもよく、大腿骨内側顆部38の尖部38aには、座標系内の所定座標が割り当てられ得る。大腿骨頸軸32及び大腿骨遠位軸34は、座標系内でマッピングされ得る。この方式において、大腿骨頸軸32と大腿骨遠位軸34との間の関係性が、座標系に基づいて容易に把握及び計算され得る。
【0078】
別の実施形態において、並びに、図20A及び図20Bを参照すると、股関節捻れは、大腿骨頭26の中心から大腿骨近位顆部間の中心二等分点(大腿骨頸28の中心に対応する)まで手動で線を描くことにより、特定され得る。第2の線を、前頭面内の膝顆部の中間部のレベルにおいて、横断面内の大腿骨遠位顆部36及び38に対して平行に描く。その後、これらの画像及び線を、互いに重畳させる。これらの骨を、2つの異なる軸位スライス(1つは股関節レベルにおいて、及び、1つは膝レベルにおいて)の上方にて一度に直接的に測定すること、又は、いずれのスライス上においても静的基準として水平線を使用して、2つの別個の角度測定値を取り、ひき続き、結果的に得られたそれらの角度を、当該骨の配向/方向に依存して加算又は減算すること、のいずれかにより、使用することが可能な2つの方法が存在する。描かれる線間の角度は、股関節捻れの測定値として、度で記録される。この角度が前方である場合、股関節前捻として知得される。この角度が後方である場合、股関節後捻として知得される。
【0079】
次に図11A図19を参照すると、脛骨捻転を特定するための方法が提供される。脛骨捻転は、脛骨の両方の後方顆部を接続する線(即ち、脛骨近位軸46)と、内果及び外果の関節面を二等分する線、即ち、内外果軸48(以降、「TMA」)と、の間の角度として規定される。TMA48は、脛骨遠位角に関連しており、したがって、全体にわたり相互交換可能に使用され得る。さらなる線を、脛骨粗面の内側1/3の部分の最も突き出した点と、TMAと、に沿って描く。これらの位置の割り出しを、本明細書においてより詳細に説明する。
【0080】
より具体的に図11A図13を参照すると、脛骨近位軸46の位置が例示されている。例えば、脛骨50の近位端が示されている。脛骨50の近位端は、脛骨外側後方顆部52及び脛骨内側後方顆部54を含む。脛骨近位軸46が、脛骨外側後方顆部52及び脛骨内側後方顆部54の各々上の同様の位置間において規定される。脛骨近位軸46は概して、脛骨50の近位部の回転軸、又は、当該回転軸に対して平行な軸、を表す。脛骨50の近位部は概して、近位面の両顆部の曲面に沿って回転し、当該曲面の中心点が、回転軸を概して表す両顆部によって規定される。両顆部の表面は、接触位置を規定し、したがって、脛骨50の近位部の回転軸と概して平行である。そのため、脛骨近位軸46を特定する1つの方法は、脛骨50の近位部の顆部間に延在する線を特定することである。
【0081】
以前に論じたように、患者の下肢の三次元スキャンが撮影される。三次元スキャンにより生成された画像及び/又はデータを使用して、当該データ及び/又は画像内において、位置の割り出し又は規定を(手動プロセス又は自動プロセスのいずれかを通じて)行うことができる。いくつかの実施形態において、画像は、患者の膝の周囲で中心決めされる。脛骨50の近位部についての三画像セットの三次元位置が、まず、冠状面内において、腓骨頭よりもおよそ1mm近位において提供される(例えば、腓骨頭よりも上における1つのスライス)。
【0082】
より具体的には、図11Aを参照すると、脛骨50の近位部が例示されており、当該近位部は、脛骨外側後方顆部52及び脛骨内側後方顆部54を含む。図11Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図11B図11Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図11Aに示される軸位スライスの位置に基づいて、図11A図11Dは、脛骨外側後方顆部52に関連する。脛骨近位軸46を特定するために、脛骨外側後方顆部52上における所定位置が割り出される。例えば、図11A図11Dに示されるように、脛骨50の背側位置において、脛骨外側後方顆部52の尖部52aが割り出される。尖部52aは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。尖部52aの位置を3つの画像において相関付けることにより、脛骨外側後方顆部52の尖部52aについての三次元位置が取得される。
【0083】
図12Aを参照すると、脛骨50の近位部が例示されており、当該近位部は、脛骨外側後方顆部52及び脛骨内側後方顆部54を含む。図12Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図12B図12Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図12Aに示される軸位スライスの位置に基づいて、図12A図12Dは、脛骨内側後方顆部54に関連する。脛骨近位軸46を特定するために、脛骨内側後方顆部54上における所定位置が割り出される。例えば、図12A図12Dに示されるように、脛骨50の背側位置において、脛骨内側後方顆部54の尖部54aが割り出される。尖部54aは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。尖部38aの位置を3つの画像において相関付けることにより、脛骨内側後方顆部54の尖部52aについての三次元位置が取得される。
【0084】
図13を参照すると、脛骨外側後方顆部52及び脛骨内側後方顆部54の尖部52a及び54aが脛骨50の近位部上の背側部上において一旦割り出されると、脛骨近位軸46を特定することができる。脛骨近位軸46は、脛骨外側後方顆部52及び脛骨内側後方顆部54の尖部52aと尖部54aとの間に延在する。脛骨近位軸46は、脛骨50の近位部の回転軸に対して概して平行である。記載された方法において特定されるような脛骨近位軸46は、軸位面内に表されるとき、脛骨顆部軸を概して示す。
【0085】
次に図14A図18Cを参照すると、患者の足関節に関連する様々な解剖学的位置を割り出すことにより、TMA48の位置が特定される。以前に論じたように、TMA48は、内果軸60及び外果軸62の二等分点間に延在する軸に関連する。TMA48の特定には、内果軸60及び外果軸62の各々が必要とされるため、内果軸60及び外果軸62の割り出し及び規定がいかに行われるのかについての説明を、本明細書において提供する。
【0086】
図14A図15Dを参照すると、内果軸60を規定する位置が提供される。より具体的に、図14A及び図14A’は、脛骨50の遠位部及び腓骨51の遠位部の、それぞれ、背面図及び正面図を示しており、同じ図が、図15A図15A’、図16A図16A’、図17A、及び、図17A’において提供されて、関連付けられた画像において示される位置を配向している。より具体的に図14A図15Dを参照すると、内果軸60を特定するために、内果64の構造に関連する位置が割り出される。腓骨51の外果66と組み合わせた内果64の構造は、足関節に関連しているために、脛骨50の遠位部の回転軸を決定し、したがって、TMA48を規定するように実装され得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、内果軸60は概して、前方内果縁64aと背側内果縁64bとの間において規定され得る。図14A図14Dを参照すると、脛骨50の遠位端が示されており、これらの図は概して、前方内果縁64aに関連する。図14Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図14B図14Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図14Aに示される軸位スライスの位置により示されるように、図14A図14Dは、前方内果縁64aの位置を例示していた。図14B図14Dに示されるビューを取得するために、三次元スキャンの画像及び/又はデータが提供される位置は、3つの面10、12、及び14が、距骨皮質表面80の上側部分を横切って描いた線よりもおよそ1mm遠位における、冠状面上の高さにおいて交差するように設定されるようなものである。理解されることとして、距骨の位置が異常である事態(例えば、靱帯損傷の後で距骨が傾斜している場合)において、画像及び/又はデータは、矢状面14が脛骨遠位関節面に対してほぼ平行であるように提供され得る。内果軸60を特定するために、前方内果縁64a上における所定位置が割り出される。前方内果縁64aは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。前方内果縁64aの位置を3つの画像において相関付けることにより、内果の前方内果縁64aについての三次元位置が取得される。
