(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】皮膚炎症治療のためのキメラタンパク質
(51)【国際特許分類】
C07K 19/00 20060101AFI20241112BHJP
C07K 14/705 20060101ALI20241112BHJP
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C12N 15/62 20060101ALI20241112BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20241112BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20241112BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20241112BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20241112BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20241112BHJP
C12N 15/88 20060101ALI20241112BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20241112BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20241112BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20241112BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20241112BHJP
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A61K 47/42 20170101ALI20241112BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20241112BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20241112BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20241112BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20241112BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241112BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241112BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20241112BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20241112BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241112BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241112BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20241112BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241112BHJP
C07K 14/715 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
C07K19/00
C07K14/705 ZNA
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C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
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A61P43/00 121
A61K31/573
A61K39/395 N
C07K14/715
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525999
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 US2022079046
(87)【国際公開番号】W WO2023077152
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519302132
【氏名又は名称】シャタック ラボ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュライバー、テイラー
(72)【発明者】
【氏名】フロム、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】シュプトライン、ケイシー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
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4H045AA10
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4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、とりわけ、外皮系の炎症性疾患の治療における使用を見出す、とりわけ、異種キメラタンパク質を含む、組成物及び方法に関する。
【選択図】
図10B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質であって、
(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインであり、
(b)は、前記第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、任意選択で、(optionally)ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含み、
(c)は、リガンドに結合可能なC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインである、前記キメラタンパク質。
【請求項2】
前記TNFR2の一部は、TNFR2の細胞外ドメインまたはその断片を含む、請求項1に記載のキメラタンパク質。
【請求項3】
前記TNFR2の一部は、配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または請求項2に記載のキメラタンパク質。
【請求項4】
前記CLRは、C型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)、ランゲリン、樹状細胞特異的細胞間接着分子3結合非インテグリン(DC-SIGN)、及び樹状細胞関連C型レクチン2(デクチン2)から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項5】
前記第2のドメインはClec7aの一部を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項6】
前記Clec7aの一部は、Clec7aの細胞外ドメイン、またはβ-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能なその断片を含む、請求項5に記載のキメラタンパク質。
【請求項7】
前記Clec7aの一部は、配列番号58もしくは配列番号59のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5または請求項6に記載のキメラタンパク質。
【請求項8】
前記キメラタンパク質は、
配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、TNFR2の細胞外ドメインと、
配列番号58もしくは配列番号59のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、Clec7aの一部と、
前記細胞外ドメインに隣接するリンカーと、を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項9】
前記第2のドメインはランゲリンの一部を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項10】
前記ランゲリンの一部は、ランゲリンの細胞外ドメイン、または硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なその断片を含む、請求項9に記載のキメラタンパク質。
【請求項11】
前記ランゲリンの一部は、配列番号60もしくは配列番号61のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項9または請求項10に記載のキメラタンパク質。
【請求項12】
前記キメラタンパク質は、
配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、TNFR2の細胞外ドメインと、
配列番号60もしくは配列番号61のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、ランゲリンの一部と、
前記細胞外ドメインに隣接するリンカーと、を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項13】
前記第2のドメインはDC-SIGNの一部を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項14】
前記DC-SIGNの一部は、DC-SIGNの細胞外ドメイン、または細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なその断片を含む、請求項13に記載のキメラタンパク質。
【請求項15】
前記DC-SIGNの一部は、配列番号62もしくは配列番号63のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項13または請求項14に記載のキメラタンパク質。
【請求項16】
前記キメラタンパク質は、
配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、TNFR2の細胞外ドメインと、
配列番号62もしくは配列番号63のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、DC-SIGNの一部と、
前記細胞外ドメインに隣接するリンカーと、を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項17】
前記第2のドメインはデクチン2の一部を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項18】
前記デクチン2の一部は、デクチン2の細胞外ドメイン、またはαマンナンに結合できるその断片を含む、請求項17に記載のキメラタンパク質。
【請求項19】
前記デクチン2の一部は、配列番号64もしくは配列番号65のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項17または請求項18に記載のキメラタンパク質。
【請求項20】
前記キメラタンパク質は、
配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、TNFR2の細胞外ドメインと、
配列番号64もしくは配列番号65のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、デクチン2の一部と、
前記細胞外ドメインに隣接するリンカーと、を含む、請求項17~19のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項21】
前記ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはIgG4に由来する、請求項1~20のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項22】
前記ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項21に記載のキメラタンパク質。
【請求項23】
前記リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される、請求項21または請求項22に記載のキメラタンパク質。
【請求項24】
前記リンカーは、2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは、配列番号4~配列番号50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、前記ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、前記ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である、請求項21~23のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載のキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項26】
前記ポリヌクレオチドは、mRNAまたは修飾mRNA(mmRNA)であるか、またはmRNAまたは修飾mRNAを含む、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項27】
前記ポリヌクレオチドは、mmRNAであるか、またはmmRNAを含む、請求項25または請求項26に記載の単離されたポリヌクレオチ。
【請求項28】
前記mmRNAは、1つ以上のヌクレオシド修飾を含む、請求項27に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項29】
前記ヌクレオシド修飾は、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザアデニン、7-デアザ-8-アザアデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン、N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデニン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニン、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、ならびにこれらの組み合わせから選択される、請求項28に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項30】
前記mmRNAは、5’キャップ及び/またはポリAテールを更に含む、請求項27~29のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項31】
前記ポリヌクレオチドはDNAである、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項32】
前記ポリヌクレオチドは、皮膚特異的調節エレメントを含む、請求項31に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項33】
前記皮膚特異的調節エレメントは、ケラチン5(K5)プロモーター、ケラチン6(K6)プロモーター、ケラチン14(K14)プロモーター、ケラチン16(K16)プロモーター、α-1(I)コラーゲンプロモーター、フィラグリンプロモーター、ロリクリンプロモーター、インボルクリンプロモーター、チロシナーゼプロモーター、及びαVインテグリンプロモーターから選択される皮膚特異的プロモーターである、請求項32に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項34】
前記ポリヌクレオチドは、mRNAであるか、またはmRNAを含む、請求項25または請求項26に記載の単離されたポリヌクレオチ。
【請求項35】
請求項31~34のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項36】
請求項25~34のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む、宿主細胞。
【請求項37】
請求項35に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項38】
薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、及び請求項1~24のいずれか一項に記載のキメラタンパク質、請求項25~34のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド、請求項26~30のいずれか一項に記載のmmRNA、請求項35に記載のベクター、または請求項37に記載の宿主細胞を含む、医薬組成物。
【請求項39】
前記医薬組成物は、請求項26~30のいずれか一項に記載のmmRNAを含む、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記担体は、脂質様物質、リポソーム、リポプレックス、脂質ナノ粒子、ポリマーナノ粒子、ペプチド、タンパク質、細胞、ナノ粒子模倣物、ナノチューブ、または複合体である、請求項38または請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)、リポプレックス、またはリポソームとして製剤化される、請求項38~40のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化される、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記脂質ナノ粒子は、イオン化可能な脂質(例えば、DLin-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、98N12-5、及びC12-200から選択されるイオン化可能なカチオン性脂質);構造脂質(例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC));コレステロール、及びポリエチレングリコール(PEG)脂質(例えば、PEGジアシルグリセロール(DAG)、PEGジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEGリン脂質、PEGセラミド(Cer)、またはこれらの混合物、またはPEGジラウリルオキシプロピル(C12、PEGジミリスチルオキシプロピル(C14)、PEGジパルミチルオキシプロピル(C16)、またはPEGジステアリルオキシプロピル(C18));1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から選択される脂質を含む、請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記脂質ナノ粒子は、(a)粒子中に存在する総脂質の50モル%~85モル%を含むカチオン性脂質、(b)粒子中に存在する総脂質の13モル%~49.5モル%を含む非カチオン性脂質、及び(c)粒子中に存在する総脂質の0.5モル%~2モル%を含む粒子の凝集を阻害する複合脂質を含む、請求項42または請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記脂質ナノ粒子は、SM-102、DLin-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、98N12-5及びC12-200;コレステロール;ならびにPEG脂質から選択される脂質を含む、請求項42~44のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記医薬組成物は、非経口投与用に製剤化される、請求項38~45のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記医薬組成物は、局所、皮膚、皮内、筋肉内、腹腔内、関節内、静脈内、皮下、動脈内または経皮投与用に製剤化される、請求項38~45のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記医薬組成物は、局所投与用に製剤化される、請求項38~45のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
外皮系の炎症を治療または予防する方法であって、前記方法は、対象に請求項1~24のいずれか一項に記載のキメラタンパク質、請求項25~34のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド、請求項26~30のいずれか一項に記載のmmRNA、請求項35に記載のベクター、または請求項37に記載の宿主細胞を投与することを含む、前記方法。
【請求項50】
外皮系の炎症を治療または予防する方法であって、対象に請求項38~48のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項51】
前記炎症は、前記外皮系の疾患または障害によって引き起こされるか、またはそれと関連している、請求項49または請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記炎症は、皮膚の疾患または障害によって引き起こされるか、またはそれと関連している、請求項49~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記皮膚の疾患または障害は、乾癬、尋常性天疱瘡、強皮症、アトピー性皮膚炎、サルコイドーシス、結節性紅斑、化膿性汗腺炎、扁平苔癬、スウィート症候群、白斑、慢性爪囲炎、湿疹、脂漏性皮膚炎、及び/またはじん麻疹である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記皮膚の疾患または障害は乾癬である、請求項52または請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記乾癬は尋常性乾癬である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記乾癬は乾癬性関節炎である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記炎症は、マクロファージ及び/または樹状細胞によって媒介される、請求項49~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記治療により、
前記治療前のT細胞、好中球、樹状細胞、マクロファージ及び/またはNK細胞の浸潤レベルと比較して、炎症組織におけるT細胞、好中球、樹状細胞、マクロファージ及び/またはNK細胞の浸潤レベル、及び/または、
前記治療前のTNFα、IL-17及び/またはIL-23のレベルと比較して、炎症組織におけるTNFα、IL-17及び/またはIL-23のレベルが減少する、請求項49~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記治療により、前記治療前の皮膚の赤み、肥厚及び剥離の軽減と比較して、皮膚の赤み、肥厚及び剥離が軽減される、請求項54~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記対象に抗炎症薬を投与することを更に含む、請求項54~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記抗炎症薬は、非ステロイド性抗炎症薬またはコルチコステロイドである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記医薬組成物及び前記抗炎症薬は、同時に提供される、請求項60または請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記医薬組成物及び前記抗炎症薬は、2つの異なる医薬組成物として提供される、請求書62に記載の方法。
【請求項64】
前記医薬組成物及び前記抗炎症薬は、単一の医薬組成物として提供される、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記医薬組成物は、前記抗炎症薬が提供された後に提供される、請求項60または請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記医薬組成物は、前記抗炎症薬が提供される前に提供される、請求項60または請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記抗炎症薬は、アセチルサリチル酸(アスピリン)、ベンジル-2,5-ジアセトキシ安息香酸、セレコキシブ、ジクロフェナク、エトドラク、エトフェナメート、フルインダク、サリチル酸グリコール、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、サリチル酸メチル、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸、サリチルミド、エソメプラゾール、または、これらの任意の2つ以上の組み合わせから選択される、非ステロイド性抗炎症薬である、請求項61~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記抗炎症薬は、αメチルデキサメタゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン及びそのエステルの残り、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、βメチルベタメタゾン、ベタメタゾン、クロロプレドニゾン、クレシノロン、吉草酸クロベタゾール、クロコルテロン、コルチゾン、コルトドキソン、デソニド、デオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、二酢酸ジフルオロゾン、ジフルプレドナート、フルアドレノロン、フルセトニド、フルクロロロンアセトニド、フルクロロニド、フルコルチンブチルエステル、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメタロン、フルオシノロンアセトニド、フルペロロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルプレドニゾロン、フルラドレノロンアセトニド、フルランドレノロン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、ヒドロキシルトリアムシノロン、メドリソン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、及びトリアムシノロンアセトニドから選択されるコルチコステロイドである、請求項61~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記対象に免疫抑制剤を投与することを更に含む、請求項54~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記医薬組成物及び前記免疫抑制剤は、同時に提供される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記医薬組成物及び前記免疫抑制剤は、2つの異なる医薬組成物として提供される、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記医薬組成物及び前記免疫抑制剤は、単一の医薬組成物として提供される、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記医薬組成物は、前記免疫抑制剤が提供された後に提供される、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記医薬組成物は、前記免疫抑制剤が提供される前に提供される、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
前記免疫抑制剤は、抗体(例えば、バシリキシマブ、ダクリズマブ、及びムロモナブ)、抗イムノフィリン(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、及びシロリムス)、代謝拮抗剤(例えば、アザチオプリン、及びメトトレキサート)、細胞分裂阻害薬(例えば、アルキル化剤)、細胞傷害性抗生物質、インターフェロン、マイコフェノラート、オピオイド、低分子生物剤(例えば、フィンゴリモド、及びミリオシン)、及びTNF結合タンパク質から選択される、請求項69~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記対象に抗炎症薬及び免疫抑制剤を投与することを更に含む、請求項54~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
IL-12/IL-23阻害剤及び/またはIL-17阻害剤を含む、第2の医薬組成物を前記対象に投与することを更に含む、請求項54~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記医薬組成物及び前記免疫抑制剤は、同時に提供される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記医薬組成物及び前記免疫抑制剤は、2つの異なる医薬組成物として提供される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記医薬組成物及び前記免疫抑制剤は、単一の医薬組成物として提供される、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
前記医薬組成物は、前記免疫抑制剤が提供された後に提供される、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
前記医薬組成物は、前記免疫抑制剤が提供される前に提供される、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記IL-17阻害剤は、セクキヌマブ、イキセキズマブ、ビメキズマブ、及びブロダルマブから選択される、請求項69~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記IL12/IL-23阻害剤は、ウセキヌマブ、リサンキズマブ、グセルクマブ、及びチルドラキズマブから選択される、請求項69~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
炎症の治療または予防に使用するための請求項38~48のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項86】
炎症の治療または予防に使用するための、請求項1~24のいずれか一項に記載のキメラタンパク質、請求項25~34のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド、請求項26~30のいずれか一項に記載のmmRNA、請求項35に記載のベクター、または請求項37に記載の宿主細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、とりわけ、外皮系の炎症性疾患の治療における使用を見出す、とりわけ、異種キメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を含む、組成物及び方法に関する。
【0002】
優先権
本出願は、2021年11月1日に出願された米国仮出願第63/274,232号、2022年3月16日に出願された米国仮出願第63/320,628号、2022年3月30日に出願された米国仮出願第63/325,568号、及び2022年7月29日に出願された米国仮出願第63/369,836号の利益ならびに優先権を主張し、各出願の内容は、本明細書にその全体が参照により組み込まれる。
【0003】
配列表
本出願には、Patent Centerを介してXML形式で提出された配列リストが含まれている。2022年10月31日に作成され、サイズが117,810バイトである「SHK-054PC_116981-5054_Sequence Listing」という名称のXMLコピーの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
乾癬は、皮膚上の赤み、かゆみ及び鱗状の斑点によって特徴付けられる炎症性皮膚疾患である。乾癬は世界中で2~3%のヒトに影響を及ぼしており、免疫経路によって引き起こされると考えられている。従来、乾癬の治療には、局所コルチコステロイド(例えば、トリアムシノロンアセトニド及びプロピオン酸クロベタゾール)、局所角質溶解薬(例えば、サリチル酸)、局所ビタミンD3類似体(例えば、カルシトリオール)、経口または局所レチノイド(例えば、タザロテン及びアシトレチン)、全身性細胞傷害性薬剤(例えば、メトトレキサート)、及び免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)が使用されている。最近、標的薬剤が開発された。これらの薬剤には、抗TNFα抗体(例えば、インフリキシマブ及びアダリムマブ)及びエタネルセプト(TNF受容体TNFR2とFcドメインの融合タンパク質)などのTNFα拮抗薬;抗IL-12B(抗IL-12及び抗IL-23)抗体(例えば、ウステキヌマブ);抗IL-23抗体(例えば、グセルクマブ);及び抗IL-17抗体(例えば、セクキヌマブ)が含まれる。
【0005】
乾癬には治療法がない。なぜなら、前述の治療法はすべて、根本的な病気の治療ではなく、症状を一時的に緩和するものだからである。その結果、これらの治療法はせいぜい症状の寛解をもたらすだけで、通常は再発を引き起こす。これらの治療法は、一時的な症状の緩和と引き換えに、皮膚の炎症から結核を含む重篤な感染症への罹患など、軽度から重度の副作用を引き起こす可能性がある。また、前述の治療法は、乾癬性関節炎(PsA)、尋常性乾癬、関節リウマチ(RA)、若年性関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病などの基礎疾患の治療ではなく、症状の一時的な緩和を提供する。したがって、乾癬、ならびに炎症性皮膚疾患及び炎症性GI管疾患を含む他の炎症性疾患を治療するための新しい治療法や治療アプローチが必要である。
【発明の概要】
【0006】
したがって、様々な態様では、本開示は、とりわけ、外皮系の炎症状態、例えば、乾癬を含む外皮系の皮膚炎症の治療に有用な組成物及び方法を提供する。
【0007】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、任意選択で、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含み、(c)は、リガンドに結合可能なC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインである。
【0008】
諸実施形態では、TNFR2の一部は、TNFR2の細胞外ドメイン、またはその断片を含む。諸実施形態では、TNFR2の一部は、配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0009】
諸実施形態では、CLRは、C型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)、ランゲリン、樹状細胞特異的細胞間接着分子3結合非インテグリン(DC-SIGN)、及び樹状細胞関連C型レクチン2(デクチン2)から選択される。
【0010】
諸実施形態では、第2のドメインは、Clec7aの一部を含む。諸実施形態では、Clec7aの一部は、Clec7aの細胞外ドメイン、またはβ-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合できるその断片を含む。諸実施形態では、Clec7aの一部は、配列番号58もしくは配列番号59のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;配列番号58もしくは配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むClec7aの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。
【0011】
諸実施形態では、第2のドメインは、ランゲリンの一部を含む。諸実施形態では、ランゲリンの一部は、ランゲリンの細胞外ドメイン、または硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なその断片を含む。諸実施形態では、ラングリンの一部は、配列番号60もしくは配列番号61のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;配列番号60もしくは配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むラングリンの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。
【0012】
諸実施形態では、第2のドメインは、DC-SIGNの一部を含む。諸実施形態では、DC-SIGNの一部は、DC-SIGNの細胞外ドメイン、または細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なその断片を含む。諸実施形態では、DC-SIGNの一部は、配列番号62もしくは配列番号63のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;配列番号62もしくは配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むDC-SIGNの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。
【0013】
諸実施形態では、第2のドメインは、デクチン2の一部を含む。諸実施形態では、デクチン2の一部は、デクチン2の細胞外ドメイン、またはαマンナンに結合できるその断片を含む。諸実施形態では、デクチン2の一部は、配列番号64もしくは配列番号65のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;配列番号64もしくは配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むデクチン2の一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。
【0014】
諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0015】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、修飾されたmRNA(mmRNA)などのmRNAであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、mmRNAであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、mmRNAは、1つ以上のヌクレオシド修飾を含む。諸実施形態では、mmRNAは、5’キャップ及び/またはポリAテールを更に含む。
【0016】
一態様では、本開示は、薬学的に許容される賦形剤または担体、及び本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、本明細書に開示される実施形態のいずれかの単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNA、本明細書に開示される実施形態のいずれかのベクター、または本明細書に開示される実施形態のいずれかの宿主細胞を含む、医薬組成物を提供する。諸実施形態では、医薬組成物は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNAを含む。
【0017】
一態様では、本開示は、外皮系の炎症を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの核酸、例えば、mmRNAを対象に投与することを含む。
【0018】
一態様では、本開示は、外皮系の炎症を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0019】
一態様では、本開示は、外皮系の炎症を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードするmmRNAを対象に投与することを含む。
【0020】
一態様では、本開示は、炎症によって引き起こされる病気を治療または予防する方法を提供する。諸実施形態では、病気は、乾癬、乾癬性関節炎(PsA)、尋常性乾癬、関節リウマチ(RA)、若年性関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、及びクローン病から選択される。
【0021】
諸実施形態では、炎症は、外皮系の疾患または障害によって引き起こされるか、またはそれと関連している。諸実施形態では、炎症は、皮膚の疾患または障害によって引き起こされるか、またはそれと関連している。諸実施形態では、皮膚の疾患または障害は、乾癬、尋常性天疱瘡、強皮症、アトピー性皮膚炎、サルコイドーシス、結節性紅斑、化膿性汗腺炎、扁平苔癬、スウィート症候群、白斑、慢性爪囲炎、湿疹、脂漏性皮膚炎、及び/またはじん麻疹である。諸実施形態では、皮膚の疾患または障害は、乾癬である。諸実施形態では、乾癬は、尋常性乾癬及び/または乾癬性関節炎である。
【0022】
本明細書に記載されるいずれの態様または実施形態も、本明細書に開示されるいずれの他の態様または実施形態とも組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】細胞外アミノ末端及び細胞内カルボキシ末端を有するI型膜貫通タンパク質TNF受容体(TNFR2)(左のタンパク質)、及び細胞外カルボキシ末端及び細胞内アミノ末端を有する、本明細書に開示するII型膜貫通タンパク質C型レクチン受容体(CLR)(右のタンパク質)の概略図を示す。
【
図1B】TNF受容体(TNFR2)及びC型レクチン受容体(CLR)の一部(例えば、細胞外ドメイン)を含み、リンカーが2つを連結している、本明細書に開示されるいくつかの態様のキメラタンパク質の図を示す。
【
図1C】TNF受容体(TNFR2)及びC型レクチン受容体(CLR)の一部(例えば、細胞外ドメイン)を含み、リンカーが2つを連結している、本明細書に開示されるいくつかの態様のキメラタンパク質の図を示す。
【
図1D】2つのC型レクチン受容体(CLR)の一部(例えば、細胞外ドメイン)を含み、リンカーが2つを連結している、本明細書に開示されるいくつかの態様のキメラタンパク質の図を示す。
【
図1E】2つのC型レクチン受容体(CLR)の一部(例えば、細胞外ドメイン)を含み、リンカーが2つを連結している、本明細書に開示されるいくつかの態様のキメラタンパク質の図を示す。
【
図2】A~Eは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の構築を示す。Aは、分子量ラダーを示す。Bは、抗TNFR2、抗Fc及び抗Clec7a抗体を用いてプローブしたTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質のウエスタンブロットであり、キメラタンパク質に3つの部分がすべて存在することを示している。Cは、抗TNFR2、抗Fc及び抗デクチン2抗体を用いてプローブしたTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質のウエスタンブロットであり、キメラタンパク質に3つの部分がすべて存在することを示している。Dは、抗TNFR2、抗Fc及び抗DC-SIGN抗体を用いてプローブしたTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質のウエスタンブロットであり、キメラタンパク質に3つの部分がすべて存在することを示している。Eは、抗TNFR2、抗Fc及び抗ランゲリン抗体を用いてプローブしたTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のウエスタンブロットであり、キメラタンパク質に3つの部分がすべて存在することを示している。
【
