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特表2024-543019β鎖媒介免疫を調節するための組成物及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】β鎖媒介免疫を調節するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20241112BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241112BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20241112BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N15/62 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61P43/00 105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525726
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022079051
(87)【国際公開番号】W WO2023077155
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/274,430
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/274,446
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/274,449
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ガネサン,ラクマー
(72)【発明者】
【氏名】グレワル,イクバル,エス.
(72)【発明者】
【氏名】シン,サンジャヤ
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,マイケル,リース
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB31
4C085DD62
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
抗Vβ17抗体又はその抗原結合断片を記載する。抗体をコードする核酸、抗体を含む組成物、抗体を生成する方法、及び疾患を治療又は予防するために抗体を使用する方法についても記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Vβ17と結合する抗体であって、
(1)(i)配列番号31のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(VH)の、VH相補性決定領域1(CDR1)、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号32のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(VL)の、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(2)(i)配列番号65のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号66のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(3)(i)配列番号99のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号100のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(4)(i)配列番号133のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号134のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(5)(i)配列番号167のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号168のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(6)(i)配列番号201のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号202のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(7)(i)配列番号235のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号236のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(8)(i)配列番号269のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号270のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(9)(i)配列番号303のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号304のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(10)(i)配列番号337のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号338のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(11)(i)配列番号371のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号372のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;
(12)(i)配列番号405のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号406のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL;又は
(13)(i)配列番号439のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;(ii)配列番号440のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVL、を含む、抗体。
【請求項2】
前記VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、Kabatの番号付けシステムに従う、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、Chothiaの番号付けシステムに従う、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、AbMの番号付けシステムに従う、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、Contactの番号付けシステムに従う、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
前記VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、IMGTの番号付けシステムに従う、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
前記抗体が、ヒト化抗体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項8】
前記抗体が、IgG抗体である、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項9】
前記IgG抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4抗体である、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
前記抗体が、κ軽鎖を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項11】
前記抗体が、λ軽鎖を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項12】
前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項13】
前記抗体が、Vβ17抗原に結合する、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項14】
抗体が、Vβ17エピトープに結合する、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項15】
前記抗体が、Vβ17に特異的に結合する、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項16】
前記抗体が、多価である、請求項1~15のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項17】
前記抗体が、少なくとも3個の抗原に結合することができる、請求項16に記載の抗体。
【請求項18】
前記抗体が、少なくとも4個の抗原に結合することができる、請求項16に記載の抗体。
【請求項19】
前記抗体が、少なくとも5個の抗原に結合することができる、請求項16に記載の抗体。
【請求項20】
前記抗体が、多重特異性抗体である、請求項1~19のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項21】
前記抗体が二重特異性抗体である、請求項20に記載の抗体。
【請求項22】
前記抗体が三重特異性抗体である、請求項20に記載の抗体。
【請求項23】
前記抗体が四重特異性抗体である、請求項20に記載の抗体。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体をコードする、核酸。
【請求項25】
請求項24に記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項26】
請求項25に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項27】
請求項25に記載のベクターと、前記ベクターを使用するための説明書とを含む、キット。
【請求項28】
請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体と、前記抗体を使用するための説明書とを含む、キット。
【請求項29】
請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項30】
請求項29に記載の医薬組成物を製造する方法であって、前記抗体を薬学的に許容される担体と組み合わせて、前記医薬組成物を得ることを含む、方法。
【請求項31】
Vβ17を発現するT細胞を活性化する方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体を、Vβ17を発現するT細胞と接触させることを含む、方法。
【請求項32】
前記接触させることが、請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体と接触させていないVβ17を発現するT細胞と比較して、CD69、CD25、及び/又はグランザイムBの発現を増加させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
2つ以上の標的分子に結合する抗体を作製するためのプロセスであって、前記プロセスが、T細胞上に存在するVβ17に結合する第1の結合ドメインを得る機能を果たすための工程と、標的細胞の表面上の第2の標的に結合する第2の結合ドメインを得る機能を果たすための工程と、T細胞上に存在するVβ17及び標的細胞の表面上の第2の標的に結合する抗体を提供する機能を果たすための工程と、を含む、プロセス。
【請求項34】
標的細胞の表面上の第2の標的に結合する第2の結合ドメインを得る機能を果たすための前記工程がn回繰り返され、T細胞上に存在するVβ17及びn個の標的分子に結合する第1の結合ドメインを提供する機能を果たすためのn個の工程を更に含み、nが少なくとも2である、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体を作製するプロセスであって、前記抗体を産生する条件下で請求項26に記載の宿主細胞を成長させることを含む、プロセス。
【請求項36】
前記プロセスが、前記抗体を単離することを更に含む、請求項35に記載の作製するプロセス。
【請求項37】
Vβ17を発現するT細胞を標的細胞に方向付ける方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体を前記標的細胞と接触させることを含み、第2の標的が前記標的細胞の表面上に存在し、前記接触させることが、前記T細胞を前記標的細胞に方向付ける、方法。
【請求項38】
標的細胞の成長又は増殖を阻害する方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体を、前記標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する前記標的細胞と接触させることを含み、前記接触させることが、前記Vβ17を発現するT細胞の存在下であり、前記接触させることが、前記標的細胞の成長又は増殖の阻害をもたらす、方法。
【請求項39】
対象における標的細胞を排除する方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体を、前記標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する前記標的細胞と接触させることを含み、前記接触させることが、前記Vβ17を発現するT細胞の存在下であり、前記接触させることが、前記標的細胞の排除をもたらす、方法。
【請求項40】
対象における疾患を治療する方法であって、有効量の請求項1~23のいずれか一項に記載の抗体を前記対象に投与することを含み、前記疾患は、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する前記標的細胞によって全て又は部分的に引き起こされる、方法。
【請求項41】
前記対象がヒトである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記対象がそれを必要としている対象である、請求項40又は41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,430号、2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,446号、及び2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,449号の利益を主張し、それらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(電子的に提出された配列表の参照)
本願は、電子的に提出される配列表を含む。電子配列表の内容(065768-135WO1_Sequence Listing.xml;サイズ:512333バイト;及び作成日:2022年10月31日)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
(分野)
特定の態様では、Vβ17に結合する抗体、並びにベクターを含有する組換え細胞、及び抗体を含む組成物が本明細書に提供される。抗体の作製及び使用方法も提供される。
【0004】
(概要)
一態様では、本開示は、配列番号31のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(VH)の、VH相補性決定領域1(CDR1)、VH CDR2及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVH;配列番号32のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(VL)の、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17と結合する抗体を提供する。
【0005】
別の態様では、本開示は、配列番号65のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに配列番号66のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0006】
一実施形態では、本開示は、配列番号99のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに配列番号100のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0007】
別の実施形態では、本開示は、配列番号133のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに配列番号134のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0008】
一態様では、本開示は、配列番号167のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号168のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0009】
別の態様では、本開示は、配列番号201のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号202のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0010】
一実施形態では、本開示は、配列番号235のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号236のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0011】
別の実施形態では、本開示は、配列番号269のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号270のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0012】
一態様では、本開示は、配列番号303のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号304のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0013】
別の態様では、本開示は、配列番号337のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号338のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0014】
一実施形態では、本開示は、配列番号371のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号372のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0015】
別の実施形態では、本開示は、配列番号405のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号406のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0016】
一態様では、本開示は、配列番号439のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH;並びに配列番号440のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を提供する。
【0017】
本開示はまた、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、Kabat番号付けシステムに従う、抗体も提供する。
【0018】
本開示はまた、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、Chothia番号付けシステムに従う、抗体も提供する。
【0019】
本開示はまた、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、AbM番号付けシステムに従う、抗体も提供する。
【0020】
本開示はまた、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、Contact番号付けシステムに従う、抗体も提供する。
【0021】
本開示はまた、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列が、IMGT番号付けシステムに従う、抗体も提供する。
【0022】
本開示はまた、抗体がヒト化抗体である、抗体も提供する。
【0023】
本開示はまた、抗体がIgG抗体である、抗体も提供する。本開示はまた、IgG抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4抗体である、抗体も提供する。
【0024】
本開示はまた、抗体がカッパ軽鎖を含む、抗体も提供する。本開示はまた、抗体がλ軽鎖を含む、抗体も提供する。
【0025】
本開示はまた、抗体がモノクローナル抗体である、抗体も提供する。
【0026】
本開示はまた、抗体がVβ17抗原に結合する、抗体も提供する。本開示はまた、抗体がVβ17エピトープに結合する、抗体も提供する。
【0027】
本開示はまた、抗体がVβ17に特異的に結合する、抗体も提供する。
【0028】
本開示はまた、抗体が多価である、抗体も提供する。本開示はまた、抗体が少なくとも3個の抗原に結合することができる、抗体も提供する。本開示はまた、抗体が、少なくとも4個の抗原に結合することができる、抗体も提供する。本開示はまた、抗体が、少なくとも5個の抗原に結合することができる、抗体も提供する。
【0029】
本開示はまた、抗体が多重特異性抗体である、抗体も提供する。本開示はまた、抗体が二重特異性抗体である、抗体も提供する。本開示はまた、抗体が三重特異性抗体である、抗体も提供する。本開示はまた、抗体が四重特異性抗体である、抗体も提供する。
【0030】
一態様では、本開示は、本明細書に記載の抗体をコードする核酸を提供する。
【0031】
一態様では、本開示は、本明細書に開示の核酸を含むベクターを提供する。
【0032】
一態様では、本開示は、本明細書に開示のベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0033】
一態様では、本開示は、本明細書に開示されるベクターと、ベクターを使用するための説明書とを含むキットを提供する。一態様では、本開示は、本明細書に開示の抗体と、抗体を使用するための説明書とを含むキットを提供する。
【0034】
一態様では、本開示は、本明細書に開示の抗体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0035】
一態様では、本開示は、本明細書に開示の医薬組成物を製造する方法であって、抗体と薬学的に許容される担体とを組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法を提供する。
【0036】
一態様では、本開示は、Vβ17を発現するT細胞を活性化する方法であって、本明細書に開示される抗体を、Vβ17を発現するT細胞と接触させることを含む、方法を提供する。
【0037】
本開示はまた、接触が、本明細書に開示される抗体と接触させていないVβ17を発現するT細胞と比較して、CD69、CD25、及び/又はグランザイムBの発現を増加させる方法も提供する。
【0038】
一態様では、本開示は、2以上の標的分子に結合する抗体を作製するためのプロセスが提供され、このプロセスが、T細胞上に存在するVβ17に結合する第1の結合ドメインを得る機能を果たすための工程と、標的細胞の表面上の第2の標的に結合する第2の結合ドメインを得る機能を果たすための工程と、T細胞上に存在するVβ17及び標的細胞の表面上の第2の標的に結合する抗体を提供する機能を果たすための工程と、を含む、プロセス。
【0039】
本開示はまた、標的細胞の表面上の第2の標的に結合する第2の結合ドメインを得る機能を果たすための工程をn回繰り返し、T細胞上に存在するVβ17、及びn個の標的分子に結合する第1の結合ドメインを提供する機能を果たすためのn回の工程を更に含み、nが少なくとも2である、プロセスも提供する。
【0040】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される抗体を作製するためのプロセスであって、このプロセスは、抗体を産生する条件下で本明細書に開示される宿主細胞を成長させることを含むプロセスを提供する。別の態様では、方法は、抗体を単離することを更に含む。
【0041】
一態様では、Vβ17を発現するT細胞を標的細胞に方向付ける方法であって、本明細書に開示される抗体を標的細胞と接触させることを含み、第2の標的が、標的細胞の表面上に存在し、接触させることは、T細胞を標的細胞に方向付ける、を提供する。
【0042】
一態様では、標的細胞の成長又は増殖を阻害する方法であって、本明細書に開示される抗体を、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞と接触させることを含み、接触させることが、Vβ17を発現するT細胞の存在下であり、接触させることが、標的細胞の成長又は増殖の阻害をもたらす、方法を提供する。
【0043】
一態様では、対象における標的細胞を排除する方法であって、本明細書に開示される抗体を、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞と接触させることを含み、接触させることは、Vβ17を発現するT細胞の存在下であり、接触させることは、標的細胞の排除をもたらす、方法を提供する。
【0044】
一態様では、対象における疾患を治療する方法であって、有効量の本明細書に開示される抗体を対象に投与することを含み、疾患は、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞によって全て又は部分的に引き起こされる、方法を提供する。別の実施形態では、対象は、ヒトである。一実施形態では、対象は、それを必要としている対象である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
前述の「発明の概要」、並びに以下の、本出願の特定の実施形態の「発明を実施するための形態」は、添付図面と共に読んだときにより深く理解されるであろう。しかしながら、本出願は、図面に示される実施形態そのものに限定されないことを理解するべきである。
図1】異なる細胞株及び初代細胞を使用するフローサイトメトリーによって同定された、Vβ17への特異的結合を有するいくつかのモノクローンを示す。
図2】26個のモノクローンがVβ17+細胞の増殖を誘導することを示す。
図3】26個の精製抗体について観察された異なる増殖動態を示す。
図4】26個の精製抗体について観察された異なるCD71アップレギュレーション動態を示す。