【0088】
図15A図15Dを参照すると、脛骨50の遠位端が示されており、これらの図は概して、背側内果縁64bに関連する。図15Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図15B図15Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図15Aに示される軸位スライスの位置により示されるように、図15A図15Dは、背側内果縁64bの位置を例示していた。図15B図15Dに示されるビューを取得するために、三次元スキャンの画像及び/又はデータが提供される位置は、図14A図14Dに関連して提供されたものと同様であってもよい。内果軸60を特定するために、背側内果縁64b上における所定位置が割り出される。背側内果縁64bは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。背側内果縁64bの位置を3つの画像において相関付けることにより、内果の背側内果縁64bについての三次元位置が取得される。
【0089】
前方内果縁64a及び背側内果縁64bが一旦割り出されると、前方内果縁64a及び背側内果縁64bに関連付けられる2つの位置間において、内果軸60が規定される。他の軸に関して以前に論じたように、内果軸60は、三次元座標系において割り出すことができる。
【0090】
外果軸62を特定するための方法は、内果軸60を特定する方法と同様であってもよい。例えば、図16A図16Dを参照すると、脛骨50の遠位端が示されており、これらの図は概して、前方外果縁66aに関連する。図16Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図16B図16Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図16Aに示される軸位スライスの位置により示されるように、図16図16Dは、前方外果縁66aの位置を例示していた。図16B図16Dに示されるビューを取得するために、三次元スキャンの画像及び/又はデータが提供される位置は、図14A図14Dに関連して提供されたものと同様であってもよい。外果軸62を特定するために、前方外果縁66a上における所定位置が割り出される。前方外果縁66aは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。前方外果縁66aの位置を3つの画像において相関付けることにより、外果の前方外果縁66aについての三次元位置が取得される。
【0091】
図17図17Dを参照すると、脛骨50の遠位端が示されており、これらの図は概して、背側外果縁66bに関連する。図17Aにおける様々な面10、12、及び14の位置は、図17B図17Dの軸位スライス(例えば、各面内に1つの画像を有する三画像セット)に対応する位置を表す。図17Aに示される軸位スライスの位置により示されるように、図17図17Dは、背側外果縁66bの位置を例示していた。図17B図17Dに示されるビューを取得するために、三次元スキャンの画像及び/又はデータが提供される位置は、図14A図14Dに関連して提供されたものと同様であってもよい。外果軸62を特定するために、背側外果縁66b上における所定位置が割り出される。背側外果縁66bは、様々な面内における3つの画像(例えば、面10、12、及び14の各々内における三画像セット)の各々において、割り出し及び相関付けを行うことが可能である。背側外果縁66bの位置を3つの画像において相関付けることにより、外果の背側外果縁66bについての三次元位置が取得される。
【0092】
前方外果縁66a及び背側外果縁66bが一旦割り出されると、前方外果縁66a及び背側外果縁66bに関連付けられる2つの位置間において、外果軸62が規定される。他の軸に関して先に論じたように、外果軸62は、三次元座標系において割り出すことができる。
【0093】
次に図18A図18Cを参照すると、内果軸60及び外果軸62が一旦割り出されると、TMA48が規定される。TMA48は、内果軸60と外果軸62との間に規定され、TMA48は、内果軸60及び外果軸62の各々の中点から延在する。他の軸に関して以前に論じたように、TMA48は、三次元座標系において割り出すことができる。
【0094】
図19を参照すると、脛骨近位軸46を、TMA48を基準として認めることができる。脛骨捻転は、脛骨近位軸46とTMA48との間に規定される相対角度を計算することによって特定される。捻転は、矢状面に対して外部に向いている場合、脛骨外捻として知得される。捻転は、矢状面に対して内部に向いている場合、脛骨内捻として知得される。
【0095】
いくつかの実施形態において、並びに、図21及び図22を参照すると、股関節捻れ及び脛骨捻転を特定するために、測定値が計算され得る。いくつかの実施形態では、二次元角度計算が、水平線と、描かれた6本の線の各々と、の間に6つの個々の角度値を生成するために、ベクトルマッチ(即ち、ドット積又は余弦法則)を実装し得る。二次元角度計算は、矢状面内に示された測定値を実装することがあってもよく、又は、本明細書に提供された方法において割り出した位置から単純化されて、単一の面内における相対角度のみを視認することがあり得る。他の実施形態において、角度の測定値は、全体にわたり論じられるように、三次元空間において測定されることが可能であり、ベクトルドット積又は余弦法則を使用して、股関節捻れ及び脛骨捻転の各々を個々に計算することができ、その後、股関節捻れと脛骨捻転との間の関係性を計算することができる。
【0096】
理解されることとして、本明細書において記載される方法は、手動で達成されてもよく、又は、自動化システムを介して提供されてもよい。本明細書において記載される方法は、計算間において、術者内信頼性及び術者間信頼性を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される方法は、記載される位置の選択及び割り出しがプロセッサにより行われ得る自動化システムにおいて、実装され得る。プロセッサは、人工知能及びディープラーニングのアプローチを使用してトレーニングされて、本明細書において記載される位置、又は、股関節捻れ及び脛骨捻転を特定するための座標若しくは基準点を概して提供する他の位置及び解剖学的特徴、を割り出し得る。
【0097】
これらの座標及び/又は基準点は、手動で特定されたのか、それとも、自動プロセスを通じて特定されたのか、のいずれにせよ、三次元空間内においてマッピングされ得る。例えば、本明細書において論じられるスキャンは、三次元ボリュームを提供及び規定するために使用され得る。本明細書において論じられる様々な軸(例えば、大腿骨頸軸、大腿骨遠位軸、脛骨近位軸、及び、脛骨遠位軸)は、三次元ボリューム内において提供され得る。これらの様々な軸は、三次元ボリューム内においてベクトルにより表されてもよく、ベクトルは、これらの軸とアライメントし得るとともに、これらの軸と同じ広がりを有し得る(例えば、本明細書に記載される位置において始点及び終点をなす)か、又は、ベクトルは、これらの軸とアライメントしているとともに当該軸を規定している位置を超えて延在しているものとして提供され得る。よって、いくつかの実施形態において、ベクトルは、三次元ボリューム内における関連軸をマッピングするか又は表すために使用されているが、その理由は、当該ベクトルが、股関節捻れ及び脛骨捻転を特定するために使用されるデータ点に関連しているためである。いくつかの実施形態では、スキャンを使用して、患者の下肢の三次元モデルが構築され得る。三次元モデルは、本明細書において記載される画像又はスライスに専ら依拠するよりもむしろ、(単独で、又は、本明細書において記載される画像若しくはスライスと組み合わせて、のいずれかで)本明細書において記載される様々な位置を選択するように実装され得る。
【0098】
