(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】バッテリーパックとこれに含まれるセルブロック及びこれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/211 20210101AFI20241112BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20241112BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20241112BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20241112BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20241112BHJP
H01M 50/249 20210101ALN20241112BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/291
B60K1/04 Z
H01M50/35 201
H01M50/367
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526707
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2023009981
(87)【国際公開番号】W WO2024019418
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089868
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0055757
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウ-ヨン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ミョン-ウ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン-ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】イン-ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】セ-ユン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュネ・チ
【テーマコード(参考)】
3D235
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
3D235BB05
3D235BB20
3D235CC15
3D235EE63
3D235HH52
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC10
5H040AA03
5H040AA06
5H040AS01
5H040AS05
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY10
5H040CC01
5H040CC34
(57)【要約】
組立性と工程性、熱暴走に対する安全性などに優れたバッテリーパックなどを開示する。本発明の一態様によるバッテリーパックは、多数のセルユニットが積層されたセルユニット積層体と、前記セルユニット積層体を内部空間に収容するパックケースと、前記パックケースの内部空間において前記セルユニット積層体の端部に位置して前記パックケースを支持するように構成されるサイドウォール(Side wall)と、を含み、前記セルユニット積層体内に前記多数のセルユニットが少なくとも一方向に積層されており、前記セルユニットは、1つ以上のパウチ型バッテリーセルと、前記パウチ型バッテリーセルを少なくとも部分的に包み込むように構成されるセルカバーと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のセルユニットが積層されたセルユニット積層体と、
前記セルユニット積層体を内部空間に収容するパックケースと、
前記パックケースの内部空間において前記セルユニット積層体の端部に位置して前記パックケースを支持するように構成されるサイドウォールと、
を含み、
前記セルユニット積層体内に前記多数のセルユニットが少なくとも一方向に積層されており、
前記セルユニットは、1つ以上のパウチ型バッテリーセルと、前記パウチ型バッテリーセルを少なくとも部分的に包み込むように構成されるセルカバーと、を備える、バッテリーパック。
【請求項2】
前記サイドウォールは、前記セルユニットの積層方向と直交する水平方向に前記パックケースを支持する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記パックケースは、下プレートと前記下プレートから上方に直立する複数の側面プレートとを含み、前記サイドウォールは、前記パックケースの互いに異なる側面プレートの間に介在する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記サイドウォールは、両端が前記パックケースの互いに異なる側面プレートにそれぞれ結合固定される、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記パックケースは、前記側面プレートの上に結合される上プレートをさらに含み、前記サイドウォールの上端と下端は、前記上プレート及び前記下プレートにそれぞれ接触される、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記パックケースは、互いに異なる側面プレートの間にセンタービームをさらに含み、前記サイドウォールは、前記側面プレートと前記センタービームとの間を支持するように構成される、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記サイドウォールは、少なくとも一側の大きさが前記セルユニットよりも大きくなるように構成される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記サイドウォールは、前記セルユニットの積層方向の両端部にそれぞれ位置する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記セルユニットの積層方向の両端部に位置する2つのサイドウォールは、外側の表面に突出部が互いに異なる位置又は互いに対称となる位置に設けられる、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記セルユニット積層体が前記セルユニットの積層方向に沿って複数含まれ、いずれか1つのセルユニット積層体のサイドウォールと他の1つのセルユニット積層体のサイドウォールとが互いに隣り合っており、2つの前記サイドウォールにより画定される内部空間が形成される、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記内部空間が前記セルユニットの積層方向と直交する水平方向に延びてベントチャンネルを形成する、請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記2つのサイドウォールは、前記セルユニットの積層方向に沿った左右方向において、前記セルユニット積層体の右側の端部に設けられる第1のサイドウォールと、前記セルユニット積層体の左側の端部に設けられる第2のサイドウォールとを含み、
前記第1のサイドウォールは、上部又は下部に右側の向きに突出するように形成された突出部が設けられ、前記第2のサイドウォールは、下部又は上部に左側の向きに突出するように形成された突出部が設けられ、
いずれか1つのセルユニット積層体の第1のサイドウォールと他の1つのセルユニット積層体の第2のサイドウォールとが隣り合って前記内部空間を形成する、請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記第1のサイドウォールの突出部と前記第2のサイドウォールの突出部とが互いに干渉しないように、水平方向ないし垂直方向に互いに異なる位置に位置する、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記第1のサイドウォールの突出部は、前記第1のサイドウォールの本体の面方向と垂直になるように折り曲げられた前記第1のサイドウォールの本体の延在部であり、前記第2のサイドウォールの突出部は、前記第2のサイドウォールの本体の面方向と垂直になるように折り曲げられた前記第2のサイドウォールの本体の延在部である、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記第1のサイドウォールの突出部が前記第2のサイドウォールに接触もしくは結合されるか、前記第2のサイドウォールの突出部が前記第1のサイドウォールに接触もしくは結合されるか、あるいは、前記第1のサイドウォールの突出部が前記第2のサイドウォールの突出部に接触もしくは結合される、請求項14に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
前記第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールのうちのいずれか一方には、前方又は後方に外側の向きに突出するように形成された突出部がさらに設けられる、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
前記サイドウォールは、前記セルユニット積層体よりも上方に突出しており、前記サイドウォールが突出している部分に流入孔が形成されている、請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
多数のセルユニットが積層されたセルユニット積層体と、
前記セルユニット積層体の端部に位置するサイドウォールと、
を含み、
前記セルユニット積層体内に前記多数のセルユニットが少なくとも一方向に積層されており、
前記セルユニットは、1つ以上のパウチ型バッテリーセルと、前記パウチ型バッテリーセルを少なくとも部分的に包み込むように構成されるセルカバーと、を備え、
前記サイドウォールは、前記セルユニットの積層方向の両端部にそれぞれ位置する、セルブロック。
【請求項19】