図5】SKW3細胞株変異体を使用してVβ17に特異的に結合する10個の最良のアゴニストモノクローンを示す。
図6】10個の精製Vβ17抗体がPBMCに良好に結合することを示す。
図7】10個の最終候補モノクローンが、それらのハイブリッド親に基づいてアイソタイプが異なることを示す。
図8】10個の最終候補抗体をスクリーニングするために使用した内在化アッセイを示す。28B2親由来のモノクローンは、良好な内在化を示す。アゴニスト特性を有する28C9由来のモノクローンは、内在化不良を示す。親28D2及び14H7由来のモノクローンは内在化を示さない。
図9A】Octet RED966を使用した10個の最終候補抗体についてのエピトープビニングマトリックスを示す。3個の異なる親由来の精製モノクローナル抗体は、3個の異なる群に分類される(図9B)。
図9B】Octet RED966を使用した10個の最終候補抗体についてのエピトープビニングマトリックスを示す。3個の異なる親由来の精製モノクローナル抗体は、3個の異なる群に分類される(図9B)。
図9C】Octet RED966を使用した10個の最終候補抗体についてのエピトープビニングマトリックスを示す。3個の異なる親由来の精製モノクローナル抗体は、3個の異なる群に分類される(図9B)。
図10A】陽性対照とした市販の抗体(TCR Vβ17-PE;Beckman coulter,カタログ番号IM2048)と比較して異なってビニングされた10個の最終候補抗体を示す。
図10B】陽性対照とした市販の抗体(TCR Vβ17-PE;Beckman coulter,カタログ番号IM2048)と比較して異なってビニングされた10個の最終候補抗体を示す。
図10C】陽性対照とした市販の抗体(TCR Vβ17-PE;Beckman coulter,カタログ番号IM2048)と比較して異なってビニングされた10個の最終候補抗体を示す。
図11】同じ親由来のモノクローンが同じVH配列を有することを示す。3個の異なるハイブリッドに属するモノクローンの重鎖配列は、互いに多様だった。
図12】同じ親由来のモノクローンが同じVK配列を有することを示す。3個の異なるハイブリッドに属するモノクローンの軽鎖配列は、互いに多様だった。
図13】中程度のアゴニスト特性及び良好なPBMC結合を有する12個の新規抗体を示す。
図14A】ハイブリッド親23A9由来のモノクローンが陽性対照抗体TCRVβ17-PEと同様にビニングされたことを示す。
図14B】ハイブリッド親23A9由来のモノクローンが陽性対照抗体TCRVβ17-PEと同様にビニングされたことを示す。
図14C】ハイブリッド親23A9由来のモノクローンが陽性対照抗体TCRVβ17-PEと同様にビニングされたことを示す。
図15A】親23A9及び陽性対照TCRVβ17-PE由来のモノクローンが、他のハイブリッド親由来のモノクローンとは異なってビニングされたことを示す。
図15B】親23A9及び陽性対照TCRVβ17-PE由来のモノクローンが、他のハイブリッド親由来のモノクローンとは異なってビニングされたことを示す。
図15C】親23A9及び陽性対照TCRVβ17-PE由来のモノクローンが、他のハイブリッド親由来のモノクローンとは異なってビニングされたことを示す。
図16】ほとんどのモノクローンが、陽性対照TCRVβ17と競合しないでVβ17を発現する細胞に結合することを示す。
【0046】
(詳細な記述)
背景技術において、及び、本明細書全体を通じて、各種刊行物、論文及び特許が引用又は記載され、これらの参照文献の各々はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明の背景を提供するためのものである。そのような考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
【0047】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解される意味と同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有する。
【0048】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈上明らかでない限り、複数の指示対象物を含むことに留意する必要がある。
【0049】
別途記載されない限り、本明細書に記載される濃度又は濃度範囲などのあらゆる数値は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、数値は、典型的には、記載される値の±10%を含む。例えば、1mg/mLの濃度は典型的には、0.9mg/mL~1.1mg/mLを含む。同様に、1%~10%(w/v)の濃度範囲は0.9%(w/v)~11%(w/v)を含む。本明細書で使用される場合、数値範囲の使用は、文脈上別途明確に示されない限り、その範囲内の整数及び値の分数を含む、全ての可能な部分範囲、その範囲内の全ての個々の数値を明示的に含む。
【0050】
別途記載のない限り、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は、一連の全ての要素を指すと理解されるべきである。
【0051】
当業者であれば、単なる通常の実験手順を使用するだけで、本明細書に記載される特定の実施形態に対して多くの均等物を認識するか、又は確認することができよう。そのような均等物は、本発明によって包含されることが意図される。
【0052】
本明細書で使用するとき、用語「備える(comprises)、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、若しくは「含有する(containing)」、又はこれらの任意の他の変形は、述べられている要素又は要素群を含むことが意図されるが、これら以外の他の要素又は要素群を除外するものではなく、非排他的又は非制限的であることが意図されることが理解されよう。例えば、一連の要素を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的に列挙されない、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、若しくは装置に固有である他の要素を含んでもよい。更に、明示的に反対に明記されない限り、「又は」は包括的な「又は」を指すものであり、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、Aが真であり(又は存在する)かつBが偽である(又は存在しない)場合、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)場合、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)場合、のいずれか1つによって満たされる。
【0053】
本明細書で使用される場合、複数の列挙された要素間の「及び/又は」という接続的な用語は、個々の及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものとして理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」によって接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素なしに第1の要素が適用可能であることを指す。第2の選択肢は、第1の要素なしに第2の要素が適用可能であることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用可能であることを指す。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、意味に含まれ、したがって、本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。選択肢のうちの2つ以上の同時適用可能性もまた、意味に含まれ、したがって、用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。
【0054】
本明細書で使用される場合、用語「からなる(consists of)」、又は「からなる(consist of)」若しくは「からなる(consisting of)」などの変形は、明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用されるとき、任意の列挙された要素又は要素群を包含するが、追加の要素又は要素群が、指定の方法、構造、又は組成物に追加されないことを示す。
【0055】
本明細書で使用されるとき、用語「から本質的になる(consists essentially of)」、又は「から本質的になる(consist essentially of)」若しくは「から本質的になる(consisting essentially of)」などの変形は、明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用されるとき、任意の列挙された要素又は要素群を包含し、任意選択で、指定の方法、構造、又は組成物の基本的又は新規の特性を実質的に変化させない任意の列挙された要素又は要素群も包含することを示す。
【0056】
本明細書で使用するとき、「対象」は、任意の動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。本明細書で使用される場合、用語「哺乳動物」は、あらゆる哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒトなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0057】
本明細書に提供される実施形態の構成要素の寸法又は特徴を指すときに本明細書で使用される用語「約」、「およそ」、「概ね」、「実質的に」などの用語は、当業者には理解されるように、記載の寸法/特徴が厳密な境界又はパラメータではなく、また機能的に同じ又は類似する、それらからのわずかな相違を除外しないことを示すことも理解されたい。最小値では、数値パラメータを含むこのような参照は、当該技術分野において受け入れられている数学的及び工業的原理(例えば、四捨五入、測定、又は他の系統誤差、製作公差など)を使用すると、最下位の桁は変化しない変形形態を含むであろう。
【0058】
用語「同一である」又は「同一性」パーセントは、2以上の核酸又はポリペプチド配列(例えば、Vβ17抗体及びそれをコードしているポリヌクレオチド、それをコードしているVβ17ポリヌクレオチド)の文脈において、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して又は目視検査によって測定した場合、比較し、対応が最大になるようにアラインメントしたときに同じであるか、又は指定の百分率の同じアミノ酸残基若しくはヌクレオチドを有する2以上の配列又はサブ配列を指す。
【0059】
配列比較のために、典型的には1つの配列は、試験配列がそれに対して比較される参照配列として機能する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じて、サブ配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
【0060】
比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)のローカルホモロジアルゴリズム、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)のホモロジアラインメントアルゴリズム、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA85:2444(1988)の類似性検索方法、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group、575 Science Dr.,Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、又は目視検査(全般的には、Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley&Sons,Inc.,(1995 Supplement)(Ausubel)を参照されたい)によって行うことができる。
【0061】
配列同一性パーセント及び配列類似性を求めるのに好適なアルゴリズムの例は、それぞれ、Altschul et al.,(1990)J.Mol.Biol.215:403-410及びAltschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25:3389-3402に記載されているBLAST及びBLAST2.0アルゴリズムである。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通じて公的に入手可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列における同じ長さのワードとアラインメントしたときにマッチするか、又はいくつかの正の値の閾値スコアTを満たすかのいずれかの、クエリー配列における長さWの短いワードを特定することによって、高スコア配列対(high scoring sequence pair、HSP)を特定することを伴う。Tは、隣接ワードスコア閾値(Altschul et al.、上記)と称される。これらの初期隣接ワードヒットは、それを含有するより長いHSPを見つけるために検索を開始するためのシードとして機能する。次いで、累積アライメントスコアを増加させることができる限り、各配列に沿ってワードヒットを両方向に延長する。
【0062】
ヌクレオチド配列については、パラメータM(マッチする残基の対についてのリワードスコア、常に0より大きい)及びパラメータN(不一致の残基についてのペナルティスコア、常に0より小さい)を使用して累積スコアを計算する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを使用して累積スコアを計算する。累積アライメントスコアがその最大獲得値から量Xだけ低下したとき、1つ又は2つ以上の負のスコアリング残基のアラインメントの蓄積により、累積スコアがゼロ以下になったとき、又はいずれかの配列の末端に達したときに、各方向におけるワードヒットの延長が停止される。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、及びXが、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとして、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=-4、及び両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、3のワード長(W)、10の期待値(E)、及びBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用する(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989)を参照されたい)。
【0063】
配列同一性パーセントを計算することに加えて、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、Karlin&Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873-5787(1993)を参照されたい)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列間又は2つのアミノ酸配列間のマッチが偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸と参照核酸との比較における最小合計確率が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、参照配列に類似しているとみなされる。
【0064】
2つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一であることの更なる指標は、以下に記載されるように、第1核酸によりコード化されるポリペプチドが、第2核酸によりコード化されるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。したがって、ポリペプチドは、典型的には、第2ポリペプチドと実質的に同一であり、例えば、2つのペプチドは保存的置換によってのみ異なる。2つの核酸配列が実質的に同一である別の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0065】
本明細書で使用するとき、用語「ポリヌクレオチド」は、同義的に「核酸分子」、「ヌクレオチド」、又は「核酸」とも称され、非修飾RNA若しくはDNA又は修飾RNA若しくはDNAであってもよい、任意のポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドを指す。「ポリヌクレオチド」としては、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、並びに一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるRNA、一本鎖若しくはより典型的には二本鎖、又は一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であってもよいDNA及びRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、「ポリヌクレオチド」は、RNA若しくはDNA又はRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。ポリヌクレオチドという用語には、1つ又は2つ以上の修飾された塩基を含有するDNA又はRNA、及び安定性又は他の理由により修飾された骨格を有するDNA又はRNAも含まれる。「修飾された」塩基は、例えば、トリチル化塩基及び異常な塩基、例えば、イノシンを含む。様々な修飾をDNA及びRNAに行うことができる。したがって、「ポリヌクレオチド」は、典型的には天然に認められるポリヌクレオチドの化学的、酵素的又は代謝的に修飾された形態、並びにウイルス及び細胞のDNA及びRNAの特徴を有する化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド」はまた、比較的短い核酸鎖(多くの場合、オリゴヌクレオチドと称される)も包含する。
【0066】
本明細書で使用するとき、用語「ベクター」は、別の核酸セグメントを機能的に挿入することによってそのセグメントの複製又は発現を行うことができるレプリコンのことである。
【0067】
本明細書で使用するとき、用語「宿主細胞」は、本明細書に提供される核酸分子を含む細胞を指す。「宿主細胞」は、例えば、初代細胞、培養中の細胞、又は細胞株由来の細胞のいずれのタイプの細胞であってもよい。一実施形態では、「宿主細胞」は、本明細書に提供される核酸分子をトランスフェクトした細胞である。別の実施形態では、「宿主細胞」は、かかるトランスフェクトされた細胞の子孫又は潜在的な子孫である。細胞の後代は、例えば、後続の世代で生じる可能性のある変異若しくは環境の影響、又は宿主細胞ゲノムへの核酸分子の組み込みによって、親細胞と同一である場合もあり、同一ではない場合もある。
【0068】
本明細書で使用するとき、用語「発現」は、遺伝子産物の生合成を指す。この用語は、遺伝子のRNAへの転写を包含する。この用語はまた、RNAの1つ又は2つ以上のポリペプチドへの翻訳も包含し、全ての天然に存在する、転写後及び翻訳後修飾も更に包含する。発現される抗体は、宿主細胞の細胞質内、細胞培養物の成長培地などの細胞外環境中に存在し得るか、又は細胞膜に固定され得る。
【0069】
本明細書で使用するとき、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、又は「タンパク質」は、アミノ酸から構成される分子を指すことができ、当業者によってタンパク質として認識され得る。本明細書では、アミノ酸残基の従来の1文字又は3文字コードが使用される。用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」は、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために、本明細書において互換的に使用することができる。ポリマーは、直鎖又は分岐鎖であってもよく、修飾されたアミノ酸を含むことができ、かつ非アミノ酸により中断されてもよい。この用語はまた、天然に修飾されているか、又は介入によって修飾されているアミノ酸ポリマー、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又は任意の他の操作若しくは修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲートを包含する。また、例えば、アミノ酸の1つ又は2つ以上の類似体(例えば、非天然アミノ酸などを含む)を含有するポリペプチド、並びに当該技術分野において既知である他の修飾も定義内に含まれる。
【0070】
本明細書に記載のペプチド配列は、通常の慣習に従って記載され、ペプチドのN末端領域は左側にあり、C末端領域は右側にある。アミノ酸の異性体形態は既知であるが、別途明示的に示されない限り、示されるのはアミノ酸のL型である。
【0071】
抗体
Vβ17抗体又はその抗原結合フラグメント、抗体をコードする核酸及び発現ベクター、ベクターを含有する組換え細胞、並びに抗体を含む組成物が本明細書に提供される。抗体を作製する方法及び疾患を治療するために抗体を使用する方法も提供される。本明細書に開示される抗体は、Vβ17への高親和性結合又はVβ17に対する高い特異性を含むがこれらに限定されない、1つ又は2つ以上の望ましい機能的特性を有する。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される抗体は、単独で又は他の療法と組み合わせて対象に投与されたとき、疾患又は障害を治療又は予防する能力を有する。
【0072】
本明細書で使用するとき、「抗体」という用語は、広義で使用され、かつヒト、ヒト化、複合、及びキメラ抗体を含む、免疫グロブリン又は抗体分子、並びにモノクローナル又はポリクローナルである抗体断片を含む。一般に、抗体は、特定の抗原に対する結合特異性を示すタンパク質又はペプチド鎖である。抗体の構造は、周知である。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて5つの主なクラス(すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)に割り当てることができる。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。したがって、本明細書に提供される抗体は、5つの主要なクラス又は対応する下位クラスのいずれかのものであることができる。特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4である。脊椎動物種の抗体軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて2つの明確に異なるタイプ、すなわちカッパ及びラムダのうちの一方に割り当てることができる。したがって、本明細書に提供される抗体は、ある特定の実施形態では、カッパ軽鎖定常ドメインを含有することができる。本明細書に提供される抗体はまた、ある特定の実施形態では、ラムダ軽鎖定常ドメインを含有することができる。特定の実施形態によれば、本明細書に提供される抗体は、ラット又はヒト抗体由来の重鎖及び/又は軽鎖定常領域を含む。特定の実施形態では、定常領域は、ヒト定常領域である。
【0073】
重鎖及び軽鎖定常ドメインに加えて、抗体は、軽鎖可変領域(VL)及び重鎖可変領域(VH)で構成される抗原結合領域を含有し、これらの領域の各々が、3つのドメイン(すなわち、相補性決定領域1(complementarity determining region 1、CDR1)、CDR2、及びCDR3)を含有する。「CDR」は、免疫グロブリン(Ig又は抗体)VH β-シートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域のうちの1つ(HCDR1、HCDR2、若しくはHCDR3)、又は抗体VL β-シートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域のうちの1つ(LCDR1、LCDR2、若しくはLCDR3)を指す。したがって、CDRは、フレームワーク領域配列内に散在する可変領域配列である。CDR領域は、当業者に周知であり、例えば、Kabatによって、抗体可変(V)ドメイン内の最も可変性の高い領域として定義されている(Kabat et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977);Kabat,Adv.Prot.Chem.32:1-75(1978))。CDR領域配列はまた、保存されたβ-シートフレームワークの一部ではないので、様々な高次構造に適応することができる残基として、Chothiaによって構造的に定義されている(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。両方の用語は、当該技術分野において十分に認識されている。CDR領域配列はまた、AbM、Contact、及びIMGTによって定義されている。例示的なCDR領域配列は、本明細書に、例えば、以下に提供される表に例示される。標準的な抗体可変領域内のCDRの位置は、多数の構造の比較によって決定されている(Al-Lazikani et al.,J.Mol.Biol.273:927-948(1997)、Morea et al.,Methods 20:267-279(2000))。超可変領域内の残基の数は異なる抗体では変化するため、標準的な位置に対する追加の残基は、従来、標準的な可変領域付番スキーム(Al-Lazikani et al.、上記(1997))における残基番号の次に、a、b、cなどを付けて付番される。かかる命名法は、同様に当業者には周知である。
【0074】
軽鎖可変領域CDR1ドメインは、本明細書において、LCDR1又はVL CDR1と互換的に称される。軽鎖可変領域CDR2ドメインは、本明細書において、LCDR2又はVL CDR2と互換的に称される。軽鎖可変領域CDR3ドメインは、本明細書において、LCDR3又はVL CDR3と互換的に称される。重鎖可変領域CDR1ドメインは、本明細書において、HCDR1又はVH CDR1と互換的に称される。重鎖可変領域CDR2ドメインは、本明細書において、HCDR2又はVH CDR2と互換的に称される。重鎖可変領域CDR1ドメインは、本明細書において、HCDR3又はVH CDR3と互換的に称される。
【0075】