図3A】A~Gは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗ヒトClec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗ヒトDC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Eは、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗ヒトデクチン2抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトデクチン2を欠く無関係なタンパク質を、陰性対照をして使用した。Fは、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ヒトランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Gは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図3B】A~Gは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗ヒトClec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗ヒトDC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Eは、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗ヒトデクチン2抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトデクチン2を欠く無関係なタンパク質を、陰性対照をして使用した。Fは、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ヒトランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Gは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図3C】A~Gは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗ヒトClec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗ヒトDC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Eは、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗ヒトデクチン2抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトデクチン2を欠く無関係なタンパク質を、陰性対照をして使用した。Fは、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ヒトランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Gは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図3D】A~Gは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗ヒトClec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗ヒトDC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Eは、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗ヒトデクチン2抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトデクチン2を欠く無関係なタンパク質を、陰性対照をして使用した。Fは、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ヒトランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Gは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図3E】A~Gは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗ヒトClec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗ヒトDC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Eは、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗ヒトデクチン2抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトデクチン2を欠く無関係なタンパク質を、陰性対照をして使用した。Fは、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ヒトランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Gは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図3F】A~Gは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗ヒトClec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗ヒトDC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Eは、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗ヒトデクチン2抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトデクチン2を欠く無関係なタンパク質を、陰性対照をして使用した。Fは、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ヒトランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Gは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図3G】A~Gは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗ヒトClec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗ヒトDC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Eは、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗ヒトデクチン2抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトデクチン2を欠く無関係なタンパク質を、陰性対照をして使用した。Fは、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ヒトランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。Gは、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図4A】A~Dは、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の構築を示す。Aは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗Clec7抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-Clec7キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Bは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗デクチン2抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Cは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗DC-SIGN抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Dは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗ランゲリン抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。ウエスタンブロットは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるネイティブな状態と多量体を形成する傾向を示している。キメラタンパク質の未処理試料(すなわち、還元剤または脱グリコシル化剤を使用せず、煮沸したもの)をすべてのブロットのレーン1にロードした。レーン2の試料は、還元剤であるβ-メルカプトエタノールで処理され、煮沸された。レーン3の試料は、脱グリコシル化剤、還元剤で処理され、煮沸された。各ブロットには、タンパク質サイズラダーが含まれた。各ブロットのレーン1と比較したレーン2の移動の変化はオリゴマー化を示し、各ブロットのレーン2と比較したレーン3の移動の変化はグリコシル化を示す。
【
図4B】A~Dは、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の構築を示す。Aは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗Clec7抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-Clec7キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Bは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗デクチン2抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Cは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗DC-SIGN抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Dは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗ランゲリン抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。ウエスタンブロットは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるネイティブな状態と多量体を形成する傾向を示している。キメラタンパク質の未処理試料(すなわち、還元剤または脱グリコシル化剤を使用せず、煮沸したもの)をすべてのブロットのレーン1にロードした。レーン2の試料は、還元剤であるβ-メルカプトエタノールで処理され、煮沸された。レーン3の試料は、脱グリコシル化剤、還元剤で処理され、煮沸された。各ブロットには、タンパク質サイズラダーが含まれた。各ブロットのレーン1と比較したレーン2の移動の変化はオリゴマー化を示し、各ブロットのレーン2と比較したレーン3の移動の変化はグリコシル化を示す。
【
図4C】A~Dは、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の構築を示す。Aは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗Clec7抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-Clec7キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Bは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗デクチン2抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Cは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗DC-SIGN抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Dは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗ランゲリン抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。ウエスタンブロットは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるネイティブな状態と多量体を形成する傾向を示している。キメラタンパク質の未処理試料(すなわち、還元剤または脱グリコシル化剤を使用せず、煮沸したもの)をすべてのブロットのレーン1にロードした。レーン2の試料は、還元剤であるβ-メルカプトエタノールで処理され、煮沸された。レーン3の試料は、脱グリコシル化剤、還元剤で処理され、煮沸された。各ブロットには、タンパク質サイズラダーが含まれた。各ブロットのレーン1と比較したレーン2の移動の変化はオリゴマー化を示し、各ブロットのレーン2と比較したレーン3の移動の変化はグリコシル化を示す。
【
図4D】A~Dは、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の構築を示す。Aは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗Clec7抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-Clec7キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Bは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗デクチン2抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Cは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗DC-SIGN抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。Dは、抗TNFR2抗体(左のブロット)、抗Fc抗体(中央のブロット)、及び抗ランゲリン抗体(右のブロット)を用いてプローブしたマウスTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の特性を示すウエスタンブロットである。ウエスタンブロットは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるネイティブな状態と多量体を形成する傾向を示している。キメラタンパク質の未処理試料(すなわち、還元剤または脱グリコシル化剤を使用せず、煮沸したもの)をすべてのブロットのレーン1にロードした。レーン2の試料は、還元剤であるβ-メルカプトエタノールで処理され、煮沸された。レーン3の試料は、脱グリコシル化剤、還元剤で処理され、煮沸された。各ブロットには、タンパク質サイズラダーが含まれた。各ブロットのレーン1と比較したレーン2の移動の変化はオリゴマー化を示し、各ブロットのレーン2と比較したレーン3の移動の変化はグリコシル化を示す。
【
図5A】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5B】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5C】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5D】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5E】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5F】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5G】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5H】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5I】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5J】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5K】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5L】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5M】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図5N】A~Nは、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定された、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質とそれぞれのリガンドとの結合を示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗TNFR抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Bは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるTNFα及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Cは、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質による抗Clec7a抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Dは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Eは、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質による抗DC-SIGN抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Fは、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質による抗ランゲリン抗体及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Gは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるラミナリン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Hは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるガレクチン9及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Iは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Jは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質によるザイモサン及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Kは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Lは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Mは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるCAECAM1及び抗Fc抗体への同時結合を示している。Nは、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質によるBTN2A1-His及び抗Fc抗体への同時結合を示している。
【
図6】CHOK1細胞にトランスフェクトしてから24時間後にqPCRを使用した、細胞内のTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmRNAの検出を示す。
【
図7A】A~Cは、L929(A)、HEK293(B)、またはCHOK1細胞(C)にキメラタンパク質をコードするmRNAを導入してから24時間後に、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の発現を示す。
【
図7B】A~Cは、L929(A)、HEK293(B)、またはCHOK1細胞(C)にキメラタンパク質をコードするmRNAを導入してから24時間後に、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の発現を示す。
【
図7C】A~Cは、L929(A)、HEK293(B)、またはCHOK1細胞(C)にキメラタンパク質をコードするmRNAを導入してから24時間後に、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の発現を示す。
【
図8A】A及びBは、本明細書に開示されたキメラタンパク質がリガンドを隔離し、活性化レポーター細胞をブロックすることを示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、または陰性対照として使用された無関係なタンパク質の存在下で、TNFαと共にインキュベートされたHEK-Blue(登録商標)デクチン2細胞における分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーターの活性化を示す。Bは、緩衝液のみ、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質、または陰性対照キメラタンパク質の存在下で、グリカン/炭水化物ザイモサンと共にインキュベートしたHEK-Blue(登録商標)デクチン1b細胞における分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーターの活性化を示す。
【
図8B】A及びBは、本明細書に開示されたキメラタンパク質がリガンドを隔離し、活性化レポーター細胞をブロックすることを示している。Aは、TNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、または陰性対照として使用された無関係なタンパク質の存在下で、TNFαと共にインキュベートされたHEK-Blue(登録商標)デクチン2細胞における分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーターの活性化を示す。Bは、緩衝液のみ、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質、または陰性対照キメラタンパク質の存在下で、グリカン/炭水化物ザイモサンと共にインキュベートしたHEK-Blue(登録商標)デクチン1b細胞における分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーターの活性化を示す。
【
図9A】A及びBは、本明細書に開示されたキメラタンパク質が、L929線維芽細胞のTNFα誘導アポトーシスを阻害することを示している。Aは、本明細書に開示されたキメラタンパク質をコードするmmRNAによるアポトーシスの阻害を示す。L929線維芽細胞に、空のLNP、またはTNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、もしくは無関係なキメラタンパク質をコードするmmRNAを含むLNPをトランスフェクトし、その後、漸増量のTNFαで処理した。切断されたカスパーゼ3/7活性によって測定されたアポトーシスの程度は、TNFαの量に応じてプロットされた。Bは、本明細書に開示されたキメラタンパク質によるアポトーシスの阻害を示す。L929線維芽細胞を、漸増量のTNFαの存在下で、TNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、または無関係なキメラタンパク質と共にインキュベートした。切断されたカスパーゼ3/7活性によって測定されたアポトーシスの程度を、キメラタンパク質:TNFαのモル比に応じてプロットした。無関係なキメラタンパク質を陰性対照として使用した。
【
図9B】A及びBは、本明細書に開示されたキメラタンパク質が、L929線維芽細胞のTNFα誘導アポトーシスを阻害することを示している。Aは、本明細書に開示されたキメラタンパク質をコードするmmRNAによるアポトーシスの阻害を示す。L929線維芽細胞に、空のLNP、またはTNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、もしくは無関係なキメラタンパク質をコードするmmRNAを含むLNPをトランスフェクトし、その後、漸増量のTNFαで処理した。切断されたカスパーゼ3/7活性によって測定されたアポトーシスの程度は、TNFαの量に応じてプロットされた。Bは、本明細書に開示されたキメラタンパク質によるアポトーシスの阻害を示す。L929線維芽細胞を、漸増量のTNFαの存在下で、TNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、または無関係なキメラタンパク質と共にインキュベートした。切断されたカスパーゼ3/7活性によって測定されたアポトーシスの程度を、キメラタンパク質:TNFαのモル比に応じてプロットした。無関係なキメラタンパク質を陰性対照として使用した。
【
図10A】A及びBは、本明細書に開示されたキメラタンパク質のマウス大腸炎モデルにおけるin vivoでの治療活性を示す。Aは、8日目の体重の変化を示す棒グラフである。Bは、総CD4+/CD8+細胞のうちのCD3+CD45+CD4+とCD3+CD45+CD8+細胞の割合を示す棒グラフである。
【
図10B】A及びBは、本明細書に開示されたキメラタンパク質のマウス大腸炎モデルにおけるin vivoでの治療活性を示す。Aは、8日目の体重の変化を示す棒グラフである。Bは、総CD4+/CD8+細胞のうちのCD3+CD45+CD4+とCD3+CD45+CD8+細胞の割合を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書では、例えば、(1)組織の炎症を引き起こすサイトカインであるTNFαの活性を、これらに限定されないが、TNFαを隔離すること及び/または細胞のTNF受容体種の機能を阻害することなどによって、(2)病原体関連分子パターン(PAMP)及び損傷関連分子パターン(DAMP、アラーミン)細胞の過活動/異常な感知の伝達(例えば、PAMPS/DAMP受容体を活性化するリガンドの隔離による)を妨害、阻止、減少及び/または阻害し、それによって、マクロファージ、単球及び/または樹状細胞の過剰活性化/異常活性化を防ぐ、二重作用キメラタンパク質ならびにキメラタンパク質をコードする核酸を開示する。したがって、理論に束縛されるものではないが、本明細書に開示されたキメラタンパク質またはそれをコードする核酸は、2つの異なる経路によって抗炎症効果及び/または抗自己免疫効果を提供する。この二重作用は、患者に治療効果を提供する可能性が高く、及び/または患者に強化された治療効果を提供する可能性が高い。更に、理論に束縛されるものではないが、このようなキメラタンパク質は2つの異なる経路を介して作用することができるため、少なくとも、2つの経路のうちの1つを標的とする治療にあまり反応しない患者には効果がある可能性がある。したがって、2つの経路のうちの1つを介して作用する治療に対して不十分な応答者である患者は、他の経路を標的とすることによって治療効果を達成することができる。
【0025】
本明細書では、キメラタンパク質、及びそれをコードする核酸を開示する。キメラタンパク質は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインを含み、これは、リンカーを介して、リガンド(これらに限定されないが、例えば、Clec7A、ランゲリン、DC-SIGN及びデクチン-2)と結合可能なC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインと結合している。
【0026】
第1のドメインと第2のドメインは同じポリペプチド上に存在し、したがって、(1)本明細書に開示されるキメラタンパク質は単一の転写産物によって生成され、(2)抗体とは異なり、2つのポリペプチドのヘテロ二量体化は必要とされない。したがって、本明細書に開示されるキメラタンパク質は、精製されたタンパク質として、または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸として送達され得る。したがって、本開示はまた、部分的に、キメラタンパク質をコードする核酸の、例えば、皮膚への送達に基づいている。本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド及び/または本明細書に開示されるキメラタンパク質は、外皮系の炎症によって引き起こされる、もしくは外皮系の炎症に関連する疾患または障害を治療するために使用され得る。本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド及び/またはキメラタンパク質は、外皮系の治療に適した任意の投与方法によって、例えば、局所投与によって、送達されることができる。
【0027】
本開示のキメラタンパク質
膜貫通タンパク質は、通常、細胞外ドメイン、1つまたは一連の膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインからなる。理論に束縛されるものではないが、膜貫通タンパク質の細胞外ドメインは、可溶性受容体もしくはリガンド、または膜結合受容体もしくはリガンド(すなわち、隣接する細胞の膜)との相互作用に関与する。理論に束縛されるものではないが、膜貫通ドメイン(複数可)は、膜貫通タンパク質を原形質膜に局在化させる原因となる。理論に束縛されるものではないが、膜貫通タンパク質の細胞内ドメインは、細胞内シグナル伝達分子との相互作用を調整し、細胞内応答を細胞外環境と調整する(またはその逆の)原因となる。したがって、膜貫通タンパク質は、状況に応じて、受容体(すなわち、同族リガンドによる刺激に応答してシグナル伝達を開始する)、リガンド(すなわち、同族受容体を有する細胞内でシグナル伝達を刺激する)、または受容体とリガンドの両方(すなわち、同族リガンドのシグナル伝達応答結合を刺激し、同族受容体を有する細胞内でシグナル伝達を開始する)として機能する可能性がある。
【0028】
シングルパス膜貫通タンパク質には、一般的に2つの種類があり、細胞外アミノ末端及び細胞内カルボキシ末端を有するI型膜貫通タンパク質、ならびに細胞外カルボキシ末端及び細胞内アミノ末端を有するII型膜貫通タンパク質(
図1A、右タンパク質を参照されたい)である。TNF受容体(TNFR2)は、細胞外アミノ末端及び細胞内カルボキシ末端を有し、I型膜貫通タンパク質である(
図1A、左タンパク質を参照されたい)。本明細書に開示されるC型レクチン受容体(CLR)は、細胞外カルボキシ末端及び細胞内アミノ末端を有し、II型膜貫通タンパク質である。I型膜貫通タンパク質(例えば、TNFR2)について、タンパク質のアミノ末端は、細胞の外側を向いており、したがって、細胞外環境において他の結合パートナー(リガンドまたは受容体のいずれか、例えば、TNFα)との相互作用に関与する機能ドメインを含む。II型膜貫通タンパク質(例えば、本明細書に開示されるC型レクチン受容体(CLR))について、タンパク質のカルボキシ末端は、細胞の外側を向いており、したがって、細胞外環境において他の結合パートナー(リガンドまたは受容体のいずれか)との相互作用に関与する機能ドメインを含む。したがって、これら2種類の膜貫通タンパク質は細胞膜に対して互いに反対の向きを有し、I型膜貫通タンパク質のアミノ末端は細胞膜から離れた方向に向いているのに対し、II型膜貫通タンパク質のアミノ末端は細胞膜に近づく方向に向いている。
【0029】
諸実施形態では、細胞外ドメインは、細胞外環境と相互作用することができる膜貫通タンパク質の一部を指す。諸実施形態では、細胞外ドメインは、リガンドまたは受容体と結合するのに十分であり、細胞にシグナルを伝達するのに有効である膜貫通タンパク質の一部を指す。諸実施形態では、細胞外ドメインは通常、細胞または細胞膜の外部に存在する膜貫通タンパク質のアミノ酸配列全体である。諸実施形態では、細胞外ドメインは、細胞または細胞膜の外部にあり、当技術分野で既知である方法を使用してアッセイされ得るような(例えば、in vitroでのリガンド結合及び/または細胞活性化アッセイ)、シグナル伝達及び/またはリガンド結合に必要とされる膜貫通タンパク質のアミノ酸配列の一部である。
【0030】
いくつかの態様では、本開示のキメラタンパク質は、I型膜貫通タンパク質(例えば、TNFR2)及びII型膜貫通タンパク質(本明細書に開示されるC型レクチン受容体(CLR))を含み、それらは、それらの膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインが取り除かれ、膜貫通タンパク質の細胞外ドメインがリンカー配列を使用して隣接し、単一のキメラタンパク質を生成するように操作され得る。諸実施形態では、
図1B及び
図1Cに示されるように、TNFR2(I型膜貫通タンパク質)の細胞外ドメイン、及び本明細書に開示されるC型レクチン受容体(CLR)(II型膜貫通タンパク質)の細胞外ドメインは、単一のキメラタンパク質に組み合わせる。
図1Bは、遊離したTNFR2(膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインから遊離したI型膜貫通タンパク質)または遊離したカルボキシ末端アンカー型細胞外タンパク質(アンカードメインから)と、本明細書に開示された遊離したC型レクチン受容体(CLR)(膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインから遊離したII型膜貫通タンパク質)との結合が、リンカー配列によって隣接されているいくつかの実施形態を示す。この図における細胞外ドメインには、TNFR2の細胞外ドメインのアミノ酸配列全体、またはその一部が含まれ、その一部は、TNFαに結合する能力を保持する。同様に、この図の細胞外ドメインには、本明細書に開示されたC型レクチン受容体(CLR)のアミノ酸配列全体、またはその一部が含まれ、その一部は、その意図されたリガンド/受容体に結合する能力を保持する。更に、これらの態様のキメラタンパク質は、第1の細胞外ドメイン(
図1B及び
図1Cのキメラタンパク質の左端に示される)がその受容体/リガンドと立体的に結合することができ、及び/または第2の細胞外ドメイン(
図1B及び
図1Cのキメラタンパク質の右端に示される)がその受容体/リガンドと立体的に結合することができるように、ドメイン間の十分な全体的柔軟性及び/または物理的距離を含む。
図1Cは、キメラタンパク質の各細胞外ドメインが「外向き」に面する、線形キメラタンパク質における隣接する細胞外ドメインを示す。
【0031】
いくつかの態様では、本開示のキメラタンパク質は、本明細書に開示される2つのC型レクチン受容体(CLR)(II型膜貫通タンパク質)の細胞外ドメイン、例えば、2つの異なるC型レクチン受容体(CLR)からの細胞外ドメイン、または1つのC型レクチン受容体からの2つの細胞外ドメインを含む。したがって、これらの実施形態のキメラタンパク質は、少なくとも、第1のC型レクチン受容体(CLR)の細胞外ドメインを含む第1のドメインを含み、これは、第2のC型レクチン受容体(CLR)の細胞外ドメインを含む第2のドメインと-直接的にまたはリンカーを介して-接続される。
図1D及び
図1Eに示されるように、ドメインがアミノ末端からカルボキシ末端の配向に連結される場合、第1のドメインは、キメラタンパク質の「左」に位置し、かつ「内向き」となり、第2ドメインは、キメラタンパク質の「右」に位置し、かつ「外向き」となる。
【0032】
第1及び第2のドメインの他の構成、例えば、第1のドメインが外向きであり、かつ第2のドメインが内向きであること、第1及び第2のドメインが両方とも内向きであること、第1及び第2のドメインが両方とも外向きであることが想定される。
【0033】
本発明のキメラタンパク質及び本発明のキメラタンパク質をコードする核酸は、これらに限定されないが、使用の容易さ及び生成の容易さを含む利点を提供する。この理由は、2つの異なる免疫療法剤が1つの製品に組み合わされ、2つの独立した製造プロセスの代わりに単一の製造プロセスが可能になり得るためである。更に、2つの個別の薬剤の代わりに1つの薬剤を投与することで、投与が容易になり、患者のコンプライアンスが向上する。更に、例えば、多数のジスルフィド結合及びグリコシル化などの翻訳後修飾を含む大きな多量体タンパク質であるモノクローナル抗体とは対照的に、本発明のキメラタンパク質及び本発明のキメラタンパク質をコードする核酸は、製造が容易であり、かつ製造の費用対効果が高い。更に、例えば、少なくとも2つのオープンリーディングフレームを使用して、場合によっては核酸から生合成される必要がある2つのポリペプチド鎖から作成されるモノクローナル抗体とは対照的に、本発明のキメラタンパク質をコードする核酸は、本発明のキメラタンパク質をコードする単一のオープンリーディングフレームを保有する単一の核酸分子から生合成される、単一のポリペプチドを含む。したがって、本発明のキメラタンパク質は、精製されたキメラタンパク質として、またはキメラタンパク質をコードする核酸として適切に投与され得る。
【0034】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、任意選択で、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含み、(c)は、リガンドに結合可能なC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインである。
【0035】
一態様では、本開示は、キメラタンパク質、またはそれをコードする核酸を提供し、キメラタンパク質は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインを含み、これは、任意選択で、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含むリンカーを介して、C型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインに隣接している。諸実施形態では、TNFR2の一部は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNFR2の細胞外ドメインまたはその断片を含む。
【0036】
TNFR2は、その細胞外ドメインに4つのシステインリッチドメイン(CRD)を有することにより特徴付けられる、シングルスパニングI型膜貫通タンパク質である。諸実施形態では、TNFR2の細胞外ドメインまたはその断片は、隔離によってTNF結合に関して細胞性受容体種と競合することにより、TNFαを阻害する。諸実施形態では、第1のドメインは、細胞性TNF受容体種とオリゴマー化して不活性複合体を形成し、それによって細胞性TNF受容体種の機能を阻害することによって、TNFαを阻害する。
【0037】
諸実施形態では、第1のドメインは、以下の配列を有するTNFR2の細胞外ドメインを含む。
LPAQVAFTPYAPEPGSTCRLREYYDQTAQMCCSKCSPGQHAKVFCTKTSDTVCDSCEDSTYTQLWNWVPECLSCGSRCSSDQVETQACTREQNRICTCRPGWYCALSKQEGCRLCAPLRKCRPGFGVARPGTETSDVVCKPCAPGTFSNTTSSTDICRPHQICNVVAIPGNASMDAVCTSTSPTRSMAPGAVHLPQPVSTRSQHTQPTPEPSTAPSTSFLLPMGPSPPAEGSTGD(配列番号57)。
【0038】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2の細胞外ドメインのバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号57と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0039】
諸実施形態では、TNFR2の一部は、TNFR2の細胞外ドメイン、またはその断片を含む。諸実施形態では、TNFR2の一部は、配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質の第1のドメインは、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0040】
当業者であれば、文献及び構造情報、例えば、Kohno et al.,“A second tumor necrosis factor receptor gene product can shed a naturally occurring tumor necrosis factor inhibitor.” Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87(21),8331-8335(1990);Smith et al.,“A receptor for tumor necrosis factor defines an unusual family of cellular and viral proteins.” Science248(4958),1019-1023(1990);Loetscher et al.,“Purification and partial amino acid sequence analysis of two distinct tumor necrosis factor receptors from HL60 cells.” J.Biol.Chem.265(33),20131-20138(1990);Dembic,et al.,“Two human TNF receptors have similar extracellular, but distinct intracellular, domain sequences.” Cytokine2(4),231-237(1990);Pennica et al.,“Biochemical properties of the 75-kDa tumor necrosis factor receptor. Characterization of ligand binding, internalization, and receptor phosphorylation.” J.Biol.Chem.267(29),21172-21178(1992);及びPark et al.,“Structural basis for self-association and receptor recognition of human TRAF2.” Nature398(6727),533-538(1999);Mukai et al.,“Solution of the structure of the TNF-TNFR2 complex.”Sci Signal.3(148):ra83(2010);TNF-TNFR2 structure PDB ID:3ALQ(これらのそれぞれは、その全体が参照により組み込まれる)を参照することにより、TNFR2の既知のアミノ酸配列のバリアントを選択することができる。
【0041】
一態様では、本開示は、キメラタンパク質、またはそれをコードする核酸を提供し、キメラタンパク質は、TNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインを含み、これは、任意選択で、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含むリンカーを介して、リガンドに結合可能なC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインに隣接している。諸実施形態では、リガンドは、CLRの天然リガンドである。諸実施形態では、CLRは、C型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)、ランゲリン、樹状細胞特異的細胞間接着分子3結合非インテグリン(DC-SIGN)、及び樹状細胞関連C型レクチン2(デクチン2)から選択される。
【0042】
諸実施形態では、第2のドメインは、病原体関連分子パターン(PAMP)及び損傷関連分子パターン(DAMP、アラーミン)の異常な感知をブロックすることによって、マクロファージの異常及び/または過剰活性化を阻害する。諸実施形態では、C型レクチン受容体(CLR)のリガンドは、PAMP及び/またはDAMPである。諸実施形態では、第2のドメインは、PAMP及び/またはDAMPの初期認識ならびに取り込みを阻害、低減またはブロックする。諸実施形態では、第2のドメインは、PAMP及び/またはDAMPの初期認識ならびに取り込みによって開始される、マクロファージ媒介炎症カスケードを阻害、低減またはブロックする。
【0043】
諸実施形態では、第2のドメインは、病原体関連分子パターン(PAMP)及び損傷関連分子パターン(DAMP、アラーミン)の異常な感知時にマクロファージ、単球及び/または樹状細胞が開始する炎症反応の開始を阻害、ブロックまたは低減し、それによって、マクロファージ、単球及び/または樹状細胞によるTNFα、IL-17ならびにIL-23などの炎症誘発性サイトカインの産生をブロック、低減及び/または阻害する。
【0044】
諸実施形態では、第2のドメインは、Clec7a(樹状細胞関連C型レクチン-1(デクチン-1)またはCD369としても知られる)の一部を含む。諸実施形態では、Clec7aの一部は、Clec7aの細胞外ドメイン、またはβ-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能なその断片を含む。
【0045】
Clec7aは、細胞外領域にC型レクチン結合ドメイン(CLD、炭水化物認識ドメイン、CRDとも呼ばれる)(T細胞上のβ-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンならびに内因性リガンドを認識する)を含有する膜貫通タンパク質である。諸実施形態では、第2のドメインは、CLDを含む。
【0046】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するClec7aの細胞外ドメイン(ECD)を含む。
TMAIWRSNSGSNTLENGYFLSRNKENHSQPTQSSLEDSVTPTKAVKTTGVLSSPCPPNWIIYEKSCYLFSMSLNSWDGSKRQCWQLGSNLLKIDSSNELGFIVKQVSSQPDNSFWIGLSRPQTEVPWLWEDGSTFSSNLFQIRTTATQENPSPNCVWIHVSVIYDQLCSVPSYSICEKKFSM(配列番号58)。
【0047】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、Clec7aの細胞外ドメイン(ECD)のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号58と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0048】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するClec7aのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含む。
