(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ロボット支援基礎設置用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
E02D 13/06 20060101AFI20241112BHJP
E02D 5/56 20060101ALI20241112BHJP
E02D 27/12 20060101ALI20241112BHJP
E02D 35/00 20060101ALI20241112BHJP
E04G 21/14 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
E02D13/06
E02D5/56
E02D27/12 Z
E02D35/00
E04G21/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524662
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022078736
(87)【国際公開番号】W WO2023076963
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523456021
【氏名又は名称】サイチュ-プレイシズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジョイコックス,スティーブン,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】トッピン,クエンティン
(72)【発明者】
【氏名】ゴールディン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョニー
【テーマコード(参考)】
2D041
2D046
2D050
2E174
【Fターム(参考)】
2D041AA02
2D041BA19
2D046CA01
2D050AA01
2D050EE17
2D050FF04
2D050FF05
2D050FF07
2E174DA57
(57)【要約】
ロボット支援基礎設置システムが提供され、このシステムでは、基礎柱頂部のX、Y、及びZ位置を報告するデータが、全測量ステーションからグリッド制御システムに送信される。グリッド制御システムは、データを受信し、特定のデータをアレイ内の特定の柱(「グリッド」)に関連付ける。グリッド制御システムは、グリッド内の柱の実際の位置を、支持すべき建造物の要件に基づいて決定された目標位置と比較する。実際の位置と目標位置との間の差を決定した後、グリッド制御システムは、個々の柱に関連付けられた柱位置決めツールに命令を送信する。柱位置決めツールのアクチュエータは、関連する柱の位置を調整するようにグリッド制御システムによって指示される。ライブストリーミングデータが、各柱が適切な位置にあることを裏付けると、柱は適所に固定される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の建造物支持体を建設用地に設置することと、
前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、
前記複数の建造物支持体の各建造物支持体の上にインターフェースを設けることであって、前記インターフェースが内部空間を画定する、前記設けることと、
複数の柱から、ある柱を各インターフェースの前記内部空間内に位置決めすることであって、前記柱の第1の端部が前記内部空間内にあり、前記柱の第2の端部が前記内部空間の外部にある、前記位置決めすることと、
前記建造物支持体に対して前記柱を移動させるように構成されたアクチュエータアセンブリを各柱に接続することと、
データ取得システムを用いて、前記第2の端部の実際の位置を決定することと、
前記複数の柱の前記第2の端部の前記決定された実際の位置を使用して、前記複数の柱からの各第2の端部について、
各第2の端部の目標位置と、
前記実際の位置と前記目標位置との間のオフセットと、
を決定することと、
第2の端部のサブセットについて、前記オフセットが前記目標位置からの第1の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記第2の端部のサブセットからの各第2の端部について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記第2の端部を、その第2の端部の前記目標位置に向けて移動させることと、
前記第2の端部のサブセットからの各第2の端部について、前記データ取得システムを使用して、前記オフセットが前記第1の所定の公差の範囲内にあるように変化したことを判定することと、
各柱を、その関連するインターフェースの前記内部空間内の所定の位置に固定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記データ取得システムは、全測量ステーションを含み、
データ取得システムを用いて、前記第2の端部の実際の位置を決定するステップが、前記第2の端部の前記実際の位置を決定するために、前記全測量ステーションと、前記第2の端部に取り付けられた反射器とを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾けて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾け、平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記データ取得システムを使用して、前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記柱の実際の傾きを決定することと、
前記複数の柱の前記決定された実際の傾きを使用して、前記複数の柱からの各柱について、前記実際の傾きと目標傾きとの間のアライメント不良を判定することと、
前記目標位置と、
前記複数の柱のうちの柱のサブセットについて、前記実際の傾きが前記目標傾きからの第2の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記柱を前記目標傾きに向けて傾けさせることと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記データ取得システムを使用して、前記アライメント不良が前記第2の所定の公差の範囲内にあると判定することと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記建造物支持体に対して前記柱を移動させるように構成されたアクチュエータアセンブリを各柱に接続するステップが、前記アクチュエータアセンブリを、前記柱と、前記柱が位置決めされる前記インターフェースとに接続することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
各柱を、その関連するインターフェースの前記内部空間内の所定の位置に固定するステップは、硬化されると、前記インターフェースに対する前記柱の前記位置を固定する材料で、前記柱の周りの前記内部空間を充填することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
柱の第1の端部を受け入れるように構成され、かつ建造物支持体に結合するように構成された内部空間を画定するインターフェースと、
アクチュエータアセンブリであって、
前記柱を保持するように構成された第1の部分と、
前記第1の部分に接続され、前記第1の部分を移動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータであって、前記柱の前記第1の端部が前記内部空間内に受け入れられ、前記柱が前記第1の部分によって保持されると、前記柱の第2の端部が前記インターフェースに対して移動される、前記少なくとも1つのアクチュエータと、
を含む、前記アクチュエータアセンブリと、
を備える、システム。
【請求項10】
前記アクチュエータアセンブリは、前記インターフェースに結合するように構成された第2の部分をさらに含み、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、複数のリニアアクチュエータを含み、各リニアアクチュエータは、前記第1の部分と前記第2の部分との間に接続され、前記第2の部分に対して前記第1の部分を移動させるように構成されており、
前記複数のリニアアクチュエータは、前記第2の部分に対して前記第1の部分を移動させるように構成され、前記第2の部分が前記インターフェースに結合され、前記柱の前記第1の端部が前記内部空間内に受け入れられ、かつ前記柱が前記第1の部分によって保持されるとき、前記複数のリニアアクチュエータが前記インターフェースに対して前記柱を傾けるように制御可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記アクチュエータアセンブリは、前記インターフェースに結合するように構成された第2の部分をさらに含み、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、複数のリニアアクチュエータを含み、各リニアアクチュエータは、前記第1の部分及び前記第2の部分に接続され、前記第2の部分に対して前記第1の部分を平行移動させるように構成されており、
前記第1の部分は、前記柱が前記第1の部分に対して移動しないように前記柱を保持するように構成されたクランプを含み、
前記複数のリニアアクチュエータは、前記第2の部分に対して前記第1の部分を移動させるように構成され、前記第2の部分が前記インターフェースに結合され、前記柱が前記第1の部分によって保持されるとき、前記複数のリニアアクチュエータが前記インターフェースに対して前記柱を平行移動させるように制御可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の部分は、前記柱が前記第1の部分に対して移動しないように前記柱を保持するように構成されたクランプを含み、
前記アクチュエータアセンブリは、
前記インターフェースに結合するように構成された第2の部分と、
前記柱を保持するように構成された第3の部分と、をさらに含み、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、
第1の複数のリニアアクチュエータであって、それぞれが前記第1の部分と前記第2の部分との間に接続される、前記第1の複数のリニアアクチュエータと、
第2の複数のリニアアクチュエータであって、それぞれが前記第3の部分と前記第2の部分との間に接続される、前記第2の複数のリニアアクチュエータと、を含み、
前記第1の複数のリニアアクチュエータは、前記第2の部分を3次元的に平行移動させるように構成され、
前記第2の複数のリニアアクチュエータは、前記第3の部分を平面内で移動させるように構成され、
前記第2の部分が前記インターフェースに結合され、前記柱が前記第1の部分に対して移動しないように前記柱が前記第1の部分によって保持され、前記柱が前記第2の部分によって保持される場合、前記第1の複数のリニアアクチュエータ及び前記第2の複数のリニアアクチュエータは、前記インターフェースに対して前記柱を傾け、平行移動させるように制御可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記インターフェースの前記内部空間が、
前記柱の前記第1の端部の開口部内に受け入れられ、前記第1の端部の運動範囲を制限するように構成されるピン、または
前記第1の端部を前記内部空間の中心に向けるように傾斜した要素を有するアダプタ、のいずれかを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
複数の建造物支持体に対する複数の柱の位置を制御するためのシステムであって、
複数のインターフェースであって、各インターフェースが、柱の第1の端部を受け入れるように構成された内部空間を画定する、前記複数のインターフェースと、
複数のアクチュエータアセンブリであって、各アクチュエータアセンブリが、建造物支持体に対して柱を移動させるように構成される、前記複数のアクチュエータアセンブリと、
命令と、複数の柱の各柱について、前記柱の第2の端部の位置を決定するように構成されたデータ取得システムとを含むコンピューティングシステムであって、
前記複数の建造物支持体が、建設用地に設置され、
各建造物支持体の上にインターフェースが設けられ、
柱の第1の端部が前記内部空間内にあり、前記柱の第2の端部が前記内部空間の外部にあるように、前記柱が各インターフェースの前記内部空間内に位置決めされ、
各柱にアクチュエータアセンブリが接続される場合、
前記命令が、前記コンピューティングシステムによって実行されると、前記システムに動作を実行させ、前記動作が、
前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記データ取得システムを使用して、前記第2の端部の実際の位置を決定することと、
前記複数の柱の前記第2の端部の前記決定された実際の位置を使用して、前記複数の柱からの各第2の端部について、
各第2の端部の目標位置と、
前記実際の位置と前記目標位置との間のオフセットと、
を決定することと、
第2の端部のサブセットについて、前記オフセットが前記目標位置からの第1の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記第2の端部のサブセットからの各第2の端部について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記第2の端部を、その第2の端部の前記目標位置に向けて移動させることと、
前記複数の柱からの各第2の端部について、前記データ取得システムを使用して、前記オフセットが前記第1の所定の公差の範囲内にあるように変化したことを判定することと、
前記オフセットが前記複数の柱からの各第2の端部に対する前記第1の所定の公差内にあることをユーザに示すことと、
を含む、前記コンピューティングシステムと、
を備える、前記システム。
【請求項15】
前記データ取得システムは、全測量ステーションを含み、
前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記データ取得システムを使用して、前記第2の端部の実際の位置を決定する動作は、反射器が前記第2の端部に取り付けられ、前記全測量ステーションを使用して前記第2の端部の前記実際の位置を決定するときに実行される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾けて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾け、平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作は、さらに、
前記データ取得システムを使用して、前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記柱の実際の傾きを決定することと、
前記複数の柱の前記決定された実際の傾きを使用して、前記複数の柱からの各柱について、前記実際の傾きと目標傾きとの間のアライメント不良を判定することと、
前記目標位置と、
前記複数の柱のうちの柱のサブセットについて、前記実際の傾きが前記目標傾きからの第2の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記柱を前記目標傾きに向けて傾けさせることと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記データ取得システムを使用して、前記アライメント不良が前記第2の所定の公差の範囲内にあると判定することと、
前記アライメント不良が前記柱のサブセットからの各第2の端部に対する前記第2の所定の公差内にあることをユーザに示すことと、
を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
アクチュエータアセンブリが、各柱に接続されており、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱と、前記柱が位置決めされる前記インターフェースとに接続されている、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月26日に出願された「System And Method For Robotics-Assisted Foundation Installation」と題する米国仮特許出願第63/272,055号に対する優先権を主張するものであり、この米国仮特許出願の内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