本明細書で使用するとき、VH又はVLなどの用語「超可変領域」は、配列において超可変である、及び/又は構造的に定義されるループを形成する、抗体可変領域の領域を指す。概して、抗体は、6つの超可変領域、すなわちVH(HCDR1、HCDR2、HCDR3)の3つ、及びVL(LCDR1、LCDR2、LCDR3)の3つを含む。多数の超可変領域の描写が使用されており、本明細書に包含される。「Kabat」CDRは、配列可変性に基づくものであり、最も一般的に使用されている(例えば、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)を参照されたい)。「Chothia」は、それに代えて、構造ループの位置を指す(例えば、Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)を参照されたい)。Kabat付番規則を使用して付番されたときのChothia CDR-HCDR1ループの末端は、ループの長さに応じてH32からH34まで変化する(これは、Kabat付番スキームが、H35A及びH35Bに挿入を配置するためであり、35Aも35Bも存在しない場合、ループは32で終わり、35Aのみが存在する場合、ループは33で終わり、35A及び35Bの両方が存在する場合、ループは34で終わる)。「AbM」超可変領域は、Kabat CDRとChothia構造ループとの間の妥協案を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用されている(例えば、Martin,in Antibody Engineering,Vol.2,Chapter 3,Springer Verlagを参照されたい)。「Contact」超可変領域は、利用可能な複合結晶構造の分析に基づく。
【0076】
最近、ユニバーサル付番システムが開発され、広く採用されている、ImMunoGeneTics(IMGT)Information System(登録商標)(Lafranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27(1):55-77(2003))。IMGTは、免疫グロブリン(immunoglobulin、IG)、T細胞受容体(T cell receptor、TR)、並びにヒト及び他の脊椎動物の主要組織適合複合体(major histocompatibility complex、MHC)専門の統合情報システムである。本明細書において、CDRは、アミノ酸配列と、軽鎖又は重鎖内の位置との両方の観点において言及される。免疫グロブリン可変部ドメインの構造内のCDRの「位置」は、種の間で保存され、ループと称される構造で存在するため、可変部ドメイン配列を構造的特徴に従って整合する付番システムを使用することにより、CDR及びフレームワーク残基は容易に同定される。この情報は、1つの種の免疫グロブリンからのCDR残基を、典型的にはヒト抗体からのアクセプタフレームワーク内に移植及び置換することに使用され得る。Honegger and Pluckthun,J.Mol.Biol.309:657-670(2001)によって、更なる付番システム(AHon)が開発されている。例えば、Kabat付番及びIMGT固有の付番システムを含む付番システム間の対応関係は、当業者に周知である(例えば、Kabat、上記;Chothia及びLesk(上記)、Martin(上記)、Lefranc et al.、上記を参照されたい)。本明細書に示される例示的なシステムは、Kabat及びChothiaを組み合わせている。
【0077】
【表1】
【0078】
超可変領域は、次のような「拡張超可変領域」を含んでもよい:VL内の24~36又は24~34(LCDR1)、46~56又は50~56(LCDR2)、及び89~97又は89~96(LCDR3)、並びにVH内の26~35又は26~35A(HCDR1)、50~65又は49~65(HCDR2)、及び93~102、94~102、又は95~102(HCDR3)。表1~6に含まれる、上記の番号付けスキームの各々を反映するCDR配列が、本明細書に提供される。
【0079】
用語「定常領域」又は「定常ドメイン」は、抗原に対する抗体の結合に直接関与しないが、Fc受容体との相互作用などの様々なエフェクター機能を示す軽鎖及び重鎖のカルボキシ末端部分を指す。この用語は、抗原結合部位を含有する可変領域である免疫グロブリンの他の部分と比較してより保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常領域は、重鎖のCH1、CH2、及びCH3領域、並びに軽鎖のCL領域を含有してもよい。
【0080】
用語「フレームワーク」又は「FR」残基は、CDRに隣接する可変領域残基である。FR残基は、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、ドメイン抗体、ダイアボディ、直鎖抗体、及び二重特異性抗体中に存在する。FR残基は、超可変領域残基又はCDR残基以外の可変ドメイン残基である。
【0081】
本明細書で使用するとき、用語「単離された抗体」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、Vβ17に特異的に結合する単離された抗体は、Vβ17に結合しない抗体を実質的に含まない)。加えて、単離抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない。
【0082】
本明細書で使用するとき、用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、微量に存在し得る自然発生変異を除いて同一である。本明細書に提供されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ技術、単一リンパ球遺伝子クローニング技術、又は組換えDNA法によって作製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、トランスジェニック非ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウス又はラットから得られるB細胞を含むハイブリドーマによって生成され得、ヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する。
【0083】
本明細書で使用するとき、用語「抗原結合フラグメント」は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(disulfide stabilized Fv、dsFv)、(dsFv)、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、単一ドメイン抗体(single domain antibody、sdAb)scFv二量体(二価ダイアボディ)、1つ若しくは2つ以上のCDRを含む抗体の部分から形成される多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、又は抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体フラグメントなどの抗体フラグメントを指す。抗原結合断片は、親抗体又は親抗体フラグメントが結合する同じ抗原に結合することができる。特定の実施形態によれば、抗原結合フラグメントは、軽鎖可変領域、軽鎖定常領域、及び重鎖のFdフラグメントを含む。他の特定の実施形態によれば、抗原結合断片はFab及びF(ab’)を含む。
【0084】
本明細書で使用するとき、用語「単鎖抗体」は、約15~約20個のアミノ酸の短いペプチドによって接続される重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、この分野において従来既知の単鎖抗体を指す。本明細書で使用するとき、用語「単一ドメイン抗体」は、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むか、又は重鎖可変領域のみを含む、この分野において従来既知の単一ドメイン抗体を指す。
【0085】
本明細書で使用するとき、用語「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体、又は当該技術分野において既知である任意の技術を使用して作製される、ヒトによって産生される抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を指す。ヒト抗体のこの定義は、インタクトな若しくは完全長の抗体、その断片、並びに/又は少なくとも1つのヒト重鎖及び/若しくは軽鎖ポリペプチドを含む抗体を含む。
【0086】
本明細書で使用するとき、用語「ヒト化抗体」とは、抗体の抗原結合特性が保持されるが、人体における抗原の抗原性が低下するように、修飾により配列相同性をヒト抗体のものに増加させた非ヒト抗体を意味する。
【0087】
本明細書で使用するとき、用語「キメラ抗体」は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ又は3つ以上の種に由来する抗体を指す。軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、多くの場合、所望の特異性、親和性、及び能力を有する1つの種の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)に由来する抗体の可変領域に対応するが、定常領域は、その種における免疫応答の惹起を回避するために、別の種の哺乳動物(例えば、ヒト)に由来する抗体の配列に対応する。
【0088】
本明細書で使用される場合、「多重特異性抗体」という用語は、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体を指し、複数のうちの第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第1のエピトープに対する結合特異性を有し、複数のうちの第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第2のエピトープに対する結合特異性を有する。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複しないか、又は実質的に重複しない。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原上、例えば、異なるタンパク質(又は多量体タンパク質の異なるサブユニット)上にある。ある実施形態では、多重特異性抗体は、第3、第4、又は第5の免疫グロブリン可変ドメインを含む。ある実施形態では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体分子、三重特異性抗体分子、又は四重特異性抗体分子である。
【0089】
本明細書で使用される場合、「二重特異性抗体」という用語は、2以下のエピトープ又は2つの抗原例えば、異なる遺伝子標的である2つのエピトープ又は抗原(例えば、Vβ17、CD69、又はCD25)に結合する多重特異性抗体を指す。二重特異性抗体は、第1のエピトープ(例えば、Vβ17抗原上のエピトープ)に対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列、及び第2のエピトープに対する結合特異性を有する第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列によって特徴付けられる。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原上、例えば、異なるタンパク質(又は多量体タンパク質の異なるサブユニット)上にある。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列と、第2のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列とを含む。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はその断片と、第2のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はその断片とを含む。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はその断片と、第2のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はその断片とを含む。
【0090】
本明細書で使用する場合、「Vβ17」という用語は、細胞傷害性T細胞に対する免疫応答に応答して発現されるT細胞受容体を指す。Vβ17発現CD8+T細胞は一般に、対象におけるインフルエンザAウイルス曝露に応答して産生される。Vβ17発現CD8+T細胞は、対象におけるインフルエンザ曝露に応答して大きなリコールを提供する。「Vβ17」という用語は、細胞(T細胞を含む)によって天然に発現されるか、又はそのポリペプチドをコードする遺伝子若しくはcDNAでトランスフェクトされた細胞上に発現され得る、任意のVβ17バリアント、アイソフォーム、及び種相同体を含む。記載されない限り、好ましくは、Vβ17はヒトVβ17である。例示的なヒトVβ17アミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号AAB49730.1によって提供される。
【0091】
本明細書で使用するとき、「Vβ17に特異的に結合する」抗体は、1×10-7M以下、例えば、1×10-8M以下、5×10-9M以下、1×10-9M以下、5×10-10M以下、又は1×10-10M以下のKDでVβ17、好ましくはヒトVβ17に結合する抗体を指す。
【0092】
「KD」という用語は、KdのKaに対する比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される解離定数を指す。抗体のKD値は、本開示を考慮して当該技術分野における方法を使用して決定することができる。例えば、抗体のKDは、表面プラズモン共鳴を使用することによって、例えば、Biacore(登録商標)システムなどのバイオセンサシステムを使用することによって、又はOctet RED96システムなどのバイオレイヤインターフェロメトリ技術を使用することによって求めることができる。抗体のKDの値が小さいほど、抗体が標的抗原に結合する親和性が高い。
【0093】
一態様では、Vβ17と結合する抗体が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単一ドメイン抗体又はナノボディではない。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、ヒト化抗体である。
【0094】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVH領域、VL領域、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3を含むVβ17抗体が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVH領域を含むVβ17抗体が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVL領域を含むVβ17抗体が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVH領域と、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVL領域と、を含むVβ17抗体が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVβ17抗体が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVβ17抗体が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3と、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3と、を含むVβ17抗体が、本明細書に提供される。本明細書に提供されるVβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列を含む、代表的なVH及びVLアミノ酸配列を、表1~6に提供する。
【0095】
いくつかの実施形態では、抗体は、Vβ17に特異的に結合する。他の実施形態では、Vβ17は、T細胞の表面上に存在する。
【0096】
いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、IgG抗体である。他の実施形態では、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、多価である。他の実施形態では、抗体は、少なくとも3つの抗原に結合することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、少なくとも5つの抗原に結合することができる。
【0097】
ある特定の実施形態では、インタクトな抗体であるVβ17抗体が提供される。他の実施形態では、Vβ17抗体の抗原結合フラグメントであるVβ17抗体が提供される。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体の抗原結合断片は、機能的断片である。
【0098】
いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、ダイアボディである。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、Fabである。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、Fab’である。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、F(ab’)2である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、Fv断片である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、(dsFv)である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、単鎖抗体分子(scFv)である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、単一ドメイン抗体(sdAb)である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、scFv二量体(二価ダイアボディ)である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、1つ又は2つ以上のCDRを含む抗体の一部分から形成される多重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、ラクダ化単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、ナノボディである。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、ドメイン抗体である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、二価ドメイン抗体である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、抗原と結合するが、完全な抗体構造を含まない抗体断片である。
【0099】
特定の実施形態では、Vβ17抗体は、VH領域とVL領域とを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単鎖抗体である。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、ナノボディである。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、VHH抗体である。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、ラマ抗体である。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単鎖抗体ではない。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単一ドメイン抗体ではない。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、ナノボディではない。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、VHH抗体ではない。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、ラマ抗体ではない。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、多重特異性抗体である。他の実施形態では、Vβ17は、二重特異性抗体である。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体の抗原結合フラグメントを含む。他の実施形態では、二重特異性抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体の抗原結合フラグメントを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、アゴニスト抗体である。特定の実施形態では、Vβ17抗体は、T細胞を活性化させる。他の実施形態では、Vβ17抗体は、アンタゴニスト抗体である。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、T細胞を不活化する。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、T細胞の活性化をブロックする。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、T細胞の活性を調節する。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、T細胞を活性化することも、活性を不活化することもない。特定の実施形態では、T細胞は、ヒトT細胞である。
【0100】
いくつかの実施形態では、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3配列は、Kabat番号付けシステムに従う。いくつかの実施形態では、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3配列は、Chothia番号付けシステムに従う。いくつかの実施形態では、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3配列は、例示的な番号付けシステムに従う。いくつかの実施形態では、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3配列は、Contact番号付けシステムに従う。いくつかの実施形態では、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3配列は、IMGT番号付けシステムに従う。いくつかの実施形態では、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3配列は、AbM番号付けシステムに従う。ある特定の抗体実施形態の6つのCDR(VH CDR1~3及びVL CDR1~3)の例示的なセットが本明細書で提供される。他のCDRセットも企図され、本明細書で提供される抗体実施形態の範囲内である。
【0101】
【表2-1】
【0102】
【表2-2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】
【表7】
【0108】
一態様では、(i)配列番号1、2、及び3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号4、5、及び6のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号7、8、及び9のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号10、11、及び12のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号13、14、及び15のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号16、17、及び18のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号19、20、及び21のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号22、23、及び24のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号25、26、及び27のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号28、29、及び30のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号31のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号32のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号31のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号31のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号32のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0109】
一態様では、(i)配列番号35、36、及び37のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号38、39、及び40のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号41、42、及び43のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号44、45、及び46のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号47、48、及び49のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号50、51、及び52のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号53、54、及び55のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号56、57、及び58のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号59、60、及び61のアミノ酸配列を有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号62、63、及び64のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号65のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号66のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号65のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号66のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号65のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号66のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0110】