SSPCPPNWIIYEKSCYLFSMSLNSWDGSKRQCWQLGSNLLKIDSSNELGFIVKQVSSQPDNSFWIGLSRPQTEVPWLWEDGSTFSSNLFQIRTTATQENPSPNCVWIHVSVIYDQLCSVPSYSICEKKFSM(配列番号59)
【0049】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、Clec7aのC型レクチン結合ドメイン(CLD)のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号59と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0050】
諸実施形態では、Clec7aの一部は、Clec7aの細胞外ドメイン、またはその断片を含む。諸実施形態では、Clec7aの一部は、配列番号58もしくは配列番号59のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質の第1のドメインは、配列番号58または配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0051】
当業者であれば、文献及び構造情報、例えば、Brown et al.,Structure of the Fungal Beta-Glucan-Binding Immune Receptor Dectin-1:Implications for Protein Sci16:1042-1052(2007);TNF-TNFR2 structure PDB ID:2BPE;Alphafold structure (Jumper et al.,Highly accurate protein structure prediction with AlphaFold. Nature596:583-589(2021));Legentil et al.,Molecular Interactions of β-(1→3)-Glucans with Their Receptors,Molecules20(6):9745-66(2015)(これらのそれぞれは、参照によりその全体が組み込まれる)を参照することにより、Clec7aの既知のアミノ酸配列のバリアントを選択することができる。
【0052】
諸実施形態では、第2のドメインは、ランゲリン(C型レクチンドメインファミリー4メンバーKまたはCD207としても知られる)の一部を含む。諸実施形態では、ランゲリンの一部は、ランゲリンの細胞外ドメイン、または硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なその断片を含む。
【0053】
ランゲリンは、マンノース結合特異性を示すカルシウム依存性レクチンである。それは、抗原の取り込みを促進し、T細胞への提示のための抗原のルーティング及び/またはプロセッシングに関与する。ランゲリンは、カンジダ種、サッカロミセス種、及びマラセチア種の初代ランゲルハンス細胞の主要な受容体である。これは、HIVウイルスのエンベロープ糖タンパク質に存在する高マンノース構造に結合し、その後、ウイルスはバーベック顆粒に標的化され、速やかに分解される。
【0054】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するランゲリンの細胞外ドメイン(ECD)を含む。
PRFMGTISDVKTNVQLLKGRVDNISTLDSEIKKNSDGMEAAGVQIQMVNESLGYVRSQFLKLKTSVEKANAQIQILTRSWEEVSTLNAQIPELKSDLEKASALNTKIRALQGSLENMSKLLKRQNDILQVVSQGWKYFKGNFYYFSLIPKTWYSAEQFCVSRNSHLTSVTSESEQEFLYKTAGGLIYWIGLTKAGMEGDWSWVDDTPFNKVQSVRFWIPGEPNNAGNNEHCGNIKAPSLQAWNDAPCDKTFLFICKRPYVPSEP(配列番号60)。
【0055】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリンの細胞外ドメインのバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号60と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0056】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するランゲリンのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含む。
QVVSQGWKYFKGNFYYFSLIPKTWYSAEQFCVSRNSHLTSVTSESEQEFLYKTAGGLIYWIGLTKAGMEGDWSWVDDTPFNKVQSVRFWIPGEPNNAGNNEHCGNIKAPSLQAWNDAPCDKTFLFICKRPYVPSEP(配列番号61)
【0057】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリンのC型レクチン結合ドメイン(CLD)のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号61と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0058】
諸実施形態では、ランゲリンの一部は、ランゲリンの細胞外ドメイン、またはその断片を含む。諸実施形態では、ラングリンの一部は、配列番号60もしくは配列番号61のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質の第1のドメインは、配列番号60または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0059】
当業者であれば、文献及び構造情報、例えば、Nurisso et al.,Structural studies of langerin and Birbeck granule:a macromolecular organization model,Biochemistry48:2684-98(2009);Feinberg et al.,Trimeric structure of langerin.J.Biol.Chem.285:13285-93(2010);Feinberg et al.,Structural basis for langerin recognition of diverse pathogen and mammalian glycans through a single binding site.J.Mol.Biol.405:1027-39(2011);Chatwell et al.,The carbohydrate recognition domain of langerin reveals high structural similarity with the one of DC-SIGN but an additional,calcium-independent sugar-binding site,Mol.Immunol.45:1981-94(2008);Chabrol et al.,Alteration of the langerin oligomerization state affects birbeck granule formation,Biophys. J.108:666-77(2015);Feinberg et al.,Common polymorphisms in human langerin change specificity for glycan ligands.J.Biol.Chem.288(52):36762-36771(2013);Porkolab et al.,Rational-Differential Design of Highly Specific Glycomimetic Ligands:Targeting DC-SIGN and Excluding Langerin Recognition.ACS Chem.Biol.13(3):600-608(2018);Alphafold structure(Jumper et al.,Highly accurate protein structure prediction with AlphaFold. Nature596:583-589(2021))(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照することにより、ランゲリンの既知のアミノ酸配列のバリアントを選択することができる。
【0060】
諸実施形態では、第2のドメインは、DC-SIGN(C型レクチンドメインファミリー4メンバーLまたはCD209としても知られる)の一部を含む。諸実施形態では、DC-SIGNの一部は、DC-SIGNの細胞外ドメイン、または細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なその断片を含む。
【0061】
DC-SIGNは、未熟な樹状細胞(DC)の表面に発現し、一次免疫応答の開始に関与する病原体認識受容体である。これは、病原体のエンドサイトーシスを媒介し、その後リソソーム区画で分解されると考えられている。
【0062】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するDC-SIGNの細胞外ドメインを含む。
QVSKVPSSISQEQSRQDAIYQNLTQLKAAVGELSEKSKLQEIYQELTQLKAAVGELPEKSKLQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKLQEIYQELTWLKAAVGELPEKSKMQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKQQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKQQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKQQEIYQELTQLKAAVERLCHPCPWEWTFFQGNCYFMSNSQRNWHDSITACKEVGAQLVVIKSAEEQNFLQLQSSRSNRFTWMGLSDLNQEGTWQWVDGSPLLPSFKQYWNRGEPNNVGEEDCAEFSGNGWNDDKCNLAKFWICKKSAASCSRDEEQFLSPAPATPNPPPA(配列番号62)。
【0063】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、DC-SIGNの細胞外ドメイン(ECD)のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号62と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0064】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するDC-SIGNのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含む。
HPCPWEWTFFQGNCYFMSNSQRNWHDSITACKEVGAQLVVIKSAEEQNFLQLQSSRSNRFTWMGLSDLNQEGTWQWVDGSPLLPSFKQYWNRGEPNNVGEEDCAEFSGNGWNDDKCNLAKFWICK(配列番号63)
【0065】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、DC-SIGNのC型レクチン結合ドメイン(CLD)のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号63と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0066】
諸実施形態では、DC-SIGNの一部は、DC-SIGNの細胞外ドメイン、またはその断片を含む。諸実施形態では、DC-SIGNの一部は、配列番号62もしくは配列番号63のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質の第1のドメインは、配列番号62または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0067】
当業者であれば、文献及び構造情報、例えば、Feinberg et al.,Structural basis for selective recognition of oligosaccharides by DC-SIGN and DC-SIGNR,Science294:2163-6(2001);Guo et al.,Structural basis for distinct ligand-binding and targeting properties of the receptors DC-SIGN and DC-SIGNR,Nat.Struct. Mol.Biol.11:591-8(2004);Pokidysheva et al.,Cryo-EM reconstruction of dengue virus in complex with the carbohydrate recognition domain of DC-SIGN,Cell124:485-93(2006);Feinberg et al.,Multiple modes of binding enhance the affinity of DC-SIGN for high mannose N-linked glycans found on viral glycoproteins.J.Biol.Chem.282 4202-9(2007);Thepaut et al.,Structure of a glycomimetic ligand in the carbohydrate recognition domain of C-type lectin DC-SIGN. Structural requirements for selectivity and ligand design.J.Am.Chem.Soc.135 2518-29(2013);Medve et al.,Enhancing potency and selectivity of a DC-SIGN glycomimetic ligand by fragment-based design: structural basis.Chemistry25(64):14659-14668(2019);Sutkeviciute et al.,Unique DC-SIGN Clustering Activity of a Small Glycomimetic: A Lesson for Ligand Design.ACS Chem.Biol.9(6):1377-1385(2014);Porkolab et al.,Rational-Differential Design of Highly Specific Glycomimetic Ligands: Targeting DC-SIGN and Excluding Langerin Recognition.ACS Chem.Biol.13(3):600-608(2018);Alphafold structure(Jumper et al.,Highly accurate protein structure prediction with AlphaFold. Nature596:583-589(2021))(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照することにより、DC-SIGNの既知のアミノ酸配列のバリアントを選択することができる。
【0068】
諸実施形態では、第2のドメインは、デクチン2(C型レクチンドメインファミリー6メンバーAまたはC型レクチンスーパーファミリーメンバー10としても知られる)の一部を含む。諸実施形態では、デクチン2の一部は、デクチン2の細胞外ドメイン、またはαマンナンに結合できるその断片を含む。
【0069】
デクチン2は、自然免疫系のパターン認識受容体(PRR)として機能するカルシウム依存性レクチンであり、C.albicans菌糸上のαマンナンを特異的に認識して結合する。諸実施形態では、デクチン2の一部は、デクチン2の細胞外ドメイン、またはマンノース依存的にハウスダストダニ及び真菌からのアレルゲン、及び/または適応免疫応答を変化させるマンソン住血吸虫の卵からの可溶性要素を認識できるその断片を含む。
【0070】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するデクチン2の細胞外ドメインを含む。
TYHFTYGETGKRLSELHSYHSSLTCFSEGTKVPAWGCCPASWKSFGSSCYFISSEEKVWSKSEQNCVEMGAHLVVFNTEAEQNFIVQQLNESFSYFLGLSDPQGNNNWQWIDKTPYEKNVRFWHLGEPNHSAEQCASIVFWKPTGWGWNDVICETRRNSICEMNKIYL(配列番号64)。
【0071】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、デクチン2の細胞外ドメインのバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号64と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0072】
諸実施形態では、第2のドメインは、以下の配列を有するデクチン2のC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含む。
FGSSCYFISSEEKVWSKSEQNCVEMGAHLVVFNTEAEQNFIVQQLNESFSYFLGLSDPQGNNNWQWIDKTPYEKNVRFWHLGEPNHSAEQCASIVFWKPTGWGWNDVICETRRNSICE(配列番号65)
【0073】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、デクチン2のC型レクチン結合ドメイン(CLD)のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号65と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0074】
諸実施形態では、デクチン2の一部は、デクチン2の細胞外ドメイン、またはその断片を含む。諸実施形態では、デクチン2の一部は、配列番号64もしくは配列番号65のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、キメラタンパク質の第1のドメインは、配列番号64または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0075】
当業者であれば、文献及び構造情報、例えば、Feinberg et al.,Mechanism of pathogen recognition by human dectin-2.J.Biol.Chem.292(32):13402-13414(2017);Decout et al.,Deciphering the molecular basis of mycobacteria and lipoglycan recognition by the C-type lectin Dectin-2,Scientific Reports8:16840(2018);McGreal et al.,The carbohydrate-recognition domain of Dectin-2 is a C-type lectin with specificity for high mannose,Glycobiology,16(5):422-430(2006);Alphafold structure(Jumper et al.,Highly accurate protein structure prediction with AlphaFold. Nature596:583-589(2021))(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照することにより、デクチン2の既知のアミノ酸配列のバリアントを選択することができる。
【0076】
一態様では、本開示は、キメラタンパク質、またはそれをコードする核酸を提供し、キメラタンパク質は、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第1のドメインを含み、これは、任意選択で、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含むリンカーを介して、リガンドに結合可能な第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインに隣接している。諸実施形態では、リガンドは、CLRの天然リガンドである。諸実施形態では、第1のCLR及び第2のCLRは、独立して、C型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)、ランゲリン、樹状細胞特異的細胞間接着分子3結合非インテグリン(DC-SIGN)、及び樹状細胞関連C型レクチン2(デクチン2)から選択される。諸実施形態では、第1のCLR及び第2のCLRは、独立して、細胞外ドメイン(ECD)またはC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含む。
【0077】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、そのリガンドに結合可能な第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第1のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含み、(c)は、そのリガンドに結合可能な第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインである。
【0078】
諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、Clec7aの細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、Clec7aのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号59のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0079】
諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、Clec7aの細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、Clec7aのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号59のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0080】
諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、ランゲリンの細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、ランゲリンのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0081】
諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、ランゲリンの細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、ランゲリンのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0082】
諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、DC-SIGNの細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号62のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、DC-SIGNのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0083】
諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、DC-SIGNの細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号62のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、DC-SIGNのC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0084】
諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、デクチン2の細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号64のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、デクチン2のC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号65のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0085】
諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、デクチン2の細胞外ドメイン(ECD)を含み、これは、配列番号64のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部は、デクチン2のC型レクチン結合ドメイン(CLD)を含み、これは、配列番号65のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%配列同一性であるアミノ酸配列を有する。
【0086】
諸実施形態では、本開示の異種キメラタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含むヒトCD69の細胞外ドメインを含むか、または異種キメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドは、以下のアミノ酸配列を含むヒトCD69の細胞外ドメインをコードする。
LPAQVAFTPYAPEPGSTCRLREYYDQTAQMCCSKCSPGQHAKVFCTKTSDTVCDSCEDSTYTQLWNWVPECLSCGSRCSSDQVETQACTREQNRICTCRPGWYCALSKQEGCRLCAPLRKCRPGFGVARPGTETSDVVCKPCAPGTFSNTTSSTDICRPHQICNVVAIPGNASMDAVCTSTSPTRSMAPGAVHLPQPVSTRSQHTQPTPEPSTAPSTSFLLPMGPSPPAEGSTGD(配列番号80)。
【0087】
諸実施形態では、本開示の方法で使用される異種キメラタンパク質は、CD69の細胞外ドメインのバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号80と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0088】
諸実施形態では、異種キメラタンパク質の第1のドメインは、配列番号80のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0089】
諸実施形態では、異種キメラタンパク質は、実質的に、CD69の細胞外ドメイン全体を含む。
【0090】
当業者であれば、文献、例えば、Llera et al.,Crystal Structure of the C-Type Lectin-Like Domain from the Human Hematopoietic Cell Receptor CD69,J Biol Chem276(10):7312-7319(2001);Natarajan et al.,Crystal structure of human CD69:a C-type lectin-like activation marker of hematopoietic cells,Biochemistry39:14779-14786(2000);Vanek et al.,Soluble reformed to have an exception physical and chemical stable display prolonged circulation and remain intact in the blood of mice,FEBS J275:5589-5606(2008);Kolenko et al.,The high-resolution structure of the extracellular domain of human CD69 using a novel polymer,Acta Crystallogr Sect F Struct Biol Cryst Commun65:1258-1260(2009)(これらのそれぞれは、その全体が参照により組み込まれる)を参照することにより、CD69の既知のアミノ酸配列のバリアントを選択することができる。
【0091】
リンカー
一態様では、本開示は、リンカーによって隣接するTNF受容体(TNFR2)の一部とC型レクチン受容体(CLR)の一部とを含むキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供する。諸実施形態では、リンカーは、ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも1つのシステイン残基を含む。少なくとも1つのシステイン残基は、キメラタンパク質の1対(またはそれ以上)の間にジスルフィド結合を形成することが可能である。理論に束縛されるものではないが、かかるジスルフィド結合形成は、キメラタンパク質の有用な多量体状態を維持する原因となる。これは、キメラタンパク質の効率的な生産を可能とし、それは、in vitro及びin vivoで所望される活性を可能とする。
【0092】
諸実施形態では、リンカーは単一のアミノ酸リンカーではなく、例えば、限定されないが、リンカーは1アミノ酸長より長い。諸実施形態では、リンカーの長さは1~6アミノ酸以上であり、例えば、限定されないが、リンカーの長さは7アミノ酸長以上である。諸実施形態では、リンカーは、1つより多くのグリシン残基を含む。
【0093】
諸実施形態では、本開示のキメラタンパク質では、リンカーは、柔軟なアミノ酸配列、IgGヒンジ領域、または抗体配列から選択されるポリペプチドである。諸実施形態では、リンカーは、IgG4、任意選択で、ヒトIgG4に由来するヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。諸実施形態では、リンカーは、IgG1、任意選択で、ヒトIgG1に由来するヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。
【0094】
諸実施形態では、リンカーは、天然に存在するマルチドメインタンパク質に由来し得るか、または、例えば、Chichili et al.,(2013),Protein Sci.22(2):153-167,Chen et al.,(2013),Adv Drug Deliv Rev.65(10):1357-1369(その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような経験的なリンカーである。諸実施形態では、リンカーは、Chen et al.,(2013),Adv Drug Deliv Rev.65(10):1357-1369、及びCrasto et.al.,(2000),Protein Eng.13(5):309-312(その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるようなものなどのリンカー設計データベース及びコンピュータプログラムを使用して設計してもよい。
【0095】
諸実施形態では、リンカーは、PEGなどの合成リンカーである。
【0096】
諸実施形態では、リンカーは、ポリペプチドを含む。諸実施形態では、ポリペプチドは、約500アミノ酸長、約450アミノ酸長、約400アミノ酸長、約350アミノ酸長、約300アミノ酸長、約250アミノ酸長、約200アミノ酸長、約150アミノ酸長、または約100アミノ酸長未満である。例えば、リンカーは、約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2アミノ酸長未満であり得る。
【0097】
諸実施形態では、リンカーは、柔軟性である。
【0098】
諸実施形態では、リンカーは、剛性である。
【0099】
諸実施形態では、リンカーは、実質的にグリシン及びセリン残基からなる(例えば、約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または約97%、または約98%、または約99%、または約100%のグリシン及びセリン)。
【0100】
諸実施形態では、リンカーは、抗体(例えば、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4、ならびにIgA1、及びIgA2)を含むIgG、IgA、IgD、及びIgE)のヒンジ領域を含む。IgG、IgA、IgD、及びIgEクラス抗体に見られるヒンジ領域は、柔軟なスペーサーとして機能し、Fab部分が空間内を自由に移動することを可能とする。定常領域とは対照的に、ヒンジドメインは、構造的に多様であり、免疫グロブリンクラス及びサブクラス間で配列及び長さの両方が異なる。例えば、ヒンジ領域の長さ及び可塑性は、IgGサブクラス間で異なる。IgG1のヒンジ領域はアミノ酸216~231を包括し、自由に可塑性であるため、Fabフラグメントはその対称軸を中心に回転し、2つの重鎖間ジスルフィド架橋の第1の中心にある球内を移動し得る。IgG2は、IgG1よりも短いヒンジを有し、12個のアミノ酸残基及び4個のジスルフィド架橋を有する。IgG2のヒンジ領域は、グリシン残基を欠いており、比較的短く、追加の重鎖間ジスルフィド架橋によって安定化された剛性のポリプロリン二重らせんを含む。これらの特性は、IgG2分子の可塑性を制限する。IgG3は、62個のアミノ酸(21個のプロリン及び11個のシステインを含む)を含み、可塑性がないポリプロリン二重らせんを形成する、その固有の拡張ヒンジ領域(IgG1ヒンジの約4倍の長さ)が他のサブクラスと異なる。IgG3では、Fabフラグメントは、Fcフラグメントから比較的離れており、分子の可塑性が高まる。IgG3における細長いヒンジは、他のサブクラスと比較してその高分子量の原因でもある。IgG4のヒンジ領域は、IgG1のヒンジ領域よりも短く、その可塑性は、IgG1及びIgG2の中間である。ヒンジ領域の柔軟性は、IgG3>IgG1>IgG4>IgG2の順に減少すると報告されている。諸実施形態では、リンカーは、ヒトIgG4に由来し、二量体形成(S228Pを含む)またはFcRn結合を増強するための1つ以上の変異を含み得る。
【0101】
結晶学的研究によると、免疫グロブリンヒンジ領域は、機能的に、上部ヒンジ領域、コア領域、及び下部ヒンジ領域の3つの領域に更に細分することができる。Shin et al.,1992 Immunological Reviews130:87を参照されたい。上部ヒンジ領域には、CH1のカルボキシル末端から、動きを制限するヒンジにおける第1の残基、通常は2つの重鎖間に鎖間ジスルフィド結合を形成する第1のシステイン残基までのアミノ酸が含まれる。上部ヒンジ領域の長さは、抗体のセグメントの可塑性と相関する。コアヒンジ領域には、重鎖間ジスルフィド架橋が含まれ、下部ヒンジ領域は、CH2ドメインのアミノ末端と結合し、CH2の残基が含まれる。(同上。)野生型ヒトIgG1のコアヒンジ領域は、配列CPPC(配列番号24)を含み、これは、ジスルフィド結合形成によって二量体化されると、回転軸として作用すると考えられる環状オクタペプチドをもたらし、したがって柔軟性が与えられる。実施形態では、本発明のリンカーは、任意の抗体(例えば、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4、ならびにIgA1、及びIgA2)を含むIgG、IgA、IgD、及びIgE)の上部ヒンジ領域、コア領域、及び下部ヒンジ領域のうちの1つ、2つ、または3つを含む。ヒンジ領域はまた、1つ以上のグリコシル化部位を含み得、これは、炭水化物付着のためのいくつかの構造的に異なる種類の部位を含む。例えば、IgA1は、ヒンジ領域の17個のアミノ酸セグメント内に5つのグリコシル化部位を含み、分泌型免疫グロブリンにとって有利な特性と考えられる、腸のプロテアーゼに対するヒンジ領域ポリペプチドの抵抗性を付与する。諸実施形態では、本開示のリンカーは、1つ以上のグリコシル化部位を含む。
【0102】
諸実施形態では、リンカーは、抗体(例えば、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4、ならびにIgA1、及びIgA2)を含むIgG、IgA、IgD、及びIgE)のFcドメインを含む。
【0103】
本開示のキメラタンパク質では、リンカーは、IgG4に由来するヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。諸実施形態では、リンカーは、ヒトIgG4に由来するヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。諸実施形態では、リンカーは、配列番号1~配列番号3または配列番号73のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%の配列同一性を有し、例えば、配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを含み、そのような結合リンカーは、独立して、配列番号4~50(またはそのバリアント)から選択される。諸実施形態では、リンカーは、2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは、独立して、配列番号4~50(またはそのバリアント)から選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0104】
諸実施形態では、リンカーは、ヒトIgG1抗体に由来するヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。諸実施形態では、Fcドメインは、胎児性Fc受容体(FcRn)に対して増加した親和性及び増強した結合を示す。諸実施形態では、Fcドメインは、FcRnに対する親和性を増加させ、FcRnとの結合を増強する1つ以上の変異を含む。理論に束縛されるものではないが、FcRnに対する親和性の増大及び結合の増強は、本発明のキメラタンパク質のin vivoでの半減期を増大させると考えられる。
【0105】
諸実施形態では、リンカーにおけるFcドメインは、アミノ酸残基250、252、254、256、308、309、311、416、428、433、もしくは434(参照により本明細書に明示的に組み込まれる、Kabat,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)の場合と同様に、Kabatの番号付けに従って)、またはそれらの同等物での1つ以上のアミノ酸置換を含む。諸実施形態では、アミノ酸残基250でのアミノ酸置換は、グルタミンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基252でのアミノ酸置換は、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、またはスレオニンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基254でのアミノ酸置換は、スレオニンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基256でのアミノ酸置換は、セリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはスレオニンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換は、スレオニンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基309でのアミノ酸置換は、プロリンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基311でのアミノ酸置換は、セリンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基385でのアミノ酸置換は、アルギニン、アスパラギン酸、セリン、スレオニン、ヒスチジン、リジン、アラニン、またはグリシンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基386でのアミノ酸置換は、スレオニン、プロリン、アスパラギン酸、セリン、リジン、アルギニン、イソロイシン、またはメチオニンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基387でのアミノ酸置換は、アルギニン、プロリン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、またはアラニンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基389でのアミノ酸置換は、プロリン、セリン、またはアスパラギンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基416でのアミノ酸置換は、セリンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基428でのアミノ酸置換は、ロイシンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基433でのアミノ酸置換は、アルギニン、セリン、イソロイシン、プロリン、またはグルタミンによる置換である。諸実施形態では、アミノ酸残基434でのアミノ酸置換は、ヒスチジン、フェニルアラニン、またはチロシンによる置換である。
【0106】
諸実施形態では、Fcドメインリンカー(例えば、IgG定常領域を含む)は、アミノ酸残基252、254、256、433、434、または436(参照により本明細書に明示的に組み込まれる、Kabat,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)の場合と同様に、Kabatの番号付けに従って)での置換などの1つ以上の変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、トリプルM252Y/S254T/T256E変異またはYTE変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、トリプルH433K/N434F/Y436H変異またはKFH変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、YTE及びKFH変異の組み合わせを含む。
【0107】
諸実施形態では、リンカーは、アミノ酸残基250、253、307、310、380、428、433、434、及び435(参照により本明細書に明示的に組み込まれる、Kabat,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)の場合と同様に、Kabatの番号付けに従って)での1つ以上の変異を含むIgG定常領域を含む。例示的な変異には、T250Q、M428L、T307A、E380A、I253A、H310A、M428L、H433K、N434A、N434F、N434S、及びH435Aが含まれる。諸実施形態では、IgG定常領域は、M428L/N434S変異またはLS変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、T250Q/M428L変異またはQL変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、N434A変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、T307A/E380A/N434A変異またはAAA変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、I253A/H310A/H435A変異またはIHH変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、H433K/N434F変異を含む。諸実施形態では、IgG定常領域は、M252Y/S254T/T256E及びH433K/N434F変異の組み合わせを含む。
【0108】
IgG定常領域における追加の例示的な変異は、例えば、Robbie,et al.,Antimicrobial Agents and Chemotherapy(2013),57(12):6147-6153、Dall’Acqua et al.,JBC(2006),281(33):23514-24、Dall’Acqua et al.,Journal of Immunology(2002),169:5171-80、Ko et al. Nature(2014)514:642-645、Grevys et al. Journal of Immunology.(2015),194(11):5497-508、及び米国特許第7,083,784号に記載されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号73のアミノ酸配列(以下の表を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号1のアミノ酸配列(以下の表を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、変異は、安定性及び/または半減期を増加させるために、配列番号1に対して作製される。例えば、諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号2のアミノ酸配列(以下の表を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。例示的なFc安定化変異体は、S228Pである。例示的なFc半減期延長変異体は、T250Q、M428L、V308T、L309P、及びQ311Sであり、本発明のリンカーは、これらの変異体の1つ、2つ、3つ、4つ、または5つを含み得る。
