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特表2024-543005保護手段をトリガするための方法および保護手段を有する小児拘束装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】保護手段をトリガするための方法および保護手段を有する小児拘束装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/42 20060101AFI20241112BHJP
   B60R 21/0136 20060101ALI20241112BHJP
   B60N 2/28 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B60N2/42
B60R21/0136 310
B60N2/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525461
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2022079411
(87)【国際公開番号】W WO2023072764
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】102021127797.3
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トゥルン クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】スパウアー ジリ
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CD05
3B087CE06
(57)【要約】
本発明は、特に請求項18~20のうちの一項に記載の小児拘束装置内の保護手段、特にエアバッグおよび/またはベルトテンショナをトリガするための方法であって、a)少なくとも1つの測定方向および/または1つの測定方向コリドーを決定するステップと、b)好ましくは異なる方向に向けられている、少なくとも2つの加速度センサ(74x、74y、74z)から加速度センサ信号を受信するステップと、c)測定方向に沿った、および/または、測定方向コリドー内の少なくとも1つの第1の加速度値(aX)を計算するステップと、d)少なくとも、少なくとも1つの第1の加速度値(aX)に基づいてトリガ信号を決定するステップと、e)トリガ信号に基づいて少なくとも1つの保護手段をトリガするステップとを含む、方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に請求項18~20のうちの一項に記載の小児拘束装置内の保護手段、特にエアバッグおよび/またはベルトテンショナをトリガするための方法であって、
a)少なくとも1つの測定方向および/または1つの測定方向コリドーを決定するステップと、
b)好ましくは異なる方向に向けられている、少なくとも2つの加速度センサ(74x、74y、74z)から加速度センサ信号を受信するステップと、
c)前記測定方向に沿った、かつ/または、前記測定方向コリドー内の少なくとも1つの第1の加速度値(aX)を計算するステップと、
d)少なくとも、前記少なくとも1つの第1の加速度値(aX)に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
e)前記トリガ信号に基づいて少なくとも1つの保護手段をトリガするステップと
を含む、方法。
【請求項2】
複数の加速度値、特に、第1の加速度値(aX)が、経時的に決定/計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの警告基準が満たされたときに、警告モードが採用され、好ましくは、警告基準は、前記加速度値、特に、前記第1の加速度値(ax)が、閾値を上回るときに満たされることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記警告モードにおいて、少なくとも1つのトリガ基準が(繰り返し)チェックされ、前記トリガ基準または前記少なくとも1つのトリガ基準のうちの1つは、少なくとも1つの加速度値(ax、ay、az)、特に、少なくとも1つの加速度値に基づいて計算される差分速度(Deltav)に基づく加速度値、に基づくものであり、かつ/または、経時的に変化し、
前記保護手段は、前記警告モードにおいて前記少なくとも1つのトリガ基準が満たされたときにトリガされることを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の、特に請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記警告モードにおいて、少なくとも1つのキャンセル基準が(繰り返し)チェックされ、前記警告モードは、前記キャンセル基準のうちの少なくとも1つが満たされるときに終了し、前記キャンセル基準は、
i)時間切れ、特に、前記警告モードに(最後に)入った時以降に最大時間間隔(tmax)を超えること、および/または
ii)計算ステップ、特に計算ステップc)、の最大回数を超えること、および/または
iii)加速度値、特に、前記第1の加速度値(ax)が閾値を下回ること、および/または
iv)前記計算された差分速度(Deltav)または前記差分速度のうちの1つが閾値を下回ること
を含むことを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の、特に請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記キャンセル基準のうちの少なくとも1つ、特に、前記キャンセル基準ivは、(経過)時間とともに変化し、前記(経過)時間の開始時点(t0)は好ましくは前記警告モードに(最後に)入った時として設定されることを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の、特に請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
較正ステップにおいて、基準平面が、好ましくは前記加速度センサ信号を用いて決定される、重力ベクトル、特に重力(g)を使用して決定され、前記測定方向または前記測定方向コリドーは、前記基準平面を使用して決定されることを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の方法。
【請求項8】
前記基準平面は、好ましくは走行ベクトルの方向を含む、車両平面であり、前記車両平面は、好ましくは、入力、特に傾きの角度を使用して決定されることを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の、特に請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記重力ベクトルおよび/または前記基準平面は、複数の加速度センサ信号、特に、第1の加速度センサ(74x)の複数の加速度センサ信号および第3の加速度センサ(74z)の複数の加速度センサ信号を使用して決定されることを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の、特に請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記重力ベクトルおよび/または前記基準平面は、連続的に、かつ/または反復的に更新され、かつ/または、
前記較正ステップは、連続的に、かつ/または反復的に実施される
ことを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の、特に請求項8および9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのスリープモード基準が、特に前記加速度値を使用して決定され、前記少なくとも1つのスリープモード基準が存在するときに、スリープモードが採用され、前記スリープモードにおいて、加速度値、特に、前記第1の加速度値(ax)の決定は、非スリープモードに割り当てられている第2の周波数よりも小さい(所定の)第1の周波数で決定されることを特徴とする、先行する請求項のうちの一項に記載の方法。
【請求項12】
小児拘束装置、特に請求項18~20のうちの一項に記載の小児拘束装置内の保護手段、特にエアバッグおよび/またはベルトテンショナをトリガするための、特に請求項1~11のうちの一項に記載の方法であって、
a)少なくとも1つの加速度センサ(74x、74y、74z)から加速度センサ信号を受信するステップと、
b)前記加速度センサ信号を使用して少なくとも1つの差分速度(Deltav)を計算するステップと、
c)少なくとも、前記少なくとも1つの差分速度(Deltav)に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
d)前記トリガ信号に基づいて少なくとも1つの保護手段をトリガするステップと
を含む、方法。
【請求項13】
小児拘束装置、特に請求項18~20のうちの一項に記載の小児拘束装置内の保護手段、特にエアバッグおよび/またはベルトテンショナをトリガするための、特に請求項1~12のうちの一項に記載の方法であって、
a)少なくとも1つの加速度センサ(74x、74y、74z)から第1の加速度センサ信号を受信するステップと、
b)前記第1の加速度センサ信号に基づいて、少なくとも1つの測定方向および/または測定方向コリドーを決定するステップ、好ましくは反復的に決定するステップと、
c)(前記)少なくとも1つの加速度センサ(74x、74y、74z)から第2の加速度センサ信号を受信するステップと、
d)少なくとも前記第2の加速度センサ信号に基づいて、好ましくは、前記反復的に決定される測定コリドーまたは前記測定方向を使用して、トリガ信号を決定するステップと、
e)前記トリガ信号に基づいて少なくとも1つの保護手段をトリガするステップと
を含む、方法。
【請求項14】
小児拘束装置、特に請求項18~20のうちの一項に記載の小児拘束装置内の保護手段、特にエアバッグおよび/またはベルトテンショナをトリガするための、特に請求項1~13のうちの一項に記載の方法であって、
a)少なくとも1つの測定方向および/または測定方向コリドーを決定するステップと、