前記セルユニットの積層方向の両端部に位置する2つのサイドウォールは、外側の表面に突出部が互いに異なる位置又は互いに対称となる位置に設けられる、請求項18に記載のセルブロック。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか1項に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック及びこれを含む自動車に関し、より詳細には、パウチ型バッテリーセルを含みながらも、組立性などが向上可能なバッテリーパック、このようなバッテリーパックを構成可能な単位部品、並びに、このようなバッテリーパックを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2022年7月20付け出願の韓国特許出願第10-2022-0089868号及び2023年4月27付け出願の韓国特許出願第10-2023-0055757号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近の各種のモバイル機器と電気自動車、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)などに対する技術の開発と需要の増加には目を見張るものがあり、これに伴い、エネルギー源としての二次電池への関心とニーズが急激に伸びている。従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池またはニッケル水素イオン電池が多用されていたが、最近には、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きないため充電及び放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いリチウム二次電池が多用されている。
【0004】
この種のリチウム二次電池は、主として、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、例えば、電池ケースと、を備える。
【0005】
一般に、二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池と、に分類され得る。
【0006】
最近には、電気自動車やエネルギー貯蔵システム(Energy Starge System;ESS)などの中大型装置に駆動用やエネルギー貯蔵用としてバッテリーパックが広く用いられている。従来のバッテリーパックは、パックケースの内部に1つ以上のバッテリーモジュールとバッテリーパックの充放電を制御する制御ユニット、たとえば、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)を含む。ここで、バッテリーモジュールは、モジュールケースの内部に複数のバッテリーセルを含む形態に構成される。すなわち、従来のバッテリーパックの場合、複数のバッテリーセル(二次電池)がモジュールケースの内部に収容されてそれぞれのバッテリーモジュールを構成し、このようなバッテリーモジュールが1つ以上、パックケースの内部に収容されてバッテリーパックを構成する。
【0007】
特に、パウチ型電池の場合、軽量であり、積層時にデッドスペース(dead space)が小さいといったように、色々な側面からみて長所を有しているものの、外部の衝撃に弱く、組立性にやや劣っているという問題がある。したがって、まず、複数のバッテリーセルをモジュール化させた後、パックケースの内部に収容される形態にバッテリーパックが製造されるのが普通である。
【0008】
しかしながら、従来のバッテリーパックの場合、モジュール化などによってエネルギー密度と組立性、冷却性などの側面からみて不利になる可能性がある。具体的には、複数のバッテリーセルをモジュールケースの内部に収容してモジュール化させる過程において、モジュールケース又は積層用のフレーム(frame)など色々な構成要素によってバッテリーパックの体積が余計に増えたりバッテリーセルが占める空間が狭まったりする虞がある。まず、複数のバッテリーセルをモジュール化させてバッテリーモジュールを構成した後、バッテリーモジュールをパックケースに収容する過程を経ることを余儀なくされるが故に、バッテリーパックの製造工程が複雑になるという問題がある。パックケースの内部にモジュールケースが収容され、モジュールケースの内部にバッテリーセルが収容されるが故に、モジュールケースの内部に収容されたバッテリーセルの熱をモジュールケースを経てパックケースの外部に排出する場合に冷却効率が低下し、冷却構造も複雑になる虞がある。
【0009】
したがって、最近には、セルトゥーパック(CTP:Cell To Pack)形態のバッテリーパックの開発への取り組みが行われている。しかしながら、軟質のパウチに内蔵されているパウチ型電池それ自体では、バッテリーパックそれ自体に積み込む組み立て過程が決して容易ではなく、安定的に固定し難いが故に、工程性や組立性、安定性などに劣っているという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、上記のような問題を解決するために案出されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、工程性と組立性、安定性などに優れたバッテリーパックを提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとする他の課題は、このようなバッテリーパックを構成することのできる単位部品を提供することである。
【0012】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、このようなバッテリーパックを含む自動車を提供することである。
【0013】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記に記載されている発明の説明から当業者にとって明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための本発明の一態様によるバッテリーパックは、多数のセルユニットが積層されたセルユニット積層体と、前記セルユニット積層体を内部空間に収容するパックケースと、前記パックケースの内部空間において前記セルユニット積層体の端部に位置して前記パックケースを支持するように構成されるサイドウォール(Side wall)と、を含み、前記セルユニット積層体内に前記多数のセルユニットが少なくとも一方向に積層されており、前記セルユニットは、1つ以上のパウチ型バッテリーセルと、前記パウチ型バッテリーセルを少なくとも部分的に包み込むように構成されるセルカバーと、を備える。
【0015】
ここで、前記サイドウォールは、前記セルユニットの積層方向と直交する水平方向に前記パックケースを支持し得る。
【0016】
前記パックケースは、下プレートと前記下プレートから上方に直立する複数の側面プレートとを含み、前記サイドウォールは、前記パックケースの互いに異なる側面プレートの間に介在し得る。
【0017】
このとき、前記サイドウォールは、両端が前記パックケースの互いに異なる側面プレートにそれぞれ結合固定され得る。
【0018】
前記パックケースは、前記側面プレートの上に結合される上プレートをさらに含み、前記サイドウォールの上端と下端は、前記上プレート及び前記下プレートにそれぞれ接触され得る。
【0019】
さらに、前記パックケースは、互いに異なる側面プレートの間にセンタービーム(center beam)をさらに含み、前記サイドウォールは、前記側面プレートとセンタービームとの間を支持するように構成され得る。
【0020】
前記サイドウォールは、少なくとも一側の大きさが前記セルユニットよりも大きくなるように構成され得る。
【0021】
また、前記サイドウォールは、前記セルユニットの積層方向の両端部にそれぞれ位置し得る。
【0022】
また、前記セルユニットの積層方向の両端部に位置する2つのサイドウォールは、外側の表面に突出部が互いに異なる位置又は互いに対称となる位置に設けられ得る。
【0023】
一実施形態において、前記セルユニット積層体が前記セルユニットの積層方向に沿って複数含まれ、いずれか1つのセルユニット積層体のサイドウォールと他の1つのセルユニット積層体のサイドウォールとが互いに隣り合っており、2つのサイドウォールにより画定される内部空間が形成される。
【0024】
前記内部空間が前記セルユニットの積層方向と直交する水平方向に延びてベントチャンネルを形成し得る。
【0025】
前記2つのサイドウォールは、前記セルユニットの積層方向に沿った左右方向において、前記セルユニット積層体の右側の端部に設けられる第1のサイドウォールと、前記セルユニット積層体の左側の端部に設けられる第2のサイドウォールとを含み、前記第1のサイドウォールは、上部又は下部に右側の向きに突出するように形成された突出部が設けられ、前記第2のサイドウォールは、下部又は上部に左側の向きに突出するように形成された突出部が設けられ、ここで、いずれか1つのセルユニット積層体の第1のサイドウォールと他の1つのセルユニット積層体の第2のサイドウォールとが隣り合って前記内部空間を形成する。
【0026】
前記第1のサイドウォールの突出部と前記第2のサイドウォールの突出部とが互いに干渉しないように、水平方向ないし垂直方向に互いに異なる位置に位置し得る。
【0027】
前記第1のサイドウォールの突出部は、前記第1のサイドウォールの本体の面方向と垂直になるように折り曲げられた前記第1のサイドウォールの本体の延在部であり、前記第2のサイドウォールの突出部は、前記第2のサイドウォールの本体の面方向と垂直になるように折り曲げられた前記第2のサイドウォールの本体の延在部であり得る。
【0028】
前記第1のサイドウォールの突出部が前記第2のサイドウォールに接触もしくは結合されるか、前記第2のサイドウォールの突出部が前記第1のサイドウォールに接触もしくは結合されるか、あるいは、前記第1のサイドウォールの突出部が前記第2のサイドウォールの突出部に接触もしくは結合され得る。
【0029】
前記第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールのうちのいずれか一方には、前方又は後方に外側の向きに突出するように形成された突出部がさらに設けられ得る。
【0030】
また、前記サイドウォールは、前記セルユニット積層体よりも上方に突出しており、前記サイドウォールが突出している部分に流入孔が形成されていることもある。
【0031】
前記パウチ型バッテリーセルは、電極組立体が収容された収容部及び前記収容部の周りのエッジ部を備え、前記セルカバーは、前記パウチ型バッテリーセルの収容部の両側とエッジ部の一部を包み込むように構成され得る。
【0032】
前記他の課題を解決するための本発明の他の態様によれば、このようなバッテリーパックを構成可能な単位部品としてのセルブロックが提供される。本発明によるセルブロックは、多数のセルユニットが積層されたセルユニット積層体と、前記セルユニット積層体の端部に位置するサイドウォールと、を含み、前記セルユニット積層体内に前記多数のセルユニットが少なくとも一方向に積層されており、前記セルユニットは、1つ以上のパウチ型バッテリーセルと、前記パウチ型バッテリーセルを少なくとも部分的に包み込むように構成されるセルカバーと、を備え、前記サイドウォールは、前記セルユニットの積層方向の両端部にそれぞれ位置することを特徴とする。