【0110】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、高い親和性でFcRnと結合する。諸実施形態では、キメラタンパク質は、約1nM~約80nMのKDでFcRnと結合し得る。例えば、キメラタンパク質は、約1nM、約2nM、約3nM、約4nM、約5nM、約6nM、約7nM、約8nM、約9nM、約10nM、約15nM、約20nM、約25nM、約30nM、約35nM、約40nM、約45nM、約50nM、約55nM、約60nM、約65nM、約70nM、約71nM、約72nM、約73nM、約74nM、約75nM、約76nM、約77nM、約78nM、約79nM、または約80nMのKDでFcRnと結合し得る。諸実施形態では、キメラタンパク質は、約9nMのKDでFcRnと結合し得る。諸実施形態では、キメラタンパク質は、エフェクター機能を有する他のFc受容体(すなわち、FcRn以外)と実質的に結合しない。
【0111】
諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号1のアミノ酸配列(以下の表1を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を有する。諸実施形態では、変異は、安定性及び/または半減期を増加させるために、配列番号1に対して作製される。例えば、諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号2のアミノ酸配列(以下の表1を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。例えば、諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号3のアミノ酸配列(以下の表1を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。例えば、諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号73のアミノ酸配列(以下の表1を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0112】
諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1に由来する。例えば、諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号73のアミノ酸配列(以下の表1を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、IgG1は、ヒトIgG1である。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG4に由来する。諸実施形態では、IgG4は、ヒトIgG4である。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0113】
諸実施形態では、Fcドメインは、哺乳動物Fcドメインを含む。諸実施形態では、Fcドメインは、ヒトFcドメイン、マウスFcドメイン、ラットFcドメイン、ヒツジFcドメイン、ヤギFcドメイン、ロバFcドメイン、ネコFcドメイン、ハムスターFcドメイン、モルモットFcドメイン、ウマFcドメイン、ウサギFcドメイン、ブタFcドメイン、イヌFcドメイン、及びウシFcドメインから選択されるFcドメインを含む。諸実施形態では、Fcドメインは、血清半減期を延長する(例えば、M252Y、S254T及びT256E)、二量体化を促進する(例えば、S228Pまたはノブインホール変異)、Fcエフェクター機能を低下させる(例えば、P329G変異の有無にかかわらず、L234A及びL235A変異(LALA))、及び/または胎児性Fc受容体(FcRn)への結合の強化する、1つ以上の変異を任意選択で含む、ヒトFcドメインを含む。諸実施形態では、リンカーのFcドメインは、配列番号73のアミノ酸配列(以下の表1を参照されたい)、またはそれに対して少なくとも約90%、もしくは少なくとも約93%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、Fcドメインは、IgG Fcドメイン、IgA Fcドメイン、IgM Fcドメイン、IgE Fcドメイン及びIgD Fcドメインから選択される、Fcドメインを含む。諸実施形態では、IgG Fcドメインは、IgG1 Fcドメイン、IgG2 Fcドメイン、IgG3 Fcドメイン、及びIgG4 Fcドメインから選択される。諸実施形態では、IgAは、IgA1及びIgA2から選択される。
【0114】
更に、1つ以上の結合リンカーは、リンカーのFcドメイン(例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号73、またはそれに対して少なくとも90%、または93%、または95%、または97%、または98%、または99%同一であるもののうちの1つ)及び細胞外ドメインを接続するために使用され得る。例えば、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、またはそのバリアントのうちのいずれか1つが、本明細書に開示される細胞外ドメイン、及び本明細書に開示されるリンカーにおけるFcドメインを接続し得る。任意選択で、配列番号4~50、またはそのバリアントのうちのいずれか1つは、本明細書に開示される細胞外ドメインと本明細書に開示されるFcドメインとの間に位置する。
諸実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、以下の表1に開示される結合リンカーのバリアントを含み得る。例えば、リンカーは、配列番号4~50のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0115】
諸実施形態では、第1及び第2の結合リンカーは異なっていてもよく、またはそれらは同じであってもよい。
【0116】
理論に束縛されるものではないが、キメラタンパク質においてFcドメインの少なくとも一部を含むリンカーを含めることは、不溶性であり、非機能性の可能性のあるタンパク質コンカテマー及び/または凝集体の形成を回避する助けとなる。これは、キメラタンパク質間にジスルフィド結合を形成することが可能であるFcドメイン内にシステインが存在するためである。
【0117】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、本明細書に開示されるように、1つ以上の結合リンカーを含み得、本明細書に開示されるように、Fcドメインリンカーを欠き得る。
【0118】
諸実施形態では、第1及び/または第2の結合リンカーは独立して、配列番号4~50のアミノ酸配列から選択され、以下の表1に提供される:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0119】
諸実施形態では、結合リンカーは、実質的にグリシン及びセリン残基を含む(例えば、約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または約97%、または約98%、または約99%、または約100%のグリシン及びセリン)。例えば、諸実施形態では、結合リンカーは、(Gly4Ser)nであり、ここで、nは、約1~約8、例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8(配列番号25~配列番号32のそれぞれ)である。諸実施形態では、結合リンカー配列は、GGSGGSGGGGSGGGGS(配列番号33)である。追加の例示的な結合リンカーには、これらに限定されないが、配列LE、(EAAAK)n(n=1~3)(配列番号36~配列番号38)、A(EAAAK)nA(n=2~5)(配列番号39~配列番号42)、A(EAAAK)4ALEA(EAAAK)4A(配列番号43)、PAPAP(配列番号44)、KESGSVSSEQLAQFRSLD(配列番号45)、GSAGSAAGSGEF(配列番号46)、及びXが、例えば、Ala、Lys、またはGluなどの任意のアミノ酸を示す、(XP)nを有するリンカーが含まれる。諸実施形態では、結合リンカーは、GGSである。諸実施形態では、結合リンカーは、配列(Gly)nを有し、ここで、nは、1~100の任意の数、例えば、(Gly)8(配列番号34)及び(Gly)6(配列番号35)である。
【0120】
諸実施形態では、結合リンカーは、GGGSE(配列番号47)、GSESG(配列番号48)、GSEGS(配列番号49)、GEGGSGEGSSGEGSSSEGGGSEGGGSEGGGSEGGS(配列番号50)、ならびに4アミノ酸間隔ごとにランダムに配置されるG、S、及びEの結合リンカーのうちの1つ以上である。
【0121】
第1の結合リンカー、Fcドメインリンカー、及び第2の結合リンカーの組み合わせは、本明細書において「モジュラーリンカー」と称される。諸実施形態では、異種キメラタンパク質は、表2に示されるようなモジュラーリンカーを含む。
【表2-1】
【表2-2】
【0122】
諸実施形態では、本発明の異種キメラタンパク質は、上記の表2に開示されるモジュラーリンカーのバリアントを含み得る。例えば、リンカーは、配列番号51~56のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0123】
諸実施形態では、リンカーは、これに限定されないが、高い柔軟性を含む柔軟性であり得る。諸実施形態では、リンカーは、これに限定されないが、剛性αヘリックスを含む剛性であり得る。例示的な結合リンカーの特徴を以下の表3に示す。
【表3】
【0124】
諸実施形態では、リンカーは、機能性であり得る。例えば、限定されないが、リンカーは、本発明の異種キメラタンパク質の折り畳み及び/または安定性を改善し、発現を改善し、薬物動態を改善し、及び/または生物活性を改善するように機能し得る。別の例では、リンカーは、異種キメラタンパク質を特定の細胞型または位置に標的化するように機能し得る。
【0125】
諸実施形態では、異種キメラタンパク質は、1つの結合リンカーのみを含む。
【0126】
諸実施形態では、異種キメラタンパク質は、結合リンカーを欠いている。
【0127】
諸実施形態では、リンカーは、ポリエチレングリコール(PEG)などの合成リンカーである。
【0128】
諸実施形態では、異種キメラタンパク質は、そのリガンド/受容体と立体的に結合することが可能である第1のドメイン、及び/またはそのリガンド/受容体と立体的に結合することが可能である第2のドメインを有する。したがって、細胞外ドメインのリガンド/受容体結合ドメインがそのリガンド/受容体の結合を立体的に妨げられないように、キメラタンパク質及び/または細胞外ドメイン(またはその一部)と残りのキメラタンパク質との間の物理的距離に十分な全体的な柔軟性がある。この柔軟性及び/または物理的距離(「緩み」と称される)は通常、細胞外ドメイン(複数可)に存在し、通常はリンカーに存在し、及び/または通常はキメラタンパク質に(全体として)存在し得る。代替的にまたは追加的に、アミノ酸配列(例えば)は、立体障害を回避するために必要な緩みを提供するために、1つ以上の細胞外ドメイン及び/またはリンカーに追加され得る。緩みを提供する任意のアミノ酸配列が追加され得る。諸実施形態では、追加されるアミノ酸配列は、配列(Gly)nを含み、ここで、nは、1~100の任意の数である。追加可能なアミノ酸配列の追加の例には、表1及び表3に記載される結合リンカーが含まれる。諸実施形態では、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーは、立体障害を回避するために必要な緩みを提供するために、細胞外ドメインとリンカーとの間に追加され得る。かかるPEGリンカーは、当技術分野において周知である。
【0129】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、任意選択で、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含み、(c)は、リガンドに結合可能なC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインである。
【0130】
諸実施形態では、第1のドメインは、TNFR2の細胞外ドメインまたはその断片を含むTNFR2の一部を含む。諸実施形態では、TNFR2の一部は、配列番号57のアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であり、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能である、アミノ酸配列を含む。諸実施形態では、CLRの一部は、CLRの細胞外ドメイン、またはCLRの天然リガンドに結合可能であるその断片を含む。諸実施形態では、CLRの一部は、配列番号58~65から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0131】
諸実施形態では、キメラタンパク質がTNFR2の一部、Fcドメインの前の結合リンカー、Fcドメイン、Fcドメインの後の結合リンカー、及びClec7aの一部を含む場合、キメラタンパク質は以下の構造を含むことができる。
TNFR2のECD-Fcドメイン-結合リンカー-Clec7aの一部
【0132】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能であり、配列番号58もしくは配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むClec7aの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0133】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能なC型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)の細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0134】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のドメインであり、(b)は、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンを含むリガンドに結合可能なC型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)のC型レクチン結合ドメイン(CLD)の一部を含み、及び配列番号58または配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、第2のドメインである。
【0135】
例示的なTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質は、以下の配列を有する(TNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、Clec7aの細胞外ドメインは斜体フォントで示される):
【化1】
【0136】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号66と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0137】
例示的なTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質は、以下の配列を有する(TNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、Clec7aのC型レクチン結合ドメイン(CLD)は斜体フォントで示される):
【化2】
【0138】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号67と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0139】
例示的なマウスTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質は、以下の配列を有する(マウスTNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、マウスIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、Clec7aの細胞外は斜体フォントで示される):
【化3】
【0140】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、マウスTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号81と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0141】
諸実施形態では、キメラタンパク質がTNFR2の細胞外ドメイン(ECD)の一部、Fcドメインの前の結合リンカー、Fcドメイン、Fcドメインの後の結合リンカー、及びランゲリンの一部を含む場合、キメラタンパク質は以下の構造を含むことができる。
TNFR2のECD-Fcドメイン-結合リンカー-ランゲリンの一部
【0142】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンを含むリガンドに結合可能であり、及び配列番号60もしくは配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むラングリンの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0143】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なランゲリンの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0144】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のドメインであり、(b)は、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンを含むリガンドに結合可能なランゲリンの細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号60または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、第2のドメインである。
【0145】
例示的なTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、以下の配列を有する(TNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、ランゲリンの細胞外ドメインは斜体フォントで示される):
【化4】
【0146】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号68と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0147】
例示的なTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、以下の配列を有する(TNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、ランゲリンのC型レクチン結合ドメイン(CLD)は斜体フォントで示される):
【化5】
【0148】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号69と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0149】
例示的なマウスTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、以下の配列を有する(マウスTNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、マウスIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、ランゲリンの細胞外は斜体フォントで示される):
【化6】
【0150】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、マウスTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号84と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0151】
諸実施形態では、キメラタンパク質がTNFR2の細胞外ドメイン(ECD)、Fcドメインの前の結合リンカー、Fcドメイン、Fcドメインの後の結合リンカー、及びDC-SIGNの一部を含む場合、キメラタンパク質は以下の構造を含むことができる。
TNFR2のECD-Fcドメイン-結合リンカー-DC-SIGNの一部
【0152】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;配列番号62もしくは配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むDC-SIGNの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0153】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なDC-SIGNの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0154】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のドメインであり、(b)は、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なDC-SIGNの細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号62または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、第2のドメインである。
【0155】
例示的なTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、以下の配列を有する(TNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、DC-SIGNの細胞外ドメインは斜体フォントで示される):
【化7】
【0156】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号70と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0157】
例示的なTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、以下の配列を有する(TNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、DC-SIGNのC型レクチン結合ドメイン(CLD)は斜体フォントで示される):
【化8】
【0158】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号71と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0159】
例示的なマウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、以下の配列を有する(マウスTNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、マウスIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、DC-SIGNの細胞外は斜体フォントで示される):
【化9】
【0160】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号82と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0161】
諸実施形態では、キメラタンパク質がTNFR2の細胞外ドメイン(ECD)、Fcドメインの前の結合リンカー、Fcドメイン、Fcドメインの後の結合リンカー、及びデクチン2の一部を含む場合、キメラタンパク質は以下の構造を含むことができる。
TNFR2のECD-Fcドメイン-結合リンカー-デクチン2の一部
【0162】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むTNFR2の細胞外ドメイン;配列番号64もしくは配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むデクチン2の一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0163】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、αマンナンに結合可能なデクチン2の細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0164】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のドメインであり、(b)は、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、αマンナンを含むリガンドに結合可能なデクチン2の細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号64または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、第2のドメインである。
【0165】
例示的なTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質は、以下の配列を有する(TNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、デクチン2のC型レクチン結合ドメイン(CLD)は斜体フォントで示される):
【化10】
【0166】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号72と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0167】
例示的なマウスTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質は、以下の配列を有する(マウスTNFR2の細胞外ドメインは下線で示され、マウスIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、デクチン2の細胞外は斜体フォントで示される):
【化11】
【0168】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、マウスTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号83と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0169】
諸実施形態では、キメラタンパク質がランゲリンの一部、Fcドメインの前の結合リンカー、Fcドメイン、Fcドメインの後の結合リンカー、及びClec7aの一部を含む場合、キメラタンパク質は以下の構造を含むことができる。
ランゲリンの一部-Fcドメイン-結合リンカー-Clec7aの一部
【0170】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンを含むリガンドに結合可能であり、及び配列番号60または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むランゲリンの一部;β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能であり、及び配列番号58もしくは配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、Clec7aの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0171】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能であるランゲリンの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能なClec7aの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0172】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なランゲリンの一部を含み、及び配列番号60または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のドメインであり、(b)は、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能なClec7aの細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号58または配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、第2のドメインである。
【0173】
例示的なランゲリン-Fc-Clec7aキメラタンパク質は、以下の配列を有する(ランゲリンの細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、Clec7aの細胞外は斜体フォントで示される):
【化12】
【0174】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリン-Fc-Clec7aキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号74と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0175】
例示的なランゲリン(CLD)-Fc-Clec7a(CLD)キメラタンパク質は、以下の配列を有する(ランゲリンのC型レクチン結合ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、Clec7aのC型レクチン結合ドメイン(CLD)は斜体フォントで示される):
【化13】
【0176】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリン-Fc-Clec7aキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号75と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0177】
諸実施形態では、キメラタンパク質がランゲリンの一部、Fcドメインの前の結合リンカー、Fcドメイン、Fcドメインの後の結合リンカー、及びDC-SIGNの一部を含む場合、キメラタンパク質は以下の構造を含むことができる。
ランゲリンの一部-Fcドメイン-結合リンカー-DC-SIGNの一部
【0178】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンを含むリガンドに結合可能であり、及び配列番号60または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むランゲリンの一部;細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能であり、及び配列番号62もしくは配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、DC-SIGNの一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能であるランゲリンの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なDC-SIGNの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0179】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なランゲリンの一部を含み、及び配列番号62または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のドメインであり、(b)は、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なDC-SIGNの細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号62または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、第2のドメインである。
【0180】
例示的なランゲリン-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、以下の配列を有する(ランゲリンの細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、DC-SIGNの細胞外は斜体フォントで示される):
【化14】
【0181】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリン-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号76と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0182】
例示的なランゲリン(CLD)-Fc-DC-SIGN(CLD)キメラタンパク質は、以下の配列を有する(ランゲリンのC型レクチン結合ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、DC-SIGNのC型レクチン結合ドメイン(CLD)は斜体フォントで示される):
【化15】
【0183】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリン-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号77と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0184】
諸実施形態では、キメラタンパク質がランゲリンの一部、Fcドメインの前の結合リンカー、Fcドメイン、Fcドメインの後の結合リンカー、及びデクチン2の一部を含む場合、キメラタンパク質は以下の構造を含むことができる。
ランゲリンの一部-Fcドメイン-結合リンカー-デクチン2の一部
【0185】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンを含むリガンドに結合可能であり、及び配列番号60または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むランゲリンの一部;αマンナンに結合可能であり、及び配列番号64もしくは配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む、デクチン2の一部;及び細胞外ドメインに隣接するリンカーを含む。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、IgG1またはIgG4、例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4に由来する。諸実施形態では、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。諸実施形態では、リンカーは、1つ以上の結合リンカーを更に含み、そのような結合リンカーは、配列番号4~50から独立して選択される。諸実施形態では、リンカーは2つ以上の結合リンカーを含み、各結合リンカーは配列番号4~50から独立して選択され、一方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してN末端であり、他方の結合リンカーは、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインに対してC末端である。
【0186】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能であるランゲリンの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、αマンナンに結合可能なデクチン2の細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0187】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なランゲリンの一部を含み、及び配列番号64または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のドメインであり、(b)は、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号73から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、αマンナンに結合可能なデクチン2の細胞外ドメインの一部を含み、及び配列番号64または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、第2のドメインである。
【0188】
例示的なランゲリン-Fc-デクチン2キメラタンパク質は、以下の配列を有する(ランゲリンの細胞外ドメインは下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、デクチン2の細胞外は斜体フォントで示される):
【化16】
【0189】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリン-Fc-デクチン2キメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号78と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0190】
例示的なランゲリン(CLD)-Fc-デクチン2キメラタンパク質は、以下の配列を有する(ランゲリンのC型レクチン結合ドメイン(CLD)は下線で示され、ヒトIgG1の変異Fcドメインを含むリンカーは太字フォントで示され、変異は下線で示され、結合リンカーは下線付き太字斜体フォントで示され、デクチン2の細胞外ドメインは斜体フォントで示される):
【化17】
【0191】
諸実施形態では、キメラタンパク質は、ランゲリン-Fc-デクチン2キメラタンパク質のバリアントを含む。例として、バリアントは、配列番号79と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し得る。
【0192】
本開示のキメラタンパク質をコードする核酸
様々な態様では、本開示は、本明細書に開示されるキメラタンパク質のいずれか、またはそのいずれかの成分をコードする単離された核酸を提供する。
【0193】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコードする単離ポリヌクレオチドに関し、ここで、(a)は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体2(TNFR2)の細胞外ドメイン、またはTNFR2リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片を含む第1のドメインであり、(c)は、CLEC7aまたはCLEC7aリガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、DC-SIGN(CD209)またはDC-SIGN(CD209)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、デクチン2(CLEC6A)またはデクチン2(CLEC6A)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、ランゲリン(CD207、CLC4K)またはランゲリン(CD207、CLC4K)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、CD69から選択される細胞外ドメインを含む、第2のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、リンカーは、ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも1つのシステイン残基を含み、及び/またはヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。諸実施形態では、TNFR2リガンドは、TNFαである。諸実施形態では、CLEC7aリガンドは、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンである。諸実施形態では、DC-SIGN(CD209)リガンドは、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)である。諸実施形態では、デクチン2(CLEC6A)リガンドは、αマンナンである。諸実施形態では、ランゲリン(CD207、CLC4K)リガンドは、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンである。諸実施形態では、CD69リガンドは、ガレクチン1(Gal-1)またはS100A8/S100A9複合体である。諸実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、mRNAであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、本明細書に開示された実施形態のいずれかに従って修飾されたmRNAであるか、またはそれを含む。
【0194】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコートする単離されたポリヌクレオチド、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の一部を含む第1のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、任意選択で、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含み、(c)は、リガンドに結合可能なC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインである。諸実施形態では、CLRは、C型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)、ランゲリン、樹状細胞特異的細胞間接着分子3結合非インテグリン(DC-SIGN)、及び樹状細胞関連C型レクチン2(デクチン2)から選択される。
【0195】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能なC型レクチンドメイン含有7A(Clec7A)の細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0196】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能なランゲリンの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0197】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なDC-SIGNの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0198】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、TNFαに結合可能及び/または細胞性TNF受容体とオリゴマー形成可能なTNF受容体(TNFR2)の細胞外ドメインの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、αマンナンに結合可能なデクチン2の細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0199】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、そのリガンドに結合可能な第1のC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第1のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含み、(c)は、そのリガンドに結合可能な第2のC型レクチン受容体(CLR)の一部を含む第2のドメインである。