b)少なくとも1つの加速度センサ(74x、74y、74z)から加速度センサ信号を受信するステップと、
c)少なくとも1つの第1の加速度値を計算するステップと、
d)前記少なくとも1つの第1の加速度値を、前記測定方向および/または前記測定方向コリドーと比較するステップと、
e)少なくとも前記比較の結果に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
f)前記トリガ信号に基づいて少なくとも1つの保護手段をトリガするステップと
を含む、方法。
【請求項15】
小児拘束装置、特に請求項18~20のうちの一項に記載の小児拘束装置内の保護手段、特にエアバッグおよび/またはベルトテンショナをトリガするための、特に請求項1~14のうちの一項に記載の方法であって、
a)待機モードに入るための条件をチェックするステップであって、前記条件は、
- 前記小児拘束装置の車両シートへの正しい結合、
- 前記チャイルドシート内の小児の検出、
- 前記拘束装置内の小児の正しい固定、
- 前記拘束装置の支持足部の正しい設置
のうちの少なくとも1つの条件を含む、チェックするステップと、
b)少なくとも1つの加速度センサ(74x、74y、74z)から加速度センサ信号を受信するステップと、
c)少なくとも1つの加速度値および/または前記加速度センサ信号に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
d)前記トリガ信号に基づいて少なくとも1つの保護手段をトリガするステップと
を含む、方法。
【請求項16】
少なくとも1つのコンピューティングユニット上で実行されると、請求項1~15のうちの一項に記載の方法を実施するための命令を有するコンピュータ可読メモリ。
【請求項17】
(動作時に)請求項1~15のうちの少なくとも一項に記載の方法を実施するように適合されている制御および調整ユニット。
【請求項18】
車両内に搭載するための、長手方向軸(xS)、横方向軸(yS)および垂直軸(zS)を有する小児拘束装置、特に、チャイルドシート(10)および/またはインパクトシールド(50)、または、そのような装置の構成要素であって、
- 少なくとも1つの(能動的)保護手段、特に、少なくとも1つの膨張可能ガス袋(71)を有するエアバッグと、
- 前記少なくとも1つの保護手段を起動するための少なくとも1つの駆動ユニット、特に、ガス生成器(72)と、
- 好ましくは請求項1~15のうちの一項に記載の方法を実施するために、トリガ信号によって前記駆動ユニットを起動するための少なくとも1つの制御ユニットと、
- それぞれ第1の加速度センサ信号および第3の加速度センサ信号を出力するための第1の加速度センサ(74x)および第3の加速度センサ(74z)を有する少なくとも1つのセンサユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、好ましくは、前記加速度センサ信号を受信し、前記第1の加速度センサ信号および前記第3の加速度センサ信号に基づいて、前記駆動ユニットが起動されるか否かを判断する、小児拘束装置またはそのような装置の構成要素。
【請求項19】
各々が少なくとも2つの加速度センサ、好ましくは3つの加速度センサ(74x、74y、74z)を有する一次および二次センサユニット(74)を備え、好ましくは、前記一次センサユニットの前記加速度センサ(74x、74y、74z)は、前記二次センサユニットの前記加速度センサよりも高いレートでサンプリングされる、請求項18に記載の小児拘束装置またはそのような装置の構成要素。
【請求項20】
前記第1の加速度センサ(74x)および前記第3の加速度センサ(74z)は、少なくとも実質的に、前記小児拘束装置の前記垂直軸(zS)および前記長手方向軸(xS)によって張られる平面内にまたは前記平面に平行に延在する検出方向において、それぞれ第1の加速度値(rawx)および第3の加速度値(rawz)を検出するためのものであり、かつ/または
前記第1の加速度センサ(74x)および前記第3の加速度センサ(74z)は、互いに少なくとも実質的に直交して配置されており、かつ/または
第2の加速度センサ(74y)が、前記横方向軸に対して少なくとも実質的に平行または同軸に配置されており、かつ/または
前記第1の加速度値(rawx)を検出するための前記第1の加速度センサ(74x)が、前記車両の長手方向軸に対して5°超および/または30°未満の角度を有する1つの/前記検出方向に配置されていることを特徴とする、請求項18または19に記載の小児拘束装置またはそのような装置の構成要素。
【請求項21】
前記制御ユニットおよび/または前記ガス生成器に供給するための少なくとも1つのエネルギー貯蔵部、特に電池を備える、請求項18~20のいずれか一項に記載の小児拘束装置またはそのような装置の構成要素。
【請求項22】
前記保護手段は、少なくとも1つの膨張可能ガス袋(71)を有する少なくとも1つのエアバッグを含み、
a)前記ガス袋(71)は、非膨張状態から膨張状態へと変換することができ、かつ/または
b)前記ガス袋(71)は、前記非膨張状態において少なくとも実質的に折り畳まれ、かつ/または
c)前記ガス袋(71)の前記非膨張状態における前記ガス袋(71)の外面は、前記外面の最大25%にわたって、それぞれの外面が前記外面の第2の点において前記外面に垂直に交差することが当てはまるように、かつ/または
前記少なくとも1つのガス袋(71)の前記非膨張状態において、前記ガス袋の前記外面の最大25%が前記外面の別の部分と直接的に接触するように、構成されていることを特徴とする、請求項18~21のうちの一項に記載の小児拘束装置またはそのような装置の構成要素。
【請求項23】
少なくとも局所的に所定の圧力に達したかまたは前記圧力を超えたときに、前記ガス袋(71)からガスが逃げることによって圧力が除去されるように、少なくとも1つの圧力制限装置が前記ガス袋(71)と関連付けられており、解放時の前記圧力除去は、好ましくは、少なくとも、前記ガス袋(71)の下側領域および/もしくは後方領域内で、ならびに/または、前記ガス袋(71)の縁部において行われることを特徴とする、請求項18~22のうちの一項に記載の、特に請求項22に記載の小児拘束装置またはそのような装置の構成要素。
【請求項24】
前記膨張状態における前記少なくとも1つのガス袋(71)は、最大30cm、好ましくは最大18cmの厚さを有し、かつ/または、少なくとも実質的に平坦であり、特に、厚さ方向に垂直な少なくとも1つの方向における広がりよりも小さい厚さを有し、かつ/または、前記小児拘束装置または前記小児高速装置の構成要素の残りの部分から最も遠い点が、最大30cm、好ましくは最大18cm離れており、かつ/または
前記膨張状態における前記少なくとも1つのエアバッグ(71)は、最大20リットル、好ましくは最大12リットルおよび/または少なくとも1リットル、好ましくは少なくとも3リットルの内部容積を有することを特徴とする、請求項18~23のうちの一項に記載の、特に請求項22または23に記載の小児拘束装置またはそのような装置の構成要素。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの(能動的)保護手段を備える、車両シート内に取り付けるための小児拘束装置、特に、チャイルドシートおよび/またはインパクトシールド、ならびに、保護手段をトリガする(作動させる)ための方法に関する。
【0002】
DE 4 418 028 A1は、インパクトシールドを有するチャイルドシートを記載しており、インパクトシールドは、エアバッグを備える。エアバッグは、(衝撃の際に)チャイルドシートに座っている小児の頭部を保護するために、インパクトシールドの上側区画内に配置されている。
【0003】
DE 20 2017 105 118 U1もまた、インパクトシールドを有するチャイルドシートを開示している。この最新の技術水準によれば、エアバッグは、インパクトシールドの上側区画および下側区画を互いから離して広げるために、例えば、インパクトシールドの上側区画もしくは下側区画またはインパクトシールドの中央などの、様々な位置に配置することができる。さらに、DE 20 2017 105 118 U1は、ある加速度値を超えると閉じることができるベルトシステムの形態の保護手段を有するチャイルドシートを記載している。
【0004】
DE 10 2017 126 235 A1は、下側区画または後方区画(チャイルドシートに座っている小児に面する)のいずれかに配置されている、エアバッグを有するインパクトシールドを有するチャイルドシートを記載している。
【0005】
DE 19 722 095 C1は、エアバッグが中に配置される支持ブラケットを有するチャイルドシートを記載している。トリガされると、エアバッグのガス袋が広がる。これは、可能な限り制御された態様で行われるべきである。
【0006】
DE 4 418 028 B4は、エアバッグをチャイルドシート上に配置する様々な方法を示す。ガス生成器が、各事例において、ガス袋のすぐ隣に配置されている。
【0007】
US 5 375 908 Aは、ガス生成器がチャイルドシートのシート区画内に配置されている、エアバッグを有するチャイルドシートを示す。
【0008】
DE 19 534 126 C1は、加圧ラインを介してエアバッグに供給する、チャイルドシートのシート部に一体化されているガスカートリッジを記載している。
【0009】
EP 1 452 386 B1は、中空ハウジング内に配置されている、胸パッド内のエアバッグを記載している。
【0010】
US 6 736 455 B1は、その初期状態において、クッション状区画の下に配置されているエアバッグを記載している。
【0011】
チャイルドシートの使用と事故状況の両方が検出された場合にのみ、エアバッグがトリガされ、事故状況が、機械的手段と電子的手段の両方を有する検出手段によって検出される、能動的保護手段(例えば、エアバッグ)を有するチャイルドシートが、EP 2911910 B1から既知である。
【0012】
チャイルドシートの加速度が第1の時間間隔内に第1の閾値を超え、第2の時間間隔内に第2の閾値を超えた場合にのみ、エアバッグがトリガされ、第2の時間間隔が、第1の時間間隔内に包含され、第2の閾値が第1の閾値よりも大きい、能動的保護手段(例えば、エアバッグ)を有するチャイルドシートが、EP 2911910 B1から既知である。
【0013】
EP 3406481 B1において、シートおよびシート基部を備え、能動的保護手段(例えば、エアバッグ)を有するチャイルドシートが記載されており、エアバッグは、座部の傾斜がシート基部に対して調整されている間は、トリガすることができない。
