(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】流体中の粒子を検出するための装置、及び当該粒子を検出するプロセス
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1434 20240101AFI20241112BHJP
G01N 15/14 20240101ALI20241112BHJP
G01N 15/1429 20240101ALI20241112BHJP
G01N 21/21 20060101ALI20241112BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G01N15/1434
G01N15/14 G
G01N15/1429
G01N21/21
G01N21/27 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525730
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 IB2022060318
(87)【国際公開番号】W WO2023073594
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TH
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521111157
【氏名又は名称】ピーティーティー・エクスプロレイション・アンド プロダクション・パブリック・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピンロッド ヴィサルテ
(72)【発明者】
【氏名】ターナ キッティポン
(72)【発明者】
【氏名】カンチャイティット パイサン
(72)【発明者】
【氏名】タンティサンティソム キッティポン
(72)【発明者】
【氏名】ブーンクーム ティティコーン
(72)【発明者】
【氏名】ラヤナスカ ヨサワット
(72)【発明者】
【氏名】トンマ サットラ
(72)【発明者】
【氏名】アヌタリヤ アラチャポーン
(72)【発明者】
【氏名】ポカヴァニッチ タヌスポン
(72)【発明者】
【氏名】フォカワット ナルチョル
(72)【発明者】
【氏名】パヴァサント プラサート
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059CC20
2G059EE01
2G059EE05
2G059EE11
2G059FF01
2G059HH02
2G059JJ19
2G059KK04
2G059MM01
(57)【要約】
本発明による流体中の粒子を検出するための装置及び当該粒子を検出するためのプロセスは、少なくとも2つの波長を生成し、かつ、電磁源のいずれか1つに少なくとも1枚の偏光シートが設けられている電磁源からなる光学技術を用いて、流体中の粒子を検出するために提供される。電磁源から直接得られる電磁波と偏光電磁波とが、媒質流体の入った容器と同一エリアに設けられた、又は容器に接続された検出領域で検出された粒子に照射される。検出領域に隣接して、第2の偏光シート及び2次元センサアレイが順次提供されている。第2の偏光シートを透過した電磁波は、2次元センサアレイを照射し、当該センサから得られたデータは、プロセッサによって処理されて、粒子を検出し、結果を報告する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中の粒子を検出するための装置であって、
電磁源(216、218)であって、少なくとも2つの異なる波長を生成し、かつ、前記電磁源(216、218)のいずれか一方の前面領域に第1の偏光シート(236)が設けられている、電磁源(216、218)と、
前記電磁源から直接得られる電磁波(240)と、
検出領域(116)を照射する偏光電磁波(241)と、を備え、
前記検出領域(116)が、前記検出に必要な媒質流体(122)を収容する容器と同じエリアに提供されているか又は容器に接続されており、前記検出領域(116)が検出領域壁(156)を有し、該検出領域壁(156)は、前記電磁波(240、241)がそこを透過して照射し、前記媒質流体(122)中で検出される前記粒子(132、142)に当たることを可能にしており、かつ、前記検出領域(116)に隣接して、第2の偏光シート(326)及び2次元センサアレイ(316)が順次提供されており、前記第2の偏光シート(326)を介した前記電磁波(240、241)の前記照射により、前記2次元センサアレイ(316)を照射するために使用される電磁波(336)を生成し、前記センサ(316)が、プロセッサ(400)に送信されるデータを提供し、
前記プロセッサ(400)が、前記2次元センサアレイ(316)から得られた前記データを、単一のフレーム又は組み合わされた複数のフレームから分析するために提供されて、前記粒子(132、142)を検出し、その後、結果を報告することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記電磁波(240、241)が、光波、赤外線波、紫外線波、マイクロ波、X線波、ガンマ線、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項3】
前記電磁波(240、241)が、好ましくは、350~800nmの範囲の波長を有する光波であることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項4】
前記電磁源から直接得られる前記電磁波(240)が、好ましくは、620~750nmの波長を有する赤色光波、500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項5】
前記偏光電磁波(241)が、好ましくは、620~750nmの波長を有する赤色光波、500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項6】
前記電磁源(216、218)が、互いに少なくとも10nm異なる波長を生成することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項7】
前記電磁源(216、218)が、10~1,000nmの範囲で互いに異なる波長を生成することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項8】
前記電磁源(216、218)が、互いに平行又はほぼ平行な前記電磁波(240、241)を生成し、前記電磁源(216、218)が、ハロゲン電球、電球、レーザ、LED電球、マイクロ波源、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項9】
前記電磁源(216、218)が、好ましくは、レンズ、ミラー、インテグレータロッド、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して、前記電磁波(240、241)をそれらが互いに平行になるように調整することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項10】
前記電磁源(216、218)から前記検出領域(116)までの距離が、前記平行又はほぼ平行な電磁波を得るために、前記検出領域の厚さの0~1,000倍であることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項11】