【0200】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能であるランゲリンの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンに結合可能なClec7aの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0201】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能であるランゲリンの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)に結合可能なDC-SIGNの細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0202】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質、またはキメラタンパク質をコードする核酸を提供し、ここで、(a)は、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンに結合可能であるランゲリンの一部を含む第1のドメインであり、(b)は、ヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、(c)は、αマンナンに結合可能なデクチン2の細胞外ドメインの一部を含む第2のドメインである。
【0203】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0204】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのベクターを含む宿主細胞を提供する。一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードするRNA(限定されないが、例えばmmRNA)を含む宿主細胞を提供する。本明細書に開示される実施形態のいずれかの核酸、例えば、mmRNAを含む宿主細胞。
諸実施形態では、ポリヌクレオチドはRNAであり、任意選択で、mRNAである。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、コドン最適化されている。
【0205】
諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、mRNAもしくは修飾mRNA(mmRNA)あるか、またはそれを含む。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、これに限定されないが、ヌクレオシド修飾を含むポリヌクレオチド修飾を含み得る。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、mmRNAであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、mmRNAは、1つ以上のヌクレオシド修飾を含む。諸実施形態では、ヌクレオシド修飾は、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザアデニン、7-デアザ-8-アザアデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン、N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデニン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニン、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
【0206】
諸実施形態では、ポリペプチド、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドは、プソイドウリジン(Ψ)、N1-メチルプソイドウリジン(m1Ψ)、2-チオウリジン(s2U)、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、2’-O-メチルウリジン、1-メチル-プソイドウリジン(m1Ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、α-チオ-グアノシン、α-チオ-アデノシン、5-シアノウリジン、4’-チオウリジン7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリン(I)、1-メチルイノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、ならびにこれらの2つ以上の組み合わせから選択される。
諸実施形態では、mmRNAは、mmRNAが導入された細胞の自然免疫応答の実質的な誘導を引き起こさない。諸実施形態では、mmRNAの修飾により、キメラタンパク質の生成効率、mmRNAの細胞内保持、及び接触細胞の生存率のうちの1つ以上が向上し、免疫原性が低下する。
【0207】
諸実施形態では、mmRNAは、本開示のキメラタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含むのに十分な長さを有する。
【0208】
修飾mRNAは、分子の全長にわたって均一に修飾される必要はない。異なるヌクレオチド修飾及び/または骨格構造は、核酸内の様々な位置に存在し得る。当業者であれば、ヌクレオチド類似体または他の修飾(複数可)は、核酸の機能が実質的に低下しないように、核酸の任意の位置(複数可)に配置できることを理解するであろう。修飾は、5’末端修飾または3’末端修飾であり得る。核酸には、最低1個及び最大100%の修飾ヌクレオチド、または任意の介在割合、例えば、少なくとも約50%の修飾ヌクレオチド、少なくとも約80%の修飾ヌクレオチド、または少なくとも約90%の修飾ヌクレオチドが含有され得る。
【0209】
諸実施形態では、mmRNAには、ウラシルまたはシトシンなどの修飾ピリミジンが含有され得る。諸実施形態では、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、諸実施形態では、修飾ウラシルは、単一の固有構造を有する化合物で置換されてもよいか、または上で開示された異なる構造を有する複数の化合物で置換されることができる(例えば、同じmmRNAは、2、3、4種またはそれ以上の固有に修飾されたウラシルを含有してもよい)。諸実施形態では、核酸中のシトシンの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または100%は、修飾シトシンで置換されてもよい。修飾シトシンは、単一の固有構造を有する化合物で置換されることができるか、または上で開示された異なる構造を有する複数の化合物で置換されることができる(例えば、同じmmRNAは、2、3、4種またはそれ以上の固有に修飾されたシトシンを含有してもよい)。
【0210】
諸実施形態では、mmRNAは、少なくとも1つの化学修飾ヌクレオシドを含む。諸実施形態では、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドは、プソイドウリジン(Ψ)、N1-メチルプソイドウリジン(m1Ψ)、2-チオウリジン(s2U)、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、2’-O-メチルウリジン、1-メチル-プソイドウリジン(m1Ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、α-チオ-グアノシン、α-チオ-アデノシン、5-シアノウリジン、4’-チオウリジン7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリン(I)、1-メチルイノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、ならびにこれらの2つ以上の組み合わせから選択される。諸実施形態では、mmRNAは少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドを含み、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドは、プソイドウリジン、N1-メチルプソイドウリジン、5-メチルシトシン、5-メトキシウリジン、及びこれらの組み合わせから選択される。諸実施形態では、mmRNAは、N1-メチルプソイドウリジンである、少なくとも1つの化学修飾ヌクレオシドを含む。諸実施形態では、mmRNAは、化学的に修飾されたウリジンで完全に修飾される。諸実施形態では、mmRNAは、完全に修飾されたN1-メチルプソイドウリジンmRNAである。追加の化学修飾は、米国特許出願公開第20190111003号に開示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0211】
諸実施形態では、修飾ヌクレオシドは、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、及び4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジンを含む。諸実施形態では、修飾ヌクレオシドは、5-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、及び4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジンを含む。
【0212】
諸実施形態では、修飾ヌクレオシドは、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン(glycinylcarbamoyladenosine)、N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデニン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニンを含む。
【0213】
諸実施形態では、修飾ヌクレオシドは、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシンを含む。
【0214】
諸実施形態では、ヌクレオチドは主溝面において修飾され得、ウラシルのC-5上の水素をメチル基またはハロ基で置換することを含むことができる。
【0215】
諸実施形態では、修飾ヌクレオシドは、5’-O-(1-チオリン酸)-アデノシン、5’-O-(1-チオリン酸)-シチジン、5’-O-(1-チオリン酸)-グアノシン、5’-O-(1-チオリン酸)-ウリジン、または5’-O-(1-チオリン酸)-プソイドウリジンである。
【0216】
修飾ヌクレオチド及び修飾ヌクレオチドの組み合わせの更なる例は、米国特許第8,710,200号、同第8,822,663号、同第8,999,380号、同第9,181,319号、同第9,254,311号、同第9,334,328号、同第9,464,124号、同第9,950,068号、同第10,626,400号、同第10,808,242号、同第11,020,477号、米国特許出願公開第20220001026号、同第20210318817号、同第20210283262号、同第20200360481号、同第20200113844号、同第20200085758号、同第20170204152号、同第20190114089号、同第20190114090号、同第20180369374号、同第20180318385号、同第20190111003号、及びPCT国際出願第WO/2017112943号、同第WO2014/028429号、同第WO2017/201325号に開示されており、これらの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。修飾mRNAを合成する方法は、例えば、米国特許出願公開第20170204152号に開示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0217】
諸実施形態では、mmRNAのシトシン残基の少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%は、修飾シトシン残基によって置換される。諸実施形態では、mmRNAのウラシル残基の少なくとも25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%は、修飾ウラシル残基によって置換される。
【0218】
諸実施形態では、mmRNAは、5’非翻訳領域(UTR)及び/または3’-UTRを更に含み、そのいずれかまたは両方は、独立して、1つ以上の異なるヌクレオシド修飾を含み得る。このような実施形態では、ヌクレオシド修飾も翻訳可能領域に存在し得る。諸実施形態では、mmRNAは、コザック配列を更に含む。諸実施形態では、mmRNAは、内部リボソーム進入部位(IRES)を更に含む。
【0219】
諸実施形態では、mmRNAは、5’キャップ及び/またはポリAテールを更に含む。
【0220】
諸実施形態では、5’キャップは、5’末端のヌクレオチドとグアニンヌクレオチドとの間に5’-5’-三リン酸結合を含む。諸実施形態では、5’キャップは、2’ヒドロキシル基上の最後及び最後から2番目の5’ヌクレオチドのメチル化を含む。諸実施形態では、5’キャップは、mRNAキャップ結合タンパク質(CBP)の結合を促進し、細胞内でのmRNAの安定性を付与し、及び/または翻訳能力を付与する。
【0221】
諸実施形態では、ポリAテールの長さは、約30ヌクレオチド超、または約40ヌクレオチド超である。諸実施形態では、ポリAテールの長さは、少なくとも約40ヌクレオチド、または少なくとも約45ヌクレオチド、または少なくとも約55ヌクレオチド、または少なくとも約60ヌクレオチド、または少なくとも約80ヌクレオチド、または少なくとも約90ヌクレオチド、または少なくとも約100ヌクレオチド、または少なくとも約120ヌクレオチド、または少なくとも約140ヌクレオチド、または少なくとも約160ヌクレオチド、または少なくとも約180ヌクレオチド、または少なくとも約200ヌクレオチド、または少なくとも約250ヌクレオチド、または少なくとも約300ヌクレオチド、または少なくとも約350ヌクレオチド、または少なくとも約400ヌクレオチド、または少なくとも約450ヌクレオチド、または少なくとも約500ヌクレオチド、または少なくとも約600ヌクレオチド、または少なくとも約700ヌクレオチド、または少なくとも約800ヌクレオチド、または少なくとも約900ヌクレオチド、または少なくとも約1000ヌクレオチドである。
【0222】
諸実施形態では、mmRNAは、3’非翻訳領域(UTR)を含む。諸実施形態では、3’UTRは、米国特許出願公開第20190114089号(これは、その全体が本明細書に組み込まれる)の表4に記載された配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一の核酸配列を含む。諸実施形態では、3’UTRは、少なくとも1つのmicroRNA-122(miR-122)結合部位を含み、miR-122結合部位は、miR-122-3p結合部位またはmiR-122-5結合部位である。諸実施形態では、mmRNAは、miRNA結合部位を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、miR-122に結合する。特定の実施形態では、miRNA結合部位は、miR-122-3pまたはmiR-122-5pに結合する。諸実施形態では、mmRNAは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10つのmiRNA結合部位を含む。
【0223】
諸実施形態では、miRNA結合部位は、3’UTR内に挿入される。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、DNAである。諸実施形態では、オープンリーディングフレームとmiRNA結合部位との間にスペーサー配列が更に含まれる。一態様では、スペーサー配列は、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、または少なくとも約100ヌクレオチドを含む。
【0224】
諸実施形態では、mmRNAは、5’UTRを更に含む。諸実施形態では、5’UTRは、米国特許出願公開第20190114089号の表3に記載されている配列、またはPCT国際出願公開第WO2017/201325号及び同第WO2014/164253号(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の核酸配列を含む。諸実施形態では、5’UTRは、翻訳開始に役割を果たす特徴を有する。諸実施形態では、5’UTRは、リボソームが多くの遺伝子の翻訳を開始するプロセスに関与することが一般的に知られている、コザック配列などのシグネチャーを保有する。諸実施形態では、5’UTRは、伸長因子の結合に関与する二次構造を形成する。諸実施形態では、c-mycなどの上方制御されることが知られているmRNAの5’UTRは、ポリヌクレオチドなどの核酸分子の発現を増強するために使用され得る。諸実施形態では、肝臓及び/または脾臓で上方制御されることが知られているmRNAの5’UTRは、肝臓及び/または脾臓におけるポリヌクレオチドなどの核酸分子の発現を増強するために使用され得る。
【0225】
諸実施形態では、Aの結合ヌクレオシドの領域の少なくとも1つは、5’UTRとして機能する結合ヌクレオシドの配列を含み、Cの結合ヌクレオシドの領域の少なくとも1つは、3’UTRとして機能する結合ヌクレオシドの配列を含む。諸実施形態では、5’UTR及び3’UTRは、同じ種または異なる種に由来する。諸実施形態では、5’UTR及び3’UTRは、同じ種または異なる種に由来する異なるタンパク質からのネイティブの非翻訳領域であり得る。諸実施形態では、5’UTR及び3’UTRは、合成配列を有し得る。
【0226】
諸実施形態では、mmRNAは、3’ポリアデニル化(ポリAテール)を更に含む。
【0227】
諸実施形態では、mmRNAは、5’末端キャップを更に含む。諸実施形態では、5’末端キャップは、Cap0、Cap1、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジドグアノシン、Cap2、Cap4、5’メチルGキャップ、またはこれらの類似体である。
【0228】
諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、in vitro転写(IVT)される。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、キメラである。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、環状である。
【0229】
諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、DNAであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、ミニサークルもしくはプラスミドDNAであるか、またはそれらを含む。諸実施形態では、プラスミドDNAには、原核生物成分が全く含まれない。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、組織特異的調節エレメントを含む。諸実施形態では、組織特異的調節エレメントは、プロモーターまたはエンハンサーである。諸実施形態では、プラスミドDNAは、発現ベクターである。諸実施形態では、DNAはミニサークルであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、ミニサークルは環状分子であり、それは、任意選択で小さい。諸実施形態では、ミニサークルは細胞転写及び翻訳機構を利用し、コード化遺伝子産物を生成する。諸実施形態では、ミニサークルには、原核生物成分が全く含まれない。諸実施形態では、ミニサークルは、実質的に、哺乳動物起源の配列(または哺乳動物細胞用に最適化されたもの)のみを含む。諸実施形態では、ミニサークルには、自然免疫系及び/またはToll様受容体によって認識されるDNA配列エレメントが欠如しているか、またはそれらの量が減少している。諸実施形態では、ミニサークルは、親プラスミドから細菌成分を切除し、それによって親DNA配列よりも小さくなることによって生成される。諸実施形態では、ミニサークルは、非ウイルス起源である。諸実施形態では、ミニサークルは、エピソームのままである。諸実施形態では、ミニサークルは、宿主細胞で複製されない。諸実施形態では、ミニサークルを有する非分裂細胞におけるキメラタンパク質の発現は、分裂細胞において少なくとも2日間、または少なくとも4日間、または少なくとも6日間、または少なくとも8日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも14日間、または少なくとも16日間、または少なくとも18日間、または少なくとも20日間、または少なくとも22日間、または少なくとも24日間、またはそれ以上持続する。諸実施形態では、ミニサークルを有する非分裂細胞におけるキメラタンパク質の発現は、分裂細胞において少なくとも4日間、または少なくとも6日間、または少なくとも8日間、または少なくとも10日間、または少なくとも1週間、または少なくとも2週間、または少なくとも3週間、または少なくとも4週間、または少なくとも5週間、または少なくとも6週間、または少なくとも1ヶ月、または少なくとも2ヶ月、または少なくとも3ヶ月、または少なくとも4ヶ月、または少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月、または少なくとも8ヶ月、またはそれ以上持続する。
【0230】
諸実施形態では、本開示のmmRNAは、これらに限定されないが、in vitro転写(IVT)及び合成方法を含む当技術分野で利用可能な手段によって生成される。酵素IVT、固相、液相、複合合成法、小領域合成、及びライゲーション法を利用し得る。諸実施形態では、mmRNAは、IVT酵素合成法を使用して作製される。IVTによるポリヌクレオチドの作製方法は当技術分野で公知であり、国際出願PCT国際特許公開第WO2013151666号に記載されており、その内容は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。したがって、本開示はまた、本明細書に記載のmRNAをin vitro転写するために使用できるポリヌクレオチド、例えば、DNA、コンストラクト及びベクターを含む。
【0231】
諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、DNAである。諸実施形態では、ポリヌクレオチドは、皮膚特異的調節エレメントを含む。諸実施形態では、皮膚特異的調節エレメントは、ケラチン5(K5)プロモーター、ケラチン6(K6)プロモーター、ケラチン14(K14)プロモーター、ケラチン16(K16)プロモーター、α1(I)コラーゲンプロモーター、フィラグリンプロモーター、ロリクリンプロモーター、インボルクリンプロモーター、チロシナーゼプロモーター、及びαVインテグリンプロモーターから選択される皮膚特異的プロモーターであり、これらは、例えば、米国特許出願公開第2002/0100068号、同第2003/0158137号、同第2005/0043235号、同第2007/0142282号、同第2008/0147045号、同第2010/0154068号、同第2020/0085021号に記載のとおり構築することができ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0232】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つのポリヌクレオチドを含む、ベクターを提供する。諸実施形態では、キメラタンパク質は、発現ベクターとして提供することができる。諸実施形態では、発現ベクターは、DNA発現ベクターまたはRNA発現ベクターである。諸実施形態では、発現ベクターは、ウイルス発現ベクターである。諸実施形態では、発現ベクターは、非ウイルス発現ベクター(限定されないが、例えば、プラスミド)である。
【0233】
諸実施形態では、本非ウイルスベクターは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、制御配列に作動可能に連結されている線状または環状DNA分子であり、制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を提供する。諸実施形態では、非ウイルスベクターは、プロモーター配列、ならびに転写及び翻訳停止シグナル配列を含む。諸実施形態では、発現ベクターは、とりわけ、染色体及びエピソームベクター、例えば、細菌プラスミド、トランスポゾン、酵母エピソーム、挿入因子、酵母染色体エレメントに由来するベクター、ならびにこれらの組み合わせに由来するベクターを含むことができる。本コンストラクトは、発現を調節及び発生させる制御領域を含有し得る。
【0234】
ベクターは一般に単離された核酸を含み、単離された核酸を細胞の内部に送達するために使用することができる。当技術分野では、これらに限定されないが、線状ポリヌクレオチド、イオン性または両親媒性化合物に関連するポリヌクレオチド、プラスミド、及びウイルスを含む多数のベクターが公知である。諸実施形態では、発現ベクターは、自律複製プラスミドまたはウイルス(例えば、AAVベクター)である。諸実施形態では、発現ベクターは、例えば、ポリリジン化合物、リポソームなどの、核酸の細胞への移送を容易にする非プラスミド及び非ウイルス化合物である。ウイルスベクターの例としては、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター及びレトロウイルスベクターなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0235】
諸実施形態では、ポリヌクレオチドまたは細胞療法は、宿主細胞内で機能する発現制御領域に作動可能に結合されたキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを含む、発現ベクターを使用することができる。発現制御領域は、発現ベクターを用いて形質転換されたヒト細胞においてキメラタンパク質が生成されるように、作動可能に結合されたコード化核酸の発現を駆動し得る。発現制御領域は、作動可能に結合された核酸の発現に影響を及ぼす、プロモーター及びエンハンサーなどの調節ポリヌクレオチド(本明細書ではエレメントと称されることもある)である。発現ベクターの発現制御領域は、ヒト細胞において作動可能に結合されたコード化核酸を発現し得る。一実施形態では、発現制御領域は、作動可能に結合された核酸に制御可能な発現を付与する。シグナル(刺激と称されることもある)は、このような発現制御領域に作動可能に結合された核酸の発現を増大または低減し得る。シグナルに応答して発現を増大させる、このような発現制御領域は、誘導可能と称される場合が多い。シグナルに応答して発現を低減させる、このような発現制御領域は、抑制可能と称される場合が多い。様々な実施形態では、キメラタンパク質の発現は、誘導可能または抑制可能である。通常、このようなエレメントによって付与される増大または低減の量は、存在するシグナルの量に比例し、シグナルの量が多いほど、発現の増大または低減が大きくなる。
【0236】
ヒト細胞で機能する発現系は当技術分野で周知であり、ウイルス系が含まれる。一般に、ヒト細胞で機能するプロモーターは、哺乳動物RNAポリメラーゼと結合し、コード配列のmRNAへの下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端の近位に配置される転写開始領域と、通常、転写開始部位の25~30塩基対上流に位置するTATAボックスとを有する。TATAボックスは、正確な部位でRNA合成を開始するようにRNAポリメラーゼIIに指示すると考えられている。プロモーターはまた、通常、TATAボックスの上流の100~200塩基対内に典型的に位置する上流プロモーターエレメント(エンハンサーエレメント)も含むであろう。上流のプロモーターエレメントは、転写が開始される速度を決定し、どちらの配向にも作用し得る。プロモーターとして特に使用されるのは、ウイルス遺伝子が高度に発現される場合が多く、広い宿主範囲を有するので、哺乳動物ウイルス遺伝子由来のプロモーターである。例としては、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーター、CMVプロモーターが挙げられる。
【0237】
必要に応じて、例えば、組み込み配列などの遺伝子送達剤を利用することもできる。多数の組み込み配列が当技術分野で公知である(例えば、Nunes-Duby et al.,Nucleic Acids Res.26:391-406,1998、Sadwoski,J.Bacteriol.,165:341-357,1986、Bestor,Cell,122(3):322-325,2005、Plasterk et al.,TIG15:326-332,1999、Kootstra et al.,Ann.Rev.Pharm.Toxicol.,43:413-439,2003を参照されたい)。これらとしては、リコンビナーゼ及びトランスポザーゼが挙げられる。例としては、Cre(Sternberg and Hamilton,J.Mol.Biol.,150:467-486,1981)、ラムダ(Nash,Nature,247,543-545,1974)、FIp(Broach,et al.,Cell,29:227-234,1982)、R(Matsuzaki,et al.,J.Bacteriology,172:610-618,1990)、cpC31(例えば、Groth et al.,J.Mol.Biol.335:667-678,2004を参照されたい)、スリーピングビューティ(sleeping beauty)、マリナーファミリーのトランスポザーゼ、ならびにレトロウイルスまたはレンチウイルスのLTR配列及びAAVのITR配列など、ウイルス組み込みを提供する構成要素を有するAAV、レトロウイルス、及びアンチウイルスなどのウイルスを組み込むための構成要素(Kootstra et al.,Ann.Rev.Pharm.Toxicol.,43:413-439,2003)が挙げられる。更に、直接的及び標的遺伝子組み込み戦略を使用して、CRISPR/CAS9、ジンクフィンガー、TALEN、及びメガヌクレアーゼ遺伝子編集技術を含む、核酸配列を挿入してもよい。
【0238】
医薬組成物
一態様では、本開示は、薬学的に許容される賦形剤または担体、及び本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、本明細書に開示される実施形態のいずれかの単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNA、または本明細書に開示される実施形態のいずれかのベクター、または本明細書に開示される実施形態のいずれかの宿主細胞を含む、医薬組成物を提供する。諸実施形態では、医薬組成物は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNAを含む。
【0239】
適切な医薬組成物は、米国特許第8,710,200号、同第8,822,663号、同第8,999,380号、同第9,181,319号、同第9,254,311号、同第9,334,328号、同第9,464,124号、同第9,950,068号、同第10,626,400号、同第10,808,242号、同第11,020,477号、米国特許出願公開第20220001026号、同第20210318817号、同第20210283262号、同第20200360481号、同第20200113844号、同第20200085758号、同第20170204152号、同第20190114089号、同第20190114090号、同第20180369374号、同第20180318385号、同第20190111003号、及びPCT国際出願第WO/2017112943号、同第WO2014/028429号、同第WO2017/201325号に開示されており、これらの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0240】
一態様では、本開示は、配列番号80~93から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する異種キメラタンパク質をコードする、単離された修飾mRNA(mmRNA)を含む医薬組成物に関する。
【0241】
諸実施形態では、担体は、修飾(例えば、RNAエレメント)を含むmmRNAであり、この修飾は、所望の翻訳調節活性を提供する。このような修飾は、PCT出願番号、PCT国際出願公開第WO2018213789に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0242】
諸実施形態では、mmRNAは、3’非翻訳領域(UTR)を更に含む。諸実施形態では、3’UTRは、少なくとも1つのmicroRNA-122(miR-122)結合部位を含む。諸実施形態では、miR-122結合部位は、miR-122-3p結合部位またはmiR-122-5結合部位である。諸実施形態では、mmRNAは、オープンリーディングフレームとmiRNA結合部位との間にスペーサー配列を更に含む。諸実施形態では、スペーサー配列は、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、または少なくとも約100ヌクレオチドを含む。
【0243】
諸実施形態では、mmRNAは、5’UTRを更に含む。諸実施形態では、5’UTRはコザック配列を保有し、及び/または伸長因子の結合を促進する二次構造を形成する。
【0244】
諸実施形態では、mmRNAは、5’末端キャップを更に含む。諸実施形態では、5’末端キャップは、Cap0、Cap1、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジドグアノシン、Cap2、Cap4、5’メチルGキャップ、またはこれらの類似体である。
【0245】
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、mmRNAは、1つ以上の修飾を含み得る。本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、mmRNAは、少なくとも1つの修飾を含み得る。諸実施形態では、修飾は、ヌクレオシド修飾である。諸実施形態では、修飾は、塩基修飾である。諸実施形態では、修飾は、糖-リン酸骨格修飾である。
【0246】
諸実施形態では、修飾は、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザアデニン、7-デアザ-8-アザアデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン、N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデニン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニン、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、ならびにこれらの任意の2つ以上の組み合わせから選択される。諸実施形態では、修飾は、プソイドウリジン(Ψ)、N1-メチルプソイドウリジン(m1Ψ)、2-チオウリジン(s2U)、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、2’-O-メチルウリジン、1-メチル-プソイドウリジン(m1Ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、α-チオ-グアノシン、α-チオ-アデノシン、5-シアノウリジン、4’-チオウリジン7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリン(I)、1-メチルイノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、ならびにこれらの任意の2つ以上の組み合わせから選択される。諸実施形態では、修飾は、プソイドウリジン、N1-メチルプソイドウリジン、5-メチルシトシン、5-メトキシウリジン、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0247】
諸実施形態では、mmRNAは、少なくとも1つのN1-メチルプソイドウリジンを含む。諸実施形態では、mmRNAは、化学的に修飾されたウリジンで完全に修飾される。諸実施形態では、mmRNAは、N1-メチルプソイドウリジンで完全に修飾される。
【0248】
諸実施形態では、修飾は、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、及び4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、またはこれらの任意の2つ以上の組み合わせから選択される。
【0249】
諸実施形態では、修飾は、5-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、及び4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジンから選択される。
【0250】
諸実施形態では、修飾は、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン(glycinylcarbamoyladenosine)、N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデニン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニンから選択される。
【0251】
諸実施形態では、修飾は、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシンから選択される。
【0252】
諸実施形態では、修飾は、主溝面上に存在する。諸実施形態では、ウラシルのC-5上の水素は、メチル基またはハロ基で置換される。
【0253】
諸実施形態では、mmRNAは、5’-O-(1-チオリン酸)-アデノシン、5’-O-(1-チオリン酸)-シチジン、5’-O-(1-チオリン酸)-グアノシン、5’-O-(1-チオリン酸)-ウリジン、及び5’-O-(1-チオリン酸)-プソイドウリジンから選択される1つ以上の修飾を更に含む。
【0254】
諸実施形態では、医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)、リポプレックス、またはリポソームとして製剤化される。諸実施形態では、医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化される。諸実施形態では、本明細書に記載のmmRNAは、カチオン性水中油型エマルジョンに配合することができ、エマルジョン粒子は、油コアと、mRNAと相互作用して分子をエマルジョン粒子に固定することができるカチオン性脂質と、を含む。諸実施形態では、本明細書に記載のmRNAは、親水相が分散された連続疎水相を含む、油中水型エマルジョンに配合されてもよい。例示的なエマルジョンは、PCT国際出願公開第WO2012006380号及び同第WO201087791号(これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法によって作製することができる。
【0255】
いくつかの実施形態では、本発明の核酸(例えば、mRNA)は、脂質ナノ粒子(LNP)に配合される。脂質ナノ粒子は、通常、目的の核酸カーゴと共に、イオン化可能なカチオン性脂質、非カチオン性脂質、ステロール、及びPEG脂質成分を含む。本発明の脂質ナノ粒子は、例えば、PCT国際出願公開第WO2021231854号、同第WO2021050986号、同第WO2021055833号、同第WO2021213924号、同第WO2021055849号、同第WO2021214204号、同第WO2021188969号、同第WO2021055835号、同第WO2020061284号、同第WO2020061295号、同第WO2017049245号、同第WO2017031232号、同第WO2017112865号、同第WO2017218704号、同第WO2017218704号、同第WO2017099823号、同第WO2017049074号、同第WO2017117528号、同第WO2017180917号、同第WO2017075531号、同第WO2017223135、同第WO2016118724号、同第WO2015164674号、同第WO2015038892号、同第WO2014152211号、及び同第WO2013090648号(それぞれの全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている成分、組成物、及び方法を使用して作成することができる。PEG脂質は、イオン化可能な脂質(例えば、米国特許第8,158,601号、PCT国際出願公開第WO2012099755号、及び同第WO2015/130584号(これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものなど、当技術分野で公知のもの)から選択される。イオン化可能な脂質は、これらに限定されないが、国際公開第WO2013086354号及び同第WO2013116126号(これらのそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載のイオン化可能な脂質から選択することができる。諸実施形態では、脂質は、PCT国際公開第WO2012170889号(その全体が本明細書に参照により組み込まれる)に記載されるもののような切断可能な脂質であり得る。諸実施形態では、脂質は、当技術分野で公知の方法及び/または国際公開第WO2013086354号(そのそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法によって合成することができる。諸実施形態では、本明細書に記載のLNP製剤は、透過性増強分子を更に含むことができる。非限定的な透過性増強分子は、米国公開第US20050222064号に記載されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0256】
諸実施形態では、担体は、脂質様物質、リポソーム、リポプレックス、脂質ナノ粒子、ポリマーナノ粒子、ペプチド、タンパク質、細胞、ナノ粒子模倣物、ナノチューブ、または複合体である。諸実施形態では、医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)、リポプレックス、またはリポソームとして製剤化される。諸実施形態では、医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化される。諸実施形態では、脂質ナノ粒子は、イオン化可能な脂質(例えば、DLin-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、98N12-5、及びC12-200から選択されるイオン化可能なカチオン性脂質);構造脂質(例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC));コレステロール、及びポリエチレングリコール(PEG)脂質(例えば、PEGジアシルグリセロール(DAG)、PEGジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEGリン脂質、PEGセラミド(Cer)、またはこれらの混合物、またはPEGジラウリルオキシプロピル(C12、PEGジミリスチルオキシプロピル(C14)、PEGジパルミチルオキシプロピル(C16)、またはPEGジステアリルオキシプロピル(C18));1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から選択される脂質を含む。
【0257】
諸実施形態では、医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化される。諸実施形態では、LNPは、約20~60%のイオン化可能なアミノ脂質、約5~25%のリン脂質、約25~55%の構造脂質、及び約0.5~1.5%のPEG脂質のモル比を含む。諸実施形態では、LNPは、約50%のイオン化可能なアミノ脂質、約8~12%のリン脂質、約37~40%の構造脂質、及び約1~2%のPEG脂質のモル比を含む。諸実施形態では、脂質ナノ粒子は、イオン化可能な脂質(例えば、DLin-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、98N12-5、及びC12-200から選択されるイオン化可能なカチオン性脂質);構造脂質(例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC));コレステロール、及びポリエチレングリコール(PEG)脂質(例えば、PEGジアシルグリセロール(DAG)、PEGジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEGリン脂質、PEGセラミド(Cer)、またはこれらの混合物、またはPEGジラウリルオキシプロピル(C12、PEGジミリスチルオキシプロピル(C14)、PEGジパルミチルオキシプロピル(C16)、またはPEGジステアリルオキシプロピル(C18));1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から選択される脂質を含む。
【0258】
諸実施形態では、脂質ナノ粒子は、(a)粒子中に存在する総脂質の50モル%~85モル%を含むカチオン性脂質、(b)粒子中に存在する総脂質の13モル%~49.5モル%を含む非カチオン性脂質、及び(c)粒子中に存在する総脂質の0.5モル%~2モル%を含む粒子の凝集を阻害する複合脂質を含む。諸実施形態では、脂質ナノ粒子は、SM-102、DLin-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、98N12-5及びC12-200;コレステロール;ならびにPEG脂質から選択される脂質を含む。
【0259】
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、医薬組成物は、非経口投与用に製剤化される。本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、医薬組成物は、局所投与用に製剤化される。
【0260】
一態様では、本開示は、本明細書に開示されるいずれかの実施形態のmmRNA、または本明細書に開示されるいずれかの実施形態のmmRNAを含むLNPを含む、医薬組成物を提供する。諸実施形態では、医薬組成物は、非経口投与用に製剤化される。
【0261】
諸実施形態では、医薬組成物は、配列番号80~93から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する異種キメラタンパク質をコードする修飾mRNA(mmRNA)を含む。諸実施形態では、医薬組成物は、イオン化可能なアミノ脂質、リン脂質、構造脂質及びPEG脂質を含む、LNPとして製剤化される。