【0033】
ここで、前記セルユニットの積層方向の両端部に位置する2つのサイドウォールは、外側の表面に突出部が互いに異なる位置又は互いに対称となる位置に設けられ得る。
【0034】
また、前記さらに他の課題を解決するための本発明のさらに他の態様による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一態様によれば、プラスチックカートリッジなどの積層用のフレームや別途のモジュールケースなどの構成要素なしでも、複数のパウチ型バッテリーセルをパックケースの内部に安定的に収容することができる。
【0036】
さらに、本発明の一態様によれば、軟質のパウチに内蔵されているパウチ型バッテリーセルを手軽に強固な形態にして、パックケースの内部において直接的に積層されるという構成がより一層容易に実現されることが可能になる。したがって、バッテリーパックの組立性と機械的な安定性などが向上することができる。
【0037】
特に、本発明の一実施形態によれば、複数のパウチ型バッテリーセルを上下方向に立てられた状態で水平方向に並ぶように積層するという構成がより一層容易に実現されることが可能になる。
【0038】
特に、本発明の他の態様によれば、パウチ型バッテリーセルを含むセルユニットをブロック化させたセルブロックが提供され、このようなセルブロックをもってバッテリーパックを手軽に構成することができ、セルブロック内において多数のセルユニットが効率よく固定されることが可能になる。
【0039】
また、本発明の他の実施形態によれば、多数のセルユニットを含むセルブロックがパックケースの内部に互いに隣り合うように載置される過程において、自体的にクロスビームが形成されることが可能になる。したがって、パックケースの内部に別途のクロスビームが含まれないことや、その数が画期的に減少することが可能になる。また、この場合、予めパックケースの内部に設けられた別途のクロスビームにより画定された空間にセルユニットを嵌入するための工程が行われる必要がない。のみならず、上記の実施形態によれば、パックケースの内部にクロスビームを予め設けるための工程などが不要になる。したがって、このような色々な側面により、バッテリーパックの製造に対する工程性が向上することが可能になる。
【0040】
また、本発明の他の実施形態によれば、複数のセルブロックをパックケースの内部に載置するだけでも、ベントチャンネルが形成されることが可能になる。したがって、本発明の場合、火炎が生じる3要素(燃料、酸素、発火源)のうち、発火源に相当する熱の蓄積や排出を遮断ないし適宜に制御することができる。さらに、本発明の場合、ベントガスの迅速かつ円滑な排出を行うことで、熱の蓄積が遮断され、内圧の増加による爆発などが防がれることが可能になる。なお、本発明の場合、ディレクショナルベントの構成が手軽に実現されることが可能になる。
【0041】
さらに、本発明の一態様によれば、CTPコンセプトのバッテリーパックが提供され、このようなバッテリーパックにおいては、モジュールケースなどが省略されて、冷却性能とエネルギー密度などが向上することができる。
【0042】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の内容とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの概略図である。
【
図2】
図1のバッテリーパックに含まれるセルブロックの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図2の一部の構成に関する分解斜視図である。
【
図4】
図2のセルブロックに含まれる1つのセルユニットを示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すセルユニットを示す分解斜視図である。
【
図6】
図4のセルユニットの断面の構成を概略的に示す図である。
【
図7】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。
【
図8】本発明の他の実施形態によるセルブロックの右側の端部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図9】本発明の他の実施形態によるセルブロックの左側の端部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図10】2つのセルブロックが互いに隣り合うように配置されるとき、サイドウォールの結合構成を概略的に示す正面図である。
【
図11】2つのセルブロックが互いに隣り合うように配置されるとき、サイドウォールの結合構成を概略的に示す正面図である。
【
図12】隣り合うように配置された2つのセルブロックの間においてサイドウォールが結合されてベントチャンネルが形成された構成を概略的に示す斜視図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施形態によるセルブロックの右側の端部と結合されるサイドウォールを示す斜視図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態によるセルブロックの左側の端部と結合されるサイドウォールを示す斜視図である。
【
図15】本発明のさらに他の実施形態により2つのセルブロックが互いに隣り合うように配置されるとき、
図13及び
図14に示すサイドウォールの結合構成を概略的に示す正面図である。
【
図16】本発明の一実施形態による自動車の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0045】
図中、各構成要素またはその構成要素をなす特定の部分の大きさは、説明のしやすさ及び明確性のためにやや誇張して表現されたり、省略されたり、概略的に示されたりしている。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。関連する公知の機能もしくは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略する。参考までに、この明細書中において、方向を指す用語や言い回しは、添付図面に示されている構成要素を基準とするものであり、実際に構成要素の姿勢や位置に応じて変更され得る相対的な意味を有するものである。
【0046】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの概略的な図である。
図2は、
図1のバッテリーパックに含まれるセルブロックの構成を概略的に示す斜視図であり、
図3は、
図2の一部の構成に対する分解斜視図である。
【0047】
まず、
図1を参照すると、本発明の一態様によるバッテリーパック10は、多数のセルユニット100と、パックケース400と、サイドウォール500とを含み得る。
【0048】
セルユニット100は、バッテリーパック10に多数含まれ得る。そして、多数のセルユニット100は、パックケース400内において少なくとも一方向に積層され得る。例えば、
図1~
図3に示されているように、多数のセルユニット100は、互いに対面し合う形態に左右方向、たとえば、水平方向(Y軸方向)に並ぶように配置され得る。
【0049】
図2及び
図3をさらに参照すると、多数のセルユニット100が積層されて1つのセルユニット積層体300を形成する。セルユニット積層体300内に多数のセルユニット100が少なくとも一方向に積層されている。
図1において、パックケース400は、このようなセルユニット積層体300を内部空間に収容する。パックケース400は、プラスチック又は金属材質を備え得る。その他にも、パックケース400は、本発明の出願時点における公知の多種多様なバッテリーパックの外装材の材質が採用可能である。
【0050】
また、セルユニット積層体300とサイドウォール500は、セルブロック600を形成する。すなわち、本発明によるセルブロック600は、
図2及び
図3に示されているように、多数のセルユニット100とサイドウォール500を含み得る。
図1には、本発明の一実施形態によるセルブロック600の2つがパックケース400に載置される構成を概略的に示している。
【0051】
まず、パックケース400に多数のセルユニット100を装着してセルユニット積層体300を構成した後、ここにサイドウォール500を装着してセルブロック600を形成し得る。他の例を挙げると、パックケース400の外部において多数のセルユニット100同士を接着するなどの方法により積層してセルユニット積層体300を構成した後、これをパックケース400に装着し、サイドウォール500を装着することも可能である。さらに他の例を挙げると、パックケース400の外部においてセルユニット積層体300を構成した後、ここにサイドウォール500まで装着してセルブロック600を形成した後、これをパックケース400に装着することも可能である。特に、多数のセルユニット100を積層し、セルユニット100の積層方向の両端部に2つのサイドウォール500が位置するようにすれば、セルユニット100が一対のサイドウォール500によりブロック化されて固定されることにより、バッテリーパック10に装着されるパウチ型バッテリーセルの取り扱いと装着を容易に行いながらも、パウチ型バッテリーセルの装着に求められる構造体を簡素化及び軽量化させ、製造コストを節減することができる。
【0052】
セルユニット積層体300内における多数のセルユニット100の間の少なくとも一部には、断熱パッドや火炎抑制パッドなどが介在し得る。このような断熱パッドや火炎抑制パッドは、いずれか1つのセルユニット100内において生じ得る熱や火炎が他のセルユニット100側に伝播されて影響を及ぼしてしまうことを防ぐことができる。火炎抑制パッドは、塩化ビニール樹脂などの耐熱性樹脂、シリコンやセラミックなどの素材、もしくは耐熱性樹脂とセラミックもしくはガラスフィラーとの錯体、又は絶縁被覆を施した金属板などから形成され得るが、これらは単なる例示的なものに過ぎず、難燃素材であればよい。少なくともパウチ型バッテリーセルが熱暴走となる温度(例えば、150℃~200℃)までは、分解、溶解、錯化しない材料から構成されることが好ましい。
【0053】
また、バッテリーパック10に多数のセルユニット100が積層されて含まれている場合、セルユニット100の間には、接着部材が介在し得る。例えば、2つのセルユニット100が互いに対面し合うことになる部分には、接着部材が介在して、これらを接着固定することができる。このような接着構成を通じて多数のセルユニット100同士の接続構成をより一層強固にすることができる。