理解されることとして、本明細書において記載される解剖学的位置の各々の間の関係性は、ユーザに対して異なるフォーマットで表され得るか又は提供され得る。例えば、大腿骨頸角(例えば、第1の線)、大腿骨遠位角(例えば、第2の線)、脛骨近位角(例えば、第3の線)、及び脛骨遠位角(例えば、第4の線)を表すように線が実装されるとき、これらの線間の関係性は、ユーザに対して様々なフォーマット(例えば、パーセンテージ、角度等)で提供され得る。さらに、第1の線及び第2の線が股関節捻れの値を提供するように実装されるとき、第1の線と第2の線との間の角度は、単一の面(例えば、冠状面)内における角度として提供され得るか又はこれら2つの間の実際の角度として提供され得る。例えば、第1の線と第2の線との間の角度が、X軸、Y軸、及びZ軸の各々において成分を有し得るが故に、これらの線間の角度は、当該関係性がいかに視認されるのかに依存して(例えば、これら2つの間の関係性が、単一の面内若しくは三次元ボリューム内において視認されることに依存して、又は、当該関係性が単一の面内において提供される場合、どの面が実装されるのかに依存して)、異なり得る。いくつかの実施形態では、第1の線と第2の線との間の角度が、単一の面内における、これら2つの間の関係性として提供されるが、その理由は、当該関係性が、医療行為において通例使用される、股関節捻れのレベルを提供するためである。
【0099】
患者の股関節捻れ及び脛骨捻転の両方が一旦特定されると、ベースライン股関節捻れと比較した患者の股関節捻れの相対的な差、及び、ベースライン脛骨捻転と比較した患者の脛骨捻転の相対的な差が決定される。ベースライン股関節捻れ及びベースライン脛骨捻転は、母集団の平均に基づき得るものであり、年齢、性別、及び、身長等といった母集団の部分群に基づいて提供され得るか、或いは、最適な解剖学的及び又は生体力学的因子を含む因子に基づいて提供され得る。
【0100】
さらに図21及び図22を参照すると、股関節捻れ及び脛骨捻転を特定するための方法は、High-Rise(商標)Scanner(Curvebeam(登録商標)、PA、USA)から取得されたデータを使用することを含み得るものであり、股関節、膝、及び、足関節、を経由した様々な軸位スライスが調査される。データは、あたかも対向位置から視認しているかのように、右側データが左手側に、左側データが右にある状態で、慣例としてスクリーン又はビューア上に表示される。全ての画像上には、水平に対して基準線が描かれているが、その理由は、このことが、その後、骨盤回転を考慮に入れているためであり、全ての線が水平を基準とするためである。
【0101】
図23図26は、股関節捻れ及び脛骨捻転の例を提供している。図面を参照するために、様々な識別子が提供されており、これらについて、以下のように規定する。
【0102】
下肢機能軸(MAL)-これは、脛骨天蓋の中心に至る大腿骨頭の中心である。補正MALは、大腿骨頭の中心から踵骨の体重負荷点まで測定される(aMAL)。
【0103】
股関節-膝角(HKA)-大腿骨頭の中心から大腿骨顆間窩まで、線を描く(以下の線A)。脛骨棘突起間点から脛骨遠位天蓋上の中心点まで、第2の線を描く(以下の線B)。HKAは、これらの2本の線間の角度として規定される。
【0104】
大腿骨近位外側角(LPFA)-まず、大転子の上位点から大腿骨頭の中心まで、線を描く。その後、大腿骨頭の中心から大腿骨顆間窩まで、第2の線を描く(以下の線A)。これら2本をつなぐ線がLPFAであり、通常は90度である。
【0105】
機能軸に対する大腿骨遠位外側角(mLDFA)-大腿骨機能軸-解剖軸(FMA)角とも称され、大腿骨頭の中心から大腿骨顆間窩まで描いた線(以下の線A)と、大腿骨内側顆部及び大腿骨外側顆部の最遠位部分を横切って描いた第2の線と、の交差部である。
【0106】
脛骨近位内側角(MPTA)-脛骨機能軸(TMA)とも称される。まず、脛骨棘突起間点から脛骨遠位天蓋上の中心点まで線を描く(線B)。脛骨プラトーの最近位内側エリアから最近位外側エリアに(脛骨プラトー面における骨棘は除外しつつ)第2の線を描く。これら2本の線の接続部がMPTAである。
【0107】
関節線収束角(JLCA)-JLCAは、大腿骨内側顆部及び大腿骨外側顆部の最遠位部分に対する接線と、脛骨プラトーの軟骨下板との間の角度として規定される。2本の線が測定される。一方が、大腿骨遠位関節面を接続しており、第2の方が、脛骨近位関節面を接続している。これらの線間に範囲を定められた線が、JLCAである。
【0108】
脛骨遠位外側角(LDTA)-LDTAは、脛骨の中心軸の線(線B)と、脛骨遠位関節面を横切って描いた線と、により生じる角度により測定される。
【0109】
脛距角(TTA)-脛距角は、脛骨の骨幹の内側縁及び外側縁の中心点である(足関節よりも5cm及び15cm上において2つの球を使用)。距骨の関節面の頂部に沿って別個の線を描く。内側角が、脛距角を生ずる。
【0110】
脛骨関節面に対する下肢機能軸(MALTA)は、下肢機能軸(MAL)と、距骨の関節面の頂部に沿って描いた線との間に範囲を定められた線である(Bernasconi 2021)。
【0111】
図28及び図29を参照すると、大腿骨頭と、大腿骨頸(幹)の位置と、の両方を最も良好に例示している横断(軸位)スライスが選択されている。ユーザ(又はコンピュータプログラム)は、脚を上下に移動することにより、大腿骨の中心幹を割り出す。その後、大腿骨頭を経由した軸位スライスを使用して、大腿骨幹の中心から大腿骨頭の中心まで線を描く。水平軸に沿って、第2の線を描く。これらの線間に範囲を定められた角度が、大腿骨頸回旋である。大腿骨頭が、水平線に対して前方にある(身体の前部に向かっている)とき、数字は正となり、前捻を示す(これは、右股関節上においては反時計回りであり、左股関節上においては時計回りである)。大腿骨頭が水平よりも後ろにある場合、この数字は負となり、後捻と称される。
【0112】
図30及び図31を参照すると、調査されるべき次の軸位スキャンが、大腿骨顆部の中心の、膝において存在している。大腿骨の後方顆部に沿って線を描き、水平軸に沿って第2の線を描く。これらの線間に範囲を定められた角度が、大腿骨遠位の回旋である。膝頭が内方に向いている(右膝上において時計回り)であるとき、大腿骨は内旋している。この角度は正である。同様に、左膝上において、膝蓋骨は前方を向いているはずであるが、内方に(反時計回りに)向いている場合、大腿骨遠位は内旋しており、この数字は正である。膝頭(膝蓋骨)が外方に向いている場合、数字は反転されて負となる。
【0113】
股関節捻れを計算するために、大腿骨頸角及び大腿骨遠位角を共に加算する。図21に例示される例では、右側(頁の左手に示される)、これらの角度は、7度及び16度であって、23度という右側大腿骨前捻を生ずる。左側において、角度は、大腿骨遠位の内旋の21度と、大腿骨頸の前方回旋の6度と、であり、27度の前捻という大腿骨捻れ総合角度を生ずる。
【0114】
図32及び図33を参照すると、次に、軸位スライスを脛骨近位まで下に移動させ、脛骨顆部の背部を横切って線を描き、水平に対して第2の線を描く(これは、大腿骨と同じ回旋に近似する)。これら2本の線により範囲を定められた角度が、脛骨近位の回旋である。
【0115】
図34及び図35を参照すると、軸位スライスが、次に、足関節よりも約2mm上の足関節まで下げられて、内果及び外果を二等分する線を描く。これを内外果軸として記録する。水平に対して第2の線を描き、これらの間に範囲を定められた角度が、内外果軸である。上と同じように、外旋は、正の角度として表現され、中線に対して内部は、負の角度として表現される(正が、右においては反時計回りであるのに対し、左においては時計回りである)。
【0116】
図36を参照すると、脛骨捻れ(又は脛骨の捩れ)を計算するために、脛骨近位測定値を、内外果測定値に加算する。そのため、上の例では、16度の膝の内旋が、16度の足関節の外旋に加算されて、32度という右脛骨の脛骨捻転を生ずる。左脛骨上において、脛骨近位は32度内旋しており、足関節は11度外旋しており、33度という脛骨捻れを生ずる。
【0117】
このシステムは、図22に示されるような、互いの上に重畳された軸位測定値の全てを提示することにより、下肢アライメントの例示的な概要も臨床医に提供し、それにより、当該ユーザは、股関節に対する足の関係性を認めることができる。
【0118】