【0262】
諸実施形態では、医薬組成物は、非経口投与用に製剤化される。諸実施形態では、医薬組成物は、局所、皮膚、皮内、筋肉内、腹腔内、関節内、静脈内、皮下、動脈内または経皮投与用に製剤化される。諸実施形態では、医薬組成物は、局所投与用に製剤化される。
【0263】
一態様では、本開示は、薬学的に許容される賦形剤または担体、及び本明細書に開示される実施形態のいずれか1つのキメラタンパク質、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示される実施形態のベクター、または本明細書に開示される実施形態のいずれかの宿主細胞を含む、医薬組成物を提供する。諸実施形態では、医薬組成物は、核酸、例えば、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つのmmRNAを含む。
【0264】
諸実施形態では、脂質ナノ粒子は、イオン化可能な脂質(例えば、DLin-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、98N12-5、及びC12-200から選択されるイオン化可能なカチオン性脂質);構造脂質(例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC));コレステロール、及びポリエチレングリコール(PEG)脂質(例えば、PEGジアシルグリセロール(DAG)、PEGジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEGリン脂質、PEGセラミド(Cer)、またはこれらの混合物、またはPEGジラウリルオキシプロピル(C12、PEGジミリスチルオキシプロピル(C14)、PEGジパルミチルオキシプロピル(C16)、またはPEGジステアリルオキシプロピル(C18));1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE);及び核酸、例えば、mmRNAから選択される脂質を含む。
【0265】
諸実施形態では、LNPは、約20~60%のイオン化可能なアミノ脂質、約5~25%のリン脂質、約25~55%の構造脂質、及び約0.5~1.5%のPEG脂質のモル比を含む。諸実施形態では、イオン化可能なアミノ脂質は以下の式を含む:
【化18】
【0266】
諸実施形態では、脂質ナノ粒子は、イオン化可能な脂質;構造脂質;コレステロール、及びポリエチレングリコール(PEG)脂質;1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE);ならびに核酸(例えば、mmRNA)から選択される脂質を含む。諸実施形態では、イオン化可能な脂質は、DLin-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、98N12-5、及びC12-200から選択されるイオン化可能なカチオン性脂質である。諸実施形態では、ポリエチレングリコール(PEG)脂質は、PEGジアシルグリセロール(DAG)、PEGジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEGリン脂質、PEGセラミド(Cer)、またはこれらの混合物、またはPEGジラウリルオキシプロピル(例えば、(C12)、PEGジミリスチルオキシプロピル(C14)、PEGジパルミチルオキシプロピル(C16)、またはPEGジステアリルオキシプロピル(C18))から選択される。
【0267】
諸実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、例えば、脂質粒子を用いる方法などの様々なトランスフェクション方法によって細胞に導入される、共役ポリヌクレオチド配列であるか、またはそれを含む。諸実施形態では、遺伝子導入コンストラクトを含む組成物は、送達粒子を含む。諸実施形態では、送達粒子は、脂質に基づく粒子(例えば、脂質ナノ粒子(LNP))、カチオン性脂質、または生分解性ポリマー)を含む。遺伝子導入コンストラクトの脂質ナノ粒子(LNP)送達は、潜在的なオフターゲット事象及び免疫応答を制限するための一過性の非組み込み発現、ならびに大きなカーゴを輸送する能力を有する効率的な送達を含む、特定の利点を提供する。LNPは、小さな干渉RNA(siRNA)及びmRNAの送達、ならびにCRISPR/Cas9成分を肝細胞及び肝臓にin vitro及びin vivoで送達するために使用されてきた。例えば、米国特許第10,195,291号は、RNA干渉(RNAi)治療剤の送達のためのLNPの使用について記載している。
【0268】
諸実施形態では、本開示の実施形態による組成物は、LNPの形態にある。諸実施形態では、LNPは、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC);N-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジメチルアミノエタン-カルバモイルと混合されたカチオン性コレステロール誘導体(DC-Chol)、ホスファチジルコリン(PC)、トリオレイン(トリオレイン酸グリセリル)、ならびに1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[カルボキシ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG)、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メトキシポリエチレングリコール-2000(DMG-PEG 2K)、及び1,2-ジステアロール(distearol)-sn-グリセロール-3ホスホコリン(DSPC)から選択される1つ以上の脂質を含む。
【0269】
諸実施形態では、組成物は、様々な比で脂質及びポリマーを有し得、脂質は、例えば、DOTAP、DC-Chol、PC、トリオレイン、DSPE-PEGから選択され得、ポリマーは、例えば、PEIまたはポリ乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)であり得る。更にまたはあるいは、任意の他の脂質及びポリマーを使用し得る。諸実施形態では、脂質及びポリマーの比は、約0.5:1、または約1:1、または約1:1.5、または約1:2、または約1:2.5、または約1:3、または約3:1、または約2.5:1、または約2:1、または約1.5:1、または約1:1、または約1:0.5である。
【0270】
諸実施形態では、LNPは、カチオン性脂質を含み、その非限定的な例としては、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N-(I-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N-(I-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N-ジメチル-2,3-ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)、1,2-ジリノレイルカルバモイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-C-DAP)、1,2-ジリノレイオキシ-3-(ジメチルアミノ)アセトキシプロパン(DLin-DAC)、1,2-ジリノレイオキシ-3-モルホリノプロパン(DLin-MA)、1,2-ジリノレオイル-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDAP)、1,2-ジリノレイルチオ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-S-DMA)、1-リノレオイル-2-リノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-2-DMAP)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-トリメチルアミノプロパンクロリド塩(DLin-TMA.Cl)、1,2-ジリノレオイル-3-トリメチルアミノプロパンクロリド塩(DLin-TAP.Cl)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-(N-メチルピペラジノ)プロパン(DLin-MPZ)、または3-(N,N-ジリノレイルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DLinAP)、3-(N,N-ジオレイルアミノ)-1,2-プロパンジオ(DOAP)、1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)もしくはその類似体、(3aR,5s,6aS)-N,N-ジメチル-2,2-ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル)テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-5-アミン(ALN100)、(6Z,9Z,28Z,31Z)-ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン19-イル4-(ジメチルアミノ)ブタノエート(MC3)、1,1’-(2-(4-(2-((2-(ビス(2-’)アミノ)エチル)(2ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチルアザンジイル)ジドデカン-2-オール(Tech G1)、1,2-ジリノレイルオキソ-3-(2-N,N-ジメチルアミノ)エトキシプロパン(DLin-EG-DMA)、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0271】
諸実施形態では、LNPは、肝送達に好適である、ポリエチレンイミン(PEI)及びポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、ならびにN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)から選択される1つ以上の分子を含む。諸実施形態では、LNPは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,985,826号に記載の肝指向性化合物を含む。GalNAcは、哺乳動物肝細胞で発現するアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)を標的とすることが知られている。Hu et al., Protein Pept Lett.2014;21(10):1025-30を参照されたい。
【0272】
いくつかの例では、単離されたポリヌクレオチドは、PEI、またはポリエチレンイミン-ポリエチレングリコール-N-アセチルガラクトサミン(PEI-PEG-GAL)もしくはポリエチレンイミン-ポリエチレングリコール-トリ-N-アセチルガラクトサミン(PEI-PEG-triGAL)誘導体等のそれらの誘導体と製剤化または複合化され得る。
【0273】
諸実施形態では、LNPは、共役脂質であり、その非限定的な例としては、限定されないが、PEG-ジアシルグリセロール(DAG)、PEG-ジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEG-リン脂質、PEG-セラミド(Cer)、またはこれらの混合物を含む、ポリエチレングリコール(PEG)-脂質が挙げられる。PEG-DAA複合体は、例えば、PEG-ジラウリルオキシプロピル(C12)、PEG-ジミリスチルオキシプロピル(C14)、PEG-ジパルミチルオキシプロピル(C16)、またはPEG-ジステアリルオキシプロピル(C18)であり得る。
【0274】
諸実施形態では、LNP製剤は、リン酸複合体を更に含んでもよく、それは、in vivo循環時間を延長させることができ、及び/またはナノ粒子の標的送達を増加させることができる。リン酸複合体は、例えば、PCT国際公開第WO2013033438号または米国公開第US20130196948号に記載の方法によって作製することができる。LNP製剤はまた、例えば、米国公開第US20130059360号、同第US20130196948号、及び同第US20130072709号(参考文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなポリマー複合体(例えば、水溶性複合体)も含有する。
【0275】
諸実施形態では、LNP製剤は、炭水化物担体を含み得る。非限定的な例として、炭水化物担体には、無水物修飾フィトグリコーゲンまたはグリコーゲン型物質、フィトグリコーゲンコハク酸オクテニル、フィトグリコーゲンβデキストリン、無水物修飾フィトグリコーゲンβデキストリン(例えば、PCT国際公開番号WO2012109121、本明細書にその全体が参照により組み込まれる)が含まれるが、これらに限定されない。諸実施形態では、LNP製剤は、粒子の送達を改善するために界面活性剤またはポリマーでコーティングすることができる。いくつかの実施形態では、LNPは、親水性コーティング、例えば、限定されないが、PEGコーティング及び/または米国公開第US20130183244号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の中性表面電荷を有するコーティングでコーティングすることができる。諸実施形態では、LNP製剤は、粒子の表面特性を変更するように操作することができ、その結果、脂質ナノ粒子は粘膜バリアを透過することができる。これは、米国特許第8,241,670号またはPCT国際公開第WO2013110028号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。諸実施形態では、粘液透過性LNPは、粘膜透過増強コーティングを含む低張性製剤であり得る。製剤は、送達される上皮に対して低張性であり得る。低張性製剤の非限定的な例は、例えば、PCT国際公開第WO2013110028号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0276】
諸実施形態では、本明細書に記載のmmRNAは、平均直径が10~1000nmの球形であり得る固体脂質ナノ粒子(SLN)として製剤化される。SLNは、親油性分子を可溶化することができ、界面活性剤及び/または乳化剤で安定化できる固体脂質コアマトリックスを保有する。例示的なSLNは、PCT国際公開第WO2013105101号に記載されているものであり得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0277】
諸実施形態では、ナノ粒子は、約1000nm未満の直径を有する粒子である。諸実施形態では、本開示のナノ粒子は、約500nm以下、または約400nm以下、または約300nm以下、または約200nm以下、または約100nm以下の最大寸法(例えば、直径)を有する。諸実施形態では、本開示のナノ粒子は、約50nm~約150nm、または約70nm~約130nm、または約80nm~約120nm、または約90nm~約110nmの範囲の最大寸法を有する。諸実施形態では、本開示のナノ粒子は、約100nmの最大寸法(例えば、直径)を有する。
【0278】
諸実施形態では、キメラタンパク質またはmRNAを含む治療用ナノ粒子は、持続放出用に製剤化することができ、本明細書で使用する場合、持続放出とは、特定の期間にわたる放出速度に適合する医薬組成物または化合物を指す。諸実施形態では、期間には、時間、日、週、月及び年が含まれるが、これらに限定されない。非限定的な例として、本明細書に記載のmRNAの持続放出ナノ粒子は、PCT国際公開第WO2010075072号、ならびに米国公開第US20100216804号、同第US20110217377号、同第US20120201859号及び同第US20130150295号(これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように製剤化することができる。
【0279】
諸実施形態では、キメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)は、様々な製剤に含まれる。本明細書に記載の任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)は、液剤、懸濁剤、乳剤、点滴、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル剤、液体含有カプセル剤、粉末剤、徐放性製剤、坐剤、乳濁液、エアロゾル、噴霧、懸濁剤、または使用に適した他の形態をとってもよい。タンパク質配列をコードするDNAまたはRNAコンストラクトも使用してもよい。諸実施形態では、組成物は、カプセルの形態である(例えば、米国特許第5,698,155号を参照されたい)。適切な薬学的賦形剤の他の例は、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences1447-1676(Alfonso R.Gennaro eds.,19th ed.1995)に記載されている。
【0280】
諸実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるキメラタンパク質をコードする核酸を含む、発現ベクターを提供する。諸実施形態では、発現ベクターは、DNAまたはRNAを含む。諸実施形態では、発現ベクターは、哺乳動物発現ベクターである。
【0281】
原核生物及び真核生物の両方のベクターは、キメラタンパク質の発現に使用することができる。原核生物ベクターには、E.coli配列に基づくコンストラクトが含まれる(例えば、Makrides,Microbiol Rev1996,60:512-538を参照されたい)。E.coliでの発現のために使用され得る調節領域の非限定的な例としては、lac、trp、lpp、phoA、recA、tac、T3、T7、及びλPLが挙げられる。原核生物発現ベクターの非限定的な例には、λgt11などのλgtベクター系列(Huynh et al.,in ”DNA Cloning Techniques,Vol. I:A Practical Approach,”1984,(D.Glover,ed.),pp.49-78,IRL Press,Oxford)、及びpETベクター系列(Studier et al.,Methods Enzymol1990,185:60-89)が含まれ得る。しかしながら、原核生物宿主-ベクター系は哺乳動物細胞の翻訳後プロセシングの多くを実行できない。したがって、真核生物宿主-ベクター系は、特に有用であり得る。様々な調節領域は、哺乳動物宿主細胞におけるキメラタンパク質の発現に使用することができる。例えば、SV40初期及び後期プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーター、ならびにラウス肉腫ウイルス末端反復配列(RSV-LTR)プロモーターを使用できる。哺乳動物細胞において有用であり得る誘導性プロモーターには、限定されないが、メタロチオネインII遺伝子、マウス乳癌ウイルス糖質コルチコイド応答性末端反復配列(MMTV-LTR)、β-インターフェロン遺伝子、及びhsp70遺伝子に関連するプロモーターが含まれる(例えば、Williams et al.,Cancer Res1989,49:2735-42、及びTaylor et al.,Mol Cell Biol1990,10:165-75を参照されたい)。熱ショックプロモーターまたはストレスプロモーターもまた、組換え宿主細胞におけるキメラタンパク質の発現を駆動するために有利であり得る。
【0282】
諸実施形態では、本開示の発現ベクターは、哺乳動物細胞において機能的である、発現制御領域またはその補体に作動可能に結合された、キメラタンパク質またはその補体をコードする核酸(及び/または追加の薬剤)を含む。発現制御領域は、発現ベクターを用いて形質転換されたヒト細胞において遮断及び/または刺激因子が生成されるように、作動可能に結合された遮断及び/または刺激因子をコードする核酸の発現を駆動し得る。
【0283】
発現制御領域は、作動可能に結合された核酸の発現に影響を及ぼす、プロモーター及びエンハンサーなどの調節ポリヌクレオチド(本明細書ではエレメントと称されることもある)である。本開示の発現ベクターの発現制御領域は、ヒト細胞において作動可能に結合されたコード化核酸を発現し得る。諸実施形態では、細胞は、上皮細胞である。諸実施形態では、細胞は、外皮系の炎症によって引き起こされる、もしくはそれに関連する病変障害内またはその近くに位置する。諸実施形態では、細胞は、非腫瘍細胞である。諸実施形態では、発現制御領域は、作動可能に結合された核酸に調節可能な発現を付与する。シグナル(刺激と称されることもある)は、かかる発現制御領域に作動可能に結合された核酸の発現を増加または低減させることができる。シグナルに応答して発現を増大させる、このような発現制御領域は、誘導可能と称される場合が多い。シグナルに応答して発現を低減させる、このような発現制御領域は、抑制可能と称される場合が多い。通常、このようなエレメントによって付与される増大または低減の量は、存在するシグナルの量に比例し、シグナルの量が多いほど、発現の増大または低減が大きくなる。
【0284】
諸実施形態では、本開示は、合図に応答して一過性で高レベルの発現をもたらし得る誘導性プロモーターの使用を企図する。例えば、外皮系の炎症によって引き起こされる、またはそれに関連する病変障害の近くにある場合、かかる発現制御配列を含むキメラタンパク質(及び/または追加の薬剤)の発現ベクターで形質転換された細胞は、形質転換された細胞を適切な合図に曝露することによって、高レベルの薬剤を一過性に生成するように誘導される。例示的な誘導性発現制御領域には、低分子化合物などの合図で刺激される誘導性プロモーターを含む領域が含まれる。特定の例は、例えば、米国特許第5,989,910号、同第5,935,934号、同第6,015,709号、及び同第6,004,941号に見出すことができ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0285】
発現制御領域及び遺伝子座制御領域には、天然のプロモーター及びエンハンサーエレメントなどの完全長プロモーター配列、ならびに完全長もしくは非バリアント機能の全部または一部を保持する、部分配列またはポリヌクレオチドバリアントが含まれる。本明細書で使用する場合、「機能的」という用語及びその文法上の変形は、核酸配列、部分配列、または断片に関して使用される場合、その配列が天然核酸配列(例えば、非バリアントまたは非修飾配列)の1つ以上の機能を有することを意味する。
【0286】
本明細書で使用する場合、「作動可能に結合する」とは、それらが意図した様式で機能することを可能にするように記載された構成要素の物理的並置を指す。核酸と作動可能に結合する発現制御エレメントの例では、この関係は、制御エレメントが核酸の発現を調節するような関係である。典型的には、転写を調節する発現制御領域は、転写される核酸の5’末端近く(すなわち、「上流」)に並置される。発現制御領域はまた、転写される配列の3’末端(すなわち、「下流」)または転写物内(例えば、イントロン内)に位置し得る。発現制御エレメントは、転写される配列から離れた距離に位置し得る(例えば、核酸から100~500、500~1000、2000~5000、またはそれ以上のヌクレオチド)。発現制御エレメントの特定の例はプロモーターであり、これは通常、転写される配列の5’に位置する。発現制御エレメントの別の例は、転写される配列の5’もしくは3’、または転写される配列内に位置し得るエンハンサーである。
【0287】
ヒト細胞で機能する発現系は当技術分野で周知であり、ウイルス系が含まれる。一般に、ヒト細胞で機能するプロモーターは、哺乳動物RNAポリメラーゼと結合し、コード配列のmRNAへの下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端の近位に配置される転写開始領域と、典型的に、転写開始部位の25~30塩基対上流に位置するTATAボックスとを有する。TATAボックスは、正確な部位でRNA合成を開始するようにRNAポリメラーゼIIに指示すると考えられている。プロモーターはまた、典型的に、TATAボックスの上流の100~200塩基対内に典型的に位置する上流プロモーターエレメント(エンハンサーエレメント)も含むであろう。上流のプロモーターエレメントは、転写が開始される速度を決定し、どちらの配向にも作用し得る。プロモーターとして特に使用されるのは、ウイルス遺伝子が高度に発現される場合が多く、広い宿主範囲を有するので、哺乳動物ウイルス遺伝子由来のプロモーターである。例としては、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーター、CMVプロモーターが挙げられる。外皮系で発現するプロモーターの例としては、ケラチン5(K5)プロモーター、ケラチン6(K6)プロモーター、ケラチン14(K14)プロモーター、ケラチン16(K16)プロモーター、α1(I)コラーゲンプロモーター、フィラグリンプロモーター、ロリクリンプロモーター、インボルクリンプロモーター、チロシナーゼプロモーター、及びαVインテグリンプロモーターが挙げられる。
【0288】
典型的には、哺乳動物細胞によって認識される転写終結及びポリアデニル化配列は、翻訳終止コドンの3’に位置する調節領域であり、したがって、プロモーターエレメントと一緒に、コード配列に隣接する。成熟mRNAの3’末端は、部位特異的な翻訳後切断及びポリアデニル化によって形成される。転写ターミネーター及びポリアデニル化シグナルの例としては、SV40に由来するものが含まれる。イントロンもまた、発現コンストラクトに含まれてもよい。
【0289】
核酸を生きた細胞に導入するために使用可能な種々の技法が存在する。in vitroでの哺乳動物細胞への核酸の移入に好適な技術としては、リポソームの使用、電気穿孔、マイクロインジェクション、細胞融合、ポリマー系システム、DEAE-デキストラン、ウイルス形質導入、リン酸カルシウム沈降法などが挙げられる。in vivoでの遺伝子導入のために、リポソーム、キトサン及びゼラチンなどの天然ポリマー系送達ビヒクルを含む多数の技術及び試薬も使用されてもよい。ウイルスベクターもin vivoでの形質導入に好適である。いくつかの状況では、外皮系の炎症によって引き起こされる、もしくはそれに関連する病変障害内もしくはその近くに位置する、細胞からの細胞表面膜タンパク質に特異的な抗体またはリガンドなどの標的剤を提供することが望ましい。リポソームが用いられる場合、エンドサイトーシスと関連付けられた細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質を、例えば、特定の細胞型に向性のカプシドタンパク質またはその断片、循環中の内部化を受けるタンパク質の抗体、細胞内限局化を標的とし、細胞内半減期を強化するタンパク質を標的とするため、及び/またはそれらの取り込みを促進するために使用し得る。受容体を媒介したエンドサイトーシスの技術は、例えば、Wu et al.,J.Biol.Chem.262,4429-4432(1987)、及びWagner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,3410-3414(1990)に記載される。
【0290】
必要に応じて、例えば、組み込み配列などの遺伝子送達剤を利用することもできる。多数の組み込み配列は、当技術分野で公知である(例えば、Nunes-Duby et al.,Nucleic Acids Res.26:391-406,1998、Sadwoski,J.Bacteriol.,165:341-357,1986、Bestor,Cell,122(3):322-325,2005、Plasterk et al.,TIG 15:326-332,1999、Kootstra et al.,Ann.Rev.Pharm.Toxicol.,43:413-439,2003を参照されたい)。これらとしては、リコンビナーゼ及びトランスポザーゼが挙げられる。例としては、Cre(Sternberg and Hamilton,J.Mol.Biol.,150:467-486,1981)、ラムダ(Nash,Nature,247,543-545,1974)、FIp(Broach,et al.,Cell,29:227-234,1982)、R(Matsuzaki,et al.,J.Bacteriology,172:610-618,1990)、cpC31(例えば、Groth et al.,J.Mol.Biol.335:667-678,2004を参照されたい)、スリーピングビューティ(sleeping beauty)、マリナーファミリーのトランスポザーゼ(Plasterk et al.,前述)、ならびにレトロウイルスまたはレンチウイルスのLTR配列及びAAVのITR配列など、ウイルス組み込みを提供する構成要素を有するAAV、レトロウイルス、及びアンチウイルスなどのウイルスを組み込むための構成要素(Kootstra et al.,Ann.Rev.Pharm.Toxicol.,43:413-439,2003)が挙げられる。更に、直接的及び標的遺伝子組み込み戦略を使用して、CRISPR/CAS9、ジンクフィンガー、TALEN、及びメガヌクレアーゼ遺伝子編集技術を含む、キメラタンパク質をコードする核酸配列を挿入してもよい。
【0291】
一態様では、本開示は、ウイルスベクターであるキメラタンパク質(及び/または追加の薬剤)の発現のための発現ベクターを提供する。遺伝子治療に有用な多くのウイルスベクターが公知である(例えば、Lundstrom,Trends Biotechnol.,21:1 17,122,2003を参照されたい。例示的なウイルスベクターとしては、アンチウイルス(LV)、レトロウイルス(RV)、アデノウイルス(AV)、アデノ随伴ウイルス(AAV)、及びαウイルスから選択されるウイルスベクターが含まれるが、他のウイルスベクターも使用されてよい。in vivoでの使用について、αウイルス及びアデノウイルスなど、宿主ゲノムに組み込まれないウイルスベクターが使用に好適である。αウイルスの例示的な種類としては、シンドビスウイルス、ベネズエラ馬脳炎(VEE)ウイルス、及びセムリキ森林ウイルス(SFV)が挙げられる。in vitroでの使用について、レトロウイルス、AAV、及びアンチウイルスなど、宿主ゲノムに組み込まれるウイルスベクターが好適である。諸実施形態では、本開示は、外皮系の炎症によって引き起こされる、もしくはそれに関連する病変障害内またはその近くに位置する細胞を、in vivoで本開示のウイルスベクターと接触させることを含む、in vivoでヒト細胞を形質導入する方法を提供する。
諸実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるキメラタンパク質を含む発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。諸実施形態では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードするRNA(限定されないが、例えばmmRNA)を含む宿主細胞を提供する。
【0292】
本発明のキメラタンパク質を生成するために、発現ベクターを宿主細胞に導入してもよい。細胞は、例えば、in vitroで培養されてもよいし、または遺伝子操作されてもよい。有用な哺乳動物宿主細胞としては、ヒト、サル、及びげっ歯類に由来する細胞が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Kriegler, in “Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual,”1990,New York,Freeman & Co.を参照されたい)。これらとしては、SV40によって形質転換されたサル腎臓細胞株(例えば、COS-7、ATCC CRL1651);ヒト胎児腎臓株(例えば、293、293-EBNA、または浮遊培養での増殖のためにサブクローニングされた293細胞、Graham et al.,J Gen Virol1977,36:59);ベビーハムスター腎臓細胞(例えば、BHK、ATCC CCL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞-DHFR(例えば、CHO、Urlaub and Chasin,Proc Natl Acad Sci USA1980,77:4216)、DG44 CHO細胞、CHO-K1細胞、マウスセルトリ細胞(Mather,Biol Reprod1980,23:243-251);マウス線維芽細胞(例えば、NIH-3T3)、サル腎臓細胞(例えば、CV1 ATCC CCL70);アフリカミドリザル腎臓細胞(例えば、VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸癌細胞(例えば、HELA、ATCC CCL2);イヌ腎臓細胞(例えば、MDCK、ATCC CCL34);バッファローラット肝臓細胞(例えば、BRL 3A、ATCC CRL1442)、ヒト肺細胞(例えば、W138、ATCC CCL75);ヒト肝臓細胞(例えば、Hep G2、HB8065);及びマウス乳腺腫瘍細胞(例えば、MMT060562、ATCC CCL51)が挙げられる。本明細書に記載されるキメラタンパク質を発現するための例示的な細胞型には、マウス線維芽細胞株、NIH3T3、マウスルイス肺癌細胞株、LLC、マウス肥満細胞腫細胞株、P815、マウスリンパ腫細胞株、EL4及びその卵白アルブミン形質移入体、E.G7、マウスメラノーマ細胞株、B16F10、マウス線維肉腫細胞株、MC57、ならびにヒト小細胞肺癌細胞株、SCLC#2及びSCLC#7が含まれる。
宿主細胞は、健康なヒト、外皮系の炎症に罹患している患者、及び感染性疾患を有する患者を含む正常または罹患した対象から、民間研究所の寄託、American Type Culture Collectionなどの公的な培養物収集、または商業的供給業者から得ることができる。
【0293】
in vitro、ex vivo、及び/またはin vivoで、本発明のキメラタンパク質の生成に使用され得る細胞としては、限定するものではないが、上皮細胞、内皮細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞、筋肉細胞、肝細胞;血球、例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、巨核球、顆粒球;種々の幹細胞または前駆細胞、特に造血幹細胞または前駆細胞(例えば、骨髄から得られるもの)、臍帯血、末梢血、胎児肝臓などが挙げられる。細胞型の選択は、治療もしくは予防されている外皮系の炎症によって引き起こされるか、もしくはそれと関連している疾患または障害の種類に依存し、当業者によって決定され得る。
【0294】
必要に応じて、キメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)を含む製剤はまた、可溶化剤も含んでもよい。また、薬剤は、当技術分野で公知の好適なビヒクルまたは送達デバイスを用いて送達され得る。本明細書に概説される併用療法は、単一の送達ビヒクルまたは送達デバイスで共送達され得る。投与用の組成物は、任意選択で、注入の部位における疼痛を緩和するために、例えば、リグノカインなどの局所麻酔薬を含んでもよい。
【0295】
本開示のキメラタンパク質(及び/または追加の薬剤)を含む製剤は、好都合に単位剤形で提供されてもよく、薬学の分野において周知である任意の方法によって調製してもよい。このような方法は一般に、治療薬を1つ以上の副成分を構成する担体と会合させるステップを含む。典型的には、製剤は、治療剤を液体担体、細かく分割した固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させることによって調製され、次に必要に応じて、生成物を所望の製剤の剤形に成形する(例えば、湿式または乾式造粒、粉末ブレンドなど、その後、当技術分野で公知である従来の方法を使用して錠剤化する)。
【0296】
諸実施形態では、本明細書に記載の任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)は、慣用的な手順に従って、本明細書に記載の投与様式に適合した組成物として製剤化される。
【0297】
本明細書に記載の任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)は、経口投与してもよい。このようなキメラタンパク質(及び/または追加の薬剤)はまた、他の簡便な経路、例えば、静脈内注入またはボーラス注射、上皮または粘膜皮膚内層を介した吸収(例えば、口腔粘膜、直腸、及び腸粘膜など)によって投与されてもよく、別の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与されてもよい。投与は、全身性であっても、または局所性であってもよい。種々の送達系、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへの封入が公知であり、投与に使用することができる。
【0298】
本明細書に記載の任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)の投与量ならびに投与スケジュールは、これらに限定されないが、治療される疾患、対象の一般的な健康状態、及び投与する医師の裁量を含む種々のパラメータに依存し得る。本明細書に記載の任意のキメラタンパク質は、追加の薬剤の投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、同時に、または投与後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に、薬剤を必要とする対象に投与され得る。諸実施形態では、本明細書に記載の任意のキメラタンパク質及び追加の薬剤は、1分あけて、10分あけて、30分あけて、1時間未満あけて、1時間あけて、1時間~2時間あけて、2時間~3時間あけて、3時間~4時間あけて、4時間~5時間あけて、5時間~6時間あけて、6時間~7時間あけて、7時間~8時間あけて、8時間~9時間あけて、9時間~10時間あけて、10時間~11時間あけて、11時間~12時間あけて、1日あけて、2日あけて、3日あけて、4日あけて、5日あけて、6日あけて、1週間あけて、2週間あけて、3週間あけて、または4週間あけて投与される。
【0299】
本明細書に記載の任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)の投与量は、状態の重症度、状態を治療するか予防するか、ならびに治療される対象の年齢、体重、及び健康状態を含むいくつかの要因に依存し得る。更に、特定の対象に関する薬理ゲノミクス(治療上の薬物動態、薬力学、または有効性プロファイルに対する遺伝子型の影響)情報が使用される投与量に影響し得る。更に、正確な個々の投与量は、投与される薬剤の特定の組み合わせ、投与の期間、投与の経路、製剤の性質、排泄率、治療される特定の疾患、障害の重症度、及び障害の解剖学的位置を含む、種々の要因に応じて若干調整され得る。投与量のある程度の変動が予想され得る。
【0300】
諸実施形態では、送達は、小胞、特にリポソーム内であることができる(Langer,1990,Science249:1527-1533、Treat et al.,inLiposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez-Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.353-365(1989)を参照されたい。
【0301】
本明細書に記載される任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)は、制御放出もしくは持続放出手段によって、または当業者に周知である送達デバイスによって投与され得る。例としては、限定するものではないが、米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第3,536,809号、同第3,598,123号、同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、及び同第5,733,556号に記載されているものが含まれ、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。このような剤形は、種々の割合で所望の放出プロファイルを提供するために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはこれらの組み合わせを使用して、1つ以上の活性成分の制御放出または持続放出を提供するために有用であり得る。活性成分の制御放出または持続放出は、pHの変化、温度の変化、適切な波長の光による刺激、酵素の濃度もしくは利用能、水の濃度もしくは利用能、または他の生理学的条件もしくは化合物を含むがこれらに限定されない種々の条件によって刺激され得る。
【0302】
諸実施形態では、高分子材料を使用してもよい(Medical Applications of Controlled Release,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Florida(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York(1984);Ranger and Peppas,1983,J.Macromol. Sci.Rev.Macromol. Chem.23:61を参照されたく;また更にLevy et al.,1985,Science 228:190;During et al.,1989,Ann.Neurol.25:351;Howard et al.,1989,J.Neurosurg.71:105も参照されたい)。
【0303】
諸実施形態では、制御放出系は、治療される標的領域の近くに配置され得、したがって全身用量のほんの一画分しか必要としない(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release,前述,vol.2,pp.115-138(1984)を参照されたい)。Langer,1990,Science249:1527-1533)による総説で論じられている他の制御放出系を使用してもよい。
【0304】
本明細書に記載の任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)の投与は、独立して、毎日1~4回、または月に1~4回、または年に1~6回、または2、3、4、または5年に1回であり得る。投与は、1日または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年の期間であり得、対象の生涯にわたる場合もある。
【0305】
本明細書に記載される任意のキメラタンパク質、または単離されたポリヌクレオチドもしくはmmRNA(及び/または追加の薬剤)を利用する投与レジメンは、対象の種類、種、年齢、体重、性別、及び医学的状態;治療される状態の重症度;投与の経路;対象の腎機能または肝機能;個々の薬理ゲノミクス構成;及び使用される本開示の特定の化合物を含む、種々の要因に応じて選択され得る。本明細書に記載の任意のキメラタンパク質(及び/または追加の薬剤)も、1日1回投与されてもよいし、または1日合計投与量を1日2、3、または4回の分割投与で投与されてもよい。更に、本明細書に記載の任意のキメラタンパク質(及び/または追加の薬剤)も、投与計画全体を通じて断続的にではなく連続的に投与されてもよい。
【0306】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのポリヌクレオチドを含む、宿主を提供する。
【0307】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のベクターを含む宿主細胞を提供する。一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードするRNA(限定されないが、例えばmmRNA)を含む宿主細胞を提供する。
【0308】
本開示のキメラタンパク質またはキメラタンパク質をコードする核酸で治療できる疾患/障害
諸実施形態では、本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、修飾mRNA(mmRNA))は、自己免疫疾患及び/またはアレルギー疾患を治療または予防するのに適している。諸実施形態では、本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、mmRNA)は、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、尋常性乾癬、ベーチェット病、サルコイドーシス、創傷潰瘍、血管炎、及び壊疽性膿皮症から選択される疾患もしくは障害を治療または予防するのに適している。
【0309】
諸実施形態では、本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、mmRNA)は、マクロファージ、単球、樹状細胞及び/またはT細胞によって媒介される炎症を治療または予防するのに適している。諸実施形態では、本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、mmRNA)は、サイトカイン、例えば、TNFα、IL-17及び/またはIL-23によって媒介される炎症を治療または予防するのに適している。諸実施形態では、炎症は、外皮系の疾患または障害によって引き起こされるか、またはそれと関連している。諸実施形態では、炎症は、皮膚の疾患または障害によって引き起こされるか、またはそれと関連している。
【0310】
諸実施形態では、本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、mmRNA)は、これらに限定されないが、関節リウマチ、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、多関節型若年性特発性関節炎(JIA)、強直性脊椎炎、ウェゲナー病(肉芽腫症)、クローン病(または炎症性腸疾患)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、C型肝炎、子宮内膜症、喘息、悪液質、乾癬、もしくはアトピー性皮膚炎、または他の炎症性もしくは自己免疫関連の病気、障害もしくは状態を含む、対象においてTNFα活性が有害である疾患を治療または予防するのに適している。本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、mmRNA)で治療することができる追加の疾患は、国際特許出願公開第WO2000/062790号、同第WO2001/062272号、及び米国特許第8,772,458号、同第7,700,318号、及び米国特許公開第2019/0135929号、同第2021/0177983号に記載されており、これらの全内容は、本明細書にその全体が参照により組み込まれる。