【0054】
図4は、
図2のセルブロックに含まれる1つのセルユニットを示す斜視図であり、
図5は、
図4に示すセルユニットを示す分解斜視図である。そして、
図6は、
図4のセルユニットの断面構成を概略的に示す図である。
【0055】
セルユニット100は、
図4~
図6に示されているように、パウチ型バッテリーセル110とセルカバー200を備え得る。本発明のこのような側面によれば、パウチ型バッテリーセル110にセルカバー200が結合されて、モジュールケースなしでもパウチ型バッテリーセル110を有効に保護することができる。
【0056】
パウチ型バッテリーセル110は、電極組立体、電解液及びパウチ外装材を含み得る。このようなパウチ型バッテリーセル110は、バッテリーパック10に複数含まれ得る。それぞれのパウチ型バッテリーセル110は、
図5に示されているように、「R」にて示された収容部及び「E1」~「E4」にて示されたエッジ部を備え得る。ここで、収容部Rは、正極板と負極板とがセパレーターが介在した状態で相互積層された形状に形成された電極組立体が収容された部分であり得る。また、このような収容部Rには、電解液が収容され得る。そして、エッジ部E1~E4は、このような収容部Rの周りを取り囲む形状に配置され得る。
【0057】
特に、エッジ部E1~E4は、パウチ型バッテリーセル110のケースであるパウチ外装材がシールされたシール部であり得る。例えば、
図5の実施形態において、エッジ部E1~E4は、4つ設けられて、収容部Rを基準として、それぞれ上部側の辺縁部、下部側の辺縁部、前方側の辺縁部及び後方側の辺縁部に位置するといえる。このとき、4つのエッジ部E1~E4は、いずれもシール部であり得る。あるいは、4つのエッジ部E1~E4のうちの一部は、シール部ではなく、折り畳まれた形状に形成され得る。例えば、
図5の実施形態において、上部側のエッジ部E1、前方側のエッジ部E3及び後方側のエッジ部E4は、いずれもシール部であるが、下部側のエッジ部E2は、パウチ外装材が折り畳まれた部分であり得る。例えば、上部側のエッジ部E1は、パウチ型バッテリーセル110のシール部において2回折り畳まれた、いわゆる両面折り(DSF:Double Side Folding)された部分であり得、下部側のエッジ部E2は、パウチ型バッテリーセル110の未シール部であり得る。
【0058】
1つのセルユニット100は、このようなパウチ型バッテリーセル110を1つ又は2つ以上備え得る。例えば、それぞれのセルユニット100には、3つのパウチ型バッテリーセル110が設けられ得る。各セルユニット100に複数のパウチ型バッテリーセル110が含まれている場合、複数のパウチ型バッテリーセル110は、収容部Rが互いに対面し合っている状態で少なくとも一方向、たとえば、左右方向に積層され得る。例えば、パウチ型バッテリーセル110の長軸に沿った方向を長手方向(X軸方向)としたとき、パウチ型バッテリーセル110は、このような長手方向に垂直な幅方向に積層され得る。
【0059】
セルカバー200は、パウチ型バッテリーセル110を少なくとも部分的に包み込むように設けられ得る。例えば、セルカバー200は、
図5及び
図6に示されているように、3つのパウチ型バッテリーセル110を少なくとも部分的に包み込むように構成され得る。
【0060】
セルユニット100は、バスバーフレーム130及び絶縁カバー140をさらに含み得る。
【0061】
バスバーフレーム130は、セルカバー200により覆われる少なくとも1つのパウチ型バッテリーセル110の電極リード120を支持し、このような電極リード120を他のパウチ型バッテリーセル110の電極リード120と電気的に接続するように構成され得る。この場合、バスバーフレーム130は、電極リード120と電気的に接続される端子を備え得る。
【0062】
絶縁カバー140は、電極リード120又はバスバーの短絡を防ぐように構成され得る。このために、絶縁カバー140は、絶縁性を有する高分子合成樹脂から構成され得る。
【0063】
さらに、パウチ型バッテリーセル110において電極リード120が両側に設けられた場合、バスバーフレーム130と絶縁カバー140もまた、電極リード120が設けられた両側に両方とも含まれ得る。例えば、
図5に示されているように、電極リード120が前方側(図中のX軸方向)と後方側(図中の-X軸方向)の両方ともに突出する場合、バスバーフレーム130と絶縁カバー140もまた、前方側と後方側の両方ともに位置し得る。
【0064】
セルカバー200の内部において、1つ以上のパウチ型バッテリーセル110は、上下方向(Z軸方向)に立てられた形状に形成され得る。それぞれのパウチ型バッテリーセル110は、
図5に示されているように、収容部Rが位置する2つの広い表面を有し、広い表面の辺縁の部分であるエッジ部E1~E4は、パウチ外装材のシール部や折り畳まれた部分が存在し、狭い表面を有し得る。したがって、パウチ型バッテリーセル110は、一般に、狭い表面を下にして上下方向に立てられた形状に積層し難い。しかしながら、本発明によるバッテリーパック10において、セルカバー200は、1つ又はそれ以上のパウチ型バッテリーセル110を包み込みながら、包み込まれたパウチ型バッテリーセル110の立てられた状態、すなわち、起立状態を支持するように構成され得る。
【0065】
また、パウチ型バッテリーセル110において、シール部としての上部側のエッジ部E1は、未シール部である下部側のエッジ部E2よりも相対的に高温のガスや火炎の排出にさらに弱くなる可能性がある。ところが、上記の実施形態によれば、シール部である上部側のエッジ部E1がセルカバー200を向かい合うように配置されてディレクショナルベントにより一層有利になる可能性がある。
【0066】
セルカバー200は、金属材質から構成され得る。特に、セルカバー200は、スチール材質から構成され得る。さらに、セルカバー200は、SUS材質から構成され得る。セルカバー200がSUS材質からなる場合、機械的な強度ないし剛性に優れているので、パウチ型バッテリーセル110の積層状態をより一層安定的に支持することができる。また、この場合、外部の衝撃、たとえば、針状体などからパウチ型バッテリーセル110の損傷や破損をより一層有効に防ぐことができる。のみならず、この場合、パウチ型バッテリーセル110の取り扱いがさらに行われ易くなる。
【0067】
また、たとえ特定のバッテリーセルにおいて火炎が生じるとしても、火炎などによりセルカバー200が溶融されることがより一層有効に防がれることが可能になる。セルカバー200がSUS材質からなる場合、高い溶融点によって、パウチ型バッテリーセル110から火炎が発生したとき、全体的な構造が安定的に保持されることが可能になる。特に、SUS材質の場合、アルミニウム材質に比べて融点が高いので、パウチ型バッテリーセル110から噴出された火炎にも溶融されず、その形態が安定的に保持されることが可能になる。したがって、パウチ型バッテリーセル110間の火炎の伝播の防止ないし遅延の効果、ベント制御の効果などが良好に確保されることが可能になり、熱的事象が生じたときにも、内部短絡や構造崩壊を防ぐことができて構造的な安全性が増大されることが可能になる。
【0068】
例えば、セルカバー200は、パックケース400の底面に直接的に載置され得る。このとき、セルカバー200の一部、たとえば、セルカバー200の下端部がパックケース400の底面に直接的に接触されて載置され得る。そして、セルカバー200は、このようにして下端部が載置された場合、載置状態が安定的に保持されるように構成され得る。このとき、セルカバー200がSUS材質から構成される場合、自立状態がより一層安定的に保持されることが可能になる。したがって、この場合、パウチ型バッテリーセル110の起立状態がより一層しっかりと支持されることが可能になる。
【0069】
セルカバー200は、概ね2mmの厚さに形成され得る。但し、セルカバー200は、部分的に厚さが異なるように形成され得る。また、セルカバー200は、絶縁のために両側に概ね0.5mmの厚さのポリイミド(PI)フィルムが貼着され得る。
【0070】
また、セルカバー200は、内側面に絶縁コーティング層(図示せず)を含み得る。絶縁コーティング層は、シリコン樹脂、ポリアミド(Polyamide)及びゴムのうちのいずれか1つの絶縁性素材をコーティング、塗布又は貼着したものであり得る。このような本実施形態によるセルカバー200の絶縁コーティング層の構成によれば、最小限のコーティング量にて絶縁コーティング効果を極大化させることができる。また、絶縁コーティング層(図示せず)がセルカバー200の内側面に適用されていることから、パウチ型バッテリーセル110とセルカバー200との絶縁性が強化されることが可能になる。
【0071】
セルカバー200は、包み込まれたパウチ型バッテリーセル110の少なくとも一側が外部に露出されるようにパウチ型バッテリーセル110を部分的に包み込む形状に形成され得る。すなわち、セルカバー200は、パウチ型バッテリーセル110を全体的に完全に包み込むことなく、一部分のみを包み込む形状に形成され得る。特に、セルカバー200は、パウチ型バッテリーセル110の少なくとも一側がパックケース400に向かって露出されるように構成され得る。このような側面からみて、セルカバー200は、セルスリーブ(cell sleeve)などの用語として称され得る。
【0072】
特に、セルカバー200は、内部に収容されたパウチ型バッテリーセル110の複数のエッジ部のうち、電極リードが設けられていないエッジ部を包み込む形状に形成され得る。例えば、
図5に示す実施形態を参照すると、パウチ型バッテリーセル110は、2つの電極リード120、すなわち、正極リードと負極リードを備え得る。このとき、2つの電極リードは、前方側のエッジ部E3と後方側のエッジ部E4にそれぞれ位置し得る。このとき、セルカバー200は、このような前方側のエッジ部E3と後方側のエッジ部E4を除いた残りの2つのエッジ部E1、E2のうちのいずれか一方を包み込む形状に形成され得る。セルカバー200は、パウチ型バッテリーセル110の上部側のエッジ部E1は包み込み、下部側のエッジ部E2は露出させることもある。
【0073】
パウチ型バッテリーセル110は、概ね六面体の形状に形成されるといえる。そして、6面のうちの2つの面に電極リード120、すなわち、負極リードと正極リードがそれぞれ形成され得る。そして、セルカバー200は、6面のパウチ型バッテリーセル110において電極リード120が形成された2面を除いた残りの4面のうちの3面の少なくとも一部を包み込むように設けられ得る。このように、セルカバー200は、電極リード120に対応する両側部にも開放部が形成されるように構成され得る。
【0074】