前記電磁源(216、218)が、好ましくは、前記検出領域(116)から0~30cm離れていることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項12】
前記電磁源(216、218)からの前記電磁波(240、241)が、前記電磁波又はレンズ、ミラー、フィルタ、偏光子、プリズム、回折格子、スリット、若しくはそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して、適切な波長を有するように調整されることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項13】
前記媒質流体(122)は、前記電磁波がそこを透過して照射することを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項14】
前記媒質流体(122)が異なる種類の粒子又は流体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項15】
前記媒質流体(122)が、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項16】
前記媒質流体(122)が前記検出領域(116)を流れるか又は前記検出領域(116)内に静止していることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項17】
前記粒子(132、142)が、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項18】
前記粒子(132、142)が1μmから5mmの範囲のサイズを有することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項19】
前記検出領域壁(156)が、透明材料若しくは半透明材料又はそれらの組み合わせのいずれか1つから得られることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項20】
前記検出領域壁(156)が、好ましくは、偏光軸歪み特性のない材料から得られることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項21】
前記2次元センサアレイ(316)が、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)若しくは電荷結合素子(CCD)又はそれらの組み合わせのいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項22】
流体中の粒子を検出するための前記装置が、前記媒質流体(122)を下から上の方向に送る少なくとも1つのポンプ(402)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項23】
流体中の粒子を検出するための前記装置が、前記媒質流体(122)の流れ方向が前記検出領域(116)の前の位置で重力線と0~45°の角度をなすように前記媒質流体(122)を送る少なくとも1つのポンプ(402)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項24】
前記2次元センサアレイ(316)が、形状、サイズ、強度、波長、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つに関する前記データを前記プロセッサ(400)に送信して、前記粒子(132、142)を検出することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項25】
前記プロセッサ(400)は、前記データを分析することができる装置であり、コンピュータ、携帯電話、クラウドコンピューティング、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、組み込みシステム、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、シングルボードコンピュータ、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項26】
前記プロセッサ(400)が、粒子の種類、量、体積、濃度、光学的特性、前記粒子(132、142)の相、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上である前記データを処理し、報告することを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項27】
前記2次元センサアレイ(316)の動作及びISOと積分時間のパラメータを制御するセンサ制御ユニット(401)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項28】
500~5,000,000の範囲内の適切なISO及び100~10,000μsの範囲内の適切な積分時間を提供することによって、前記2次元センサアレイ(316)の動作及びパラメータを制御するセンサ制御ユニット(401)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項29】
前記プロセッサ(400)と一体化されているか又は前記プロセッサ(400)から分離されているセンサ制御ユニット(401)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の流体中の粒子を検出するための装置。
【請求項30】
粒子を検出するためのプロセスであって、
a. 検出領域(116)を流れるか又は検出領域(116)内に静止している媒質流体(122)中に、異なる種類の粒子(132、142)を提供するステップと、
b. 電磁源から直接得られる電磁波(240)と、異なる波長を有する偏光電磁波(241)とを検出領域壁(156)を通して前記検出領域(116)に照射し、該検出領域壁(156)は、前記電磁波(240、241)がそこを透過して照射し、前記媒質流体(122)中で検出される前記粒子(132、142)に当たることを可能にしているステップと、
c. 2次元センサアレイ(316)に当たる、前記粒子(132、142)の光学的相互作用からの前記電磁波を測定するステップと、
d. プロセッサ(400)を使用して、前記2次元センサアレイ(316)から得られたデータを、単一のフレーム又は組み合わされた複数のフレームから分析し、結果を報告するステップと、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項31】
前記電磁波(240、241)が、光波、赤外線波、紫外線波、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項32】
前記電磁波(240、241)が、好ましくは、350~800nmの範囲の波長を有する光波であることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項33】
前記電磁源から直接得られる前記電磁波(240)が、好ましくは、620~750nmの波長を有する赤色光波、500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つであることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項34】