特許請求の範囲に記載の主題は、一般に建設の分野に関し、より詳細には、柱(複数可)の精密配置を必要とする地中基礎及び建造物支持用柱組立品の設置に関する。
【背景技術】
【0003】
開発業者が市場に出すことのできる提供物は、建設業界の広く通用している手段及び方法によって形作られる。これらは、一組の特定条件の下での建設を最適化し、業界基準となる、しっかりとした造りの手ごたえを生み出す用地要件を最適化する。こうした基準は、これらの手段及び方法が好適である建設用地のタイプが開発に利用できる限りにおいて、熟知され、受け入れられ、リスクが軽減され、費用対効果も高い。しかしながら、多くの商業圏では、業界で好まれる建設可能用地が不足している。この不足は、土地及び労力の費用を上昇させるが、その増加費用は、建築物の品質、精度、または耐久性を少しも向上させない。結果として生じる品質と費用との切り離しに対する1つの可能な解決策は、業界基準が「困難な」建設用地であると位置付ける用地にコスト効率よく建設するための新たな戦略を開発することである。普及している手段及び方法では費用が高くつく用地に、コスト効率よく建設することができるならば、割安の土地を有効活用して、より高品質の建築物を提供することができ、それと同時に、市場競争に合理的に対応付けられる不動産資産を生み出すことができる。
【0004】
建設における一般的な問題は、地形またはアクセス障害物または他の課題がある用地で、正確な基礎柱グリッドレイアウトを実現するのが困難なことであり、かつ高コストなことである。問題は、基礎支持体が地面と接する柱の底部における許容可能な施工誤差と、現場外で製造された(工場組み立てされた)構成要素を受けるために柱の頂部において必要とされる目標機械精度公差との間を調整する能力である。柱の頂部のアライメントの感度は、複合アセンブリが、その構造工学的要件を忠実に満たし、かつマルチモジュール建築が、柱グリッド内の空間的な重なり(干渉)またはギャップに遭遇しないように、現場外で製造される構成要素の所定の幾何学的形状に合わせてボルト穴のアライメントを精密に調整する必要性に追われる。基礎の柱が高くなればなるほど、または(下の地形が起伏していることに起因して)オフセットの高さが多様になればなるほど、必要とされる柱頂部の機械公差を達成できないリスクが大きくなる。予め製造された建造物、フレーム、または要素を受け入れるために、柱の頂部を正確かつ一貫して位置決めすることが可能なシステムがあれば、費用対効果の高い開発のために、まったく新しい用地インベントリを生み出して、容易に建設可能用地の不足を余剰に転換させるはずである。
【0005】
予め製作を行う現場外建設技法における進歩を活用し、これらを技術的に加速させる設置戦略と組み合わせて、建設が困難な用地に現場外製作された建物を正確に設置することを、より速く、より簡単に、より安価に行う新たな建設戦略が求められている。したがって、基礎の柱のレベリングを容易にするシステム及び方法が望まれる。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、柱頂部のX、Y、及びZ位置を報告するライブストリーミングデータ入力は、データパッケージとして全測量ステーションからグリッド制御システムに送信され、メモリを有するコンピューティングデバイス;ソフトウェア;データの入力及び出力のための無線通信デバイス、例えば、Wi-Fi、または任意選択的にハードワイヤードによるデータ送信用の入力及び出力ポート;電源;を含み得、耐候性があり、屋外使用に適している。グリッド制御システムは、ライブストリーミングデータを受信し、特定のデータをアレイ内の特定の柱(「グリッド」)に関連付ける。グリッド制御システムは、グリッド内の柱の実際の位置を、支持すべき建造物の要件に基づく目標位置と比較する。実際の位置と目標位置との間の差を決定した後、グリッド制御システムは、次に、個々の柱に関連付けられた柱位置決めツールに命令を送信する。各柱位置決めツールは、関連する柱の位置を調整するようにグリッド制御システムによって指示されるアクチュエータを有する。ライブストリーミングデータが、各柱が適切な位置にあることを裏付けると、柱は適所に固定される。
【0007】
この実施形態では、個々の柱を特定の距離だけ移動させるように個々のツールに指示することに加えて、システムの利点は、アレイ内の複数の柱と通信し、柱アレイセットの「大域的最適化」を実行することができることである。この大域的最適化は、柱の一部または全部に、集合体として等距離だけ移動するように命令することを含み得る。そのような命令は、グリッド制御システムが、例えば、単一の柱の目標位置が、柱のツールによって柱を移動させることができる範囲を越えることによって、単一の柱が、その目標位置に到達することができないと判定した結果であり得る。単一の柱に関するその判定の結果として、グリッド制御システムは、単一の柱によって引き起こされる範囲外の問題を改善するために、グリッド制御システムによって再計算される新しい目標グリッド位置へ集合体として移動するように、他の柱の一部または全部に命令することができる。
【0008】
実施形態は、添付図面の図に例として例示され、これに限定されるものではない。図中、同様の参照符号は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図2】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図3】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図4】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図5】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図6】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図7】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図8】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図9】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図10A】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図10B】
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11A】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11B】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11C】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11D】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11E】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11F】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11G】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11H】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11I】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11J】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図11K】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図12】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図13】
図12のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図14】
図12のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図15】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図16】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図17】A~Bは、ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図18A】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図16のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図18B】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図16のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図18C】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図16のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図18D】システムを使用する方法における異なるステップの間中の
図16のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図19A】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図19B】
図19Aのロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
【
図20】ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
【
図21】ロボット支援基礎設置システムの実施形態を使用する方法のステップを例示するフローチャートである。
【
図22】ロボット支援基礎設置システムの実施形態を使用する方法のステップを例示するフローチャートである。
【
図23】本開示の方法の実施形態を実施するためのシステムの実施形態を示す例示的なブロック図である。
【
図24】コンピューティングデバイスを示す例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態は、柱頂部位置を決定すること、基礎柱頂部グリッドを指定すること、柱頂部を指定された位置へ向かわせること、及び柱が適所に固定されている間、柱頂部を指定された位置に維持することを行うために、電子測量製品とジオロケーション製品との間の通信を使用するロボット支援型基礎設置システムを記載する。所定の位置に固定された後に、柱頂部のグリッドは、予め製作された建造物、フレームまたはインフラ要素を設置するのに必要なアライメント精度を有する。
【0011】
ロボット支援基礎据付ソリューションの実施形態の目標は、居住可能な建造物の連続据付である。建売業者/開発業者による建設しやすい用地でのトラクトハウスの建設に例示されるように、組立ラインの考え方を逆転させた、つまり、生産された商品自体が組立ラインの連続ステージを移動するのではなく、専門的な労働力が現場から現場へと移動する、用地をベースとした連続生産の先行技法を考えてみる。例えば、一般的なトラクトホーム建設において垂直方向の建設が始まると、溝掘り作業員は、「A」の現場で作業を開始し完了させてから「B」の現場に移動し、そこで溝掘り作業員の労働力が同じ、または類似の結果を再現させる。溝掘り作業員の代わりに、鉄筋据付チームが「A」の現場に向かい、その後にコンクリート打設員が続くなど、全ての分譲地の開発区画にわたって作業員の流れが続く。
【0012】
ロボット支援基礎据付ソリューションの実施形態は、建造物を連続生産する同様の能力を促進するが、急勾配の地形、遠隔または島状の地勢を有する用地、多数の障害物または遮断不可能な流域を擁する用地、あるいは部分的または完全に水の上に位置することさえもある用地などの困難な建設用地での生産をも容易にする。
【0013】
図1は、ロボット支援基礎設置システム100の実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図1は、仮想的に困難な用地20にあり、基礎柱110a・・・110cによって支持される建造物10に対する意図された結果を例示する。システム100は、建造物10の増設に備えて、建造物用柱頂部118a・・・118cを、平面202aによって示される正確な配列にするために使用される。
【0014】
この説明では、追加の文字指定(例えば、110a)を有する参照番号は、包括的要素(例えば、110)の特定のインスタンスを表す。したがって、包括的要素(例えば、110)を対象とする説明は、各特定のインスタンス(例えば、110a・・・110c)に等しく適用されると理解されるべきである。
【0015】
基礎柱110は、地中基礎116を含む。地中基礎116の上には、連結器114が取り付けられている。連結器114は、2つの部分、すなわち連結ベース120及び上部連結器122を含む。上部伸縮柱112は、上部連結器122内に受け入れられる。地中基礎116は、多くの既知のタイプの地中基礎のうちの1つである螺旋ピア(または螺旋杭)であり、実施形態では、連結ベース120は、他のタイプの地中基礎とインターフェースするように適合され得る。地中基礎116及び連結器114は、上部柱112の増設の前に、用地20において互いに対して固定される。
【0016】
システム100は、以下の一般的な方法で基礎柱110を使用し得る。地中基礎116及び連結器114が所定の位置にある状態で、柱位置決めツール310(
図4)、402(
図15)、または502(
図16)などの柱位置決めツールが、上部連結器122に取り付けられ、上部柱112が、位置決めツール内に挿入される。次いで、システム100は、柱頂部118の目標位置を決定し、位置決めツールに、柱118が目標位置の所定の公差内に入るまで、柱112を上部連結器122に対して移動させるように指示する。そのために、再測定及び再位置決めを何度も行うことができる。柱頂部118が目標位置から公差内にあると判定すると、柱112は上部連結器122に対して所定の位置に固定される。いくつかの実施形態では、この固定は、グラウトを上部連結器122に注ぎ込み、それを硬化させることによって達成される。グラウトが硬化している間、位置決めツールは所定の位置に留まり、再位置決めがもはや不可能になるレベルに至るほどグラウトが硬化するまで、柱頂部118の位置がシステム100によって再測定され、再位置決めされ得る。グラウトが硬化した後、後の再使用のために位置決めツールを取り外すことができる。システム100は、この方法を多くの柱110に対して同時に行うことができ、これについては、例えば、
図3~
図5に関して、より詳細に説明する。
【0017】
図2は、ロボット支援基礎設置システム200の実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図2は、仮想的に困難な用地20にあり、基礎柱210d・・・210fの実施形態によって支持される建造物10に対する意図された結果を例示する。システム100と同様に、システム200は、建造物10の増設に備えて、建造物用柱頂部118d・・・118fを、平面202aによって示される正確な配列にするために使用される。この実施形態では、基礎柱210は、下部地中基礎124及び下部伸縮柱126を含む、地中基礎216を含む。上部伸縮柱112は、下部柱126内に受け入れられる。地中基礎124は、多くの既知の地中基礎の種類の1つである、プレキャストコンクリート製である。したがって、下部柱126は、他の種類の地中基礎とインターフェースするように適合され得る。地中基礎124及び下部柱126は、上部柱112の増設の前に、用地20において互いに対して固定される。
【0018】
システム200は、以下の一般的な方法で基礎柱210を使用し得る。地中基礎124及び下部柱126が所定の位置にある状態で、柱位置決めツール310(
図4)、402(
図15)、または502(