【0014】
これまで、チャイルドシートのための能動的保護手段を有する様々なソリューション(特にエアバッグソリューション)は、市場を制することができなかった。これは、可能性として、以下のような、従うことが困難であることがある要件に起因する。
- 保護手段を安全かつ信頼可能に使用できること(特に、エアバッグのみから生じ得るあらゆる危険性の回避または少なくとも低減)。
- ユーザにとって追加の労力が許容可能であること。
- 容易に使用され得ること。
【0015】
標準的なチャイルドシートは車両の電気系統に接続されないため、特に、トリガ制御が問題を課す。これは、チャイルドシートがそれ自体の信頼可能な電源を必要とし、その制御システムが、車両の多数の利用可能なセンサ情報にアクセスできないことが多いことを意味する。
【0016】
したがって、本発明の目的は、従来技術の問題を克服する、保護手段を有する小児拘束装置および対応する保護手段をトリガするための方法を提供することである。特に、装置および方法は、安全で、操作が容易であり、信頼可能なトリガをもたらすべきである。
【0017】
この目的は、特に、請求項1の特徴によって解決される。
【0018】
特に、この目的は、車両内の小児拘束装置内の保護手段をトリガするための方法であって、
a)少なくとも1つの測定方向および/または測定方向コリドーを決定することと、
b)好ましくは異なる方向に向けられている、少なくとも2つの加速度センサから加速度センサ信号を受信することと、
c)測定方向に沿った、および/または、測定方向コリドー内の少なくとも1つの第1の加速度値を計算することと、
d)少なくとも、少なくとも1つの第1の加速度値に基づいてトリガ信号を決定することと、
e)トリガ信号に基づいて能動的保護手段をトリガすることと
を含む、方法によって解決される。
【0019】
したがって、本発明の1つの態様は、いくつかの加速度センサの使用および評価に基づき、特定の態様について、好ましくは、特定の方向、すなわち測定方向において作用し、かつ/または、特定の測定方向コリドー内にある加速度成分が、考慮に入れられる。測定方向コリドーは、例えば、測定方向を中心として回転対称である円錐などの容積体、または、測定方向の周りの角度範囲とすることができる。測定方向コリドーはまた、平面またはベクトルによって指定することもできる。
【0020】
少なくとも、少なくとも1つの第1の加速度値に基づくトリガ信号の決定は、トリガ信号の直接的および間接的決定を含むことができる。例えば、加速度値は、トリガ信号を与えるための前提条件の存在を検出するために使用することができる。トリガ信号を与えるための直接の基準は、場合によっては、他の信号または値に基づいて、例えば、加速度センサ信号を使用して決定することができる。1つの実施形態において、少なくとも1つの第1の加速度値に基づいて警告モードが採用される。
【0021】
加速度センサは、好ましくは、異なる方向に向けられた加速度センサである。そのような加速度センサは、例えば、加速度センサユニットなどの、ユニットに組み合わされることが多い。1つの実施形態において、少なくとも2つの軸、好ましくは3つの軸上の加速度値を測定する加速度センサユニットが使用される。好ましくは、使用される軸は、互いに垂直にすることができる。
【0022】
測定方向に沿っておよび/または測定方向コリドー内で行われる少なくとも1つの加速度値の計算には、特定の方向において発生する事故の加速度パターン特性を評価することができるという利点がある。これは、例えば、小児拘束装置の不注意な取り扱いに起因して発生する誤ったトリガを回避することができることを意味する。これは、小児拘束装置を設置するとき、および/または、車両内での小児拘束装置の位置調整をするときの破裂を含む。小児または乳児自身が小児拘束装置上でまたは小児拘束装置において加速力をトリガする可能性もあり、これによっても、誤ったトリガが発生する可能性があり得る。好ましくは特定の方向に沿って発生する特定の加速度値を考慮に入れることによって、望ましくないトリガを防止することができる。さらに、(異なる)予め定義された軸に沿って発生する計算された加速度値の評価を使用して、事故特有のトリガ挙動を実装することができる。例えば、異なるガス袋および/もしくはガス袋区画、または、異なるシーケンス内の同じガス袋および/もしくはガス袋区画を、側方衝突ではなく正面事故において充填することができる。すでに説明したように、特定の加速度値の発生が、直接的にそれぞれの保護手段のトリガをもたらす必要はなく、特定のトリガの前提条件となり得る。
【0023】
1つの実施形態において、複数の加速度値、特に、複数の第1の加速度値が、経時的に決定される。決定または計算された第1の加速度値は、能動的保護手段をトリガするときに考慮に入れることができる。1つの実施形態において、これらの加速度値の評価は経時的に行われ、それらが経時的な特性値経過と比較され、その結果、少なくとも実質的に一致が存在する場合にのみトリガが行われるようにする。しかしながら、本発明によれば、様々な他の評価も、経時的に実行することができる。例えば、閾値比較を、特定の複数の時点において実行することができる。
【0024】
1つの実施形態において、少なくとも1つの警告基準が満たされたときに、警告モードが採用される。警告基準は、例えば、加速度値のうちの1つ、特に、計算された加速度値のうちの1つ、例えば、第1の計算された加速度値が、閾値を(少なくとも1回)上回る場合とすることができる。閾値は、好ましくは、0.5g(g=重力に起因する通常の加速度=9.81m/s)を上回り、かつ/または、5g未満とすることができる。閾値は、特に好ましくは、1.5g~2.5gの範囲内にある。これらの閾値の結果として、警告モードは、予め定義された方向におけるより高い加速度値においてのみ起動される。同時に、閾値は、可能性のあるトリガ状況が「見落とされる」か、または、認識されるのが遅すぎるほど高くは設定されない。
【0025】
本発明の利点は、少なくとも、加速度値に基づく警告基準を、単純な力センサを使用して決定することができることである。力センサは、使用中、非常に省エネルギーであり、その結果、装置内で記載されている方法を実施するのに、小さいエネルギー貯蔵で十分である。
【0026】
さらに、好ましくは追加の警告基準を定義することもできる。例えば、追加の警告基準は、測定温度が所定の間隔内、好ましくは-30℃~100℃、例えば、-20℃~40℃の間隔内にあることであってもよい。1つの実施形態において、温度は、能動的保護手段(例えば、エアバッグ)自体の上で、および/または、制御ユニットの上で測定される。
【0027】
警告モードは、トリガへの予備段階と考えることができる。警告モードにおいて、例えば、能動的保護手段がトリガされるべきであるか否か(特に、エアバッグがトリガされるべきであるか否か)を、非常に短い間隔において、例えば、少なくとも2ミリ秒(ms)おきに好ましくは毎ミリ秒おきにチェックすることが可能である。可能なチェック間隔は、0.2ms~0.8msの範囲内とすることができる。
【0028】
言い換えれば、警告モードにおいて、少なくとも1つのトリガ基準を繰り返しチェックすることができる。これは、例えば、加速度センサ信号のうちの少なくとも1つに基づいて決定される少なくとも1つの加速度値、および/または、この第1の加速度値に基づいて計算される値のモニタリングであってもよい。1つの実施形態において、少なくとも1つの加速度値に基づいて計算される差分速度がモニタリングされるか、または、閾値を計算された差分速度だけ超えることが、トリガ基準として使用される。
【0029】
1つの実施形態において、差分速度は、いくつかの加速度値を使用して計算される。例えば、受信される各加速度センサ信号について、1つの加速度値(例えば、異なるセンサ軸について)を決定することができる。
【0030】
本発明によれば、少なくとも1つのトリガ基準および少なくとも1つの警告基準を決定するために、同じ力センサを加速度センサとして使用することができる。したがって、本方法を実施するためのハードウェア要件は低い。必要とされるセンサが少ないほど、電力消費は低くなる。
【0031】
本発明によれば、少なくとも1つの加速度値に対していくつかの差分速度を計算し、これらを複数の異なる閾値と比較することが想定される。例えば、経時的に変化する閾値を使用することができる。1つの実施形態において、差分速度は、警告モードへの遷移が最後に生じたときの状態から開始して、複数回計算される。
【0032】
1つの実施形態において、上記時点から開始する差分速度(警告状態への遷移時の速度と比較した)を決定するために、(1つの軸またはいくつかの軸の)加速度値が、経時的に積分されるか、または、別の適切な態様で加算される。この目的のため、任意の加速度値を考慮に入れることができる。
【0033】
1つの実施形態において、トリガは、以下の少なくとも2つのトリガ基準に結び付けられる。
a)差分速度が、場合によって個々に、時点に割り当てられる閾値を超える。
b)差分速度を決定するために使用される加速度値が、(主に)それらの作用方向に関して、目標コリドー内にある。
【0034】
目標コリドーは、ベクトルによって指定することができる。好ましくは、目標コリドーは、ベクトルおよび角度によって指定される。目標コリドーは、すでに説明した測定方向コリドーとすることができる。目標コリドーは、1次元ベクトル、2次元面または3次元体とすることができる。これに関連して、目標コリドーという用語は、目標方向という用語を含む。好ましくは、これは円錐である。
【0035】
有効な方向を決定することは、トリガモードへの(最後の)遷移以後に決定または測定された加速度ベクトルを加算および場合によって正規化することを含むことができる。これは、最終的にトリガをもたらす差分速度が(主に、例えば50%を超えて)目標コリドー内にある加速度/加速度ベクトルに基づくものであることを保証することができる。
【0036】
1つの実施形態において、トリガ基準は、計算されている差分速度が、予め定義されたデッドタイムの後であっても依然として十分に高い値を有する場合に、満たすことができる。このデッドタイムは、例えば、1~50ms、好ましくは2~10msの間隔内で選択することができる。
【0037】
