(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ポーションカプセルを製造するための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20241112BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20241112BHJP
B65B 29/02 20060101ALI20241112BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20241112BHJP
B26D 7/08 20060101ALI20241112BHJP
B29C 65/08 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B65B7/28
A47J31/36 122
B65B29/02
B65B7/28 C
B26F1/44 J
B26F1/44 D
B26D7/08 A
B29C65/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525433
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2022079444
(87)【国際公開番号】W WO2023072773
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビッケ,マリウス-コンスタンティン
【テーマコード(参考)】
3C060
3E049
4B104
4F211
【Fターム(参考)】
3C060AA04
3C060AB00
3C060BA03
3C060BB05
3C060BB20
3C060BD01
3C060BF01
3C060BG06
3E049AA05
3E049AB03
3E049BA01
3E049DB04
3E049FA06
4B104AA19
4B104AA20
4B104BA02
4B104BA35
4B104EA08
4B104EA38
4B104EA39
4F211AG07
4F211AH57
4F211AH58
4F211TA02
4F211TC16
4F211TD11
4F211TN23
4F211TQ05
(57)【要約】
調合生成物を作成するための抽出材料で充填されたポーションカプセルを製造するための方法に関して、最初に、ベース領域を有し、周辺側壁を有し、周辺側壁に接続する周辺本体カラー(41)を有するプラスチックの本体が充填される。その後、蓋カラー(34)が本体カラー上に位置するようにプラスチック製蓋が配置され、蓋カラーは、例えば超音波溶接によって本体カラー(41)に固定される。このようにして生じたカプセルカラー(4)の外側部分は、その後分離される。ここで、外側部分の分離は、刃先(63)を有し、カプセルカラーに沿って周辺にあるブレード(62)を備えた分離工具(61)を使用して行われる。適用されるブレード(62)は、第1の材料の第1の領域および第2の材料の第2の領域を備え、第1の領域は刃先(63)を形成し、第1の材料は第2の材料よりも硬い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調合生成物を作成するための抽出材料で充填されたポーションカプセル(1)を製造するための方法であって、
ベース領域(5)と、周辺側壁(6)と、前記周辺側壁に接続する周辺本体カラー(41)とを、プラスチックの本体(2)に設けることと、
蓋カラー(34)をプラスチックの蓋(3)に設けることと、
前記本体(2)を抽出材料で充填することと、
前記蓋カラー(34)を前記本体カラー(41)に固定し、それによりカプセルカラー(4)が生じる、固定することと、
前記カプセルカラー(4)の外側部分を分離することと
を含み、