図16)などの柱位置決めツールが、上部連結器122に取り付けられ、上部柱112が、位置決めツール内に挿入される。次いで、システム200は、柱頂部118の目標位置を決定し、位置決めツールに、柱118が目標位置の所定の公差内に入るまで、柱112を下部柱126に対して移動させるように指示する。そのために、再測定及び再位置決めを何度も行うことができる。柱頂部118が目標位置から公差内にあると判定すると、柱112は下部柱126に対して所定の位置に固定される。いくつかの実施形態では、この固定は、グラウトを下部柱126に注ぎ込み、それを硬化させることによって達成される。グラウトが硬化している間、位置決めツールは所定の位置に留まり、再位置決めがもはや不可能になるレベルに至るほどグラウトが硬化するまで、柱頂部118の位置がシステム200によって再測定され、再位置決めされ得る。グラウトが硬化した後、後の再使用のために位置決めツールを取り外すことができる。システム100と同様に、システム200は、この方法を多くの柱210に対して同時に行うことができる。
【0019】
図1及び
図2において、システム100、200は、上部伸縮柱112と連結器114または下部伸縮柱126との間の伸縮式構成を使用することによって、予想される様々な用地に対応することができる。2ピースの「伸縮式」鋼鉄柱インターフェース(
図2において柱112及び連結器114とラベル付けされる)は、地中の基礎(真のグリッドからの変動に対して妥当な建設誤差で設置されるコンクリートまたは螺旋ピアのいずれか)を、その上に予め製作された建造物、フレームまたは要素が(機械公差で、真のグリッドに対して高精密に)静置し得る受容プレートに接続する。基礎ピアのグリッドアレイを起伏の激しい不整地にわたって設ける際の高柔軟性を可能にし、連続設置のためのロボット支援ソリューションの可能性を開くのは、この伸縮機構である。
【0020】
連結器114及び下部伸縮柱126の両方は、真のグリッドに対して高精密な機械公差を要求する柱先端118で必要とされる公差よりも緩い、妥当な施工誤差で設置することができる地中基礎要素(例えば、螺旋ピアまたはプレキャストコンクリート)に接続する。システム100、200の伸縮機構は、基礎ピアのグリッドアレイを起伏の激しい不整地にわたって設ける際の高柔軟性を可能にし、連続設置のためのロボット支援ソリューションの可能性を開く。
【0021】
図3は、ロボット支援基礎設置システム100の実施形態の態様を例示する斜視図である。
図3では、各基礎柱110には、柱先端118の上にジオロケーションデバイス204が設けられている。実施形態では、ジオロケーションデバイス204は、反射器、またはGPS位置表示器を含み得る。
図3において、平面202aは、公差内で、各柱先端118a・・・118rが達しなければならない高さを表す。平面202bは、実施形態において、システム100、200が、柱先端の異なるセットに対して異なる目標位置を有し得ることを例示する。したがって、平面202aは、第1の高さにあり、柱先端118a・・・118lの目標高さとすることができ、平面202bは、異なる高さにあり、柱先端118m・・・118rの目標高さとすることができる。
【0022】
図4は、
図3のシステム100のロボット支援基礎設置の実施形態の態様を例示する斜視図である。
図4では、連結器114が、様々なアライメント不良の状態で示されている。例えば、連結器114aは、左に僅かに傾いて示されている。連結器114aの下の角度は、上部柱112aの垂直軸からのアライメント不良を示す。同様に、連結器114g及び114hは、アライメント不良を示す。一方、連結器110bは、理想的な設置を表す。
図4は、いくつかの実施形態を使用して、地中基礎のアライメント不良と、特定の設置高さからの地中基礎の逸脱との両方を補正することができることを例示する。この機能は、連結器114と組み合わせた柱位置決めツール310によって提供される。柱位置決めツール310は、特定のツール310bを参照すると、上部柱112を5つの自由度(X、Y平面を平面202aに平行にして、X、Y、及びZ方向312への平行移動、ならびにX軸及びY軸の周りの回転)で移動させる機能を有するアクチュエータを備える。
【0023】
この機能により、支柱112を、X軸及びY軸の周りで傾斜させることができ、そのベースを、連結器114内でX、Y、及びZ方向に平行移動させることができ、その結果、上部支柱112は、範囲円錐308によって示される傾斜配向の範囲を有する。例えば、上部柱112bは、柱先端118bが範囲円錐308bと平面202aとの交点のどこにでも配置され得ることを示す範囲円錐308bを有する。範囲円錐308は、連結器114の特定の中心底部点に対して画定されない。その代わりに、連結器114内で上部柱112の底部をX、Y、及びZ方向に平行移動させる能力は、X軸及びY軸の周りの回転の潜在的な角度を増加させ、範囲円錐308を拡張する。下方の目標点304は、柱112が目標アライメント軸302と位置合わせするように移動された後の、上部柱112の軸と連結器114の底部との所望の交点を示す。例えば、目標点304aは、連結器114aの下死点ではない。目標点304aは、柱112aが目標アライメント302aと位置合わせされた後の上部柱112aのアライメント軸を示す。このアライメントにおいて、柱112は、柱先端118aを平面202aから公差距離を伴って動かすために、Z軸に沿って位置決めツール310aによって平行移動され得る。同様に、連結器114g及び114hは正しくアライメントされてなく、その結果、目標点304g及び304hは中心から外れる。目標点304の位置決めは、
図11A~図を参照して説明する。
【0024】
したがって、柱先端118の目標位置が、関連する範囲円錐308内にあり、かつ関連する位置決めツール310の潜在的な運動のZ軸範囲306内にある場合、位置決めツール310は、柱先端118が平面202a上に適切に配置されるまで、上部柱112の位置を調整するようにシステム100によって命令され得る。
【0025】
平面202cは、平面202aの一部を示す。グリッドパターンは、実施形態によって解決された問題を示し、これは、各柱先端118を平面202cのグリッド上の目標位置に移動させることである。第1の問題は、平面202aの高さが決定され得る前に、先端118の初期位置が決定されなければならないことである。次に、各基礎柱110に対して範囲円錐308及びZ軸範囲306が決定される。次に、平面202cが、各柱先端118に対する目標X、Y、及びZ位置が、その柱先端に対する範囲308及びZ軸範囲306内に入るように計算される。
【0026】
図5は、
図3のロボット支援基礎設置システム100の実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図5において、システム100は、グリッド、例えば、平面202a、202b、202cを解決し、柱先端118を目標位置に移動させるように柱位置決めツール310に指示するグリッド解決システム300を含むように示されている。グリッド解決システム300は、
図23及び
図24を参照して説明されるようなプロトコルを使用してグリッド制御システム295と通信する位置決定システム290を含む。位置決定システム290は、ジオロケーションデバイス204を使用して柱先端118の位置を決定する。位置決定システム290は、その初期位置情報をグリッド制御システム295に提供し、このグリッド制御システム295はまた、柱位置決めツール310と通信して、それを制御することができる。グリッド制御システム295は、各基礎柱110に対する範囲円錐308及びZ軸範囲306に関する情報を用いて、平面202aに対するグリッドを解決する。次に、グリッド制御システム295は、各柱位置決めツール310に、必要に応じて移動して、先端118をグリッド上の目標位置に合わせて配置するよう指示する。この例では、「グリッドを解決すること」は、グリッド制御システム295が所与の目標間隔グリッド(例えば、建造物10を支持するのに必要なグリッド配置)及び目標共通(または段階的)zレベルを受け取ることで開始する。設置によっては、地中基礎の設置における誤差により、システム295は、いくつかの柱112の底部が、それらが目標位置へ到達する前に上部連結器122の内壁に接触するために、グリッド上に位置することができないなど、実際の制約に基づいて、設置に対する最良適合解を解決しなければならない場合がある。したがって、システム295は、1つの柱によってグリッドに課せられた制約を考慮するために、他の全ての柱の目標位置を調整しなければならない場合がある。そのような場合、コンピュータシステム295のソフトウェア内のサブルーチンは、グリッドが解決された後に柱角度を再検討し、最も偏心した柱を決定し、残りの柱にわたってオフセットを分散させることによって、偏心を最小化する他の柱に対する影響を決定する。オフセットを分配する効果が許容可能である場合、グリッドは、システムの他の全ての柱にわたって、最も偏心した柱のオフセットを分配することによって、解決される。
【0027】
いくつかの実施形態では、位置決定システム290は、全測量システムを含み、ジオロケーションデバイス204は、関連する柱先端118の位置を決定するために全測量システムによって使用される反射器である。そのようなコンピュータ制御測量システムは、建設業界によって使用されており、そのようなシステムは、コンピュータシステム295によって使用される位置データを提供するために使用され得る。一般に、全測量ステーションは、測量及び建築構造に使用され、電子セオドライトを電子距離測定(EDM)と組み合わせる電子光学機器である。この技術は、垂直角及び水平角の両方、及び機器から特定の点までの距離の測定を可能にする。従来は、手動の道具であったが、ロボット工学がこのツールを激変させ、かってないほど効率的になった。全測量システムの例は、Leica iCON iCB70 Manual Construction Total Stationを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、X、Y、Z位置の柱先端118、または柱112の底部、またはその両方について報告する入力が、全測量ステーションから制御システム295の実施形態へストリーミングされる。制御システム295は、ライブストリーミングデータを受け取り、それを、単一の独立型の柱であるか、アレイ内の複数の柱であるかにかかわらず、特定の柱と関連付ける。グリッドを解決した後、制御システム295は、その位置を調整するために命令を柱のいずれかに送ることができる。
【0029】
制御システムの利点は、アレイ内の複数の柱と通信することが可能であることであり、アレイセットの「大域的最適化」、もっと厳密に言えば、アレイ内の全ての柱110の間で関係する「アクション命令」の可能性である。命令は、柱の全てまたは一部が集合体として等距離で移動しなければならないものである場合があり、または、1つの柱が(エッジ制約を満たすなど)耐性限界に達した場合、その限界に達した柱に影響を与える衝突不一致を緩和するために、そのセットの一部または全部が等距離で移動するように命令されてもよい。
【0030】
そのような制御システムでは、管理され得る柱の数に固有の制限はない。しかしながら、その数は、特定の構築の反復において、現代の無線通信の実用的な範囲及び/または構築時に使用するために選択されたコンピュータの処理能力によって制限され得る。
【0031】
図6は、
図3のロボット支援基礎設置システム100の実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図6には、上部連結器122の上に、連結器114aに取り付けられた後の柱位置決めツール310aが示されている。
図6において、目標点304aは、上部柱112aが所望の垂直アライメントを有することになる上部柱112aの下端の位置を示す。目標点304aは、上部柱112aが位置決めツール310aに挿入される前に決定される。
図6はまた、位置決定システム290が、ジオロケーションデバイス204aを使用して柱先端118aの位置を決定することをさらに例示する。実施形態では、デバイス204aは反射器であり、位置決定システム290は柱先端118aの位置を決定するが、他の実施形態では、デバイス204aは、柱先端118aの位置を位置決定システム290に提供するか、または柱先端118aの位置をグリッド制御システム295に直接提供するGPSデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、グリッド制御システム295は、位置決定システム290と通信し、ステーション290に、柱先端118の位置を再決定するように指示する。
【0032】
システムの実施形態に関するこの情報を用いて、実施形態の様々な態様をより詳細に説明することができる。
【0033】
実施形態では、位置決めツール310などの精密ロボットポジショナは、連続生産を企図するものである。したがって、ロボット要素、その固定、ロック及び固定解除機能は、再使用可能であるように開発されなければならない。設備は建設環境で展開されるので、設備は頑丈であるべきであり、設備におけるライフサイクル投資が正当化されるように、損傷要素が新しい要素と交換され得るように、交換可能なパーツで作られるべきである。
【0034】
位置決めツール310は、ソフトウェアインターフェースを介して柱先端118及び上部柱112の底部の両方を位置決めすることができ、グラウト注入及び硬化の後続ステップを介して、この所望の位置を保持して、上部柱112を地中基礎116及び連結器114と一体化する耐建造物接続を実現することができるロボットデバイスである。これは、全測量システム290からのライブストリーム点測量データ、グリッド制御システム295によるこのライブストリームデータの解釈、機械的に地中基礎116に固定された連結ベース120を含む中継連結器114から動作する柱位置決めツール310によって促進される目標位置に対する実際の位置のこのデータに対する物理的位置決め応答を含む、より広範な統合システム(
図5)内で位置決めツール310を使用することを介して達成される。地中基礎116は、従来の手段によって主に設置された、いくつかの地中基礎変形体の1つである。柱先端118及び関連する柱112の底部を3次元空間に正確に配置することが可能である限り、ソフトウェアを通じて、幅広いアレイの柱の位置を一斉に制御して、精密な点荷重柱床形状(平面202a、202b、202cのグリッド)を実現し、その上に、建造物10のような様々なサイズの複合建築、及び必ずしも単一のZ平面グリッドに限定されない平面202a、202b、202cのような地表オフセットをもたらす現場外生産されたアーキテクチャ要素を、正確なボルト-孔アライメントで設置することが可能である。
【0035】
図7は、
図3のロボット支援基礎設置システム100の実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図7において、柱位置決めツール310は、アクチュエータ314a・・・314cを含むように示され、これは、柱スリーブ320とツールリングベース318との間を旋回接続点334で接続する。柱112は、柱把持スリーブ321を通過し、保護スリーブ317に入り、それを通過する。柱把持スリーブ321は、アクチュエータ314a・・・314cの伸長または収縮が柱112に加えられるように、圧縮力によって柱を保持する。アクチュエータ314a・・・314cの伸長及び収縮によって引き起こされる柱112の移動は、上部柱112を連結器114に対して入れ子式に伸縮させるものである。このような入れ子式移動の間、保護スリーブ317は、柱スリーブ316内で垂直方向に自由に移動する。柱112がスリーブ317の内部に保護され、スリーブ316から分離された状態で、アクチュエータ314は、柱112と柱位置決めツール310の任意の部分との間の摩擦なしに、柱112のZ軸位置を変更することができる。柱スリーブ316は、アクチュエータ314d・・・314fの伸長または収縮によってX、Y平面312内で平行移動され得、これは、ツールリングベース318と柱スリーブ316との間を旋回接続点で接続する。アライメントタブ325は、柱アライメントツール310が連結器114に接続されるときに、上部連結器122の対応するアライメントタブ324に接続され得る。
【0036】
連結器114は、上部連結器122及び連結ベース120を含む。アライメントタブ324は、ツールリングベース318内に受け入れられる上部連結器直径322の周囲に間隔を空けて配置される。上部連結器122は、本質的に中空であり、受け器326を画定する。制限範囲ピン328は、柱112が柱位置決めツール310を介して下げられるときに上部柱112内に受け入れられ、これは、ツール310が連結器114に取り付けられた後に起こる。
【0037】