前記偏光電磁波(241)が、好ましくは、620~750nmの波長を有する赤色光波、500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つであることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項35】
前記電磁源(216、218)が、互いに少なくとも10nm異なる波長を生成することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項36】
前記電磁源(216、218)が、10~1,000nmの範囲で互いに異なる波長を生成することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項37】
前記電磁源(216、218)が、互いに平行又はほぼ平行な前記電磁波(240、241)を生成し、前記電磁源(216、218)が、レーザ、ダイオード、LED電球、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項38】
前記電磁源(216、218)が、好ましくは、レンズ、ミラー、インテグレータロッド、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して、前記電磁波(240、241)をそれらが互いに平行になるように調整することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項39】
前記電磁源(216、218)から前記検出領域(116)までの距離が、前記平行又はほぼ平行な電磁波を得るために、前記検出領域の厚さの0~1,000倍であることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項40】
前記電磁源(216、218)が、前記検出領域(116)から少なくとも5cm離れていることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項41】
前記電磁源(216、218)が、好ましくは、前記検出領域(116)から0~30cm離れていることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項42】
前記電磁源(216、218)から前記検出領域(116)までの距離が、前記平行又はほぼ平行な電磁波を得るために、前記検出領域の厚さの3倍を超えていることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項43】
前記電磁源(216、218)からの前記電磁波(240、241)が、前記電磁波又はレンズ、ミラー、フィルタ、偏光子、プリズム、回折格子、スリット、若しくはそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して、適切な波長を有するように調整されることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項44】
前記媒質流体(122)は、前記電磁波がそこを透過して照射することを可能にすることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項45】
前記媒質流体(122)が異なる種類の粒子又は流体を含むことを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項46】
前記媒質流体(122)が、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項47】
前記媒質流体(122)が、前記検出領域(116)を流れるか又は前記検出領域(116)内に静止していることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項48】
前記粒子(132、142)が、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項49】
前記粒子(132、142)が1μmから5mmの範囲のサイズを有することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項50】
前記検出領域壁(156)が、透明材料若しくは半透明材料又はそれらの組み合わせのいずれか1つから得られることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項51】
前記検出領域壁(156)が、好ましくは、偏光軸歪み特性のない材料から得られることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項52】
前記2次元センサアレイ(316)が、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)若しくは電荷結合素子(CCD)又はそれらの組み合わせのいずれか1つであることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項53】
少なくとも1つのポンプ(402)を使用して、前記媒質流体(122)を下から上の方向に送るステップをさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項54】
前記媒質流体(122)の流れ方向が、前記検出領域(116)の前の位置で前記重力線と0~45°の角度をなすように、少なくとも1つのポンプ(402)を使用して前記媒質流体(122)を送るステップをさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項55】
前記2次元センサアレイ(316)が、形状、サイズ、強度、波長、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つに関する前記データを前記プロセッサ(400)に送信して、前記粒子(132、142)を検出することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項56】
前記2次元センサアレイ(316)から得られる前記データが、電磁波(336)から得られる前記データであることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項57】
前記2次元センサアレイ(316)が、形状、サイズ、強度、波長、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つに関する前記データを前記プロセッサ(400)に送信して、前記粒子(132、142)を検出することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項58】
前記プロセッサ(400)は、前記データを分析することができる装置であり、コンピュータ、携帯電話、クラウドコンピューティング、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、組み込みシステム、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、シングルボードコンピュータ、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項59】