前記外側部分の前記分離は、刃先(63)を有するブレード(62)を備えた分離工具(61)を使用して行われ、前記ブレードは、前記カプセルカラーに沿って周辺にあり、前記ブレード(62)は、第1の材料の第1の領域(64)および第2の材料の第2の領域(65)を備え、前記第1の領域は前記刃先(63)まで延在し、前記第1の材料は前記第2の材料よりも硬いことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記分離工具(61)は、前記ブレード(62)を備え前記分離中に前記カプセルカラー(4)を支持する分離アンビルとして設計され、振動する分離ソノトロード(71)が、前記分離中に前記カプセルカラー(4)を前記ブレード(62)に押し付ける、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分離ソノトロード(71)は、平面結合面(72)を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記分離ソノトロード(71)は、前記分離中に前記カプセルカラー(4)に押し付けられる結合面(72)を備え、前記方法は、前記分離ソノトロード(71)が前記ブレード(62)に決して完全に接触しないように実行される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の領域(64)は、前記第2の領域(65)の片側コーティングによって形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記蓋カラー(34)を前記本体カラー(41)に前記固定することは、超音波溶接によって実行される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
溶接アンビル(21)および溶接ソノトロード(22)が、前記超音波溶接のために使用され、前記溶接アンビル(21)は前記固定中に前記本体カラー(41)を支持し、前記溶接アンビルは前記固定中に静止し、前記固定中に前記溶接ソノトロードは、振動し、前記溶接アンビル(21)によって支持される前記本体カラー(41)に前記蓋カラー(34)を押し付ける、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記溶接アンビル(21)は平面支持面(51)を有し、前記溶接ソノトロードは周辺エネルギーダイレクタを備え、またはその逆に、前記溶接アンビルは周辺エネルギーダイレクタを備え、前記溶接ソノトロードは広い結合面を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
先行する請求項のいずれか1項に記載の方法を実行するためのデバイスであって、前記蓋カラー(34)を前記本体カラー(41)に固定するための固定デバイスと、刃先(63)を有する周辺ブレード(62)を備えた分離工具(61)とを備え、前記ブレード(62)は、第1の材料の第1の領域(64)および第2の材料の第2の領域(65)を備え、前記第1の領域は前記刃先(63)を形成し、前記第1の材料は前記第2の材料よりも硬い、デバイス。
【請求項10】
前記本体を前記抽出材料で充填するための充填デバイスをさらに備える、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記固定デバイスは、超音波溶接デバイスである、請求項9または10に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルに収容される抽出材料、例えば挽いたコーヒーからの飲料などの調製に関する。特に、それはポーションカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
ポーションパッケージに存在する抽出材料から飲料を調製するための抽出装置は、例えばコーヒーマシン、エスプレッソマシン、またはティーマシンとしても知られている。多くの対応するシステムでは、ポーションパッケージはカプセルとして設計され、抽出材料は、例えば気密に封止される。抽出のために、カプセルは、互いに対向する2つの側面で穿刺される。一般に、温水が第1の側に導入される。調合生成物は、第2の側でカプセルから導出される。ここで、調製される飲料に応じて、カプセルの内部でかなりの圧力が優勢でなければならない。
【0003】
特に、アルミニウムおよびプラスチック、例えばポリプロピレンは、カプセル材料として知られてきている。しかしながら、アルミニウムカプセルは、その製造において非常にエネルギー集約的である。ポリプロピレンカプセルは、エネルギー費用および廃棄に関して有利であるが、穿刺機構および香りの保存に対する要求が高まっている。いわゆるバイオプラスチックもカプセル材料として議論されている。一方では、再生可能な原材料から製造されたプラスチック(いわゆるバイオ系プラスチック)は、バイオプラスチックと呼ばれる。他方では、バイオプラスチックは、生物学的に分解可能なプラスチック(いわゆる生分解性プラスチック)である。ポーションカプセルの製造のために提案されているプラスチックは生分解性であり、部分的にバイオ系プラスチックの一部を含む。本明細書において、「生分解性」は規格EN13432(日付:2020年末)に従って生物学的に分解性であることを意味し、「バイオ系」は「化石燃料系ではなく再生可能な原材料からの」を意味する。