このデッドタイムを超えた後、差分速度は、1つの実施形態においてデッドタイムに続く時間間隔内で(連続的に)低減する閾値と比較することができ、その結果、対応して高い差分速度がこの期間中に存在する場合に、トリガの可能性が相対的に高くなる。この時間間隔の後、少なくとも1つの実施形態において、閾値は、後続の時間間隔内で再び増大する。好ましくは、前の時間期間内でトリガ基準が満たされなかったことを条件として、再び警告モードを脱することを保証する最大時間が存在する。
【0038】
警告モードは、1つまたは複数のキャンセル基準が満たされる場合に、終了することができる。キャンセル基準は、以下を含むことができる。
i)時間切れ、特に、警告モードへの(最後の)遷移以後に最大時間間隔を超えること、および/または
ii)計算ステップ、特に計算ステップc)、の最大回数を超えること、および/または
iii)加速度値、特に、第1の加速度値が閾値を下回ること、および/または
iv)1つの/複数の加速度値に基づいて計算される差分速度が閾値を下回ること。
【0039】
能動的保護手段のトリガはまた、いくつかのトリガ基準に結び付けることもできる。これらは、すでに言及したもののうちの少なくとも1つに加えて、以下から選択することができる。
- 測定温度が指定の間隔内、好ましくは-30℃~100℃、例えば、-20℃~40℃の間隔内にあること。1つの実施形態において、温度は、能動的保護手段(例えば、エアバッグ)自体の上で、および/または、制御ユニットの上で測定される。
- さらなる、特に二次加速度センサユニットが、警告モードの開始以後の少なくとも1回の測定において閾値を超える加速度値を決定または計算していること。例えば、これは、2.5gの閾値であってもよい。1つの実施形態において、これは、2gよりも大きい加速度値とすることができる。
- 二次加速度センサユニットが、警告モードの開始以後、平均して(適切な平均値を使用して)予め定義された閾値を超える加速度値を計算および/または測定していること。この閾値は、2gまたは1.5gとすることができる。
【0040】
1つの実施形態において、本方法は、少なくとも1つの較正ステップを含む。好ましくは、本方法は、較正状態、すなわち、一定の時間期間にわたって較正が実施されるモードを実装することができる。較正モードまたは較正ステップにおいて、基準平面が、特に重力gの、重力ベクトルを使用して決定される。この基準平面は、測定方向または測定方向コリドーを決定するために使用することができる。重力ベクトルは、加速度センサ信号を使用して決定することができる。
【0041】
1つの実施形態において、基準平面は、好ましくは走行ベクトルの方向を含む、車両平面であってもよく、車両平面は、拘束装置基準データ、例えば、拘束装置傾斜角を使用して決定される。
【0042】
較正モードへの遷移は、ロックモードから行うことができる。較正モード後、待機モードに遷移することが可能である。1つの実施形態において、較正モードはまた、待機モードまたはその可能な実施形態である。較正モードまたは待機モードからロックモードに戻る切り替えが想定されるのは、所定の条件が満たされない(または、もはや満たされることがない)場合、例えば直ちに、または、所定の時間(例えば、2分)にわたってこれが当てはまる場合、であることが想定され得る。
【0043】
較正モードにおいて、較正ループを(数回)通ることができる。そのために、第1のステップにおいて、加速度センサユニットによって加速度を検出することができる。重力に起因する加速度に関連する向きを検出することによって、シートの向きまたはシート座標系または加速度センサユニットの座標系を、第2のステップにおいて決定することができる。次いで、第3のステップにおいて、測定方向における(例えば、車両の走行方向における、および/または走行方向の水平成分の方向における)加速度を決定することができる。
【0044】
ここで、「走行方向の水平成分の方向における」とは、特に、方向が水平に向いており(すなわち、重力に起因する加速度に対して垂直)、走行方向に関係する横方向成分がないことを意味する。最後に、キャンセル事象が発生するまで、所定の周波数において前述のステップを繰り返すことが想定され得る。
【0045】
したがって、具体的には、較正ループが、以下のステップを含むことができ、それによって、この実施形態においては、加速度センサユニットのx軸が横方向成分を有しないこと、車両シートの座標系が車両の座標系および加速度センサユニットのx軸と合致すること、または、対応する座標系が角度αだけ立ち上がることが仮定される。言い換えれば、加速度センサユニットのx軸は、鋭角αで車両平面と交差する。さらに、この実施形態について、加速度センサユニットのz軸も横方向成分を有せず、x軸に垂直であることが想定される。
1.それぞれの軸の方向における加速度a1およびa3の測定。
2.車両平面を水平面に関係付ける角度βの決定。これは、例えば、度単位のβの量を最大25とすることができるように、βの現実的な角度のみを考慮することのみが意図され得る。
3.aおよびaの対応する成分を加算することによる、(車両平面内の)走行方向における加速度adrおよび/または走行方向の水平成分の方向におけるadrhの決定。
【0046】
水平面に対する車両平面の傾きに加えて、本発明によるさらなるオフセット角を考慮に入れることができる。
- オフセット角γ:車両平面に対するチャイルドシート座標系の傾き、
- オフセット角α:チャイルドシート座標系に対する加速度センサユニットの座標系の傾き。
【0047】
γは、別個の測定によって推定および/もしくは決定することができ(例えば、車両が現在水平面上にあることが分かっている場合)、ならびに/または、ユーザからの入力によって指定することができる。1つの実施形態において、γは、好ましくは0~30°の値、より好ましくは、10°~20°の値を使用して推定される。
【0048】
本方法は、値を記憶すること、および/または、記憶されている値を読み出すことを含むことができる。測定値が利用可能でないか、または、測定値の数が少なすぎる場合、較正ループの開始時に、βの事前設定の値を使用することができる。代替的に、チャイルドシートの以前の使用中に決定されたβの値(特に、この目的のために記憶されているものであり得る、決定されている最後の値)を使用することができる。
【0049】
1つの実施形態において、較正モードから警告モードへの移行は、所定数の測定値が取得されるまで許可されないことが想定され得る。
【0050】
1つの実施形態において、警告モードに入ると、較正が停止されることが想定され得る。
【0051】
別の実施形態において、較正がバックラウンドで実行され続けることが想定され得る。この場合、計算は、(好ましくは)依然として、警告モードに入るときに決定される較正の測定方向(または対応する測定方向コリドー)に基づくことができ、または、計算は、連続的に更新される測定方向(または対応する測定方向コリドー)に基づくことができる。
【0052】
[第1の変形例:平均化]
1つの実施形態において、アンサンブルが複数の測定結果を包含するように、(較正モードにおいて)測定値のアンサンブルを形成することが提供され得る。好ましくは、アンサンブルの複数の測定値は、直接的に連続する測定値から(それだけからまたは部分的に)成ることができる。複数の直接的に連続する測定値および/または直接的に連続する測定値の数は、100超または1000超または10000超の数であってもよい。複数および/または上記数の直接的に連続する測定値は、1秒超または5秒超または20秒超の時間間隔からの測定値、および/または、最大10分または最大90秒の時間間隔からの測定値を含んでもよい。
【0053】
さらに、(各場合において、アンサンブルと関連付けられる測定値に関して)互いに直後に続くか、または、重なり合う連続したアンサンブルを形成することが想定され得る。特に、単一のアンサンブルのみを形成し、新たな(好ましくは現在の)測定値をアンサンブルに追加し、その代わりに別の(好ましくは最も古い)測定値をアンサンブルから削除することによって、アンサンブルを連続的に更新することも想定され得る。
【0054】
アンサンブルが形成されると、第2のステップに関連して、最初に、適切な平均値(例えば、算術平均、幾何平均、調和平均または中央値)を使用して個々の測定値からaおよびaの各々を計算し、次いで、この平均値から角度βまたは角度和α+βを推測することが想定され得る。各個々の測定値について角度または角度和を計算し、適切な平均値を形成することによって、このように得られた結果からβまたはα+βを決定することも想定され得る。
【0055】
[第2の変形例:反復的調整]
平均化(第1の変形例)に対して代替的に、較正モードにおいて角度βを反復的に更新することが想定され得る。これを行うために、β自体を反復的に更新することができるか、または、aおよびaの各々が反復的に更新され、βを計算するために使用される。
【0056】
β自体が反復的に更新される場合、βの既知の値(特に、測定によって決定されているβの値、好ましくは、測定によって決定されているβの最近の値)を、新たな測定から決定される値に対してオフセットすることが必要であることが想定され得る。既知の値がβaltとしてラベル付けされ、新たな測定から決定される値がβneuとしてラベル付けされる場合、例えば、β=a*βalt+b*βneuを適用することができ、aおよびbは係数である。好ましくはaおよびbは各々定数であり、好ましくはa+b=1であり、aは、好ましくはbよりも大きく、特に、少なくとも2倍大きい。新たな測定結果が利用可能になると直ちに、βaltをβの値に設定することができ、新たなオフセットを実行することができる。このように、外れ値に対してロバストなβの現在値を、常に、非常に少ないメモリおよび低いエネルギー消費で提供することができる。
【0057】
1つの実施形態において、少なくとも1つの計算される加速度値もまた、反復的に決定または更新することができる。これは、βについてすでに説明したように、すなわち、毎回、既知の値を新たな測定から決定される値によってオフセットすることによって、行うことができる。好ましくは、計算はまた、βについてすでに説明したような係数(場合によっては定数)を使用して実行される。
【0058】
1つの実施形態において、少なくとも1つのスリープモード基準が、特に、加速度値および/またはセンサ信号を使用して決定され、それによって、少なくとも1つのスリープモード基準が存在する場合に、スリープモードが採用される。このスリープモードまたはスリープモード基準は、本方法を実施する装置のエネルギー消費を減少させるために使用することができる。例えば、スリープモードにおいて、加速度値、特に、第1の加速度値の決定は、非スリープモードと関連付けられる第2の周波数よりも(大幅に)小さい第1の周波数で行なうことができる。