再び図6を参照すると、このシステムは、脚長(寛骨臼の最外側唇の、床面までの高さ、中心大腿骨頭の、床面までの高さ、に分解され、大腿骨の絶対長及び脛骨の絶対長を含む)も捕捉する。いくつかの実施形態では、横断(軸位)面内の回旋に加え、互いに対する骨の角形成が存在し得る。このようなケースでは、骨損失が存在しないことがあり得るものの、一方側に、外反膝又は内反膝、或いは、扁平足、が存在することがあり得、脚長差の出現を生じる。脚長差は、骨盤傾斜(obliquity)を招く恐れがあり、これは、両方の腸骨稜の最上位部分と床面とを測定することによって測定される。このことを、少なくとも図24図26に例示している。
【0119】
いくつかの実施形態では、プロセッサが、以下に説明するように、半自動的に又は自動的に、のいずれかで、下肢アライメント測定値を生成し得る。例えば、半自動的実施形態において、この方法は、データセットをメモリ内へロードすることを含み得る。データセットは、骨盤から片足/両足までのボクセルを内包する単一のボリュームであること、又は、患者の身長方向においてソートされた、骨盤、膝、足を個々に内包する個々のボリュームから成ること、のいずれかが可能である。いくつかの実施形態において、データセットは、一方の脚のみ、又は、好ましくは、両脚、即ち、両側スキャン、を内包し得る。図27を参照すると、データセットは、自身が正しく配向されていること、つまり、(患者の位置決めを理由とする)回転のない状態で軸位スライスを表示していること、を確保するように較正され得る。例えば、正しい回転を査定するための1つの標認点が、骨盤骨構造であろう。
【0120】
この方法は、三次元データセット内において12個の位置、つまり、患者の各側について6つの位置、をマークすることを含む。例えば、2つの位置が、股関節においてマークされ(図28及び図29に認められるような、十字線において割り出された位置)、2つの位置が、膝においてマークされ(図30及び図31に認められるような、十字線において割り出された位置)、2つの位置が、脛骨下部においてマークされる(図32及び図33に認められるような、十字線において割り出された位置)。
【0121】
当該方法は、図28及び図29においてマークされた点を接続する線と、水平ベースラインとの間の股関節角を計算することをさらに含む。このことを図34に例示している。
【0122】
当該方法は、図30及び図31においてマークされた点を接続する線と、水平ベースラインとの間の膝角を計算することをさらに含む。このことを図35に例示している。
【0123】
当該方法は、図32及び図33においてマークされた点を接続する線と、水平ベースラインとの間の脛骨下部角を計算することをさらに含む。このことを図36に例示している。
【0124】
当該方法は、股関節角/膝角/脛骨下部角を表示及び比較することをさらに含む。
【0125】
完全自動化方法においては、多くのステップが、図27図36に関して説明されたものと同様であり、データセットの、アルゴリズムを介したプロセッサによる処理が可能な場所に、当該データセットをロードすることを除き、ユーザとの対話要件のない状態で、論じられた12個全ての位置が、AIベースのアルゴリズムから割り出される。アウトプットは、対話式ユーザインターフェイスに表示される、定量的結果及び視覚的グラフィックスへとフォーマット化される。
[例]
[例1]
【0126】
下肢の軸位アライメントを特定する方法を提供する。当該方法は、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸の第1の対称軸と、大腿骨の遠位部の第2の対称軸と、を参照することにより、股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、当該第1の対称軸と当該第2の当該第2の対称軸との間の角度によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部の第3の対称軸と、当該脛骨の遠位部の第4の対称軸と、を参照することにより、脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、当該第3の対称軸と当該第4の対称軸との間の角度によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を含む。
【0127】
当該方法は、当該骨の(当該スキャンの画像において示されるような、又は、当該スキャンの三次元モデルにおいて示されるような、のいずれかの)二次元形状又は三次元形状を参照して、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0128】
当該方法は、当該骨上の(当該スキャンの画像において割り出されるか、又は、当該スキャンの三次元モデルにおいて割り出されるか、のいずれかの)基準点を参照して、当該対称軸を割り出すことを含む。
【0129】
当該方法は、当該大腿骨頸の軸を概して表している第1の線であって、当該第1の線が、当該第1の対称軸に概して符合している、第1の線と、腓骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第2の線であって、当該第2の線が、当該第2の対称軸に概して対応している、第2の線と、を提供することを含む。当該方法は、任意に、当該脛骨の当該近位部の回転軸を概して表している第3の線であって、当該第3の線が、当該第3の対称軸に概して対応している、第3の線と、当該脛骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第4の線であって、当該第4の線が、当該第4の対称軸に概して対応している、第4の線と、を提供することをさらに含む。
【0130】
当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の角度を計算することと、当該第3の線と当該第4の線との間の角度を計算することと、を含む。
[例2]
【0131】
下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸に関連する当該三次元ボリューム内の第1の複数の基準点と、大腿骨の遠位部に関連する当該三次元ボリューム内の第2の複数の基準点と、を参照することにより、股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、当該第1の複数の基準点と当該第2の複数の基準点との間の関係性によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部に関連する当該三次元ボリューム内の第3の複数の基準点と、当該脛骨の遠位部に関連する当該三次元ボリューム内の第4の複数の基準点と、を参照することにより、脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、当該第3の複数の基準点と当該第4の複数の基準点との間の関係性によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を含む。
【0132】
当該方法は、当該大腿骨頸の軸を概して表している第1の線であって、当該第1の線が、当該第1の複数の基準点に概して符合している、第1の線と、腓骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第2の線であって、当該第2の線が、当該第2の複数の基準点に概して対応している、第2の線と、を提供することを含み、また、当該脛骨の当該近位部の回転軸を概して表している第3の線であって、当該第3の線が、当該第3の複数の基準点に概して対応している、第3の線と、当該脛骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第4の線であって、当該第4の線が、当該第4の複数の基準点に概して対応している、第4の線と、を提供することを含む。
【0133】
当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の角度を計算することと、当該第3の線と当該第4の線との間の角度を計算することと、を含む。
【0134】
当該方法は、大腿骨頸の基部の中心に対する大腿骨頭の中心の位置に基づいて、大腿骨頸角を特定することを含み、当該第1の線は、当該大腿骨頭の当該中心と大腿骨頸の基部の中心との間に延在することが規定される。