上部連結器122の部分330は、連結ベース120内に受け入れられ、上部連結器122及び連結ベース120は、留め具332を使用して接続される。連結ベース120、特に部分330の下の連結ベース120の部分は、異なるタイプの地中基礎に取り付けられるように適合され得る。したがって、比較的単純なデバイスである異なる下部連結器の使用は、上部連結器122またはツール310を異なる地中基礎に適合させる必要なく、同じ上部連結器122及び同じ柱位置決めツール310の使用を可能にする。したがって、連結ベース120に対する変更を介して、連結器114は、ピア及び梁、螺旋杭(
図1に示す)、オージェ-キャスト杭、繊維ガラス複合杭、プレキャストコンクリート(
図2及び
図12に示す)、ピン杭、及び耐荷重保持壁などの基礎に取り付けるように適合されてもよい。
【0038】
したがって、実施形態において、連結器114は、目的に合うように設計されたグラウト受け器326を提供して、受け器326内の正確に配置された上部柱112の構造的に有意な(垂直断面における)重複を達成し、受け器326内へのグラウト注入が、正確に配置された上部柱112を地中基礎システム116に構造的に結合し得るようにする。連結器114は、連結ベース120を介して、建造物支持上部柱112と下の地中基礎116との間を仲介するシステム要素である。連結器114は、柱位置決めツール310の機械的取り付けを予測するように設計され、位置決めツール310の性能を妨げないグラウト注入338を可能にし、その後、グラウトが硬化して伸縮式接続部が構造的に完成されると、将来の再使用のために、それらを解放して回収できるようにする。連結器114は、構造的接続が用地の傾斜20に対して完全なものになり得る最適なシナリオに応じて、完全に完成勾配の下、部分的に完成勾配の下、または完全に完成勾配の上のいずれかに設置され得る。
【0039】
図8は、
図3のロボット支援基礎設置システム100の実施形態の態様を例示する斜視図である。
図8では、ツールベースリング318は、上部連結器122からタブ324を受け入れるように構成されたタブスロット336を有するように示されている。ツールリングベース318と柱スリーブ316との間には、上部連結器122の受け器326にグラウトを追加するための環状の開口部338が設けられている。不規則な線340は、上部連結器122上の上部グラウト充填線のおおよその位置を示す。したがって、上部連結器122の受け器326へのグラウトの追加は、柱位置決めツール310を上部連結器122に拘束せず、グラウトが固まった後にツール310を取り外すことができる。
【0040】
図8から、柱位置決めツール310は、上部アクチュエータセット314a・・・314c及び下部アクチュエータセット314d・・・314fを使用する機械的ロボット手段による傾斜及び平行移動の組み合わせを通じて、柱頂部118及び柱底部の両方のX、Y、及びZ点の位置を正確に制御することができることがさらに理解され得る。柱112が柱スリーブ320によって把持された状態で、上部アクチュエータ314a・・・314cは、柱スリーブ320のX、Y、及びZ方向の位置を制御する際に、柱112の高さ及び傾きも制御する。X及びY方向における下部アクチュエータ314d・・・314eのさらなる平行移動は、柱112を垂直に近づけるかまたは傾きを増加させるかのいずれかで、垂直に対する柱112の角度を変化させるように作用することができる。
【0041】
図9は、
図3のロボット支援基礎設置システム100の実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図9において、連結ベース120の受け入れ部分331は、上部連結器122の部分330を受け入れ、留め具332を使用して上部連結器122に固定されるように構成される。ピアキャップ344と、ネジ部348を含むプレート346とが、連結ベース内に固定される。ピアキャップ344は、地中基礎116の頂部を受け入れるように構成され、ネジ部348は、地中基礎116の頂部の対応するネジ山342と嵌合するように構成される。したがって、異なる地中構成に対して、ピアキャップ344、プレート346、及びネジ山348を取り外し、連結ベース120を異なる地中構成に接続するように適合された要素と置き換えることができる。
【0042】
実施形態では、連結ベース120は、連結器114の下限で目的に合わせて設計された要素であり、これは、限定されないが、螺旋ピア、ピン基礎、ドロップインプレキャスト基礎、コンクリート及び/または複合ピアのほかに(しかし、それほど多くはないが)、ステム壁、保持壁、及びスラブ・オン・グレード接続などは言うまでもなく、様々な地中基礎要素に上部連結器122を取り付けることを可能にする。これらのタイプの接続のそれぞれは、特定のタイプの接続に適合された連結ベース120のバージョンを有する上部連結器122の同じバージョンに接合されてもよい。
【0043】
図10Aは、
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
図10Aでは、制限範囲ピン328aは、範囲ピン調整プラッタ350の上に中心を置いて示されている。受け器326のベースにおける制限範囲ピン328aの位置は、上部柱112の設置の前に調整され得る。
【0044】
図10Bは、上部連結器122の態様の断面図を例示する図である。
図10Bでは、範囲ピン調整プラッタ350は、上部プレートと下部プレートとを有して、それらの間に溝を形成するように示されている。連結器122の内壁に取り付けられた円形ブラケットは、溝内に延びるフランジを含み、フランジは、下部プレート、したがってピン328aが受け器326から引き抜かれるのを防止する。
【0045】
システム200の使用に関して、また
図2及び
図5に関して、一般に、暫定的な用地準備及び調査されたレイアウトの後、作業員が用地20に到着して、伸縮柱支持体の地中基礎124及び底部スリーブ126を設置する。このプロセスは、かなりありきたりのものであり、精度を提供する義務が低減されるので、迅速に実行され得る。これは、底部伸縮柱支持体126が上部支持体112に対して比例して大きすぎるためである。
【0046】
下位部のピア基礎124が設置され、適切に硬化され、負荷試験されると、次の作業員が、精密「全測量」機器を持って到着する。この機器は、位置決定システム290及びグリッド制御システム295を含むグリッド解決システム300、ロボット支援柱位置決めツール310、及び上部伸縮柱支持体118である。柱位置決めツール310は、下部柱支持体126のそれぞれの上に設置される。ジオロケーション目標204(すなわち、位置決定システム290が全測量ステーションである場合の測量反射器)は、上部伸縮柱112のそれぞれの上の取付けプラットフォームに取り付けられ、次いで、これらは、下部柱126の柱位置決めツール310によって形成された受け入れ接続部内にスリーブ接続される。
【0047】
各柱位置決めツール310は、上部伸縮柱112と連結ベース126との間、したがって地中基礎との間に一時的に確実な機械的接続を形成するように設置される。柱位置決めツール310は、グラウト硬化期間の完了まで、構造支持柱112を目標X、Y、及びZ位置に位置決めして保持するように協調して作用することができ、その完了時点で、各柱位置決めツール310は、他の場所での再使用のために取り外すことができる。
【0048】
更新された位置データがグリッド制御システム295に提供される結果となる位置決定システム290とグリッド制御システム295との間の通信を通して、システム295は、システム200が平面202aに対する意図された柱グリッドを解決するまで、位置決定システム290が各受信プラットフォームに取り付けられたジオロケーション目標を追跡する状態で、柱位置決めツール310に対して、上部柱112のそれぞれのX、Y、及びZ位置を調整するように指示する。この例では、「グリッドを解決する」とは、柱先端を正しい位置に物理的に配置することを意味する。グリッドが設定されると、柱位置決めツール310は所定の位置にロックされる。この位置は、以下のステップを通して保持され、時折、基幹の間隔で、位置検証試験を行う。
【0049】
次の作業員が現場に到着して、下部伸縮柱126の中空柱空洞に建造物用グラウトを注ぎ込んで、下部伸縮柱126と上部伸縮柱112とを機械的に一体化させ、固定された恒久的な位置にする。建造物用グラウトが硬化すると、柱位置決めツール310及びジオロケーション目標204が取り外される。完成した下部構造体は、この時点で、用地に向けて予め製造された建造物、フレームまたは要素、例えば建造物10を受け入れる準備が整う。
【0050】
したがって、柱位置決めツール310及びグリッド解決システム300の使用は、下部支持体126及び地中基礎124が従来の現場での施工誤差で実行される場合であっても、建造物10を接合するための機械公差で柱先端118が位置決めされるようにする。
【0051】
実施形態では、グリッド解決システム300は、実施形態における全測量システムなどの位置決定システム290の機能を制御システム295と組み合わせることによって、同時位置特定及びマッピングを実行することができる。位置決定システム290は、グリッド解決システム300のためのデータのソースであり、そこから、1)グリッドパターンが、全てのピア、例えば、基礎柱110)に対して確立され、2)計算の初期固定点が、デジタルモデルに関連して位置決めされ、3)全てのピアの実際の位置が決定される。システム290が全測量システムである場合、これはレーザ測量システム及び反射器を使用してデータを作り出す。制御システム295は、位置決定システム290からのデータを用いて、ピア及び柱の適切な位置への定位を、1)地面との関係における計算の初期固定点を位置決めすること、2)位置決定システム290によって導出された真のデータ(初期固定地面基準点、相互間、及び実際の用地20に対する全ピア頂部の実際の開始位置調整)を使用することにより、実行し、柱先端118を例えば平面202a上の目標グリッドに正確に位置合わせするのに必要な、例えばX、Y、Z方向における各上部柱112の必要な移動を決定する。任意選択的に、3)実施形態では、制御システム295は、固定モデル全体の上部柱112が円形の自由度(システム公差)を有することを可能にして、ピアシステム全体について可能な限り最良の適合を見つけることができる。必要な移動を決定すると、グリッド制御システム295は、柱位置決めツール310、402、または502のような柱位置決めツールであって、各ピアに1つのツールが関連付けられた柱位置決めツールに対して、上部柱112を、協調させて、その特定のピアに必要な方向へそれぞれ移動させるように指示して、その結果として得られる柱先端118の位置が所望のピアモデルと正確に位置合わせされるようにする。実施形態では、柱位置決めツールは、異なる自由度を有し得る。例えば、柱位置決めツール310は、5つの自由度(3つの平行移動、2つの回転)を有し、柱位置決めツール402は、3つの自由度(1つの平行移動、2つの回転)を有し、柱位置決めツールは、3つの自由度(3つの平行移動)を有する。正確に位置合わせされた配向を達成すると、柱位置決めツールは、好ましくは、上部柱が所定の位置に固定されている間、柱をその位置に維持する能力を有しており、グラウトの種類によっては96時間かかることがある。硬化時間の間、柱先端118の位置は、必要に応じて、周期的に測定され、調整され得る。
【0052】
さらに
図2に関して、実施形態では、ツール310、402、502のいずれかなどの柱位置決めツールを下部伸縮柱126に取り付けることができ、柱126が例えば正方形プロファイルのHSS部分である場合に適合が行われる。柱126は、上部を単純に切り取ることによって柱位置決めツールを受け入れるように適合された垂直に向いた建造物用の柱であってもよい。そのような場合、柱126への柱位置決めツールの取り付けは、ツールが柱の切断壁に載っている状態で、重力によって、また機械的に、何らかの締結方法、例えば、柱126の精密な切断穴に配置され、ベースリング318、406、または516などのベースリングでツールを固定するために使用されるボルトによって、両方でツールを保持する。実施形態では、スタンドオフ532(
図18B)などのスタンドオフは、一方の端部で(任意の構成の)柱に接続し、他方の端部で(任意の構成の)ツールに接続するように構成することができる。その場合でも、締め付けの方法は、柱位置決めツールの水平ベースをもたらさない可能性があり、したがって、その較正も、その動作も、水平な取り付けに依存するべきではなく、さらに、柱位置決めツール310、402、及び502は、いくつかの実施形態では、水平からの偏差を読み取り、上部伸縮柱の操作においてそれを補正することができる。
【0053】
同様に、上部伸縮柱112は、底部に対して小さい全体寸法の正方形プロファイルHHS部分であり得る。この要素に対する唯一の接続は、正確に所定の位置で切り取られた精密な穴に機械的に固定されることによる。連結器114に対する上部柱112の操作に対して最も制御を得るために、機械的接続は、伸縮アセンブリの上部要素の全高及び重量の関数として可能な推定回転力の関数として、オフセット高さの2つの位置、例えば、上部アクチュエータセット314a・・・314cと下部アクチュエータセット314d・・・314fとで必要とされ得る。
【0054】
実施形態では、柱位置決めツール310は、好ましくは、その所望の機能性に適した重量及びスケールを有し、好ましくは、最適には1人、ただし最多で2人の熟練した労働者によって操作、設置及び取り外しが可能である。
【0055】
さらに
図2に関して、基礎を設置するための方法の実施形態は、以下のステップを含み得る。ステップ1)決定された目標グリッド行列を提供するデジタルモデルが構築される。ステップ2)建設を受け入れるために建設用地が変更されているか、または変更されていないかに関わらず、建設用地の地形のデジタルサイトマッピングが行われる。ステップ3)従来のピア基礎は、コンクリート/骨材/鉄筋、または駆動型螺旋ピア設置(例えば、地中基礎116、124)のいずれかによって配置される。ステップ4)基礎ベースが設定されると、各柱ベースの頂部のジオロケーション反射器204を使用して、市場利用可能な全測量ステーション295(ロボットレーザ測量システム)が、ステップ1で特定された目標グリッド行列に対するベース間の位置及び任意の公差を特定するために使用される。このプロセスは、その性能がセンサスタックの同時位置決め地図作成(SLAM)調整として特徴付けられるソフトウェアに依存し、その定義は、未知の環境の地図を構築または更新すると同時に、その中でのエージェントの位置を追跡するという計算上の問題である。ステップ5)施工完了時の下部基礎の位置を調べる。結果が、施工完了時の下部基礎が、ステップ1で特定された目標グリッド行列の公差要求に適合するということである場合、基礎配置プロセスに進む。そうでない場合、欠陥のある基礎を特定して交換する。ステップ6)計算の初期固定点の位置決めが決定される(これは、デジタル建設モデルに対する初期直接関係を作成する基準点となる)。ステップ7)コンピュータシステム295は、柱位置決めツール310に、基礎目標グリッド行列全体の位置決めを指示して、システム全体を所定レベルのシステム公差の範囲内で最良適合させる(「グリッド行列を解決する」)。ステップ8)測量反射器204で覆われた上部柱112は、確立された下部柱124の頂部内に配置され、各上部柱112は、柱位置決めツール310によって支持される。ステップ9)位置決定システム290は、各柱112の(建造物10が後で取り付けられる場所である)頂部に反射器204を配置することによって決定される全ての上部柱112の実際の位置の定義を特定するために使用される。ステップ9は、全ての柱112の互いに対する現在の位置、及び予想される最適化された目標グリッド行列に対する現在の位置を理解するのに重要なデータを提供する。ステップ10)グリッド制御システム295は、柱位置決めツール310に、上部柱112を動かして、柱先端118を互いに整列させて所望のピアグリッド行列モデルと正確に整合させるX、Y、Z位置へ再配置するよう指示する。ステップ11)柱位置決めツール310は、建造物用グラウトが塗布された後、例えば72時間以上、上部柱112を所定の位置にロックする。ステップ12)柱位置決めツール310は、展開の合間に保管場所に戻すために、分離され、取り外され、パッケージ化され得る。
【0056】
図11A~
図11Kは、システム100を使用する方法における異なるステップの間中の
図3のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。具体的には、
図11A~
図11Kは、柱位置決めツールの使用及び再使用に関与するステップを例示し、この例では柱位置決めツール310が使用される。