前記プロセッサ(400)が、粒子の種類、量、体積、濃度、光学的特性、前記粒子(132、142)の相、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上である前記データを処理し、報告することを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項60】
前記2次元センサアレイ(316)の動作及びISOと積分時間のパラメータを制御するセンサ制御ユニット(401)をさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項61】
500~5,000,000の範囲内の適切なISO、及び100~10,000μsの範囲内の適切な積分時間を提供することによって、前記2次元センサアレイ(316)の動作及びパラメータを制御するセンサ制御ユニット(401)をさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【請求項62】
センサ制御ユニット(401)が、前記プロセッサ(400)と一体化されているか又は前記プロセッサ(400)から分離されていることを特徴とする、請求項30に記載の粒子を検出するためのプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
流体中の粒子を検出するための装置、及び当該粒子を検出するためのプロセスに関する工学
【背景技術】
【0002】
粒子及び流体の検出は、医薬品、化学、電子機器、機械、農業、環境など様々な分野での用途のために開発された。製造過程での品質管理が必須とされる業界では、原材料及び空気中に混入した粒子並びに流体群を常時検出する必要がある。医薬品業界では、原材料又は空気中に混入した粒子があると、得られる医薬品が汚染され、使用者に有害な影響を与える可能性がある。電子機器業界では、集積回路(IC)の製造に回路パターンを形成するためのフォトレジストが必要となる。粒子が多数存在したり、異なる流体群が混入したりすると、製造されたICが損傷する可能性がある。さらに、製造は、空気中の塵埃含有量が規定値未満のクリーンルーム内で行われる必要があるため、フォトレジスト中及び空気中の粒子又は異なる流体群の量を検出し、制御することが必須である。機械を使用する業界では、オイル中の金属粒子の量を検出することで、機械の劣化を測定することができる。農業業界では、プランクトン又は水生動物の稚仔の量を検出することで、効果的な水生動物の繁殖を実現することができる。環境品質検査は、粒子カウンタを使用して実施されることで、水源中のマイクロプラスチック、又は工業施設からの煙の検出を支援することができる。
【0003】
粒子及び流体を検出するための様々なプロセス及びシステムが存在しており、例えば、粒子を含む液体に、キャピラリ導管を流れる際に照射し、粒子が吸収する光の強度又は蛍光を測定することで、流れる粒子をカウントするなどが挙げられる。「Particle or cell analyzer and method」と題する特許文献1は、全血中の細菌、ウイルス、DNA、細胞、分子又は構成成分である粒子若しくは細胞を検出する方法を開示している。しかしながら、このような米国特許では、一般的な光強度検出を使用しており、したがって、検出領域と同程度のサイズを有する粒子は、検出領域を流れる際に1つずつしか検出できない。検出領域に複数の粒子が存在する場合、又は粒子が検出領域よりはるかに小さい場合は、検出に誤差が生じる可能性がある。さらに、「Two-dimensional optical imaging methods and systems for particle detection」と題する特許文献2に示されるような他の複雑なプロセスも存在する。この特許は、管を通過する粒子を電磁波に曝露し、2次元センサアレイを使用して粒子から散乱又は放出される電磁波の強度を検出することによって、粒子を検出する方法を開示しており、それゆえ、検出領域と同程度のサイズを有する粒子は、検出領域を流れる際に1つずつしか検出できない。検出領域に複数の粒子が存在する場合、又は粒子が検出領域よりはるかに小さい場合は、検出に誤差が生じる可能性がある。また、この方法では、電磁波の散乱又は放出特性を有さない粒子を検出することはできない。
【0004】
先行技術のこのような技術的限界に鑑み、本発明者らは、偏光技術を用いて、非偏光電磁波又は各波長が互いに少なくとも10nm異なる2つの波長(2波長偏光)を有する偏光電磁波を同時に検出領域に照射することにより、異なる光学的特性を有する少なくとも2種類以上の粒子を分類して媒質流体中の粒子を識別することができ、結果として、電磁波と異なる粒子及び/又は流体との間で当該粒子及び/又は流体の分類における相互作用をもたらす、流体中の粒子を検出するための装置、プロセス、及びシステムを開発することを思いついた。海水中のマイクロプラスチックは、環境及び水生動物、さらには水生動物の消費者の健康にも影響を及ぼす重大な環境問題と考えられている。マイクロプラスチックのサイズは1μmから5mmである。サイズの範囲に大きな差があることが、マイクロプラスチック検出器の設計技術の課題となっている。1~100個/m3という低濃度のマイクロプラスチックが報告されているため、検出には大量の水が必要とされる。さらに、海水中の粒子のほとんどはプランクトンであるため、本発明は、粒子をカウントし、プランクトン及びマイクロプラスチックに分類する検出装置を開発することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,524,489号明細書
【特許文献2】米国特許第8,427,642号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による流体中の粒子を検出するための装置及び当該粒子を検出するためのプロセスは、光学技術を用いて流体中の粒子を検出することを目的とする。この装置は、少なくとも2つの波長を生成する電磁源を備え、かつ、電磁源のいずれか1つに少なくとも1枚の偏光シートが設けられている。電磁源から直接得られる電磁波及び偏光電磁波が、検出領域内で検出が必要な粒子に照射され、この検出領域は、媒質流体の入った容器と同じエリアに提供されているか又は容器に接続されている。検出領域に隣接して、第2の偏光シート及び2次元センサアレイが順次提供されている。第2の偏光シートを透過した電磁波は、2次元センサアレイで照射され、当該センサから得られたデータはプロセッサで処理されて粒子を検出し、結果を報告する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、粒子、特にマイクロプラスチックを検出するための装置及びプロセスを開発することを目的としており、様々な光学的相互作用、すなわち光透過、光吸収、光反射、蛍光、又は光散乱を利用することを特徴とし、検出装置を開発し、異なる光学的特性を有する粒子の検出及び分類を同時かつ迅速に行うこと、例えば、海水中のマイクロプラスチック粒子及びプランクトン粒子の検出を行うことを可能にする。検出領域よりも10,000倍小さいサイズの粒子まで、検出が可能である。また、検出装置が高感度であるため、低濃度粒子の検出も実現でき、流動中又は静止中の媒質流体中の粒子の検出に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】流体中の粒子を検出するための装置の例示的な実施形態を示す図である。
【