【0135】
当該方法は、当該大腿骨頭の当該中心と、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心と、の当該位置を、当該大腿骨頭の当該中心を、各々が異なる面内に存在している少なくとも2つの画像上において割り出すことにより、及び、当該大腿骨頸の当該基部を、各々が異なる面内に存在している少なくとも2つの画像上において割り出すことにより、三次元空間において割り出すことを含む。
【0136】
当該方法は、大腿骨の遠位端の回転軸に関連する大腿骨遠位角を特定することを含み、当該第2の線は、当該大腿骨遠位角に関連する。
【0137】
当該方法は、当該大腿骨遠位角が、それぞれ、大腿骨外側顆部又は大腿骨外側上顆の後方位置に対する、大腿骨内側顆部又は大腿骨内側上顆の後方位置の位置に基づいていることを含み、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置と、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の後方位置と、は、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置を、各々が異なる面内に存在している少なくとも2つの画像上において割り出すことにより、及び、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の当該後方位置を、各々が異なる面内に存在している少なくとも2つの画像上において割り出すことにより、三次元空間において割り出される。
【0138】
当該方法は、脛骨の近位端の回転軸に関連する脛骨近位角を特定することを含み、当該第3の線は、当該脛骨近位角に関連する。
【0139】
当該方法は、当該脛骨近位角が、脛骨外側顆部の前方位置に対する、脛骨内側顆部の前方位置の位置に基づいていることを含み、当該脛骨内側顆部の当該前方位置と、当該脛骨外側顆部の前方位置と、は、当該脛骨内側顆部の当該前方位置を、各々が異なる面内に存在している少なくとも2つの画像上において割り出すことにより、及び、当該脛骨外側顆部の当該前方位置を、各々が異なる面内に存在している少なくとも2つの画像上において割り出すことにより、三次元空間において割り出される。
【0140】
当該方法は、内果の最外外側面間に延在する第1の接線と、外果の最内内側面間に延在する第2の接線と、の中心を接続する線に関連する脛骨遠位角を特定することを含み、当該第4の線は、当該第1の接線と当該第2の接線との間の線に関連する。
【0141】
当該方法は、受信画像の3つの画像において、当該内果の当該最外外側面上における後方位置と、各々が異なる面内に存在している当該受信画像のうちの少なくとも2つの画像において、当該内果の当該最外外側面上における前方位置と、各々が異なる面内に存在している当該受信画像のうちの少なくとも2つの画像において、当該外果の当該最内内側面上における後方位置と、当該受信画像の3つの画像において、当該内果の当該最内外側面上における前方位置と、を割り出すことを含む。
【0142】
当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の当該関係性が、単一の面内において比較されることを含む。
【0143】
当該方法は、当該スキャンが、当該下肢全体の単一のスキャンであることを含む。
【0144】
当該方法は、当該スキャンが、当該患者の体重負荷時に撮影されることを含む。
【0145】
当該方法は、股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の当該患者のレベルの関係性を提供することを含む。
【0146】
当該方法は、当該下肢のアライメントをユーザに表示することを含み、当該アライメントは、当該第1の線に、当該第2の線、当該第3の線、及び、当該第4の線、を重ね合わせることによって表示される。
[例3]
【0147】
下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸に関連する当該三次元ボリューム内の第1の複数の基準点と、大腿骨の遠位部に関連する当該三次元ボリューム内の第2の複数の基準点と、を参照することにより、股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが、当該第1の複数の基準点と当該第2の複数の基準点との間の関係性によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部に関連する当該三次元ボリューム内の第3の複数の基準点と、当該脛骨の遠位部に関連する当該三次元ボリューム内の第4の複数の基準点と、を参照することにより、脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が、当該第3の複数の基準点と当該第4の複数の基準点との間の関係性によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を含む。
【0148】
当該方法は、当該大腿骨頸の軸を概して表している第1の線であって、当該第1の線が、当該第1の複数の基準点に概して符合している、第1の線と、腓骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第2の線であって、当該第2の線が、当該第2の複数の基準点に概して対応している、第2の線と、を提供することを含み、また、当該脛骨の当該近位部の回転軸を概して表している第3の線であって、当該第3の線が、当該第3の複数の基準点に概して対応している、第3の線と、当該脛骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第4の線であって、当該第4の線が、当該第4の複数の基準点に概して対応している、第4の線と、を提供することを含む。
【0149】
当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の角度を計算することと、当該第3の線と当該第4の線との間の角度を計算することと、を含む。
【0150】
当該方法は、大腿骨頸の基部の中心に対する大腿骨頭の中心の位置に基づいて、大腿骨頸角を特定することを含み、当該第1の線は、当該大腿骨頭の当該中心と大腿骨頸の基部の中心との間に延在することが規定される。
【0151】
当該方法は、当該大腿骨頭の当該中心と、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心と、の当該位置が、当該大腿骨頭の当該中心を、前頭面内における第1の画像上と、矢状面内における第2の画像上と、横断面内における第3の画像上と、において割り出すことにより、及び、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心を、前頭面内における第4の画像上と、矢状面内における第5の画像上と、横断面内における第6の画像上と、において割り出すことにより、三次元空間において割り出されることを含む。
【0152】
当該方法は、大腿骨の遠位端の回転軸に関連する大腿骨遠位角を特定することを含み、当該第2の線は、当該大腿骨遠位角に関連する。
【0153】
当該方法は、当該大腿骨遠位角が、それぞれ、大腿骨外側顆部又は大腿骨外側上顆の後方位置に対する、大腿骨内側顆部又は大腿骨内側上顆の後方位置の位置に基づいていることを含み、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置と、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の後方位置と、は、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置を、前頭面内における第7の画像上と、矢状面内における第8の画像上と、横断面内における第9の画像上と、において割り出すことにより、及び、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の当該後方位置を、前頭面内における第10の画像上と、矢状面内における第11の画像上と、横断面内における第12の画像上と、において割り出すことにより、三次元空間において割り出される。