図11Aでは、地中基礎を設置することによって用地20が準備されている。地中基礎116aは、この説明における例として使用され、用地20内に分散された複数の地中基礎を表すと理解されるべきである。
図11Bでは、連結ベース120は、ネジ部348をネジ穴342にねじ込む基礎116aに取り付けられる。
図11Cにおいて、上部連結器122は、連結ベース120の部分331に挿入され、留め具332を使用して適所に固定される。
図11Dでは、柱位置決めツール310は、上部連結器122上に下げられて、ツールリングベース318が上部直径322にわたって嵌合する。ツール310は、タブ324(
図11C)及び325を互いにボルト締めすることによって連結器122に固定される。
図11Eでは、柱位置決めツール310は、グリッド解決システム300によって、平面(例えば、平面202a)上の推定目標位置の直下の位置または直下に近い位置に柱スリーブ320を位置決めするように指示される。
図11Eでは、レーザサイト385が柱スリーブ320の上に配置され、ビーム387を使用して、制限範囲ピン328が目標ピン位置354に到達するように、ピン調整プラッタ350が移動される。
図11Eでは、スリーブ320は、柱122の底部が必要とされているかのように、底部上部連結器122に向かって配向される。すなわち、レーザポインタ385が制限ピン328aに対して底部の柱の目標位置を正確にマークする方法である。
図11Eでは、全てが整然と垂直に整列しているように見えるが、地中基礎の上部が曲がっているために上部連結器122が目標柱の軸に対して曲がっていた場合、スリーブ320(実際には310aの可動部分の全て)は、スリーブ320を垂直にするために再編成されることに留意されたい。この時点で、留め具373(
図12)を使用して、プラッタ350を上部連結器122の底部に対して所定の位置に固定することができる。留め具は、Hilti製のガンによってもたらされるような「釘」であってもよい。
【0057】
図11Fにおいて、上部伸縮柱112は、柱把持スリーブ321内に下げられる。
図11Gでは、伸縮柱112は、制限範囲ピン328が伸縮柱112の下端内に受容され、支柱先端118が標的位置付近にあると推定される高さになるまで降下される。このとき、柱スリーブ320が締め付けられる。締め付け装置としては、図示されていないが、公知の締め付け装置、例えば、スリーブ320を通して柱112に螺入される1つ以上のボルトを含み得る。複数の柱112が全て設置された後、各柱について、グリッド解決システム300は、各柱先端の位置を決定する。この例では、位置決定システム290は、柱位置を決定するために反射器204を使用する全測量ステーションである。各柱先端118について位置が決定されると、グリッド制御システム295は、位置データを受信し、建造物10によって必要とされるグリッドパターンが与えられると、平面と、複数の各柱先端について、1)与えられたグリッド上の正確な位置にあり、かつ関連する柱位置決めツールの可動範囲が柱先端の範囲内にある、両方である、その平面上の目標X、Y、Z位置とを計算することによってグリッドを解決する。次に、グリッド制御システム295は、各柱位置ツール310、この場合はアクチュエータ314a・・・314fに、関連する柱先端を目標X、Y、Z位置へ移動させるように指示する。これは、一部の柱先端が適切に配置されている可能性があるため、全ての柱先端118が移動されることを必要としない場合がある。
図11Hにおいて、コンピュータシステム295は、位置決定システム290に、移動させた柱先端118、または柱先端118のサブセットの位置を再測定するように指示する。目標354は、この議論の目的のために、柱先端118aが目標X、Y、Z位置にあることを示す(目標354は実際の使用では現れない)。柱112aは、
図11Gの位置から
図11Hの位置へ移動される際に、(見えている保持ピン328aの追加部分によって示されているように)持ち上げられ、この点から見て右へ、場合によってはページの平面内または平面外にも傾けられ、これは、柱位置決めツール310によって提供される3つの自由度の動きを考慮すると可能であることに留意されたい。1)柱先端の位置を測定し、2)柱先端の位置の誤差を決定し、3)柱先端の再位置決めを指示し、4)再測定を行うプロセスは、全ての柱先端が、標的X、Y、Zの位置の与えられた所定の公差範囲内に入るまで繰り返される。
図11Iにおいて、グラウト358は、柱位置決めツール310を通して上部連結器122内に注入されている。グラウト358が硬化している間、1)柱先端位置を測定する、2)柱先端位置誤差を決定する、3)柱先端の再位置決めを指示する、4)再測定を行うプロセスを継続することができる。いくつかの実施形態では、グラウトまたは他の硬化材料が実行された後のこのプロセスの実行頻度は、
図11Hを参照して説明されたプロセスと比較して減少し得る。
図11Iにおいて、目標356は、この議論の目的のために(目標356は、実際の使用では現れない)、グラウトが硬化した後に柱先端118aが目標X、Y、Z位置にあることを示す。
図11Jにおいて、位置決めツール310は、上部連結器122及び伸縮柱122から取り外され、上部連結器122を所定の位置に残す。用地20は、充填物360の添加により改善される。
図11Kにおいて、建造物10は、柱112の上に位置する。システム100を使用した結果として、各柱先端118は、平面202aの高さにあり、Z公差内でその平面上に位置し、建造物10の位置決めに必要なX、Y公差内のX、Y位置にある。実施形態では、柱キャップ540(
図19A)が柱先端118の上に配置され、ジオロケーションデバイス204を柱キャップ540内の凹部内に後退させることができる。柱キャップ540は、建造物10の一体部分であってもよく、または建造物10が後に取り付けられる要素であってもよい。
【0058】
図11F~
図11Kは、プリズム546を有する支柱キャップ540(
図19A、
図19B)を反射器204として使用することを例示し、これは、柱キャップ540内に折り畳まれるので、建造物10が柱112の上に追加される場合に定位置に残され得る。他の実施形態では、建造物10を追加する前に反射器204を除去する。
【0059】
図12は、ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図12では、地中基礎366は、全体的な建設に深い地中基礎を必要としない事例に適し得る。地中基礎366は、連結器114の変形例である。地中基礎366により、プレキャスト要素368が受け器376を形成する。基礎366は、アライメントタブ324を含む。柱位置決めツール310が下に下げられ、基礎366をベースリング318内に受け入れると、タブ324は、連結器114で行われ得るように、ツール310のタブ325と接合され得る。基礎366は、さらに、制限範囲ピン372及びピン調整プラッタ370を含み、これらは、上部連結器122の制限範囲ピン328及びピン調整プラッタ350に類似している。任意選択の円筒形374が、基礎366の周りに配置され、レッジ380によって支持され得る。柱位置決めツール310が基礎366に接続されると、円筒形374は、ベースリング318の上方に、ある距離だけ延び、これは、緩んだ土壌または岩がグラウト受け器376内に落下するのを防止するのを助ける。受け器376内の建造物用グラウト以外の任意の材料は、接続の強度を減少させる。
図11D~
図11Kの上部連結器122の上にある柱位置決めツール310の配置及び使用の説明は、地中基礎366の上にある柱位置決めツール310の配置及び使用に等しく適用される。
【0060】
図13は、
図12のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
図13では、円筒形374は、基礎366から取り外し可能であるように示されている。
図14は、
図12のロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様の断面図を例示する図である。
図14では、受け器376は、グラウト358で充填されて示されており、これは
図11Jの上部連結器122の状態に類似する。留め具373が基礎368内に突出するように示されている。留め具373は、プラッタ370を定位置に保持し、Hilti製のガンによって生成されるような「釘」であってもよい。
【0061】
図15は、ロボット支援基礎設置システム400の実施形態の態様の断面図を例示する図である。建設の全ての事例が、傾斜及び平行移動制御の完全なレパートリーを必要とするわけではない。いくつかの例は、傾斜を必要とするが、完全な平行移動位置決めを必要としない場合がある。システム400は、X軸及びY軸の周りで柱112を傾ける機能を提供する柱位置決めツール402を含み、グリッドを解決するためのグリッド解決システム300を含む。ツール402は、アクチュエータ314a・・・314cによってリングベース406に接続された柱スリーブ404を含む。リングベース406は、上部連結器408上に嵌合し、上部連結器408の一部を内部に保持し、これにより安定性が提供され、アライメントタブ324の類似体が不要になる。グラウト受け器412内で、上部連結器418は、X、Y方向に柱112の下端を連結器408のほぼ中心に拘束するセンタリングウェブ410を含む。上部連結器418は、
図11Cの上部連結器122を参照して説明したのと同じ方法で連結ベース120に取り付けられる。連結ベース120、上部連結器408、及び柱位置決めツール402が接続された状態で、ツール402は、柱112を柱スリーブ404内に受け入れる。次に、柱112は、受け器412を通ってスリーブ404内を摺動し、センタリングウェブ410内で底に達する。一般に、
図11C~
図11Kの上部連結器122の上にある柱位置決めツール310の配置及び使用の説明は、上部連結器408が
図11Eの範囲制限ピン328aの再位置決めを提供せず、スリーブ404が柱112を把持せず、代わりに柱112が内部で自由に摺動することを可能にするので、柱位置決めツール402のこの実施形態がZ軸における柱112の移動を提供しないという事実を除いて、連結器408の上にある柱位置決めツール402の配置及び使用に等しく適用される。
【0062】
実施形態では、スリーブ404には、柱112を把持するクランプ装置が設けられ得、アクチュエータ314a・・・314cを使用して、柱位置決めツール402は、センタリングウェブ410からZ軸に沿って柱112を上昇させることができる。この実施形態では、
図11C~
図11Kの上部連結器122の上にある柱位置決めツール310の配置及び使用の説明は、上部連結器408が
図11Eの範囲制限ピン328aの再位置決めを提供しないことを除いて、連結器408の上にある柱位置決めツール402の配置及び使用に概ね等しく適用される。
【0063】
図16は、ロボット支援基礎設置システム500の実施形態の態様の断面図を例示する図であり、これは、平行移動制御を必要とする建設事例の解決策である。システム500は、柱112をX、Y、及びZ軸に沿って平行移動させる機能を提供する柱位置決めツール502を含み、グリッドを解決するためのグリッド解決システム300を含む。ツール502は、グリップベース506に接続されたグリップ504を含む。グリップ504は、柱112にクランプする。グリップベース506は、グリップベース506と上部ブラケット508との間に接続されたアクチュエータ510aによって、Z軸(または柱112の軸)に沿って平行移動可能である。アクチュエータ510aは、グリップベース506をレール522(
図17A)に沿って上部ブラケット508に対して移動させるように構成される。上部ブラケット508は、レール24に沿って上部ブラケット508を移動させるように構成されたアクチュエータ510bによって、中間ブラケット512に対して平行移動可能である(
図17A)。中間ブラケット512は、下部ブラケット514に対して中間ブラケット512を回転させるように構成されたアクチュエータ510cによってZ軸の周りに回転可能である。したがって、Z軸平行移動は、グリッド制御システム295にアクチュエータ510aを適切に誘導させることによって達成され得る。X、Y平行移動は、例えば、グリッド制御システム295にアクチュエータ501cを指示させて、柱112の潜在的な移動線が所望のX、Y位置と交差するまで中間ブラケット512を回転させ、次いで、グリッド制御システム295にアクチュエータ510bを指示させて、柱122が目標のX、Y位置に達するまで上部ブラケット508をレール524に沿って移動させることによって、達成することができる。
【0064】
図16では、リングベース516は、上部連結器518上に嵌合し、上部連結器518の一部を内部に保持し、これにより安定性が提供され、アライメントタブ324の類似物が不要になる。上部連結器518は、グラウト受け器520を含むが、制限ピンまたはセンタリングウェブを含まない。上部連結器518は、
図11Cの上部連結器122を参照して説明したのと同じ方法で連結ベース120に取り付けられる。連結ベース120、上部連結器518、及び柱位置決めツール502が接続された状態で、ツール502は、柱112をグリップ504内に受け入れる。次いで、柱112は、柱先端118がツール502の到達範囲内にある位置で、グリップ504によって位置決めされ、クランプされる。一般に、
図11G~
図11Kの上部連結器122の上にある柱位置決めツール310の使用の説明は、上部連結器518が
図11Eの範囲制限ピン328aを含まず、ツール502が傾斜を提供せず、代わりに柱112のZ軸を平行移動させ、Z軸を中心とする関連する回転で柱112をX、Y軸に沿って平行移動させるという事実を除いて、連結器408の上の柱位置決めツール502の使用に等しく適用される。また、連結器518にグラウトエントリ用のポートを設けなければならないという点で、わずかな違いが存在する(
図18A~
図18D参照)。
【0065】
図17Aは、柱位置決めツール502と、
図16のツールリングベース516とはわずかに異なるツールリングベース517とを有するロボット支援基礎設置システム500の実施形態の態様を例示する斜視図である。
図17Aは、グリップベース506がアクチュエータ510aによって上部ブラケット508に対してZ軸に沿って平行移動され得るレール522を例示する。上部ブラケット508は、アクチュエータ510bによって中間ブラケット512に対して平行移動されると、レール524に沿って摺動する。
図17Bにおいて、グラウトポート519は、グラウトが受け器520に追加され得る場所を示す。
【0066】
図18A~
図18Dは、システム500を使用する方法における異なるステップの間中のロボット支援基礎設置システム500の実施形態の態様の断面図を例示する図である。これらの方法では、上部連結器518は、柱216d(
図2)の下部伸縮柱126に置き換えられている。したがって、
図18A~
図18Dは、柱位置決めツール502のような柱位置決めツールの適合可能な性質を例示する。また、
図18A~
図18Dは、
図11A~
図11Kに関して例示されるステップと同様の、柱位置決めツールの使用及び再使用に関与するステップを例示する。
【0067】
図18Aでは、地中基礎を設置することによって用地20が準備されている。地中基礎124は、この説明における例として使用され、用地20内に分散された複数の地中基礎を表すと理解されるべきである。下部地中基礎124内では、下部伸縮柱126は、典型的な建設精度を有する典型的な建設方法を使用して固定されている。グラウト注ぎ口530が、下部伸縮柱126に設けられている。
【0068】
図18Bでは、カラースタンドオフ532が柱126の上に配置され、柱126はスタンドオフ532内に受け入れられ、グラウト注ぎ口534はグラウト注ぎ口530と位置合わせされる。同様に、柱位置決めツール502がスタンドオフ532の上に配置され、スタンドオフ532はツールリングベース516内に受け入れられ、グラウト注ぎ口538はグラウト注ぎ口536と位置合わせされる。実施形態では、カラースタンドオフ532は、異なるサイズまたは構成の柱の上で使用され得るように修正され得る。したがって、ツール502は、スタンドオフ532のみを修正することによって、異なる構成の基礎の上に柱112を位置決めするために使用され得る。次に、柱112をグリップ504内に下降させ、柱先端118の目標位置が柱位置決めツール502の運動範囲内にあるように位置決めする。次いで、支柱112は、グリップ504によって締め付けられる。
【0069】
図18Cは、グラウト注入ポート536及び538と、ポート530及び534とのアライメントを示す。530、534の下部グラウトポートは、ホースを用いて導入されるグラウトを提供する。536、538の上部グラウトポートは、柱位置決めツール502が損傷しないように、建造物用グラウトの余剰分排出を可能にする。複数の柱112の全てがこの構成になった後、グリッド解決システム300は、各柱先端の位置を決定し、システム500は、