一態様では、(i)配列番号69、70、及び71のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号72、73、及び74のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号75、76、及び77のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号78、79、及び80のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号81、82、及び83のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号84、85、及び86のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号87、88、及び89のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号90、91、及び92のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号93、94、及び95のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号96、97、及び98のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号99のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号100のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号99のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号100のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号99のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号100のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号99のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号100のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号99のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号100のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0111】
一態様では、(i)配列番号103、104、及び105のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号106、107、及び108のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号109、110、及び111のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号112、113、及び114のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号115、116、及び117のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号118、119、及び120のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号121、122、及び123のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号124、125、及び126のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号127、128、及び129のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号130、131、及び132のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号133のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号134のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号133のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号134のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号133のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号134のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号133のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号134のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号133のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号134のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0112】
一態様では、(i)配列番号137、138、及び139のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号140、141、及び142のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号143、144、及び145のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号146、147、及び148のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号149、150、及び151のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号152、153、及び154のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号155、156、及び157のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号158、159、及び160のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号161、162、及び163のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号164、165、及び166のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号167のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号168のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号167のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号168のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号167のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号168のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号167のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号168のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号167のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号168のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0113】
一態様では、(i)配列番号171、172、及び173のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号174、175、及び176のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号177、178、及び179のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号180、181、及び182のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号183、184、及び185のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号186、187、及び188のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号189、190、及び191のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号192、193、及び194のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号195、196、及び197のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号198、199、及び200のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号201のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号202のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号201のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号202のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号201のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号202のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号201のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号202のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号201のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号202のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0114】
一態様では、(i)配列番号205、206、及び207のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号208、209、及び210のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号211、212、及び213のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号214、215、及び216のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号217、218、及び219のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号220、221、及び222のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号223、224、及び225のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号226、227、及び228のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号229、230、及び231のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号232、233、及び234のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号235のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号236のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号235のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号236のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号235のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号236のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号235のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号236のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号235のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号236のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0115】
一態様では、(i)配列番号239、240、及び241のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号242、243、及び244のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号245、246、及び247のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号248、249、及び250のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号251、252、及び253のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号254、255、及び256のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号257、258、及び259のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号260、261、及び262のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号263、264、及び265のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号266、267、及び268のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号269のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号270のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号269のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号270のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号269のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号270のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号269のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号270のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号269のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号270のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0116】
一態様では、(i)配列番号273、274、及び275のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号276、277、及び278のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号279、280、及び281のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号282、283、及び284のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号285、286、及び287のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号288、289、及び290のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号291、292、及び293のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号294、295、及び296のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号297、298、及び299のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号300、301、及び302のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号303のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号304のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号303のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号304のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号303のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号304のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号303のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号304のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号303のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号304のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0117】
一態様では、(i)配列番号307、308、及び309のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号310、311、及び312のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号313、314、及び315のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号316、317、及び318のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号319、320、及び321のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号322、323、及び324のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号325、326、及び327のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号328、329、及び330のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号331、332、及び333のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号334、335、及び336のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号337のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号338のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号337のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号338のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号337のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号338のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号337のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号338のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号337のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号338のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0118】
一態様では、(i)配列番号341、342、及び343のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号344、345、及び346のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号347、348、及び349のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号350、351、及び352のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号353、354、及び355のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号356、357、及び358のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号359、360、及び361のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号362、363、及び364のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号365、366、及び367のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号368、369、及び370のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号371のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号372のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号371のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号372のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号371のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号372のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号371のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号372のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号371のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号372のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0119】
一態様では、(i)配列番号375、376、及び377のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号378、379、及び380のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号381、382、及び383のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号384、385、及び386のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号387、388、及び389のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号390、391、及び392のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号393、394、及び395のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号396、397、及び398のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号399、400、及び401のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号402、403、及び404のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号405のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号406のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号405のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号406のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号405のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号406のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号405のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号406のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号405のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号406のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0120】