【0154】
当該方法は、脛骨の近位端の回転軸に関連する脛骨近位角を特定することを含み、当該第3の線は、当該脛骨近位角に関連する。
【0155】
当該方法は、当該脛骨近位角が、脛骨外側顆部の前方位置に対する、脛骨内側顆部の前方位置の位置に基づいていることを含み、当該脛骨内側顆部の当該前方位置と、当該脛骨外側顆部の前方位置と、は、当該脛骨内側顆部の当該前方位置を、前頭面内における第13の画像上と、矢状面内における第14の画像上と、横断面内における第15の画像上と、において割り出すことにより、及び、当該脛骨外側顆部の当該前方位置を、前頭面内における第16の画像上と、矢状面内における第17の画像上と、横断面内における第18の画像上と、において割り出すことにより、三次元空間において割り出される。
【0156】
当該方法は、内果の最外外側面間に延在する第1の接線と、外果の最内内側面間に延在する第2の接線と、の中心を接続する線に関連する脛骨遠位角を特定することを含み、当該第4の線は、当該第1の接線と当該第2の接線との間の線に関連する。
【0157】
当該方法は、受信画像の3つの画像において、当該内果の当該最外外側面上における後方位置と、各々が異なる面内に存在している当該受信画像のうちの少なくとも2つの画像において、当該内果の当該最外外側面上における前方位置と、各々が異なる面内に存在している当該受信画像のうちの少なくとも2つの画像において、当該外果の当該最内内側面上における後方位置と、当該受信画像の3つの画像において、当該内果の当該最内外側面上における前方位置と、を割り出すことを含む。
【0158】
当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の当該関係性が、単一の面内において比較されることを含む。
【0159】
当該方法は、当該スキャンが当該下肢全体の単一のスキャンであることを含む。
【0160】
当該方法は、当該スキャンが当該患者の体重負荷時に撮影されることを含む。
【0161】
当該方法は、股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の当該患者のレベルの関係性を提供することを含む。
【0162】
当該方法は、当該下肢のアライメントをユーザに表示することを含み、当該アライメントは、当該第1の線に、当該第2の線、当該第3の線、及び当該第4の線を重ね合わせることによって表示される。
[例4]
【0163】
下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者の下肢のスキャンに基づいて三次元ボリュームを特定することと、大腿骨頸に関連する当該三次元ボリューム内の第1の複数の基準点と大腿骨の遠位部に関連する当該三次元ボリューム内の第2の複数の基準点とを参照することにより股関節捻れのレベルを割り出すことであって、股関節捻れが当該第1の複数の基準点と当該第2の複数の基準点との間の関係性によって規定される、股関節捻れのレベルを割り出すことと、脛骨の近位部に関連する当該三次元ボリューム内の第3の複数の基準点と当該脛骨の遠位部に関連する当該三次元ボリューム内の第4の複数の基準点とを参照することにより脛骨捻転のレベルを割り出すことであって、脛骨捻転が当該第3の複数の基準点と当該第4の複数の基準点との間の関係性によって規定される、脛骨捻転のレベルを割り出すことと、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルをユーザに提供することと、を含む。
【0164】
当該方法は、当該大腿骨頸の軸を概して表している第1の線であって、当該第1の線が当該第1の複数の基準点に概して符合している第1の線と、腓骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第2の線であって、当該第2の線が当該第2の複数の基準点に概して対応している第2の線と、を提供することを含み、また、当該脛骨の当該近位部の回転軸を概して表している第3の線であって、当該第3の線が当該第3の複数の基準点に概して対応している第3の線と、当該脛骨の当該遠位部の回転軸を概して表している第4の線であって、当該第4の線が当該第4の複数の基準点に概して対応している第4の線と、を提供することを含む。
【0165】
当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の角度を計算することと、当該第3の線と当該第4の線との間の角度を計算することと、を含む。
【0166】
当該方法は、大腿骨頸の基部の中心に対する大腿骨頭の中心の位置に基づいて大腿骨頸角を特定することを含み、当該第1の線は当該大腿骨頭の当該中心と大腿骨頸の基部の中心との間に延在することが規定される。
【0167】
当該方法は、当該大腿骨頭の中心の位置と当該大腿骨頸の当該基部の中心の位置とが、当該大腿骨頭の中心と当該大腿骨頸の当該基部の中心とを、当該患者の当該下肢の当該スキャンに基づいて三次元モデル内において割り出すことにより、三次元空間において割り出されることを含む。
【0168】
当該方法は、大腿骨の遠位端の回転軸に関連する大腿骨遠位角を特定することを含み、当該第2の線は、当該大腿骨遠位角に関連する。
【0169】
当該方法は、当該大腿骨遠位角が、それぞれ、大腿骨外側顆部又は大腿骨外側上顆の後方位置に対する、大腿骨内側顆部又は大腿骨内側上顆の後方位置の位置に基づいていることを含み、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置と、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の後方位置と、の当該位置は、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置と、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の後方位置と、を、当該患者の当該下肢の当該スキャンに基づいて、三次元モデル内において割り出すことにより、三次元空間において割り出される。
【0170】
当該方法は、脛骨の近位端の回転軸に関連する脛骨近位角を特定することを含み、当該第3の線は、当該脛骨近位角に関連する。
【0171】
当該方法は、当該脛骨近位角が、脛骨外側顆部の前方位置に対する、脛骨内側顆部の前方位置の位置に基づいていることを含み、当該脛骨内側顆部の当該前方位置と、当該脛骨外側顆部の前方位置と、の当該位置は、当該脛骨内側顆部の当該前方位置と、当該脛骨外側顆部の前方位置と、を、当該患者の当該下肢の当該スキャンに基づいて、三次元モデル内において割り出すことにより、三次元空間において割り出される。
【0172】
当該方法は、内果の最外外側面間に延在する第1の接線と、外果の最内内側面間に延在する第2の接線と、の中心を接続する線に関連する脛骨遠位角を特定することを含み、当該第4の線は、当該第1の接線と当該第2の接線との間の線に関連する。
【0173】
当該方法は、当該内果の当該最外外側面上における後方位置と、当該内果の当該最外外側面上における前方位置と、を、当該内果の当該最外外側面上における当該後方位置と、当該内果の当該最外外側面上における当該前方位置と、を、当該患者の当該下肢の当該スキャンに基づいて、三次元モデル内において割り出すことにより、三次元空間において割り出すことを含む。
【0174】
当該方法は、当該第1の線と当該第2の線との間の当該関係性が、単一の面内において比較されることを含む。
【0175】
当該方法は、当該スキャンが当該下肢全体の単一のスキャンであることを含む。
【0176】
当該方法は、当該スキャンが当該患者の体重負荷時に撮影されることを含む。
【0177】
当該方法は、股関節捻れ及び脛骨捻転の予め定められたレベルに対する、股関節捻れ及び脛骨捻転の当該患者のレベルの関係性を提供することを含む。
【0178】
当該方法は、当該下肢のアライメントをユーザに表示することを含み、当該アライメントは、当該第1の線に、当該第2の線、当該第3の線、及び当該第4の線を重ね合わせることによって表示される。
[例5]
【0179】