【0311】
諸実施形態では、本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、mmRNA)は、乾癬、尋常性天疱瘡、強皮症、アトピー性皮膚炎、サルコイドーシス、結節性紅斑、化膿性汗腺炎、扁平苔癬、スウィート症候群、白斑、慢性爪囲炎、湿疹、脂漏性皮膚炎、及び/またはじん麻疹から選択される皮膚の疾患もしくは障害を治療または予防するのに適している。
【0312】
本明細書に開示されるキメラタンパク質または本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードする核酸(限定されないが、例えば、mmRNA)は、乾癬(限定されないが、例えば、尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)を治療または予防するのに適している。
【0313】
乾癬は、ヒトに特有の慢性炎症性皮膚疾患である。これは、乾癬の皮膚病変におけるT細胞、ならびに好中球、樹状細胞、マクロファージ及びNK細胞を含む自然免疫系の細胞の密な浸潤によって特徴付けられる。乾癬はまた、皮膚の上皮細胞(例えば、ケラチノサイト)の過剰増殖及び異常な分化によって特徴付けられ、表皮の顕著な肥厚を引き起こす。表皮のすぐ下にある血管の数及び大きさが、劇的に増加していることが観察される。好中球からなる膿瘍が表皮内に形成され、皮膚が赤くなり、厚くなり、剥がれ落ちる。皮膚におけるケラチノサイトの過剰増殖及びマクロファージの活性化を促進するメカニズムは、まだ完全に解明されていない。乾癬は、症状(例えば、皮膚病変)は短期的には治療できるものの、治療を中止すると症状が再発するため、多くの患者にとって慢性の生涯にわたる疾患である。
【0314】
治療方法
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコードする単離ポリヌクレオチドを含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む、自己免疫状態または炎症性障害の対象を治療するための方法に関し、ここで、(a)は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体2(TNFR2)の細胞外ドメイン、またはTNFR2リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片を含む第1のドメインであり、(c)は、CLEC7aまたはCLEC7aリガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、DC-SIGN(CD209)またはDC-SIGN(CD209)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、デクチン2(CLEC6A)またはデクチン2(CLEC6A)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、ランゲリン(CD207、CLC4K)またはランゲリン(CD207、CLC4K)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、CD69またはCD69リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片から選択される細胞外ドメインを含む、第2のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、リンカーは、ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも1つのシステイン残基を含み、及び/またはヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。諸実施形態では、TNFR2リガンドは、TNFαである。諸実施形態では、CLEC7aリガンドは、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンである。諸実施形態では、DC-SIGN(CD209)リガンドは、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)である。諸実施形態では、デクチン2(CLEC6A)リガンドは、αマンナンである。諸実施形態では、ランゲリン(CD207、CLC4K)リガンドは、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンである。諸実施形態では、CD69リガンドは、ガレクチン1(Gal-1)またはS100A8/S100A9複合体である。諸実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、mRNAであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、本明細書に開示された実施形態のいずれかに従って修飾されたmRNAであるか、またはそれを含む。
【0315】
一態様では、本開示は、N末端-(a)-(b)-(c)-C末端の一般構造を有するキメラタンパク質をコードする単離ポリヌクレオチドを含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む、迅速かつ持続的な免疫抑制を対象に誘導する方法に関し、ここで、(a)は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体2(TNFR2)の細胞外ドメイン、またはTNFR2リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片を含む第1のドメインであり、(c)は、CLEC7aまたはCLEC7aリガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、DC-SIGN(CD209)またはDC-SIGN(CD209)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、デクチン2(CLEC6A)またはデクチン2(CLEC6A)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、ランゲリン(CD207、CLC4K)またはランゲリン(CD207、CLC4K)リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片、CD69またはCD69リガンドと結合可能なそのバリアントもしくは断片から選択される細胞外ドメインを含む、第2のドメインであり、(b)は、第1のドメインと第2のドメインに隣接するリンカーであり、リンカーは、ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも1つのシステイン残基を含み、及び/またはヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを含む。諸実施形態では、TNFR2リガンドは、TNFαである。諸実施形態では、CLEC7aリガンドは、β-1,3結合及び/またはβ-1,6結合グルカンである。諸実施形態では、DC-SIGN(CD209)リガンドは、細胞間接着分子2(ICAM2)及び/または細胞間接着分子3(ICAM3)である。諸実施形態では、デクチン2(CLEC6A)リガンドは、αマンナンである。諸実施形態では、ランゲリン(CD207、CLC4K)リガンドは、硫酸化グリカン、マンノシル化グリカン、ケラタン硫酸(KS)及び/またはβグルカンである。諸実施形態では、CD69リガンドは、ガレクチン1(Gal-1)またはS100A8/S100A9複合体である。諸実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、mRNAであるか、またはそれを含む。諸実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、本明細書に開示された実施形態のいずれかに従って修飾されたmRNAであるか、またはそれを含む。
【0316】
本発明の一態様は、自己免疫疾患を治療する方法であり、治療を必要とする対象に、薬学的に許容される賦形剤または担体を含む有効量の医薬組成物、及び本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)の治療有効量を投与することを含む。
【0317】
一態様では、本開示は、炎症によって引き起こされる病気を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、本明細書に開示される実施形態のいずれかの単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNA、または本明細書に開示される実施形態のいずれかのベクター、または本明細書に開示される実施形態のいずれかの宿主細胞を対象に投与することを含む。諸実施形態では、病気は、乾癬、乾癬性関節炎(PsA)、尋常性乾癬、関節リウマチ(RA)、若年性関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、及びクローン病から選択される。
【0318】
一態様では、本開示は、外皮系の炎症を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、本明細書に開示される実施形態のいずれかの単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNA、または本明細書に開示される実施形態のいずれかのベクター、または本明細書に開示される実施形態のいずれかの宿主細胞を対象に投与することを含む。
【0319】
一態様では、本開示は、外皮系の炎症を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0320】
一態様では、本開示は、外皮系の炎症を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの核酸、例えば、mmRNAを対象に投与することを含む。
【0321】
一態様では、本開示は、外皮系の炎症を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードするmmRNAを対象に投与することを含む。
【0322】
諸実施形態では、治療により、治療前のT細胞、好中球、樹状細胞、マクロファージ及び/またはNK細胞の浸潤レベルと比較して、炎症組織におけるT細胞、好中球、樹状細胞、マクロファージ及び/またはNK細胞の浸潤レベルが減少する。諸実施形態では、治療により、治療前のTNFα、IL-17及び/またはIL-23のレベルと比較して、炎症組織におけるTNFα、IL-17及び/またはIL-23のレベルが減少する。諸実施形態では、治療により、治療前の皮膚の赤み、肥厚及び剥離の軽減と比較して、皮膚の赤み、肥厚及び剥離が軽減される。
【0323】
一態様では、本開示は、炎症の治療または予防に使用するための、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を提供する。
【0324】
一態様では、本開示は、炎症の治療または予防に使用するための、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、本明細書に開示される実施形態のいずれかの単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNA、または本明細書に開示される実施形態のいずれかのベクター、本明細書に開示される実施形態のいずれかの宿主細胞を提供する。
【0325】
一態様では、本開示は、尋常性乾癬を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0326】
一態様では、本開示は、尋常性乾癬を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0327】
一態様では、本開示は、尋常性乾癬を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0328】
一態様では、本開示は、尋常性乾癬を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0329】
一態様では、本開示は、乾癬性関節炎を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0330】
一態様では、本開示は、乾癬性関節炎を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0331】
一態様では、本開示は、関節リウマチを治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0332】
一態様では、本開示は、関節リウマチを治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0333】
一態様では、本開示は、若年性特発性関節炎を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0334】
一態様では、本開示は、若年性特発性関節炎を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0335】
一態様では、本開示は、強直性脊椎炎を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0336】
一態様では、本開示は、強直性脊椎炎を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0337】
一態様では、本開示は、若年性関節炎を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0338】
一態様では、本開示は、炎症性腸疾患(IBD)を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0339】
一態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎(UC)を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0340】
一態様では、本開示は、炎症性クローン病を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、及び/または本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド(限定されないが、例えば、mmRNA)を対象に投与することを含む。
【0341】
一態様では、本開示は、炎症によって引き起こされる病気を治療または予防する方法を提供し、前記方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかのキメラタンパク質、本明細書に開示される実施形態のいずれかの単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示される実施形態のいずれかのmmRNA、または本明細書に開示される実施形態のいずれかのベクター、または本明細書に開示される実施形態のいずれかの宿主細胞を対象に投与することを含む。諸実施形態では、病気は、乾癬、乾癬性関節炎(PsA)、尋常性乾癬、関節リウマチ(RA)、若年性関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病から選択される。
【0342】
諸実施形態では、本方法は、対象に抗炎症薬を投与することを更に含む。諸実施形態では、抗炎症薬は、非ステロイド性抗炎症薬またはコルチコステロイドである。
【0343】
諸実施形態では、医薬組成物及び抗炎症薬は、同時に提供される。諸実施形態では、医薬組成物及び抗炎症薬は、2つの異なる医薬組成物として提供される。諸実施形態では、医薬組成物及び抗炎症薬は、単一の医薬組成物として提供される。実施形態では、抗炎症薬が提供された後に医薬組成物が提供される。諸実施形態では、医薬組成物は、抗炎症薬が提供される前に、提供される。
【0344】
諸実施形態では、抗炎症薬は、アセチルサリチル酸(アスピリン)、ベンジル-2,5-ジアセトキシ安息香酸、セレコキシブ、ジクロフェナク、エトドラク、エトフェナメート、フルインダク、サリチル酸グリコール、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、サリチル酸メチル、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸、サリチルミド、及びvimovo(登録商標)(ナプロキセンとエソメプラゾールマグネシウムの組み合わせ)から選択される、非ステロイド性抗炎症薬である。諸実施形態では、抗炎症薬は、αメチルデキサメタゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン及びそのエステルの残り、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、βメチルベタメタゾン、ベタメタゾン、クロロプレドニゾン、クレシノロン、吉草酸クロベタゾール、クロコルテロン、コルチゾン、コルトドキソン、デソニド、デオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、二酢酸ジフルオロゾン、ジフルプレドナート、フルアドレノロン、フルセトニド、フルクロロロンアセトニド、フルクロロニド、フルコルチンブチルエステル、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメタロン、フルオシノロンアセトニド、フルペロロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルプレドニゾロン、フルラドレノロンアセトニド、フルランドレノロン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、ヒドロキシルトリアムシノロン、メドリソン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、及びトリアムシノロンアセトニドから選択されるコルチコステロイドである。
【0345】
諸実施形態では、本方法は、対象に免疫抑制剤を投与することを更に含む。諸実施形態では、医薬組成物及び免疫抑制剤は、同時に提供される。諸実施形態では、医薬組成物及び免疫抑制剤は、2つの異なる医薬組成物として提供される。諸実施形態では、医薬組成物及び免疫抑制剤は、単一の医薬組成物として提供される。諸実施形態では、医薬組成物は、免疫抑制剤が提供された後に提供される。諸実施形態では、医薬組成物は、免疫抑制剤が提供される前に提供される。
【0346】
諸実施形態では、免疫抑制剤は、抗体(例えば、バシリキシマブ、ダクリズマブ、及びムロモナブ)、抗イムノフィリン(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、及びシロリムス)、代謝拮抗剤(例えば、アザチオプリン、及びメトトレキサート)、細胞分裂阻害薬(例えば、アルキル化剤)、細胞傷害性抗生物質、インターフェロン、マイコフェノラート、オピオイド、低分子生物剤(例えば、フィンゴリモド、及びミリオシン)、及びTNF結合タンパク質から選択される。
【0347】
諸実施形態では、本方法は、抗炎症薬及び免疫抑制剤を対象に投与することを更に含む。諸実施形態では、医薬組成物、ならびに抗炎症薬及び免疫抑制剤は、同時に提供される。諸実施形態では、医薬組成物、ならびに抗炎症薬及び免疫抑制剤は、2つの異なる医薬組成物として提供される。諸実施形態では、医薬組成物、ならびに抗炎症薬及び免疫抑制剤は、単一の医薬組成物として提供される。諸実施形態では、医薬組成物は、抗炎症薬及び免疫抑制剤が提供された後に提供される。諸実施形態では、医薬組成物は、抗炎症薬及び免疫抑制剤が提供される前に提供される。
【0348】
諸実施形態では、本方法は、IL-12/IL-23阻害剤及び/またはIL-17阻害剤を含む、第2の医薬組成物を対象に投与することを更に含む。諸実施形態では、医薬組成物及び免疫抑制剤は、同時に提供される。諸実施形態では、医薬組成物及び免疫抑制剤は、2つの異なる医薬組成物として提供される。諸実施形態では、医薬組成物及び免疫抑制剤は、単一の医薬組成物として提供される。諸実施形態では、医薬組成物は、免疫抑制剤が提供された後に提供される。諸実施形態では、医薬組成物は、免疫抑制剤が提供される前に提供される。諸実施形態では、IL-17阻害剤は、セクキヌマブ、イキセキズマブ、ビメキズマブ、及びブロダルマブから選択される。諸実施形態では、IL12/IL-23阻害剤は、ウセキヌマブ、リサンキズマブ、グセルクマブ、及びチルドラキズマブから選択される。
【実施例】
【0349】
本明細書の実施例は、本技術の利点及び利益を説明するため、ならびに本開示のキメラタンパク質及びそれをコードする核酸の調製または使用に関して当業者を更に支援するために示される。本明細書の実施例は、本技術の好ましい態様をより完全に説明するためにも提示される。実施例は、添付の特許請求の範囲によって例示される本開示の範囲を限定するものとしては決して解釈されるべきではない。これらの実施例は、上述した本技術の変形例、態様、または実施形態のいずれかを含んでも、または組み込んでもよい。上述の変形例、態様または実施形態は、それぞれ、本技術のいずれかまたはすべての他の変形例、態様または実施形態の変形例を更に含んでもよいし、または組み込んでもよい。
【0350】
実施例1.例示的なヒトTNFR2及びClec7a系キメラタンパク質の構築ならびに特性評価
ヒトTNFR2及びヒトClec7a系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。「ヒトTNFR2-Fc-Clec7a」コンストラクトには、IgG4由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してヒトClec7aの細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインヒトTNFR2が含まれていた。
【0351】
このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0352】
TNFR2-Fc-Clec7aコンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質を、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製し、ウエスタンブロット分析を行った。簡単に説明すると、精製されたヒトTNFR2-Fc-Clec7aタンパク質を変性させ、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を3回繰り返して使用して分離した。タンパク質を膜上に転写し、抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトClec7a抗体を使用してプローブし、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質の各ドメインの存在を確認した。ブロットを分子量ラダーと比較した(
図2A)。
図2Bに示すように、ウエスタンブロットでは、多量体であることと一致するTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質のバンドが示された。抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトClec7a抗体のそれぞれによるバンドの検出は、キメラタンパク質に3つの部分すべてが存在することを示した。
【0353】
実施例2.例示的なヒトTNFR2及びデクチン2系キメラタンパク質の構築ならびに特性評価
ヒトTNFR2及びヒトデクチン2系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。「ヒトTNFR2-Fc-デクチン2」コンストラクトには、IgG4由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してヒトデクチン2の細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインヒトTNFR2が含まれていた。
【0354】
このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0355】
TNFR2-Fc-デクチン2コンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質を、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製し、ウエスタンブロット分析を行った。簡単に説明すると、精製されたヒトTNFR2-Fc-デクチン2タンパク質を変性させ、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を3回繰り返して使用して分離した。タンパク質を膜上に転写し、抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトデクチン2抗体を使用してプローブし、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の各ドメインの存在を確認した。ブロットを分子量ラダーと比較した(
図2A)。
図2Cに示すように、ウエスタンブロットでは、多量体であることと一致するTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質のバンドが示された。抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトデクチン2抗体のそれぞれによるバンドの検出は、キメラタンパク質に3つの部分すべてが存在することを示した。
【0356】
実施例3.例示的なヒトTNFR2及びDC-SIGN系キメラタンパク質の構築ならびに特性評価
ヒトTNFR2及びヒトDC-SIGN系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。「ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGN」コンストラクトには、IgG4由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してヒトDC-SIGNの細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインヒトTNFR2が含まれていた。
【0357】
このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0358】
TNFR2-Fc-DC-SIGNコンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質を、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製し、ウエスタンブロット分析を行った。簡単に説明すると、精製されたヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNタンパク質を変性させ、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を3回繰り返して使用して分離した。タンパク質を膜上に転写し、抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトDC-SIGN抗体を使用してプローブし、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質の各ドメインの存在を確認した。ブロットを分子量ラダーと比較した(
図2A)。
図2Dに示すように、ウエスタンブロットでは、多量体であることと一致するTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質のバンドが示された。抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトDC-SIGN抗体のそれぞれによるバンドの検出は、キメラタンパク質に3つの部分すべてが存在することを示した。
【0359】
実施例4.例示的なヒトTNFR2及びランゲリン系キメラタンパク質の構築ならびに特性評価
ヒトTNFR2及びヒトランゲリン系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。「ヒトTNFR2-Fc-ランゲリン」コンストラクトには、IgG4由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してヒトランゲリンの細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインヒトTNFR2が含まれていた。
【0360】
このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0361】
TNFR2-Fc-ランゲリンコンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質を、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製し、ウエスタンブロット分析を行った。簡単に説明すると、精製されたヒトTNFR2-Fc-ランゲリンタンパク質を変性させ、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を3回繰り返して使用して分離した。タンパク質を膜上に転写し、抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトランゲリン抗体を使用してプローブし、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の各ドメインの存在を確認した。ブロットを分子量ラダーと比較した(
図2A)。
図2Eに示すように、ウエスタンブロットでは、多量体であることと一致するTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のバンドが示された。抗ヒトTNFR2抗体、抗ヒトFc抗体、または抗ヒトランゲリン抗体のそれぞれによるバンドの検出は、キメラタンパク質に3つの部分すべてが存在することを示した。
【0362】
実施例5.本明細書に開示されるTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質は、それぞれのリガンドに結合する
上で開示したキメラタンパク質と抗ヒトTNFR2抗体との結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗ヒトTNFR2抗体をプレートにコーティングした。ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質、組換えヒトTNFR2-Fcタンパク質、またはTNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗ヒトTNFR2抗体で捕捉した。プレートに結合した抗ヒトTNFR2抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗ヒトFc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図3Aに示すように、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質、ならびに組換えヒトTNFR2-Fcタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的に抗ヒトTNFR2抗体に結合した。対照的に、TNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質は、結合の証拠を示さなかった。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質がTNFR2リガンド及びFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0363】
上で開示したキメラタンパク質とTNFαとの結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、TNFαをプレートにコーティングした。ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質、組換えヒトTNFR2-Fcタンパク質、またはTNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したTNFαで捕捉した。プレートに結合したTNFαによって捕捉されたタンパク質は、抗ヒトFc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図3Bに示すように、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質、ならびに組換えヒトTNFR2-Fcタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的にTNFαに結合した。対照的に、TNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質は、結合の証拠を示さなかった。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質がTNFR2リガンドTNFα及びFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0364】
ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質と抗ヒトClec7a抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗ヒトClec7a抗体をプレートにコーティングした。ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗ヒトClec7a抗体で捕捉した。プレートに結合した抗ヒトClec7a抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗ヒトFc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図3Cに示すように、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的に抗ヒトClec7a抗体に結合した。これらの結果は、とりわけ、ヒトTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質がClec7aリガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0365】
ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質と抗ヒトDC-SIGN抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗ヒトDC-SIGN抗体をプレートにコーティングした。ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質、組換えヒトTNFR2-Fc融合タンパク質、及びヒトDC-SIGNタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗ヒトDC-SIGN抗体で捕捉した。ヒトDC-SIGN-Fcタンパク質及びヒトTNFR2-Fcタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。プレートに結合した抗ヒトDC-SIGN抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗ヒトFc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図3Dに示すように、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的に抗ヒトDC-SIGN抗体に結合した。予想どおり、組換えDC-SIGN-Fcも用量依存的かつ飽和的に抗ヒトDC-SIGN抗体に結合したが、ヒトTNFR2-Fcタンパク質は抗ヒトDC-SIGN抗体に結合しなかった。これらの結果は、とりわけ、ヒトTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質がDC-SIGNリガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0366】
ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質と抗ヒトDC-SIGN抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗ヒトDC-SIGN抗体をプレートにコーティングした。ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質及びDC-SIGNを欠く無関係なキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗ヒトDC-SIGN抗体で捕捉した。無関係なキメラタンパク質を陰性対照として使用した。プレートに結合した抗ヒトDC-SIGN抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗ヒトFc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図3Eに示すように、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的に抗ヒトデクチン2抗体に結合した。予想どおり、デクチン2を欠く無関係なキメラタンパク質は抗ヒトデクチン2抗体に結合しなかった。これらの結果は、とりわけ、ヒトTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質がデクチン2リガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0367】
ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質と抗ヒトランゲリン抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗ヒトランゲリン抗体をプレートにコーティングした。ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質、組換えヒトランゲリン-Fc融合タンパク質、及びランゲリンを欠く無関係なキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗ヒトランゲリン抗体で捕捉した。ヒトランゲリン-Fcタンパク質及びヒトに無関係なキメラタンパク質を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として使用した。プレートに結合した抗ヒトランゲリン抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗ヒトFc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図3Fに示すように、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的に抗ヒトランゲリン抗体に結合した。予想どおり、組換えランゲリン-Fcも用量依存的かつ飽和的に抗ヒトランゲリン抗体に結合したが、無関係なキメラタンパク質は抗ヒトランゲリン抗体に結合しなかった。これらの結果は、とりわけ、ヒトTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質がランゲリンリガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0368】
ラミナリンは、β-(1-6)結合を有するβ-(1-3)グルカンからなる水溶性多糖類であり、Laminaria japonica、Ecklonia kurome、またはEisenia bicyclisなどの褐藻類の乾燥葉状体から抽出され、単離される。多くのC型レクチンは、ラミナリンに結合する。上で開示したキメラタンパク質とラミナリンとの結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、ラミナリンをプレートにコーティングした。ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したラミナリンで捕捉した。プレートに結合したラミナリンによって捕捉されたタンパク質は、抗ヒトFc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図3Gに示すように、ヒトTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質、ならびに組換えヒトTNFR2-Fcタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的にラミナリンに結合したが、動態は異なっていた。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質がラミナリンに結合することを示しているが、親和性は異なっていた。
【0369】
実施例6.本明細書に開示されるTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質のマウス代替物の構築ならびに特性評価
ヒトTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質のマウス代替物であるTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質は、疾患のマウスモデルで使用するために構築された。
【0370】
TNFR2及びClec7a系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。コンストラクトには、IgG由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してClec7aの細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインTNFR2が含まれていた。このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0371】
TNFR2-Fc-Clec7aコンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。TNFR2-Fc-Clec7aコンストラクトは293細胞で一時的に発現し、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製された。TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質の天然構造を理解するために、未処理の変性試料(すなわち、還元剤または脱糖化剤による処理を行わず、SDS存在下で煮沸)を、(i)脱糖化されていない還元試料(すなわち、β-メルカプトエタノールのみで処理し、SDS存在下で煮沸)、及び(ii)還元及び脱糖化サンプル(すなわち、β-メルカプトエタノールと脱糖化剤の両方で処理し、SDS存在下で煮沸)と比較した。更に、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質の各ドメインの存在を確認するために、ゲルを3回実行し、抗TNFR2抗体(
図4A、左のブロット)、抗Fc抗体(
図4A、中央のブロット)、または抗Clec7a抗体(
図4A、右のブロット)を使用してプローブした。ウエスタンブロットでは、非還元レーン(
図4A、各ブロットのレーン1)に優勢な二量体バンドが存在し、還元剤であるβ-メルカプトエタノールの存在下では、グリコシル化された単量体バンドに還元されたことが示された(
図4A、各ブロットのレーン2)。
図4Aの各ブロットのレーン3に示されているように、キメラタンパク質は、還元剤(β-メルカプトエタノール)と脱グリコシル化剤の両方の存在下で、予測された分子量でモノマーとして移動した。
【0372】
TNFR2及びデクチン2系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。コンストラクトには、IgG由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してデクチン2の細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインTNFR2が含まれていた。このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0373】
TNFR2-Fc-デクチン2コンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。TNFR2-Fc-デクチン2コンストラクトは293細胞で一時的に発現し、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製された。TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の天然構造を理解するために、未処理の変性試料(すなわち、還元剤または脱糖化剤による処理を行わず、SDS存在下で煮沸)を、(i)脱糖化されていない還元試料(すなわち、β-メルカプトエタノールのみで処理し、SDS存在下で煮沸)、及び(ii)還元及び脱糖化サンプル(すなわち、β-メルカプトエタノールと脱糖化剤の両方で処理し、SDS存在下で煮沸)と比較した。更に、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の各ドメインの存在を確認するために、ゲルを3回実行し、抗TNFR2抗体(
図4B、左のブロット)、抗Fc抗体(