一態様では、(i)配列番号409、410、及び411のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号412、413、及び414のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号415、416、及び417のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号418、419、及び420のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号421、422、及び423のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号424、425、及び426のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号427、428、及び429のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号430、431、及び432のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号433、434、及び435のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号436、437、及び438のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、(i)配列番号439のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号440のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号439のアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号440のアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号439のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号440のアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号439のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号440のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。一態様では、配列番号439のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVHと、配列番号440のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するVLとを含む、Vβ17に結合する抗体を本明細書に提供する。
【0121】
別の態様では、Vβ17との結合について本明細書に記載されるVβ17抗体のうちのいずれかと競合する抗体が本明細書で提供される。別の態様では、本明細書に記載されるVβ17抗体のうちのいずれかと同じエピトープと結合する抗体が本明細書で提供される。別の態様では、本明細書に記載のVβ17抗体によって結合されたVβ17上のエピトープと重複するVβ17上のエピトープに結合するVβ17抗体が提供される。
【0122】
一態様では、Vβ17への結合についてVβ17リファレンス抗体と競合する抗体が提供される。別の態様では、Vβ17リファレンス抗体と同じVβ17エピトープに結合するVβ17抗体が提供される。別の態様では、Vβ17リファレンス抗体によって結合されたVβ17上のエピトープと重複するVβ17上のエピトープに結合するVβ17抗体が提供される。
【0123】
一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号31のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号32のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号65のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号66のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号99のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号100のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号133のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号134のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号167のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号168のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号201のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号202のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号235のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号236のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号269のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号270のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号303のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号304のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号337のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号338のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号371のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号372のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号405のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号406のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。一実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、(i)配列番号439のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHと、(ii)配列番号440のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有する、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLとを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される多重特異性抗体は、本発明に記載されるものなどの、制御されたFabアーム交換を介して得られたダイアボディ、クロスボディ、又は多重特異性抗体である。
【0125】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体としては、ヘテロ二量体形成を促進する相補性CH3ドメインを有するIgG様分子;組換えIgG様二重標的化分子(この分子の2つの側面は各々、少なくとも2つの異なる抗体のFab断片又はFab断片の一部を含む)、完全長IgG抗体が、余分のFab断片又はFab断片の一部に融合されているIgG融合分子、一本鎖Fv分子若しくは安定化されたダイアボディが、重鎖定常ドメイン、Fc領域、若しくはその一部に融合されているFc融合分子、異なるFab断片が一緒に融合されているFab融合分子、異なる一本鎖Fv分子又は異なるダイアボディ又は異なる重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)が互いに、又は別のタンパク質若しくは担体分子に融合されている、ScFv及びダイアボディベースの抗体並びに重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)が挙げられる。
【0126】
いくつかの実施形態では、相補性CH3ドメイン分子を有するIgG様分子としては、Triomab/Quadroma(Trion Pharma/Fresenius Biotech)、Knobs-into-Holes(Genentech)、CrossMAbs(Roche)及び静電的に調整されたもの(Amgen)、LUZ-Y(Genentech)、ストランドを交換し操作したドメインボディ(Strand Exchange Engineered Domain body、SEEDbody)(EMD Serono)、Biclonic(Merus)、並びにDuoBody(Genmab A/S)が挙げられる。
【0127】
いくつかの実施形態では、組換えIgG様二重標的化分子としては、Dual Targeting(DT)-Ig(GSK/Domantis)、Two-in-one Antibody(Genentech)、Cross-linked Mabs(Karmanos Cancer Center)、mAb2(F-Star)、及びCovX-body(CovX/Pfizer)が挙げられる。
【0128】
いくつかの実施形態では、IgG融合分子としては、Dual Variable Domain(DVD)-Ig(Abbott)、IgG-like Bispecific(ImClone/Eli Lilly)、Ts2Ab(MedImmune/AZ)、及びBsAb(Zymogenetics)、HERCULES(Biogen Idec)、並びにTvAb(Roche)が挙げられる。
【0129】
いくつかの実施形態では、Fc融合分子としては、ScFv/Fc融合体(Academic Institution)、SCORPION(Emergent BioSolutions/Trubion,Zymogenetics/BMS)、二重親和性再標的化技術(Fc-DART)(MacroGenics)、及び二重(ScFv)-Fab(National Research Center for Antibody Medicine--China)を挙げることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、Fab融合二重特異性抗体としては、F(ab)(Medarex/AMGEN)、Dual-Action又はBis-Fab(Genentech)、Dock-and-Lock(DNL)(ImmunoMedics)、Bivalent Bispecific(Biotecnol)、及びFab-Fv(UCB-Celltech)が挙げられる。ScFv抗体、ダイアボディに基づく抗体、及びドメイン抗体は、二重特異性T細胞エンゲージャ(Bispecific T Cell Engager、BiTE)(Micromet)、タンデムダイアボディ(Tandem Diabody、Tandab)(Affimed)、二重親和性再標的化技術(DART)(MacroGenics)、一本鎖ダイアボディ(Academic)、TCR様抗体(AIT、ReceptorLogics)、ヒト血清アルブミンScFv融合体(Merrimack)、及びCOMBODY(Epigen Biotech)、二重標的ナノボディ(Ablynx)、二重標的重鎖のみドメイン抗体を含むが、これらに限定されない。
【0131】
本明細書で提供される完全長二重特異性抗体は、無細胞環境でインビトロにおいて又は共発現を使用してのいずれかで、異なる特異性を有する2つの抗体半分子のヘテロ二量体を形成するのに好都合になるように、各半分子において重鎖CH3界面に置換を導入することによって、例えば、2つの単一特異性二価抗体間でのFabアーム交換(又は半分子交換)を使用して生成することができる。Fabアーム交換反応は、ジスルフィド結合異性化反応及びCH3ドメインの解離-会合の結果である。単一特異性親抗体のヒンジ領域における重鎖ジスルフィド結合は、低減される。単一特異性親抗体のうちの1つについて生じる遊離システインは、第2の単一特異性親抗体分子のシステイン残基と重鎖内ジスルフィド結合を形成し、同時に、親抗体のCH3ドメインは、解離-会合により開放及び再形成する。FabアームのCH3ドメインは、ホモ二量体形成よりヘテロ二量体形成を有利にするように操作され得る。得られた生成物は、各々が異なるエピトープ、例えば、第1の標的上のエピトープと第2の標的上のエピトープに結合する、2つのFabアーム又は半分子を有する二重特異性抗体である。多重特異性抗体を作製する他の方法は、既知であり、企図される。
【0132】
本明細書で使用するとき、「ホモ二量体化」とは、同一のCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖の相互作用を意味する。本明細書で使用するとき、「ホモ二量体」とは、同一のCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖を有する抗体を意味する。
【0133】
本明細書で使用するとき、「ヘテロ二量体化」とは、同一ではないCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖の相互作用を意味する。本明細書で使用するとき、「ヘテロ二量体」とは、同一ではないCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖を有する抗体を意味する。
【0134】
「ノブインホール」ストラテジ(例えば、国際公開第2006/028936号を参照されたい)を使用して、完全長二重特異性抗体を生成することができる。簡潔に述べると、ヒトIgGにおけるCH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸を、ヘテロ二量体化を促進するように、CH3ドメイン相互作用に影響を及ぼす位置で変異させることができる。小さな側鎖を有するアミノ酸(ホール)が、第1の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖内に導入され、大きな側鎖を有するアミノ酸(ノブ)が、第2の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖内に導入される。2つの抗体の共発現後に、ヘテロ二量体が、「ホール」を有する重鎖と「ノブ」を有する重鎖との優先的な相互作用の結果として形成される。ノブ及びホールを形成する例示的なCH3置換の対は、T366Y/F405A、T366W/F405W、F405W/Y407A、T394W/Y407T、T394S/Y407A、T366W/T394S、F405W/T394S、及びT366W/T366S_L368A_Y407Vである(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変された位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける改変された位置として表現)。
【0135】
他のストラテジ、例えば、1つのCH3表面における正に荷電した残基及び第2のCH3表面における負に荷電した残基を置換することによる静電的相互作用を使用する重鎖ヘテロ二量体形成の促進が、米国特許出願公開第2010/0015133号、米国特許出願公開第2009/0182127号、米国特許出願公開第2010/028637号、又は米国特許出願公開第2011/0123532号に記載されるように使用され得る。他のストラテジでは、ヘテロ二量体形成は、米国特許出願公開第2012/0149876号又は米国特許出願公開第2013/0195849号に記載されるように、下記置換:L351Y_F405AY407V/T394W、T366I_K392M_T394W/F405A_Y407V、T366L_K392M_T394W/F405A_Y407V、L351Y_Y407A/T366A_K409F、L351Y_Y407A/T366V K409F Y407A/T366A_K409F、又はT350V_L351Y_F405A Y407V/T350V_T366L_K392L_T394W(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける改変位置として表現)により促進され得る。
【0136】
上記の方法に加えて、本明細書で提供される二重特異性抗体は、国際公開第2011/131746号に記載の方法に従って、2つの単一特異性ホモ二量体抗体のCH3領域に非対称な変異を導入すること、及びジスルフィド結合の異性化を可能にするための還元条件下において2つの親単一特異性ホモ二量体抗体から二重特異性ヘテロ二量体抗体を形成することによって、無細胞環境でインビトロにおいて生成されることができる。この方法において、第1の単一特異性二価抗体及び第2の単一特異性二価抗体は、ヘテロ二量体の安定性を促進するCH3ドメインにおいてある特定の置換を有するように操作され、これらの抗体は、ヒンジ領域におけるシステインがジスルフィド結合を異性化させるために十分な還元条件下において一緒にインキュベートされ、それにより、Fabアーム交換により二重特異性抗体が生成される。インキュベート条件は、任意には、非還元条件に戻され得る。使用され得る例示的な還元剤は、2-メルカプトエチルアミン(2-mercaptoethylamine、2-MEA)、ジチオスレイトール(dithiothreitol、DTT)、ジチオエリスリトール(dithioerythritol、DTE)、グルタチオン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(tris (2-carboxyethyl) phosphine、TCEP)、L-システイン、及びベータ-メルカプトエタノールであり、好ましくは、2-メルカプトエチルアミン、ジチオスレイトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンからなる群から選択される還元剤である。例えば、少なくとも20℃の温度で、少なくとも25mMの2-MEAの存在下又は少なくとも0.5mMのジチオスレイトールの存在下で、pH5~8、例えばpH7.0又はpH7.4で、少なくとも90分間のインキュベートが使用され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単鎖抗体を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単一ドメイン抗体を含む。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、ナノボディを含む。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、VHH抗体を含む。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、ラマ抗体を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単鎖抗体を含まない。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、単一ドメイン抗体を含まない。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、ナノボディを含まない。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、VHH抗体を含まない。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、ラマ抗体を含まない。
【0138】
別の特定の態様によれば、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘導する、Vβ17抗体又はその抗原結合フラグメントが本明細書に提供される。抗体又はその抗原結合フラグメントは、例えば、インビトロでADCCを誘導することができる。
【0139】
特定の実施形態では、TRGV9抗体は、1:1のエフェクター対標的細胞の比でインビトロで評価した場合、約160pM未満のEC50でインビトロにおける第2の細胞のT細胞依存性細胞傷害性を誘導する。
【0140】
いくつかの実施形態では、Vβ17は、T細胞の表面上に存在する。いくつかの実施形態では、Vβ17は、T細胞の表面上に存在し、第2の標的抗原は、第2の細胞の表面上にある。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体が、T細胞の表面上のVβ17及び第2の細胞の表面上の第2の標的抗原に結合すると、第2の細胞は死滅する。
【0141】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、約500pM未満のEC50でインビトロにおいて第2の細胞のT細胞依存性細胞傷害を誘導する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、約300pM未満のEC50でインビトロにおいて第2の細胞のT細胞依存性細胞傷害を誘導する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、約160pM未満のEC50でインビトロにおいて第2の細胞のγδT細胞依存性細胞傷害を誘導する。いくつかの実施形態では、γδTエフェクター細胞及び第2の標的抗原を発現している標的細胞の混合物を用いて、EC50を評価する。いくつかの実施形態では、エフェクター細胞対標的細胞の比は、約0.01:1~約5:1である。いくつかの実施形態では、エフェクター細胞対標的細胞の比は、約0.1:1~約2:1である。いくつかの実施形態では、エフェクター細胞対標的細胞の比は、約1:1である。
【0142】
ある特定の実施形態では、EC50は、約1000pM未満、約900pM未満、約800pM未満、約700pM未満、約600pM未満、約500pM未満、約400pM未満、約300pM未満、約200pM未満、約190pM未満、約180pM未満、約170pM未満、約160pM未満、約150pM未満、約140pM未満、約130pM未満、約120pM未満、約110pM未満、約100pM未満、約90pM未満、約80pM未満、約70pM未満、約60pM未満、約50pM未満、約40pM未満、約30pM未満、約20pM未満、又は約10pM未満である。
【0143】
ある特定の実施形態では、エフェクター対標的細胞の比は、例えば、0.01:1、0.02:1、0.03:1、0.04:1、0.05:1、0.06:1、0.07:1、0.08:1、0.09:1、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、又は10:1であり得る。特定の実施形態では、多重特異性抗体の濃度は、約0.000005ng/mL、約0.00005ng/mL、約0.0005、約0.005ng/mL、約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.03ng/mL、約0.04ng/mL、約0.05ng/mL、約0.06ng/mL、約0.07ng/mL、約0.08ng/mL、約0.09ng/mL、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1.0ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、又は約1000ng/mLである。
【0144】
別の態様では、Vβ17との結合について本明細書に記載されるVβ17抗体のうちのいずれかと競合する抗体が本明細書で提供される。別の態様では、本明細書に記載されるVβ17抗体のうちのいずれかと同じエピトープと結合する抗体が本明細書で提供される。別の態様では、本明細書に記載のVβ17抗体によって結合されたVβ17上のエピトープと重複するVβ17上のエピトープに結合するVβ17抗体が提供される。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体のVHを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体のVLを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体のVH及びVLを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供されるVβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、Kabat付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、Chothia付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、AbM付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、Contact付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、IMGT付番システムに従う。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、多重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、二重特異性抗体である。
【0145】