図2】流体中の粒子を検出するための装置の別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図3】2次元センサアレイを使用して、非偏光平行緑色光及び偏光赤色光を照射して、海水中のマイクロプラスチック粒子及びプランクトン粒子を検出した際に、その検出から得られた試験結果の例示的な画像を示す図である。
【
図4】非偏光平行青色光及び偏光緑色光を照射することにより、2次元センサアレイから得られたデータの処理の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、より明確な例示と説明のために、図面を参照して例示的に説明される。これらの図面において同一の要素は、特許請求の範囲を何ら限定することなく、同一の参照番号で表されている。
【0010】
本明細書に示されたいかなる態様も、特に明示しない限り、本発明の他の態様への適用も包含するものとする。
【0011】
本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、特に明記しない限り、当業者によって理解される意味を有する。
【0012】
用語「~からなる(consist(s) of)」、「~を含む(comprise(s))」、「~を含む(contain(s))」、「~を含む(include(s))」は非限定的(open-ended)な動詞である。例えば、1つ以上の構成要素又は1つ以上のステップを「~からなる(consists of)」、「~を含む(comprises)」、「~を含む(contains)」、又は「~を含む(includes)」方法はいずれも、当該1つ以上の構成要素又は1つ以上のステップのみに限定されることを意図するものではなく、言及されていない構成要素又はステップを包含するものとする。
【0013】
本明細書に記載されている道具、装置、方法、材料、又は化学物質はいずれも、別段の明示がない限り、当業者によって一般的に使用又は実施されている道具、装置、方法、材料、又は化学物質を意味するものとする。
【0014】
本発明において開示及び主張されるすべての組成物、要素及び/又は方法は、特許請求の範囲で特に明示されていない場合であっても、当業者の判断に従って、本発明の態様と同様の特性及び有用性をもたらし、同様の効果を生じさせる、本発明とは著しく異なる実験を伴わない要因への何らかの作用、実施、修正又は変更から得られた本発明の態様を包含することを意図している。したがって、本発明の態様の等価物又は類似物は、当業者にとって明らかな任意のわずかな修正又は変更を含み、本発明の精神、範囲及び概念の範疇にあるものとみなされるべきである。
【0015】
粒子132、142は、海水中のマイクロプラスチック粒子若しくはプランクトン粒子、又は水中の油、水中のガス、若しくは懸濁液など、媒質流体122に不溶の物体又は物質を指す。
【0016】
以下では、流体中の粒子を検出するための装置及び当該粒子を検出するためのプロセスに関する本発明の詳細を説明する。
【0017】
流体中の粒子を検出するための装置は、
電磁源216、218であって、少なくとも2つの異なる波長を生成し、かつ、電磁源216、218のいずれか一方の前面領域に第1の偏光シート236が設けられている、電磁源216、218と、電磁源から直接得られる電磁波240と、検出領域116に照射されている偏光電磁波241とを含み、
検出領域116が、検出に必要な流体を収容する容器と同じエリアに提供されているか又は容器に接続されており、当該検出領域116が検出領域壁156を有し、その検出領域壁156は、電磁波240、241がそこを透過して照射し、媒質流体122中で検出される粒子132、142に当たることを可能にしており、かつ、検出領域116に隣接して、第2の偏光シート326及び2次元センサアレイ316が順次提供されており、第2の偏光シート326を介した電磁波240、241の照射により、2次元センサアレイ316を照射するために使用される電磁波336を生成し、当該センサ316がプロセッサ400に送信されるデータを提供し、
プロセッサ400が、2次元センサアレイ316から得られたデータを、単一のフレーム又は組み合わされた複数のフレームから分析するために提供されて、粒子132、142を検出し、その後、結果を報告する。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、電磁波240、241は、光波、赤外線波、紫外線波、又はそれらの組み合わせのいずれか1つから選択される。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、電磁波240、241は、好ましくは、350~800nmの範囲の波長を有する光波である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源から直接得られる電磁波240は、好ましくは、620~750nmの波長を有する赤色光波、500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つである。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、偏光電磁波241は、好ましくは、620~750nmの波長を有する赤色光波、500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つである。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源216、218は、互いに少なくとも10nm異なる波長を生成する。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源216、218は、10~1,000nmの範囲で互いに異なる波長を生成する。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源216、218は、互いに平行又はほぼ平行な電磁波240、241を生成し、電磁源216、218は、ハロゲン電球、電球、レーザ、LED電球、マイクロ波源、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源216、218は、好ましくは、レンズ、ミラー、インテグレータロッド、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して、電磁波240、241をそれらが互いに平行になるように調整する。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源216、218から検出領域116までの距離は、平行又はほぼ平行な電磁波を得るために、検出領域の厚さの0~1,000倍である。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源216、218は、好ましくは、検出領域116から0~30cm離れている。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、電磁源216、218からの電磁波240、241は、電磁波又はレンズ、ミラー、フィルタ、偏光子、プリズム、回折格子、スリット、若しくはそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して、適切な波長を有するように調整される。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、媒質流体122は、電磁波がそこを透過して照射することを可能にする。