【0004】
ほぼ立方体形状を有し、プラスチックで製造されたコーヒーポーションカプセルは、国際公開第2010/118543号および国際公開第2015/096990号から知られる。既知のカップ形状のカプセルとは対照的に、これは、アーチ状で平坦ではない蓋を備え、したがって、このカプセルはまた、一方の(上側の)カバー表面の平面において周縁であるカラーを備えない。最新技術によるこのようなカラーは、エネルギーダイレクタを収容するために、超音波溶接によって閉じる際に必要である。国際公開第2010/18543号の教示に従って製造されるカプセルは、その(「立方体」)形状とは無関係に、カバー表面によって画定された平面の間で周辺にあり、最小のカラーのみを形成するが、既知のカプセルのカラーと比較して延長部/側方突出部が大幅に減少する溶接ブロウを有する。製造のために、最初に広いカラーが作成され、それに沿って1つの溶接が行われ、その結果、カラーの外側領域が分離される。
【0005】
国際公開第2010/118543号および国際公開第2015/096990号によるプラスチックカプセルに関して、また比較的小さいカラーを有する他のカプセルに関して、それに応じて、カラーの外側領域が分離される作業ステップを提供しなければならない。しかしながら、従来のパンチングツールは、プラスチック材料が比較的強靭であり、カラーが比較的厚いために、比較的急速に摩耗するという問題を有する。国際公開第2010/118543号および国際公開第2015/096990号では、このような分離のために、超音波分離溶接方法も提案されている。しかしながら、適用される工具の複雑さおよびそれらの装着に関する課題もこれに伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、最新技術の欠点が克服され、特に製造努力が低減されるように、例えば、国際公開第2010/118543号および国際公開第2015/096990号に記載されているタイプのカプセルを製造するための方法をさらに開発することである。さらなる目的は、対応するデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、特許請求の範囲に定義される本発明によって達成される。
調合生成物を作成するための抽出材料で充填されたポーションカプセルを製造するための方法に関して、最初に、ベース領域を有し、周辺側壁を有し、周辺側壁に接続する周辺本体カラーを有するプラスチックの本体が充填される。その後、プラスチック製蓋(特に、本体と同じプラスチック製)が、蓋カラーが本体カラー上に位置するように配置され、蓋カラーは、例えば超音波溶接によってプラスチックカラーに固定される。このようにして生じたカプセルカラーの外側部分は、その後分離される。ここで、外側部分の分離は、刃先を有し、カプセルカラーに沿って周辺にあるブレードを備えた分離工具を使用して行われる。適用されるブレードは、第1の材料の第1の領域および第2の材料の第2の領域を備え、第1の領域は刃先まで延在し、第1の材料は第2の材料よりも硬い。
【0008】
第1の領域が刃先まで延在することは、これが特に、最も外側の刃先まで延在するという文脈で刃先を形成することを意味することができるが、少なくとも第1の分離手順の後、第2の領域は、特定の状況下では第1の領域の厚さに応じて微視的に小さい距離であっても、第1の領域と比較してわずかに後退する。
【0009】
分離工具のブレードを交換する必要が少ないため、このようにして分離手順をより効率的にすることができることが分かった。ブレードの材料が刃先で摩耗している場合、第2の領域での材料除去はまた、刃先のすぐ近くで、具体的には硬度が小さいためにより大きく行われ、その結果、実際の刃先(最も外側)は常に第1の材料からなる。これにより自己鮮鋭化効果がもたらされ、ブレードは、その厚さ全体にわたって均一に摩耗されるように鈍くならない。2つの異なる硬さの材料のナイフについても、例えば、カッティングボードに対する動きなどの使用を考慮して、ナイフが同時に研削されることにより、自己鮮鋭化効果が考えられている。ここで、従来の切断動作が不可能である周方向ブレードを用いて、同様に自己鮮鋭化効果を達成することができることが分かった。
【0010】