別の態様では、Vβ17への結合についてVβ17リファレンス抗体と競合する抗体が提供される。別の態様では、Vβ17リファレンス抗体と同じVβ17エピトープに結合するVβ17抗体が提供される。別の態様では、Vβ17リファレンス抗体によって結合されたVβ17上のエピトープと重複するVβ17上のエピトープに結合するVβ17抗体が提供される。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、本明細書に提供されるVβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、本明細書に提供されるVβ17リファレンス抗体のVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、本明細書に提供されるVβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、本明細書に提供されるVβ17リファレンス抗体のVHを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、本明細書に提供されるVβ17リファレンス抗体のVLを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、本明細書に提供されるVβ17リファレンス抗体のVH及びVLを含む。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、本明細書に提供されるVβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、Kabat付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、Chothia付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、AbM付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、Contact付番システムに従う。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列は、IMGT付番システムに従う。ある特定の実施形態では、抗体は、多重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体である。ある特定の実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、多重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、Vβ17リファレンス抗体は、二重特異性抗体である。
【0146】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体の免疫エフェクター特性は、当業者に既知の技術によりFcを改変することによって増強又はサイレンシングさせることができる。例えば、Fcエフェクター機能、例えば、Clq結合、補体依存性細胞傷害性(complement dependent cytotoxicity、CDC)、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性貪食(antibody-dependent cell-mediated phagocytosis、ADCP)、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体:B cell receptor、BCR)のダウンレギュレーションなどが、これらの活性を担うFc中の残基を改変することにより提供され、かつ/又は制御され得る。
【0147】
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」又は「ADCC」は、Fc受容体(Fc receptor、FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(Natural Killer、NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)が標的細胞上に結合した抗体を認識し、その後、標的細胞の溶解を引き起こす、細胞が媒介する反応を指す。
【0148】
ADCCを誘導する抗体の能力は、そのオリゴ糖成分を操作することにより増強され得る。ヒトIgG1又はIgG3は、Asn297においてN-グリコシル化される。ここで、グリカンの大部分は、既知の二分岐G0、G0F、G1、G1F、G2、又はG2Fの形態である。遺伝子操作されていないCHO細胞により産生された抗体は、典型的には、少なくとも約85%のグリカンフコース含量を有する。Fc領域に結合した二分岐の複雑なタイプのオリゴ糖からコアフコースを除去すると、抗原結合もCDC活性も変化させることなく、改善されたFcγRIIIa結合を介して抗体のADCCが増強される。このようなAbは、二分岐の複雑なタイプのFcオリゴ糖を有する、比較的高度に脱フコシル化された抗体の発現を成功させることが報告されている異なる方法、例えば、培養浸透圧の制御(Konno et al.,Cytotechnology 64:249-65,2012)、宿主細胞株としてのバリアントCHO株Lec13の適用(Shields et al.,J Biol Chem 277:26733-26740,2002)、宿主細胞株としてのバリアントCHO株EB66の適用(Olivier et al.,MAbs;2(4),2010;印刷前に電子出版;PMID:20562582)、宿主細胞株としてのラットハイブリドーマ細胞株YB2/0の適用(Shinkawa et al.,J Biol Chem 278:3466-3473,2003)、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ(FUT8)遺伝子に対して特異的な低分子干渉RNAの導入(Mori et al.,Biotechnol Bioeng88:901-908,2004)、又はβ-1,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII及びゴルジα-マンノシダーゼII若しくは強力なアルファ-マンノシダーゼI阻害剤であるキフネンシンの共発現(Ferrara et al.,J Biol Chem 281:5032-5036,2006、Ferrara et al.,Biotechnol Bioeng 93:851-861,2006;Xhou et al.,Biotechnol Bioeng 99:652-65,2008)を使用して達成され得る。
【0149】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗体により惹起されるADCCはまた、抗体のFcにおけるある特定の置換によっても増強され得る。例示的な置換は、例えば、米国特許第6,737,056号に記載されているように、アミノ酸位置256、290、298、312、356、330、333、334、360、378、又は430(残基の付番はEUインデックスに従う)における置換である。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、キメラである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、ヒト化されている。ある特定の実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、単離されたVβ17抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗原結合フラグメントは、キメラである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗原結合フラグメントは、ヒトである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗原結合フラグメントは、ヒト化されている。ある特定の実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗原結合フラグメントは、単離されたVβ17抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、IgG抗体である。いくつかの実施形態では、IgG抗体は、IgG1抗体である。いくつかの実施形態では、IgG抗体は、IgG2抗体である。いくつかの実施形態では、IgG抗体は、IgG3抗体である。いくつかの実施形態では、IgG抗体は、IgG4抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、多価である。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、少なくとも3つの抗原に結合することができる。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、少なくとも4つの抗原に結合することができる。いくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、少なくとも5つの抗原に結合することができる。
【0151】
また、本明細書で提供される抗体をコードする核酸も提供される。別の一般的な態様では、本明細書で提供される抗体をコードする単離核酸を含む、ベクターが提供される。別の一般的な態様では、本明細書で提供される抗体をコードする単離核酸を含む、ベクターが提供される。また、本明細書に提供される抗体をコードする核酸を含む、ベクターが提供される。また、本明細書で提供される抗体をコードする核酸を含むベクターを含む、宿主細胞が提供される。また、本明細書に提供される抗体をコードする核酸を含むベクターと、そのためのパッケージとを含む、キットが提供される。別の一般的な態様では、本明細書に提供されるモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードしている単離核酸が、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、抗体は、Vβ17抗体である。
【0152】
タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、タンパク質のコード配列を変更する(例えば、置換する、欠失させる、挿入するなど)ことができることが、当業者には理解されるであろう。したがって、タンパク質のアミノ酸配列を変化させることなく、本明細書で提供される抗体をコードする核酸配列を変化させることができることが、当業者には理解されるであろう。
【0153】
本開示を考慮して、当業者に既知である任意のベクター、例えばプラスミド、コスミド、ファージベクター、又はウイルスベクターを使用することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドなどの組換え発現ベクターである。ベクターは、例えば、プロモータ、リボソーム結合エレメント、ターミネータ、エンハンサ、選択マーカー、及び複製起点という、発現ベクターの従来の機能を確立するための任意のエレメントを含むことができる。プロモータは、常時発現型、誘導型、又は再形成可能なプロモータであり得る。細胞に核酸を送達することができる多数の発現ベクターが当該技術分野において既知であり、細胞内で抗体又はその抗原結合断片を産生するために、本明細書で使用することができる。従来のクローニング技術、又は人工遺伝子合成を使用して、ある特定の実施形態に従った組換え発現ベクターを生成することができる。このような技術は、本開示の観点から、当業者に周知である。
【0154】
また、本明細書に提供される抗体をコードする単離された核酸を含む宿主細胞も提供される。また、本明細書に提供される抗原結合フラグメントをコードする単離された核酸を含む宿主細胞も提供される。本開示の観点から、当業者に既知である任意の宿主細胞を、本明細書に提供される抗体又はその抗原結合断片の組換え発現に使用することができる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、大腸菌TG1若しくはBL21細胞(例えば、scFv又はFab抗体の発現の場合)、CHO-DG44若しくはCHO-K1細胞、又はHEK293細胞(例えば、完全長IgG抗体の発現の場合)である。特定の実施形態によれば、組換え発現ベクターは、組換え核酸が効果的に発現するように宿主細胞ゲノムに安定的に組み込まれる、化学的トランスフェクション、熱ショック、又はエレクトロポレーションなどの従来の方法によって宿主細胞に形質転換される。
【0155】
本明細書に開示される抗体を産生する方法もまた提供される。方法は、抗体をコードする核酸を含む細胞を、抗体を産生するための条件下で培養することと、細胞又は細胞培養物から(例えば、上清から)抗体を回収することとを含む。発現された抗体は、当該技術分野で既知の従来技術に従って、また、本明細書に記載されるように、細胞から採取し、精製することができる。
【0156】
医薬組成物
別の一般的な態様では、本明細書に提供されるVβ17抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物が提供される。ある特定の実施形態では、抗体は、単離される。また、医薬組成物を製造する方法であって、抗体を薬学的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法も提供される。
【0157】
別の一般的な態様では、本明細書に提供されるVβ17多重特異性抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物が提供される。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、単離される。また、医薬組成物を製造する方法が提供され、方法は、多重特異性抗体を薬学的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む。本明細書で提供される抗体のいずれも、医薬組成物中で企図される。
【0158】
本明細書で使用するとき、用語「医薬組成物」は、薬学的に許容される担体と一緒に本明細書に提供される抗体を含む製品を意味する。本明細書に提供される抗体及びそれらを含む組成物は、治療用途のための医薬の製造においても有用である。
【0159】
本明細書で使用するとき、用語「担体」は、任意の賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤、油、脂質、脂質含有小胞、ミクロスフェア、リポソーム封入体、又は医薬製剤で使用するための当該技術分野において周知である他の材料を指す。担体、賦形剤又は希釈剤の特性は、特定の用途の投与経路によって決まる点は理解されよう。本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される担体」は、本明細書に提供される組成物の効果、本明細書に提供される組成物の生物活性に干渉しない無毒性材料を指す。特定の実施形態によれば、本開示を考慮して、抗体の医薬組成物での使用に好適ないずれの薬学的に許容される担体も、本明細書で使用され得る。
【0160】
医薬的に許容される担体を有する医薬活性成分の製剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば21st edition(2005)及びそれ以降の任意の改訂版)にあるように、当該技術分野において既知である。追加成分の非限定的な例としては、緩衝剤、希釈剤、溶媒、張度調節剤、防腐剤、安定剤、及びキレート剤が挙げられる。1つ又は2つ以上の医薬的に許容される担体が、本明細書に提供される医薬組成物の製剤化において使用され得る。
【0161】
一実施形態では、医薬組成物は、液体製剤である。液体製剤の好ましい例は、水性製剤、すなわち、水を含む製剤である。液体製剤は、溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲルなどを含んでいてもよい。水性製剤は、典型的には、少なくとも50%w/wの水、又は少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は少なくとも95%w/wの水を含む。
【0162】
一実施形態では、医薬組成物は、例えば、注射デバイス(例えば、シリンジ又は注入ポンプ)を介して注射することができる注射液として製剤化され得る。注射は、例えば、皮下に、筋肉内に、腹腔内に、硝子体内に、又は静脈内に送達され得る。
【0163】
別の実施形態では、医薬組成物は、そのまま使用することができるか、又は医師若しくは患者が使用前に溶媒及び/若しくは希釈剤を加える固体製剤、例えば、凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物である。固体剤形としては、圧縮錠及び/又はコーティング錠などの錠剤、並びにカプセル(例えば、硬又は軟ゼラチンカプセル)を挙げることができる。医薬組成物はまた、例えば、サッシェ、糖衣錠、粉末、顆粒、トローチ、又は再構成用の粉末の形態であってもよい。
【0164】
剤形は即時放出であってもよく、その場合、水溶性若しくは水分散性担体を含んでいてもよく、又は剤形は遅延放出、持続放出、若しくは調節放出であってもよく、その場合、胃腸管若しくは皮下における剤形の溶解速度を制御する非水溶性ポリマーを含んでいてもよい。
【0165】
他の実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内に、口腔内に、又は舌下に送達され得る。
【0166】
水性製剤のpHは、pH3~pH10であり得る。一実施形態では、製剤のpHは、約7.0~約9.5である。別の実施形態では、製剤のpHは、約3.0~約7.0である。
【0167】
別の実施形態では、医薬組成物は、緩衝剤を含む。緩衝剤の非限定的な例としては、アルギニン、アスパラギン酸、ビシン、シトレート、リン酸一水素二ナトリウム、フマル酸、グリシン、グリシルグリシン、ヒスチジン、リジン、マレイン酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、コハク酸塩、酒石酸、トリシン、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、及びこれらの混合物が挙げられる。緩衝剤は、個々に又は全体として、約0.01mg/ml~約50mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの具体的な緩衝剤の各1つを含む医薬組成物は、代替実施形態を構成する。
【0168】
別の実施形態では、医薬組成物は、防腐剤を含む。防腐剤の非限定的な例としては、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブロノポール、ブチル4-ヒドロキシベンゾエート、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロヘキシジン、クロルフェネシン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、エチル4-ヒドロキシベンゾエート、イミド尿素、メチル4-ヒドロキシベンゾエート、フェノール、2-フェノキシエタノール、2-フェニルエタノール、プロピル4-ヒドロキシベンゾエート、デヒドロ酢酸ナトリウム、チオメロサール、及びこれらの混合物が挙げられる。防腐剤は、個々に又は全体として、約0.01mg/ml~約50mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの具体的な防腐剤の各1つを含む医薬組成物は、代替実施形態を構成する。
【0169】
別の実施形態では、医薬組成物は、等張剤を含む。等張剤の非限定的な例としては、塩(塩化ナトリウムなど)、アミノ酸(グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、及びスレオニンなど)、アルジトール(グリセロール、1,2-プロパンジオールプロピレングリコールなど)、1,3-プロパンジオール、及び1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、並びにこれらの混合物が挙げられる。等張剤の別の例としては、糖が挙げられる。糖の非限定的な例は、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、アルファ及びベータ-HPCD、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、並びにカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む、単糖類、二糖類、若しくは多糖類、又は水溶性グリカンを含み得る。等張剤の別の例は、糖アルコールであり、用語「糖アルコール」は、少なくとも1つの-OH基を有するC(4~8)炭化水素として定義される。糖アルコールの非限定的な例としては、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールが挙げられる。等張剤は、個々に又は全体として、約0.01mg/ml~約50mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの具体的な等張剤の各1つを含む医薬組成物は、代替実施形態を構成する。
【0170】
別の実施形態では、医薬組成物は、キレート剤を含む。キレート剤の非限定的な例としては、クエン酸、アスパラギン酸、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid、EDTA)の塩、及びこれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、個々に又は全体として、約0.01mg/ml~約50mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの具体的なキレート剤の各1つを含む医薬組成物は、代替実施形態を構成する。
【0171】
別の実施形態では、医薬組成物は、安定剤を含む。安定剤の非限定的な例としては、1つ若しくは2つ以上の凝集阻害剤、1つ若しくは2つ以上の酸化阻害剤、1つ若しくは2つ以上の界面活性剤、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
【0172】
別の実施形態では、医薬組成物は、安定剤を含み、当該安定剤は、カルボキシ/ヒドロキシセルロース及びその誘導体(HPC、HPC-SL、HPC-L、及びHPMCなど)、シクロデキストリン、2-メチルチオエタノール、ポリエチレングリコール(PEG3350など)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、塩(塩化ナトリウムなど)、硫黄含有物質(例えばモノチオグリセロール)、又はチオグリコール酸である。安定剤は、個々に又は全体として、約0.01mg/ml~約50mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの具体的な安定剤の各1つを含む医薬組成物は、代替実施形態を構成する。
【0173】
更なる実施形態では、医薬組成物は、1つ若しくは2つ以上の界面活性剤、好ましくは1つの界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、又は2つの異なる界面活性剤を含む。用語「界面活性剤」は、水溶性(親水性)部及び脂溶性(親油性)部から構成される任意の分子又はイオンを指す。界面活性剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は双性界面活性剤からなる群から選択され得る。界面活性剤は、個々に又は全体として、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの具体的な界面活性剤の各1つを含む医薬組成物は、代替実施形態を構成する。
【0174】
更なる実施形態では、医薬組成物は、1つ若しくは2つ以上のプロテアーゼ阻害剤、例えば、EDTA、及び/又はベンズアミジン塩酸(hydrochloric acid、HCl)などを含む。プロテアーゼ阻害剤は、個々に又は全体として、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの具体的なプロテアーゼ阻害剤の各1つを含む医薬組成物は、代替実施形態を構成する。
【0175】
別の一般的な態様では、本明細書に提供される抗体又はその抗原結合フラグメントを含む、医薬組成物を製造する方法が本明細書に提供され、方法は、抗体又はその抗原結合フラグメントを薬学的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む。
【0176】
使用方法
本明細書に提供される抗体の機能活性は、当該技術分野において既知の方法により、及び本明細書に記載の通り特徴付けられ得る。抗体及びその抗原結合フラグメントを特徴付ける方法としては、Biacore、ELISA、及びOctetRed分析を含む親和性及び特異性アッセイ;FACSによる標的細胞に対する抗体の結合を検出する結合アッセイ;細胞上の標的抗原に対する抗体の結合を検出するための結合アッセイが挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態によれば、抗体及びその抗原結合フラグメントを特徴付ける方法としては、以下に記載するものが挙げられる。ある特定の実施形態では、抗体は、Vβ17抗体である。
【0177】
また、Vβ17を発現するT細胞を活性化する方法が提供され、方法は、T細胞を、本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、接触させることは、Vβ17を発現する対照T細胞と比較して、CD69、CD25、及び/又はグランザイムB発現の増加をもたらす。
【0178】
別の一般的な態様では、Vβ17を発現するT細胞を不活性化する方法が提供され、方法は、T細胞を、本明細書に提供されるVβ17に結合する抗体と接触させることを含む。別の一般的な態様では、Vβ17を発現するT細胞の活性化を遮断する方法が提供され、方法は、T細胞を、本明細書に提供されるVβ17に結合する抗体と接触させることを含む。別の一般的な態様では、Vβ17を発現するT細胞の活性化を調節する方法が提供され、この方法は、T細胞を、本明細書に提供されるVβ17に結合する抗体と接触させることを含む。
【0179】
対象における疾患又は障害を治療する方法もまた本明細書に提供され、方法は、本明細書に提供されるVβ17抗体を対象に投与することを含む。対象における疾患又は障害を治療する方法もまた本明細書に提供され、方法は、本明細書に提供されるVβ17抗原結合フラグメントを対象に投与することを含む。対象における疾患又は障害を治療する方法もまた本明細書に提供され、方法は、本明細書に提供されるVβ17抗体を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。対象における疾患又は障害を治療する方法もまた本明細書に提供され、方法は、本明細書に提供されるVβ17抗原結合フラグメントを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0180】
疾患の治療に使用するためのVβ17抗体も本明細書に提供され、Vβ17抗体を本明細書に提供する。いくつかの実施形態では、疾患は、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞によって全て又は部分的に引き起こされる。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、その治療を必要としている対象である。
【0181】
疾患の治療のための薬物の製造におけるVβ17抗体の使用も本明細書に提供され、Vβ17抗体を本明細書に提供する。いくつかの実施形態では、疾患は、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞によって全て又は部分的に引き起こされる。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、その治療を必要としている対象である。
【0182】
いくつかの実施形態では、対象は、その治療を必要としている対象である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。特定の実施形態では、対象は、有効量を投与される。
【0183】
本明細書に使用される場合、「有効量」という用語は、対象において所望される生物学的又は医薬的応答を誘起する活性成分又は構成成分の量を指す。
【0184】