図11G~
図11Kに関して説明したように、グリッドを解決し、グリッド制御システム295がツール502に指示して、アクチュエータ510a・・・510cが柱先端118を目標X、Y、Z位置に平行移動させ、グラウトが硬化するまで、その位置を維持する。
【0070】
図18Dは、グラウトが下部柱126内で硬化し、柱位置決めツール502が取り外され、柱112が建造物10を支持する準備ができた後の上部柱112の位置を示す。
【0071】
図19Aは、ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
図19Aは、キャップ362などの柱キャップ540を例示し、これには、柱キャップ内で折り畳まれるプリズム546が設けられている。
図19Bは、柱キャップ540の断面図である。プリズム546が柱キャップ540内に折り畳まれるので、キャップ540は、支柱112が例えば硬化グラウトによって所定の位置に固定された後に、建設チームが支柱先端118から反射器204を取り外す必要をなくす。柱キャップ540は、プリズム546の下に円筒開口552及びバネ550を含む。蓋548に対して不十分な力が存在する場合、バネ550は、プリズム546をバネ移動の程度まで開口552から出現させる。建造物10が蓋548の上に置かれるときなど、バネ550に打ち勝つ力が加えられるとき、その力は、プリズム546を(例えば、
図11Kに示すように)開口部552内に引っ込ませる。実施形態では、キャップ540は、柱112の頂部に挿入され、ポート558を通して留め具でそこに保持され得る円筒形ベース556を含む。他の実施形態では、キャップ540は、柱キャップ362(
図17A)と同様に、内部に柱112を受容するように構成され得る。キャップ540はまた、環状溝554を有して示されている。
図11Kに示すように、ボルトを建造物に通して溝554に入れることができ、これにより、ボルトと柱キャップ540との間に締り嵌めが生じ、建造物が柱から分離するのを防止する。実施形態では、バネ544は、板バネまたは弾性材料などの他の適切な機構と置き換えられてもよい。
【0072】
図20は、ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
図20では、柱位置決めツール310は、ツール制御システム560を含むように示されている。ツール制御システム560は、各アクチュエータ314a・・・314fに接続され、その位置を制御する。例示的な制御ライン564の例示的なセットが示されている。1つの制御ラインセット566は、アクチュエータ314b及び314eの両方のための制御ラインを含む。ツール制御システム560は、アクチュエータ314a・・・314fと、ツール制御システム560と制御システム295との間の通信のための信号電子機器または他の通信機器を含む内部構成要素とに電力を提供する電源562を含む。ツール制御システム560は、柱位置決めツール310に関して示されているが、柱位置決めツール402、502は、これらのツール制御システムのアクチュエータを制御し、グリッド制御システム295と通信するように構成されたツール制御システム450も含む。
【0073】
図20は、ロボット支援基礎設置システムの実施形態の態様を例示する斜視図である。
図20では、柱位置決めツール310は、ツール制御システム560を含むように示されている。ツール制御システム560は、各アクチュエータ314a・・・314fに接続され、その位置を制御する。アクチュエータ駆動ポート564の例示的なセットが示されている。1つの制御ラインセット566は、アクチュエータ314b及び314eの両方のための制御ラインを含む。ツール制御システム560は、
図23及び
図24を参照して説明したように、アクチュエータ駆動ポート564を介して、アクチュエータ314a・・・314fと、ツール制御システム560と制御システム295との間の通信のための信号電子機器または他の通信機器を含む内部構成要素とに電力を提供する電源562を含む。
【0074】
図21は、ロボット支援基礎設置システムの実施形態を使用する方法2100のステップを例示するフローチャートである。方法2100のステップ2102において、複数の建造物支持体が建設用地に設置される。ステップ2104において、複数の建造物支持体からの各建造物支持体について:ステップ2106)複数の建造物支持体の各建造物支持体の上に内部空間を画定するインターフェースが設けられ;ステップ2108)複数の柱からの柱が、柱の第1の端部が内部空間内にあり、柱の第2の端部が内部空間の外部にあるように、各インターフェースの内部空間内に位置決めされ;ステップ2110)各柱が、建造物支持体に対してその柱を移動させるように構成された専用アクチュエータアセンブリに接続され;ステップ2112)データ取得システムを使用して、第2の端部の実際の位置が決定される。ステップ2114において、複数の柱の第2の端部の決定された実際の位置を使用して、複数の柱からの各第2の端部について、:ステップ2116)各第2の端部の目標位置が決定され、ステップ2118)実際の位置と目標位置との間のオフセットが決定される。ステップ2120において、第2の端部のサブセットに対するオフセットは、目標位置からの第1の所定の公差よりも大きいと判定される。ステップ2122)において、第2の端部のサブセットからの各第2の端部に対して、取り付けられたアクチュエータアセンブリが、第2の端部を、その第2の端部に対する目標位置に向かって移動させる。ステップ2124)では、第2の端部のサブセットからの各第2の端部について、データ取得システムを使用して、オフセットが第1の所定の公差の範囲内にあると判定される。そして、ステップ2126において、各柱は、その関連するインターフェースの内部空間内の所定の位置に固定される。いくつかの実施形態では、ステップ2122の後の追加のステップは、第2の端部の一部のサブセットについて、オフセットが第1の所定の公差よりも大きいままであると判定することを含み、その場合、ステップ2124が達成されるまで、ステップ2122及び2123が繰り返される。言い換えれば、各第2の端部の位置が決定され、その目標位置の所定の公差内にあると判定されるまで、その目標位置に向かって移動させられる。
【0075】
図22は、ロボット支援基礎設置システムの実施形態を使用する方法2200のステップを例示するフローチャートである。方法2200において、グリッド解決システムは、:ステップ2202)グリッド内の各柱についてのX、Y、Z位置を含む目標グリッドレイアウトを決定し;ステップ2204)グリッド内の各柱についてのX、Y、Z位置を含む現在のグリッドレイアウトを決定し;ステップ2206)各柱について、目標位置及び現在位置でのデルタオフセットを決定し;ステップ2208)各柱について、デルタオフセットを除去するのに必要な関連する位置決めツールの移動を決定し;ステップ2210)各柱について、位置決めツールに移動を指示してデルタオフセットを除去し;ステップ2212)各柱のグリッドレイアウトX、Y、Z位置を再決定し;ステップ2214)全ての柱オフセットが公差範囲内になるまでステップ2204~2212を繰り返し;ステップ2216)全ての柱オフセットが公差範囲内にあることをユーザに示す。柱を所定の位置に固定するためにグラウトが追加された後、ステップ2218)において、グリッド解決システムは、グラウトが硬化しているときに、ステップ2204~2214を実行することができる。
【0076】
実施形態では、グリッド解決システムは、建造物用グラウトの蒸発硬化時間のモデルに適合するようにステップ2204~2216を実行し得る。適合の結果として、位置の検査とその結果生じる補正とは、当初は1分間に1回、グラウトが実質的に硬化するまで減衰する頻度で行われてよく、この頻度は、混合物や、予測される硬化期間中の1時間ごとの周囲温度及び湿度の変動モデルに基づいて予測可能である。
【0077】
いくつかの実施形態では、グリッド制御システム295は、反復的で大規模な計算能力を必要としない、柱位置決めツールを制御する特異協調モードに従って準備されたアルゴリズムに従うソフトウェアによって駆動され得る。そのようなアルゴリズムでは、システムは、各柱に対する試行及びエラー処理を行い、例えば、アクチュエータをある距離だけ第1の方向に移動させ、オフセットを試験し、オフセットが公差内にない場合には、オフセットの変化に従ってアクチュエータ制御の方向を調整し、アクチュエータを再び移動させ、再試験し、オフセットが公差内になるまで繰り返す。このようなアルゴリズムは、この推測及びチェックのシステムを使用して、柱頂部の現在位置と目標位置との整合を試みるフィードバックループにおいて、オフセットが少ないか多いかを目標位置に対してテストし、オフセットを計算し、目標位置に達するまで適切なスケールで増分移動を行うよう柱位置決めツールに命令することによって、それを行う。フィードバックループにおける反復は、結果の精度を低下させることなく、計算パワー及びアクチュエータ分解能の要求を低減するために、ミリ秒(ロボット実装で一般的)ではなく、秒のタイムスケールで行わせることができる。所与の柱アレイに対して、この制御モードは、1分当たり何百もの補正調整を行うことをもたらし得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、グリッド制御システム295は、柱位置決めツールを制御する順方向調整モードに応じて準備されたアルゴリズムに従って、ソフトウェアによって駆動され得る。この制御モードでは、柱オフセットを決定した後、各柱位置決めツールに対して、システム295は、目標位置に柱を位置決めするのに必要なツールフレックス状態(すなわち、アクチュエータ移動)のデジタルツインモデルを構築する。この制御モードでは、システム295は、ツールを、最良のツール状態であるとモデル化されたものに移動させ、次いで、目標柱位置に到達するまで、テスト/移動/テストの反復ループを開始する。この順方向調整モードの利点は、単数調整モードよりも「ハンチング」が少ないことである。この制御モードは、(例えば、デジタルツインモデルをレンダリングするため)より多くの計算パワーと、より注意深く構造化された目標入力を必要とするが、システム全体が単一のステップで目標に実質的にアライメントされる程度まで、アクティブ調整の時間を短縮することができる(その後は微調整のみを必要とする)。
【0079】
いくつかの実施形態では、グリッド制御システム295は、柱位置決めツールを制御する差動調整モードに応じて準備されたアルゴリズムに従って、ソフトウェアによって駆動され得る。この制御モードは、柱位置の実際の位置がデジタルツインモデルの目標位置と一致することを制御システムが命令した場合、それらの位置を達成するための所望のアクチュエータフレックスが結果になるという論理に基づいている。この制御モードでは、柱オフセットを決定した後、各柱位置決めツールに対して、グリッド制御システム295は、目標柱位置のデジタルツインモデルを構築する。この利点は、ハンチングの範囲を劇的に制限し、最初の試みにおいて完了を達成することを約束することである。柱位置決めツールの制御に対するこのアプローチは、1つの調整ステップのみで、1つ以上の柱に対する位置決め精度を達成する結果となり得る。
【0080】
単一協調から前方協調、そして差動協調へと、コーディングの複雑さは劇的にエスカレートし、結果を得るために必要な計算パワーも増大する。これは、仕上がりまでの速度に対するシステム性能のグッド・ベター・ベストのエスカレーションである。
【実施例】
【0081】
ロボット支援による基礎設置のための例示的なシステムは、グリッドを解決するためのグリッド解法システム300を含み、この場合、位置決定システム290は、レーザを使用してジオロケーションデバイス204(この場合プリズム546)から反射させることによって位置データを取得するための全測量システムである。グリッド解決システム300:計画された建造物に必要なピア構成の理想化されたモデルとの関係で、最初の定点の位置を決定し(すなわち、システムは、計画された建造物のどの柱を親(テストされ検証される固定点)とし、どの柱(他の柱)を従の子とするかを決定する)、システム290と各ピアの上に配置されたデバイス204を使用して全てのピアの実際の位置を決定し、用地との関係で最初の定点の位置を決定する(すなわち、用地に対する再探索の固定点は、常に親として選択された柱である)。グリッド制御システム295:レーザ測量システムによって導出された「真の」データ(理想化されたモデル、相互間、及び現場との関係における計算の初期固定点に対する全てのピア頂部の実際の開始位置)を使用し、実際のピア先端位置を理想化されたモデルに正確に整合させるために必要な、例えばX、Y、Z座標における各ピアの必要な移動を決定する。各ピアの必要な移動を計算する際に、システム295は、ピアシステム全体について可能な限り最良の適合を見つけるために、固定モデル全体が円形の自由度(システム公差)を有することを許容することができる。この例における柱位置決めツールは、ツール310、402、または502のいずれかのようなツールであってよく、柱112をX、Y、Z方向に移動させて所望のピアモデルに正確に整合させるように構成されている。当業者は、グラウトによって囲まれる場合を含む、柱112の負荷に対して定格されるアクチュエータを特定することを理解するであろう。柱位置決めツールは、各ピアの位置決めを正確に所定の位置に約96時間保持するように構成され、これはグラウトの硬化時間に基づく。その硬化時間の間に、ツールは、1時間、柱を能動的に操作していることが予想される。別の例では、グラウト硬化時間は72時間である。柱位置決めツールに設けられたツール制御システムは、アクチュエータコントローラと、選択されたアクチュエータ(10アンペアのアクチュエータを含むことができる)、及びグラウトの硬化時間を通じて通信とアクチュエータの電力要件に対応するサイズ、及び能動的操作の予想時間を考慮したサイズの自己完結型電源を含む。バッテリ電力は好ましい解決策であるが、それが可能でないかまたは実現可能でない場合には、現場発電機電力が許容される。柱位置決めツールは、好ましくは、現場で保守しやすく、丸い柱112と四角い柱112の両方に対応できる。例えば、ツール310、402、502のいずれも、関連する範囲制限ピンが柱内に適合するサイズである限り、丸いまたは正方形の柱112を受け入れることができ、例えば、柱112は、4~16フィートの可変長を有する4インチの正方形の中空構造鋼(HSS)とすることができる。このような柱112では、柱位置決めツールのペイロード容量は200~300lbsと予想される。この例では、柱位置決めツールは、ツール310及び502のようなX、Y、及びZ平行移動機能を有し、X及びY方向の位置を中心から少なくとも3インチだけ、Z方向に14インチの範囲で調整するようにサイズ設定される。
【0082】
図23は、例えば、前の図を参照して説明したような、本開示の方法の実施形態を実施するためのシステムの実施形態を示す例示的なブロック図であり、特に、位置決定システム290、グリッド制御システム295、及びツール制御システム560を示す。
【0083】
図23において、コンピュータネットワーク2300は、複数のコンピューティングデバイス2310a~2310b(それぞれは、位置決定システム290、グリッド制御システム295、及びツール制御システム560を実装し得る)と、複数の通信リンク2330を介して通信ネットワーク2360に結合された1つ以上のサーバシステム2320とを含む。通信ネットワーク2360は、分散ネットワーク2300の様々な構成要素が互いに通信し、情報を交換することを可能にするための機構を提供する。したがって、
図23は、位置決定システム290、グリッド制御システム295、及びツール制御システム560を実装するための、及びそれらの間の通信のためのシステムを説明する。
【0084】
通信ネットワーク2360自体は、1つ以上の相互接続されたコンピュータシステム及び通信リンクを含む。通信リンク2330は、有線リンク、光リンク、衛星または他の無線通信リンク、波伝搬リンク、または情報の通信のための任意の他の機構を含み得る。