本発明のこのような実施形態によれば、セルカバー200の開放部に火炎などの排出方向を誘導することができる。例えば、上記の実施形態によれば、電極リード120が位置するセルカバー200の前方側及び後方側が開かれているので、このような開かれた方向に火炎などが排出されるようにすることができる。特に、上記のように、前方及び後方が開かれた形状にセルカバー200が形成されている場合、サイドディレクショナルベント(Side directional venting)が容易に実現されることが可能になる。あるいは、セルカバー200の下端や上端が開かれた形状に形成されている場合、セルカバー200の下端又は上端の開かれた側面(開放端)に向かってディレクショナルベントが行われることも可能になる。
【0075】
さらに、セルカバー200は、内部に収容されて包み込まれた1つ以上のパウチ型バッテリーセル110に対して、収容部Rの両側面と上部側のエッジ部E1を覆う形状に設けられ得る。例えば、セルカバー200は、左右方向に積層された3つのパウチ型バッテリーセル110を包み込む形状に形成されている場合、セルカバー200は、左側のパウチ型バッテリーセル110の収容部Rの左側の表面、パウチ型バッテリーセル110の上部側のエッジ部E1、及び右側のパウチ型バッテリーセル110の収容部Rの右側の表面を包み込む形状に形成され得る。この場合、前方側から眺めたセルカバー200の断面の形状は、概ね「n」字状と略同様であるといえる。したがって、この場合、セルカバー200は、「nフィン(n-fin)と称され得る。
【0076】
より具体的には、セルカバー200は、上側カバー部220と、第1の側面カバー部230と、第2の側面カバー部240とを含み得る。ここで、上側カバー部220は、内部に収容されたパウチ型バッテリーセル110の上部側のエッジ部E1の上部を包み込むように構成され得る。上側カバー部220は、平面の形状に形成され得る。この場合、上側カバー部220は、断面が水平方向の直線状に形成されて、パウチ型バッテリーセル110の上部側のエッジ部E1を外側から直線状に包み込み得る。
【0077】
第1の側面カバー部230は、上側カバー部220の一方の端から下部の向きに延びる形状に形成され得る。例えば、第1の側面カバー部230は、上側カバー部220の左側の端部から下部の向き(図中の-Z軸方向)に長尺状に延びた形状に形成され得る。さらに、第1の側面カバー部230は、平面の形状に形成され得る。このとき、第1の側面カバー部230は、上側カバー部220において曲げられた形状に形成され得る。そして、第1の側面カバー部230は、内部に収容されたパウチ型バッテリーセル110の一方側の収容部Rの外側を包み込むように構成され得る。
【0078】
第2の側面カバー部240は、第1の側面カバー部230から水平方向に離れるように位置し得る。そして、第2の側面カバー部240は、上側カバー部220の他方の端から下部の向きに延びる形状に形成され得る。例えば、第2の側面カバー部240は、上側カバー部220の右側の端部から下部の向きに長尺状に延びた形状に形成され得る。さらに、第2の側面カバー部240もまた、第1の側面カバー部230と同様に平面の形状に形成され得る。このとき、第2の側面カバー部240と第1の側面カバー部230とは、水平方向に離れ合っている状態で互いに平行になるように配置されているといえる。そして、第2の側面カバー部240は、内部に収容されたパウチ型バッテリーセル110の他側の収容部Rの外側を包み込むように構成され得る。
【0079】
本発明のこのような実施形態によれば、1つのセルカバー200をもって、1つ又はそれ以上のバッテリーセルを支持しかつ保護する構成が容易に実現されることが可能になる。特に、上記の実施形態によれば、下部側のエッジ部E2は、セルカバー200の開放端と隣り合うように位置して、セルカバー200により包み込まれずにパックケース400を向かい合い、パックケース400と直接的に対面して接触されることができる。したがって、セルカバー200により包み込まれたパウチ型バッテリーセル110の熱が下部のパックケース400側に迅速かつ円滑に排出されることが可能になる。したがって、バッテリーパック10の冷却性能がより一層有効に確保されることが可能になる。
【0080】
特に、このような構成は、パックケース400の下部において冷却が主として行われる場合により一層有効に実施されることが可能である。例えば、電気自動車に装着されるバッテリーパックの場合、車体の下部に装着されるので、パックケース400の下部において主として冷却が行われることが可能である。このとき、上記の実施形態のように、各パウチ型バッテリーセル110の下部側のエッジ部E2がパックケース400に対面して接触される場合、各パウチ型バッテリーセル110からパックケース400側へと熱が迅速に伝えられて、冷却性能がより一層向上することができる。
【0081】
また、上記の実施形態によれば、熱暴走などの状況下でパウチ型バッテリーセル110から高温のガスや火炎などが排出される場合、排出されたガスや火炎が上部側へ向かうことを有効に防ぐことができる。特に、電気自動車などといったように、バッテリーパック10の上部側に搭乗者が位置する場合、上記の実施形態によれば、ガスや火炎などが搭乗者側に向かうことを抑えたり遅らせたりすることができる。
【0082】
このように、本発明によれば、たとえパウチ型バッテリーセル110から火炎又はガスが排出されるとしても、予め設定された方向に誘導されて排出されることが可能になる。この場合、たとえいずれか1つのパウチ型バッテリーセル110において熱暴走が生じるとしても、そのパウチ型バッテリーセル110において発生した火炎又はガスは、セルカバー200を介して予め設定された方向にしか排出されない。予め設定される方向が他のセルカバー200に向かわせない方向であれば、熱暴走が生じたパウチ型バッテリーセル110と隣り合うように配置された他のパウチ型バッテリーセル110に火炎又はガスが伝播しないことが可能になる。すなわち、たとえいずれか1つのパウチ型バッテリーセル110において熱暴走が生じたとしても、他のパウチ型バッテリーセル110に対しては、その熱暴走の影響が最小限に抑えられる。
【0083】
セルカバー200は、一体に形成され得る。この場合、セルカバー200は、板状構造の金属プレートを折り曲げる方式により形成され得る。すなわち、セルカバー200は、1枚のプレートが折り曲げられた形状に形成されたものであり得る。
【0084】
セルカバー200は、1枚の板材に対して両端部を同じ方向に曲げることにより、1つ以上のパウチ型バッテリーセル110を包み込む形状に形成され得る。特に、1つのセルカバー200に上側カバー部220と、第1の側面カバー部230及び第2の側面カバー部240が設けられた場合、上側カバー部220と、第1の側面カバー部230及び第2の側面カバー部240は、1枚のプレートからなり得る。この場合、セルカバー200は、複数の構成要素が一体形に作製されているといえる。
【0085】
ここで、それぞれの構成要素は、折り曲げ部を介して区分けされ得る。特に、1枚のプレートにおいて折り曲げ部は、2つ形成され得る。そして、このような2つの折り曲げ部を基準として、上側カバー部220、第1の側面カバー部230及び第2の側面カバー部240が区分けされ得る。特に、1枚のプレートにおいて中央部分が上側カバー部220を形成し、そのような上側カバー部220を中心として両側が下部向きに曲げられるか、または、折り畳まれることにより、第1の側面カバー部230及び第2の側面カバー部240が形成され得る。このように、セルカバー200を形成するために1枚のプレートに折り曲げ部を形成する構成は、プレス(press)又はロールフォーミング(roll forming)などの様々な方式により実現され得る。
【0086】
本発明のこのような実施形態によれば、セルカバー200の製造がより一層簡単になる。また、簡素化された構造のセルカバー200は、パウチ外装材などのパウチ型バッテリーセル110のケースよりもさらに高い剛性をもった金属材質から構成されて、セルカバー200により覆われる少なくとも1つのパウチ型バッテリーセル110を外部の衝撃や振動から保護することができる。のみならず、この場合、セルカバー200を介した熱伝導性能がより一層向上して、冷却性能がさらに改善されることが可能になる。
【0087】
第1の側面カバー部230とパウチ型バッテリーセル110、及び第2の側面カバー部240とパウチ型バッテリーセル110とは、接着されていることもある。第1の側面カバー部230とパウチ型バッテリーセル110、及び第2の側面カバー部240とパウチ型バッテリーセル110とが直接的に接着されてもよいが、絶縁部材をさらに含む状態で間接的に接着されてもよい。
【0088】
セルカバー200には、意図の通りのベント方向に沿って様々な位置に設けられるベント孔(venting hole)が設けられ得る。このようなベント孔は、セルカバー200の所定の部分に切り欠き部を形成する方式により設けられ得る。セルカバー200は、
図4及び
図5に示されているように、上側カバー部220に形成されたベント孔210を備え得る。このようなベント孔210は、セルカバー200の内部空間から外部側へとガスが排出可能なように、内外部空間の間を貫通する形状に形成され得る。
【0089】
このように、1つ以上のパウチ型バッテリーセル110とパウチ型バッテリーセル110を少なくとも部分的に包み込むように構成されるセルカバー200は、1つのセルユニット100を構成し得る。特に、セルカバー200の幅を調整するなどして、セルカバー200の内部に収容されるパウチ型バッテリーセル110の数などを調整できるという側面から、このようなセルユニット100は、拡張可能なパウチユニット(SPU:Scalable Pouch Unit)と称され得る。したがって、この場合、1つのセルカバー200による容量や出力に対する変更が手軽に行われることが可能になる。バッテリーパック10には、多数のセルユニット100が含まれ得、セルユニット100の数を増やす方式によりスケールを容易に広げることができる。
【0090】
このようなセルユニット100は、パウチ型バッテリーセル110を含むバッテリーパック10の製造過程において、パウチ型バッテリーセル110の取り扱いと装着を行い易くし、パウチ型バッテリーセル110の損傷を防ぎながらも、パウチ型バッテリーセル110の装着に求められる構造体を簡素化及び軽量化させることができるという効果があるのみならず、容量や出力の変更に柔軟に対処できるようにする。
【0091】
セルカバー200は、このように、バッテリーセルを包み込む構造を用いて、パックケース400の内部において複数のパウチ型バッテリーセル110の積層状態を支持するように構成され得る。例えば、複数のパウチ型バッテリーセル110は、水平方向に積層され得る。このとき、セルカバー200は、このように、水平方向に積層された複数のパウチ型バッテリーセル110の積層状態が安定的に保持されるように構成され得る。
【0092】