特定の実施形態によれば、有効量は、次の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ超を達成するのに十分な療法の量を指す:(i)治療される疾患、障害若しくは病態又はそれと関連する症状の重症度を軽減又は改善すること、(ii)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の期間を短縮すること、(iii)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の進行を予防すること、(iv)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の退縮を生じさせること、(v)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の進行又は発症を予防すること、(vi)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の再発を予防すること、(vii)治療される疾患、障害、若しくは状態、又はそれと関連する症状を有する対象の入院を減少させること、(viii)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状を有する対象の入院期間を短縮させること、(ix)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状を有する対象の生存率を高めること、(xi)治療される対象の疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状を阻害又は軽減すること、及び/あるいは(xii)別の療法の予防又は治療効果を強化又は改善すること。
【0185】
有効量又は投薬量は、治療される疾患、障害、又は病態、投与手段、標的部位、対象の生理学的状態(例えば、年齢、体重、健康状態を含む)、対象がヒトであるか動物であるか、投与される他の医薬、及び治療が予防的なものであるか治療的なものであるか、などの様々な要因に従って異なり得る。治療投薬量は、安全性及び有効性を最適化するために最適に漸増される。
【0186】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載される組成物は、対象への想定される投与経路に好適であるように製剤化される。例えば、本明細書に記載される組成物は、静脈内投与、皮下投与、又は筋肉内投与に好適であるように製剤化することができる。
【0187】
本明細書で使用するとき、用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、及び「治療(treatment)」は全て、がんに関連する少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善又は回復を指し、これは対象において必ずしも認識されるとは限らないが、対象において認識可能な場合もある。用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」はまた、疾患、障害、又は病態を退縮させる、その進行を防止する、又は少なくともその進行を遅らせることを指す場合もある。特定の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、腫瘍若しくはより好ましくはがんなどの疾患、障害、若しくは病態と関連する1つ以上の症状の緩和、進行若しくは発症の予防、又はその期間の短縮を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態の再発の防止を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態を有する対象の生存率の向上を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、対象における疾患、障害、又は病態の消失を指す。
【0188】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、補足療法と組み合わせて使用される。
【0189】
本明細書で使用するとき、対象への2つ以上の療法の投与の文脈における用語「組み合わせで」は、2つ以上の療法の使用を指す。用語「組み合わせで」の使用は、療法を対象に投与する順序について限定しない。例えば、第1の療法(例えば、本明細書に記載される組成物)は、対象に第2の療法を投与する前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)に、同時に、又は後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与してもよい。
【0190】
本明細書に提供されるVβ17抗体はまた、Vβ17発現細胞を検出するための薬剤として使用されてもよい。したがって、別の方法では、Vβ17を発現する細胞を検出する方法であって、細胞を、本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることを含む、方法が提供される。ある特定の実施形態では、検出は、ELISAによるものである。いくつかの実施形態では、検出は、FACS分析によるものである。本明細書に提供されるVβ17抗体と、使用説明書とを含むキットも提供される。
【0191】
濃縮及び検出方法
一態様では、本明細書に提供されるVβ17抗体は、Vβ17発現細胞を検出するための薬剤として使用される。したがって、他の方法では、Vβ17を発現している細胞を検出する方法であって、本明細書に提供されるVβ17抗体を細胞と接触させることを含む方法が提供される。ある特定の実施形態では、検出は、ELISAによるものである。いくつかの実施形態では、検出は、FACS分析によるものである。本明細書に提供されるVβ17抗体と、使用説明書とを含むキットも提供される。
【0192】
濃縮、単離、分離、精製、選別、選択、捕捉、若しくは検出、又はそれらの任意の組み合わせは、ビーズ、マイクロ流体、固体支持体、カラムなどの既知の技術を使用して行うことができる。例えば、Vβ17細胞は、本明細書に提供されるVβ17抗体に結合したときに既知の方法を使用して分離又は可視化することができる。
【0193】
本明細書に提供されるVβ17抗体又は多重特異性Vβ17抗体は、Vβ17発現細胞を選択的に濃縮、単離、分離、精製、選別、選択、捕捉又は検出するために使用することができる。本明細書に提供されるVβ17抗体又は多重特異性Vβ17抗体は、例えば、Vβ17に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインと、第2の標的に特異的に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含有する二重特異性フォーマットで利用され得る。他の実施形態では、本明細書に提供される多重特異性Vβ17抗体は、(例えば、三重特異性抗体で)第3の抗原に特異的に結合する第3の抗原結合ドメインを更に組み込むフォーマットで利用することができる。他の実施形態では、本明細書で提供される多重特異性Vβ17抗体は、第4の抗原に特異的に結合する第4の抗原結合ドメインを更に組み込むフォーマットで利用され得る。(例えば、四重特異性抗体として)。
【0194】
一態様では、Vβ17発現細胞を濃縮する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書で提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を濃縮することとを含む方法が本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を単離する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書で提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を単離することとを含む方法が本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を分離する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を分離することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を精製する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を精製することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を選別する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を選別することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を選択する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を選択することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を捕捉する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を捕捉することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を検出する方法であって、Vβ17発現細胞を含む試料を提供することと、試料を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を検出することとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0195】
一態様では、Vβ17発現細胞を濃縮する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を濃縮することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を単離する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を単離することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を分離する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を分離することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を精製する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を精製することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を選別する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を選別することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を選択する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を選択することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を捕捉する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を捕捉することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を検出する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に結合したVβ17発現細胞を検出することとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0196】
一態様では、Vβ17発現細胞を濃縮する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を濃縮することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を単離する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を単離することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を分離する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を分離することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を精製する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を精製することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を選別する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を選別することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を選択する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を選択することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を捕捉する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を捕捉することとを含む方法が、本明細書に提供される。一態様では、Vβ17発現細胞を検出する方法であって、Vβ17発現細胞を本明細書に提供されるVβ17抗体と接触させることと、Vβ17抗体に対するVβ17発現細胞の結合に基づいてVβ17発現細胞を検出することとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0197】
方法のある特定の実施形態では、Vβ17発現細胞は、T細胞である。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、細胞の集団中にある。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、リンパ球の集団中にある。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、T細胞の集団中にある。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、細胞の集団として提供される。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、リンパ球の集団として提供される。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、T細胞の集団として提供される。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、細胞の集団を含む試料として提供される。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、リンパ球の集団を含む試料として提供される。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17発現細胞は、T細胞の集団を含む試料として提供される。方法のいくつかの実施形態では、試料は、血液試料である。方法のいくつかの実施形態では、試料は、組織試料である。方法のいくつかの実施形態では、試料は、組織培養試料である。
【0198】
方法のいくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供される多重特異性Vβ17抗体である。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供される二重特異性Vβ17抗体である。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供される三重特異性Vβ17抗体である。方法のいくつかの実施形態では、Vβ17抗体は、本明細書に提供される四重特異性Vβ17抗体である。ある特定の実施形態では、Vβ17抗体は、Vβ17に特異的に結合する。一実施形態では、多重特異性Vβ17抗体は、(a)Vβ17に結合する第1の結合ドメインと、(b)第2の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に結合する第2の結合ドメインとを含む。一実施形態では、多重特異性Vβ17抗体は、(a)Vβ17に結合する第1の結合ドメインと、(b)第2の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に結合する第2の結合ドメインと、(c)第3の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に結合する第3の結合ドメインとを含む。一実施形態では、多重特異性Vβ17抗体は、(a)Vβ17に結合する第1の結合ドメインと、(b)第2の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に結合する第2の結合ドメインと、(c)第3の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に結合する第3の結合ドメインと、(d)第4の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に結合する第4の結合ドメインとを含む。一実施形態では、多重特異性Vβ17抗体は、(a)Vβ17に特異的に結合する第1の結合ドメインと、(b)第2の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に特異的に結合する第2の結合ドメインとを含む。一実施形態では、多重特異性Vβ17抗体は、(a)Vβ17に特異的に結合する第1の結合ドメインと、(b)第2の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に特異的に結合する第2の結合ドメインと、(c)第3の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に特異的に結合する第3の結合ドメインとを含む。一実施形態では、多重特異性Vβ17抗体は、(a)Vβ17に特異的に結合する第1の結合ドメインと、(b)第2の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に特異的に結合する第2の結合ドメインと、(c)第3の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に特異的に結合する第3の結合ドメインと、(d)第4の標的(例えば、Vβ17ではない標的)に特異的に結合する第4の結合ドメインとを含む。
【0199】
本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、方法は、マルチマーカー検出を使用する。いくつかの実施形態では、マルチマーカー検出は、本明細書に提供される多重特異性Vβ17抗体を使用する。いくつかの実施形態では、マルチマーカー検出は、本明細書に提供される二重特異性Vβ17抗体を使用する。いくつかの実施形態では、マルチマーカー検出は、本明細書に提供される三重特異性Vβ17抗体を使用する。いくつかの実施形態では、マルチマーカー検出は、本明細書に提供される四重特異性Vβ17抗体を使用する。
【0200】
本明細書に提供される方法のある特定の実施形態では、方法は、T細胞製造プロセスにおける工程として含まれる。ある特定の実施形態では、細胞は、CAR-T細胞である。本明細書に提供される方法のある特定の実施形態では、方法は、T細胞改変プロセスにおける工程として含まれる。
【0201】
本明細書に提供される方法のある特定の実施形態では、方法は、診断方法における工程として含まれる。本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、方法は、Vβ17発現T細胞を定量化する方法における工程として含まれる。
【0202】
本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、方法は、濃縮、単離、分離、精製、選別、選択、捕捉、又は検出されたVβ17発現細胞を増殖させることを更に含む。ある特定の実施形態では、拡大は、インビトロである。ある特定の実施形態では、拡大は、インビボである。本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、方法は、濃縮、単離、分離、精製、選別、選択、捕捉、又は検出されたVβ17発現細胞を成長させることを更に含む。ある特定の実施形態では、成長は、インビトロである。ある特定の実施形態では、成長は、インビボである。本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、方法は、濃縮、単離、分離、精製、選別、選択、捕捉、又は検出されたVβ17発現細胞を定量化することを更に含む。
【0203】
実施形態
本発明は、以下の非限定的な実施形態を提供する。
1組の実施形態では、以下が提供される。
A1. Vβ17と結合する抗体であって、
(1)(i)配列番号31のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号32のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(2)(i)配列番号65のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号66のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(3)(i)配列番号99のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号100のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(4)(i)配列番号133のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号134のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(5)(i)配列番号167のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号168のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(6)(i)配列番号201のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号202のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(7)(i)配列番号235のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号236のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(8)(i)配列番号269のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号270のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(9)(i)配列番号303のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号304のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(10)(i)配列番号337のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号338のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(11)(i)配列番号371のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号372のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(12)(i)配列番号405のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号406のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、又は
(13)(i)配列番号439のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号440のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、抗体。
A2. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Kabat付番システムに従う、実施形態A1に記載の抗体。
A3. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Chothia付番システムに従う、実施形態A1に記載の抗体。
A4. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、AbM付番システムに従う、実施形態A1に記載の抗体。
A5. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Contact付番システムに従う、実施形態A1に記載の抗体。
A6. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、IMGT付番システムに従う、実施形態A1に記載の抗体。
A7. 抗体が、ヒト化抗体である、実施形態A1~A6のいずれか1つに記載の抗体。
A8. 抗体が、IgG抗体である、実施形態A1~A7のいずれか1つに記載の抗体。
A9. IgG抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4抗体である、実施形態A8に記載の抗体。
A10. 抗体が、カッパ軽鎖を含む、実施形態A1~A9のいずれか1つに記載の抗体。
A11. 抗体が、ラムダ軽鎖を含む、実施形態A1~A9のいずれか1つに記載の抗体。
A12. 抗体が、モノクローナル抗体である、実施形態A1~A11のいずれか1つに記載の抗体。
A13. 抗体が、Vβ17抗原に結合する、実施形態A1~A12のいずれか1つに記載の抗体。
A14. 抗体が、Vβ17エピトープに結合する、実施形態A1~A12のいずれか1つに記載の抗体。
A15. 抗体が、Vβ17に特異的に結合する、実施形態A1~A14のいずれか1つに記載の抗体。
A16. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3が、Vβ17の抗原に対する結合部位を形成する、実施形態A1~A15のいずれか1つに記載の抗体。
A17. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3が、Vβ17のエピトープに対する結合部位を形成する、実施形態A1~A15のいずれか1つに記載の抗体。
A18. Vβ17が、T細胞の表面上に存在する、実施形態A1~A17のいずれか1つに記載の抗体。
A19. 抗体が、多価である、実施形態A1~A18のいずれか1つに記載の抗体。
A20. 抗体が、少なくとも3つの抗原に結合することができる、実施形態A19に記載の抗体。
A21. 当該抗体が、少なくとも4つの抗原に結合することができる、実施形態A19に記載の抗体。
A22. 抗体が、少なくとも5つの抗原に結合することができる、実施形態A19に記載の抗体。
A23. 抗体が、多重特異性抗体である、実施形態A1~A22のいずれか1つに記載の抗体。
A24. 抗体が、二重特異性抗体である、実施形態A23に記載の抗体。
A25. 抗体が、三重特異性抗体である、実施形態A23に記載の抗体。