【0059】
スリープモード基準は、センサ信号または加速度値の、重力に起因する加速のみが発生するときに発生する、予測加速度値との比較とすることができる。これに関連して、特定の公差を提供することで、スリープモード基準を満たすには、所定の時間間隔にわたって、加速度センサの測定値の一部または全部が、重力に起因する加速度の値の周囲に存在しなければならないようにすることもできる。
【0060】
決定された加速度値または測定された加速度センサ信号のうちの少なくとも1つがもはや指定の間隔内にない場合に、スリープモードを脱することができる。例えば、スリープモードを脱した後に、以前に説明した較正モードまたは較正ステップを通ることができる。
【0061】
ハーネスの状態がすでにロックモードを脱するための基準にない場合、ハーネスの状態を、代替的にまたは付加的に、好ましくは前述の基準とは無関係に、スリープモードに入るための基準として考慮に入れることができる。ハーネスが開いたときに(直ちにまたは所定の時間後に)スリープモードに入ることが想定され得る。ハーネスが閉じると、再びスリープモードを脱することができる。
【0062】
冒頭に述べた目的はまた、以下の方法によっても解決される。説明したものと同様または類似の利点がもたらされる。
【0063】
(能動的)保護手段をトリガするための方法であって、
a)少なくとも1つの加速度センサから加速度センサ信号を受信するステップと、
b)少なくとも1つの第1の加速度値を計算するステップと、
c)差分速度を計算するステップと、
d)少なくとも差分速度に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
e)トリガ信号に基づいてエアバッグをトリガするステップと
を含む、方法。
【0064】
差分速度は、第1の加速度値に基づくことができ、または、直接的に、加速度センサ信号に基づくことができる。後者の実施形態において、必要に応じて、少なくとも1つの第1の加速度値の計算は、省略されてもよい。
【0065】
(能動的)保護手段をトリガするための方法であって、
a)少なくとも1つの加速度センサから第1の加速度センサ信号を受信するステップと、
b)第1の加速度センサ信号に基づいて、少なくとも1つの測定方向および/または測定方向コリドーを決定するステップ、好ましくは反復的に決定するステップと、
c)(上記)少なくとも1つの加速度センサから第2の加速度センサ信号を受信するステップと、
d)少なくとも第2の加速度センサ信号に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
e)トリガ信号に基づいてエアバッグをトリガするステップと
を含む、方法。
【0066】
第1の加速度センサ信号および第2の加速度センサ信号は、異なる加速度センサに由来する信号であってもよい。代替的にまたは付加的に、それらは、異なる時点において受信される信号であってもよく、少なくとも1つの第2の加速度センサ信号は、各事例において、第1の加速度センサ信号の後に受信される。1つの実施形態において、第2の加速度センサ信号は、第1の加速度センサ信号と同じ加速度センサに由来する。
【0067】
(能動的)保護手段をトリガするための方法であって、
a)少なくとも1つの測定方向および/または測定方向コリドーを決定するステップと、
b)少なくとも1つの加速度センサから加速度センサ信号を受信するステップと、
c)少なくとも1つの第1の加速度値を計算するステップと、
d)少なくとも1つの第1の加速度値を、測定方向および/または測定方向コリドーと比較するステップと、
e)少なくとも比較結果に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
f)トリガ信号に基づいてエアバッグをトリガするステップと
を含む、方法。
【0068】
(能動的)保護手段をトリガする方法であって、
a)待機モードに入るための条件をチェックするステップであって、条件は、
- 小児拘束装置の車両シートへの正しい結合、
- チャイルドシート内の小児の検出、
- 拘束装置内の小児の正しい固定、
- 拘束装置の支持足部の正しい設置
のうちの少なくとも1つの条件を含む、チェックするステップと、
b)少なくとも1つの加速度センサから加速度センサ信号を受信するステップと、
c)少なくとも1つの加速度値および/または加速度センサ信号に基づいてトリガ信号を決定するステップと、
d)トリガ信号に基づいてエアバッグをトリガするステップと
を含む、方法。
【0069】
前述の方法の保護手段は、エアバッグであってもよい。本方法は、特に後述するような小児拘束装置とともに使用されてもよい。本方法は、各事例において、上述した実施形態、特に、請求項1~11の実施形態および/またはその部分的な態様と組み合わせることができる。本方法は、車両内の保護手段をトリガするのに適している。
【0070】
冒頭に述べた目的はまた、すでに説明した方法のうちの1つを実施するための命令を有するコンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読メモリによっても解決される。
【0071】
さらに、目的は、動作中に上記方法を実施するように設計されている制御および調整ユニットによって解決することができる。
【0072】
方法に関連してすでに説明したものと同様または類似の利点がもたらされる。
【0073】
冒頭に述べた目的はまた、車両内に設置するための、長手方向軸、横方向軸および垂直軸を有する小児拘束装置、特に、チャイルドシートおよび/またはインパクトシールドによって、または、そのような車両の構成要素によっても解決される。このとき、小児拘束装置は、以下を備えることができる。
- 少なくとも1つの(能動的)保護手段、特に、少なくとも1つの膨張可能ガス袋を有するエアバッグ、
- 少なくとも1つの保護手段を起動するための少なくとも1つの駆動ユニット、特に、ガス生成器、
- トリガ信号によって駆動ユニットを起動するための少なくとも1つの制御ユニット、
- それぞれ第1の加速度センサ信号および第3の加速度センサ信号を出力するための第1の加速度センサおよび第3の加速度センサを有する少なくとも1つのセンサユニット。
【0074】
制御ユニットは、好ましくは、加速度センサ信号を受信し、第1の加速度センサ信号および第3の加速度センサ信号に基づいて、駆動ユニットが起動されるか否かを判断する。
【0075】
ここでも、方法に関連してすでに説明したものと同様の利点がもたらされる。説明したように、小児拘束装置は、少なくとも2つの加速度センサを有するセンサユニットを備えることができる。好ましくは、これらのいくつかの加速度センサは、特定の方向において発生する加速度のみが利用されるように、使用される。代替的に、異なる方向に作用するいくつかの加速度値を考慮に入れることもできるが、本発明に従って別個の評価が実行されるべきである。
【0076】
小児拘束装置または上記構成要素は、各々が少なくとも2つの加速度センサを有する一次センサユニットおよび二次センサユニットを備えることができる。1つの実施形態において、好ましくは加速度センサ信号を互いに直交して供給する3つの加速度センサが提供される。1つの実施形態において、一次センサユニットの加速度センサは、二次センサユニットのものと比べてより頻繁にサンプリングされる。一次センサ加速度ユニットは、例えば、10Hzよりも高い、好ましくは100Hzよりも高い、またはさらには1kHzよりも高い第1の所定の周波数においてサンプリングすることができる。1つの実施形態において、一次センサユニットの加速度センサは、10kHzよりも低いサンプリングレートにおいてサンプリングされる。
【0077】
1つの実施形態において、それぞれ第1の加速度値(x軸)および第3の加速度値(z軸)を検出するための第1の加速度センサ(x軸)および第3の加速度センサ(z軸)は、検出方向に配置され、検出方向は、小児拘束装置の垂直軸および長手方向軸によって張られる平面内にまたは当該平面に平行に延在する。
【0078】
1つの実施形態において、第1の加速度センサおよび第3の加速度センサは、互いに(少なくとも実質的に)直交して配置されている。方向情報に関連して「実質的に」という用語が使用される場合、これは、(ここで、上記で、および/または、以下において)方向情報が指定の方向から最大20°または最大15°だけ逸脱することを意味することができる。逸脱の符号はここでは無関係であり、したがって、+20°~-20°または+15°~-15°の間隔に及ぶ。
【0079】
第2の加速度センサ(y軸)は、小児拘束装置の横方向軸に対して(少なくとも実質的に)平行または同軸に位置調整される。
【0080】
第1の加速度値を検出するために、加速度センサは、車両の長手方向軸に対して5°超および/または30°未満の角度を有する1つの/上記検出方向に配置することができる。
【0081】
加速度センサの位置調整についてこれまで論じた可能性は、特に、測定された加速度に基づいて為される任意の計算および判断(例えば、制御ユニットによる)に関して有利である。しかしながら、他の構成も可能である。原則として、互いに直交する異なる加速度センサの位置調整は、必須ではない。それらを互いに異なる角度において位置調整することによって、1つの方向における測定の正確度を、別の方向における測定正確度と引き換えに向上させることができる。
【0082】
例えば、2つまたは3つの加速度センサ(好ましくは、チャイルドシートの長手方向軸または車両の長手方向軸に対して対称)の各々がチャイルドシートの長手方向軸または車両の長手方向軸の方向に成分(好ましくは同じサイズの)を有するような、これらの加速度センサの位置調整も可能である。これには、期待される最も大きい加速度(すなわち、真っ直ぐ走行しているときは車両の走行方向、または、車両の長手方向軸の方向における)の検出を、3つすべての加速度センサにわたって分散させることができ、したがって、特に効率的であり得、したがって、個々の加速度センサの同じ測定範囲によって、より高い加速度を検出することができるという利点がある。1つの実施形態において、例えば、2つまたは3つの加速度センサは、車両の長手方向軸またはチャイルドシートの長手方向軸に対して45°に配置することができ、同時に、互いに直交することができる。
【0083】