この目的のために、特に第1の領域は比較的薄い(本明細書では、厚さは、分離工具およびカウンタピース(例えば、分離ソノトロード、下記を参照)の相対運動の方向に垂直であり、かつ刃先の経路に垂直な延長部、すなわちブレード面に垂直な延長部を示す)。第1の領域の厚さは、例えば40μm以下、特に30μm以下、20μm以下または10μm以下である。
【0011】
このため、第1の領域は、第2の領域のコーティングとすることができる。第1の領域がコーティング以外の方法で製造された場合でも、第1および第2の領域は、ブレード平面に沿って刃先まで、またはこれに近づくように、例えば最大1mmまたは最大0.3mmまで延在する。
【0012】
コーティングとして第1の領域を堆積させる方法は、例えば、スプレーコーティング、浸漬および/またはレーザ堆積(レーザクラッディングであって、添加剤、特に粉末形態(予め堆積された、または粉末供給によって供給された)の、場合によってはワイヤ形態の添加剤を用いる)を含むことができる。コーティングとして設計される第1の領域の可能な材料は、ダイヤモンド粉末、ダイヤモンドライクカーボン(DLC: diamond-like carbon)、酸化鉄、酸化チタン、セラミック、例えば多結晶セラミックなどである。
【0013】
本発明による手順は、分離工具が、ブレードを備え、分離中にカプセルカラーを支持する分離アンビルとして設計されている場合に特に好ましい。特に、分離手順中に振動するソノトロード、特に超音波ソノトロードが、与えられた分離手順に対して、カウンタピースとして機能する。このソノトロードは、与えられた分離手順に対して、カプセルカラーを分離工具のブレードに振動的に押し付ける平面結合面を備えることができる。
【0014】
特に、分離アンビルは、分離手順中に静止していてもよく(その後、ソノトロードは手順中に下方に移動される)、または高々分離ソノトロードに向かって上部への直線運動を受けることができる。いずれの場合でも、分離アンビルは振動せず、そのような実施形態では、カウンタピースとしての分離ソノトロードは、活性であり、また必要なエネルギーで結合する要素であるが、これにもかかわらず、記載された自己鮮鋭化効果が生じる。
【0015】
刃先およびカウンタピース(特にカウンタピースは分離ソノトロードであり得る)が分離工具に決して完全に接触することができないことを除外するように、方法は実行され、その実行のためのデバイスがそれに従って設計されることができる。これらの実施形態では、刃先に面するカウンタピースの表面の硬度に特に要求はない。これは、例えば、第2の領域の硬度と同様であることができ、任意選択的に、カウンタピースは、第2の領域と同じ材料で製造することができる。刃先が表面に接触することができる他の実施形態では、刃先に面する表面は第1の領域よりもさらに硬いことが想定される。自己鮮鋭化効果は、この手段によって強調され、特にカウンタピースの耐用年数もプラスの影響を受ける。
【0016】
蓋カラーの本体カラーへの締結は、超音波溶接によって行うことができる。本明細書では、後続の分離手順または別の分離手順に関して、超音波を生成する同じ機械を利用することができる。両方の場合において、特に、それぞれの手順中にカプセルが支持され案内されるアンビルは、異なるものであってもよく、すなわち、溶接アンビルは、ブレードを有さず、平面支持面を有する。
【0017】
溶接の手順に関して、溶接ソノトロードは、溶接アンビルによって支持された本体カラーに対して振動するように蓋カラーを押し付ける。本明細書の蓋または本体は、例えば周辺微細リブとして設計することができるエネルギーダイレクタを備える。溶接ソノトロードまたは溶接アンビルは、本明細書では、特に、深絞りによって製造される場合のように、蓋または本体が多かれ少なかれ一定の厚さを有する場合、対応するエネルギーダイレクタのリブを備えることができる。
【0018】
分離アンビル、カウンタピース(特に分離ソノトロード)、および場合によっては溶接アンビルおよび溶接ソノトロードの形状は、製造されるカプセルに適合する。特に、実施形態では、ブレードの刃先は、水平面上で周辺にある閉じた輪郭を形成することができる。実施形態では、この閉じた輪郭は、角が丸みを帯びた長方形であり得る。しかしながら、対応するカプセルが製造される場合、円形の輪郭も可能である。
【0019】
カプセルの本体および/または蓋は、深絞り加工によって製造することができる。
本体および/または蓋は、ポリプロピレン、または別のプラスチック、特にバイオプラスチックで製造することができる。
【0020】