下肢の軸位アライメントを特定する方法は、患者を位置決めすることと、患者の下肢をスキャンして、前頭面内における断面、矢状面内における断面、及び横断面内における断面を含む画像を生成することと、当該画像に基づいて、股関節捻れのレベルを取得することと、当該画像に基づいて脛骨捻転のレベルを取得することと、を含み、股関節捻れの当該レベル及び脛骨捻転の当該レベルが、三次元空間においてマッピングされる。
【0180】
当該方法は、当該横断面内における、当該患者の骨盤を経由するとともに腸骨稜の前腸骨棘の高さにおける、画像を視認することにより、当該画像をアライメントすることを含み、アライメントすることは、当該横断面内における当該画像を、対称性を求めて回転させることを含む。
【0181】
当該方法は、大腿骨頸の基部の中心に対する大腿骨頭の中心の位置に基づいて、大腿骨頸角を特定することを含み、当該大腿骨頭の当該中心と、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心と、の当該位置は、それぞれ、第1の三画像セット及び第2の三画像セットにおける三次元空間において割り出され、当該第1の三画像セット及び当該第2の三画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び、当該横断面、内における画像を含む。
【0182】
当該方法は、それぞれ、大腿骨外側顆部又は大腿骨外側上顆の後方位置に対する、大腿骨内側顆部又は大腿骨内側上顆の後方位置の位置に基づいて、大腿骨遠位角を特定することを含み、当該大腿骨内側顆部又は当該大腿骨内側上顆の当該後方位置と、当該大腿骨外側顆部又は当該大腿骨外側上顆の後方位置と、は、それぞれ、第3の三画像セット及び第4の三画像セットにおける三次元空間において割り出され、当該第3の三画像セット及び当該第4の三画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び、当該横断面、内における画像を含む。
【0183】
当該方法は、脛骨の近位端の回転軸に関連する脛骨近位角を特定することを含み、当該脛骨近位角は、脛骨外側顆部の前方位置に対する、脛骨内側顆部の前方位置の位置に基づいており、当該脛骨内側顆部の当該前方位置と当該脛骨外側顆部の前方位置とはそれぞれ、第5の三画像セット及び第6の三画像セットにおける三次元空間において割り出され、当該第1の三画像セット及び当該第2の三画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び、当該横断面、内における画像を含む。
【0184】
当該方法は、内果の最外外側面間に延在する第1の接線と外果の最内内側面間に延在する第2の接線との中心を接続する線に関連する脛骨遠位角を特定することを含む。
【0185】
当該方法は、当該内果の当該最外外側面上における後方位置と、当該内果の当該最外外側面上における前方位置と、当該外果の当該最内内側面上における後方位置と、当該内果の当該最内外側面上における前方位置とをそれぞれ、第7の三画像セット、第8の三画像セット、第9の三画像セット、及び、第10の三画像セット、における三次元空間において割り出すことを含み、当該第7の三画像セットから当該第10の三画像セットの各々は、当該前頭面、当該矢状面、及び当該横断面内における画像を含む。
[例6]
【0186】
股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するためのコンピュータ実装方法であって、当該方法は、患者の少なくとも一方の下肢の三次元スキャンから複数の画像を受信することであって、当該画像が、複数の三画像セットを含み、当該三画像セットが、前頭面内における画像、矢状面内における画像、及び横断面内における画像を含む、受信することと、第1の三画像セット上における大腿骨頭の中心及び第2の三画像セット上における大腿骨頸の基部の中心を特定することにより大腿骨頸軸を特定することと、患者の大腿骨の、当該大腿骨の遠位端における回転軸に関連付けられる大腿骨遠位軸を特定することであって、当該大腿骨遠位軸が第3の三画像セット及び第4の三画像セットにおいて割り出される、大腿骨遠位軸を特定することと、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の角度を特定することであって、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の当該角度が股関節捻れを表している、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の当該角度を特定することと、当該患者の脛骨の、当該脛骨の近位端における回転軸に関連付けられる脛骨近位軸を特定することであって、当該脛骨近位軸が第5の三画像セット及び第6の三画像セットにおいて割り出される、脛骨近位軸を特定することと、当該患者の当該脛骨の、当該脛骨の遠位端における回転軸に関連付けられる脛骨遠位軸を特定することであって、当該脛骨遠位軸が、第7の三画像セット、第8の三画像セット、第9の三画像セット、及び第10の三画像セットにおいて割り出される、脛骨遠位軸を特定することと、当該脛骨近位軸と当該脛骨遠位軸との間の角度、頸軸と当該大腿骨遠位軸とを特定することであって、当該大腿骨頸軸と当該大腿骨遠位軸との間の当該角度が、脛骨捻転を表している、当該脛骨近位軸と当該脛骨遠位軸との間の角度を特定することと、を含む。
【0187】
当該コンピュータ実装方法は、当該第1の三画像セット及び当該第2の三画像セット上に所定形状を提供することを含み、当該形状は、三次元形状を表している。
【0188】
当該コンピュータ実装方法は、当該形状を、当該大腿骨頸の当該基部内に位置決めされることが可能な最大サイズにサイズ決定し、それにより、当該形状が、当該第2の三画像セットのうちの少なくとも2つの画像において、当該大腿骨頸の当該基部の皮質に接触していることが示されるようにする、ことを含む。
【0189】
当該コンピュータ実装方法は、当該大腿骨頭の質量中心と、当該大腿骨頸の当該基部の質量中心と、を見出すことを含む。
【0190】
当該コンピュータ実装方法は、当該第1の三画像セット及び当該第2の三画像セット上において、当該大腿骨頭の当該中心と、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心と、を特定及び選択することを含み、当該第1の三画像セット及び当該第2の三画像セットは、複数の三画像セットから選択される。
【0191】
当該コンピュータ実装方法は、当該大腿骨頭の当該中心を特定すること、当該大腿骨頸の当該基部の当該中心を特定すること、当該大腿骨遠位軸を特定すること、当該脛骨近位軸を特定すること、及び、当該脛骨遠位軸を特定すること、が、コンピュータシステムにより達成されることを含み、ソフトウェアは、複数のサンプル上における先行するトレーニングに基づいて、特定を行うようにプログラミングされている。
【0192】
この出願において提供された1つ以上の態様の説明及び例示は、特許請求されているような開示の範囲を、いかなる方式においても限定又は制限することを意図していない。この出願において提供された態様、例、及び、詳細は、所有権の譲渡、並びに、特許請求された開示のベストモードの、他者による作成及び使用を可能にすること、に十分であると考えられる。特許請求された開示は、この出願において提供されたいずれかの態様、例、又は、詳細、に限定されるものと解釈されるべきではない。様々な(構造的及び方法論的の両方における)特徴は、組み合わせて、それとも、別個に、のいずれにおいて示され及び説明されるのかにかかわらず、特定のセットの特徴を有する一実施形態を生成するために、選択的に含まれるか又は割愛されるように意図されている。当業者は、本願の説明及び例示が提供されると、変形例、改変例、及び、代替的態様、を構想し得るが、これらは、特許請求された開示の、より広い範囲から逸脱していない、この出願内で具現化された総合的発明概念の、より広い態様の精神内に収まる。
【0193】
この発明を記述する文脈内における(特に、以下の請求項の文脈における)、「a」、「an」、及び、「the」という用語、並びに、同様の指示対象、の使用は、本明細書において特段示されていない限り、又は、文脈により明瞭に矛盾していない限り、単数形及び複数形の両方をカバーするものと解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び、「内包する(containing)」という用語は、特段注記されていない限り、オープンエンドな(即ち、「~を含むが、~に限定されない」ことを意味する)用語として解釈されるべきである。「接続された(connected)」という用語は、たとえ、介在するものが何か存在している場合でも、部分的に又は全体的に、中に内包されていること、取り付けられていること、又は、共につながれていること、と解釈されるべきである。