原則として、本発明のほとんどの態様はまた、単一のセンサによって実現することもできる。この1つのセンサは、好ましくは、x軸およびz軸によって張られる平面内に存在することができ、x軸に対して20°~40°の角度で上向きに傾けることができる。
【0084】
本発明による小児拘束装置は、2つ以上の方向のための加速度センサ(例えば、3軸センサ)を有する少なくとも1つの加速度センサユニットを有することができる。加速度センサユニットは、チャイルドシートの後ろ側付近に(すなわち、チャイルドシートの、車両シートの背もたれに面する側に)提供することができる。付加的にまたは代替的に、加速度センサユニットは、チャイルドシートの下側の近くに(すなわち、小児拘束装置の、車両シートの座面に面する側に)提供することができる。好ましくは、加速度センサユニットは、小児拘束装置の後方締結手段の間の(仮想)接続線の中心(小児拘束装置の横方向に関して)および/または近くに配置される。ここで、近くとは、距離が最大10cmであることを意味することができる。
【0085】
第1の加速度センサ(x軸)は、その横方向成分がゼロになるように位置調整することができる。特に、第1の加速度センサは、後方から前方へとわずかに上昇する(オフセット角γ参照)ように、少なくとも実質的に(真っ直ぐ走行しているときの走行方向に関して)位置調整させることができる。
【0086】
好ましくは、γは鋭角であり、より好ましくは、5°超および/または30°未満の角度である。特に好ましくは、γは7°~18°の角度である。
【0087】
加速度センサユニットの第2の加速度センサ(y軸)は、第1の加速度センサに垂直に、横方向に位置調整させることができる。
【0088】
第3の加速度センサ(z軸)は、第1の加速度センサおよび第2の加速度センサにそれぞれ垂直に位置調整させることができる。
【0089】
いくつかの加速度センサユニットは、小児拘束装置内に設置することができる。加速度センサユニットのうちの少なくとも1つは、一次ユニットとして動作することができる。
【0090】
(一次)加速度センサユニットは、第1の所定の周波数において加速度を検出するか、または、加速度値を測定することができる。所定の周波数は、例えば、10Hz超、好ましくは100Hz超、特に好ましくは1kHz超とすることができる。加えて、所定の周波数は、場合によっては最大10kHzであってもよい。
【0091】
二次加速度センサユニットは、第2の所定の周波数において加速度を検出するか、または、加速度値を測定することができ、第2の所定の周波数は、好ましくは、第1の所定の周波数よりも低いものとする(例えば、第1の所定の周波数の30%~70%)。
【0092】
小児拘束装置は、制御ユニットおよび/またはガス生成器に供給するための少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置、特に電池(例えば、リチウムイオン蓄電池)を有することができる。1つの実施形態において、ガス生成器は、流体リザーバおよび/または火工技術によって稼働する。しかしながら、ガス生成器が電気的に動作することも可能である。好ましくは、小児拘束装置内の制御ユニットは、それ自体のエネルギー貯蔵ユニットによって給電され、小児拘束装置を車両の電気系統に接続する必要はないようにする。
【0093】
さらなる有利な実施形態は、従属請求項に示されている。
【0094】
いくつかの図面を参照して、以下、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】エアバッグを有する第1のチャイルドシート(基部なし)の斜視図である。
図2図1によるチャイルドシートを下から見た図である。
図3】エアバッグが展開または膨張されている別のチャイルドシートの側面図である。
図4】平坦な地面上の車両内の測定加速度値の(高度に)概略化した図である。
図5】上り坂を走行している車両内の測定加速度値の(高度に)概略化した図である。
図6】車両内の計算された加速度値のさらなる図である。
図7図1および図3によるチャイルドシートのエアバッグをトリガするための制御ユニットのいくつかの動作モードの概略図である。
図8a】測定方向コリドーの概略図である。
図8b】測定方向コリドーの概略図である。
図9】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図10】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図11】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図12】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図13】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図14】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図15】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図16】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図17】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図18】エアバッグを制御するための基準を図解するための複数の異なる図のうちの1つの図である。
図19】センサユニット、および、エアバッグを膨張させるためのガス生成器と通信接続している制御ユニットの概略図である。
図20】複数の異なる軸上で測定される加速度値に対する複数の異なる評価戦略のうちの1つの図である。
図21】複数の異なる軸上で測定される加速度値に対する複数の異なる評価戦略のうちの1つの図である。
図22】複数の異なる軸上で測定される加速度値に対する複数の異なる評価戦略のうちの1つの図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
以下の説明において、同一のおよび同一に作用する部分には同じ参照符号が使用されている。
【0097】
図1は、本体20と、インパクトシールド50と、エアバッグ70(詳細には示されていない)とを有するチャイルドシート10を示す。本体20は、シート区画21(中心区画21M、左側21Lおよび右側21Rを有する)と、背もたれ22と、サイドウィング(またはサイドボルスタ)23と、ヘッドレスト24と、側面衝突保護部29と、締結手段28とを備える。インパクトシールドは、少なくとも実質的に横方向に延在し、中央区画51、左区画52および右区画53、およびカバー57を有する。第1の間隙121が、中央区画51(特に、図面では見えないその底面51B)とシート区画の中心区画21との間に形成される。
【0098】
図2は、図1によるチャイルドシート10を下からのビューで示し、ガス袋71(シート区画21の底面21Bの前方区画にある)、ガス生成器72およびセンサユニット74を有するエアバッグ70が提供される。センサユニット74は、図2には示されていない制御ユニット(またはコントローラ)100に通信可能に接続されている。
【0099】
図3は、図1および図2によるチャイルドシートに概ね対応し得るチャイルドシート10を示し、差異は下記に説明する。図3によるチャイルドシート10は、(図1によるものとは対照的に)基部90を有する本体20と、インパクトシールド50と、エアバッグ70とを有する。図1のチャイルドシート10と同様に、本体20は、シート区画21と、背もたれ22と、ヘッドレスト24とを備える。インパクトシールド50は、(少なくとも実質的に)横方向に延在する。エアバッグ70は、図示されていない非膨張状態においてインパクトシールド50(図示せず)の中央区画の周りに配置されているガス袋71と、好ましくはインパクトシールド50の空洞内に配置されており、制御ユニット(コントローラ)100に通信可能に接続されているガス生成器72とを備える。
【0100】
基部90は、支持足部92と締結手段28(特に、Isofixアンカー)と、制御ユニット100(図示せず)とを有し、制御ユニット100は、締結手段28の中、上または付近に(例えば、10cm未満または5cm未満の距離をおいて)配置されているセンサユニット74に、例えば、バスを介して、通信可能に接続されている。
【0101】
図3は、説明したように、エアバッグ70をその膨張状態において示す。ガス袋71はガスで充填され、その結果、第1の間隙121および第2の間隙122が、(最初に)チャイルドシート10に対して前方に動かないように小児を拘束するために、(この時点で)より狭く形成される。上面の表面内の隆起が、小児の頭部を受け入れるように構成されている。この実施形態のガス袋71は、少なくとも3リットル、好ましくは少なくとも5リットルの容積、および/または、15リットル未満、好ましくは10リットル未満の容積を有してもよい。
【0102】
図19は、制御ユニット100に通信可能に接続されているガス生成器72およびセンサユニット74を概略的に示す。本発明の1つの実施形態において、センサユニット74は、互いに直交する加速度センサ74x、74、74zによって3つの異なる軸(x、y、z)上の加速度値rawX、rawY、rawZを決定することができる3軸センサである。対応するセンサ信号が、例えば、バスを介して制御ユニット100に通信される。制御ユニット100は、インターフェース106を介してセンサ信号を受信する。インターフェース106はまた、ガス生成器72とも通信接続されている。ここでもバス通信を確立することができる。ガス生成器72への通信接続は、ガス生成器72のステータスをチェックするため、および/または、トリガ信号によってガス生成器72を起動してガス袋71を充填するために使用される。
【0103】
制御ユニット100は、制御および調整ユニットとすることができる。これは、特定の用途向けにカスタマイズされた(小型)コンピュータまたは専用ハードウェアのいずれかとすることができる。図19に示す制御ユニット100は、ステータスデータを記憶し、適切な制御戦略を実施するためにコンピューティングユニット104によって実行される命令を記憶するためのメモリ102を備える。
【0104】
図7は、対応する制御戦略を示す。1つの実施形態の例において、制御ユニット100は、実質的に図7に示すような動作状態を有する状態機械を実装することができる。これらは、ロックモード200、待機モード210および点火モード220である。
【0105】