方法とは別に、本発明はまた、本方法を実施するためのデバイスに関し、デバイスは、本方法を実施するための手段、したがって、本明細書に記載されている特徴を有するブレードを有する分離工具を備える。デバイスは、充填デバイスおよび/または溶接デバイスをさらに備えることができる。本明細書に記載される適用される工具または補助具の他の特徴もまた、デバイスの任意選択の特徴である。
【0021】
本明細書で比較される硬度は、定義されている限り、スケールC(HRC試験方法)によるロックウェル硬度である。補足的または代替的に(ロックウェル硬度が十分に定義されていない材料についても)、行われたすべての詳細は、研削を受けた場合の挙動を特徴とするRosiwalによる絶対硬度にも適用される。モース硬度計を適用することもでき、例えば、少なくとも5のモース硬度を有する第1の領域を想定することができる。
【0022】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。図中、同じ参照番号は、等しいまたは類似の要素を示す。図面は縮尺通りではなく、図面ごとに異なるサイズで互いに部分的に対応する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による方法で製造可能なカプセルの図である。
【
図2】
図1によるカプセルのための本体の図である。
【
図5】溶接手順中の本体および蓋を有するカプセルの詳細の断面図である。
【
図7】分離手順中の本体および蓋を有するカプセルの詳細の断面図である。
【
図10】分離アンビルの代替的なブレードの図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1によるカプセルは、本質的に、丸い縁を有する立方体の形状を有する。しかしながら、延長部は、厳密な数学的意味で見られる限りにおいて、頂部にある側に向かってわずかに増加し、角錐台の形状を有する。
【0025】
カプセルは、本体(またはカップ)2と、周辺カラー4に沿ってそれに固定された蓋3とを備える。本体2は、カプセルベース5と、軸方向(軸10)に関して外側にあり、
図1の上部にあるその端部においてカラー4によって終端されている周辺側壁6とを形成する。蓋は、周辺カラー4と比較して外側に設定されたカプセルベース5に本質的に平行な蓋表面9によって外側にアーチ状にされている。
【0026】
図2は、充填前および閉鎖前のベース体2(カップ)を示す。本体カラー41は、完成したカプセルのカラー4の延長部よりも大きい延長部を有する。
【0027】
カプセルの製造時に、まず本体2に抽出材料を充填し、続いて蓋3を配置する。
図3および
図4は各々、深絞りによって製造された蓋3の実施例を示し、
図4による実施形態は断面で表されている。
【0028】
図4による設計では、蓋はエネルギーダイレクタ23を備える。これは、蓋カラー34の領域に存在し、断面がほぼV字形の周辺リブの形状を有する。したがって、周辺溝11が後側に(カプセル製造後の外側に)形成される。
【0029】
蓋カラーおよびカプセルカラーは、最終製品と比較して過剰な寸法になっており、すなわち、本体への蓋の固定時または固定後に分離される側方突出部を各々形成する。
【0030】
また、
図4の突出部上にはセットバック領域が存在し、肩部32が形成されている。肩部は、本体に対する位置決めの補助として機能することができる。
【0031】
図1~
図4に描かれている種類のカプセル、本体および蓋もまた、最新技術、例えば国際公開第2015/096990号から既に知られている。
【0032】
図5は、蓋3を本体2に溶接するステップを概略的に示しており、表されているのは完全なカラー4ではない。カプセルを閉じると、本体カラーは、第1のアンビル21によって下方から支持される。第1のアンビル21は、本体2に適合するカップ状の形状を備え、本体2の外径にほぼ対応する内径を有する。カップの縁部に近い上側において、それは、本質的に平坦な支持面51を備える。この形状により、第1のアンビルは、カバー3が配置されている間、本体を支持する。第1のソノトロード(溶接ソノトロード)22は、上方からの超音波エネルギーを蓋カラーに結合し、溶接が行われる。クロスハッチングで示される領域は、エネルギーダイレクタ23の初期位置を示す。実際には、本体カラーおよび蓋カラーはまた、閉鎖後にこの領域の隣で互いに溶接される。
【0033】
さらに、
図5では、周辺側壁と本体カラー41との間の移行部に任意選択的な肥厚部14を見ることができる。そのような肥厚部は、追加の硬化に役立つ。
【0034】