図4B、中央のブロット)、または抗デクチン2抗体(
図4B、右のブロット)を使用してプローブした。ウエスタンブロットでは、非還元レーン(
図4B、各ブロットのレーン1)に優勢な二量体バンドが存在し、還元剤であるβ-メルカプトエタノールの存在下では、グリコシル化された単量体バンドに還元されたことが示された(
図4B、各ブロットのレーン2)。
図4Bの各ブロットのレーン3に示されているように、キメラタンパク質は、還元剤(β-メルカプトエタノール)と脱グリコシル化剤の両方の存在下で、予測された分子量でモノマーとして移動した。
【0374】
TNFR2及びDC-SIGN系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。コンストラクトには、IgG由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してDC-SIGNの細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインTNFR2が含まれていた。このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0375】
TNFR2-Fc-DC-SIGNコンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。TNFR2-Fc-DC-SIGNコンストラクトは293細胞で一時的に発現し、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製された。TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質の天然構造を理解するために、未処理の変性試料(すなわち、還元剤または脱糖化剤による処理を行わず、SDS存在下で煮沸)を、(i)脱糖化されていない還元試料(すなわち、β-メルカプトエタノールのみで処理し、SDS存在下で煮沸)、及び(ii)還元及び脱糖化サンプル(すなわち、β-メルカプトエタノールと脱糖化剤の両方で処理し、SDS存在下で煮沸)と比較した。更に、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質の各ドメインの存在を確認するために、ゲルを3回実行し、抗TNFR2抗体(
図4C、左のブロット)、抗Fc抗体(
図4C、中央のブロット)、または抗DC-SIGN抗体(
図4C、右のブロット)を使用してプローブした。ウエスタンブロットでは、非還元レーン(
図4C、各ブロットのレーン1)に優勢な二量体バンドが存在し、還元剤であるβ-メルカプトエタノールの存在下では、グリコシル化された単量体バンドに還元されたことが示された(
図4C、各ブロットのレーン2)。
図4Cの各ブロットのレーン3に示されているように、キメラタンパク質は、還元剤(β-メルカプトエタノール)と脱グリコシル化剤の両方の存在下で、予測された分子量でモノマーとして移動した。
【0376】
TNFR2及びランゲリン系キメラタンパク質をコードするコンストラクトが作成された。コンストラクトには、IgG由来のヒンジ-CH2-CH3 Fcドメインを介してランゲリンの細胞外ドメインに融合された細胞外ドメインTNFR2が含まれていた。このコンストラクトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現のためにコドンが最適化され、CHO細胞にトランスフェクトされ、個々のクローンが高発現のために選択された。その後、高発現クローンを使用して、無血清培地中の撹拌バイオリアクターで小規模製造を行い、関連するキメラ融合タンパク質をタンパク質A結合樹脂カラムで精製する。
【0377】
TNFR2-Fc-ランゲリンコンストラクトは、293細胞で一時的に発現した。TNFR2-Fc-ランゲリンコンストラクトは293細胞で一時的に発現し、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製された。TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の天然構造を理解するために、未処理の変性試料(すなわち、還元剤または脱糖化剤による処理を行わず、SDS存在下で煮沸)を、(i)脱糖化されていない還元試料(すなわち、β-メルカプトエタノールのみで処理し、SDS存在下で煮沸)、及び(ii)還元及び脱糖化サンプル(すなわち、β-メルカプトエタノールと脱糖化剤の両方で処理し、SDS存在下で煮沸)と比較した。更に、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の各ドメインの存在を確認するために、ゲルを3回実行し、抗TNFR2抗体(
図4D、左のブロット)、抗Fc抗体(
図4D、中央のブロット)、または抗ランゲリン抗体(
図4D、右のブロット)を使用してプローブした。ウエスタンブロットでは、非還元レーン(
図4D、各ブロットのレーン1)に優勢な二量体バンドが存在し、還元剤であるβ-メルカプトエタノールの存在下では、グリコシル化された単量体バンドに還元されたことが示された(
図4D、各ブロットのレーン2)。
図4Dの各ブロットのレーン3に示されているように、キメラタンパク質は、還元剤(β-メルカプトエタノール)と脱グリコシル化剤の両方の存在下で、予測された分子量でモノマーとして移動した。
【0378】
実施例7.本明細書に開示されるTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質は、それぞれのリガンドに結合する
上で開示したキメラタンパク質と抗マウスTNFR2抗体との結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗TNFR2抗体をプレートにコーティングした。TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-ランゲリン、またはマウスTNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗TNFR2抗体で捕捉した。プレートに結合した抗TNFR2抗体によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Aに示すように、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的に抗TNFR2抗体に結合した。対照的に、TNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質は、結合の証拠を示さなかった。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたマウスTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質がTNFR2リガンド及びFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0379】
上で開示したキメラタンパク質と組換えTNFαとの結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、組換えTNFαをプレートにコーティングした。TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-ランゲリン、またはマウスTNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した組換えTNFαで捕捉した。プレートに結合した組換えTNFαによって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Bに示すように、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的に組換えTNFαに結合した。対照的に、TNFR2の一部を欠く無関係なキメラタンパク質は、結合の証拠を示さなかった。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたマウスTNFR2及びC型-C型レクチン受容体(CLR)系キメラタンパク質がTNFα及びFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0380】
マウスTNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質と抗マウスClec7a抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗Clec7a抗体をプレートにコーティングした。TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗Clec7a抗体で捕捉した。プレートに結合した抗Clec7a抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗Fc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図5Cに示すように、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質は抗Clec7a抗体に結合した。これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質がClec7aリガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0381】
マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質と抗マウスDC-SIGN抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗DC-SIGN抗体をプレートにコーティングした。TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗DC-SIGN抗体で捕捉した。プレートに結合した抗DC-SIGN抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗Fc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図5Dに示すように、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的に抗DC-SIGN抗体に結合した。これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質がDC-SIGNリガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0382】
マウスTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質と抗マウスデクチン2抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗デクチン2抗体をプレートにコーティングした。TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗デクチン2抗体で捕捉した。プレートに結合した抗デクチン2抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗Fc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図5Eに示すように、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的に抗デクチン2抗体に結合した。これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質がデクチン2リガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0383】
マウスTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質と抗マウスランゲリン抗体の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、抗ランゲリン抗体をプレートにコーティングした。TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合した抗ランゲリン抗体で捕捉した。プレートに結合した抗ランゲリン抗体によって捕捉されたタンパク質は、抗Fc抗体とSULFO-TAG結合二次抗体を使用して検出された。
図5Fに示すように、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的に抗ランゲリン抗体に結合した。これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質がランゲリンリガンドとFcリガンドに同時に結合することを示している。
【0384】
マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の、β-(1-6)結合を有するβ-(1-3)グルカンからなる水溶性多糖類であるラミナリンへの結合を、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、ラミナリンをプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したラミナリンで捕捉した。プレートに結合したラミナリンによって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Gに示すように、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的にラミナリンに結合したが、動態は異なっていた。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたマウス代替キメラタンパク質がラミナリンに結合することを示しているが、親和性は異なっていた。
【0385】
感染症の進行を促進または抑制可能なβ-ガラクトシド結合レクチンであるガレクチン9は、ヒト及びマウス両方の樹状細胞の細胞基質内のC型レクチン受容体と相互作用することが公知である。Cano et al.,Intracellular Galectin-9 Controls Dendritic Cell Function by Maintaining Plasma Membrane Rigidity,iScience.2019;22:240-255。マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のガレクチン9への結合を、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、ガレクチン9をプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したガレクチン9で捕捉した。プレートに結合したガレクチン9によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Hに示すように、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的にガレクチン9に結合したが、動態は異なっていた。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたマウス代替キメラタンパク質がガレクチン9に結合することを示しているが、親和性は異なっていた。
【0386】
マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のデキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)への結合を、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、DSSをプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したDSSで捕捉した。プレートに結合したDSSによって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Iに示すように、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的にDSSに結合したが、動態は異なっていた。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたマウス代替キメラタンパク質がDSSに結合することを示しているが、親和性は異なっていた。
【0387】
酵母細胞壁(ザイモサン)はC型レクチン受容体デクチン1に結合し、タンパク質チロシンキナーゼSykのリクルートメントを誘導し、その結果、サイトカインの産生を誘導する。Rogers et al.,Syk-Dependent Cytokine Induction by Dectin-1 Reveals a Novel Pattern Recognition Pathway for C Type Lectins,Immunity,2005;22 507-517。マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のザイモサンへの結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、ザイモサンをプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したザイモサンで捕捉した。プレートに結合したザイモサンによって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Jに示すように、マウスTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質のそれぞれは、用量依存的かつ飽和的にザイモサンに結合したが、動態は異なっていた。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたマウス代替キメラタンパク質がザイモサンに結合することを示しているが、親和性は異なっていた。
【0388】
マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質とインターαインヒビター重鎖4(ITIH4)との結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、ITIH4をプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したITIH4で捕捉した。プレートに結合したITIH4によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Kに示すように、マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的にITIH4に結合した。
【0389】
マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質とヒアルロン酸結合タンパク質1(HABP1)の結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に説明すると、HABP1をプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したHABP1で捕捉した。プレートに結合したHABP1によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Lに示すように、マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的にHABP1に結合した。
【0390】
マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質と癌胎児抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)との結合を、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、CAECAM1をプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したCAECAM1で捕捉した。プレートに結合したCAECAM1によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Mに示すように、マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的にCAECAM1に結合した。
【0391】
マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質とブチロフィリンサブファミリー2メンバーA1(BTN2A1)との結合は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して測定した。簡単に言うと、BTN2A1をプレートにコーティングした。マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質を漸増量でプレートに加え、プレートに結合したBTN2A1で捕捉した。プレートに結合したBTN2A1によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。
図5Nに示すように、マウスTNFR2-Fc-DC-SIGNキメラタンパク質は、用量依存的かつ飽和的にBTN2A1に結合した。
【0392】
実施例8.本明細書に開示されたキメラタンパク質をコードする修飾mRNAの合成
TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-ランゲリン、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質とそれらのマウス代替物をコードする修飾mRNAを合成した。簡単に言えば、キメラタンパク質をコードする遺伝子が設計され、ヒト細胞での発現のためにコドンが最適化された。TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-ランゲリン、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質のオープンリーディングフレームを含む遺伝子には、5’キャップ及び3’ポリAテールも含まれた。次に、mRNAの修飾が設計された。合成は、当技術分野で既知の方法のいずれかを使用して行われた。例えば、修飾mRNAは、化学合成によって、または修飾ヌクレオチドをmRNAに組み込む変異RNAポリメラーゼを使用したin vitro転写によって合成することができる。
【0393】
修飾mRNAはin vitroで細胞にトランスフェクトされ、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-ランゲリン、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の発現はウエスタンブロットを使用して評価された。ウエスタンブロットのために使用する試料は、未処理の変性試料(すなわち、還元剤または脱糖化剤による処理を行わず、SDS存在下で煮沸)であり、それを、(i)脱糖化されていない還元試料(すなわち、β-メルカプトエタノールのみで処理し、SDS存在下で煮沸)、及び(ii)還元及び脱糖化サンプル(すなわち、β-メルカプトエタノールと脱糖化剤の両方で処理し、SDS存在下で煮沸)と比較する。更に、キメラタンパク質の各ドメインの存在を確認するために、ゲルを3回実行し、抗TNFR2抗体、抗IgG+IgM(H+L)抗体、または抗Clec7a/ランゲリン/DC-SIGN/デクチン2抗体を使用してプローブする。ウエスタンブロットでは、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-ランゲリン、TNFR2-Fc-DC-SIGN、及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質の効率的な発現が示されることが期待される。
【0394】
実施例9.キメラタンパク質をコードする修飾mRNA(mmRNA)、または細胞へのmmRNAの導入後のキメラタンパク質自体の検出
TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、またはTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードする修飾mRNA(mmRNA)をPolyplus JetMessenger mRNA試薬と複合させ、脂質ナノ粒子(LNP)を形成した。mmRNAを欠くLNP(LNPのみ)も、陰性対照として使用するために調製した。mmRNAを欠くLNP(LNPのみ)も、陰性対照として使用するために調製した。LNPのみ、またはTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGNもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質をコードする100μgのmmRNAを含有するLNPを、250,000個のCHOK1細胞にトランスフェクトした。24時間後、細胞ペレットからRNAを採取し、逆転写し、qPCRを使用して増幅した。mTNFR2を増幅するプライマーとハウスキーピング対照GAPDHの間のサイクル閾値(Ct)の差を使用し、ΔΔCt法を使用してmRNAコンストラクトの相対的発現を評価した。
図6に示すように、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、またはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質をコードするmRNAは、24時間後に検出できた。対照的に、LNPのみの対照は、増幅のバックグラウンドレベルのみを示した。
【0395】
LNPのみ、またはTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2もしくはTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードする100μgのmmRNAを含有するLNPを、250,000個のL929細胞にトランスフェクトした。24時間後、培養上清を収集し、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、またはTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して検出された。簡単に説明すると、抗TNFR2抗体をプレートにコーティングした。培養上清をプレートに加え、プレートに結合した抗TNFR2抗体によって、L929細胞から分泌されたキメラタンパク質を捕捉した。プレートに結合した抗TNFR2抗体によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。MSDシグナルは、LNPのみをトランスフェクトした細胞の培養上清を使用して得られたシグナルで正規化された。
図7Aに示すように、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmmRNAをトランスフェクトした細胞の培養上清は、LNPのみをトランスフェクトした細胞と比較して、約40~約300倍のMSDシグナルを生成した。対照的に、非トランスフェクト細胞またはLNPのみをトランスフェクトした細胞の培養上清は、バックグラウンドシグナルのみを生成した(
図7A)。これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmmRNAがL929細胞で効率的に翻訳され、キメラタンパク質を生成したことを示す。
【0396】
LNPのみ、またはTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2もしくはTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードする100μgのmmRNAを含有するLNPを、250,000個のHEK293細胞にトランスフェクトした。48時間後、培養上清を収集し、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、またはTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して検出された。簡単に説明すると、抗TNFR2抗体をプレートにコーティングした。培養上清をプレートに加え、プレートに結合した抗TNFR2抗体によって、HEK293細胞から分泌されたキメラタンパク質を捕捉した。プレートに結合した抗TNFR2抗体によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。MSDシグナルは、LNPのみをトランスフェクトした細胞の培養上清を使用して得られたシグナルで正規化された。
図7Bに示すように、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmmRNAをトランスフェクトした細胞の培養上清は、LNPのみをトランスフェクトした細胞と比較して、約20~約100倍のMSDシグナルを生成した。対照的に、非トランスフェクト細胞またはLNPのみをトランスフェクトした細胞の培養上清は、バックグラウンドシグナルのみを生成した(
図7B)。これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmmRNAがHEK293細胞で効率的に翻訳され、キメラタンパク質を生成したことを示す。
【0397】
LNPのみ、またはTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2もしくはTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードする100μgのmmRNAを含有するLNPを、250,000個のCHOK1細胞にトランスフェクトした。48時間後、培養上清を収集し、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、またはTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質は、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームベースのELISAアッセイを使用して検出された。簡単に説明すると、抗TNFR2抗体をプレートにコーティングした。培養上清をプレートに加え、プレートに結合した抗TNFR2抗体によって、CHOK1細胞から分泌されたキメラタンパク質を捕捉した。プレートに結合した抗TNFR2抗体によって捕捉されたタンパク質は、SULFO-TAG結合抗マウス抗体を使用して検出された。MSDシグナルは、LNPのみをトランスフェクトした細胞の培養上清を使用して得られたシグナルで正規化された。
図7Cに示すように、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmmRNAをトランスフェクトした細胞の培養上清は、LNPのみをトランスフェクトした細胞と比較して、約100~約1500倍のMSDシグナルを生成した。対照的に、非トランスフェクト細胞またはLNPのみをトランスフェクトした細胞の培養上清は、バックグラウンドシグナルのみを生成した(
図7C)。これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmmRNAがCHOK1細胞で効率的に翻訳され、キメラタンパク質を生成したことを示す。
【0398】
まとめると、これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質をコードするmmRNAが安定しており、mmRNAを保持する細胞内でTNFR2-Fc-Clec7a、TNFR2-Fc-DC-SIGN、TNFR2-Fc-デクチン2、及びTNFR2-Fc-ランゲリンキメラタンパク質の持続的な発現を示したことを実証している。
【0399】
実施例10.本明細書に開示されたキメラタンパク質は、レポーター細胞におけるTNFαまたはザイモサン媒介NFκB誘導を阻害する。
本明細書に開示されたキメラタンパク質のTNFα誘導シグナル伝達に対する効果は、5つのNFκB及びAP-1結合部位に融合された最小プロモーターの制御下にて、分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーター遺伝子を有するHEK-Blue(登録商標)デクチン2細胞を使用して行われた。簡単に説明すると、SEAPレポーター遺伝子を有するHEK-Blue(登録商標)デクチン2細胞を、TNFαの存在下もしくは非存在下で、TNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、または陰性対照として使用された無関係なタンパク質と共にインキュベートした。インキュベート後にSEAPシグナルを測定した。
図8Aに示すように、TNFR2-Fc-Clec7aもしくはTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、または無関係なタンパク質は、バックグラウンドレベルのSEAP活性を示した(いずれの場合も約0.1の読み取り値)。無関係なタンパク質の存在下でTNFαを添加すると、SEAP活性が20倍超増加した(
図8A)。興味深いことに、TNFαと無関係なタンパク質の組み合わせと比較して、TNFR2-Fc-Clec7a及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質は、SEAP活性を約4倍及び20倍超低下させた(
図8A)。
【0400】
これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたTNFR2系キメラタンパク質がTNFαを隔離し、それによって、TNFα誘導性NFκB誘導及び下流シグナル伝達を低下させることを示している。
【0401】
本明細書に開示されたキメラタンパク質のザイモサン誘導シグナル伝達に対する効果は、5つのNFκB及びAP-1結合部位に融合された最小プロモーターの制御下にて、分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーター遺伝子を有するHEK-Blue(登録商標)デクチン1b細胞を使用して行われた。簡単に説明すると、SEAPレポーター遺伝子を有するHEK-Blue(登録商標)デクチン1b細胞を、ザイモサンの存在下もしくは非存在下で、緩衝液のみ、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質、または陰性対照として使用された無関係なタンパク質と共にインキュベートした。インキュベート後にSEAPシグナルを測定した。
図8Bに示すように、SEAPレポーター遺伝子を有するHEK-Blue(登録商標)デクチン1b細胞を、緩衝液のみ、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質、または無関係なタンパク質と共にインキュベートすると、バックグラウンドレベルのSEAP活性を示した(いずれの場合も約0.1の読み取り値)。緩衝液の存在下でザイモサンを添加した場合、SEAP活性は約2~3倍しか増加しなかった(
図8B)。興味深いことに、ザイモサン単独処理(緩衝液のみ)と比較して、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質との共処理では、SEAP活性は約2~3倍減少し(
図8B)、活性はバックグラウンドレベルに戻った。無関係なタンパク質との共インキュベーションでは、SEAP活性のそのような低下は見られなかった(
図8B)。
【0402】
これらの結果は、とりわけ、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質がザイモサンを隔離し、それによって、ザイモサン誘導性NFκB誘導及び下流シグナル伝達を低下させることを示している。まとめると、これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたTNFR2系キメラタンパク質がTNFα及びC型レクチンリガンドを隔離し、それによって、NFκB誘導及び下流シグナル伝達を低下させることを示している。
【0403】
実施例11.本明細書に開示されたキメラタンパク質をコードする修飾mRNA(mmRNA)または精製されたキメラタンパク質は、感受性細胞のTNFα誘導アポトーシスを阻害する
精製されたTNFR2-Fc-Clec7a及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質がL929線維芽細胞におけるTNFαによって誘導されるアポトーシスに及ぼす影響を、分析した。簡単に説明すると、L929線維芽細胞を、漸増量のTNFαのモル比の存在下で、精製されたTNFR2-Fc-Clec7a及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質、または無関係なタンパク質(陰性対照として使用)と共に共インキュベートした。インキュベート後、切断されたカスパーゼ3/7活性によって測定されたアポトーシスの程度を、キメラタンパク質/無関係なタンパク質とTNFαのモル比に応じてプロットした。
図9Bに示すように、無関係なタンパク質とTNFαで処理したL929線維芽細胞は、TNFαの濃度が増加するにつれて用量依存的なアポトーシスを示した。対照的に、
図9Bに示すように、TNFR2-Fc-Clec7a及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質で処理したL929線維芽細胞は、TNFα媒介アポトーシスからの保護を示した。
【0404】
これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたTNFR2系キメラタンパク質がTNFαを隔離し、それによって、TNFα媒介アポトーシスから細胞を保護することを実証している。
【0405】
TNFR2-Fc-Clec7a及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質をコードする修飾mRNA(mmRNA)がL929線維芽細胞におけるTNFαによって誘導されるアポトーシスに及ぼす影響を、分析した。簡単に説明すると、TNFR2-Fc-Clec7a及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質をコードする修飾mRNA(mmRNA)をPolyplus JetMessenger mRNA試薬と複合させ、脂質ナノ粒子(LNP)を形成した。mmRNAを欠く空のLNP(mRNAなし)または無関係なタンパク質をコードするmmRNAを有するLNP(陰性対照として使用)も、陰性対照として使用するために調製された。L929線維芽細胞は、LNPを使用してトランスフェクトされ、その後、漸増量のTNFαでインキュベートされた。インキュベートの後、切断されたカスパーゼ3/7活性によって測定されたアポトーシスの程度は、TNFαの量に応じてプロットされた。
図9Aに示すように、空のLNP(mRNAなし)をトランスフェクトしたL929線維芽細胞は、TNFαの濃度が増加するにつれて用量依存的なアポトーシスを示した。無関係なタンパク質をコードするmRNAを含有するLNPをトランスフェクトしたL929線維芽細胞(陰性対照)も、TNFαの濃度が増加するにつれて用量依存的なアポトーシスを示した(
図9A)。対照的に、
図9Aに示すように、TNFR2-Fc-Clec7a及びTNFR2-Fc-デクチン2キメラタンパク質をコードするmRNAを含有するLNPをトランスフェクトしたL929線維芽細胞は、TNFα媒介アポトーシスからの保護を示した。
【0406】
これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたTNFR2系キメラタンパク質をコードするmmRNAをトランスフェクトした細胞が、TNFαを効果的に隔離し、細胞自体をTNFα媒介アポトーシスから保護するのに十分なレベルの機能的なTNFR2系キメラタンパク質を生成することを実証している。
【0407】
実施例12.本明細書に開示されたキメラタンパク質の大腸炎マウスモデルにおけるin vivo有効性
このデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルは、本明細書に開示されたキメラタンパク質をコードするmmRNAのin vivo有効性を評価するために使用された。DSSは多糖類であり、マウスの飲料水に投与されると、体重減少、TNFα産生の増加、ならびに自然及び適応炎症反応の刺激を伴う大腸炎を引き起こす。
【0408】
簡単に説明すると、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質をコードする修飾mRNA(mmRNA)または陰性対照として使用された無関係なタンパク質を、Polyplus JetMessenger mRNA試薬と複合させ、脂質ナノ粒子(LNP)を形成した。マウスの体重を測定し、以下の治療群に分類した:(1)DSSなし、(2)DSS+LNPなし(処理なし)、(3)無関係なタンパク質をコードするmmRNAを含有するDSS+LNP、及び(4)TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質をコードするmmRNAを含有するDSS+LNP。0日目に、実験治療群の動物に、飲料水に3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を8日間適宜投与した。対照動物(群1、DSSなしの対照)には、改変されていない飲料水が投与された。1日目に、群3の動物に、無関係なタンパク質をコードする0.5mg/kgのmmRNAを含有するLNPの単回IV注入を投与し、群3の動物には、TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質をコードする0.5mg/kgのmmRNAを含有するLNPの単回IV注入を投与した。動物たちは苦痛の兆候がないか毎日監視され、体重が測定された。
図10Aは、8日目の体重の変化を示す棒グラフである。
図10Aに示すように、DSSなしの対照と比較して、それ以上の処理を受けなかったDSS処理マウスは、体重が約15%減少した(
図10Aの最初の棒ブラフと2番目の棒グラフを比較)。無関係なタンパク質をコードする0.5mg/kgのmmRNAを含有するLNPを投与されたマウスも、DSSに曝露された未処理マウスと同様に、約15%の体重減少を示した(
図10Aの2番目の棒グラフと3番目の棒グラフを比較)。TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質をコードする0.5mg/kgのmmRNAを含有するLNPを投与されたマウスは、DSSに曝露された未処理マウスと比較して、最小限の体重減少を示した(
図10Aの2番目の棒グラフと4番目の棒グラフを比較)。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたキメラタンパク質をコードするmmRNAの単回注射がDSSによって誘発された大腸炎を逆転させることを示している。
【0409】
6日目に、動物から末梢血を採取し、抗CD3、抗CD4、抗CD8及び抗CD45抗体を含む抗体パネルで染色し、フローサイトメトリーで分析した。
図10Bに示すように、DSSを受けなかったマウスと比較して、DSSを受けたがそれ以上の処理を受けなかったマウスでは、総CD4+/CD8+細胞のうちCD3+CD45+CD4+及びCD3+CD45+CD8+細胞が増加しており、炎症が増加していることを示している(
図10B)。無関係なタンパク質をコードする0.5mg/kgのmmRNAを含有するLNPを投与されたマウスでも、総CD4+/CD8+細胞のうちCD3+CD45+CD4+及びCD3+CD45+CD8+細胞が増加しており、これは、DSSに曝露された未処理マウスの場合と同様である(
図10Bの2番目の棒グラフと3番目の棒グラフを比較)。TNFR2-Fc-Clec7aキメラタンパク質をコードする0.5mg/kgのmmRNAを含有するLNPを投与されたマウスでは、総CD4+/CD8+細胞のうちCD3+CD45+CD4+及びCD3+CD45+CD8+細胞の増加が完全に逆転し(
図10Bの2番目の棒グラフと4番目の棒グラフを比較)、DSSを投与されなかったマウスと同様に、総CD4+/CD8+細胞のうちCD3+CD45+CD4+及びCD3+CD45+CD8+細胞のレベルが回復した(
図10Aの1番目の棒グラフと4番目の棒グラフを比較)。これらの結果は、とりわけ、本明細書に開示されたキメラタンパク質をコードするmmRNAの単回注射により、投与後に持続的な生物学的効果が得られ、大腸炎によって引き起こされる細胞の変化が逆転することを示している。したがって、とりわけ、本明細書に開示されるキメラタンパク質をコードするmmRNAは、炎症を抑制することが有益な治療法に使用することができる。
【0410】
参照による組み込み
本明細書で参照されるすべての特許及び刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0411】
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示に対してのみ提供される。本明細書におけるいずれの内容も、本技術が、先行開示のためにかかる刊行物に先行する資格がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0412】
本明細書で使用される場合、すべての見出しは単に構成上の理由によるものであり、いかなる様式においても本開示を限定することを意図するものではない。あらゆる個々のセクションの内容は、すべてのセクションに等しく適用可能であり得る。
【0413】
等価物
本開示は、その特定の実施形態に関連して開示したが、更なる修正が可能であり、本開示は、一般に、本開示の原理に従って、本開示の任意の変型、使用、または適応を網羅するものであり、本開示が属する技術分野において知られているか、または慣行に含まれるような本開示からの逸脱、及び前述される本質的な特徴に適用され得るもの、ならびに添付の請求項の範囲に含まれるような本開示からの逸脱を含むことを理解されたい。
【0414】
当業者であれば、単なる日常的な実験を使用して、本明細書に詳細に記載される特定の実施形態の多数の均等物を認識するか、または確認することができるであろう。かかる等価物は、以下の特許請求の範囲内に包含されることが企図される。
【配列表】
【国際調査報告】