【0030】
本発明の好ましい実施形態では、媒質流体122は異なる種類の粒子又は流体を含む。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、媒質流体122は、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有する。
【0032】
本発明の好ましい実施形態では、媒質流体122は検出領域116を流れるか又は検出領域116内に静止している。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、粒子132、142は、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、粒子132、142は、1μm~5mmの範囲のサイズを有する。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、検出領域壁156は、透明材料若しくは半透明材料又はそれらの組み合わせのいずれか1つから得られる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、検出領域壁156は、好ましくは、偏光軸歪み特性のない材料から得られる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、2次元センサアレイ316は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)若しくは電荷結合素子(CCD)又はそれらの組み合わせのいずれか1つである。
【0038】
本発明の好ましい実施形態では、流体中の粒子を検出するための装置は、媒質流体122を下から上の方向に送る少なくとも1つのポンプ402をさらに備える。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、流体中の粒子を検出するための装置は、媒質流体122の流れ方向が検出領域116の前の位置で重力線と0~45°の角度をなすように媒質流体122を送る少なくとも1つのポンプ402をさらに備える。
【0040】
本発明の好ましい実施形態では、2次元センサアレイ316は、形状、サイズ、強度、波長、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つに関するデータをプロセッサ400に送信して、粒子132、142を検出する。
【0041】
本発明の好ましい実施形態では、プロセッサ400は、データを分析することができる装置であり、コンピュータ、携帯電話、クラウドコンピューティング、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、組み込みシステム、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、シングルボードコンピュータ、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される。
【0042】
本発明の好ましい実施形態では、プロセッサ400は、粒子の種類、量、体積、濃度、光学的特性、粒子132、142の相、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上であるデータを処理し、報告する。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、センサ制御ユニット401は、2次元センサアレイ316の動作及びISOと積分時間のパラメータを制御する。
【0044】
本発明の好ましい実施形態では、センサ制御ユニット401は、500~5,000,000の範囲内の適切なISO、及び100~10,000μsの範囲内の適切な積分時間を提供することによって、2次元センサアレイ316の動作及びパラメータを制御する。
【0045】
本発明の好ましい実施形態では、センサ制御ユニット401は、プロセッサ400と一体化されているか又はプロセッサ400から分離されている。
【0046】
別の実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、
a. 検出領域116を流れるか又は検出領域116内に静止している媒質流体122中に、異なる種類の粒子132、142を提供するステップと、
b. 電磁源から直接得られる電磁波240と、異なる波長を有する偏光電磁波241とを検出領域壁156を通して検出領域116に照射し、その検出領域壁156は、電磁波240、241がそこを透過して照射し、媒質流体122中で検出される粒子132、142に当たることを可能にしているステップと、
c. 2次元センサアレイ316に当たる、粒子132、142の光学的相互作用からの電磁波を測定するステップと、
d. プロセッサ400を使用して、2次元センサアレイ316から得られたデータを、単一のフレーム又は組み合わされた複数のフレームから分析し、結果を報告するステップと、
を含む。
【0047】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、光波、赤外線波、紫外線波、又はそれらの組み合わせのいずれか1つから選択される電磁波240、241を使用する。
【0048】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、好ましくは350~800nmの範囲の波長を有する光波である電磁波240、241を使用する。
【0049】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、好ましくは620~750nmの波長を有する赤色光波、又は500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つである、電磁源から直接得られる電磁波240を使用する。
【0050】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、好ましくは620~750nmの波長を有する赤色光波、又は500~620nmの波長を有する緑色光波、又は350~500nmの波長を有する青色光波のいずれか1つである偏光電磁波241を使用する。
【0051】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、互いに少なくとも10nm異なる波長を生成する電磁源216、218を使用する。
【0052】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、10~1,000nmの範囲で互いに異なる波長を生成する電磁源216、218を使用する。
【0053】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、互いに平行又はほぼ平行な電磁波240、241を生成する電磁源216、218を使用し、電磁源216、218は、レーザ、ダイオード、LED電球、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される。