本発明のこのような側面によれば、モジュールケースなしに、複数のパウチ型バッテリーセル110がパックケース400の内部に直接的に載置されて収容されることが可能になる。特に、パウチ型バッテリーセル110の場合、外装材がアルミニウムラミネートシートのパウチのように軟質の材料から作製されて外部の衝撃に弱く、しかも、硬度も低いといえる。したがって、モジュールケースに収容せず、パウチ型バッテリーセル110それ自体でもパックケース400の内部に収容することが決して容易ではない。しかしながら、本発明の場合、複数のパウチ型バッテリーセル110は、セルカバー200により少なくとも一部分が包み込まれた状態でセルカバー200と結合されて、パックケース400の内部に直接的に収容され、その積層状態が安定的に保持されることが可能になる。
【0093】
さらに、本発明の場合、パウチ型バッテリーセル110を用いたCTPタイプのバッテリーパックがより一層効率よく実現されることが可能になる。すなわち、本発明の場合、別途のモジュールケースの内部にパウチ型バッテリーセル110を収容し、このようなモジュールケースをパックケース400の内部に収容するわけではなく、パウチ型バッテリーセル110を直接的にパックケース400の内部に収容する形態にバッテリーパック10が設けられ得る。このとき、パウチ型バッテリーセル110の少なくとも一側が、セルカバー200の外部に露出されて、パックケース400と直接的に対面するように配置され得る。
【0094】
したがって、本発明のこのような側面によれば、バッテリーパック10にモジュールケースや積層用のフレーム、セルの積層状態を保持するためのボルトなどの締結部材などがさらに設けられる必要がない。したがって、モジュールケースや積層用のフレームなど他の構成要素が占める空間やそれによる公差の確保のための空間が除去されることが可能になる。そのため、除去された空間に見合う分だけバッテリーセルがさらに空間を占めることができるので、バッテリーパックのエネルギー密度がより一層向上することができる。特に、軟質ケースを有するパウチ型バッテリーセル110をバッテリーパック10のパックケース400に直接的に組み立てることによりバッテリーパック10の空間の活用率を極大化させ、エネルギー容量を格段に向上させることができる。
【0095】
また、本発明のこのような側面によれば、モジュールケースや積層用のフレーム、ボルトなどが設けられないことから、バッテリーパックの体積や重量が減少し、製造工程が簡素化されることが可能になる。
【0096】
本発明によれば、バッテリーパック10の組立性が向上することができる。特に、本発明の一実施形態によれば、モジュールケースにパウチ型バッテリーセル110を収容してバッテリーモジュールを設ける工程、このようにして設けられたバッテリーモジュールを1つ以上、パックケース400に収容する工程などが行われなくても済む。したがって、製造工程が簡素化され、製造時間が短縮されることが可能になる。
【0097】
また、本発明のこのような側面によれば、パウチ型バッテリーセル110の取り扱いをより一層行い易くなる。例えば、複数のパウチ型バッテリーセル110をパックケース400の内部に収容する場合、治具などによりパウチ型バッテリーセル110を把持し得る。このとき、治具は、パウチ型バッテリーセル110を直接的に把持せず、パウチ型バッテリーセル110を包み込んでいるセルカバー200を把持したり、サイドウォール500を把持したりし得る。したがって、治具によるパウチ型バッテリーセル110の損傷や破損が防がれることが可能になる。
【0098】
図1に戻ると、パックケース400は、
図1に示されているように、内部に空き空間が形成され、このような内部空間に複数のセルユニット積層体300を収容し得る。特に、パックケース400は、下プレート410と下プレート410から上方に直立する複数の側面プレート420とを含み、このようなパックケース400の下プレート410の上面に多数のセルユニット100又は複数のセルユニット積層体300が直接的に載置され得る。さらに、セルカバー200の下端が直接的にパックケース400の下プレート410に接触されて載置され得る。また、セルカバー200の内部に収容されたパウチ型バッテリーセル110の下端もまたパックケース400の下プレート410に直接的に載置され得る。このように、パックケース400の下プレート410と側面プレート420は、上端が開かれたボックス状の下ケースを構成してその内部空間に複数のセルユニット積層体300を収容し得る。
【0099】
特に、パックケース400は、内部空間にパウチ型バッテリーセル110のエッジ部E1~E4を下方に置いてパウチ型バッテリーセル110を立てられた状態で収容する。
図1~
図6の実施形態においては、パウチ型バッテリーセル110の下部側のエッジ部E2が下方に置かれる例を挙げている。
【0100】
サイドウォール500は、パックケース400の内部空間においてセルユニット積層体300の端部に位置し得る。サイドウォール500は、セルユニット100の積層方向の端部に位置し得る。特に、サイドウォール500は、セルユニット積層体300の積層方向の外郭と結合され得る。ここで、サイドウォール500は、セルユニット積層体300に対して、ボルト締め、溶接、フックなど様々な締結方式により結合され得る。さらに、サイドウォール500は、セルユニット積層体300の積層状態を固定し得る。
【0101】
また、サイドウォール500は、パックケース400を支持するように構成され得る。例えば、セルブロック600がパックケース400の内部空間に載置されるとき、サイドウォール500は、パックケース400の互いに異なる側面プレート420の間に介在し得る。例えば、
図1の実施形態に示されているように、サイドウォール500は、パックケース400の内部の構成要素であって、互いに反対の方向において対面し合っている状態で立てられている前方プレート420aと後方プレート420bとの間に介在し得る。特に、サイドウォール500は、両端が前方プレート420aと後方プレート420bにそれぞれ結合固定され得る。
【0102】
本発明のこのような実施形態によれば、セルブロック600のサイドウォール500がセルブロック600の内部の積層状態を保持することができるのみならず、セルブロック600が載置されるパックケース400を機械的に支持する役割を果たすことができる。特に、サイドウォール500は、パックケース400の互いに異なる側面プレート400(前方プレート420a、後方プレート420b)の間を支持するので、パックビームないしクロスビームの役割を果たすこともできる。したがって、外部の衝撃にも拘わらず、パックケース400の全体的な形状が保持される一方、内部に収容された構成要素が保護されるようにすることができる。この場合、従来のバッテリーパックに含まれるクロスビームなどを除去したり減縮させたりし得る。そのため、バッテリーパック10の製造に際して、組み立ての利便性と工程性などが向上する一方、製造コストや時間を節減することができる。
【0103】
軽量化のためにパックケース400をアルミニウムなどの軽い材質から作製する場合、サイドウォール500は、そのようなパックケース400の剛性をさらに補うことができる。さらに、セルブロック600のサイドウォール500は、多数のセルユニット100をブロック化もしくはグループ化させながら、多数のセルユニット100に加えられる圧力をセルユニット100の全体にわたって均等に振り分けることができるという効果もある。
【0104】
さらに、サイドウォール500は、セルユニット100の積層方向と直交する水平方向、たとえば、前後方向(X軸方向)にパックケース400を支持し得る。あるいは、サイドウォール500は、上下方向にパックケース400を支持し得る。例えば、パックケース400は、側面プレート420の上に結合される上プレート430をさらに含み、サイドウォール500の上端と下端は、上プレート430及び下プレート410にそれぞれ接触されて、パックケース400の底面と天面である下プレート410と上プレート430との間を支持するように構成され得る。
【0105】
図7は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。
図7にも、2つのセルブロック600がパックケース400に載置された構成が示されている。
【0106】
図7に示されているように、パックケース400の中央部分には、センタービーム440が形成され得る。例えば、パックケース400は、互いに異なる側面プレート420a、420bの間にセンタービーム440をさらに含み得る。このとき、セルブロック600のサイドウォール500は、センタービーム440と側面プレート420との間に介在し得る。そして、サイドウォール500は、センタービーム440と側面プレート420との間を支持するように構成され得る。セルブロック600は、図示のようにY軸方向に沿って並べられてもよいし、あるいは、X軸方向にも並べられてもよい。したがって、複数のパウチ型バッテリーセル110は、バッテリーパック10内において前後方向及び水平方向に配置されるが、前後方向及び水平方向に複数の列をなす形状に配置され得る。
【0107】
サイドウォール500は、少なくとも一側の大きさがセルユニット100よりも大きくなるように構成され得る。例えば、
図3に示されているように、サイドウォール500の前後方向の長さL1は、セルユニット100の前後方向の長さL2よりもさらに長くなるように構成され得る。あるいは、サイドウォール500の上下方向の高さH1は、セルユニット100の上下方向の高さH2よりもさらに高くなるように構成され得る。この場合、外部の衝撃や圧力などがサイドウォール500にのみ伝えられ、セルユニット100には伝えられないようにしたり、その伝熱量を減らしたりすることができる。
【0108】
サイドウォール500は、アルミニウムのように、機械的な剛性を確保可能な金属材質から構成され得る。この場合、サイドウォール500は、セルユニット100から発せられた熱を外部に放熱して、バッテリーパック10の冷却性能が向上するようにし得る。あるいは、サイドウォール500は、スチールなどの材質から構成されて機械的な強度が高くなるようにし得る。この他にも、サイドウォール500は、一定のレベル以上の機械的な強度が確保可能である限り、ポリマーなど他の材質からなることもある。なお、インサート射出(insert molding)を用いてアルミニウムと高分子合成樹脂とを組み合わせた素材から構成され得る。
【0109】
サイドウォール500は、セルユニット100の積層方向の両端部にそれぞれ位置し得る。例えば、
図2及び
図3に示すところを参照すると、多数のセルユニット100が左右方向に積層された状態で、サイドウォール500は、セルユニット積層体300の左側の端部と右側の端部にそれぞれ設けられ得る。
【0110】
ここで、セルユニット100の積層方向の両端部に位置する2つのサイドウォール500は、外側の表面に突出部が互いに異なる位置に設けられ得る。このような構成については、さらに