次のステップで、本体カラー41およびそれに溶接された蓋カラー34から形成されたカラー4の突出部が分離される。この目的のために、カプセルは、
図6の断面図に表され、第1のアンビル61と同様に、本体2に適合するカップ状の形状を有し、これに適合する寸法を有する第2のアンビル61内に配置される。第1のアンビルとは対照的に、上縁は支持面を形成せず、刃先63を有するブレード62を形成する。
図7に示すように、振動する第2のソノトロード(分離ソノトロード)71は、カラーが刃先の水平位置(破線の分離線74)で切断されるまで、カラー4(溶接27によって互いに接続された本体カラー41および蓋カラー34を有する)を静止ブレード62に押し付ける。ソノトロードの下方に向けられた結合面72は、本明細書では、少なくとも水平位置74(軸10に垂直な平面内の位置であり、軸は、方法の間、垂直に向けられる)において軸に垂直に、したがってそれが位置する蓋カラー34に平行に延在する。
【0035】
本明細書におけるこの水平位置74は、溶接27の水平位置に対応し、すなわち、ブレードは、分離手順中に溶接27、したがって溶接されるカラー4の領域を貫通する。本明細書の超音波は、二重の効果を有し、第1に、超音波は、ブレードの本体の材料への浸透、続いて蓋の浸透を機械的に単純化することによって分離手順を単純化し、また、局所的な加熱、したがって材料の軟化をもたらすことによって分離手順を単純化する。第2に、この局所的な加熱および軟化のために、超音波はまた、側方への溶接27の封止をもたらす。
【0036】
しかしながら、この超音波誘起分離手順が、打ち抜き手順と比較して周辺ブレード62を省いたとしても、これにもかかわらずブレード62に負担がかかることが分かった。比較的複雑な形状を有する周辺ブレードを頻繁に交換する必要がないようにするために、本発明は、異なる硬度を有する層を用いて多層方式で設計することを提案する。一例を
図8に示す。ブレード62は、第1の材料のブレード本体65を備え、前記ブレード本体は第2の領域を形成する。第2のより硬い材料のコーティング64が、ブレード本体65の片側に堆積される。コーティング64は、第1の領域を形成する。
【0037】
図示の例では、ブレード本体65は、硬質金属、例えば鋼、例えば65HRC(ロックウェル硬度、スケールC)のHSSからなる。図示の例では、刃先63も形成するコーティング64は、例えば71HRCの炭化タングステンなどのセラミックコーティングである。代替材料は、炭化タングステンをベースとする硬質金属、例えば、炭化タングステンコバルト硬質金属、またはTi、Ta、もしくはNbマトリックスをベースとする炭化タングステン硬質金属、または炭化タングステンをベースとしない硬質金属、例えばいわゆるサーメットである。
【0038】
延伸型のコーティングの堆積は、例えば、液体セラミックコーティングワニスの形態で、または噴霧によって行うことができる。
【0039】
2つの領域を用いた構築の効果を
図9に示す。ブレード62の材料が刃先63で摩耗すると、硬度が低いため、第2の領域65でさらに大きな材料除去が行われる。このため、刃先のブレードはコーティングの厚さよりも厚くなることはなく、自己鮮鋭化効果である。
【0040】
ソノトロードの硬度は、少なくとも結合面72の領域において、例えば適切なコーティングによって、第1の領域64の硬度よりも大きくすることができ、すなわち、ソノトロードは刃先の領域のブレードよりもさらに硬い。
【0041】
図10は代替的なブレード60を示しており、それに関して、第1の領域64は、単に刃先63に向かって最も前側の領域にある第2の領域65の薄いコーティングとして設計されている。特に、第1の領域の厚さdは30μm未満とすることができる。幅b(刃先63から離れたブレード平面に沿った延長)は、例えば、比較的低く、例えば0.5mm~15mmまたは1~10mmであることができる。特に、例えば5mm未満、特に3mm未満の低幅bによって、第1の領域の形成に十分な比較的少量の材料を実現することができる。
【0042】
本発明は、特に、
図1に描かれている形状のカプセルの製造に適しており、これは、一方では、分離除去の手順後に比較的小さな寸法のカプセルカラー4を有し、他方では、必要な分離工具を比較的複雑な形状にするためである。しかしながら、この方法は、より従来的なカプセル形状、例えば、
図11に示されている形状のカプセルの製造にも適しており、それに関して、本体2および少なくとも製造手順の最後には、カプセル蓋3も軸(円対称、すなわち任意の角度を中心とした回転に関して対称)を中心に本質的に回転対称に設計される。
【国際調査報告】