【0054】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、好ましくは、レンズ、ミラー、インテグレータロッド、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して、電磁波240、241をそれらが互いに平行になるように調整する電磁源216、218を使用する。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、平行又はほぼ平行な電磁波を得るために、電磁源216、218から検出領域116までの距離が検出領域116の厚さの0~1,000倍である電磁源216、218を使用する。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、検出領域116から少なくとも5cm離れた電磁源216、218を使用する。
【0057】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、好ましくは検出領域116から0~30cm離れた電磁源216、218を使用する。
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、平行又はほぼ平行な電磁波を得るために、電磁源216、218から検出領域116までの距離が検出領域の厚さの3倍を超えている電磁源216、218を使用する。
【0059】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、電磁源216、218からの電磁波240、241を使用し、電磁波又はレンズ、ミラー、フィルタ、偏光子、プリズム、回折格子、スリット、若しくはそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的構成を使用して適切な波長を有するように調整される。
【0060】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、電磁波が透過して照射することを可能にする媒質流体122を使用する。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、異なる種類の粒子又は流体を含む媒質流体122を使用する。
【0062】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有する媒質流体122を使用する。
【0063】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、検出領域116を流れるか又は検出領域116内に静止している媒質流体122を使用する。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスにおける粒子132、142は、光吸収、光屈折、光反射、蛍光、光散乱、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される光学的特性を有する。
【0065】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスにおける粒子132、142は、1μmから5mmの範囲のサイズを有する。
【0066】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、透明材料若しくは半透明材料又はそれらの組み合わせのいずれか1つから得られる検出領域壁156を使用する。
【0067】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、好ましくは偏光軸歪み特性のない材料から得られる検出領域壁156を使用する。
【0068】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)若しくは電荷結合素子(CCD)又はそれらの組み合わせのいずれか1つである2次元センサアレイ316を使用する。
【0069】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、媒質流体122を下から上の方向に送る少なくとも1つのポンプ402をさらに含む。
【0070】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、媒質流体122の流れ方向が検出領域116の前の位置で重力線と0~45°の角度をなすように媒質流体122を送る少なくとも1つのポンプ402をさらに含む。
【0071】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、形状、サイズ、強度、波長、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つに関するデータをプロセッサ400に送信して、粒子132、142を検出するために2次元センサアレイ316を使用する。
【0072】
本発明の好ましい実施形態では、2次元センサアレイ316から得られるデータは、電磁波336から得られるデータである。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、2次元センサアレイ316から得られるデータは、粒子132、142を検出するためにプロセッサ400に送信される、形状、サイズ、強度、波長、偏光、又はそれらの組み合わせのいずれか1つに関するデータである。
【0074】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、データを分析することができる装置であり、その装置が、コンピュータ、携帯電話、クラウドコンピューティング、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、組み込みシステム、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、シングルボードコンピュータ、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上から選択される、プロセッサ400を使用する。
【0075】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、プロセッサ400を使用して、粒子の種類、量、体積、濃度、光学的特性、粒子132、142の相、又はそれらの組み合わせのいずれか1つ以上であるデータを処理し、報告する。
【0076】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、2次元センサアレイ316の動作及びISOと積分時間のパラメータを制御するセンサ制御ユニット401をさらに備える。
【0077】
本発明の好ましい実施形態では、粒子を検出するためのプロセスは、500~5,000,000の範囲内の適切なISO、及び100~10,000μsの範囲内の適切な積分時間を提供することによって、2次元センサアレイ316の動作及びパラメータを制御するセンサ制御ユニット401をさらに備える。
【0078】
本発明の好ましい実施形態では、センサ制御ユニット401は、プロセッサ400と一体化されているか又はプロセッサ400から分離されている。
【0079】
本発明をより良く理解するために、本発明の実施例を示すが、これらの実施例は、本発明の態様を単に例示するものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【実施例1】
【0080】
[実施例1]- 偏光及び光吸収特性を利用して粒子を検出するための装置
図1及び