図8~
図12に基づいてより具体的に説明する。
【0111】
図8は、本発明の他の実施形態によるセルブロックの右側の端部の構成を概略的に示す斜視図である。
図9は、本発明の他の実施形態によるセルブロックの左側の端部の構成を概略的に示す斜視図である。また、
図10と
図11は、2つのセルブロックが互いに隣り合うように配置されるとき、サイドウォールの結合構成を概略的に示す正面図である。そして、
図12は、隣り合うように配置された2つのセルブロックの間においてサイドウォールが結合されてベントチャンネルが形成された構成を概略的に示す斜視図である。
【0112】
まず、
図8を参照すると、セルユニット100の積層方向に沿った左右方向においてセルユニット積層体300の右側の端部に設けられるサイドウォール(以下、右側のウォール又は第1のサイドウォールと称する)500aには、本体510aにP1にて示されたように、下部に外側の向き(たとえば、右側の向き)に突出するように形成された突出部が設けられ得る。そして、
図9を参照すると、セルユニット積層体300の左側の端部に設けられるサイドウォール(以下、左側のウォール又は第2のサイドウォールと称する)500bは、本体510bにP2にて示されたように、上部に外側の向き(たとえば、左側の向き)に突出するように形成された突出部が設けられ得る。また、左側のウォールである第2のサイドウォール500bは、P3にて示されたように、後方に外側の向き(たとえば、左側の向き)に突出するように形成された突出部が本体510bに設けられ得る。
【0113】
ここで、1つのセルブロック600に対して、
図8は右側の端部を示し、
図9は左側の端部を示すともいえる。したがって、複数のセルブロック600を互いに隣り合うように配置するとき、互いに異なるセルブロック600の右側のウォールである第1のサイドウォール500aと左側のウォールである第2のサイドウォール500bとが互いに対面し合うことができるが、この場合、第1のサイドウォール500aと第2のサイドウォール500bの突出部P1~P3は互いに干渉しないように、水平方向ないし垂直方向に互いに異なる位置に位置し得る。
【0114】
例えば、
図10に示されているように、第2のセルブロック600bを第1のセルブロック600a側に移動させれば、
図11に示されているように、隣り合う2つのセルブロック(第1のセルブロック600aと第2のセルブロック600b)の間においてサイドウォール500a、500bが互いに隣り合うことができる。さらには、互いに結合されることができる。すなわち、
図10及び
図11に示されているように、第1のセルブロック600aと第2のセルブロック600bとが互いに隣り合うように配置されるとき、第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aに設けられた突出部P1と第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bに設けられた突出部P2、P3とは、互いに衝突しないことができる。そして、第1のサイドウォール500aの突出部P1が第2のサイドウォール500bに接触もしくは結合され得る。第2のサイドウォール500bの突出部P2、P3が第1のサイドウォール500aに接触もしくは結合されることができる。
【0115】
本発明のこのような構成によれば、第1のセルブロック600aと第2のセルブロック600bとが互いに嵌着し合う構造を有することになり、その結果、複数のセルブロック600の配列体が占める空間が狭くなり、これらの間の結合性が向上することができる。
【0116】
特に、複数のセルブロック600が互いに隣り合ったり結合されたりするとき、互いに異なるセルブロック600に設けられて結合された2つのサイドウォール500が1つのパックビームを形成することもある。例えば、
図11に示す実施形態において、第1のセルブロック600aの第2のサイドウォール(図示せず)が左側に隣接する他のセルブロック(図示せず)の第1のサイドウォール(図示せず)と結合されて1つのパックビームを構成し得る。同様に、第2のセルブロック600bの第1のサイドウォール(図示せず)が右側に隣接する他のセルブロック(図示せず)の第2のサイドウォール(図示せず)と結合されて1つのパックビームを構成し得る。
【0117】
また、2つのサイドウォール500は、互いに隣り合う場合、内部に空き空間が形成されるように構成され得る。例えば、
図11に示す実施形態において、第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aと第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bとが結合された場合、Sにて示されたように、内部に空き空間が形成され得る。
【0118】
特に、このような空き空間は、サイドウォール500a、500bの突出部P1~P3と本体510a、510bにより限定され得、互いに隣り合う2つのサイドウォール500により画定される。例えば、
図8~
図11の実施形態を参照すると、第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aの本体510aと突出部P1が、Sにて示された内部空間の左側と下部を限定し得る。また、第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bの本体510bと突出部P2及びP3が、Sにて示された内部空間の右側と上部及び後方を限定し得る。
【0119】
さらに、このように、隣り合う互いに異なる2つのセルブロック600a、600bに設けられたサイドウォール500により限定された内部空間Sは、断熱層として機能し得る。したがって、この場合、セルブロック600a、600bの間への熱や火炎などの伝播が防止若しくは抑止されることが可能になる。
【0120】
また、2つのサイドウォール500は、互いに隣り合うように形成された内部空間Sを介してベントチャンネルが形成されるように構成され得る。すなわち、2つのサイドウォール500により形成された内部空間Sは、ベントチャンネルとして機能し得る。例えば、
図12に示すところを参照すると、第1のセルブロック600aと第2のセルブロック600bとが互いに隣り合うように配置されて、第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aと第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bとが互いに結合されれば、内部に空き空間が形成され、このような空き空間は、ベントチャンネルとして形成され得る。
【0121】
パウチ型バッテリーセル110は、軽量であり、電解液の漏液(Leakage)の可能性が低く、形状に融通性を有することができて、より一層小さい体積及び質量をもって同じ容量の二次電池を実現することができるという長所がある一方、過熱になる場合に爆発のリスクがあるため、安全性を確保することが重要な課題の1つである。パウチ型バッテリーセル110の過熱は、色々な原因によって起こるが、そのうちの1つとして、パウチ型バッテリーセル110を介して限界以上の過電流(overcharge)が流れる場合が挙げられる。過電流が流れると、パウチ型バッテリーセル110がジュール熱により発熱をするため、パウチ型バッテリーセル110の内部の温度が急激に上昇する。温度の急激な上昇は、電解液の分解反応を引き起こしてガスが生じる虞がある。これによるパウチ外装材の内部の圧力の増加によって一種の膨れ上がり現象であるスウェリング(Swelling)現象が生じて二次電池が爆発するなど深刻な問題が生じる虞がある。このような過電流のみならず、高温への曝露、外部からの衝撃などによりパウチ型バッテリーセル110の内部においてガスが生じる場合、ガスを有効に排出して二次電池の安全性を確保する必要がある。二次電池の内部において生じたガスを外部に排出することをベントと称する。本発明の実施形態によるバッテリーパック10に含まれるパウチ型バッテリーセル110からベントガスが排出される場合、前記ベントチャンネルを通してベントガスを排出して二次電池の安全性を確保することが可能になる。
【0122】
具体的には、第1のセルブロック600a又は第2のセルブロック600bにおいてベントガスなどが生じると、生じたガスは、
図12中にSにて示されたようなサイドウォール500が仕切る空間に流れ込むことができる。そして、このようなベントガスなどは、サイドウォール500により形成された内部空間Sに沿って流れていて、
図12中に矢印にて示されたように、外部に排出されることが可能である。
【0123】
このために、2つのサイドウォール500は、互いに結合された状態で特定の部分が開かれるように構成され得る。例えば、
図8~
図12に示されているように、サイドウォール500が結合された状態で、前方側が開かれるように構成され得る。
【0124】
したがって、ベントチャンネルの内部に流れ込んだ第1のセルブロック600a又は第2のセルブロック600bのベントガスなどは、
図12中に矢印にて示されたように、ベントチャンネルに沿って流れていて、開放部を通して外部に排出されることが可能である。例えば、セルカバー200の内部に収容されたパウチ型バッテリーセル110において熱暴走などによってベントガスが生じる場合、生じたベントガスは、サイドウォール500により画定される内部空間Sを通って前後方向(換言すれば、長手方向)に移動可能である。したがって、セルカバー200の内圧が増大されることを防ぎ、ベントガスの排出方向の誘導などの効率よいベントの制御を行うことが可能になる。
図8~
図12に示す構成において、サイドウォール500において突出部P3が設けられていない前方部は、ベントチャンネルの流出口として機能し得る。
【0125】
以上、本発明の一実施形態によれば、パウチ型バッテリーセル110から排出されたガスなどが外部に円滑に排出されることが可能になる。さらに、本発明の一実施形態によれば、パウチ型バッテリーセル110から排出されたガスや火炎などの排出方向を制御することができる。したがって、隣り合うバッテリーセルの間の熱暴走の伝播が有効に防がれることが可能になる。
【0126】
一方、サイドウォール500が突出部P3を含まなくなる結果、サイドウォール500により画定される内部空間Sが前方部と後方部の両方とも開かれるように構成され得る。また、本実施形態においては、突出部P3が第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bに設けられる場合を想定して説明しているが、突出部P3は、第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aに外側の向き(たとえば、右側の向き)に突出するように形成され得る。また、本実施形態においては、突出部P3がサイドウォール500の後方に外側の向きに突出するように形成されることを例に取っているが、突出部P3は、サイドウォール500の前方に設けられることもある。