図23に示される様々なシステム間の通信を容易にするために、様々な通信プロトコルが使用され得る。これらの通信プロトコルには、TCP/IP、UDP、HTTPプロトコル、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)、BLUETOOTH、Zigbee、802.11、802.15、6LoWPAN、LiFi、Google Weave、NFC、GSM、CDMA、その他のセルラデータ通信プロトコル、無線電話プロトコル、インターネット電話、IP電話、デジタル音声、ボイスオーバーブロードバンド(VoBB)、ブロードバンド電話、ボイスオーバーIP(VoIP)、ベンダー固有のプロトコル、カスタマイズされたプロトコルなどが含まれ得る。一実施形態では、通信ネットワーク2360はインターネットであるが、他の実施形態では、通信ネットワーク2360は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、無線ネットワーク、セルラネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、イントラネット、プライベートネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワーク、公衆ネットワーク、交換ネットワーク、ピアツーピアネットワーク、及びこれらの組み合わせなどを含む任意の適切な通信ネットワークであってもよい。
【0085】
実施形態では、サーバ2320は、コンピューティングデバイスのユーザの近くに位置せず、ネットワークを介して通信される。異なる実施形態では、サーバ2320は、ユーザが身につけることができるデバイス、または常に近傍に位置させることができるデバイスである。実施形態では、サーバ2320は、セルネットワーク(LTE、5G)またはWi-Fiなどの長距離通信ネットワークに電力を供給するための大きなバッテリを有する。サーバ2320は、有線リンクを介して、またはBluetooth(登録商標)などの低電力の短距離無線通信を介して、システムの他の構成要素と通信する。実施形態では、システムの他の構成要素の1つは、サーバ、例えば、PC2310bの役割を果たす。
【0086】
図23の分散コンピュータネットワーク2300は、実施形態を組み込む実施形態の単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、他の変形形態、修正形態、及び代替形態を認識するであろう。例えば、2つ以上のサーバシステム2320が通信ネットワーク2360に接続され得る。別の例として、多数のコンピューティングデバイス2310a~2310bは、アクセスプロバイダ(図示せず)を介して、または何らかの他のサーバシステムを介して、通信ネットワーク2360に結合され得る。
【0087】
コンピューティングデバイス2310a~2310bは、通常、情報を提供するサーバシステムから情報を要求する。サーバシステムは、定義上、典型的には、これらのコンピューティングデバイスよりも多くのコンピューティング容量及び記憶容量を有し、これは、多くの場合、ポータブルデバイス、モバイル通信デバイス、またはクライアント-サーバ動作においてクライアントの役割を果たす他のコンピューティングデバイスなどである。しかしながら、特定のコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスが情報を要求しているか提供しているかに応じて、クライアント及びサーバの両方として動作し得る。実施形態の態様は、クライアント-サーバ環境またはクラウド-クラウドコンピューティング環境を使用して具現化され得る。
【0088】
サーバ2320は、コンピューティングデバイス2310a~2310bから情報要求を受信し、要求を満たすために必要な処理を実行し、要求に対応する結果を要求しているコンピューティングデバイスに転送し戻す役割を担う。要求を満たすために必要な処理は、サーバシステム2320によって実行されてもよく、代わりに、通信ネットワーク2360または他の通信ネットワーク2360に接続された他のサーバに委任されてもよい。サーバ2320は、コンピューティングデバイス2310の近くに位置してもよく、またはコンピューティングデバイス2310から離れていてもよい。サーバ2320は、モノのインターネットのシナリオにおけるモノのローカルなエンクレーブを制御するハブであってもよい。
【0089】
コンピューティングデバイス2310a~2310bは、ユーザがサーバシステム2320によって記憶された情報またはアプリケーションにアクセスし、照会することを可能にする。コンピューティングデバイスの例としては、Apple iPhone(登録商標)、Apple iPad(登録商標)、Palm Pre(商標)などのポータブル電子デバイス(例えば、モバイル通信デバイス)、あるいはApple iOS(商標)、Android(商標)OS、Google Chrome OS、Symbian OS(登録商標)、Windows 10、Windows Mobile(登録商標)OS、Palm OS(登録商標)もしくはPalm Web OS(商標)、またはRIOT OS、Windows 10 for IoT、WindRiver VxWorks、Google Brillo、ARM Mbed OS、Embedded Apple iOS及びOS X、Nucleus RTOS、Green Hills Integrity、もしくはContikiなど、モノのインターネット(IoT)デバイス、もしくは自動車、もしくはその他の車両、もしくはリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)に使用される様々なオペレーティングシステムのいずれか、またはMicroware OS-9、VxWorks、QNX Neutrino、FreeRTOS、Micrium μC/OS-II、Micrium μC/OS-III、Windows CE、TI-RTOS、RTEMSなどの様々なプログラマブルロジックコントローラ(PLC)もしくはプログラマブルオートメーションコントローラ(PAC)オペレーティングシステムのいずれか、を実行する任意のコンピューティングデバイスがある。他のオペレーティングシステムを使用してもよい。特定の実施形態では、コンピューティングデバイス上で実行される「ウェブブラウザ」アプリケーションは、ユーザが、サーバシステム2320によって記憶された情報及び/またはアプリケーションを選択、アクセス、検索、または照会することを可能にする。ウェブブラウザの例としては、Googleが提供するAndroidブラウザ、Appleが提供するSafari(登録商標)ブラウザ、Opera Softwareが提供するOpera Webブラウザ、Research In Motionが提供するBlackBerry(登録商標)ブラウザ、Microsoft Corporationが提供するInternet Explorer(登録商標)及びInternet Explorer Mobileブラウザ、Mozilla(登録商標)が提供するFirefox(登録商標)及びFirefox for Mobileブラウザなどが挙げられる。
【0090】
図24は、実施形態のコンピューティングデバイス2400を示す例示的なブロック図である。コンピューティングデバイス2400は、
図23のコンピューティングデバイス2310のいずれであってもよい。コンピューティングデバイス2400は、ディスプレイ、スクリーン、またはモニタ2405、筐体2410、及び入力デバイス2415を含み得る。筐体2410は、プロセッサ2420、メモリ2425、バッテリ2430、スピーカ、送受信機、アンテナ2435、マイクロホン、ポート、ジャック、コネクタ、カメラ、入出力(I/O)コントローラ、ディスプレイアダプタ、ネットワークインターフェース、大容量記憶装置2440、様々なセンサなどの、いくつかは図示されない、よく知られたコンピュータ構成要素を収容する。
【0091】
入力デバイス2415は、タッチスクリーン(例えば、抵抗、表面音波、容量感知、赤外線、光学撮像、分散信号、または音響パルス認識)、キーボード(例えば、電子キーボードまたは物理キーボード)、ボタン、スイッチ、スタイラス、またはこれらの組み合わせを含むこともできる。
【0092】
大容量記憶デバイス2440は、フラッシュドライブ、フラッシュメモリ、またはUSBフラッシュドライブなどの、フラッシュ及び他の不揮発性ソリッドステートストレージまたはソリッドステートドライブ(SSD)を含み得る。大容量記憶装置の他の例としては、大容量ディスクドライブ、フロッピーディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、固定ディスク、ハードディスク、SDカード、CD-ROM、記録可能CD、DVD、記録可能DVD(例えば、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW、HD-DVD、またはブルーレイディスク)、バッテリバックアップ揮発性メモリ、テープ記憶装置、読み取り装置、及び他の同様の媒体、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0093】
実施形態は、異なる構成を有するコンピュータシステム、例えば、追加または少数のサブシステムと共に使用することもでき、ArduinoまたはRaspberry Piによって提供されるシステムを含むことができる。例えば、コンピュータシステムは、2つ以上のプロセッサ(すなわち、情報の並列処理を可能にし得るマルチプロセッサシステム)を含み得るか、またはシステムは、キャッシュメモリを含み得る。
図24に示すコンピュータシステムは、実施形態での使用に適したコンピュータシステムの一例にすぎない。実施形態と共に使用するのに適したサブシステムの他の構成は、当業者には容易に明らかになるであろう。例えば、特定の実装では、コンピューティングデバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイル通信デバイスである。スマートフォンの具体例としては、HTC Corporationが提供するDroid Incredible及びGoogle Nexus One、Appleが提供するiPhoneまたはiPad、その他多数が挙げられる。コンピューティングデバイスは、ラップトップまたはネットブックであってもよい。別の特定の実装では、コンピュータデバイスは、デスクトップコンピュータまたはワークステーションのような非携帯型コンピュータデバイスである。
【0094】
実施形態を実施するのに有用なプログラム命令のコンピュータ実装またはコンピュータ実行可能バージョンは、コンピュータ可読媒体を使用して具現化され、コンピュータ可読媒体に記憶され、またはコンピュータ可読媒体に関連付けられ得る。コンピュータ可読媒体は、メモリ2425または大容量記憶装置2440など、実行のための1つ以上のプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を含み得る。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、伝送媒体、非印刷媒体、及び印刷媒体を含む多くの形態をとることができるが、これらに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、フラッシュメモリ、または光学もしくは磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、キャッシュメモリまたはRAMなどの静的または動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、光ファイバ線、及びバスに配置されたワイヤを含む。伝送媒体はまた、電磁波、無線周波数、音響、または光波、例えば、無線波及び赤外線データ通信の間に生成される電磁波の形態を取ることができる。
【0095】
例えば、実施形態を実施するのに有用なソフトウェアのバイナリの機械実行可能バージョンは、RAMまたはキャッシュメモリ、あるいは大容量記憶装置2440に記憶または常駐させることができる。このソフトウェアのソースコードは、大容量記憶装置2440(例えば、フラッシュドライブ、ハードディスク、磁気ディスク、テープ、またはCD-ROM)に記憶または常駐させてもよい。さらなる例として、実施形態を実施するのに有用なコードは、ワイヤ、電波を介して、またはインターネットなどのネットワークを介して送信され得る。別の具体的な実施形態では、実施形態の特徴を実装するための様々なソフトウェアプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0096】
コンピュータソフトウェア製品は、C、C++、C#、Pascal、Fortran、Perl、Matlab(MathWorks製、www.mathworks.com)、SAS、SPSS、JavaScript、CoffeeScript、Objective-C、Swift、Objective-J、Ruby、Rust、Python、Erlang、Lisp、Scara、Clojure、及びJavaなどの様々な適切なプログラミング言語のいずれかで記述され得る。コンピュータソフトウェア製品は、データ入力及びデータ表示モジュールを有する独立したアプリケーションであってもよい。あるいは、コンピュータソフトウェア製品は、分散オブジェクトとしてインスタンス化され得るクラスであり得る。コンピュータソフトウェア製品はまた、Java Beans(オラクル製)またはEnterprise Java Beans(オラクル製EJB)などのコンポーネントソフトウェアであってもよい。
【0097】
システムのオペレーティングシステムは、Androidオペレーティングシステム、iPhone OS(すなわちiOS)、Symbian、BlackBerry OS、Palm web OS、Bada、MeeGo、Maemo、Limo、またはBrew OSであってもよい。オペレーティングシステムの他の例としては、Microsoft Windowsファミリーのオペレーティングシステム(例えば、Windows 95、98、Me、Windows NT、Windows 2000、Windows XP、Windows XP x64エディション、Windows Vista、Windows 10または他のWindowsバージョン、Windows CE、Windows Mobile、Windows Phone、Windows 10 Mobile)、Linux、HP-UX、UNIX、Sun OS、Solaris、Mac OS X、Alpha OS、AIX、IRIX32、もしくはIRIX64、またはRIOT OS、Windows 10 for IoT、WindRiver VxWorks、Google Brillo、ARM Mbed OS、Embedded Apple iOS及びOS X、Nucleus RTOS、Green Hills Integrity、もしくはContikiなど、モノのインターネット(IoT)デバイス、もしくは自動車、もしくはその他の車両、もしくはリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)に使用される様々なオペレーティングシステムのいずれか、またはMicroware OS-9、VxWorks、QNX Neutrino、FreeRTOS、Micrium μC/OS-II、Micrium μC/OS-III、Windows CE、TI-RTOS、RTEMSなどの様々なプログラマブルロジックコントローラ(PLC)もしくはプログラマブルオートメーションコントローラ(PAC)オペレーティングシステムのいずれかがある。他のオペレーティングシステムを使用してもよい。
【0098】
さらに、コンピュータは、ネットワークに接続されてもよく、このネットワークを使用して他のコンピュータとインターフェースすることができる。ネットワークは、特に、イントラネット、インターネット(internet)、またはインターネット(the Internet)であってもよい。ネットワークは、有線ネットワーク(例えば、銅、及びRS232コネクタなどの接続を使用する)、電話ネットワーク、パケットネットワーク、光ネットワーク(例えば、光ファイバを使用する)、または無線ネットワーク、あるいはこれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、データ及び他の情報は、Wi-Fi(ほんの数例を挙げると、IEEE規格802.11、802.11a、802.11b、802.11e、802.11g、802.11i、及び802.11n)などのプロトコル、またはBLUETOOTHもしくはNFCもしくは802.15もしくはセルラなどの他のプロトコルを採用する無線ネットワークを使用して、実施形態を実施するのに有用なシステムのコンピュータと構成要素(またはステップ)との間で受け渡されてもよく、または通信プロトコルは、TCP/IP、UDP、HTTPプロトコル、無線アプリケーションプロトコル(WAP)、BLUETOOTH、Zigbee、802.11、802.15、6LoWPAN、LiFi、Google Weave、NFC、GSM、CDMA、他のセルラデータ通信プロトコル、無線電話プロトコルなどを含んでもよい。例えば、コンピュータからの信号は、少なくとも部分的に、構成要素または他のコンピュータに無線で転送され得る。