制御ユニット100が、以下の動作条件のうちの1つまたは複数(場合によってはすべて)が満たされたときに限り、待機モード210に切り替わる(また、それ以外の場合はロックモード200に留まる)ことが想定され得る。
- チャイルドシート10が車両シートに正しく結合されている(好ましくは、IsofixまたはLATCHが正しく結合されている)。
- 小児がチャイルドシート10内にいる(特に、例えば、シート区画内の重量センサによって検出される)。
- 例えば、以下のように、小児が正しく固定されている。
- ハーネスが閉じられている(肩ベルトおよび膝ベルトのすべての、好ましくは2つのベルトタングが、股ベルトハーネスに正しく接続されている)、必要に応じて、付加的にまたは代替的に、1つまたは複数のベルトが、予め定義された閾値を上回って張られている。
- インパクトシールド50が正しく取り付けられている(すべての締結手段が正しく取り付けられている、それぞれの係合手段が互いに係合されている、必要に応じて、付加的にまたは代替的に、1つまたは複数のベルトが予め定義された閾値を上回って張られている)。
- 支持足部25が正しく取り付けられている、特に、力が加わっている(下端が車両床に載った状態で支持足部25が静止しており、同時に、好ましくは回転可能な(特に、スペースを節約した格納のために折り畳み可能な)上端が、チャイルドシート10の別の構成要素、特に、シート基部および/またはシート区画21および/または背もたれ22に接続されている)。
【0106】
ロックモード200と待機モード210との間の移行は、関連付けられるセンサの測定の結果に応じて開閉するスイッチであって、例えば、それにより、(例えば、エネルギー源によって)電気回路を閉じることができるスイッチによって実現することができる。
【0107】
待機モード210において、チャイルドシート10は、基本的に、エアバッグ70をトリガすることができる状態にある。言い換えれば、最終的に点火をもたらす特定のトリガ基準が実際に満たされることを保証するための信頼できる測定値を取得することができるような、すべての一般的な条件が満たされている。
【0108】
1つの実施形態の例において、待機モード210は、3つの状態、すなわち、較正モード211、警告モード213およびスリープモード215を含む。ロックモード200を脱した後、制御ユニット100によって実装される状態機械は、好ましくは、1つの実施形態の例において較正ループを通る較正モード211に入る。この較正ループにおいて、加速度値rawX、rawY、rawZが測定され、これらに基づいて、重力に起因する加速度に対する加速度センサ74x、74y、74zの基本的な向きを決定することが試行される。利用可能な情報に応じて、(重力に垂直な)水平面drh内または(例えば、車両の車軸を通して横たえられている)車両平面dr内の車両の走行方向または移動方向を、加速度値rawX、rawY、rawZに基づいて決定することができる。
【0109】
この走行方向は、警告モードに入るための基準およびトリガ基準をチェックするために使用することができる。エアバッグ70が動作待機モード210にあるが、所定の時間にわたって測定された加速度が重力に起因する加速度gのみであるとき、エネルギーを節約するためにスリープモード215が提供される。これは、車両が移動していないか、または、エアバッグ70をトリガする意味がないような、わずかな程度しか動いていないと仮定することができることを意味する。システムのスリープモード215への移行は、加速度値rawX、rawY、rawZと、重力に起因する加速度に基づいて予測される値との比較に基づいて行うことができる。ここで、特定の公差を提供することができる。スリープモードのための基準がもはや満たされない場合、システムは較正モード211に戻る。
【0110】
1つの実施形態において、常時、車両の再位置調整を検出し、考慮に入れるために、較正モード211において較正ループが連続的に実行される。言い換えれば、車両平面は、車両平面に基づいてチャイルドシート10および/またはセンサユニット74の位置調整を推定または計算するために、測定した重力加速度gによって連続的に再決定される。
【0111】
その後、(この実施形態の例においてはadrに対応する、車両平面内における)計算されたx加速度値aXが予め定義された閾値を上回る場合に、警告モード213への遷移が発生し得る。この閾値は、例えば、2×g(すなわち、重力に起因する加速度の2倍)であることができる。したがって、基本的な着想は、例えば、事故の場合には通常のことであり、制動中には通常では達成されないような、測定方向(説明されている実施形態の例においては、これは走行方向に対応する)における著しい加速度が検出される場合に、制御ユニット100が警告モード213に遷移することである。しかしながら、誤ったトリガを回避するために、図7による実施形態の例において、点火モード220に直接的には切り替えられない。代わりに、実施形態の例は、実際のトリガが発生する前に警告モード213においてチェックされる少なくとも1つのトリガ基準を提供する。
【0112】
本発明の(独立した、または、さらなる)態様は、トリガ基準において、複数の異なる軸上の加速度が別個に考慮されることである。下記により詳細に例示する、好ましい実施形態の例において、実質的に車両の走行方向内で発生する加速力のみが、考慮に入れられる。図8aおよび図8bは、対応する測定方向または測定方向コリドー3を示す。後述する実施形態の例において、加速度センサ74x、74y、74zの向きにかかわらず、車両の長手方向軸xFに沿って発生する加速度値のみが考慮に入れられ得る。しかしながら、図8aおよび図8bに示すように、トリガ基準を決定するときに考慮に入れられる加速度値のコリドー3を許容することも可能である。図8a、図8bに示すように、コリドー3は、その原点がチャイルドシート10またはセンサユニット74の中心にある円錐とすることができる。そのような円錐は、例えば、74xおよび74zなどの、2つの加速度センサのみが使用されるときには、角度の範囲にまで減じ得ることが理解される。
【0113】
1つの実施形態の例において、センサユニット74は、y加速度センサ74yが車両の横方向軸yFに平行または同軸に(例えば、車両の軸に平行に)正確に向けられるように、正確に搭載されてもよい。チャイルドシート10は通常、少なくとも実質的に同じ横方向向きで搭載されるため(小児が見る向きが走行方向と同じかまたは対向する)、y加速度センサ74yは、工場渡しで対応する態様でチャイルドシート10内に搭載することができる。x加速度センサ74およびz加速度センサ74zは互いに直交するとともに、y加速度センサ74yにも直交して配置されるため、車両が直線内で走行しているとき、x加速度センサ74xおよびz加速度センサ74zに(横方向の)加速力は作用しない。これは、図4図6にあるような2次元ビューを得ることができることを意味する。加速度のy成分は、この実施形態の例において(少なくとも最初は)無視することができる。
【0114】
車両が、図4に示すように、平坦な道路上で水平面に平行に走行しているかまたは停止している場合、x加速度センサ74xは、水平面に対して角度αだけ傾き得る。これは、x加速度センサ74xが(車両平面に関する)チャイルドシート10の平坦な配置構成に対して傾いているという事実に基づき得る。図4に示す実施形態の例において、チャイルドシート10の座標系は、角度αを説明するために、車両の座標系と同一視される。したがって、この図解において、チャイルドシートの長手方向軸xS、横方向軸ySおよび垂直軸zSは、車両の長手方向軸xF、横方向軸yFおよび垂直軸zFと一致する。車両が水平になっているにもかかわらず、重力に起因する加速度gは、測定によるx加速度値rawXおよび測定によるz加速度値rawZに分解され、これらは、角度αだけ傾斜したセンサユニット74によって検出される。
【0115】
図5において、車両は、ここで、水平面に対して上り坂を走行しているか、または、それに従って位置調整されている。図5に示すように、道路、および、したがって車両平面は、水平面に対して角度βだけ傾いている。したがって、センサユニット74の座標系は、(この例では、車両の横方向軸yFを中心として)角度αおよびβの合計だけ、水平面に対して傾いている。重力に起因する加速度gは、x加速度センサ74xおよびz加速度センサ74zにわたってさらにより分散される(x加速度値が増大する)。角度αが分かっており、チャイルドシート10が車両の平面に平行に位置調整されると仮定される場合、走行方向における加速度adrは、適切な較正(較正モード211参照)後の測定による加速度値rawX、rawZから容易に決定することができる。角度αは、例えば、外部入力に基づいて、または、工場渡しで設定することができる。角度αが分からない場合、1つの実施形態の例において、走行方向の水平成分、すなわち、水平面の方向における加速度adrhを決定することができる(図20参照)。両方の手法が、最新の技術水準と比較してトリガ挙動の(大幅な)改善を達成するのに十分である。
【0116】
図6は、さらなる角度としてγ角を導入する。これは、横方向軸yFを中心とした車両平面に対するチャイルドシート10の傾きを示す。この角度γは、車両シートが、多くの場合、車両平面に関して傾いており、結果としてチャイルドシート10が傾いて位置調整されることをモデル化する。1つの実施形態の例において、角度γが推定される。別の実施形態の例において、角度γの別個の測定(例えば、車両が現在水平面上にあることが分かっている場合)を行うことができ、または、角度γはユーザからの入力によって設定することができる。γが推定される場合、好ましくは0~30°の値、より好ましくは、10°~20°の値が使用される。角度γが分からない場合、1つの実施形態の例において、走行方向の水平成分、すなわち、水平面の方向における加速度adrhを決定することができる(図20参照)。この手法は、最新の技術水準と比較してトリガ挙動の(大幅な)改善を達成するのに十分である。
【0117】
すでに説明したように、走行方向における加速度adr(または、説明したような実施形態によれば、代わりにadrh)は、チャイルドシート10が較正モード211から警告モード213に切り替わるべきであるか否かを判定するために使用することができる。したがって、走行方向における加速度adr(場合によってはadrh)のこれらの測定値または計算値は、エアバッグ70の点火、すなわち、警告モード213から点火モード220への遷移が指示されるか否かを判定するために使用することができる。これに関連して、複数の異なる戦略が存在する。特に、警告モード213を維持するか否か、点火モード220への変更を指示するか否か、または、警告モード213(点火なし)をキャンセルする(例えば、較正モード211に戻る)か否かを判断する基準を提供することができる。