A26. 抗体が、四重特異性抗体である、実施形態A23に記載の抗体。
A27. 実施形態A1~A26のいずれか1つに記載の抗体をコードする、核酸。
A28 実施形態A27に記載の核酸を含む、ベクター。
A29. 実施形態A28に記載のベクターを含む、宿主細胞。
A30. 実施形態A28に記載のベクターと、そのためのパッケージと、を含む、キット。
A31. 実施形態A1~A26のいずれか1つに記載の抗体と、そのためのパッケージと、を含む、キット。
A32. Vβ17を発現するT細胞を標的細胞に方向付ける方法であって、実施形態A1~A26のいずれか1つに記載のVβ17抗体を標的細胞と接触させることを含み、第2の標的が、標的細胞の表面上に存在し、接触させることが、T細胞を標的細胞に方向付ける、方法。
A33. 標的細胞の成長又は増殖を阻害する方法であって、実施形態A1~A26のいずれか1つに記載のVβ17抗体を、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞と接触させることを含み、接触させることが、Vβ17を発現するT細胞の存在下であり、接触させることが、標的細胞の成長又は増殖の阻害をもたらす、方法。
A34. 対象における標的細胞を排除する方法であって、実施形態A1~A26のいずれか1つに記載のVβ17抗体を、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞と接触させることを含み、接触させることが、Vβ17を発現するT細胞の存在下であり、接触させることが、標的細胞の排除をもたらす、方法。
【0204】
1組の実施形態では、以下が提供される。
B1. Vβ17と結合する抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
B2. Vβ17に結合する抗体が、
(1)(i)配列番号31のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号32のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(2)(i)配列番号65のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号66のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(3)(i)配列番号99のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号100のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(4)(i)配列番号133のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号134のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(5)(i)配列番号167のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号168のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(6)(i)配列番号201のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号202のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(7)(i)配列番号235のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号236のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(8)(i)配列番号269のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号270のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(9)(i)配列番号303のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号304のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(10)(i)配列番号337のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号338のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(11)(i)配列番号371のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号372のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(12)(i)配列番号405のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号406のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、又は
(13)(i)配列番号439のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号440のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、医薬組成物。
B3. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Kabat番号付けシステムに従う、実施形態B2に記載の医薬組成物。
B4. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Chothia番号付けシステムに従う、実施形態B2に記載の医薬組成物。
B5. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、AbM番号付けシステムに従う、実施形態B2に記載の医薬組成物。
B6. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Contact番号付けシステムに従う、実施形態B2に記載の医薬組成物。
B7. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、IMGT番号付けシステムに従う、実施形態B2に記載の医薬組成物。
B8. 抗体が、ヒト化抗体である、実施形態B1~B7のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B9. 抗体がIgG抗体である、実施形態B1~B8のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B10. IgG抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4抗体である、実施形態B9に記載の医薬組成物。
B11. 抗体が、カッパ軽鎖を含む、実施形態B1~B10のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B12. 抗体が、ラムダ軽鎖を含む、実施形態B1~B11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B13. 抗体が、モノクローナル抗体である、実施形態B1~B12のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B14. 抗体が、Vβ17抗原に結合する、実施形態B1~B13のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B15. 抗体が、Vβ17エピトープに結合する、実施形態B1~B13のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B16. 抗体が、Vβ17に特異的に結合する、実施形態B1~B15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B17. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3が、Vβ17の抗原に対する結合部位を形成する、実施形態B1~B16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B18. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3が、Vβ17のエピトープに対する結合部位を形成する、実施形態B1~B16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B19. Vβ17が、T細胞の表面上に存在する、実施形態B1~B18のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B20. 抗体が多価である、実施形態B1~B19のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B21. 抗体が、少なくとも3つの抗原に結合することができる、実施形態B20に記載の医薬組成物。
B22. 抗体が、少なくとも4つの抗原に結合することができる、実施形態B20に記載の医薬組成物。
B23. 抗体が、少なくとも5つの抗原に結合することができる、実施形態B20に記載の医薬組成物。
B24. 抗体が、多重特異性抗体である、実施形態B1~B23のいずれか1つに記載の医薬組成物。
B25. 抗体が、二重特異性抗体である、実施形態B24に記載の医薬組成物。
B26. 抗体が、三重特異性抗体である、実施形態B24に記載の医薬組成物。
B27. 抗体が、四重特異性抗体である、実施形態B24に記載の医薬組成物。
B28. 実施形態B1~B27のいずれか1つに記載の医薬組成物を製造する方法であって、抗体を薬学的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法。
【0205】
1組の実施形態では、以下が提供される。
C1. 対象における疾患を治療する方法であって、Vβ17に結合する有効量の抗体を対象に投与することを含み、疾患は、標的細胞の表面上に存在する第2の標的を有する標的細胞によって全て又は部分的に引き起こされる、方法。
C2. Vβ17に結合する抗体が、
(1)(i)配列番号31のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号32のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(2)(i)配列番号65のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号66のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(3)(i)配列番号99のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号100のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(4)(i)配列番号133のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号134のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(5)(i)配列番号167のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号168のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(6)(i)配列番号201のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号202のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(7)(i)配列番号235のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号236のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(8)(i)配列番号269のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号270のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(9)(i)配列番号303のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号304のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(10)(i)配列番号337のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号338のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(11)(i)配列番号371のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号372のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、
(12)(i)配列番号405のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号406のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVL、又は
(13)(i)配列番号439のアミノ酸配列を有するVHの、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVH、並びに(ii)配列番号440のアミノ酸配列を有するVLの、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む、実施形態C1に記載の方法。
C3. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Kabat番号付けシステムに従う、実施形態C2に記載の方法。
C4. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Chothia番号付けシステムに従う、実施形態C2に記載の方法。
C5. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、AbM番号付けシステムに従う、実施形態C2に記載の方法。
C6. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、Contact番号付けシステムに従う、実施形態C2に記載の方法。
C7. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3アミノ酸配列が、IMGT番号付けシステムに従う、実施形態C2に記載の方法。
C8. 抗体が、ヒト化抗体である、実施形態C1~C7のいずれか1つに記載の方法。
C9. 抗体が、IgG抗体である、実施形態C1~C8のいずれか1つに記載の方法。
C10. IgG抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4抗体である、実施形態C9に記載の方法。
C11. 抗体が、カッパ軽鎖を含む、実施形態C1~C10のいずれか1つに記載の方法。
C12. 抗体が、ラムダ軽鎖を含む、実施形態C1~C10のいずれか1つに記載の方法。
C13. 抗体が、モノクローナル抗体である、実施形態C1~C12のいずれか1つに記載の方法。
C14. 抗体が、Vβ17抗原に結合する、実施形態C1~C13のいずれか1つに記載の方法。
C15. 抗体が、Vβ17エピトープに結合する、実施形態C1~C13のいずれか1つに記載の方法。
C16. 抗体が、Vβ17に特異的に結合する、実施形態C1~C15のいずれか1つに記載の方法。
C17. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3が、Vβ17の抗原に対する結合部位を形成する、実施形態C1~C16のいずれか1つに記載の方法。
C18. VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3が、Vβ17のエピトープに対する結合部位を形成する、実施形態C1~C16のいずれか1つに記載の方法。
C19. Vβ17が、T細胞の表面上に存在する、実施形態C1~C18のいずれか1つに記載の方法。
C20. 抗体が、多価である、実施形態C1~C19のいずれか1つに記載の方法。
C21. 抗体が、少なくとも3つの抗原に結合することができる、実施形態C20に記載の方法。
C22. 抗体が、少なくとも4つの抗原に結合することができる、実施形態C20に記載の方法。
C23. 抗体が、少なくとも5つの抗原に結合することができる、実施形態C20に記載の方法。
C24. 抗体が、多重特異性抗体である、実施形態C1~C23のいずれか1つに記載の方法。
C25. 抗体が、二重特異性抗体である、実施形態C24に記載の方法。
C26. 抗体が、三重特異性抗体である、実施形態C24に記載の方法。
C27. 抗体が、四重特異性抗体である、実施形態C24に記載の方法。
C28. 対象が、ヒトである、実施形態C1~C27のいずれか1つに記載の方法。
C29. 対象が、その治療を必要としている対象である、実施形態C1~C27のいずれか1つに記載の方法。
C30. Vβ17を発現するT細胞を活性化する方法であって、T細胞を、実施形態C1~C29のいずれか1つに記載の抗体と接触させることを含む、方法。
C31. 接触させることが、Vβ17を発現する対照T細胞と比較して、CD69、CD25、及び/又はグランザイムB発現の増加をもたらす、実施形態C30に記載の方法。
C32. 2つ以上の標的分子に結合する抗体を作製するためのプロセスであって、当該プロセスが、T細胞上に存在するVβ17に結合する第1の結合ドメインを得る機能を果たすための工程と、標的細胞の表面上の第2の標的に結合する第2の結合ドメインを得る機能を果たすための工程と、T細胞上に存在するVβ17及び標的細胞の表面上の第2の標的に結合する抗体を提供する機能を果たすための工程と、を含む、プロセス。
C33. 標的細胞の表面上の第2の標的に結合する第2の結合ドメインを得る機能を果たすための当該工程がn回繰り返され、T細胞上に存在するVβ17、及びn個の標的分子に結合する第1の結合ドメインを提供する機能を果たすためのn回の工程を更に含み、nが少なくとも2である、実施形態C32に記載のプロセス。
【0206】
Vβ17に結合する例示的な抗体が、本明細書の実施例に提供される。
【0207】
Vβ17に結合する例示的な結合剤は、本明細書において、例えば、実施例並びに表1~6に提供される。
【0208】
本発明の特定の実施形態が本明細書に記載される。前述の説明を読むと、開示された実施形態の変形形態は、当業者に明らかになり得、必要に応じてそのような変形形態を採用し得ることが予想される。したがって、本発明が、本明細書に具体的に記載されるもの以外の方法で実施されること、並びに本発明が、適用法によって許可されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正物及び均等物を含むことが意図される。更に、全ての可能性のあるこれらの変形形態における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書において別途記載のない限り、又は文脈が明らかに矛盾しない限り、本明細書に包含される。本発明の多くの実施形態が説明されてきた。しかしながら、様々な修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実行され得ることが、理解されるであろう。したがって、実施例のセクションにおける説明は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するのではなく、例示することを意図するものである。
【実施例
【0209】
実施例1:Vβ17に結合する抗体
1.1:Vβ17モノクローンの同定
細胞ベースのアプローチを使用して、Vβ17特異的モノクローンを同定した。
【0210】
マウスを新生児期のNS0-WT細胞で寛容化し、次いでTCRVα10.2Vβ17.2発現NS0細胞株で3回の追加免疫のために週1回免疫化した。
【0211】
高力価を、SKW3細胞株の3個の変異体[SKW3-1(Vα10Vβ17)、SKW3-2(Vα12Vβ17)、SKW3-3(Vα10Vβ7/9)]を使用してVβ17.2に対する特異性を調べることによって評価した。
【0212】
Vβ17に結合するいくつかのモノクローンを、図1に示す色々な細胞株及び初代細胞を使用してフローサイトメトリーによって同定した。抗TCR Vβ17-PE Ab、Beckman Coulter、カタログ番号IM2048を陽性対照として使用した。ヤギ抗マウスIgG PE、Southern Biotech、カタログ番号1030-09、E2518-RJ69Yを陰性対照として使用した。
【0213】
実施例2:Vβ17抗体特性の評価
2.1:増殖及び活性化
Vβ17+細胞の増殖を試験するために、96ウェルELISAプレートを10μg/mLのVβ17抗体又は対照抗体(B17B21)でコーティングし、24時間インキュベートした。PBMCを解凍し、Cell trace violetで標識して増殖を追跡した。0.5M PBMC細胞/ウェル/200μlの10%RPMI培地(IL-2なし)を、COインキュベーター中で24時間インキュベートした。細胞を96ウェルから200μlの10%RPMI培地(IL-2なし)を含む48ウェル培養プレートに移した。マーカー:CD25、CD69及びCD71を使用して、CTV希釈物の増殖及び活性化状態について調べた。
【0214】
7個の親由来のモノクローンは、図2に示すように、良好なアゴニスト特性を示した。良好なアゴニスト特性を有する選択された26個のモノクローンを精製のために採取した。
【0215】
26個の精製抗体について異なる増殖動態を観察した。図3に示すように、親28B2、28C9及び28D2由来のモノクローンは良好な増殖を示し、更なるアッセイのために採取した。
【0216】
26個の精製抗体について異なるCD71アップレギュレーションを観察した。図4に示すように、親28B2、28C9及び28D2由来のモノクローンは、良好なCD71アップレギュレーションを示し、更なるアッセイのために採取した。
【0217】
2.2:Vβ17結合
Vβ17に結合する10個の最良のアゴニストモノクローンを、SKW3細胞株変異体を使用して評価した。図5に示すように、3個の異なる親に属する10個の精製抗体は、SKW3-1及び2細胞株に良好に結合したが、Vβ17を発現しないSKW3-3細胞には結合しなかった。14H7親の精製抗体は、SKW3-2細胞株にあまり結合せず、陰性対照として含めた。
【0218】
PBMCに結合する10個の選択された精製モノクローンを評価した。図6に示すように、3個の異なる親に属する10個の精製抗体は、PBMC上のT細胞に良好に結合した。
【0219】
これらの10個の最終候補に残ったモノクローンは、図7に示すように、それらのハイブリッド親に基づいてアイソタイプが異なる。3個の異なる親由来の精製モノクローナル抗体は、異なるアイソタイプを有する:28D2はIgG1を有し、28B2はIgG2aを有し、28C9はIgG2bを有する。
【0220】
2.3:Vβ17抗体内在化
内在化アッセイを使用して、10個の最終候補抗体をスクリーニングした。MMAF及び抗体を、各々50nM濃度で5000細胞/ウェル/50ulに、Ab対照、MMAF対照及び7点目まで3倍希釈で添加した。MMAF抗体を細胞と共に20分間インキュベートし、アッセイを二連で行った。プレートを37℃で96時間インキュベートし、その後、Cell Titre Gloをプレートに添加した。発光をTECAN SPARKで読み取り、生存率(%)を式MMAF+Ab/MMAF X 100を使用して計算した。データをGraphPad Prismにプロットした。
【0221】
図8に示すように、28B2親由来のモノクローンは、良好な内在化を示す。非常に良好なアゴニスト特性を有する親28C9由来のモノクローンは、あまり内在化を示さなかった。親28D2及び14H7由来のモノクローンは内在化を示さない。
【0222】
実施例3:Vβ17モノクローンのエピトープビニング
エピトープビニングは、最終的なモノクローンを、別々のエピトープ認識群、及び市販の抗体のエピトープとは異なるエピトープを認識する抗体に分離するのに役立った。エピトープ認識における違いは、V遺伝子配列の多様性によって裏付けられた。
【0223】
Octet RED96を使用する10個の最終候補抗体についてのエピトープビニングマトリックスは、図9A~9Cに示すように3個の別個の特異性を示した。抗体1を抗マウスIgG Fc捕捉(AMC)センサー上にロードし、次いで抗原(TCRVα10.2Vβ17 huFc)に結合させた後、それらを抗体2パネル上で実行させた。3個の異なる親由来の精製モノクローナル抗体を3個の異なる群にビニングした。
【0224】
更に、Octet RED96を使用して評価されたように、10個の最終候補抗体は、市販の陽性対照抗体と比較して異なってビニングされた。図10A~10Cに示すように、陽性対照抗体TCRVb17-PE(Beckman coulter、カタログ番号:IM2048)は、10個の最終候補抗体とは異なってビニングされた。
【0225】
図11に示すように、同じ親由来のモノクローンは、同じVH配列を有する。3個の異なるハイブリッドに属するモノクローンの重鎖配列は、互いに多様だった。
【0226】
図12に示すように、同じ親由来のモノクローンは、同じVK配列を有する。3個の異なるハイブリッドに属するモノクローンの軽鎖配列は、互いに多様だった。
【0227】
実施例4:他のVβ17抗体の更なる特徴付け
図13に示すように、12個の他の抗体の増殖及び活性化プロファイルを試験した。これらの12個の更なる抗体は、中程度のアゴニスト特性及び良好なPBMC結合を有し、エピトープビニング及び細胞ベースの競合アッセイのために進めた。
【0228】
図14A~14Cに示すように、1つのハイブリッド親23A9由来のモノクローンは、陽性対照抗体(TCRVb17-PE)と同様にビニングされた。
【0229】
図15A~15Cに示すように、23A9及び市販の抗体由来のモノクローンは、互いに類似してビニングされたが、他のハイブリッド親由来のモノクローンとは異なってビニングされた。
【0230】
実施例5:Vβ17抗体の細胞ベースの競合アッセイ
細胞を生/死色素で4℃で15分間処理し、続いて96ウェルプレートに細胞を播種した。細胞を異なる濃度のヒト化Vb17抗体(B17B633.001)で処理し、4℃で40分間インキュベートした。細胞を洗浄し、20ug/mLの精製マウスVb17抗体と共に4℃で40分間インキュベートした。細胞を二次抗体で染色し、洗浄し、Novocyteで読み取った。図16に示すように、ほとんどのモノクローンは、市販の抗体と競合せずにVβ17を発現する細胞に結合した。
【0231】
【表8】
【0232】
当業者は、広い発明概念から逸脱することなく、上で説明される実施形態に変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に制限されず、本明細書によって定義されるように本発明の趣旨及び範囲内の修正を包含することを意図するものと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16
【配列表】
2024543019000001.xml
【国際調査報告】