【0127】
一方、隣り合うセルブロック600のサイドウォール500の間の空間がベントチャンネルとして機能する場合、サイドウォール500には、セルユニット100のベントガスをベントチャンネルに流れ込ませるための流入孔が形成され得る。
【0128】
例えば、
図8、
図10~
図12中にHにて示されたように、サイドウォール500には、流入孔が形成され得る。例えば、このような流入孔Hは、サイドウォール500の上部側に位置して、セルユニット100側から外部の向きに貫通する形状に形成され得る。好ましくは、サイドウォール500は、セルユニット積層体300よりも上方に突出しており、サイドウォール500が突出している部分に流入孔Hが形成される。したがって、セルユニット100において生じたベントガスは、流入孔Hを貫通してベントチャンネルに流れ込むことが可能になる。
【0129】
一方、
図8、
図10~
図12においては、セルブロック600の第1のサイドウォール500aにのみ流入孔Hが示されているが、第2のサイドウォール500bにも流入孔が形成され得るということはいうまでもない。したがって、第1のセルブロック600aと第2のセルブロック600bとが互いに隣り合うように配置されて第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aと第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bとが互いに結合されれば、第1のセルブロック600aの流入孔と第2のセルブロック600bの流入孔とが向かい合うように位置することができ、このとき、水平ないし垂直方向に互いに異なる位置に位置することができる。この場合、第1のセルブロック600aの流入孔を通ってベントチャンネルの内部に流れ込んだベントガスなどが、再び第2のセルブロック600bの流入孔を通って第2のセルブロック600bのセルユニット100側に流れ込むことを防ぐことができる。
【0130】
また、本発明によるバッテリーパック10は、
図1に示されているように、パックケース400の内部空間に収容された制御モジュール700をさらに含み得る。このような制御モジュール700は、バッテリー管理システム(BMS)を含み得る。制御モジュール700は、パックケース400の内部空間に装着され、パウチ型バッテリーセル110の充放電動作やデータの送受信動作などを全般的に制御するように構成され得る。制御モジュール700は、モジュール単位ではなく、パック単位で配設され得る。より具体的には、制御モジュール700は、パック電圧及びパック電流を用いてパウチ型バッテリーセル110の充放電状態、電力状態及び性能状態などを制御するように設けられ得る。制御モジュール700は、バッテリーパック10内のパウチ型バッテリーセル110の状態を推定し、推定した状態情報を用いてバッテリーパック10を管理する。例えば、バッテリーパック10の充電状態(SOC:State Of Charge)、健康状態(SOH:State Of Health)、最大の入出力電力の許容量、出力電圧などバッテリーパック10の状態情報を推定しかつ管理する。そして、このような状態情報を用いてバッテリーパック10の充電又は放電を制御し、さらにバッテリーパック10の取り替え時期をも推定可能である。
【0131】
本発明によるバッテリーパック10は、バッテリー遮断ユニット(BDU:Battery Disconnect Unit)(図示せず)をさらに含み得る。バッテリー遮断ユニットは、バッテリーパック10の電力容量と機能を管理するためにバッテリーセルの電気的な接続を制御するように構成され得る。このために、バッテリー遮断ユニットは、パワーリレーと電流センサー、ヒューズなどを含み得る。バッテリー遮断ユニットもまた、モジュール単位ではなく、パック単位で配設される構成要素であって、本発明の出願時点における公知の様々な遮断ユニットが採用可能である。
【0132】
この他にも、本発明によるバッテリーパック10は、本発明の出願時点における公知の様々なバッテリーパックの構成要素をさらに含み得る。例えば、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10の場合、オペレーターが手作業でサービスプラグを抜き取って電源を遮断可能なマニュアルサービスディスコネクター(MSD:Manual Service Disconnector)をさらに含み得る。また、少なくとも1つのセルユニットブロック同士を互いに接続するためのフレキシブルバスバーやケーブルをさらに含むこともある。
【0133】
セルユニット100の積層方向の両端部に位置する2つのサイドウォール500は、外側の表面に突出部が互いに対称となる位置に設けられ得る。このような構成については、さらに
図13~
図15に基づいて説明する。
【0134】
図13は、本発明のさらに他の実施形態によるセルブロックの右側の端部と結合されるサイドウォールを示す斜視図である。
図14は、本発明のさらに他の実施形態によるセルブロックの左側の端部と結合されるサイドウォールを示す斜視図である。また、
図15は、本発明のさらに他の実施形態により2つのセルブロックが互いに隣り合うように配置されるとき、
図13及び
図14に示すサイドウォールの結合構成を概略的に示す正面図である。
【0135】
まず、
図13を参照すると、セルユニット100の積層方向に沿った左右方向においてセルユニット積層体300の右側の端部に設けられる第1のサイドウォール500aは、本体510aにP1’にて示されたように、上部と下部に外側の向き(たとえば、右側の向き)に突出するように形成された突出部が設けられ得る。そして、
図14を参照すると、セルユニット積層体300の左側の端部に設けられる第2のサイドウォール500bは、本体510bにP2’にて示されたように、上部と下部に外側の向き(たとえば、左側の向き)に突出するように形成された突出部が設けられ得る。
【0136】
複数のセルブロック600を互いに隣り合うように配置するとき、互いに異なるセルブロック600の第1のサイドウォール500aと第2のサイドウォール500bとが互いに対面し得るが、この場合、第1のサイドウォール500aと第2のサイドウォール500bの突出部P1’及びP2’は、互いに対称となる位置にあり得る。
【0137】
これにより、
図15に示されているように、第1のセルブロック600aと第2のセルブロック600bとを隣り合うように位置させると、第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aと第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bとが互いに接触されることができる。さらには、互いに結合されることができる。第1のセルブロック600aの第1のサイドウォール500aに設けられた突出部P1’と第2のセルブロック600bの第2のサイドウォール500bに設けられた突出部P2’とは、互いに接触されて結合されることができる。
【0138】
この場合、第1のサイドウォール500aと第2のサイドウォール500bの形状は完全に一致し得る。したがって、同じ形状のサイドウォール500を一括して設けておき、セルユニット積層体300の両端部と結合されてセルブロック600を製造することができるので、形状が互いに異なるサイドウォール同士を結合方向まで考慮して結合する必要がなく、その結果、組み立て過程が円滑に行われる。そして、本実施形態においては、サイドウォール500が結合された状態で、前方及び後方側が両方とも開かれるように構成され得る。
【0139】
一方、第1のサイドウォール500aの突出部P1’は、第1のサイドウォール500aの本体510aの面方向と垂直となるように折り曲げられた第1のサイドウォール500aの本体510aの延在部であり、第2のサイドウォール500bの突出部P1’は、第2のサイドウォール500bの本体510bの面方向と垂直となるように折り曲げられた第2のサイドウォール500bの本体510bの延在部であり得る。
【0140】
この場合、サイドウォール500は、板状構造の金属プレートを折り曲げる方式により構成され得る。すなわち、セルカバー200と同様に、1枚のプレートが折り曲げられた形状に形成されたものであり得る。サイドウォール500は、1枚の板材に対して両端部を同じ方向に曲げることにより、突出部P1’を含むように構成され得る。本発明のこのような実施形態によれば、サイドウォール500の製造がより一層簡単になる。
【0141】
本発明の一実施形態によるバッテリーパック10は、様々なデバイスに適用可能である。このようなデバイスの代表例としては、電動バイク、電気自動車、ハイブリッド自動車などが挙げられるが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。バッテリーパック10は、電気自動車用のバッテリーパックとして好適に活用可能である。なお、エネルギー貯蔵システム(ESS)のエネルギー源として使用可能である。
【0142】
図16は、本発明の一実施形態による自動車の構成を概略的に示す図である。
【0143】
図16を参照すると、本発明の一実施形態による自動車Vは、前述した本発明の一実施形態によるバッテリーパック10を含み得る。ここで、自動車Vは、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などといったように、電気を駆動源として使用する所定の自動車を含み得る。また、自動車Vは、本発明によるバッテリーパック10の他に、自動車に含まれる他の様々な構成要素、たとえば、車体やモーターなどをさらに含み得る。
【0144】
バッテリーパック10は、自動車V内の所定の位置に配設され得る。バッテリーパック10は、電気自動車のモーターに駆動力を提供して自動車Vを駆動する電気エネルギー源として使用可能である。この場合、バッテリーパック10は、100V以上の高い公称電圧を有する。
【0145】
バッテリーパック10は、モーター及び/又は内燃機関の駆動に応じて、インバーターにより充電されたり放電されたりし得る。バッテリーパック10は、ブレーキ(brake)と結合された回生充電装置により充電され得る。バッテリーパック10は、インバーターを介して自動車Vのモーターに電気的に接続され得る。
【0146】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0147】
10:バッテリーパック
100:セルユニット
110:パウチ型バッテリーセル
200:セルカバー
300:セルユニット積層体
400:パックケース
500:サイドウォール
600:セルブロック
【国際調査報告】