【0194】
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書において特段示されていない限り、当該範囲内に収まる各別個の値を個々に指す略記法として働くように意図されているに過ぎず、各別個の値は、本明細書においてあたかも個々に記載されているかのように、明細書に組み込まれている。
【0195】
前方、後方、頂部及び底部、上側及び下側、といった方向の使用は、図面に示された実施形態を参照したものであり、よって、制限的に捉えられるべきではない。図面における実施形態の反転又は方向転換は、当然ながら、当該専門用語の、矛盾のない反転又は方向転換を結果的に生じる。
【0196】
当業者には明白であろうこととして、本発明には、この発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な改変及び変形を行うことができる。この発明を、開示された1つ又は複数の固有の形に限定する意図はなく、その反対に、意図されるのは、添付の特許請求の範囲において規定されるような、この発明の精神及び範囲内に収まる、改変例、代替的構築、及び、均等例、を全てカバーすることである。よって、この発明の改変例及び変形例が、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等例の範囲内に入っているという前提で、当該改変例及び当該変形例を本発明がカバーすることが意図される。
【0197】
本明細書において記載される1つ又は複数のシステムは、あらゆる形の1つ又は複数のコンピュータ上において実装されてもよく、アルゴリズム及びプログラムは、専用アプリケーションとして、又は、ウェブベースのアーキテクチャを含むクライアント-サーバアーキテクチャにおいて実装されてもよく、関数型のプログラム、コード、及び、コードセグメント、を含むことができる。本発明のコンピュータシステムは、ソフトウェアプログラムが、コンピュータ及び/又はストレージデバイス(例えば、媒体)上に格納されること、並びに/或いは、ネットワークを経由して実行され得ること、を含み得る。コンピュータステップは、ストレージ媒体上に格納されたプログラムコード又はプログラムモジュールを通じて実装され得る。
【0198】
当該方法及び/又は当該システムのいずれもが、コンピュータディスプレイといったディスプレイにアウトプットを提供することを含み得ることが企図される。アウトプットは、線のうちの1本以上といったグラフィックスを含み得るものであり、これらの線は、(i)下肢の3Dモデル、(ii)他の線、及び/又は、(iii)ベースラインの股関節捻れ若しくは脛骨捻転を表すデータといった、予め定められた参照データ、に関連して表示され得る。当該方法及び当該システムは、3Dモデル上の線を異なる配向で視覚化するために、ユーザによる当該モデルの操作も許容し得る。当該方法及び当該システムは、本明細書において記載される方法及びシステムを介して特定される股関節屈曲及び脛骨捻転に関連する、角度、パーセンテージ、及び、解剖学的状態等といった関連指標も提供し得る。
【0199】
本明細書におけるコンピュータプロセスは、様々な処理ステップの観点から説明され得る。このような処理ステップは、指定された機能を実施するあらゆる数のハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントにより実現され得る。例えば、記載された実施形態は、様々な集積回路コンポーネント、例えば、メモリエレメント、処理エレメント、ロジックエレメント、及び、ルックアップテーブル等を用いてもよく、これらは、1つ以上のマイクロプロセッサ又は他の制御デバイスの制御下において、多種多様な機能を施行し得る。同様に、記載された実施形態の要素が、ソフトウェアプログラミング又はソフトウェアエレメントを使用して実装される場合、この発明は、C、C++、Java、又は、アセンブラ等といったいずれかのプログラミング言語又はスクリプト言語を用いて実装されてもよく、様々なアルゴリズムが、データ構造、オブジェクト、プロセス、ルーチン、又は、他のプログラミングエレメント、のいずれかの組み合わせを用いて実装される。機能的な態様が、1つ以上のプロセッサ上で実行されるアルゴリズムにおいて実装され得る。さらに、この発明の実施形態は、電子機器構成、信号処理及び/又は信号制御、並びに、データ処理等、のためのあらゆる数の従来技術を用い得る。「メカニズム」及び「エレメント」という語は、広義に使用され、機械的又は物理的な実施形態に限定されず、むしろ、プロセッサと併せてソフトウェアルーチン等を含むことができる。
【0200】
本明細書において示され且つ記載された特定の実装は、この発明の例示的な例であり、この発明の範囲を、いかなる方式においても、その他の態様で限定することを意図していない。簡潔にするために、従来の電子機器、制御システム、ソフトウェア開発、並びに、システムの他の機能的態様(及び、システムの個々のオペレーティングコンポーネントのコンポーネント)については、詳細に説明しないことがあり得る。
【0201】
本明細書において提供される方法及び例はいずれも、該当する場合、1つ以上のプロセッサと、命令を格納するメモリと、を含むコンピューティングデバイス上で実装されてもよく、当該命令は、当該1つ以上のプロセッサにより実行されると、当該1つ以上のプロセッサに対し、本明細書において記載されるような方法を実行させる。
【0202】
本明細書において提供される方法及び例はいずれも、該当する場合、股関節捻れ値及び脛骨捻転値を提供するために命令を格納する、一時的な又は非一時的なコンピュータ可読媒体上に格納されてもよく、当該命令は、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサにより実行されると、当該コンピューティングデバイスに対し、本明細書において記載されるような方法を実行させる。
【0203】
最後に、本明細書において記載される全ての方法のステップは、本明細書において特段示されていない限り、又はさもなければ、文脈により明瞭に矛盾していない限り、あらゆる好適な順序で実施可能である。本明細書において提供される、あらゆる全ての例又は例示的言語(例えば、「~といった」)の使用は、この発明の、より良好な解明を意図しているに過ぎず、特段主張されていない限り、この発明の範囲に限定を課すものではない。この技術の当業者とっては、多数の改変例及び適合例が、この発明の精神及び範囲から逸脱することなく直ちに明らかであろう。
【0204】
この出願の発明を、包括的に、及び、固有の実施形態に関して、の両方において上で説明してきた。当業者には明らかであろうこととして、この開示の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態において様々な改変及び変形を行うことができる。よって、この発明の改変例及び変形例が、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等例の範囲内に入っているという前提で、当該改変例及び当該変形例をこれらの実施形態がカバーすることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14A-1】
図14B
図14C
図14D
図15A
図15A-1】
図15B
図15C
図15D
図16A
図16A-1】
図16B
図16C
図16D
図17A
図17A-1】
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図18C
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26a
図26b
図27
図28
図29
図30
図31
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図35
図36
【国際調査報告】