【0118】
1つの実施形態の例において、値adr(場合によってはadrh)に基づいて、これは、2つの曲線と経時的に連続的に比較される。第1の曲線は、システムに較正モード211に戻らせる経時的な閾値を指定する。第2の曲線もまた、経時的な閾値であり、第2の曲線によって指定されるこれらの閾値が超えられる場合、警告モード213から点火モード220に切り替えられる。
【0119】
特定の加速度値adr(またはadrh)を考慮する代わりに、1つの実施形態の例において、差分速度ΔvまたはDeltavが計算され、制御ユニットが警告モード213に遷移した時点から考慮される。差分速度Deltavは、好ましくは、(測定方向における加速度だけでなく)完全な加速度情報に基づく。例えば、測定による加速度値rawx、rawy、rawzを使用して、3次元空間における(警告モードへの遷移以後の)差分速度を決定することができる。
【0120】
1つの実施形態の例において、差分速度を決定するために使用される加速度ベクトルの方向を、追加のトリガ基準(方向基準)として使用することができる。したがって、差分速度が閾値を超えた後(図13図15に関する説明を参照されたい)、加速度ベクトルの合計が目標コリドー内にあるか否かをチェックすることができる。目標コリドーは、図8a、図8bに示す測定方向コリドー3とすることができる。
【0121】
図9は、経時的な実質的に静的な第1の曲線を示し、キャンセルのために、特定の閾値がt~tmaxの時間間隔内で定義される。曲線は、一例として菱形によって示されている測定値がキャンセルをもたらさず、警告モード213の維持をもたらすと理解されるものとする。追加のキャンセル基準として、制御ユニット100は、点火が時点tmaxまでに行われなかった場合、時点tmaxの後に自動キャンセルが行われることを指定することができる。
【0122】
図10は、図9の曲線と同様に、tとtmaxとの間で定義され、線形的に増大する第1の曲線の代替形態を示す。したがって、この第1の曲線は、警告モード213を維持するために、経時的に、次第に高くなる要件が、決定されている差分速度Deltavに課されることを指定する。差分速度Deltavが指定の実線を下回る場合、これは、キャンセル(較正モード211への変更)をもたらす。対応する例示的な値が、図10において星印によって表されている。
【0123】
本発明によれば、対応する第1の曲線は、任意裁量の複雑な態様で構造化することができる。図11は、閾値が時点tとtとの間で一定であり、その後、tからtmaxへと増大する実施形態の例を示す。
【0124】
図12は、t=0とtmaxとの間で定義され、最初はx軸に沿って延伸する(差分速度=0)第1の曲線の実施形態を示す。時点tにおいて、第1の曲線は、急激に上昇し、その後、図11に示す例の過程に従う。しかしながら、そこに示されている状況とは対照的に、元々測定されていた加速とは反対の方向に加速が行われ、その結果、差分速度Deltavが0を下回る場合、始まり(t=0)からキャンセルが発生し得る。
【0125】
図13図18は、閾値を経時的に指定する第2の曲線の可能な構成を示し、閾値を超えると、点火モード220への変更が生じる。対応する差分速度が、図13において黒色の菱形で図解されている。一実施形態の例において、これはエアバッグのトリガをもたらす。図13の曲線は、t~tmaxの期間内で定義されており、一定の閾値を指定する。1つの実施形態の例において、さらなる基準が満たされる場合にのみ、トリガが生じ得る(例えば、すでに説明した方向基準、または、温度基準、または、車両バスによって提供される情報に関係する基準などを参照されたい)。
【0126】
図14は、tとtmaxとの間で定義され、線形的に増大する第2の曲線の可能性を示す。指定の閾値を超えない限り、エアバッグ70の点火は行われない(星形の例示的な値を参照されたい)。
【0127】
図15は、tとtmaxとの間で定義され、t~tの第1の範囲内で一定であり、その後、tからtmaxへとますます増大する、第2の曲線の可能性を示す。
【0128】
図16は、図15とほぼ同じ状況を示すが、ここでは、第2の曲線は、tmaxに近づくにつれてはるかにより先鋭的に上昇し、その結果、勾配は(ほぼ)無限になる。
【0129】
図17は、第2の曲線がtとtmaxとの間で定義され、t~tの第1の範囲内で下降し、その後、tからtmaxへと上昇する、別の実施形態の例を示す。
【0130】
図18は、t=0とtmaxとの間で定義され、最初はtから時点tへと線形的に下降し、その後、時点t’まで一定のままであり、最終的にtmaxまで線形的に上昇する第2の曲線の可能性を示す。本発明によれば、個々の第1の曲線および第2の曲線は、任意の所望の形態で互いに組み合わせることができる。最終的に、それらは、システムに警告モード213に留まらせるコリドーを定義する。コリドーを下回る場合、方法は較正モード211において継続し、警告モード213に新たに入るのを待つ。コリドーを超える場合、まだ満たされる必要があるさらなるトリガ基準がないことを条件として、点火が行われる。
【0131】
記載されている実施形態の例のうちのいくつかにおいては、測定による加速度値は、制御ユニット100によって、利用可能な情報(角度α、βおよびγ)に基づいて、また、選択された構成(y加速度センサが車両の横方向軸yFに平行にまたは同軸に位置調整されている)を考慮して、測定方向に沿った関連する加速度値adrにマッピングされた(図21参照)。
【0132】
別の実施形態の例において、計算による加速度値adrh(水平面内)を、加速度値adr(車両平面内の走行方向に沿った)の代わりに使用することができる(図20)。これは、角度γまたは一般的に車両平面に対するセンサユニット74の向きを決定的に決定することができない場合に指示される。
【0133】
本発明は、ガス生成器、例えば、発火カートリッジを使用して膨張されるエアバッグの形態の保護手段に関連して前述した。本発明によれば、電気モータまたは火工技術手段によって操作される、ベルトテンショナなどの、他の(能動的)保護手段も使用することができる。ガス生成器はまた、蓄圧器として、例えば、加圧推進剤を有するカートリッジとして設計することもできる。
【0134】
しかしながら、本発明はまた、測定による加速度値rawX、rawYおよびrawZに基づいて各々決定される、いくつかの計算による加速度値aX、aY、aZによって実装することもできる。
【0135】
(能動的)保護手段をトリガするための多数の方法を上述した。これは、本方法は、基本的に種々の保護手段をトリガするのに適していることを意味する。これは、本方法が、特定の個別の事例においていくつかの保護手段をトリガするか、または、それらがいくつかの保護手段を同時にもしくは次々とトリガすることができるように実装されることを意味するものではない。むしろ、本発明による方法を実現するためには、単一の保護手段のトリガで十分である。
【0136】
この点において、個々に、および、任意の組み合わせにおいて取り上げられている上述した部分のすべて、特に、図面に示す詳細が、本発明のさらなる実施形態として特許請求されることに留意すべきである。その変形形態が可能である。
【0137】
この点において、上述した部分または特徴のすべては、各事例において個別に、さらにはそれぞれの文脈において付加的に記載されている特徴なしに、たとえこれらが、例えば、「特に」、「好ましくは」、例えば(for example)、例えば(e.g.)、「任意選択的に」、丸括弧()などを使用することによって、それぞれの文脈において任意選択の特徴として個別に明示的に特定されていない場合であっても、または組み合わせまたは任意の部分組み合わせにおいて、特に本明細書の導入および特許請求の範囲において定義されているような、本発明の独立した実施形態またはさらなる発展とみなされるべきであることも指摘される。ここからの逸脱も可能である。具体的には、「特に」という文言または丸括弧()は、それぞれの文脈において必須でない特徴を明示的に特徴付けるように意図されていることが指摘される。
【0138】
最後に、保護権(登録または許可の場合、本発明の保護権)を求める本出願は、可能な限り広い本発明の保護範囲を、可能な限り広く目標としていることが指摘される。読まれる際には、特に明示的に開示されている特徴または特徴の組み合わせの(中間)一般化に関する限り、これを念頭に置くことが求められる。
【符号の説明】
【0139】
10…チャイルドシート、20…本体、21…シート区画、21R…(シート区画の)右側、21L…(シート区画の)左側、21B…(シート区画の)底側/下側、21M…(シート区画の)中心区画、22…背もたれ、23…サイドウィング/サイドボルスタ、24…ヘッドレスト、25…支持足部、26…上部テザー、28…締結具(例えば、Isofix)、29…側面衝突保護部、50…インパクトシールド、52…左インパクトシールド区画、53…右インパクトシールド区画、54…(インパクトシールドの)固定区画、55…(インパクトシールドの)緩衝剤、57…カバー、58…第1の区画、59…第2の区画、70…エアバッグ、71…ガス袋、72…ガス生成器、74…センサユニット、74x…x軸センサ、74y…y軸センサ、74z…z軸センサ、77…ステアリング装置、78…近位区画、79…遠位区画、80…ガス出口、81…ガス入口、82…シーリング、83、83’…結合手段、84…チャネル、90…基部、90B…(基部の)底側/下側、92…支持足部、100…制御ユニット、102…メモリ、104…コンピューティングユニット、106…インターフェース、200…ロックモード、210…待機モード、211…較正モード、213…警告モード、215…スリープモード、220…点火モード、rawX…測定による加速度値(X軸)、rawY…測定による加速度値(Y軸)、rawZ…測定による加速度値(Z軸)、aX…計算による加速度値(X軸)、aY…計算による加速度値(Y軸)、aZ…計算による加速度値(Z軸)、xS、yS、zS…チャイルドシートの長手方向軸、横方向軸、垂直軸、xF、yF、zF…車両の長手方向軸、横方向軸、垂直軸、Deltav…差分速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】