図2は、偏光及び光吸収特性を利用する、本発明による流体中の粒子を検出するための装置の図の実施例を示しており、媒質流体122は、検出領域116を流れるか又は検出領域116内に静止している。本発明による実施例は、好ましくは光波、特に緑色光波又は赤色光波のいずれか1つである電磁波を利用する。本発明によれば、非偏光平行緑色光波は電磁源218から照射され、赤色光波は電磁源216から照射される。当該電磁源216の前方には、第1の偏光シート236が提供されて、この実施例では偏光赤色光である偏光電磁波241を得る。本実施例の目的は、海水中のマイクロプラスチック及びプランクトンを検出すること、かつ、粒子を迅速に検出し、サイズに大きな差がある粒子を測定し、異なる偏光特性を有する粒子を分類することができる、流体中の粒子を検出するための入手可能な装置を製造することである。
【0081】
本発明による流体中の粒子を検出するための装置は、ポンプ402を使用して媒質流体122を送り、本実施例の場合、媒質流体122は粒子132、142を含む海水である。粒子132はマイクロプラスチック粒子を表し、粒子142はプランクトン粒子を表す。媒質流体122は、光透過特性を有し、偏光特性を有さない透明又は半透明の材料から得ることができる検出領域壁156を有する検出領域116に接続されたゴム管又はホースを介して流れる。
【0082】
本実施例による粒子を検出するための装置は、電磁源216、218を使用して、電磁波、好ましくは光波、特に緑色光波又は赤色光波のいずれか1つを生成する。本発明によれば、非偏光平行緑色光波が電磁源218から照射され、赤色光波が電磁源216から照射され、当該電磁源216の前面領域には、第1の偏光シート236が設けられることにより、本実施例では偏光赤色光である偏光電磁波241を得る。当該電磁源216、218は、当該検出領域116に向けて平行光波を生成する距離、好ましくは少なくとも5cmの距離で、検出領域116から離れて配置されている。CMOS型である2次元センサアレイ316は、透過光、吸収光、又は偏光の変化を伴う光である電磁波336を検出するために使用される。当該センサ316は、電磁源216、218に対向して配置されている。第1の偏光シート236と90°の角度をなす偏光軸を有する第2の偏光シート326が、赤色光の電磁源216の前に取り付けられている。そのため、この例では非偏光緑色光である、電磁源から直接得られる電磁波240のみが2次元センサアレイ316に到達することができ、偏光電磁波241又は偏光赤色光は第2の偏光シート326を通り抜けることができない。
【0083】
図3は、マイクロプラスチック粒子及びプランクトン粒子の検出試験結果を示す。プランクトン粒子142は、検出領域を通過する際、非偏光緑色光240を吸収し、その結果、緑色の背景上の2次元センサアレイ316にプランクトン142の影像が生じる。光の偏光を変化させることができるマイクロプラスチック粒子132は、検出領域116を通過し、赤色光の偏光軸の方向を変化させ、したがって、マイクロプラスチック粒子132は、第2の偏光シート326を通り抜け、非偏光緑色光240を吸収することができ、2次元センサアレイ316上にマイクロプラスチックの明るい赤色画像を生じさせる。次に、当該センサ316は、シングルボードコンピュータ、すなわち単一の回路基板に搭載されたコンピュータであるプロセッサ400にデータを送信し、プランクトン濃度、マイクロプラスチック濃度、及び検出に使用された海水量という結果を報告する。
【0084】
データ分析は、2次元センサアレイ316を制御し、データを処理し、結果を報告するために、Pythonプログラミングを用いて行われる。プランクトン粒子142のみを検出する必要がある場合、又はマイクロプラスチック粒子132及びプランクトン粒子142を同時に検出する必要がある場合、データ分析は、実施例1と同じ方法で行うことができる。粒子の境界を定義した後、暗い影はプランクトン粒子142を表し、赤色はマイクロプラスチック粒子132を表す。
【0085】
マイクロプラスチック粒子132のみを検出する必要がある場合、データ処理の時間効率を高めるために、背景データを算出するための平均値を決定する前に、2次元センサアレイ316を使用して30フレームを撮影することにより検出が行われる。それから、各フレームが撮影され、赤色ピクセルのあるフレームのみが処理のために選択される。処理のために選択されたフレームのデータは、次いで、背景データによって減算され、このデータは背景とは異なるデータとして参照される。マイクロプラスチックの境界は、最大値255の25より高い値である、背景とは異なるデータを有する領域から定義される。定められた値よりも互いに近接している領域を単一の部分としてカウントすることで、誤差が低減される。定められた領域よりも小さい領域は除外される。検出された流体体積は、フレームごとの検出体積と、未処理のフレームを含む撮影フレーム数との乗算結果から算出される。フレームごとの検出体積は、光がそこを通り抜けて画像センサに当たる検出領域の体積から算出される。得られた結果は、その後処理される。
【0086】
[実施例2]- 2次元センサアレイから得られたデータの処理
図4は、2次元センサアレイから得られたデータの処理例を示す。プロセッサ400は、2次元センサアレイ316からデータを受信する。次に、偏光チャネル及び非偏光チャネルの分析が別々に行われる。データ処理は次の通りである。
【0087】
この場合、青色光である非偏光チャネルについては、検出対象の粒子132、142が存在しない場合の背景データを、少なくとも30フレームから平均化し、その後、予め定められた時間で更新するか又はフレームごとに平均化かつ更新することによって算出する(指数加重移動平均に従って、以下の式に基づく)。
新しい背景データ=(1-k)古い背景データ+k処理済みフレーム
ここで、k=0.03は、正確な背景データを得るために、最初の30フレームのプランクトン数をカウントしない新しいフレームの重みである。30フレーム後、センサからのデータが、背景データとの絶対差(整数)を算出するために取り込まれる。
【0088】
媒質流体が検出領域を流れる場合、処理のために選択されたフレームのデータは、背景データによって減算され、このデータは背景とは異なるデータとして参照される。粒子及び/又は流体の境界は、背景と異なるデータを有する領域から定義され、定められた値よりも互いに近接している領域を単一の部分として含み、定められた領域よりも小さい領域を除外する。粒子及び/又は流体の境界の形状及びサイズに関するデータ、並びに粒子及び/又は流体の当該境界の背景とは異なるデータの1つ以上が、指定されたデータベース又はモデルと比較されるために使用されて、粒子132、142及び/又は流体の種類を分類する。プロセッサ400は、電磁波が通り抜ける検出領域の体積と、検出された電磁波として検出される粒子及び/又は媒質流体122ごとの電磁波の結果とを用いて、検出される媒質流体122の体積を算出する。得られた結果は、その後処理され、報告される。
【0089】
この場合、偏光軸歪み特性を有する粒子、例えばマイクロプラスチック粒子を分析するための緑色光である偏光チャネルについて、その処理は非偏光チャネルと同様に行われる。処理のために選択されたフレームのデータは、背景データによって減算される。処理から得られた画像は、粒子の周囲に緑色光を示している。これは、マイクロプラスチック粒子が偏光軸歪み特性を有するためである。
【0090】
いかなる改良又は変更も、添付の特許請求の範囲に示されている本発明の範囲及び趣旨の下で、当業者によって明確に理解され、実施され得る。
[本発明の最良実施形態]
【0091】
本発明の最良実施形態は、本発明の詳細な説明に記載されている通りである。
【国際調査報告】