【0099】
以下の段落は、列挙された実施形態を示す。
1.複数の建造物支持体を建設用地に設置することと、
前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、
前記複数の建造物支持体の各建造物支持体の上にインターフェースを設けることであって、前記インターフェースが内部空間を画定する、前記設けることと、
複数の柱から、ある柱を各インターフェースの前記内部空間内に位置決めすることであって、前記柱の第1の端部が前記内部空間内にあり、前記柱の第2の端部が前記内部空間の外部にある、前記位置決めすることと、
前記建造物支持体に対して前記柱を移動させるように構成されたアクチュエータアセンブリを各柱に接続することと、
データ取得システムを用いて、前記第2の端部の実際の位置を決定することと、
前記複数の柱の前記第2の端部の前記決定された実際の位置を使用して、前記複数の柱からの各第2の端部について、
各第2の端部の目標位置と、
前記実際の位置と前記目標位置との間のオフセットと、
を決定することと、
第2の端部のサブセットについて、前記オフセットが前記目標位置からの第1の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記第2の端部のサブセットからの各第2の端部について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記第2の端部を、その第2の端部の前記目標位置に向けて移動させることと、
前記第2の端部のサブセットからの各第2の端部について、前記データ取得システムを使用して、前記オフセットが前記第1の所定の公差の範囲内にあるように変化したことを判定することと、
各柱を、その関連するインターフェースの前記内部空間内の所定の位置に固定することと、
を含む、方法。
2.前記データ取得システムは、全測量ステーションを含み、
データ取得システムを用いて、前記第2の端部の実際の位置を決定するステップが、前記第2の端部の前記実際の位置を決定するために、前記全測量ステーションと、前記第2の端部に取り付けられた反射器とを使用することを含む、実施形態1に記載の方法。
3.前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾けて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、実施形態1に記載の方法。
4.前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、実施形態1に記載の方法。
5.前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾け、平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、実施形態1に記載の方法。
6.前記データ取得システムを使用して、前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記柱の実際の傾きを決定することと、
前記複数の柱の前記決定された実際の傾きを使用して、前記複数の柱からの各柱について、前記実際の傾きと目標傾きとの間のアライメント不良を判定することと、
前記目標位置と、
前記複数の柱のうちの柱のサブセットについて、前記実際の傾きが前記目標傾きからの第2の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記柱を前記目標傾きに向けて傾けさせることと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記データ取得システムを使用して、前記アライメント不良が前記第2の所定の公差の範囲内にあると判定することと、
をさらに含む、実施形態5に記載の方法。
7.前記建造物支持体に対して前記柱を移動させるように構成されたアクチュエータアセンブリを各柱に接続するステップが、前記アクチュエータアセンブリを、前記柱と、前記柱が位置決めされる前記インターフェースとに接続することを含む、実施形態1に記載の方法。
8.各柱を、その関連するインターフェースの前記内部空間内の所定の位置に固定するステップは、硬化されると、前記インターフェースに対する前記柱の前記位置を固定する材料で、前記柱の周りの前記内部空間を充填することを含む、実施形態1に記載の方法。
9.柱の第1の端部を受け入れるように構成され、かつ建造物支持体に結合するように構成された内部空間を画定するインターフェースと、
アクチュエータアセンブリであって、
前記柱を保持するように構成された第1の部分と、
前記第1の部分に接続され、前記第1の部分を移動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータであって、前記柱の前記第1の端部が前記内部空間内に受け入れられ、前記柱が前記第1の部分によって保持されると、前記柱の第2の端部が前記インターフェースに対して移動される、前記少なくとも1つのアクチュエータと、
を含む、前記アクチュエータアセンブリと、
を備える、システム。
10.前記アクチュエータアセンブリは、前記インターフェースに結合するように構成された第2の部分をさらに含み、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、複数のリニアアクチュエータを含み、各リニアアクチュエータは、前記第1の部分と前記第2の部分との間に接続され、前記第2の部分に対して前記第1の部分を移動させるように構成されており、
前記複数のリニアアクチュエータは、前記第2の部分に対して前記第1の部分を移動させるように構成され、前記第2の部分が前記インターフェースに結合され、前記柱の前記第1の端部が前記内部空間内に受け入れられ、かつ前記柱が前記第1の部分によって保持されるとき、前記複数のリニアアクチュエータが前記インターフェースに対して前記柱を傾けるように制御可能である、実施形態9に記載のシステム。
11.前記アクチュエータアセンブリは、前記インターフェースに結合するように構成された第2の部分をさらに含み、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、複数のリニアアクチュエータを含み、各リニアアクチュエータは、前記第1の部分及び前記第2の部分に接続され、前記第2の部分に対して前記第1の部分を平行移動させるように構成されており、
前記第1の部分は、前記柱が前記第1の部分に対して移動しないように前記柱を保持するように構成されたクランプを含み、
前記複数のリニアアクチュエータは、前記第2の部分に対して前記第1の部分を移動させるように構成され、前記第2の部分が前記インターフェースに結合され、前記柱が前記第1の部分によって保持されるとき、前記複数のリニアアクチュエータが前記インターフェースに対して前記柱を平行移動させるように制御可能である、実施形態9に記載のシステム。
12.前記第1の部分は、前記柱が前記第1の部分に対して移動しないように前記柱を保持するように構成されたクランプを含み、
前記アクチュエータアセンブリは、
前記インターフェースに結合するように構成された第2の部分と、
前記柱を保持するように構成された第3の部分と、をさらに含み、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、
第1の複数のリニアアクチュエータであって、それぞれが前記第1の部分と前記第2の部分との間に接続される、前記第1の複数のリニアアクチュエータと、
第2の複数のリニアアクチュエータであって、それぞれが前記第3の部分と前記第2の部分との間に接続される、前記第2の複数のリニアアクチュエータと、を含み、
前記第1の複数のリニアアクチュエータは、前記第2の部分を3次元的に平行移動させるように構成され、
前記第2の複数のリニアアクチュエータは、前記第3の部分を平面内で移動させるように構成され、
前記第2の部分が前記インターフェースに結合され、前記柱が前記第1の部分に対して移動しないように前記柱が前記第1の部分によって保持され、前記柱が前記第2の部分によって保持される場合、前記第1の複数のリニアアクチュエータ及び前記第2の複数のリニアアクチュエータは、前記インターフェースに対して前記柱を傾け、平行移動させるように制御可能である、実施形態9に記載のシステム。
13.前記インターフェースの前記内部空間が、
前記柱の前記第1の端部の開口部内に受け入れられ、前記第1の端部の運動範囲を制限するように構成されるピン、または
前記第1の端部を前記内部空間の中心に向けるように傾斜した要素を有するアダプタ、のいずれかを含む、実施形態9に記載のシステム。
14.複数の建造物支持体に対する複数の柱の位置を制御するためのシステムであって、
複数のインターフェースであって、各インターフェースが、柱の第1の端部を受け入れるように構成された内部空間を画定する、前記複数のインターフェースと、
複数のアクチュエータアセンブリであって、各アクチュエータアセンブリが、建造物支持体に対して柱を移動させるように構成される、前記複数のアクチュエータアセンブリと、
命令と、複数の柱の各柱について、前記柱の第2の端部の位置を決定するように構成されたデータ取得システムとを含むコンピューティングシステムであって、
前記複数の建造物支持体が、建設用地に設置され、
各建造物支持体の上にインターフェースが設けられ、
柱の第1の端部が前記内部空間内にあり、前記柱の第2の端部が前記内部空間の外部にあるように、前記柱が各インターフェースの前記内部空間内に位置決めされ、
各柱にアクチュエータアセンブリが接続される場合、
前記命令が、前記コンピューティングシステムによって実行されると、前記システムに動作を実行させ、前記動作が、
前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記データ取得システムを使用して、前記第2の端部の実際の位置を決定することと、
前記複数の柱の前記第2の端部の前記決定された実際の位置を使用して、前記複数の柱からの各第2の端部について、
各第2の端部の目標位置と、
前記実際の位置と前記目標位置との間のオフセットと、
を決定することと、
第2の端部のサブセットについて、前記オフセットが前記目標位置からの第1の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記第2の端部のサブセットからの各第2の端部について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記第2の端部を、その第2の端部の前記目標位置に向けて移動させることと、
前記複数の柱からの各第2の端部について、前記データ取得システムを使用して、前記オフセットが前記第1の所定の公差の範囲内にあるように変化したことを判定することと、
前記オフセットが前記複数の柱からの各第2の端部に対する前記第1の所定の公差内にあることをユーザに示すことと、
を含む、前記コンピューティングシステムと、
を備える、前記システム。
15.前記データ取得システムは、全測量ステーションを含み、
前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記データ取得システムを使用して、前記第2の端部の実際の位置を決定する動作は、反射器が前記第2の端部に取り付けられ、前記全測量ステーションを使用して前記第2の端部の前記実際の位置を決定するときに実行される、実施形態14に記載のシステム。
16.前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾けて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、実施形態14に記載のシステム。
17.前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、実施形態14に記載のシステム。
18.前記複数の柱の前記第2の端部の前記目標位置は、平面を画定し、
前記第1の所定の公差は、前記平面からの前記第2の端部の距離を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱を傾け、平行移動させて、前記第2の端部を前記目標位置に向けて移動させるように構成される、実施形態14に記載のシステム。
19.前記動作は、さらに、
前記データ取得システムを使用して、前記複数の建造物支持体からの各建造物支持体について、前記柱の実際の傾きを決定することと、
前記複数の柱の前記決定された実際の傾きを使用して、前記複数の柱からの各柱について、前記実際の傾きと目標傾きとの間のアライメント不良を判定することと、
前記目標位置と、
前記複数の柱のうちの柱のサブセットについて、前記実際の傾きが前記目標傾きからの第2の所定の公差よりも大きいと判定することと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記取り付けられたアクチュエータアセンブリに、前記柱を前記目標傾きに向けて傾けさせることと、
前記柱のサブセットからの各柱について、前記データ取得システムを使用して、前記アライメント不良が前記第2の所定の公差の範囲内にあると判定することと、
前記アライメント不良が前記柱のサブセットからの各第2の端部に対する前記第2の所定の公差内にあることをユーザに示すことと、
を含む、実施形態18に記載のシステム。
20.アクチュエータアセンブリが、各柱に接続されており、
前記アクチュエータアセンブリは、前記柱と、前記柱が位置決めされる前記インターフェースとに接続されている、実施形態14に記載のシステム。
【0100】
本実施形態は、特定の実施形態に関して説明されてきたが、本発明の概念から逸脱することなく、さらなる変形形態を考案できることが認識される。
【0101】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、特許請求される主題を限定することを意図してはいない。本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上のあらゆる全ての組み合わせを含む。本明細書で使用するとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、単数形だけでなく、複数形も含むことを意図している。用語「含む/備える(comprise)」及び/または「含む/備える(comprising)」は、本明細書で使用されるとき、述べられる特徴、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらのグループを排除の存在を排除しないことがさらに理解されよう。
【0102】
特に定義されない限り、本明細書で用いる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本実施形態が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用されている辞書で定義されているような用語は、関連技術及び本開示の文脈でそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されていない限り、理想化された意味または過度に形式的な意味では解釈されないことが理解されるであろう。
【0103】
実施形態を説明する際に、多くの要素、技法、及びステップが開示されていることが理解されるであろう。これらのそれぞれは、個々の利点を有し、またそれぞれは、他の開示された要素もしくは技法の1つ以上、または場合によっては全てと併せて使用することもできる。本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが完全に実施形態及び特許請求の範囲の主題の範囲内であることを理解して読み取られるべきである。
【0104】
上記及び全体を通しての説明では、本開示の実施形態を十分に理解するために、多数の具体的な詳細が述べられている。しかしながら、このような具体的な詳細がなくても実施形態が実施可能であることは、当業者であれば明らかであろう。他の事例では、説明を容易にするため、周知の構造やデバイスをブロック図の形式で示している。好ましい実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、本明細書に開示される方法では、実施形態の機能の一部を示す様々なステップが開示される。これらのステップは単なる例であり、多少なりとも限定することを意味しない。本開示または実施形態の範囲から逸脱することなく、他のステップ及び機能が企図され得る。
【国際調査報告】